JP2024514036A - 生物学的細胞培養物の培養システム - Google Patents

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Abstract

本発明は、保管モジュール(2)内のキャリア(1)上に収容された生物学的細胞をプロセスモジュール(3)内で培養するシステムに関し、各細胞株が処理仕様を含むアプリケーション(A1,A2,A3)を割り当てられ、処理仕様は、プロセスモジュール(3)内で時間的間隔をもって個々の開始時(t)に順次実行される1つ以上のワークフロー(W1.1,W1.2,W1.3,W2.1,W2.2,W2.3,W3.1,W3.2,W3.3)を含み、各ワークフロー(W1.1,W1.2,W1.3,W2.1,W2.2,W2.3,W3.1,W3.2,W3.3)は、順次行われるべき1つの作業工程又は複数の作業工程を含み、かつ、制御装置(6)が、複数のアプリケーション(A1,A2,A3)の同時実行を制御するとともに、同じプロセスモジュール(3)内で異なるアプリケーション(A1,A2,A3)の1つ以上のワークフロー(W1.1,W1.2,W1.3,W2.1,W2.2,W2.3,W3.1,W3.2,W3.3)を時間的シーケンスにて順次開始させる。単一プロセスモジュール(3)内でワークフローを経済的に順次実行できるように、本発明では各ワークフロー(W1.1,W1.2,W1.3,W2.1,W2.2,W2.3,W3.1,W3.2,W3.3)が開始時(5)に依存して作用関数(W(t))を割り当てられ、かつ異なるアプリケーション(A1,A2,A3)のワークフロー(W1.1,W1.2,W1.3,W2.1,W2.2,W2.3,W3.1,W3.2,W3.3)のシーケンス及び開始時(t)が、作用関数(W(t))の和(Σ)の最小値又は最大値を用いて計算される。

Description

本発明は、生物学的細胞培養のためのシステム又は方法に関し、各々が1又は複数の細胞培養物を担持する複数のキャリアと、キャリアが格納される少なくとも1つの保管モジュールと、キャリアにより担持された細胞培養物が少なくとも1つの処理装置を用いてその中で処理されるプロセスモジュールと、キャリアを保管モジュールとプロセスモジュールとの間で運ぶ搬送装置と、記憶装置を具備しかつ搬送装置及び処理装置を制御するプログラムされた又はプログラム可能な制御装置と、を有する。
複数の異なる細胞培養物に割り当てられたアプリケーションが記憶装置に記憶されており、各アプリケーションは割り当てられた細胞培養物を処理するための処理仕様である。それは1又は複数の処理単位(以下ワークフローと称する)を含み、それらは、プロセスモジュール内で時間的間隔をもってそれぞれの開始時において引き続いて実行される。ワークフローは1又は複数の作業工程を含む。1又は複数の作業工程は、即座に次々に実行されなければならない。制御装置は、複数のアプリケーションの同時実行を制御することによって、同じプロセスモジュール内で異なるアプリケーションの1又は複数のワークフローを時間的シーケンスにおいて順次開始させる。
細胞、特にヒトの細胞は、栄養剤を添加することによってプラスチックトレイ内で、例えばキャリアの凹部内で培養される。付着細胞は、通常、単層で増殖し、プラスチックトレイの底やキャリアの凹部に付着する。このような細胞は、底全体が細胞で覆われる前に底から剥離される。この目的のために、コンフルエントスキャンが行われ、それを用いて基板、例えばキャリアの底が細胞で覆われている程度を測定する。底から剥離した細胞は希釈され、新しいキャリア又は新しい凹部に移すことができる。このような細胞培養を維持するための先行技術のシステム及び方法は、インキュベーター、細胞を担持するキャリアを取り扱うロボット、及び栄養培地を添加又は交換可能な処理装置を有することができる。
特許文献1は、保管モジュール内のキャリア上に細胞が収容された生物学的細胞培養物の培養システムを開示している。グリッパを有する搬送装置が、保管モジュールからキャリアを取り出しそれらをプロセスモジュールへと運ぶために使用可能である。キャリア上に収容された細胞培養物は、そこで処理装置を用いて処理される。異なる種類の細胞培養物は、異なる処理仕様にしたがって処理される。各細胞培養物、例えば各キャリアは、割り当てられた細胞培養物を処理するための処理仕様であるアプリケーションを有し得る。この種のアプリケーションは、1又は複数のワークフローを含み得る。各ワークフローは、少なくとも1つの作業工程を含み得る。しかしながら、ワークフローは、複数の作業工程を含むこともできる。ワークフローの作業工程は、即座に又は短時間に次々に実行されなければならないことを特徴とする。それに対し、アプリケーションの複数のワークフローは、個々のワークフロー間により大きい時間的間隔をもってそれぞれ実行される。個々のワークフローの実行と実行の間、キャリアを保管モジュール内のそれらに割り当てられた保管スペースに置いておくことができる。100以上を数え得るアプリケーション及びそれらに割り当てられたワークフローは、制御装置の記憶装置内にデジタルデータセットとして保存することができる。プログラム可能な制御装置は、複数のアプリケーションの並行実行を調整し、異なるアプリケーションの1又は複数のワークフローを、同じプロセスモジュール内で時間的順序で次々に制御する。
好ましくは少なくとも1又は複数のワークフローを含み、栄養培地が交換され又はコンフルエントが測定されるこれらのアプリケーションを実行するための自動化システムは、制御装置の計画プログラムにより制御される。この種の計画プログラムは、個々のアプリケーションのワークフローを順次実行するためのタイムテーブルを生成する。さらに、計画プログラムは、ワークフローに影響を与え得るべきである。一般的に、この種のタイムテーブルは複数のワークプロセスを含み、それらのワークプロセスの継続時間とワークプロセス間の間隔は予測不能に変化し得る。細胞は生きた単位であり、それらの性質、特に増殖速度は予測不能に変化し得るため、ワークプロセスは細胞培養の個々の進捗に合わせて調整されなければならない。一般的に、細胞の増殖速度は変化可能でありかつ予測が難しい。例えば、細胞の増殖速度は、トランスフェクション、血清欠乏、又は隠蔽因子などの既知の要因によりバッチ毎に異なり得る。よって特に、細胞培養の進捗状況に合わせてワークフローの開始時に関する時間的シーケンスを調整するために、細胞培養の挙動を観察しなければならない。
さらに、生物学的細胞培養物の培養システムは、時間的効率のよい方法でアプリケーションを実行できなければならず、そして最適な開始時が別のワークフローの処理継続時間内に位置するようなワークフローは、プロセスモジュール内で順次実行されるべく時間的にシフトされるようにそのワークフローの開始時を決定しなければならない。
欧州特許出願第1 598 415号明細書 国際公開第2020/098960号 国際公開第2020/098957号
本発明の目的は、生物学的細胞培養物の培養システム又は方法の有用性をさらに発展させることであり、その場合、ワークフローを含むアプリケーションが同時に実行される。特に、1つの目的は、コスト的に有利にシステムを動作させることである。
