JP2024516489A - 腫瘍免疫応答を判定するためのバイオマーカー - Google Patents

腫瘍免疫応答を判定するためのバイオマーカー Download PDF

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Abstract

疾患もしくは状態(例えば、がん)の憎悪、または/及び処置(例えば、がんの免疫チェックポイント遮断を用いる処置)に対する疾患もしくは状態の応答についてのグリコシル化ポリペプチドバイオマーカー及びシグネチャーを同定するための方法、デバイス、及びキットが本明細書で提供される。グリコシル化ポリペプチドバイオマーカーを生成する方法、及び質量分析法を使用してグリコシル化ポリペプチドを分析する方法が本明細書で提供される。疾患もしくは状態を予測するため、または処置の推奨を行うために、グリコシル化ポリペプチドを使用してモデルを検証する方法が本明細書で提供される。【選択図】図1

Description

関連出願との相互参照
本出願は、米国特許法119条(e)に基づいて、2021年3月08日に出願された米国仮特許出願第63/158,283号、2021年9月20日に出願された米国仮特許出願第63/246,293号、及び2021年9月30日に出願された米国仮特許出願第63/251,023号(これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる)の利益を主張する。
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出の内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる:配列表のコンピューター可読形式(CRF)(ファイル名:166532000940SEQLIST.txt、記録日:2022年3月6日、サイズ:674,724バイト)。
タンパク質のグリコシル化及び他の翻訳後修飾は、ヒト生理学のほぼ全ての態様において重要な役割を果たしている。当然のことながら、タンパク質のグリコシル化の不完全または変化は、多くの場合、様々な病状を伴う。異常なグリコシル化の同定は、罹患している対象の早期検出、介入、及び処置の機会を提供する。プロテオミクス及びゲノミクスの分野で開発されたものなど、現在のバイオマーカー同定方法は、がんなどの特定の疾患の指標を検出し、特定の種類のがんを他の非がん性疾患と区別するために使用することができる。しかし、グライコプロテオーム分析の使用は、従来、対象の処置を効率よく管理するためには使用されていない。
糖タンパク質の分析は、いくつかのレベルの課題を伴う。例えば、糖ペプチド内の単一のグリカン組成は、異なるグリコシド結合、分岐パターン、及び/または同じ質量を有する複数の単糖により、多数の異性体構造を含有し得る。加えて、同じペプチド骨格を共有する複数のグリカンが存在すると、様々なグリコフォームからのアッセイシグナルがもたらされ、それにより、非グリコシル化ペプチドと比較して個々の存在量が低下し得る。従って、ペプチドフラグメント上のグリカン構造を同定し得るアルゴリズムの開発は、依然として、困難である。
上記を考慮すると、タンパク質のグリコシル化パターンに関する情報を得るために糖タンパク質の部位特異的分析を含む分析方法の改善が望まれており、それにより、これは、特定の疾患または状態と診断された対象の処置を管理するために使用することができる定量的な情報を提供し得る。従って、上で同定される問題のうちの1つ以上に対処することが可能な方法及びシステムを有することが望ましい場合がある。
1つ以上の実施形態では、メラノーマ状態と診断された対象の処置を管理するための方法が提供される。方法は、対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信することを含む。処置スコアは、ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して計算される。ペプチド構造セットは、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む。対象の処置に対する予測応答を示す処置出力は、処置スコアを使用して生成される。
1つ以上の実施形態では、メラノーマ状態と診断された対象の処置管理のための方法が提供される。方法は、対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに関連するペプチド構造セットに対応するペプチド構造データを受信することを含む。複数の処置スコアは、ペプチド構造セットの複数のサブセットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して計算される。複数の処置スコアの各処置スコアは、複数の処置のうちの異なる処置に対応し、複数のサブセットの各サブセットは、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む。複数の処置スコアの比較分析が実行される。処置出力は、比較分析に基づいて生成される。処置出力は、対象を処置するための推奨処置計画を含む。
1つ以上の実施形態では、メラノーマ状態と診断された対象の処置管理のための方法が提供される。方法は、対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに関連するペプチド構造セットに対応するペプチド構造データを受信することを含む。第1の処置スコアは、ペプチド構造セットの第1のサブセットについてペプチド構造データから同定される第1の定量データを使用して、ペムブロリズマブの第1の処置について計算される。第1のサブセットは、表2に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む。第2の処置スコアは、ペプチド構造セットの第2のサブセットについてペプチド構造データから同定される第2の定量データを使用して、ニボルマブ及びイピリムマブからなる第2の処置について計算される。第2のサブセットは、表3に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む。第1の処置スコア及び第2の処置スコアの比較分析が実行される。処置出力は、比較分析に基づいて生成される。処置出力は、第1の処置及び第2の処置のうちの1つを、対象のための推奨処置として同定する。
1つ以上の実施形態では、方法は、メラノーマ状態と診断された対象を処置するための方法が提供される。方法は、対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信することを含む。処置スコアは、ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して計算される。ペプチド構造セットは、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む。対象の処置に対する予測応答を示す処置出力は、処置スコアを使用して生成される。処置は、陽性応答分類を含む予測応答に応じて患者に投与される。投与するステップは、治療用量での推奨処置またはその派生物の静脈内投与または経口投与のうちの少なくとも1つを含む。処置は、3週間毎に200mg、3週間毎に2mg/kg、または6週間毎に400mgのうちの少なくとも1つの治療用量が投与されるペムブロリズマブの第1の処置、ならびに、3mg/kgのイピリムマブを伴う1mg/kgのニボルマブまたは1mg/kgのイピリムマブを伴う3mg/kgのニボルマブのいずれかの治療用量が投与されるニボルマブ及びイピリムマブからなる第2の処置からなる群の1つとして選択される。
1つ以上の実施形態では、メラノーマ状態と診断された対象の処置を管理するための方法が提供される。方法は、サンプル集団のサンプルデータを受信することを含む。サンプルデータが、メラノーマ状態と診断された複数のサンプル対象の処置に対する応答の特徴を示し、複数のサンプル対象の各対象のペプチド構造コレクションに対するサンプルペプチド構造データを含む。サンプルデータは、複数のサンプル対象の応答に基づいて、第1の応答分類に対応する第1群及び第2の応答分類に対応する第2群に分類される。サンプルデータを使用して、差異存在量分析を実行し、第1の応答分類に対応するサンプルデータの第1群及び第2の応答分類に対応するサンプルデータの第2群を比較し、ペプチド構造コレクションからペプチド構造セットを同定する。ペプチド構造セットは、第1の応答分類及び第2の応答分類間で選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造を含む。対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データが受信される。処置スコアは、ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置について計算される。対象の処置に対する予測応答を示す処置出力は、処置スコアを使用して生成される。
1つ以上の実施形態では、対象のメラノーマを処置する方法が提供される。方法は、対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信することを含む。処置スコアは、ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して計算される。ペプチド構造セットは、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む。処置出力は、処置スコアを使用して計算される。処置出力は、推奨処置としてのペムブロリズマブ処置に対する陽性応答分類、またはペムブロリズマブ処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、ペムブロリズマブ処置は対象に投与される。
1つ以上の実施形態では、対象のメラノーマを処置する方法が提供される。方法は、対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信することを含む。処置スコアは、ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して計算される。ペプチド構造セットは、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む。処置出力は、処置スコアを使用して計算される。処置出力は、併用処置に対する陽性応答分類または推奨処置としての併用処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、ニボルマブ及びイピリムマブの組み合わせを含む併用処置は、対象に投与される。
1つ以上の実施形態では、ペムブロリズマブ処置による処置のためにメラノーマ患者を同定する方法が提供される。方法は、対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信することを含む。処置スコアは、ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して計算される。ペプチド構造セットは、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む。処置出力は、処置スコアを使用して生成される。処置出力がペムブロリズマブ処置に対する陽性応答分類、または推奨処置としてのペムブロリズマブ処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、患者は、ペムブロリズマブ処置で処置される。
1つ以上の実施形態では、ニボルマブ及びイピリムマブを含む併用処置による処置のためにメラノーマ患者を同定する方法が提供される。方法は、対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信することを含む。処置スコアは、ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して計算される。ペプチド構造セットは、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む。処置出力は、処置スコアを使用して生成される。処置出力は、併用処置に対する陽性応答分類または推奨処置としての併用処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、患者は、併用処置で処置される。
1つ以上の実施形態では、患者由来のサンプル中のペプチド構造セットを分析するための方法が提供される。方法は、以下を含む:(a)患者からサンプルを取得すること;(b)サンプルを調製して、ペプチド構造セットを含む調製サンプルを形成すること;(c)調製サンプルを反応モニタリング質量分析システムに入力して、ペプチド構造セットの各ペプチド構造に関連するプロダクトイオンのセットを検出すること;及び、(d)反応モニタリング質量分析システムを使用して、プロダクトイオンのセットの定量データを生成すること。ペプチド構造セットは、表6に同定されるペプチド構造PS-1~PS-38から選択される少なくとも1つのペプチド構造を含む。ペプチド構造セットは、以下を有することを特徴とするペプチド構造を含む:(i)ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されている質量電荷(m/z)比の±1.5以内のm/z比を有するプレカーサーイオン;及び、(ii)ペプチド構造に対応する表6の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内のm/z比を有するプロダクトイオン。
1つ以上の実施形態では、組成が提供され、組成が、ペプチド構造またはプロダクトイオンを含み;ペプチド構造またはプロダクトイオンが、表1のペプチド構造PS-1~PS-38に対応する配列番号21~46のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;プロダクトイオンが、同定されるm/z範囲内に入るプロダクトイオンを含む、表6で同定されるプロダクトイオンからなる群の1つとして選択される。
1つ以上の実施形態では、組成が提供され、組成が、表6で同定されるペプチド構造PS-1~PS-38からなる群から1つとして選択される糖ペプチド構造を含む。糖ペプチド構造は、以下を含む:糖ペプチド構造に対応する表5に同定されるアミノ酸ペプチド配列;グリカン構造が、表1で同定される対応する位置でアミノ酸ペプチド配列の残基に連結されている糖ペプチド構造に対応する、表1で同定されるグリカン構造。グリカン構造は、グリカン組成を有する。
1つ以上の実施形態では、組成が提供され、組成は、表1で同定される複数のペプチド構造の1つとして選択されるペプチド構造を含む。ペプチド構造が、表1のペプチド構造に対応するものと同定されるモノアイソトピック質量を有する。ペプチド構造が、ペプチド構造に対応する表1で同定される配列番号21~46のアミノ酸配列を含む。
1つ以上の実施形態では、キットが提供され、キットが、本明細書に開示の方法のいずれか1つの少なくとも一部を実行するために、表1で同定される少なくとも1つのペプチド構造を定量するための少なくとも1つの薬剤を含む。
1つ以上の実施形態では、キットが提供され、本明細書に開示の方法のいずれか1つの少なくとも一部を実行するために、キットが、糖ペプチド標準、緩衝液、またはペプチド配列セットのうちの少なくとも1つを含み、ペプチド配列セットのペプチド配列が、表1に定義される配列番号21~46の対応するものにより同定される。
疾患または状態(例えば、がん)の診断、疾患または状態の憎悪、及び処置(例えば、がんの免疫チェックポイント遮断を用いる処置)に対する疾患または状態の応答についてのグライコプロテオームバイオマーカー及びシグネチャーを同定するための方法、デバイス、及びキットが本明細書で提供される。
対象の疾患または状態を予測する1つ以上の糖ペプチドバイオマーカーを同定するための方法が本明細書で提供され、方法が、以下を含む:(a)対象から第1の時点で第1のサンプルを取得し、第2の時点で第2のサンプルを取得すること(第1のサンプル及び第2のサンプルが、糖タンパク質を含む);(b)第1のサンプルまたは第2のサンプル中の糖タンパク質を、1つ以上の糖ペプチドにフラグメント化すること(1つ以上の糖ペプチドが、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む);(c)多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、1つ以上の糖ペプチドの量を決定すること;(d)1つ以上の糖ペプチドの量を、第1の時点または第2の時点に関連付けること(対象が、第1の時点から第2の時点までに疾患または状態の変化を有する);ならびに、(e)糖ペプチドを糖ペプチドバイオマーカーとして同定すること(1つ以上の糖ペプチドの量が、第1の時点から第2の時点までに変化した)。
対象の疾患または状態を予測する1つ以上の糖ペプチドバイオマーカーを同定するための方法が本明細書で提供され、方法が、以下を含む:(a)コンピューターで、対象のセット(n)について1つ以上の糖ペプチドの量のデータを取得すること(1つ以上の糖ペプチドが、対象由来のサンプル中の糖タンパク質をフラグメント化することにより生成され、1つ以上の糖ペプチドの量が、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して決定され、各対象のデータが、複数の時点で採取されたサンプルのデータを含む);(b)コンピューターで、予測モデルに含まれるように、1つ以上の糖ペプチドのサブセットを選択すること;(c)コンピューターで、n-1の対象との交差検証を使用して予測モデルを評価して、ホールドアウト対象のアウトカムスコアを生成すること;(d)コンピューターで、ホールドアウト対象としてのnの対象のそれぞれに対しステップ(c)を反復して、各対象のアウトカムスコアを生成すること;(e)コンピューターで、カットオフアウトカムスコアでの各対象に対するアウトカムスコアを、カットオフアウトカムスコアを下回るもの、またはそれを上回るものに二分すること;(f)コンピューターで、1つ以上の糖ペプチドのサブセットの各糖ペプチドについて、カットオフアウトカムスコアを上回るアウトカムスコアを有する対象に対する1つ以上の糖ペプチドの量~カットオフアウトカムスコアを下回るアウトカムスコアを有する対象に対する1つ以上の糖ペプチドの量を分析して、各糖ペプチドについてハザード比及び相互作用p値を決定すること;(g)コンピューターで、相互作用p値≦0.05を有する糖ペプチドを、疾患または状態を予測するための糖ペプチドバイオマーカーとして同定すること。いくつかの実施形態では、交差検証はリーブ・ワン・アウト交差検証(LOOCV)である。いくつかの実施形態では、ハレルのCインデックスを最適化するカットオフアウトカムスコアを決定した。いくつかの実施形態では、ステップ(g)の相互作用p値は、0.01、0.005、または0.001以下である。
対象の状態及び処置の状況を評価するための方法が本明細書で提供され、方法は、以下を含む:(a)対象のサンプル中の糖タンパク質を1つ以上の糖ペプチドにフラグメント化すること(サンプルが、糖タンパク質、グリカン、または糖ペプチドのうちの1つ以上を含む);(b)多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、1つ以上の糖ペプチドに対して質量分析(MS)を実行し、サンプル中の1つ以上の糖ペプチドの量を定量すること(1つ以上の糖ペプチドが、配列番号7、9、12、15、16、18、20、30、34、37、44、59、60、61、62、66、69、70、75、77、80、及び83、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む);(c)1つ以上の糖ペプチドの量のデータを、訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成すること(出力確率が、処置が状態に罹患している対象のアウトカムにプラスの影響を与えるかどうかを示す);ならびに、(d)出力確率に基づいて処置推奨を生成すること(状態が、メラノーマであり、処置が、チェックポイント阻害薬を含む)。いくつかの実施形態では、アウトカムは、全生存時間を含む。いくつかの実施形態では、アウトカムは、無増悪生存期間を含む。いくつかの実施形態では、処置は、イピリムマブ、ニボルマブ、及びペムブロリズマブのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処置は、PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬、及びCTLA-4阻害薬のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処置がアウトカムにプラスの影響を与えることを、出力確率が示す場合、推奨は、処置を継続することを含む。
さらに、対象の状態及び処置の状況を評価するための方法が本明細書で提供され、方法は、以下を含む:(a)対象のサンプル中の糖タンパク質を1つ以上の糖ペプチドにフラグメント化すること(サンプルが、糖タンパク質、グリカン、または糖ペプチドのうちの1つ以上を含む);(b)多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、1つ以上の糖ペプチドに対して質量分析(MS)を実行し、サンプル中の1つ以上の糖ペプチドの量を定量すること(1つ以上の糖ペプチドが、配列番号300~429、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む);(c)1つ以上の糖ペプチドの量のデータを、訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成すること(出力確率が、処置が状態に罹患している対象のアウトカムにプラスの影響を与えるかどうかを示す);ならびに、(d)出力確率に基づいて処置推奨を生成すること(状態が、非小細胞肺癌(NSCLC)であり、処置が、チェックポイント阻害薬を含む)。いくつかの実施形態では、アウトカムは、全生存時間を含む。いくつかの実施形態では、アウトカムは、無増悪生存期間を含む。いくつかの実施形態では、処置は、イピリムマブ、ニボルマブ、及びペムブロリズマブのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処置は、PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬、及びCTLA-4阻害薬のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処置は、化学療法を含む。いくつかの実施形態では、化学療法は、カルボプラチン及びペメトレキセドのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処置がアウトカムにプラスの影響を与えることを、出力確率が示す場合、推奨は、処置を継続することを含む。
配列番号300~429、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列を含む糖ペプチドが本明細書で提供される。
配列番号300~429からなる群より選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む糖ペプチド標準、及びがんを処置するための糖ペプチド標準を使用するための使用説明書を含むキットが本明細書で記載されている。
いくつかの実施形態では、フラグメント化は、プロテアーゼ消化を含む。いくつかの実施形態では、フラグメント化は、機械的な力を適用することを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の糖ペプチドの量は、多重反応モニタリング(MRM)トランジションを測定する。いくつかの実施形態では、方法は、さらに、ステップ(e)で同定される糖ペプチドバイオマーカーのうちの1つ以上を含む糖ペプチドバイオマーカーのパネルを生成することを含む。いくつかの実施形態では、交差検証はリーブ・ワン・アウト交差検証(LOOCV)である。いくつかの実施形態では、ハレルのCインデックスを最適化するカットオフアウトカムスコアを決定した。いくつかの実施形態では、ステップ(g)の相互作用p値は、0.01、0.005、または0.001以下である。いくつかの実施形態では、アウトカムは、全生存時間を含む。いくつかの実施形態では、アウトカムは、無増悪生存期間を含む。いくつかの実施形態では、処置は、イピリムマブ、ニボルマブ、及びペムブロリズマブのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処置は、PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬、及びCTLA-4阻害薬のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処置は、化学療法を含む。いくつかの実施形態では、化学療法は、カルボプラチン及びペメトレキセドのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処置がアウトカムにプラスの影響を与えることを、出力確率が示す場合、推奨は、処置を継続することを含む。
1つ以上の実施形態では、1つ以上のデータプロセッサーと、1つ以上のデータプロセッサー上で実行される場合、1つ以上のデータプロセッサーに、本明細書に開示の1つ以上の方法の一部または全てを実行させる命令を含有する非一時的なコンピューター可読記憶媒体を含むシステムが提供される。
1つ以上の実施形態では、非一時的な機械可読記憶媒体に明白に具体化され、1つ以上のデータプロセッサーに、本明細書に開示の1つ以上の方法の一部または全部を実行させるように構成された命令を含むコンピュータープログラム製品が提供される。
本開示は、添付の図と共に説明されている。
1つ以上の実施形態による、処置管理で使用される状態に関連するペプチド構造を検出するための例示的なワークフロー100の概略図である。 1つ以上の実施形態による準備ワークフローの概略図である。 1つ以上の実施形態によるデータ取得の概略図である。 1つ以上の実施形態による分析システムのブロック図である。 様々な実施形態によるコンピューターシステムのブロック図である。 1つ以上の実施形態による、メラノーマ状態と診断された対象の処置を管理するためのプロセスのフローチャートである。 様々な実施形態による、メラノーマ状態と診断された対象の処置管理のためのプロセスのフローチャートである。 様々な実施形態による、メラノーマ状態と診断された対象の処置管理のためのプロセスのフローチャートである。 1つ以上の実施形態による、メラノーマ状態と診断された対象の処置を同定するためのプロセスのフローチャートである。 1つ以上の実施形態による、ペンブロで処置された患者に対して生成された処置スコアの分布を示すプロットである。 1つ以上の実施形態による、イピ/ニボで処置された患者に対して生成された処置スコアの分布を示すプロットである。 1つ以上の実施形態による、処置タイプ別の処置スコアを示す散布図である。 予測応答別にペンブロで処置された患者の中断イベント時間を示すプロットである。 予測応答別にイピ/ニボで処置された患者の中断イベント時間を示すプロットである。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての非小細胞肺癌(NSCLC)患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての非小細胞肺癌(NSCLC)患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。 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図83A~図83Dは、非小細胞肺癌(NSCLC)を同定するためのスコアリング予測曲線を示す。 図83A~図83Dは、非小細胞肺癌(NSCLC)を同定するためのスコアリング予測曲線を示す。 図83A~図83Dは、非小細胞肺癌(NSCLC)を同定するためのスコアリング予測曲線を示す。 図83A~図83Dは、非小細胞肺癌(NSCLC)を同定するためのスコアリング予測曲線を示す。 図83A~図83Dは、非小細胞肺癌(NSCLC)を同定するためのスコアリング予測曲線を示す。
悪性メラノーマ及び非小細胞肺癌の患者で、腫瘍免疫療法に対する客観的奏効率が低い。対象は、腫瘍免疫療法に応答しない場合、不必要な曝露及び毒性を回避すべきである。従って、いくつかの態様では、本発明は、腫瘍免疫療法(例えば、ペムブロリズマブによる処置及び/またはニボルマブ及びイピリムマブによる処置)に応答する可能性が低い対象を同定することを目的とする。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、非応答者を同定することにより腫瘍免疫処置に対する応答者の割合を増加させる。本発明の方法の別の利点は、処置に応答する可能性が低い対象の治療を回避することにより、適応ごとの腫瘍免疫療法に関連するコストを削減するために使用できることである。
いくつかの態様では、本方法は、免疫療法に対する対象の応答の可能性を評価するためにモデル及び他の予測方法を用いる。いくつかの態様では、本明細書で提供される方法は、非応答者(腫瘍免疫療法に応答する可能性が低い者)に対して高い感度を有する。いくつかの態様では、本明細書で提供される方法は、非応答者の検出に関して>95%、>97%、>98、または>99%の感度を有する。
メラノーマと診断された対象の処置管理方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、対象は、進行性メラノーマと診断されている。いくつかの実施形態では、対象は、悪性メラノーマと診断されている。いくつかの実施形態では、対象は、転移性メラノーマと診断されている。いくつかの実施形態では、方法は、対象が免疫療法に応答する可能性が高いかどうかを判定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象がペムブロリズマブによる処置に応答する可能性が高いかどうかを判定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象がニボルマブ及びイピリムマブによる処置に応答する可能性が高いかどうかを判定することを含む。
対象に処置を投与することを含む、対象のメラノーマを処置する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、メラノーマは、進行性メラノーマである。いくつかの実施形態では、メラノーマは、悪性メラノーマである。いくつかの実施形態では、メラノーマは、転移性メラノーマである。いくつかの実施形態では、処置は、対象にペムブロリズマブを投与することを含む。いくつかの実施形態では、処置は、対象にニボルマブ及びイピリムマブを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、方法は、第1選択療法としてのニボルマブ及びイピリムマブに対するメラノーマを有する対象の応答の可能性を判定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、第2選択療法としてのニボルマブ及びイピリムマブに対する応答の可能性を決定することを含む。
いくつかの実施形態では、方法は、第1選択療法としてのペムブロリズマブに対する非小細胞肺癌を有する対象の応答の可能性を判定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、第2選択療法としてのペムブロリズマブに対する応答の可能性を決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、腫瘍免疫療法(例えば、ペムブロリズマブまたはニボルマブ+イピリムマブ)に対する応答を予測する処置出力を生成することを含む。いくつかの実施形態では、予測応答は、おそらく応答性であるか、おそらく非応答性であるか、または不定である。いくつかの実施形態では、処置出力は、表7、表12、表14、または表16に記載されている1つ以上の糖ペプチドの存在、非存在、または量に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、メラノーマ対象の全生存期間を予測する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、NSCLC対象の無増悪生存期間を予測する。
1.メラノーマの管理処置
I.概要
本明細書に記載されている実施形態は、グライコプロテオームが、様々な種類の疾患を有する対象(例えば、患者)の全体的な処置で使用することができる新興分野であることを理解している。グライコプロテオームは、所与のサンプル(例えば、血液サンプル、細胞、組織)中のグリカン及びグリコシル化タンパク質の位置、同一性、及び量を決定することを目的としている。タンパク質のグリコシル化は、タンパク質の翻訳後修飾の最も一般的且つ最も複雑な形態の1つであり、タンパク質の構造、立体構造、及び機能に影響し得る。例えば、糖タンパク質は、重要な生物学的プロセス、例えば、細胞シグナル伝達、宿主-病原体の相互作用、ならびに免疫応答及び疾患において重要な役割を果たし得る。従って、糖タンパク質は、様々な種類の疾患の処置に重要であり得る。
タンパク質のグリコシル化が、がん及び他の疾患に関する有用な情報を提供するが、通常、現在利用可能な方法論で、グリカンを、タンパク質の起源部位まで追跡することができないので、タンパク質のグリコシル化の分析は、困難なことがある。糖タンパク質の分析は、いくつかの理由により、一般に困難であり得る。例えば、ペプチド内の単一のグリカン組成は、異なるグリコシド結合、分岐、及び同じ質量を有する多くの単糖のために、多数の異性体構造を含有してもよい。さらに、同じペプチド配列を共有する複数のグリカンが存在すると、質量分析(MS)シグナルを様々なグリコフォームに分割させ、グリコシル化されていないペプチド(非グリコシル化ペプチド)と比較して個々の存在量が低下し得る。
しかし、様々な病状を理解し、そのような病状、例えば、メラノーマの処置をより正確に管理するために、糖タンパク質の分析を実行し、タンパク質内のグリカンだけでなく結合部位(例えば、グリカンのアミノ酸残基)も同定することが重要であることがある。従って、メラノーマなどの疾患の処置に使用することができる情報を提供することが可能であり得るタンパク質のグリコシル化パターンに関する詳細な情報を得る部位特異的糖タンパク質分析の方法を提供する必要がある。
メラノーマは、色素を生成する細胞であるメラノサイトから発生する一種のがんである。メラノーマは、例えば、免疫療法を含む様々な種類の処置を使用して処置され得る。そのような免疫療法は、様々な種類の免疫チェックポイント阻害薬処置(例えば、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、イピリムマブ)及びサイトカイン療法(例えば、インターフェロンアルファ(IFN-α)及びインターロイキン2(IL-2)を含む。免疫チェックポイント阻害薬は、例えば、抗細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)モノクローナル抗体(例えば、イピリムマブ、トレメリムマブ)、Toll様受容体(TLR)アゴニスト、分化抗原群40(CD40)、アゴニスト、抗プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)(例えば、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、及びニボルマブ)ならびにプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)抗体を含む。
異なる患者は、異なる処置に対して異なって応答し得る。例えば、いくつかの患者は、ある種類の処置で大きな成功を収め得るが、他の患者は、同じ処置では効果が限定的であるか、または、全く成功しないことがある。メラノーマが進行性のがんであり、最も重篤ながんの1つであるので、対象は、経時的に、様々な種類の処置を試す余裕がないことがある。有害イベント(例えば、対象の無増悪生存期間を妨げるイベント)に関連する負担の回避に役立ち、特定の処置に応答する可能性が低い処置対象に関連する費用を回避するために、所与の処置に応答する可能性が高い対象を同定することが重要であることがある。従来の方法論は、一般に、特定の処置の薬効の特定の機序に焦点を当てていた。例えば、そのような方法論は、対象の生存よりもむしろ腫瘍応答に焦点を当てていた。しかし、本明細書に記載の実施形態は、処置の良好な選択が開始時に対象のために選択され得るように、異なる薬剤の生存率に関して処置応答を予測する方法を提供する。
対象におけるペプチド構造の発現、特に、糖ペプチド構造の存在量を分析することは、メラノーマの処置に対する対象の応答の予測に役立ち得る。ペプチド構造は、非グリコシル化ペプチド配列(例えば、より大きな親タンパク質のペプチドもしくはペプチドフラグメント)またはグリコシル化ペプチド配列で定義され得る。グリコシル化ペプチド配列(糖ペプチド構造とも呼ばれる)は、ペプチド配列の連結部位(例えば、アミノ酸残基)に結合しているグリカン構造を有するペプチド配列であり得、これは、例えば、アミノ酸残基の特定の原子を介して生じ得る。グリコシル化ペプチドの非限定例としては、N結合型糖ペプチド及びO結合型糖ペプチドが挙げられる。
さらに、糖タンパク質の場合、潜在的なプロテオフォームが多すぎて考慮できないことがある。本明細書の様々な実施形態により記載されている方法でのペプチド構造データのさらに別の分析は、どのタンパク質が結合するか、及びどのアミノ酸残基部位に様々なグリカン構造が結合しているかについての情報をほとんど~全く提供しないグライコミクス分析と比較して、処置応答を正確に予測するのにより役立つことがある。
所与の処置について、どのペプチド構造が、目的の異なる処置応答分類(例えば、持続制御及び早期中断)間で最も区別可能であることを分析することにより、次に、それらの特定のペプチド構造の対象のペプチド構造プロファイルを分析することにより、その対象がその処置に応答する方法を明確に理解することが達成され得る。
それに応じて、本明細書に記載の実施形態は、対象のタンパク質、特に、糖タンパク質、を分析するための様々な方法及びシステムを提供する。1つ以上の実施形態では、メラノーマ状態と診断された対象の処置管理のための方法及びシステムが提供される。例えば、本明細書に記載されている実施形態は、対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信し;ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算し(ペプチド構造セットが、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む);処置スコアを使用して、対象の処置に対する予測応答を示す処置出力を生成するための方法及びシステムを提供する。予測応答は、対象が処置に伴う持続制御を有する可能性が高い(例えば、処置後12ヶ月以内に対象の無増悪生存期間を妨害し得る妨害イベントがない)か、または、早期中断を有する(例えば、処置から最初の6ヶ月以内の1つ以上の妨害イベントがある)可能性が高いかを示し得る。
以下の説明は、メラノーマの研究及び/または処置(例えば、処置の設計、計画、投与など)のための本明細書に記載の方法及びシステムの例示的な実装を提供する。本明細書で使用される様々な用語の説明及び例は、以下のセクションIIに提示されている。
II.用語の例示的な説明
「ones」という用語は、複数のものを意味する。
本明細書で使用される場合、「複数」という用語は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上であってよい。
本明細書で使用される場合、「のセット」という用語は、1つ以上を意味する。例えば、項目のセットは、1つ以上の項目を含む。
本明細書で使用される場合、「のうちの少なくとも1つ」という表現は、項目のリストと共に使用される場合、リストされた項目のうちの1つ以上の異なる組み合わせが使用され得、リスト内の項目のうちの1つのみが必要とされ得ることを意味する。項目は、特定の対象物、物、ステップ、操作、プロセス、またはカテゴリーであり得る。換言すれば、「のうちの少なくとも1つ」は、リストの項目の任意の組み合わせまたは項目の数が使用され得るが、リスト内の項目の全てが必要とされないことがあることを意味する。例えば、これに限定されないが、「項目A、項目B、または項目Cのうちの少なくとも1つ」は、項目A;項目A及び項目B;項目B;項目A;項目B及び項目C;項目B及び項目C;または項目A及びCを意味する。任意に、「項目A、項目B、または項目Cのうちの少なくとも1つ」は、項目Aのうちの2つ、項目Bのうちの1つ、及び項目Cのうちの10;項目Bのうち4つ及び項目Cの7つ;または他の好適な組み合わせを意味するが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「実質的に」は、意図された目的のために機能するのに十分であることを意味する。従って、「実質的に」という用語は、当業者が予想するような、絶対的または完全な状態、寸法、測定値、結果などからのわずかで重要ではない変動を許容するが、全体的な性能にはあまり影響を与えない。数値として表現することができる数値またはパラメーターまたは特性について使用される場合、「実質的に」は、10パーセント以内を意味する。
本明細書で使用される「アミノ酸」という用語は、一般に、アミノ基(例えば、-NH2)、カルボキシル基(-COOH)、及び特定のアミノ酸に基づいて変化する側鎖基(R)を含む任意の有機化合物を指す。アミノ酸は、ペプチド結合を使用して結合することができる。
本明細書で使用される「アルキル化」という用語は、一般に、ある分子から別の分子へのアルキル基の転移を指す。様々な実施形態では、アルキル化を使用して、還元システインと反応させ、還元が実行された後のジスルフィド結合の再形成を防止する。
本明細書で使用される「結合部位」または「グリコシル化部位」という用語は、一般に、グリカンまたはグリカン構造の糖分子が、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質のアミノ酸に直接結合(例えば、共有結合)している位置を指す。例えば、結合部位はアミノ酸残基であってもよく、グリカン構造はアミノ酸残基の原子を介して結合していることがある。グリコシル化の種類の非限定例としては、N結合型グリコシル化、O結合型グリコシル化、C結合型グリコシル化、S結合型グリコシル化、及び糖化が挙げられ得る。
本明細書で使用される「生物サンプル」、「生物標本」、または「生物検体」は、一般に、標本の供給源を代表するように、通常は、対象からサンプリングすることにより採取された標本を指す。生物サンプルは、生物全体、特定の組織、細胞型、または目的のカテゴリーもしくはサブカテゴリーを表すことができる。生物サンプルは、巨大分子を含み得る。生物サンプルは、小分子を含み得る。生物サンプルは、ウイルスを含み得る。生物サンプルは、細胞または細胞の誘導体を含み得る。生物サンプルは、細胞小器官を含み得る。生物サンプルは、細胞核を含み得る。生物サンプルは、細胞集団由来の希少細胞を含み得る。生物サンプルは、限定されないが、原核細胞、真核細胞、細菌、真菌、植物、哺乳動物、もしくは他の動物細胞型、マイコプラズマ、正常組織細胞、腫瘍細胞、または他の任意の細胞型(単細胞生物または多細胞生物に由来するかどうかに関係なく)を含む任意の種類の細胞を含み得る。生物サンプルは、細胞の構成要素を含み得る。生物サンプルは、ヌクレオチド(例えば、ssDNA、dsDNA、RNA)、細胞小器官、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、炭水化物、糖タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。生物サンプルは、細胞、または細胞由来の1つ以上の成分(例えば、細胞ビーズ)、例えば、DNA、RNA、細胞小器官、タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせを含むマトリックス(例えば、ゲルまたはポリマーマトリックス)を含み得る。生物サンプルは、対象の組織から得られ得る。生物サンプルは、硬化した細胞を含み得る。そのような硬化した細胞は、細胞壁または細胞膜を含んでも含まなくてもよい。生物サンプルは、細胞の1つ以上の構成要素を含み得るが、細胞の他の構成要素を含まなくてもよい。そのような構成要素の例としては、核または細胞小器官が挙げられ得る。生物サンプルは、生細胞を含んでもよい。生細胞は、培養可能であり得る。
本明細書で使用される「変性」という用語は、一般に、天然の状態で存在する4次構造、3次構造、及び2次構造を喪失する任意の分子を指す。非限定例としては、酸、塩基、温度、圧力、放射線などの外部化合物または環境条件に曝露されるタンパク質または核酸が挙げられる。
本明細書で使用される「変性タンパク質」という用語は、一般に、天然の状態で存在する4次構造、3次構造、及び2次構造を喪失するタンパク質を指す。
本明細書で使用される「消化」または「酵素消化」という用語は、一般に、ポリマーを分解すること(例えば、切断部位でポリペプチドを切断すること)を指す。タンパク質は、質量分析の調製として、トリプシン消化プロトコールを使用して消化され得る。タンパク質は、アクセスが切断部位に限定されている場合、質量分析用の調節として、他のプロテアーゼを使用して消化され得る。
「処置」という用語は、一般に、病状に罹患している対象を処置するために使用することができる任意数の薬物、治療薬、ライフスタイルの修正、行動の修正、食事の修正、またはそれらの組み合わせを指し得る。
「治療薬」という用語は、一般に、対象に物理的に(例えば、経口、静脈内注射、局所処置、曝露などを介して)投与することができる任意の薬物を指し得る。
本明細書で使用される「免疫チェックポイント阻害薬」、「免疫チェックポイント阻害治療薬」、及び「免疫チェックポイント阻害薬物」という用語は、一般に、免疫チェックポイント分子(例えば、免疫応答を開始するために活性化(または不活化)する必要がある免疫細胞上の分子)を標的とし得る薬物または治療薬を指す。免疫チェックポイント阻害治療薬の非限定例としては、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、及びイピリムマブが挙げられ得る。
本明細書で使用される「グリカン」または「多糖」という用語は、双方ともに、一般に、複合糖質の炭水化物残基、例えば、糖ペプチド、糖タンパク質、糖脂質、またはプロテオグリカンの炭水化物部分、を指す。グリカンは、単糖を含み得る。
本明細書で使用される「糖ペプチド」または「糖ポリペプチド」という用語は、一般に、少なくとも1つのグリカン残基を含むペプチドまたはポリペプチドを指す。様々な実施形態では、糖ペプチドは、アミノ酸残基の側鎖(すなわち、R基)に共有結合している炭水化物部分(例えば、1つ以上のグリカン)を含む。
本明細書で使用される「糖タンパク質」という用語は、一般に、少なくとも1つのグリカン残基がそれに結合しているタンパク質を指す。いくつかの例では、糖タンパク質は、少なくとも1つのオリゴ糖鎖がそれに共有結合しているタンパク質である。糖タンパク質の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アポリポタンパク質C-III(APOC3)、アルファ-1-アンチキモトリプシン(AACT)、アファミン(AFAM)、アルファ-1-酸性糖タンパク質1及び2(AGP12)、アポリポタンパク質B-100(APOB)、アポリポタンパク質D(APOD)、補体C1sサブコンポーネント(C1S)、カルパイン-3(CAN3)、クラスタリン(CLUS)、補体成分C8A鎖(CO8A)、アルファ-2-HS糖タンパク質(FETUA)、ハプトグロビン(HPT)、免疫グロブリン重鎖定常ガンマ1(IgG1)、免疫グロブリンJ鎖(IgJ)、血漿カリクレイン(KLKB1)、血清パラオキソナーゼ/アリールエステラーゼ1(PON1)、プロトロンビン(THRB)、セロトランスフェリン(TRFE)、タンパク質unc-13ホモログA(UN13A)、及び亜鉛-アルファ-2-糖タンパク質(ZA2G)。本明細書で使用される糖ペプチドは、別途反対の記載のない限り、糖タンパク質のフラグメントを指す。
本明細書で使用される「液体クロマトグラフィー」という用語は、一般に、サンプルを部分に分離するために使用される手法を指す。液体クロマトグラフィーは、成分の分離、同定、及び定量化に使用することができる。
本明細書で使用される「質量分析」という用語は、一般に、分子を同定するために使用される分析手法を指す。本明細書に記載の様々な実施形態では、質量分析は、タンパク質の特性評価及びシーケンシングに関与することができる。
本明細書で使用される「ペプチド」という用語は、一般に、ペプチド結合により結合されたアミノ酸を指す。ペプチドは、10~50残基のアミノ酸鎖を含み得る。ペプチドは、オリゴペプチド、ジペプチド、トリペプチド、及びテトラペプチドを含む10残基より短いアミノ酸鎖を含み得る。ペプチドは、50残基より長い鎖を含み得、「ポリペプチド」または「タンパク質」と呼ばれ得る。
「タンパク質」または「ポリペプチド」または「ペプチド」という用語は、本明細書では互換的に使用され得、一般に、少なくとも3つのアミノ酸残基を含む分子を指す。タンパク質は、ペプチド結合により互いに結合しているアミノ酸配列からなるポリマー鎖を含み得る。タンパク質は、質量分析の調製として、トリプシン消化プロトコールを使用して消化され得る。タンパク質は、アクセスが切断部位に限定されている場合、質量分析用の調節として、他のプロテアーゼを使用して消化され得る。
本明細書で使用される「ペプチド構造」という用語は、一般に、ペプチドもしくはその一部、または糖ペプチドもしくはその一部を指す。本明細書に記載の様々な実施形態では、ペプチド構造は、配列中に少なくとも2つのアミノ酸を含む任意の分子を含み得る。
本明細書で使用される「還元」という用語は、一般に、物質による電子の獲得を指す。本明細書に記載の様々な実施形態では、糖は、タンパク質に直接結合し、それにより、結合するアミノ酸を還元し得る。そのような還元反応は、グリコシル化において生じ得る。様々な実施形態では、還元は、2つのシステイン間のジスルフィド結合を切断するために使用され得る。
本明細書で使用される「サンプル」という用語は、一般に、目的の対象由来のサンプルを指し、対象の生物サンプルを含んでもよい。サンプルは、細胞サンプルを含んでもよい。サンプルは、細胞株または細胞培養サンプルを含んでもよい。サンプルは、1つ以上の細胞を含み得る。サンプルは、1つ以上の微生物を含み得る。サンプルは、核酸サンプルまたはタンパク質サンプルを含んでもよい。サンプルは、炭水化物サンプルまたは脂質サンプルも含んでもよい。サンプルは、別のサンプルに由来し得る。サンプルは、組織サンプル、例えば、生検、コア生検、針吸引物、または細針吸引物を含んでもよい。サンプルは、分泌液サンプル、例えば、血液サンプル、尿サンプル、または唾液サンプルを含んでもよい。サンプルは、皮膚サンプルを含んでもよい。サンプルは、頬スワブを含んでもよい。サンプルは、血漿サンプルまたは血清サンプルを含んでもよい。サンプルは、無細胞サンプルまたは無細胞サンプルを含んでもよい。無細胞サンプルは、細胞外ポリヌクレオチドを含んでもよい。サンプルは、血液、血漿、血清、尿、唾液、粘膜排泄物、痰、便、または涙に由来し得る。サンプルは、赤血球または白血球に由来し得る。サンプルは、糞便、髄液、CNS液、胃液、羊水、嚢胞液、腹腔液、骨髄、胆汁、他の体液、生検から得られた組織、皮膚、または毛髪に由来し得る。
本明細書で使用される「配列」という用語は、一般に、組み立てられてポリマーを生成することができる1次元モノマーを含む生物学的配列を指す。配列の非限定例としては、ヌクレオチド配列(例えば、ssDNA、dsDNA、及びRNA)、アミノ酸配列(例えば、タンパク質、ペプチド、及びポリペプチド)、ならびに炭水化物(例えば、C(HO)を含む化合物)が挙げられる。
