JP2024509878A - パラレルクロマトグラフィーシステム及び方法 - Google Patents

パラレルクロマトグラフィーシステム及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024509878A
JP2024509878A JP2023554344A JP2023554344A JP2024509878A JP 2024509878 A JP2024509878 A JP 2024509878A JP 2023554344 A JP2023554344 A JP 2023554344A JP 2023554344 A JP2023554344 A JP 2023554344A JP 2024509878 A JP2024509878 A JP 2024509878A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chromatography
column
chromatography column
skids
skid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023554344A
Other languages
English (en)
Inventor
コナー,ジェレミー・エス
ハンター,グレン・エム
ショーメイカー,ケネス
ソイス,ニール
ワイリー,ブレット
フリン,ジョン・ビー
ケイオニル,ナコーン
グエン,トゥイ・エヌ
シン,シッダールタ
Original Assignee
アムジエン・インコーポレーテツド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アムジエン・インコーポレーテツド filed Critical アムジエン・インコーポレーテツド
Publication of JP2024509878A publication Critical patent/JP2024509878A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D15/00Separating processes involving the treatment of liquids with solid sorbents; Apparatus therefor
    • B01D15/08Selective adsorption, e.g. chromatography
    • B01D15/10Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by constructional or operational features
    • B01D15/18Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by constructional or operational features relating to flow patterns
    • B01D15/1864Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by constructional or operational features relating to flow patterns using two or more columns
    • B01D15/1885Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by constructional or operational features relating to flow patterns using two or more columns placed in parallel
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/16Extraction; Separation; Purification by chromatography
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/16Extraction; Separation; Purification by chromatography
    • C07K1/18Ion-exchange chromatography
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/16Extraction; Separation; Purification by chromatography
    • C07K1/22Affinity chromatography or related techniques based upon selective absorption processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/36Extraction; Separation; Purification by a combination of two or more processes of different types

Abstract

パラレルクロマトグラフィーシステムと連続製造方法について本明細書で説明するが、これは、並行して動作するカラムを有する2つ以上のクロマトグラフィーカラムスキッドを利用するもので、オートメーション制御により、所定の時間にどのカラムを負荷するかを制御する。

Description

関連出願の相互参照
2021年3月10日出願の米国仮特許出願第63/159,176号に対する優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
本開示は、概してクロマトグラフィーシステムに関し、より詳細には、半連続及び連続製造クロマトグラフィーシステムに関する。
連続製造(CM)、特に連続精製操作は、2回以上のカラムクロマトグラフィー操作を伴う多くのバイオ製造プロセスの目標である。従来のクロマトグラフィー操作では、通常12,000L超、カラム直径1m超の大型のクロマトグラフィーカラム1本で、バッチ全体を複数のサイクルで処理する。1本の大規模なクロマトグラフィーカラムで処理し、次のバッチ操作の前に全生成物をプールタンクに回収すると、処理時間と処理の継続期間が長くなり、比較的大規模な設置面積が必要となり(但し施設の設置面積の柔軟性は低い)、プロテインA等のクロマトグラフィー材料にかかるコストが高くなり、緩衝液やその他の試薬の量が多くなり、全体的なコスト増につながり、環境への影響も大きくなる可能性がある。
