JP2024510704A - 複数の多孔質層及び多孔質層に浸透する電荷伝導媒体を備えるソーラーセル - Google Patents

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Abstract

本発明は、多孔質層のスタック、前記スタックを支持するための支持基板(2)、及び前記多孔質層にわたって浸透している電荷伝導媒体(7)を備えるソーラーセル(1a)に関する。前記スタックは、多孔質光吸収層(3)、前記光吸収層からの光生成電子を抽出するための導電材料を含む多孔質第1導電層(4)、導電材料を含む多孔質対電極(6)、及び多孔質電気絶縁材料から作られており、前記導電層(4)及び前記対電極(6)の間に配設されている分離層(5)を有し、ここで前記導電層(4)は前記対電極(6)よりも前記光吸収層(3)の近くに配設されている。前記支持基板(2)は多孔質であり、前記電荷伝導媒体(7)は前記支持基板(2)にわたって浸透している。

Description

本発明は、複数の多孔質層及び多孔質層に浸透している電荷伝導媒体を備える、光エネルギーを電気エネルギーに変換するためのソーラーセルに関する。
複数の多孔質層を備える、光を電気エネルギーに変換するソーラーセルは、当技術分野において周知である。
多孔質光吸収層、多孔質導電層、及び多孔質隔離層を備える色素増感ソーラーセル(DSSC)は、確立された製造方法、例えばスクリーン印刷、インクジェット印刷、又はスロットダイコーティング等を使用して、工業規模の製造をするための高い可能性を有することが知られている。
色素増感ソーラーセルの工業規模の製造は、ソーラーセルコンポーネントの大面積薄層を加工することを含む。これらのコンポーネントは、印刷、熱処理、真空処理、化学処理のような、様々な加工段階を、製造中に経る。これは、ソーラーセルの加工を取り扱うには、機械的にコンポーネントを取り扱い、下にあるコンポーネントを損傷することなく様々な処理を遂行することが可能であるために、ソーラーセルのアーキテクチャが重要であることを意味する。ソーラーセルのアーキテクチャは、ソーラーセルの全体的性能のためにも重要である。
色素増感ソーラーセルを製造するための公知の工程は、ロールツーロールプロセスを経るものである。2018年06月14日のEnergyTrend「Keys to Flexible Solar cell's Mass Production: Cell Encapsulation and Durability」において、研究者らは、ロールツーロール製造プロセスによって生産された可撓性DSSCは、製造方法の効率に起因して、商業化が可能であると説明している。
ロールツーロールプロセスにおいて、ソーラーセルは、コンベアベルト上に配置され、ソーラーセルの他のコンポーネントを配置するための機械的に安定した基板として機能することができる、可撓性導電箔のような、固体基板を備える。US8658455は、可撓性基板を有するロールツーロールプロセスを説明している。当該可撓性基板上に、TiOの層が形成され、TiO層が焼結され、染料を提供され、電解質をロードされ、その後第2可撓性基板は、サンドイッチタイプDSSCを封止するためにその上に追加される。ロールツーロールプロセスも含む封止段階は、液体電解質のリーク又は気化というリスクを改善すると言われている。
例えば、チタン、ステンレス鋼、又は他の金属の箔、又は導電ポリマーのコーティングされた箔、又は導電ガラスの薄いフィルム等の可撓性導電箔が知られている。
色素増感ソーラーセルのロールツーロール製造の問題は、熱処理又は真空処理のようないくつかの加工が、コンベアバンドがオーブン又は化学処理ボックスを通ってロールする際に行われる必要があるということに関わる。これは、これらの加工のための空間及び時間を要求する。
色素増感ソーラーセルを製造する別の手段は、EP2834823B1において説明されており、そこで、コンポーネントの全層が多孔質であるモノリシック色素増感ソーラーセルが示されている。織布及び不織布ガラスファイバから作られる多孔質絶縁基板は、製造中の支持構造として機能し、多孔質導電金属層は、多孔質絶縁基板の両面上に印刷される。一方の面上に、多孔質導電層であるTiO層が印刷され、他方の面上では多孔質導電層は触媒を提供される。TiO層は染料を用いて浸漬され、保護箔を積層するためにセルが好適な断片へと切断される際に電解質が添加される。熱処理、真空処理、又は様々化学処理を含む加工段階中に、オペレーション中の加工物は全体が多孔質であり、例えば放出されたガスが排出されることを妨げることなく、複数の加工物が互いの上にステープルされることができる。製造において支持基板として使用される多孔質絶縁基板は、最終的なソーラーセルにおいて作用電極及び対電極の間の絶縁層となる。多孔質絶縁基板の厚さは、従って、絶縁層をソーラーセル内の抵抗損失を低減するのに十分なだけ薄くすること、及び多孔質基板を支持構造として機能するために十分な機械的特性を実現するのに十分なだけ厚くすることの間のトレードオフとなる。製造中に、支持構造は、支持体の両面上に印刷するために、反転される必要がある。
EP1708301は、多孔質層が互いの上に配設されたスタック、多孔質層の細孔内に一体的に配置された電解質、及び、セラミック、金属、レジン又はガラスから作られる多孔質層のスタックを支持するための支持構造を含むアーキテクチャを有する色素増感ソーラーセルを開示している。
色素増感ソーラーセルの別の問題は、特にソーラーセルの長期間使用中に、電解液の気化又は空乏、又は電解質のリークがあり得ることに関する。
本発明の目的は、上記の問題を少なくとも部分的に克服し、改善されたソーラーセルを提供することである。
この目的は、請求項1において定義されるとおりのソーラーセルによって達成される。
