JP2024516970A - 抗il-27抗体及びその使用 - Google Patents

抗il-27抗体及びその使用 Download PDF

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Abstract

本開示は、抗IL-27抗体及びその抗原結合部分に関する。本開示はまた、抗体またはその抗原結合部分を少なくとも約0.003mg/kg~少なくとも約20mg/kgの用量で投与することによって、がん等の疾患の1つまたは複数の症状を治療または改善するための方法にも関する。本開示は、概してIL-27シグナル伝達を調節するための組成物及び方法に関する。より詳細には、本開示は、IL-27へ結合し、IL-27シグナル伝達を調節する、免疫原性組成物(例えば抗体、抗体断片、及び同種のもの)に関する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月7日に出願された米国仮出願第US63/185,989号、2021年7月28日に出願された同第US63/203,688号、及び2021年11月8日に出願された同第US63/277,035号の利益を主張するものであり、その各々は、参照することによってそれらの全体が本明細書に援用される。
EFS-WEBを経由して電子提出された配列表への参照
電子提出された配列表(名称:4416_013PC03_Seqlisting_ST25.txt;サイズ:156,680バイト;及び作成日:2022年5月6日)の内容は、参照することによってその全体が本明細書に援用される。
本開示は、概してIL-27シグナル伝達を調節するための組成物及び方法に関する。より詳細には、本開示は、IL-27へ結合し、IL-27シグナル伝達を調節する、免疫原性組成物(例えば抗体、抗体断片、及び同種のもの)に関する。
近年、ますます多くの証拠は、免疫系が、腫瘍の形成及び進行に対する重要な障壁として作動することを示唆している。抗腫瘍の能力または活性を備えた天然に存在するT細胞が、がんの患者において存在するという原理は、腫瘍学における免疫療法アプローチの開発を合理的なものとした。免疫細胞(T細胞、マクロファージ、及びナチュラルキラー細胞等)は、抗腫瘍活性を呈し、悪性腫瘍の出現及び増殖を効果的に制御し得る。腫瘍特異的抗原または腫瘍関連抗原は、悪性腫瘍を認識し消失させるように免疫細胞を誘導し得る(Chen & Mellman,(2013)Immunity 39(1):1-10)。腫瘍特異的免疫応答が存在するにもかかわらず、悪性腫瘍は、多くの場合様々な免疫調節メカニズムを介して免疫攻撃を回避するかまたは避け、腫瘍の出現及び進行の制御の失敗をもたらす(Motz & Coukos,(2013)Immunity 39(1):61-730)。実際は、がんの新たな特徴は、これらの免疫調節メカニズムの利己的利用及び抗腫瘍免疫応答の無効化であり、免疫学的殺傷からの腫瘍の回避及び回避をもたらす(Hanahan and Weinberg(2011)Cell 144(5):646-674)。
IL-27は、2つのサブユニット(EBI3及びIL-27p28)から構成されるヘテロ二量体のサイトカインである。IL-27は、IL-12サイトカインファミリー及びIL-6サイトカインファミリーの両方に構造的に関連する。IL-27は、IL-27Rα(WSX1)及びgp130鎖からなるヘテロ二量体受容体へ結合し、当該受容体を介してシグナル伝達を媒介し、それらは、優先的にSTAT1及びSTAT3を介するシグナル伝達を媒介する。初期の報告は、CD4+T細胞の分裂増殖、Tヘルパー(Th)1細胞の分化、及びIFN-γの産生を支持し、多くの場合IL-12と協力して作用する、免疫促進サイトカインとして、IL-27を特徴づけた。後続の研究から、IL-27が複雑な免疫調節機能を提示し、使用されている生物学的コンテキスト及び実験モデルに依存して、炎症誘発効果または抗炎症効果のいずれかをもたらすことが示された。IL-27は、ヒトがん細胞において異なる免疫調節性分子の発現を駆動し、それはインビボでの免疫応答の局所的攪乱を支持し得る(Fabbi et al.,(2017)Mediators Inflamm 3958069。2017年2月1日にオンライン出版された。doi:10.1155/2017/3958069、及びその中の含有される参照文献)。
がんの治療及び管理において見られている有意な進歩にもかかわらず、がんの治療及び管理のための新規で有効な治療法についての継続的な必要性が依然としてある。
Chen & Mellman,(2013)Immunity 39(1):1-10 Motz & Coukos,(2013)Immunity 39(1):61-730 Hanahan and Weinberg(2011)Cell 144(5):646-674 Fabbi et al.,(2017)Mediators Inflamm 3958069。2017年2月1日にオンライン出版された。doi:10.1155/2017/3958069
本開示のいくつかの態様は、対象において免疫応答を刺激する方法であって、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を対象に投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分が、(i)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸37~56、(ii)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸142~164、または(iii)(i)及び(ii)の両方のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合し、抗体またはその抗原結合部分が、少なくとも約0.003mg/kg~少なくとも約20mg/kgの用量で投与される方法に関する。
本開示のいくつかの態様は、治療を必要とする対象においてがんを治療する方法であって、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を対象に投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分が、(i)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸37~56、(ii)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸142~164、または(iii)(i)及び(ii)の両方のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合し、抗体またはその抗原結合部分が、少なくとも約0.003mg/kg~少なくとも約20mg/kgの用量で投与される方法に関する。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.003mg/kg、少なくとも約0.006mg/kg、少なくとも約0.009mg/kg、少なくとも約0.03mg/kg、少なくとも約0.06mg/kg、少なくとも約0.09mg/kg、少なくとも約0.3mg/kg、少なくとも約0.6mg/kg、少なくとも約0.9mg/kg、少なくとも約1.0mg/kg、少なくとも約2mg/kg、少なくとも約3mg/kg、少なくとも約4mg/kg、少なくとも約5mg/kg、少なくとも約6mg/kg、少なくとも約7mg/kg、少なくとも約8mg/kg、少なくとも約9mg/kg、少なくとも約10mg/kg、少なくとも約11mg/kg、少なくとも約12mg/kg、少なくとも約13mg/kg、少なくとも約14mg/kg、少なくとも約15mg/kg、少なくとも約16mg/kg、少なくとも約17mg/kg、少なくとも約18mg/kg、少なくとも約19mg/kg、または少なくとも約20mg/kgの用量で投与される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、ほぼ毎週1回、約2週間ごとに1回、約3週間ごとに1回、約4週間ごとに1回、約6週間ごとに1回、約8週間ごとに1回、または約12週間ごとに1回投与される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約0.3mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約1mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約3mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約6mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約10mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約13mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約16mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約20mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、対象の細胞におけるIL-27依存性STAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、対象の細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、対象の細胞におけるPD-L1の発現を阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、対象の細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または促進する。いくつかの態様において、抗IL-27抗体は、細胞におけるTIM-3の発現を変化させる。いくつかの態様において、細胞は腫瘍細胞または免疫細胞である。
いくつかの態様において、エピトープは、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、またはGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含む。いくつかの態様において、エピトープは、配列番号2(IL-27p28)のAsp146、Arg149、及び/またはPhe153を含む。いくつかの態様において、エピトープは、配列番号2(IL-27p28)のHis150及び/またはLeu156をさらに含む。いくつかの態様において、エピトープは、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Leu142、及び/またはGlu164をさらに含む。いくつかの態様において、エピトープは、配列番号2(IL-27p28)のGlu46、Val49、Ser50、及び/またはLeu162をさらに含む。いくつかの態様において、エピトープは、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、Leu162、及びGlu164からなるかまたは本質的になる。いくつかの態様において、エピトープは、配列番号2(IL-27p28)のLeu53、Lys56、Asp143、Leu147、Arg152、Ala157、Gly159、Phe160、またはAsn161のうちの1つまたは複数のアミノ酸をさらに含む。いくつかの態様において、エピトープは、配列番号2(IL-27p28)のLeu53、Lys56、Asp143、Arg145、Leu147、Arg152、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、またはPro163のうちの1つまたは複数のアミノ酸をさらに含む。いくつかの態様において、エピトープは、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、及びGlu164からなるかまたは本質的になる。いくつかの態様において、エピトープは、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164からなるかまたは本質的になる。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、(i)軽鎖CDR1は、N-XXXXXXLFSSNXKXYXX-Cからなり、軽鎖CDR3はN-XXXASAXXX-Cからなり、重鎖CDR2はN-XXSSSXSYXYXXXXXXX-Cからなり、重鎖CDR3はN-XXXXGRTSYTATXHNXXXX-Cからなり、配列中、Xは任意のアミノ酸である。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号121または124で示される配列を含む重鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号120または123で示される配列を含む重鎖CDR2を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号119または122で示される配列を含む重鎖CDR1を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号129または132で示される配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号128または131で示される配列を含む軽鎖CDR2を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号127または130で示される配列を含む軽鎖CDR1を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、(a)配列番号119で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号120で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、及び配列番号121で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;または(b)配列番号122で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、及び配列番号124で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、(a)配列番号127で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号128で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号129で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;または(b)配列番号130で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号131で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号132で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号119で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号120で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号121で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号127で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号128で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号129で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号122で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号124で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号130で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号131で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号132で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号125で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号125で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号133で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号133で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号125で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号133で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号135で示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号139で示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号135で示されるアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号139で示されるアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
いくつかの態様において、がんは、肺癌(例えば非小細胞肺癌)、肉腫、精巣癌、卵巣癌、膵臓癌、乳癌(例えばトリプルネガティブ乳癌)、黒色腫、頭頸部癌(例えば頭頸部扁平上皮癌)、結腸直腸癌、膀胱癌、子宮内膜癌、前立腺癌、甲状腺癌、肝細胞癌(HCC)、胃癌、脳腫瘍、リンパ腫(例えばDL-BCL)、白血病(例えばAML)、腎臓癌(例えば腎細胞癌(RCC)、例えば淡明細胞型RCC及び/または非淡明細胞型RCC)、及びそれらの任意の組み合わせから選択される。
いくつかの態様において、方法は、追加の治療剤を対象に投与することをさらに含む。いくつかの態様において、追加の治療剤は、抗体またはその抗原結合部分の前、抗体またはその抗原結合部分の後、または抗体またはその抗原結合部分と同時に投与される。いくつかの態様において、追加の治療剤は、化学療法、標的化抗がん療法、腫瘍溶解性薬物、細胞傷害剤、免疫ベース療法、サイトカイン、外科的処置、放射線処置、共刺激分子の活性化物質、阻害分子の阻害物質、ワクチン、細胞免疫療法、生物薬剤、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、追加の治療剤は、PD-1アンタゴニスト、PD-L1阻害物質、TIM-3阻害物質、LAG-3阻害物質、TIGIT阻害物質、CD112R阻害物質、TAM阻害物質、STINGアゴニスト、4-1BBアゴニスト、またはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの態様において、追加の治療剤は、PD-1アンタゴニストを含む。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PDR001、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、MEDI0680、REGN2810、TSR-042、PF-06801591、及びAMP-224からなる群から選択される。いくつかの態様において、PD-L1阻害物質は、FAZ053、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、及びBMS-936559からなる群から選択される。いくつかの態様において、追加の治療剤は、スニチニブ(SUTENT(登録商標))、カボザンチニブ(CABOMETYX(登録商標))、アキシチニブ(INLYTA(登録商標))、レンバチニブ(LENVIMA(登録商標))、エベロリムス(AFINITOR(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、エパカドスタット、NKTR-214(CD-122バイアスアゴニスト)、チボザニブ(FOTIVDA(登録商標))、アベキシノスタット、イピリムマブ(YERVOY(登録商標))、トレメリムマブ、パゾパニブ(VOTRIENT(登録商標))、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標))、テムシロリムス(TORISEL(登録商標))、ラムシルマブ(CYRAMZA(登録商標))、ニラパリブ、サボリチニブ、ボロラニブ(X-82)、レゴラフェニブ(STIVARGO(登録商標))、ドナフェニブ(マルチキナーゼ阻害物質)、カムレリズマブ(SHR-1210)、ペキサスチモジン・デバシレプベク(JX-594)、ラムシルマブ(CYRAMZA(登録商標))、アパチニブ(YN968D1)、カプセル化ドキソルビシン(THERMODOX(登録商標))、チバンチニブ(ARQ197)、ADI-PEG 20、ビニメチニブ、メシル酸アパチニブ、ニンテダニブ、リリルマブ、ニボルマブ(OPDIVO(登録商標))、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標))、アテゾリズマブ(TECENTRIQ(登録商標))、アベルマブ(BAVENCIO(登録商標))、デュルバルマブ(IMFIMZI(登録商標))、セミプリマブ-rwlc(LIBTAYO(登録商標))、チスレリズマブ、及びスパルタリズマブからなる群から選択される。いくつかの態様において、追加の治療剤は、TIM-3阻害物質である。いくつかの態様において、TIM-3阻害物質は、MGB453またはTSR-022である。いくつかの態様において、追加の治療剤は、LAG-3阻害物質である。いくつかの態様において、LAG-3阻害物質は、LAG525、BMS-986016、及びTSR-033からなる群から選択される。いくつかの態様において、追加の治療剤は、TIGIT阻害物質である。いくつかの態様において、追加の治療剤は、CD112R阻害物質である。いくつかの態様において、追加の治療剤は、TAM(Axl、Mer、Tyro)阻害物質である。いくつかの態様において、追加の治療剤は、4-1BBアゴニストである。いくつかの態様において、追加の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害物質(TKI)である。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分の投与後、対象は、EBI3、IL-27、TNFα、MIP-1α(CCL3)、IFNγ、IL-10、IL-6、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つまたは複数のバイオマーカーの発現の増加を呈し、当該1つまたは複数のバイオマーカーの発現の増加は、投与前の1つまたは複数のバイオマーカーの発現と比較される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分の投与後、対象は、EBI3の発現の増加を呈し、当該EBI3の発現の増加は、投与前のEBI3の発現と比較される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分の投与後、対象は、エオタキシン-1(CCL11)、TARC(CCL17)、VEGF-A、IL-7、IL-8、MCP-1、MCP-4、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つまたは複数のバイオマーカーの発現の増加を呈し、当該1つまたは複数のバイオマーカーの発現の増加は、投与前の1つまたは複数のバイオマーカーの発現と比較される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分の投与後、対象は、エオタキシン-1(CCL11)の発現の増加を呈し、当該エオタキシン-1(CCL11)の発現の増加は、投与前のエオタキシン-1(CCL11)の発現と比較される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分の投与後、対象は、投与前のIFNγの循環濃度と比較して、IFNγの循環濃度の増加を呈する。
抗IL-27抗体の第1相用量漸増試験の概略図である。ccRCC=淡明細胞型腎細胞癌;CR=完全奏効;HCC=肝細胞癌;N=数;PR=部分奏効;pts=患者、RP2D=推奨第2相用量;2L=2次。用量レベル1=0.003mg/kg;用量レベル2=0.03mg/kg;用量レベル3=0.1mg/kg;用量レベル4=0.3mg/kg;用量レベル5=1.0mg/kg;用量レベル6=3.0mg/kg;用量レベル7=10.0mg/kg;用量レベル8=20.0mg/kg。 抗IL-27抗体の第1相用量漸増試験の概略図である。 抗IL-27抗体の第1相用量漸増試験の概略図である。 開始用量別にグループ化した試験期間及びRECIST奏効を示すスイマープロットである。 標的病変におけるベースラインからの最良変化率を示すウォーターフォールプロットである。 0.03、0.1、0.3、1、3、及び10mg/kg用量で投与した抗IL-27 Ab1の薬物動態のグラフ表示である。 抗CD-3抗体を用いてゲーティングしたT細胞のグラフ表示である。 抗pSTAT1 Y701抗体を用いてT細胞を分析し、投与前と比較したグラフ表示である。 0.1mg/kgの抗IL-27 Ab1投与前、及びサイクル2の1日目投与後までのpSTAT1阻害を示す棒グラフである。 1mg/kgの抗IL-27 Ab1投与前、及びサイクル2の1日目投与後までのpSTAT1阻害を示す棒グラフである。 A~Fは、10mg/kgに登録された、縦隔リンパ節、肺、及び胸膜への転移のある扁平上皮細胞非小細胞肺癌を有する64歳患者における標的病変(標的病変1、A~C;標的病変2、C~F;矢印)の画像である。A及びDはベースラインでの画像であり、B及びEは8週目の画像であり、C及びFは12週目の画像である。 用量漸増試験に登録された患者29名の開始用量別にグループ化した試験期間及びRECIST奏効を示すスイマープロットである。試験期間の中央値は9週間(範囲1~71週間)であった。 標的病変の経時変化を示す。標的病変におけるベースラインからの最良変化率を示すウォーターフォールプロットである(n=27)。 標的病変の経時変化を示す。ベースラインからの標的病変の経時変化を示すスパイダープロットである。 抗IL-27 Ab1単剤療法の用量漸増奏効のグラフ表示である。総標的病変の最良変化率を示すウォーターフォールプロットである。 抗IL-27 Ab1単剤療法の用量漸増奏効のグラフ表示である。病変の経時変化を示すスパイダープロットである。 抗IL-27 Ab1薬物動態プロファイルのグラフ表示である。腫瘍の種類を問わない用量レジメンごとのサイクル1の抗IL-27 Ab1 PKを示す。 抗IL-27 Ab1薬物動態プロファイルのグラフ表示である。試験の用量漸増フェーズ(混合固形腫瘍)ならびにHCC及びccRCCの拡大において、単剤療法として4週間ごとに1回投与した場合の抗IL-27 Ab1のPKを示す。 抗IL-27 Ab1のccRCC単剤療法の用量漸増奏効のグラフ表示である。総標的病変の最良変化率を示すウォーターフォールプロットである。 抗IL-27 Ab1のccRCC単剤療法の用量漸増奏効のグラフ表示である。病変の経時変化を示すスパイダープロットである。 抗IL-27 Ab1のHCC単剤療法の奏効を示すグラフ表示である。総標的病変の最良変化率を示すウォーターフォールプロットである。 抗IL-27 Ab1のHCC単剤療法の奏効を示すグラフ表示である。病変の経時変化を示すスパイダープロットである。 0.1mg/kg、1.0mg/kg、及び3.0mg/kgの抗IL-27抗体投与後の患者の血液由来T細胞におけるIL-27依存性pSTAT1阻害(y軸)と抗IL-27抗体投与後の抗IL-27抗体の対応する血清レベル(x軸)のグラフ表示である。縦点線は、阻害率90%(IC90)のIL-27依存性pSTAT1阻害が生じる抗IL27抗体の血清濃度を表す(0.7μg/ml)。 0.1mg/kgの抗IL-27抗体を28日ごとに1回反復投与した後の対象の血清中の抗IL-27抗体の薬物動態解析を示す。対象の血液由来T細胞におけるpSTAT1のIL-27依存性阻害に対してIC90を達成するのに必要な抗IL-27抗体の血清レベルが横点線で示されている。 1.0mg/kgの抗IL-27抗体を28日ごとに1回反復投与した後の対象の血清中の抗IL-27抗体の薬物動態解析を示す。対象の血液由来T細胞におけるpSTAT1のIL-27依存性阻害に対してIC90を達成するのに必要な抗IL-27抗体の血清レベルが横点線で示されている。 3.0mg/kgの抗IL-27抗体を28日ごとに1回反復投与した後の対象の血清中の抗IL-27抗体の薬物動態解析を示す。対象の血液由来T細胞におけるpSTAT1のIL-27依存性阻害に対してIC90を達成するのに必要な抗IL-27抗体の血清レベルが横点線で示されている。 Aは、種々の用量の抗IL-27 Ab1投与後に疾患の進行(PD)、疾患の安定(SD)、または部分奏効(PR)を示した患者における、C1D1投与後6時間の時点での、ベースラインに対するエオタキシン-1の倍率変化のグラフ表示である。Bは、C1D1(投与前及び投与6時間後)、C1D8、C2D1(投与前及び投与6時間後)、及びC3D1の時点にわたる、ベースラインに対するエオタキシン-1の倍率変化の縦断解析のグラフ表示である。部分奏効を示した患者のデータには「PR」と表記されている。各データセットは1名の患者を表す。 抗IL-27 Ab1単剤療法患者に関する種々の来院、時間、及び投薬量コホートでのベースラインに対するIL-27レベルの倍率変化を示す。 10mg/kgの抗IL-27 Ab1単剤療法患者に関する種々の来院及び時間コホートでのベースラインに対するIFNγ循環レベルの倍率変化を示す。 抗IL-27 Ab1を投与した患者から得たサンプルにおける、TARC(CCL17)のベースラインに対する発現倍率変化のグラフ表示である。確定部分奏効(PR;902-002)患者及び腫瘍縮小を示した疾患の安定(SD;901-008)患者に対応するデータにラベル付けしている。 抗IL-27 Ab1を投与した患者から得たサンプルにおける、VEGF-Aのベースラインに対する発現倍率変化のグラフ表示である。確定部分奏効(PR;902-002)患者及び腫瘍縮小を示した疾患の安定(SD;901-008)患者に対応するデータにラベル付けしている。 抗IL-27 Ab1を投与した患者から得たサンプルにおける、IL-7のベースラインに対する発現倍率変化のグラフ表示である。確定部分奏効(PR;902-002)患者及び腫瘍縮小を示した疾患の安定(SD;901-008)患者に対応するデータにラベル付けしている。 抗IL-27 Ab1を投与した患者から得たサンプルにおける、IL-8のベースラインに対する発現倍率変化のグラフ表示である。確定部分奏効(PR;902-002)患者及び腫瘍縮小を示した疾患の安定(SD;901-008)患者に対応するデータにラベル付けしている。 抗IL-27 Ab1を投与した患者から得たサンプルにおける、MCP-1のベースラインに対する発現倍率変化のグラフ表示である。確定部分奏効(PR;902-002)患者及び腫瘍縮小を示した疾患の安定(SD;901-008)患者に対応するデータにラベル付けしている。 抗IL-27 Ab1を投与した患者から得たサンプルにおける、MCP-4のベースラインに対する発現倍率変化のグラフ表示である。確定部分奏効(PR;902-002)患者及び腫瘍縮小を示した疾患の安定(SD;901-008)患者に対応するデータにラベル付けしている。 図17A~図17Fで特性決定した、患者の標的病変におけるベースラインからの倍率変化を示すウォーターフォールプロットである。確定部分奏効(PR;902-002)患者及び腫瘍縮小を示した疾患の安定(SD;901-008)患者に対応するデータにラベル付けしている。 上記のように、抗IL-27 Ab1を投与した患者から得たサンプル中のIL-7、TARC(CCL17)、及びVEGF-Aの縦断解析のグラフ表示である。確定部分奏効(PR;902-002)患者及び疾患の安定(SD;901-008)であるが腫瘍縮小を示した患者に対応するデータにラベル付けしている。 上記のように、抗IL-27 Ab1を投与した患者から得たサンプル中のIL-8、MCP-1、及びMCP-4の縦断解析のグラフ表示である。確定部分奏効(PR;902-002)患者及び疾患の安定(SD;901-008)であるが腫瘍縮小を示した患者に対応するデータにラベル付けしている。 個人2名からの遺伝子発現におけるIL-27誘導性変化を示す散布図である。 A~Cは、IL-27ヘテロ二量体(A)、EBI3単独(B)、またはIL-35(C)との接触後の個人2名からの遺伝子発現変化を示す散布図である。 A~Bは、CD4+ T細胞からのIL-27遺伝子シグネチャーの遺伝子セット濃縮解析を表すボルケーノプロットである。Aでは、インターフェロンシグナル伝達に関連するmRNAシグネチャーの濃縮を強調表示(灰色)している。Bでは、特徴的IFNαシグネチャー遺伝子を強調表示(灰色)している。 rhIL-27(100ng/ml)の存在下または非存在下で、インビトロで抗CD3(0.25μg/ml)により刺激したPBMCのシングルセルRNAシーケンシング解析のグラフ表示である。様々な種類の免疫細胞のクラスタリングを示している。 rhIL-27(100ng/ml)の存在下または非存在下で、インビトロで抗CD3(0.25μg/ml)により刺激したPBMCのシングルセルRNAシーケンシング解析のグラフ表示である。多くのインターフェロン刺激遺伝子が含まれた、全PBMC集団で同定されたIL-27媒介性遺伝子発現変化を示すボルケーノプロットである。 rhIL-27(100ng/ml)の存在下または非存在下で、インビトロで抗CD3(0.25μg/ml)により刺激したPBMCのシングルセルRNAシーケンシング解析のグラフ表示である。NK細胞の免疫細胞部分集団におけるIL-27シグネチャー遺伝子の下方制御及び上方制御を示すボルケーノプロットである。 rhIL-27(100ng/ml)の存在下または非存在下で、インビトロで抗CD3(0.25μg/ml)により刺激したPBMCのシングルセルRNAシーケンシング解析のグラフ表示である。CD4 T細胞の免疫細胞部分集団におけるIL-27シグネチャー遺伝子の下方制御及び上方制御を示すボルケーノプロットである。 rhIL-27(100ng/ml)の存在下または非存在下で、インビトロで抗CD3(0.25μg/ml)により刺激したPBMCのシングルセルRNAシーケンシング解析のグラフ表示である。B細胞の免疫細胞部分集団におけるIL-27シグネチャー遺伝子の下方制御及び上方制御を示すボルケーノプロットである。 rhIL-27(100ng/ml)の存在下または非存在下で、インビトロで抗CD3(0.25μg/ml)により刺激したPBMCのシングルセルRNAシーケンシング解析のグラフ表示である。単球の免疫細胞部分集団におけるIL-27シグネチャー遺伝子の下方制御及び上方制御を示すボルケーノプロットである。 rhIL-27(100ng/ml)の存在下または非存在下で、インビトロで抗CD3(0.25μg/ml)により刺激したPBMCのシングルセルRNAシーケンシング解析のグラフ表示である。CD8 T細胞の免疫細胞部分集団におけるIL-27シグネチャー遺伝子の下方制御及び上方制御を示すボルケーノプロットである。 rhIL-27(100ng/ml)の存在下または非存在下で、インビトロで抗CD3(0.25μg/ml)により刺激したPBMCのシングルセルRNAシーケンシング解析のグラフ表示である。Treg細胞の免疫細胞部分集団におけるIL-27シグネチャー遺伝子の下方制御及び上方制御を示すボルケーノプロットである。 抗CD3(0.25μg/ml)及び抗PD-1(1μg/ml)の存在下、種々のサイトカイン(100ng/ml;x軸)の存在下で4日間活性化されプールされたPBMCの培養上清中のIL-17Aの評価を示す棒グラフである。 抗CD3(0.25μg/ml)及び抗PD-1(1μg/ml)の存在下、種々のサイトカイン(100ng/ml;x軸)の存在下で4日間活性化されプールされたPBMCの培養上清中のIFN-γの評価を示す棒グラフである。 IL27発現のシングルセルRNA-seq解析に基づいた様々な種類の免疫細胞のクラスタリングを示す。 疾患の進行に関連するMF2マクロファージ遺伝子シグネチャーがいくつかのインターフェロン刺激遺伝子を含んでおり、IL27陰性に比較してIL27陽性マクロファージが高度に濃縮されていることを示す散布図である。 疾患の進行を有する患者からのマクロファージにおいて、IL27の発現が増加していることを示すグラフ表示である。 正常組織と比較した転移性腫瘍及び原発腫瘍からのマクロファージにおいて、IL27の発現が増加していることを示すグラフ表示である。 ステージIV疾患を有する患者からのマクロファージにおいて、IL27の発現が増加していることを示すグラフ表示である。 インビトロでIL-27により刺激された単球由来マクロファージのMF2シグネチャー遺伝子(灰色)を示すボルケーノプロットである。 肺腺癌(AdenoCa)のTMEにおいて、マクロファージに陽性発現を示す、組織マイクロアレイ上でのIL-27に対する免疫組織化学の画像である。 扁平上皮細胞癌(SCC)のTMEにおいて、マクロファージに陽性発現を示す、組織マイクロアレイ上でのIL-27に対する免疫組織化学の画像である。 IL27発現のシングルセルRNA-seq解析に基づいた、腫瘍微小環境における様々な種類の細胞のクラスタリングを示す。 腫瘍細胞と比較した、異なる細胞集団におけるIL27RA発現のバイオリンプロットである。 疾患の残存を有する患者または治療未経験患者からの腫瘍細胞と比較した、疾患の進行を有する患者からの腫瘍細胞におけるIL27RA発現のバイオリンプロットである。 NCI-H2228を含む様々な肺癌細胞株に関するCancer Cell Line Encyclopedia(CCLE)にわたるIL27RA mRNA転写物の発現を示す棒グラフである。 IL-27刺激後のNCI-H2228肺癌細胞におけるpSTAT1レベルを示すグラフ表示である。 IL-27刺激後のNCI-H2228肺癌細胞におけるPDL1発現を示すグラフ表示である。 IL-27の存在下または非存在下で48時間培養したNCI-H228細胞のマイクロアレイプロファイリングのグラフ表示である。いくつかのインターフェロン応答遺伝子にフラグを付けている。
本開示のいくつかの態様は、対象において免疫応答を刺激する方法であって、ヒトIL-27またはその抗原結合部分に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を対象に投与することを含む方法に関する。本開示のいくつかの態様は、治療を必要とする対象においてがんを治療する方法であって、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を対象に投与することを含む方法に関する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.003mg/kg~少なくとも約20mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、(i)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸37~56、(ii)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸142~164、または(iii)(i)及び(ii)の両方のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する。
I.定義
本特許請求の範囲及び明細書において使用される用語は、別段の定めのない限り、以下で示されるように定義される。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される時、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が別段明確に指示しない限り、複数の参照物を包含することに注目すべきである。
本明細書において使用される時、「約」は、当業者によって理解され、それが使用された文脈に依存してある程度に変動するだろう。当業者に明らかでない用語の使用があるならば、それが使用された文脈を考慮して、「約」は、特定の値のプラスまたはマイナス10%までを意味するだろう。
本明細書において使用される時、「アゴニスト」という用語は、本明細書において開示されるネイティブなポリペプチドの生物学的な活性を部分的にまたは十分に増進、誘導、増加、及び/または活性化する、任意の分子を指す。好適なアゴニスト分子としては、具体的には、アゴニスト抗体または抗体断片、ネイティブなポリペプチド、ペプチド、またはタンパク質の断片またはアミノ酸配列バリアントが挙げられる。いくつかの態様において、アゴニストの存在下における活性化は、用量依存的方式で観察される。いくつかの態様において、測定されたシグナル(例えば生物学的な活性)は、匹敵する条件下で陰性の対照により測定されたシグナルよりも、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約100%高い。本開示の方法における使用に好適なアゴニストを同定する方法も、本明細書において開示される。例えば、これらの方法としては、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、FORTE BIO(登録商標)系、及び放射免疫アッセイ(RIA)等の結合アッセイが挙げられるがこれらに限定されない。これらのアッセイは、アゴニストが関心のポリペプチド(例えば受容体またはリガンド)へ結合する能力を決定し、したがってアゴニストがポリペプチドの活性を増進、増加、または活性化する能力を示す。アゴニストの有効性は、機能性アッセイ(アゴニストがポリペプチドの機能を活性化または増進する能力等)を使用しても決定され得る。例えば、機能性アッセイは、ポリペプチドを候補アゴニスト分子と接触させること、及びポリペプチドに通常関連する1つまたは複数の生物学的活性における検出可能な変化を測定することを含み得る。アゴニストの効力は、通常そのEC50値(アゴニスト応答の50%を活性化するのに要求される濃度)によって定義される。EC50値が低いほどアゴニストの効力は大きくなり、最大の生物学的応答を活性化するのに要求される濃度は低くなる。
本明細書において使用される時、「アラニンスキャニング」という用語は、所与のタンパク質またはポリペプチドの安定性または機能(複数可)(例えば結合親和性)への特異的な野生型残基の寄与を決定するために使用される技法を指す。当該技法は、ポリペプチド中の野生型残基をアラニン残基で置換し、続いて、アラニンで置換された誘導体または突然変異体のポリペプチドの安定性または機能(複数可)(例えば結合親和性)を査定すること、及び野生型ポリペプチドに比較することを含む。ポリペプチド中の野生型残基をアラニンで置換する技法は、当技術分野において公知である。
「改善」という用語は、疾患状態(例えばがん)の治療における任意の治療的に有益な結果を指し、その予防、重症度もしくは進行の軽減、寛解、または治癒が挙げられる。
本明細書において使用される時、「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸及び合成アミノ酸、そして天然に存在するアミノ酸に類似する方式で機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣体を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝コードによってコードされるもの、そして後に修飾されたそれらのアミノ酸(例えばヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸、及びO-ホスホセリン)である。アミノ酸類似体は、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的化学構造(すなわち水素、カルボキシル基、アミノ基、及びR基へ結合されたa炭素)を有する化合物(例えばホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウム)を指す。かかる類似体は、修飾されたR基(例えばノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的化学構造を保持する。アミノ酸模倣体は、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸に類似する様式で機能する化学化合物を指す。
アミノ酸は、それらの一般的に公知である3文字記号、またはIUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨される1文字記号のいずれかによって本明細書において参照され得る。ヌクレオチドも同様に、それらの一般的に認められる1文字コードによって参照され得る。
本明細書において使用される時、「アミノ酸置換」は、第2の異なる「置き換え」のアミノ酸残基により所定のアミノ酸配列(出発のポリペプチドのアミノ酸配列)中の少なくとも1つの既存のアミノ酸残基を置き換えることを指す。「アミノ酸挿入」は、所定のアミノ酸配列への少なくとも1つの追加のアミノ酸の取り込みを指す。挿入は通常1または2のアミノ酸残基の挿入からなり得るが、より大きな「ペプチド挿入」も行うことができる(例えば約3~約5、または場合によっては約10、15、もしくは20アミノ酸残基までの挿入)。挿入された残基(複数可)は、上で開示されるように天然に存在し得るかまたは天然に存在し得ない。「アミノ酸欠失」は、所定のアミノ酸配列からの少なくとも1つのアミノ酸残基の除去を指す。
本明細書において使用される時、「量」または「レベル」という用語は、最も幅広い意味で使用され、物質(例えば代謝物質、小分子、タンパク質、mRNA、マーカー)の量、濃度、または存在量を指す。代謝物質または小分子(例えば薬物)を指す場合に、「量」、「レベル」、及び「濃度」という用語は、概して互換的に使用され、概して生物学的サンプル中の検出可能な量を指す。「上昇したレベル」または「増加したレベル」は、対照サンプル(疾患もしくは障害(例えばがん)に罹患していない個体(複数可)からのもの、または内部対照等)に比べた、サンプル内の物質の量、濃度、または存在量の増加を指す。いくつかの態様において、サンプル中の物質(例えば薬物)の上昇したレベルは、当技術分野において公知の技法(例えばHPLC)によって決定されるような、対照サンプル中の物質の量に比べて、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の物質の量の増加を指す。「低減したレベル」は、対照(疾患もしくは障害(例えばがん)に罹患していない個体(複数可)からのもの、または内部対照等)に比べた、個体における物質(例えば薬物)の量、濃度、または存在量の減少を指す。いくつかの態様において、低減したレベルは、検出可能な量、濃度、または存在量がほとんどまたはまったくない。いくつかの態様において、サンプル中の物質(例えば薬物)の低減したレベルは、当技術分野において公知の技法(例えばHPLC)によって決定されるような、対照サンプル中の物質の量に比べて、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の物質の量の減少を指す。
タンパク質、mRNA、またはマーカー(本明細書において記載されるもの等)を参照する場合に、「発現のレベル」または「発現レベル」という用語は、概して互換的に使用され、概して生物学的サンプル中のタンパク質、mRNA、またはマーカーの検出可能な量を指す。いくつかの態様において、タンパク質、mRNA、またはマーカーの検出可能な量または検出可能なレベルは、薬剤(本明細書において記載されるもの等)への応答の尤度に関連する。「発現」は、概して遺伝子内に含有される情報が、細胞中に存在し作動する構造(例えばPD-L1等のタンパク質マーカー)へと変換されるプロセスを指す。したがって本明細書において使用される時、「発現」は、ポリヌクレオチドへの転写、ポリペプチドへの翻訳、あるいは場合によってはポリヌクレオチド及び/またはポリペプチドの修飾(例えばポリペプチドの翻訳後修飾)指し得る。転写されたポリヌクレオチド、翻訳されたポリペプチド、あるいはポリヌクレオチド及び/またはポリペプチドの修飾(例えばポリペプチドの翻訳後修飾)の断片も、それらが、オルタナティブスプライシングによって生成された転写物もしくは分解された転写物から、または例えばタンパク質分解によるポリペプチドの翻訳後プロセシングから生じるかどうかにかかわらず、発現されたとして見なされるだろう。「発現された遺伝子」としては、mRNAとしてポリヌクレオチドへと転写され、次いでポリペプチドへと翻訳されるもの、及びさらにRNAへと転写されるが、ポリペプチドへと翻訳されないもの(例えばトランスファー及びリボソームRNA)が挙げられる。「上昇した発現」、「上昇した発現レベル」、または「上昇したレベル」は、対照サンプル(疾患もしくは障害(例えばがん)に罹患していない個体(複数可)、または内部対照等)に比べた、サンプル内の物質の発現の増加またはレベルの増加を指す。いくつかの態様において、サンプル中の物質(例えばPD-L1等のタンパク質マーカー)の上昇した発現は、当技術分野において公知の技法(例えばFACS)によって決定されるような、対照サンプル中の物質の量に比べて、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の物質の量の増加を指す。「低減した発現」、「低減した発現レベル」、または「低減したレベル」は、対照(疾患もしくは障害(例えばがん)に罹患していない個体(複数可)、または内部対照等)に比べた、個体における物質(例えばタンパク質マーカー)の発現の減少またはレベルの減少を指す。いくつかの態様において、低減した発現は、発現がほとんどまたはまったくない。いくつかの態様において、サンプル中の物質(例えばタンパク質マーカー)の低減した発現は、当技術分野において公知の技法(例えばFACS)によって決定されるような、対照サンプル中の物質の量に比べて、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の物質の量の減少を指す。
本明細書において使用される時、「血管形成」または「血管新生」という用語は、新しい血管が既存の血管から発生するプロセスを指す(Varner et al.,(1999)Angiogen.3:53-60;Mousa et al.,(2000)Angiogen.Stim.Inhib.35:42-44;Kim et al.,(2000)Amer.J.Path.156:1345-1362;Kim et al.,(2000)J.Biol.Chem.275:33920-33928;Kumar et al.(2000)Angiogenesis:From Molecular to Integrative Pharm.169-180)。既存の血管からまたは循環内皮幹細胞からの内皮細胞(Takahashi et al.,(1995)Nat.Med.5:434-438;Isner et al.,(1999)J.Clin.Invest.103:1231-1236)は、増殖因子もしくはホルモンによるキュー、または低酸素もしくは虚血性の条件に応答して、移動し、分裂増殖し、管腔を備えた構造へと分化して、新しい血管を形成するように活性化されるようになる。虚血(がんにおいて起こる等)の間に、酸素供給及び栄養物質の送達を増加させる必要性は、影響を受けた組織による血管形成因子の分泌を明らかに誘導し、これらの因子は新しい血管形成を刺激する。複数の追加の用語は血管形成に関する。
