JP2024515558A - ゲノム全体のcfDNA断片化プロファイルを使用するがんを検出する方法 - Google Patents

ゲノム全体のcfDNA断片化プロファイルを使用するがんを検出する方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、患者から取得された試料中の無細胞DNA(cfDNA)断片の分析を利用して、がん状態を診断及び予測する方法及びシステムを提供する。本開示は、対象におけるがんを検出する方法を提供する。本開示はまた、がんを有する対象の全生存を決定する方法を提供する。本開示は、対象におけるがんをモニタリングする方法を更に提供する。遺伝子分析のためのシステムもまた提供される。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月8日に出願された、米国仮特許出願第63/172,493号の米国特許法第119条(e)の下での優先権の利益を主張する。先行出願の開示は、本出願の開示の一部とみなされ、本出願の開示に参照により組み込まれる。
発明の分野
本発明は、概して、遺伝子分析に関し、より具体的には、対象におけるがんを検出し、かつ/又は対象の全生存を評価するための、無細胞DNA(cfDNA)断片の分析のための方法及びシステムに関する。
背景情報
世界的なヒトのがんの罹患率及び死亡率の多くは、治療があまり有効でない、これらの疾患の遅い診断の結果である。不運なことに、早期がんを有する患者を広範に診断及び治療するために使用され得る臨床的に証明されたバイオマーカーは、広く利用可能でない。
無細胞DNA(cfDNA)の分析は、そのようなアプローチが早期の診断及び治療のための新たな道を提供し得ることを示唆する。循環腫瘍DNA(ctDNA)断片は、非腫瘍細胞からの他のcfDNAよりも平均して短いことが示されている。以前の研究は、ヒストンコア又はリンカータンパク質に結合することによって引き起こされる異なるサイズの群に断片を分離し(例えば、短い及び長い、又は互いに排他的なサイズのセット)、ctDNAを定量化し、かつ/又は個々の試料を腫瘍の存在/不在を有するとして分類するためにこれらの断片のカウントを使用することを探求した。しかしながら、以前の研究は、がんと診断された患者の全生存を決定する能力、並びにがん検出における堅牢な感度及び特異的を提供することを欠いていた。
本開示は、cfDNAの分析を利用して、対象から取得された試料中のcfDNA断片の分析によって取得されたcfDNA断片プロファイルをスコアリングすることによって対象の全生存を検出及び予測する方法及びシステムを提供する。スコアリング方法論は、対象の全生存可能性の尺度を提供する。
したがって、一実施形態では、本発明は、対象におけるがんを検出する方法を提供する。方法は、
a)対象からの試料の無細胞DNA(cfDNA)断片化プロファイルを決定する工程であって、cfDNA断片化プロファイルは、
対象からcfDNA断片を取得及び単離することと、
cfDNA断片を配列決定して、配列決定された断片を取得することと、
配列決定された断片をゲノムに対してマッピングして、マッピングされた配列のウィンドウを取得することと、
マッピングされた配列のウィンドウを分析して、cfDNA断片長を決定し、cfDNA断片化プロファイルを生成することと
によって決定される、決定する工程;及び
b)cfDNA断片化プロファイルに基づいてスコアを計算することによって、対象を、がんを有するか又はがんを有しないとして分類する工程であって、スコアは、対象におけるがんの存在の可能性を示し、それによって、対象におけるがんを検出する、分類する工程
を含む。いくつかの態様では、がんは、肺がんを除外する。いくつかの態様では、化学療法剤、放射線、免疫療法、又は他の治療レジメンが対象に施される。
いくつかの態様では、スコアを計算することは、
i)長いcfDNA断片に対する短いcfDNA断片の比を決定することと、
ii)染色体アームによってcfDNA断片についてのZスコアを決定することと、
iii)計算混合モデル分析を使用してcfDNA断片密度を定量化することと、
iv)機械学習モデルを使用して、i)~iii)の出力を処理して、スコアを規定することと
を含む。
別の実施形態では、本発明は、がんを有する対象の全生存を決定する方法を提供する。方法は、
a)対象からの試料の無細胞DNA(cfDNA)断片化プロファイルを決定する工程;
b)cfDNA断片化プロファイルに基づいてスコアを計算する工程であって、スコアを計算することは、
i)試料の長いcfDNA断片に対する短いcfDNA断片の比を決定することと、
ii)染色体アームによって試料のcfDNA断片についてのZスコアを決定することと、
iii)計算混合モデル分析を使用してcfDNA断片密度を定量化することと、
iv)機械学習モデルを使用して、i)~iii)の出力を処理して、スコアを規定することと
を含む、計算する工程;及び
c)スコアに基づいて対象の全生存の可能性を決定し、それによって、対象の全生存を決定する工程
を含む。
なお別の態様では、本発明は、がんを有する対象を治療する方法を提供する。方法は、
a)本発明の方法論を使用して対象におけるがんを検出する工程、又は本発明の方法論を使用して対象の全生存を決定する工程;及び
b)対象にがん治療を施し、それによって、対象を治療する工程
を含む。いくつかの態様では、化学療法剤、放射線、免疫療法、又は他の治療レジメンが対象に施される。
更に別の実施形態では、本発明は、対象におけるがんをモニタリングする方法を提供する。方法は、
a)本発明の方法論を使用して対象におけるがんを検出する工程、及び/又は本発明の方法論を使用して対象の全生存を決定する工程;
b)対象にがん治療を施す工程;及び
c)がん治療が施された後に、本発明の方法論を使用して対象の全生存を決定し、それによって、対象におけるがんをモニタリングする工程
を含む。いくつかの態様では、化学療法剤、放射線、免疫療法又は他の治療レジメンが対象に施される。
別の実施形態では、本発明は、コンピュータプログラムで符号化された非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータプログラムは、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、1つ以上のプロセッサに、本発明の方法を行うための操作を行わせる命令を含む。
なお別の実施形態では、本発明は、コンピューティングシステムを提供する。システムは、メモリと、メモリに結合された1つ以上のプロセッサと、を含み、1つ以上のプロセッサは、本発明の方法を実装する操作を行うように構成される。
なお別の実施形態では、本発明は、(a)試料についての全ゲノム配列決定(WGS)データセットを生成するように構成されたシーケンサーと、(b)本発明の非一時的コンピュータ可読記憶媒体及び/又はコンピュータシステムと、を含む、遺伝子分析及びがんの評価のためのシステムを提供する。
