JP2024511165A - バンコマイシンと組み合わせたリファマイシン類似体およびその使用 - Google Patents

バンコマイシンと組み合わせたリファマイシン類似体およびその使用 Download PDF

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Abstract

本開示は、細菌の増殖(例えば、黄色ブドウ球菌の増殖)を阻害して細菌感染症(例えば、黄色ブドウ球菌感染)を治療することができる、バンコマイシンと組み合わせたリファマイシン類似体化合物、ならびにそれを含む医薬組成物および剤形に関する。本開示はさらに、バンコマイシンと組み合わせたリファマイシン類似体化合物を用いて細菌の増殖を阻害し、細菌感染症を治療し、かつ疾患を治療するためのその使用方法に関する。本開示はさらに、リファマイシン類似体化合物および/またはバンコマイシンの効力を増強する方法に関する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月26日に出願された米国特許仮出願第63/166,597号に対する優先権を主張するものであり、その開示は、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、細菌の増殖を阻害して細菌感染症を治療するためにバンコマイシンと組み合わせて使用されるリファマイシン類似体化合物と、リファマイシン類似体およびバンコマイシンを含む医薬組成物および剤形と、それらの使用方法と、に関する。
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus、S.aureus)は、フィルミクテス門に属するグラム陽性の丸い形をした細菌で、体内の微生物叢の通常のメンバーであり、上気道および皮膚で頻繁に見出される。黄色ブドウ球菌は、多くの場合、カタラーゼおよび硝酸塩還元に陽性であり、酸素を必要とせずに増殖することができる通性嫌気性菌である。黄色ブドウ球菌は通常、ヒト微生物叢の片利共生体として働くが、日和見病原体になる可能性もあり、膿瘍を含む皮膚感染症、副鼻腔炎などの呼吸器感染症、および食中毒の一般的な原因となる。病原性株は、多くの場合、強力なタンパク質毒素などの病原性因子の産生、および抗体に結合して不活化する細胞表面タンパク質の発現によって感染を促進する。
人口のうち推定で20%~30%は、黄色ブドウ球菌の長期保菌者であり、黄色ブドウ球菌は、正常な皮膚細菌叢の一部として、鼻孔内に、また女性の下部生殖管の常在菌として見出される。黄色ブドウ球菌は、吹き出物、膿痂疹、おでき、蜂巣炎、毛嚢炎、癰、熱傷様皮膚症候群、膿瘍などの軽度の皮膚感染症から、肺炎、髄膜炎、骨髄炎、心内膜炎、毒素性ショック症候群、菌血症、敗血症などの生命を脅かす疾患まで、様々な病気の原因となる可能性がある。黄色ブドウ球菌は、依然として院内感染の最も一般的な5種類の原因のうちの1つであり、手術後の創傷感染の原因となることが多い。毎年、米国の病院では約500,000人の患者が、主に黄色ブドウ球菌によるブドウ球菌感染症に罹患している。米国では毎年最大50,000人が黄色ブドウ球菌感染症に関連して死亡している。非特許文献1。多くの研究開発にもかかわらず、現時点では黄色ブドウ球菌に対するワクチンは承認されていない。
当初、黄色ブドウ球菌感染症に対する最適治療法は、ペニシリンであった。1943年にペニシリンが初めて導入されたとき、黄色ブドウ球菌の抗生物質耐性は、まれであった。1950年までに、分離された院内黄色ブドウ球菌の40%がペニシリン耐性を示し、1960年までに、この割合が80%に上昇した。非特許文献2。現在、黄色ブドウ球菌は、一般的に使用される多くの抗生物質に対して耐性を持つようになっている。
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの抗生物質耐性黄色ブドウ球菌株の出現は、臨床医学における世界的な問題である。MRSA株は、病院などの施設に関連して見出されることが最も多いが、市中感染症においてもますます蔓延している。MRSAは、ほとんどのβ-ラクタム系抗生物質に対して耐性を持つようになった、非常に恐れられている数ある黄色ブドウ球菌株の1つである。病院および地域社会の両方におけるMRSA感染症は、一般にクリンダマイシン(リンコサミン系の一種)およびコトリモキサゾール(トリメトプリム/スルファメトキサゾールとしても一般的に既知)などの非β-ラクタム系抗生物質で治療される。これらの抗生物質に対する耐性により、経口薬として入手可能であることから、リネゾリドなどの新しい広域スペクトラム抗グラム陽性菌抗生物質の使用もまたもたらしている。MRSAによる重篤な侵襲性感染症に対する第一選択の治療法は、現在、糖ペプチド抗生物質(バンコマイシンおよびテイコプラニン)である。これらの抗生物質では、静脈内投与の必要性(経口用製剤は利用できない)、毒性、血液検査による薬物濃度の定期的な監視の必要性など、多くの問題が生じる。また、糖ペプチド抗生物質は、感染組織にはあまり浸透しない(これは脳および髄膜の感染症、および心内膜炎の場合に特に懸念される)。したがって、一般に黄色ブドウ球菌に対する新規抗生物質治療、特に細胞内黄色ブドウ球菌感染症への対処において、満たされていない強いニーズが存在する。
アンサマイシン抗生物質ファミリーのサブクラスであるリファマイシン類は、細菌Amycolatopsis rifamycinicaによって天然でまたは人工的でのいずれかで合成される抗生物質の一群である。リファマイシン類は、マイコバクテリアに対して特に有効であるため、結核、ハンセン病、およびマイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス(MAC)感染症の治療に使用される。リファマイシングループには、「古典的な」リファマイシン薬剤のほか、リファマイシン類似体であるリファンピシン(またはリファンピン)、リファブチン、リファペンチン、リファラジルおよびリファキシミンが含まれる。商品名Aemcoloで販売されているリファマイシンSVは、状況によっては旅行者下痢症の治療用としてFDAから承認されている。
リファマイシン系抗生物質は、細菌性RNAポリメラーゼ(RNAP)を阻害し、黄色ブドウ球菌に対して強力な活性を有する。しかし、このクラスの抗生物質による単独療法では、治療中に耐性個体群の選択につながる可能性がある。したがって、リファマイシン系抗生物質は、第一選択の抗生物質と併用して、一般的にプロテーゼまたは異物が関与する感染症の転帰を改善することができる。
バンコマイシンは、黄色ブドウ球菌感染症を含むグラム陽性菌感染症の治療に非常に重要な抗生物質である。バンコマイシンは、脂質II分子のD-ala-D-ala末端および/または新生ペプチドグリカンに結合することによって機能し、細胞壁の成熟を防ぐことが提案されていた。バンコマイシンは、抗生物質耐性黄色ブドウ球菌感染症など、抗生物質に耐性のある感染症の治療に使用される。したがって、バンコマイシンが「最終手段の抗生物質」と呼ばれてきたのは、他のすべての抗生物質に対して耐性になった菌株が原因のグラム陽性菌感染症の治療に最後に残された選択肢であることが多いからである。バンコマイシンに対する耐性は、約15年前に初めて出現し、耐性の頻度は増加している。出現したバンコマイシン耐性株と戦うためのさらなる治療法を開発するために多くの努力が払われてきた。
したがって、抗生物質耐性黄色ブドウ球菌株を含む抗生物質耐性細菌の増大する問題に対処するために、効果的な抗生物質を開発するという満たされていない強いニーズが存在する。バンコマイシンおよび他の既存の抗生物質の効力を増強する必要性もまた存在する。
前述の議論は、当技術分野が直面している問題の性質をより良く理解することのみを目的として提示されたものであり、いかなる形式でも先行技術として容認するものと解釈されるべきでもなく、また、本明細書におけるいかなる参考文献の引用も、そのような参照が本出願の「先行技術」を構成するという容認として解釈されるべきでもない。
Schlecht LM et al.,2015,Microbiology,161,1,168-181 Chambers HF,2001,Emerging Infectious Diseases,7,2,178-82
本明細書で考察するように、細菌感染症全般、特に黄色ブドウ球菌感染症に対する効果的な治療法を開発することが強く求められている。本開示は、リファマイシン類似体化合物とバンコマイシンとの組み合わせ、ならびにそれを含む医薬組成物および剤形、ならびにそのような化合物および医薬組成物に基づく治療方法を提供することにより、これらのニーズおよび他のニーズに対処する。
様々な非限定的な態様および実施形態を以下に記載する。
一態様では、本開示は、細菌の増殖を予防または阻害する方法であって、有効量の
a)
および
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含む方法を提供する。
一実施形態では、a)の化合物は、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩である。一実施形態では、a)の化合物は、化合物(II)またはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、細菌は、グラム陽性菌である。一実施形態では、細菌は、ペニシリン耐性細菌またはメチシリン耐性細菌である。
一実施形態では、細菌は、黄色ブドウ球菌である。一実施形態では、細菌は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)およびメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)から選択される。一実施形態では、細菌は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)である。
別の態様では、本開示は、細菌感染症の治療を必要とする対象において細菌感染症を治療する方法であって、対象に有効量の
a)
および
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含む方法を提供する。
一実施形態では、a)の化合物は、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩である。一実施形態では、a)の化合物は、化合物(II)またはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、細菌感染症は、グラム陽性菌が原因である。一実施形態では、細菌感染症は、ペニシリン耐性細菌またはメチシリン耐性細菌が原因である。
一実施形態では、細菌感染症は、黄色ブドウ球菌が原因である。一実施形態では、細菌感染症は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)およびメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)から選択される細菌が原因である。一実施形態では、細菌感染症は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が原因である。
一実施形態では、細菌感染症は、蜂巣炎、菌血症、皮膚壊死症、眼瞼感染症、眼感染症、新生児結膜炎、骨髄炎、膿痂疹、おでき、熱傷様皮膚症候群、食中毒、肺炎、外科的感染症、尿路感染症、熱傷感染、髄膜炎、心内膜炎、敗血症、毒素性ショック症候群、関節膿症、乳腺炎、人工関節に関連する感染症、カテーテルに関連する感染症、およびインプラントに関連する感染症から選択される。
別の態様では、本開示は、疾患の予防または治療を必要とする対象において疾患を予防または治療する方法であって、対象に有効量のa)
および
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含み、
疾患は、蜂巣炎、菌血症、皮膚壊死症、眼瞼感染症、眼感染症、新生児結膜炎、骨髄炎、膿痂疹、おでき、熱傷様皮膚症候群、食中毒、肺炎、外科的感染症、尿路感染症、熱傷感染、髄膜炎、心内膜炎、敗血症、毒素性ショック症候群、関節膿症、乳腺炎、人工関節に関連する感染症、カテーテルに関連する感染症、およびインプラントに関連する感染症から選択される、方法を提供する。
別の態様では、本開示は、バンコマイシンまたはその誘導体の効力を増強する方法であって、それを必要とする対象に有効量の
a)
および
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。
さらに別の態様では、本開示は、
および
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の効力を増強する方法を提供し、当該方法は、有効量の化合物(I)または(II)をバンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて、それを必要とする対象に投与することを含む。
一実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩は、経口、皮下、または静脈内で投与される。一実施形態では、バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩は、経口、皮下、または静脈内で投与される。
一実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩、およびバンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩は、単一剤形で投与される。一実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩、およびバンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩は、別個の剤形で投与される。
一実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩、およびバンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩は、同日に投与される。一実施形態において、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩、およびバンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩は、同時に投与される。
一実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩、およびバンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩は、同日には投与されない。一実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩、およびバンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩は、連日投与される。
一実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩、およびバンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩は、連続しない別個の日に投与される。
一実施形態では、バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩は、1日2回投与される。一実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。
一実施形態では、対象は、ヒトである。
一態様では、本開示は、医薬組成物であって、a)
および
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、
c)薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物を提供する。
一実施形態では、医薬組成物は、約0.01mg~約5000mgのバンコマイシンまたはその誘導体を含む。
一実施形態では、医薬組成物は、約0.001mg~約5000mgの化合物(I)または(II)を含む。一実施形態では、医薬組成物は、約0.01mg~約500mgの化合物(I)または(II)を含む。
医薬剤形であって、a)
および
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、
c)薬学的に許容されるビヒクルと、を含む、医薬剤形。
一実施形態では、剤形は、経口剤形または注射可能な剤形である。
一実施形態では、医薬剤形は、約0.01mg~約5000mgのバンコマイシンまたはその誘導体を含む。一実施形態では、医薬剤形は、約0.001mg~約5000mgの化合物(I)または(II)を含む。一実施形態では、医薬剤形は、約0.01mg~約500mgの化合物(I)または(II)を含む。
一実施形態では、医薬剤形は、単回投与用に製剤化される。一実施形態では、医薬剤形は、複数回投与用に製剤化される。
さらに別の態様では、本開示は、キットであって、a)
および
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む第1の容器と、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩を含む第2の容器と、
