JP2024511289A - アクリル重合体の特定の混合物に基づく固体snedds - Google Patents

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Abstract

本発明は、特定の固体自己ナノ乳化型薬物送達システムを調製するための方法であって、得られた自己ナノ乳化型薬物送達システムを、(ia)60~90質量部の少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体;(iia)10~40質量部の少なくとも1つのメタクリル酸-エチルアクリレート共重合体;及び(iiia)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;を含むか、又はからなる、混合物に適用することを含む方法であって、ここで、前記(ia)及び前記(iia)の合計は100質量部である。さらに、本発明は、本発明の方法によって得られる固体自己ナノ乳化型薬物送達システム、及び医薬品として用いるためのこのシステムに関する。【選択図】なし

Description

本発明は、特定の固体自己ナノ乳化型薬物送達システムを調製するための方法であって、得られた自己ナノ乳化型薬物送達システムを、(ia)60~90質量部の少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体;(iia)10~40質量部の少なくとも1つのメタクリル酸-エチルアクリレート共重合体;及び(iiia)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;を含むか、又はからなる、混合物に適用することを含む方法であって、ここで、前記(ia)及び前記(iia)の合計は100質量部である。さらに、本発明は、本発明の方法によって得られる固体自己ナノ乳化型薬物送達システム、及び医薬品として用いるためのこのシステムに関する。
自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)は、医薬組成物の分野において周知である。このシステムは、難水溶性活性成分のエマルジョンを用いて薬物の可溶化を改善する。一般に、2種類のSNEDDS、すなわち液体又は半液体SNEDDS及び固体SNEDDS(S-SNEDDS)が知られている。SNEDDSの液体又は半液体特性は、経口適用のための投薬の観点から、及び貯蔵安定性に欠けるという観点から、しばしば不利であると見られ、固体自己ナノ乳化系が好ましい。
固体自己ナノ乳化型薬物送達システムを提供する一般的な方法、又は自己マイクロ乳化薬物送達システム(SMEDDS)の隣接分野における一般的な方法は、例えば、以下に開示されている。
特許文献1は、マイクロエマルションを固体状態に変換するためのいくつかの方法を記載している。これらは、コロイド状二酸化ケイ素への吸着、コロイド状二酸化ケイ素及び疎水性コロイド状二酸化ケイ素による個々の相の安定化、ポリエチレングリコール分散液への組み込み、並びに噴霧乾燥である。
非特許文献1は、熱溶融押出による固体自己マイクロ乳化薬物送達システム(S-SMEDDS)の調製を記載している。S-SMEDDSは、カルベジロール及び脂質混合物を酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)とブレンドすることによって調製した。最も低い薬物濃度、最も高い温度及び再循環時間で調製した押出物は、pH6.8で完全かつ迅速な薬物放出を促進した。
特許文献2には、吸着剤としてAEROSIL(登録商標)200を用いるクルクミン含有SMEDDSを含むS-SMEDDSが記載されている。
本発明の目的は、ジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート提供することができる、ジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体に基づく医薬組成物を提供することであった。
これに関して、本発明の発明者らは、驚くべきことに
(ia)60~90質量部の少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体;
(iia)10~40質量部の少なくとも1つのメタクリル酸-エチルアクリレート共重合体;及び
(iiia)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;
であって、ここで、前記(ia)及び前記(iia)の合計は100質量部である、システム重合体混合物は目的を解決することができることを見出した。
さらに、この特定の共重合体の組合せは、固体-SNEDDS組成物の「in situ」生成に適する、すなわち、単一の押出工程しか必要としない方法で用いることができることが見出された。さらに、この組合せは難水溶性活性成分に適していることが見出された。
欧州特許第2101729号 中国特許出願公開第107308133号明細書
Silva,D.Luis Antonio,et al.(International Journal of Pharmaceutics 541(2018)1-10)
したがって、第1の態様では、本発明は、 固体自己ナノ乳化型薬物送達システムを調製するための方法であって、以下の:
以下の、
(i)少なくとも1つの医薬活性成分;
(ii)少なくとも1つの脂質成分;
(iii)少なくとも1つの界面活性剤;
(iv)場合によっては、少なくとも1つの溶媒;及び
(v)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;
混合することによって、自己ナノ乳化型薬物送達システムを提供すること、
その後、得られた前記自己ナノ乳化型薬物送達システムを、以下の:
(ia)60~90質量部の少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体;
(iia)10~40質量部の少なくとも1つのメタクリル酸-エチルアクリレート共重合体;及び
(iiia)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;
を含むか、又はからなる、混合物に適用することであって、ここで、前記(ia)及び前記(iia)の合計は100質量部であり、
熱溶融押出、噴霧乾燥、吸着、エレクトロスピニング、エレクトロスプレー、振動による噴射、造粒又は超臨界流動化により、固体自己ナノ乳化型薬物送達システムを得ること、
を含むか、又はからなる、方法に関する。
第2の態様では、本発明は、本発明の方法によって得られる固体自己ナノ乳化型薬物送達システムに関する。
最後に、第3の態様では、本発明は、医薬品又は栄養補助食品として用いるための、本発明による固体自己ナノ乳化型薬物送達システムに関する。
USP装置IIにおける、500mlの0.1N HCl中のS-SNEDDS及びフェノフィブラートを組み込んだASDの溶解プロファイルを示すグラフである。各値は平均±S.D.(n=3)を示す。
本発明は、固体自己ナノ乳化型薬物送達システムを調製するための方法であって、以下の:
以下の、
(i)少なくとも1つの医薬活性成分;
(ii)少なくとも1つの脂質成分;
(iii)少なくとも1つの界面活性剤;
(iv)場合によっては、少なくとも1つの溶媒;及び
(v)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;
混合することによって、自己ナノ乳化型薬物送達システムを提供すること、
その後、得られた前記自己ナノ乳化型薬物送達システムを、以下の:
(ia)60~90質量部、好ましくは70~80質量部の少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体;
(iia)10~40質量部、好ましくは20~30質量部の少なくとも1つのメタクリル酸-エチルアクリレート共重合体;及び
(iiia)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;
を含むか、又はからなる、混合物に適用することであって、ここで、前記(ia)及び前記(iia)の合計は100質量部であり、
熱溶融押出、噴霧乾燥、吸着、エレクトロスピニング、エレクトロスプレー、振動による噴射、造粒又は超臨界流動化、好ましくは熱溶融押出、より好ましくは130~180℃、最も好ましくは130~160℃での熱溶融押出により、固体自己ナノ乳化型薬物送達システムを得ること、を含むか、又はからなる、方法に関する。
本発明は、本発明の方法によって得られる固体自己ナノ乳化型薬物送達システムに関する。
最後に、本発明は、医薬品又は栄養補助食品として用いるための、本発明による固体自己ナノ乳化型薬物送達システムに関する。
本発明のこれら及び他の態様、実施形態、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲を検討することによって当業者に明らかになるであろう。本発明の一態様からのいかなる特徴も、本発明のいかなる他の態様において用いることができる。さらに、本明細書に含まれる実施例は、本発明を説明及び例示することを意図しているが、本発明を限定することを意図しておらず、特に、本発明はこれらの実施例に限定されないことが容易に理解されるであろう。
