JP2024511716A - 空間分解能を提供するためのモータトルクモニタリング中の圧力信号 - Google Patents

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Abstract

研磨方法は、キャリアヘッドを用いて研磨パッドの研磨面に接して基板を保持することと、基板と研磨パッドとの間で相対運動を発生させることと、第1の変調関数によって変調された第1の圧力を基板の第1の領域に加えることと、第1の変調関数に直交する第2の変調関数によって変調された第2の圧力を基板の第2の領域に加えることと、基板の研磨中、インシチュー摩擦モニタリングシステムを用いて基板をモニタリングして、測定値のシーケンスを生成することと、第1の周波数と第2の周波数との区別に基づいて、第1の領域および第2の領域からの測定値のシーケンスに対する相対寄与を決定することとを含む。【選択図】図5

Description

本開示は、化学機械研磨中にモータトルクまたはモータ電流のモニタリングを使用することに関する。
集積回路は、一般的に、導電層、半導電層、または絶縁層をシリコンウエハ上に逐次堆積させることによって、基板上に形成される。ある製造ステップは、充填層を非平坦面の上に堆積させ、充填層を平坦化することを伴う。特定の用途の場合、充填層は、パターニングされた層の上面が露出するまで平坦化される。例えば、導電性充填層をパターニングされた絶縁層上に堆積させて、絶縁層のトレンチまたは孔を埋めることができる。平坦化後、金属層のうち絶縁層の隆起したパターンの間に残っている部分は、基板上の薄膜回路間に導電路を提供するビア、プラグ、およびラインを形成する。酸化物研磨など、他の用途の場合、充填層は、非平坦面の上に所定の厚さが残るまで平坦化される。加えて、基板表面の平坦化は通常、フォトリソグラフィのために必要とされる。
化学機械研磨(CMP)は、1つの許容された平坦化方法である。この平坦化方法は、一般的に、基板をキャリアヘッドまたは研磨ヘッド上に載置する必要がある。基板の露出面は、一般的に、回転する研磨パッドに接して配置される。キャリアヘッドは、制御可能な荷重を基板に与えて基板を研磨パッドに押し付ける。一般的に、砥粒研磨スラリーが研磨パッドの表面に供給される。
CMPの1つの問題は、研磨プロセスが完了したか否か、即ち基板層が所望の平面度もしくは厚さまで平坦化されているか否か、または所望の材料量が除去されているかどうかを判定することである。スラリー分布、研磨パッド状態、研磨パッドと基板との間の相対速度、および基板に対する荷重のばらつきは、材料除去率のばらつきを引き起こす可能性がある。これらのばらつき、ならびに基板層の初期厚さのばらつきは、研磨終点に達するのに必要な時間のばらつきをもたらす可能性がある。したがって、研磨終点は通常、単に研磨時間の関数として決定することはできない。いくつかのシステムでは、基板は、例えば、モータがプラテンまたはキャリアヘッドを回転させるのに必要なトルクまたは電流をモニタリングすることによって、研磨中に現場(=in-situ)でモニタリングされる。
一態様では、研磨方法は、キャリアヘッドを用いて研磨パッドの研磨面に接して基板を保持することと、基板と研磨パッドとの間で相対運動を発生させることと、第1の変調関数によって変調された第1の圧力を基板の第1の領域に加えることと、第1の変調関数に直交する第2の変調関数によって変調された第2の圧力を基板の第2の領域に加えることと、基板の研磨中、現場摩擦モニタリングシステムを用いて基板をモニタリングして、測定値のシーケンスを生成することと、第1の周波数と第2の周波数との区別に基づいて、第1の領域および第2の領域からの測定値のシーケンスに対する相対寄与を決定することとを含む。
別の態様では、非一時的コンピュータ可読媒体には、上述の方法の処理を実施するのに1つまたは複数のコンピュータによって実行される命令が格納されている。
別の態様では、研磨システムは、研磨パッドを支持するためのプラテンと、研磨パッドに接して基板を保持するためのキャリアヘッドであって、独立して調節可能な圧力を基板の複数の異なる領域に加えるように構成されたキャリアヘッドと、キャリアヘッドとプラテンとの間に相対運動を発生させるためのモータと、値のシーケンスを生成するための現場摩擦モニタリングシステムと、上述の方法の処理を実施するように構成されたコントローラとを含む。
実施例は次の特徴のうち1つまたは複数を含んでもよい。第1の周波数および第2の周波数は互いの整数倍でなくてもよい。第1の周期的波形および第2の周期的波形は、異なる周波数を有する同じ波形であってもよい。第1の周波数および第2の周波数は、研磨システムにおける別の移動部分の周波数でなくてもよい。第1の周期的波形および第2の周期的波形は、正弦波、鋸歯状波、三角波、または矩形波から選択されてもよい。1つまたは複数のパラメータを格納することは、上層および下層のどちらがより高い摩擦係数を有するかを示す単一のパラメータを格納することを含んでもよい。1つまたは複数のパラメータを格納することは、上層の摩擦係数を示す第1のパラメータ、および下層の摩擦係数を示す第2のパラメータを格納することを含んでもよい。第1の周波数および第2の周波数は10~100Hzであってもよい。
