JP2024514409A - プラズマ処理のための高速中性粒子発生 - Google Patents

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Abstract

プラズマ処理の方法が、第1種と第2種と主要表面を含む基板とを収容しているプラズマ処理チャンバ内で電気陽性プラズマのグローフェーズを発生させるステップと、電気陽性プラズマの電子を第2種の原子又は分子と結合させることにより、プラズマ処理チャンバ内で電気陽性プラズマのアフターグローフェーズ中に電気陰性プラズマを発生させるステップと、を含む。電気陽性プラズマは、第1種の正イオンと電子とを含む。電気陰性プラズマは、正イオンと第2種の負イオンとを含む。本方法は更に、アフターグローフェーズにおいて、基板に負バイアス電圧を印加することにより中性粒子を発生させるステップと、基板に非負バイアス電圧を印加するステップと、を循環して実施するステップを含む。中性粒子の平均速度は、基板の主要表面に向けて方向付けられて、その主要表面に対してほぼ垂直である。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照によって完全な形で本明細書に組み込まれている、2021年3月25日に出願された米国仮特許出願第17/212,038号明細書の優先権を主張するものである。
本発明は、全般的にはプラズマ処理に関し、特定の実施形態においては、基板において高速垂直中性粒子を発生させるプラズマ処理の方法、装置、及びシステムに関する。
マイクロエレクトロニクスワークピース内でのデバイス製造は、基板上の多くの材料層の形成、パターニング、及び除去を含む一連の製造技術が関与しうる。マイクロエレクトロニクスの製造プロセス、機能、及び性能の改善は、常に絶え間なく推し進められている。こうした改善は、新規の化学開発並びに新規の先進的なプロセス制御方法を必要とする場合がある。
プラズマ処理は、半導体デバイス製造において、成膜及びエッチング等の様々な製造技術に用いられる。パルスプラズマ処理方法は、電源電力及び/又はバイアス電力のパルスを利用して、プラズマ処理中に様々なパラメータを制御することが可能である。例えば、無線周波数(RF)電力又は直流(DC)電力がパルス化されてよい。RF電力は、バイアスパルスを電極に印加する場合等にDCオフセットと組み合わされてもよい。特定の状況下では(例えば、インピーダンスマッチングネットワークにおいてブロッキングキャパシタを使用している場合)、電力を供給されている電極には時間とともに負DC自己バイアス電圧が蓄積されうる。
プラズマは、処理チャンバ内で混ざり合っている様々な種を含みうる。更に、プラズマの中の各々の種は、様々なプラズマ生成物(例えば、イオン、ラジカル、電子、及び解離生成物)を生成しうる。各々の種のプラズマ生成物は、様々な特性を有しうるとともに、様々な目的でプラズマ中に含まれうる。例えば、様々な種のプラズマ生成物は、様々な化学的特性を有しうる(例えば、処理中の基板の様々な材料、又はプラズマ中の様々な種に応じて様々な反応性を有しうる)。更に、プラズマ中の様々な種は、イオン形成の違いにつながる様々な電気陰性度及びイオン化エネルギを有しうる。種は、様々な様式で表面に接近しうる。荷電粒子は、シース内で加速されて、向上した垂直性で表面に対して垂直に方向付けられることが可能である。これらの種は、異方性角度分布を有するとされている。これに対し、中性種は、単位立体角毎に等確率で表面に接近する。これらは、等方性角度分布を有するとされている。
メモリデバイス及びロジックデバイスの製造のように高アスペクト比を適用する場合にはプロファイル制御が重要でありうる。高アスペクト比フィーチャにおいて不均一帯電(differential charging)が起こると、イオンファンニング等の作用により、イオン垂直性が低下し、アスペクト比が減少する可能性がある。更に、エッチングプロファイルは、低速(等方性)中性粒子が高アスペクト比フィーチャの側面及び底面からフィーチャ自体によってシェーディングされたときに起こりうるラジカルシェーディングから有害な影響を受けうる。
本発明の一実施形態によれば、プラズマ処理の方法が、第1種と第2種と主要表面を含む基板とを収容しているプラズマ処理チャンバ内で電気陽性プラズマのグローフェーズを発生させるステップと、電気陽性プラズマの電子を第2種の原子又は分子と結合させることにより、プラズマ処理チャンバ内で電気陽性プラズマのアフターグローフェーズ中に電気陰性プラズマを発生させるステップと、を含む。電気陽性プラズマは、第1種の正イオンと電子とを含む。電気陰性プラズマは、正イオンと第2種の負イオンとを含む。本方法は更に、アフターグローフェーズにおいて、基板に負バイアス電圧を印加することにより中性粒子を発生させるステップと、基板に非負バイアス電圧を印加するステップと、を循環して実施するステップを含む。中性粒子の平均速度は、基板の主要表面に向けて方向付けられて、その主要表面に対してほぼ垂直である。
本発明の別の実施形態によれば、プラズマ処理の方法が、無線周波数電源電力電極と、無線周波数バイアス電力電極と、無線周波数電源電力電極と無線周波数バイアス電力電極との間に配置された基板とを含むプラズマ処理チャンバに少なくとも2つのガスを流し込むステップを含む。それらのガスは、第1種及び第2種を含む。本方法は更に、それらのガスに無線周波数電源電力を印加して、第1種の正イオン及び電子を発生させるステップと、それらのガスから無線周波数電源電力を除去して、第1種の電子を第2種の原子又は分子と結合させることにより、第2種の負イオンを発生させるステップと、所定の遅延後に、且つ無線周波数電源電力の除去後に、基板に無線周波数バイアス電力を印加して、基板に中性粒子を送達するステップと、を含む。無線周波数バイアス電力は、基板での周波数が約10MHzより低い。
本発明の更に別の実施形態によれば、プラズマ処理装置が、第1種の正イオンと第2種の負イオンとを含む電気陰性プラズマを収容するように構成されたプラズマ処理チャンバと、プラズマ処理チャンバと結合されて、プラズマ処理チャンバ内で電気陽性プラズマを発生させるように構成された電源電力供給装置と、プラズマ処理チャンバ内に配置された主要表面を含む基板と、基板とバイアス電力供給装置との間に結合されたバイアス電力発生回路と、を含む。バイアス電力発生回路は、基板に無線周波数バイアス電圧を印加するように構成されている。電気陽性プラズマは、第1種の正イオンと、第2種と結合して負イオンを形成する電子とを含む。無線周波数バイアス電圧は、負電圧と非負電圧との間で交番する。負電圧は、基板の主要表面に向けて方向付けられた、その主要表面に対してほぼ垂直な速度ベクトルを有する中性粒子を発生させる。
本発明及びその利点をより完全に理解するために、ここからは、以下の説明を添付図面と併せて参照する。図面は以下のとおりである。
本発明の一実施形態による、例示的プラズマ処理方法の概略タイミング図及び対応する定性グラフを示す。 本発明の一実施形態による、高速第1種中性粒子を発生させる、正荷電第1種イオンとバックグラウンド第1種中性粒子との電荷交換衝突の一例の概略図を示す。 本発明の一実施形態による、高速第1種中性粒子を発生させる、負荷電第1種イオンとバックグラウンド第1種中性粒子との電荷交換衝突の一例の概略図を示す。 本発明の一実施形態による、高速第1種中性粒子を発生させる、第1種イオンとバックグラウンド第2種中性粒子との電荷交換衝突の一例の概略図を示す。 本発明の一実施形態による、上部電極と下部電極との間に配置された電気陰性プラズマを含むプラズマ処理システムの一例の概略図を示しており、下部電極に印加された電圧により、下部電極の主要表面に向けて方向付けられた、その主要表面に対してほぼ垂直な平均速度を有する高速中性粒子のカスケードが発生する。 本発明の一実施形態による、プラズマ密度とバイアス電圧周波数との関係の定性グラフであり、シース形成、電子の加熱、及び荷電に関する状況を示している。 本発明の一実施形態による、対称的及び非対称的な電荷交換相互作用におけるイオンエネルギと電荷交換断面積との関係の定性グラフを示す。 本発明の一実施形態による、不均一帯電がある場合とない場合のプラズマエッチング処理中の基板の一例の断面図を示す。 本発明の一実施形態による、ラジカルシェーディングがある場合とない場合のプラズマエッチングプロセス中の基板の一例の断面図を示す。 本発明の一実施形態によるプラズマ処理装置の一例の概略図を示しており、この装置は、上部電極と下部電極との間に配置された電気陰性プラズマを収容するプラズマ処理チャンバを含む。 本発明の一実施形態による、プラズマ処理の方法の一例を示す。 本発明の一実施形態による、プラズマ処理の方法の別の例を示す。
異なる図面間で対応する参照符号は、特段の指示のない限り、対応する要素を概ね参照するものである。図面は、実施形態の関連する態様を明確に示すように描かれており、必ずしも正確な縮尺で描かれているわけではない。図面に描かれるフィーチャのエッジは、フィーチャの範囲の終端を示すものでは必ずしもない。
