JP2024517024A - がん治療におけるsos1阻害剤とmtor阻害剤の併用 - Google Patents

がん治療におけるsos1阻害剤とmtor阻害剤の併用 Download PDF

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Abstract

本開示は、疾患または障害の治療に有用なSOS1の阻害剤及びmTORの阻害剤の組み合わせに関する。

Description

関連出願の相互参照
本開示は、2021年5月12日に出願された米国仮出願第63/187,768号の優先権を主張し、この出願の開示内容は、あたかもその全体が記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、疾患または障害の治療に有用なSOS1の阻害剤及びmTORの阻害剤の組み合わせに関する。
RASタンパク質(KRAS、HRAS、及びNRAS)が、様々なヒトのがんにおいて不可欠な役割を果たし、故に、抗がん治療法に対する適切な標的であることが、文献では十分に確立されてきた。実際、RASタンパク質における変異は、米国でのすべてのヒトのがんの約30%を占め、これらの多くは致死性である。変異の活性化、過剰発現、または上流発現によるRASタンパク質の調節不全は、ヒト腫瘍において一般的であり、RASにおける変異の活性化は、ヒトのがんにおいて頻繁に発見されている。例えば、RASタンパク質中のコドン12における変異の活性化は、GTPの、GTPase活性化タンパク質(GAP)依存性及び固有の加水分解速度の両方を阻害し、RAS変異体タンパク質の集団を「オン」(GTP結合)状態(RAS(ON))に著しく歪め、発がん性MAPKシグナル伝達をもたらすことにより機能する。特に、RASは、GTPに対するピコモル親和性を示し、低濃度のこのヌクレオチドの存在下においてさえも、RASが活性化されることを可能にする。RASのコドン13における変異(例えば、G13D)、及びコドン61における変異(例えば、Q61K)もまた、いくつかのがんにおいて、発がん性活性を担う。
近年の数十年の間に、RASに対して大規模な創薬努力がなされてきたものの、RASを直接標的化する薬剤は依然として認可されていない。様々なRAS異常及び変異により駆動されるがんに対する追加の薬剤を明らかにする、さらなる努力が必要とされている。
SHP2は、PTPN11遺伝子によってコードされる非受容体タンパク質チロシンホスファターゼであり、増殖、分化、細胞周期の維持、及び移動などの複数の細胞機能に寄与する。SHP2は、RASマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)、JAK-STAT経路、及び/またはホスホイノシトール3-キナーゼ-AKT経路を介したシグナル伝達に関与する。
SHP2は、2つのN末端Src相同性2ドメイン(N-SH2及びC-SH2)、触媒ドメイン(PTP)、及びC末端テールを有する。2つのSH2ドメインは、SHP2の細胞内局在及び機能調節を制御する。この分子は、N-SH2ドメイン及びPTPドメインの両方からの残基に関与する結合ネットワークによって安定化された、不活性な自己阻害型コンフォメーションで存在する。例えば、RTKを介して作用するサイトカインまたは増殖因子による刺激は、触媒部位の曝露につながり、SHP2の酵素的活性化をもたらす。
アロステリックSHP2阻害剤は、変異体SHP2が活性化状態にある場合、臨床的に関連するSHP2変異体に対する効力の低下を示します。例えば、Padua et al.,Nat Commun9:4507(2018);LaRochelle et al.,Nat Commun9:4508(2018)を参照のこと。したがって、変異体SHP2を含む細胞に関連する疾患または障害を治療する必要性が存在する。
Padua et al.,Nat Commun9:4507(2018) LaRochelle et al.,Nat Commun9:4508(2018)
いくつかの態様では、本開示は、疾患または障害を有する対象を治療する方法に関し、この方法は、そのような治療を必要とする対象に、本明細書に開示されるSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体を投与することを含み、さらに、治療有効量の二重立体mTOR阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体を対象に投与することを含む。
RAS-MAPK経路の図である。SHP2はSOS1を活性化し、次にSOS1がRASを活性化し、細胞の成長と生存を促進するシグナル伝達を引き起こす。 PI3K/mTOR経路の図である。mTORキナーゼは、正常細胞及び腫瘍細胞の成長と増殖をサポートする2つの異なる複合体、mTORC1及びmTORC2のコアを形成する。栄養素と成長因子に応答して、mTORC1は、リボソームS6キナーゼ(S6K)及び真核生物開始因子4E結合タンパク質(4EBP)のリン酸化を含む複数の機構によってmRNA翻訳と細胞サイズを調節し、mTORC2は、AKTなどのAGCファミリーキナーゼをリン酸化することによって細胞の代謝、増殖、生存を調節する。活性化されたmTORC1は、4EBPタンパク質をリン酸化し、キャップ依存性翻訳の阻害を軽減することにより、タンパク質合成を活性化する。 SHP2アロステリック阻害剤、RMC-4550による阻害に対する感受性を低下させる、SHP2における活性化変異を示すグラフである。グラフに示されているように、細胞の感受性は、SHP2活性化変異のエネルギーの大きさ(ΔGop)と相関している。ΔGopが低いほど、活性化がより強いことを示す。 活性化変異を有するSHP2タンパク質を阻害するのに十分なRMC-4550のIC50濃度を示す表である。表に示されているように、G503Vなどの強力に活性化する変異は、応答を達成するために高濃度のアロステリックSHP2阻害剤を必要とする。 Pan02細胞において観察されたSOS1阻害剤及びmTORC1阻害剤のインビトロ併用効果を示すグラフである。単剤としてのmTORC1阻害剤の効果を黒丸で示す。100nMのSOS1阻害剤と組み合わせたmTORC1阻害剤の効果を灰色の三角で示す。組み合わせにおける見かけの効力の増加(曲線の左方向へのシフト)は、化合物間の正の相互作用を示す。これらのデータは、実施例1の方法に従って得た。 SW837細胞において観察されたSOS1阻害剤及びmTORC1阻害剤のインビトロ併用効果を示すグラフである。単剤としてのmTORC1阻害剤の効果を黒丸で示す。1000nM(1μM)のSOS1阻害剤と組み合わせたmTORC1阻害剤の効果を灰色の三角で示す。組み合わせにおける見かけの効力の増加(曲線の左方向へのシフト)は、化合物間の正の相互作用を示す。これらのデータは、実施例2の方法に従って得た。 MIA PaCa-2細胞において観察されたSOS1阻害剤及びmTORC1阻害剤のインビトロ併用効果を示すグラフである。単剤としてのmTORC1阻害剤の効果を黒丸で示す。10μMのSOS1阻害剤と組み合わせたmTORC1阻害剤の効果を灰色の三角で示す。組み合わせにおける見かけの効力の増加(曲線の左方向へのシフト)は、化合物間の正の相互作用を示す。これらのデータは、実施例3の方法に従って得た。 AsPc-1細胞において観察されたSOS1阻害剤及びmTORC1阻害剤のインビトロ併用効果を示すグラフである。単剤としてのmTORC1阻害剤の効果を黒丸で示す。10μMのSOS1阻害剤と組み合わせたmTORC1阻害剤の効果を灰色の三角で示す。組み合わせにおける見かけの効力の増加(曲線の左方向へのシフト)は、化合物間の正の相互作用を示す。これらのデータは、実施例4の方法に従って得た。 HCT-15細胞において観察されたSOS1阻害剤及びmTORC1阻害剤のインビトロ併用効果を示すグラフである。単剤としてのmTORC1阻害剤の効果を黒丸で示す。3.3μMのSOS1阻害剤と組み合わせたmTORC1阻害剤の効果を灰色の三角で示す。組み合わせにおける見かけの効力の増加(曲線の左方向へのシフト)は、化合物間の正の相互作用を示す。これらのデータは、実施例5の方法に従って得た。 NCI-H1355細胞において観察されたSOS1阻害剤及びmTORC1阻害剤のインビトロ併用効果を示すグラフである。単剤としてのmTORC1阻害剤の効果を黒丸で示す。316nMのSOS1阻害剤と組み合わせたmTORC1阻害剤の効果を灰色の三角で示す。組み合わせにおける見かけの効力の増加(曲線の左方向へのシフト)は、化合物間の正の相互作用を示す。これらのデータは、実施例6の方法に従って得た。 マウス膵管腺癌PAN02 PTPN11G503V同系モデルにおける、SOS1阻害剤(SOS1-(C))及びmTORC1阻害剤(RM-006、RMC-6272としても知られる)のインビボ併用効果を示す。これらのデータは、実施例7の方法に従って得た。 マウス膵管腺癌PAN02 PTPN11G503V同系モデルにおける、SOS1阻害剤(SOS1-(C))及びmTORC1阻害剤(RM-006、RMC-6272としても知られる)のインビボ併用効果を示す。これらのデータは、実施例7の方法に従って得た。 マウス膵管腺癌PAN02 PTPN11G503V同系モデルにおける、SOS1阻害剤(SOS1-(C))及びmTORC1阻害剤(RM-006、RMC-6272としても知られる)のインビボ併用効果を示す。これらのデータは、実施例7の方法に従って得た。 PTPN11変異型神経膠芽腫LN229 PTPN11A72S/WTのヒトモデルにおけるSOS1阻害剤(SOS1-(C))及びmTORC1阻害剤(RM-006、RMC-6272としても知られる)のインビボ併用効果を示す。これらのデータは、実施例8の方法に従って得た。 PTPN11変異型神経膠芽腫LN229 PTPN11A72S/WTのヒトモデルにおけるSOS1阻害剤(SOS1-(C))及びmTORC1阻害剤(RM-006、RMC-6272としても知られる)のインビボ併用効果を示す。これらのデータは、実施例8の方法に従って得た。
本開示の詳細は、下記添付の説明に記載される。本明細書で説明されるものと同様または同等の方法及び材料を本開示の実践または試験において使用することができるが、ここでは例示の方法及び材料について説明する。本開示の他の特長、目的、及び利点は、説明及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。本明細書及び添付の特許請求の範囲において、文脈が別途明確に指示しない限り、単数形は複数形も含む。別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で引用されるすべての特許及び出版物は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
用語
冠詞「a」及び「an」は、本開示において、その冠詞の文法的目的語の1つまたは複数(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「要素(an element)」は、1つの要素または複数の要素を意味する。
「及び/または」という用語は、別途示されない限り、本開示において「及び」または「または」のいずれかを意味するために使用される。「または」という用語の使用は、選択肢のみを指すことが明示的に示されない限り、または選択肢が相互排他的でない限り、「及び/または」を意味するために使用されるが、本開示は、選択肢及び「及び/または」のみを指す定義を支持する。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、値が、値を決定するために用いられるデバイスまたは方法の誤差の標準偏差を含むことを示すために使用される。特定の実施形態では、「約」という用語は、別途記載のない限り、または別途内容から明らかでない限り(例えば、そのような数が可能な値の100%を超え得る場合)、記載された値のいずれかの方向(上回るまたは下回る)において、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下に含まれる値の範囲を指す。
本明細書に記載するある種の化合物は、1つ以上の異なる異性体(例えば、立体異性体、幾何異性体、アトロプ異性体、互変異性体)形態、または、同位体(例えば、重水素で置換された水素といった、1つ以上の原子が、当該原子の異なる同位体で置換されている)形態で存在することができることを、当業者は理解するであろう。特に明記しない限り、または、文脈より明らかでない限り、記載した構造は、個別での、または組み合わせでの、任意のこのような異性体または同位体形態を表すものと理解することができる。
本明細書で使用する場合、「異性体」という用語は、本発明のずれか化合物の、任意の互変異性体、立体異性体、アトロプ異性体、エナンチオマー、またはジアステレオマーを意味する。本発明の化合物は1つ以上のキラル中心または二重結合を有することができ、それ故、立体異性体、例えば二重結合異性体(すなわち幾何E/Z異性体)、またはジアステレオマー(例えば、エナンチオマー(すなわち(+)もしくは(-)、もしくはcis/trans異性体)として存在することが認識されている。本発明に従うと、本明細書で記述した化学構造、及びそれ故、本発明の化合物は、対応するすべての立体異性体、すなわち、立体異性的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋、鏡像異性的に純粋、またはジアステレオ的に純粋)、ならびに鏡像異性及び立体異性混合物(例えばラセミ化合物)の両方を包含する。本発明の化合物の、鏡像異性及び立体異性混合物は通常、周知の方法、例えばキラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、キラル塩複合体としての化合物の結晶化、または、化合物のキラル溶媒中での結晶化により、構成成分であるエナンチオマーまたは立体異性体に分解することができる。エナンチオマー及び立体異性体は、周知の不斉合成法により、立体異性的または鏡像異性的に純粋な中間体、試薬、及び触媒からもまた入手することができる。
本明細書で使用する場合、「立体異性体」という用語は、化合物が有し得る、すべての可能な異なる異性体形態、及び構造形態(例えば、本明細書で記載される任意の式の化合物)、特に、アトロプ異性体を含む、基本的な分子構造のすべての可能な立体化学異性形態及び構造異性体形態、すべてのジアステレオマー、エナンチオマー、または配座異性体を意味する。本発明のいくつかの化合物は、異なる互変異性形態で存在することができ、後者のものはすべて、本発明の範囲に含まれる。
本明細書に記載する化合物は、不斉である(例えば、1つ以上の立体中心を有する)ことができる。エナンチオマー及びジアステレオマーといった、あらゆる立体異性体が、特に明記しない限り意図される。不斉置換炭素原子を含有する本開示の化合物は、光学的に活性な形態、またはラセミ体で単離することができる。例えば、ラセミ混合物の分割によって、または立体選択的合成によって、または光学活性出発物質からの合成によって光学活性形態を調製する方法は、当該技術分野において周知である。オレフィン、C=N二重結合等の多くの幾何異性体もまた、本明細書に記載される化合物中に存在することができ、すべてのそのような安定した異性体が本開示において企図される。本開示の化合物のシス及びトランス幾何異性体が説明され、異性体の混合物として、または分離された異性形態として単離され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する1つ以上の化合物は、異なる互変異性形態で存在することができる。文脈から明らかとなるように、明示的に除外されない限り、このような化合物への言及は、このような互変異性形態をすべて包含する。いくつかの実施形態では、互変異性形態は、単結合を、隣接する二重結合と交換すること、及び、付随するプロトンの移動により生じる。特定の実施形態では、互変異性形態はプロトトロピー互変異性体であることができ、これは、参照形態と同一の実験式及び全電荷を有する、異性体のプロトン化状態である。プロトトロピー互変異性形態を有する部分の例は、ケトン-エノールペア、アミド-イミド酸ペア、ラクタム-ラクチムペア、アミド-イミド酸ペア、エナミン-イミンペア、ならびに、1H-及び3H-イミダゾール、1H-、2H-、及び4H-1、2、4-トリアゾール、1H-及び2H-イソインドール、ならびに、1H-及び2H-ピラゾールなどの、プロトンが、複素環式系の2つ以上の位置を占有することができる環状形態である。いくつかの実施形態では、互変異性形態は、平衡であるか、または、適切な置換により、一方の形態に立体的に固定されていることができる。特定の実施形態では、互変異性形態は、アセタール相互変換により生じる。
別段明記しない限り、本明細書に示される構造はまた、1つ以上の同位体濃縮原子の存在下だけが異なる化合物を含むことを意味する。本開示の化合物に組み込むことができる例示的な同位体としては、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素などの同位体が挙げられる。同位体標識した化合物(例えば、H及び14Cで標識した化合物)は、化合物または基質組織分配アッセイにおいて有用であることができる。トリチウム標識(すなわち、H)、及び炭素14(すなわち、14C)同位体は、調製及び検出可能性の容易さから、有用であることができる。さらに、より重い同位体、例えば重水素(すなわち、H)などによる置換を行うと代謝安定性がより高くなり、結果として特定の治療的利点が得られ得る(例えばインビボ半減期が長くなるか、または必要な投与量が少なくなる)。いくつかの実施形態では、1つ以上の水素原子がHもしくはHにより置き換えられるか、または、1個以上の炭素原子が13Cもしくは14C濃縮炭素により置き換えられる。15O、13N、11C及び18Fなどのポジトロン放出同位体は、基質受容体占有を検査するためのポジトロン放出断層撮影(PET)研究に有用である。同位体標識した化合物の調製は、当業者に既知である。例えば、同位体標識された化合物は一般に、本明細書に記載する本開示の化合物に対して開示した手順に類似する手順に従い、同位体標識していない試薬を、同位体標識した試薬で置き換えることにより調製することができる。
当該技術分野で公知なように、多くの化学成分を、様々な異なる固体形態、例えば、非晶質形態または結晶形態(例えば多形体、水和物、溶媒和物)などに採用することができる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物を、任意の固体形態を含む、任意のこのような形態で利用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で記載または説明する化合物を、水和物または溶媒和物形態で提供または利用することができる。
本明細書に記載する特定の化合物は、例えば塩形態、保護形態、プロドラッグ形態、エステル形態、異性体形態(例えば、光学または構造異性体)、同位体形態などといった、様々な形態のいずれかで提供または利用することができることを、本開示を読む当業者は理解するであろう。いくつかの実施形態では、特定の化合物への言及は、当該化合物の特定の形態に関連し得る。いくつかの実施形態では、特定の化合物への言及は、任意の形態における当該化合物に関連し得る。いくつかの実施形態では、例えば、化合物の単一の立体異性体の調製物は、当該化合物のラセミ混合物とは異なる当該化合物の形態と考えられ得、化合物の特定の塩は、当該化合物の別の塩形態とは異なる形態と考えられ得、二重結合の構造異性体((Z)または(E))を含有する調製物は、当該二重結合の他の構造異性体((E)または(Z))を含有するものとは異なる形態であると考えられ得、1つ以上の原子が、参照調製物中に存在するものとは異なる同位体である調製物は、異なる形態であると考えられ得る。
本明細書に開示される化合物の薬学的に許容される塩は、本発明によって企図される。代表的な「薬学的に許容される塩」には、例えば、水溶性及び水不溶性塩、例えば、酢酸塩、アムソン酸塩(4,4-ジアミノスチルベン-2,2-二硫酸塩)、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、酪酸塩、カルシウム、エデト酸カルシウム、カンシル酸、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、クラブラン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フィウナル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、マグネシウム、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムケート(mucate)、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩(1,1-メテン-ビス-2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸塩、エンボン酸塩)、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピクリン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、スラメート(suramate)、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、及び吉草酸塩が挙げられる。
「治療剤」は、疾患または障害を治療可能な任意の物質、例えば、化合物または組成物である。いくつかの実施形態では、本開示と組み合わせるのに有用な治療剤としては、RAS阻害剤及びがん化学療法剤が挙げられる。多くのそのような治療剤が、当該技術分野において既知であり、本明細書で開示されている。
「治療有効量」という用語は、治療用投与レジメンに従い、疾患、障害もしくは病状に苦しむ、または、疾患、障害もしくは病状が疑われる集団に投与した際に、当該疾患、障害または病状を治療するのに十分な量を意味する。いくつかの実施形態では、治療有効量は、疾患、障害もしくは病状の1つ以上の症状の発生もしくは深刻度を低下させる、または、疾患、障害もしくは病状の1つ以上の症状の開始を遅延させる量である。「治療有効量」という用語は、実際には、特定の個体で治療の成功が実現されることを必要とされないことを、当業者は理解するであろう。むしろ、治療有効量は、そのような治療を必要とする対象に投与した際に、著しい数の対象において、特定の所望される薬理学的応答をもたらす量であることができる。特定の対象は、実際には、「治療有効量」に対して「不応」性であり得ると、具体的に理解される。いくつかの実施形態では、治療有効量への言及は、1つ以上の特定の組織(例えば、疾患、障害もしくは病状により影響を受ける組織)、または流体(例えば、血液、唾液、血清、汗、涙、尿)で測定した量への言及であることができる。いくつかの実施形態では、治療有効量は単回用量で製剤化または投与されることができることを、当業者は理解するであろう。いくつかの実施形態では、治療有効量は、例えば、投与レジメンの一部として、複数の用量で製剤化または投与されることができる。
「治療レジメン」とは、関連する集団にまたがる投与が、所望の、または有益な治療的アウトカムと相関する投与レジメンを意味する。
本開示は、有効量の開示される化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物も含む。本開示で使用される場合、「担体」という用語は、賦形剤及び希釈剤を包含し、対象のある臓器または身体の一部から別の臓器または身体の一部への医薬剤の運搬または輸送に関与する材料、組成物、またはビヒクル、例えば、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、または封入材料を意味する。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される賦形剤」とは、対象内で毒性かつ非炎症性である性質を有する任意の不活性な成分(例えば、活性化合物を懸濁または溶解可能なビヒクル)を意味する。典型的な賦形剤としては、例えば、抗接着剤、酸化防止剤、結合剤、コーティング剤、圧縮助剤、崩壊剤、染料(着色剤)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、皮膜形成剤もしくはコーティング剤、香味料、香料、滑剤(流動向上剤)、潤滑剤、防腐剤、印刷用インク、吸着剤、懸濁剤もしくは分散剤、甘味料、または水和水が挙げられる。賦形剤としては、任意に置換されたブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、任意に置換されたヒドロキシルプロピルセルロース、任意に置換されたヒドロキシルプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファ化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、セラック、二酸化ケイ素、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、クエン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、及びキシリトールが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、賦形剤として有用な様々な剤及び材料に精通している。例えば、Ansel,et al.,Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems.Philadelphia:Lippincott,Williams & Wilkins,2004;Gennaro,et al.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy.Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2000;及びRowe,Handbook of Pharmaceutical Excipients.Chicago,Pharmaceutical Press,2005.を参照されたい。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも2つの異なる薬学的に許容される賦形剤を含む。
「治療」(加えて、「治療する」または「治療すること」)という用語は、その最も広い意味において、特定の疾患、障害もしくは病状を部分的もしくは完全に寛解、緩和、軽減、阻害する、特定の疾患、障害もしくは病状の開始を部分的もしくは完全に遅延させる、特定の疾患、障害もしくは病状の深刻度を部分的もしくは完全に低下させる、または、特定の疾患、障害もしくは病状の1つ以上の症状、特徴、もしくは原因の発生を部分的もしくは完全に低下させる物質(例えば、本開示の化合物)の任意の投与を意味する。いくつかの実施形態では、そのような治療は、関連疾患、障害もしくは病状の兆候を示さない対象、または疾患、障害もしくは病状の初期徴候のみを示す対象に投与することができる。代替的に、または加えて、いくつかの実施形態では、そのような治療は、関連疾患、障害、または病状のうちの1つ以上の確立された徴候を示す対象の治療に投与することができる。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害または病状に苦しむと診断された対象におけるものであり得る。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害、または状態の発症リスクの増加と統計的に相関する1つ以上の感受性因子を有することが知られている対象に対するものであり得る。
対象に関する「予防する」または「予防」という用語は、対象が疾患または障害に罹患することを防ぐことを指す。予防には、予防的治療が含まれる。例えば、予防には、対象が疾患に罹患する前に本明細書に開示される化合物を対象に投与することが含まれ得、この投与が、対象が疾患に罹患することを防ぐ。
「阻害」及び「低減」という用語、またはこれらの用語の任意の変形には、所望の結果を達成するための任意の測定可能なまたは完全な阻害が含まれる。例えば、正常値と比較して、約、最大約、または少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%以上、またはそこから導出可能な任意の範囲で減少した、活性(例えば、SOS1:Rasファミリータンパク質結合活性)の低減があり得る。
「結合」という用語は、本開示において、2つ以上の実体の間での会合(例えば、非共有結合または共有結合、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、磁性、及びそれらの組み合わせ)を意味するために使用される。「直接」結合は、複数の要素または部分間での物理的接触に関係し、間接結合は、1つ以上の中間要素との物理的接触による、物理的相互作用に関係する。2つ以上の要素間での結合は、一般的に、相互作用する要素または部分が、単独で、または、より複雑な系の文脈において研究される場合(例えば、担体要素と共有結合もしくは別の方法で会合する場合、または、生物学的系もしくは細胞の中における場合)を含む、様々な文脈のいずれかで評価することができる。
「障害」という用語は、本開示において、別途指示されない限り、疾患、状態、または病気という用語を意味するように使用され、それらと互換的に使用される。
「投与する」、「投与すること」、または「投与」という用語は、本開示で使用される場合、開示される化合物または開示される化合物の薬学的に許容される塩または組成物を対象に直接投与するか、あるいは対象の体内に当量の活性化合物を形成し得るその化合物のプロドラッグ誘導体もしくは類似体またはその化合物の薬学的に許容される塩または組成物を対象に投与するかのいずれかを指す。動物対象(例えばヒト)への投与は、任意の適切な経路によるものであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、投与は、気管支(気管支点滴を含む)、頬、経腸、経皮(interdermal)、動脈内、皮内、胃内、髄内、筋肉内、経鼻、腹腔内、髄腔内、静脈内、心室内、粘膜、鼻内、経口、直腸、皮下、舌下、局所、気管内(気管内点滴を含む)、経皮、膣内、または硝子体内であり得る。
本明細書で使用する場合、「剤形」という用語は、対象への投与のための、化合物(例えば、本開示の化合物)の物理的に別個の単位を意味する。各単位は、所定量の化合物を含有する。いくつかの実施形態では、このような量は、関連する集団に投与した際に、所望の、または有益なアウトカムと相関することが測定されている投与レジメンに従った(すなわち、治療投与レジメンを用いる)投与に適切な単位用量(または、その全画分)である。当業者は、特定の対象に投与された治療用組成物または化合物の総量は、1人以上の主治医により決定され、複数の剤形の投与を伴う場合があることを理解する。
本明細書で使用する場合、「投与レジメン」という用語は、通常は期間で区切られる、対象に個別に投与される単位用量(通常は2回以上)のまとまりを意味する。いくつかの実施形態では、所与の治療用化合物(例えば、本開示の化合物)は、推奨される投与レジメンを有し、これは、1回以上の用量を有し得る。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、複数の用量を含み、その各々は、同じ長さの時間期間で互いに区切られ、いくつかの実施形態では、投与レジメンは、複数の用量、及び個別の用量を区切る少なくとも2つの異なる時間期間を含む。いくつかの実施形態では、投与レジメン内のすべての用量は、同一の単位用量である。いくつかの実施形態では、投与レジメン内の異なる用量は異なる量である。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、第1の投与量での第1用量、続いて、第1の投与量と異なる第2の投与量での、1回以上のさらなる用量を含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは第1の投与量での第1用量、続いて第1の投与量と同じ第2の投与量での、1回以上のさらなる用量を含む。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、関連する集団全体に投与された場合に、所望のまたは有益なアウトカムと相関する(すなわち、治療用投与レジメンである)。
「障害」という用語は、本開示において、別途指示されない限り、疾患、状態、または病気という用語を意味するように使用され、それらと互換的に使用される。
「患者」または「対象」は、哺乳動物、例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、または非ヒト霊長類、例えば、サル、チンパンジー、ヒヒ、または赤毛猿である。
「試料」または「生物学的試料」という用語は、本明細書で使用する場合、特定の分子、例えば、野生型について試験され得る対象、例えば、ヒト対象または患者から得られる試料を指す。試料には、生検、組織、細胞、口腔スワブ試料、体液(血液、血清、血漿、尿、唾液、脳脊髄液、涙、胸水等を含む)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、「阻害剤」という用語は、生体分子(例えば、タンパク質、核酸)が、応答を完了または開始しないようにする化合物を指す。阻害剤は、例えば、競合的、不競合的、または非競合的手段により、応答を阻害することができる。その結合機構に関して、阻害剤は不可逆的阻害剤または可逆的阻害剤であり得る。例示的な阻害剤としては、核酸、DNA、RNA、shRNA、siRNA、タンパク質、タンパク質模倣物、ペプチド、ペプチド模倣物、抗体、低分子、化学物質、酵素、受容体、またはタンパク質の結合部位を模倣する、例えば、シグナル形質導入に関与する類似体、治療剤、医薬組成物、剤、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、阻害剤は小分子、例えば、低分子量有機化合物、例えば、1200ダルトン(Da)未満の分子量(MW)を有する有機化合物である。いくつかの実施形態では、MWは1100Da未満である。いくつかの実施形態では、MWは1000Da未満である。いくつかの実施形態では、MWは900Da未満である。いくつかの実施形態では、小分子のMWの範囲は800Da~1200Daである。二重立体mTORC阻害剤などの本発明のいくつかの阻害剤は、従来の小分子よりも大きな分子量を有する。いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤は、2100Da以下のMWを有する。いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤は、2000Da以下のMWを有する。いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤は、1900Da以下のMWを有する。いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤は、1800Da以下のMWを有する。いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤のMWの範囲は、1600~2100Daである。阻害剤には、環式化合物と非環式化合物が含まれる。阻害剤には、その天然物、誘導体、及び類似体が含まれる。いくつかの実施形態では、阻害剤は、細胞内の機能性タンパク質の量を減少させるsiRNAを含むがこれに限定されない核酸分子であることができる。したがって、特定のタンパク質、例えば、mTORC1、RASまたはSOS1を「阻害することが可能」であると言われる化合物は、それらのいずれかの阻害剤を含む。
「野生型」という用語は、自然において「正常」(変異体、疾患、変化などと対をなす)状態または文脈で発見される構造または活性を有する存在を意味する。野生型遺伝子及びポリペプチドは多くの場合、複数の異なる形態(例えば、アレル)で存在することを、当業者は理解するであろう。
「変異」という用語は、本明細書で使用する場合、核酸またはポリペプチドの変更をもたらす、核酸及び/またはポリペプチドの任意の修飾を示す。「変異」という用語は、例えば、点変異、ポリヌクレオチド内の単独または複数の残基の欠失、またはポリヌクレオチド内の単独または複数の残基の挿入を含み得、遺伝子のタンパク質コード領域内で生じる変更、加えて、タンパク質コード領域の外の領域、例えば、限定されるものではないが、制御またはプロモーター配列での変更、加えて、増幅、及び/または染色体破壊もしくは転座を含む。
「SHP2」という用語は、「Srcホモロジー2ドメイン含有プロテインチロシンホスファターゼ2」を意味し、SH-PTP2、SH-PTP3、Syp、PTP1D、PTP2C、SAP-2、またはPTPN11としても知られる。SHP2は、PTPN11遺伝子によってコードされる非受容体タンパク質チロシンホスファターゼであり、増殖、分化、細胞周期の維持、及び移動などの複数の細胞機能に寄与する。SHP2は、RASマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)、JAK-STAT、及び/またはホスホイノシトール3-キナーゼ-AKT経路を介したシグナル伝達に関与する。SHP2は、2つのN末端Src相同性2ドメイン(N-SH2及びC-SH2)、触媒ドメイン(PTP)、及びC末端テールを有する。2つのSH2ドメインは、SHP2の細胞内局在及び機能調節を制御する。この分子は、N-SH2ドメイン及びPTPドメインの両方からの残基に関与する結合ネットワークによって安定化された、不活性な自己阻害型コンフォメーションで存在する。例えば、RTKを介して作用するサイトカインまたは増殖因子による刺激は、触媒部位の曝露につながり、SHP2の酵素的活性化をもたらす。SHP2は野生型及び変異型で存在することができる。
「アロステリックSHP2阻害剤」という用語は、酵素の活性部位以外の部位でSHP2に結合することによってSHP2を阻害できる剤(例えば、小分子化合物(例えば、750Da未満))を意味する。
「阻害剤耐性変異」という用語は、SHP2変異に関して使用される場合、SHP2ポリペプチドをSHP2阻害剤による阻害に対して不応性または耐性にするSHP2変異を意味する。したがって、いくつかの実施形態では、SHP2ポリペプチドにおける阻害剤耐性変異は、阻害剤耐性変異が存在しないことのみが異なる同様のSHP2ポリペプチドに対して阻害剤が有する効果と比較して、SHP2阻害剤がSHP2ポリペプチドに対して有する阻害効果を減少させる。このような活性は、当技術分野で周知の、または本明細書に開示されている任意の好適な活性アッセイを使用して測定することができる。いくつかの実施形態では、SHP2ポリペプチドにおける阻害剤耐性変異は、SHP2阻害剤がSHP2ポリペプチドの活性に対して有するすべての検知可能な阻害効果を無効にさせ、阻害剤は、阻害剤耐性変異が存在しないことのみが異なる同様のSHP2ポリペプチドに対して検知可能な阻害効果を有する。このような阻害剤耐性変異には、SHP2の自動阻害型コンフォメーションを不安定化する変異が含まれるが、これらに限定されない。阻害剤耐性変異は、アロステリック阻害剤耐性変異であり得る。
本明細書で使用される場合、「活性化するSHP2変異」または「SHP2の活性化変異」または類似の用語は、変異の開口自由エネルギー(ΔGop)によって測定される、SHP2の自動阻害型コンフォメーションを不安定化するSHP2の変異を指す。野生型SHP2は、2.8kcal/モルのΔGopを有する。変異体SHP2における2.8未満のΔGopの値は活性化を示し、より低い値はより強い活性化を示す。弱く活性化するSHP2変異体は、ΔGopが野生型SHP2より1.5kcal/モル以下である変異体として定義される。中程度に活性化するSHP2変異体は、野生型より1.5kcal/モル~2.24kcal/モル低いΔGopを有し、強力に活性化するSHP2変異は、野生型より2.24kcal/モル超低いΔGopを有する。ΔGopの測定方法は実施例4に記載されている。