本明細書で使用される「対象」という用語は、一般に、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)もしくは鳥類(例えば、鳥)、または他の生物、例えば、植物を指す。例えば、対象は、脊椎動物、哺乳動物、齧歯動物(例えば、マウス)、霊長類、サル、またはヒトを含み得る。動物は、家畜、スポーツ動物、及びペットを含んでもよいが、これらに限定されない。対象は、健常もしくは無症候性個体、疾患(例えば、がん)もしくは疾患の素因を有するか、もしくは有すると疑われる個体、及び/または治療が必要であるか、もしくは治療を必要とすると疑われる個体を含み得る。対象は、患者であり得る。対象は、微生物または微生物(例えば、細菌、真菌、古細菌、ウイルス)を含み得る。
本明細書で使用される場合、「モデル」は、1つ以上のアルゴリズム、1つ以上の関数、1つ以上の方程式、1つ以上の統計的検定、1つ以上の数学的手法、1つ以上の機械学習アルゴリズム、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
本明細書で使用される場合、「存在量」は、質量分析法を使用して生成される定量的値を指し得る。定量的値は、特定のペプチド構造の量に関し得る。1つ以上の実施形態では、定量値は、質量分析法を使用して生成されたイオンの量を含んでもよい。定量的な値は、m/z値として、原子質量単位で、または他の何らかの方法で表すことができる。
本明細書で使用される場合、「相対存在量」は、2つ以上の存在量の比較を指し得る。1つ以上の実施形態では、比較は、1つのペプチド構造をペプチド構造セットの総数(例えば、全てのペプチド構造の総数)と比較することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、比較は、1つのペプチドグリコフォーム(例えば、1つ以上のグリカンが異なる2つの同一のペプチド)をペプチドグリコフォームセットと比較することを含んでもよい。1つ以上の実施形態では、比較は、特定のm/z比を有するイオンの数と検出されたイオンの総数を比較することを含んでもよい。1つ以上の実施形態では、相対存在量は、比率、パーセンテージ、または他の何らかの方法で表すことができる。
「決定すること」、「測定すること」、「評価すること」、「評価すること」、「アッセイすること」、及び「分析すること」という用語は、多くの場合、測定の形態を指すために本明細書で互換的に使用され、要素が存在(例えば、検出)するかどうかを判定することを含む。これらの用語は、定量的、定性的、または定量的且つ定性的な測定を含み得る。評価は、相対的または絶対的である。「の存在を検出すること」は、何かが存在するかどうかを判定することに加え、存在するものの量を決定することも含む。
「対象」、「個体」、または「患者」という用語は、多くの場合、本明細書で互換的に使用される。「対象」は、発現された遺伝物質を含有する生物学的実体であり得る。生物学的実体は、植物、動物、または微生物(例えば、細菌、ウイルス、真菌、及び原生動物を含む)であり得る。対象は、in vivoで得られた、またはin vitroで培養された生物学的実体の組織、細胞、及びそれらの子孫であり得る。対象は、哺乳動物であり得る。哺乳動物は、ヒトであり得る。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、マウス、ラット、サル、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、またはヒツジである。対象は、疾患のリスクが高いと診断されているか、またはその疑いがあり得る。疾患は、がんであり得る。いくつかの場合では、対象が必ずしもその疾患または状態のリスクが高いと診断されるか、またはその疑いがあるとは限らない。
本明細書で使用される場合、「がん」及び「がん性」という用語は、通常無制御の細胞成長を特徴とする対象における生理学的状態を指すまたは説明する。がんの例としては、メラノーマ、癌腫、リンパ腫、芽腫、肉腫、及び白血病及びその転移が挙げられるが、これらに限定されない。「転移」という用語は、疾患を引き起こす生物または悪性細胞またはがん性細胞が、血管またはリンパ管または膜表面により身体の他の部分に転移することを指す。そのようながんの非限定例としては、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺の腺癌、肺の扁平上皮癌、メラノーマ、扁平上皮癌、腹膜癌、肝細胞癌、胃腸癌、膵癌、神経膠芽腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌または子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌、肝臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、肝癌、及び様々な種類の頭頸部癌が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「疾患のステージ」という語句は、ステージI、ステージII、ステージIII、またはステージIVと呼ばれるがんの憎悪のステージを指す。疾患のステージは、転移が対象で発生しているかどうかを示す。
本明細書で使用される場合、「処置」または「処置すること」という用語は、レシピエントにおいて有益なまたは所望の結果を得るための医薬品または他の介入計画に関して使用される。有益な結果または所望の結果は、治療上の利益及び/または予防上の利益を含むが、これらに限定されない。治療効果は、処置される症状または基礎疾患の根絶または改善を指し得る。また、治療上の利益は、対象が依然として基礎疾患に罹患していることがあるにも関わらず、改善が対象において観察されるように、基礎疾患に関連する生理学的症状のうちの1つ以上を根絶または改善することにより達成することができる。予防効果は、疾患もしくは状態の出現を遅延、予防、もしくは除去すること、疾患もしくは状態の症状の発症を遅延もしくは除去すること、疾患もしくは状態の憎悪を減速、停止、または逆転させること、またはそれらの任意の組み合わせを含む。予防効果のために、特定の疾患を発症するリスクのある対象、または疾患の生理学的症状のうちの1つ以上を報告している対象は、この疾患の診断が行われていない場合でも、処置を受け得る。
「タンパク質」または「ポリペプチド」または「ペプチド」という用語は、本明細書では互換的に使用され得、少なくとも3つのアミノ酸残基を含む分子を指す。本明細書で使用される場合、「タンパク質」または「ポリペプチド」または「ペプチド」という用語は、別途記載のない限り、糖ペプチドを含む。
「多糖類」という用語は、サブユニット単糖類、オリゴマー、または修飾単糖類で構成される任意のポリマーについて記載するために使用される。いくつかの実施形態では、ポリマーは、ホモポリマーまたはヘテロポリマーであり得る。サブユニット間の結合は、グリコシド結合などのアセタール結合;ホスホジエステル結合などのエステル結合;アミド結合;及びエーテル結合を含んでもよいが、これらに限定されない。
「グリカン」という用語は、複合糖質の炭水化物残基、例えば、糖ペプチド、糖タンパク質、糖脂質、またはプロテオグリカンの炭水化物部分、について記載するために使用される。グリカン構造は、グリカン参照コード番号で記載され得る。
本明細書で使用される場合、「グリコフォーム」という用語は、特定の構造のグリカンが結合したタンパク質の固有の1次、2次、3次、及び4次構造を指す。
本明細書で使用される場合、「糖ペプチド」または「糖ポリペプチド」という用語は、少なくとも1つのグリカン残基がそこに結合しているポリペプチドを指す。
本明細書で使用される場合、「グリコシル化ペプチド」または「グリコシル化ポリペプチド」という表現は、グリカン残基に結合しているポリペプチドを指す。
本明細書で使用される場合、「糖タンパク質」という用語は、少なくとも1つのグリカン残基がそこに結合しているタンパク質を指す。いくつかの例では、糖タンパク質は、少なくとも1つのオリゴ糖鎖がそれに共有結合しているタンパク質である。糖タンパク質の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アポリポタンパク質C-III(APOC3)、アルファ-1-アンチキモトリプシン(AACT)、アファミン(AFAM)、アルファ-1-酸性糖タンパク質1及び2(AGP12)、アポリポタンパク質B-100(APOB)、アポリポタンパク質D(APOD)、補体C1sサブコンポーネント(C1S)、カルパイン-3(CAN3)、クラスタリン(CLUS)、補体成分C8A鎖(CO8A)、アルファ-2-HS糖タンパク質(FETUA)、ハプトグロビン(HPT)、免疫グロブリン重鎖定常ガンマ1(IgG1)、免疫グロブリンJ鎖(IgJ)、血漿カリクレイン(KLKB1)、血清パラオキソナーゼ/アリールエステラーゼ1(PON1)、プロトロンビン(THRB)、セロトランスフェリン(TRFE)、タンパク質unc-13ホモログA(UN13A)、及び亜鉛-アルファ-2-糖タンパク質(ZA2G)。本明細書で使用される糖ペプチドは、別途反対の記載のない限り、糖タンパク質のフラグメントを指す。
本明細書で使用される場合、「糖ペプチドフラグメント」、「グリコシル化ペプチドフラグメント」、「糖ポリペプチドフラグメント」、及び「グリコシル化ポリペプチドフラグメント」という表現は、グリコシル化タンパク質のアミノ酸配列の部分(しかし、全てではない)と同じであるアミノ酸配列配列を有するグリコシル化ポリペプチドまたは糖ペプチドを指し、グリコシル化ペプチドが、例えば、1つ以上のプロテアーゼ(複数可)を用いる消化、またはフラグメント化、例えば、MRM-MS装置内でのイオンフラグメント化での消化で得られる。MRMは、複数の反応のモニタリングを指す。別途明記のない限り、「糖ペプチドフラグメント」または「糖ペプチドのフラグメント」は、任意に、糖タンパク質が、酵素的に消化されて糖ペプチドが生成された後、質量分析計を使用することにより直接生成されるフラグメントを指す。
本明細書で使用される場合、「多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)」という表現は、生物サンプル中のグリカン及びペプチドを標的定量化のための高感度且つ選択的な方法を指す。従来の質量分析法とは異なり、MRM-MSは、高い選択性(標的化)があり、研究者が、機器を微調整して目的の特定のペプチドフラグメントを特に探すことができる。MRMは、潜在的なバイオマーカーなどの目的のペプチドフラグメントのより大きい感度、特異度、速度、及び定量をより大きくする。MRM-MSは、トリプル四重極(QQQ)質量分析計及び四重極飛行時間型(qTOF)質量分析計のうちの1つ以上を使用することを含む。
本明細書で使用される場合、「糖ペプチドを消化する」という表現は、酵素を用いて、特定のアミノ酸ペプチド結合を切断する生物学的プロセスを指す。例えば、糖ペプチドの消化は、糖ペプチドを消化酵素、例えば、トリプシン、と接触させて、糖ペプチドのフラグメントを生成することを含む。いくつかの例では、プロテアーゼ酵素は、糖ペプチドを消化するために使用される。「プロテアーゼ」という用語は、大きなペプチドを、より小さなポリペプチドまたは個々のアミノ酸にタンパク質分解または分解する酵素を指す。プロテアーゼの例としては、セリンプロテアーゼ、スレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、アスパラギンペプチドリアーゼ、及び上述の任意の組み合わせのうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「糖ペプチドをフラグメント化すること」という表現は、MRM-MS機器で生じるイオンフラグメント化プロセスを指す。フラグメント化は、同じ質量を有するが、電荷に関して異なる様々なフラグメントを生成し得る。
本明細書で使用される場合、「多重反応モニタリング(MRM)トランジション」という表現は、糖ペプチドまたはそのフラグメントが、MRM-MSで検出される場合に観察される質量電荷(m/z)ピークまたはシグナルを指す。MRMトランジションは、プレカーサーイオン及びプロダクトイオンのトランジションとして検出される。
本明細書で使用される場合、「多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出すること」という表現は、質量分析計が、タンデム質量分析計のイオンフラグメンテーション法を使用してサンプルを分析し、サンプル中のイオンフラグメントの質量電荷比を同定するプロセスを指す。これらの同定される質量電荷比の絶対値は、トランジションと呼ばれる。本明細書に記載の方法との関連で、質量電荷比のトランジションは、グリカン、ペプチド、または糖ペプチドイオンフラグメントを示す値である。本明細書に記載のいくつかの糖ペプチドについて、単一のトランジションピークまたはシグナルが存在する。本明細書に記載の他のいくつかの糖ペプチドについて、複数のトランジションピークまたはシグナルが存在する。MRM質量分析の背景情報は、Introduction to Mass Spectrometry:Instrumentation,Applications,and Strategies for Data Interpretation,4th Edition,J.Throck Watson,O.David Sparkman,ISBN:978-0-470-51634-8,November 2007(この全内容は、あらゆる目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる)に見出すことができる。
本明細書で使用される場合、「糖ペプチドを示す多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出すること」という表現は、MRM-MSトランジションが検出され、次に、糖ペプチドを同定するために、計算された質量電荷の比(m/z)またはそのフラグメントを比較するMSプロセスを指す。いくつかの例では、単一のトランジションは、それらの糖ペプチドが同一のMRM-MSフラグメント化パターンを有する場合、2つの糖ペプチドを示し得る。トランジションピークまたはシグナルは、表1~5による配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせから選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドに関連する本明細書に記載のトランジションを含むが、これらに限定されない。トランジションピークまたはシグナルは、表1~5による配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせから選択されるアミノ酸配列からなる糖ペプチドに関連する本明細書に記載のトランジションを含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「基準値」という用語は、病状が既知である個体(複数可)の集団から得られる値を指す。基準値は、n次元特徴空間内にあり得、最大マージン超平面で定義され得る。基準値は、当業者らに周知の標準的な方法に従って、任意の特定の集団、部分集団、または個体の群について決定することができる。
本明細書で使用される場合、「個体の集団」という用語は、1つ以上の個体を意味する。一実施形態では、個体の集団は、1つの個体からなる。一実施形態では、個体の集団は、複数の個体を含む。本明細書で使用される場合、「複数の」という用語は、少なくとも2(例えば、少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、または30)の個体を意味する。一実施形態では、個体の集団は、少なくとも10の個体を含む。
本明細書では、グリカンを説明するためにグリカンの記号命名法(SNFG)を使用してグリカンを参照する。この図解システムの説明は、インターネットwww.ncbi.nlm.nih.gov/glycans/snfg.htmlで入手でき、この全内容は、あらゆる目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる。Symbol Nomenclature for Graphical Representation of Glycans as published in Glycobiology 25:1323-1324,2015。SNFGシステムの図を示す追加情報は、以下の通りである。このシステム内では、Hex_i:という用語は、次のように解釈される。iは、緑色の円(マンノース)の数及び黄色の円(ガラクトース)の数を示す。HexNAC_jという用語は、jを使用して青い四角形(GlcNAC)の数を示す。Fuc_dという用語は、赤い三角形(フコース)の数を示すためにdを使用する。NeuAC_lという用語は、紫色のダイヤモンド(シアル酸)の数を示すためにlを使用する。本明細書で使用されるグリカン参照コードは、これらのi、j、d、及びlの項目を組み合わせて、4~5の合成数のグリカン参照コード、例えば、5300または5320を作成する。例えば、以下を参照のこと:2020年1月31日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2020/0162861号(これは、あらゆる目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる)の図1~14。
「in vivo」という用語は、対象の体の内で生じるイベントについて記載するために使用される。
「ex vivo」という用語は、対象の体の外で生じるイベントについて記載するために使用される。「ex vivo」アッセイは、対象で実行されない。むしろ、それは、対象から分離されるサンプルで実行される。サンプルに対して実行される「ex vivo」アッセイの一例は、「in vitro」アッセイである。
「in vitro」という用語は、物質が得られる生きている生物学的起源の生物から分離された実験試薬を保持する容器内で生じるイベントについて記載するために使用される。in vitroアッセイは、生細胞または死細胞を使用する細胞ベースのアッセイを包含し得る。in vitroアッセイは、インタクト細胞が用いられない無細胞アッセイも包含し得る。
本明細書で使用される場合、ある数値の「約」という用語は、その数値±10%を指す。ある範囲の「約」という用語は、その最小値の10%を減じ且つその最大値の10%を加えたその範囲を指す。
III.例示的なワークフローの概要
図1は、1つ以上の実施形態による、処置管理で使用される状態に関連するペプチド構造を検出するための例示的なワークフロー100の概略図である。ワークフロー100は、例えば、サンプルコレクション102、サンプル取り込み104、サンプルの調製及び処理106、データ分析108、及び出力生成110を含む様々な操作を含んでもよい。
サンプルコレクション102は、例えば、対象114などの1人以上の対象の生物サンプル112を取得することを含んでもよい。生物サンプル112は、1つ以上のサンプリング方法を介して得られた標本の形態をとってもよい。生物サンプル112は、全体として対象114、または特定の組織、細胞型、または他のカテゴリーもしくは目的のサブカテゴリーを表し得る。生物サンプル112は、多くの異なる方法のいずれかで取得され得る。様々な実施形態では、生物サンプル112は、採血により得られた全血サンプル116を含む。他の実施形態では、生物サンプル112は、例えば、血清サンプル、血漿サンプル、血球(例えば、白血球(WBC)、赤血球(RBC)サンプル、別の種類のサンプル、またはそれらの組み合わせ)を含む分注サンプルセット118を含む。生物サンプル112は、ヌクレオチド(例えば、ssDNA、dsDNA、RNA)、細胞小器官、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、炭水化物、糖タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
サンプル取り込み104は、1つ以上の様々な操作、例えば、分注、登録、処理、保存、解凍、及び/または他の種類の操作を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、生物サンプル112が全血サンプル116を含む場合、サンプル取り込み104は、全血サンプル116を分注して等分サンプルセットを形成することを含み、これは、その後、サンプルセット120を形成するために部分分注することができる。
サンプルの調製及び処理106は、例えば、ペプチド構造セット122を形成するための1つ以上の操作を含んでもよい。様々な実施形態では、ペプチド構造セット122は、消化を受けおり、分析の準備ができていることがあるアンフォールドしたタンパク質の様々なフラグメントを含んでもよい。
さらに、サンプルの調製及び処理106は、例えば、ペプチド構造セット122に基づくデータ取得124を含んでもよい。例えば、データ取得124は、例えば、液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)システムの使用を含んでもよいが、これに限定されない。
データ分析108は、例えば、ペプチド構造分析126を含んでもよい。いくつかの実施形態では、データ分析108は、出力生成110も含む。他の実施形態では、出力生成110は、データ分析108とは別個の動作とみなされ得る。出力生成110は、例えば、ペプチド構造分析126の結果に基づいて最終出力128を生成することを含んでもよい。最終出力128は、例えば、メラノーマなどの疾患の研究及び/または処置に使用され得る。
様々な実施形態では、最終出力128は、1つ以上の出力からなる。最終出力128は、様々な形態をとってもよい。例えば、最終出力128は、例えば、処置出力(例えば、処置設計出力、処置計画出力、またはそれらの組み合わせ)を含むレポートであってよい。いくつかの実施形態では、最終出力128は、アラート(例えば、可視アラート、可聴アラートなど)、通知(例えば、可視通知、可聴通知、電子メール通知など)、電子メール出力、またはそれらの組み合わせであってよい。いくつかの実施形態では、最終出力128は、処理のためにリモートシステム130に送信され得る。リモートシステム130は、例えば、コンピューターシステム、サーバー、プロセッサー、クラウドコンピューティングプラットフォーム、クラウドストレージ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、他の何らかの種類のモバイルコンピューティングデバイス、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
他の実施形態では、ワークフロー100は、任意に、本明細書に記載されている動作のうちの1つ以上を除外してもよく、及び/または、任意に、(例えば、本明細書に記載のものに加えて、及び/もしくはその代わりに)本明細書に記載のもの以外の1つ以上の他のステップまたは動作を含んでもよい。例えば、1つ以上の実施形態では、最終出力128は、処理のためにリモートシステム130に送信されないことがある。代わりに、通知または通信(例えば、電子メール)は、最終出力128が取得(例えば、ダウンロード)可能であることをユーザー(複数可)またはエンティティに通知するために、リモートシステム130に送信され得る。従って、ワークフロー100は、メラノーマの研究及び/または処置に使用される多くの異なる方法のいずれかで実行され得る。
I.ペプチド構造の検出及び定量
図2A及び2Bは、1つ以上の実施形態によるサンプルの調製及び処理106のワークフローの概略図である。図2A及び2Bは、図1への継続的に参照しながら説明される。サンプルの調製及び処理106は、例えば、図2Aに示される調製ワークフロー200及び図2Bに示されるデータ取得124を含んでもよい。
I.A.サンプル調製及び処理
図2Aは、1つ以上の実施形態による準備ワークフロー200の概略図である。準備ワークフロー200は、データ取得124により分析のために、図1のサンプルセット120のサンプルなどのサンプルを調製するために使用され得る。例えば、この分析は、質量分析により実行され得る。様々な実施形態では、準備ワークフロー200は、変性及び還元202、アルキル化204、及び消化206を含んでもよい。
一般に、天然形態のタンパク質などのポリマーは、折りたたまれて、2次、3次、及び/または他の高次構造を含むようにフォールディングし得る。そのような高次構造は、対象におけるタスクを完了する(例えば、酵素活性を可能にする)ためにタンパク質を官能化し得る。さらに、ポリマーのそのような高次構造は、ポリマー内のアミノ酸の側鎖間の様々な相互作用を介して維持され得る。そのような相互作用は、イオン結合、疎水性相互作用、水素結合、及びシステイン残基間のジスルフィド結合を含み得る。しかし、質量分析を含む分析システム及び方法を使用する場合、配列情報を得るために、そのようなポリマー(例えば、ペプチド/タンパク質分子)をアンフォールディングすることが望ましいことがある。いくつかの実施形態では、ポリマーをアンフォールディングすることは、ポリマーを変性することを含んでもよく、これは、例えば、ポリマーを線状化することを含んでもよい。
1つ以上の実施形態では、変性及び還元202は、サンプル(例えば、図1のサンプルセット120のうちの1つ)中の1つ以上のタンパク質(例えば、ポリペプチド及びペプチド)の高次構造(例えば、2次、3次、4次など)を破壊するために使用することができる。変性及び還元202は、例えば、変性手順及び還元手順を含んでもよい。いくつかの実施形態では、変性手順は、例えば、熱が変性剤として使用される熱変性を使用して実行され得る。熱変性は、イオン結合、疎水性相互作用、及び/または水素結合を破壊し得る。
1つ以上の実施形態では、変性手順は、熱と組み合わせて1つ以上の変性剤を使用することを含んでもよい。これらの1つ以上の変性剤は、例えば、任意数のカオトロピック塩(例えば、尿素、グアニジン)、界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ベータオクチルグルコシド、トリトンX-100)、またはそれらの組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの場合では、サンプル調製ワークフローが、さらに、クリーンアップ手順を含む場合、そのような変性剤は、熱と組み合わせて使用され得る。
次に、得られた1つ以上の変性(例えば、アンフォールドした、線状化)タンパク質は、分析の準備においてさらなる処理を受け得る。例えば、1つ以上の還元剤が適用される還元手順が実行され得る。還元剤は、例えば、限定されないが、ジチオスレイトール(DTT)、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、または他の何らかの還元剤の形態をとってもよい。還元剤は、1つ以上の変性タンパク質のシステイン残基間のジスルフィド結合を還元(例えば、切断)して、1つ以上の還元タンパク質を形成し得る。
様々な実施形態では、変性及び還元202から生じる1つ以上の還元タンパク質は、例えば、1つ以上の還元タンパク質のシステイン残基間のジスルフィド結合の再形成を防止するプロセスを受け得る。このプロセスは、アルキル化204を使用して実行され、1つ以上のアルキル化タンパク質を形成することができる。例えば、アルキル化204は、各システイン残基上の硫黄にアセトアミド基を付加して、ジスルフィド結合の再形成を防止するために使用され得る。様々な実施形態では、アセトアミド基は、1つ以上のアルキル化剤を還元タンパク質と反応させることにより付加することができる。1つ以上のアルキル化剤は、例えば、1つ以上のアセトアミド塩を含んでもよい。アルキル化剤は、例えば、ヨードアセトアミド(IAA)、2-クロロアセトアミド、他の何らかの種類のアセトアミド塩、または他の何らかの種類のアルキル化剤の形態をとってもよい。
いくつかの実施形態では、アルキル化204は、クエンチング手順を含んでもよい。クエンチング手順は、1つ以上の還元剤(例えば、上記の還元剤のうちの1つ以上)を使用して実行され得る。
次に、様々な実施形態では、アルキル化204を介して形成された1つ以上のアルキル化物は、分析(例えば、質量分析)の準備として消化206を受け得る。タンパク質の消化206は、1つ以上の切断部位(例えば、1つ以上のアミノ酸残基であり得る部位205)またはその付近でタンパク質を切断することを含んでもよい。例えば、限定されないが、アルキル化タンパク質は、リジンまたはアルギニン残基のカルボキシル側で切断され得る。この種類の切断は、タンパク質を様々なセグメントに破断し得、これは、1つ以上のペプチド構造(例えば、グリコシル化または非グリコシル化)を含む。
様々な実施形態では、消化206は、1つ以上のタンパク質分解触媒を使用して実行される。例えば、消化206では、酵素を使用することができる。いくつかの実施形態では、酵素は、トリプシンの形態をとる。他の実施形態では、トリプシンに加えて、またはその代わりに、1つ以上の他の種類の酵素(例えば、プロテアーゼ)が使用され得る。これらの1つ以上の他の酵素は、LysC、LysN、AspN、GluC、及びArgCを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、消化206は、トシルフェニルアラニルクロロメチルケトン(TPCK)処理トリプシン、トリプシンの1つ以上の操作された形態、トリプシンの1つ以上の他の製剤、またはそれらの組み合わせを使用して実行され得る。いくつかの実施形態では、消化206は、複数のステップで実行され得、各ステップは、1つ以上の消化剤の使用を含む。例えば、2次消化、3次消化等が実行され得る。1つ以上の実施形態では、トリプシンは、血清サンプルを消化するために使用される。1つ以上の実施形態では、トリプシン/LysCカクテルは、血漿サンプルを消化するために使用される。
1つ以上の実施形態では、消化206は、さらに、クエンチング手順を含む。クエンチング手順は、サンプルを(例えば、pH<3まで)酸性化することにより実行され得る。1つ以上の実施形態では、ギ酸は、この酸性化を実行するために使用され得る。
様々な実施形態では、準備ワークフロー200は、さらに、消化後手順207を含む。消化後手順207は、例えば、クリーンアップ手順を含んでもよい。クリーンアップ手順は、例えば、消化206からもたらされるサンプル中の不必要な成分の除去を含んでもよい。例えば、不必要な成分は、無機イオン、界面活性剤などを含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、消化後手順207は、さらに、重標識ペプチド内部標準を添加するための手順を含む。
調製ワークフロー200が、血液ベースである生物サンプル112(例えば、全血サンプル、血漿サンプル、血清サンプルなど)から作成または採取されたサンプルに関して説明されているが、サンプル調製ワークフロー200は、ペプチド構造セット122を生成するために、他の種類のサンプル(例えば、涙、尿、組織、間質液、痰など)についても同様に実行され得る。
I.B.ペプチド構造の同定及び定量化
図2Bは、1つ以上の実施形態によるデータ取得124の概略図である。様々な実施形態では、データ取得124は、図2Aに記載のサンプル調製200後に開始し得る。様々な実施形態では、データ取得124は、定量化208、品質管理210、ならびにピーク積分及び正規化212を含み得る。
様々な実施形態では、ペプチド及び糖ペプチドの標的定量化208は、液体クロマトグラフィー質量分析LC/MS機器の使用を組み込み得る。例えば、LC-MS/MS、またはタンデムMSが使用され得る。一般に、LC/MS(例えば、LC-MS/MS)は、液体クロマトグラフ(LC)の物理的分離能力を、質量分析法(MS)の質量分析能力と組み合わせ得る。本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、この手法は、界面を介してLCカラムからMSイオン源に供給される消化ペプチドの分離を可能にする。
様々な実施形態では、任意のLC/MS装置は、本明細書に記載のワークフローに組み込むことができる。様々な実施形態では、トリプル四重極LC/MS(商標)は、同定及び標的定量化208に適した例示的な機器を含む。様々な実施形態では、標的定量化208は、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して実行される。
本明細書に記載の様々な実施形態では、特定のタンパク質またはペプチドの同定及び関連量を評価することができる。本明細書に記載の様々な実施形態では、特定のグリカンの同定及び関連量を評価することができる。本明細書に記載の様々な実施形態では、特定のグリカンは、タンパク質またはペプチド上のグリコシル化部位に適合させ、それらの絶対量または相対量を評価することができる。
いくつかの場合では、標的定量化208は、豊富なプロダクトイオンを一貫して確認するために、適切なフラグメント化に関連する特定の衝突エネルギーを使用することを含む。糖ペプチド構造は、非グリコシル化ペプチド構造よりも衝突エネルギーが低いことがある。糖ペプチド構造を含むサンプルを分析する場合、一般的なプロテオミクス分析と比較して、電源電圧及びガス温度が低下し得る。
様々な実施形態では、データ品質を最適化するために品質管理210手順を導入することができる。様々な実施形態では、期待値の外の許容範囲内の誤差のみを許容する手段を講じることができる。様々な実施形態では、統計モデルを用いると(例えば、ウェストガード規則を使用すると)、品質管理210を支援し得る。例えば、品質管理210は、例えば、全てのサンプルまたは各品質管理サンプル(例えば、プールされた血清消化物)のいずれかにおける、代表的なペプチド構造(例えば、グリコシル化及び/または非グリコシル化)ならびにスパイクイン内部標準の保持時間及び存在量を評価することを含んでもよい。
ピーク積分及び正規化212は、生成されているデータを処理し、データを分析用のフォーマットに変換するために実行され得る。例えば、ピーク積分及び正規化212は、選択されたペプチド構造について検出された様々なプロダクトイオンの存在量データを、そのペプチド構造の単一の定量メトリクス(例えば、相対量、調整済み量、正規化量、相対濃度、調整済み濃度、正規化濃度など)に転換することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ピーク積分及び正規化212は、米国特許公開第2020/0372973A1号及び/または米国特許公開第2020/0240996号に記載されている手法のうちの1つ以上を使用して実行され得、その開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
II.ペプチド構造データ解析及びメラノーマ処置管理
II.A.例示的なシステム
II.A.1.ペプチド構造データを解析し、メラノーマ処置を管理するためのシステム
図3は、1つ以上の実施形態による分析システム300のブロック図である。分析システム300は、メラノーマ処置に関連している様々なペプチド構造の検出及び分析の両方に使用することができる。分析システム300は、図1のデータ分析108を実行するために使用され得るシステムの実装の一例である。従って、分析システム300は、図1、2A、及び/または2Bに記載のワークフロー100を引き続き参照しながら説明される。
分析システム300は、コンピューティングプラットフォーム302及びデータストア304を含んでもよい。いくつかの実施形態では、分析システム300は、表示システム306も含む。コンピューティングプラットフォーム302は、様々な形態をとってもよい。1つ以上の実施形態では、コンピューティングプラットフォーム302は、単一のコンピューター(もしくはコンピューターシステム)または相互に通信する複数のコンピューターを含む。他の例では、コンピューティングプラットフォーム302は、クラウドコンピューティングプラットフォームの形態をとる。さらに他の例では、コンピューティングプラットフォーム302は、任意数もしくは組み合わせのコンピューター、クラウドコンピューティングプラットフォーム、サーバー、またはモバイルデバイスを含んでもよい。
データストア304及び表示システム306は、それぞれ、コンピューティングプラットフォーム302と通信していてもよい。いくつかの例では、データストア304、ディスプレイシステム306、またはその両方は、コンピューティングプラットフォーム302の一部と考えられるか、または別の方法でそれと統合され得る。従って、いくつかの例では、コンピューティングプラットフォーム302、データストア304、及びディスプレイシステム306は、互いに通信する別々のコンポーネントであってよいが、他の例では、これらのコンポーネントの何らかの組み合わせが一緒に統合され得る。これらの異なるコンポーネント間の通信は、任意数の有線通信リンク、無線通信リンク、光通信リンク、またはそれらの組み合わせを使用して実行され得る。
分析システム300は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせを使用して実装され得る処置管理システム308を含む。1つ以上の実施形態では、ペプチド構造分析器308は、コンピューティングプラットフォーム302を使用して実装される。
処置管理システム308は、メラノーマ状態(すなわち、悪性メラノーマ)と診断された対象の処置を管理するために使用され得る。処置管理システム308は、メラノーマ状態の1つ以上の処置に対する対象の応答を予測し、メラノーマ状態の憎悪(または進行)を予防するために対象に投与されるべき処置を選択し、及び/または、別の方法で、対象の状態を改善し、及び/または、別の方法で、対象の処置を計画するために使用され得る。
処置管理システム308は、処理のために、ペプチド構造データ310を受信する。ペプチド構造データ310は、多重反応モニタリング質量分析法を使用して生成されていることがある。ペプチド構造データ310は、例えば、図1、2A及び、2Bのサンプルの調製及び処理106の出力であるペプチド構造データであってよい。従って、ペプチド構造データ310は、生物サンプル112について特定されたペプチド構造122のセットに対応し得、それにより、生物サンプル112に対応し得る。さらに、ペプチド構造セット122は、糖タンパク質セットに対応する(例えば、ペプチド構造セット122の各ペプチド構造は、対応する糖タンパク質に由来する)ので、それ故、ペプチド構造データ310は、糖タンパク質セットに対応する。いくつかの場合では、2つ以上のペプチド構造が、同じ糖タンパク質に対応し得、これらの2つ以上のペプチド構造は、その同じ糖タンパク質のグリコフォームと呼ばれることがある。
ペプチド構造データ310は、処置管理システム308への入力として送信するか、データストア304もしくは他の何らかの種類のストレージ(例えば、クラウドストレージ)から取得するか、クラウドストレージからアクセスするか、または他の何らかの方法で取得することができる。いくつかの場合では、ペプチド構造データ310は、入力装置を介してユーザーにより入力されたユーザー入力の受信に応じて(例えば、それに直接的または間接的に基づいて)データストア304から取得され得る。
処置管理システム308は、スコアリングシステム312を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、処置管理システム308は、さらに、処置計画システム314を含む。スコアリングシステム312は、1つ以上の種類の処置に対する対象(例えば、対象114)の応答を予測するために使用され得る。処置計画システム314は、対象に対する予測応答(複数可)に基づいて対象をどのように処置するかを計画するために使用され得る。
スコアリングシステム312は、例えば、処理のためにペプチド構造データ310を受信するように構成されているモデルシステム315を含んでもよい。モデルシステム315は、多くの異なる方法のいずれかで実行され得る。モデルシステム315は、任意の数のモデル、関数、方程式、アルゴリズム、及び/または他の数学的手法を使用して実行され得る計算モデルシステムであってよい。
1つ以上の実施形態では、スコアリングシステム312は、処理のためにペプチド構造データ310を受信し、ペプチド構造セット318についてペプチド構造データ310から同定される定量データ316をモデルシステム315に入力する。モデルシステム315は、定量データ316を分析して、処置セットに対応する処置スコアセット320を生成する。ペプチド構造データ310は、例えば、図1のペプチド構造セット122の各ペプチド構造に対する定量メトリクスセットを含んでもよい。ペプチド構造の定量メトリクスは、相対存在量、正規化存在量、調整済み存在量、絶対的存在量、相対量、調整済み量、正規化量、相対濃度、調整済み濃度、または正規化濃度のうちの少なくとも1つから構成され得る。従って、定量データ316は、ペプチド構造セット318の各ペプチド構造についての1つ以上の定量メトリクスを含んでもよい。
ペプチド構造セット318のペプチド構造は、ペプチド配列及びペプチド配列量の連結部位に結合しているグリカン構造で定義されるグリコシル化ペプチド構造または糖ペプチド構造であってよい。例えば、ペプチド構造は、糖ペプチドまたは糖ペプチドの一部であってよい。あるいは、ペプチド構造セット318のペプチド構造は、ペプチド配列で定義される非グリコシル化ペプチド構造であってよい。例えば、ペプチド構造はペプチドまたはペプチドの一部であってもよく、定量ペプチドと呼ばれることがある。
ペプチド構造セット318は、モデル312の訓練に基づいて、対応する処置(複数可)に対する対象の応答に最も予測的であるか、またはそれに関連するものとして特定され得る。1つ以上の実施形態では、ペプチド構造セット318は、セクションV.B.の以下の表1に同定される少なくとも1つ、少なくとも3つ、少なくとも5つ、または少なくとも他の何らかの数のペプチド構造を含む。ペプチド構造セット318に含めるために表1から選択されるペプチド構造の数は、例えば、所望の精度レベル、処置スコアセット320が生成される処置の数、1つ以上の他の因子、またはそれらの組み合わせに基づいていてもよい。
1つ以上の実施形態では、モデルシステム315は、ペムブロリズマブ処置(「ペンブロ」)に対する対象の応答、ニボルマブ及びイピリムマブ(「イピ/ニボ」)の組み合わせからなる併用処置に対する対象の応答を分析するために使用され得る。ペンブロ及びイピ/ニボは、双方ともに、メラノーマを処置するために使用される処置である。例えば、モデルシステム315は、ペンブロについての第1の処置スコア322及びイピ/ニボについての第2の処置スコア324を含む処置スコアセット320を生成するために、ペプチド構造セット318の定量データ316を使用し得る。1つ以上の実施形態では、ペプチド構造セット318は、第1の処置スコア322を計算するために使用されるペプチド構造セット318の第1のサブセット321と、第2の処置スコア324を計算するために使用されるペプチド構造セット318の第2のサブセット323を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、ペプチド構造セット318の第1のサブセット321及び第2のサブセット323は、部分的に重複してもよい(例えば、1、2、3、4、5、他の何らかの数のペプチド構造を共有する)。
第1の処置スコア322を計算するために使用される定量データ316の第1の部分326は、第1のサブセット321に対応し得る。第2の処置スコア324を計算するために使用される定量データ316の第2の部分328は、第2のサブセット323に対応し得る。第1の部分326及び第2の部分328は、それぞれ、第1の定量データ及び第2の定量データと呼ばれることがある。第1のサブセット321及び第2のサブセット323が部分的に重複する場合、第1の部分326及び第2の部分328も同様に重複する。一例として、第1の処置スコア322を計算するために使用される第1の部分321に対応する定量データ316の第1の部分326と、第2の処置スコア324を計算するために使用されるペプチド構造セット318の第2のサブセット323に対応する定量データ316の第2の部分328は、共通の2つのペプチド構造を有してもよい。
1つ以上の実施形態では、ペプチド構造セット318の第1のサブセット321は、セクションV.B.の以下の表2に同定される少なくとも1つ、少なくとも3つ、少なくとも5つ、または少なくとも他の何らかの数のペプチド構造を含む。1つ以上の実施形態では、ペプチド構造セット318の第2のサブセット323は、セクションV.B.の以下の表3に同定される少なくとも1つ、少なくとも3つ、少なくとも5つ、または少なくとも他の何らかの数のペプチド構造を含む。
1つ以上の実施形態では、ペプチド構造セット318は、関連システム330を使用して処置管理システム308で同定されていることがある。関連システム330は、サンプルデータ332を分析して、ペプチド構造セット318にどのペプチド構造を含むかを決定するための、任意数の計算モデルを含んでもよい。サンプルデータ332は、データストア304から取得することも、他の何らかの方法で受信され得る。サンプルデータ332は、1つ以上の処置に対する複数の対象の応答を捕捉するデータを含んでもよい。例えば、サンプルデータ332は、ペンブロに対する対象の応答及びイピ/ニボに対する対象の応答を捕捉するデータを含んでもよい。
1つ以上の実施形態では、関連システム330は、ウィルコクソン順位和検定を使用して、第1のサブセット321を決定する第1のアルゴリズムと、ウィルコクソン順位和検定を使用して第2のサブセット323を決定する第2のアルゴリズムを含む。例えば、関連システム330は、第1の処置スコア322(例えば、ペンブロについて)を計算するために、ウィルコクソン順位和検定を使用して、どのペプチド構造が第1のサブセット321に含まれるかを判定する第1のアルゴリズムと、第2の処置スコア324(例えば、イピ/ニボについて)を計算するために、どのペプチド構造が第2のサブセット323に含まれるかを判定する第2のアルゴリズム、を含む。
処置計画システム314は、スコアリングシステム312から処置スコアセット320を受信する。処置計画システム314は、処置スコアセット320を使用して、処置出力334を生成する。処置出力334は、例えば、対象の応答が予測される1つ以上の処置に対する対象の応答の同定もしくは分類、対象を処置する治療薬の同定、治療薬の設計、治療薬を投与するための処置計画、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでもよい。いくつかの実施形態では、治療薬は、免疫チェックポイント阻害薬である。様々な実施形態では、処置出力326は、対象の処置に使用されるべき治療用量の各治療薬を含む。
1つ以上の実施形態では、処置出力334は、処置に対する対象の予測応答を示す応答分類を同定する。例えば、処置スコアセット320は、メラノーマ処置に対する対象の応答を早期中断または持続制御として分類するために使用できる処置スコアを含むことができる。
応答分類は、例えば、陽性応答分類、陰性応答分類、または他の何らかの種類の応答分類であってよい。陽性応答分類は、例えば、対象が、処置に対して比較的肯定的または他の点で良好な応答を示すと予測されることを示し得る。陰性応答分類は、例えば、対象が、処置に対して比較的不良または他の点で失敗した応答を示すと予測されることを示し得る。1つ以上の実施形態では、応答分類は、生存率(例えば、全生存期間、無増悪生存期間など)に関する処置に対する応答を予測する。
「早期中断」は、陰性応答分類の一例であってよい。「早期中断」は、対象が処置に対する比較的不良の応答を有すると予測されることを示し得る。例えば、「早期中断」の予測は、対象が、処置後の初期期間(例えば、6ヶ月)以内に中断イベントを有すると予測されることを意味し得る。中断イベントは、対象の「無増悪生存期間」(PFS)を中断する任意のイベントであり得る。中断イベントは、憎悪イベントまたは進行イベントとも呼ばれることがあり、そのようなものであるから、イベントは、疾患の憎悪または進行を示す。任意に、憎悪イベントは、死亡などの憎悪または疾患の進行の最終レベルであってよい。従って、「早期中断」は、「憎悪」、「疾患の憎悪」、または「疾患進行」とも呼ばれることがある。中断イベントは、例えば、新たなメラノーマ(例えば、悪性ほくろ)、既存のメラノーマのサイズの増加、または他の何らかの種類のイベントのうちの少なくとも1つを含んでもよい。中断イベントは、任意数の憎悪基準を使用して検出され得る。例えば、中断イベントは、憎悪基準セットの選択された数または割合が満たされたことに応答して「検出された」と考えられ得る。憎悪基準セットは、例えば、1つ以上の免疫関連応答基準(irRC)、固形腫瘍における1つ以上の応答評価基準(RECIST)、1つ以上の他の種類の基準、またはそれらの組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。
「持続制御」は、陽性応答分類の一例であってよい。「持続制御」は、対象が処置に対して比較的良好な応答を有すると予測されることを示す応答分類であってよい。例えば、「持続制御」の予測は、対象が、処置後の持続期間(例えば、12ヶ月)内に中断イベントを有さないと予測されることを意味し得る。持続期間は、初期期間よりも長いことがある。
1つ以上の実施形態では、処置計画システム314は、1つ以上の選択閾値を使用して、処置スコアセット320を分類する。1つ以上の実施形態では、異なる選択閾値が各処置に使用される。他の実施形態では、同じ閾値は、考慮されている全処置に対して使用される。例えば、処置計画システム314は、選択閾値336を使用し得る。1つ以上の実施形態では、選択閾値は、0.5である。他の実施形態では、選択閾値は、0.6、0.7、0.75、0.8、または他の何らかの閾値である。
一例として、選択閾値が0.5である場合、処置計画システム314は、処置スコアが、選択閾値を上回る(または、それで及びそれを上回る)という判定に基づいて第1の予測応答を生成し得、処置スコアが、選択閾値を超える(または、下回る)という判定に基づいて第2の予測応答を生成し得る。第1の予測応答は、例えば、第1の予測応答分類(例えば、持続制御)であってもよく;第2の予測応答は、第2の予測応答分類(例えば、早期中断)であってよい。
処置出力334は、ユーザー(例えば、医療専門家)が、対応する処置が対象に投与されるべきか、または投与すべきではないかを判定し得るように予測される応答分類を含んでもよい。例えば、第1の処置スコア322が、ペンブロに対して生成され、対象の予測応答が「早期中断」であることを、処置出力334が示す場合、医療専門家は、異なる処置である、より高用量のペンブロを投与するか、または他の何らかの方法で対象の処置計画を変更することを決定し得る。
処置スコアセット320が少なくとも2つの処置スコアを含む場合、処置計画システム314は、少なくとも2つの処置スコアを分析し、どの処置スコアが対象の対応する処置に最良の応答を示すかを判定し得る。一例として、処置計画システム314は、少なくとも処置スコアを比較し、対象の最高の処置スコアに対応する処置を選択し得る。次に、この選択された処置は、処置出力334で同定され得る。いくつかの場合では、処置出力334は、さらに、対象の選択された処置のための治療用量(例えば、承認された用量)を含んでもよい。いくつかの場合では、処置出力334は、さらに、選択された処置に対する応答分類を含んでもよい。例えば、第1の処置スコア322は、第2の処置スコア324よりも高いことがあるが、第1の処置スコア322及び第2の処置スコア324は、双方ともに、対象の予測応答が両方の処置で「早期中断」であることを示し得る。この例では、処置出力336は、第1の処置スコア322に対応する処置を同定し得、これは、予測応答である「早期中断」示し、異なる処置を選択するか、第1の処置スコア322に対応する処置の用量を変更(例えば、増加/減少)するか、処置を、少なくとも1つの他の処置と組み合わせるか、または他の何らかの方法で、対象の処置計画を変更することのうちのいずれかを推奨する。
いくつかの例では、処置出力334は、処理のためにリモートシステム130に送信され得る。他の実施形態では、処置出力334は、人間のオペレータが閲覧できるように、表示システム306のグラフィカルユーザーインターフェース338上に表示され得る。人間のオペレータは、対象のメラノーマ処置を管理するために処置出力334を使用し得る。
II.A.2.コンピューター実行システム
図4は、様々な実施形態によるコンピューターシステムのブロック図である。コンピューターシステム400は、図3で上述したコンピューティングプラットフォーム302の実装の一例であり得る。
