JP2024518845A - ソトラシブ及びその固体状態形態の調製のためのプロセス - Google Patents

ソトラシブ及びその固体状態形態の調製のためのプロセス Download PDF

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Abstract

本開示は、医薬活性化合物として有用なソトラシブ及びその塩の調製のためのプロセスに関する。本開示は、ソトラシブ及びその塩の調製のための中間体にも関する。更に、本開示は、ソトラシブの固体状態形態、実施形態におけるソトラシブの結晶性多形体、その調製のためのプロセス、及びその医薬組成物を包含する。ソトラシブの調製のためのプロセスもまた提供される。

Description

本開示は、医薬活性化合物として有用なソトラシブ及びその塩の調製のためのプロセスに関する。本開示は、ソトラシブ及びその塩の調製のための中間体にも関する。更に、本開示は、ソトラシブの固体状態形態、実施形態におけるソトラシブの結晶性多形体、その調製のためのプロセス、及びその医薬組成物を包含する。ソトラシブの調製のためのプロセスもまた提供される。
ソトラシブは、化学名4-((S)-4-アクリロイル-2-メチルピペラジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2(1H)-オン及び以下の化学構造:
を有する。
ソトラシブは、KRAS G12C阻害剤に属する化合物として国際公開番号WO2018/217651に記載されている。KRAS遺伝子突然変異は、膵臓がん、肺腺癌腫、結腸直腸がん、胆嚢がん、甲状腺がん及び胆管がんにおいて共通すると報告されている。
明らかに、KRAS突然変異は、その上、NSCLC (非小細胞肺がん)を有する患者の約25%において観察され、一部の研究は、KRAS突然変異が、NSCLCを有する患者において負の予後因子であることを示している。
該化合物は、米国特許第10,519,146号に記載されており、固体状態形態は、米国特許第11,236,091号に記載されている。
J. Med. Chem.、2020、63、52~65頁に開示されている通り、化合物ソトラシブ(AMG510)は、ビス-オルト置換ビアリール結合の周りの回転障害により立体配座異性体(アトロプ異性体)として存在する。アトロプ異性体は、(M)-アトロプ異性体及び(P)-アトロプ異性体として指定することができる。(M)-アトロプ異性体は、一般に、より活性の異性体であると考えられる。
ソトラシブ及びその塩の固体状態形態は、国際公開番号WO2020236947、WO2020236948及びWO2021236920に記載されている。
国際公開番号WO 2018/217651は、ソトラシブ(化合物I)の調製のためのプロセスを示唆し、ここで、それらは、スキームI、トリフルオロ(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)ボレートカリウム塩の調製のための予備ステップにおける腐食性化学物質、KFを使用する。
同じ公報は、(3S)-tert-ブチル4-(6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(化合物IV)からの調製のための最終ステップにおいて塩化アクリロイル(acryloyl chloride)が使用される(スキームII)ことも示唆する。
国際公開番号WO 2020/102730A1は、化合物VIの共結晶(cocrystal)の中和後の7-クロロ-6-フルオロ-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(化合物M-ジオンV)の時点におけるアトロプ異性体分離を用いるソトラシブの調製を開示している。共結晶化は、(+)-2,3-ジベンゾイル-D-酒石酸を用いる化合物VIのTHF溶媒和物の間で得られる。
国際公開WO 2022/076623は、7-クロロ-6-フルオロ-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(スキームIIIにおける化合物VI)のラセミ化のためのプロセスを開示している。
多形性、異なる結晶性形態の出現は、一部の分子及び分子複合体の特性である。単一の分子は、独特な結晶構造、並びに融点、熱的挙動(例えば、熱質量分析(「TGA」)、又は示差走査熱量測定(「DSC」)によって測定される)、X線回折(XRD)パターン、赤外吸収指紋、及び固体状態(13C)NMRスペクトルのような物理的特性を有する様々な多形体を生じさせ得る。これらの技法の1つ又は複数は、化合物の異なる多形形態を区別するために使用することができる。
医薬活性成分の異なる塩及び固体状態形態(溶媒和形態を含める)は、異なる特性を有し得る。異なる塩及び固体状態形態及び溶媒和物の特性におけるこうした変動は、例えば、より良好な加工又は取扱い特徴を容易にすること、好ましい方向で溶解プロファイルを変えること、又は安定性(多形並びに化学的安定性)及び保存期間を改善することによって、製剤を改善するための基盤を提供することができる。異なる塩及び固体状態形態の特性におけるこれらの変動は、例えば、それらが生物学的利用能を改善する働きをするならば、最終剤形に改善を提供することもできる。医薬活性成分の異なる塩及び固体状態形態及び溶媒和物は、様々な多形体又は結晶性形態を生じさせることもでき、順じて、固体医薬活性成分の特性及び特徴における変動を判定する追加の機会を提供する。
国際公開番号WO 2018/217651 米国特許第10,519,146号 米国特許第11,236,091号 国際公開番号WO2020236947 国際公開番号WO2020236948 国際公開番号WO2021236920 国際公開番号 WO 2020/102730A1 国際公開 WO 2022/076623
J. Med. Chem.、2020、63、52~65頁 Anselら、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版
医薬生成物の新たな固体状態形態及び溶媒和物を発見することは、望ましい加工特性、例えば、取扱いの簡便さ、加工の簡便さ、貯蔵安定性、及び精製の簡便さを有する材料、又は他の多形形態への変換を容易にする望ましい中間結晶形態としての材料をもたらすことができる。薬学的に有用な化合物の新たな固体状態形態は、医薬生成物の性能特徴を改善する機会を提供することもできる。製剤科学者が、例えば、より良好な加工又は取扱い特徴、溶解プロファイルの改善、又は保存期間(化学的/物理的安定性)の改善を提供することができる、異なる特性、例えば、異なる結晶習性、より高い結晶性、又は多形安定性を製品に提供することによって、製剤最適化のために利用可能である材料のレパートリーを拡大する。少なくともこれらの理由のため、ソトラシブの追加の固体状態形態(溶媒和形態を含める)の必要がある。
本発明は、ソトラシブの固体状態形態に関する。更に、本発明は、ソトラシブ及びその塩を作製するプロセスにおいて鍵となる中間体の調製及びアトロプ異性体分離のための改善されたプロセスに関する。該プロセスは、ソトラシブへの2つの可能な道を与える。本発明のプロセスは、光感受性及び高可燃性である、水と激しく反応する非常に不安定な化学物質、塩化アクリロイルの使用を回避する。
本開示は、ソトラシブ及びその塩の調製のためのプロセスを提供する。
本開示は、中間体、及び塩、共結晶又は任意の他の多形体を作製することによるそれらのアトロプ異性体の分離のためのプロセスを更に提供する。
別の態様において、本開示は、ソトラシブの調製のための本開示による中間体のいずれか1つの使用を提供する。
別の態様において本開示は、本開示のプロセスによって生成されるソトラシブを提供する。
本開示のプロセスによって生成されるソトラシブ若しくはソトラシブ塩、共結晶又は他の多形体は、ソトラシブ又はソトラシブ塩の医薬組成物及び/又は製剤の調製において使用することができる。
本開示は、本開示のプロセスによって調製されるソトラシブ又はその塩の治療有効量を、処置を必要とする対象に投与することを含む、NSCLCの処置の方法も提供する。実施形態において、本開示のプロセスによって調製されるソトラシブ又はその塩、並びに本開示の医薬組成物及び/又は製剤は、KRAS G12C変異体腫瘍;特に、KRAS G12C変異体固形腫瘍;特に、非小細胞肺がん、結腸直腸がん、膵臓がん、虫垂がん、子宮内膜がん、及び黒色腫の処置において;更に特に、非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がんの処置において;又は進行性若しくは転移性の非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がん、更に特に、局所進行性若しくは転移性の非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がんの処置において、及び殊に、少なくとも1つの前の全身的治療に続く進行性若しくは転移性の非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がんの処置において使用することができる。
本開示は、ソトラシブ及びその塩の固体状態形態、実施形態におけるソトラシブの結晶性多形体、ソトラシブの共結晶、その調製のためのプロセス、並びにその医薬組成物を更に提供する。これらの固体状態形態は、ソトラシブの他の固体状態形態、ソトラシブ塩及びそれらの固体状態形態を調製するために使用することができる。
本開示は、ソトラシブ又はその塩の他の固体状態形態の調製における、ソトラシブの前記固体状態形態の使用も提供する。
本開示は、がん、特に非小細胞肺及び/又は結腸直腸がんの処置のためを含めて、医療における使用のための、ソトラシブの固体状態形態を提供する。
本開示は、医薬組成物及び/又は製剤の調製のための、本開示のソトラシブの固体状態形態の使用も包含する。
別の態様において、本開示は、本開示によるソトラシブの固体状態形態を含む医薬組成物を提供する。
本開示は、上に記述されている医薬組成物を調製するためのプロセスを含む。該プロセスは、ソトラシブの固体状態形態のいずれか1つ又は組合せを少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることを含む。