上記目的は、請求の範囲に示された発明により達成される。従属項は請求項1に記載の発明の有利な更なる発展というのみでなく、上記目的の独立した解決手段を構築する。
本発明の第1の態様は、最適条件下で処理時間が重複するワークフロー同士の時間的衝突を回避することに関する。これらのタイプのワークフローは、一方のワークフローの開始時がもう一方のワークフローの終了後に来るように時間的にシフトさせなければならない。本発明は、各ワークフローに対して、その開始時に依存する作用関数が割り当てられることを提示する。作用関数又は作用関数の曲線は、ワークフローが好ましく実行される時点において極値を有し得る。したがって、ワークフローが好ましく実行される時点において、作用関数が最小限又は最大限であるか、又は作用関数の曲線が最小値又は最大値を有する。作用関数の最小値が好適である。その場合作用関数は、それ以前及びそれ以後の時間において上昇する。その上昇は、線形又は非線形でもよく、最も遅い開始時への方向におけるよりも最も早い開始時への方向において緩く上昇するか、又は、その逆も同様である。
例えば、ワークフローが、細胞培養条件をモニタリングするワークフローである場合、そのワークフローは、細胞がストックされた凹部の底が細胞で被覆されている程度を測定することを含む作業工程を有し得る。この種のコンフルエントスキャンは、顕微鏡及び自動画像解析を用いて実行することができる。被覆度に応じて、被覆度を下げるために次の工程において細胞を除去することができる。底から細胞を剥離するために液体を添加することができる。細胞は、ピペット装置により除去することができる。同時に、その間の経過時間を考慮して以前の測定における被覆度を現在の被覆度と比較することによって細胞培養物に割り当てられた増殖速度を個々に決定するために被覆度を測定可能である。
コンフルエントスキャンにより測定されたこの増殖速度は、後続のワークフローでその細胞培養物を次にモニタリングすべき将来の時点を計算するために用いることができる。そのシステムは好適開始時を計算する。例えば、好適開始時は、決定された増殖速度を基にコンフルエントが80%と予測される時点とすることができる。システムは、最も遅い開始時を計算することができ、それは、決定された増殖速度を基にコンフルエントが90%~100%と予測される大凡の時点に位置する。開始時がより遅くなると、表面を過増殖にさせてしまう可能性がある。システムは、最も早い開始時を計算でき、その場合、計算されたコンフルエントは例えば15%~30%の間、好ましくは20%である。
最も早い開始時、最も遅い開始時、及び好適開始時についてのこれらの境界値は、例えば好適開始時に値0を有しかつ最も早い開始時又は最も遅い開始時に値1を有する標準化可能な作用関数を構築するために用いられる。それは好適開始時を含む関数であり得る。しかしながら、この種の作用関数は、好適開始時が最も早い又は最も遅い許容値に近い場合、特に最も遅い開始時における最大値へとゆっくり又は急速に漸近的に上昇することも可能である。
ワークフローがその好適開始時を基準として別のワークフローの処理継続時間中に位置するような少なくとも1つのワークフローを各々有する複数のアプリケーションをシステムが含む場合、それら2つのワークフローの開始時は、2つの和が最小値とされるか最小値をもつように変更計算で変更される。
複数のワークフローが実行時間に関して重複するような複数のアプリケーションをシステムが含む場合、これらのワークフローは変更計算の対象となり、全ての作用関数の和が最小値となるようにワークフローの開始時が変更される。最小値はローカル最小値であり得る。しかしながらそれはグローバル最小値ともなり得る。特に、ワークフローのうち少なくとも幾つかは最も早い開始時を割り当てられ、それ以前にはワークフローを開始してはならない。一方、ワークフローのうち少なくとも幾つかは最も遅い開始時を有し、それ以後にはワークフローを開始してはならない。さらに、最も早い開始時及び最も遅い開始時が、好適開始時に隣接して位置するようにでき、そのことはワークフローが好適開始時にのみ開始されなければならないことを意味する。
関係する作用関数は、1つ又は2つの非常に急な分枝をもち、関数が最も早い又は最も遅い開始値に近づくにつれて傾きが急速に上昇するという利点によって数学的に表現され得る。最も単純なケースでは、作用関数が線形的に変化する分枝を有し得る。しかしながら、作用関数の分枝は、より高次の多項式で表すこともできる。
本発明の好適な実施形態では、ワークフローについての作用関数の実際の開始時が、ワークフローの作用関数の和を最小値とするように選択される。それは、ワークフローが好適開始時ではない開始時に実行されると作用関数が増加するからである。このようにして、作用関数はコスト関数と見做すことができ、ワークフローの実行が早すぎたり遅すぎたりすると、ペナルティやコストが生じることになる。本システムの目的は、アプリケーションのワークフロー全体に亘って作用関数すなわちコスト関数の和を最小値とすること、すなわちシステムの時間効率を最大化することである。
特に、本発明はさらに、1又は複数のワークフローの複数の関数を管理するための計画ソフトウェア又はプランナーに関する。この種のプランナーの別の構成では、関数とプランナーの目標を逆にすることもできる。その関数は、ワークプロセスが開始した時点において最大となり得る。そのシステムの目標は、アプリケーションのワークフロー全体についての作用関数の和を最大値とすることでシステムの時間効率を最大化することである。
ワークフローは、以下の作業工程のうち少なくとも1又は複数を含むことができる。それらは、細胞培養を適用する工程、生細胞又は死細胞を計数する工程、キャリアの凹部の底から細胞を剥離する工程、被覆度すなわちコンフルエントの低減のために細胞培養の細胞を除去する工程、コンフルエントスキャン工程、細胞培養の培地を交換する工程、栄養剤を添加する工程、又は細胞培養を中止する工程である。
特に、アプリケーション中のワークフローは、それらのワークフローの互いの間の時間的間隔が大きいという意味において、時間的に広く分布し得る。例えば、ワークフローは30分間継続し得る。この期間中、コンフルエントスキャンを実行可能であり、細胞培養の培地を交換可能であり、又は栄養剤を添加可能である。2つの連続するワークフローの間の期間は、数分又は数日となることもあり、連続するワークフロー同士の間の期間は、各ワークフローの実行中に連続的に計算される又は再計算される細胞培養の増殖速度に依存する。
例えば、細胞増殖をモニタリングするワークフロー中、先ずコンフルエントスキャンが実行され、それを用いて、その前のワークフローで設定されたコンフルエントを基に増殖速度が決定されるようにできる。コンフルエントは、細胞を除去することによって、例えば10%に実質的に低減できる。コンフルエントは、細胞を除去し、分割し、希釈し、又は細胞を新しいキャリアに播種することによって、例えば10%に実質的に低減できる。確認された増殖速度に基づいて、予測されるコンフルエントが80%となるように後続のワークフローの好適開始時(t)を決定することができる。確認された増殖速度に基づいて作用関数も再決定され、例えば、コンフルエントが20%となる最も早い開始時、及び予測されるコンフルエントが95%となる最も遅い開始時(t)を設定することによって再決定される。
