JP2024515857A - 酸化的脱水素化(odh)反応器の流出物処理のための統合 - Google Patents

酸化的脱水素化(odh)反応器の流出物処理のための統合 Download PDF

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Abstract

エチレンを製造するためのシステム及び方法であって、ODH反応器内でODH触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化すること、ODH反応器からの流出物を排出すること、ODH反応器へのエタンを含む供給物を流出物で加熱すること、流出物から酢酸を酢酸生成物として回収すること、及び流出物からエチレンを含むプロセスガスを、エチレン生成物を得るためのさらなる処理のために送り出すこと、を含む、システム及び方法。この技術には、流出物の処理に関するものを含めたエネルギー統合が含まれる。供給物にリサイクル水を添加するために、流出物からリサイクル水として水を回収することができる。【選択図】図24

Description

(技術分野)
この開示は、エチレンを製造するためのエタンの酸化的脱水素化(ODH)に関する。
(優先権の主張)
この出願は、2021年4月28日に出願された米国仮出願第63/181,102号に基づく優先権を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
対応するアルケンへのアルカンの触媒酸化的脱水素化は、スチームクラッキングの代替手段である。スチームクラッキングとは対照的に、酸化的脱水素化(ODH)は低温で操作でき、一般にコークスを生成しない。エチレン製造の場合、ODHは、スチームクラッキングよりも高いエチレン収率を提供し得る。ODHは、アルカンを対応するアルケンに転化するための触媒を有する反応容器内で行うことができる。酢酸は、低級アルカン(例えばエタン)を対応するアルケン(例えばエチレン)に転化する際に生成し得る。
二酸化炭素は、人間の活動によって排出される主な温室効果ガスである。二酸化炭素(CO)は、ODH施設を含む様々な産業及び化学プラント施設で発生し得る。このような施設では、エネルギーをより効率的に利用することにより、施設でのCO排出量が削減され、その結果、施設のCOフットプリントが減少する可能性がある。
一態様は、ODH反応器内で酸素の存在下、酸化的脱水素化(ODH)触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化し、それによってODH反応器内で酢酸を形成する工程と、ODH反応器からの少なくともエチレン、酢酸、及び水を含む流出物を、蒸気発生熱交換器を通して排出し、流出物からの熱で蒸気を発生させ、それによって流出物を冷却する工程とを含む、エチレンを製造する方法に関する。この方法は、蒸気発生熱交換器からの流出物を、供給物熱交換器を通して流し、ODH反応器用のエタンを有する供給物を流出物で加熱し、それによって流出物を冷却する工程を含む。この方法は、流出物から酢酸を酢酸生成物として回収する工程と、流出物からエチレンを有するプロセスガスを、エチレン生成物を得るためのさらなる処理のために送り出す工程を含む。
別の態様は、ODH反応器内で酸素の存在下、ODH触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化し、それによってODH反応器内で酢酸を形成する工程と、ODH反応器からのエチレン、酢酸、水、一酸化炭素、二酸化炭素、及び未反応のエタンを含む流出物を、蒸気発生熱交換器を通して排出し、蒸気を発生させる工程であって、蒸気発生熱交換器は、流出物から水に熱を伝達して蒸気を発生させ、それによって流出物を冷却する工程とを含む、エチレンを製造する方法に関する。この方法は、蒸気発生熱交換器からの流出物を、供給物熱交換器を通して流し、ODH反応器用の供給物を流出物で加熱する工程であって、供給物熱交換器は、流出物から供給物に熱を伝達し、それによって流出物を冷却する工程を含む。この方法は、供給物熱交換器の下流で流出物を冷却し、それによって流出物中の水を凝縮させる工程を含む。この方法は、流出物からエチレンを含むプロセスガスを、エチレン生成物を得るためのさらなる処理のために、プロセスガス圧縮機に送り出す工程を含む。
さらに別の態様は、ODH反応器内で酸素の存在下、ODH触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化し、それによってODH反応器内で酢酸を形成する工程と、ODH反応器からのエチレン、酢酸、水、一酸化炭素、二酸化炭素、及び未反応エタンを含む流出物を、蒸気発生熱交換器を通して排出し、蒸気を発生させ、供給物熱交換器を通してODH反応器用のエタンを含む供給物を加熱する工程とを含む、エチレンを製造する方法に関する。この方法は、容器内で流出物をガスと原料酢酸に分離する工程を含み、ガスはエチレン、水、酢酸、エタン、二酸化炭素、一酸化炭素を含み、原料酢酸は酢酸と水を含む。この方法は、ガスから酢酸及び水を除去して、エチレン、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含むプロセスガスを得て、且つ、プロセスガスを、エチレン生成物を得るためのさらなる処理のために、プロセスガス圧縮機に送り出す工程を含み、プロセスガスは、50ppm体積(ppmv)未満の酢酸(及びいくつかの実施態様では5モル%未満の水)を含む。この方法は、原料酢酸を容器の底部から酢酸ユニット(抽出カラムを有する)に排出し、原料酢酸から酢酸生成物を回収する工程を含む。
さらに別の態様は、エタンをエチレンに脱水素化し、酢酸を生成するためのODH触媒を含むODH反応器と、ODH反応器からの流出物を受け取り、流出物からの熱で蒸気を発生させる蒸気発生熱交換器と、蒸気発生熱交換器からの流出物を受け取り、流出物でODH反応器用のエタンを含む供給物を加熱する供給物熱交換器と、流出物をガスと原料酢酸に分離する容器であって、ガスはエチレン、水、酢酸、エタン、二酸化炭素及び一酸化炭素を含み、原料酢酸は酢酸及び水を含む、容器と、を含むエチレン製造システムに関する。エチレン製造システムは、原料酢酸を処理して酢酸生成物を得るための酢酸ユニットを含み、酢酸ユニットは、液-液抽出カラムである抽出カラムを含む。
さらに別の態様は、ODH反応器内で、ODH触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化する工程と、ODH反応器からのエチレン、水、酢酸、二酸化炭素、一酸化炭素、及び未反応エタンを含む流出物を排出する工程とを含む、エチレンを製造する方法に関する。この方法は、流出物中の酢酸と水を凝縮させて、流出物を原料酢酸とガスに分離する工程を含み、原料酢酸は、凝縮酢酸と凝縮水を含み、ガスは、エチレン、二酸化炭素、一酸化炭素、及び未反応のエタンを含む。この方法は、原料酢酸を処理して酢酸生成物を得る工程と、ガスを処理してエチレン生成物を含むプロセスガスを得る工程とを含む。この方法は、流出物から水をリサイクル水として回収する工程と、リサイクル水をODH反応器へのエタンを含む供給物に添加する工程と、供給物を流出物で加熱する工程と、供給物に酸素を添加する工程とを含む。
1つ以上の実施態様の詳細は、添付図面及び以下の明細書に記載されている。その他の特徴及び利点は、明細書及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかであろう。
オプション1(基本ケース)によるエチレン製造システムのプロセスフロー図(PFD)である。 オプション2によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション3によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション4によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション5によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション6によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション8によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション9によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション10によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション10の変形例によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション11によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション11の変形例によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション12によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション13によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション14によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション15によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション16によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション17によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション18によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション19によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション20によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション21によるエチレン製造システムのPFDである。 オプション22によるエチレン製造システムのPFDである。 エチレン製造方法のブロックフロー図である。上記の様々な図面における同様の参照番号や表記は、同様の要素を示している。
開示のいくつかの態様は、ODH反応器内で酸素の存在下、酸化的脱水素化(ODH)触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化することを対象とする。酢酸もODH反応器内で形成される。この技術には、ODH反応器からエチレン、酢酸、及び水を含む流出物を排出することを含めることができ、当該流出物を、蒸気発生熱交換器を通して排出することにより、蒸気を発生させること、及び、供給物熱交換器(クロス交換器)を通して排出することにより、ODH反応器用のエタンを含む供給物を加熱することも、含めることができる。原料酢酸は、流出物から分離することができる。原料酢酸は、流出物からの分離を促進するために凝縮される流出物中の水と酢酸の大部分を占め得る。原料酢酸を酢酸ユニット内で処理して、酢酸生成物を得ることができる。エチレン、未反応エタン、二酸化炭素、一酸化炭素、未凝縮酢酸、未凝縮水を含むガスを、流出物から分離し、スクラビングして酢酸と水を除去し、プロセスガスを得ることができる。実施態様では、プロセスガスは、さらなる処理のためにプロセスガス圧縮機に送られ、エチレン生成物を得ることができる。
エネルギー統合(例えば、反応器流出物からのエネルギー回収)と、反応器流出物の下流処理を含むODH反応器システムの全体的なエネルギー効率の向上は、運転経費及び二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を削減するのに有益であると考えられる。反応器流出物の冷却、酢酸回収、及び反応器供給物の飽和のエネルギー統合が開示されている。記載されているエネルギー統合により、原料酢酸を酢酸ユニットに有利に濃縮しながら、蒸気消費量、電力需要、及び冷却水需要を削減することができる。このような統合は、一般に、ODH反応器プラント全体の運転経費の削減だけでなく、少なくとも酢酸ユニット、冷却水(CW)システム、及び蒸気システムに対する資本経費の削減にもつながる可能性がある。ODH反応器システムのための統合には、反応器流出物から反応器供給物希釈物への水の再循環も含めることができる。流出物の処理で回収されるこの水は、リサイクル水と表記することができる。
反応器流出物の冷却、酢酸回収、反応器供給物の飽和のエネルギー統合のオプションが示されている。前述のリサイクル水が考慮されている。以下に示すオプション1の例は、基本ケースとなり得る。示されている他のオプションは、通常、基本ラインケースとしてオプション1と比較される。しかしながら、本発明の技術は、表にまとめられたり特徴付けられたりした様々なオプションに限定されるものではない。代わりに、オプション1~22を含む、設定された様々なオプションが例として示されている。
供給物エタンを脱水素化して生成物エチレンとし、副生成物である酢酸を生成する、ODH反応は、例えば、低温ODH触媒(例えば、後述のMoVNbTeOx)を用いて300~450℃の温度で起こり、高い選択率でエチレンを生成することができる。供給物及びODH反応器内のエタン-酸素混合物の可燃性エンベロープの範囲外に留まるようにするために、希釈剤が使用される。蒸発した水又は蒸気を希釈剤として使用することができる。ODH反応器へのエタン、酸素、及び水を含む混合供給物の圧力と温度に基づいて、目標酸素濃度は異なる場合がある。希釈剤としての水をエタン及び酸素と混合するために、いくつかのプロセス構成スキーム(例えば、エタン飽和塔を含む)を実施することができる。ODH反応器流出物の異なる冷却スキームを含む熱統合オプションを比較した。
エチレンを製造するODH反応プロセスにおける2つの主要な熱需要は、以下の通りである:(1)混合供給物を希釈するための供給物飽和、(2)酢酸(AA)生成物流を供給する酢酸(AA)ユニット内の溶剤回収塔。このプロセスの2つの主な冷却需要は、以下の通りである:(1)反応器流出物の冷却、(2)AAユニットの溶剤回収塔からのオーバーヘッド流の凝縮。
実施形態は、ODH反応器からの反応器流出物を冷却するプロセス統合を対象とすることができる。提示されたオプションでは、反応器から排出される反応器流出物は、最初に(超)高圧蒸気の発生又は過熱に使用され、その後、流出物は反応器供給物と相互に交換されることができる。
図1は、エチレン製造システム100である。図1は、図示されているように、後続の図と比較するためにオプション1として特徴付けることができる。エチレン製造システム100は、エタンをエチレンに脱水素化するためのODH触媒を有するODH反応器102容器を備える。反応器の操作温度は、例えば、300℃~450℃の範囲であってもよい。ODH反応は、典型的には発熱性である。ODH反応器102システムは、ODH反応器102の温度を制御するために熱伝達流体を利用することができる。熱伝達流体は、ODH反応器102から熱を除去する(又はODH反応器102に熱を加える)ために使用することができる。熱伝達流体は、例えば蒸気、水(加圧水又は超臨界水を含む)、油、溶融塩などであってもよい。ODH反応器102は、例えば、固定床反応器(ODH触媒の固定床で操作)、流動床反応器(触媒の流動床で操作)、又は別の反応器タイプであってもよい。
固定床反応器としてのODH反応器の場合、反応物質は反応器の一端から導入され、固定化触媒を通過して流れることができる。生成物が形成され、生成物を含む流出物が反応器のもう一方の端から排出され得る。固定床反応器は、それぞれが触媒床を有し、反応物質を流すための1つ以上の管(例えば、金属管、セラミック管など)を有することができる。ODH反応器102の場合、流れる反応物質は少なくともエタンと酸素であり得る。チューブは、例えばスチールメッシュを含むことができる。さらに、熱伝達チューブに隣接した熱伝達ジャケット又は外部熱交換器(例えば、供給物熱交換器又は再循環熱交換器)により、反応器の温度制御を行うことができる。前述の熱伝達流体は、ジャケット又は外部熱交換器を通って流れてもよい。
流動床反応器としてのODH反応器は、(1)非循環流動床、(2)再生器付き循環流動床、又は(3)再生器なしの循環流動床とすることができる。実施態様では、流動床反応器はODH触媒のための支持体を有してもよい。支持体は、多孔質構造体又は分配器プレートであってもよく、反応器の底部に配置されてもよい。反応物質は、ODH触媒床を流動化させる速度で支持体を通って上方に流れることもある。反応物質(例えば、ODH反応器102の場合、エタン、酸素など)は、流動触媒との接触により生成物(例えば、ODH反応器102の場合、エチレン及び酢酸)に変換される。生成物を有する流出物が、反応器の上部から排出されることがある。冷却ジャケットは、反応器の温度制御を容易にし得る。流動床反応器は、反応器の温度制御を容易にするために、熱伝達チューブ、ジャケット、又は外部熱交換器(例えば、供給物熱交換器又は再循環ループ熱交換器)を有することができる。前述の熱伝達流体は、反応器チューブ、ジャケット、又は外部熱交換器を通って流れることがある。
示されているように、ODH触媒は固定床又は流動床として操作することができる。エタンをエチレンに脱水素化し、副生成物として酢酸を形成するODH反応を促進することができるODH触媒は、本技術に適用することができる。混合金属酸化物触媒は、エタンODHに特に適しており、本明細書に記載の方法及びエチレン製造システムでの使用に適している。低温のODH触媒が有効である可能性がある。ODH反応器に利用できるODH触媒の一例は、モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブ及び酸素を含む低温ODH混合金属酸化物触媒であり、モリブデンとバナジウムのモル比は1:0.12から1:0.49であり、モリブデンとテルルのモル比は1:0.01から1:0.30であり、モリブデンとニオブのモル比は1:0.01から1:0.30であり、酸素は少なくとも存在する金属元素の原子価を満たす量で存在する。モリブデン、バナジウム、テルル、ニオブのモル比は、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)によって決定できる。触媒は、450℃未満、425℃未満、又は400℃未満でODH反応を提供する際に低温であってもよい。混合金属酸化物触媒の別の例としては、モリブデン、バナジウム、テルル、タンタルが挙げられる。