本発明の一実施形態における本開示の方法論を使用する例示的なDELFIアプローチを例証する模式図である。血液は、健常な個体及びがんを有する患者のコホートから採取される。cfDNAは、血漿画分から抽出され、配列決定ライブラリに処理され、全ゲノム配列決定を通じて調べられ、ゲノムに対してマッピングされ、分析されて、ゲノムにわたるcfDNA断片化プロファイルが決定される。機械学習アプローチは、DELFIスコアを生成し、個体を健常であるか又はがんを有するとして分類するために使用される。 がんの非侵襲的な検出のためのcfDNA断片化アッセイの性能を示す表である。3ヶ月の組み入れの内に、74人の患者が16の異なる固形がんのうちの1つと診断され、一方、207人の患者はがんを有しなかった。 本発明の一実施形態における本開示の方法論を使用して生成されたデータを示すグラフプロットである。グラフは、がん検出のためのcfDNA断片化アッセイの全体的な性能を示す。 本発明の一実施形態における本開示の方法論を使用して生成されたデータを示すグラフプロットである。グラフは、DELFIスコアと相関される対象の生存を示す。より高いDELFIスコアは、がんのステージ又は他の臨床的特性とは無関係に、全生存の低下と関係付けられた。 本発明の一実施形態における本開示の方法論を使用して生成されたデータ曲線を示す一連のグラフプロットである。計算されたDELFIスコアは、高スコア(>0.5)対低スコア(<0.5)を規定するために使用されるカットオフ値にかかわらず、がん(肺がんを除外する)を有する個体の表されたカプランマイヤー曲線を分離する。各パネルの上部にある数字は、決定されたカットオフ値を示す。 本発明の一実施形態における本開示の方法論を使用して生成されたデータを示すグラフプロットである。図6は、2つの設定におけるコックス比例ハザードモデルの結果を示す。第1の設定(プロットの左パネル)において、DELFIスコアは連続的として扱われる。第2の設定(プロットの右パネル)において、DELFIスコアは高(>0.5)又は低(<0.5)のいずれかとして扱われる。いずれの設定においても、DELFIスコアは、採血時の年齢及びステージについて調整したときでさえ、生存の強い予測因子である。ステージは、ステージ1に対して相対的であることに留意されたい。
発明の詳細な説明
がんの早期検出、並びにがんを有する対象の全生存の予測のための非侵襲的な方法が本明細書に記載される。血液中のcfDNAは、がんを有する患者に非侵襲的な診断の道を提供し得る。本明細書において実証されるように、早期迎撃のための断片のDNA査定(DELFI)が、様々な型のがんを有する患者、並びに健常な個体のcfDNAのゲノム全体の断片化パターンを査定するために使用された。cfDNAの査定は、スコアリング方法論を含んだ。規定されたスコア(本明細書において「DELFIスコア」とも称される)が、所与の患者試料のcfDNA断片を使用して取得されたcfDNA断片化プロファイルについて決定され、これは、全生存と相関した。本明細書に記載される方法論を使用してcfDNAを評価することは、がんの早期検出及び評価のためのスクリーニングアプローチを提供し得、これは、がんを有する患者の治療の成功の機会を増加させ得る。cfDNAを評価することはまた、がんをモニタリングするためのアプローチを提供し得、これは、がんを有する患者の成功した治療及び改善された転帰に対する機会を増加させ得る。
本発明の組成物及び方法が記載される前に、本発明は記載される特定の方法及びシステムに限定されないことを理解されたい。なぜなら、そのような方法及びシステムは変動し得るからである。本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を記載する目的のためのものであり、限定することは意図されないことも理解されたい。なぜなら、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲においてのみ限定されるからである。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別段文脈が明白に指図しない限り、複数の言及を含む。したがって、例えば、「方法」(the method)への言及は、本開示を読む際に当業者に明らかになる本明細書に記載される型の1つ以上の方法、及び/又はステップなどを含む。
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様又は同等の任意の方法及び材料が、本発明の実施又は試験において使用され得るが、好ましい方法及び材料がここに記載される。
本開示は、がんを検出するか又はそうでなければ評価するための、cfDNAの分析のための革新的な方法及びシステムを提供する。以前の研究において示されるように、平均して、がんを有しない個体はより長いcfDNA断片(167.09bpの平均サイズ)を有し、一方、がんを有する個体はより短いcfDNA断片(164.88bpの平均サイズ)を有する。本明細書に記載される方法論は、cfDNA断片化パターンのゲノム全体の分析を通じてcfDNAにおける多数の異常の同時分析を可能にする。
したがって、一実施形態では、本発明は、対象におけるがんを検出する方法を提供する。本方法は、
a)対象からの試料の無細胞DNA(cfDNA)断片化プロファイルを決定する工程;及び
b)cfDNA断片化プロファイルに基づいてスコアを計算することによって、対象を、がんを有するか又はがんを有しないとして分類する工程であって、スコアは、対象におけるがんの存在の可能性を示し、がんが肺がんを含まないことを条件とし、それによって、対象におけるがんを検出する、分類する工程
を含む。
別の実施形態では、本発明は、がんを有する対象の全生存を決定する方法を提供する。方法は、
a)対象からの試料の無細胞DNA(cfDNA)断片化プロファイルを決定する工程;
b)cfDNA断片化プロファイルに基づいてスコアを計算する工程であって、スコアを計算することは、
i)試料の長いcfDNA断片に対する短いcfDNA断片の比を決定することと、
ii)染色体アームによって試料のcfDNA断片についてのZスコアを決定することと、
iii)計算混合モデル分析を使用してcfDNA断片密度を定量化することと、
iv)機械学習モデルを使用して、i)~iii)の出力を処理して、スコアを規定することと
を含む、計算する工程;及び
c)スコアに基づいて対象の全生存の可能性を決定し、それによって、対象の全生存を決定する工程
を含む。
一実施形態では、本発明は、がんを有する対象を治療する方法を提供する。方法は、
a)本発明の方法論を使用して対象におけるがんを検出する工程、又は本発明の方法論を使用して対象の全生存を決定する工程;及び
b)対象にがん治療を施し、それによって、対象を治療する工程
を含む。いくつかの態様では、化学療法剤、放射線、免疫療法、又は他の治療レジメンが対象に施される。
別の実施形態では、本発明は、対象におけるがんをモニタリングする方法を提供する。方法は、
a)本発明の方法論を使用して対象におけるがんを検出する工程、又は本発明の方法論を使用して対象の全生存を決定する工程;
b)対象にがん治療を施す工程;及び
c)がん治療が施された後に、本発明の方法論を使用して対象の全生存を決定し、それによって、対象におけるがんをモニタリングする工程
を含む。
本明細書に記載される方法論は、cfDNA断片化プロファイルを利用する。本明細書で使用される場合、「断片化プロファイル」という用語、いくつかの態様では、哺乳動物におけるcfDNA断片化プロファイルを決定することは、哺乳動物を、がんを有するとして特定するために使用され得る。例えば、哺乳動物から(例えば、哺乳動物から取得された試料から)取得されたcfDNA断片は、低カバレッジ全ゲノム配列決定に供され得、配列決定された断片は、ゲノムに対してマッピングされ(例えば、非重複ウィンドウにおいて)、評価されて、cfDNA断片化プロファイルが決定され得る。がんを有する哺乳動物のcfDNA断片化プロファイルは、健常な哺乳動物(例えば、がんを有しない哺乳動物)のcfDNA断片化プロファイルよりも不均一である(例えば、断片長において)。
