JP2024516736A - ウイルス変異株検出 - Google Patents

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Abstract

本発明は、SARS-CoV-2変異株の迅速な検出を可能にする、組成物および方法を提供する。本発明は、既知のSARS-CoV-2変異株の迅速なPCR検出および識別のための、組成物および方法を提供する。例えば、変異株特異的プライマーを使用して、本明細書において開示される方法および組成物は、B.1.1.7(英国)変異株、P.1(ブラジルおよび日本)変異株、B.1.351(南アフリカ)変異株、ならびにB.1.429/427(カリフォルニア)変異株(本明細書において集合的に、懸念すべき変異株(VOC)と呼ばれる)を検出し、これらの間を識別する。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年5月6日に出願された米国特許仮出願第63/185,015号の優先権および利益を主張し、その内容はその全体が本明細書において援用される。
(技術分野)
本発明は、一般的には診断方法に関連し、より詳細には、SARS-CoV-2変異株の迅速なPCR検出のための組成物および方法に関連する。
(背景)
接触伝染病の急速な世界的蔓延は、大きな医療上の課題を提示する。例えば、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の急速な蔓延は、世界的パンデミックをもたらし、迅速で早期の検出の重要性を強調している。このパンデミックが進行するにつれて、より多くの新規な感染性変異株が蔓延している。これらの変異株は、予後がより不良であるより重症の疾患を引き起こし得、重要なことには、処置に対して異なって反応し得る。したがって、迅速な早期検出および現在の変異株同定が、成功する処置にとって重要である。
多くの感染性疾患についての従来の検出技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用を含む。PCRは、目的のDNA(DNA標的)の特異的な領域を選択的に増幅するために使用される技術である。例えば、SARS-CoV-2 RNAを検出するための種々のリアルタイムPCRアッセイ(定量PCR(qPCR)とも呼ばれる)が世界規模で開発されており、種々のウイルス遺伝子またはウイルス領域を標的としている。しかし、それらのアッセイは、懸念すべき変異株のうちの一部を検出しない可能性があり、検出する場合に、野生型と懸念すべき変異株との間を識別可能ではない可能性がある。その後、診断が失敗して、その変異株がさらに蔓延するのを許容し得、検出した場合に、野生型感染と誤同定したことに起因して、正しい処置が遅れ得る。
現在のqPCR検出アプローチの別の欠点は、それらが、ウイルス検査プロトコルの一部として、核酸を臨床サンプルから分離および精製する初期工程に依存することである。例えば、RNAの相対的定量化のためのqPCRの適用は、典型的には、(1)サンプルからの全RNAの分離および精製;(2)その物質の溶出および可能な濃縮;ならびに(3)相補的DNA(cDNA)を生じる逆転写(RT)反応における精製RNAの使用(その後、この相補的DNA(cDNA)はqPCR反応のために利用される)を、必要とする。
従来の方法においてPCRを経る前に必要とされるこの初期の核酸の分離および精製工程(すなわち、抽出工程)は、この診断プロセスにおける主要な障害を構成する。その理由は、これが、手作業で面倒でありかつ高価であるままであり、偶発的な混入および人為的誤りの機会をさらに増加するからである。さらに、高需要期間には、核酸抽出供給の不足は、このようなウイルス検出方法の限界を悪化させ得る。したがって、病原体の正確で特異的で迅速な診断のための改善された方法が、必要とされる。
(概要)
本発明は、既知のSARS-CoV-2変異株の迅速なPCR検出および識別のための、組成物および方法を提供する。例えば、変異株特異的プライマーを使用して、本明細書において開示される方法および組成物は、B.1.1.7(英国)変異株、P.1(ブラジルおよび日本)変異株、B.1.351(南アフリカ)変異株、ならびにB.1.429/427(カリフォルニア)変異株(本明細書において集合的に、懸念すべき変異株(VOC)と呼ばれる)を検出し、これらの間を識別する。変異株は、野生型SARS-CoV-2感染よりも感染性であり得、野生型SARS-CoV-2感染よりも重症の疾患を引き起こし得、野生型SARS-CoV-2感染とは異なる処置を必要とし得る。したがって、変異株の迅速なPCR同定を提供することによって、本発明の組成物および方法は、時間がかかり高価である配列決定を必要とすることなく、正確な処置が迅速に届けられることを可能にする。
特定の実施形態において、抽出なしの検出および分析の技術が、本発明の変異株特異的プライマーとともに使用される。それらの技術は、生体サンプルを処理し、後の増幅および/または検出のために利用可能な核酸を提供し、同時に初期核酸抽出工程の必要性を排除する、組成物を含む。本発明の組成物としては、例えば、目的のサンプルと混合された場合に、初期核酸抽出(すなわち、核酸の分離および精製)を必要とすることなく、直接的な核酸の増幅および分析のために適切な核酸をそのサンプルから調製可能である、サンプルの輸送および調製のための独特な緩衝液組成物が挙げられる。一局面において、本発明は、ウイルス検出のための従来のアプローチを回避し、その従来のアプローチは、産業的RNA抽出のキットおよび技術を使用するRNA抽出工程を含む。その代わりに、本発明にしたがえば、サンプル検査は直接的であり、その抽出工程を回避する。
好ましい実施形態において、本発明の組成物および方法は、サンプルの調製および検査のために必要とされた工程の数を減少させること、および時間がかかり費用もかかる配列決定の必要性を回避することによって、従来のウイルス検査および検出のアプローチを改善する。次に、VOCを検出し処置を適宜調整するために必要とされた時間が、大いに減少され、患者の予後を改善する。
本発明の特定の局面は、SARS-CoV-2変異株を検出するための方法を含む。好ましい方法は、核酸を含む生体サンプルを提供する工程;野生型SARS-CoV-2核酸の増幅を行うことなく、1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株に特異的なプライマーを用いてその核酸を増幅する工程;およびその増幅する工程において生成されたアンプリコンを分析して、その1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株の存在を検出する工程を含む。
特定の実施形態において、方法は、その増幅する工程の前に、1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株および野生型SARS-CoV-2を増幅するプライマーを使用することによって、SARS-CoV-2感染の存在を検出する工程をさらに含む。その1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株は、B.1.1.7、P.1、B.1.351、B.1.429/427、およびSARS-CoV-2の他の変異株からなる群より選択され得る。そのプライマーは2種またはそれより多い標的SARS-CoV-2変異株に特異的であり得る。特定の実施形態において、そのプライマーは3種またはそれより多い標的SARS-CoV-2変異株に特異的であり得る。
その3種またはそれより多い標的SARS-CoV-2変異株としては、B.1.1.7、P.1、およびB.1.351が挙げられ得る。一例において、そのプライマーはORF-1A領域を標的とする。特定の実施形態において、そのプライマーは、野生型SARS-CoV-2と比較したORF-1A領域の3675~35677位における欠失を標的とする。例示的なプライマーは配列番号1および配列番号2を含む。一部の実施形態において、その増幅する工程は、配列番号3を含むプローブを使用する定量PCR(qPCR)を含む。
特定の実施形態において、その標的SARS-CoV-2変異株はB.1.1.7を含み、そのプライマーはS領域を標的とする。そのプライマーは、野生型SARS-CoV-2と比較したS領域の69~70位における欠失を標的とし得る。例示的なプライマーは配列番号4および配列番号5を含む。その増幅する工程は、配列番号6を含むプローブを使用する定量PCR(qPCR)を含み得る。
種々の実施形態において、その標的SARS-CoV-2変異株はB.1.351を含み、そのプライマーは、野生型SARS-CoV-2と比較したG25563T置換またはG28887T置換を標的とする。例示的なプライマーは、配列番号19および配列番号20を含むか、または配列番号22および配列番号23を含む。この例において、その増幅する工程は、配列番号21または配列番号24を含むプローブを使用する定量PCR(qPCR)を含む。
一部の実施形態において、標的SARS-CoV-2変異株はB.1.429/427を含み、そのプライマーは、野生型SARS-CoV-2と比較したG27890T/G27987T置換またはG28191T/A28272T置換を標的とする。例示的なプライマーは、配列番号25および配列番号26を含むか、または配列番号28および配列番号29を含む。この例において、その増幅する工程は、配列番号27または配列番号30を含むプローブを使用する定量PCR(qPCR)を含む。