エタンを脱水素化するODH反応では、副生成物として酢酸が形成されることがある。ODH反応で形成されるものには、水、二酸化炭素、一酸化炭素も含まれる。したがって、ODH反応器102容器から排出される流出物104には、エチレン、酢酸、水、二酸化炭素、一酸化炭素、及び未反応のエタンが含まれる可能性がある。ODH反応器102の操作温度及び排出される流出物104の温度は、例えば、300℃~450℃の範囲内とすることができる。
流出物104は、導管を通って蒸気発生熱交換器106に送られ、流出物104からの熱で蒸気を発生させることができる。蒸気発生熱交換器106は、例えば、シェルアンドチューブ熱交換器やフィン型熱交換器(例えば、フィン付きチューブ束を備えたもの)等とすることができる。流出物104は、蒸気発生熱交換器106を通じて少なくとも100℃冷却され得る。
水は、蒸気発生熱交換器106内で、流出物104からの熱で加熱され、水を蒸気にフラッシュすることができる。水は、例えば、ボイラー給水、脱塩水、蒸気凝縮物などである。2つ以上の蒸気発生熱交換器106を、直列及び/又は並列に使用することができる。蒸気発生熱交換器106を有する蒸気発生システムは、容器(例えば、フラッシュ容器)、ポンプ(例えば、ボイラー給水ポンプ)等の追加の装置を含んでもよい。発生した蒸気は、蒸気ヘッダー(又はサブヘッダー)の導管内に排出されたり、導管を通ってユーザーに排出されたりすることがある。高圧蒸気の方が、一般に、低圧蒸気よりも価値がある場合がある。
高圧蒸気(例えば、600ポンド/平方インチゲージ(psig)を超える、又は1500psigを超える)は、典型的には、低圧蒸気(例えば、600psig未満又は150psig未満)よりも価値がある場合がある。蒸気発生熱交換器106を介して発生する蒸気の圧力は、ODH反応器102の操作温度(ODH反応温度)によって決まる流出物104の温度の関数であってもよい。
エタン飽和塔110は、ODH反応器102容器への混合供給物108用のエタン(例えば、水に飽和したエタンである水飽和エタン)を供給することができる。エチレン製造システム100は、水蒸気をエタンガス112に取り込み、混合供給物108用の飽和エタン114を排出するためのエタン飽和塔110容器(例えば、カラム)を含んでもよい。
実施態様では、液体水116は、エタン飽和塔110の上部に入り、エタン飽和塔110を通って下方に流れることができる。エタン飽和塔110は、導管とフランジ付き又はねじ込み式で接続された入口(例えば、ノズル)を有してもよく、導管は流入する水116を搬送する。エタンガス112は、エタン飽和塔110の下部に入り、エタン飽和塔110を通って上方に流れてもよい。エタン飽和塔110は、導管とフランジ付き又はねじ込み式で接続された入口(例えば、ノズル)を有してもよく、導管は流入するエタンガス112を搬送する。エタン飽和塔110は、エタンガス112への水蒸気の物質移動のために、エタンガス112と水116との接触段階を提供するためのパッキング又はトレイを有してもよい。エタン飽和塔110は、ランダムパッキング、構造化パッキング、トレイ、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。
液体水120は、エタン飽和塔110の底部から(例えば、ボトム流として)排出され、エタン飽和塔110への水供給として水再循環ポンプ122(例えば、遠心ポンプ)を介して再循環され得る。したがって、エタン飽和塔110は、水再循環ループを有してもよい。水は、エタン飽和塔110に入る液体水116(加熱された状態)を得るために、蒸気などの加熱媒体を用いて循環水加熱器118(例えば、シェルアンドチューブ熱交換器)内で加熱することができる。飽和エタン114は、ODH反応器102への供給用に、エタン飽和塔110から塔頂に排出されてもよい。本明細書で使用される「飽和」エタンという用語は、エタンガスが水で飽和していることを意味する。飽和エタン114は、一般に水蒸気を含むが、液体の水をほとんど又は全く含まない。
飽和エタン114は、ODH反応器102への供給物として飽和エタン114を加熱する供給物熱交換器124を通って送られてもよい。供給物熱交換器124は、例えば、シェルアンドチューブ熱交換器又はプレートフィン式熱交換器とすることができる。実施態様では、供給物熱交換器124は、図示されているように、流出物104が飽和エタン114を加熱するクロス交換器であってもよい。したがって、流出物104は、供給物熱交換器124内で、例えば、典型的には少なくとも100℃まで冷却され得る。他の実施態様では、供給物熱交換器124は、加熱媒体として流出物104の代わりに蒸気を利用することができる。
酸素ガス(O)126は、供給物熱交換器124の上流、又は熱交換器124の下流、あるいはその両方で、飽和エタン112に添加することができる。酸素ガス126は、飽和エタンに、単一の添加点で添加してもよいし、複数の添加点(例えば、2点~5点)で添加してもよい。図示された実施形態では、5つの添加点を示している。複数の添加点を設ける理由は、流れる飽和エタン114中に酸素ガス126のポケットが形成される機会を減らすためであってもよい。
酸素ガス126は、飽和エタン114を搬送する導管に添加してもよい。実施態様では、導管は、飽和エタン114への酸素ガス126の添加点(の下流)に隣接するインラインスタティックミキサーを含んでもよい。実施態様では、酸素ガス126を搬送する導管は、パイプT字管又は同様のパイプ継手を介して、飽和エタン114を搬送する導管に接続することができる。ODH反応器102への混合供給物108は、飽和エタンガス112及び酸素ガス126を含むことができる。示したように、飽和エタンガス112中の水は、希釈剤であり得る。
流出物104は、供給物熱交換器124から冷却器熱交換器128を通ってフラッシュドラム130に流れる。フラッシュドラム130は、例えば、垂直方向又は水平方向を有する容器である。実施態様では、フラッシュドラム130内の液体(例えば、主に水であってもよい原料酢酸)のレベルを、操作中に維持することができる。
冷却器熱交換器128は、流出物104を冷却する(流出物104から熱を除去する)。冷却媒体は、例えば、冷却塔の水であってもよい。冷却器熱交換器128は、例えば、シェルアンドチューブ熱交換器、プレートフィン熱交換器、又は他のタイプの熱交換器とすることができる。実施態様では、冷却器熱交換器128は、例えば30℃~80℃の範囲の温度で流出物104を排出する。冷却器熱交換器128は、流出物104中の水と酢酸が冷却器熱交換器128内で凝縮できるという点で、凝縮器であってもよい。
フラッシュドラム130の操作圧力は、プロセスガスの下流処理の背圧の関数であり得る(後述)。フラッシュドラム130の操作圧力は、ODH反応器102の流出物104の排出圧力の関数であり得る。フラッシュドラム130の操作圧力は、ODH反応器102からパイプ及び熱交換器を通ってフラッシュドラム130及び下流のプロセスガス圧縮機への流出物104の流れに関連する圧力降下の関数であり得る。
フラッシュドラム130に入る流出物104の温度は、供給物熱交換器124及び冷却器熱交換器128における流出物104の冷却量によって影響を受ける可能性がある。フラッシュドラム130からボトム流として排出される原料酢酸132中の水の量は、フラッシュドラム130に入る流出物104の温度の関数であり得る。フラッシュドラム130に入る流出物104の温度が低いほど、原料酢酸132中により多くの水が含まれる可能性がある。これは、温度が低いほど、より多くの水が流出物104中で凝縮するためであると考えられる。原料酢酸132は、主に水であり得る。本明細書で使用される「主に」又は「大部分」という用語は、50重量%を超えること、及び50体積%を超えることを含む、半分を超えること(50%超)を意味する。
オプション1の態様は、冷却器熱交換器128内でODH反応器流出物104を冷却水に対して冷却し(例えば、30℃~80℃の範囲の温度まで下げて)、ODH反応器流出物104中の水及び酢酸の大部分を凝縮させることである。したがって、水の大部分が凝縮されるため、本実施形態においてフラッシュドラム130から排出される原料酢酸132は、かなりの量の水を有する可能性がある。このようにして、原料酢酸132は、1重量%(wt%)未満などの低濃度の酢酸を有し得る。実施形態及びフラッシュドラム130に入る流出物104の温度に応じて、原料酢酸132中の酢酸濃度は、例えば、0.3重量%~45重量%の範囲とすることができる。
フラッシュドラム130は、原料酢酸132を、フラッシュドラム130の底部から排出する。原料酢酸132には、液体酢酸と液体水が含まれる。フラッシュドラム130は、フラッシュドラム130の底部に、原料酢酸132を排出するための出口を有していてもよい。出口は、原料酢酸132をフラッシュドラム130から導管内に排出するために、導管に結合されたフランジ付き又はねじ込み式のノズルとすることができる。フラッシュドラム130は、原料酢酸132を、導管を通して酢酸ユニット134に、例えば酢酸ユニット134内の抽出カラムに排出することができる。
原料酢酸132は、酢酸ユニット134内で処理されて、原料酢酸132から水136が除去され、エチレン製造の共生成物である酢酸生成物138を得ることができる。酢酸生成物138は、例えば、少なくとも99重量%の酢酸を有し得る。除去された水136の少なくとも一部は、水生成物140として回収することができる。後述するように(例えば、図14に関して)、酢酸ユニット134は、酢酸を除去するために溶媒を注入するための抽出カラム(容器)、水を回収するために抽出カラムからのラフィネートを処理するための水ストリッパー塔(容器)、及び酢酸生成物138を得るために抽出カラムから排出された酢酸から溶媒を除去するための溶媒回収カラム(容器)を含んでもよい。
フラッシュドラム130は、ガス142を、フラッシュドラム130の上部から頭上に排出することができる。ガス142には、水蒸気、残留酢酸蒸気、並びにエチレン、二酸化炭素、一酸化炭素、未反応エタン、及びその他のガスなどのガスが含まれてもよい。その他のガスには、例えば、エタンガス112とともに(例えば、パイプラインから)システム100に入った比較的少量のメタン又はプロパンが含まれる。フラッシュドラム130は、ガス142を排出するための出口をフラッシュドラム130の上部に含んでもよい。出口は、ガス142を排出するために排出導管に結合するためのフランジ付き又はねじ込み式のノズルとすることができる。ガス142は、排出導管を通って、塔やカラムのような容器である酢酸スクラバー144に流れることができる。
酢酸スクラバー144の目的は、ガス142から酢酸と水をスクラビング(除去)することであってもよい。除去される酢酸及び水は、一般に、原料酢酸132を得るために凝縮された流出物104からの酢酸及び水の残りであり得る。いくつかの実施態様では、ガス142からのこの酢酸の除去により、プロセスガス148中においてppmレベル(例えば、50ppm未満)の酢酸が得られ、下流のプロセス装置(例えば、プロセスガス圧縮機158など)の冶金コストを削減することができる。実施態様では、プロセスガス148は、50体積ppmv未満の酢酸など、微量の酢酸を含むことができる。プロセスガス148は、5モル%(mol%)未満の少量の水を含むこともある。
スクラビング液は、スクラビング水146であってもよく、酢酸スクラバー144の上部に入り、酢酸スクラバー144を通って下方に流れる。スクラバー144は、スクラビング水146を受け入れるためのノズルなどの入口を有してもよい。このノズルは、例えば、入口導管に結合されたフランジ付き又はねじ込み式の接続部であってもよく、入口導管は流入するスクラビング水146を搬送する。フラッシュドラム130からのガス142は、スクラバー144容器の下部に入り、スクラバー144を通って、スクラビング水146に対して向流で上方に流れてもよい。スクラバー144は、入口導管とフランジ付き又はねじ込み式で接続された入口(例えば、ノズル)を有してもよく、入口導管は流入するガス142を搬送する。酢酸スクラバー144は、ガス142からスクラビング水146への水蒸気及び酢酸蒸気の物質移動のために、ガス142とスクラビング水146との接触段階を提供するためのパッキング又はトレイを有してもよい。スクラバー144は、ランダムパッキング、オーダーパッキング、トレイ、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。
酢酸スクラバー144は、エチレン生成物を回収するための下流処理のために、プロセスガス148(例えば、オーバーヘッド流)を排出してもよい。プロセスガス148には、エチレン、エタン、二酸化炭素、一酸化炭素、プロパン、及びメタンが含まれ得る。プロセスガス148中のエチレンのモル%(mol%)は、例えば、10モル%~90モル%の範囲であってもよい。プロセスガス148は、一般に、ガス142からスクラバー144内でガス142から除去された酢酸蒸気と水蒸気を除いたものである。プロセスガス148は、スクラバー142の上部にある出口ノズルを通して排出することができ、そのノズルは排出導管に結合されている。
ガス142から除去された酢酸蒸気及び水蒸気を有するスクラビング水146は、(スクラバー144の底部の出口ノズルを通って)ボトム流として、リサイクル水150としてエタン飽和塔110に排出され得る。リサイクル水150は、導管を通ってエタン飽和塔110に流れることができる。リサイクル水ポンプ152が導管に沿って配置され、リサイクル水150の流れに原動力を提供することができる。リサイクル水150は、エタン飽和塔110からのボトム液体水120と組み合わされ、エタン飽和塔110への液体水116供給として循環水加熱器118を通って流れることができる。
酢酸スクラバー144に供給されるスクラビング水146は、例えば、酢酸ユニット134からの液体水154及び下流のプロセスガス圧縮機(PGC)158からの凝縮水156を含んでもよい。ポンプ160は、スクラビング水146を酢酸スクラバー144に流すための原動力を提供することができる。
酢酸スクラバー144から排出されたプロセスガス148は、下流装置162によって処理され、プロセスガス148からエチレンを生成物エチレン164として取り出すことができる。下流装置162は、前述のPGC158(例えば、機械式圧縮機)を含んでもよく、プロセスガス148の圧力を上昇させる。圧縮されたプロセスガスは、一酸化炭素やメタンなどの軽質成分を除去するために処理されてもよい。下流装置162は、C2スプリッター166を含んでもよく、エチレンをエタンから分離する。C2スプリッター166は、蒸留トレイを有する蒸留カラムである容器であってもよい。
一実施形態では、エチレン製造システム100は、プロセスガス142を下流装置162に送るが、下流装置162を含まない。代わりに、エチレン製造システム100の生成物は、エチレンを有するプロセスガス148である。別の実施形態では、エチレン製造システム100は、プロセスガス148を生成物として排出するPGC圧縮機158を含む。さらに別の実施形態では、エチレン製造システム100は、下流プロセス装置162を含む。オプション1~22のエネルギーに関する説明又は分析では、PGC158が考慮されているが、典型的には、下流装置162の残りの装置は考慮されない。
図2は、図1のエチレン製造システム100と同一又は類似のエチレン製造システム200であるが、空気冷却器202が追加されている。図2は、オプション2として特徴付けることができる。図2に示されている装置及び参照番号の説明については、図1の説明も参照されたい。空気冷却器202は、冷却媒体又は熱伝達流体として周囲空気を用いて、ODH反応器流出物104を冷却する(熱を除去する)。空気冷却器202は、供給物熱交換器124と冷却器熱交換器128との間に操作可能に配置される。空気冷却器202は熱交換器であり、1つ以上のファンを含むファン熱交換器であってもよい。ファン熱交換器は、フィン付きであってもよい。空気冷却器202は、フィン・ファン式熱交換器であってもよい。空気冷却器202の熱交換器は、フィン付きチューブ束などを備えた1つ以上のファンを備えていてもよい。
空気冷却器202は、80℃~130℃の範囲の温度、又は80℃~100℃の範囲の温度で、流出物104を排出することができる。オプション1と同様に、冷却器熱交換器128は、例えば30℃~80℃の範囲の温度で、流出物104を排出することができる。このように、流出物104中の水と酢酸の大部分が凝縮される。したがって、オプション1と同様に、原料酢酸132は、1重量%未満などの低濃度の酢酸を有していてもよい。このようなものは、原料酢酸中の低酢酸として表示される場合がある。
しかし、流出物104を、温度30℃~80℃の範囲内の温度まで冷却するための流出物104からの熱の除去は、空気冷却器202と冷却器熱交換器128によって分担される。したがって、冷却器熱交換器128による冷却媒体(例えば、冷却塔水)の需要は、オプション1と比較して減少する。それゆえ、実施態様では、冷却塔のサイズ及び操作コストを有利に削減することができる。しかし、追加の機器置(空気冷却器202)を追加すると、流出物104の圧力降下が増加する可能性があり、これはPGC158でのより多くの消費電力につながる可能性がある。
図3は、図1のエチレン製造システム100と同一又は類似のエチレン製造システム300であるが、第2フラッシュドラム302(容器)と第2冷却器熱交換器304が追加されている。第2冷却器熱交換器304は、冷却媒体として水(例えば、冷却塔水)を使用することができる。図3は、オプション3として特徴付けることができる。図3に示されている装置及び参照番号の説明については、図1の説明も参照されたい。
第1冷却器熱交換器128は、流出物104を、例えば、30℃~120℃の範囲の温度、又は80℃~120℃の範囲の温度に冷却することができる。