このような課題を克服するため、クロマトグラフィー操作における様々な複雑なマルチカラムサイクリング戦略が開発されて、より連続的に原料を供給し、それによって樹脂の利用率を向上させ、不純物分解能をある程度改善することが試みられてきた。そのような方法のひとつである閉ループ擬似移動床マルチカラムシステムは、プロセスの利点を達成するために、複雑なバルブの構成と高度な制御戦略を必要とする。連続製造用に開発された別のマルチカラム戦略は、連続多層カラムクロマトグラフィーであり、その一例が周期的向流クロマトグラフィー(PCC)である。このクロマトグラフィーは、直列に接続された複数のカラムを用い、カラム間のフロースルー構成におけるカラムの過負荷を利用するもので、本質的にバッチクロマトグラフィーを、接続された連続的な方法で処理されるより小さな単位に分離する。
このようなマルチカラムセットアップが従来の大規模なシングルカラムセットアップと異なる点は、最初のカラムに過負荷することで樹脂材料をより十分に充填することができ、原料中の非結合性タンパク質は直列に接続された次のカラムを突き破ってその次のカラムに流れることである。過負荷されたカラムは、次に接続されたカラムが過負荷されている間に溶出し、再生することができる。しかし、これらのセットアップは、カラム間の多数の複雑な相互接続と、接続されたカラムから次のカラムへの流体の流れを導くバルブシステムと、更に紫外線(UV)モニター、この連続的な直列流をモニターし処理するためのポンプとコンバーターが必要で、運転には複雑でコストがかかる。大規模なバイオ医薬品製造工程では、このような複雑さがプロセスの堅牢性や洗浄効率を低下させ、シングルユース技術の採用を制限する可能性がある。例えば、PCCプロセスを単一単位操作で構成することは、従来の単一カラムクロマトグラフィー単位操作、特にシングルユースフローパスを可能とする設備を採用する場合と比較して、資本設備の非効率的な利用と柔軟性の喪失につながる。
フォールトトレランス(耐故障性)は、連結された多層カラムシステム、特に2つ以上の単位操作が相互に連結され、1つのスキッドに収められている場合にも問題となる。これらのコンポーネントや流路の相互接続は、単位操作や製造プロセス全体に大きな影響を与える可能性がある。この相互接続されたシステムのコンポーネントのいずれかが影響を受けると、ユニット全体の運転が停止し、それまでの全稼働結果が失われる可能性がある。
本明細書に記載された発明は、装置とソフトウェアの構成がより小規模で、プラットフォームに適合し、モジュール化された操作モードを定義し、ユニットが直列構成ではなく並列で作動することによって、これらの欠陥を克服し、その結果、柔軟で、拡張可能で、外部制御によって操作され、複雑なセットアップと材料の流れを必要としないシステムを実現する。更に、記載されたシステムは、マルチカラム直列ユニットと比較して優れたフォールトトレランスを示し、単一ユニットが機能しなくなった場合、その単一カラムのみが影響を受け、稼働結果全体が失われたり停止したりすることなく、容易に分離して取り出すことができる。
第1の態様によれば、本明細書では、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドを含む連続パラレルクロマトグラフィーシステムを説明するが、各クロマトグラフィーカラムスキッドは独立したバッチ処理に適している。各クロマトグラフィーカラムスキッドは、クロマトグラフィーカラム、上流供給源に選択的に結合された注入口、少なくとも1つのポンプ、少なくとも1つのフィルター、及び排出口センサーを含む。システムは更に、クロマトグラフィープロセスの1つ以上のフルサイクルを通して複数のクロマトグラフィーカラムスキッドの動作を制御するように構成された制御回路を含み、各フルサイクルは、ロングステップと複数のショートステップとを含み、複数のショートステップの各々の処理時間は、ロングステップの処理時間以下である。制御回路は、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第1のカラムスキッドに関連づけられた、ロングステップが完了した旨を示す同期信号を受信し、その同期信号の受信に応答して、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第2のカラムスキッドの動作を指示して、そのロングステップの動作を開始させるように構成される。
いくつかの形態において、制御回路は、同期信号の受信後に、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第1のカラムスキッド上の複数のショートステップの動作を指示して、そのためのクロマトグラフィープロセスの全サイクルを完了させるように構成され得る。これらの形態において、制御回路は、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第2のカラムスキッドに関連づけられた、ロングステップが完了した旨を示す第2の同期信号を受信し、第2の同期信号の受信に応答して、そのロングステップの第2の操作を開始するように、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第1のカラムスキッドの操作を指示するように更に構成され得る。更に別の形態では、制御回路は、第2の同期信号の受信後に、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドの第2のカラムスキッド上の複数のショートステップの動作を指示して、そのためのクロマトグラフィープロセスの全サイクルを完了させるように構成され得る。
