JP2024511480A - Trpa1阻害剤としての、3h,4h,5h,6h,7h-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-4,6-ジオン誘導体 - Google Patents

Trpa1阻害剤としての、3h,4h,5h,6h,7h-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-4,6-ジオン誘導体 Download PDF

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Abstract

本開示は、一過性受容体電位アンキリン1(TRPA1)の阻害剤であり、したがってTRPA1の阻害によって処置可能な疾患の処置に有用な、ある特定の3H,4H,5H,6H,7H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-4,6-ジオン誘導体を提供する。また、それを含む医薬組成物、及び前記化合物を調製するための方法を提供する。TIFF2024511480000052.tif36114

Description

本開示は、一過性受容体電位アンキリン1(TRPA1)の阻害剤であり、したがってTRPA1の阻害によって処置可能な疾患の処置に有用な、ある特定の3H,4H,5H,6H,7H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-4,6-ジオン誘導体を提供する。また、それを含む医薬組成物、及び前記化合物を調製するための方法を提供する。
一過性受容体電位チャネル(TRPチャネル)は、多くの哺乳動物細胞タイプの細胞膜上に大部分が位置する、あるグループの電位依存性イオンチャネルである。構造的に関連するおよそ30種類のTRPチャネルが存在し、TRPA、TRPC、TRPM、TRPML、TRPN、TRPP、及びTRPVのグループに分類される。一過性受容体電位カチオンチャネルのサブファミリーAであるメンバー1(TRPA1)は、一過性受容体電位アンキリン1としても知られており、TRPA遺伝子サブファミリーの唯一のメンバーである。構造的には、TRPAチャネルは、複数のN-末端アンキリン反復(ヒトTRPA1のN-末端において約14個)によって特徴付けられ、それがアンキリンの名称に関する「A」につながる(Montell、2005年)。
TRPA1は、皮膚と肺の両方に機能する後根及び結節神経節における感覚ニューロンの細胞膜において、並びに小腸、結腸、膵臓、骨格筋、心臓、脳、膀胱、及びリンパ球(https://www.proteinatlas.org/)において、並びにヒト肺線維芽細胞において高度に発現される。
TRPA1は、体性知覚のモダリティ、例えば、疼痛、冷たさ、及び痒みをもたらす環境刺激に関するセンサーとして最も知られている。TRPA1は、多数の反応性求電子性刺激(例えば、アリルイソチオシアネート、反応性酸素種)並びに非反応性化合物(例えばイシリン)によって活性化され、喘息関連の咳、慢性肺閉塞性疾患(COPD)、特発性肺線維症(IPF)、又はウィルス感染後の咳に、又は慢性特発性咳に、並びに高感受性患者における咳に関与している(Song及びChang、2015年;Grace及びBelvisi、2011年)。咳誘発性のTGF-βの上昇を示す研究に基づいて、TRPA1阻害剤は、咳と肺損傷との間の関連性のために咳が非常に高頻度で認められるIPFの処置において有用である(Xieら、2009年;Froeseら、2016年;Tschumperlinら、2003年;Yamamotoら、2002年;Ahamedら、2008年)。SARS-Cov-2感染の結果としての急性肺損傷は、反応性酸素種(ROS)によって少なくとも一部は介在される。ROSは、TRPA1の直接的活性化因子である。さらに、香辛料が入った食品の摂取を介したTRPA1の脱感作は、Nrf2経路を調節し、酸化ストレスを減少させると仮定されている(Bousquetら、2020年、Bousquetら、2021年)。したがって、TRPA1阻害剤は、Covid-19/SARS-Cov-2誘発性肺損傷の処置において潜在力を有する。TRPA1拮抗薬は、咳トリガー、例えば、タバコ煙抽出物(CSE)酸化ストレス、炎症性メディエーター放出、及び下方調節された抗酸化遺伝子発現によって引き起こされるカルシウムシグナル伝達を阻害する(Linら、2015年;Wangら、2019年)。TRPA1拮抗薬は、アトピー性皮膚炎(Ohら、2013年;Wilsonら、2013年)、接触性皮膚炎(Liuら、2013年)、乾癬関連の痒み(Wilsonら、2013年)、及びIL-31依存性の痒み(Cevikbasら、2014年)の研究において有効である。ヒトTRPA1機能の獲得は、家族性エピソード性疼痛症候群と関連している(Kremeyerら、2010年)。TRPA1拮抗薬は、片頭痛関連アロディニアの行動モデルにおいて有効であった(Edelmayerら、2012年)。健常な歯を刺激する三叉神経神経節におけるTRPA1発現と比較した場合、損傷した歯を刺激する三叉神経神経節におけるTRPA1は選択的に増加している(Haasら、2011年)。イソフルランを含むいくつかの麻酔薬はTRPA1作動薬であることが知られており(Mattaら、2008年)、外科手術後の疼痛を軽減するためのTRPA1阻害剤に関する論理的根拠を提供している。TRPA1ノックアウトマウス及びTRPA1拮抗薬で処置された野生型マウスは、抗不安様及び抗うつ様表現型を示した(de Mouraら、2014年)。TRPA1阻害剤は、AMPKとTRPA1との間の逆調節のメカニズム的関連を示す研究に基づき、糖尿病性神経障害の処置における利点を有することが期待される(Hiyamaら、2018年;Koivisto及びPertovaara、2013年;Wangら、2018年)。TRPA1ノックアウトマウスは、野生型マウスと比較して小さい心筋梗塞サイズを示す(Conklinら、2019年)。TRPA1ノックアウト及び薬理学的介入は、マウスにおけるTNBS誘発性結腸炎を阻害する(Engelら、2011年)。マウス脳虚血モデルにおいて、TRPA1ノックアウト及びTRPA1拮抗薬はミエリン損傷を減少させる(Hamiltonら、2016年)。尿酸結晶及び関節炎は、痛風の尿酸一ナトリウムマウスモデルのTRPA1ノックアウトマウスにおいて減少する(Moilanenら、2015年)。ラットにおけるTRPA1欠失は、急性痛風再燃のラットモデルにおける関節炎及び痛覚過敏を回復させた(Trevisanら、2014年)。TRPA1の活性化は、骨関節炎の軟骨細胞における炎症性応答を引き起こす(Nummenmaaら、2016年)。TRPA1阻害及び遺伝的欠失は、骨関節炎マウス軟骨細胞及びネズミ軟骨における炎症性メディエーターを減少させる(Nummenmaaら、2016年)。最後に、TRPA1ノックアウトマウスは、MIA誘発膝腫脹モデルにおける骨関節炎手足にかかる重量負荷において改善を示した(Horvathら、2016年)。TRPA1は、ラット(Duら、2007年)及び膀胱出口閉塞を呈する患者(Duら、2008年)の膀胱上皮において差次的に発現する。TRPA1受容体モジュレートは、脊髄損傷のラットモデルにおける膀胱過活動を減弱し(Andradeら、2011年)、TRPA1拮抗薬のくも膜下腔内投与は、反射亢進排尿を呈するラットにおけるシクロホスファミド誘発性膀胱炎を減弱する(Chenら、2016年)。
したがって、強力なTRPA1阻害剤が提供されることが望ましい。
様々な構造クラスのTRPA1阻害剤が、S. Skerratt, Progress in Medicinal Chemistry, 2017, Volume 56, 81-115、及びD. Preti, G. Saponaro, A. Szallasi, Pharm. Pat. Anal. (2015) 4 (2), 75-94、及びH. Chen, Transient receptor potential ankyrin 1 (TRPA1) antagonists: a patent review (2015-2019), Expert Opin Ther Pat., 2020においてレビューされている。
WО2017/060488では、TRPA1の拮抗薬であり、一般構造式
Figure 2024511480000002
を有する化合物が開示されている。
その中の実施例53、72、73、86、及び90のTRPA1活性は、カルシウムフラックスアッセイにおいてIC50が100nM未満であることが開示されている。
L. Schenkel, et al ., J. Med. Chem. 2016, 59, 2794-2809では、一般構造式
Figure 2024511480000003
の化合物を含むキナゾリノンベースのTRPA1拮抗薬が開示されており、このうち、RがOHである化合物31は、FLIPRアッセイにおいてIC50が58nMの拮抗性TRPA1活性を有し、ヒト肝ミクロソームにおいて14μL/分/kg未満の内因性クリアランスを有するとして開示されている。
発明の詳細な説明
本発明は、一過性受容体電位アンキリン1(TRPA1)の阻害剤であり、TRPA1の阻害によって処置可能な状態及び/又は疾患を処置するための医薬としてのその使用を可能にする適切な薬理学的及び薬物動態特性を有する、新規な3H,4H,5H,6H,7H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-4,6-ジオン誘導体を開示する。
本発明の化合物は、いくつかの利点、例えば、強化された効力、高い代謝及び/又は化学的安定性、高選択性、安全性及び忍容性能力、強化された溶解性、強化された透過性、望ましい血漿タンパク質結合、強化されたバイオアベイラビリティ、好適な薬物動態プロファイル、並びに安定な塩を形成する可能性を提供し得る。
本発明の化合物
本発明は、驚くことにTRPA1の強力な阻害剤であり(アッセイA)、
-ヒト肝ミクロソームにおける改善された安定性(アッセイB)
-ヒト肝細胞における改善された安定性(アッセイC)
によってさらに特徴付けられる、3H,4H,5H,6H,7H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-4,6-ジオン誘導体を提供する。
本発明の化合物は、置換された3H,4H,5H,6H,7H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-4,6-ジオンコアと第二級脂肪族アルコールに近接した置換基とを含むという点において、W02017/060488における実施例53、72、73、86、及び90、並びにL. Schenkel, et al., J. Med. Chem. 2016, 59, 2794-2809における例31とは構造的に異なる。これらの構造的な違いは、(i)TRPA1の阻害、(ii)ヒト肝ミクロソームにおける安定性、及び(iii)ヒト肝細胞における安定性の良好な組合せを予想外にもたらす。
ヒト肝ミクロソームにおける安定性とは、好ましい第1のスクリーニングステップとして薬物動態特性を伴う薬物を選択及び/又は設計する文脈において、化合物の生体内変換に対する感受性を指す。多くの薬物に関する主な代謝部位は肝臓である。ヒト肝ミクロソームは、シトクロムP450(CYP)を含み、したがって、in vitroで第I相薬物代謝を研究するためのモデル系を表す。強化されたヒト肝ミクロソームにおける安定性は、高いバイオアベイラビリティ及び適切な半減期を含むいくつかの利点と関連しており、患者への投薬量及び投薬頻度を減少させるのを可能にすることができる。したがって、ヒト肝ミクロソームにおける強化された安定性は、薬物に使用されることになる化合物にとって好ましい特徴である。したがって、本発明の化合物は、TRPA1を阻害できることに加えて、好ましいin vivoクリアランス、したがってヒトにおける所望の作用持続期間を有することが期待される。
ヒト肝細胞における安定性とは、好ましい薬物動態特性を伴う薬物を選択及び/又は設計する文脈において、化合物の生体内変換に対する感受性を指す。多くの薬物に関する主な代謝部位は肝臓である。ヒト肝細胞は、シトクロムP450(CYP)及び他の薬物代謝酵素を含み、したがって、in vitroで薬物代謝を研究するためのモデル系を表す(重要なことに、肝ミクロソームアッセイとは対照的に、肝細胞アッセイは、第II相生体内変換並びに肝特異的トランスポーター介在性プロセスもカバーし、したがって、薬物代謝研究に関するより完全な系を表す)。ヒト肝細胞における強化された安定性は、高いバイオアベイラビリティ及び適切な半減期を含むいくつかの利点と関連しており、患者への投薬量及び投薬頻度を減少させるのを可能にすることができる。したがって、ヒト肝細胞における強化された安定性は、薬物に使用されることになる化合物にとって好ましい特徴である。
本発明は、式(I)による新規な化合物を提供する。
Figure 2024511480000004
(I)

