JP2024510748A - 原子力発電所の制御方法およびシステム - Google Patents

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Abstract

制御方法は、一次出力信号(S1)と二次出力信号(S2)との間の不平衡が検出されない場合には、原子力発電所を出力運転指示(COP)に応じて制御する指示追従モードを実行し、不平衡が検出された場合には、一次出力(P1)以下かつ二次出力(P2)以下である目標平衡出力(PEC)を算出することと、目標平衡出力(PEC)に応じて原子力発電所(2)を制御することとを含む出力制限モードを自動実行する。【選択図】図2

Description

本発明は、原子力発電所の制御方法に関する。
原子力発電所は、独立した一次および二次水回路と、一次回路を循環する水を加熱する原子炉と、一次および二次回路を熱的に結合して一次回路から二次回路に熱を伝え、二次回路で蒸気を生成する1つまたは複数の蒸気発生器と、二次回路に組み込まれ、蒸気から機械エネルギーを発生させる蒸気タービンとを有する。この機械エネルギーは、蒸気タービンに連結された発電機を用いて電気エネルギーに変換される。
本発明の一の目的は、原子力発電所を好適な運転範囲に維持することができ、好ましくは原子炉出力の広い範囲にわたって使用可能な原子力発電所の制御方法を提案することである。
上記目的を達成するため、本発明は、原子炉を組み込んだ水の循環のための一次回路と、水の循環のための二次回路と、N個の蒸気発生器(Nは1以上の整数)とを備える加圧水型原子力発電所を制御する、自動制御システムが実施する制御方法であって、各蒸気発生器は、前記二次回路における蒸気の発生を伴って、前記一次回路から前記二次回路に熱エネルギーを伝達するように構成され、
原子炉によって生成される熱出力を表す一次出力と、蒸気発生器によって一次回路から二次回路に伝達される熱出力を表す二次出力とを算出する工程と、
前記一次出力および/または前記一次出力の変動を示す少なくとも1つの変数に応じて算出された一次出力信号と、前記二次出力および/または前記二次出力の変動を示す少なくとも1つの変数に応じて算出された二次出力信号との間に発生しうる不平衡を検出する工程と、
不平衡が検出されなかった場合、前記一次出力および前記二次出力が出力運転指示に追従するように、制御システムが受信した出力運転指示に応じて前記原子力発電所が制御される指示追従モードを実施する工程と、
不平衡が検出された場合、前記制御システムにより前記一次出力以下かつ二次出力以下の目標平衡出力を算出することと、該目標平衡出力に応じて前記原子力発電所を制御することと、を含む出力制限モードを自動で実行する工程と、を含む制御方法。
特定の実施態様によれば、本制御方法は、個別に、または技術的に可能な任意の組み合わせで、1つまたは複数の以下の任意の機能を含む。
前記二次出力は、前記各蒸気発生器によって前記一次回路から前記二次回路へ伝達される前記熱出力を算出し、これらの熱出力の合計を算出することによって決定される。
前記一次出力信号が、前記一次出力、前記一次出力のフィルタ処理された導関数、前記原子炉の軸方向オフセット、前記原子炉の軸方向オフセットのフィルタ処理された導関数、制御クラスタの運動信号および/または制御クラスタの運動信号のフィルタ処理された導関数に応じて算出される。
前記一次出力信号が、一次出力と、一次出力のフィルタ処理された導関数に一次出力係数を乗じたもの、軸方向オフセットのフィルタ処理された導関数の絶対値に軸方向オフセット係数を乗じたもの、および制御クラスタ運動信号のフィルタ処理された導関数に運動信号係数を乗じたもののうちの1つ以上と、の和として算出される。
前記二次出力信号が、前記二次出力、前記蒸気発生器の出口における蒸気圧力を表す蒸気圧力、蒸気圧力のフィルタ処理された導関数、前記蒸気発生器の入口の水温を表す給水温度、給水温度のフィルタ処理された導関数、蒸気発生器の入口における水流量を表す給水流量、および/または給水流量のフィルタ処理された導関数に応じて算出される。
前記二次出力信号が、前記二次出力と、蒸気圧力のフィルタ処理された導関数に蒸気圧力係数を乗じたもの、給水温度のフィルタ処理された導関数に給水温度係数を乗じたもの、および給水流量のフィルタ処理された導関数に給水流量係数を乗じたもののうちの1つ以上と、の和として算出される。
前記発生しうる不平衡を検出する工程が、前記一次出力信号と前記二次出力信号との差を下限閾値および/または上限閾値と比較することを含む。
前記不平衡を検出する工程が、前記差が前記下限閾値より小さい場合および/または前記上限閾値より大きい場合に、再平衡化を要求する論理信号を生成し、前記出力制限モードへの切り替えを命令することを含む。
出力制限モードは、不平衡を検出する工程で決定された出力制限期間だけ有効化される。
目標平衡出力は最大平衡出力に応じて算出され、目標平衡出力は最大平衡出力以下である。
最大平衡出力は、一次出力からゼロでない偏差を減じた値に応じて算出される。
前記一次出力からゼロでない偏差を減じた値が、その導関数の絶対値が所定の導関数閾値以下に留まるようにフィルタ処理される。
本制御方法は、最大平衡出力が所定の最大値より小さく、および/または所定の最小値より大きくなるようにクリッピングすることを含む。
目標平衡出力は、一次出力、二次出力、最大平衡出力の最小値として決定される。
本制御方法は、前記出力制限モードにおいて、前記目標平衡出力に応じて一次出力指示および二次出力指示を算出し、前記一次出力が一次出力指示に一致し、前記二次出力が二次出力指示に一致するように前記原子力発電所を制御することを含む。
前記出力制限モードでは、前記一次出力指示が、前記目標平衡出力と等しいものとして算出され、任意でフィルタ処理され、好ましくはローパスフィルタによってフィルタ処理され、前記二次出力指示が、前記目標平衡出力と等しいものとして算出され、任意にフィルタ処理され、好ましくはローパスフィルタによってフィルタ処理される。
本発明はまた、上述の制御方法を実行するように構成された原子力発電所制御システムに関する。
本発明はまた、原子炉を組み込んだ水の循環のための一次回路と、水の循環のための二次回路と、N個の蒸気発生器(Nは1以上の整数)とを備え、上述の制御システムを含む原子力発電所であって、各蒸気発生器は、前記二次回路における蒸気の発生を伴って、前記一次回路から前記二次回路に熱エネルギーを伝達するように構成される、原子力発電所に関する。
本発明はまた、コンピュータ媒体またはコンピュータメモリに記録可能であり、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム製品であって、上述の制御方法を実行するためのソフトウェアコード命令を含む、コンピュータプログラム製品に関する。
本発明およびその利点は、添付の図面を参照してなされる非限定的な例示である以下の説明を読めば、よりよく理解される。
原子炉を組み込んだ一次回路と二次回路を示す原子力発電所の概略図。 図1に示す原子力発電所の制御方法を示すブロック図。 図1に示す原子力発電所の制御方法を示すブロック図。 図1に示す原子力発電所の制御方法を示すブロック図。 図1に示す原子力発電所の制御方法を示すブロック図。 図1に示す原子力発電所の制御方法を示すブロック図。 他の実施形態における原子力発電所の概略図。 さらに別の実施形態における原子力発電所の概略図。