上記のいずれの形態においても、ロングステップは、クロマトグラフィーカラムの溶出ステップとすることができ、このとき複数のショートステップは、平衡化ステップ、負荷ステップ、1つ以上の洗浄ステップ、再生ステップ、又はフラッシングステップのうちの2つ以上を含むことができ、及び/又はロングステップはクロマトグラフィーカラムの負荷ステップであってもよく、このとき複数のショートステップは、平衡化ステップ、1つ以上の洗浄ステップ、溶出ステップ、再生ステップ、又は洗浄ステップのうちの2つ以上を含み得る。ロングステップが負荷ステップである形態では、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドの第1のカラムスキッドは、上流供給源から供給原料の供給を受け入れ、複数のクロマトグラフィーカラムの第1のカラムスキッドのクロマトグラフィーカラムにおける供給原料の負荷が完了したことを示す同期信号を制御回路に送信するように構成することができ、同期信号の受信に応答して、制御回路は、上流供給源からの供給原料の供給を、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第2のカラムスキッドに切り替えて、そのクロマトグラフィーカラムの負荷ステップを実行するように構成される。これらの形態において、制御回路は、1つ又は複数の処理供給原料の供給を複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第1のカラムスキッドに指示して、その負荷されたクロマトグラフィーカラム上のショートステップの処理を実行するように構成することができ、所望であれば、負荷されたクロマトグラフィーカラム上のショートステップの処理の完了後、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第1のカラムスキッドは、そのクロマトグラフィーカラムのための負荷ステップが完了したことを示す、第2のクロマトグラフィーカラムスキッドに関連づけられた第2の同期信号の発生を待つように構成することができる。これらの形態のいずれにおいても、供給源はタンパク質、抗体、多重特異性タンパク質、二重特異性タンパク質、又は二重特異性T細胞エンゲージャーであることができ、及び/又は供給源の上流供給源は採取した細胞培養液のストリーム又はプール、捕捉クロマトグラフィーカラムからの溶出ストリーム又はプール、捕捉クロマトグラフィーカラムからのウイルス不活化プール、又は捕捉クロマトグラフィーカラムからの中和ウイルス不活化プールのうちののいずれかであることができる。
上記のいずれの形態においても、複数のクロマトグラフィースキッドのクロマトグラフィーカラムは、捕捉クロマトグラフィーカラムであり得る。捕捉クロマトグラフィーカラムは、アフィニティークロマトグラフィーカラム、サイズ排除クロマトグラフィーカラム、イオン交換クロマトグラフィーカラム、疎水性相互作用クロマトグラフィーカラム、マルチモーダルクロマトグラフィーカラム、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーカラム、又は固定化金属アフィニティークロマトグラフィーカラムのうちの1つ以上とすることができる。上記捕捉クロマトグラフィーカラムは、プロテインAクロマトグラフィーカラム、プロテインGクロマトグラフィーカラム、又はプロテインLクロマトグラフィーカラムからなるアフィニティークロマトグラフィーカラムであってもよい。上記捕捉クロマトグラフィーカラムは、カチオン交換クロマトグラフィーカラム又はアニオン交換クロマトグラフィーカラムからなるイオン交換クロマトグラフィーカラムとすることができる。
上記形態のいずれかにおいて、システムは、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドの下流に流体的に接続されたウイルスろ過装置及び/又は限外ろ過装置の少なくとも1つを含むことができ、制御回路は、互いに通信する複数のクロマトグラフィーカラムスキッドの各々の複数の制御部、又は複数のクロマトグラフィーカラムスキッドの各々と通信する中央制御部とすることができ、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのクロマトグラフィーカラムは、互いに対して複数の異なるサイズを有することができ、又は複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのクロマトグラフィーカラムの1つ以上は、シングルユースクロマトグラフィーカラムであることができる。
上記のいずれの形態においても、システムは、複数のクロマトグラフィーカラムスキッド及び/又は下流捕捉クロマトグラフィーカラムの下流に流体的に結合された1つ以上の収集タンクを含むことができる。いくつかの形態において、下流のクロマトグラフィーカラムは、イオン交換クロマトグラフィーカラム、疎水性相互作用クロマトグラフィーカラム、マルチモーダルクロマトグラフィーカラム、又はヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーカラムであってもよい。下流のクロマトグラフィーカラムはカチオン交換又はアニオン交換カラムであってもよい。さらなる形態において、下流クロマトグラフィーカラムは、第1の下流クロマトグラフィーカラムであってもよく、上記システムは、第1の下流クロマトグラフィーカラムと直接直列に接続された第2の下流クロマトグラフィーカラムを含んでもよく、ここで第1及び第2の下流クロマトグラフィーカラムは、カチオン及び/又はアニオン交換カラムであってもよい。他の形態では、下流クロマトグラフィーカラムは第1の下流クロマトグラフィーカラムとすることができ、上記システムは更に第2の下流クロマトグラフィーカラムを含むことができ、第1及び第2の下流クロマトグラフィーカラムはそれぞれ第1及び第2の下流クロマトグラフィーカラムスキッド上に配置され、第1及び第2の下流クロマトグラフィーカラムスキッドはそれぞれ独立したバッチ処理に適しており、注入口、少なくとも1つのポンプ、少なくとも1つのフィルター、及び排出口センサーを備える。これらの形態において、制御回路は、下流クロマトグラフィープロセスの1つ以上のフルサイクルを通して、第1及び第2の下流クロマトグラフィーカラムスキッドの動作を制御するように構成することができ、各フルサイクルは、ロングステップである溶出ステップ及び複数のショートステップを含み、複数のショートステップの各々の処理時間は、ロングステップである溶出ステップの処理時間以下であり、また制御回路は、第1の下流クロマトグラフィーカラムスキッドに関連づけられたロングステップである溶出ステップが完了した旨を示す同期信号を受信し、同期信号の受信に応答して、第2のクロマトグラフィーカラムスキッドの動作を指示して、ロングステップである溶出ステップの動作を開始させるように構成することができる。