「x~y」の形式で示される数値範囲は、記載された値も含む。いくつかの好ましい数値範囲がこの形式で示される場合、様々な終点の組み合わせから生じる全ての範囲も含まれることは自明である。
本明細書で用いられる「1つ以上」なる記載は、少なくとも1つに関し、1、2、3、4、5、6、7、8、9つ以上の参照種を含む。同様に、「少なくとも1つ」は、1つ以上、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9以上を意味する。「少なくとも1つ」は、いかなる成分に関連して本明細書で用いられる場合、化学的に異なる分子の数、すなわち、参照される種の異なるタイプの数を指すが、分子の総数ではない。例えば、「少なくとも1つの界面活性剤」は、界面活性剤についての定義内に入る少なくとも1つのタイプの分子が用いられるが、この定義内に入る2つ以上の異なるタイプの界面活性剤もまた存在し得ることを意味するが、1つのタイプの界面活性剤の1つ以上の分子のみが存在することを意味するものではない。
組成物又は製剤に関して本明細書で与えられる全ての比率は、明示的に別段の定めがない限り、組成物各々の総質量に対する質量%に関する。
化合物に関して、本発明の「本質的に含まない」とは、化合物が、組成物の特徴に影響を及ぼさない量でのみ存在し得ること、特に、化合物各々が、組成物の総質量に対して、3質量%未満、好ましくは1質量%、より好ましくは0.01質量%で存在するか、又は全く存在しないことを意味する。
質量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、標準ポリスチレンを用いるGPC又はSECによって決定することができる。中性又はアニオン性(メタ)アクリレート(共)重合体については、M.Adler et. al.「Molar mass characterization of hydrophilic copolymers,1 Size exclusion chromatography of neutral and anionic(meth)acrylate copolymers」 e-Polymers,vol.4,no.1,2004に記載されている方法を用いることができる。カチオン性(メタ)アクリレート(共)重合体については、N.Adler et.al.「Molar mass characterization of hydrophilic copolymers,2 Size exclusion chromatography of cationic(meth)acrylate copolymers」 e-Polymers,vol.5,no.1,2005に記載されている方法を用いることができる。
ガラス転移温度Tgは、DIN EN ISO 11357-2:2013(100ppm未満の残留単量体含有量(ReMo)で可塑剤を添加せずに測定、加熱速度10℃/分、窒素雰囲気)に従ってDSC(示差走査熱量測定)分析によって決定することができる。
粒径の体積分布の中央値Dv,50及びZ平均粒径Dzは、ISO 22412:2017「Particle size analysis-Dynamic light scattering(DLS)」に従って動的光散乱(DLS)によって決定することができる。多分散指数(PDI)は、相関データ(キュムラント分析)への2パラメータフィットから決定される。PDIの決定に用いられる計算は、ISO標準文書22412:2017に定義されている。
医薬活性成分(i)
当業者に公知のいかなる医薬活性成分又は医薬活性成分の混合物を、医薬組成物及びS-SNEDDSに組み込むことができる。しかしながら、本発明の医薬組成物は、難水溶性の医薬活性成分又は貯蔵後に高い薬物損失を示す医薬活性成分に非常に有用である。好ましくは、医薬活性成分は、経口投与後に難水溶性、特に水溶性の薬物であってよい。
医薬活性成分(i)の37℃の水1ml中での溶解度は0.1mg未満、好ましくは(USPにおいて難水溶性薬物について定義されるように)純粋であってよい。医薬活性成分の溶解度の決定は、当業者に周知である。例えば、過剰量の医薬活性成分を一定量の水に入れて混合する。次いで、医薬に活性な成分の溶解した量を、適切な分析方法、例えば分光測定によって決定する。
一実施形態では、少なくとも1つの医薬活性成分は、アカラブルチニブ、アルベンダゾール、アレンドロン酸、アリピプラゾール、アセナピン、アタザナビル、アトルバスタチン、BETd-260ブレオマイシン、ボセンタン、BRD4分解酵素AT1、ブプレノルフィン、ブデゾニド、カモスタット、カンデサルタン、カルバマゼピン、カルベジロール、セレコキシブ、シラザプリル、クラリスロマイシン、クロドロン酸、クロピドグレル、クルクミン、シタラビン、ダルナビル、ダサチニブ、デフェラシロクス、デキサメタゾン、デクスランソプラゾール ジクロフェナク、ジルチアゼム、ドセタキセル、ドキソルビシン、デュロキセチン、デュタステリド、エファビレンツ、エルバスビル、エプロサルタン、エルロチニブ、エストラジオール、エチドロン酸、エトラビリン、エベロリムス、エゼチミブ、フェロジピン、フェノフィブラート、フルコナゾール、フルオロウラシル、フォレチニブ-ベースPROTAC 7、グリメピリド、グラゾプレビル、グリセオブルビン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコルチゾン、ヒドロキシクロロキン、イブプロフェン、イマチニブ イルベサルタン、イリノテカン、イトラコナゾール、アイバカフトール、イベルメクチン、レディパスビル、ラモトリギン、リネゾリド、リシノプリル、ロピナビル、ロサルタン、ルメファントリン、メフロキン、メサラジン、メトトレキサート、メトプロロール、モダフィニル、モエキシプリル、モルヒネ、ミコフェノレート、ナロキソン、ニフェジピン、ニロチニブ、ニルバジピン、ニトレンジピン、オランザピン、オルメサルタン、オメプラゾール、オンダンセトロン、パクリタキセル、パミドロン酸、パラセタモール、ペメトレキセド、ペリンドプリル、フェニトイン、ピブレンタスビル、ピオグリタゾン、プレドニゾン、プロゲステロン、クエチアピン、ラロキシフェン、ラルテグラビル、ラミプリル、レバミピド、レムデシビル、リルピビリン、リセドロン酸、リスペリドン、リトナビル、リバーロキサバン、リバスチグミン、ロスバスタチン、セレギリン、セベラマー、シブトラミン、シルデナフィル、シンバスタチン、シロリムス、シタグリプチン、ソホスブビル、ソラフェニブ、スピラプリル、スニチニブ、タクロリムス、タダラフィル、タモキシフェン、テラプレビル、テルミサルタン、テノキシカム、テルブタリン、チカグレロル、チルドロン酸、トランドラプリル、トログリタゾン、アミフェノビル、バルサルタン、ベルパタスビル、ベムラフェニブ、ベラパミル、ジプラシドン、ゾレドロン酸及びZXH-3-26、又は該当する場合、医薬的に許容されるそれらの塩形態またはそれらの混合物から選択されてよい。
他の実施形態では、少なくとも1つの医薬活性成分は、ブドウ生成物又はプロアントシアニン又はアントシアニン、特にビルベリー又はクロフサスグリ由来のレスベラトロール、可溶性食物繊維生成物、例えばオオバコ種子、ブロッコリー(スルファン)、及びダイズ又はクローバー(イソフラボノイド)、フラボノイド、亜麻仁由来のα-リノール酸、マリーゴールド花弁由来のβ-カロテンから選択される。
好ましくは、少なくとも1つの医薬活性成分は、セレコキシブ、エファビレンツ及びフェノフィブラート又はそれらの混合物から選択され得る。
脂質成分(ii)
一般に、医薬組成物に用いることができるいかなる脂質成分も適している。
少なくとも1つの脂質成分(ii)は、中鎖トリグリセリド(C~C12脂肪酸)、長鎖トリグリセリド(C13~C21脂肪酸)、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール(Captex(登録商標)200)、トリカプリル酸/トリカプリン酸グリセリル(Captex(登録商標)300)、トリリシノレイン酸グリセリル(ひまし油)、中鎖トリグリセリド(ラウリン酸)(ヤシ油)、ジベヘン酸グリセリル(Compritol(登録商標)888 ATO)、トリグリセリド(リノール酸、オレイン酸)(コーン油)、トリグリセリド(リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸)(綿実油)、オレイン酸エチル(CrodamolTM EO)、トリカプリル酸/トリカプリン酸グリセリル(Crodamol(商標)GTCC)、ミリスチン酸イソプロピル(IPM-100)、トリカプリル酸/トリカプリン酸グリセリル(Labrafac(商標)CC)、トリカプリル酸/トリカプリン酸グリセリル(Labrafac(商標)リポフィルWL 1349)、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレン(Labrafac(商標)PG)、長鎖トリグリセリド/ジグリセリド/モノグリセリド(モノリノール酸)(Maisine(登録商標)CC)、トリカプリル酸/トリカプリン酸/トリラウリン酸グリセリル(Miglyol(登録商標)812)、オレイン酸(Pamolyn(商標)100 Oleic Acid)、トリグリセリド(オレイン酸、パルミチン酸)(オリーブ油)、トリグリセリド(パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸)、トリグリセリド(オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸)、トリグリセリド(リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸)(パーム油)、トリグリセリド(リノール酸、オレイン酸、α-リノレン酸、パルミチン酸)(エゴマ油)、トリグリセリド(リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸)(大豆油)、トリ酢酸グリセリル(Kollisolv(登録商標)GTA)、トリカプリル酸グリセリル(トリカプリリン(登録商標))、硬質脂肪(トリグリセリド/ジグリセリド)及び硬質脂肪(トリグリセリド)(Witepsol(登録商標)H 35)又はそれらのいかなる混合物から選択することができる。
