JP2024518886A - 超音波ナノ幾何学的形状制御プロセスおよび方法 - Google Patents

超音波ナノ幾何学的形状制御プロセスおよび方法 Download PDF

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Abstract

本明細書では、ディスプレイ用のアイピース、例えばヘッドウェアラブルデバイスに使用されることができる基材上にナノ構造を製造するためのシステムおよび方法が開示される。そのような基材を製造および/またはエッチングすることは、基材を浴に浸漬することと、第1の期間にわたって超音波処理を浴に適用することと、を含むことができる。第1の浴に適用される超音波処理は、流体を撹拌して、基材の表面にわたって実質的に均一な第1の反応性環境を提供することができる。基材は、第2の浴に浸漬されることができ、超音波処理は、第2の期間にわたって第2の浴に適用されることができる。第2の浴に適用される超音波処理は、流体を撹拌して、基材の表面にわたって実質的に均一な第2の反応性環境を提供することができる。エッチングされた基材を生成するために、第2の期間中に基材の表面から所定量の材料が除去されることができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月20日に出願された米国仮特許出願第63/177,294号の優先権を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
分野
本開示は、一般に、視覚情報を表示するためのシステムおよび方法に関し、特に、拡張現実または複合現実環境において視覚情報を表示するためのアイピースに関する。より具体的には、本開示は、拡張現実または複合現実環境において視覚情報を表示するためにアイピースに使用される格子を製造するためのシステムおよび方法に関する。
背景
仮想環境は、コンピューティング環境においてユビキタスであり、ビデオゲーム(仮想環境がゲーム世界を表し得る);マップ(仮想環境がナビゲートされる地形を表し得る);シミュレーション(仮想環境が現実環境をシミュレートし得る);デジタルストーリーテリング(仮想キャラクタが仮想環境において互いに相互作用し得る);および多くの他の用途において使用されている。現代のコンピュータユーザは、一般に、仮想環境を快適に知覚し、仮想環境と相互作用する。しかしながら、仮想環境に関するユーザの体験は、仮想環境を提示するための技術によって制限される可能性がある。例えば、従来のディスプレイ(例えば、2D表示画面)および音声システム(例えば、固定スピーカ)は、魅力的で現実的で没入感のある体験を生み出す方法で仮想環境を実現することができないことがある。
仮想現実(「VR」)、拡張現実(「AR」)、複合現実(「MR」)、および関連技術(まとめて「XR」)は、XRシステムのユーザに、コンピュータシステム内のデータによって表される仮想環境に対応する感覚情報を提示する能力を共有する。本開示は、VRシステム、ARシステム、およびMRシステムの間の区別を想定している(ただし、いくつかのシステムは、1つの態様(例えば、視覚的態様)ではVRとして分類され、別の態様(例えば、音声態様)ではARまたはMRとして同時に分類され得る)。本明細書で使用される場合、VRシステムは、少なくとも1つの態様においてユーザの現実環境を置き換える仮想環境を提示する。例えば、VRシステムは、遮光ヘッドマウントディスプレイなどを用いて、現実環境の視界を同時に見えにくくしながら、仮想環境の視界をユーザに提示することができる。同様に、VRシステムは、現実環境からの音声を同時にブロック(減衰)しながら、仮想環境に対応する音声をユーザに提示することができる。
VRシステムは、ユーザの現実環境を仮想環境に置き換えることから生じる様々な欠点を体験することがある。1つの欠点は、仮想環境におけるユーザの視野が、現実環境(仮想環境ではない)におけるユーザのバランスおよび向きを検出する自分の内耳の状態にもはや対応しないときに生じる可能性がある酔いの感覚である。同様に、ユーザは、自身の身体および手足(ユーザが現実環境において「接地している」と感じるために依拠するビュー)が直接見えないVR環境において見当識障害を体験することがある。別の欠点は、特に仮想環境にユーザを没入させようとするリアルタイムアプリケーションにおいて、完全な3D仮想環境を提示しなければならない、VRシステムに課される計算負荷(例えば、ストレージ、処理能力)である。同様に、ユーザは、仮想環境の僅かな不完全性にも敏感である傾向があり、そのいずれも仮想環境への没入感を損なう可能性があるため、そのような環境は、没入型と見なされるために非常に高い臨場感基準に達する必要があることがある。さらに、VRシステムの別の欠点は、システムのそのようなアプリケーションが、現実世界において体験する様々な光景および音などの現実環境における広範囲の感覚データを利用することができないことである。関連する欠点は、現実環境において物理的空間を共有するユーザが仮想環境において互いに直接見たり相互作用したりすることができないことがあるため、VRシステムが複数のユーザが相互作用することが可能な共有環境を作成するのに苦労する場合があることである。
本明細書で使用されるように、ARシステムは、少なくとも1つの態様において現実環境に重複する、または現実環境にオーバーレイする仮想環境を提示する。例えば、ARシステムは、光がディスプレイを通過してユーザの眼に入ることを可能にしながら表示画像を提示する透過可能ヘッドマウントディスプレイなど、現実環境のユーザのビューにオーバーレイされた仮想環境のビューをユーザに提示することができる。同様に、ARシステムは、現実環境からの音声を同時にミキシングしながら、仮想環境に対応する音声をユーザに提示することができる。同様に、本明細書で使用されるように、MRシステムは、ARシステムと同様に、少なくとも1つの態様において現実環境に重複するかまたはオーバーレイする仮想環境を提示し、さらに、MRシステム内の仮想環境が少なくとも1つの態様において現実環境と相互作用することを可能にし得る。例えば、仮想環境内の仮想キャラクタは、現実環境内のライトスイッチを切り替え、現実環境内の対応する電球をオンまたはオフにし得る。別の例として、仮想キャラクタは、現実環境の音声信号に(表情などで)反応し得る。現実環境の提示を維持することによって、ARおよびMRシステムは、VRシステムの前述の欠点のいくつかを回避し得る。例えば、現実環境(ユーザ自身の身体を含む)からの視覚的合図が視認可能なままとすることができ、そのようなシステムは没入するために完全に実現された3D環境をユーザに提示する必要がないため、ユーザの酔いが低減される。さらに、ARおよびMRシステムは、現実世界の感覚入力(例えば、風景、オブジェクト、および他のユーザのビューおよび音)を利用して、その入力を増強する新たなアプリケーションを作成することができる。
仮想環境を現実的な方法で提示して、堅牢で費用効果の高い方法でユーザの没入体験を作成することは困難である可能性がある。例えば、ヘッドマウントディスプレイは、高価で壊れやすい構成要素であり得る1つ以上の多層アイピースを有する光学系を含むことができる。例えば、各層は、デジタル画像をユーザに効果的に投射するために回折格子および関連するフィルムを達成するための複数のステップを含む複雑なプロセスを介して製造され得る。回折格子は、例えば、ナノスケール上に形成された多層構造を含み得る。これらの多層構造は、リソグラフィプロセスを使用して製造されることができるが、そのようなプロセスは高価である可能性があり、ナノスケールで所望の幾何学的形状を達成することは困難である可能性がある。例えば、高忠実度(断線なし、滑らかなラインエッジ)を有する50nm未満のナノ構造を製造することは、所望のナノ構造分解能を達成するために、Eビームリソグラフィなどの高価なリソグラフィ技術を使用し得る。そのようなリソグラフィ技術を用いても、リソグラフィマスターおよび/または最終製品をナノメートルスケールで製造するために構成要素を位置合わせすることは困難である可能性があり、結果として得られるナノ構造は、不均一なラインエッジ粗さ(LER)になりやすい可能性がある。したがって、多層ナノスケール構造を製造するための安価なプロセスが必要とされている。
ナノ構造を製造するために使用される高価なリソグラフィ技術に関連する問題に対処するために、本開示の実施形態にかかるシステムおよび方法は、基材上に所望のナノ構造をエッチングおよび形成するための超音波処理プロセスに依存する。例えば、本開示にかかる実施形態は、超音波処理シーケンスプロセスを使用して、基材上に堆積された異なる材料層の所望のエッチング選択性を達成し得る。超音波処理シーケンスプロセスは、基材を塩基溶液、酸溶液、および/または水の浴に浸漬し、超音波処理を浴に適用することを含むことができる。本開示の実施形態にかかるシステムおよび方法は、例えば、シリコンベースの構造、例えば、Si、SiO、Siなどをエッチングすることができ、忠実度が高く、LERが滑らかであり、バッチ間で一貫した位置合わせを有する多層ナノ構造を有する。
概要
本明細書では、基材上にナノ構造を製造するためのシステムおよび方法が開示される。複数のナノ構造を含む基材は、ヘッドウェアラブルデバイスなどのディスプレイ用のアイピースに使用されることができる。アイピース用の複数のナノ構造を含む基材を製造および/またはエッチングするための例示的な方法は、基材を浴内に浸漬することと、超音波処理を第1の期間にわたって浴に適用することと、を含むことができる。第1の浴に適用される超音波処理は、流体を撹拌して、基材の表面にわたって実質的に均一な第1の反応性環境を提供することができる。基材は、第2の浴に浸漬されることができ、超音波処理は、第2の期間にわたって第2の浴に適用されることができる。第2の浴に適用される超音波処理は、流体を撹拌して、基材の表面にわたって実質的に均一な第2の反応性環境を提供することができる。いくつかの例では、エッチングされた基材を生成するために、第2の期間中に基材の表面から所定量の材料が除去されることができる。いくつかの例では、除去される材料の所定量は、第1の期間の長さに基づくことができ、さらに第2の期間の長さに基づくことができる。本明細書の実施形態は、所望のナノ構造の解像度を達成するために、高い忠実度(断線なし、滑らかなラインエッジ)を有する50nm未満のナノ構造を安価に製造するシステムおよび方法を提供する。さらに、本明細書の実施形態は、滑らかなラインエッジ粗さ(LER)を有するナノ構造の多層層間の位置合わせを達成するためのシステムおよび方法を提供する。
図1A~図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実環境を示している。 図1A~図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実環境を示している。 図1A~図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実環境を示している。
図2A~図2Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境を生成し、それと相互作用するために使用されることができる例示的な複合現実システムの構成要素を示している。 図2A~図2Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境を生成し、それと相互作用するために使用されることができる例示的な複合現実システムの構成要素を示している。 図2A~図2Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境を生成し、それと相互作用するために使用されることができる例示的な複合現実システムの構成要素を示している。 図2A~図2Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境を生成し、それと相互作用するために使用されることができる例示的な複合現実システムの構成要素を示している。
図3Aは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境に入力を提供するために使用されることができる例示的な複合現実ハンドヘルドコントローラを示している。
図3Bは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムとともに使用されることができる例示的な補助ユニットを示している。
図4は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムの例示的な機能ブロック図を示している。
図5は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な超音波処理構成を示している。
図6A~図6Bは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって製造された、例示的な複合現実システムのための例示的なナノ構造を示している。
図7A~図7Cは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって製造された、例示的な複合現実システムのための例示的なナノ構造を示している。
図8A~図8Bは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって製造された、例示的な複合現実システムのための例示的なナノ構造を示している。
図9A~図9Bは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって製造された、例示的な複合現実システムのための例示的なナノ構造を示している。
図10A~図10Bは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがって製造された、例示的な複合現実システムのための例示的なナノ構造を示している。
図11A~図11Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムのための例示的なナノ構造を示している。
図12A~図12Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムのための例示的なナノ構造を示している。
図13A~図13Eは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムのための例示的なナノ構造を示している。
図14は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムのためのナノ構造を製造するためのプロセスの例示的なブロック図を示している。
図15は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムのためのナノ構造を製造するためのプロセスの例示的なブロック図を示している。
図16は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムのためのナノ構造を製造するためのプロセスの例示的なブロック図を示している。
詳細な説明
以下の例の説明では、本明細書の一部を形成し、実施されることができる特定の例を例示として示す添付の図面を参照する。開示された例の範囲から逸脱することなく、他の例が使用されることができ、構造的変更が行われることができることを理解されたい。
複合現実環境
全ての人と同様に、複合現実システムのユーザは、現実環境、すなわち、ユーザによって知覚可能な「現実世界」の3次元部分およびそのコンテンツの全てに存在する。例えば、ユーザは、人間の通常の感覚(視覚、音、触覚、味覚、嗅覚)を使用して現実環境を知覚し、現実環境内で自分の身体を動かすことによって現実環境と相互作用する。現実環境における位置は、座標空間における座標として記述されることができる。例えば、座標は、海面に対する緯度、経度、および高度;基準点からの3つの直交寸法における距離;または他の適切な値を含むことができる。同様に、ベクトルは、座標空間内の方向および大きさを有する量を記述することができる。