第2の態様によれば、タンパク質をアフィニティークロマトグラフィー単位操作に供し、アフィニティークロマトグラフィー単位操作からの溶出プールを低pHウイルス不活化及び中和に供し、中和されたプールを1つ以上のポリッシングクロマトグラフィー単位操作に供することを含む、1つ以上の汚染物質から組換えタンパク質を精製する方法が記載される。アフィニティークロマトグラフィー単位操作の少なくとも1つ、又は1つ以上のポリッシュクロマトグラフィー単位操作の少なくとも1つは、クロマトグラフィープロセスの1つ以上のフルサイクルを通して複数のクロマトグラフィーカラムスキッドの操作を制御するように構成されたパラレルクロマトグラフィープロセスに従って操作され、ここで各フルサイクルは、ロングステップ及び複数のショートステップを含み、複数のショートステップの各々の処理時間は、ロングステップの処理時間以下である。パラレルクロマトグラフィープロセスには、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第1のカラムスキッドに関連づけられた、ロングステップが完了した旨を示す同期信号を、パラレルクロマトグラフィーシステムの制御回路で受信し、同期信号の受信に応答して、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第2のカラムスキッドの制御回路での動作を指示して、ロングステップの動作を開始させるステップが含まれる。
ある形態では、アフィニティークロマトグラフィー単位の操作は、パラレルクロマトグラフィープロセスに従って実行され、さらなる形態では、ロングステップは、クロマトグラフィーカラムスキッドのカラムに負荷することであってもよく、複数のショートステップは、平衡化ステップ、1つ以上の洗浄ステップ、溶出ステップ、再生ステップ、又は洗浄ステップのうち2つ以上とすることができる。他の形態では、1つ以上のポリッシュクロマトグラフィー単位操作の少なくとも1つは、パラレルクロマトグラフィープロセスに従って実行することができ、さらなる形態では、ロングステップは、クロマトグラフィーカラムスキッドのカラムを溶出することであってもよく、複数のショートステップは、平衡化ステップ、負荷ステップ、1つ以上の洗浄ステップ、再生ステップ、及びフラッシングステップのうち2つ以上とすることができる。更に別の形態では、アフィニティークロマトグラフィー単位操作と1つ以上のポリッシュクロマトグラフィー単位操作の少なくとも1つの両方を、パラレルクロマトグラフィープロセスに従って実施することができる。
いくつかの形態において、パラレルクロマトグラフィープロセスは、同期信号の受信後に、制御回路を用いて、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第1のカラムスキッド上の複数のショートステップの動作を指示して、そのためのクロマトグラフィープロセスの全サイクルを完了させるステップを含むことができ、さらなる形態において、パラレルクロマトグラフィープロセスは、制御回路で、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第2のカラムスキッドに関連づけられた、ロングステップが完了した旨を示す第2の同期信号を受信し、第2の同期信号の受信に応答して、制御回路で、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第1のカラムスキッドの動作を指示して、ロングステップの第2の動作を開始させるステップを含むことができる。
いくつかの形態では、上記方法は以下のうち1つ以上を含み得る。1つ以上のポリッシュクロマトグラフィー単位操作の少なくとも1つは、第2の捕捉クロマトグラフィーカラムと直列に接続された第1の捕捉クロマトグラフィーカラムを有する第1及び第2のポリッシュクロマトグラフィー単位操作を含むことができ、1つ以上のポリッシュクロマトグラフィー単位操作は、別個の第1及び第2のポリッシュクロマトグラフィー単位操作を含むことができ、第1のポリッシュクロマトグラフィー単位操作は、第2のポリッシュクロマトグラフィー単位操作に先行するか、又は後続し、ウイルス不活化溶出液プールは、導電率を10ms/cm以下に維持しながら、ウイルス不活化溶出液プールの体積膨張を最小限に抑えることができる中和緩衝系を使用して中和することができ、ここで上記緩衝系は、標的pH範囲において緩衝能を有さない滴定剤と、所望のpHで緩衝化する緩衝剤とを含み、ウイルス不活化は、30分以上であってもよく、この方法は、中和されたプールを深層ろ過操作に供することを含むことができ、この方法は、1つ以上のポリッシュクロマトグラフィー単位操作の溶出液を限外ろ過/透析ろ過単位操作又はウイルスろ過単位操作のうちの1つ以上に供することを含むことができ、アフィニティークロマトグラフィー単位操作は、プロテインAクロマトグラフィー、プロテインGクロマトグラフィー、又はプロテインLクロマトグラフィーとすることができ、上記1つ以上のポリッシュクロマトグラフィー単位操作の少なくとも1つは、カチオン交換クロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、マルチモーダルクロマトグラフィー、又は疎水性相互作用クロマトグラフィーとすることができる。
上記のいずれの形態も、単離され、精製された、目的の組換えタンパク質を製造するための方法となり得る。第3及び第4の態様によれば、上記方法の単離され、精製された、目的の組換えタンパク質が開示され、上記方法の単離され、精製された、目的の組換えタンパク質を含む医薬組成物が開示される。
第5の態様によれば、最小限の体積膨張でウイルス不活化プールを標的pHまで中和するためのシステムが開示され、このシステムは、標的pH範囲において緩衝能を有さない滴定剤と、標的pHで緩衝する緩衝剤とを含み、中和されたウイルス不活化溶出プールの導電率が10ms/cm以下に維持される。