以下では様々な実施形態の作成及び使用について詳述する。しかしながら、当然のこととして、本明細書に記載の様々な実施形態は、多様な特定の状況において適用可能である。本明細書に記載の特定の実施形態は、様々な実施形態の作成及び使用の特定の様式を例示したものに過ぎず、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
高速中性粒子は、基板帯電及びラジカルシェーディングの望ましくない作用を緩和することが可能である。例えば、基板帯電は、基板の表面に電荷を与えない中性粒子を使用することによって緩和可能である。ラジカルシェーディングの作用は、中性ラジカルの垂直性を高めることによって低減可能である。即ち、バックグラウンド中性粒子は低速(即ち、低温)であってランダムな方向に動くが、これに対して高速中性粒子は規定された方向を有する。例えば、高速中性粒子は、基板表面に対してほぼ垂直な平均速度で基板表面に向けて方向付けられてよい(即ち、垂直であってよい)。その結果、フィーチャ内に深く到達することをシェーディングされる中性粒子は、高速中性粒子が低速バックグラウンド中性粒子より少なくなる。
中性粒子ビームは、高速中性粒子の1つの源である。中性粒子ビームは、イオンを中和するオリフィスを通るプラズマからイオンを抽出することによって形成される。しかしながら、中性粒子ビームは、様々な理由(高コスト、複雑さが増す、基板表面から離れている等)により、現実的なソリューションとは言い難い。そこで、基板表面近くのプラズマから発生する高速中性粒子が望ましいと考えられる。
本明細書に記載の実施形態の方法及びプラズマ処理装置は、プラズマ処理チャンバに収容されている電気陰性プラズマから高速中性粒子を発生させることを可能にする。電気陰性プラズマの一具体例は「イオン-イオン」プラズマであり、これは、同程度の密度の正イオン及び負イオンを含むが自由電子をほとんど含まず(例えば、<10^8cm-3、又はほぼゼロ)、そのためシースが形成されない。高速中性粒子は、プラズマ処理チャンバ内に配置された基板の表面で、基板にバイアス電圧を結合することによって発生する。シースがほとんど又は全くないため、印加電界はチャンバ全体にわたって検知される。様々な実施形態では、バイアス電圧は、バイアス電力パルスとして、適切な周波数で基板に印加されるRFバイアス電圧である。バイアス電圧及び結果として得られる電界は、電気陰性プラズマ中のイオンを基板に向けて加速させ、高速中性粒子を発生させる電荷交換衝突を引き起こす。バイアス電圧によって発生する高速中性粒子は、表面に向けて方向付けられた、表面に対してほぼ垂直な平均速度を有する。
方法及びプラズマ処理装置の実施形態は、従来の方法及び装置を超える様々な利点を有利に提供することが可能である。例えば、高速中性粒子は、基板を含むプラズマ処理チャンバ中の既存のプラズマから有利に発生可能である。高速中性粒子を利用することで、プラズマ処理中の基板帯電(例えば、イオンファンニング)を有益に低減できる。更に、高速中性粒子の垂直性により、プラズマ処理中のラジカルシェーディングを有利に低減できる。基板帯電及び/又はラジカルシェーディングの低減により、フィーチャプロファイルを改善するという所望の利点を提供することが可能である。
様々な実施形態では、RFバイアス電力の印加より、高速中性粒子発生中のシース形成を有利に防ぐことが可能である。有意なシース形成がなければ電荷空乏を防ぐことが可能であり、これによって、プラズマのバルク全体にわたってほぼ均一な電界を維持することが有益に可能になる。また、RFバイアス電力により、単一方向の印加電圧の継続時間を制限することによって基板帯電を有利に防ぐことが可能である。基板において自己バイアスが発生しない実施形態の場合は、これらの利点を更に強化できる。RFバイアス電力を十分低い周波数で印加することにより、電子の加熱を有利に防ぐことが可能である。
幾つかの実施形態では、電気陰性プラズマの電子密度が低いことにより、シースを有意に形成することなく、イオンを加速できる時間を有利に長くすることが可能である。従って、低電子密度により、基板に対する高速中性粒子束を有利に増やすことが可能である。例えば、印加バイアス電圧の継続時間が長くなることにより、同じ初期イオンから、高速イオンとバックグラウンド中性粒子との間の電荷交換衝突を複数回起こすことが可能である。
有意なシースがないことで、電界を受けるプラズマの体積が増えるため、電荷交換衝突の数を有利に増やすことが可能である。従って、電界を受ける体積が増え、バイアス電圧の各印加の継続時間が長くなることにより、高速中性粒子発生の機会を有利に増やすことが可能になり、それによって、基板における高速中性粒子束を有利に増やすことが可能になる。
高速中性粒子束は、様々な制御可能パラメータ(例えば、RFバイアス周波数、バイアス電力、プラズマ密度等)と有利に組み合わせることが可能である。このように、本明細書に記載の実施形態の方法の一利点は、様々な制御可能パラメータを使用して高速中性粒子束の制御を可能にすることであると言える。高速中性粒子束はまた、他の関心対象メトリクス(例えば、イオン束)に対して有利にチューニング可能でありうる。
以下で示す各実施形態では、プラズマ処理の様々な方法、装置、及びシステム、具体的には、基板表面に向けて方向付けられた、基板表面に対してほぼ垂直な高速中性粒子が電気陰性プラズマから発生するプラズマ処理の方法、装置、及びシステムについて説明する。以下の記述では、それらの実施形態を説明する。図1は、一実施形態のプラズマ処理方法の例示的概略タイミング図を示す。図2~4は、高速中性粒子をもたらす電荷交換衝突の幾つかの実施形態を示す。図5は、上部電極と下部電極との間に配置された電気陰性プラズマを含むプラズマ処理システムの一実施形態を示す。図6及び7は、プラズマ処理方法の実施形態に対応する2例の定性グラフを示し、図8及び9は、2例の望ましくないシナリオがある場合とない場合のエッチング処理の実施形態を示す。図10は、プラズマ処理装置の一実施形態を示す。図11及び12は、プラズマ処理方法の2つの実施形態を示す。
図1は、本発明の一実施形態による、例示的プラズマ処理方法の概略タイミング図及び対応する定性グラフを示す。
図1を参照すると、概略タイミング図100がパルスシーケンスのタイミングを示しており、これは、電源電力継続時間11を有する少なくとも1つの電源電力パルス12と、バイアス電力継続時間13を有する少なくとも1つのバイアス電力パルス14とを含む。電源電力パルス12は電源電力Pを有し、一方、バイアス電力パルス14はバイアス電力Pを有する。様々な実施形態では、電源電力パルス12は、電源電力周波数fで印加されるRF電源電力パルスである。電源電力周波数fは、任意の適切な周波数であってよいが、様々な実施形態では高周波(HF)RFである。一実施形態では、電源電力周波数fは約13.56MHzである。同様に、幾つかの実施形態では、バイアス電力パルス14は、バイアス電力周波数fで印加されるRFバイアス電力パルスである。バイアス電力周波数fは、電源電力周波数fより低くてよい。
バイアス電力パルス14は、任意選択で、図示のように、一時的に電源電力パルス12から遅延継続時間15だけ離されてよい。遅延継続時間15の間は電源電力が印加されない。同様に、様々な実施形態では、遅延継続時間15の間はバイアス電力が印加されない。
このパルスシーケンスは、少なくとも1つの電源電力パルス及び少なくとも1つのバイアス電力パルスを含む各周期16で繰り返し印加されてよい。各電源電力パルス12が印加されている間、Pはゼロより大きい。幾つかの実施形態では、電源電力パルス12の間、Pはゼロである。代替として、電源電力パルス12の間に幾つかのバイアス電力(P>0)が印加されてよい。同様に、バイアス電力パルス14の間、P>0であり、一方、Pは低いかゼロである。バイアス電力パルス14の間に電源電力が印加されないことにより、有利なことに、電子発生を防ぎ、プラズマ温度を低く保つことが可能である。
定性グラフ102は、概略タイミング図100に対応しており、プラズマ処理システム内の正イオン密度n、負イオン密度n、及び電子密度nの定性的な挙動を示す。電源電力パルス12は、電源電力継続時間11の間に(例えば、プラズマ処理チャンバ内に)プラズマを発生させる。電源電力が印加されている間は、プラズマが電気陽性プラズマ41である、プラズマのグローフェーズ17が保持される。プラズマは、n及びnの値が上昇していることで示されるような顕著な密度の正イオン及び自由電子の両方を有するイオン-電子プラズマであってよい。即ち、イオン-電子プラズマ中には幾らかの負イオン(例えば、最大90%もの負イオン)があってよいが、それでも、相当量の電子密度に起因するシースが存在する。イオン-電子プラズマ中の負イオンの数は、個々の実施態様の化学的性質に依存する。
