JP2024516568A - 光ファイバセンシングを用いたマッピング - Google Patents

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Abstract

DFOSシステム動作によって記録されたウォーターフォールデータから振動信号パターンをリアルタイムで自動的に検出し、検出された振動信号パターンを人間の介入または解釈なしにGPS位置座標に関連付ける分散型光ファイバセンシング(DFOS)システムおよび方法。本開示の態様によるコンピュータ視覚ベースの動作として具現化される場合、本発明のシステムおよび方法は、人間とその結果として生じるバイアスおよび不整合に依拠することなく、正確で、費用効率が高く、客観的な決定を提供する。【選択図】図2

Description

本開示は、一般に、分散型光ファイバセンシング(DFOS)システム、方法および構造に関する。より詳細には、本開示は、DFOSシステムによって記録されたDFOSウォーターフォールデータから振動信号パターンをリアルタイムで自動的に検出し、それらのパターンをGPS座標にマッピングするDFOSシステムおよび方法を説明する。
当業者であれば容易に理解できるように、分散型光ファイバセンシングシステムおよび方法は、温度、振動、歪みなどを含む様々な物理的パラメータをセンシングするなど、様々な有用なサービスを提供し、それによって、インフラストラクチャ監視の新しい時代を可能にする、非常に有用なものであることが示されている。
DFOSシステムが埋設された光センシングファイバと共に使用される場合、DFOSシステムは、交通事故または建設工事などの様々な音響事象について、数十キロメートルの光ファイバケーブルに沿った音響振動をメートルスケールの空間分解能でリアルタイムに監視することができる。
当業者であれば理解し、認識するように、分散型音響/振動センシング(DAS/DVS)は、DFOSインタロゲータの位置に対してファイバセンサに沿った事象の位置を特定することができる線形センシング方法である。ファイバセンサに沿った任意の点を現実世界の地理的位置に正確にマッピングするために、外部振動源を使用して励振信号を提供することができる。例えば、機械式バイブレータは、ファイバセンサケーブルの近くに(例えばマンホールカバー上に)配置されて、DFOSシステムによってリアルタイムで記録されるターゲットの振動パターンまたはベースラインの振動パターンを生成し、その後、バイブレータの励振信号が、発生した位置のGPS座標に関連付けられる。
現在、当技術分野で実施されているように、DFOSのウォーターフォールトレース(DFOS動作から生じる)上の振動パターンの認識および位置特定は、記録されたDFOSデータを調べ、それをGPSデータとペアリング/関連付けることによって位置を手動でラベル付けする人間の専門家に依拠している。
この手作業は、非効率的であり、誤りを起こしやすく、労働集約的である。
当技術分野における進歩は、DFOSシステムの動作によって記録されたウォーターフォールデータから振動信号パターンをリアルタイムで自動的に検出し、検出された振動信号パターンをGPS位置座標に関連付ける、DFOSシステムおよび方法を対象とする本開示の態様に従ってなされる。
従来技術とは明らかに対照的に、本開示の態様による本発明のシステムおよび方法は、人間の介入または解釈なしに、ウォーターフォールデータからDFOS振動信号パターンを有利に特定する。
動作上、DFOSインタロゲータは、現場に配備された光ファイバセンサケーブルに接続され、光ファイバセンサケーブルの近傍の振動を感知して時空間データを生成する。本発明のシステムおよび方法は、ターゲットとする振動励振信号をその特性に基づいて検出する特徴抽出動作/方法を用いる。有利なことに、本発明のシステムおよび方法は、例示的な環境において、マンホールの位置および内部のコイル長をそれぞれ表すことができる、影響を受けた光ファイバセンサケーブルに対するバイブレータ信号の中心位置および幅の両方の推定値を生成する。コンピュータ視覚ベースの動作として具現化される場合、本発明のシステムおよび方法は、人間とその結果として生じるバイアスおよび不整合に依拠することなく、正確で、費用効率が高く、客観的な決定を提供する。