本明細書において定義されている通りのソトラシブの固体状態形態及びソトラシブの固体状態形態の医薬組成物又は製剤は、がん、特に非小細胞肺及び/又は結腸直腸がんの処置等のための医薬として使用することができる。
本開示は、本開示のソトラシブの固体状態形態のいずれか1つ若しくは組合せ、又は上記の医薬組成物の少なくとも1種の治療有効量を、非小細胞肺及び/若しくは結腸直腸がんを患う対象、又はそうでなければ、該処置を必要とする対象に投与することによって、がん、特に非小細胞肺及び/又は結腸直腸がんを処置する方法も提供する。
本開示は、がん、例えば、非小細胞肺及び/又は結腸直腸がんを処置するための医薬の製造のための、本開示のソトラシブの固体状態形態、又は上記の医薬組成物の少なくとも1種の使用も提供する。
ソトラシブ形態H5の特徴的なX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
一態様において本発明は、ソトラシブ及びその塩の調製のためのプロセスを提供する。開示されているプロセスは、以下:
a)式VI
の化合物を、式VIII
(式中、Rは、B(OH)2基又はボロン酸ピナコールエステル基である)
の化合物と反応させることで、化合物VII
を得ること。
b)化合物rac-VIIを、適当な塩及び溶媒と混合することで、塩、共結晶、溶媒和物若しくは任意の他の多形体混合物の形態でM-VIIを得ること。
c)任意選択により、このM-VII塩又は共結晶を中和することで、M-VII塩基を得ること。
d)化合物M-VII塩基を化合物IX
と反応させることで、化合物X:
を得ること。
e)塩基脱離の条件において化合物Xを反応させることで、化合物I:
を得ること
f)ステップd)及びe)の代替として、化合物M-VII塩基を化合物XI
と反応させることで、化合物Iを得ること。
を含む。
代替として、本開示は、化合物rac-Xのアトロプ異性体分離への経路を介するソトラシブ及びその塩の調製のためのプロセスを提供する。前記プロセスは、以下:
g)式VII
の化合物を式IX
の化合物と反応させることで、化合物X
を得ること。
h)化合物rac-Xを適当な塩及び溶媒と混合することで、塩、共結晶、溶媒和物又は任意の他の多形体混合物の形態でXを得ること。
i)任意選択により、このX塩又は共結晶を中和することで、X塩基
を得ること。
j)塩基脱離の条件において化合物Xを反応させることで、化合物Iを得ること。
を含む。
他の実施形態において、本開示は、化合物Iの調製のための中間体を提供する。
本開示は、化合物X:
を、塩基脱離の条件において反応させることを含む、ソトラシブ(化合物I)の調製のためのプロセスを更に含む。したがって、式X:
の化合物のβ-脱離反応を含む、ソトラシブを調製するためのプロセスが提供される。該反応は、塩基を使用して実施される。塩基は、特にアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、又はアルカリ金属リン酸塩から選択される無機塩基であってよい。反応は、好ましくは、極性溶媒又は極性溶媒の混合物中で行われる。
開示されているプロセスの実施形態の任意の態様によると、脱離反応のための適当な塩基としては、以下が挙げられる:アルカリ金属水酸化物、任意選択によりここで、塩基は水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムである;任意選択により炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムから選択されるアルカリ金属炭酸塩;又は任意選択によりリン酸カリウム及びリン酸ナトリウムから選択されるアルカリ金属リン酸塩。特に好ましい塩基は、アルカリ金属水酸化物、任意選択により水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、及び特に水酸化カリウムである。
開示されているプロセスの実施形態の任意の態様によると、脱離反応は、好ましくは、極性溶媒中で行われる。特に、極性溶媒は、アセトニトリル若しくはプロトン性溶媒、又はその混合物を含むことができる。好ましくは、プロトン性溶媒は、水を含む。より好ましくは、極性溶媒は、アセトニトリル及び水の混合物である。
開示されているプロセスの実施形態の任意の態様によると、反応は、好都合には、約室温で行われる。好ましくは、反応は、約20℃から約30℃、約22℃から約27℃、又は約25℃の温度で実施される。
開示されているプロセスの実施形態の任意の態様によると、ソトラシブは、任意の形態、好ましくは固体形態、より好ましくは結晶性形態で反応混合物から単離することができる。
開示されているプロセスの実施形態の任意の態様によると、反応混合物は、任意選択により塩酸、硫酸又はリン酸から選択される鉱酸で、好ましくは鉱酸、特にリン酸でクエンチすることができる。好ましくは、pHを約5.8から約7.2、約6.0から約7.0、約6.4から約6.8、又は約6.6に調整するために、十分な酸が添加される。任意選択により、鉱酸でクエンチする前又は後に、C1~3アルコールが反応混合物に添加される。好ましくは、C1~3アルコールは、メタノールである。
開示されているプロセスの実施形態の任意の態様によると、ソトラシブは、単離することができる。好ましくは、ソトラシブは、以下を含むプロセスによって反応混合物から単離される:
(a)クエンチされた反応混合物を、任意選択により、約35℃から約70℃、約40℃から約55℃、又は約45℃の温度に加熱すること;
(b)任意選択により、混合物のpHを約5.8から約7.2、約6.0から約7.0、約6.4から約6.8、又は約6.6に調整すること、及び任意選択により、水を添加することで溶液を形成すること;
(c)任意選択により、ソトラシブの種子結晶を添加すること、好ましくはここで、開示の任意の態様又は実施形態に記載されている通り、種子結晶はソトラシブ形態H5である;
(d)混合物を、約35℃から約70℃、約40℃から約55℃、又は約45℃の温度で、好ましくは約10分から約5時間、約20分から約4時間、約30分から約2時間、又は約1時間の間撹拌すること;
(e)混合物を、任意選択により、約20℃から約30℃、又は約22℃から約27℃、又は約25℃の温度に冷却すること;
(f)任意選択により、水を添加すること;
(g)任意選択により、混合物を約30分から約10時間の間撹拌すること;
(h)任意選択により、混合物を、好ましくは、約-10℃から約15℃、約-5℃から約10℃、約-2℃から約8℃、又は約0℃から約5℃の温度に冷却すること;
(i)任意選択により、冷却された混合物を約20分から約5時間、約40分から約4時間、又は約50分から約2時間の間撹拌すること;並びに
(j)任意選択により、濾過、デカンテーション又は遠心分離によってソトラシブを単離すること。
開示されているプロセスの実施形態の任意の態様によると、ソトラシブは、濾過によって単離することができる。ソトラシブは、任意選択により、約40℃から約90℃、約50℃から約80℃、約65℃から約75℃、又は約70℃の温度で乾燥させることができ、好ましくはここで、乾燥は減圧である。
有利には、開示の実施形態の任意の態様に記載されている通りのプロセスは、単離された粗生成物から、例えば別々の結晶化ステップを必要とせず、反応混合物から直接的に結晶性ソトラシブを得るために使用することができる。特に、開示されているプロセスの実施形態の任意の態様によると、本明細書における任意の態様又は実施形態に記載されている通りのソトラシブ結晶性形態H5は、反応プロセスから直接的に(例えば、粗製ソトラシブを最初に単離すること及び別々の結晶化ステップに粗生成物をかけることなく)、高純度で得ることができる。
開示されているプロセスの実施形態の任意の態様によると、化合物Xを調製するためのプロセスが提供され、ここで、プロセスは、化合物XV:
を3-クロロプロピオニルクロリド(化合物XVII)と、好ましくは、塩基及び溶媒の存在下で反応させることを含む。好ましくは、該プロセスは、塩基の存在下で実施される。該反応は、溶媒、好ましくは極性非プロトン性溶媒、より好ましくは塩素化炭化水素、例えば、ジクロロメタン又はラクタム、例えば、NMP中で実施することができる。塩基は、任意の適当な有機又は無機塩基、好ましくは有機塩基、例えば、モノ、ジ若しくはトリアルキルアミン、好ましくはモノ、ジ若しくはトリ(C1~6)アルキルアミン、又はモノ、ジ若しくはトリ(C1~3)アルキルアミンであってよく、ここで、ジ又はトリアルキルアミンにおけるアルキル基は、同じ又は異なっていてよい。特に適当な塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。該プロセスは、好ましくは、溶媒中に化合物XV、塩基及び3-クロロプロピオニルクロリドを含む反応混合物を調製することを含む。好ましくは、反応混合物は、化合物XVを塩基と組み合わせること、及び3-クロロプロピオニルクロリドを添加することによって調製され、任意選択によりここで、該添加は、少しずつ又は滴下による。反応物は、ほぼ室温で撹拌することができる。混合物は、約15分から約10時間、約20分から約9時間又は約30分から約8時間等の適当な時間の間撹拌することができる。反応混合物は、無機塩基、例えば、アルカリ金属炭酸塩、又はアルカリ金属炭酸水素、好ましくは炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸水素カリウム、特に炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム、最も特に炭酸カリウムでクエンチすることができる。好ましくは、化合物Xは、反応混合物から結晶化によって単離される。有利には、化合物Xは、クエンチした後の反応混合物から結晶として直接的に(即ち、単離された粗生成物の別々精製を必要とすることなく)、単離することができる。更に、化合物Xは、クエンチした後の反応混合物から結晶として直接的に、高収率及び高純度で単離することができる。本開示は、開示の任意の態様又は実施形態に記載されている通りに化合物Xを調製すること、及び化合物Xをソトラシブに変換することを含む、ソトラシブためのプロセスを更に提供する。化合物Xからソトラシブへの変換は、本開示の任意の態様又は実施形態に記載されている通り化合物Xのベータ脱離によって実施することができる。
開示されているプロセスの任意の態様又は実施形態によると、化合物XVは、式XIV:
(式中、PGは保護基であり、好ましくはここで、PGは酸不安定な保護基である)
