JP2024517355A - 血管内皮炎の治療において使用するための中間分子量ヘパリン - Google Patents

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Abstract

本発明は、疾病の治療において使用するための中間分子量ヘパリンを提供する。

Description

本発明は、血管内皮炎の治療に関する。詳細には、本発明は、血管内皮炎の治療において使用するための中間分子量ヘパリンに関する。
脊椎動物の血管系は、動脈、静脈および毛細血管からなる。血管系を通る血流は、酸素および白血球などの必須要素を最も必要としている組織へ送達することによりホメオスタシスの維持を可能とする動態である。血流は、血管の拡張および収縮により制御される。血管系の内腔の側面をライニングする内皮細胞は、内皮を形成する単層として機能し;内皮は、平滑筋細胞の層上に存在する。これらの平滑筋細胞は、締めつけるかあるいは緩め、それぞれ、血管の収縮(血管収縮)または血管の拡張(血管拡張)をもたらす。出血の場合、血流は、血栓形成により制御することができる。炎症部位に達するため、白血球は、血液から内皮細胞を通過して炎症組織に達しなければならない。したがって、血管収縮、血管拡張、血管透過、および血栓形成の調節は、ホメオスタシスの調節に重要である。
血管内皮細胞は、血管壁の単純な構成要素以上のものである。内皮細胞は、血管を弛緩および収縮させる血管作動性物質を産生し放出する。例えば、内皮細胞は、アセチルコリン、ヒスタミンおよびトロンビンなどのシェアストレスまたは刺激に応じて一酸化窒素(NO)を産生する。次いで、NOは、内皮の周囲の平滑筋細胞に拡散して、血管拡張を開始する。炎症性刺激に応じて放出される反応性酸素種は、内皮透過性を増大し、接着分子の発現により内皮細胞への白血球接着を促進することができる。これは、炎症部位への白血球の流入を作動させる働きをする。更に、内皮は、血栓形成のための表面を提供する。つまり、ホメオスタシスの調節において重要な役割を果たすのは、内皮細胞なのである。
したがって、内皮機能不全、または血管内皮炎は、血流、酸素送達、免疫応答に深刻な結果を有する可能性があり、したがって、ホメオスタシスは正常に機能しない。血管内皮炎は、NOバイオアベイラビリティー低下を特徴とする。これは、内皮表面上の接着分子の発現を増加させ、これにより、血管壁への白血球動員を開始させることができる。したがって、内皮の炎症、または内皮傷害が、血管内皮炎において観察される。これは、内皮による血管の欠陥ライニングをもたらし、内皮下基質を血液中の凝固因子に曝露させる可能性がある。その結果として、血小板凝集および血栓形成が起こり、致死的となり得る血栓をもたらす。
血管内皮炎は、いくつかの疾病が原因であり得、疾病の原因であるよりむしろ症状として通常見られる。その結果として、治療は、血管内皮炎それ自体よりむしろ原因疾患を標的とすることに重点的に取り組んだ。この結果として、血管内皮炎の治療は、不十分である。原因となっている血管内皮炎が疾病重症度および死亡率を実際に高めている可能性があり、血管内皮炎は、これまでに考えられていたよりもずっと大きな役割を果たしている。したがって、原因疾患だけでなく血管内皮炎の治療は、患者の生存率を高め得る。
本明細書では、血管内皮炎および内皮傷害は互換的に使用される。血管内皮炎は、本明細書に記載されている多数の疾病および/または病態が原因であり得るが、COVID-19またはSARS-CoV-2に関連する血管内皮炎を、本明細書において主として議論する。当業者は、この議論が単に例を提供するためであり、本発明を限定すると考えるべきでないことを理解するだろう。
2019年後半、中国武漢において、新型ベータコロナウイルス(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2、SARS-CoV-2)が、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)の原因であると特定された。その後、COVID-19の急速な地理的進行は最高潮に達し、WHOは2020年3月にパンデミックと宣言した(1)。SARS-CoV-2が感染した者の臨床症状は、無症状の患者からより重症肺炎までに及び、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)および多臓器不全に至る可能性がある。ほとんどの症状のある患者は、軽症~中等症の疾病を経験し、最も一般的には入院を必要としない(2~4)。しかしながら、より重症な疾病に進行し得る患者のコホートがあり、症状の進展/臨床症状は、2週間まで現れ、初期の前駆症状的段階から始まり、ARDSまで至る可能性がある(3)。深刻になり、換気装置または体外式膜型人工肺(ECMO)を必要する患者のサブグループは、90%に接近する高い死亡率となる非常に不良な転帰であることが現在知られている(5)。
この疾病は最初に記述されて以来、世界的に九千万人を超える個体が冒された。病態生理学的経路は不明なままであり;したがって、管理は対症的である。特定の抗ウイルス薬またはワクチンを待っている間駆り立てられ得る疾患修飾治療薬は不足している。いくつかの一連の証拠は、COVID-19における主要な病態生理学的機序として内皮機能不全の方向に向いている。現在のパンデミックの前に、内皮機能不全マーカーは、敗血症患者の疾病重症度および死亡率と関連していることが分かった(6~9)。最近、Varga et al.(10)は、3名のCOVID-19患者の死後検査により、肺血管、腎臓血管、胃腸血管および肝臓血管を冒した広範に広がった内皮傷害を実証した。症例の1つでは、著者らは、「ほとんどの小血管はうっ血されたように思われる」と報告し、別の症例では、患者は、原因となる内皮傷害の証拠と共に腸管虚血から死亡した。
最近、2つの提案されている止血機序は、敗血症および他の重病(11~14)における炎症および凝固障害を促進する血管内皮炎に関連する分子病態に基づくARDSの改善された理解への洞察を提供した:1つは、「内皮の2つの活性化理論」であり、内皮の病因は炎症経路および微小血栓症を活性化し、一方、他方は、血流を止める外科的処置の新規「2パス統合理論」であり、血流を止める外科的処置は、血栓形成を開始し、微小血栓毛性を促進し、血管微小血栓症(VMTD)に至る(11、13、15)。内皮が止血の初期に寄与し、血栓形成の分子機序を引き起こすので、これらの2つの理論は互いに一致している。ARDSは、様々な異なる原因からの敗血症にしばしば関連し、SARS-CoV(16)による重症急性呼吸器症候群(SARS)、MERS-CoV(17)による中東呼吸器症候群(MERS)および現在のCOVID-19において見られる。敗血症関連ARDSは、脳症(18)、肝不全(19)(20)、急性腎不全、および急性壊死性膵炎(21)などの他の臓器機能不全でしばしば発症する。この他臓器の関与は、ARDSが原発性疾患ではないかも知れないが、感染症または別の重病により引き起こされる進行中の全身的発症機序の一部であることを示唆している。
これに基づいて、敗血症および多の重病における多臓器不全の原因となる生理変化は、血管内皮炎関連VMTD(EA-VMTD)の結果として起こる循環機能不全と同じである(14、15)。したがって、感染症は、血管内皮炎の原因となる内皮への傷害を引き起こす。次いで、これは散在性微小血栓症(DIMT)をもたらし、これが、例えば、局所的低酸素症、全身性低酸素血症、および/または虚血を引き起こす可能性があり、前述のように、COVID-19は、内皮傷害に関連することが現在知られている(10)。
COVID-19肺の病理解剖のケースシリーズは、びまん性肺胞障害と並行して、多数の局在化された血小板に富んだ微小血栓および出血性病巣が肺中に存在することを明らかにした(22)。著者らは、COVID-19の病因の鍵として肺に局在化された血栓性微小血管障害症と仮定し、他者も、微小血栓症は疾病過程において重要な原動力であることを示唆した(23)。これらの微小循環変化は、造影超音波を用いて、肺、腎臓および肝臓において明白に実証された(24、25)。同様な所見は、脳においても見られた(26)。したがって、COVID-19が、内皮傷害ならびにびまん性および広範に広がった微小血栓症を引き起こすと思われる証拠が相次いでいる。
凝固性亢進およびCOVID-19は、現在広く受け入れられ、研究は、より重症疾患に関連するより高いレベルを有するD-ダイマーの異常レベルおよび院内死亡率の増加されたオッズ比を示した(27~30)。いくつかの症例報告は、静脈血栓塞栓形成の主な素因の非存在下COVID-19肺炎患者における急性肺血栓症に注目した(27、31、32)。より最近、Panigada et al.は、D-ダイマーレベル上昇に加えて、因子VIIIおよびフォンヴィレブランド因子(VWF)のレベルの著しい増加があったことを示した(33)。VWFレベルにおいて500%を超える増加および因子VIIIレベルにおいて350%を超える増加が、COVID-19に関してEscher et al.(34)により報告された。更に、血小板減少症患者では、重症疾患リスクが5倍を超えて増加し、最低の血小板数患者は、最も高い死亡率と関連することが実証された(33、35、36)。したがって、凝固性亢進および血小板減少症の両方とも、重症疾患および死亡率の前兆であると思われる。
フォンヴィレブランド因子(VWF)は、止血ならびに傷害および活性化された血管への血小板接着による血栓形成において重要な役割を果たす多量体血漿糖タンパク質である。VWFは、巨核球および内皮細胞(EC)においてのみ合成され、興味深いことには、SARS-CoVがこれらの細胞型の両方に直接影響を与えることができる(22、36)。
血漿中に見られる圧倒的多数のVWFは、EC内で合成されたVWFから誘導され、バイベルパラーデ小体(WPB)内に貯蔵される。ECに制限されるが、体の異なる血管床内のVWF合成における違いがあり、肺および脳の小血管は、肝臓または腎臓の同様の大きさの血管より高いレベルのVWFおよび動脈内ECよりもむしろ静脈内でより高いレベルを発現する(37)。内皮細胞のWPBに貯蔵されているVWFの大部分は、超高分子量VWF(ULVWF)からなる。これらの超高分子量VWF多量体は、循環中のより低分子VWF多量体より接着性である(38)。分泌にともなって、ULVWFは、血小板と自然に結合することができる。インターロイキン-1および腫瘍壊死因子(TNF)-αなどの炎症性サイトカインは、その内容物を放出してWPBのエクソサイトーシスを引き起こすことができる。したがって、VWFの血漿中レベルを、内皮活性化および血管炎症のマーカーとして使用することができ、VWFのレベル上昇は、ARDSおよび敗血症と関連し、死亡率と独立して相関することが分かった(39、40)。
ECからの分泌で循環に部分的に入り、内皮と部分的に結合する分泌されたVWFは、シェアストレスに対して感受性である。このシェアストレスは、VWFをアンフォールドし、血小板結合、自己会合ならびに酵素ADAMTS13による切断のための部位を曝露する。これらのVWF分子は、動脈および静脈の両方の流れ方向に血小板と結合する長い「ストリング」に自己会合することができ、内皮に対して接着性であることが以前に分かっている(41~43)。プロテアーゼ、ADAMTS13は、VWFおよびULVWFを切断し、これらの血小板-VWFストリング上でのその灌流は、これらを循環から迅速に除去した(41)。WPBから放出されたULVWF多量体は、アンフォールディングに対するより低いシェアストレスを有し、したがって、血小板を捕捉する非常に接着性の高いストリングをもたらすこの自己アセンブリ過程のための開始分子であり得る。血小板とVWFとの結合は、GP Ib受容体により起こる。この受容体に対する結合部位は、VWFがその球形の形態である場合に通常曝露されず、したがって、血小板と結合することができない。一旦VWFが広がると、シェアストレスに続き、結合部位は曝露され、血小板と高親和性で結合する。血小板とVWFとの結合は、インテグリンGPIIbIIIa(α2bβ3としても知られている)の活性化をもたらすコンフォメーション変化を引き起こし、血小板-VWF結合だけでなく血小板-血小板結合も促進する可能性がある。この理由のため、標準的抗血小板薬の使用は、Tremblay et al.(44)のコホート試験により示唆されたように、効果がない(アスピリンまたはP2Y12阻害剤)かまたはこの病理過程の緩和において部分的にしか効果がない可能性が高い。