ソーラーセルは、互いの上に配設された多孔質層のスタック、多孔質層にわたって浸透する電荷伝導媒体、及び多孔質層を支持するための支持基板を備える。複数の多孔質層は、光吸収層、光吸収層からの光生成電子を抽出するための導電材料を含む第1導電層、導電材料を含む対電極、及び多孔質電気絶縁材料から作られており、第1導電層及び対電極の間に配設されている分離層を有する。多孔質層のスタックは、支持基板の上に配設されており、支持基板は多孔質であり、電荷伝導媒体は多孔質支持基板にわたって浸透している。
多孔質層のスタックは、活性層であり、それはこれらが発電に関与することを意味する。電荷伝導媒体が、光吸収層及び対電極の間の電荷の移送を可能にするために活性多孔質層のスタックにわたって浸透できることが必要である。支持基板は、ソーラーセル内で活性層ではなく、すなわちそれは発電に関与しない。支持基板の主要な機能は、活性層のスタックのために支持体として機能することである。
支持基板は多孔質であり、電荷伝導媒体はソーラーセルの多孔質層の細孔だけでなく基板の細孔にも浸透している。支持基板の多孔性に起因して、支持基板の細孔は電荷伝導媒体の貯蔵体として機能する。そうして、ソーラーセル内の電荷伝導媒体の総容量は高められている。結果的に、リーク又は気化に起因してソーラーセル内の電荷伝導媒体が減少する場合に、ソーラーセル内の電荷伝導媒体の総含有量が最低レベルに達しソーラーセルが機能を停止するまでの時間が延長される。基板がより厚くなり多孔性がより高くなるにつれ、電荷伝導媒体の貯蔵体はより大きくなる。支持基板は発電に関与しないので、支持基板の厚さは、重要ではなく、発電に影響しない。
多孔質基板に関する別の利点は、それが、ソーラーセルの製造中の、ソーラーセル内の電荷伝導媒体の均等な充填を実現しやすくすることである。これは薄く幅広のソーラーセルが製造される場合に問題である。例えば、ソーラーセルの面積は1mであり得、ソーラーセルの厚さは0.2mmであり得る。電荷伝導媒体は、大きなソーラーセルの多孔質層内へと浸潤する必要があり、好ましくは、ソーラーセルの多孔質層内の全ての細孔は、電荷伝導媒体で充填されている。ソーラーセルの底部内の多孔質基板に起因して、電荷伝導媒体は、ソーラーセルの底面から導入され、毛細管力によってスタック内の多孔質層内の細孔のほとんどを電荷伝導媒体で充填することができる。
多孔質基板に関する別の利点は、先行技術に記載のような伝導媒体でのセルの真空充填が必要ないことである。真空充填は、時間を消費し、追加の設備を要求する。
多孔質基板に関する別の利点は、それが、毛細管力によって伝導媒体を保持し、それにより伝導媒体が流出することを防ぐことである。従って、ソーラーセルの破損の場合において、伝導媒体は多孔質基板内に保持され、流出しないことになる。
先行技術のような固体支持基板の代わりに多孔質支持基板上にスタックされた多孔質層を有することに関する別の利点は、そうすることで、ガスが、ソーラーセルの真空焼結中、及びソーラーセルの空気焼結中にも、基板を通して排出されることを可能にするので、大きなサイズのソーラーセルを製造することが容易になることである。空気焼結中には、二酸化チタンTiOを備える層が空気焼結される場合に、燃焼ガスは後のステージで除去されなければならず、有機物質からの燃焼ガスは燃焼によって除去される必要がある。そうして、ソーラーセルの製造は高速化される。
ソーラーセルは、好ましくはモノリシックセルである。モノリシックソーラーセルは、全ての多孔質層が、1つの同じ支持基板上に、直接的に又は間接的に、成膜されていることを特徴とする。
多孔質活性層の底部に多孔質支持基板を有することによって、モノリシックソーラーセル構造の製造は、製造プロセス中に加工物をステープルするという有益な工程から恩恵を得ることができる。活性層の底部にあり、活性層が上に形成されている支持基板を有することに関する別の利点は、製造プロセス中にオペレーション中の加工物を反転させる必要が存在しないことである。
本発明の別の利点は、多孔質電気絶縁材料から作られる分離層は、支持基板によって定義されないことである。多孔質導電層の間の多孔質分離層は、費用対効果の高い印刷加工によって形成し、様々な材料によって作成することができる。分離層の厚さは、ソーラーセルの効率を最適化するように設計され得る。
1つの態様によれば、ソーラーセルは、多孔質層、支持基板、及び伝導媒体を封入する封入部を備え、多孔質層は支持基板の一方の面上に配設されており、支持基板の反対側の面は封入部に対向している。
多孔質層及び支持基板の各々は、細孔を有する。電荷伝導媒体は、多孔質層及び支持基板の細孔を通って浸透している。電荷伝導媒体は、多孔質層の細孔内及び支持基板の細孔内に一体的に配置されている。
1つの態様によれば、複数の多孔質層の細孔の平均サイズは、支持基板の細孔の平均サイズよりも小さいので、多孔質層の細孔の毛細管力が支持基板の毛細管力よりも強い。支持基板の上の多孔質層内の細孔のサイズが支持基板内の細孔のサイズよりも小さいという事実に起因して、多孔質層の毛細管力は、電荷伝導媒体を、毛細管力が支持基板内の毛細管力よりも強い上方へと優先的に圧送することになる。この動作はキャピラリーポンプの動作に類似している。これは、上部活性層内の電荷伝導媒体のリークが存在する場合に、電荷伝導媒体は、貯蔵体から活性層へと上方に優先的に圧送されることになり、支持基板は、電荷伝導媒体を活性層へ供給する貯蔵体として機能することになることを意味する。
基板及び多孔質層内の細孔のサイズは、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して測定されることができる。