「アンタゴニスト」という用語は、本明細書において使用される時、標的分子の阻害物質を指し、「阻害物質」という用語と同義的に本明細書において使用され得る。本明細書において使用される時、「アンタゴニスト」という用語は、本明細書において開示されるネイティブなポリペプチドの生物学的活性を部分的にまたは十分にブロック、阻害、または中和する任意の分子を指す。好適なアンタゴニスト分子としては、具体的には、アンタゴニスト抗体または抗体断片、ネイティブなポリペプチド、ペプチド、またはタンパク質の断片またはアミノ酸配列バリアントが挙げられる。いくつかの態様において、アンタゴニストの存在下における阻害は、用量依存的方式で観察される。いくつかの態様において、測定されたシグナル(例えば生物学的な活性)は、匹敵する条件下で陰性の対照により測定されたシグナルよりも、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約100%低い。本開示の方法における使用に好適なアンタゴニストを同定する方法も、本明細書において開示される。例えば、これらの方法としては、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ForteBio(登録商標)系、放射免疫アッセイ(RIA)、Meso Scale Discoveryアッセイ(例えばMeso Scale Discovery Electrochemiluminescence(MSD-ECL))、及びビーズベースのLuminex(登録商標)アッセイ等の結合アッセイが挙げられるがこれらに限定されない。これらのアッセイは、アンタゴニストが関心のポリペプチド(例えば受容体またはリガンド)へ結合する能力を決定し、したがってアンタゴニストがポリペプチドの活性を阻害、中和、またはブロックする能力を示す。アンタゴニストの有効性は、機能性アッセイ(アンタゴニストがポリペプチドの機能を阻害する能力等)を使用しても決定され得る。例えば、機能性アッセイは、ポリペプチドを候補アンタゴニスト分子と接触させること、及びポリペプチドに通常関連する1つまたは複数の生物学的活性における検出可能な変化を測定することを含み得る。アンタゴニストの効力は、通常そのIC50値(アゴニスト応答の50%を阻害するのに要求される濃度)によって定義される。IC50値が低いほどアンタゴニストの効力は大きくなり、最大の生物学的応答を阻害するのに要求される濃度は低くなる。
本明細書において使用される時、「ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分」という語句は、ヒトIL-27の少なくとも1つの当技術分野で認められている活性(例えばIL-27生物学的活性及び/またはIL-27シグナル伝達によって媒介される下流経路(複数可)、あるいは他のIL-27媒介性機能)に拮抗し、例えば少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上のヒトIL-27活性の減少(または低減)に関する抗体を指す。IL-27生物学的活性及び/またはIL-27シグナル伝達によって媒介される下流経路(複数可)、あるいは他のIL-27媒介性機能の追加の例は、以下及び本明細書の他の箇所での追加で詳細に記載される。
本明細書において使用される時、「抗IL-27アンタゴニスト抗体」という用語(互換的に称された「抗IL-27抗体」)は、IL-27へ特異的に結合し、IL-27生物学的活性及び/またはIL-27シグナル伝達によって媒介される下流経路(複数可)、あるいは他のIL-27媒介性機能を阻害する抗体を指す。抗IL-27アンタゴニスト抗体は、IL-27シグナル伝達または機能(IL-27またはその代謝物質への受容体結合及び/またはそれらへの細胞応答の惹起等)によって媒介される下流経路を包含する、IL-27の生物学的活性(例えばリガンド結合、酵素活性)を、ブロック、拮抗、抑制、阻害、または低減する抗体を網羅する。いくつかの態様において、本開示によって提供される抗IL-27アンタゴニスト抗体は、ヒトIL-27へ結合し、その同族もしくは正常な受容体(例えばIL-27受容体)、または1つもしくは複数の受容体サブユニット(例えばgp130及び/またはIL-27Rα(WSX1/TCCRとしても公知である))へのヒトIL-27の結合を防止、ブロック、または阻害する。いくつかの態様において、抗IL-27アンタゴニスト抗体は、gp130へのヒトIL-27の結合を、防止、ブロック、または阻害する。いくつかの態様において、抗IL-27アンタゴニスト抗体は、IL-27RαへのヒトIL-27の結合を、防止、ブロック、または阻害する。いくつかの態様において、抗IL-27アンタゴニスト抗体は、IL-27単量体の二量体化を、防止、ブロック、または阻害する。いくつかの態様において、抗IL-27抗体は、EBI3単量体へ特異的に結合しない。いくつかの態様において、抗IL-27抗体は、IL-27p28単量体へ特異的に結合する。いくつかの態様において、抗IL-27抗体は、P28を含む非連続のエピトープへ特異的に結合するが、EBI3単量体へ結合しない。いくつかの態様において、抗IL-27抗体は、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3のリン酸化を阻害または低減する。いくつかの態様において、抗IL-27抗体は、細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低減する(例えば細胞におけるCD161発現のIL-27媒介性阻害を改善または軽減する)。いくつかの態様において、抗IL-27抗体は、細胞におけるPD-L1の発現を阻害または低減する。いくつかの態様において、抗IL-27は、細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または促進する。いくつかの態様において、抗IL-27抗体は、細胞におけるTIM-3の発現を変化させる。いくつかの態様において、抗IL-27アンタゴニスト抗体は、ヒトIL-27へ結合し、抗腫瘍応答を刺激または促進する。いくつかの態様において、抗IL-27アンタゴニスト抗体は、15nM以下の親和性でヒトIL-27へ結合する。いくつかの態様において、抗IL-27アンタゴニスト抗体は、ヒトIL-27へ結合し、野生型もしくは突然変異体のIgG1重鎖定常領域、または野生型もしくは突然変異体のIgG4重鎖定常領域を含む。抗IL-27アンタゴニスト抗体の例は、本明細書において提供される。
本明細書において使用される時、「抗体」という用語は、2つの軽鎖ポリペプチド及び2つの重鎖ポリペプチドを含む完全な抗体を指す。完全な抗体としては、IgM抗体、IgG抗体、IgA抗体、IgD抗体、及びIgE抗体を包含する異なる抗体アイソタイプが挙げられる。「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ化抗体またはキメラ抗体、ヒト化抗体、霊長動物化抗体、脱免疫化抗体、及び完全ヒト抗体を包含する。抗体は、様々な種(例えばヒト、非ヒト霊長動物(例えばオランウータン、ヒヒ、またはチンパンジー)、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、アレチネズミ、ハムスター、ラット、及びマウス等の哺乳動物)のうちの任意のものにおいて作製され得るか、またはそれらに由来し得る。抗体は、精製抗体または組み換え抗体であり得る。本明細書において使用される時、「抗体断片」、「抗原結合断片」という用語、または類似する用語は、標的抗原(例えばIL-27)へ結合し、標的抗原の活性を阻害する能力を保持する、抗体の断片を指す。かかる断片としては、例えば一本鎖抗体、一本鎖Fv断片(scFv)、Fd断片、Fab断片、Fab’フラグメント、またはF(ab’)断片が挙げられる。scFv断片は、scFvが由来する抗体の重鎖及び軽鎖の両方の可変領域を含む単一ポリペプチド鎖である。加えて、イントラボディ、ミニボディ、トリアボディ、及びダイアボディも抗体の定義中に包含され、本明細書において記載される方法における使用に適合性がある。例えばTodorovska et al.,(2001)J.Immunol.Methods 248(1):47-66;Hudson and Kortt,(1999)J.Immunol.Methods 231(1):177-189;Poljak,(1994)Structure 2(12):1121-1123;Rondon and Marasco,(1997)Annu.Rev.Microbiol.51:257-283(それらの各々の開示は、参照することによってそれらの全体が本明細書に援用される)を参照されたい。
本明細書において使用される時、「抗体断片」という用語は、例えば単一ドメイン抗体(ラクダ化単一ドメイン抗体等)も包含する。例えばMuyldermans et al.,(2001)Trends Biochem.Sci.26:230-235;Nuttall et al.,(2000)Curr.Pharm.Biotech.1:253-263;Reichmann et al.,(1999)J.Immunol.Meth.231:25-38;PCT出願公開第WO94/04678号及び同第WO94/25591号;及び米国特許第6,005,079号(それらのすべては、参照することによってそれらの全体が本明細書に援用される)を参照されたい。いくつかの態様において、本開示は、単一ドメイン抗体が形成されるように、修飾の有る2つのVHドメインを含む単一ドメイン抗体を提供する。
いくつかの態様において、抗原結合断片は、重鎖ポリペプチドの可変領域及び軽鎖ポリペプチドの可変領域を含む。いくつかの態様において、本明細書において記載される抗原結合断片は、抗体の軽鎖及び重鎖のCDRのポリペプチドを含む。
「抗原提示細胞」または「APC」という用語は、MHCと複合体化される外来の抗原をその表面上に提示する細胞である。T細胞は、T細胞受容体(TCR)を使用してこの複合体を認識する。APCの例としては、B細胞、樹状細胞(DC)、末梢血単核細胞(PBMC)、単球(THP-1等)、Bリンパ芽球様細胞(C1R.A2、1518 B-LCL等)、及び単球由来樹状細胞(DC)が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかのAPCは、食細胞運動によって、または受容体媒介性エンドサイトーシスによって抗原を内部移行させる。
「抗原提示」という用語は、APCが抗原を捕捉し、例えばMHC-I及び/またはMHC-IIコンジュゲートの構成要素としての、T細胞によるそれらの認識を可能にするプロセスを指す。
本明細書において使用される時、「アポトーシス」という用語は、多細胞生物(例えばヒト)における起こるプログラム細胞死のプロセスを指す。アポトーシスをもたらす高度に調節される生化学的及び分子的な事象は、膜ブレブ形成、細胞体積縮小、染色体DNAの凝縮及び断片化、ならびにmRNAの崩壊を包含する、観察可能で特徴的な細胞への形態学的変化に導き得る。アポトーシスを起こしているT細胞を含む細胞を同定する一般的な方法は、フルオロフォアコンジュゲートタンパク質(アネキシンV)へ細胞を曝露することである。アネキシンVは、原形質膜の外側の小葉上のホスファチジルセリンへ結合する能力(それは細胞がアポトーシスのプロセスを起こしている初期指標である)によってアポトーシス性細胞を検出するのに、一般的に使用される。
本明細書において使用される時、「B細胞」(代替的に「Bリンパ球」)という用語は、リンパ球サブタイプの白血球のタイプを指す。B細胞は、抗体を分泌することにより、適応免疫系の液性免疫構成要素において機能する。B細胞はまた、抗原を提示し、サイトカインを分泌する。B細胞は、他の2つのクラスのリンパ球(T細胞及びナチュラルキラー細胞)とは異なり、それらの細胞膜上にB細胞受容体(BCR)を発現する。BCRはB細胞が特異的抗原へ結合することを可能にし、それに対して抗体応答を開始するだろう。
本明細書において使用される時、「固定化されたIL-27へ結合する」という用語は、例えば細胞の表面上に発現されるかまたは固体支持体へ付着される、IL-27へ結合する本開示の抗体の能力を指す。
本明細書において使用される時、「二重特異性抗体」または「二重機能性抗体」という用語は、2つの異なる重鎖/軽鎖ペア及び2つの異なる結合部位を有する人工ハイブリッド抗体を指す。二重特異性抗体は、ハイブリドーマの融合またはFab’フラグメントの連結を包含する様々な方法によって産生され得る。例えばSongsivilai & Lachmann,(1990)Clin.Exp.Immunol.79:315-321;Kostelny et al.,(1992)J.Immunol.148:1547-1553を参照されたい。
従来、二重特異性抗体の組み換え産生は、2つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖ペアの共発現に基づき、2つの重鎖/軽鎖ペアは異なる特異性を有する(Milstein and Cuello,(1983)Nature 305:537-539)。所望の結合する特異性を備えた抗体可変ドメイン(抗体-抗原結合部位)は、免疫グロブリン定常ドメイン配列へ融合され得る。重鎖可変領域の融合は、好ましくはヒンジ領域、CH2領域、及びCH3領域のうちの少なくとも一部分を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとのものである。二重特異性抗体を生成する例示的な現在公知の方法のさらなる詳細については、例えばSuresh et al.,(1986)Methods Enzymol.121:210;PCT公開番号WO96/27011;Brennan et al.,(1985)Science 229:81;Shalaby et al.,J.Exp.Med.(1992)175:217-225;Kostelny et al.,(1992)J.Immunol.148(5):1547-1553;Hollinger et al.,(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448;Gruber et al.,(1994)J.Immunol.152:5368;及びTutt et al.,(1991)J.Immunol.147:60を参照されたい。二重特異性抗体としては。架橋抗体またはヘテロコンジュゲート抗体も挙げられる。ヘテロコンジュゲート抗体は、任意の好都合な架橋方法を使用して作製され得る。好適な架橋剤は当技術分野において周知であり、多数の架橋技法と共に米国特許第4,676,980号中で開示される。
二重特異性抗体断片を組み換え細胞培養物から直接作製し単離するための様々な技法も記載されている。例えば、二重特異性抗体はロイシンジッパーを使用して産生された。例えばKostelny et al.(1992)J Immunol 148(5):1547-1553を参照されたい。Fos及びJunのタンパク質からのロイシンジッパーペプチドは、遺伝子融合によって2つの異なる抗体のFab’部分へ連結され得る。抗体ホモ二量体はヒンジ領域で還元されて単量体を形成し、次いで再酸化されて抗体ヘテロ二量体を形成し得る。この方法は、抗体ホモ二量体の産生のためにも利用され得る。Hollinger et al.(1993)Proc Natl Acad Sci USA 90:6444-6448によって記載される「ダイアボディ」技術は、二重特異性抗体断片を作製するための代替メカニズムを提供した。断片は、同じ鎖上の2つのドメイン間のペアリングを可能にするには短すぎるリンカーによって軽鎖可変ドメイン(VL)へ接続された重鎖可変ドメイン(VH)を含む。したがって、1つの断片のVH及びVLのドメインは、別の断片の相補的なVL及びVHドメインとペアリングさせられ、それによって2つの抗原結合部位を形成する。一本鎖Fv(scFv)二量体の使用によって、二重特異性抗体断片を作製するための別の戦略も報告されている。例えばGruber et al.(1994)J Immunol 152:5368を参照されたい。代替的に、抗体は、例えばZapata et al.(1995)Protein Eng.8(10):1057-1062中で記載されるような「線状抗体」であり得る。簡潔には、これらの抗体は、1ペアの抗原結合領域を形成する1ペアのタンデムなFdセグメント(VH-CH1-VH-CH1)を含む。線状抗体は、二重特異性または単一特異性であり得る。
2を超える価数(例えば三重特異性抗体)による抗体が企図され、例えばTutt et al.(1991)J Immunol 147:60中で記載される。
本開示は、多重特異性抗体のバリアント形態(Wu et al.(2007)Nat Biotechnol 25(11):1290-1297中で記載されるデュアル可変ドメイン免疫グロブリン(DVD-Ig)分子等)も包含する。DVD-Ig分子は、2つの異なる親抗体からの2つの異なる軽鎖可変ドメイン(VL)は、組み換えDNA技法によって、直接または短いリンカーを経由してタンデムに、続いて軽鎖定常ドメインに連結されるようにデザインされる。同様に、重鎖は、タンデムに連結される2つの異なる重鎖可変ドメイン(VH)、続いて定常ドメインCH1及びFc領域を含む。2つの親抗体からDVD-Ig分子を作製するための方法は、例えばPCT公開番号WO08/024188及び同WO07/024715中でさらに記載される。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、Fab・イン・タンデム(Fabs-in-Tandem)免疫グロブリンであり、当該免疫グロブリンにおいて、第2の特異性を備えた軽鎖可変領域は、完全な抗体の重鎖可変領域へ融合される。かかる抗体は、例えば国際特許出願公開番号WO2015/103072中で記載される。
本明細書において使用される時、「がん抗原」または「腫瘍抗原」は、(i)腫瘍特異的抗原、(ii)腫瘍関連抗原、(iii)腫瘍特異的抗原を発現する細胞、(iv)腫瘍関連抗原を発現する細胞、(v)腫瘍上の胎児抗原、(vi)自己腫瘍細胞、(vii)腫瘍特異的膜抗原、(viii)腫瘍関連膜抗原、(ix)増殖因子受容体、(x)増殖因子リガンド、及び(xi)他のタイプの抗原または抗原提示細胞またはがんに関連する材料を指す。
本明細書において使用される時、「がん特異的免疫応答」という用語は、腫瘍、がん細胞、またはがん抗原の存在によって誘導された免疫応答を指す。ある特定の態様において、応答としては、がん抗原特異的リンパ球の分裂増殖が挙げられる。ある特定の態様において、応答としては、抗体及びT細胞受容体の発現及びアップレギュレーション、ならびにリンホカイン、ケモカイン、及びサイトカインの形成及び放出が挙げられる。先天性免疫系及び後天性免疫系の両方が相互作用して、腫瘍、がん細胞、またはがん抗原に対する抗原性応答を開始する。ある特定の態様において、がん特異的免疫応答は、T細胞応答である。
「癌腫」という用語は当技術分野で認められており、呼吸器系癌、胃腸系癌、泌尿生殖系癌、精巣癌、乳癌、前立腺癌、内分泌系、癌及び黒色腫を包含する、上皮組織または内分泌組織の悪性腫瘍を指す。本明細書において記載される抗IL-27抗体は、任意のタイプのがん(腎癌または黒色腫が挙げられる)または任意のウイルス性疾患を有する患者、それらを有する疑いのある患者、または発症の高いリスクがあり得る患者の治療に使用され得る。例示的な癌としては、子宮頸部、肺、前立腺、乳房、頭頸部、大腸、及び卵巣の組織から形成されるものが挙げられる。当該用語は癌肉腫も包含し、癌肉腫は癌性組織及び肉腫組織から構成される悪性腫瘍を含む。「腺癌」は、腺組織に由来する癌腫、または腫瘍細胞が認識可能な腺構造を形成する癌腫を指す。
本明細書において使用される時、「CD112R」という用語は、ポリオウイルス受容体様タンパク質のメンバーを指し、ヒトT細胞のための共阻害性受容体である。CD112Rは、主としてT細胞及びNK細胞によって発現される阻害性受容体であり、CD112結合について活性化受容体CD226と競合する。CD112のCD112Rとの相互作用は、CD226とのものよりも高い親和性であり、それによってCD226媒介性細胞活性化を効果的に調節する。CD112との相互作用をブロックする抗CD112Rのアンタゴニストは、CD112Rのすぐ下流の阻害性シグナル伝達を限定する一方で、同時に、CD112とのCD226相互作用を増加させることによって免疫細胞活性化をより増進する。本明細書において使用される時、「CD112R阻害物質」という用語は、CD112Rの生物学的な機能または活性を、混乱、ブロック、または阻害する薬剤を指す。
本明細書において使用される時、「CD137」(代替的に「4-1BB」)という用語は、腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーのメンバーを指す。4-1BBは、主として活性化T細胞についての共刺激免疫チェックポイント分子である。CD137の架橋は、T細胞の分裂増殖、IL-2分泌、生存、及び細胞溶解活性を促進する。本明細書において使用される時、「4-1BBアゴニスト」という用語は、4-1BBの1つまたは複数の機能を、刺激、誘導、または増加する薬剤を指す。例示的な4-1BBアゴニストは、ウトミルマブ(PF-05082566)であり、ウトミルマブは、この4-1BBを標的化してT細胞を刺激する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体である。
本明細書において使用される時、「CD161」(代替的にキラー細胞レクチン様受容体サブファミリーB、メンバー1(KLRB1);NK1.1、またはNKR-P1Aとして公知)という用語は、C型レクチンスーパーファミリーのメンバーを指す。CD161はT細胞のマーカーであり、CD161の発現は、多数の異なるがんタイプについての腫瘍微小環境へのT細胞の浸潤に関連していた。CD161は、Fergusson et al.,(2014)Cell Reports 9(3):1075-1088(それは、参照することによってその全体が本明細書に援用される)中でさらに記載される。
本明細書において使用される時、「IL-27」または「インターロイキン27」という用語は、IL-27サイトカインを指す。IL-27はIL-6/IL-12サイトカインファミリーに関連し、エプスタイン-バーウイルス誘導遺伝子3として公知(EBI3;IL-27サブユニットβ及びIL-27Bとしても公知)の第1のサブユニット、及びIL-27p28として公知(IL30及びIL-27サブユニットα及びIL-27Aとしても公知)の第2のサブユニットを含む、ヘテロ二量体サイトカインである。IL-27は、単球、内皮細胞、及び樹状細胞を包含する活性化された抗原提示細胞によって優先的に合成される(Jankowski et al.(2010)Arch Immunol.Ther.Exp.58:417-425,Diakowski et al.(2013)Adv.Clin.Exp.Med.(2013)22(5):683-691)。IL-27は炎症誘発効果を有し得るが、多くの研究から免疫抑制剤としてのIL-27の重要な役割が示唆される(Shimizu et al.(2006)J.Immunol.176:7317-7324,Hisada et al.(2004)Cancer Res.64:1152-1156,Diakowski(2013)前掲)。IL-27はTh1応答の開始を増進する因子として最初に記載されたが、IL-27は、Th1応答を限定すること、Th2細胞及びTh17細胞の分化を阻害すること、ならびにTr1細胞集団及び他のT調節性細胞集団の発生を調節することによって、主要なT細胞抑制機能を行うことが後に見出された(Dietrich et al.(2014)J.Immunol.192:5382-5389)。免疫制御物質としてその役割に加えて、IL-27は、血管形成、造血、及び破骨細胞形成も調節する(同上)。
IL-27は、WSX1として公知(IL-27受容体サブユニットα、IL-27RA、T細胞サイトカイン受容体タイプ1(TCCR)、及びサイトカイン受容体様1(CRL1)としても公知)の第1のサブユニット、及びgp130として公知(インターロイキン-6シグナル伝達因子(IL6ST)、インターロイキン-6受容体サブユニットβ(IL-6RB)、及びオンコスタチンM受容体としても公知)の第2のサブユニットを含む、ヘテロ二量体タイプIサイトカイン受容体(IL-27受容体またはIL-27R)を介してシグナル伝達する。gp130は、IL-6ファミリーサイトカインについての受容体サブユニットでもある(Liu et al.(2008)Scan.J.Immunol.68:22-299,Diakowski(2013)前掲)。IL-27Rを介するIL-27シグナル伝達は、JAK-STAT及びp38 MAPK経路を包含する複数のシグナル伝達カスケードを活性化する。
EBI3は、p28またはIL-27ヘテロ二量体に非依存性の生物学的機能も有すると考えられる。例えば、EBI3はp35とも相互作用してヘテロ二量体サイトカインIL-35を形成し(Yoshida et al.(2015)Annu.Rev Immunol.33:417-43)、p28またはIL-27の対応する増加無しに、ある特定の細胞タイプにおいて選択的に過剰発現されることが示された(Larousserie et al.(2005)Am.J.Pathol.166(4):1217-28)。
例示的なヒトEBI3タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号1(NCBI参照配列:NP_005746.2;N-mtpqlllalvlwascppcsgrkgppaaltlprvqcrasrypiavdcswtlppapnstspvsfiatyrlgmaarghswpclqqtptstsctitdvqlfsmapyvlnvtavhpwgssssfvpfitehiikpdppegvrlsplaerqlqvqweppgswpfpeifslkywirykrqgaarfhrvgpieatsfilravrpraryyvqvaaqdltdygelsdwslpatatmslgk-C)中で提供される。例示的なヒトp28タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号2(NCBI参照配列:NP_663634.2;N-mgqtagdlgwrlsllllplllvqagvwgfprppgrpqlslqelrreftvslhlarkllsevrgqahrfaeshlpgvnlyllplgeqlpdvsltfqawrrlsdperlcfisttlqpfhallgglgtqgrwtnmermqlwamrldlrdlqrhlrfqvlaagfnlpeeeeeeeeeeeeerkgllpgalgsalqgpaqvswpqllstyrllhslelvlsravrellllskaghsvwplgfptlspqp-C)中で提供される。例示的なヒトWSX1タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号3(NCBI参照配列:NP_004834.1;N-mrggrgapfwlwplpklallpllwvlfqrtrpqgsagplqcygvgplgdlncsweplgdlgapselhlqsqkyrsnktqtvavaagrswvaipreqltmsdkllvwgtkagqplwppvfvnletqmkpnaprlgpdvdfseddpleatvhwapptwpshkvlicqfhyrrcqeaawtllepelktipltpveiqdlelatgykvygrcrmekeedlwgewspilsfqtppsapkdvwvsgnlcgtpggeeplllwkapgpcvqvsykvwfwvggrelspegitcccslipsgaewarvsavnatswepltnlslvcldsasaprsvavssiagstellvtwqpgpgeplehvvdwardgdpleklnwvrlppgnlsallpgnftvgvpyritvtavsasglasassvwgfreelaplvgptlwrlqdappgtpaiawgevprhqlrghlthytlcaqsgtspsvcmnvsgntqsvtlpdlpwgpcelwvtastiagqgppgpilrlhlpdntlrwkvlpgilflwglfllgcglslatsgrcyhlrhkvlprwvwekvpdpansssgqphmeqvpeaqplgdlpileveemepppvmessqpaqatapldsgyekhflptpeelgllgpprpqvla-C)中で提供される。例示的なヒトgp130タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号4(NCBI参照配列:NP_002175.2;N-mltlqtwlvqalfiflttestgelldpcgyispespvvqlhsnftavcvlkekcmdyfhvnanyivwktnhftipkeqytiinrtassvtftdiaslniqltcniltfgqleqnvygitiisglppekpknlscivnegkkmrcewdggrethletnftlksewathkfadckakrdtptsctvdystvyfvnievwveaenalgkvtsdhinfdpvykvkpnpphnlsvinseelssilkltwtnpsiksviilkyniqyrtkdastwsqippedtastrssftvqdlkpfteyvfrircmkedgkgywsdwseeasgityedrpskapsfwykidpshtqgyrtvqlvwktlppfeangkildyevtltrwkshlqnytvnatkltvnltndrylatltvrnlvgksdaavltipacdfqathpvmdlkafpkdnmlwvewttpresvkkyilewcvlsdkapcitdwqqedgtvhrtylrgnlaeskcylitvtpvyadgpgspesikaylkqappskgptvrtkkvgkneavlewdqlpvdvqngfirnytifyrtiignetavnvdsshteytlssltsdtlymvrmaaytdeggkdgpeftfttpkfaqgeieaivvpvclafllttllgvlfcfnkrdlikkhiwpnvpdpskshiaqwsphtpprhnfnskdqmysdgnftdvsvveieandkkpfpedlksldlfkkekinteghssgiggsscmsssrpsisssdenessqntsstvqystvvhsgyrhqvpsvqvfsrsestqplldseerpedlqlvdhvdggdgilprqqyfkqncsqhesspdishferskqvssvneedfvrlkqqisdhisqscgsgqmkmfqevsaadafgpgtegqverfetvgmeaatdegmpksylpqtvrqggympq-C)中で提供される。
本明細書において使用される時、「競合する」という用語は、同じエピトープへ結合することについて競合する抗原結合タンパク質(例えば免疫グロブリン、抗体、またはそれらの抗原結合断片)の文脈において使用される場合に、アッセイ(例えば競合結合アッセイ;交差ブロッキングアッセイ)によって決定される抗原結合タンパク質間の相互作用を指し、そこで、試験抗原結合タンパク質(例えば試験抗体)は、参照抗原結合タンパク質(例えば参照抗体)の共通抗原(例えばIL-27またはその断片)への特異的結合を阻害する(例えば低減またはブロックする)。
指定されたポリペプチドまたはタンパク質「に由来する」ポリペプチド配列またはアミノ酸配列は、ポリペプチドの起源を指す。好ましくは、特定の配列に由来するポリペプチド配列またはアミノ酸配列は、その配列またはその部分に本質的に同一のアミノ酸配列を有し、そこで、当該部分は、少なくとも10~20のアミノ酸、好ましくは少なくとも20~30のアミノ酸、より好ましくは少なくとも30~50のアミノ酸からなるか、またはそうでなければ、配列中にその起源を有するとして当業者に同定可能である。別のペプチドに由来するポリペプチドは、出発ポリペプチドに比べて1つまたは複数の突然変異(例えば別のアミノ酸残基により置換されたか、または1つもしくは複数のアミノ酸残基挿入もしくは欠失を有する、1つまたは複数のアミノ酸残基)を有し得る。
ポリペプチドは、天然に存在しないアミノ酸配列を含み得る。かかるバリアントは、必然的に、出発分子と、100%未満の配列同一性または類似性を有する。ある特定の態様において、バリアントは、例えばバリアント分子の長さにわたって、出発ポリペプチドのアミノ酸配列と、約75%~100%未満、より好ましくは約80%~100%未満、より好ましくは約85%~100%未満、より好ましくは約90%~100%未満(例えば91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)、及び最も好ましくは約95%~100%未満のアミノ酸配列同一性または類似性のアミノ酸配列を有するだろう。
ある特定の態様において、本開示の抗体は、ヌクレオチド配列によってコードされる。本開示のヌクレオチド配列は、クローニング、遺伝子療法、タンパク質発現及び精製、突然変異導入、それを必要とする宿主のDNAワクチン接種、例えば受動免疫のための抗体生成、PCR、プライマー及びプローブの生成、ならびに同種のものを包含する多数の適用に有用であり得る。
本明細書において開示される方法における使用に好適な抗体は、ネイティブな配列の所望される活性を保持しながら、それらが由来する天然に存在するかまたはネイティブな配列とは配列で変動するように変更され得ることも、当業者によって理解されるだろう。例えば、「必須でない」アミノ酸残基での保存的な置換または変化へ導くヌクレオチドまたはアミノ酸の置換がなされ得る。突然変異は、標準的技法(部位特異的突然変異誘発及びPCR媒介性突然変異誘発等)によって導入され得る。
本明細書において開示される方法における使用に好適な抗体は、1つまたは複数のアミノ酸残基での(例えば必須のアミノ酸残基または必須でないアミノ酸残基での)保存的なアミノ酸置換を含み得る。「保存的なアミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が、類似する側鎖を有するアミノ酸残基により置き換えられるものである。類似する側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野において定義されており、類似する側鎖としては、塩基性側鎖(例えばリジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖(例えばスレオニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族側鎖(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。したがって、結合ポリペプチド中の必須でないアミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーからの別のアミノ酸残基により好ましくは置き換えられる。ある特定の態様において、アミノ酸のストリングは、側鎖ファミリーメンバーの順序及び/または組成が異なる、構造的に類似するストリングにより置き換えられ得る。代替的にある特定の態様において、突然変異は、コーディング配列のすべてまたは一部分に沿って飽和突然変異誘発等によってランダムに導入され、もたらされた突然変異体は、本開示の結合ポリペプチドの中へ取り込まれ、所望の標的へ結合するそれらの能力についてスクリーニングされ得る。
本明細書において使用される時、抗原の「交差提示」という用語は、APC上のMHCクラスI分子及びMHCクラスII分子を介する、外来性タンパク質抗原のT細胞への提示を指す。
本明細書において使用される時、「交差反応する」という用語は、本開示の抗体が異なる種からのIL-27へ結合する能力を指す。例えば、ヒトIL-27に結合する本開示の抗体は、別の種のIL-27にも結合し得る。本明細書において使用される時、交差反応性は、結合アッセイ(例えばSPR、ELISA)における精製抗原との特異的反応性、またはIL-27を生理的に発現する細胞への結合もしくはそうでなければそれらとの機能的相互作用を検出することによって測定される。交差反応性を決定するための方法としては、本明細書において記載される標準的結合アッセイ、例えばBiacore(商標)2000 SPR instrument(Biacore AB及びUppsala、Sweden)を使用するBiacore(商標)表面プラズモン共鳴(SPR)分析、またはフローサイトメトリー技法が挙げられる。
本明細書において使用される時、「細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答」という用語は、細胞傷害性T細胞によって誘導される免疫応答を指す。CTL応答は、主としてCD8T細胞によって媒介される。
本明細書において使用される時、「樹状細胞」または「DC」という用語は、骨髄(BM)由来白血球であり、最も強力なタイプの抗原提示細胞である、抗原提示細胞のタイプを指す。DCは、抗原を捕捉及び加工し、タンパク質を、T細胞によって認識される主要組織適合性複合体(MHC)分子上に提示されるペプチドへ変換する。DCは不均一である(例えば骨髄性DC及び形質細胞様DC)。すべてのDCは、抗原の取り込み、加工、及びナイーブT細胞への提示が可能であるが、DCのサブタイプは別個のマーカーを有し、所在位置、移動経路、詳細な免疫学的機能、及びそれらの生成のための感染または炎症性刺激への依存性において異なる。適応免疫応答の発達の間に、DCの表現型及び機能は、耐性の開始、記憶、ならびに極性化されたT-ヘルパー1(Th1)、Th2、及びTh17の分化における役割を果たす。
本明細書において使用される時、「樹状細胞活性化」という用語は、未成熟樹状細胞から成熟樹状細胞への移行を指し、活性化された樹状細胞は、成熟樹状細胞及び移行のプロセス中の樹状細胞を網羅し、共刺激シグナルを誘導するCD80及びCD86の発現は、活性化刺激によって上昇される。成熟ヒト樹状細胞は、CD40、CD80、CD86、及びHLAクラスII(例えばHLA-DR)の発現について陽性の細胞である。未成熟樹状細胞は、例えばCD80及びCD86からなる群から選択されるマーカーに基づいて、成熟樹状細胞と区別され得る。未成熟樹状細胞は、これらのマーカーについて弱く陽性、好ましくは陰性であり、その一方で成熟樹状細胞は陽性である。成熟樹状細胞の弁別は、当業者によってルーチンに遂行され、上で記載されるそれぞれのマーカー及びそれらの発現を測定するための方法も当業者に周知である。
本明細書において使用される時、「EC50」という用語は、最大応答の50%(すなわち最大応答とベースラインとの間の中間)である応答を、インビトロアッセイまたはインビボアッセイのいずれかにおいて、誘導する抗体またはその抗原結合部分の濃度を指す。
本明細書において使用される時、「有効用量」または「有効投薬量」という用語は、所望の効果を達成するか部分的に達成するのに十分な量として定義される。「治療有効用量」という用語は、既に疾患に罹患する患者における疾患及びその合併症を治癒させるか、または少なくとも部分的に停止するのに十分な量として定義される。この使用のために有効な量は、治療されている障害の重症度、及び患者自身の免疫系の一般的な状態に依存するだろう。
本明細書において使用される時、「エピトープ」または「抗原決定基」という用語は、免疫グロブリンまたは抗体が特異的に結合する抗原上の部位を指す。「エピトープマッピング」という用語は、その標的タンパク質抗原上の、抗体またはその抗原結合断片の結合部位またはエピトープを同定するプロセスまたは方法を指す。エピトープマッピングの方法及び技法は、本明細書において提供される。エピトープは、連続したアミノ酸、またはタンパク質の三次の折りたたみによって並列した非連続のアミノ酸の両方から形成され得る。連続したアミノ酸から形成されたエピトープは、典型的には、変性溶媒への曝露で保持されるが、三次の折りたたみによって形成されたエピトープは、典型的には、変性溶媒による処理で失われる。エピトープは、典型的には、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15のアミノ酸を、固有の空間的立体配座で含む。どのエピトープが所与の抗体によって結合されるかを決定するための方法(すなわちエピトープマッピング)は、当技術分野において周知であり、例えば免疫ブロット及び免疫沈降アッセイが挙げられ、そこで、IL-27からのオーバーラップペプチドまたは連続したペプチドは、所与の抗IL-27抗体との反応性について試験される。エピトープの空間的立体配座を決定する方法としては、当技術分野における技法及び本明細書において記載されるもの(例えばX線結晶学及び2次元核磁気共鳴)が挙げられる(例えばEpitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology,Vol.66,G.E.Morris,Ed.(1996)を参照)。
本明細書において記載される特定の抗体によって認識されるエピトープのすべてまたは部分(例えば同じ領域もしくはオーバーラップする領域、または領域間のもしくは領域にわたる領域)を含むIL-27上のエピトープへ結合する抗体も、本開示によって網羅される。
同じエピトープに結合する抗体、及び/または本明細書において記載される抗体とヒトIL-27へ結合することについて競合する抗体も本開示によって網羅される。同じエピトープを認識する抗体または結合について競合する抗体は、ルーチンの技法を使用して同定され得る。かかる技法としては、例えばある抗体が別の抗体の標的抗原への結合をブロックする能力を示す免疫アッセイ(すなわち競合結合アッセイ)が挙げられる。競合的結合は、試験中の免疫グロブリンが共通の抗原(IL-27等)への参照抗体の特異的結合を阻害するアッセイにおいて決定される。多数のタイプの競合結合アッセイは公知であり、例えば固相直接放射免疫アッセイ(RIA)または固相間接放射免疫アッセイ、固相直接酵素免疫アッセイ(EIA)または固相間接酵素免疫アッセイ、サンドイッチ競合アッセイ(Stahli et al.,Methods in Enzymology 9:242(1983)を参照);固相直接ビオチン-アビジンEIA(Kirkland et al.,J.Immunol.137:3614(1986)を参照);固相直接標識アッセイ、固相直接標識サンドイッチアッセイ(Harlow and Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press(1988)を参照);I-125標識を使用する固相直接標識RIA(Morel et al.,Mol.Immunol.25(1):7(1988)を参照);固相直接ビオチン-アビジンEIA(Cheung et al.,Virology 176:546(1990));及び直接標識RIA(Moldenhauer et al.,Scand.J.Immunol.32:77(1990))である。典型的には、かかるアッセイは、固体表面へ結合された精製抗原またはこれらのいずれかを持つ細胞、標識されない試験免疫グロブリン、及び標識された参照免疫グロブリンの使用を含む。競合的阻害は、試験免疫グロブリンの存在下における固体表面または細胞へ結合された標識の量の決定によって測定される。通常、試験免疫グロブリンは過剰に存在する。通常、競合抗体が過剰に存在する場合に、当該競合抗体は、参照抗体の共通抗原への特異的結合を、少なくとも50~55%、55~60%、60~65%、65~70%、70~75%またはそれ以上阻害するだろう。
他の技法としては、例えば抗原:抗体複合体の結晶のX線分析(それはエピトープの原子分解能を提供する)及び水素/重水素(H/D)交換と組み合わせた質量分析(それは抗原:抗体相互作用の立体配座及びダイナミクスを研究する)等のエピトープマッピング法が挙げられる。他の方法は、抗原フラグメントまたは抗原の変異バリアントへの抗体の結合をモニタリングし、そこで抗原配列内のアミノ酸残基の修飾に起因する結合の喪失は、エピトープ構成要素の指標と多くの場合判断される。加えて、エピトープマッピングのためのコンピューターによるコンビナトリアル方法も使用され得る。これらの方法は、コンビナトリアルファージディスプレイペプチドライブラリーから特異的な短いペプチドを親和性単離する、関心の抗体の能力に依存する。次いでペプチドは、ペプチドライブラリーのスクリーニングに使用される抗体に対応するエピトープの定義のためのリードと見なされる。エピトープマッピングのために、立体配座的に不連続なエピトープをマッピングすることが示された計算アルゴリズムも開発されている。
本明細書において使用される時、「Fc媒介性エフェクター機能」または「Fcエフェクター機能」という用語は、抗体の主要な機能及び目的以外の抗体の生物学的活性を指す。例えば、治療法に依存しない(therapeutic agnostic)抗体のエフェクター機能は、標的のタンパク質または経路の活性化以外の生物学的活性である。抗体効果機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞傷害;Fc受容体結合;抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC);ファゴサイトーシス;細胞表面受容体(例えばB細胞受容体)のダウンレギュレーション;Fc受容体を発現する血小板の活性化の欠如;及びB細胞活性化が挙げられる。多くのエフェクター機能は、Fcγ受容体へのFc結合により開始する。いくつかの態様において、腫瘍抗原標的化抗体は、エフェクター機能(例えばADCC活性)を有する。いくつかの態様において、本明細書において記載される腫瘍抗原標的化抗体は、定常領域の非修飾形態に比べて、エフェクター機能の増加(例えばADCCを媒介する能力の増加)を有するバリアント定常領域を含む。
本明細書において使用される時、「Fc受容体」という用語は、免疫エフェクター細胞の表面上で見出され、抗体のFc領域によって結合される、ポリペプチドを指す。いくつかの態様において、Fc受容体は、Fcγ受容体である。Fcγ受容体、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)、及びFγcRIII(CD16)の3つのサブクラスがある。すべての4つのIgGアイソタイプ(IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4)は、Fc受容体FcγRI、FcγRIIA、及びFcγRIIIAに結合し活性化する。FcγRIIBは阻害性受容体であり、したがってこの受容体への抗体結合は補体及び細胞応答を活性化しない。FcγRIは、単量体形態でIgGへ結合する高親和性受容体であるが、FcγRIIA及びFcγRIIAは、多量体形態でのみIgGを結合し、わずかにより低い親和性を有する低親和性受容体である。Fc受容体及び/またはC1qへの抗体の結合は、Fc領域内の特異的な残基またはドメインによって支配される。結合は、ヒンジ領域内及び抗体のCH2部分内に所在する残基にも依存する。いくつかの態様において、本明細書において記載される抗体のアゴニスト活性及び/または治療活性は、Fc受容体(例えばFcγR)へのFc領域の結合に依存する。いくつかの態様において、本明細書において記載される抗体のアゴニスト活性及び/または治療活性は、Fc受容体(例えばFcγR)へのFc領域の結合によって促進される。
本開示において用いられる特定のFc受容体配列のリストは、表1Bとして以下で示される。
本明細書において使用される時、「糖鎖付加パターン」という用語は、タンパク質へ、より具体的には免疫グロブリンタンパク質へ共有結合で付加された炭水化物単位のパターンとして定義される。当業者が、異種抗体の糖鎖付加パターンを、導入遺伝子のCH遺伝子が由来する種よりも、非ヒト遺伝子導入動物の種における糖鎖付加のパターンにより類似すると認識する場合に、異種抗体の糖鎖付加パターンは、非ヒト遺伝子導入動物の種によって産生される抗体上に天然に存在する前記糖鎖付加パターンに実質的に類似すると特徴づけられ得る。
本明細書において使用される時、「ヒト抗体」という用語は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列の可変領域及び定常領域(存在するならば)を有する抗体を包含する。本開示のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えばインビトロのランダム突然変異誘発もしくは部位特異的突然変異誘発によって、またはインビボの体細胞突然変異によって導入された突然変異)を含み得る(例えばLonberg et al.,(1994)Nature 368(6474):856-859);Lonberg,(1994)Handbook of Experimental Pharmacology 113:49-101;Lonberg & Huszar,(1995)Intern.Rev.Immunol.13:65-93、及びHarding & Lonberg,(1995)Ann.N.Y.Acad.Sci.764:536-546を参照)。しかしながら、「ヒト抗体」という用語は、別の哺乳類種(マウス等)の生殖細胞系列に由来するCDR配列が、ヒトフレームワーク配列にグラフトされた抗体(すなわちヒト化抗体)を包含しない。
本明細書において使用される時、「異種抗体」という用語は、かかる抗体を産生する遺伝子導入非ヒト生物体に関連して定義される。この用語は、遺伝子導入非ヒト動物を構成しない生物体において見出され、概して遺伝子導入非ヒト動物種以外の種からのものに対応する、アミノ酸配列またはコード核酸配列を有する抗体を指す。
「免疫応答を誘導する」及び「免疫応答を促進する」という用語は、互換的に使用され、特定の抗原への免疫応答(すなわち受動的または適応的のいずれか)の刺激を指す。「誘導する」という用語は、CDCまたはADCCの誘導に関して使用される時、特定の直接的細胞殺傷メカニズムの刺激を指す。
本明細書において使用される時、「免疫原性細胞死」(代替的に「免疫原性アポトーシス」として公知である)という用語は、腫瘍細胞からのダメージ関連分子パターン(DAMP)分子(例えばアデノシン三リン酸、ATP)の死の前の発現及び放出を誘導し、腫瘍細胞の免疫原性の増加、及び免疫原性様式(例えばファゴサイトーシスによる)での腫瘍細胞の死をもたらす、1つまたは複数のシグナル伝達経路の活性化に関連する細胞死様式を指す。本明細書において使用される時、「免疫原性細胞死誘導剤」という用語は、免疫原性細胞死のプロセス、経路、または様式を誘導する化学的薬剤、生物学的薬剤、または薬理学的薬剤を指す。
本明細書において使用される時、「阻害する」、「低減する」、または「ブロックする」という用語(例えば細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3のヒトIL-27媒介性リン酸化の阻害または低減を指す)は、互換的に使用され、部分的及び完全な阻害/ブロックの両方を網羅する。IL-27の阻害/ブロックは、阻害またはブロック無しに起こる活性の正常なレベルまたはタイプを低減または変更する。阻害及びブロックは、抗IL-27抗体と接触させないIL-27に比較して、抗L-27抗体と接触させた場合のIL-27の結合親和性における任意の測定可能な減少、例えばIL-27の結合の、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の阻害も包含するように意図される。
本明細書において使用される時、「血管形成を阻害する」、「血管形成を減退する」、及び「血管形成を低減する」という用語は、組織中の血管形成のレベルを、対応する対照組織中の量よりも、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、またはそれ未満である量、及び最も好ましくは対照組織において観察されるのと同じレベルへ低減することを指す。
本明細書において使用される時、「増殖を阻害する」という用語(例えば細胞を指す)は、細胞の増殖における任意の測定可能な減少、例えば細胞の増殖の、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%の阻害を包含するように意図される。
本明細書において使用される時、「予防を必要とする対象」、「治療を必要とする対象」、または「それを必要とする対象」は、適切な医療従事者(例えばヒトの事例において医師、看護師、または診療看護師;非ヒト哺乳動物の事例において獣医師)の判断によって、所与の治療(抗IL-27抗体を含む組成による治療等)から合理的に利益を得るであろう対象を指す。
「インビボ」という用語は、生物体において起こるプロセスを指す。
本明細書において使用される時、「単離された抗体」という用語は、異なる抗原特異性を有する他の抗体が実質的に無い抗体を指すように意図される(例えばヒトIL-27へ特異的に結合する単離された抗体は、IL-27以外の抗原を特異的に結合する抗体が実質的に無い)。しかしながら、エピトープへ特異的に結合する単離された抗体は、異なる種からの他のIL-27タンパク質への交差反応性を有し得る。しかしながら、抗体は、本明細書において記載される特異的結合アッセイにおいて、ヒトIL-27への特異的な結合を示し続ける。加えて、単離された抗体は、典型的には、他の細胞材料及び/または化学物質が実質的に無い。いくつかの態様において、異なるIL-27特異性を有する「単離された」抗体の組み合わせは、十分に定義された組成で組み合わせられる。
本明細書において使用される時、「単離された核酸分子」という用語は、IL-27へ結合する抗体または抗体部分(例えばV、V、CDR3)をコードする核酸を指し、抗体または抗体部分をコードするヌクレオチド配列が、IL-27以外の抗原を結合する抗体または抗体部分をコードする他のヌクレオチド配列は無く、他の配列が、ヒトゲノムDNA中の核酸に天然に隣接し得る、核酸分子を指すように意図される。例えば、表1A中で示される配列から選択される配列は、本明細書において記載される抗IL-27抗体のモノクローナル抗体の重鎖(V)及び軽鎖(V)可変領域を含むヌクレオチド配列に対応する。
本明細書において使用される時、「アイソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラス(例えばIgMまたはIgG1)を指す。いくつかの態様において、本開示のヒトモノクローナル抗体は、IgG1アイソタイプのものである。いくつかの態様において、本開示のヒトモノクローナル抗体は、IgG2アイソタイプのものである。いくつかの態様において、本開示のヒトモノクローナル抗体は、IgG3アイソタイプのものである。いくつかの態様において、本開示のヒトモノクローナル抗体は、IgG4アイソタイプのものである。当業者に明らかであるように、抗体アイソタイプ(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、及びIgE)の同定は、当技術分野においてルーチンであり、一般的には公知の抗体、出版されたFcバリアント配列、及び保存配列との配列アライメントの組み合わせを含む。
