JP2024509961A - セメント組成物及びその方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物、ならびにそのような組成物を作って特性評価する方法、及び/またはそのような組成物、その製造及び/またはその使用に関する技術を提供する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月12日に出願された米国仮出願第63/160,397号の優先権及び利益を主張するものであり、参照によりその開示内容の全体を本明細書に援用する。
セメントは、固化し、硬化し、他の材料に付着してそれら同士を結合させる建設用の物質である結合剤である。セメントは、典型的には、砂及び砂利(骨材)と混ぜ合わされる。セメントは、細骨材と混合されると石造建築のためのモルタルを生成し、または砂及び砂利と混合されるとコンクリートを生成する。コンクリートは、最も広範に使用されている材料の1つである。
本開示は、セメント組成物及びバイオ炭を含む組成物、ならびにそのような組成物を作って使用する方法を提供し;本開示はまた、そのような組成物を作る、使用する及び/または特性評価するための、様々な技術も提供する。
とりわけ、本開示は、セメント組成物を含むある特定の組成物における少なくとも1つの問題の根源を同定する。あるいは、またはさらに、様々な実施形態によれば、提供される技術は、ある特定の利点を発揮し、及び/または従来技術に関連する1つ以上の課題を解決する。
いくつかの実施形態では、本開示は、バイオ炭及び/またはバイオ炭を含む組成物のある特定の特性を改善するための技術を提供する。いくつかの実施形態では、本開示によるバイオ炭を含む組成物(例えば、バイオ炭を含むセメント組成物(複数可))は、(例えば、バイオ炭を含まないセメント組成物に比べて)高い疎水性を発揮する。とりわけ、本開示は、例えば吸水性を低減することによって、組成物の化学的及び物理的な劣化進行を軽減するための特に好適であり得る及び/または特定の利点を提供し得る技術を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示によるバイオ炭を含む組成物は、(例えば、バイオ炭を含まないセメント組成物に比べて)高い導電性を発揮する。とりわけ、それゆえに本開示は、例えば電気抵抗測定値を測定することによって、組成物における応力-ひずみのリアルタイム計測監視に用いるための特に好適であり得る及び/または特定の利点を提供し得る技術を提供する。
一態様において、本開示は、組成物であって、少なくとも1つのセメント組成物、ならびにバイオ炭及び(例えば、バイオ炭に比べて疎水性がより大きい)疎水性薬剤を含む改質バイオ炭を含む、当該組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、改質バイオ炭はバイオ炭に比べて疎水性がより大きい。
いくつかの実施形態では、組成物は、ピエゾ抵抗性である(例えば、組成物が印加応力と抵抗率の変化との間に線形の相関関係を有することを特徴とする)。
いくつかの実施形態では、組成物は、セメント組成物と改質バイオ炭との組合せの1重量%~30重量%の範囲内で改質バイオ炭を含む。
いくつかの実施形態では、疎水性薬剤は、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸及びその組合せからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、疎水性薬剤のバイオ炭に対する質量比は約1:100~1:10の範囲内である。
いくつかの実施形態では、組成物は水をさらに含む。
いくつかの実施形態では、水の、セメント組成物と改質バイオ炭との組合せに対する質量比率は、約0.25~0.8である。
いくつかの実施形態では、組成物は細骨材をさらに含む。
いくつかの実施形態では、セメント組成物と改質バイオ炭との組合せの、細骨材に対する質量比率は、約2~3である。
いくつかの実施形態では、組成物は、セメント組成物(または、セメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより低い(例えば、約1%~25%低い)圧縮強度を有する。
いくつかの実施形態では、組成物は、セメント組成物(または、セメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより低い(例えば、約1%~20%低い)曲げ強度を有する。
いくつかの実施形態では、組成物は、セメント組成物(または、セメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより高い(例えば、約1%~20%高い)熱発生量(例えば、セメント組成物1グラムあたり)を有する。
いくつかの実施形態では、組成物は、セメント組成物(または、セメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより少ない(例えば、約1%~10%少ない)化学的結合水(例えば、セメント組成物1グラムあたり)を含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、セメント組成物(または、セメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより少ない(例えば、約1%~50%少ない)Ca(OH)を含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、セメント組成物(または、セメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより低い(例えば、約1%~95%低い)流動指数を有する。
いくつかの実施形態では、組成物は、セメント組成物(または、セメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより低い(例えば、約1%~90%低い)吸水率を有する。
いくつかの実施形態では、組成物は、セメント組成物(または、セメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより高い(例えば、約1%~40%高い)電気伝導率を有する。
いくつかの実施形態では、改質バイオ炭の平均寸法は1~50μmの範囲内である。
いくつかの実施形態では、セメント組成物の平均寸法は1~50μmの範囲内である。
いくつかの実施形態では、改質バイオ炭は、炭素(例えば、約80重量%)、水素(例えば、約1重量%)及び窒素(例えば、約0.2重量%)を含む。
いくつかの実施形態では、組成物はペーストまたはモルタルである。
別の態様において、本開示は、方法であって、バイオ炭と疎水性薬剤とを混合することによって改質バイオ炭を調製することを含み、改質バイオ炭はバイオ炭に比べて疎水性がより大きく;さらに、セメント組成物と改質バイオ炭とを組合わせて組成物を形成することを含む、当該方法を提供する。
いくつかの実施形態では、バイオ炭は、木材チップの熱分解によって調製される。
いくつかの実施形態では、疎水性薬剤は、熱分解の後に混合される。
いくつかの実施形態では、バイオ炭は、疎水性薬剤の存在下で細粉化される。
いくつかの実施形態では、疎水性薬剤のバイオ炭に対する質量比は約1:100~1:10の範囲内である。
いくつかの実施形態では、バイオ炭は、乳鉢及び乳棒を使用することによって細粉化される。
いくつかの実施形態では、方法は、組成物に水を添加することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、組成物はピエゾ抵抗性である(例えば、組成物が印加応力と抵抗率の変化との間に線形の相関関係を有することを特徴とする)。
いくつかの実施形態では、組成物は、セメント組成物とバイオ炭との組合せの1重量%~30重量%の範囲内で改質バイオ炭を含む。
いくつかの実施形態では、疎水性薬剤は、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸及びその組合せからなる群から選択される。
別の態様において、本開示は、本明細書に記載の1つ以上の方法によって製造される組成物を提供する。
別の態様において、本開示は、建設用のモルタルを製造する方法であって、熱分解を用いてバイオ炭を調製すること;バイオ炭と疎水性薬剤とを混合することによって改質バイオ炭を調製することを含み、疎水性薬剤がステアリン酸を含み、改質バイオ炭が約2重量%~約20重量%の疎水性薬剤を含み、改質バイオ炭を調製することが、バイオ炭及び疎水性薬剤を(例えば、約1時間~約5時間にわたって)細粉化することを含み;セメント組成物と改質バイオ炭とを組合わせて結合剤を作り出すことを含み、改質バイオ炭が、セメント組成物と改質バイオ炭との組合せの約1重量%~約30重量%を占め;水の結合剤に対する質量比率を約0.25~0.8として水を結合剤に添加すること;細骨材の結合剤に対する質量比率を約2~3として細骨材を結合剤に添加すること;ならびに水と細骨材と結合剤とを混合してモルタルを製造することを含む、そのような方法を提供する。
別の態様において、本開示は、建設用のモルタルであって、少なくとも1つのセメント組成物;バイオ炭及び疎水性薬剤を含む改質バイオ炭を含み、疎水性薬剤がステアリン酸を含み、改質バイオ炭が約2重量%~約20重量%の疎水性薬剤を含み、改質バイオ炭の平均寸法が1~50μmの範囲内であり、改質バイオ炭が、少なくとも1つのセメント組成物と改質バイオ炭との組合せの総重量の約1重量%~約10重量%を占め;さらに、水を含み、モルタルは組成物がピエゾ抵抗性であることを特徴とし、組成物は組成物が少なくとも1つのセメント組成物(または、少なくとも1つのセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物)に比べて1%~90%低い吸水率を有することを特徴とする、そのようなモルタルを提供する。
図面は、少なくとも以下の図からなるが、例示を目的としたものであるにすぎず、限定するためのものではない。
バイオ炭、改質バイオ炭、ならびにセメント組成物及び改質バイオ炭を含む本開示に係る組成物の例示的な光学画像及び走査電子顕微鏡観察(SEM)画像を含む。
セメント組成物及び改質バイオ炭の例示的な粒径分布を示すグラフである。
三点曲げ条件で試料の抵抗率の変化率(FCR)を測定するための例示的な構成を表す。
セメント組成物1gあたりの例示的な熱流量(mW/g)を時間の関数として示すグラフである。
セメント組成物1gあたりの例示的な総発熱量(J/g)を時間の関数として示すグラフである。
セメント組成物及び改質バイオ炭の両方について、1gあたりの例示的な熱流量(mW/g)を時間の関数として示すグラフである。
セメント組成物及び改質バイオ炭の両方について、1gあたりの例示的な総発熱量(J/g)を時間の関数として示すグラフである。
セメント組成物及び改質バイオ炭の両方について、100時間にわたる水和の後の1gあたりの熱流量(mW/g)の例示的な変化を示す。
セメント組成物及び改質バイオ炭の両方について、100時間にわたる水和の後の1gあたりの総熱発生量(J/g)の例示的な変化を示す。
異なる量の改質バイオ炭を含むペースト試料の例示的な熱重量測定プロットを示す。
セメント組成物及び改質バイオ炭の両方について、7、14及び28日間にわたる養生の後の1グラムあたりの化学的結合水を表す例示的なグラフを示す。
セメント組成物及び改質バイオ炭の両方について、7、14及び28日間にわたる養生の後の1グラムあたりのCa(OH)を表す例示的なグラフを示す。
未改質バイオ炭及び改質バイオ炭の例示的なフーリエ変換赤外分光法(FTIR)スペクトルを示す。
セメント組成物及び改質バイオ炭を含む組成物の28日間にわたる水和の後の例示的なFTIRスペクトルを示す。
異なる改質バイオ炭含有量を有する組成物の例示的な流動指数を示すグラフである。データラベルは、改質バイオ炭の添加による流動指数の減少百分率を示す。エラーバーは1標準偏差を表す。