いくつかの形態では、上記システムは以下のうち1つ以上の態様を含み得る。滴定剤のpKaは7を超えてもよく、緩衝剤のpKaは4.5~6.0の範囲内であってもよく、滴定剤は酢酸塩であってもよく、緩衝剤はトリス塩基であってもよく、滴定剤は0.1M超~0.3M未満の酢酸ナトリウムの範囲であってもよく、緩衝剤は0.00005M超~0.2M未満のトリス塩基の範囲であってもよく、ウイルス不活化プールは、pKaが4未満の酸を含む緩衝液を使用してアフィニティークロマトグラフィーカラムを溶出することによって得ることができ、その結果、pHが3.6±0.1以下のウイルス不活化溶出プールが得られ、ウイルス不活化プールのpHは3.6±0.1以下であってもよく、少なくとも50mM~少なくとも150mMの濃度、3.3~3.5のpH範囲、及び2.1CV~7.7CVのアフィニティークロマトグラフィープール体積を含む緩衝液を使用してアフィニティークロマトグラフィーカラムを溶出することによって得ることができ、さらなる形態において、ウイルス不活化プールのpHは3.6±0.1以下であってもよく、100mMの濃度、3.3~3.5のpH範囲、及び2.75CV~4.25CVのアフィニティークロマトグラフィープール体積を含む緩衝液を使用してアフィニティークロマトグラフィーカラムを溶出することによって得ることができ、中和緩衝系は、目的のタンパク質を精製するための連続フロープロセスで使用することができ、又は中和は、スタティックミキサーへのフローによって、ウイルス不活化プール材料と中和緩衝系の比率を組み合わせることによって達成することができる。
本開示の様々な実施形態によるパラレルプロセスクロマトグラフィーシステムの線図である。 2つのアフィニティークロマトグラフィースキッドを使用する第1のパラレルサイクリング戦略に従って、図1のパラレルプロセスクロマトグラフィーシステムを操作するためのフローチャートである。 少なくとも第1及び第2ポンプを使用する2つのアフィニティークロマトグラフィースキッドのカラムのステップを示す、図2のパラレルサイクリング戦略のフローチャートである。 2つのカチオン交換クロマトグラフィースキッドを使用する第2のパラレルサイクリング戦略に従って、図1のパラレルプロセスクロマトグラフィーシステムを操作するためのフローチャートである。 少なくとも第1及び第2ポンプを使用する2つのカチオン交換クロマトグラフィースキッドのカラムのステップを示す、図4のパラレルサイクリング戦略のフローチャートである。 図1のパラレルプロセスクロマトグラフィーシステム用のクロマトグラフィースキッドの例を示す線図である。 図1のパラレルプロセスクロマトグラフィーシステムを組み込んだシステムの線図である。 下流工程でパラレルプロセスクロマトグラフィーを使用するための第1の例示的構成を示す線図である。 下流工程でパラレルプロセスクロマトグラフィーを使用するための第2の例示的構成を示す線図である。 下流工程でパラレルプロセスクロマトグラフィーを使用するための第3の例示的構成を示す線図である。 デプスろ過、フロースルーポリッシング、及びウイルスろ過の構成を示す線図である。 プロテインA溶出プールのpH対回収溶出量を示すグラフである。
本明細書で提供される開示は、組換えタンパク質、特に安定性に問題のあるタンパク質の精製を改善し、処理に必要な設置面積を最小化し、最小限の装置及び施設サイズを利用し、そして単純且つ堅牢なプロセスを提供するように設計され、一方で、高いスループット及び生産性を達成し、特に小規模で、半連続的及び/又は連続的な生物製造を容易にするプロセス圧縮に関する。本明細書では、各スキッドの処理を独立に制御するオートメーション制御により並列運転される、スキッド間に、又はスキッド間を接続する流路を持たない2つ以上の単一カラムクロマトグラフィースキッドを利用する、連続及び半連続製造用の非連結並列アプローチを利用するクロマトグラフィーシステムについて説明する。
このシステム及び方法は、2つ以上の独立した、接続されていないクロマトグラフィースキッドを並行して動作させ、連続処理(負荷又は溶出)を行う自動並列処理システムを提供することにより、特に小規模での半連続及び連続製造プロセスの追跡を促進する。得られたシステムは、安定性に問題のある組換えタンパク質に有益な精製システムを提供することで、従来の大規模なシングルカラムシステムやマルチカラムの流体連結システムよりも有利である。このシステムはまた、より小さなカラムを使用し、クロマトグラフィー材料の使用を削減し、より効率的なカラム充填とクロマトグラフィー材料の使用を提供し、シングルユース技術との互換性を有するとともに、シングルユース技術を有利に使用し、より効率的で、時間が節約され、下流の処理に柔軟に対応する。パラレルスキッドの動作は同期されており、個別のイベントがスキッド間の通信のトリガーとなる。上記の利点はすべて、製造プロセスの堅牢性を犠牲にすることなく、設備コスト及び/又は処理時間を削減する等、設備投資を削減するものである。
本明細書で説明するパラレルクロマトグラフィー処理システムは、パラレルスキッド間の重複処理を可能にすることにより、例えば、以下及び図に更に詳細に記載するように、捕捉及び/又は溶出サイクル中の時間を節約することによって、時間をより効率的に使用する。パラレルシステムはフレキシブルであり、例えば、パラレルスキッドで最後から2番目のステップを実行しながら1つのスキッドで最終工程を実行することが可能であり、及び/又は、任意のサイクル中、特に最終サイクル中に速度を上げることにより、工程時間を圧縮することが可能である。
パラレルクロマトグラフィー処理システムは、負荷、洗浄、溶出、及び/又は洗浄ステップのためのグラジエントの使用、並びに緩衝液濃縮物の希釈を含むクロマトグラフィー操作を支援する。これらの機能を効率的に実行するためには、スキッドごとに2台以上のポンプを使用する必要がある場合もあるが、これはマルチカラムのシリアルシステムでは対応及び実行が困難なことである。
パラレルクロマトグラフィー処理システムは、例えば2000L以下の小型カラムを使用し、クロマトグラフィー材料の使用量を削減し、効率的なカラム充填を可能にし、カラムへの過負荷によるクロマトグラフィー樹脂の使用を可能にし、樹脂の半減期を延長する。このシステムはまた、シングルユース技術を有利に利用することができる。
更に、パラレルクロマトグラフィープロセスの自動化により、複数のシングルカラムスキッド単位を含むモジュラーシステムを、中央自動化システムにより全て制御することができる。製造キャンペーンの目的に応じて、スキッドの数を迅速且つ効率的に増減できる。カラムが個別に並列運転されるため、直列に接続された流路を持つ複数のカラムを含むスキッドを使用するシステムの運転中に起こるような、スキッド1台の故障が発生しても、製造運転全体が失われたり遅れたりすることはない。これは、PCC等の連続式クロマトグラフィーシステムにおける問題であり、1本のカラムの故障が、1つ以上の単位操作全体を含むカラムに接続されたフローパスを含むスキッド全体をシャットダウンし、ラン全体を遅らせたり、破壊したりする可能性がある。このような故障は医薬品の供給に影響を及ぼし、コスト増を招き、必要としている患者への医薬品の供給を遅らせることになる。