ワークフロー内の作業工程は、時間に関係するシーケンスを形成しており、それらは、例えば理想的に0(零)又は長くても数分の時間的間隔をもって順次実行されなければならず、その場合、作業工程の間に他のワークフローが散在することはできない。例えば、第1の作業工程は、保管モジュールからキャリアを取り出してそれをプロセスモジュールに運ぶことを含み得る。後続の第2の作業工程はコンフルエントスキャンとすることができ、例えば、トレイの底に付着した細胞の被覆度が最適手段を用いて決定される。第3の工程は「剥離剤」の添加を含むことができ、それを用いて細胞が、トレイの底又はキャリアの凹部から剥離される。第4の工程は、トレイ又は凹部の栄養溶液から細胞を少なくとも部分的に除去するか、又は空きトレイ又は凹部に細胞のポーションを移すことを含む。被覆度すなわちコンフルエントはこの工程により設定できる。第5の作業工程は、栄養溶液を添加することを含み得る。第6の工程は、キャリアを保管モジュールへ戻すために運ぶことを含み得る。
これらの作業工程の各々は、作業関数の変化に影響を及ぼす可能性がある。さらに別の作業工程は、生細胞及び死細胞を計数することを含み得る。この作業工程は、第2の作業工程の前又は後に実行することができる。特定の細胞株、例えばCHO細胞(Chinese hamster ovary:チャイニーズハムスターの卵巣)を培養するために、アプリケーションのインスタンスが生成され、それはこの細胞株を培養するためのパラメータを含み、例えば、完全な培地レシピ、細胞が経過しなければならないコンフルエント、継代比率とキャリアプレート(皿)の数である。
アプリケーションは、1又は複数のキャリアプレートに関係し得る。複数のキャリアプレート、それらの各々がセルを収容した複数のトレイ、凹部又はキャリアを具備するキャリアプレートに関係するアプリケーションが有するワークフローの時間的長さは、1つキャリアプレートのみに関係するアプリケーションのそれを上回っている。2つのワークフロー間の間隔は、本質的に細胞株に依存し、主に細胞株の細胞の倍加時間又は継代比率に依存する。継代比率は、各ワークフロー中の細胞希釈度を示している。倍加時間は、通常、細胞株から細胞株へと変化し、それ故、細胞株維持のアプリケーションのインスタンスからインスタンスへと変化する。細胞が過剰なコンフルエントとなるのを防ぐために実行しなければならない、時間を重要とするワークフローがある。
アプリケーションは、数及び順序が変化するワークフローを含み得る。例えば、FGF2などのiPSC因子は短い半減期を必要とするため、iPSC(人工多能性幹細胞)の維持には、通常、培地を交換するワークフロー(「細胞の給餌」又は「細胞の再給餌」)を含む。通常、幹細胞には24時間毎に栄養を与えなければならない。「培地交換」の頻度は様々であり得、細胞の増殖速度や分裂率に依存する。コンフルエントスキャンの回数も同様に細胞の増殖速度に依存するので、コンフルエントスキャンは、例えば第1又は第2の培地交換の前又は後に行うことができる。
例えば作用関数がコストを表す場合、上述したことは、作用関数を、最小値とされるべき関数として特徴付ける。しかしながら、逆の場合もまた可能であり、例えば作用関数が使用を表すときである。その場合、それぞれの作用関数は最大値とされるべきである。
以下、添付の図面を参照して本発明の例示的実施形態を説明する。
図1の上部セクションにaと付されているのは3つのアプリケーションA1, A2, A3であり、好適開始時に実行されるそれぞれに関連するワークフローW1.1, W1.2, W1.3とW2.1, W2.2, W2.3とW3.1, W3.2, W3.3が含まれており、アプリケーションA2のワークフローW2.1, W2.2, W2.3は、固定された(変更不能に設定された)開始時に実行されなければならない。下部セクションにbと付されているのは、3つのアプリケーションのワークフローがプロセスモジュールで順次実行可能であるようにそれらが時間的にシフトされ配置された後の3つのアプリケーションのワークフローである。 図2の上部セクションにaと付されているのは作用関数W(t)であり、その下にあるbと付されたセクションは日単位の時間軸タイムスケールであり、下部セクションにcと付されているのはタイムスケールに対応するコンフルエント値である。 図3は、最も早い開始時(t)、好適開始時(t)、及び最も遅い開始時(y)を計算する計算スキームである。 図4は、コンフルエントスキャンの結果から好適開始時を計算するための同様の計算スキームである。 図5は、作用関数W(t)の、図2aにしたがった図示である。 図6は、作用関数W(t)の、図2aにしたがった別の図示である。 図7は、周期的に繰り返される3つのワークフローW1, W2, W3を含むアプリケーションAである。 図8は、周期的に繰り返される5つのワークフローW1, W2, W3, W4, W5を含むアプリケーションAである。 図9は、2つ以上のワークフローを同時に実行する場合、又はワークフローの開始時が別のワークフローの実行時間内に位置する場合に、時間の競合を解決するための手順を概略的に示している。 図10は、本発明によるシステムの構成要素を概略的に示している。 図11は、作用関数を手動で構築するためのグラフィック画面(ユーザインターフェース)を概略的に示している。 図12は、作用関数を最適化、例えば最大値又は最小値とするために、2つのワークフローW2.1とW3.2が時間的順序を交換された、図1にしたがった図示である。 図13は、図2にしたがった図示であるが、作用関数が使用を示し、最大値とされている場合である。
図10は、細胞培養物を収容するための保管モジュール2からなるシステムを概略的に示している。これらのような保管モジュール2はインキュベーターとすることができる。このような保管モジュールのハウジングは、複数のキャリア1を上下に重ねて格納する複数の「ホテル」を組み込むことができる。このような保管モジュール2に関しては特許文献2を参照されたい。
グリッパ、エンドエフェクタ、及び/又は他の搬送手段、例えば搬送レールもしくは自動機構を備え得る搬送装置5が設けられている。それらを用いてキャリア1を保管モジュール2からプロセスモジュール3へと搬送できる。プロセスモジュールの構成に関しては特許文献3を参照されたい。プロセスモジュール3内には1又は複数の処理手段4が配置されている。処理装置4は、顕微鏡、ピペット装置などを有し得る。
保管モジュール2に好適に格納された複数のキャリア1は、マイクロプレートであり得る。そのようなマイクロプレートは複数の凹部を有し、その中に細胞培養物とともに栄養剤が収容されている。各キャリア1は、ある細胞種の細胞培養物を有し得る。別のキャリア1は、別の細胞株を担持し得る。保管モジュール2は、そこに収容された細胞が細胞固有の分裂速度で再生するように構成されている。