cfDNA断片化プロファイルは、1つ以上のcfDNA断片化パターンを含み得る。cfDNA断片化パターンは、任意の適切なcfDNA断片化パターンを含み得る。cfDNA断片化パターンの例としては、限定されないが、断片サイズ密度、中央値断片サイズ、断片サイズ分布、大きいcfDNA断片に対する小さいcfDNA断片の比、及びcfDNA断片のカバレッジが挙げられる。いくつかの態様では、cfDNA断片化プロファイルは、ゲノム全体のcfDNAプロファイル(例えば、ゲノムにわたるウィンドウにおけるゲノム全体のcfDNAプロファイル)であり得る。いくつかの態様では、cfDNA断片化プロファイルは、標的領域プロファイルであり得る。標的領域は、ゲノムの任意の適切な部分(例えば、染色体領域)であり得る。それについて本明細書に記載されるようにcfDNA断片化プロファイルが決定され得る染色体領域の例としては、限定されないが、染色体の部分(例えば、2q、4p、5p、6q、7p、8q、9q、10q、11q、12q、及び/又は14qの部分)並びに染色体アーム(例えば、8q、13q、11q、及び/又は3pの染色体アーム)が挙げられる。いくつかの場合では、cfDNA断片化プロファイルは、2つ以上の標的領域プロファイルを含み得る。
様々な態様では、試料から取得されたcfDNAが単離され、特定のサイズ範囲の断片が分析において利用される。いくつかの態様では、分析することは、約10、50、100又は105bp未満の断片サイズ、及び約220、250、300、350bp以上を超える断片サイズを除外する。いくつかの態様では、分析することは、105bp未満の断片サイズ及び170bpを超える断片サイズを除外する。いくつかの態様では、分析することは、約230、240、250、260bp未満の断片サイズ、及び約420、430、440、450bp以上を超える断片サイズを除外する。いくつかの態様では、分析することは、260bp未満の断片サイズ及び440bpを超える断片サイズを除外する。
いくつかの態様では、cfDNA断片化プロファイルは、cfDNA断片を含む対象からの試料を配列決定ライブラリに処理することと、配列決定ライブラリを低カバレッジ全ゲノム配列決定に供して、配列決定された断片を取得することと、配列決定された断片をゲノムに対してマッピングして、マッピングされた配列のウィンドウを取得することと、マッピングされた配列のウィンドウを分析して、cfDNA断片長を決定することと、によって決定されたものであり得る。
いくつかの態様では、cfDNA断片プロファイルは、対象からcfDNA断片を取得及び単離することと、cfDNA断片を配列決定して、配列決定された断片を取得することと、配列決定された断片をゲノムに対してマッピングして、マッピングされた配列のウィンドウを取得することと、マッピングされた配列のウィンドウを分析して、cfDNA断片長を決定し、cfDNA断片プロファイルを生成することと、によって決定されたものであり得る。
本発明の方法論は、単離されたcfDNAの低カバレッジ全ゲノム配列決定及び分析に基づく。一態様では、本発明の方法論を開発するために使用されるデータは、浅い全ゲノム配列データ(1~2×カバレッジ)に基づく。
いくつかの態様では、マッピングされた配列は、ゲノムをカバーする非重複ウィンドウにおいて分析される。概念的には、ウィンドウは、サイズが数千~数百万塩基の範囲であり得、これは、ゲノムにおいて数百~数千のウィンドウをもたらす。5MbウィンドウがcfDNA断片化パターンを査定するために使用された。なぜなら、これらは、1~2×ゲノムカバレッジの限られた量においてさえウィンドウ当たり20,000を上回るリードを提供するからである。各ウィンドウ内で、cfDNA断片のカバレッジ及びサイズ分布が調べられた。いくつかの態様では、個体からのゲノム全体のパターンは、参照集団と比較されて、パターンが健常でありそうか又はがん由来でありそうかが決定され得る。
特定の態様では、マッピングされた配列は、数十~数千のゲノムウィンドウ、例えば、10、50、100~1,000、5,000、10,000以上のウィンドウを含む。そのようなウィンドウは、非重複又は重複であり得、約100万、200万、300万、400万、500万、600万、700万、800万、900万又は1000万塩基対を含み得る。
様々な態様では、cfDNA断片化プロファイルは、各ウィンドウ内で決定される。したがって、本発明は、対象における(例えば、対象から取得された試料における)cfDNA断片化プロファイルを決定するための方法を提供する。
いくつかの態様では、cfDNA断片化プロファイルは、cfDNA断片長の変化(例えば、変更)を特定するために使用され得る。変更は、ゲノム全体の変更又は1つ以上の標的領域/遺伝子座における変更であり得る。標的領域は、1つ以上のがん特異的変更を含有する任意の領域であり得る。いくつかの態様では、cfDNA断片化プロファイルは、約10の変更~約500の変更(例えば、約25~約500、約50~約500、約100~約500、約200~約500、約300~約500、約10~約400、約10~約300、約10~約200、約10~約100、約10~約50、約20~約400、約30~約300、約40~約200、約50~約100、約20~約100、約25~約75、約50~約250、又は約100~約200、の変更)を特定する(例えば、同時に特定する)ために使用され得る。
様々な態様では、cfDNA断片化プロファイルは、cfDNA断片サイズパターンを含み得る。cfDNA断片は、任意の適切なサイズであり得る。例えば、いくつかの態様では、cfDNA断片は、約50塩基対(bp)~約400bp長であり得る。本明細書に記載されるように、がんを有する対象は、健常な対象における中央値cfDNA断片サイズよりも短い中央値cfDNA断片サイズを含有するcfDNA断片サイズパターンを有し得る。健常な対象(例えば、がんを有しない対象)は、約166.6bp~約167.2bp(例えば、約166.9bp)の中央値cfDNA断片サイズを有するcfDNA断片サイズを有し得る。いくつかの態様では、がんを有する対象は、健常な対象におけるcfDNA断片サイズよりも、平均して、約1.28bp~約2.49bp(例えば、約1.88bp)短いcfDNA断片サイズを有し得る。例えば、がんを有する対象は、約164.11bp~約165.92bp(例えば、約165.02bp)の中央値cfDNA断片サイズを有するcfDNA断片サイズを有し得る。
いくつかの態様では、ジヌクレオソームcfDNA断片は、約230塩基対(bp)~約450bp長であり得る。本明細書に記載されるように、がんを有する対象は、健常な対象における中央値ジヌクレオソームcfDNA断片サイズよりも短い中央値ジヌクレオソームcfDNA断片サイズを含有するジヌクレオソームcfDNA断片サイズパターンを有し得る。いくつかの態様では、平均して、がんを有しない対象は、ジヌクレオソーム範囲におけるより長いcfDNA断片(334.75bpの平均サイズ)を有し、一方、がんを有する対象は、より短いジヌクレオソームcfDNA断片(329.6bpの平均サイズ)を有する。したがって、健常な対象(例えば、がんを有しない対象)は、約334.75bpの中央値cfDNA断片サイズを有するジヌクレオソームcfDNA断片サイズを有し得る。いくつかの態様では、がんを有する対象は、健常な対象におけるジヌクレオソームcfDNA断片サイズよりも短いジヌクレオソームcfDNA断片サイズを有し得る。例えば、がんを有する対象は、約329.6bpの中央値cfDNA断片サイズを有するジヌクレオソームcfDNA断片サイズを有し得る。