本開示のより完全な理解は、添付図面を参照することによって実現され得る。
本開示の態様による、例示的な分散型光ファイバセンシングシステムの概略図である。
本開示の態様による、インテリジェントケーブルマッピングシステム全体を示す概略図である。
本開示の態様による、従来技術の手動方法と比較した、本発明の自動検出方法を示す概略フロー図である。
本開示の態様による、例示的な方法のステップのフローチャート図である。
本開示の態様による、全ファイバ経路上のスライディング検出ウィンドウを示す概略図である。
本開示の態様による、例示的なインテリジェントDFOSケーブルマッピングシステムの概略機能図である。
本開示の態様による方法を動作させるようにプログラムすることが可能な例示的なコンピュータシステムの概略ブロック図である。
例示的な実施形態は、図面および詳細な説明によってより完全に説明される。しかしながら、本開示による実施形態は様々な形態で実施することができ、図面および詳細な説明に記載された特定のまたは例示的な実施形態に限定されない。
以下は、単に本開示の原理を例示するものである。したがって、当業者は本明細書に明示的に記載または図示されていないが、本開示の原理を具現化し、その精神および範囲内に含まれる様々な構成を考案することができることが理解されよう。
さらに、本明細書に記載されているすべての実施例および条件付き用語は、本開示の原理および技術を促進するために発明者によって寄与された概念を読者が理解するのを助けるための教育目的のためだけのものであることを意図しており、そのような具体的に列挙された実施例および条件に限定されないと解釈されるべきである。
さらに、本開示の原理、態様、および実施形態を記載する本明細書のすべての記述、ならびにその具体例は、その構造的および機能的等価物の両方を包含することを意図している。さらに、そのような等価物は、現在知られている等価物と、将来開発される等価物、すなわち、構造に関係なく同じ機能を実行する開発された要素との両方を含むことが意図されている。
したがって、たとえば、本明細書の任意のブロック図が、本開示の原理を実施する例示的な回路の概念図を表すことは、当業者には理解されるであろう。
本明細書で特に明記しない限り、図面を構成する図は、縮尺通りに描かれていない。
いくつかの追加の背景として、分散型光ファイバセンシングシステムは、光電子インテグレータを光ファイバ(またはケーブル)に相互接続し、ファイバをファイバの長さに沿って分散されたセンサの配列に変換することに留意する。実際には、ファイバはセンサになり、インタロゲータはファイバ内にレーザ光エネルギーを生成/注入し、ファイバ長に沿った事象を感知/検出する。
当業者が理解し、認識するように、DFOS技術は、車両の動き、人間の往来、掘削活動、地震活動、温度、構造的完全性、液体および気体の漏れ、ならびにその他多くの条件および活動を連続的に監視するために展開することができる。これは、発電所、通信ネットワーク、鉄道、道路、橋、国境、重要なインフラ、地上および海底の電力およびパイプライン、ならびに、石油、ガスおよび強化された地熱発電におけるダウンホール用途を監視するために世界中で使用されている。有利には、分散型光ファイバセンシングは、見通し線(line of sight)または遠隔電力アクセスによって制約されることがなく、システム構成によっては、30マイルを超える連続的な長さで展開することができ、その長さに沿ったすべてのポイントで感知/検出が可能である。したがって、長距離にわたるセンシングポイント当たりのコストは、通常、競合する技術とは比較にならない。
光ファイバセンシングは、センシングファイバが振動、歪み、または温度変化の事象に遭遇したときに、光センシングファイバで発生する光の「後方散乱」の変化を測定する。上述のように、センシングファイバは全長にわたってセンサとして機能し、物理的/環境的な周囲の状況、およびファイバの保全/セキュリティに関するリアルタイム情報を提供する。さらに、分散型光ファイバセンシングデータは、センシングファイバまたはその近傍で発生する事象および状態の正確な位置を特定する。