Aは、異なる改質バイオ炭含有量を有する例示的な組成物の圧縮強度を表すグラフである。Bは、異なる改質バイオ炭含有量を有する例示的な組成物の曲げ強度を表すグラフである。データラベルは、改質バイオ炭の添加による、対照バッチ(例えば、全く改質されていないバイオ炭)に対する強度変動百分率を示す。エラーバーは1標準偏差を表す。
A~Cは、セメント組成物及び改質バイオ炭を含む組成物を示す、異なる倍率レベルでの例示的なSEM画像である。
A~Cはそれぞれ、様々な改質バイオ炭含有量での、例示的な時間の平方根に対する吸水性測定量、初期吸水率の減少百分率、及び二次吸水率の減少百分率を示す。データラベルは、改質バイオ炭の添加による吸水率のパーセント変動量を示す。
様々な改質バイオ炭含有量を含む例示的な組成物の電気伝導率を示すグラフである。エラーバーは1標準偏差を表す。
A及びBはそれぞれ、0%の改質バイオ炭を含む組成物(すなわち、対照バッチ)、及び15%の改質バイオ炭を有する組成物についての抵抗率の変化率(FCR)を示すグラフである。
A及びBは、セメントの部分的代替物として改質バイオ炭を適用した場合のセメント系材料の例示的なCO封鎖/低減を示す。
定義
本出願では、文脈から特に明らかでない限り、(i)「a」という用語は「少なくとも1つ」を意味すると理解され得;(ii)「または」という用語は、「及び/または」を意味すると理解され得;(iii)「含んでいる(comprising)」及び「含んでいる(including)」という用語は、列挙された構成要素またはステップを包含すると理解され得;(iv)「約」という用語は、当業者には理解されるであろう標準偏差を許容するものと理解され得;(v)範囲が提供されている場合は端点が含まれる。
約:「約」という用語は、値に関して本明細書で使用される場合、言及された値に関して同程度である値を指す。一般に、文脈に精通している当業者であれば、その文脈で「約」によって包含される妥当な変動度を認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、「約」という用語は、言及された値の25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ未満の以内に入る値の範囲を包含し得る。
薬剤:本明細書で使用される場合、「薬剤」という用語は、実体または現象を指し得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、特定の特徴及び/または作用によって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、例えば小分子、ポリペプチド、核酸、糖、脂質、金属またはその組合せもしくは複合体を含めた任意の化学的部類の化合物、分子または実体であり得る。いくつかの実施形態では、「薬剤」という用語は、ポリマーを含む化合物、分子または実体を指し得る。いくつかの実施形態では、当該用語は、1つ以上の多量体部分を含む化合物または実体を指し得る。いくつかの実施形態では、「薬剤」という用語は、特定のポリマーまたは多量体部分を実質的に含まない化合物、分子または実体を指し得る。いくつかの実施形態では、当該用語は、任意のポリマーまたは多量体部分がないまたはそれを実質的に含まない化合物、分子または実体を指し得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、システムまたは装置であり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、力、例えば、電気力、重力、磁力などであり得るか、またはそれを含み得る。
バイオ炭:本明細書で使用される場合、「バイオ炭」という用語は、炭素に富む固体材料を指す。いくつかの実施形態では、バイオ炭は、バイオマスの熱分解によって(例えば、バイオマスをそれが燃焼しない(または、ほんの一部だけ燃焼する)ような無酸素または低酸素環境で加熱することによって)形成される。いくつかの実施形態では、バイオ炭は、バイオマスの酸加水分解及び脱水、または水熱処理によって形成される。バイオ炭は、場合によってハイドロチャーと呼称されることもある。
バイオマス:本明細書で使用される場合、「バイオマス」という用語は、任意のセルロース系またはリグノセルロース系材料を指し、セルロース及び/またはリグノセルロースを含みかつ任意選択的にヘミセルロース、リグニン、澱粉、オリゴ糖及び/または単糖をさらに含む材料を含む。バイオマスは、付加的な成分、例えば、タンパク質及び/または脂質も含み得る。バイオマスは単一の供給源に由来し得、またはバイオマスは、1つよりも多い供給源に由来する混合物を含んでいてもよく、例えば、バイオマスが、トウモロコシ穂軸とトウモロコシ茎葉との混合物、または草と葉との混合物を含むこともあり得る。バイオマスには、バイオエネルギー作物、農業残渣、都市固形廃棄物、産業固形廃棄物、製紙スラッジ、庭塵芥、廃材及び林業廃棄物、またはその組合せが含まれるが、これらに限定されない。バイオマスの例としては、トウモロコシ子実、トウモロコシ穂軸、作物残渣、例えばトウモロコシの皮、トウモロコシ茎葉、草、コムギ、コムギ藁、オオムギ、オオムギ藁、干し草、イネ藁、スイッチグラス、古紙、サトウキビバガス、モロコシ、ダイズ、穀物製粉から得られた構成部分、樹木、枝、根、葉、木材チップ、おがくず、低木及び灌木、野菜、果実、花、ならびに動物の糞尿、またはその組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、特に有用なバイオマスとしては、相対的に高い炭水化物値を有し、相対的に密であり、及び/または回収、輸送、貯蔵及び/または取扱いが相対的に簡単であるバイオマスが挙げられる。いくつかの実施形態では、有用なバイオマスとしては、トウモロコシ穂軸、トウモロコシ茎葉、おがくず及びサトウキビバガスが挙げられる。「バイオマス」という用語はまた、(i)家禽由来廃棄物などの動物の糞尿を含めた廃棄物;(ii)プラスチック、紙、紙パルプ、厚紙、おがくず、材木残渣、かんな屑及び布を含めた商用または再生利用材料;(iii)汚水廃棄物を含めた都市廃棄物;(iv)農業廃棄物、例えば、ココナッツ殻、ピーカンナッツ殻、アーモンド殻、コーヒーかす;ならびに(v)農産物飼料、例えば、イネ藁、コムギ藁、籾殻、トウモロコシ茎葉、トウモロコシ藁及びトウモロコシ穂軸も含み得る。
セメント組成物:本明細書で使用される場合、「セメント組成物」という用語は、固化し、硬化し、他の材料に付着してそれら同士を結合させる建設用の物質である結合剤を指す。ある特定の実施形態では、セメントは、砂と砂利(骨材)とを結合させるために利用され得る。ある特定の実施形態では、細骨材と混合されたセメントは石造建築のためのモルタルを生成する。ある特定の実施形態では、砂及び砂利と混合されたセメントはコンクリートを生成する。建設に使用されるセメントは、通常は無機質であり、しばしば石灰系またはケイ酸カルシウム系であり、セメントの水存在下で固化及び硬化する能力に応じて水硬性か非水硬性かのどちらかとして特徴付けられ得る。
親水性:本明細書で使用される場合、「親水性」及び/または「極性」という用語は、水と混和する、水に簡単に溶解する、または水に濡れる傾向を指し得る。いくつかの実施形態では、親水性は、当業者に理解されるであろう技術を用いて水と固体表面との間の接触角測定によって測定される。いくつかの実施形態では、親水性材料は、水と表面との間の接触角が90°未満である。
疎水性:本明細書で使用される場合、「疎水性」及び/または「非極性」という用語は、水を弾く(水と結び付かない)傾向、または簡単には水に溶解できないことを指し得る。いくつかの実施形態では、親水性は、当業者に理解されるであろう技術を用いて水と表面との間の接触角測定によって測定される。いくつかの実施形態では、親水性材料は、水と表面との間の接触角が90°よりも大きいものとして同定される。
熱分解:本明細書で使用される場合、「熱分解」という用語は、酸化剤の量が制限された環境、または酸素などの酸化剤の非存在下における高温での有機材料の熱化学的分解を指す。いくつかの実施形態では、温度及び温度変化速度は、処理しようとするバイオマスの種類、所望する生成物などに応じて様々である。熱分解は、主として、水、合成ガス、軽質有機化合物、重質有機化合物、及びバイオ炭を生成する。いくつかの実施形態では、上記有機化合物のいくつかは酸である。時として、非有機的性質を有する他の酸が熱分解プロセスから得られる。ある特定の実施形態では、塩化水素などの酸はバイオマスの熱分解の副生成物である。
詳細な説明
以下の説明は、本開示を例説及び例示するためのものであるにすぎず、本明細書に記載される特定の実施形態に本開示を限定する意図はない。特に規定されていない限り、科学技術用語は、本開示が属する分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で引用されるすべての参考文献は、特許出願及び刊行物を含めて、参照によりそれらの全体が援用される。
セメントに基づくコンクリート製インフラは、しばしば、想定よりも早い段階で耐久性に関わる損傷(例えば、Dクラック、破砕、スケーリング、及び鉄筋腐食)を呈する。水は、セメント質複合物のこれらの化学的及び物理的劣化進行の重要な要因であり得る。多孔質セメント系材料における水輸送に関連する物理的及び/または化学的現象は、その浸透性と関係し得る。例えば、セメント系複合物中の水は、硬化過程の間に反応及び蒸発し、その結果、毛細管細孔が形成される。液体及び気体は、圧力の有無にかかわらず、これらの毛細管を通ってコンクリートマトリックス中に浸透し得る。水分収着(吸収及び吸着を含む)は、水和したセメント組成物の中への有害イオン(例えば、塩化物塩、硫酸塩など)の導入を招き得る。イオンはマトリックスの化学的安定性を失わせ得る。したがって、セメント組成物の耐久性能はその浸透性によって影響される。浸透性または水分収着を低減することによって、有害イオンの透過に対するセメント組成物の抵抗性が改善され得る。
吸水率係数は、(例えばセメント組成物を含む)コンクリートの構造材料としての耐用年数を予測する上で有用である。セメント組成物の低い吸水性を実現するために市販の浸透性低減混和剤(PRA)が使用され得る。PRAの高コストは、コンクリートインフラにそれを適用することの妨げとなってきた。市販のPRAは、固化時間を増加させること、コンクリート合剤の強度を低下させること、及び海洋環境では効果がより小さくなることも知られている。
応力-ひずみの計測監視は、電気抵抗を測定することによって成し遂げられ得る。従来のセメント組成物(例えばポルトランドセメント)は、低い電気伝導率を有する。応力-ひずみを計測監視するためには、導電性材料を添加して、種々の過程(例えば、接触伝導、トンネル効果)によって従来のセメント組成物の導電性を高める必要がある。
いくつかの実施形態によれば、本開示は、十分な機械的及び化学的安定性を提供し得る特定の(例えば、セメント組成物及びバイオ炭及び/または1つ以上の疎水性薬剤を含む)組成物を調製する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、例えば組成物における応力-ひずみの計測監視に関連するこれまで満たされていなかった要件に対処し得る、異なるまたは独特な特性を提供し得る。
本開示は、一部において、バイオ炭を改質することによって(例えばセメント組成物及びバイオ炭を含む)望ましい組成物が実現され得ることの驚くべき洞察に基づく。いくつかの実施形態では、組成物は、バイオ炭(例えば、改質バイオ炭)及びセメント組成物を含む。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭は、バイオ炭及び少なくとも1つの疎水性薬剤を含む。
バイオ炭