1つ以上の例では、コンピューターシステム400は、情報を通信するためのバス402または他の通信機構と、情報を処理するための、バス402に接続されたプロセッサー404を含み得る。様々な実施形態では、コンピューターシステム400は、プロセッサー404で実行されるべき命令を決定するための、バス402に接続されたランダムアクセスメモリー(RAM)406または他の動的記憶装置であり得るメモリーも含み得る。メモリーは、プロセッサー404に実行されるべき命令の実行中に、一時変数または他の中間情報を格納するために使用することもできる。様々な実施形態では、コンピューターシステム400は、さらに、静的情報及びプロセッサー404に対する命令を格納するための、バス402に接続された読み取り専用メモリー(ROM)408または他の静的記憶装置を含み得る。情報及び命令を格納するための磁気ディスクまたは光ディスクなどの記憶装置410を提供し、バス402に接続することができる。
様々な実施形態では、コンピューターシステム400は、コンピューターユーザーに情報を表示するための陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ412にバス402を介して接続することができる。英数字及び他のキーを含む入力装置414は、情報及びコマンド選択をプロセッサー404に伝達するために、バス402に接続することが得る。別の種類のユーザー入力デバイスは、カーソル制御装置416、例えば、マウス、ジョイスティック、トラックボール、ジェスチャ入力デバイス、視線ベースの入力デバイス、または方向情報及びコマンド選択をプロセッサー404に伝達するための及びディスプレイ412上のカーソルの動きを制御するためのカーソル方向キーである。この入力装置414は、通常、第1の軸(例えば、x)及び第2の軸(例えば、y)の2つの軸に2つの自由度を有し、これにより、装置に平面内の位置を指定することが可能になる。しかし、3次元(例えば、x、y、及びz)カーソル移動を可能にする入力装置414も本明細書で考慮されると理解すべきである。
本教示の特定の実装と一致して、プロセッサー404がRAM406に含有される1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行することに応答して、コンピューターシステム400で結果を提供することができる。そのような命令は、別のコンピューター可読媒体または記憶装置410などのコンピューター可読記憶媒体からRAM406に読み込むことができる。RAM406に含有される命令のシーケンスを実行すると、プロセッサー404に本明細書に記載のプロセスを実行させ得る。あるいは、ハードワイヤード回路は、本教示を実行するために、ソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令と組み合わせて使用することができる。従って、本教示の実装は、ハードウェア回路及びソフトウェアのいずれの特定の組み合わせにも限定されない。
本明細書で使用される「コンピューター可読媒体」(例えば、データストア、データストレージ、記憶装置、データ記憶装置など)または「コンピューター可読記憶媒体」という用語は、実行のためにプロセッサー404に命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含む多くの形式をとることができる。不揮発性媒体の例としては、記憶装置410などの光ディスク、固体ディスク、磁気ディスクが挙げられ得るが、これらに限定されない。揮発性媒体の例としては、RAM406などのダイナミックメモリーが含まれ得るが、これに限定されない。伝送媒体の例としては、バス402を含むワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバが挙げられ得るが、これらに限定されない。
コンピューター可読媒体の一般的な形式は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または他の任意の磁気媒体、CD-ROM、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、他の任意の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、他の任意のメモリーチップもしくはカートリッジ、またはコンピューターが読み取ることができる他の任意の有形媒体を含む。
コンピューター可読媒体に加えて、命令またはデータは、実行のために、1つ以上の命令のシーケンスをコンピューターシステム400のプロセッサー404に提供するために、通信装置またはシステムに含まれる伝送媒体上の信号として提供することができる。例えば、通信装置は、命令及びデータを示す信号を有するトランシーバを含んでもよい。命令及びデータは、1つ以上のプロセッサーに、本明細書の開示で概説された機能を実行させるように構成される。データ通信伝送接続の代表的な例としては、電話モデム接続、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、赤外線データ接続、NFC接続、光通信接続などが挙げられ得るが、これらに限定されない。
本明細書に記載されている方法論、フローチャート、図、及び付随する開示は、コンピューターシステム400をスタンドアロンデバイスとして使用して、またはクラウドコンピューティングネットワークなどの共有コンピューター処理リソースの分散ネットワーク上で実行することができると理解されるはずである。
本明細書で記載の方法論は、用途に応じて様々な手段で実行され得る。例えば、これらの方法論は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実行され得る。ハードウェア実装の場合、処理ユニットは、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサー(DSP)、デジタルシグナル処理デバイス(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサー、コントローラー、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサー、電子デバイス、本明細書で記載の機能を実行するように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組み合わせで実装され得る。
様々な実施形態では、本教示の方法は、ファームウェア及び/またはソフトウェアプログラム及び従来のプログラミング言語、例えば、R、C、C++、Pythonなどで書かれたアプリケーションとして実行され得る。ファームウェア及び/またはソフトウェアとして実装される場合、本明細書に記載の実施形態は、コンピューターに上述の方法を実行させるためのプログラムが格納される非一時的なコンピューター可読媒体で実装することができる。本明細書に記載の様々なエンジンは、コンピューターシステム400などのコンピューターシステム上に提供することができ、それにより、プロセッサー404が、メモリーコンポーネントRAM406、ROM408、または記憶装置410と、入力装置414のいずれか1つ、またはそれの組み合わせで提供される命令に従う、これらのエンジンで提供される分析及び判定を実行すると理解すべきである。
II.B.ペプチド構造データの分析及びメラノーマ処置の管理のための例示的な方法論
II.B.1.処置応答の予測
図5は、1つ以上の実施形態による、メラノーマ状態と診断された対象の処置を管理するためのプロセスのフローチャートである。プロセス500は、例えば、図1、2A、及び2Bに記載のワークフロー100ならびに/または図3に記載の分析システム300の少なくとも一部を使用して実行され得る。プロセス500は、例えば、メラノーマ状態(例えば、悪性メラノーマ)と診断された対象の処置を補助する図3の処置出力334などの処置出力を生成するために使用され得る。
ステップ502は、対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信することを含む。ペプチド構造データは、例えば、図3のペプチド構造データ310の実装の一例であってよい。ペプチド構造データは、多重反応モニタリング質量分析を使用して生成され得る。ペプチド構造データは、複数のペプチド構造の各ペプチド構造についての定量データを含み得る。定量データは、例えば、複数のペプチド構造の各ペプチド構造についての1つ以上の定量メトリクスを含んでもよい。ペプチド構造の定量メトリクスは、例えば、相対存在量、絶対存在量、調整済み存在量、正規化存在量、相対量、調整済み量、正規化量、相対濃度、調整済み濃度、または正規化濃度を含んでもよいが、これらに限定されない。このように、所与のペプチド構造の定量データは、生物サンプル中のペプチド構造の存在量の指標を提供する。
ステップ504は、ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること(ペプチド構造セットは、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)を含む。ステップ504では、ペプチド構造セットは、例えば、以下の表1で同定されるペプチド構造の選択群の少なくとも2つのペプチド構造を含んでもよい。ペプチド構造の選択群は、例えば、表1で同定されるペプチド構造の一部であり得る。ペプチド構造の選択群は、例えば、以下の表2に同定されるペプチド構造、または以下の表3に同定されるペプチド構造であってよい。例えば、検討中の処置にペムブロリズマブが含まれる場合、ペプチド構造の選択群は、表2に記載のペプチド構造を含む。考えられる処置がニボルマブ及びイピリムマブの組み合わせを含む場合、ペプチド構造の選択群は、表3に記載のペプチド構造を含む。ステップ504では、ペプチド構造セットは、表1で同定されるように、ペプチド配列で定義される少なくとも1つの糖ペプチド構造と、ペプチド配列の結合部位に結合しているグリカン構造を含んでもよい。
1つ以上の実施形態では、ペプチド構造セットは、サンプル集団(例えば、メラノーマと診断された対象(対象の少なくとも一部がプロセス500で考えられる処置を使用して処置されている))のサンプルデータ及びサンプルデータに対応するペプチド構造のコレクションの各ペプチド構造の相対的な重要性を同定する統計アルゴリズムを使用して同定されていることがある。統計アルゴリズムは、例えば、ウィルコクソン順位和検定を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、ペプチド構造セットの同定は、図8で後述するプロセス800を使用して実行される。
ステップ504は、例えば、基準存在量よりも大きい特定のタイプの存在量(例えば、糖ペプチド構造の相対存在量及び非グリコシル化ペプチド構造の絶対存在量)を有するペプチド構造セットの割合を、処置スコアとして計算することにより実行され得る。1つ以上の実施形態では、所与のペプチド構造の基準存在量は、例えば、サンプル集団全体にわたるそのペプチド構造の複数の存在量の中央値(例えば、訓練中に同定される)であり得る。所与のペプチド構造の相対存在量は、対応する非グリコシル化ペプチド構造(例えば、同じペプチド配列を有するが、ペプチド配列に結合しているグリカン構造を有さないペプチド構造)に対するそのペプチド構造の存在量である。
ステップ506は、処置スコアを使用して対象の処置に対する予測応答を示す処置出力を生成することを含む。処置出力は、図3の処置出力334の実行の一例であってよい。1つ以上の実施形態では、ステップ506は、処置スコアが、選択閾値を上回るかどうかに基づいて、処置に対する予測応答を生成することにより実行され得る。選択閾値は、例えば、0.5であってよい。例えば、ステップ506は、処置スコアが0.5を上回る場合、対象の第1の予測応答分類を同定すること、または処置スコアが0を上回らない場合、対象の第2の予測応答分類を同定することを含んでもよい。第1の予測応答分類は、「持続制御」であり得、第2の予測応答分類は、「早期中断」であり得る。持続制御は、処置投与後の持続期間(例えば、6ヶ月)中に、中断イベントの不存在が予測されることを示し得る。早期中断は、処置後の初期期間(例えば、12ヶ月)中に、少なくとも1つの中断イベントの存在が予測されることを示し得る。
処置アウトカムは、例えば、対象の処置計画を修正するための推奨を含んでもよい。例えば、いくつかの場合では、処置出力は、対象のために早期中断が予測されることを示し得る。従って、処置計画を変更することが望ましいことがある。例えば、処置計画を修正するための推奨は、対象に対して異なる処置を選択すること、処置の用量を変更すること(例えば、増加/減少させること)、または処置を、少なくとも1つの他の処置と組み合わせること、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
1つ以上の実施形態では、処置出力は、処置の設計または処置の治療用量のうちの少なくとも1つを含む。例えば、処置スコアが、対象が処置に対し良好に応答する(例えば、持続制御)ことを示す場合には、処置アウトカムは、処置の治療用量を同定し得る。このように、遠隔システム(例えば、電話、タブレット、ラップトップなど)で処置出力を受信する医療専門家は、対象に、より迅速に処置を投与することが可能であり得る。
1つ以上の実施形態では、プロセス500は、任意に、ステップ508を含んでもよい。ステップ508は、処置出力に基づいて、治療用量の処置を対象に投与することを含んでもよい。例えば、処置は、処置が成功することを示す予測応答分類である予測応答に基づいて(例えば、静脈内投与または経口投与を介して)投与され得る。例えば、「持続制御」の予測応答分類は、対象が処置に対して良好に応答すると予測されることを示し得る。
















































II.B.2.複数の処置法の選択
図6は、様々な実施形態による、メラノーマ状態と診断された対象の処置管理のためのプロセスのフローチャートである。プロセス600は、例えば、図1、2A、及び2Bに示されるワークフロー100の少なくとも一部、及び/または図3に示される分析システム300を使用して実行され得る。いくつかの実施形態では、プロセス600は、図5のプロセス500を含み、それを拡張した一例であってよい。
ステップ602は、対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに関連するペプチド構造セットに対応するペプチド構造データを受信することを含んでもよい。ステップ602は、図5に関して上述したステップ502と同様の方法で実行され得る。
ステップ604は、ペプチド構造セットの複数のサブセットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、複数の処置スコアを計算すること(複数の処置スコアの各処置スコアが、複数の処置のうちの異なる処置に対応する)を含んでもよい。複数のサブセットの各サブセットは、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含んでもよい。複数の処置スコアのうちの処置スコアを計算することは、図5に関して上記のステップ504と同様の方法で実行され得る。各処置スコアは、例えば、そのペプチド構造の基準存在量よりも大きい選択された存在量(例えば、糖ペプチド構造の相対存在量及び非グリコシル化ペプチド構造の絶対存在量)を有するペプチド構造セットの複数のサブセットのうちのサブセットの割合を使用して、複数の処置スコアのうちの処置スコアとして計算され得る。
1つ以上の実施形態では、複数のサブセットは、第1のサブセット及び第2のサブセットを含む。例えば、ステップ604は、ペプチド構造セットの複数のサブセットのうちの第1のサブセットについてペプチド構造データから同定される定量データの第1の部分を使用して、第1の処置に対する第1の処置スコアを計算することを含んでもよい。ステップ604は、さらに、ペプチド構造セットの複数のサブセットのうちの第2のサブセットについてペプチド構造データから同定される定量データの第2の部分を使用して、第2の処置に対する第2の処置スコアを計算することを含んでもよい。第1のサブセットは、表2に記載されているものからの1つ以上のペプチド構造を含んでもよい。第2のサブセットは、表3に記載されているものからの1つ以上のペプチド構造を含んでもよい。
1つ以上の実施形態では、複数のサブセットのうちのサブセットは、サンプル集団(例えば、サンプル集団の少なくとも一部が複数の処置薬で処置されているメラノーマと診断された対象)のサンプルデータと、複数の処置のうちの選択された処置に対する応答に関して、サンプルデータに対応するペプチド構造のコレクションの各ペプチド構造の相対的有意性を同定する統計アルゴリズムを使用して事前に同定されていることがある。例えば、サブセットを同定することは、第1の応答分類及び第2の応答分類間で、選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造(例えば、20個の最も区別可能なペプチド構造)を同定するために、選択された処置に対する第1の応答分類(例えば、持続制御などの陽性応答分類)に対応するサンプルデータの第1の部分と、選択された処置に対する第2の応答分類(例えば、早期中断などの陰性応答分類)に対応するサンプルデータの第2の部分とを比較するためにサンプルデータを使用して差異存在量分析を実行することを含んでもよい。統計アルゴリズムは、例えば、ウィルコクソン順位和検定を含んでもよい。
ステップ606は、複数の処置スコアの比較分析を実行することを含んでもよい。ステップ606は、例えば、複数の処置スコアのうちのどれが最高スコアの処置スコアであるかを判定することにより実行され得る。いくつかの実施形態では、ステップ606は、複数の処置のうちの処置が、処置スコアが、選択閾値を下回ると判定すること、及びその処置を比較分析から除外することを含んでもよい。選択閾値は、例えば、0.5であってよい。
ステップ608は、比較分析に基づいて、処置出力を生成することを含んでもよい。処置出力は、対象を処置するための推奨処置計画を含む。例えば、ステップ608は、最高の処置スコアを有する複数の処置のうちの1つの処置を、対象を処置するための推奨処置として同定することを含んでもよい。
1つ以上の実施形態では、ステップ608は、複数の処置スコアの対応する処置スコアを使用して、複数の処置の各処置について対象の予測応答分類を同定することを含んでもよい。予測応答分類は、例えば、陽性応答分類、陰性応答分類、または別の種類の応答分類であってもよい。1つ以上の実施形態では、特定の処置に対する予測応答分類は、例えば、対応する処置スコアが、選択閾値を上回る場合に、持続制御であり得、例えば、対応する処置スコアが、選択閾値を上回らない場合に、早期中断であり得る。選択閾値は、例えば、0.5であってよい。
1つ以上の実施形態では、ステップ608は、最高の処置スコアを有する複数の処置のうちの1つの処置を、最高スコアの処置として同定すること;最高の処置スコアが、選択閾値(例えば、0.5)を上回らないと判定すること;及び推奨処置計画が対象に対する既存の処置計画を変更するための推奨を含むように、処置出力を生成すること、を含む。処置計画を修正するための推奨は、対象に対して異なる処置を選択すること、既存の処置計画の一部である処置の用量を変更すること、または処置を、少なくとも1つの他の処置と組み合わせること、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
1つ以上の実施形態では、処置出力が推奨処置を含む場合、プロセス600は、任意に、ステップ610を含んでもよい。ステップ610は、処置出力に推奨される治療用量の処置を対象に投与することを含んでもよい。
図7は、様々な実施形態による、メラノーマ状態と診断された対象の処置管理のためのプロセスのフローチャートである。プロセス700は、例えば、図1、2A、及び2Bに示されるワークフロー100の少なくとも一部、及び/または図3に示される分析システム300を使用して実行され得る。いくつかの実施形態では、プロセス700は、図5のプロセス500を含み、それを拡張した一例であってよい。さらに、プロセス700は、図6のプロセス600の実行の一例であってよい。
ステップ702は、対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに関連するペプチド構造セットに対応するペプチド構造データを受信することを含んでもよい。ステップ702は、図5に関して上述したステップ502と同様の方法で実行され得る。
ステップ704は、ペプチド構造セットの第1のサブセットについてペプチド構造データから同定される第1の定量データを使用して、ペムブロリズマブの第1の処置に対する第1の処置スコアを計算すること(第1のサブセットが、表2に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)を含んでもよい。処置スコアは、例えば、そのペプチド構造の基準存在量よりも大きい選択された存在量(例えば、糖ペプチド構造の相対存在量及び非グリコシル化ペプチド構造の絶対存在量)を有するペプチド構造セットの複数のサブセットのうちのサブセットの割合を使用して、複数の処置スコアのうちの処置スコアとして計算され得る。1つ以上の実施形態では、第1のサブセットは、表2に記載のペプチド構造の全てまたは大部分(例えば、15より大きい)を含む。
ステップ706は、ペプチド構造セットの第2のサブセットについてペプチド構造データから同定される第2の定量データを使用して、ニボルマブ及びイピリムマブからなる第2の処置に対する第2の処置スコアを計算すること(第2のサブセットが、表3に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、第1のサブセットは、表3に記載のペプチド構造の全てまたは大部分(例えば、15より大きい)を含む。
ステップ708は、第1の処置スコア及び第2の処置スコアの比較分析を実行することを含んでもよい。ステップ708は、例えば、第1の処置スコア及び第2の処置スコアのどちらかが最高スコアであるかを判定することを含んでもよい。
ステップ710は、比較分析に基づいて、処置出力を生成すること(処置出力が、第1の処置及び第2の処置のうちの1つを、対象のための推奨処置として同定する)を含んでもよい。例えば、ステップ710は、最高スコアの処置を、対象を処置するための推奨処置として同定することを含んでもよい。次に、推奨された処置は、対象のメラノーマを処置するために、対象に投与され得る。例えば、処置は、治療用量での静脈内投与または経口投与の少なくとも1つを介して投与され得る。
1つ以上の実施形態では、プロセス700は、任意に、ステップ712を含んでもよい。ステップ712は、治療用量の推奨処置を対象に投与することを含んでもよい。
II.C.処置に対応するペプチド構造セットを同定するための例示的な方法論
図8は、1つ以上の実施形態による、メラノーマ状態と診断された対象に対する処置を同定するためのプロセスのフローチャートである。プロセス800は、例えば、図1、2A、及び2Bに示されるワークフロー100の少なくとも一部、及び/または図3に示される分析システム300を使用して実行され得る。いくつかの実施形態では、プロセス800は、図5のプロセス500を含み、それを拡張した一例であってよい。
ステップ802は、サンプル集団のサンプルデータを受信すること(サンプルデータが、メラノーマ状態と診断された複数のサンプル対象の処置に対する応答の特徴を示し、複数のサンプル対象の各対象のペプチド構造コレクションに対するサンプルペプチド構造データを含む)を含む。
ステップ804は、複数のサンプル対象の応答に基づいて、サンプルデータを、第1の応答分類に対応する第1群及び第2の応答分類に対応する第2群に分類することを含む。
ステップ806は、サンプルデータを使用して差異存在量分析を実行して、第1の応答分類に対応するサンプルデータの第1群及び第2の応答分類に対応するサンプルデータの第2群を比較し、ペプチド構造コレクションからペプチド構造セットを同定することを含む。ペプチド構造セットは、第1の応答分類及び第2の応答分類間で選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造(例えば、区別に関して最も著しい20個のペプチド構造)として同定され得る。第1の応答分類は、例えば、処置投与後の持続期間(例えば、12ヶ月)中に、中断イベントの不存在を示す持続制御であり得る。第2の応答分類は、例えば、処置後の初期期間(例えば、6ヶ月)中に、少なくとも1つの中断イベントの存在を示す早期中断であり得る。
次に、ステップ806で同定されるこのペプチド構造セットは、対象の処置に対する良好な応答(例えば、持続制御)の可能性を示す対象のペプチド構造プロファイルを使用して、対象に対する処置スコアを計算するために、その後の分析(例えば、図5のプロセス500、図6のプロセス600、図7のプロセス700)で使用され得る。
ステップ806は、1つ以上の実施形態では、例えば、ウィルコクソン順位和検定を使用して実行され得る。ウィルコクソン順位和検定を使用して実行された差異存在量分析の例示的な結果は、以下の表5及び6で提示される。
III.ペプチド構造及びプロダクトイオンの組成、キット、ならびに試薬
本開示の態様は、表1に記載のペプチド構造のうちの1つ以上を含む組成を含む。いくつかの実施形態では、組成は、表1に記載の複数のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、組成は、表1に記載のペプチド構造のうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、または38を含む。いくつかの実施形態では、組成は、表1に記載されており、以下の表7に定義されている配列番号21~46のうちのいずれか1つと、少なくとも80%の配列同一性、例えば、少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するペプチド構造を含む。
本開示の態様は、表6に記載されている規定の電荷及び/または規定の質量対電荷(m/z)比を有する1つ以上のプレカーサーイオンを含む組成を含む。本開示の態様は、規定の質量対電荷(m/z)比を有する1つ以上のプロダクトイオンを含む組成を含み、このプロダクトイオンは、本明細書に記載のペプチド構造(例えば、表1に記載のペプチド構造)を、質量分析システム内で気相イオンに変換することにより生成される。ペプチド構造の気相イオンへの変換は、限定されないが、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI);電子イオン化(EI);エレクトロスプレーイオン化(ESI);大気圧化学イオン化(APCI);及び/または大気圧光イオン化(APPI)を含む様々な手法のいずれかを使用して行うことができる。
本開示の態様は、本明細書に記載のペプチド構造(例えば、表1に記載のペプチド構造)の1つ以上から生成される1つ以上のプロダクトイオンを含む組成を含む。いくつかの実施形態では、組成は、表1の各ペプチド構造について提供されるリストから選択されるm/z比を有する、表1に記載のプロダクトイオンセットを含む。
いくつかの実施形態では、組成は、表1に同定されるペプチド構造PS-1~PS-38のうちの少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、組成は、ペプチド構造またはプロダクトイオンを含む。ペプチド構造またはプロダクトイオンは、表1のペプチド構造PS-1~PS-38に対応する、表7で同定される配列番号21~46のいずれか1つと、少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、組成は、ペプチド構造に対応する表1で同定されるモノアイソトピック質量を有するペプチド構造を含む。
いくつかの実施形態では、プロダクトイオンは、表6で同定されるプロダクトイオンからなる群の1つとして選択され、これは、表6で同定されるm/z比の同定されるm/z範囲内に入るプロダクトイオンを含み、表6で同定されるm/z比の同定されるm/z範囲内のm/z比を有するプレカーサーイオンを有することを特徴とする。プロダクトイオンm/z比の第1の範囲は、±0.5であってよい。プロダクトイオンm/z比の第2の範囲は、±0.8であってよい。プロダクトイオンのm/z比の第3の範囲は、±1.0であってよい。プレカーサーイオンのm/z比の第1の範囲は、±0.5であってよく;プレカーサーイオンのm/z比の第2の範囲は、±1.0であってよく;プレカーサーイオンのm/z比の第3の範囲は、±1.5であってよい。従って、組成は、表6で同定されるプロダクトイオンm/z比の第1の範囲(±0.5)、第2の範囲(±0.8)、または第3の範囲(±1.0)のうちの少なくとも1つに入るm/z比を有するプロダクトイオンを含んでもよく、表6で同定されるプレカーサーイオンm/z比の第1の範囲(±0.5)、第2の範囲(±1.0)、または第3の範囲(±1.5)のうちの少なくとも1つに入るm/z比を有するプレカーサーイオンを有することを特徴とする。
表7は、表1の配列番号21~46のペプチド配列を定義する。表7は、さらに、各ペプチド配列に対応するタンパク質の配列番号を同定する。表7の各ペプチド配列は、アミノ酸配列として定義される。
表8は、表1の配列番号1~20のタンパク質を同定する。表8は、配列番号1~20の各タンパク質の対応するタンパク質の略語及びタンパク質の名称を同定する。さらに、表8は、配列番号1~20のタンパク質のそれぞれに対応するUniprot IDを同定する。
表9は、表1のグリカン構造を同定及び定義する。表9は、表1に含まれる構造のグラフ表示及び各グリカン構造の組成のコード表示を示す。使用される場合、4桁のGL番号は、ヘキソースの数、HexNAcの数、フコースの数、及びノイラミン酸の数を表す名称である。
本開示の態様は、1つ以上の組成を含むキットを含み、それぞれが、アッセイ標準として使用することができる本開示の1つ以上のペプチド構造、及び使用説明書を含む。本明細書に記載されている1つ以上の実施形態によるキットは、キットの内容物の使用目的を示すラベルを含んでもよい。キットに関して本明細書で使用される「ラベル」という用語は、キット上またはキットと共に提供されるか、または別の方法でキットに付属する任意の書面または記録材料を含む。
本明細書に記載のペプチド構造及びそこから生成されるトランジションは、メラノーマの処置管理に有用であり得る。トランジションは、プレカーサーイオン及び少なくとも1つのプロダクトイオン群を含む。本明細書で概説されるように、表1のペプチド構造、ならびにそれらの対応するプレカーサーイオン及びプロダクトイオン群(規定のm/z比または本明細書で同定されるm/z範囲内に入るm/z比)は、処置応答の予測、投与用の処置の選択、処置計画もしくは用量を変更するかどうかの判定、またはそれらの組み合わせのために、質量分析ベースの分析に使用することができる。
本開示の態様は、本明細書に記載されているように、1つ以上のペプチド構造を分析するための方法を含む。いくつかの実施形態では、方法は、患者由来のサンプルを処理して、質量分析システム(例えば、反応モニタリング質量分析システム)に投入することができる調製済みサンプルを生成することを含む。特定の実施形態では、サンプルの処理は、変性手順、還元手順、アルキル化手順、及び消化手順のうちの1つ以上を実行することを含み得る。変性及び還元手順は、例えば、図2Aの変性及び還元202と同様の方法で実行され得る。アルキル化手順は、例えば、図2Aのアルキル化手順204と同様の方法で実行され得る。消化手順は、例えば、図2Aの消化手順206と同様の方法で実行され得る。
いくつかの実施形態では、1つ以上のペプチド構造を分析するための方法は、反応モニタリング質量分析システムで生成されるプロダクトイオンセットを検出することを含み、1つ以上のプロダクトイオンが、質量分析システムに入力されている1つ以上のペプチド構造のそれぞれに対応し得る。本明細書に記載されている場合、各ペプチド構造は、表6に提供される規定のm/z比、または表6に提供される同定されるm/z比内のm/z比を有するプロダクトイオンセットに変換することができる。いくつかの実施形態では、方法は、反応モニタリング質量分析システムを使用して検出された1つ以上のプロダクトイオンについての定量(例えば、存在量)データを生成することを含む。
いくつかの実施形態では、方法は、さらに、定量データと、教師ありまたは教師なし機械学習を使用して訓練されているモデルを使用して診断出力を生成することを含む。特定の実施形態では、反応モニタリング質量分析システムは、1つ以上のプロダクトイオンを検出し、定量データを生成するために、複数の/選択された反応モニタリング質量分析(MRM/SRM-MS)を含んでもよい。
IV.代表的な実験結果
サンプル:
ペムブロリズマブ(ペンブロ;n=24)またはニボルマブ-イピリムマブ(イピ/ニボ;n=11)で処置された進行性悪性メラノーマ患者を含むサンプル集団について、処置前の血液サンプルのグライコプロテオーム分析によるサンプルデータをコンパイルした。トリプル四重極質量分析に接続された超高速液体クロマトグラフィー及びニューラルネットワークベースのデータ処理エンジンを組み合わせる高度なグライコプロテオームプラットフォームを使用して、サンプルを分析した。67個の豊富な血清タンパク質に由来する個々の糖ペプチドシグネチャーを分析し、処置、無増悪生存期間(PFS、及び他の臨床アウトカム指標)と相関付けた。
分析:
PFSに基づいて2つの応答群を定義した:早期中断(例えば、早期失敗)(EF;6ヶ月以内のPFSイベント)及び持続制御(SC;12ヶ月以上の間にイベントなし)。498個の血清糖ペプチド及び非グリコシル化ペプチドの差分相対/絶対存在量を、各処置群のSC患者及びEF患者間で計算して、処置群毎に各SC対EFでより豊富なペプチド構造セットを決定した。スコアは、EF及びSCを比較する片側ウィルコクソン検定に基づいた統計的に最も有意なものとして同定される各処置群内の20個のマーカーに基づいて、各処置群に対して生じた。所与の患者について、相対/絶対存在量が存在量の中央値を上回る糖ペプチド/非グリコシル化ペプチドの割合として、スコアを計算した。スコアが低いと、早期失敗のリスクが高くなる。
以下の表10及び表11は、ペプチド構造セットについて同定される存在量の中央値を示す。これらの存在量の中央値は、これらのペプチド構造の参照存在量として使用され得るものの例である。
結果:
コホート内の全患者(処置に関係なく)を調べたところ、両方の処置スコアは、EFがSCから分離された。最も高い処置固有スコアを用いる処置を選択することにより、アルゴリズムによる割り当てを実行した(例えば、イピ/ニボのスコアがペンブロスコアを上回る場合、イピ/ニボに割り当てる)。割り当てられた処置が受けた処置と一致した場合、PFSは、優れていた。ペンブロ処置症例及びイピ/ニボ処置症例内で、割り当てられた処置別のPFSを比較したログランクp値は、それぞれ0.009及び0.0004であった。本発明者らの結果は、血清グライコプロテオーム分析が、一般的に、免疫チェックポイント阻害薬処置だけでなく、具体的には、メラノーマの異なる薬剤の中で最も成功する可能性が高い薬剤にも標的化された処置の割り当てを可能にすることを示す。これは、メラノーマ患者における免疫療法の臨床使用を根本的に改善し得る。
図9は、1つ以上の実施形態による、ペンブロで処置された患者に対して生成された処置スコアの分布を示すプロットである。
図10は、1つ以上の実施形態による、イピ/ニボで処置された患者に対して生成された処置スコアの分布を示すプロットである。
図11は、1つ以上の実施形態による、処置タイプ別の処置スコアを示す散布図である。
図12は、予測応答別にペンブロで処置された患者の中断イベント時間を示すプロットである。
図13は、予測応答別にイピ/ニボで処置された患者の中断イベント時間を示すプロットである。
2.腫瘍免疫応答を判定するためのバイオマーカー
疾患または状態を有するリスク、疾患または状態の憎悪、及び処置(例えば、がんの免疫チェックポイント遮断を用いる処置)に対する疾患または状態の応答についてのグライコプロテオームバイオマーカー及びシグネチャーを同定するための方法、デバイス、糖ペプチド、及びキットが本明細書で提供される。いくつかの場合では、疾患または状態は、がんであってよい。いくつかの場合では、疾患または状態の憎悪は、がんのステージまたは腫瘍のサイズまたは代替エンドポイントを含むが、これらに限定されない。そのような情報は、限定されないが、新しい処置の開始、進行中の処置の継続、新しい治療の追加、または進行中の処置の用量及び/もしくは頻度の変更を含む、処置に関する実用的な推奨事項を医療提供者に提供するために使用され得る。
タンパク質のグリコシル化は、タンパク質の翻訳後修飾の豊富で最も複雑な形態の1つである。グリコシル化は、ポリペプチドの構造、立体構造、及び機能に大きな影響を与え得る。バイオマーカーとしての差次的なポリペプチドグリコシル化の潜在的な役割の解明は、従来、この情報の生成及び解釈の技術的な複雑さにより制限されている。トリプル四重極質量分析計(MS)に接続された超高速液体クロマトグラフィー(LC)と、機械学習及びニューラルネットワークベースのデータ処理エンジンを組み合わせた新規の強力なプラットフォームが確立されており、これにより、高スループット、グライコプロテオームの高い拡張性の調査が可能になる。グライコプロテオームバイオマーカー及びシグネチャーは、どのがん患者が、PD1/PDL1チェックポイント阻害薬などの免疫チェックポイント遮断処置に応答し得るかを予測するために使用され得る。
グリコシル化の変化は、がんなどの疾患状態に関連して説明されている。例えば、以下を参照、D.H.;Bertozzi,C.R.Glycans in Cancer and Inflammation-Potential for Therapeutics and Diagnostics.Nature Rev.Drug Disc.2005,4,477-88(この全内容が、あらゆる目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる)。しかし、その患者由来のサンプルのグリコシル化変化に基づいて、患者の癌を診断するための、臨床的に好適な非侵襲的アッセイが依然として必要とされている。
質量分析法(MS)は、がん固有のバイオマーカー(糖ペプチドを含む)を高感度且つ正確な測定を提供する。例えば、以下を参照、Ruhaak,L.R.,et al.,Protein-Specific Differential Glycosylation of Immunoglobulins in Serum of Ovarian Cancer Patients DOI:10.1021/acs.jproteome.5b01071;J.Proteome Res.,2016,15,1002-1010(2016);さらに、Miyamoto,S.,et al.,Multiple Reaction Monitoring for the Quantitation of Serum Protein Glycosylation Profiles:Application to Ovarian Cancer,DOI:10.1021/acs.jproteome.7b00541,J.Proteome Res.2018,17,222-233(2017)(この全内容は、あらゆる目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる)。しかし、がんの診断にMSを使用ことは、現在までに、臨床的に適切な方法で実証されていない。必要とされているものは、疾患または状態の診断、疾患または状態を有するリスク、疾患または状態の憎悪、及び処置に対する疾患または状態の応答を評価するための、新しいバイオマーカー及びMSの新しい使用方法である。
I.概要
対象の疾患または状態を予測する1つ以上の糖ペプチドバイオマーカーを同定するための方法が本明細書で提供され、方法が、以下を含む:(a)対象から第1の時点で第1のサンプルを取得し、第2の時点で第2のサンプルを取得すること(第1のサンプル及び第2のサンプルが、糖タンパク質を含む);(b)第1のサンプルまたは第2のサンプル中の糖タンパク質を、1つ以上の糖ペプチドにフラグメント化すること(1つ以上の糖ペプチドが、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む);(c)多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、1つ以上の糖ペプチドの量を決定すること;(d)1つ以上の糖ペプチドの量を、第1の時点または第2の時点に関連付けること(対象が、第1の時点から第2の時点までに疾患または状態の変化を有する);ならびに、(e)糖ペプチドを糖ペプチドバイオマーカーとして同定すること(1つ以上の糖ペプチドの量が、第1の時点から第2の時点までに変化した)。
本明細書では、対象の疾患または状態を予測する1つ以上の糖ペプチドバイオマーカーを同定するための方法が記載されており、方法が、以下を含む:(a)コンピューターで、対象のセット(n)について1つ以上の糖ペプチドの量のデータを取得すること(1つ以上の糖ペプチドが、対象由来のサンプル中の糖タンパク質をフラグメント化することにより生成され、1つ以上の糖ペプチドの量が、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して決定され、各対象のデータが、複数の時点で採取されたサンプルのデータを含む);(b)コンピューターで、予測モデルに含まれるように、1つ以上の糖ペプチドのサブセットを選択すること;(c)コンピューターで、n-1の対象との交差検証を使用して予測モデルを評価して、ホールドアウト対象のアウトカムスコアを生成すること;(d)コンピューターで、ホールドアウト対象としてのnの対象のそれぞれに対しステップ(c)を反復して、各対象のアウトカムスコアを生成すること;(e)コンピューターで、カットオフアウトカムスコアでの各対象に対するアウトカムスコアを、カットオフアウトカムスコアを下回るもの、またはそれを上回るものに二分すること;(f)コンピューターで、1つ以上の糖ペプチドのサブセットの各糖ペプチドについて、カットオフアウトカムスコアを上回るアウトカムスコアを有する対象に対する1つ以上の糖ペプチドの量~カットオフアウトカムスコアを下回るアウトカムスコアを有する対象に対する1つ以上の糖ペプチドの量を分析して、各糖ペプチドについてハザード比及び相互作用p値を決定すること;(g)コンピューターで、相互作用p値≦0.05を有する糖ペプチドを、疾患または状態を予測するための糖ペプチドバイオマーカーとして同定すること。いくつかの実施形態では、交差検証はリーブ・ワン・アウト交差検証(LOOCV)である。いくつかの実施形態では、ハレルのCインデックスを最適化するカットオフアウトカムスコアを決定した。いくつかの実施形態では、ステップ(g)の相互作用p値は、0.01、0.005、または0.001以下である。
対象の疾患または状態を予測する1つ以上の糖ペプチドバイオマーカーを同定するための方法が本明細書で提供され、方法が、以下を含む:(a)コンピューターで、対象のセット(n)について1つ以上の糖ペプチドの量のデータを取得すること(1つ以上の糖ペプチドが、対象由来のサンプル中の糖タンパク質をフラグメント化することにより生成され、1つ以上の糖ペプチドの量が、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して決定され、各対象のデータが、複数の時点で採取されたサンプルのデータを含む);(b)コンピューターで、予測モデルに含まれるように、1つ以上の糖ペプチドのサブセットを選択すること;(c)コンピューターで、n-1の対象との交差検証を使用して予測モデルを評価して、ホールドアウト対象のアウトカムスコアを生成すること;(d)コンピューターで、ホールドアウト対象としてのnの対象のそれぞれに対しステップ(c)を反復して、各対象のアウトカムスコアを生成すること;(e)コンピューターで、カットオフアウトカムスコアでの各対象に対するアウトカムスコアを、カットオフアウトカムスコアを下回るもの、またはそれを上回るものに二分すること;(f)コンピューターで、1つ以上の糖ペプチドのサブセットの各糖ペプチドについて、カットオフアウトカムスコアを上回るアウトカムスコアを有する対象に対する1つ以上の糖ペプチドの量~カットオフアウトカムスコアを下回るアウトカムスコアを有する対象に対する1つ以上の糖ペプチドの量を分析して、各糖ペプチドについてハザード比及び相互作用p値を決定すること;(g)コンピューターで、相互作用p値≦0.05を有する糖ペプチドを、疾患または状態を予測するための糖ペプチドバイオマーカーとして同定すること。
本明細書では、対象の状態及び処置の状況を評価するための方法が記載されており、方法は、以下を含む:(a)対象のサンプル中の糖タンパク質を1つ以上の糖ペプチドにフラグメント化すること(サンプルが、糖タンパク質、グリカン、または糖ペプチドのうちの1つ以上を含む);(b)多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、1つ以上の糖ペプチドに対して質量分析(MS)を実行し、サンプル中の1つ以上の糖ペプチドの量を定量すること(1つ以上の糖ペプチドが、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む);(c)1つ以上の糖ペプチドの量のデータを、訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成すること(出力確率が、処置が状態に罹患している対象のアウトカムにプラスの影響を与えるかどうかを示す);ならびに、(d)出力確率に基づいて処置推奨を生成すること(状態が、メラノーマであり、処置が、チェックポイント阻害薬を含む)。いくつかの実施形態では、アウトカムは、全生存時間を含む。いくつかの実施形態では、アウトカムは、無増悪生存期間を含む。いくつかの実施形態では、処置は、イピリムマブ、ニボルマブ、及びペムブロリズマブのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処置は、PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬、及びCTLA-4阻害薬のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処置は、化学療法を含む。いくつかの実施形態では、化学療法は、カルボプラチン及びペメトレキセドのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処置がアウトカムにプラスの影響を与えることを、出力確率が示す場合、推奨は、処置を継続することを含む。
対象の状態及び処置の状況を評価するための方法が本明細書で提供され、方法は、以下を含む:(a)対象のサンプル中の糖タンパク質を1つ以上の糖ペプチドにフラグメント化すること(サンプルが、糖タンパク質、グリカン、または糖ペプチドのうちの1つ以上を含む);(b)多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、1つ以上の糖ペプチドに対して質量分析(MS)を実行し、サンプル中の1つ以上の糖ペプチドの量を定量すること(1つ以上の糖ペプチドが、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む);(c)1つ以上の糖ペプチドの量のデータを、訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成すること(出力確率が、処置が状態に罹患している対象のアウトカムにプラスの影響を与えるかどうかを示す);ならびに、(d)出力確率に基づいて処置推奨を生成すること(状態が、非小細胞肺癌(NSCLC)であり、処置が、チェックポイント阻害薬を含む)。いくつかの実施形態では、アウトカムは、全生存時間を含む。いくつかの実施形態では、アウトカムは、無増悪生存期間を含む。いくつかの実施形態では、処置は、イピリムマブ、ニボルマブ、及びペムブロリズマブのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処置は、PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬、及びCTLA-4阻害薬のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処置は、化学療法を含む。いくつかの実施形態では、化学療法は、カルボプラチン及びペメトレキセドのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、処置がアウトカムにプラスの影響を与えることを、出力確率が示す場合、推奨は、処置を継続することを含む。
いくつかの実施形態では、サンプルの分類を同定するための方法が本明細書で提供され、方法は、以下を含む:サンプル中の1つ以上の糖ペプチドを質量分析(MS)で定量すること(糖ペプチドはそれぞれ、各場合で個別に、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含む);ならびに、訓練済みモデルに定量を入力して、出力確率を生成すること;出力確率が分類の閾値を上回るか、または下回るかを判定すること;ならびに、出力確率が分類の閾値を上回るか、または下回るかに基づいて、サンプルの分類を同定すること。
いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムを訓練するための方法が本明細書で提供され、方法が、以下を含む:配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドを含むサンプルを示すMRMトランジションシグナルの第1のデータセットを提供すること;対照サンプルを示すMRMトランジションシグナルの第2のデータセットを提供すること;ならびに、機械学習アルゴリズムを使用して、第1のデータセットを第2のデータセットと比較すること。
いくつかの実施形態では、がん患者を診断する方法が本明細書で提供され;方法は、以下を含む:患者から生物サンプルを取得すること;QQQ及び/もしくはqTOF分光計を備えたMRM-MSを使用して、生物サンプルの質量分析を実行し、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出及び定量するか、または1つ以上のMRMトランジションを検出及び定量すること;検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションの定量を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成し、出力確率が分類の閾値を上回るか、または下回るかを判定すること;出力確率が分類の閾値を上回るか、または下回るかに基づいて、患者の診断分類を同定すること;ならびに、処置の推奨を提供すること。いくつかの例では、方法は、QQQを備えたMRM-MSを使用して生物サンプルの質量分析を実行することを含む。
II.バイオマーカー
糖ペプチドバイオマーカーが本明細書で提供される。これらのバイオマーカーは、限定されないが、疾患及び症状の診断を含む様々な用途に有用である。例えば、本明細書に記載の特定のバイオマーカー、またはそれらの組み合わせは、がんの診断に有用である。いくつかの実施形態では、がんは、メラノーマである。いくつかの実施形態では、がんは、非小細胞肺癌(NSCLC)である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、がん、自己免疫疾患、または線維症に罹患している患者の診断及びスクリーニングに有用である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、患者が適切な処置を受けるように、患者を分類するのに有用である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、例えば、患者を処置するための治療薬を同定することにより、患者の疾患または状態を処置または改善するのに有用である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、患者の処置の予後、または処置計画の成功または生存の可能性を判定するのに有用である。