1つの態様によれば、支持基板内の細孔の少なくとも80%は、3μmよりも大きく、多孔質層内の細孔の少なくとも80%は、3μmよりも小さい。好ましくは、支持基板内の細孔の少なくとも90%は、3μmよりも大きく、多孔質層内の細孔の少なくとも90%は、3μmよりも小さい。好ましくは、支持基板内の細孔の少なくとも80%は、3μm及び10μmの間であり、最も好ましくは、支持基板内の細孔の少なくとも90%は、3μm及び10μmの間である。そうして、多孔質層内の細孔は、通常サブメートルの範囲内、すなわち3μm未満であり、支持基板内の細孔は通常マイクロメートルの範囲内、すなわち3~10μmである。支持基板及び多孔質層の間の細孔のサイズにおける差は、多孔質層内の毛細管力が支持基板内の毛細管力よりも強く、結果的に、ソーラーセルの活性層内の電荷伝導媒体の含有量が低減された場合に、電荷伝導媒体が活性層へと上方に圧送されることになることを実現している。
1つの態様によれば、支持基板の厚さは、少なくとも20μm、好ましくは少なくとも30μm、最も好ましくは少なくとも50μmである。基板がより厚いほど、電荷伝導媒体の貯蔵体がより大きい。
1つの態様によれば、支持基板の厚さは20μm及び200μmの間である。
1つの態様によれば、支持基板の多孔性は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%である。多孔性がより高いほど、電荷伝導媒体の貯蔵体がより大きい。
1つの態様によれば、支持基板の多孔性は、50%及び90%の間、好ましくは70%及び90%の間である。
1つの態様によれば、支持基板は織布及び/又は不織布マイクロファイバを備える。マイクロファイバは、10μm未満であり1nmよりも大きい直径を有するファイバである。
1つの態様によれば、支持基板は、無機ファイバを備える。
1つの態様によれば、支持基板は、以下のうちの少なくとも1つを備える:ガラスファイバ、セラミックファイバ、及びカーボンファイバ。
1つの態様によれば、マイクロファイバは、0.2μm及び10μmの間、好ましくは0.2μm及び5μmの間、より好ましくは0.2μm及び3μmの間、最も好ましくは0.2及び1μmの間の直径を有する。
1つの態様によれば、支持基板は織布マイクロファイバの層を備える。織布マイクロファイバは可撓性であり、従ってソーラーセルは可撓性になる。
1つの態様によれば、支持基板は、織布マイクロファイバの層上に配設された不織布マイクロファイバの層を備える。織布マイクロファイバ及び不織布マイクロファイバは可撓性であり、従ってソーラーセルは可撓性になる。不織布マイクロファイバは、入来する機械的エネルギーを効果的に吸収し減衰させ、また入来する機械的エネルギーをより大きな面積上に分散させて、それにより局所的効果を低減する、スプリングクッションとして機能する。織布マイクロファイバ及び不織布マイクロファイバの層を備える基板上にスタックされた多孔質層を有することの利点は、支持基板が衝撃吸収するようになり、従ってソーラーセルが、例えば機械的屈曲又は捻転又は延伸又はインパクトハンマーを受ける場合に、より機械的に頑丈になることである。これは、ソーラーセルが、ヘッドホン、リモコン、及び携帯電話等の、消費者製品と一体化している場合に利点である。
1つの態様によれば、不織布マイクロファイバの層は、織布マイクロファイバの層よりも対電極に近く配設されている。好ましくは、不織布マイクロファイバの層は、対電極に隣接して配設されている。
別の態様によれば、織布マイクロファイバの層は、不織布マイクロファイバの層よりも対電極に近く配設されている。好ましくは、織布マイクロファイバの層は、対電極に隣接して配設されている。
1つの態様によれば、織布マイクロファイバの層は、間に穴部が形成された複数の織り糸を備え、不織布マイクロファイバの少なくとも一部は、織り糸の間の穴部内に集積されている。
1つの態様によれば、分離層の厚さは、3μm及び50μmの間であり、好ましくは4μm及び20μmの間である。分離層を可能な限り薄くし、ソーラーセル内の抵抗損失を低減し、従ってソーラーセルの効率を改善したいという要望である。しかしながら、分離層が過度に薄くなる場合には、導電層及び対電極の間で短絡のリスクが存在する。
1つの態様によれば、分離層は、多孔質電気絶縁材料を備える。好ましくは、電気絶縁材料は電気絶縁粒子から作られる。そのような分離層は、分離層の望ましい厚さを実現するために、互いの上に絶縁粒子の複数の層を塗布して製造されることが可能である。そうして、分離層の厚さを制御することが可能であり、分離層の厚さは必要に応じて選択されることが可能である。
1つの態様によれば、当該電気絶縁粒子は絶縁材料からなる。
1つの態様によれば、当該電気絶縁粒子は、半導体材料のコア及びコアを覆う電気絶縁材料の外側層を備える。
1つの態様によれば、絶縁粒子の外側層の絶縁材料は、アルミナ(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ケイ素(SiO)、及びアルミノケイ酸塩からなる群の中の材料のうちの1つ又は複数を備える。アルミノケイ酸塩は、例えば、AlSiOである。
1つの態様によれば、絶縁粒子の外側層の絶縁材料は、アルミナ(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ケイ素(SiO)、及びアルミノケイ酸塩からなる群の中の材料のうちの1つ又は複数である。アルミノケイ酸塩は、例えば、AlSiOである。
1つの態様によれば、絶縁粒子のコア内の半導体材料は、二酸化チタン(TiO)を備える。
1つの態様によれば、絶縁粒子のコア内の半導体材料は、二酸化チタン(TiO)である。
1つの態様によれば、絶縁粒子の電気絶縁材料は、アルミナ(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ケイ素(SiO)、及びアルミノケイ酸塩からなる群の中の材料のうちの1つ又は複数を備える。アルミノケイ酸塩は、例えば、AlSiOである。さらなる態様によれば、絶縁材料はガラスであってもよい。