当業者には認識されるであろうが、バイオ炭は、用途に適した様々な特徴のいずれかを含み得る。いくつかの実施形態では、本開示によるバイオ炭は、有機材料(例えば、バイオマス(例えば、木材、農業残渣、葉))の直接的な熱的分解によって作られた高い(例えば70%よりも高い)炭素含有量を含む材料である。いくつかの実施形態では、バイオ炭は、それが黒色であり、高多孔度(例えば、約0.016~0.25cm/g)であり、軽量(例えば、約1.5~2g/cm)であり、及び/または微粒(例えば、平均粒径約1μm~約1mm)であり、及び/または広い表面積(例えば、最大約490m/g)を有することを特徴とする。
本開示は、バイオ炭を作り出すことが任意の既知の方法を含み得ることの認識を包含する。非限定的な例を挙げると、いくつかの実施形態では、バイオ炭は、熱分解プロセスによって作り出され得る。いくつかの実施形態では、バイオ炭の熱分解は、酸素の非存在下で、または実質的に低酸素条件で実施される。熱分解からの具体的な収率は、プロセス条件(例えば、温度、滞留時間及び加熱速度)によって決まり得る。例えば、400~500℃(673~773K)の温度は、より多くの固体生成物(例えば、バイオ炭)を生成する一方、700℃(973K)よりも高い温度は、液体及び気体燃料構成要素の生成に有利である。Winsley,Peter(2007).“Biochar and bioenergy production for climate change mitigation”.New Zealand Science Review.64。熱分解は、より高い温度においてより速やかに起こり得る(例えば、数時間ではなく数秒を要する)。いくつかの実施形態では、バイオ炭は、酸加水分解及び脱水によって作り出され得る。いくつかの実施形態では、バイオ炭は、水熱処理によって作り出され得る。
様々な実施形態によれば、バイオ炭は、用途に適した任意の既知の組成物を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、バイオ炭は、炭素、水素及び窒素を含む。いくつかの実施形態では、バイオ炭は、炭素を約75重量%~約99重量%、約75重量%~約95重量%、約75重量%~約90重量%、または約75重量%~約85重量%の範囲内で含む。いくつかの実施形態では、バイオ炭は、水素を約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.5重量%~約2重量%、または約1重量%~約2重量%の範囲内で含む。いくつかの実施形態では、バイオ炭は、窒素を約0.05重量%~約2重量%、約0.05重量%~約1重量%、約0.05重量%~約0.5重量%、または約0.1重量%~約0.5重量%の範囲内で含む。
改質バイオ炭
いくつかの実施形態では、本開示による改質バイオ炭は、バイオ炭及び疎水性薬剤を含む。いくつかの実施形態では、疎水性薬剤は、バイオ炭に比べて疎水性がより大きい。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭はバイオ炭(例えば、非改質バイオ炭)に比べて疎水性がより大きい。
いくつかの実施形態では、疎水性は、接触角測定によって測定される。接触角は、慣例的に液体によって測定される、液体-蒸気界面が固体表面と出会う所の角度である。それは、液体による固体表面の濡れ性をヤングの式によって定量する。所与の温度及び圧力で固体、液体及び蒸気の所与の系は固有の平衡接触角を有する。しかしながら、実際には、前進(最大)接触角から後退(最小)接触角までに及ぶ接触角ヒステリシスの動的現象がみられることが多い。平衡接触はそれらの値の範囲内にあり、それらから算出され得る。平衡接触角は、液体、固体及び蒸気分子相互作用の相対的強さを反映している。接触角の理論的表現は、(周囲雰囲気と液体蒸気の平衡濃度とが混ざり合ったものであり得る)3つの相:液相(L)、固相(S)、及び気相または蒸気相(G)の間での熱力学的平衡についての考慮から来ている。固体-蒸気界面エネルギーがγSGによって表され、固体-液体界面エネルギーがγSLによって表され、液体-蒸気界面エネルギー(すなわち、表面張力)がγLGによって表されるとすると、平衡接触角θは、これらの量から、ヤングの式:
γSG-γSG-γSGcosθ=0 等式(1)
によって決定される。
一般に、水接触角が90°よりも小さい場合に固体表面は親水性とみなされ、水接触角が90°よりも大きい場合に固体表面は疎水性とみなされる。低い表面エネルギー(例えばフッ素化)材料によって作られた高疎水性表面は、約120°もの高い水接触角を有し得る。
いくつかの実施形態では、疎水性薬剤の水接触角は、バイオ炭の水接触角よりも大きい。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭の水接触角は、バイオ炭(例えば、非改質バイオ炭)の水接触角よりも大きい。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭は、150°よりも大きい水接触角を有する(例えば、超疎水性)。
疎水性薬剤
様々な実施形態によれば、用途に適した任意の疎水性薬剤(複数可)が使用され得る。いくつかの実施形態では、特定の組成物の中に2つ以上の疎水性薬剤(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれよりも多くの疎水性薬剤)を含む。いくつかの実施形態では、疎水性薬剤は、脂肪酸の1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、疎水性薬剤は、例えば親水親油バランス(HLB)尺度による等級分けされた界面活性剤の系列からの、脂肪酸である。いくつかの実施形態では、疎水性薬剤は、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸及びその組合せの少なくとも1つであるかまたはそれを含む。いくつかの実施形態では、疎水性薬剤はステアリン酸を含む。
いくつかの実施形態では、改質バイオ炭は、疎水性薬剤を約1重量%~約10重量%、約1重量%~約8重量%、約1重量%~約6重量%、または約2重量%~約6重量%の範囲内で含む。
いくつかの実施形態では、疎水性薬剤は改質バイオ炭と会合している。いくつかの実施形態では、疎水性薬剤は、(例えば化学的及び/または物理的相互作用によって)バイオ炭の表面に組み込まれる。いくつかの実施形態では、疎水性薬剤は、(例えば化学的及び/または物理的相互作用によって)バイオ炭(例えば、バイオ炭の細孔の中)に組み込まれる。いくつかの実施形態では、疎水性薬剤は、(例えば化学的及び/または物理的相互作用によって)バイオ炭の表面及び細孔内の両方に組み込まれる。いくつかの実施形態では、疎水性薬剤は、バイオ炭に近接している。
いくつかの実施形態では、改質バイオ炭を調製する方法は、バイオ炭と疎水性薬剤とを混合することを含む。いくつかの実施形態では、混合することは、細粉化であり得るかまたはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、細粉化は、粉砕、圧砕及び/または均質化であり得るかまたはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、バイオ炭及び疎水性薬剤は粉砕される。いくつかの実施形態では、バイオ炭及び疎水性薬剤は、約1~約5時間、約1~約4時間、約2~約5時間、約2~約4時間、または約1~約3時間にわたって粉砕される。いかなる特定の理論に拘泥することも望まないが、疎水性薬剤は、摩砕助剤として働き得る。いくつかの実施形態では、バイオ炭及び疎水性薬剤は、(例えば、遊星ボールミルで、例えば2520r/分で3時間にわたって)ボールミリングされる。
いくつかの実施形態では、改質バイオ炭の平均寸法は、バイオ炭(例えば、未改質バイオ炭)の平均寸法よりも小さい。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭の平均寸法は、約1μm~約100μm、約1μm~約50μm、約1μm~約30μm、約1μm~約20μm、または約5μm~約20μmの範囲内である。ある特定の実施形態では、改質バイオ炭の粒径は、改質バイオ炭の粒子の寸法を指す。ある特定の実施形態では、寸法は、粒子の最大寸法(例えば、粒子の長さ)、粒子の平均寸法、または粒子の直径を指し得る。ある特定の実施形態では、粒子は、所与の寸法を有する球状粒子であると形容され得る。ある特定の実施形態では、粒子の粒径は、当業者に知られている任意の適切な技術、例えば、限定はされないが、レーザー回折法、動的光散乱法、撮像法、沈降法、電気泳動光散乱法または電気的検知帯法を用いて測定され得る。
セメント組成物
いくつかの実施形態では、本開示によるセメント組成物は、固化し、硬化し、他の材料に付着してそれら同士を結合させる、建築用の物質である。いくつかの実施形態では、セメント組成物は、例えば砂と砂利とを結合させるために使用され得る。
いくつかの実施形態では、セメント組成物は水硬性である(例えば、乾燥原料と水との化学反応によって固化して粘着性になり得る)。いくつかの実施形態では、セメント組成物は非水硬性である(例えば、湿潤条件または水中では固化しないが二酸化炭素と反応する)。
様々な実施形態によれば、用途に適した任意のセメントが使用され得る。いくつかの実施形態では、セメント組成物は、ポルトランドセメント(例えば、普通ポルトランドセメント(OPC)、白色ポルトランドセメント、I、II、II、IV及び/またはV型OPC)を含む。いくつかの実施形態では、ポルトランドセメントは、水硬性のケイ酸カルシウムを含むクリンカーを粉末化することによって製造される水硬性セメントである。いくつかの実施形態では、ポルトランドセメントは、CaO、SiO、Al、Fe及び/またはSOを含む。いくつかの実施形態では、ポルトランドセメントは、約50重量%、約60重量%または約67重量%よりも多いケイ酸カルシウム(例えば、3CaO・SiO2、2CaO・SiO2)を含む。いくつかの実施形態では、ポルトランドセメントは、アルミニウム含有及び鉄含有クリンカー相を含む。いくつかの実施形態では、ポルトランドセメントは、(例えば、約5重量%未満の)酸化マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、CaOのSiOに対する重量比率は約2.0未満である。
いくつかの実施形態では、セメント組成物は、I型ポルトランドセメント(例えば、約55重量%のCS(すなわち、(CaO)・SiO)、約19重量%のCS(すなわち、(CaO)・SiO)、約10重量%のCA(すなわち、(CaO)・Al)、約7重量%のCAF(すなわち、(CaO)・Al・Fe)、約2.8重量%のMgO、約2.9重量%のSO、及び約1.0重量%の遊離CaO)を含む。いくつかの実施形態では、セメント組成物は、約15重量%未満のCAを含む。いくつかの実施形態では、別の型が指定されていない限り、I型を想定している。
いくつかの実施形態では、セメント組成物は、(例えば、約51重量%のCS、約24重量%のCS、約6重量%のCA、約11重量%のCAF、約2.9重量%のMgO、約2.5重量%のSO、及び約1.0重量%の遊離CaOを含む)II型ポルトランドセメントを含む。いくつかの実施形態では、セメント組成物は、約8重量%未満のCAを含む。
いくつかの実施形態では、セメント組成物は、(例えば、約57重量%のCS、約19重量%のCS、約10重量%のCA、約7重量%のCAF、約3.0重量%のMgO、約3.1重量%のSO、約1.3重量%のCaOを含む)III型ポルトランドセメントを含む。
いくつかの実施形態では、セメント組成物は、(例えば、約28重量%のCS、約49重量%のCS、約4重量%のCA、約12重量%のCAF、約1.8重量%のMgO、約1.9重量%のSO、及び約0.8重量%の遊離CaOを含む)IV型ポルトランドセメントを含む。
いくつかの実施形態では、セメント組成物は、(例えば、約38重量%のCS、約43重量%のCS、約4重量%のCA、約9重量%のCAF、約1.9%のMgO、約1.8重量%のSO、及び約0.8%の遊離CaOを含む)V型ポルトランドセメントを含む。