上記リスト中の括弧付きの表現は、脂質成分の主成分(例:中鎖トリグリセリド(ラウリン酸))を示す。上記リスト中のスラッシュ付きの表現は、脂質成分の成分を示す(例:グリセリルトリカプリル酸/トリカプリン酸/トリラウレート)。
界面活性剤(iii)
一般に、医薬組成物に用いることができるいかなる界面活性剤も適している。
少なくとも1つの界面活性剤(iii)は、1つ又は複数の界面活性剤を含むことができ、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレオイルエーテル、モノオレイン酸グリセリル、中鎖モノグリセリド/ジグリセリド(カプリル酸、カプリン酸)、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリル酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、ポリオキシル-35硬化ひまし油、ポリオキシル-40硬化ひまし油、ラウロイルポリオキシル-32グリセリド、ステアロイルポリオキシル-32グリセリド、ヒドロキシステアリン酸ポリオキシル-15、ポロキサマー188(ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのトリブロック共重合体)、ポロキサマー407(ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのトリブロック共重合体)、オレオイルポリオキシル-6グリセリド、リノレオイルポリオキシル-6グリセリド、ラウロイルポリオキシル-6グリセリド、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、モノラウリン酸プロピレングリコール(II型)、モノラウリン酸プロピレングリコール(I型)、ステアリン酸ポリオキシル-40、ジアセチル化モノグリセリド、モノオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸ポリグリセリル-3、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリル、コハク酸d-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000(d-TPGS)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン又はそれらのいかなる混合物から選択することができる。
溶媒(iv)
本発明では溶媒を用いることができる。一般に、医薬組成物に用いることができるいかなる溶媒も適している。
少なくとも1つの溶媒(iv)は、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール6000、プロパン-1,2,3-トリオール、(z)-オクタデク-9-エニルアミン、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、2-ピロリドン及びテトラエチレングリコール又はそれらのいかなる混合物から選択することができる。
一実施形態では、組成物は本質的に溶媒を含まない。
添加剤(v)及び(iiia)
一般に、医薬組成物に用いることができるいかなる添加剤であって、(i)~(iv)とは異なるもの、も適している。少なくとも1つの添加剤(v)及び(iiia)は、同じでも異なってよい。一実施形態では、(v)のみが存在する。他の実施形態では、(iiia)のみが存在する。一実施形態では、本質的に添加剤は存在しない。
当該添加剤は、好ましくは、ステアリン酸マグネシウム等の粘着防止剤;ラクトース、マンニトール、デンプン、セルロース及びそれらの誘導体等の充填剤;ポリアクリル酸塩、デンプン、グアー、キサンタン、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、トラガカント、多糖類及びそれらの誘導体等の結合剤;ミント、チェリー、アニス、バニラ、ラズベリー等の香料;天然着色剤、アゾ化合物及びキサンテン化合物等の着色剤;二酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウム等の顔料;デンプン、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、好ましくは炭酸水素ナトリウムとクエン酸の組み合わせ(発泡性錠剤用)等の崩壊剤;シリカゲル、ヒュームドシリカ、タルク、炭酸マグネシウム等の滑沢剤;高分散二酸化ケイ素等の流動調節剤;ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、パルミチン酸レチニル、セレン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;スクロース、ソルビトール、サッカリンナトリウム、シクラメート、アスパルテーム等の甘味料;及びアルキルスルホネート又は第四級アンモニウム化合物(好ましくはポリスチレンと組み合わせた)等の分解剤;又はそれらの混合物から選択される。
共重合体及びいかなる添加剤を含む混合物
本発明では、以下の:
(ia)60~90質量部、好ましくは70~80質量部の少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体;
(iia)10~40質量部、好ましくは20~30質量部の少なくとも1つのメタクリル酸-エチルアクリレート共重合体;及び
(iiia)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;
を含むか、又はからなる、混合物が用いられ、ここで、前記(ia)及び前記(iia)の合計は100質量部である。
一般に、全てのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体が適しており、好ましくは、共重合体は医薬組成物の分野で用いることができる。メタクリル共重合体の分野の当業者には、特にラジカル重合、好ましくはフリーラジカル重合によって、そのような重合体を得る方法は公知である。好ましい実施形態では、共重合体は溶液重合プロセスによって得られる。
一実施形態では、ジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体は、単量体のジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、及びメチルメタクリレートを、以下の比率:
a)30~70質量%、好ましくは45~55質量%のジメチルアミノエチルメタクリレート;
b)15~35質量%、好ましくは20~30質量%のブチルメタクリレート;及び
c)15~35質量%、好ましくは20~30質量%のメタクリル酸メチル;
でラジカル重合して得られ、ここで、a)~c)の合計は100質量%であり;場合によってはさらなる添加剤が存在する。
適当なさらなる添加剤は、少なくとも1つの開始剤であって、好ましくは、ジ-(3,5,5)トリメチルヘキサノイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシネオデカノエート、tert-ブチルペルベンゾエート、tert-アミルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、ビスデカノイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキシルカボネート、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、ベンゾイルペルオキシド、2,2-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ブタン、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-アミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、1,1-ジ-tert-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2-(1-シアン-1-メチル(エチル)アゾカルボキサミド、tert-ブチルペルオキシアセテート、tert-ブチルペルオキシピバレート又はそれらの混合物から選択され、より好ましくはtert-ブチルペルオキシネオデカノエート及びtert-ブチルペルオキシピバレート又はそれらの混合物から選択され;
