JP2024512798A - 脊髄刺激療法を用いた肺疾患の治療法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、肺疾患の治療のためのキットに関する。該キットは、少なくとも1つの接触子を有する少なくとも1つのリードと、少なくとも1つのリードに接続するように構成されたパルス発生器と、を含む。パルス発生器は、肺疾患の症状を緩和させるために、電気信号を発生させるようにプログラムされ、電気信号は、少なくとも1つのリードを通じて伝達され、かつ、硬膜外腔の事前決定された位置にある少なくとも1つの接触子によって放出される。【選択図】図2

Description

(関連出願に対する相互参照)
本出願は、PCT国際特許出願として2022年3月30日に出願されており、かつ、2021年3月31日に出願された米国仮特許出願第63/168702号明細書、及び2021年9月2日に出願された、米国仮特許出願第63/240155号明細書に対する利益及び優先権を主張する。これらの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
喘息は、長期にわたる肺の気道の炎症性疾患である。米国では、年間で約300万の喘息の診断が新たに下されている。喘息への対処を助ける治療法は存在するものの、根治させる方法(cure)は知られていない。
喘息は、呼吸を難しいものにすることにより、人の生活の質に深刻な影響を与え得る。喘息の症状は、息切れ、呼吸困難、喘鳴、咳、及び胸のつかえを含む。喘息患者にとっては、救急外来を頻繁に受診し、その結果しばしば入院に至ることも珍しいことではない。
喘息発作は、気管支梢の周辺の筋肉の収縮によって引き起こされる、喘息の症状の突然の悪化である。喘息発作は、呼吸不全、意識喪失を引き起こす場合があり、死に至ることさえある。喘息発作は、気温変化、埃、ふけ、煙、花粉、及び化学煙霧によって引き起こされ得る。幾つかの例では、精神的ストレス、運動、及び胃の逆流が喘息発作を引き起こすこともある。さらに、β遮断薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、及びアスピリン等の特定の薬が喘息発作を引き起こすこともある。
喘息に関連付けられる気管支痙攣の軽減のために、経口薬、吸入器、及び注射が一般的に用いられている。さらに最近では、「生物学的」製剤として知られる免疫抑制剤も用いられている。しかしながら、これらの治療法のいずれも一貫した軽減をもたらすことはできず、かつ、これらの薬の副作用は一般的である。
一般的な用語を用いると、本開示は、脊髄刺激療法を用いた、喘息及び/又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)等の肺疾患の治療に関する。各種態様が本開示に記述され、これらの態様は、以下の態様を含むものの、それらに限定はされない。
1つの態様においては、肺疾患の治療のためのキットであって、このキットは、少なくとも1つの接触子を有する少なくとも1つのリードと、少なくとも1つのリードに接続するように構成されたパルス発生器と、を備え、かつ、パルス発生器は、肺疾患の症状を緩和させるために、電気信号を発生させるようにプログラムされ、電気信号は、少なくとも1つのリードを通じて伝達され、かつ、硬膜外腔の事前決定された位置にある少なくとも1つの接触子によって放出される、キットである。
他の態様においては、肺疾患を治療する方法であって、この方法は、少なくとも1つの接触子を硬膜外腔の事前決定された位置に位置させるように、少なくとも1つのリードを埋込むことと、少なくとも1つのリードをパルス発生器に接続することと、電気信号を発生させるようにパルス発生器をプログラムすることであって、電気信号は、肺疾患の症状を緩和させるために、事前決定された位置にある少なくとも1つの接触子によって放出される、プログラムすることと、を含む、方法である。
以下の図面は、本出願の一部分を形成し、記述された技術を例示するものだが、本開示の範囲を限定することは、いかなる形においても意図されない。
図1は、脊髄刺激療法のための1つ以上のリードを埋込む処置を実行するためのシステムの例を示している。 図2は、脊髄刺激療法を用いた、喘息の治療のためのキットの例を示している。 図3は、ヒトの脊椎の解剖学的な図を示している。 図4は、脊髄刺激療法を用いた、肺疾患の症状を治療する方法の例を示している。 図5は、脊髄刺激療法を用いた、肺疾患の症状を緩和させる方法の他の例を示している。