(式中、
Aは、フェニル、チオフェニル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルからなる群から選択され、Aは、置換されていないか、又はハロゲン及びC1-4アルキルからなるR1基のうちの1員又は2員で置換されている)
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物に関する。(式中、Aは、フェニル、チオフェニル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルからなる群から選択され、Aは、置換されていないか、又はF、Cl、I、及びCH3からなるR1基のうちの1員又は2員で置換されている)
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物に関する。(式中、Aは、フェニル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルからなる群から選択され、Aは、置換されていないか、又はF、Cl、I、及びCH3からなるR1基のうちの1員又は2員で置換されている)
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物に関し、Aは、
Figure 2024511480000005
からなる群から選択される。
(式中、Aは、置換されていないか、又はR1基のうちの1員又は2員で置換されており、R1は前述の実施形態のいずれかのように定義される)
Figure 2024511480000006

からなる群から選択される式(I)による化合物が好ましい。
使用される用語及び定義
本明細書において特に定義されていない用語は、本開示及び文脈を考慮して当業者によって与えられることになる意味が与えられるべきである。しかし、本明細書において使用される場合、特に指定がない限り、以下の用語は示された意味を有し、以下の規則が遵守される。
以下に定義される基、ラジカル、又は部分において、炭素原子の数は基の前に指定されることが多く、例えば、C1-6アルキルは、1~6個の炭素原子を有するアルキル基又はラジカルを意味する。一般的に、HO、H2N、(O)S、(O)2S、NC(シアノ)、HOOC、F3Cなどのような基において、当業者であれば、基自体の自由原子価から分子へのラジカル結合点を認めることができる。2個以上のサブ基を含む結合基の場合、最後の名称のサブ基はラジカル結合点であり、例えば、「アリール-C1-3アルキル」置換基は、C1-3アルキル基に結合したアリール基を意味し、その後部分は、置換基が結合しているコア又は基に結合している。
本発明の化合物が化学名の形態で及び式として図示されている場合、不一致があれば式を優先させるべきである。アスタリスクは、定義されたコア分子に結合している結合を示すためにサブ式において使用してもよい。
置換基の原子の数え方は、置換基が結合しているコア又は基に最も近い原子から開始する。
例えば、「3-カルボキシプロピル基」という用語は、以下の置換基を表す。
Figure 2024511480000007
(式中、カルボキシ基は、プロピル基の3番目の炭素原子に結合している)
「1-メチルプロピル」、「2,2-ジメチルプロピル」、又は「シクロプロピルメチル」基という用語は、以下の基を表す。
Figure 2024511480000008
アスタリスクは、定義されたコア分子に結合している結合を示すためにサブ式において使用してもよい。
「C1-nアルキル」(式中、nは、2、3、4、又は5から選択される整数である)という用語は、単独で又は別の基と組み合わせて、1からn個のC原子を含む、非環式、飽和、分岐状又は直鎖状炭化水素基を示す。例えば、C1-5アルキルという用語は、H3C-、H3C-CH2-、H3C-CH2-CH2-、H3C-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH(CH3)-CH2-、H3C-C(CH32-、H3C-CH2-CH2-CH2-CH2-,H3C-CH2-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH(CH3)-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH2-CH2-,H3C-CH2-C(CH32-、H3C-C(CH32-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH(CH3)-、及びH3C-CH2-CH(CH2CH3)-ラジカルを包含する。
「アルキル」、「アルキレン」、又は「シクロアルキル」基(飽和又は不飽和)に付加されている「フルオロ」という用語は、1個又は複数個の水素原子がフッ素原子で置き換えられたアルキル又はシクロアルキル基を意味する。例としては、これらに限定されるものではないが、H2FC-、HF2C-、及びF3C-がある。
フェニルという用語は、以下の環のラジカルを指す。
Figure 2024511480000009
チオフェニルという用語は、以下の環のラジカルを指す。
Figure 2024511480000010
ベンゾフラニルという用語は、以下の環のラジカルを指す。
Figure 2024511480000011
ベンゾチオフェニルという用語は、以下の環のラジカルを指す。
Figure 2024511480000012
3H,4H,5H,6H,7H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-4,6-ジオンという用語は、以下のコアのラジカルを指す。
Figure 2024511480000013
「置換された」という用語は、本明細書において使用する場合、指定された原子の1個又は複数個の水素のいずれかが、示された基から選択された基で置き換えられることを意味し、ただし、指定された原子の通常の原子価は超えず、さらに、置換によって安定な化合物が得られるものとする。
特に指示がない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲全体にわたって、所与の化学式又は名称は、互変異性体及び全ての立体、光学、及び幾何異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、E/Z異性体など)、並びにこれらのラセミ体、並びに異性体及びエナンチオマーが存在する場合、個別のエナンチオマーの異なる割合での混合物か、ジアステレオマーの混合物か、又は前述の形態のいずれかの混合物、並びにこれらの薬学的に許容される塩を含む塩、及びこれらの溶媒和物、例えば遊離化合物の溶媒和物を含む水和物か、又は化合物の塩の溶媒和物を包含するべきである。
一般的に、実質的に純粋な立体異性体は、当業者に知られている合成原理に従って、例えば、対応する混合物を分離することによって、立体化学的に純粋な出発材料を使用することによって、及び/又は立体選択的合成によって得ることができる。例えば、ラセミ形態を分割することによる、又は例えば光学的活性出発材料から出発し、合成することによる、及び/又はキラル試薬を使用することによる光学的活性形態を調製するための方法は、当技術分野において知られている。
本発明のエナンチオマー的に純粋な化合物又は中間体は、例えば、適切なジアステレオマー化合物又は中間体を調製し、その後、分離することによって不斉合成を介して調製してもよく、これらは知られている方法によって(例えば、クロマトグラフィー分離又は結晶化によって)、及び/又はキラル試薬、例えば、キラル出発材料、キラル触媒、又はキラル助剤を使用することによって分離することができる。
さらに、例えば、対応するラセミ混合物のキラル静止相でのクロマトグラフィー分離によって;又は適切な分割剤を使用したラセミ混合物の分解によって、例えば、ラセミ化合物と光学活性酸又は塩基とのジアステレオマー塩を形成し、その後、塩を分解し、塩から所望の化合物を放出することによって;又は光学的活性キラル補助試薬を用いて対応するラセミ化合物を誘導体化し、その後ジアステレオマー分離し、キラル補助基を除去することによって;又はラセミ体に速度論的分解を行うことによって(例えば、酵素的分解によって);好適な条件下でエナンチオ体(enantiomorphous)結晶の集合体からエナンチオ選択的に結晶化することによって;又は光学的活性キラル助剤の存在下で好適な溶媒から(部分的)結晶化を行うことによって、対応するラセミ混合物からのエナンチオマー的に純粋な化合物を調製する方法は当業者に知られている。
「薬学的に許容される」という句は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症を伴わずに使用するのに好適であり、妥当な利点/リスク比に見合った化合物、材料、組成物、及び/又は投薬形態を指すために本明細書において用いられる。
本明細書において使用する場合、「薬学的に許容される塩」は、親化合物が、酸又は塩基との塩又は複合体を形成している、開示される化合物の誘導体を指す。塩基性部分を含む親化合物と薬学的に許容される塩を形成する酸の例としては、無機又は有機酸、例えば、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、ゲンチジン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、4-メチルベンゼンスルホン酸、リン酸、サリチル酸、コハク酸、硫酸、及び酒石酸がある。
酸性部分を含む親化合物と薬学的に許容される塩を形成するカチオン及び塩基に関する例としては、Na+、K+、Ca2+、Mg2+、NH4 +、L-アルギニン、2,2’-イミノビスエタノール、L-リシン、N-メチル-D-グルカミン、又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンがある。本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって塩基性又は酸性部分を含む親化合物から合成してもよい。一般的に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸又は塩基形態と十分な量の適切な塩基又は酸とを、水中、又はエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、若しくはアセトニトリル、若しくはこれらの混合物のような有機希釈剤中で反応させることによって調製してもよい。
例えば、本発明の化合物を精製又は単離するのに有用な上述のもの以外の酸の塩(例えばトリフルオロ酢酸塩)も本発明の一部に含まれる。
生物学的アッセイ
TRPA1活性の評価
アッセイA:TRPA1アッセイ
本発明の化合物の活性は、以下のin vitro TRPA1細胞アッセイを使用して行ってもよい:
方法:
ヒトTRPA1イオンチャネルを過剰発現しているヒトHEK293細胞株(Perkin Elmer、製品番号AX-004-PCL)を、化合物の有効性及び潜在力に関する試験系として使用する。化合物活性は、FLIPRtetraシステム(Molecular Devices)においてAITC(アリルイソチオシアネート(Allylisothiocyanat))アゴニズムによって誘発される細胞内カルシウム濃度に対する化合物の効果を測定することによって判定する。
細胞培養:
細胞は、凍結バイアル中の凍結細胞として得、使用するまで-150℃で保存する。
細胞は培養培地(10%FCS及び0.4mg/ML Geneticinを含むMEM/EBSS培地)中で増殖させる。密度は90%コンフルエンスを超えないことが重要である。継代培養に関しては、細胞をVerseneによってフラスコから剥離する。アッセイの前日に、細胞を剥離し、培地(10%FCSを含むMEM/EBSS培地)で2回洗浄し、20μL/ウェル中の20000個の細胞を、Corning製のポリD-リジンバイオコート384ウェルプレート(黒色、透明底部、カタログ356697)に播種する。プレートを37℃/5%CO2で24時間インキュベートしてからアッセイにおいて使用する。
化合物の調製
被験化合物を、10mMの濃度で100%DMSO中に溶解し、第1のステップにおいてDMSOで5mMの濃度に希釈し、続いて連続希釈のステップを100%DMSOで行う。希釈係数及び希釈ステップ数は、必要に応じて異なっていてもよい。典型的には、1:5の希釈によって8種類の異なる濃度が調製され、物質のさらなる中間希釈(1:20)は、HBSS/HEPES緩衝液(1×HEPES、カタログ14065、Gibco製、20mM HEPES、カタログ83264、SIGMA製、0.1%BSA、カタログ11926、Invitrogen製、pH7.4)を用いて行われる。
FLIPRアッセイ:
アッセイ当日、細胞をアッセイ緩衝液(puffer)で3回洗浄し、洗浄後、緩衝液20μLがウェル内に残る。HBSS/HEPES中のCa6キット(カタログR8191 Molecular Devices)ローディング緩衝液10μLを細胞に添加し、プレートに蓋をして37℃/5%CO2で120分間インキュベートする。中間希釈プレートからのHBSS/HEPES緩衝液/5%DMSO中の化合物又は対照10μLをウェルに慎重に添加する。発光(カルシウムの流入又は放出を示す)をFLIPRtetraデバイスで10分間読み取って、化合物が誘発する効果(例えばアゴニズム)をモニターする。最後に、HBSS/HEPES緩衝液/0.05%DMSO(最終濃度10μM)中に溶解した50μMアゴニストAITC 10μLをウェルに添加し、続いて追加の読み取りをFLIPRtetraデバイスで10分間行う。AITC添加後のシグナル曲線下面積(AUC)を使用してIC50/%阻害を計算する。
データ評価及び計算:
各アッセイマイクロタイタープレートは、AITC誘発発光に関する対照として化合物の代わりにビヒクル(1%DMSO)対照を含むウェル(100%CTL;高対照)、及び発光における非特異的変化に関する対照としてAITCを含まないビヒクル対照を含むウェル(0%CTL;低対照)を含む。
データの分析は、個々のウェルのシグナル曲線下面積を計算することによって行う。この値に基づいて、各物質濃度の測定に関する%値をMegaLabソフトウェア(自社開発)(AUC(試料)-AUC(低))*100/(AUC(高)-AUC(低))を使用して計算する。IC50値は、MegaLabソフトウェアを使用して%対照値から計算する。計算:[y=(a-d)/(1+(x/c)^b)+d]、a=低値、d=高値;x=濃度M;c=IC50M;b=ヒル;y=Ctrl%
Figure 2024511480000014
Figure 2024511480000015
Figure 2024511480000016
ミクロソームクリアランスの評価
アッセイB:ミクロソームクリアランス:
被験化合物の代謝分解は、プールされた肝ミクロソームを用いて37℃でアッセイする。1時点あたりの最終的なインキュベーション容積100μlは、室温のトリス緩衝液pH7.6(0.1M)、塩化マグネシウム(5mM)、ミクロソームタンパク質(1mg/ml)、及び1μMの最終濃度の被験化合物を含む。
37℃での短いプレインキュベート期間後、還元型ベータ-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADPH、1mM)を添加することによって反応を開始し、異なる時点(0、5、15、30、60分)後にアリコートを溶媒中に移すことによって終了させる。さらに、NADPH-非依存的分解を、NADPHを含まないインキュベーションでモニターし、最後の時点で終了させる。NADPH非依存的インキュベート後の[%]残留被験化合物は、パラメーターc(対照)によって反映される(代謝安定性)。クエンチしたインキュベーションを遠心分離(10000g、5分)によってペレット化する。
上澄みのアリコートは、LC-MS/MSによって親化合物の量に関してアッセイする。半減期(t1/2 INVITRO)は、濃度-時間プロファイルの片対数プロットの傾きによって判定する。
内因性クリアランス(CL_INTRINSIC)は、インキュベーション内のタンパク質量を考量して計算する:
CL_INTRINSIC[μl/分/mgタンパク質]=(Ln2/(半減期[分]*タンパク質含有量[mg/ml]))*1000
CL_INTRINSIC_INVIVO[ml/分/kg]=(CL_INTRINSIC[μL/分/mgタンパク質]×MPPGL[mgタンパク質/g肝臓]×肝臓因子[g/kg体重])/1000
Qh[%]=CL[ml/分/kg]/肝血流量[ml/分/kg])
肝細胞充実性、ヒト:120×10e6細胞/g肝臓
肝臓因子、ヒト:25.7g/kg体重
血流量、ヒト:21ml/(分×kg)
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Figure 2024511480000018
Figure 2024511480000019