図1に示す原子力発電所2は、水の循環のための一次回路4と、水の循環のための二次回路6とを含み、一次回路4と二次回路6は、N個の蒸気発生器8(Nは1以上の整数)を介して別個に熱的に結合されている。
各蒸気発生器8は、一次回路4と二次回路6との間に配置され、一次回路4の水と二次回路6の水との間で熱交換を行うように構成されている。
運転中、各蒸気発生器8は二次回路6に蒸気を発生させる。二次回路6において、各蒸気発生器8は、入口で液体状態の水を供給し、出口で気体状態の水、すなわち蒸気を供給する。
一次回路4には、一次回路4を循環する水を加熱するための原子炉10が含まれている。
原子力発電所2は、例えば、加圧水型原子力発電所であり、この場合、原子炉10は加圧水型原子炉(Pressurized Water Reactor、PWR)である。もしくは沸騰水型原子力発電所であり、この場合、原子炉10は沸騰水型原子炉(Boiling Water Reactor、BWR)である。
一次回路4は、例えばN個の流体一次ループ12を含み、各一次ループ12は原子炉10と各蒸気発生器8とを流体接続する。
図1には、単一の蒸気発生器8と単一の一次ループ12が示されている。あるいは、一次回路4は複数の一次ループ12、例えば4つの一次ループ12を含む。
原子炉10は原子炉容器14を含む。各一次ループ12は、原子炉容器14を各蒸気発生器8に接続する。各一次ループ12は、入口パイプ14Aと出口パイプ14Bによって原子炉容器14に接続されている。
原子炉10は、原子炉容器14内に並んで配置された複数の核燃料集合体18によって形成された炉心16を含む。
原子炉10には、原子炉10の反応度を制御するために炉心16に下降させたり炉心16から上昇させたりできる制御クラスター20が含まれる。
制御クラスタ20には、例えば、炉心16に選択的に挿入して反応度を低下させたり、炉心16から抽出して反応度を上昇させたりすることができる制御クラスター、および、炉心16に放出して原子炉10の自動停止を引き起こすことができる停止クラスターが含まれる。
一次ループ12は、この一次ループ12内で水を強制的に循環させるための一次ポンプ22をそれぞれ含む。
原子力発電所2が加圧水型原子力発電所である場合、一次回路4は、一次回路4内を循環する水が液体状態を維持するのに十分な圧力を一次回路4内に維持するように構成された加圧器24を含む。
加圧器24は、一次ループ12のホットブランチ、すなわち流体が原子炉10からこの一次ループ12上にある蒸気発生器8に流れるブランチに流体接続されている。
一次回路4が複数の一次ループ12を含む場合、一次回路4は、例えば、一次ループ12の一のホットブランチに接続された単一の加圧器24を含む。
二次回路6は、例えば、各一次ループ12の蒸気発生器8から蒸気の供給を受ける単一の二次ループ26を含む。
あるいは、二次回路6は、各一次ループ12にそれぞれ対応する二次ループ26を含み、この一次ループ12の蒸気発生器8から蒸気が供給される。
二次回路6は、1つまたは複数のタービン28を含み、各タービン28は、二次回路6を循環する蒸気に含まれる熱エネルギーを機械エネルギーに変換するように構成されている。
二次回路6は、二次回路6内の水を強制的に循環させるための1つ以上の二次ポンプ30を含んでいる。
二次回路6は、1つ以上の復水器32を含み、各復水器32はタービン28の下流に配置され、タービン28から出る蒸気を冷却して液体状態に戻す。
各復水器32は、例えば二次回路6上に配置され、二次回路6内の水と冷却回路34を循環する水との間で熱交換を行うように構成されている。
原子力発電所2は、1つまたは複数の発電機36を含み、各発電機36は、このタービン28によって生成される機械エネルギーから電気エネルギーを生成するように、タービン28に機械的に結合されている。各発電機36は、タービン28に機械的に結合されており、タービン28によって発生する機械的エネルギーから電気エネルギーを生成する。電気エネルギーは、たとえば配電網に供給される。
原子力発電所2は、原子力発電所2を自動的に制御するよう、特に原子力発電所2を制御するための方法を実行するよう構成された制御システム40を備える。
制御システム40は、一次回路4の運転に関する原子力発電所2の第1の運転パラメータを測定するための第1のセンサと、二次回路6の運転に関する原子力発電所2の第2の運転パラメータを測定するための第2のセンサとを備える。
第1のセンサには、例えば、原子炉10内の中性子束を測定するための中性子検出器42が含まれる。
中性子検出器42は、炉心16の内部に配置された内部中性子検出器(一般に「炉内」検出器と呼ばれる)および/または炉心16が収容された原子炉10の原子炉容器14の外部に配置された外部中性子検出器(図示せず)(一般に「炉外」検出器と呼ばれる)を含む。
例えば、中性子検出器42は自己出力形中性子検出器(「Self-Powered Neutron Detector」の頭文字をとってSPNDとも呼ばれる)である。
中性子検出器42は、例えば、コバルト、バナジウムおよび/またはロジウム検出器である。
ある時刻に原子炉10で発生した中性子束を測定することにより、原子炉10で発生した瞬間的な熱出力を表す値(以下、「一次出力」という)を算出できる。
第2のセンサは、例えば、蒸気発生器8毎に、蒸気発生器8の出口における二次回路6内の圧力を測定するための出口圧力センサ44、蒸気発生器8の出口における二次回路6内の蒸気流量を測定するための蒸気流量センサ45、蒸気発生器8から二次回路6に流入する水の流量を測定するための流入水流量センサ46、および/または蒸気発生器8から二次回路6に流入する水の温度を測定するための流入水温度センサ48を含む。
蒸気発生器8から出る蒸気の圧力、蒸気発生器8から出る蒸気の流量、蒸気発生器8に入る水の流量、および/または所定の瞬間における蒸気発生器8に入る水の温度を直接または間接的に測定することによって、蒸気発生器8によって一次回路4から二次回路6に伝達される瞬間的な熱出力を表す値を算出することが可能になる。
制御システム40は、制御指令方法を実行することにより原子力発電所2を制御および操作するように構成された電子制御ユニット50を含む。
電子制御ユニット50は、例えば、第1のセンサおよび第2のセンサから提供される測定信号を受信することにより、第1の動作パラメータおよび第2の動作パラメータを受信するように構成される。
電子制御ユニット50は、例えば、一次回路4と二次回路6を第1と第2のパラメータに応じて制御するように構成されている。
電子制御ユニット50は、例えば、制御クラスタ20を制御して原子炉の反応度を調整し、および/または各一次ポンプ22を制御して一次回路4内の水の流れを調整し、および/または各二次ポンプ30を制御して二次回路6内の水の流れを調整し、各タービン28および/または各発電機36を制御するように構成されている。
図2に示されるように、制御方法は、
原子炉10によって生成される熱出力を表す一次出力P1と、蒸気発生器8によって一次回路4から二次回路6に伝達される熱出力を表す二次出力P2とを算出する工程と、