実施例は次の潜在的な利点のうち1つまたは複数を含むことができる。研磨パッド上の基板の相対摩擦係数に関する空間情報を、モータトルク信号から抽出することができる。研磨は、下層の露出時に基板全体に関してより高い信頼性で停止することができる。研磨の均一性を増加させることができ、ディッシングおよび残留物の両方を低減することができる。
1つまたは複数の実施形態の詳細を、添付図面および以下の記載で説明する。他の態様、特徴、および利点は、記載および図面から、また特許請求の範囲から明白となるであろう。
研磨装置の一例を示す概略断面図である。 研磨装置の概略上面図である。 基板の概略底部図である。 キャリアヘッド内の異なるチャンバに対する圧力対時間のグラフである。 モータ電流信号を処理する方法を示すフロー図である。 サンプルパワースペクトルを示す図である。
様々な図面における同様の参照記号は同様の要素を示す。
一部の半導体チップ製造プロセスでは、上層、例えば酸化シリコンまたはポリシリコンは、下層、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、またはハイカッパ(=high-k)絶縁体などの誘電体が露出するまで研磨される。多くの用途に関して、下層は、上層とは異なる研磨層に対する摩擦係数を有する。結果として、下層が露出すると、モータがプラテンまたはキャリアヘッドを指定の回転速度で回転させるのに必要なトルクが変化する。このモータトルクの変化を検出することによって、研磨終点を決定することができる。モータの消費電力を測定することによって、例えば電圧が一定に保たれている場合はモータ電流を測定することによって、またはモータドライバによって報告される値を受信することによって、モータトルクを測定することができる。
ほとんどの研磨プロセスは基板全体にわたって異なる研磨速度をもたらすので、下層は中心よりも先に基板エッジで除去されるか、またはその逆もまた真である。残念ながら、従来のモータトルクモニタリング技法では、トルクはウエハ表面全体にわたる総摩擦力の結果であり、測定のための空間分解能はない。結果として、下層が基板のいくつかの領域で露出し始めており、モータ電流信号が変化し始めると、基板のどの部分が最初に除去されているかを判定することは不可能である。
しかしながら、異なるゾーンにおいて異なる周波数で基板に圧力を加えることによって、モータ電流信号から基板に対する摩擦の空間分布に関する情報を得ることが可能であってもよい。これにより、基板上における除去の分布を決定するのを可能にすることができる。
図1~図2は、研磨装置100の一例を示している。研磨装置100は、研磨パッド110が上に載置される、回転可能なディスク形状のプラテン120を含む。研磨パッド110は、外側の研磨層112とより柔らかいバッキング層114とを有する、二層の研磨パッドであることができる。プラテンは、軸線125を中心にして回転するように動作可能である(図2の矢印A)。例えば、モータ121、例えばDC/誘導モータが駆動軸124を旋回させて、プラテン120を回転させることができる。
研磨装置100は、砥粒スラリーなどの研磨液132を研磨パッド110上にパッドに対して分配するポート130を含むことができる。研磨装置はまた、研磨パッド110を研削して研磨パッド110を一貫した研削状態に維持する、研磨パッドコンディショナを含むことができる。
研磨装置100は少なくとも1つのキャリアヘッド140を含む。キャリアヘッド140は、研磨パッド110に接して基板10を保持するように動作可能である。各キャリアヘッド140は、それぞれの基板と関連付けられた研磨パラメータ、例えば圧力の、独立制御を有することができる。
キャリアヘッド140は、支持構造150、例えばカルーセルから懸架され、キャリアヘッドが軸線155を中心にして回転できるように(図2の矢印B)、駆動軸152によってキャリアヘッド回転モータ154に、例えばDC/誘導モータに接続される。任意に、各キャリアヘッド140は、例えば、カルーセル150のスライダ上で、またはカルーセル自体の回転振動によって、横方向に振動することができる(図2の矢印C)。一般的な動作の際、プラテンはその中心軸125を中心にして回転させられ、各キャリアヘッドは、その中心軸155を中心にして回転させられ、研磨パッドの上面を横切って横方向に並進させられる。
キャリアヘッド140は、基板10を可撓性膜144の下方で保持する保持リング142を含むことができる。キャリアヘッド140はまた、可撓性膜144上の関連するゾーン、したがって基板10の関連する領域12a~12c上に独立制御可能な圧力を加えることができる、膜144によって画成された1つまたは複数の独立制御可能である加圧可能なチャンバを、例えば3つのチャンバ146a~146cを含む(図3を参照)。例示を簡単にするため、図1~図2には3つのチャンバのみが示されるが、2つのチャンバ、または4つ以上のチャンバ、例えば5つのチャンバが存在し得る。
