JP2024513390A - 目的材料の保護のための材料および構成 - Google Patents

目的材料の保護のための材料および構成 Download PDF

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Abstract

不動態化領域およびデバイス構成が、本明細書に説明される。不動態化領域は、下層領域から不動態化領域の中への目的材料の拡散、および/または不動態化領域を通した目的材料の拡散に対してシールするように構成されることができる。不動態化領域は、下層領域に向かう不動態化領域の中への外部供給または周囲物質の拡散、および/または不動態化領域を通した外部供給または周囲物質の拡散に対してシールするようにも構成されることができる。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、その内容があらゆる目的のために参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる2021年4月2日に出願された「MATERIALS AND CONFIGURATIONS FOR PROTECTION OF OBJECTIVE MATERIALS」と題された米国仮出願第63/170,108号の優先権を主張する。
(技術分野)
本明細書に説明される主題は、概して、目的材料の保護または不動態化、例えば、中性子発生デバイス内のリチウム層の不動態化に関する。
デバイス内の材料を保護または不動態化することが望ましい多数の用途が、存在する。1つのそのような用途は、ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)であり、それは、様々なタイプの癌(最も困難なタイプを含む)の治療の比較的に新しいモダリティを表す。BNCTは、ホウ素化合物を使用して正常細胞を温存しながら、選択的に腫瘍細胞を治療することを目標とする技法である。ホウ素を含む物質が、血管の中に注入され、ホウ素は、腫瘍細胞内に集まる。患者は、次いで、中性子ビームの形態における放射線を受け取る。中性子は、陽子ビームと、標的基質上に位置付けられたリチウムまたはベリリウム等の中性子発生材料との相互作用によって生成される。結果として生じる中性子ビームは、減速させられ、患者に集中させられ、中性子は、ホウ素と反応し、腫瘍細胞を選択的に死滅させる。
中性子発生材料は、あるタイプの粒子またはプラズマと相互作用し得る層、被覆、またはコーティングとして位置付けられることができる。リチウムが、従来の例であるが、それは、通常の周囲条件(例えば、一般的な実験室空間において見出されるもの等の室温における空気等)において取り扱うことが困難である非常に反応性かつ腐食性の金属である。リチウムは、大気空気中で水分、窒素、および/または酸素と激しく反応し、急速に変色および/または酸化する。リチウムは、窒化物および水酸化物(例えば、水酸化リチウム(LiOHおよびLiOH-HO)、窒化リチウム(LiN)、および炭酸リチウム(LiOHとCOとの間の二次反応の結果であるLiCO))に変わり、それは、粉塵の形態において基質から剥離し得る。空気および水分は、そのような反応のための触媒としての機能を果たす。
安全な取り扱いのために、一例では、リチウムは、グローブボックスの内側で基質に取り付けられ、不活性純ガス(例えば、アルゴン)で充填され得る。グローブボックスから作業エリアへのリチウムの移送は、空気中の水分の量が、リチウムがあまりにも著しく酸化または変色することを防止するために十分に少ない「乾燥室」の使用を要求する。しかしながら、乾燥室で作業する人間は、自然に水分を導入し、乾燥室によってもたらされる利益を排除する。さらに、乾燥室の建設は、複雑かつ高価である。
上記の欠点に対処する試みは、リチウムが使用される特定の用途に応じて、限定された成功を収めているか、または、いかなる成功も収めていない。リチウム標的の表面上のLiNの合成が、提案されている。そのようなアプローチの不利点は、LiN層の厚さを制御できないことと、LiN中のリチウムの高い拡散係数とを含む。さらに、そのようなアプローチは、超高真空(UHV)条件であっても、汚染または酸化のリスクを排除しない。
ステンレス鋼(SS)の薄い層によって被覆または保護されるリチウムの厚い層も、解決策として提案されている。そのようなアプローチは、リチウムが保護され、実行可能である限定された時間間隔(例えば、10分のみ)に悩まされる。さらに、加速器標的材料の上に適用される厚いコーティングに関連付けられたアプローチは、加速器粒子の減速、したがって、より低い収率または所望の反応の完全な妨害をもたらす。
ベリリウム(Be)および/またはアルミニウム(Al)の耐酸化層も、提案されている。そのようなアプローチに関連付けられた欠点は、リチウムとアルミニウムとが接触するときのそれら間の高い反応性と、リチウムを通したアルミニウムの急速な拡散とを含む。さらに、ベリリウムは、危険であり、扱うことが困難である。
これらおよび他の理由から、材料の不動態化を促進する改良されたシステム、デバイス、および方法に関する必要性が、存在する。
目的材料の保護または不動態化のためのシステム、デバイス、および方法の例示的実施形態が、本明細書に説明される。不動態化領域が、下層領域から不動態化領域の中への(および/またはそれを通した)目的材料の拡散に対してシールするように構成されることができる。不動態化領域は、下層領域に向かわせる不動態化領域の中への(および/またはそれを通した)外部供給または周囲物質の拡散に対してシールするようにも構成されることができる。単一および多層構成を有する不動態化領域が、説明される。例示的実施形態は、目的材料がリチウムである中性子発生用途の文脈において説明される。
本明細書に説明される主題の他のシステム、デバイス、方法、特徴、および利点が、以下の図および詳細な説明を検討すると、当業者に明白であろう、または明白となるであろう。全てのそのような追加のシステム、方法、特徴、および利点が、本説明内に含まれ、本明細書に説明される主題の範囲内であり、付随の請求項によって保護されることを意図している。請求項にそれらの特徴の明確な列挙がない限り、いかようにも例示的実施形態の特徴が、添付される請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
本明細書に記載される主題の詳細は、その構造および動作の両方に関して、同様の参照番号が同様の部分を指す、付随の図の検討によって明白であり得る。図中の構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、主題の原理を図示することに重点が置かれている。また、全ての図示は、概念を伝えることを意図しており、相対的なサイズ、形状、および他の詳細な属性は、文字通りまたは精密にではなく、図式的に図示され得る。
図1Aは、中性子ビームシステムの例示的実施形態の概略図である。
図1Bは、中性子ビームシステムの別の例示的実施形態の概略図である。
図2は、標的アセンブリサブシステムの例示的実施形態を描写する断面図である。
図3A、3B、および3Cは、中性子発生標的の例示的実施形態を描写する断面図、正面斜視図、および後面斜視図である。 図3A、3B、および3Cは、中性子発生標的の例示的実施形態を描写する断面図、正面斜視図、および後面斜視図である。
図4A-4Bは、中性子発生標的の例示的実施形態を描写する断面図である。
図5は、中性子発生標的の例示的実施形態を描写する断面図である。
図6A-6Cは、中性子発生標的の例示的実施形態を描写する断面図である。
図7A-7Bは、中性子発生標的の例示的実施形態を描写する断面図である。
図8は、サンプル片から実験的に収集されたX線光電子分光法(XPS)データを描写するグラフである。
図9は、フッ化リチウムを含む不動態化領域を伴う標的の例示的実施形態を描写する上下写真の一連の時系列を含む。
図10A-10Cは、標的(右)の例示的実施形態に隣接する裸リチウム基質(左)を描写する上下写真の一連の時系列を含む。
図11は、サンプル片から実験的に収集されたXPSデータを描写するグラフである。
本主題が詳細に説明される前に、本開示が、説明される特定の実施形態に限定されず、したがって、当然ながら、変動し得ることを理解されたい。本明細書に使用される専門用語が特定の実施形態を説明する目的のためのものにすぎず、本開示の範囲が添付される請求項によってのみ限定されるであろうから、限定であることを意図していないことも理解されたい。
中性子発生標的および他の高エネルギーデバイスまたは構造は、多くの場合、リチウムのような腐食性および/または可動性化学成分を有する。これらの腐食性および/または可動性材料の不動態化または保護のためのシステム、デバイス、および方法の例示的実施形態が、本明細書に説明される。議論を容易にするために、不動態化または保護することが目的である材料は、本明細書では目的材料と称され得る。不動態化領域は、不動態化領域の中への(およびそれを完全に通した)目的材料の拡散を抑制することによって、目的材料を定位置に保持または維持するように構成されることができる。不動態化領域は、周囲環境内の化学物質から目的材料を隔離し、それによって、汚染物質(例えば、窒素および酸素等の空気成分または水素および酸素等の水成分)および他の所望されない腐食反応から目的材料を保護するように構成されることもできる。
目的材料が使用される用途は、広く変動し得る。この多種多様な用途における目的材料のための不動態化の例示的実施形態が、本明細書に説明される。用途の非包括的リストは、以下を含む:核融合炉および核分裂炉等の研究またはエネルギー発生および商業化のための原子炉;医療用途(医療診断システム、医療撮像システム、または放射線療法システム等)、科学ツール、産業または製造プロセス(半導体チップの製造等)、材料性質の改変(表面処理等)、食品の照射、または医療滅菌における病原体破壊のために使用される粒子加速器;および、貨物またはコンテナ検査等の撮像用途。
説明を容易にするために、本明細書に説明される多くの実施形態は、BNCTにおける使用のために構成される中性子発生標的における中性子発生材料としてリチウム目的材料を使用する放射線療法システムの文脈においてそのように行われるであろう。実施形態は、ベリリウム(Be)等の他の中性子発生材料とともに使用されることができる。実施形態は、中性子生成またはBNCT用途に限定されない。
(例示的BNCT用途)
図に詳細に目を向けると、図1Aは、本開示の実施形態との使用のためのビームシステム10の例示的実施形態の概略図である。図1Aでは、ビームシステム10は、源12と、低エネルギービームライン(LEBL)14と、低エネルギービームライン(LEBL)14に結合された加速器16と、加速器16から標的100まで延びている高エネルギービームライン(HEBL)16とを含む。LEBL14は、ビームを源12から加速器16の入力に輸送するように構成され、加速器16は、次に、LEBL14によって輸送されるビームを加速することによって、ビームを生成するように構成される。HEBL18は、ビームを加速器40の出力から標的100に移送する。標的100は、入射ビームによって印加される刺激に応答して、所望の結果を生成するように構成される構造であり得るか、または、ビームの性質を修正することができる。標的100は、システム10の構成要素であり得るか、または、少なくとも部分的に、システム10によって調整または製造されるワークピースであり得る。