の化合物の脱保護によって調製することができる。酸不安定な保護基はよく知られており、tert-ブチルオキシカルボニル(tBOC)が特に好ましい保護基である。開示されているプロセスの任意の態様又は実施形態によると、化合物XIVは、例えば、鈴木カップリング条件下で、化合物XIII:
と、化合物VIII:
(式中、Rは、B(OH)2又はボロン酸ピナコールエステルである)
との反応によって調製することができる。
開示されているプロセスの任意の態様又は実施形態によると、化合物XIIIのジアステレオマー混合物のキラル精製によって化合物XIIIを調製するためのプロセスが提供される。特に、化合物XIII:
のジアステレオマー混合物から結晶化によって化合物XIIIを調製するためのプロセス。
本開示の任意の態様又は実施形態によると、結晶化は、適当な溶媒を使用して実施することができる。特に適当な溶媒としては、アルコール、好ましくは脂肪族アルコール(殊にC1~6アルコール、又はC1~3アルコール、更に殊にエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、又はブタノール)、ケトン(殊にC3~6ケトン、更に殊にアセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトン、特にアセトン又はメチルイソブチルケトン)、エステル(特にC3-6エステル、更に特に酢酸メチル、酢酸エチル又はイソブチルアセテート)、ニトリル(好ましくはアセトニトリル)、芳香族炭化水素(特にC6-10芳香族炭化水素、好ましくはトルエン)、及び水、又はその組合せが挙げられる。好ましくは、結晶化は、エタノール、n-ブタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル又はトルエン、最も好ましくはアセトン、エタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、又はイソプロパノール中で実施される。好ましくは、該プロセスは、上に記載されている溶媒中で化合物XIIIのジアステレオマー混合物から化合物XIIIを結晶化させることを含む。好ましくは、該プロセスは、溶液を、任意選択により約40℃から約90℃、約50℃から約80℃、約55℃から約70℃、又は約60℃の温度に加熱すること、及び冷却することで化合物XIIIを結晶化させることを含む。混合物は、約-5℃から約30℃、約-2℃から約25℃、又は約0℃から約25℃に冷却することができる。任意選択により、化合物VIIIの種子結晶が添加され得る。混合物は、約2時間から約48時間、約6時間から約36時間、約10時間から約28時間、約18時間から約24時間、又は約22時間等の適当な時間の間撹拌することができる。
本発明のさらなる態様によると、化合物XIIIのジアステレオマー混合物から結晶化によって化合物XIIIを調製すること、化合物XIIIを化合物XVに変換すること(好ましくは、任意選択により鈴木条件下で、化合物XIIIをVIIIと反応させることでXIVを形成すること、及び脱保護することによる)、及び化合物XVを化合物XVIIと反応させることを含む、化合物Xを調製するためのプロセスが提供される。本発明の別の態様によると、化合物XIIIのジアステレオマー混合物から結晶化によって化合物XIIIを調製すること、化合物XIIIを化合物XVに変換すること(好ましくは、任意選択により鈴木条件下で、化合物XIIIをVIIIと反応させることでXIVを形成すること、及び脱保護することによる)、及び化合物XVを化合物XVIIと反応させることで化合物Xを得ること、及び化合物Xをソトラシブに変換することを含む、ソトラシブを調製するためのプロセスが提供される。好ましくは、化合物Xからソトラシブへの変換は、無機塩基、特にアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、又はアルカリ金属リン酸塩から選択される塩基を用いる化合物Xのベータ脱離によって実施され、好ましくはここで、反応は、極性溶媒又は極性溶媒の混合物中で行われる。ソトラシブを形成するための化合物Xのベータ脱離反応は、本明細書において記載されている態様及び実施形態のいずれかに従って実施することができる。
開示されているプロセスの任意の態様又は実施形態によると、化合物XIIIのジアステレオ異性体混合物は、任意選択により塩基及び溶媒の存在下で、rac-XII:
と化合物XVI:
との反応によって調製することができる。
開示されているプロセスの任意の態様又は実施形態によると、化合物rac-XIIは、任意の適当な塩素化剤を用いる、好ましくはPOCl3又はPCl5を用いる、化合物rac-VI:
の塩素化によって調製することができる。
開示されているプロセスの実施形態は、スキームIV:
に表すことができる。
スキームIVにおいて、PGは、ピペリジル窒素のための任意の適当な保護基を表す。適当には、PGは、酸不安定な保護基を表す。これらは、当業者によく知られている。Tert-ブチルオキシカルボニルは、特に適当な保護基である。したがって、中間体XIII及びXIVにおけるPGは、t-ブチルオキシカルボニルであるのが好ましい。スキームIVにおいて、化合物VIIIにおけるR基は、好ましくは、B(OH)2又はビス-ピナコレート(Bpin)、及び好ましくはB(OH)2等のボレートである。化合物rac-VII及びXIIIは、反応混合物から単離する必要がない。
ソトラシブ(化合物I)の合成における鍵となる中間体は、化合物Xであり;化合物Xは、本開示の任意の実施形態又は態様に記載されている通り塩基媒介ベータ脱離によってソトラシブに容易に変換することができる。ソトラシブが化合物Xの脱離反応[即ちステップ(g)]によって調製される本開示のプロセスは、危険及び高毒性物質であるとともにそのため大規模調製における使用に望ましくないアクリロイルクロリドを使用する必要なくソトラシブの調製を可能にする。有利には、化合物Xからソトラシブを調製する本プロセスは、高収率及び高純度でのソトラシブの生成を可能にする。驚くべきことに、ソトラシブは、特に粗製固体として生成物を最初に単離する必要なく、反応物から直接的に結晶性材料として単離することができる。化合物Xは、スキームIVにおけるステップ(f)に記載されている通り化合物XVと3-クロロプロピオニルクロリド(XVII)との反応によって作製することができる。
本開示は、以下の態様:
- ステップ(g)による、化合物Xから出発するソトラシブ(任意選択により、結晶性形態H5における)の調製;
- ステップ(f)に従ったXVIIとの反応による化合物XVから出発する化合物Xの調製、及び任意選択により化合物Xからソトラシブに変換すること(好ましくはステップ(g)によって、及び好ましくはここで、ソトラシブは結晶性形態H5である);
- スキームIVに示されている通りステップ(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、及び(f)による、化合物rac-VIから出発する化合物Xの調製、並びに任意選択により化合物Xをソトラシブに変換すること(好ましくはステップ(g)による);
- スキームIVにおいて示されている通りステップ(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)及び(g)による、化合物rac-VIから出発するソトラシブ(化合物I、任意選択により結晶性形態H5における)の調製
を更に提供する。
開示の任意の態様又は実施形態によると、ソトラシブは、好ましくは、(M)-アトロプ異性体の形態であってよい。特に、ソトラシブは、アトロプ異性体的に純粋であり得、実質的に、化合物の(P)-アトロプ異性体を含まない。好ましくは、ソトラシブは、化合物の(P)-アトロプ異性体を約0.5%(w/w)以下、約0.4%(w/w)以下、約0.3%(w/w)以下、約0.2%(w/w)以下、約0.1%(w/w)以下、約0.05(w/w)以下、約0.02(w/w)以下、又は約0%含有する。
開示されているプロセスの任意の態様又は実施形態によると、ソトラシブを調製するための本明細書に記載されているプロセスのいずれかは、ソトラシブ又はその塩を少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることで医薬組成物を調製することを更に含む。
さらなる実施形態において、本開示は、式VII:
の化合物を提供する。
化合物式VIIは、化学名6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンを有し、任意選択により、塩、溶媒和物又は共結晶の形態であってよく、任意選択によりここで、化合物、又はその塩、溶媒和物若しくは共結晶は、アトロプ異性体の混合物、又は単離されたM-アトロプ異性体の形態であってよい。任意選択によりアトロプ異性体の混合物、又は単離されたMアトロプ異性体の形態における化合物VII、又はその塩、溶媒和物若しくは共結晶は、有利には、ソトラシブの調製において使用することができる、又は該プロセスにおける中間体のための参照標準として使用することができる。
本開示は、式:
の化合物を更に提供する。
この化合物は、化学名4-((S)-4-(3-クロロプロパノイル)-2-メチルピペラジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2(1H)-オンを有し、有利にはソトラシブの調製において使用することができる塩基、アトロプ異性体の混合物、単離されたM若しくはPアトロプ異性体又はそれらの塩、溶媒和物、又は共結晶の形態であってよい。したがって、任意選択によりアトロプ異性体の混合物、又は単離されたM及びPアトロプ異性体の形態における化合物又はその塩、溶媒和物若しくは共結晶は、有利には、ソトラシブの調製において使用することができる、又は例えば該プロセスにおける中間体及び最終生成物の純度を決定するための参照標準として使用することができる。M-アトロプ異性体の形態における上記化合物は、化合物Xに対応することが認められよう。更に、上記化合物は、スキームIVに図示されている通りの結晶化ステップ(c)を省略することによってアトロプ異性体の混合物として調製することができることが認められよう。Pアトロプ異性体の形態における上記化合物は、結晶化ステップ(c)から、例えば、結晶化母液から単離することができる。
さらなる実施形態において、本開示は、下記に図示されている化合物M-VII:
を提供する。
化学名6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンを有する化合物式M-VIIは、塩基、塩、溶媒和物又は共結晶の形態であってよい。
本開示は、化合物X:
を更に提供する。
化学名4-((S)-4-(3-クロロプロパノイル)-2-メチルピペラジン-1-イル)-6-フルオロ-7-(2-フルオロ-6-ヒドロキシフェニル)-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2(1H)-オンを有する化合物式Xは、塩基、塩、溶媒和物又は共結晶の形態であってよい。
スキームVにおいて下記に図示されているプロセスは、本開示の代替の特定の実施形態である。
別の態様において、本開示は、ソトラシブ及びその塩の調製のための本明細書に記載されている中間体(特に、化合物X)のいずれか1つの使用を提供する。
別の態様において本開示は、本開示のプロセスによって生成されたソトラシブ及びその塩を提供する。
本開示のプロセスによって生成されたソトラシブ又はソトラシブ塩は、ソトラシブ又はソトラシブ塩の医薬組成物の調製において使用することができる。
本開示は、本開示のプロセスによって調製されるソトラシブ又はその塩の治療有効量を、該処置を必要とする対象に投与することを含む、NSCLCの処置の方法も提供する。実施形態において、本開示のプロセスによって調製されるソトラシブ又はその塩、並びに本開示の医薬組成物及び/又は製剤は、KRAS G12C変異体腫瘍;特に、KRAS G12C変異体固形腫瘍;特に、非小細胞肺がん、結腸直腸がん、膵臓がん、虫垂がん、子宮内膜がん、及び黒色腫の処置において;更に特に、非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がんの処置において;又は進行性若しくは転移性の非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がん、更に特に、局所進行性若しくは転移性の非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がんの処置において、並びに殊に、少なくとも1つの前の全身的治療に続く進行性又は転移性の非小細胞肺がん又は結腸直腸がんの処置において使用することができる。
本開示の別の態様において、本開示は、ソトラシブの結晶性多形体、ソトラシブ塩の結晶性多形体、ソトラシブの共結晶を含めたソトラシブの固体状態形態、その調製のためのプロセス、及びその医薬組成物を包含する。
ソトラシブ及びその結晶性多形体の固体状態特性は、ソトラシブ及びその結晶性多形体が固体形態で得られる条件を制御することによって影響を及ぼされ得る。
固体状態形態(又は多形体)は、本明細書において、多形的に純粋と又は任意の他の固体状態(又は多形)形態が実質的にないと称することができる。この文脈において本明細書で使用される場合、「任意の他の形態が実質的にない」という表現は、固体状態形態が、例えばXRPDによって測定される場合に対象化合物の任意の他の形態を約20%(w/w)以下、約10%(w/w)以下、約5%(w/w)以下、約2%(w/w)以下、約1%(w/w)以下、又は約0%含有すると意味すると理解される。したがって、任意の他の固体状態形態が実質的にないと本明細書に記載されているソトラシブの結晶性多形体は、ソトラシブの対象結晶性多形体を約80%(w/w)超、約90%(w/w)超、約95%(w/w)超、約98%(w/w)超、約99%(w/w)超、又は約100%含有すると理解される。本開示の一部の実施形態において、記載されているソトラシブの結晶性多形体は、同じソトラシブの1種又は複数の他の結晶性多形体を約1%から約20%(w/w)、約5%から約20%(w/w)、又は約5%から約10%(w/w)含有することができる。
比較が行われる他の結晶性多形体に依存して、本開示のソトラシブの結晶性多形体は、以下:化学純度、流動性、可溶性、溶解速度、形態学又は結晶習性、安定性、例えば、多形変換に関する化学的安定性並びに熱的及び機械的安定性、脱水に対する安定性及び/又は貯蔵安定性、残留溶媒の低い含有量、より低い程度の吸湿性、流動性、並びに有利な加工及び取扱い特徴、例えば、圧縮性及びかさ密度、の少なくとも1つから選択される有利な特性を有することができる。
結晶形態又は非晶質形態等の固体状態形態は、本明細書において、図「に図示されている通り」又は「に実質的に図示されている通り」のグラフィカルデータによって特徴付けられると称することができる。こうしたデータとしては、例えば、粉末X線ディフラクトグラム及び固体状態NMRスペクトルが挙げられる。当技術分野においてよく知られている通り、グラフィカルデータは、単独での数値又はピーク位置への言及によって必ずしも記載され得ないそれぞれの固体状態形態(いわゆる「指紋」)を更に定義するための追加の技術情報を潜在的に提供する。任意の事象において、当業者は、データのこうしたグラフ表示が、以下に限定されないが、当業者によく知られている機器応答における変動並びに試料濃度及び純度における変動等のある特定の因子による、例えばピーク相対強度及びピーク位置における小さい変動を受けることがあることを理解されよう。それでもなお、当業者は、本明細書における図の中のグラフィカルデータを不明な結晶形態について発生されたグラフィカルデータと容易に比較することができ、2セットのグラフィカルデータが同じ結晶形態又は2つの異なる結晶形態を特徴付けているかどうかを確認されよう。図「に図示されている通り」又は「に実質的に図示されている通り」のグラフィカルデータによって特徴付けられると本明細書において称されるソトラシブの結晶形態は、したがって、図との比較において、当業者によく知られている通り、こうした小さい変動を有するグラフィカルデータで特徴付けられるソトラシブの任意の結晶形態を含むと理解される。
本明細書で使用される場合、及び別段に明記されていない限り、ソトラシブの結晶性形態に関連する「無水の」という用語は、結晶内の定義されている化学量論量で任意の結晶水(又は他の溶媒)を含まないソトラシブの結晶性形態に関する。更に、別段に表示されていない限り、「無水」形態は、一般に、例えばTGAによって測定される場合に水又は有機溶媒のいずれかを1%(w/w)超えて含有しない。
「溶媒和物」という用語は、本明細書で使用される場合及び別段に表示されていない限り、結晶構造の中に溶媒を組み込む結晶形態を指す。溶媒が水である場合、溶媒和物は、「水和物」としばしば称される。溶媒和物中の溶媒は、化学量論的量又は非化学量論的量のいずれかで存在することができる。
本明細書で使用される場合、本開示のソトラシブの結晶性多形体への言及における「単離された」という用語は、形成される反応混合物から物理的に分離されるソトラシブの結晶性多形体に対応する。
本明細書で使用される場合、別段に明記されていない限り、XRPD測定は、銅Kα放射線波長1.54184Åを使用して行われる。本明細書において報告されているXRPDピークは、典型的に25±3℃の温度で、CuKα放射線、λ=1.54184Åを使用して測定されている。
本明細書で使用される場合、別段に明記されていない限り、固体状態13C NMRスペクトルは、700MHzにてマジック角回転周波数r/2=18kHz、好ましくは室温で測定される。
本明細書で使用される場合、別段に明記されていない限り、固体状態19F NMRスペクトルは、700MHzにてマジック角回転周波数r/2=22kHzで、好ましくは室温で測定される。
物、例えば、反応混合物は、本明細書において、しばしば「RT」と省略される「室温(room temperature)」又は「室温(ambient temperature)」にある、又は「室温(room temperature)」若しくは「室温(ambient temperature)」になると特徴付けることができる。これは、物の温度が、物が位置する空間、例えば、部屋又はドラフトチャンバーの温度に近い又はそれと同じであることを意味する。典型的に、室温は、約20℃から約30℃、又は約22℃から約27℃、又は約25℃である。
化学的プロセス、例えば、反応又は結晶化において用いられる溶媒の量は、本明細書において、「体積」又は「vol」又は「V」の数と称され得る。例えば、材料は、10体積(又は10vol又は10V)の溶媒中に懸濁されていると称され得る。この文脈において、この表現は、懸濁されている材料1グラム当たりのミリリットルの溶媒を意味すると理解されるので、10体積の溶媒中に5グラムの材料を懸濁させることは、懸濁されている材料1グラム当たり10ミリリットルの溶媒の量、又はこの例において、50mLの溶媒で使用されることを意味する。別の文脈において、「v/v」という用語は、混合物の体積に基づき、液体混合物に添加される溶媒の体積の数を示すために使用することができる。例えば、100mlの反応混合物に溶媒X(1.5v/v)を添加することは、150mLの溶媒Xが添加されたことを示す。
プロセス又はステップは、本明細書において、「終夜」実施されていると称され得る。これは、例えば、プロセス又はステップについて、そのプロセス又はステップが活発に観察されない可能性がある夜間の時間に及ぶ時間間隔を指す。この時間間隔は、約8時間から約20時間、又は約10~18時間、一部の場合において約16時間である。
本明細書で使用される場合、「減圧」という用語は、大気圧未満である圧力を指す。例えば、減圧は、約10mbarから約50mbarである。
本明細書で使用される場合及び別段に表示されていない限り、「環境条件」という用語は、大気圧及び22~24℃の温度を指す。
本開示は、形態H5と指定されるソトラシブの結晶性多形体を提供する。ソトラシブの結晶性形態H5は、以下の1つ又は複数から選択されるデータによって特徴付けることができる:実質的に図1に図示されている通りのX線粉末回折パターン; 4.4、5.3及び7.6度2シータ±0.2度2シータにピークを有するX線粉末回折パターン;並びにこれらのデータの組合せ。ソトラシブの結晶性形態H5は、更に、4.4、5.3及び7.6度2シータ±0.2度2シータにピークを有するとともに6.4、10.7、16.4、18.0、19.0、19.5及び21.3度2シータ±0.2度2シータから選択される任意の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又は7つの追加のピークも有するX線粉末回折パターンによって特徴付けることができる。