肝細胞クリアランスの評価
アッセイC:肝細胞クリアランス
被験化合物の代謝分解は、肝細胞懸濁液中でアッセイする。肝細胞(冷凍保存されたもの)を、5%種血清を含むダルベッコ改変イーグル培地(3.5μgグルカゴン/500mL、2.5mgインスリン/500mL、及び3.75mg/500mLヒドロコルチゾンが添加されたもの)中でインキュベートする。
インキュベーター(37℃、10%CO2)中で30分プレインキュベート後、被験化合物溶液(80μM;培地を用いて1:25に希釈されたDMSO原液中の2mMからのもの)5μlを、肝細胞懸濁液(種に応じて0.25~5Mio細胞/mLの範囲の細胞密度、典型的には、1Mio細胞/mL;被験化合物の最終濃度は1μM、最終DMSO濃度は0.05%)395μl中に添加する。
細胞を6時間インキュベートし(インキュベーター、オービタルシェーカー)、試料(25μl)を、0、0.5、1、2、4、及び6時間後に採取する。試料をアセトニトリル中に移し、遠心分離(5分)によってペレット化する。上澄みを新しい96ディープウェルプレートに移し、窒素下で蒸発させ、再懸濁する。
親化合物の減少をHPLC-MS/MSによって分析する。
CLintは次のように計算する:CL_INTRINSIC=用量/AUC=(C0/CD)/(AUD+clast/k)×1000/60。CO:インキュベーション内の初期濃度[μM]、CD:差依存細胞の細胞密度[10e6細胞/mL]、AUD:データ下面積[μM×時間]、clast:最後のデータポイントの濃度[μM]、k:親減少に関する回帰直線の傾き[h-1]
計算されたin vitro肝内因性クリアランスは、内因性in vivo肝クリアランスまでスケールアップしてもよく、肝臓モデル(十分撹拌されたモデル)を使用することによって、肝in vivo血液クリアランス(CL)を予測するために使用される。
CL_INTRINSIC_INVIVO[ml/分/kg]=(CL_INTRINSIC[μL/分/10e6細胞]×肝細胞性[10e6細胞/g肝臓]×肝臓因子[g/kg体重])/1000
CL[ml/分/kg]=CL_INTRINSIC_INVIVO[ml/分/kg]×肝血流量[ml/分/kg]/(CL_INTRINSIC_INVIVO[ml/分/kg]+肝血流量[ml/分/kg])
Qh[%]=CL[ml/分/kg]/肝血流量[ml/分/kg])
肝細胞充実性、ヒト:120×l0e6細胞/g肝臓
肝臓因子、ヒト:25.7g/kg体重
血流量、ヒト:21ml/(分×kg)
Figure 2024511480000020
Figure 2024511480000021
Figure 2024511480000022
透過性の評価
Caco-2細胞(1~2×105細胞/1cm2面積)をフィルターインサート(Costar transwellポリカーボネート又はPETフィルター、0.4pm孔径)に播種し、10~25日間培養する(DMEM)。化合物を適切な溶媒(DMSOなど、1~20mM原液)中に溶解する。原液を、HTP-4緩衝液(128.13mM NaCl、5.36mM KCl、1mM MgSO4、1.8mM CaCl2、4.17mM NaHCO3、1.19mM Na2HPO4×7H20、0.41mM NaH2PO4×H2O、15mM HEPES、20mMグルコース、0.25%BSA、pH7.2)で希釈して、輸送溶液(0.1~300μM化合物、最終DMSO0.5%以下)を調製する。輸送溶液(TL)は、頂端又は基底ドナー側に適用して、A-B又はB-A透過性(3枚のフィルターで再現する)をそれぞれ測定する。試料は、実験の開示時及び終了時にドナー、また、様々な時間間隔で最大2時間の間レシーバー側から収集して、HPLC-MS/MS又はシンチレーション測定によって濃度を測定する。サンプリングしたレシーバー容積物を新しいレシーバー溶液と置き換える。
血漿タンパク質結合の評価
この平衡状態透析(ED)技術を使用して、被験化合物の血漿タンパク質に対するおよそのin vitro部分結合を判定する。Dianorm Teflon透析セル(0.2マイクロ)を使用する。各セルは、ドナー及びアクセプターチャンバーからなり、分子量カットオフが5kDaの超薄半透膜で分離されている。各被験化合物の原液は1mM DMSO中で調製し、1.0μMの最終濃度に希釈する。その後の透析溶液は、男性(雄)及び女性(雌)ドナーからプールされたヒト又はラット血漿(NaEDTAを含む)中で調製する。透析緩衝液(100mMリン酸カリウム、pH7.4)200μLのアリコートは緩衝液チャンバーに分注する。被験化合物透析溶液200μLのアリコートを血漿チャンバーに分注する。インキュベートは、37℃で回転させながら2時間行う。
透析期間の終わりに、透析液を反応管中に移す。緩衝液分画のための管は、ACN/水(80/20)0.2mLを含む。血漿透析液25μLのアリコートをディープウェルプレートに移し、ACN/水(80/20)25μL、緩衝液25μL、較正溶液25μL、及び内部標準溶液25μLと混合する。ACN 200μLを添加することによってタンパク質沈殿を行う。緩衝透析液50μLのアリコートをディープウェルプレートに移し、ブランク血漿25μL、内部標準溶液25μL、及びACN 200μLと混合する。試料をHPLC-MS/MSシステムで測定し、Analystソフトウェアで評価する。結合パーセントを、式:結合%=(血漿濃度-緩衝液濃度/血漿30濃度)×100で計算する。
溶解性の評価
飽和溶液は、知られた量の固体薬物原料を(典型的には、0.5~5.0mgの範囲で)含む各ウェルに、適切な容積(典型的には、0.25~1.5mlの範囲)の選択された水性培地を添加することによってウェルプレート中で調製する(フォーマットはロボットによる)。ウェルは、所定の時間にわたって(典型的には、2~24時間の範囲で)振とうするか又は撹拌し、次いで適切なフィルター膜(典型的には、0.45μm孔径を有するPTFEフィルター)を使用してろ過する。フィルターの吸収は、ろ液の最初の数滴を廃棄することによって回避する。溶解した薬物原料の量は、UV分光法によって判定する。さらに、水性飽和溶液のpHは、ガラス電極pHメーターを使用して測定する。
薬物動態特性の評価
被験化合物は、静脈内又は経口のいずれかで個別の被検種に投与する。被験化合物の適用後、血液試料をいくつかの時点で採取し、抗凝固剤処置を行い、遠心分離する。
血漿試料中の分析物-投与された化合物及び/又は代謝産物-の濃度を定量化する。PKパラメーターは、非コンパートメント法を使用して計算する。AUC及びCmaxは1μmol/kgの用量に対して正規化する。
ヒト肝細胞におけるin vitroでの代謝の評価
被験化合物の代謝経路は、懸濁液中の初代ヒト肝細胞を使用して調査する。凍結保存から回復後、ヒト肝細胞は、ダルベッコ5%ヒト血清を含み、3.5μgグルカゴン/500ml、2.5mgインスリン/500ml、及び3.75mg/500mlヒドロコルチゾンが添加された改変イーグル培地中でインキュベートする。
細胞培養インキュベーター(37℃、10%CO2)中で30分プレインキュベート後、被検化合物溶液を肝細胞懸濁液中に添加して、最終細胞密度を1.0*106~4.0*106細胞/mL(初代ヒト肝細胞で観察された化合物の代謝回転速度に応じて)、最終被験化合物濃度を10μM、最終DMSO濃度を0.05%とする。
細胞は、水平シェーカー上の細胞培養インキュベーター内で6時間インキュベートし、試料は、代謝回転速度に応じて、0、0.5、1、2、4、又は6時間後にインキュベーションから取り出す。試料は、アセトニトリルでクエンチし、遠心分離によってペレット化する。上澄みを96ディープウェルプレートに移し、窒素下で蒸発させ、再懸濁してから液体クロマトグラフィー-高分解能質量分析法によって生物分析を行って推定代謝産物を同定する。
構造は、フーリエ変換-MSnデータに基づいて暫定的に割り当てる。代謝産物は、ヒト肝細胞インキュベーションにおける親の百分率として報告され、閾値は4%を超える。
処置法
本発明は、これらに限定されないが、線維性疾患、炎症性及び免疫調節性障害、呼吸器又は消化管の疾患又は愁訴、眼科疾患、関節の炎症性疾患、及び鼻咽頭、眼、及び皮膚の炎症性疾患、並びに疼痛及び神経障害の処置及び/又は予防を含む、TRPA1活性と関連するか又はそれによってモジュレートされる疾患及び/又は状態の予防及び/又は処置において有用な一般式1の化合物を対象とする。前記障害、疾患、及び愁訴としては、咳、特発性肺線維症、他の肺間質性疾患、及び他の線維性、喘息性、又はアレルギー性疾患、好酸球性疾患、慢性閉塞性肺疾患、並びに炎症性及び免疫調節性障害、例えば、関節リウマチ及びアテローム性動脈硬化症、並びに疼痛及び神経障害、例えば、急性疼痛、術後疼痛、慢性疼痛、及び抑うつ、及び膀胱障害がある。
一般式1の化合物は、以下のものの予防及び/又は処置に有用である
(1)咳、例えば、慢性特発性咳又は慢性難治性咳、喘息、COPD、肺がん、ウィルス感染後、及び特発性肺線維症、及び他の肺間質性疾患と関連する咳。
(2)肺線維性疾患、例えば、膠原病、例えば、狼瘡エリテマトーデス(lupus erythematodes)、全身性強皮症、関節リウマチ、多発性筋炎、及び皮膚筋炎と関連する肺臓炎又は間質性肺臓炎、特発性間質性肺炎、例えば肺線維症(IPF)、非特異的間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、特発性基質化肺炎、急性間質性肺炎、及びリンパ球性間質性肺炎、リンパ脈管筋腫症、肺胞タンパク症、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、胸膜実質線維芽細胞症、知られた原因の間質性肺疾患、例えば、職業性曝露、例えば、石綿肺、珪肺症、鉱夫肺(炭塵)、農夫肺(干し草及びカビ)、ハト飼育者肺症(鳥類)、又は他の職業性空気媒介性トリガー、例えば、金属粉塵若しくはマイコバクテリアの結果として生じるか、又は処置、例えば、放射線、メトトレキサート、アミオダロン、ニトロフラントイン、若しくは化学療法の結果として生じるか、又は、肉芽腫性疾患、例えば、多発性血管炎、チャーグストラウス症候群、サルコイドーシス、過敏性肺臓炎を呈する肉芽腫症の結果として生じる間質性肺臓炎、又は異なる原因、例えば、有毒ガス、蒸気の吸引、吸入によって引き起こされる間質性肺臓炎、心不全、X線、放射線、化学療法、M.boeck、又はサルコイドーシス、肉芽腫症、嚢胞性線維症、又は嚢胞性線維症、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、Covid-19/SARS-Cov-2感染の結果として生じる急性肺損傷、又はCovid-19/SARS-Cov-2感染に続発する肺線維症によって引き起こされる気管支炎又は肺臓炎又は間質性肺臓炎。