制御装置6はマイクロコントローラ又はマイクロコンピュータを有することができ、搬送装置5及び処理装置4を制御可能である。制御装置6は、さらに記憶装置7を有することができ、その中にアプリケーションがデジタル形式で保存されている。アプリケーションは、細胞培養物を処理するための処理仕様であり、各キャリア1に対し、キャリア1により担持された細胞株の特性を考慮したアプリケーションすなわち処理仕様が割り当てられるように構成できる。しかしながら、アプリケーションAは、複数のキャリア1を含むこともでき、特に複数のキャリア1が同じタイプの細胞を担持するようにできる。保管モジュール2は、各々が異なる細胞培養株を担持しそれらに個別の異なるアプリケーション A1, A2, A3を割り当てた複数のキャリア1を保管することができる。各アプリケーションは1又は複数のワークフローW1, W2, W3, W4, W5を有することができ、各ワークフローは1又は複数の作業工程を含み得る。
アプリケーションA1, A2, A3のワークフローは、規定された時間的間隔で順次、実行されることになる。その場合、各ワークフローW1, W2, W3は、それを開始し得る好適開始時を有する。一方、幾つか又は全てのワークフローW1, W2, W3は、より早い時点又はより遅い時点に開始し得るが、最も早い開始時tより前及び最も遅い開始時tより後には開始できない。アプリケーションのワークフロー同士の間には数分間、数日間の時間が存在し得る。ワークフロー同士の間には、数秒~6日、半日~6日、又は1日~4日の時間が在ることが好ましい。ワークフローの継続時間は、1分~60分となり得る。
ワークフローは、即座に又は短時間に次々に実行されなければならない1つ以上の作業工程を含み、2つの連続する作業工程間の休止は好ましくはゼロであるか、又はしばしば数分間継続することができ、その間に他のワークフローは存在しない。例えば、作業工程はコンフルエントスキャン11とすることができ、その中で測定されたコンフルエント12が確認され、それから好適開始時tが決定される。さらなる作業工程は、剥離剤添加14、細胞懸濁15、遠心分離、生細胞又は死細胞の計数17、細胞生成すなわち新しい細胞播種18、栄養剤添加すなわち細胞への栄養供給19を含み得る。ワークフローは、これらの作業工程のうち少なくとも1つ又は上記に挙げていないものを含み得る。
1又は複数のワークフローW1, W2, W3, W4, W5を有するアプリケーションは、例えば細胞株を維持するために、不定時間に亘って周期的に実行可能である。アプリケーションは数日に亘る場合がある。
システムでは、同じアプリケーションの複数のインスタンスを有することができ、例えば細胞株維持アプリケーションが、第1のインスタンス「CHO細胞の維持」又は第2のインスタンス「Vero細胞の維持」を有し得る。
図7は、3つのワークフローW1, W2, W3からなるアプリケーションAを示しており、第1のワークフローW1は、アプリケーションの開始から1日~3日後に実行され、コンフルエントスキャン11が実行される。さらに1日~3日後、第2のワークフローW2が実行され、コンフルエントスキャン11が最初と同様に実行され、細胞が洗浄され、コンフルエントの程度に応じて剥離剤添加14が行われる。それによりキャリアの凹部の底から細胞を剥離できる。コンフルエントスキャン11は約1分続くが、次の工程、例えば洗浄又は剥離剤の添加14は10分~20分かかる場合がある。第1のワークフローW1では、出力コンフルエントを測定できる。第2のワークフローW2で行うコンフルエントのさらなる測定は、細胞株の分裂速度を決定するために用い得る。別のワークフローの好適開始時tは、例えば予測されるコンフルエントが80%となる時点から計算することができる。
ワークフローW3も、5分~10分後に実行することができる。このワークフローは、細胞除去15、遠心分離16、生細胞及び死細胞の計数17、及び/又は細胞播種18又は新しいマイクロプレート18への細胞播種18の工程を含み得る。
図8は、アプリケーションの別の例示的実施形態を示し、5つのワークフローW1, W2, W3, W4, W5が順次実行され、5つのワークフローのシーケンスが不定時間で繰り返される。
ワークフローW1、ワークフローW2、及びワークフローW3は、各々栄養剤添加19を含み得る。ワークフローW6は、コンフルエントスキャン11の工程を含む。栄養剤添加の間隔は例えば24時間に設定でき、そして細胞倍加時間は細胞株によって異なるため、栄養剤添加回数は細胞の増殖速度に依存する、すなわちアプリケーションのワークフローの数が異なり得る。コンフルエントスキャン11の開始時及び細胞増殖速度に依存して、ワークフローW1, W2, W3 及びW6のシーケンスもまた変化し得る(すなわちW6は図8に示したシーケンスの外で起こり得る)。ワークフローW4はコンフルエントスキャン11を含み、そして工程14は培地除去及び剥離剤添加を含む。ワークフローW5は、工程15の細胞懸濁、工程16の遠心分離、工程17の死細胞及び生細胞の計数、工程18の細胞播種を含み得る。
図2並びに図5及び図6は、作用関数W(t)の例示的な変化を示している。作用関数は、ワークフローW1, W2, W3, W4, W5の開始時tに依存する値を反映する。作用関数W(t)は、その作用関数が割り当てられたワークフローの好適開始時tにおいて最小値を有する。作用関数は、最も遅い開始時t又は最も早い開始時tに対応する時点において最大値を有する。
図2のセクションbは、例えばセクションaに示された開始時が関係する日数を反映している。図2のセクションbは、細胞培養物が収容されている凹部の底の被覆度を意味する付随するコンフルエントを百分率で表している。最適な開始時は、予測されるコンフルエントが80%となる時点である。最も遅い開始時は、コンフルエントが未だ100%未満に留まっている時点である。最も早い開始時TEは予測されるコンフルエントが約20%~30%となる時点である。
制御装置6は、競合の無い場合、各ワークフローW1, W2, W3, W4, W5が好適開始時tに開始するようにプログラムされている。アプリケーションA1, A2, A3によって規定されたタイムテーブルによると2つ以上のワークフローが同時に実行されなければならない競合のある場合、それらのワークフローは、同じプロセスモジュール3内で順次実行され得るように時間的にシフトされる。このために、それらのワークフローは、作用関数の和が最小値を有するか又は最小限となるように時間的にシフトされる。この種の時間的なシフトは、順序の変更すなわちワークフロー(ワークプロセス)の再配列を含むことができる。
図12は、図2による図示において作用関数を最大値とすることを例示している。