図1には、人工知能分析およびクラウドストレージ/サービスを含む分散型光ファイバセンシングシステムの一般化された構成および動作を示す概略図が示されている。図1を参照すると、インタロゲータに接続された光センシングファイバを観察することができる。知られているように、現代のインタロゲータは、ファイバへの入力信号を生成し、反射/散乱された後に受信された信号を検出/分析するシステムである。信号が分析され、ファイバに沿って遭遇する環境条件を示す出力が生成される。このように受信された信号は、ラマン後方散乱、レイリー後方散乱、およびブリリオン後方散乱などのファイバ内の反射から生じ得る。また、複数のモードの速度差を利用した順方向の信号であってもよい。一般性を失うことなく、以下の説明では、反射信号を想定しているが、同じアプローチを転送信号にも適用することができる。
理解されるように、現代のDFOSシステムは、周期的に光パルス(または任意の符号化信号)を生成し、それらを光ファイバに注入するインタロゲータを含む。注入された光パルス信号は、光ファイバに沿って伝送される。
ファイバに沿った位置では、信号のごく一部が散乱/反射され、インタロゲータに戻される。散乱/反射信号は、インタロゲータが検出するために使用する情報、例えば、機械的な振動を示す電力レベルの変化を伝送する。
反射信号は、電気領域に変換され、インタロゲータの内部で処理される。パルス注入時間と信号が検出された時間とに基づいて、インタロゲータは信号がファイバに沿ったどの位置から来ているかを決定し、したがって、ファイバに沿った各位置の活動を感知することができる。
分散型音響センシング(DAS)/分散型振動センシング(DVS)システムは、振動を検出し、光センシングファイバに沿って音響エネルギーを捕捉する。有利には、既存の、トラフィックを運ぶ光ファイバネットワークを利用して、分散型音響センサに変換し、実時間データを捕捉することができる。さらに、分類アルゴリズムを使用して、漏洩、ケーブル障害、侵入活動、または音響および/または振動の両方を含む他の異常な事象などの事象を検出および位置特定することができる。
現在、様々なDAS/DVS技術が使用されており、最も一般的なものはコヒーレント光時間領域反射率測定(C-OTDR)に基づくものである。C-OTDRは、レイリー後方散乱を利用し、音響周波数信号を長距離にわたって検出することができる。インタロゲータは、光センサファイバ(ケーブル)に沿ってコヒーレントレーザパルスを送信する。ファイバ内の散乱サイトにより、ファイバはパルス長と同じゲージ長(例えば、10メートル)を有する分散型干渉計として機能する。センサファイバに作用する音響擾乱(Acoustic Disturbance)は、ファイバの微視的な伸び又は圧縮(微小歪み)を発生させ、その結果、ファイバ内を通る光パルスの位相関係及び/又は振幅の変化を引き起こす。
次のレーザパルスが送信される前に、前のパルスがセンシングファイバの全長を移動し、その散乱/反射が戻る時間がなければならない。よって、最大パルスレートはファイバの長さによって決定される。したがって、通常はパルスレートの半分であるナイキスト周波数までの周波数で変化する音響信号を測定することができる。より高い周波数は非常に速く減衰するため、事象の検出と分類に関連する周波数のほとんどは、2kHzの範囲の低い範囲にある。
これから示し、説明するように、また、すでに述べたように、本発明のシステムおよび方法は、人間の介入や入力なしに、コンピュータによって、配備された光ファイバセンサケーブルを使用してDFOS動作から生じる振動信号を自動的に検出/解釈し、ケーブルの地理的位置を特定する。当業者であれば理解し、認識するように、このような動作は、ターゲットの振動信号の内部変動(intra-variability)や、周囲の雑音、道路交通、および現場の建設工事または他の破壊的な振動を発生させる事象によって引き起こされる誤警報など、多くの実際的な課題を提示する。
これらの問題を解決するために、本開示の態様による本発明のシステムおよび方法は以下を提示する。
バイブレータ信号が、一定範囲の継続期間、幅、強度、および多くの場合はギャップを有する、ウォーターフォールトレース上に平行な垂直セグメント(連続振動)群を生成する、信号検出および位置特定。これらの直感に基づいて、漸進的確率的ハフ変換(PPHT)のシーケンスに基づくパターン認識法を用いる。