(3)他の線維性疾患、例えば、肝架橋線維症、肝硬変、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、心房線維症、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、グリア瘢痕、動脈硬化、関節線維症、デュピュイトラン拘縮、ケロイド、強皮症/全身性硬化症、縦隔線維症、骨髄線維症、ペロニー疾患、腎性全身性線維症、後腹膜線維症、癒着性関節包炎。
(4)炎症性自己免疫又はアレルギー性の疾患及び状態、例えば、アレルギー性又は非アレルギー性の鼻炎又は副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎又は鼻炎、鼻ポリープ症、慢性鼻副鼻腔炎、急性鼻副鼻腔炎、喘息、小児喘息、アレルギー性気管支炎、肺胞炎、反応性気道亢進(hyper reactive airways)、アレルギー性結膜炎、気管支拡張症、成人呼吸窮迫症候群、気管支及び肺水腫、気管支炎又は肺臓炎、好酸球性蜂巣炎(例えば、ウェルズ症候群)、好酸球性肺炎(例えば、レフレル症候群、慢性好酸球性肺炎)、好酸球性筋膜炎(例えば、シュルマン症候群)、遅延型過敏症、非アレルギー性喘息;運動誘発性気管支収縮;慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性気管支炎、慢性気管支炎、咳、肺気腫;全身性アナフィラキシー又は過敏応答、薬物アレルギー(例えば、ペニシリン、セファロスポリンに対するもの)、汚染されたトリプトファンの摂取に対する好酸球増多筋痛症候群、虫刺されアレルギー;自己免疫疾患、例えば、関節リウマチ、グレーブス疾患、シェーグレン症候群、乾癬性関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、免疫性血小板減少症(成人ITP、新生児血小板減少症、小児ITP)、免疫性溶血性貧血(自己免疫及び薬物誘発性)、エバンス症候群(血小板及び赤血球免疫性血球減少症)、新生児Rh疾患、グッドパスチャー症候群(抗GBM疾患)、セリアック病、自己免疫心筋症、若年発症糖尿病;糸球体腎炎、自己免疫甲状腺炎、ベーチェット疾患;同種移植片拒絶又は移植片対宿主疾患を含む移植片拒絶(例えば、移植におけるもの);炎症性腸疾患、例えば、クローン病及び潰瘍性結腸炎;脊椎関節症;強皮症;乾癬(T細胞介在性乾癬を含む)、及び炎症性皮膚病、例えば、皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎、蕁麻疹;血管炎(例えば、壊死性、皮膚、及び過敏性血管炎);結節性紅斑;好酸球性筋炎、好酸球性筋膜炎、皮膚又は臓器の白血球浸潤を呈するがん;眼科疾患、例えば、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、及び糖尿病性黄斑浮腫、角膜炎、好酸球性角膜炎、角結膜炎、春季カタル、瘢痕、腹部瘢痕(anterior segment scarring)、眼瞼炎、眼瞼結膜炎、水疱性障害、瘢痕性類天疱瘡、結膜黒色腫、乳頭結膜炎、ドライアイ、上強膜炎、緑内障、グリオーシス、環状肉芽腫、グレーブス眼症、眼内黒色腫、瞼裂斑、増殖性硝子体網膜症、翼状片、強膜炎、ブドウ膜炎、急性痛風再燃、痛風、又は変形性関節症。
(5)疼痛、例えば、慢性特発性疼痛症候群、神経障害性疼痛、異常感覚、アロディニア、片頭痛、歯痛、及び外科手術後の疼痛。
(6)抑うつ、不安、糖尿病性神経障害、及び膀胱障害、例えば、膀胱出口閉塞、過活動膀胱、膀胱炎;心筋再灌流損傷、又は脳虚血損傷。
したがって、本発明は、医薬としての使用のための一般式1の化合物に関する。
さらに、本発明は、TRPA1活性と関連するか又はそれによってモジュレートされる疾患及び/又は状態を処置及び/又は予防するための一般式1の化合物の使用に関する。
さらに、本発明は、線維性疾患、炎症性、及び免疫調節性障害、呼吸器又は消化管の疾患又は愁訴、眼科疾患、関節の炎症性疾患、及び鼻咽頭、眼、及び皮膚の炎症性疾患、疼痛及び神経障害を処置及び/又は予防するための一般式1の化合物の使用に関する。前記障害、疾患、及び愁訴としては、咳、特発性肺線維症、他の肺間質性疾患、及び他の線維性、喘息性、又はアレルギー性疾患、好酸球性疾患、慢性閉塞性肺疾患、並びに炎症性及び免疫調節障害、例えば、関節リウマチ、及びアテローム性動脈硬化症、並びに疼痛及び神経障害、例えば、急性疼痛、術後疼痛、慢性疼痛、及び抑うつ、及び膀胱障害がある。
さらに、本発明は、以下のものを処置及び/又は予防するための一般式1の化合物の使用に関する:
(1)咳、例えば、慢性特発性咳又は慢性難治性咳、喘息、COPD、肺がん、ウィルス感染後、及び特発性肺線維症、及び他の肺間質性疾患と関連する咳。
(2)肺線維性疾患、例えば膠原病、例えば、狼瘡エリテマトーデス(lupus erythematodes)、全身性強皮症、関節リウマチ、多発性筋炎、及び皮膚筋炎と関連する肺臓炎又は間質性肺臓炎、特発性間質性肺炎、例えば、肺線維症(IPF)、非特異的間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、特発性基質化肺炎、急性間質性肺炎、及びリンパ球性間質性肺炎、リンパ脈管筋腫症、肺胞タンパク症、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、胸膜実質線維芽細胞症、知られた原因の間質性肺疾患、例えば、職業性曝露、例えば、石綿肺、珪肺症、鉱夫肺(炭塵)、農夫肺(干し草及びカビ)、ハト飼育者肺症(鳥類)、又は他の職業性空気媒介性トリガー、例えば、金属粉塵若しくはマイコバクテリアの結果として生じるか、又は処置、例えば、放射線、メトトレキサート、アミオダロン、ニトロフラントイン、若しくは化学療法の結果として生じるか、又は肉芽腫性疾患、例えば、多発性血管炎、チャーグストラウス症候群、サルコイドーシス、過敏性肺臓炎を呈する肉芽腫症の結果として生じる間質性肺臓炎、又は異なる原因、例えば、有毒ガス、蒸気の吸引、吸入によって引き起こされる間質性肺臓炎、心不全、X線、放射線、化学療法、M.boeck、又はサルコイドーシス、肉芽腫症、嚢胞性線維症、又は嚢胞性線維症、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、Covid-19/SARS-Cov-2感染の結果として生じる急性肺損傷、又はCovid-19/SARS-Cov-2感染に続発する肺線維症によって引き起こされる気管支炎又は肺臓炎又は間質性肺臓炎。
(3)他の線維性疾患、例えば、肝架橋線維症、肝硬変、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、心房線維症、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、グリア瘢痕、動脈硬化、関節線維症、デュピュイトラン拘縮、ケロイド、強皮症/全身性硬化症、縦隔線維症、骨髄線維症、ペロニー疾患、腎性全身性線維症、後腹膜線維症、癒着性関節包炎。
(4)炎症性自己免疫又はアレルギー性の疾患及び状態、例えば、アレルギー性又は非アレルギー性の鼻炎又は副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎又は鼻炎、鼻ポリープ症、慢性鼻副鼻腔炎、急性鼻副鼻腔炎、喘息、小児喘息、アレルギー性気管支炎、肺胞炎、反応性気道亢進、アレルギー性結膜炎、気管支拡張症、成人呼吸窮迫症候群、気管支及び肺水腫、気管支炎又は肺臓炎、好酸球性蜂巣炎(例えば、ウェルズ症候群)、好酸球性肺炎(例えば、レフレル症候群、慢性好酸球性肺炎)、好酸球性筋膜炎(例えば、シュルマン症候群)、遅延型過敏症、非アレルギー性喘息;運動誘発性気管支収縮;慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性気管支炎、慢性気管支炎、咳、肺気腫;全身性アナフィラキシー又は過敏応答、薬物アレルギー(例えば、ペニシリン、セファロスポリンに対するもの)、汚染されたトリプトファンの摂取に対する好酸球増多筋痛症候群、虫刺されアレルギー;自己免疫疾患、例えば、関節リウマチ、グレーブス疾患、シェーグレン症候群乾癬性関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、免疫性血小板減少症(成人ITP、新生児血小板減少症、小児ITP)、免疫性溶血性貧血(自己免疫及び薬物誘発性)、エバンス症候群(血小板及び赤血球免疫性血球減少症)、新生児Rh疾患、グッドパスチャー症候群(抗GBM疾患)、セリアック病、自己免疫心筋症、若年発症糖尿病;糸球体腎炎、自己免疫甲状腺炎、ベーチェット疾患;同種移植片拒絶又は移植片対宿主疾患を含む移植片拒絶(例えば、移植におけるもの);炎症性腸疾患、例えば、クローン病及び潰瘍性結腸炎;脊椎関節症;強皮症;乾癬(T細胞介在性乾癬を含む)、及び炎症性皮膚病、例えば、皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎、蕁麻疹;血管炎(例えば、壊死性、皮膚、及び過敏性血管炎);結節性紅斑;好酸球性筋炎、好酸球性筋膜炎、皮膚又は臓器の白血球浸潤を呈するがん;眼科疾患、例えば、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、及び糖尿病性黄斑浮腫、角膜炎、好酸球性角膜炎、角結膜炎、春季カタル、瘢痕、腹部瘢痕、眼瞼炎、眼瞼結膜炎、水疱性障害、瘢痕性類天疱瘡、結膜黒色腫、乳頭結膜炎、ドライアイ、上強膜炎、緑内障、グリオーシス、環状肉芽腫、グレーブス眼症、眼内黒色腫、瞼裂斑、増殖性硝子体網膜症、翼状片、強膜炎、ブドウ膜炎、急性痛風再燃、痛風、又は変形性関節症。
(5)疼痛、例えば、慢性特発性疼痛症候群、神経障害性疼痛、異常感覚、アロディニア、片頭痛、歯痛、及び外科手術後の疼痛。
(6)抑うつ、不安、糖尿病性神経障害、及び膀胱障害、例えば、膀胱出口閉塞、過活動膀胱、膀胱炎;心筋再灌流損傷、又は脳虚血損傷。
さらなる態様において、本発明は、上述の疾患及び状態の処置及び/又は予防において使用するための一般式1の化合物に関する。
さらなる態様において、本発明は、上述の疾患及び状態を処置及び/又は予防するための医薬を調製するための一般式1の化合物の使用に関する。
本発明のさらなる態様において、本発明は、上述の疾患及び状態を処置又は予防するための方法であって、有効量の一般式1の化合物をヒトに投与することを含む方法に関する。
組合せ療法
本発明の化合物は、1個又は複数個の治療剤と、好ましくは1個の追加の治療剤とさらに併用してもよい。1つの実施形態によれば、追加の治療的薬剤は、特に、線維性疾患、炎症性、及び免疫調節性障害、呼吸器又は消化管の疾患又は愁訴、関節の、若しくは鼻咽頭、眼、及び皮膚の炎症性疾患、又は状態、例えば、咳、特発性肺線維症、他の肺間質性疾患、喘息性、又はアレルギー性疾患、好酸球性疾患、慢性閉塞性肺疾患、アトピー性皮膚炎、並びに自己免疫病状、例えば、関節リウマチ、及びアテローム性動脈硬化症と関連する上記の疾患又は状態の処置に有用な治療剤、又は眼科疾患、疼痛、及び抑うつの処置において有用な治療剤の群から選択される。