1つの態様によれば、絶縁粒子の電気絶縁材料は、アルミナ(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ケイ素(SiO)、及びアルミノケイ酸塩からなる群の中の材料のうちの1つ又は複数である。アルミノケイ酸塩は、例えば、AlSiOである。さらなる態様によれば、絶縁材料はガラスであってもよい。
1つの態様によれば、電荷伝導媒体は液体電解質である。
銅錯体電解質及びコバルト錯体電解質のような、特定の伝導媒体は、非常に低い導電性を有し、結果として非常に大きな電気抵抗損失をもたらし得る。低い導電性は、電解質が、低い拡散速度を有する大きなイオンを有するという事実に由来する。液体電解質が電荷を移送するとき、電荷はブラウン運動で運動する、すなわち液体内の高速運動する原子又は分子との衝突に起因して不規則に運動する。銅及びコバルトは、ゆっくり運動する相対的に大きなイオンを有し、従って低い導電性を有する。そのような電解質を使用する効率は、対電極及び光吸収層の間の短い距離を有することによって大幅に改善される。本発明は、分離層の厚さを選択し、従って対電極及び光吸収層の間の好適な距離を、電解質に応じて選択することを可能にする。
1つの態様によれば、伝導媒体は、銅錯体を備える。銅錯体を電荷移送のために使用することに関する利点は、伝導媒体が非毒性となることである。銅を伝導媒体として使用することは、非常に高い結果的な光起電力をもたらすことが示されてきた。本発明によるソーラーセルは、対電極及び光吸収層の間の距離が短くされ得るという事実に起因して、銅錯体の使用を可能にする。
さらなる態様によれば、電荷伝導媒体は、ヨウ化物(I)及び三ヨウ化物(I )を備える。
本発明の別の目的は、ソーラーセルを生産する方法を提供することである:方法は:
‐多孔質支持基板を提供する段階、
‐前記多孔質支持基板上に多孔質対電極を成膜する段階、
‐前記対電極上に多孔質分離層を成膜する段階、
‐前記分離層上に多孔質導電層を成膜する段階、
‐前記導電層上に多孔質光吸収層を成膜する段階、
‐電荷伝導媒体が前記支持基板及び前記スタックに浸透するまで、前記電荷伝導媒体を前記スタック及び前記支持基板へと導入する段階、
‐前記ソーラーセルを封止する段階、
を備える。
1つの態様によれば、多孔質対電極を成膜する段階は、多孔質第2導電層及び前記第2導電層の上の多孔質触媒層を成膜する段階を有する。
1つの態様によれば、電荷伝導媒体は、支持基板及びスタックが電荷伝導媒体で含浸されるように、支持基板の、スタックとは反対を向く面で導入される。
多孔質対電極、多孔質分離層、多孔質第1導電層及び多孔質光吸収層の成膜は、例えば、インクジェット印刷又はスクリーン印刷等の、噴霧又は印刷技法によって為される。
本発明がここで、本発明の種々の実施形態の説明によって、及び添付図面を参照して、より詳細に説明される。
本発明によるソーラーセルの1つの例の断面を示す。
本発明によるソーラーセルの別の例の断面を示す。
本発明の1つの実施形態の1つの例の断面のSEM画像を示す。
本発明の1つの実施形態の別の例の断面のSEM画像を示す。
本発明によるソーラーセルを製造する方法の1つの例のブロック図を示す。
本開示の態様は、添付図面を参照して、以下においてより完全に説明される。ソーラーセルデバイスは、しかしながら、多くの異なる形態で実現されることができ、本明細書に記載の態様に限定されているとみなされるべきではない。図面における同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
図1は、本発明によるソーラーセル1aの1つの例の断面を示す。ソーラーセル1aは、支持基板2及び支持基板2の上に配設された多孔質層3~6のスタック12を備える。多孔質層のスタック12は、作用電極として機能する光吸収層3、集電体として機能する多孔質導電材料から作られる導電層4、多孔質電気絶縁材料を有する分離層5、及び多孔質導電材料を有する対電極6を備える。対電極6は、多孔質基板2の一方の面上に形成されている。この例において、対電極は多孔質導電層である。分離層5は、対電極6及び導電層4の間に配設されている。分離層5は、導電層4及び対電極6を物理的に及び電気的に分離して、それらの間の直接の電子の短絡を回避する機能を果たす。この例において、分離層5は対電極6上に形成されており、導電層4は分離層5上に形成されている。光吸収層3は、導電層4の上に配設されている。第1導電層4は、光吸収層3から光生成電子を抽出するための導電材料を含む。光吸収層3は、種々の手段で作成されることができる。例えば、光吸収層は、半導体粒子の表面上に吸着された染料分子、又は染料のクラスター、又はケイ素等の半導体材料から作られる粒を備え得る。
多孔質層3~6は、活性層であり、それはこれらが発電に関与することを意味する。支持基板2は、ソーラーセル内で活性層ではなく、すなわちそれは発電に関与しない。支持基板2は、多孔質層3~6のスタック12を支持する。さらに、支持基板2はその上に対電極6がソーラーセルの製造中に印刷されることを可能にする。多孔質層3~6は、支持基板2の一方の面上に配設されている。
支持基板上に形成された多孔質層の各々は、多数の細孔を有する。ソーラーセルはさらに、多孔質層3~6の細孔に浸透し光吸収層3及び対電極6の間の電荷の移送を可能にする電荷伝導媒体7を備える。支持基板2もまた多孔質であり細孔を含む。電荷伝導媒体7はソーラーセルの多孔質層3~6の細孔だけでなく支持基板2の細孔にも浸透している。支持基板2の多孔性に起因して、支持基板の細孔は電荷伝導媒体の貯蔵体として機能する。