特定の実施形態において、方法は、ヌクレアーゼフリー水と抗真菌剤と抗生物質とリボヌクレアーゼインヒビターと還元剤とを含む緩衝液組成物中に、その生体サンプルを混合する工程をさらに含む。その増幅する工程は、その核酸の事前抽出を行うことなくその緩衝液中でその核酸に対して実施される。その生体サンプルは任意の体液であり得る。その体液は、唾液、喀痰(sputum)、粘液、痰(phlegm)、および尿からなる群より選択される。特定の実施形態において、その還元剤はトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩溶液である。例示的な抗真菌剤はアムホテリシンBを含み、例示的な抗生物質はペニシリン-ストレプトマイシンを含む。その生体サンプルは、鼻スワブまたは咽頭スワブによって取得され得る。方法は、その増幅する工程の前に、その緩衝液組成物と混合された生体サンプルを熱不活化する工程をさらに含み得る。その生体サンプルと緩衝液組成物との混合物は、約95℃まで約5分間加熱され得る。
一部の実施形態において、その生体サンプルは、SARS-CoV-2感染を有すると疑われる対象から取得され、方法は、その1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株の検出された存在に基づいて処置レジメンを選択する工程をさらに含む。その処置レジメンは、野生型SARS-CoV-2感染について推奨される処置レジメンとは異なり得る。
本発明の方法は、野生型SARS-CoV-2に由来する核酸を増幅することなく、1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株に由来する核酸を選択的に増幅するプライマーセットを利用する。特定の局面において、本発明のプライマーセットは、SARS-CoV-2感染の検出と、野生型と既知変異株との組の間での感染型の同定とを同時に行うための多重分析のためのアレイに配置される。種々の実施形態において、そのアレイは、各ウェルが、単一の生体サンプルにおける1種または複数種の特定の変異株のqPCR検出のための異なるプライマー-プローブセットを含む、複数のウェルを含み得る。
図1は、変異株特異的検出のための種々のSARS-CoV-2変異株中の標的領域を列挙し、列挙された変異株を標的とするプライマー-プローブセットを列挙する。
図2は、種々のVOCについての変異標的をマッピングする。
図3は、N1領域を標的とする単一のプライマーセットを使用する、野生型およびVOC変異株の両方の迅速なPCR検出の結果を示す。
図4は、SARS-CoV-2ゲノムにおける共通変異のマップを示す。
図5は、B.1.1.7陽性コントロールに曝露された場合の、SARS-CoV-2ゲノムの4つの異なる共通変異領域を標的とするプライマー-プローブセットについてのCq値を示す。
図6は、野生型陽性コントロールに曝露された場合の、SARS-CoV-2ゲノムの4つの異なる共通変異領域を標的とするプライマー-プローブセットについてのCq値を示す。
図7は、野生型陽性コントロールおよびB.1.1.7陽性コントロールについてのN領域変異を標的とするプライマーの比較Cq値を示す。
図8は、野生型陽性コントロールおよびB.1.1.7陽性コントロールについてのORF1a領域変異を標的とするプライマーの比較Cq値を示す。
図9は、野生型陽性コントロールおよびB.1.1.7陽性コントロールについてのS領域変異を標的とするプライマーの第1のセットの比較Cq値を示す。
図10は、野生型陽性コントロールおよびB.1.1.7陽性コントロールについてのS領域変異を標的とするプライマーの第2のセットの比較Cq値を示す。
図11は、本発明の方法および組成物を使用するSARS-CoV-2変異株の迅速なPCR検出のNGS検証の結果を示す。
図12は、サンプルにおける特定のVOC感染を決定するための例示的なフローチャートを示す。
(詳細な説明)
接触伝染病(例えば、既知および未知の両方の、インフルエンザ、普通感冒、潜在的に致死性のウイルス、または微生物疾患もしくはウイルス疾患)の蔓延に関する懸念が増加中である。2019年に、SARS-CoV-2の大流行が、世界的なパンデミックおよび呼吸器疾患の大流行をもたらし、多数の死をもたらした。その後、数種の懸念すべき変異株が発生し、それらは、増大した伝染率、より重症の疾患およびより不良な予後、ならびに異なる処置反応によって特徴付けられた。これらの変異株は、新たな感染の波を駆動し、現在の検査を使用したそれらの変異株の検出性および現在のワクチンに対するそれらの変異株の反応性に関して懸念を引き起こしている。さらに、これらの変異株は処置に対して異なって反応してより重症の疾患を引き起こし得るので、単にSARS-CoV-2感染を迅速で安価に同定するのではなく、その感染がVOCの1種によるものであるか否かを迅速で安価に同定する必要性が、緊急に存在する。さらに、それらの種々の変異株の蔓延を追跡することが、パンデミックを理解し克服する際に有益であり、安価で迅速な変異株検査は、それを行うための価値ある道具を提供する。
本発明は、SARS-CoV-2変異株の迅速な検出(抽出なしの直接的PCR技術によるものを含む)を可能にする組成物および方法を提供する。より詳細には、本発明は、野生型ウイルスを増幅することなく1種または複数種のVOCを選択的に増幅するためのプライマーセットを含む組成物を提供し、それによって、時間および費用のかかる配列決定を必要とすることなく変異株の迅速な診断および同定を可能にする。種々の実施形態において、現在既知である4種のVOCのうちのどれが生体サンプルに存在するのか迅速に同定するためのワークフローおよびプライマー-プローブセットが、開示される。特定の実施形態において、複数の同定検査が単一サンプルに対して同時に実施され得るように、プライマーの種々のセットがアレイまたは多重化分析に含まれ得る。本発明の方法は、実験室が利用可能ではない場合でさえ病原体を迅速で正確に同定するための、ポイントオブケア溶液を提供する。
特定の実施形態において、生体サンプルを処理し、後のPCRアッセイのために利用可能なDNAを提供し、同時に初期RNA抽出工程の必要性を排除するための方法が、提供される。本発明の方法は、目的のサンプルと混合された場合に、初期核酸抽出(すなわち、核酸の分離および精製)を必要とすることなく核酸の増幅および分析のために直接使用され得る核酸をそのサンプルから調製可能である、サンプルの輸送および調製のための独特な緩衝液組成物を使用し得る。臨床サンプルがその独特な緩衝液組成物中に提供された後に、ウイルス粒子は、加熱またはその緩衝液中での直接溶解のいずれかによって不活化され得る。その後、その不活化サンプルは、本発明のVOC特異的プライマー-プローブセットを使用する、下流のqPCR診断検査のために使用され得る。
急速な複製および世界規模の高い感染率が、野生型ウイルスとは異なる懸念される伝染特徴または感染特徴を示す、上記のVOCを含む数種のSARS-CoV-2変異株の発生をもたらしている。共通して観察される数個の変異が図4にマッピングされている。
例示的なプライマーセットが図1に列挙されており、図1は、それらが選択的に増幅/検出するVOC、それらが標的とする変異株配列、ならびにフォワードプライマー、リバースプライマー、およびプローブ配列を含む。
種々の実施形態において、B.1.1.7、P.1、B.1.351、および他の変異株が、野生型SARS-CoV-2ウイルスと比較した3675~3677位における欠失を標的とするプライマー-プローブセットを使用して、一緒に検出され得る。その変異を標的とする、配列番号1(フォワード)および配列番号2(リバース)を有する例示的なプライマーが、配列番号3を含むプローブとともに図1に提供される。これらのVOCに対する処置方法は同様であるので、迅速な反応のために、さらなる識別は必要とされない可能性があり、または延期され得る。したがって、本明細書において記載される迅速なqPCR検査を使用する、患者がそれらの3種のVOCのうちの1種を有するという決定は、その患者を処置するための時間的制約がある価値ある情報を提供し得、同時に、多重検査または配列決定に関係する時間および費用を最小化し得る。本発明が標準的な型のウイルス配列よりも変異株を優先的に増幅することに部分的には基づくという点で、本発明は発生する変異株に容易に適用可能であることを、当業者は理解する。本発明を新規な変異株に適用するために必要なことは、発見された変異株を選択する配列の同定だけである。
特定の実施形態において、B.1.1.7変異株が、野生型SARS-CoV-2ウイルスと比較した69~70位における欠失を標的とするプライマー-プローブセットを使用して、検出される。その変異を標的とする、配列番号4(フォワード)および配列番号5(リバース)を有する例示的なプライマーが、配列番号6を含むプローブとともに図1に提供される。
特定の実施形態において、B.1.1.7変異株が、野生型SARS-CoV-2ウイルスと比較した144Y欠失を標的とするプライマー-プローブセットを使用して、検出される。その変異を標的とする、配列番号7(フォワード)および配列番号8(リバース)を有する例示的なプライマーが、配列番号9を含むプローブとともに図1に提供される。