本発明の方法は、この用途向けにカスタマイズされており、高い検出率および非常に低い誤警報率を実現する。深層学習に基づくアプローチとは明らかに対照的に、本開示による本発明の方法は、訓練とデータのラベル付けを必要としない。さらに、推論を行うために、光ファイバセンサの経路全体をより小さなセグメントに分割したり、セグメント化したりする必要はない。有利なことに、本発明のシステムおよび方法は、各光ファイバセンサケーブルの各位置で個別に決定を行う。結果として、本発明者らのシステムおよび方法は、より優れた位置特定精度を達成する。キャニーエッジ検出などの代替的な画像処理方法は、前述の特性のサブセットのみを考慮するが、それらのすべてを考慮するわけではないため、本開示による本発明のシステムおよび方法と比較して、フィールドデータで試験された検出性能が劣る。
加えて、本発明のシステムおよび方法は、誤警報を有利に低減する誤警報制御を提示し、これにより、インフィールド動作中の混乱を回避する。より具体的には、前処理中に、設計された係数を有するバンドパスフィルタを用いて、類似した外観パターンを生成する可能性がある雑音を抑制しながら、ターゲット信号を増強する。さらに、GPSタイムスタンプが、バイブレータ試験期間外に生じる建設工事または他の振動を排除するために使用される。最後に、後処理中に、事象追跡者は、予想よりも長い期間の断続的な建設工事の事象が誤警報として認識されるように、同じ場所でウィンドウを動かして振動を監視する。
埋設された光ファイバセンサケーブル経路の正確なマップを確立するために、まず、良好な/適切なアクセス可能性を有する一連の目印となる位置が選択される。通常、マンホール/ハンドホールが、光ファイバセンサケーブル経路の目印として選択される。GPS座標が測定され、DFOSシステム動作によってDFOSファイバ距離と対にされると、光ファイバセンサケーブルに沿った他の点の地理的位置は、区分線形仮定を使用した補間によって計算することができる。現実的な課題の1つは、マンホール/ハンドホール内に、不明な長さの弛んだファイバ(コイル)が存在することが多いことである。そのため、弛んだファイバの長さも推定する必要がある。
図2は、本開示の態様による、インテリジェントケーブルマッピングシステム全体を示す概略図である。この図から分かるように、図示のハードウェア構成要素は、バイブレータ/機械的加振装置(101)、GPS装置(102)、DFOSセンシングシステム(103)、ペアリングシステム(104)、オンプレミス処理ユニット(105)、および既存の光ファイバセンサケーブル(106)を含む。
光ファイバセンサケーブル(埋設/空中/地上)に対するターゲットとなる目印(すなわち、マンホール/ハンドホール)の位置を特定するために、DFOSインタロゲータが光ファイバセンサケーブルに接続されて連続的に動作し、光ファイバセンサケーブルに沿った位置(各位置)で振動を監視する。例えば、マンホールの蓋上(またはその近く)のターゲットのバイブレータ(101)が約1分間オンになり、これにより、結果として生じる/収集されたウォーターフォールトレース上に縦縞の振動パターンが生成される。縦縞の振動パターンの幅は、マンホール内に位置するファイバのコイルの長さを示す。一方、GPS(102)の座標とタイムスタンプを付加したメッセージは、取得されたセンシングデータ(ウォーターフォールトレース)とペアリングするために処理ユニット(104)に送信される。この手順を同じファイバケーブル上の複数の位置で繰り返すことで、経路全体(106)を位置特定することができる。
図3は、本開示の態様による、従来技術の手動方法と比較した、本発明の自動検出方法を示す概略フロー図である。この図から分かるように、以前はウォーターフォールのトレースからの各振動信号のそのような位置特定は、人間の専門家によって手動で行われており、誤りや不整合が発生しやすかった。
当業者であれば理解し、認識するように、ケーブル経路の例示的なDFOSウォーターフォール信号(プロット)は、x軸が光ファイバセンサケーブルに沿った振動の位置を表し、y軸が振動の時間を表すようにプロットされる。振動の強度を示すために色が使用されてもよい。前述のように、ターゲット信号は縦縞の形状を示し、特定の定常雑音信号も同様の縦縞の形状を示す可能性があることに留意されたい。