本明細書において使用される時、「アイソタイプスイッチ」という用語は、抗体のクラスまたはアイソタイプが、あるIgクラスから他のIgクラスのものへ変化する現象を指す。
本明細書において使用される時、「KD」または「K」という用語は、抗体と抗原との間の結合反応の平衡解離定数を指す。Kの値は、抗体オフレート定数(kd)対抗体オンレート定数(ka)の比の数値表現である。Kの値は、抗体の抗原への結合親和性に反比例する。K値が小さいほど、その抗原についての抗体の親和性は高い。親和性は、単一分子のそのリガンドへの結合の強度であり、典型的には平衡解離定数(K)(それは二分子相互作用の桁の強度を評価及びランク付けするに使用される)によって測定及び報告される。
本明細書において使用される時、「kd」または「k」(代替的に「koff」または「koff」)という用語は、抗体の抗体/抗原複合体からの解離についてのオフレート定数を指すように意図される。kの値は、毎秒崩壊または解離する複合体の割合の数値表現であり、単位は秒-1で発現される。
本明細書において使用される時、「ka」または「k」(代替的に「kon」または「kon」)という用語は、抗体の抗原との会合についてのオンレート定数を指すように意図される。kaの値は、抗体及び抗原の1モル(1M)溶液中で毎秒形成される抗体/抗原複合体の数の数値表現であり、単位はM-1-1で表現される。
本明細書において使用される時、「白血球」という用語は、感染性微生物及び外来性物質に対して身体を防御することに関与する白血球のタイプを指す。白血球は、骨髄において産生される。白血球には5つの主なタイプがあり、2つの主な群に細分され、それらは、多形核白血球(好中球、好酸球、好塩基性細胞)及び単核性白血球(単球及びリンパ球)である。
本明細書において使用される時、「リンパ球」という用語は、身体の免疫防御に関与するタイプの白血球(leukocyte)または白血球(white blood cell)を指す。リンパ球2つの主なタイプがあり、B細胞及びT細胞である。
本明細書において使用される時、「連結される」、「融合される」、または「融合」という用語は、互換的に使用される。これらの用語は、化学的コンジュゲーションまたは組み換え手段を包含するすべての手段によって、2つ以上のエレメントまたは構成要素またはドメインを一緒に繋ぐことを指す。化学的コンジュゲーションの方法(例えばヘテロ二官能性架橋剤を使用する)は、当技術分野において公知である。
本明細書において使用される時、「局所投与(local administration)」または「局所送達」は、その意図された標的組織または部位への組成物または薬剤の血管系を介する輸送に依存しない送達を指す。例えば、組成物は、組成物もしくは薬剤の注射または植え込みによって、または組成物もしくは薬剤を含有するデバイスの注射または植え込みによって、送達され得る。標的の組織または部位の近くにおける局所投与に続いて、組成物もしくは薬剤、または1つまたは複数のその構成要素は、意図された標的の組織または部位へ拡散し得る。
本明細書において使用される時、「MHC分子」は、2つのタイプの分子(MHCクラスI及びMHCクラスII)を指す。MHCクラスI分子は、特異的なCD8+T細胞へ抗原を提示し、MHCクラスII子は、特異的なCD4+T細胞へ抗原を提示する。APCへ外来的に送達された抗原は、主としてMHCクラスIIとの会合のために加工され得る。これとは対照的に、APCへ内因的に送達された抗原は、主としてMHCクラスIとの会合のために加工される。
本明細書において使用される時、「モノクローナル抗体」という用語は、特定のエピトープについての単一の結合特異性及び親和性を示す抗体を指す。したがって、「ヒトモノクローナル抗体」という用語は、単一の結合特異性を示し、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域及び任意選択の定常領域を有する抗体を指す。いくつかの態様において、ヒトモノクローナル抗体は、不死化細胞へ融合された、ヒトの重鎖導入遺伝子及び軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有する遺伝子導入非ヒト動物(例えば遺伝子導入マウス)から得られたB細胞を含む、ハイブリドーマによって産生される。
本明細書において使用される時、「単球」という用語は、白血球のタイプを指し、マクロファージ及び樹状細胞へと分化して免疫応答を達成し得る。
本明細書において使用される時、「ナチュラルキラー(NK)細胞」という用語は、細胞傷害性リンパ球のタイプを指す。これらは大きな、通常、顆粒性の非T非Bのリンパ球であり、それらはある特定の腫瘍細胞を殺傷し、ウイルス及び他の細胞内病原体に対する先天性免疫、そして抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)における重要な役割を果たす。
本明細書において使用される時、「天然に存在する」という用語は、ある目的物へ適用される時、ある目的物を天然で見出すことができるという事実を指す。例えば、天然の供給源から単離され得、且つ研究室において人間によって意図的に修飾されない生物体(ウイルスが挙げられる)中に存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチドの配列は、天然に存在する。
本明細書において使用される時、「スイッチされない(nonswitched)アイソタイプ」という用語は、アイソタイプスイッチングが起こっていない場合に、産生されるアイソタイプクラスの重鎖を指し、スイッチされないアイソタイプをコードするCH遺伝子は、典型的には、機能的に再構成されたVDJ遺伝子からすぐ下流の最初のCH遺伝子である。アイソタイプスイッチングは、古典的または非古典的なアイソタイプスイッチングとして分類されている。古典的アイソタイプスイッチングは、導入遺伝子中の少なくとも1つのスイッチ配列領域が関与する組み換え事象によって起こる。非古典的アイソタイプスイッチングは、例えばヒトσμとヒトΣμとの間での相同組み換えによって起こり得る(δ関連欠失)。代替の非古典的スイッチング機序(とりわけ導入遺伝子間及び/または染色体間の組み換え等)が、起こり、アイソタイプスイッチングを有効にし得る。
本明細書において使用される時、「核酸」という用語は、一本鎖形態または二本鎖形態のいずれかでのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド及びそのポリマーを指す。具体的に限定されない限り、当該用語は、参照核酸と類似する結合特性を有し、天然に存在するヌクレオチドに類似する様式で代謝される、天然ヌクレオチドの既知のアナログを含有する核酸を網羅する。別段の指示のない限り、特定の核酸配列は、明示的に示された配列に加えて、保存的に修飾されたそのバリアント(例えば縮重コドン置換)及び相補的配列も暗黙的に網羅する。具体的には、縮重コドン置換は、1つまたは複数の選択された(またはすべての)コドンの第3の位置が、混合塩基及び/またはデオキシイノシン残基により置換された配列を生成することによって達成され得る(Batzer et al.,Nucleic Acid Res.19:5081,1991;Ohtsuka et al.,Biol.Chem.260:2605-2608,1985;及びCassol et al,1992;Rossolini et al,Mol.Cell.Probes 8:91-98,1994)。アルギニン及びロイシンについては、第2の塩基での修飾も保存的であり得る。核酸という用語は、遺伝子、cDNA、及び遺伝子によってコードされたmRNAと互換的に使用される。
本明細書において使用されるポリヌクレオチドは、任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオクスリボヌクレオチド(polydeoxribonucleotide)から構成され得、それらは非修飾RNAもしくはDNA、または修飾RNAもしくはDNAであり得る。例えば、ポリヌクレオチドは、一本鎖及び二本鎖のDNA、一本鎖及び二本鎖の領域の混合物であるDNA、一本鎖及び二本鎖のRNA、ならびに一本鎖及び二本鎖の領域の混合物であるRNA、一本鎖領域もしくはより典型的には二本鎖領域または一本鎖及び二本鎖の混合領域であり得るDNA及びRNAを含むハイブリッド分子から構成され得る。加えて、ポリヌクレオチドは、RNAもしくはDNA、またはRNA及びDNAの両方を含む三本鎖領域から構成され得る。ポリヌクレオチドは、安定性または他の理由のために修飾された、1つまたは複数の修飾された塩基またはDNAもしくはRNAの骨格も含有し得る。「修飾」塩基としては、例えばトリチル化塩基及びまれな塩基(イノシン等)が挙げられる。様々な修飾がDNA及びRNAへ行われ得る。したがって、「ポリヌクレオチド」は、化学的に、酵素により、または代謝的に修飾された形態を包含する。
核酸は、それが別の核酸配列と機能的な関係性へと配置される場合に「作動可能に連結されている」。例えば、プロモーターまたはエンハンサーが配列の転写に影響するならば、コード配列へ作動可能に連結されている。転写調節配列に関して、作動可能に連結されるとは、連結されるDNA配列が連続すること、及び2つのタンパク質コード領域を繋ぐことが必要な場合は、リーディングフレームで連続することを意味する。スイッチ配列については、作動可能に連結された配列は、スイッチ組み換えの達成が可能であることを示す。
本明細書において使用される時、「非経口投与」、「非経口投与される」、及び他の文法上同等の語句は、経腸投与及び局所投与(topical administration)以外の投与モードを指し、通常注射によるものであり、静脈内、鼻腔内、眼内、筋肉内、動脈内、髄腔内、被膜内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、脊髄内、硬膜外、大脳内、頭蓋内、頸動脈内、及び胸骨内の注射及び点滴が限定されずに挙げられる。
本明細書において使用される時、「患者」という用語は、予防的処置または治療処置のいずれかを受けるヒト及び他の哺乳動物対象を包含する。
本明細書において使用される時、「PD-1アンタゴニスト」という用語は、PD-1シグナル伝達経路を阻害するか、またはそうでなければ細胞(例えば免疫細胞)におけるPD-1機能を阻害する、任意の化学化合物または生物学的分子を指す。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-L1がPD-1へ結合すること及び/またはPD-L2がPD-1へ結合することをブロックする。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-1に特異的に結合する。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-L1に特異的に結合する。
「パーセント同一性」という用語は、2つ以上の核酸配列またはポリペプチド配列の文脈において、以下で記載された配列比較アルゴリズム(例えばBLASTP及びBLASTN、または当業者に利用可能な他のアルゴリズム)のうちの1つを使用して、または視覚的検査によって測定されるように、最大の対応について比較しアライメントさせた場合に、同じであるヌクレオチドまたはアミノ酸残基の規定のパーセンテージを有する、2つ以上の配列またはサブ配列を指す。適用に依存して、「パーセント同一性」は、比較されている配列の領域にわたって、例えば機能的ドメインにわたって存在し得るか、または代替的には比較される2つの配列の全長にわたって存在し得る。配列比較のために、典型的には、1つの配列が参照配列として働き、それへ試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを使用する場合に、試験配列及び参照配列はコンピューターへと入力され、必要であるならばサブ配列座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムにより、指定されたプログラムパラメーターに基づいて、参照配列に比べた試験配列(複数可)についてのパーセント配列同一性を計算する。
比較のための配列の最適なアライメントは、例えばSmith & Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリズムによって、Needleman & Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性アライメントアルゴリズムによって、Pearson & Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似性についての探索方法によって、これらのアルゴリズムのコンピューター化実装(Wisconsin Genetics Software Package(Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis.)中のGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)、または視覚的検査(概してAusubel et al.、下記を参照)によって遂行され得る。
パーセント配列同一性及び配列類似性の決定のために好適なアルゴリズムの1つの例は、BLASTアルゴリズムであり、それはAltschul et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990)中で記載される。BLAST分析の遂行のためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationのウェブサイトを介して公的に利用可能である。
概して本明細書において使用される時、「薬学的に許容される」は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、炎症、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症無しに、合理的なベネフィット/リスク比と釣り合った、ヒト及び動物の組織、器官、及び/または体液と接触させる使用に好適な、化合物、材料、組成物及び/または投薬形態を指す。
本明細書において使用される時、「薬学的に許容される担体」は、任意の及びすべての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤、ならびに生理学的に適合性がある同種のものを指し、それらを包含する。組成物としては、薬学的に許容される塩(例えば酸付加塩または塩基付加塩)が挙げられ得る(例えばBerge et al.(1977)J Pharm Sci 66:1-19を参照)。
本明細書において使用される時、「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、互換的に使用されて、アミノ酸残基のポリマーを指す。これらの用語は、1つまたは複数のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の人工的な化学的模倣体であるアミノ酸ポリマー、そして天然に存在するアミノ酸ポリマー、及び天然に存在しないアミノ酸ポリマーへ適用される。
本明細書において使用される時、「予防すること」という用語は、病態に関連して使用される場合に、組成物を受け取らない対象に比べて、対象において医学的条件の症状の頻度を低減するか、またはその開始を遅延させる組成物の投与を指す。
本明細書において使用される時、「精製された」または「単離された」という用語は、本明細書において記載されるタンパク質(抗体または断片)のうちの任意のものへ適用される時、構成要素(例えばタンパク質、または他の天然に存在する生物学的分子もしくは有機分子)から分離または精製されたポリペプチドを指し、当該構成要素は当該ポリペプチドに天然に付随する(例えばタンパク質を発現する原核生物中の他のタンパク質、脂質、及び核酸)。典型的には、サンプル中の全タンパク質の少なくとも60(例えば少なくとも65、70、75、80、85、90、92、95、97、または99)%を重量で構成する場合に、ポリペプチドは精製されている。
本明細書において使用される時、「プログラム細胞死タンパク質1」または「PD-1」という用語は、CD28ファミリーに属する免疫阻害性受容体であるプログラム細胞死タンパク質1ポリペプチドを指し、ヒトにおいてPDCD1遺伝子によってコードされる。PD-1についての代替名称または同義語としては、PDCD1、PD1、CD279、及びSLEB2が挙げられる。PD-1は、あらかじめ活性化されたT細胞、B細胞、及び骨髄性細胞でインビボで優先的に発現され、2つのリガンド(PD-L1及びPD-L2)へ結合する。「PD-1」という用語は、本明細書において使用される時、ヒトPD-1(hPD-1)、hPD-1のバリアント、アイソフォーム、及び種ホモログ、ならびにhPD-1と少なくとも1つの共通のエピトープを有する類似体を包含する。完全なhPD-1配列は、GenBankアクセッション番号AAC51773下で見出され得る。
本明細書において使用される時、「プログラム死リガンド-1」または「PD-L1」という用語は、PD-1についての2つの細胞表面糖タンパク質リガンドのうちの1つ(他のものはPD-L2)でありそれは、PD-1への結合に際して、T細胞活性化及びサイトカイン分泌をダウンレギュレートする。PD-L1についての代替名称及び同義語としては、PDCD1L1、PDL1、B7H1、B7-4、CD274、及びB7-Hが挙げられる。「PD-L1」という用語は、本明細書において使用される時、ヒトPD-L1(hPD-L1)、hPD-L1のバリアント、アイソフォーム、及び種ホモログ、ならびにhPD-L1と少なくとも1つの共通のエピトープを有する類似体を包含する。完全なhPD-L1配列は、GenBankアクセッション番号Q9NZQ7下で見出され得る。
PD-1は、TCRシグナルを負に調節する免疫阻害性タンパク質として公知である(Ishida,Y.et al.(1992)EMBO J.11:3887-3895;Blank,C.et al.(Epub 2006 Dec.29)Immunol.Immunother.56(5):739-745)。PD-1とPD-L1との間の相互作用は、免疫チェックポイントとして作用することができ、それはT細胞受容体媒介性分裂増殖の減少を導き得る(Dong et al.(2003)J.Mol.Med.81:281-7;Blank et al.(2005)Cancer Immunol.Immunother.54:307-314;Konishi et al.(2004)Clin.CancerRes.10:5094-100)。免疫抑制は、PD-L1またはPD-L2とのPD-1の局所的相互作用の阻害によって回復され得、PD-L2とPD-1の相互作用が同様にブロックされる場合に、効果は相加的である(Iwai et al.(2002)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 99:12293-7;Brown et al.(2003)J.Immunol.170:1257-66)。
複数のがんについては、腫瘍の生存及び分裂増殖は、腫瘍媒介性免疫チェックポイント調節によって持続される。この調節は、抗がん免疫系機能の混乱をもたらし得る。例えば、最近の研究から、腫瘍細胞による免疫チェックポイント受容体リガンド(PD-L1またはPD-L2等)の発現が、特にT細胞の抑制によって、腫瘍微小環境において免疫系活性をダウンレギュレートし、がん免疫回避を増進し得ることが示されている。PD-L1は、様々なヒトがんによって多量に発現される(Dong et al.,(2002)Nat Med 8:787-789)。PD-L1についての受容体(PD-1)は、リンパ球(例えば活性化されたT細胞)上で発現され、特にT細胞の抑制によって、通常は免疫系をダウンレギュレートし、自己寛容の増進に関与する。しかしながら、T細胞上で発現されたPD-1受容体が、腫瘍細胞上の同族のPD-L1リガンドへ結合する場合に、もたらされるT細胞の抑制は、腫瘍に対する免疫応答の悪化に寄与する(例えば腫瘍浸潤リンパ球の減少、またはがん細胞による免疫回避の確立)。
例えば卵巣癌、腎臓癌、結腸直腸癌、膵臓癌、肝臓癌、及び黒色腫の大量のサンプルのセットにおいて、PD-L1発現は、後続の治療にかかわらず、予後不良及び全生存率の低減と相関することが示された(例えばDong et al.,(2002)Nat Med 8(8):793-800;Yang et al.,(2008)Invest Ophthalmol Vis Sci 49(6):2518-2525;Ghebeh et al.,(2006)Neoplasia 8:190-198;Hamanishi et al.,(2007)Proc Nat Acad Sci USA 104:3360-3365;Thompson et al.,(2006)Clin Genitourin Cancer 5:206-211;Nomi et al.,(2005)Clin Cancer Res 11:2947-2953;Inman et al.,(2007)Cancer 109:1499-1505;Shimauchi et al.,(2007)Int J Cancer 121:2585-2590;Gao et al.,(2009)Clin Cancer Res 15:971-979;Nakanishi et al.,(2007)Cancer Immunol Immunother 56:1173-1182;Hino et al.,(2010)Cancer 116(7):1757-1766を参照)。同様に、腫瘍リンパ球上のPD-1発現は、乳癌(Kitano et al.,(2017)ESMO Open 2(2):e000150)及び黒色腫(Kleffel et al.,(2015)Cell 162(6):1242-1256)における機能障害のT細胞をマークすることが明らかにされた。PD-1アンタゴニスト(例えばPD-1/PD-L1/PD-L2シグナル伝達軸の機能に影響するもの、及び/またはPD-1及びPD-L1及び/またはPD-L2間の相互作用を混乱させるもの等)が、開発されており、それは、免疫細胞-腫瘍細胞相互作用の調節を介して機能する新規クラスの抗腫瘍阻害物質を表わす。
本明細書において使用される時、「再構成された」という用語は、Vセグメントが、完全なVドメインまたはVを本質的にコードする立体配座で、それぞれD-JセグメントまたはJセグメントにすぐ隣接して配置される、重鎖または軽鎖の免疫グロブリン遺伝子座の立体配置を指す。再構成された免疫グロブリン遺伝子の遺伝子座は、生殖細胞系列DNAへの比較によって同定され得、再構成された遺伝子座は、少なくとも1つの組み換えられたヘプタマー/ノナマーの相同エレメントを有するだろう。
本明細書において使用される時、「組み換え宿主細胞」(または単純に「宿主細胞」)という用語は、組み換え発現ベクターが導入された細胞を指すように意図される。かかる用語が特定の対象細胞だけでなく、かかる細胞の子孫も指すように意図されることを理解するべきである。特定の修飾が、突然変異または環境の影響のいずれかに起因して次世代において起こり得るので、かかる子孫は実際は親細胞に同一ではないが、本明細書において使用される時、それでも「宿主細胞」という用語の範囲内に包含される。
本明細書において使用される時、「組み換えヒト抗体」という用語は、(a)ヒト免疫グロブリン遺伝子についての遺伝子導入動物もしくは染色体導入動物(例えばマウス)またはそれらから調製されたハイブリドーマから単離された抗体、(b)抗体を発現するように形質転換された宿主細胞から(例えばトランスフェクトーマから)単離された抗体、(c)組み換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体、及び(d)ヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングに関与する任意の他の手段によって調製、発現、生成、または単離された抗体等の、組み換え手段によって調製、発現、生成、または単離された抗体を包含する。かかる組み換えヒト抗体は、特定のヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列を利用する可変領域及び定常領域を含む生殖細胞系列遺伝子によってコードされるが、例えば抗体成熟の間に起こる後続の再構成及び突然変異を含む。当技術分野において公知であるように(例えばLonberg(2005)Nature Biotech.23(9):1117-1125を参照)、可変領域は抗原結合ドメインを含有し、これは再構成して外来の抗原に特異的な抗体を形成する様々な遺伝子によってコードされる。再構成に加えて、可変領域は、複数の単一アミノ酸変化(体細胞突然変異または超変異と称された)によってさらに修飾されて、外来の抗原への抗体の親和性を増加させることができる。定常領域は、抗原へさらに応答して変化するだろう(すなわちアイソタイプスイッチ)。したがって、軽鎖免疫グロブリン及び重鎖免疫グロブリンのポリペプチドをコードする、抗原に応答して再構成され体細胞突然変異した核酸分子は、元の核酸分子と配列同一性を有していなくてもよいが、その代りに、実質的に同一であるか、または類似するだろう(すなわち少なくとも80%の同一性を有する)。
本明細書において使用される時、「参照抗体」(「参照mAb」と互換的に使用される)または「参照抗原結合タンパク質」という用語は、IL-27上の特異的エピトープへ結合する抗体またはその抗原結合断片を指し、参照抗体自体と1つまたは複数の別個の抗体との間の関係性を確立するために使用され、当該関係性は、参照抗体及び1つまたは複数の別個の抗体のIL-27上の同じエピトープへの結合である。本明細書において使用される時、当該用語は、本明細書において記載されるもの等の試験またはアッセイ(例えば競合結合アッセイ)において競合物質として有用な抗IL-27抗体を暗示し、当該アッセイは、同じエピトープへ結合する1つまたは複数の別個の抗体の探索、同定、または開発に有用である。
本明細書において使用される時、「特異的結合」、「選択的結合」、「選択的に結合する」、及び「特異的に結合する」という用語は、所定の抗原上のエピトープへの抗体の結合を指す。典型的には、抗体は、分析物として組み換えヒトIL-27を使用し、リガンドとして抗体を使用して、BIACORE 2000機器において表面プラズモン共鳴(SPR)技術によって決定された場合に、およそ10-6M未満(およそ10-7、10-8M、10-9M、もしくは10-10M未満、または場合によってはより低い等)の平衡解離定数(K)で結合し、所定の抗原または非常によく関連する抗原以外の非特異的抗原(例えばBSA、カゼイン)への結合についての親和性よりも、少なくとも2倍高い親和性で、所定の抗原へ結合する。ある特定の態様において、IL-27へ特異的に結合する抗体は、分析物として組み換えヒトIL-27を使用し、リガンドとして抗体を使用して、BIACORE 2000機器において表面プラズモン共鳴(SPR)技術によって決定された場合に、およそ100nM(10-7M)未満、任意選択でおよそ50nM(5×10-8M)未満、任意選択でおよそ15nM(1.5×10-8M)未満、任意選択でおよそ10nM(10-8M)未満、任意選択でおよそ5nM(5×10-9M)未満、任意選択でおよそ1nM(10-9M)未満、任意選択でおよそ0.1nM(10-10M)未満、任意選択でおよそ0.01nM(10-11M)未満、または場合によってはより低い平衡解離定数(K)で結合し、所定の抗原への結合は、所定の抗原または非常によく関連する抗原以外の非特異的抗原(例えばBSA、カゼイン)への結合についての抗体の親和性よりも、少なくとも2倍高い親和性で起こる。「抗原を認識する抗体」及び「抗原について特異的な抗体」という語句は、本明細書において、「抗原へ特異的に結合する抗体」という用語と互換的に使用される。
本明細書において使用される時、「STAT1リン酸化」という用語は、シグナル伝達兼転写活性化因子1(STAT1)ポリペプチド(ヒトにおいてSTAT1遺伝子によってコードされる転写因子)のリン酸化を指す。STAT分子は、受容体関連キナーゼによってリン酸化され、それが、ホモ二量体またはヘテロ二量体を形成することによって活性化及び二量体化を引き起こし、それらは核へ移動して転写因子として働く。STAT1は、複数のリガンド(IL-27が挙げられる)を介するシグナル伝達に応答して、活性化(すなわちリン酸化)され得る。IL-27Rを介するIL-27シグナル伝達は、STAT1のリン酸化(pSTAT1)をもたらす。STAT1は、細胞の生存、生存度、または病原体応答に関与する遺伝子発現において重要な役割を有する。IL-27シグナル伝達の結果としてのSTAT1リン酸化を決定する方法としては、リン酸化STAT1を特異的に認識する抗体により標識された細胞のフローサイトメトリーによる分析が挙げられるがこれらに限定されない(例えばTochizawa et al.,(2006)J Immunol Methods 313(1-2):29-37を参照)。
本明細書において使用される時、「STAT3リン酸化」という用語は、シグナル伝達兼転写活性化因子3(STAT3)ポリペプチド(ヒトにおいてSTAT3遺伝子によってコードされる転写因子)のリン酸化を指す。STAT3は、細胞刺激に応答して様々な遺伝子の発現を媒介し、したがって多くの細胞プロセス(細胞増殖及びアポトーシス等)において重要な役割を果たす。IL-27シグナル伝達の結果としてのSTAT3リン酸化を決定する方法としては、リン酸化STAT3を特異的に認識する抗体により標識された細胞または細胞抽出物の分析が挙げられるがこれらに限定されない(例えばFursov et al.,(2011)Assay Drug Dev Technol 9(4):420-429を参照)。
本明細書において使用される時、「スイッチ配列」という用語は、スイッチ組み換えを担うDNA配列を指す。「スイッチドナー」配列(典型的にはμスイッチ部位)は、スイッチ組み換えの間に欠失するコンストラクト領域の5’(すなわち上流)にあるだろう。「スイッチアクセプター」領域は、欠失することになるコンストラクト領域と置き換えられる定常領域(例えばγ、εなど)との間にあるだろう。組み換えが常に起こる特異的な部位がないので、最終的な遺伝子配列は、典型的には、コンストラクトから予測可能ではないだろう。
本明細書において使用される時、「対象」という用語は、任意のヒトまたは非ヒト動物を包含する。例えば、本開示の方法及び組成物は、免疫障害の有る対象の治療に使用され得る。「非ヒト動物」という用語は、すべての脊椎動物、例えば哺乳動物及び非哺乳動物(非ヒト霊長動物、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両生動物、爬虫類動物等)を包含する。
核酸については、「実質的な相同性」という用語は、2つの核酸またはその指定の配列が、最適にアライメントされて比較された場合に、ヌクレオチドのうちの少なくとも約80%、ヌクレオチドのうちの通常少なくとも約90%~95%及びより好ましくは少なくとも約98%~99.5%で、適切なヌクレオチド挿入または欠失を伴って、同一であることを示す。代替的に、セグメントが、選択的ハイブリダイゼーション条件下でストランドの相補物へハイブリダイズする場合に、実質的な相同性は存在する。
2つの配列間のパーセント同一性は、2つの配列の最適なアライメントのために導入される必要のあるギャップの数及び各々のギャップの長さを考慮に入れて、配列によって共有される同一である位置の数の関数(すなわち%相同性=同一である位置の数/位置の総数×100)である。非限定的例において以下で記載されるように、配列の比較及び2つの配列間のパーセント同一性の決定は数学的アルゴリズムを使用して達成され得る。
2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(http://www.gcg.comで利用可能)中のGAPのプログラムを使用して、NWSgapdna.CMPマトリックス、ならびに40、50、60、70、または80のギャップの重み付け、及び1、2、3、4、5、または6の長さの重み付けを使用して、決定され得る。2つのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列間のパーセント同一性は、ALIGNプログラム(バージョン2.0)の中へ組込まれたE.Meyers and W.Miller(CABIOS,4:11-17(1989))のアルゴリズムを使用して、PAM120重み付け残基表、12のギャップ長ペナルティ、及び4のギャップペナルティを使用しても、決定され得る。加えて、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(http://www.gcg.comで入手可能)中のGAPプログラムの中へ組込まれたNeedleman and Wunsch(J.Mol.Biol.(48):444-453(1970))アルゴリズムを使用して、Blossum 62マトリックスまたはPAM250マトリックスのいずれか、ならびに16、14、12、10、8、6、または4のギャップの重み付け、及び1、2、3、4、5、または6の長さの重み付けを使用して、決定され得る。
本開示の核酸及びタンパク質配列は、例えば関連配列を同定するために、公開データベースに対する検索を遂行するための「クエリ配列」としてさらに使用され得る。かかる検索は、Altschul,et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-10のNBLASTプログラム及びXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使用して遂行され得る。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12により遂行されて、本開示の核酸分子に相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3により遂行されて、本開示のタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較の目的のためのギャップを入れたアライメントを得るために、Gapped BLASTは、Altschul et al.,(1997)Nucleic Acids Res.25(17):3389-3402中で記載されるように利用され得る。BLASTプログラム及びGapped BLASTプログラムを利用する場合に、それぞれのプログラム(例えばXBLAST及びNBLAST)のデフォルトパラメーターが使用され得る。http://www.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。
核酸は、全細胞中に、細胞溶解物中に、または部分的に精製された形態もしくは実質的に純粋な形態で存在し得る。標準的技法(アルカリ/SDS処理、CsClバンディング、カラムクロマトグラフィー、アガロースゲル電気泳動、及び当技術分野において周知の他のものが挙げられる)によって、他の細胞構成要素または他の混入物質(例えば他の細胞核酸またはタンパク質)から精製される場合に、核酸は「単離されている」または「実質的に純粋である」。F.Ausubel,et al.,ed.Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing and Wiley Interscience,New York(1987)を参照されたい。
本開示の核酸組成物は、多くの場合ネイティブな配列(修飾された制限部位及び同種のものを除いて)であるが、遺伝子配列を提供する標準的技法に従って、cDNA、ゲノム、またはそれらの混合物のいずれかから突然変異し得る。コーディング配列については、これらの突然変異は、所望に応じてアミノ酸配列に影響し得る。特に、ネイティブなV、D、J、定常、スイッチ、及び本明細書において記載される他のかかる配列に実質的に相同であるか、またはそれらに由来する、DNA配列が企図される(ここで、「由来する」とは、ある配列が別の配列と同一であるかまたはそれから修飾されていることを示す)。
本明細書において使用される時、「STING」(代替的にTMEM173)という用語は、インターフェロン遺伝子の刺激因子(直接的な細胞質DNAセンサー及びアダプタータンパク質の両方として機能するタンパク質)を指す。ヒトにおいて、STINGは、TMEM173遺伝子によってコードされる。STINGは、先天性免疫において重要な役割を果たす。細胞が細胞内病原体(ウイルス、マイコバクテリア、及び細胞内寄生生物等)により感染される場合に、STINGは、タイプIインターフェロンの産生を誘導する。STINGによって媒介されたタイプIインターフェロンは、それを分泌する同じ細胞及び近傍の細胞へ結合することによって、感染した細胞及び近傍の細胞を局所感染から保護する。STINGについての例示的なアミノ酸配列は、アクセッション番号NP_001288667下でNCBI Genbankデータベースによって提供される。
「T細胞」という用語は、細胞表面上のT細胞受容体の存在によって他の白血球と区別され得るタイプの白血球を指す。T細胞には複数のサブセットがあり、当該サブセットとしては、Tヘルパー細胞(別名T細胞またはCD4T細胞)及びサブタイプ(T1細胞、T2細胞、T3細胞、T17細胞、T9細胞、及びTFH細胞を包含する)、細胞傷害性T細胞(別名T細胞、CD8T細胞、細胞傷害性Tリンパ球、Tキラー細胞、キラーT細胞)、メモリーT細胞及びサブタイプ(セントラルメモリーT細胞(TCM細胞)及びエフェクターメモリーT細胞(TEM細胞及びTEMRA細胞)、及びレジデントメモリーT細胞(TRM細胞)を包含する)、調節性T細胞(別名Treg細胞またはサプレッサーT細胞)及びサブタイプ(CD4FOXP3reg細胞、CD4FOXP3reg細胞、Tr1細胞、Th3細胞、及びTreg17細胞を包含する)、ナチュラルキラーT細胞(別名NKT細胞)、粘膜関連インバリアントT細胞(MAIT)、ならびにガンマデルタT細胞(γδT細胞)(Vγ9/Vδ2 T細胞を包含する)が挙げられるがこれらに限定されない。前述されないかまたは言及されないT細胞のうちの任意の1つまたは複数は、本開示の使用法のための標的細胞タイプであり得る。
本明細書において使用される時、「T細胞媒介性応答」という用語は、エフェクターT細胞(例えばCD8細胞)及びヘルパーT細胞(例えばCD4細胞)が挙げられるがこれらに限定されない、T細胞によって媒介される任意の応答を指す。T細胞媒介性応答としては、例えばT細胞の細胞傷害性及び分裂増殖が挙げられる。
本明細書において使用される時、「治療有効量」もしくは「治療有効用量」という用語、または本明細書において使用される類似する用語は、所望の生物学的応答または医学的応答(例えばがんの1つまたは複数の症状の改善)を惹起する薬剤(例えば抗IL-27抗体またはその抗原結合断片)の量を意味するように意図される。
本明細書において使用される時、「TAM受容体」という用語は、TAM受容体タンパク質チロシンキナーゼ(TYRO3、AXL、及びMER)を指す。TAM受容体は、免疫系恒常性の調節に関与する。がんの状況において、TAM受容体は、二重調節性の役割(腫瘍発生の開始及び進行の制御、ならびに同時に多様な免疫細胞の関連する抗腫瘍応答の制御)を有する。TAM受容体のさらなる記載は、Paolino and Penninger(2016)Cancers 8(97):doi:10.3390/cancers8100097)中で見出される。本明細書において使用される時、「TAM受容体阻害物質」または「TAM阻害物質」という用語は、TAM受容体の機能または活性を阻害、ブロック、または低減する薬剤を指す。
本明細書において使用される時、「TIGIT」または「Ig及びITIMドメインを持つT細胞免疫受容体」という用語は、別段の指示のない限り、霊長動物(例えばヒト)及び齧歯動物(例えばマウス及びラット)等の哺乳動物を包含する、任意の脊椎動物供給源からの任意のネイティブなTIGITを指す。TIGITは、DKFZp667A205、FLJ39873、Vセット・免疫グロブリンドメイン含有タンパク質9、Vセット・膜貫通ドメイン含有タンパク質3、VSIG9、VSTM3、及びWUCAMとしても当技術分野において公知である。当該用語は、TIGITの天然に存在するバリアント(例えばスプライスバリアントまたは対立遺伝子バリアント)も網羅する。例示的なヒトTIGITのアミノ酸配列は、UniProtアクセッション番号Q495A1下で見出され得る。
「治療する」「治療すること」、及び「治療」という用語は、本明細書において使用される時、本明細書において記載される治療的処置または予防的処置を指す。「治療」の方法は、障害もしくは再発性の障害の1つもしくは複数の症状を予防、治癒、遅延、当該症状の重症度を低減、もしくは当該症状を改善するために、またはかかる治療の非存在下において予想されたものを超えて対象の生存を延長するために、かかる治療を必要とする対象(例えば特定の抗原に対する免疫応答の促進を必要とする対象、または最終的にかかる障害を取得し得る対象)へ、本開示のヒト抗体を投与することを採用する。
本明細書において使用される時、「腫瘍微小環境」(代替的に「がん微小環境」;短縮でTME)という用語は、腫瘍または新生物が存在する、周囲の血管そして非がん性細胞(免疫細胞、線維芽細胞、骨髄由来炎症細胞、及びリンパ球が挙げられるがこれらに限定されない)を含む細胞の環境(environment)または環境(milieu)を指す。シグナル伝達分子及び細胞外マトリックスも、TMEを構成する。腫瘍及び周囲の微小環境は密接に関係し、常時相互作用する。腫瘍は、細胞外シグナルを放出し、腫瘍血管形成を増進し、末梢性免疫寛容を誘導することによって、微小環境に影響を及ぼし得る一方で、微小環境中の免疫細胞は、腫瘍細胞の増殖及び発達に影響し得る。
本明細書において使用される時、「再構成されていない」または「生殖細胞系列での立体配置」という用語は、VセグメントがDまたはJセグメントにすぐ隣接するようは組み換えられていない立体配置を指す。
本明細書において使用される時、「ベクター」という用語は、それが連結された別の核酸を輸送することが可能な核酸分子を指すように意図される。1つのタイプのベクターは「プラスミド」であり、これは、追加のDNAセグメントがライゲーションされ得る環状二本鎖DNAループを指す。別のタイプのベクターはウイルスベクターであり、追加のDNAセグメントはウイルスゲノムの中へライゲーションされ得る。ある特定のベクターは、それらが導入される宿主細胞中で自律的複製が可能である(例えば細菌性複製起点を有する細菌ベクター及びエピソーム性哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば非エピソーム性哺乳類ベクター)は、宿主細胞の中への導入に際して宿主細胞のゲノムの中へ組み込まれ得て、それによって宿主ゲノムと一緒に複製される。さらに、ある特定のベクターは、それらが作動するように連結された遺伝子の発現を指令することができる。かかるベクターは、「組み換え発現ベクター」または単純に「発現ベクター」と本明細書において称される。概して、組み換えDNA技法において有用な発現ベクターは、多くの場合プラスミドの形態である。本明細書において、プラスミドがベクターの最も一般に使用される形態であるので、「プラスミド」及び「ベクター」は互換的に使用され得る。しかしながら、本開示は、ウイルスベクター等の同等の機能を供する他の形態の発現ベクター(例えば複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルス)を包含することが意図される。
別段定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。好ましい方法及び材料が以下に記載されるが、本明細書において記載されるものに類似または同等の方法及び材料も、本明細書において開示される方法及び組成物の実践または試験において使用され得る。本明細書において言及されるすべての出版物、特許出願、特許、及び他の参照文献は、参照することによってそれらの全体が援用される。
II.本開示の方法
本開示のいくつかの態様は、対象において免疫応答を刺激する方法であって、ヒトIL-27またはその抗原結合部分に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を対象に投与することを含む方法に関する。本開示のいくつかの態様は、治療を必要とする対象においてがんを治療する方法であって、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を対象に投与することを含む方法に関する。本開示のいくつかの態様は、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3のリン酸化を阻害または低減する方法であって、本開示によって提供される単離された抗体または抗原結合断片と細胞を接触させることを含み、抗体またはその抗原結合部分が、細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3のリン酸化を阻害または低減する方法に関する。本開示のいくつかの態様は、細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低減する方法であって、本開示によって提供される単離された抗体または抗原結合断片と細胞を接触させることを含み、抗体またはその抗原結合部分が、細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低減する方法に関する。本開示のいくつかの態様は、細胞におけるPD-L1の発現を阻害または低減する方法であって、本開示によって提供される単離された抗体または抗原結合断片と細胞を接触させることを含み、抗体またはその抗原結合部分が、細胞におけるPD-L1の発現を阻害または低減する方法に関する。本開示のいくつかの態様は、細胞におけるTIM-3発現を変化させる方法であって、本開示によって提供される単離された抗体または抗原結合断片と細胞を接触させることを含み、抗体またはその抗原結合部分が、TIM-3発現を変化させる方法に関する。本開示のいくつかの態様は、細胞からの1つまたは複数のサイトカインの分泌を誘導または促進する方法であって、本開示によって提供される単離された抗体または抗原結合断片と細胞を接触させることを含み、抗体またはその抗原結合部分が、細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または促進する方法に関する。