及び/又は、少なくとも1つの連鎖移動剤であって、好ましくは、四塩化炭素、四臭化炭素、ブロモトリクロロメタン、4-メチルベンゼンチオール、3-メルカプトプロピオン酸イソオクチル、ペンタフェニルエタン、tert-ノニルメルカプタン、4,4’-チオビスベンゼンチオール及びn-ドデシルメルカプタンから選択され、より好ましくは連鎖移動剤はn-ドデシルメルカプタンであり、及び/又は、少なくとも1つの溶媒である。
重合反応には、一般に、これらの反応で用いるのに適したいかなる溶媒も適している。
一実施形態では、少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体の質量平均分子量Mwは、15,000~300,000g/mol、好ましくは50,000~250,000g/mol、より好ましくは100,000~200,000g/mol、より好ましくは150,000~190,000g/molである。
一実施形態では、少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体には、各単量体について0.5%以下の残留単量体含有量がある。
合計及び個々の残留単量体含有量は、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定することができる。HPLCによる総残留単量体含有量及び個々の残留単量体含有量の決定は、当業者に周知である。
一実施形態では、少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体の多分散性は、2.0~5、好ましくは3.5~4.5である。
一実施形態では、少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体のガラス転移温度Tgは、20~60℃、好ましくは35~50℃である。
一実施形態では、少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体は、エポキシ基等の反応性基を本質的に含まない。一実施形態では、少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体は、さらなる重合反応を受けられない。
一般に、全てのメタクリル酸-エチルアクリレート共重合体が適している。
一実施形態では、少なくとも1つのメタクリル酸-アクリル酸エチル共重合体は、単量体であるメタクリル酸及びアクリル酸エチルを、以下の比率:
a)35~60質量%、好ましくは45~55質量%のメタクリル酸;
b)40~65質量%、好ましくは45~55質量%のアクリル酸エチル;
でラジカル重合して得られ、ここで、前記a)及び前記b)の合計は100質量%であり;場合によっては、さらなる添加剤が存在する。
適当なさらなる添加剤は、少なくとも1つの開始剤であって、好ましくは、ジ-(3,5,5)トリメチルヘキサノイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシネオデカノエート、tert-ブチルペルベンゾエート、tert-アミルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、ビスデカノイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキシルカボネート、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、ベンゾイルペルオキシド、2,2-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ブタン、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-アミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、1,1-ジ-tert-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2-(1-シアン-1-メチル(エチル)アゾカルボキサミド、tert-ブチルペルオキシアセテート、tert-ブチルペルオキシピバレート又はそれらの混合物から選択され、より好ましくはtert-ブチルペルオキシネオデカノエート及びtert-ブチルペルオキシピバレート又はそれらの混合物から選択され;
及び/又は、少なくとも1つの連鎖移動剤であって、好ましくは、四塩化炭素、四臭化炭素、ブロモトリクロロメタン、4-メチルベンゼンチオール、3-メルカプトプロピオン酸イソオクチル、ペンタフェニルエタン、tert-ノニルメルカプタン、4,4’-チオビスベンゼンチオール及びn-ドデシルメルカプタンから選択され、より好ましくは連鎖移動剤はn-ドデシルメルカプタンであり、及び/又は、少なくとも1つの溶媒である。
重合反応には、一般に、これらの反応で用いるのに適したいかなる溶媒も適している。
一実施形態では、少なくとも1つのメタクリル酸-アクリル酸エチル共重合体の質量平均分子量Mwは、15,000~800,000g/mol、好ましくは50,000~550,000g/mol、より好ましくは100,000~350,000g/mol、より好ましくは150,000~300,000g/molである。
一実施形態では、少なくとも1つのメタクリル酸-アクリル酸エチル共重合体のガラス転移温度Tgは、70~130℃、好ましくは80~115℃である。
一実施形態では、少なくとも1つのメタクリル酸-アクリル酸エチル共重合体は、場合によっては、その後に乾燥工程を伴う乳化重合プロセスによって得られる。
一実施形態では、少なくとも1つのメタクリル酸-エチルアクリレート共重合体には、全ての単量体の合計に対して、0.5%以下の残留単量体含有量がある。
合計及び個々の残留単量体含有量は、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定することができる。HPLCによる総残留単量体含有量及び個々の残留単量体含有量の決定は、当業者に周知である。
混合物中の共重合体は、平均粒径Dv,50が好ましくは1~1,000μm、より好ましくは2~100μmの範囲である粉末形態で用いることができる。粉末は、粉砕及び粉砕によって得ることができる。
共重合体は、予備混合された粉末形態で初期混合物中に存在することができ、又は共押出することができる。一実施形態では、共押出は、140~165℃、好ましくは150~160℃で行われる。
一実施形態では、共重合体の、好ましくは共押出された予備混合粉末のガラス転移温度Tgは、45~130℃、より好ましくは60~110℃、さらにより好ましくは70~105℃である。
固体自己ナノ乳化型薬物送達システム(S-SNEDDS)
自己ナノ乳化型薬物送達システムは、水又は胃腸液と接触してナノエマルジョンを形成し、維持する。ナノエマルジョンの分野の当業者には、一般に公知の方法を用いて本発明の自己ナノ乳化型薬物送達システムを調製する方法は公知である。ナノエマルジョン中の粒子のZ平均サイズDz(Z平均粒径Dz)は、1~1,000nm、多くの場合、100~500nm又は10~100nmであり得る。ナノエマルジョンは、医薬組成物の製造中に、又は医療専門家によって、又はインビボで形成されてよい。乳化成分及び医薬活性成分が水性媒体、好ましくは水に添加されると形成がおこる。一実施形態では、形成は、混合物の撹拌下、及び/又は混合物を30~60℃、好ましくは45~55℃、より好ましくは50℃に加熱しながら行われる。撹拌及び/又は加熱は、均質な混合物の提供を改善することができる。
自己ナノ乳化型薬物送達システムの乳化成分は、通常、脂質成分、少なくとも1つの界面活性剤、並びに場合によっては溶媒及び/又は場合によっては添加剤、すなわち成分(ii)~(v)を含むか、又はそれらからなる。当業者には、成分を選択し、送達される医薬活性成分に対する成分の量を調整する方法は公知である。したがって、乳化成分(ii)~(v)は、医薬活性成分(i)と混合されて溶液になり、自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)を形成する。
一実施形態では、自己ナノ乳化型薬物送達システムの総質量に対して、以下の:
(i)は0.1~15質量%で存在し;
(ii)は5~40質量%で存在し;
(iii)は5~60質量%で存在し;
(iv)は0~50質量%、好ましくは10~50質量%で存在し;
(v)は0~25質量%、好ましくは0.1~5質量%で存在する。
自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)及び担体は、本発明における共重合体(ia)及び(iia)の特定の混合物、並びに場合によっては添加剤(iiia)は、例えば、熱溶融押出、噴霧乾燥、吸着、エレクトロスピニング、エレクトロスプレー、振動による噴射、造粒又は超臨界流体技術による加工後に、固体自己ナノ乳化型薬物送達システム(S-SNEDDS)を形成する。1つの好ましい実施形態では、S-SNEDDSは、熱溶融押出によって得られる。添加剤(iiia)が存在する場合、好ましくは、添加剤は共重合体(ia)及び(iia)と配合される。好ましい実施形態では、共重合体(ia)及び(iia)、並びにいかなる添加剤(iiia)は、粉末形態であり、他の実施形態では、成分は、混合物として適用される前に共押出される。より好ましくは、それらの平均粒径Dzは、1~1,000μm、最も好ましくは100~500μmの範囲である。粉末は、従来の粉砕及び粉砕によって得ることができる。