ウォーターフォール信号からこのような縦縞を検出する際の実際的な課題は、以下のように要約できる。
信号長の変化。DFOSシステムのタイムラップは、60ミリ秒から少なくとも250ミリ秒(場合によってはさらに長い)の間でランダムに変動する。ターゲット振動の長さは約1分に制御することができるが、実際には縦縞の長さが異なる場合がある。
信号幅の変化。各マンホール内の光ファイバセンサケーブルのコイルの長さは異なる。したがって、ウォーターフォールプロット上に現れる縦縞の幅も異なる場合がある。
信号強度の変化。ファイバの長さに沿った各ファイバ位置における感度は異なる。例えば、光ファイバセンサケーブルの周囲の様々な地下の状態は、乾燥、浸水、凍結する可能性がある。水に近い場所や地下水位が高い場所では、導管やマンホール内に配置された地下光ファイバセンサケーブルが頻繁に浸水することがある。他の場所(例えば、砂漠地帯など)では、埋設された光ファイバセンサケーブルおよびマンホールは、通常、非常に乾燥している。したがって、浸水状態では、乾燥した環境よりも減衰効果が大きいため、受信した振動強度レベルは低くなる。さらに、マンホールの場所は、アクセスが容易でない場合がある。したがって、マンホールの蓋が交通量の多い道路の真ん中にあり、マンホールに近接する歩道など離れた場所から振動させる必要がある場合など、バイブレータを使用してマンホールの蓋を直接、振動/機械的加振することができない可能性がある。
理解されるように、このような要因によって、振動信号の強度が強くなったり、弱くなったりする。場合によっては、コイルの中央部分が最も弱い点であるように見え、これにより、バイブレータの縞が平行に2つの縦縞に分割される。
定常雑音パターン。バイブレータによって生成されるものと同様のパターンを示す定常雑音パターンがある。このようなパターンは、より長い期間持続し、時間的に不連続であり、ウォーターフォールプロット上ではより狭く表示される場合がある。加えて、近くの2つの位置で定常的な雑音が見られるため、ターゲットとするバイブレータのパターンに関してさらなる混乱を引き起こす。
圧延機のパターン。圧延機などの道路建設機械は、特に断続的に作動している場合、ターゲットのバイブレータによって生成されるパターンと非常によく似たパターンを生成することがある。これは、バイブレータの試験と同時に発生した場合、誤警報の主な原因となる。
上述のように、本開示による本発明のシステムおよび方法は、誤警報を低減することに関する実際的な考慮事項を伴う、DFOSシステム信号の自動信号検出方法を提供する。本発明の方法の例示的なステップを図4に示し、以下に詳細に説明する。
ステップ1。前処理(ハイパスフィルタリング)。このシステムは、カットオフ周波数が30Hzのハイパスフィルタとされ、地震振動による低周波数成分を低減する。
ステップ2。IQRベースの顕著性(Saliency)検出。シーンの下で感知されたデータは、振動点群{pi},i=1,...,Nとして表される。各振動点は、タプル(ti,xi,νi)であり、ここで、tiはタイムスタンプであり、xiはケーブルに沿った空間位置であり、νiは振動の強度である。センシングシーン[tstart,tend]×[xstart,xend]の下で、振動点群{pi}が得られ、これは、条件tstart<ti<tendと条件xstart<xi<xendとを満たす。振動の顕著性は、その振動強度から決定される。振動点は、その振動強度が第3四分位数より1.5×IQR以上高い場合、顕著な振動点である。すなわち、顕著点>Q3+1.5×IQRである。振動強度{νi}のIQRは、上位四分位数と下位四分位数との差(Q3-Q1)として計算される。IQRは、一定期間にわたる各ゾーンの統計から計算されるので、顕著性フィルタは適応的であり、ロバストである。
ステップ3。PPHT1-垂直セグメント抽出による検出。画像を90°回転させ、アキュムレータの角度を-90°に設定し、一連の顕著点に漸進的確率ハフ変換(PPHT)を適用して、垂直セグメントの全体的な証拠を評価する。厳密に時間的に連続するパターンのみが抽出されるように、セグメントの最小長は350に設定され、セグメント間の最大ギャップは1に設定される。累積ポイントの最小数は40に設定される。セグメントが抽出された後、フィルタが適用されて、セグメントの最大長(750に設定)よりも短い長さを持つセグメントが選択される。アルゴリズムの確率的性質により、この手順は10回繰り返され、検出されたセグメントの結合が保存される。検出されたセグメントを開始点から終了点まで行列上に描画することにより、2値マスクが生成される。