微小血管系におけるVWF-血小板に富む血栓を形成するこの能力は、ADAMTS13に対する自己抗体が存在する後天的血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の顕著な特徴である。インターロイキン-6(IL-6)は、ULVWF-血小板ストリングの切断を阻害することができることも分かった(45)。更に、少なくとも培養細胞においてADAMTS13の合成は、IL-6およびTNF-αを含む様々なサイトカインにより劇的に阻害される(46)。これは、サイトカインストーム、および特にIL-6は、微小血栓症を伝播する可能性があることを示唆している。しかしながら、これは、介在が早期に行われ、サイトカインの放出においてスパイクがない場合、疾病は、より管理可能であり、患者の臨床状態における迅速な悪化を避けることができることも示唆している。
現在、COVID-19におけるVWF:ADAMTS13比ならびに高分子量VWF多量体(ULVWFと当量)のレベルの非常に著しいアンバランスが存在することを示唆していることの一連の重要な証拠がある。先述されているように、非常に高レベルのVWFは、Escher et al.(34)の報告であるVWFレベルのこの急増を言及する最も初期の症例報告とともに以前に示された。その後、Goshua et al.(47)は、疾病重症度に関連する増加されたレベルを有するCOVID-19と認められた患者における血漿中VWF濃度の報告された著しい上昇-集中治療室(ICU)で治療を受けなかった患者と比較してICUに入院した患者について565±199%対278±133%の平均VWF抗原レベル(p<0.0001)を実証した。次に、Rauch et al.(48)は、これらの入院VWFと関連付けながらCOVID-19患者の進行に目を向けた。最も高いVWFレベルを有する患者は、より高度な酸素補助を必要とする一方、正常なVWFレベルを有した患者は、入院も補助的酸素も必要としなかった(n=10)。
Rauch et al.の発表直後に、Ladikou et al.(49)は、患者のVWFレベルおよび年齢において見られる正相関があるICUに入院したCOVID-19患者のVWF抗原レベル増加を示した。彼らは、350%のVWF抗原レベルのメジアンを報告したが、しかしながら、重要なことに、彼らは、著しく低下されたADAMTS13レベル(49.7%)も示したが、高分子量VWF多量体を普通に分解し、その活性を低下させるVWF切断プロテアーゼの損失を示唆している。彼らは、COVID-19患者において見られるVWFの過剰な放出がADAMTS13の枯渇をもたらし、血栓好発状態の一因となることを推測した。更に、これらのデータの解析は、VWFレベルのメジアンは、生き残った患者(335%)と比較して死亡した患者(477%)において有意に高かった(p=0.015)を示した。
Helms et al.(50)は、COVID-19患者の血栓症リスクを評価した仏国における多施設前向きコホート研究を最近発表し、これは、VWFおよび因子VIIIがかなり増加したことを示した。VWFの増加およびADAMTS13の減少を示すこのデータと併せて、VWF:ADAMTS13比が大幅に狂っていることを示す更なる研究がある。Huisman et al.(51)は、ICUに入院した12名の患者から平均VWF抗原:ADAMTS13比が8.5(正常0.5~2)であったことを初めて示した。その後、Mancini et al(52)は、低強度ケアを要する患者、3.42と比較して、高強度ケア(挿管および機械換気)を要した患者において見られる最も悪い比、8.3を有する疾病重症度と強く関連したADAMTS13活性に対するフォンヴィレブランド因子抗原(VWF:Ag)の比が上昇した同様な知見を実証した(p<0.001)。
ごく最近、Philippe et al.(53)は、その23名が症状が軽く、外来患者として治療されたパリの2施設に入院された208名の患者のコホートからの彼らの結果を発表した。彼らは、VWF:Agが臨床重症度に応じてのみ増減され、レベルが、非重症患者(288%、230~350、p<0.0001)またはCOVID-19外来患者(144%、133~198、p=0.007)と比較して、重症患者(メジアン507%、IQR428~596)において有意に高いことを見出した。単変量解析モデルでは、入院における423%を超えるVWF:Agレベルは、より高い入院死亡率(OR 89.7 95% CI 25.9~567.4、p<0.001)と有意に関連付けられ、これは、年齢、BMI、D-ダイマーおよびC反応性タンパク質(CRP)に対して調整された多変量解析モデルにおいて非常に有意なままであった(オッズ比、OR 25.6、95% CI 5.6~198.2、p<0.001)。さらに重要なことには、彼らは、VWF高分子量多量体(HMWM)は、非重症患者(0.96、1.04~1.39、p<0.001)と比較して、重症患者(比のメジアン1.18、IQR0.86~1.09)において有意に高かったことを示した。更に、HMWMレベル(比)(OR 116、95% CI 10.2~1943、p<0.001)は、入院死亡率と最も有意に関連付けられるものの1つであった。
血管内皮炎および内皮傷害により引き起こされる統合理論を展開することは可能であり、これは、微小血栓形成をもたらすVWFおよびULVWFの放出を引き起こす。次いで、これは、低酸素症をもたらし、「サイトカインストーム」およびIL-6の放出により過程を強めることができ、これは、ADAMTS13の機能を阻害および低下させ、散在性微小血栓症ならびに多臓器機能不全および多臓器不全が続いて起こる。この肺のレベルにおける微小血管血栓症は、右心室機能不全の原因であることも示唆された(54)。この機序は、高D-ダイマーレベル(微小血栓症の大量レベルが理由で高レベル)、因子VIIIおよびVWFの高レベル(内皮傷害に応じてWPBから放出)および所見される異型ARDS像(55)、ならびに微小血栓症および肺症状、神経症状および胃腸症状の広がった臨床像を含み現在観察される所見の多くの主要因であり得る。本発明者らが示唆する内皮傷害および微小血栓症は、何故既存の血管内皮炎および微小動脈障害(例えば、糖尿病、高血圧、または肥満に続き)患者に重症COVID-19のリスクが増大するのかも説明するかも知れない(29、56)。同様に、SARS-CoV-2に感染後転帰不良およびその可変な症状に罹り易くさせる様々な疾病と共に低レベルのADAMTS13および高レベルのVWFを有する患者とのつながりを示す証拠が急速に相次いでいる(57~64)。標準的抗血小板薬治療(アスピリンまたはP2Y12阻害剤)の使用も、VWFと血小板との相互作用がGP2b3a受容体を活性化すると仮定すると効果的である可能性が高い。カプラシズマブまたはアンフィバチドのいずれかを用いて、GP1b受容体によるVWF-血小板結合の阻害は、魅力的な選択肢であり、提案された(65)が、これらの薬物は、広範に使用されておらず、これらを用いた臨床経験は極めて限定的である。同様に、これらは、重大な出血プロファイルを有する。
したがって、血管内皮炎それ自体の治療の必要性がある。
ヘパリンは、広範囲の分子量の多糖鎖を特徴とする天然の高度に硫酸化された多糖である。ヘパリンは、多様な作用で様々な異なるリガンドに作用する。ヘパリンは、グリコサミノグリカン炭水化物ファミリーのメンバーであり、多分散硫酸化、N-アセチル化およびウロノシルエピ化を有するGlcAβ1-4GlcNAcα1-4の反復二糖単位からなる。ヘパリンは、非常に不均一である。天然源から単離されるヘパリンは、約3000Da~約30,000Daの範囲の分子量を有する多糖鎖を含む。これは、未分画ヘパリン(UFH)として公知である。UFHを、酵素的または化学的に処理してより短い多糖鎖を供給することができる。酵素的または化学的に処理されたUFHの生成物を親和性精製して、分画ヘパリンを得ることができ、各画分中の多糖の分子量を容易に決定することができる。低分子量ヘパリン(LMWH)は、約4000Da~約8000Daの範囲の多糖鎖を含む。
1991年、開心手術中の患者へのヘパリンの静脈内投与は、血漿中VWFレベルの変化なく、VWF依存性血小板機能障害を誘導することが最初に実証された(66)。このVWF依存性血小板凝固に対するヘパリンの阻害効果は、アンチトロンビンIIIに対するヘパリンの親和性に依存しなかったが、ヘパリンの分離得ように依存した。最近のin vitro実験から、ヘパリンは、VWFのA1ドメイン内の特定のアミノ酸配列(残基569~583)と結合し、前記配列中、塩基性アミノ酸が規則的に配列されていることが分かった。ヘパリン結合は、この結合部位のペプチドのコンフォメーション変化を誘導した(67)。ヘパリンは、活性化されたVWFおよび不活性化されたVWFの両方と同様に結合したが、コラーゲンとのVWF結合を干渉しなかった。血小板GpIb結合ドメイン(残基524~542)もA1ドメインに配置されているので、ヘパリンは、立体障害および血小板結合の阻害をもたらすドメインのコンフォメーション変化の誘導の両方により血小板GpIbとのVWF結合を干渉しないことが示唆された。
VWFとの結合に寄与するヘパリンの構造的特異性は、主要な二糖単位-GlcNS6S-IdoA2SおよびIdoA2S-GlcNS6Sの周りを回転する。更に、二糖の3より多い単位のアセンブリは、結合能に重要であることが実証された。同様に、低分子量(6100Da(g/モル))の分画ヘパリンは、VWFとの結合に対してより高い親和性を示したが、これらは、UFHと比較してVWF活性をあまり阻害することができなかった。これは、最小のヘパリン分子量および分子サイズは、立体障害を得るために重要であることを示唆している。
これらの中間分子量ヘパリンは、VWF-GPIb結合の阻害に対して特異性を有し、したがって、微小血栓症を止める可能性があるが、これらはアンチトロンビンIIIに対する効果をほとんど有しないので、これらは抗凝固効果をほとんど有しない。したがって、約11000Da(g/モル)の質量を有する中間分子量ヘパリンは、増加されたVWFレベルおよび血管内皮炎に依存する血栓促進状態を有する患者の治療を考慮する場合の理想的な治療選択肢である。更に、これらの先行研究の結果は、低分子量ヘパリンは、うまく働かない可能性が高く、GPIb受容体を標的としないが、UFHがVWFと結合することができる糖部分を含み得る間、UFHは最適ではないことを示唆している。更に、UFHのモニタリングは難しく、他の画分のUFH、例えば、LMWH画分は、予測できない危険な出血性イベントをもたらし得る抗凝固効果を有する。
更に興味深いことは、SARS-CoV-2は、ヘパリン硫酸と結合し、特に、IdoA2S-GlcNS6S糖部分を必要とすることが最近分かったという事実である(74、75)。これは、これらの糖部分の外生的供給は、肺において内生のヘパリン硫酸との結合を阻害し、したがって、予防的治療として作用する可能性があることを示唆している。総合すれば、GlcNS6S-IdoA2S二糖の少なくとも3単位を有する特化された中間分子量ヘパリン(約11000Da(g/モル)は、ウイルス付着および複製を阻害するが、ウイルスが原因の血管内皮炎に続発するVWFの放出により引き起こされる微小血栓症も阻害する可能性がある。
本明細書に記載されているように、血管内皮炎は、いくつかの疾病と関連し得る。本発明者は、中間分子量ヘパリンを使用して血管内皮炎、特に、高い血漿中フォンヴィレブランド因子レベルを有する患者における血管内皮炎を治療することができることを見出した。
したがって、本発明は、血管内皮炎の治療において使用するための中間分子量ヘパリンを提供する。中間分子量ヘパリンは、フォンヴィレブランド因子(VWF)を阻害し得る。中間分子量ヘパリンは、VWFの多量体、好ましくは超高分子量VWFを阻害し得る。中間分子量ヘパリンは、血小板とVWFとの結合を阻害し得る。
したがって、第一態様では、本発明は、患者における血管内皮炎の治療において使用するための中間分子量ヘパリンを提供する。好ましくは、患者が、少なくとも約2のADAMTS13に対する血漿中フォンヴィレブランド因子の比を有する場合である。あるいはまたは加えて、患者は、少なくとも約2のADAMTS13に対するフォンヴィレブランド因子抗原の比を有し得る。
中間分子量ヘパリンは、フォンヴィレブランド因子(VWF)を阻害し得る。中間分子量ヘパリンは、VWFの多量体、好ましくは超高分子量VWFを阻害し得る。中間分子量ヘパリンは、血小板とVWFとの結合を阻害し得る。
患者は、少なくとも約2の、少なくとも約4の、少なくとも約8の、または少なくとも約10のVWF:ADAMTS13比を有し得る。患者は、約2を超える、約4を超える、または約8を超える、または約10を超えるVWF:ADAMTS13比を有し得る。患者は、約2~16、約4~12、または好ましくは約6~10のVWF:ADAMTS13比を有し得る。約8を超えるVWF:ADAMTS13比を有する患者は、重症の病気を通常示し、死に向かって悪化している患者を示すことが多い。