図1Bは、ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)における使用のための中性子ビームシステム10の別の例示的実施形態を図示する概略図である。ここでは、源12は、イオン源であり、加速器16は、タンデム加速器である。中性子ビームシステム10は、荷電粒子ビーム注入器としての役割を果たす前段加速器システム20と、前段加速器システム20に結合された高電圧(HV)タンデム加速器16と、タンデム加速器16から標的100(図示せず)を格納する中性子標的アセンブリ200まで延びているHEBL18とを含む。本実施形態において、標的100は、十分なエネルギーの陽子による衝突に応答して、中性子を発生させるように構成され、中性子発生標的と称され得る。中性子ビームシステム10および前段加速器システム20は、本明細書に説明されるそれらの他の例等の他の用途のためにも使用されることができ、BNCTに限定されない。
前段加速器システム20は、イオンビームをイオン源12からタンデム加速器16の入力(例えば、入力開口)に輸送するように構成され、したがって、LEBL14としての機能も果たす。結合される高電圧電力供給源42によって給電されるタンデム加速器16は、概して、加速器16内に位置付けられる加速電極に印加される電圧の2倍に等しいエネルギーを伴う陽子ビームを生成することができる。陽子ビームのエネルギーレベルは、加速器16の入力から最も内側の高電位電極まで負水素イオンのビームを加速し、各イオンから2つの電子を奪取し、次いで、生じた陽子を同じ印加電圧によって下流に加速することによって、達成されることができる。
HEBL18は、加速器16の出力から中性子標的アセンブリ200内の標的まで陽子ビームを移送することができ、中性子標的アセンブリ200は、患者治療室の中に延びているビームラインの枝70の端部に位置付けられている。システム10は、陽子ビームを1つ以上の標的および関連付けられた治療エリアのうちの任意の数のものに向かわせるように構成されることができる。本実施形態において、HEBL18は、3つの異なる患者治療室の中に延在し得る3つの枝70、80、および90を含み、患者治療室において、各枝は、標的アセンブリ200および下流のビーム成形装置(図示せず)において終端することができる。HEBL18は、ポンプチャンバ51と、ビームの焦点はずれを防止するための四重極磁石52および72と、ビームを治療室の中に操向するための双極子または曲げ磁石56および58と、ビーム補正器53と、電流モニタ54および76等の診断装置と、高速ビーム位置モニタ55区分と、走査磁石74とを含むことができる。
HEBL18の設計は、治療施設の構成(例えば、治療施設の1階建て構成、治療施設の2階建て構成等)に依存する。ビームは、曲げ磁石56の使用によって、標的アセンブリ(例えば、治療室の近傍に位置付けられる)200に送達されることができる。四重極磁石72は、次いで、ビームを標的においてあるサイズに集束させるために含まれることができる。次いで、ビームは、1つ以上の走査磁石74を通過し、それは、所望のパターン(例えば、螺旋状、曲線状、行および列における階段状、それらの組み合わせ、およびその他)において標的表面上へのビームの側方移動を提供する。ビーム側方移動は、リチウム標的上での陽子ビームの滑らかかつ一様な時間平均分布を達成し、過熱を防止し、リチウム層内での中性子発生を可能な限り均一にすることに役立つことができる。
走査磁石74に入った後、ビームは、ビーム電流を測定する電流モニタ76の中に送達されることができる。標的アセンブリ200は、ゲート弁77を用いてHEBL容積から物理的に分離されることができる。ゲート弁の主要な機能は、標的を装填する間、および/または使用済み標的を新しいものと交換する間の標的からのビームラインの真空容積の分離である。実施形態において、ビームは、曲げ磁石56によって90度曲げられないこともあり、それは、むしろ、図1Bの右側に真っ直ぐ進み、次いで、水平ビームライン内に位置する四重極磁石52に入る。ビームは、続けて、建物および部屋構成に応じて、別の曲げ磁石58によって必要とされる角度に曲げられ得る。そうでなければ、曲げ磁石58は、同じ階上に位置する2つの異なる治療室のために、ビームラインを2つの方向に分割するためのY形磁石と置換され得る。
図2Bは、図1Bに示される中性子ビームシステム10の標的アセンブリサブシステム200の例示的実施形態を描写する断面図の図面である。本実施形態において、中性子発生標的100は、キャップ202とHEBL18の真空またはほぼ真空の内部領域210との間に封入されている。矢印Bは、上流側の面112に最初に衝突する荷電粒子(例えば、陽子)ビームの方向を示す。標的100の冷却は、反対の下流側114(そこから、中性子ビームが、標的100から出る)において成し遂げられることができる。キャップ202は、HEBL18にボルト留めされ、したがって、標的100とHEBL18の真空領域210との間の真空気密シール206と、標的100と冷却剤入口204および出口208との間の水密シール205との両方を提供することができる。
(不動態化領域の例示的実施形態)
図3Aは、BNCTのための不動態化された中性子発生標的100の例示的実施形態を描写する断面図である。図3Bおよび3Cは、それぞれ、標的100の上流側112および下流側114の斜視図である。標的100は、領域110内に目的材料を含む。目的材料のいくつかの例は、リチウム(例えば、天然に豊富に存在するリチウムまたはリチウム-7)およびベリリウムである。領域110の上流(例えば、上方)の位置において、標的100は、本明細書に説明されるように拡散を抑制すること等によって、領域110を保護するように構成された不動態化領域302を含む。不動態化領域302および領域110は、例えば、平面、凹状、凸状、丸形、球形または半球形、円錐形、不規則、および/またはそれらの任意の組み合わせであるものを含む様々な異なる形状において構成されることができる。
本実施形態において、領域110は、平面中性子発生層として構成され、平面中性子発生層は、基質構造120に基質120の第1の(または上流)表面121上で結合されている。方向Bに伝搬する陽子ビーム(例えば、HEBL18(図示せず)に沿ってタンデム加速器16から)は、不動態化領域302を通過し、次いで、層110と相互作用し、中性子を生成し、次に、中性子は、基質120を通過し、標的100の下流側114から出る。中性子発生プロセスは、目的材料(例えば、リチウム)を(例えば、ベリリウム、7Beの)放射性同位体に変換する。
基質120は、入射陽子ビームの高エネルギーレベルを放散するための熱除去のために構成されることができる。不動態化領域302および中性子発生層110は、好ましくは、陽子エネルギーが中性子形成のための核反応の閾値(例えば、リチウム-7に関して1.88MeV)を下回った後、比較的にすぐに陽子が層110から出ることを可能にする総厚を有する。これは、層110におけるさらなるエネルギー放散を回避し、さらなるエネルギー放散は、非効率的であり、中性子生成なしでの層110の加熱につながる。陽子は、中性子発生材料層110を基質120まで貫通し、基質120において、または部分的に基質120において、および部分的に標的100の下流に位置する別の構成要素においてそれらの残りのエネルギーを放散することができる。基質120は、例えば、銅(Cu)、銅-ダイヤモンド粉末複合物、CVDダイヤモンド等の高い熱伝導率を有する材料から作製されることができる。標的100は、ブリスタリングを抑制するための1つ以上の材料(層100と基質120との間のタンタル層等)を含むことができる。基質120の下流側114は、熱(例えば、約25キロワット(kW)の熱出力)を除去するように設計されたチャネル122を通した冷却剤流動によって能動的に冷却されることができる。チャネル122は、図3Cに描写されるような螺旋構成または所望に応じて別の構成を有することができる。
層110の目的材料は、リチウムのような高可動性または拡散性材料であり得る。不動態化領域302は、領域302の中への(または、領域302を通した)下流から上流方向における層110の内部目的材料の拡散を抑制する(例えば、それに対してシールすること、それを実質的に抑制すること、またはそれを完全に防止することを行う)ように構成されることができ、領域302において、目的材料は、別の物質または周囲環境と接触し得る。目的材料の拡散の抑制は、領域302の1つ以上の層内の1つ以上の異なる材料によって成し遂げられることができる。いくつかの例示的実施形態において、不動態化領域302は、1×10-13平方センチメートル/秒(cm/秒)以下の目的材料に関する拡散係数を有する一方、他の実施形態において、領域302は、1×10-14cm/秒以下の目的材料に関する拡散係数を有することができ、なおも他の実施形態において、領域302は、1×10-15cm/秒以下の目的材料に関する拡散係数を有することができる。目的材料がリチウムである、不動態化領域302の例示的実施形態は、5×10-14cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有し、いくつかの実施形態において、5×10-15cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有することができる。全ての前述の係数は、摂氏25度において測定され、領域302の材料または層のうちのいずれか1つ以上(例えば、層310および/または層410)の特性、または全体としての領域302の特性であり得る。説明を容易にするために、目的材料の拡散を抑制するこの特性は、本明細書では目的障壁特性と称され得る。図3A-3Cの実施形態において、層310は、この目的障壁特性を示すように構成される。
目的材料としてリチウムを採用する実施形態において、この特性は、リチウム障壁特性とも称され得る。リチウム障壁特性は、種々の異なる材料によって不動態化領域302において示されることができる。本明細書に説明されるありとあらゆる実施形態と使用可能なそのような材料の例は、フッ化リチウム(LiF)、硫化リチウム(LiS)、またはLiと熱力学的に安定する任意の他の化合物、フッ化マグネシウム(MgF)、炭素(C)、ダイヤモンド様炭素、(超)ナノ結晶ダイヤモンド、またはパリレン等のポリマーのうちの1つ以上である(または、それらを含むことができる)。リチウムの拡散を抑制することが公知である他の材料も、本開示の範囲から逸脱することなく、使用され得る。同様に、本開示の範囲から逸脱することなく、例えば、ベリリウム等、これらまたは他の材料が、目的材料がリチウムと異なる実施形態のために使用されることができる。
中性子発生用途では、中性子発生材料(例えば、リチウムまたはベリリウム)も含む反応物質障壁特性を示す材料は、使用中の中性子発生の追加の利益を提供することができる(例えば、中性子発生層に加えて)。中性子発生材料がリチウムである実施形態において、したがって、リチウム障壁特性を示す材料は、例として、フッ化リチウムおよび/または硫化リチウムであり得る。窒化リチウム(LiN)、酸化リチウム(LiO)、および水酸化リチウム(LiOH)等のリチウム含有材料は、実質的に低いリチウム拡散係数を呈さず、ある実施形態において、リチウム障壁特性を示すために(例えば、層310として)使用されない。好ましくは、リチウム障壁材料は、リチウムを直接汚染または腐食せず、アルミニウムまたはアルミニウムの合金等の材料ではない(または、それを含まない)。いくつかの実施形態において、リチウム障壁材料は、ベリリウムまたはベリリウムおよびアルミニウム等の金属の組み合わせではない。