図1は、脊髄刺激療法のための1つ以上のリードを埋込む処置を実行するためのシステム100の例を示している。幾つかの例では、硬膜外針110は、脊髄刺激療法を用いた処置のトライアルのために、一時的な経皮的リードを埋込むように用いられる。他の例では、硬膜外針110は、永久的な経皮的リード(permanent percutaneous lead)を埋込むように用いられる。システム100は、患者Pがその上でうつ伏せに横たわる、テーブル102を含む。患者Pの背中は、医師MDが硬膜外針110を挿入するために露出させられている。
硬膜外針110は、皮膚に挿入され、傍脊椎筋を通って、患者の脊椎の硬膜外腔内の選択された目標位置のすぐ下に位置する棘突起の隣の薄板(lamina)に達する。その後、硬膜外針110は、黄色靱帯を通って進み、硬膜外腔内に至る。硬膜外腔は、硬膜と脊柱管の管壁の間に位置する。硬膜外腔は、脂肪、静脈、動脈、脊髄神経根、及びリンパ管を含む。以下でさらに詳細に記述されるように、少なくとも1つの接触子を有する少なくとも1つのリードの遠位端は、硬膜外腔内に埋込まれ、脊髄刺激療法による喘息の治療のための電気信号を放出する。少なくとも1つの接触子によって放出される電気信号は、喘息の治療に加えて、痛みを緩和させることもできる。
システム100は、透視システム104を含み、透視システム104は、患者Pの脊椎の透視画像(即ち、X線画像)を捉える少なくとも1つのイメージングデバイス106と、医師MDによって見られる透視画像を表示するディスプレイデバイス108と、を有する。硬膜外針110を患者Pの硬膜外腔内に挿入するときに、かつ、リードを患者Pの硬膜外腔内に埋込む際に、医師MDは、指針のために該蛍光画像を見ることができる。
例示的な例として、医師MDは、硬膜外針110を患者Pの脊椎の硬膜外腔内に挿入し、そしてその後に、1つ以上の絶縁電線のリードを硬膜外針110に通し、リードの遠位端を硬膜外腔内に埋込む。例として、少なくとも1つのリードの遠位端は、胸椎T1-T5(図3参照)の間の後方硬膜外腔内に埋込まれ、リードが所望の治療を行うのに有効であることを確実にする。胸椎T1-T5の間の硬膜外腔は、少なくとも1つの接触子から放出される電気信号が喘息の治療に有効な位置である。
図1で示された例では、マーキング112のパターンが、患者Pの背中に描かれている。マーキング112のパターンは、硬膜外針110を患者Pの脊椎に正しい角度で挿入することを誘導するための経路として、医師MDによって用いられ得る。マーキング112のパターンは、2020年12月7日に出願された米国特許出願第17/113232号に記載のデバイスを用いて描くことができ、その出願全体は参照により本明細書に組み込まれる。
図2は、脊髄刺激療法を用いた、喘息の治療のためのキット200を示している。キット200は、パルス発生器220に接続された少なくとも1つのリード202を含んでいる。図示された例においては、キット200は、パルス発生器220に接続された一対の経皮的リードを含んでいる。より詳細に記述されるように、パルス発生器220は、喘息の症状を緩和させるために、電気信号を発生させるようにプログラムされ、電気信号は、少なくとも1つのリード202を通じて伝達され、かつ、硬膜外腔の事前決定された位置にある、リードの少なくとも1つの接触子208によって放出される。キット200はまた、喘息の治療に加えて、背中、腹部、胸部、及び体の他の部位の痛みを緩和させるために脊髄刺激療法を実行するように用いられてもよい。
幾つかの例では、少なくとも1つのリード202は、一時的なトライアルの間に埋込まれる一時的な経皮的リードである。あるいは、少なくとも1つのリード202は、成功した一時的なトライアルの完了後に埋込まれる永久的リードであってもよい。そのような代替的な例では、少なくとも1つのリード202は、永久的な経皮的リード又は永久的パドルリードであってよい。
少なくとも1つのリード202の各々は、遠位端204と近位端206の間に延在する本体部を有する。本体部は、均一な直径及び円周の管状形状を有し、この管状形状により、少なくとも1つのリード202は、容易に硬膜外針110の内外をスライドして通ることができる。少なくとも1つのリード202の遠位端204は、喘息の症状の緩和及び/又は慢性疼痛の治療のための電気信号を放出するために、硬膜外腔の事前決定された位置に配置されるように構成されている。近位端206は、パルス発生器220に接続するように構成されている。