図1は、3つのアプリケーションA1, A2, A3がそれぞれ3つのワークフローW1.1, W1.2, W1.3とW2.1, W2.2, W2.3とW3.1, W3.2, W3.3を有する例を示している。アプリケーションA1, A2, A3のワークフローW1.1, W2.1, W3.1は、計画通りに実行されるとそれらが重なるようにタイミング設定されている。アプリケーションA2のワークフローW2.1, W2.2, W2.3は、好適開始時においてのみ実行可能であるという付加的な特性を有するため、最も遅い開始時と最も早い開始時がほぼ一致している。これらのワークフローW2.1, W2.2, W2.3は、残りのワークフローの時系列的な配置をある程度決定する。結果的に、本発明によるシステムは、残りのワークフローの時系列的な配置をある程度決定するそれらのワークフローW2.1, W2.2, W2.3を含み得る。
その結果、ワークフローW1.1, W2.1, W3.1の作用関数の和を最小値とするために、ワークフローW1.1は時間的に前方にシフトされ、そしてワークフローW3.1は時間的に後方にシフトされる。
例示的実施形態では、個々の第2のワークフローW2.2とW3.2は時間的にシフトされる必要はない。なぜならそれらはスケジュール通りに順次実行可能だからである。ワークフローW1.2のみがわずかに前方にシフトされなければならない。ワークフローW1.3, W2.3, W3.3はいずれも時間的にシフトされる必要はない。図示の例ではワークフローの順序が変更されるが、作用関数の和を最小値又は最大値とすると、場合によってはワークフローの順序が変更される可能性があることが予想される。
図11は、ワークフローW3.2とW2.1を置換することが可能であることも示している。
図3は、時間の関数としての細胞培養の増殖速度の曲線を示している。ワークフローの好適開始時tは、その時に予測されるコンフルエントが80%となるように選択される。ワークフローの可能な最も遅い開始時tは、その時に予測されるコンフルエントが90%となるように選択される。ワークフローの可能な最も早い開始時tは、その時に予測されるコンフルエントが20%となるように選択される。
図4は、コンフルエントスキャン11の時点で測定されたコンフルエント12を利用して計算される好適開始時13を計算する方法を示している。コンフルエントスキャン11の時点ではコンフルエント60%が測定されている。コンフルエントが80%となる増殖曲線上の点が決定される。
この例では、システムは、例えばワークフローが以前に実行されていた場合に再懸濁した細胞を計数し、細胞のコンフルエント10%を設定するように希釈を計算する。システムは、この設定された10%から変化して、細胞が増殖サイクルの中間又は最後(50~80%のコンフルエント)に位置すると予測される時点を計算する。指数関数的増殖曲線を仮定すると、例えば、コンフルエントが例えば80%となる時点は、初期のコンフルエントである例えば10%から計算される。
システムが細胞の倍加時間を認知していない場合、培養中の哺乳動物細胞における最短の倍加時間、又は最短の既知の倍加時間よりも短い倍加時間を慣用的に用いることができる。例えばシステムは、12時間の予備的倍加時間を用いることで、コンフルエントスキャンをいつ実行するべきかを計算する。しかしながら、それに替えて、システムは、細胞が安定な倍加時間に到達するまで、24時間毎にコンフルエントスキャンを実行することもできる。システムは、倍加時間についてのデータを取得すると直ちに、細胞の倍加時間を用いていつ80%コンフルエントに到達するかを決定できる。
図5及び図6は、作用関数W(t)が非線形的に変化する作用関数のバリエーションを示している。図5に示した作用関数では、最も遅い開始時tと好適開始時tとの間の時間的間隔は、最も早い開始時tと好適開始時tとの間の時間的間隔よりもかなり小さい。
それに対して、図6は、tに対して対称的な作用関数W(t)の変化を示している。
図11は、表示画面上のアンカー点を「引く」ことによって作用関数W(t)の変化を手動で事前設定できるように用いられるグラフィック画面を例示的に示している。
ユーザが、アプリケーション、ワークフロー、又は他のワークプロセスをシステムに追加できることが望ましい場合があるが、それはシステムによって処理されるべき困難な計画上の問題となり得る。特に、幾つかの細胞株は予想されるよりも速やかに又は緩やかに増殖することを考慮し得る。ワークフロー中、処理装置4を用いて1又は複数のキャリアプレートを、順次、直ちに処理できる。これは、好ましくは同じ作業工程により行われる。
本発明によれば、細胞培養システムが構築される。一実施形態では、細胞培養システムが、インキュベーター、冷蔵庫、室温での実験装備用の2つの保管庫、及びプロセスモジュール3を有する。プロセスモジュール3は、例えばピペットである液体ハンドラーを備え得る。例えばボトルの蓋開け用のデキャッパー、キャリア1を把持するグリッパー、及び顕微鏡など、他の機構を設け得る。アプリケーション及びワークフロー又は他のワークプロセスに応じて、システムの容量は、キャリア用のインキュベーターの容量、特にインキュベーターが処理し得るプレートの数、又は、プロセスモジュールの容量(速度)のいずれかによって、制限され得る。その結果、制限された数のワークプロセス又はワークフローのみが、プロセスモジュール3内で可能である。
システムは、例えば細胞株の維持又は細胞ベースの「アッセイ」もしくは実験を含むアプリケーションを実行可能である。それらのアプリケーションは、細胞株の維持に関して不定時間実行することができ、特に数日間又は数週間に及ぶことがある。
特に、ワークフローは、「コンフルエントスキャン」、「剥離剤」添加、及び細胞除去を含む。細胞除去ワークフローは、個々の操作、具体的には細胞除去と細胞播種を含み得る。遠心分離、又は死細胞及び生細胞の計数などの作業工程をさらに設けることができる。特定の細胞株、例えばCHO細胞を培養するために、この細胞株を培養するためのパラメータを含むアプリケーションのインスタンスが生成される。パラメータは、完全な培地レシピ、継代コンフルエント、継代比率、又はキャリアの数(例えばマイクロプレートのようなキャリアプレートの数)を含み得る。
ワークフロー内の作業工程は相互に関係していて中断がなく、特に2つの作業工程間に1分を超える中断はない。同じアプリケーション内の2つのワークフロー間の継続時間は1分よりも大きく、通常、分、時間、又は日で測られる。保管モジュール2からプロセスモジュール3へのキャリアの搬送及びそこでの処理は、この目的のために必要なコンフルエントにまだ到達していない場合には遅延され得る。その結果、ワークフローは、例えばコンフルエントスキャンが特定値に到達したときに任意に実行される作業工程を含むことができる。コンフルエントスキャンにおいてその特定値に到達しない場合、1又は複数の後続の作業工程が省略又は遅延され得る。
本発明によるシステムの基礎となる方法は、ワークフローの継続時間と間隔が互いに異なるタイムテーブルを処理することができる。本方法は、図9を参照して以下のように要約することができる。
好適開始時t、最も早い開始時t、及び最も遅い開始時tにおけるワークフローと、そのワークフローをt以外の開始時で実行するためのコストを規定すること。そのコストは作用関数W(t)で表されている(ワークフロー21の実行)。