c)化合物(I)または(II)およびバンコマイシンまたはその誘導体の投与に関する説明書と、を備える、キットを提供する。
一実施形態では、第1の容器は、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩を含む。一実施形態では、第1の容器は、化合物(II)またはその薬学的に許容される塩を含む。
本開示のこれらの態様および他の態様は、添付の特許請求の範囲を含む本開示の以下の詳細な説明を読むことで、当業者には明らかになるであろう。
バンコマイシンと組み合わせてリファンピシンで処置されたマウスにおける黄色ブドウ球菌NRS384腎臓負荷の中央値の棒グラフである。 本開示によるリファマイシン類似体(I)および(II)をバンコマイシンと組み合わせて処置されたマウスにおける黄色ブドウ球菌NRS384腎臓負荷の中央値の棒グラフである。 バンコマイシンと併用して、またはバンコマイシンと併用せずに、リファンピシンまたは本開示によるリファマイシン類似体(II)で処置したマウスにおける黄色ブドウ球菌NRS384腎臓負荷の中央値の棒グラフである。 本開示によるリファンピシンまたはリファマイシン類似体(I)および(II)をバンコマイシンと組み合わせて処置されたマウスにおける黄色ブドウ球菌N315腎臓負荷の中央値の棒グラフである。
本開示の詳細な実施形態が本明細書に開示される。しかしながら、開示された実施形態は、様々な形態で具体化され得る本開示の単なる例示にすぎないことを理解されたい。さらに、本開示の様々な実施形態に関連して与えられた例のそれぞれは、例示を目的とするものであり、限定するものではない。したがって、本明細書に開示される特定の構造および機能の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、本開示を様々に使用することを当業者に教示するための代表的な基礎としてのみ解釈されるべきである。
定義
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかにそうでないことが示されていない限り、複数の言及を含む。したがって、例えば、「方法」への言及には、1つ以上の方法、および/または本明細書に記載されるタイプのステップ、および/または本開示を読むことで当業者に明らかになるものが含まれる。
状態、障害もしくは病状を「治療する」または状態、障害もしくは病状の「治療」という用語には、(1)対象において生じる状態、障害もしくは病状の少なくとも1つの臨床症状もしくは亜臨床症状の出現を予防または遅延させるか、その発生率および/もしくは可能性を低減させること、(対象は、その状態、障害、もしくは病状に罹患しているか、もしくはかかりやすくなっている可能性があるが、その状態、障害、もしくは病状の臨床症状もしくは亜臨床症状をまだ経験または呈していない);あるいは、(2)状態、障害もしくは病状を阻害する、すなわち、疾患の発症もしくはその再発、またはその少なくとも1つの臨床症状もしくは亜臨床症状を阻止、軽減もしくは遅延させること;あるいは、(3)疾患を軽減する、すなわち、状態、障害もしくは病状、またはその臨床症状もしくは亜臨床症状の少なくとも1つを退行させることが含まれる。治療を受ける対象者にとっての利益は、統計的に有意であるか、または患者もしくは医師が少なくとも認識できるものである。
本明細書で使用される「対象」または「患者」または「個体」または「動物」とは、ヒト、獣医動物(例えば、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタなど)および疾患の実験動物モデル(例えば、マウス、ラット)を指す。一実施形態では、対象は、ヒトである。
本明細書で使用される場合、用量または量に適用される「有効な」という用語は、それを必要とする対象に投与したときに所望の活性をもたらすのに十分な化合物または医薬組成物の量を指す。活性成分の組み合わせが投与される場合、その組み合わせの有効量には、個別に投与された場合に有効であったであろう各成分の量が含まれる場合も含まれない場合もあることに留意されたい。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢、全身状態、治療される病状の重症度、使用される特定の薬剤、投与方法などに応じて、対象ごとに異なるであろう。
本開示の組成物と関連して使用される「薬学的に許容される」という語句は、生理学的に許容され、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与された場合に通常は好ましくない反応を生じない、そのような組成物の分子実体および他の成分を指す。好ましくは、本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、連邦政府または州政府の規制当局によって承認されているか、哺乳動物、より具体的にはヒトでの使用について米国薬局方または他の一般に認められている薬局方に収載されているものを意味する。
本明細書で使用される「治療有効量」という語句は、それが投与されることによって所望の効果を生み出す量を指す。正確な量は治療の目的に依存し、既知の技術を使用して当業者によって確認可能である(例えば、Lloyd(1999)The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Comoundingを参照)。
本明細書では、範囲は、「約」または「およそ」ある特定の値から、および/または「約」または「およそ」別の特定の値までとして表現され得る。このような範囲が表現される場合、別の実施形態には、1つの特定の値からおよび/または他の特定の値までが含まれる。
「含む(comprising)」または「含有する(containing)」または「含む(including)」とは、少なくとも示された化合物、元素、粒子、または方法ステップが、組成物または物品または方法中に存在することを意味するが、たとえ他の化合物、材料、粒子、または方法ステップが示されたものと同じ機能を持っていたとしても、そのような他の化合物、材料、粒子、または方法ステップの存在を除外するものではない。
本開示の化合物には、本明細書に一般的に記載される化合物が含まれ、本明細書に開示されるクラス、サブクラス、および種によってさらに例示される。本明細書で使用される場合、別段の指示がない限り、以下の定義が適用されるものとする。この開示の目的のために、化学元素は、元素周期表、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.に従って特定される。さらに、有機化学の一般原理は、「Organic Chemistry」、Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999、および「March’s Advanced Organic Chemistry」,5th Ed.,Ed.:Smith,M.B.and March,J.,John Wiley & Sons,New York:2001に記載されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。保護基の化学は、例えば、Wuts and Greene,Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis,4th Ed.,John Wiley&Sons:New York,2006に見出すことができる。
特に明記しない限り、本明細書に示される構造は、構造のすべての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何学的(または立体配座))形態を含むことも意味し、例えば、各不斉中心のRおよびS配置、(Z)および(E)二重結合異性体、(Z)および(E)立体配座異性体である。したがって、本発明の化合物の単一の立体化学異性体、ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何学的(または立体配座的)混合物は、本開示の範囲内である。
特に明記しない限り、本開示の化合物のすべての互変異性体は、本開示の範囲内である。
さらに、特に明記しない限り、本明細書に示される構造は、1つ以上の同位体富化原子の存在においてのみ異なる化合物を含むことも意味する。例えば、ジュウテリウムもしくはトリチウムによる水素の置換、または11C富化炭素もしくは13C富化炭素もしくは14C富化炭素による炭素の置換、または17O富化酸素もしくは18O富化酸素による酸素の置換、または15N富化窒素による窒素の置換を除いて、本構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。
1つ以上の方法ステップの言及は、明示的に特定されたそれらのステップ間における追加の方法ステップまたは介在する方法ステップの存在を排除するものではないことも理解されるべきである。同様に、デバイスまたはシステム内の1つ以上のコンポーネントについての言及は、明示的に特定されたコンポーネント間における追加コンポーネントまたは介在コンポーネントの存在を排除するものではないことも理解されたい。
特に明記しない限り、本開示の化合物およびその塩のすべての結晶形も本開示の範囲内である。本開示の化合物は、無水、水和、非溶媒和、または溶媒和された非晶質および結晶多形を含むが、これらに限定されない、様々な非晶質および結晶多形で単離され得る。水和物の例としては、半水和物、一水和物、二水和物などが挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、無水であり、溶媒和されていない。「無水」とは、化合物の結晶形が結晶格子構造中に結合水を本質的に含まないこと、すなわち、化合物が結晶性水和物を形成しないことを意味する。
本明細書で使用される場合、「結晶形態」は、結晶質物質の特定の格子配置を指すことを意味する。同じ物質の異なる結晶形(多形形)は通常、それぞれの結晶形に特徴的な異なる物理的特性に起因する異なる結晶格子(例えば、単位格子)を有する。場合によっては、格子構成が異なると、水または溶媒の含有量も異なる。異なる結晶格子は、粉末X線回折(PXRD)などの固体特性評価法によって識別することができる。示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、動的蒸気収着(EVS)、固体NMRなどの他の特性評価方法は、結晶形態の同定にさらに役立ち、安定性および溶媒/水分含有量の決定にも役立つ。
物質の結晶形には、溶媒和(例えば、水和)形態と非溶媒和(例えば、無水)形態の両方が含まれる。水和形態は、結晶格子に水を含む結晶形である。水和形態は、化学量論的水和物であり、半水和物、一水和物、二水和物などのように、水が特定の水/分子比で格子内に存在する。水和形態は、非化学量論的になる可能性もあり、その場合、水分含量は変化し、湿度などの外部条件に依存する。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、実質的に単離される。「実質的に単離された」とは、特定の化合物が不純物から少なくとも部分的に単離されていることを意味する。例えば、いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約2.5%未満、約1%未満、または約0.5%未満の不純物を含む。不純物には、一般に、例えば、他の結晶形および他の物質を含む、実質的に単離された化合物ではないあらゆるものが含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「抗生物質」(abxまたはAbx)には、細菌などの微生物の増殖を特異的に阻害するか、または殺傷するが、投与される濃度および投与間隔では宿主に対して非致死性である任意の分子が含まれる。特定の態様では、抗生物質は、投与された濃度および投与間隔では宿主に対して無毒である。細菌に対して有効な抗生物質は、殺菌性(すなわち、直接殺傷する)または静菌性(すなわち、分裂を防止する)のいずれかにおおまかに分類することができる。抗菌抗生物質は、狭域スペクトルまたは広域スペクトルにさらに下位分類することができる。広域スペクトルの抗生物質は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌の両方を含む広範囲の細菌に対して有効な抗生物質であり、より狭い範囲の細菌または特定のファミリーの細菌に対して効果的な抗生物質である狭域スペクトルの抗生物質とは対照的である。抗生物質の例には、アミノグリコシド類、例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロマイシン、アンサマイシン類、例えば、ゲルダナマイシン、ハービマイシン、カルバセフェム類、例えば、ロラカルベフ、カルバペネム類、例えば、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、セファロスポリン類(第一世代)、例えば、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン、セファレキシン、セファロスポリン類(第二世代)、例えば、セフラクロール、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セファロスポリン類(第三世代)、例えば、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロスポリン(第四世代)、例えば、セフェピム、セファロスポリン(第五世代)、例えば、セフトビプロール、糖ペプチド類、例えば、テイコプラニン、バンコマイシン、マクロライド類、例えば、アキシスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スペクチノマイシン、モノバクタム類、例えば、アクストレオナム、ペニシリン類、例えば、アモキシシリン、アンピシリン、アキスロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリン、ペペラシリン、チカルシリン、抗生物質ポリペプチド類、例えば、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、キノロン類、例えば、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、レメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オルフロキサシン、トロバフロキサシン、スルホンアミド類、例えば、マフェニド、プロントシル、スルファセトアミド、スルファメチゾール、スルファニルアミド、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、トリメトプリム、トリメトプリム-スルファメトキサゾール(TMP-SMX)、テトラサイクリン類、例えば、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、およびその他の、アルスペナミン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン、エタンブトール、ホスホマイシン、フシジック酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン、ピラジナミド、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、リファンピン/リファンピシンまたはチミダゾールなどが挙げられる。
「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」(MRSA)という用語は、代替的に多剤耐性黄色ブドウ球菌またはオキサシリン耐性黄色ブドウ球菌(ORSA)としても知られ、ペニシリン系(例えば、メチシリン、ジクロキサシリン、ナフシリン、オキサシリンなど)およびセファロスポリン類を含むβラクタム系抗生物質に耐性のある黄色ブドウ球菌の任意の株を指す。「メチシリン感受性黄色ブドウ球菌」(MSSA)は、βラクタム系抗生物質に感受性のある黄色ブドウ球菌の任意の株を指す。
本明細書で使用される「バンコマイシン誘導体」という用語は、バンコマイシンに由来する構造を有し、バンコマイシンと同一または実質的に類似の生物学的活性および物理化学的性質を示す化合物を指す。例としては、バンコマイシンの塩、エステル、アミド、エステルまたはアミドの塩、およびN-オキシドが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書の開示の文脈において、バンコマイシンの生物学的活性への言及は、グラム陽性細菌の増殖に対するその阻害活性または殺生物活性を指す。
本開示の化合物
前述の目的およびその他の目的に従って、本開示は、バンコマイシンと組み合わせたリファマイシン類似体化合物、およびその薬学的に許容される塩、ならびにそれを含む医薬組成物および剤形、ならびにそのような治療が必要な対象において細菌の増殖を阻害するための方法および/または細菌感染症を治療するための方法を提供する。
一態様では、本開示は、以下の構造:
および
によるリファマイシン類似体(I)および(II)、またはその薬学的に許容される塩を、バンコマイシンまたはその薬学的に許容される塩と組み合わせて提供する。
バンコマイシンは、多くの細菌感染症の治療に使用される抗生物質であり、例えば、複雑性皮膚感染症、血流感染症、心内膜炎、骨および関節の感染症、および黄色ブドウ球菌、例えば、MRSAによって引き起こされる髄膜炎の治療法として使用される。バンコマイシンは、以下の化学構造を有する:

一実施形態では、リファマイシン類似体は、バンコマイシンと組み合わせて使用される。別の実施形態では、リファマイシン類似体は、バンコマイシンの誘導体と組み合わせて使用される。一実施形態では、本明細書で使用されるバンコマイシン誘導体は、バンコマイシンに由来する構造を有し、バンコマイシンと同一または実質的に類似の生物学的活性および物理化学的特性を示す。例としては、バンコマイシンの塩、エステル、アミド、エステルまたはアミドの塩、およびN-オキシドが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書の開示の文脈において、バンコマイシンの生物学的活性への言及は、グラム陽性細菌の増殖に対するその阻害活性または殺生物活性を指す。
一実施形態では、バンコマイシンまたはその誘導体と組み合わせて使用されるリファマイシン類似体は、リファマイシン類似体(I)、またはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、バンコマイシンと組み合わせて使用されるリファマイシン類似体は、リファマイシン類似体(II)、またはその薬学的に許容される塩である。
一態様では、リファマイシン類似体(I)または(II)は、ダプトマイシンと組み合わせて使用される。
一態様では、リファマイシン類似体(I)または(II)は、β-ラクタム系抗生物質と組み合わせて使用される。非限定的な例としては、ペニシリンおよびその誘導体(ペナム類)、セファロスポリンおよびその誘導体(セフェム類)、モノバクタム類、カルバペネム類およびカルバセフェム類が挙げられる。
一態様では、リファマイシン類似体は、バンコマイシンまたはその誘導体と組み合わせて使用され、さらに第3の活性薬剤、例えば、第3の抗生物質と組み合わせて使用される。
一実施形態では、第3の抗生物質は、黄色ブドウ球菌に対して有効である。
一実施形態では、第3の抗生物質は、アミノグリコシド、β-ラクタム、マクロライド、環状ペプチド、テトラサイクリン、フルオロキノリン、フルオロキノロン、およびオキサゾリジノンから選択される。
本開示にはまた、本明細書に記載の化合物の塩も含まれる。本明細書で使用される場合、「塩」とは、既存の酸部分または塩基部分をその塩の形態に変換することによって親化合物が修飾された、開示された化合物の誘導体を指す。塩の例には、アミンなどの塩基性残基の鉱酸(HCl、HBr、HSOなど)または有機酸(酢酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸塩の塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ(Li、Na、K、Mg、Caなど)の塩または有機(トリアルキルアンモニウムなど)の塩などが挙げられるが、これらに限定されない。本出願の塩は、塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から従来の化学的方法により合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸形態または遊離塩基形態を、水中もしくは有機溶媒中、または両者の混合物中で化学量論量の適切な塩基または酸と反応させることによって調製することができる。いくつかの実施形態では、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリル(ACN)などの非水性媒体が使用されてもよい。
本出願にはまた、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩も含まれる。「薬学的に許容される塩」には、例えば、非毒性の無機酸または有機酸から形成される親化合物の従来の非毒性塩である、上記の「塩」のサブセットが含まれる。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418およびBerge,SM et al.,Journal of Pharmaceutical Science,1977,66,1,1-19に見出される。「薬学的に許容される」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしくは合併症なしにヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに好適であり、合理的な利益/リスク比に見合った化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すために本明細書で使用される。
本明細書に示されるリファマイシン類似体化合物には、化合物のすべての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何学的(または立体配座))形態が含まれ、例えば、各不斉中心のRおよびS配置、(Z)および(E)二重結合異性体、(Z)および(E)立体配座異性体である。したがって、本発明の化合物の単一の立体化学異性体、ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何学的(または立体配座的)混合物は、本開示の範囲内である。本明細書に提示される化合物のすべての互変異性体もまた、本開示の範囲内である。
本明細書に記載のリファマイシン類似体化合物には、1つ以上の同位体富化原子の存在のみが異なるすべての化合物も含まれる。例えば、ジュウテリウムもしくはトリチウムによる水素の置換、または11C富化炭素もしくは13C富化炭素もしくは14C富化炭素による炭素の置換、または17O富化酸素もしくは18O富化酸素による酸素の置換、または15N富化窒素による窒素の置換を除いて、本構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。
本開示の化合物およびその塩の結晶形もまた、本開示の範囲内である。本開示の化合物は、無水、水和、非溶媒和、または溶媒和された非晶質および結晶多形を含むが、これらに限定されない、様々な非晶質および結晶多形で単離され得る。水和物の例としては、半水和物、一水和物、二水和物などが挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、無水であり、溶媒和されていない。「無水」とは、化合物の結晶形が結晶格子構造中に結合水を本質的に含まないこと、すなわち、化合物が結晶性水和物を形成しないことを意味する。
医薬組成物および剤形
本開示はまた、本明細書に記載のリファマイシン類似体化合物およびバンコマイシンを含む医薬組成物を提供する。医薬品として使用される場合、リファマイシン類似体およびバンコマイシンは、リファマイシン類似体およびバンコマイシンと薬学的に許容される担体との組み合わせである医薬組成物の形態で投与することができる。これらの組成物は、製薬分野で周知の方法で調製することができ、様々な経路で投与することができる。このような医薬組成物は、全身投与することができる。本明細書で使用される用語「全身性」には、非経口、局所、経皮、経口、吸入/肺、直腸、経鼻、口腔、および舌下投与が含まれる。本明細書で使用される「非経口」という用語には、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、頭蓋内、および腹腔内投与が含まれる。いくつかの実施形態において、化合物は、細菌感染症(例えば、黄色ブドウ球菌感染症)を治療するために治療有効量で、経口、局所、鼻腔内、静脈内、筋肉内、または皮下に投与される。
リファマイシン類似体およびバンコマイシンを含有する医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体と組み合わせて調製することができる。本開示の組成物を製造する際、活性成分は、典型的には賦形剤と混合されるか、賦形剤によって希釈されるか、または、例えば、カプセル、サシェ、紙、または他の容器の形態でそのような担体内に封入される。賦形剤が希釈剤として機能する場合、賦形剤は、活性成分のビヒクル、担体、または媒体として機能する、固体、半固体、または液体の材料であり得る。したがって、組成物は、錠剤、丸剤、粉末、トローチ剤、サシェ、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液体媒体中で)、例えば、最大10重量%の活性化合物を含有する軟膏、ソフトゼラチンカプセルおよびハードゼラチンカプセル、坐剤、滅菌注射液、および滅菌包装粉末の形態であり得る。
いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、液体形態である。液体形態には、非限定的な例として、エマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、スラリー、分散液、コロイドなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、液体、半固体、または固体(例えば、粉末)の形態である。特定の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、半固体の形態、例えば、ゲル、ゲルマトリックス、クリーム、ペーストなどである。いくつかの実施形態では、半固体形態は、液体ビヒクルを含む。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、錠剤、顆粒、サシェ、または粉末などの固体剤形である。また、溶解錠剤、溶解ウエハース、カプセル、またはゲルカプセルの形態の本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物も提供される。特定の実施形態では、本明細書に記載の固体剤形は、(例えば、錠剤で使用されるような)固体ビヒクルおよび/または(例えば、DPIで使用されるような)気体ビヒクルを含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、患者への経口、鼻腔内、静脈内、または他の投与のための単位用量製剤中にある。「単位剤形」という用語は、ヒト対象および他の哺乳類に対する単一剤形として好適な物理的に別個の単位を指し、各単位は、好適な医薬賦形剤と共に、所望の治療効果を生み出すように計算された所定量の活性物質を含む。
バンコマイシンと組み合わせた本開示によるリファマイシン類似体は、広い用量範囲にわたって有効であり得、一般に薬学的に有効な量で投与される。しかしながら、実際に投与される化合物および/または化合物の組み合わせの量は、通常、治療される病状、選択された投与経路、実際の投与量、投与された化合物、個々の患者の年齢、体重、反応、患者の症状の重症度などの関連状況に従って医師によって決定されることが理解されるであろう。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物または単位剤形は、エマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、スラリー、分散液、コロイド、溶解錠剤、溶解ウエハース、カプセル、ゲルカプセル、半固体、固体ホルマゲル、ゲルマトリックス、クリーム、ペースト、錠剤、顆粒、サシェ、粉末などとして投与される。
特定の態様では、約0.000001mg~約10000mg、約0.00001mg~約5000mg、約0.0001mg~約1000mg、約0.005mg~約750mg、約0.001mg~約500mg、約0.01mg~約300mg、約1mg~約200mg、約5mg~約500mg、約10mg~約750mg、約50mg~約1000mg、約100mg~約750mg、約125mg~約600mg、または約200mg~約500mg、または約50mg、または約75mg、または約100mg、または約150mg、または約200mg、または約250mg、または約300mg、または約400mg、または約500mg、または約600mg、または約700mg、または約750mg、または約1000mgの本明細書に提供されるリファマイシン類似体(I)または(II)が、1日当たりまたは用量当たりで個体に投与される。
特定の態様では、約0.0001mg/kg~約10000mg/kg、約0.001mg/kg~約5000mg/kg、約0.01mg/kg~約1000mg/kg、約0.1mg/kg~約750mg/kg、または約0.125mg/kg~約600mg/kg、または約0.25mg/kg~約300mg/kg、または約0.5mg/kg~約100mg/kg、または約1mg/kg~約50mg/kg、または約0.001mg/kg~約50mg/kgの、または約0.002mg/kg~約25mg/kg、または約0.01mg/kg~約25mg/kg、または約0.02mg/kg~約25mg/kg、または約0.05mg/kg~約25mg/kg、または約0.01mg/kg~約25mg/kg、または約0.25mg/kg~約25mg/kgのリファマイシン類似体(I)または(II)が、1日当たりまたは用量当たりで個体に投与される。
特定の態様では、約0.001mg~約10000mg、約0.1mg~約5000mg、約1mg~約3000mg、約10mg~約2000mg、約100mg~約1000mg、約250mg~約750mg、または約100mg、または約200mg、または約250mg、または約300mg、または約400mg、または約500mg、または約600mg、または約700mg、または約750mg、または約1000mg、または約1500mg、または約2000mgのバンコマイシンまたはその誘導体が、1日当たりまたは用量当たりで個体に投与される。