図2および図3は、同心の、例えば円形中央チャンバ146aおよび環状同心チャンバ146b、146cとしての、円形中央領域12a、環状同心領域12b、12cそれぞれに圧力を加える、チャンバおよび領域を示している。しかしながら、他の構成が可能である。例えば、チャンバは、キャリアヘッド140の中心軸155を中心にして角度分布させることができる。加えて、上述したように、異なる数のチャンバおよび領域が存在し得る。
チャンバ146a~146cに対する圧力は、圧力調整器148a~148cによって制御することができる。圧力調整器148a~148は、回転ユニオンおよび駆動軸152を貫通する空気圧ライン149を通して、それぞれのチャンバ146a~146cに結合することができる。
あるいは、基板の領域に対する圧力の空気圧制御ではなく、他のアクチュエータを、例えば圧電アクチュエータを使用することができる。
プログラマブルコンピュータなどの制御システム190は、モータ121、154に接続されて、プラテン120およびキャリアヘッド140の回転速度を制御する。例えば、各モータは、関連する駆動軸の回転速度を測定するエンコーダを含むことができる。フィードバック制御回路は、モータ自体の中にあるか、コントローラの一部であるか、または別個の回路であることができ、測定された回転速度をエンコーダから受信し、モータに供給される電流を調節して、駆動軸の回転速度がコントローラから受信される回転速度と一致するようにする。
制御システム190はまた、圧力調整器148a~148に接続されて、キャリアヘッド140内のチャンバ146a~146cに加えられる圧力を制御する。
研磨装置はまた、研磨終点を決定するのに使用することができる、現場モニタリングシステム160を含む。現場モニタリングシステム160は、基板と研磨パッドとの間の摩擦に依存する信号を発生させる。いくつかの実施例では、現場システムは、モータ電流またはモータトルクモニタリングシステムを提供する。この場合、現場モニタリングシステム160は、モータトルクを測定するセンサを含む。モータトルクの測定は、トルクの直接測定および/またはモータに供給される電流の測定であることができる。
例えば、トルクメータ160を駆動軸124上に配置することができ、ならびに/あるいはトルクメータ162を駆動軸152上に配置することができる。トルクメータ160および/または162の出力信号はコントローラ190へと送られる。
別の方法としてまたは加えて、電流センサ170はモータ121に供給される電流をモニタリングすることができ、ならびに/あるいは電流センサ172はモータ154に供給される電流をモニタリングすることができる。電流センサ170および/または172の出力信号は、制御システム190へと送られる。電流センサはモータの一部として示されているが、電流センサは、コントローラ(コントローラ自体がモータに対する駆動電流を出力する場合)または別個の回路の一部であることができる。
別の方法としてまたは加えて、現場モニタリングシステムは、摩擦力のより直接的な測定を実施することができる。例えば、現場モニタリングシステムは、基板および/または保持リングに対する摩擦によって生じる、キャリアヘッドの屈曲部のたわみを測定するセンサを含むことができる。
センサの出力は、デジタル電子信号であることができる(センサの出力がアナログ信号であり、次にセンサまたはコントローラのADCによってデジタル信号に変換することができる場合)。デジタル信号は信号値のシーケンスで構成され、信号値間の期間はセンサのサンプリング周波数に応じて決まる。信号値のこのシーケンスは、信号対時間曲線と呼ばれる場合がある。信号値のシーケンスは値xのセットとして表すことができる。
図4A~図4Cを参照すると、研磨中、各チャンバは、関連領域に一定の圧力を加える代わりに、各チャンバは、指定のセットポイント付近で変調された圧力、例えば周期的圧力を加える。マルチチャンバキャリアヘッドの各チャンバは、他のチャンバの変調関数に対して相互に直交する変調関数を利用することになる。例えば、各チャンバは、他のチャンバそれぞれからの異なる周波数で圧力を可変に変調することができる。N個のチャンバを有するキャリアヘッドの場合、これらの周波数をF1、F2、…FNとラベリングすることができる。いくつかの実施例では、どの周波数も別の周波数の整数倍ではない。
各変調関数は、研磨システムの他の構成要素によってもたらされる摩擦に対する他の外乱に対して相互に直交することができる。例えば、各周波数は、研磨中に移動する部分と関連付けられた、化学機械研磨システムの他の一部またはすべての周波数、例えば、ヘッドの掃引周波数、パッドコンディショナの掃引周波数、プラテン回転のrpm、またはヘッドのrpmとは異なることもできる。
変調関数は、適切にサイズ決めされた期間、例えば10~20秒にわたって、相互に直交することができる。相互に直交する変調関数の一例は、異なる周波数を有する正弦関数である。他の考えられる相互に直交する変調関数としては、ルジャンドル多項式、またはハールウェーブレットなどの様々な直交ウェーブレット基底が挙げられる。