いくつかの実施形態において、目的障壁材料は、目的材料との共晶組み合わせ(個々にとられる構成材料の融点未満の融点を有する組み合わせ)を形成しない。目的材料が、リチウムであるとき、いくつかの実施形態は、アルミニウム、銀、金、ビスマス、パラジウム、または亜鉛、またはアルミニウム、銀、金、ビスマス、パラジウム、または亜鉛の合金等のリチウムとの共晶組み合わせを形成する材料を省略することができる。
領域302はまた、領域302の中への(または、それを通した)上流から下流の方向における外部供給物質(例えば、空気、水分、酸素、窒素、二酸化炭素、水素、または他のガスのうちのいずれか1つまたは組み合わせ等の周囲環境からの物質)の侵入および拡散に対してシールするように構成されることができる。そのような物質が、標的100の中に入り込む場合、それらの物質は、潜在的に、層110内の目的材料を汚染し得るか、またはそれと反応(例えば、酸化)し得る。説明を容易にするために、本特性は、本明細書では周囲障壁特性と称され得る。周囲障壁特性は、通常の気圧(例えば、1気圧(atm))を伴う環境、より高圧の環境、またはより低圧の環境(例えば、真空または略真空)において示されることができる。周囲障壁特性は、種々の異なる材料によって不動態化領域302において示されることができる。そのような材料の例は、アルミニウム、銀、金、チタン、ステンレス鋼、アルミニウムシリコン(AlSi)、モリブデン、タングステン、タングステンカーバイド、タンタル、白金、または他の汚染障壁材料のうちの1つ以上である(または、それを含むことができる)。目的材料の汚染物質の拡散を抑制または防止することが公知である他の材料も、本開示の範囲から逸脱することなく、使用され得る。
いくつかの例示的実施形態において、周囲障壁特性は、100以下、好ましくは、3.1以下の酸素、窒素、および二酸化炭素に関するガス透過率(摂氏25度において(立方センチメートル(cc)×ミリメートル(mm))/(平方メートル(m)×日×気圧(atm))単位で測定される)を有することができる。いくつかの例示的実施形態において、これらのガス透過率のいずれかに加えて、周囲障壁特性は、0.6以下、より好ましくは、0.09以下の水蒸気透過率(WTVR)(華氏100度および90%の相対湿度において(グラム(g)×mm)/(m×日)単位で測定される)を有することができる。
目的障壁特性および周囲障壁特性は、恒久的である必要はなく、むしろ、本明細書に記載されるように変動し得る特定の用途に関して実践的に有効である時間の長さにわたって(例えば、1時間以上、1日以上、1週間以上、1ヵ月以上)拡散を抑制するように、堅固であり得る。本明細書に開示される不動態化領域302の実施形態は、1ヵ月以上の長い期間にわたって中性子発生材料を保護するために使用されることができる。
不動態化領域302は、層110に直に隣接し、それと接触することができるか、または、1つ以上の他の層または領域によって分離されることができる。図3A-3Cの実施形態において、不動態化領域302は、反応物質障壁特性を示す1つのみの層310(例えば、フッ化リチウム)で構成される。層310は、周囲障壁特性を示すようにさらに構成されることができる(例えば、短い持続時間の用途のためのフッ化リチウム)。
図4Aは、不動態化領域302を伴う中性子発生標的100の別の例示的実施形態を描写する断面図である。本実施形態において、領域302は、不動態化層310(先述の実施形態におけるように層110の上流に位置付けられる)と、層310の上流に、それに隣接して位置付けられた追加の不動態化層410とを含む。層410は、上流層410と称され得、層310は、下流層310と称され得る。上流層410は、下流層310の第1の上流面上に設置されることができ、下流層310は、次に、層110の第1の上流面上に設置されることができる。図4Bに関して説明される介在層等の1つ以上の追加の層またはフィルムが、領域302内に存在し得る。
図4Aの実施形態において、下流層310は、リチウム障壁特性を示し、層110のリチウムが層410に上向きに拡散することを抑制する。層310は、例えば、フッ化リチウムまたは本明細書に開示される他のリチウム障壁材料のうちのいずれかであり得る。上流不動態化層410は、周囲障壁特性を示し、層110のリチウムを汚染または腐食し得る外部供給物質の侵入および拡散を抑制する。層410は、例えば、アルミニウムまたは本明細書に説明される他の周囲障壁材料のうちのいずれかであり得る。したがって、領域302の二重層構成は、層410が、優れたシールまたは障壁性質を伴うが、そうでなければ層110のリチウムを腐食させ、リチウムの中性子発生能力の有効性を低減させるであろう物質から成ることを可能にする。層310は、層410と接触するリチウムの移動を抑制する非反応性障壁としての機能を果たし、したがって、いかなる損傷または別様に望ましくない反応も最小化する。そのような構成は、特に、リチウムの場合のように、目的材料が高可動性であるとき、望ましい。
いくつかの例示的実施形態において、不動態化領域302の厚さ(例えば、単独で存在する場合の層310の厚さ、または層310および410の組み合わせられた厚さ)は、流入する陽子のエネルギー低減を最小化するために、BNCT用途において3ミクロンを超えないが、領域302は、そのように限定されない。他の実施形態において、領域302は、厚さにおいて10ミクロンを超えず、なおも他の実施形態において、領域302は、厚さにおいて50ミクロンを超えない。選定される特定の厚さは、用途、例えば、加速電圧または他の電位差等に依存する。複数の層(例えば、310および410)を伴う領域302に関して、各層の厚さは、具体的用途および拡散の抑制の所望の程度に依存する。故に、広い範囲の厚さが、本開示の範囲内である。
図4Bは、多層不動態化を伴う中性子発生標的100の別の例示的実施形態を描写する断面図の図面である。ここでは、領域302は、3つの不動態化層、すなわち、下流層310と、上流層410と、層310と410との間に位置する中間層450とを含む。中間層450は、層310と層410との間で接着を促進すること、(例えば、ポリマー、形状記憶合金等として)応力緩和を支援すること、または他の機能を実施することができる。中間層830は、層310と層410との間の物質の拡散を防止することもできる。いくつかの実施形態において、層は、下流層310が、中性子発生材料110の上流面上に堆積させられ、中間層450が、層310の上流面上に堆積させられ、上流層410が、中間層450の上流面上に堆積させられるように、順次堆積させられることができる。層310、410、および/または450は、堆積(例えば、化学蒸着)、スパッタリング、または接着剤、機械的力、または取り付けのための他の機構の使用によって等、任意の適用可能な製造技法を通して(例えば、層110上に)位置付けられることができる。中間層450の所望の厚さは、中性子発生標的に関する具体的用途および環境に依存する。故に、様々な厚さが、本開示の範囲内である。
図5-7Bは、不動態化を伴う追加の例示的実施形態を説明するために使用されるであろう。これらの実施形態は、領域302内の単一の不動態化層(図7A)または領域302内の2つの不動態化層のいずれかを有する。しかしながら、図5-7Bの実施形態は、それぞれ、領域302内の1つ、2つ、3つ、以上の不動態化層で構成されることができる。
図5は、不動態化が中性子発生層110の上面および側面の両方を被覆する中性子発生標的100の追加の例示的実施形態を描写する断面図である。ここでは、不動態化領域302は、中性子発生層110の最上部上流面111Aの上を覆って、かつ側方側面111Bおよび111C(例えば、丸形標的100の場合におけるように、同じ側面であり得る)の上を覆って堆積させられる(または別様に位置付けられる)層310および410を含む。層310および410の両方は、下流面121の下流の(例えば、その下の)場所において終端する。本実施形態において、層110の側方側面111Bおよび111Cは、基質120の側面と同一平面であるが、それは、変動し得る。さらに、不動態化層310および410は、それらが上流面111Aから側面111Bおよび111Cに延びるにつれて薄くなるとして描写されるが、それらの厚さは、全ての表面にわたって維持されることができる(例えば、均等または一様な被覆)。
図6A-6Cは、不動態化を伴う標的100の追加の例示的実施形態を描写する断面図である。これらの実施形態において、基質120は、側壁602Bおよび602Cを含み、それらは、中性子発生材料110が堆積させられる(または、別様に設置される)陥凹または空洞等の内部容積を部分的に封入する。材料110の下流面は、接着、締まり嵌め、または取り付けの他の様式等を通して、基質120の陥凹の上流面121に結合される。基質120内の陥凹は、基質120の中に機械加工またはエッチングされることができる。基質120は、多部品構造でもあり得(または、代替として)、比較的に高い側壁部分602B(111Bに隣接する)および602C(111Cに隣接する)が、中心部分602Dに取り付けられ、陥凹を形成する。これらの実施形態において、側面保護が、主として、基質120によって、層110に提供される。
図6Aの実施形態において、不動態化領域302は、2つの不動態化層310および410を含み、それらの両方も、基質120内の陥凹内に位置する。いくつかの実施形態において、(例えば、層402の)領域302の最も遠い上流面411は、図6Aに示されるように、基質120の最も遠い上流面611と同一平面であり得る。図6Bの実施形態において、層110は、再び、陥凹内に設置され、不動態化領域302は、再び、2つの不動態化層310および410を含む。しかし、この例では、不動態化層310および410の両方は、層110および基質120内の陥凹の上方に位置する。ここでは、層110の最も遠い上流面111Aは、基質120の最も遠い上流面611と同一平面であるが、実施形態は、変動し得る。図6Cの実施形態において、層110および下流不動態化層310は、陥凹内に位置付けられる一方、上流不動態化層410は、層310および基質120内の陥凹の上方に位置する。ここでは、層310の最も遠い上流面311は、基質120の最も遠い上流面611と同一平面であるが、再び、実施形態は、変動し得る。中間層450を伴う実施形態において、その層450は、層310および410を伴う陥凹内に(図6A)、層310および410を伴う陥凹の上方に(図6B)、または陥凹内または陥凹の上方のいずれかに(図6Cの実施形態において可能にされるように)位置付けられることができる。
図7Aおよび7Bは、中性子発生標的100の追加の例示的実施形態を描写する断面図である。図7Aの実施形態において、層110は、基質120の上流面611上に位置する。不動態化領域302は、全ての表面111A、111B、および111Cが被覆されるように、層110の上に位置付けられた層310を含む。図7Bの実施形態において、領域302は、全ての表面111A、111B、および111Cが被覆されるように、層110の上に位置付けられた層310と、層310の全ての表面が被覆されるように、層310の上に位置付けられた層410とを含む。換言すると、層310は、層110をカプセル化し、層410は、層310および110の両方をカプセル化する。これらの実施形態は、例えば、陥凹の形成なしで、層(例えば、110、310、および410)の各々のための順次的堆積ステップを使用して、比較的に容易に製造できる。