特定の実施形態において、B.1.1.7変異株が、野生型SARS-CoV-2ウイルスと比較した28280位におけるGAT>CAT変異を標的とするプライマー-プローブセットを使用して、検出される。その変異を標的とする、配列番号10(フォワード)および配列番号11(リバース)を有する例示的なプライマーが、配列番号12を含むプローブとともに図1に提供される。
特定の実施形態において、P.1変異株およびB.1.351変異株が、野生型SARS-CoV-2ウイルスと比較したE484K置換を標的とするプライマー-プローブセットを使用して、一緒に検出され得る。その変異を標的とする、配列番号13(フォワード)および配列番号14(リバース)を有する例示的なプライマーが、配列番号15を含むプローブとともに図1に提供される。
特定の実施形態において、P.1変異株およびB.1.351変異株が、野生型SARS-CoV-2ウイルスと比較したE484K置換およびN591Y置換を標的とするプライマー-プローブセットを使用して、一緒に検出され得る。その変異を標的とする、配列番号16(フォワード)および配列番号17(リバース)を有する例示的なプライマーが、配列番号18を含むプローブとともに図1に提供される。
特定の実施形態において、B.1.351変異株が、野生型SARS-CoV-2ウイルスと比較したG25563T置換を標的とするプライマー-プローブセットを使用して、検出される。その変異を標的とする、配列番号19(フォワード)および配列番号20(リバース)を有する例示的なプライマーが、配列番号21を含むプローブとともに図1に提供される。
特定の実施形態において、B.1.351変異株が、野生型SARS-CoV-2ウイルスと比較したC28887T置換を標的とするプライマー-プローブセットを使用して、検出される。その変異を標的とする、配列番号22(フォワード)および配列番号23(リバース)を有する例示的なプライマーが、配列番号24を含むプローブとともに図1に提供される。
特定の実施形態において、B.1.429/427変異株が、野生型SARS-CoV-2ウイルスと比較したG27890T置換およびG27987T置換を標的とするプライマー-プローブセットを使用して、検出される。その変異を標的とする、配列番号25(フォワード)および配列番号26(リバース)を有する例示的なプライマーが、配列番号27を含むプローブとともに図1に提供される。
特定の実施形態において、B.1.429/427変異株が、野生型SARS-CoV-2ウイルスと比較したG28191T置換およびA28272T置換を標的とするプライマー-プローブセットを使用して、検出される。その変異を標的とする、配列番号28(フォワード)および配列番号29(リバース)を有する例示的なプライマーが、配列番号30を含むプローブとともに図1に提供される。
特定の実施形態において、B.1.429/427変異株が、野生型SARS-CoV-2ウイルスと比較したL452R(T22917G)置換を標的とするプライマー-プローブセットを使用して、検出される。その変異を標的とする例示的なプライマーは、TGGTAATTATAATTACCGGT(フォワード、配列番号31)、ACTGAAATCTATCAGGCCGGTAGCAC(リバース、配列番号32)を含み得、プローブはAAACCTTCAACACCATTACAAGG(配列番号33)を含み得る。
上記の変異が図2においてこれらの4種のVOCの各々にマッピングされており、どの標的変異がどのVOCについて陽性の結果または陰性の結果を生じるかを示す。
上記のOrf-mutプライマー(例えば、配列番号1および2)または1種よりも多くの変異株を一緒に検出する他の任意のプライマーを使用して変異株B.1.1.7、変異株P.1、または変異株B.1.351を検出した場合、その後、検出された変異株をさらに識別することが望ましいものであり得る。したがって、サンプルは、図12に示されるワークフローに供され得る。サンプルは、N1プライマー、または一般的なSARS-CoV-2を検出するための他の任意の手段を用いて、まず検査され得る。その感染が野生型SARS-CoV-2であるかまたはVOCであるかを決定するために、その後そのサンプルは、上記のOrf-mutプライマーを使用して検査され得る。その後、陽性の結果はB.1.1.7変異株、P.1変異株、またはB.1.351変異株のうちの1種の存在を示し、一方で、陰性の結果は野生型もしくは非VOC変異株、またはB.1.429/427変異株による感染を示す。
Orf-mut陽性の結果の場合、そのサンプルは、S領域を標的とするプライマー(例えば、del69-70を標的とするS1-mutプライマー)を用いて検査され得る。そこでの陽性の結果は、その感染がB.1.1.7変異株であることを示す。陰性の結果が見出された場合、その後そのサンプルは、上記で列挙されたB.1.351特異的プライマーを用いて検査され得、そこで陽性の結果はその感染がB.1.351変異株によることを示し、陰性の結果はその感染がP.1であることを示す。
Orf-mut陰性の結果が得られた場合、そのサンプルは上記で列挙されたB.1.429/427特異的プライマーを用いて検査され得、陽性の結果はその変異株による感染を示し、陰性の結果は野生型感染または他の非VOC変異株を示す。したがって、この例示的なフローチャートを通して行うことによって、特定のVOC感染が、最大3回の迅速なqPCR反応で同定され得る。種々の実施形態において、上記のフローチャートの工程は、多重分析を使用して同時に実行され得る。例えば、マルチウェルプレートまたはアレイが使用され得、そこでは、所定のサンプルについてのすべての検査結果が一度に決定され得るように、別々のウェルまたは別々の位置にある別々のプライマーセットにサンプルが導入され得る。あるいは、各々のウェルまたは位置は、これら4種のVOCのうちの1種のみに特異的なプライマーセットを含み得る。特定の実施形態において、単一の反応混合物が、Orf-mutプライマーおよびB.1.429/427特異的プライマーを使用して調製され得、その場合、いかなる陽性の結果もVOC感染を示す。
一般に、本発明のプライマー/プローブセットを使用するqPCR検出のためのワークフローは、感染していると疑われる個体から生体サンプルを取得する工程を含む。サンプル収集の方法、および収集されたサンプルの型は、変化し得る。例えば、その生体サンプルは体液を含み得、その生体サンプルは、臨床的に許容可能な任意の様式で収集され得る。その体液サンプルは、その疾患の徴候もしくは症状を示すか、またはその疾患について検査で陽性であった他者との交流が原因でその疾患に罹患したと疑われるかのいずれかである患者から、一般的には収集される。上記の方法は、発見された任意の変異株または変異株の組合せの検出に適用可能である。
体液は、例えば、ヒトまたは他の哺乳動物に由来する、任意の液体物質であり得る。そのような体液としては、粘液、血液、血漿、血清、血清派生物、胆汁、血液、母体血、痰、唾液、喀痰、汗、羊水、月経液(menstrual fluid)、乳腺液(mammary fluid)、卵巣の卵胞液、卵管液(fallopian tube fluid)、腹水、尿、精液、および脳脊髄液(CSF)(例えば、腰椎CSまたは脳室CS)が挙げられるが、それらに限定はされない。サンプルはまた、細胞または生体物質を含む、媒体であり得る。サンプルはまた、血餅(例えば、血清が除去された後に全血から取得された血餅)であり得る。特定の実施形態において、そのサンプルは、対象から収集された、血液、唾液、または精液である。
SARS-CoV-2について、生体サンプルは一般的には鼻咽頭スワブもしくは咽頭スワブによって収集され、または一部の場合には、そのサンプルは唾液であり得る。次に、そのサンプルは後の分析のために調製される。そのサンプルの調製は、核酸の初期抽出を行うことなく核酸増幅のために適した核酸をその生体サンプルから調製可能な緩衝液組成物と、そのサンプルとを混合する工程を含み得る。
上記のとおり、多くのウイルス検査アプローチは、そのウイルス検査プロトコルの一部として、核酸を臨床サンプルから分離および精製する初期工程に依存する。例えば、目的のRNAの相対的定量化のためのqPCRの適用の前には、(1)そのサンプルからの全RNAの分離および精製;(2)その物質の溶出および可能な濃縮;ならびに(3)相補的DNA(cDNA)を生じる逆転写(RT)反応における精製RNAの使用(その後、この相補的DNA(cDNA)はqPCR反応のために利用される)が先行する。本発明のプライマー-プローブセットは、そのような方法を使用して調製されたRNAに対して使用され得る。しかし、現在の方法においてPCRを経る前に必要とされるこの初期の核酸の分離および精製工程(すなわち、抽出工程)は、この診断プロセスにおける主要な障害を構成する。その理由は、これが、手作業で面倒でありかつ高価であるままであり、偶発的な混入および人為的誤りの機会をさらに増加するからである。