ユーザによる入力が行われた場合又は後続のワークフローの好適開始時を変更するデータが見出された場合、例えば、全ての後続のワークフローのデータ(開始時)が再計算される(22)。その計算は、和、特にワークフローの作用関数の総和が最小値となるように行われる(23)。その最小値は、グローバル最小値である必要はなく、ローカル最小値でもよい。
全てのワークフローの全ての作用関数W(t)の和Σは、多次元関数として表すことができる。
Figure 2024514036000002
それぞれの開始時のシフトに基づき、そして各ワークフローの継続時間を考慮して、これによりグローバル最小値又はローカル最小値を計算することができる。
Figure 2024514036000003
それには、すべてのワークフローが時間的に相互に続いていること、及び、各ワークフローの開始時が別のワークフローの継続時間内に位置しないこと、という境界条件が適用される。
本発明は、ワークフローを混合する方法を提供する。その場合、作用関数W(t)の和が最小値とされ、例えばそれは、ワークフローを実行するために費やされるコストを表しており、したがって本発明による方法はコスト最適化法である。
その結果、本方法は、プランナー又は計画ソフトウェアに関し、それを用いて複数のアプリケーション(アプリケーション)を管理でき、各アプリケーションが1つ以上のワークフロー(ワークプロセス)を含む。異なるアプリケーションのワークプロセスは、実行が最適化されており、その場合上述した最適化特性が用いられる。
上記の記載は、全体として本出願の対象となる発明を説明するものであり、各発明は、少なくとも以下の特徴の組み合わせによって従来技術を独立して進歩させるものであり、特に、これらの特徴の組み合わせのうちの2つ、幾つか、又はすべてを組み合わせることができる。
各ワークフローW1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3が、開始時tに依存する作用関数W(t)を割り当てられており、かつ、異なるアプリケーションA1, A2, A3のワークフローW1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3の順序と開始時(t)が、作用関数W(t)の和を最小値とすることによって計算されることを特徴とするシステム。
各ワークフローW1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3が、開始時tに依存する作用関数W(t)を割り当てられており、かつ、異なるアプリケーションA1, A2, A3又は同じアプリケーションのインスタンスのワークフローW1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3の順序と開始時(t)が、作用関数W(t)の和を最小値とすることによって計算されることを特徴とするシステム。
各ワークフローW1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3が、好適開始時tを割り当てられており、その時点において、ワークフローW1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3に割り当てられた作用関数W(t)が最小値を有することを特徴とするシステム又は方法。
異なるアプリケーションA1, A2, A3のうち少なくとも幾つかの第1のワークフローW1.1, W1.2, W1.3が第1の好適開始時tを有し、それが、第1の好適開始時tより前に位置する第2の好適開始時tを有する第2のワークフローの処理継続時間内に位置しており、制御装置6は、第1及び第2のワークフローW1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3が順次実行されるように第1及び/又は第2の開始時をシフトさせ、第1及び第2の開始時は、作用関数W(t)の和を最小値又は最大値とするように選択されることを特徴とするシステム又は方法。
ワークフローW2.1, W2.2, W2.3のうち少なくとも幾つかが、それ以前にはワークフローW2.1, W2.2, W2.3を開始してはならない最も早い開始時tを割り当てられ、かつ/又は、それ以後にはワークフローを開始してはならない最も遅い開始時tを割り当てられており、特に作用関数W(t)が最も早い開始時t及び最も遅い開始時tにおいて最大値を有することを特徴とするシステム又は方法。
作用関数W(t)が、最も早い開始時tから好適開始時tまで線形又は非線形に上昇又は下降する分枝と、好適開始時tから最も遅い開始時tへと線形又は非線形に上昇又は下降する分枝とを有することを特徴とするシステム又は方法。
ワークフローW1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3の開始時にアプリケーションA1, A2, A3を実行するために費やされるコストが、好適開始時tにおいて最小値を有しかつ最も早い開始時及び最も遅い開始時においてそれぞれ最大値を有するように、作用関数W(t)の変化が選択されることを特徴とするシステム又は方法。
ワークフローW1.1, W2.1, W3.1のうち少なくとも幾つかが、細胞増殖をモニタリングするモニタリング工程を有し、その工程で細胞培養のコンフルエントが決定され、かつ、コンフルエントに依存して少なくとも1つの後続のワークフロー W1.1, W2.2, W3.3の好適開始時tが決定されること、及び/又は、後続のワークフローW1.2, W2.2, W3.2 の最も早い開始時t及び/又は最も遅い開始時tがモニタリング工程で決定されることを特徴とするシステム又は方法。
ワークフローW1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3が、以下の作業工程:
細胞培養物を調製する工程18、
生細胞又は死細胞を計数する工程17、
細胞培養物から細胞を除去する工程、
キャリア1の凹部の底から細胞を剥離する工程、
剥離剤を添加する工程14、
コンフルエントスキャン工程11、
栄養剤を添加する工程19、又は
細胞培養を中止する15又は細胞を播種する工程のうち少なくとも1又は複数を有することを特徴とするシステム又は方法。
搬送装置5が、第1のワークフローW1.1を実行するために第1の時点において保管モジュール2内の保管スペースから第1のキャリア1を取り出してそれをプロセスモジュール3に運ぶことによって、処理装置4が、第1のキャリアにより担持された細胞培養物の処理を第1の開始時tに開始し、そしてその後、搬送装置5が、第2のワークフロー2.1を実行するために第2の時点において保管モジュール2内の保管スペースから第2のキャリア1を取り出してプロセスモジュール3に運ぶことによって、第1のワークフローW1.1の実行が完了した後に処理装置4が、第2のキャリア1により担持された細胞培養物の処理を第2の開始時tに開始し、2つの開始時tは、作用関数W(t)の和Σを最小値又は最大値とするように計算されることを特徴とするシステム又は方法。