チャンバ146aに加えられる圧力は、図4Aによって示すことができ、中央チャンバ146aに加えられる圧力は、図4Bによって示すことができ、外側チャンバ146aに加えられる圧力は、図4Cによって示すことができる。この例では、外側チャンバ146cの圧力は最高周波数F3で変化し、中央チャンバ146aの圧力は最低周波数F1で変化するが、これは必須ではない。周波数F1、…FNはそれぞれ、1Hz~1kHz、例えば10~100Hzであることができる。
図4Aを参照すると、中央チャンバ146aに加えられる公称圧力がP1の場合、制御システム190は、中央チャンバ146aに加えられる圧力を、サイクル全体にわたってチャンバ146a内で加えられる平均圧力がP1であるように、高圧P1Hと低圧P1Lとの間で周期的に変動させることができる。同様に、中間チャンバ146bに加えられる圧力は、高圧P2Hと低圧P2Lとの間で周期的に変動して、平均圧力P2をもたらすことができ、外側チャンバ146cに加えられる圧力は、高圧P3Hと低圧P3Lとの間で周期的に変動して、平均圧力P3をもたらすことができる。
図4A~図4Cは矩形波信号を示しているが、これは必須ではない。チャンバに対する圧力は、正弦波、鋸歯状波などとして加えることができる。異なるチャンバが(異なる周波数で)同じ圧力波形を有する場合があるが、異なる圧力波形を異なるチャンバに適用することも可能である。
高圧と低圧との、例えばP1HとP1Lとの圧力差は、後の信号解析で検出可能な十分に大きい差であるべきであるが、一方で研磨速度の揺れを制限するため、できるだけ小さい差であるべきである。例えば、高圧と低圧との差、例えばP1H-P1Lは、平均圧力、例えばP1の10~50%、例えば15~33%であることができる。
各ゾーンの変調と関連付けられた摩擦のばらつきは、変調関数に対する信号値のスカラー射影を計算することによって決定することができる。相互に直交する関数が正弦曲線である場合、この射影は、離散的フーリエ変換、例えば高速フーリエ変換(FFT)を介して実施することができる。信号値のシーケンス、即ち、研磨中に行われたモータトルク測定(直接の測定、あるいはモータ電流による測定にかかわらず)は、このように解析されて、周波数F1、F2、…FNそれぞれに対応するパワーが決定される。正弦波変調の場合、各周波数と関連付けられた出力は、異なる変調周波数が通過帯域の中央に設定された異なるバンドパスフィルタに信号を与え、次に出力信号のエネルギー量を計算することによっても、計算することができる。
図6は、信号値のシーケンスのフーリエ変換によって得られる、ピーク610a、610b、および610cがそれぞれ周波数F1、F2、およびF3にある、パワースペクトル600を示している。パワースペクトル600はまた、他の周期的挙動によるピークを含む場合がある。例えば、周波数FXのピーク620はキャリアヘッドの掃引周波数に対応し得る。
パワースペクトルにおけるピーク610a、610b、610cの相対的大きさを、経時的に追跡して、基板上の各領域12a~12cの摩擦量に関する情報を、またしたがって下層がその領域で露出しているか否かの情報を提供することができる。特に、特定の周波数に対するピーク振幅の変化(絶対、または他のピークに対する相対)は、圧力チャンバが対応する周波数の圧力波形を加えている領域における下層の露出を示すことができる。例えば、ピーク610aの振幅が変化した場合、これは、その領域12aが露出していることを示すことができる。
例えば、下層は、上層よりも低い研磨パッドとの摩擦係数を有することができる。この場合、下層が露出すると、モータトルクが低下する。ピーク610aの振幅が、例えば振幅A1から振幅A2に低下し、他のピーク610b、620cは一定のままである場合、これは、中央領域12aは露出しているが、中間および外側領域12b、12cはまだ露出していないことを示すことができる。
他方で、下層が上層よりも高い研磨パッドとの摩擦係数を有する場合、下層が露出すると、モータトルクが増加する。やはり、ピーク610aの振幅が、例えば振幅A1から振幅A3に増加し、他のピーク610b、620cは一定のままである場合、これは、中央領域12aは露出しているが、中間および外側領域12b、12cはまだ露出していないことを示すことができる。
同様の論理は、ピーク610bまたは620cが変化し、他のピークが一定のままである場合に当てはまる。研磨の過程にわたって出力スペクトルを評価し、どの周波数がいつ変化するかを見ることによって、制御システム190は、各ゾーンが下層に対していつ除去となるかを判定することができる。例えば、制御システム190は、ピークの振幅が閾値を超えるか否か、例えば、閾値を下回るか(下層が上層よりも低い摩擦係数を有する場合)または閾値を上回るか(下層が上層よりも高い摩擦係数を有する場合)を判定することができる。閾値は、推論的に決定されたプリセット値であることができ、または初期モータトルク測定値に基づいて、例えば、研磨の初期期間、例えば1~2分にわたる、その周波数での平均出力における少なくとも特定のパーセンテージ、例えば10%の変化に基づいて、生成することができる。