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.003mg/kg~少なくとも約20mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、(i)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸37~56、(ii)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸142~164、または(iii)(i)及び(ii)の両方のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、pSTAT1阻害レベルのIC90、すなわち約0.7ug/mL超を治療期間中、例えば28日間、56日間、または84日間、維持するのに十分な用量で投与される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.006mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約0.009mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約0.01mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約0.03mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約0.06mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約0.09mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約0.1mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約0.3mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約0.6mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約0.9mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約1mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約1mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約3mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約6mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約10mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約13mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約13mg/kg~少なくとも約18mg/kg、少なくとも約13mg/kg~少なくとも約16mg/kg、少なくとも約16mg/kg~少なくとも約20mg/kg、少なくとも約16mg/kg~少なくとも約18mg/kg、少なくとも約3mg/kg~少なくとも約18mg/kg、少なくとも約6mg/kg~少なくとも約15mg/kg、少なくとも約13mg/kg~少なくとも約18mg/kg、または少なくとも約10mg/kg~少なくとも約15mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.006mg/kg~少なくとも約10mg/kg、少なくとも約0.009mg/kg~少なくとも約10mg/kg、少なくとも約0.01mg/kg~少なくとも約10mg/kg、少なくとも約0.03mg/kg~少なくとも約10mg/kg、少なくとも約0.06mg/kg~少なくとも約10mg/kg、少なくとも約0.09mg/kg~少なくとも約10mg/kg、少なくとも約0.1mg/kg~少なくとも約10mg/kg、少なくとも約0.3mg/kg~少なくとも約10mg/kg、少なくとも約0.6mg/kg~少なくとも約10mg/kg、少なくとも約0.9mg/kg~少なくとも約10mg/kg、少なくとも約1mg/kg~少なくとも約10mg/kg、少なくとも約1mg/kg~少なくとも約9mg/kg、少なくとも約3mg/kg~少なくとも約9mg/kg、少なくとも約1mg/kg~少なくとも約6mg/kg、少なくとも約3mg/kg~少なくとも約6mg/kg、または少なくとも約1mg/kg~少なくとも約3mg/kgの用量で投与される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.003mg/kg、少なくとも約0.006mg/kg、少なくとも約0.009mg/kg、少なくとも約0.01mg/kg、少なくとも約0.03mg/kg、少なくとも約0.06mg/kg、少なくとも約0.09mg/kg、少なくとも約0.1mg/kg、少なくとも約0.3mg/kg、少なくとも約0.6mg/kg、少なくとも約0.9mg/kg、少なくとも約1.0mg/kg、少なくとも約2mg/kg、少なくとも約3mg/kg、少なくとも約4mg/kg、少なくとも約5mg/kg、少なくとも約6mg/kg、少なくとも約7mg/kg、少なくとも約8mg/kg、少なくとも約9、または少なくとも約10mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約11mg/kg、少なくとも約12mg/kg、少なくとも約13mg/kg、少なくとも約14mg/kg、少なくとも約15mg/kg、少なくとも約16mg/kg、少なくとも約17mg/kg、少なくとも約18mg/kg、少なくとも約19、または少なくとも約20mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.003mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.006mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.009mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.01mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.03mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.06mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.09mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.1mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.3mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.6mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約0.9mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約1.0mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約2mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約3mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約4mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約5mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約6mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約7mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約8mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約9mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約10mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約11mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約12mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約13mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約14mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約15mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約16mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約17mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約18mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約19mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも約20mg/kgの用量で投与される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、ほぼ毎週1回、約2週間ごとに1回、約3週間ごとに1回、約4週間ごとに1回、約6週間ごとに1回、約8週間ごとに1回、または約12週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約4週間ごとに1回投与される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約0.3mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約1mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約2mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約3mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約4mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約5mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約6mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約7mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約8mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約9mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約10mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約11mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約12mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約13mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約14mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約15mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約16mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約17mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約18mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約19mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約20mg/kgの用量でほぼ毎週1回投与される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約0.3mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約1mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約2mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約3mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約4mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約5mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約6mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約7mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約8mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約9mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約10mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約11mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約12mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約13mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約14mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約15mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約16mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約17mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約18mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約19mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約20mg/kgの用量で約2週間ごとに1回投与される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約0.3mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約1mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約2mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約3mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約4mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約5mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約6mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約7mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約8mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約9mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約10mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約11mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約12mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約13mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約14mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約15mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約16mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約17mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約18mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約19mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約20mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約0.3mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約1mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約2mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約3mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約4mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約5mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約6mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約7mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約8mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約9mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約10mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約11mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約12mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約13mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約14mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約15mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約16mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約17mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約18mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約19mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約20mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される。
本開示の特定の態様は、治療を必要とする対象においてがんを治療する方法に関する。いくつかの態様において、がんは、カポジ肉腫、白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄芽球/前骨髄球/骨髄単球性/単球性の赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、バーキットリンパ腫及び辺縁帯B細胞リンパ腫、真性多血症リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレーム・マクログロブリン血症、重鎖病、固形腫瘍、肉腫及び癌腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸肉腫、結腸直腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌(RCC)、肝細胞癌(HCC)、肝細胞癌、胆管癌、絨毛腫、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起細胞腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽腫、網膜芽腫、鼻咽頭癌、食道癌、基底細胞癌、胆道癌、膀胱癌、骨癌、脳及び中枢神経系(CNS)癌、子宮頸癌、絨毛腫、結腸直腸癌、結合組織癌、消化器系癌、子宮内膜癌、食道癌、眼癌、頭頸部癌、胃癌、上皮内新生物、腎臓癌、喉頭癌、肝臓癌、肺癌(小細胞、大細胞)、黒色腫、神経芽腫;口腔癌(例えば唇、舌、口、及び咽頭)、卵巣癌、膵臓癌、網膜芽腫、横紋筋肉腫、直腸癌;呼吸器系癌、肉腫、皮膚癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌、尿路系癌、ならびにそれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの態様において、がんは、肺癌(例えば非小細胞肺癌)、肉腫、精巣癌、卵巣癌、膵臓癌、乳癌(例えばトリプルネガティブ乳癌)、黒色腫、頭頸部癌(例えば頭頸部扁平上皮癌)、結腸直腸癌、膀胱癌、子宮内膜癌、前立腺癌、甲状腺癌、肝細胞癌、胃癌、脳腫瘍、リンパ腫(例えばDL-BCL)、白血病(例えばAML)、または腎臓癌(例えば腎細胞癌、例えば淡明細胞型RCC及び/または非淡明細胞型RCC)から選ばれる。いくつかの態様において、方法は、がんの他の療法と併用して実施することができる。例えば、組成物は、放射線、外科手術、標的化化学療法もしくは細胞傷害性化学療法、化学放射線療法、ホルモン療法、免疫療法、遺伝子療法、細胞移植療法、高精度医療、ゲノム編集療法、または他の薬物療法と同時に、それらの前に、またはそれらの後に、対象に投与することができる。
いくつかの態様において、本明細書に開示される組成物は、投与経路に部分的に依存する様々な方法を使用して、対象、例えばヒト対象に投与される。経路は、例えば静脈注射もしくは静脈点滴(IV)、皮下注射(SC)、腹腔内(IP)注射、筋肉内注射(IM)、または髄腔内注射(IT)であり得る。注射は、ボーラスまたは連続点滴であり得る。
投与は、例えば局所的な点滴、注射、または植え込み手段によって達成することができる。植え込み物は、多孔質、非多孔質、またはゼラチン状の材料であり得、膜(サイラスティック膜等)または繊維が挙げられる。植え込み物は、対象への組成物の持続的または周期的な放出のために構成され得る。例えば米国特許出願公開第20080241223号;米国特許第5,501,856号;同第4,863,457号;及び同第3,710,795号;EP488401;及びEP430539(それらの各々の開示は、参照することによってそれらの全体が本明細書に援用される)を参照のこと。組成物は、例えば拡散システム、分解システム、または対流システムによる植え込み可能なデバイス、例えば浸透圧ポンプ、生物分解性植え込み物、電気拡散システム、電気浸透システム、蒸気圧ポンプ、電解ポンプ、起泡ポンプ、圧電ポンプ、分解型システム、または電子機械システムの手法によって対象へ送達することができる。
いくつかの態様において、抗IL-27抗体またはその抗原結合断片は、局所投与の手法によって対象へ治療的に送達される。
ある特定の態様において、投与経路は公知の方法と合致し、例えば、経口的なもの、静脈内、腹腔内、脳内(実質内)、脳室内、筋内、皮下、眼内、動脈内、門脈内、もしくは病巣内の経路;持続放出系によるもの、または植え込みデバイスによるものである。ある特定の態様において、組成物は、ボーラス注射によって、継続的な点滴によって、または植え込みデバイスによって投与することができる。ある特定の態様において、併用療法の個別の要素は、異なる経路によって投与することができる。
ある特定の態様において、組成物は、所望の分子が吸収またはカプセル化された膜、スポンジ、または別の適切な材料の植え込みを介して局所的に投与することができる。植え込みデバイスが使用される特定の態様において、デバイスは、任意の好適な組織または器官の中へ植え込まれ、所望の分子の送達は、拡散、徐放性ボーラス、または連続投与を介し得る。ある特定の態様において、抗IL-27抗体を含む医薬組成物をエクスビボの様式で使用することが望ましい場合がある。かかる実例において、患者から取り出された細胞、組織、及び/または器官は、抗IL-27抗体を含む医薬組成物へ曝露され、その後に細胞、組織、及び/または器官が、後続して患者の中へ戻して植え込まれる。
ある特定の態様において、抗IL-27抗体は、本明細書において記載されるもの等の方法を使用してポリペプチドを発現及び分泌するように遺伝子操作された特定の細胞を植え込むことによって、送達することができる。ある特定の態様において、かかる細胞は、動物またはヒト細胞であり得、自己由来、異種(heterologous)、異なる種(xenogeneic)であり得る。ある特定の態様において、細胞を不死化することができる。ある特定の態様において、免疫学的応答の機会を減少させるために、周囲の組織の浸潤を避けるように細胞をカプセル化することができる。ある特定の態様において、カプセル化材料は、典型的には、タンパク質産物(複数可)の放出を可能にするが、患者の免疫系による、または周囲の組織からの他の有害な因子による細胞の破壊は防止するような生体適合性の半透過性ポリマーの囲いまたは膜である。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分の投与後、対象は、エオタキシン-1(CCL11)、TARC(CCL17)、VEGF-A、IL-7、IL-8、MCP-1、MCP-4、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つまたは複数のバイオマーカーの発現の増加を呈し、当該1つまたは複数のバイオマーカーの発現の増加は、投与前の1つまたは複数のバイオマーカーの発現と比較される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分の投与後、対象は、エオタキシン-1(CCL11)の発現の増加を呈し、当該エオタキシン-1(CCL11)の発現の増加は、投与前のエオタキシン-1(CCL11)の発現と比較される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分の投与後、対象は、TARC(CCL17)の発現の増加を呈し、当該TARC(CCL17)の発現の増加は、投与前のTARC(CCL17)の発現と比較される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分の投与後、対象は、VEGF-Aの発現の増加を呈し、当該VEGF-Aの発現の増加は、投与前のVEGF-Aの発現と比較される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分の投与後、対象は、IL-7の発現の増加を呈し、当該IL-7の発現の増加は、投与前のIL-7の発現と比較される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分の投与後、対象は、IL-8の発現の増加を呈し、当該IL-8の発現の増加は、投与前のIL-8の発現と比較される。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分の投与後、対象は、MCP-1の発現の増加を呈し、当該MCP-1の発現の増加は、投与前のMCP-1の発現と比較される。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分の投与後、対象は、MCP-4の発現の増加を呈し、当該MCP-4の発現の増加は、投与前のMCP-4の発現と比較される。
A.抗IL-27抗体及びその抗原結合部分
本開示の特定の態様は、IL-27p28へ特異的に結合し、IL-27、特にヒトIL-27に拮抗する抗体及びその抗原結合部分を投与する方法に関する。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、対象の細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、pSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)を阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、pSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)を、抗体またはその抗原結合部分(例えば本明細書において開示される抗IL-27抗体)の投与前のpSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)と比較して、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、PSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)を、抗体またはその抗原結合部分(例えば、本明細書において開示される抗IL-27抗体)の投与前のPSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)と比較して、少なくとも約90%阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、PSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)を、抗体またはその抗原結合部分(例えば、本明細書において開示される抗IL-27抗体)の投与前のPSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)と比較して、少なくとも約91%阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、PSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)を、抗体またはその抗原結合部分(例えば、本明細書において開示される抗IL-27抗体)の投与前のPSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)と比較して、少なくとも約92%阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、PSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)を、抗体またはその抗原結合部分(例えば、本明細書において開示される抗IL-27抗体)の投与前のPSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)と比較して、少なくとも約93%阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、PSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)を、抗体またはその抗原結合部分(例えば、本明細書において開示される抗IL-27抗体)の投与前のPSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)と比較して、少なくとも約94%阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、PSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)を、抗体またはその抗原結合部分(例えば、本明細書において開示される抗IL-27抗体)の投与前のPSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)と比較して、少なくとも約95%阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、PSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)を、抗体またはその抗原結合部分(例えば、本明細書において開示される抗IL-27抗体)の投与前のPSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)と比較して、少なくとも約96%阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、PSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)を、抗体またはその抗原結合部分(例えば、本明細書において開示される抗IL-27抗体)の投与前のPSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)と比較して、少なくとも約97%阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、PSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)を、抗体またはその抗原結合部分(例えば、本明細書において開示される抗IL-27抗体)の投与前のPSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)と比較して、少なくとも約98%阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、PSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)を、抗体またはその抗原結合部分(例えば、本明細書において開示される抗IL-27抗体)の投与前のPSTAT1シグナル伝達(例えばIL-27媒介性pSTAT1シグナル伝達)と比較して、少なくとも約99%阻害または低減する。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、対象の細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、対象の細胞におけるPD-L1の発現を阻害または低減する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、対象の細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または促進する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、対象の細胞におけるTIM-3の発現を変化させる。いくつかの態様において、細胞は腫瘍細胞または免疫細胞である。
したがって、一態様において、本開示は、ヒトIL-27へ特異的に結合し拮抗する単離された抗体またはその抗原結合部分であって、本明細書において開示されるエピトープへ特異的に結合し、以下の特性:(i)15nM以下の平衡解離定数(K)でヒトIL-27へ結合する;(ii)IL-27受容体へのIL-27の結合をブロックする;(iii)細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3のリン酸化を阻害または低減する;(iv)細胞におけるCD161発現のIL-27媒介性阻害を阻害または低減する;(v)細胞におけるIL-27媒介性のPD-L1発現を阻害または低減する;(vi)細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または促進する;(vii)細胞におけるTIM-3の発現を変化させる;ならびに(viii)(i)~(vii)の組み合わせのうちの少なくとも1つまたは複数を呈する抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、(i)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸37~56、(ii)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸142~164、または(iii)(i)及び(ii)の両方のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する。いくつかの態様において、ヒトIL-27に拮抗する本開示の単離された抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、またはGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する。
本開示のいくつかの態様は、治療を必要とする対象においてがんを治療する方法であって、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を対象に投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分が、(i)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸37~56、(ii)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸142~164、または(iii)(i)及び(ii)の両方のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合し、抗体またはその抗原結合部分が、少なくとも約0.003mg/kg~少なくとも約10mg/kgの用量で投与され、抗体またはその抗原結合部分が、配列番号121または124で示される配列を含む重鎖CDR3を含む方法に関する。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号121で示される配列を含む重鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号124で示される配列を含む重鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号120または123で示される配列を含む重鎖CDR2を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号120で示される配列を含む重鎖CDR2を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号123で示される配列を含む重鎖CDR2を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号119または122で示される配列を含む重鎖CDR1を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号119で示される配列を含む重鎖CDR1を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号122で示される配列を含む重鎖CDR1を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号129または132で示される配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号129で示される配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号132で示される配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号128または131で示される配列を含む軽鎖CDR2を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号128で示される配列を含む軽鎖CDR2を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号131で示される配列を含む軽鎖CDR2を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号127または130で示される配列を含む軽鎖CDR1を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号127で示される配列を含む軽鎖CDR1を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号130で示される配列を含む軽鎖CDR1を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号119で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号120で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、及び配列番号121で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号122で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、及び配列番号124で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号127で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号128で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号129で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号130で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号131で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号132で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号119で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号120で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号121で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号127で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号128で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号129で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約0.003mg/kg~少なくとも約20mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号119で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号120で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号121で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号127で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号128で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号129で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約1mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号119で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号120で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号121で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号127で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号128で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号129で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約3mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号119で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号120で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号121で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号127で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号128で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号129で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約6mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号119で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号120で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号121で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号127で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号128で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号129で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約10mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号119で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号120で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号121で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号127で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号128で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号129で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約20mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号119で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号120で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号121で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号127で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号128で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号129で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号122で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号124で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号130で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号131で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号132で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約0.003mg/kg~少なくとも約20mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号122で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号124で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号130で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号131で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号132で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約0.003mg/kg~少なくとも約20mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号122で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号124で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号130で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号131で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号132で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約1mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号122で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号124で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号130で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号131で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号132で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約3mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号122で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号124で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号130で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号131で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号132で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約6mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号122で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号124で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号130で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号131で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号132で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約10mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号122で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号124で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号130で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号131で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号132で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約20mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号122で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号124で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号130で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号131で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号132で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号125で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号125で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号133で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号133で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号125で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号133で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約0.003mg/kg~少なくとも約20mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号125で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号133で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約1mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号125で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号133で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約3mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号125で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号133で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約6mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号125で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号133で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約10mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号125で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号133で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約20mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号125で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号133で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号135で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号135で示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号139で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号139で示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号137で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号135で示されるアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約0.003mg/kg~少なくとも約20mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号135で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約1mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号135で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約3mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号135で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約6mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号135で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約10mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号135で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約20mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号135で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号139で示されるアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約0.003mg/kg~少なくとも約20mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号139で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約1mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号139で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約3mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号139で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約6mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号139で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約10mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号139で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、方法は、少なくとも約20mg/kg用量の、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号139で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、表1Aに示されるアミノ酸配列を含む。