そのような組合せに好適な追加の治療剤としては、特に、例えば、言及された適応症のものに関して1個又は複数個の活性物質の治療効果を強化する、及び/又は減少されることになる1個又は複数個の活性物質の投薬を可能にするものがある。
したがって、本発明の化合物は、抗線維化剤、鎮咳剤、抗炎症剤、抗アトピー性皮膚炎剤、鎮痛薬、抗痙攣薬、抗不安薬、鎮静薬、骨格筋弛緩薬、又は抗うつ薬からなる群から選択される1個又は複数個の追加の治療剤と併用してもよい。
抗線維化剤は、例えば、ニンテダニブ、ピルフェニドン、ホスホジエステラーゼ-IV(PDE4)阻害剤、例えば、ロフルミラスト、オートタキシン阻害剤、例えば、GLPG-1690又はBBT-877;結合組織成長因子(CTGF)ブロッキング抗体、例えば、パムレブルマブ;B細胞活性化因子受容体(BAFF-R)ブロッキング抗体、例えばラナルマブ(Lanalumab);アルファ-V/ベータ-6ブロッキング阻害剤、例えば、BG-0001l/STX-100、組換えペントラキシン-2(PTX-2)、例えばPRM-151;c-JunN-末端キナーゼ(JNK)阻害剤、例えば、CC-90001;ガレクチン-3阻害剤、例えばTD-139;Gタンパク質共役受容体84(GPR84)阻害剤、例えばGLPG-1205;Gタンパク質共役受容体84/Gタンパク質共役受容体40二重阻害剤、例えばPBI-4050;Rho関連コイルドコイル含有プロテインキナーゼ2(ROCK2)阻害剤、例えばKD-025;ヒートショックタンパク質47(HSP47)低分子干渉RNA、例えばBMS-986263/ND-L02-S0201;Wnt経路阻害剤、例えばSM-04646;LD4/PDE3/4阻害剤、例えばTipelukast;ヒスチジルtRNAシンテターゼ(HARS)の組換え免疫モジュレートドメイン、例えばATYR-1923;プロスタグランジンシンターゼ阻害剤、例えばZL-2102/SAR-191801;15-ヒドロキシ-エイコサペンタエン酸(15-HEPE、例えばDS-102);リシルオキシダーゼ様2(LOXL2)阻害剤、例えば、PAT-1251、PXS-5382/PXS-5338;ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)/ラパマイシンの哺乳類標的(mTOR)二重阻害剤、例えばHEC-68498;カルパイン阻害剤、例えばBLD-2660;マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼ(MAP3K19)阻害剤、例えばMG-S-2525;キチナーゼ阻害剤、例えばOATD-01;マイトジェン活性化プロテインキナーゼ-活性化プロテインキナーゼ2(MAPKAPK2)阻害剤、例えばMMI-0100;転換成長因子ベータ1(TGF-ベータ1)低分子干渉RNA、例えばTRK250/BNC-1021;又はリゾホスファチジン酸受容体拮抗薬、例えばBMS-986278である。
鎮咳剤は、例えば、プリン受容体3(P2X3)受容体拮抗薬、例えば、gefapixant、S-600918、BAY-1817080、又はBLU-5937;ニューロキニン1(NK-1)受容体拮抗薬、例えばオルベピタント、アプレピタント;ニコチン性アセチルコリン受容体アルファ7サブユニット刺激薬、例えばATA-101/ブラダニクリン;コデイン、ガバペンチン、プレガバリン、又はアジスロマイシンである。抗炎症剤は、例えば、コルチコステロイド、例えばプレドニゾロン又はデキサメタゾン;シクロオキシゲナーゼ-2(COX2)阻害剤、例えばセレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ、デラコキシブ、エトリコキシブ、又はルミラコキシブ;プロスタグランジンE2拮抗薬;ロイコトリエンB4拮抗薬;ロイコトリエンD4拮抗薬、例えばモンテルカスト;5-リポキシゲナーゼ阻害剤;又は他の非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、例えば、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、イブプロフェン、又はインドメタシンである。
抗アトピー性皮膚炎剤は、例えば、シクロスポリン、メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、アプレミラスト、クリサボロール)、ヤヌス結合キナーゼ(JAK)阻害剤(例えばトファシチニブ)、IL-4/IL-13に対する中和抗体(例えばデュピルマブ)、IL-13(例えば、レブリキズマブ、トラロキヌマブ)、及びIL-31(ネモリズマブ)である。
鎮痛薬は、例えば、オピオイドタイプのもの、例えばモルヒネ、オキシモルフィン、レボパノール、オキシコドン、プロポキシフェン、ナルメフェン、フェンタニル、ヒドロコンドン、ヒドロモルホン、メリピジン、メタドン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ナルブフィン、ペンタゾシン;又は非オピオイドタイプのもの、例えばアセトフェナミン(acetophenamine)である。
抗うつ薬は、例えば、三環式抗うつ薬、例えば、アミトリプチリン、クロミプラミン、デスプラミン、ドキセピン、デシプラミン、イミプラミン、ノルトリプチリン;選択的セロトニン再取り込み阻害剤抗うつ薬(SSRI)、例えば、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、シタロプラム、エスシタロプラム;ノルエピネフリン再取り込み阻害剤抗うつ薬(SNRI)、例えば、マプロチリン、ロフェプラミン、ミルタザピン、オキサプロチリン、フェゾラミン、トモキセチン、ミアンセリン、ブプロプリオン、ヒドロキシブプロプリオン、ノミフェンシン、ビロキサジン;二重セロトニンノルエピネフリン再取り込み阻害剤抗うつ薬(SNRI)、例えばデュロキセチン、ベンラファクシン、デスベンラファクシン、レボミルナシプラン;非定型抗うつ薬、例えば、トラゾドン、ミルタザピン、ボルチオキセチン、ビラゾドン、ブプロピオン;又はモノアミンオキシダーゼ阻害剤抗うつ薬(MAOI)、例えば、トラニルシプロミン、フェネルジン、又はイソカルボキサジドである。
抗不安薬は、例えば、ベンゾジアゼピン、例えば、アルプラゾラム、ブロマゼパム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、又はトフィソパムであるか;又はこれらは、非ベンゾジアゼピン睡眠薬、例えばエスゾピクロン、ザレプロン、ゾルピデム、又はゾピクロンであるか;又はこれらは、カルバメート、例えばメプロバメート、カリソプロドール、チバメート、又はロルバメートであるか;又はこれらは、抗ヒスタミン薬、例えば、ヒドロキシジン、クロルフェニラミン、又はジフェンヒドラミンである。
鎮静薬は、例えば、バルビツール酸鎮静薬、例えば、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタビタール、メホバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、セコバルビタール、タルブタール、テアミラール、又はチオペンタールであるか;又はこれらは、非バルビツール酸鎮静薬、例えば、グルテチミド、メプロバメート、メタクアロン、又はジクロアルフェナゾンである。
骨格筋弛緩薬は、例えば、バクロフェン、メプロバメート、カリソプロドール、シクロベンザプリン、メタキサロン、メトカルバモール、チザニジン、クロルゾキサゾン、又はオルフェナドリンである。
他の好適な組合せパートナーは、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の阻害剤、例えばドネペジル;5-HT-3拮抗薬、例えばオンダンセトロン;代謝調節型グルタミン酸受容体拮抗薬;抗不整脈薬、例えば、メキシレチン又はフェニトイン;又はNMDA受容体拮抗薬である。さらなる好適な組合せパートナーは、失禁薬、例えば、抗コリン薬、例えば、オキシブチニン、トルテロジン、ダリフェナシン、フェソテロジン、ソリフェナシン、又はトロスピウムであるか;又はこれらは、膀胱筋弛緩薬、例えばミラベグロンであるか;又はこれらは、アルファブロッカー、例えばタムスロシン、アルフゾシン、シロドシン、ドキサゾシン、又はテラゾシンである。
上述の組合せパートナーに関する投薬量は、大抵の場合、通常推奨される最低用量の1/5から通常推奨される用量の1/1である。
したがって、別の態様において、本発明は、TRPA1によって影響されるか又は介在される場合がある疾患又は状態、特に上記及び下記の疾患又は状態を処置するための前述又は後述の1個又は複数個の追加の治療剤と組み合わせた、本発明による化合物の使用に関する。
さらなる態様において、本発明は、患者におけるTRPA1を阻害することによって影響を受ける場合がある疾患又は状態を処置するための方法であって、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を、治療有効量の1個又は複数個の追加の治療剤と組み合わせて、そのような処置を必要とする患者に投与するステップを含む方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、TRPA1を阻害することによって影響を受ける場合がある疾患又は状態を処置するための、1個又は複数個の追加の治療剤と組み合わせた、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩のそれを必要とする患者における使用に関する。
さらに別の態様において、本発明は、患者におけるTRPA1活性が介在する疾患又は状態を処置するための方法であって、治療有効量の上述及び後述の1個又は複数個の追加の治療剤と組み合わせて、治療有効量の本発明の化合物をそのような処置を必要とする患者に投与するステップ、好ましくはヒトに投与するステップを含む方法に関する。
追加の治療剤と組み合わせた本発明による化合物の使用は、同時に又は時間をずらして行ってもよい。
本発明による化合物及び1個又は複数個の追加の治療剤は、両方とも1個の製剤、例えば、錠剤又はカプセル剤中に一緒に存在しても、2個の同一の又は異なる製剤中に、例えば、いわゆるパーツキットとして個別に存在してもよい。その結果として、別の態様において、本発明は、本発明による化合物と、上述及び後述の1個又は複数個の追加の治療剤とを、任意に1個又は複数個の不活性担体及び/又は希釈剤とともに含む医薬組成物に関する。