図3Aおよび4A-7Bの実施形態において、種々の層(例えば、層110、310、410、および/または450)は、互いに関連して、および基質120の厚さに関連して縮尺通りではない厚さを伴って示され、代わりに、互いに対する層の相対的位置に重点が置かれている。さらに、層(例えば、層110、310、410、および/または450)が、鋭い縁を伴う長方形側面プロファイル(例えば、図3A、4A、4B、および6A-6C)、または丸形縁を伴う球状形プロファイル(例えば、図5および7A-7B)、または層の間の決定的な線形境界等の種々の断面プロファイルを有するとして示される範囲について、それらの表現は、例にすぎず、特定の用途の必要性に従って変動し得る。本明細書に説明される各実施形態は、任意の断面プロファイル、混成された境界または決定的な線形境界または非線形境界、および/またはそれらの任意の組み合わせを有する層で構成されることができる。
他の利益の中でもとりわけ、本明細書に説明される例示的実施形態は、生成場所(例えば、実験室空間、乾燥室、グローブボックス、またはその他)から(例えば、BNCT用途のための中性子を生成するための)作業環境への目的材料(例えば、リチウム)の移送を劇的に簡略化することができる。目的材料がプラズマに面する構成要素である用途では、不動態化領域の上流(例えば、最上流)不動態化層は、それがプラズマを汚染することなくプラズマと相互作用するように構成され得る。代替として、上側不動態化層は、初期プラズマ相互作用またはチャンバ壁調整中に燃え尽きるように構成されることができる。そのような実施形態において、目的材料は、相互作用目的のためにプラズマにさらされたままであり、1つ以上の不動態化層は、生成場所から作業環境への目的材料の移送のための保護コーティングを提供することに成功したことになるであろう。
(実験結果)
図8は、サンプル片から実験的に収集されたデータを描写するグラフであり、高純度アルミニウムが、清浄なリチウム金属上に堆積させられ、それは、次いで、空気にさらされた。X線光電子分光法(XPS)が、ここで描写されるスペクトルデータを収集するために使用され、それは、元のアルミニウム堆積から2週間が経過した後の堆積アルミニウムの(数ナノメートル以内の)表面上の種の組成を示す。これらの結果は、いかなるアルミニウムもこの時点で表面上に残っていなかったことを示す。このサンプルに関して、リチウムが、アルミニウムの表面層を通して容易に拡散し、次いで、空気中の成分と反応したと結論付けられた。アルミニウムは、下層リチウム層の中に拡散していたこともある。目的材料がリチウムまたは別の高可動性の種である実施形態において、不動態化領域302は、好ましくは、リチウムが、不動態化領域を通して、リチウムが他の成分(例えば、酸素、水、および二酸化炭素)なしで反応できる場所に拡散することを実質的に抑制し、防止さえするための能力を有する。
図9は、図7Aの断面図に描写されるように構成される標的100の例示的実施形態を描写する一連の見下げ写真(上流から下流)を含み、主に天然に豊富に存在するリチウムから成る中性子発生層110は、1つのみの不動態化層310を有する不動態化領域302によって被覆され、その層310は、フッ化リチウムから成る。この例では、層310は、500nmの厚さを有する。標的100は、グローブボックス内の不活性ガス大気から除去され、50%の湿度レベルを有する通常の大気を伴う周囲実験室設定内に設置された。各写真は、標的100が実験室設定内の大気に最初にさらされたほぼ最初の瞬間(時間ゼロ)から測定された特定の時間に撮影された。時間ゼロは、左上の標識化されたゼロ分(0分)における写真であり、上の行の左から2番目の写真は、時間ゼロから30秒(0.5分)後に撮影され、上の行の中央の写真は、時間ゼロから1分(1分)後に撮影され、最後の写真が時間ゼロから170分後に撮影される(下の行、右端)まで、以下同様である。
天然に豊富に存在するリチウムは、典型的に、周辺大気(例えば、20~60%の相対湿度)とほぼ直ぐに反応し、大気暴露から数秒(例えば、10~30秒)以内に暗色の窒化リチウム(LiN)トップコートを形成し得る。ここでは、時間ゼロにおいて、LiFトップコートを通して見えているリチウムは、光って見え(グローブボックス内にあるときと同じ外観)、リチウムとその周辺との反応を殆どまたは全く示さない。数分後、標的100の色は、黄色に変わり(例えば、2分)、次いで、茶色に変わり(例えば、4分)、次いで、最終的に、1または2時間後に暗紫色または黒色に変わり、リチウム-LiF界面311上のLiN形成を示す。したがって、LiF不動態化層310は、リチウム汚染を実質的に遅らせ、それによって、不動態化を伴わない標的、および図8に関して説明されるようなアルミニウム不動態化層のみを伴うそれらに優る実質的な改良をもたらす。
図10A-10Cは、標的100(右)の例示的実施形態に隣接する裸リチウム基質900(左)を描写する一連の見下げ写真(上流から下流)を含む。基質900は、天然に豊富に存在するリチウムの裸コーティングを伴う銅基質を含み、不動態化領域を有していない。リチウムは、周囲大気と自由に反応するように利用可能である。標的100は、図7Bの断面図に描写されるように構成され、中性子発生層110は、天然に豊富に存在するリチウムから成り、それは、2つの不動態化層310および410を有する不動態化領域302によって被覆されている。冷却チャネルは、省略された。層310は、900nmの厚さを伴うLiFから成り、層410は、400nmの厚さを伴うアルミニウムから成る。
両方のサンプルは、グローブボックス内の不活性ガス大気から除去され、50%の湿度を有する通常の大気を伴う周囲実験室設定内に設置された。図10Aの写真は、標的100および基質900が実験室設定内の空気に最初にさらされたおおよその瞬間から1分後に撮影された。図10Bの写真は、最初の暴露から3分後に撮影され、図10Cの写真は、最初の暴露から125分後に撮影された。裸リチウム基質900は、周辺大気とほぼ直ぐに反応し、1分ですでに変色し、3分でより濃い色合いの紫色に変わり、最終的に、125分で黒色に変わった。逆に、標的100は、125分でも変色を殆どまたは全く示さない。リチウム変色のないことは、その後、アルミニウム層410除去時の検査によって確認された。これらの結果は、図8および9の結果と組み合わせて検討されると、2層不動態化領域302が、暴露の2時間後であっても、窒化物形成等の汚染からリチウム層110を十分に保護することを示す。換言すると、LiF層310は、リチウムが層310を通して上流方向に拡散することを実質的に抑制し、アルミニウム層410は、大気反応物質が層410を通して下流方向に拡散することを実質的に抑制した。
図11は、図10A-10Cに関して説明されるそれと同様に構成された例示的標的100から実験的に収集されたデータを描写するグラフであり、天然に豊富に存在するリチウムの層は、LiF層310(900nmの厚さ)で被覆され、LiF層310は、次に、アルミニウム層410(400nmの厚さ)で被覆された。標的は、次いで、数日にわたって空気にさらされた。X線光電子分光法(XPS)が、図11に描写されるスペクトルデータを収集するために使用された。いかなるアルミニウムもアルミニウムコーティングの表面上に残っていなかった図8の結果と異なり、ここでの結果は、アルミニウム層410の表面組成が、依然として、アルミニウムを含むことを示す。これは、一部のリチウムが表面上に存在するが、リチウムが、図8の例において生じたように、そうでなければ反応し、アルミニウムを隠したであろうアルミニウム表面へのリチウムの移動をLiF層310が実質的に妨げたことを示す。
(不動態化領域厚の例示的実施形態)
表1-4は、陽子ビームが基質上の標的リチウム層と衝突し、中性子を生成する例示的BNCT用途とともに使用される不動態化領域302のいくつかの実施形態の厚さ特性の説明を促進するためのモデル化された値を提供する。中性子発生標的は、典型的に、中性子発生材料の上を覆う厚い不動態化領域の使用に適していない。厚い不動態化領域が、入射陽子のエネルギーを低減させ、中性子発生の有効性を減少させるからである。
表1は、いくつかの陽子エネルギーに関する天然に豊富に存在するリチウム(約92%のリチウム-7)における入射陽子粒子の範囲(時として、停止範囲と称される)を例証する。右の列において、変数「閾値までの深さ」が、リストアップされ、平均的な陽子が、それが7Li(p,n)7Be反応に関する閾値エネルギー(約1.88MeV)まで減速する前に材料の内側を進行する距離を表す。陽子がこの閾値エネルギーを超えて減速させられた後、それは、もはや中性子を生成することができない。例えば、2.50メガ電子ボルト(MeV)の陽子エネルギーに関して、高エネルギーの陽子は、リチウム材料に入射し、次いで、それが閾値エネルギーまで減速するまで、リチウム中で約90ミクロン進行する。この例では、リチウム厚が、90ミクロン(μm)未満である場合、中性子収率は、減少させられ、リチウム材料は、最も効率的には利用されない。中性子生成標的に関して十分に厚いリチウム層を有するが、閾値を下回る陽子のエネルギーの低下が、リチウム中で過剰な熱を放散するほど厚くない(例えば、200μm)ことが、実践的に望ましい。
リチウムの上に保護被覆を伴う実施形態において、保護被覆は、陽子をさらに減速させるであろう。表2は、表1におけるものと同じ入射陽子に関する陽子範囲を示すが、表2のデータに関して、1ミクロンの厚さのフッ化リチウム(LiF)層から成る保護被覆が、天然に豊富に存在するリチウムの上部に追加されている。
2.5MeVの陽子入射エネルギーに関して、1ミクロンの厚さのLiF層は、陽子を0.03MeV(2.5MeV-2.47MeV)減速させる。これは、約4.5ミクロンだけ、閾値までの深さをわずかに減少させる。
表3は、1ミクロンの厚さの下流不動態化層310(LiF)および下層リチウムの上にアルミニウムから成る0.5ミクロンの厚さの上流不動態化層410を有する実施形態に関連付けられた陽子範囲を図示する。この構成は、図7および図10に関して説明されるそれに類似する。
表3は、1.5ミクロンの厚さの2層不動態化領域が、陽子をそれほど減速させないことを図示する。複数の不動態化層を有する不動態化領域が薄いので、大きな入射粒子エネルギー損失が、領域内で経験されない。
対照的に、不動態化領域が比較的に厚い場合、陽子エネルギーは、かなり減少し、それは、粒子をより高いエネルギーまで加速することが困難であり得るので、実践的な中性子生成デバイスのために必ずしも望ましくない。表4は、パリレンCの比較的に厚い(10ミクロン)保護層が、天然に豊富に存在するリチウムの上を覆って設置されたとき、どのように機能するかを図示する。パリレンCは、大部分が低Z元素から成る広く使用されるポリマーであり、パリレンCが水分から保護するので、電子機器を不動態化させるために使用される。
表4では、2.50MeVの同じエネルギーに関して、パリレンCの10ミクロンの層は、約0.20MeV陽子を減速させ、したがって、裸リチウム(表1)と比較して閾値までの深さをほぼ30%減少させ、不動態化領域の厚さに対する閾値までの深さの依存性をさらに図示する。同等の厚さの殆どの金属不動態化は、高分子パリレンCより陽子を減速させるであろう。