電源電力パルス12の最後に電源電力が除去された後、再結合によってn及びnが減少すると、プラズマのアフターグローフェーズ18が始まる。電子密度nの減少は、nの減少より急激である。これは、電子の移動度が増大すること、並びに電子が他の利用可能な電気陰性中性粒子と結合して負イオンが形成されることによる。その結果、遅延継続時間15の間に(即ち、システムに電力がほとんど又は全く印加されていない間に)、プラズマの電荷の中性が保たれたままで負イオン密度nが急激に上昇する。アフターグローフェーズ18では、電気陰性プラズマ42(これはnがゼロに近づくにつれてイオン-イオンプラズマになる)が形成される。電気陰性プラズマ42は、正イオン及び負イオンの両方を含むが、相対的に、自由電子をほとんど又は全く含まない。
電気陽性プラズマ及び電気陰性プラズマという用語は、それぞれ、イオン-電子プラズマ及びイオン-イオンプラズマより大まかな用語であると考えられてよい。例えば、電気陰性及び電気陽性は、プラズマの電子密度がプラズマ内で増えたり、又は減ったりする傾向を述べるために使用されてよい。従って、しかるべき時間が経過した後、正味の電気陽性プラズマは、有意の数の自由電子(イオン-電子プラズマ)を必然的に有することが可能であり、一方、正味の電気陰性プラズマは、イオン-イオンプラズマをもたらすのに十分な量の負イオンを発生させることが可能である。
プラズマの電気陰性度は、電気陽性種及び電気陰性種の存在に関連しうる。例えば、正味の電気陽性プラズマ又は正味の電気陰性プラズマは、電気陽性プラズマ(例えば、Ar等)及び電気陰性プラズマ(例えば、Cl、O等)の両方を同時に含んでよい。集合的電気陽性度と集合的電気陰性度のバランスは、外部条件(例えば、プラズマ内の種の相対密度、圧力、印加された電力及びバイアス、その他)に依存しうる。
このように、遅延継続時間15を適切に活用して、電気陽性プラズマ41のアフターグローフェーズ18において電気陰性プラズマ42を発生させることが可能である。様々な実施形態では、遅延継続時間は、正イオン密度及び負イオン密度の両方が高く、電子密度が低い場合(電気陰性プラズマ)にバイアス電力の印加を有利に可能にできる所与の電気陽性プラズマのイオン-電子緩和時間τ+のオーダーである。幾つかの実施形態では、遅延継続時間15は約5μsより短い。一実施形態では、遅延継続時間15は約10μsである。別の実施形態では、遅延継続時間は約50μsである。
定性グラフ104(これも概略タイミング図100に対応する)に示すように、イオン温度Tは、スパイク状に急上昇した後、グローフェーズ17において電源電力パルス12が印加されている間は上昇した状態を保つ。電源電力が除去された後、Tは、nとともに次第に低下する。電気陰性プラズマ42が十分に形成されていて、多数の正イオン及び負イオンが互いに中和する前の時点で、バイアス電力パルス14が印加される。バイアス電力継続時間13の間に印加されるバイアス電力は、n及びnがゆっくり下降する間に、T及びnを実質的に上昇させることなく、高速中性粒子束ΓFNを発生させる。
電気陰性プラズマ42は、アフターグローフェーズ18での電子密度nが低いことにより、シース形成の速度を有利に低減しうる。即ち、シース形成の時間尺度は、(電子の質量が小さいのに対して)イオンの質量が非常に大きいことと、イオン温度が低いこととに支配されうる。こうした条件下では、イオンは重く且つ低温であるため、再結合時間は、電子密度が高いプラズマに比べて長くなる。この長くなった緩和時間は、最小限のシース形成でイオンを基板の方向に加速して、電気陰性プラズマ42内に電荷交換衝突のための好ましい条件を有益にもたらすのに十分でありうる。
バイアス電力周波数fは、緩和時間の影響を直接受けうる。例えば、バイアス電力周波数は低いほど有効になる。これは、緩和時間が長くなるため(より長時間にわたってシース形成を避けられるため)である。また、バイアス電力周波数fが高いほど、電子の望ましくない加熱を引き起こしうる。従って、電気陰性プラズマ42を使用してfを低くできることの可能な利点は、電子温度の上昇による二次放射を低減又は阻止することである。
低いイオン温度Tを(fを低くすることによる)バイアス電圧の長時間印加と組み合わせることにより、バイアス電力パルス14の間に高度に方向性のあるイオンを有利にもたらすことが可能である。このような高度に方向性のあるイオンは、電気陰性プラズマ42内での電荷交換衝突においてバックグラウンド中性粒子(例えば、ラジカル)と相互に作用する。電荷交換衝突により、方向性イオンとほぼ同等の速度を有する高速中性粒子が発生する。即ち、高速中性粒子は、バイアス電力が印加されている基板の主要表面に向けて方向付けられた、その主要表面に対してほぼ垂直な平均速度を有利に有することが可能である。
電気陰性プラズマ42から高速中性粒子を発生させることにより、高速中性粒子を利用して、基板帯電及びラジカルシェーディングのような望ましくない作用を抑制することを、従来の中性粒子ビームの不利な面もなく可能にできる。例えば、概略タイミング図100を使用すると、基板の表面に近接する既存のプラズマから高速中性粒子を発生させることが可能である。これに対し、従来の中性粒子ビーム源は、高コスト、既存のシステムとの不整合、並びに中性粒子ビーム源(例えば、オリフィスプレート)が基板から離れていることにより、現実的とは言い難い。
バイアス電力継続時間13は、比較的短くてよい。例えば、プラズマは時間とともに抵抗が大きくなる可能性があり、プラズマ密度は減少し続け、高速中性粒子束ΓFNは時間とともに減少する。一実施形態では、バイアス電力継続時間13は約50μsより短い。電源電力継続時間11は、可能な限り短く保たれてよい。これは、プラズマ密度が素早く横ばい状態になりうること、並びに電源電力パルス12の目的が、後で使用される正イオン及び電子の発生だけであることによる。従って、パルスシーケンスの周期16は、比較的短くてよい。例えば、周期16は、約200μsより短くてよい。
図2は、本発明の一実施形態による、高速第1種中性粒子を発生させる、正荷電第1種イオンとバックグラウンド第1種中性粒子との電荷交換衝突の一例の概略図を示す。図2の電荷交換衝突は、例えば、本明細書に記載のプラズマ処理方法(例えば、図1のプラズマ処理方法)の間に発生しうる。同様にラベル付けされた要素は、前述と同様であってよい。
図2を参照すると、電荷交換衝突200は、正荷電第1種イオン21(A)及びバックグラウンド第1種中性粒子23(A)を含む。AとAがまだ相互に作用するほど互いに近接していない第1の時点201では、Aは、(Aが静止している場合の)Aの基準座標系においてAの方向に速度vを有する。これは、Aが低温(低速度)でプラズマバックグラウンドにある中性粒子であることから、システムの基準座標系の適正な近似でもある。
第1の時点201の間に、AはAに向かって速度vで動く。衝突パラメータと呼ばれる量βによって、AとAが互いを検知する(相互に作用するほど近接している)距離が画定される。図2に示した電荷交換衝突200は対称的である。これは、A及びAの両方が、電子によってのみ互いに異なる何らかの第1種であるためである。従って、電荷交換衝突200は、対称的な正イオン電荷交換衝突である。
第2の時点202では、AとAが、相互に作用するほど近接し、電子29が交換される。具体的には、電子29がAからAに移動する。その結果、第3の時点203で、低速正荷電第1種イオン26(A)と、速度vを有する高速第1種中性粒子25(A)とが発生する。従って、電荷交換衝突200の相互作用方程式は次のように書ける。
Figure 2024514409000002
電荷交換衝突200の全体的な作用は、高速粒子の識別を正イオンから中性粒子に「変更」することである。有利なことに、高速第1種中性粒子25は速度vを維持する。これは、電荷交換衝突200が、運動量移動を無視できる前方散乱衝突であるためである。電荷交換衝突200のような衝突は、例えば、図1のバイアス電力パルス14の間などに印加バイアス電圧を使用して、プラズマ中の正イオンを速度vまで加速することによってプラズマ内で発生させることが可能である。
電荷交換衝突イベントの確率は、粒子密度及び衝突パラメータβに直接関連し、イオンと中性粒子との間の相対速度vに間接的に比例する。従って、相対速度vがより低ければ、結果として、(衝突確率が高くなるために)発生する高速中性粒子の数がより多くなる一方、高速中性粒子の速度はより低くなる。このように、高速中性粒子エネルギと高速中性粒子束との間にはトレードオフが存在しうる。
図3は、本発明の一実施形態による、高速第1種中性粒子を発生させる、負荷電第1種イオンとバックグラウンド第1種中性粒子との電荷交換衝突の一例の概略図を示す。図3の電荷交換衝突は、例えば、本明細書に記載のプラズマ処理方法(例えば、図1のプラズマ処理方法)の間に発生しうる。同様にラベル付けされた要素は、前述と同様であってよい。