ステップ4。PPHT2-水平セグメント抽出による制限(Qualification)。
アキュムレータ角度を-90°に設定し、再びPPHTを適用し、セグメントの最小長(すなわち、バイブレータの幅)を11に設定し、セグメント間の最大ギャップを10に設定して、時折破損するバイブレータのパターンを収容する。累積点の最小数は、11に設定される。セグメントが抽出された後、フィルタが適用され、100に設定された幅の最大長(すなわち、バイブレータの幅)を選択する。再度、この手順が10回繰り返され、検出されたセグメントの結合が保存される。検出されたセグメントを開始点から終了点まで行列上に描画することによって、第2の2値マスクが生成される。プロットすると、PPHT1とPPHT2を適用した後でも、建設工事の事象が誤警報を引き起す可能性があることが分かる。
ステップ5。局所的な閾値。各ケーブル位置における2分決定は、マスクされたウォーターフォールの列の合計を予め指定された閾値60000と比較することによって得られる。
ステップ6。PPHT3-位置特定とコイル長の推定。アキュムレータ角度を-90°に設定し、最小長3で2分決定ベクトルにPPHTを適用し、セグメント間の最大ギャップを10に設定する。累積点の最小数は3に設定される。セグメントが抽出された後、フィルタが適用され、100に設定された幅の最大長(すなわち、バイブレータの幅)を選択する。再度、この手順が10回繰り返され、検出されたセグメントの結合が保存される。バイブレータの位置は、検出されたセグメントの中心、すなわち(x_start+x_end)/2と推定される。コイルの長さは、検出されたセグメントの長さ、すなわちabs(x_end-x_start)と推定される。
ステップ7。移動ウィンドウと事象追跡。ウォーターフォールストリームは、図5に示されるスライディングウィンドウ法によって分析される。図5は、本開示の態様による、ファイバルート全体におけるスライディング検出ウィンドウを示す概略図である。同じ場所で事象が検出された場合、最後に更新された時間から最初に検出された時間を差し引いたものとして計算された継続期間で事象が追跡される。信号は、計算された継続期間が5秒から96秒の間である場合にのみ、ターゲットとされたバイブレータ信号であると報告される。その目的は、バイブレータ試験と同時期に発生した長い道路建設工事信号(断続的)を排除することである。
本発明のシステムは、3日間の現場試験中、1回の誤警報のみが報告され、100%の検出率を達成した。図7は、フィールド収集データについて試験されたシステム出力の一例を示す。
図6は、本開示の態様による、例示的なインテリジェントDFOSケーブルマッピングシステムの概略機能図である。本開示の態様によるシステムおよび方法は、マンホールの蓋が目印として選択され、設計された振動の長さを有するバイブレータ/励振装置が適用されて振動事象が生成され、その後、DFOSシステムによって検出/記録/分析される、下流側分散型ファイバセンシング用途のための高精度ケーブルマッピングを提供する最初の自動化された解決手法であることに留意されたい。
加えて、本発明のシステムおよび方法は、前処理ステップとしてハイパスフィルタおよび顕著性検出を使用し、また、ターゲット信号検出と誤警報制御のための特別に設計されたパラメータを備えた一連の漸進確率的ハフ変換も使用する。バイブレータの位置と弛んだ光ファイバセンサケーブルの長さの両方が推定される。
さらに、本開示によるシステムおよび方法は、事象追跡および継続期間の計算のために、センサファイバ経路全体にスライディングウィンドウを採用する。予期しない継続期間を有する感知された事象は、同じように見えるパターンにもかかわらず、有利に排除することができる。最後に、本開示の態様によるシステムおよび方法は、GPS座標とエッジ装置で検出された振動事象との自動ペアリングを採用し、複数の経路を伴う埋設されたケーブル監視の適用に拡張可能である自動化された解決手法を用いてきめ細かなバイブレータ信号の位置特定という中核的な課題に対処する。