図6は、フーリエ変換によってもたらされるパワースペクトルを示しているが、この技法は、変調関数に対する信号値のスカラー射影を実施するように一般化することができる。スカラー射影によってもたらされる値をモニタリングして、値が増加するかあるいは減少するかを判定することができる。例えば、制御システム190は、値が閾値を過ぎるか否か、例えば閾値を下回るかまたは上回るかを判定することができる。
基板上の特定のゾーンが除去されていることの検出に応答して、制御システム190は、チャンバに対する圧力を低減することができる。これによって、ディッシングおよび腐食を低減することができる。
実施される方法は図5に概要が示されている。研磨(502)の間、相互に直交する変調関数、例えば異なる周波数を有する圧力波形は、キャリアヘッドによって、基板の異なる領域に適用される(504)。例えばモータトルクまたは直接摩擦測定値としての、パッドに対する基板の摩擦がモニタリングされ(506)、変調関数に対する摩擦測定値のスカラー射影が実施される(508)。例えば、異なる周波数における正弦変調の場合、例えばフーリエ変換によって、モータトルク信号から出力スペクトルを生成することができる。異なる周波数に対応する出力スペクトルの領域が比較され(510)、システムは、1つの変調に対する出力が別の変調に対する出力に比べて変化しているか否かを検出することによって、1つの領域が別の領域の前に除去されているか否かを判定することができる(512)。例えば、やはり異なる周波数における正弦変調の場合、1つの周波数に対するパワーが別の周波数に比べて変化しているか否かを検出することができる。
例えば制御システム190の、実現例、および本明細書に記載する機能的動作のすべては、デジタル電子回路で、あるいは本明細書で開示する構造的手段およびそれらの構造的等価物を含む、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで、あるいは上記の組み合わせで実現することができる。本明細書に記載する実現例は、1つまたは複数の非一時的コンピュータプログラム製品、即ち、データ処理装置、例えばプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータによって実行される、あるいはその動作を制御する、機械可読記憶媒装置の形で有形的に具体化された、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして実現することができる。
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても知られる)は、コンパイル型またはインタプリタ型言語を含む、任意の形態のプログラミング言語で記述することができ、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境で使用するのに適した他のユニットとしてなど、任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムは必ずしもファイルに対応しない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部分に、問題のプログラム専用の単一のファイルに、あるいは複数の複合ファイル(例えば、1つもしくは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの部分を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または1つのサイトにあるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で、実行されるように展開することができる。
本明細書に記載するプロセスおよび論理フローは、入力データを処理し、出力を生成することによって、1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行して機能を実施する、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって実施することができる。プロセスおよび論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)もしくはASIC(特定用途向け集積回路)によって実施することができ、またかかる専用論理回路として装置を実装することができる。