コンピューティングデバイスは、例えば、デバイスに関連付けられたメモリに、仮想環境の表現を維持することができる。本明細書で使用される場合、仮想環境は、3次元空間の計算表現である。仮想環境は、任意のオブジェクト、アクション、信号、パラメータ、座標、ベクトル、またはその空間に関連付けられた他の特性の表現を含むことができる。いくつかの例では、コンピューティングデバイスの回路(例えば、プロセッサ)は、仮想環境の状態を維持および更新することができる。すなわち、プロセッサは、第1の時間t0において、仮想環境に関連付けられたデータおよび/またはユーザによって提供された入力に基づいて、第2の時間t1における仮想環境の状態を決定することができる。例えば、仮想環境内のオブジェクトが時間t0において第1の座標に位置し、特定のプログラムされた物理的パラメータ(例えば、質量、摩擦係数)を有する場合、ユーザから受信した入力は、方向ベクトルにおいてオブジェクトに力が加えられるべきであることを指示する。プロセッサは、基本力学を使用して時間t1におけるオブジェクトの位置を決定するために運動学の法則を適用することができる。プロセッサは、仮想環境について知られている任意の適切な情報および/または任意の適切な入力を使用して、時間t1における仮想環境の状態を決定することができる。仮想環境の状態を維持および更新する際に、プロセッサは、仮想環境における仮想オブジェクトの作成および削除に関連するソフトウェア;仮想環境における仮想オブジェクトまたはキャラクタの挙動を定義するためのソフトウェア(例えば、スクリプト);仮想環境における信号(例えば、音声信号)の挙動を定義するためのソフトウェア;仮想環境に関連付けパラメータを作成および更新するためのソフトウェア;仮想環境において音声信号を生成するためのソフトウェア;入出力を扱うソフトウェア;ネットワーク動作を実装するためのソフトウェア;アセットデータを適用するソフトウェア(例えば、仮想オブジェクトを経時的に移動させるためのアニメーションデータ);または他の多くの可能性を含む任意の適切なソフトウェアを実行することができる。
ディスプレイまたはスピーカなどの出力デバイスは、仮想環境の任意のまたは全ての態様をユーザに提示することができる。例えば、仮想環境は、ユーザに提示されることができる仮想オブジェクト(これは、無生物;人々;動物;ライトなどのオブジェクトの表現を含み得る)を含み得る。プロセッサは、仮想環境のビューを決定することができ(例えば、原点座標、ビュー軸、および錐台を有する「カメラ」に対応する)、ディスプレイに、そのビューに対応する仮想環境の視聴可能なシーンをレンダリングすることができる。この目的のために、任意の適切なレンダリング技術が使用され得る。いくつかの例では、視聴可能なシーンは、仮想環境内のいくつかの仮想オブジェクトのみを含み、特定の他の仮想オブジェクトを除外し得る。同様に、仮想環境は、1つ以上の音声信号としてユーザに提示され得る音声態様を含み得る。例えば、仮想環境内の仮想オブジェクトは、オブジェクトの位置座標から生じる音を生成し得る(例えば、仮想キャラクタは、発話するか、または効果音を発生させ得る)。あるいは、仮想環境は、特定の位置に関連付けられてもよく、または関連付けられなくてもよい音楽キューまたは周囲音に関連付けられてもよい。プロセッサは、「聴取者」座標に対応する音声信号、例えば、仮想環境内の音の合成に対応し、聴取者座標において聴取者が聞く音声信号をシミュレートするために混合および処理された音声信号を決定し、1つ以上のスピーカを介して音声信号をユーザに提示することができる。
仮想環境は、計算構造としてのみ存在するため、ユーザは、通常の感覚を使用して仮想環境を直接知覚することはできない。代わりに、ユーザは、例えばディスプレイ、スピーカ、触覚出力デバイスなどによってユーザに提示されるように、仮想環境を間接的にのみ知覚することができる。同様に、ユーザは、仮想環境に直接触れたり、仮想環境を直接操作したり、仮想環境と直接相互作用したりすることはできないが、仮想環境を更新するためにデバイスまたはセンサデータを使用することができるプロセッサに、入力デバイスまたはセンサを介して入力データを提供することができる。例えば、カメラセンサは、ユーザが仮想環境内でオブジェクトを移動させようとしていることを示す光学データを提供することができ、プロセッサは、そのデータを使用して、仮想環境内でオブジェクトにそれに応じて応答させることができる。
複合現実システムは、例えば、透過可能ディスプレイおよび/または1つ以上のスピーカ(これは、例えば、ウェアラブルヘッドデバイスに組み込まれてもよい)を使用して、現実環境と仮想環境との態様を組み合わせた複合現実環境(「MRE」)をユーザに提示することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のスピーカは、ヘッドマウントウェアラブルユニットの外部にあってもよい。本明細書で使用される場合、MREは、現実環境と対応する仮想環境との同時表現である。いくつかの例では、対応する現実環境および仮想環境は、単一の座標空間を共有する。いくつかの例では、実座標空間および対応する仮想座標空間は、変換行列(または他の適切な表現)によって互いに関連付けられる。したがって、単一の座標(いくつかの例では、変換行列とともに)は、現実環境内の第1の位置、および仮想環境内の第2の対応する位置を定義することができ、逆もまた同様である。
MREでは、仮想オブジェクト(例えば、MREに関連付けられた仮想環境における)は、現実オブジェクト(例えば、MREに関連する現実環境における)に対応することができる。例えば、MREの現実環境が位置座標に現実のランプポスト(現実オブジェクト)を含む場合、MREの仮想環境は、対応する位置座標に仮想ランプポスト(仮想オブジェクト)を含み得る。本明細書で使用される場合、現実オブジェクトは、対応する仮想オブジェクトと組み合わせて、「複合現実オブジェクト」を構成する。仮想オブジェクトは、対応する現実オブジェクトと完全に一致または位置合わせされる必要はない。いくつかの例では、仮想オブジェクトは、対応する現実オブジェクトの単純化版とすることができる。例えば、現実環境が現実のランプポストを含む場合、対応する仮想オブジェクトは、現実のランプポストとほぼ同じ高さおよび半径の円筒を含み得る(ランプポストがほぼ円筒形の形状であり得ることを反映している)。このように仮想オブジェクトを単純化することは、計算効率を高めることができ、そのような仮想オブジェクトに対して実行される計算を単純化することができる。さらに、MREのいくつかの例では、現実環境内の全ての現実オブジェクトが対応する仮想オブジェクトに関連付けられるとは限らない。同様に、MREのいくつかの例では、仮想環境内の全ての仮想オブジェクトが対応する現実オブジェクトに関連付けられるとは限らない。すなわち、いくつかの仮想オブジェクトは、現実世界の対応物なしで、MREの仮想環境のみであってもよい。
いくつかの例では、仮想オブジェクトは、対応する現実オブジェクトの特性とは時々大幅に異なる特性を有し得る。例えば、MRE内の現実環境は、緑色の2本腕のサボテン(とげのある無生物のオブジェクト)を含み得るが、MRE内の対応する仮想オブジェクトは、人間の顔の特徴および無表情を有する緑色の2本腕の仮想キャラクタの特性を有し得る。この例では、仮想オブジェクトは、特定の特性(色、腕の数)においてその対応する現実オブジェクトに似ているが、他の特性(顔の特徴、性格)は、現実オブジェクトとは異なる。このようにして、仮想オブジェクトは、創造的、抽象的、誇張的、または想像的な方法で現実オブジェクトを表す、または、そうでなければ無生物の現実オブジェクトに挙動(例えば、人間の性格)を与える可能性を有する。いくつかの例では、仮想オブジェクトは、現実世界の対応物のない純粋に想像力のある作成物(例えば、場合によっては現実環境内の空きスペースに対応する位置にいる仮想環境内の仮想モンスター)であり得る。
現実環境を不明瞭にしながらユーザに仮想環境を提示するVRシステムと比較して、MREを提示する複合現実システムは、仮想環境が提示されている間に現実環境が知覚可能なままであるという利点を提供する。したがって、複合現実システムのユーザは、現実環境に関連付けられた視覚的および音声的キューを使用して、対応する仮想環境を体験し、相互作用することができる。例として、上述したように、ユーザは、仮想環境を直接知覚または相互作用することができないため、VRシステムのユーザは、仮想環境に表示された仮想オブジェクトを知覚または相互作用するのに苦労することがあるが、MRシステムのユーザは、自分自身の現実環境内の対応する現実オブジェクトを見て、聞いて、触れることによって仮想オブジェクトと相互作用することが直感的且つ自然であると見出し得る。このレベルの相互作用性は、ユーザの仮想環境との没入感、接続感、および関与感を高めることができる。同様に、現実環境と仮想環境とを同時に提示することによって、複合現実システムは、VRシステムに関連付けられた否定的な心理的感情(例えば、認知的不協和)および否定的な身体的感情(例えば、酔い)を低減することができる。複合現実システムは、現実世界の体験を増強または変更し得るアプリケーションの多くの可能性をさらに提供する。
図1Aは、ユーザ110が複合現実システム112を使用する例示的な現実環境100を示している。複合現実システム112は、例えば以下に説明するように、ディスプレイ(例えば、透過可能ディスプレイ)および1つ以上のスピーカ、ならびに1つ以上のセンサ(例えば、カメラ)を備え得る。図示の現実環境100は、ユーザ110が立っている長方形部屋104Aと、現実オブジェクト122A(ランプ)、現実オブジェクト124A(テーブル)、現実オブジェクト126A(ソファー)、および現実オブジェクト128A(絵画)とを含む。部屋104Aは、現実環境100の原点とみなし得る位置座標106をさらに含む。図1Aに示すように、その原点106(世界座標)を有する環境/世界座標系108(x軸108X、y軸108Y、およびz軸108Zを含む)は、現実環境100の座標空間を定義することができる。いくつかの実施形態では、環境/世界座標系108の原点106は、複合現実システム112の電源がオンにされた場所に対応し得る。いくつかの実施形態では、環境/世界座標系108の原点106は、動作中にリセットされてもよい。いくつかの例では、ユーザ110は、現実環境100内の現実オブジェクトとみなし得る。同様に、ユーザ110の身体部分(例えば、手、足)は、現実環境100における現実オブジェクトとみなし得る。いくつかの例では、点115(例えば、ユーザ/聴取者/頭部座標)を原点とするユーザ/聴取者/頭部座標系114(x軸114X、y軸114Y、およびz軸114Zを含む)は、複合現実システム112が配置されているユーザ/聴取者/頭部についての座標空間を定義することができる。ユーザ/聴取者/頭部座標系114の原点115は、複合現実システム112の1つ以上の構成要素に対して定義され得る。例えば、ユーザ/聴取者/頭部座標系114の原点115は、複合現実システム112の初期較正中などに、複合現実システム112のディスプレイに対して定義され得る。行列(並進行列および四元数行列または他の回転行列を含み得る)、または他の適切な表現は、ユーザ/聴取者/頭部座標系114空間と環境/世界座標系108空間との間の変換を特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、左耳座標116および右耳座標117は、ユーザ/聴取者/頭部座標系114の原点115に対して定義され得る。行列(並進行列および四元数行列または他の回転行列を含み得る)、または他の適切な表現は、左耳座標116および右耳座標117とユーザ/聴取者/頭部座標系114空間との間の変換を特徴付けることができる。ユーザ/聴取者/頭部座標系114は、ユーザの頭部、または例えば環境/世界座標系108に対する頭部装着型デバイスに対する位置の表現を単純化することができる。同時位置推定およびマッピング(SLAM)、ビジュアルオドメトリ、または他の技術を使用して、ユーザ座標系114と環境座標系108との間の変換がリアルタイムで決定および更新されることができる。
図1Bは、現実環境100に対応する例示的な仮想環境130を示している。図示の仮想環境130は、現実の長方形部屋104Aに対応する仮想の長方形部屋104Bと、現実オブジェクト122Aに対応する仮想オブジェクト122B;現実オブジェクト124Aに対応する仮想オブジェクト124B;現実オブジェクト126Aに対応する仮想オブジェクト126Bとを含む。仮想オブジェクト122B、124B、126Bに関連付けられたメタデータは、対応する現実オブジェクト122A、124A、および126Aから導出された情報を含むことができる。仮想環境130は、現実環境100内のいかなる現実オブジェクトにも対応しない仮想モンスター132をさらに備える。現実環境100における現実オブジェクト128Aは、仮想環境130におけるいずれの仮想オブジェクトにも対応しない。点134をその原点とする持続座標系133(x軸133X、y軸133Y、およびz軸133Zを含む)(持続座標)は、仮想コンテンツの座標空間を定義することができる。持続座標系133の原点134は、現実オブジェクト126Aなどの1つ以上の現実オブジェクトに対して/相対的に定義され得る。行列(並進行列および四元数行列または他の回転行列を含み得る)、または他の適切な表現は、持続座標系133空間と環境/世界座標系108空間との間の変換を特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、仮想オブジェクト122B、124B、126B、および132のそれぞれは、持続座標系133の原点134に対して独自の持続座標点を有し得る。いくつかの実施形態では、複数の持続座標系が存在してもよく、仮想オブジェクト122B、124B、126B、および132のそれぞれは、1つ以上の持続座標系に対して独自の持続座標点を有してもよい。
持続座標データは、物理的環境に対して持続的な座標データであり得る。持続座標データは、持続的仮想コンテンツを配置するためにMRシステム(例えば、MRシステム112、200)によって使用されてもよく、持続的仮想コンテンツは、仮想オブジェクトが表示されているディスプレイの動きに結び付けられなくてもよい。例えば、2次元スクリーンは、スクリーン上の位置に対する仮想オブジェクトのみを表示し得る。2次元スクリーンの移動に伴って、仮想コンテンツがスクリーンとともに移動してもよい。いくつかの実施形態では、持続的仮想コンテンツは、部屋の隅に表示され得る。MRユーザは、隅を見て、仮想コンテンツを見て、隅から外を見てもよく(ユーザの頭部の動きにより、仮想コンテンツがユーザの視野内からユーザの視野外の位置に移動した可能性があるため、仮想コンテンツはもはや見えなくなり得る)、後ろを見て隅内の仮想コンテンツを見てもよい(現実オブジェクトが挙動し得る方法と同様)。
いくつかの実施形態では、持続座標データ(例えば、持続座標系および/または持続座標フレーム)は、原点および3つの軸を含むことができる。例えば、持続座標系は、MRシステムによって部屋の中心に割り当てられ得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、部屋の中を動き回ったり、部屋の外に出たり、部屋に再び入ったりしてもよく、持続座標系は、(例えば、物理的環境に対して持続することから)部屋の中心に留まってもよい。いくつかの実施形態では、仮想オブジェクトは、持続的仮想コンテンツの表示を可能にし得る持続座標データへの変換を使用して表示され得る。いくつかの実施形態では、MRシステムは、持続座標データを生成するために同時位置特定およびマッピングを使用し得る(例えば、MRシステムは、持続座標系を空間内の点に割り当て得る)。いくつかの実施形態では、MRシステムは、一定の間隔で持続座標データを生成することによって環境をマッピングし得る(例えば、MRシステムは、グリッド内に持続座標系を割り当て得て、持続座標系は、別の持続座標系から少なくとも5フィート以内にあり得る)。