したがって、好ましい実施形態において、その生体サンプルは、後のPCRアッセイのために利用可能なDNAを提供し、同時に初期RNA抽出工程の必要性を排除するために、処理され得る。例えば、その生体サンプルと混合された場合に、初期核酸抽出(すなわち、核酸の分離および精製)を必要とすることなく核酸の増幅および分析のために直接使用されることが可能な核酸をそのサンプルから調製可能であるように、独特な緩衝液組成物がサンプル調製のために使用され得る。
野生型SARS-CoV-2の検出のための例示的なプライマーおよびプローブが、Chinese CDC(N遺伝子およびORF1ab遺伝子を標的とする)ならびにWHO(E遺伝子を標的とする)によって開示されており、Tao Sら、2020およびDong Iら、2020において提供されている。唾液サンプルおよび鼻咽頭サンプルのddPCRを使用する野生型COVID-19感染の検出のための本発明の組成物および方法は、それらに開示されたのと同じプライマーおよびプローブを使用することを企図する。さらに、一部の実施形態において、1種または複数種のPCRアッセイを実施する工程は、リボヌクレアーゼP(RNP)に特異的なプライマー-プローブセットを使用することを含む。
収集され本発明の独特な緩衝液組成物によって処理された生体検体(唾サンプルまたはスワブサンプル)中のSARS-CoV-2 VOCからの核酸の定性的検出のために意図される抽出なしのリアルタイムRT-qPCR検査のための例示的な方法が、以下に記載される。鼻咽頭スワブの場合、そのスワブは呼吸器粘膜の収集のために使用され、その後、本発明の独特な緩衝液組成物を含む許容可能な容器内に配置され、可能性のあるSARS-CoV-2ウイルス粒子のための輸送媒体およびサンプル調製媒体の両方として使用される。唾液の場合、患者は許容可能な容器に単に唾を吐き、その時点でその唾液は、その後、サンプル調製のためにその独特な緩衝液組成物を含む別の容器に移される。収集されその独特な緩衝液組成物内に提供されると、ウイルス粒子は、加熱またはその緩衝液中での直接溶解のいずれかによって不活化され得る。その後、その不活化サンプルは、従来のアプローチが依存する追加的RNA抽出工程(分離および精製)を必要とすることなく、下流のqPCR診断検査のために使用され得る。それどころかむしろ、調製されたサンプルは、RTによるcDNA合成およびqPCRによる検出が行われ得るPCRプレート(96/384ウェル)フォーマットに移され得る。したがって、産業的RNA抽出キットを使用するRNA抽出工程を含む広く使用されているアプローチとは異なり、直接的サンプル検査は、抽出を省略することによってこのプロセスを回避する。
(実施例1-野生型コントロールおよびB.1.1.7変異体コントロールを検出することにおける変異体プライマー/プローブセットの比較)
VOCにおいて変異した種々の領域を標的とするプライマーセットを、開発した。N1領域を標的とする一般的なSARS-CoV-2プライマー(例えば、図4のマッピングにおけるCOVIDFASTと示されているプライマー)を、野生型コントロールおよびVOCコントロール(B.1.429/427を除く)に対するqPCR検査のために使用し、図3で示される野生型ならびにB.1.1.7変異株、B.1.351変異株、およびP.1変異株の各々について検出可能なシグナルを提供することが見出された。
野生型とVOCとの間を識別するために、図4に示される共通変異領域のいくつかを標的とするプライマーを設計した。例えば、B.1.1.7と野生型SARS-CoV-2との間を識別する試みにおいて、ORF1a領域、S領域、およびN領域を指向する4種のプライマーセットを設計した。プロキシ(Proxy)PCRを、両方の合成陽性コントロール(Twist、コントロール14、および15)を使用して実施した。図5~図10は、野生型とB.1.1.7変異株との間を識別するためのそれらの4つの標的領域の有効性を示す。図5~図8は、種々のウイルス濃度でその4種のプライマーセットの各々を使用してシグナルを生成するために必要とされる定量サイクル(Cq)値を示す。図5に示されるとおり、その4種のプライマーセット(N領域、ORF1a領域、およびS領域における変異を指向する)の各々が、B.1.1.7陽性コントロールを首尾よく検出した。しかし、図6に示されるとおり、N領域変異特異的プライマーは、野生型陽性コントロールにも反応した。図7は、N領域変異プライマーが野生型およびB.1.1.7の存在下で差次的シグナルを生成しなかったこともさらに示す。したがって、N領域変異を標的とするプライマーは、野生型感染とVOC感染との間を識別することに成功しない。しかし、図8(Orf-mutを標的とするプライマー)、図9(S1-mutを標的とするプライマー)、および図10(S2-mutを標的とするプライマー)において示されるとおり、すべてが野生型およびB.1.1.7について差次的シグナルを生成した。それらの3つのうち、Orf-mutを標的とするプライマーは、B.1.1.7変異株を検出するために最大の反応性の対比を提示した。
(実施例2-ORF1a変異株プライマーの検証)
表1は、2020年11月12日から2021年2月18日までの59個の陽性COVID19サンプル(2020年11月12日~2021年1月10日のサンプル番号1~17;2021年1月18日のサンプル番号18~42;および2021年2月12日~2021年2月18日のサンプル番号43~59)についてのPCR検査結果を示す。検査したサンプルにおいて、VOC(B.1.429/427は含まない)は検出されなかった。これらの結果は、それらの時期の一般集団における検査した変異株の有病率(またはその欠如)と一致する。それらのサンプルを、N1領域を標的とする野生型プライマーセットならびにORF1a領域に対する変異株特異的(B.1.1.7、P.1、およびB.1.351)変異を標的とする変異株特異的プライマーセットを使用して、検査した。
(表1)
表2は、N1領域を標的とする野生型プライマーセットならびにORF1a領域に対する変異株特異的(B.1.1.7、P.1、およびB.1.351)変異を標的とする変異株特異的プライマーセットを使用した、2021年3月16日の149個の陽性COVID19サンプルについてのPCR検査結果を示す。単一のOrf-mutプライマーセットが、野生型SARS-CoV-2とそれら3種のB.1.1.7変異株、P.1変異株、およびB.1.351変異株のいずれかとの間を首尾よく識別可能であり、それらの変異株の存在下でのみ閾値qPCRシグナルを生成した。留意すべきことに、B.1.429/427の検出のためのプライマーは、この実験では使用しなかった。検出したこれら3種の変異株(B.1.1.7、P.1、およびB.1.351)は、一般集団において観察された変異株感染率に相応にして、3月16日~4月7日の間に検査したSARS-CoV-2陽性患者のうちの約52.2%(72/138)において見出された。
(表2)
本発明の方法および組成物を使用するSARS-CoV-2変異株の迅速なPCR検出を検証するために、サンプルを、ORF1a領域中の変異ならびにS領域中の変異を標的とする本発明のプライマーセット(Orf-mutプライマーおよびS1-mutプライマー)を用いて検査した。その後、SARS-CoV-2感染の系統を次世代シーケンシング(NGS)によって確認した。その結果を表3に示す。
第1のバッチについて、2つの時点で収集した20個のSARS-CoV-2陽性のペアとなった鼻-唾液検体(10ペア)と10個のSARS-CoV-2陰性(唾液)サンプルとからなる、30サンプルを使用した。サンプルは、DNA Genotekデバイス(鼻スワブ用のOR-100および唾液用のOM-505、現在のデバイス名ORE-100およびOME-505)を用いて収集した。それらのサンプルは、2020年11月12日~2021年1月10日に収集した。VOCは検出されなかった(含まなかったB.1.429/427を除く)。
11個のSARS-CoV-2陽性(迅速な唾液PCR検査による7個および迅速な鼻スワブPCR検査による4個の)サンプルと9個のSARS-CoV-2陰性(迅速な唾液PCR検査による6個および迅速な鼻スワブPCR検査による3個の)サンプルとの、第2のバッチを検査した。それらのサンプルは、2021年11月12日から2021年2月18日まで収集した。VOC(B.1.429/427は除く)は検出されなかった。
33個のSARS-CoV-2陽性サンプル(迅速な唾液PCR検査による25個および迅速な鼻スワブPCR検査による8個)の第3のバッチを検査した。このバッチにおいて、28個が、Orf-mut PCRの結果と一致した、VOCのうちの1種の系統名を有した。12例のOrf-mut PCR陽性症例のうち、10例がB.1.1.7であり、1例がP1であり、1例がB.1.351であった。それらの14例のOrf-mut PCR陰性症例のうち、そのどれもB.1.1.7系統にも、P1系統にも、B.1.351系統にも属さなかった。それらの結果を以下の表3および図11に示す。本発明の単一のOrf-mutプライマーセットを使用すると、標的としたそれら3種のVOC(B.1.1.7、P1、またはB.1.351)の検出はNGSの結果と陽性が100%および陰性が100%一致し、本発明の検出方法を確証した。
(表3)
(実施例3-唾液および鼻スワブの実施例)
以下は、本発明の方法にしたがうウイルス核酸の検出のための例示的なプロトコルを提供する。生体サンプルを取得する。生体サンプルとしてはヒトの体液が挙げられ得る。生体サンプルは臨床的に許容可能な任意の様式で収集し得る。