ソトラシブの結晶性形態H5は、代替として、以下の1つ又は複数から選択されるデータによって特徴付けることができる:実質的に図1に図示されている通りのX線粉末回折パターン;4.4、5.3、6.4、7.6及び19.5度2シータ±0.2度2シータにピークを有するX線粉末回折パターン;並びにこれらのデータの組合せ。ソトラシブの結晶性形態H5は、更に、4.4、5.3、6.4、7.6及び19.5度2シータ±0.2度2シータにピークを有するとともに10.7、16.4、18.0、19.0及び21.3度2シータ±0.2度2シータから選択される任意の1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの追加のピークも有するX線粉末回折パターンによって特徴付けることもできる。
ソトラシブの結晶性形態H5は、代替として、4.4、5.3、6.4、7.6、10.7、16.4、18.0、19.0、19.5及び21.3度2シータ±0.2度2シータにピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けることができる。
ソトラシブの結晶性形態H5は、約11.4、15.2、22.1、106.1及び166.6±0.2ppmにシグナルを有する固体状態13C NMRスペクトルによって特徴付けることができる。ソトラシブの結晶性形態H5は、更に、47.0ppm±1ppmのピークから以下の化学シフト絶対差異: 35.6、31.8、24.9、59.1及び119.6ppm±0.1ppmを有する固体状態13C NMRスペクトルによって特徴付けることができる。代替として、ソトラシブの結晶性形態H5は、本明細書において開示されている態様及び実施形態のいずれかに記載されている通りの特徴的なXRPDピークとの組合せにおける固体状態13C NMRデータによって特徴付けることができる。
ソトラシブの結晶性形態H5は、約-114.1、-119.9、-126.7及び-131.8±0.2ppmにシグナルを有する19F NMRスペクトルによって特徴付けることができる。代替として、ソトラシブの結晶性形態H5は、本明細書において開示されている態様及び実施形態のいずれかに記載されている通りの特徴的なXRPDピーク又は固体状態13C NMRスペクトルとの組合せにおける19F NMRスペクトルによって特徴付けることができる。
ソトラシブの結晶性形態H5は、代替として、単位格子パラメータ(293K)によって特徴付けることができる。
代替として、ソトラシブの結晶性形態H5は、本明細書において開示されている態様及び実施形態のいずれかに記載されている通りの特徴的なXRPDピーク、固体状態13C NMRスペクトル又は19F NMRスペクトルとの組合せにおける単位格子パラメータによって特徴付けることができる。
本開示の一実施形態において、ソトラシブの結晶性形態H5は、単離される。
ソトラシブの結晶性形態H5は、水和物形態であってよい。
任意選択により形態H5は、約1から約8wt%、約2から約7.5wt%、約3から約7wt%、約3.5から約6.5wt%、約3.5から約6.2wt%又は約3.6から約6.1wt%の水を含有することができる。
ソトラシブの結晶性形態H5は、単独で上記の特徴の各々によって、又は全ての可能な組合せ、例えば、4.4、5.3及び7.6度2シータ±0.2度2シータにピークを有するXRPDパターン;図1に図示されている通りのXRPDパターン、並びにその組合せによって特徴付けすることができる。
本明細書に記載されている任意の態様又は実施形態によるソトラシブの結晶性形態H5は、多形的に純粋であり得る、又は対象ソトラシブの任意の他の固体状態形態が実質的にないことがある。本開示の任意の態様又は実施形態において、結晶性形態H5は、ソトラシブの任意の他の固体状態形態を約20%(w/w)以下、約10%(w/w)以下、約5%(w/w)以下、約2%(w/w)以下、約1%(w/w)以下、又は約0%(w/w)含有し得る。
本開示の任意の態様又は実施形態による結晶性形態H5は、非晶質ソトラシブを約20%以下、約10%以下、約5%以下、約2%以下、約1%以下又は約0%含有し得る。
本開示の任意の態様又は実施形態による結晶性形態H5は、アトロプ異性体的に純粋であり得る。
本開示の任意の態様又は実施形態による結晶性形態H5は、(M)-ソトラシブであり得る。
本開示の任意の態様又は実施形態による結晶性形態H5は、アトロプ異性体的に純粋であり得、実質的に(P)-ソトラシブがないことがある。特に、本開示の任意の態様又は実施形態による結晶性形態H5は、 (P)-ソトラシブを約0.5%(w/w)以下、約0.4%(w/w)以下、約0.3%(w/w)以下、約0.2%(w/w)以下、約0.1%(w/w)以下、約0.05(w/w)以下、約0.02(w/w)以下、又は約0%含有する(M)-ソトラシブであり得る。
本開示は、本開示の任意の態様又は実施形態に記載されている通りのソトラシブの結晶性形態を少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることで、医薬組成物又は医薬製剤を調製することを含むプロセスを更に提供する。
本開示は、上記及び本明細書に記載されている実施形態のいずれかに記載されているプロセスによって得られる、ソトラシブの結晶性形態、又は医薬組成物若しくは医薬組成物を提供する。
本開示は、ソトラシブの他の固体状態形態、ソトラシブ塩及びそれらの固体状態形態を調製するためのプロセスを提供する。該プロセスは、本開示のプロセスによってソトラシブの固体状態形態のいずれか1つを調製すること、及びそれを他のソトラシブ塩に変換することを含む。
本開示は、ソトラシブ及び/又はその結晶性多形体を含む医薬組成物の調製における使用のための、ソトラシブの上記固体状態形態を提供する。
本開示は、ソトラシブ及び/又はその結晶性多形体の医薬組成物の調製のための、本開示のソトラシブの固体状態形態の使用も提供する。特に本開示は、医薬組成物又は製剤、好ましくは、ソトラシブ又はその塩を含む固体分散体の形態における経口製剤の調製のための、ソトラシブ及びその塩の上記固体状態形態を提供する。
本開示は、上に記述されている医薬組成物を調製するためのプロセスを提供する。該プロセスは、本開示のソトラシブの固体状態形態の任意の1つ又は組合せを、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることを含む。
本開示は、本開示による、ソトラシブ及びその塩の固体状態形態、又はその組合せを含む医薬組成物を更に提供する。
本開示の薬学的組合せ又は製剤は、本開示のソトラシブの固体状態形態の任意の1つ又は組合せを含有する。活性成分に加えて、本開示の医薬製剤は、1種又は複数の賦形剤を含有することができる。賦形剤が、様々な目的のために該製剤に添加される。
希釈剤は、固体医薬組成物の嵩を増加させ、患者及び介護者が取り扱うのにより簡便な該組成物を含有する医薬剤形を作製することができる。固体組成物のための希釈剤としては、例えば、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、超微細セルロース、ラクトース、デンプン、アルファ化デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストレート類、デキストリン、デキストロース、第二リン酸カルシウム二水和物、第三リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標))、塩化カリウム、粉末化セルロース、塩化ナトリウム、ソルビトール、及びタルクが挙げられる。
錠剤等の剤形に圧密化される固体医薬組成物は、機能が、圧縮後に活性成分及び他の賦形剤を一緒に結合することを助けることを含む賦形剤を含むことができる。固体医薬組成物のためのバインダーとしては、アカシア、アルギン酸、カルボマー(例えば、カーボポール)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、水素化植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標))、液体グルコース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリレート、ポビドン(例えば、Kollidon(登録商標)、Plasdone(登録商標))、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、及びデンプンが挙げられる。
患者の胃における圧密化固体医薬組成物の溶解速度は、該組成物への崩壊剤の添加によって増加され得る。崩壊剤としては、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、Ac-Di-Sol(登録商標)、Primellose(登録商標))、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えば、Kollidon(登録商標)、Polyplasdone(登録商標))、グアーガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末化セルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、Explotab(登録商標))、及びデンプンが挙げられる。
流動促進剤は、非圧密化固体組成物の流動性を改善するために、及び投薬の正確性を改善するために添加することができる。流動促進剤として機能することができる賦形剤としては、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末化セルロース、デンプン、タルク、及び第三リン酸カルシウムが挙げられる。
錠剤等の剤形が粉末化組成物の圧密によって作製される場合、該組成物は、抜き型及び染色型からの圧力にかけられる。一部の賦形剤及び活性成分は、抜き型及び染色型の表面に付着する傾向を有し、これは、製品がくぼみ及び他の表面不規則性を有することを引き起こし得る。滑沢剤は、接着を低減するとともに染色型からの製品の離型を簡便にするために該組成物に添加することができる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、水添ヒマシ油、水素化植物油、鉱物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、及びステアリン酸亜鉛が挙げられる。