いくつかの実施形態では、持続座標データは、MRシステムによって生成され、リモートサーバに送信され得る。いくつかの実施形態では、リモートサーバは、持続座標データを受信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、リモートサーバは、複数の観測インスタンスからの持続座標データを同期させるように構成され得る。例えば、複数のMRシステムは、同じ部屋を持続座標データによってマッピングし、そのデータをリモートサーバに送信し得る。いくつかの実施形態では、リモートサーバは、この観測データを使用して、1つ以上の観測に基づき得る標準的な持続座標データを生成し得る。いくつかの実施形態では、標準的な持続座標データは、持続座標データの単一の観測よりも正確および/または信頼性が高くてもよい。いくつかの実施形態では、標準的な持続座標データは、1つ以上のMRシステムに送信され得る。例えば、MRシステムは、画像認識および/または位置データを使用して、対応する標準的な持続座標データを有する部屋に位置することを認識し得る(例えば、他のMRシステムが以前に部屋をマッピングしていることから)。いくつかの実施形態では、MRシステムは、その位置に対応する標準的な持続座標データをリモートサーバから受信し得る。
図1Aおよび図1Bに関連して、環境/世界座標系108は、現実環境100および仮想環境130の両方についての共有座標空間を定義する。図示の例では、座標空間は、点106にその原点を有する。さらに、座標空間は、同じ3つの直交軸(108X、108Y、108Z)によって定義される。したがって、現実環境100内の第1の位置、および仮想環境130内の第2の対応する位置は、同じ座標空間に関して記述されることができる。これは、同じ座標が使用されて両方の位置を識別することができるため、現実環境および仮想環境における対応する位置の識別および表示を単純化する。しかしながら、いくつかの例では、対応する現実環境および仮想環境は、共有座標空間を使用する必要はない。例えば、いくつかの例(図示せず)では、行列(並進行列および四元数行列または他の回転行列を含み得る)、または他の適切な表現は、現実環境座標空間と仮想環境座標空間との間の変換を特徴付けることができる。
図1Cは、現実環境100および仮想環境130の態様を、複合現実システム112を介してユーザ110に同時に提示する例示的なMRE150を示している。図示の例では、MRE150は、現実環境100からの現実オブジェクト122A、124A、126A、および128A(例えば、複合現実システム112のディスプレイの透過可能部分を介して)、および仮想環境130からの仮想オブジェクト122B、124B、126B、および132(例えば、複合現実システム112のディスプレイのアクティブ表示部分を介して)をユーザ110に同時に提示する。上記のように、原点106は、MRE150に対応する座標空間の原点として機能し、座標系108は、座標空間のx軸、y軸、およびz軸を定義する。
図示の例では、複合現実オブジェクトは、座標空間108内の対応する位置を占める現実オブジェクトと仮想オブジェクトの対応するペア(すなわち、122A/122B、124A/124B、126A/126B)を含む。いくつかの例では、現実オブジェクトと仮想オブジェクトの両方がユーザ110に同時に見えることがある。これは、例えば、仮想オブジェクトが対応する現実オブジェクトのビューを拡張するように設計された情報を提示する場合(仮想オブジェクトが古い損傷した彫刻の欠落したピースを提示する美術館アプリケーションなど)に望ましいことがある。いくつかの例では、対応する現実オブジェクト(122A、124A、および/または126A)を遮るように、仮想オブジェクト(122B、124B、および/または126B)が表示され得る(例えば、画素化遮蔽シャッタを使用するアクティブ画素化遮蔽を介して)。これは、例えば、仮想オブジェクトが対応する現実オブジェクトの視覚的置換として機能する場合(無生物の現実オブジェクトが「生きている」キャラクタになる相互作用型ストーリーテリングアプリケーションなど)に望ましいことがある。
いくつかの例では、現実オブジェクト(例えば、122A、124A、126A)は、必ずしも仮想オブジェクトを構成しなくてもよい仮想コンテンツまたはヘルパーデータに関連付けられてもよい。仮想コンテンツまたはヘルパーデータは、複合現実環境における仮想オブジェクトの処理または取り扱いを容易にすることができる。例えば、そのような仮想コンテンツは、対応する現実オブジェクトの2次元表現;対応する現実オブジェクトに関連付けられたカスタムアセットタイプ;または対応する現実オブジェクトに関連付けられた統計データを含むことができる。この情報は、不必要な計算オーバーヘッドを招くことなく、現実オブジェクトを含む計算を可能または容易にすることができる。
いくつかの例では、上述した提示はまた、音声態様を組み込んでもよい。例えば、MRE150では、仮想モンスター132は、モンスターがMRE150の周りを歩くときに生成される足音効果などの1つ以上の音声信号に関連付けられることができる。以下にさらに説明するように、複合現実システム112のプロセッサは、MRE150内の全てのそのような音の混合および処理された合成に対応する音声信号を計算し、複合現実システム112に含まれる1つ以上のスピーカおよび/または1つ以上の外部スピーカを介してユーザ110に音声信号を提示することができる。
例示的な複合現実システム
例示的な複合現実システム112は、(ニアアイディスプレイであってもよい左右の透過可能ディスプレイと、ディスプレイからの光をユーザの眼に結合するための関連構成要素とを備え得る)ディスプレイ;左右スピーカ(例えば、ユーザの左右の耳にそれぞれ隣接して配置される);(例えば、ヘッドデバイスのテンプルアームに取り付けられる)慣性測定ユニット(IMU);(例えば、左側のテンプル片に取り付けられる)直交コイル型電磁受信機;ユーザから離れる方向に向けられた左右のカメラ(例えば、深度(飛行時間)カメラ);および(例えば、ユーザの眼球運動を検出するための)ユーザに向けられた左右の眼のカメラを備えるウェアラブルヘッドデバイス(例えば、ウェアラブル拡張現実または複合現実ヘッドデバイス)を含むことができる。しかしながら、複合現実システム112は、任意の適切なディスプレイ技術、および任意の適切なセンサ(例えば、光学、赤外線、音響、LIDAR、EOG、GPS、磁気)を組み込むことができる。さらに、複合現実システム112は、他の複合現実システムを含む他のデバイスおよびシステムと通信するためのネットワーキング機能(例えば、Wi-Fi機能)を組み込み得る。複合現実システム112は、バッテリ(ユーザの腰の周りに装着されるように設計されたベルトパックなどの補助ユニットに装着され得る)、プロセッサ、およびメモリをさらに含み得る。複合現実システム112のウェアラブルヘッドデバイスは、ユーザの環境に対するウェアラブルヘッドデバイスの座標のセットを出力するように構成された、IMUまたは他の適切なセンサなどの追跡構成要素を含み得る。いくつかの例では、追跡構成要素は、同時位置特定およびマッピング(SLAM)および/またはビジュアルオドメトリアルゴリズムを実行するプロセッサに入力を提供し得る。いくつかの例では、複合現実システム112はまた、以下にさらに説明するように、ウェアラブルベルトパックであってもよいハンドヘルドコントローラ300および/または補助ユニット320を含んでもよい。
図2A~図2Dは、MRE(MRE150に対応し得る)または他の仮想環境をユーザに提示するために使用され得る例示的な複合現実システム200(複合現実システム112に対応し得る)の構成要素を示している。図2Aは、例示的な複合現実システム200に含まれるウェアラブルヘッドデバイス2102の斜視図を示している。図2Bは、ユーザの頭部2202に装着されたウェアラブルヘッドデバイス2102の平面図を示している。図2Cは、ウェアラブルヘッドデバイス2102の正面図を示している。図2Dは、ウェアラブルヘッドデバイス2102の例示的なアイピース2110の端面図を示している。図2A~図2Cに示すように、例示的なウェアラブルヘッドデバイス2102は、例示的な左アイピース(例えば、左透明導波路セットアイピース)2108および例示的な右アイピース(例えば、右透明導波路セットアイピース)2110を含む。各アイピース2108および2110は、現実環境が見られることができる透過可能要素、ならびに現実環境と重複するディスプレイ(例えば、イメージワイズ変調光を介して)を提示するためのディスプレイ要素を含むことができる。いくつかの例では、そのようなディスプレイ要素は、イメージワイズ変調光の流れを制御するための表面回折光学素子を含むことができる。例えば、左アイピース2108は、左内部結合格子セット2112、左直交瞳孔拡張(OPE)格子セット2120、および左射出(出力)瞳孔拡張(EPE)格子セット2122を含むことができる。本明細書で使用される場合、瞳は、格子セットまたは反射器などの光学素子からの光の出射を指し得る。同様に、右アイピース2110は、右内部結合格子セット2118、右OPE格子セット2114、および右EPE格子セット2116を含むことができる。イメージワイズ変調された光は、内部結合格子2112および2118、OPE2114および2120、ならびにEPE2116および2122を介してユーザの眼に伝達されることができる。各内部結合格子セット2112、2118は、光をその対応するOPE格子セット2120、2114に向けて偏向させるように構成されることができる。各OPE格子セット2120、2114は、光をその関連するEPE2122、2116に向かって徐々に下方に偏向させ、それによって形成される射出瞳を水平に延ばすように設計されることができる。各EPE2122、2116は、その対応するOPE格子セット2120、2114から受光した光の少なくとも一部を、アイピース2108、2110の背後に画定されたユーザのアイボックス位置(図示せず)に徐々に向け直すように構成されることができ、アイボックスに形成された射出瞳を垂直に延長する。あるいは、内部結合格子セット2112および2118、OPE格子セット2114および2120、ならびにEPE格子セット2116および2122の代わりに、アイピース2108および2110は、イメージワイズ変調された光のユーザの眼への結合を制御するための格子ならびに/または屈折および反射機構の他の配置を含むことができる。
いくつかの例では、ウェアラブルヘッドデバイス2102は、左テンプルアーム2130および右テンプルアーム2132を含むことができ、左テンプルアーム2130は、左スピーカ2134を含み、右テンプルアーム2132は、右スピーカ2136を含む。直交コイル電磁受信機2138は、左テンプル片内、またはウェアラブルヘッドユニット2102内の別の適切な位置に配置されることができる。慣性測定ユニット(IMU)2140は、右テンプルアーム2132内に、またはウェアラブルヘッドデバイス2102内の別の適切な位置に配置されることができる。ウェアラブルヘッドデバイス2102はまた、左深度(例えば、飛行時間)カメラ2142および右深度カメラ2144を含むことができる。深度カメラ2142、2144は、より広い視野をともにカバーするように、異なる方向に適切に配向されることができる。
図2A~図2Dに示す例では、イメージワイズ変調光の左供給源2124は、左の内部結合格子セット2112を介して左アイピース2108に光学的に結合されることができ、イメージワイズ変調光の右供給源2126は、右内部結合格子セット2118を介して右アイピース2110に光学的に結合されることができる。イメージワイズ変調光の供給源2124、2126は、例えば、光ファイバスキャナ;デジタル光処理(DLP)チップまたは液晶オンシリコン(LCoS)変調器などの電子光変調器を含むプロジェクタ;または、側面ごとに1つ以上のレンズを使用して内部結合格子セット2112、2118に結合されたマイクロ発光ダイオード(μLED)またはマイクロ有機発光ダイオード(μOLED)パネルなどの発光ディスプレイを含むことができる。入力結合格子セット2112、2118は、イメージワイズ変調光の供給源2124、2126からの光を、アイピース2108、2110の全内部反射(TIR)の臨界角を超える角度に偏向させることができる。OPE格子セット2114、2120は、TIRによって伝播する光をEPE格子セット2116、2122に向かって徐々に下方に偏向させる。EPE格子セット2116、2122は、ユーザの眼の瞳孔を含むユーザの顔に向かって光を徐々に結合する。
いくつかの例では、図2Dに示すように、左アイピース2108および右アイピース2110のそれぞれは、複数の導波路2402を含む。例えば、各アイピース2108、2110は、それぞれがそれぞれの色チャネル(例えば、赤色、青色および緑色)専用の複数の個々の導波路を含むことができる。いくつかの例では、各アイピース2108、2110は、そのような導波路の複数のセットを含むことができ、各セットは、放射された光に異なる波面曲率を付与するように構成される。波面曲率は、例えば、ユーザの前方にある距離(例えば、波面曲率の逆数に対応する距離だけ)に配置された仮想オブジェクトを提示するために、ユーザの眼に対して凸状であってもよい。いくつかの例では、EPE格子セット2116、2122は、各EPEを横切る出射光のポインティングベクトルを変更することによって凸波面曲率を達成する湾曲格子溝を含むことができる。
いくつかの例では、表示されたコンテンツが3次元であるという知覚を作り出すために、立体的に調整された左右の眼の画像が、イメージワイズ光変調器2124、2126およびアイピース2108、2110を通してユーザに提示されることができる。立体的な左右の画像によって示される距離に近い距離に仮想オブジェクトが表示されるように導波路を選択する(したがって、波面曲率に対応する)ことによって、3次元仮想オブジェクトの提示の知覚される臨場感が高められることができる。この技術はまた、立体視左右眼画像によって提供される深度知覚キューと人間の眼の自律神経調節(例えば、オブジェクト距離に依存する焦点)との間の差によって引き起こされ得る、一部のユーザが体験する酔いを低減し得る。
図2Dは、例示的なウェアラブルヘッドデバイス2102の右アイピース2110の上からの端面図を示している。図2Dに示すように、複数の導波路2402は、3つの導波路の第1のサブセット2404と、3つの導波路の第2のサブセット2406とを含むことができる。導波路の2つのサブセット2404、2406は、出射光に異なる波面曲率を付与するために異なる格子線曲率を特徴とする異なるEPE格子によって区別されることができる。導波路の各サブセット2404、2406内で、各導波路が使用されて、異なるスペクトルチャネル(例えば、赤色、緑色、および青色のスペクトルチャネルのうちの1つ)をユーザの右眼2206に結合することができる。(図2Dには示されていないが、左アイピース2108の構造は、右アイピース2110の構造と類似している。)
図3Aは、複合現実システム200の例示的なハンドヘルドコントローラ構成要素300を示している。いくつかの例では、ハンドヘルドコントローラ300は、グリップ部346と、上面348に沿って配置された1つ以上のボタン350とを含む。いくつかの例では、ボタン350は、カメラまたは他の光学センサ(これは、複合現実システム200のヘッドユニット(例えば、ウェアラブルヘッドデバイス2102)に装着されることができる)とともに、例えば、ハンドヘルドコントローラ300の6自由度(6DOF)動きを追跡するための光学追跡ターゲットとして使用するように構成され得る。いくつかの例では、ハンドヘルドコントローラ300は、ウェアラブルヘッドデバイス2102に対する位置または向きなどの位置または向きを検出するための追跡構成要素(例えば、IMUまたは他の適切なセンサ)を含む。いくつかの例では、そのような追跡構成要素は、ハンドヘルドコントローラ300のハンドル内に配置されてもよく、および/またはハンドヘルドコントローラに機械的に結合されてもよい。ハンドヘルドコントローラ300は、ボタンの押下状態;またはハンドヘルドコントローラ300の位置、向き、および/または動き(例えば、IMUを介して)のうちの1つ以上に対応する1つ以上の出力信号を提供するように構成されることができる。そのような出力信号は、複合現実システム200のプロセッサへの入力として使用され得る。そのような入力は、ハンドヘルドコントローラの位置、向き、および/または動き(および、延長により、コントローラを保持するユーザの手の位置、向き、および/または動きに)に対応し得る。そのような入力は、ユーザがボタン350を押すことにも対応し得る。