図3を参照すると、電荷交換衝突300は、負荷電第1種イオン22(A)及びバックグラウンド第1種中性粒子23(A)を含む。図2の電荷交換衝突200と同様に、Aは、Aに対して第1の時点301で速度vを有し、衝突パラメータβを有する。第2の時点302で、電子29がAからAに移動し、その結果、第3の時点303で、低速負荷電第1種イオン28(A)と、速度vを有する高速第1種中性粒子25とが発生する。従って、電荷交換衝突300の相互作用方程式は次のように書ける。
Figure 2024514409000003
図2の電荷交換衝突200と同様に、衝突は対称的であり、電荷交換衝突300は、対称的な負イオン電荷交換衝突である。電荷交換衝突300の全体的な作用は、高速粒子の識別を負イオンから中性粒子に「変更」することである。電荷交換衝突300のような衝突は、例えば、図1のバイアス電力パルス14の間などに印加バイアス電圧を使用して、プラズマ中の負イオンを速度vまで加速することによってプラズマ内で発生させることが可能である。
図4は、本発明の一実施形態による、高速第1種中性粒子を発生させる、第1種イオンとバックグラウンド第2種中性粒子との電荷交換衝突の一例の概略図を示す。図4の電荷交換衝突は、例えば、本明細書に記載のプラズマ処理方法(例えば、図1のプラズマ処理方法)の間に発生しうる。同様にラベル付けされた要素は、前述と同様であってよい。
図4を参照すると、電荷交換衝突400は、正荷電第1種イオン21(A)及びバックグラウンド第2種中性粒子24(B)を含みうる。上述の電荷交換衝突とは異なり、荷電粒子Aは、中性粒子Bと同じ種(例えば、原子、分子、複合体)ではない。結果として、電荷交換衝突400は、非対称的な電荷交換衝突である。
第1の時点401で、Aが、Bに対して第1の速度vを有し、衝突パラメータβを有する。第2の時点402で、電子29がBからAに移動し、その結果、第3の時点403で、低速正荷電第2種イオン27(B)と、第2の速度vを有する高速第1種中性粒子25とが発生する。しかしながら、第1種と第2種との間の非対称性のために、BからAへの電荷移動を促進するためには、幾らかのエネルギ変化ΔEが必要である。
例えば、対称的な電荷交換相互作用では、初期状態と最終状態とでエネルギは同じである。即ち、原子間距離とポテンシャルエネルギとの関係を示す対称的相互作用図404に示すように、A+Aの代わりにA+Aとなる結果を得るのに追加エネルギは不要である。これに対し、非対称的な電荷交換相互作用では、非対称的相互作用図405に示すように、最終状態A+B(即ち、電荷移動が発生した状態)は、初期状態A+Bよりエネルギが高い。
システムA+Bの相互作用ポテンシャルを(下側の)実線で定性的に示しており、実線を右から左に横切るにつれて、AとBの間隔が狭くなっている。ポテンシャル曲線に沿ったある時点(ここでは極小点)では、システムは過渡的相互作用状態にあり、この状態では、過剰な正電荷がAとBの間で共有されており、図では(AB)で示している。(AB)を、(上側の)破線で示した、所与の最終状態A+Bを達成できる、より高エネルギの状態(AB)+*まで励起するためには追加エネルギEが必要である。従って、電荷交換衝突400(非対称的な正イオン電荷交換衝突)の相互作用方程式は次のように書ける。
+B→A+B+ΔE
非対称的な電荷交換衝突の場合に電荷移動を可能にする追加エネルギは、任意の適切な源に由来してよい。例えば、図示のように、追加エネルギEは、Aの速度vに由来してよい。この場合、衝突の結果として得られる高速中性粒子Aの速度vは、方向はvと同じままであるが、大きさはvより小さい。代替として、エネルギの一部又は全てが、放射エネルギ(例えば、プラズマからの発光)等の他の源から与えられてよく、vはvと等しくなるか、vに非常に近接する。
注目すべきこととして、図1を参照して上述したような電気陰性プラズマ内には、付与イオン速度以外に利用可能なエネルギがほとんどない可能性があり、これは、イオン温度T及び電子温度Tが低いためである。従って、低速のイオンほど(小さいvほど)、励起状態に遷移する可能性が低いと考えられ、それによって、弛緩して初期状態に戻って、元の高速イオンと低速中性粒子をもたらす可能性が高いと考えられる。もちろん、結合及び解離を伴う、より複雑な電荷交換衝突も可能であり、これは、プラズマ内で加速されたイオンから高速中性粒子を発生させることに利用されてもよい。
図5は、本発明の一実施形態による、上部電極と下部電極との間に配置された電気陰性プラズマを含むプラズマ処理システムの一例の概略図を示しており、下部電極に印加された電圧により、下部電極の主要表面に向けて方向付けられた、その主要表面に対してほぼ垂直な平均速度を有する高速中性粒子のカスケードが発生する。図5のプラズマ処理システムは、例えば、本明細書に記載のプラズマ処理方法(例えば、図1のプラズマ処理方法)を実施するために使用されてよい。同様にラベル付けされた要素は、前述と同様であってよい。
図5を参照すると、プラズマシステム500が、上部電極31と下部電極32との間に形成された電気陰性プラズマ42を含む。上部電極31は、下部電極32から距離Lだけ離れている。様々な実施形態では、距離Lは数十センチメートルのオーダーであり、幾つかの実施形態では約15cmより短い。一実施形態では、距離Lは約15cmである。電気陰性プラズマ42は、正イオン21及び負イオン22を含む。電気陰性プラズマ42は、バックグラウンド中性粒子も含み、他の正粒子、負粒子、及び中性粒子も含んでよい。
上部電極31は、基準電位(V=0)に保持されている。例えば、上部電極31は、グランド電位に結合されてよい。下部電極32ではバイアス電圧(±V)が生成されている。例えば、バイアス電圧は、図1を参照して上述したようなバイアス電力パルスを使用して下部電極32にバイアス電力を印加することによって生成されてよい。
上部電極31の基準電圧に対してバイアス電圧が負(-V)であると、電極間に発生した電界において正イオンが加速される。正イオンは、バックグラウンド中性粒子との電荷交換衝突に関与して、下部電極32の表面に向けて方向付けられた、その表面に対してほぼ垂直な平均速度を有する高速中性粒子を発生させる。
電荷交換衝突は対称的でも、又は非対称的でもよく、各正イオンは、複数の電荷交換衝突に関与しうる。例えば、図示のように、正イオン21が下部電極32に向けて加速されて、バックグラウンド中性粒子23と衝突して、高速中性粒子25と低速正イオン26とを発生させることがありうる。下部電極32の電圧が引き続き負である限り、この新しい低速正イオン26も加速され、別のバックグラウンド中性粒子23と衝突して、別の高速中性粒子25と低速正イオン26とを発生させることがありうる。
このように、電荷交換衝突のカスケードにより、下部電極32の表面に対して(そして、例えば、下部電極32上に配置された基板の表面に対して)垂直な速度を有する複数の高速中性粒子25が発生しうる。本明細書に記載の実施形態は、有利なことに、イオン当たり複数回の衝突を発生させることが可能であり、これは、電気陰性プラズマ42にバイアス電力が印加されている間のシース形成が最小限であるためである。また、シースが無視できれば、プラズマが電界を受ける距離を有利に長くすることが可能である。これは、より多くのイオンを加速し、より多くの電荷交換衝突を発生させることにより、高速中性粒子発生の機会が増えるという利点をもたらす。
結果として得られる高速中性粒子25は、下部電極32での電圧変化の影響を受けない。即ち、負電圧と非負電圧の間で振動するRFバイアス電力パルスによりバイアス電圧が印加される場合には、高速中性粒子25は、下部電極32に向かう軌道を維持する。このことの可能な利点として、電気陰性プラズマ42の内部で発生した高速中性粒子25は、引き続き下部電極32に到達する。
同様に、下部電極においてバイアス電圧が正になる(+V)実施形態では、負イオン22が下部電極32に向けて加速されてバックグラウンド中性粒子23と衝突して、高速中性粒子25及び低速負イオン28が発生することが可能である。そして、下部電極32の電圧が正である間、低速負イオン28は、バックグラウンド中性粒子23との電荷交換衝突のカスケードに関与しうる。
下部電極にRFバイアス電力を印加することにより、下部電極32を荷電することなく高速中性粒子を有利に発生させることが可能であり、これは、荷電粒子が周波数fで行ったり来たりする一方で、高速中性粒子が電界振動の影響を受けないためである。このことにより、イオン束Γに対して高い高速中性粒子束ΓFNを基板に送達するという利点が更に得られる。
具体的には、幾つかの実施形態では、基板においてΓFNがΓより大きい。様々な実施形態では、比ΓFN:Γは、約2:1より大きい。比ΓFN:Γは、幾つかある変数の中でも特に、圧力、シース厚さ、及びバイアス電圧に関連しうる。一シナリオ(例えば、より高圧の状況)では、比ΓFN:Γは約10:1であってよい。例えば、圧力が100mTorr、シース厚さが5mm、及びバイアス電圧が1kVである場合には、比10:1が達成可能でありうるが、他の変数も比に影響を及ぼしうる。追加として、シース厚さはバイアス電圧及び電気密度の関数であるため、比ΓFN:Γは、圧力が20mTorrのように低くなると小さくなりうる。