香味剤及び香味増強剤は、患者にとって剤形をより美味にする。本開示の組成物に含むことができる医薬生成物のための共通の香味剤及び香味増強剤としては、マルトール、バニリン、エチルバニリン、メンソール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトール、及び酒石酸が挙げられる。
固体及び液体組成物は、それらの外観を改善する並びに/又は製品及び単位投与量レベルの患者同定を容易にするために、任意の薬学的に許容される着色料を使用して染色することもできる。
本発明の液体医薬組成物において、ソトラシブ及び任意の他の固体賦形剤は、液体担体、例えば、水、植物油、アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、又はグリセリン中に溶解又は懸濁させることができる。
液体医薬組成物は、液体担体中に可溶性でない活性成分又は他の賦形剤を、組成物の全体にわたって均一に分散させるために、乳化剤を含有することができる。本発明の液体組成物において有用であり得る乳化剤としては、例えば、ゼラチン、卵黄、カゼイン、コレステロール、アカシア、トラガカント、ツノマタ、ペクチン、メチルセルロース、カルボマー、セトステアリルアルコール、及びセチルアルコールが挙げられる。
本発明の液体医薬組成物は、製品の口当たりを改善する及び/又は胃腸管の内壁をコーティングするために、粘度増強剤も含有することができる。こうした薬剤としては、アカシア、アルギン酸ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースカルシウム又はナトリウム、セトステアリルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチングアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、プロピレンカーボネート、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプントラガカント、キサンタンガム及びその組合せが挙げられる。
ソルビトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクロース、アスパルテーム、フルクトース、マンニトール、及び転化糖等の甘味剤は、味を改善するために添加することができる。
保存料及びキレート化剤、例えば、アルコール、安息香酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシルトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、及びエチレンジアミン四酢酸は、貯蔵安定性を改善するために、経口摂取に安全なレベルで添加することができる。
本開示によると、液体組成物は、緩衝液、例えば、グルコン酸、乳酸、クエン酸、又は酢酸、グルコン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又は酢酸ナトリウムも含有することができる。使用される賦形剤及び量の選択は、該分野における経験並びに標準手順及び参考研究の考慮に基づき、製剤科学者が容易に決定することができる。
本開示の固体組成物としては、粉末、顆粒物、凝集体、及び圧密化組成物が挙げられる。投与量としては、経口、頬側、直腸、非経口(皮下、筋肉内及び静脈内を含める)、吸入薬、及び眼科の投与に適当な投与量が挙げられる。任意の所与の場合における最も適当な投与は、処置されている状態の性質及び重症度に依存するが、実施形態において、投与の経路は、経口である。投与量は、好都合には、単位剤形で提示され、医薬技術においてよく知られている方法のいずれかによって調製され得る。
剤形としては、錠剤、粉末、カプセル、坐剤、サッシェ、トローチ、及びロゼンジのような固体剤形、並びに液体シロップ、懸濁液、及びエリキシルが挙げられる。
本開示の剤形は、硬質又は軟質シェルのいずれか内に本開示の粉末化又は顆粒化固体組成物等の組成物を含有するカプセルであってよい。シェルは、ゼラチンから作製することができ、任意選択により、可塑剤、例えば、グリセリン及び/若しくはソルビトール、乳白剤並びに/又は着色料を含有することができる。
活性成分及び賦形剤は、当技術分野において知られている方法に従って組成物及び剤形に製剤化することができる。
錠剤化又はカプセル充填化のための組成物は、湿式顆粒化によって調製することができる。湿式顆粒化において、粉末形態における活性成分及び賦形剤の一部又は全ては、ブレンドされ、次いで更に、液体、典型的には水の存在下で混合され、これは、粉末が顆粒に凝集することを引き起こす。顆粒物は、スクリーニング及び/又は製粉され、乾燥され、次いで、スクリーニング及び/又は所望の粒子サイズに製粉される。顆粒物は、次いで、錠剤にすることができる、又は他の賦形剤が、流動促進剤及び/若しくは滑沢剤等、錠剤化する前に添加され得る。
錠剤化用組成物は、従来には乾燥ブレンドすることによって調製することができる。例えば、活性物及び賦形剤のブレンド組成物は、スラグ又はシートに圧密化し、次いで、圧密化顆粒に微粉砕することができる。圧密化顆粒は、引き続いて、錠剤に圧縮される。
乾式顆粒化の代替として、ブレンド組成物は、直接圧縮技法を使用して圧密化剤形に直接的に圧縮することができる。直接圧縮は、顆粒のないより均一な錠剤を生成する。直接圧縮錠剤化に特によく適している賦形剤としては、微結晶性セルロース、スプレー乾燥化ラクトース、第二リン酸カルシウム二水和物、及びコロイド状シリカが挙げられる。直接圧縮錠剤化におけるこれらの及び他の賦形剤の適切な使用は、直接圧縮錠剤化の特別な製剤化難題における経験及び技能を有する当業者に知られている。
本開示のカプセル充填物は、錠剤化を参照して記載された前に記述のブレンド及び顆粒物のいずれかを含むことができるが、それらは、最終の錠剤化ステップにかけられない。
ソトラシブの医薬製剤が投与され得る。ソトラシブは、哺乳動物への、実施形態においてはヒトへの、注射による投与のために製剤化することができる。ソトラシブは、例えば、粘稠液体溶液又は懸濁液、例えば、清澄な溶液として、注射のために製剤化することができる。該製剤は、1種又は複数の溶媒を含有することができる。適当な溶媒は、様々なpHレベルでの溶媒の物理的及び化学的安定性、粘度(シリンジ通過性を可能にする)、流動性、沸点、混和性、及び純度を考慮することによって選択することができる。適当な溶媒としては、アルコールUSP、ベンジルアルコールNF、安息香酸ベンジルUSP、及びヒマシ油USPが挙げられる。追加の物質は、とりわけ緩衝液、可溶化剤、及び抗酸化剤等、製剤に添加することができる。Anselら、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版。
ソトラシブの固体状態形態並びに本開示のソトラシブの医薬組成物及び/又は製剤は、医薬として、実施形態においてがん、特に非小細胞肺がん及び/又は結腸直腸がんの処置において使用することができる。実施形態において、ソトラシブの固体状態形態並びに本開示の医薬組成物及び/又は製剤は、KRAS G12C変異体腫瘍;特に、KRAS G12C変異体固形腫瘍;特に、非小細胞肺がん、結腸直腸がん、膵臓がん、虫垂がん、子宮内膜がん、及び黒色腫の処置において;更に特に、非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がんの処置において;又は進行性若しくは転移性の非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がん、更に特に、局所進行性若しくは転移性の非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がんの処置において、殊に、少なくとも1つの前の全身的治療に続く進行性若しくは転移性の非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がんの処置において使用することができる。
本開示は、本開示のソトラシブの固体状態形態の任意の1つ若しくは組合せ、又は上記の医薬組成物及び/若しくは製剤の少なくとも1種の治療有効量を、処置を必要とする対象に投与することによる、がん、特に非小細胞肺及び/又は結腸直腸がんを処置する方法も提供する。
このように特別な好ましい実施形態及び例示的な例を参照して本開示を記載してきたが、当業者は、本明細書に開示されている通りの開示の趣旨及び範疇から逸脱しない、記載及び例示されている通りの開示に対する修正を認めることができる。実施例は、本開示を理解するのに役立つために説明されるが、いかなる方法でもそれの範疇を限定すると意図されず、そう解釈されるべきでない。
粉末X線回折(「XRPD」)方法
乳鉢及び乳棒において粉末化された後の試料は、シリコンプレートホルダー上に直接的に塗付される。X線粉末回折パターンは、Cu照射源=1.54184A (Angstroem)、X'Celerator (2.022° 2θ)検出器が備えられているPhilips X'Pert PRO X線粉末回折計で測定した。走査パラメータ:角度範囲: 3~40度、ステップサイズ0.0167、1ステップ当たりの時間37秒、連続的走査。ピーク位置は、内部標準としてケイ素粉末を使用することなく決定した。
固体状態NMR方法
典型的に、固体状態NMRスペクトルは、4mm又は3.2mmのプローブヘッドを用いるBruker Avance III HD 500 US/WB NMR分光計(Karlsruhe、Germany、2013)を使用して11.7Tで測定される。
全てのスペクトルの正確な測定のため、リサイクル遅延D1は、可変反復遅延での1H MAS NMRスペクトルの測定によって実験的に最適化される。この最適化において、1H MAS NMRスペクトルは、ダミー走査で記録され、この数は、DS=8であり、走査の数はNS=1である。D1遅延は、因子n=2を使用して乗算することによって、初期値D1=0.5sから徐々に(ステップバイステップ)増加される。このやり方で、1H NMRシグナルの強度のビルドアップがモニタリングされる。全体の手順は、一定の(平衡)シグナル強度が達せられる時に終了される。CP/MAS NMRスペクトルの測定のために使用される反復遅延D1は、次いで、得られた平衡値の80%になるように設定される。1H MAS NMRスペクトルは、走査の数32でシングルパルス実験を使用して15kHzのMAS周波数で測定される。