さらに別の態様において本発明は、咳測定デバイスにおける本発明による化合物の使用に関する。
本発明の他の特徴及び利点は、例として本発明の原理を例示する以下のより詳細な実施例から明らかになるであろう。
調製
本発明による化合物及びその中間体は、当業者に知られており、有機合成の文献に記載されている合成法を使用して得てもよい。好ましくは、化合物は、以下でより完全に説明する、特に実験の項に記載する調製法と同じ様式で得られる。一部の場合において、反応ステップを行う順序は変更してもよい。当業者に知られているが、本明細書において詳述されていない様々な反応方法も使用してもよい。
本発明による化合物を調製するための一般的な方法は、以下のスキームを研究している当業者であれば明らかになるであろう。出発材料又は中間体におけるいずれの官能基も、従来の保護基を使用して保護してもよい。これらの保護基は、当業者によく知られた方法を使用して、反応順序内の好適な段階で再び開裂してもよい。
本発明による化合物は、後述の合成法によって調製し、ここで、一般式の置換基は、本明細書における前述の所与の意味を有する。これらの方法は、これらの実施例に主張するその主題及び化合物の範囲を制限することなく、本発明を例示することを意図する。出発化合物の調製が記載されていない場合、これらは商業的に入手可能であるか、又は本明細書において記載する知られた化合物若しくは方法と同様に調製してもよい。文献に記載されている物質は、公開されている合成法に従って調製する。略語は、実施例の項で定義されるとおりである。
スキーム1:
Figure 2024511480000023
スキーム1において、式Iの化合物は、塩基、例えば炭酸カリウムの存在下、クロロメチレンオキサジアゾール(B)を用いた中間体(A)のN-アルキル化を介して合成してもよい。
スキーム2:
Figure 2024511480000024
スキーム2において、アルファ位に脱離基を担持する活性化酢酸(例えばクロロアセチルクロリド)を用いて5-アミノピリミジン-4,6-ジオールをアミド化し、その後、塩基(例えばDIPEA)存在下で環化することによって(C)が得られる。保護基、例えばパラ-メトキシベンジルを用いたピリミドン(C)のN-アルキル化は、塩基(例えばK2CO3)の存在下、脱離基を担持する適切な試薬(例えばパラ-メトキシベンジル塩化物、PMB-Cl)で(C)を処置することによって達成してもよい。これによって、その後の、塩基(例えばK2CO3)の存在下、(D)のN-メチル化(例えばMeIを用いた)が可能になって(E)が得られる。最後に、好適な条件下(例えば、PMB:トリフルオロ酢酸、100℃)、(E)の保護基を開裂させることによって中間体(A)が得られる。
スキーム3:
Figure 2024511480000025
スキーム3において、カルボン酸エステル(D)から合成されたアルファ-シアノケトン(E)は、キラル配位子(例えば[(1S,2S)-2-アミノ-1,2-ジ-フェニルエチル](4-トルエンスルホニル)アミド)及び水素原料、例えばギ酸トリエチルアミン錯体と組み合わせた遷移金属錯体(例えば、Ru又はIrのもの)を使用した適切な触媒系を使用することによって選択的に還元して、アルコール(F)を得る。ヒドロキシルアミンをこれらのアルコール(F)に添加して、ジヒドロキシプロパンイミドアミド(G)を得る。クロロメチレンオキサジアゾール(B)への閉環は、塩基、例えばDIPEAの存在下、塩化クロロアセチルとともに反応混合物を撹拌することによって達成してもよい。
調製
本発明による化合物及びその中間体は、当業者に知られており、有機合成の文献に記載されている合成法を使用して、例えば、“Comprehensive Organic Transformations”, 2nd Edition, Richard C. Larock, John Wiley & Sons, 2010、及び“March's Advanced Organic Chemistry”, 7th Edition, Michael B. Smith, John Wiley & Sons, 2013に記載されている方法を使用して得てもよい。好ましくは、化合物は、特に実験の項において記載されているように以下でより完全に説明される調製法と同様に得てもよい。一部の場合において、反応スキームを行う際に採用される順序は、変更してもよい。当業者に知られており、本明細書において詳述されていないこれらの反応の変形も使用してもよい。本発明による化合物を調製するための一般的な方法は、以下のスキームを研究している当業者であれば明らかになるであろう。出発化合物は市販されているものであるか、又は文献又は本明細書に記載されている方法によって調製しても、類似の又は同様の様式で調製してもよい。反応を行う前に、出発化合物におけるいずれの対応する官能基も、従来の保護基を使用して保護してもよい。これらの保護基は、当業者によく知られており、文献、例えば、“Protect ing Groups”, 3rd Edition, Philip J. Kocienski, Thieme, 2005、及び“Protective Groups in Organic Synthesis”, 4th Edition, Peter G. M. Wuts, Theodora W. Greene, John Wiley & Sons, 2006に記載されている方法を使用して、反応順序内の好適な段階で再び開裂してもよい。「室内温度」及び「室温」という用語は、区別せずに使用され、約20℃、例えば19~24℃の間の温度を示す。
Figure 2024511480000026
中間体の調製
中間体I
中間体I.1(一般的な経路)
(3S)-3-(4-クロロフェニル)-3-ヒドロキシプロパンニトリル
Figure 2024511480000027
4-クロロベンゾイルアセトニトリル10.0g(55.7mmol)を、不活性雰囲気下、ACN 100mLに添加する。クロロ([(1S,2S)-2-アミノ-1,2-ジフェニルエチル](4-トルエンスルホニル)アミド)(メシチレン)ルテニウム(II)(CAS174813-81-1)142mg(0.23mmol)を添加し、続いてギ酸トリエチルアミン錯体(5:2)8.30mL(19.8mmol)を滴加する。室温で3時間撹拌後、溶媒を真空中で除去する。残留粗製混合物に水を添加し、この混合物をEtOAcで2回抽出する。有機層を合わせ、MgSO4で乾燥し、ろ過し、溶媒を真空中で除去して、中間体I.1を得る。
98ClNO (M=181.6g/mol)
ESI-MS: 226[M+HCOO]-
t(HPLC): 0.81分(方法B)
以下の化合物は、適切な出発材料を使用し、中間体I.1に関して記載したものと類似の手順を使用して調製する。当業者に理解されるように、これらの類似の例は、一般的な反応条件の変形を伴っていてもよい。
Figure 2024511480000028
中間体II
中間体II.1(一般的な経路)
(3S)-3-(4-クロロフェニル)-N,3-ジヒドロキシプロパンイミドアミド(dihydroxypropanimidamidl)
Figure 2024511480000029
MeOH100mL中の(3S)-3-(4-クロロフェニル)-3-ヒドロキシプロパンニトリル(中間体I.1)9.82g(54.1mmol)に、ヒドロキシルアミン(50%、水中)8.00mL(136mmol)を添加し、混合物を75℃で1.5時間撹拌する。室温に冷却後、全ての揮発物質を真空中で除去して、粗製生成物を得、これをさらに精製せずに使用する。
911ClN22 (M=214.6g/mol)
ESI-MS: 215[M+H]+
t(HPLC): 0.60分(方法B)
以下の化合物は、適切な出発材料を使用し、中間体II.1に関して記載したものと類似の手順を使用して調製する。当業者に理解されるように、これらの類似の例は、一般的な反応条件の変形を伴っていてもよい。
Figure 2024511480000030
中間体III
中間体III.1(一般的な経路)
(1S)-2-[5-(クロロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]-1-(4-クロロフェニル)エタン-1-オール
Figure 2024511480000031
NMP55mL中の中間体II.1 11.2g(52.4mmol)にDIPEA 10.0mL(57.8mmol)を添加する。混合物を0℃に冷却してから、NMP5mL中に溶解した塩化クロロアセチル4.60mL(57.7mmol)をゆっくりと添加し、混合物を0℃で45分間撹拌する。次いで、混合物を95℃まで加熱し、撹拌を4時間継続する。室温に冷却後、水200mLを添加し、得られた混合物をEtOAcで3回抽出する。有機層を合わせ、MgSO4で乾燥し、ろ過し、溶媒を真空中で除去する。残基をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE/EtOAc、7/3)で精製する。
1110Cl222 (M=273.1g/mol)
ESI-MS: 271[M-H]-
t(HPLC): 0.93分(方法B)
以下の化合物は、適切な出発材料を使用し、中間体III.1に関して記載したものと類似の手順を使用して調製する。当業者に理解されるように、これらの類似の例は、一般的な反応条件の変形を伴っていてもよい。
Figure 2024511480000032
中間体IV
中間体IV.1(一般的な経路)
3-(6-フルオロ-1-ベンゾチオフェン-2-イル-3-オキソプロパンニトリル
Figure 2024511480000033
乾燥トルエン9.0mL及び乾燥ACN 0.78mL中のメチル6-フルオロ-1-ベンゾチオフェン-2-カルボキシレート0.63g(3.00mmol)に、NaH(60%、油中)0.36g(9.00mmol)を不活性雰囲気下、室温で添加する。混合物を加熱還流し、16時間撹拌し、室温まで冷却し、氷/水(30mL)に注ぎ入れ、2M HClで処置して、pH=1にする。EtOAc(20mL)を添加し、相を分離する。水性相をEtOAc(20mL)で再び抽出し、合わせた有機相を食塩水(20mL)で洗浄し、溶媒を減圧下で除去する。粗製生成物を、EtOAc/ヘキサン(30%~40%)勾配を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する。
116FNOS (M=219.23g/mol)
ESI-MS: 218[M-H]-
t(HPLC): 3.31分(E)
以下の化合物は、適切な出発材料を使用し、中間体IV.1に関して記載したものと類似の手順を使用して調製する。当業者に理解されるように、これらの類似の例は、一般的な反応条件の変形を伴っていてもよい。
Figure 2024511480000034