前述のオプション1及び2では、冷却器熱交換器128は、流出物104を、例えば、30℃~80℃の範囲内まで冷却することができ、したがって、流出物104中の酢酸の大部分及び流出物104中の水の大部分を凝縮させることができる。したがって、オプション1~2では、フラッシュドラム130から排出される原料酢酸132は、酢酸濃度が低く(例えば、1重量%未満)、酢酸ユニット134への全体的な流量が比較的多く(負荷が多く)、低酢酸濃度と表示される場合がある。
対照的に、オプション3では、第1冷却器熱交換器128は、流出物104を、例えば、前述の80℃~120℃の範囲の温度に冷却することができる。このように、第1冷却器熱交換器128は、流出物104中の酢酸の大部分を凝縮させるが、流出物104中の水の大部分よりは少ない可能性がある。したがって、フラッシュドラム130から排出される原料酢酸132は、酢酸濃度が高く(例えば、少なくとも1重量%)、オプション1及び2と比較して、酢酸ユニット134への全体的な流量が少なく(負荷が少なく)、高酢酸濃度として表示される可能性がある。このような場合、オプション1及び2と比較して、加熱(蒸気)需要と冷却需要が少ない、より小型の酢酸ユニット134を用いて実施することができる。高酢酸濃度として原料酢酸132を使用するオプション3の場合、原料酢酸132中の酢酸濃度は、例えば、少なくとも1重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、又は1重量%~50重量%、1重量%~40重量%、又は20重量%~50重量%の範囲とすることができる。
フラッシュドラム130は、ガス306(水蒸気を含む)を、頭上から第2フラッシュドラム302に排出する。ガス306は、前の図のガス142に類似するものとすることができる。ガス306は、流出物104から原料酢酸132を除いたものである。ガス306には、水蒸気、残留酢酸蒸気、及びガス(二酸化炭素、一酸化炭素、未反応エタン、及び他のガスなど)が含まれる。他のガスには、例えば、エタンガス112とともにシステム100に入る比較的少量のメタン又はプロパンが含まれ得る。ガス306は、ガス306を、例えば30℃~80℃の範囲の温度に冷却する第2冷却器熱交換器304を通って流れる。第2冷却器熱交換器304は、流出物104から残留するガス306中の酢酸及び水の大部分を凝縮させる。
ガス142Aは、第2フラッシュドラム302からオーバーヘッドに排出され、前の図のガス142と類似している場合がある。ガス142Aには、水蒸気、残留酢酸蒸気、及びガス(二酸化炭素、一酸化炭素、プロパン、メタン、未反応エタンなど)が含まれ得る。
第2フラッシュドラム302は、主に水であり、実施態様ではリサイクル水として利用される可能性のあるボトム流308を排出する。例えば、ボトム流308は、酢酸スクラバー144のボトム流と組み合わされ、エタン飽和塔110に送られるリサイクル水150となる。したがって、酢酸スクラバー144からのボトム流は、第2フラッシュドラム302からのボトム流308(より高い温度)を組み込んで、エタン飽和塔110にリサイクル水150を供給する。実施態様では、エタン飽和塔110へのリサイクル水150の温度が高いため、循環水加熱器118での蒸気消費は、オプション1及び2と比較して、少なくなる可能性がある。その結果、エネルギーバランスに基づき、反応器流出物104を冷却するために利用される冷却水が少なくなる可能性がある。
図4は、図3のエチレン製造システム300と同一又は類似のエチレン製造システム400であるが、第1冷却器熱交換器128を、空気冷却器402に置き換えている。全体的な冷却水の需要は、オプション3と比較して少なくなり、そのため、オプション3と比較してより小型の冷却水塔(エチレン製造システム用)を導入することが有利になる可能性がある。図4は、オプション4として特徴付けることができる。図4に示されている文章及び参照番号の説明については、前の図の説明も参照されたい。様々な図面における同様の参照番号や呼称は、同様の要素を示している。
空気冷却器402は、図2の空気冷却器202と同様の熱交換器である。空気冷却器402は、冷却媒体(熱伝達流体)として周囲空気を用いて流出物104を冷却する(熱を除去する)。空気冷却器202は、供給物熱交換器124とフラッシュドラム130との間に操作可能に配置され得る。空気冷却器402は、1つ以上のファンを含むファン熱交換器であってもよい。ファン熱交換器としての空気冷却器402は、フィン又はフィン付きチューブ束などを含むことができる。空気冷却器402は、流出物104を、例えば、80℃~120℃の範囲の温度に冷却することができる。したがって、オプション3と同様に、フラッシュドラム130から排出される原料酢酸132は、より高い濃度を有する可能性がある。原料酢酸134中の酢酸濃度は、例えば、少なくとも1重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、又は1重量%~50重量%、1重量%~40重量%、又は20重量%~50重量%などの範囲であってもよい。
このような場合、原料酢酸中の酢酸濃度が高いと表示されることがある。
図5は、図4のエチレン製造システム400と同一又は類似のエチレン製造システム500であるが、第2空気冷却器502が追加されている。図5は、オプション5として特徴付けることができる。図5に示されている文章、呼称、及び参照番号の説明については、前の図の説明も参照されたい。
第2空気冷却器502は、空気冷却器402と同一又は類似のタイプの熱交換器であってもよい。第2空気冷却器502は、フラッシュドラム130と冷却器熱交換器304の間に操作可能に配置される。第2冷却器502は、第1フラッシュドラム130から頭上に排出されるガス306を冷却する(熱を除去する)。第2空気冷却器502は、ガス306を、例えば80℃~120℃の範囲の温度に冷却することができる。オプション3及び4と同様に、冷却器熱交換器304は、ガス306を、例えば30℃~80℃の範囲の温度に冷却することができる。しかし、オプション5では、ガス306からの熱除去は、第2空気冷却器502と冷却器熱交換器304の間で共有される。したがって、冷却器熱交換器304による冷却水の需要は、一般に、オプション3及び4よりも少なくなる可能性がある。したがって、システム500の全体的な冷却水の需要は、システム300、400よりも少なくなる可能性がある。これにより、オプション3及び4と比較して、オプション5では、(エチレン製造システムに供給するために)より小型の冷却水塔を導入することが有利になる可能性がある。しかしながら、追加の熱交換器として第2空気冷却器502を含めると、ODH反応器102とPGC158との間の圧力降下がさらに大きくなり、PGC158による電力需要が高くなる可能性がある。最後に、原料酢酸132は、高酢酸濃度であってもよく(オプション3及び4と同様)、これは、例えば、少なくとも1重量%の酢酸濃度を有する原料酢酸132である。
図6は、図2のエチレン製造システム200と同一又は類似のエチレン製造システム600であるが、冷却器熱交換器128は取り除かれている。後述するように、酢酸スクラバー144のオーバーヘッドからのプロセスガスのために、冷却器熱交換器602とフラッシュタンク604を追加することもできる。図6は、オプション6として特徴付けることができる。図6に示されている文章、呼称、及び参照番号の説明については、前の図の説明も参照されたい。
オプション6の実施形態は、酢酸スクラバー144のオーバーヘッドにおけるプロセスガス148A中の酢酸の量又は濃度が所定の閾値未満になるように、空気冷却器202からの流出物104の出口温度を調整することを含むことができる。プロセスガス148A中の酢酸の量又は濃度は、空気冷却器202から排出される流出物104の温度に相関している(及び正比例している)可能性がある。空気冷却器202から排出される流出物104の温度が上昇すると、一般に、プロセスガス148A中の酢酸の量又は濃度が増加する可能性がある。空気冷却器202から排出される流出物104の温度が低下すると、一般に、プロセスガス148A中の酢酸の量又は濃度が減少する可能性がある。
前記所定の閾値は、例えば、酢酸50ppmvとすることができる。繰り返しになるが、空気冷却器202の操作を介した実施態様では、酢酸スクラバー144のオーバーヘッドにおけるプロセスガス148中の濃度は、閾値未満に維持され得る。この結果、オプション2と比較して、原料酢酸132中の酢酸濃度がわずかに高くなる可能性がある。原料酢酸132中の酢酸に対して水が少ないと、オプション2と比較して、酢酸ユニット134における熱需要が少なくなる可能性がある。流出物104の温度が高くなると、ガス142の温度が高くなり、酢酸スクラバー144の底部の温度が高くなり、最終的に、エタン飽和塔110へのリサイクル水150の温度が高くなる可能性がある。これは、一般的に、オプション2と比較して、エタン供給物飽和のための循環水加熱器118における蒸気(例えば、低圧蒸気)消費をより少なくすることにつながる可能性がある。
最後に、酢酸スクラバー144のオーバーヘッド温度は、オプション2よりも高い可能性があるため、プロセスガスは、PGC158に到達する前に冷却される可能性がある。特に、酢酸スクラバー144からオーバーヘッドに排出されるプロセスガス148Aを冷却するために、冷却器熱交換器602が含めることができる。冷却器熱交換器602は、熱伝達流体(冷却媒体)として水(例えば、冷却塔水)を利用することができる。冷却器熱交換器602は、PGC158を通過する前に、酢酸スクラバー144からプロセスガス148A中に持ち越されたほぼ全ての酢酸(及び水蒸気)を凝縮させることができる。酢酸と水を含む凝縮液606を回収するために、フラッシュタンク604(容器)を含めることができる。凝縮した液体は、図示されているように、スクラビング水146に利用することができる。プロセスガス148は、下流装置162で処理するために、フラッシュタンク604からオーバーヘッドに排出することができる。
図6(エチレン製造システム600)は、オプション7として特徴付けることもできるが、オプション6と比較して操作上の違いがある。オプション7では、オプション3~5と同様に、空気冷却器202の操作を調整して、原料酢酸132中の酢酸濃度が高くなる(例えば、少なくとも1重量%となる)排出流出物104の温度とすることができる。これにより、酢酸ユニット134における加熱需要及び冷却需要が減少する可能性がある。フラッシュドラム130内のこれらのより高い温度において、酢酸スクラバー144のオーバーヘッドにおけるプロセスガス148A中の酢酸の濃度は、少なくとも前述の閾値、例えば、少なくとも50ppmv、又は50ppm~200ppmvの範囲内であってもよい。酢酸スクラバー144のオーバーヘッドは、オプション6よりもオプション7の方が高くなる可能性がある。冷却器熱交換器602は、プロセスガス流148がPGC158に入る前に、プロセスガス流148中のほぼ全ての酢酸を凝縮(ノックアウト)させることができる。さらに、エタン飽和塔110へのリサイクル水温度150が高くなる可能性があり、その結果、循環水加熱器118などにおけるエタン(又は供給物)飽和のための蒸気[例えば、低圧(LP)蒸気]の需要が少なくなる可能性がある。
図7は、図5のエチレン製造システム500と同一又は類似のエチレン製造システム700であるが、冷却器熱交換器304及び第2フラッシュドラム302が除去されている。冷却器熱交換器304と第2フラッシュドラム302を除去すると、PGC158での吸引圧力が高くなり、したがって、オプション5と比較して、PGC158の電力需要が低くなる可能性がある。図7は(図5とは対照的に)、急冷セクション(「quenching section」、「quench section」とも呼ばれる)を組み込んだ酢酸スクラバー144の再構成も含む。このように再構成された酢酸スクラバーは、急冷セクションを有する酢酸スクラバーである急冷/酢酸スクラバー144Aとなり得る。
図7(エチレン製造システム700)は、オプション8として特徴付けることができる。オプション8は、部分的には、流出物104を処理する際の圧力降下を低減することを目的としている。オプション8は、特にオプション5に関して、そのような圧力降下を低減するための取り組みである可能性がある。図7に示されている文章、呼称、及び参照番号の説明については、前の図の説明も参照されたい。
フラッシュドラム130から排出されたオーバーヘッドガス142は、第2空気冷却器502を通って急冷/酢酸スクラバー144Aに流れる。図7の図示された実施形態では、第2空気冷却器502と急冷/酢酸スクラバー144Aとの間には、操作可能に配置された冷却器熱交換器又は第2フラッシュドラムは存在しない。
急冷/酢酸スクラバー144Aからのボトム流の一部は、エタン飽和塔110への液体水116供給用のリサイクル水150として送ることができる。ボトム流の残りの部分は、急冷/酢酸スクラバー144Aの急冷セクション(例えば、下部)用の急冷水702として利用することができる。急冷水702は、導管を介して戻され、急冷セクション又はその直上で急冷/酢酸スクラバー144Aに導入され得る。急冷水702の流れ(再循環)のための原動力は、循環ポンプ704(例えば、遠心ポンプ)によって提供され得る。熱伝達媒体として水(例えば、冷却塔水)を利用する急冷水冷却器706の熱交換器は、急冷水702を冷却することができる。急冷水冷却器706は、例えば、シェルアンドチューブ熱交換器、プレートアンドフレーム熱交換器、プレートフィン熱交換器などとすることができる。
酢酸スクラバー144(図1~図6参照)を、図7に示す急冷/酢酸スクラバー144Aになるように再構成するために、酢酸スクラバーの下部セクションは、酢酸スクラバー(塔)の底部から酢酸スクラバーの下部セクション(部分)に循環する急冷水702を有する急冷セクションになる。急冷セクションとしての下部セクションは、ランダムパッキング、構造化パッキング、トレイ、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。実施態様では、急冷セクションとスクラビングセクションとの間に煙突トレイを配置してもよい。繰り返しになるが、急冷セクションとスクラビングセクションはトレイ式でもパック式でもよい。いくつかの実施態様では、急冷セクションの内部構造は、スクラバーの残りの部分の内部構造と同様であってもよい。
下部セクション(急冷セクション)は、例えば、急冷水702を受け取って排出するためのスプレーノズル又は分配器を下部セクションの上部に備えてもよい。急冷セクションの急冷水702の循環速度及び温度は、オプション1と同様に、スクラバーのオーバーヘッドで同じ又は類似の酢酸濃度及び温度を達成するように調整することができる。別の設計としては、急冷と酢酸スクラバーを別の塔にする方法がある。換言すると、代替構成は、酢酸スクラバー144(図1~図6と同様)を保持するが、PGC158への経路でプロセスガスを処理するために、酢酸スクラバーの上流に、操作上、急冷塔容器を追加することである。急冷セクション(又は代替構成では別個の急冷塔)の目的は、プロセスガス142を冷却し、プロセスガス142からより多くの酢酸と水を除去することであってもよい。
オプション8の場合、図7に示すような急冷/酢酸スクラバー144A(及び代替構成)を実施することで、急冷/酢酸スクラバー144Aの急冷セクションによる熱除去により、(急冷/酢酸スクラバー144Aからエタン飽和塔110への)リサイクル水150の温度が高くなる可能性がある。これは、リサイクル水150の温度が高いと、オプション5と比較して、循環水加熱器118での蒸気消費が少なくなる可能性があるためである。
図8は、図7(オプション8)のエチレン製造システム700と同一又は類似のエチレン製造システム800であるが、第2空気冷却器502が除去されている。図8は、オプション9として特徴付けることができる。図8に示されている文章、呼称、及び参照番号の説明については、前の図の説明も参照されたい。
図8(オプション9)では、第2空気冷却器502を除去することで、PGC158での吸引圧力が高くなり、したがって、オプション8と比較して、PGC158による消費電力が低くなる可能性がある。オプション9では、急冷/酢酸スクラバー144Aの急冷セクションに関連する急冷水702の循環速度を増加させて、除去された空気冷却器502からシフトした余分な熱負荷の除去を進めることができる。オプション8と比較すると、これは、急冷水冷却器706を通して冷却媒体(例えば、冷却塔水)の負荷を増やすかもしれないが、急冷/酢酸スクラバー144Aの底部からのリサイクル水150の温度を上昇させ、したがって循環水加熱器118による蒸気消費(エタン飽和のため)を減少させる。
図9及びと図10は、空気冷却器402とフラッシュドラム130を除去することによって、ODH反応器102とPGC158の間の圧力降下を(オプション9と比較して)さらに低減するオプション10である。この結果、一般に、オプション1~22の例として以下に説明し、表にまとめた構成例の中で、PGCによる吸引圧力が最も高く、消費電力が最も低くなる可能性がある。除去された空気冷却器402からの余分なシフト熱負荷を除去するために、冷却水需要が増加する可能性がある。これにより、オプション9と比較して、急冷水冷却器を通した冷却塔への負荷が増加する可能性がある。
図9は、供給物熱交換器124からの流出物104を受け取る急冷塔902(容器)を含むエチレン製造システム900である。急冷塔902は、垂直方向の容器(カラム)であってもよく、スプレーノズル、ランダムパッキング、構造化パッキング、又はトレイ、あるいはそれらの任意の組合せを含んでもよい。急冷塔902は、流出物104を冷却する(熱を除去する)ことができる。急冷塔902は、流出物104から水及び酢酸を除去することができる。
急冷塔902は、急冷/酢酸スクラバー144Aへの供給物として、ガス142Bをオーバーヘッドに排出することができる。ガス142Bは、一般に、流出物104から急冷塔902によって除去される水及び酢酸を除いたものであってもよい。
急冷塔902は、除去された水及び除去された酢酸を有するボトム流を排出することができる。ボトム流の一部は、原料酢酸132として酢酸ユニット134に送ることができる。ボトムスの残りの流れは、急冷塔902の急冷水904として循環させることができる。循環ポンプ906(例えば、遠心ポンプ)は、急冷水904の流れ(循環)のための原動力を提供することができる。