いくつかの実施形態では、セメント組成物は、バイオ炭に比べて疎水性がより小さい。いくつかの実施形態では、セメント組成物は、改質バイオ炭に比べて疎水性がより小さい。
セメント組成物を含む組成物
いくつかの実施形態では、本開示に係る組成物は、セメント組成物及び改質バイオ炭を含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、セメント組成物と改質バイオ炭との組合せの約1重量%~約20重量%、約2重量%~約20重量%、または約2.5重量%~約15重量%の範囲内で改質バイオ炭を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、セメント組成物と改質バイオ炭との組合せの約1重量%~約3重量%、約3重量%~約7重量%、約8重量%~約12重量%、または約13重量%~約17重量%の範囲内で改質バイオ炭を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、セメント組成物と改質バイオ炭との組合せの約1重量%、約1.5重量%、約2重量%、約2.5重量%、約3重量%、約3.5重量%、約4重量%、約4.5重量%、約5重量%、約5.5重量%、約6重量%、約6.5重量%、約7重量%、約7.5重量%、約8重量%、約8.5重量%、約9重量%、約9.5重量%、約10重量%、約10.5重量%、約11重量%、約11.5重量%、約12重量%、約12.5重量%、約13重量%、約13.5重量%、約14重量%、約14.5重量%、約15重量%、約15.5重量%、約16重量%、約16.5重量%、約17重量%、約17.5重量%、約18重量%、約18.5重量%、約19重量%、約19.5重量%、または約20重量%の範囲内で改質バイオ炭を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、改質バイオ炭を少なくとも約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%または約10重量%含む。いくつかの実施形態では、組成物は、改質バイオ炭を最大で約20重量%、約19重量%、約18重量%、約17重量%、約16重量%または約15重量%含む。
いくつかの実施形態では、組成物は水を含む。いくつかの実施形態では、水の、セメント組成物と改質バイオ炭との組合せに対する重量比率は、約0.1~約10、約0.1~約5、約0.1~約3、約0.1~約1、または約0.1~約0.5である。
いくつかの実施形態では、組成物は、細骨材(例えば、砂、砂利)を含む。いくつかの実施形態では、セメント組成物と改質バイオ炭との組合せの細骨材に対する重量比率は、約1~約100、約1~約10、約1~約5、約1~約4、または約2~約3の範囲内である。
いくつかの実施形態では、組成物を調製する方法は、改質バイオ炭とセメント組成物とを混合することを含む。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭とセメント組成物とを、約1分間~約10分間、約1分間~約5分間、または約1分間~約3分間にわたって混合する。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭とセメント組成物とを、約10r/分~約500r/分、約50r/分~約500r/分、または約100r/分~約300r/分の範囲内の速度で混合する。いくつかの実施形態では、混合速度を増加させてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1混合速度は第2混合速度よりも小さい。いくつかの実施形態では、第1混合速度は、約10r/分~約200r/分、約50r/分~約200r/分、または約100r/分~約200r/分の範囲内である。いくつかの実施形態では、第2混合速度は、約200r/分~約500r/分、約200r/分~約400r/分、約200r/分~約300r/分、または約250r/分~約300r/分の範囲内である。
いくつかの実施形態では、組成物を調製する方法は、改質バイオ炭とセメント組成物との組合せに水を添加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、混合速度は、約10r/分~約200r/分、約50r/分~約200r/分、または約100r/分~約200r/分の範囲内である。
いくつかの実施形態では、組成物を調製する方法は、改質バイオ炭とセメント組成物との組合せに細骨材(例えば、砂、砂利)を添加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、細骨材は、約10秒間~約5分間、約10秒間~約1分間、約10秒間~約45秒間、約15秒間~約45秒間の時間範囲内で添加される。いくつかの実施形態では、細骨材を添加する間の混合速度は、水を添加する間の混合速度と実質的に同程度である。いくつかの実施形態では、混合速度を変化させるために混合が中断され得る。いくつかの実施形態では、混合速度を約200r/分~約500r/分、約200r/分~約400r/分、約200r/分~約300r/分、または約250r/分~約300r/分の範囲に増加させる。いくつかの実施形態では、増加させた混合速度は、約10秒間~約5分間、約10秒間~約1分間、約10秒間~約45秒間、約15秒間~約45秒間の範囲内の時間にわたって維持される。いくつかの実施形態では、約10秒間~約5分間、約30秒間~約3分間、または約30秒間~約2分間の時間範囲にわたって混合が中断され得る。いくつかの実施形態では、約200r/分~約500r/分、約200r/分~約400r/分、約200r/分~約300r/分、または約250r/分~約300r/分の範囲内の混合速度で混合が再開され得る。いくつかの実施形態では、再開された混合は、約1分間~約5分間、約1分間~約3分間、または約30秒間~約1.5分間の範囲内の時間にわたって維持され得る。
特性評価
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、例えば圧縮強度を決定するために特性評価され得る。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、(例えば、約7日間、約14日間、約28日間、35日間、42日間または約56日間にわたる封緘養生の後に測定される)圧縮強度が約30MPa~約70MPa(例えば、約30MPa~約45MPa、約40MPa、約35MPa~約55MPa、約45MPa、約45MPa~約60MPa、約50MPa、少なくとも30MPa)の範囲内である。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物に比べてより低い(例えば、約1%~約50%低い、約1%~約17%低い、約1%~約16%低い、約1%~約9%低い、約1%~約3%低い、約1%~約25%低い、約1%~約14%低い、約1%~約7%低い、約1%~約5%低い、約1%~約9%低い、約1%~約5%低い、約1%~約4%低い、約2%~約17%低い、約2%~約16%低い、約2%~約9%低い、約3%~約25%低い、約3%~約14%低い、約3%~約7%低い、約2%~約21%低い、約2%~約9%低い、約2%~約5%低い、約4%~約21%低い、約8%~約21%低い、約4%~約9%低い、約6%~約25%低い、約13%~約25%低い、約6%~約14%低い、約8%~約17%低い、約8%~約16%低い、約15%~約17%低い)圧縮強度を有する。いくつかの実施形態では、多量の改質バイオ炭を含む組成物は、(例えば、約7日間、約14日間、約28日間、35日間、42日間または約56日間にわたる封緘養生の後に測定される)圧縮強度がより低い。いくつかの実施形態では、圧縮強度は、一般的な試験機を使用して米国試験材料協会(ASTM)C109に従って測定され得る。
いくつかの実施形態では、約1重量%~約4重量%の改質バイオ炭を含む組成物の圧縮強度は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の圧縮強度よりも約1%~約10%低い。いくつかの実施形態では、約3重量%~約7重量%の改質バイオ炭を含む組成物の圧縮強度は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の圧縮強度よりも約1%~約10%低い。いくつかの実施形態では、約8重量%~約10重量%の改質バイオ炭を含む組成物の圧縮強度は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の圧縮強度よりも約5%~約20%低い。いくつかの実施形態では、約13重量%~約17重量%の改質バイオ炭を含む組成物の圧縮強度は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の圧縮強度よりも約10~約30%低い。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、例えば曲げ強度を決定するために特性評価され得る。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、(例えば、約7日間、約14日間、約28日間、35日間、42日間または約56日間にわたる封緘養生の後に測定される)曲げ強度が約5MPa~約9MPa(例えば、約5MPa~約7.5MPa、約5MPa~約7MPa、約5MPa~約6MPa、約6.5MPa~約8.5MPa、約6.5MPa~約7.5MPa、約7.5~約9MPa、約7.5~約8.5MPa)の範囲内である。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物に比べて、(例えば、約7日間、約14日間、約28日間、35日間、42日間または約56日間にわたる封緘養生の後に測定される)曲げ強度がより低い(例えば、約1%~約50%低い、約1%~約9%低い、約1%~約15%低い、約1%~約13%低い、約1%~約5%低い、約1%~約3%低い、約1%~約2.5%低い、約3%~約9%低い、約10%~約15%低い、約11%~約15%低い、約13%~約15%低い、約2%~約13%低い、約1%~約4%低い、約1%~約3%低い、約3%~約13%低い)。いくつかの実施形態では、多量の改質バイオ炭を含む組成物は、より低い曲げ強度を有する。いくつかの実施形態では、曲げ強度は、三点曲げ試験を行うことによって測定され得る。