1つの態様において、スタック12内の多孔質層3~6の細孔の平均サイズは、支持基板2の細孔の平均サイズよりも小さいので、多孔質層3~6の細孔の毛細管力が支持基板2の毛細管力よりも強い。支持基板2及び多孔質層3~6の間の細孔のサイズにおける差が、多孔質層内の毛細管力を支持基板2内の毛細管力よりも強くし、結果的に、ソーラーセルの活性層内の電荷伝導媒体の含有量が低減された場合に、電荷伝導媒体7は活性層3~6へと上方に圧送されることになる。
好ましくは、支持基板2内の細孔の少なくとも80%は、3μmよりも大きく、多孔質層内の細孔の少なくとも80%は3μmよりも小さい。より好ましくは、支持基板2内の細孔の少なくとも90%は、3μmよりも大きく、多孔質層3~6内の細孔の少なくとも90%は3μmよりも小さい。例えば、支持基板2内の細孔の少なくとも80%が3μm及び10μmの間である。
支持基板2がより厚いほど、ソーラーセル内の電荷伝導媒体の貯蔵体がより大きい。通常、支持基板2の厚さは20μm及び200μmの間である。好ましくは、支持基板の厚さは少なくとも30μmである。
支持基板内の多孔性がより高いほど、電荷伝導媒体7の貯蔵体がより大きい。好ましくは、支持基板の多孔性は少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも70%である。支持基板が過度に多孔質である場合、基板の機械的強度が過度に低いことになる。好ましくは、支持基板の多孔性は50%及び90%の間である。
ソーラーセルはさらに、多孔質層3~6、支持基板2、及び伝導媒体7を封入(encapsulate)する封入部(encapsulation)10を備える。多孔質層のスタック12は、支持基板2の一方の面上に配設され、支持基板の反対側の面は封入部10に対向している。
多孔質層のスタック12は、多孔質層3~6の間に配設される他の多孔質層を含んでもよい。例えば、図2内に示されるように、支持基板2及び対電極6の間に、又は対電極6及び分離層5の間に配置された多孔質触媒層が存在することが可能である。さらに、導電層4及び光吸収層3の間に配設された多孔質反射層が存在することが可能である。細孔のサイズに関して上記で述べたものと同じ条件が、層の数とは無関係に、多孔質層のスタック12内の全ての層にあてはまる。
図2は、本発明によるソーラーセル1bの別の例の断面を示す。ソーラーセル1bは、支持基板2及び支持基板2の上に配設された多孔質層3~6のスタック12を備える。ソーラーセル1bは、ソーラーセル1bの対電極6が、第2多孔質導電層6a及び多孔質導電層6aの上に形成された多孔質触媒層6bを備えるという点で、ソーラーセル1aと異なる。
この例において、支持基板2は、織布マイクロファイバ2aの層及び織布マイクロファイバ2aの層上に配設された不織布マイクロファイバ2bの層を備える。対電極6は、不織布マイクロファイバ2bの層上に配置されている。この例において、対電極6の多孔質導電層6aは、不織布マイクロファイバ2bの層上に形成されている。あるいは、触媒層6bは、不織布マイクロファイバ2bの層上に配置されている。織布マイクロファイバの層2aは、間に穴部が形成された複数の織り糸を備え、不織布マイクロファイバの少なくとも一部は、織り糸の間の穴部内に集積されている。好ましくは、不織布マイクロファイバの層6b内のマイクロファイバは、0.2μm及び5μmの間の直径を有し、細孔が1μmを超えるサイズを有することを実現する。EP2834824B1は、織布並びに不織布マイクロファイバを備える基板2の製造方法を開示している。
ソーラーセル1a及び1bはモノリシックタイプのものである。これは、全ての多孔質層は、同じ支持基板2上に直接的に又は間接的に成膜されている、ということを意味する。ソーラーセル1a及び1bは、例えば、色素増感ソーラーセル(DSC)であってよい。
図3は、不織布マイクロファイバ2bの層の上に織布マイクロファイバ2aの層を備える支持基板2を示す、本発明の1つの実施形態の1つの例の断面のSEM画像を示す。支持基板2上に、第2多孔質導電層6aが配設されており、その後に触媒層6bが、そして触媒層の上に分離層5が、配設されている。分離層5の上に第1導電層4が配設され、その上に光吸収層3が配設されている。
図4は、織布マイクロファイバ2aの層の上に不織布マイクロファイバ2bの層を備える支持基板2を示す、本発明の1つの実施形態の別の例の断面のSEM画像を示す。支持基板2上に、第2多孔質導電層6aが配設されており、その後に触媒層6bが、そして触媒層の上に分離層5が、配設されている。分離層5の上に第1導電層4が配設され、その上に光吸収層3が配設されている。
好ましくは、光吸収層3の細孔のサイズは、第1導電層4の細孔のサイズに等しいか又はそれよりも小さく、第1導電層4の細孔のサイズは分離層5の細孔のサイズに等しいか又はそれよりも小さく、及び分離層5の細孔のサイズは対電極6、6a、6bの層の細孔のサイズに等しいか又はそれよりも小さい。対電極6、6a、6bの細孔のサイズは、好ましくは支持基板2、2a、2bの細孔のサイズよりも小さい。
本発明の1つの実施形態において、多孔質層のスタック12内の細孔のサイズは、対電極6から光吸収層3へと減少する。例えば、光吸収層3の細孔のサイズは、第1導電層4の細孔のサイズよりも小さく、第1導電層4の細孔のサイズは分離層5の細孔のサイズよりも小さく、及び分離層5の細孔のサイズは対電極6、6a、6bの細孔のサイズよりも小さい。対電極6、6a、6bの細孔のサイズは、支持基板2、2a、2bの細孔のサイズよりも小さい。この実施形態は、多孔質層内の毛細管力を支持基板2内の毛細管力に対して比較した差[0]を強めることになる。