前記一次出力P1および/または前記一次出力P1の変動を示す少なくとも1つの変数に応じて算出された一次出力信号S1と、前記二次出力P2および/または前記二次出力P2の変動を示す少なくとも1つの変数に応じて算出された二次出力信号S2との間に発生しうる不平衡を検出する工程と、
不平衡が検出されなかった場合、前記一次出力P1および前記二次出力P2が出力運転指示COPに追従するように、制御システムが受信した出力運転指示COPに応じて前記原子力発電所10が制御される指示追従モードを実行する工程と、
不平衡が検出された場合、前記制御システム40により前記一次出力P1以下かつ二次出力P2以下の目標平衡出力PECを算出することと、該目標平衡出力PECに応じて前記原子力発電所2を制御することと、を含む出力制限モードを自動で実行する工程と、を含む。
一次出力P1は、例えば、一次回路4の動作に関連し第1のセンサによって測定された原子力発電所2の第1の動作パラメータの測定値に応じて、特に原子炉10の炉心16内の中性子束の測定値に応じて算出される。
第1のパラメータの測定は、例えば原子炉10に取り付けられた中性子検出器42などの第1のセンサによって行われる。
二次出力P2は、例えば、二次回路6の動作に関連し第2のセンサによって測定される原子力発電所2の第2の動作パラメータに応じて算出される。
二次出力P2は、例えば、各蒸気発生器8について、この蒸気発生器8によって一次回路4から二次回路6に伝達される熱出力をそれぞれ求め、伝達された出力の和として二次出力P2を算出することによって算出される。
各蒸気発生器8について、一次回路4から二次回路6に伝達される出力は、公知の方法で、例えば第2のパラメータに応じて、特に二次回路6内の蒸気発生器8から出る蒸気圧力、二次回路6内の蒸気発生器8から出る蒸気流量、二次回路6内の蒸気発生器8に入る水の流量、および/または二次回路6内の蒸気発生器8に入る水の温度に応じて算出される。
第2のパラメータの測定値は、例えば、出口圧力センサ44、蒸気流量センサ45、流入水流量センサ46、および/または流入水温度センサ48によってそれぞれ提供される。
別の実施形態では、第2のパラメータの測定は、出口圧力センサ44、二次回路の蒸気筒内の蒸気の圧力を測定するように配置された蒸気筒圧力センサ(図示せず)、流入水流量センサ46、流入水温度センサ48によってそれぞれ行われる。
同じタービン28に供給を行う複数の蒸気発生器8を有する二次回路6において、蒸気ドラムは、蒸気発生器8で生成された蒸気を受け取り、タービン28に供給するコレクタである。
図3に示すように、電子制御装置50は、例えば、原子炉10で発生する一次出力P1を算出する一次出力算出モジュール52と、一次回路4から二次回路6に伝達される二次出力P2を算出する二次出力算出モジュール54とを含む。
一次出力算出モジュール52は、例えば、中性子検出器42によって供給される測定信号を受信し、二次出力算出モジュール54は、例えば、蒸気発生器8の出口で二次回路6内の圧力を測定する出口圧力センサ44、蒸気発生器 8 の出口で二次回路 6 内の蒸気の流量を測定する蒸気流量センサ 45、二次回路6内の蒸気発生器8に流入する液状の水の流量を測定する流入水流量センサ46、および/または二次回路6内の蒸気発生器8の入口における水の温度を測定する流入水温度センサ48、によって供給される測定信号を受信する。
電子制御ユニット50は、例えば、出力運転指示COP、算出された一次出力P1、および算出された二次出力P2を受信する制御モジュール56を含み、原子力発電所2の機能ユニットに対する指示を生成し、原子力発電所2を制御できるように構成されている。
制御モジュール56は、例えば、各一次ポンプ22、各タービン28、各二次ポンプ30および/または各発電機36の制御クラスタ20に対する制御命令を生成するように構成される。
指示追従モードでは、一次出力P1と二次出力P2との平衡が原則と保たれ、一次出力P1と二次出力P2がそれぞれ制御システム40によって受信された出力運転指示COPと略等しく維持されるように原子力発電所2が制御される。
出力運転指示COPは、例えば原子力発電所2を運転する運転員から提供される。
出力運転指示COPは、任意で、原子力発電所2が接続されている配電網の運転パラメータに応じて、例えば配電網の周波数の変動に応じて、変更および/または変調されてもよい。
原子力発電所2の運転中、一次出力P1と二次出力P2の間に不平衡が生じることがある。
二次出力P2が一次出力P1未満である場合、一次回路4に出力が蓄積される可能性があり、好ましくない。
逆に、二次出力P2が一次出力P1よりも大きい場合、炉心16の冷却につながる可能性があり、好ましくない。
出力制限モードは、原子力発電所2を通常運転領域に維持しながら、一次出力P1と二次出力P2との間の平衡を再確立するように設計されており、原子力発電所2が通常運転領域から外れた場合に自動的に有効化されて原子力発電所2を停止する可能性のある保護システムの介入を回避する。
出力制限モードでは、目標平衡出力PECが制御システム40によって、好ましくは出力運転指示COPとは無関係に算出され、原子力発電所2はその後、目標平衡出力PECに応じて制御され、出力運転指示COPに応じては制御されなくなる。
目標平衡出力PECは、一次出力P1以下かつ二次出力P2以下となるように算出され、出力制限モードは一次出力P1の低下および/または二次出力P2の低下を引き起こしながら、それらを平衡させる。
出力制限モードは、原子力発電所2の通常運転領域にとどまりつつ、制御システム40を使用して自動的に実施できるように設計されているため、保護システムを介在させずに実施できる。
上述したように、不平衡は一次出力信号S1と二次出力信号S2を比較することで検出される。
一次出力信号S1は、一次出力P1を表すように算出されるが、任意で一次出力P1の変化を示す。
二次出力信号S2は、二次出力P2を表すように算出されるが、任意で二次出力P2の変化を示す。
一次出力P1および/または二次出力P2の変化を考慮することにより、不平衡を予測することができる。
一実施形態において、図4に示すとおり、一次出力信号S1は、例えば一次出力P1、一次出力のフィルタ処理された導関数、原子炉10の軸方向オフセットAO、原子炉10の軸方向オフセットAOのフィルタ処理された導関数の絶対値、制御クラスタ20の運動を示す運動信号PGおよび/または制御クラスタ20の運動信号PGのフィルタ処理された導関数に応じて算出される。
「フィルタ処理された」導関数とは、高周波の変動をカットし、低周波の変動を通過させるフィルタ(ローパスフィルタ)に組み合わせた導関数である。
量の導関数を考慮することで、その量の変動を考慮して変化を予測することができる。
導関数に適用されるローパスフィルタは、導関数によって示される大きさの変動の傾向のみを考慮するように導関数を平滑化することを可能にし、信号の進化における実際の傾向を表さない過度に急激な変動は考慮しない。
公知の方法では、原子炉10の軸方向オフセットAOは、原子炉10のアセンブリに沿った中性子束の不均一な分布、特に原子炉10の下部と原子炉10の上部との間の中性子束の不平衡を表す。
軸方向オフセットAOは、例えば、原子炉10に取り付けられ、原子炉10に沿った位置に応じて中性子束の差を測定できるように垂直に分布した一組の中性子検出器42を用いて決定することができる。