急冷水冷却器908は、循環中の急冷水904を冷却する(急冷水904から熱を取り除く)ことができる。急冷水冷却器908は、熱伝達流体(冷却媒体)として水(例えば、冷却塔水)を利用することができる。急冷水冷却器908は、例えば、シェルアンドチューブ熱交換器、プレートアンドフレーム熱交換器、プレートフィン熱交換器などであってもよい。急冷水冷却器908と併せて急冷塔902によって流出物104から除去される熱(duty)の量は、供給物熱交換器124の下流にある、前の図に示した熱交換器によって流出物104から除去される熱量と相関し得る。
図10は、供給物熱交換器124からの流出物104を受け取るための急冷/酢酸スクラバー1002を含むエチレン製造システム1000である。急冷/酢酸スクラバー1002は、2つの急冷セクション、すなわち、急冷中間セクション及び急冷下部セクションを有することができる。急冷/酢酸スクラバー1002は、ランダムパッキング、構造化パッキング、又はトレイ、又はそれらの任意の組合せを含む垂直容器(カラム、塔)であってもよい。いくつかの実施態様では、各急冷セクションの上部(又は上方)にスプレーノズル又は同様の装置を含まれることができる。急冷セクションの目的は、急冷/酢酸スクラバー1002が流出物104から熱を除去することである。
操作中、水1004は、急冷中間セクションの底部又はその下方で抜き取られる。水1004の一部は、リサイクル水150として送られる。水1004の別の一部は、急冷水1006として、急冷中間セクションの上部又はその上部の急冷/酢酸スクラバー1002に再循環される。循環ポンプ1008(例えば、遠心ポンプ)は、急冷水1006を汲み上げる(流れのための原動力を提供する)ことができる。急冷水冷却器1010は、急冷水1006から熱を除去することができる。急冷水冷却器1010は、例えば、シェルアンドチューブ熱交換器、プレートアンドフレーム熱交換器、プレートフィン熱交換器などであってもよい。急冷水冷却器1010は、冷却媒体として水(例えば、冷却塔水)を利用することができる。
急冷/酢酸スクラバー1002は、急冷/酢酸スクラバー1002内でのスクラビング及び急冷を介して、流出物104から除去された酢酸及び水を有するボトム流を排出する。ボトム流の一部は、原料酢酸132として酢酸ユニット134に送ることができる。
ボトム流の別の一部は、急冷水1012として、急冷下セクションの上部又はその上部の急冷/酢酸スクラバー1002に再循環させることができる。これは、図9の急冷塔902に関連する操作と同様であり得る。循環ポンプ1014(例えば、遠心ポンプ)は、急冷水1012の流れ(循環)のための原動力を提供することができる。急冷水冷却器1016は、循環中の急冷水1012を冷却する(急冷水1012から熱を除去する)ことができる。急冷水冷却器1016は、熱伝達流体(冷却媒体)として水(例えば、冷却塔水)を利用することができる。急冷水冷却器1016は、例えば、シェルアンドチューブ熱交換器、プレートアンドフレーム熱交換器、プレートフィン熱交換器などであってもよい。
急冷/酢酸スクラバー1002の下部急冷セクション(及び図9の急冷塔902での急冷)は、濃縮された原料酢酸が、凝縮、回収され、酢酸ユニット134に送られる場所である。急冷/酢酸スクラバー1002の中間セクション急冷[及び図9の急冷/酢酸スクラバー144Aの下部セクション(急冷セクション)]は、最終的な急冷が行われ、水が回収され、リサイクル水150として送られる場所である。急冷/酢酸スクラバー1002の最上部(又は図9の急冷/酢酸スクラバー144Aの上部セクション)であるスクラビングセクションは、残りの酢酸を最終的に除去するためのスクラビング水を受け取る。このスクラビングセクションからの水は塔を下り、急冷/酢酸スクラバー1002の中間セクション[又は図9の急冷/酢酸/スクラバー144Aの下セクション(急冷セクション)]の水循環と混合する。この最後の点が、図9、図10と図11、図12との違いである。
前述したように、急冷セクション及び急冷/酢酸スクラバー1002の残りの部分は、流出物104から水及び酢酸を除去することができる。急冷/酢酸スクラバー1002の上部に入るスクラビング液146の供給源は、前の図に示した酢酸スクラバー144及び急冷/酢酸スクラバー144Aと同じか又は同様のものでよい。スクラビング液146は、酢酸ユニット134からの水154と、PGC158からの凝縮水156との組合せとすることができる。急冷/酢酸スクラバー1002は、PGC158への供給としてプロセスガス148をオーバーヘッドに排出することができる。
示されるように、急冷/酢酸スクラバー1002は、流出物104を冷却する(熱を除去する)ことができる。急冷水冷却器1016及び急冷水冷却器1010と組み合わせた急冷/酢酸スクラバー1002によって流出物104から除去される熱量(duty)は、供給物熱交換器124の下流で前の図に示した熱交換器によって流出物104から除去される熱と相関し得る。
急冷下部セクションの急冷水1012の循環速度と急冷水冷却器1016のプロセス温度は、酢酸ユニット134への原料酢酸132中の酢酸濃度が高濃度(例えば、少なくとも1重量%)となるように設定(特定)してもよい。急冷水1006の急冷中間セクション循環速度と温度は、オプション1の図1の酢酸スクラバー144と同様の酢酸濃度と温度をオーバーヘッドプロセスガス148で達成するように調整することができる。繰り返しになるが、急冷中間セクションから排出された水1004の一部は急冷水1006として循環され、残りはリサイクル水150としてエタン飽和塔110にリサイクルされる。
図11は、図9のエチレン製造システム900と同一又は類似のエチレン製造システム1100であるが、以下に関して相違する:(1)急冷塔902用の急冷水904の供給源、及び(2)エタン飽和塔110へのリサイクル水150のための取水。図11は、オプション11として特徴付けることができる。図11に示されている文章、呼称、及び参照番号の説明については、前の図の説明も参照されたい。
エタン飽和塔110へのリサイクル水150用の水は、急冷/酢酸スクラバー144Aのスクラビングセクションからの水である。リサイクル水150は、急冷/酢酸スクラバー144Aのスクラビングセクション(上部セクション)から取り出される。
急冷塔902の急冷水904は、急冷塔902の底部からの水1104(原料酢酸)と、急冷/酢酸スクラバー144Aの急冷セクションの底部からの水1102との組合せである。急冷塔902の底部からの原料酢酸は、図9及び図10の原料酢酸と比較して、酢酸濃度が低い。図11の原料酢酸は、酢酸の濃度に関しては、オプション1のものと同様である可能性がある。したがって、急冷塔902用の急冷水904は、急冷/酢酸スクラバー144Aからのボトム流の一部1102と急冷塔902からのボトム流の一部1104との組合せである。
リサイクル水150と急冷水904に関するこの再構成は、オプション10と比較して、原料酢酸132中の酢酸濃度をより低く(例えば、1重量%未満)することができる。
図9を参照すると、図9の急冷塔902における制御された温度と水の循環により、流出物104中の酢酸のバルク(大部分)が凝縮されるとともに、流出物104中の水のバルク(大部分)が凝縮されるため、原料酢酸132中の酢酸の濃度は一般に低い。急冷塔からのオーバーヘッドガス142Bは、流出物104からの酢酸と水の残りの部分を含む。急冷/酢酸スクラバー144Aでは、急冷とスクラビングにより、一般に、この残りの酢酸及び水が除去される。したがって、エタン飽和塔110へのリサイクル水150は、典型的には、より少ない酢酸が含まれることになる。
図11に戻ると、リサイクル水150は、急冷/酢酸スクラバー144Aの上部セクション(スクラビングセクション)から供給される。このセクションに入るガス142Bは、一般に、有意な酢酸濃度を含まず、したがって、エタン飽和塔110へのリサイクル水150中には、典型的には、有意な量の酢酸は存在しない。急冷塔902のオーバーヘッドから排出されるガス142Bは酢酸を含み、急冷/酢酸スクラバー144Aの下部セクションに入り、そこでガス142B中の酢酸と水の大部分が凝縮され、急冷塔902に送られる(ただし、この流れ1102は、一般に、低濃度の酢酸を有する)。全体として、オプション1と同様に、流出物104中の酢酸及び水の大部分(例えば、ほぼすべて)が、原料酢酸として流出物104から取り出される。繰り返しになるが、原料酢酸132は、酢酸ユニット134で処理することができる。
図11と図9を比較すると、図9のエタン飽和塔110へのリサイクル水150は、典型的には、図11のエタン飽和塔110へのリサイクル水150よりも酢酸濃度が高い。図9の原料酢酸132は、典型的には、図11の原料酢酸132よりも酢酸濃度が高い。
図11(オプション11)では、原料酢酸132中の酢酸濃度が低いと、酢酸ユニット134での加熱及び冷却の消費量が増加する可能性があり、一般に、オプション9及び10と比較して、このオプション11の方が、消費量が大きくなる。さらに、リサイクル水150の温度が低いため、エタン飽和塔110の循環水加熱器118での蒸気必要量は、オプション10よりも高くなる。オプション11の利点は、リサイクル水150中の酢酸濃度が低くなることである。エネルギー消費が少ないという点では、オプション11の方が、オプション1よりも優れている。オプション11は、オプション1よりもエネルギー消費が少ない。
図12は、リサイクル水150の供給源を除いて、図10のエチレン製造システム1000と同一又は類似のエチレン製造システム1200である。図12に示されている文章、呼称、及び参照番号の説明については、前の図の説明も参照されたい。図12(エチレン製造システム1200)は、別個の急冷塔902を採用しないオプション11の変形例である。
リサイクル水150は、急冷/酢酸スクラバー1002の上部セクション(スクラビングセクション)から取り出される。リサイクル水150は、急冷/酢酸スクラバー1002のスクラビングセクションの底部から取り出される。煙突トレイを中間セクションとトップセクションの間に配置してもよい(スクラビング)。繰り返しになるが、スクラビングセクションからの水は、エタン飽和塔110にリサイクルすることができる。急冷/酢酸スクラバー1002の下部セクションと中間セクションの間の煙突トレイは、任意であってよい。
図13は、図11のエチレン製造システム1100と同一又は類似のエチレン製造システム1300であるが、図6で同様に行われたように、PGC158の上流にプロセスガス用の冷却器熱交換器602及びフラッシュタンク604が追加されている。図13は、オプション12として特徴付けることができる。図13に示されている文章、呼称、及び参照番号の説明については、前の図の説明も参照されたい。
オプション12がオプション11と異なる点は、オプション12では、急冷/酢酸スクラバー144Aのオーバーヘッド(例えば、プロセスガス148A中)での酢酸が所定の閾値(例えば、50ppmv)未満になるように、急冷/酢酸スクラバー144Aの急冷水702循環速度が、調整(低下)される点である。この結果、オーバーヘッドでのプロセスガス148Aの温度が高くなる可能性がある。このように、急冷/酢酸スクラバー144Aのオーバーヘッド温度は、図11(オプション11)よりも高くなる可能性があるため、プロセスガス148Aは、PGC158に到達する前に冷却される可能性がある。特に、急冷/酢酸スクラバー144Aからオーバーヘッドに排出されるプロセスガス148Aを冷却するために、冷却器熱交換器602を含めることができる。冷却器熱交換器602は、熱伝達流体(冷却媒体)として水(例えば、冷却塔水)を利用することができる。冷却器熱交換器602は、PGC158を通過する前に、酢酸スクラバー144からプロセスガス148A中に持ち越されたほぼ全ての酢酸(及び水蒸気)を凝縮させることができる。酢酸及び水を含む凝縮液606を回収するために、フラッシュタンク604(容器)を含めることができる。凝縮流606は、示されているように、スクラビング水146に利用することができる。プロセスガス148は、下流装置162で処理するために、フラッシュタンク604からオーバーヘッドに排出することができる。最後に、調整された(例えば、より低い)急冷水702の循環は、エタン飽和塔110へのリサイクル水の温度をより高くし、その結果、オプション11と比較して、エタン飽和のための循環水加熱器118における蒸気(例えば、LP蒸気)の需要をより少なくする可能性がある。
図14は、図8(オプション9)のエチレン製造システム800と同一又は類似のエチレン製造システム1400であるが、酢酸ユニット134に関連づけられた抽出物クロス交換器1402(熱交換器)が追加されている。図14は、オプション13と表示してもよい。図14に示されている文章、呼称、及び参照番号の説明については、前の図の説明も参照されたい。
酢酸ユニット134は、溶媒を利用して原料酢酸132から酢酸を除去する抽出カラム1404と、抽出カラム1404からのラフィネートを処理して水を回収する水ストリッパーカラム1406と、抽出カラム1404から排出された酢酸から溶媒を除去して酢酸生成物138を得るための溶媒回収カラム1408とを含む。酢酸ユニット134は、前述のように原料酢酸132を受け取る。原料酢酸132は、主に水であり得る。
図示の実施形態では、原料酢酸132は、抽出カラム1404に供給される。原料酢酸132は、抽出カラム1404の上部に導入され、抽出カラム1404を通って下方に流れることができる。
抽出カラム1404は、一般に垂直方向を有する容器である。抽出カラム1404は、液-液抽出カラムであってもよい。抽出カラム1404は、パッキング(ランダム又は構造化)又はトレイ(例えば、ふるいトレイ)、及び液-液相をよりよく接触させるためのインペラのような可動部品を有することができる。パッキングを使用する場合、パッキングは金属製(ステンレス鋼など)でもプラスチック製でもよい。
操作中、抽出カラム1404は、溶媒1410を利用して原料酢酸132から酢酸を抽出する。溶媒1410は、一般に、水と混和しない可能性があり、したがって、典型的には、原料酢酸132から有意な量の水を除去しない。溶媒1410は、例えば、n-ブタノール、イソブタノール、アミルアルコール、又は酢酸エチル、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)などであってもよい。溶媒1410は、抽出器カラム1404の底部に導入され、抽出器カラム1404を通って下方に流れる原料酢酸132と向流で、抽出器カラム1404を通って上方に流れてもよい。溶媒1410は、原料酢酸132から酢酸を除去(吸収、抽出)する。抽出カラム1404内のパッキング又はトレイ(及び可動部品)は、溶媒1410への酢酸の物質移動を促進する。
溶媒1410と、除去された(吸収された、抽出された)酢酸(少量の水を有する)を含む抽出物1412は、抽出物加熱器1414(熱交換器)を通して抽出物カラム1404から頭上に排出される。抽出物加熱器1414は、抽出物1412を加熱する。加熱媒体としては、例えば、蒸気が挙げられる。抽出物加熱器1414は、シェルアンドチューブ熱交換器、プレート熱交換器、プレートフィン熱交換器、又は他のタイプの熱交換器であってもよい。
次いで、抽出物1412は、抽出物クロス交換器1402を通って送られ、加熱媒体としての急冷水702を用いて、抽出物1412を加熱する。抽出物1412は、抽出物クロス交換器1402を通って送られ、冷却媒体としての抽出物1412を用いて、急冷水702を冷却する(急冷水702から抽出物1412に熱を除去する)。抽出物1412のこの加熱(抽出物加熱器1414によって加えられる熱に加えて)は、オプション9(図8)と比較して、溶媒回収カラム1408のリボイラー熱交換器に対する蒸気の需要を減少させることができる。抽出物1412は、抽出物クロス交換器1402内で、部分的に蒸発させることも、完全に蒸発させることもできる(蒸気が過熱されることもある)。実施態様では、抽出物クロス交換器1402は、酢酸ユニット134に物理的に配置されてもよく、及び/又は酢酸ユニット134の構成要素として特徴付けられてもよい。
抽出物クロス交換器1402は、例えば、シェルアンドチューブ熱交換器、プレート熱交換器、又はプレートフィン熱交換器などであってもよい。抽出物1412と急冷水702は、それぞれ抽出物クロス交換器1402のいずれかの側を通って送られることができる。例えば、シェルアンドチューブ熱交換器としてのクロス交換器は、抽出物1412がチューブ(チューブ束)を通って流れ、急冷水702が、シェルを通って流れるように構成することができる。あるいは、急冷水702がチューブを通って流れ、抽出物1412がシェルを通って流れるように交換器を構成してもよい。
抽出カラム1404は、抽出カラム1404の底部からラフィネート1416をボトム流として排出する。ラフィネート1416は、原料酢酸132からの水の大部分又はバルク(例えば、ほぼすべて)を含む。ラフィネート1416は、主に水である。ラフィネート1416は、微量の有機化合物(例えば、溶媒1410、酢酸など)を含んでもよい。
ラフィネート1416は、抽出カラム1404から水ストリッパーカラム1406に排出され、水を回収する(純度を高める)。水ストリッパーカラム1406(容器)は、蒸留トレイ又はパッキングを含む蒸留カラムであり、オーバーヘッド凝縮器熱交換器(及び溶媒相から水相を分離するためのデカンタ)及びリボイラー熱交換器(又は熱源として底部への直接蒸気注入)と関連付けることができる。蒸留カラムシステムは、オーバーヘッド凝縮器から凝縮した液体を受け取るためのレシーバー容器又は還流ドラムを含むことができる。操作中、水ストリッパーカラム1406は、ラフィネート1416から微量の有機化合物を分離し、微量の有機化合物を含む水を有するボトム流を液体水1418として排出することができる。水ストリッパーカラム1406は、水蒸気と、溶媒と水を分離するためにデカンタに凝縮される大部分の有機化合物のオーバーヘッドを排出することができる。水1418の一部は、水生成物140として送られてもよい。水1418の別の部分154は、急冷/酢酸スクラバー144A用のスクラビング水146として利用され得る。
溶媒回収カラム1408は、抽出物クロス交換器1402から抽出物1412を受け取る。溶媒回収カラム1408は、抽出物1412から溶媒1410を分離して酢酸生成物138を得る蒸留カラムであってもよい。分離された溶媒1410は、抽出カラム1404に送られてもよい。蒸留カラムは、蒸留トレイ又はパッキングを備えた容器であり、リボイラー熱交換器及びオーバーヘッドコンデンサー熱交換器(凝縮したオーバーヘッド液を水相と溶剤相に分離するオーバーヘッドデカンターを備えたもの)で操作される。