本明細書に説明される実施形態の不動態化領域は、比較的に薄い不動態化被覆を形成することができる。不動態化領域302の理想的な厚さは、特定の用途に依存し、それは、本明細書に記載されるように変動し得る。例えば、いくつかの実施形態において、不動態化領域302全体の厚さ(ビーム軸に沿って上流から下流に測定される(例えば、図3A、4A、および4Bの番号303参照))は、100ミクロン以下である。いくつかの実施形態において、不動態化領域302の厚さは、50ミクロン以下である。BNCTのように、ある用途では、さらにより薄い不動態化領域302が望ましいが、要求されない。例えば、これらおよび他の実施形態において、不動態化領域302の厚さは、10ミクロン以下であり、またはいくつかの実施形態において、不動態化領域302の厚さは、5ミクロン以下であり、またはいくつかの他の実施形態において、不動態化領域302の厚さは、3ミクロン以下であり、いくつかの他の実施形態において、不動態化領域302の厚さは、1ミクロン以下である。
目的材料の厚さは、用途の必要性を満たすように所望に応じたものであり得る。BNCT用途では、所望の厚さは、入射陽子エネルギーに依存し得、例えば、10ミクロン~300ミクロンに及び得る。入射陽子ビームのエネルギーが1.88MeV~3MeVである例示的実施形態において、リチウム層の厚さは、10~200ミクロンであり得、入射陽子ビームのエネルギーが2.25MeV~2.75MeVである例示的実施形態において、リチウム層の厚さは、40~150ミクロンであり得る。一例示的実施形態において、リチウム層は、40~150ミクロンの厚さを有し、2層不動態化領域302が、その上を覆って位置する。下流層310は、フッ化リチウムであり得、上流層410は、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、それらの合金等の金属であり得る。領域302の厚さは、本明細書に説明される実施形態のうちのいずれかに従うことができる。一例示的実施形態において、層310は、200~400nmの範囲内の厚さを有し、層410は、500~800nmの範囲内の厚さを有する。
いくつかの例示的実施形態において、不動態化領域302(例えば、全てまたは層310、410、450等のその一部)は、それが設置されたシステムの動作中に除去されることができる。例えば、BNCT用途では、不動態化領域302に対する粒子ビームの入射は、動作中に領域302を標的100から除去(例えば、アブレーションまたは燃焼)させることができる。除去は、高エネルギーの粒子ビームの結果としての領域302内の温度の上昇の結果であり得る。結果として生じる中性子発生反応も、領域302のこの分解を促進することができる。領域302の除去は、不動態化領域302を通して減速する流入する粒子が経験するエネルギー損失を減らすことによって、中性子発生層110による中性子発生の効率を増加させることができる。粒子ビームは、標的表面にわたって移動させられ得(例えば、ラスタ化)、領域302の全てまたは一部は、標的に対する粒子ビームの入射が標的の周辺領域と比較して相対的に最高レベル(例えば、持続時間)にある、標的の表面のわずかな領域にわたって除去され得る。
本明細書に説明される実施形態はまた、バッテリ設計および製造における適用性を見出すことができる。急速に発展しているリチウムバッテリ産業は、湿度の高い大気に対するリチウムの感度の限定に悩まされている。本明細書に説明される実施形態は、保護または不動態化されるデバイスがバッテリの金属リチウムアノードである場合、適用されることができる。実施形態は、周囲大気(例えば、空気)中で安定し、デンドライトがない金属リチウムアノードの製作を簡略化し、その費用を減少させることができる。
本主題の種々の側面が、これまでに説明された実施形態を精査して、および/またはその補足として下記に記載され、ここでは、以下の実施形態の相互関係および互換性に重点が置かれている。言い換えると、明示的に別様に記載されない限り、または論理的にあり得ない場合を除き、実施形態の各特徴が、ありとあらゆる他の特徴と組み合わせられ得るという事実に重点が置かれている。
種々の実施形態において、中性子発生標的は、基質と、基質の上を覆って位置付けられた中性子発生領域と、中性子発生領域の上を覆って位置付けられた不動態化領域とを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、中性子発生領域は、中性子を発生させるように構成された目的材料を含み、不動態化領域は、不動態化領域の中への目的材料の拡散に対してシールするように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、1×10-13平方センチメートル/秒(cm/秒)以下の目的材料に関する拡散係数を有する。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、1×10-14cm/秒以下の目的材料に関する拡散係数を有する。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、1×10-15cm/秒以下の目的材料に関する拡散係数を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、目的材料は、リチウムである。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、5×10-14cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、目的材料は、リチウムである。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、5×10-15cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、フッ化リチウムを含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、フッ化リチウム、硫化リチウム、フッ化マグネシウム、炭素(C)、ダイヤモンド様炭素、(超)ナノ結晶ダイヤモンド、またはポリマーを含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、リチウムを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、窒化リチウムも、酸化リチウムも、水酸化リチウムも含まない。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、目的材料と接触している層を含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、層は、アルミニウムも、ベリリウムも含まない。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、10ミクロン以下の厚さを有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、3ミクロン以下の厚さを有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、標的は、ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)手技における使用のために構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、標的は、1.88~3.0メガ電子ボルト(MeV)のエネルギーを有する陽子ビームにさらされると、中性子を発生させるように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、動作中に除去されるように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、目的材料は、リチウムを含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、目的材料と別の材料との共晶組み合わせを含まない。
種々の実施形態において、中性子発生標的は、基質と、基質の上を覆って位置付けられ、中性子を発生させるように構成された目的材料を含む中性子発生領域と、中性子発生領域の上を覆って位置付けられ、下流層と上流層とを含む不動態化領域とを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、不動態化領域の中への目的材料の拡散に対してシールするように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、1×10-13平方センチメートル/秒(cm/秒)以下の目的材料に関する拡散係数を有する。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、1×10-14cm/秒以下の目的材料に関する拡散係数を有する。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、1×10-15cm/秒以下の目的材料に関する拡散係数を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、目的材料は、リチウムである。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、5×10-14cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、目的材料は、リチウムである。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、5×10-15cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、フッ化リチウムを含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、フッ化リチウム、硫化リチウム、フッ化マグネシウム、炭素(C)、ダイヤモンド様炭素、(超)ナノ結晶ダイヤモンド、またはポリマーを含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、リチウムを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、窒化リチウムも、酸化リチウムも、水酸化リチウムも含まない。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、アルミニウムも、ベリリウムも含まない。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、不動態化領域の中への周囲物質の拡散に対してシールするように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、大気から不動態化領域の中への物質の拡散に対してシールするように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、不動態化領域の中への酸素、窒素、および水の拡散に対してシールするように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、不動態化領域の上流層を通して下流層と接触する周囲物質の拡散に対してシールするように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、アルミニウム、チタン、白金、ニッケル、鋼、銀、金、ステンレス鋼、アルミニウムシリコン、モリブデン、タングステン、タングステンカーバイド、および/またはタンタルを含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、(立方センチメートル×ミリメートル)/(平方メートル×日×気圧)単位で測定される100以下の酸素、窒素、および二酸化炭素に関するガス透過率を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、(立方センチメートル×ミリメートル)/(平方メートル×日×気圧)単位で測定される3.1以下の酸素、窒素、および二酸化炭素に関するガス透過率を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、(グラム×ミリメートル)/(平方メートル×日)単位で測定される0.6以下の水蒸気透過率(WTVR)を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、(グラム×ミリメートル)/(平方メートル×日)単位で測定される0.09以下の水蒸気透過率(WTVR)を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、下流層と接触している。