患者は、少なくとも約2の、少なくとも約4の、少なくとも約8の、または少なくとも約10のVWF抗原:ADAMTS13比を有し得る。患者は、約2を超える、約4を超える、または約8を超える、または約10を超えるVWF抗原:ADAMTS13比を有し得る。患者は、約2~16、約4~12、または好ましくは約6~10のVWF抗原:ADAMTS13比を有し得る。約8を超えるVWF抗原:ADAMTS13比を有する患者は、重症の病気を通常示し、死に向かって悪化している患者を示すことが多い。
患者におけるVWFおよびADAMTS13のレベルを、ELISAを用いて測定することができる。Huisman et alにより記載されているように、この比を算出することができる(51)。簡潔に言えば、VWF抗原レベルを、国際単位で決定することができ、ADAMTS13レベルを国際単位で決定することができ、そして、VWF抗原:ADAMTS13比を決定することができる。
血漿中VWFの正常レベルは、約50IU/dL~約200IU/dLの範囲である。一般集団では、血漿中VWFの平均レベルは、約100IU/dLである。血漿中VWFの高レベルは、約200IU/dL以上、例えば、約200IU/dL~約400IU/dL、約225IU/dL~約375IU/dL、約250IU/dL~約350IU/dL、約275IU/dL~約300IU/dLである。
患者は、約150%以上、約175%以上、約200%以上、約300%以上、約350%以上、または約400%以上、または約500%以上の上昇されたVWF抗原レベルを有し得る。患者は、約600%以下、約700%以下、約800%以下、または約1000%以下のVWF抗原レベルを有し得る。
なお、血漿中VWFレベルは、感染症、炎症、心的外傷により、ならびに身体的および感情的ストレスで一次的に上昇し得る。したがって、患者は、一次的でなく、例えば、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約18時間または少なくとも約24時間、上昇された血漿中フォンヴィレブランド因子レベルを有し得る。好ましくは、患者は、少なくとも約1日間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、または少なくとも約7日間上昇された血漿中フォンヴィレブランド因子レベルを有し得る。更により好ましくは、患者は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間または少なくとも4週間上昇された血漿中フォンヴィレブランド因子レベルを有し得る。なお更により好ましくは、患者は、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間または少なくとも1年間上昇された血漿中フォンヴィレブランド因子レベルを有し得る。患者は、約1週間まで、約4週間まで、約2ヶ月間まで、約4ヶ月間まで、約6ヶ月間まで、または約1年間まで上昇された血漿中フォンヴィレブランド因子レベルを有し得る。
中間分子量ヘパリンは、約11000Da(g/モル)の質量を有してよい。中間分子量ヘパリンは、GlcNS6S-IdoA2S(またはIdoA2S-GlcNS6S)二糖の少なくとも3単位を含んでよい。
血管内皮炎は、COVID-19、ウイルス感染症、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、がん、細菌感染症、敗血症、心血管疾患、糖尿病、心的外傷、特に、脳外傷もしくは頭部外傷 、やけど、吸入損傷、薬物反応、血液学的病態、くも膜下出血、大動脈瘤疾患、脳卒中、または脳実質性出血が原因であり得る。血管内皮炎は、ウイルス感染症が原因であり得、前記ウイルス感染症は、SARS-CoV-2であり得る。血管内皮炎は、がん、特に、白血病、リンパ腫、骨髄腫、または結腸がん、乳がん、脳がん、肺がん、膵がん、精巣がん、前立腺がん、子宮頸がん、肝がん、もしくは皮膚がんなどの固形臓器がんが原因であり得る。
中間分子量ヘパリンによる血管内皮炎の治療は、がんの血行性伝播を阻害し得る。ヒト腫瘍細胞は、メラノーマおよび結腸がん細胞の両方を含む高せん断流動状態下VWFと結合することができ、この能力を示す。VWFと結合された固定化された血小板は、流れシェアストレス下異なるがん性細胞株の連結、ローリング、および強力接着を媒介することが分かった。VWFは、固定化された血小板への腫瘍細胞のこの強力接着を可能とする重要な役割を果たした。現在のデータは、VWFががん性細胞の連結に重要な役割を果たすことを示唆している。加えて、正常な血栓症経路の一部として起こるVWF-血小板結合は、VWF-血小板へ腫瘍細胞が合体してVWF+血小板+がん細胞のヘテロ凝集物を生成することを可能とし、これにより、腫瘍細胞の血液由来の(血行性)伝播の助けとなるように更に振る舞う可能性がある。この過程は、がん細胞の血管壁への移動する能力により少なくとも部分的に引き起され、これにより、一旦VWFおよび血小板への最初の結合が起こると、他の臓器に伝播し得る。加えて、様々ながんは、得られたUL-VWFの遊離により血管内皮炎を引き起こすことが分かっている。この機序により、腫瘍は、次いで、血小板と腫瘍細胞の連結ならびにがんの血行性伝播および転移性伝播を可能とするUL-VWFの遊離を引き起こす。このがん誘発血管内皮炎は、更に、原因となっている悪性腫瘍を有する患者における血栓症リスクの全体的な増大をもたらす。したがって、血管内皮炎の治療を目的としたいずれもの処置ならびに血小板および/または腫瘍細胞とVWFとの結合の阻害は、悪性腫瘍関連血栓症リスクの低下および更に、血行性転移性伝播のリスクの低下の二重の目的を果たすだろう。
中間分子量ヘパリンを、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、くも膜下腔内、皮内、動脈内、関節内、皮膚、経皮、皮下、デポ形態、例えば、デポ注射、骨内、および吸入からなる群から選択される投与方法により投与してよい。好ましくは、中間分子量ヘパリン投与方法は、皮下、静脈内または筋肉内である。投与方法は、吸入、任意的にネブライザーによる吸入であってよい。
中間分子量ヘパリンを、約0.01mg/kgから、約0.1mg/kgから、約1mg/kgから、約5mg/kgから、約10mg/kgから、約20mg/kgから、約30mg/kgから、約50mg/kgから、約70mg/kgから、約80mg/kgから、または約100mg/kgからの用量で投与してよい。中間分子量ヘパリンを、約500mg/kg以下、約300mg/kg以下、約200mg/kg以下、または約100mg/kg以下の用量で投与してよい。中間分子量ヘパリンを、約0.01mg/kg~約10mg/kg、好ましくは約0.2mg/kg~約10mg/kg、約0.2mg/kg~約1.6mg/kgの用量で投与してよい。中間分子量ヘパリンを、単回投与または継続投与として投与してよい。中間分子量ヘパリン投与量は、VWF抗原:ADAMTS13比または全体的VWFレベルに依存し得る。当業者は、VWF抗原:ADAMTS13比または全体的VWFレベルに基づいて患者のための適切な量を選択することができるだろう。
中間分子量ヘパリンは、医薬製剤中に含まれていてもよい。医薬製剤は、賦形剤を含んでよい。賦形剤は、溶媒、共溶媒、緩衝剤、安定化剤、酸化防止剤、防腐剤、キレート剤、乳化剤、香料、潤滑剤、懸濁剤、等張化剤、界面活性剤、可溶化剤、分散助剤、分散剤、保湿剤、増粘剤、着色料、湿潤剤、消泡剤、粘度調整剤、甘味料およびこれらの組合せを含む群から選択され得る。医薬製剤は、追加の活性剤を含んでよい。追加の活性剤は、低分子量ヘパリンを含んでよい。
中間分子量ヘパリンは、化学修飾を含んでよい。化学修飾は、N-アセチル化、脱N-アセチル化、N-硫酸化、O-硫酸化、脱2-O硫酸化、完全脱硫酸化を含む群から選択され得る。
第二態様では、本発明は、患者における疾病または病態の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2のADAMTS13に対する血漿中フォンヴィレブランド因子(VWF:ADAMTS13)の比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者におけるCOVID-19の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者におけるウイルス感染症の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2のVWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。ウイルス感染症は、SARS-CoV-2であってよい。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者におけるがんの治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2のVWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。がんは、白血病、リンパ腫、骨髄腫、または結腸がん、乳がん、脳がん、肺がん、膵がん、精巣がん、前立腺がん、子宮頸がん、肝がん、もしくは皮膚がんなどの固形臓器がんであってよい。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における細菌感染症の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における敗血症の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における心血管疾患の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における糖尿病の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における心的外傷の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者におけるやけどの治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における吸入損傷の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における薬物反応の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における血液学的病態の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者におけるくも膜下出血の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における大動脈瘤疾患の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