スピニング試料の摩擦熱は、能動冷却することによって補償され、温度較正は、Pb(NO3)2で行われる。
NMR分光計は、常に完全に較正され、全ての実験パラメータは、スペクトルの記録の前に慎重に最適化される。マジック角は、標準的な最適化手順中にKBrを使用して設定され、磁場の均質性は、アダマンタン試料を使用して最適化される(結果として得られた、半分の高さでの線幅Dn1/2は、250分の獲得時間で3.5Hz未満であった)。
固体状態13C NMR方法
交差分極を用いる固体状態13C NMR CP/MAS NMRスペクトルは、18kHzの回転周波数で標準的な交差分極パルススキームを使用して獲得される。交差分極接触時間は、通常2分であり、双極デカップリングSPINAL64は、データ獲得中に適用される。走査の数は、シグナル対ノイズ比SINOが少なくとも約50の値に達するように設定される。13Cスケールは、a-グリシンを基準とする(13Cについて176.03ppm)。
固体状態19F NMR方法
19F MAS NMRスペクトルは、64から256の走査を範囲とする走査の数でシングルパルス実験を使用して18kHz及び22kHzのMAS周波数で測定される。化学シフトの19Fスケールは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)試料を基準とし、この中央シグナルは、-122ppmに設定される。スペクトルは、通常、2つのMAS周波数で記録され、これは、中央シグナル及びスピニングサイドバンド(ssb)を区別するのを可能にする。中央シグナルの19F NMR化学シフトは、MAS周波数と独立しており、一方、ssbの位置は、MAS周波数依存性である。
全ての上述されているスペクトルの正確な測定のため、リサイクル遅延D1は、可変反復遅延での1H MAS NMRスペクトルの測定によって実験的に最適化される。この最適化において、1H MAS NMRスペクトルは、ダミー走査で記録され、この数はDS=8であり、走査の数は、NS=1である。D1遅延は、因子n=2を使用して乗算することによって初期値D1=0.5sから徐々に(ステップバイステップ)増加される。このやり方で、1H NMRシグナルの強度のビルドアップがモニタリングされる。全体の手順は、一定の(平衡)シグナル強度が達せられる時に終了される。CP/MAS NMRスペクトルの測定のために使用される反復遅延D1は、次いで、得られた平衡値の80%になるように設定される。スピニング試料の摩擦熱は、能動冷却することによって補償され、温度較正は、Pb(NO3)2で行われる。
NMR分光計は、常に完全に較正され、全ての実験のパラメータは、スペクトルの記録の前に慎重に最適化される。マジック角は、標準的な最適化手順中にKBrを使用して設定され、磁場の均質性は、アダマンタン試料を使用して最適化される(結果として得られた、半分の高さでの線幅Dn1/2は、250分の獲得時間で3.5Hz未満であった)。
一部の場合において、13C、15N CP/MAS及び1H MAS NMRスペクトルは、代替として、3.2mmのプローブヘッドを用いるBruker Avance NEO 700 SB NMR分光計(Karlsruhe、Germany、2021)を使用して16.4Tで記録される。この場合において、MAS周波数は、13C及び1H NMR測定のために18~20kHzに設定され、一方、15N CP/MAS NMRスペクトルは、常に10kHzで測定される。全ての他の鍵となる実験パラメータは、Bruker 500MHz分光計のために11.7Tで使用されるのと同じに保持される。
指数化
ソトラシブ形態H5の粉末回折パターンは、実験室温度で測定し、プログラムHighscoreによって分析した。指数化の精度は、LeBailフィット及び単位格子体積算出によって支持された。
出発材料の調製
ソトラシブは、文献、例えば、米国特許第10,519,146号から知られている方法に従って調製することができる。
(実施例1:ソトラシブ形態H5の調製)
ソトラシブ塩基(500mg)をアセトン/水/メタノール1:5:7 (45mL)中に45℃の温度で溶解させた。得られた溶液を室温まで放冷した。室温で、水を溶液に2mLの画分ずつ15mLの総体積で添加した。結晶化が起こり、得られた懸濁液を終夜室温で放置撹拌した。翌日、懸濁液を青色リボン濾紙上にて真空下で濾別した。得られた固体をオーブン中にて70℃で4時間の間乾燥させ、次いで、XRPDによって分析した。ソトラシブ形態H5を得た。
(実施例2:化合物Xからソトラシブの調製)
1.0g (1.68mmol)のXを丸底フラスコに投入し、4.0mL (4体積)のアセトニトリル(ACN)中に懸濁させ、387μL (2.93mmol)の7.57M水酸化カリウム水溶液を添加し、反応混合物は、黄色の懸濁液から赤色の溶液に5分以内に溶解した。混合物を14時間の間環境条件で撹拌し、8.0mL (8体積)のメタノールを添加した。1.5mL (1.50mmol)の1Mリン酸水溶液を使用して、pH値を6.6に調整した。無機物が結晶化し、混合物を45℃に加熱すること及び9.0mL (9体積)の蒸留水の滴下による添加によって溶解させた。清澄な薄黄色の溶液に次いで、化合物I種子を播種した。混合物を1時間の間45℃で撹拌し、室温に冷却し、更に1時間の間撹拌した。更に7.0mL (7体積)の蒸留水を滴下により添加し、混合物を1時間の間撹拌した後、0~5℃に冷却し、1.5時間の間撹拌した。白色の懸濁液を次いで濾過し、2.0mL (2体積)の蒸留水で2回洗浄した。白色の結晶を4時間の間70℃で乾燥させ、0.914gの化合物I (形態H5)を得た(収率=93%;アッセイ=95.13%、クロマトグラフィー純度=99.52%;キラル純度=99.93%)
(実施例3:化合物Xからソトラシブの調製)
3.0g (5.03mmol)のXを丸底フラスコに投入し、30.0mL (10体積)のアセトニトリル中に懸濁させ、1.16mL (8.79mmol)の7.57M水酸化カリウム水溶液を添加し、反応混合物は、黄色の懸濁液から赤色の溶液に5分以内に溶解した。混合物を17時間の間環境条件で撹拌し、2.4mL (2.40mmol)の1Mリン酸水溶液を使用してpH値を6.6に調整した。4体積のアセトニトリルが残るまで、アセトニトリルを減圧下でロータリーエバポレーター上にて蒸発させた。24.0mL (8体積)のメタノールを添加し、混合物を45℃に加熱した。0.8mL (0.8mmol)の1Mリン酸水溶液を使用して、pHを6.6に再び調整した。混合物が結晶化し、次いで、31.7mL (10.6体積)の蒸留水の滴下による添加によって溶解させた。清澄な薄黄色の溶液に次いで、化合物I種子を播種した。混合物を1時間の間45℃で撹拌し、室温に冷却し、更に1時間の間撹拌した。更に18.0mL (6体積)の蒸留水を滴下により添加し、混合物を終夜環境条件で撹拌した。白色の懸濁液を次いで0~5℃に冷却し、1時間の間撹拌した。懸濁液を次いで濾過し、MeOH/水=1:2の混合物6.0mL (2体積)で2回洗浄した。白色の結晶(形態H5)を4時間の間10mbar及び70℃で乾燥させ、2.674gの化合物Iを得た(収率=91%;アッセイ=95.73%;クロマトグラフィー純度=99.71%;キラル純度=99.97%)。
(実施例4:化合物Xの調製)
14.0g (27.64mmol)の化合物XVを1Lの反応器に投入し、280ml (20体積)のジクロロメタン中に懸濁させ、481μl (2.76mmol)のN,N-ジイソプロピルエチルアミンを添加し、続いて、2.90ml (30.40mmol)の3-クロロプロピオニルクロリド(化合物XVII)を添加した。混合物を8時間の間室温で撹拌し、500mlの三角フラスコに移した。70ml (5体積)の蒸留水を添加し、1M炭酸カリウム水溶液を使用してpH値を6.6に調整した。層を分離させ、ロータリーエバポレーターを使用して有機層を蒸発乾固させ、2日間0℃で貯蔵した。蒸発させた残渣を42ml (3体積)のアセトニトリル中に溶解させ、数分内に結晶化させた。白色の懸濁液を1時間の間室温で撹拌し、濾過し、14ml (1体積)のアセトニトリルで2回洗浄した。Xの白色の結晶を1時間の間50℃及び10mbarで乾燥させ、13.28gのXを得た(収率=81%;アッセイ=97.96%;クロマトグラフィー純度=98.85%、キラル純度=99.97%)。
(実施例5:化合物Xの調製)
5.0g (9.87mmol)の化合物XVを100mlの3つ口フラスコに投入し、25ml (5体積)のN-メチル-2-ピロリドン中に懸濁させ、860μl (4.94mmol)のN,N-ジイソプロピルエチルアミンを添加し、続いて、ぜん動ポンプを介して20分の持続期間で1.41ml (14.81mmol)の3-クロロプロピオニルクロリド(化合物XVII)を滴下により添加した。混合物を30分間撹拌し、12.5ml (2.5体積)の蒸留水を添加し、4.2ml (4.2mmol)の1M炭酸カリウム水溶液を使用してpH値を6.6に調整した。黄色の溶液を60℃に加熱し、17.3ml (3.46体積)の蒸留水を添加し、自発的結晶化が起こった。オフホワイト懸濁液を1時間の間60℃で撹拌した後、室温に冷却し、更に1.0ml (0.2体積)の水を添加した後、1時間の間室温で撹拌した。オフホワイトの懸濁液を次いで濾過し、25ml (5体積)の水で2回洗浄した。Xの白色の結晶を10時間の間50℃及び10mbarで乾燥させ、5.42gのxを得た。(収率=90%;アッセイ=95.19%;クロマトグラフィー純度=98.50%、キラル純度=99.86%)。

Claims (35)

  1. ソトラシブの結晶性形態、指定形態H5であって、以下の1つ又は複数から選択されるデータ:
    (i) 4.4、5.3及び7.6度2シータ±0.2度2シータにピークを有するX線粉末回折パターン;
    (ii)実質的に図1に図示されている通りのX線粉末回折パターン;
    (iii) 11.4、15.2、22.1、106.1及び166.6±0.2ppmにシグナルを有する固体状態13C NMRスペクトル;
    (iv)それぞれ47.03ppm±1ppmのピークから以下の化学シフト絶対差異: 35.6、31.8、24.9、59.1及び119.6ppm±0.1ppm;を有する固体状態13C NMRスペクトル