「アロステリック阻害剤耐性変異」という用語は、SHP2変異に関して使用される場合、SHP2ポリペプチドをSHP2アロステリック阻害剤による阻害に対して不応性または耐性にするSHP2変異を意味する。したがって、いくつかの実施形態では、SHP2ポリペプチドにおけるアロステリック阻害剤耐性変異は、アロステリック阻害剤耐性変異が存在しないことのみが異なる同様のSHP2ポリペプチドに対して阻害剤が有する効果と比較して、SHP2アロステリック阻害剤がSHP2ポリペプチドに対して有する阻害効果を減少させる。このような活性は、当技術分野で知られている、または本明細書に開示されている任意の適切な活性アッセイを使用して測定することができる。いくつかの実施形態では、SHP2ポリペプチドにおけるアロステリック阻害剤耐性変異は、SHP2アロステリック阻害剤がSHP2ポリペプチドの活性に対して有するすべての検知可能な阻害効果を無効にさせ、阻害剤は、アロステリック阻害剤耐性変異が存在しないことのみが異なる同様のSHP2ポリペプチドに対して検知可能な阻害効果を有する。このようなアロステリック阻害剤耐性変異には、SHP2の自動阻害型コンフォメーションを不安定化する変異が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アロステリック阻害剤耐性変異は、以下の位置(それらの任意の組み合わせを含む)の1つ以上で生じるSHP2変異である:G60、D61、E69、A72、T73、E76、S189、L262、F285、N308、T468、P491、G503、Q506、T507、S502、T253、またはQ257。いくつかの実施形態では、アロステリック阻害剤耐性変異は、G60V、D61G、D61V、E69K、A72S、A72T、A72V、T73I、E76A、E76G、E76K、E76Q、S189A、L262R、F285S、N308D、T468M、P491S、G503V、Q506P、T507K、S502P、T253M/Q257L、及びそれらの任意の組み合わせのいずれか1つから選択されるSHP2変異である。
「SOS」(例えば、「SOS変異」)という用語は、受容体チロシンキナーゼによって活性化されてRASのGTP負荷及びシグナル伝達を促進するRASグアニンヌクレオチド交換因子タンパク質を含むことが当技術分野で知られているSOS遺伝子を指す。SOSという用語には、GTPによるRas結合GDPの交換を促進するすべてのSOSホモログが含まれる。特定の実施形態では、SOSは、特に「son of sevenless homolog1」(「SOS1」)を指す。SOS1は、RASファミリータンパク質の変異以外のメカニズムを介して、がんにおけるRASファミリータンパク質シグナル伝達の活性化に決定的に関与する。SOS1は、アダプタータンパク質Grb2と相互作用し、結果として生じるSOS1/Grb2複合体は、活性化/リン酸化受容体チロシンキナーゼ(例えば、EGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4、PDGFR-A/B、FGFR1/2/3、IGF1R、INSR、ALK、ROS、TrkA、TrkB、TrkC、RET、c-MET、VEGFR1/2/3、AXL)と結合する(Pierre et al.,Biochem.Pharmacol.、2011、82(9):1049-56)。SOS1はまた、T細胞受容体(TCR)、B細胞受容体(BCR)、及び単球コロニー刺激因子受容体などの他のリン酸化細胞表面受容体にも動員される(Salojin et al.,J.Biol.Chem.2000,275(8):5966-75)。RASファミリータンパク質の近位にある形質膜へのSOS1のこの局在化により、SOS1はRASファミリータンパク質の活性化を促進することができる。RASファミリータンパク質のSOS1活性化はまた、慢性骨髄性白血病において一般的に見られるBCR-ABL腫瘍性タンパク質とのSOS1/Grb2の相互作用によっても媒介され得る(Kardinal et al.,2001,Blood,98:1773-81、Sini et al.,Nat.Cell Biol.,2004,6(3):268-74)。SOS1はまた、GTPアーゼRAC1(Ras関連C3ボツリヌス毒素基質1)の活性化のためのGEFでもある(Innocenti et al.,J.CellBiol.,2002,156(1):125-36)。RAC1は、RASファミリータンパク質と同様に、様々なヒトのがん及び他の疾患の病因に関与している(Bid et al.,モル.Cancer Ther.2013,12(10):1925-34)。哺乳動物細胞におけるSOS1のホモログであるSon of sevenless2(SOS2)はまた、RASファミリータンパク質の活性化のためのGEFとしても機能する(Pierr et al.,Biochem.Pharmacol.,2011,82(9):1049-56;Buday et al.,Biochim.Biophys.Acta.,2008,1786(2):178-87)。マウスノックアウトモデルの公開データは、成体マウスの恒常性におけるSOS1及びSOS2の重複した役割を示唆している。マウスにおけるSOS1の生殖細胞系列ノックアウトは、中期胎生期の致死をもたらすが(Qian et al.,EMBO J.,2000,19(4):642-54)、全身状態SOS1ノックアウト成体マウスは生存可能である(Baltanas et al.,Mol.Cell.Biol.,2013,33(22):4562-78)。SOS2遺伝子標的化は、マウスにいかなる明白な表現型ももたらさなかった(Esteban et al.,Mol.Cell.Biol.,2000,20(17):6410-3)。対照的に、SOS1及びSOS2の二重ノックアウトは、成体マウスにおける急速な致死につながる(Baltanas et al.,Mol.Cell.Biol.,2013,33(22):4562-78)。これらの公開データは、個別のSOSアイソフォームの選択的標的化(例えば、選択的SOS1標的化)が、SOS1/RASファミリータンパク質駆動型がん(または他のSOS1/RASファミリータンパク質病理)と正常な細胞及び組織との間の治療指数を達成するために十分に許容され得ることを示唆している。SOS1の触媒部位のRASファミリータンパク質への結合の選択的な薬理学的阻害により、RASファミリータンパク質のGTP結合型へのSOS1媒介型活性化を防ぐことが期待される。そのようなSOS1阻害剤化合物は、結果的にRASファミリータンパク質の下流の細胞におけるシグナル伝達(例えば、ERKリン酸化)を阻害することが期待されている。RASファミリータンパク質への依存に関連するがん細胞(例えば、KRAS変異体がん細胞株)において、SOS1阻害剤化合物は、抗がん効果(例えば、増殖、生存、転移などの阻害)を送達することが期待されている。SOS1:RASファミリータンパク質結合(ナノモルレベルIC50値)及び細胞内のERKリン酸化(ナノモルレベルIC50値)の阻害に対する高い効力は、SOS1阻害剤化合物の望ましい特性である。さらに、SOS1阻害剤化合物の望ましい特性は、SOS2よりもSOS1を選択的に阻害することであろう。この結論は、上述したような、SOS1ノックアウトマウスの生存可能な表現型及びSOS1/SOS2二重ノックアウトマウスの致死性に基づいている。
本明細書で使用される場合、「SOS1阻害剤」は、SOS1を阻害することができる任意の剤(例えば、小分子(例えば、750Da未満))を指す。SOS1阻害剤には、選択的SOS1阻害剤及び他のタンパク質も阻害する阻害剤が含まれ得る。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、SOS2に対するSOS1の阻害の選択比が10倍未満で、SOS2も阻害し得る。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、SOS2に対するSOS1の阻害について、少なくとも約10倍超、例えば、少なくとも約30倍超の選択比で、SOS1を選択的に阻害する。
「RAS経路」及び「RAS/MAPK経路」という用語は、本明細書では同じ意味で用いられ、RAS(ならびに、その多様なアイソフォーム及びアレオタイプ)の活性化が、細胞の増殖、活性化、分化、可動化、及び他の機能的性質を決定する、様々な細胞エフェクター事象を駆動する中心的な事象である、様々な細胞表面増殖因子受容体の下流にあるシグナル形質導入カスケードを意味する。SHP2は、正のシグナルを、増殖因子受容体からRAS活性化/脱活性化サイクルに運搬し、これは、GTPをRASにロードして、機能的に活性な、GTPが結合したRASを産生するグアニンヌクレオチド交換因子(SOS1などのGEF)、加えて、GTPのGDPへの変換による、シグナルの終了を促進する、GTP加速タンパク質(NF1などのギャップ)により制御される。このサイクルにより産生された、GTPが結合したRASは、RAF及びMAPキナーゼを含む一連のセリン/スレオニンキナーゼに、不可欠な正のシグナルを運搬し、ここから、さらなるシグナルが、様々な細胞エフェクター機能まで広まる。
「mTOR」という用語は、「ラパマイシンの機構的標的(セリン/スレオニンキナーゼ)」または「ラパマイシンの哺乳動物標的」というタンパク質を指す。「mTOR」という用語は、ヌクレオチド配列またはタンパク質の野生型形態、ならびにそれらの任意の変異体の両方を含み得る。いくつかの実施形態では、「mTOR」は野生型mTORである。いくつかの実施形態では、「mTOR」は、1つまたは複数の変異型である。「mTOR」XYZという用語は、野生型では通常Xアミノ酸を有するmTORのY番号のアミノ酸が、変異体では代わりにZアミノ酸を有する、変異体mTORのヌクレオチド配列またはタンパク質を指し得る。実施形態では、mTORはヒトmTORである。
「mTORC1」という用語は、mTOR及びRaptor(mTORの調節関連タンパク質)を含むタンパク質複合体を指す。mTORC1は、MLST8(SEC13プロテイン8による哺乳動物致死)、PRAS40、及び/またはDEPTORも含み得る。mTORC1は、栄養素/エネルギー/酸化還元センサー及びタンパク質合成の調節因子として機能し得る。「mTORC1経路」または「mTORC1シグナル伝達経路」という用語は、mTORC1を含む細胞経路を指し得る。mTORC1経路には、mTORC1の上流及び下流の経路コンポーネントが含まれる。mTORC1経路は、mTORC1活性の調節によって調節されるシグナル伝達経路である。実施形態では、mTORC1経路は、mTORC1活性の調節によって調節されるが、mTORC2活性の調節によるものではないシグナル伝達経路である。実施形態では、mTORC1経路は、mTORC2活性の調節によるものよりも、mTORC1活性の調節によって大幅に調節されるシグナル伝達経路である。
「mTORC2」という用語は、mTOR及びRICTOR(mTORのラパマイシン非感受性コンパニオン)を含むタンパク質複合体を指す。mTORC2には、GβL、mSIN1(哺乳動物ストレス活性化タンパク質キナーゼ相互作用タンパク質1)、Protor1/2、DEPTOR、TTI1、及び/またはTEL2も含まれ得る。mTORC2は細胞代謝及び細胞骨格を調節し得る。「mTORC2経路」または「mTORC2シグナル伝達経路」という用語は、mTORC2を含む細胞経路を指し得る。mTORC2経路には、mTORC2の上流及び下流の経路コンポーネントが含まれる。mTORC2経路は、mTORC2活性の調節によって調節されるシグナル伝達経路である。実施形態では、mTORC2経路は、mTORC2活性の調節によって調節されるが、mTORC1活性の調節によるものではないシグナル伝達経路である。実施形態では、mTORC2経路は、mTORC1活性の調節によるものよりも、mTORC2活性の調節によって大幅に調節されるシグナル伝達経路である。
「mTOR阻害剤」という用語は、ホスファチジルイノシトール-3キナーゼ(PI3K)関連キナーゼ(PIKK)のファミリーに属するセリン/スレオニン特異的タンパク質キナーゼであるラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)の阻害剤を指すために使用される。mTORは、2つのタンパク質複合体、mTORC1及びmTORC2を介して形成及びシグナル伝達することにより、細胞の代謝、成長、及び増殖を調節する。最も確立されたmTOR阻害剤は、いわゆるラパログ(ラパマイシンとその類似体)であり、様々な種類の腫瘍に対する臨床試験で腫瘍応答が示されている。
「二重立体mTOR阻害剤」及び「mTORの二重立体阻害剤」という用語は、本開示で同じ意味で用いられ、単一の化合物における2つのファーマコフォアを指す。一方のファーマコフォアは、mTORC1上の、周知のFRB(FKBP12-ラパマイシン結合)部位に結合し、他方は、mTORキナーゼ活性部位に結合する。これら2つの結合相互作用の結果として、そのような化合物は、2つの生物学的に有用な特徴:(1)天然化合物ラパマイシンの特徴である、mTORC2よりもmTORC1に対する選択性、及び、(2)既知の活性部位阻害剤の特徴である、mTORC1の深い阻害を示す。これらの性質により、4EBP1を含むmTORC1基質の、リン酸化の選択的阻害が可能となる。いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤は、1600~2100Daの分子量を有し、mTORC2よりもmTORC1の選択的阻害(10倍超)を示す。
細胞の「サブタイプ」(例えば、KRASG12Cサブタイプ、KRASG12Sサブタイプ、KRASG12Dサブタイプ、KRASG12Vサブタイプ)への言及は、細胞が、示したタイプのタンパク質において、変化をコードする遺伝子変異を含有することを意味する。例えば、「KRASG12Cサブタイプ」として分類される細胞は、位置12にて、システインによるグリシンのアミノ酸置換(G12C)をコードする、少なくとも1つのKRASアレルを含有し、同様に、特定のサブタイプ(例えば、KRASG12D、KRASG12S、及びKRASG12Vサブタイプ)の他の細胞は、示した変異(例えば、それぞれ、KRASG12D変異、KRASG12S変異、またはKRASG12V変異)を有する、少なくとも1つのアレルを含有する。特に断りのない限り、本明細書で言及される、全てのアミノ酸位置置換(例えば、KRASG12Cにおける「G12C」など)は、言及したタンパク質のヒトバージョンにおける置換に対応する、すなわち、KRASG12Cは、ヒトKRASの位置12における、G→C置換を意味する。
「単剤療法」という用語は、対象に単一の治療剤を、任意に、医薬組成物として投与することを含む治療方法を意味する。例えば、単剤療法は、1つの治療剤と、1つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、及び/または界面活性剤と、を含む、医薬組成物の投与を含むことができる。治療剤は、有効量で投与することができる。治療剤は、治療有効量で投与することができる。
「併用療法」という用語は、対象に、少なくとも2種の治療剤を、任意に、1つ以上の医薬組成物として投与することを含む治療方法を意味する。例えば、併用療法は、少なくとも2種の治療剤と、1つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、及び/または界面活性剤と、を含む、単一の医薬組成物の投与を含むことができる。併用療法は、それぞれの組成物が、1つ以上の治療剤と、1つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、及び/または界面活性剤と、を含む、2種以上の医薬組成物の投与を含むことができる。様々な実施形態において、治療薬の少なくとも1つはSOS1阻害剤である。様々な実施形態において、治療薬の少なくとも1つはRAS阻害剤である。2種類の剤は任意に、同時に(単一もしくは個別の組成物として)、または連続して(個別の組成物として)投与することができる。治療剤は、有効量で投与することができる。治療剤は、治療有効量で投与することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の治療剤の有効量は、例えば、2種以上の治療薬を組み合わせる付加または相乗効果により、単剤療法として使用する際の同一治療剤の治療量よりも、併用療法で使用される際に少なくあり得る。
治療方法
RAS/MAPKシグナル伝達経路の破壊(図1Aを参照)は、多くの種類のがんにおける異常な成長及び増殖の一般的な要因であり、ヌーナン症候群などの発達性疾患にも関与している。この経路の発がん性過剰活性化は、RASグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)及びGTPase活性化タンパク質(GAP)の破壊を引き起こす変異など、活性型GTP結合型RAS及び不活性型GDP結合型RASのレベルの変化を通じて発生する可能性がある。SHP2は、RASの上流で機能するPTPN11遺伝子によってコードされる非受容体タンパク質チロシンホスファターゼである。SHP2、例えば、野生型SHP2は、不活性なRAS-GDPをRAS-GTPに変換するGEFであるSOS1の活性化を通じてRASシグナル伝達を調節することができる。SHP2、SOS1、またはRASのいずれかを標的とする阻害剤の開発は、RAS駆動型がんの治療に対する新たな魅力的なアプローチであり、そのような候補のいくつかが現在臨床試験を受けている。
ラパマイシン(mTOR)の哺乳動物標的は、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)ファミリーの脂質キナーゼに関連する、セリン-トレオニンキナーゼである。mTORは、2つの複合体、mTORC1及びmTORC2で存在し、これらは異なった調節を受け、異なる基質特異性を有し、ラパマイシンに対して異なった感受性を持つ。mTORC1は、増殖因子受容体からのシグナルを、細胞栄養状態と一体化し、キャップ結合タンパク質及びがん遺伝子eIF4Eなどの、鍵となる翻訳要素の活性を調節することにより、キャップ依存性mRNA翻訳のレベルを制御する。図1Bを参照されたい。PI3K/mTOR経路の超活性化は、異なる構成要素の変異または欠失により、ヒトのがんにおいて頻繁に生じる。
mTORの様々な阻害剤が存在し、2種類のmTOR複合体に対して異なる特異性を有する。最も確立されたmTOR阻害剤は、いわゆるラパログ(ラパマイシンとその類似体)であり、様々な種類の腫瘍に対する臨床試験で腫瘍応答が示されています。しかし、明確な生物学的原理にもかかわらず、PI3K/mTOR経路阻害剤は、バイオマーカーがガイドする患者の層別化が欠如していることにより、「参加希望者全員」の臨床試験では大部分が成功していない。「二重立体」と言われる、選択的mTORC1阻害剤のクラスは、mTOR活性部位阻害剤に共有結合した、ラパマイシン様のコア部分を含む。二重立体mTORC1阻害剤はmTORC2よりも、mTORC1の強力かつ選択的な(10倍超の)阻害を示し、S6K及び4EBP1のリン酸化を永続的に抑制し、複数のがん細胞株において、増殖抑制及びアポトーシスを誘発する。これらの阻害剤は、ラパログのmTORC1選択性を付与し、mTORC2を温存しながら、4EBP1-eIF4E軸により、翻訳開始を強力に阻害する。様々な実施形態では、任意の1つ以上の、これらの二重立体mTOR阻害剤は、本明細書で開示する方法のいずれかにおいて利用することができる。
本発明は、疾患または障害を有する対象を治療する方法に関し、この方法は、そのような治療を必要とする対象に、本明細書に開示されるSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体を投与することを含み、さらに、治療有効量のmTOR阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、変異体SHP2タンパク質によって媒介される疾患または障害を標的とする。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、RASタンパク質関連の疾患または障害である。いくつかの実施形態では、RASタンパク質関連疾患または障害は、RASタンパク質変異に関連している。
本発明の実施形態によると、この方法は、そのような治療を必要とする対象に、治療有効量の本明細書に開示されるSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体を対象に投与することを含み、さらに、腫瘍またはがんの治療において、治療有効量のmTOR阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、及びそれらの組み合わせを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、造血系及びリンパ系の腫瘍;骨髄増殖症候群;骨髄異形成症候群;白血病;急性骨髄性白血病;若年性骨髄単球性白血病;食道癌;乳癌;肺癌;結腸癌;胃癌;神経芽細胞腫;膀胱癌;前立腺癌;膠芽腫;尿路上皮癌;子宮癌;腺様及び卵巣漿液性嚢胞腺癌;傍神経節腫;褐色細胞腫;膵臓癌;副腎皮質癌;胃腺癌;肉腫;横紋筋肉腫;リンパ腫;頭頸部癌;皮膚癌;腹膜癌;腸癌(例えば、小腸癌及び/または大腸癌);甲状腺癌;子宮内膜癌;胆道癌;軟部組織癌;卵巣癌;中枢神経系癌(例、原発性CNSリンパ腫);胃癌;下垂体癌;生殖管癌;尿路癌;唾液腺癌;子宮頸癌;肝臓癌;目の癌;副腎癌;自律神経節の癌;上部気道消化管の癌;骨癌;精巣癌;胸膜癌;腎臓癌;陰茎癌;副甲状腺癌;髄膜癌;外陰癌及び黒色腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、脳神経膠芽腫(GBM)、肺腺癌、結腸腺癌(CRC)、骨髄白血病、急性骨髄性白血病(AML)、乳癌(NOS)、原発不明黒色腫、非小細胞肺癌(NOS)、皮膚黒色腫、乳房浸潤性乳管癌(IDC)、肺扁平上皮癌(SCC)、原発不明腺癌、骨髄多発性骨髄腫、胃食道接合部腺癌、骨髄骨髄異形成症候群(MDS)、前立腺腺房腺癌、膀胱尿路上皮(移行上皮細胞)癌、子宮子宮内膜腺癌(NOS)、骨髄白血病急性B細胞癌(B-ALL)、胃腺癌(NOS)、及び原発不明癌(NOS)から選択される。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、脳神経膠芽腫(GBM)、肺腺癌、結腸腺癌(CRC)、骨髄白血病、非リンパ球性急性骨髄性(AML)、及び乳癌(NOS)から選択される。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、膵臓癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌及び神経膠芽腫から選択される。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、子宮内膜癌、子宮癌、乳癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(例えば、KRAS変異(例えば、KRASG12C)、STK11変異、またはKEAP1変異、またはそれらの組み合わせ)、肺扁平上皮癌、子宮頸癌、神経膠芽腫、結腸直腸癌、黒色腫、頭頸部癌(例、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、卵巣癌、前立腺癌、FGFR変異癌、肝細胞癌、肝芽腫、神経膠腫、横紋筋肉腫、膀胱癌、血液癌、膵臓癌、腎臓癌、神経内分泌癌、甲状腺腺癌、mTORC1活性の上昇を特徴とするがん、mTORC1経路変異を有するがん(例えば:STK11、PIK3CA、PTEN、mTOR、KEAP1、TSC1、またはTSC2)、MYC増幅を有するがん(例えば、MYC、MYCL、またはMYCN)、4EBP1活性の低下を特徴とするがん、及びPTEN変異を有するがんから選択される。
SHP2及びSHP2変異
RMC-4550などの強力で選択的なアロステリックSHP2阻害剤は、RAS-MAPKシグナル伝達の破壊、細胞増殖の抑制、腫瘍増殖阻害の誘導において、幅広い組織型及び遺伝子型にわたってインビトロ及びインビボで有効であることが証明されている。アロステリックSHP2阻害剤は、RAS GEFであるSOS1及びSOS2の活性化をブロックするため、RAS/MAPKシグナル伝達経路によって駆動されるがんの前臨床モデルに部分的に効果的である。RAS-MAPK経路を示す図1Aを参照されたい。しかし、アロステリックSHP2阻害剤を含むSHP2阻害剤は、SHP2タンパク質の活性化型を誘導する特定の臨床的に関連するSHP2における一連の変異に対して有効性が大幅に低下することが以前に証明されている。SHP2には変異が発生する可能性があり、程度は異なるが、シグナル伝達を活性化し、アロステリック阻害剤に対する感受性を低下させる。これらの変異は、腫瘍の発生中にドライバーとして発生することもあれば、アロステリックSHP2阻害剤による治療に応答して耐性変異として獲得されることもある。SHP2タンパク質におけるいくつかの活性化変異を示す、図2A及び2Bを参照されたい。さらに、アロステリックSHP2阻害剤を含むSHP2阻害剤で治療された患者は、体性SHP2変異を伴う腫瘍を発症し、経路の再活性化と薬剤耐性を誘導し得る。したがって、SHP2タンパク質の活性化変異に関連するがんの代替治療に対する満たされていない医学的ニーズが存在する。
選択的SOS1阻害剤を含む強力なSOS1阻害剤も開発されており、最近ではRAS/MAPK経路駆動型がんの代替治療法として前臨床での有望性が示されている。SOS1阻害剤に関する最初の臨床試験が最近開始された。SHP2の直接下流で作用するSOS1阻害剤は、活性化された変異体SHP2の状況下で有効性を維持または向上させる場合、この点において魅力的な代替治療法となる。本開示は、この概念を支持する証拠を提供し、SHP2阻害剤、例えば、アロステリックSHP2阻害剤とは対照的に、SHP2アロステリック阻害剤が効果的でない場合でも、SOS1阻害は、活性化するSHP2変異を有する細胞または組織においてインビトロ及びインビボで有効であることを示す。
予想外なことに、SOS1の遺伝子ノックダウンは、SHP2が活性化された細胞において経路活性の大幅な低下を誘導するようであり、活性化するSHP2変異を有するがん細胞がSOS1に一意的に依存していることを示している。実験結果は、すべての細胞がSOS1及びSOS2の同時ノックダウンに感受性であることを示したが、予想外にも、より強力に活性化するSHP2変異を持つ細胞ではSOS1ノックダウンの効果がより大きくなる傾向が見られた。対照的に、SOS2ノックダウンは、すべての細胞株において小さく、かつ同様の効果しか有さない。これは、強力に活性化するSHP2変異はSOS1への依存性を高め、したがって活性化するSHP2変異は、BI-3406、BI-1701963、化合物SOS1-(A)などのSOS1阻害剤に対する感受性を高める可能性があることを示唆している。この観察は、最初に存在する、またはSHP2阻害剤、例えば、アロステリックSHP2阻害剤による治療に応答して生じる、SHP2に変異、例えば、活性化するSHP2変異を有するがん患者を、SOS1阻害剤で効果的に治療することができる治療戦略の基礎を提供する。
本発明のいくつかの実施形態によれば、SHP2変異、例えば、SHP2の活性化型を誘導するSHP2変異を有する対象を治療するための方法が提供される。これらの変異は、SHP2の自動阻害型コンフォメーションを不安定化することによって作用する。異なる活性化する変異は、このコンフォメーションを異なる程度に不安定化させ、これは、変異の開口自由エネルギー(ΔGop)として定量的に表すことができる。野生型SHP2は、2.8kcal/モルのΔGopを有する。変異体SHP2における2.8未満のΔGopの値は活性化を示し、より低い値はより強い活性化を示す。弱く活性化する変異体は、ΔGopが野生型SHP2より1.5kcal/モル以下である変異体として定義される。中程度に活性化する変異体は、野生型よりも1.5kcal/モル~2.24kcal/モル低いΔGopを有する。強力に活性化する変異は、野生型より2.24kcal/モル超低いΔGopを有する。ΔGopの関数としてRMC-4550 pERK IC50を相関させるグラフである図2Aを参照のこと。図2Bは、SHP2タンパク質の様々な活性化変異におけるRMC-4550のpERK IC50値を示す表である。臨床的に関連する変異には、限定されないが、以下の1つ以上(それらの任意の組み合わせを含む)の位置で生じるSHP2変異が挙げられる:G60、D61、E69、A72、T73、E76、S189、L262、F285、N308、T468、P491、G503、Q506、T507、S502、T253、またはQ257。いくつかの実施形態では、変異は、G60V、D61G、D61V、E69K、A72S、A72T、A72V、T73I、E76A、E76G、E76K、E76Q、S189A、L262R、F285S、N308D、T468M、P491S、G503V、Q506P、T507K、S502P、T253M/Q257L、及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上である。次の表1は、SHP2及び変異体のモデルパラメーターをまとめたものである。
Figure 2024517024000002
図2A及び表1に示されるように、最低の開口自由エネルギー(ΔGop)をもたらす変異であるG503Vは、SHP2の特に活性化する変異である。これは、例えば、図2BのG503Vについて>30,000nMのpERK IC50値によってさらに示される。
いくつかの実施形態では、SHP2変異は、SHP2阻害剤による一連の治療後に対象において発現される。いくつかの実施形態では、SHP2変異は、アロステリックSHP2阻害剤による一連の治療後に対象において発現される。いくつかの実施形態では、SHP2変異は、活性部位SHP2阻害剤による一連の治療後に対象において発現される。いくつかの実施形態では、SHP2変異は、アロステリックSHP2阻害剤による一連の治療後に対象において発現される。SHP2阻害剤、例えば、アロステリックSHP2阻害剤は、一般に野生型SHP2タンパク質の阻害剤である。SHP2阻害剤、例えば、アロステリックSHP2阻害剤は、WO2022063190、WO2022043685、WO2022042331、WO2022033430、WO2022033430、WO2022017444、WO2022007869、WO2021259077、WO2021249449、WO2021249057、WO2021244659、WO2021218755、WO2021281752、WO2021197542、WO2021176072、WO2021149817、WO2021148010、WO2021147879、WO2021143823、WO2021143701、WO2021143680、WO2021121397、WO2021119525、WO2021115286、WO2021110796、WO2021088945、WO2021073439、WO2021061706、WO2021061515、WO2021043077、WO2021033153、WO2021028362、WO2021033153、WO2021028362、WO2021018287、WO2020259679、WO2020249079、WO2020210384、WO2020201991、WO2020181283、WO2020177653、WO2020165734、WO2020165733、WO2020165732、WO2020156243、WO2020156242、WO2020108590、WO2020104635、WO2020094104、WO2020094018、WO2020081848、WO2020073949、WO2020073945、WO2020072656、WO2020065453、WO2020065452、WO2020063760、WO2020061103、WO2020061101、WO2020033828、WO2020033286、WO2020022323、WO2019233810、WO2019213318、WO2019183367、WO2019183364、WO2019182960、WO2019167000、WO2019165073、WO2019158019、WO2019152454、WO2019051469、WO2019051084、WO2018218133、WO2018172984、WO2018160731、WO2018136265、WO2018136264、WO2018130928、WO2018129402、WO2018081091、WO2018057884、WO2018013597、WO2017216706、WO2017211303、WO2017210134、WO2017156397、WO2017100279、WO2017079723、WO2017078499、WO2016203406、WO2016203405、WO2016203404、WO2016196591、WO2016191328、WO2015107495、WO2015107494、WO2015107493、WO2014176488、WO2014113584、US20210085677、US10858359、US10934302、US10954243、US10988466、US11001561、US11033547、US11034705、US11044675、CN114213417、CN114163457、CN113896710、CN113248521、CN113248449、CN113135924、CN113024508、CN112920131、CN112823796、CN112402385、CN111848599、CN111704611、CN111265529、及びCN108113848に開示されるもの、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択され得るが、それらに限定されず、これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる。例示的な係るアロステリックSHP2阻害剤の非限定的なリストには、ERAS-601、BBP-398、RLY-1971、JAB-3068、JAB-3312、TNO155、SHP099、SH3809、PF-07284892、RMC-4550、及びRMC-4630が含まれる。例示的な活性部位SHP2阻害剤の非限定的なリストには、NSC-87877、IIB-08、11a-1、及びGS-493が含まれる。いくつかの実施形態では、アロステリックSHP2阻害剤、活性部位SHP2阻害剤、または野生型SHP2の他のそのような阻害剤を含む、これらのSHP2阻害剤による一連の治療は、SHP2に変異、例えば、活性化する変異を誘導し得る。いくつかの実施形態では、SHP2変異は、SHP2阻害剤に対する耐性を与える。あるいは、SHP2阻害剤に対する耐性は、SHP2タンパク質の自然な変異によって発生し得る。いずれにせよ、この変異は経路の再活性化とSHP2阻害剤に対する薬剤耐性を誘導し得る。
したがって、本発明は、SHP2タンパク質に変異を有する細胞に関連する疾患または障害を有する対象を治療する方法に関する。いくつかの実施形態では、変異は活性化するSHP2変異である。本発明の実施形態によると、本方法は、対象に治療有効量のSOS1阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤はSOS2も阻害し得、すなわち、本方法は、対象に治療有効量の二重SOS1/SOS2阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、係るSOS1阻害剤は、SOS2に対するSOS1の阻害の選択比が10倍未満であることを特徴とする。いくつかの実施形態では、本方法は、対象に治療有効量の選択的SOS1阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、係るSOS1阻害剤は、SOS2に対するSOS1の阻害について、少なくとも約10倍超、例えば、少なくとも約30倍超の選択比であることを特徴とする。
RAS及びRAS変異
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、RASタンパク質関連の疾患または障害を標的とする。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、変異を有するRASタンパク質を特徴とするRASタンパク質関連の疾患または障害を標的とする。いくつかの実施形態では、疾患は、KRAS変異体、NRAS変異体、またはHRAS変異体を特徴とする。特定の実施形態では、RAS変異体は、
(a)以下のK-Ras変異体:G12D、G12V、G12C、G13D、G12R、G12A、Q61H、G12S、A146T、G13C、Q61L、Q61R、K117N、A146V、G12F、Q61K、L19F、Q22K、V14I、A59T、A146P、G13R、G12L、Y96D、またはG13V、及びこれらの組み合わせ;
(b)以下のH-Ras変異体:Q61R、G13R、Q61K、G12S、Q61L、G12D、G13V、G13D、G12C、K117N、A59T、G12V、G13C、Q61H、G13S、A18V、D119N、G13N、A146T、A66T、G12A、A146V、G12N、またははG12R、及びそれらの組み合わせ;ならびに
(c)以下のN-RAS変異体:Q61R、Q61K、G12D、Q61L、Q61H、G13R、G13D、G12S、G12C、G12V、G12A、G13V、G12R、P185S、G13C、A146T、G60E、Q61P、A59D、E132K、E49K、T50I、A146V、またはA59T、及びそれらの組み合わせ;
または、前述したもののいずれかの組み合わせ(例えば、K-Ras G12C及びK-Ras G13Cの両方)から選択される。いくつかの実施形態では、がんは、G12C、G13C、G12A、G12D、G13D、G12S、G13S、G12V、及びG13Vからなる群から選択されるRas変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは、G12C、G13C、G12A、G12D、G13D、G12S、G13S、G12V、及びG13Vからなる群から選択される少なくとも2つのRas変異を含む。これらの位置における変異は、RAS駆動型腫瘍をもたらし得る。
Ras変異の検出方法は、当技術分野において既知である。このような手段としては、直接配列決定、ならびに、例えば、Domagala,et al.,Pol J Pathol 3:145-164(2012)に記載されているような、TheraScreen PCR;AmoyDx;PNAClamp;RealQuality;EntroGen;LightMix;StripAssay;Hybcell plexA;Devyser;Surveyor;Cobas;及びTheraScreen Pyroを含む、その全体が本明細書に参照により組み込まれている、(CE-IVDマークを用いる)高感度診断アッセイの利用が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、WO2020/106640もまた参照されたい。