グラフィックデータ入力装置を備え、それを用いてユーザが作用関数の変化を設定可能であることを特徴とするシステム又は方法。
処理装置4が、ピペット装置、顕微鏡、及び/又は、栄養剤収容容器を開けるための蓋開け装置を有すること、及び/又は、保管モジュール2がインキュベーターであること、及び/又は、搬送装置5が、把持アーム又はエンドエフェクタを有しかつ/又は自動化されていることを特徴とするシステム又は方法。
最小値又は最大値がローカル最小値又はローカル最大値であること、及び/又は、最小値又は最大値が、制限された数のワークフローW1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3の継続時間に亘って計算された値であることを特徴とするシステム又は方法。
開示された全ての特徴は、(それ自体のために、また互いに組み合わされて)本発明に不可欠である。ここでの出願の開示は、関連する/追加された優先権書類(先の出願の写し)の開示内容をその内容全体に含み、それはこれらの書類の特徴を本願の請求項に組み込む目的でもある。従属請求項は、特にこれらの請求項に基づいて分割出願を行うために、引用される請求項の特徴がなくても、先行技術の独立した発明性のあるさらなる発展を特徴とする。各請求項で特定された発明は、前述の説明で特定された、特に参照符号が付与された、及び/又は符号の説明で特定された、1つ以上の機能を追加で有することができる。本発明はまた、特に、それらがそれぞれの使用目的に明らかに不要であるか、または技術的に同じ効果を有する他の手段で置き換えることができる限り、前述の説明で述べた特徴の個々のものが実装されない実施形態に関する。
1 キャリア
2 保管モジュール
3 プロセスモジュール
4 処理装置
5 搬送装置
6 制御装置
7 記憶装置
11 コンフルエントスキャン
12 測定されたコンフルエント
13 計算された好適開始時
14 剥離剤添加
15 細胞懸濁
16 遠心分離
17 計数
18 細胞播種
19 栄養剤添加
21 ワークフローの実行
22 t、t、tの再計算
23 時間的シフト
A アプリケーション
A1 アプリケーション
A2 アプリケーション
A3 アプリケーション
W1.1 ワークフロー
W1.2 ワークフロー
W1.3 ワークフロー
W2.1 ワークフロー
W2.2 ワークフロー
W2.3 ワークフロー
W3.1 ワークフロー
W3.2 ワークフロー
W3.3 ワークフロー
W1 ワークフロー
W2 ワークフロー
W3 ワークフロー
W4 ワークフロー
W5 ワークフロー
W(t) 作用関数
t 開始時
最も早い開始時
好適開始時
最も遅い開始時
Σ 和

Claims (14)

  1. 生物学的細胞培養物の培養システムであって、
    各々が1又は複数の細胞培養物を担持する複数のキャリア(1)と、
    前記キャリア(1)が格納される少なくとも1つの保管モジュール(2)と、
    少なくとも1つの処理装置(4)を用いて前記キャリア(1)により担持された前記細胞培養物が処理されるプロセスモジュール(3)と、
    前記キャリア(1)を前記保管モジュール(2)と前記プロセスモジュール(3)との間で運ぶ搬送装置(5)と、
    記憶装置(7)を具備しかつ前記搬送装置(5)及び前記処理装置(4)を制御する制御装置(6)と、を有し、
    複数の異なる細胞培養物に割り当てられたアプリケーション(A1, A2, A3)が前記記憶装置(7)に記憶されており、
    各アプリケーション(A1, A2, A3)は、割り当てられた前記細胞培養物を処理するための処理仕様であって、前記プロセスモジュール(3)内で時間的間隔をもってそれぞれの開始時(t)にて引き続いて実行される1又は複数のワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)を含み、1つのワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)は、短時間に次々に実行されるべき1つの作業工程又は複数の作業工程を含み、
    前記制御装置(6)は、複数のアプリケーション(A1, A2, A3)の同時実行を制御することによって、同じプロセスモジュール(3)内で異なるアプリケーション(A1, A2, A3)の1又は複数のワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)を時間的シーケンスにて順次開始させる、前記システムにおいて、
    各ワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)が、前記開始時(t)に依存してそれに割り当てられた作用関数(W(t))を有し、かつ、
    異なる複数のアプリケーション(A1, A2, A3)における、又は同じアプリケーションの複数のインスタンスにおけるワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)の順序及び開始時(t)が、前記作用関数(W(t))の和(Σ)を最小値又は最大値とすることによって計算されることを特徴とするシステム。
  2. 生物学的細胞培養物の培養方法であって、
    少なくとも1つの保管モジュール(2)に格納される複数のキャリア(1)がそれぞれ1又は複数の細胞培養物を担持し、
    前記細胞培養物は、少なくとも1つの処理装置(4)を用いてプロセスモジュール(3)内で処理され、
    前記キャリア(1)は、搬送装置(5)により前記保管モジュール(2)と前記プロセスモジュール(3)との間で搬送され、
    記憶装置(7)を具備する制御装置(6)が前記搬送装置(5)及び前記処理装置(4)を制御するために用いられ、かつ異なる細胞培養物に割り当てられたアプリケーション(A1, A2, A3)が前記記憶装置(7)に記憶されており、
    各アプリケーション(A1, A2, A3)は、割り当てられた前記細胞培養物を処理するための処理仕様であって、前記プロセスモジュール(3)内で時間的間隔をもってそれぞれの開始時(t)にて引き続いて実行される1又は複数のワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)を含み、1つのワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)は、短時間に次々に実行されるべき1つの作業工程又は複数の作業工程を含み、
    前記制御装置(6)は、複数のアプリケーション(A1, A2, A3)の同時実行を制御することによって、同じプロセスモジュール(3)内で異なるアプリケーション(A1, A2, A3)の1又は複数のワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)を時間的シーケンスにて順次開始させる、前記システムにおいて、
    各ワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)が、前記開始時(t)に依存してそれに割り当てられた作用関数(W(t))を有し、かつ、