特定の態様では、0.0001mg/kg~約10000mg/kg、約0.001mg/kg~約5000mg/kg、約0.01mg/kg~約1000mg/kg、約0.1mg/kg~約750mg/kg、または約0.125mg/kg~約600mg/kg、または約0.25mg/kg~約300mg/kg、または約0.5mg/kg~約100mg/kg、または約1mg/kg~約50mg/kg、または約0.001mg/kg~約50mg/kgの、または約0.002mg/kg~約25mg/kg、または約0.01mg/kg~約25mg/kg、または約0.02mg/kg~約25mg/kg、または約0.05mg/kg~約25mg/kg、または約0.01mg/kg~約25mg/kg、または約0.25mg/kg~約25mg/kgのバンコマイシンまたはその誘導体が、1日当たりまたは用量当たりで個体に投与される。
製剤を調製する際、他の成分と組み合わせる前に、活性化合物を粉砕して適切な粒子サイズを提供することができる。活性化合物が実質的に不溶性である場合、その活性化合物を200メッシュ未満の粒径まで粉砕することができる。活性化合物が実質的に水溶性である場合、製剤中で実質的に均一な分布を提供するために、粉砕によって粒子サイズを、例えば、約40メッシュに調整することができる。好適な賦形剤のいくつかの例には、乳糖、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、およびメチルセルロースが挙げられる。製剤にはさらに、タルク、ステアリン酸マグネシウム、鉱油などの潤滑剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁剤;メチルヒドロキシ安息香酸エステルおよびプロピルヒドロキシ安息香酸エステルなどの防腐剤;甘味料;および香料剤を挙げることができる。本開示の組成物は、当該技術分野で知られている手順を使用することによって、患者への投与後に活性成分の迅速な放出、持続放出、または遅延放出を提供するように製剤化することができる。
錠剤などの固体組成物を調製する場合、主な活性成分を医薬賦形剤と混合して、リファマイシン類似体とバンコマイシンとの均一な混合物を含む固体の予備製剤組成物を形成する。これらの予備製剤組成物を均質であると言及する場合、各活性成分は通常、組成物全体に均一に分散されており、その組成物が、錠剤、丸剤、カプセルなどの同等に有効な単位剤形に容易に細分化することができるようになっている。次いで、この固体予備製剤は、例えば、本出願の各活性成分を0.001~約5000mg含有する上記タイプの単位剤形に細分化される。
リファマイシン類似体およびバンコマイシンを含有する錠剤または丸剤は、コーティングするか、または別の方法で配合して、作用の持続という利点をもたらす剤形を提供することができる。例えば、錠剤または丸剤は、内側投与量成分および外側投与量成分を含むことができ、後者は前者を覆うエンベロープの形態である。2つの成分は、腸溶層によって分離することができ、腸溶層は、胃内での崩壊に抵抗し、内部成分がそのまま十二指腸内へと通過するか、または放出が遅れることを可能にすることに役立つ。このような腸溶層またはコーティングには、多くのポリマー酸、およびポリマー酸とシェラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースなどの材料との混合物を含む様々な材料を使用することができる。
本出願のリファマイシン類似体およびバンコマイシン、ならびにリファマイシン類似体およびバンコマイシンを含む組成物を経口または注射による投与のために組み込むことができる液体形態には、水溶液、適切に風味付けされたシロップ、水性または油性懸濁液、および綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、またはピーナッツ油などの食用油を含む風味付きエマルジョン、ならびにエリキシル剤および同様の医薬ビヒクルが挙げられる。
吸入または吹送用の組成物には、薬学的に許容される水性溶媒もしくは有機溶媒、またはそれらの混合物中の溶液および懸濁液、ならびに粉末が挙げられる。液体組成物または固体組成物は、上記のような好適な薬学的に許容される賦形剤を含有してもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、局所的または全身的効果のために経口または鼻呼吸経路によって投与される。組成物は、不活性ガスを使用して噴霧することができる。噴霧溶液は、噴霧装置から直接吸入してもよいか、または噴霧装置をフェイスマスクテントもしくは断続的陽圧呼吸器に取り付けることができる。溶液組成物、懸濁液組成物、または粉末組成物は、適切な方法で製剤を送達する装置から経口または経鼻で投与することができる。
患者に投与される組成物は、上記の医薬組成物の形態であり得る。これらの組成物は、従来の滅菌技術によって滅菌することができるか、または滅菌ろ過してもよい。水溶液は、そのまま使用するために包装することができるか、または凍結乾燥することができ、凍結乾燥調製物は、投与前に滅菌水性担体と組み合わせる。化合物調製物のpHは、典型的には3~11、より好ましくは5~9である。前述の賦形剤、担体、または安定剤の特定のものを使用すると、薬学的塩が形成されることが理解されるであろう。
本開示の化合物、すなわち、リファマイシン類似体およびバンコマイシンの治療用量は、例えば、治療が行われる特定の用途、化合物の投与方法、患者の健康状態および病状、ならびに処方医師の判断に応じて変動し得る。医薬組成物中の本開示の化合物の割合または濃度は、用量、化学的特性(例えば、疎水性)、および投与経路を含む多くの要因に応じて変化し得る。投与量は、疾患または障害の種類および進行の程度、特定の患者の全体的な健康状態、選択した化合物の相対的な生物学的効力、賦形剤の配合、ならびにその投与経路などの変数に依存すると考えられる。有効用量は、インビトロまたは動物モデルの試験系から得られた用量反応曲線から推定することができる。
キット
本出願はまた、例えば、細菌感染症(例えば、黄色ブドウ球菌感染症)の治療に有用な医薬キットを含み、これには、治療有効量のリファマイシン類似体およびバンコマイシンを含む医薬組成物を含有する1つ以上の容器が含まれる。このようなキットは、必要に応じて、当業者には容易に明らかなとなるように、例えば、1つ以上の薬学的に許容される担体を備えた容器、追加の容器などの、1つ以上の様々な従来の医薬品キット構成要素をさらに含むことができる。投与される成分の量、投与のガイドライン、および/または成分の混合のガイドラインを示す説明書を、挿入物またはラベルとしてキットに含めることもできる。
一実施形態では、キットは、同じ容器内にリファマイシン類似体化合物およびバンコマイシンを含んでもよい。
別の実施形態では、キットは、別個の容器内にリファマイシン類似体化合物およびバンコマイシンを含んでもよい。
一実施形態では、本開示は、キットであって、a)
および
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む第1の容器と、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩を含む第2の容器と、
c)化合物(I)または(II)およびバンコマイシンの投与に関する説明書と、を備えるキットを提供する。
送達デバイスは、本開示の化合物を送達するためだけでなく、保管のための適切な環境を提供するためにも重要である。これには、微生物汚染および化学的分解からの保護が含まれる。浸出または吸着の可能性を避けるために、デバイスと配合物とは、適合性がある必要がある。送達デバイス(またはその包装)には、任意選択で、組成物がどのように使用されるべきかを示すラベルおよび/または使用説明書を提供することができる。
使用方法
別の態様では、本開示は、細菌の増殖を予防または阻害する方法であって、有効量の
a)
および
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含む方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、細菌の増殖を予防または阻害する方法であって、有効量の
a)
)、またはその薬学的に許容される塩と、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含む方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、細菌の増殖を予防または阻害する方法であって、有効量の
a)
、またはその薬学的に許容される塩と、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含む方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、細菌の増殖を予防または阻害する方法であって、有効量のa)化合物(I)もしくは(II)またはその薬学的に許容される塩と、b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含み、細菌は、グラム陽性菌である、方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、細菌の増殖を予防または阻害する方法であって、有効量のa)化合物(I)もしくは(II)またはその薬学的に許容される塩と、b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含み、細菌は、ペニシリン耐性細菌またはメチシリン耐性細菌である、方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、細菌の増殖を予防または阻害する方法であって、有効量のa)化合物(I)もしくは(II)またはその薬学的に許容される塩と、b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含み、細菌は、黄色ブドウ球菌、例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)およびメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)である、方法を提供する。
別の態様では、本開示は、細菌感染症の治療を必要とする対象において細菌感染症を治療する方法であって、対象に有効量の
a)
および
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含む方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、細菌感染症の治療を必要とする対象において細菌感染症を治療する方法であって、対象に有効量の
a)
、またはその薬学的に許容される塩と、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含む方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、細菌感染症の治療を必要とする対象において細菌感染症を治療する方法であって、対象に有効量の
a)
、またはその薬学的に許容される塩と、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含む方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、細菌感染症の治療を必要とする対象において細菌感染症を治療する方法であって、対象に有効量のa)化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含み、細菌は、グラム陽性菌である、方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、細菌感染症の治療を必要とする対象において細菌感染症を治療する方法であって対象に有効量のa)化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含み、細菌は、ペニシリン耐性細菌またはメチシリン耐性細菌である、方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、細菌感染症の治療を必要とする対象において細菌感染症を治療する方法であって、対象に有効量のa)化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含み、細菌は、黄色ブドウ球菌、例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)およびメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)である、方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、細菌感染症の治療を必要とする対象において細菌感染症を治療する方法であって、対象に有効量のa)化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含み、細菌感染症は、蜂巣炎、菌血症、皮膚壊死症、眼瞼感染症、眼感染症、新生児結膜炎、骨髄炎、膿痂疹、おでき、熱傷様皮膚症候群、食中毒、肺炎、外科的感染症、尿路感染症、熱傷感染、髄膜炎、心内膜炎、敗血症、毒素性ショック症候群、関節膿症、乳腺炎、人工関節に関連する感染症、カテーテルに関連する感染症、およびインプラントに関連する感染症から選択される、方法を提供する。
一態様では、本開示は、疾患の予防または治療を必要とする対象において疾患を予防または治療する方法であって、対象に有効量のa)
および
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含み、
疾患は、蜂巣炎、菌血症、皮膚壊死症、眼瞼感染症、眼感染症、新生児結膜炎、骨髄炎、膿痂疹、おでき、熱傷様皮膚症候群、食中毒、肺炎、外科的感染症、尿路感染症、熱傷感染、髄膜炎、心内膜炎、敗血症、毒素性ショック症候群、関節膿症、乳腺炎、人工関節に関連する感染症、カテーテルに関連する感染症、およびインプラントに関連する感染症から選択される、方法を提供する。
一態様では、本開示は、バンコマイシンまたはその誘導体の効力を増強する方法であって、それを必要とする対象に有効量の
a)
および