また細胞内でのRASタンパク質の阻害方法も提供され、本方法は、細胞を、有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。RAF-Ras結合の阻害方法であって、本方法は、細胞を、有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。細胞はがん細胞であり得る。がん細胞は、本明細書に記載する任意の種類のがんであり得る。細胞はインビボまたはインビトロであり得る。
mTOR
ラパマイシン(mTOR)の哺乳動物標的は、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)ファミリーの脂質キナーゼに関連する、セリン-トレオニンキナーゼである。mTORは、2つの複合体、mTORC1及びmTORC2で存在し、これらは異なった制御を受け、異なる基質特異性を有し、ラパマイシンに対して異なって感受性を持つ。mTORC1は、増殖因子受容体からのシグナルを、細胞栄養状態と一体化し、キャップ結合タンパク質及びがん遺伝子eIF4Eなどの、鍵となる翻訳要素の活性を調節することにより、キャップ依存性mRNA翻訳のレベルを制御する。図1Bを参照されたい。
mTORシグナル伝達はますます詳細に解読されている。mTOR阻害剤の異なる薬理学は特に有益である。最初に報告されたmTOR阻害剤であるラパマイシンは、現在ではmTORC1の不完全な阻害剤であると理解されている。ラパマイシンは、FK506結合タンパク質12(FKBP12)を利用してmTORキナーゼのFK506ラパマイシン結合(FRB)ドメインに結合することによる、選択的mTORC1阻害剤である。mTORのFRBドメインは、mTORC1複合体では露出しているが、mTORC2複合体ではあまり露出していない。興味深いことに、ラパマイシン処理によるmTORC1の下流基質に対する阻害活性の効力は、mTORC1基質間で異なることが知られている。例えば、ラパマイシンは、mTORC1基質S6Kのリン酸化を強力に阻害し、リボソーム生合成を制御する下流のリボソームタンパク質S6のリン酸化を間接的に阻害する。一方、ラパマイシンは、キャップ依存性翻訳の開始を制御するeIF4Eの主要調節因子である4E-BP1のリン酸化に対して部分的な阻害活性しか示さない。その結果、mTORC1シグナル伝達のより完全な阻害剤が注目されている。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、治療有効量の二重立体型mTOR阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体を対象に投与することを含む。
SOS1阻害剤
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2018/115380、WO2018/172250、WO2019/122129、WO2019/201848、及びWO2021/074227に開示されるもの、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択され、それぞれの開示は、その全体が記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、優先権文書の米国仮出願第63/187,768に開示されるもの、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択され、その開示は、その全体が記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、国際出願第PCT/US2021/063685に開示されるもの、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択され、その開示は、その全体が記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2021/092115に開示されるもの、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択され、その開示は、その全体が記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2020/180768に開示されるもの、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択され、その開示は、その全体が記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2020/180770に開示されるもの、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択され、その開示は、その全体が記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2022061348、WO2022060583、WO2022058344、WO2022028506、WO2022026465、WO2022017339、WO2022017519、WO2021259972、WO2021249519、WO2021249475、WO2021228028、WO2021225982、WO2021203768、WO2021173524、WO2021130731、WO2021127429、WO2021105960、WO2021074227、WO2020173935、WO2020146470、WO2019201848、WO2019/122129、WO2018172250、WO2018115380、CN113912608、CN113801114、CN113200981、US20210338694、及びUS8232283に開示されるもの、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択され、そのそれぞれは、その全体が記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2020/180768に開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2020/180768の式(I)、式(I-a)、式(II)、式(II-a)、式(III)、及び式(III-a)のいずれかによって記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体である。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2020/180768の表Aの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択される。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2020/180768の集合1、集合2、集合3または集合4の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択される。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、式(41-I)の構造を有する化合物、
Figure 2024517024000003
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、
Q1及びQ2は、独立してCHまたはNであり、
、Q、及びQは、独立してCまたはNであり、Q及びQの少なくとも1つはCであり、Q、Q、及びQはすべてNではなく、
は、CH、N、NH、O、またはSであり、
は、CH、N、NH、N-C1~6アルキル、N-C1~6ヘテロアルキル、N-(3~7員シクロアルキル)、N-(3~7員ヘテロシクリル)、O、またはSであり、
、Q、Q、Q、Q、Q、及びQの少なくとも1つは、N、NH、O、またはSであり、
は、H、C1~6アルキル、ハロゲン、-NHR1a、-OR1a、シクロプロピル、及び-CNからなる群から選択され、C1~6アルキルは、任意にハロゲン、-NHR1a、または-OR1aで置換され、R1aは、H、C1~6アルキル、3~6員ヘテロシクリル、またはC1~6ハロアルキルであり、
は、結合、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NH(CH-、-S(O)-、
Figure 2024517024000004
-C(O)(CH-、-(CH-、及び-O-からなる群から選択され、oは、0、1、または2であり、pは、1~6の数であり、
は、H、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、-NR2b2c、-OR2a、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、C2~6アルケニル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールの各々は、独立して、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、-OH、-OR2a、オキソ、ハロゲン、-C(O)R2a、-C(O)OR2a、-C(O)NR2b2c、-CN、-NR2b2c、3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
2aは、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、または-(CHOCHであり、rは、1、2、または3であり、
2bは、HまたはC1~6アルキルであり、
2cは、HまたはC1~6アルキルであり、
及びRは、独立して、H、またはハロもしくは-OHで任意に置換されたC1~6アルキルであり、R及びRのうちの少なくとも1つは、Hであるか、またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒に組み合わさって、3~6員シクロアルキルを形成し、
Aは、任意に置換された6員アリール、または任意に置換された5~6員ヘテロアリールである。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2020/180770に開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2020/180770の式(I)、式(I-a)、式(II)、式(III)、及び式(IV)、式(V)、式(V-a)、式(VI)、(VI-a)、式(VII-a)、式(VII-b、式(VII-c)、及び(VII-d)のいずれかによって記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体である。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2020/180770の表Aの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択される。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2020/180770の集合1、集合2または集合3の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択される。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、式(42-I)の構造を有する化合物、
Figure 2024517024000005
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、
は、CHまたはNであり、
は、CH、C、またはNであり、
各Qは、独立して、C-RまたはNであり、一方のQは、Nであり、他方のQは、C-Rであり、
各Q及びQ、独立して、C(RQC、NRQN、CO、O、S、またはSOであり、各RQCは、独立して、H、F、Cl、Br、または6~10員アリールであり、各RQNは、独立して、H、C1~6アルキル、または6~10員アリールであり、
、Q、Q、Q、及びQのうちの少なくとも1つは、N、NRQN、O、またはSOであり、
mは、0、1、2、または3であり、
nは、0、1、2、または3であり、
mが0である場合、nは、0ではなく、
は、H、C1~6アルキル、ハロゲン、-CONHR1a、-NHR1a、-OR1a、シクロプロピル、アゼチジニル、及び-CNからなる群から選択され、C1~6アルキル及びアゼチジニルの各々は、ハロゲン、R1a、-NHR1a、または-OR1aで任意に置換され、R1aは、H、C1~6アルキル、シクロプロピル、3~6員ヘテロシクリル、またはC1~6ハロアルキルであり、
は、結合、C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NH(CH-、-S(O)-、
Figure 2024517024000006
-C(O)(CH-、-(CH-及び-O-からなる群から選択され、oは、0、1、または2であり、pは、1~6の数であり、
は、H、C1~6アルキル、-NR2b2c、-OR2a、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールの各々は、独立して、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6メトキシアルキル、-OH、-OR2a、オキソ、=N、ハロゲン、-C(O)R2a、-C(O)OR2a、-C(O)NR2b2c、-SO2a、-CN、-NR2b2c、3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
2aは、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、または-(CHOCHであり、rは、1、2、または3であり、
2bは、HまたはC1~6アルキルであり、
2cは、HまたはC1~6アルキルであり、
及びRは、独立して、H、またはハロもしくは-OHで任意に置換されたC1~6アルキルであり、R及びRのうちの少なくとも1つは、Hであるか、またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒に組み合わさって、3~6員シクロアルキルを形成し、
Aは、任意に置換された6員アリール、または任意に置換された5~6員ヘテロアリールであり、
但し、
Figure 2024517024000007
が、
Figure 2024517024000008
である場合、
は、Hではないものとする。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2021/092115に開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2021/092115の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV-a)、式(IV-b)、及び式(IV-b)のいずれかによって記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体である。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2021/092115の表Aの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択される。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、WO2021/092115の集合1、集合2、集合3または集合4の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択される。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、式(48-I)の構造を有する化合物、
Figure 2024517024000009
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、
は、任意に置換された3~6員シクロアルキル、任意に置換された3~6員ヘテロシクリル、任意に置換された6員アリール、及び任意に置換された5~6員ヘテロアルキルからなる群から選択され、
は、H、C1~6アルキル、ハロゲン、-NHR2a、-OR2a、シクロプロピル、及び-CNからなる群から選択され、C1~6アルキルは、ハロゲン、-NHR2a、-OR2a、または5~6員ヘテロシクリルで任意に置換され、さらに、R2aは、H、C1~6アルキル、3~6員ヘテロシクリル、及びC1~6ハロアルキルからなる群から選択され、
は、H、C1~3アルキル、-OR3a、シクロプロピル、及び3~6員ヘテロシクリルからなる群から選択され、C1~3アルキル、シクロプロピル、及び3~6員ヘテロシクリルのそれぞれは、任意にR3aで置換され、さらに、R3aは、C1~3アルキル、ハロゲン、-OH、または-CNからなる群から選択され、
は、結合、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NH(CH-、-NH-、-S-、-S(O)-、
Figure 2024517024000010
-(CH-、及び-O-からなる群から選択され、oは、0、1、または2であり、pは、1~6の数であり、
は、H、C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6-10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6-10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールのそれぞれは、C1~6アルキル、-R4a、-OR4a、-O-C1~6アルキル-R4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(OO)R4a、-C(O)NR4b4c、-NR4bC(O)R4c、-CN、=NR4a、-NR4b4c、-SO4a、R4aで任意に置換された3~6員シクロアルキル、R4aで任意に置換された3~7員ヘテロシクリル、R4aで任意に置換された6~10員アリール、またはR4aで任意に置換された5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
4aは、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、-C(O)R4b、-C(O)NR4b4c、=O、3~6員シクロアルキル、-OR4bで任意に置換された6~10員アリール、-CN、=N-3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、-(CHOCH3、または-(CHOHであり、式中、rは、1、2、または3であり、
4bは、それぞれ独立してH、C1~6アルキルであり、
4cは、それぞれ独立してH、C1~6アルキルである。
式(48-I)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、任意に置換された6員アリールである。いくつかの実施形態では、6員アリールは以下の構造を有し、
Figure 2024517024000011
式中、R、R、R、R、及びRは、式(48-II)~(48-IV)に関連して以下に定義される通りである。
式(48-I)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、任意に置換された5~6員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、以下の構造を有する6員ヘテロアリールであり、
Figure 2024517024000012
式中、R、R、R、R、及びRは、式(48-II)~(48-IV)に関連して以下に定義される通りである。
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、任意に置換された5~6員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、以下の構造を有する5員ヘテロアリールであり、
Figure 2024517024000013
式中、R、R、Rは、式(48-II)~(48-IV)に関連して以下に定義される通りである。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、式(48-I)の構造を有する化合物、
Figure 2024517024000014
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、R、R、L、及びRは式(48-I)に定義される通りであり、
、R、R、R、及びRは、独立してH、D、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルケニル、3~8シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、任意に-OH、C1~6アルキル、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで置換されるか、または、任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12は、各発現において独立してH、D、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルケニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO及び-CNから選択され、
13及びR14は、各出現において独立してH、D、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルケニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルケニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルは独立して-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換される。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、式(48-II)の構造を有する化合物、
Figure 2024517024000015
またはその製薬学的に許容可能な塩、もしくは立体異性体であり、式中、
はHであり、
は、H及びC1~3アルキルからなる群から選択され、
は、結合であり、
は、H、C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、C1~6アルキル、-R4a、-OR4a、-O-C1~6アルキル-R4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(OO)R4a、-C(O)NR4b4c、-NR4bC(O)R4c、-CN、=NR4a、-NR4b4c、-SO4a、R4aで任意に置換された3~6員シクロアルキル、R4aで任意に置換された3~7員ヘテロシクリル、R4aで任意に置換された6~10員アリール、またはR4aで任意に置換された5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
4aは、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、-C(O)R4b、-C(O)NR4b4c、=O、3~6員シクロアルキル、-OR4bで任意に置換された6~10員アリール、-CN、=N-3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、-(CHOCH3、または-(CHOHであり、式中、rは、1、2、または3であり、
各R4bは、独立してH、C1~6アルキルであり、
各R4cは、独立してH、C1~6アルキルであり、
、R、R、R、及びRは、H、D、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルケニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルケニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、-OH、-R10で任意に置換されたC1~6アルキル、ハロゲン、-NO、=O、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、R10で任意に置換された3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
10、R11、及びR12は、各発現において独立してH、D、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルケニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO及び-CNからなる群から選択され、
13及びR14は、各出現において独立してH、D、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルケニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルからなる群から選択され、各C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルケニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルは、独立して-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換される。
いくつかの実施形態では、本開示は、式(48-III)の構造を有する化合物、
Figure 2024517024000016
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関し、式中、R、R、L、及びRは、式(48-I)に定義される通りであり、
、R、R、R、及びRは、独立してH、D、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルキニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、任意に-OH、-R10で任意に置換されたC1~6アルキル、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3~8員シクロアルキル、R10で任意に置換された3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで置換されるか、または任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12は、各発現において独立してH、D、C1~6アルキル、C2-6アルケニル、4-8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3-8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO、及び-CN;から選択され、
13及びR14は、各出現において独立してH、D、C1~6アルキル、C2-6アルケニル、4-8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3-8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1~6アルキル、C2-6アルケニル、4-8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3-8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルは、独立して-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換される。
いくつかの実施形態では、本開示は、式(48-IV-a)、(48-IV-b)または(48-IV-c)の構造を有する化合物、

Figure 2024517024000017
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体に関し、式中、R、R、L、及びRは、式(48-I)に定義される通りであり、
、R、R、R、及びRは、独立してH、D、C1~6アルキル、C2-6アルケニル、4-8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3-8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、-C(O)R10、-CO10、6-10員アリール、及び5-10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、C2-6アルケニル、4-8員シクロアルケニル、C2-6アルキニル、3-8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6-10員アリール、及び5-10員ヘテロアリールは、任意に-OH、-R10で任意に置換されるC1~6アルキル、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3-8員シクロアルキル、R10で任意に置換される3~14員ヘテロシクリル、6-10員アリール、または5-10員ヘテロアリールで置換されるか、または任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びR任意に置換された3~14員縮合環を形成し、
10、R11、及びR12は、各発現において独立してH、D、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルケニル、3~8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、-OR13、-SR13、ハロゲン、-NR1314、-NO及び-CNから選択され、
13及びR14は、各出現において独立してH、D、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルケニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルから選択され、各C1~6アルキル、C2~6アルケニル、4~8員シクロアルケニル、C2~6アルケニル、3~8員シクロアルキル、及び3~14員ヘテロシクリルは独立して-OH、-SH、-NH、-NO、または-CNで任意に置換される。
式(48-II)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、C1~6アルキルであり、アルキルは、ハロゲンで任意に置換される。
式(48-II)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、C1~6アルキルであり、アルキルは、ハロゲンまたは-OHで任意に置換される。
式(48-II)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、C1~6アルキルであり、R、R6、R、R、及びRのうちの1~3つは、ハロゲンで任意に置換されたC1~6アルキルである。
式(48-II)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、ハロゲンであり、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、ハロゲンで任意に置換されたC1~6アルキルである。
式(48-II)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1~3つは、-NHである。
式(48-II)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1つは、-NHであり、R、R、R、R、及びRのうちの1つは、ハロゲンで任意に置換されたC1~6アルキルである。
式(48-II)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは、3~14員縮合環を形成する。式(48-II)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは、3~8員縮合環を形成する。式(48-II)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは、4~8員縮合環を形成する。式(48-II)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、任意の2つの隣接するR、R、R、R、及びRは、4員縮合環または5員縮合環を形成する。いくつかの実施形態では、縮合環は3~8員ヘテロシクリルまたは3~8員シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、縮合環は4~8員ヘテロシクリルまたは4~8員シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、縮合環は4員ヘテロシクリルまたは5員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、縮合環は4員シクロアルキルまたは5員シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、縮合環は、-OH、C1~6アルキル、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R10、-OR10、-NR1112、-SR10、-S(O)NR1112、-S(O)10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)11、-S(O)NR1112、-S(O)R10、-NR10S(O)NR1112、-NR10S(O)R11、3-8員シクロアルキル、3~14員ヘテロシクリル、6-10員アリール、または5-10員ヘテロアリールで任意に置換される。いくつかの実施形態では、縮合環はハロゲンで任意に置換される。
式(48-II)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1つ以上が、-CF、-NH、-F、及び-CFCHOHから選択される。式(II)の化合物のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1つが、-CFであり、R、R、R、R、及びRのうちの1つが、-NHである。式(48-II)の化合物のいくつかの実施形態では、R、R、R、R、及びRのうちの1つは、-Fであり、R、R、R、R、及びRのうちの1つは、-CFCHOHである。
式(48-I)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、

Figure 2024517024000018
から選択される。
式(48-I)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000019
から選択される。
式(48-I)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000020
から選択される。
式(48-I)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000021
から選択させる。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、Hである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C1~6アルキルである。式(I)~(IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-CHである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、5~6員ヘテロシクロアルキルで置換されたC1~6アルキルである。式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000022
である。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-NHR2aで置換されたC1~6アルキルであり、式中、R2aは、C1~6アルキル、または3~6員ヘテロシクリルである。式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000023
及び-CHNHCHから選択される。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-OR2aで置換されたC1~6アルキルであり、式中、R2aは、HまたはC1~6アルキルである。式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-CHOHである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-NHR2aであり、式中、R2aは、C1~6アルキルである。式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-NHCHである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-OR2aであり、式中、R2aは、C1~6アルキルである。式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-OCHである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C1~3アルキルである。式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-CHである。式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-CDである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-OHで置換されたC1~3アルキルである。式(I)~(IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは-CHCHOHである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、Hである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-OR3aである。式(I)~(IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-OCHである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、シクロプロピルである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、3~6員ヘテロシクリルである。式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000024
である。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Lは、結合、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NH(CH-、-NH-、-S-、-S(O)-、