Figure 2024516970000001
Figure 2024516970000002
Figure 2024516970000003
Figure 2024516970000004
Figure 2024516970000005
Figure 2024516970000006
Figure 2024516970000007
Figure 2024516970000008
Figure 2024516970000009
Figure 2024516970000010
Figure 2024516970000011
Figure 2024516970000012
Figure 2024516970000013
Figure 2024516970000014
Figure 2024516970000015
Figure 2024516970000016
Figure 2024516970000017
Figure 2024516970000018
Figure 2024516970000019
Figure 2024516970000020
Figure 2024516970000021
Figure 2024516970000022
Figure 2024516970000023
Figure 2024516970000024
Figure 2024516970000025
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、表1Bに示されるFc配列を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、重鎖を含み、重鎖は、配列番号5、6、7、または8で示される配列に対する配列同一性が、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%であるアミノ酸を有するFc領域を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、重鎖を含み、重鎖は、配列番号5で示されるアミノ酸配列を含むFc領域を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、重鎖を含み、重鎖は、配列番号6で示されるアミノ酸配列を含むFc領域を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、重鎖を含み、重鎖は、配列番号7で示されるアミノ酸配列を含むFc領域を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、重鎖を含み、重鎖は、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含むFc領域を含む。
Figure 2024516970000026
いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のAsp146及びArg149を含むエピトープへ特異的に結合する。いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のAsp146及びPhe153を含むエピトープへ特異的に結合する。いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のArg149及びPhe153を含むエピトープへ特異的に結合する。いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のAsp146、Arg149、及び/またはPhe153を含むエピトープへ特異的に結合する。いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のAsp146、Arg149、及びPhe153を含むエピトープへ特異的に結合する。いくつかの態様において、エピトープは、配列番号2(IL-27p28)のAsp146、Arg149、His150、及びPhe153を含む。いくつかの態様において、エピトープは、配列番号2(IL-27p28)のAsp146、Arg149、Phe153、及びLeu156を含む。いくつかの態様において、エピトープは、配列番号2(IL-27p28)のAsp146、Arg149、His150、Phe153、及びLeu156を含む。
いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のLeu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、及びGlu164から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つのIL-27p28のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する。いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のLeu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、及びGlu164を含むエピトープへ特異的に結合する。いくつかの態様において、エピトープは、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Asp146、Arg149、His150、Phe153、及びLeu156を含む。いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、及びGlu164を含むエピトープへ特異的に結合する。
いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のLeu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、Leu162、及びGlu164を含むエピトープへ特異的に結合する。いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のGlu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、及びGlu164から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、または少なくとも9つのIL-27p28のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する。いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のGlu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、及びGlu164を含むエピトープへ特異的に結合する。いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、Leu162、及びGlu164から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、または少なくとも9つのIL-27p28のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する。いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、Leu162、及びGlu164を含むエピトープへ特異的に結合する。
いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、Leu162、及びGlu164からなるかまたは本質的になるエピトープへ特異的に結合する。
いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、Leu162、及びGlu164、ならびに配列番号2(IL-27p28)のLeu53、Lys56、Asp143、Leu147、Arg152、Ala157、Gly159、Phe160、またはAsn161からなる群から選択される少なくとも1つの残基を含むエピトープへ特異的に結合する。
いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、Leu162、及びGlu164、ならびに配列番号2(IL-27p28)のLeu53、Lys56、Asp143、Arg145、Leu147、Arg152、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、またはPro163からなる群から選択される少なくとも1つの残基を含むエピトープへ特異的に結合する。
いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、及びGlu164からなるかまたは本質的になるエピトープへ特異的に結合する。
いくつかの態様において、本開示の抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164からなるかまたは本質的になるエピトープへ特異的に結合する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合しヒトIL-27に拮抗する単離された抗体またはその抗原結合部分であって、以下の特性:(i)15nM以下の平衡解離定数(K)でヒトIL-27へ結合する;(ii)IL-27受容体へのIL-27の結合をブロックする;(iii)細胞におけるSTAT1及び/またはSTAT3のリン酸化を阻害または低減する;(iv)細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低減する;(v)細胞におけるPD-L1の発現を阻害または低減する;(vi)細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または促進する;(vii)細胞におけるTIM-3の発現を変化させる;ならびに(viii)(i)~(vii)の組み合わせのうちの少なくとも1つまたは複数を呈する抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、配列番号2(ヒトIL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ、15nM以下の平衡解離定数(K)で特異的に結合する。
いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、組み換えヒトIL-27p28に結合する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、マウスIL-27p28に結合する。
いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1のリン酸化を阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT3のリン酸化を阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1及びSTAT3のリン酸化を阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT1のリン酸化と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT1のリン酸化と比較して少なくとも約50%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT1のリン酸化と比較して少なくとも約60%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT1のリン酸化と比較して少なくとも約70%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT1のリン酸化と比較して少なくとも約75%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT1のリン酸化と比較して少なくとも約80%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT1のリン酸化と比較して少なくとも約85%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT1のリン酸化と比較して少なくとも約90%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT1のリン酸化と比較して少なくとも約95%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT1のリン酸化を解消する。
いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT3のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT3のリン酸化と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT3のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT3のリン酸化と比較して少なくとも約50%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT3のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT3のリン酸化と比較して少なくとも約60%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT3のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT3のリン酸化と比較して少なくとも約70%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT3のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT3のリン酸化と比較して少なくとも約75%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT3のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT3のリン酸化と比較して少なくとも約80%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT3のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT3のリン酸化と比較して少なくとも約85%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT3のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT3のリン酸化と比較して少なくとも約90%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT3のリン酸化を、抗体またはその抗原結合部分と細胞を接触させる前の細胞におけるSTAT3のリン酸化と比較して少なくとも約95%阻害または低減する。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるSTAT3のリン酸化を解消する。
いくつかの態様において、細胞は免疫細胞である。いくつかの態様において、細胞はがん細胞である。
いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低減する(例えば細胞におけるCD161発現の阻害を改善または軽減する)。いくつかの態様において、細胞は免疫細胞である。
いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞におけるPD-L1の発現を阻害または低減する。いくつかの態様において、PD-L1の発現が阻害または低減される。いくつかの態様において、TIM-3の発現が変化する。いくつかの態様において、PD-L1の発現及びTIM-3の発現の両方が変化する。いくつかの態様において、細胞は免疫細胞である。いくつかの態様において、抗体はモノクローナル抗体である。
いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または促進する。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、TNFαである。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、IL-6である。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインは、TNFα及びIL-6である。いくつかの態様において、細胞は、免疫細胞である。
いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、IgG4抗体、IgM抗体、IgA1抗体、IgA2抗体、IgD抗体、及びIgE抗体からなる群から選択される。いくつかの態様において、抗体は、IgG1抗体またはIgG4抗体である。いくつかの態様において、抗体は、野生型IgG1重鎖定常領域を含む。いくつかの態様において、抗体は、野生型IgG4重鎖定常領域を含む。いくつかの態様において、抗体は、少なくとも1つの突然変異を含むFcドメインを含む。いくつかの態様において、抗体は、突然変異IgG1重鎖定常領域を含む。いくつかの態様において、抗体は、突然変異IgG4重鎖定常領域を含む。いくつかの態様において、突然変異IgG4重鎖定常領域は、EUナンバリングに従って、置換S228P、L235E、L235A、またはそれらの組み合わせのうちの任意の1つを含む。
いくつかの態様において、本開示は、前述の態様のうちの任意の1つに記載の抗体またはその抗原結合部分と実質的に同じIL-27上のエピトープへ結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、前述の態様のうちの任意の1つに記載の抗体またはその抗原結合部分によって結合される、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164からなる群から選択されるアミノ酸残基から少なくとも1つへ結合する単離された抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分によって結合される、エピトープ(配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164)の突然変異が、抗体またはその抗原結合部分への結合、及び前述の態様のうちの任意の1つに記載の抗体またはその抗原結合部分への結合の両方を阻害、低減、またはブロックする、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、軽鎖CDR1は、N-XXXXXXLFSSNXKXYXX-Cからなる。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、軽鎖CDR3は、N-XXXASAXXX-Cからなる。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、重鎖CDR2は、N-XXSSSXSYXYXXXXXXX-Cからなる。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、重鎖CDR3は、N-XXXXGRTSYTATXHNXXXX-Cからなり、配列中、Xは、任意のアミノ酸である。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、軽鎖CDR1は、N-XXXXXXLFSSNXKXYXX-Cからなり、軽鎖CDR3は、N-XXXASAXXX-Cからなる。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、重鎖CDR2は、N-XXSSSXSYXYXXXXXXX-Cからなり、重鎖CDR3は、N-XXXXGRTSYTATXHNXXXX-Cからなり、配列中、Xは、任意のアミノ酸である。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、軽鎖CDR1は、N-XXXXXXLFSSNXKXYXX-Cからなり、軽鎖CDR3は、N-XXXASAXXX-Cからなり、重鎖CDR2は、N-XXSSSXSYXYXXXXXXX-Cからなり、重鎖CDR3は、N-XXXXGRTSYTATXHNXXXX-Cからなり、配列中、Xは、任意のアミノ酸である。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、
(i)配列番号9、10、及び11でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号17、18、及び19でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(ii)配列番号31、32、及び33でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号39、40、及び41でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(iii)配列番号53、54、及び55でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号61、62、及び63でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(iv)配列番号75、76、及び77でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号83、84、及び85でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(v)配列番号97、98、及び99でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号105、106、及び107でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;または
(vi)配列番号119、120、及び121でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号127、128、及び129でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、
からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、Leu162、及びGlu164を含むかまたはそれらなるエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、
(i)配列番号9、10、及び11でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号17、18、及び19でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(ii)配列番号31、32、及び33でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号39、40、及び41でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(iii)配列番号53、54、及び55でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号61、62、及び63でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(iv)配列番号75、76、及び77でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号83、84、及び85でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(v)配列番号97、98、及び99でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号105、106、及び107でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;または
(vi)配列番号119、120、及び121でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号127、128、及び129でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、
からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164を含むかまたはそれらからなるエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、
(i)配列番号9、10、及び11でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号17、18、及び19でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(ii)配列番号31、32、及び33でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号39、40、及び41でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(iii)配列番号53、54、及び55でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号61、62、及び63でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(iv)配列番号75、76、及び77でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号83、84、及び85でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(v)配列番号97、98、及び99でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号105、106、及び107でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;または
(vi)配列番号119、120、及び121でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号127、128、及び129でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、
からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、
(i)配列番号12、13、及び14でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号20、21、及び22でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(ii)配列番号34、35、及び36でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号42、43、及び44でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(iii)配列番号56、57、及び58でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号64、65、及び66でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(iv)配列番号78、79、及び80でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号86、88、及び89でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(v)配列番号100、101、及び102でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号108、109、及び110でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;または
(vi)配列番号122、123、及び124でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号130、131、及び132でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、
からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、Leu162、及びGlu164を含むかまたはそれらなるエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、
(i)配列番号12、13、及び14でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号20、21、及び22でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(ii)配列番号34、35、及び36でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号42、43、及び44でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(iii)配列番号56、57、及び58でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号64、65、及び66でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(iv)配列番号78、79、及び80でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号86、88、及び89でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(v)配列番号100、101、及び102でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号108、109、及び110でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;または
(vi)配列番号122、123、及び124でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号130、131、及び132でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、
からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164を含むかまたはそれらからなるエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、
(i)配列番号12、13、及び14でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号20、21、及び22でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(ii)配列番号34、35、及び36でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号42、43、及び44でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(iii)配列番号56、57、及び58でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号64、65、及び66でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(iv)配列番号78、79、及び80でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号86、88、及び89でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;
(v)配列番号100、101、及び102でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号108、109、及び110でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;または
(vi)配列番号122、123、及び124でそれぞれ示される重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、ならびに配列番号130、131、及び132でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、
からなる群から選択される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、重鎖CDR1が、N-GFTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]-C(配列番号144)からならない、及び/または、重鎖CDR2が、N-ISSS[S/G][S/A]YI-C(配列番号146)からならない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、Leu162、及びGlu164を含むかまたはそれらなるエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、重鎖CDR1が、N-GFTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]-C(配列番号144)からならない、及び/または、重鎖CDR2が、N-ISSS[S/G][S/A]YI-C(配列番号146)からならない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164を含むかまたはそれらからなるエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、重鎖CDR1が、N-GFTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]-C(配列番号144)からならない、及び/または、重鎖CDR2が、N-ISSS[S/G][S/A]YI-C(配列番号146)からならない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、重鎖CDR1が、N-FTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]MN-C(配列番号148)を含まない、及び/または、重鎖CDR2が、N-[G/S]ISSS[S/G][S/A]YI[L/Y]YADSVKG-C(配列番号149)を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、Leu162、及びGlu164を含むかまたはそれらなるエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、重鎖CDR1が、N-FTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]MN-C(配列番号148)を含まない、及び/または、重鎖CDR2が、N-[G/S]ISSS[S/G][S/A]YI[L/Y]YADSVKG-C(配列番号149)を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164を含むかまたはそれらからなるエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、重鎖CDR1が、N-FTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]MN-C(配列番号148)を含まない、及び/または、重鎖CDR2が、N-[G/S]ISSS[S/G][S/A]YI[L/Y]YADSVKG-C(配列番号149)を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、
(i)N-GFTFXXXX-C(配列番号145)からなる重鎖CDR1、N-ISSSXXYI-C(配列番号147)からなる重鎖CDR2、及び配列番号121で示される重鎖CDR3配列;ならびに配列番号127、128、及び129でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;または
(ii)N-FTFXXXXMN-C(配列番号150)からなる重鎖CDR1、N-XISSSXXYIXYADSVKG-C(配列番号151)からなる重鎖CDR2、及び配列番号124で示される重鎖CDR3配列;ならびに配列番号130、131、及び132でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、
を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、Leu162、及びGlu164を含むかまたはそれらなるエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、
(i)N-GFTFXXXX-C(配列番号145)からなる重鎖CDR1、N-ISSSXXYI-C(配列番号147)からなる重鎖CDR2、及び配列番号121で示される重鎖CDR3配列;ならびに配列番号127、128、及び129でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;または
(ii)N-FTFXXXXMN-C(配列番号150)からなる重鎖CDR1、N-XISSSXXYIXYADSVKG-C(配列番号151)からなる重鎖CDR2、及び配列番号124で示される重鎖CDR3配列;ならびに配列番号130、131、及び132でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、
を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164を含むかまたはそれらからなるエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、
(i)N-GFTFXXXX-C(配列番号145)からなる重鎖CDR1、N-ISSSXXYI-C(配列番号147)からなる重鎖CDR2、及び配列番号121で示される重鎖CDR3配列;ならびに配列番号127、128、及び129でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列;または
(ii)N-FTFXXXXMN-C(配列番号150)からなる重鎖CDR1、N-XISSSXXYIXYADSVKG-C(配列番号151)からなる重鎖CDR2、及び配列番号124で示される重鎖CDR3配列;ならびに配列番号130、131、及び132でそれぞれ示される軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3の配列、
を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、N-GFTFXXXX-C(配列番号145)からなる重鎖CDR1、N-IXXXXXXX-C(配列番号152)からなる重鎖CDR2、及びN-AR[X]n=6-15DX-C(配列番号153)からなる重鎖CDR3配列;ならびにN-QS[X]n=1-3SS[X]n=0-4Y-C(配列番号154)からなる軽鎖CDR1、N-XXS-C(配列番号155)からなる軽鎖CDR2、及びN-QQXXXXP[X]n=0-1T-C(配列番号156)からなる軽鎖CDR3配列を、それぞれ含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、Leu162、及びGlu164を含むかまたはそれらなるエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、N-GFTFXXXX-C(配列番号145)からなる重鎖CDR1、N-IXXXXXXX-C(配列番号152)からなる重鎖CDR2、及びN-AR[X]n=6-15DX-C(配列番号153)からなる重鎖CDR3配列;ならびにN-QS[X]n=1-3SS[X]n=0-4Y-C(配列番号154)からなる軽鎖CDR1、N-XXS-C(配列番号155)からなる軽鎖CDR2、及びN-QQXXXXP[X]n=0-1T-C(配列番号156)からなる軽鎖CDR3配列を、それぞれ含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164を含むかまたはそれらからなるエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、N-GFTFXXXX-C(配列番号145)からなる重鎖CDR1、N-IXXXXXXX-C(配列番号152)からなる重鎖CDR2、及びN-AR[X]n=6-15DX-C(配列番号153)からなる重鎖CDR3配列;ならびにN-QS[X]n=1-3SS[X]n=0-4Y-C(配列番号154)からなる軽鎖CDR1、N-XXS-C(配列番号155)からなる軽鎖CDR2、及びN-QQXXXXP[X]n=0-1T-C(配列番号156)からなる軽鎖CDR3配列を、それぞれ含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、IL-27に拮抗し、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域が、配列番号15、37、59、81、103、及び125からなる群から選択されるアミノ酸配列を含まず;軽鎖可変領域が、配列番号23、45、67、89、111、及び133からなる群から選択されるアミノ酸配列を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、IL-27に拮抗し、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域が、
(i)それぞれ配列番号15及び65;
(ii)それぞれ配列番号37及び45;
(iii)それぞれ配列番号59及び67;
(iv)それぞれ配列番号81及び89;
(v)それぞれ配列番号103及び111;及び
(vi)それぞれ配列番号125及び133、
からなる群から選択されるアミノ酸配列ではない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、IL-27に拮抗し、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域が、配列番号15、37、59、81、103、及び125からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含まず;軽鎖可変領域が、配列番号23、45、67、89、111、及び133からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、IL-27に拮抗し、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域が、
(i)それぞれ配列番号15及び65;
(ii)それぞれ配列番号37及び45;
(iii)それぞれ配列番号59及び67;
(iv)それぞれ配列番号81及び89;
(v)それぞれ配列番号103及び111;及び
(vi)それぞれ配列番号125及び133、
からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、IL-27に拮抗し、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖が、配列番号25、47、69、91、113、及び135からなる群から選択されるアミノ酸配列を含まず;軽鎖が、配列番号20、42、71、93、及び1115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、IL-27に拮抗し、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖が、配列番号25、47、69、91、113、及び135からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含まず;軽鎖が、配列番号20、42、71、93、及び115からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、IL-27に拮抗し、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖が、配列番号29、51、73、95、117、及び139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含まず;軽鎖が、配列番号71、49、71、93、115、及び137からなる群から選択されるアミノ酸配列を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、IL-27に拮抗し、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖が、配列番号29、51、73、95、117、及び139からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含まず;軽鎖が、配列番号71、49、71、93、115、及び137からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、IL-27に拮抗し、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖及び軽鎖が、
(i)それぞれ配列番号25及び27;
(ii)それぞれ配列番号47及び49;
(iii)それぞれ配列番号69及び71;
(iv)それぞれ配列番号91及び93;
(v)それぞれ配列番号113及び115;及び
(vi)それぞれ配列番号135及び137、
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、IL-27に拮抗し、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖及び軽鎖が、
(i)それぞれ配列番号25及び27;
(ii)それぞれ配列番号47及び49;
(iii)それぞれ配列番号69及び71;
(iv)それぞれ配列番号91及び93;
(v)それぞれ配列番号113及び115;及び
(vi)それぞれ配列番号135及び137、
からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、IL-27に拮抗し、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、抗体またはその抗原結合部分が、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖及び軽鎖が、
(i)それぞれ配列番号29及び27;
(ii)それぞれ配列番号51及び49;
(iii)それぞれ配列番号73及び72;
(iv)それぞれ配列番号95及び93;
(v)それぞれ配列番号117及び115;及び
(vi)それぞれ配列番号139及び137、
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含まない、前記抗体またはその抗原結合部分を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、IL-27に拮抗し、配列番号2(IL27-p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合部分であって、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖及び軽鎖が、(i)それぞれ配列番号29及び27;(ii)それぞれ配列番号51及び49;(iii)それぞれ配列番号73及び72;(iv)それぞれ配列番号95及び93;(v)それぞれ配列番号117及び115;(vi)それぞれ配列番号139及び137からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含まない、抗体またはその抗原結合部分を提供する。
B.医薬組成物及び製剤
いくつかの態様において、本明細書に開示される方法及び組成物に有用な抗体またはその抗原結合部分は、医薬組成物中に存在する。したがって、本開示のいくつかの態様は、抗IL-27抗体を、薬学的に許容される希釈物質、担体、可溶化物質、乳化物質、防腐物質及び/またはアジュバントと共に含む医薬組成物に関する。