いくつかの実施形態では、患者由来のサンプルは、MSで分析され、結果は、配列番号101~131、159~207、及び21~46から選択されるアミノ酸配列からなる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量を決定するために使用される。いくつかの実施形態では、患者由来のサンプルは、MSで分析され、結果は、配列番号101~131、159~207、及び21~46から選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量を決定するために使用される。いくつかの実施形態では、患者由来のサンプルは、MSで分析され、結果は、配列番号101~131、159~207、及び21~46から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量を決定するために使用される。いくつかの実施形態では、患者由来のサンプルは、MSで分析され、結果は、配列番号101~131、159~207、及び21~46から選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量を決定するために使用される。いくつかの実施形態では、糖ペプチドの存在、絶対量、及び/または相対量は、MS結果を分析することにより決定される。いくつかの実施形態では、MS結果は、機械学習を使用して分析される。
グリカン、ペプチド、糖ペプチド、それらのフラグメント、及びそれらの組み合わせから選択されるバイオマーカーが本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号101~131、159~207、及び21~46から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号101~131、159~207、及び21~46から選択されるアミノ酸配列から本質的になる。
O-グリコシル化
いくつかの例では、本明細書に記載の糖ペプチドは、O-グリコシル化ペプチドを含む。これらのペプチドは、グリカンがアミノ酸の酸素原子を介してペプチドに結合している糖ペプチドを含む。通常、グリカンが結合しているアミノ酸は、スレオニン(T)またはセリン(S)である。いくつかの例では、グリカンが結合しているアミノ酸は、スレオニン(T)である。いくつかの例では、グリカンが結合しているアミノ酸は、セリン(S)である。
特定の例では、O-グリコシル化ペプチドは、アポリポタンパク質C-III(APOC3)、アルファ-2-HS-糖タンパク質(FETUA)、及びそれらの組み合わせから選択される群のペプチドを含む。特定の例では、本明細書に記載のO-グリコシル化ペプチドは、アポリポタンパク質C-III(APOC3)ペプチドである。特定の例では、本明細書に記載のO-グリコシル化ペプチドは、アルファ-2-HS-糖タンパク質(FETUA)である。
N-グリコシル化
いくつかの例では、本明細書に記載の糖ペプチドは、N-グリコシル化ペプチドを含む。これらのペプチドは、グリカンがアミノ酸の窒素原子を介してペプチドに結合している糖ペプチドを含む。通常、グリカンが結合しているアミノ酸は、アスパラギン(N)またはアルギニン(R)である。いくつかの例では、グリカンが結合しているアミノ酸は、アスパラギン(N)である。いくつかの例では、グリカンが結合しているアミノ酸は、アルギニン(R)である。
特定の例では、N-グリコシル化ペプチドとしては、以下からなる群より選択されるメンバーが挙げられる:アルファ-1-アンチトリプシン(A1AT)、アルファ-1B-糖タンパク質(A1BG)、ロイシンリッチアルファ-2-糖タンパク質(A2GL)、アルファ-2-マクログロブリン(A2MG)、アルファ-1-アンチキモトリプシン(AACT)、アファミン(AFAM)、アルファ-1-酸性糖タンパク質1及び2(AGP12)、アルファ-1-酸性糖タンパク質1(AGP1)、アルファ-1-酸性糖タンパク質2(AGP2)、アポリポタンパク質A-I(APOA1)、アポリポタンパク質B-100(APOB)、アポリポタンパク質D(APOD)、ベータ-2糖タンパク質1(APOH)、アポリポタンパク質M(APOM)、アトラクチン(ATRN)、カルパイン-3(CAN3)、セルロプラスミン(CERU)、補体因子H(CFAH)、補体因子I(CFAI)、クラスタリン(CLUS)、補体C3(CO3)、補体C4-A及びB(CO4A及びCO4B)、補体成分C6(CO6)、補体成分C8A鎖(CO8A)、凝固因子XII(FA12)、ハプトグロビン(HPT)、ヒスチジンリッチ糖タンパク質(HRG)、免疫グロブリン重鎖定常アルファ1及び2(IgA12)、免疫グロブリン重鎖定常アルファ2(IgA2)、免疫グロブリン重鎖定常ガンマ2(IgG2)、免疫グロブリン重鎖定常mu(IgM)、インター-アルファ-トリプシン阻害薬重鎖H1(ITIH1)、血漿カリクレイン(KLKB1)、キニノゲン-1(KNG1)、血清パラオキソナーゼ/アリールエステラーゼ1(PON1)、セレノプロテインP(SEPP1)、プロトロンビン(THRB)、セロトランスフェリン(TRFE)、トランスサイレチン(TTR)、タンパク質unc-13ホモログA(UN13A)、ビトロネクチン(VTNC)、亜鉛-アルファ-2-糖タンパク質(ZA2G)、インスリン様成長因子II(IGF2)、アポリポタンパク質C-I(APOC1)、ヘモペキシン(HEMO)、免疫グロブリン重鎖定常ガンマ1(IgG1)、免疫グロブリンJ鎖(IgJ)、及びそれらの組み合わせ。
ペプチド及び糖ペプチド
いくつかの例では、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列からなる糖ペプチドまたはペプチドが本明細書で記載されている。
いくつかの例では、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドまたはペプチドが本明細書で記載されている。
III.方法
どのがん患者がPD1/PDL1チェックポイント阻害薬などの免疫チェックポイント遮断処置に応答し、状態の改善またはプラスの変化を有するかを予測するために使用され得るグライコプロテオームバイオマーカー及びシグネチャーを同定する方法が本明細書で提供される。
いくつかの実施形態では、個々の糖ペプチド発現レベルは、どの糖ペプチドが様々な時点での死または転移などのイベントで変化したかを判定する様々な時点に関連する。いくつかの実施形態では、個々の糖ペプチド発現レベルは、患者コホートにおける処置開始から憎悪/転移(無増悪生存期間、PFS)または死亡(全生存期間、OS)までの時間に関連する。いくつかの実施形態では、個々の糖ペプチド発現レベルの例が図16~80に示される。
いくつかの実施形態では、多変量モデルを使用して、がん患者のOS及びPFSを予測する。いくつかの実施形態では、がん患者は、NSCLCまたはメラノーマを有する。いくつかの実施形態では、モデリングのための糖ペプチドの小さなサブセットが選択され、合計n人の患者からのn-1人の患者を含むモデルが構築され、1人のホールドアウト患者の生存スコアが予測され、ステップは、全員の不偏予測スコアを生成するために、個体のホールドアウトとして全患者に対して繰り返される(リーブ・ワン・アウト交差検証アプローチ、LOOCV)。いくつかの実施形態では、得られるスコアは、ハレルのCインデックスを最適化するカットオフで二分される。いくつかの実施形態では、カプラン・マイヤー(KM)曲線は、各糖ペプチドについてプロットされた。
いくつかの実施形態では、ハザード比(HR)、p値、及び相互作用P値が計算された。いくつかの実施形態では、ハザード比(HR)は、コックス比例ハザードモデル(バイオマーカーが1単位ずつ増加する毎に、死亡の確率または無増悪生存期間の乗法的増加を表す)から計算される。いくつかの実施形態では、p値は、上記のHRに関連する。いくつかの実施形態では、P<0.01は、有意であると考えられる。いくつかの実施形態では、P≦0.05、P≦0.01、P≦0.005、またはP≦0.001は、有意であると考えられる。いくつかの実施形態では、相互作用P値は、バイオマーカー×処置相互作用に関連し;有意性は、処置選択に使用される可能性を示す。
いくつかの実施形態では、モデルは、糖ペプチドマーカーがOSを個別に予測するかどうかを判定するのに役立った。いくつかの実施形態では、モデルは、糖ペプチドマーカーがPFSを個別に予測するかどうかを判定するのに役立った。いくつかの実施形態では、モデルは、糖ペプチドマーカーが個別に、処置選択に有用であるか、または処置の有無で変化するかを判定するのに役立った。いくつかの実施形態では、個々のカプラン・マイヤー(KM)曲線が、OSまたはPFSなどの各アウトカムについての各疾患に関連するマーカーに対してプロットされる。いくつかの実施形態では、プロット上のハザード比及びp値は、バイオマーカー発現の中央値でのプロットされた高/低の分割を表す。メラノーマ及びNSCLCに対する個々のKM曲線の例が図16~80に示される。図16~41は、様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。図42~80は、様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。個々のKM曲線から生成されたそのような多変量KM曲線の例を図14A、14B、15A、及び15Bに示す。図81A及び81Bは、本明細書に開示される実施形態による、非小細胞肺癌(NSCLC)を同定するためのアルゴリズム開発パイプラインを示す。図82A及び82Bは、本明細書に開示される実施形態による、非小細胞肺癌(NSCLC)を同定するための症例対照研究用多変量分類器の開発を示す。図83A~83Dは、本明細書に開示される実施形態による、非小細胞肺癌(NSCLC)を同定するためのスコアリング予測曲線を示す。
いくつかの実施形態では、患者は、治療有効量の免疫療法薬で処置される。いくつかの実施形態では、免疫治療薬は、免疫チェックポイント阻害薬を含む。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害薬は、PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬、もしくはCTLA-4阻害薬、またはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、患者は、治療有効量の標的治療薬で処置される。いくつかの実施形態では、標的治療薬は、血管内皮成長因子(VEGF)を標的とする血管を標的とする薬物、例えば、ベバシズマブ、ラムシルマブ、及びジブアフリベルセプト、である。いくつかの実施形態では、標的治療薬は、上皮成長因子受容体(EGFR)を含む。いくつかの実施形態では、EGFRは、セツキシマブまたはパニツムマブを含む。いくつかの実施形態では、標的治療薬は、キナーゼ阻害薬を含む。いくつかの実施形態では、キナーゼ阻害薬は、レゴラフェニブを含む。
いくつかの実施形態では、患者は、標的療法で処置される。いくつかの実施形態では、本明細書の方法は、治療有効量の1つ以上の5-フルオロウラシル(5-FU)、カペシタビン、イリノテカン、オキサリプラチン、トリフルリジン、またはチピラシルのうちの1つ以上を投与することを含む。
糖ペプチドを検出するための方法
いくつかの実施形態では、1つ以上の多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出するための方法が本明細書で提供され;方法が、患者由来の生物サンプルを取得すること(生物サンプルが、1つ以上の糖ペプチドを含む);サンプル中の糖ペプチドを消化及び/またはフラグメント化すること;ならびに、多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出すること、を含む。
いくつかの実施形態では、1つ以上の糖ペプチドを検出する方法が本明細書で提供され、いくつかの場合では、各糖ペプチドが、配列番号21~46、101~131、及び159~207、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列からなる糖ペプチドから個別に選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の糖ペプチドを検出する方法が本明細書で提供され、いくつかの場合では、各糖ペプチドが、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドから個別に選択される。
いくつかの実施形態では、1つ以上の糖ペプチドを検出する方法が本明細書で提供される。いくつかの例では、1つ以上の糖ペプチドフラグメントを検出する方法が本明細書で記載されている。特定の例では、方法は、糖ペプチドまたはそのフラグメントが属する糖ペプチド基を検出することを含む。これらの例のいくつかでは、糖ペプチド基は、以下から選択される:アルファ-1-アンチトリプシン(A1AT)、アルファ-1B-糖タンパク質(A1BG)、ロイシンリッチアルファ-2-糖タンパク質(A2GL)、アルファ-2-マクログロブリン(A2MG)、アルファ-1-アンチキモトリプシン(AACT)、アファミン(AFAM)、アルファ-1-酸性糖タンパク質1及び2(AGP12)、アルファ-1-酸性糖タンパク質1(AGP1)、アルファ-1-酸性糖タンパク質2(AGP2)、アポリポタンパク質A-I(APOA1)、アポリポタンパク質C-III(APOC3)、アポリポタンパク質B-100(APOB)、アポリポタンパク質D(APOD)、ベータ-2-糖タンパク質-1(APOH)、アポリポタンパク質M(APOM)、アトラクチン(ATRN)、カルパイン-3(CAN3)、セルロプラスミン(CERU)、補体因子H(CFAH)、補体因子I(CFAI)、クラスタリン(CLUS)、補体C3(CO3)、補体C4-A及びB(CO4A及びCO4B)、補体成分C6(CO6)、補体成分C8A鎖(CO8A)、凝固因子XII(FA12)、アルファ-2-HS糖タンパク質(FETUA)、ハプトグロビン(HPT)、ヒスチジンリッチ糖タンパク質(HRG)、免疫グロブリン重鎖定常アルファ1及び2(IgA12)、免疫グロブリン重鎖定常アルファ2(IgA2)、免疫グロブリン重鎖定常ガンマ2(IgG2)、免疫グロブリン重鎖定常mu(IgM)、インター-アルファ-トリプシン阻害薬重鎖H1(ITIH1)、血漿カリクレイン(KLKB1)、キニノゲン-1(KNG1)、血清パラオキソナーゼ/アリールエステラーゼ1(PON1)、セレノプロテインP(SEPP1)、プロトロンビン(THRB)、セロトランスフェリン(TRFE)、トランスサイレチン(TTR)、タンパク質unc-13ホモログA(UN13A)、ビトロネクチン(VTNC)、亜鉛-アルファ-2-糖タンパク質(ZA2G)、インスリン-成長因子II(IGF2)、アポリポタンパク質CI(APOC1)、及びそれらの組み合わせ。
いくつかの実施形態では、糖ペプチド、糖ペプチド上のグリカン、及びグリカンが糖ペプチドに結合しているグリコシル化部位残基を検出することを含む方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、方法は、グリカン残基を検出することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、糖ペプチド上のグリコシル化部位を検出することを含む。いくつかの実施形態では、本プロセスは、液体クロマトグラフィーと共に使用される質量分析法で実行される。
いくつかの実施形態では、患者由来の生物サンプルを取得することを含む方法が本明細書で提供される。いくつかの例では、生物サンプルは、滑液、全血、血清、血漿、尿、痰、組織、唾液、涙、髄液、生検により得られた組織切片(複数可);組織培養に配置または適合される細胞(複数可);汗、粘液、糞便材料、胃液、腹水、羊水、嚢胞液、腹腔液、膵液、母乳、肺洗浄、骨髄、胃酸、胆汁、精液、膿、房水、漏出液、または上述の組み合わせである。いくつかの例では、生物サンプルは、血液、血漿、唾液、粘液、尿、便、組織、汗、涙、毛髪、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される。いくつかの例では、生物サンプルは、血液サンプルである。いくつかの例では、生物サンプルは、血漿サンプルである。いくつかの例では、生物サンプルは、唾液サンプルである。いくつかの例では、生物サンプルは、粘液サンプルである。いくつかの例では、生物サンプルは、尿サンプルである。いくつかの例では、生物サンプルは、便サンプルである。いくつかの例では、生物サンプルは、汗サンプルである。いくつかの例では、生物サンプルは、涙サンプルである。いくつかの例では、生物サンプルは、毛髪サンプルである。
いくつかの例では、方法は、サンプル中の糖ペプチドを消化及び/またはフラグメント化することを含む。いくつかの例では、方法は、サンプル中の糖ペプチドを消化することを含む。いくつかの例では、方法は、サンプル中の糖ペプチドをフラグメント化することを含む。いくつかの例では、消化またはフラグメント化された糖ペプチドは、質量分析法を使用して分析される。いくつかの例では、糖ペプチドは、消化酵素を使用して溶液相中で消化またはフラグメント化されている。いくつかの例では、糖ペプチドは、質量分析計または質量分析計に関連する機器内の気相中で消化またはフラグメント化されている。いくつかの例では、質量分析の結果は、機械学習アルゴリズムを使用して分析される。いくつかの例では、質量分析の結果は、糖ペプチド、グリカン、ペプチド、及びそれらのフラグメントの定量である。いくつかの例では、この定量は、出力確率を生成するために、訓練済モデルの入力として使用される。出力確率は、所与のカテゴリーまたは分類、例えば、がんを有する分類またはがんを有さない分類内にある確率である。他の何らかの例では、出力確率は、所与のカテゴリーまたは分類、例えば、がんを有する分類またはがんを有さない分類にある確率である。いくつかの例では、出力確率は、所与のカテゴリーまたは分類、例えば、自己免疫疾患を有する分類または自己免疫疾患を有さない分類内にある確率である。いくつかの例では、出力確率は、所与のカテゴリーまたは分類、例えば、線維症を有する分類または線維症を有さない分類内にある確率である。
いくつかの例では、質量分析は、多重反応モニタリング(MRM)モードを使用して実行される。いくつかの例では、質量分析は、データ依存取得でqTOFMSを使用して実行される。いくつかの例では、質量分析は、MSのみモードを使用して実行される。
いくつかの例では、方法は、サンプルまたはその一部を質量分析計に導入することを含む。いくつかの例では、方法は、サンプルまたはその一部を質量分析計に導入した後、サンプル中の糖ペプチドをフラグメント化することを含む。いくつかの例では、方法は、サンプルまたはその一部を質量分析計に導入する前に、サンプル中の糖ペプチドを消化することを含む。いくつかの例では、方法は、サンプル中の糖ペプチドをフラグメント化して、糖ペプチドイオン、ペプチドイオン、グリカンイオン、グリカン付加イオン、またはグリカンフラグメントイオンを提供することを含む。いくつかの例では、方法は、サンプル中の糖ペプチドを消化及び/またはフラグメント化して、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを提供することを含む。いくつかの例では、方法は、サンプル中の糖ペプチドを消化及び/またはフラグメント化して、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを提供することを含む。
いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出すること(糖ペプチドが、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる)を含む。いくつかの例では、方法は、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを示すMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号101~131、159~207、及び21~46の組み合わせから選択されるアミノ酸配列を有する糖ペプチドの組み合わせを示す複数のMRMトランジションを検出することを含む。
いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出すること(糖ペプチドが、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる。いくつかの例では、方法は、配列番号101~131及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを示すMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号159~207及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを示すMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号21~46及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを示すMRMトランジションを検出することを含む。
いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出すること(糖ペプチドが、配列番号221~46及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる)を含む。いくつかの例では、方法は、配列番号101~131及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを示すMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出すること(糖ペプチドが、配列番号159~207からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる)を含む。
いくつかの例では、方法は、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して生物サンプルに対して質量分析法を実行することを含む。
いくつかの例では、方法は、サンプル中の糖タンパク質を消化して、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを提供することを含む。いくつかの例では、生物サンプルは、化学試薬と組み合わされる。いくつかの例では、生物サンプルは、酵素と組み合わされる。いくつかの例では、酵素は、リパーゼである。いくつかの例では、酵素は、プロテアーゼである。いくつかの例では、酵素は、セリンプロテアーゼである。いくつかの例では、酵素は、トリプシン、キモトリプシン、トロンビン、エラスターゼ、及びズブチリシンからなる群より選択される。いくつかの例では、酵素は、トリプシンである。いくつかの例では、方法は、少なくとも2つのプロテアーゼをサンプル中の糖ペプチドと接触させることを含む。いくつかの例では、少なくとも2つのプロテアーゼは、セリンプロテアーゼ、スレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼからなる群より選択される。いくつかの例では、少なくとも2つのプロテアーゼは、トリプシン、キモトリプシン、エンドプロテイナーゼ、Asp-N、Arg-C、Glu-C、Lys-C、ペプシン、サーモリシン、エラスターゼ、パパイン、プロテイナーゼK、サブチリシン、クロストリパイン、及びカルボキシペプチダーゼプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、ならびにアスパラギンペプチドリアーゼからなる群より選択される。
いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出することを含み、糖ペプチドが、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出すること(糖ペプチドが、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる)を含む。いくつかの例では、方法は、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを示すMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、配列番号101~131、159~207、及び21~46の組み合わせから選択されるアミノ酸配列を有する糖ペプチドの組み合わせを示す複数のMRMトランジションを検出することを含む。
いくつかの例では、方法は、糖ペプチドまたはグリカン残基を示すMRMトランジションを検出すること(糖ペプチドが、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる。
いくつかの例では、方法は、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して生物サンプルに対して質量分析法を実行することを含む。
いくつかの例では、方法は、サンプル中の糖ペプチドを消化して、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列からなる糖ペプチドを提供することを含む。いくつかの例では、生物サンプルを、1つ以上の化学試薬と接触させる。いくつかの例では、生物サンプルを、1つ以上の酵素と接触させる。いくつかの例では、酵素は、リパーゼである。いくつかの例では、酵素は、プロテアーゼである。いくつかの例では、酵素は、セリンプロテアーゼである。いくつかの例では、酵素は、トリプシン、キモトリプシン、トロンビン、エラスターゼ、及びズブチリシンからなる群より選択される。これらの例のうちのいくつかでは、酵素は、トリプシンである。いくつかの例では、方法は、少なくとも2つのプロテアーゼをサンプル中の糖ペプチドと接触させることを含む。いくつかの例では、少なくとも2つのプロテアーゼは、セリンプロテアーゼ、スレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼからなる群より選択される。いくつかの例では、少なくとも2つのプロテアーゼは、トリプシン、キモトリプシン、エンドプロテイナーゼ、Asp-N、Arg-C、Glu-C、Lys-C、ペプシン、サーモリシン、エラスターゼ、パパイン、プロテイナーゼK、サブチリシン、クロストリパイン、及びカルボキシペプチダーゼプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、ならびにアスパラギンペプチドリアーゼからなる群より選択される。
いくつかの例では、方法は、生物サンプルに対してタンデム液体クロマトグラフィー質量分析を行うことを含む。いくつかの例では、方法は、生物サンプルに対する多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)質量分析法を含む。いくつかの例では、方法は、トリプル四重極(QQQ)及び/または四重極飛行時間型(qTOF)質量分析計を使用してMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、QQQ質量分析計を使用してMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、qTOF質量分析計を使用して検出することを含む。いくつかの例では、本発明の方法で使用するのに適した機器は、Agilent 6495Bトリプル四重極LC/MSである。いくつかの例では、方法は、QQQ質量分析計を使用して検出することを含む。いくつかの例では、本発明の方法で使用するのに適した機器は、Agilent6545 LC/Q-TOFである。
いくつかの例では、方法は、QQQ及び/またはqTOF質量分析計を使用して複数のMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、QQQ質量分析計を使用して複数のMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、qTOF質量分析計を使用して複数のMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、QQQ質量分析計を使用して複数のMRMトランジションを検出することを含む。
いくつかの例では、本明細書の方法は、接続されたクロマトグラフィー手順を用いることを含む、1つ以上の生物サンプルの1つ以上の糖鎖生物学パラメーターを定量することを含む。いくつかの例では、これらの糖鎖パラメーターは、糖ペプチド基の同定、糖ペプチド上のグリカンの同定、グリコシル化部位の同定、糖ペプチドが含むアミノ酸配列の部分の同定を含む。いくつかの例では、接続されたクロマトグラフィー手順は、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)操作を実行または実施することを含む。いくつかの例では、接続されたクロマトグラフィー手順は、多重反応モニタリング質量分析(MRM-MS)操作を実行または実施することを含む。いくつかの例では、本明細書の方法は、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)操作を実行または実施すること;及び、多重反応モニタリング質量分析(MRM-MS)操作を実施すること、を含む。いくつかの例では、方法は、トリプル四重極(QQQ)質量分析操作及び/または四重極飛行時間型(qTOF)質量分析操作のうちの1つ以上で得られる1つ以上の生物サンプルの1つ以上のグライコミクスパラメーターを使用して機械学習アルゴリズムを訓練することを含む。いくつかの例では、方法は、トリプル四重極(QQQ)質量分析操作で得られる1つ以上の生物サンプルの1つ以上の糖鎖生物学パラメーターを使用して機械学習アルゴリズムを訓練することを含む。いくつかの例では、方法は、四重極飛行時間型(qTOF)質量分析操作で得られた1つ以上の生物サンプルの1つ以上の糖鎖生物学パラメーターを使用して機械学習アルゴリズムを訓練することを含む。いくつかの例では、方法は、トリプル四重極(QQQ)質量分析操作及び四重極飛行時間型(qTOF)質量分析操作のうちの1つ以上を用いることを含む、1つ以上の生物サンプルの1つ以上の糖鎖生物学パラメーターを定量することを含む。いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、これらの糖鎖生物学パラメーターを定量するために使用される。上述のいずれかを含むいくつかの例では、質量分析は、多重反応モニタリング(MRM)モードを使用して実行される。いくつかの例では、質量分析は、データ依存取得でqTOFMSを使用して実行される。いくつかの例では、質量分析は、MSのみモードを使用して実行される。
いくつかの例では、方法は、グリカンを示す1つ以上のMRMトランジションを検出することを含む。いくつかの例では、方法は、グリカンを定量することを含む。いくつかの例では、方法は、第1のグリカンを定量すること及び第2のグリカンを定量することを含み;さらに、第1のグリカンの定量を第2のグリカンの定量と比較することを含む。いくつかの例では、方法は、検出されたグリカンを、グリカンが結合しているペプチド残基部位に関連付けることを含む。いくつかの例では、方法は、サンプルのグリコシル化プロファイルを生成することを含む。いくつかの例では、方法は、検出されたグリカンを時点に関連付けることを含む。
いくつかの例では、方法は、サンプルに関連する組織切片上のグリカンを空間的にプロファイリングすることを含む。上述のいずれかを含むいくつかの例では、方法は、サンプルに関連する組織切片上の糖ペプチドを空間的にプロファイリングすることを含む。いくつかの例では、方法は、本明細書の方法と組み合わせたマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI-TOF)質量分析法を含む。
いくつかの例では、方法は、グリカン及び/またはペプチドの相対存在量を定量することを含む。
いくつかの例では、方法は、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを定量することにより、糖ペプチドの量を正規化すること、ならびに、その定量を、別の化学種の量と比較すること、を含む。いくつかの例では、方法は、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列からなる糖ペプチドを定量することによりペプチドの量を正規化すること、ならびに、その定量を、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる別の糖ペプチドの量と比較すること、を含む。いくつかの例では、方法は、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを定量することによりペプチドの量を正規化すること、ならびに、その定量を、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる別の糖ペプチドの量と比較すること、を含む。
糖ペプチドを含むサンプルを分類するための方法
いくつかの実施形態では、サンプルの分類を同定するための方法が本明細書で提供され、方法は、以下を含む:サンプル中の1つ以上の糖ペプチドを質量分析(MS)で定量すること(糖ペプチドはそれぞれ、各場合で個別に、配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、またはそれから本質的になるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含む);ならびに、訓練済みモデルに定量を入力して、出力確率を生成すること;出力確率が分類の閾値を上回るか、または下回るかを判定すること;ならびに、出力確率が分類の閾値を上回るか、または下回るかに基づいて、サンプルの分類を同定すること。
いくつかの例では、糖ペプチドバイオマーカーを同定するための方法が本明細書で提供され;方法が、以下を含む:対象から生物サンプルを得ること;サンプル中の糖ペプチドを消化及び/またはフラグメント化すること;多重反応モニタリング(MRM)トランジションを検出すること;ならびに、検出されたMRMトランジションに基づいて糖ペプチドを分類すること。いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、分析されたMRMトランジションを入力として使用してモデルを訓練するために使用される。いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、MRMトランジションを訓練データセットとして使用して訓練される。いくつかの例では、本明細書の方法は、質量分析法の相対存在量に基づいて糖ペプチド、ペプチド、及びグリカンを同定することを含む。いくつかの例では、機械学習アルゴリズムまたは複数のアルゴリズムが、質量分析スペクトル内のピークを選択及び/または同定する。いくつかの例では、MSは、QQQ及び/またはqTOF質量分析計を備えたMRM-MSである。
上述のいずれかを含むいくつかの例では、質量分析は、多重反応モニタリング(MRM)モードを使用して実行される。いくつかの例では、質量分析は、データ依存取得でqTOFMSを使用して実行される。いくつかの例では、質量分析は、MSのみモードを使用して実行される。
いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、深層学習アルゴリズム、ニューラルネットワークアルゴリズム、人工ニューラルネットワークアルゴリズム、教師あり機械学習アルゴリズム、線形判別分析アルゴリズム、2次判別分析アルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム、線形基底関数カーネルサポートベクトルアルゴリズム、放射基底関数カーネルサポートベクトルアルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、遺伝的アルゴリズム、最近傍アルゴリズム、k近傍、ナイーブベイズ分類器アルゴリズム、ロジスティック回帰アルゴリズム、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される。特定の例では、機械学習アルゴリズムは、ラッソ回帰である。
いくつかの例では、方法は、疾患分類または疾患重症度分類内のものとして、またはそれに包含されるものとしてサンプルを分類することを含む。
いくつかの例では、分類は、信頼度80%、信頼度85%、信頼度90%、信頼度95%、信頼度99%、または信頼度99.9999%で識別される。
いくつかの例では、方法は、第1の時点でサンプル中の糖ペプチドをMSで定量すること;第2の時点でサンプル中の糖ペプチドをMSで定量すること;及び、第1の時点での定量を、第2の時点で定量と比較すること、を含む。
いくつかの例では、方法は、第3の時点でサンプル中の異なる糖ペプチドをMSで定量すること;第4の時点でサンプル中の異なる糖ペプチドをMSで定量すること;及び、第4の時点での定量を、第3の時点で定量と比較すること、を含む。
いくつかの例では、方法は、患者の健康状態をモニタリングすることを含む。
いくつかの例では、患者の健康状態のモニタリングは、遺伝子変異などの危険因子を有する患者の疾患の発症及び憎悪のモニタリング、ならびにがんの再発の検出を含む。
いくつかの例では、方法は、定量化に基づいて疾患または症状を有する患者を診断することを含む。いくつかの例では、方法は、化学療法、免疫療法、ホルモン療法、標的療法、ネオアジュバント療法、及び手術のうちの1つ以上を含む治療有効量の治療薬で患者を処置することを含む。いくつかの実施形態では、処置は、チェックポイント阻害薬を含む。いくつかの例では、方法は、定量化に基づいて疾患または症状を有する個体を診断することを含む。いくつかの例では、方法は、治療有効量の処置で個体を処置することを含む。
患者の診断方法
いくつかの例では、質量分析法により患者からのサンプル中の糖ペプチドを測定することを含む、疾患または状態を有する患者を評価するための方法が本明細書で提供される。
別の実施形態では、がん患者を評価するための方法が本明細書で提供され;方法が、以下を含む:患者から生物サンプルを取得するがこと;QQQ及び/またはqTOF分光計を備えたMRM-MSを使用して、生物サンプルの質量分析を実行し、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出及び定量すること;検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションの定量を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成し、出力確率が分類の閾値を上回るか、または下回るかを判定すること;ならびに、出力確率が分類の閾値を上回るか、または下回るかに基づいて患者の診断分類を同定すること;ならびに、患者を分類に基づいて、がんに罹患していると評価すること。
別の実施形態では、がん患者を診断するための方法が本明細書に記載され、方法は、以下を含む:検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションの定量を訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成して、出力確率が分類の閾値を上回るか、または下回るかを判定すること;及び、出力確率が、分類の閾値を上回るか、または下回るかに基づいて患者の診断分類を同定すること;及び、分類に基づいて患者を評価すること。いくつかの例では、方法は、患者から生物サンプルを取得すること;QQQ及び/またはqTOF分光計を備えたMRM-MSを使用して生物サンプルの質量分析を実行して、21~46、101~131、及び159~207からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出及び定量すること、を含む。
いくつかの例では、がんに罹患している患者を評価するための方法が本明細書で記載され;方法は、以下を含む:患者から生物サンプルを取得すること;QQQ及び/またはqTOF分光計を備えたMRM-MSを使用して生物サンプルの質量分析を実行して、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出すること;検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションを分析して分類を同定すること;ならびに、診断分類に基づいて患者を評価すること。
いくつかの例では、がん患者を評価するための方法が本明細書に記載され;方法は、以下を含む:検出または定量された糖ペプチドまたはMRMトランジションを分析して、分類を同定すること;及び分類に基づいて患者を評価すること。いくつかの例では、方法は、以下を含む:患者から生物サンプルを取得すること;ならびに、QQQ及び/またはqTOF分光計を備えたMRM-MSを使用して生物サンプルの質量分析を実行して、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるか、または、それから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出すること。
いくつかの例では、個体の老化を診断、モニタリング、または分類するための方法が本明細書に記載され;方法は、以下を含む:患者から生物サンプルを取得すること;QQQ及び/またはqTOF分光計を備えたMRM-MSを使用して生物サンプルの質量分析を実行して、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドを検出すること;検出された糖ペプチドまたはMRMトランジションを分析して、診断分類を同定すること;ならびに、診断分類に基づいて、個体を、老化分類を有するものとして診断、モニタリング、または分類すること。
疾患及び症状
様々な疾患及び状態を診断するためのバイオマーカーが本明細書で提供される。いくつかの例では、疾患及び状態は、がんを含む。いくつかの例では、疾患及び状態は、がんに限定されない。
いくつかの実施形態では、がんは、通常は無秩序な細胞成長を特徴とする対象における生理学的状態を指す。がんの例としては、メラノーマ、癌腫、リンパ腫、芽腫、肉腫、及び白血病及びその転移が挙げられるが、これらに限定されない。「転移」という用語は、疾患を引き起こす生物または悪性細胞またはがん性細胞が、血管またはリンパ管または膜表面により身体の他の部分に転移することを指す。そのようながんの非限定例としては、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺の腺癌、肺の扁平上皮癌、メラノーマ、扁平上皮癌、腹膜癌、肝細胞癌、胃腸癌、膵癌、神経膠芽腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌または子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌、肝臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、肝癌、及び様々な種類の頭頸部癌が挙げられる。「疾患のステージ」という表現は、ステージI、ステージII、ステージIII、またはステージIVと呼ばれるがんの憎悪のステージを指す。疾患のステージは、転移が対象で発生しているかどうかを示す。
いくつかの例では、本明細書に記載されている「患者」は、「個体」と同等に記載されている。例えば、本明細書のいくつかの方法では、個体における疾患または状態をモニタリングまたは診断するためのバイオマーカーが記載されている。これらの例のいくつかでは、個体は、必ずしも、治療を必要とする病状に罹患している患者とは限らない。
機械学習モデル
いくつかの例では、本明細書の方法は、質量分析法及び/または液体クロマトグラフィーを使用して、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを定量することを含む。いくつかの例では、定量結果は、訓練済みモデルの入力として使用される。いくつかの例では、定量結果は、テストサンプル中で定量された各グリカンまたは糖ペプチドの絶対量、相対量、及び/または種類に基づいて予測アルゴリズムを用いて分類またはカテゴリー化され、予測アルゴリズムは、既知の疾患または状態を有する個体の集団から得られる各マーカーの対応する値で訓練される。いくつかの例では、疾患または状態は、がんである。いくつかの場合では、疾患または状態は、メラノーマである。いくつかの場合では、疾患または状態は、NSCLCである。
上述のいずれかを含むいくつかの例では、機械学習アルゴリズムを訓練するための方法が本明細書で記載され、方法が、以下を含む:配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むサンプルを示すMRMトランジションシグナルの第1のデータセットを提供すること;対照サンプルを示すMRMトランジションシグナルの第2のデータセットを提供すること;ならびに、機械学習アルゴリズムを使用して、第1のデータセットを第2のデータセットと比較すること。
いくつかの例では、本明細書の方法は、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる糖ペプチドを含むサンプルを使用することを含み、これは、疾患または状態に罹患している患者由来のサンプルである。いくつかの例では、本明細書の方法は、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むサンプルを使用することを含み、これは、がん患者由来のサンプルである。いくつかの例では、本明細書の方法は、対照サンプルを使用することを含み、対照サンプルは、疾患または症状を有さない患者由来のサンプルである。
いくつかの例では、本明細書の方法は、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる糖ペプチドを含むサンプルを使用することを含み、これは、疾患または症状に罹患している1人以上の患者由来のプールされたサンプルである。いくつかの例では、本明細書の方法は、疾患または症状を有さない1人以上の患者由来のプールされたサンプルである対照サンプルを使用することを含む。
いくつかの例では、方法は、疾患または状態に罹患している患者、及び疾患または状態に罹患していない患者からの質量分析データ(例えば、MRM-MSトランジションシグナル)を使用して訓練された機械学習モデルを生成することを含む。いくつかの例では、疾患または状態は、がんである。いくつかの例では、方法は、既知の標準または他のサンプルとの交差検証で機械学習モデルを最適化することを含む。いくつかの例では、方法は、質量分析データを使用して性能を評価して、個々の感度及び特異度を有するグリカン及び糖ペプチドのパネルを形成することを含む。特定の例では、方法は、診断に関して信頼パーセントを決定することを含む。いくつかの例では、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1~10個の糖ペプチドは、一定の信頼度パーセントで疾患または症状に罹患している患者を診断するのに有用であってよい。いくつかの例では、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる10~50個の糖ペプチドは、高い信頼度(%)で疾患または症状に罹患している患者を診断するのに有用であってよい。
上述のいずれかを含むいくつかの例では、方法は、生物サンプルに対してMRM-MS及び/またはLC-MSを実行することを含む。いくつかの例では、方法は、コンピューティングデバイスで、複数の質量スペクトルを表す理論的質量スペクトルデータを構築することを含み、複数の質量スペクトルのそれぞれは、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドに対応する。いくつかの例では、方法は、コンピューティングデバイスで、質量スペクトルデータを理論的質量スペクトルデータと比較して、複数の糖ペプチドのうちの対応する糖ペプチドに関連する、複数の質量スペクトルのそれぞれと複数の理論的標的質量スペクトルのそれぞれの類似性を示す比較データを生成することを含む。
いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、コンピューティングデバイスで、MRM-MSデータに基づいて、複数の質量スペクトルにおける複数の特徴的なイオンの分布を決定し;コンピューティングデバイスで、分布に基づいて、複数の特徴的なイオンのうちの1つ以上が糖ペプチドイオンであるかどうかを決定するために使用される。
いくつかの例では、本明細書の方法は、予測アルゴリズムを訓練することを含む。本明細書では、予測アルゴリズムの訓練は、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる、またはそれから本質的になる1つ以上の糖ペプチドの値に基づく予測アルゴリズムの教師あり学習を指し得る。予測アルゴリズムの訓練は、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの値に基づく統計モデルにおける変数選択を指し得る。予測アルゴリズムの訓練には、例えば、カテゴリー毎に特徴空間内の重み付けベクトルを決定すること、または関数もしくは関数パラメーターを決定することを含んでもよい。
いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、深層学習アルゴリズム、ニューラルネットワークアルゴリズム、人工ニューラルネットワークアルゴリズム、教師あり機械学習アルゴリズム、線形判別分析アルゴリズム、2次判別分析アルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム、線形基底関数カーネルサポートベクトルアルゴリズム、放射基底関数カーネルサポートベクトルアルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、遺伝的アルゴリズム、最近傍アルゴリズム、k近傍、ナイーブベイズ分類器アルゴリズム、ロジスティック回帰アルゴリズム、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される。特定の例では、機械学習アルゴリズムは、ラッソ回帰である。
いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、ラッソ、リッジ回帰、ランダムフォレスト、K近傍法(KNN)、ディープニューラルネットワーク(DNN)、及び主成分分析(PCA)である。特定の例では、DNNは、質量分析データを分析可能な形式に処理するために使用される。いくつかの例では、DNNは、質量スペクトルからのピークの抽出に使用される。いくつかの例では、PCAは、特徴検出に有用である。
いくつかの例では、ラッソを使用して、特徴選択を提供する。
いくつかの例では、機械学習アルゴリズムを使用して、タンパク質の存在量を表す各タンパク質からのペプチドを定量する。いくつかの例では、この定量化には、グリコシル化が測定されないタンパク質の定量化を含む。
いくつかの例では、糖ペプチド配列は、質量分析計におけるフラグメント化及びByonicソフトウェア(Protein Metrics Inc)を使用したデータベース検索により同定される。
いくつかの例では、本明細書の方法は、タンパク質機能またはグリカンモチーフなどの既知の生物学的量を表すMRMS-MSデータの特徴を検出するための教師なし学習を含む。特定の例では、これらの特徴は、機械学習による分類のための入力として使用される。いくつかの例では、分類は、ラッソ、リッジ回帰、またはランダムフォレストの性質を使用して実行される。
いくつかの例では、本明細書の方法は、アルゴリズムで値を処理する前に、入力データ(例えば、MRMトランジションピーク)を値(例えば、0~100に基づくスケール)にマッピングすることを含む。例えば、MRMトランジションが特定され、ピークが特徴付けられた後、本明細書の方法は、所与の患者について、ピーク付近のm/z及び保持時間ウィンドウでのMSスキャンを評価することを含む。いくつかの例では、得られるクロマトグラムは、ピークの開始点及び停止点を決定し、それらの点で囲まれた面積及び強度(高さ)を計算する機械学習アルゴリズムで積分される。得られる積分値は、存在量であり、次に、これは、機械学習及び統計分析の訓練及びデータセットに供給する。
いくつかの例では、あるインスタンスにおける機械学習出力は、一例では、別のインスタンスにおける機械学習入力として使用される。例えば、分類プロセスに使用されるPCAに加えて、DNNデータ処理は、PCA及び他の分析にフィードされる。これは、少なくとも3レベルのアルゴリズム処理をもたらす。他の階層構造も本開示の範囲内で企図される。