軸方向オフセットAOの変動は、一次出力P1の将来的な変動を示す可能性がある。軸方向オフセットAO、特に軸方向オフセットAOのフィルタ処理された導関数の絶対値を考慮することで、一次出力P1の変動を予測することができる。
制御クラスタ20の移動は、一次出力P1の変動につながる可能性がある。移動信号PG、特に移動信号PGのフィルタ処理された導関数を考慮することにより、制御クラスタ20の移動に起因する一次出力P1の変動を予測することが可能である。
一実施形態では、一次出力信号S1は一次出力P1と等しいものとして算出される。
また、好ましくは、前記一次出力信号S1が、一次出力P1と、一次出力P1のフィルタ処理された導関数に一次出力係数KP1を乗じたもの、原子炉10の軸方向オフセットAOのフィルタ処理された導関数の絶対値に軸方向オフセット係数KAOを乗じたもの、および制御クラスタ運動信号のフィルタ処理された導関数PGにクラスタ運動係数KPGを乗じたもののうちの1つ以上と、の和として算出される。
上記の各係数(一次出力係数KP1、軸方向オフセット係数KAO、クラスタ運動係数KPG)は、好ましくは正またはゼロである。
上記の各係数(一次出力係数KP1、軸方向オフセット係数KAO、クラスタ運動係数KPG)は、それぞれ固有の値を持つ。それぞれの係数は異なる値であってよい。非常に特殊な場合では、等しいこともある。
これらの係数は、対象の量に応じて制御方法の応答を調整するために用いられる。
図4に示す例では、前記一次出力信号S1が、一次出力P1と、一次出力P1のフィルタ処理された導関数に一次出力係数KP1を乗じたものと、原子炉10の軸方向オフセットAOのフィルタ処理された導関数の絶対値に軸方向オフセット係数KAOを乗じたものと、および制御クラスタ運動信号のフィルタ処理された導関数PGにクラスタ運動係数KPGを乗じたものと、の和として算出される。
二次信号S2は、前記二次出力P2、前記蒸気発生器8の出口における蒸気圧力を表す蒸気圧力PV、蒸気圧力PVのフィルタ処理された導関数、前記蒸気発生器8の入口の水温を表す給水温度TE、給水温度TEのフィルタ処理された導関数、蒸気発生器8の入口における水流量を表す給水流量DE、および/または給水流量DEのフィルタ処理された導関数に応じて算出される。
原子力発電所2が複数の蒸気発生器8を含んでいる場合、好ましくは、蒸気圧力PVは、例えば蒸気圧力センサ44を用いて決定される蒸気発生器8の出口における蒸気圧力の平均として決定される。
あるいは、原子力発電所2が単一の蒸気発生器8を含んでいる場合、蒸気圧力PVは、原子力発電所2の蒸気発生器8の出口における蒸気圧力PVに等しいと判断される。
原子力発電所2が複数の蒸気発生器8を含む場合、好ましくは、給水温度TEは、例えば水温センサ46を用いて決定される蒸気発生器8の入口における給水温度の平均として決定される。
あるいは、原子力発電所2が単一の蒸気発生器8を含んでいる場合、給水温度TEは、原子力発電所2の蒸気発生器8の入口における給水温度に等しいと判断される。
原子力発電所2が複数の蒸気発生器8を含んでいる場合、好ましくは、流入水流量DEは、例えば水流センサ48を用いて決定された蒸気発生器8の入口における水流量の平均値として決定される。
あるいは、原子力発電所2が単一の蒸気発生器8を含んでいる場合、流入水流量DEは、原子力発電所2の蒸気発生器8の入口における水流量に等しいと判断される。
蒸気圧力PV、給水温度TEおよび/または給水流量DE、および特にこれらのパラメータの1つまたは複数のフィルタ処理された導関数を考慮することにより、二次出力P2の変動を予測することが可能である。
一実施形態において、前記二次出力信号S2が、前記二次出力P2と、蒸気圧力PVのフィルタ処理された導関数に好ましくは負またはゼロである蒸気圧力係数KPVを乗じたもの、給水温度TEのフィルタ処理された導関数に好ましくは負またはゼロである水温度係数KTEを乗じたもの、および給水流量DEのフィルタ処理された導関数に好ましくは正またはゼロである給水流量係数KDEを乗じたもののうちの1つ以上と、の和として算出される。
図4に示すとおり、前記二次出力信号S2が、前記二次出力P2と、蒸気圧力PVのフィルタ処理された導関数に蒸気圧力係数KPVを乗じたものと、給水温度TEのフィルタ処理された導関数に水温度係数KTEを乗じたものと、給水流量DEのフィルタ処理された導関数に給水流量係数KDEを乗じたものと、の和として算出される。
一次出力信号S1と二次出力信号S2を算出するために使用される、フィルタ処理された異なる導関数を算出するために使用されるローパスフィルタは、同一であってよい。あるいは、それらはすべて同一ではない。この場合、これらのローパスフィルタのうち少なくとも2つは異なる。ある特定の例では、それらはすべて異なる。
図4に示すとおり、電子制御ユニット50は、一次出力信号S1と二次出力信号S2とを決定し比較することによって不平衡を検出するように構成された検出モジュール62を備える。
検出モジュール62は、一次出力信号S1と二次出力信号S2とをそれぞれ算出するための一次信号モジュール64と二次信号モジュール66とを含む。
一次信号モジュール64および二次信号モジュール66はそれぞれ、大きさを表す信号を受信しこの信号の導関数を出力するように構成された1つまたは複数の導関数68と、任意で、軸方向オフセットAOの導関数を受信しこの導関数の絶対値を出力するための絶対値モジュール69と、各乗算器は信号にゼロ、正または負の係数を乗算するように構成された1つまたは複数の増幅器70と、一次出力信号S1および二次出力信号S2のそれぞれを算出するために考慮される信号から一次出力信号S1および二次出力信号S2を算出するための2つの加算器72と、を含む。
制御方法の一実施形態において、図4に示すとおり、一次出力信号S1と二次出力信号S2との比較は、一次出力信号S1と二次出力信号S2との差を算出し、この差を下限閾値SINFおよび/または上限閾値SSUPと比較し、指示追従モードから出力制限モードに切り替えることを含む。
制御方法は、例えば、一次出力信号S1と二次出力信号S2との差が下限閾値SINF未満および/または上限閾値SSUPより大きい場合に、指示追従モードから出力制限モードに切り替えることを含む。
例えば、出力制限モードへの切り替えは、出力制限モードが有効化された瞬間から少なくとも所定の出力制限期間維持されるように時間設定される。
出力制限の継続時間は、例えばあらかじめ決められている。例えば、10秒(s)以上、特に20秒以上である。
出力制限モードを一定の最小期間維持することで、一次出力P1と二次出力P2がすぐに平衡状態に戻ったとしても、指示追従モードに素早く切り替えることなく、一次出力P1と二次出力P2を効果的に減少させ、平衡を取り戻すことができる。
指示追従モードから出力制限モードに切り替えるために、制御方法は、例えば、一次出力信号S1と二次出力信号S2との間に不平衡が存在することを示す不平衡論理信号SDの生成と、出力制限モードへの切り替えを制御するための、不平衡論理信号に応じて決定される時限再平衡化要求論理信号BPの生成と、を含む。
不平衡論理信号SDは2つの値(例えば0または1)をとり、一方は出力制限モードへの切り替えを必要とする著しい不平衡の存在を示し、他方は指示追従モードへの切り替えを必要とする著しい不平衡の不在を示す。