cfDNA断片化プロファイルは、cfDNA断片サイズ分布を含み得る。本明細書に記載されるように、がんを有する対象は、健常な対象におけるcfDNA断片サイズ分布よりも可変性のcfDNAサイズ分布を有し得る。いくつかの態様では、サイズ分布は、標的領域内にあり得る。健常な対象(例えば、がんを有しない対象)は、約1又は約1未満の標的領域cfDNA断片サイズ分布を有し得る。いくつかの態様では、がんを有する対象は、健常な対象における標的領域cfDNA断片サイズ分布よりも長い(例えば、10、15、20、25、30、35、40、45、50bp以上長い、又はこれらの数の間の任意の数の塩基対)標的領域cfDNA断片サイズ分布を有し得る。いくつかの態様では、がんを有する対象は、健常な対象における標的領域cfDNA断片サイズ分布よりも短い(例えば、10、15、20、25、30、35、40、45、50bp以上短い、又はこれらの数の間の任意の数の塩基対)標的領域cfDNA断片サイズ分布を有し得る。いくつかの態様では、がんを有する対象は、健常な対象における標的領域cfDNA断片サイズ分布よりも約47bp小さい~約30bp長い標的領域cfDNA断片サイズ分布を有し得る。いくつかの態様では、がんを有する対象は、平均して、10、11、12、13、14、15、15、17、18、19、20bp以上のcfDNA断片の長さの差の標的領域cfDNA断片サイズ分布を有し得る。例えば、がんを有する対象は、平均して、約13bpのcfDNA断片の長さの差の標的領域cfDNA断片サイズ分布を有し得る。いくつかの態様では、サイズ分布は、ゲノム全体のサイズ分布であり得る。
cfDNA断片化プロファイルは、大きいcfDNA断片に対する小さいcfDNA断片の比、及び参照断片比に対する断片比の相関を含み得る。本明細書で使用される場合、大きいcfDNA断片に対する小さいcfDNA断片の比に関して、小さいcfDNA断片は、約100bp長~約150bp長であり得る。本明細書で使用される場合、大きいcfDNA断片に対する小さいcfDNA断片の比に関して、大きいcfDNA断片は、約151bp長~220bp長であり得る。本明細書に記載されるように、がんを有する対象は、健常な対象におけるよりも低い(例えば、2倍低い、3倍低い、4倍低い、5倍低い、6倍低い、7倍低い、8倍低い、9倍低い、10倍低い、又はそれ以上低い)断片比の相関(例えば、1人以上の健常な対象からのDNA断片比などの参照DNA断片比に対するcfDNA断片比の相関)を有し得る。健常な対象(例えば、がんを有しない対象)は、約1(例えば、約0.96)の断片比の相関(例えば、1人以上の健常な対象からのDNA断片比などの参照DNA断片比に対するcfDNA断片比の相関)を有し得る。いくつかの態様では、がんを有する対象は、健常な対象における断片比の相関(例えば、1人以上の健常な対象からのDNA断片比などの参照DNA断片比に対するcfDNA断片比の相関)よりも、平均して、約0.19~約0.30(例えば、約0.25)低い断片比の相関(例えば、1人以上の健常な対象からのDNA断片比などの参照DNA断片比に対するcfDNA断片比の相関)を有し得る。
本発明の方法論は、cfDNA断片化プロファイルに基づいてスコア(例えば、DELFIスコア)を計算することを更に含む。いくつかの態様では、スコアを計算することは、i)試料の長いcfDNA断片に対する短いcfDNA断片の比を決定することと、ii)染色体アームによって試料のcfDNA断片についてのZスコアを決定することと、iii)計算混合モデル分析を使用してcfDNA断片密度を定量化することと、iv)機械学習モデルを使用して、i)~iii)の出力を処理して、スコアを規定することと、を含む。様々な態様では、スコアは、対象の全生存の可能性を決定するために利用される。
1つの例示的な例(実施例1)では、複数がんコホートにおいて、本発明者らは、低カバレッジ全ゲノム配列決定から、各個体について、5MBビンによる長い断片に対する短い断片の比、染色体アームによるZスコア、及びcfDNA断片サイズの混合モデルを計算した。これらの特徴を入力として使用して、本発明者らは、交差検証された勾配ブーステッドマシン(gradient boosted machine)を各人のがん状態(がん/がん無し)に適合させる。このモデルの出力は、0~1の範囲のスコアであり、高い数はがんのより強いシグナルを示し、低い数は非がんへのより大きい類似性を示す。一旦完了すると、がんの診断を有する試料のみが保持される。
いくつかの態様では、出力されたスコアは、以下のように分析される。フォローアップ時間(フォローアップ終了時に患者が生存していようとなかろうと)、及び上記の機械学習モデルからのスコアを使用して、cfDNAの断片化と生存との関連性が決定された。図5に示されるように、がんを有する個体における高スコア対低スコアのカプランマイヤー曲線における強い分離が決定された。加えて、このスコアの他の臨床的特徴からの独立性は、スコア、がんのステージ、及び患者の年齢に回帰する、コックス比例ハザードモデルを適合させることによって評価された。
図5を参照すると、上で考察されたように、計算されたDELFIスコアは、高スコア(>0.5)対低スコア(<0.5)を規定するために使用されるカットオフ値にかかわらず、がん(肺がんを除外する)を有する個体の表されたカプランマイヤー曲線を分離する。各パネルの上部にある数字は、決定されたカットオフ値を示す。
図6は、2つの設定におけるコックス比例ハザードモデルの結果を示す。第1の設定(プロットの左パネル)において、DELFIスコアは連続的として扱われる。第2の設定(プロットの右パネル)において、DELFIスコアは高(>0.5)又は低(<0.5)のいずれかとして扱われる。いずれの設定においても、DELFIスコアは、採血時の年齢及びステージについて調整したときでさえ、生存の強い予測因子である。ステージは、ステージ1に対して相対的であることに留意されたい。
本発明の記載される方法及びシステムは、対象におけるがん状態を検出、予測、治療及び/又はモニタリングするのに有用である。哺乳動物などの、任意の適切な対象は、本明細書に記載されるように評価、モニタリング、及び/又は治療され得る。本明細書に記載されるように評価、モニタリング、及び/又は治療され得るいくつかの哺乳動物の例としては、限定されないが、ヒト、サルなどの霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、マウス、及びラットが挙げられる。例えば、がんを有するか、又は有する疑いのあるヒトは、本明細書に記載される方法を使用して評価され得、任意選択で、本明細書に記載されるように1つ以上のがん治療で治療され得る。