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、上流層と下流層との間の中間層を含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、10ミクロン以下の厚さを有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、3ミクロン以下の厚さを有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、標的は、ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)手技における使用のために構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、標的は、1.88~3.0メガ電子ボルト(MeV)のエネルギーを有する陽子ビームにさらされると、中性子を発生させるように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域の少なくとも一部は、動作中に除去されるように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、目的材料は、リチウムを含む。
種々の実施形態において、ホウ素中性子捕獲療法のための標的を製造する方法は、中性子発生領域を基質に塗布することと、中性子発生領域の上を覆って不動態化領域を塗布することとを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、中性子発生領域は、中性子を発生させるように構成された目的材料を含み、不動態化領域は、不動態化領域の中への目的材料の拡散に対してシールするように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域の下流層は、不動態化領域の中への目的材料の拡散に対してシールするように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、方法は、下流層の上を覆って不動態化領域の上流層を塗布することをさらに含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、下流層と接触し、および/または下流層は、中性子発生領域と接触する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、中性子発生領域および不動態化領域は、前述の実施形態のいずれかに従って構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、中性子発生領域および不動態化領域は、前述の実施形態のいずれかに従って構成される。
種々の実施形態において、中性子を生成する方法は、粒子ビームからの粒子が、不動態化領域を横断し、標的の中性子発生領域に衝突すると、中性子を発生させるように、粒子ビームを標的に印加することを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、不動態化領域の中への中性子発生領域の材料の拡散に対してシールするように構成される。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、方法は、不動態化領域の少なくとも一部が除去されるように、標的への粒子ビームの印加を継続することをさらに含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、標的は、前述の実施形態のいずれかに従って構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、上流層と下流層とを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層および下流層の両方は、標的の領域内での粒子ビームの継続された印加によって除去される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、方法は、ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)手技の一部として実施される。
種々の実施形態において、標的デバイスは、陥凹を含む基質と、基質の陥凹内の中性子発生領域と、中性子発生領域の上を覆って位置付けられた不動態化領域とを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、上流層と下流層とを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、陥凹内に位置する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、陥凹内に位置する。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、基質は、陥凹に隣接した側壁を含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、側壁の上流面の上を覆って延びていない。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、側壁の上流面の上を覆って延びていない。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、側壁の上流面の上を覆って延びている。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、標的は、前述の実施形態のいずれかに従って構成される。
種々の実施形態において、標的デバイスは、基質と、基質の上を覆って位置付けられた中性子発生領域とを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、中性子発生領域は、上流面と側壁面とを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、標的デバイスは、中性子発生領域の上流面および側壁面の上を覆って位置付けられた不動態化領域をさらに含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域と基質とは、中性子発生領域を包んでいる。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、標的は、前述の実施形態のいずれかに従って構成される。
種々の実施形態において、デバイスは、基質と、基質の上を覆って位置付けられ、リチウムを含む第1の領域と、第1の領域の上を覆って位置付けられた不動態化領域とを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、不動態化領域の中へのリチウムの拡散に対してシールするように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、第1の材料は、リチウムである。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、5×10-14cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、第1の材料は、リチウムである。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、5×10-15cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、フッ化リチウムを含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、フッ化リチウム、硫化リチウム、フッ化マグネシウム、炭素(C)、ダイヤモンド様炭素、(超)ナノ結晶ダイヤモンド、またはポリマーを含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、リチウムを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、窒化リチウムも、酸化リチウムも、水酸化リチウムも含まない。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、100ミクロン以下の厚さを有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、50ミクロン以下の厚さを有する。
種々の実施形態において、デバイスは、基質と、基質の上を覆って位置付けられ、リチウムを含む第1の領域と、第1の領域の上を覆って位置付けられ、下流層と上流層とを含む不動態化領域とを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、不動態化領域の中へのリチウムの拡散に対してシールするように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、5×10-14cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、5×10-15cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、フッ化リチウムを含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、フッ化リチウム、硫化リチウム、フッ化マグネシウム、炭素(C)、ダイヤモンド様炭素、(超)ナノ結晶ダイヤモンド、またはポリマーを含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、リチウムを含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、窒化リチウムも、酸化リチウムも、水酸化リチウムも含まない。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、下流層は、アルミニウムも、ベリリウムも含まない。