第三態様では、本発明は、患者における疾病または病態の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2のADAMTS13に対する血漿中フォンヴィレブランド因子抗原(VWF抗原:ADAMTS13)の比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者におけるCOVID-19の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者におけるウイルス感染症の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2のVWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。ウイルス感染症は、SARS-CoV-2であってよい。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者におけるがんの治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2のVWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。がんは、白血病、リンパ腫、骨髄腫、または結腸がん、乳がん、脳がん、肺がん、膵がん、精巣がん、前立腺がん、子宮頸がん、肝がん、もしくは皮膚がんなどの固形臓器がんであり得る。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における細菌感染症の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における敗血症の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における心血管疾患の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における糖尿病の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における心的外傷の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者におけるやけどの治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における吸入損傷の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における薬物反応の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における血液学的病態の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者におけるくも膜下出血の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における大動脈瘤疾患の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF抗原:ADAMTS13比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリンを提供する。
疑いを避けるために、本発明の第一態様の中間分子量ヘパリンに関する本明細書に記載されている実施形態は、必要な変更を加えて、本発明の第二および第三態様の中間分子量ヘパリンにも適用する。
本発明の第一態様で定義されている血管内皮炎の治療において使用するための中間分子量ヘパリンは、前記ヘパリンがいずれかの疾病または病態が原因の血管内皮炎に続発するVWFの放出により引き起こされる微小血栓症を阻害することができるので、特に有利である。血管内皮炎の原因がSARS-CoV-2である場合、加えて、前記ヘパリンは、ウイルス付着および複製を阻害することができる。
第四態様では、本発明は、特に本発明の第一または第二または第三態様に記載の血管内皮炎の治療において使用するための中間分子量ヘパリンを含むキットを提供する。
第五態様では、本発明は、血管内皮炎の治療方法であって、前記方法は、中間分子量ヘパリンの治療有効量を、治療を必要としている対象に投与することを含み、前記患者は、少なくとも約2の血漿中VWF:ADAMTS13比を有する、方法を提供する。
第六態様では、本発明は、血管内皮炎の治療のための医薬品製造のための第一または第二または第三態様で定義されている中間分子量ヘパリンの使用を提供する。
疑いを避けるために、本発明の第一態様の中間分子量ヘパリンに関する本明細書に記載されている実施形態は、必要な変更を加えて、第二~第六態様にも適用する。
ここで、本発明を、非限定的であることを意図している以下の図を参照して説明する。
図1は、因子IIaに対する低分子量(LMW)ヘパリン、未分画(UF)ヘパリンおよび中間分子量(MMW)ヘパリンの活性のグラフを示す。 図2は、因子Xに対するLMWヘパリン、UFヘパリンおよびMMWヘパリンの活性のグラフを示す。 図3は、媒体コントロールに対する、MMWヘパリンの5μM、10μMおよび15μM用量を用いたVWF誘導血小板凝集の阻害の透過光血小板凝集検査法(LTA)トレースを示す。 図4は、MMWヘパリンの15μM用量を用いたVWF誘導血小板凝集の阻害の透過光血小板凝集検査法(LTA)トレースを示す。 図5Aおよび図5Bは、VWF依存性血小板凝固に対するMMWHおよびLMWHの効果を示す。 図6は、5μM、10μMおよび20μMのMMWHを用いたVWF誘導血小板凝固の阻害のLTAトレースを示す。 図7は、5μMおよび10μMのMMWHを用いたVWF誘導血小板凝固の阻害のLTAトレースを示す。 図8は、10μMのMMWHおよび抗VWF mAbを用いたVWF誘導血小板凝固の阻害のLTAトレースを示す。 図9は、5μMおよび20μMのMMWHおよび抗VWF mAbを用いたVWF誘導血小板凝固の阻害のLTAトレースを示す。 図10は、10μMのLMWHおよび抗VWF mAbを用いたVWF誘導血小板凝固の阻害のLTAトレースを示す。 図11は、20μMのLMWHを用いたVWF誘導血小板凝固の阻害のLTAトレースを示す。 図12は、VWF誘導血小板凝固のMMWH、LMWHおよびmAb阻害の統計解析(曲線下面積および傾き)を示す。 図13は、非リストセチンアゴニスト:A.アゴニストとしてADP;B:アゴニストとしてコラーゲン;C.アゴニストとしてTRAP6と共に5μM、10μMおよび20μMのMMWHを用いたVWF誘導血小板凝固の阻害のLTAトレースを示す。 図13は、非リストセチンアゴニスト:A.アゴニストとしてADP;B:アゴニストとしてコラーゲン;C.アゴニストとしてTRAP6と共に5μM、10μMおよび20μMのMMWHを用いたVWF誘導血小板凝固の阻害のLTAトレースを示す。 図13は、非リストセチンアゴニスト:A.アゴニストとしてADP;B:アゴニストとしてコラーゲン;C.アゴニストとしてTRAP6と共に5μM、10μMおよび20μMのMMWHを用いたVWF誘導血小板凝固の阻害のLTAトレースを示す。 図14は、アゴニスト:A.ADP;B.コラーゲン;C.TRAP-6の存在下、VWF誘導血小板凝集のMMWH(0μM、5μM、10μMおよび20μM)阻害のグラフを示す。
本明細書を通して、本発明の1つ以上の態様を、本発明の別の実施形態を定義するために、本明細書に記載されている1つ以上の特徴と組み合わせてよい。
続く議論では、いくつかの用語を参照し、文脈上反対のことが明示的に示されない限り、下記に示されている意味を有すると理解されるべきである。
本明細書において名詞の単数形への言及は、文脈上他の意味が示されない限り、複数の名詞を包含し、その逆もまた同様である。
本明細書を通して、用語「comprise」、または「comprises」もしくは「comprising」などの変化形は、指定された要素もしくは整数、または要素もしくは整数の群の包含を暗示するが、他の要素もしくは整数、または要素もしくは整数の群の除外を暗示しないと理解される。用語「comprising」は、その範囲内に、用語「consisting」または「consisting essentially of」を含む。
用語「consisting」、またはその変化形は、指定された要素もしくは整数、または要素もしくは整数の群の包含、ならびに他の要素もしくは整数、または要素もしくは整数の群の除外を暗示すると理解されるべきである。
用語「consisting essentially of」またはその変化形は、指定された要素、整数もしくは工程、または要素、整数もしくは工程の群の包含を暗示し、更なる構成要素が存在してもよいが、処方物、組成物、または化合物の必須特性に実質的に影響しないもののみであると理解されるべきである。
本明細書において用語「約(about)」は、数または値を特定する場合、特定された値の±5%以内である値を表すために使用される。
用語「治療(treatment)」および「療法(therapy)」は、障害もしくは病態の進行速度を低下もしくは止めるため、または障害もしくは病態を寛解もしくは治癒するために、患者の治療的処置を定義する。治療または療法の結果としての障害または病態の予防も含まれる。
本明細書で使用されるとき、用語「患者(patient)」は、好ましくは哺乳類を表す。通常、哺乳類は、ヒトである。
フォンヴィレブランド因子(VWF)は、止血に関与する血中糖タンパク質である。VWFは、血漿中に存在する高分子量多量体糖タンパク質であり、内皮(バイベルパラーデ小体)、巨核球(血小板のα-顆粒)、および内皮下結合組織中の超高分子量VWFとして構成的に産生される。塩基性VWFモノマーは、2050アミノ酸タンパク質である。
二糖は、その分子が2つの単糖残基を含む糖である。
低分子量ヘパリンは、本明細書において、約4000Da(g/モル)~約8000Da(g/モル)の平均分子量を有するヘパリンと定義される。中間分子量ヘパリンは、本明細書において、約8000Da(g/モル)を超えて約13000Da(g/モル)までの平均分子量を有するヘパリンと定義される。
血管内皮炎は、いずれかの疾病が原因であり得る。詳細には、血管内皮炎は、COVID-19、ウイルス感染症、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、がん、細菌感染症、敗血症、心血管疾患、糖尿病、心的外傷、特に、頭部外傷、やけど、吸入損傷、薬物反応、血液学的病態、くも膜下出血、大動脈瘤疾患、脳卒中、または脳実質性出血が原因であり得る。
感染症は、細菌性、真菌性、または寄生性であり得る。感染症は、細菌性であり得る。細菌感染症は、アクチノミセス・イスラエリ(Actinomyces israelii)、バチルス・アンシラシス(Bacillus anthracis)、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertussis)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdoferi)、ボレリア・ガリニイ(Borrelia garinii)、ボレリア・アフゼリ(Borrelia afzelaii)、ボレリア・レクレンチス(Borrelia recurrentis)、ブルセラ・アボルツス(Brucella abortus)、ブルセラ・カニス(Brucella canis)、ブルセラ・メリテンシス(Brucella melitensis)、ブルセラ・スイス(Brucella suis)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、クラミドフィラ・シタッシ(Chlamydophilia psittaci)、クリストリジウム・ボツリヌス(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・テタニ(Clostridium tetani)、コリネバクテリウム・ジフテリアエ(Corynebacterium diphtheriae)、エンテロコッカス・ファエカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)、ヘモフィルス・インフルエンザエ(Haemophilus influenzae)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、レプトスピラ種(Leptospira species)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、マイコバクテリウム・レプラ(Mycobacterium leprae)、マイコバクテリウム・ツベルキュロシス(Mycobacterium tuberculosis)、マイコプラズマ・ニューモニエ(mycoplasma pneumoniae)、ナイセリア・ゴナーレア(Neisseria gonorrhoeae)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、シュードモナス・エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)、ノカルジア・アステロイデス(Nocardia asteroides)、リケッチア・リケッチイ(Rickettsia rickettsii)、サルモネラ(Salmonella)、シゲラ(Shigella)、スピロカエテス・スタフィロコッカス(Spirochaetes Staphylococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、トレポネマ・パリドゥム(Treponema pallidum)、ビブリオ・コレラエ(Vibrio cholerae)、またはエルシニア・ペスチス(Yersinia pestis)であり得る。