ある特定の態様において、許容される製剤材料は、利用される投薬量及び濃度で、レシピエントに対して非毒性であることが好ましい。ある特定の態様において、製剤材料(複数可)は、皮下投与及び/または静脈内投与のためのものである。ある特定の態様において、医薬組成物は、例えば組成物のpH、浸透圧、粘度、透明度、色、等張性、芳香、滅菌性、安定性、溶出もしくは放出の速度、吸着、または透過を、変性、維持、または保全するための製剤材料を含有する。ある特定の態様において、好適な製剤材料として、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、またはリジン等);抗微生物物質;抗酸化物質(アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、または亜硫酸水素ナトリウム等);緩衝液(ホウ酸塩、重炭酸塩、Tris-HCl、クエン酸塩、リン酸塩、またはその他の有機酸等);増量剤(マンニトールまたはグリシン等);キレート剤(エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等);錯化剤(カフェイン、ポリビニルピロリドン、β-シクロデキストリン、またはヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン等);充填物質;単糖;二糖;及びその他の炭水化物(グルコース、マンノース、またはデキストリン等);タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン等);着色剤、香味剤、及び希釈剤;乳化剤;親水性ポリマー(ポリビニルピロリドン等);低分子量ポリペプチド;塩形成対イオン(ナトリウム等);防腐剤(塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸、または過酸化水素等);溶媒(グリセリン、プロピレングリコール、またはポリエチレングリコール等);糖アルコール(マンニトールまたはソルビトール等);懸濁化剤;界面活性物質または湿潤剤(プルロニック(登録商標)、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート(ポリソルベート20、ポリソルベート80等)、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサポール等);安定性促進剤(スクロースまたはソルビトール等);等張性促進剤(アルカリ金属ハロゲン化物、好ましくは塩化ナトリウムまたは塩化カリウム、マンニトールソルビトール等);送達ビヒクル;希釈物質;賦形剤及び/または薬学的アジュバントが挙げられるがこれらに限定されない(Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,A.R.Gennaro,ed.,Mack Publishing Company(1995))。ある特定の態様において、製剤は、PBS;20mMのNaOAC(pH5.2)、50mMのNaCl;及び/または10mMのNAOAC(pH5.2)、9%のスクロースを含む。ある特定の態様において、最適な医薬組成物は、例えば意図される投与経路、送達形式、及び所望の投薬量に応じて当業者が決定する。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(前掲)を参照のこと。ある特定の態様において、かかる組成物は、抗IL-27抗体の物理的状態、安定性、インビボの放出速度、及び/またはインビボのクリアランス速度に影響を及ぼす。
ある特定の態様において、医薬組成物中の主要なビヒクルまたは担体は、本質的に水性または非水性のいずれかである。例えば、ある特定の態様において、好適なビヒクルまたは担体は、注射用水、生理食塩水溶液、または人工脳脊髄液であり、場合によっては、非経口投与のための組成物で一般的な他の材料が補充される。ある特定の態様において、生理食塩水は、等張のリン酸緩衝生理食塩水を含む。ある特定の態様において、中性に緩衝された生理食塩水または血清アルブミンと混合された生理食塩水が、さらなる例示的なビヒクルである。ある特定の態様において、医薬組成物は、約pH7.0~8.5のTris緩衝液、または約pH4.0~5.5の酢酸緩衝液を含む。いくつかの態様において、医薬組成物は、ソルビトールまたはその好適な代替物をさらに含む。ある特定の態様において、抗IL-27抗体を含む組成物は、所望する程度の純度を有する選択された組成物を、凍結乾燥ケーキまたは水溶液の形態の任意選択の配合剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences(前掲))と混合することによって、貯蔵用に調製される。さらに、ある特定の態様において、抗IL-27抗体を含む組成物は、適切な賦形剤(スクロース等)を使用して、凍結乾燥物として製剤化される。
ある特定の態様において、非経口送達用の医薬組成物が選択される。ある特定の態様において、吸入用、または消化管を介する送達用(経口等)の組成物が選択される。かかる薬学的に許容される組成物の調製は、当業者の能力の範囲内である。
ある特定の態様において、製剤成分は、投与の部位に対して許容される濃度で存在する。ある特定の態様において、緩衝液を使用して、組成物を生理学的pHまたはそれよりわずかに低いpH、通常は約5~約8のpH範囲内に維持する。
ある特定の態様において、非経口投与が企図される場合、治療組成物は、薬学的に許容されるビヒクル中で、抗IL-27抗体を含むパイロジェンフリーの非経口的に許容される水溶液の形態である。ある特定の態様において、非経口注射用のビヒクルは、抗IL-27抗体が滅菌等張溶液として製剤化され、適切に保存される、滅菌蒸留水である。ある特定の態様において、調製は、後でデポー注射を介して送達できるような産物の制御放出または持続放出を提供できる薬剤、例えば注射可能なマイクロスフェア、生体内分解性粒子、ポリマー化合物(ポリ乳酸またはポリグリコール酸等)、ビーズ、またはリポソームを用いた所望の分子の製剤化を含む。ある特定の態様において、ヒアルロン酸も使用される。ヒアルロン酸が存在する場合、循環中の持続期間を亢進する効果を有し得る。ある特定の態様において、所望の分子の導入に、植え込み可能な薬物送達デバイスが使用される。
ある特定の態様において、医薬組成物は吸入用に製剤化される。ある特定の態様において、抗IL-27抗体は、吸入用の乾燥粉末として製剤化される。ある特定の態様において、抗IL-27抗体を含む吸入溶液は、エアロゾル送達のための噴射剤を用いて製剤化される。ある特定の態様において、溶液は霧化される。経肺投与は、化学修飾されたタンパク質の経肺送達について記載するPCT出願第PCT/US94/001875号にさらに記載されている。
ある特定の態様において、本明細書において開示される医薬組成物は、経口投与用に製剤化される。いくつかの態様において、医薬組成物は経口投与される。ある特定の態様において、この様式で投与される抗IL-27抗体は、錠剤及びカプセル等などの固体剤形の調合において慣習的に使用される担体の有無を問わず製剤化される。ある特定の態様において、カプセルは、生物学的利用能が最大化され、全身循環前の分解が最小限である時に、胃腸管内の地点で製剤の有効成分を放出するように設計される。ある特定の態様において、抗IL-27抗体の吸収を容易にするために、少なくとも1つの追加薬剤が含まれる。ある特定の態様において、希釈物質、香味剤、低融点ワックス、植物油、滑沢物質、懸濁化剤、錠剤崩壊剤、及び結合物質も利用される。
ある特定の態様において、医薬組成物は、錠剤の製造に好適である非毒性賦形剤との混合物中に有効量の抗IL-27抗体を含む。ある特定の態様において、滅菌水または別の適切なビヒクル中で錠剤を溶解することによって、溶液を単位用量形態に調製する。ある特定の態様において、好適な賦形剤として、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、ラクトース、もしくはリン酸カルシウム等の不活性希釈物質;またはデンプン、ゼラチン、もしくはアカシア等の結合剤;またはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、もしくはタルク等の滑沢剤が挙げられるが、これらに限定されない。
持続送達製剤または制御送達製剤中に抗IL-27抗体を含有する製剤を含む追加の医薬組成物が、当業者に明らかであろう。ある特定の態様において、様々な他の持続送達手段または制御送達手段、例えばリポソーム担体、生体分解性マイクロ粒子または多孔質ビーズ、及びデポー注射等の製剤化のための技法も、当業者に公知である。例えば、医薬組成物の送達のための多孔質ポリマーマイクロ粒子の制御放出について記載するPCT出願第PCT/US93/00829号を参照のこと。ある特定の態様において、持続放出調製物は、半透性ポリマーマトリックスを、成形品、例えばフィルムまたはマイクロカプセルの形態で含み得る。持続放出マトリックスとしては、ポリエステル、ハイドロゲル、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号及びEP058,481)、L-グルタミン酸とL-グルタミン酸ガンマエチルとのコポリマー(Sidman et al.,Biopolymers,22:547-556(1983))、ポリ(メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)(Langer et al.,J.Biomed.Mater.Res.,15:167-277(1981)及びLanger,Chem.Tech.,12:98-105(1982))、エチレン酢酸ビニル(Langer et al.、前掲)、またはポリ-D(-)-3-ヒドロキシ酪酸(EP133,988)を挙げることができる。ある特定の態様において、持続放出組成物はまた、当技術分野において公知の任意の複数の方法によって調製できるリポソームも含み得る。例えば、Eppstein et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:3688-3692(1985);EP036,676;EP088,046、及びEP143,949を参照のこと。
インビボ投与のために使用される医薬組成物は、典型的には滅菌される。ある特定の態様において、これは、滅菌濾過膜を介する濾過によって達成される。組成物が凍結乾燥される特定の態様において、この方法を使用する滅菌は、凍結乾燥及び再構成の前または後のいずれかで実施される。ある特定の態様において、非経口投与用の組成物は、凍結乾燥形態で、または溶液で保存される。ある特定の態様において、非経口組成物は、概して滅菌アクセスポートを有する容器、例えば皮下注射針によって穿刺可能な栓を有する静注液バッグまたはバイアルの中へ配置される。
ある特定の態様において、いったん医薬組成物が製剤化された後は、溶液、懸濁液、ゲル、エマルション、固体、または脱水もしくは凍結乾燥された粉末として、滅菌バイアル中に保存される。ある特定の態様において、かかる製剤は、即時使用可能な形態、または投与前に再構成される形態(例えば凍結乾燥)のいずれかで保存される。
ある特定の態様において、単回用量投与単位を作製するためにキットが提供される。ある特定の態様において、キットは、乾燥タンパク質を有する第1の容器及び水性製剤を有する第2の容器の両方を含む。ある特定の態様において、単一チャンバー及びマルチチャンバーの充填済みシリンジ(例えば液体シリンジ及び凍結乾燥シリンジ)を含むキットが含まれる。
C.併用療法
いくつかの態様において、本開示によって提供される抗IL-27抗体またはその抗原結合部分は、1つまたは複数の追加の治療薬または治療、例えばがんに対する別の治療薬または治療と併用することができる。例えば、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分を1つまたは複数の追加治療薬と併用して対象(例えばヒト患者)に投与でき、当該併用が、がんを有するかまたは発症するリスクがある対象へ治療上の利益を提供するものである。
いくつかの態様において、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分及び1つまたは複数の追加治療薬は、同じ時間に(例えば同時に)投与される。他の態様において、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分が期間内で最初に投与され、1つまたは複数の追加治療薬が期間内で2回目に(例えば逐次的に)投与される。いくつかの態様において、1つまたは複数の追加治療薬が期間内で最初に投与され、抗IL-27抗体が期間内で2回目に投与される。
本明細書において記載される抗IL-27抗体またはその抗原結合断片は、過去にまたは現在施された療法を補充または増強することができる。例えば、抗IL-27抗体またはその抗原結合断片による治療に際して、1つまたは複数の追加治療薬の投与を中止するまたは減少させる、例えばより低レベルで投与することができる。いくつかの態様において、過去の療法の投与を維持することができる。いくつかの態様において、抗IL-27抗体のレベルが治療効果を提供するのに十分なレベルに到達するまで、過去の療法が維持されることになる。
いくつかの態様において、本開示は、対象においてがんを治療する方法であって、IL-27へ特異的に結合し拮抗する、有効量の本開示によって提供される単離された抗体またはその抗原結合部分を1つまたは複数の追加の治療剤または処置と併用して対象に投与することを含み、第2の治療剤または処置が、化学療法、標的化抗がん療法、腫瘍溶解性薬物、細胞傷害剤、免疫ベース療法、サイトカイン、外科的処置、放射線処置、共刺激分子の活性化物質、阻害分子の阻害物質、ワクチン、もしくは細胞免疫療法、生物薬剤、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される方法を提供する。
いくつかの態様において、1つまたは複数の追加の治療剤は、PD-1アンタゴニスト、TIM-3阻害物質、LAG-3阻害物質、TIGIT阻害物質、CD112R阻害物質、TAM阻害物質、STINGアゴニスト、4-1BBアゴニスト、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、1つまたは複数の追加の治療剤は、CD39アンタゴニスト、CD73アンタゴニスト、CCR8アンタゴニスト、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、抗CD73は、例えば、参照することによってその全体が本明細書に援用される米国公開第2019/0031766 A1号にて開示される任意の抗CD73抗体である。いくつかの態様において、抗CD39は、例えば、参照することによってその全体が本明細書に援用される国際公開第WO2019/178269 A2号にて開示される任意の抗CD39抗体である。
いくつかの態様において、1つまたは複数の追加の治療剤は、PD-1アンタゴニストである。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PDR001、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、チスレリズマブ、ジムベレリマブ、MEDI0680、REGN2810、TSR-042、PF-06801591、及びAMP-224からなる群から選択される。ある特定の態様において、1つまたは複数の追加の治療剤は、PD-L1阻害物質である。いくつかの態様において、PD-L1阻害物質は、FAZ053、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、及びBMS-936559からなる群から選択される。いくつかの態様において、本開示は、抗PD-1抗体の1つまたは複数の活性を促進する(例えば、抗PD-1抗体へ曝露された細胞からの、PD-1媒介性サイトカイン分泌を促進する;抗PD-1媒介性TNFα分泌を促進する;抗PD-1媒介性IL-6分泌を促進する)方法であって、本開示によって提供される抗体またはその抗原結合部分へ細胞を抗PD-1抗体と同時にまたはそれと逐次的に曝露し、それによって抗PD1抗体の1つまたは複数の活性を促進することを含む方法を提供する。
いくつかの態様において、1つまたは複数の追加の治療剤は、スニチニブ(Sutent(登録商標))、カボザンチニブ(CABOMETYX(登録商標))、アキシチニブ(INLYTA(登録商標))、レンバチニブ(LENVIMA(登録商標))、エベロリムス(AFINITOR(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、エパカドスタット、NKTR-214(CD-122バイアスアゴニスト)、チボザニブ(FOTIVDA(登録商標))、アベキシノスタット、イピリムマブ(YERVOY(登録商標))、トレメリムマブ、パゾパニブ(VOTRIENT(登録商標))、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標))、テムシロリムス(TORISEL(登録商標))、ラムシルマブ(CYRAMZA(登録商標))、ニラパリブ、サボリチニブ、ボロラニブ(X-82)、レゴラフェニブ(STIVARGO(登録商標))、ドナフェニブ(マルチキナーゼ阻害物質)、カムレリズマブ(SHR-1210)、ペキサスチモジン・デバシレプベク(JX-594)、ラムシルマブ(CYRAMZA(登録商標))、アパチニブ(YN968D1)、カプセル化ドキソルビシン(THERMODOX(登録商標))、チバンチニブ(ARQ197)、ADI-PEG 20、ビニメチニブ、メシル酸アパチニブ、ニンテダニブ、リリルマブ、ニボルマブ(OPDIVO(登録商標))、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標))、アテゾリズマブ(TECENTRIQ(登録商標))、アベルマブ(BAVENCIO(登録商標))、デュルバルマブ(IMFIMZI(登録商標))、セミプリマブ-rwlc(LIBTAYO(登録商標))、チスレリズマブ、及び/またはスパルタリズマブである。
いくつかの態様において、1つまたは複数の追加の治療剤は、TIM-3阻害物質であり、任意選択で、TIM-3阻害物質は、MGB453またはTSR-022である。
いくつかの態様において、1つまたは複数の追加の治療剤は、LAG-3阻害物質であり、任意選択で、LAG-3阻害物質は、LAG525、BMS-986016、及びTSR-033からなる群から選択される。
いくつかの態様において、1つまたは複数の追加の治療剤は、TIGIT阻害物質である。いくつかの態様において、1つまたは複数の追加の治療剤は、CD112R阻害物質である。いくつかの態様において、1つまたは複数の追加の治療剤は、TAM(Axl、Mer、Tyro)阻害物質である。いくつかの態様において、1つまたは複数の追加の治療剤は、STINGアゴニストである。いくつかの態様において、1つまたは複数の追加の治療剤は、4-1BBアゴニストである。
いくつかの態様において、1つまたは複数の追加の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害物質、アデノシン軸を標的とする薬剤(例えばCD39アンタゴニスト、CD73アンタゴニスト、またはA2ARアンタゴニスト、A2BRアンタゴニスト、もしくはデュアルA2AR/A2BRアンタゴニスト)、CCR8アンタゴニスト、CTLA4アンタゴニスト、VEG-F阻害物質、またはそれらの組み合わせである。
1.化学療法剤との併用
いくつかの態様において、本明細書において開示される方法は、IL-27へ特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分及び化学療法剤を投与することを含む。本開示の組成物との併用及び/または共投与に適した化学療法剤として、例えば、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロミド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラセンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、及びピューロマイシン、ならびにそれらの類似体または同族体が挙げられる。さらなる薬剤として、例えば、代謝拮抗物質(例えばメトトレキサート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシル、デカルバジン)、アルキル化剤(例えばメクロレタミン、thioTEPA、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、ロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、cis-ジクロロジアミン白金(II)(DDP)、プロカルバジン、アルトレタミン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、サトラプラチン、または四硝酸トリプラチン)、アントラサイクリン(例えばダウノルビシン(旧称ダウノマイシン)及びドキソルビシン)、抗生物質(例えばダクチノマイシン(旧称アクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、及びアントラマイシン(AMC))、ならびに抗有糸分裂剤(例えばビンクリスチン及びビンブラスチン)及びテモゾロミドが挙げられる。
2.PD-1/PD-L1アンタゴニストとの併用
いくつかの態様において、本明細書において開示される方法は、IL-27へ特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分及び1つまたは複数のPD-1アンタゴニストを投与することを含む。いくつかの態様において、1つまたは複数のPD-1アンタゴニストは、ヒトPD-1またはPD-L1へ特異的に結合し、PD-1/PD-L1の生物学的活性、及び/またはヒトPD-1/PD-L1シグナル伝達によって媒介される下流経路(複数可)及び/または細胞処理またはその他のヒトPD-1/PD-L1媒介性機能を阻害する。
したがって、PD-1/PD-L1生物学的活性を直接またはアロステリックに、ブロック、拮抗、抑制、阻害、または低減するPD-1アンタゴニストが本明細書において提供される。このPD-1/PD-L1生物学的活性には、PD-1/PD-L1への受容体結合及び/または細胞応答の惹起等の、PD-1/PD-L1シグナル伝達によって媒介される下流経路及び/または細胞処理が含まれる。細胞または対象によって産生されるヒトPD-1またはPD-L1の定量または量を低減するPD-1アンタゴニストも、本明細書において提供される。
いくつかの態様において、本開示は、ヒトPD-1に結合し、PD-1へのPD-L1結合を防止、阻害、または低減するPD-1アンタゴニストを提供する。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-1またはPD-L1をコードするmRNAに結合し、翻訳を防止する。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-1またはPD-L1をコードするmRNAに結合し、分解及び/または代謝回転を引き起こす。
いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-1のシグナル伝達または機能を阻害する。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-L1、PD-L2、またはPD-L1とPD-L2の両方へのPD-1の結合をブロックする。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-L1へのPD-1の結合をブロックする。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-L2へのPD-1の結合をブロックする。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-L1とPD-L2の両方へのPD-1の結合をブロックする。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-1へ特異的に結合する。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-L1へ特異的に結合する。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-L2へ特異的に結合する。
いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-1の同族リガンドへのPD-1の結合を阻害する。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-L1へのPD-1の結合、PD-L2へのPD-1の結合、またはPD-L1とPD-L2の両方へのPD-1の結合を阻害する。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-1の同族リガンドへのPD-1の結合を阻害しない。
いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、PD-1またはPD-L1へ特異的に結合する、単離された抗体(mAb)またはその抗原結合断片である。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-1へ特異的に結合する、抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-L1へ特異的に結合する、抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-L1へ特異的に結合し、PD-1へのPD-L1の結合を阻害する、抗体または抗原結合断片である。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-1へ結合し、PD-1へのPD-L1の結合を阻害する、抗体または抗原結合断片である。
PD-1と、そのリガンドであるPD-L1及びPD-L2のいずれか1つまたは両方との間の相互作用を阻害または混乱させる複数の免疫チェックポイントアンタゴニストは、臨床開発中であるか、または現在、臨床医ががん治療に利用可能である。
本開示によって提供される組成物、方法、及び使用のうちのいずれかにおいて、PD-1アンタゴニストを含み得る抗ヒトPD-1抗体またはその抗原結合断片の例として、KEYTRUDA(登録商標)(ペムブロリズマブ、MK-3475、h409A11;US8952136、US8354509、US8900587、及びEP2170959を参照、これらすべては参照することによってそれらの全体が本明細書に含まれる;Merck)、OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ、BMS-936558、MDX-1106、ONO-4538;US7595048、US8728474、US9073994、US9067999、EP1537878、US8008449、US8779105、及びEP2161336を参照、これらすべては参照することによってそれらの全体が本明細書に含まれる;Bristol Myers Squibb)、MEDI0680(AMP-514)、BGB-A317及びBGB-108(BeiGene)、244C8及び388D4(WO2016106159を参照、これは参照することによってその全体が本明細書に援用される;Enumeral Biomedical)、PDR001(Novartis)、ならびにREGN2810(Regeneron)が挙げられるがこれらに限定されない。したがって、いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、ペムブロリズマブである。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、ニボルマブである。いくつかの態様において、本明細書において開示される方法は、IL-27へ特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分及びペムブロリズマブを投与することを含む。いくつかの態様において、本明細書において開示される方法は、IL-27へ特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分及びニボルマブを投与することを含む。
本開示によって提供される組成物、方法、及び使用のうちのいずれかにおいて、PD-1アンタゴニストを含み得る抗ヒトPD-L1抗体またはその抗原結合断片の例として、BAVENCIO(登録商標)(アベルマブ、MSB0010718C、WO2013/79174を参照、これは参照することによってその全体が本明細書に援用される;Merck/Pfizer)、IMFINZI(登録商標)(デュルバルマブ、MEDI4736)、TECENTRIQ(登録商標)(アテゾリズマブ、MPDL3280A、RG7446;WO2010/077634を参照、これは参照することによってその全体が本明細書に援用される;Roche)、MDX-1105(BMS-936559、12A4;US7943743及びWO2013/173223を参照、いずれも参照することによってそれらの全体が本明細書に援用される;Medarex/BMS)、及びFAZ053(Novartis)が挙げられるがこれらに限定されない。したがって、いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、アベルマブである。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、デュルバルマブである。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、アテゾリズマブである。
いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-1またはヒトPD-L1へ特異的に結合するイムノアドヘシン、例えば免疫グロブリン分子のFc領域等の定常領域に融合されたPD-L1またはPD-L2の細胞外部分またはPD-1結合部分を含有する融合タンパク質である。PD-1へ特異的に結合するイムノアドヘシン分子の例は、WO2010/027827及びWO2011/066342(いずれも参照することによってそれらの全体が本明細書に援用される)に記載されている。いくつかの態様において、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-1へ特異的に結合するPD-L2-FC融合タンパク質、AMP-224(B7-DCIgとしても公知である)である。
PD-1またはPD-L1に結合し、PD-1/PD-L1シグナル伝達経路を混乱させる任意のPD-1アンタゴニストが、本明細書において開示される組成物、方法、及び使用に好適であることは当業者によって理解されるだろう。
いくつかの態様において、PD-1/PD-L1アンタゴニストは、小分子、核酸、ペプチド、ペプチド模倣物、タンパク質、炭水化物、炭水化物誘導体、または糖ポリマーである。例示的な小分子PD-1阻害物質は、Zhan et al.,(2016)Drug Discov Today 21(6):1027-1036に記載されている。
3.TIM-3阻害物質との併用
いくつかの態様において、本明細書において開示される方法は、IL-27へ特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分及びTIM-3阻害物質を投与することを含む。TIM-3阻害物質は、抗体、その抗原結合断片、イムノアドヘシン、融合タンパク質、またはオリゴペプチドであり得る。いくつかの態様において、TIM-3阻害物質は、MGB453(Novartis)、TSR-022(Tesaro)、またはLY3321367(Eli Lilly)から選ばれる。いくつかの態様において、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分は、MGB453と併用して投与される。いくつかの態様において、抗IL-27抗体またはその抗原結合部分は、TSR-022と併用して投与される。
4.LAG-3阻害物質との併用
いくつかの態様において、本明細書において開示される方法は、IL-27へ特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分及びLAG-3阻害物質を投与することを含む。いくつかの態様において、LAG-3阻害物質は、抗体、その抗原結合断片、イムノアドヘシン、融合タンパク質、オリゴペプチド、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの態様において、LAG-3阻害物質は、LAG525(Novartis)、BMS-986016(Bristol Myers Squibb)、TSR-033(Tesaro)、MK-4280(Merck&Co)、またはREGN3767(Regeneron)から選ばれる。
5.その他の併用
いくつかの態様において、本明細書において開示される方法は、IL-27へ特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分及びTIGIT阻害物質を投与することを含む。いくつかの態様において、本明細書において開示される方法は、IL-27へ特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分及びキナーゼ阻害物質(例えばチロシンキナーゼ阻害物質(TKI))を投与することを含む。いくつかの態様において、本明細書において開示される方法は、IL-27へ特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分及びCD112R阻害物質を投与することを含む。いくつかの態様において、本明細書において開示される方法は、IL-27へ特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分及びTAM受容体阻害物質を投与することを含む。いくつかの態様において、本明細書において開示される方法は、IL-27へ特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分、ならびにSTINGアゴニスト及び/または4-1BBアゴニストを投与することを含む。いくつかの態様において、本開示によって提供される抗IL-27抗体またはその抗原結合部分は、チロシンキナーゼ阻害物質、アデノシン軸を標的とする薬剤(例えばCD39アンタゴニスト、CD73アンタゴニスト、またはA2ARアンタゴニスト、A2BRアンタゴニスト、もしくはデュアルA2AR/A2BRアンタゴニスト)、CCR8アンタゴニスト、CTLA4アンタゴニスト、VEG-F阻害物質、またはそれらの組み合わせと併用される(例えば併用投与される)。
いくつかの態様において、本明細書において開示される方法は、IL-27へ特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分及び細胞療法を投与することを含む。いくつかの態様において、細胞療法は、改変型免疫細胞療法を含む。いくつかの態様において、細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)改変型免疫細胞療法、例えばCAR T療法を含む。いくつかの態様において、細胞療法は、操作型T細胞受容体(TCR)免疫細胞療法を含む。いくつかの態様において、細胞療法は、同種異系腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法を含む。
III.抗IL-27抗体及びその抗原結合断片を産生するための方法
本開示は、本明細書において記載される抗IL-27抗体またはその抗原結合断片の任意のものを産生するための方法も特色とする。いくつかの態様において、本明細書において記載される抗体を調製するための方法は、適切な免疫原により対象(例えば非ヒト哺乳動物)を免疫することを含み得る。本明細書において記載される抗体のうちの任意のものを生成するために好適な免疫原は本明細書において説明される。例えば、IL-27p28へ結合する抗体を生成するために、当業者は、IL-27により好適な対象(例えばラット、マウス、アレチネズミ、ハムスター、イヌ、ネコ、ブタ、ヤギ、ウマ、または非ヒト霊長動物等の非ヒト哺乳動物)を免疫することができる。いくつかの態様において、配列番号2で示されるアミノ酸配列を含む全長ヒトIL-27p28単量体ポリペプチドは、免疫原として使用される。
好適な対象(例えば非ヒト哺乳動物)は、哺乳動物による抗体の産生を惹起するのに十分な回数で、後続の追加免疫を伴って、適切な抗原により免疫され得る。免疫原は、アジュバントと共に対象(例えば非ヒト哺乳動物)に投与され得る。対象における抗体の産生において有用なアジュバントとしては、タンパク質アジュバント;細菌アジュバント、例えば全細菌(BCG、Corynebacterium parvumまたはSalmonella minnesota)及び細菌構成要素(細胞壁骨格、トレハロースジミコレート、モノホスホリルリピドA、結核菌のメタノール抽出残渣(MER)、完全フロイントアジュバントまたは不完全フロイントアジュバントが挙げられる);ウイルスアジュバント;化学的アジュバント(例えば水酸化アルミニウム、ならびにヨード酢酸及びヘミコハク酸コレステリル)が挙げられるがこれらに限定されない。免疫応答を誘導するための方法に使用され得る他のアジュバントとしては、例えばコレラ毒素及びパラポックスのタンパク質が挙げられる。Bieg et al.(1999)Autoimmunity 31(1):15-24も参照されたい。例えばLodmell et al.(2000)Vaccine 18:1059-1066;Johnson et al.(1999)J Med Chem 42:4640-4649;Baldridge et al.(1999)Methods 19:103-107;及びGupta et al.(1995)Vaccine 13(14):1263-1276も参照されたい。
いくつかの態様において、方法は、免疫原へ結合するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞株を調製することを含む。例えば、好適な哺乳動物(研究用マウス等)は、IL-27ポリペプチドにより上で記載されるように免疫される。免疫された哺乳動物の抗体産生細胞(例えば脾臓のB細胞)は、免疫原の少なくとも1回の追加免疫の2~4日後に単離され、次いで短時間培養させてから、好適な骨髄腫細胞株の細胞と融合され得る。細胞は、融合促進因子(例えばワクシニアウイルスまたはポリエチレングリコール等)の存在下において融合され得る。融合で得られたハイブリッド細胞はクローン化され、所望の抗体を分泌する細胞クローンが選択される。例えば、好適な免疫原により免疫されたBalb/c研究用マウスの脾臓細胞は、骨髄腫細胞株PAI細胞または骨髄腫細胞株Sp2/0-Ag14細胞と融合され得る。融合後に、正常な骨髄腫細胞が所望のハイブリドーマ細胞を超えて増殖することを防止するために、細胞は、選択培地(例えばHAT培養液)を一定間隔で補足する好適な培養培地中で増幅される。次いで得られたハイブリッド細胞は、所望の抗体(例えばヒトIL-27へ結合する抗体)の分泌についてスクリーニングされ、いくつかの態様において、当業者は、例えば米国特許第6,300,064号(Knappik et al.;Morphosys AG)及びSchoonbroodt et al.(2005)Nucleic Acids Res 33(9):e81中で記載されるように、非免疫バイアスライブラリーから抗IL-27抗体を同定し得る。
いくつかの態様において、本明細書において記載される方法は、例えばファージディスプレイ技術、細菌ディスプレイ、酵母表面ディスプレイ、真核生物のウイルスディスプレイ、哺乳動物細胞ディスプレイ、及び無細胞(例えばリボソームディスプレイ)抗体スクリーニング技法を含み得るか、またはそれらと共に使用され得る(例えばEtz et al.(2001)J Bacteriol 183:6924-6935;Cornelis(2000)Curr Opin Biotechnol 11:450-454;Klemm et al.(2000)Microbiology 146:3025-3032;Kieke et al.(1997)Protein Eng 10:1303-1310;Yeung et al.(2002)Biotechnol Prog 18:212-220;Boder et al.(2000)Methods Enzymology 328:430-444;Grabherr et al.(2001)Comb Chem High Throughput Screen 4:185-192;Michael et al.(1995)Gene Ther 2:660-668;Pereboev et al.(2001)J Virol 75:7107-7113;Schaffitzel et al.(1999)J Immunol Methods 231:119-135;及びHanes et al.(2000)Nat Biotechnol 18:1287-1292を参照)。
様々なファージディスプレイ方法を使用して抗体を同定するための方法は、当技術分野において公知である。ファージディスプレイ方法において、機能的抗体ドメインは、それらをコードするポリヌクレオチド配列を運搬するファージ粒子の表面上で提示される。かかるファージは、レパートリーライブラリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えばヒトまたはマウスの)から発現された抗体(Fab、Fv、またはジスルフィド結合安定化Fv抗体断片等)の抗原結合ドメインの提示に利用され得る。これらの方法において使用されるファージは、典型的には線状ファージ(fd及びM13等)である。抗原結合ドメインは、ファージコートタンパク質pIII、pVIII、またはpIXのうちの任意のものへ組み換えにより融合されたタンパク質として発現される。例えばShi et al.(2010)JMB 397:385-396を参照されたい。本明細書において記載される免疫グロブリンまたはその断片の作製に使用され得るファージディスプレイ方法の例としては、Brinkman et al.(1995)J Immunol Methods 182:41-50;Ames et al.(1995)J Immunol Methods 184:177-186;Kettleborough et al.(1994)Eur J Immunol 24:952-958;Persic et al.(1997)Gene 187:9-18;Burton et al.(1994)Advances in Immunology 57:191-280;ならびにPCT公開番号WO90/02809、同WO91/10737、同WO92/01047、同WO92/18619、同WO93/11236、同WO95/15982、及び同WO95/20401中で開示されるものが挙げられる。好適な方法は、例えば米国特許第5,698,426号;同第5,223,409号;同第5,403,484号;同第5,580,717号;同第5,427,908号;同第5,750,753号;同第5,821,047号;同第5,571,698号;同第5,427,908号;同第5,516,637号;同第5,780,225号;同第5,658,727号;同第5,733,743号及び同第5,969,108号中でも記載される。
いくつかの態様において、ファージディスプレイ抗体ライブラリーは、免疫された哺乳動物からのB細胞から収集されたmRNAを使用して生成され得る。例えば、B細胞を含む脾細胞サンプルは、IL-27ポリペプチドにより上で記載されるように免疫された研究用マウスから単離され得る。mRNAは細胞から単離され、標準的分子生物学技法を使用してcDNAへ変換され得る。例えばSambrook et al.(1989)“Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,”Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.;Harlow and Lane(1988)、前掲;Benny K.C.Lo(2004)、前掲;及びBorrebaek(1995)、前掲を参照されたい。免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖の可変領域ポリペプチドについてのcDNAコーディングは、ファージディスプレイライブラリーの構築に使用される。かかるライブラリーを生成するための方法は、例えばMerz et al.(1995)J Neurosci Methods 62(1-2):213-9;Di Niro et al.(2005)Biochem J 388(Pt 3):889-894;及びEngberg et al.(1995)Methods Mol Biol 51:355-376中で記載される。
いくつかの態様において、選択及びスクリーニングの組み合わせは、例えばハイブリドーマ由来抗体の集団またはファージディスプレイ抗体ライブラリーからの関心の抗体の同定に利用され得る。好適な方法は当技術分野において公知であり、例えばHoogenboom(1997)Trends in Biotechnology 15:62-70;Brinkman et al.(1995)、前掲;Ames et al.(1995)、前掲;Kettleborough et al.(1994)、前掲;Persic et al.(1997)、前掲;及びBurton et al.(1994)、前掲中で記載される。例えば、複数のファージミドベクター(各々は、バクテリオファージコートタンパク質(例えばM13ファージのpIII、pVIII、またはpIX)及び異なる抗原を組み合わせた領域の融合タンパク質をコードする)は、標準的分子生物学技法を使用して産生され、次いで細菌(例えばE.coli)の集団の中へ導入される。細菌におけるバクテリオファージの発現は、いくつかの態様において、ヘルパーファージの使用を要求し得る。いくつかの態様において、ヘルパーファージは要求されない(例えばChasteen et al.,(2006)Nucleic Acids Res 34(21):e145を参照)。細菌から産生されたファージは回収され、次いで例えば固体支持体へ結合された(固定化された)標的抗原へ接触させる。ファージは溶液中の抗原へも接触され得、後続して複合体は固体支持体へ結合される。
上記の方法を使用してスクリーニングされた抗体のサブ集団は、当技術分野において公知の任意の免疫学ベースまたは生化学ベースの方法を使用して、特定の抗原(例えばヒトIL-27p28)についてのそれらの特異性及び結合親和性が特徴づけられ得る。例えば、IL-27p28への抗体の特異的結合は、例えば免疫学的ベースまたは生化学的ベースの方法(上で記載されるELISAアッセイ、SPRアッセイ、免疫沈降アッセイ、親和性クロマトグラフィー、及び平衡透析法等であるがこれらに限定されない)を使用して決定され得る。抗体の免疫特異的結合及び交差反応性の分析に使用され得る免疫アッセイとしては、ウエスタンブロット、RIA、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」免疫アッセイ、免疫沈降アッセイ、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体固定アッセイ、免疫放射定量分析、蛍光免疫アッセイ、及びプロテインA免疫アッセイ等の技法を使用する、競合アッセイ系及び非競合アッセイ系が挙げられるがこれらに限定されない。かかるアッセイは、当技術分野においてルーチン且つ周知である。
選択されるCDRアミノ酸配列が短い配列(例えば10~15未満の長さのアミノ酸)である態様において、CDRをコードする核酸は、例えばShiraishi et al.(2007)Nucleic Acids Symposium Series 51(1):129-130及び米国特許第6,995,259号中で記載されるように化学的に合成され得る。アクセプター抗体をコードする所与の核酸配列のために、CDRをコードする核酸配列の領域は、標準的分子生物学技法を使用して、化学的に合成された核酸により置き換えられ得る。化学的に合成された核酸の5’末端及び3’末端は、核酸をドナー抗体の可変領域をコードする核酸の中へクローニングする際の使用のための付着末端制限酵素部位を含むように合成され得る。
いくつかの態様において、本明細書において記載される抗IL-27抗体は、その対応する変更がない定常領域に比べて、低減されたエフェクター機能を有している(またはエフェクター機能を有していない)変更された重鎖定常領域を含む。抗IL-27抗体の定常領域が関与するエフェクター機能は、定常領域またはFc領域の特性の変更によって調節され得る。変更されるエフェクター機能としては、例えば以下の活性:抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)、補体依存性細胞傷害(CDC)、アポトーシス、1つまたは複数のFc受容体への結合、及び炎症促進性応答のうちの1つまたは複数における調節が挙げられる。調節は、定常領域の変更がない形態の活性に比較して、変更された定常領域を含有する対象抗体によって示されるエフェクター機能活性の増加、減少、または消失を指す。特定の態様において、調節は、活性が消失されるかまたは完全に非存在である状況を包含する。
一態様において、本明細書において記載される抗IL-27抗体は、IgG4重鎖定常領域を含む。一態様において、IgG4重鎖定常領域は、野生型IgG4重鎖定常領域である。別の態様において、IgG4定常領域は、突然変異、例えばEUのナンバリング(Kabat,E.A.,et al.、前掲)に従って、例えばS228P、及びL235EまたはL235Aの1つまたは両方を含む。一態様において、本明細書において記載される抗IL-27抗体は、IgG1定常領域を含む。一態様において、IgG1重鎖定常領域は、野生型IgG1重鎖定常領域である。別の態様において、IgG1重鎖定常領域は、突然変異を含む。
変更されたFcR結合親和性及び/またはADCC活性及び/または変更されたCDC活性を備えた変更された定常領域は、定常領域の変更がない形態に比較して、促進または減退したFcR結合活性及び/またはADCC活性及び/またはCDC活性のいずれかを有するポリペプチドである。FcRへの増加した結合を提示する変更された定常領域は、変更がないポリペプチドよりも高い親和性で、少なくとも1つのFcRに結合する。FcRへの減少した結合を提示する変更された定常領域は、変更がない形態の定常領域よりも低い親和性で、少なくとも1つのFcRに結合する。FcRへの減少した結合を提示するかかるバリアントは、FcRへの感知できる結合をほとんどまたはまったく保持しなくてもよく、例えばネイティブな配列の免疫グロブリン定常領域またはFc領域のFcRへの結合のレベルに比較して、0~50%(例えば50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1%未満)のFcRへの結合であり得る。同様に、調節されたADCC活性及び/またはCDC活性を提示する変更された定常領域は、変更がない定常領域に比較して、増加または低減したADCC活性及び/またはCDC活性を呈し得る。例えばいくつかの態様において、変更された定常領域を含む抗IL-27抗体は、定常領域の変更がない形態のおよそ0~50%(例えば50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1%未満)のADCC及び/またはCDC活性を呈し得る。低減したADCC及び/またはCDCを提示する変更された定常領域を含む本明細書において記載される抗IL-27抗体は、低減したADCC活性及び/またはCDC活性を呈し得るか、またはまったく呈さなくてもよい。
いくつかの態様において、本明細書において記載される抗IL-27抗体は、低減しエフェクター機能を呈するか、またはまったく呈さない。いくつかの態様において、抗IL-27抗体は、ハイブリッド定常領域またはその部分(G2/G4ハイブリッド定常領域等)を含む(例えばBurton et al.(1992)Adv Immun 51:1-18;Canfield et al.(1991)J Exp Med 173:1483-1491;及びMueller et al.(1997)Mol Immunol 34(6):441-452を参照)。上記を参照されたい。
いくつかの態様において、抗IL-27抗体は、促進または低減した補体依存性細胞傷害(CDC)を呈する変更された定常領域を含有し得る。調節されたCDC活性は、抗体のFc領域において1つまたは複数のアミノ酸の置換、挿入、または欠失を導入することによって達成され得る。例えば米国特許第6,194,551号を参照されたい。代替的にまたは追加で、システイン残基(複数可)はFc領域中に導入され、それによって、この領域における鎖間のジスルフィド結合形成を可能にし得る。このように生成されたホモ二量体抗体は、改良もしくは低減した内在化能力、及び/または増加もしくは減少した補体媒介性細胞殺傷を有し得る。例えばCaron et al.(1992)J Exp Med 176:1191-1195及びShopes(1992)Immunol 148:2918-2922;PCT公開番号WO99/51642及び同WO94/29351;Duncan and Winter(1988)Nature 322:738-40;ならびに米国特許第5,648,260号及び同第5,624,821号を参照されたい。