少なくとも1つのリード202の各々は、遠位端204に向かって位置させられた1つ以上の接触子208を含む。各接触子208は、喘息の症状を緩和させるために、パルス発生器220から電気信号を受信し、かつ、電気信号を放出して硬膜外腔の事前決定された位置の1つ以上の神経と相互作用するように構成される。幾つかの例では、接触子208は等間隔で配置されている。少なくとも1つのリード202の各々に含まれる接触子208の数は、変化してもよい。例えば、少なくとも1つのリード202は、少なくとも1つの接触子を含んでいる場合もあれば、又は、複数の接触子を含んでいる場合もある。複数の接触子は、5から20の範囲の数の接触子であるか、又は20より多くの接触子である。1つの例では、少なくとも1つのリード202の各々は、16の接触子を有する。
幾つかの例では、少なくとも1つのリード202の各々の近位端206は、パルス発生器220に接続するために患者Pの体の外側へ延びるように構成されている。そのような例では、パルス発生器220は、脊髄刺激療法のための一時的なトライアルの間等に、患者Pによって携帯又は装着される外部デバイスである。
あるいは、パルス発生器220は、患者Pの皮膚表面下に永久的に埋込まれる、埋込可能なパルス発生器であってもよい。そのような例では、少なくとも1つのリード202の各々の近位端206は、患者Pの体内に残存する。
キット200は、遠隔制御装置230をさらに含み、遠隔制御装置230は、パルス発生器220と無線通信して、パルス発生器220から生成され、かつ、1つ以上の接触子208によって放出される、電気信号を調整する。図2で示されているように、遠隔制御装置230は、1つ以上の入力ボタン232及びディスプレイスクリーン234を含む。
例示的な例として、1つ以上の入力ボタン232は、電気信号の周波数及び/又は強度を増加させるように、患者Pによって選択可能である。例えば、1つ以上の入力ボタン232は、喘息又は痛みをより強力に軽減させるように選択可能である。さらに、1つ以上の入力ボタン232は、喘息又は痛みをより弱く軽減させるために、電気信号の周波数及び/又は強度を減少させるように、患者Pによって選択可能である。1つ以上の入力ボタン232はまた、電気信号を最適化して喘息の症状を緩和させるために、パルス発生器220からのパルス強度、パルス幅、及びパルス周波数を変更するように選択可能である。
図3は、脊柱300の図を示している。図3で示されているように、脊柱300は、頸椎C1-C7、胸椎T1-T12、及び腰椎L1-L5を含む。頸椎C1-C7は、頸部の椎骨であり、頭骨のすぐ下に位置する。胸椎T1-T12は、頸椎の尾部に(即ち、尾に向かって)位置し、脊柱300の中央部分を成す。腰椎L1-L5は、脊柱300の腰背部を形成する骨であり、骨盤の上方に位置する。
図4は、脊髄刺激療法を用いた肺疾患の症状の治療の方法400を示している。例えば、方法400は、息切れ、呼吸困難、喘鳴、咳、胸のつかえ、及びそれらに類する症状を緩和させるために実施することができる。方法400はまた、肺疾患の症状の治療に加えて、脊髄刺激療法を用いて背中、腹部、胸部、及び体の他の部位の痛みを緩和させるように実施することもできる。
図4で示されているように、方法400は、肺疾患の診断を受け取る初期ステップ402を含んでもよい。例えば、肺疾患の診断は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、及び/又は他の類似の種類の肺疾患のためであり得る。肺疾患の診断は、呼吸器内科医又は他の有資格医療専門家から受け取ることができる。
次に、方法400は、少なくとも1つのリード202を埋込むステップ404と、少なくとも1つのリード202をパルス発生器220に接続するステップ406と、肺疾患と診断された症状を緩和させるために、電気信号を発生させるようにパルス発生器220をプログラムするステップ408と、を含む。図4の例で示されたステップ404-408の順番は、変化してもよい。例えば、パルス発生器220をプログラムするステップ408は、少なくとも1つのリード202を埋込むステップ404の前に実行されてもよい。
少なくとも1つのリード202を埋込むステップ404は、少なくとも1つの接触子208を、硬膜外腔の事前決定された位置にある脊髄の脊髄神経組織に隣接するように位置させること、を含む。幾つかの例では、硬膜外腔の事前決定された位置は、椎骨C7からT5の間である。幾つかの例では、硬膜外腔の事前決定された位置は、椎骨T1からT5の間である。さらなる幾つかの例では、硬膜外腔の事前決定された位置は、椎骨T1からT4の間である。さらなる幾つかの例では、硬膜外腔の事前決定された位置は、椎骨T2からT5の間である。これらの位置は、少なくとも1つの接触子208から放出される電気信号が胸髄の後方部分を刺激して、喘息の症状を緩和させつつ胸痛も同時に軽減させることを助けることを可能にする。