抽出物1412は、溶媒回収カラム1408の副供給物(例えば、上部)として導入することができる。酢酸生成物138は、溶媒回収カラム1408から排出されるボトム流であってもよい。溶媒1410は、溶媒回収カラム1408から頭上に排出され、次いで、凝縮される。
図15は、図9のエチレン製造システム900と同一又は類似のエチレン製造システム1500であるが、酢酸ユニット134に関連付けられた抽出物クロス交換器1502(熱交換器)が追加されている。図15は、オプション14と表示してもよい。図15に示されている文章、呼称、及び参照番号の説明については、前の図の説明も参照されたい。
抽出物クロス交換器1502は、図14の抽出物クロス交換器1402と同様である可能性がある。抽出物クロス交換器1502は、例えば、シェルアンドチューブ熱交換器又はプレートフィン熱交換器などであってもよい。
抽出物クロス交換器1502は、抽出物クロス交換器1502が異なる急冷水循環ループに実装されていることを除いて、図14の抽出物クロス交換器1402と同様の実装である。抽出物クロス交換器1502は、抽出物1412を加熱するための加熱媒体として急冷水904を利用する。図15の図示された実施形態では、抽出物クロス交換器1502は、循環ポンプ906と急冷水冷却器908との間に操作可能に配置されている。
エチレン製造システム1500は、抽出物クロス交換器1502を含み、加熱媒体として急冷水904を用いて抽出物1412を加熱し、冷却媒体として抽出物1412を用いて急冷水904を冷却する(急冷水904から抽出物1412に熱を除去する)。抽出物クロス交換器1502による抽出物1412のこの加熱(抽出物加熱器1414によって加えられる熱に加えて)は、図9(オプション10)と比較して、溶媒回収カラム1408のリボイラー熱交換器に対する蒸気の需要を低減することができる。抽出物1412は、抽出物クロス交換器1502内で、部分的に蒸発又は完全に蒸発させることもできる(蒸気は過熱することができる)。これは、前の図14でも、後続の図16、図17、図20~図23にも当てはまる。実施態様では、抽出物クロス交換器1502は、酢酸ユニット134内に物理的に配置されてもよく、及び/又は酢酸ユニット134の構成要素として特徴付けられてもよい。
図16は、図15のエチレン製造システム1500と同一又は類似のエチレン製造システム1600であるが、急冷水702及び急冷水904をそれぞれ冷却するために、2つの空気冷却器1602及び1604が追加されている。図16は、オプション15と表示してもよい。図16に示されている文章、呼称、及び参照番号の説明については、前の図の説明も参照されたい。
空気冷却器1602は、急冷水702の循環ループに沿って(急冷水冷却器706の上流に)配置され、急冷水702を冷却する。同様に、空気冷却器1604は、急冷水904の循環ループに沿って(急冷水冷却器908の上流に)配置され、急冷水904を冷却する。空気冷却器1602は、急冷水702が急冷水冷却器706の冷却水に対して冷却される前に、急冷水702を80℃以下に冷却する。同様に、空気冷却器1604は、急冷水904が急冷水冷却器908の冷却水に対して冷却される前に、急冷水904を80℃以下に冷却する。実施形態では、これら2つの空気冷却器1602及び1604の追加は、図15のエチレン製造システム1500(オプション14)におけるものと比較して、資本集約的ではないが、同等か又はわずかに高いエネルギー需要を伴う可能性のある冷却水システム(例えば、冷却水塔を含む)を有するエチレン製造システム1600を用いて実施され得る。
図17は、図11のエチレン製造システム1100と同一又は類似のエチレン製造システム1700であるが、エタンクロス交換器1702、酸素クロス交換器1704、及び抽出物クロス交換器1706が追加されている。図17は、オプション16と表示してもよい。図17に示されている文章、呼称、及び参照番号の説明については、前の図の説明も参照されたい。
エタンクロス交換器1702は、エタン飽和塔110に供給されるエタンガス112を加熱する。酸素クロス交換器1704は、飽和エタン114に加えられる酸素ガス126を加熱する。エタンクロス熱交換器1702及び酸素クロス熱交換器1704は、それぞれ、例えば、プレートフィン熱交換器又はシェルアンドチューブ熱交換器等とすることができる熱交換器である。急冷水702は、エタンクロス交換器1702と酸素クロス交換器1704の両方の加熱媒体である。実施態様では、エタンクロス交換器1702及び酸素クロス交換器1704はそれぞれ、示されているように、急冷水冷却器706の上流の急冷水702循環ループ内に操作可能に配置される。
エタンガス112及び酸素ガス126の供給物を、クロス交換器1702及び1704で予熱することにより、エタン飽和塔110内のエタン供給物飽和のための循環水加熱器118における蒸気需要を低減することができる。しかしながら、熱回収の量は、エタン供給物飽和のための循環水加熱器118の全体的な蒸気需要と比較して、比較的少ないか、又はわずかである可能性がある。それでも、熱需要の削減という価値は実現されている。
抽出物クロス交換器1706は、酢酸ユニット134の抽出カラム1404から排出された抽出物1412を加熱する。抽出物1412は、抽出物クロス交換器1706内で、部分的に蒸発させることも、完全に蒸発させることもできる(蒸気が過熱されることもある)。急冷水904は、加熱媒体である。抽出物クロス交換器1706は、示されているように、急冷水冷却器908の上流の急冷水904循環ループ内に操作上配置され得る。実施態様では、抽出物クロス交換器1502は、酢酸ユニット134内に物理的に配置されてもよく、及び/又は酢酸ユニット134の構成要素として特徴付けられてもよい。
抽出物1412は、抽出物クロス交換器1706から酢酸ユニット134の溶媒回収カラム1408に流れることができる。抽出物クロス交換器1706による抽出物1412の加熱は、図11(オプション11)と比較して、溶媒回収カラム1408のリボイラー熱交換器に対する蒸気需要を低減する可能性がある。抽出物クロス交換器1706は、前述した抽出物クロス交換器と同様のものであってもよい。抽出物クロス交換器1502は、例えば、シェルアンドチューブ熱交換器、プレート熱交換器、プレートフィン熱交換器、又は他のタイプの熱交換器であってもよい。
図18は、図1のエチレン製造システム100と同一又は類似のエチレン製造システム1800であるが、エタンクロス交換器1802及び酸素クロス交換器1804を備え、部分飽和のために関連する水が添加されている。図18は、オプション17と表示してもよい。図18に示されている文章、呼称、及び参照番号の説明については、前の図の説明も参照されたい。
エタンクロス交換器1802は、エタンガス112とリサイクル水1808の混合物1806を加熱する。エタンクロス交換器の下流の混合物1806(加熱された状態)は、エタン飽和塔110に供給される部分飽和エタンと表示することができる。したがって、図1のようにエタンガス112を直接供給する代わりに、エタンガス112は、エタン飽和塔110に導入される前に、まずリサイクル水1808で部分的に飽和される。図示の実施形態では、リサイクル水1808は、酢酸スクラバー144の底部からのリサイクル水150の一部である。
酸素クロス交換器1804は、酸素ガス126とリサイクル水1812の混合物1810を加熱する。酸素クロス交換器の下流の混合物1810(加熱された状態)は、1つ以上の添加点で飽和エタン114に添加(注入)される部分飽和酸素として表示され得る。したがって、図1のように酸素ガス126を直接添加する代わりに、酸素ガス126は、飽和エタン114を搬送する導管に導入する前に、まずリサイクル水1812で部分的に飽和される。図示の実施形態では、リサイクル水1812は、酢酸スクラバー144の底部からのリサイクル水150の一部である。(リサイクル水150の残りは、循環水加熱器118を通ってエタン飽和塔110に流れることができる)。
エタンクロス交換器1802及び酸素クロス交換器1804はそれぞれ、シェルアンドチューブ熱交換器、プレート熱交換器、又はプレートフィン熱交換器、又は他のタイプの熱交換器であってもよい。エタンクロス交換器1802及び酸素クロス交換器1804は、示されているように、直列又は並列のいずれかで、加熱媒体として流出物104を利用することができる。
図示された実施態様では、エタンクロス交換器1802と酸素クロス交換器1804は、供給物熱交換器124の下流で流出物104を受け取る。流出物104の一部1814は、エタンクロス交換器1802に供給される。流出物104の残りの部分1816は、酸素クロス交換器1804に供給される。部分1814及び1816は、例えば、パイプT字管又は他のパイプ継手を介して分割することができる。したがって、流出物104を搬送する導管は、それぞれ部分1814及び1816を搬送する2つの導管に排出することができる。制御バルブは、2つの導管の一方に配置することができる。流出物104を部分1814及び1816に分割するための他の配置又は構成も適用可能である。
流出物104の部分1814及び1816は、組み合わされ、エタンクロス交換器1802及び酸素クロス交換器1804によって冷却され、前進する流出物104が得られる。(冷却された)流出物104は、冷却器熱交換器128を通って(追加冷却のために)フラッシュドラム130に流れることができる。部分1814及び1816は、冷却器熱交換器128の上流で(参照数字1818で示されるように)組み合わされてもよい。
2つの並列クロス交換器1802及び1804の追加は、流出物を冷却するために提供され、したがって、オプション1と比較して、流出物104を冷却するための冷却水の需要を低減する(例えば、冷却器熱交換器128における冷却塔水の需要を低減する)。さらに、2つの並列クロス交換器1802及び1804の追加により、供給物飽和(例えば、エタンガス112及び混合供給物108の水による飽和)のために、流出物104から熱が回収される。したがって、供給物飽和のための蒸気消費(例えば、循環水加熱器118におけるLP蒸気)は、オプション1と比較して、低減される可能性がある。しかしながら、ODH反応器102とPGC158との間に2つの並列クロス交換器1802及び1804を追加することにより、オプション1(図1)と比較して、PGC158の吸引圧力が低くなり、それによりPGC158の電力消費が高くなる可能性がある。
図19は、オプション18と表示してもよいエチレン製造システム1900である。エチレン製造システム1900は、図18のエチレン製造システム1800と同一又は類似であるが、リサイクル水クロス交換器1902が追加されている。リサイクル水クロス交換器1902は、エタン飽和塔110に送られるリサイクル水150を(流出物104を加熱媒体として)加熱する。これにより、オプション17(図18)と比較して、供給物飽和のための蒸気消費(例えば、循環水加熱器118におけるLP蒸気)をさらに低減することができる。リサイクル水クロス交換器1902の追加により、オプション17と比較して、流出物104を冷却するための冷却器熱交換器128における冷却水の需要もさらに減少する可能性がある。しかし、流出物104が流れる別の熱交換器(リサイクル水クロス交換器1902)を追加すると、ODH反応器102とPGC158の間に余分な圧力降下が加わり、PGC158による電力需要が増える可能性がある。
図示された実施形態では、リサイクル水クロス交換器1902は、クロス交換器1802及び1804の下流で、且つ冷却器熱交換器128の上流で、流出物104の流れに沿って、操作可能に配置されている。
リサイクル水150は、酢酸スクラバー144から排出されるボトム流である。リサイクル水150の一部1808及び1812は、図18で行われているように、エタンガス112及び酸素ガス126を部分的に飽和させるために採取される。しかし、残りのリサイクル水150は、循環水加熱器118を通ってエタン飽和塔110に送られる前に、リサイクル水クロス交換器1902を通って送られる。
クロス交換器1802及び1804と同様に、リサイクル水クロス交換器1902は、シェルアンドチューブ熱交換器、プレート熱交換器、又はプレートフィン熱交換器、又は他のタイプの熱交換器であってもよい。さらに、本明細書で論じるクロス交換器に関して一般的に言えることであるが、システム1900は、加熱媒体及び冷却媒体を、それぞれクロス交換器のいずれかの側を通って送るように構成することができる。例えば、シェルアンドチューブ熱交換器としてのクロス交換器は、加熱媒体(クロス交換器1902の流出物104)がチューブ(チューブ束)を流れ、冷却媒体(クロス交換器1902のリサイクル水150)がシェルを流れるように構成することができる。あるいは、クロス交換器は、加熱媒体がチューブを流れ、冷却媒体がシェルを流れるように構成してもよい。
図20は、オプション19と表示してもよいエチレン製造システム2000である。エチレン製造システム2000は、図19のエチレン製造システム1900と同一又は類似であるが、抽出物クロス交換器2002が追加されている。抽出物クロス交換器2002は、抽出カラム1404の抽出物1412を(流出物104を加熱媒体として)加熱する。これにより、オプション18(図19)と比較して、酢酸ユニット134の溶媒回収カラム1408のリボイラーにおける蒸気需要(例えば、LP蒸気)を低減することができる。抽出物クロス交換器2002の追加により、オプション18と比較して、流出物104を冷却するための冷却器熱交換器128における冷却水の需要もさらに減少する可能性がある。しかし、流出物104が通って送られる別の熱交換器(抽出物クロス交換器2002)を追加すると、ODH反応器102とPGC158の間に余分な圧力降下が加わり、PGC158による電力需要が増える可能性がある。
図示された実施形態では、抽出物クロス交換器2002は、リサイクル熱交換器1902と冷却器熱交換器128の間の流出物104の流れに沿って操作可能に配置されている。抽出物1412は、抽出物クロス交換器2002内で(部分的又は完全に)蒸発させることができ、蒸気は抽出物クロス交換器2002内で過熱させることができる。
前述のクロス交換器と同様に、抽出物クロス交換器1902は、シェルアンドチューブ熱交換器、プレート熱交換器、又はプレートフィン熱交換器、又は他のタイプの熱交換器であってもよい。さらに、クロス交換器についても一般的に説明したように、熱源(流出物104)とヒートシンク(抽出物1412)は、どちら側にあってもよい。
図21は、オプション20と表示してもよいエチレン製造システム2100である。エチレン製造システム2100は、図20(オプション19)のエチレン製造システム2000と同一又は類似であるが、流出物104を冷却するための空気冷却器2102が追加されている。空気冷却器2102は、流出物104を冷却するために、抽出物クロス交換器2002と冷却器熱交換器128の間に操作上配置されている。これにより、オプション19(図20)と比較して、冷却器熱交換器128による冷却水(例えば、冷却塔水)の需要を低減することができる。しかしながら、流出物104の流れに沿って別の熱交換器(空気冷却器2102)を追加すると、反応器102とPGC158との間に圧力降下が追加される可能性があり、それによりPGC158による電力需要が増大する可能性がある。
空気冷却器2102は、前述の空気冷却器と同様のものでよい。空気冷却器2102は、1つ以上のファンを含むファン熱交換器であってもよく、フィン又はフィン付きチューブ束を含むことができる熱交換器である。空気冷却器202は、フィン・ファン式熱交換器であってもよい。冷却媒体は、周囲空気であってもよい。
図22は、オプション21と表示してもよいエチレン製造システム2200である。エチレン製造システム2200は、図21(オプション20)のエチレン製造システム2100と同一又は類似であるが、冷却器熱交換器128及びリサイクル水クロス交換器1902がなく、代わりに酢酸スクラバー144を急冷/酢酸スクラバー144Aとして備えている(例えば、前の図を参照)。これにより、オプション20(図21)と比較して、原料酢酸132中の酢酸が濃縮され得る(したがって、酢酸ユニット134における加熱及び冷却の必要性が低減される)。また、オプション20と比較して、エタン飽和塔110に戻るリサイクル水150の温度が上昇する可能性がある(そして、反応器流出物に対するリサイクル水150のためのリサイクル水クロス交換器1902の不要・除去につながる)。最後に、2つの熱交換器(冷却器熱交換器128及びリサイクル水クロス交換器1902)がODH反応器102流出物104側から排除されるため、ODH反応器102とPGC158との間の圧力降下が低減される可能性があり、これにより、オプション20(図21)と比較して、PGC158の電力需要が減少する可能性がある。
図23は、オプション22と表示してもよいエチレン製造システム2300である。エチレン製造システム2300は、図22(オプション21)のエチレン製造システム2200と同一又は類似であるが、流出物104に対する抽出物クロス交換器2002がなく、抽出物1412を加熱するための急冷水702に対する抽出物クロス交換器1402(例えば、図14参照)を備える。抽出物1412は、抽出物クロス交換器1402内で部分的に蒸発させることも、完全に蒸発させることもできる(蒸気が過熱されることもある)。
抽出物1412を加熱するための熱負荷は、流出物104から急冷水702にシフトされる。したがって、図22(オプション21)の抽出物クロス交換器2002によって流出物104から除去された熱は、図23(オプション22)の空気冷却器2102にシフトされる。これは、オプション22の空気冷却器2102がオプション21よりも大きくなる(冷却能力が高まる)ことを意味する可能性がある。しかしながら、オプション22では、急冷水702からの熱が、抽出熱交換器1402を介して抽出物1412のために除去されるため、オプション21と比較してオプション22では、急冷水冷却器706が、有利に小さくなる(冷却水需要が少なくなる)可能性がある。さらに、オプション22では、流出物104の流れに沿った抽出物クロス交換器2002が排除されるため、ODH反応器102とPGC158との間の圧力降下が小さくなり、オプション21と比較して、PGC158の電力需要が少なくなる可能性がある。
オプション1~22は、相互に関連して示されてもよく、相互に対する漸進的な差異を含むことができる。図1~図23の所与の図に示されている文章、呼称、及び参照番号の説明については、図1~図23の他の図の説明も参照されたい。