    異なる複数のアプリケーション(A1, A2, A3)における、又は同じアプリケーションの複数のインスタンスにおけるワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)の順序及び開始時(t)が、前記作用関数(W(t))の和(Σ)を最小値又は最大値とすることによって計算されることを特徴とする方法。
  3. 各ワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)がそれに割り当てられた好適開始時(t)を有し、その好適開始時においてそのワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)に割り当てられた前記作用関数(W(t))が最小値又は最大値を有することを特徴とする請求項1に記載のシステム又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記異なる複数のアプリケーション(A1, A2, A3)のうち少なくとも幾つかの第1のワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3)が、第2のワークフローの処理時間内に位置する第1の好適開始時(t)を有し、前記第2のワークフローの第2の好適開始時(t)は、前記第1の好適開始時(t)より前に位置しており、
    前記制御装置(6)は、2つの前記第1及び第2のワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)が順次実行されるように前記第1及び/又は第2の開始時をシフトさせ、
    前記第1及び第2の開始時は、前記作用関数(W(t))の和(Σ)を最小値又は最大値とするように選択されることを特徴とする請求項3に記載のシステム又は方法。
  5. 少なくとも幾つかの前記ワークフロー(W2.1, W2.2, W2.3)が、それらに割り当てられた最も早い開始時(t)を有し、その最も早い開始時より前に前記ワークフロー(W2.1, W2.2, W2.3)が開始されてはならず、かつ/又は、最も遅い開始時(t)を有し、その最も遅い開始時より後に前記ワークフロー(W2.1, W2.2, W2.3)が開始されてはならず、
    特に、前記作用関数(W(t))は、前記最も早い開始時(t)と前記最も遅い開始時(t)において最大値を有することを特徴とする請求項3又は4に記載のシステム又は方法。
  6. 前記作用関数(W(t))は、前記最も早い開始時(t)から前記好適開始時(t)まで線形又は非線形に下降又は上昇する分枝と、前記好適開始時(t)から前記最も遅い開始時(t)まで線形又は非線形に上昇又は下降する分枝とを有することを特徴とする請求項3~5のいずれかに記載のシステム又は方法。
  7. 前記ワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)の開始時に前記アプリケーション(A1, A2, A3)を実行するために費やされるコストが、前記好適開始時(t)において最小値を有しかつ前記最も早い開始時と前記最も遅い開始時においてそれぞれ最大値を有するように、前記作用関数(W(t))の変化が選択されることを特徴とする前出請求項のいずれか1つに記載のシステム又は方法。
  8. 少なくとも幾つかの前記ワークフロー(W1.1, W2.1, W3.1)が、細胞増殖をモニタリングするモニタリングステップを有し、
    前記モニタリングステップにおいて細胞培養のコンフルエントが決定され、それに応じて少なくとも1つの後続のワークフロー(W1.1, W2.2, W3.3)の前記好適開始時(t)が決定されること、及び/又は、
    後続のワークフロー(W1.1, W2.2, W3.3)の前記最も早い開始時間(t)及び/又は前記最も遅い開始時間(t)が、前記モニタリングステップにおいて決定されることを特徴とする前出請求項のいずれか1つに記載のシステム又は方法。
  9. 前記ワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)が、以下の作業工程:
    細胞培養物を調製する工程(18)、
    生細胞又は死細胞を計数する工程(17)、
    前記細胞培養物から細胞を除去する工程、
    前記キャリア(1)の凹部の底から細胞を剥離する工程、
    剥離剤を添加する工程(14)、
    コンフルエントスキャン工程(11)、
    栄養剤を添加する工程(19)、
    細胞培養を中止する(15)工程、又は
    細胞培養を中止する15又は細胞を播種する工程のうち少なくとも1又は複数を有する前出請求項のいずれか1つに記載のシステム又は方法。
  10. 前記搬送装置(5)が、第1のワークフロー(W1.1)を実行するために第1の時点で前記保管モジュール(2)の保管スペースから第1のキャリア(1)を取り出してそれをプロセスモジュール(3)へと運ぶことによって、第1の開始時(tW1.1)で前記処理装置(4)が、前記第1のキャリアにより担持された細胞培養物の処理を開始し、 その後、前記搬送装置(5)が、第2のワークフロー(W2.1)を実行するために第2の時点で前記保管モジュール(2)の保管スペースから第2のキャリア(1)を取り出してそれをプロセスモジュール(3)へと運ぶことによって、前記第1のワークフロー(W1.1)の実行完了後の第2の開始時(t)で前記処理装置(4)が、前記第2のキャリア(1)により担持された細胞培養物の処理を開始し、
    2つの前記開始時(t)は、前記作用関数(W(t))の和(Σ)を最小値又は最大値とするように計算されることを特徴とする前出請求項のいずれか1つに記載のシステム又は方法。
  11. グラフィックデータ入力装置を有し、それを用いてユーザが作用関数の変化を設定可能であることを特徴とする前出請求項のいずれか1つに記載のシステム又は方法。
  12. 前記処理装置(4)が、ピペット装置、顕微鏡、及び/又は栄養剤収容容器を開封するための開封装置を有すること、及び/又は、前記保管モジュール(2)がインキュベーターであること、及び/又は、前記搬送装置(5)が、グリップアーム又はエンドエフェクタを有しかつ/又は自動化されていることを特徴とする前出請求項の1つに記載のシステム又は方法。
  13. 前記最小値又は前記最大値がローカル最小値又はローカル最大値であること、及び/又は、前記最小値又は前記最大値が、制限された数のワークフロー(W1.1, W1.2, W1.3; W2.1, W2.2, W2.3; W3.1, W3.2, W3.3)の継続時間に亘って計算された値であることを特徴とする前出請求項のいずれか1つに記載のシステム又は方法。
  14. 前出請求項のいずれかに記載の1又は複数の特徴的な特徴を特徴とするシステム又は方法。
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