任意の適切な型のがんを有するか、又は有する疑いのある対象は、本明細書に記載される方法及びシステムを使用して評価及び/又は治療され得る(例えば、対象に1つ以上のがん治療を施すことによって)。がんは、任意のステージのがんであり得る。いくつかの態様では、がんは、早期ステージのがんであり得る。いくつかの態様では、がんは、無症候性がんであり得る。いくつかの態様では、がんは、残存疾患及び/又は再発(例えば、外科的切除後及び/又はがん治療後の)であり得る。がんは、任意の型のがんであり得る。本明細書に記載されるように評価、モニタリング、及び/又は治療され得るがんの型の例としては、限定されないが、肺がん、結腸直腸がん、前立腺がん、乳がん、膵がん、胆管がん、肝がん、CNSがん、胃がん、食道がん、消化管間質腫瘍(GIST)、子宮がん、及び卵巣がんが挙げられる。追加の型のがんとしては、限定されないが、骨髄腫、多発性骨髄腫、B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、リンパ性白血病、白血病、及び骨髄性白血病が挙げられる。いくつかの態様では、がんは、固形腫瘍である。いくつかの態様では、がんは、肉腫、がん腫、又はリンパ腫である。いくつかの態様では、がんは、肺がん、結腸直腸がん、前立腺がん、乳がん、膵がん、胆管がん、肝がん、CNSがん、胃がん、食道がん、消化管間質腫瘍(GIST)、子宮がん、又は卵巣がんである。いくつかの態様では、がんは、血液がんである。いくつかの態様では、がんは、骨髄腫、多発性骨髄腫、B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、リンパ性白血病、白血病、又は骨髄性白血病である。
本明細書に記載されるようにがんを有するか、又は有する疑いのある対象を治療するときに、対象は、1つ以上のがん治療を施され得る。がん治療は、任意の適切ながん治療であり得る。本明細書に記載される1つ以上のがん治療は、任意の適切な頻度で(例えば、数日~数週間の範囲の期間にわたって1回又は複数回)対象に施され得る。がん治療の例としては、限定されないが、外科的介入、アジュバント化学療法、ネオアジュバント化学療法、放射線療法、ホルモン療法、細胞障害療法、免疫療法、養子T細胞療法(例えば、キメラ抗原受容体及び/又は野生型若しくは改変T細胞受容体を有するT細胞)、キナーゼ阻害剤(例えば、転座又は変異などの、特定の遺伝子病変を標的とするキナーゼ阻害剤)、(例えば、キナーゼ阻害剤、抗体、二重特異性抗体)、シグナル伝達阻害剤、二重特異性抗体又は抗体断片(例えば、BiTE)、モノクローナル抗体、免疫チェックポイント阻害剤の投与などの標的療法、外科手術(例えば、外科的切除)、あるいは上記の任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの態様では、がん治療は、がんの重症度を低下させ得る、がんの症状を低下させ得る、及び/又は対象内に存在するがん細胞の数を低下させ得る。
いくつかの態様では、がん治療は、化学療法剤であり得る。化学療法剤の非限定的な例としては、アムサクリン、アザシチジン、アキサチオプリン(axathioprine)、ベバシズマブ(又はその抗原結合断片)、ブレオマイシン、ブスルファン、カルボプラチン、カペシタビン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エルロチニブ塩酸塩、エトポシド、フィウダラビン(fiudarabine)、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトルキサート(methotrxate)、マイトマイシン、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、プロカルバジン、オールトランスレチノイン酸、ストレプトゾシン、タフルポシド、テモゾロミド、テニポシド、チオグアニン、トポテカン、ウラムスチン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。抗がん治療の追加の例は、当該技術分野において知られている。例えば、米国臨床腫瘍学会(ASCO)、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)、又は全米総合がん情報ネットワーク(NCCN)からの治療のためのガイドラインを参照されたい。
本明細書に記載されるようにがんを有するか、又は有する疑いのある対象をモニタリングするときに、モニタリングは、がん治療の過程の前、間、及び/又は後であり得る。本明細書で提供されるモニタリングの方法は、1つ以上のがん治療の有効性を決定するため、かつ/又はモニタリングの増加について対象を選択するために使用され得る。
いくつかの態様では、モニタリングは、1つ以上のがん治療(例えば、1つ以上のがん治療の有効性)をモニタリングすることができる従来の技術を含み得る。いくつかの態様では、モニタリングの増加について選択された対象は、モニタリングの増加について選択されていない対象と比較して、増加した頻度で診断試験(例えば、本明細書に開示される診断試験のいずれか)を施され得る。例えば、モニタリングの増加について選択された対象は、1日2回、毎日、隔週、毎週、隔月、毎月、四半期ごと、半年ごと、毎年の頻度で、又はその中のいずれかの頻度で診断試験を施され得る。
様々な態様では、DNAは、対象から取られた生体試料中に存在し、本発明の方法論において使用される生体試料は、DNAを含む実質的に任意の型の生体試料であり得る。生体試料は、典型的には、流体、例えば、全血又は循環cfDNAを含むその部分である。実施形態では、試料は、腫瘍又は液体生検、例えば、限定されないが、羊水、房水、硝子体液、血液、全血、分画血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳糜、チャイム(chime)、内リンパ、外リンパ、糞便、呼吸、胃酸、胃液、リンパ、粘液(鼻漏及び痰を含む)、心膜液、腹水、胸水、膿、粘膜分泌物、唾液、呼気凝縮液、皮脂、精液、痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、前立腺液、乳頭吸引液、涙液、発汗、チークスワブ、細胞溶解物、胃腸液、生検組織並びに尿又は他の生体液からのDNAを含む。一態様では、試料は、循環腫瘍細胞からのDNAを含む。
上記で開示されるように、生体試料は、血液試料であり得る。血液試料は、指穿刺又は静脈切開などの、当該技術分野において知られている方法を使用して取得され得る。好適には、血液試料は、およそ0.1~20ml、又は代替的におよそ1~15mlであり、血液の体積は、およそ10mlである。より小さい量もまた使用され得、血液中の循環遊離DNAも同様である。DNAを含有する体液の針生検、カテーテル、排泄又は産生によるマイクロサンプリング及びサンプリングもまた、可能性のある生体試料供給源である。
本開示の方法及びシステムは、核酸配列情報を利用し、したがって、核酸増幅、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ナノポア配列決定、454配列決定、挿入タグ配列決定を含む、核酸配列決定を行うための任意の方法又は配列決定デバイスを含み得る。いくつかの態様では、本開示の方法論又はシステムは、Illumina,Inc、(HiSeq(商標)X10、HiSeq(商標)1000、HiSeq(商標)2000、HiSeq(商標)2500、Genome Analyzers(商標)、MiSeq(商標)、NextSeq、NovaSeq 6000システムを含むが、これらに限定されない)、Appplied Bioiosystems Life Techenologies(SOLiD(商標)System、Ion PGM(商標)Sequencer、Ion Proton(商標)Sequencer)又はGenapsys又はBGI MGIによって提供されるものなどのシステム及び他のシステムを利用する。核酸分析はまた、Oxford Nanopore Technologies(GridiON(商標)、MiniON(商標))又はPacific Biosciences(Pacbio(商標)RS II又はSequel I若しくはII)によって提供されるシステムによって実施され得る。