光吸収層3は、入射光に対向する。光吸収層3は、種々の手段で作成されることができる。例えば、光吸収層3は、第1導電層4上に成膜された多孔質TiO層を備えてもよい。TiO層は、自体の表面に吸着された染料分子を有するTiO粒子を備えてもよい。別の例において、光吸収層3は、導電層4上に成膜された、ケイ素等のドープされた半導体材料の複数の粒を備えている。電荷伝導媒体は、粒の間に形成された細孔内に一体的に配置されている。光吸収層3の厚さは様々であってよく、光吸収層3のタイプに依存する。
ソーラーセル1a;1bの頂面は、光に対向し光が光吸収層3に当たることを可能にするべきである。いくつかの態様によると、光吸収層は吸着された有機染料又は有機金属染料分子又は天然染料分子を有する多孔質TiOナノ粒子層である。しかしながら、光吸収層3は、ドープされた半導体材料、例えば、Si、CdTe、CIGS、CIS、GaAs又はペロブスカイトの粒も備えてもよい。
導電層4は、光吸収層3から光生成電荷を抽出するバックコンタクトとして機能する。導電層4の多孔性は、好ましくは30%及び85%の間であってよい。導電層4にどの材料が使用されているか、及びどの製造方法が使用されているかに応じて、導電層4の厚さは1μm及び50μmの間で様々であることができる。例えば、導電層4は、チタン、チタン合金、ニッケル合金、グラファイト、及びアモルファス炭素、又はそれらの混合物からなる群から選択される材料から作られる。最も好ましくは、導電層はチタン又はチタン合金又はそれらの混合物から作られる。そのような場合、導電層4の厚さは、好ましくは4μm及び30μmの間である。
分離層5は、導電層4及び対電極6の間を電気分離するものとして機能し、それらの間の短絡を回避する。対電極6及び光吸収層3の間の距離は、分離層5の厚さに依存しており、対電極6及び光吸収層3の間の電荷の移送が可能な限り速くなり結果的にソーラーセル内の抵抗損失を低減するように、可能な限り小さいべきである。分離層の厚さは、例えば、3μm及び50μmの間であり、好ましくは4μm及び20μmの間である。分離層は、多孔質電気絶縁材料を備える。例えば、分離層は、電気絶縁粒子の多孔質層を備える。例えば、絶縁粒子は、半導体材料のコア及び電気絶縁材料の外側層を有する。例えば、絶縁酸化物の層は、半導体材料の表面上に形成される。好適には、半導体材料は、二酸化チタン(TiO)である。絶縁材料は、例えば、アルミナ又は酸化ケイ素である。あるいは、粒子全体が、例えば、アルミナ(Al)、酸化ケイ素(SiO)、又は酸化ジルコニウム(ZrO)といった絶縁材料であってもよい。
対電極6は、多孔質導電層6aを備える。対電極は、通常、触媒層6bも備える。対電極6は、分離多孔質触媒層6bを有するか、又は多孔質導電層6a内に一体化された触媒粒子を有することができる。対電極6の多孔性は好ましくは30%及び85%の間であってもよい。対電極6にどの材料が使用されているか及び製造方法に応じて、対電極6の厚さは1μm及び50μmの間で様々であることができる。例えば、対電極6は、チタン、チタン合金、ニッケル合金、グラファイト、及びアモルファス炭素、又はそれらの混合物からなる群から選択された材料から作られる。最も好ましくは、対電極6はチタン又はチタン合金又はそれらの混合物から作られる。そのような場合、対電極6の厚さは、好ましくは10μm及び30μmの間である。触媒効果を実現するために、対電極6は、白金めっきされたITO、ATO、PTO、及びFTO等の導電金属酸化物の白金めっきされた粒子、又は白金めっきされたカーボンブラック又はグラファイトの粒子を含んでもよい。
支持基板2は、ガラスマイクロファイバ基板又はセラミックマイクロファイバ基板等の、マイクロファイバベースの基板であってもよい。支持基板2は、好適にはマイクロファイバから作られる。マイクロファイバは、10μm未満の直径及び1nmよりも大きい長さを有するファイバである。好適には、支持基板2は織布マイクロファイバを備える。マイクロファイバは、ガラス、SiO、Al、及びアルミノケイ酸塩等の耐火性であり不活性の材料から作られることができる。有機マイクロファイバは、例えばポリカプロラクトン、PET、PEO等のポリマー、又は例えばナノセルロース(MFC)又は木材パルプ等のセルロース等の有機材料等から作られるファイバである。支持基板2は、織布マイクロファイバ及び織布マイクロファイバ上に配置された不織布マイクロファイバを備えてもよい。好適には、支持基板2はファイバガラスを備える。例えば、多孔質支持基板は、織布及び不織布ガラスファイバから作られることができる。支持基板2の厚さは、好適には10μm及び1mmの間である。そのような層は、要求される機械的強度を提供する。
電荷伝導媒体7は、多孔質層3~6の細孔及び支持基板2の細孔内に一体的に配置され、対電極6及び光吸収層3の間の電荷を移動させる。伝導媒体7は、液体、ゲル、又は半導体等の固体材料等、任意の好適な伝導媒体であってよい。電解質の例は、酸化還元対としてのヨウ化物(I)/三ヨウ化物(I )イオン又はコバルト錯体に基づくもの等の液体電解質、又は、通常のポリマー電解質であるゲル電解質である。好ましくは、伝導媒体は、イオン液体系電解質、銅錯体系電解質、又はコバルト錯体系電解質等の液体電解質である。
ソーラーセルは、電荷伝導媒体のリークを回避するために、適切に封止されなければならない。例えば、ソーラーセルは、ソーラーセルユニットを囲む封入部10を提供される。しかしながら、封入部は、ソーラーセルによって生産された電力へのアクセスを可能にするために何らかの手段で貫通されていなければならない。浸透物は封止されているものの、ソーラーセルからの電荷伝導媒体のゆっくりとしたリークのリスクが存在する。リークは、封入部の封止された縁からも起こり得る。電荷伝導媒体のゆっくりとしたリークは、ソーラーセルの効率のゆっくりとした劣化を生じさせることになる。ソーラーセル内の電荷伝導媒体の含有量が最低レベルに達した場合、ソーラーセルの光を電気に変換する能力は減少することになる。このプロセスには、封入部及び封止の品質に応じて数か月又は数年さえかかる可能性がある。