理解されるように、図1~図23に関して説明した容器及び熱交換器は、入口導管とのフランジ付き又はねじ込み接続である少なくとも1つの入口(例えば、ノズル)、及び、出口導管とのフランジ付き又はねじ込み接続である少なくとも1つの出口(例えば、ノズル)を有してもよい。
2つ以上のODH反応器102を、直列及び/又は並列を含めて使用することができる。ODH反応器102は、例えば、全ての供給物成分(混合供給物108)が反応器の入口で添加される一段反応器として示されているが、記載されたプロセスは、多段反応器及び複数の段階間供給物添加を伴う反応器を含む、他の反応器構成に適用可能である。
発生又は利用される蒸気は、低圧(LP)蒸気(例えば、150psig以下)、中圧(MP)蒸気(例えば、150psig~600psigの範囲)、高圧(HP)蒸気(例えば、600psig以上)、又は超高圧(VHP)蒸気(例えば、1500psig以上)などであってもよい。繰り返しになるが、蒸気発生熱交換器106において、HP蒸気又はVHP蒸気の発生は、一般に、MP蒸気又はLP蒸気の発生よりも価値が高く、したがって、エチレン製造システム100の経済性を向上させる可能性がある。蒸気には様々な用途があり得る。蒸気を受け取る消費者や顧客による蒸気の使用は、蒸気の圧力又は品質に依存し得る。いくつかの実施態様では、生成した蒸気の蒸気圧を高いほど、施設又はプラント内での蒸気の統合においてより多用途性が得られる場合がある。例えば、HP蒸気は、圧縮機に取り付けられたタービンに動力を供給するために利用することができるが、LP蒸気は、典型的には、加熱目的などに使用される。
示されるように、ODH反応器102は、固定床反応器(例えば、管状固定床反応器)、流動床反応器、沸騰床反応器、又は熱交換器型反応器などであってもよい。固定床反応器は、触媒床として触媒ペレットが充填された円筒管を備えていてもよい。操作中、反応物質は床を通って流れ、生成物に変換される。反応器内の触媒は、1つの大きな床、いくつかの水平床、いくつかの並列に充填されたチューブ、又は独自のシェル内の複数の床などであってもよい。
流動床反応器は、固体触媒を懸濁させ、固体触媒を流体であるかのように挙動させるのに十分な速度で、流体を固体粒状触媒(例えば、球又は粒子の形状)に通過させる容器であってもよい。実施態様では、流動床反応器は、触媒のための支持体を有することができる。支持体は、多孔質構造体又は分配器プレートであってもよく、反応器の底部に配置される。反応物質は、触媒床を流動化させる速度で支持体を通って上方に流れてもよい(例えば、触媒は上昇し、流動化した状態で旋回し始める)。流動床反応器には、再循環モードの操作がある。
この技術は、ODH反応器102の操作温度を450℃未満、425℃未満、又は400℃未満に維持することを含んでもよい。操作圧力に関しては、ODH反応器102の入口圧力は、80ポンド/平方インチゲージ(psig)未満、又は70psig未満であってもよい。各反応器の反応器入口圧力は、1psig~80psigの範囲、又は5psig~75psigの範囲であってもよい。管状固定床反応器としてのODH反応器102の実施形態におけるODH反応器102の他の操作条件は、200時間-1~40,000時間-1の範囲のガス時間空間速度(GHSV)であってもよい。
オプション1~22は、ODH反応器流出物冷却と酢酸回収のエネルギー統合、及びODH反応器供給物飽和度を考慮して、一般的に比較することができる。オプション1は、比較のための基本ケースとして利用される。換言すると、オプション2~22は、基本ラインケースとしてオプション1と比較することができる。表1と表2の2番目の列は、装置と操作の「比較ベース」を示している。
エネルギー統合に基づき、例示されたオプション1~22は、反応器供給物の受け取り/処理からPGC158の第一段階までの設備プロセスのセクションについて評価される。プロセスのそのセクションのための特定の実施態様では、例示的なオプション1~22の様々なオプションは、酢酸ユニット134への原料酢酸132を最大67%濃縮しながら、蒸気消費を最大51%、電力需要を最大30%、冷却水需要を最大76%削減することができる。その結果、PGC158までのエチレン製造システムの運転経費が全体的に削減されるだけでなく、酢酸ユニット134、冷却水システム、蒸気システムの資本経費も削減される可能性がある。しかし、本発明の技術はこれらの数値に限定されるものではない。
プロセスシミュレーションは、AspenPlus(登録商標)V10で実施した。シミュレーションには、SR-POLARの状態方程式を使用した。シミュレーションでは、ODH反応器102への供給物入口温度(混合供給物108)は、465キロパスカル(kPa)で310℃未満に維持され、ODH反応器102への混合供給物108(MIXED-FD)中の酸素濃度は、可燃性ゾーンから外れるように10体積%(vol%)を目標とする。混合供給物108流中の酸素/エタンモル比は0.62である。ODH反応器102の総水含有量は74体積%で、ODH反応器102の前に水を蒸発させるための加熱と、ODH反応器102の後に水を凝縮させるための冷却が必要である。表1と表2は、異なる反応器流出物の冷却戦略とその他のエネルギー統合の観点に基づき、オプション1(図1)と比較した、提示されたすべてのオプション2~22(図2~図23)の加熱、冷却、及び電力(供給物飽和器の水循環ポンプ、CWシステムのポンプとファン、空気冷却器ファン、第1段PGC158)への影響を示している。結果の例は、次のことを示している。本技術の他の態様は、これらの結果の例の範囲外である。
オプション1では、供給物飽和と酢酸(AA)ユニットのために大量の蒸気を必要とし、反応器流出物の冷却とAAユニットのために大量の冷却水を必要とし、供給物飽和(水を含む)のため、及び冷却塔を含む冷却水(CW)システムのために多くの電力を必要とする。供給物飽和は、一般に、エタン飽和エタン飽和塔110を介したエタン飽和を指すが、熱交換器を介したエタンと酸素の部分飽和を含むことができ、最終的には、ODH反応器102への混合供給物108を飽和させることもできる。
オプション2では、必要な冷却水の量は大幅に減るが、空気冷却の量が増える。全体的な消費電力は、オプション1よりも若干少なくなる。
オプション3では、原料AA濃縮物中のAA濃度がはるかに高く、原料AA濃縮物の流量がはるかに少なくなる。このため、AAユニットはかなり小型化され、加熱需要と冷却需要が大幅に少なくなる。供給物飽和器へのリサイクル水の温度が高いため、オプション1と比較して供給物飽和器での蒸気消費量が少なくなり、その結果、反応器流出物を冷却するために必要な冷却水の量が少なくなる。
オプション4は、オプション3と似ているが、ODH反応器の流出物の冷却のためのCW需要が大幅に減少し、流出物冷却用の大型空気冷却器が設置される。
オプション5は、オプション4と似ているが、ODH反応器の流出物の冷却のためのCW需要が大幅に減少し、流出物冷却用の大型空気冷却器がもう1台追加される。
オプション6はオプション2と似ているが、原料AA中の酢酸濃度が若干高く、原料AAの総流量が少ないため、AAユニットでの加熱需要は低くなるが、冷却需要は高くなる。AAスクラバーは、より高いリサイクル水温を供給物飽和器に供給するため、供給物飽和器の蒸気消費量は若干少なくなる。全体的な消費電力は、オプション2よりも大幅に低くなる。
オプション7は、オプション6と似ているが、原料AA中の酢酸濃度がかなり高く、原料AAの総流量がかなり低いため、AAユニットの加熱需要及び冷却需要が大幅に減少する。AAスクラバーは、より高いリサイクル水温を供給物飽和器に供給するため、オプション6と比較して、供給物飽和器の蒸気消費量が少なくなる。全体的な消費電力は、オプション6よりも大幅に低くなる。
オプション8は、オプション5と同様に、原料AA濃縮物中の酢酸濃度と、AAユニットのユーティリティ需要が同じである。AAスクラバーは、より高いリサイクル水温を供給物飽和器に供給するため、供給物飽和器の蒸気消費量は、オプション5より少ない。全体的な消費電力は、オプション5よりも大幅に低くなる。その結果、オプション8は、オプション5よりも反応器流出物の冷却に必要なCW需要が少なくなる。最も影響が大きいのは全体の電力消費で、オプション5と比較して大幅に削減される。
オプション9は、オプション8と似ているが、反応器流出物の冷却のためのCW需要が大幅に増える。急冷/スクラバー塔は、より高いリサイクル水温を供給物飽和器に供給するため、供給物飽和器はオプション8よりも蒸気消費量が少ない。オプション9では、反応器流出物側の圧力降下が少ないため、PGCでの電力が少なくなり、全体的な電力消費はオプション8より少なくなる。
オプション10は、オプション9と同じ原料AA中のAA濃度と、AAユニットに対する同じユーティリティ需要を有する。オプション10は、オプション9と比較して、反応器流出物の冷却のためにCWを大幅に必要とする。しかし、ODH反応器とPGC間の圧力降下が少ないため、全体的な消費電力はオプション9よりも低くなる。
オプション11は、オプション10に似ているが、原料AA中のAA濃度がかなり低く、原料AAの流量がかなり多いため、AAユニットの加熱需要及び冷却需要が大幅に増加する。また、急冷/スクラバーは、供給物飽和器により低いリサイクル水温を供給するため、オプション10と比較して、供給物飽和システムでの蒸気消費量が多くなる。全体的な消費電力は、オプション10よりも大幅に高くなる。
オプション12は、オプション11に似ているが、供給物飽和器へのリサイクル水温が若干高く、その結果、供給物飽和システムでの蒸気需要が若干低くなる。
オプション13は、オプション9に似ているが、反応器流出物冷却システムからのAAユニットの熱回収率が高く、AAユニットの熱需要が大幅に減少し、反応器流出物冷却のCW需要も大幅に減少する。全体的な消費電力は、オプション9よりも低くなる。
オプション14は、オプション10と似ているが、反応器流出物冷却システムからのAAユニットの熱回収率が高く、AAユニットの熱需要が大幅に減少し、反応器流出物冷却のCW需要も大幅に減少する。全体的な消費電力は、オプション10よりもはるかに低くなる。
オプション15は、オプション14と似ているが、空気冷却器を使ったオフロード冷却水システムである。オプション15は、オプション14より若干消費電力が低い。
オプション16は、オプション11と似ているが、反応器流出物冷却システムからAAユニットの熱回収率を高くするもので、AAユニットの熱需要が大幅に減少し、反応器流出物冷却のCW需要も大幅に減少する。オプション16は、反応器流出物冷却システムからエタンと酸素の予熱のために少量の熱を回収することになるが、これは供給物飽和器の蒸気消費量の低減にはほとんど影響しない。全体的な消費電力は、オプション11よりもはるかに低くなる。
オプション17は、オプション1と似ており、エタンと酸素供給物を部分的に飽和させるために、反応器流出物から大幅な熱回収を行うもので、供給物飽和のための蒸気需要を大幅に削減し、反応器流出物冷却のためのCW需要も削減する。全体的な消費電力は、オプション1よりも大幅に低くなる。
オプション18は、オプション17と似ており、反応器流出物からの熱回収を増やし、リサイクル水を予熱して供給物飽和器に戻し、供給物飽和のための蒸気需要と反応器流出物冷却のためのCW需要をさらに削減する。
オプション19は、オプション18に似ているが、「AA抽出器」から溶媒回収塔へと「AA抽出物」を蒸発(部分蒸発又は過熱蒸気を含む)するために、反応器流出物からの熱回収を大幅に増やすものである。これにより、オプション18と比較して、AAユニットでの加熱需要を大幅に削減する一方、反応器流出物冷却のためのCW需要を大幅に削減することができる。全体的な消費電力は、オプション18よりも大幅に低くなる。
オプション20は、オプション19と似ており、反応器流出物冷却のためのCW需要を大幅に減らす一方、大型空気冷却器を追加する。全体的な消費電力は、オプション19よりも高くなる。
オプション21は、オプション8とオプション20の組合せである。原料AA中の濃度は著しく高く、原料AAの流量は著しく低いため、オプション20と比較して、AAユニットでの加熱需要及び冷却需要は著しく少なくなる。「AA抽出物」の加熱/蒸発のために反応器流出物から熱回収を行うため、オプション21では、オプション8と比較して、AAユニットの加熱が大幅に少なくて済む。供給物飽和のための熱回収と、供給物(エタン)飽和器へのはるかに高いリサイクル水温の供給により、供給物飽和のための蒸気需要は、オプション8とオプション20よりも少なくなる。しかし、反応器流出物冷却のためのCW需要は、オプション20よりもはるかに高くなるが、オプション21では空気冷却器がはるかに小さくなる。全体的な消費電力は、オプション20よりも大幅に低くなる。
オプション22は、オプション13とオプション21の組合せである。「AA抽出物」は急冷水に対して蒸発させられる。反応器流出物用の空気冷却器は、オプション21より大きいが、急冷水冷却器はかなり小さい。全体的な消費電力は、オプション21よりも低くなる。
プロセスシミュレーションに基づく比較計算の結果を、表1と表2に示す。比較のベースは、所与のオプションに対する論理的な対比である。表1及び表2のオプション2~22の結果は、オプション1に対する変化率(%)として示されている。表1は、原料AA中のAA濃度、原料AAの総質量流量、供給物飽和(例えばエタン飽和器)のためのLP蒸気消費量、AAユニットの蒸気消費量、及び供給物飽和とAAユニットの組合せの総熱量(蒸気消費量)の相対パーセント比較である。表2は、反応器流出物冷却のCW需要、反応器流出物冷却の空気冷却需要、AAユニット冷却のCW需要、反応器流出物冷却とAAユニット冷却の組合せの合計CW需要、及び飽和器、PGCの1段圧縮機、CWシステム、及び空気冷却器の組合せによる電力需要の相対パーセント比較である。
Figure 2024515857000002
Figure 2024515857000003
図24は、エチレンを製造する方法2400である。ブロック2402において、本方法は、ODH反応器内で酸素の存在下、ODH触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化することを含む。ODH反応器は、例えば固定床反応器又は流動床反応器である。酢酸は、エタンをエチレンに脱水素化するODH反応の副産物として、ODH反応器内で生成されることがある。本方法は、ODH反応器からの流出物を排出することを含む。流出物にはエチレン、水、酢酸、二酸化炭素、一酸化炭素、及び未反応のエタンが含まれる。いくつかの実施態様では、流出物からの熱を用いて、熱交換器内で水(例えば、ボイラー給水)を加熱し、ODH反応器を有する施設で消費する蒸気を発生させることができる。
ブロック2404において、本方法は、流出物中の水と酢酸を凝縮させて、流出物を液体の原料酢酸とガスとに分離することを含む。水と酢酸を凝縮させるために、流出物は熱交換器(例えば、冷却水、空気など)で冷却され、いくつかの実施態様では急冷塔内でも冷却される。原料酢酸には、凝縮水と凝縮酢酸が含まれる。原料酢酸は、典型的には、主に水(50重量%超)である。いくつかの実施態様では、原料酢酸中の酢酸濃度は1重量%未満とすることができる。ガスは流出物の残りであり、エチレン、二酸化炭素、一酸化炭素、及び未反応のエタンである。ガスは比較的少量の酢酸と水を含むことができる。原料酢酸のガスからの分離は、例えばフラッシュドラムや急冷塔で行うことができる。
ブロック2406において、本方法は、分離されたガスを処理して、エチレン生成物を有するプロセスガスを得ることを含む。処理には、1つ以上の塔でスクラビング又は急冷を行うなどして、ガス中の少量の酢酸と水を除去することが含まれる。排出されるプロセスガスには、エチレン、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素が含まれる。プロセスガスは、例えば、酢酸が50ppmv未満、水蒸気が5モル%未満である。プロセスガス中のエチレンの量は、例えば10モル%~90モル%の範囲とすることができる。プロセスガスはプロセスガス圧縮機に送られ、さらに処理されてエチレン生成物が回収される。
ブロック2408において、本方法は、酢酸ユニットなどで原料酢酸を処理して酢酸生成物を得ることを含む。酢酸ユニットは、例えば、原料酢酸から酢酸を除去するために溶媒を注入する抽出カラム、抽出カラムからのラフィネートを処理して水を回収する水ストリッパー塔、及び抽出カラムから排出される抽出(主に)酢酸から溶媒を除去して酢酸生成物を得るための溶媒回収カラム(容器)を含むことができる。例えば、図14の酢酸ユニット134の説明を参照されたい。
ブロック2410において、本方法は、供給物希釈用のリサイクル水として流出物から水を回収することを含む。酢酸生成物を得るために原料酢酸を処理すると、水をリサイクル水として得ることができる。したがって、原料酢酸の処理(ブロック2408)は、ブロック2410で水をリサイクル水として回収することを含むことができる。例えば、酢酸ユニット内の水ストリッパー塔は、水をリサイクル用と水生成物の両方として得ることができる。
実質的に閉回路である反応器供給物を希釈するための水システムの場合、水生成物(例えば、酢酸ユニット内の水ストリッパー塔からの)の量は、ODH反応器で生成される水の量とほぼ同じである可能性がある。
実施態様では、リサイクル水は、酢酸ユニットからスクラビング液として、前述の分離されたガスを処理(例えば、スクラビング)する塔に流れることができる(ブロック2406)。供給物希釈用のリサイクル水は、塔のボトム流(又は高いセクションから)採取することができる。したがって、酢酸生成物を得るための原料酢酸の処理(ブロック2408)と、プロセスガスを得るための分離ガスの処理(ブロック2406)とを組み合わせて、流出物からの水をリサイクル水として回収する(ブロック2410)ことができる。
したがって、原料酢酸の処理には、水をリサイクル水として回収することを含めることができる。換言すると、原料酢酸の処理では、流出物から水をリサイクル水として回収する作用が期待できる。さらに、原料酢酸を処理して酢酸生成物を得ることと、ガスを処理してプロセスガスを得ることを組み合わせることで、流出物から水をリサイクル水として回収することができる。