人工タンパク質は、従来のモノクローナル抗体療法と比べ、治療上の利点と改善点をもたらし、望ましい次世代のバイオ治療薬となっている。その結果、これらの人工タンパク質は、これまで以上に困難な治療適応症に対応するために、ますます多様なフォーマットで構築されるようになっている。多重特異性タンパク質、特に二重特異性抗体等の人工タンパク質は、その工学的構造、場合によってはより高い力価のために、従来のモノクローナル抗体よりも製造工程上の影響をより受けやすいことがある。このような影響を受けやすいタンパク質の場合、本明細書に記載のパラレルクロマトグラフィー処理システムを下流の製造操作に使用することで、柔軟性、カラムの効率と利用率、及び所望の製品品質の間で良い妥協点が得られる。パラレルクロマトグラフィーシステムは、処理時間を増加させることなく、低い力価での処理を可能にする点で有益である。PCCのような連続的に接続されたクロマトグラフィーシステム等、現在のサイクリング戦略を用いた人工タンパク質の精製では、製品の品質の低下を招くおそれがある。直列に接続されたシステムに関連するカラムの過負荷は、カラム上の凝集を増加させ、除去率を減少させ、及び/又は不純物の形成を引き起こす可能性がある。このような不純物は、高分子量(HMW)及び/又は低分子量(LMW)種であり、これらは一般的に、人工タンパク質、及び精製カラム上及びプロセスプール中の高タンパク質濃度と関連する。
下流の製造工程における1つ以上のクロマトグラフィー操作は、本明細書に記載のパラレルクロマトグラフィー処理システムを使用して実行することができる。このシステムはあらゆるクロマトグラフィー操作に適応可能である。本明細書及び図に記載されているように、下流製造プラットフォームは、1つ以上の同一のクロマトグラフィー操作、1つ以上の固有のクロマトグラフィー操作、及び/又はその両方の組み合わせで構成することができる。
本明細書に記載のパラレルクロマトグラフィー処理システムは、半連続処理及び連続処理操作に適合する。パラレルクロマトグラフィー処理システムからの出力は、1つ以上の下流単位操作に選択的に結合することができる。これは、直接接続、サージタンク、ホールディングタンク、バッグ、又は少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムスキッド又は他の単位操作からのフィードを受け入れるように適合された他の好適容器を介して行うことができる。パラレルクロマトグラフィー処理システムを他の単位操作と組み合わせて、連続又は半連続プロセスを促進することも考えられる。このような組み合わせにより、処理時間、資源の使用、施設の設置面積、コストを最小限に抑えることができる。例えば、アフィニティー精製単位操作で採用される並列処理システムは、特に小規模の製造操作の場合、処理を最適化し、緩衝液交換やコンディショニングを最小限にするように設計されたウイルス不活化・中和単位操作と組み合わせることができる。本明細書では、ウイルス不活化のために所望のpHで溶出液プールを達成するアフィニティークロマトグラフィー溶出緩衝液の処方について述べる。また、所望の導電率を達成する中和ウイルス不活化溶出プールの体積膨張を最小限に抑えながら、ボーラスのpHをしっかりと調整できる中和緩衝液システムも記載されている。
パラレルクロマトグラフィーシステム100の全体図及び動作フローチャート例を図1~5に示す。システム100は、第1及び第2のクロマトグラフィースキッド(「スキッド」)104、106の動作を制御するように構成された制御回路102を含む。制御回路102は、スキッド104、106から離れた中央制御部108と、スキッド104、106の各々で動作する制御部110とを含むことができる。制御部108、110間の通信信号は、Wi-Fi、無線、近距離無線通信、Bluetooth等の任意の適切なネットワークを使用して、有線接続及び/又は無線接続を介して伝送することができる。このように、中央制御部108と同様に、スキッド104、106の各々は、送信機及び受信機を含む対応する通信デバイスを含むことができる。代替の形態では、制御回路102は、互いに通信可能なスキッド104、106の各々で動作する制御部110のみを含むことができる。一例では、中央制御部108は、データベースサーバー112、オペレーターインターフェース114、バッチサーバー116、及びネットワークインターフェース118を含むことができる。このように構成することで、制御回路102は、スキッド104、106のそれぞれにコマンドを送信してその動作を制御し、その代わりにスキッド104、106からデータ及びその他の信号を受信するように動作可能である。2つのスキッド104、106が示されているが、システム100は、特定のプロセスに望まれる任意の数のスキッドを含むように拡張できることが理解されよう。
本明細書で使用される制御回路という用語は、概して、他の構成要素及びデバイスの動作を制御するように設計された、プロセッサ、メモリ、及びプログラマブル入出力周辺機器を有する、任意のマイクロコントローラ、コンピュータ、又はプロセッサベースデバイスの組み合わせを広く意味する。メモリ、他の構成要素及びデバイス等との通信用のトランシーバを含む一般的な付属のアクセサリデバイスを含むことは更に理解される。これら構造的オプションは当該技術分野において周知及び理解されており、ここで更に説明する必要はない。制御回路102は、(当業者には十分に理解されるように、例えば、メモリに格納された実行可能な命令やプログラミングのセットを使用することにより)本明細書中に記載される工程、動作、及び/又は機能のうちの1つ以上を実行するように構成されてもよい。一例として、Python等のオープンソース言語を利用して、本明細書で説明する操作や機能を実行するためのプログラミングを提供することができる。