(II)から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を、
b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。
一態様では、本開示は、
および

(II)から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の効力を増強させる方法を提供し、当該方法は、それを必要とする対象に有効量の化合物(I)または(II)を、バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて投与することを含む。
本明細書に記載の方法のいずれかの一実施形態では、化合物(I)または(II)およびバンコマイシンを全身投与することができる。本明細書で使用される用語「全身性」には、非経口、局所、経皮、経口、吸入/肺、直腸、経鼻、口腔、および舌下投与が含まれる。本明細書で使用される「非経口」という用語には、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、頭蓋内、および腹腔内投与が含まれる。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、化合物(すなわち、化合物(I)または(II)およびバンコマイシン)は、治療有効量で細菌感染症(例えば、黄色ブドウ球菌感染症)を治療するために、経口、局所、鼻腔内、静脈内、筋肉内、または皮下で投与される。
本明細書に記載の方法のいずれかの一実施形態では、一方または両方の化合物は、経口投与される。
本明細書に記載の方法のいずれかの別の実施形態では、一方または両方の化合物は、非経口的に、すなわち、静脈内、筋肉内、または皮下で投与される。
本明細書に記載の方法のいずれかの別の実施形態では、一方または両方の化合物は、局所投与される。
本明細書に記載の方法のいずれかの別の実施形態では、一方または両方の化合物は、鼻腔内投与される。
本明細書に記載の方法のいずれかの一実施形態では、対象は、哺乳動物である。本明細書に記載の方法のいずれかの一実施形態では、対象は、ヒトである。
本明細書に記載の方法のいずれかの一実施形態では、本方法は、第3の治療薬を投与することを含む。一実施形態では、第3の治療薬は、第3の抗生物質である。一実施形態では、第3の抗生物質は、黄色ブドウ球菌に対して有効である。
一実施形態では、第3の抗生物質は、アミノグリコシド、β-ラクタム、マクロライド、環状ペプチド、テトラサイクリン、フルオロキノリン、フルオロキノロン、およびオキサゾリジノンから選択される。
一実施形態では、第3の抗生物質は、クリンダマイシン、ノボビオシン、レタパムリン、ダプトマイシン、シタフロキサシン、テイコプラニン、トリクロサン、ナプチリドン、ラデゾリド、ドキソルビシン、アンピシリン、イミペネム、ドリペネム、ゲムシタビン、ダルババンシン、およびアジスロマイシンから選択される。
上記方法のいずれかの一実施形態では、本方法は、本開示の、リファマイシン類似体およびバンコマイシンもしくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物、または、リファマイシン類似体およびバンコマイシンもしくはその薬学的に許容される塩を含む医薬剤形を投与することを含む。
一実施形態では、組成物または剤形は、経口、局所、鼻腔内、静脈内、筋肉内、または皮下で対象に投与される。
上記方法のいずれかの一実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、単一剤形で投与される。この剤形は、両方の活性薬剤を含む固体または液体の剤形であってもよい。
上記方法のいずれかの別の実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、別個の剤形で投与される。
別個の剤形は、両方とも固体剤形もしくは液体剤形であってもよいか、または1つの液体剤形および1つの固体剤形であってもよい。
一実施形態では、リファマイシン類似体(I)または(II)を含む剤形は、経口投与用の剤形であり、バンコマイシンを含む剤形は、静脈内または皮下投与用の剤形である。
一実施形態では、リファマイシン類似体(I)または(II)を含む剤形は、経口投与用の剤形であり、バンコマイシンを含む剤形は、静脈内投与用の剤形である。
別の実施形態では、両方の剤形は、静脈内または皮下投与用である。
さらに別の実施形態では、両方の剤形は、経口投与用である。
別個の剤形を同時に投与してもよい。いくつかの実施形態では、別個の剤形は、同日に同時に、または互いに30分以内に、または互いに1時間以内に投与されてもよい。
別個の剤形は、異なる時間に投与されてもよい。別個の剤形が異なる時間に投与される場合、それらの別個の剤形は、同日に投与されてもよいか、または別の日に、例えば、連続する日もしくは連続しない日に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、別個の剤形は、同日の別個の時間に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、別個の剤形は、少なくとも1日隔てて、または少なくとも2日隔てて、または少なくとも3日隔てて、または少なくとも4日隔てて投与されてもよい。
上記方法のいずれかの一実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、同日に投与される。上記方法のいずれかの別の実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、別個の剤形で同日に投与される。
上記方法のいずれかの別の実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、同時に投与される。上記方法のいずれかの別の実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、別個の剤形で同時に投与される。
上記方法のいずれかの別の実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、同日には投与されない。
上記方法のいずれかの別の実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、連日投与される。
上記方法のいずれかの別の実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、非連続的な別個の日に投与される。
上記方法のいずれかの別の実施形態では、バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩は、1日2回投与される。
上記方法のいずれかの別の実施形態では、化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。
上記方法のいずれかの特定の態様では、約0.000001mg~約10000mg、約0.00001mg~約5000mg、約0.0001mg~約1000mg、約0.005mg~約750mg、約0.001mg~約500mg、約0.01mg~約300mg、約1mg~約200mg、約5mg~約500mg、約10mg~約750mg、約50mg~約1000mg、約100mg~約750mg、約125mg~約600mg、または約200mg~約500mg、または約50mg、または約75mg、または約100mg、または約150mg、または約200mg、または約250mg、または約300mg、または約400mg、または約500mg、または約600mg、または約700mg、または約750mg、または約1000mgの本明細書に提供されるリファマイシン類似体(I)または(II)が、1日当たりまたは用量当たりで個体に投与される。
上記方法のいずれかの特定の態様では、約0.0001mg/kg~約10000mg/kg、約0.001mg/kg~約5000mg/kg、約0.01mg/kg~約1000mg/kg、約0.1mg/kg~約750mg/kg、または約0.125mg/kg~約600mg/kg、または約0.25mg/kg~約300mg/kg、または約0.5mg/kg~約100mg/kg、または約1mg/kg~約50mg/kg、または約0.001mg/kg~約50mg/kgの、または約0.002mg/kg~約25mg/kg、または約0.01mg/kg~約25mg/kg、または約0.02mg/kg~約25mg/kg、または約0.05mg/kg~約25mg/kg、または約0.01mg/kg~約25mg/kg、または約0.25mg/kg~約25mg/kgのリファマイシン類似体(I)または(II)が、1日当たりまたは用量当たりで個体に投与される。
上記方法のいずれかの特定の態様では、約0.001mg~約10000mg、約0.1mg~約5000mg、約1mg~約3000mg、約10mg~約2000mg、約100mg~約1000mg、約250mg~約750mg、または約100mg、または約200mg、または約250mg、または約300mg、または約400mg、または約500mg、または約600mg、または約700mg、または約750mg、または約1000mg、または約1500mg、または約2000mgのバンコマイシンまたはその誘導体が、1日当たりまたは用量当たりで個体に投与される。