A.組み換え抗体の発現及び精製
本明細書において記載される抗体またはその抗原結合断片は、分子生物学及びタンパク質化学の技術分野において公知の様々な技法を使用して産生され得る。例えば、抗体の重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドの1つまたは両方をコードする核酸は、転写及び翻訳の調節配列を含有する発現ベクターの中へ挿入され得、当該調節配列としては、例えばプロモーター配列、リボソーム結合部位、転写開始及び停止配列、翻訳開始及び停止配列、転写ターミネーターシグナル、ポリアデニル化シグナル、ならびにエンハンサー配列またはアクチベーター配列が挙げられる。調節配列としては、プロモーター配列ならびに転写開始及び停止配列が挙げられる。加えて、発現ベクターは、2つの異なる生物体において(例えば発現のための哺乳動物細胞または昆虫細胞、ならびにクローニング及び増幅のための原核生物の宿主において)維持され得るように、2つ以上の複製系を含み得る。
哺乳動物細胞における、核酸からのクローン化された重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドの発現のために、複数の可能なベクター系が利用可能である。ベクターの1つのクラスは、所望の遺伝子配列の宿主細胞ゲノムの中への組込みに依存する。安定的にDNAを組み込んだ細胞は、薬物抵抗性遺伝子(E.coli gpt(Mulligan and Berg(1981)Proc Natl Acad Sci USA 78:2072)またはTn5 neo(Southern and Berg(1982)Mol Appl Genet 1:327)等)を同時に導入することによって選択され得る。選択可能マーカー遺伝子は、発現されるDNA遺伝子配列へ連結され得るか、または共トランスフェクションによって同じ細胞の中へ導入され得る、のいずれかである(Wigler et al.(1979)Cell 16:77)。第2のクラスのベクターは、染色体外プラスミドへ自主的に複製する能力を付与するDNAエレメントを利用する。これらのベクターは、ウシパピローマウイルス(Sarver et al.(1982)Proc Natl Acad Sci USA,79:7147)、サイトメガロウイルス、ポリオーマウイルス(Deans et al.(1984)Proc Natl Acad Sci USA 81:1292)、またはSV40ウイルス(Lusky and Botchan(1981)Nature 293:79)等の動物ウイルスに由来し得る。
発現ベクターは、その後の核酸の発現に好適な方式で細胞の中へ導入され得る。導入の方法は、以下で検討される標的化細胞タイプによって大部分は定められる。例示的な方法としては、CaPO沈殿、リポソーム融合、カチオン性リポソーム、エレクトロポレーション、ウイルス感染、デキストラン媒介性トランスフェクション、ポリブレン媒介性トランスフェクション、プロトプラスト融合、及び直接的顕微注射が挙げられる。
抗体またはその抗原結合断片の発現に適切な宿主細胞としては、酵母、細菌、昆虫、植物、及び哺乳動物の細胞が挙げられる。その中でも特定に関心が持たれるのは、細菌(E.coli等)、真菌(Saccharomyces cerevisiae及びPichia pastoris等)、昆虫細胞(SF9等)、哺乳動物細胞株(例えばヒト細胞株)、そして初代細胞株である。
いくつかの態様において、抗体またはその断片は、遺伝子導入動物(例えば遺伝子導入哺乳動物)において発現され、それらから精製され得る。例えば、抗体は、例えばHoudebine(2002)Curr Opin Biotechnol 13(6):625-629;van Kuik-Romeijn et al.(2000)Transgenic Res 9(2):155-159;及びPollock et al.(1999)J Immunol Methods 231(1-2):147-157中で記載されるように、遺伝子導入非ヒト哺乳動物(例えば齧歯動物)において産生され、乳汁から単離され得る。
抗体及びその断片は、抗体または断片をコードする核酸を含有する発現ベクターにより形質転換された宿主細胞を、タンパク質の発現を可能にするのに条件下及び時間量で、十分な培養することによって、細胞から産生され得る。タンパク質発現のためのかかる条件は、発現ベクター及び宿主細胞の選択により変動し、ルーチンの実験を介して当業者によって容易に確認されるだろう。例えば、E.coli中で発現された抗体は、封入体から再び折りたたまれ得る(例えばHou et al.(1998)Cytokine 10:319-30を参照)。細菌発現系及びそれらの使用のための方法は、当技術分野において周知である(Current Protocols in Molecular Biology,Wiley & Sons,and Molecular Cloning-A Laboratory Manual -3rd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York(2001)を参照)。コドンの選択、好適な発現ベクター、及び好適な宿主細胞は、複数の因子に依存して、変動し、必要に応じて容易に最適化され得る。本明細書において記載される抗体(またはその断片)は、哺乳動物細胞において、または他の発現系(酵母、バキュロウイルス、及びインビトロの発現系が挙げられるがこれらに限定されない)において発現され得る(例えばKaszubska et al.(2000)Protein Expression and Purification 18:213-220を参照)。
発現に続いて、抗体及びその断片は単離され得る。抗体またはその断片は、他のどの構成要素がサンプル中にあるかに依存して、当業者に公知の様々な手法で単離または精製され得る。標準的精製方法としては、電気泳動技法、分子的技法、免疫学的技法、及びクロマトグラフィー技法(イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、及び逆相HPLCクロマトグラフィーを包含する)が挙げられる。例えば、抗体は、標準的抗抗体カラム(例えばプロテインAカラムまたはプロテインGカラム)を使用して、精製され得る。限外濾過技法及びダイアフィルトレーション技法も、タンパク質濃縮と併用して、有益である。例えばScopes(1994)“Protein Purification,3rd edition,”Springer-Verlag,New York City,New Yorkを参照されたい。精製の必要度は、所望の使用に依存して変動するだろう。いくつかの実例において、発現された抗体またはその断片の精製は、必要ではないだろう。
精製された抗体またはその断片の収率または純度を決定する方法は、当技術分野において公知であり、当該方法としては、例えばBradfordアッセイ、紫外分光法、ビウレットタンパク質アッセイ、Lowryのタンパク質アッセイ、アミドブラックタンパク質アッセイ、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析(MS)、及びゲル電気泳動方法(例えばクマシーブルー染色またはコロイダル銀染色等おタンパク質染色を使用して)が挙げられる。
B.抗体またはその抗原結合断片の修飾
抗体またはその抗原結合断片は、それらの発現及び精製に続いて修飾され得る。修飾は、共有結合性修飾または非共有結合性修飾であり得る。かかる修飾は、例えば選択された側鎖または末端残基と反応することが可能である有機誘導体化剤とポリペプチドの標的アミノ酸残基を反応させることによって、抗体または断片の中へ導入され得る。修飾に好適な部位は、様々な基準(例えば抗体または断片の構造分析またはアミノ酸配列分析が挙げられる)の任意のものを使用して選ばれ得る。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、異種部分へコンジュゲートされ得る。異種部分は、例えば異種ポリペプチド、治療剤(例えば毒素または薬物)、または検出可能な標識(放射性標識、酵素標識、蛍光標識、重金属標識、発光標識、またはビオチンもしくはストレプトアビジン等の親和性タグ等であるがこれらに限定されない)であり得る。好適な異種ポリペプチドとしては、例えば抗体または断片の精製における使用のための抗原性タグ(FLAG(DYKDDDDK(配列番号141))、ポリヒスチジン(6-His;HHHHHH(配列番号142))、赤血球凝集素(HA;YPYDVPDYA(配列番号143))、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、またはマルトース結合タンパク質(MBP))が挙げられる。異種ポリペプチドとしては、診断用マーカーまたは検出可能なマーカーとして有益なポリペプチド(例えば酵素)、例えばルシフェラーゼ、蛍光タンパク質(例えば緑色蛍光タンパク質(GFP))、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)も挙げられる。好適な放射性標識としては、例えば32P、33P、14C、125I、131I、35S、及びHが挙げられる。好適な蛍光標識としては、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、DyLight(商標)488、フィコエリトリン(PE)、ヨウ化プロピディウム(PI)、PerCP、PE-Alexa Fluor(登録商標)700、Cy5、アロフィコシアニン、及びCy7が限定されずに挙げられる。発光標識としては、例えば任意の様々な発光ランタニド(例えばユウロピウムまたはテルビウム)キレートが挙げられる。例えば、好適なユウロピウムキレートとしては、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはテトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)のキレートユウロピウムが挙げられる。酵素的な標識としては、例えばアルカリホスファターゼ、CAT、ルシフェラーゼ、及びホースラディシュペルオキシダーゼが挙げられる。
2つのタンパク質(例えば抗体及び異種部分)は、複数の公知の化学架橋物質の任意のものを使用して架橋され得る。かかる架橋物質の例は、「ヒンダード」ジスルフィド結合を含むリンケージを介して2つのアミノ酸残基を連結するものである。これらのリンケージにおいて、架橋単位内のジスルフィド結合は、例えば還元グルタチオンまたは酵素ジスルフィド還元酵素の作用によって還元から保護される(ジスルフィド結合のいずれか側上の基の妨害によって)。ある好適な試薬(4-スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α(2-ピリジルジチオ)トルエン(SMPT))は、タンパク質のうちの1つ上の末端リジン及び他のもの上の末端システインを利用して、2つのタンパク質間のかかるリンケージを形成する。各々のタンパク質上の異なるカップリング部分によって架橋するヘテロ二官能性試薬も、使用され得る。他の有益な架橋物質としては、2つのアミノ基を連結する試薬(例えばN-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド)、2つのスルフヒドリル基を連結する試薬(例えば1,4-ビス-マレイミドブタン)、アミノ基及びスルフヒドリル基を連結する試薬(例えばm-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)、アミノ基及びカルボキシル基を連結する試薬(例えば4-[p-アジドサリチルアミド]ブチルアミン)、ならびにアミノ基及びアルギニンの側鎖中に存在するグアニジウム基を連結する試薬(例えばp-アジドフェニルグリオキサール一水和物)が限定されずに挙げられる。
いくつかの態様において、放射性標識は、抗体のアミノ酸骨格へ直接コンジュゲートされ得る。代替的に、放射性標識は、より大きな分子の一部分として(例えばメタ-[125I]ヨードフェニル-N-ヒドロキシスクシンイミド([125I]mIPNHS)中の125Iであり、[125I]mIPNHSは、遊離アミノ基へ結合して、関連するタンパク質のメタヨードフェニル(mIP)誘導体を形成する(例えばRogers et al.(1997)J Nucl Med 38:1221-1229を参照))、または次にタンパク質骨格へ結合されるキレートの一部分として(例えばDOTAまたはDTPAへ)含まれ得る。放射性標識またはそれらを含有するより大きな分子/キレートを、本明細書において記載される抗体または抗原結合断片へコンジュゲートする方法は、当技術分野において公知である。かかる方法は、タンパク質へ放射性標識またはキレートの結合を容易にする条件(例えばpH、塩濃度、及び/または温度)下で、放射性標識によりタンパク質をインキュベーションすることを含む(例えば米国特許第6,001,329号を参照)。
蛍光標識(時には「フルオロフォア」と称される)をタンパク質(例えば抗体)へコンジュゲートする方法は、タンパク質化学の技術分野において公知である。例えば、フルオロフォアは、フルオロフォアへ付加されたスクシンイミジル(NHS)エステルまたはテトラフルオロフェニル(TFP)エステル部分を使用して、タンパク質の遊離アミノ基(例えばリジン)またはスルフヒドリル基(例えばシステイン)へコンジュゲートされ得る。いくつかの態様において、フルオロフォアは、ヘテロ二官能性架橋物質部分(スルホ-SMCC等)へコンジュゲートされ得る。好適なコンジュゲーション法は、フルオロフォアのタンパク質への結合を容易にする条件下でフルオロフォアにより抗体タンパク質またはその断片をインキュベーションすることを含む。例えばWelch and Redvanly(2003)“Handbook of Radiopharmaceuticals:Radiochemistry and Applications,”John Wiley and Sons(ISBN 0471495603)を参照されたい。
いくつかの態様において、抗体または断片は、例えば血液、血清、または他の組織において、例えば循環中の抗体の安定化及び/または保持を改善する部分により修飾され得る。例えば、抗体または断片は、例えばLee et al.(1999)Bioconjug Chem10(6):973-8;Kinstler et al.(2002)Advanced Drug Deliveries Reviews 54:477-485及びRoberts et al.(2002)Advanced Drug Delivery Reviews 54:459-476中で記載されているようにPEG化、またはHES化(HESylated)され得る(Fresenius Kabi,Germany;例えばPavisic et al.(2010)Int J Pharm 387(1-2):110-119を参照)。安定化部分は、抗体または断片の安定性または保持を、少なくとも1.5(例えば少なくとも2、5、10、15、20、25、30、40、または50以上)倍改善し得る。
いくつかの態様において、本明細書において記載される抗体またはその抗原結合断片は、糖鎖付加され得る。いくつかの態様において、本明細書において記載される抗体またはその抗原結合断片は、抗体または断片が低減した糖鎖付加を有するかまたは糖鎖付加が非存在であるように、酵素処理もしくは化学処理を受けるか、または細胞から産生され得る。低減した糖鎖付加を備えた抗体を産生する方法は、当技術分野において公知であり、例えば米国特許第6,933,368号;Wright et al.(1991)EMBO J 10(10):2717-2723;及びCo et al.(1993)Mol Immunol 30:1361中で記載される。
適用
本明細書において記載される組成物は、多数の診断適用及び治療適用において使用され得る。例えば、検出可能に標識された抗原結合分子は、サンプル(例えば生物学的サンプル)中の標的抗原の存在または量を検出するアッセイにおいて使用され得る。組成物は、標的抗原機能の阻害の研究のためのインビトロのアッセイにおいて使用され得る。例えば組成物が補体タンパク質へ結合し阻害するいくつかの態様において、組成物は、補体活性を阻害するかまたはさもなければ補体関連障害の治療に有用である追加の新規化合物を同定するようにデザインされたアッセイにおいて、陽性対照として使用され得る。例えば、IL-27阻害組成物は、IL-27産生を低減または無効にする追加の化合物(例えば小分子、アプタマー、または抗体)を同定するアッセイにおいて、陽性対照として使用され得る。組成物は、以下で詳述するような治療方法においても使用され得る。
いくつかの態様において、本開示は、生物学的サンプル中のまたは対象中のIL-27を検出する方法であって、(i)サンプルまたは対象(任意選択で参照サンプルまたは対象)を、抗体分子及びIL-27の相互作用が起こることを可能にする条件下で、本明細書において記載される任意の抗体と接触させること、ならびに(ii)抗体分子とサンプルまたは対象(任意選択で参照サンプルまたは対象)との間での複合体の形成を検出すること、を含む、前記方法を提供する。
キット
キットは、本明細書において開示される抗IL-27抗体及び使用のための指示書を含み得る。キットは、好適な容器中に、抗IL-27抗体、1つまたは複数の対照、及び当技術分野において周知の様々な緩衝液、試薬、酵素、及び他の標準的成分を含み得る。いくつかの態様において、本開示は、本明細書において開示される抗IL-27抗体または抗原結合部分、及び対象における免疫応答の刺激または対象におけるがんの治療における使用のための指示書を、任意選択で、本明細書において開示される1つまたは複数の追加の治療剤または手順と併用する使用のための指示書と共に含むキットを提供する。
容器としては、少なくとも1つのバイアル、ウェル、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジ、または他の容器手段が挙げられ、抗IL-27抗体はその中へ配置され、いくつかの実例において、好適に小分けされ得る。追加の構成要素が提供される場合に、キットは、この構成要素が配置され得る追加の容器を含有し得る。キットは、商業的販売のために密閉で、抗IL-27抗体及び他の試薬容器も含有するための手段も含み得る。かかる容器は、所望のバイアルが保持される、射出成形またはブローモールド成形のプラスティック容器を含み得る。容器及び/またはキットは、使用のための指示書及び/または警告によるラベルを含み得る。
本開示は、その具体的な態様を参照して記載されているが、本開示の真の趣旨及び範囲から逸脱せずに、当業者によって、様々な変化が行われ得ること及び均等物が置換され得ることを理解されたい。加えて、特定の状況、材料、物質の組成、プロセス、プロセスステップ(複数可)を、本開示の目的、趣旨、及び範囲へ適合させるように、多くの修飾が行われ得る。すべてのかかる修飾は、本開示の範囲内であるように意図される。
実施例1:CDR配列アライメント
本開示の抗IL-27抗体の複数のサブ選択は、それらのCDR領域にわたる配列相同性を共有し、機能性を保持するものとして検証された多様なバリアントCDR配列を提供する。以下のコンセンサスCDR配列は、本開示によって完全に支持され、したがって本開示の範囲内にあることが、本明細書において明確に企図される。
抗IL-27 Ab1、抗IL-27 Ab3、抗IL-27 Ab4、抗IL-27 Ab5、抗IL-27 Ab6、及び抗IL-27 Ab7抗体について、これらの抗IL-27抗体の各々のCDR配列のアライメントから、可変残基によって中断される、広範囲な相同性が明らかにされた。特に、重鎖CDR1アライメントから、以下の可変残基が明らかにされた。
HCDR1(IMGT)
CLUSTALのO(1.2.4)マルチプル配列アライメント
1 GFTFRSYG 8 (配列番号119)
5 GFTFRSYG 8 (配列番号31)
4 GFTFASYG 8 (配列番号97)
2 GFTFSRTG 8 (配列番号53)
3 GFTFSRYG 8 (配列番号75)
6 GFTFSSYS 8 (配列番号9)
****
したがってこれらの相同抗体についてのコンセンサス重鎖CDR1(IMGT)配列は、N-GFTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]-C(配列番号144)であり、したがってコンセンサス重鎖CDR1(IMGT)配列として本明細書においてより一般的に企図されるものは、N-GFTFXXXX-C(配列番号145)である(配列中、Xは任意のアミノ酸残基である)。
抗IL-27 Ab1、抗IL-27 Ab3、抗IL-27 Ab4、抗IL-27 Ab5、抗IL-27 Ab6、及び抗IL-27 Ab7抗体の重鎖CDR2(IMGT)配列のアライメントから、以下のことが明らかにされた。
HCDR2(IMGT)
CLUSTALのO(1.2.4)マルチプル配列アライメント
10 ISSSGSYI 8 (配列番号120)
11 ISSSSSYI 8 (配列番号98)
7 ISSSSSYI 8 (配列番号32)
9 ISSSSSYI 8 (配列番号54)
8 ISSSSAYI 8 (配列番号76)
12 ISSSSSYI 8 (配列番号10)
****.:**
したがってこれらの相同抗体についてのコンセンサス重鎖CDR2(IMGT)配列は、N-ISSS[S/G][S/A]YI-C(配列番号146)であり、したがってコンセンサス重鎖CDR2(IMGT)配列として本明細書においてより一般的に企図されるものは、N-ISSSXXYI-C(配列番号147)である(配列中、Xは任意のアミノ酸残基である)。
ヒトCDR1(NT)及びヒトCDR2(NT)配列のアライメントから、以下のことも明らかにされた。
HCDR1(NT)
CLUSTALのO(1.2.4)マルチプル配列アライメント
13 FTFRSYGMN 9 (配列番号34)
16 FTFRSYGMN 9 (配列番号122)
17 FTFASYGMN 9 (配列番号100)
14 FTFSRTGMN 9 (配列番号56)
15 FTFSRYGMN 9 (配列番号78)
18 FTFSSYSMN 9 (配列番号12)
*** ***
HCDR2(NT)
CLUSTALのO(1.2.4)マルチプル配列アライメント
23 GISSSGSYIYYADSVKG 17 (配列番号123)
19 SISSSSSYIYYADSVKG 17 (配列番号35)
20 SISSSSSYIYYADSVKG 17 (配列番号57)
22 SISSSSSYIYYADSVKG 17 (配列番号101)
21 SISSSSAYILYADSVKG 17 (配列番号79)
24 SISSSSSYIYYADSVKG 17 (配列番号13)
.****.:** *******
したがってこれらの相同抗体についてのコンセンサス重鎖CDR1(NT)及びCDR2(NT)配列は、それぞれN-FTF[S/A/R][S/R][T/Y][G/S]MN-C(配列番号148)及びN-[G/S]ISSS[S/G][S/A]YI[L/Y]YADSVKG-C(配列番号149)である。これらのコンセンサス配列を考慮して、本明細書においてより一般的に企図されるコンセンサス重鎖CDR1(NT)配列及びCDR2(NT)配列は、それぞれN-FTFXXXXMN-C(配列番号150)及びN-XISSSXXYIXYADSVKG-C(配列番号151)である(配列中、Xは任意のアミノ酸残基である)。
重鎖CDR3(IMGTまたはNT)、ならびに軽鎖CDR CDR1(IMGTまたはNT)、CDR2(IMGTまたはNT)及びCDR3(IMGTまたはNT)は、抗IL-27 Ab1と抗IL-27 Ab3と抗IL-27 Ab4と抗IL-27 Ab5と抗IL-27 Ab6と抗IL-27 Ab7との間で完全保存されていた。
実施例2:抗IL-27抗体のインビボ投与
本明細書に開示される抗IL-27抗体のインビボ投与が固形腫瘍の治療に及ぼす効果を分析する第1相、非盲検、FIH、単剤療法用量漸増、安全性、及び拡大試験が進行中である。パートAは試験の抗IL-27単剤療法の用量漸増部分で構成され、進行性固形腫瘍を有する約42名の患者の登録が予定されている。この用量漸増パートでは、加速フェーズ(患者1名)に用量レベル1~3を採用し、続いて標準フェーズ(3+3)に用量レベル4~8を採用する。
パートBでは、進行性または転移性のccRCC(組織学的定義における任意の淡明細胞成分)またはHCCを有する患者を適応症別単剤療法の拡大コホートに登録し、2段階デザインを使用して、単剤療法としての抗IL-27抗体の安全性、有効性、忍容性、PK、及び薬力学をさらに検査する。各拡大コホートのステージ1には、約17名の患者を登録する。ステージ1の17名の患者のうち1名以上がX線検査で奏効(完全奏効[CR]または部分奏効[PR])が確認された場合、さらに追加で約23名の患者をステージ2に登録する。適応症別コホートそれぞれの(約40名の患者のうち)約12名の患者には、生検が採取できる軟組織転移または原発腫瘍を有することが要求される。パートBに登録される患者の総数は約80名になる(各拡大コホートに約40名)。
試験デザインを図1に示す。
抗IL-27抗体単剤療法の開始用量は、0.003mg/kgであり、4週ごとにIV投与される。以降の抗IL-27抗体の用量レベルは変更される場合があり、安全性評価委員会(SRC)の推奨に基づいて追加の用量レベル及び/またはスケジュールが治験される場合がある。
Figure 2024516970000027
単剤療法の用量漸増は加速フェーズから始める。ここでは、用量レベル1~3にそれぞれ1名の患者を登録し、初回サイクルの試験治療中にDLT及びAEをモニタリングする(1サイクルは1日目からの4週間[28日]と定義する)。加速フェーズの患者が初回サイクル中にDLTまたはグレード2以上の治療関連の有害事象を発症した場合、その用量レベルで標準フェーズに切り替えて用量漸増を行うことになる。加速フェーズのいずれかの用量レベルを標準フェーズに切り替えた場合、残りの用量漸増に関しては、以降の全用量レベルを標準フェーズで評価することになる。用量レベル1~3でDLTが観察されなかったため、加速フェーズから標準フェーズへの切り替えは必要なかった。
用量レベル1(0.003mg/kg)で2例以上のDLTが発生する場合、用量レベル-1を検討してもよい。このレベルの用量についてはSRCと協議することになる。
加速フェーズ中(用量レベル1、2、及び3)に標準フェーズへ切り替えない場合には、用量漸増は用量レベル4(0.3mg/kg)で従来型3+3デザインに移行する。ここでは、ある用量レベルで3名の患者を治療し、試験薬の初回サイクル中のDLTをモニタリングする。最初の3名の患者にDLTが発生した場合、追加で3名の患者を同じ用量レベルで治療する。この追加した3名の患者にDLTが発生しない場合(すなわち、患者6名あたりDLTが2名未満)、用量漸増を次の用量レベルに進めることができる。
単剤療法の用量漸増の標準フェーズでは、ある用量レベルを通過し、次の用量レベルの登録を開始したとき、治験依頼者の裁量により、最大3名の患者を登録し、以前に通過した用量レベルで並行して治療することができる。これらの患者については、ccRCC、HCCの患者、及び/または腫瘍生検に同意する患者が優先されることになる。
用量漸増は、以下のいずれかが行われるまで単剤療法で継続する:(i)治験される投薬スケジュールそれぞれのRP2Dの決定;及び(ii)該当する全データの包括的な検証に基づいた、SRCによる用量漸増中止の勧告。
RP2Dは、抗IL-27抗体単剤療法に関するSRCによって決定される。RP2Dと認められるためには、特定の用量レベル及びスケジュールで最小6名の患者を治療しなければならない。RP2Dは、累積安全性、PK、及び薬力学データを基準とするものである。ある用量レベルで2名以上の患者がDLTを発症した場合(登録された合計6名中)、この用量レベルはRP2Dを超えている。RP2Dの決定を最適化するために、SRCが中間用量または代替スケジュールの治験を推奨する場合がある。
抗IL-27抗体は、4週間ごとのスケジュールで単剤療法として投与される。1サイクルの治療には1用量分の抗IL-27抗体が含まれる。SRCは、試験期間中の抗IL-27抗体の安全性、PK、及び薬力学をモニタリングし、投薬のパラダイム(例えば用量レベル及び/またはスケジュール)の変更を推奨する場合がある。
RP2Dで治療を開始しない場合には、患者が現在の用量レベルを少なくとも3サイクル受けている、現在の用量レベルでの毒性がグレード1以下であることが報告されている、及び患者が用量の減量を受けていないことを条件に、高用量まで漸増した用量を患者に与えること、または異なる投薬スケジュールに変更することができる。いずれかのレベルでグレード3以上の何らかの治療関連毒性が発生した場合、いかなる患者に対してもそのレベルでの患者内用量漸増は許可されない。既に評価され、抗IL-27抗体単剤療法のRP2D以下である用量レベルでのみ、漸増した用量を患者に与えることまたは別の投薬スケジュールに変更することができる。患者が上記の基準を満たす限り、(RP2D未満であれば)漸増され得る用量レベルの段階に上限はない。このような患者に対する高用量の初回サイクル中に発生する毒性はDLTとはみなされない。
用量制限毒性は、NCI-CTCAE第5.0版以降を使用して初回治療サイクル中(28日間)に評価され、本試験のパートA及びパートCに対して定義される。DLTと評価されるには、患者が、処方用量の少なくとも50%の抗IL-27抗体を投与され、初期28日間(サイクル1)に薬物関連の有害事象以外を理由として試験治療を中止していない必要がある。DLTの評価不能である患者は入れ替えられることになる。
明らかに疾患の進行、併発疾患、または併用薬に関連するとみなされる毒性(グレードを問わない)は、DLTとはみなされない。臨床的後遺症がなく、72時間以内に回復し、治療を必要としないグレード3またはグレード4の非血液学的な検査異常は、DLTとはみなされない。
サイクル1のDLT検証期間後に発生し、重大な臨床的影響を有する毒性が、用量選択の評価の際にSRCによって考慮されることになる。DLTを発症した患者には、低用量で治療を継続する機会が与えられる場合がある。
サイクル1中の何らかの特定の毒性の発生は、治験責任医師が試験治療と関連する可能性あり、おそらく関連あり、または明らかに関連ありと評価した場合にDLTとみなされることになる。
パートB:抗IL-27抗体単剤療法の拡大
パートB単剤療法拡大コホートは、2段階デザインを使用した適応症別コホートにおいて、ccRCC(組織学的定義における任意の淡明細胞成分)、HCC、及び非小細胞肺癌(NSCLC)を有する患者におけるRP2Dでの抗IL-27抗体単剤療法の安全性、有効性、忍容性、PK、及び薬力学を評価する。各拡大コホートのステージ1には、約17名の患者を登録する。ステージ1の17名の患者のうち1名以上がX線検査で奏効(CRまたはPR)が確認された場合、さらに追加で約23名の患者をステージ2に登録する。適応症別コホートそれぞれの(約40名の患者のうち)約12名の患者には、生検が採取できる軟組織転移または原発腫瘍を有することが要求される。パートBに登録される患者の総数は約120名になる(各拡大コホートに約40名)。
選択基準
全患者は、以下の選択基準を満たさなければならない:
1.患者の年齢は18歳以上でなければならない。
2.標準治療中または標準治療後に進行し、(治験責任医師の判断に基づく)適応する利用可能な療法がない局所進行性または転移性(ステージIV)固形腫瘍。
3.進行性または転移性のccRCC、HCC、またはNSCLCを有するパートBの患者は、Response Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST)1.1に従って測定可能な少なくとも1種の病変を有していなければならない。
4.パートBのHCC患者は、修正版RECIST(mRECIST)に従って以下の基準を満たす測定可能な少なくとも1種の標的病変を有していなければならない。病変(複数可)は反復測定に適している必要がある。
・肝臓の標的病変(複数可)は少なくとも1.0cm以上である必要がある(定型、すなわち動脈拡張病変の場合、これは生存腫瘍のものである必要があり、対する非定型病変の場合、最長直径を使用する必要がある)。
・非肝臓標的病変(複数可)は以下を含み得る:
-短軸が1.5cm以上と測定されるリンパ節(LN)病変。ただし、短軸が少なくとも2.0cm以上である必要がある肝門部LNを除く。
-最長直径が1.0cm以上と測定される非結節性病変。骨病変は対象外である。
・過去に放射線または他の形態の局所領域療法で治療された病変は、標的病変として使用されるには、X線写真による疾患進行の形跡を示さなければならない。
5.HCC患者は切除不能な疾患、Barcelona Clinic Liver CancerステージB(肝動脈化学塞栓術の適応外)またはステージCを有していなければならない。
6.ccRCCを有するパートBの患者の場合、最新の治療レジメンの期間中または期間後に疾患の進行(PD)を発現したもの。先行治療歴には、血管内皮成長因子(VEGF)標的薬剤及びプログラム死受容体1(PD-1)/プログラム死リガンド1(PD-L1)免疫チェックポイント阻害剤を含んだレジメン(複数可)による治療中または治療後の進行が含まれていなければならない。進行はしなかったが、毒性または不耐容性を理由にVEGF標的薬剤を中止した患者は許可される。
7.HCCを有するパートBの患者の場合、最新の治療レジメンの期間中または期間後にPDを発現したもの。先行治療歴には、VEGF標的薬剤による治療中または治療後の進行が含まれていなければならない。進行はしなかったが、毒性または不耐容性を理由にVEGF標的薬剤を中止した患者は許可される。
8.腫瘍生検のみの部分集団であるパートB患者の場合、治験責任医師の判断で治療前及び治療中に腫瘍生検を採取できる腫瘍組織を有し、プロトコルに従って治療前及び治療中の生検を受ける意思がなければならない。
9.過去の抗がん療法(化学療法、生物製剤、またはその他の治験薬)の最終投与から試験薬の開始までの休薬期間は、薬剤の半減期の5倍超、または21日超(いずれか短い方)でなければならない。
・注:非中枢神経系疾患に対する緩和的放射線療法の休薬期間は7日間である。
10.先行抗がん療法に付随する非免疫関連AE(脱毛症及び末梢神経障害を除く)が、NCI-CTCAE第5.0版以降に従うグレード1以下へ回復、及び先行チェックポイント阻害剤療法に付随する免疫関連AEの完全回復。
・注:先行療法に関連する他の臨床的に安定したAEまたは重大でないAEを有する患者は、治験依頼者との協議を待って登録することができる(例えば、制御された甲状腺疾患、白斑、無症候性のアミラーゼ/リパーゼ上昇、インスリン依存性1型糖尿病、グレード2以下の制御された発疹、安定用量の補充でのグレード2以下の電解質異常)。
11.Cockcroft-Gault式に従って血清クレアチニンクリアランスが30mL/分以上、または血清クレアチニンが基準値上限(ULN)の2.0倍以下。
12.総ビリルビンがULNの1.5倍以下(ギルバート症候群に起因して上昇した場合はULNの3倍以下、HCC患者または既知の肝転移を有する患者ではULNの2倍以下)。
13.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(AST/SGOT)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT/SGPT)がULNの2.5倍未満(肝転移がある場合またはHCC患者の場合はULNの5倍未満)。
14.HCC患者の場合、血清アルブミンが2.8g/dL以上(28g/L以上)であるChild-PughクラスAまたはB7。
15.絶対好中球数(ANC)が1.0×10/L以上、ヘモグロビンが9.0g/dL以上、及び血小板数が100×10/L以上と定義される適切な造血機能。HCC患者の場合、輸血なしで血小板数が75×10/L以上。
16.米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータスが0~1。
17.スクリーニング時に心エコー図またはマルチゲート収集スキャンによって測定された駆出率が50%以上。
18.妊娠可能性のある女性(WCBP)の場合、初回治療前1週間以内の血清βヒト絨毛性ゴナドトロピン妊娠検査で陰性(WCBPとは、外科的不妊手術を受けていないか、または55歳超の女性の場合は自然閉経後少なくとも連続12か月を経ていない、性的に成熟した女性と定義される)。
19.外科的不妊でないか、または更年期以降でない男女の患者は、SRF388の最終投与後75日間を含む試験治療期間中、医学的に許容される避妊方法を使用する意思があること。男性患者はこの期間中の精子提供を控えなければならない。性的に活発な男性及び経口避妊薬を使用している女性は、バリアー避妊法も使用する必要がある。無精子症の男性患者及び継続的に異性との性交渉の機会を有さないWCBPは、避妊要件を免除される。ただし、女性患者は本項に記載する妊娠検査も受けなければならない。
20.試験の来院スケジュール及びすべてのプロトコル要件を遵守できること。
21.何らかのスクリーニング手順が実施される前に、治験審査委員会/独立倫理委員会が承認済み同意文書に署名と日付を記入すること。
22.NSCLC患者は、局所進行性及び/または転移性のステージIVのNSCLCであることが組織検査で確定されていなければならない。
23.NSCLC患者は、最新の治療レジメンの期間中または期間後にPDを発現していなければならない。先行治療歴には、(1)ドライバー変異がない疾患の場合は抗PD-(L)1、(2)患者がドライバー変異を伴う疾患を有する場合は標的療法による治療中または治療後の進行が含まれていなければならない。進行はしなかったが、毒性または不耐容性を理由に標的薬剤を中止した患者は許可される。
注:ドライバー変異のある患者は、先行抗PD-(L)1療法を受けている必要はない。
除外基準
以下の基準のいずれかを満たす場合、患者は試験から除外されるものとする:
1.過去に抗IL-27抗体または抗IL-27標的療法を受けた。
2.パートBの患者の場合、腎細胞癌(RCC)、非淡明細胞型RCC組織を有する。
3.パートBの患者の場合、ステージIVの疾患に対して4回超の先行全身療法を受けた。
4.HCC患者の場合、既知の線維性層板状または混合型肝細胞胆管癌。
5.HCC患者の場合、中等度または重度の腹水。
6.必要とされる生検に備えて安全に一時中止できない長期抗凝固療法(例えばワルファリン、エノキサパリン)を受けている(該当する腫瘍生検の部分集団の場合のみ)。
7.何らかのモノクローナル抗体療法または何らかの試験薬中の賦形剤に対するグレード4のアレルギー反応またはアナフィラキシー反応の既往歴。
8.スクリーニング前4週間以内の大手術。
9.症候性または未治療の脳転移(軟髄膜転移を含む)。過去に脳転移の治療を受けた患者は、放射線治療終了から28日以上経過し、経過観察画像で進行がないことが確認されなければならない。
10.原発性中枢神経系悪性腫瘍。
11.SRF388の初回投与前3か月以内の自己幹細胞移植歴。
12.SRF388の初回投与から6か月以内の同種造血細胞移植歴、または移植片対宿主病の既往歴または現在の臨床症状。
13.既知のHIV感染。
14.既知のB型肝炎ウイルス(HBV)またはC型肝炎ウイルス(HCV)感染。次の例外が許可される。
・HCC患者:制御された活動性HBVまたは完全に治療されたHCV感染は許可される。実施施設の標準治療に従った抗ウイルス療法を継続する必要がある。
-活動性HBVを有するHCC患者の場合、試験期間中に抗ウイルス治療を継続する意思があり、スクリーニング期間中のHBV DNAが500IU/mL未満であれば、制御された疾患とみなされる。患者は、試験参加前の最小14日間、抗HBV治療(実施施設の標準治療に従う、例えばエンテカビル)を受けなければならない。
-HCVを有するHCC患者の場合、治癒した疾患、または完全に治療され、制御のための抗ウイルス療法がもはや必要ないとみなされるHCVのみが許可される。
-HCVとHBVの重複感染は許可されない。重複感染とは、HCV RNA陽性及びB型肝炎表面抗原(HBsAg)陽性であると定義される。ただし、HCV Ab+、B型肝炎コア抗体(HBcAb)+であるが、HBsAgが陰性である患者は、重複感染とはみなされず、許可される。
・治癒したHCV既往歴をもつ、何らかの固形腫瘍患者は許可される。
15.ステロイドまたは免疫抑制(例えばシクロスポリン)療法を必要とする活動性自己免疫疾患、または長期ステロイド(すなわち、10mg/日超のプレドニゾンまたは同等物)または免疫抑制療法を必要とする病状。
・注:局所、鼻腔内、または吸入コルチコステロイドの使用は許可される。甲状腺、副腎、または下垂体の機能不全を有する患者に対する生理的補充(例えば、チロキシン、生理的コルチコステロイド[プレドニゾンまたはその同等物10mg/日以下]、またはインスリン)は許可される。自己免疫疾患歴のある患者は、メディカルモニターとの協議の後、対象となる場合がある。
16.スクリーニング時に進行中の制御不能な全身性細菌、真菌、またはウイルス感染がある。
・注:制御された感染には経口抗生物質が許可される。抗菌薬、抗真菌薬、または抗ウイルス薬による予防療法を受けている患者は、他のすべての選択基準/除外基準を満たす場合、明確には除外されない。
17.試験薬の初回投与前6週間以内の弱毒生ワクチンの投与。
18.Fridericia補正法(QTcF)によるベースライン補正QT間隔(QTc)が480ms超。
・注:QTc測定値が1上昇した場合、3回のECGの平均でスクリーニング要件を満たすことができる。この基準は、右脚ブロックまたは左脚ブロックのある患者には適用されない。
19.妊娠中または授乳中の女性患者。
20.死亡リスクが無視できるもの以外の別の悪性腫瘍。これには、スクリーニング前2年以内の、非黒色腫皮膚癌、低リスクの限局性または治癒した前立腺癌、上皮内腺管癌、または子宮頸部上皮内癌が含まれるが、これらに限定されない。
21.スクリーニング前6か月以内の投薬または機械的制御を必要とする脳卒中、不安定狭心症、心筋梗塞、または心室不整脈の既往歴。
22.不安定または重度の制御不能な病状(例えば、不安定な心機能、肺炎及び/または間質性肺疾患を含む不安定な肺病態、制御不能な糖尿病、症候性瘻孔)、または治験責任医師の判断において、試験への参加に伴い患者のリスクが増加すると予測される何らかの重要な医学的疾患もしくは異常な検査所見。
23.NSCLC患者の場合、小細胞組織の何らかの構成要素。
バイオマーカー評価
バイオマーカー解析用のサンプルを収集し、分子レベル及び細胞レベルで抗IL-27の生物学的効果を調べるとともに、マーカー及び免疫細胞集団の変化が曝露及び臨床転帰とどのように関係し得るかを評価する。バイオマーカー評価の目的は、臨床試験の裏付けとなるデータを提供することである。実務上または計画上いずれかの理由(例えば、不十分なサンプル数、解析を妨げるサンプル品質の問題等)により、収集の中断、解析の未実施または中止が決断される状況が存在し得る。したがって、治験依頼者の裁量によりサンプルの収集及び/または解析が省略される場合がある。
何らかの異常な安全性事象(すなわち、抗IL-27使用状況で予測されるものとは種類及び重症度が異なるAE)が発生した場合、またはサンプルが汚染されていることが判明した場合には、(実現可能であれば)追加のバイオマーカーサンプルを要求する場合がある。
以下のバイオマーカーサンプルが解析される場合がある:イムノフェノタイピング及び免疫モニタリング用の血液(全血及びPBMC)(種々の末梢血免疫細胞集団に対する治療効果をモニタリングするため。部分集団には、単球、好中球、骨髄由来抑制細胞、及びT/NK/骨髄細胞集団が含まれ得るが、これらに限定されない);サイトカイン/ケモカイン/可溶性因子の血清(抗IL-27に対して応答性及び/または耐性である予測可能なバイオマーカー及び薬力学バイオマーカーのプロファイリング用。がん及び免疫学的機能に関連する可溶性因子の血清レベルが評価される)。例として、EBI3、IL-27、TNFα、MIP-1α(CCL3)、IFNγ、IL-10、及びIL-6が挙げられるが、これらに限定されない。
実施例3:抗IL-27抗体のインビボ投与
抗IL-27 Ab1単剤療法の事前安全性を確立し、拡大に適した用量を同定するために、標準治療に抵抗性の進行性固形腫瘍を有する患者を、進行中の第1相用量漸増試験(患者1名で加速型の後、標準的な3+3)に登録した(NCT04374877)。4週間ごとに各4週間サイクルの1日目に抗IL-27抗体を静脈内投与した(図1)。抗IL-27 Ab1単剤療法の拡大(パートB)では、Simonの2段階デザインに進行性ccRCC、HCC、及びNSCLCの患者を登録し、進行性ccRCC及びHCCの患者において抗IL-27 Ab1のペムブロリズマブとの併用を検討する(パートC)(図1A~1C)。
用量漸増構成部分であるパートAでは、主要評価項目は、RP2Dの決定を包括的な目的とした用量制限毒性(DLT)の比率、安全性、及び忍容性であった。主要な副次評価項目には、RECIST v1.1及びiRECIST(HCCの場合、mRECISTによる)に従った治験責任医師の検証に基づく客観的奏効率(ORR)、薬物動態、薬力学的評価(免疫細胞部分集団におけるリン酸化シグナル伝達兼転写活性化因子1(pSTAT1)レベル)、及びEBI3の血清濃度を含めた。応答性及び耐性の潜在的なバイオマーカーを同定するために探索的解析を計画した。安全性解析群には、任意の量の試験薬を投与された全患者を含めた。奏効評価対象解析群には、ベースラインで測定可能な疾患を有し、少なくとも1回の抗IL-27 Ab1投与を受け、ベースライン後の奏効評価を1回受けた患者、または初回投与から6週間(±2週間)以内に試験治療を中止した患者すべてを含めた。一次薬力学マーカーに関しては、新鮮な全血サンプルをフローサイトメトリーにより分析し、pSTAT1の阻害をモニタリングした。
予備試験の結果
本試験のパートA、用量漸増では、21名の患者に0.003~10mg/kgの範囲の用量で抗IL-27抗体を投与した。年齢中央値は66歳、67%が女性、ECOG PSは0/1(29%/71%)であった(表3)。先行治療回数の中央値は2(範囲1~9)であり、81%が抗PD-L1経験済みであった(n=17)。用量レベル全体で観察された唯一の治療関連の有害事象は、軽度の疲労(n=1、8%)、悪心(n=1、8%)、及び過剰な唾液分泌(n=1、8%)であった。10mg/kg用量レベルでの初回患者4名全体を含め、用量制限毒性(DLT)またはグレード3以上の関連毒性は発生しなかった。関連するTEAEが6例報告されており、これは疲労(n=2)、悪心(n=1)、過剰な唾液分泌(n=1)、咳(n=1)、及び甲状腺機能亢進症(n=1)を含め、すべて低グレードであった。
Figure 2024516970000028
安全性経過観察来院を含む、初回投与から最終来院までの日数で測定した、平均試験期間は8週間(範囲1~50)である(図2)。用量増加時のレーンの色の変化で示されているように、患者5名を試験時に高用量に移行した。疾患評価は、8週目に実施した後、以降12週間ごとに実施した。評価対象患者18名のうち、約40%が疾患の安定または部分奏効という形で臨床的有用性を受け、疾患安定の50%は16週を超えて持続した。RECISTv1.1によって測定した場合、患者1名(6%)が部分奏効を示し、患者7名(39%)が疾患の安定を示し、患者10名(55%)が疾患の進行を示した(図3)。先行抗PD-1を受けたRCC患者1名は、9か月を超えて疾患の安定が持続した。特に、10mg/kgで治療したNSCLC患者1名は、8週目の初回奏効評価で顕著に迅速な部分奏効を示し、12週目で寛解した。
0.03mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg、及び10mg/kg用量の抗IL-27抗体を投与した患者サンプルの予備PK解析を本試験のパートAで実施した。抗IL-27抗体のPKは、線形性かつ用量比例性であり、推定T1/2は11.7(7.1~18.8)日である(図4)。サイクル3までに累積及び定常状態に達した証拠が得られた。これまでのところ抗薬物抗体の発現の形跡は存在しない。
非臨床有効性モデルに基づいた、目標の血清トラフ薬物濃度は、pSTAT1シグナル伝達阻害に対するIC90の20倍より大きい。全血での下流pSTATシグナル伝達の阻害は一次PDマーカーとして機能し、我々は、トラフを通じて0.3mg/kg以上で完全なpSTAT1阻害が維持されることを観察した(図5A~5D)。全血における90%超のpSTAT1阻害によって測定されるIL-27シグナル伝達経路の最大阻害は、0.3mg/kg以上を起点として達成された。経路阻害がほぼ完全であるHepa1-6マウスモデルと、生物学的活性用量を予測する前臨床ヒト等価用量モデリングとを集約した証拠から、RCC及びHCCに1mg/kgを起点とする追加枠を割り付けた。
ある特定の患者は、縦隔リンパ節、肺、胸膜、及び副腎への転移のある扁平上皮細胞NSCLCを有する64歳男性であり、抗IL-27抗体Ab1を10mg/kgで4週間ごとに1回静脈内投与している。この患者は過去に補助療法としてゲムシタビン/シスプラチン、第一選択薬としてカルボプラチン/nab-パクリタキセル/ペムブロリズマブ(PD-L1発現率が10%である)、第二選択薬としてドセタキセルによる治療を受けていたが、いずれの療法も奏効せず、抗IL-27抗体Ab1開始前に症状が進行していた。この患者は、矢印で示される両側縦隔リンパ節標的病変において、2サイクルの抗IL-27抗体Ab1投与後に42%の腫瘍縮小を伴う部分奏効を示すとともに、呼吸困難が顕著に改善されている(図6A~6F)。この部分奏効は、3サイクル後の標的病変が66%減少したことで確認された(図6A~6F)。
抗IL-27 Ab1は、進行性固形腫瘍を有する患者において、これまでに試験した全用量で忍容性が良好である。抗IL-27 Ab1のファーストインクラス治療薬試験によるIL-27経路遮断の予備結果は、疾患が化学療法及びPD-1遮断薬を含む3種の先行レジメンに耐性である扁平上皮細胞NSCLC患者での確定部分奏効を含め、重度の先行治療を受けた患者でも単剤活性の証拠を示しており、複数の患者が疾患の安定を示している。PKは線形性かつ用量比例性であり、下流のIL-27媒介性pSTAT1の最大標的阻害が投薬間隔全体にわたり維持された。ファーストインクラスの免疫療法によるIL-27経路遮断の予備結果は、HCC、RCC、及びNSCLCを対象として当初計画された免疫チェックポイントの未治療患者と経験済み患者両方で、単剤療法として及び標準治験レジメンとの併用としての抗IL-27 Ab1の評価をさらに裏付けている。
最新の予備試験の結果
パートAでは、29名の患者に0.003~20mg/kgの範囲の用量で抗IL-27抗体を投与した。年齢中央値は64歳、62%が女性、ECOG PSは0/1(24%/76%)であった(表4)。患者の62%は3次以上の先行療法を中止しており、79%は抗PD-(L)1治療歴があった(n=23)。用量レベル全体で10%以上に観察された唯一の治療関連の有害事象は、軽度の疲労(n=3)であった。用量制限毒性(DLT)またはグレード3以上の関連毒性は、いずれの用量レベルでも発生しなかった。関連するTEAEが6例報告されており、これは疲労(n=3)、悪心(n=2)、過剰な唾液分泌(n=1)、咳(n=1)、及び甲状腺機能亢進症(n=1)を含め、すべて低グレードであった。
Figure 2024516970000029
安全性経過観察来院を含む、初回投与から最終来院までの日数で測定した、パートAの平均試験期間は9週間(範囲1~71)である(図7)。用量増加時のレーンの色の変化で示されているように、患者6名を試験時に高用量に移行した。疾患評価は、8週目に実施した後、以降12週間ごとに実施した。評価対象患者27名のうち、約40%が疾患の安定または部分奏効という形で臨床的有用性を受け、疾患安定の28%は16週を超えて持続した。RECISTv1.1によって測定した場合、患者1名(3.7%)が確定部分奏効を示し、患者10名(37%)が疾患の安定を示し、患者16名(59%)が疾患の進行を示した(図8A~8B)。先行抗PD-1を受けたRCC、盲腸腺癌、及び虫垂腺癌を有する患者3名は、9か月以上、疾患の安定が持続した。白金及びタキサンの化学療法及びPD-1遮断薬を含む3種の先行療法に対して、疾患が一次難治性であったNSCLC患者1名を10mg/kgで治療し、8週目の初回奏効評価で顕著に迅速な部分奏効を示し、12週目で寛解した。
試験のパートAに登録されたccRCC患者の部分集団の検証を実施した。パートAの患者29名のうち、7名がccRCC患者であった。大多数は男性(71%)で、中リスク(80%)であった。患者のこの部分集団は重度の先行治療を受けており、29%は3~4次の先行療法を受け、43%は5次以上の先行療法を受けていた。全員が先行PD-1経路遮断薬を受けていた。これらの患者7名のうち、43%(n=3)が20週以上(範囲:20~32)の疾患の安定を示した(図9A~9B)。
引き続き、0.03mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg、10mg/kg、及び20mg/kg用量の抗IL-27抗体を投与した患者サンプルのPK解析を本試験のパートAで実施し、抗IL-27抗体のPKが線形性、かつ0.03から20mg/kgまで用量比例性であることが確認された。最終排出半減期は、約10日であり、6日~13日の範囲と推定された。定常状態はサイクル4で達成され、累積係数は1.2であった。10mg/kgの抗IL27抗体を単剤療法として用いて治療したccRCCまたはHCC患者における曝露量(Cmax及びAUC)は、10mg/kgの用量漸増コホートで観察されたものと同様であった(図10A~10B)。患者63名のうち7名のサイクル1投与前サンプルで、既存の低力価抗薬物抗体(ADA)が確認された。治療後に顕著なブースト(4倍超の力価の増加)はなかった。患者65名のうち2名が治療開始後にADAを発現した。