いくつかの実施形態では、約1重量%~約4重量%の改質バイオ炭を含む組成物の曲げ強度は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の曲げ強度よりも約1%~約15%低い。いくつかの実施形態では、約3重量%~約7重量%の改質バイオ炭を含む組成物の曲げ強度は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の曲げ強度よりも約1%~約15%低い。いくつかの実施形態では、約8重量%~約12重量%の改質バイオ炭を含む組成物の曲げ強度は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の曲げ強度よりも約5%~約20%低い。いくつかの実施形態では、約13重量%~約17重量%の改質バイオ炭を含む組成物の曲げ強度は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の曲げ強度よりも約10%~約25%低い。いかなる特定の理論に拘泥することも望まないが、改質バイオ炭の不活性な性質、及び/またはその増大した多孔性は、曲げ強度の低下の一因となっている可能性がある。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、例えば、(例えばセメント組成物の質量あたりの)熱発生量を決定するために特性評価され得る。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物に比べて、(例えば、約7日間、約14日間、約28日間、35日間、42日間または約56日間にわたる封緘養生の後に測定される)熱発生量がより大きい(例えば、約1%~50%大きい、約1%~約20%大きい、約10%大きい)。いくつかの実施形態では、約13重量%~17重量%の改質バイオ炭を含む組成物の熱発生量は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の熱発生量に比べて、約1%~約15%高い。いかなる特定の理論に拘泥することも望まないが、熱発生量の増加は、改質バイオ炭の高表面積がC-S-Hのためのさらなる核形成部位をもたらしたことによるものと考えられる。いくつかの実施形態では、熱発生量は、等温熱量計によって測定され得る。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、例えば、(例えばセメント組成物の質量あたりの)化学的結合水を決定するために特性評価され得る。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、セメント組成物及び改質バイオ炭1グラムあたり約6%~約9%の範囲内で、(例えば、約7日間、約14日間、約28日間、35日間、42日間または約56日間にわたる封緘養生の後に測定される)化学的結合水を有する。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物に比べて、(例えば、約7日間、約14日間、約28日間、35日間、42日間または約56日間にわたる封緘養生の後に測定される)化学的結合水をより少なく(例えば、約1~約50%少なく)含む。いくつかの実施形態では、化学的結合水はTGAによって測定され得る。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、例えば相Ca(OH)の対量を決定するために特性評価され得る。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、(例えば、約7日間、約14日間、約28日間、35日間、42日間または約56日間にわたる封緘養生の後に測定される)Ca(OH)を、セメント組成物及び改質バイオ炭1グラムあたり約6%~約9%の範囲内で有する(例えば、セメント組成物及び改質バイオ炭1グラムあたり約10%)。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物に比べて、(例えば、約7日間、約14日間、約28日間、35日間、42日間または約56日間にわたる封緘養生の後に測定される)Ca(OH)をより少なく(例えば、約1%~約50%少なく、約1%~約40%少なく、約1%~約30%少なく、約5%~約20%少なく、約10%少なく)含む。いくつかの実施形態では、Ca(OH)の相対量はTGAによって測定され得る。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、例えば流動指数を決定するために特性評価され得る。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物に比べて、(例えば、約7日間、約14日間、約28日間、35日間、42日間または約56日間にわたる封緘養生の後に測定される)流動指数がより低い(例えば、約1%~約150%低い、約1%~95%低い、約20%~約95%低い、約40%~約95%低い、約60%~約95%低い、約90%低い、約30%低い、約56%低い、約83%低い、少なくとも20%低い、少なくとも40%低い、少なくとも60%低い、少なくとも85%低い)。いくつかの実施形態では、多量の改質バイオ炭を含む組成物は、より低い流動指数を有する。いくつかの実施形態では、流動指数は、ASTM C1437規格を用いて測定され得る。
いくつかの実施形態では、約1重量%~約4重量%の改質バイオ炭を含む組成物の流動指数は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の流動指数に比べて約1~約50%低い。いくつかの実施形態では、約3重量%~約7重量%の改質バイオ炭を含む組成物の流動指数は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の流動指数に比べて約1%~約75%低い。いくつかの実施形態では、約8重量%~約10重量%の改質バイオ炭を含む組成物の流動指数は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の流動指数に比べて約1%~約95%低い。いくつかの実施形態では、約13重量%~約17重量%の改質バイオ炭を含む組成物の流動指数は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の流動指数に比べて約1%~約95%低い。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、例えば比表面積を決定するために特性評価され得る。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物に比べて、より高い(例えば、約1~約50%高い)比表面積を有する。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、例えば吸水性を決定するために特性評価され得る。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物に比べて、(例えば、約7日間、約14日間、約28日間、35日間、42日間または約56日間にわたる封緘養生の後に測定される)吸水性がより低い(例えば、約1%~約100%低い、例えば、約10%~約75%)。いくつかの実施形態では、多量の改質バイオ炭を含む組成物は、より低い吸水性を有する。
いくつかの実施形態では、約1重量%~約4重量%の改質バイオ炭を含む組成物の吸水性は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の吸水性に比べて約1%~約30%低い。いくつかの実施形態では、約3重量%~約7重量%の改質バイオ炭を含む組成物の吸水性は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の吸水性に比べて約10%~約65%低い。いくつかの実施形態では、約8重量%~約12重量%の改質バイオ炭を含む組成物の吸水性は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の吸水性に比べて約30%~約75%低い。いくつかの実施形態では、約13重量%~約17重量%の改質バイオ炭を含む組成物の吸水性は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の吸水性に比べて約40%~約100%低い。
いくつかの実施形態では、吸水性は、ASTM C1585規格を用いて測定され得る。いくつかの実施形態では、吸水性は、等式(2)を用いて重量増加から決定される。
式中、Mは時間tでの試料の質量であり、Mは試料の初期質量であり、Aは試料の横断面積であり、dは水の密度である。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、例えば電気伝導率を決定するために特性評価され得る。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、(例えば、約7日間、約14日間、約28日間、35日間、42日間または約56日間にわたる封緘養生の後に測定される)電気伝導率が約5~約30mS/mの範囲内である。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物に比べてより高い(例えば、約1~50%高い)電気伝導率を有する。いくつかの実施形態では、多量の改質バイオ炭を含む組成物は、(例えば、約7日間、約14日間、約28日間、35日間、42日間または約56日間にわたる封緘養生の後に測定される)電気伝導率がより高い。
いくつかの実施形態では、約1重量%~約4重量%の改質バイオ炭を含む組成物の電気伝導率は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の電気伝導率に比べて約1~約20%高い。いくつかの実施形態では、約3重量%~約7重量%の改質バイオ炭を含む組成物の電気伝導率は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の電気伝導率に比べて約5%~約25%高い。いくつかの実施形態では、約8重量%~約12重量%の改質バイオ炭を含む組成物の電気伝導率は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の電気伝導率に比べて約10~約40%高い。いくつかの実施形態では、約13重量%~約17重量%の改質バイオ炭を含む組成物の電気伝導率は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の電気伝導率に比べて約10%~約40%高い。
いくつかの実施形態では、電気伝導率は、市販の装置を使用して二極法によって測定され得る。試料の抵抗率及び導電率はそれぞれ等式3及び4を用いて算出され得る。
式中、Rは抵抗であり、Aは試料の横断面積であり、Lは抵抗測定のための上側及び下側平板間の長さである。
式中、ρは抵抗率である。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、例えば、(例えば、組成物が印加応力と抵抗率の変化率(FCR)との間に線形の相関関係を有することを特徴とする)ピエゾ抵抗を決定するために特性評価され得る。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、ピエゾ抵抗性である。いくつかの実施形態では、印加応力とFCRとの間の相関関係は、決定係数(R値)によって評価され得る。いくつかの実施形態では、改質バイオ炭及びセメント組成物を含む組成物は、印加応力と抵抗率の変化率との間の相関関係において約0.5よりも高い決定係数を有する。いくつかの実施形態では、印加応力と抵抗率の変化率との間の相関関係において、改質バイオ炭を含む組成物の決定係数は、セメント組成物、またはセメント組成物を含むが改質バイオ炭を含まない組成物の決定係数よりも高い(約100%~約500%)。いくつかの実施形態では、抵抗率の変化率(FCR)は、等式5、
FCR=(ρ-ρ)/ρ 等式(5)
を用いて決定され得、式中、ρは、ある特定の時間での抵抗率であり、ρは、最初に測定された抵抗率である。いくつかの実施形態では、抵抗率は等式3によって決定され得る。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、それが自己検知能力(例えば、いかなる外部センサーの組込みも伴わずに構造材料がその中の応力、ひずみ及び/または温度を検知する能力)を有することを特徴とし得る。いくつかの実施形態では、提供される組成物はピエゾ抵抗性である。
例示
この実施例は、本開示に係る例示的な、セメント組成物及び改質バイオ炭を含む組成物について記載する。代表的な製造プロセスを以下に記載する。当業者であれば、本明細書に記載される特定の条件及び固有の値が所望により変更され得ることを認識するであろう。
試料調製
この実施例において、バイオ炭粒子は、平均してミリメートルサイズであった。化学機械的改質に従ってバイオ炭の疎水性を増強した。疎水性を獲得するためにバイオ炭を4重量%のステアリン酸(C1735COH)とともに3時間にわたって遊星ボールミルで摩砕した。ステアリン酸は摩砕助剤として働き、超疎水性表面特性とともにバイオ炭の非常に微細な粒径分布が得られた(図1)。このプロセスの後の得られた生成物を改質バイオ炭と呼称する。