添加剤(v)及び(iiia)は、同じでも異なってよい。一実施形態では、少なくとも1つの添加剤は、付着防止剤;結合剤;香味料;顔料;崩壊剤;流動促進剤;流動調節剤;酸化防止剤;甘味料;及び分解剤;又はそれらの混合物から選択される。一実施形態では、添加剤(iiia)のみが存在する。一実施形態では、系は本質的に添加剤を含まない。
一実施形態では、自己ナノ乳化型薬物送達システムは、自己ナノ乳化型薬物送達システム及び混合物の総質量に対して、1~30質量%で存在する。
例えば、本発明のS-SNEDDSは、140~180℃、好ましくは145~170℃の温度での熱溶融押出によって得られる。一実施形態では、成分は二軸スクリュー押出機で押出されてよい。一実施形態では、成分は、約30~100Ncmのトルクで二軸押出機において押出されてよい。好ましくは、成分は、約45~85Ncmのトルクで二軸スクリュー押出機において押出されてよい。押出された塊は、ストランドの形態で押出機から排出されて、粉砕及びミリングによって粉末製品に粉砕されてよい。
医薬としての使用
本発明の固体自己ナノ乳化型薬物送達システム(S-SNEDDS)は、医薬品又は栄養補助食品としての使用(使用方法)に適しており、好ましくは、ヒト又は動物対象の疾患の治療において、医薬活性成分が単独の場合と単独と比較して、含まれる医薬活性成分の溶解度を高める。
本発明は特に以下のものに関する。
1.固体自己ナノ乳化型薬物送達システムを調製するための方法であって、以下の:
以下の、
(i)少なくとも1つの医薬活性成分;
(ii)少なくとも1つの脂質成分;
(iii)少なくとも1つの界面活性剤;
(iv)場合によっては、少なくとも1つの溶媒;及び
(v)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;
混合することによって、自己ナノ乳化型薬物送達システムを提供すること、
その後、得られた前記自己ナノ乳化型薬物送達システムを、以下の:
(ia)60~90質量部の少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体;
(iia)10~40質量部の少なくとも1つのメタクリル酸-エチルアクリレート共重合体;及び
(iiia)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;
を含むか、又はからなる、混合物に適用することであって、ここで、前記(ia)及び前記(iia)の合計は100質量部であり、
熱溶融押出、噴霧乾燥、吸着、エレクトロスピニング、エレクトロスプレー、振動による噴射、造粒又は超臨界流動化により、固体自己ナノ乳化型薬物送達システムを得ること、
を含むか、又はからなる、方法。
2.前記(ia)及び前記(iia)は、予備混合粉末形態で存在する、1に記載の方法。
3.前記(ia)及び前記(iia)並びに、場合によっては、(iiia)は、混合物として適用される前に共押出される、1に記載の方法。
4.少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体は、
i)ジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート及びメチルメタクリレートの単量体を以下の比率:
a)30~70質量%のジメチルアミノエチルメタクリレート;
b)15~35質量%のブチルメタクリレート及び
c)15~35質量%のメタクリル酸メチル;
でラジカル重合することによって得られ、ここで、前記a)~前記c)の合計は100質量%であり;場合によっては、触媒又は安定剤等のさらなる添加剤が存在し;
並びに/又は
ii)各単量体について0.5%以下、好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.1%以下の残留単量体含有量があり;及び/若しくは
iii)質量平均分子量Mwが15,000~300,000g/mol、より好ましくは20,000~200,000g/mol、さらにより好ましくは20,000~80,000g/molであり;及び/若しくは
iv)溶液重合プロセスによって得られ、場合によっては、その後の乾燥及び場合によっては、粉砕ステップをさらに含む、1~3のいずれか一項に記載の方法。
5.少なくとも1つのメタクリル酸-アクリル酸エチル共重合体は、
i)メタクリル酸及びアクリル酸エチルの単量体を以下の比率:
a)35~60質量%、好ましくは40~55質量%、より好ましくは45~52質量%のメタクリル酸;及び
b)40~65質量%、好ましくは45~60質量%、より好ましくは48~55質量%のアクリル酸エチル;
でラジカル重合することによって得られ、ここで、前記a)及び前記b)の合計は100質量%であり;場合によっては、触媒又は安定剤等のさらなる添加剤が存在し;
並びに/又は
ii)質量平均分子量Mwが15,000~800,000g/mol、好ましくは20,000~600,000g/mol、より好ましくは50,000~500,000g/mol、さらにより好ましくは100,000~400,000、最も好ましくは200,000~350,000g/molであり;及び/若しくは
iii)場合によっては、その後に乾燥工程を伴う乳化重合プロセスによって得られ;及び/若しくは
iv)全ての単量体の合計に対する残留単量体の含有量が0.5%以下、より好ましくは0.1%以下、さらにより好ましくは0.01%以下である;
1~4のいずれか一項に記載の方法。
6.少なくとも1つの医薬活性成分の37℃の水1ml中での溶解度は0.1mg未満であり、及び/又はセレコキシブ、エファビレンツ及びフェノフィブラート又はそれらの混合物から選択される、1~5のいずれか一項に記載の方法。
7.少なくとも1つの脂質成分が、C~C12脂肪酸トリグリセリド;C13~C21脂肪酸トリグリセリド;ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール;トリカプリル酸/トリカプリン酸グリセリル;トリリシノレイン酸グリセリル;ラウリン酸トリグリセリド;ジベヘン酸グリセリル;リノール酸及びオレイン酸トリグリセリド;リノール酸、オレイン酸、及びパルミチン酸トリグリセリド;オレイン酸エチル;ミリスチン酸イソプロピル;モノリノール酸トリグリセリド/ジグリセリド/モノグリセリド;トリカプリル酸/トリカプリン酸/トリラウリン酸グリセリル;オレイン酸;オレイン酸及びパルミチン酸トリグリセリド;パルミチン酸、オレイン酸、及びリノール酸トリグリセリド;オレイン酸、リノール酸、及びパルミチン酸トリグリセリド;リノール酸、オレイン酸、及びパルミチン酸トリグリセリド;リノール酸、オレイン酸、α-リノレン酸、及びパルミチン酸トリグリセリド;リノール酸、オレイン酸、及びステアリン酸トリグリセリド;三酢酸グリセリル;トリカプリル酸グリセリル;硬質脂肪又はそれらのいかなる混合物から選択される、1~6のいずれか一項に記載の方法。
8.少なくとも1つの界面活性剤が、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル;ポリオキシエチレン(2)オレオイルエーテル;モノオレイン酸グリセリル;カプリル酸及びカプリン酸モノグリセリド/ジグリセリド;モノカプリル酸グリセリル;モノカプリル酸プロピレングリコレート;ポリオキシル-35硬化ひまし油;ポリオキシル-40硬化ひまし油;ラウロイルポリオキシル-32グリセリド;ステアロイルポリオキシル-32グリセリド;ヒドロキシステアリン酸ポリオキシル-15;ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのトリブロック共重合体;オレオイルポリオキシル-6グリセリド;リノレオイルポリオキシル-6グリセリド;ラウロイルポリオキシル-6グリセリド;カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド;モノラウリン酸プロピレングリコール;ステアリン酸ポリオキシル-40;ジアセチル化モノグリセリド;ジオレイン酸ポリグリセリル-3;モノラウリン酸ソルビタン;モノオレイン酸ソルビタン;セスキオレイン酸ソルビタン;トリオレイン酸ソルビタン;モノステアリン酸グリセリル;コハク酸d-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン;モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン;及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン又はそれらのいかなる混合物から選択される、1~7のいずれか1項に記載の方法。
9.少なくとも1つの溶媒が、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール6000、プロパン-1,2,3-トリオール、(z)-オクタデク-9-エニルアミン、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、2-ピロリドン、テトラエチレングリコール及びジエチレングリコールモノエチルエーテル又はそれらのいかなる混合物から選択される、1~8のいずれか一項に記載の方法。