図3Bは、複合現実システム200の例示的な補助ユニット320を示している。補助ユニット320は、システム200を動作させるためのエネルギーを供給するためのバッテリを含むことができ、システム200を動作させるためのプログラムを実行するためのプロセッサを含むことができる。図示のように、例示的な補助ユニット320は、補助ユニット320をユーザのベルトに取り付けるなどのためのクリップ2128を含む。ユニットをユーザのベルトに取り付けることを伴わないフォームファクタを含む、他のフォームファクタが補助ユニット320に適しており、明らかであろう。いくつかの例では、補助ユニット320は、例えば、電線および光ファイバを含むことができる多導管ケーブルを介してウェアラブルヘッドデバイス2102に結合される。補助ユニット320とウェアラブルヘッドデバイス2102との間の無線接続も使用されることができる。
いくつかの例では、複合現実システム200は、音を検出し、対応する信号を複合現実システムに提供するための1つ以上のマイクロフォンを含むことができる。いくつかの例では、マイクロフォンは、ウェアラブルヘッドデバイス2102に取り付けられるか、または一体化されてもよく、ユーザの音声を検出するように構成されてもよい。いくつかの例では、マイクロフォンは、ハンドヘルドコントローラ300および/または補助ユニット320に取り付けられるか、または一体化されてもよい。そのようなマイクロフォンは、環境音、周囲の雑音、ユーザもしくは第三者の音声、または他の音を検出するように構成されてもよい。
図4は、上述した複合現実システム200(これは、図1に関する複合現実システム112に対応し得る)などの例示的な複合現実システムに対応し得る例示的な機能ブロック図を示している。図4に示すように、例示的なハンドヘルドコントローラ400B(ハンドヘルドコントローラ300(「トーテム」)に対応し得る)は、トーテム・ツー・ウェアラブルヘッドデバイス6自由度(6DOF)トーテムサブシステム404Aを含み、例示的なウェアラブルヘッドデバイス400A(ウェアラブルヘッドデバイス2102に対応し得る)は、トーテム・ツー・ウェアラブルヘッドデバイス6DOFサブシステム404Bを含む。この例では、6DOFトーテムサブシステム404Aおよび6DOFサブシステム404Bは、協働して、ウェアラブルヘッドデバイス400Aに対するハンドヘルドコントローラ400Bの6つの座標(例えば、3つの並進方向のオフセットおよび3つの軸に沿った回転)を決定する。6自由度は、ウェアラブルヘッドデバイス400Aの座標系を基準として表され得る。3つの並進オフセットは、そのような座標系におけるX、Y、およびZオフセットとして、並進行列として、または他の何らかの表現として表され得る。回転自由度は、ヨー、ピッチ、およびロール回転のシーケンスとして、回転行列として、四元数として、または他の何らかの表現として表され得る。いくつかの例では、ウェアラブルヘッドデバイス400A;ウェアラブルヘッドデバイス400Aに含まれる1つ以上の深度カメラ444(および/または1つ以上の非深度カメラ);および/または1つ以上の光学ターゲット(例えば、上述したハンドヘルドコントローラ400Bのボタン350、またはハンドヘルドコントローラ400Bに含まれる専用の光学ターゲット)が6DOF追跡に使用されることができる。いくつかの例では、ハンドヘルドコントローラ400Bは、上述したように、カメラを含むことができ、ウェアラブルヘッドデバイス400Aは、カメラと連動して光学追跡のための光学ターゲットを含むことができる。いくつかの例では、ウェアラブルヘッドデバイス400Aおよびハンドヘルドコントローラ400Bは、それぞれ、3つの識別可能な信号を無線で送受信するために使用される3つの直交して配向されたソレノイドのセットを含む。受信に使用されるコイルのそれぞれにおいて受信された3つの識別可能な信号の相対的な大きさを測定することにより、ハンドヘルドコントローラ400Bに対するウェアラブルヘッドデバイス400Aの6DOFが決定され得る。さらに、6DOFトーテムサブシステム404Aは、ハンドヘルドコントローラ400Bの迅速な動きに関する改善された精度および/またはよりタイムリーな情報を提供するのに有用な慣性測定ユニット(IMU)を含むことができる。
いくつかの実施形態では、ウェアラブルシステム400は、ヘッドギアデバイス400A上に配置された1つ以上のマイクロフォンを含むことができるマイクロフォンアレイ407を含むことができる。いくつかの実施形態では、マイクロフォンアレイ407は、4つのマイクロフォンを含むことができる。ヘッドギア400Aの前面に2つのマイクロフォンが配置されることができ、ヘッドヘッドギア400Aの背面に2つのマイクロフォンが配置されることができる(例えば、左後方に1つ、右後方に1つ)。いくつかの実施形態では、マイクロフォンアレイ407によって受信された信号は、DSP408に送信されることができる。DSP408は、マイクロフォンアレイ407から受信された信号に対して信号処理を実行するように構成されることができる。例えば、DSP408は、マイクロフォンアレイ407から受信した信号に対してノイズ低減、音響エコー除去、および/またはビームフォーミングを実行するように構成されることができる。DSP408は、信号をプロセッサ416に送信するように構成されることができる。
いくつかの例では、例えば、座標系108に対するウェアラブルヘッドデバイス400Aの動きを補償するために、座標をローカル座標空間(例えば、ウェアラブルヘッドデバイス400Aに対して固定された座標空間)から慣性座標空間(例えば、現実環境に対して固定された座標空間)に変換することが必要になることがある。例えば、そのような変換は、現実環境に仮想オブジェクト(例えば、現実の椅子に座っており、ウェアラブルヘッドデバイスの位置および向きに関係なく、前方を向いている仮想人物)が存在するという錯覚を維持するために、ウェアラブルヘッドデバイス400Aのディスプレイが、ディスプレイ上の固定された位置および向きではなく、現実環境に対して予想される位置(例えば、ディスプレイの右下隅の同じ位置)および向きで仮想オブジェクトを提示するために必要であり得る(そして、例えば、ウェアラブルヘッドデバイス400Aが移動および回転するときに現実環境に不自然に配置されているようには見えない)。いくつかの例では、座標空間間の補償変換は、座標系108に対するウェアラブルヘッドデバイス400Aの変換を決定するために、SLAMおよび/またはビジュアルオドメトリ手順を使用して深度カメラ444からの画像を処理することによって決定されることができる。図4に示す例では、深度カメラ444は、SLAM/ビジュアルオドメトリブロック406に結合され、画像をブロック406に提供することができる。SLAM/ビジュアルオドメトリブロック406の実装は、この画像を処理し、ユーザの頭部の位置および向きを決定するように構成されたプロセッサを含むことができ、頭部座標空間と別の座標空間(例えば、慣性座標空間)との間の変換を識別するために使用されることができる。同様に、いくつかの例では、ユーザの頭部姿勢および位置に関する追加の情報源は、IMU409から取得される。IMU409からの情報は、SLAM/ビジュアルオドメトリブロック406からの情報と統合されて、ユーザの頭部姿勢および位置の迅速な調整に関する改善された精度および/またはよりタイムリーな情報を提供することができる。
いくつかの例では、深度カメラ444は、ウェアラブルヘッドデバイス400Aのプロセッサに実装され得るハンドジェスチャトラッカ411に3D画像を供給することができる。ハンドジェスチャトラッカ411は、例えば、深度カメラ444から受信した3D画像をハンドジェスチャを表す記憶されたパターンと照合することによって、ユーザのハンドジェスチャを識別することができる。ユーザのハンドジェスチャを識別する他の適切な技術が明らかであろう。
いくつかの例では、1つ以上のプロセッサ416は、ウェアラブルヘッドデバイスの6DOFヘッドギアサブシステム404B、IMU409、SLAM/ビジュアルオドメトリブロック406、深度カメラ444、および/またはハンドジェスチャトラッカ411からデータを受信するように構成され得る。プロセッサ416はまた、6DOFトーテムシステム404Aから制御信号を送受信することもできる。プロセッサ416は、ハンドヘルドコントローラ400Bが接続されていない例のように、6DOFトーテムシステム404Aに無線で結合されてもよい。プロセッサ416は、さらに、視聴覚コンテンツメモリ418、グラフィカル処理ユニット(GPU)420、および/またはデジタル信号プロセッサ(DSP)音声スペーシャライザ422などの追加の構成要素と通信してもよい。DSP音声スペーシャライザ422は、頭部伝達関数(HRTF)メモリ425に結合されてもよい。GPU420は、イメージワイズ変調光424の左供給源に結合された左チャネル出力と、イメージワイズ変調光426の右供給源に結合された右チャネル出力とを含むことができる。GPU420は、例えば、図2A~図2Dを参照して上述したように、立体画像データをイメージワイズ変調光424、426の供給源に出力することができる。DSP音声スペーシャライザ422は、左スピーカ412および/または右スピーカ414に音声を出力することができる。DSP音声スペーシャライザ422は、ユーザから仮想音源(これは、例えば、ハンドヘルドコントローラ320を介して、ユーザによって移動され得る)への方向ベクトルを示す入力をプロセッサ419から受信することができる。方向ベクトルに基づいて、DSP音声スペーシャライザ422は、(例えば、HRTFにアクセスすることによって、または複数のHRTFを補間することによって)対応するHRTFを決定することができる。次いで、DSP音声スペーシャライザ422は、決定されたHRTFを、仮想オブジェクトによって生成された仮想音に対応する音声信号などの音声信号に適用することができる。これは、複合現実環境における仮想音に対するユーザの相対的な位置および向きを組み込むことによって、すなわち、仮想音が現実環境の現実音である場合にその仮想音がどのように聞こえるかというユーザの期待に一致する仮想音を提示することによって、仮想音の真実味および臨場感を高めることができる。
図4に示すようないくつかの例では、プロセッサ416、GPU420、DSP音声スペーシャライザ422、HRTFメモリ425、および視聴覚コンテンツメモリ418のうちの1つ以上は、補助ユニット400C(上述した補助ユニット320に対応し得る)に含まれ得る。補助ユニット400Cは、その構成要素に電力を供給するため、および/またはウェアラブルヘッドデバイス400Aまたはハンドヘルドコントローラ400Bに電力を供給するためのバッテリ427を含み得る。ユーザの腰に装着されることができる補助ユニットにこのような構成要素を含めることは、ウェアラブルヘッドデバイス400Aのサイズおよび重量を制限することができ、ひいてはユーザの頭と首の疲労を軽減することができる。
図4は、例示的な複合現実システムの様々な構成要素に対応する要素を示しているが、これらの構成要素の様々な他の適切な配置が当業者には明らかになるであろう。例えば、補助ユニット400Cに関連付けられているものとして図4に示されている要素は、代わりに、ウェアラブルヘッドデバイス400Aまたはハンドヘルドコントローラ400Bに関連付けられることができる。さらにまた、いくつかの複合現実システムは、ハンドヘルドコントローラ400Bまたは補助ユニット400Cを完全に取り止めてもよい。そのような変形および変更は、開示された例の範囲内に含まれると理解されるべきである。
ナノ構造製造のための超音波処理
例示的な複合現実システム(例えば、複合現実システム200)のウェアラブルヘッドデバイスまたはヘッドマウントディスプレイは、ディスプレイを介してユーザに画像を提示するためのアイピースを有する光学系を含み得る。アイピースは、1つ以上の光学格子(例えば、内部結合格子セット2112、左直交瞳孔拡張(OPE)格子セット2120、および左出口(出射)瞳孔拡張(EPE)格子セット2122、右アイピース2110は、右内部結合格子セット2118、右OPE格子セット2114、および右EPE格子セット2116を含むことができる)を含むことができる。1つ以上の光学格子は、イメージワイズ光をユーザの眼に伝達するために使用されることができる。
上述したように、光学格子を形成するナノ構造は、リソグラフィプロセスによって製造されることができる。ナノ構造は、多層対称および/または非対称とすることができる。しかしながら、リソグラフィを使用してナノ構造を製造することは、高価で複雑である可能性がある。例えば、高忠実度(断線なし、滑らかなラインエッジ)を有する50nm未満のナノ構造を製造することは、所望のナノ構造分解能を達成するために、Eビームリソグラフィなどの高価なリソグラフィ技術を使用し得る。そのようなリソグラフィ技術を用いても、リソグラフィマスターおよび/または最終製品をナノメートルスケールで製造するために構成要素を位置合わせすることは困難である可能性があり、結果として得られるナノ構造は、不均一なラインエッジ粗さ(LER)になりやすい可能性がある。
ナノ構造を製造するために使用される高価なリソグラフィ技術に関連する問題に対処するために、本開示の実施形態にかかるシステムおよび方法は、基材上に所望のナノ構造をエッチングおよび形成するための超音波処理プロセスに依存する。例えば、本開示にかかる実施形態は、超音波処理シーケンスプロセスを使用して、基材上に堆積された異なる材料層の所望のエッチング選択性を達成し得る。超音波処理シーケンスプロセスは、基材を塩基溶液、酸溶液、および/または水の浴に浸漬し、超音波処理を浴に適用することを含むことができる。本開示の実施形態にかかるシステムおよび方法は、例えば、シリコンベースの構造、例えば、Si、SiO、Siなどをエッチングすることができ、忠実度が高く、LERが滑らかであり、バッチ間で一貫した位置合わせを有する多層ナノ構造を有する。
本明細書で使用される場合、超音波処理は、反応性エッチング種を提供し、および/または反応した種、残留物、粒子、破片などを除去するために、媒体として流体を含む容器にトランスデューサを使用して音響エネルギーおよび撹拌を適用するプロセスを指し得る。図5は、本開示の実施形態にかかる、例示的な超音波処理構成500の例を示している。例示的な構成500は、少なくともトランスデューサ502、容器504、および液体浴506を含むことができる。トランスデューサ502は、容器504に音波を印加するために設けられ得る。例えば、トランスデューサは、20~200KHzで波を提供することができる。液体浴、例えば流体は、塩基溶液、酸溶液および/または水とすることができる。いくつかの実施形態では、酸溶液は、硫酸、クエン酸などを含むことができる。いくつかの実施形態では、塩基溶液は、水酸化カリウムおよび/または過酸化水素を含むことができる。いくつかの例では、酸溶液および塩基溶液は、約3~11の範囲のpHで約1~20%の化学的濃度を有することができる。いくつかの実施形態では、トランスデューサからのエネルギーは、連続的にパルス化されるのではなく、特定の間隔でパルス化されることができる。
図に示されるように、エッチングされる基材508は、容器504内に配置され得る。1つ以上の例では、基材は、シリコン、二酸化シリコン、窒化シリコン、および/または他のシリコン系基材材料から形成されることができる。いくつかの実施形態では、超音波処理構成500の液体浴は、超音波処理プロセス中に室温であり得る。いくつかの実施形態では、超音波処理構成の液体浴は、高温、例えば室温を超えて約40~80Cであり得る。例えば、ヒータ(図示せず)が容器504に結合されて、液体浴506の所望の温度を達成することができる。
1つ以上の例では、基材508は、塩基溶液、酸溶液、および/または水の浴中に順次配置されることができる。基材508が液体浴506内に浸漬されると、トランスデューサ502は、容器504に音波を印加することができる。波は、容器504内の流体を撹拌することができる。このようにして、超音波処理は、流体と基材との間の反応、ならびに反応種、例えばエッチングされた材料、および反応した溶液の基材表面からの除去速度を支援し、反応を継続するために、基材表面に新たな反応環境、例えば未反応溶液を補充することができる。いくつかの例では、酸および/または塩基溶液は、基材材料との反応性に基づいて選択され得る。例えば、酸および/または塩基溶液は、基材材料の表面と反応し、基材508の表面から材料を除去する、例えばエッチング除去する能力に基づいて選択され得る。