この実施例で使用した材料は、普通ポルトランドセメント(OPC)、改質バイオ炭、及び川砂を含んでいた。OPCは、20.1%のSiO、63.7%のCaO、4.7%のAl、3.5%のFe及び3.1%のSOを含有していた。OPC及び改質バイオ炭の平均粒径はそれぞれ19.3μm及び11.7μmであった。それらの材料の粒径分布(図2に示す)は、レーザー粒径分析機を使用して1.63の屈折率を考慮して決定された。
この実施例で使用したバイオ炭は、木材チップの熱分解によって製造された。このプロセスの主生成物はバイオ燃料であり、バイオ炭は副生成物であった。得られたバイオ炭は絶乾状態であり、それを密閉プラスチック容器の中に貯蔵した。CHN分析に基づき、このバイオ炭は、重量表示で80.22%の炭素、1.23%の水素及び0.2%の窒素を含有していた。
改質バイオ炭をOPCの部分的代替物として使用して、実験製作品のためのペースト及びモルタル試料を調製した。ペースト試料を使用して、セメント組成物水和及び微視的相形成に対する改質バイオ炭の影響を追跡評価した。モルタル試料を使用して、強度、吸水性及び自己検知特性に対する改質バイオ炭の影響を追跡評価した。各場合において、合計5バッチを調製した。これらのバッチにおける改質バイオ炭によるセメント置換レベルは、0%(対照バッチ)、2.5%、5%、10%及び15%であった。すべてのバッチにおいて、水の結合剤(セメント+改質バイオ炭)に対する比率は0.42であり、結合剤の細骨材(例えば砂)に対する比率は2.75であった。ペースト試料を調製するために、選択された百分率の改質バイオ炭を最初にOPCと2分間にわたって混合(すなわち、乾式混合)してこれらの2つの材料の均質な分布を確保した。その後、混合物に水を添加し、2分間にわたって再び混合してペーストを調製した。
モルタル試料調製のために、選択された百分率の改質バイオ炭及びセメント内容物をHobartミキサーで2分間にわたって、最初の90秒間を低速(140±5r/分)とし、残りの30秒間を中速(285±10r/分)として混合して、均質にセメントと混合された改質バイオ炭粉末を得た。次に、ASTM C305規格の混合手順に従ってモルタル試料を調製した。セメントと改質バイオ炭との混合物を、ボウルに入った水にまず添加し、140±5r/分の速度で混合した。その後、同じ速度で混合しながら砂の全量をゆっくりと30秒間かけて添加した。ミキサーを停止して速度を中速(285±10r/分)に変更し、次に、それを30秒間にわたって混合した。その後、ミキサーを再び停止し、モルタルを90秒間静置した。最後に、混合物を60秒間にわたって中速(285±10r/分)で再び混合した。
実験方法
流動性、圧縮強度及び曲げ強度試験
モルタルバッチの作業性に対する改質バイオ炭の影響を測定するために、ASTM C1437規格を用いてフローテーブル試験を実施した。50mmモルタル立方体による50mmの圧縮強度は、ASTM C109に従って毎秒900~1800N(毎秒200~400lb)の負荷速度で一般的な試験機を使用して決定された。曲げ強度は、寸法40mm×30mm×180mmの桁試料の三点曲げ試験を行うことによって決定された。モルタル試料を、7日間、28日間及び56日間にわたる封緘養生の後に試験した。
セメント水和速度及び生成物に対する影響
水をセメント及び改質バイオ炭と混合することによってペースト試料を調製した。混合後、ペースト試料のおよそ15gをガラス製バイアルの中に入れて水和熱を計測監視した。等温熱量計(TAM Air、TA instrument)を使用してセメントペーストからの熱発生を、25℃の周囲温度で100時間にわたって測定した。ペースト試料に対して熱重量分析(TGA)を行うことによって、セメント水和生成物に対する改質バイオ炭の影響を判定した。セメントペースト試料の水和を、7、14及び28日間にわたる封緘養生の後にアセトンを使用して停止させた。その後、乾燥したペースト試料を、乳鉢と乳棒を使用して摩砕した。バッチごとに粉末ペースト試料のおよそ30~40mgを試験した。粉末試料を平鍋の中に投入し、5分間にわたって室温で等温条件下に保った。その後、チャンバの温度を毎分10℃の増分で980℃まで上昇させた。この試験から、ケイ酸カルシウム水和物(C-S-H)中の化学的結合水、及び水和セメントペースト中のCa(OH)の定量的な量を決定した。加えて、フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルを収集してバイオ炭及びセメント水和生成物を特性評価した。市販されているThermo ScientificからのNicolet iS50 FTIRをこの試験のために使用した。スペクトルは、分解能4cm-1、試料1つあたり32スキャンとして減衰全反射(ATR)モードを用いて収集された。走査電子顕微鏡観察(SEM)画像は、高真空モードで稼働させたZeiss-FIB SEMを用いて得られた。装置は25kVの加速電圧を用いて稼働させた。
吸水率
ASTM C1585規格試験法を改変することによってモルタル立方体の吸水試験を実施した。28日間にわたる封緘養生の後、モルタル立方体を、管理された環境(相対湿度[RH]50%、及び50℃)で3日間貯蔵した。その後、内部湿度の安定化のために試料を密閉容器の中にもう15日間保った。この調整期間の後、50mmモルタル立方体供試体の上面及び下面を除くすべての面を粘着テープで密封した。その後、モルタル立方体の底面を水(およその浸漬厚さ=2.5mm)に浸漬し、最長9日間にわたって一定間隔で試料重量増加を計測監視した。重量増加から、上記等式2を用いて試料の吸水量を決定した。
吸水率を、2つのセグメント、すなわち初期及び二次吸収率として算出した。規格に従って、初期率を最初の6時間にわたる曝露の後に得、二次率を残りの期間で得た。
電気伝導率
モルタル立方体試料の抵抗率及び導電率を、7、28及び56日間にわたる封緘養生の後に測定した。市販の装置(Giatec RCON)を使用して試料の抵抗を二極法に従って測定した。すべてのバッチについて、測定の間、600Hzの一定周波数を用い、290グラムの一定重量を上板に印加した。その後、等式3及び4を用いてそれぞれ試料の抵抗率及び導電率を算出した。
自己検知能力
自己検知は、いかなる外部センサーの組込みも伴わずに構造材料がその中の応力、ひずみ及び/または温度を検知する能力を指す。寸法40mm×30mm×180mmのモルタル桁試料を使用して自己感度試験を実施した。この試験のために、図3に示すように銅板を使用して四電極Wennerアレイ構成を準備した。流し込み中のモルタル桁の中に、電極として作用する点A、B、C及びDにて4枚の銅板を挿入した。AB、BC及びCDの距離はそれぞれ30mm、60mm及び30mmであった。その後、モルタル桁を15N/sの負荷速度及び20Vの直流電圧に供した。データ記録計としてNI-9219汎用アナログ入力モジュールを使用して試料中の電流を記録した。印加電圧及び記録された電流から抵抗を測定した。その後、等式5を用いて抵抗率の変化率(FCR)を決定した一方、抵抗率は等式3を用いて算出された。
相対内包カーボンフットプリントの比較
セメント系材料においてOPCを改質バイオ炭に置き換えることで、全体的なOPC消費量が減少し、それゆえ、モルタル試料の内包カーボンが減少する。さらには、使用されるバイオ炭の総炭素含有率は80重量%であると分かった。バイオ炭をモルタルまたはペースト試料に使用することで、大気中へと戻ることができないこの炭素の封鎖が保証される。OPCの部分的代替物としてのバイオ炭の使用によるカーボンフットプリントの相対的減少を計算するために両方の因子を考慮した。
結果及び考察
水和熱
セメント1gあたり及び固体1gあたりのペースト試料の熱流量をそれぞれ図4A及び図4Cに示す。熱流量の主ピークは、C-S-H及びCa(OH)を形成するC3S水和に関連付いている。熱流量プロットから、水和反応速度は、セメントの部分的代替物として改質バイオ炭を使用することによって減少または遅延しなかったことが分かった。注目すべきことに、市販の浸透性低減混和剤(PRA)はセメント水和反応を遅延させる。他方、この実施例で製造された改質バイオ炭は、図4Aに示すように、セメント1gあたりのピーク熱流量の増加を示した。初期段階での熱流量のより高い勾配は、改質バイオ炭の添加によるより速い水和速度も意味している。図4Bに示すように、15重量%の改質バイオ炭含有量の添加によるセメント1gあたりの総熱発生量のほぼ10%の増加もみられた。この加速された水和は、改質バイオ炭の核形成効果(「フィラー効果」としても知られる)によるものと考えられた。図2にみられるように、改質バイオ炭は、OPCよりも微細な粒径分布を有する。これらの微細粒子の高表面積は、C-S-Hのための付加的な核形成部位をもたらし、それゆえに、セメント水和を加速させた。それにもかかわらず、固体(すなわち、OPCと改質バイオ炭との合計重量)1グラムあたりのピーク熱流量及び総熱発生量は、それぞれ図4C及び図4Dから分かるように、改質バイオ炭含有量が増加するにつれて減少した。そのような減少は、固体1グラムあたりのセメント(反応性原料)含有量の減少した量に起因している可能性がある。図4E及び図4Fから分かるように、固体1グラムあたりの総熱発生量またはピーク熱流量のこの減少は10%未満であった。
微視的相評価
図5は、異なる改質バイオ炭含有量を有するセメントペースト試料の典型的な熱重量分析(TGA)プロットを示す。この図では、文献データに基づいて典型的なセメント水和生成物、例えば、C-S-Hゲル、エトリンガイト(AFt)及びCa(OH)の分解に起因する重量減少が同定される。DTGプロットにおいて、典型的なセメント水和生成物に加えて2つの珍しいピークが500℃及び700℃の付近に認められた。1つ目の付加的ピークは、試料の重量の増加を表している。このピークは、バイオ炭粒子によるガス吸着に起因する重量増加によるものである可能性がある。2つ目の付加的ピークは、バイオ炭の酸化、及びペースト試料の無視できるほど少ない大気中二酸化炭素吸収に起因して形成されたかもしれないCaCOの分解による、COの放出として説明され得る。
TGAデータをさらに解析して、水和したペーストの中に存在するCa(OH)及び化学的結合水の量を、以前に公開されている手法に従って決定した。化学的結合水の量は、セメント水和の程度を比較するために評価することが可能であった。図6Aは、異なる改質バイオ炭含有量を有するセメントの1グラムあたりの化学的結合水の量を示す。図6Aは、セメントの2.5%、5%及び10%を改質バイオ炭に置き換えた場合、7日間にわたる養生の後に化学的結合水がそれぞれ6.5%、3.2%及び5.6%減少したことを示している。他方、セメントの15%を改質バイオ炭に置き換えると、7日間にわたる養生の後の化学的結合水は5%増加したが、このことは(セメント1グラムあたりの)総水和熱の10%の増加を支持している。したがって、この結果は、改質バイオ炭粒子が、セメント粒子に比べて微細であることゆえに、セメント水和を加速させるシードとして作用すること、すなわちフィラー効果のさらなる証拠を提供している。しかしながら、より長い養生継続期間(例えば、14日間及び28日間)の後では、対照バッチは、改質バイオ炭バッチに比べてより高い量の化学的結合水を含有していた。10%の改質バイオ炭の添加による化学的結合水の減少は、14日間及び28日間にわたる養生の後にそれぞれたったの9%及び15%であった。図6Bは、異なる改質バイオ炭含有量による水酸化カルシウムの変動量を示す。Ca(OH)の相対量は、改質バイオ炭含有量が増加するにつれて減少した。この傾向は、改質バイオ炭含有量が増加するにつれてOPCの量も減少したことによって生じた可能性がある。それにもかかわらず、Ca(OH)の減少は10%の付近であり、改質バイオ炭が水和生成物に及ぼすそのような影響が大きくはないことを示唆していた。
改質バイオ炭及びセメントペーストのATR/FTIRスペクトル