多くの呼吸器感染について、生体サンプルは一般的には鼻スワブまたは咽頭スワブによって収集し、または一部の場合には唾液である。他の例において、そのサンプルとしては、空気中で取得されたエアロゾルサンプルもしくは液滴、またはより好ましくは咳もしくはくしゃみによる液滴の排出により取得された液滴が挙げられ得る。
(現地(on-site)での唾液サンプルの収集)
唾液サンプルを、例えば、提供された滅菌容器中に個体に唾を吐かせることによって、それらの個体から収集し得る。唾液収集デバイスとしては、例えば、10桁の一次元バーコードが側面に予め印刷され、DATAMATRIX二次元コードが底面にレーザーエッチングされた、スクリューキャップ(おねじ型)付きNest 1.9ml低温貯蔵バイアル(または「Nestチューブ」)が挙げられ得、それを唾液サンプルの容器として使用する。唾液収集支援漏斗(Nest)を、そのNestバイアルと直列に使用する。
(実験室における唾液サンプルの受領および登録)
サンプルを実験室に輸送する。サンプルをバッグから取り出し、あらゆる漏出または損傷について受領受付にいる登録監督者が視覚的に調べる。その監督者による事前スクリーニング段階を合格したサンプルを、登録チームが使用する机上に移動する。その事前スクリーニング段階を合格しなかったサンプルは、さらなる調査のために取って置く。登録担当者は、そのNestチューブのバーコードをスキャンし、実験室情報管理システム(LIMS)によってコンピュータスクリーンに示される患者情報および同意ステータスを調べる。LIMSにおいて完全な患者情報を備え漏出がないチューブ(すなわち、適格なサンプル)を、バーコード付き48フォーマットラックに配置する。そのラック中のサンプルの位置は、LIMSにおいて割り当てられた位置と一致するべきである。不適格なサンプルは別のバーコード付き48フォーマットラックに配置し、登録監督者によるさらなる調査のために取って置く。その後、サンプル調製チームの臨床検査技師(MLS)がそのサンプルを取り出すまで、サンプルのラックを60rpmにて保持位置でプラットフォームロッカーに配置し得る。
(唾液反応緩衝液)
サンプル調製の一部として、その唾液サンプルを、唾液のために特別に調製した独特な緩衝液組成物(本明細書において唾液調製緩衝液と呼ぶ)と混合する。この唾液調製緩衝液の調製は、少なくとも以下の装置の使用を含む:安全キャビネットまたは層流フード(無菌環境を維持可能な作業領域);滅菌済みの個別包装ピペット、ピペットチップ(例えば、10mLおよび25mL);ピペット・エイド;ピペッター(1mLまたは200μL)および対応するチップ;ならびに50mlの滅菌済みでヌクレアーゼフリーのFalconチューブ。例示的な唾液調製緩衝液は、以下の試薬/成分を含む:
・0.5M Bond-Breaker TCEP溶液、(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩、中性pH)、滅菌済み、DNaseフリー・RNaseフリー・プロテアーゼフリーグレード、ThermoFisher Scientific、カタログ番号77720、5mL;
・RNaseインヒビター、ヒト胎盤、40,000単位/ml、滅菌済み、DNaseフリー・RNaseフリーグレード、New England Biolabs、カタログ番号M0307L、10,000単位、250μl/チューブ;
・アムホテリシンB溶液、脱イオン水中250μg/ml、滅菌済み、Sigma-Aldrich、カタログ番号A2942、100ml(または真菌の混入および増殖を防止するために適切な濃度の類似の抗真菌剤);
・ペニシリン-ストレプトマイシン溶液、100×、ペニシリン(10,000IU)とストレプトマイシン(10,000μg/ml)との100倍作業濃度の混合物、滅菌済み、Corning、カタログ番号30-002-CI(または細菌の混入および増殖を防止するために適切な濃度の類似の抗生物質);
・ヌクレアーゼフリー水、滅菌済み、Millipore/Sigma、W4502、DNaseフリー・RNaseフリー・プロテアーゼフリーグレード;ならびに
・消毒薬(例えば、70%エタノール)。
唾液調製緩衝液の調製は、標準的な生物学および/または臨床上の実験室の実務および手順にしたがい、安全キャビネットまたは層流フードにおいて実施する。
その成分の調製は、少なくとも以下の工程を含む:適切な消毒薬で作業面を清浄にする;作業面に配置する前に試薬瓶を消毒する;滅菌済みの50mL Falconチューブにヌクレアーゼフリー水を40mL分注し、室温にて保管する;(滅菌済みの5mlコーニングチューブに)4ml/チューブのアムホテリシンBを分注し、-20℃にて保管する;(滅菌済みのEppendorfチューブに)1ml/チューブのペニシリン/ストレプトマイシンを分注し、-20℃にて保管する;実験室が管理するノートにロットの情報および調製を記録する。
唾液調製緩衝液の調製は、少なくとも以下の工程を含む:
1.適切な消毒薬で作業面を清浄にする;
2.作業面に置く前に試薬瓶を消毒する(RNaseインヒビター以外を分注する)
3.例えば、(1000回の検査用に)5mLの緩衝液を調製するために、
3.1.滅菌済みの15mLファルコンチューブに4.3mLのヌクレアーゼフリー水を添加する;
3.2.400μLのTCEPを添加する;
3.3.滅菌済みのピペットを使用して、50μlのRNaseインヒビターを添加する;
3.4.チューブ1本分のアムホテリシンおよびチューブ1本分のペニシリン/ストレプトマイシンを解凍し、滅菌済みのピペットを使用して、200μLのアムホテリシンおよび50μLのペニシリン/ストレプトマイシンをその15mLファルコンチューブに無菌的に添加する;
4.実験室が管理するノートにロットの情報および調製を記録する;
5.実験室の適切なID(例えば、ロット番号)を割り当てる;
6.そのチューブのキャップをしっかり閉め、チューブを反転することによって完全に混合する;
7.QCサンプル用に100μlの媒体を抜き出す;
8.その瓶に
唾液反応緩衝液
実験室ID:(実験室の適切なID(例えば、Summit緩衝液1としてSTB1)を挿入する)
DOM:(現在の製造日を挿入する)
有効期限:(製造日から1か月後の日付を挿入する)
2℃~8℃にて保管する
と表示を付ける;
9.2℃~8℃にて保管し、salivaFAST検査を実施する際に各検査につき5μlを30μLの唾液および5μLのプロテイナーゼKと一緒に添加する;
10.無菌性チェックを実施する。
(唾液サンプルの調製)
サンプル調製チームのMLSは、ロッカーにある登録されたサンプルのラックを取り出し、検査のためにそれらを調製するためにそのラックをサンプル調製室に持って来る。MLSは、10μL/ウェルのサンプル調製ミックス(SPM)を含む、調製済みの96ウェルサンプル調製プレート(SPP)を持って来る。このSPMは、唾液調製緩衝液およびプロテアーゼ(プロテイナーゼK)を含む。具体的には、この96ウェルSPPは、マルチチャンネルイコライザーまたはViaflow(Integra)を使用して各ウェルに分配された、1ウェル当たり10μLのSPM(5μL唾液調製緩衝液および5μLプロテイナーゼK(Promega))を含む。サンプルのキャップを、安全キャビネットの内部で半自動化6チャンネルデキャッパー(Brooks)または自動化48フォーマットデキャッパー(Brooks)を用いて開ける。この6チャンネルデキャッパーを使用する場合には、そのキャップキャリアラックにキャップを一時的に置く。E1-ClipTip電子マルチチャンネル(8チャンネル)イコライザーを使用して、約30μLの唾液を、その48ウェルラックのチューブから、10μLのSPMを含む96ウェルSPPに移し、十分にピペッティングする。48ウェルラック2個分のサンプルが、1個分の96ウェルSPPを満たす。サンプルに再びキャップを閉める(6チャンネルデキャッパーを使用する場合は一度に6個、または自動化48フォーマットデキャッパーを使用する場合は一度に48個)。デジタルマイクロプレートシェーカーに500RPMにて1分間そのプレートを配置することによって、その唾液とSPMとを十分に混合する。そのプレートをminiAmp 96ウェルPCR装置に95℃にて5分間置き、4℃にて保持する。その後、すべてのラックのサンプルを一時的サンプル保管領域に運ぶ。それらのサンプルのうち、反復検査を必要とするどのサンプルも、この一時的サンプル保管領域から同定する。反復検査は1回だけ可能である。失敗した場合は、新たなサンプルを要求する。余ったサンプルは、将来の使用のために-80℃にて保管する。
(PCR試薬の調製およびプレートの構築(唾液検査))