下部電極32の電圧は、基準電圧(V=0)の前後で振動しうる。即ち、電圧は、+Vから-Vまで繰り返し循環することが可能であり、電気陰性プラズマ42内の荷電粒子は、相対的に静止したままであることが可能である。その結果、RFバイアス電力を印加することの利点は、下部電極32において自己バイアスを避けることによって更に強化されうる。幾つかの実施形態では、RFバイアス電力が印加されている間は下部電極32において自己バイアスがほとんど発生しない。これは、例えば、電極での正電圧と負電圧の交番と、イオン-イオンプラズマの平衡電流との何らかの組み合わせに起因しうる。即ち、正イオンは、一周期のうちのある部分の間に注入されてよく、負イオンは、一周期のうちのそれ以外の部分の間に注入されてよい。これは、基板表面における不均一帯電を低減又は解消するためであり、不均一帯電は、自己バイアス発生の主要原因である。
図6は、本発明の一実施形態による、プラズマ密度とバイアス電圧周波数との関係の定性グラフであり、シース形成、電子の加熱、及び荷電に関する状況を示している。図6の定性グラフは、例えば、図1のプラズマ処理方法のような、本明細書に記載のプラズマ処理方法の間の各条件に対応しうる。同様にラベル付けされた要素は、前述と同様であってよい。
図6を参照すると、定性グラフ600は、プラズマ密度nとバイアス電力周波数fとの関係を対数-対数軸で示している。シース形成を妨げるためには、シース形成時間τを、RFバイアス電力の印加時間(1/f)より長くしなければならない。シース形成時間τは、次式によってプラズマ密度n及びイオンドリフト速度vと関係づけられる。
Figure 2024514409000004
但し、εは自由空間の誘電率、eは素電荷、Φはシース電位である。
シースが形成されていない間は、電極間の電位降下がほぼ直線的(電気陰性プラズマが受ける電界が一定)であるために、電気陰性プラズマ内で大規模な電荷交換が可能である。そして、次式の条件を使用して、所与の電気陰性プラズマシステムがいつ電荷交換状況にあるかを示すことが可能である。
Figure 2024514409000005
電気陰性プラズマ内でのシース形成(ここでは、例えば、シース電位を10Vとする)にかかる典型的な時間は、密度nが2×1016-3、イオンドリフト速度vが1000m/sであれば、τ=150nsである。定性グラフ600では、これら2つの状況を、上述の不等式条件を表す分割線601で示している。
利用可能な周波数の範囲は、プラズマの密度が低いほど低い周波数まで延びる。しかしながら、高速中性粒子束ΓFNはプラズマ密度に正比例するため、所与の束が得られるように密度と周波数をバランスさせることが望ましいと考えられる。プラズマ密度は、例えば、電源電力を使用して制御可能であり、一方、バイアス周波数fは直接制御可能である。
定性グラフ600では、望ましくない作用も追加で示している。1つは電子の加熱であり、これは、図示のように、バイアス周波数が約10MHzより高い場合に有意な程度で発生しうる。加えて、基板帯電も、電子とイオンがプラズマ中にとどまらずに基板に到達するほど周波数が低い場合(例えば、約1MHzより低い場合)に問題となる可能性がある。従って、理想的な範囲は、図示のように、バイアス周波数fが約1MHzと約10MHzの間にあって、プラズマ密度nが約1×1017-3より小さい範囲にあることになる。
上述の条件は、電気陰性プラズマ中の電子密度nが無視できると仮定して決めたものである。電子密度nが増加することがあると、シースがより短時間で形成されることになる。従って、バイアス電力が印加されている間の電子密度neを小さくすれば、イオンが加速されうる時間が長くなり、それによって、高速中性粒子束と、高速中性粒子の平均速度との両方が増える可能性がある。
イオン速度vは、上述の条件でも存在することに注目されたい。vが増えるにつれてτが減って、バイアス周波数fがシース形成を避けるように押し上げられる。バイアス電力を使用してイオン速度vを制御することが可能である。従って、約1~10MHzの理想的な範囲にある周波数が使用されることを可能にするためには、バイアス電力を小さくすることが望ましいと考えられる。様々な実施形態では、バイアス電力Pのピーク電圧は約500Vより小さい。一実施形態では、バイアス電力Pのピーク電圧は約400Vである。別の実施形態では、バイアス電力Pのピーク電圧は約100Vである。
図7は、本発明の一実施形態による、対称的及び非対称的な電荷交換相互作用におけるイオンエネルギと電荷交換断面積との関係の定性グラフを示す。図7の定性グラフは、例えば、図1のプラズマ処理方法のような、本明細書に記載のプラズマ処理方法の間の各条件に対応しうる。同様にラベル付けされた要素は、前述と同様であってよい。
図7を参照すると、定性グラフ700が、対称的な衝突702と、ほぼ対称的な衝突703と、非対称的な衝突704とについての、イオンエネルギと電荷交換断面積との関係を対数-対数軸に示している。一般に、(対称的な衝突702の場合のように)電荷移動の発生にエネルギが不要の場合は、図示のように、イオンエネルギが小さくなるにつれて電荷交換断面積が大きくなる。ほぼ対称的な衝突703の場合には、最も低速のイオンだけが電荷を移動できないため、結果として、電荷交換断面積はゼロから完全に対称的な曲線まで急激に増加する。
これらに対し、非対称的な衝突704の場合には、電荷移動を促進するために、より高い速度が必要であり、結果として、ゼロよりかなり高い速度値において、イオンエネルギの明らかなピークがある。従って、上述の理由により、(イオンに速度を与える)バイアス電力を小さく保つことが望ましいが、非対称的な電荷交換衝突による高速中性粒子発生が必要である実施態様では、バイアス電力の現実的な下限が存在しうる。
様々な可能な電荷交換衝突反応のそれぞれが、2つの種の特性の差(例えば、電気陰性度、イオン化ポテンシャル、質量等の差)による所与の速度係数を有する。非対称的な電荷交換衝突反応は、(追加イオンエネルギなしで発生する)発熱反応と、(典型的には電荷移動の発生に数eVが必要な)吸熱反応との2つのグループに分けることができる。吸熱反応は2つのサブグループに分けることができ、これらは、上述のほぼ対称的な衝突702及び非対称的な衝突704である。発熱反応の速度係数は高く、これに比べると、非対称的な衝突の速度係数は相対的に低い。ほぼ対称的なクラスの電荷交換衝突の速度係数は中間を占める。
幾つかの選択された、実験で決定された速度係数は、高い速度係数と見なされる、
Figure 2024514409000006
(フルオロカーボン種の対称的な電荷交換反応)の場合の1.0×10-9cm/s、並びに低い速度係数と見なされる、
Figure 2024514409000007
(解離及び結合を伴う非対称的な電荷交換反応)の場合の2.5×10-12cm/sである。中間に入る幾つかの速度係数は、Ar+CF→Ar+CF+F(解離を伴う非対称的な電荷交換反応)の場合の5.0×10-10cm/s、並びにCO+O→CO+O(カルボキシド種の非対称的な電荷交換反応)の場合の1.4×10-10cm/sである。
所与の非対称的な反応の相互作用断面積を増やすことは、イオンエネルギ(即ち、速度)を、反応障壁に打ち勝つのに十分なほどまで増やすことによって可能である。プラズマ内での多くのラジカル/イオンの不安定な性質により、(例えば、上述のプラズマ密度、バイアス電力周波数、バイアス電力に関する)適切な条件下では、ほとんどの電荷交換反応に対する反応障壁は有利に低いことが可能であり、それによって、これらの反応を、プラズマから高速中性粒子を発生させることに使用することが可能になる。他のイオン-中性粒子電荷交換反応の速度係数の非網羅的なリストがVasenkov,et al.,Properties of c-C inductively coupled plasmas.II.Plasma chemistry and reaction mechanism for modeling of Ar/c-C/O discharges,J.Vac.Sci.Technol.,2004のTable IVにあり、これは、511~13頁及び518頁の対応する該当テキストとともに、参照によって本明細書に組み込まれている。
図8は、本発明の一実施形態による、不均一帯電がある場合とない場合のプラズマエッチング処理中の基板の一例の断面図を示す。同様にラベル付けされた要素は、前述と同様であってよい。
図8を参照すると、基板843の断面図が示されている。第1のシナリオ801では、正荷電イオン21を利用してマスク材料52による基板材料51のエッチングを行うプラズマエッチングプロセスの結果としての理想的なエッチングプロファイルが示されている。このエッチングプロセスにより、(基板843の主要表面46に対して)完全に垂直な側壁と、平らな底面とを有する、高アスペクト比の凹部53が基板材料51内に作成される。