封入部10は、周囲の雰囲気に対してソーラーセルを保護する、及び、セルの内側からの電荷伝導媒体の気化又はリークを防ぐためのバリアとして機能する。封入部10は、ソーラーセルの頂面を覆う上部シート及びソーラーセルの底面を覆う下部シートを含んでもよい。ソーラーセルの頂面上の上部シートは、光吸収層を覆っており、透明で光が通過することを可能としている必要がある。支持基板2の底面は、封入部10の下部シートに対向している。光吸収層3は、封入部10の上部シートに対向している。上部及び下部シートは、例えば、ポリマー材料から作られる。
上部及び下部シートの縁は封止されている。
1つの態様によれば、ソーラーセル1a;1bの封入部10は、ソーラーセルによって生産された電力へのアクセスを可能にするために、複数の貫通開口部(図中に図示せず)を備える。貫通開口部は、第1導電層4及び対電極6へ電気的に接続するためのワイヤを受ける。貫通開口部は、第1導電層4及び対電極6に接続して配設されてもよい。好ましくは、貫通開口部は、支持基板7の下に配設された封入部の面に配設されている。
図5は、本発明によるソーラーセルを製造する方法の1つの例のブロック図を示す。図5中の方法は、以下の段階を備える。
S1:多孔質支持基板2を提供する段階、
S2:多孔質支持基板2上に多孔質対電極6を成膜する段階、
S3:対電極6上に多孔質分離層5を成膜する段階、
S4:分離層5上に第1多孔質導電層4を成膜する段階、
S5:第1導電層4上に多孔質光吸収層3を成膜する段階、
S6:電荷伝導媒体7が支持基板2及びスタック12に浸透するまで、電荷伝導媒体7をスタック12及び支持基板2へと導入する段階、S7:ソーラーセルを封止する段階。
1つの態様によれば、電荷伝導媒体7は、支持基板及びスタックが電荷伝導媒体で含浸されるように、支持基板の、スタック12とは反対を向く面で導入される。
段階S2~S5における成膜する段階は、例えば、インクジェット印刷又はスクリーン印刷等の噴霧又は印刷技法によって為される。
段階S3がどのように実行され得るかの1つの例が、ここでより詳細に説明される。セパレータインクは、絶縁粒子の粉末を溶媒、分散剤、及び結合剤と混合することで調製される。溶媒は、例えば、水又は有機溶媒である。結合剤は、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースである。分散剤は、例えば、Byk180である。混合物は、粉末内の凝集された粒子が単一の粒子へと分離されるまで撹拌され、インク中の粒子は十分に分散される。セパレータインクは噴霧又は印刷技法によって対電極6上に成膜される。セパレータインクの成膜は、絶縁粒子の十分に厚い層が対電極上に成膜されるまで、2回、3回、又はそれらより多い回数繰り返されることができる。好ましくは、セパレータインクの層は、次のセパレータインクの層が前のセパレータインクの層上に成膜される前に乾かされる。後に続くインクの層が、絶縁粒子の前の層の可能な欠陥を補修することになるので、2回又はそれより多い回数セパレータインクの成膜を繰り返すことは有利である。クラック又は穴等の欠陥が分離層5内に存在しないことは、この欠陥が対電極6及び多孔質第1導電層4の間の短絡をもたらすことになるので、重要である。
図1中のソーラーセル1aは、光吸収層3の細孔内、第1導電層4の細孔内、分離層5の細孔内、対電極6の細孔内、及び支持基板2の細孔内に電荷伝導媒体7で浸潤している。電荷伝導媒体は、導電層の細孔の内側、及び分離層の細孔の内側の導電層の間に、連続層を形成し、それにより、対電極6及び、第1導電層4及び光吸収層3を含む作用電極との間の電荷の移送を可能にする。第1多孔質導電層4は、光吸収層3から電子を抽出し、電子を、対電極6に接続された外部電気回路(図1中に図示せず)へ移送する。対電極6は、電子を電荷伝導媒体7へ移動するために使用される。伝導媒体7は、電子を光吸収層3へ移動して戻し、それにより電気回路が完成する。
電荷伝導媒体7の性質に応じて、イオン又は電子及び正孔のいずれかが、対電極及び作用電極の間で移送され得る。
通常、色素増感ソーラーセルの電解質は、液体電解質、準固体状態電解質、又は固体状態電解質として分類される。電解質は、液体、ゲルの形態か、又は固体状態であり得る。いずれのタイプでも文献で公知の多数の電解質が存在する、例えば2015年1月28日のChemicals Reviewsの「Electrolytes in Dye-Sensitized Solar Cells」を参照されたい。電解質は、色素増感ソーラーセルの高価なコンポーネントである。通常、対電極は電解質への電子の移動を容易にする目的で機能する触媒物質6bを備えている。
電荷伝導媒体は、電荷を移送する際にある程度の電気抵抗を示す。電気抵抗は、電荷移送距離に伴って高まる。従って、電荷が対電極及び光吸収層の間で移送されるとき、伝導媒体内である程度の電気抵抗損失が常に存在することになる。多孔質基板をより薄くすることによって、抵抗損失を低減することができる。しかしながら、多孔質基板がより薄くなるとき、それはより機械的に脆弱にもなる。
伝導媒体は、例えば、従来のI/I 電解質又は類似の電解質、又はCu/Co錯体電解質である。固体状態遷移金属系錯体又は有機ポリマー正孔伝導体は、伝導媒体として公知である。
いくつかの態様によれば、伝導媒体は、銅イオン錯体を備える。電荷伝導体として銅錯体を有する伝導媒体は、非毒性伝導媒体である。銅錯体の伝導媒体としての使用は、非常に高い結果的な光起電力をもたらすことが示されてきた。