PCRマスターミックスを含むプレート(本明細書においてPCRマスターミックスプレート(PMMP)と呼ぶ)は、マルチチャンネルイコライザーまたはViaflow(Integra)を使用して96ウェルプレートまたは384ウェルプレートの各ウェルに分配された、12.5μLのPCRマスターミックスを含む。このPCRマスターミックスは、10μLのLuna Universalプローブ1ステップ反応ミックス、1μLのLuna Warmstart RT酵素ミックス、および1.5μLのプライマー/プローブセットから構成される。この1.5μLのプライマー/プローブセットは、50.25μLの各100μMのプライマーおよびプローブストックを524μLのIDTE緩衝液(pH7.5)に添加することによって、VOC特異的プライマー、Nプライマー、および/またはRNPプライマーのいずれかの6.7μM作業ストック、ならびに1.7μMのFAM標識N1プローブ、ATTO-647標識RNPプローブ、または上記のVOC特異的標識プローブのうちの1種として生成する。例示的なVOC特異的プライマーおよびプローブを図1および上記に列挙する。
分子チームのMLSは、96ウェルまたは384ウェルのPMMPを各自の個々のPCRワークステーションに配置し、唾液サンプル調製工程から得た7.5μLの処理済み唾液サンプルを、そのPMMPの指定された各ウェルに添加する。その後、その処理済み唾液サンプルをピペッティングにより上記のPCRマスターミックスと混合し、泡を生じさせるのを回避するように注意を払う。その後、そのMLSは、SARS-CoV-2および/または1種もしくは複数種のVOCについての陽性コントロール(IDT合成2019-SARS-CoV-Nコントロール、4000コピー/μLまたは1種もしくは複数種のVOC陽性コントロール)ならびに陰性コントロール(IDT Hs-RPP30コントロール、4000コピー/μL)、ならびにテンプレートなしのコントロール(NTC-水)を、そのコントロールについて指定したPCRウェル(プレート1つ当たり1個の陽性コントロール、1個の陰性コントロール、およびNTC)に7.5μL添加し、ピペッティングにより混合して、泡を生じさせるのを回避する。その後、そのMLSは、そのPMMPの上に透明なプラスチックqPCRフィルムを置き、そのフィルムをプレートシーラーで密封し、プレート遠心機で短時間遠心分離して泡を除去する。
(PCR温度プロファイル(増幅領域)(唾液検査))
そのプレートをBio-Rad CFXまたはQuantStudio PCR装置に装填し、マスターファイルの「ST-COV-PCRプロトコル」を開き、以下の熱サイクル条件を実行する:
1.工程1:55℃で10分間、1サイクル;
2.工程2:95℃で1分間、1サイクル;および
工程3:95℃で10秒間、60℃で30秒間(これに加えて、N1標的についてのFAMチャンネルおよびRNP標的についてのCy5チャンネルの両方でのプレート読取り)を40サイクル。
(データの解釈(BioRad CFX opus 96ウェルフォーマット)(唾液検査))
Bio-Rad CFXはCq値を報告する。その際、このCq値ファイル(csvファイル)をPCR装置からOvDx LIMSへとエクスポートする。このCq値の解釈(検出(DETECTED)、非検出(NOT DETECTED)および無効(INVALID))をOvDx LIMSへとエクスポートする。(そのウェルにおいてVOC特異的プライマー-プローブセットによって決定した)36以下のCqは、標的VOCについて陽性と解釈する。
(現地での鼻スワブ(外鼻孔)サンプルの収集)
鼻スワブ収集デバイスは、鼻スワブサンプルに特異的な独特な緩衝液組成物(本明細書で以後はスワブ輸送緩衝液と呼ぶ)1mlを充填した1.9ml Nestチューブ(これはその鼻スワブサンプルの容器として使用する)を含み、Nestによる口腔/鼻孔スワブを使用して患者の外鼻孔をふき取り、その後、スワブ輸送緩衝液を充填したNestチューブの内部に配置する。
鼻スワブ(外鼻孔)は、その収集場所を監督する機関によって指定された熟練の医療従事者の監督下で収集すべきである。その収集を監督する医療従事者は、アルコールベースの消毒剤または無香料石鹸と水とで手を清浄にし、適切なPPE(ガウン、手袋、フェイスマスク、および/またはフェイスシールド)を着るべきである。収集の前に、患者に指示書(例えば、FDAによって推奨されるこの指示書(https://tinyurl.com/nasalswab1-2))を提示する。その医療従事者は、すべての患者情報(名前、生年月日、および状態報告規則により必要とされる追加情報を含む)が収集前に適切に記入されていることを確実にする。その後、その医療従事者は、患者に、研究同意書を吟味して(Ovationによって提供される)研究への参加または不参加を決定するように依頼する。最後に、その医療従事者は、予め印刷されたバーコード表示をスキャンして、それを、すでに収集された患者情報に紐付け、その後、その患者により使用されるNestチューブにその表示を配置する。
その医療従事者はそのNestチューブのキャップを外し、患者自身の外鼻孔から各鼻孔につき10回ふき取るよう患者に指示し、そのチューブの内部でそのスワブの近位ブレイクポイントを折る。その医療従事者はそのNestチューブのキャップを元に戻し、そのキャップをしっかり締めることを確実に行う。この収集プロセス中にいくらかサンプルがこぼれた場合は、その医療従事者はアルコールワイプまたは同等物を使用してそのチューブの外側を拭いて、混入を防ぐ。その後、そのサンプルは、実験室へ輸送する前に室温下で個々のバッグに配置する。
そのスワブサンプル収集を監督する医療従事者は、各患者のサンプルを取り扱った後は、アルコールベースの手用消毒剤を使用すべきである。
(実験室におけるスワブサンプルの受領および登録)
サンプルを実験室に輸送する。サンプルをバッグから取り出し、あらゆる漏出または損傷について受領受付にいる登録監督者が視覚的に調べる。その監督者による事前スクリーニング段階を合格したサンプルを、登録チームが使用する机上に移動する。その事前スクリーニング段階を合格しなかったサンプルは、さらなる調査のために取って置く。登録担当者は、そのNestチューブのバーコードをスキャンし、実験室情報管理システム(LIMS)によってコンピュータスクリーンに示される患者情報および同意ステータスを調べる。LIMSにおいて完全な患者情報を備え漏出がないチューブ(すなわち、適格なサンプル)を、ラックに配置する。そのラック中のサンプルの位置は、LIMSにおいて割り当てられた位置と一致するべきである。不適格なサンプルは別のラックに配置し、登録監督者によるさらなる調査のために取って置く。その後、サンプル調製チームの臨床検査技師(MLS)がそのサンプルを取り出すまで、サンプルのラックを600rpmにて保持位置でプラットフォームロッカーに配置し得る。
(スワブ調製緩衝液)
サンプル調製の一部として、そのスワブサンプルを、スワブサンプルのために特別に調製した独特な緩衝液組成物(本明細書においてスワブ調製緩衝液と呼ぶ)と混合する。このスワブ調製緩衝液の調製は、少なくとも以下の装置の使用を含む:安全キャビネットまたは層流フード(無菌環境を維持可能な作業領域);滅菌済みの個別包装ピペット、ピペットチップ(例えば、10mLおよび25mL);ピペット・エイド;ピペッター(1mLまたは200μL)および対応するチップ;50mlの滅菌済みでヌクレアーゼフリーのFalconチューブ;Eppendorfリピーター(50mL容量);1.9ml Cryovialチューブ(Nest);Nestチューブラック;ならびにスクリューキャップチューブデキャッパー装置(Brooks Life Sciences)。
このスワブ輸送緩衝液の調製は、少なくとも以下の試薬/成分の使用をさらに含む:
・10×TBE緩衝液(トリス-ホウ酸-EDTA、pH8.2~8.4)、滅菌済み、DNaseフリー・RNaseフリー・プロテアーゼフリーグレード、Fisher BioReagents、カタログ番号BP133320、20L;
・RNaseインヒビター、ヒト胎盤、40,000単位/ml、滅菌済み、DNaseフリー・RNaseフリーグレード、New England Biolabs、カタログ番号M0307L、10,000単位、250μl/チューブ;
・アムホテリシンB溶液、脱イオン水中250μg/ml、滅菌済み、Sigma-Aldrich、カタログ番号A2942、100ml(または真菌の混入および増殖を防止するために適切な濃度の類似の抗真菌剤);
・ペニシリン-ストレプトマイシン溶液、100×、ペニシリン(10,000IU)とストレプトマイシン(10,000μg/ml)との100倍作業濃度の混合物、滅菌済み、Corning、カタログ番号30-002-CI(または細菌の混入および増殖を防止するために適切な濃度の類似の抗生物質);
・ヌクレアーゼフリー水、滅菌済み、Millipore/Sigma、W4502、DNaseフリー・RNaseフリー・プロテアーゼフリーグレード;ならびに
・消毒薬(例えば、70%エタノール)。
その成分の調製は少なくとも以下の工程を含む:適切な消毒薬で作業面を清浄にする;作業面に配置する前に試薬瓶を消毒する;500ml/瓶の10×TBE緩衝液を滅菌済みの500ml Corning瓶に分注し、室温にて保管する;894.95ml/瓶のヌクレアーゼフリー水を滅菌済みの1L Corning瓶に分注し、室温にて保管する;(滅菌済みの5ml Corningチューブに)4ml/チューブのアムホテリシンB溶液を分注し、-20℃にて保管する;(滅菌済みEppendorfチューブに)1ml/チューブのペニシリン/ストレプトマイシンを分注し、-20℃にて保管する;実験室が管理するノートにロットの情報および調製を記録する。
このスワブ調製緩衝液の調製は、少なくとも以下の工程を含む:
1.適切な消毒薬で作業面を清浄にする;
2.作業面に置く前に試薬瓶を消毒する(RNaseインヒビター以外を分注する)
3.例えば、1ILのウイルス輸送緩衝液を調製するために、
3.1.1瓶分のヌクレアーゼフリー水(894.95ml/瓶)を持ってくる;
3.2.滅菌済みの50mlファルコンチューブを使用して、100mlの10×TBE緩衝液を添加する;
3.3.滅菌済みのピペットを使用して、50μlのRNaseインヒビターを添加する;
3.4.チューブ1本分のアムホテリシンB溶液およびチューブ1本分のペニシリン/ストレプトマイシンを解凍し、滅菌済みのピペットを使用して、4mlのアムホテリシンおよび1mlのペニシリン/ストレプトマイシンをその瓶に無菌的に添加する。
4.実験室が管理するノートにロットの情報および調製を記録する;
5.実験室の適切なID(例えば、ロット番号)を割り当てる;
6.そのチューブのキャップをしっかり閉め、チューブを反転することによって完全に混合する;
7.QCサンプル用に100μlの媒体を抜き出す;
8.その瓶に
スワブ輸送緩衝液
実験室ID:(実験室の適切なID(例えば、Summit緩衝液2としてSTB2)を挿入する)
DOM:(現在の製造日を挿入する)
有効期限:(製造日から1か月後の日付を挿入する)
2℃~8℃にて保管する
と表示を付ける;
9.アリコートに分配するまで2℃~8℃にて保管する;
10.Eppendorfリピーター(50mL容量)およびBrooksデキャッパーを使用して、1mLの調製済みのスワブ調製緩衝液を個々の滅菌済みの1.9mlスクリューキャップ付きチューブ(Nest)に分注する;
11.無菌性チェックを実施する;
12.チューブと、その瓶に残っているあらゆる緩衝液とを2℃~8℃にて保管する。
(スワブサンプルの調製)
サンプル調製チームのMLSは、ロッカーにある登録されたサンプルのラックを取り出し、検査のためにそれらを調製するためにそのラックをサンプル調製室に持って来る。MLSは、5μL/ウェルのプロテアーゼ(プロテイナーゼK)を含む、調製済みの96ウェルサンプル調製プレート(SPP)を持ってくる。具体的には、この96ウェルSPPは、マルチチャンネルイコライザーまたはViaflow(Integra)を使用して各ウェルに分配された、1ウェル当たり5μLのプロテイナーゼK(Promega))を含む。サンプルのキャップを、安全キャビネットの内部で半自動化6チャンネルデキャッパー(Brooks)または自動化48フォーマットデキャッパー(Brooks)を用いて開ける。この6チャンネルデキャッパーを使用する場合には、そのキャップキャリアラックにキャップを一時的に置く。E1-ClipTip電子マルチチャンネル(8チャンネル)イコライザーを使用して、約35μLのスワブサンプルを、その48ウェルラックのチューブから、5μLのプロテイナーゼKを含む96ウェルSPPに移し、十分にピペッティングする。48ウェルラック2個分のサンプルが、1個分の96ウェルSPPを満たす。サンプルに再びキャップを閉める(6チャンネルデキャッパーを使用する場合は一度に6個、または自動化48フォーマットデキャッパーを使用する場合は一度に48個)。デジタルマイクロプレートシェーカーに500RPMにて1分間そのプレートを配置することによって、そのスワブサンプルとプロテイナーゼKとを十分に混合する。そのプレートをminiAmp 96ウェルPCR装置に95℃にて5分間置き、4℃にて保持する。その後、すべてのラックのサンプルを一時的サンプル保管領域に運ぶ。それらのサンプルのうち、反復検査を必要とするどのサンプルも、この一時的サンプル保管領域から同定する。反復検査は1回だけ可能である。失敗した場合は、新たなサンプルを要求する。余ったサンプルは、将来の使用のために-80℃にて保管する。
(PCR試薬の調製およびプレートの構築(スワブ検査))
PCRマスターミックスを含むプレート(本明細書においてPCRマスターミックスプレート(PMMP)と呼ぶ)は、マルチチャンネルイコライザーまたはViaflow(Integra)を使用して96ウェルプレートまたは384ウェルプレートの各ウェルに分配された、12.5μLのPCRマスターミックスを含む。このPCRマスターミックスは、10μLのLuna Universalプローブ1ステップ反応ミックス、1μLのLuna Warmstart RT酵素ミックス、および野生型またはVOC SARS-CoV-2検出のためのプライマー/プローブセット1.5μLから構成される。この1.5μLのN1/RNPプライマー/プローブは、50.25μLの各100μMのプライマーおよびプローブストックを524μLのIDTE緩衝液(pH7.5)に添加することによって、プライマーの6.7μM作業ストックおよびそのプライマーと関連する標識プローブ1.7μMとして生成する。
分子チームのMLSは、96ウェルまたは384ウェルのPMMPを各自の個々のPCRワークステーションに配置し、スワブサンプル調製工程から得た7.5μLの処理済みスワブサンプルを、そのPMMPの指定された各ウェルに添加する。その後、その処理済みスワブサンプルをピペッティングにより上記のPCRマスターミックスと混合し、泡を生じさせるのを回避するように注意を払う。その後、そのMLSは、SARS-CoV-2またはそのVOCについての陽性コントロール(IDT合成2019-SARS-CoV-Nコントロール、4000コピー/μLまたは1種もしくは複数種のVOC陽性コントロール)ならびに陰性コントロール(IDT Hs-RPP30コントロール、4000コピー/μL)、ならびにテンプレートなしのコントロール(NTC-水)を、そのコントロールについて指定したPCRウェル(プレート1つ当たり1個の陽性コントロール、1個の陰性コントロール、およびNTC)に7.5μL添加し、ピペッティングにより混合して、泡を生じさせるのを回避する。その後、そのMLSは、そのPMMPの上に透明なプラスチックqPCRフィルムを置き、そのフィルムをプレートシーラーで密封し、プレート遠心機で短時間遠心分離して泡を除去する。
(PCR温度プロファイル(増幅領域)(スワブ検査))
そのプレートをBio-Rad CFXまたはQuantStudio PCR装置に装填し、マスターファイルの「ST-COV-PCRプロトコル」を開き、以下の熱サイクル条件を実行する:
1.工程1:55℃で10分間、1サイクル;
2.工程2:95℃で1分間、1サイクル;および
工程3:95℃で10秒間、60℃で30秒間(これに加えて、N1標的についてのFAMチャンネルおよびRNP標的についてのCy5チャンネルの両方でのプレート読取り)を40サイクル。
(データの解釈(BioRad CFX opus 96ウェルフォーマット)(スワブ検査))
Bio-Rad CFXはCq値を報告する。その際、このCq値ファイル(csvファイル)をPCR装置からOvDx LIMSへとエクスポートする。このCq値の解釈(検出(DETECTED)、非検出(NOT DETECTED)および無効(INVALID))をOvDx LIMSへとエクスポートする。(そのウェルにおいてVOC特異的プライマー-プローブセットによって決定した)36以下のCqは、標的VOCについて陽性と解釈する。
(参照による援用)
特許、特許出願、特許公開物、雑誌、書籍、論文、ウェブコンテンツなどの他の文献の参照および引用が、本開示の全体を通じて行われた。そのような文献はすべて、実質的にその全体が参照によって本明細書により本明細書中に援用される。
(等価物)
本明細書において示され記載されているものに加えて、本発明の種々の改変およびその多くのさらなる実施形態が、本明細書において引用された科学文献および特許文献の参照を含む本明細書の全内容から当業者には明らかになる。本明細書における主題は、その種々の実施形態およびその等価物において本発明の実施に適合され得る重要な情報、例示および指針を含む。

Claims (50)

  1. 核酸を含む生体サンプルを取得する工程;
    野生型SARS-CoV-2核酸の増幅を行うことなく、1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株に特異的なプライマーを用いて該核酸を増幅する工程;および
    該増幅する工程において生成されたアンプリコンを分析して、該1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株の存在を検出する工程
    を含む、SARS-CoV-2変異株を検出するための方法。
  2. 前記増幅する工程の前に、前記1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株および野生型SARS-CoV-2を増幅するプライマーを使用することによって、SARS-CoV-2感染の存在を検出する工程
    をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  3. 前記1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株が、B.1.1.7、P.1、B.1.351、およびB.1.429/427からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記プライマーが2種またはそれより多い標的SARS-CoV-2変異株に特異的である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記プライマーが3種またはそれより多い標的SARS-CoV-2変異株に特異的である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記3種またはそれより多い標的SARS-CoV-2変異株がB.1.1.7、P.1、およびB.1.351である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記プライマーがORF-1A領域を標的とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記プライマーが、野生型SARS-CoV-2と比較した前記ORF-1A領域の3675~35677位における欠失を標的とする、請求項7に記載の方法。
  9. 前記プライマーが配列番号1および配列番号2を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記増幅する工程が、配列番号3を含むプローブを使用する定量PCR(qPCR)を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株がB.1.1.7を含み、前記プライマーがS領域を標的とする、請求項3に記載の方法。
  12. 前記プライマーが、野生型SARS-CoV-2と比較した前記S領域の69~70位における欠失を標的とする、請求項11に記載の方法。
  13. 前記プライマーが配列番号4および配列番号5を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記増幅する工程が、配列番号6を含むプローブを使用する定量PCR(qPCR)を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株がB.1.351を含み、前記プライマーが、野生型SARS-CoV-2と比較したG25563T置換またはG28887T置換を標的とする、請求項3に記載の方法。
  16. 前記プライマーが配列番号19および配列番号20を含むかまたは配列番号22および配列番号23を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記増幅する工程が、配列番号21または配列番号24を含むプローブを使用する定量PCR(qPCR)を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株がB.1.429/427を含み、前記プライマーが、野生型SARS-CoV-2と比較したG27890T/G27987T置換またはG28191T/A28272T置換を標的とする、請求項3に記載の方法。
  19. 前記プライマーが配列番号25および配列番号26を含むかまたは配列番号28および配列番号29を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記増幅する工程が、配列番号27または配列番号30を含むプローブを使用する定量PCR(qPCR)を含む、請求項19に記載の方法。
  21. ヌクレアーゼフリー水と抗真菌剤と抗生物質とリボヌクレアーゼインヒビターと還元剤とを含む緩衝液組成物中に、前記生体サンプルを混合する工程
    をさらに含み、
    前記増幅する工程が、前記核酸の事前抽出を行うことなく該緩衝液中で該核酸に対して実施される、請求項1に記載の方法。
  22. 前記生体サンプルが体液である、請求項1に記載の方法。
  23. 前記体液が、唾液、喀痰、粘液、痰、および尿からなる群より選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記還元剤がトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩溶液である、請求項21に記載の方法。
  25. 前記抗真菌剤がアムホテリシンBを含み、前記抗生物質がペニシリン-ストレプトマイシンを含む、請求項21に記載の方法。
  26. 鼻スワブまたは咽頭スワブによって前記生体サンプルを取得する工程
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  27. 前記増幅する工程の前に、前記緩衝液組成物と混合された前記生体サンプルを熱不活化する工程
    をさらに含む、請求項21に記載の方法。
  28. 前記生体サンプルと緩衝液組成物との混合物が95℃まで5分間加熱される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記生体サンプルが、SARS-CoV-2感染を有すると疑われる対象に由来し、
    前記方法が、
    前記1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株の検出された存在に基づいて処置レジメンを選択する工程
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  30. 前記処置レジメンが、野生型SARS-CoV-2感染について推奨される処置レジメンとは異なる、請求項29に記載の方法。
  31. 野生型SARS-CoV-2に由来する核酸を増幅することなく、1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株に由来する核酸を選択的に増幅するプライマーセット。
  32. 前記1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株が、B.1.1.7、P.1、B.1.351、およびB.1.429/427からなる群より選択される、請求項31に記載のプライマーセット。
  33. 2種またはそれより多い標的SARS-CoV-2変異株に特異的である、請求項31に記載のプライマーセット。
  34. 3種またはそれより多い標的SARS-CoV-2変異株に特異的である、請求項33に記載のプライマーセット。
  35. 前記3種またはそれより多い標的SARS-CoV-2変異株がB.1.1.7、P.1、およびB.1.351である、請求項34に記載のプライマーセット。
  36. ORF-1A領域を標的とする、請求項35に記載のプライマーセット。
  37. 野生型SARS-CoV-2と比較した前記ORF-1A領域の3675~35677位における欠失を標的とする、請求項36に記載のプライマーセット。
  38. 配列番号1および配列番号2を含む、請求項37に記載のプライマーセット。
  39. 配列番号3を含む、定量PCR(qPCR)のためのプローブ
    をさらに含む、請求項38に記載のプライマーセット。
  40. 前記1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株がB.1.1.7を含み、前記プライマーセットがS領域を標的とする、請求項32に記載の方法。
  41. 野生型SARS-CoV-2と比較した前記S領域の69~70位における欠失を標的とする、請求項40に記載のプライマーセット。
  42. 配列番号4および配列番号5を含む、請求項41に記載のプライマーセット。
  43. 配列番号6を含む、定量PCR(qPCR)のためのプローブ
    をさらに含む、請求項42に記載のプライマーセット。
  44. 前記1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株がB.1.351を含み、前記プライマーセットが、野生型SARS-CoV-2と比較したG25563T置換またはG28887T置換を標的とする、請求項32に記載のプライマーセット。
  45. 配列番号19および配列番号20を含むかまたは配列番号22および配列番号23を含む、請求項44に記載のプライマーセット。
  46. 配列番号21または配列番号24を含む、定量PCR(qPCR)のためのプローブ
    をさらに含む、請求項45に記載のプライマーセット。
  47. 前記1種または複数種の標的SARS-CoV-2変異株がB.1.429/427を含み、前記プライマーセットが、野生型SARS-CoV-2と比較したG27890T/G27987T置換またはG28191T/A28272T置換を標的とする、請求項32に記載のプライマーセット。
  48. 配列番号25および配列番号26を含むかまたは配列番号28および配列番号29を含む、請求項47に記載のプライマーセット。
  49. 配列番号27または配列番号30を含む、定量PCR(qPCR)のためのプローブ
    をさらに含む、請求項48に記載のプライマーセット。
  50. ウイルス核酸を含むサンプルを取得する工程;
    既知ウイルスの変異株のみを選択的に増幅するプライマーを用いて該核酸を増幅する工程;
    該増幅する工程におけるアンプリコンの生成によって、該ウイルスの変異株の存在を検出する工程
    を含む、ウイルスの変異株を検出するための方法。
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