10.少なくとも1つの添加剤が、付着防止剤;結合剤;香味料;顔料;崩壊剤;流動促進剤;流動調節剤;酸化防止剤;甘味料;及び分解剤;又はそれらの混合物から選択される、1~9のいずれか一項に記載の方法。
11.前記自己ナノ乳化型薬物送達システムは、前記自己ナノ乳化型薬物送達システム及び前記混合物の総質量に対して、1~30質量%で存在する、1~10のいずれか一項に記載の方法。
12.前記自己ナノ乳化型薬物送達システムの総質量に対して、
(i)は0.1~15質量%で存在し;
(ii)は5~40質量%で存在し;
(iii)は5~60質量%で存在し;
(iv)は10~50質量%で存在し;
(v)は0~25質量%で存在する、1~11のいずれか一項に記載の方法。
13.1~12のいずれか一項に記載の方法によって得られる固体自己ナノ乳化型薬物送達システム。
14.栄養補助食品又は医薬品である、13に記載の固体自己ナノ乳化型薬物送達システム。
15.医薬品として用いるための、13に記載の固体自己ナノ乳化型薬物送達システム。
材料及び方法
材料
D.K.Pharma Chem PVT Ltd.(Maharashtra,India)から入手したフェノフィブラート(プロパン-2-イル2-[4-(4-クロロベンゾイル)フェノキシ]-2-メチルプロパノエート)をモデル化合物として用いた。ジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体(2:1:1)及びメタクリル酸-エチルアクリレート共重合体(1:1)の共押出物(IPEC 75/25)はEvonik Operations GmbH(Darmstadt,Germany)製である。ジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート(EUDRAGIT(登録商標)E PO)及びメタクリル酸-エチルアクリレート(EUDRAGIT(登録商標)L 100-55)は、Evonik Operations GmbH(Darmstadt,Germany)から市販されている製品である。モノオレイン酸ポリオキシエチレン(80)ソルビタン(Tween(登録商標)80)、d-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート(d-TPGS)及びポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(Brij(登録商標)35)は、Sigma Aldrich(Steinheim,Germany)から購入した。中鎖トリグリセリド(Miglyol(登録商標)812)は、カエサル&ローレッツGmbH(ヒルデン、Germany)から入手した。全ての他の化学物質は分析等級であり、市販されている。
方法
溶融押出によるメタクリル酸ジメチルアミノエチル-メタクリル酸ブチル-メタクリル酸メチル共重合体(2:1:1)及びメタクリル酸-アクリル酸エチル共重合体(1:1)の共押出物(IPEC 75/25)の調製
メタクリル酸ジメチルアミノエチル-メタクリル酸ブチル-メタクリル酸メチル共重合体(2:1:1)及びメタクリル酸-アクリル酸エチル共重合体(1:1)(IPEC 75/25)の共押出物の調製用に、共重合体、メタクリル酸ジメチルアミノエチル-メタクリル酸ブチル-メタクリル酸メチル(EUDRAGIT(登録商標)E PO)及びメタクリル酸-アクリル酸エチル(EUDRAGIT(登録商標)L 100-55)を75質量%対25質量%の比でブレンドした。両方の共重合体を確実に均一にするために、WAB Group(Nidderau-Heldenbergen、Germany)製のTurbularミキサーを約10分間用いた。平行スクリュー設計を示すThree-Tec GmbH(Seon、Switzerland)製の共回転Three-Tec ZE 9二軸スクリュー押出機を用いて、共重合体ブレンドを熱溶融押出技術によって加工して、IPEC 75/25を受け入れた。適用されたスクリュー速度(100rpm)、トルク(3.9~4.8nm)及び4つの異なる加熱ゾーンのプロセス温度(50/75/130/155℃)を記録することによって、熱溶融押出プロセスを特徴付けた。連続的に生成されたストランドは、押出機のノズル(ノズル直径3.0mm)から出て、搬送ベルトを用いて搬送される間に冷却され、最終的に粗い顆粒に切断された。粗いIPEC 75/25を、Retsch GmbH(Haan,Germany)製のUltra Centrifugal Mill ZM 200を用いて粉砕した(メッシュサイズ:0.25mm)。さらに、IPEC 80/20及びIPEC 70/30を、それぞれ80質量%(EUDRAGIT(登録商標)E PO)対20質量%(EUDRAGIT(登録商標)L 100-55)及び70質量%(EUDRAGIT(登録商標)E PO)対30質量%(EUDRAGIT(登録商標)L 100-55)の比を適用して同じ手順で製造した。
熱溶融押出による固体SNEDDS(S-SNEDDS)及び非晶質固体分散体(ASD)の調製
化学量論比の化合物1~4並びに医薬活性成分フェノフィブラート(以下、薬物ともいう)のブレンド(表1)を、これらの物質をビーカーガラス中で穏やかな磁気撹拌下で約30分間混合して調製した。得られたSNEDDS溶液(表1)を、規定の混合比を考慮して特定の重合体に添加した。溶液/重合体ブレンド(表2)を、平行スクリュー設計を呈するThree-Tec GmbH(Seon,Switzerland)製の共回転Three-Tec ZE 9二軸スクリュー押出機を用いて、熱溶融押出技術によって加工した。適用されたスクリュー速度、トルク及び4つの異なる加熱ゾーンのプロセス温度を記録して、熱溶融押出プロセスを特徴付けた。連続的に生成されたストランドは、押出機のノズル(ノズル直径3.0mm)から排出されてあ、搬送ベルトを用いて搬送される間に冷却され、最終的に粗い顆粒に切断された。顆粒を、Retsch GmbH(Haan,Germany)製のUltra Centrifugal Mill ZM 200を用いて粉砕した(メッシュサイズ:0.25mm)。得られた粉末は、全てのさらなる研究のために使用さされたS-SNEDDSの剤形であった。さらに、ASDと比較して異なる特性を参照してS-SNEDDSの効果を評価するために、WAB Group(Nidderau-Heldenbergen、Germany)からのTurbularミキサーを約10分間用いることによる重合体及び原薬(ASD)のブレンド(表2)を、言及した熱溶融押出プロセスによって加工した。ASDについては、共重合体IPEC 75/25及びEUDRAGIT(登録商標)E POを適用した。
S-SNEDDS(IPEC 75/25 AIO(オールインワン)SNEDDS)の「インサイチュ」調製
上述のSNEDDS溶液(表1)を、WAB Group(Nidderau-Heldenbergen、Germany)からのTurbularミキサーを用いることによって得られた75質量%のEUDRAGIT(登録商標)E POと25質量%のEUDRAGIT(登録商標)L 100-55との未処理の乾燥ブレンドに約10分間添加した。IPEC 75/25 AIO SNEDDSの熱溶融押出プロセスを容易にするために、EUDGRAGIT(登録商標)L 100-55は、最初にSNEDDS溶液と最大3時間以内に混合することによって軟化させることができる。この時点から、IPEC 75/25 AIO SNEDDSを、方法「熱溶融押出による固体-SNEDDS(S-SNEDDS)及び非晶質固体分散体(ASD)の調製」について記載したのと同じ手順及び装置に従って製造した。
レオロジー測定(DIN ISO 6721-10:2015)
IP ECのレオロジー分析用に、直径25mmのプレート-プレート測定システムを、複素剪断弾性率に従って用いた。剪断レオメトリーでは、複素剪断弾性率は、振動剪断応力下での粘弾性材料の挙動を説明した。IPEC(IPEC 80/20、IPEC 75/25及びIPEC 70/30)の複素粘度を、1℃/分の加熱速度を適用して、連続プロセスにおいて選択された105~250℃の温度範囲で測定した。グラフ表示のために、複素粘度η(Pa・s)を温度T(℃)に対してプロットした。レオロジー測定は、0.6%の振幅及び10 rad/sの角振動数を用いて行った。10~10Pa・sの複素粘度をカバーする決定された温度範囲は、熱溶融押出プロセスに適していると定義された。レオロジー測定は、Anton Paar Germany GmbH(Germany Bruchkoebel)製のModular Compact Rheometer MCR 302を用いて行った。
S-SNEDDS、ASD及び医薬物質フェノフィブラートの溶解試験
溶解試験は、USP 42-NF 37(2019)に従って行った。溶解試験は、USP装置IIを用いて、25mgの医薬物質又は等量のS-SNEDDSもしくはASDを用いて行った。ERWEKA GmbH(ランゲン、Germany)からのD 800 LH。パドル速度を100rpmに設定し、全ての実験を500mlの0.1N塩酸中で行った。溶解試験を120分間にわたって行った。
フェノフィブラートを分析するためのHPLC法