感染症は、真菌性であり得る。真菌感染症は、アスペルギルス属(Aspergillus)、ブラストミセス属(Blastomyces)、カンジダ属(Candida)、コクシジオイデス(Coccidioides)、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、クリプトコックス・ガッチイ(Cryptococcus gattii)、ヒストプラスマ属(Histoplasma)、ムコルマイセテス属(mucormycetes)、チネア・クルリス(Tinea cruris)、チネア・コルポリス(Tinea corporis)、またはチネア・ペディス(Tinea pedis)であり得る。
感染症は、寄生性であり得る。寄生感染症は、原生動物眼感染症、シャーガス病、リーシュマニア症、トキソプラズマ症、ジアルジア症、マラリア、微胞子虫症、またはリノスポリジウム症であり得る。好ましくは、寄生感染症は、マラリアである。
ウイルス感染症は、SARS-CoV-2であり得る。SARS-CoV-2は、疾病COVID-19の原因であるウイルスである。COVID-19は、ARDSをもたらし得る。血管内皮炎は、SARS-CoV-2感染症が原因であり得る。血管内皮炎は、COVID-19が原因であり得る。血管内皮炎は、ARDSが原因であり得る。
血管内皮炎は、がんが原因であり得る。がんは、白血病、リンパ腫または骨髄腫であり得る。あるいは、または加えて、がんは、固形臓器がん、例えば、結腸がん、乳がん、脳がん、肺がん、膵がん、精巣がん、前立腺がん、子宮頸がん、肝がん、または皮膚がんであり得る。
血管内皮炎は、血液学的病態、例えば、血栓性血小板減少性紫斑病、貧血症、または鎌状赤血球症が原因であり得る。
内皮細胞機能障害は、血液中に循環する腫瘍細胞の通路が組織に入ることを可能とする可能性がある。したがって、血管内皮炎の治療は、血液由来のがんの血行性伝播を防止し得る。血管内皮炎の治療は、がんの血行性伝播を阻害し得る。中間分子量ヘパリンは、がんの血行性伝播を阻害し得る。
血管内皮炎のバイオマーカーは、フォンヴィレブランド因子(VWF)レベル上昇、超高分子量フォンヴィレブランド因子(ULVWF)レベル、因子VIIIレベルならびにシンデカン1、VWF抗原、VWF活性、VWF多量体、ADAMTS13レベル、血小板数、VCAM-1、ICAM-1、P-セレクチンレベル、VWF:ADAMTS13比またはVWF抗原:ADAMTS13比を含み得る。好ましくは、血管内皮炎のバイオマーカーは、VWF:ADAMTS13またはVWF抗原:ADAMTS13の比である。
患者は、健康コントロール対象と比較して、上昇された血漿中フォンヴィレブランド因子(VWF)レベルを有し得る。患者は、健康コントロールと比較して、血漿中VWFの持続的高レベルを有し得る。血漿中VWFレベルは、少なくとも約1日、少なくとも約2日、少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、または好ましくは少なくとも約1週間の期間にわたって、健康コントロール対象と比較して、上昇する可能性がある。血漿中VWFレベルは、約1週間まで、約4週間まで、約2ヶ月間まで、約4ヶ月間まで、約6ヶ月間まで、または約1年間までの期間健康コントロール対象と比較して、上昇する可能性がある。
例えば、血漿中VWFレベルは、少なくとも約50nmol/L、好ましくは少なくとも約60nmol/L、更により好ましくは少なくとも約70nmol/L、またはなお更により好ましくは少なくとも約90nmol/L、まで上昇する可能性がある。血漿中VWFレベルは、約130nmol/L、約150nmol/L、または約200nmol/Lまで上昇する可能性がある。血漿中VWFレベルは、少なくとも約1日間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約1週間、少なくとも約1ヶ月間または少なくとも約1年間に少なくとも約50nmol/Lまで上昇する可能性がある。血漿中VWFレベルは、少なくとも約1日間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約1週間、少なくとも約1ヶ月間または少なくとも約1年間に少なくとも約60nmol/Lまで上昇する可能性がある。血漿中VWFレベルは、少なくとも約1日間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約1週間、少なくとも約1ヶ月間または少なくとも約1年間に少なくとも約70nmol/Lまで上昇する可能性がある。血漿中VWFレベルは、少なくとも約1日間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約1週間、少なくとも約1ヶ月間または少なくとも約1年間に少なくとも約90nmol/Lまで上昇する可能性がある。血漿中VWFレベルを、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて測定してよい。
あるいはまたは加えて、患者は、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約18時間または少なくとも約24時間に約200IU/dL以上の血漿中フォンヴィレブランド因子レベルを有し得る。好ましくは、患者は、少なくとも約1日間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、または少なくとも約7日間約200IU/dL以上の血漿中フォンヴィレブランド因子レベルを有し得る。更により好ましくは、患者は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間または少なくとも4週間約200IU/dL以上の血漿中フォンヴィレブランド因子レベルを有し得る。なお更により好ましくは、患者は、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間または少なくとも1年間約200IU/dL以上の血漿中フォンヴィレブランド因子レベルを有し得る。
血管内皮機能を、冠状動脈および末梢循環において評価することができる。冠状動脈内皮機能の評価のための非侵襲的検査は、薬理的または生理的刺激に対する血流を測定するドップラー心エコー法を含む。他の検査は、陽電子放出断層撮影および位相コントラスト磁気共鳴イメージングを含む。しかしながら、最も基準となる検査は、アセチルコリンなどの内皮依存性血管拡張薬の冠状動脈内注入に対する径の変化を検査する侵襲的な定量的冠動脈造影法を含む。末梢循環中の内皮の評価は、上腕動脈超音波およびひずみゲージ静脈インピーダンスプレチスモグラフィを含む。
中間分子量ヘパリンとVWFとの結合を、競合結合アッセイにより評価してよい。ヘパリン-セファロースビーズを、標識化されたVWF、例えば、125I-vWFと共に、標識化されたVWFが固定化されたヘパリンと結合することを可能とする時間の間、インキュベートしてよい。次いで、様々な濃度の中間分子量ヘパリンを添加し、置換された標識化VWFの量を決定してよい。VWFと結合している中間分子量ヘパリンを決定するための他の方法は、表面プラズモン共鳴法、バイオレイヤー干渉法、等温滴定カロリメトリー、蛍光偏光結合アッセイ、ELISAおよびマイクロスケール熱泳動法を含み得る。
VWFとの血小板結合の阻害を、固定された血小板のリストセチン誘導凝固により評価してよい。血小板を、中間分子量ヘパリンおよびクエン酸処理血漿(VWF源)と共にインキュベートしてよい。次いで、リストセチンを添加し、次いで、血小板凝固を決定してよい。MMWHは、リストセチン誘導血小板凝集アッセイにより測定される場合、15μMの濃度においてVWF誘導血小板凝集を完全に阻害し得る。血小板とのVWF結合の阻害を決定する他の方法は、ELISA、蛍光支援細胞選別法、動的光散乱法、またはフローチャンバーアッセイを含み得る。
中間分子量ヘパリンは、約8000Da(g/モル)を超えて約13000Da(g/モル)まで、好ましくは約10000Da(g/モル)~約12000Da(g/モル)の範囲の質量を有してよい。中間分子量ヘパリンは、約11000Da(g/モル)の質量を有してよい。中間分子量ヘパリンは、約9000Da(g/モル)~約13000Da(g/モル)、好ましくは約10000Da(g/モル)~約12000Da(g/モル)の範囲の平均分子質量を有する多糖鎖を含んでよい。中間分子量ヘパリンは、約11000Da(g/モル)の平均分子質量を有する多糖鎖を含んでよい。中間分子量ヘパリンの分子量を、例えば、質量分析法またはサイズ排除クロマトグラフィーにより決定してよい。
中間分子量ヘパリンを、化学合成してよい。中間分子量ヘパリンを、酵素的に合成してよい。高圧液体クロマトグラフィーを使用して中間分子量ヘパリンを精製してよい。
中間分子量ヘパリンは、GlcNS6S-IdoA2S二糖の少なくとも3単位、例えば、少なくとも4単位、少なくとも5単位、少なくとも6単位、少なくとも8単位、または少なくとも10単位を含んでよい。中間分子量ヘパリンは、GlcNS6S-IdoA2S二糖の25単位以下、例えば、20単位以下を含んでよい。GlcNS6S-IdoA2S二糖の単位の存在を、抗体、質量分析法、または化学および酵素試験からの赤外光により決定してよい。GlcNS6S-IdoA2S単位を、順序正しく配列してよい。
中間分子量ヘパリンは、IdoA2S-GlcNS6S二糖の少なくとも3単位、例えば、少なくとも4単位、少なくとも5単位、少なくとも6単位、少なくとも8単位、または少なくとも10単位を含んでよい。中間分子量ヘパリンは、IdoA2S-GlcNS6S二糖の25単位以下、例えば、20単位以下を含んでよい。IdoA2S-GlcNS6S二糖の単位の存在を、抗体、質量分析法、または化学および酵素試験からの赤外光により決定してよい。IdoA2S-GlcNS6S単位を、順序正しく配列してよい。IdoA2S-GlcNS6S単位数を、所望の抗VWF活性および/または標準的抗凝固活性を提供するように調整してよい。
中間分子量ヘパリンは、UA2S-GlcNS6S、UA2S-GlcNS、UA-GlcNAcを含んでよい。中間分子量ヘパリンは、少なくとも約60%のUA2S-GlcNS6S、UA2S-GlcNS、およびUA-GlcNAcを含んでよい。中間分子量ヘパリンは、少なくとも約45%、好ましくは少なくとも約48%、好ましくは少なくとも約49%、好ましくは少なくとも約60%のUA2S-GlcNS6Sを含んでよい。中間分子量ヘパリンは、約60%以下、好ましくは約70%以下、好ましくは約85%以下のUA2S-GlcNS6Sを含んでよい。中間分子量ヘパリンは、少なくとも約4%、好ましくは少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約6%、好ましくは少なくとも約10%のUA2S-GlcNSを含んでよい。中間分子量ヘパリンは、約15%以下、好ましくは約20%以下のUA2S-GlcNSを含んでよい。中間分子量ヘパリンは、少なくとも約4%、好ましくは少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約6%、好ましくは少なくとも約10%のUA-GlcNAcを含んでよい。中間分子量ヘパリンは、約15%以下、好ましくは約20%以下のUA-GlcNAcを含んでよい。いくつかの実施形態では、中間分子量ヘパリンは、少なくとも49.2%のUA2S-GlcNS6S、5.4%のUA2S-GlcNおよび5.4%のUA-GlcNAcを含んでよい。いくつかの実施形態では、中間分子量ヘパリンは、少なくとも82%のUA2S-GlcNS6S、9%のUA2S-GlcNSおよび9%のUA-GlcNAcを含んでよい。中間分子量ヘパリンを含むUA-GlcNAcのパーセンテージ組成を、未分画ヘパリンと比較して濃縮されていてもよい。
中間分子量ヘパリンを、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、くも膜下腔内、皮内、動脈内、または関節内、皮膚、経皮、皮下、デポ形態、例えば、デポ注射、骨内、および吸入から選択される投与方法により投与してよい。投与の好ましい方法は、皮下、静脈内、筋肉内または吸入を含む。
これまでの研究は、様々な条件において噴霧剤としてUFHを調べた。小規模研究は、肺フィブリン沈着を限定し、急性肺傷害の進行を弱め、回復を早めることを示している(69)。急性肺障害および関連病態を有する患者の早期フェーズ治験により、噴霧されたUFHが、肺死腔、凝固活性化、微小血管血栓症を低減し、肺障害を改善し、換気補助のない時間を増やすことが分かった(70~73)。256例の人工呼吸器をつけている重症患者のプレパンデミック二重盲検無作為試験では、噴霧されたUFHは、急性呼吸窮迫症候群を含む肺障害の進行を限定し、生存者が家に帰ることを促進した。したがって、中間分子量ヘパリンを、ネブライザーによる吸入により投与してよい。