Figure 2024517024000025
-(CH-、及び-O-からなる群から選択され、oは、0、1、または2であり、pは、1~6の数である。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Lは、結合である。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Lは、-C(O)-である。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Lは、-(CH-である。式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、Lは、-(CH)-である。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、H、C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、C1~6アルキル、-R4a、-OR4a、-O-C1~6アルキル-R4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(OO)R4a、-C(O)NR4b4c、-NR4bC(O)R4c、-CN、=NR4a、-NR4b4c、-SO4a、3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで任意に置換される。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、H、C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、C1~6アルキル-OR4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(OO)R4a、-C(O)NR4b4c、-CN、-NR4b4c、3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで任意に置換される。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、R4aは、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、-C(O)R4b、-C(O)NR4b4c、=O、3~6員シクロアルキル、-OR4bで任意に置換された6~10員アリール、-CN、=N-3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、-(CHOCH3、または-(CHOHであり、式中、rは、1、2、または3であり、各R4bは独立してH、C1~6アルキルであり、各R4cは独立してHまたはC1~6アルキルである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、R4aは、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、-C(O)R4b、-C(O)NR4b4c、3~6員シクロアルキル、-OR4bで任意に置換された6~10員アリール、-CN、3~7員ヘテロシクリル、-(CHOCH3、または-(CHOHであり、rは1、2、または3であり、各R4bは、独立してH、C1~6アルキルであり、各R4cは、独立してHまたはC1~6アルキルである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、3~14員ヘテロシクリルである。式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、置換された3~14員ヘテロシクリルである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、3~6員ヘテロシクリルで置換された、3~14員ヘテロシクリルであるいくつかの実施形態では、ヘテロシクリル置換基は、オキセタニルである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、C1~6アルキルで置換された、3~14員ヘテロシクリルである。式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-CHで置換された、3~14員ヘテロシクリルである。式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、-CH-で置換された3~14員ヘテロシクリルであり、すなわち、置換基は、ヘテロシクリル環で炭素原子2個を架橋するメチレン架橋である。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、3~6員シクロアルキルで置換された、3~14員ヘテロシクリルであるいくつかの実施形態では、シクロアルキル置換基は、シクロプロピルである。
式(48-I)~(48-IV)の化合物のいくつかの実施形態では、Rは、=Oで置換された、3~14員ヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000026
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000027
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000028
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000029
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000030
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000031
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000032
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000033
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000034
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000035
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000036
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000037
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000038
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000039
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000040
から選択されるヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000041
から選択される。
いくつかの実施形態では、Rは、3~14員シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換された3~14員シクロアルキルである。
いくつかの実施形態では、Rは、

Figure 2024517024000042
から選択される。
いくつかの実施形態では、Rは、6~10員アリールである。いくつかの実施形態では、Rは、置換された6~10員アリールである。いくつかの実施形態では、Rは、フェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、-OCH及び-CNから選択される1つまたは2つの基で置換されたフェニルである。
いくつかの実施形態では、Rは、5~10員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、置換された5~10員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、1H-ピロール、チアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジンの中から選択され、それらのそれぞれは、-F、-OCH、及び-OCHCHOHの中から選択される基で任意に置換される。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2024517024000043
から選択される。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、以下の表に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である:
Figure 2024517024000044
Figure 2024517024000045
Figure 2024517024000046
Figure 2024517024000047
Figure 2024517024000048
Figure 2024517024000049
Figure 2024517024000050
Figure 2024517024000051
Figure 2024517024000052
Figure 2024517024000053
Figure 2024517024000054
Figure 2024517024000055
Figure 2024517024000056
Figure 2024517024000057
Figure 2024517024000058
Figure 2024517024000059
Figure 2024517024000060
Figure 2024517024000061
Figure 2024517024000062
Figure 2024517024000063
Figure 2024517024000064
Figure 2024517024000065
Figure 2024517024000066
Figure 2024517024000067
Figure 2024517024000068
Figure 2024517024000069
Figure 2024517024000070
Figure 2024517024000071
Figure 2024517024000072
Figure 2024517024000073
Figure 2024517024000074
Figure 2024517024000075
Figure 2024517024000076
Figure 2024517024000077
Figure 2024517024000078
Figure 2024517024000079
Figure 2024517024000080
Figure 2024517024000081
Figure 2024517024000082
Figure 2024517024000083
Figure 2024517024000084
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Figure 2024517024000099
Figure 2024517024000100
Figure 2024517024000101
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、
(R)-4-((1-(3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
(R)-4-((1-(3-(1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシエチル)フェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-モルホリノピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H))-オン;
(R)-6-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-8-メチル-4-((1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-{[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-6-(モルホリン-4-イル)-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
8-メチル-6-(モルホリン-4-イル)-4-{[(1R)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-エチル]アミノ}-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-6-(1-メタンスルホニル-3-メチルアゼチジン-3-イル)-8-メチル-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
6-(1-アセチル-4-ピペリジル)-4-[[(1R)-1-[3-アミノ-2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]アミノ]-8-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
6-(1-アセチル-4-ピペリジル)-4-[[(1R)-1-[5-アミノ-2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]アミノ]-8-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
(R)-4-((1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-(ピリダジン-4-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-(1-オキシド-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル))ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-6-(1-イミノ-1-オキシド-1,2,3,6-テトラヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-(1-(メチルイミノ)-1-オキシド-1,2,3,6-テトラヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
(R)-4-((1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-(1-オキシドテトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-(4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]-エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-4-ヒドロキシ-1λ-チアン-1,1-ジオン;
4-(4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]-エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-4-フルオロ-1λ-チアン-1,1-ジオン;
4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-6-(フェニルスルファニル)-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
6-(4-アミノオキサン-4-イル)-4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7H,8H-ピリド-[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
4-(4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]-エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-4-メトキシ-1λ-チアン-1,1-ジオン;
6-(4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-2λ-チアスピロ[3.3]ヘプタン-2,2-ジオン;
4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-6-(3-ヒドロキシピペリジン-4-イル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
(R)-4-((1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-6-(1-イミノ-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
1-アセチル-4-(4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ピペリジン-4-カルボニトリル;
4-(4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]-エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチル-1λ-チアン-1,1-ジオン;
6-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-{[(1R)-1-[2,3-ビス(ジフルオロメチル)フェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
6-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-(フルオロメチル)フェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
2-{3-[(1R)-1-{[6-(1,1-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチル-7-オキソ-7H],8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル]アミノ}エチル]フェニル}-2,2-ジフルオロアセトニトリル;
2-{3-[(1R)-1-{[6-(1,1-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチル-7-オキソ-7H],8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル]アミノ}エチル]-2-フルオロフェニル}-2,2-ジフルオロアセトニトリル;
4-(4-{[(1R)-1-[3-(2-アミノ-1,1-ジフルオロエチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-1λ-チオピラン-1,1-ジオン;
6-(1-アセチル-4-ピペリジル)-4-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-5-(3-フルオロアゼチジン-3-イル)フェニル]エチル]アミノ]-8-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
[4-[4-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]アミノ]-8-メチル-7-オキソ-ピリド[2,3-d]ピリミジン[-6-イル]-1-オキソ-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-1-イリデン]シアナミド;
[4-[4-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ]-8-メチル-7-オキソ-ピリド[2,3-d]ピリミジン[-6-イル]-1-オキソ-チアン-1-イリデン]シアナミド;
4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-6-((1S,4s)-1-イミノ-4-メトキシ-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-6-((1R,4r)-1-イミノ-4-メトキシ-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-6-((1S,4s)-4-フルオロ-1-(メチルイミノ)-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-6-((1R,4r)-4-フルオロ-1-(メチルイミノ)-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
6-{3-アセチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル}-4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
6-(1-アセチル-4-ピペリジル)-4-[[(1R)-1-[3-[(4-シクロプロピルモルホリン-2-イル)-ジフルオロ-メチル]-2-フルオロ-フェニル]エチル]アミノ]-8-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
6-((1R,4r)-1-(シクロプロピルイミノ)-4-フルオロ-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル))-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
6-((1S,4s)-1-(シクロプロピルイミノ)-4-フルオロ-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル))-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
(1R,4r)-1-(シクロプロピルイミノ)-4-(4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-カルボニトリル1-オキシド;
(1S,4s)-1-(シクロプロピルイミノ)-4-(4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-カルボニトリル1-オキシド;
4-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ]-8-メチル-6-[1-(オキセタン-3-イルイミノ)-1-オキソ-チアン-4-イル]ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
4-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ]-6-[1-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]シクロプロピル]-8-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
2-[2-(ジフルオロメチル)-6-[(1R)-1-[[6-(1,1-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-8-メチル-7-オキソ-ピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル]アミノ]エチル]フェニル]アセトニトリル;
4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-((1R,4r)-1-(メチルイミノ)-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-((S)-1-(オキセタン-3-イルイミノ)-1-オキシド-1,2,3,6-テトラヒドロ-1λ6-チオピラン-4-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-((R)-1-(オキセタン-3-イルイミノ)-1-オキシド-1,2,3,6-テトラヒドロ-1λ6-チオピラン-4-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
4-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]アミノ]-6-(1-イミノ-1-オキソ-チアン-4-イル)-8-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
6-((1R,4r)-1-(シクロプロピルイミノ)-4-メトキシ-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル))-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
6-((1S,4s)-1-(シクロプロピルイミノ)-4-メトキシ-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル))-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;及び
N-[3-(4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル]アセトアミド;
またはその薬学的に許容される塩、もしくは立体異性体からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、以下の表に記載の化合物、または、その薬学的に許容される塩もしくは立体異性体である。
Figure 2024517024000102
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、国際出願第PCT/US2021/063685号に開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、国際出願第PCT/US2021/063685号の式(I)、式(I-a)、式(I-b)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Ic-3)、式(II)、式(II-a)、式(II-b)、式(IIc-1)、式(IIc-2)、式(IIc-3)、式(III)、式(III-a)、式(III-b)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、及び式(IIIc-3)のいずれかによって記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体である。いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、国際出願第PCT/US2021/063685号の表Aの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択される。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、式(53-I)、(53-II)、または(53-III)の構造を有する化合物、
Figure 2024517024000103
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、
は、NHまたはSであり、
は、CHまたはNであり、
は、CHまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CHまたはNであり、
は、CHまたはNであり、
は、任意に置換された3~6員シクロアルキル、任意に置換された3~6員ヘテロシクリル、任意に置換された6員アリール、及び任意に置換された5~6員ヘテロアルキルからなる群から選択され、
は、H、-NH-C1~6アルキル、及び-NHからなる群から選択され、
は、H、-O-C1~6アルキル、及び-O-C1~6ヘテロアルキルからなる群から選択され、
は、結合またはOであり、
は、H、C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、1つ以上のC1~6アルキル、-R4a、-OR4a、-O-C1~6アルキル-R4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(O)OR4a、-C(O)NR4b4c、-NR4bC(O)R4c、-CN、=NR4a、-NR4b4c、-SO4a、R4aで任意に置換された3~6員シクロアルキル、R4aで任意に置換された3~7員ヘテロシクリル、R4aで任意に置換された6~10員アリール、またはR4aで任意に置換された5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
4aは、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、-C(O)R4b、-C(O)NR4b4c、=O、3~6員シクロアルキル、-OR4bで任意に置換された6~10員アリール、-CN、=N-3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、-(CHOCH、または-(CHOHであり、式中、rは、1、2、または3であり、
各R4bは、独立してH、C1~6アルキルであり、
各R4cは、独立してH、C1~6アルキルである。
いくつかの実施形態では、本発明は、RASタンパク質のSHP2媒介活性化を特徴とする疾患または障害を有する対象を治療する方法に関し、この方法は、そのような治療を必要とする対象に、治療有効量の式(41-I)、(42-I)、(48-I)、(53-I)、(53-II)、(53-III)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、その立体異性体、プロドラッグ、または互変異性体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、RASタンパク質のSHP2媒介活性化を特徴とする疾患または障害を有する対象を治療する方法に関し、本方法は、そのような治療を必要とする対象に、治療有効量の、
(A)WO2020/180768の式(I)、式(I-a)、式(II)、式(II-a)、式(III)、及び式(III-a)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、
(B)WO2020/180770の式(I)、式(I-a)、式(II)、式(III)、及び式(IV)、式(V)、式(V-a)、式(VI)、(VI-a)、式(VII-a)、式(VII-b)、式(VII-c)、及び(VII-d)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、
(C)WO2021/092115の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV-a)、式(IV-b)及び式(IV-c)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、または
(D)国際出願第PCT/US2021/063685号の式(I)、式(I-a)、式(I-b)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Ic-3)、式(II)、式(II-a)、式(II-b)、式(IIc-1)、式(IIc-2)、式(IIc-3)、式(III)、式(III-a)、式(III-b)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、及び式(IIIc-3)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、のうちのいずれか1つを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、対象のSOS1を阻害する方法は、そのような治療を必要とする対象に、治療有効量の式(41-I)、(42-I)、(48-I)、(53-I)、(53-II)、(53-III)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、その立体異性体、プロドラッグ、または互変異性体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象のSOS1を阻害する方法は、そのような治療を必要とする対象に、治療有効量の、
(A)WO2020/180768の式(I)、式(I-a)、式(II)、式(II-a)、式(III)、及び式(III-a)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、
(B)WO2020/180770の式(I)、式(I-a)、式(II)、式(III)、及び式(IV)、式(V)、式(V-a)、式(VI)、(VI-a)、式(VII-a)、式(VII-b)、式(VII-c)、及び(VII-d)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、
(C)WO2021/092115の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV-a)、式(IV-b)及び式(IV-c)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、または
(D)国際出願第PCT/US2021/063685号の式(I)、式(I-a)、式(I-b)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Ic-3)、式(II)、式(II-a)、式(II-b)、式(IIc-1)、式(IIc-2)、式(IIc-3)、式(III)、式(III-a)、式(III-b)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、及び式(IIIc-3)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、のうちのいずれか1つを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、細胞内のSOS1とRASファミリータンパク質との相互作用を阻害すること、または細胞内のSOS1とRAC1との相互作用を阻害する方法に関し、この方法は、細胞に、式(41-I)、(42-I)、(48-I)、(53-I)、(53-II)、(53-III)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、その立体異性体、プロドラッグ、または互変異性体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、細胞内のSOS1とRASファミリータンパク質との相互作用を阻害すること、または細胞内のSOS1とRAC1との相互作用を阻害する方法に関し、この方法は、細胞に、
(A)WO2020/180768の式(I)、式(I-a)、式(II)、式(II-a)、式(III)、及び式(III-a)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、
(B)WO2020/180770の式(I)、式(I-a)、式(II)、式(III)、及び式(IV)、式(V)、式(V-a)、式(VI)、(VI-a)、式(VII-a)、式(VII-b)、式(VII-c)、及び(VII-d)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、
(C)WO2021/092115の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV-a)、式(IV-b)及び式(IV-c)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、または
(D)国際出願第PCT/US2021/063685号の式(I)、式(I-a)、式(I-b)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Ic-3)、式(II)、式(II-a)、式(II-b)、式(IIc-1)、式(IIc-2)、式(IIc-3)、式(III)、式(III-a)、式(III-b)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、及び式(IIIc-3)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、のうちのいずれか1つを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、疾患を治療または予防する方法に関し、疾患を治療または予防することは、SOS1とRASファミリータンパク質との相互作用の阻害、またはSOS1とRAC1との相互作用の阻害を特徴とし、この方法は、それを必要とする対象に、治療有効量の式(41-I)、(42-I)、(48-I)、(53-I)、(53-II)、(53-III)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、その立体異性体、プロドラッグ、または互変異性体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、疾患を治療または予防する方法に関し、疾患を治療または予防することは、SOS1とRASファミリータンパク質との相互作用の阻害、またはSOS1とRAC1との相互作用の阻害を特徴とし、この方法は、それを必要とする対象に、治療有効量の、
(A)WO2020/180768の式(I)、式(I-a)、式(II)、式(II-a)、式(III)、及び式(III-a)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、
(B)WO2020/180770の式(I)、式(I-a)、式(II)、式(III)、及び式(IV)、式(V)、式(V-a)、式(VI)、(VI-a)、式(VII-a)、式(VII-b)、式(VII-c)、及び(VII-d)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、
(C)WO2021/092115の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV-a)、式(IV-b)及び式(IV-c)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、または