フェノフィブラートの定量化のために、クォータナリーポンプ(G1311B)、オートサンプラー(G1329B)、カラムオーブン(G1316A)及びUV検出器(G1314C)からなる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システム(Agilent 1260 Infinity)を用いたが、これらはすべてAgilent Technologies(Frankfurt am Main,Germany)から入手した。分離は、22℃に維持したSymmetry 300 C18(150×4.6mm、5μm)カラムを用いて達成した。移動相は、アセトニトリル:水混合物(70:30 v/v)からなり、リン酸でpH2.50に調整した。流速は2.0ml/分に設定した。20μlの注入体積を適用し、フェノフィブラートを286nmで検出した。0.14~595μg/mlの濃度範囲において、検量線は直線であった(r2=0.999996)。この方法は、0.05μg/mlの定量限界で正確(101.2~102.1%)かつ精密(CV 2.78%)であることが分かった。実行時間を6分と定義した。選択性を決定し(製剤賦形剤)、薬物保持時間において干渉は観察されなかった。さらに、ピーク面積は、研究において用いた全ての賦形剤の存在下で変化しなかった。
示差走査熱量測定(DSC)分析(DIN EN ISO 11357-2:2013)
共重合体をDSCによって熱分析して、それらのガラス転移温度(Tg)、及び組み込まれた薬物が非晶質(ガラス転移)又は結晶質(溶融/結晶化ピーク)の外観を示したかどうかを決定した。ガラス転移は、非晶質又は部分的に非晶質の材料内で、硬くて比較的脆い凍結状態から溶融状態又はむしろゴム状態への可逆的な転移である。結晶性及び/又は非晶質特性に関するサーモグラムにおける変化及び/又はシフトを同定するために、純粋な医薬物質の融点並びに共重合体のガラス転移温度を調査した。それぞれ5~10mgの試料を、蓋付きの小さな有孔アルミニウムパンに秤量し、これをコールドシールし、不活性窒素雰囲気を適用して連続的に測定を行いながら、0℃から開始して200℃までの加熱-冷却-加熱サイクルに曝露した。一定の加熱/冷却速度を10℃/分に設定した。得られたサーモグラムにおいて、吸熱表示法を用いて、温度に対して熱流をプロットする。評価は第2の加熱サイクルに基づいており、示された値はガラス転移間隔における平均値である。Mettler Toledo(Germany Giessen)製のDSC 3+(DSC-HC01)を用いて分析を行った。
安定性試験
S-SNEDDS及びASDを、Binder GmbH(Tuttlingen,Germany)製の気候室中で、一定かつ制御された条件(30℃/65%RH)で6ヶ月にわたって貯蔵した。試料を30mlのアンバーガラス中に保持し、スクリューキャップで閉じた。3ヶ月及び6ヶ月後、試料を取り出し、外観、薬物放出及びDSCに関する結果を、製造時の試料のデータと比較した。
フーリエ変換-赤外(FT-IR)分光法
IPEC 75/25並びに共重合体EUDRAGIT(登録商標)E PO及びEUDRAGIT(登録商標)L 100-55の構造的特徴を、4000~400cm-1の範囲でフーリエ変換-赤外(FT-IR)分光法によって調査した。それぞれ約10mgの試料をFT-IR装置のダイヤモンド結晶上に堆積させ、金属アタッチメントによって圧縮した後、測定した。分子励起後振動は、分子励起後にFT-IR装置によって検出することができた。試料の化学構造に関連する特徴的なパターン(スパイク)を、曝露された赤外線の減衰全反射(ATR)を測定することによって同定した。得られたFT-IRスペクトログラムは、透過率[%]を波数[cm-1]に対してプロットすることによって得られた。分光法は、Bruker Optics(Hanau,Germany)製のFT-IR分光計「ALPHA」を用いて行った。
窒素含有量の元素分析
試験物質IPEC 75/25中に結合した元素炭素(C)、水素(H)及び窒素(N)、並びにIPEC 75/25中で用いたものと同じ比率のEUDRAGIT(登録商標)E PO及びEUDRAGIT(登録商標)L 100-55を含むその物理的粉末混合物を、スズカートリッジ中、約1150℃で燃焼させて、反応生成物CO、HO、N及びNOxを得た。キャリアガス流(ヘリウム)は、ガス状燃焼生成物を還元パイプに移送し、そこで窒素酸化物NOxがNに還元された。CO及びHOをそれぞれの吸着カラムに吸着させた。非吸着Nは、第1の測定成分として熱伝導率検出器に入れた。脱着後、吸着カラムを加熱して、残りの測定成分をキャリアガス流と共に熱伝導率検出器の測定セルに入れた。測定成分の濃度に応じて、熱伝導率検出器は電気測定信号を提供した。分析は、Elementar Analysensysteme GmbH(Hanau,Germany)製の元素分析器「Vario MICROcube」を用いて行った。
結果及び考察
結果
Figure 2024511289000001
S-SNEDDS及びASDの組成及び熱溶融押出プロセスパラメータ
SNEDDS負荷及び/又は薬物負荷を含む分析された試料の組成、並びに熱溶融押出プロセスに関するプロセスパラメータを記録し、表2に示した。
Figure 2024511289000002
レオロジー測定
異なるIP ECの押出温度範囲を、前述の方法に従って決定した。EUDRAGIT(登録商標)E POの比率がより高いIP ECは、より低い温度で既に加工され得ることが実証された(表3)。
Figure 2024511289000003
DSC分析による純粋な重合体、S-SNEDDS及びASDの熱的特徴付け
全ての重合体試料(表4)を、上記DSC法によって分析して、異なる重合体のTgを決定した。製造されたIP ECのTgは、EUDRAGIT(登録商標)L 100-55の比率が高まるにつれて高くなった。全てのIP ECは、特定の温度範囲では1つのTgのみを示した。表5は、熱溶融押出プロセスによって加工された試料のTgを示す。
Figure 2024511289000004
Figure 2024511289000005
*N/D=測定せず。
溶解試験
フェノフィブラートを組み込んだ試料についての薬物放出の最も高い最終レベルは、IPEC 75/25 AIO SNEDDSによって達成され、そのすぐ後にIPEC 75/25 SNEDDSが続いた(表6及び図1)。SNEDDS製剤の薬物放出は、ASDと比較して実質的に高かった。全ての試料は、実施した溶解試験の全120分間にわたって安定であった。6ヶ月の貯蔵後、薬物放出はIPEC 75/25 SNEDDSについてわずかに減少するが、IPEC 75/25(ASD)にの薬物放出はより減少度が高かった。
Figure 2024511289000006
*N/D=測定せず。
安定性試験
外観
規定された一定の条件(30℃/65%RH)下での3ヶ月及び6ヶ月の貯蔵後、試験試料IPEC 75/25 SNEDDS、IPEC 75/25及びEUDRAGIT(登録商標)E PO(3ヶ月後にのみ試験した)(全て医薬物質フェノフィブラートを含有する)は、凝集体の顕著な形成を示さず、EUDRAGIT(登録商標)E POを除いて容易に再毛羽立たせることができた。EUDRAGIT(登録商標)E PO試料は、容易に再毛羽立たせることができず、互いに粘着するより大きな凝集体を実証した。
溶解研究並びに熱的特徴付けに関する安定性データは、既に表5及び6に示されている。
フーリエ変換-赤外(FT-IR)分光法
IPEC 70/30、IPEC 75/25及びIPEC 80/20の構造上の相違に基づくEUDRAGIT(登録商標)E PO及びEUDRAGIT(登録商標)L 100-55の共押出によるInterpolyelectrolytecomplex(IPEC)の形成を、その単一共重合体(EUDRAGIT(登録商標)E PO及びEUDRAGIT(登録商標)L 100-55)並びにEUDRAGIT(登録商標)E PO及びEUDRAGIT(登録商標)L 100-55の同一比率の未処理粉末混合物と比較して実証するために、FT-IR測定を行った。特にIPEC 70/30及びIPEC 75/25のFT-IRスペクトログラムは、2850~2750cm-1の波数範囲における単一EUDRAGIT(登録商標)L 100-55のn,n-ジメチルアミノエチル官能基の特徴的なスパイクが実質的に減少したことを明らかにした。さらに、1580~1530cm-1の波数範囲において、カルボキシレート官能基の存在を示すスパイクが検出され、これはさらに、HME処理によってIPECを生成することの指標を実証した。HMEプロセスによって引き起こされるメタクリレートの一般的な分解生成物の指標(1805cm-1及び1760cm-1での無水メタクリル酸スパイク、かつ、n,n-ジメチルアミノエタノールの予測されたスパイクは、n,n-ジメチルアミノエタノールは、1460cm-1及び1040cm-1)は、スペクトログラムでは同定することができなかった。
窒素含有量の元素分析
Figure 2024511289000007
IPEC 75/25及びIPEC 75/25で用いたものと同じ比率のEUDRAGIT(登録商標)E PO及びEUDRAGIT(登録商標)L 100-55を含むその物理的粉末混合物の窒素含有量に関する元素分析により、同様の窒素含有量が明らかになった。この結果は、HME処理によってIPEC 75/25中に揮発性窒素分解産物が生成されなかったという事実につながるであろう。