対電極6は、例えば、固体導電粒子を含むインクを用いて印刷することによって、支持基板2上に成膜されることができる。金属水素化物粒子等の導電粒子を液体と混合して、印刷加工に好適なインクを形成することができる。また、好適な粒子サイズを実現し、従って多孔質対電極6の望ましい細孔のサイズを実現するために、導電粒子を粉砕又は別様に処理してもよい。好ましくは、固体粒子は、金属ベースであり、純粋な金属、合金又は金属水素化物又は合金の水素化物又はこれらの混合物であり得る。
導電層4は、対電極6を支持基板2上に成膜するのと同じ手段で、分離層5上に成膜されることができる。成膜は、熱処理段階によって処理されることもできる。熱処理中に、粒子の焼結も起こり、それにより導電層の導電性及び機械的安定性が高められる。金属水素化物は、熱処理中に金属へと変化する。真空中で、又は不活性ガス中で熱することにより、粒子の汚染が防がれ、粒子間の電気的接触が改善される。
本明細書で使用される用語は、単に本開示の特定の態様を説明する目的のためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書において使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上別途明示されていない限り、複数形も含むことが意図されている。
光起電セル及びソーラーセルという用語は、同義語として使用される。
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語は、本開示が属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
本発明は、開示された実施形態に限定されず、以下の請求項の範囲内で変形及び修正され得る。例えば、多孔質層のスタックは、他の多孔質層を含むことができ、スタック内の多孔質層の順序は変更されることができる。

Claims (15)

  1. 多孔質層のスタック、前記スタックを支持するための支持基板、及び前記スタックにわたって浸透している電荷伝導媒体を備えるソーラーセルであって、ここで、前記スタックは:
    ‐多孔質光吸収層、
    ‐前記多孔質光吸収層から光生成電子を抽出するための導電材料を含む多孔質第1導電層、
    ‐導電材料を含む多孔質対電極、及び
    ‐多孔質電気絶縁材料から作られており、前記多孔質第1導電層及び前記多孔質対電極の間に配設されている分離層
    を有し、ここで前記多孔質第1導電層は前記多孔質対電極よりも前記多孔質光吸収層の近くに配設され、
    前記多孔質層のスタックは前記支持基板の上に配設されており、前記支持基板は多孔質であり、前記電荷伝導媒体は前記支持基板にわたって浸透している、ソーラーセル。
  2. 前記電荷伝導媒体は、前記多孔質層の細孔内及び前記支持基板の細孔内に一体的に配置されており、前記多孔質層の前記細孔の平均サイズは、前記支持基板の前記細孔の平均サイズよりも小さいので、前記多孔質層の前記細孔内の毛細管力は、前記支持基板の前記細孔内の毛細管力よりも強い、請求項1に記載のソーラーセル。
  3. 前記多孔質層内の細孔の少なくとも80%のサイズは、3μmよりも小さい、請求項1~2のいずれか1項に記載のソーラーセル。
  4. 前記支持基板内の細孔の少なくとも80%のサイズは、3μmよりも大きい、請求項1~3のいずれか1項に記載のソーラーセル。
  5. 前記支持基板の多孔性は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%である、請求項1~4のいずれか1項に記載のソーラーセル。
  6. 前記支持基板の厚さは、少なくとも20μm、好ましくは少なくとも30μm、最も好ましくは少なくとも50μmである、請求項1~5のいずれか1項に記載のソーラーセル。
  7. 前記支持基板はマイクロファイバを有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のソーラーセル。
  8. 前記支持基板は、0.2μm及び10μmの間、好ましくは0.2μm及び5μmの間、最も好ましくは0.2及び1μmの間の直径を有するマイクロファイバを有する、請求項7に記載のソーラーセル。
  9. 前記支持基板は、織布及び不織布マイクロファイバを有する、請求項1~8のいずれか1項に記載のソーラーセル。
  10. 前記支持基板は、織布マイクロファイバの層及び前記織布マイクロファイバの層上に配設された不織布マイクロファイバの層を有する、請求項9に記載のソーラーセル。
  11. 前記支持基板は可撓性である、請求項1~10のいずれか1項に記載のソーラーセル。
  12. 前記分離層の厚さは、3μm及び50μmの間、好ましくは15及び35μmの間、最も好ましくは4μm及び20μmの間である、請求項1~11のいずれか1項に記載のソーラーセル。
  13. 前記電荷伝導媒体は液体電解質である、請求項1~12のいずれか1項に記載のソーラーセル。
  14. 請求項1に記載のソーラーセルを製造する方法であって、前記方法は:
    ‐多孔質支持基板を提供する段階、
    ‐前記多孔質支持基板上に多孔質対電極を成膜する段階、
    ‐前記多孔質対電極上に多孔質分離層を成膜する段階、
    ‐前記多孔質分離層上に多孔質第1導電層を成膜する段階、
    ‐前記多孔質第1導電層上に多孔質光吸収層を成膜する段階、
    ‐電荷伝導媒体が前記支持基板及び前記スタックに浸透するまで、前記電荷伝導媒体を前記スタック及び前記支持基板へと導入する段階、
    ‐前記ソーラーセルを封止する段階、
    を備える方法。
  15. 前記多孔質対電極を成膜する段階は、多孔質第2導電層及び前記多孔質第2導電層の上の多孔質触媒層を成膜する段階を有する、請求項14に記載の方法。
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