本発明は、開示される方法のステップを行うためのシステムを含み、機能的構成要素及び様々な処理ステップの観点から部分的に記載される。そのような機能的構成要素及び処理ステップは、特定された機能を行い、様々な結果を達成するように構成された任意の数の構成要素、操作及び技術によって実現され得る。例えば、本発明は、様々な生体試料、バイオマーカー、要素、材料、コンピュータ、データソース、記憶システム及び媒体、情報収集技術及びプロセス、データ処理基準、統計分析、回帰分析などを用い得、これらは種々の機能を実施し得る。
したがって、本発明は、がんを検出、分析、及び/又は評価するためのシステムを更に提供する。様々な態様では、システムは、(a)試料についての低カバレッジ全ゲノム配列決定データセットを生成するように構成されたシーケンサーと、(b)本発明の方法を行うための機能性を有するコンピュータシステム及び/又はプロセッサと、を含む。
いくつかの態様では、コンピュータシステムは、1つ以上の追加のモジュールを更に含む。例えば、システムは、好適な遺伝子構成要素分析、例えば、特定のサイズのcfDNA断片を選択するように操作可能な抽出及び/又は単離ユニットを1つ以上含み得る。
いくつかの態様では、コンピュータシステムは、視覚的表示デバイスを更に含む。視覚的表示デバイスは、カーブフィットライン、参照カーブフィットライン、及び/又は両方の比較を表示するように操作可能であり得る。
本発明の様々な態様による検出及び分析のための方法は、任意の好適な様式で、例えば、コンピュータシステム上で操作するコンピュータプログラムを使用して、実装され得る。本明細書で考察されるように、例示的なシステムは、本発明の様々な態様によれば、コンピュータシステム、例えば、プロセッサ及びランダムアクセスメモリを含む従来のコンピュータシステム、例えば、リモートアクセス可能なアプリケーションサーバ、ネットワークサーバ、パーソナルコンピュータ、又はワークステーションと併せて実装され得る。コンピュータシステムはまた、好適には、追加のメモリデバイス又は情報記憶システム、例えば、大容量記憶システム及びユーザインタフェース、例えば、従来のモニタ、キーボード及びトラッキングデバイスを含む。しかしながら、コンピュータシステムは、任意の好適なコンピュータシステム及び不随する装置を含み得、任意の好適な様式で構成され得る。一実施形態では、コンピュータシステムは、スタンドアロンシステムを含む。別の実施形態では、コンピュータシステムは、サーバ及びデータベースを含むコンピュータのネットワークの一部である。
情報を受信、処理、及び分析するために必要とされるソフトウェアは、単一のデバイス中に実装され得るか、又は複数のデバイス中に実装され得る。ソフトウェアは、情報の記憶及び処理がユーザに関してリモートで行われるように、ネットワークを介してアクセス可能であり得る。本発明の様々な態様によるシステム及びその様々な要素は、検出及び/又は分析を容易にするための機能及び操作、例えば、データ収集、処理、分析、報告、及び/又は診断を提供する。例えば、本態様では、コンピュータシステムは、ヒトゲノム又はその領域に関連する情報を受信、記憶、検索、分析、及び報告し得る、コンピュータプログラムを実行する。コンピュータプログラムは、生データを処理し、補足データを生成するための処理モジュール、並びに生データ及び補足データを分析して、疾患状態モデル及び/又は診断情報の定量的評価を生成するための分析モジュールなどの、様々な機能又は操作を行う複数のモジュールを含み得る。
システムによって行われる手順は、分析及び/又はがん診断を容易にするための任意の好適なプロセスを含み得る。一実施形態では、システムは、患者における疾患状態モデルを確立する、かつ/又は疾患状態を決定するように構成される。疾患状態を決定又は特定することは、疾患に関連性のある患者の状況に関する任意の有用な情報を生成すること、例えば、診断を行うこと、診断の助けになる情報を提供すること、疾患のステージ又は進行を評価すること、疾患に対する感受性を示し得る状況を特定すること、更なる検査が推奨され得るかどうかを特定すること、1つ以上の治療プログラムの有効性を予測及び/若しくは評価すること、又はそうでなければ疾患状態、疾患の可能性、若しくは患者の他の健康面を評価することを含み得る。
以下の実施例は、本発明の利点及び特徴を更に例証するために提供されるが、本発明の範囲を限定することは意図されない。本実施例は、使用され得るものの特色をよく示しているが、当業者に知られている他の手順、方法論、又は技術は、代替的に使用され得る。
実施例1
前向き診断コホートにおけるゲノム全体のcfDNA断片化を使用するがんの検出
ゲノム全体のcfDNA断片化パターンは、がんを有する個体及びがんを有しない個体からの血漿試料の間で高い感度及び特異性で区別することが実証されている。
本実施例では、本開示の方法論を利用して、がんを検出し、全患者生存を予測した。
研究の目的は、計算スコアリングスキームを使用することによって複数の異なる固形腫瘍を検出し、全患者生存を予測するための血液ベースのスクリーニング試験としてのcfDNA断片化アッセイを査定することであった。
方法
血漿試料:がんの非臓器特異的な徴候及び症状に起因してDiagnostic Outpatient Clinic of the Herlev and Gentofte Hospital(Copenhagen University Hospital,Copenhagen,Denmark)に照会された281人の患者から試料を採取した。
cfDNA断片化アプローチ:cfDNA断片化アプローチを図1に要約する。cfDNAを、血漿から抽出し、配列決定ライブラリに処理し、低カバレッジ全ゲノム配列決定(WGS)によって調べ、ゲノムに対してマッピングし、分析して、ゲノムにわたるcfDNA断片化プロファイルを決定した。
機械学習を使用して、DELFIスコアを生成し、個体を健常であるか又はがんを有するとして分類し、全体患者生存を予測した。
結果
がんの非侵襲的な検出のためのcfDNA断片化アッセイの性能:3ヶ月の組み入れの内に、74人の患者が16の異なる固形がんのうちの1つと診断され、一方、207人の患者はがんを有しなかった。追加の結果を図2に示す。10反復、10分割交差検証を使用して決定した局所性及び転移性がんについて並びに結腸直腸、肺及び全ての他のがんの全てのステージについての曲線下面積(AUC)。
がん検出のためのcfDNA断片化アッセイの全体的な性能:結果を図3に要約する。ステージI~IVのがんを有する74人の個体及び207人の非がん対照の分析についての受信者操作特性(ROC)のAUC。
DELFIスコアによる生存:図4に示すように、より高いDELFIスコアは、がんのステージ又は他の臨床的特性とは無関係に、全生存の低下と関係付けられた。図4は、DELFIスコアと相関される対象の生存を示す。より高いDELFIスコアは、がんのステージ又は他の臨床的特性とは無関係に、全生存の低下と関係付けられた。
結論
前向きに登録された個体の本研究は、がんを有する個体とがんを有しない個体との間で区別するcfDNA断片化アッセイの能力を実証した。本発明のアッセイは、低カバレッジWGSから取得された断片化関連情報のみを使用して、複数がん設定における高い性能を示した。