いくつかの例では、基材508の表面で起こる複数の加水分解反応は、シリコン材料を徐々に除去することができる。例えば、二酸化シリコン結合の加水分解は、酸および/または塩基溶液中に存在するヒドロニウムイオン(H3O+)、水酸化物(OH-)、および/または水素結合した錯体分子からのプロトン移動に起因して、基材508表面上で起こることができる。例えば、固体・液体(例えば、溶液への二酸化シリコン)界面においてシラノール(SI-OH)結合が生成されることができ、それによって二酸化シリコンおよびシラノール結合のエネルギー障壁を減少させる。これは、分子間の結合を破壊するために必要なエネルギーがより小さいため、プロトン化による反応の増加をもたらすことができる。エネルギー障壁の低下はまた、水溶液中のh結合錯体の存在に起因することができ、これは、プロトン移動に寄与することができる。基材表面に存在するシラノールと溶液界面とのシリコンの酸および塩基プロトン化反応を支配する式が以下に与えられる式1および式2に提供されている。
表1は、本開示の実施形態にかかる超音波処理プロセスを使用したシリコンおよび二酸化シリコンナノ構造の例示的なエッチング速度を示している。本明細書で使用される場合、エッチング速度は、基材の表面から材料を除去する速度を指すために使用されることができる。いくつかの実施形態では、基材を液体浴に浸漬し、浴に超音波処理を適用することは、基材の表面全体にわたって実質的に均一な反応環境を提供することができ、それにより、基材表面全体にわたって実質的に均一なエッチングおよび材料除去を提供する。表1に示す例は、約60Cで約8分間、塩基溶液(水中でpH11の2%塩基溶液)および約60Cで約20分間、酸溶液(水中でpH3の2%酸溶液)によって基材を処理することに対応することができる。塩基および酸溶液の濃度は例示的なものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。さらに、表1に示すエッチング速度は例示的なものであり、異なる超音波処理条件、例えば、温度、酸および/または塩基溶液濃度、ならびに超音波処理プロセスの時間長によって変化することができる。いくつかの実施形態では、超音波処理条件は、安定したおよび/または一貫したエッチング速度を提供するように調整されることができる。
表に示すように、シリコン基材および/または二酸化シリコン基材を塩基-水プロセスシーケンス(例えば、基材を塩基溶液浴に浸漬し、超音波処理を適用し、続いて基材を水浴に浸漬し、超音波処理を適用する)によって処理することは、基材の表面からの材料の識別可能な除去をもたらさない場合がある。同様に、シリコン基材および二酸化シリコン基材を酸-水プロセスシーケンス(例えば、基材を塩基性溶液酸に浸漬し、超音波処理を適用し、続いて基材を水浴に浸漬し、超音波処理を適用する)によって処理することは、基材の表面からの材料の識別可能な除去をもたらさない場合がある。
しかしながら、塩基-酸-水および塩基-水-酸-水プロセスシーケンスは、識別可能なエッチング速度をもたらし得る。表1に見られるように、シリコンおよび二酸化シリコンは、それぞれ、異なるプロセスシーケンスに対して異なるエッチング速度に関連付けられる。エッチング速度のこの差は、酸化シリコン結合と比較して、シリコン結合に関連するより弱いエネルギー障壁に起因し得る。例えば、O-Si-O結合は、二酸化シリコン中でより強く、より遅い加水分解反応、例えば式1および式2を参照、ならびに材料除去をもたらし得る。例えば、塩基-酸-水プロセスシーケンスによってシリコン基材を処理することは、約1~4nm/分のエッチング速度を提供することができるが、同じ塩基-酸-水プロセス(例えば、同じ溶液強度、時間、および温度)によって二酸化シリコン基材を処理することは、約0.2~0.7nm/分のエッチング速度をもたらした。同様に、塩基-水-酸-水プロセスシーケンスによってシリコン基材を処理することは、約1~4nm/分のエッチング速度を提供したが、同じ塩基-水-酸-水プロセス(例えば、同じ溶液強度、時間、および温度)によって二酸化シリコン基材を処理することは、約±5nm/分のエッチング速度をもたらした。
上述した超音波処理プロセスシーケンスを適用することは、基材材料の予測可能なエッチング速度を提供することができる。したがって、超音波処理が使用されて、制御された意図的な方法でナノ構造の寸法を縮小することができる。実質的に均一な反応環境のために、ラインエッジ粗さ(LER)は、従来のリソグラフィ技術と比較して滑らかにすることができ、1つ以上の超音波処理条件を調整することによって正確な寸法が達成されることができる。例えば、超音波処理浴の時間長、温度、および/または溶液強度を調整することによって、除去される材料の量が調整されることができる。さらに、シリコンおよび二酸化シリコンは、一貫したおよび/または予測可能なエッチング速度に関連するため、これら2つの材料間のエッチング速度の差が利用されて、選択的且つ制御可能な方法で多層構造を製造することができる。
図6A~図6B、図7A~図7B、図8A~図8B、図9A~図9B、および図10A~図10Bは、本開示の実施形態にしたがって製造されることができる複数のナノ構造を有する基材の例を示している。本開示の実施形態にしたがって製造されたナノ構造は、例えば、ウェアラブルヘッドデバイス(例えば、ウェアラブルヘッドデバイス2102)に使用されることができるアイピース用の1つ以上の格子に使用されることができる。
図6Aは、本開示の実施形態にかかる、例示的な基材600Aを示している。図に示すように、基材600Aは、ベース602Aおよび複数のナノ構造604Aを含むことができる。例示的な基材600Aは、シリコン基材であり得る。複数のナノ構造604Aは、ベース602Aの表面にパターンを形成することができる。図に示すように、複数のナノ構造604Aは、ナノ構造がベース602Aの表面から突出することができるように、ラインアンドスペースパターンをとることができる。パターン形状は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、例えば、ピラーパターン、不連続線、曲線、孔、円柱などを含むがこれらに限定されない任意の適切なナノパターンが、本開示の範囲から逸脱することなく使用されることができる。複数のナノ構造604Aは、第1の高さ(600h1)および第1の幅(600d1)に関連付けられ得る。1つ以上の例では、ナノ構造604Aは、約100~250nmの範囲の幅(600d1)および約70~150nmの高さ(600h1)を有することができる。例えば、604Aは、196nmの幅600d1および79nmの高さ600h1を有し得る。これらの例示的な寸法は、例示を目的として提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
図6Bは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがってエッチングされた例示的なエッチングされた基材600Bを示している。例えば、基材600Bは、本開示の1つ以上の例にかかる塩基-酸-水超音波処理プロセスシーケンスを使用してシリコン基材600Aをエッチングすることによって製造され得る。上述したように、シリコン基材は、塩基-酸-水シーケンスを使用して約1~4nm/分のエッチング速度を有し得る。図に示すように、エッチングされたナノ構造604Bは、線幅600d1と比較して減少した線幅600d2を有し得る。例えば、ナノ構造604Bは、145nmの幅600d2および77nmの高さ600h2を有し得る。これらの例示的な寸法は、例示を目的として提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。さらに、図に示すように、ナノ構造604Bのラインエッジ粗さ(LER)は、特にナノスケールでの従来のリソグラフィプロセスに関連するLERと比較した場合、滑らかとすることができる。ナノ構造604Aとナノ構造604Bの寸法を比較すると、600d1と600d2との間の幅の変化(600Δd)は-51nmとすることができるが、600h1と600h2との間の高さの変化(600Δh)は約-2nmとすることができる。このようにして、線幅寸法dが縮小されて所望のナノ構造の幾何学的形状を達成することができる一方で、ナノ構造の高さは、比較的一定のままとすることができる。
図7Aは、本開示の実施形態にかかる、例示的な基材700Aを示している。図に示すように、基材700Aは、ベース702Aと、複数のナノ構造704Aとを含むことができる。例示的な基材700Aは、二酸化シリコン基材であり得る。複数のナノ構造704Aは、ベース702Aの表面にパターンを形成することができる。図に示すように、複数のナノ構造704Aは、ナノ構造704Aがベース702Aの表面から突出することができるように、ラインアンドスペースパターンであり得る。パターン形状は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の範囲から逸脱することなく、上述したように、任意の適切なナノパターンが使用されることができる。複数のナノ構造704Aは、第1の高さ(700h1)および第1の幅(700d1)に関連付けられ得る。1つ以上の例では、ナノ構造704Aは、約100~250nmの範囲の幅(600d1)および約70~150nmの高さ(600h1)を有することができる。例えば、704Aは、157nmの幅700d1および122nmの高さ700h1を有し得る。これらの例示的な寸法は、例示を目的として提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
図7Bは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがってエッチングされることができる例示的なエッチングされた基材700Bを示している。例えば、基材700Bは、本開示の1つ以上の例にかかる塩基-酸-水超音波処理プロセスシーケンスを使用して二酸化シリコン基材700Aをエッチングすることによって製造され得る。上述したように、二酸化シリコン基材は、塩基-酸-水シーケンスを使用して約0.2~0.8nm/分のエッチング速度を有し得る。図に示されるように、エッチングされたナノ構造704Bは、線幅700d1と比較して減少した線幅700d2、および高さ700h1と比較して増加した高さ700h2を有し得る。例えば、ナノ構造704Bは、141nmの幅700d2および125nmの高さ700h2を有し得る。ナノ構造704Aとナノ構造704Bとの寸法を比較すると、700d1と700d2との間の幅の変化(700Δd1)は約-16nmとすることができるが、700h1と700h2との間の高さの変化(700Δh1)は約+3nmとすることができる。これらの例示的な寸法は、例示を目的として提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。上述した例と同様に、線幅寸法dが縮小されて所望のナノ構造幾何学的形状を達成することができるが、ナノ構造704Bの高さは、比較的一定のままとすることができる。さらに、ナノ構造704BのLERは、特にナノスケールでの従来のリソグラフィプロセスに関連するLERと比較して滑らかとすることができる。
図7Cは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがってエッチングされ得る例示的なエッチングされた基材700Cを示している。例えば、基材700Cは、本開示の1つ以上の例にかかる塩基-酸-水超音波処理プロセスシーケンスを使用して二酸化シリコン基材700Bをエッチングすることによって製造されることができる。したがって、所望のナノ構造幾何形状を達成するために、複数の連続的な超音波処理プロセスが実行されることができる。図に示すように、エッチングされた基材700Cは、線幅700d2と比較して減少した線幅700d3、および高さ700h2と比較して増加した高さ700h3を有し得る。例えば、704Cは、125nmの幅700d3および124nmの高さ700h3を有し得る。ナノ構造704Cの寸法をナノ構造704Cと比較すると、700d2と700d3との間の幅の変化(700Δd2)は約-16nmであり得るが、700h1と700h2との間の高さの変化(700Δh2)は約-1nmであり得る。これらの例示的な寸法は、例示を目的として提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。上述した例と同様に、線幅寸法dが縮小されて所望のナノ構造幾何学的形状を達成することができるが、ナノ構造の高さは、比較的一定のままとすることができる。さらに、ナノ構造704CのLERは、特にナノスケールでの従来のリソグラフィプロセスに関連するLERと比較して滑らかであり得る。
図8Aは、本開示の実施形態にかかる、例示的な基材800Aを示している。図に示すように、基材800Aは、ベース802Aおよび複数のナノ構造804Aを含むことができる。例示的な基材800Aは、シリコン基材であり得る。複数のナノ構造804Aは、ベース802Aの表面にパターンを形成することができる。図に示すように、複数のナノ構造804Aは、ベース802Aの表面から突出することができるラインアンドスペースパターンであり得る。パターン形状は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の範囲から逸脱することなく、上述したように、任意の適切なナノパターンが使用されることができる。複数のナノ構造804Aは、第1の高さ(800h1)および第1の幅(800d1)に関連付けられ得る。1つ以上の例では、ナノ構造804Aは、約100~250nmの範囲内の幅800d1および約70~150nmの高さ800h1を有することができる。例えば、804Aは、約219nmの幅800d1および約115nmの高さ800h1を有し得る。これらの例示的な寸法は、例示を目的として提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
図8Bは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがってエッチングされることができる例示的なエッチングされた基材800Bを示している。例えば、基材800Bは、本開示の1つ以上の例にかかる塩基-水-酸-水超音波処理プロセスシーケンスを使用してシリコン基材800Aをエッチングすることによって製造され得る。上述したように、シリコン基材は、塩基-水-酸-水シーケンスを使用して約1~4nm/分のエッチング速度を有し得る。図に示すように、エッチングされたナノ構造804Bは、線幅800d1と比較して減少した線幅800d2、および高さ800h1と比較して増加した高さ800h2を有し得る。例えば、ナノ構造804Bは、約114nmの幅800d2および約114nmの高さ800h2を有し得る。ナノ構造804Aとナノ構造804Bとの寸法を比較すると、800d1と800d2との間の幅の変化(800Δd)は約-105nmとすることができるが、800h1と800h2との間の高さの変化(800Δh)は約-1nmとすることができる。これらの例示的な寸法は、例示を目的として提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。上述した例と同様に、線幅寸法dが縮小されて所望のナノ構造幾何学的形状を達成することができるが、ナノ構造の高さは、比較的一定のままとすることができる。さらに、図に示すように、ナノ構造804BのLERは、特にナノスケールでの従来のリソグラフィプロセスに関連するLERと比較して滑らかとすることができる。
図9Aは、本開示の実施形態にかかる、例示的な基材900Aを示している。図に示すように、基材600Aは、ベース902Aおよび複数のナノ構造904Aを含むことができる。例示的な基材900Aは、二酸化シリコン基材であり得る。複数のナノ構造904Aは、ベース902Aの表面にパターンを形成することができる。図に示すように、複数のナノ構造904Aは、ベース902Aの表面から突出することができるラインアンドスペースパターンであり得る。パターン形状は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の範囲から逸脱することなく、上述したように、任意の適切なナノパターンが使用されることができる。複数のナノ構造904Aは、第1の高さ(900h1)および第1の幅(900d1)に関連付けられ得る。1つ以上の例では、ナノ構造904Aは、約100~250nmの範囲の幅(900d1)および約70~150nmの高さ(900h1)を有することができる。例えば、904Aは、約125nmの幅900d1および約123nmの高さ900h1を有し得る。これらの例示的な寸法は、例示を目的として提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