ヘパリン投与量は、通常、「ハウエル単位」で測定される。ヘパリンの1単位(「ハウエル単位」)は、純粋なヘパリンの0.002mgとおおよそ等しい量であり、これは、0℃において24時間1mlのネコの血液を流体に維持するために必要な量である。中間分子量ヘパリンを、注入ポンプにより送達してよい毎時約5000単位、次いで約1200~1600単位のボーラス用量で投与してよい。中間分子量ヘパリンを、約18単位/kg~約5000単位/kgの用量で投与してよい。好ましくは、中間分子量ヘパリンを、約100単位/kg~約800単位/kgの用量で投与してよい。あるいは、中間分子量ヘパリンを、約18単位/kg~約75単位/kgの用量で投与してよい。中間分子量ヘパリンを、約5000単位、約4000単位、約3000単位、約2000単位、約1000単位または12時間毎に500単位の用量で投与してよい。中間分子量ヘパリンを、12時間毎に5000単位の用量で投与してよい。
中間分子量ヘパリンを、約3単位~約5000単位、例えば、約6単位~約4000単位、約12単位~約3000単位、約25単位~約2000単位、約50単位~約1000単位、約100単位~約500単位、または約125単位~約250単位の用量で投与してよい。中間分子量ヘパリンを、約18単位/kg~約5000単位/kg、例えば、約100単位/kg~約4000単位/kg、または約200単位/kg~約800単位/kgの用量で投与してよい。中間分子量ヘパリンを、約18単位/kg~約75単位/kgの用量で投与してよい。前記用量を、単回投与または継続投与として与えてよい。前記用量を、期間にわたって与えてよい。前記期間は、約1ヶ月~約12ヶ月、例えば、約2ヶ月~約11ヶ月、約3ヶ月~約10ヶ月、約4ヶ月~約9ヶ月、約5ヶ月~約8ヶ月、約6ヶ月~約7ヶ月であってよい。前記期間は、約1日~7日、約2日~約6日、約3日~約5日、約4日~約5日であってよい。前記用量を、約1時間~約24時間、約2時間~約12時間、約3時間~約6時間にわたって投与してよい。前記用量を、原因となっている血管内皮炎およびVWFレベルの上昇の期間投与してよい。
中間分子量ヘパリンを、約0.01mg/kg~約10mg/kgの用量、例えば、約0.05mg/kg~約9mg/kg、約0.5mg/kg~約8mg/kg、約1mg/kg~約7mg/kg、約1.5mg/kg~約6mg/kg、または約2mg/kg~約5mg/kgの用量で投与してよい。前記用量を、単回投与または継続投与として与えてよい。前記用量を、期間にわたって与えてよい。前記期間は、約1ヶ月~約12ヶ月、例えば、約2ヶ月~約11ヶ月、約3ヶ月~約10ヶ月、約4ヶ月~約9ヶ月、約5ヶ月~約8ヶ月、約6ヶ月~約7ヶ月であってよい。前記期間は、約1日~約7日、約2日~約6日、約3日~約5日、約4日~約5日であってよい。前記用量を、約1時間~約24時間、約2時間~約12時間、約3時間~約6時間にわたって投与してよい。前記用量を、原因となっている血管内皮炎およびVWFレベルの上昇の期間投与してよい。
中間分子量ヘパリンを、約0.01mg/kg~約10mg/kg、約0.05mg/kg~約8mg/kg、約0.1mg/kg~約5mg/kg、約0.5mg/kg~約2mg/kg、約1mg/kg~約1.5mg/kgの用量で投与してよい。前記用量を、単回投与または継続投与として与えてよい。前記用量を、期間にわたって与えてよい。前記期間は、約1ヶ月~約12ヶ月、例えば、約2ヶ月~約11ヶ月、約3ヶ月~約10ヶ月、約4ヶ月~約9ヶ月、約5ヶ月~約8ヶ月、約6ヶ月~約7ヶ月であってよい。前記期間は、約1日~約7日、約2日~約6日、約3日~約5日、約4日~約5日であってよい。前記用量を、約1時間~約24時間、約2時間~約12時間、約3時間~約6時間にわたって投与してよい。前記用量を、原因となっている血管内皮炎およびVWFレベルの上昇の期間投与してよい。
中間分子量ヘパリンを、約0.1mg~約5000mg、約0.5mg~約2000mg、約1mg~約1000mg、約5mg~約900mg、約10mg~約800mg、約20mg~約700mg、約30mg~約600mg、約50mg~約500mg、約75mg~約400mg、約100mg~約300mg、約125mg~約250mg、約150mg~約200mgの用量で投与してよい。前記用量を、単回投与または継続投与として与えてよい。前記用量を、期間にわたって与えてよい。前記期間は、約1ヶ月~約12ヶ月、例えば、約2ヶ月~約11ヶ月、約3ヶ月~約10ヶ月、約4ヶ月~約9ヶ月、約5ヶ月~約8ヶ月、約6ヶ月~約7ヶ月であってよい。前記期間は、約1日~約7日、約2日~約6日、約3日~約5日、約4日~約5日であってよい。前記用量を、約1時間~約24時間、約2時間~約12時間、約3時間~約6時間にわたって投与してよい。前記用量を、原因となっている血管内皮炎およびVWFレベルの上昇の期間投与してよい。
中間分子量ヘパリンを、例えば、約1国際単位(IU)、約2IU、約5IU、約10IU、約15IU、約20IU、約25IU、約50IU、約75IU、約100IU、約200IU、約300IU、約400IU、約500IU、約1000IU、約1500IU、約2000IU、約2500IU、約5000IU、約10000IU、約20000IU、または約25000IUの用量で投与してよい。前記用量を、単回投与または継続投与として与えてよい。前記用量を、期間にわたって与えてよい。前記期間は、約1ヶ月~約12ヶ月、例えば、約2ヶ月~約11ヶ月、約3ヶ月~約10ヶ月、約4ヶ月~約9ヶ月、約5ヶ月~約8ヶ月、約6ヶ月~約7ヶ月であってよい。前記期間は、約1日~約7日、約2日~約6日、約3日~約5日、約4日~約5日であってよい。前記用量を、約1時間~約24時間、約2時間~約12時間、約3時間~約6時間にわたって投与してよい。前記用量を、原因となっている血管内皮炎およびVWFレベルの上昇の期間投与してよい。
中間分子量ヘパリンを、約1IU~約50000IU、約2IU~約25000IU、約5IU~約20000IU、約10IU~約10000IU、約15IU~約5000IU、約20IU~約2500IU、約25IU~約2000IU、約50IU~約1500IU、約75IU~約1000IU、約100IU~約500IU、約200IU~約400IU、約250IU~約300IUの用量で投与してよい。前記用量を、単回投与または継続投与として与えてよい。前記用量を、期間にわたって与えてよい。前記期間は、約1ヶ月~約12ヶ月、例えば、約2ヶ月~約11ヶ月、約3ヶ月~約10ヶ月、約4ヶ月~約9ヶ月、約5ヶ月~約8ヶ月、約6ヶ月~約7ヶ月であってよい。前記期間は、約1日~約7日、約2日~約6日、約3日~約5日、約4日~約5日であってよい。前記用量を、約1時間~約24時間、約2時間~約12時間、約3時間~約6時間にわたって投与してよい。前記用量を、原因となっている血管内皮炎およびVWFレベルの上昇の期間投与してよい。
VWF抗原:ADAMTS13比に相応する中間分子量ヘパリンを投与してよい。例えば、高いVWF抗原:ADAMTS13比を有する患者に、より低いVWF抗原:ADAMTS13比を有する患者と比較して、高用量のMMWHを投与してよい。
中間分子量ヘパリンは、医薬製剤中に含まれていてもよい。医薬製剤は、対象に投与するために適した物質の組成物を含む。医薬製剤は、液体、固体、コロイド状またはエアロゾル状の形態であってよい。賦形剤は、溶媒、共溶媒、緩衝剤、安定化剤、酸化防止剤、防腐剤、キレート剤、乳化剤、香料、潤滑剤、懸濁剤、等張化剤、界面活性剤、可溶化剤、分散助剤、分散剤、保湿剤、増粘剤、着色料、湿潤剤、消泡剤、粘度調整剤、甘味料およびこれらの組合せからなる群から選択され得る。医薬製剤は、グルコースを含んでよい。医薬製剤は、塩化ナトリウムを含んでよい。医薬製剤は、リン酸緩衝生理食塩水を含んでよい。
医薬製剤は、追加の活性剤を含んでよい。前記追加の活性剤は、生理作用を有する物質の組成物を含む。前記追加の活性剤は、異なる二糖の低分子量ヘパリンまたは中間分子量ヘパリン組成物を含んでよい。前記追加の活性剤は、ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)アゴニスト、アラムコール、カスパーゼ阻害剤、ガレクチン3阻害剤、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ5(MAPK5)阻害剤、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)アゴニスト、FGF21アゴニスト、ロイコトリエンD4(LTD4)受容体アンタゴニスト、ナイアシン類似体、心尖部ナトリウム胆汁酸共輸送体(ASBT)阻害剤、アポトーシスシグナル調節キナーゼ1(ASK1)阻害剤、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬、ケモカイン受容体阻害剤、チオゾリジンジオン、GLP-1類似体、ビグアニド、HIV複製阻害剤、メトホルミン、アヘン剤、麻酔剤、HMG-CoA還元酵素阻害剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、またはこれらのいずれかの組合せを含む群から選択され得る。
中間分子量ヘパリンは、化学修飾を含んでよい。前記化学修飾は、中間分子量ヘパリンへのいずれかの化学変化を含む。したがって、前記化学修飾は、N-アセチル化、脱N-アセチル化、N-硫酸化、O-硫酸化、脱2-O硫酸化、完全脱硫酸化、またはこれらの組合せを含んでよい。
本発明は、血管内皮炎の治療において使用するための本明細書で定義されている中間分子量ヘパリンを含むキットを提供する。前記キットは、本明細書で定義されている投与量で単位剤形の中間分子量ヘパリンを含んでよい。前記キットは、医薬品包装品を含んでよい。前記キットは、本発明に記載の使用のための中間分子量ヘパリンを合成するための必要な試薬を含んでよい。
本発明は、血管内皮炎の治療方法であって、前記方法は、本明細書で定義されている中間分子量ヘパリンの治療有効量を、治療を必要としている対象に投与することを含む、方法を提供する。治療有効量は、血管内皮炎をある程度まで治療するために必要な中間分子量ヘパリンのいずれかの量である。
本発明は、血管内皮炎の治療のための医薬品製造のための本明細書で定義されている中間分子量ヘパリンの使用を提供する。
いずれもの相互参照または関連特許または出願を含む本明細書で引用されている全ての文書は、明示的に排除さもなければ限定されない限り、その全文を参照することにより本明細書に援用される。
付属の請求の範囲により定義されている本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、示されている実施形態に様々な修正を行ってもよいと理解されるだろう。
ここで、以下の非限定的実施例の参照により本発明を実証する。
別段に言及されない限り、室温および圧は、それぞれ、20℃(293.15K、68°F)および1atm(標準気圧)(14.696psi、101.325kPa)である。
二糖分析
MMWヘパリンに対して二糖分析を行った。結果を下表1に示す。
因子IIaおよび因子Xa活性
因子IIa(トロンビンとしても公知)は、可溶性フィブロゲンをフィブリンの不溶性鎖に変化し、同様に他の凝固関連反応を触媒するセリンプロテアーゼとして作用する。因子Xaは、凝固因子Xの活性体である。因子Xは、セリンエンドペプチダーゼ酵素であり、凝固系のいくつかの段階において重要な役割を果たす。
ヘパリン(未分画ヘパリン)およびその誘導体、例えば、低分子量ヘパリンは、血漿補因子であるアンチトロンビン(AT)と結合して、いくつかの凝固因子IIa、Xa、XIaおよびXIIaを不活性化する。この不活性化はATの存在に依存し、因子Xaとの直接的相互作用でないので、このヘパリンによる因子Xaの不活性化は、「間接的(indirect)」と呼ばれる。
図1および2に示されているように、MMWヘパリンは、UFヘパリンおよびLMW(低分子量)ヘパリンと比較されるとき、それぞれ、因子IIaおよび因子Xaに対する非常に低い活性を示す。したがって、UFヘパリンまたはLMWヘパリンと異なり、MMWヘパリンは、因子IIa媒介凝固にも因子Xa媒介凝固にも影響を与えない。
リストセチン誘導血小板凝集アッセイにおけるMMWヘパリンの分析
「透過光法による血小板凝集検査の標準化推進:SSC/ISTHの血小板生理学分科会からの作業部会のコンセンサス」、Journal of Thrombosis and Haemostasis,2013,11:1183‐1189に従ったプロトコール。
リストセチン希釈標準溶液の調製:
リストセチン保存液(50mg/mL)を、24mg/mLまで生理食塩水で希釈した。生理食塩水中の24mg/mLリストセチンの溶液400μLからの20μLは、1.2mg/mLのリストセチン濃度を有する溶液を提供する。
MMWヘパリン希釈標準溶液の調製:
MMWヘパリン(11kDa、0.569g)をHO(10mL)に溶解して、HO中のMMWヘパリン5.2mM溶液を得た。HO中のMMWヘパリン保存液5.2mMを、-20℃で凍結した。
MMWヘパリンを、以下のように生理食塩水に希釈した。
プロトコール
血液サンプルを、いかなる抗血小板療法(例えば、アスピリン)も受けていない非喫煙者から採取した。抗血小板療法は、血小板凝固阻害剤または血小板凝集阻害剤としても知られうる。
静脈うっ血のない血液をドナーから109mMクエン酸ナトリウム溶液(VACUETTE、3.5mL #454327、ロット#A21013FQ)中に採血した。採血された血液の最初の3~4mLを廃棄した。
血液サンプルを室温で15分間静置させた後、遠心分離した。多血小板血漿(PRP)が、ブレーキを使用しないで21℃において10分間、200gで血液サンプルを遠心分離することにより調製された。乏血小板血漿(PPP)が、21℃において15分間、1500gで血液サンプルを遠心分離することにより、血液サンプルからPRPを除去して調製された。
PRPの血小板計数を行うことにより、PRP品質の評価を行った。PRP中の血小板数は、421G/Lであった。PRPサンプルの血小板数を、自己由来PPPを用いて標準化された値に調整しなかった(また、すべきでない)。
-遠心分離後、PRPサンプルを、室温において15分間放置した後、透過光血小板凝集検査(LTA)試験を行った。PRPを使用して、凝集検査機で0%透過光を設定した。自己由来PPPを使用して、凝集検査機で100%透過光を設定した。
調製された3つのMMWヘパリン希釈標準溶液濃度(5μM、10μMおよび15μM)の各々について、以下のステップを行った。
生理食塩水で希釈されたMMWヘパリン(上記の「MMWヘパリン希釈標準溶液の調製」で記述された)20μLを、PRP360μLに添加した。得られた溶液を2秒間撹拌し、次いで、37℃で5分間撹拌しないでインキュベートした。次いで、溶液を37℃で1分間撹拌しながらインキュベートした。アゴニスト(リストセチン)の添加前に、LTAのベースライントレースを、少なくとも1分間振動および安定性について観察した。
リストセチン希釈標準溶液、すなわち生理食塩水に希釈されたリストセチン(上記の「リストセチン希釈標準溶液の調製」で記述された)20μLをMMWヘパリンおよびPRP溶液に添加して、最終溶液体積400μLを得た。
LTA試験を37℃で行った。LTA試験中、PRPサンプルを使い捨てスターラーを用いて1000rpmで常に撹拌した。
-LTA試験のために添加されたアゴニスト(リストセチン)の体積は一貫性を持つべきであり、総サンプル体積の10%以下である。本実施例では、アゴニストの体積は、40μLを超えるべきでない。
MMWヘパリンの3用量:5μM、10μMおよび15μMを試験し、これらを生理食塩水媒体コントロールと比較した。図3に示されているように、全試験濃度(5μM、10μMおよび15μM)は、VWF誘導血小板凝集を完全に阻害した。
最も高いMMWヘパリン濃度、15μMを再試験した。この再試験は同様な結果、すなわち、図4に示されているようにVWF誘導血小板凝集の完全阻害を得た。
したがって、PRPサンプルにMMWヘパリンを添加する場合、VWF誘導血小板凝集の完全阻害が観察された。
フォンヴィレブランド因子血小板結合の用量依存性MMWH阻害
「透過光法による血小板凝集検査の標準化推進:SSC/ISTHの血小板生理学分科会からの作業部会のコンセンサス」、Journal of Thrombosis and Haemostasis,2013,11:1183‐1189に従ったプロトコール。
リストセチン希釈標準溶液の調製:
リストセチン保存液(50mg/mL)を、48mg/mLまで生理食塩水で希釈した。
MMWヘパリン希釈標準溶液の調製:
MMWヘパリン(11kDa、0.569g)をHO(10mL)に溶解して、HO中の5.2mM MMWヘパリン溶液を得た。HO中の5.2mM MMWヘパリン保存液を、-20℃で凍結した。
20回の希釈に対応して、各凝集試験において20μLを使用した。MMWHを、以下のように生理食塩水に希釈した。
モノクローナル抗VWF
ポジティブコントロールとして、リストセチン誘導血小板凝集をブロックする抗VWFモノクローナル抗体を使用した。簡潔に、Ab #701 5.5mg/mLを、生理食塩水中200μg/mLに希釈した。生理食塩水中の200μg/mL Ab #701の20μLを400μL PRPで更に希釈して、10μg/mLの最終抗体濃度を得た。
LMWHの調製:Lovenox(エノキサパリン)溶液
保存液8000UI:100mg/mL;分子量:4500Da;Lovenox保存液濃度:22mM
20μM LMWHの最終濃度を調製するため:1000μL生理食塩水中のLovenox 22mM保存液18μLを希釈して、400μM保存液を得た。400μLの最終体積中400μM保存液20μLは、20μMのLMWHの最終濃度を提供する。
10μM LMWHの最終濃度を調製するため:1000μL生理食塩水中のLovenox 22mM保存液9μLを希釈して、200μM保存液を得た。400μLの最終体積中の200μM保存液20μLは、10μMのLMWHの最終濃度を提供する。
アゴニスト誘導凝集
ADP:保存液濃度5mM、生理食塩水中40μMに希釈した。400μLの最終体積中の40μM保存液20μLは、2μMのADPの最終濃度を提供する。
コラーゲン:保存液濃度1mg/mL、生理食塩水中40μg/mLに希釈した。400μLの最終体積中の40μg/mLコラーゲン保存液20μLは、2μg/mLのコラーゲンの最終濃度を提供する。
TRAP6:保存液濃度20mM、生理食塩水中200μMに希釈した。400μLの最終体積中の200μM ADP保存液20μLは、10μMのADPの最終濃度を提供する。
プロトコール
血液サンプルを、いかなる抗血小板療法(例えば、アスピリン)を受けていない非喫煙者から採取した。
静脈うっ血のない血液をドナーから109mMクエン酸ナトリウム溶液(VACUETTE、3.5mL #454327、ロット#A21013FQ)中に採血した。採血された血液の最初の3~4mLを廃棄した。
血液サンプルを室温で15分間静置させた後、遠心分離した。多血小板血漿(PRP)が、ブレーキを使用しないで21℃において10分間、200gで血液サンプルを遠心分離することにより調製された。乏血小板血漿(PPP)が、21℃において15分間、1500gで血液サンプルを遠心分離することにより、血液サンプルからPRPを除去して調製された。
PRPの血小板計数を行うことにより、PRP品質の評価を行った。PRPサンプルの血小板数を、自己由来PPPを用いて標準化された値に調整しなかった(また、すべきでない)。
-遠心分離後、PRPサンプルを室温において15分間放置した後、透過光血小板凝集検査(LTA)試験を行った。PRPを使用して、凝集検査機で0%透過光を設定した。自己由来PPPを使用して、凝集検査機で100%透過光を設定した。LTA試験を37℃で行った。LTA試験中、PRPサンプルを使い捨てスターラーを用いて1000rpmで常に撹拌した。-LTAのために添加されたアゴニストの体積は一貫性を持つべきであり、総サンプル体積の10%を決して超えない。
MMWH試験阻害
20μL MMWH(5、10または20μM)および10μL ReoPro(20μg/mLの最終濃度)を、360μL PRPに添加した。得られた溶液を2秒間撹拌し、次いで、37℃で5分間撹拌しないでインキュベートした。次いで、溶液を37℃で1分間撹拌しながらインキュベートした。アゴニスト(リストセチン)の添加前に、LTAのベースライントレースを、少なくとも1分間振動および安定性について観察した。
リストセチン希釈標準溶液、すなわち生理食塩水に希釈されたリストセチン(上記「リストセチン希釈標準溶液の調製」で記述された)10μLをMMWH、ReoProおよびPRP溶液に添加して、400μLの最終溶液体積、および1.2mg/mLの最終リストセチン濃度を得た。
上記方法においてMMWHの代わりに20μLの生理食塩水を用いたコントロール実験も行った。
LMWH試験阻害
20μL LMWH(10または20μM)および10μL ReoPro(20μg/mLの最終濃度)を、360μL PRPに添加した。得られた溶液を2秒間撹拌し、次いで、37℃で5分間撹拌しないでインキュベートした。次いで、溶液を37℃で1分間撹拌しながらインキュベートした。アゴニスト(リストセチン)の添加前に、LTAのベースライントレースを、少なくとも1分間振動および安定性について観察した。
リストセチン希釈標準溶液、すなわち生理食塩水に希釈されたリストセチン(上記「リストセチン希釈標準溶液の調製」に記述された)10μLをLMWH、ReoProおよびPRP溶液に添加して、400μLの最終溶液体積、および1.2mg/mLの最終リストセチン濃度を得た。
上記方法においてReoProの代わりに10μLの生理食塩水を用いたコントロール実験も行った。
モノクローナル抗VWF試験阻害
20μL Ab#701および10μL ReoPro(20μg/mLの最終濃度)を、360μL PRPに添加した。得られた溶液を2秒間撹拌し、次いで、37℃で5分間撹拌しないでインキュベートした。次いで、溶液を37℃で1分間撹拌しながらインキュベートした。アゴニスト(リストセチン)の添加前に、LTAのベースライントレースを、少なくとも1分間振動および安定性について観察した。
リストセチン希釈標準溶液、すなわち生理食塩水に希釈されたリストセチン(上記「リストセチン希釈標準溶液の調製」で記述された)10μLを、モノクローナル抗VWF、ReoProおよびPRP溶液に添加して、400μLの最終溶液体積、および1.2mg/mLの最終リストセチン濃度を得た。
アゴニスト誘導凝集におけるMMWH試験阻害
調査されたアゴニストは、ADP、コラーゲンおよびTRAP6であった。
20μL MMWH(5、10または20μM)または20μL 生理食塩水を、360μL PRPに添加した。得られた溶液を2秒間撹拌し、次いで、37℃で5分間撹拌しないでインキュベートした。次いで、溶液を37℃で1分間撹拌しながらインキュベートした。アゴニストの添加前に、LTAのベースライントレースを、少なくとも1分間振動および安定性について観察した。
20μLアゴニスト(ADP、コラーゲンまたはTRAP6)をMMWHおよびPRP溶液に添加して、400μLの最終溶液体積、および以下の最終アゴニスト濃度を得た:
ADP:2μM;
コラーゲン:2μg/mL;または
TRAP6:10μM。
結果
凝固相を選択的に分析するために、ReoPro(αIIbβ3の阻害剤)の存在下実験を行った。結果を、傾きおよび曲線下面積(AUC)として示す。
1)MMWH用量反応(0、5、10および20μM)
用量反応曲線を、図6に示す。
2)MMWH用量反応(0、5および10μM)
用量反応曲線を、図7に示す。
3)mAbおよびMMWH 10μM
用量反応曲線を、図8に示す。
4)mAb(抗VWF)およびMMWH(20μM×2および5μM)用量反応
用量反応曲線を、図9に示す。
5)mAb(抗VWF)およびLMWH(10μM×3)用量反応
用量反応曲線を、図10に示す。
6)LMWH(20μM×3)用量反応
用量反応曲線を、図11に示す。
7)統計解析
一元配置分散分析(AUC)




一元配置分散分析(傾き)


8)アゴニスト誘導血小板凝集
図13および14に示されているように、ADP、コラーゲンまたはTRAP6をアゴニストとして使用した場合、血小板凝集に対する効果は観察されなかった。
結論
フォンヴィレブランド因子依存性血小板凝固実験ならびにADP、コラーゲンまたはトロンビン受容体活性ペプチド6(TRAP6)により誘導される血小板凝集試験においてMMWHを試験した。血小板凝固実験では、低分子量ヘパリン(LMWH)およびモノクローナル抗VWF抗体を、それぞれ、ネガティブおよびポジティブコントロールとして使用した。
図5Aおよび5Bに示されているように、VWF依存性血小板凝固は、MMWHにより用量依存的に効果的に阻害され、LMWHの存在下有意な阻害は観察されなかった。対照的に、抗VWFモノクローナル抗体(VWF-血小板相互作用を妨げることが分かっている)は、血小板凝固を完全に阻害した。3.4~3.7μMのMMWH濃度において、50%阻害を得た。
図13および14に示されているように、他のアゴニストを使用した場合、血小板凝集に対する効果は観察されなかった。
本発明は、次の非限定的条項を参照して更に理解され得る:
条項1.