第2のシナリオ802では、基板材料51及びマスク材料52(これらの一方又は両方が誘電体材料であってよい)の中の不均一帯電55によるイオンファン54を示すエッチングプロファイルが示されている。基板843の表面に電荷が蓄積すると、正荷電イオン21が完全垂直な経路から偏向して、側壁を広げ、エッチング深さを浅くし、凹部の底面を不均一にエッチングすることにより、フィーチャプロファイルを歪ませる。
この望ましくない第2のシナリオ802を軽減するか、又は完全に回避することが、主要表面46に向けて方向付けられた、主要表面46に対して垂直な高速中性粒子の利用を増やすことにより可能である(主要表面46は、例えば、下部電極上に配置された基板843の露出した上面である)。例えば、高速中性粒子が中性であることにより、高速中性粒子束ΓFNが基板843に印加されたときに基板材料51及びマスク材料52に電荷が蓄積しない。追加として、高速中性粒子は、基板で発生するいかなる帯電作用による偏向にも影響されない。
高速中性粒子の垂直性及びエネルギにより、望ましくない基板帯電作用を発生させずに、垂直イオンを使用するエッチングと同等又はほぼ同等に有効なエッチングを促進することが可能である。追加として、所与のエッチングプロセスにおいて成果を達成するために高速イオンが必要とされる程度まで、基板において必要とされるイオン束を有利に減らすことが可能であり、これは、本明細書に開示の方法により、基板においてイオン束Γを大規模な高速中性粒子束ΓFNで補完することにより可能である。
図9は、本発明の一実施形態による、ラジカルシェーディングがある場合とない場合のプラズマエッチングプロセス中の基板の一例の断面図を示す。同様にラベル付けされた要素は、前述と同様であってよい。
図9を参照すると、基板943の断面図が示されている。第1のシナリオ901では、中性粒子(例えば、ラジカル)と基板材料51との相互作用による理想的なエッチングプロファイルが示されており、高アスペクト比の凹部53の側壁及び底面に均一なセルベージ層56が均一に形成されている。均一なセルベージ層56は、凹部53内の基板材料51の表面を不動態化し、エネルギッシュな粒子(例えば、バイアス電圧によって加速された正荷電イオン21及び/又は十分高いエネルギを有する高速中性粒子25)によってのみエッチングを推進するように動作しうる。これにより、達成可能なアスペクト比及びエッチングプロファイルが更に強化される。
第2のシナリオ902では、ラジカルシェーディングによって、凹部53内にラジカルの不均一印加57が発生する。方向性のない低温の中性ラジカルは、特にフィーチャのアスペクト比が増えるにつれて、フィーチャ自体によってシェーディングされがちである。その結果、フィーチャの底面に達する低温中性ラジカルの数が、フィーチャ側壁の上部部分に衝突する数よりはるかに少ないことが起こりうる。この不均一なラジカル印加は、ラジカルによる不動態化により、基板材料51の一部の領域のエッチングが他の領域より遅くなることを引き起こしうる。結果として、不均一フィーチャ面及びフィーチャ歪みが発生しうる。
この望ましくない第2のシナリオ902を軽減するか完全に回避することが、主要表面46に向けて方向付けられた、主要表面46に対して垂直な高速中性粒子25の利用を増やすことにより可能である。これらの高速中性粒子25は、その速度の主要成分が垂直方向であるため、主に凹部53の底面に送達される。凹部53の底面領域にセルベージ層が形成される。これはその後、十分にエネルギッシュな粒子によってエッチングされる。高速中性粒子25は側壁上にとどまるため、均一なセルベージ層56が有利に作成されることが可能であり、凹部53の底面はエッチングされ続ける。均一なセルベージ層56は、低エネルギ(例えば、低速度)の粒子によって側壁がエッチングされるのを防ぐことにより、アスペクト比及びエッチングプロファイルを有利に改善することが可能である。
図10は、本発明の一実施形態によるプラズマ処理装置の一例の概略図を示しており、この装置は、上部電極と下部電極との間に配置された電気陰性プラズマを収容するプラズマ処理チャンバを含む。図10のプラズマ処理装置は、例えば、本明細書に記載のプラズマ処理方法(例えば、図1のプラズマ処理方法)を実施するために使用されてよい。同様にラベル付けされた要素は、前述と同様であってよい。
図10を参照すると、プラズマ処理装置1000が、プラズマ処理チャンバ30、上部電極31、及び下部電極32を含む。下部電極32とバイアス電力供給装置33との間にバイアス電力発生回路34が結合されている。バイアス電力発生回路34は、下部電極32にバイアス電力(例えば、RFバイアス電力パルス)を印加するように構成されている。電源電力供給装置35と上部電極31又は下部電極32のいずれかとの間に電源電力発生回路36が結合されている。バイアス電力供給装置33、電源電力供給装置35、及びプラズマ処理チャンバ30は、それぞれが図示のようにグランド接続37に結合されてよい。
電源電力発生回路36は、プラズマ処理チャンバ30に収容されている上部電極31と下部電極32との間にプラズマのグローフェーズを発生させるために、(上部電極31又は下部電極32のいずれかを使用して)プラズマ処理チャンバ30に電源電力を供給するように構成されている。発生するプラズマは、一実施形態では、電極陽性プラズマである。幾つかの実施形態では、プラズマは容量結合プラズマであるが、他のタイプのプラズマ(例えば、誘導結合プラズマ、表面波プラズマ、その他)も適切でありうる。例えば、スパイラル共振器又はヘリカル共振器等の共振器を使用して誘導結合プラズマを発生させながら、別個の上部電極を使用してバイアス電力を印加してよい。
(例えば、気相の)第1種23及び第2種24がプラズマ処理チャンバ30に導入される。例えば、第1種23及び第2種24は、図示のように、上部電極31のシャワーヘッド構成を使用して供給されてよい。第1種23及び第2種24をそれらの種の中に導入する他の適切な構成も可能である。
上部電極31と下部電極32との間の第1種23及び第2種24から電気陰性プラズマ42が発生する。例えば、第1種23の正イオンと、電子とを含む電気陽性プラズマのグローフェーズを発生させるために、印加される電源電力が使用されてよい。そして、電気陽性プラズマのアフターグローフェーズにおいて電気陰性プラズマ42を発生させることが可能であり、これは、電気陽性プラズマの電子を第2種24と結合させて第2種の負イオンを形成することにより可能である。
バイアス電力(例えば、RFバイアス電力パルス)を、正バイアス電圧Vと、大きさがVと等しい負バイアス電圧-Vとの間で交番させることが可能である(例えば、バイアス電力の印加中に下部電極32に自己バイアスが蓄積しない)。更に、バイアス電力の波形は正弦曲線であってよく、又はバイパルス、三角パルス、又は他の適切な波形であってもよい。下部電極32上に基板43が配置される。基板43は主要表面46を含む。バイアス電力の印加によって加速される電気陰性プラズマのイオンから発生する高速中性粒子25は、基板43の主要表面46に向けて方向付けられた、主要表面46に対してほぼ垂直な平均速度を取得する。
第1種23及び第2種24の総密度及び相対密度は、チャンバ排気速度及び種の個々の流量を制御することによって調整可能である。例えば、電気陰性プラズマ42の、電荷交換衝突の大規模発生に適するプラズマ密度を達成するために、種の密度と、電源電力及び電源電力パルス継続時間との組み合わせが使用されてよい。
より多くの種がプラズマ処理チャンバ30に供給されてもよく、それらの種は、所与のプラズマ処理の特定の要件に依存しうる。高速中性粒子は、対称的な電荷交換衝突及び非対称的な電荷交換衝突の両方において電気陰性プラズマ42から発生することが可能であり、第1種23、第2種24、並びに他の種(例えば、第1種とも第2種とも異なる第3種)から発生することが可能である。
様々な実施形態では、第1種23は、希ガス等の比較的不活性な種である。一実施形態では、第1種23はアルゴン(Ar)である。別の実施形態では、第1種23は、炭化水素、過フッ化炭化水素、カルボキシド等の化合物である。一実施形態では、第1種23はCHである。幾つかの実施形態では、第2種24は、ハロゲンガス等の比較的電気陰性(例えば、反応性)の種である。一実施形態では、第2種24は塩素(Cl)であり、これは、二原子気体(Cl)としてプラズマ処理チャンバ30に導入されてよい。別の実施形態では、第2種は、SF等の電気陰性化合物であってよい。
第1種23と第2種24とのイオン化エネルギの差により、印加された電源電力と、その後の、電源電力が除去された後の電気陰性プラズマ42とから電気陽性プラズマを形成することが有利に促進されることが可能である。例えば、第2種24は、電子を放棄すること(電源電力のRF電界によってイオン化されること)には比較的消極的でありうるが、アフターグローフェーズにおいて電気陽性プラズマから電子を取得することには比較的積極的でありうる。