Claims (15)

  1. 固体自己ナノ乳化型薬物送達システムを調製するための方法であって、以下の:
    以下の、
    (i)少なくとも1つの医薬活性成分;
    (ii)少なくとも1つの脂質成分;
    (iii)少なくとも1つの界面活性剤;
    (iv)場合によっては、少なくとも1つの溶媒;及び
    (v)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;
    混合することによって、自己ナノ乳化型薬物送達システムを提供すること、
    その後、得られた前記自己ナノ乳化型薬物送達システムを、以下の:
    (ia)60~90質量部の少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体;
    (iia)10~40質量部の少なくとも1つのメタクリル酸-エチルアクリレート共重合体;及び
    (iiia)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;
    を含むか、又はからなる、混合物に適用することであって、ここで、前記(ia)及び前記(iia)の合計は100質量部であり、
    熱溶融押出、噴霧乾燥、吸着、エレクトロスピニング、エレクトロスプレー、振動による噴射、造粒又は超臨界流動化により、固体自己ナノ乳化型薬物送達システムを得ること、
    を含むか、又はからなる、方法。
  2. 前記(ia)及び前記(iia)は、予備混合粉末形態で存在する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記(ia)及び前記(iia)並びに、場合によっては、(iiia)は、混合物として適用される前に共押出される、請求項1に記載の方法。
  4. 少なくとも1つのジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体は、
    i)ジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート及びメチルメタクリレートの単量体を以下の比率:
    a)30~70質量%のジメチルアミノエチルメタクリレート;
    b)15~35質量%のブチルメタクリレート及び
    c)15~35質量%のメタクリル酸メチル;
    でラジカル重合することによって得られ、ここで、前記a)~前記c)の合計は100質量%であり;場合によっては、さらなる添加剤が存在し;
    並びに/又は
    ii)各単量体について0.5%以下の残留単量体含有量があり;及び/若しくは
    iii)質量平均分子量Mwが15,000~300,000g/molであり;及び/若しくは
    iv)溶液重合プロセスによって得られる、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 少なくとも1つのメタクリル酸-アクリル酸エチル共重合体は、
    i)メタクリル酸及びアクリル酸エチルの単量体を以下の比率:
    a)35~60質量%のメタクリル酸;及び
    b)40~65質量%のアクリル酸エチル;
    でラジカル重合することによって得られ、ここで、前記a)及び前記b)の合計は100質量%であり;場合によっては、さらなる添加剤が存在し;
    並びに/又は
    ii)質量平均分子量Mwが15,000~800,000g/molであり;及び/若しくは
    iii)場合によっては、その後に乾燥工程を伴う乳化重合プロセスによって得られ;及び/若しくは
    iv)全ての単量体の合計に対する残留単量体の含有量が0.5%以下である;
    請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 少なくとも1つの医薬活性成分の37℃の水1ml中での溶解度は0.1mg未満であり、及び/又はセレコキシブ、エファビレンツ及びフェノフィブラート又はそれらの混合物から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 少なくとも1つの脂質成分が、C~C12脂肪酸トリグリセリド;C13~C21脂肪酸トリグリセリド;ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール;トリカプリル酸/トリカプリン酸グリセリル;トリリシノレイン酸グリセリル;ラウリン酸トリグリセリド;ジベヘン酸グリセリル;リノール酸及びオレイン酸トリグリセリド;リノール酸、オレイン酸、及びパルミチン酸トリグリセリド;オレイン酸エチル;ミリスチン酸イソプロピル;モノリノール酸トリグリセリド/ジグリセリド/モノグリセリド;トリカプリル酸/トリカプリン酸/トリラウリン酸グリセリル;オレイン酸;オレイン酸及びパルミチン酸トリグリセリド;パルミチン酸、オレイン酸、及びリノール酸トリグリセリド;オレイン酸、リノール酸、及びパルミチン酸トリグリセリド;リノール酸、オレイン酸、及びパルミチン酸トリグリセリド;リノール酸、オレイン酸、α-リノレン酸、及びパルミチン酸トリグリセリド;リノール酸、オレイン酸、及びステアリン酸トリグリセリド;三酢酸グリセリル;トリカプリル酸グリセリル;硬質脂肪又はそれらのいかなる混合物から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 少なくとも1つの界面活性剤が、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル;ポリオキシエチレン(2)オレオイルエーテル;モノオレイン酸グリセリル;カプリル酸及びカプリン酸モノグリセリド/ジグリセリド;モノカプリル酸グリセリル;モノカプリル酸プロピレングリコレート;ポリオキシル-35硬化ひまし油;ポリオキシル-40硬化ひまし油;ラウロイルポリオキシル-32グリセリド;ステアロイルポリオキシル-32グリセリド;ヒドロキシステアリン酸ポリオキシル-15;ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのトリブロック共重合体;オレオイルポリオキシル-6グリセリド;リノレオイルポリオキシル-6グリセリド;ラウロイルポリオキシル-6グリセリド;カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド;モノラウリン酸プロピレングリコール;ステアリン酸ポリオキシル-40;ジアセチル化モノグリセリド;ジオレイン酸ポリグリセリル-3;モノラウリン酸ソルビタン;モノオレイン酸ソルビタン;セスキオレイン酸ソルビタン;トリオレイン酸ソルビタン;モノステアリン酸グリセリル;コハク酸d-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン;モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン;及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン又はそれらのいかなる混合物から選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 少なくとも1つの溶媒が、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール6000、プロパン-1,2,3-トリオール、(z)-オクタデク-9-エニルアミン、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、2-ピロリドン、テトラエチレングリコール及びジエチレングリコールモノエチルエーテル又はそれらのいかなる混合物から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 少なくとも1つの添加剤が、付着防止剤;結合剤;香味料;顔料;崩壊剤;流動促進剤;流動調節剤;酸化防止剤;甘味料;及び分解剤;又はそれらの混合物から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記自己ナノ乳化型薬物送達システムは、前記自己ナノ乳化型薬物送達システム及び前記混合物の総質量に対して、1~30質量%で存在する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記自己ナノ乳化型薬物送達システムの総質量に対して、
    (i)は0.1~15質量%で存在し;
    (ii)は5~40質量%で存在し;
    (iii)は5~60質量%で存在し;
    (iv)は10~50質量%で存在し;
    (v)は0~25質量%で存在する、
    請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の方法によって得られる固体自己ナノ乳化型薬物送達システム。
  14. 栄養補助食品又は医薬品である、請求項13に記載の固体自己ナノ乳化型薬物送達システム。
  15. 医薬品として用いるための、請求項13に記載の固体自己ナノ乳化型薬物送達システム。
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