いくつかの例では、方法は、サンプル中で定量された各グリカンまたは糖ペプチドの量を、予測アルゴリズムにおける各グリカンまたは糖ペプチドの対応する参照値と比較することを含む。いくつかの例では、方法は、予測アルゴリズムを使用して、サンプル中で定量されたグリカンまたは糖ペプチドの量が、同じグリカンまたは糖ペプチドの基準値と比較される比較プロセスを含む。比較プロセスは、予測アルゴリズムによる分類の一部であってよい。比較プロセスは、例えば、n次元特徴空間または高次元空間の、抽象レベルで生じ得る。
いくつかの例では、本明細書の方法は、予測アルゴリズムを用いてサンプル中で定量された各グリカンまたは糖ペプチドの量に基づいて患者のサンプルを分類することを含む。いくつかの例では、方法は、統計的または機械学習による分類プロセスを使用することを含み、それにより、テストサンプル中で定量されたグリカンまたは糖ペプチドの量を使用して、予測アルゴリズムで健康のカテゴリーを決定する。いくつかの例では、予測アルゴリズムは、統計的または機械学習の分類アルゴリズムである。
いくつかの例では、予測アルゴリズムによる分類は、考えられる各カテゴリーに属するグリカンまたは糖ペプチド値のパネルの尤度をスコアリングすること、及び最高スコアのカテゴリーを判定することを含んでもよい。予測アルゴリズムによる分類は、距離関数を用いてマーカー値のパネルを以前の観察と比較することを含んでもよい。分類に適した予測アルゴリズムの例としては、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、ロジスティック回帰(例えば、多クラスまたは多項ロジスティック回帰、及び/またはスパースロジスティック回帰に適合したアルゴリズム)が挙げられる。当業者に既知のように、分類に適した他の多種多様の予測アルゴリズムが、使用され得る。
いくつかの例では、本明細書の方法は、疾患または状態(例えば、メラノーマまたはNSCLS)に罹患している個体集団から得られた各グリカンまたは糖ペプチドの値に基づく予測アルゴリズムの教師あり学習を含む。いくつかの例では、方法は、疾患または状態に罹患している個体の集団から得られた各グリカンまたは糖ペプチドの値に基づく統計モデルにおける変数選択を含む。予測アルゴリズムの訓練には、例えば、カテゴリー毎に特徴空間内の重み付けベクトルを決定すること、または関数もしくは関数パラメーターを決定することを含んでもよい。
一実施形態では、基準値は、1人の個体に由来する1つ以上のサンプル(複数可)中のグリカンまたは糖ペプチドの量である。あるいは、基準値は、複数の個体から得られたデータをプールし、グリカンまたは糖ペプチドの平均量(例えば、平均値または中央値)を計算することにより導出され得る。従って、基準値は、複数の個体におけるグリカンまたは糖ペプチドの平均量を反映していることがある。該量は、本明細書に記載されているのと同じ方法で、絶対的または相対的な用語で表され得る。
いくつかの例では、基準値は、テストされているサンプルと同じサンプルから導出され得、それにより、2つの間の適切な比較が可能になる。例えば、サンプルが尿に由来する場合、基準値も尿に由来する。いくつかの例では、サンプルが血液サンプル(例えば、血漿または血清サンプル)である場合、基準値も血液サンプル(例えば、必要に応じて、血漿サンプルまたは血清サンプル)となる。サンプル及び基準値を比較する場合、量の表現方法は、サンプル及び基準値で一致する。従って、絶対量は、絶対量と比較することができ、相対量は、相対量と比較することができる。同様に、予測アルゴリズムによる分類用の量が表現される方法は、予測アルゴリズムの訓練用の量が表現される方法と一致する。
グリカンまたは糖ペプチドの量が決定される場合、本方法は、各グリカンまたは糖ペプチドの量を、その対応する基準値と比較することを含んでもよい。1つ、いくつか、または全てのグリカンまたは糖ペプチドの累積量が決定される場合、方法は、累積量を対、応する基準値と比較することを含んでもよい。グリカンまたは糖ペプチドの量が、指標値を形成する式で相互に組み合わされる場合、指標値は、同じ方法で導出された対応する基準指標値と比較することができる。
基準値は、本明細書に記載の方法の内部(すなわち、ステップを構成する)または外部(すなわち、ステップを構成しない)のいずれかで取得され得る。いくつかの例では、方法は、マーカーの量の基準値を確立するステップを含む。他の例では、基準値は、本明細書に記載の方法の外部で取得され、本発明の比較ステップ中にアクセスされる。
特定の実施形態では、ラッソ回帰機械学習モデルは、受信者動作特性(ROC)評価及び/または曲線下面積(AOC)評価を利用して評価され得る回帰モデルまたは他の分類モデルであってよい。例えば、特定の実施形態では、図14A、14B、15A、及び15Bに関して、さらに、説明されるように、ROCモデル評価は、特異度(応答性がある可能性が高い患者)のプロットに対する感度(例えば、応答性が低い可能性が高い患者)のプロットを表し得、さらに、ラッソ回帰機械学習モデルのハイパーパラメーターの反復調整に基づいて最適化され得る。次に、訓練済みラッソ回帰機械学習モデルは、本明細書に開示される実施形態に従って、様々な糖ペプチドフラグメントについて転移性メラノーマ患者及び様々な糖ペプチドフラグメントについて非小細胞肺癌(NSCLC)患者の患者の全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)を予測するために利用され得る。
上述のいずれかを含むいくつかの例では、予測アルゴリズムの訓練は、本明細書に記載の方法の内部(すなわち、ステップを構成する)または外部(すなわち、ステップを構成しない)のいずれかで取得され得る。いくつかの例では、方法は、予測アルゴリズムの訓練のステップを含む。いくつかの例では、予測アルゴリズムは、本明細書の方法の外部で訓練され、本発明の分類ステップ中にアクセスされる。基準値は、健常な個体(複数可)の集団から得られたサンプル中のグリカンまたは糖ペプチドの量を定量することにより決定され得る。予測アルゴリズムは、健常な個体(複数可)の集団から得られたサンプル中のグリカンまたは糖ペプチドの量を定量することにより訓練され得る。本明細書で使用される場合、「健常な個体」という用語は、健康な状態にある個体または個体群、例えば、疾患のいかなる症状も示さない、疾患と診断されていない患者、及び/または疾患を発症する可能性のない患者、を指す。好ましくは、該健常な個体(複数可)は、疾患に影響を与える投薬中でなく、他のいかなる疾患とも診断されていない。1人以上の健康な個体は、テスト個体と比較して同様の性別、年齢、及び肥満度指数(BMI)を有してもよい。基準値は、疾患に罹患している個体(複数可)の集団から得られたサンプル中のグリカンまたは糖ペプチドの量を定量することにより決定され得る。予測アルゴリズムは、疾患に罹患している個体(複数可)の集団から得られたサンプル中のマーカーの量を定量することにより訓練され得る。より好ましくは、そのような個体(複数可)は、テスト個体と比較して同様の性別、年齢、及び肥満度指数(BMI)を有し得る。基準値は、がんに罹患している個体の集団から得られ得る。予測アルゴリズムは、がんに罹患している個体の集団から得られたサンプル中のグリカンまたは糖ペプチドの量を定量することにより訓練され得る。がんの特徴的なグリカンまたは糖ペプチドプロファイルが決定されると、個体から得られた生物サンプルのマーカーのプロファイルは、この参照プロファイルと比較して、テスト対象が、がんにも罹患しているかどうかを判定するためにこの基準プロファイルと比較され得る。予測アルゴリズムが、がんを分類するように訓練されると、個体から得られた生物サンプルのマーカーのプロファイルは、テスト対象がさらにその特定のがんのステージにあるかどうかを判定する予測アルゴリズムで分類され得る。
キット
上述のいずれかを含むいくつかの例では、糖ペプチド標準、緩衝液、ならびに配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが本明細書に記載されている。
上述のいずれかを含むいくつかの例では、糖ペプチド標準、緩衝液、ならびに配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが本明細書に記載されている。
いくつかの例では、糖ペプチド標準、緩衝液、ならびに配列番号101~131、159~207、及び21~46、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが本明細書に記載されている。いくつかの例では、糖ペプチド標準、緩衝液、及び配列番号101~131からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが本明細書に記載されている。いくつかの例では、糖ペプチド標準、緩衝液、及び配列番号159~207からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが本明細書に記載されている。いくつかの例では、糖ペプチド標準、緩衝液、及び配列番号21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むキットが本明細書に記載されている。
いくつかの例では、個体におけるがんを診断またはモニタリングするためのキットが本明細書で記載され、該個体由来のサンプルのグリカンまたは糖ペプチドプロファイルが決定され、測定されたプロファイルが、正常な患者のプロファイルまたはがんの家族歴を有する患者のプロファイルと比較される。いくつかの例では、キットは、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含む。いくつかの例では、キットは、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含む。
いくつかの例では、糖ペプチドに由来する酸化、ニトロ化、及び/または糖化遊離付加物の定量化のための試薬を含むキットが本明細書に記載されている。
臨床アッセイ
いくつかの例では、バイオマーカー、方法、及び/またはキットは、患者を診断するための臨床現場で使用され得る。これらの例のいくつかでは、サンプルの分析は、内部標準の使用を含む。これらの標準は、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含んでもよい。これらの標準は、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含んでもよい。
臨床現場では、サンプルは、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドを含むように(例えば、消化により)調製され得る。臨床現場では、サンプルは、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドを含むように(例えば、消化により)調製され得る。いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの量を、別のバイオマーカーの濃度と比較することにより評価され得る。いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量を、別のバイオマーカーの濃度と比較することにより評価され得る。
いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号300~429からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる1つ以上の糖ペプチドの量を、配列番号300~429からなる群より選択されるアミノ酸からなる1つ以上の糖ペプチドの量と比較することにより評価され得る。
いくつかの例では、グリカンまたは糖ペプチドの量は、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量を、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸から本質的になる1つ以上の糖ペプチドの量と比較することにより評価され得る。
上述のいずれかを含むいくつかの例では、キットは、糖ペプチドMRMトランジションシグナルの正規化を計算するためのソフトウェアを含んでもよい。
上述のいずれかを含むいくつかの例では、キットは、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの量を定量するためのソフトウェアを含んでもよい。上述のいずれかを含むいくつかの例では、キットは、配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるか、またはそれから本質的になる糖ペプチドの量を定量するためのソフトウェアを含んでもよい。
上述のいずれかを含むいくつかの例では、訓練済みモデルは、本明細書に記載の方法を実行する臨床医によりアクセスされるサーバー上に格納される。いくつかの例では、臨床医は、患者のサンプルからのMRMトランジション信号の定量を、サーバーに格納される訓練済みモデルに入力する。いくつかの例では、サーバーは、インターネット、無線通信、または他のデジタルもしくは電気通信方法でアクセスされる。
上述のいずれかを含むいくつかの例では、訓練済みモデルは、本明細書に記載の方法を実行する臨床医によりアクセスされるサーバー上に格納される。いくつかの例では、臨床医は、患者のサンプル由来の配列番号101~131、159~207、及び21~46からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる、またはそれから本質的になる糖ペプチド(複数可)の定量を、サーバーに格納されている訓練済みモデルに入力する。いくつかの例では、サーバーは、インターネット、無線通信、または他のデジタル通信もしくは電気通信によりアクセスされる。
個々のKM曲線は、4つのファイル内の目的の疾患に関連するマーカーに対してプロットされ得る。プロット上のハザード比及びp値は、バイオマーカー発現の中央値でプロットされた高/低の分割を表す。図14A及び14Bは、様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。図15A及び15Bは、様々な糖ペプチドフラグメントについての非小細胞肺癌(NSCLC)患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。図16~41は、メラノーマに対する目的の様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の全生存期間(OS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。図42~80は、メラノーマに対する様々な糖ペプチドフラグメントについての転移性メラノーマ患者の無増悪生存期間(PFS)のカプラン・マイヤー曲線を示す。
IV.追加のタンパク質及び糖ペプチド
いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーを検出することを含む、メラノーマ状態(転移性メラノーマ)を診断するための方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、1つ以上の糖ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、表7に示される1つ以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、配列番号21~46に示される配列を含む1つ以上の糖ペプチドを検出することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、配列番号21~46に示される配列を含む1つ以上の糖ペプチドを検出することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、配列番号21~46に示される配列を含む1つ以上の糖ペプチドを検出することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、配列番号21~46に示される配列を含む1つ以上の糖ペプチドを検出することを含む。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表7の構造を有するグリカンを含む。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表8に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表16に提供される糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号300~429に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号1~20を含む糖ペプチドまたは糖タンパク質である。
いくつかの実施形態では、診断は、表7からの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、または8つのペプチド構造の存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含む1つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含む2つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含む3つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含む4つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含む5つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含む6つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含む7つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含むペプチドのそれぞれの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表8に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表16に提供される糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号300~429に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号1~20を含む糖ペプチドまたは糖タンパク質である。
いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる1つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる2つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる3つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる4つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる5つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる6つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる7つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなるペプチドのそれぞれの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表8に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表16に提供される糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号300~429に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号1~20を含む糖ペプチドまたは糖タンパク質である。
いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含む1つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含む2つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含む3つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含む4つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含む5つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含む6つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含む7つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列を含むペプチドのそれぞれの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表8に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表16に提供される糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号300~429に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号1~20を含む糖ペプチドまたは糖タンパク質である。
いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる1つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる2つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる3つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる4つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる5つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる6つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる7つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなるペプチドのそれぞれの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表8に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表16に提供される糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号300~429に示される配列を含む。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号1~20を含む糖ペプチドまたは糖タンパク質である。
いくつかの実施形態では、表7に記載の1つ以上のペプチド構造の存在、非存在、または量に基づいて、個体のメラノーマ状態(転移性メラノーマ)を処置する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、配列番号21~46に示される1つ以上のペプチド構造が検出される。いくつかの実施形態では、方法は、さらに、表7に記載の1つ以上のペプチド構造の存在、非存在、または量に基づいて治療薬を送達することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、表7に記載の1つ以上のペプチド構造の存在、非存在、または量に基づいて治療薬を選択することを含む。いくつかの実施形態では、治療薬は、化学療法薬及び/またはホルモン療法である。
いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーを検出することを含む、メラノーマ状態(転移性メラノーマ)を診断するための方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、1つ以上の糖ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、表12に示される1つ以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、方法は、配列番号101~131に記載の配列を含む1つ以上の糖ペプチドを検出することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、配列番号101~131に記載の配列を含む1つ以上の糖ペプチドを検出することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、配列番号101~131に記載の配列を含む1つ以上の糖ペプチドを検出することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、配列番号101~131に記載の配列を含む1つ以上の糖ペプチドを検出することを含む。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表12の構造を有するグリカンを含む。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表13に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号132~158で提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。
いくつかの実施形態では、診断は、表12からの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、または8つのペプチド構造の存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含む1つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含む2つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含む3つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含む4つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含む5つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含む6つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含む7つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含むペプチドのそれぞれの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表13に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号132~158で提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。
いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなる1つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなる2つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなる3つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなる4つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなる5つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなる6つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなる7つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなるペプチドのそれぞれの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表13に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号132~158で提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。
いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含む1つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含む2つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含む3つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含む4つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含む5つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含む6つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含む7つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列を含むペプチドのそれぞれの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表13に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号132~158で提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。
いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなる1つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなる2つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなる3つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなる4つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなる5つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなる6つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなる7つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号101~131のアミノ酸配列からなるペプチドのそれぞれの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表13に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号132~158で提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。
いくつかの実施形態では、表12に記載の1つ以上のペプチド構造の存在、非存在、または量に基づいて、個体のメラノーマ状態(転移性メラノーマ)を処置する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、配列番号101~131に示される1つ以上のペプチド構造が検出される。いくつかの実施形態では、方法は、さらに、表12に記載の1つ以上のペプチド構造の存在、非存在、または量に基づいて治療薬を送達することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、表12に記載の1つ以上のペプチド構造の存在、非存在、または量に基づいて治療薬を選択することを含む。いくつかの実施形態では、治療薬は、化学療法薬及び/またはホルモン療法である。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表13に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号132~158で提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。
いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーを検出することを含む、非小細胞肺癌(NSCLC)を診断するための方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、1つ以上の糖ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、表14に示される1つ以上のペプチド構造を含む。いくつかの実施形態では、方法は、配列番号159~207に記載の配列を含む1つ以上の糖ペプチドを検出することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、配列番号159~207に記載の配列を含む1つ以上の糖ペプチドを検出することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、配列番号159~207に記載の配列を含む1つ以上の糖ペプチドを検出することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、配列番号159~207に記載の配列を含む1つ以上の糖ペプチドを検出することを含む。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表14の構造を有するグリカンを含む。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表15に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号208~253に記載の配列を含む糖タンパク質の糖ペプチドである。
いくつかの実施形態では、診断は、表14からの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、または8つのペプチド構造の存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含む1つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含む2つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含む3つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含む4つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含む5つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含む6つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含む7つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含むペプチドのそれぞれの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表15に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号208~253に記載の配列を含む糖タンパク質の糖ペプチドである。
いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなる1つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなる2つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなる3つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号21~46のアミノ酸配列からなる4つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなる5つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなる6つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなる7つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなるペプチドのそれぞれの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表15に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号208~253に記載の配列を含む糖タンパク質の糖ペプチドである。
いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含む1つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含む2つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含む3つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含む4つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含む5つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含む6つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含む7つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列を含むペプチドのそれぞれの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表15に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号208~253に記載の配列を含む糖タンパク質の糖ペプチドである。
いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなる1つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなる2つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなる3つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなる4つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなる5つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなる6つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなる7つ以上のペプチドの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、診断は、配列番号159~207のアミノ酸配列からなるペプチドのそれぞれの存在及び/または量に基づいている。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表15に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号208~253に記載の配列を含む糖タンパク質の糖ペプチドである。
いくつかの実施形態では、表14に記載の1つ以上のペプチド構造の存在、非存在、または量に基づいて個体における非小細胞肺癌(NSCLC)を処置する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、配列番号159~207に記載の1つ以上のペプチド構造が検出される。いくつかの実施形態では、方法は、さらに、表14に記載の1つ以上のペプチド構造の存在、非存在、または量に基づいて治療薬を送達することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、表14に記載の1つ以上のペプチド構造の存在、非存在、または量に基づいて治療薬を選択することを含む。いくつかの実施形態では、治療薬は、化学療法薬及び/またはホルモン療法である。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、表15に提供される糖タンパク質の糖ペプチドである。いくつかの実施形態では、糖ペプチドは、配列番号208~253に記載の配列を含む糖タンパク質の糖ペプチドである。
本明細書の説明では、バイオマーカー、ペプチド、糖ペプチド、糖タンパク質のあらゆる説明、変形、実施形態、または態様は、他のバイオマーカー、ペプチド、糖ペプチド、糖タンパク質のあらゆる説明、変形、実施形態、または態様と組み合わされ得、これは、説明のありとあらゆる組み合わせが具体的且つ個別に記載されているのと同じである。
V.実施例
以下の実施例は、例示のみを目的としており、本発明の範囲を限定するものではない。
実行例1:転移性悪性メラノーマ患者におけるチェックポイント阻害薬処置応答のリキッドバイオプシーベースの予測因子としてのグライコプロテオーム。
タンパク質のグリコシル化は、タンパク質の翻訳後修飾の最も豊富で最も複雑な形態の1つである。グリコシル化は、タンパク質の構造、立体構造、及び機能に影響を与える。バイオマーカーとしての差次的なタンパク質グリコシル化の潜在的な役割の解明は、従来、この情報の生成及び解釈の技術的な複雑さにより制限されている。トリプル四重極質量分析計に接続された超高速液体クロマトグラフィーと、独自の機械学習及びニューラルネットワークベースのデータ処理エンジンを組み合わせた新規の強力なプラットフォームが近年確立されており、これにより、高スループット、グライコプロテオームの高い拡張性の調査が可能になる。この研究は、どの転移性悪性メラノーマ患者がPD1/PDL1チェックポイント阻害薬に応答するかを、グライコプロテオームバイオマーカー及びシグネチャーが予測し得るかどうかを評価した。
方法:このプラットフォームでは、本発明者らは、ニボルマブ及びイピリムマブ(患者12人)またはペムブロリズマブ(患者24人)のいずれかで処置された転移性悪性メラノーマを有する36人の個体(女性11人、男性25人、28~90歳の年齢範囲)のコホート由来の前処置の血液サンプルの69人の豊富な血清タンパク質に由来する413個の個々の糖ペプチド(GP)シグネチャーを調査した。血漿サンプルを処置開始前に採取し、-80℃で保存し、InterVennの標的MRMパネルに通した。
個々の糖ペプチド発現レベルは、患者コホートにおける処置開始から憎悪/転移(無増悪生存期間、PFS)または死亡(全生存期間、OS)までの時間に関連していた。
個々のバイオマーカーの関連性を評価することに加えて、PFS(メラノーマ)を予測するために、多変数モデルが構築された。モデリングの糖ペプチドの小さなサブセットを選択し、n-1人の患者を用いるモデルの構築を進め、1人のホールドアウト患者の生存スコアを予測し、全ての患者を個々のホールドアウトとして反復して、全員に対する不偏予測スコア(リーブ・ワン・アウト交差検証アプローチ、LOOCV)を生成することにより、多変量モデルを構築した。ハレルのCインデックスを最適化するカットオフで、得られるスコアを二分し、カプラン・マイヤー(KM)曲線をプロットした。
具体的には、最長3.7年(中央値:0.8年)の追跡調査による無増悪生存期間(PFS)データを臨床エンドポイントの表現型として使用し、これに対して、GPの差異存在量の予測力を評価した。コックス比例ハザードモデルを使用して、PFSデータを分析した。0.1以下の偽発見率(FDR)で調整済みのp値をカットオフとして使用して、統計的に有意な差異存在量を示したGPマーカーについて、カプラン・マイヤー曲線を生成した。コックス比例ハザードモデル(バイオマーカーが1単位増加する毎に、憎悪の確率の乗法的増加を表す)から、PFSのハザード比(HR)を計算した。HRに関連するp値を分析した。p<0.01は、有意であると考えられる。相互作用p値、バイオマーカー×処置の相互作用に関連するp値も分析した。有意性は、処置の選択に使用される可能性を示す。
さらに、この例の一部としては、イピリムマブ有りもしくは無しのニボルマブ(N)(I、患者95人)またはペムブロリズマブ(P、患者110人)の免疫チェックポイント阻害薬(ICI)療法のいずれかで処置された、転移性悪性メラノーマに罹患している205人の個体のコホート(女性66人、男性139人、年齢範囲24~97歳)由来の処置前の血液サンプル中の75の血清タンパク質に由来する526の糖ペプチド(GP)シグネチャーの調査。
特定の実施形態では、図14A、14Bは、それぞれ訓練フェーズ及び検証フェーズを含む、多変数モデルのKM曲線を示す。プロット上のハザード比及びp値は、非応答に対する感度を最適化することにより決定されたリスクスコアのカットオフにおける高/低の分割を表す。研究1 「検証」とラベル付けされた図14BのKM曲線は、検証及びテストデータセットの患者を含有する。一例では、最適モデルは、6つのバイオマーカーを含み、応答に対する感度を最適化するための検証セット(例えば、テストセット720日のパフォーマンス:感度=99.5%、特異度=25.6%)でカットオフを選択し、示されたメトリクス/曲線は、不確定中止を除外する(患者セットの10%)。
結果:FDRp≦0.1で存在量差がある27個のGPが同定され、その中で、8個のマーカーがp≦0.001であった。後者の8つのマーカーを使用して、リーブ・ワン・アウト交差検証(LOOCV)スコアを生成し、ハレルの一致インデックスを使用して、これらのスコアの最適化されたカットオフ値を決定することにより、PFSの多変数モデルを作製した。このカットオフ値を使用してLOOCVスコアを二分すると、PDL1発現の場合、ハザード比1.5、p=0.5と比較して、処置応答者及び非応答者(カットオフを上回る/下回るのLOOCVスコアに基づいて18ヶ月で、それぞれ、70%対0%のPFS)を分離するための10-5のp値でハザード比9.2をもたらすモデルが実証された。図1は、イピリムマブ及びニボルマブの併用またはペムブロリズマブ単独のいずれかで処置された転移性メラノーマ患者のカプラン・マイヤー曲線を示し、無増悪生存期間(PFS)は、高スコア群(青)での0.10年で50%のPFSと比較して、低スコア群(黒)で、2.7年で61%であった。
27個の糖ペプチド及び20個の非グリコシル化ペプチドを含有する最適化されたアッセイで、本発明者らは、PFSに関してFDRq≦0.05で存在量差がある14個のGPを同定した。コホートの40%を訓練セットとして使用し、ラッソ収縮により合計47個のうちの糖ペプチド及び非グリコシル化ペプチドのバイオマーカー特徴12個を選択し、本発明者らは、ICI利益の可能性の予測のためのハザード比(HR)7.5(p<0.0001)を生成するPFSの多変数モデルベースの分類器を作成した。この分類器は、60%のホールドアウト患者で構成されるテストセットで検証され、ICI単独療法または併用療法のいずれかから恩恵を受ける可能性が高い患者と、恩恵を受けない可能性が高い患者を分離するための同様のp値でHR4.7を得た(カットオフを上回る/下回る分類器スコアに基づいた18ヶ月対3ヶ月の50%のPFS)。この分類器は、可能なICIの利益を予測する感度が99%以上である一方、依然として26%の特異度で機能するので、最終的には、4人に1人がこれらの薬剤への不必要且つ非有益な曝露を安全に低減させるのに役立つ(そうしなければ、彼らは、これらの薬剤に不必要に曝露することになるだろう)。
結論:本発明者らの結果は、グライコプロテオームがチェックポイント阻害薬処置に対する応答予測因子として強い期待を有することを示し、これは、この文脈において現在追求されている他のバイオマーカーアプローチよりも著しく優れていると思われる。
実施例2:第1選択の免疫チェックポイント遮断を受けている進行性非小細胞肺癌(NSCLC)患者における血液ベースの糖タンパク質シグネチャー
背景:免疫チェックポイント遮断は、ほとんどの進行性非小細胞肺癌(NSCLC)患者にとって第1選択療法の不可欠な要素であるが、個々の患者のアウトカムは、非常にばらつきがあり、バイオマーカーの改善が必要である。タンパク質のグリコシル化は、がんにおける免疫回避の新たな機序である。第1選択の免疫チェックポイント遮断で処置された進行性NSCLC患者のコホートにおいて、血液ベースの糖ペプチドシグネチャーをテストした。この研究は、どのNSCLC患者がPD1/PDL1チェックポイント阻害薬に応答するかを、グライコプロテオームバイオマーカー及びシグネチャーが予測し得るかどうかを評価した。
方法:2つの独立した研究では、どの患者がチェックポイント阻害薬療法に応答するかを、グライコプロテオームバイオマーカー及びシグネチャーが予測し得るかどうかを決定した。例えば、研究1は、マサチューセッツ総合病院(MGH)で診察され、イピリムマブ+ニボルマブ(n=95)またはペムブロリズマブ(n=110)のいずれかで処置された転移性メラノーマ患者(n=205)を含んでいた。処置を開始する前に、血漿サンプルを採取し、-80℃で保存し、標的多重反応モニタリング(MRM)パネルに入力した。研究2は、Tempusから供給され、ペムブロリズマブで処置された転移性非小細胞肺癌患者n=125を含んでいた。処置を開始する前に、血清サンプルを採取し、-80℃で保存し、標的MRMパネルに入力した。研究1及び研究2の両方では、個々の糖ペプチド発現レベルは、患者コホートにおける処置開始から無増悪生存期間(PFS)(例えば、憎悪/転移)または全生存期間(OS)までの時間に関連していた。
個々のバイオマーカーの関連性の評価に加えて、OS(NSCLC)及びPFS(メラノーマ)を予測するために多変数モデルを構築した。多変量モデルは、5-fold反復交差検証されたラッソ正則化を通して糖ペプチドの小さなサブセットを選択することにより、(性別、年齢四分位、PFS/OSイベントのバランスの取れた層別化によって割り当てられた)患者の40%を含むモデルの構築を進め、さらに30%の患者でラッソモデルのハイパーパラメーターを調整し、(不偏予測スコアを生成するために)ホールドアウト患者の残りの30%の生存スコアを予測することにより、OS(NSCLC)及びPFS(メラノーマ)を予測するために構築された。得られた予測スコアを、ハレルのCインデックスを最適化するカットオフで二分し、カプラン・マイヤー(KM)曲線をプロットし、非応答の感度について、製品の最終モデルを最適化した。例えば、特定の実施形態では、図15A及び15Bは、それぞれ訓練フェーズ及び検証フェーズを含む、多変数モデルのKM曲線を示す。プロット上のハザード比及びp値は、非応答に対する感度を最適化することにより決定されたリスクスコアのカットオフにおける高/低の分割を表す。研究2 「検証」とラベル付けされた図15BのKM曲線は、検証セットがなかったので、独立した/未確認のテストセットの患者のみを含有する。一例では、最適モデルは、6つのバイオマーカーを含み、応答に対する感度を最適化するための検証セット(例えば、テストセット720日のパフォーマンス:感度=99.5%、特異度=25.6%)でカットオフを選択し、示されたメトリクス/曲線は、不確定中止を除外する(患者セットの10%)。