    (v) -114.1、-119.9、-126.7及び-131.8±0.2ppmにシグナルを有する固体状態19F NMRスペクトル;並びに
    (vi) 293Kでの以下の単位格子パラメータ:
    によって特徴付けられる、結晶性形態。
  2. 4.4、5.3及び7.6度2シータ±0.2度2シータにピークを有するとともに6.4、10.7、16.4、18.0、19.0、19.5及び21.3度2シータ±0.2度2シータから選択される任意の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ若しくは7つの追加のピークも有するX線粉末回折パターン;又は4.4、5.3、6.4、7.6、10.7、16.4、18.0、19.0、19.5及び21.3度2シータ±0.2度2シータにピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性形態。
  3. 単離される、請求項1又は2のいずれか一項に記載の結晶性形態。
  4. 水和物である、請求項1、2又は3のいずれか一項に記載の結晶性形態。
  5. 多形的に純粋であり、任意選択により、ソトラシブの任意の他の結晶性形態を約20%以下、約10%以下、約5%以下、約2%、約1%以下又は約0%含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶性形態。
  6. 非晶質ソトラシブを約20%以下、約10%以下、約5%以下、約2%以下、約1%以下又は約0%含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の結晶性形態。
  7. アトロプ異性体的に純粋である、請求項1~6のいずれか一項又は複数に記載の結晶性形態。
  8. (M)-ソトラシブである、請求項1~7のいずれか一項又は複数に記載の結晶性形態。
  9. アトロプ異性体的に純粋であり、実質的に(P)-ソトラシブがない、請求項8に記載の結晶性形態。
  10. (P)-ソトラシブを約0.5%(w/w)以下、約0.4%(w/w)以下、約0.3%(w/w)以下、約0.2%(w/w)以下、約0.1%(w/w)以下、約0.05(w/w)以下、約0.02(w/w)以下、又は約0%含有する、請求項9に記載の結晶性形態。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載の結晶性形態及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  12. 医薬組成物の調製及び/又は製剤化のための、請求項1~10のいずれか一項に記載されている結晶性形態の使用。
  13. 請求項1~10のいずれか一項に記載の結晶性形態を、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせる工程を含む、請求項11に記載の医薬組成物を調製するための方法。
  14. ソトラシブの他の固体状態形態、ソトラシブ共結晶、ソトラシブ塩及びそれらの固体状態形態を調製するための、請求項1~10のいずれか一項に記載の結晶性形態の使用。
  15. 医薬としての使用のための、請求項1~10のいずれか一項に記載の結晶性形態又は請求項11に記載の医薬組成物。
  16. がん、又はKRAS突然変異と関連するがんの処置、KRAS G12C変異体腫瘍;特にKRAS G12C変異体固形腫瘍;特に非小細胞肺がん、結腸直腸がん、膵臓がん、虫垂がん、子宮内膜がん、及び黒色腫の処置;更に特に非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がんの処置;又は進行性若しくは転移性の非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がん、更に特に、局所進行性若しくは転移性の非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がんの処置、殊に、少なくとも1つの前の全身的治療に続く進行性若しくは転移性の非小細胞肺がん若しくは結腸直腸がんの処置における使用のための、請求項1~10のいずれか一項に記載の結晶性形態又は請求項11に記載の医薬組成物。
  17. ソトラシブ(化合物I):
    又はその塩の調製のための方法であって、塩基脱離の条件において化合物X:
    を反応させる工程を含む、方法。
  18. 式X:
    の化合物のβ-脱離反応を含み、塩基が、無機塩基、特にアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、又はアルカリ金属リン酸塩から選択され、好ましくは反応が、極性溶媒又は極性溶媒の混合物中で行われる、請求項17に記載の方法。
  19. 塩基が、アルカリ金属水酸化物から選択され、任意選択により、塩基が、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムから任意選択により選択されるアルカリ金属炭酸塩;又はリン酸カリウム及びリン酸ナトリウムから任意選択により選択されるアルカリ金属リン酸塩である、請求項18に記載の方法。
  20. 塩基が、アルカリ金属水酸化物、任意選択により水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、特に水酸化カリウムである、請求項18又は19に記載の方法。
  21. 極性溶媒が、アセトニトリル若しくはプロトン性溶媒、又はその混合物からなる群から選択される、請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. プロトン性溶媒が、水を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 極性溶媒が、アセトニトリル及び水の混合物である、請求項18~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 反応が、約20℃から約30℃、約22℃から約27℃、又は約25℃の温度で実施される、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 好ましくは約5.8から約7.2、約6.0から約7.0、約6.4から約6.8、又は約6.6のpHを達成するために、反応混合物が、塩酸、硫酸又はリン酸、特にリン酸から任意選択により選択される鉱酸でクエンチされる、請求項18~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 鉱酸でクエンチする前又は後に、C1~3アルコールが、反応混合物に添加される、請求項25に記載の方法。
  27. C1~3アルコールが、メタノールである、請求項26に記載の方法。
  28. ソトラシブが、以下:
    (a)クエンチされた反応混合物を、任意選択により約35℃から約70℃、約40℃から約55℃、又は約45℃の温度に加熱する工程;
    (b)任意選択により、混合物のpHを約5.8から約7.2、約6.0から約7.0、約6.4から約6.8、又は約6.6に調整すること、及び任意選択により、水を添加することで、溶液を形成する工程;
    (c)任意選択により、ソトラシブの種子結晶、好ましくはソトラシブ形態H5を添加する工程;
    (d)混合物を、約35℃から約70℃、約40℃から約55℃、又は約45℃の温度で、好ましくは約10分から約5時間、約20分から約4時間、約30分から約2時間、又は約1時間の間撹拌する工程;
    (e)混合物を、任意選択により約20℃から約30℃、又は約22℃から約27℃、又は約25℃の温度に冷却する工程;
    (f)任意選択により、水を添加する工程;
    (g)任意選択により、混合物を約30分から約10時間の間撹拌する工程;
    (h)任意選択により、混合物を、好ましくは約-10℃から約15℃、約-5℃から約10℃、約-2℃から約8℃、又は約0℃から約5℃の温度に冷却する工程;
    (i)任意選択により、冷却された混合物を約20分から約5時間、約40分から約4時間、又は約50分から約2時間の間撹拌する工程;並びに
    (j)任意選択により、ソトラシブを単離する工程
    を含む方法によって反応混合物から単離される、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. ソトラシブが、濾過によって単離され、任意選択により約40℃から約90℃、約50℃から約80℃、約65℃から約75℃、又は約70℃の温度で、任意選択により乾燥させ、好ましくは、乾燥が減圧である、請求項18~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. ソトラシブが、請求項1~11のいずれか一項に規定されている通りの形態H5である、請求項18~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. ソトラシブ又はその塩を少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることで医薬組成物を調製する工程を更に含む、請求項17~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 任意選択により、アトロプ異性体の混合物、又は単離されたM若しくはPアトロプ異性体の形態である、式:
    の化合物又はその塩、溶媒和物若しくは共結晶。
  33. 任意選択により塩基、塩、溶媒和物又は共結晶の形態で、式X:
    を有する、請求項32に記載の化合物。
  34. ソトラシブ及びその塩の調製のための、請求項32~33のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  35. 請求項17~34のいずれか一項に規定の方法によって得られるソトラシブ又はその塩。
JP2023571685A 2021-05-19 2022-05-19 ソトラシブ及びその固体状態形態の調製のためのプロセス Pending JP2024518845A (ja)

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