図9Bは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがってエッチングされることができる例示的なエッチングされた基材900Bを示している。例えば、基材900Bは、本開示の1つ以上の例にかかる塩基-酸-水超音波処理プロセスシーケンスを使用して二酸化シリコン基材900Aをエッチングすることによって製造され得る。上述したように、二酸化シリコン基材は、塩基-水-酸-水シーケンスを使用して約0nm/分のエッチング速度を有し得る。図に示すように、エッチングされたナノ構造904Bは、ナノ構造904Aとほぼ同じ寸法を有し得る。例えば、ナノ構造904Bは、約125nmの幅900d2および約123nmの高さ900h2を有し得る。ナノ構造604Aとナノ構造604Bとの寸法を比較すると、900d1と900d2との間の幅の変化(900Δd)は約0nmとすることができるが、900h1と900h2との間の高さの変化(900Δh)は約0nmとすることができる。これらの例示的な寸法は、例示を目的として提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。いくつかの例では、ナノ構造904BのLERは、ナノ構造904AのLERよりも滑らかとすることができる。
図10Aは、本開示の実施形態にかかる、例示的な基材1000Aを示している。図に示すように、基材600Aは、ベース1002Aと、複数のナノ構造1004Aとを含むことができる。例示的な基材1000Aは、シリコン基材であり得る。複数のナノ構造1004Aは、ベース1002Aの表面にパターンを形成することができる。図に示すように、複数のナノ構造1004Aは、ベース1002Aの表面から突出することができるラインアンドスペースパターンであり得る。パターン形状は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の範囲から逸脱することなく、上述したように、任意の適切なナノパターンが使用されることができる。複数のナノ構造1004Aは、第1の高さ1000h1および第1の幅1000d1に関連付けられ得る。1つ以上の例では、ナノ構造1004Aは、約100~250nmの範囲内の幅1000d1および約70~150nmの範囲内の高さ1000h1を有することができる。例えば、1004Aは、約126nmの幅1000d1および約130nmの高さ1000h1を有し得る。これらの例示的な寸法は、例示を目的として提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
図10Bは、本開示の1つ以上の実施形態にしたがってエッチングされることができる例示的なエッチングされた基材1000Bを示している。例えば、基材1000Bは、本開示の1つ以上の例にかかる塩基-水-酸-水超音波処理プロセスシーケンスを使用してシリコン基材1000Aをエッチングすることによって製造され得る。上述したように、シリコン基材は、塩基-酸-水シーケンスを使用して約1~4nm/分のエッチング速度を有し得る。図に示すように、エッチングされた基材1000Bは、線幅1000d1と比較して減少した線幅1000d2を有し得るが、高さはほぼ同じままとすることができる(例えば、±5nm)。例えば、1004Bは、約47nmの幅1000d2および約125nmの高さ1000h2を有し得る。ナノ構造1004Aとナノ構造1004Bとの寸法を比較すると、1000d1と1000d2との間の幅の変化は約-79nmとすることができるが、1000h1と1000h2との間の高さの変化は約-5nmとすることができる。これらの例示的な寸法は、例示を目的として提供されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。上述した例と同様に、線幅寸法dが縮小されて所望のナノ構造幾何学的形状を達成することができるが、ナノ構造の高さは、比較的一定のままとすることができる。さらに、ナノ構造1004BのLERは、特にナノスケールでの従来のリソグラフィプロセスに関連するLERと比較して滑らかとすることができる。基材1000Bは、基材800Bと同様のプロセスシーケンスを使用して製造されたが、いくつかの例では、基材1000Bのより細い線幅は、1つ以上の超音波処理条件、例えば、超音波処理に曝される時間長、液体浴の温度、酸および/または塩基溶液の濃度などの変化に起因し得る。
例示的な多層ナノパターン
上述したように、異なる基材材料(例えば、シリコンおよび二酸化シリコン)は、一貫したおよび/または予測可能なエッチング速度と関連付けられることができる。さらに、超音波処理プロセスシーケンス(例えば、塩基-酸-水(B-A-W)、塩基-水-酸-水(B-W-A-W))を変えることは、基材材料間で異なる相対エッチング速度を提供し得る。したがって、これら2つの材料間のエッチング速度の差が利用されて、選択的且つ制御可能な方法で多層構造を製造することができる。例えば、超音波処理条件、例えば超音波処理浴の時間長、温度、溶液強度、および/またはプロセスシーケンスを調整することによって、除去される材料の量が予め決定および/または制御され得る。したがって、様々な断面形状を有する多層ナノ構造は、基材を単一のセットの超音波処理条件に曝露することによって達成されることができる。いくつかの実施形態では、これらに限定されないが、本開示の実施形態にかかる製造プロセスを使用して、階段状、凹角、およびブレーズドを含む様々な幾何学的形状が達成されることができる。
図11A~図11C、図12A~図12C、および図13A~図13Eは、本開示の実施形態にかかる超音波処理製造プロセスの様々な段階における例示的な多層基材を示している。例えば、図11Bおよび図11Cは、本開示の実施形態にしたがって製造された、階段形状を有する例示的な基材を示している。図12Bおよび図12Cは、本開示の実施形態にしたがって製造された、凹角形状を有する例示的な基材を示している。図13Eは、本開示の実施形態にしたがって製造された、ブレーズド形状を有する例示的な基材を示している。例示的な多層構造は、例えば、シリコン、二酸化シリコン、窒化シリコン、および/または他のシリコン系材料を含むがこれらに限定されないシリコン系材料の1つ以上の層から形成されることができる。図に示され、以下により詳細に説明されるように、格子形状、例えば、階段形状、凹角形状、およびブレーズド形状は、異なる材料の異なるエッチング速度を利用することによって達成されることができる。
図11A~図11Cは、本開示の実施形態にかかる超音波処理製造プロセスの様々な段階における例示的な多層基材を示している。例えば、図11Aは、超音波処理プロセスの前の多層基材1100Aを示している。図に示すように、多層基材1100Aは、ベース1102Aおよび複数のナノ構造1104Aを含むことができる。複数のナノ構造1104Aのそれぞれは、ベース1102A上に配置された第1の層1106Aと、第1の層1106A上に配置された第2の層1108Aとを含むことができる。図に示すように、第1の層1106Aおよび第2の層1108Aの両方は、同じ幅を有することができる。いくつかの実施形態では、ベース1102Aおよび第1の層1106Aは、二酸化シリコンから形成されることができ、第2の層1108Aは、シリコンから形成されることができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の層は、リソグラフィ技術を使用して堆積されることができる。
上述したように、シリコンおよび二酸化シリコンは、異なるエッチング速度に関連付けられることができる。例えば、シリコンは、二酸化シリコンよりも大きいエッチング速度に関連付けられることができる。例えば、上述したように、塩基-水-酸-水プロセスシーケンスは、シリコンに対して約1~4nmのエッチング速度および二酸化シリコンに対して約0nmのエッチング速度を提供し得る。したがって、基材1100Aを参照すると、ベース1102Aおよび第1の層1106Aに二酸化シリコンを使用し、第2の層1108Aにシリコンを使用すると、二酸化シリコンと比較してシリコンのエッチング速度が比較的高いため、階段形状をもたらし得る。
図11Bは、例えば、基材1100Aに塩基-水-酸-水プロセスシーケンスを適用することによって本開示の実施形態にしたがって製造された階段状基材1100Bを示している。図に示すように、階段状基材1100Bは、ベース1102Bおよび複数のナノ構造1104Bを含むことができる。各ナノ構造1104Bは、二酸化シリコンの第1の層1106Bおよびシリコンの第2の層1108Bを含むことができる。図に示すように、基材1100Bは、第2の層1108Bの幅または直径が第1の層1106Bの幅または直径と異なることができる階段形状を有することができる。第1の層1106Bと第2の層1108Bとの間の幅のこの差は、超音波処理プロセスシーケンス中のシリコンおよび二酸化シリコンのエッチング速度の相対的な違いに起因することができる。例えば、上述したように、塩基-水-酸-水プロセスシーケンスは、シリコンに対して約1~4nmのエッチング速度および二酸化シリコンに対して約0nmのエッチング速度を提供し得る。これらの例示的なエッチング速度は、第2の層1108Bが第2の層110Aよりも小さい幅を有する基材1100Aと比較して、基材1100Bの形状と一致する。ベース1102Bおよび第1の層1106Bは、ベース1102Aおよび第1の層1106Aとほぼ同じ寸法を有する。
図11Cは、例えば、基材1100Aに塩基-酸-水プロセスシーケンスを適用することによって本開示の実施形態にしたがって製造された階段状基材1100Cを示している。図11Cに示すように、基材1100Cは、二酸化シリコンのベース1102Cと、1つ以上のナノ構造1104Cとを含むことができる。各ナノ構造1104Cは、二酸化シリコンの第1の層1106Cおよびシリコンの第2の層1108Bを含むことができる。図に示すように、基材1100Cは、第2の層1108Cの幅または直径が第1の層1106Cの幅と異なることができる階段形状を有することができる。第1の層1106Bと第2の層1108Cとの間の幅のこの差は、超音波処理プロセスシーケンス中のシリコンおよび二酸化シリコンのエッチング速度の相対的な違いに起因することができる。例えば、上述したように、塩基-酸-水プロセスシーケンスは、シリコンに対して約1~4nmのエッチング速度および二酸化シリコンに対して約0.2~0.7nmのエッチング速度を提供し得る。これらの例示的なエッチング速度は、第2の層1108Cが第2の層1108Aよりも小さい幅を有する基材1100Aと比較して、基材1100Cの形状と一致する。ベース1102Cは、ベース1102Aよりも低い高さを有する。第1の層1106Cは、第1の層1106Aよりも小さい幅を有する。
さらに、基材1100Bおよび1100Cの両方を参照すると、超音波処理は、基材の表面にわたって実質的に均一な反応環境を提供することから、階段状ナノ構造1104Cは、例えば、ナノ構造1104Cのそれぞれが対称的な断面を有することができるように、中心に置くことができる。比較すると、従来のリソグラフィ技術を使用したナノ構造のそのような位置合わせは、構造のナノスケールのために達成するのが困難で高価である可能性がある。
上述したように、基材1100Bおよび1100Cは、テンプレート基材に異なるプロセスシーケンスを適用することの影響を例示している。例示的な基材1100Bと1100Cとの比較は、この違いを示している。例えば、二酸化シリコンは、基材1100Bに適用される塩基-水-酸-水プロセスシーケンスよりも、基材1100Cに適用される塩基-酸-水プロセスシーケンスの方が高いエッチング速度に関連する。したがって、図に示すように、第1の層1106Cは、第1の層1106Bよりも小さい幅を有することができる。同様に、ベース1102Cに関連する高さは、ベース1102Bに関連する高さよりも短くすることができる。したがって、異なるエッチングされた基材の形状および寸法を達成するために、異なるプロセスシーケンスが使用されることができる。
図12A~図12Cは、本開示の実施形態にかかる超音波処理製造プロセスの様々な段階における例示的な多層基材を示している。図12Aは、超音波処理プロセスの前の多層基材1100Aを示している。図に示すように、多層基材1200Aは、ベース1202Aおよび複数のナノ構造1204Aを含むことができる。複数のナノ構造1104Aのそれぞれは、ベース1202A上に配置された第1の層1206Aと、第1の層1206A上に配置された第2の層1208Aとを含むことができる。図に示すように、第1の層1206Aおよび第2の層1208Aの両方は、同じ幅を有することができる。いくつかの実施形態では、ベース1202Aおよび第2の層1208Aは、シリコンから形成されることができ、第1の層1106Aは、二酸化シリコンから形成されることができる。
上述したように、シリコンおよび二酸化シリコンは、異なるエッチング速度に関連付けられることができる。例えば、シリコンは、二酸化シリコンよりも大きいエッチング速度に関連付けられることができる。したがって、基材1200Aを参照すると、ベース1202Aおよび第2の層1208Aにシリコンを使用し、第1の層1206Aに二酸化シリコンを使用すると、二酸化シリコンと比較してシリコンのエッチング速度が比較的高いため、凹角形状をもたらし得る。凹角形状を有するナノ構造は、色選択性導波路および/または太陽電池などの光トラップ用途に使用されることができる。
図12Bは、例えば、基材1200Aに塩基-水-酸-水プロセスシーケンスを適用することによって本開示の実施形態にしたがって製造された凹角基材1200Bを示している。図に示すように、階段状基材1200Bは、ベース1202Bおよび複数のナノ構造1204Bを含むことができる。各ナノ構造1204Bは、シリコンの第1の層1206B、二酸化シリコンの第2の層1208B、およびシリコンの第3の層1210Bを含むことができる。図に示すように、第3の層1210Bは、ベース1202B上に配置され得て、第1の層1206Bは、第3の層1210B上に配置されることができ、第2の層1208Bは、第1の層上に配置されることができる。図に示すように、基材1200Bは、各層、例えば第1の層1206B、第2の層1208B、および第3の層1210Bの幅が異なることができる凹角形状を有することができる。例えば、第1の層1206Bは、第2および第3の層1208B、1210Bよりも広くすることができる。いくつかの例では、第3の層1210Bは、第2の層1208Bよりも広くすることができる。
第1の層1206B、第2の層1208B、および第3の層1210Bの幅の差は、超音波処理プロセスシーケンス中のシリコンおよび二酸化シリコンのエッチング速度の相対的な差に起因することができる。例えば、上述したように、塩基-水-酸-水プロセスシーケンスは、シリコンに対して約1~4nmのエッチング速度および二酸化シリコンに対して約0nmのエッチング速度を提供し得る。これらの例示的なエッチング速度は、基材1200Aと比較して基材1200Bの形状と一致する。例えば、二酸化シリコンの第1の層1206Bは、第1の層1206Aとほぼ同じ寸法を有し得る。対照的に、シリコンの第2の層1208Aは、第2の層1208Aよりも小さい幅を有することができる。さらに、シリコンの第3の層1210Bは、ベース1202Aからエッチングされることができる。例えば、エッチングプロセス中に、一連の材料がシリコンベース1202Aから除去され、第1の層1206Aの下方に第3の層1210Bを形成することができる。したがって、ベース1202Bは、ベース1202Aよりも短くすることができる。