「データ処理装置」という用語は、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するすべての装置、デバイス、および機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらの1つもしくは複数の組合せを構築する、コードを含むことができる。コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサとしては、例として、汎用および専用両方のマイクロプロセッサ、ならびに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つもしくは複数のプロセッサが挙げられる。
コンピュータプログラム命令およびデータを格納するのに適したコンピュータ可読媒体としては、例として、半導体メモリ素子、例えばEPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス、磁気ディスク、例えば内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク、磁気光学ディスク、ならびにCD ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、すべての形態の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリデバイスが挙げられる。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補完することができ、または専用論理回路に組み込むことができる。
上述の研磨装置および方法は、様々な研磨システムにおいて適用することができる。研磨パッドもしくはキャリアヘッドのどちらか、または両方は、研磨面とウエハとの相対運動をもたらすように移動することができる。プラテンは回転するのではなく周回してもよい。終点検出システムは、リニア研磨システム(例えば、研磨パッドが、線形的に移動する連続ベルトまたはリール間ベルトである)に適用可能であってもよい。研磨層は、標準的な(例えば、フィラーを有するかもしくは有さないポリウレタン)研磨材料、軟質材料、または固定砥粒材料であることができる。方法は、上層および下層の材料の他の組み合わせ、例えば、誘電体の上に金属、または金属の上に誘電体などに適用することができる。
相対位置の用語が使用されるが、研磨面およびウエハは、垂直配向または他の何らかの配向で保持することができるものと理解されるべきである。
本明細書は多くの特定の詳細を包含するが、これらは、特許請求の範囲に対する限定としてではなく、特定の発明の特定の実施形態に特異的であってもよい特徴の説明として解釈されるべきである。

Claims (20)

  1. 命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記命令が、1つまたは複数のコンピュータに、
    研磨システムのキャリアヘッドによって、基板の研磨中、第1の変調関数によって変調された第1の圧力を前記基板の第1の領域に加えさせることと、
    前記研磨システムの前記キャリアヘッドによって、前記第1の変調関数に直交する第2の変調関数によって変調された第2の圧力を、前記基板の異なる第2の領域に適用させることと、
    一連の測定値を現場摩擦モニタリングシステムから受信することと、
    前記第1の変調関数と前記第2の変調関数との区別に基づいて、前記第1の領域および第2の領域からの、前記一連の測定値に対する相対寄与を決定することと
    をさせる、コンピュータプログラム製品。
  2. 前記第1の領域と前記第2の領域のどちらの上層が最初に除去されて下層を露出させているかを判定し、
    前記第1の領域と前記第2の領域のどちらが最初に除去されているかに基づいて研磨パラメータを調節する、
    命令を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
  3. 前記第1の変調関数が第1の周波数を有する第1の周期的波形を含み、前記第2の変調関数が異なる第2の周波数を有する第2の周期的波形を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
  4. 前記一連の測定値の出力スペクトルを決定し、前記第1の周波数に対応する前記スペクトルの第1の領域に対する第1のパワーを特定することと、前記第2の周波数に対応する前記スペクトルの第1の領域に対する第2のパワーを特定する命令を含む、請求項3に記載のコンピュータプログラム製品。
  5. 前記パワースペクトルを決定することが、前記一連の測定値に対してフーリエ変換を実行することを含む、請求項4に記載のコンピュータプログラム製品。
  6. 上層と下層との相対摩擦係数を示す1つまたは複数のパラメータを格納することを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
  7. 第1の値および第2の値を生成するため、前記第1の変調関数および前記第2の変調関数の各々に対する前記一連の測定値のスカラー射影を決定するための命令を含む、請求項6に記載のコンピュータプログラム製品。