結果:偽発見率(FDR)閾値0.05を使用して、存在量差のある30個のGPを同定した。最も予測性の高い5つのGPマーカーを使用して、リーブ・ワン・アウト交差検証(LOOCV)スコアを生成し、これらのスコアに対して最適化されたカットオフ値-0.83(範囲:-2.2~3.4)を決定することにより、ハレルの一致インデックスを使用して、OSの多変数モデルを作成した。全生存期間の中央値は、GP分類値がカットオフを上回った患者(n=14)では、2.8年であり、GP分類値がカットオフを下回った患者(n=32)では、0.8年であった(HR7.4、95%のCI 1.7~32.1、p=0.007)。モデルのパフォーマンスは、性別、年齢、または処置計画の影響を受けなかった。
結言:血液ベースの糖ペプチドシグネチャーは、進行性NSCLCにおける第1選択の免疫チェックポイント遮断に対する臨床アウトカムの新規の非侵襲性バイオマーカーを表し得る。これらの発見は、より大規模なコホートで検証され、臨床上の意思決定に適用され得る。
V.追加の考慮事項
この文書のセクション及びサブセクション間にある任意のヘッダー及びサブヘッダーは、読みやすさを改善させる目的のみで含まれており、セクション及びサブセクションにわたって機能を組み合わせることができないことを意味しない。それに応じて、セクション及びサブセクションは、別々の実施形態について記載しない。
本教示は様々な実施形態に関連して説明されるが、本教示がそのような実施形態に限定されることが意図されない。これに対して、当業者らに理解されるように、本教示は、様々な代替、修正、及び均等物を包含する。本説明は、好ましい例示的な実施形態を提供するものであり、本開示の範囲、適用性、または構成を限定することを意図するものではない。むしろ、好ましい例示的な実施形態の本説明は、当業者らに様々な実施形態を実行するための有効な説明を提供するものである。
添付の特許請求の範囲に記載の趣旨及び範囲から逸脱することなく、要素の機能及び配置に様々な変更を行われ得ることが理解される。従って、そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内にあるとみなされる。さらに、用いられている用語及び表現は、説明の用語として使用され、限定するものではなく、そのような用語及び表現の使用には、示され記載されている特徴またはその一部のあらゆる同等物を除外する意図はないが、様々な変更が特許請求される本発明の範囲内で可能であることが認識される。
様々な実施形態を説明する際、本明細書では、方法及び/またはプロセスを特定の一連のステップとして提示していることがある。しかし、方法またはプロセスが本明細書に記載のステップの特定の順序に依存しない限りにおいて、方法またはプロセスは、記載されているステップの特定の配列に限定されるべきではなく、当業者であれば、シーケンスは変更されてもよく、依然として様々な実施形態の精神及び範囲内にあることを容易に理解し得る。
本開示のいくつかの実施形態は、1つ以上のデータプロセッサーを含むシステムを含む。いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上のデータプロセッサー上で実行される場合、1つ以上のデータプロセッサーに、1つ以上の方法の一部もしくは全部及び/または本明細書に開示の1つ以上のプロセスの一部もしくは全部を実行させる命令を含有する非一時的なコンピューター可読記憶媒体を含む。本開示のいくつかの実施形態は、1つ以上のデータプロセッサーに、本明細書に開示の、1つ以上の方法の一部もしくは全部、及び/または1つ以上のプロセスの一部もしくは全部を実行させるように構成された命令を含む、非一時的な機械可読記憶媒体に明白に具体化されたコンピュータープログラム製品を含む。
実施形態の理解を助けるために、本説明では具体的な詳細が与えられる。しかし、これらの具体的な詳細がなくても実施形態が実行され得ることが理解される。例えば、回路、システム、ネットワーク、プロセス、及び他の構成要素は、不必要な詳細で実施形態を分かりにくくしないようにするために、ブロック図形式の構成要素として示される場合がある。他の例では、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、及び手法は、実施形態を分かりにくくすることを避けるために、不必要な詳細なしに示され得る。
実施形態
提供される実施形態には、以下の通りである:
1.メラノーマ状態と診断された対象の処置を管理する方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること(ペプチド構造セットは、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
処置スコアを使用して、対象の処置に対する予測応答を示す処置出力を生成すること。
2.処置出力を生成することが、以下を含む、実施形態1に記載の方法:
処置スコアが、選択閾値を上回るかどうかに基づいて、処置に対する予測応答を生成すること。
3.選択閾値が、0.5である、実施形態2の方法。
4.予測応答を生成することが、以下を含む、実施形態2に記載の方法:
処置スコアが0.5を上回る場合、対象の第1の予測応答分類を同定すること、及び
処置スコアが0.5を上回らない場合、対象の第2の予測応答分類を同定すること。
5.第1の予測応答分類が、持続制御であり、第2の予測応答分類が、早期中断である、実施形態4に記載の方法。
6.処置が、ペムブロリズマブであり、ペプチド構造セットが、表2に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む、実施形態1~5のいずれか1つの方法。
7.処置が、ニボルマブ及びイピリムマブの組み合わせを含み、ペプチド構造セットが、表3に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
8.処置アウトカムが、対象の処置計画を修正するための推奨を含む、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
9.処置計画を修正するための推奨が、対象に対して異なる処置の選択すること、処置の用量を変更すること、または処置を、少なくとも1つの他の処置と組み合わせること、のうちの少なくとも1つを含む、実施形態8に記載の方法。
10.処置スコアを計算することが、以下を含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法:
基準存在量よりも大きい選択された存在量を有するペプチド構造セットの割合を計算すること。
11.ペプチド構造セットのペプチド構造の基準存在量が、サンプル集団にわたるペプチド構造の複数の存在量の中央値であり、ペプチド構造セットの糖ペプチド構造の選択された存在量が、相対的な存在量であり、ペプチド構造セットの非グリコシル化ペプチド構造の選択された存在量が、絶対的な存在量である、実施形態10に記載の方法。
12.さらに、以下を含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法:
サンプルデータと、サンプルデータに対応するペプチド構造のコレクションの各ペプチド構造の相対的重要性を同定する統計アルゴリズムを使用して、ペプチド構造セットを同定すること。
13.統計的アルゴリズムが、ウィルコクソン順位和検定を含む、実施形態12に記載の方法。
14.ペプチド構造のセットを同定することが、以下を含む、実施形態12または実施形態13に記載の方法:
第1の応答分類及び第2の応答分類間の選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造を同定するために、サンプルデータを使用して差異存在量分析を実行して、処置に対する第1の応答分類に対応するサンプルデータの第1の部分及び処置に対する第2の応答分類に対応するサンプルデータの第2の部分を比較すること。
15.選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造が、20個のペプチド構造である、実施形態14に記載の方法。
16.以下である、実施形態14または実施形態15に記載の方法:
第1の応答分類が、持続制御であり、処置投与後の持続期間中に中断イベントが存在しないことを示し、
第2の応答分類が、処置後の初期期間中に少なくとも1つの中断イベントが存在することを示す早期中断であり、
持続期間が、初期期間よりも長くなる。
17.持続期間が、12ヶ月であり、初期期間が、6ヶ月である、実施形態16に記載の方法。
18.少なくとも1つのペプチド構造が、表1で同定されるように、ペプチド配列で定義された糖ペプチド構造と、ペプチド配列の連結部位でペプチド配列に連結されたグリカン構造を含み、ペプチド配列が、表7に定義される配列番号21~46の1つである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法。
19.ペプチド構造セットのペプチド構造の定量データが、調整済み存在量、相対存在量、絶対存在量、正規化存在量、相対量、調整済み量、正規化量、相対濃度、調整済み濃度、または正規化濃度のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法。
20.ペプチド構造データが、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して生成される、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法。
21.さらに、以下を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法:
生物サンプルからサンプルを作成すること、ならびに
還元、アルキル化、及び酵素消化を使用してサンプルを調製して、ペプチド構造セットを含む調製済みサンプルを形成すること。
22.さらに、以下を含む、実施形態21に記載の方法:
多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、調製済みサンプルからペプチド構造データを生成すること。
23.処置出力が、処置の設計または処置の治療用量のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1~22のいずれか1つに記載の方法。
24.さらに、以下を含む、実施形態1~23のいずれか1つに記載の方法:
処置出力をリモートシステムに送信すること。
25.さらに、以下を含む、実施形態1~24のいずれか1つに記載の方法:
処置が成功することを示す予測応答分類である予測応答に基づいて、治療用量の処置を投与すること。
26.さらに、以下を含む、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法:
持続制御である予測応答に基づいて、治療用量の処置を投与すること。
27.メラノーマ状態と診断された対象の処置管理のための方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに関連するペプチド構造セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットの複数のサブセットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、複数の処置スコアを計算すること(複数の処置スコアの各処置スコアが、複数の処置のうちの異なる処置に対応し、複数のサブセットの各サブセットが、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
複数の処置スコアの比較分析を実行すること、及び
比較分析に基づいて処置出力を生成すること(処置出力が、対象を処置するための推奨処置計画を含む)。
28.処置出力を生成することが、以下を含む、実施形態27に記載の方法:
対象を処置するために推奨される処置として、処置スコアが最も高い複数の処置のうちの処置を同定すること。
29.複数の処置が、ペムブロリズマブの第1の処置と、ニボルマブ及びイピリムマブからなる第2の処置を含む、実施形態27または実施形態28に記載の方法。
30.比較分析を実行することが、以下を含む、実施形態27~29のいずれか1つに記載の方法:
複数の処置のうちの処置が選択閾値を下回る処置スコアを有すると判定すること、及び
処置を比較分析から除外すること。
31.選択閾値が、0.5である、実施形態30の方法。
32.処置出力を生成することが、以下を含む、実施形態27~31のいずれか1つに記載の方法:
複数の処置スコアの対応する処置スコアを使用して、複数の処置の各処置について対象に対する予測応答分類を同定すること。
33.対応する処置スコアが、選択閾値を上回る場合、予測応答分類が、持続制御であり、対応する処置スコアが、選択閾値を上回らない場合、予測応答分類が、早期中断である、実施形態32に記載の方法。
34.選択閾値が、0.5である、実施形態33の方法。
35.処置出力を生成することが、以下を含む、実施形態27~34のいずれか1つに記載の方法:
最高の処置スコアを有する複数の処置のうちの1つの処置を同定すること、
最高の処置スコアが、選択閾値を上回らないと判定すること、及び
対象に対する既存の処置計画を修正するための推奨を含む、推奨処置計画で処置出力を生成すること。
36.既存の処置計画を修正するための推奨が、対象に対して異なる処置を選択すること、既存の処置計画の一部である処置の用量を変更すること、または処置を、少なくとも1つの他の処置と組み合わせること、のうちの少なくとも1つを含む、実施形態35に記載の方法。
37.処置出力を生成することが、以下を含む、実施形態27~36のいずれか1つに記載の方法:
最高の処置スコアを有する複数の処置のうちの1つの処置を、最高スコアの処置として同定すること、
最高の処置スコアが、選択閾値を超えていると判定すること、及び
推奨処置計画で処置出力を生成し、対象を処置するための推奨処置として最高スコアの処置を同定すること。
38.複数の処置のうちの第1の処置が、ペムブロリズマブを含み、複数の処置のうちの第2の処置が、ニボルマブ及びイピリムマブの組み合わせを含み、複数の処置スコアを計算することが、以下を含む、実施形態27~37のいずれか1つに記載の方法:
ペプチド構造セットの複数のサブセットのうちの第1のサブセットについてペプチド構造データから同定される定量データの第1の部分を使用して、第1の処置に対する第1の処置スコアを計算すること(第1のサブセットが、表2に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む);ならびに
ペプチド構造セットの複数のサブセットのうちの第2のサブセットについてペプチド構造データから同定される定量データの第2の部分を使用して、第2の処置に対す第2の処置スコアを計算すること(第2のサブセットが、表3に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)。
39.複数の処置スコアを計算することが、以下を含む、実施形態27~38のいずれか1つに記載の方法:
基準存在量よりも大きい選択された存在量を有するペプチド構造セットの複数のサブセットのうちのサブセットの割合を、複数の処置スコアのうちの処置スコアとして計算すること。
40.ペプチド構造セットのペプチド構造の基準存在量が、サンプル集団にわたるペプチド構造の複数の存在量の中央値であり、ペプチド構造セットの糖ペプチド構造の選択された存在量が、相対的な存在量であり、ペプチド構造セットの非グリコシル化ペプチド構造の選択された存在量が、絶対的な存在量である、実施形態39に記載の方法。
41.さらに、以下を含む、実施形態27~40のいずれか1つに記載の方法:
複数の処置のうち選択された処置に関して、サンプルデータと、サンプルデータに対応するペプチド構造のコレクションの各ペプチド構造の相対的重要性を同定する統計アルゴリズムを使用して、ペプチド構造セットの複数のサブセットのうちのサブセットを同定すること。
42.統計的アルゴリズムが、ウィルコクソン順位和検定を含む、実施形態41に記載の方法。
43.サブセットを同定することが、以下を含む、実施形態41または実施形態42に記載の方法:
第1の応答分類及び第2の応答分類間の選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造を同定するために、サンプルデータを使用して差異存在量分析を実行して、選択された処置に対する第1の応答分類に対応するサンプルデータの第1の部分及び選択された処置に対する第2の応答分類に対応するサンプルデータの第2の部分を比較すること。
44.選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造が、20個のペプチド構造である、実施形態43に記載の方法。
45.以下である、実施形態43または実施形態44に記載の方法:
第1の応答分類が、持続制御であり、処置投与後の持続期間中に中断イベントが存在しないことを示し、
第2の応答分類が、処置後の初期期間中に少なくとも1つの中断イベントが存在することを示す早期中断であり、
持続期間が、初期期間よりも長くなる。
46.持続期間が、12ヶ月であり、初期期間が、6ヶ月である、実施形態45に記載の方法。
47.少なくとも1つのペプチド構造が、表27で同定されるように、ペプチド配列で定義された糖ペプチド構造と、ペプチド配列の連結部位でペプチド配列に連結されたグリカン構造を含み、ペプチド配列が、表7に定義される配列番号21~46の1つである、実施形態27~46のいずれか1つに記載の方法。
48.ペプチド構造セットのペプチド構造の定量データが、調整済み存在量、相対存在量、絶対存在量、正規化存在量、相対量、調整済み量、正規化量、相対濃度、調整済み濃度、または正規化濃度のうちの少なくとも1つを含む、実施形態27~47のいずれか1つに記載の方法。
49.ペプチド構造データが、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して生成される、実施形態27~48のいずれか1つに記載の方法。
50.さらに、以下を含む、実施形態27~49のいずれか1つに記載の方法。
生物サンプルからサンプルを作成すること、ならびに
還元、アルキル化、及び酵素消化を使用してサンプルを調製して、ペプチド構造セットを含む調製済みサンプルを形成すること。
51.さらに、以下を含む、実施形態50に記載の方法:
多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、調製済みサンプルからペプチド構造データを生成すること。
52.推奨処置計画が、推奨処置と、推奨処置の治療用量を同定する、実施形態27~51のいずれか1つに記載の方法。
53.さらに、以下を含む、実施形態52に記載の方法:
治療用量の推奨されるものを投与すること。
54.さらに、以下を含む、実施形態27~53のいずれか1つに記載の方法:
処置出力をリモートシステムに送信すること。
55.メラノーマ状態と診断された対象の処置管理のための方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに関連するペプチド構造セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットの第1のサブセットについてペプチド構造データから同定される第1の定量データを使用して、ペムブロリズマブの第1の処置に対する第1の処置スコアを計算すること(第1のサブセットが、表2に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
ペプチド構造セットの第2のサブセットについてペプチド構造データから同定される第2の定量データを使用して、ニボルマブ及びイピリムマブからなる第2の処置に対する第2の処置スコアを計算すること(第2のサブセットが、表3に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
第1の処置スコア及び第2の処置スコアの比較分析を実行すること、ならびに
比較分析に基づいて処置出力を生成すること(処置出力が、第1の処置及び第2の処置のうちの1つを推奨処置として対象に同定する)。
56.第1の処置スコアを計算することが、以下を含む、実施形態55に記載の方法:
基準存在量よりも大きい選択された存在量を有する第1のサブセットの割合を第1の処置スコアとして計算するステップ。
57.第2の処置スコアを計算することが、以下を含む、実施形態55または実施形態56に記載の方法:
基準存在量よりも大きい選択された存在量を有する第2のサブセットの割合を記第2の処置スコアとして計算すること。
58.以下を含む、メラノーマ状態と診断された対象を処置するための方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること(ペプチド構造セットは、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
処置スコアを使用して、対象の処置に対する予測応答を示す処置出力を生成すること、及び
陽性応答分類を含む予測応答に応答して患者に処置を投与すること(投与するステップが、治療用量の推奨処置またはその派生物の静脈内投与または経口投与のうちの少なくとも1つを含み、
処置が、以下からなる群より選択される:
3週間毎に200mg、3週間毎に2mg/kg、または6週間毎に400mgのうちの少なくとも1つの治療用量が投与されるペムブロリズマブの第1の処置、ならびに
ニボルマブ及びイピリムマブで構成される第2の処置(3mg/kgのイピリムマブを伴う1mg/kgのニボルマブまたは1mg/kgのイピリムマブを伴う3mg/kgのニボルマブとのいずれかの治療用量が投与される))。
59.以下を含む、メラノーマ状態と診断された対象を処置するための方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに関連するペプチド構造セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットの複数のサブセットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、複数の処置スコアを計算すること(複数の処置スコアの各処置スコアが、複数の処置のうちの異なる処置に対応し、複数のサブセットの各サブセットが、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
複数の処置スコアの比較分析を実行すること、
比較分析に基づいて処置出力を生成すること(処置出力が、対象を処置するための複数の処置の推奨処置を含む)、及び
推奨処置を患者に投与すること(投与するステップが、治療用量の推奨処置またはその派生物を静脈内投与または経口投与のうちの少なくとも1つを含み、
複数の処置が、以下を含む:
3週間毎に200mg、3週間毎に2mg/kg、または6週間毎に400mgのうちの少なくとも1つの治療用量が投与されるペムブロリズマブの第1の処置、ならびに
ニボルマブ及びイピリムマブで構成される第2の処置(3mg/kgのイピリムマブを伴う1mg/kgのニボルマブまたは1mg/kgのイピリムマブを伴う3mg/kgのニボルマブとのいずれかの治療用量が投与される))。
60.メラノーマ状態と診断された対象の処置を管理する方法であって、方法が、以下を含む、方法:
サンプル集団のサンプルデータを受信すること(サンプルデータが、メラノーマ状態と診断された複数のサンプル対象の処置に対する応答の特徴を示し、複数のサンプル対象の各対象のペプチド構造コレクションに対するサンプルペプチド構造データを含む)、
複数のサンプル対象の応答に基づいて、サンプルデータを、第1の応答分類に対応する第1群及び第2の応答分類に対応する第2群に分類すること、
サンプルデータを使用して差異存在量分析を実行して、第1の応答分類に対応するサンプルデータの第1群及び第2の応答分類に対応するサンプルデータの第2群を比較し、ペプチド構造コレクションからペプチド構造セットを同定すること、
(ペプチド構造セットが、第1の応答分類及び第2の応答分類間で選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造を含む)
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置に対する処置スコアを計算すること、ならびに
処置スコアを使用して、対象の処置に対する予測応答を示す処置出力を生成すること。
61.ペプチド構造セットが、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む、実施形態60に記載の方法。
62.差異存在量分析が、ウィルコクソン順位和検定を使用して実行される、実施形態60または実施形態61に記載の方法。
63.選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造が、20個のペプチド構造である、実施形態60~62のいずれか1つに記載の方法。
64.以下である、実施形態60~63のいずれか1つに記載の方法:
第1の応答分類が、持続制御であり、処置投与後の持続期間中に中断イベントが存在しないことを示し、
第2の応答分類が、処置後の初期期間中に少なくとも1つの中断イベントが存在することを示す早期中断であり、
持続期間が、初期期間よりも長くなる。
65.持続期間が、12ヶ月であり、初期期間が、6ヶ月である、実施形態64に記載の方法。
66.対象のメラノーマを処置する方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること(ペプチド構造セットは、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
処置スコアを使用して、処置出力を生成すること、及び
処置出力が、ペムブロリズマブ処置に対する陽性応答分類、または推奨処置としてのペムブロリズマブ処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、対象にペムブロリズマブ処置を投与すること。
67.投与することが、以下を含む、実施形態66に記載の方法:
ペムブロリズマブ処置を3週間毎に200mgの用量で投与すること。
68.投与することが、以下を含む、実施形態66に記載の方法:
ペムブロリズマブ処置を3週間毎に2mg/kg mgの用量で投与すること。
69.投与することが、以下を含む、実施形態66に記載の方法:
ペムブロリズマブ処置を3週間毎に400mgの用量で投与すること。
70.投与することが、以下を含む、実施形態66~69のいずれか1つに記載の方法:
静脈内投与経路を介してペムブロリズマブ処置を投与すること。
71.投与することが、以下を含む、実施形態66~70のいずれか1つに記載の方法:
ペムブロリズマブ処置を3週間毎に4回投与すること。
72.対象のメラノーマを処置する方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること(ペプチド構造セットは、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
処置スコアを使用して、処置出力を生成すること、及び
処置出力が、併用処置に対する陽性応答分類または推奨処置としての併用処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、ニボルマブ及びイピリムマブの組み合わせを含む併用処置を対象に投与すること。
73.投与することが、以下を含む、実施形態72に記載の方法:
3mg/kgのイピリムマブを伴う1mg/kgのニボルマブの用量で、併用処置を対象に投与すること。
74.投与することが、以下を含む、実施形態72に記載の方法:
1mg/kgのイピリムマブを伴う3mg/kgのニボルマブの用量で、併用処置を対象に投与すること。
75.投与することが、以下を含む、実施形態72~74のいずれか1つに記載の方法:
静脈内投与経路を介して併用処置を投与すること。
76.投与することが、以下を含む、実施形態72~75のいずれか1つに記載の方法:
併用処置を3週間毎に4回投与すること。
77.ペムブロリズマブ処置による処置のためにメラノーマ患者を同定する方法であって、方法は、以下を含む、方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること(ペプチド構造セットが、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、及び
処置スコアを使用して処置出力を生成すること
(処置出力がペムブロリズマブ処置に対する陽性応答分類、または推奨処置としてのペムブロリズマブ処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、患者が、ペムブロリズマブ処置で処置される)。
78.ペムブロリズマブ処置が、3週間毎に200mgの用量で投与される、実施形態77に記載の方法。
79.ペムブロリズマブ処置が、3週間毎に2mg/kg mgの用量で投与される、実施形態77に記載の方法。
80.ペムブロリズマブ処置が、3週間毎に400mgの用量で投与される、実施形態77に記載の方法。
81.ペムブロリズマブ処置が、静脈内投与経路を介して投与される、実施形態77~80のいずれか1項に記載の方法。
82.ペムブロリズマブ処置が、3週間毎に4回投与される、実施形態77~81のいずれか1つに記載の方法。
83.ニボルマブ及びイピリムマブを含む併用処置による処置のためにメラノーマ患者を同定する方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること(ペプチド構造セットが、表1に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、及び
処置スコアを使用して処置出力を生成すること
(処置出力が併用処置に対する陽性応答分類または推奨処置としての併用処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、患者が、併用処置で処置される)。
84.併用処置が、3mg/kgのイピリムマブと組み合わせた1mg/kgのニボルマブの用量で投与される、実施形態83に記載の方法。
85.併用処置が、1mg/kgのイピリムマブと組み合わせた3mg/kgのニボルマブの用量で投与される、実施形態83に記載の方法。
86.併用処置が、静脈内投与経路を介して投与される、実施形態83~85のいずれか1つに記載の方法。
87.併用処置が、3週間毎に4回投与される、実施形態83~86のいずれか1つに記載の方法。
88.患者由来のサンプル中のペプチド構造セットを分析するための方法であって、方法が、以下を含む、方法:
(a)患者からサンプルを取得すること、
(b)サンプルを調製して、ペプチド構造セットを含む調製済みサンプルを形成すること、
(c)調製済みサンプルを反応モニタリング質量分析システムに投入して、ペプチド構造セットの各ペプチド構造に関連するプロダクトイオンのセットを検出すること
(ペプチド構造セットは、表6で同定されるペプチド構造PS-1~PS-38から選択される少なくとも1つのペプチド構造を含み、
ペプチド構造セットが、以下を有することを特徴とするペプチド構造を含み:
(i)ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されている質量電荷(m/z)比の±1.5以内のm/z比を有するプレカーサーイオン、及び
(ii)ペプチド構造に対応する表6の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内のm/z比を有するプロダクトイオン)、
(d)反応モニタリング質量分析システムを使用して、プロダクトイオンセットの定量データを生成すること。
89.プレカーサーイオンの質量電荷(m/z)比が、ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内である、実施形態88に記載の方法。
90.プレカーサーイオンの質量電荷(m/z)比が、ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内である、実施形態88に記載の方法。
91.プロダクトイオンの質量電荷(m/z)比が、ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±0.8以内である、実施形態88~90のいずれか1つに記載の方法。
92.プロダクトイオンの質量電荷(m/z)比が、ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内である、実施形態88~90のいずれか1つに記載の方法。
93.さらに、以下を含む、実施形態88~92のいずれか1つに記載の方法:
メラノーマ状態と診断された対象を処置するために、定量データを使用して処置出力を生成すること。
94.反応モニタリング質量分析システムが、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)または選択された反応モニタリング質量分析法(SRM-MS)のうちの少なくとも1つを使用して、プロダクトイオンセットを検出し、定量データを生成する、実施形態88~93のいずれか1つに記載の方法。
95.サンプルが、血漿サンプルを含む、実施形態88~94のいずれか1つに記載の方法。
96.サンプルが、血清サンプルを含む、実施形態88~94のいずれか1つに記載の方法。
97.サンプルを調製することが、以下のうちの少なくとも1つを含む、実施形態88~96のいずれか1つに記載の方法:
サンプル中の1つ以上のタンパク質を変性させて、1つ以上の変性タンパク質を形成すること、
サンプル中の1つ以上の変性タンパク質を還元して、1つ以上の還元タンパク質を形成すること、
アルキル化剤を使用して、サンプル中の1つ以上のタンパク質をアルキル化して、1つ以上の還元タンパク質におけるジスルフィド結合の再形成を防止して、1つ以上のアルキル化タンパク質を形成すること、または
タンパク質分解触媒を使用して、サンプル中の1つ以上のアルキル化タンパク質を消化して、ペプチド構造セットを含む調製済みサンプルを形成すること。
98.表1で同定されるペプチド構造PS-1~PS-38のうちの少なくとも1つを含む、組成。
99.以下である、ペプチド構造またはプロダクトイオンを含む、組成:
ペプチド構造またはプロダクトイオンが、表1のペプチド構造PS-1~PS-38に対応する配列番号21~46のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、
プロダクトイオンが、同定されるm/z範囲内に入るプロダクトイオンを含む、表6で同定されるプロダクトイオンからなる群の1つとして選択される。
100.以下である、表6で同定されるペプチド構造PS-1~PS-38からなる群から1つとして選択される糖ペプチド構造を含む組成:
糖ペプチドの構造が、以下を含み:
糖ペプチド構造に対応する表5で同定されるアミノ酸ペプチド配列、及び
グリカン構造が、表1で同定される対応する位置でアミノ酸ペプチド配列の残基に連結されている糖ペプチド構造に対応する、表1で同定されるグリカン構造、
グリカン構造が、グリカン組成を有する。
101.グリカン組成が、表7で同定される、実施形態100に記載の組成。
102.以下である、実施形態100または実施形態101に記載の組成:
糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する表6で同定される電荷を有するプレカーサーイオンを有する。
103.以下である、実施形態100~101のいずれか1つに記載の組成:
糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±1.5以内のm/z比を有するプレカーサーイオンを有する。
104.以下である、実施形態100~101のいずれか1つに記載の組成:
糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内のm/z比を有するプレカーサーイオンを有する。
105.以下である、実施形態100~101のいずれか1つに記載の組成:
糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内のm/z比を有するプレカーサーイオンを有する。
106.以下である、実施形態100~105のいずれか1つに記載の組成;
糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する表6の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内のm/z比を有するプロダクトイオンを有する。
107.以下である、実施形態100~105のいずれか1つに記載の組成;
糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する表6の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±0.8以内のm/z比を有するプロダクトイオンを有する。
108.以下である、実施形態100~105のいずれか1つに記載の組成;
糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する表6の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内のm/z比を有するプロダクトイオンを有する。
109.糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する表1で同定されるモノアイソトピック質量を有する、実施形態100~108のいずれか1つに記載の組成。
110.以下である、表1に示される複数のペプチド構造から1つとして選択されるペプチド構造を含む組成:
ペプチド構造が、表1のペプチド構造に対応するものと同定されるモノアイソトピック質量を有し、
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応する表1配列番号21~46のアミノ酸配列を含む。
111.以下である、実施形態110の組成:
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応する表6で同定される電荷を有するプレカーサーイオンを有する。
112.以下である、実施形態110の組成:
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応するものとして表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±1.5以内のm/z比を有するプレカーサーイオンを有する。
113.以下である、実施形態110の組成:
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応するものとして表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内のm/z比を有するプレカーサーイオンを有する。
114.以下である、実施形態110の組成:
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応するものとして表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内のm/z比を有するプレカーサーイオンを有する。
115.以下である、実施形態110~114のいずれか1つに記載の組成:
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応するものとして表6の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内のm/z比を有するプロダクトイオンを有する。
116.以下である、実施形態110~114のいずれか1つに記載の組成:
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応するものとして表6の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±0.8以内のm/z比を有するプロダクトイオンを有する。
117.以下である、実施形態110~114のいずれか1つに記載の組成:
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応するものとして表6の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内のm/z比を有するプロダクトイオンを有する。
118.実施形態1~87のいずれか1つに記載の方法の少なくとも一部を実行するために、表1で同定される少なくとも1つのペプチド構造を定量するための少なくとも1つの薬剤を含む、キット。
119.ペプチド配列セットのペプチド配列が、表1に定義される配列番号21~46の対応するものにより同定され、実施形態1~87のいずれか1つに記載の方法の少なくとも一部を実行するために、糖ペプチド標準、緩衝液、またはペプチド配列セットのうちの少なくとも1つを含む、キット。
120.以下を含む、システム:
1つ以上のデータプロセッサー、及び
1つ以上のデータプロセッサー上で実行される場合、1つ以上のデータプロセッサーに、実施形態1~87のいずれか1つの一部または全部を実行させる命令を含有する、非一時的なコンピューター可読記憶媒体。
121.1つ以上のデータプロセッサーに、実施形態1~87のいずれか1つの一部または全部を実行させるように構成された命令を含む、非一時的な機械可読記憶媒体に明白に具体化されたコンピュータープログラム製品。
122.対象の疾患または状態を予測する1つ以上の糖ペプチドバイオマーカーを同定するための方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象から第1の時点で第1のサンプルを取得し、第2の時点で第2のサンプルを取得すること(第1のサンプル及び第2のサンプルが、糖タンパク質を含む)、
第1のサンプルまたは第2のサンプル中の糖タンパク質を、1つ以上の糖ペプチドにフラグメント化すること(1つ以上の糖ペプチドが、配列番号21~46、101~131、及び159~207、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む)、
多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、1つ以上の糖ペプチドの量を決定すること、
1つ以上の糖ペプチドの量を第1の時点または第2の時点に関連付けること(対象が、第1の時点から第2の時点までに疾患または状態の変化を有する)、
糖ペプチドを糖ペプチドバイオマーカーとして同定すること(1つ以上の糖ペプチドの量が、第1の時点から第2の時点までに変化した)。
123.対象の疾患または状態を予測する1つ以上の糖ペプチドバイオマーカーを同定するための方法であって、方法が、以下を含む、方法:
コンピューターで、対象のセット(n)について1つ以上の糖ペプチドの量のデータを取得すること(1つ以上の糖ペプチドが、対象由来のサンプル中の糖タンパク質をフラグメント化することにより生成され、1つ以上の糖ペプチドの量が、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して決定され、各対象のデータが、複数の時点で採取されたサンプルのデータを含む)
コンピューターで、予測モデルに含まれるように、1つ以上の糖ペプチドのサブセットを選択すること、
コンピューターで、n-1の対象との交差検証を使用して予測モデルを評価して、ホールドアウト対象のアウトカムスコアを生成すること、
コンピューターで、ホールドアウト対象としてのnの対象のそれぞれに対しステップ(c)を反復して、各対象のアウトカムスコアを生成すること、
コンピューターで、カットオフアウトカムスコアでの各対象に対するアウトカムスコアを、カットオフアウトカムスコアを下回るもの、またはそれを上回るものに二分すること、
コンピューターで、1つ以上の糖ペプチドのサブセットの各糖ペプチドについて、カットオフアウトカムスコアを上回るアウトカムスコアを有する対象に対する1つ以上の糖ペプチドの量~カットオフアウトカムスコアを下回るアウトカムスコアを有する対象に対する1つ以上の糖ペプチドの量を分析して、各糖ペプチドについてハザード比及び相互作用p値を決定すること;
コンピューターで、相互作用p値≦0.05を有する糖ペプチドを、疾患または状態を予測するための糖ペプチドバイオマーカーとして同定すること。
124.対象の疾患または状態を予測する1つ以上の糖ペプチドバイオマーカーを同定するための方法であって、方法が、以下を含む、方法:
コンピューターで、対象のセット(n)について1つ以上の糖ペプチドの量のデータを取得すること(1つ以上の糖ペプチドが、対象由来のサンプル中の糖タンパク質をフラグメント化することにより生成され、1つ以上の糖ペプチドの量が、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して決定され、各対象のデータが、複数の時点で採取されたサンプルのデータを含む)
コンピューターで、予測モデルに含まれるように、1つ以上の糖ペプチドのサブセットを選択すること、
コンピューターで、n-1の対象との交差検証を使用して予測モデルを評価して、ホールドアウト対象のアウトカムスコアを生成すること、
コンピューターで、ホールドアウト対象としてのnの対象のそれぞれに対しステップ(c)を反復して、各対象のアウトカムスコアを生成すること、
コンピューターで、カットオフアウトカムスコアでの各対象に対するアウトカムスコアを、カットオフアウトカムスコアを下回るもの、またはそれを上回るものに二分すること、
コンピューターで、1つ以上の糖ペプチドのサブセットの各糖ペプチドについて、カットオフアウトカムスコアを上回るアウトカムスコアを有する対象に対する1つ以上の糖ペプチドの量~カットオフアウトカムスコアを下回るアウトカムスコアを有する対象に対する1つ以上の糖ペプチドの量を分析して、各糖ペプチドについてハザード比及び相互作用p値を決定すること;
コンピューターで、相互作用p値≦0.05を有する糖ペプチドを、疾患または状態を予測するための糖ペプチドバイオマーカーとして同定すること。
125.対象の状態及び処置の状況を評価するための方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象のサンプル中の糖タンパク質を1つ以上の糖ペプチドにフラグメント化すること(サンプルが、糖タンパク質、グリカン、または糖ペプチドのうちの1つ以上を含む)、
多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、1つ以上の糖ペプチドに対して質量分析(MS)を実行し、サンプル中の1つ以上の糖ペプチドの量を定量すること(1つ以上の糖ペプチドが、配列番号7、9、12、15、16、18、20、30、34、37、44、59、60、61、62、66、69、70、75、77、80、及び83、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む)、
1つ以上の糖ペプチドの量のデータを、訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成すること(出力確率が、処置が状態に罹患している対象のアウトカムにプラスの影響を与えるかどうかを示す)、
出力確率に基づいて処置推奨を生成すること
(状態が、メラノーマであり、処置が、チェックポイント阻害薬を含む)。
126.対象の状態及び処置の状況を評価するための方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象のサンプル中の糖タンパク質を1つ以上の糖ペプチドにフラグメント化すること(サンプルが、糖タンパク質、グリカン、または糖ペプチドのうちの1つ以上を含む)、
多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、1つ以上の糖ペプチドに対して質量分析(MS)を実行し、サンプル中の1つ以上の糖ペプチドの量を定量すること(1つ以上の糖ペプチドが、配列番号300~429ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む)、
1つ以上の糖ペプチドの量のデータを、訓練済みモデルに入力して、出力確率を生成すること(出力確率が、処置が状態に罹患している対象のアウトカムにプラスの影響を与えるかどうかを示す)、
出力確率に基づいて処置推奨を生成すること
(状態が、非小細胞肺癌(NSCLC)であり、処置が、チェックポイント阻害薬を含む)。
127.配列番号300~429及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、糖ペプチド。
128.配列番号300~429からなる群より選択される1つ以上のアミノ酸配列を含む糖ペプチドを含む糖ペプチド標準、及びがんを処置するための糖ペプチド標準を使用する使用説明書を含む、キット。
129.フラグメント化することが、プロテアーゼ消化を含む、実施形態122~125のいずれか1つに記載の方法。
130.フラグメント化することが、機械的な力を加えることを含む、実施形態122~125のいずれか1つに記載の方法。
131.1つ以上の糖ペプチドの量が、多重反応モニタリング(MRM)トランジションを測定する、実施形態122~125のいずれか1つに記載の方法。
132.さらに、ステップ(e)で同定される糖ペプチドバイオマーカーのうちの1つ以上を含む糖ペプチドバイオマーカーのパネルを生成する、実施形態122に記載の方法。
133.交差検証が、リーブ・ワン・アウト交差検証(LOOCV)である、実施形態123に記載の方法。
134.カットオフアウトカムスコアが、ハレルのCインデックスを最適化するように決定された、実施形態123に記載の方法。
135.相互作用p値が、ステップ(g)で0.01、0.005、または0.001以下である、実施形態123に記載の方法。
136.アウトカムが、全生存期間を含む、実施形態125~126のいずれか1つに記載の方法。
137.アウトカムが、無増悪生存期間を含む、実施形態125~126のいずれか1つに記載の方法。
138.処置が、イピリムマブ、ニボルマブ、及びペムブロリズマブのうちの1つ以上を含む、実施形態125~126のいずれか1つに記載の方法。
139.処置が、PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬、及びCTLA-4阻害薬のうちの1つ以上を含む、実施形態125~126のいずれか1つに記載の方法。
140.処置が、化学療法を含む、実施形態125~126のいずれか1つに記載の方法。
141.化学療法が、カルボプラチン及びペメトレキセドのうちの1つ以上を含む、実施形態125~126のいずれか1つに記載の方法。
142.出力確率がアウトカムにプラスの影響を与える処置を示す場合、推奨が、処置を継続することを含む、実施形態125~126のいずれか1つに記載の方法。
1A.メラノーマまたは非小細胞肺癌状態と診断された対象の処置を管理する方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること(ペプチド構造セットが、表7、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
処置スコアを使用して、対象の処置に対する予測応答を示す処置出力を生成すること。
2A.処置出力を生成することが、以下を含む、実施形態1Aに記載の方法:
処置スコアが、選択閾値を上回るかどうかに基づいて、処置に対する予測応答を生成すること。
3A.前記選択閾値が、0.5である、実施形態2Aに記載の方法。
4A.予測応答を生成することが、以下を含む、実施形態2Aに記載の方法:
処置スコアが0.5を上回る場合、対象の第1の予測応答分類を同定すること、及び
処置スコアが0.5を上回らない場合、対象の第2の予測応答分類を同定すること。
5A.第1の予測応答分類が、持続制御であり、第2の予測応答分類が、早期中断である、実施形態4Aに記載の方法。