中間体V
3H,4H,5H,6H,7H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-4,6-ジオン
Figure 2024511480000035
DMF300mL中の5-アミノピリミジン-4,6-ジオール10.0g(127.10mmol)に、クロロアセチル塩化物7.5mL(94.41mmol)を65℃で撹拌しながらゆっくりと添加する。65℃で1.5時間撹拌後、DIPEA 36.1mL(129.94mmol)を反応混合物にゆっくりと添加し、65℃での撹拌を45分間継続する。反応混合物を減圧下で濃縮し、水で処置し、沈殿した生成物をろ過し、少量のEtOHで洗浄し、乾燥させる。
6533 (M=167.1g/mol)
ESI-MS :168[M+H]+
t(HPLC) :0.20分(方法G)
中間体VI
3-[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-メチル-3H,4H,5H,6H,7H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-4,6-ジオン
Figure 2024511480000036
DMF15mL中の3H,4H,5H,6H,7H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-4,6-ジオン(中間体V)680mg(4.07mmol)を炭酸カリウム843mg(6.10mmol)で処置し、室温で15分間撹拌する。1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼン0.58mL(4.27mmol)を添加し、反応混合物を20時間撹拌する。炭酸カリウム843mg(6.10mmol)及びヨウ化メチル0.30ml(4.88mmol)を添加し、反応混合物を室温で20時間撹拌する。ヨウ化メチル0.26ml(4.07mmol)を添加し、反応混合物を室温で20時間撹拌し、ろ過し、減圧下で濃縮し、逆相HPLC(ACN/H2O勾配、0.1%TFA)で精製する。
151534 (M=301.3g/mol)
ESI-MS: 302[M+H]+
t(HPLC): 0.95分(方法B)
中間体VII
5-メチル-3H,4H,5H,6H,7H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-4,6-ジオン
Figure 2024511480000037
3-[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-メチル-3H,4H,5H,6H,7H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-4,6-ジオン(中間体VI)5.30g(14.07mmol)をTFA16mlで処置し、100℃で1.5時間撹拌する。その後、反応混合物をマイクロ波中、120℃で15分間撹拌し、氷冷水に注ぎ入れ、ろ過する。ろ液を凍結乾燥し、さらに精製せずに直接使用する。
7733 (M=181.2g/mol)
ESI-MS: 182[M+H]+
t(HPLC): 0.37分(方法B)
最終化合物の調製
(実施例1)
(一般手順)
3-({3-[(2S)-2-(4-クロロフェニル)-2-ヒドロキシエチル]-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル}メチル)-5-メチル-3H,4H,5H,6H,7H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-4,6-ジオン
Figure 2024511480000038
DMF1.0mL中の、中間体VII 30mg(0.11mmol)、中間体III.1 20mg(0.11mmol)、及びK2CO3 30mg(0.22mmol)の混合物を室温で1時間撹拌する。反応混合物をろ過し、ろ液を逆相HPLC(ACN/H2O勾配、0.1%TFA)で精製して、所望の生成物を得る。
1816ClN54 (M=417.80g/mol)
ESI-MS: 418[M+H]+
t(HPLC): 0.44分(方法A)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 2.90 - 3.10 (m, 2 H), 3.33 (s, 3 H), 4.82 (s, 2 H), 4.96 (dd, J=7.9, 5.7 Hz, 1 H), 5.48 (s, 2 H), 7.32-7.39 (m, 4 H), 8.44 (s, 1 H)
以下の化合物は、適切な出発材料を使用し、実施例1の一般手順に記載したものと類似の手順を使用して調製する。当業者に理解されるように、これらの類似の例は、一般的な反応条件において変形を伴っていてもよい。
Figure 2024511480000039