再平衡化要求論理信号BPは2つの値(例えば0または1)をとり、一方は指示追従モードに対応し、他方は出力制限モードに対応する。再平衡化要求論理信号BPは、出力制限モードに対応する値に変化したとき、この値が所定の出力制限期間維持されるように時間設定される。
図4に示すとおり、制御モジュールは、例えば、一次出力信号S1と二次出力信号S2との間の差を決定するように配置された減算器74と、該差を下限閾値SINFおよび/または上限閾値SSUPと比較し、比較の結果に応じて不平衡論理信号SDを生成する比較器76と、不平衡論理信号SDに応じて再平衡化要求論理信号BPを生成するための制限要求生成器78とを備える。
目標平衡出力PECは最大平衡出力PEMAXに応じて算出され、目標平衡出力PECは最大平衡出力PEMAX以下であると有利である。
図5に示すように、制御方法では、一次出力P1に応じて最大平衡出力PEMAXを算出する。
最大平衡出力PEMAXは、一次出力P1からゼロでない偏差Eを減じた値に応じて算出されると有利である。これにより、例えば、原子炉10の出力を低下させることができる出力指示(後述する一次出力指示CP1および二次出力指示CP2)を算出するために、一次出力P1未満の出力値を決定することが可能となる。
偏差Eの値は、例えば、原子炉10の公称運転出力の20%~55%、特に20%~35%である。
原子炉10の定格運転出力は、通常運転時の最大許容出力である。これは原子炉10の所定の出力である。
一実施形態において、偏差Eは一定である。特定の実施形態において、偏差Eは原子炉10の公称出力PNの25%に等しくなるように選択される。
実際には、一次出力P1と二次出力P2の不平衡が検出された後、偏差Eを上記の値の範囲にすることで、平衡を回復させて出力を低減させることが可能であることが判明している。
好ましくは、一次出力P1と偏差Eの差は、その導関数の絶対値が指定の導関数閾値未満に留まるように、最大平衡出力フィルタFPEMAXを使用してフィルタ処理される。最大平衡出力フィルタFPEMAXは、例えばローパスフィルタ、特に二次ローパスフィルタである。他の種類のフィルタであってもよい。
これにより、導関数が制限されており原子炉10の負荷追従性(すなわち出力指示の変化に対する反応性)とに対応する信号(一次出力とフィルタ処理された偏差Eとの差)から、最大平衡出力PEMAXを決定することが可能になる。
好ましくは、最大平衡出力フィルタFPEMAXは、一次出力P1と偏差Eの差の導関数の絶対値が、負荷追従導関数の最大絶対値、例えば毎分の定格出力PNの5%、より小さいままであるように構成される。
任意で、後者が実施される場合のフィルタ処理の後、一次出力P1と偏差Eとの差から生じる信号は、最小値VMINおよび/または最大値VMAXの間でクリップされると好ましい。
これにより、最大平衡出力PEMAXは、最大平衡出力PEMAXが決定された現在の一次出力P1にかかわらず、最小値VMINより大きく、かつ/または最大値VMAXより小さいままであることが保証され、例えば最大平衡出力PEMAXが一次出力P1が定格出力PNよりも瞬間的に大きくなる状況を考慮できる。
最小値VMINは例えばゼロに等しく、最大値VMAXは例えば原子炉10の定格出力PNの75%に等しい。
図5に示すとおり、電子制御ユニット50の制御モジュール56は、例えば、最大目標平衡出力PEMAXを算出するように構成された最大出力算出モジュール80を含む。
図5に示すとおり、この最大出力算出モジュール80は、例えば、一次出力P1を入力として受け取り、そこから偏差Eを減算する減算器82と、任意で、減算器82と直列に、偏差Eによって低減された一次出力P1に最大平衡出力フィルタFPEMAXを適用するフィルタ処理モジュール84、および/または、場合によってはフィルタ処理モジュール84によってフィルタ処理される、一次出力P1から偏差Eを減じた値を入力として受け取るクリッピングモジュール86とを含む。
目標平衡出力PECは、一次出力P1、二次出力P2、および最大目標平衡出力PEMAXに応じて決定され、それぞれと等しいかより小さくなるようにする。
図6に示すとおり、制御方法の一実施形態では、目標平衡出力PECは、一次出力P1、二次出力P2、および最大平衡出力PEMAXのうち最も小さい値として決定される。
制御方法は、例えば、出力制限モードにおいて、一次出力P1が一次出力指示CP1に一致するように(すなわち、一次出力P1と一次出力指示CP1との差を低減するように)、および二次出力P2が一次出力指示CP2に一致するように(すなわち、二次出力P2と二次出力指示CP2との差を低減するように)、一次出力指示CP1および二次出力指示CP2を算出し、原子力発電所2を制御する工程を含む。出力制限モードで原子力発電所2を制御するために使用される一次出力指示CP1と二次出力指示CP2は、目標平衡出力PECに応じて算出される。
特定の実施形態では、一次出力指示CP1および二次出力指示CP2は、目標平衡出力PECに等しいものとして算出され、任意で、好ましくはローパスフィルタである目標平衡出力フィルタFPECを適用することによってフィルタ処理される。
電子制御ユニット50の制御モジュール56は、例えば、一次出力指示CP1および二次出力指示CP2を算出するように構成された指示算出モジュール90を含む。
指示算出モジュール90は、一次出力P1、二次出力P2、および最大平衡出力PEMAXを入力として受け取り、一次出力指示CP1および二次出力指示CP2を出力として提供する。
指示算出モジュールは、例えば、一次出力P1、二次出力P2、および最大平衡出力PEMAXから最低値の信号を選択するように構成されたセレクタ92を含む。
任意で、制御ユニット50は、目標平衡出力フィルタFPECを適用することにより、目標平衡出力PECをフィルタ処理するための平衡出力フィルタ処理モジュール94を備える。
任意で、指示追従モードでは、制御方法は、一次出力指示CP1および二次出力指示CP2を、それぞれ一次出力P1および二次出力P2に等しいものとして算出する工程を含む。
指示追従モードでは、このようにして算出された一次出力指示CP1および二次出力指示CP2は、原則として原子力発電所2の実際の制御には使用されず、実際の制御は出力運転指示COPに応じて実行される。
しかし、これは、出力不平衡を実際に検出することなく、制御システム40が出力制限モードに切り替わった場合の安全策となる。このような場合、再平衡化要求論理信号BPは出力制限モードへの切り替えを要求しないので、一次出力指示CP1は一次出力P1と等しいとみなされ、二次出力指示CP2は二次出力P2と等しいとみなされるので、適時でない出力制限モードへの切り替えにもかかわらず、制御システム40は一次出力P1および二次出力P2を変更しない。
指示算出モジュール90は、例えば、一次出力P1、二次出力P2、および場合によってはフィルタ処理される目標平衡出力PECを入力として受け取り、一次出力指示CP1および二次出力指示CP2を出力として供給するスイッチングモジュール96であって、一次出力指示CP1が、指示追従モードにおける一次出力または出力制限モードにおける目標平衡出力PEC(場合によってはフィルタ処理される)に等しく、かつ、二次出力指示CP2が、指示追従モードにおける二次出力または出力制限モードにおける目標平衡出力PEC(場合によってはフィルタ処理される)に等しくなるよう再平衡化要求論理信号BPによって制御される、スイッチングモジュール96を含む。