ブロック2412において、本方法は、ODH反応器に向かうエタンを含む供給物にリサイクル水を添加することを含む。リサイクル水は、エタン飽和塔内でエタンに添加することができるい。リサイクル水は、エタンを搬送する導管内でエタンに添加することができる。リサイクル水は、エタンを含む供給物に添加される酸素(導管内で)に添加することができる。本方法は、エタンを含む供給物をODH反応器に供給することを含む。エタンは、供給パイプラインから供給されるエタンガスでもよいし、供給パイプラインから供給され、蒸発してエタンガスになるエタン液体でもよい。本明細書で使用される場合、エタンという用語は、一般にエタンガスを意味する。
ブロック2414において、本方法は、ODH反応器への混合供給物を得るために、エタンを含む供給物に酸素(Oガス)を添加することを含む。本明細書で使用される場合、酸素という用語は、一般にOガスを意味する。酸素は、エタンを含む供給物を搬送する導管への単一の添加点で添加してもよいし、エタンを含む供給物を搬送する導管への複数の添加点で添加してもよい。いくつかの実施態様では、前述したように、供給物に酸素を添加する前に、供給物を水で希釈するために、水(例えば、リサイクル水)を酸素に添加することができる。反応器への混合供給物には、エタンガスと酸素ガスが含まれる。混合供給物は、供給物希釈のために添加されたリサイクル水を含むことができる(ブロック2412)。
ブロック2416において、本方法は、流出物の処理に関してもODH反応器システムにエネルギー統合を実施することを含む。例えば、本方法は、ODH反応器へのエタンを有する供給物を、クロス交換器内などで、流出物を用いて加熱することを含むことができる。これは、流出物を冷却し、流出物中の酢酸と水を凝縮させるために流出物の冷却に寄与する可能性がある。本方法には、流出物から熱を供給して、原料酢酸を処理することを含むことができる。例えば、流出物は、酢酸ユニットの抽出カラムから排出される抽出物を加熱するために(例えば、クロス交換器で)利用することができる。これにより、流出物を冷却し、それによって流出物中の水と酢酸を凝縮させるための流出物の冷却に寄与する可能性がある。
ガスを処理してプロセスガスを得ることで、原料酢酸の処理に熱を供給することができる。例えば、循環急冷水ループ内の急冷水(ガスを急冷する塔用)は、抽出カラムから排出される抽出物を(例えば、クロス交換器内で)加熱することができる。プロセスガスを得るためのガスの処理は、エタンを含む供給物に供給されるエタンを加熱する場合がある。例えば、循環急冷水ループの急冷水(ガスを急冷する塔用)は、リサイクル水がエタンに添加される前に、供給パイプラインからのエタンを(例えば、クロス交換器内で)加熱することがある。プロセスガスを得るためのガスの処理は、リサイクル水を加熱する可能性がある。例えば、循環急冷水ループの急冷水(ガスを急冷する塔用)は、リサイクル水を(例えば、クロス交換器内で)加熱することができる。このようなことは、供給物希釈のための加熱に有利に寄与する可能性がある。
本方法は、リサイクル水を、(例えば、クロス交換器内で)流出物を用いて加熱し、それによって流出物を冷却する(したがって、流出物中の水と酢酸を凝縮させるための冷却負荷に寄与する)ことを含むことができる。示されるように、本方法は、エタン及びリサイクル水を含む供給物を、流出物を用いて加熱し、それによって流出物を冷却する(したがって、流出物中の水と酢酸を凝縮させるための冷却負荷に寄与する)ことを含むことができる。
本方法は、(供給物用に供給される)エタンを、流出物を用いて加熱すること(例えば、クロス交換器内)を含むことができる。本方法は、流出物を用いて酸素を加熱すること(例えば、クロス交換器内で)を含むことができる。一例では、エタンとリサイクル水の混合物は、クロス交換器内で、供給物用の流出物を用いて加熱される。別の例では、酸素とリサイクル水の混合物は、エタンを有する供給物に添加する前に、クロス交換器内で流出物を用いて加熱される(例えば、酸素を水で部分的に飽和させるため)。エタン、酸素、又はリサイクル水を含む混合物の加熱により、流出物が冷却される可能性がある(これは、流出物中の水と酢酸を凝縮させるための冷却負荷に寄与する可能性がある)。
一実施形態は、エチレンを製造する方法であって、ODH反応器内で酸素の存在下、ODH触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化し、それによってODH反応器内で酢酸を形成する工程と、ODH反応器からの少なくともエチレン、酢酸、及び水を含む流出物を、蒸気発生熱交換器を通して排出し、流出物からの熱で蒸気を発生させ、それによって流出物を冷却する工程と、を含む方法である。この方法は、蒸気発生熱交換器からの流出物を、供給物熱交換器を通して流し、ODH反応器用のエタンを有する供給物を流出物で加熱し、それによって流出物を冷却する工程を含む。この方法は、流出物から酢酸を酢酸生成物として回収する工程と、流出物からエチレンを有するプロセスガスを、エチレン生成物を得るためのさらなる処理のために送り出す工程を含む。この方法は、供給物熱交換器の下流で流出物をさらに冷却し、それにより流出物中の水を凝縮させることを含んでもよい。供給物熱交換器の下流で流出物をさらに冷却することは、冷却器熱交換器又は空気冷却器の少なくとも1つで流出物を冷却することを含んでもよく、冷却器熱交換器は、冷却媒体として冷却水を利用し、空気冷却器は、冷却媒体として空気を利用するファン熱交換器である。供給物熱交換器の下流で流出物をさらに冷却することは、急冷塔又は急冷セクションを有する酸スクラバー内で流出物を冷却することを含んでもよい。この方法は、供給物熱交換器の下流で流出物をさらに冷却して、さらに冷却され、凝縮した水を有する流出物を、原料酢酸とガスに分離することを含んでもよく、ガスはエチレン、水、酢酸、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含み、原料酢酸は酢酸及び水を含む。供給物熱交換器の下流で流出物をさらに冷却し、さらに冷却された流出物をガスと原料酢酸に分離することは、流出物を急冷塔内又は急冷セクションを有する酢酸スクラバー内で処理することを含んでもよく、前記方法は、原料酢酸を急冷塔の底部又は急冷セクションを有する酢酸スクラバーの底部から排出することを含む。供給物熱交換器の下流で流出物をさらに冷却することは、熱交換器内で流出物を冷却することを含んでもよく、流出物を分離することは、フラッシュドラム内で流出物をガスと原料酢酸とに分離することを含み、前記方法は、フラッシュドラムから頭上にガスを排出することと、フラッシュドラムの底部から原料酢酸を排出することとを含む。
この方法は、ガスから水と酢酸を除去して、エチレン、エタン、二酸化炭素及び一酸化炭素を含むプロセスガスを得ることを含んでもよく、プロセスガスが、50ppmv未満の酢酸及び5モル%未満の水蒸気を有する。この方法は、エタンを含む供給物を水で飽和させるために、ガスから除去された水及び酢酸をリサイクル水として供給することを含んでもよい。この方法は、加熱媒体として流出物を用いて、クロス交換器内で、リサイクル水の少なくとも一部を加熱することを含んでもよい。この方法は、リサイクル水の少なくとも一部を酸素ガスと組み合わせて混合物を得る工程と、加熱媒体として流出物を用いて、クロス交換器内で、混合物を加熱する工程と、混合物を加熱しながらエタンを含む供給物に添加する工程と、を含んでもよい。さらなる処理のためにプロセスガスを送り出すことは、プロセスガスをプロセスガス圧縮機に送り出すことを含んでもよい。この方法は、原料酢酸を、液-液抽出カラムである抽出カラムを有する酢酸ユニットに供給する工程を含んでもよく、流出物から酢酸を酢酸生成物として回収する工程が、酢酸ユニット内で原料酢酸を処理することを含む。
酢酸ユニット内で原料酢酸を処理する工程は、原料酢酸と溶媒を抽出カラムに供給する工程と、抽出カラムから頭上に抽出物(主に酢酸)を排出する工程と、加熱媒体を有するクロス交換器内で抽出物を加熱する工程と、を含んでもよく、加熱媒体は供給物熱交換器の下流の流出物を含むか、又は加熱媒体は急冷水を含む。抽出物は溶媒と比較的少量の水を含み、抽出物は水よりも溶媒を多く含む。この方法は、少なくとも99重量%の酢酸を有する酢酸生成物を酢酸ユニットから排出することを含んでもよく、原料酢酸は、0.3重量%~45重量%の範囲の酢酸濃度を有し、酢酸ユニットは、蒸留カラムである溶媒回収カラムを備える。
別の実施形態は、エチレンを製造する方法であって、ODH反応器内で酸素の存在下、ODH触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化し、それによってODH反応器内で酢酸を形成する工程と、ODH反応器からのエチレン、酢酸、水、一酸化炭素、二酸化炭素、及び未反応のエタンを含む流出物を、蒸気発生熱交換器を通して排出し、蒸気を発生させる工程であって、蒸気発生熱交換器は、流出物から水に熱を伝達して蒸気を発生させ、それによって流出物を冷却する工程と、を含む方法である。この方法は、蒸気発生熱交換器からの流出物を、供給物熱交換器を通して流し、ODH反応器用の供給物を流出物で加熱する工程を含み、供給物熱交換器は、流出物から供給物に熱を伝達し、それによって流出物を冷却する。この方法は、供給物熱交換器の下流で流出物を冷却し、それによって流出物中の水を凝縮させる工程を含む。この方法は、流出物からエチレンを有するプロセスガスを、エチレン生成物を得るためのさらなる処理のために、プロセスガス圧縮機に送り出す工程を含む。供給物熱交換器の下流で流出物を冷却することは、冷却器熱交換器又は空気冷却器の少なくとも1つで流出物を冷却することを含んでもよく、冷却器熱交換器は、冷却媒体として冷却水を利用し、空気冷却器は、冷却媒体として空気を利用するファン熱交換器である。
この方法は、凝縮水を有する流出物をフラッシュドラムに供給する工程と、フラッシュドラム内で流出物をガスと原料酢酸に分離する工程を含んでもよく、ガスはエチレン、水、酢酸、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含み、原料酢酸は酢酸及び水を含む。この方法は、フラッシュドラムの底部から原料酢酸を、液液抽出カラムである抽出カラムと蒸留カラムである溶媒回収カラムとを有する酢酸ユニットに排出する工程と、酢酸ユニット内で原料酢酸を処理して酢酸生成物を得る工程と、を含んでもよい。この方法は、フラッシュドラムから頭上にガスを排出する工程と、ガスから水と酢酸を除去して、エチレン、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含むプロセスガスを得る工程を含んでもよく、プロセスガスは、50ppmv未満の酢酸(例えば、5モル%未満の水蒸気)を有する。
供給物熱交換器の下流で流出物を冷却し、それによって流出物中の水を凝縮させる工程が、急冷容器内で流出物を冷却することを含んでもよい。この方法は、急冷容器内で流出物をガスと原料酢酸とに分離することを含んでもよく、ガスはエチレン、水、酢酸、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含み、原料酢酸は酢酸及び水を含む、この方法は、原料酢酸を急冷容器の底部から、液-液抽出カラムである抽出カラムを有する酢酸ユニットに排出する工程と、酢酸ユニット内で原料酢酸を処理して酢酸生成物を得る工程とを含んでもよい。この方法は、急冷容器(急冷塔又は急冷セクションを有する酢酸スクラバーとして)から頭上にガスを排出する工程であって、ガスはエチレン、水、酢酸、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含み、急冷容器は急冷塔を備える、工程と、ガスから水と酢酸を除去して、エチレン、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含むプロセスガスを得る工程であって、プロセスガスは、50ppmv未満の酢酸及び5モル%未満の水蒸気を有する、工程と、を含んでもよい。
さらに別の実施形態は、ODH反応器内で酸素の存在下、ODH触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化し、それによってODH反応器内で酢酸を形成する工程と、ODH反応器からのエチレン、酢酸、水、一酸化炭素、二酸化炭素、及び未反応エタンを含む流出物を、蒸気発生熱交換器を通して排出し、蒸気を発生させ、供給物熱交換器を通してODH反応器用のエタンを含む供給物を加熱する工程とを含む、エチレンを製造する方法である。この方法は、容器内で流出物をガスと原料酢酸に分離する工程を含み、ガスはエチレン、水、酢酸、エタン、二酸化炭素、一酸化炭素を含み、原料酢酸は酢酸と水を含む。この方法は、ガスから酢酸及び水を除去して、エチレン、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含むプロセスガスを得て、且つ、プロセスガスを、エチレン生成物を得るためのさらなる処理のために、プロセスガス圧縮機に送り出す工程を含み、プロセスガスは、50ppmv未満の酢酸及び5モル%未満の水蒸気を含む。この方法は、原料酢酸を容器の底部から酢酸ユニット(抽出カラムを有する)に排出し、原料酢酸から酢酸生成物を回収する工程を含む。
この方法は、容器から頭上にガスを排出することを含んでもよく、容器はフラッシュドラム又は急冷塔である。他の実施態様では、ガスから残留酢酸及び水を除去することが容器内で行われ、容器が急冷セクションを有する酢酸スクラバーである。
この方法は、冷却器熱交換器又は空気冷却器の少なくとも1つで流出物を冷却することを含んでもよく、冷却器熱交換器は、冷却媒体として冷却水を利用し、空気冷却器は、冷却媒体として空気を利用するファン熱交換器である。
さらに別の実施形態は、エタンをエチレンに脱水素化し、酢酸を生成するためのODH触媒を含むODH反応器と、ODH反応器からの流出物を受け取り、流出物からの熱で蒸気を発生させる蒸気発生熱交換器と、蒸気発生熱交換器からの流出物を受け取り、流出物でODH反応器用のエタンを含む供給物を加熱する供給物熱交換器と、流出物をガスと原料酢酸に分離する容器であって、ガスはエチレン、水、酢酸、エタン、二酸化炭素及び一酸化炭素を含み、原料酢酸は酢酸及び水を含む、容器と、を含むエチレン製造システムである。エチレン製造システムは、原料酢酸を処理して酢酸生成物を得るための酢酸ユニットを含み、酢酸ユニットは、液-液抽出カラムである抽出カラムを含む。
エチレン製造システムは、ガスから酢酸及び水を除去して、エチレン、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含むプロセスガスを得るための酢酸スクラバーを有してもよく、プロセスガスは、50ppmv未満の酢酸及び5モル%未満の水蒸気を有し、容器はフラッシュドラム又は急冷塔である。酢酸スクラバーは急冷セクションを有してもよい。エチレン製造システムは、エチレン生成物を得るためのさらなる処理のために、プロセスガスを受け取るプロセスガス圧縮機を含んでもよい。エチレン製造システムは、酢酸スクラバーからのボトム流の少なくとも一部をリサイクル水として受け取り、エタンを含む供給物用の水でエタンを飽和させるエタン飽和塔を含んでもよい。
エチレン製造システムは、酢酸スクラバーからのボトム流の少なくとも一部をリサイクル水として受け取り、リサイクル水を加熱するためのクロス交換器を備えてもよく、リサイクル水はエタン飽和塔用のリサイクル水である。エチレン製造システムは、供給物熱交換器の下流で、流出物を用いて混合物を加熱するためのクロス交換器を備えてもよく、混合物は、エタンを含む供給物を供給するためにエタンガスに添加されるリサイクル水を含み、リサイクル水は、酢酸スクラバーからのボトム流の少なくとも一部を含む。エチレン製造システムは、供給物熱交換器の下流で、流出物を用いて混合物を加熱するためのクロス交換器を備えてもよく、混合物は、エタンを含む供給物を供給するために酸素ガスに添加されるリサイクル水を含み、リサイクル水は、酢酸スクラバーからのボトム流の少なくとも一部を含む。前述したように、システムは、流出物をガスと原料酢酸に分離するための容器を有していてもよい。容器は、ガスから酢酸及び水を分離してエチレン、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含むプロセスガスを得るための酢酸スクラバーであってもよく、酢酸スクラバーは急冷セクションを有する。
エチレン製造システムは、供給物熱交換器の下流で、流出物を冷却する熱交換器を有していてもよく、容器はフラッシュドラムである。熱交換器は、冷却媒体として冷却水を利用する冷却器熱交換器であってもよく、又は熱交換器は、冷却媒体として空気を利用するファン熱交換器を有する空気冷却器であってもよい。
エチレン製造システムは、抽出カラムから排出される抽出物を流出物で加熱するためのクロス交換器を有していてもよく、抽出物は酢酸及び溶媒を含む。酢酸ユニットは、抽出物を受け取る溶媒回収カラムを有していてもよく、溶媒回収カラムは蒸留カラムである。エチレン製造システムは、急冷容器から排出される急冷水を受け取り、抽出カラムから排出される抽出物を加熱するためのクロス交換器を有していてもよく、抽出物は酢酸、溶媒及び水を含み、抽出物は水よりも多くの溶媒を含む、
さらに別の実施形態は、ODH反応器内で、ODH触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化する工程と、ODH反応器からのエチレン、水、酢酸、二酸化炭素、一酸化炭素、及び未反応エタンを含む流出物を排出する工程とを含む、エチレンを製造する方法である。この方法は、流出物中の酢酸と水を凝縮させて、流出物を原料酢酸とガスに分離する工程を含み、原料酢酸は、凝縮酢酸と凝縮水を含み、ガスは、エチレン、二酸化炭素、一酸化炭素、及び未反応のエタンを含む。この方法は、原料酢酸を処理して酢酸生成物を得る工程と、ガスを処理してエチレン生成物を含むプロセスガスを得る工程とを含む。この方法は、流出物から水をリサイクル水として回収する工程と、リサイクル水をODH反応器へのエタンを含む供給物に添加する工程と、供給物を流出物で加熱する工程と、供給物に酸素を添加する工程とを含む。この方法は、原料酢酸を処理するために流出物から熱を供給することを含む、