6A.処置が、ペムブロリズマブであり、ペプチド構造セットが、表2に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む、実施形態1A~5Aのいずれか1つに記載の方法。
7A.状態が、メラノーマであり、処置が、ニボルマブ及びイピリムマブの組み合わせを含み、ペプチド構造セットが、表3に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む、実施形態1A~6Aのいずれか1つに記載の方法。
8A.処置アウトカムが、対象に対する処置計画を修正するための推奨を含む、実施形態1A~7Aのいずれか1つに記載の方法。
9A.処置計画を修正するための推奨が、対象に対して異なる処置の選択すること、処置の用量を変更すること、または処置を、少なくとも1つの他の処置と組み合わせること、のうちの少なくとも1つを含む、実施形態8Aに記載の方法。
10A.処置スコアを計算することが、以下を含む、実施形態1A~9Aのいずれか1つに記載の方法:
基準存在量よりも大きい選択された存在量を有するペプチド構造セットの割合を計算すること。
11A.ペプチド構造セットのペプチド構造の基準存在量が、サンプル集団にわたるペプチド構造の複数の存在量の中央値であり、ペプチド構造セットの糖ペプチド構造の選択された存在量が、相対的な存在量であり、ペプチド構造セットの非グリコシル化ペプチド構造の選択された存在量が、絶対的な存在量である、実施形態10Aに記載の方法。
12A.さらに、以下を含む、実施形態1A~11Aのいずれか1つに記載の方法:
サンプルデータと、サンプルデータに対応するペプチド構造のコレクションの各ペプチド構造の相対的重要性を同定する統計アルゴリズムを使用して、ペプチド構造セットを同定すること。
13A.統計的アルゴリズムが、ウィルコクソン順位和検定を含む、実施形態12Aに記載の方法。
14A.ペプチド構造のセットを同定することが、以下を含む、実施形態12Aまたは実施形態13Aに記載の方法:
第1の応答分類及び第2の応答分類間の選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造を同定するために、サンプルデータを使用して差異存在量分析を実行して、処置に対する第1の応答分類に対応するサンプルデータの第1の部分及び処置に対する第2の応答分類に対応するサンプルデータの第2の部分を比較すること。
15A.選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造が、20個のペプチド構造である、実施形態14Aに記載の方法。
16A.以下である、実施形態14Aまたは実施形態15Aに記載の方法:
第1の応答分類が、持続制御であり、処置投与後の持続期間中に中断イベントが存在しないことを示し、
第2の応答分類が、処置後の初期期間中に少なくとも1つの中断イベントが存在することを示す早期中断であり、
持続期間が、初期期間よりも長くなる。
17A.持続期間が、12ヶ月であり、初期期間が、6ヶ月である、実施形態16Aに記載の方法。
18A.少なくとも1つのペプチド構造が、表27で同定されるように、ペプチド配列で定義された糖ペプチド構造と、ペプチド配列の連結部位でペプチド配列に連結されたグリカン構造を含み、ペプチド配列が、表7に定義される配列番号21~46の1つである、実施形態1A~17Aのいずれか1つに記載の方法。
19A.ペプチド構造セットのペプチド構造の定量データが、調整済み存在量、相対存在量、絶対存在量、正規化存在量、相対量、調整済み量、正規化量、相対濃度、調整済み濃度、または正規化濃度のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1A~18Aのいずれか1つに記載の方法。
20A.ペプチド構造データが、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して生成される、実施形態1A~19Aのいずれか1つに記載の方法。
21A.さらに、以下を含む、実施形態1A~20Aのいずれか1つに記載の方法:
生物サンプルからサンプルを作成すること、ならびに
還元、アルキル化、及び酵素消化を使用してサンプルを調製して、ペプチド構造セットを含む調製済みサンプルを形成すること。
22A.さらに、以下を含む、実施形態21Aに記載の方法:
多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、調製済みサンプルからペプチド構造データを生成すること。
23A.処置出力が、処置の設計または処置の治療用量のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1A~22Aのいずれか1つに記載の方法。
24A.さらに、以下を含む、実施形態1A~23Aのいずれか1つに記載の方法:
処置出力をリモートシステムに送信すること。
25A.さらに、以下を含む、実施形態1A~24Aのいずれか1つに記載の方法:
処置が成功することを示す予測応答分類である予測応答に基づいて、治療用量の処置を投与すること。
26A.さらに、以下を含む、実施形態1A~25Aのいずれか1つに記載の方法:
持続制御である予測応答に基づいて、治療用量の処置を投与すること。
27A.メラノーマまたは非小細胞肺癌の状態と診断された対象の処置管理のための方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに関連するペプチド構造セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットの複数のサブセットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、複数の処置スコアを計算すること(複数の処置スコアの各処置スコアが、複数の処置のうちの異なる処置に対応し、複数のサブセットの各サブセットが、表1、表12、表14。または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
複数の処置スコアの比較分析を実行すること、及び
比較分析に基づいて処置出力を生成すること(処置出力が、対象を処置するための推奨処置計画を含む)。
28A.処置出力を生成することが、以下を含む、実施形態27Aに記載の方法:
対象を処置するために推奨される処置として、処置スコアが最も高い複数の処置のうちの処置を同定すること。
29A.状態が、メラノーマであり、複数の処置が、ペムブロリズマブの第1の処置ならびにニボルマブ及びイピリムマブからなる第2の処置を含む、実施形態27Aまたは実施形態28Aに記載の方法。
30A.比較分析を実行することが、以下を含む、実施形態27A~29Aのいずれか1つに記載の方法:
複数の処置のうちの処置が選択閾値を下回る処置スコアを有すると判定すること、及び
処置を比較分析から除外すること。
31A.選択閾値が、0.5である、実施形態30Aに記載の方法。
32A.処置出力を生成することが、以下を含む、実施形態27A~31Aのいずれか1つに記載の方法:
複数の処置スコアの対応する処置スコアを使用して、複数の処置の各処置について対象に対する予測応答分類を同定すること。
33A.対応する処置スコアが、選択閾値を上回る場合、予測応答分類が、持続制御であり、対応する処置スコアが、選択閾値を上回らない場合、予測応答分類が、早期中断である、実施形態32Aに記載の方法。
34A.選択閾値が、0.5である、実施形態33Aに記載の方法。
35A.処置出力を生成することが、以下を含む、実施形態27A~34Aのいずれか1つに記載の方法。
最高の処置スコアを有する複数の処置のうちの1つの処置を同定すること、
最高の処置スコアが、選択閾値を上回らないと判定すること、及び
対象に対する既存の処置計画を修正するための推奨を含む、推奨処置計画で処置出力を生成すること。
36A.既存の処置計画を修正するための推奨が、対象に対して異なる処置を選択すること、既存の処置計画の一部である処置の用量を変更すること、または処置を、少なくとも1つの他の処置と組み合わせること、のうちの少なくとも1つを含む、実施形態35Aに記載の方法。
37A.処置出力を生成することが、以下を含む、実施形態27A~36Aのいずれか1つに記載の方法。
最高の処置スコアを有する複数の処置のうちの1つの処置を、最高スコアの処置として同定すること、
最高の処置スコアが、選択閾値を超えていると判定すること、及び
推奨処置計画で処置出力を生成し、対象を処置するための推奨処置として最高スコアの処置を同定すること。
38A.状態が、メラノーマであり、複数の処置のうちの第1の処置が、ペムブロリズマブを含み、複数の処置のうちの第2の処置が、ニボルマブ及びイピリムマブの組み合わせを含み、複数の処置スコアを計算することが、以下を含む、実施形態27A~37Aのいずれか1つに記載の方法:
ペプチド構造セットの複数のサブセットのうちの第1のサブセットについてペプチド構造データから同定される定量データの第1の部分を使用して、第1の処置に対する第1の処置スコアを計算すること(第1のサブセットが、表2に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む);ならびに
ペプチド構造セットの複数のサブセットのうちの第2のサブセットについてペプチド構造データから同定される定量データの第2の部分を使用して、第2の処置に対す第2の処置スコアを計算すること(第2のサブセットが、表3に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)。
39A.複数の処置スコアを計算することが、以下を含む、実施形態27A~38Aのいずれか1つに記載の方法:
基準存在量よりも大きい選択された存在量を有するペプチド構造セットの複数のサブセットのうちのサブセットの割合を、複数の処置スコアのうちの処置スコアとして計算すること。
40A.ペプチド構造セットのペプチド構造の基準存在量が、サンプル集団にわたるペプチド構造の複数の存在量の中央値であり、ペプチド構造セットの糖ペプチド構造の選択された存在量が、相対的な存在量であり、ペプチド構造セットの非グリコシル化ペプチド構造の選択された存在量が、絶対的な存在量である、実施形態39Aに記載の方法。
41A.さらに、以下を含む、実施形態27A~40Aのいずれか1つに記載の方法。
複数の処置のうち選択された処置に関して、サンプルデータと、サンプルデータに対応するペプチド構造のコレクションの各ペプチド構造の相対的重要性を同定する統計アルゴリズムを使用して、ペプチド構造セットの複数のサブセットのうちのサブセットを同定すること。
42A.統計的アルゴリズムが、ウィルコクソン順位和検定を含む、実施形態41Aに記載の方法。
43A.サブセットを同定することが、以下を含む、実施形態41Aまたは実施形態42Aに記載の方法:
第1の応答分類及び第2の応答分類間の選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造を同定するために、サンプルデータを使用して差異存在量分析を実行して、選択された処置に対する第1の応答分類に対応するサンプルデータの第1の部分及び選択された処置に対する第2の応答分類に対応するサンプルデータの第2の部分を比較すること。
44A.選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造が、20個のペプチド構造である、実施形態43Aに記載の方法。
45A.以下である、実施形態43Aまたは実施形態44Aに記載の方法:
第1の応答分類が、持続制御であり、処置投与後の持続期間中に中断イベントが存在しないことを示し、
第2の応答分類が、処置後の初期期間中に少なくとも1つの中断イベントが存在することを示す早期中断であり、
持続期間が、初期期間よりも長くなる。
46A.持続期間が、12ヶ月であり、初期期間が、6ヶ月である、実施形態45に記載の方法。
47A.少なくとも1つのペプチド構造が、表27で同定されるように、ペプチド配列で定義された糖ペプチド構造と、ペプチド配列の連結部位でペプチド配列に連結されたグリカン構造を含み、ペプチド配列が、表7に定義される配列番号21~46の1つである、実施形態27A~46Aのいずれか1つに記載の方法。
48A.ペプチド構造セットのペプチド構造の定量データが、調整済み存在量、相対存在量、絶対存在量、正規化存在量、相対量、調整済み量、正規化量、相対濃度、調整済み濃度、または正規化濃度のうちの少なくとも1つを含む、実施形態27A~47Aのいずれか1つに記載の方法。
49A.ペプチド構造データが、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して生成される、実施形態27A~48Aのいずれか1つに記載の方法。
50A.さらに、以下を含む、実施形態27A~49Aのいずれか1つに記載の方法:
生物サンプルからサンプルを作成すること、ならびに
還元、アルキル化、及び酵素消化を使用してサンプルを調製して、ペプチド構造セットを含む調製済みサンプルを形成すること。
51A.さらに、以下を含む、実施形態50Aに記載の方法:
多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、調製済みサンプルからペプチド構造データを生成すること。
52A.推奨処置計画が、推奨処置と、推奨処置の治療用量を同定する、実施形態27A~51Aのいずれか1つに記載の方法。
53A.さらに、以下を含む、実施形態52Aに記載の方法:
治療用量の推奨されるものを投与すること。
54A.さらに、以下を含む、実施形態27A~53Aのいずれか1つに記載の方法。
処置出力をリモートシステムに送信すること。
55A.メラノーマ状態と診断された対象の処置管理のための方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに関連するペプチド構造セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットの第1のサブセットについてペプチド構造データから同定される第1の定量データを使用して、ペムブロリズマブの第1の処置に対する第1の処置スコアを計算すること(第1のサブセットが、表2に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
ペプチド構造セットの第2のサブセットについてペプチド構造データから同定される第2の定量データを使用して、ニボルマブ及びイピリムマブからなる第2の処置に対する第2の処置スコアを計算すること(第2のサブセットが、表3に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
第1の処置スコア及び第2の処置スコアの比較分析を実行すること、ならびに
比較分析に基づいて処置出力を生成すること(処置出力が、第1の処置及び第2の処置のうちの1つを推奨処置として対象に同定する)。
56A.第1の処置スコアを計算することが、以下を含む、実施形態55に記載の方法:
基準存在量よりも大きい選択された存在量を有する第1のサブセットの割合を第1の処置スコアとして計算するステップ。
57A.第2の処置スコアを計算することが、以下を含む、実施形態55Aまたは実施形態56Aに記載の方法:
基準存在量よりも大きい選択された存在量を有する第2のサブセットの割合を記第2の処置スコアとして計算すること。
58A.以下を含む、メラノーマまたは非小細胞肺癌状態と診断された対象を処置するための方法。
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること(ペプチド構造セットが、表1、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
処置スコアを使用して、対象の処置に対する予測応答を示す処置出力を生成すること、及び
陽性応答分類を含む予測応答に応答して患者に処置を投与すること(投与するステップが、治療用量の推奨処置またはその派生物の静脈内投与または経口投与のうちの少なくとも1つを含み、
処置が、以下からなる群より選択される:
3週間毎に200mg、3週間毎に2mg/kg、または6週間毎に400mgのうちの少なくとも1つの治療用量が投与されるペムブロリズマブの第1の処置、ならびに
ニボルマブ及びイピリムマブで構成される第2の処置(3mg/kgのイピリムマブを伴う1mg/kgのニボルマブまたは1mg/kgのイピリムマブを伴う3mg/kgのニボルマブとのいずれかの治療用量が投与される))。
59A.以下を含む、メラノーマ状態と診断された対象を処置するための方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに関連するペプチド構造セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットの複数のサブセットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、複数の処置スコアを計算すること(複数の処置スコアの各処置スコアが、複数の処置のうちの異なる処置に対応し、複数のサブセットの各サブセットが、表1、表12、表14。または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
複数の処置スコアの比較分析を実行すること、
比較分析に基づいて処置出力を生成すること(処置出力が、対象を処置するための複数の処置の推奨処置を含む)、及び
推奨処置を患者に投与すること(投与するステップが、治療用量の推奨処置またはその派生物を静脈内投与または経口投与のうちの少なくとも1つを含み、
複数の処置が、以下を含む:
3週間毎に200mg、3週間毎に2mg/kg、または6週間毎に400mgのうちの少なくとも1つの治療用量が投与されるペムブロリズマブの第1の処置、ならびに
ニボルマブ及びイピリムマブで構成される第2の処置(3mg/kgのイピリムマブを伴う1mg/kgのニボルマブまたは1mg/kgのイピリムマブを伴う3mg/kgのニボルマブとのいずれかの治療用量が投与される))。
60A.メラノーマまたは非小細胞肺癌状態と診断された対象の処置を管理する方法であって、方法が、以下を含む、方法:
サンプル集団のサンプルデータを受信すること(サンプルデータが、メラノーマまたは非小細胞肺癌状態と診断された複数のサンプル対象の処置への応答の特徴を示し、複数のサンプル対象の各対象のペプチド構造コレクションに対するサンプルペプチド構造データを含む)、
複数のサンプル対象の応答に基づいて、サンプルデータを、第1の応答分類に対応する第1群及び第2の応答分類に対応する第2群に分類すること、
サンプルデータを使用して差異存在量分析を実行して、第1の応答分類に対応するサンプルデータの第1群及び第2の応答分類に対応するサンプルデータの第2群を比較し、ペプチド構造コレクションからペプチド構造セットを同定すること、
(ペプチド構造セットが、第1の応答分類及び第2の応答分類間で選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造を含む)
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置に対する処置スコアを計算すること、ならびに
処置スコアを使用して、対象の処置に対する予測応答を示す処置出力を生成すること。
61A.ペプチド構造セットが、表1、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む、実施形態60Aに記載の方法。
62A.差異存在量分析が、ウィルコクソン順位和検定を使用して実行される、実施形態60Aまたは実施形態61Aに記載の方法。
63A.選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造が、20個のペプチド構造である、実施形態60A~62Aのいずれか1つに記載の方法。
64A.以下である、実施形態60A~63Aのいずれか1つに記載の方法。
第1の応答分類が、持続制御であり、処置投与後の持続期間中に中断イベントが存在しないことを示し、
第2の応答分類が、処置後の初期期間中に少なくとも1つの中断イベントが存在することを示す早期中断であり、
持続期間が、初期期間よりも長くなる。
65A.持続期間が、12ヶ月であり、初期期間が、6ヶ月である、実施形態64Aに記載の方法。
66A.対象のメラノーマまたは非小細胞肺癌を処置する方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること(ペプチド構造セットが、表1、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
処置スコアを使用して、処置出力を生成すること、及び
処置出力が、ペムブロリズマブ処置に対する陽性応答分類、または推奨処置としてのペムブロリズマブ処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、対象にペムブロリズマブ処置を投与すること。
67A.投与することが、以下を含む、実施形態66Aに記載の方法:
ペムブロリズマブ処置を3週間毎に200mgの用量で投与すること。
68A.投与することが、以下を含む、実施形態66Aに記載の方法:
ペムブロリズマブ処置を3週間毎に2mg/kg mgの用量で投与すること。
69A.投与することが、以下を含む、実施形態66Aに記載の方法:
ペムブロリズマブ処置を3週間毎に400mgの用量で投与すること。
70A.投与することが、以下を含む、実施形態66A~69Aのいずれか1つに記載の方法:
静脈内投与経路を介してペムブロリズマブ処置を投与すること。
71A.投与することが、以下を含む、実施形態66A~70Aのいずれか1つに記載の方法:
ペムブロリズマブ処置を3週間毎に4回投与すること。
72A.対象のメラノーマまたは非小細胞肺癌を処置する方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること(ペプチド構造セットが、表1、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
処置スコアを使用して、処置出力を生成すること、及び
処置出力が、併用処置に対する陽性応答分類または推奨処置としての併用処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、ニボルマブ及びイピリムマブの組み合わせを含む併用処置を対象に投与すること。
73A.投与することが、以下を含む、実施形態72Aに記載の方法:
3mg/kgのイピリムマブを伴う1mg/kgのニボルマブの用量で、併用処置を対象に投与すること。
74A.投与することが、以下を含む、実施形態72Aに記載の方法:
1mg/kgのイピリムマブを伴う3mg/kgのニボルマブの用量で、併用処置を対象に投与すること。
75A.投与することが、以下を含む、実施形態72A~74Aのいずれか1つに記載の方法:
静脈内投与経路を介して併用処置を投与すること。
76A.投与することが、以下を含む、実施形態72A~75Aのいずれか1つに記載の方法:
併用処置を3週間毎に4回投与すること。
77A.ペムブロリズマブ処置による処置のためにメラノーマまたは非小細胞肺癌患者を同定する方法であって、方法が、以下を含む、方法。
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること(ペプチド構造セットが、表1、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、及び
処置スコアを使用して処置出力を生成すること
(処置出力がペムブロリズマブ処置に対する陽性応答分類、または推奨処置としてのペムブロリズマブ処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、患者が、ペムブロリズマブ処置で処置される)。
78A.ペムブロリズマブ処置が、3週間毎に200mgの用量で投与される、実施形態77Aに記載の方法。
79A.ペムブロリズマブ処置が、3週間毎に2mg/kg mgの用量で投与される、実施形態77Aに記載の方法。
80A.ペムブロリズマブ処置が、3週間毎に400mgの用量で投与される、実施形態77Aに記載の方法。
81A.ペムブロリズマブ処置が、静脈内投与経路を介して投与される、実施形態77A~80Aのいずれか1つに記載の方法。
82A.ペムブロリズマブ処置が、3週間毎に4回投与される、実施形態77A~81Aのいずれか1つに記載の方法。
83A.ニボルマブ及びイピリムマブを含む併用処置による処置のためにメラノーマ患者を同定する方法であって、方法が、以下を含む、方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること(ペプチド構造セットが、表1、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、及び
処置スコアを使用して処置出力を生成すること
(処置出力が併用処置に対する陽性応答分類または推奨処置としての併用処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、患者が、併用処置で処置される)。
84A.併用処置が、3mg/kgのイピリムマブと組み合わせた1mg/kgのニボルマブの用量で投与される、実施形態83Aに記載の方法。
85A.併用処置が、1mg/kgのイピリムマブと組み合わせた3mg/kgのニボルマブの用量で投与される、実施形態83aに記載の方法。
86A.併用処置が、静脈内投与経路を介して投与される、実施形態83A~85Aのいずれか1つに記載の方法。
87A.併用処置が、3週間毎に4回投与される、実施形態83A~86Aのいずれか1つに記載の方法。
88A.患者由来のサンプル中のペプチド構造セットを分析するための方法であって、方法が、以下を含む、方法:
(a)患者からサンプルを取得すること、
(b)サンプルを調製して、ペプチド構造セットを含む調製済みサンプルを形成すること、
(c)調製済みサンプルを反応モニタリング質量分析システムに投入して、ペプチド構造セットの各ペプチド構造に関連するプロダクトイオンのセットを検出すること
(ペプチド構造セットは、表6で同定されるペプチド構造PS-1~PS-38から選択される少なくとも1つのペプチド構造を含み、
ペプチド構造セットが、以下を有することを特徴とするペプチド構造を含み:
(i)ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されている質量電荷(m/z)比の±1.5以内のm/z比を有するプレカーサーイオン、及び
(ii)ペプチド構造に対応する表6の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内のm/z比を有するプロダクトイオン)、
(d)反応モニタリング質量分析システムを使用して、プロダクトイオンセットの定量データを生成すること。
89A.プレカーサーイオンの質量電荷(m/z)比が、ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内である、実施形態88Aに記載の方法。
90A.プレカーサーイオンの質量電荷(m/z)比が、ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内である、実施形態88Aに記載の方法。
91A.プロダクトイオンの質量電荷(m/z)比が、ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±0.8以内である、実施形態88A~90Aのいずれか1つに記載の方法。
92A.プロダクトイオンの質量電荷(m/z)比が、ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内である、実施形態88A~90Aのいずれか1つに記載の方法。
93A.さらに、以下を含む、実施形態88A~92Aのいずれか1つに記載の方法:
メラノーマ状態と診断された対象を処置するために、定量データを使用して処置出力を生成すること。
94A.反応モニタリング質量分析システムが、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)または選択された反応モニタリング質量分析法(SRM-MS)のうちの少なくとも1つを使用して、プロダクトイオンセットを検出し、定量データを生成する、実施形態88A~93Aのいずれか1つに記載の方法。
95A.サンプルが、血漿サンプルを含む、実施形態88A~94Aのいずれか1つに記載の方法。
96A.サンプルが、血清サンプルを含む、実施形態88A~94Aのいずれか1つに記載の方法。
97A.サンプルを調製することが、以下のうちの少なくとも1つを含む、実施形態88A~96Aのいずれか1つに記載の方法:
サンプル中の1つ以上のタンパク質を変性させて、1つ以上の変性タンパク質を形成すること、
サンプル中の1つ以上の変性タンパク質を還元して、1つ以上の還元タンパク質を形成すること、
アルキル化剤を使用して、サンプル中の1つ以上のタンパク質をアルキル化して、1つ以上の還元タンパク質におけるジスルフィド結合の再形成を防止して、1つ以上のアルキル化タンパク質を形成すること、または
タンパク質分解触媒を使用して、サンプル中の1つ以上のアルキル化タンパク質を消化して、ペプチド構造セットを含む調製済みサンプルを形成すること。
98A.表1、表12、表14、または表16で同定されるペプチド構造の少なくとも1つを含む、組成。
99A.以下である、ペプチド構造またはプロダクトイオンを含む、組成:
ペプチド構造またはプロダクトイオンが、配列番号21~46、101~131、及び159~257のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、
プロダクトイオンが、同定されるm/z範囲内に入るプロダクトイオンを含む、表6、18、または20で同定されるプロダクトイオンからなる群の1つとして選択される。
100A.以下である、表6で同定されるペプチド構造PS-1~PS-38、表18のペプチド構造、または表20のペプチド構造からなる群の1つとして選択される糖ペプチド構造を含む組成:
糖ペプチドの構造が、以下を含み:
糖ペプチド構造に対応する表5で同定されるアミノ酸ペプチド配列、及び
グリカン構造が、表1で同定される対応する位置でアミノ酸ペプチド配列の残基に連結されている糖ペプチド構造に対応する、表1で同定されるグリカン構造、
グリカン構造が、グリカン組成を有する。
101A.グリカン組成が、表7で同定される、実施形態100Aに記載の組成。
102A.以下である、実施形態100Aまたは実施形態101Aに記載の組成:
糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する表6で同定される電荷を有するプレカーサーイオンを有する。
103A.以下である、実施形態100A~101Aのいずれか1つの組成:
糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する、表6、表18、または表20のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±1.5以内のm/z比を有するプレカーサーイオンを有する。
104A.以下である、実施形態100A~101Aのいずれか1つの組成:
糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する、表6、表18、または表20のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内のm/z比を有するプレカーサーイオンを有する。
105A.以下である、実施形態100A~101Aのいずれか1つの組成:
糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する、表6、表18、または表20のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内のm/z比を有するプレカーサーイオンを有する。
106A.以下である、実施形態100A~105Aのいずれか1つの組成:
糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する表6、表18、または表20の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内のm/z比を有するプロダクトイオンを有する。
107A.以下である、実施形態100A~105Aのいずれか1つの組成:
糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する表6、表18、または表20の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±0.8以内のm/z比を有するプロダクトイオンを有する。
108A.以下である、実施形態100A~105Aのいずれか1つの組成:
糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する表6の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内のm/z比を有するプロダクトイオンを有する。
109A.糖ペプチド構造が、糖ペプチド構造に対応する表1で同定されるモノアイソトピック質量を有する、実施形態100A~108Aのいずれか1つに記載の組成。
110A.以下である、表1に示される複数のペプチド構造から1つとして選択されるペプチド構造を含む組成:
ペプチド構造が、表1のペプチド構造に対応するものと同定されるモノアイソトピック質量を有し、
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応する配列番号21~46のアミノ酸配列を含む。
111A.以下である、実施形態110Aに記載の組成:
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応する表6で同定される電荷を有するプレカーサーイオンを有する。
112A.以下である、実施形態110Aに記載の組成:
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応するものとして表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±1.5以内のm/z比を有するプレカーサーイオンを有する。
113A.以下である、実施形態110Aに記載の組成:
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応するものとして表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内のm/z比を有するプレカーサーイオンを有する。
114A.以下である、実施形態110Aに記載の組成:
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応するものとして表6のプレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内のm/z比を有するプレカーサーイオンを有する。
115A.以下である、実施形態110A~114Aのいずれか1つの組成:
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応するものとして表6の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内のm/z比を有するプロダクトイオンを有する。
116A.以下である、実施形態110A~114Aのいずれか1つの組成:
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応するものとして表6の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±0.8以内のm/z比を有するプロダクトイオンを有する。
117A.以下である、実施形態110A~114Aのいずれか1つの組成:
ペプチド構造が、ペプチド構造に対応するものとして表6の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内のm/z比を有するプロダクトイオンを有する。
118A.実施形態1~87のいずれか1つに記載の方法の少なくとも一部を実行するために、表1、表12、表14、または表16で同定される少なくとも1つのペプチド構造を定量するための少なくとも1つの薬剤を含む、キット。
119A.ペプチド配列セットのペプチド配列が、配列番号21~46、101~131、159~207、または300~429の対応するものにより同定され、実施形態1~87のいずれか1つに記載の方法の少なくとも一部を実行するために、糖ペプチド標準、緩衝液、またはペプチド配列セットのうちの少なくとも1つを含む、キット。
120A.以下を含む、システム:
1つ以上のデータプロセッサー、及び
1つ以上のデータプロセッサー上で実行される場合、1つ以上のデータプロセッサーに、実施形態1~87のいずれか1つの一部または全部を実行させる命令を含有する、非一時的なコンピューター可読記憶媒体。
121A.1つ以上のデータプロセッサーに、実施形態1A~87Aのいずれか1つの一部または全部を実行させるように構成された命令を含む、非一時的な機械可読記憶媒体に明白に具体化されたコンピュータープログラム製品。
122A.対象が、メラノーマに罹患しており、ペプチド構造セットが、表12の少なくとも1つのペプチド構造を含む、実施形態1A~82Aのいずれか1つに記載の方法。
123A.ペプチド構造セットが、表12の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20のペプチド構造を含む、実施形態122Aに記載の方法。
124A.対象が、進行性メラノーマ及び/または悪性メラノーマに罹患している、実施形態122Aまたは123Aに記載の方法。
125A.対象が、非小細胞肺癌を有し、ペプチド構造セットが、表14の少なくとも1つのペプチド構造を含む、実施形態1A~87Aのいずれか1つに記載の方法。
126A.ペプチド構造セットが、表14の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20のペプチド構造を含む、実施形態125Aに記載の方法。
127A.対象が、非小細胞肺癌を有し、ペプチド構造セットが、表16の少なくとも1つのペプチド構造を含む、実施形態1A~87Aのいずれか1つに記載の方法。
128A.ペプチド構造セットが、表16の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20のペプチド構造を含む、実施形態125Aに記載の方法。
129A.処置出力が、対象がペムブロリズマブまたはニボルマブ及びイピリムマブに応答する可能性が低いことを示す場合、推奨処置計画が、標準的な非チェックポイント免疫療法、標準化学療法、併用化学療法、及び非チェックポイント免疫療法、標的療法、放射線療法、新世代チェックポイント阻害薬からなる群より選択される代替療法を単独で、またはLAG-3阻害薬、腫瘍治療薬の臨床試験への参加の推奨、レーザー療法、もしくは光線力学的療法と組み合わせて含む、実施形態27A~28Aのいずれか1つに記載の方法。
130A.対象がペムブロリズマブまたはニボルマブ及びイピリムマブに応答する可能性が低いことを、処置出力が示す場合、さらに、標準的な非チェックポイント免疫療法、標準化学療法、化学療法及び非チェックポイント免疫療法の併用、標的療法、放射線療法、新世代チェックポイント阻害薬からなる群より選択される代替療法を単独で、またはLAG-3阻害薬、腫瘍治療薬の臨床試験への参加の推奨、レーザー療法、もしくは光線力学的療法と組み合わせて投与することを含む、実施形態27A~28Aのいずれか1つに記載の方法。
131A.対象が、メラノーマに罹患しており、対象がペムブロリズマブまたはニボルマブ及びイピリムマブに応答する可能性が低いことを、処置出力が示す場合、推奨処置計画が、他の免疫療法、T-VEC(タリモジェン・ラヘルパレプベク)ワクチン、カルメット・ゲラン桿菌ワクチン、イミキモドクリーム、IL-2免疫療法、化学療法、ダカルバジン、及びテモゾロミドの注射からなる群より選択される代替療法を単独で、または他の薬剤、BRAF遺伝子変化を有する対象に対するBRAF阻害薬及びMEK阻害薬の組み合わせ、c-KIT遺伝子に変化を有する対象に対するイマチニブもしくはニロチニブ、ならびに放射線療法と組み合わせて含む、実施形態27A~28Aのいずれか1つに記載の方法。
132A.対象が、メラノーマに罹患しており、対象がペムブロリズマブまたはニボルマブ及びイピリムマブに応答する可能性が低いことを、処置出力が示す場合、さらに、他の免疫療法、T-VEC(タリモジェン・ラヘルパレプベク)ワクチン、カルメット・ゲラン桿菌ワクチン、イミキモドクリーム、IL-2免疫療法、化学療法、ダカルバジン、及びテモゾロミドの注射からなる群より選択される代替療法を単独で、または他の薬剤、BRAF遺伝子変化を有する対象に対するBRAF阻害薬及びMEK阻害薬の組み合わせ、c-KIT遺伝子に変化を有する対象に対するイマチニブもしくはニロチニブ、ならびに放射線療法と組み合わせて投与することを含む、実施形態27A~28Aのいずれか1つに記載の方法。
133A.対象が、非小細胞肺癌に罹患しており、対象がニボルマブ及びイピリムマブに応答する可能性が低いことを、処置出力が示す場合、推奨処置計画が、EGFR変異を有する対象に対するオシメルチニブによるアジュバント処置、抗血管新生薬などの特定の遺伝子変異を有する患者に対する標的療法、KRAS遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、EGFR変化を有する細胞を標的とする薬物、ALK遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、ROS1遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、BRAF遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、化学療法、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、ビノレルビン、エトポシド、ペメトレキセド、放射線療法と組み合わされた化学療法(化学放射線)、及び化学放射線療法とそれに続くデュルバルマブからなる群より選択される代替療法を含む、実施形態27A~28Aに記載の方法。
134A.対象が、非小細胞肺癌に罹患しており、対象がニボルマブ及びイピリムマブに応答する可能性が低いことを、処置出力が示す場合、EGFR変異を有する対象に対するオシメルチニブによるアジュバント処置、抗血管新生薬などの特定の遺伝子変異を有する患者に対する標的療法、KRAS遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、EGFR変化を有する細胞を標的とする薬物、ALK遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、ROS1遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、BRAF遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、化学療法、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、ビノレルビン、エトポシド、ペメトレキセド、放射線療法と組み合わされた化学療法(化学放射線)、及び化学放射線療法とそれに続くデュルバルマブからなる群より選択される代替療法を投与する、実施形態27A~28Aに記載の方法。
135A.代替療法が、第1選択療法である、実施形態129A~134Aのいずれか1つに記載の方法。
136A.対象が、第1選択療法を受けており、代替療法が、第2選択療法であり、代替療法が、第1選択療法とは異なる、実施形態129A~134Aのいずれか1つに記載の方法。
137A.既存の処置計画を修正するための推奨が、標準的な非チェックポイント免疫療法、標準化学療法、化学療法及び非チェックポイント免疫療法の併用、標的療法、放射線療法、新世代チェックポイント阻害薬からなる群より選択される対象に対する異なる処置の選択を単独で、またはLAG-3阻害薬、腫瘍治療薬の臨床試験への参加の推奨、レーザー療法、もしくは光線力学的療法と組み合わせて含む、実施形態8A~26Aのいずれか1つに記載の方法。
138A.対象が、メラノーマに罹患しており、既存の処置計画を修正するための推奨が、他の免疫療法、T-VEC(タリモジェン・ラヘルパレプベク)ワクチン、カルメット・ゲラン桿菌ワクチン、イミキモドクリーム、IL-2免疫療法、化学療法、ダカルバジン、及びテモゾロミドの注射からなる群より選択される対象に対する異なる処置を単独で、または他の薬物、BRAF遺伝子変化を有する対象に対するBRAF阻害薬及びMEK阻害薬の組み合わせ、c-KIT遺伝子に変化を有する対象に対するイマチニブもしくはニロチニブ、ならびに放射線療法と組み合わせて選択することを含む、実施形態8A~26Aのいずれか1つに記載の方法。
139A.対象が、非小細胞肺癌に罹患しており、既存の処置計画を修正するための推奨が、EGFR変異を有する対象に対するオシメルチニブによるアジュバント処置、抗血管新生薬などの特定の遺伝子変異を有する患者に対する標的療法、KRAS遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、EGFR変化を有する細胞を標的とする薬物、ALK遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、ROS1遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、BRAF遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、化学療法、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、ビノレルビン、エトポシド、ペメトレキセド、放射線療法と組み合わされた化学療法(化学放射線)、及び化学放射線療法とそれに続くデュルバルマブからなる群より選択される対象に対し異なる処置を選択することを含む、実施形態8A~26Aのいずれか1つに記載の方法。
140A.さらに、選択された異なる処置を投与することを含む、実施形態137A~139Aのいずれか1つに記載の方法。
141A.対象が以前の治療を受けており、既存の処置計画を修正するための推奨が、以前の治療以外の治療を選択することを含む、実施形態136Aまたは実施形態137Aに記載の方法。
142A.以下を含む、ペムブロリズマブまたはニボルマブ及びイピリムマブによる処置に応答する可能性が低い対象を同定する方法:
対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
ペプチド構造セットについてペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること(ペプチド構造セットが、表7、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む)、
処置スコアを使用して、対象のペムブロリズマブまたはニボルマブ及びイピリムマブに対する予測応答を示す処置出力を生成すること。
143A.処置出力を生成することが、以下を含む、実施形態142Aに記載の方法:
処置スコアが、選択閾値を上回るかどうかに基づいて、処置に対する予測応答を生成すること。
144A.対象がペムブロリズマブまたはニボルマブ及びイピリムマブによる処置に応答する可能性が低いことを、処置に対する予測応答が示す場合、対象に、他の免疫療法、T-VEC(タリモジェン・ラヘルパレプベク)ワクチンの注射、カルメット・ゲラン桿菌ワクチン、イミキモドクリーム、IL-2免疫療法、化学療法、ダカルバジン、及びテモゾロミドが単独で、または他の薬物、BRAF遺伝子変化を有する対象に対するBRAF阻害薬及びMEK阻害薬の組み合わせ、c-KIT遺伝子に変化を有する対象に対するイマチニブもしくはニロチニブ、放射線療法、EGFR変異を有する対象に対するオシメルチニブ、抗血管新生薬などの特定の遺伝子変異を有する患者に対する標的療法、KRAS遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、EGFR変化を有する細胞を標的とする薬物、ALK遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、ROS1遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、BRAF遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、化学療法、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、ビノレルビン、エトポシド、ペメトレキセド、放射線療法と組み合わされた化学療法(化学放射線)、ならびに化学放射線療法とそれに続くデュルバルマブと組み合わせて、非チェックポイント免疫療法、標準化学療法、併用化学療法、及び非チェックポイント免疫療法、標的療法、放射線療法、新世代チェックポイント阻害薬が単独で、またはLAG-3阻害薬、腫瘍治療薬の臨床試験への参加の推奨、レーザー療法、及び光線力学的療法と組み合わせて投与される、実施形態143Aに記載の方法。

Claims (144)

  1. メラノーマまたは非小細胞肺癌状態と診断された対象の処置を管理する方法であって、前記方法が、
    前記対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
    ペプチド構造セットについて前記ペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること、を含み、前記ペプチド構造セットが、表7、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含み、
    前記処置スコアを使用して、前記対象の前記処置に対する予測応答を示す処置出力を生成すること
    を含む、前記方法。
  2. 前記処置出力を生成することが、
    前記処置スコアが、選択閾値を上回るかどうかに基づいて、前記処置に対する前記予測応答を生成すること
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記選択閾値が、0.5である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記予測応答を前記生成することが、
    前記処置スコアが0.5を上回る場合、前記対象の第1の予測応答分類を同定すること、及び
    前記処置スコアが0.5を上回らない場合、前記対象の第2の予測応答分類を同定すること
    を含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記第1の予測応答分類が、持続制御であり、前記第2の予測応答分類が、早期中断である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記処置が、ペムブロリズマブであり、前記ペプチド構造セットが、表2に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む、請求項1~5のいずれか1つの方法。
  7. 前記状態が、メラノーマであり、前記処置が、ニボルマブ及びイピリムマブの組み合わせを含み、前記ペプチド構造セットが、表3に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記処置アウトカムが、前記対象の処置計画を修正するための推奨を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記処置計画を修正するための前記推奨が、前記対象に対して異なる処置を選択すること、前記処置の用量を変更すること、または前記処置を、少なくとも1つの他の処置と組み合わせること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記処置スコアを計算することが、
    基準存在量よりも大きい選択された存在量を有する前記ペプチド構造セットの割合を計算すること