結果は、機械学習モデルが、cfDNA断片化プロファイルを使用して、一般的な非悪性状況(心血管、自己免疫、又は炎症性疾患を含む)の存在にもかかわらず、がんと非がんとの間で識別し得ることを示唆する。加えて、より高いDELFIスコアを有する個体は、他の特性とは無関係に、より悪い予後を有した。
これらのデータは、単一がん及び複数がんの両方の非侵襲的な検出のためのゲノム全体のcfDNA断片化分析の開発を支持する。
本発明を上記の実施例を参照して記載してきたが、改変及び変形が本発明の趣旨及び範囲内に包含されることを理解されたい。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (59)

  1. 対象におけるがんを検出する方法であって、
    a)前記対象からの試料の無細胞DNA(cfDNA)断片化プロファイルを決定する工程であって、前記cfDNA断片化プロファイルが、
    前記対象からcfDNA断片を取得及び単離することと、
    前記cfDNA断片を配列決定して、配列決定された断片を取得することと、
    前記配列決定された断片をゲノムに対してマッピングして、マッピングされた配列のウィンドウを取得することと、
    前記マッピングされた配列のウィンドウを分析して、cfDNA断片長を決定し、前記cfDNA断片化プロファイルを生成することと
    によって決定される、決定する工程;及び
    b)前記cfDNA断片化プロファイルに基づいてスコアを計算することによって、前記対象を、がんを有するか又はがんを有しないとして分類する工程であって、前記スコアは、前記対象におけるがんの存在の可能性を示し、それによって、前記対象におけるがんを検出する、分類する工程
    を含む、方法。
  2. 前記スコアを計算することが、
    i)長いcfDNA断片に対する短いcfDNA断片の比を決定することと、
    ii)染色体アームによって前記cfDNA断片についてのZスコアを決定することと、
    iii)計算混合モデル分析を使用してcfDNA断片密度を定量化することと、
    iv)機械学習モデルを使用して、i)~iii)の出力を処理して、前記スコアを規定することと
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記スコアが、0~1の範囲を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記対象における前記がんの存在の可能性が、スコア値の増加とともに増加する、請求項3に記載の方法。
  5. がんを有するとして分類された対象について、前記スコアに基づいて前記対象の全生存の可能性を決定する工程を更に含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記対象の前記全生存の可能性が、スコア値の増加とともに減少する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記スコアを高スコア又は低スコアとして分類する工程を更に含み、
    高スコアは0.5を超える値を有し、低スコアは0.5未満の値を有し、高スコアは前記対象の全生存の低下を示す、
    請求項6に記載の方法。
  8. 配列決定することが、前記cfDNA断片を低カバレッジ全ゲノム配列決定に供して、前記配列決定された断片を取得することを含む、請求項1に記載の方法。
  9. cfDNA断片を単離することが、105bp未満の断片サイズ及び170bpを超える断片サイズを除外することを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記マッピングされた配列のウィンドウが、数十~数千のウィンドウを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記ウィンドウが、非重複ウィンドウである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記ウィンドウが、各々、約500万塩基対を含む、請求項11に記載の方法。
  13. cfDNA断片化プロファイルが、各ウィンドウ内で決定される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記cfDNA断片化プロファイルが、前記マッピングされた配列のウィンドウにおける大きいcfDNA断片に対する小さいcfDNA断片の比を含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記cfDNA断片化プロファイルが、前記ゲノムにわたるウィンドウにおける小さいcfDNA断片及び大きいcfDNA断片の配列カバレッジを含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記cfDNA断片化プロファイルが、全ゲノムにわたる、請求項1に記載の方法。
  17. 前記cfDNA断片化プロファイルが、サブゲノム区間にわたる、請求項1に記載の方法。
  18. 分類する工程が、前記cfDNA断片化プロファイルを参照cfDNA断片化と比較することを含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記参照cfDNA断片化プロファイルが、健常な対象のcfDNA断片化プロファイルである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記がんが、固形腫瘍である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記がんが、肉腫、がん腫、又はリンパ腫である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記がんが、結腸直腸がん、前立腺がん、乳がん、膵がん、胆管がん、肝がん、CNSがん、胃がん、食道がん、消化管間質腫瘍(GIST)、子宮がん、及び卵巣がんからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
  23. 前記がんが、血液がんである、請求項1に記載の方法。
  24. 前記がんが、骨髄腫、多発性骨髄腫、B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、リンパ性白血病、白血病、及び骨髄性白血病からなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記対象にがん治療を施す工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  26. 前記がん治療が、外科手術、アジュバント化学療法、ネオアジュバント化学療法、放射線療法、ホルモン療法、細胞障害性療法、免疫療法、養子T細胞療法、標的療法、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
  27. がんを有する対象の全生存を決定する方法であって、
    a)前記対象からの試料の無細胞DNA(cfDNA)断片化プロファイルを決定する工程;
    b)前記cfDNA断片化プロファイルに基づいてスコアを計算する工程であって、前記スコアを計算することは、