上記方法のいずれかの特定の態様では、0.0001mg/kg~約10000mg/kg、約0.001mg/kg~約5000mg/kg、約0.01mg/kg~約1000mg/kg、約0.1mg/kg~約750mg/kg、または約0.125mg/kg~約600mg/kg、または約0.25mg/kg~約300mg/kg、または約0.5mg/kg~約100mg/kg、または約1mg/kg~約50mg/kg、または約0.001mg/kg~約50mg/kgの、または約0.002mg/kg~約25mg/kg、または約0.01mg/kg~約25mg/kg、または約0.02mg/kg~約25mg/kg、または約0.05mg/kg~約25mg/kg、または約0.01mg/kg~約25mg/kg、または約0.25mg/kg~約25mg/kgのバンコマイシンまたはその誘導体が、1日当たりまたは用量当たりで個体に投与される。
以下の実施例は、本説明の特定の態様を説明するものである。これらの実施例は、実施形態およびそれらの様々な態様の具体的な理解および実践を提供するだけであるため、実施例は、限定的なものとして解釈されるべきではない。
本明細書で使用される場合、本明細書のプロセスおよび実施例で使用される記号および慣例は、特にそれとは異なる指定がない限り、現代の科学文献、例えば、the Journal of the American Chemical Societyまたはthe Journal of Biological Chemistryで使用されるものと一致する。
実施例1:リファマイシン類似体(I)の合成
リファマイシン類似体(I)は、以下のスキーム1に示すように、また以下に記載するように、リファマイシンSから合成した。
中間体Aの合成。アルゴン下、室温でトルエン80mL中のリファマイシンS(2.0g、2.87mmol)の撹拌溶液に、2-アミノ-5-ブロモフェノール(0.54g、2.87mmol)を加えた。溶液を室温で2日間撹拌した。次いで、反応混合物を蒸発乾固し、暗色残渣をエタノール20mLに溶解し、300mgの酸化マンガン(MnO)をエタノール溶液に一度に加えた。どろどろした混合物をアルゴン下、室温で15時間撹拌した。不溶物をセライトパッドを使用してろ過した後、ろ液を減圧下で蒸発させた。暗色残渣を、ISCOから入手した120gのHPシリカゲルGold RediSepカラムで精製した(グラジエント溶出:ヘキサン中5→95%EA)。純粋な画分を蒸発させ、真空中で乾燥して、表題の中間体Aを暗赤色固体として得た(1.6g、65%)。MS(ESI,pos.):C4347BrN13の計算値、862.23。実測値:863.1および865.1(M+H),885.1および888.0(M+Na)。H NMR(500MHz;DMSO-d):δ 9.49(d,J=6.0Hz,1H),7.92(ddd,J=3.6,2.9,1.8Hz,1H),7.86-7.85(m,1H),7.75-7.74(m,1H),6.06-6.05(m,1H),5.84(dt,J=2.6,1.4Hz,2H),5.25-5.23(m,2H),4.80(dt,J=2.5,1.0Hz,1H),4.23(td,J=2.4,1.0Hz,1H),3.49(d,J=1.1Hz,1H),3.10-3.09(m,2H),3.03(s,3H),2.79(s,1H),2.19(s,3H),2.01(s,4H),1.96(s,4H),1.81(d,J=2.2Hz,1H),1.68(s,3H),1.60(dq,J=2.8,0.9Hz,1H),1.48(t,J=1.4Hz,1H),0.90(dt,J=2.1,1.1Hz,2H),0.84(d,J=7.1Hz,4H),0.69(dd,J=2.2,1.2Hz,5H)。
リファマイシン類似体(I)の合成。Buchwald S.L.et al.によって報告された同様の方法(Org.Lett.2018,20,1580)を使用して、第一級アルコールと中間体Aとのパラジウム触媒C-Oカップリングが、表題のリファマイシン類似体(I)のために行われた。撹拌子を装備し、スクリューキャップで密封した、2ドラムのオーブン乾燥したスクリュートップの試験管に、中間体A(40mg、0.0463mmol、1.00当量)、2-(ジメチルアミノ)エタン-1-オール(42mg、0.462mmol、10当量)、t-BuBrettPhos Pd-G3-パラダサイクル(11.8mg、30mol%)、およびNaOt-Bu(5mg、0.051mmol、1.1当量)を加えた。反応管にセプタムで再び蓋をし、付属の針で穴を開けて排気し、アルゴンを再充填した(この操作を2回繰り返した)後、シリンジを介して1,4-ジオキサン(2.0mL)を加えた。反応物をアルゴン圧下、油浴中55℃±5で15時間加熱し、反応物を室温まで冷却してから、セライト(登録商標)のパッドを通してろ過し、EtOAcですすいだ。粗物質を真空下で濃縮し、15.5gのC18 Aq Goldカラムで精製した(グラジエント溶出:水中10~95% MeCN、両方に0.05%酢酸)。生成物画分を合わせ、ドライアイス上で凍結し、凍結乾燥して、表題のリファマイシン類似体(I)を暗赤色固体として得た(12.5mg、32%)。MS:C475713の計算値、871.39;実測値872.3(M+H),870.2(M-H)。H NMR(300MHz;DMSO-d)δ 9.40(s,1H),7.87(d,J=8.9Hz,1H),7.23-7.16(m,2H),6.83(dt,J=2.3,1.1Hz,1H),6.23(d,J=4.6Hz,1H),6.06(dd,J=5.9,1.1Hz,1H),5.82(dd,J=2.3,1.5Hz,2H),5.24(dt,J=1.4,0.7Hz,1H),4.83-4.75(m,1H),4.24(d,J=29.9Hz,3H),3.80(d,J=1.3Hz,1H),3.03(t,J=0.5Hz,3H),2.88(s,1H),2.78(t,J=0.9Hz,2H),2.67(s,2H),2.22(d,J=3.7Hz,4H),2.15(s,2H),2.02(s,2H),1.96(d,J=1.2Hz,2H),1.90(s,1H),1.68(s,2H),0.85(d,J=6.7Hz,3H),0.69(t,J=1.2Hz,3H)。
実施例2:リファマイシン類似体(II)の合成
リファマイシン類似体(II)は、以下のスキーム2に示され、以下に記載されるように調製された。
化合物1の合成。350mLの無水DCM中の2,6-ジメトキシアニリン(9.0g、58.7mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、50mLの無水DCM中のBr溶液を4℃で30分かけて滴下して加えた。200mLをスラリーに追加して加えることで、半均一な溶液に達した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。暗褐色混合物を4℃に冷却し、1.0M NaOH溶液(約100mL)を加えてpH=10~11に塩基性化した。混合物を200mLのDCMで希釈し、層を分離した。水層をDCM(合計200mL)で抽出した。合わせたDCM層を水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。真空下で濃縮した後、粗生成物をわずかに赤味がかった固体として得た。残渣をDCM(8mL)に溶解し、ISCOから入手した220gのHPシリカゲルGold RediSepカラムに載せて、(グラジエント溶出:ヘキサン中5~95%EA)により精製し、純粋な画分を合わせ、溶媒を真空下で蒸発させた。固体をDCMおよびヘキサンで粉砕し、ろ過した。オフホワイト固体を真空下で乾燥して、表題化合物1をオフホワイト固体として得た(9.4g、70%)。MS(ESI,pos.):C10BrNOの計算値、230.99;実測値231.9および234.0(M+H)。H NMR(500MHz;CDCl)δ 6.66(s,2H),3.84(s,6H)。
化合物2の合成。化合物1(2.2g、9.47mmol、1.0当量)を10mLの無水DCMに溶解し、BBr溶液を4℃で10分間かけて滴下して加えた(10mL、DCM中1.0M溶液)。反応は発熱的であり、沈殿を生じた。追加量のBBr(9mL、94.7mmol、10当量)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。赤みがかった懸濁液をLC/MSでチェックして、所望の生成物であることを確認した。反応混合物を250mLフラスコに移し、4℃に冷却した。混合物を水で注意深くクエンチし、続いて飽和NaHCO水溶液で処理してpH=7~8とした。混合物をDCMで抽出し、水層を4℃に冷却して、暗褐色沈殿を得た。混合物をろ過し、褐色固体をメタノール10mLに溶解し、NaSOで乾燥させて、所望の生成物2(1.9g、100%)を得た。MS(ESI,pos.):CBrNOの計算値、202.96;実測値204.0および206.1(M+H)。H NMR(500MHz;CDOD)δ 6.45(s,2H),4.87(s,2H)。
化合物4の合成。トルエン(20mL)とTHF(20mL)との混合物中の化合物2(0.146g、0.72mmol)の撹拌溶液に室温でリファマイシンS(0.5g、0.72mmol)を加えた。溶液を室温で3日間撹拌して、所望の生成物3を得た。溶媒を真空下で除去し、暗色残渣をエタノール10mLに溶解し、続いて二酸化マンガン(MnO)100mgを加えた。どろどろした混合物を室温で5時間撹拌した。セライトパッドを使用して不溶性物質をろ過した後、ろ液を真空下で蒸発させた。暗色残渣を、ISCOから入手した120gのHPシリカゲルGold RediSepカラムで精製した(グラジエント溶出:ヘキサン中5~95%EA)。純粋な画分を合わせ、真空下で蒸発させて、表題化合物4を暗赤色固体として得た(270mg、43%)。MS(ESI,pos.):C4347BrN13の計算値、878.23;実測値879.2および880.2(M+H),878.1および879.1(M-1)。H NMR(500MHz;DMSO-d)δ 10.22(br.s.,1H),9.52(br.s.,1H),7.43(br.s.,1H),7.35(br.s.,1H),6.04(br.s.,1H),5.83(br.s.,2H),5.21(d,J=6.35Hz,2H),4.89(t,J=10.50Hz,1H),4.16(br.s.,1H),3.51(br.s.,1H),3.15(br.s.,2H),3.02(br.s.,4H),2.80(t,J=8.55Hz,1H),2.21(br.s.,3H),2.08(br.s.,1H),1.96(s,4H),1.99(s,4H),1.78(br.s.,1H),1.71(br.s.,3H),1.60(br.s.,1H),1.47(br.s.,1H),0.84(d,J=6.84Hz,6H),0.69(br.s.,6H)。