図7Aは、未処理バイオ炭と改質バイオ炭との比較を示す。3600cm-1の付近にある幅広いピークは、ヒドロキシル基によるものであった。改質バイオ炭の2925及び2850cm-1の付近にあるピークは、それぞれ非対称及び対称なアルキルC-H基であった。それらのピークは、未処理バイオ炭には存在していない。1600cm-1の付近にある芳香族基のC=C伸縮振動は、改質バイオ炭において強かった。1000cm-1の付近にあるC-C-Oカルボニル基の非対称伸縮は、改質バイオ炭において未処理バイオ炭よりも強くなった。1463~2000cm-1、及び3500~3900cm-1の範囲にある小さな弱いピークは、水分の存在下でのバイオ炭とCOとの反応に起因して生成した炭酸塩によって生じている可能性がある。
図7Bは、セメント質マトリックスにおけるバイオ炭包含の影響を示す。872cm-1及び1410cm-1付近の波数はそれぞれ、CO 2-の面外変角振動、及びCO 2-の非対称振動によるものであった。1639cm-1にある変角ピークは、化学的結合水及びCa(OH)によるものであった。FTIRプロットは、バイオ炭を含ませることによって水和反応生成物が変化しなかったという仮説を提示していた。950cm-1にはCSHゲルの帯域を認めることができる。シリカゲル重合のより高い波数(1100cm-1)へのシフトもすべてのバッチにおいて同じであった。バイオ炭ピークのほとんどはセメント質反応生成物と重複していた。
作業性
改質バイオ炭がモルタル試料の作業性に及ぼす影響を、フローテーブル試験を用いて判定した。図8に示すモルタル試料の流動指数は、改質バイオ炭含有量が増加するにつれて減少することが分かった。15%改質バイオ炭バッチの流動指数は対照バッチに比べて90%低いことが分かった。他のバッチの減少率は、2.5重量%、5重量%及び10重量%の改質バイオ炭含有量でそれぞれ30%、56%及び83%の付近であった。改質バイオ炭の添加に起因するこの作業性の低下は、2つの側面によるものであると考えられ得る。第1に、改質バイオ炭の粒径はOPCに比べてより小さい。このため、OPCを改質バイオ炭に置き換えることによって混合物の比表面積が増加した可能性がある。高表面積は、摩擦レベルを上昇させてより低い作業性を招いた可能性がある。第2に、疎水性ゆえに改質バイオ炭粒子は水分子を弾いた可能性がある。そのような反発力は、モルタル混合物の作業性の低下の一因となった可能性がある。
圧縮強度及び曲げ強度
モルタル試料の圧縮強度は、図9のAに示すように、混合物中の改質バイオ炭含有量が増加するにつれて減少することが分かった。圧縮強度のそのような減少は、改質バイオ炭の不活性な性質を原因として引き起こされている可能性がある。対照バッチの圧縮強度は、7日間にわたる養生の後、43MPaであると分かった。2.5%、5%、10%及び15%の改質バイオ炭含有量の添加による圧縮強度の低下は、それぞれ3.0%、4.6%、8.6%及び20.0%であった。これらの低下レベルは、56日間にわたる封緘養生の後にはそれぞれ2.9%、8.8%、15.6%及び16.5%となった。当該傾向は、図9のBに示すように、OPCの部分的代替物として改質バイオ炭を含有するモルタル桁の曲げ強度において類似していた。28日間にわたる水和の後、試料の曲げ強度は、2.5%、5%、10%及び15%の改質バイオ炭含有量の添加によってそれぞれ10.4%、11.6%、13.3%及び14.4%減少した。改質バイオ炭の添加に起因する強度の低下は、(i)改質バイオ炭の不活性な性質と、(ii)増大した多孔性との2つの機構によって説明され得る。改質バイオ炭の不活性な性質ゆえに、セメントをこの材料に置き換えることで、水和したペースト及びモルタル系の中の結合相の相対量が対照バッチに比べて減少した。具体的には、図6A及び図6Bに示すTGAプロットから、改質バイオ炭の添加によって1グラムあたりのCa(OH)及びC-S-Hの量が両方とも減少したことが分かったが、これらは主要な結合相である。それゆえ、改質バイオ炭含有モルタルバッチの場合、この減少した結合相の相対量が強度の低下を招いた可能性がある。さらには、バイオ炭粒子は一般的にはより高い多孔性を有するが、これがセメントペーストの全体的な多孔性を増大させ得る。15%の改質バイオ炭を有するセメントペーストの、28日間にわたる養生の後のSEM画像を、図10のA~Cに示す。これらの図から分かるように、改質バイオ炭の添加によって、組織化された多孔性がセメントペーストマトリックスに導入された。さらには、図10のCに示すように、細孔のいくつかにおいて木材の細胞構造も視認可能であった。
圧縮強度及び曲げ強度の結果を、2標本t検定の統計学的方法を用いて解析して、改質バイオ炭を添加することの有意な影響を同定した。異なるセメント置換レベルについての、及び異なる養生継続期間の後での、圧縮強度の平均及び標準偏差を比較した。検定は95%信頼レベルで実施した。したがって、統計解析から、0.05よりも大きいp値は、比較された平均強度に有意差がないことを示しており、その逆もまた同様であった。
表1からは、2.5%の改質バイオ炭の添加がモルタルの圧縮強度に対して何ら有意な影響を及ぼさないことが認められ得る。他方、5%の改質バイオ炭が圧縮強度に及ぼす影響は、28日間の養生の長さまでは非有意となったままであった。56日間にわたる養生の後、2.5%よりも多い改質バイオ炭の添加はモルタルバッチの圧縮強度を有意に低下させる。反対に、同じ養生継続期間の後、最大10%までの改質バイオ炭の添加はモルタルバッチの曲げ強度に対して有意には影響を及ぼさない。したがって、改質バイオ炭添加の悪影響は、曲げ強度と比較して圧縮強度の場合においてより顕著であった。
吸水性
曝露継続期間に関するモルタル試料による吸水を図11のAに示す。改質バイオ炭の添加によってモルタル試料の吸水性が低下した。全曝露継続期間の後、15%の改質バイオ炭を含有する試料による総吸水性は対照バッチに比べて68%低かった。この吸水性データをさらに用いて、図11のB及びCに示すように、モルタル試料による初期及び二次吸水率を算出した。どちらの場合においても、15%改質バイオ炭バッチは、最低レベルの吸水率を示した。15%の改質バイオ炭の使用による初期及び二次吸水率の低下は、それぞれ70%及び60%の付近であった。改質バイオ炭の添加による吸水率の低下は、改質バイオ炭の微細な粒径、及びこれらの粒子の疎水的性質によるものであった可能性がある。したがって、改質バイオ炭はこれらのモルタル試料において疎水性細孔遮断添加剤として作用して水分透過性を低下させたと見受けられる。
電気伝導率
改質バイオ炭を含有するモルタル試料の電気伝導率は、二極法を用いて得られた。図12に示すように、バイオ炭含有量の増加はモルタル試料の電気伝導率を上昇させた。(質量表示で)15%の改質バイオ炭の添加によって、28日間にわたる水和の後の電気伝導率は対照バッチに比べて28%上昇した。これは、バイオ炭が、マトリックス中で導電性内包物として作用する高炭素含有量を有しているからであり得る。以前の研究はほとんどが炭素繊維を利用してセメント系複合物の電気伝導率を増強していた。A.Belli,et al.,“Evaluating the self-sensing ability of cement mortars manufactured with graphene nanoplatelets,virgin or recycled carbon fibers through piezoresistivity tests,”Sustain.,vol.10,no.11,2018。炭素繊維の炭素含有量は95%~100%の範囲である。F.Rajabipour,et al.“Electrical conductivity of drying cement paste,”Mater.Struct.Constr.,2007。炭素繊維の高いアスペクト比はまた、一様なネットワークを作り出すことによっても導電性を増強する。改質バイオ炭はより低いアスペクト比でより少ない量の炭素を含有するが、この実験で分かるとおり、この材料の添加もまたモルタル試料のより高い電気伝導率を確保した。これは、以前の研究でマトリックスにおいて用いられた含有量が、セメント質マトリックスにおいて使用されるカーボンナノファイバーの通常の適用量(1%付近)に比べて著しくより高かったからであり得る(最大15重量%)。カーボンナノファイバーの適用量は、一般に、高いコスト、乏しい分散性、及びセメント質複合物の作業性に対するその負の影響のために制限される。以前の研究の場合にはそのような短所が回避され得る。このように、以前の研究は、炭素ナノ材料を使用して得られるのと同程度のセメント質複合物の電気伝導率を得るためにより高い適用量(この研究では15%)を用いていた。
モルタルバッチの導電率は、養生継続期間が長くなるにつれて低下することが認められた。セメント系材料の電気抵抗率及び導電率は多孔度及び細孔内溶液によっても影響を受け、多孔度がより高いと電気抵抗率がより低くなる傾向にある。セメントの水和度は、水和生成物の形成による細孔の緻密化をもたらす養生継続期間が長くなるにつれて増大した。したがって、図12において認められるように、これらの水和生成物の結果として生じる細孔遮断は、養生継続期間の延長とともにモルタル試料の導電率の低下をもたらす。電気伝導率の結果を、2標本t検定の統計学的方法を用いて解析して、改質バイオ炭を添加することの有意さを同定した。表2から分かるように、改質バイオ炭の添加は、用いられる適用量とは無関係にモルタルの電気伝導度を有意に上昇させる。
自己検知能力
自己検知性セメント質複合物は、抵抗率の変化率(FCR)を測定することによってマトリックスにおける応力及びひずみの決定を可能にする。この実験では、モルタル桁試料を三点曲げ条件に供したときのこれらのFCRを測定した。応力レベルとFCRとの間の良好な相関関係は、複合物の強力な自己検知能力を示唆する。FCRと応力との間の相関関係は、(一般にR値として知られている)決定係数を比較することによって評価された。図13のA~Bは、2つの試料バッチについての応力とFCRとの間の相関関係を示す。対照バッチの場合、FCR及び応力データ点が散在しているように見受けられ、これらの値の間に直接的な相関関係がないこと(低いR値)が分かり、それによって、導電性添加剤を何ら有さない水和OPCモルタル(対照バッチ)の自己検知能力が乏しいことが裏付けられている。それにもかかわらず、15%改質バイオ炭の添加後、応力及びFCRの変動は、1に近いR値を有する線形の強い相関関係を示した。したがって、このバッチでは、応力は、抵抗率(すなわち、FCR)を測定することによって決定され得、したがって、改質バイオ炭の添加は明らかにこのモルタルバッチの自己検知能力を増強した。すべてのモルタルバッチにおいてそのような相関関係が立証され、得られたR値は表3に示される。見てのとおり、2.5%の改質バイオ炭含有量でさえ(0.9を上回る)高いR値が得られた。これらの知見は、自己検知性複合物として使用され得る高い電気伝導率を有するセメント系材料を製造する上でバイオ炭が、高コストな炭素ナノ材料に取って代わるものとなり得ることを示している。
相対内包カーボン
改質バイオ炭は、セメント質複合物の内包カーボンを、これらの試料の調製に用いられるOPCの量の低減、及びバイオ炭中に存在するカーボンの封鎖によって低減するのに役立ち得る。バイオ炭の平均固定炭素含有量はCHN結果によれば80.22重量%であった。次いで、固定炭素を用いて、バイオ炭の添加によって試料中に貯蔵されている等価CO量を算出した。図14のAから分かるように、15%付近の改質バイオ炭の添加は、セメントペーストにおける30重量%付近のCO封鎖と等価である。次に、対照バッチをベースラインとみなして結合剤合剤(セメント+改質バイオ炭)の簡易内包カーボン(eCO)を算出した。ステアリン酸の内包カーボンについては、改質バイオ炭の製造にこの原料がほんの少量しか使用されていないとみなして無視した。この手法に従って算出された結合剤合剤の相対内包カーボン(eCO2)を図14のBに示す。この手法に基づくと、セメントの2.5重量%、5重量%、10重量%及び15重量%を改質バイオ炭に置き換えることによって結合剤合剤(すなわち、OPC+改質バイオ炭)の内包COが対照バッチに比べてそれぞれ10%、20%、39%及び59%低減され得る。15%の改質バイオ炭の添加による内包カーボンのこの低減は、ペースト及びモルタル試料におけるそれぞれ29%及び10%の低減に換算される。したがって、これらの知見は、セメントの部分的代替物として改質バイオ炭を使用することで相対的により低いカーボンフットプリントを有するセメント質複合物を製造することが可能であることを示している。