(D)国際出願第PCT/US2021/063685号の式(I)、式(I-a)、式(I-b)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Ic-3)、式(II)、式(II-a)、式(II-b)、式(IIc-1)、式(IIc-2)、式(IIc-3)、式(III)、式(III-a)、式(III-b)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、及び式(IIIc-3)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、のうちのいずれか1つを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、がんの治療または予防を必要とする対象において、がんを治療または予防する方法に関し、この方法は、対象に、治療有効量の式(41-I)、(42-I)、(48-I)、(53-I)、(53-II)、(53-III)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、その立体異性体、プロドラッグ、または互変異性体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、がんの治療または予防を必要とする対象において、がんを治療または予防する方法に関し、この方法は、対象に、治療有効量の、
(A)WO2020/180768の式(I)、式(I-a)、式(II)、式(II-a)、式(III)、及び式(III-a)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、
(B)WO2020/180770の式(I)、式(I-a)、式(II)、式(III)、及び式(IV)、式(V)、式(V-a)、式(VI)、(VI-a)、式(VII-a)、式(VII-b)、式(VII-c)、及び(VII-d)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、
(C)WO2021/092115の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV-a)、式(IV-b)及び式(IV-c)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、または
(D)国際出願第PCT/US2021/063685号の式(I)、式(I-a)、式(I-b)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Ic-3)、式(II)、式(II-a)、式(II-b)、式(IIc-1)、式(IIc-2)、式(IIc-3)、式(III)、式(III-a)、式(III-b)、式(IIIc-1)、式(IIIc-2)、及び式(IIIc-3)の構造を有するSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、のうちのいずれか1つを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、
Figure 2024517024000104
の構造を有するBI-3406、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、BI-1701963、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、
Figure 2024517024000105
の構造を有するBAY-293、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、SDR5またはMRTX0902、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、
Figure 2024517024000106
の構造を有する化合物SOS1-(A)(RMC-0331とも呼ばれる)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、化合物SOS1-(B)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、SOS1-(C)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。
SOS1阻害剤の用量は、応答を誘発するのに十分な用量~最大耐量の範囲であり得る。有効投与量の開示される化合物は、指示された効果のために使用される場合、その状態を治療するのに必要とされる約0.5mg~約5000mgの範囲の開示される化合物である。インビボまたはインビトロでの使用のための組成物は、約0.5、5、20、50、75、100、150、250、500、750、1000、1250、2500、3500、もしくは5000mg、またはこの用量リスト内のある量から別の量までの範囲内(例えば、100mg~1300mg、200mg~1300mg、600mg~1300mg、700mg~1200mg、または800mg~1000mg)の開示される化合物を含有し得る。一実施形態では、この組成物は、割線入りであり得る錠剤の形態である。SOS1阻害剤は、1日あたり1回、1日あたり2回、1日あたり3回、または1日あたり4回投与することができる。いくつかの態様では、SOS1阻害剤は1日1回投与される。いくつかの態様では、SOS1阻害剤は1日2回投与される。投与は食物の有無にかかわらず行うことができる。投与スケジュールは、好適には、28日スケジュールの毎日、または28日スケジュールの21日以上であり得る。
mTOR阻害剤
本開示のいくつかの実施形態によると、この方法は、疾患または障害を有する対象を治療することを含み、この方法は、そのような治療を必要とする対象に、(a)治療有効量のSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、及び、(b)治療有効量の二重立体mTOR阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤は、WO2016/040806に開示されるもの、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択され、その開示は、その全体が記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤は、WO2018/204416に開示されるもの、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択され、その開示は、その全体が記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤は、WO2019/212990に開示されるもの、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択され、その開示は、その全体が記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤は、WO2019/212991に開示されるもの、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択され、その開示は、その全体が記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤は、WO2019/212990に開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤は、WO2019/212990の式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、式(II)、及び式(II-b)のいずれかによって記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体である。いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤は、WO2019/212990の表の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択される。
いくつかの実施形態によると、二重立体mTOR阻害剤は、
Figure 2024517024000107
の構造を有するRM-006(RMC-6272としても知られている)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。
いくつかの実施形態によると、二重立体mTOR阻害剤は、
Figure 2024517024000108
の構造を有するRMC-5552、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤は、
Figure 2024517024000109
の構造を有するRMC-5552、または、その立体異性体、互変異性体、もしくはオキセパン異性体である。
二重立体mTOR阻害剤の用量は、応答を誘発するのに十分な用量~最大耐量の範囲であり得る。有効投与量の開示される化合物は、指示された効果のために使用される場合、その状態を治療するのに必要とされる約0.5mg~約5000mgの範囲の開示される化合物である。インビボまたはインビトロでの使用のための組成物は、約0.5、5、20、50、75、100、150、250、500、750、1000、1250、2500、3500、もしくは5000mg、またはこの用量リスト内のある量から別の量までの範囲内(例えば、100mg~1300mg、200mg~1300mg、600mg~1300mg、700mg~1200mg、または800mg~1000mg)の開示される化合物を含有し得る。一実施形態では、この組成物は、割線入りであり得る錠剤の形態である。立体mTOR阻害剤は、1日あたり1回、1日あたり2回、1日あたり3回、または1日あたり4回投与することができる。いくつかの態様では、二重立体mTOR阻害剤は1日1回投与される。いくつかの態様では、二重立体mTOR阻害剤は1日2回投与される。投与は食物の有無にかかわらず行うことができる。投与スケジュールは、好適には、28日スケジュールの毎日、または28日スケジュールの21日以上であり得る。
mTOR阻害剤とSOS1阻害剤との例示的組み合わせ
いくつかの実施形態では、この方法は、二重立体型mTOR阻害剤とSOS1阻害剤との組み合わせを投与することを含む。このような阻害剤の例示的かつ非限定的な組み合わせには、以下が含まれる。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、
Figure 2024517024000110
の構造を有する化合物SOS1-(A)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、
二重立体mTOR阻害剤は、
Figure 2024517024000111
の構造を有するRMC-5552、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤は、
Figure 2024517024000112
の構造を有するRMC-5552、または、その立体異性体、互変異性体、もしくはオキセパン異性体である。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、化合物SOS1-(B)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、
二重立体mTOR阻害剤は、
Figure 2024517024000113
の構造を有するRMC-5552、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤は、
Figure 2024517024000114
の構造を有するRMC-5552、または、その立体異性体、互変異性体、もしくはオキセパン異性体である。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、化合物SOS1-(C)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、
二重立体mTOR阻害剤は、
Figure 2024517024000115
の構造を有するRMC-5552、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤は、
Figure 2024517024000116
の構造を有するRMC-5552、または、その立体異性体、互変異性体、もしくはオキセパン異性体である。
いくつかの実施形態では、SOS1阻害剤は、化合物SOS1-(B)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、
二重立体mTOR阻害剤は、
Figure 2024517024000117
の構造を有するRM-006(RMC-6272としても知られている)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。いくつかの実施形態では、二重立体mTOR阻害剤は、
Figure 2024517024000118
の構造を有するRMC-5552、または、その立体異性体、互変異性体、もしくはオキセパン異性体である。
治療的使用
本開示の化合物、それらの互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物、及び上述のすべての形態の塩は、それらの生物学的特性によって、がんなどの過剰または異常な細胞増殖を特徴とする疾患を治療するのに好適であり得る。
例えば、以下のがん、腫瘍、及び他の増殖性疾患は、それらに限定されることなく、本開示の化合物を用いて治療され得る。
頭頸部のがん/腫瘍/癌腫:例えば、鼻腔、副鼻腔、鼻咽頭、口腔(唇、歯茎、歯槽堤、臼後三角、口底、舌、硬口蓋、頬粘膜を含む)、中咽頭(舌根、扁桃腺、扁桃柱、軟口蓋、扁桃窩、咽頭壁を含む)、中耳、喉頭(声門上、声門、声門下、声帯を含む)、下咽頭、唾液腺(小唾液腺を含む)の腫瘍/癌腫/がん;眼内癌(例えば、ブドウ膜黒色腫)、ならびに眼窩及び付属器癌;肺のがん/腫瘍/癌腫:例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)(扁平上皮癌、紡錘細胞癌、腺癌、大細胞癌、明細胞癌、気管支肺胞)、小細胞肺癌(SCLC)(燕麦細胞癌、中間細胞癌、複合燕麦細胞癌);
縦隔の新生物:例えば、神経原性腫瘍(神経線維腫、神経鞘腫、悪性神経鞘腫、神経肉腫、神経節神経芽細胞腫、神経節神経腫、神経芽細胞腫、褐色細胞腫、傍神経節腫を含む)、胚細胞腫瘍(セミノーマ、奇形腫、非セミノーマを含む)、胸腺腫瘍(胸腺腫、胸腺脂肪腫、胸腺癌、胸腺カルチノイドを含む)、間葉系腫瘍(線維腫、線維肉腫、脂肪腫、脂肪肉腫、粘液腫、中皮腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、黄色肉芽腫、間葉腫、血管腫、血管内皮腫、血管外皮腫、リンパ管腫、リンパ管周囲細胞腫(lymphangiopericytoma)、リンパ管筋腫を含む)、星状細胞腫(脳、小脳、びまん性、原線維性、未分化、毛様細胞性、原形質性、肥胖細胞性)、神経膠芽腫、神経膠腫、乏突起神経膠腫、乏突起星細胞腫、上衣腫、上衣芽腫、脈絡叢腫瘍、髄芽腫、髄膜腫、シュワン腫、血管芽腫、血管腫、血管外皮腫、神経腫、神経節神経腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、神経鞘腫(例えば、聴神経腫)、脊髄軸腫瘍;
胃腸(GI)管のがん/腫瘍/癌腫:例えば、食道、胃(胃癌)、膵臓、肝臓、及び胆樹(肝細胞癌(HCC)、例えば、小児HCC、線維層状HCC、複合HCC、紡錘細胞HCC、明細胞HCC、巨細胞HCC、癌肉腫HCC、硬化性HCC;肝芽腫;胆管癌;胆管細胞癌;肝嚢胞腺癌、血管肉腫、血管内皮腫、平滑筋肉腫、悪性シュワン腫、線維肉腫、クラツキン腫瘍を含む)、胆嚢、肝外胆管、小腸(十二指腸、空腸、回腸を含む)、大腸(盲腸、結腸、直腸、肛門を含む;結腸直腸癌、消化管間葉性腫瘍(GIST))、泌尿生殖器系(腎臓、例えば、腎盂、腎細胞癌(RCC)、腎芽腫(ウィルムス腫瘍)、副腎腫、グラヴィッツ腫瘍;尿管;膀胱、例えば、尿膜管癌、尿路上皮癌;尿道、例えば、遠位、球膜性、前立腺;前立腺(アンドロゲン依存性、アンドロゲン非依存性、去勢耐性、ホルモン非依存性、ホルモン不応性)、陰茎)の腫瘍/癌腫/がん;
精巣のがん/腫瘍/癌腫:例えば、セミノーマ、非セミノーマ;
婦人科系のがん/腫瘍/癌腫:例えば、卵巣、卵管、腹膜、子宮頸部、外陰部、膣、子宮体(子宮内膜、子宮底を含む)の腫瘍/癌腫/がん;
乳房のがん/腫瘍/癌腫:例えば、乳癌(浸潤性乳管、コロイド、小葉浸潤、管状、腺嚢胞、乳頭状、髄様、粘液性)、ホルモン受容体陽性乳癌(エストロゲン受容体陽性乳癌、プロゲステロン受容体陽性乳癌)、HER2陽性乳癌、トリプルネガティブ乳癌、乳房ページェット病;
内分泌系のがん/腫瘍/癌腫:例えば、内分泌腺の腫瘍/癌腫/がん、甲状腺(甲状腺癌/腫瘍;乳頭状、濾胞性、未分化、髄質)、副甲状腺(副甲状腺癌/腫瘍)、副腎皮質(副腎皮質癌/腫瘍)、下垂体腺(プロラクチノーマ、頭蓋咽頭腫を含む)、胸腺、副腎腺、松果体腺、頸動脈体、膵島細胞腫瘍、傍神経節、膵臓内分泌腫瘍(PET;非機能性PET、PPオーマ、ガストリノーマ、インスリノーマ、VIPオーマ、グルカゴノーマ、ソマトスタチノーマ、GRFオーマ、ACTHオーマ)、カルチノイド腫瘍;
軟組織の肉腫:例えば、線維肉腫、線維性組織球腫、脂肪肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、カポジ肉腫、グロムス腫瘍、血管周囲細胞腫、滑膜肉腫、腱鞘の巨細胞腫、胸膜及び腹膜の孤立性線維性腫瘍、びまん性中皮腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、顆粒細胞腫瘍、明細胞肉腫、メラニン細胞性シュワン腫、神経細胞腫、神経芽細胞腫、神経節細胞芽腫、神経上皮腫、骨外性ユーイング肉腫、傍神経節腫、骨外性軟骨肉腫、骨外性骨肉腫、間葉細胞腫、胞巣状軟部肉腫、類上皮肉腫、腎外性ラブドイド腫瘍、線維形成性小細胞腫瘍;
骨の肉腫:例えば、骨髄腫、網状細胞肉腫、軟骨肉腫(中枢、末梢、明細胞、間葉性軟骨肉腫を含む)、骨肉腫(傍骨性、骨膜性、高悪性度表在性、小細胞、放射線誘発性骨肉腫、ページェット肉腫を含む)、ユーイング腫瘍、悪性巨細胞腫、アダマンチノーマ、(繊維性)組織球腫、線維肉腫、脊索腫、小円形細胞肉腫、血管内皮腫、血管外皮腫、骨軟骨腫、類骨骨腫、骨芽細胞腫、好酸球性肉芽腫、軟骨芽細胞腫;
中皮腫:例えば、胸膜中皮腫、腹膜中皮腫;
皮膚のがん:例えば、基底細胞癌、扁平上皮癌、メルケル細胞癌、黒色腫(皮膚、表在拡大型、悪性黒子、肢端黒子型、結節性、眼内黒色腫を含む)、日光角化症、眼瞼癌;
末梢及び中枢神経系ならびに脳の新生物:例えば、星状細胞腫(脳、小脳、びまん性、原線維性、未分化、毛様細胞性、原形質性、肥胖細胞性)、神経膠芽腫、神経膠腫、乏突起神経膠腫、乏突起星細胞腫、上衣腫、上衣芽腫、脈絡叢腫瘍、髄芽腫、髄膜腫、シュワン腫、血管芽腫、血管腫、血管外皮腫、神経腫、神経節神経腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、神経鞘腫(例えば、聴神経腫)、脊髄軸腫瘍、神経原性腫瘍(神経線維腫、神経鞘腫、悪性神経鞘腫、神経肉腫、神経節神経芽細胞腫、神経節神経腫、神経芽細胞腫、褐色細胞腫、傍神経節腫を含む)、胚細胞腫瘍(セミノーマ、奇形腫、非セミノーマを含む)、胸腺腫瘍(胸腺腫、胸腺脂肪腫、胸腺癌、胸腺カルチノイドを含む)、間葉系腫瘍(線維腫、線維肉腫、脂肪腫、脂肪肉腫、粘液腫、中皮腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、黄色肉芽腫、間葉腫、血管腫、血管内皮腫、血管外皮腫、リンパ管腫、リンパ管周囲細胞腫(lymphangiopericytoma)、リンパ管筋腫を含む);
リンパ腫及び白血病:例えば、B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)(小リンパ球性リンパ腫(SLL)、リンパ形質細胞様リンパ腫(LPL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞リンパ腫(DLCL)、バーキットリンパ腫(BL)を含む)、バーキット白血病、T細胞非ホジキンリンパ腫(未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)を含む)、リンパ芽球性T細胞リンパ腫(T-LBL)、成人T細胞リンパ腫、リンパ芽球性B細胞リンパ腫(B-LBL)、免疫細胞腫、慢性B細胞リンパ性白血病(B-CLL)、慢性T細胞リンパ球性白血病(T-CLL)、B細胞小リンパ球性リンパ腫(B-SLL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTLC)、原発性中枢神経系リンパ腫(PCNSL)、免疫芽細胞腫(immunoblastoma)、ホジキン病(HD)(結節性リンパ腫優位型HD(NLPHD)、結節性硬化症HD(NSHD)、混合細胞性HD(MCHD)、リンパ球豊富型古典的HD、リンパ球枯渇型HD(LDHD)を含む)、大顆粒リンパ球性白血病(LGL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性/骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性/リンパ芽球性白血病(ALL)、急性前骨髄性白血病(APL)、慢性リンパ球性/リンパ性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、毛細胞白血病、慢性骨髄性/骨髄性白血病(CML)、骨髄腫、形質細胞腫、多発性骨髄腫(MM)、形質細胞腫、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄性単球性白血病(CMML)、JMML(若年性骨髄単球性白血病)、分化系統不明瞭な急性白血病、骨髄増殖性新生物、芽球性形質細胞様樹状細胞新生物、初期T細胞前駆体白血病、ナチュラルキラー細胞白血病/リンパ腫、好酸球増加症を伴う骨髄性/リンパ性新生物、骨髄性肉腫、一過性骨髄異常増殖症;ならびに
原発部位不明のがん(CUP)。
体内の特定の位置/起源によって特徴付けられる上述のすべてのがん/腫瘍/癌腫は、原発腫瘍とそれに由来する転移性腫瘍の両方を含むことを意味する。
上述のすべてのがん/腫瘍/癌腫は、それらの組織病理学的分類によってさらに区別され得る。
上皮癌、例えば、扁平上皮癌(SCC)(上皮内癌、表在性浸潤性、疣贅性癌、偽肉腫、未分化、移行細胞、リンパ上皮)、腺癌(AC)(高分化型、粘液性、乳頭状、多形性巨大細胞、管、小細胞、印環細胞、紡錘細胞、明細胞、燕麦細胞、コロイド、腺扁平上皮、粘膜表皮性、腺様嚢胞癌)、粘液性嚢胞腺癌、腺房細胞癌、大細胞癌、小細胞癌、神経内分泌腫瘍(小細胞癌、傍神経節腫、カルチノイド);膨大細胞癌;ならびに
非上皮性及び間葉性癌、例えば、肉腫(線維肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、血管肉腫、巨細胞肉腫、リンパ肉腫、線維性組織球腫、脂肪肉腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、神経線維肉腫)、リンパ腫、黒色腫、胚細胞腫瘍、血液腫瘍、混合及び未分化癌。
疾患または障害は、血液癌、例えば、血液(骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病);骨髄増殖性疾患(例えば、骨髄線維症及び骨髄増殖性腫瘍形成);多発性骨髄腫;骨髄異形成症候群、ホジキン病、または非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)であり得る。
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、膵臓癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌及び神経膠芽腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、子宮内膜癌、子宮癌、乳癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(例えば、KRAS変異(例えば、KRASG12C)、STK11変異、またはKEAP1変異、またはそれらの組み合わせ)、肺扁平上皮癌、子宮頸癌、神経膠芽腫、結腸直腸癌、黒色腫、頭頸部癌(例、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、卵巣癌、前立腺癌、FGFR変異癌、肝細胞癌、肝芽腫、神経膠腫、横紋筋肉腫、膀胱癌、血液癌、膵臓癌、腎臓癌、神経内分泌癌、甲状腺腺癌、mTORC1活性の上昇を特徴とするがん、mTORC1経路変異を有するがん(例えば:STK11、PIK3CA、PTEN、mTOR、KEAP1、TSC1、またはTSC2)、MYC増幅を有するがん(例えば、MYC、MYCL、またはMYCN)、4EBP1活性の低下を特徴とするがん、及びPTEN変異を有するがんから選択される。
本開示の化合物は、一次治療、二次治療、または任意のさらなる治療の状況下で治療レジメンに使用され得る。
本発明の化合物は、上述の疾患の予防、短期または長期の治療のために、任意で放射線療法及び/または外科手術及び/または他の化合物とも組み合わせて使用され得る。
当然ながら、上記はまた、上記の疾患の治療を必要とする患者に治療有効用量を投与することによってそれを行う様々な方法における本開示の化合物の使用、ならびにそのような疾患の治療のための医薬品の製造のためのこれらの化合物の使用、ならびに本発明のそのような化合物を含む医薬組成物、ならびに本発明のそのような化合物を含む医薬品の調製及び/または製造なども含む。
追加的併用療法
いくつかの実施形態では、対象は、治療有効量の追加の治療剤を同時投与される。
例えば、治療剤は、ステロイドであり得る。したがって、いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、ステロイドを含む。好適なステロイドは、21-アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニゾン、クロベタゾール、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコート、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフプレドネート、エノキソロン、フルアザコート、フルクロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルコルチンブチル、フルコルトロン、フルオロメトロン、酢酸フルペロロン、酢酸フルプレドニデン、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、ホルモコルタール、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、エタボン酸ロテプレドノール、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、フランカルボン酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25-ジエチルアミノアセテート、プレドニゾロンリン酸ナトリウム、プレドニゾン、プレドニバル、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベネトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド、及びそれらの塩または誘導体が挙げられ得るが、これらに限定されない。
併用療法で使用され得る治療剤のさらなる例としては、以下の特許に記載されている化合物が挙げられる:米国特許第6,258,812号、同第6,630,500号、同第6,515,004号、同第6,713,485号、同第5,521,184号、同第5,770,599号、同第5,747,498号、同第5,990,141号、同第6,235,764号、及び同第8,623,885号、ならびに、国際特許出願第WO01/37820号、同第WO01/32651号、同第WO02/68406号、同第WO02/66470号、同第WO02/55501号、同第WO04/05279号、同第WO04/07481号、同第WO04/07458号、同第WO04/09784号、同第WO02/59110号、同第WO99/45009号、同第WO00/59509号、同第WO99/61422号、同第WO00/12089号、及び同第WO00/02871号。
治療剤は、がんまたはそれに関連する症状の治療に使用される生物学的製剤(例えば、サイトカイン(例えば、インターフェロンまたはIL-2などのインターロイキン))であり得る。いくつかの実施形態では、生物学的製剤は、免疫グロブリン系の生物学的製剤、例えば、モノクローナル抗体(例えば、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、Fc融合タンパク質、またはそれらの機能的断片)であり、これは標的に苦痛を与えて抗がん応答を刺激するか、またはがんにとって重要な抗原に拮抗する。また、抗体-薬剤コンジュゲートも含まれる。
治療剤は、チェックポイント阻害剤であり得る。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、阻害性抗体(例えば、モノクローナル抗体などの単一特異性抗体)である。抗体は、例えば、ヒト化または完全ヒト抗体であり得る。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、融合タンパク質、例えば、Fc受容体融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質と相互作用する抗体などの薬剤である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、チェックポイントタンパク質のリガンドと相互作用する抗体などの薬剤である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4(例えば、抗CTLA-4抗体または融合タンパク質)の阻害剤(例えば、阻害性抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-1の阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害性抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PDL-1の阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害性抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PDL-2(例えば、PDL-2/Ig融合タンパク質)の阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害性抗体またはFc融合もしくは小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリーリガンド、またはそれらの組み合わせの阻害剤またはアンタゴニスト(例えば、阻害抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、PDR001(NVS)、REGN2810(Sanofi/Regeneron)、PD-L1抗体、例えば、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、ピジリズマブ、JNJ-63723283(JNJ)、BGB-A317(BeiGene&Celgene)、またはPreusser,M.et al.(2015)Nat.Rev.Neurol.に開示されているチェックポイント阻害剤であり、イピリムマブ、トレメリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、AMP224、AMP514/MEDI0680、BMS936559、MEDl4736、MPDL3280A、MSB0010718C、BMS986016、IMP321、リリルマブ、IPH2101、1-7F9、及びKW-6002が挙げられるが、これらに限定されない。
治療剤は、がんまたはそれに関連する症状を治療する薬剤(例えば、細胞毒性剤、非ペプチド小分子、またはがんもしくはそれに関連する症状の治療に有用な他の化合物、総称して「抗がん剤」)であり得る。抗がん剤は、例えば、化学療法剤または標的療法剤であり得る。
抗がん剤には、有糸分裂阻害剤、挿入抗生物質、増殖因子阻害剤、細胞サイクル阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答改変剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、葉酸類似体、ピリミジン類似体、プリン類似体及び関連阻害剤、ビンカアルカロイド、エピポドピロトキシン、抗生物質、L-アスパラギナーゼ、トポイソメラーゼ阻害剤、インターフェロン、プラチナ配位複合体、アントラセンジオン置換尿素、メチルヒドラジン誘導体、副腎皮質抑制剤、副腎皮質ステロイド、プロゲスチン、エストロゲン、抗エストロゲン、アンドロゲン、抗アンドロゲン、及びゴナドトロピン放出ホルモン類似体が挙げられる。さらなる抗がん剤には、ロイコボリン(LV)、イレノテカン、オキサリプラチン、カペシタビン、パクリタキセル、及びドキセタキセルが挙げられる。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、2つ以上の抗がん剤を含む。2つ以上の抗がん剤は、組み合わせて投与されるか、または別個に投与されるカクテルに使用することができる。組み合わせ抗がん剤の好適な投与レジメンは、当該技術分野で既知であり、例えば、Saltz et al.,Proc.Am.Soc.Clin.Oncol.18:233a(1999)、及びDouillard et al.,Lancet 355(9209):1041-1047(2000)に記載されている。
抗がん剤の他の非限定的な例には、Gleevec(登録商標)(メシル酸イマチニブ);Kyprolis(登録商標)(カルフィルゾミブ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);Casodex(ビカルタミド);Iressa(登録商標)(ゲフィチニブ);アルキル化剤、例えば、チオテパ及びシクロホスファミド;スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、及びウレドーパ;エチレンイミン及びメチルアメラミン、例えば、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホラミド、及びトリメチローロメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン(例えば、合成類似体トポテカン);ブリオスタチン;カリスタチン;CC-1065(例えば、そのアドゼレシン、カルゼレシン、及びバイゼレシン合成類似体);クリプトフィシン(具体的には、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(例えば、合成類似体KW-2189及びCB1-TM1);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチインA;スポンギスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、及びウラシルマスタード;ニトロソウレア、例えば、カムルスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン;抗生物質、例えば、エンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、例えば、カリケアマイシンガンマll及びカリケアマイシンオメガll(例えば、Agnew,Chem.Intl.Ed Engl.33:183-186(1994)を参照);ダイネミシンAなどのダイネミシン;クロドロネートなどのビスホスホネート;エスペラミシン;ネオカルジノスタチン発色団及び関連色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オートラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、アドリアマイシン(ドキソルビシン)、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、デオキシドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU)などの抗代謝物;デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジンなどのピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フロリン酸などの葉酸補液;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジクオン;エルホミチン(elfomithine);酢酸エリプチニウム;エポチロンBなどのエポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダイニン、マイタンシン及びアンサミトシンなどのマイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメト;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;T-2毒素、ベラキュリンA、ロリジンA、及びアングイジンなどのトリコテセン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、Taxol(登録商標)(パクリタキセル)、Abraxane(登録商標)(発色団不含、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤)、及びTaxotere(登録商標)(ドキセタキセル);クロランブシル;タモキシフェン(Nolvadex(商標));ラロキシフェン;アロマターゼ阻害化4(5)-イミダゾール;4-ヒドロキシタモキシフェン;トリオキシフェン;ケオキシフェン;LY 117018;オナプリストン;トレミフェン(Fareston(登録商標));フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド、ゴセレリン;クロラムブシル;Gemzar(登録商標)ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;シスプラチン、オキサリプラチン、及びカルボプラチンなどの白金類似体;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;Navelbine(登録商標)(ビノレルビン);ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;イリノテカン(例えば、CPT-11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;エスペラミシン;カペシタビン(例えば、Xeloda(登録商標));ならびに上記のうちのいずれかの薬学的に許容される塩が挙げられる。