    を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記ペプチド構造セットのペプチド構造の前記基準存在量が、サンプル集団にわたる前記ペプチド構造の複数の存在量の中央値であり、前記ペプチド構造セットの糖ペプチド構造の前記選択された存在量が、相対的な存在量であり、前記ペプチド構造セットの非グリコシル化ペプチド構造の前記選択された存在量が、絶対的な存在量である、請求項10に記載の方法。
  12. さらに、
    サンプルデータと、前記サンプルデータに対応するペプチド構造のコレクションの各ペプチド構造の相対的重要性を同定する統計アルゴリズムを使用して、前記ペプチド構造セットを同定すること
    を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記統計的アルゴリズムが、ウィルコクソン順位和検定を含む、請求項12に記載の方法。
  14. ペプチド構造のセットを同定することが、
    第1の応答分類及び第2の応答分類間の選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造を同定するために、前記サンプルデータを使用して差異存在量分析を実行して、前記処置に対する前記第1の応答分類に対応する前記サンプルデータの第1の部分及び前記処置に対する前記第2の応答分類に対応する前記サンプルデータの第2の部分を比較すること
    を含む、請求項12または請求項13に記載の方法。
  15. 前記選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造が、20個のペプチド構造である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第1の応答分類が、持続制御であり、処置投与後の持続期間中に中断イベントが存在しないことを示し、
    前記第2の応答分類が、処置後の初期期間中に少なくとも1つの中断イベントが存在することを示す早期中断であり、
    前記持続期間が、前記初期期間よりも長くなる、請求項14または請求項15に記載の方法。
  17. 前記持続期間が、12ヶ月であり、前記初期期間が、6ヶ月である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記少なくとも1つのペプチド構造が、表1で同定されるように、ペプチド配列で定義された糖ペプチド構造と、前記ペプチド配列の連結部位で前記ペプチド配列に連結されたグリカン構造を含み、前記ペプチド配列が、表7に定義される配列番号21~46の1つである、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記ペプチド構造セットのペプチド構造の前記定量データが、調整済み存在量、相対存在量、絶対存在量、正規化存在量、相対量、調整済み量、正規化量、相対濃度、調整済み濃度、または正規化濃度のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記ペプチド構造データが、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して生成される、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. さらに、
    前記生物サンプルからサンプルを作成すること、及び
    還元、アルキル化、及び酵素消化を使用して前記サンプルを調製して、ペプチド構造セットを含む調製済みサンプルを形成すること
    を含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
  22. さらに、
    多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、前記調製済みサンプルから前記ペプチド構造データを生成すること
    を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記処置出力が、前記処置の設計または前記処置の治療用量のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
  24. さらに、
    前記処置出力をリモートシステムに送信すること
    を含む、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
  25. さらに、
    前記処置が成功することを示す前記予測応答分類である予測応答に基づいて、治療用量の処置を投与すること
    を含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
  26. さらに、
    持続制御である前記予測応答に基づいて、治療用量の前記処置を投与すること
    を含む、請求項1~25のいずれか1項に記載の方法。
  27. メラノーマまたは非小細胞肺癌状態と診断された対象の処置管理のための方法であって、前記方法が、
    前記対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに関連するペプチド構造セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
    前記ペプチド構造セットの複数のサブセットについて前記ペプチド構造データから同定される定量データを使用して前記複数の処置スコアを計算することであって、複数の処置スコアの各処置スコアが、複数の処置のうちの異なる処置に対応し、前記複数のサブセットの各サブセットが、表1、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む、前記計算すること、
    前記複数の処置スコアの比較分析を実行すること、及び
    前記比較分析に基づいて処置出力を生成すること、を含み、前記処置出力が、前記対象を処置するための推奨処置計画を含む、前記方法。
  28. 前記処置出力を生成することが、
    前記対象を処置するために推奨される処置として、処置スコアが最も高い前記複数の処置のうちの処置を同定すること
    を含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記状態が、メラノーマであり、前記複数の処置が、ペムブロリズマブの第1の処置ならびにニボルマブ及びイピリムマブからなる第2の処置を含む、請求項27または請求項28に記載の方法。
  30. 前記比較分析を実行することが、
    前記複数の処置のうちの処置スコアが、選択閾値を下回ると判定すること、及び
    前記処置を前記比較分析から除外すること
    を含む、請求項27~29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記選択閾値が、0.5である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記処置出力を前記生成することが、
    前記複数の処置スコアの対応する処置スコアを使用して、前記複数の処置の各処置について前記対象に対する予測応答分類を同定すること
    を含む、請求項27~31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記予測応答分類が、前記対応する処置スコアが、選択閾値を上回る場合、持続制御であり、前記対応する処置スコアが、選択された前記閾値を上回らない場合、早期中断である、請求項32に記載の方法。
  34. 前記選択閾値が、0.5である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記処置出力を生成することが、
    前記最高の処置スコアを有する複数の処置のうちの1つの処置を同定すること、
    前記最高の処置スコアが、選択閾値を上回らないと判定すること、及び
    前記対象に対する既存の処置計画を修正するための推奨を含む、前記推奨処置計画を用いて前記処置出力を生成すること
    を含む、請求項27~34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記既存の処置計画を修正するための前記推奨が、前記対象に対して異なる処置を選択すること、前記既存の処置計画の一部である処置の用量を変更すること、または前記処置を、少なくとも1つの他の処置と組み合わせること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項35に記載の方法。
  37. 前記処置出力を生成することが、
    最高の処置スコアを有する前記複数の処置のうちの1つの処置を、最高スコアの処置として同定すること、
    前記最高の処置スコアが、選択閾値を超えていると判定すること、及び
    前記推奨処置計画で前記処置出力を生成し、前記対象を処置するための推奨処置として前記最高スコアの処置を同定すること
    を含む、請求項27~36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記状態が、メラノーマであり、前記複数の処置のうちの第1の処置が、ペムブロリズマブを含み、前記複数の処置のうちの第2の処置が、ニボルマブ及びイピリムマブの組み合わせを含み、前記複数の処置スコアを計算することが、
    前記ペプチド構造セットの前記複数のサブセットのうちの第1のサブセットについて前記ペプチド構造データから同定される前記定量データの第1の部分を使用して、前記第1の処置に対する第1の処置スコアを計算すること、を含み、前記第1のサブセットが、表2に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含み、
    さらに、前記方法が、前記ペプチド構造セットの前記複数のサブセットのうちの第2のサブセットについて前記ペプチド構造データから同定される前記定量データの第2の部分を使用して、前記第2の処置に対する第2の処置スコアを計算すること、を含み、前記第2のサブセットが、表3に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む、請求項27~37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記複数の処置スコアを計算することが、
    基準存在量よりも大きい選択された存在量を有する前記ペプチド構造セットの前記複数のサブセットのうちのサブセットの割合を、前記複数の処置スコアのうちの処置スコアとして計算すること
    を含む、請求項27~38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記ペプチド構造セットのペプチド構造の前記基準存在量が、サンプル集団にわたる前記ペプチド構造の複数の存在量の中央値であり、前記ペプチド構造セットの糖ペプチド構造の前記選択された存在量が、相対的な存在量であり、前記ペプチド構造セットの非グリコシル化ペプチド構造の前記選択された存在量が、絶対的な存在量である、請求項39に記載の方法。
  41. さらに、
    前記複数の処置のうち選択された処置に関して、サンプルデータと、前記サンプルデータに対応するペプチド構造のコレクションの各ペプチド構造の相対的重要性を同定する統計アルゴリズムを使用して、前記ペプチド構造セットの前記複数のサブセットのうちのサブセットを同定すること
    を含む、請求項27~40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記統計的アルゴリズムが、ウィルコクソン順位和検定を含む、請求項41に記載の方法。
  43. 前記サブセットを同定することが、
    第1の応答分類及び第2の応答分類間の選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造を同定するために、前記サンプルデータを使用して差異存在量分析を実行して、前記選択された処置に対する前記第1の応答分類に対応する前記サンプルデータの第1の部分及び前記選択された処置に対する前記第2の応答分類に対応する前記サンプルデータの第2の部分を比較すること
    を含む、実施形態41または実施形態42に記載の方法。
  44. 前記選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造が、20個のペプチド構造である、請求項43に記載の方法。
  45. 前記第1の応答分類が、持続制御であり、処置投与後の持続期間中に中断イベントが存在しないことを示し、
    前記第2の応答分類が、処置後の初期期間中に少なくとも1つの中断イベントが存在することを示す早期中断であり、
    前記持続期間が、前記初期期間よりも長くなる、請求項43または請求項44に記載の方法。
  46. 前記持続期間が、12ヶ月であり、前記初期期間が、6ヶ月である、請求項45に記載の方法。
  47. 前記少なくとも1つのペプチド構造が、表1で同定されるように、ペプチド配列で定義された糖ペプチド構造と、前記ペプチド配列の連結部位で前記ペプチド配列に連結されたグリカン構造を含み、前記ペプチド配列が、表7に定義される配列番号21~46の1つである、請求項27~46のいずれか1項に記載の方法。
  48. 前記ペプチド構造セットのペプチド構造の前記定量データが、調整済み存在量、相対存在量、絶対存在量、正規化存在量、相対量、調整済み量、正規化量、相対濃度、調整済み濃度、または正規化濃度のうちの少なくとも1つを含む、請求項27~47のいずれか1項に記載の方法。
  49. 前記ペプチド構造データが、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して生成される、請求項27~48のいずれか1項に記載の方法。
  50. さらに、
    前記生物サンプルからサンプルを作成すること、及び
    還元、アルキル化、及び酵素消化を使用して前記サンプルを調製して、ペプチド構造セットを含む調製済みサンプルを形成すること
    を含む、請求項27~49のいずれか1項に記載の方法。
  51. さらに、
    多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)を使用して、前記調製済みサンプルから前記ペプチド構造データを生成すること
    を含む、請求項50に記載の方法。
  52. 前記推奨処置計画が、推奨処置と、前記推奨処置の治療用量を同定する、請求項27~51のいずれか1つに記載の方法。
  53. さらに、
    治療用量の前記推奨されるものを投与すること
    を含む、請求項52に記載の方法。
  54. さらに、
    前記処置出力をリモートシステムに送信すること
    を含む、請求項27~53のいずれか1項に記載の方法。
  55. メラノーマ状態と診断された対象の処置管理のための方法であって、前記方法が、
    前記対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに関連するペプチド構造セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
    前記ペプチド構造セットの第1のサブセットについて前記ペプチド構造データから同定される第1の定量データを使用して、ペムブロリズマブの第1の処置に対する第1の処置スコアを計算すること、を含み、前記第1のサブセットが、表2に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含み、
    前記ペプチド構造セットの第2のサブセットについて前記ペプチド構造データから同定される第2の定量データを使用して、ニボルマブ及びイピリムマブからなる第2の処置について第2の処置スコアを計算すること、を含み、前記第2のサブセットが、表3に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含み、
    前記第1の処置スコア及び前記第2の処置スコアの比較分析を実行すること、ならびに
    前記比較分析に基づいて処置出力を生成すること、を含み、前記処置出力が、前記第1の処置及び前記第2の処置のうちの1つを推奨処置として前記対象に同定する、前記方法。
  56. 前記第1の処置スコアを計算することが、
    基準存在量よりも大きい選択された存在量を有する前記第1のサブセットの割合を前記第1の処置スコアとして計算すること
    を含む、請求項55に記載の方法。
  57. 前記第2の処置スコアを計算することが、
    基準存在量よりも大きい選択された存在量を有する前記第2のサブセットの割合を前記第2の処置スコアとして計算すること
    を含む、請求項55または請求項56に記載の方法。
  58. メラノーマまたは非小細胞肺癌状態と診断された対象を処置するための方法であって、
    前記対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
    ペプチド構造セットについて前記ペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること、を含み、前記ペプチド構造セットが、表1、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含み、
    前記処置スコアを使用して、前記対象の処置に対する予測応答を示す処置出力を生成すること、及び
    前記予測応答に応答して前記患者に前記処置を投与することが、陽性応答分類を含み、前記投与するステップが、治療用量の前記推奨処置またはその派生物の静脈内投与または経口投与のうちの少なくとも1つを含み、
    前記処置が、
    3週間毎に200mg、3週間毎に2mg/kg、または6週間毎に400mgのうちの少なくとも1つの前記治療用量が投与されるペムブロリズマブの第1の処置、ならびに
    3mg/kgのイピリムマブを伴う1mg/kgのニボルマブまたは1mg/kgのイピリムマブを伴う3mg/kgのニボルマブとのいずれかの前記治療用量が投与されるニボルマブ及びイピリムマブで構成される第2の処置
    からなる群より1つとして選択される、前記方法。
  59. メラノーマ状態と診断された対象を処置するための方法であって、前記方法が、
    前記対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに関連するペプチド構造セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
    前記ペプチド構造セットの複数のサブセットについて前記ペプチド構造データから同定される定量データを使用して前記複数の処置スコアを計算することであって、複数の処置スコアの各処置スコアが、複数の処置のうちの異なる処置に対応し、前記複数のサブセットの各サブセットが、表1、表12、表14。または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む、前記計算すること、
    前記複数の処置スコアの比較分析を実行すること、
    前記比較分析に基づいて処置出力を生成すること、を含み、前記処置出力が、前記対象を処置するための前記複数の処置の推奨処置を含み、
    前記推奨処置を前記患者に投与することを、含み、前記投与するステップが、治療用量の前記推奨処置またはその派生物を静脈内投与または経口投与のうちの少なくとも1つを含み、
    前記複数の処置が、
    3週間毎に200mg、3週間毎に2mg/kg、または6週間毎に400mgのうちの少なくとも1つの前記治療用量が投与されるペムブロリズマブの第1の処置、ならびに
    3mg/kgのイピリムマブを伴う1mg/kgのニボルマブまたは1mg/kgのイピリムマブを伴う3mg/kgのニボルマブとのいずれかの前記治療用量が投与されるニボルマブ及びイピリムマブで構成される第2の処置
    を含む、前記方法。
  60. メラノーマまたは非小細胞肺癌状態と診断された対象の処置を管理する方法であって、前記方法が、
    サンプル集団のサンプルデータを受信すること、を含み、前記サンプルデータが、前記メラノーマまたは非小細胞肺癌状態と診断された複数のサンプル対象の前記処置への応答の特徴を示し、前記複数のサンプル対象の各対象のペプチド構造コレクションに対するサンプルペプチド構造データを含み、
    前記複数のサンプル対象の前記応答に基づいて、前記サンプルデータを、第1の応答分類に対応する第1群及び第2の応答分類に対応する第2群に分類すること、
    前記サンプルデータを使用して差異存在量分析を実行して、前記第1の応答分類に対応する前記サンプルデータの前記第1群及び前記第2の応答分類に対応する前記サンプルデータの前記第2群を比較し、前記ペプチド構造コレクションからペプチド構造セットを同定することを含み、
    前記ペプチド構造セットが、前記第1の応答分類及び前記第2の応答分類間で選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造を含み、
    前記対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
    前記ペプチド構造セットについて前記ペプチド構造データから同定される定量データを使用して、前記処置に対する処置スコアを計算すること、
    前記処置スコアを使用して、前記対象の前記処置に対する予測応答を示す処置出力を生成すること
    を含む、前記方法。
  61. 前記ペプチド構造セットが、表1、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含む、請求項60に記載の方法。
  62. 前記差異存在量分析が、ウィルコクソン順位和検定を使用して実行される、請求項60または請求項61に記載の方法。
  63. 前記選択されたN個の最も区別可能なペプチド構造が、20個のペプチド構造である、請求項60~62のいずれか1つに記載の方法。
  64. 前記第1の応答分類が、持続制御であり、処置投与後の持続期間中に中断イベントが存在しないことを示し、
    前記第2の応答分類が、処置後の初期期間中に少なくとも1つの中断イベントが存在することを示す早期中断であり、
    前記持続期間が、前記初期期間よりも長くなる、請求項60~63のいずれか1項に記載の方法。
  65. 前記持続期間が、12ヶ月であり、前記初期期間が、6ヶ月である、請求項64に記載の方法。
  66. 対象のメラノーマまたは非小細胞肺癌を処置する方法であって、前記方法が、
    前記対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
    ペプチド構造セットについて前記ペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること、を含み、前記ペプチド構造セットが、表1、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含み、
    前記処置スコアを使用して、処置出力を生成すること、及び
    前記処置出力が、前記ペムブロリズマブ処置に対する陽性応答分類、または推奨処置としての前記ペムブロリズマブ処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、前記対象にペムブロリズマブ処置を投与すること
    を含む、前記方法。
  67. 前記投与することが、
    前記ペムブロリズマブ処置を3週間毎に200mgの用量で投与すること
    を含む、請求項66に記載の方法。
  68. 前記投与することが、
    前記ペムブロリズマブ処置を3週間毎に2mg/kg mgの用量で投与すること
    を含む、請求項66に記載の方法。
  69. 前記投与することが、
    前記ペムブロリズマブ処置を3週間毎に400mgの用量で投与すること
    を含む、請求項66に記載の方法。
  70. 前記投与することが、
    静脈内投与経路を介して前記ペムブロリズマブ処置を投与すること
    を含む、請求項66~69のいずれか1項に記載の方法。
  71. 前記投与が、
    前記ペムブロリズマブ処置を3週間毎に4回投与すること
    を含む、請求項66~70のいずれか1項に記載の方法。
  72. 対象のメラノーマまたは非小細胞肺癌を処置する方法であって、前記方法が、
    前記対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
    ペプチド構造セットについて前記ペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること、を含み、前記ペプチド構造セットが、表1、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含み、
    前記処置スコアを使用して、処置出力を生成すること、及び
    前記処置出力が、併用療法に対する陽性応答分類または推奨処置としての前記併用処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、ニボルマブ及びイピリムマブの組み合わせを含む前記併用処置を前記対象に投与すること
    を含む、前記方法。
  73. 前記投与することが、
    3mg/kgのイピリムマブを伴う1mg/kgのニボルマブの用量で、前記併用処置を前記対象に投与すること
    を含む、請求項72に記載の方法。
  74. 前記投与することが、
    1mg/kgのイピリムマブを伴う3mg/kgのニボルマブの用量で、前記併用処置を前記対象に投与すること
    を含む、請求項72に記載の方法。
  75. 前記投与が、
    静脈内投与経路を介して前記併用処置を投与すること
    を含む、請求項72~74のいずれか1項に記載の方法。
  76. 前記投与が、
    前記併用処置を3週間毎に4回投与すること
    を含む、請求項72~75のいずれか1項に記載の方法。
  77. ペムブロリズマブ処置による処置のためにメラノーマまたは非小細胞肺癌患者を同定する方法であって、前記方法が、
    前記対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
    ペプチド構造セットについて前記ペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること、を含み、前記ペプチド構造セットが、表1、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含み、
    前記処置スコアを使用して処置出力を生成すること、を含み、
    前記処置出力が、前記ペムブロリズマブ処置に対する陽性応答分類または推奨処置としての前記ペムブロリズマブ処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、前記患者は、前記ペムブロリズマブ処置で処置される、前記方法。
  78. 前記ペムブロリズマブ処置が、3週間毎に200mgの用量で投与される、請求項77に記載の方法。
  79. 前記ペムブロリズマブ処置が、3週間毎に2mg/kg mgの用量で投与される、請求項77に記載の方法。
  80. 前記ペムブロリズマブ処置が、3週間毎に400mgの用量で投与される、請求項77に記載の方法。
  81. 前記ペムブロリズマブ処置が、静脈内投与経路を介して投与される、請求項77~80のいずれか1項に記載の方法。
  82. 前記ペムブロリズマブ処置が、3週間毎に4回投与される、請求項77~81のいずれか1項に記載の方法。
  83. ニボルマブ及びイピリムマブを含む併用処置による処置のためにメラノーマ患者を同定する方法であって、前記方法が、
    前記対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
    ペプチド構造セットについて前記ペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること、を含み、前記ペプチド構造セットが、表1、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含み、
    前記処置スコアを使用して処置出力を生成すること、を含み、
    前記処置出力が、前記併用処置に対する陽性応答分類または推奨処置としての前記併用処置の同定のうちの少なくとも1つを含む場合、前記患者は、前記併用処置で処置される、前記方法。
  84. 前記併用処置が、3mg/kgのイピリムマブと組み合わせた1mg/kgのニボルマブの用量で投与される、請求項83に記載の方法。
  85. 前記併用処置が、1mg/kgのイピリムマブと組み合わせた3mg/kgのニボルマブの用量で投与される、請求項83に記載の方法。
  86. 前記併用処置が、静脈内投与経路を介して投与される、請求項83~85のいずれか1項に記載の方法。
  87. 前記併用処置が、3週間毎に4回投与される、請求項83~86のいずれか1項に記載の方法。
  88. 患者由来のサンプル中のペプチド構造セットを分析するための方法であって、前記方法が、
    (a)前記患者から前記サンプルを取得すること、
    (b)前記サンプルを調製して、ペプチド構造セットを含む調製済みサンプルを形成すること、
    (c)前記調製済みサンプルを反応モニタリング質量分析システムに投入して、前記ペプチド構造セットの各ペプチド構造に関連するプロダクトイオンのセットを検出すること、を含み、
    前記ペプチド構造セットが、表6で同定されるペプチド構造PS-1~PS-38から選択される少なくとも1つのペプチド構造を含み、
    前記ペプチド構造セットが、
    (i)前記ペプチド構造に対応する表6のプレカーサーイオンについて記載されている質量電荷(m/z)比の±1.5以内の前記m/z比を有する前記プレカーサーイオン、及び
    (ii)前記ペプチド構造に対応する表6の第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内の前記m/z比を有するプロダクトイオン、
    を有することを特徴とするペプチド構造を含み、
    (d)前記反応モニタリング質量分析システムを使用して、前記プロダクトイオンセットの定量データを生成すること
    を含む、前記方法。
  89. 前記プレカーサーイオンの前記質量電荷(m/z)比が、前記ペプチド構造に対応する表6の前記プレカーサーイオンについて記載されている前記m/z比の±1.0以内である、請求項88に記載の方法。
  90. 前記プレカーサーイオンの前記質量電荷(m/z)比が、前記ペプチド構造に対応する表6の前記プレカーサーイオンについて記載されている前記m/z比の±0.5以内である、請求項88に記載の方法。
  91. 前記プロダクトイオンの前記質量電荷(m/z)比が、前記ペプチド構造に対応する表6の前記プレカーサーイオンについて記載されている前記m/z比の±0.8以内である、請求項88~90のいずれか1項に記載の方法。
  92. 前記プロダクトイオンの前記質量電荷(m/z)比が、前記ペプチド構造に対応する表6の前記プレカーサーイオンについて記載されている前記m/z比の±0.5以内である、請求項88~90のいずれか1項に記載の方法。
  93. さらに、
    メラノーマ状態と診断された対象を処置するために、前記定量データを使用して処置出力を生成すること
    を含む、請求項88~92のいずれか1項に記載の方法。
  94. 前記反応モニタリング質量分析システムが、多重反応モニタリング質量分析法(MRM-MS)または選択された反応モニタリング質量分析法(SRM-MS)のうちの少なくとも1つを使用して、前記プロダクトイオンセットを検出し、前記定量データを生成する、請求項88~93のいずれか1項に記載の方法。
  95. 前記サンプルが、血漿サンプルを含む、請求項88~94のいずれか1項に記載の方法。
  96. 前記サンプルが、血清サンプルを含む、請求項88~94のいずれか1項に記載の方法。
  97. 前記サンプルを調製することが、
    前記サンプル中の1つ以上のタンパク質を変性させて、1つ以上の変性タンパク質を形成すること、
    前記サンプル中の前記1つ以上の変性タンパク質を還元して、1つ以上の還元タンパク質を形成すること、
    アルキル化剤を使用して、前記サンプル中の前記1つ以上のタンパク質をアルキル化して、前記1つ以上の還元タンパク質におけるジスルフィド結合の再形成を防止して、1つ以上のアルキル化タンパク質を形成すること、または
    タンパク質分解触媒を使用して、前記サンプル中の前記1つ以上のアルキル化タンパク質を消化して、前記ペプチド構造セットを含む前記調製済みサンプルを形成すること、
    のうちの少なくとも1つを含む、請求項88~96のいずれか1項に記載の方法。
  98. 表1、表12、表14、または表16で同定されるペプチド構造の少なくとも1つを含む、組成。
  99. ペプチド構造またはプロダクトイオンを含む組成であって、
    前記ペプチド構造またはプロダクトイオンが、配列番号21~46、101~131、及び159~257のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する前記アミノ酸配列を含み、
    前記プロダクトイオンが、同定されるm/z範囲内に入るプロダクトイオンを含む、表6で同定されるプロダクトイオンからなる群の1つとして選択される、前記組成。
  100. 表6で同定されるペプチド構造PS-1~PS-38からなる群から1つとして選択される糖ペプチド構造を含む組成であって、
    前記糖ペプチドの構造が、
    前記糖ペプチド構造に対応する表5で同定されるアミノ酸ペプチド配列、及び
    前記グリカン構造が、表1で同定される対応する位置で、前記アミノ酸ペプチド配列の残基に連結されている前記糖ペプチド構造に対応する、表1で同定されるグリカン構造、
    を含み、
    前記グリカン構造が、グリカン組成を有する、前記組成。
  101. 前記グリカン組成が、表7で同定される、請求項100に記載の組成。
  102. 請求項100または請求項101に記載の組成であって、
    前記糖ペプチド構造が、前記糖ペプチド構造に対応する表6で同定される電荷を有するプレカーサーイオンを有する、前記組成。
  103. 前記糖ペプチド構造が、前記糖ペプチド構造に対応する表6の前記プレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±1.5以内の前記m/z比を有するプレカーサーイオンを有する、請求項100~101のいずれか1項に記載の組成。
  104. 前記糖ペプチド構造が、前記糖ペプチド構造に対応する表6の前記プレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内の前記m/z比を有するプレカーサーイオンを有し、請求項100~101のいずれか1項に記載の組成。
  105. 前記糖ペプチド構造が、前記糖ペプチド構造に対応する表6の前記プレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内の前記m/z比を有するプレカーサーイオンを有し、請求項100~101のいずれか1項に記載の組成。
  106. 請求項100~105のいずれか1項に記載の組成であって、
    前記糖ペプチド構造が、前記糖ペプチド構造に対応するものとして表6の前記第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内の前記m/z比を有するプロダクトイオンを有する、前記組成。
  107. 請求項100~105のいずれか1項に記載の組成であって、
    前記糖ペプチド構造が、前記糖ペプチド構造に対応するものとして表6の前記第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±0.8以内の前記m/z比を有するプロダクトイオンを有する、前記組成。
  108. 請求項100~105のいずれか1項に記載の組成であって、
    前記糖ペプチド構造が、前記糖ペプチド構造に対応するものとして表6の前記第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内の前記m/z比を有するプロダクトイオンを有する、前記組成。
  109. 前記糖ペプチド構造が、前記糖ペプチド構造に対応する表1で同定されるモノアイソトピック質量を有する、請求項100~108のいずれか1項に記載の組成。
  110. 表1に示される複数のペプチド構造から1つとして選択されるペプチド構造を含む組成であって、
    前記ペプチド構造が、表1の前記ペプチド構造に対応するものと同定されるモノアイソトピック質量を有し、
    前記ペプチド構造が、前記ペプチド構造に対応する配列番号21~46のアミノ酸配列を含む、前記組成。
  111. 前記ペプチド構造が、前記ペプチド構造に対応する表6で同定される電荷を有するプレカーサーイオンを有する、請求項110に記載の組成。
  112. 前記ペプチド構造が、前記ペプチド構造に対応する表6の前記プレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±1.5以内の前記m/z比を有するプレカーサーイオンを有する、請求項110に記載の組成。
  113. 前記ペプチド構造が、前記ペプチド構造に対応する、表6の前記プレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内の前記m/z比を有するプレカーサーイオンを有する、請求項110に記載の組成。
  114. 前記ペプチド構造が、前記ペプチド構造に対応するものとして表6の前記プレカーサーイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内の前記m/z比を有するプレカーサーイオンを有する、請求項110に記載の組成。
  115. 前記ペプチド構造が、前記ペプチド構造に対応する表6の前記第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±1.0以内の前記m/z比を有するプロダクトイオンを有する、請求項110~114のいずれか1項に記載の組成。
  116. 前記ペプチド構造が、前記ペプチド構造に対応する表6の前記第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±0.8以内の前記m/z比を有するプロダクトイオンを有する、請求項110~114のいずれか1項に記載の組成。
  117. 前記ペプチド構造が、前記ペプチド構造に対応する表6の前記第1のプロダクトイオンについて記載されているm/z比の±0.5以内の前記m/z比を有するプロダクトイオンを有する、請求項110~114のいずれか1項に記載の組成。
  118. 請求項1~87のいずれか1項に記載の方法の少なくとも一部を実行するために、表1、表12、表14、または表16で同定される少なくとも1つのペプチド構造を定量するための少なくとも1つの薬剤を含む、キット。
  119. キットであって、請求項1~87のいずれか1項に記載の方法の少なくとも一部を実行するために、糖ペプチド標準、緩衝液、またはペプチド配列セットのうちの少なくとも1つを含み、ペプチド配列セットのペプチド配列が、配列番号21~46、101~131、159~207、または300~429の対応するものにより同定される、前記キット。
  120. システムであって、
    1つ以上のデータプロセッサー、及び
    前記1つ以上のデータプロセッサー上で実行される場合、前記1つ以上のデータプロセッサーに、請求項1~87のいずれか1項の一部または全部を実行させる命令を含有する、非一時的なコンピューター可読記憶媒体
    を含む、前記システム。
  121. 1つ以上のデータプロセッサーに、請求項1~87のいずれか1項の一部または全部を実行させるように構成された命令を含む、非一時的な機械可読記憶媒体に明白に具体化されたコンピュータープログラム製品。
  122. 前記対象が、メラノーマに罹患しており、前記ペプチド構造セットが、表12の少なくとも1つのペプチド構造を含む、請求項1~82のいずれか1項に記載の方法。
  123. 前記ペプチド構造セットが、表12の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20のペプチド構造を含む、請求項122に記載の方法。
  124. 前記対象が、進行性メラノーマ及び/または悪性メラノーマに罹患している、請求項122または123に記載の方法。
  125. 前記対象が、非小細胞肺癌を有し、前記ペプチド構造セットが、表14の少なくとも1つのペプチド構造を含む、請求項1~87のいずれか1項に記載の方法。
  126. 前記ペプチド構造セットが、表14の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20のペプチド構造を含む、請求項125に記載の方法。
  127. 前記対象が、非小細胞肺癌を有し、前記ペプチド構造セットが、表16の少なくとも1つのペプチド構造を含む、請求項1~87のいずれか1項に記載の方法。
  128. 前記ペプチド構造セットが、表16の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20のペプチド構造を含む、請求項125に記載の方法。
  129. 前記処置出力が、前記対象がペムブロリズマブまたはニボルマブ及びイピリムマブに応答する可能性が低いことを示す場合、前記推奨処置計画が、標準的な非チェックポイント免疫療法、標準化学療法、併用化学療法、及び非チェックポイント免疫療法、標的療法、放射線療法、新世代チェックポイント阻害薬からなる群より選択される代替療法を単独で、またはLAG-3阻害薬、腫瘍治療薬の臨床試験への参加の推奨、レーザー療法、もしくは光線力学的療法と組み合わせて含む、請求項27~28のいずれか1項に記載の方法。
  130. 前記対象がペムブロリズマブまたはニボルマブ及びイピリムマブに応答する可能性が低いことを、前記処置出力が示す場合、さらに、標準的な非チェックポイント免疫療法、標準化学療法、化学療法及び非チェックポイント免疫療法の併用、標的療法、放射線療法、新世代チェックポイント阻害薬からなる群より選択される代替療法を単独で、またはLAG-3阻害薬、腫瘍治療薬の臨床試験への参加の推奨、レーザー療法、もしくは光線力学的療法と組み合わせて投与することを含む、請求項27~28のいずれか1項に記載の方法。
  131. 前記対象が、メラノーマに罹患しており、前記対象がペムブロリズマブまたはニボルマブ及びイピリムマブに応答する可能性が低いことを、前記処置出力が示す場合、前記推奨処置計画が、他の免疫療法、T-VEC(タリモジェン・ラヘルパレプベク)ワクチン、カルメット・ゲラン桿菌ワクチン、イミキモドクリーム、IL-2免疫療法、化学療法、ダカルバジン、及びテモゾロミドの注射からなる群より選択される代替療法を単独で、または他の薬剤、BRAF遺伝子変化を有する対象に対するBRAF阻害薬及びMEK阻害薬の組み合わせ、c-KIT遺伝子に変化を有する対象に対するイマチニブもしくはニロチニブ、ならびに放射線療法と組み合わせて含む、請求項27~28のいずれか1項に記載の方法。
  132. 前記対象が、メラノーマに罹患しており、前記対象がペムブロリズマブまたはニボルマブ及びイピリムマブに応答する可能性が低いことを、前記処置出力が示す場合、さらに、他の免疫療法、T-VEC(タリモジェン・ラヘルパレプベク)ワクチン、カルメット・ゲラン桿菌ワクチン、イミキモドクリーム、IL-2免疫療法、化学療法、ダカルバジン、及びテモゾロミドの注射からなる群より選択される代替療法を単独で、または他の薬剤、BRAF遺伝子変化を有する対象に対するBRAF阻害薬及びMEK阻害薬の組み合わせ、c-KIT遺伝子に変化を有する対象に対するイマチニブもしくはニロチニブ、ならびに放射線療法と組み合わせて投与することを含む、請求項27~28のいずれか1項に記載の方法。
  133. 前記対象が、非小細胞肺癌に罹患しており、前記対象がニボルマブ及びイピリムマブに応答する可能性が低いことを、前記処置出力が示す場合、前記推奨処置計画が、EGFR変異を有する対象に対するオシメルチニブによるアジュバント処置、抗血管新生薬などの特定の遺伝子変異を有する患者に対する標的療法、KRAS遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、EGFR変化を有する細胞を標的とする薬物、ALK遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、ROS1遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、BRAF遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、化学療法、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、ビノレルビン、エトポシド、ペメトレキセド、放射線療法と組み合わされた化学療法(化学放射線)、及び化学放射線療法とそれに続くデュルバルマブからなる群より選択される代替療法を含む、請求項27~28に記載の方法。
  134. 前記対象が、非小細胞肺癌に罹患しており、前記対象がニボルマブ及びイピリムマブに応答する可能性が低いことを、前記処置出力が示す場合、EGFR変異を有する対象に対するオシメルチニブによるアジュバント処置、抗血管新生薬などの特定の遺伝子変異を有する患者に対する標的療法、KRAS遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、EGFR変化を有する細胞を標的とする薬物、ALK遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、ROS1遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、BRAF遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、化学療法、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、ビノレルビン、エトポシド、ペメトレキセド、放射線療法と組み合わされた化学療法(化学放射線)、及び化学放射線療法とそれに続くデュルバルマブからなる群より選択される代替療法を投与する、請求項27~28に記載の方法。
  135. 前記代替療法が、第1選択療法である、請求項129~134のいずれか1項に記載の方法。
  136. 前記対象が、第1選択療法を受けており、前記代替療法が、第2選択療法であり、前記代替療法が、前記第1選択療法とは異なる、請求項129~134のいずれか1項に記載の方法。
  137. 前記既存の処置計画を修正するための前記推奨が、標準的な非チェックポイント免疫療法、標準化学療法、化学療法及び非チェックポイント免疫療法の併用、標的療法、放射線療法、新世代チェックポイント阻害薬からなる群より選択される前記対象に対する異なる処置の選択を単独で、またはLAG-3阻害薬、腫瘍治療薬の臨床試験への参加の推奨、レーザー療法、もしくは光線力学的療法と組み合わせて含む、請求項8~26のいずれか1項に記載の方法。
  138. 前記対象が、メラノーマに罹患しており、前記既存の処置計画を修正するための前記推奨が、他の免疫療法、T-VEC(タリモジェン・ラヘルパレプベク)ワクチン、カルメット・ゲラン桿菌ワクチン、イミキモドクリーム、IL-2免疫療法、化学療法、ダカルバジン、及びテモゾロミドの注射からなる群より選択される対象に対する異なる処置を単独で、または他の薬物、BRAF遺伝子変化を有する対象に対するBRAF阻害薬及びMEK阻害薬の組み合わせ、c-KIT遺伝子に変化を有する対象に対するイマチニブもしくはニロチニブ、ならびに放射線療法と組み合わせて選択することを含む、請求項8~26のいずれか1項に記載の方法。
  139. 前記対象が、非小細胞肺癌に罹患しており、前記既存の処置計画を修正するための前記推奨が、EGFR変異を有する対象に対するオシメルチニブによるアジュバント処置、抗血管新生薬などの特定の遺伝子変異を有する患者に対する標的療法、KRAS遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、EGFR変化を有する細胞を標的とする薬物、ALK遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、ROS1遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、BRAF遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、化学療法、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、ビノレルビン、エトポシド、ペメトレキセド、放射線療法と組み合わされた化学療法(化学放射線)、及び化学放射線療法とそれに続くデュルバルマブからなる群より選択される前記対象に対し異なる処置を選択することを含む、請求項8~26のいずれか1項に記載の方法。
  140. さらに、前記選択された異なる処置を投与することを含む、請求項137~139のいずれか1項に記載の方法。
  141. 前記対象が以前の治療を受けており、前記既存の処置計画を修正するための前記推奨が、前記以前の治療以外の治療を選択することを含む、請求項136または請求項137に記載の方法。
  142. ペムブロリズマブまたはニボルマブ及びイピリムマブによる処置に応答する可能性が低い対象を同定する方法であって、
    前記対象から得られた生物サンプル中の糖タンパク質セットに対応するペプチド構造データを受信すること、
    ペプチド構造セットについて前記ペプチド構造データから同定される定量データを使用して、処置スコアを計算すること、を含み、前記ペプチド構造セットが、表7、表12、表14、または表16に記載の複数のペプチド構造から同定される少なくとも1つのペプチド構造を含み、
    前記処置スコアを使用して、前記対象の前記ペムブロリズマブまたはニボルマブ及びイピリムマブに対する予測応答を示す処置出力を生成することを含む、前記方法。
  143. 前記処置出力を生成することが、
    前記処置スコアが、選択閾値を上回るかどうかに基づいて、前記処置に対する前記予測応答を生成すること
    を含む、請求項142に記載の方法。
  144. 前記対象がペムブロリズマブまたはニボルマブ及びイピリムマブによる処置に応答する可能性が低いことを、処置に対する予測応答が示す場合、前記対象に、他の免疫療法、T-VEC(タリモジェン・ラヘルパレプベク)ワクチンの注射、カルメット・ゲラン桿菌ワクチン、イミキモドクリーム、IL-2免疫療法、化学療法、ダカルバジン、及びテモゾロミドが単独で、または他の薬物、BRAF遺伝子変化を有する対象に対するBRAF阻害薬及びMEK阻害薬の組み合わせ、c-KIT遺伝子に変化を有する対象に対するイマチニブもしくはニロチニブ、放射線療法、EGFR変異を有する対象に対するオシメルチニブ、抗血管新生薬などの特定の遺伝子変異を有する患者に対する標的療法、KRAS遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、EGFR変化を有する細胞を標的とする薬物、ALK遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、ROS1遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、BRAF遺伝子変化を有する細胞を標的とする薬物、化学療法、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、ビノレルビン、エトポシド、ペメトレキセド、放射線療法と組み合わされた化学療法(化学放射線)、ならびに化学放射線療法とそれに続くデュルバルマブと組み合わせて、非チェックポイント免疫療法、標準化学療法、併用化学療法、及び非チェックポイント免疫療法、標的療法、放射線療法、新世代チェックポイント阻害薬が単独で、またはLAG-3阻害薬、腫瘍治療薬の臨床試験への参加の推奨、レーザー療法、及び光線力学的療法と組み合わせて投与される、請求項143に記載の方法。
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