一実施形態では、電子制御ユニット50の各モジュールおよび/または各フィルタは、コンピュータメモリまたは媒体に記憶され、プロセッサによって実行され得るソフトウェアコード命令を含むソフトウェアアプリケーションの形態で実装される。
あるいは、電子制御ユニット50の少なくとも1つのモジュールおよび/または少なくとも1つのフィルタは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)またはプログラマブル論理回路、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)の形態である。
運転時、デフォルトでは、制御システム40は、指示追従モードで原子力発電所2を制御し、このモードでは、一次出力P1および二次側出力P2が出力運転指示に追従するように原子力発電所2を制御する。
一次出力信号S1と二次出力信号S2とを比較することによって不平衡が検出された場合、制御システム40は、制御システム40によって算出され、一次出力P1以下かつ二次出力P2以下である目標平衡出力PECに応じて一次出力P1と二次出力P2とが制御される、出力制限モードに入る。
出力制限モードにおいて、制御システム40は、例えば目標平衡出力PECから一次出力指示CP1および二次出力指示CP2を算出し、一次出力P1が一次出力指示CP1に一致し、二次出力P2が二次出力指示CP2に一致するように前記原子力発電所を制御する。
一次出力指示CP1は、例えば、場合によってはフィルタ処理され、特にローパスフィルタによってフィルタ処理される目標平衡出力PECに等しく、二次出力指示CP2は、例えば、場合によってはフィルタ処理された、特にローパスフィルタによってフィルタ処理された目標平衡出力PECに等しい。
出力制限モードは、設定された出力制限期間維持された後、指示追従モードに戻る。
任意で、指示追従モードでは、制御システム40は、一次出力指示CP1を一次出力P1に等しいものとして算出し、二次出力指示CP2を二次出力P2に等しいものとして算出する。
本発明は、原子力発電所2を指示追従モードで既に制御している制御システムによって実行される出力制限モードに切り替えることによって、また、例えば停止クラスターを降下させることによって原子力発電所を停止させる機能を有する保護システムの介入を回避することによって、出力不平衡が発生した場合に原子力発電所2を通常の運転領域に維持することを可能にする。
出力制限モードは、原子力発電所のすべての出力レベルで実施可能、すなわち不平衡が検出されたときの現在の出力運転指示にかかわらず実施可能である。
これは制御システム40を使って実装することができる。これは、高振幅の通常運転の過渡現象や、原子力発電所2からの偶発的な過渡現象で有効化し、著しい出力不平衡を引き起こす可能性がある。
これは保護システムの介入なしに実施でき、特に保護システム機器の使用に限定されない。原子力発電所2の保護システムによる介入がない場合、原子力発電所2の安全性報告にはわずかな影響しかないと考えられる。本制御方法を実施しても、技術革新によって変更された過渡現象、または制限システムが考慮された特定のプロジェクトに特有の安全報告の章の修正を除いて、原子力発電所2の安全性報告書を再作成する必要はない。
本発明は、上述した実施形態および変形例に限定されるものではなく、他の実施形態および変形例も可能である。
例えば、図6に示す実施形態では、出力制限モードにおいて、一次出力指示P1と二次出力指示P2は、どちらも同じ目標平衡出力フィルタPECによってフィルタ処理された目標平衡出力PECとして算出される。
あるいは、互いに異なる一次フィルタと二次フィルタを設けることも可能であり、一次電力指示CP1は、一次フィルタによってフィルタ処理された目標平衡出力PECに等しく、二次出力指示CP2は、二次フィルタによってフィルタ処理された目標平衡出力PECに等しい。
同一の一次フィルタと二次フィルタを設けることも可能であり、一次電力指示CP1は、一次フィルタによってフィルタ処理された目標平衡出力PECに等しく、二次出力指示CP2は、二次フィルタによってフィルタ処理された目標平衡出力PECに等しい。
さらに、一次出力P1の算出および二次出力P2の算出は、上記に示した算出例に限定されるものではなく、他の算出方法も可能である。
一実施形態では、図1~図6と同様の要素に同じ参照符号が付された図7に示すとおり、一次出力P1を算出するために測定値が使用される第1センサは、例えば、
一次回路4の各コールドブランチにおける、このコールドブランチを循環する水の温度を測定するためのコールドブランチ温度センサ100、およびこのコールドブランチを循環する水の流量を測定するためのコールドブランチ流量センサ102と、
一次回路4の各ホットブランチにおける、このホットブランチを循環する水の温度を測定するためのホットブランチ温度センサ104、およびこのホットブランチを循環する水の流量を測定するためのホットブランチ流量センサ106と、
加圧器24内の圧力を測定するための加圧器圧力センサ108と、を含む。
電子制御ユニット50の一次出力算出モジュールによって実行される一次出力P1の算出は、例えば
コールドブランチ温度センサ100によって測定されたコールドブランチ温度の平均値として、場合によってはフィルタ、好ましくはローパスフィルタによってフィルタ処理された平均コールドブランチ温度TBFMを算出する工程と、
コールドブランチ流量センサ102によって測定されたコールドブランチ流量の平均値として、場合によってはフィルタ、好ましくはローパスフィルタによってフィルタ処理された平均コールドブランチ流量DBFMを算出する工程と、
ホットブランチ温度センサ104によって測定されたホットブランチ温度の平均値として、場合によってはフィルタ、好ましくはローパスフィルタによってフィルタ処理された平均ホットブランチ温度TBCMを算出する工程と、
ホットブランチ流量センサ106によって測定されたホットブランチ流量の平均値として、場合によってはフィルタ、好ましくはローパスフィルタによってフィルタ処理された平均ホットブランチ流量DBCMを算出する工程と、
平均コールドブランチ温度TBFM、平均コールドブランチ流量DBFM、平均ホットブランチ温度TBCM、平均ホットブランチ流量DBCMに応じて一次出力P1を算出する工程と、を含む。
電子制御ユニット50の一次出力算出モジュールによって実行される一次出力P1の算出は、例えば
加圧器圧力センサ108によって測定された平均コールドブランチ温度と加圧器圧力PPRとに応じて、平均コールドブランチエンタルピーHBFMを算出する工程と、
平均ホットブランチ温度TBCMと加圧器圧力PPRに応じて平均ホットブランチエンタルピーHBCMを算出する工程と、
平均コールドブランチ流量DBFM、平均ホットブランチ流量DBCM、平均コールドブランチエンタルピーHBFM、平均ホットブランチエンタルピーHBCM、平均コールドブランチ温度TBFM、平均ホットブランチ温度TBCM、および加圧圧力PPRを入力データとして使用して、校正係数Kと一次熱出力を算出するための関数FPTHとの積として、原子炉から一次回路4に供給される平均一次熱出力に等しいものとして、一次出力P1を算出する工程と、を含む。