第1種23はまた、電源電力によってイオン化される、より反応性の高い種(例えば、エッチング剤)であってよい。例えば、第1種23は、水素、炭素、フッ素、酸素等であってよい。反応性の第1種とともに不活性ガスが含まれてもよい。この場合、不活性ガスは第1種と見なされてよく、一方、反応性種は、第1種と異なる電気陰性を有する第3種と見なされてよい。そして、例えば、反応性種イオンとバックグラウンド反応性種中性粒子との衝突、或いは、不活性ガスイオンとバックグラウンド反応性種中性粒子との衝突によって、高速中性粒子が発生しうる。
図11は、本発明の一実施形態による、プラズマ処理の方法の一例を示す。図11の方法は、他の方法と組み合わされて、本明細書に記載のシステム及び装置を使用して実施されてよい。図11の方法は、例えば、図1~図10の実施形態のいずれかと組み合わされてよい。図11の各ステップの配置及び番号付けは、論理的な順序で図示しているが、限定を意図したものではない。図11の各方法ステップは、当業者であれば明らかであり得るように、任意の適切な順序で、又は互いに同時進行で実施されてよい。
図11を参照すると、プラズマ処理の方法1100のステップ1101で、第1種と第2種と主要表面を含む基板とを収容しているプラズマ処理チャンバ内で電気陽性プラズマのグローフェーズ1102を発生させる。電気陽性プラズマは、第1種の正イオンと電子とを含む。
ステップ1103で、電気陽性プラズマの電子を第2種の原子又は分子と結合させることにより、プラズマ処理チャンバ内で電気陽性プラズマのアフターグローフェーズ1104中に電気陰性プラズマを発生させる。電気陰性プラズマは、正イオンと第2種の負イオンとを含む。
ステップ1105で、アフターグローフェーズ1104中にステップ1106及びステップ1107を循環して実施する。ステップ1106で、基板に負バイアス電圧を印加することにより、基板の主要表面に向けて方向付けられた、その主要表面に対してほぼ垂直な平均速度を有する第1の中性粒子を発生させる。ステップ1107で、基板に非負バイアス電圧を印加する。そして方法1100は、任意選択で、必要に応じて、ステップ1108で示すように繰り返されてよい。
図12は、本発明の一実施形態による、プラズマ処理の方法の一例を示す。図12の方法は、他の方法と組み合わされて、本明細書に記載のシステム及び装置を使用して実施されてよい。図12の方法は、例えば、図1~図11の実施形態のいずれかと組み合わされてよい。図12の各ステップの配置及び番号付けは、論理的な順序で図示しているが、限定を意図したものではない。図12の各方法ステップは、当業者であれば明らかであり得るように、任意の適切な順序で、又は互いに同時進行で実施されてよい。
図12を参照すると、プラズマ処理の方法1200のステップ1209で、RF電源電力電極と、RFバイアス電力電極と、RF電源電力電極とRFバイアス電力電極との間に配置された基板とを含むプラズマ処理チャンバに少なくとも2つのガスを流し込む。それらのガスは、第1種及び第2種を含む。ステップ1201で、それらのガスにRF電源電力を印加して、第1種の正イオン及び電子を発生させる。それらのガスへのRF電源電力の印加は、プラズマのグローフェーズ1202と見なされてよい。
ステップ1203で、それらのガスからRF電源電力を除去して、第1種の電子を第2種の原子又は分子と結合させることにより、第2種の負イオンを発生させる。例えば、第2種の原子又は分子は、電子温度が低下したときに電子と結合する中性電気陰性種であってよい。ステップ1206で、所定の遅延後に、且つRF電源電力の除去後に、基板にRFバイアス電力を印加して、基板に中性粒子を送達する。RFバイアス電力は、基板での周波数が約10MHzより低い。ステップ1203及び1206は、プラズマのアフターグローフェーズ1204と見なされてよい。そして、それらのガスがプラズマ処理チャンバにとどまっているか、プラズマ処理チャンバに流し込まれている間は、ステップ1201、ステップ1203、及びステップ1206(例えば、グローフェーズ1202及びアフターグローフェーズ1204)が、任意選択で、必要に応じて、ステップ1208で示すように繰り返されてよい。
ここで、本発明の例示的実施形態を要約する。他の実施形態も、本明細書の全体及び本明細書で出願される特許請求の範囲から理解されよう。
実施例1。プラズマ処理の方法であって、第1種と第2種と主要表面を含む基板とを収容しているプラズマ処理チャンバ内で電気陽性プラズマのグローフェーズを発生させるステップであって、電気陽性プラズマは第1種の正イオンと電子とを含む、グローフェーズを発生させる上記ステップと、電気陽性プラズマの電子を第2種の原子又は分子と結合させることにより、プラズマ処理チャンバ内で電気陽性プラズマのアフターグローフェーズ中に電気陰性プラズマを発生させるステップであって、電気陰性プラズマは正イオンと第2種の負イオンとを含む、電気陰性プラズマを発生させる上記ステップと、基板に負バイアス電圧を印加することにより、基板の主要表面に向けて方向付けられた、その主要表面に対してほぼ垂直な平均速度を有する第1の中性粒子を発生させるステップと、基板に非負バイアス電圧を印加するステップと、を循環して実施するステップと、を含む方法。
実施例2。第1の中性粒子を発生させる上記ステップは、正イオンを基板に向けて加速して、電気陰性プラズマ内での電荷交換衝突を促進するステップであって、電荷交換衝突によって、平均速度を有する第1の中性粒子が発生する、上記加速するステップを含む、実施例1に記載の方法。
実施例3。電気陰性プラズマ内での電荷交換衝突は、正イオンの1つと、第1種の中性バックグラウンド粒子との衝突を含む、実施例2に記載の方法。
実施例4。電気陰性プラズマ内での電荷交換衝突は、正イオンの1つと、電気陰性度が第1種と異なる第3種の中性バックグラウンド粒子との衝突を含む、実施例2に記載の方法。
実施例5。基板に非負バイアス電圧を印加する上記ステップは、基板に正バイアス電圧を印加することにより、基板の主要表面に向けて方向付けられた、その主要表面に対してほぼ垂直な平均速度を有する第2の中性粒子を発生させるステップを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の方法。
実施例6。第2種は塩素である、実施例1~5のいずれか1つに記載の方法。
実施例7。第1種はアルゴンである、実施例6に記載の方法。
実施例8。第1種は水素及び炭素を含む、実施例6に記載の方法。
実施例9。プラズマ処理の方法であって、無線周波数(RF)電源電力電極と、RFバイアス電力電極と、RF電源電力電極とRFバイアス電力電極との間に配置された基板とを含むプラズマ処理チャンバに少なくとも2つのガスを流し込むステップであって、それらのガスは第1種及び第2種を含む、上記流し込むステップと、それらのガスにRF電源電力を印加して、第1種の正イオン及び電子を発生させるステップと、それらのガスからRF電源電力を除去して、第1種の電子を第2種の原子又は分子と結合させることにより、第2種の負イオンを発生させるステップと、所定の遅延後に、且つRF電源電力の除去後に、基板にRFバイアス電力を印加して、基板に中性粒子を送達するステップであって、RFバイアス電力は基板での周波数が約10MHzより低い、上記送達するステップと、を含む方法。
実施例10。上記周波数は約1MHz~約10MHzである、実施例9に記載の方法。
実施例11。RFバイアス電力が印加されている間は基板において自己バイアスが発生せず、基板において生成されるRFバイアス電力は、正電圧と、その正電圧と大きさが等しい負電圧との間で交番する、実施例9及び10のいずれか1つに記載の方法。
実施例12。RFバイアス電力のピーク電圧の絶対値が約500Vより小さい、実施例9~11のいずれか1つに記載の方法。
実施例13。RFバイアス電力の印加の継続時間中のプラズマ処理チャンバ内のプラズマ密度が約1×1017-3より小さい、実施例9~12のいずれか1つに記載の方法。
実施例14。RF電源電力を印加して除去するステップと、それから所定の遅延後に、プラズマ処理チャンバ内にRFバイアス電力を印加するステップと、を循環して実施するステップを更に含む、実施例9~13のいずれか1つに記載の方法。
実施例15。プラズマ処理装置であって、第1種の正イオンと第2種の負イオンとを含む電気陰性プラズマを収容するように構成されたプラズマ処理チャンバと、プラズマ処理チャンバと結合されて、プラズマ処理チャンバ内で電気陽性プラズマを発生させるように構成された電源電力供給装置であって、電気陽性プラズマは、第1種の正イオンと、第2種と結合して負イオンを形成する電子とを含む、電源電力供給装置と、プラズマ処理チャンバ内に配置された主要表面を含む基板チャックと、基板とバイアス電力供給装置との間に結合されたバイアス電力発生回路であって、バイアス電力発生回路は、基板に無線周波数(RF)バイアス電圧を印加するように構成されており、RFバイアス電圧は、負電圧と非負電圧との間で交番し、負電圧は、基板の主要表面に向けて方向付けられた、その主要表面に対してほぼ垂直な速度ベクトルを有する第1の中性粒子を発生させる、バイアス電力発生回路と、を含むプラズマ処理装置。