抗IL-27抗体Ab1を10mg/kgで4週間ごとに1回、静脈内投与している64歳のNSCLC患者の確定部分奏効は、サイクル6の奏効評価で標的病変の74%減少まで深化した。
客観的奏効を主要評価項目としたパートBのSimonの2段階試験を進行中である。これまでのところ、懸念される新たな安全性シグナルは確認されていない。
淡明細胞RCCコホートには21名の患者を登録した。集団の大半は男性(91%)、International Metastatic RCC Database Consortium Risk Score(「IDMC」)による中リスク(57%)であり、肺(71%)及びリンパ節(100%)に転移があった。40%近くが肝臓疾患(n=8)及び骨疾患(n=7)を患っており、概ね予後不良と相関している。全患者が、先行VEGF標的療法及びPD-1遮断薬を単独または併用して受けている必要があった(表5)。患者13名を、治験責任医師の評価によるRECISTv1.1奏効の評価対象とした(図11A~11B)。CR/PR+SDと定義される病勢コントロール率は、確定部分奏効である患者1名を含む31%であった。疾患の進行は71%で最良効果であった。部分奏効の患者は、標的病変腫瘍の45%縮小を示した。これはC6で確定されたものであり、患者はサイクル9の試験を継続中である。
Figure 2024516970000030
治療抵抗性HCCのコホートでは、単剤療法拡大に患者17名を登録した。それは、無増悪生存期間(PFS)中央値が7.2週間(6.3、NE)の進行性治療抵抗性の集団であった。RECISTv1.1に基づく最良効果によれば、奏効評価対象患者16名のうち、31%(n=5)が疾患の安定を示し、69%(n=11)が疾患の進行を示した(図12A~12B)。ベースライン人口統計学調査では、登録集団の進行性の特質が顕著であり、53%が3~4次の先行療法を受け、18%がChild Pugh B7、77%がBCLCステージC、94%がECOG 1、59%がAFP400以上である。過去に18%しか先行療法にPRを示しておらず、18%は全次の先行療法に対して一次治療抵抗性であった(表6)。
Figure 2024516970000031
実施例4:酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によるヒト血清中の抗IL-27抗体の決定
イムノアッセイ法を使用して、ヒト血清中の抗IL-27 Ab1を検出した。サンドイッチELISAでは、マイクロタイタープレート(96ウェルMaxiSorpプレート、カタログ番号439454)を組み換えヒトIL-27(Peprotech、ロット番号1215589)でコーティングし、4℃で一晩保存した。プレートを洗浄し、室温で少なくとも1時間ブロックした。標準品及び品質管理品(QC)を含め、サンプルをアッセイ緩衝液(リン酸緩衝生理食塩水/tween(登録商標)(PBST)中1%ウシ血清アルブミン(BSA))で1:25の最小希釈倍率(MRD)に希釈した後、プレートに添加し、室温で1時間放置した。抗IL-27 Ab1は、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)に結合された抗ヒトIgG1抗体(Southern Biotech、ロット番号G4015-Q168B)により検出する。KPL SureBlue(商標)ペルオキシダーゼをHRPの基質として使用する。反応は1N塩酸によって停止する。着色強度は抗IL-27 Ab1の定量に比例する。
実施例5:ヒト全血におけるpSTAT阻害の決定
抗IL-27抗体(抗IL-27 Ab1)を投与した患者からの全血サンプルを、STAT1のIL-27媒介性リン酸化を測定するアッセイで評価した。本アッセイでは、室温で一晩輸送されたEDTA抗凝固処理済みヒト全血を使用した。450μLの血液を3本の15mLコニカルチューブそれぞれに分配し、37℃のインキュベーター内にて37℃で30分間加温した。抗IL-27抗体をエンドトキシンフリーのPBS(Teknova #P0300)で1mg/mLに希釈し、10μLを1本のチューブに添加して、抗体スパイク対照として提供した。他の2本のチューブには10μLのPBSのみを添加し、非刺激対照及び刺激対照とした。チューブを37℃のインキュベーター内で30分間インキュベートした。
10μgバイアルの組み換えヒトIL-27(R&D Systems#2526-IL)を、100μLのPBS+0.1%BSA(10%BSA Sigma #A1595から作製)を添加することにより100μg/mLに再構成した。組み換えhIL-27(rhIL-27)の作業原液を、エンドトキシンフリーのPBSで2μg/mLに希釈することにより調製した。30分間のインキュベーション後、50μLの2μg/mL rhIL-27を抗IL-27抗体スパイクチューブ及び刺激チューブに添加した。50μLのPBSを非刺激チューブに添加した。各チューブを混合し、37℃で30分間インキュベートした。
30分間のインキュベーション後、細胞を固定した。Lyse/Fix試薬(BD #558049)を滅菌水(Hyclone #SH3052902)で1:5に希釈し、水浴で37℃に加温した。5mLの希釈Lyse/Fix試薬を各チューブに添加し、チューブを反転させることによってよく混合した。チューブを37℃で15分間インキュベートした。15分間のインキュベーション後、チューブを室温、1500RPMで5分間遠心分離し、上清をデカントして廃棄した。5mLのエンドトキシンフリーのPBSをチューブごとに添加し、上下にピペッティングしてサンプルを混合した。チューブを室温、1500RPMで5分間遠心分離し、上清を慎重に吸引して廃棄した。
チューブをはじいて細胞ペレットをほぐした後、ピペッティングによって500μLのPerm III(-20℃で保管)(BD #558050)に再懸濁した。チューブを-20℃で一晩インキュベートした。インキュベーション後、BSA(BD #554657)を含有する染色緩衝液1mLを添加し、チューブを室温、1500RPMで5分間遠心分離した。上清を慎重に吸引して廃棄し、以下の表7に記載されるように、BSAを含有する染色緩衝液で調製した100μLの染色カクテル中に細胞を再懸濁した。
Figure 2024516970000032
チューブを暗所にて室温で1時間インキュベートした。1時間のインキュベーション後、BSAを含有する染色緩衝液200μLを各チューブに添加し、サンプルを室温、1500RPMで5分間遠心分離した。デカントにより上清をプレートから廃棄し、BSAを含有する染色緩衝液300μLに細胞を再懸濁し、フローサイトメトリーにより分析した。
0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg、または10mg/kgの抗IL-27抗体の投与により、少なくとも90%のpSTAT1シグナル伝達阻害が生じた(図13A~13D)。この効果は、3mg/kg用量の抗IL-27抗体を投与された対象において最も顕著であった(図13D)。4週間ごとに1回の抗IL-27抗体の反復投与は、pSTATシグナル伝達が繰り返し減少することを示した(図13B~13D)。
実施例6:IL-27シグナル伝達は、がん進行に関連する免疫調節経路の1型インターフェロン様遺伝子発現プログラムを誘導する
IL-27により誘導される遺伝子発現変化を、活性化ヒトCD4T細胞、ヒトPBMC、及びIL-27RA発現肺癌細胞株NCI-H2228でのマイクロアレイまたはシングルセルRNAシーケンシングにより検討した。得られたIL-27シグネチャー遺伝子を、NSCLC患者からの腫瘍微小環境のシングルセルRNA-seq解析を含む遺伝子濃縮解析により識別した。
IL-27は、ヒト免疫細胞において頑強な遺伝子発現プログラムを誘導した。それには、いくつかの阻害性受容体及び標準的なインターフェロン調節遺伝子、例えばグアニル酸結合タンパク質(GBP)及びインターフェロン調節因子(IRF)等が含まれた。遺伝子セット濃縮解析(GSEA)及びインターフェロンシグネチャー解析は、インターフェロンβによって調節される遺伝子との顕著な重複を示した。インターフェロンβは、慢性ウイルス感染症に関連する免疫抑制を誘導することが知られているサイトカインであり、自己免疫疾患である多発性硬化症に関連する炎症を制御するために治療的に使用される。さらに、インターフェロン調節経路は、がんにおける免疫チェックポイント遮断薬に対する耐性メカニズムとして近年注目されている。公開データセットでのIL-27遺伝子シグネチャーの探索では、NSCLC患者における疾患の進行に関連するマクロファージ集団において濃縮を示した。IL-27媒介性免疫調節の特性の多くは造血細胞に集中しているが、IL-27RAは、疾患の進行を有するNSCLC患者の腫瘍細胞に加え、肺癌細胞株にも発現し、そこではIL-27がPD-L1、IDO1、及びその他の標準的なインターフェロン調節遺伝子を上方制御することができる。
これらの研究は、免疫細胞及びがん細胞においてIL-27シグナル伝達後に関与する転写ネットワークを解明し、インターフェロン関連免疫調節との類似を顕著にしている。IL-27の遮断は、免疫抑制及びチェックポイント耐性に関与する遺伝子転写プログラムを改善するための新たな治療戦略を提供する。
実施例7:抗IL-27 Ab1ケモカイン/サイトカインマルチプレックスアッセイ
抗IL-27 Ab1臨床試験(実施例2を参照)に登録された患者から、以下の予定された来院時及び時点で血清サンプルを採取した:C1D1の投与前及び投与6時間後;C1D8;C2D1の投与前及び投与6時間後;ならびにC3D1及び以降の全治療サイクルの投与前。Meso Scale Diagnostics(MSD;Rockville,MD,USA)から市販されているマルチプレックスケモカイン及びサイトカインキットを使用した電気化学発光(ECL)検出アッセイに基づいて、以下4種の全パネルにわたり血清タンパク質発現を測定した:V-PLEX Plus Chemokine Panel 1(ヒト)キット、V-PLEX Plus Proinflammatory Panel 1(ヒトキット)、V-PLEX Plus Cytokine Panel 1(ヒト)キット、及びV-PLEX PLUS TH17 Panel 1(ヒト)キット。
ベースラインレベル(すなわち、C1D1投与前サンプル)に対する倍率変化と比較した個々の循環ケモカイン及びサイトカイン測定値が、抗IL-27 Ab1単剤療法に対する臨床奏効データと何らかの相関関係があるかを調べた。この解析から、疾患の進行(PD)または疾患の安定(SD)のいずれかを有すると臨床分類された他の患者に認められる倍率変化と比較した場合に、抗IL-27 Ab1単剤療法に対して確定部分奏効(PR)が生じた患者(902-002)では、C1D1投与後6時間の時点でのエオタキシン-1(CCL11)レベルにおいて、ベースラインに対する倍率変化の増加が観察された(図14A)。サイクル3までのさらなる縦断解析により、PD及びSDを有する他の患者と比較した場合に、PRを有するこの患者においてエオタキシン-1(CCL11)のベースラインレベルに対する持続的な倍率変化上昇が実証された(図14B)。
ベースラインレベル(すなわち、C1D1投与前サンプル)に対する倍率変化と比較したIL-27の循環レベルを、各SRF388単剤療法用量コホート(0.003mg/kg、0.03mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3mg/kg、10mg/kg、及び20mg/kg)の患者について調べた。ベースラインレベルに対するIL-27の倍率変化は、ほとんどの患者で上昇傾向にあるが、用量依存性の現象ではないと思われる(図15)。このような観察は、ベバシズマブを含むサイトカインに対する他の治療用抗体(Yang JC et al.2003;NEJM;Bocci G.et al.2004;Cancer Research)及びVEGFの循環レベルに対するその効果について記載されており、受容体媒介性クリアランスの減少に起因している。
ベースラインレベル(すなわち、C1D1投与前サンプル)に対する倍率変化と比較したIFNγの循環レベルを、抗IL-27 Ab1単剤療法患者において調べた。ベースラインに対するIFNγ倍率変化レベルは、10mg/kg単剤療法コホート患者の大部分で増加していると思われ、抗IL-27 Ab1の作用機序と一致していた(図16)。
追加の臨床相関分析では、TARC(CCL17;図17A)、VEGF-A(図17B)、IL-7(図17C)、IL-8(図17D)、MCP-1(図17E)、及びMCP-4(図17F)を含む、いくつかの他のケモカイン及びサイトカインと抗IL-27 Ab1単剤療法での奏効とのさらなる潜在的な関係が実証された。エオタキシン-1(CCL11)と同様、このタンパク質群において、C1D1投与後6時間でのベースラインに対する倍率変化を観察したところ、RECISTv1.1の奏効カテゴリがPD及びSDである大多数の患者と比較したとき、PRを有する患者において一貫して上昇していた。さらに我々は、SDを有する患者のうち1名(901-008)も、残りのPD及びSD患者と比較したとき、6種のタンパク質のこの群においてベースラインレベルに対する同様の倍率変化の上昇を示したことに注目した。この患者はPRとして分類されるためのRECIST奏効基準を満たさなかったが、この患者は抗IL-27 Ab1単剤療法に反応して明らかな腫瘍縮小を示した(図17G)。サイクル3までのこれらの患者2名における、このケモカイン及びサイトカインの縦断解析では、ベースラインに対する倍率変化の上昇が、経時的に程度は様々であるものの比較的持続されると思われることが実証された(図18A~18B)。
実施例8:IL-27シグナル伝達の免疫調節効果の解析
IL-27は、p28及びエプスタイン・バーウイルス誘導遺伝子3(EBI3)という2つのサブユニットからなるヘテロ二量体免疫調節サイトカインである。IL-27は、糖タンパク質130(gp130)とIL-27受容体サブユニットアルファ、IL-27RA(WSX-1)とで構成されるヘテロ二量体受容体を介してシグナル伝達し、この受容体はJAK-STAT経路を活性化してT細胞媒介性免疫の持続時間及び強度を制限する。JAK-STAT経路を介したIL-27シグナル伝達の結果、免疫調節受容体の発現が変化し、炎症誘発性サイトカインの分泌が減少する。本実施例は、遺伝子発現プロファイリングによるIL-27シグナル伝達の免疫調節効果を特性決定する。
IL-27シグナル伝達によって調節される遺伝子を同定するために、健康なドナーからPBMCを単離し、96ウェルプレート中の組み換えヒトIL-27(100ng/ml)、組み換えヒトEBI3(100ng/ml)、または組み換えヒトIL-25(100ng/ml)の存在下または非存在下で、抗CD3抗体(0.25μg/mL、クローンUCHT1)によりインビトロで3日間刺激した。この培養期間の後、CD4CD8T細胞を蛍光活性化細胞選別法により単離した後、RNA精製及びHuGene 1.0STアレイに対するハイブリダイゼーション処理を行った。未加工のマイクロアレイデータを正規化し、2名の個々のドナーにおいてサイトカイン処置条件を対照条件と比較することにより差次的遺伝子発現を決定した(図19)。IL-27処置後に発現の増加を示した遺伝子を遺伝子セット濃縮解析(GSEA)に使用した。次に、GSEAからのいくつかの遺伝子シグネチャー(例えば、特徴的なIFNαシグネチャー)を使用して、IL-27シグネチャーとの遺伝子発現の重複を強調表示した。
100ng/mlのrhIL-27、rhEBI3、またはrhIL-35サイトカインで処理した後、活性化PBMC培養物からCD4+ T細胞を単離した。IL-27ヘテロ二量体(図20A)は、PBMCからのヒトCD4+ T細胞において頑強な遺伝子発現変化を誘発するが、EBI3単独(図20B)もIL-35(図20C)も誘発しない。
CD4+ T細胞からのIL-27遺伝子シグネチャーの遺伝子セット濃縮解析は、インターフェロンのシグナル伝達に関連するmRNAシグネチャーの濃縮を示している(図21A~21B)。特徴的IFNαシグネチャー遺伝子(表8)は、図21Bで強調表示されている。これらの条件では、IL-27はインターフェロンγ(IFNγ)転写物またはタンパク質の発現を増加させないことに留意されたい。
Figure 2024516970000033
ヒトPBMCのシングルセルRNAシーケンシング解析では、IL-27刺激後にインターフェロン刺激遺伝子(ISG)の上方制御を発現するいくつかの免疫細胞集団を同定する(図22A)。健康なドナーからPBMCを単離して、その後プールし、組み換えヒトIL-27(100ng/ml)の存在下または非存在下で、抗CD3抗体(0.25μg/mL、クローンUCHT1)によりインビトロで16時間刺激した。次に細胞を処理し(10x Genomics)、RNAを配列決定し(Illumina,San Diego,CA)、データを処理し(Seurat)、その後視覚化して分析した(BBrowser,BioTuring,San Diego,CA)。差次的遺伝子発現を、差次的発現モジュール内のVeniceアルゴリズムを使用して決定した。IL-27による遺伝子発現変化を、全PBMC、ならびにNK細胞、CD4+ T細胞、B細胞、単球、CD8+ T細胞、及びTreg細胞を含む、定義済み細胞部分集団においても決定した。全PBMC集団においてIL-27媒介性遺伝子発現変化を同定した。これには多くのインターフェロン刺激遺伝子が含まれていた(図22B)。さらに、IL-27は、NK細胞(図22C)、単球(図22F)、CD4+ T細胞(図22D)、CD8+ T細胞(図22G)、B細胞(図22E)、及びTreg細胞(図22H)においてISGを上方制御する。
IFNa2、IFNb1、及びIFNgで刺激したPBMCからのインターフェロン遺伝子発現シグネチャー(Wadell et al.2018)を使用して、実施例2に記載するscRNA-seq PBMCデータセットから同定したIL-27遺伝子シグネチャーと比較した。IFNb刺激遺伝子にIL-27シグネチャーが濃縮されている。表9A~9Fの値は、IL-27刺激条件対対照条件における全PBMCからの差次的遺伝子発現を表す。
Figure 2024516970000034
Figure 2024516970000035
Figure 2024516970000036
Figure 2024516970000037
Figure 2024516970000038
Figure 2024516970000039
健康なドナーからのPBMCを、抗PD-1抗体(ペムブロリズマブ、1μg/mL)及び種々のサイトカインの非存在下(対照)または存在下で、抗CD3抗体(0.25μg/mL)によりインビトロで4日間刺激した。次に、上清を回収し、MSDによってIL-17A(図23A)またはIFN-γ(図23B)の存在について試験した。IL-27とIFNbはいずれも、抗PD-1遮断薬後のサイトカイン産生を阻害した。
疾患の進行を有するNSCLC患者は、いくつかのISG及びIL-27を発現するマクロファージ集団の濃縮を示している。Maynard et al.からの図面抜粋(NCBI BioProject #PRJNA591860、参照することによってその全体が本明細書に援用される)では、IDO1及びGBP5の高発現を有するマクロファージ集団(MF2)が、疾患の残存(RD)を有する患者及び治療未経験(TN)患者と比較して疾患の進行(PD)を有する患者における有病率の増加を示すことを明らかにしている。Maynard et al.からのIL-27転写物のシングルセルRNA-seq解析では、NSCLC腫瘍微小環境において他の細胞型と比較してマクロファージ内での顕著な発現を示している。MF2シグネチャーのいくつかの遺伝子(緑色のハイライト、Maynard et al.表S4)は、IL-27陰性マクロファージと比較してIL-27陽性マクロファージに濃縮されている。疾患の進行を有する患者のマクロファージは、RDまたはTN患者のものと比較して、IL-27転写物の発現がより多くなっている。IL-27転写物は、正常な肺組織からのマクロファージと比較して、原発腫瘍及び転移部位からのマクロファージで増加している。マクロファージ内のIL-27転写物は、ステージIV患者で増加している。MF2シグネチャーはまた、IL-27培養マクロファージと対照条件を比較する独立した遺伝子発現プロファイル(Swaminathan et al 2013,GSE44955)でも顕著であった。このデータは、ほとんどのMF2シグネチャー遺伝子がIL-27によってマクロファージ内で上方制御され得ることを示している。
シングルセルRNA-seq解析は、IL-27がNSCLC腫瘍微小環境(TME)のマクロファージで発現され、疾患の進行を伴うマクロファージ部分集団(MF2)において増加することを示している(図24A)。さらに、MF2シグネチャーは、IL27マクロファージと比較して、IL27マクロファージにおいて高度に濃縮される(図24B)。IL-27は、疾患の進行を有する患者からのマクロファージ(図24C)、正常組織と比較した転移性腫瘍及び原発腫瘍からのマクロファージ(図24D)、ならびにステージIV疾患を有する患者からのマクロファージ(図24D)において増加している。加えて、MF2シグネチャーは、IL27によりマクロファージ内で上方制御される(図24F、灰色のデータポイント)。
肺腺癌(図24G;AdenoCa)及び肺扁平上皮細胞癌(図24H;SCC)の腫瘍微小環境(TME)において、IL-27陽性マクロファージを免疫組織化学(IHC)によって検出した。NSCLCのホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織サンプルに対するIHCは、US Biomax(Derwood,MD)製の組織マイクロアレイ(TMA)を、R&D Systems製の組み換えヒトIL-27(p28及びEBI3)に対するアフィニティー精製ヤギポリクローナル抗体10μg/mLで染色することにより実施した。スライドを脱パラフィン、脱ろう、及び再水和し、Leica Bond RX自動染色装置(Leica Biosystems,Wetzlar,Germany)で染色した。Bond Epitope Retrieval Solution 2(EDTA、pH9)により100℃で10分間、抗原賦活化を実施した。手動でスライドを脱水し、カバースリップを載せて、Aperio Versa 2000スキャナーでデジタルスキャンした。
Maynard et al.(NCBI BioProject #PRJNA591860)からのIL27RA転写物のシングルセルRNA-seq解析では、いくつかの腫瘍細胞を含むNSCLC腫瘍微小環境における数種の細胞型の発現を示している(図25A)。IL27RA発現は、樹状細胞、T細胞、及び腫瘍細胞での高発現を含め、NSCLC腫瘍微小環境内で種々の細胞型にわたって観察された(図25B)。腫瘍組織については、疾患の残存を有する患者または治療未経験の患者と比較して疾患の進行を有する患者でIL27RAの発現が高かった(図25C)。
Cancer Cell Line Encyclopedia(CCLE)からのデータは、NCI-H2228を含む肺癌細胞株でのIL27RA転写物の発現を示している(図26A)。NCI-H2228細胞を種々の濃度の組み換えヒトIL-27とインビトロ培養すると、フローサイトメトリーによるSTAT1リン酸化(IL-27RAシグナル伝達の下流)及びPD-L1発現が用量依存的に増加する(図26B~26C)。また、NCI-H2228細胞を組み換えヒトIL-27(100ng/ml)の存在下または非存在下で48時間インビトロ培養した後、RNA精製及びHuGene 1.0STアレイに対するハイブリダイゼーション処理を行った。未加工のマイクロアレイデータを正規化し、IL-27処置条件(y軸)を対照条件(x軸)と比較することにより差次的遺伝子発現を決定した(図26D)。IL-27は、IDO1及びGBP5を含むいくつかのISGを上方制御した。
これらのデータは、IL-27がヒト免疫細胞において、いくつかの阻害性受容体及び標準的なインターフェロン調節遺伝子、例えばグアニル酸結合タンパク質及びインターフェロン調節因子等を含めた、頑強な遺伝子発現を誘導することを示している。遺伝子セット濃縮解析及びインターフェロンシグネチャー解析では、慢性ウイルス感染症に関連する免疫抑制を誘導することが知られているサイトカインであるインターフェロンβによって調節される遺伝子との顕著な重複が実証された。インターフェロンβは、自己免疫疾患である多発性硬化症に関連する炎症を制御するために治療的に使用される。
IL-27とIFNβはいずれも、PD-1遮断薬の免疫刺激特性の一部を中和することができる。インターフェロン調節経路は、がんにおける免疫チェックポイント遮断薬に対する耐性メカニズムとして近年注目されている。公開データセットでのIL-27遺伝子シグネチャーの探索では、NSCLC患者における疾患の進行に関連するマクロファージ集団において濃縮を示した。IL-27媒介性免疫調節の特性の多くは造血細胞に集中しているが、疾患の進行を有するNSCLC患者からの腫瘍細胞でもIL-27RA発現が実証されている。IL-27RAは、肺癌細胞株にも発現し、そこではIL-27がPD-L1、IDO1、及びその他の標準的なインターフェロン調節遺伝子を上方制御することができる。
これらの研究は、免疫細胞及びがん細胞においてIL-27シグナル伝達後に関与する転写ネットワークを解明し、インターフェロン関連免疫調節との類似を顕著にしている。

Claims (82)

  1. 対象において免疫応答を刺激する方法であって、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を前記対象に投与することを含み、前記抗体またはその抗原結合部分が、(i)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸37~56、(ii)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸142~164、または(iii)(i)及び(ii)の両方のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合し、前記抗体またはその抗原結合部分が、少なくとも約0.003mg/kg~少なくとも約20mg/kgの用量で投与される、前記方法。
  2. 治療を必要とする対象においてがんを治療する方法であって、ヒトIL-27に拮抗する抗体またはその抗原結合部分を前記対象に投与することを含み、前記抗体またはその抗原結合部分が、(i)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸37~56、(ii)配列番号2(IL-27p28)に対応するアミノ酸142~164、または(iii)(i)及び(ii)の両方のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープへ特異的に結合し、前記抗体またはその抗原結合部分が、少なくとも約0.003mg/kg~少なくとも約20mg/kgの用量で投与される、前記方法。
  3. 前記抗体またはその抗原結合部分が、少なくとも約0.003mg/kg、少なくとも約0.006mg/kg、少なくとも約0.009mg/kg、少なくとも約0.03mg/kg、少なくとも約0.06mg/kg、少なくとも約0.09mg/kg、少なくとも約0.3mg/kg、少なくとも約0.6mg/kg、少なくとも約0.9mg/kg、少なくとも約1.0mg/kg、少なくとも約2mg/kg、少なくとも約3mg/kg、少なくとも約4mg/kg、少なくとも約5mg/kg、少なくとも約6mg/kg、少なくとも約7mg/kg、少なくとも約8mg/kg、少なくとも約9mg/kg、少なくとも約10mg/kg、少なくとも約11mg/kg、少なくとも約12mg/kg、少なくとも約13mg/kg、少なくとも約14mg/kg、少なくとも約15mg/kg、少なくとも約16mg/kg、少なくとも約17mg/kg、少なくとも約18mg/kg、少なくとも約19mg/kg、または少なくとも約20mg/kgの用量で投与される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記抗体またはその抗原結合部分が、ほぼ毎週1回、約2週間ごとに1回、約3週間ごとに1回、約4週間ごとに1回、約6週間ごとに1回、約8週間ごとに1回、または約12週間ごとに1回投与される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約4週間ごとに1回投与される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約0.3mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約1mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約3mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約6mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約10mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約13mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約16mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約20mg/kgの用量で約4週間ごとに1回投与される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約3週間ごとに1回投与される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約0.3mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される、請求項1~4及び14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約1mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される、請求項1~4及び14のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約3mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される、請求項1~4及び14のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約6mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される、請求項1~4及び14のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約10mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される、請求項1~4及び14のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約13mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される、請求項1~4及び14のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約16mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される、請求項1~4及び14のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記抗体またはその抗原結合部分が、約20mg/kgの用量で約3週間ごとに1回投与される、請求項1~4及び14のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記抗体またはその抗原結合部分が、前記対象の細胞におけるIL-27依存性STAT1及び/またはSTAT3リン酸化を阻害または低減する、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記抗体またはその抗原結合部分が、前記対象の細胞におけるCD161発現の阻害を阻害または低減する、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記抗体またはその抗原結合部分が、前記対象の細胞におけるPD-L1の発現を阻害または低減する、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記抗体またはその抗原結合部分が、前記対象の細胞からの1つまたは複数のサイトカインのPD-1媒介性分泌を誘導または促進する、請求項1~25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記抗体またはその抗原結合部分が、前記対象の細胞におけるTIM-3の発現を変化させる、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記細胞が、腫瘍細胞または免疫細胞である、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記エピトープが、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、またはGlu164のうちの1つまたは複数のアミノ酸を含む、請求項1~28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記エピトープが、配列番号2(IL-27p28)のAsp146、Arg149、及び/またはPhe153を含む、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記エピトープが、配列番号2(IL-27p28)のHis150及び/またはLeu156をさらに含む、請求項1~30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記エピトープが、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Leu142、及び/またはGlu164をさらに含む、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記エピトープが、配列番号2(IL-27p28)のGlu46、Val49、Ser50、及び/またはLeu162をさらに含む、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記エピトープが、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu142、Asp146、Arg149、His150、Phe153、Leu156、Leu162、及びGlu164からなるかまたは本質的になる、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記エピトープが、配列番号2(IL-27p28)のLeu53、Lys56、Asp143、Leu147、Arg152、Ala157、Gly159、Phe160、またはAsn161のうちの1つまたは複数のアミノ酸をさらに含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記エピトープが、配列番号2(IL-27p28)のLeu53、Lys56、Asp143、Arg145、Leu147、Arg152、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、またはPro163のうちの1つまたは複数のアミノ酸をさらに含む、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記エピトープが、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、及びGlu164からなるかまたは本質的になる、請求項1~36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記エピトープが、配列番号2(IL-27p28)のGln37、Leu38、Glu42、Glu46、Val49、Ser50、Leu53、Lys56、Leu142、Asp143、Arg145、Asp146、Leu147、Arg149、His150、Arg152、Phe153、Leu156、Ala157、Gly159、Phe160、Asn161、Leu162、Pro163、及びGlu164からなるかまたは本質的になる、請求項1~37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3を含み、(i)軽鎖CDR1は、N-XXXXXXLFSSNXKXYXX-Cからなり、軽鎖CDR3はN-XXXASAXXX-Cからなり、重鎖CDR2はN-XXSSSXSYXYXXXXXXX-Cからなり、重鎖CDR3はN-XXXXGRTSYTATXHNXXXX-Cからなり、配列中、Xは任意のアミノ酸である、請求項1~38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号121または124で示される配列を含む重鎖CDR3を含む、請求項1~39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号120または123で示される配列を含む重鎖CDR2を含む、請求項1~40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号119または122で示される配列を含む重鎖CDR1を含む、請求項1~41のいずれか1項に記載の方法。
  43. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号129または132で示される配列を含む軽鎖CDR3を含む、請求項1~42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号128または131で示される配列を含む軽鎖CDR2を含む、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号127または130で示される配列を含む軽鎖CDR1を含む、請求項1~44のいずれか1項に記載の方法。
  46. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、
    (a)配列番号119で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号120で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、及び配列番号121で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;または
    (b)配列番号122で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、及び配列番号124で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含む、請求項1~45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、
    (a)配列番号127で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号128で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号129で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3;または
    (b)配列番号130で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号131で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号132で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、請求項1~46のいずれか1項に記載の方法。
  48. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号119で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号120で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号121で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号127で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号128で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号129で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、請求項1~47のいずれか1項に記載の方法。
  49. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号122で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号123で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号124で示されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号130で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号131で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び配列番号132で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、請求項1~48のいずれか1項に記載の方法。
  50. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号125で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項1~49のいずれか1項に記載の方法。
  51. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号125で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項1~50のいずれか1項に記載の方法。
  52. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号133で示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1~51のいずれか1項に記載の方法。
  53. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号133で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1~52のいずれか1項に記載の方法。
  54. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号125で示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号133で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1~53のいずれか1項に記載の方法。
  55. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号135で示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項1~54のいずれか1項に記載の方法。
  56. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号139で示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項1~55のいずれか1項に記載の方法。
  57. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項1~56のいずれか1項に記載の方法。
  58. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号135で示されるアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項1~57のいずれか1項に記載の方法。
  59. 前記抗体または前記その抗原結合部分が、配列番号139で示されるアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号137で示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項1~58のいずれか1項に記載の方法。
  60. 前記がんが、肺癌(例えば非小細胞肺癌)、肉腫、精巣癌、卵巣癌、膵臓癌、乳癌(例えばトリプルネガティブ乳癌)、黒色腫、頭頸部癌(例えば頭頸部扁平上皮癌)、結腸直腸癌、膀胱癌、子宮内膜癌、前立腺癌、甲状腺癌、肝細胞癌(HCC)、胃癌、脳腫瘍、リンパ腫(例えばDL-BCL)、白血病(例えばAML)、腎臓癌(例えば腎細胞癌(RCC)、例えば淡明細胞型RCC及び/または非淡明細胞型RCC)、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項2~59のいずれか1項に記載の方法。
  61. 追加の治療剤を前記対象に投与することをさらに含む、請求項1~60のいずれか1項に記載の方法。
  62. 前記追加の治療剤が、前記抗体またはその抗原結合部分の前、前記抗体またはその抗原結合部分の後、または前記抗体またはその抗原結合部分と同時に投与される、請求項61に記載の方法。
  63. 前記追加の治療剤が、化学療法、標的化抗がん療法、腫瘍溶解性薬物、細胞傷害剤、免疫ベース療法、サイトカイン、外科的処置、放射線処置、共刺激分子の活性化物質、阻害分子の阻害物質、ワクチン、細胞免疫療法、生物薬剤、またはそれらの組み合わせを含む、請求項61または62に記載の方法。
  64. 前記追加の治療剤が、PD-1アンタゴニスト、PD-L1阻害物質、TIM-3阻害物質、LAG-3阻害物質、TIGIT阻害物質、CD112R阻害物質、TAM阻害物質、STINGアゴニスト、4-1BBアゴニスト、マルチチロシンキナーゼ阻害物質(例えば、VEGFR阻害物質)、抗VEGF遮断抗体、CTLA-4アンタゴニスト、HIF2アンタゴニスト、TGFbアンタゴニスト、mTOR阻害物質、アデノシン経路阻害物質(例えば、抗CD73抗体、抗CD39抗体、抗A2AR抗体、抗A2BR、またはそれらの任意の組み合わせ)、抗CCR8抗体、サイトカインベースのレジメン(例えば、IL-2またはIFN-a)、PARP阻害物質、またはそれらの組み合わせを含む、請求項61~63のいずれか1項に記載の方法。
  65. 前記追加の治療剤がPD-1アンタゴニストを含む、請求項61~64のいずれか1項に記載の方法。
  66. 前記PD-1アンタゴニストが、PDR001、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、MEDI0680、REGN2810、TSR-042、PF-06801591、及びAMP-224からなる群から選択される、請求項65に記載の方法。
  67. 前記PD-L1阻害物質が、FAZ053、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、及びBMS-936559からなる群から選択される、請求項66に記載の方法。
  68. 前記追加の治療剤が、スニチニブ(SUTENT(登録商標))、カボザンチニブ(CABOMETYX(登録商標))、アキシチニブ(INLYTA(登録商標))、レンバチニブ(LENVIMA(登録商標))、エベロリムス(AFINITOR(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、エパカドスタット、NKTR-214(CD-122バイアスアゴニスト)、チボザニブ(FOTIVDA(登録商標))、アベキシノスタット、イピリムマブ(YERVOY(登録商標))、トレメリムマブ、パゾパニブ(VOTRIENT(登録商標))、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標))、テムシロリムス(TORISEL(登録商標))、ラムシルマブ(CYRAMZA(登録商標))、ニラパリブ、サボリチニブ、ボロラニブ(X-82)、レゴラフェニブ(STIVARGO(登録商標))、ドナフェニブ(マルチキナーゼ阻害物質)、カムレリズマブ(SHR-1210)、ペキサスチモジン・デバシレプベク(JX-594)、ラムシルマブ(CYRAMZA(登録商標))、アパチニブ(YN968D1)、カプセル化ドキソルビシン(THERMODOX(登録商標))、チバンチニブ(ARQ197)、ADI-PEG 20、ビニメチニブ、メシル酸アパチニブ、ニンテダニブ、リリルマブ、ニボルマブ(OPDIVO(登録商標))、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標))、アテゾリズマブ(TECENTRIQ(登録商標))、アベルマブ(BAVENCIO(登録商標))、デュルバルマブ(IMFIMZI(登録商標))、セミプリマブ-rwlc(LIBTAYO(登録商標))、チスレリズマブ、及びスパルタリズマブからなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
  69. 前記追加の治療剤が、TIM-3阻害物質である、請求項64に記載の方法。
  70. 前記TIM-3阻害物質が、MGB453またはTSR-022である、請求項69に記載の方法。
  71. 前記追加の治療剤が、LAG-3阻害物質である、請求項64に記載の方法。
  72. 前記LAG-3阻害物質が、LAG525、BMS-986016、及びTSR-033からなる群から選択される、請求項71に記載の方法。
  73. 前記追加の治療剤が、TIGIT阻害物質である、請求項64に記載の方法。
  74. 前記追加の治療剤が、CD112R阻害物質である、請求項64に記載の方法。
  75. 前記追加の治療剤が、TAM(Axl、Mer、Tyro)阻害物質である、請求項64に記載の方法。
  76. 前記追加の治療剤が、4-1BBアゴニストである、請求項64に記載の方法。
  77. 前記追加の治療剤が、チロシンキナーゼ阻害物質(TKI)である、請求項64に記載の方法。
  78. 前記抗体またはその抗原結合部分の投与後、前記対象が、EBI3、IL-27、TNFα、MIP-1α(CCL3)、IFNγ、IL-10、IL-6、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つまたは複数のバイオマーカーの発現の増加を呈し、前記1つまたは複数のバイオマーカーの前記発現の増加が、前記投与前の前記1つまたは複数のバイオマーカーの前記発現と比較される、請求項1~77のいずれか1項に記載の方法。
  79. 前記抗体またはその抗原結合部分の投与後、前記対象が、EBI3の発現の増加を呈し、前記EBI3の発現の増加が、前記投与前の前記EBI3の発現と比較される、請求項1~78のいずれか1項に記載の方法。
  80. 前記抗体またはその抗原結合部分の投与後、前記対象が、エオタキシン-1(CCL11)、TARC(CCL17)、VEGF-A、IL-7、IL-8、MCP-1、MCP-4、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つまたは複数のバイオマーカーの発現の増加を呈し、前記1つまたは複数のバイオマーカーの前記発現の増加が、前記投与前の前記1つまたは複数のバイオマーカーの前記発現と比較される、請求項1~79のいずれか1項に記載の方法。
  81. 前記抗体またはその抗原結合部分の投与後、前記対象が、エオタキシン-1(CCL11)の発現の増加を呈し、前記エオタキシン-1(CCL11)の発現の増加が、前記投与前の前記エオタキシン-1(CCL11)の発現と比較される、請求項1~79のいずれか1項に記載の方法。
  82. 前記抗体またはその抗原結合部分の投与後、前記対象が、前記投与前のIFNγの循環濃度と比較して、前記IFNγの循環濃度の増加を呈する、請求項1~81のいずれか1項に記載の方法。
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