図7は、本開示の態様による方法を動作させるようにプログラムすることが可能な例示的なコンピュータシステムの概略ブロック図である。すぐに理解できるように、このようなコンピュータシステムは、ルータなどの別のシステムに統合されてもよく、個別の要素または1つ以上の統合された構成要素を介して実装されてもよい。コンピュータシステムは、例えば、任意の数のオペレーティングシステムを実行するコンピュータを含むことができる。本開示の上述の方法は、記憶されたプログラム制御命令としてコンピュータシステム1000に実装することが可能である。
コンピュータシステム1000は、プロセッサ1010と、メモリ1020と、記憶装置1030と、入力/出力構造1040とを含む。1つ以上の入力/出力装置は、ディスプレイ1045を含んでもよい。1つ以上のバス1050は、通常、構成要素1010、1020、1030、および1040を相互接続する。プロセッサ1010は、シングルコアであっても、マルチコアであってもよい。さらに、システムは、システムオンチップをさらに備えるアクセラレータなどを含むことができる。
プロセッサ1010は、本開示の実施形態が図面のうちの1つ以上の図面に記載されたステップを含むことができる命令を実行する。このような命令は、メモリ1020または記憶装置1030に記憶することができる。データおよび/または情報は、1つ以上の入力/出力装置を使用して受信および出力することができる。
メモリ1020は、データを記憶することができ、揮発性メモリまたは不揮発性メモリなどのコンピュータ可読媒体であってもよい。記憶装置1030は、例えば、前述の方法を含むシステム1000のための記憶装置を提供することができる。様々な態様では、記憶装置1030は、フラッシュメモリ装置、ディスクドライブ、光ディスク装置、または磁気、光、もしくは他の記録技術を使用するテープ装置であってもよい。
入力/出力構造1040は、システム1000の入力/出力動作を提供することができる。

Claims (5)

  1. 分散型光ファイバセンシングシステム(DFOS)マッピング方法であって、
    分散型光ファイバセンシングシステム(DFOS)を提供するステップであって、該システムは、
    光センサファイバと、
    前記光センサファイバと光通信する、DFOSインタロゲータおよびアナライザと、を含み、前記DFOSインタロゲータはレーザ光から光パルスを生成し、該パルスを前記光ファイバに注入し、前記光ファイバからレイリー反射信号を検出/受信するように構成され、前記アナライザは前記レイリー反射信号を分析し、該分析されたレイリー反射信号から位置/時間のウォーターフォールプロットを生成するように構成されるステップと、
    前記光ファイバの経路に沿って目印に機械的励振を提供しながら前記DFOSシステムを動作させ、それによって前記光ファイバに振動事象を発生させ、前記目印の位置を前記目印のGPS座標に関連付けながら動作中に受信したDFOS信号を記録するステップと、
    前記DFOSシステムを連続的に動作させ、人間の介入なしにウォーターフォールのプロットから振動事象の時間/位置を自動的に決定し、該振動事象をGPS位置に関連付けるステップと、を含む方法。
  2. 人間の介入を伴わないウォーターフォールのプロットからの振動事象の前記時間/位置は、バイブレータ装置の信号パターン認識を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ウォーターフォールのプロット上の垂直セグメント群の検出を、さらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記検出された垂直セグメント群を、それらの幅およびギャップによって定量化することを、さらに含む、請求項4に記載の方法。
  5. 前記自動決定は、前記ウォーターフォールのプロットを検査する機械視覚システムを動作させることを含む、請求項4に記載の方法。
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