  8. 前記1つまたは複数のパラメータが、前記下層が低い摩擦係数を有することを示し、前記第1の値が前記第2の値よりも減少していることに基づいて、前記第1の領域が前記第2の領域の前に除去されたと判定するための命令を含む、請求項7に記載のコンピュータプログラム製品。
  9. 前記1つまたは複数のパラメータが、前記下層が高い摩擦係数を有することを示し、前記第1の値が前記第2の値よりも増加していることに基づいて、第1のゾーンが第2のゾーンの前に除去されたと判定するための命令を含む、請求項7に記載のコンピュータプログラム製品。
  10. 前記1つまたは複数のパラメータが、前記下層が低い摩擦係数を有することを示し、前記第2の値が前記第1の値よりも減少していることに基づいて、前記第2の領域が前記第1の領域の前に除去されたと判定するための命令を含む、請求項7に記載のコンピュータプログラム製品。
  11. 前記1つまたは複数のパラメータが、前記下層が高い摩擦係数を有することを示し、前記第2の値が前記第1の値よりも減少していることに基づいて、前記第2の領域が前記第1の領域の前に除去されたと判定するための命令を含む、請求項7に記載のコンピュータプログラム製品。
  12. 第1の公称圧力および第2の公称圧力を研磨レシピから受信するための命令を含み、前記第1の変調関数によって変調された前記第1の圧力の平均が前記第1の公称圧力に等しく、前記第2の変調関数によって変調された前記第2の圧力の平均が前記第2の公称圧力に等しい、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
  13. 前記第1の公称圧力に基づいて第1の上位圧力値および第1の下位圧力値を計算し、前記第2の公称圧力に基づいて第2の上位圧力値および第2の下位圧力値を計算するための命令を含む、請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
  14. キャリアヘッドを用いて基板を研磨パッドの研磨面に接して保持することと、
    前記基板と前記研磨パッドとの間の相対運動を発生させることと、
    第1の変調関数によって変調された第1の圧力を前記基板の第1の領域に加えることと、
    前記第1の変調関数に直交する第2の変調関数によって変調された第2の圧力を前記基板の第2の領域に加えることと、
    前記基板の研磨中、現場摩擦モニタリングシステムを用いて前記基板をモニタリングして、一連の測定値を生成することと、
    第1の周波数と第2の周波数との区別に基づいて、前記第1の領域および前記第2の領域からの、一連の測定値に対する相対寄与を決定することと
    を含む、研磨方法。
  15. 前記現場摩擦モニタリングシステムが、プラテントルクモニタリングシステムまたはモータ電流モニタリングシステムを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第1の領域が前記基板の中央領域を含み、前記第2の領域が前記基板のエッジ領域を含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記第1の領域と前記第2の領域のどちらの上層が、最初に除去され下層を露出させるかを判定することと、
    前記第1の領域と前記第2の領域のどちらが最初に除去されるかに基づいて研磨パラメータを調節することと
    を含む、請求項14に記載の方法。
  18. 前記第1の変調関数および前記第2の変調関数が、研磨システムの他の移動部分の変調関数に直交する、請求項14に記載の方法。
  19. 研磨パッドを支持するためのプラテンと、
    基板を前記研磨パッドに接して保持するためのキャリアヘッドであって、前記基板の複数の異なる領域に独立して調節可能な圧力を加えるように構成された、キャリアヘッドと、
    前記キャリアヘッドと前記プラテンとの間の相対運動を発生させるためのモータと、
    値のシーケンスを生成するための現場摩擦モニタリングシステムと、
    コントローラであって、
    前記キャリアヘッドによって、前記基板の研磨中、第1の変調関数によって変調された第1の圧力を前記基板の第1の領域に加えさせることと、
    前記キャリアヘッドによって、前記第1の変調関数に直交する第2の変調関数によって変調された第2の圧力を、前記基板の異なる第2の領域に適用させることと、
    一連の測定値を現場摩擦モニタリングシステムから受信することと、
    前記第1の変調関数と前記第2の変調関数との区別に基づいて、前記第1の領域および第2の領域からの、前記一連の測定値に対する相対寄与を決定することと
    を行うように構成された、コントローラと
    を備える、研磨システム。
  20. 前記現場モータ摩擦モニタリングシステムが、キャリアヘッドトルクモニタリングシステム、プラテントルクモニタリングシステム、またはモータ電流モニタリングシステムを含む、請求項19に記載のシステム。
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