実施例16。バイアス電力発生回路は、約1MHz~約10MHzの周波数でRFバイアス電圧を印加するように構成されている、実施例15に記載のプラズマ処理装置。
実施例17。プラズマ処理チャンバと結合されて、RFバイアス電圧が印加されている間はグランド電圧に保持されるように構成された上部電極と、基板及びバイアス電力発生回路と結合された下部電極であって、基板にRFバイアス電圧を印加するように構成された下部電極と、を更に含む、実施例15及び16のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
実施例18。プラズマ処理チャンバと電源電力供給装置との間に結合された電源電力発生回路であって、電源電力発生回路は、上部電極に高周波RF電源電力を印加して電気陽性プラズマを発生させるように構成されており、電気陽性プラズマは容量結合プラズマである、電源電力発生回路を更に含む、実施例17に記載のプラズマ処理装置。
実施例19。電源電力発生回路は、上部電極又は下部電極と結合されている、実施例18に記載のプラズマ処理装置。
実施例20。上部電極と下部電極は、約15cmより短い距離だけ離れている、実施例17~19のいずれか1つに記載のプラズマ処理チャンバ。
例示的実施形態を参照しながら本発明について説明してきたが、本明細書は、限定的な意味で解釈されることを意図するものではない。当業者であれば、本明細書を参照することにより、それらの例示的実施形態の様々な修正形態及び組み合わせ、並びに本発明の他の実施形態が明らかになるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、そのようなあらゆる修正形態又は実施形態を包含することを意図している。

Claims (20)

  1. プラズマ処理の方法であって、
    第1の化学種、第2の化学種、および主表面を含む基板を収容するプラズマ処理チャンバ内で電気陽性プラズマのグローフェーズを発生させるステップであって、前記電気陽性プラズマは、前記第1の化学種の正イオンおよび電子を含む、ステップと、
    前記電気陽性プラズマの前記電子を前記第2の化学種の原子または分子と結合させることにより、前記プラズマ処理チャンバ内で前記電気陽性プラズマのアフターグローフェーズに電気陰性プラズマを発生させるステップであって、前記電気陰性プラズマは、前記正イオンおよび前記第2の化学種の負イオンを含む、ステップと、
    前記アフターグローフェーズにおいて、
    前記基板に負バイアス電圧を印加することにより、前記基板の前記主表面に向かって、前記基板の前記主表面に対して実質的に垂直に、平均速度を有する第1の中性粒子を発生させるステップ、および
    前記基板に非負バイアス電圧を印加するステップ、
    を循環して実施するステップと、
    を有する、方法。
  2. 前記第1の中性粒子を発生させるステップは、
    前記正イオンを前記基板に向かって加速させ、前記電気陰性プラズマ内での電荷交換衝突を促進するステップ
    を有し、
    前記平均速度を有する前記第1の中性粒子が生じる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記電気陰性プラズマ内での前記電荷交換衝突は、前記正イオンの1つと前記第1の化学種の中性バックグラウンド粒子との間の衝突を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記電気陰性プラズマ内での前記電荷交換衝突は、前記正イオンの1つと第3の化学種の中性バックグラウンド粒子との間の衝突を含み、前記第3の化学種は、前記第1の化学種と異なる電気陰性度を有する、請求項2に記載の方法。
  5. 前記基板に前記非負バイアス電圧を印加するステップは、
    前記基板に正バイアス電圧を印加することにより、前記基板の前記主表面に向かって、前記基板の前記主表面に対して実質的に垂直に、平均速度を有する第2の中性粒子を発生させるステップ
    を有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第2の化学種は塩素である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第1の化学種はアルゴンである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第1の化学種は水素および炭素を含む、請求項6に記載の方法。
  9. プラズマ処理の方法であって、
    プラズマ処理チャンバに少なくとも2つのガスを流入させるステップであって、前記プラズマ処理チャンバは、無線周波数(RF)電源電極、RFバイアス電力電極、および前記RF電源電極と前記RFバイアス電力電極との間に配置された基板を含み、前記ガスは、第1の化学種および第2の化学種を含む、ステップと、
    前記ガスにRF電源電力を印加して、前記第1の化学種の正イオンおよび電子を発生させるステップと、
    前記ガスから前記RF電源電力を除去し、前記第1の化学種の電子を前記第2の化学種の原子または分子と結合させることにより、前記第2の化学種の負イオンを発生させるステップと、
    所定の遅延の後であって前記RF電源電力の除去の後に、前記基板にRFバイアス電力を印加し、前記基板に中性粒子を供給するステップであって、前記RFバイアス電力は、前記基板位置で約10MHzよりも低い周波数を有する、ステップと、
    を有する、方法。
  10. 前記周波数は、約1MHzと約10MHzの間である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記RFバイアス電力が印加されている間、前記基板では自己バイアスが生じず、
    前記RFバイアス電力は、前記基板での正電圧の発生と、前記正電圧と大きさが等しい負電圧の発生との間を交番する、請求項9に記載の方法。
  12. 前記RFバイアス電力のピーク電圧の絶対値は、約500Vよりも小さい、請求項9に記載の方法。
  13. 前記RFバイアス電力の前記印加の期間中、前記プラズマ処理チャンバ内のプラズマ密度は、約1×1017-3よりも小さい、請求項9に記載の方法。
  14. さらに、
    前記RF電源電力を印加するステップおよび除去するステップと、その後の、前記所定の遅延の後の前記プラズマ処理チャンバ内にRFバイアス電力を印加するステップと、を循環して実施するステップ
    を有する、請求項9に記載の方法。
  15. プラズマ処理装置であって、
    第1の化学種の正イオンおよび第2の化学種の負イオンを含む電気陰性プラズマを収容するように構成されたプラズマ処理チャンバと、
    前記プラズマ処理チャンバに結合され、前記プラズマ処理チャンバ内で電気陽性プラズマを発生させるように構成された電源電力供給装置であって、前記電気陽性プラズマは、前記第1の化学種の前記正イオンおよび電子を有し、前記電子は、前記第2の化学種と結合し、前記負イオンを形成する、前記電源電力供給装置と、
    前記プラズマ処理チャンバ内に配置された主表面を有する基板チャックと、
    前記基板とバイアス電力供給装置との間に結合されたバイアス電力発生回路であって、前記基板に無線周波数(RF)バイアス電圧を印加するように構成された、バイアス電力発生回路と、
    を有し、
    前記RFバイアス電圧は、負電圧と非負電圧との間で交番し、
    前記負電圧は、前記基板の前記主表面の方向に向かって、前記基板の前記主表面に対して実質的に垂直に、速度ベクトルを有する第1の中性粒子を発生させる、プラズマ処理装置。
  16. 前記バイアス電力発生回路は、約1MHzと約10MHzの間の周波数で前記RFバイアス電圧を印加するように構成される、請求項15に記載のプラズマ処理装置。
  17. さらに、
    前記プラズマ処理チャンバに結合され、前記RFバイアス電圧の印加中、グラウンド電圧に保持されるように構成された、上部電極と、
    前記基板および前記バイアス電力発生回路に結合された下部電極であって、前記基板に前記RFバイアス電圧を印加するように構成された、下部電極と、
    を有する、請求項15に記載のプラズマ処理装置。
  18. さらに、
    前記プラズマ処理チャンバと前記電源電力供給装置との間に結合された電源電力発生回路であって、前記上部電極に高周波RF電源電力を印加し、前記電気陽性プラズマを発生させるように構成された、電源電力発生回路
    を有し、
    前記電気陽性プラズマは、容量結合性プラズマである、請求項17に記載のプラズマ処理装置。
  19. 前記電源電力発生回路は、前記上部電極または前記下部電極に結合されている、請求項18に記載のプラズマ処理装置。
  20. 前記上部電極および前記下部電極は、約15cm未満の距離で離間されている、請求項17に記載のプラズマ処理チャンバ。
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