リファマイシン類似体(II)の合成。撹拌棒を装備した、オーブン乾燥させた8mLスクリュートップバイアルに、化合物4(60mg、0.069mmol、1.00当量)、2-(ジメチルアミノ)エタン-1-オール(61mg、0.69mmol、10当量)、t-BuBrettPhos-Pd-G3-パラダサイクル(31mg、0.0345mmol、0.5当量)、およびKPO(30mg、0.141mmol、2.0当量)を投入した。反応バイアルを、ラバーセプタムで蓋をした。付属の針をセプタムに突き刺して排気し、アルゴンを再充填し(この操作を2回繰り返し)、続いて1,4-ジオキサン(1.5mL)を加えた。反応物をアルゴン加圧下、60℃で15時間加熱し、反応物を室温まで冷却し、セライト(登録商標)のパッドを通してろ過し、MeOHですすいだ。粗物質を真空下で濃縮し、50gのC18 Aqカラムで精製した(グラジエント溶出:水中10~95% MeCN、両方に0.05%酢酸)。生成物画分を合わせ、凍結乾燥して、表題のリファマイシン類似体(II)を暗赤色固体として得た(21mg、35%)。MS(ESI,pos.):C475714の計算値、887.38;実測値888.3(M+H)。H NMR(500MHz;DMSO-d)δ 10.12(br.s.,1H),9.39(br.s.,1H),6.75(br.s.,1H),6.70(br.s.,1H),6.03(br.s.,1H),5.77(d,J=15.14Hz,1H),5.21(br.s.,1H),4.83-4.90(m,1H),4.15-4.30(m,2H),4.08(br.s.,1H),3.53(br.s.,1H),3.29(s,1H),3.16(br.s.,1H),3.03(br.s.,3H),2.87(br.s.,1H),2.79(br.s.,1H),2.62-2.71(m,2H),2.36(s,1H),2.23(s,6H),2.19(br.s.,3H),1.93-2.11(m,7H),1.91(s,1H),1.76(br.s.,1H),1.69(br.s.,3H),1.53-1.65(m,1H),1.50(br.s.,1H),1.32-1.45(m,1H),0.76-0.94(m,6H),0.68(br.s.,5H)。
実施例3:黄色ブドウ球菌IV亢進型播種感染マウスモデル
インビボでのバンコマイシンとの併用療法における本開示によるリファマイシン類似体(I)および(II)の効力を試験するために、4日間の静脈内播種感染モデルを利用した。黄色ブドウ球菌MSRA株NRS384またはN315(示されている場合)をトリプシン大豆ブロス(TBS)中で一晩増殖させ、対数期中期まで継代培養した。次いで、細菌をPBSで2回洗浄し、1.5×10^8cfu/mL(NRS384)または6.0×10^8cfu/mL(N315)の濃度でPBSに再懸濁した。次いで、生後6週齢のBalb/cマウスに、最終感染量1.5×10^7cfu/マウス(NRS384)または6.0×10^7cfu/マウス(N315)で、細菌懸濁液100μLを尾静脈から静脈内感染させた。感染後1日目から3日目まで、示されたマウスに、示されている場合は1日2回、110mg/kgのバンコマイシンを皮下投与した。リファマイシン類似体(I)または(II)を、感染後2日目に示された用量で皮下投与した。感染期間中、マウスを体重減少とボディコンディショニングスコアについてモニタリングした。感染後4日目にマウスを安楽死させ、組織をホモジナイズし、続いてPBSで段階希釈し、トリプチケースソイ寒天プレートにプレーティングすることでコロニー形成単位を数えることにより、黄色ブドウ球菌の腎臓負荷を定量した。データポイントは、試験した個々のマウス由来の腎臓負担を表す。
実施例3A:リファンピシンとバンコマイシンとの組み合わせで処置したマウスにおける黄色ブドウ球菌NRS384腎臓負荷の中央値
この実験では、黄色ブドウ球菌MSRA株NRS384に感染したマウスをバンコマイシン単独(対照)またはバンコマイシンと市販のリファマイシン類似体対照である0.002mg/kg~25mg/kgのリファンピシンとの組み合わせで処置した。
図1および表1に示すように、黄色ブドウ球菌MRSA株NRS384の静脈内感染は、腎臓に高い細菌負荷をもたらす。バンコマイシン処置単独では、黄色ブドウ球菌の腎臓負荷が約2~3log減少するだけである。以下に示すように、リファンピシンとバンコマイシンとの組み合わせ処置は、リファンピシンの高用量で、腎臓負荷をさらに低減する。
リファンピシンは、バンコマイシンと25mg/kgおよび0.25mg/kgで組み合わせて有効であったが、より低い用量では効力が低下した。
実施例3B:リファマイシン類似体(I)または(II)とバンコマイシンとの組み合わせで処置したマウスにおける黄色ブドウ球菌NRS384腎臓負荷の中央値
この実験では、黄色ブドウ球菌MSRA株NRS384に感染したマウスを、バンコマイシン単独(対照)で、またはバンコマイシンと0.01~0.25mg/kgのリファマイシン類似体(I)もしくは0.01~0.25mg/kgのリファマイシン類似体(II)の組み合わせで、処置した。
図2および表2に示すように、黄色ブドウ球菌MRSA株NRS384の静脈内感染はり、腎臓に高い細菌負荷をもたらす。バンコマイシン処置単独では、黄色ブドウ球菌の腎臓負荷が約2~3log減少するだけであった。リファマイシン類似体(I)および(II)とバンコマイシンとの組み合わせ処置により、腎臓負荷がさらに低減された。
バンコマイシンと組み合わせたリファマイシン類似体(I)および(II)は、バンコマイシンと組み合わせたリファンピシン(実施例3A)よりも低用量で黄色ブドウ球菌の腎臓負荷を低減するのに有効である。例えば、リファマイシン類似体(II)は、試験した最低用量0.01mg/kgであっても、黄色ブドウ球菌の腎臓負荷を検出限界未満に低減した。
実施例3C:バンコマイシンと併用して、またはバンコマイシンと併用せずに、リファンピシンまたはリファマイシン類似体(II)で処置したマウスにおける黄色ブドウ球菌NRS384腎臓負荷の中央値
この実験では、黄色ブドウ球菌MSRA株NRS384に感染したマウスを、単独もしくはバンコマイシンと組み合わせた25mg/kgのリファンピシン(対照)または0.002~0.25mg/kgのリファマイシン類似体(II)で処置し、バンコマイシン単独を対照として使用した。
図3および表3に示すように、黄色ブドウ球菌MRSA株NRS384の静脈内感染は、腎臓に高い細菌負荷をもたらす。バンコマイシン処置単独では、黄色ブドウ球菌の腎臓負荷が約2~3log減少するだけであった。リファンピシンは、バンコマイシンと組み合わせると25mg/kgで腎臓負荷を低減したが、単剤療法としては効果がなかった。リファマイシン類似体(II)は、単剤療法として投与した場合、0.25mg/kgで黄色ブドウ球菌の腎臓負荷を約3log低減した。
表3および図3に示すように、リファマイシン類似体(II)は、0.05および0.002mg/kgなどの低用量で非常に効果があり、バンコマイシンと組み合わせて投与すると細菌量を検出限界未満に低減する。リファマイシン類似体(II)とバンコマイシンとの組み合わせは、細菌負荷の低減において、単剤療法よりも、すなわちリファマイシン類似体(II)単独またはバンコマイシン単独よりも効果的である。
表3および図3に示すように、リファマイシン類似体(II)の効力は、バンコマイシンと組み合わせて使用することによって増強される。バンコマイシンの効力は、リファマイシン類似体(II)と組み合わせて使用することによって増強される。
実施例3D:バンコマイシンと組み合わせたリファンピシンまたはリファマイシン類似体(I)もしくは(II)で処置したマウスにおける黄色ブドウ球菌N315腎臓負荷の中央値
この実験では、黄色ブドウ球菌MSRA株N315に感染したマウスを、バンコマイシンと組み合わせた、25mg/kgのリファンピシン(対照)、または0.01~0.75mg/kgのリファマイシン類似体(I)、または0.002~0.25mg/kgのリファマイシン類似体(II)で処置し、バンコマイシン単独を対照とした。
図4および表4に示すように、黄色ブドウ球菌MRSA株N315の静脈内感染は、腎臓に高い細菌負荷をもたらす。バンコマイシン処置単独では、黄色ブドウ球菌の腎臓負荷が約4log減少した。25mg/kgのリファンピシンまたは0.01~0.75mg/kgのリファマイシン類似体(I)または0.002~0.25mg/kgのリファマイシン類似体(II)とバンコマイシンとの組み合わせ処置により、腎臓負荷が実験の検出限界またはその付近までさらに減少した。
リファマイシン類似体(I)は、バンコマイシンと組み合わせると、0.01mg/kgの用量で検出限界未満に細菌量を減少させるのに有効であった。リファマイシン類似体(II)は、バンコマイシンと組み合わせると、0.002mg/kgの用量で検出限界未満に細菌量を減少させるのに有効であった。