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、不動態化領域の中への周囲物質の拡散に対してシールするように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、大気から不動態化領域の中への物質の拡散に対してシールするように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、不動態化領域の中への酸素、窒素、および水の拡散に対してシールするように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、不動態化領域の上流層を通して下流層と接触する周囲物質の拡散に対してシールするように構成される。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、(立方センチメートル×ミリメートル)/(平方メートル×日×気圧)単位で測定される100以下の酸素、窒素、および二酸化炭素に関するガス透過率を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、(立方センチメートル×ミリメートル)/(平方メートル×日×気圧)単位で測定される3.1以下の酸素、窒素、および二酸化炭素に関するガス透過率を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、(グラム×ミリメートル)/(平方メートル×日)単位で測定される0.6以下の水蒸気透過率(WTVR)を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、(グラム×ミリメートル)/(平方メートル×日)単位で測定される0.09以下の水蒸気透過率(WTVR)を有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、アルミニウム、チタン、白金、ニッケル、鋼、銀、金、ステンレス鋼、アルミニウムシリコン、モリブデン、タングステン、タングステンカーバイド、および/またはタンタルを含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、上流層は、下流層と接触している。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、上流層と下流層との間の中間層を含む。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、100ミクロン以下の厚さを有する。
これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、不動態化領域は、50ミクロン以下の厚さを有する。
種々の実施形態において、中性子ビームシステムは、加速器と、加速器から、前述の実施形態のいずれかに従って構成された中性子発生標的まで延びているビームラインとを含む。
本明細書に提供される任意の実施形態に関して説明される全ての特徴、要素、構成要素、機能、およびステップが、任意の他の実施形態からのものと自由に組み合わせ可能であり、代用可能であることを意図していることに留意されたい。ある特徴、要素、構成要素、機能、またはステップが、1つのみの実施形態に関して説明される場合、明示的に別様に記載されない限り、その特徴、要素、構成要素、機能、またはステップが、本明細書に説明される全ての他の特徴とともに使用され得ることを理解されたい。本段落は、したがって、以下の説明が、特定の事例において、そのような組み合わせまたは代用が可能であることを明示的に記載しない場合であっても、任意の時点で、異なる実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを組み合わせる、または1つの実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを別の実施形態のもので代用する請求項の導入のための先行詞および記述支援としての役割を果たす。特に、ありとあらゆるそのような組み合わせおよび代用の許容性が、当業者によって容易に認識されるであろうことを前提として、全ての可能性として考えられる組み合わせおよび代用の明確な列挙が、過度に負担となることが明示的に認められる。
本明細書および添付される請求項に使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別様に決定付けない限り、複数指示物を含む。
実施形態は、種々の修正および代替形態の影響を受けやすいが、その具体的例が、図面に示され、本明細書に詳細に説明される。しかしながら、これらの実施形態が、開示される特定の形態に限定されるものではなく、それとは反対に、これらの実施形態が、本開示の精神内に該当する全ての修正、均等物、および代替を網羅するものであることを理解されたい。さらに、実施形態の任意の特徴、機能、ステップ、または要素、およびその範囲内にない特徴、機能、ステップ、または要素によって請求項の本発明の範囲を定義する否定的限定が、請求項に列挙される、またはそれに追加され得る。

Claims (93)

  1. 中性子発生標的であって、前記中性子発生標的は、
    基質と、
    前記基質の上を覆って位置付けられた中性子発生領域と、
    前記中性子発生領域の上を覆って位置付けられた不動態化領域と
    を備え、
    前記中性子発生領域は、中性子を発生させるように構成された目的材料を備え、前記不動態化領域は、前記不動態化領域の中への前記目的材料の拡散に対してシールするように構成されている、中性子発生標的。
  2. 前記不動態化領域は、1×10-13平方センチメートル/秒(cm/秒)以下の前記目的材料に関する拡散係数を有する、請求項1に記載の標的。
  3. 前記不動態化領域は、1×10-14cm/秒以下の前記目的材料に関する拡散係数を有する、請求項1に記載の標的。
  4. 前記不動態化領域は、1×10-15cm/秒以下の前記目的材料に関する拡散係数を有する、請求項1に記載の標的。
  5. 前記目的材料は、リチウムであり、前記不動態化領域は、5×10-14cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する、請求項1に記載の標的。
  6. 前記目的材料は、リチウムであり、前記不動態化領域は、5×10-15cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する、請求項1に記載の標的。
  7. 前記不動態化領域は、フッ化リチウムを備えている、請求項1-6のいずれかに記載の標的。
  8. 前記不動態化領域は、フッ化リチウム、硫化リチウム、フッ化マグネシウム、炭素(C)、ダイヤモンド様炭素、(超)ナノ結晶ダイヤモンド、またはポリマーを備えている、請求項1-6のいずれかに記載の標的。
  9. 前記不動態化領域は、リチウムを備え、窒化リチウムも、酸化リチウムも、水酸化リチウムも備えていない、請求項1-6のいずれかに記載の標的。
  10. 前記不動態化領域は、前記目的材料と接触している層を備え、前記層は、アルミニウムも、ベリリウムも備えていない、請求項1-6のいずれかに記載の標的。
  11. 前記不動態化領域は、10ミクロン以下の厚さを有する、請求項1-10のいずれかに記載の標的。
  12. 前記不動態化領域は、3ミクロン以下の厚さを有する、請求項1-10のいずれかに記載の標的。
  13. ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)手技における使用のために構成されている、請求項1-12のいずれかに記載の標的。
  14. 1.88~3.0メガ電子ボルト(MeV)のエネルギーを有する陽子ビームにさらされると、中性子を発生させるように構成されている、請求項13に記載の標的。
  15. 前記不動態化領域は、動作中に除去されるように構成されている、請求項1-14のいずれかに記載の標的。
  16. 前記目的材料は、リチウムを備えている、請求項1-15のいずれかに記載の標的。
  17. 前記不動態化領域は、前記目的材料と別の材料との共晶組み合わせを備えていない、請求項1-16のいずれかに記載の標的。
  18. 中性子発生標的であって、前記中性子発生標的は、
    基質と、
    前記基質の上を覆って位置付けられ、中性子を発生させるように構成された目的材料を備えている中性子発生領域と、
    前記中性子発生領域の上を覆って位置付けられ、下流層と上流層とを備えている不動態化領域と
    を備え、
    前記下流層は、前記不動態化領域の中への前記目的材料の拡散に対してシールするように構成されている、中性子発生標的。
  19. 前記下流層は、1×10-13平方センチメートル/秒(cm/秒)以下の前記目的材料に関する拡散係数を有する、請求項18に記載の標的。
  20. 前記下流層は、1×10-14cm/秒以下の前記目的材料に関する拡散係数を有する、請求項18に記載の標的。
  21. 前記下流層は、1×10-15cm/秒以下の前記目的材料に関する拡散係数を有する、請求項18に記載の標的。
  22. 前記目的材料は、リチウムであり、前記下流層は、5×10-14cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する、請求項18に記載の標的。
  23. 前記目的材料は、リチウムであり、前記下流層は、5×10-15cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する、請求項18に記載の標的。
  24. 前記下流層は、フッ化リチウムを備えている、請求項18-23のいずれかに記載の標的。
  25. 前記下流層は、フッ化リチウム、硫化リチウム、フッ化マグネシウム、炭素(C)、ダイヤモンド様炭素、(超)ナノ結晶ダイヤモンド、またはポリマーを備えている、請求項18-23のいずれかに記載の標的。
  26. 前記下流層は、リチウムを備え、窒化リチウムも、酸化リチウムも、水酸化リチウムも備えていない、請求項18-23のいずれかに記載の標的。
  27. 前記下流層は、アルミニウムも、ベリリウムも備えていない、請求項18-23のいずれかに記載の標的。
  28. 前記上流層は、前記不動態化領域の中への周囲物質の拡散に対してシールするように構成されている、請求項18-27のいずれかに記載の標的。
  29. 前記上流層は、大気から前記不動態化領域の中への物質の拡散に対してシールするように構成されている、請求項18-27のいずれかに記載の標的。
  30. 前記上流層は、前記不動態化領域の中への酸素、窒素、および水の拡散に対してシールするように構成されている、請求項18-27のいずれかに記載の標的。
  31. 前記上流層は、前記不動態化領域の前記上流層を通して前記下流層と接触する周囲物質の拡散に対してシールするように構成されている、請求項18-27のいずれかに記載の標的。
  32. 前記上流層は、アルミニウム、チタン、白金、ニッケル、鋼、銀、金、ステンレス鋼、アルミニウムシリコン、モリブデン、タングステン、タングステンカーバイド、および/またはタンタルを備えている、請求項18-31のいずれかに記載の標的。
  33. 前記上流層は、(立方センチメートル×ミリメートル)/(平方メートル×日×気圧)単位で測定される100以下の酸素、窒素、および二酸化炭素に関するガス透過率を有する、請求項18-32のいずれかに記載の標的。
  34. 前記上流層は、(立方センチメートル×ミリメートル)/(平方メートル×日×気圧)単位で測定される3.1以下の酸素、窒素、および二酸化炭素に関するガス透過率を有する、請求項18-32のいずれかに記載の標的。