環境上の重要性
持続可能な未来のための環境に優しく耐久性のあるセメント質複合物の開発は大変重要なことである。特に、OPCの高いカーボンフットプリント及びエネルギー集約的製造を考慮すると、このセメントの消費を減らす術は、都市インフラの持続性に効果的に寄与し得る。この実施例は、比較的低コストな添加剤であるバイオ炭がこの事例において重要な役割を果たし得ることを示した。この研究の驚くべき知見の1つは、バイオ炭を使用するセメント質複合物におけるCO封鎖の相対量であった。加えて、この実施例は、改質バイオ炭が、モルタルの吸水性を著しく(最大で70%)低減するために使用され得ることの実験的証拠も提供した。したがって、提供される組成物は潜在的に、セメント系材料の耐久性能、具体的には塩化物塩及び硫酸塩透過を含めたマトリックスにおける溶解イオンの透過に関係する耐久性能を著しく改善するために使用され得る。この耐久性マトリックスは、バイオ炭を使用して製造された構造部品の耐用寿命の延長につながり得、次いで、長期間にわたってセメント消費量のさらなる低減につながり得る。バイオ炭の高い炭素含有量のために、改質バイオ炭は、電気伝導性セメント質複合物を製造するための導電性内包物としても使用され得、これらの複合物はさらに、自己検知性構造要素として使用され得る。但し、改質バイオ炭の添加はモルタル試料の圧縮強度及び曲げ強度に負の影響を与え得る。たとえ強度が低下したとしても、改質バイオ炭の添加は、低い吸水性、高い電気伝導率及び低いカーボンフットプリントを含めた多機能性をセメント質組成物に首尾よく導入した。したがって、多機能性が所望の性能である場合、強度のこの低下は、混合比率を調整すること(つまり、w/cを低くすること、または補助セメント質材料を使用すること)によって克服され得る。
均等物
当業者であれば、慣例的な実験しか用いずに、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するまたは確認できるであろう。本発明の範囲は、上記説明に限定されることを意図しておらず、以下の特許請求の範囲に明記されているとおりである。

Claims (36)

  1. 組成物であって、
    少なくとも1つのセメント組成物と、
    バイオ炭及び疎水性薬剤を含む改質バイオ炭と
    を含む、前記組成物。
  2. 前記改質バイオ炭は前記バイオ炭に比べて疎水性がより大きい、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物がピエゾ抵抗性である、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  4. 前記組成物が、前記セメント組成物と前記改質バイオ炭との組合せの1重量%~30重量%の範囲内で前記改質バイオ炭を含む、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記疎水性薬剤が、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸及びその組合せからなる群から選択される、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  6. 前記疎水性薬剤の前記バイオ炭に対する質量比が約1:100~1:10の範囲内である、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  7. 水をさらに含む、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  8. 前記水の、前記セメント組成物と前記改質バイオ炭との組合せに対する質量比率が、約0.25~0.8である、請求項7に記載の組成物。
  9. 細骨材をさらに含む、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  10. 前記セメント組成物と前記改質バイオ炭との組合せの、前記細骨材に対する質量比率が、約2~3である、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記組成物が、前記セメント組成物(または、前記セメント組成物を含むが前記改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより低い圧縮強度を有する、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  12. 前記組成物が、前記セメント組成物(または、前記セメント組成物を含むが前記改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより低い曲げ強度を有する、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  13. 前記組成物が、前記セメント組成物(または、前記セメント組成物を含むが前記改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより高い熱発生量を有する、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  14. 前記組成物が、前記セメント組成物(または、前記セメント組成物を含むが前記改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより少ない化学的結合水を含む、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  15. 前記組成物が、前記セメント組成物(または、前記セメント組成物を含むが前記改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより少ないCa(OH)を含む、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  16. 前記組成物が、前記セメント組成物(または、前記セメント組成物を含むが前記改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより低い流動指数を有する、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  17. 前記組成物が、前記セメント組成物(または、前記セメント組成物を含むが前記改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより低い吸水率を有する、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  18. 前記組成物が、前記セメント組成物(または、前記セメント組成物を含むが前記改質バイオ炭を含まない組成物)に比べてより高い電気伝導率を有する、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  19. 前記改質バイオ炭の平均寸法が1~50μmの範囲内である、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  20. 前記セメント組成物の平均寸法が1~50μmの範囲内である、先行請求項のいずれかに記載のセメント組成物。
  21. 前記改質バイオ炭が、炭素、水素及び窒素を含む、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  22. 前記組成物がペーストまたはモルタルである、先行請求項のいずれかに記載の組成物。
  23. 方法であって、
    バイオ炭と疎水性薬剤とを混合することによって改質バイオ炭を調製することと、ここで、前記改質バイオ炭は前記バイオ炭に比べて疎水性がより大きく;
    セメント組成物と前記改質バイオ炭とを組合わせて組成物を形成することと
    を含む、前記方法。
  24. 前記バイオ炭が、木材チップの熱分解によって調製される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記疎水性薬剤が、前記熱分解の後に混合される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記バイオ炭が、前記疎水性薬剤の存在下で細粉化される、請求項23~25に記載の方法。
  27. 前記疎水性薬剤の前記バイオ炭に対する質量比が約1:100~1:10の範囲内である、請求項23~26に記載の方法。
  28. 前記バイオ炭が、乳鉢及び乳棒を使用することによって細粉化される、請求項23~27に記載の方法。
  29. 前記組成物に水を添加することをさらに含む、請求項23~28に記載の方法。
  30. 前記組成物がピエゾ抵抗性である、請求項23~29に記載の方法。
  31. 前記組成物が、前記セメント組成物と前記バイオ炭との組合せの1重量%~30重量%の範囲内で前記改質バイオ炭を含む、請求項23~30に記載の方法。
  32. 前記疎水性薬剤が、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸及びその組合せからなる群から選択される、請求項23~31に記載の方法。
  33. 請求項23~32に記載の1つ以上の方法によって製造される組成物。
  34. 建設に使用するモルタルを製造する方法であって、
    熱分解を用いてバイオ炭を調製することと;
    前記バイオ炭と疎水性薬剤とを混合することによって改質バイオ炭を調製することと、ここで、前記疎水性薬剤がステアリン酸を含み、前記改質バイオ炭が約2重量%~約20重量%の前記疎水性薬剤を含み、前記改質バイオ炭を調製することが、前記バイオ炭及び前記疎水性薬剤を細粉化することを含み;
    セメント組成物と前記改質バイオ炭とを組合わせて結合剤を作り出すことと、ここで、前記改質バイオ炭が、約1重量%~約30重量%の前記セメント組成物と前記改質バイオ炭との組合せを含み;
    水を、約0.25~0.8の前記水の前記結合剤に対する質量比率で前記結合剤に添加することと;
    細骨材を、約2~3の前記細骨材の前記結合剤に対する質量比率で前記結合剤に添加することと;
    前記水と前記細骨材と前記結合剤とを混合して前記モルタルを製造することと
    を含む、前記方法。
  35. 前記方法が、約1時間~約5時間にわたって前記バイオ炭及び前記疎水性薬剤を細粉化することを含む、請求項34に記載の方法。
  36. 建設に使用するためのモルタルであって、
    少なくとも1つのセメント組成物と;
    バイオ炭及び疎水性薬剤を含む改質バイオ炭と、ここで、前記疎水性薬剤がステアリン酸を含み、前記改質バイオ炭が約2重量%~約20重量%の前記疎水性薬剤を含み、前記改質バイオ炭の平均寸法が1~50μmの範囲内であり、前記改質バイオ炭が、前記少なくとも1つのセメント組成物と前記改質バイオ炭との組合せの総重量の約1重量%~約10重量%を占め;、
    水と
    を含み、ここで、前記モルタルは前記組成物がピエゾ抵抗性であることを特徴とし、前記組成物は前記組成物が前記少なくとも1つのセメント組成物(または、前記少なくとも1つのセメント組成物を含むが前記改質バイオ炭を含まない組成物)に比べて1%~90%低い吸水率を有することを特徴とする、前記モルタル。
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