背側脊柱刺激療法に加えて、少なくとも1つの接触子208から放出される電気信号は、椎骨T1からT5の間の後根神経節を刺激して、喘息の症状を緩和させつつ胸痛も同時に軽減させることを助けることにも用いられ得る。
少なくとも1つの接触子208から放出された電気信号で椎骨T1-T5の間の背側脊髄及び/又は後根神経節を刺激することによって、胸部、心臓、及び肺に関わる交感神経経路が刺激される。気管支平滑筋は、交感神経仲介β線維(sympathetically mediated beta fibers)によって制御され、交感神経仲介β線維は、リードの少なくとも1つの接触子208から放出された刺激によって弛緩させられる。気管支平滑筋の弛緩により、喘息発作の症状を軽減させることができる。少なくとも1つの接触子208を椎骨T1-T5の間の硬膜外腔に埋込むことは、喘息の治療に加えて、胸部の痛みを緩和させることもできる。
特定の例では、少なくとも1つのリード202の追加的な接触子が、さらなる痛みの軽減をもたらすために、硬膜外腔の追加的位置に位置させられる。例えば、ステップ404は、腹部を刺激するために、少なくとも1つのリード202の追加的な接触子を椎骨T5とT6の間の硬膜外腔内に位置させることを、さらに含み得る。これによって、腹痛の軽減がもたらされる。幾つかの例では、少なくとも1つのリード202の接触子は、椎骨T4とT6の間に位置させられており、喘息を治療し、かつ、胸部及び腹部両方の痛みを減らすことができる。
他の例として、ステップ404は、腰背部の痛みの軽減をもたらすために、少なくとも1つの接触子208を椎骨C7からT5の間に位置させて胸部を刺激し、かつ喘息の軽減をもたらすことに加えて、少なくとも1つのリード202の追加的な接触子を、椎骨T7とT8の間に、椎骨T8とT9の間に、椎骨T9とT10の間に、椎骨T11とT12の間に、又は椎骨T12とL1の間に、位置させることを含み得る。
ステップ404は、硬膜外腔の事前決定された位置に硬膜外針110を挿入すること、及び、その後に少なくとも1つのリード202を硬膜外針110に通すことであって、少なくとも1つの接触子208を事前決定された位置に位置させるための、通すこと、によって実行され得る。例えば、硬膜外針110は、椎骨C7からT5の間の位置に少なくとも1つの接触子208を埋込むために、椎骨C7とT1の間に、椎骨T1とT2の間に、椎骨T2とT3の間に、椎骨T3とT4の間に、又は椎骨T4とT5の間に、挿入され得る。
少なくとも1つのリード202は、患者の体内に、順行性で(即ち、より高く又は上方向に)、又は逆行性で(即ち、より低く又は下方向に)、挿入され得る。少なくとも1つのリード202が硬膜外腔内にどのように挿入されるか(即ち、順行性対逆行性)は、脊髄及び後根神経節がリードの接触子によってどのように刺激されるかに影響する。
幾つかの例では、少なくとも1つのリード202は、少なくとも1つの接触子208を後根神経節に接してよりよく位置させるために、患者の体内に逆行性で(即ち、より低く又は下方向に)挿入される。例えば、少なくとも1つのリード202は、椎骨C7から出発して硬膜外腔内に挿入されることができ、そして椎骨T5に向かって押し下げられ得る。少なくとも1つのリード202が逆行性で挿入されると、少なくとも1つのリード202は、少なくとも1つの接触子208が後根神経節に接して位置させられるように、後根神経節が位置する後方に自然に神経根スリーブ(nerve root sleeve)を送り出すことができる。これにより、椎骨T1からT5の間の任意の所定の神経根の感覚部分を刺激できる。このようにして、少なくとも1つの接触子208は、脊髄から出る体性神経の後方部分を刺激して、喘息の症状を緩和させつつ胸痛も軽減させることを助けることにも用いられ得る。
ステップ406では、少なくとも1つのリード202の近位端206は、パルス発生器が外部トライアルシミュレータであるときのように、パルス発生器220に接続するために患者Pの体の外側へ延びていることがある。あるいは、少なくとも1つのリード202の近位端206は、パルス発生器220が埋込可能なパルス発生器である例のように、パルス発生器220に接続されたとき、患者Pの体内に残存している場合もある。
ステップ408では、パルス発生器220は、患者Pからの何らの入力も必要とすることなく、長期間にわたって、喘息の症状を緩和させるために、電気信号を連続的に発生させるようにプログラムされることがある。あるいは、遠隔制御装置230によって制御されるパルス発生器220は、喘息発作中等、症状の突然の発症に際して、症状を緩和させるために、要求に応じて電気信号を発生させるようにプログラムされることもある。