一次熱出力FPTHを算出する機能は、好ましくは一次回路4の熱収支に基づく。
校正係数Kは、熱出力を決定するために必要な二次エンタルピーバランスを使用して、定期テスト中に決定される。校正係数Kは一次熱出力を調整するために使用される。
このようにして、一次出力P1は、例えば中性子センサ42を使用する代わりに、温度センサ、流量センサ、および圧力センサによって提供される測定値に基づいて決定することができる。
一実施形態では、図7に示すとおり、その測定値が二次出力P2の算出に使用される第2のセンサは、例えば、各蒸気発生器8について、蒸気発生器 8 の出口で二次回路 6 内の蒸気の流量を測定するための蒸気流量センサ110、蒸気発生器 8 の出口で二次回路 6 内の圧力を測定するための蒸気圧力センサ112、蒸気発生器8の出口で二次回路6内の温度を測定するための蒸気温度センサ114、二次回路6内の蒸気発生器8に液体状態で入る水の圧力を測定するための水圧センサ116、および二次回路6内の蒸気発生器8への入口における水の温度を測定するための水温センサ118と、を含む。
電子制御ユニット50の二次出力算出モジュールによって実行される一次出力P2の算出は、例えば
各蒸気発生器8について、水温センサ118と水圧センサ116によって測定された蒸気発生器8の入口の水温TEAUと水圧PEAUに応じて入力エンタルピーHEを算出し、蒸気温度センサ114と蒸気圧力センサ112によって測定された蒸気発生器の出口の蒸気温度と蒸気圧力に応じて出力エンタルピーHVを算出する工程と、
各蒸気発生器8について、蒸気流量センサ110によって測定されたこの蒸気発生器の出口における蒸気流量DVと、この蒸気発生器の出力エンタルピーHVとこの蒸気発生器の入力エンタルピーHEの差との積の合計として、二次出力P2を算出する工程と、を含む。
一次出力P2は、以下の式に従って算出される。
Figure 2024510748000002
式中、
P2および二次出力(W)、
iは 蒸気発生器のインデックス、
DViは、インデックスiの蒸気発生器8の出口における蒸気流量(kg/s)、
HViは 、インデックスiの蒸気発生器8の出口エンタルピー(J/kg)、
HEiは、インデックスiの蒸気発生器8の入力エンタルピー(J/kg)である。
図1~図7と同様の要素に同じ参照符号が付された図8に示すとおり、同じタービン28に供給する複数の蒸気発生器8を有する二次回路6は、例えば、蒸気発生器8によって生成された蒸気を受け取り、生成された蒸気をタービン28に分配する蒸気ドラム120(「蒸気コレクター」)と、復水器32から出る水を受け取り、この水を異なる蒸気発生器8に分配する水ドラム122(または「水分配器」)とを含む。
さらに、二次回路6は、例えば、タービン28をバイパスして二次から蒸気を排出するための回路を含み、この回路を以下では「groupe de contournement vapeur au condenseur(復水器での蒸気バイパスグループ)」の頭文字をとってGCTCと呼び、参照符号124を付す。GCTC124は、蒸気を蒸気ドラム120の出口からタービン28をバイパスして復水器32の入口に導くように構成されている。
GCTC124は、例えば、原子力発電所の制御システム40によって制御されるバルブなど、GCTC124を通る蒸気の流量を制御するための1つ以上の制御アクチュエータ126を含み、該制御アクチュエータ126は、例えば、2つの値(例えば0と1)をとる論理ロック信号GCTC_dev(一方は開放を許可せず、GCTC124のロックを要求し、他方は開放を許可し、GCTCのロックを解除することを要求する)と、例えば最小開放と最大開放の間の開放パーセントとしてGCTC124の弁の開放を要求する開放制御信号GCTC_comを介して制御される。
原子力発電所には、例えば1つ以上の蒸気消費装置127が含まれる。各蒸気消費器127は二次回路6に接続され、二次回路6から、好ましくは蒸気ドラム120の出口で蒸気を取り込む。
蒸気消費装置127は、例えば、乾燥・過熱器である。
蒸気消費装置127には、タービン28とGCTC124は含まれない。
一実施形態において、図8に示すとおり、第2のセンサは、例えば
タービン28内の圧力を測定するように構成されたタービン圧力センサ128、好ましくは、タービン28がそれぞれタービン段を画定する複数のホイールを含んでいる場合に、タービン28の第1のホイールの入口における圧力を測定するように構成されたタービン圧力センサ128と、
蒸気ドラム内の蒸気の圧力を測定する蒸気ドラム圧力センサ130と、
蒸気ドラム内の蒸気の温度を測定する蒸気ドラム温度センサ134と、
水ドラムの水の温度を測定する水ドラム温度センサ138と、
水ドラム内の水の圧力を測定する水ドラム圧力センサ140と、
蒸気消費装置127によって二次回路6から引き出される蒸気の速度をそれぞれ測定する、1つ以上の蒸気取出速度センサ142と、を含む。
例えば、一次出力P2は以下の式に従って算出される。
GCTCのロックが解除されている場合:
Figure 2024510748000003
GCTCがロックされている場合:
Figure 2024510748000004
式中、
P2は二次出力(W)、
P1TRは、第1タービンホイール28の入口で測定された圧力(Pa)、
F(P1TR)は、第1タービンホイール28の入口における圧力測定値からタービン28に伝達される熱動力を求める関数、
PBVAPは、蒸気ドラム120における蒸気圧(Pa)、
HBVAPは、蒸気ドラム120における蒸気のエンタルピー(J/kg)、
HBEAUは、水ドラム122における水のエンタルピー(J/kg)、
GCTC_comは100%を最大開度、0%を最小開度として開度に対するパーセンテージとして表されるGCTC 124の開度制御信号、
KGCTCは、W/(Pa×GCTC124の開度(%))で表されるGCTC124に排気される熱出力の調整係数、
Djは 、インデックスj(kg/s)の蒸気消費装置によって消費される蒸気の質量流量、
Kjは 、インデックスjの蒸気消費装置に排出される熱出力の調整係数である。
このような二次出力P2の算出は、特に、蒸気発生器8の入口および蒸気発生器8の出口に1つまたは複数のセンサを各蒸気発生器に装備する必要なく、蒸気ドラム120および水ドラム122に配置されたセンサによって実施される。センサの数を削減できる。
2 原子力発電所
4 一次回路
6 二次回路
8 蒸気発生器
10 原子炉
20 制御クラスタ
40 制御システム
P1 一次出力
P2 二次出力
S1 一次出力信号
S2 二次出力信号

Claims (19)

  1. 原子炉を組み込んだ水の循環のための一次回路(4)と、水の循環のための二次回路(6)と、N個の蒸気発生器(Nは1以上の整数)とを備える加圧水型原子力発電所を制御する、自動制御システムが実施する制御方法であって、各蒸気発生器は、前記二次回路における蒸気の発生を伴って、前記一次回路(4)から前記二次回路(6)に熱エネルギーを伝達するように構成され、