ガスを処理してプロセスガスを得る工程は、原料酢酸を処理するための熱を供給してもよい。実施態様では、ガスを処理する工程は、エタンを含む供給物に供給されるエタンを加熱する。この方法は、リサイクル水を流出物で加熱し、それによって流出物を冷却する(したがって、流出物中の水と酢酸を凝縮させるための冷却負荷に寄与する)ことを含んでもよい。実施態様では、ガスを処理してプロセスガスを得る工程により、リサイクル水を加熱する。この方法は、エタン及びリサイクル水を含む供給物を流出物で加熱し、それによって流出物を冷却する(したがって、流出物中の水と酢酸を凝縮させるための冷却負荷に寄与する)ことを含んでもよい。この方法は、供給物に供給されるエタンを流出物で加熱することを含んでもよい。この方法は、酸素を流出物で加熱することを含んでもよい。
原料酢酸を処理する工程は、水をリサイクル水として回収することを含んでもよい。換言すると、原料酢酸を処理する工程では、流出物から水をリサイクル水として回収する作用が期待できる。さらに、原料酢酸を処理して酢酸生成物を得る工程と、ガスを処理してプロセスガスを得る工程とを組み合わせることにより、流出物から水をリサイクル水として回収することができる。
多くの実施態様を説明してきたが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができることが理解されるであろう。
本開示は、酸化的脱水素化によるエチレンの製造方法及びシステムに関する。

Claims (55)

  1. エチレンを製造する方法であって、
    ODH反応器内で酸素の存在下、酸化的脱水素化(ODH)触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化し、それによってODH反応器内で酢酸を形成する、工程と、
    ODH反応器からのエチレン、酢酸、及び水を含む流出物を、蒸気発生熱交換器を通して排出し、流出物からの熱で蒸気を発生させ、それによって流出物を冷却する、工程と、
    蒸気発生熱交換器からの流出物を、供給物熱交換器を通して流し、ODH反応器用のエタンを含む供給物を流出物で加熱し、それによって流出物を冷却する、工程と、
    流出物から酢酸を酢酸生成物として回収する工程と、
    流出物からエチレンを含むプロセスガスを、エチレン生成物を得るためのさらなる処理のために送り出す工程と、
    を含む、方法。
  2. 供給物熱交換器の下流で流出物をさらに冷却し、それにより流出物中の水を凝縮させることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 供給物熱交換器の下流で流出物をさらに冷却することが、冷却器熱交換器又は空気冷却器の少なくとも1つで流出物を冷却することを含み、冷却器熱交換器が、冷却媒体として冷却水を利用し、空気冷却器が、冷却媒体として空気を利用するファン熱交換器を備える、請求項2に記載の方法。
  4. 供給物熱交換器の下流で流出物をさらに冷却することが、急冷塔又は急冷セクションを有する酸スクラバー内で流出物を冷却することを含む、請求項2に記載の方法。
  5. さらに冷却され、凝縮した水を有する流出物を、原料酢酸とガスに分離することを含み、ガスがエチレン、水、酢酸、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含み、原料酢酸が酢酸及び水を含む、請求項2記載の方法。
  6. 請求項5に記載の方法であって、供給物熱交換器の下流で流出物をさらに冷却し、さらに冷却された流出物をガスと原料酢酸に分離することが、流出物を急冷塔内又は急冷セクションを有する酢酸スクラバー内で処理することを含み、前記方法が、原料酢酸を急冷塔の底部又は急冷セクションを有する酢酸スクラバーの底部から排出することを含む、方法。
  7. 請求項5に記載の方法であって、供給物熱交換器の下流で流出物をさらに冷却することが、熱交換器内で流出物を冷却することを含み、流出物を分離することが、フラッシュドラム内で流出物をガスと原料酢酸とに分離することを含み、前記方法が、フラッシュドラムから頭上にガスを排出することと、フラッシュドラムの底部から原料酢酸を排出することとを含む、方法。
  8. ガスから水と酢酸を除去して、エチレン、エタン、二酸化炭素及び一酸化炭素を含むプロセスガスを得ることを含み、プロセスガスが、50ppm体積(ppmv)未満の酢酸及び5モル%未満の水蒸気を含む、請求項5に記載の方法。
  9. エタンを含む供給物を水で飽和させるために、ガスから除去された水及び酢酸をリサイクル水として供給することを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 加熱媒体として流出物を用いて、クロス交換器内で、リサイクル水の少なくとも一部を加熱することを含む、請求項9に記載の方法。
  11. リサイクル水の少なくとも一部を酸素ガスと組み合わせて混合物を得る工程と、
    加熱媒体として流出物を用いて、クロス交換器内で、混合物を加熱する工程と、
    混合物を加熱しながらエタンを含む供給物に添加する工程と、
    を含む、請求項9に記載の方法。
  12. さらなる処理のためにプロセスガスを送り出すことが、プロセスガスをプロセスガス圧縮機に送り出すことを含む、請求項8記載の方法。
  13. 原料酢酸を、液-液抽出カラムである抽出カラムを備える酢酸ユニットに供給する工程を含み、流出物から酢酸を酢酸生成物として回収する工程が、酢酸ユニット内で原料酢酸を処理することを含む、請求項5に記載の方法。
  14. 酢酸ユニット内で原料酢酸を処理する工程が、
    原料酢酸と溶媒を抽出カラムに供給する工程と、
    抽出カラムから頭上に抽出物を排出する工程であって、抽出物が主に酢酸を含み、溶媒及び水をさらに含み、抽出物が水よりも溶媒を多く含む、工程と、
    加熱媒体を有するクロス交換器内で抽出物を加熱する工程と、
    を含み、
    加熱媒体が供給物熱交換器の下流の流出物を含むか、又は加熱媒体が急冷水を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 少なくとも99重量%(wt%)の酢酸を含む酢酸生成物を酢酸ユニットから排出することを含み、原料酢酸が、0.3重量%~45重量%の範囲の酢酸濃度を有し、酢酸ユニットが、蒸留カラムである溶媒回収カラムを備える、請求項13に記載の方法。
  16. エチレンを製造する方法であって、
    ODH反応器内で酸素の存在下、酸化的脱水素化(ODH)触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化し、それによってODH反応器内で酢酸を形成する、工程と、
    ODH反応器からのエチレン、酢酸、水、一酸化炭素、及び二酸化炭素を含む流出物を、蒸気発生熱交換器を通して排出し、蒸気を発生させる、工程であって、蒸気発生熱交換器は、流出物から水に熱を伝達して蒸気を発生させ、それによって流出物を冷却する、工程と、
    蒸気発生熱交換器からの流出物を、供給物熱交換器を通して流し、ODH反応器用の供給物を流出物で加熱する、工程であって、供給物熱交換器は、流出物から供給物に熱を伝達し、それによって流出物を冷却する、工程と、
    供給物熱交換器の下流で流出物を冷却し、それによって流出物中の水を凝縮させる、工程と、
    流出物からエチレンを含むプロセスガスを、エチレン生成物を得るためのさらなる処理のために、プロセスガス圧縮機に送り出す工程と、
    を含む、方法。
  17. 供給物熱交換器の下流で流出物を冷却することが、冷却器熱交換器又は空気冷却器の少なくとも1つで流出物を冷却することを含み、冷却器熱交換器が、冷却媒体として冷却水を利用し、空気冷却器が、冷却媒体として空気を利用するファン熱交換器を備える、請求項16に記載の方法。
  18. 凝縮水を有する流出物をフラッシュドラムに供給する工程と、
    フラッシュドラム内で流出物をガスと原料酢酸に分離する工程であって、ガスがエチレン、水、酢酸、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含み、原料酢酸が酢酸及び水を含む、工程と、
    を含む、請求項17に記載の方法。
  19. フラッシュドラムの底部から原料酢酸を、液液抽出カラムである抽出カラムと蒸留カラムである溶媒回収カラムとを備える酢酸ユニットに排出する工程と、
    酢酸ユニット内で原料酢酸を処理して酢酸生成物を得る工程と、
    を含む、請求項18に記載の方法。
  20. フラッシュドラムから頭上にガスを排出する工程と、
    ガスから水と酢酸を除去して、エチレン、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含むプロセスガスを得る工程であって、プロセスガスが、50ppm体積(ppmv)未満の酢酸及び5モル%未満の水蒸気を含む、工程と、
    を含む、請求項18に記載の方法。
  21. 供給物熱交換器の下流で流出物を冷却し、それによって流出物中の水を凝縮させる、工程が、急冷容器内で流出物を冷却することを含む、請求項16に記載の方法。
  22. 急冷容器内で流出物をガスと原料酢酸とに分離することを含み、ガスがエチレン、水、酢酸、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含み、原料酢酸が酢酸及び水を含む、請求項21記載の方法。
  23. 原料酢酸を急冷容器の底部から、液-液抽出カラムである抽出カラムを備える酢酸ユニットに排出する工程と、
    酢酸ユニット内で原料酢酸を処理して酢酸生成物を得る工程と、
    を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 急冷容器から頭上にガスを排出する工程であって、ガスがエチレン、水、酢酸、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含み、急冷容器が急冷塔を備える、工程と、
    ガスから水と酢酸を除去して、エチレン、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含むプロセスガスを得る工程であって、プロセスガスが、50ppm体積(ppmv)未満の酢酸及び5モル%未満の水蒸気を含む、工程と、
    を含む、請求項22に記載の方法。
  25. ガスから酢酸及び水を除去してプロセスガスを得て、且つ、プロセスガスを急冷容器から頭上に排出することを含み、急冷容器が、急冷セクションを有する酢酸スクラバーを備える、請求項22に記載の方法。
  26. エチレンを製造する方法であって、
    ODH反応器内で酸素の存在下、酸化的脱水素化(ODH)触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化し、それによってODH反応器内で酢酸を形成する、工程と、
    ODH反応器からのエチレン、酢酸、水、一酸化炭素、二酸化炭素、及び未反応エタンを含む流出物を、蒸気発生熱交換器を通して排出し、蒸気を発生させ、供給物熱交換器を通してODH反応器用のエタンを含む供給物を加熱する、工程と、
    容器内で流出物をガスと原料酢酸に分離する工程であって、ガスはエチレン、水、酢酸、エタン、二酸化炭素、一酸化炭素を含み、原料酢酸は酢酸と水を含む、工程と、
    ガスから酢酸及び水を除去して、エチレン、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含むプロセスガスを得て、且つ、プロセスガスを、エチレン生成物を得るためのさらなる処理のために、プロセスガス圧縮機に送り出す、工程であって、プロセスガスは、50ppm体積(ppmv)未満の酢酸を含む、工程と、
    原料酢酸を容器の底部から酢酸ユニットに排出し、原料酢酸から酢酸生成物を回収する工程であって、酢酸ユニットは抽出カラムを備える、工程、
    とを含む、方法。
  27. 冷却器熱交換器又は空気冷却器の少なくとも1つで流出物を冷却することを含み、冷却器熱交換器が、冷却媒体として冷却水を利用し、空気冷却器が、冷却媒体として空気を利用するファン熱交換器を備え、プロセスガスが、5モル%未満の水蒸気を含む、請求項26に記載の方法。
  28. 容器から頭上にガスを排出することを含み、容器がフラッシュドラム又は急冷塔を備える、請求項26に記載の方法。
  29. ガスから酢酸及び水を除去することが容器内で行われ、容器が急冷セクションを有する酢酸スクラバーを備える、請求項26記載の方法。
  30. エタンをエチレンに脱水素化し、酢酸を生成するためのODH触媒を含む酸化的脱水素化(ODH)反応器と、
    ODH反応器からの流出物を受け取り、流出物からの熱で蒸気を発生させる蒸気発生熱交換器と、
    蒸気発生熱交換器からの流出物を受け取り、流出物でODH反応器用のエタンを含む供給物を加熱する供給物熱交換器と、
    流出物をガスと原料酢酸に分離する容器であって、ガスはエチレン、水、酢酸、エタン、二酸化炭素及び一酸化炭素を含み、原料酢酸は酢酸及び水を含む、容器と、
    原料酢酸を処理して酢酸生成物を得るための酢酸ユニットであって、液-液抽出カラムである抽出カラムを備える酢酸ユニットと、
    を備える、エチレン製造システム。
  31. ガスから酢酸及び水を除去して、エチレン、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含むプロセスガスを得るための酢酸スクラバーを備え、プロセスガスが、50ppm体積(ppmv)未満の酢酸及び5モル%未満の水蒸気を含み、容器がフラッシュドラム又は急冷塔を備える、請求項30に記載のシステム。
  32. エチレン生成物を得るためのさらなる処理のために、プロセスガスを受け取るプロセスガス圧縮機を備える、請求項31に記載のシステム。
  33. 酢酸スクラバーが急冷セクションを備える、請求項31に記載のシステム。
  34. 酢酸スクラバーからのボトム流の少なくとも一部をリサイクル水として受け取り、エタンを含む供給物用の水でエタンを飽和させるエタン飽和塔を備える、請求項31に記載のシステム。
  35. 酢酸スクラバーからのボトム流の少なくとも一部をリサイクル水として受け取り、リサイクル水を加熱するためのクロス交換器を備え、リサイクル水はエタン飽和塔用のリサイクル水である、請求項31に記載のシステム。
  36. 供給物熱交換器の下流で、流出物を用いて混合物を加熱するためのクロス交換器を備え、混合物が、エタンを含む供給物を供給するためにエタンガスに添加されるリサイクル水を含み、リサイクル水が、酢酸スクラバーからのボトム流の少なくとも一部を含む、請求項31に記載のシステム。
  37. 供給物熱交換器の下流で、流出物を用いて混合物を加熱するためのクロス交換器を備え、混合物が、エタンを含む供給物を供給するために酸素ガスに添加されるリサイクル水を含み、リサイクル水が、酢酸スクラバーからのボトム流の少なくとも一部を含む、請求項31に記載のシステム。
  38. 容器が、ガスから酢酸及び水を分離してエチレン、エタン、二酸化炭素、及び一酸化炭素を含むプロセスガスを得るための酢酸スクラバーを備え、酢酸スクラバーが急冷セクションを備える、請求項30に記載のシステム。
  39. プロセスガスが、50ppm体積(ppmv)未満の酢酸及び5モル%未満の水蒸気を含む、請求項38に記載のシステム。
  40. 供給物熱交換器の下流で、流出物を冷却する熱交換器を備え、容器がフラッシュドラムを備える、請求項30に記載のシステム。
  41. 熱交換器が、冷却媒体として冷却水を利用する冷却器熱交換器を備えるか、又は熱交換器が、冷却媒体として空気を利用するファン熱交換器を備えた空気冷却器を備える、請求項40に記載のシステム。
  42. 抽出カラムから排出される抽出物を流出物で加熱するためのクロス交換器を備え、抽出物が酢酸及び溶媒を含む、請求項30に記載のシステム。
  43. 酢酸ユニットが、抽出物を受け取る溶媒回収カラムを備え、溶媒回収カラムが蒸留カラムである、請求項42に記載のシステム。
  44. 急冷容器から排出される急冷水を受け取り、抽出カラムから排出される抽出物を加熱するためのクロス交換器を備え、抽出物が酢酸、溶媒及び水を含み、抽出物が水よりも多くの溶媒を含む、請求項30に記載のシステム。
  45. エチレンを製造する方法であって、
    ODH反応器内で、酸化的脱水素化(ODH)触媒を介してエタンをエチレンに脱水素化する工程と、
    ODH反応器からのエチレン、水、酢酸、二酸化炭素、一酸化炭素、及び未反応エタンを含む流出物を排出する工程と、
    流出物中の酢酸と水を凝縮させて、流出物を原料酢酸とガスに分離する工程であって、原料酢酸は、凝縮した酢酸と凝縮した水を含み、ガスは、エチレン、二酸化炭素、一酸化炭素、及び未反応のエタンを含む、工程と、
    原料酢酸を処理して酢酸生成物を得る工程と、
    ガスを処理してエチレン生成物を含むプロセスガスを得る工程と、
    流出物から水をリサイクル水として回収する工程と、
    リサイクル水をODH反応器へのエタンを含む供給物に添加する工程と、
    供給物を流出物で加熱し、それによって流出物を冷却する工程と、
    供給物に酸素を添加する工程と、
    を含む、方法。
  46. 原料酢酸を処理するために流出物から熱を供給し、それによって流出物を冷却することを含む、請求項45に記載の方法。
  47. ガスを処理してプロセスガスを得る工程が、原料酢酸を処理するための熱を供給する、請求項45に記載の方法。
  48. ガスを処理する工程が、エタンを含む供給物に供給されるエタンを加熱する、請求項45に記載の方法。
  49. リサイクル水を流出物で加熱し、それによって流出物を冷却することを含む、請求項45に記載の方法。
  50. ガスを処理してプロセスガスを得る工程により、リサイクル水を加熱する、請求項45に記載の方法。
  51. エタン及びリサイクル水を含む供給物を流出物で加熱し、それによって流出物を冷却することを含む、請求項45に記載の方法。
  52. 供給物に供給されるエタンを流出物で加熱することを含む、請求項45に記載の方法。
  53. 酸素を流出物で加熱することを含む、請求項45に記載の方法。
  54. 原料酢酸を処理する工程が、水をリサイクル水として回収することを含む、請求項45に記載の方法。
  55. 原料酢酸を処理して酢酸生成物を得る工程、及びガスを処理してプロセスガスを得る工程により、流出物から水をリサイクル水として回収することができる、請求項45に記載の方法。
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