特定の例では、ステップ404-408は、脊髄刺激療法による患者Pの喘息の症状の治療の効果を判定するためのトライアル処置の一部として、実行される。一時的なトライアルの完了後、そして、脊髄刺激療法が患者Pの喘息の症状を効果的に緩和させたという判定に際して、方法400は、永久的脊髄刺激療法の処置を実行するステップ410をさらに含んでもよい。
例えば、ステップ410は、少なくとも1つのリード202を永久的リードに置き換えることであって、永久的リードは、硬膜外腔の事前決定された位置(例えば、椎骨C7からT5の間にある)に位置させられた少なくとも1つの接触子を有するように埋込まれる、置き換えることと、永久的リードを埋込可能なパルス発生器に接続することと、埋込可能なパルス発生器を皮膚表面下に永久的に埋込むことと、を含み得る。永久的脊髄刺激療法の処置では、永久的リードは、永久的な経皮的リード又は永久的パドルリードであり得る。
図5は、脊髄刺激療法を用いて肺疾患の症状を緩和する方法500の例を示している。方法500は、患者が1つ以上の症状を経験するステップ502であって、1つ以上の症状は、息切れ、呼吸困難、喘鳴、咳、胸のつかえ、及びそれらに類する症状である、ステップ502を含み得る。そのような症状は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、及び/又は他の類似の種類の肺疾患等のためであり得る。
次に、方法500は、パルス発生器220をアクティブ化するステップ504を含む。例えば、患者は遠隔制御装置230(図2参照)を用いてパルス発生器220をアクティブ化することができる。遠隔制御装置230は、パルス発生器220と無線通信して、パルス発生器220によって生成され、かつ1つ以上の接触子208によって放出される、電気信号を調整する。幾つかの例では、ステップ504は、1つ以上の入力ボタン232及びディスプレイスクリーン234を用いる、肺疾患の症状を緩和させるための特定の治療プロトコルを選択することを含む。例えば、喘息の症状を緩和させるための治療プロトコルが、1つ以上の入力ボタン232及びディスプレイスクリーン234を用いて選択され得る。他の例として、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状を緩和させるための治療プロトコルが、1つ以上の入力ボタン232及びディスプレイスクリーン234を用いて選択され得る。これらの肺疾患の治療プロトコルは、痛みを緩和させるための他の治療プロトコルと別個に、又はそれに加えて、選択されてもよい。
他の例として、ステップ504は、肺疾患の症状をより強力に緩和させるために、1つ以上の入力ボタン232を、電気信号の周波数及び/又は強度を増加させるように選択することを含み得る。追加的には、ステップ504は、1つ以上の入力ボタン232を、電気信号の周波数及び/又は強度を減少させるように選択することを含み得る。
次に、方法500は、患者が、ステップ502で最初に経験された1つ以上の症状の緩和を経験する、ステップ506を含み得る。例えば、患者は、息切れ、呼吸困難、喘鳴、咳、胸のつかえ、及びそれらに類する症状をもはや有さないほどの呼吸の改善を感じ始めることがある。
次に、方法500は、パルス発生器220を非アクティブ化するステップ508を含む。例えば、患者は、肺疾患の症状の緩和を経験した後に、遠隔制御装置230を用いて、パルス発生器220を非アクティブ化することができる。有利なことには、方法500は、肺疾患の症状の緩和のための最小有効量を供給するように実施されることができる。
上述された様々な実施形態は、例示のためにのみ提供されるのであって、いかなる意味においても発明を限定するものであると解釈されるべきではない。本開示の真の精神及び範囲を逸脱することなく、上記された実施形態に様々な変形を施すことができる。

Claims (20)

  1. 肺疾患の治療のためのキットであって、前記キットは、
    少なくとも1つの接触子を有する少なくとも1つのリードと、
    前記少なくとも1つのリードに接続するように構成されたパルス発生器と、を備え、かつ、前記パルス発生器は、肺疾患の症状を緩和させるために、電気信号を発生させるようにプログラムされ、前記電気信号は、前記少なくとも1つのリードを通じて伝達され、かつ、硬膜外腔の事前決定された位置にある前記少なくとも1つの接触子によって放出される、キット。
  2. 前記事前決定された位置は、椎骨C7からT5の間である、請求項1に記載のキット。
  3. 前記事前決定された位置は、椎骨T1からT5の間である、請求項1に記載のキット。