  35. 前記上流層は、(グラム×ミリメートル)/(平方メートル×日)単位で測定される0.6以下の水蒸気透過率(WTVR)を有する、請求項18-34のいずれかに記載の標的。
  36. 前記上流層は、(グラム×ミリメートル)/(平方メートル×日)単位で測定される0.09以下の水蒸気透過率(WTVR)を有する、請求項18-34のいずれかに記載の標的。
  37. 前記上流層は、前記下流層と接触している、請求項18-36のいずれかに記載の標的。
  38. 前記不動態化領域は、前記上流層と前記下流層との間の中間層を備えている、請求項18-36のいずれかに記載の標的。
  39. 前記不動態化領域は、10ミクロン以下の厚さを有する、請求項18-38のいずれかに記載の標的。
  40. 前記不動態化領域は、3ミクロン以下の厚さを有する、請求項18-38のいずれかに記載の標的。
  41. ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)手技における使用のために構成されている、請求項18-40のいずれかに記載の標的。
  42. 1.88~3.0メガ電子ボルト(MeV)のエネルギーを有する陽子ビームにさらされると、中性子を発生させるように構成されている、請求項41に記載の標的。
  43. 前記不動態化領域の少なくとも一部は、動作中に除去されるように構成されている、請求項18-41のいずれかに記載の標的。
  44. 前記目的材料は、リチウムを備えている、請求項18-43のいずれかに記載の標的。
  45. ホウ素中性子捕獲療法のための標的を製造する方法であって、前記方法は、
    中性子発生領域を基質に塗布することと、
    前記中性子発生領域の上を覆って不動態化領域を塗布することと
    を含み、
    前記中性子発生領域は、中性子を発生させるように構成された目的材料を備え、前記不動態化領域は、前記不動態化領域の中への前記目的材料の拡散に対してシールするように構成されている、方法。
  46. 前記不動態化領域の下流層は、前記不動態化領域の中への前記目的材料の拡散に対してシールするように構成されている、請求項45に記載の方法。
  47. 前記下流層の上を覆って前記不動態化領域の上流層を塗布することをさらに含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記上流層は、前記下流層と接触し、および/または、前記下流層は、前記中性子発生領域と接触している、請求項47に記載の方法。
  49. 前記中性子発生領域および不動態化領域は、請求項18-44のいずれかに従って構成される、請求項48に記載の方法。
  50. 前記中性子発生領域および不動態化領域は、請求項1-17のいずれかに従って構成される、請求項48に記載の方法。
  51. 中性子を生成する方法であって、前記方法は、
    粒子ビームからの粒子が、不動態化領域を横断し、標的の中性子発生領域に衝突すると、中性子を発生させるように、前記粒子ビームを前記標的に印加することであって、前記不動態化領域は、前記不動態化領域の中への前記中性子発生領域の材料の拡散に対してシールするように構成されている、ことと、
    前記不動態化領域の少なくとも一部が除去されるように、前記標的への前記粒子ビームの印加を継続することと
    を含む、方法。
  52. 前記標的は、請求項1-44に従って構成される、請求項51に記載の方法。
  53. 前記不動態化領域は、上流層と下流層とを備え、前記上流層および前記下流層の両方は、前記標的の領域内での前記粒子ビームの継続された印加によって除去される、請求項51に記載の方法。
  54. ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)手技の一部として実施される、請求項51-53のいずれかに記載の方法。
  55. 標的デバイスであって、前記標的デバイスは、
    陥凹を備えている基質と、
    前記基質の前記陥凹内の中性子発生領域と、
    前記中性子発生領域の上を覆って位置付けられた不動態化領域と
    を備え、
    前記不動態化領域は、上流層と下流層とを備え、
    前記下流層は、前記陥凹内に位置している、標的デバイス。
  56. 前記上流層は、前記陥凹内に位置している、請求項55に記載の標的デバイス。
  57. 前記基質は、前記陥凹に隣接した側壁を備え、前記下流層は、前記側壁の上流面の上を覆って延びていない、請求項55に記載の標的デバイス。
  58. 前記上流層は、前記側壁の前記上流面の上を覆って延びていない、請求項57に記載の標的デバイス。
  59. 前記上流層は、前記側壁の前記上流面の上を覆って延びている、請求項57に記載の標的デバイス。
  60. 請求項18-44のいずれかに従って構成されている、請求項55に記載の標的デバイス。
  61. 標的デバイスであって、前記標的デバイスは、
    基質と、
    前記基質の上を覆って位置付けられた中性子発生領域であって、前記中性子発生領域は、上流面と側壁面とを備えている、中性子発生領域と、
    前記中性子発生領域の上流面および側壁面の上を覆って位置付けられた不動態化領域と
    を備えている、標的デバイス。
  62. 前記不動態化領域と基質とは、前記中性子発生領域を包んでいる、請求項61に記載の標的デバイス。
  63. 請求項1-17のいずれかに従って構成されている、請求項61に記載の標的デバイス。
  64. 請求項18-44のいずれかに従って構成されている、請求項61に記載の標的デバイス。
  65. デバイスであって、前記デバイスは、
    基質と、
    前記基質の上を覆って位置付けられ、リチウムを備えている第1の領域と、
    前記第1の領域の上を覆って位置付けられた不動態化領域と
    を備え、
    前記不動態化領域は、前記不動態化領域の中へのリチウムの拡散に対してシールするように構成されている、デバイス。
  66. 前記第1の材料は、リチウムであり、前記不動態化領域は、5×10-14cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する、請求項65に記載のデバイス。
  67. 前記第1の材料は、リチウムであり、前記不動態化領域は、5×10-15cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する、請求項65に記載のデバイス。
  68. 前記不動態化領域は、フッ化リチウムを備えている、請求項65-67のいずれかに記載のデバイス。
  69. 前記不動態化領域は、フッ化リチウム、硫化リチウム、フッ化マグネシウム、炭素(C)、ダイヤモンド様炭素、(超)ナノ結晶ダイヤモンド、またはポリマーを備えている、請求項65-67のいずれかに記載のデバイス。
  70. 前記不動態化領域は、リチウムを備え、窒化リチウムも、酸化リチウムも、水酸化リチウムも備えていない、請求項65-69のいずれかに記載のデバイス。
  71. 前記不動態化領域は、100ミクロン以下の厚さを有する、請求項65-70のいずれかに記載のデバイス。
  72. 前記不動態化領域は、50ミクロン以下の厚さを有する、請求項65-70のいずれかに記載のデバイス。
  73. デバイスであって、前記デバイスは、
    基質と、
    前記基質の上を覆って位置付けられ、リチウムを備えている第1の領域と、
    前記第1の領域の上を覆って位置付けられ、下流層と上流層とを備えている不動態化領域と
    を備え、
    前記下流層は、前記不動態化領域の中へのリチウムの拡散に対してシールするように構成されている、デバイス。
  74. 前記下流層は、5×10-14cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する、請求73に記載のデバイス。
  75. 前記下流層は、5×10-15cm/秒以下のリチウムに関する拡散係数を有する、請求項73に記載のデバイス。
  76. 前記下流層は、フッ化リチウムを備えている、請求項73-75のいずれかに記載のデバイス。
  77. 前記下流層は、フッ化リチウム、硫化リチウム、フッ化マグネシウム、炭素(C)、ダイヤモンド様炭素、(超)ナノ結晶ダイヤモンド、またはポリマーを備えている、請求項73-75のいずれかに記載のデバイス。
  78. 前記下流層は、リチウムを備え、窒化リチウムも、酸化リチウムも、水酸化リチウムも備えていない、請求項73-75のいずれかに記載のデバイス。
  79. 前記下流層は、アルミニウムも、ベリリウムも備えていない、請求項73-75のいずれかに記載のデバイス。
  80. 前記上流層は、前記不動態化領域の中への周囲物質の拡散に対してシールするように構成されている、請求項73-79のいずれかに記載のデバイス。
  81. 前記上流層は、大気から前記不動態化領域の中への物質の拡散に対してシールするように構成されている、請求項73-79のいずれかに記載のデバイス。
  82. 前記上流層は、前記不動態化領域の中への酸素、窒素、および水の拡散に対してシールするように構成されている、請求項73-79のいずれかに記載のデバイス。
  83. 前記上流層は、前記不動態化領域の前記上流層を通して前記下流層と接触する周囲物質の拡散に対してシールするように構成されている、請求項73-79のいずれかに記載のデバイス。
  84. 前記上流層は、(立方センチメートル×ミリメートル)/(平方メートル×日×気圧)単位で測定される100以下の酸素、窒素、および二酸化炭素に関するガス透過率を有する、請求項73-83のいずれかに記載のデバイス。
  85. 前記上流層は、(立方センチメートル×ミリメートル)/(平方メートル×日×気圧)単位で測定される3.1以下の酸素、窒素、および二酸化炭素に関するガス透過率を有する、請求項73-83のいずれかに記載のデバイス。
  86. 前記上流層は、(グラム×ミリメートル)/(平方メートル×日)単位で測定される0.6以下の水蒸気透過率(WTVR)を有する、請求項73-85のいずれかに記載のデバイス。
  87. 前記上流層は、(グラム×ミリメートル)/(平方メートル×日)単位で測定される0.09以下の水蒸気透過率(WTVR)を有する、請求項73-85のいずれかに記載のデバイス。
  88. 前記上流層は、アルミニウム、チタン、白金、ニッケル、鋼、銀、金、ステンレス鋼、アルミニウムシリコン、モリブデン、タングステン、タングステンカーバイド、および/またはタンタルを備えている、請求項73-87のいずれかに記載のデバイス。
  89. 前記上流層は、前記下流層と接触している、請求項73-88のいずれかに記載のデバイス。
  90. 前記不動態化領域は、前記上流層と前記下流層との間の中間層を備えている、請求項73-88のいずれかに記載のデバイス。
  91. 前記不動態化領域は、100ミクロン以下の厚さを有する、請求項73-90のいずれかに記載のデバイス。
  92. 前記不動態化領域は、50ミクロン以下の厚さを有する、請求項73-90のいずれかに記載のデバイス。
  93. 中性子ビームシステムであって、前記中性子ビームシステムは、
    加速器と、
    前記加速器から、請求項1-44のいずれかに従って構成された中性子発生標的まで延びているビームラインと
    を備えている、中性子ビームシステム。
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