図12Cは、例えば、基材1200Aに塩基-酸-水プロセスシーケンスを適用することによって本開示の実施形態にしたがって製造された凹角基材1200Cを示している。図12Cに示すように、基材1200Cは、シリコンのベース1202Cと、1つ以上のナノ構造1204Cとを含むことができる。各ナノ構造1204Cは、シリコンの第1の層1206C、二酸化シリコンの第2の層1208C、およびシリコンの第3の層1210Cを含むことができる。図に示すように、第3の層1210Cは、ベース1202C上に配置され得て、第1の層1206Cは、第3の層1210C上に配置されることができ、第2の層1208Cは、第1の層上に配置されることができる。図に示すように、基材1200Cは、各層、例えば第1の層1206C、第2の層1208C、および第3の層1210Cの幅が異なることができる凹角形状を有することができる。例えば、第1の層1206Cは、第2および第3の層1208C、1210Cよりも広くすることができる。いくつかの例では、第3の層1210Cは、第2の層1208Cよりも広くすることができる。
第1の層1206C、第2の層1208C、および第3の層1210Cの幅の差は、超音波処理プロセスシーケンス中のシリコンおよび二酸化シリコンのエッチング速度の相対的な差に起因することができる。例えば、上述したように、塩基-酸-水プロセスシーケンスは、シリコンに対して約1~4nmのエッチング速度および二酸化シリコンに対して約0.2~0.7nmのエッチング速度を提供し得る。これらの例示的なエッチング速度は、基材1200Aおよび1200Cと比較して基材1200Cの形状と一致する。例えば、第1および第2の層1206Cおよび1208Cのそれぞれは、第1および第2の層1206Aおよび1208Aよりも小さい幅を有することができる。さらに、二酸化シリコンの第1の層1206Cは、第1の層1206Bよりも小さい寸法、例えば幅および高さを有し得る。第3の層1210Bに関して上述したように、シリコンの第3の層1210Cは、ベース1202Aからエッチングされることができる。例えば、エッチングプロセス中に、一連の材料がシリコンベース1202Aから除去され、第1の層1206Aの下方に第3の層1210Cを形成することができる。したがって、ベース1202Cは、ベース1202Aよりも短くすることができる。
さらに、基材1200Bおよび1200Cの両方を参照すると、超音波処理は、基材の表面にわたって実質的に均一な反応環境を提供することから、階段状ナノ構造1204Cは、例えば、ナノ構造1204Cのそれぞれが対称的な断面を有することができるように、中心に置くことができる。従来のリソグラフィ技術を使用したそのようなナノ構造のセンタリングは、比較すると、構造のスケールのために達成するのが困難で高価である可能性がある。さらに、超音波処理は、滑らかなLERを提供し、従来のリソグラフィ技術と比較してラインブレークの発生を低減することができる。
上述したように、基材1200Bおよび1200Cは、テンプレート基材に異なるプロセスシーケンスを適用することの影響を例示している。例えば、二酸化シリコンは、基材1200Bに適用される塩基-水-酸-水プロセスシーケンスよりも、基材1200Cに適用される塩基-酸-水プロセスシーケンスの方が高いエッチング速度に関連する。したがって、図に示すように、第1の層1206Cは、第1の層1206Bよりも小さい幅を有することができる。同様に、ベース1202Cに関連する高さは、ベース1202Bに関連する高さよりも短くすることができる。したがって、異なるエッチングされた基材の形状および寸法を達成するために、異なるプロセスシーケンスが使用されることができる。
図13A~図13Eは、本開示の実施形態にかかる超音波処理製造プロセス中の様々な段階における例示的な多層基材を示している。図13Aは、超音波処理プロセスの前の多層基材1300Aを示している。図に示すように、多層基材1300Aは、ベース1302Aおよび複数のナノ構造1304Aを含むことができる。複数のナノ構造1304Aのそれぞれは、ベース1302A上に配置された第1の層1306Aと、第1の層1306A上に配置された第2の層1308Aとを含むことができる。図に示すように、第1の層1306Aおよび第2の層1308Aの両方は、同じ幅を有することができる。いくつかの実施形態では、ベース1302Aおよび第1の層1306Aは、二酸化シリコンから形成されることができ、第2の層1108Aは、シリコンから形成されることができる。上述したように、シリコンおよび二酸化シリコンは、異なるエッチング速度に関連付けられることができる。例えば、シリコンは、二酸化シリコンよりも大きいエッチング速度に関連付けられることができる。したがって、基材1300Aを参照すると、ベース1302Aおよび第1の層1306Aに二酸化シリコンを使用し、第2の層1308Aにシリコンを使用すると、第2の層よりも低いエッチング速度を有する第1の層をもたらし得る。
図13Eは、本開示の実施形態にしたがって製造された、ブレーズド形状を有する例示的な基材1300Eを示している。1つ以上の実施形態では、基材1300Eは、本開示の例にかかる超音波処理シーケンスプロセス、例えば、塩基-水-酸-水シーケンスプロセスおよび/または塩基-酸-水シーケンスプロセスによって製造されることができる。図に示すように、ブレーズド形状は、ベース1302E上に配置された第1の層1306Eと、第1の層1306E上に配置された第2の層1308Eとを含むことができる。例えば、第1の層は、二酸化シリコンから形成されることができ、第2の層は、シリコンから形成されることができる。図に示すように、第1の層1306Eは、第2の層1308Eよりも広くてもよいが、第1の層1306Eおよび第2の層1308Eの少なくとも1つの側面は、非対称ブレーズド構造を形成するように位置合わせされることができる。
図13B~図13Dは、例示的な基材1300B~1300Dを示しており、基材1300Eの製造中の中間ステップを示している。これらの図に示すように、マスク1312B~1312Dは、基材の1つ以上の表面に配置されることができる。マスク1312B~1312Dは、超音波処理シーケンスプロセス中に使用される酸および塩基溶液と反応しない材料から形成されることができる。いくつかの実施形態では、マスクは、クロムマスクとすることができるが、本開示の範囲から逸脱することなく他の材料が使用されることができる。したがって、超音波処理中、マスクされた基材表面は、エッチングされなくてもよく、マスクされた基材表面は、エッチングされて非対称なブレーズド形状を生成することができる。
例示的な超音波処理プロセスシーケンス
図14は、本開示の実施形態にかかる多層構造を製造するためのプロセス1400に関する例示的なブロック図を示している。例えば、プロセス1400は、塩基-水-酸-水プロセスシーケンスを使用して、多層基材、例えば基材1100B、1200B、および1300Dを製造するためのステップを対象とすることができる。プロセス1400に関連する以下のステップは、図11A~図11Bに関連して説明され得て、これは、限定することを意図するものではなく、このプロセスは、他の基材、例えば、600B、700B、700Cと関連付けられることができる。
1つ以上の実施形態では、基材、例えば基材1100Aは、塩基溶液の浴、例えば液体浴506に堆積および浸漬されることができ、音波が浴に適用されて超音波処理を行うことができる(ステップ1402)。例えば、超音波処理を行うために、トランスデューサ、例えば502が、溶液、例えば506に適用されることができる。上述したように、塩基溶液は、基材の表面と反応することができる。さらに、印加された音波は、反応した分子が連続的に除去されることができ且つ基材の表面に未反応の塩基溶液が連続的に補充されることができるように、塩基溶液を撹拌することができる。1つ以上の例では、基材を塩基溶液に浸漬することは、基材表面を後続の溶液、例えば酸溶液と反応させるためにプライミングすることができるが、材料の除去、例えば1つ以上のナノ構造の寸法の縮小はもたらさない。例えば、塩基溶液は、エネルギー障壁を低下させ、基材表面またはその近くに位置する分子間の結合を弱めることができる。いくつかの実施形態では、所定の時間の後、基材は、塩基溶液の浴から除去されることができる(ステップ1404)。時間量は、例えば、製造された構造の所望の形状、および所与の超音波処理条件、例えば温度、塩基溶液濃度などに対する基材材料のエッチング速度に基づくことができる。
いくつかの実施形態では、基材は、水浴に浸漬されることができ、超音波処理は、浴に適用されることができる(ステップ1406)。上述したように、水は、基材の表面に存在するシリコンおよび二酸化シリコンと反応することができる。上述したように、水浴の超音波処理は、基材の表面に反応性環境を継続的に提供することができる。いくつかの実施形態では、所定の時間の後、基材は、水浴から除去されることができる(ステップ1408)。いくつかの実施形態では、時間量は、例えば、製造された構造の所望の形状、および所与の超音波処理条件、例えば、温度、酸および塩基溶液濃度などに対する基材材料のエッチング速度に基づくことができる。
いくつかの実施形態では、基材は、酸溶液の浴に浸漬されることができ、超音波処理は、浴に適用されることができる(ステップ1410)。いくつかの実施形態では、酸溶液は、基材の表面に存在するシリコンおよび二酸化シリコンと反応することができ、超音波処理が基材に適用される時間長に基づいて所定の体積の材料が除去されることができる。上述したように、水浴の超音波処理は、基材の表面に反応性環境を継続的に提供することができる。いくつかの実施形態では、所定の時間の後、基材は、酸溶液の浴から除去されることができる(ステップ1412)。いくつかの実施形態では、除去される材料の体積は、温度、酸および塩基溶液濃度、ならびに溶液に曝露される時間を含むがこれらに限定されない1つ以上の超音波処理条件に基づくことができる。いくつかの実施形態では、時間量は、例えば、製造された構造の所望の形状、および所与の超音波処理条件、例えば、温度、酸溶液濃度などに対する基材材料のエッチング速度に基づくことができる。
いくつかの実施形態では、基材は、水浴に浸漬されることができ、超音波処理は、浴に適用されることができる(ステップ1414)。いくつかの例では、水は、基材の表面から反応物、残留物、および/または破片を除去することができる。いくつかの例では、水は、反応物を含まない清浄な表面を提供することができる。上述したように、水浴の超音波処理は、基材の表面に反応性環境を継続的に提供することができる。いくつかの実施形態では、所定の時間の後、基材は、水浴から除去されることができる(ステップ1416)。いくつかの実施形態では、ステップ1416において浴から除去される基材は、基材600B、700B、700C、1100B、1200B、および/または基材1300Dに対応することができる。
図15は、本開示の実施形態にかかる多層構造を製造するためのプロセス1500に関する例示的なブロック図を示している。例えば、プロセス1500は、塩基-酸-水プロセスシーケンスを使用して、多層基材、例えば基材1100C、1200C、および1300Dを製造するためのステップを対象とすることができる。プロセス1500に関連する以下のステップは、図11Aおよび図11Cに関連して説明され得て、これは、限定することを意図するものではなく、このプロセスは、他の基材、例えば、800B、900B、1000B、1200Cおよび1300Dと関連付けられることができる。
1つ以上の実施形態では、基材、例えば基材1100Aは、塩基溶液の浴、例えば液体浴506に浸漬されることができ、音波は、浴に適用されて超音波処理を行うことができる(ステップ1502)。ステップ1502は、上述したステップ1402と同様であってもよい。いくつかの実施形態では、所定の時間の後、基材は、塩基溶液の浴から除去されることができる(ステップ1504)。時間量は、例えば、製造された構造の所望の形状、および所与の超音波処理条件、例えば温度、塩基溶液濃度などに対する基材材料のエッチング速度に基づくことができる。
いくつかの実施形態では、基材は、酸溶液の浴に浸漬されることができ、超音波処理は、浴に適用されることができる(ステップ1506)。ステップ1506は、上述したステップ1410と同様であってもよい。いくつかの実施形態では、所定の時間の後、基材は、酸溶液の浴から除去されることができる(ステップ1508)。いくつかの実施形態では、時間量は、例えば、製造された構造の所望の形状、および所与の超音波処理条件、例えば、温度、酸溶液濃度などに対する基材材料のエッチング速度に基づくことができる。
いくつかの実施形態では、基材は、水浴に浸漬されることができ、超音波処理は、浴に適用されることができる(ステップ1510)。ステップ1510は、上述したステップ1414と同様であってもよい。いくつかの実施形態では、所定の時間の後、基材は、水浴から除去されることができる(ステップ1512)。いくつかの実施形態では、ステップ1412において浴から除去される基材は、基材1100C、基材1200C、および/または基材1300Dに対応することができる。
したがって、超音波処理プロセスシーケンスが使用されて基材をエッチングし、本開示の実施形態にかかる光学格子に適したナノ構造を形成することができる。そのような超音波処理技術は、例えば、異なる材料の既知のエッチング速度に基づいて、制御された方法で初期基材の1つ以上の寸法を減少させて、1つ以上のナノ構造の所望の幾何学的形状および/または寸法を達成することができる。さらに、超音波処理は、基材の表面にわたって実質的に均一な反応環境を提供することができることから、階段状ナノ構造1104Cは、例えば、ナノ構造1104Cのそれぞれが対称的な断面を有することができるように、中心に置くことができる。比較すると、従来のリソグラフィ技術を使用したナノ構造のそのような位置合わせは、構造のスケールのために達成するのが困難で高価である可能性がある。最後に、本開示の実施形態にかかる超音波処理シーケンスプロセスは、ラインブレークのない滑らかなLERを提供することができる。
本開示にかかる実施形態はまた、非対称断面形状を有する基材を製造するための方法を提供することができる。例えば、図16は、本開示の実施形態にかかる、多層構造、例えば、多層ブレーズド構造を製造するためのプロセス1600に関する例示的なブロック図を示している。例えば、プロセス1600は、ブレーズド多層基材、例えば1300Eを製造するためのステップを対象とすることができる。
1つ以上の実施形態では、基材の1つ以上の表面にマスクが適用されることができる(ステップ1602)。例えば、図13Bは、基材の表面にマスク1312Bが適用された例示的な基材1300Bを示している。図に示すように、マスクは、基材1300Bの1つ以上の表面が、表面の全てではないが、その上にマスク1312Bが配置されるような角度で適用されることができる。いくつかの例では、マスクは、Eビームなどの物理蒸着を使用する斜め蒸着(GLAD)マスクおよび/または保護材料を含むことができる。Eビームプロセスは、1つ以上の金属または無機材料、例えば、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、二酸化シリコン(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)などを蒸発させて、コーティングされた表面への堆積材料の安定した接着を確実にすることができる。GLADプロセス中、基材は、マスク材料の供給源に対して角度を付けることができ、それによって、基材の表面上のナノパターン上の堆積経路に影を作り出す。1つ以上の実施形態では、マスクは、クロムマスクとすることができる。1つ以上の実施形態では、マスクは、上述した超音波処理プロセスシーケンス中に使用される選択された酸および塩基溶液に耐性のある材料から形成されることができる。
1つ以上の実施形態では、マスクの1つ以上の部分が除去されることができる(ステップ1604)。例えば、図13Cは、マスク1312Cが基材の表面上に残るようにマスクの1つ以上の部分が除去された例示的な基材1300Cを示している。マスク、例えばマスク1312Bの1つ以上の部分は、ドライエッチングプロセスを介して除去されることができる。例えば、フルオロカーボン、酸素、塩素、および/または三塩化ホウ素などのプラズマおよび/または反応性ガスが使用されて、マスクの部分を除去することができる。いくつかの例では、ドライエッチングは、水平な基材表面上に配置されたマスクの部分が除去されるが、垂直な基材表面上のマスクの部分が残るように、アンティストロペとすることができる。いくつかの例では、他のアンティストロペマスク除去プロセスが使用されることができる。図に示されるように、ステップ1604に続いて、残りのマスク1312Cは、ナノ構造1304Cの右垂直側面に沿って配置されることができる。