本明細書で使用するクロマトグラフィープロセスの「フルサイクル」とは、スキッド104、106のうち1つ以上のカラム120を使用したタンパク質の精製に必要なステップの実行をいう。例えば、結合及び溶出モードで操作されるクロマトグラフィーカラムのフルサイクルの典型的なステップには、負荷された緩衝液に適合する緩衝液でカラムを平衡化することと、次いでタンパク質をクロマトグラフィー培地に負荷することと、クロマトグラフィー培地を1つ以上の洗浄緩衝液で任意に洗浄することとが含まれる。その後、結合したタンパク質はカラムから溶出される。溶出後、カラムは再生、ストリッピング、及び/又はフラッシングのうち1つ又は複数のステップを含む洗浄が行われる。各フルサイクルには、「ロングステップ」と呼ばれる、フルサイクルの中で最も長いサイクル時間を持つステップと、一連の「ショートステップ」と呼ばれる、総合的にサイクル時間が短いか、総サイクル時間がロングステップよりも長くないステップとが含まれる。ロングステップの例には、負荷ステップ及び/又は溶出ステップが含まれる。このようなステップは、クロマトグラフィー培地へのタンパク質の負荷を最大にするため、又は結合したタンパク質をクロマトグラフィー培地から完全に溶出するために、期間を長くすることができる。一連の処理ショートステップは、集合的に「製造プロセスサイクル」を構成する。ショートステップとしては、例えば平衡化、1つ以上の任意の洗浄、及び再生、ストリップ、及び/又は洗浄ステップのうちの1つ以上を含み得る洗浄ステップが含まれる。負荷又は溶出ステップも、ロングステップとして操作されていない場合は、ショートステップのコレクションに含まれる。製造プロセスサイクルを構成するショートステップの流量は、製造プロセスサイクルがロングステップサイクルと同時に終了するか、ロングステップサイクルの終了前のある時点で終了するように選択することができる。後者の場合、1つのスキッド104、106上の製造プロセスサイクルをパラレルスキッド104、106上のロングステップサイクルと同期させるために、製造プロセスサイクルにタイムギャップを加えることができる。
パラレルクロマトグラフィーシステム100の操作プロセス200の第1の例を図2に示すが、アフィニティークロマトグラフィーのように、最も長いステップはカラムの負荷である。このプロセスは、2つのスキッド104、106を参照して説明されているが、プロセスは所望に応じて拡張できることが容易に理解されよう。
第1のステップ202において、制御回路102は、所定量の供給原料が第1スキッド104のカラムに負荷されるまで、共通の供給原料から第1スキッド104への負荷を指示する。例えば、流量センサー、スケール、タイマー、又は他のセンサーは、分注される供給原料を監視して、第1スキッド104のカラムに適した所定量の供給原料が分注された時を決定することができる。所定量の供給原料が第1スキッド104に負荷されたと制御回路102が判断すると、第2のステップ204において、制御回路102は、第2スキッド106への共通の供給原料の負荷を開始するための同期信号を生成/送受信する。例えば、第1スキッド104の制御部110は、同期信号を生成し、中央制御部108に送信することができる。或いは、第1スキッド104の制御部110が同期信号を生成し、第2スキッド106に直接その同期信号を送信することもできる。本明細書で使用されるように、同期信号は、2つ以上の単位間で通信される離散イベントトリガーであり得る。同期信号は、いずれかの単位で指定された一連の自動処理の実行を開始するために使用できる。その後、第3のステップ206において、第1スキッド104は、所定量の供給原料が第2スキッド106のカラム上に負荷され結合される間、製造プロセスサイクル(例えば、洗浄、溶出、ストリップ、再生、フラッシュ、平衡化のうちの1つ以上)を実行し、第4のステップ208において、第1スキッド104は、負荷が完了し、第1スキッド104のカラム上で負荷を開始することができるという同期信号が第2スキッド106から生成されるのを待つ。第5のステップ210において、第2スキッド106は、第1スキッド104が負荷されている間、第2のステップ204による同期信号を待つ。第1スキッド104の同期信号が生成されると、第6のステップ212において、制御回路102は、第1スキッド104が製造プロセスサイクルを実行している間、第2スキッド106への供給原料の負荷を指示する。その後、制御回路102が、所定量の供給原料が第2スキッド106のカラムに負荷されたと判断すると、第7のステップ214において、制御回路102は、第2の同期信号を生成/送受信し、第8のステップ216において、第2スキッド106は、第1スキッド104が負荷されている間、製造プロセスサイクルを実行する。この構成により、原料の投入と製造プロセスサイクルの実行は、2つ以上のスキッド104、106間で連続的に切り替えられ、連続的な並列処理方法を提供することができる。
図3は、アフィニティークロマトグラフィーカラム120を備えた2つ以上のスキッド104、106を用いた並列処理システム100のサイクルプロセスのフローチャートを示しており、クロマトグラフィーカラム120の負荷時間が単位操作におけるロングステップである。各スキッド104、106は、2台のポンプ122、124を含むものとして示されており、1つは負荷専用、もう1つはその他のすべての処理ステップ用である。しかしながら、第1及び第2ポンプ122、124は、単一のポンプであってもよく、又は必要に応じて、各ポンプ122、124に対して1つ又は複数のポンプを含み得ることが理解されよう。或いは、ポンプ122、124は、必要に応じて、スキッド104、106のそれぞれに選択的に結合され得る1つ以上のポンプを指すこともできる。
以下により詳細に説明するように、採取した宿主細胞培養液(HCCF)等の供給原料の負荷というロングステップが第1スキッド104(カラム1)上で行われている間、処理サイクルの小さいステップ(例えば、洗浄、溶出、ストリップ、再生、及び平衡化ステップのうちの1つ以上)は、負荷サイクルを完了したばかりの第2スキッド106(カラム2)上で行われている。処理サイクルでは、洗浄から平衡化までの工程は全て、負荷サイクルの時間内、又はそれ以下で行われる。処理サイクルのタイミングを負荷サイクルに同期させるために、処理サイクルにタイムギャップを設けることができる。例えば、所望の材料が第2スキッド106(カラム2)から溶出され、カラム120が再負荷のために準備されると、第2スキッド106(カラム2)は、処理サイクルをちょうど完了したところか、第1スキッド(カラム1)の負荷が完了したときに負荷を開始するための同期信号を待っている。
「フルサイクル」とは、原料の負荷から、スキッド104、106のうちの1つの上でのカラム120のフラッシュ/平衡化までの完全なプロセスを指す。「フルパラレルサイクル」とは、例えば図3に示すように、並列に動作する少なくとも2つのスキッド104、106のそれぞれについて、完全なフルサイクルを指す。フルサイクルのステップは、2台以上のポンプで行うことができる。或いは、フルサイクルのステップを、単一のポンプと、2つ又は3つの注入口チャネルから管理され、計量された液体溶液を供給するための時限バルブスイッチングを用いて実行することもできる。