上記の表において記載された化合物に関する分析データ:
Figure 2024511480000040

分析用HPLC法
Figure 2024511480000041
Figure 2024511480000042

Figure 2024511480000043
Figure 2024511480000044
Figure 2024511480000045
Figure 2024511480000046
Figure 2024511480000047
Figure 2024511480000048
Figure 2024511480000056

本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕式(I)の化合物。
Figure 2024511480000057

(I)
(式中、
Aは、フェニル、チオフェニル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルからなる群から選択され、Aは、置換されていないか、又はハロゲン及びC 1-4 アルキルからなるR 1 基のうちの1員又は2員で置換されている)
〔2〕R 1 が、F、Cl、I、及びCH 3 から選択される、前記〔1〕に記載の式(I)の化合物。
〔3〕Aが、
Figure 2024511480000058

からなる群から選択される、前記〔1〕又は〔2〕に記載の式(I)の化合物。
(式中、Aが、置換されていないか、又はR 1 基のうちの1員又は2員で置換されている)
〔4〕
Figure 2024511480000059

からなる群から選択される、前記〔1〕に記載の式(I)による化合物。
〔5〕前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の化合物の塩、特に薬学的に許容される塩。
〔6〕少なくとも1つの前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩と、1個又は複数個の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
〔7〕医薬としての使用のための、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩。
〔8〕炎症性気道疾患又は線維性疾患又は咳を処置又は予防するための、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
〔9〕特発性肺疾患(IPF)又は咳を処置又は予防するための、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。

Claims (9)

  1. 式(I)の化合物。
    Figure 2024511480000049
    (I)
    (式中、
    Aは、フェニル、チオフェニル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルからなる群から選択され、Aは、置換されていないか、又はハロゲン及びC1-4アルキルからなるR1基のうちの1員又は2員で置換されている)
  2. 1が、F、Cl、I、及びCH3から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物。
  3. Aが、
    Figure 2024511480000050
    からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
    (式中、Aが、置換されていないか、又はR1基のうちの1員又は2員で置換されている)
  4. Figure 2024511480000051
    からなる群から選択される、請求項1に記載の式(I)による化合物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物の塩、特に薬学的に許容される塩。
  6. 少なくとも1つの請求項1~4のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩と、1個又は複数個の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
  7. 医薬としての使用のための、請求項1~4のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  8. 炎症性気道疾患又は線維性疾患又は咳を処置又は予防するための、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  9. 特発性肺疾患(IPF)又は咳を処置又は予防するための、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
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