1つ以上の実施形態では、上述した超音波処理プロセス、例えば、超音波処理プロセス1400および/または超音波処理プロセス1500が基材に適用されることができる(ステップ1606)。例えば、塩基-水-酸-水超音波処理プロセスおよび/または塩基-酸-水超音波処理プロセスが、基材、例えば基材1300Cに適用されることができる。図13Dは、超音波処理プロセスが適用された後の例示的な基材1300Dを示している。図に示すように、超音波処理プロセスは、ナノ構造1304Dの1つ以上の層から材料を除去することができる。例えば、シリコンの第2の層1308Dから材料が除去されることができる。図に示すように、ナノ構造1304Dの右縁に沿って配置されたマスク1312Dは、超音波処理中にナノ構造1304Dの右縁から材料が除去されるのを防止し得る。したがって、マスク1312Dの使用は、超音波処理中に基材のマスクされた表面から材料が除去されて非対称ブレーズド構造を生成することを防止することができる。
1つ以上の実施形態では、残りのマスク、例えばマスク1312Dが、基材、例えば1300Dから除去されることができる(ステップ1608)。いくつかの実施形態では、マスクは、ウェットエッチングプロセスを使用して除去されることができる。例えば、基材、例えば基材1300Dは、基材材料、例えばシリコンおよび二酸化シリコンを反応および/または除去することなく、マスク、例えば1312Dをエッチングするように構成された溶液に浸漬されることができる。図13Eは、プロセス1600によって製造されることができる例示的なブレーズド基材1300Eを示している。
本明細書では、基材上にナノ構造を製造するためのシステムおよび方法が開示される。複数のナノ構造を含む基材は、ヘッドウェアラブルデバイスなどのディスプレイ用のアイピースに使用されることができる。アイピース用の複数のナノ構造を含む基材を製造および/またはエッチングするための例示的な方法は、基材を浴内に浸漬することと、超音波処理を第1の期間にわたって浴に適用することと、を含むことができる。第1の浴に適用される超音波処理は、流体を撹拌して、基材の表面にわたって実質的に均一な第1の反応性環境を提供することができる。本明細書で開示される実施形態は、使用中に一貫したデジタル画像品質を提供することができる堅牢で製造が容易なディスプレイシステムを提供し得る。基材は、第2の浴に浸漬されることができ、超音波処理は、第2の期間にわたって第2の浴に適用されることができる。第2の浴に適用される超音波処理は、流体を撹拌して、基材の表面にわたって実質的に均一な第2の反応性環境を提供することができる。いくつかの例では、エッチングされた基材を生成するために、第2の期間中に基材の表面から所定量の材料が除去されることができる。いくつかの例では、除去される材料の所定量は、第1の期間の長さに基づくことができ、さらに第2の期間の長さに基づくことができる。
1つ以上の例では、基材上にナノ構造を製造するためのプロセスは、基材の1つ以上の表面上にマスクを堆積させることと、基材からマスクの1つ以上の部分を除去することと、を含むことができる。いくつかの例では、基材の表面の少なくとも一部は、エッチング中にマスクされる。
1つ以上の例では、エッチングされた基材の複数のナノ構造の断面が対称になることができるように、基材の表面から所定量の材料が均一に除去されることができる。1つ以上の例では、表面から除去された所定量の材料の厚さは、約5~50nmの範囲内とすることができる。
1つ以上の例では、基材は、第1の材料を含むベースを含むことができる。複数のナノ構造のナノ構造は、ベース上に配置されることができ、ナノ構造は、第1の層を含むことができる。いくつかの例では、第1の層は、第1の材料とは異なる第2の材料を含むことができる。いくつかの例では、ナノ構造は、実質的に均一な幅を有することができる。いくつかの例では、ベースは、第1のセットの超音波処理条件の第1のエッチング速度と関連付けられることができる。第1の層は、第1のセットの超音波処理条件の第2のエッチング速度と関連付けられることができる。1つ以上の例では、基材は、シリコン、二酸化シリコン、および窒化シリコンから選択される少なくとも1つから形成されることができる。1つ以上の例では、酸溶液は、水中に約2%濃度の硫酸を含むことができる。1つ以上の例では、塩基溶液は、水中に約2%の濃度の過酸化水素または水酸化カリウムを含む。
1つ以上の例では、複数のナノ構造の各ナノ構造は、階段形状、凹角形状、およびブレーズド形状から選択されたものに対応する幾何学的形状を有することができる。1つ以上の例では、超音波処理条件は、第1の浴および第2の浴の1つ以上に関連する温度、第1の期間に関連する時間長、第2の期間に関連する時間長、酸溶液の濃度、および塩基溶液の濃度の1つ以上を含むことができる。
本開示の実施形態にかかる化合物は、第1の表面を有するベースと、第1の表面上に配置された複数のナノ構造とを含む基材を含むことができる。いくつかの例では、基材は、エッチングされた基材を形成するために基材に超音波処理プロセスシーケンスを適用することによってエッチングされるように構成されることができる。いくつかの例では、エッチングされた基材は、複数のエッチングされたナノ構造を含むことができ、複数のエッチングされたナノ構造は、第1の表面から第1の所定量の材料を除去し、複数のナノ構造の1つ以上の表面から第2の所定量の材料をさらに除去することによって製造されることができる。
1つ以上の例では、基材の表面から除去される所定量の材料の厚さは、約5~50nmの範囲内とすることができる。1つ以上の例では、エッチングされた基材の複数のエッチングされたナノ構造の断面が対称になることができるように、複数のナノ構造の第1の表面および1つ以上の表面から所定量の材料が均一に除去されることができる。
1つ以上の例では、超音波処理プロセスシーケンスは、基材を第1の浴に浸漬することであって、第1の浴が第1の流体を含む、ことと、超音波処理を第1の期間にわたって第1の浴に適用することであって、超音波処理を適用することが、第1の流体を撹拌して基材の表面にわたって実質的に均一な第1の反応性環境を提供する、こととを含むことができる。いくつかの例では、超音波処理プロセスシーケンスは、第2の浴が第2の流体を含む第2の浴に基材を浸漬することと、第2の浴に第2の期間超音波処理を適用することであって、超音波処理を適用することが、第2の流体を撹拌して基材の表面にわたって実質的に均一な第2の反応性環境を提供する、こととを含むことができる。1つ以上の例では、エッチングされた基材を生成するために、第2の期間中に所定量の材料が除去されることができる。1つ以上の例では、所定量の材料の量は、第1の期間の長さに基づくことができ、さらに第2の期間の長さに基づくことができる。1つ以上の例では、超音波処理条件は、第1の浴および第2の浴の1つ以上に関連する温度、第1の期間に関連する時間長、第2の期間に関連する時間長、酸溶液の濃度、および塩基溶液の濃度の1つ以上を含むことができる。
1つ以上の例では、基材のベースは第1の材料を含むことができ、複数のナノ構造のナノ構造は、第1の層を形成することができ、第1の層は、第1の材料とは異なる第2の材料を含む。1つ以上の例では、ベースは、第1のセットの超音波処理条件の第1のエッチング速度と関連付けられることができ、第1の層は、第1のセットの超音波処理条件の第2のエッチング速度と関連付けられることができる。1つ以上の例では、基材は、シリコン、二酸化シリコン、および窒化シリコンから選択される少なくとも1つから形成されることができる。1つ以上の例では、酸溶液は、水中に約2%濃度の硫酸を含むことができる。1つ以上の例では、塩基溶液は、水中に約2%の濃度の過酸化水素または水酸化カリウムを含む。
1つ以上の例では、複数のナノ構造の各ナノ構造は、実質的に均一な幅を有する。1つ以上の例では、複数のナノ構造のエッチングされた各ナノ構造は、階段形状、凹角形状、およびブレーズド形状から選択されたものに対応する幾何学的形状を有することができる。
開示された例は、添付の図面を参照して十分に説明されているが、様々な変形および変更が当業者には明らかになることに留意されたい。例えば、図面に示される要素および/または構成要素は、縮尺通りでなくてもよく、および/または説明目的のために強調されてもよい。別の例として、1つ以上の実装の要素が組み合わせられ、削除され、変更され、または補足されて、さらなる実装を形成してもよい。他の組み合わせおよび変更は、添付の特許請求の範囲によって定義される開示された例の範囲内に含まれると理解されるべきである。

Claims (20)

  1. 複数のナノ構造を含む基材をエッチングする方法であって、前記方法は、
    前記基材を第1の浴に浸漬することであって、前記第1の浴は、第1の流体を含む、ことと、
    第1の期間にわたって前記第1の浴に超音波処理を適用することであって、超音波処理を適用することは、前記第1の流体を撹拌して、前記基材の表面にわたって実質的に均一な第1の反応性環境を提供する、ことと、
    前記基材を第2の浴に浸漬することであって、前記第2の浴は、第2の流体を含む、ことと、
    第2の期間にわたって前記第2の浴に超音波処理を適用することであって、超音波処理を適用することは、前記第2の流体を撹拌して、前記基材の前記表面にわたって実質的に均一な第2の反応性環境を提供し、所定量の材料は、エッチングされた基材を生成するために、前記第2の期間の間に前記基材の前記表面から除去される、ことと
    を含み、
    前記材料の量は、前記第1の期間の長さに基づいて、さらに前記第2の期間の長さに基づいて予め決定される、方法。
  2. 前記表面から除去される前記所定量の材料の厚さは、5~50nmの範囲内である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記所定量の材料は、前記エッチングされた基材の前記複数のナノ構造の断面が対称であるように、前記基材の前記表面から均一に除去される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記基材は、第1の材料を含むベースを備え、
    前記複数のナノ構造の前記ナノ構造は、前記ベース上に配置され、前記ナノ構造は、第1の層を含み、前記第1の層は、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含み、
    前記複数のナノ構造の前記ナノ構造は、実質的に均一な幅を有し、
    前記ベースは、第1のセットの超音波処理条件の第1のエッチング速度に関連付けられ、前記第1の層は、前記第1のセットの超音波処理条件の第2のエッチング速度に関連付けられる、
    請求項1に記載の方法。
  5. 前記複数のナノ構造の各ナノ構造は、階段形状、凹角形状、およびブレーズド形状のうちの1つに対応する幾何学的形状を有する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1のセットの超音波処理条件の前記超音波処理条件は、
    前記第1の浴および前記第2の浴のうちの1つ以上に関連付けられた温度、
    前記第1の期間に関連付けられた時間長、
    前記第2の期間に関連付けられた時間長、
    酸溶液の濃度、および
    塩基溶液の濃度
    のうちの1つ以上を含む、請求項4に記載の方法。
  7. 前記基材は、シリコン、二酸化シリコン、および窒化シリコンの少なくとも1つから形成される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記酸溶液は、水中に約2%濃度の硫酸を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記塩基溶液は、水中に約2%濃度の過酸化水素または水酸化カリウムを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記基材の1つ以上の表面上にマスクを堆積させることと、
    前記マスクの1つ以上の部分を前記基材から除去することと
    をさらに含み、
    前記基材の前記表面の少なくとも一部は、前記第2の期間中にマスクされる、請求項1に記載の方法。
  11. 化合物であって、
    基材であって、
    第1の表面を備えるベースと、
    前記第1の表面上に配置された複数のナノ構造と
    を備える、基材
    を備え、
    前記基材は、エッチングされた基材を形成するために前記基材に超音波処理プロセスシーケンスを適用することによってエッチングされるように構成され、前記エッチングされた基材は、複数のエッチングされたナノ構造を含み、
    前記エッチングされたナノ構造は、前記第1の表面から第1の所定量の材料を除去し、さらに、前記複数のナノ構造の1つ以上の表面から第2の所定量の材料を除去することによって製造される、化合物。
  12. 前記第1の表面から除去された前記所定量の材料の厚さは、5~50nmの範囲内である、請求項11に記載の化合物。
  13. 前記所定量の材料は、前記エッチングされた基材の前記複数のエッチングされたナノ構造の断面が対称であるように、前記第1の表面から均一に除去され、さらに前記複数のナノ構造の前記1つ以上の表面から均一に除去される、請求項11に記載の化合物。
  14. 前記超音波処理プロセスシーケンスは、
    前記基材を第1の浴に浸漬することであって、前記第1の浴は、第1の流体を含む、ことと、
    第1の期間にわたって前記第1の浴に超音波処理を適用することであって、超音波処理を適用することは、前記第1の流体を撹拌して、前記基材の前記第1の表面にわたって実質的に均一な第1の反応性環境を提供する、ことと、
    前記基材を第2の浴に浸漬することであって、前記第2の浴は、第2の流体を含む、ことと、
    第2の期間にわたって前記第2の浴に超音波処理を適用することであって、超音波処理を適用することは、前記第2の流体を撹拌して、前記基材の前記第1の表面にわたって実質的に均一な第2の反応性環境を提供し、前記所定量の材料は、エッチングされた基材を製造するために前記第2の期間の間に除去される、ことと
    を含み、
    前記材料の量は、前記第1の期間の長さに基づいて、さらに前記第2の期間の長さに基づいて予め決定される、請求項11に記載の化合物。
  15. 前記ベースは、第1の材料を含み、
    前記複数のナノ構造の前記ナノ構造は、第1の層を含み、前記第1の層は、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含み、
    前記ベースは、第1のセットの超音波処理条件に対する第1のエッチング速度と関連付けられ、
    前記第1の層は、前記第1のセットの超音波処理条件に対する第2のエッチング速度と関連付けられる、
    請求項14に記載の化合物。
  16. 前記複数のナノ構造の各ナノ構造は、実質的に均一な幅を有し、
    前記複数のナノ構造の各エッチングされたナノ構造は、階段形状、凹角形状、およびブレーズド形状のうちの1つに対応する幾何学的形状を有する、請求項15に記載の化合物。
  17. 前記第1のセットの超音波処理条件の前記超音波処理条件は、
    前記第1の浴および第2の浴のうちの1つ以上に関連付けられた温度、
    前記第1の期間に関連付けられた時間長、
    前記第2の期間に関連付けられた時間長、
    前記酸溶液の濃度、および、
    前記塩基溶液の濃度
    のうちの1つ以上を含む、請求項15に記載の化合物。
  18. 前記酸溶液は、水中に約2%濃度の硫酸を含む、請求項14に記載の化合物。
  19. 前記塩基溶液は、水中に約2%濃度の過酸化水素または水酸化カリウムを含む、請求項14に記載の化合物。
  20. 前記基材は、シリコン、二酸化シリコン、および窒化シリコンの少なくとも1つから形成される、請求項11に記載の化合物。
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