Claims (46)

  1. 細菌の増殖を予防または阻害する方法であって、有効量の
    a)

    および

    から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
    b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含む、方法。
  2. a)の前記化合物は、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
  3. a)の前記化合物は、化合物(II)またはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記細菌は、グラム陽性菌である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記細菌は、ペニシリン耐性細菌またはメチシリン耐性細菌である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記細菌は、黄色ブドウ球菌である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記細菌は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)およびメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記細菌は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 細菌感染症の治療を必要とする対象において前記細菌感染症を治療する方法であって、前記対象に有効量の
    a)

    および

    から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
    b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含む、方法。
  10. a)の前記化合物は、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩である、請求項9に記載の方法。
  11. a)の前記化合物は、化合物(II)またはその薬学的に許容される塩である、請求項9に記載の方法。
  12. 前記細菌感染症は、グラム陽性菌が原因である、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記細菌感染症は、ペニシリン耐性細菌またはメチシリン耐性細菌が原因である、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記細菌感染症は、黄色ブドウ球菌が原因である、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記細菌感染症は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)およびメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)から選択される細菌が原因である、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記細菌感染症は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が原因である、請求項9~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記細菌感染症は、蜂巣炎、菌血症、皮膚壊死症、眼瞼感染症、眼感染症、新生児結膜炎、骨髄炎、膿痂疹、おでき、熱傷様皮膚症候群、食中毒、肺炎、外科的感染症、尿路感染症、熱傷感染、髄膜炎、心内膜炎、敗血症、毒素性ショック症候群、関節膿症、乳腺炎、人工関節に関連する感染症、カテーテルに関連する感染症、およびインプラントに関連する感染症から選択される、請求項9~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 疾患の予防または治療を必要とする対象において前記疾患を予防または治療する方法であって、前記対象に有効量のa)

    および

    から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
    b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、を投与することを含み、
    前記疾患は、蜂巣炎、菌血症、皮膚壊死症、眼瞼感染症、眼感染症、新生児結膜炎、骨髄炎、膿痂疹、おでき、熱傷様皮膚症候群、食中毒、肺炎、外科的感染症、尿路感染症、熱傷感染、髄膜炎、心内膜炎、敗血症、毒素性ショック症候群、関節膿症、乳腺炎、人工関節に関連する感染症、カテーテルに関連する感染症、およびインプラントに関連する感染症から選択される、方法。
  19. バンコマイシンまたはその誘導体の効力を増強する方法であって、それを必要とする対象に有効量の
    a)

    および

    から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を、
    b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて投与することを含む、方法。

  20. および

    から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩の効力を増強する方法であって、前記方法は、有効量の化合物(I)または(II)を、バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
  21. 前記化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩は、経口、皮下、または静脈内で投与される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩は、経口、皮下、または静脈内で投与される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、前記バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、単一剤形で投与される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、前記バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、別個の剤形で投与される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、前記バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、同日に投与される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、前記バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、同時に投与される、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、前記バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、同日に投与されない、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、前記バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、連日投与される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩と、前記バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩とは、連続しない別個の日に投与される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩は、1日2回投与される、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記化合物(I)もしくは(II)、またはその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記対象は、ヒトである、請求項9~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 医薬組成物であって、a)

    および

    から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
    b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、
    c)薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
  34. 約0.01mg~約5000mgのバンコマイシンまたはその誘導体を含む、請求項33に記載の医薬組成物。
  35. 約0.001mg~約5000mgの前記化合物(I)または(II)を含む、請求項33に記載の医薬組成物。
  36. 約0.01mg~約500mgの前記化合物(I)または(II)を含む、請求項33に記載の医薬組成物。
  37. 医薬剤形であって、a)

    および

    から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
    b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩と、
    c)薬学的に許容されるビヒクルと、を含む、医薬剤形。
  38. 前記剤形は、経口剤形または注射可能な剤形である、請求項37に記載の医薬剤形。
  39. 約0.01mg~約5000mgのバンコマイシンまたはその誘導体を含む、請求項37に記載の医薬剤形。
  40. 約0.001mg~約5000mgの前記化合物(I)または(II)を含む、請求項37に記載の医薬剤形。
  41. 約0.01mg~約500mgの前記化合物(I)または(II)を含む、請求項37に記載の医薬剤形。
  42. 単回投与用に製剤化された、請求項37~41のいずれか一項に記載の医薬剤形。
  43. 複数回投与用に製剤化された、請求項37~41のいずれか一項に記載の医薬剤形。
  44. キットであって、a)

    および

    から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む第1の容器と、
    b)バンコマイシンもしくはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩を含む第2の容器と、
    c)化合物(I)または(II)および前記バンコマイシンまたはその誘導体の投与に関する説明書と、を備える、キット。
  45. 前記第1の容器は、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項44に記載のキット。
  46. 前記第1の容器は、化合物(II)またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項44に記載のキット。
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