抗がん剤の追加の非限定的な例には、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、Taxol(登録商標)、Arimidex(登録商標)、ABVD、アビシン、アバゴボマブ、アクリジンカルボキサミド、アデカツムマブ、17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン、アルファラジン、アルボシジブ、3-アミノピリジン-2-カルボキサルデヒドチオセミカルバゾン、アモナフィド、アントラセンジオン、抗CD22免疫毒素、抗腫瘍薬(例えば、細胞サイクル非特異的抗腫瘍薬、及び本明細書に記載の他の抗腫瘍薬)、抗腫瘍性ハーブ、アパジクオン、アチプリモド、アザチオプリン、ベロテカン、ベンダムスチン、BIBW 2992、ビリコダール、ブロスタリシン、ブリオスタチン、ブチオニンスルホキシミン、CBV(化学療法)、カリキュリン、ジクロロ酢酸、ジスコーダモリド、エルサミトル、エノシタビン、エリブリン、エキサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フォロデシン、フォスフェストロール、ICE化学療法レジメン、IT-101、イメキソン、イミキモド、インドロカルバゾール、イロフルベン、ラニキダール、ラロタキセル、レナリドマイド、ルカントン、ルルトテカン、マフォスファミド、ミトゾロミド、ナフォキシジン、ネダプラチン、オラパリブ、オルタタキセル、PAC-1、ポポー、ピキサントロン、プロテアソーム阻害剤、レベッカマイシン、レシキモド、ルビテカン、SN-38、サリノスポラミドA、サパシタビン、スタンフォードV、スウェインソニン、タラポルフィン、タリキダール、テガフール-ウラシル、テモダール、テセタキセル、四硝酸トリプラチン、トリス(2-クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラムスチン、バジメザン、ビンフルニン、ZD6126、及びゾスキダルが挙げられる。
抗がん剤のさらなる非限定的な例には、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビノレルビン)、エピジポドフィロトキシン(例えば、エトポシド及びテニポシド)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、及びイダルビシン)、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、マイトマイシン、酵素(例えば、L-アスパラギンを全身的に代謝し、独自のアスパラギンを合成する能力を有しない細胞を奪うL-アスパラギナーゼ)、抗血小板剤、窒素マスタードなどの抗増殖性/抗有糸分裂性アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド及び類似体、メルファラン、ならびにクロラムブシル)、エチレンイミン及びメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラアミン及びチオテパ)、CDK阻害剤(例えば、リボシクリブ、アベマシクリブ、またはパルボシクリブなどのCDK4/6阻害剤)、セリシクリブ、UCN-01、P1446A-05、PD-0332991、ダイナシクリブ、P27-00、AT-7519、RGB286638、及びSCH727965)、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン)、ニトロ尿素(例えば、カルムスチン(BCNU)及び類似体、ならびにストレプトゾシン)、トラゼネス-ダカルバジニン(DTIC)、葉酸類似体、ピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロクスウリジン、及びシタラビン)、プリン類似体などの抗増殖性/抗有糸分裂性代謝物及び関連阻害剤(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、及び2-クロロデオキシアデノシン)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、エキセメスタン、及びレトロゾール)、及び白金配位複合体(例えば、シスプラチン及びカルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、ミトタン、アミノグルテチミド、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤(例えば、トリコスタチン、酪酸ナトリウム、アピシダン、スベロイルアニリドヒドロアミック酸、ボリノスタット、LBH 589、ロミデプシン、ACY-1215、及びパノビノスタット)、mTOR阻害剤(例えば、ビストセルチブ、テムシロリムス、エベロリムス、リダフォロリムス、及びシロリムス)、KSP(Eg5)阻害剤(例えば、Array 520)、DNA結合剤(例えば、Zalypsis(登録商標))、PI3Kデルタ阻害剤(例えば、GS-1101及びTGR-1202)などのPI3K阻害剤、PI3Kデルタ及びガンマ阻害剤(例えば、CAL-130)、コパンリシブ、アルペリシブ、及びイデラリシブ;マルチキナーゼ阻害剤(例えば、TG02及びソラフェニブ)、ホルモン(例えば、エストロゲン)、及びロイチン化ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト(例えば、ゴセレリン、ロイプロリド、及びトリプトレリン)などのホルモンアゴニスト、BAFF中和抗体(例えば、LY2127399)、IKK阻害剤、p38MAPK阻害剤、抗IL-6(例えば、CNT0328)、テロメラーゼ阻害剤(例えば、GRN 163L)、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237)、細胞表面モノクローナル抗体(例えば、抗CD38(HUMAX-CD38))、抗CS1(例えば、エロツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、17AAG及びKOS953)、P13K/Akt阻害剤(例えば、ペリホシン)、Akt阻害剤(例えば、GSK-2141795)、PKC阻害剤(例えば、エンザスタウリン)、FTI(例えば、Zarnestra(商標))、抗CD138(例えば、BT062)、Torcl/2特異的キナーゼ阻害剤(例えば、INK128)、ER/UPR標的化剤(例えば、MKC-3946)、cFMS阻害剤(例えば、ARRY-382)、JAK1/2阻害剤(例えば、CYT387)、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ及びベリパリブ(ABT-888))、及びBCL-2アンタゴニストなどの天然物が挙げられる。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)阻害剤である。例えば、Cannarile et al.,J ImmunoTherapy Cancer5:53(2017)及びXun et al.,Curr Med Chem27:3944(2020)を参照されたい。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、APX005Mなどの抗CD40抗体である。
治療剤は、抗TIGIT抗体、例えば、MBSA43、BMS-986207、MK-7684、COM902、AB154、MTIG7192A、またはOMP-313M32(エチギリマブ)であってよい。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、メクロレタミン、カンプトテシン、イホスファミド、タモキシフェン、ラロキシフェン、ゲムシタビン、Navelbine(登録商標)、ソラフェニブ、または前述のものの任意の類似体または誘導体バリアントから選択される。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、ALK阻害剤である。ALK阻害剤の非限定的な例としては、セリチニブ、TAE-684(NVP-TAE694)、PF02341066(クリゾチニブまたは1066)、アレクチニブ、ブリガチニブ、エヌトレクチニブ、エンサルチニブ(X-396)、ロルラチニブ、ASP3026、CEP-37440、4SC-203、TL-398、PLB1003、TSR-011、CT-707、TPX-0005、及びAP26113が挙げられる。ALKキナーゼ阻害剤の追加の例は、WO05016894の実施例3~39に記載されている。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、受容体チロシンキナーゼ(RTK)/増殖因子受容体の下流のメンバーの阻害剤(例えば、SHP2阻害剤(例えば、ERAS-601、SHP099、SH3809、PF-07284892、TNO155、RMC-4550、RMC-4630、JAB-3068、JAB-3312、BBP-398、RLY-1971)、Raf阻害剤、MEK阻害剤、ERK阻害剤、PI3K阻害剤、PTEN阻害剤、AKT阻害剤、またはmTOR阻害剤(例えば、mTORC1阻害剤またはmTORC2阻害剤)である。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、Ras阻害剤、(例えば、AMG510、MRTX1257、MRTX849、JNJ-74699157(ARS-3248)、LY3537982、ARS-853、ARS-1620、GDC-6036、BPI-421286、JDQ443、JAB-21000、JAB-22000、JAB-23000、JAB-21822、GH-35、ICP-915、IBI351、ERAS-3490、D-1553、RMC-6291、RMC-6236、RMC-9805もしくはRMC-8839)、または、RASワクチン、または、RASの発がん活性を直接的もしくは間接的に低下させるように設計された別の治療法である。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、RAS(ON)阻害剤である。本明細書で使用する場合、「RAS(ON)阻害剤」という用語は、GTPが結合した活性化状態のRASを標的にする、すなわち、これに選択的に結合する、または、これを選択的に阻害する(例えば、GDPが結合した不活性状態のRASよりも選択的である)阻害剤を意味する。GTPが結合した活性化状態のRASの阻害としては、例えば、GTPが結合した活性化状態のRASからの発がん性シグナル伝達の阻害が挙げられる。いくつかの実施形態では、RAS(ON)阻害剤は、GTPが結合した活性化状態のRASに選択的に結合する、及び、これを選択的に阻害する阻害剤である。特定の実施形態では、RAS(ON)阻害剤もまた、(例えば、GTPが結合した活性化状態のRASよりも、低い親和性、または阻害定数で)GDPが結合した不活性状態のRASに結合することができる、または、これを阻害することができる。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、RAS(OFF)阻害剤である。本明細書で使用する場合、「RAS(OFF)阻害剤」という用語は、GDPが結合した不活性状態のRASを標的にする、すなわち、これに選択的に結合する、またはこれを阻害する(例えば、GTPが結合した活性状態のRASに対して選択的である)阻害剤を意味する。GDPが結合した不活性状態のRASの阻害としては、例えば、GDPのGTPでの交換を阻害することによって不活性状態を隔離することで、RASの、活性なコンフォメーションの適合を阻害することが挙げられる。特定の実施形態では、RAS(OFF)阻害剤は、(例えば、GDPが結合した不活性状態のRASよりも、低い親和性、または阻害定数で)GTPが結合した活性化状態のRASにもまた結合することができる、または、これを阻害することができる。
いくつかの実施形態では、治療剤は、MAPキナーゼ(MAPK)経路の阻害剤(または「MAPK阻害剤」)である。MAPK阻害剤には、Cancers(Basel)2015 Sep;7(3):1758-1784に記載の1つ以上のMAPK阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、MAPK阻害剤は、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、コビメチニブ、LErafAON(NeoPharm)、ISIS 5132、ベムラフェニブ、ピマセルチブ、TAK733、RO4987655(CH4987655)、CI-1040、PD-0325901、CH5126766、MAP855、AZD6244、レファメチニブ(RDEA 119/BAY 86-9766)、GDC-0973/XL581、AZD8330(ARRY-424704/ARRY-704)、RO5126766(Roche、PLoS One.2014 Nov 25;9(11)に記載)、及びGSK1120212(またはJTP-74057、Clin Cancer Res.2011 Mar 1;17(5):989-1000に記載)のうちの1つ以上から選択され得る。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、RAS-RAF-ERKまたはPI3K-AKT-TORまたはPI3K-AKTシグナル伝達経路の破壊因子または阻害剤である。PI3K/AKT阻害剤には、Cancers(Basel)2015 Sep;7(3):1758-1784に記載の1つ以上のPI3K/AKT阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、PI3K/AKT阻害剤は、NVP-BEZ235、BGT226、XL765/SAR245409、SF1126、GDC-0980、PI-103、PF-04691502、PKI-587、GSK2126458のうちの1つ以上から選択され得る。
いくつかの実施形態では、抗がん剤は、PD-1またはPD-L1アンタゴニストである。
いくつかの実施形態では、追加の治療剤には、EGFR阻害剤、IGF-1R阻害剤、MEK阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、TOR阻害剤、MCL-1阻害剤、BCL-2阻害剤、SHP2阻害剤、プロテアソーム阻害剤、及び免疫療法が挙げられる。
IGF-1R阻害剤には、リンシチニブ、またはその薬学的に許容される塩が挙げられる。
EGFR阻害剤には、小分子アンタゴニスト、抗体阻害剤、または特定のアンチセンスヌクレオチドもしくはsiRNAが挙げられるが、これらに限定されない。EGFRの有用な抗体阻害剤には、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、パニツムマブ(Vectibix(登録商標))、ザルツムマブ、ニモツズマブ、及びマツズマブが挙げられる。さらなる抗体ベースのEGFR阻害剤には、その天然リガンドによるEGFR活性化を部分的または完全に遮断することができる任意の抗EGFR抗体または抗体断片が挙げられる。抗体ベースのEGFR阻害剤の非限定例としては、Modjtahedi et al.,Br.J.Cancer 1993,67:247-253;Teramoto et al.,Cancer 1996,77:639-645;Goldstein et al.,Clin.Cancer Res.1995,1:1311-1318;Huang et al.,1999,Cancer Res.15:59(8):1935-40;及びYang et al.,Cancer Res.1999,59:1236-1243に記載されているものが挙げられる。EGFR阻害剤は、モノクローナル抗体Mab E7.6.3(上記Yang,1999)、もしくはMab C225(ATCC受託番号HB-8508)、またはそれらの結合特異性を有する抗体もしくは抗体断片であり得る。
EGFRの小分子アンタゴニストには、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、及びラパチニブ(TykerB(登録商標))が挙げられる。例えば、Yan et al.,Pharmacogenetics and Pharmacogenomics In Oncology Therapeutic Antibody Development,BioTechniques 2005,39(4):565-8、及びPaez et al.,EGFR Mutations In Lung Cancer Correlation With Clinical Response To Gefitinib Therapy,Science 2004,304(5676):1497-500を参照されたい。低分子EGFR阻害剤のさらなる被限定例としては、以下の特許公報に記載されているEGFR阻害剤のいずれか、及び、このようなEGFR阻害剤のあらゆる薬学的に許容される塩が挙げられる:EP0520722;EP0566226;WO96/33980;米国特許第5,747,498号;WO96/30347;EP0787772;WO97/30034;WO97/30044;WO97/38994;WO97/49688;EP837063;WO98/02434;WO97/38983;WO95/19774;WO95/19970;WO97/13771;WO98/02437;WO98/02438;WO97/32881;DE19629652;WO98/33798;WO97/32880;WO97/32880;EP682027;WO97/02266;WO97/27199;WO98/07726;WO97/34895;WO96/31510;WO98/14449;WO98/14450;WO98/14451;WO95/09847;WO97/19065;WO98/17662;米国特許第5,789,427号;同第5,650,415号;同第5,656,643号;WO99/35146;WO99/35132;WO99/07701;及びO92/20642。小分子EGFR阻害剤の追加の非限定的な例には、Traxler et al.,Exp.Opin.Ther.Patents 1998,8(12):1599-1625に記載のEGFR阻害剤のうちのいずれかが挙げられる。いくつかの実施形態では、EGFR阻害剤は、オシメルチニブである。
MEK阻害剤には、ピマセルチブ、セルメチニブ、コビメチニブ(Cotellic(登録商標))、トラメチニブ(Mekinist(登録商標))、及びビニメチニブ(Mektovi(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、MEK阻害剤は、D67N、P124L、P124S、及びL177Vから選択されるクラスI MEK1変異であるMEK変異を標的とする。いくつかの実施形態では、MEK変異は、ΔE51-Q58、ΔF53-Q58、E203K、L177M、C121S、F53L、K57E、Q56P、及びK57Nから選択されるクラスII MEK1変異である。
PI3K阻害剤には、ワートマニン、WO06/044453に記載の17-ヒドロキシワートマニン類似体、4-[2-(1H-インダゾール-4-イル)-6-[[4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル]メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]モルホリン(ピクチリシブまたはGDC-0941としても知られ、WO09/036082及びWO09/055730に記載されている)、2-メチル-2-[4-[3-メチル-2-オキソ-8-(キノリン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル]フェニル]プロピオニトリル(BEZ 235またはNVP-BEZ 235としても知られ、WO06/122806に記載されている)、(S)-1-(4-((2-(2-アミノピリミジン-5-イル)-7-メチル-4-モルホリノチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシプロパン-1-オン(WO08/070740に記載)、LY294002(2-(4-モルホリニル)-8-フェニル-4H-1-ベンゾピラン-4-オン(Axon Medchemから入手可能)、PI 103塩酸塩(3-[4-(4-モルホリニルピリド-[3’,2’:4,5]フロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル]フェノール塩酸塩(Axon Medchemから入手可能)、PIK 75(2-メチル-5-ニトロ-2-[(6-ブロモイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)メチレン]-1-メチルヒドラジド-ベンゼンスルホン酸、一塩酸塩)(Axon Medchemから入手可能)、PIK 90(N-(7,8-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-イミダゾ[1,2-c]キナゾリン-5-イル)-ニコチンアミド(Axon Medchemから入手可能)、AS-252424(5-[1-[5-(4-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-フラン-2-イル]-メタ-(Z)-イリデン]-チアゾリジン-2,4-ジオン(Axon Medchemから入手可能)、TGX-221(7-メチル-2-(4-モルホリニル)-9-[1-(フェニルアミノ)エチル]-4H-ピリド-[1,2-a]ピリニジン-4-オン(Axon Medchemから入手可能)、XL-765、及びXL-147が挙げられるが、これらに限定されない。他のPI3K阻害剤には、デメトキシビリジン、ペリホシン、CAL101、PX-866、BEZ235、SF1126、INK1117、IPI-145、BKM120、XL147、XL765、Palomid 529、GSK1059615、ZSTK474、PWT33597、IC87114、TGI 00-115、CAL263、PI-103、GNE-477、CUDC-907、及びAEZS-136が挙げられる。
AKT阻害剤としては、Akt-1-1(Akt1を阻害する)(Barnett et al.,Biochem.J.2005,385(Pt.2):399-408);Akt-1-1,2(Ak1及び2を阻害する)(Barnett et al.,Biochem.J.2005,385(Pt.2):399-408);API-59CJ-Ome(例えば、Jin et al.,Br.J.Cancer 2004,91:1808-12);1-H-イミダゾ[4,5-c]ピリジニル化合物(例えば、WO05/011700);インドール-3-カルビノール及びその誘導体類(例えば、米国特許第6,656,963号;Sarkar and Li J Nutr.2004,134(12 Suppl):3493S-3498S);ペリホシン(例えば、Akt膜局在化に干渉する;Dasmahapatra et al.Clin.Cancer Res.2004,10(15):5242-52);ホスファチジルイノシトールエーテル脂質類似体(例えば、Gills and Dennis Expert.Opin.Investig.Drugs 2004,13:787-97);ならびに、トリシリビン(TCNまたはAPI-2またはNCI識別因子:NSC 154020;Yang et al.,Cancer Res.2004,64:4394-9)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の化合物と組み合わせて使用され得るBRAF阻害剤には、例えば、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、及びエンコラフェニブが挙げられる。BRAFは、クラス3BRAF変異を含み得る。いくつかの実施形態では、クラス3BRAF変異は、ヒトBRAFにおいて、以下のアミノ酸置換:D287H;P367R;V459L;G466V;G466E;G466A;S467L;G469E;N581S;N581I;D594N;D594G;D594A;D594H;F595L;G596D;G596R;及びA762Eの1つ以上から選択される。
プロテアソーム阻害剤には、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、及びオプロゾミブが挙げられるが、これらに限定されない。
免疫療法には、モノクローナル抗体、免疫調節イミド(IMiD)、GITRアゴニスト、遺伝子操作されたT細胞(例えば、CAR-T細胞)、二重特異性抗体(例えば、BiTE)、ならびに抗PD-1、抗PDL-1、抗CTLA4、抗LAG1、及び抗OX40剤が挙げられるが、これらに限定されない。
免疫調節剤(IMiD)は、イミド基を含有する免疫調節薬剤(免疫応答を調整する薬剤)のクラスである。IMiDクラスには、サリドマイド及びその類似体(レナリドマイド、ポマリドマイド、及びアプレミラスト)が含まれる。
例示的な抗PD-1抗体、及びそれらの使用方法は、Goldberg et al.,Blood 2007,110(1):186-192;Thompson et al.,Clin.Cancer Res.2007,13(6):1757-1761;及びWO06/121168 A1)により記載されており、加えて、本明細書の他の箇所に記載されている。
GITRアゴニストには、GITR融合タンパク質及び抗GITR抗体(例えば、二価抗GITR抗体)、例えば、米国特許第6,111,090号、同第8,586,023号、WO2010/003118、及びWO2011/090754に記載のGITR融合タンパク質、または、例えば、米国特許第7,025,962号、EP1947183、米国特許第7,812,135号、同第8,388,967号、同第8,591,886号、同第7,618,632号、EP1866339、ならびにWO2011/028683、WO2013/039954、WO05/007190、WO07/133822、WO05/055808、WO99/40196、WO01/03720、WO99/20758、WO06/083289、WO05/115451、及びWO2011/051726に記載の抗GITR抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤の別の例は、抗血管新生剤である。抗血管新生剤には、インビトロで合成的に調製された化学組成物、抗体、抗原結合領域、放射性核種、ならびにそれらの組み合わせ及びコンジュゲートが挙げられるが、これらに限定されない。抗血管新生剤は、アゴニスト、アンタゴニスト、アロステリック調節剤、毒素であり得るか、またはより一般的には、その標的を阻害もしくは刺激するように作用(例えば、受容体または酵素の活性化または阻害)し、それによって細胞死を促進するか、または細胞増殖を停止させ得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、抗血管新生剤を含む。
抗血管新生剤は、MMP-2(マトリックス-メタロプロテイナーゼ2)阻害剤、MMP-9(マトリックス-メタロプロチエナーゼ9)阻害剤、及びCOX-II(シクロオキシゲナーゼ11)阻害剤であり得る。抗血管新生剤の非限定例としては、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、ソラフェニブ、スニチニブ、及びベバシズマブが挙げられる。有用なCOX-II阻害剤の例には、アレコキシブ、バルデコキシブ、及びロフェコキシブが挙げられる。有用なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の例は、WO96/33172、WO96/27583、WO98/07697、WO98/03516、WO98/34918、WO98/34915、WO98/33768、WO98/30566、WO90/05719、WO99/52910、WO99/52889、WO99/29667、WO99007675、EP0606046、EP0780386、EP1786785、EP1181017、EP0818442、EP1004578、及びUS20090012085、ならびに米国特許第5,863,949号、及び同第5,861,510号に記載されている。好ましいMMP-2及びMMP-9阻害剤は、MMP-1を阻害する活性がほとんどないかまたは全くないものである。より好ましいのは、他のマトリックスメタロプロテイナーゼ(すなわち、MAP-1、MMP-3、MMP-4、MMP-5、MMP-6、MMP-7、MMP-8、MMP-10、MMP-11、MMP-12、及びMMP-13)と比較して、MMP-2またはAMP-9を選択的に阻害するものである。MMP阻害剤のいくつかの特定の例は、AG-3340、RO 32-3555、及びRS13-0830である。
さらなる例示的な抗血管新生剤には、KDR(キナーゼドメイン受容体)阻害剤(例えば、キナーゼドメイン受容体に特異的に結合する抗体及び抗原結合領域)、抗VEGF剤(例えば、VEGF、またはそれらの可溶性VEGF受容体もしくはリガンド結合領域に特異的に結合する抗体もしくは抗原結合領域)、例えば、VEGF-TRAP(商標)、及び抗VEGF受容体剤(例えば、それに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、EGFR阻害剤(例えば、それに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、例えば、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、抗Ang1及び抗Ang2剤(例えば、それらもしくはそれらの受容体、例えば、Tie2/Tekに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、ならびに抗Tie2キナーゼ阻害剤(例えば、それに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)が挙げられる。他の抗血管新生剤には、キャンパス、IL-8、B-FGF、Tekアンタゴニスト(US2003/0162712、US6,413,932)、抗TWEAK剤(例えば、特異的に結合する抗体もしくは抗原結合領域、または可溶性TWEAK受容体アンタゴニスト、US6,727,225を参照)、インテグリンのそのリガンドへの結合に拮抗するADAMディストインテグリンドメイン(US2002/0042368)、特異的に結合する抗eph受容体または抗エフリン抗体または抗原結合領域(米国特許第5,981,245号、同第5,728,813号、同第5,969,110号、同第6,596,852号、同第6,232,447号、同第6,057,124号、及びそれらの特許ファミリーメンバー)、及び抗PDGF-BBアンタゴニスト(例えば、特異的に結合する抗体または抗原結合領域)、ならびにPDGF-BBリガンドに特異的に結合する抗体または抗原結合領域、及びPDGFRキナーゼ阻害剤(例えば、それに特異的に結合する抗体または抗原結合領域)が挙げられる。追加の抗血管新生剤としては、SD-7784(Pfizer,USA)、シレンジタイド(Merck KGaA,Germany、EPO0770622)、ペガプタニブオクタナトリウム(Gilead Sciences,USA)、アルファスタチン(BioActa,UK)、M-PGA(Celgene,USA、US5712291)、イロマスタット(Arriva,USA、US5892112)、エマキサニブ(Pfizer,USA、US5792783)、バタラニブ(Novartis,Switzerland)、2-メトキシエストラジオール(EntreMed,USA)、TLC ELL-12(Elan,Ireland)、酢酸アネコルタブ(Alcon,USA)、アルファ-D148 Mab(Amgen,USA)、CEP-7055(Cephalon,USA)、抗Vn Mab(Crucell,Netherlands)、DAC抗血管新生剤(ConjuChem,Canada)、アンギオシジン(InKine Pharmaceutical,USA)、KM-2550(Kyowa Hakko,Japan)、SU-0879(Pfizer,USA)、CGP-79787(Novartis,Switzerland、EP0970070)、ARGENT技術(Ariad,USA)、YIGSR-ステルス(Johnson&Johnson,USA)、フィブリノーゲン-E断片(BioActa,UK)、血管新生阻害剤(Trigen,UK)、TBC-1635(Encysive Pharmaceuticals,USA)、SC-236(Pfizer,USA)、ABT-567(Abbott,USA)、メタスタチン(EntreMed,USA)、マスピン(Sosei,Japan)、2-メトキシエストラジオール(Oncology Sciences Corporation,USA)、ER-68203-00(IV AX,USA)、BeneFin(Lane Labs,USA)、Tz-93(Tsumura,Japan)、TAN-1120(Takeda,Japan)、FR-111142(Fujisawa,Japan、JP02233610)、血小板第4因子(RepliGen,USA、EP407122)、血管内皮増殖因子アンタゴニスト(Borean,Denmark)、ベバシズマブ(pINN)(Genentech,USA)、血管新生阻害剤(SUGEN,USA)、XL 784(Exelixis,USA)、XL 647(Exelixis,USA)、MAb、アルファ5ベータ3インテグリン、第2世代(Applied Molecular Evolution,USA及びMedImmune,USA)、塩酸エンザスタウリン(Lilly,USA)、CEP 7055(Cephalon,USA及びSanofi-Synthelabo,France)、BC 1(Genoa Institute of Cancer Research,Italy)、rBPI 21及びBPI由来抗血管新生剤(XOMA,USA)、PI 88(Progen,Australia)、シレンジタイド(Merck KGaA,German、Munich Technical University,Germany、Scripps Clinic and Research Foundation,USA)、AVE 8062(Ajinomoto,Japan)、AS 1404(Cancer Research Laboratory,New Zealand)、SG 292(Telios,USA)、エンドスタチン(Boston Childrens Hospital,USA)、ATN 161(Attenuon,USA)、2-メトキシエストラジオール(Boston Childrens Hospital,USA)、ZD 6474(AstraZeneca,UK)、ZD 6126(Angiogene Pharmaceuticals,UK)、PPI 2458(Praecis,USA)、AZD 9935(AstraZeneca,UK)、AZD 2171(AstraZeneca,UK)、バタラニブ(pINN)(Novartis,Switzerland及びSchering AG,Germany)、組織因子経路阻害剤(EntreMed,USA)、ペガプタニブ(Pinn)(Gilead Sciences,USA)、キサントリゾール(Yonsei University,South Korea)、ワクチン、遺伝子ベースVEGF-2(Scripps Clinic and Research Foundation,USA)、SPV5.2(Supratek,Canada)、SDX 103(University of California at San Diego,USA)、PX 478(ProlX,USA)、メタスタチン(EntreMed,USA)、トロポニンI(Harvard University,USA)、SU 6668(SUGEN,USA)、OXI 4503(OXiGENE,USA)、o-グアニジン(Dimensional Pharmaceuticals,USA)、モツポラミンC(British Columbia University,Canada)、CDP 791(Celltech Group,UK)、アチプリモド(pINN)(GlaxoSmithKline,UK)、E 7820(Eisai,Japan)、CYC 381(Harvard University,USA)、AE 941(Aeterna,Canada)、ワクチン、血管新生剤(EntreMed,USA)、ウロキナーゼ・プラスミノーゲン活性化因子阻害剤(Dendreon,USA)、オグルファニド(pINN)(Melmotte,USA)、HIF-lalfa阻害剤(Xenova,UK)、CEP 5214(Cephalon,USA)、BAY RES 2622(Bayer,Germany)、アンギオシジン(InKine,USA)、A6(Angstrom,USA)、KR 31372(Korea Research Institute of Chemical Technology,South Korea)、GW 2286(GlaxoSmithKline,UK)、EHT 0101(ExonHit, France)、CP 868596(Pfizer,USA)、CP 564959(OSI,USA)、CP 547632(Pfizer,USA)、786034(GlaxoSmithKline,UK)、KRN 633(Kirin Brewery,Japan)、薬剤送達系、眼内、2-メトキシエストラジオール、アンギネックス(Maastricht University,Netherlands及びMinnesota University,USA)、ABT 510(Abbott,USA)、AAL 993(Novartis,Switzerland)、VEGI(ProteomTech,USA)、腫瘍壊死因子-アルファ阻害剤、SU 11248(Pfizer,USA及びSUGEN,USA)、ABT 518(Abbott,USA)、YH16(Yantai Rongchang,China)、S-3APG(Boston Childrens Hospital,USA及びEntreMed,USA)、MAb、KDR(ImClone Systems,USA)、MAb、アルファ5ベータ(Protein Design,USA)、KDRキナーゼ阻害剤(Celltech Group,UK及びJohnson&Johnson,USA)、GFB 116(South Florida University,USA及びYale University,USA)、CS 706(Sankyo,Japan)、コンブレタスタチンA4プロドラッグ(Arizona State University,USA)、コンドロイチナーゼAC(IBEX,Canada)、BAY RES 2690(Bayer,Germany)、AGM 1470(Harvard University,USA、Takeda,Japan、及びTAP,USA)、AG 13925(Agouron,USA)、テトラチオモリブデート(University of Michigan,USA)、GCS 100(Wayne State University,USA)、CV 247(Ivy Medical,UK)、CKD 732(Chong Kun Dang,South Korea)、イルソグラジン(Nippon Shinyaku,Japan)、RG 13577(Aventis,France)、WX 360(Wilex,Germany)、スクアラミン(Genaera,USA)、RPI 4610(Sirna,USA)、ヘパラナーゼ阻害剤(InSight,Israel)、KL 3106(Kolon,South Korea)、ホーノキオール(Emory University,USA)、ZK CDK(Schering AG,Germany)、ZKアンギオ(Schering AG,Germany)、ZK 229561(Novartis,Switzerland及びSchering AG,Germany)、XMP 300(XOMA,USA)、VGA 1102(Taisho,Japan)、VE-カドヘリン-2アンタゴニスト(ImClone Systems,USA)、バソスタチン(National Institutes of Health,USA)、Flk-1(ImClone Systems,USA)、TZ 93(Tsumura,Japan)、タムスタチン(Beth Israel Hospital,USA)、短縮型可溶性FLT 1(血管内皮増殖因子受容体1)(Merck&Co,USA)、Tie-2リガンド(Regeneron,USA)、及びトロンボスポンジン1阻害剤(Al