血管内皮炎の治療において使用するための中間分子量ヘパリン。
条項2.
前記中間分子量ヘパリンは、フォンヴィレブランド因子を阻害する、条項1に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項3.
前記中間分子量ヘパリンは、フォンヴィレブランド因子の多量体を阻害し、任意的に、前記フォンヴィレブランド因子は、超高分子量フォンヴィレブランド因子である、条項2に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項4.
前記中間分子量ヘパリンは、前記血小板とフォンヴィレブランド因子との結合を阻害する、条項1~3のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項5.
前記中間分子量ヘパリンは、約8000Da(g/モル)を超え、約13000Da(g/モル)までの範囲の質量を有し、任意的に、前記中間分子量ヘパリンは、約11000Da(g/モル)の質量を有する、条項1~4のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項6.
前記中間分子量ヘパリンは、IdoA2S-GlcNS6S二糖の少なくとも3単位を含む、条項1~5のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項7.
血管内皮炎は、COVID-19、ウイルス感染症、急性呼吸窮迫症候群、がん、感染症、敗血症、心血管疾患、糖尿病、心的外傷、特に、脳外傷もしくは頭部外傷 、やけど、吸入損傷、薬物反応、血液学的病態、くも膜下出血、大動脈瘤疾患、脳卒中、または脳実質性出血が原因である、条項1~6のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項8.
前記血管内皮炎は、ウイルス感染症を原因とし、前記ウイルス感染症は、SARS-CoV-2であってもよい、条項7に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項9.
前記血管内皮炎は、がんを原因とし、前記がんは、白血病、リンパ腫、骨髄腫、または固形臓器がんであってもよい、条項7に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項10.
前記血管内皮炎の治療は、がんの血行性伝播を阻害する、条項1~6のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項11.
前記中間分子量ヘパリンを、非経口、皮下、デポ形態、例えば、デポ注射、静脈内、筋肉内、くも膜下腔内、皮内、動脈内、関節内、皮膚、経皮、骨内、および吸入からなる群から選択される投与方法により投与する、条項1~10のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項12.
前記投与方法は、皮下である、条項11に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項13.
前記投与方法は、静脈内である、条項11に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項14.
前記投与方法は、筋肉内である、条項11に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項15.
前記投与方法は、吸入であり、任意的にネブライザーによる吸入である、条項11に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項16.
前記中間分子量ヘパリンを、約0.01mg/kg~約10mg/kgの用量で投与する、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項17.
前記中間分子量ヘパリンを、単回投与または継続投与として投与する、条項11~16のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項18.
前記中間分子量ヘパリンは、医薬製剤中に含まれる、条項1~17のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項19.
前記医薬製剤は、賦形剤を含む、条項18に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項20.
前記賦形剤は、溶媒、共溶媒、緩衝剤、安定化剤、酸化防止剤、防腐剤、キレート剤、乳化剤、香料、潤滑剤、懸濁剤、等張化剤、界面活性剤、可溶化剤、分散助剤、分散剤、保湿剤、増粘剤、着色料、湿潤剤、消泡剤、粘度調整剤、甘味料およびこれらの組合せからなる群から選択される、条項19に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項21.
前記医薬製剤は、追加の活性剤を含み、任意的に前記追加の活性剤は、異なる二糖組成の低分子量ヘパリンまたは中間分子量ヘパリンを含む、条項18~20のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項22.
前記中間分子量ヘパリンは、化学修飾を含む、条項1~21のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項23.
前記化学修飾は、N-アセチル化、脱N-アセチル化、N-硫酸化、O-硫酸化、脱2-O硫酸化、完全脱硫酸化、またはこれらの組合せを含む、条項22に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
条項24.
キットであって、条項1~23のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリンを含む、キット。
条項25.
血管内皮炎の治療方法であって、前記方法は、中間分子量ヘパリンの治療有効量を、治療を必要としている対象に投与することを含む、方法。
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Claims (26)

  1. 中間分子量ヘパリンであって、少なくとも約2のADAMTS13に対する血漿中フォンヴィレブランド因子抗原の比を有する患者における血管内皮炎の治療において使用するための中間分子量ヘパリン。
  2. 前記中間分子量ヘパリンは、フォンヴィレブランド因子を阻害し、任意的に、前記中間分子量ヘパリンは、リストセチン誘導血小板凝集アッセイにより測定される場合、15μMの濃度においてフォンヴィレブランド因子誘導血小板凝集を完全に阻害する、請求項1に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  3. 前記中間分子量ヘパリンは、フォンヴィレブランド因子の多量体を阻害し、任意的に、前記フォンヴィレブランド因子は、超高分子量フォンヴィレブランド因子である、請求項2に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  4. 前記中間分子量ヘパリンは、前記血小板とフォンヴィレブランド因子との結合を阻害する、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  5. 前記中間分子量ヘパリンは、約8000Da(g/モル)を超え、約13000Da(g/モル)までの範囲の質量を有し、任意的に、前記中間分子量ヘパリンは、約11000Da(g/モル)の質量を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  6. 前記中間分子量ヘパリンは、IdoA2S-GlcNS6S二糖の少なくとも3単位を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  7. 前記血管内皮炎の治療は、がんの血行性伝播を阻害する、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  8. 患者における疾病または病態の治療において使用するための中間分子量ヘパリンであって、前記患者は、少なくとも約2のADAMTS13に対する血漿中フォンヴィレブランド因子抗原の比を特徴とする血管内皮炎を有する、前記使用のための中間分子量ヘパリン。
  9. 前記疾病または病態は、COVID-19、ウイルス感染症、急性呼吸窮迫症候群、がん、細菌感染症、敗血症、心血管疾患、糖尿病、心的外傷、やけど、吸入損傷、薬物反応、血液学的病態、くも膜下出血、または大動脈瘤疾患である、請求項8に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  10. 前記血管内皮炎は、ウイルス感染症を原因とし、任意的に、前記ウイルス感染症は、SARS-CoV-2である、請求項9に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  11. 前記血管内皮炎は、がんを原因とし、任意的に、前記がんは、白血病、リンパ腫、骨髄腫、または固形臓器がんである、請求項9に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  12. 前記中間分子量ヘパリンを、非経口、皮下、皮下、デポ形態、例えば、デポ注射、静脈内、筋肉内、くも膜下腔内、皮内、動脈内、関節内、皮膚、経皮、骨内、および吸入からなる群から選択される投与方法により投与する、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  13. 前記投与方法は、皮下である、請求項12に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  14. 前記投与方法は、静脈内である、請求項12に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  15. 前記投与方法は、筋肉内である、請求項12に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  16. 前記投与方法は、吸入であり、任意的にネブライザーによる吸入である、請求項12に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  17. 前記中間分子量ヘパリンを、約0.01mg/kg~約100mg/kg、好ましくは約0.01mg/kg~約10mg/kgの用量で投与する、請求項1~16のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  18. 前記中間分子量ヘパリンを、単回投与または継続投与として投与する、請求項12~17のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  19. 前記中間分子量ヘパリンは、医薬製剤中に含まれる、請求項1~18のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  20. 前記医薬製剤は、賦形剤を含む、請求項19に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  21. 前記賦形剤は、溶媒、共溶媒、緩衝剤、安定化剤、酸化防止剤、防腐剤、キレート剤、乳化剤、香料、潤滑剤、懸濁剤、等張化剤、界面活性剤、可溶化剤、分散助剤、分散剤、保湿剤、増粘剤、着色料、湿潤剤、消泡剤、粘度調整剤、甘味料およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項20に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  22. 前記医薬製剤は、追加の活性剤を含み、任意的に前記追加の活性剤は、低分子量ヘパリンを含む、請求項19~21のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  23. 前記中間分子量ヘパリンは、化学修飾を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  24. 前記化学修飾は、N-アセチル化、脱N-アセチル化、N-硫酸化、O-硫酸化、脱2-O硫酸化、完全脱硫酸化、またはこれらの組合せを含む、請求項23に記載の使用のための中間分子量ヘパリン。
  25. キットであって、請求項1~24のいずれか一項に記載の使用のための中間分子量ヘパリンを含む、キット。
  26. 血管内皮炎の治療方法であって、前記方法は、中間分子量ヘパリンの治療有効量を、治療を必要としている患者に投与することを含み、前記患者は、少なくとも約2のADAMTS13に対する血漿中フォンヴィレブランド因子抗原の比を有する、方法。
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