  4. 前記パルス発生器は、前記肺疾患の症状を緩和させるために、前記電気信号のパルス振幅、パルス幅、及びパルス周波数を調節するようにプログラムされる、請求項1に記載のキット。
  5. 前記パルス発生器は、前記肺疾患の症状を緩和させるために、前記電気信号を連続的に発生させるようにプログラムされる、請求項1に記載のキット。
  6. 前記キットは、遠隔制御装置をさらに備え、前記遠隔制御装置は、前記パルス発生器を制御して、前記肺疾患の症状の発症に際して前記電気信号を発生させるように動作可能である、請求項1に記載のキット。
  7. 前記少なくとも1つのリードは、一時的な経皮的リードであり、かつ、前記パルス発生器は、一時的なトライアルの間に患者によって装着される外部デバイスである、請求項1に記載のキット。
  8. 前記少なくとも1つのリードは、永久的リードである、請求項1に記載のキット。
  9. 前記肺疾患は、喘息又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項1に記載のキット。
  10. 肺疾患を治療する方法であって、前記方法は、
    少なくとも1つの接触子を硬膜外腔の事前決定された位置に位置させるように、少なくとも1つのリードを埋込むことと、
    前記少なくとも1つのリードをパルス発生器に接続することと、
    電気信号を発生させるように前記パルス発生器をプログラムすることであって、前記電気信号は、肺疾患の症状を緩和させるために、前記事前決定された位置にある前記少なくとも1つの接触子によって放出される、プログラムすることと、を含む、方法。
  11. 前記事前決定された位置は、椎骨C7からT5の間である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記事前決定された位置は、椎骨T1からT5の間である、請求項10に記載の方法。
  13. 前記方法は、
    前記事前決定された位置に硬膜外針を挿入することと、
    前記少なくとも1つのリードを前記硬膜外針に通すことであって、前記少なくとも1つの接触子を前記事前決定された位置に位置させるための、通すことと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  14. 前記硬膜外針を挿入することは、前記硬膜外針を、椎骨C7とT1の間に、椎骨T1とT2の間に、椎骨T2とT3の間に、椎骨T3とT4の間に、又は椎骨T4とT5の間に、挿入することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1つのリードを埋込むことは、前記電気信号が脊髄の後方部分を刺激して喘息の症状及び痛みを緩和させるように、前記少なくとも1つの接触子を、前記硬膜外腔内の脊髄神経組織に隣接するように位置させることを含む、請求項10に記載の方法。
  16. 前記肺疾患は、喘息又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項10に記載の方法。
  17. 前記方法は、
    遠隔制御装置によって制御される前記パルス発生器を、前記肺疾患の症状の発症に際して前記電気信号を発生させるようにプログラムすることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  18. 前記方法は、
    前記少なくとも1つのリードを永久的リードに置き換えることであって、前記永久的リードは、前記硬膜外腔の前記事前決定された位置に位置させられた少なくとも1つの接触子を有するような、置き換えることと、
    前記永久的リードを、埋込可能なパルス発生器に接続することと、
    前記埋込可能なパルス発生器を、皮膚表面下に埋込むことと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  19. 前記少なくとも1つのリードを埋込むことは、前記少なくとも1つのリードを逆行性で挿入することであって、前記少なくとも1つの接触子を、椎骨T1からT5の間に位置する後根神経節に接して位置させるための、挿入することを含む、請求項10に記載の方法。
  20. 前記方法は、
    喘息の症状を緩和させるために、椎骨T1からT5の間に位置する前記後根神経節を刺激することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
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