legheny Health,Education and Research Foundation,USA)が挙げられる。
本発明の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤のさらなる例には、肝細胞増殖因子(HGF、スキャッター因子としても既知)のアンタゴニストなどの増殖因子の活性を特異的に結合及び阻害する剤(例えば、抗体、抗原結合領域、または可溶性受容体)、ならびにその受容体であるc-Metに特異的に結合する抗体または抗原結合領域が挙げられる。
本発明の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤の別の例は、オートファジー阻害剤である。オートファジー阻害剤には、クロロキン、3-メチルアデニン、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil(商標))、バフィロマイシンA1、5-アミノ-4-イミダゾールカルボキサミドリボシド(AICAR)、オカダ酸、2A型または1型のタンパク質ホスファターゼを阻害するオートファジー抑制藻類毒素、cAMPの類似体、ならびにアデノシン、LY204002、N6-メルカプトプリンリボシド、及びビンブラスチンなどのcAMPレベルを上昇させる薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、(オートファジーに関係する)ATG5を含むがこれらに限定されないタンパク質の発現を阻害するアンチセンスまたはsiRNAも使用され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、オートファジー阻害剤を含む。
本発明の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤の別の例は、抗悪性腫瘍剤である。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の療法は、抗悪性腫瘍剤を含む。抗悪性腫瘍剤の非限定例としては、アセマンナン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンサー(ancer)、アンセスチム、アルグラビン、三酸化ヒ素、BAM-002(Novelos)、ベキサロテン、ビカルタミド、ブロモデオキシウリジン、カペシタビン、セルモロイキン、セトロレリクス、クラドリビン、クロトリマゾール、シタラビンオクホスフェート、DA 3030(Dong-A)、ダクリズマブ、デニロイキンジフチトクス、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジラゼプ、ドセタキセル、ドコサノール、ドキセルカルシフェロール、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ブロモクリプチン、カルムスチン、シタラビン、フルオロウラシル、HITジクロフェナク、インターフェロンアルファ、ダウノルビシン、ドキソルビシン、トレチノイン、エデルホシン、エドレコロマブエフロルニチン、エミテフル、エピルビシン、エポエチンベータ、リン酸エトポシド、エキセメスタン、エクシスリンド、ファドロゾール、フィルグラスチム、フィナステリド、リン酸フルダラビン、ホルメスタン、ホテムスチン、硝酸ガリウム、ゲムシタビン、ゲムツズマブゾガマイシン、ギメラシル/オテラシル/テガフールの組み合わせ、グリコピン、ゴセレリン、ヘプタプラチン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎児アルファフェトプロテイン、イバンドロン酸、イダルビシン(イミキモド、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ、天然型、インターフェロンアルファ-2、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-NI、インターフェロンアルファ-n3、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンアルファ、天然型、インターフェロンベータ、インターフェロンベータ-la、インターフェロンベータ-lb、インターフェロンガンマ、天然型インターフェロンガンマ-la、インターフェロンガンマ-lb、インターロイキン-1ベータ、イオベングアン、イリノテカン、イルソグラジン、ランレオチド、LC9018(Yakult)、レフルノミド、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レトロゾール、白血球アルファインターフェロン、リュープロレリン、レバミゾール+フルオロウラシル、リアロゾール、ロバプラチン、ロニダミン、ロバスタチン、マソプロコール、メラルソプロール、メトクロプラミド、ミフェプリストーン、ミルテホシン、ミリモスチム、ミス対合二重鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトキサントロン、モルグラモスチム、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ニルタミド、ノスカピン、新規の赤血球生成促進タンパク質、NSC631570オクトレオチド、オプレルベキン、オサテロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸、ペガスパルガーゼ、ペグインターフェロンアルファ-2b、ペントサン、ポリ硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ピシバニール、ピラルビシン、ウサギ抗胸腺細胞ポリクローナル抗体、ポリエチレングリコールインターフェロンアルファ-2a、ポルフィマーナトリウム、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラスブリエンボディメント(RASburiembodiment)、エチドロン酸レニウムRe186、RIIレチナミド、リツキシマブ、ロムルチド、サマリウム(153Sm)レキシドロナム、サルグラモスチム、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソネルミン、塩化ストロンチウム-89、スラミン、タソネルミン、タザロテン、テガフール、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、サリドマイド、チマルファシン、甲状腺刺激ホルモンアルファ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ-ヨウ素131、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリメトレキサート、トリプトレリン、腫瘍壊死因子アルファ、天然型、ウベニメクス、膀胱癌ワクチン、丸山ワクチン、黒色腫可溶化液ワクチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビルリジン、ジノスタチンスチマラマーまたはゾレドロン酸;アバレリクス;AE941(Aeterna)、アンバムスチン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、bcl-2(Genta)、APC8015(Dendreon)、デシタビン、デキサアミノグルテチミド、ジアジコン、EL532(Elan)、EM800(Endorecherche)、エニルウラシル、エタニダゾール、フェンレチニド、フィルグラスチムSD01(Amgen)、フルベストラント、ガロシタビン、ガストリン17イムノゲン、HLA-B7遺伝子療法(Vical)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ヒスタミン二塩酸塩、イブリツモマブチウキセタン、イロマスタット、IM862(Cytran)、インターロイキン-2、イプロキシフェン、LDI200(Milkhaus)、レリジスチム、リンツズマブ、CA125MAb(Biomira)、がんMAb(Japan Pharmaceutical Development)、HER-2及びFc MAb(Medarex)、イディオタイプ105AD7 MAb(CRC Technology)、イディオタイプCEA MAb(Trilex)、LYM-1-ヨウ素131MAb(Techniclone)、多形上皮性ムチン-イットリウム90MAb(Antisoma)、マリマスタット、メノガリル、ミツモマブ、モテキサフィン、ガドリニウム、MX6(Galderma)、ネララビン、ノラトレキセド、P30タンパク質、ペグビソマント、ペメトレキセド、ポルフィロマイシン、プリノマスタット、RL0903(Shire)、ルビテカン、サトラプラチン、フェニル酢酸ナトリウム、スパルホス酸、SRL172(SR Pharma)、SU5416(SUGEN)、TA077(Tanabe)、テトラチオモリブデート、サリブラスチン、トロンボポエチン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、がんワクチン(Biomira)、黒色腫ワクチン(New York University)、黒色腫ワクチン(Sloan Kettering Institute)、黒色腫腫瘍崩壊産物ワクチン(New York Medical College)、ウイルス黒色腫細胞可溶化物ワクチン(Royal Newcastle Hospital)、またはバルスポダールが挙げられる。
本発明の化合物と組み合わせて使用され得る治療剤の追加の例には、イピリムマブ(Yervoy(登録商標));トレメリムマブ;ガリキシマブ;ニボルマブ、BMS-936558(Opdivo(登録商標))としても既知;ペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標));アベルマブ(Bavencio(登録商標));AMP224;BMS-936559;MPDL3280A、RG7446としても既知;MEDI-570;AMG557;MGA271;IMP321;BMS-663513;PF-05082566;CDX-1127;抗OX40(Providence Health Services);huMAbOX40L;アタシセプト;CP-870893;ルカツムマブ;ダセツズマブ;ムロモナブ-CD3;イピルムマブ;MEDI4736(Imfinzi(登録商標));MSB0010718C;AMP 224;アダリムマブ(Humira(登録商標));アド-トラスツズマブエムタンシン(Kadcyla(登録商標));アフリベルセプト(Eylea(登録商標));アレムツズマブ(Campath(登録商標));バシリキシマブ(Simulect(登録商標));ベリムマブ(Benlysta(登録商標));バシリキシマブ(Simulect(登録商標));ベリムマブ(Benlysta(登録商標));ブレンツキシマブベドチン(Adcetris(登録商標));カナキヌマブ(Ilaris(登録商標));セルトリズマブペゴル(Cimzia(登録商標));ダクリズマブ(Zenapax(登録商標));ダラツムマブ(Darzalex(登録商標));デノスマブ(Prolia(登録商標));エクリズマブ(Soliris(登録商標));エファリズマブ(Raptiva(登録商標));ゲムツズマブオゾガマイシン(Mylotarg(登録商標));ゴリムマブ(Simponi(登録商標));イブリツモマブチウキセタン(ゼバリン(登録商標));インフリキシマブ(Remicade(登録商標));モタビズマブ(Numax(登録商標));ナタリズマブ(Tysabri(登録商標));オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標));オファツムマブ(Arzerra(登録商標));オマリズマブ(Xolair(登録商標));パリビズマブ(Synagis(登録商標));ペルツズマブ(Perjeta(登録商標));ペルツズマブ(Perjeta(登録商標));ラニビズマブ(Lucentis(登録商標));ラキシバクマブ(Abthrax(登録商標));トシリズマブ(Actemra(登録商標));トシツモマブ;トシツモマブ-i-131;トシツモマブ及びトシツモマブ-i-131(Bexxar(登録商標));ウステキヌマブ(Stelara(登録商標));AMG 102;AMG 386;AMG 479;AMG 655;AMG 706;AMG 745;及びAMG 951が挙げられる。
いくつかの実施形態では、追加の化合物は、ABT-737、AT-7519、カルフィルゾミブ、コビメチニブ、ダヌセルチブ、ダサチニブ、ドキソルビシン、GSK-343、JQ1、MLN-7243、NVP-ADW742、パクリタキセル、パルボシクリブ、及びボラセルチブからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の化合物は、ネラチニブ、アセチニブ、及びリバーシンからなる群から選択される。
MCL-1阻害剤には、AMG-176、MIK665、及びS63845が挙げられるが、これらに限定されない。骨髄性細胞白血病-1(MCL-1)タンパク質は、B細胞リンパ腫-2(BCL-2)タンパク質ファミリーの主要な抗アポトーシスメンバーの1つである。MCL-1の過剰発現は、腫瘍の進行、ならびに従来の化学療法に対してだけでなく、ABT-263などのBCL-2阻害剤を含む標的治療薬に対する耐性と密接に関連している。
いくつかの実施形態では、効果的な併用療法は、例えば2つの薬剤を含む単一の組成物もしくは医薬製剤によって、または同時に投与される2つの異なる組成物もしくは製剤によって達成され得、1つの組成物もしくは製剤は、本明細書に記載のSOS1阻害剤を含み、1つの組成物または製剤には、本明細書に記載の二重立体型mTOR阻害剤が含み得る。あるいは、1つの剤の投与は、数分から数か月の範囲の間隔をおいて、他の剤の投与に先立って、またはその後に行われてもよい。
本明細書に記載のSOS1阻害剤が「A」であり、「B」が本明細書に記載の二重立体mTOR阻害剤を表す場合など、本明細書に記載の治療薬の様々な組み合わせを使用することができ、その非限定的な例を以下に記載する。
Figure 2024517024000119
剤を組み合わせて投与する場合、投与される剤のいずれかに毒性がある場合には、それを考慮する。必要に応じて治療サイクルが繰り返されることが予想される。
実施形態
実施形態1は、疾患または障害を有する対象を治療する方法であり、この方法は、そのような治療を必要とする対象に、
(a)治療有効量のSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体、及び
(b)治療有効量の二重立体型mTOR阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体、を投与するすることを含む。
実施形態2は、SOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体が、WO2018/115380、WO2018/172250、WO2019/122129、WO2019/201848、及びWO2021/074227に開示されるものから選択される、実施形態1に記載の方法である。
実施形態3は、SOS1阻害剤が、式(41-I)の構造を有する化合物、

Figure 2024517024000120
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、
及びQは、独立してCHまたはNであり、
、Q、及びQは、独立してCまたはNであり、Q及びQの少なくとも1つはCであり、Q、Q、及びQはすべてNではなく、
は、CH、N、NH、O、またはSであり、
は、CH、N、NH、N-C1~6アルキル、N-C1~6ヘテロアルキル、N-(3~7員シクロアルキル)、N-(3~7員ヘテロシクリル)、O、またはSであり、
、Q、Q、Q、Q、Q、及びQの少なくとも1つは、N、NH、O、またはSであり、
は、H,C1~6アルキル、ハロゲン、-NHR1a、-OR1a、シクロプロピル、及び-CNからなる群から選択され、C1~6アルキルは、任意にハロゲン、-NHR1a、または-OR1aで置換され、R1aは、H、C1~6アルキル、3~6員ヘテロシクリル、またはC1~6ハロアルキルであり、
は、結合、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NH(CH-、-S(O)-、
Figure 2024517024000121
-C(O)(CH-、-(CH-、及び-O-からなる群から選択され、oは、0、1、または2であり、pは、1~6の数であり、
は、H、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、-NR2b2c、-OR2a、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、C2~6アルケニル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールの各々は、独立して、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、-OH、-OR2a、オキソ、ハロゲン、-C(O)R2a、-C(O)OR2a、-C(O)NR2b2c、-CN、-NR2b2c、3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
2aは、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、または-(CHOCHであり、rは、1、2、または3であり、
2bは、HまたはC1~6アルキルであり、
2cは、HまたはC1~6アルキルであり、
及びRは、独立して、H、またはハロもしくは-OHで任意に置換されたC1~6アルキルであり、R及びRのうちの少なくとも1つは、Hであるか、またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒に組み合わさって、3~6員シクロアルキルを形成し、
Aは、任意に置換された6員アリール、または任意に置換された5~6員ヘテロアリールである、実施形態1に記載の方法である。
実施形態4は、SOS1阻害剤が、式(42-I)の構造を有する化合物、
Figure 2024517024000122
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、
は、CHまたはNであり、
は、CH、C、またはNであり、
各Qは、独立して、C-RまたはNであり、一方のQは、Nであり、他方のQは、C-Rであり、
各Q及びQ、独立して、C(RQC、NRQN、CO、O、S、またはSOであり、各RQCは、独立して、H、F、Cl、Br、または6~10員アリールであり、各RQNは、独立して、H、C1~6アルキル、または6~10員アリールであり、
、Q、Q、Q、及びQのうちの少なくとも1つは、N、NRQN、O、またはSOであり、
mが、0、1、2、または3であり、
nが、0、1、2、または3であり、
mが0である場合、nが、0ではなく、
は、H、C1~6アルキル、ハロゲン、-CONHR1a、-NHR1a、-OR1a、シクロプロピル、アゼチジニル、及び-CNからなる群から選択され、C1~6アルキル及びアゼチジニルの各々は、ハロゲン、R1a、-NHR1a、または-OR1aで任意に置換され、R1aは、H、C1~6アルキル、シクロプロピル、3~6員ヘテロシクリル、またはC1~6ハロアルキルであり、
は、結合、C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NH(CH-、-S(O)-、
Figure 2024517024000123
-C(O)(CH-、-(CH-及び-O-からなる群から選択され、oは、0、1、または2であり、pは、1~6の数であり、
は、H、C1~6アルキル、-NR2b2c、-OR2a、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールの各々は、独立して、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、C1~6メトキシアルキル、-OH、-OR2a、オキソ、=N、ハロゲン、-C(O)R2a、-C(O)OR2a、-C(O)NR2b2c、-SO2a、-CN、-NR2b2c、3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
2aは、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、または-(CHOCHであり、rは、1、2、または3であり、
2bは、HまたはC1~6アルキルであり、
2cは、HまたはC1~6アルキルであり、
及びRは、独立して、H、またはハロもしくは-OHで任意に置換されたC1~6アルキルであり、R及びRのうちの少なくとも1つは、Hであるか、またはR及びRは、それらが結合している原子と一緒に組み合わさって、3~6員シクロアルキルを形成し、
Aは、任意に置換された6員アリール、または任意に置換された5~6員ヘテロアリールであり、
但し、
Figure 2024517024000124
が、
Figure 2024517024000125
である場合、
は、Hではないものとする、実施形態1に記載の方法である。
実施形態5は、SOS1阻害剤が、式(48-I)の構造を有する化合物、

Figure 2024517024000126
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、
は、任意に置換された3~6員シクロアルキル、任意に置換された3~6員ヘテロシクリル、任意に置換された6員アリール、及び任意に置換された5~6員ヘテロアルキルからなる群から選択され、
は、H、C1~6アルキル、ハロゲン、-NHR2a、-OR2a、シクロプロピル、及び-CNからなる群から選択され、C1~6アルキルは、ハロゲン、-NHR2a、-OR2a、または5~6員ヘテロシクリルで任意に置換され、さらに、R2aは、H、C1~6アルキル、3~6員ヘテロシクリル、及びC1~6ハロアルキルからなる群から選択され、
は、H、C1~3アルキル、-OR3a、シクロプロピル、及び3~6員ヘテロシクリルからなる群から選択され、C1~3アルキル、シクロプロピル、及び3~6員ヘテロシクリルのそれぞれは、任意にR3aで置換され、さらに、R3aは、C1~3アルキル、ハロゲン、-OH、及び-CNからなる群から選択され、
は、結合、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NH(CH-、-NH-、-S-、-S(O)-、
Figure 2024517024000127
-(CH-、及び-O-からなる群から選択され、oは、0、1、または2であり、pは、1~6の数であり、
は、H、C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、C1~6アルキル、-R4a、-OR4a、-O-C1~6アルキル-R4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(OO)R4a、-C(O)NR4b4c、-NR4bC(O)R4c、-CN、=NR4a、-NR4b4c、-SO4a、3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
4aは、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、-C(O)NR4b4c、3~6員シクロアルキル、-OR4bで任意に置換された6~10員アリール、-CN、3~7員ヘテロシクリル、-(CHOCH、または-(CHOHであり、式中、rは、1、2、または3であり、
各R4bは、独立してH、C1~6アルキルであり、
各R4cは、独立してH、C1~6アルキルである、実施形態1に記載の方法である。
実施形態6は、SOS1阻害剤が、式(53-I)、(53-II)または(53-III)の構造を有する化合物、
Figure 2024517024000128
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、
は、NHまたはSであり、
は、CHまたはNであり、
は、CHまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CHまたはNであり、
は、CHまたはNであり、
は、任意に置換された3~6員シクロアルキル、任意に置換された3~6員ヘテロシクリル、任意に置換された6員アリール、及び任意に置換された5~6員ヘテロアルキルからなる群から選択され、
は、H、-NH-C1~6アルキル、及び-NHからなる群から選択され、
は、H、-O-C1~6アルキル、及び-O-C1~6ヘテロアルキルからなる群から選択され、
は、結合またはOであり、
は、H、C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、1つ以上のC1~6アルキル、-R4a、-OR4a、-O-C1~6アルキル-R4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(O)OR4a、-C(O)NR4b4c、-NR4bC(O)R4c、-CN、=NR4a、-NR4b4c、-SO4a、R4aで任意に置換された3~6員シクロアルキル、R4aで任意に置換された3~7員ヘテロシクリル、R4aで任意に置換された6~10員アリール、またはR4aで任意に置換された5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
4aは、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、-C(O)R4b、-C(O)NR4b4c、=O、3~6員シクロアルキル、-OR4bで任意に置換された6~10員アリール、-CN、=N-3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、-(CHOCH、または-(CHOHであり、式中、rは、1、2、または3であり、
各R4bは、独立してH、C1~6アルキルであり、
各R4cは、独立してH、C1~6アルキルである、実施形態1に記載の方法である。
実施形態7は、実施形態1の方法であり、SOS1阻害剤は、
Figure 2024517024000129
の構造を有する化合物SOS1-(A)(RMC-0331とも呼ばれる)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である。
実施形態8は、SOS1阻害剤が、化合物SOS1-(B)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である、実施形態1に記載の方法である。
実施形態9は、SOS1阻害剤が、化合物SOS1-(C)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である、実施形態1に記載の方法である。
実施形態10は、SOS1阻害剤が、

Figure 2024517024000130
の構造を有するBI-3406、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である、実施形態1に記載の方法である。
実施形態11は、SOS1阻害剤が、BI-1701963、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である、実施形態1に記載の方法である。
実施形態12は、SOS1阻害剤が、
Figure 2024517024000131
の構造を有するBAY-293、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である、実施形態1に記載の方法である。
実施形態13は、SOS1阻害剤が、SDR5またはMRTX0902、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である、実施形態1に記載の方法である。
実施形態14は、二重立体mTOR阻害剤が、WO2016/040806、WO2018/204416、WO2019/212990、及びWO2019/212991に開示されるものから選択される、実施形態1~13のいずれかに記載の方法である。
実施形態15は、二立体型mTOR阻害剤が、
Figure 2024517024000132
の構造を有する化合物RM-006(RMC-6272とも呼ばれる)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である、実施形態1~13のいずれかに記載の方法である。あるいは、実施形態15は、二立体型mTOR阻害剤が、
Figure 2024517024000133
の構造を有するRMC-5552、または、その立体異性体、互変異性体、もしくはオキセパン異性体である、実施形態1~13のいずれかに記載の方法である。
実施形態16は、二立体型mTOR阻害剤が、
Figure 2024517024000134
の構造を有する化合物RMC-5552、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である、実施形態1~13のいずれかに記載の方法である。あるいは、実施形態16は、二立体型mTOR阻害剤が、
Figure 2024517024000135
の構造を有するRMC-5552、または、その立体異性体、互変異性体、もしくはオキセパン異性体である、実施形態1~13のいずれかに記載の方法である。
実施形態17は、
(a)SOS1阻害剤が、
Figure 2024517024000136
の構造を有する化合物SOS1-(A)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、
(b)二重立体mTOR阻害剤が、
Figure 2024517024000137
の構造を有するRMC-5552、または、その立体異性体、互変異性体、もしくはオキセパン異性体である、実施形態1に記載の方法である。あるいは、実施形態17は、実施形態1の方法であり、二立体型mTOR阻害剤は、
Figure 2024517024000138
の構造を有するRMC-5552、または、その立体異性体、互変異性体、もしくはオキセパン異性体である、実施形態1に記載の方法である。
実施形態18は、
(a)SOS1阻害剤は、化合物SOS1-(C)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、
(b)二重立体mTOR阻害剤は、
Figure 2024517024000139
の構造を有するRMC-5552、または、その立体異性体、互変異性体、もしくはオキセパン異性体である、実施形態1に記載の方法である。
実施形態19は、疾患または障害が、造血系及びリンパ系の腫瘍;骨髄増殖症候群;骨髄異形成症候群;白血病;急性骨髄性白血病;若年性骨髄単球性白血病;食道癌;乳癌;肺癌;結腸癌;胃癌;神経芽細胞腫;膀胱癌;前立腺癌;膠芽腫;尿路上皮癌;子宮癌;腺様及び卵巣漿液性嚢胞腺癌;傍神経節腫;褐色細胞腫;膵臓癌;副腎皮質癌;胃腺癌;肉腫;横紋筋肉腫;リンパ腫;頭頸部癌;皮膚癌;腹膜癌;腸癌(例えば、小腸癌及び/または大腸癌);甲状腺癌;子宮内膜癌;胆道癌;軟部組織癌;卵巣癌;中枢神経系癌(例、原発性CNSリンパ腫);胃癌;下垂体癌;生殖管癌;尿路癌;唾液腺癌;子宮頸癌;肝臓癌;目の癌;副腎癌;自律神経節の癌;上部気道消化管の癌;骨癌;精巣癌;胸膜癌;腎臓癌;陰茎癌;副甲状腺癌;髄膜癌;外陰癌及び黒色腫からなる群から選択される、実施形態1~18に記載の方法である。あるいは、実施形態19は、疾患または障害が、膵臓癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌及び神経膠芽腫から選択される、実施形態1~18の方法であり得る。あるいは、実施形態19は、疾患または障害が、子宮内膜癌、子宮癌、乳癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(例えば、KRAS変異(例えば、KRASG12C)、STK11変異、またはKEAP1変異、またはそれらの組み合わせ)、肺扁平上皮癌、子宮頸癌、神経膠芽腫、結腸直腸癌、黒色腫、頭頸部癌(例、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、卵巣癌、前立腺癌、FGFR変異癌、肝細胞癌、肝芽腫、神経膠腫、横紋筋肉腫、膀胱癌、血液癌、膵臓癌、腎臓癌、神経内分泌癌、甲状腺腺癌、mTORC1活性の上昇を特徴とするがん、mTORC1経路変異を有するがん(例えば:STK11、PIK3CA、PTEN、mTOR、KEAP1、TSC1、またはTSC2)、MYC増幅を有するがん(例えば、MYC、MYCL、またはMYCN)、4EBP1活性の低下を特徴とするがん、及びPTEN変異を有するがんから選択される、実施形態1~18の方法であり得る。
実施形態20は、疾患または障害が、RAS病である、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態21は、RAS病が、神経線維腫症1型(NF1)、ヌーナン症候群(NS)、多発性黒子を伴うヌーナン症候群(NSML)、毛細血管奇形-動静脈奇形症候群(CM-AVM)、コステロ症候群(CS)、心臓・顔・皮膚症候群(CFC)、レジウス症候群、及び遺伝性歯肉線維腫症からなる群から選択される、実施形態20に記載の方法である。
実施形態22は、疾患または障害が、ヌーナン症候群またはヒョウ症候群である、実施形態21に記載の方法である。
実施形態23は、疾患または障害が、SHP2変異を有する細胞に関連した疾患または障害である、実施形態1~18のいずれか1つの方法である。
実施形態24は、SHP2変異がSHP2の活性化型を誘導する、実施形態23に記載の方法である。
実施形態25は、対象が、SHP2阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体による事前治療の後にSHP2変異を発現する、実施形態23に記載に記載の方法である。
実施形態26は、対象が、アロステリックSHP2阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体による事前治療の後にSHP2変異を発現する、実施形態23に記載に記載の方法である。
実施形態27は、SHP2阻害剤が、WO2022063190,WO2022043685,WO2022042331,WO2022033430,WO2022033430,WO2022017444,WO2022007869,WO2021259077,WO2021249449,WO2021249057,WO2021244659,WO2021218755,WO2021281752,WO2021197542,WO2021176072,WO2021149817,WO2021148010,WO2021147879,WO2021143823,WO2021143701,WO2021143680,WO2021121397,WO2021119525,WO2021115286,WO2021110796,WO2021088945,WO2021073439,WO2021061706,WO2021061515,WO2021043077,WO2021033153,WO2021028362,WO2021033153,WO2021028362,WO2021018287,WO2020259679,WO2020249079,WO2020210384,WO2020201991,WO2020181283,WO2020177653,WO2020165734,WO2020165733,WO2020165732,WO2020156243,WO2020156242,WO2020108590,WO2020104635,WO2020094104,WO2020094018,WO2020081848,WO2020073949,WO2020073945,WO2020072656,WO2020065453,WO2020065452,WO2020063760,WO2020061103,WO2020061101,WO2020033828,WO2020033286,WO2020022323,WO2019233810,WO2019213318,WO2019183367,WO2019183364,WO2019182960,WO2019167000,WO2019165073,WO2019158019,WO2019152454,WO2019051469,WO2019051084,WO2018218133,WO2018172984,WO2018160731,WO2018136265,WO2018136264,WO2018130928,WO2018129402,WO2018081091,WO2018057884,WO2018013597,WO2017216706,WO2017211303,WO2017210134,WO2017156397,WO2017100279,WO2017079723,WO2017078499,WO2016203406,WO2016203405,WO2016203404,WO2016196591,WO2016191328,WO2015107495,WO2015107494,WO2015107493,WO2014176488,WO2014113584,US20210085677,US10858359,US10934302,US10954243,US10988466,US11001561,US11033547,US11034705,US11044675,CN114213417,CN114163457,CN113896710,CN113248521,CN113248449,CN113135924,CN113024508,CN112920131,CN112823796,CN112402385,CN111848599,CN111704611,CN111265529,及びCN108113848に開示されるもの、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体(例えば、立体異性体)、プロドラッグ、もしくは互変異性体から選択され、これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる、実施形態25または実施形態26のいずれかに記載の方法である。
実施形態28は、SHP2阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体が、ERAS-601、BBP-398、RLY-1971、JAB-3068、JAB-3312、TNO155、SHP099、SH3809、PF-07284892、RMC-4550、及びRMC-4630からなる群から選択される、実施形態25または実施形態26の方法である。