    前記原子炉(10)によって生成される熱出力を表す一次出力(P1)を、前記一次回路(4)の運転に関連し第一のセンサによって測定された前記原子力発電所(2)の第一運転パラメータの測定値に応じて算出し、前記蒸気発生器(8)によって前記一次回路(4)から前記二次回路(6)へ伝達される熱出力を表す二次出力(P2)を、前記二次回路(6)の運転に関連し第二のセンサによって測定された前記原子力発電所(2)の第二運転パラメータに応じて算出する工程と、
    前記一次出力(P1)および/または前記一次出力(P1)の変動を示す少なくとも1つの変数に応じて算出された一次出力信号(S1)と、前記二次出力(P2)および/または前記二次出力(P2)の変動を示す少なくとも1つの変数に応じて算出された二次出力信号(S2)との間に発生しうる不均衡を検出する工程と、
    不均衡が検出されなかった場合、前記一次出力(P1)および前記二次出力(P2)が出力運転指示(COP)に追従するように、制御システムが受信した出力運転指示(COP)に応じて前記原子力発電所が制御される指示追従モードを実施する工程と、
    不均衡が検出された場合、前記制御システム(40)により前記一次出力(P1)以下かつ二次出力(P2)以下の目標平衡出力(PEC)を計算することと、該目標平衡出力(PEC)に応じて前記原子力発電所(2)を制御することと、を含む出力制限モードを自動で実施する工程と、を含む制御方法。
  2. 前記二次出力(P2)が、前記各蒸気発生器(8)によって前記一次回路(4)から前記二次回路(6)へ伝達される前記熱出力を算出し、これらの熱出力の合計を算出することによって決定されることを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
  3. 前記一次出力信号(S1)が、前記一次出力(P1)、前記一次出力(P1)のフィルタ処理された導関数、前記原子炉(10)の軸方向オフセット(AO)、前記原子炉(10)の軸方向オフセット(AO)のフィルタ処理された導関数、制御クラスタ(20)の運動信号(PG)および/または制御クラスタ(20)の運動信号(PG)のフィルタ処理された導関数に応じて算出される、請求項1または請求項2に記載の制御方法。
  4. 前記一次出力信号(S1)が、一次出力と、一次出力のフィルタ処理された導関数(P1)に一次出力係数(KP1)を乗じたもの、軸方向オフセットのフィルタ処理された導関数(AO)の絶対値に軸方向オフセット係数(KAO)を乗じたもの、および制御クラスタ運動信号(PG)のフィルタ処理された導関数に運動信号係数(KPG)を乗じたもののうちの1つ以上と、の和として算出される、請求項3に記載の制御方法。
  5. 前記二次出力信号(S2)が、前記二次出力、前記蒸気発生器(8)の出口における蒸気圧力を表す蒸気圧力(PV)、蒸気圧力(PV)のフィルタ処理された導関数、前記蒸気発生器(8)の入口の水温を表す給水温度(TE)、給水温度(TE)のフィルタ処理された導関数、蒸気発生器(8)の入口における水流量を表す給水流量(DE)、および/または給水流量(DE)のフィルタ処理された導関数に応じて算出される、請求項1~4のいずれか一項に記載の制御方法。
  6. 前記二次出力信号(S2)が、前記二次出力(P2)と、蒸気圧力(PV)のフィルタ処理された導関数に蒸気圧力係数(KPV)を乗じたもの、給水温度(TE)のフィルタ処理された導関数に給水温度係数(KTE)を乗じたもの、および給水流量(DE)のフィルタ処理された導関数に給水流量係数(KDE)を乗じたもののうちの1つ以上と、の和として算出される、請求項5に記載の制御方法。
  7. 前記発生しうる不均衡を検出する工程が、前記一次出力信号(S1)と前記二次出力信号(S2)との差を下限閾値および/または上限閾値と比較することを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の制御方法。
  8. 前記不均衡を検出する工程が、前記差が前記下限閾値より小さい場合および/または前記上限閾値より大きい場合に、再平衡化(BP)を要求する論理信号を生成し、前記出力制限モードへの切り替えを命令することを含む、請求項7に記載の制御方法。
  9. 前記出力制限モードが、前記不均衡を検出する工程から決定される出力制限期間の間有効化される、請求項1~8のいずれか1項に記載の制御方法。
  10. 前記目標平衡出力(PEC)が最大平衡出力(PEMAX)に応じて算出され、前記目標平衡出力(PEC)は、前記最大平衡出力に等しいか、または前記最大平衡出力よりも小さい、請求項1~9のいずれか1項に記載の制御方法。
  11. 前記最大平衡出力(PEMAX)が、前記一次出力(P1)からゼロでない偏差(E)を減じた値に応じて算出される、請求項10に記載の制御方法。
  12. 前記一次出力(P1)からゼロでない偏差(E)を減じた値が、その導関数の絶対値が所定の導関数閾値以下に留まるようにフィルタ処理される、請求項11に記載の制御方法。
  13. 前記最大平衡出力(PEMAX)が指定された最大値(VAMX)より小さく、および/または指定された最小値(VMIN)より大きくなるようにクリッピングすることを含む、請求項11または12に記載の制御方法。
  14. 前記目標平衡出力(PEC)が、前記一次出力(P1)、前記二次出力(P2)および前記最大平衡出力(PEMAX)の最小値として決定される、請求項10から13のいずれか一項に記載の制御方法。
  15. 前記出力制限モードにおいて、前記目標平衡出力(PEC)に応じて一次出力指示(P1)および二次出力指示(P2)を算出し、前記一次出力(P1)が一次出力指示(CP1)に一致し、前記二次出力(P2)が二次出力指示(CP2)に一致するように前記原子力発電所(2)を制御することを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の制御方法。
  16. 前記出力制限モードでは、前記一次出力指示(CP1)が、前記目標平衡出力(PEC)と等しいものとして算出され、任意でフィルタ処理され、好ましくはローパスフィルタによってフィルタ処理され、前記二次出力指示(CP2)が、前記目標平衡出力(PEC)と等しいものとして算出され、任意にフィルタ処理され、好ましくはローパスフィルタによってフィルタ処理されることを特徴とする、請求項15に記載の制御方法。
  17. 請求項1~16のいずれか1項に記載の制御方法を実行するように構成された、原子力発電所制御システム。
  18. 原子炉(10)を組み込んだ水の循環のための一次回路(4)と、水の循環のための二次回路(6)と、N個の蒸気発生器(8)(Nは1以上の整数)とを備え、請求項17に記載の制御システム(40)を含む原子力発電所であって、各蒸気発生器(8)は、前記二次回路における蒸気の発生を伴って、前記一次回路(4)から前記二次回路(6)に熱エネルギーを伝達するように構成される、原子力発電所。
  19. コンピュータ媒体またはコンピュータメモリに記録可能であり、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム製品であって、請求項1から16のいずれか一項に記載の制御方法を実行するためのソフトウェアコード命令を含む、コンピュータプログラム製品。
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