    i)前記試料の長いcfDNA断片に対する短いcfDNA断片の比を決定することと、
    ii)染色体アームによって前記試料のcfDNA断片についてのZスコアを決定することと、
    iii)計算混合モデル分析を使用してcfDNA断片密度を定量化することと、
    iv)機械学習モデルを使用して、i)~iii)の出力を処理して、前記スコアを規定することと
    を含む、計算する工程;及び
    c)前記スコアに基づいて前記対象の全生存の可能性を決定し、それによって、前記対象の全生存を決定する工程
    を含む、方法。
  28. 前記スコアが、0~1の範囲を有する、請求項27に記載の方法。
  29. 前記対象の前記全生存の可能性が、スコア値の増加とともに減少する、請求項28に記載の方法。
  30. 前記スコアを高スコア又は低スコアとして分類する工程を更に含み、
    高スコアは0.5を超える値を有し、低スコアは0.5未満の値を有し、高スコアは前記対象の全生存の低下を示す、
    請求項29に記載の方法。
  31. 前記cfDNA断片化プロファイルが、
    前記対象からcfDNA断片を取得及び単離することと、
    前記cfDNA断片を配列決定して、配列決定された断片を取得することと、
    前記配列決定された断片をゲノムに対してマッピングして、マッピングされた配列のウィンドウを取得することと、
    前記マッピングされた配列のウィンドウを分析して、cfDNA断片長を決定し、前記cfDNA断片化プロファイルを生成することと
    によって決定される、請求項27に記載の方法。
  32. 配列決定することが、前記cfDNA断片を低カバレッジ全ゲノム配列決定に供して、前記配列決定された断片を取得することを含む、請求項31に記載の方法。
  33. cfDNA断片を単離することが、105bp未満の断片サイズ及び170bpを超える断片サイズを除外することを含む、請求項31に記載の方法。
  34. 前記マッピングされた配列のウィンドウが、数十~数千のウィンドウを含む、請求項31に記載の方法。
  35. 前記ウィンドウが、非重複ウィンドウである、請求項34に記載の方法。
  36. 前記ウィンドウが、各々、約500万塩基対を含む、請求項35に記載の方法。
  37. cfDNA断片化プロファイルが、各ウィンドウ内で決定される、請求項36に記載の方法。
  38. 前記cfDNA断片化プロファイルが、前記マッピングされた配列のウィンドウにおける大きいcfDNA断片に対する小さいcfDNA断片の比を含む、請求項31に記載の方法。
  39. 前記cfDNA断片化プロファイルが、前記ゲノムにわたるウィンドウにおける小さいcfDNA断片及び大きいcfDNA断片の配列カバレッジを含む、請求項31に記載の方法。
  40. 前記cfDNA断片化プロファイルが、全ゲノムにわたる、請求項31に記載の方法。
  41. 前記cfDNA断片化プロファイルが、サブゲノム区間にわたる、請求項31に記載の方法。
  42. 前記がんが、固形腫瘍である、請求項27に記載の方法。
  43. 前記がんが、肉腫、がん腫、又はリンパ腫である、請求項42に記載の方法。
  44. 前記がんが、肺がん、結腸直腸がん、前立腺がん、乳がん、膵がん、胆管がん、肝がん、CNSがん、胃がん、食道がん、消化管間質腫瘍(GIST)、子宮がん、及び卵巣がんからなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
  45. 前記がんが、血液がんである、請求項27に記載の方法。
  46. 前記がんが、骨髄腫、多発性骨髄腫、B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、リンパ性白血病、白血病、及び骨髄性白血病からなる群から選択される、請求項45に記載の方法。
  47. 前記対象にがん治療を施す工程を更に含む、請求項27に記載の方法。
  48. 前記がん治療が、外科手術、アジュバント化学療法、ネオアジュバント化学療法、放射線療法、ホルモン療法、細胞障害性療法、免疫療法、養子T細胞療法、標的療法、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
  49. がんを有する対象を治療する方法であって、
    a)請求項1~19のいずれか一項に記載の方法を使用して前記対象におけるがんを検出する工程、又は請求項27~41のいずれか一項に記載の方法を使用して前記対象の全生存を決定する工程;及び
    b)前記対象にがん治療を施し、それによって、前記対象を治療する工程
    を含む、方法。
  50. 前記がんが、固形腫瘍である、請求項49に記載の方法。
  51. 前記がんが、肉腫、がん腫、又はリンパ腫である、請求項50に記載の方法。
  52. 前記がんが、肺がん、結腸直腸がん、前立腺がん、乳がん、膵がん、胆管がん、肝がん、CNSがん、胃がん、食道がん、消化管間質腫瘍(GIST)、子宮がん、及び卵巣がんからなる群から選択される、請求項50に記載の方法。
  53. 前記がんが、血液がんである、請求項49に記載の方法。
  54. 前記がんが、骨髄腫、多発性骨髄腫、B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、リンパ性白血病、白血病、及び骨髄性白血病からなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
  55. 前記がん治療が、外科手術、アジュバント化学療法、ネオアジュバント化学療法、放射線療法、ホルモン療法、細胞障害性療法、免疫療法、養子T細胞療法、標的療法、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項49に記載の方法。
  56. 前記対象が、ヒトである、請求項47に記載の方法。
  57. 対象におけるがんをモニタリングする方法であって、
    a)請求項1~19のいずれか一項に記載の方法を使用して前記対象におけるがんを検出する工程、又は請求項27~41のいずれか一項に記載の方法を使用して前記対象の全生存を決定する工程;
    b)前記対象にがん治療を施す工程;及び
    c)前記がん治療が施された後に、請求項27~41のいずれか一項に記載の方法を使用して前記対象の全生存を決定し、それによって、前記対象におけるがんをモニタリングする工程
    を含む、方法。
  58. コンピュータプログラムで符号化された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
    前記プログラムは、
    1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、前記1つ以上のプロセッサに、請求項1~24又は27~46のいずれか一項に記載の方法を行うための操作を行わせる、命令
    を含む、
    非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  59. メモリと、前記メモリに結合された1つ以上のプロセッサとを含む、コンピューティングシステムであって、前記1つ以上のプロセッサは、請求項1~24又は27~46のいずれか一項に記載の方法を行うための操作を行うように構成されている、コンピューティングシステム。
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