実施形態29は、SHP2変異が、SHP2阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、またはアロステリックSHP2阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、または互変異性体に対する耐性を付与する、実施形態23に記載の方法である。
実施形態30は、SHP2変異が、G60V、D61G、D61V、E69K、A72S、A72T、A72V、T73I、E76A、E76G、E76K、E76Q、S189A、L262R、F285S、N308D、T468M、P491S、G503V、Q506P、T507K、S502P、T253M/Q257L、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施形態23に記載の方法である。
実施形態31は、SHP2変異が、G503Vである、実施形態30に記載の方法である。
実施形態32は、疾患または障害が、RASタンパク質関連の疾患または障害である、実施形態1に記載の方法である。
実施形態33は、RASタンパク質関連疾患または障害が、RASタンパク質変異に関連している、実施形態32に記載の方法である。
実施形態34は、RASタンパク質変異が、RASタンパク質の位置G12、G13、Q61、A146、K117、L19、Q22、V14、A59、またはそれらの組み合わせにある、実施形態33に記載の方法である。
実施形態35は、RASタンパク質変異が、G12C、G12D、G12A、G12S、G12V、G13C、G13D、Q61K、及びQ61Lからなる群から選択される、実施形態33または実施形態34に記載の方法である。
実施形態36は、RASタンパク質がKRASである、実施形態32~35のいずれか1つに記載の方法である。
本開示は、以下の実施例によってさらに説明されるが、範囲または趣旨において本開示を本明細書に記載される特定の手順に制限すると解釈してはならない。実施例は、特定の実施形態を例示するために提供されること、及びそれによって本開示の範囲に対するいかなる制限も意図されていないことを理解されたい。本開示の趣旨及び/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、それら自体を当業者に示唆し得る、様々な他の実施形態、改変、及びそれらの同等物に対する手段が取られ得ることをさらに理解されたい。
実施例で使用した細胞株
以下の表は、実施例で使用した細胞株を示している。
Figure 2024517024000140
実施例で使用される方法
NTRC方法
SynergyScreen(商標)
アッセイストックを解凍し、推奨されるATCC培地で希釈し、10%血清及び1%ペン/ストレプトマイシン(最終濃度)を補充し、384ウェルプレートに分注した。使用する細胞株に応じて、45μl培地中1ウェルあたり100~6400細胞の細胞密度を使用した。プレートの縁をリン酸緩衝生理食塩水で満たした。プレーティングされた細胞を、5%CO2の加湿雰囲気中で37℃でインキュベートした。24時間後、示された濃度の単回用量化合物を含む参照化合物希釈液5μlをプレートに添加し、これらをさらに120時間インキュベートした。t=120時間で、24μlのATPlite1Step(商標)(PerkinElmer)溶液を各ウェルに添加し、続いて2分間振盪した。暗所での5分のインキュベーション後、ルミネセンスをEnVision Multi-Label Reader(PerkinElmer)に記録した。パラレルt=0プレート上に、45μlの細胞を分注し、5%CO2の加湿雰囲気中で37℃でインキュベートした。24時間後、5μlのDMSO含有Hepes緩衝液と24μlのATPlite1Step(商標)溶液とを混合し、5分間のインキュベーション後にルミネセンスを測定した(=ルミネセンスt=0)。
データ分析
曲線及びIC50は、IDBS XLfit5を使用した非線形回帰によって計算した。t=endまでのインキュベーション後の成長率(%成長)は次のように計算した:100%x(ルミネセンスt=end/ルミネセンス未処理、t=end))。これは、4パラメーターのロジスティクス曲線によって10logの化合物濃度(conc)に当てはめた:%-成長=bottom+(top-bottom)/(1+10(logIC50-conc)*hill))ここで、hillはヒル係数であり、化合物がそのアッセイで許容する漸近的な最小及び最大の細胞増殖の下限及び上限である。
実施例1.SOS1阻害剤はインビトロでのmTOR阻害剤との併用効果を示す
この実施例では、PAN02細胞(膵臓癌、マウス)を特徴付けた。PAN02細胞株は、SHP2G503V変異を含んでいた。細胞株を、DMSO(ビヒクル)及び一定濃度(100nM)のSOS1阻害剤である化合物SOS1-(B)で処理した。細胞株を、様々な濃度のmTORC1阻害剤である化合物RM-006(RMC-6272としても知られる)で処理した。図3は、PAN02細胞において観察されたSOS1阻害剤及びmTORC1阻害剤のインビトロ併用効果を示すグラフである。単剤としてのmTORC1阻害剤の効果を黒丸で示す。100nMのSOS1阻害剤と組み合わせたmTORC1阻害剤の効果を灰色の三角で示す。組み合わせにおける見かけの効力の増加(曲線の左方向へのシフト)は、化合物間の正の相互作用を示す。データは、NTRCメソッドの実験プロトコルに従って取得した。
実施例2.SOS1阻害剤はインビトロでのmTOR阻害剤との併用効果を示す
この実施例では、SW837細胞結腸直腸癌、ヒト)を特徴付けた。SW837細胞株は、KRASG12C変異を含んでいた。細胞株を、DMSO(ビヒクル)及び一定濃度(1000nM)のSOS1阻害剤である化合物SOS1-(B)で処理した。細胞株を、様々な濃度のmTORC1阻害剤である化合物RM-006(RMC-6272としても知られる)で処理した。図4は、SW837細胞において観察されたSOS1阻害剤及びmTORC1阻害剤のインビトロ併用効果を示すグラフである。単剤としてのmTORC1阻害剤の効果を黒丸で示す。1000nM(1μM)のSOS1阻害剤と組み合わせたmTORC1阻害剤の効果を灰色の三角で示す。組み合わせにおける見かけの効力の増加(曲線の左方向へのシフト)は、化合物間の正の相互作用を示す。データは、NTRCメソッドの実験プロトコルに従って取得した。
実施例3.SOS1阻害剤はインビトロでのmTOR阻害剤との併用効果を示す
この実施例では、MIA PaCa-2細胞(膵臓癌、ヒト)を特徴付けた。MIA PaCa-2細胞株は、KRASG12C変異を含んでいた。細胞株を、DMSO(ビヒクル)及び一定濃度(10,000nM、10μM)のSOS1阻害剤である化合物SOS1-(B)で処理した。細胞株を、様々な濃度のmTORC1阻害剤である化合物RM-006(RMC-6272としても知られる)で処理した。図5は、MIA PaCa-2細胞において観察されたSOS1阻害剤及びmTORC1阻害剤のインビトロ併用効果を示すグラフである。単剤としてのmTORC1阻害剤の効果を黒丸で示す。10μMのSOS1阻害剤と組み合わせたmTORC1阻害剤の効果を灰色の三角で示す。組み合わせにおける見かけの効力の増加(曲線の左方向へのシフト)は、化合物間の正の相互作用を示す。データは、NTRCメソッドの実験プロトコルに従って取得した。
実施例4.SOS1阻害剤はインビトロでのmTOR阻害剤との併用効果を示す
この実施例では、AsPC-1細胞(膵臓癌、ヒト)を特徴付けた。AsPC-1細胞株は、KRASG12D変異を含んでいた。細胞株を、DMSO(ビヒクル)及び一定濃度(10,000nM、10μM)のSOS1阻害剤である化合物SOS1-(B)で処理した。細胞株を、様々な濃度のmTORC1阻害剤である化合物RM-006(RMC-6272としても知られる)で処理した。図6は、AsPC-1細胞において観察されたSOS1阻害剤及びmTORC1阻害剤のインビトロ併用効果を示すグラフである。単剤としてのmTORC1阻害剤の効果を黒丸で示す。10μMのSOS1阻害剤と組み合わせたmTORC1阻害剤の効果を灰色の三角で示す。組み合わせにおける見かけの効力の増加(曲線の左方向へのシフト)は、化合物間の正の相互作用を示す。データは、NTRCメソッドの実験プロトコルに従って取得した。
実施例5.SOS1阻害剤はインビトロでのmTOR阻害剤との併用効果を示す
この実施例では、HCT-15細胞(結腸直腸癌、ヒト)を特徴付けた。HCT-15細胞株は、KRASG13D変異を含んでいた。細胞株を、DMSO(ビヒクル)及び一定濃度(3300nm、3.3μM)のSOS1阻害剤である化合物SOS1-(B)で処理した。細胞株を、様々な濃度のmTORC1阻害剤である化合物RM-006(RMC-6272としても知られる)で処理した。図7は、HCT-15細胞において観察されたSOS1阻害剤及びmTORC1阻害剤のインビトロ併用効果を示すグラフである。単剤としてのmTORC1阻害剤の効果を黒丸で示す。3.3μMのSOS1阻害剤と組み合わせたmTORC1阻害剤の効果を灰色の三角で示す。組み合わせにおける見かけの効力の増加(曲線の左方向へのシフト)は、化合物間の正の相互作用を示す。データは、NTRCメソッドの実験プロトコルに従って取得した。
実施例6.SOS1阻害剤はインビトロでのmTOR阻害剤との併用効果を示す
この例では、NCI-H1355細胞(NSCLC、ヒト)を特徴付けた。NCI-H1355細胞株は、KRASG13C変異を含んでいた。細胞株を、DMSO(ビヒクル)及び一定濃度(316nM)のSOS1阻害剤である化合物SOS1-(B)で処理した。細胞株を、様々な濃度のmTORC1阻害剤である化合物RM-006(RMC-6272としても知られる)で処理した。図8は、NCI-H1355細胞において観察されたSOS1阻害剤及びmTORC1阻害剤のインビトロ併用効果を示すグラフである。単剤としてのmTORC1阻害剤の効果を黒丸で示す。316nMのSOS1阻害剤と組み合わせたmTORC1阻害剤の効果を灰色の三角で示す。組み合わせにおける見かけの効力の増加(曲線の左方向へのシフト)は、化合物間の正の相互作用を示す。データは、NTRCメソッドの実験プロトコルに従って取得した。
実施例7.SOS1阻害剤はインビボでのmTOR阻害剤との併用効果を示す
インビボでの腫瘍細胞増殖に対する化合物SOS1-(C)とRM-006(RMC-6272としても知られる)の併用効果を、雌C57BL/6Jマウス(生後6~7週間)を使用して、ネズミ膵性管腺癌PAN02PTPN11G503V同系モデルにおいて評価した。PBS(5×10細胞/マウス)中で、マウスの脇腹からPAN02腫瘍細胞を皮下移植した。腫瘍が約145mmの平均サイズに達すると、マウスを治療群に無作為化し、試験物品または対照の投与を開始した。SOS1-(C)治療は強制経口投与により毎日投与され、RM-006は腹腔内注射により毎週投与された。体重及び腫瘍体積を、(キャリパーを用いて)研究終了時まで週に2回測定した。回帰(R)は、最初の腫瘍体積から10%以上の減少として定義される。
図9Aでは、単剤化合物SOS1-(C)を、治療の最初の5日間は100mg/kgPOで毎日投与し、その後、研究の残りの期間は毎日50mg/kgPOで投与すると、88%の腫瘍増殖阻害(TGI)がもたらされ;PTPN11G503V変異を持つPAN02マウスPDACモデルにおいて、単剤RM-006を毎週3mg/kgIPで投与すると、TGIは11%となった。併用治療により、研究終了時点で腫瘍増殖が96%阻害された。併用治療は、移植後27~41日目(治療の10~24日目)では、SOS1-(C)と比較して統計的に有意であった。SOS1-(C)及び併用治療は、移植後24日(治療開始から7日後)から始まるすべての時点でビヒクル群より統計的に有意であった。(*p<0.05、**p<0.01、****p<0.0001。GraphPad Prismソフトウェアでの事後Tukey検定による多重比較とともに、腫瘍体積の2元配置分散分析によって評価)。ウォーターフォールプロット(図9B)は、移植後45日(治療28日)の個々の腫瘍応答を示し、併用群の3/10腫瘍が回帰(R)を示したが、単剤SOS1-(C)またはRM-006はこの研究のどの時点でも回帰を誘発しなかった。体重によって決定されるように、すべての治療は良好な耐容性を示した(図9C)。
実施例8.SOS1阻害剤はインビボでのmTOR阻害剤との併用効果を示す
PTPN11変異型膠芽腫のヒトモデル、LN229PTPN11A72S/WTにおける腫瘍細胞増殖に対する化合物SOS1-(C)とRM-006(RMC-6272としても知られる)の併用効果。生後6~7週の胸腺欠損ヌードマウスの側腹部に、50%マトリゲル中のLN229(10×10細胞/マウス)を皮下移植した。腫瘍が200mmの平均サイズに達すると、マウスを治療群(n=10/群)に無作為化し、試験物品または対照の投与を開始した。SOS1-(C)治療は強制経口投与により毎日投与され、RM-006は腹腔内注射により毎週投与された。体重及び腫瘍体積を、(キャリパーを用いて)研究終了時まで週に2回測定した。
図10Aでは、単剤化合物SOS1-(C)を毎日50mg/kg経口投与すると、61%の腫瘍増殖阻害(TGI)がもたらされた。単剤RM-006を毎週3mg/kgIPで投与すると、PTPN11A72S/WT変異を持つLN229ヒト神経膠芽腫CDXモデルにおいて72%のTGIがもたらされた。併用治療により、50mg/kgSOS1-(C)+3mg/kgRM-006群のTGIは89%となった。全ての治療アームは、ビヒクル対照群より統計的に有意であり、併用療法は、単剤療法群より統計的に有意である(**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001、GraphPad Prismソフトウェアでの事後Tukey検定による多重比較とともに、腫瘍体積の2元配置分散分析によって評価)。体重によって決定されるように、単剤治療処置は良好な耐容性を示した(図10B)。併用群では、10匹中1匹のマウスが、15%を超える体重減少のため、移植後45~55日目に治療を中止した。
本発明を上記の特定の実施形態と併せて説明してきたが、それらの多くの代替、修正及び他の変形が当業者には明らかであろう。そのようなすべての代替、修正及び変形は、本発明の精神及び範囲内に含まれることが意図されている。

Claims (24)

  1. 疾患または障害を有する対象を治療する方法であって、前記方法は、そのような治療を必要とする対象に、
    (a)治療有効量のSOS1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体、及び
    (b)治療有効量の二重立体型mTOR阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体、を投与するすることを含む、前記方法。
  2. 前記SOS1阻害剤が、式(48-I)の構造を有する化合物、
    Figure 2024517024000141
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、式中、
    は、任意に置換された3~6員シクロアルキル、任意に置換された3~6員ヘテロシクリル、任意に置換された6員アリール、及び任意に置換された5~6員ヘテロアルキルからなる群から選択され、
    は、H、C1~6アルキル、ハロゲン、-NHR2a、-OR2a、シクロプロピル、及び-CNからなる群から選択され、C1~6アルキルは、ハロゲン、-NHR2a、-OR2a、または5~6員ヘテロシクリルで任意に置換され、さらに、R2aは、H、C1~6アルキル、3~6員ヘテロシクリル、及びC1~6ハロアルキルからなる群から選択され、
    は、H、C1~3アルキル、-OR3a、シクロプロピル、及び3~6員ヘテロシクリルからなる群から選択され、C1~3アルキル、シクロプロピル、及び3~6員ヘテロシクリルのそれぞれは、任意にR3aで置換され、さらに、R3aは、C1~3アルキル、ハロゲン、-OH、及び-CNからなる群から選択され、
    は、結合、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NH(CH-、-NH-、-S-、-S(O)-、
    Figure 2024517024000142
    -(CH-、及び-O-からなる群から選択され、oは、0、1、または2であり、pは、1~6の数であり、
    は、H、C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され、各C1~6アルキル、3~14員シクロアルキル、3~14員シクロアルケニル、3~14員ヘテロシクリル、6~10員アリール、及び5~10員ヘテロアリールは、C1~6アルキル、-R4a、-OR4a、-O-C1~6アルキル-R4a、=O、ハロゲン、-C(O)R4a、-C(OO)R4a、-C(O)NR4b4c、-NR4bC(O)R4c、-CN、=NR4a、-NR4b4c、-SO4a、3~6員シクロアルキル、3~7員ヘテロシクリル、6~10員アリール、または5~10員ヘテロアリールで任意に置換され、
    4aは、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、-C(O)NR4b4c、3~6員シクロアルキル、-OR4bで任意に置換された6~10員アリール、-CN、3~7員ヘテロシクリル、-(CHOCH、または-(CHOHであり、式中、rは、1、2、または3であり、
    各R4bは、独立してH、C1~6アルキルであり、
    各R4cは、独立してH、C1~6アルキルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記SOS1阻害剤が、
    (R)-4-((1-(3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    (R)-4-((1-(3-(1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシエチル)フェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-モルホリノピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H))-オン;
    (R)-6-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-8-メチル-4-((1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    4-{[(1R)-1-[3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-6-(モルホリン-4-イル)-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    8-メチル-6-(モルホリン-4-イル)-4-{[(1R)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-エチル]アミノ}-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-6-(1-メタンスルホニル-3-メチルアゼチジン-3-イル)-8-メチル-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    6-(1-アセチル-4-ピペリジル)-4-[[(1R)-1-[3-アミノ-2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]アミノ]-8-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    6-(1-アセチル-4-ピペリジル)-4-[[(1R)-1-[5-アミノ-2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]アミノ]-8-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    (R)-4-((1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-(ピリダジン-4-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-(1-オキシド-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル))ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-6-(1-イミノ-1-オキシド-1,2,3,6-テトラヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-(1-(メチルイミノ)-1-オキシド-1,2,3,6-テトラヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    (R)-4-((1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-(1-オキシドテトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    4-(4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]-エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-4-ヒドロキシ-1λ-チアン-1,1-ジオン;
    4-(4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]-エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-4-フルオロ-1λ-チアン-1,1-ジオン;
    4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-6-(フェニルスルファニル)-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    6-(4-アミノオキサン-4-イル)-4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7H,8H-ピリド-[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    4-(4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]-エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-4-メトキシ-1λ-チアン-1,1-ジオン;
    6-(4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-2λ-チアスピロ[3.3]ヘプタン-2,2-ジオン;
    4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-6-(3-ヒドロキシピペリジン-4-イル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    (R)-4-((1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-6-(1-イミノ-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    1-アセチル-4-(4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ピペリジン-4-カルボニトリル;
    4-(4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]-エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチル-1λ-チアン-1,1-ジオン;
    6-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-{[(1R)-1-[2,3-ビス(ジフルオロメチル)フェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    6-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-(フルオロメチル)フェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    2-{3-[(1R)-1-{[6-(1,1-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル]アミノ}エチル]フェニル}-2,2-ジフルオロアセトニトリル;
    2-{3-[(1R)-1-{[6-(1,1-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル]アミノ}エチル]-2-フルオロフェニル}-2,2-ジフルオロアセトニトリル;
    4-(4-{[(1R)-1-[3-(2-アミノ-1,1-ジフルオロエチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-1λ-チオピラン-1,1-ジオン;
    6-(1-アセチル-4-ピペリジル)-4-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-5-(3-フルオロアゼチジン-3-イル)フェニル]エチル]アミノ]-8-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    [4-[4-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]アミノ]-8-メチル-7-オキソ-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル]-1-オキソ-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-1-イリデン]シアナミド;
    [4-[4-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ]-8-メチル-7-オキソ-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル]-1-オキソ-チアン-1-イリデン]シアナミド;
    4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-6-((1S,4s)-1-イミノ-4-メトキシ-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-6-((1R,4r)-1-イミノ-4-メトキシ-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-6-((1S,4s)-4-フルオロ-1-(メチルイミノ)-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-6-((1R,4r)-4-フルオロ-1-(メチルイミノ)-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    6-{3-アセチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル}-4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    6-(1-アセチル-4-ピペリジル)-4-[[(1R)-1-[3-[(4-シクロプロピルモルホリン-2-イル)-ジフルオロ-メチル]-2-フルオロ-フェニル]エチル]アミノ]-8-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    6-((1R,4r)-1-(シクロプロピルイミノ)-4-フルオロ-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    6-((1S,4s)-1-(シクロプロピルイミノ)-4-フルオロ-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    (1R,4r)-1-(シクロプロピルイミノ)-4-(4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-カルボニトリル1-オキシド;
    (1S,4s)-1-(シクロプロピルイミノ)-4-(4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-カルボニトリル1-オキシド;
    4-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ]-8-メチル-6-[1-(オキセタン-3-イルイミノ)-1-オキソ-チアン-4-イル]ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    4-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ]-6-[1-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]シクロプロピル]-8-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    2-[2-(ジフルオロメチル)-6-[(1R)-1-[[6-(1,1-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)-8-メチル-7-オキソ-ピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル]アミノ]エチル]フェニル]アセトニトリル;
    4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-((1R,4r)-1-(メチルイミノ)-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-((S)-1-(オキセタン-3-イルイミノ)-1-オキシド-1,2,3,6-テトラヒドロ-1λ6-チオピラン-4-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチル-6-((R)-1-(オキセタン-3-イルイミノ)-1-オキシド-1,2,3,6-テトラヒドロ-1λ6-チオピラン-4-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    4-[[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-フェニル]エチル]アミノ]-6-(1-イミノ-1-オキソ-チアン-4-イル)-8-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン;
    6-((1R,4r)-1-(シクロプロピルイミノ)-4-メトキシ-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;
    6-((1S,4s)-1-(シクロプロピルイミノ)-4-メトキシ-1-オキシドヘキサヒドロ-1λ-チオピラン-4-イル)-4-(((R)-1-(3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン;及び
    N-[3-(4-{[(1R)-1-[3-(ジフルオロメチル)-2-フルオロフェニル]エチル]アミノ}-8-メチル-7-オキソ-7H,8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル]アセトアミド;
    からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、もしくは立体異性体である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記SOS1阻害剤が、以下の表に記載の化合物からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である、請求項1に記載の方法。
    Figure 2024517024000143
    Figure 2024517024000144
    Figure 2024517024000145
    Figure 2024517024000146
    Figure 2024517024000147
    Figure 2024517024000148
    Figure 2024517024000149
    Figure 2024517024000150
    Figure 2024517024000151
    Figure 2024517024000152
    Figure 2024517024000153
    Figure 2024517024000154
    Figure 2024517024000155
    Figure 2024517024000156
    Figure 2024517024000157
    Figure 2024517024000158
    Figure 2024517024000159
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    Figure 2024517024000199
  5. 前記SOS1阻害剤が、以下の表に記載の化合物からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である、請求項1に記載の方法。
    Figure 2024517024000200
  6. 前記SOS1阻害剤が、
    Figure 2024517024000201
    の構造を有する化合物SOS1-(A)(RMC-0331とも呼ばれる)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記二重立体型mTOR阻害剤が、
    Figure 2024517024000202
    の構造を有するRM-006(RMC-6272とも呼ばれる)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記二重立体型mTOR阻害剤が、
    Figure 2024517024000203
    の構造を有するRMC-5552、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  9. (a)前記SOS1阻害剤が、
    Figure 2024517024000204
    の構造を有する化合物SOS1-(A)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体であり、
    (b)前記二重立体mTOR阻害剤が、
    Figure 2024517024000205
    の構造を有するRMC-5552、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記二重立体mTOR阻害剤が、RMC-5552、またはその立体異性体、互変異性体もしくはオキセパン異性体である、請求項8~10のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記疾患または障害が、造血系及びリンパ系の腫瘍;骨髄増殖症候群;骨髄異形成症候群;白血病;急性骨髄性白血病;若年性骨髄単球性白血病;食道癌;乳癌;肺癌;結腸癌;胃癌;神経芽細胞腫;膀胱癌;前立腺癌;膠芽腫;尿路上皮癌;子宮癌;腺様及び卵巣漿液性嚢胞腺癌;傍神経節腫;褐色細胞腫;膵臓癌;副腎皮質癌;胃腺癌;肉腫;横紋筋肉腫;リンパ腫;頭頸部癌;皮膚癌;腹膜癌;腸癌;甲状腺癌;子宮内膜癌;胆道癌;軟部組織癌;卵巣癌;中枢神経系癌;胃癌;下垂体癌;生殖管癌;尿路癌;唾液腺癌;子宮頸癌;肝臓癌;目の癌;副腎癌;自律神経節の癌;上部気道消化管の癌;骨癌;精巣癌;胸膜癌;腎臓癌;陰茎癌;副甲状腺癌;髄膜癌;外陰癌及び黒色腫からなる群から選択される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記疾患または障害が、RAS病である、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記疾患または障害が、SHP2変異を有する細胞に関連した疾患または障害である、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記SHP2変異が、SHP2の活性化型を誘導する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記対象が、SHP2阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体による事前治療の後に前記SHP2変異を発現する、請求項13記載の方法。
  16. 前記対象が、アロステリックSHP2阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体による事前治療の後に前記SHP2変異を発現する、請求項13記載の方法。
  17. 前記SHP2変異が、SHP2阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグもしくは互変異性体、またはアロステリックSHP2阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、立体異性体、プロドラッグ、または互変異性体に対する耐性を付与する、請求項13に記載の方法。
  18. 前記SHP2変異が、G60V、D61G、D61V、E69K、A72S、A72T、A72V、T73I、E76A、E76G、E76K、E76Q、S189A、L262R、F285S、N308D、T468M、P491S、G503V、Q506P、T507K、S502P、T253M/Q257L、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  19. SHP2変異がG503Vである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記疾患または障害が、RASタンパク質関連の疾患または障害である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記RASタンパク質関連疾患または障害が、RASタンパク質変異に関連している、請求項20に記載の方法。
  22. 前記RASタンパク質変異が、RASタンパク質の位置G12、G13、Q61、A146、K117、L19、Q22、V14、A59、またはそれらの組み合わせにある、請求項21に記載の方法。
  23. 前記RASタンパク質変異が、G12C、G12D、G12A、G12S、G12V、G13C、G13D、Q61K、及びQ61Lからなる群から選択される、請求項21または22に記載の方法。
  24. 前記RASタンパク質がKRASである、請求項20~23のいずれか1項に記載の方法。
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