図3は、カラム1とカラム2のフルサイクルからなるフルパラレルサイクルを示しており、カラムはアフィニティークロマトグラフィーカラムであり、結合及び溶出モードで実行される。負荷ステップはロングステップであり、洗浄-平衡化ステップは製造プロセスサイクルを構成するショートステップである。プロセスは、第1スキッド104のカラム120の第2ポンプ124が平衡化ステップ220を実行することから始まり、その後、第1ポンプ122が負荷ステップ222を実行する。第1スキッド104のカラム120の負荷ステップ222が完了し、第2ポンプ124で平衡化ステップ223が完了した後、第2スキッド106のカラム120の負荷ステップ224が第1ポンプ122で開始される。これは、上述の同期信号によって達成される。第2スキッド106のカラム120が負荷されている間、第1スキッド104の第2ポンプ124は、任意の第1、第2、及び第3洗浄ステップ226、228、230、溶出ステップ232、再生ステップ234、及びフラッシングステップ236を順次実行することができる。これで第1スキッド104のカラム120の全サイクルが完了する。必要であれば、プロセス200におけるより長い負荷時間を考慮して、第1スキッド104の第2ポンプ124は、所定のタイムギャップの間、停止238することができる。次いで、第2ポンプ124は、一般的に、例えば0~10分の間で、第2スキッド106のカラム120の負荷ステップ224と同時に終了する平衡化ステップ240を実行し、第1スキッド104の後続サイクルを開始する。第2スキッド106のカラム120に対する負荷ステップ224が完了した後、第1スキッド104のカラム120に対する別の負荷ステップ242が開始される。これは、上述の同期信号によって実現される。第1スキッド104のカラム120が負荷されている間、第2スキッド106の第2ポンプ124は、任意の第1、第2、及び第3洗浄ステップ244、246、248、溶出ステップ250、再生ステップ252、及びフラッシングステップ254を順次実行することができる。これで第2スキッド106のカラム120の全サイクルが完了する。第1スキッド104と同様に、第2スキッド106の第2ポンプ124は、必要であれば、所定のタイムギャップの間を停止256し、その後、第1スキッド104のカラム120の負荷ステップ242と概ね同時に終了する平衡化ステップ258を実行することができる。
一実施形態では、流量は50cm/時以上である。一実施形態では、流量は少なくとも1000cm/時である。一実施形態では、流量は100~1000cm/時である。一実施形態では、流量は200~1000cm/時である。一実施形態では、流量は300~1000cm/時である。一実施形態では、流量は400~1000cm/時である。一実施形態では、流量は500~1000cm/時である。一実施形態では、流量は600~1000cm/時である。一実施形態では、流量は700~1000cm/時である。一実施形態では、流量は800~1000cm/時である。一実施形態では、流量は900~1000cm/時である。一実施形態では、流量は100~900cm/時である。一実施形態では、流量は200~900cm/時である。一実施形態では、流量は300~900cm/時である。一実施形態では、流量は400~900cm/時である。一実施形態では、流量は500~900cm/時である。一実施形態では、流量は600~900cm/時である。一実施形態では、流量は700~900cm/時である。一実施形態では、流量は800~900cm/時である。一実施形態では、流量は100~800cm/時である。一実施形態では、流量は200~800cm/時である。一実施形態では、流量は300~800cm/時である。一実施形態では、流量は400~800cm/時である。一実施形態では、流量は500~800cm/時である。一実施形態では、流量は600~800cm/時である。一実施形態では、流量は700~800cm/時である。一実施形態では、流量は100~700cm/時である。一実施形態では、流量は200~700cm/時である。一実施形態では、流量は300~700cm/時である。一実施形態では、流量は400~700cm/時である。一実施形態では、流量は500~700cm/時である。一実施形態では、流量は600~700cm/時である。一実施形態では、流量は100~600cm/時である。一実施形態では、流量は200~600cm/時である。一実施形態では、流量は300~600cm/時である。一実施形態では、流量は400~600cm/時である。一実施形態では、流量は500~600cm/時である。一実施形態では、流量は100~500cm/時である。一実施形態では、流量は200~500cm/時である。一実施形態では、流量は300~500cm/時である。一実施形態では、流量は400~500cm/時である。一実施形態では、流量は100~400cm/時である。一実施形態では、流量は200~400cm/時である。一実施形態では、流量は300~400cm/時である。一実施形態では、流量は100~300cm/時である。一実施形態では、流量は200~300cm/時である。一実施形態では、流量は100~100cm/時である。一実施形態では、流量は50~100cm/時である。一実施形態では、流量は50~200cm/時である。一実施形態では、流量は50~300cm/時である。一実施形態では、流量は50~400cm/時である。一実施形態では、流量は50~500cm/時である。一実施形態では、流量は50~600cm/時である。一実施形態では、流量は50~700cm/時である。一実施形態では、流量は50~800cm/時である。一実施形態では、流量は50~900cm/時である。一実施形態では、流量は50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、又は1000cm/時である。
負荷時間は、カラム120のサイズ、供給原料中のタンパク質の濃度、流量、及び/又は使用されるクロマトグラフィー媒体の結合容量に依存する。負荷時間は、許容プール保持時間(ロードプールにおけるタンパク質の安定性)より短くする必要がある。負荷時間は、目標処理時間等、プロセス全体の要件を満たす必要がある。例えば、処理時間は24時間以内であったり、1シフト以内であったりしてもよい。原料中の組換えタンパク質濃度にもよるが、負荷時間は約2時間以下~約24時間である。
一実施形態では、負荷時間は約1時間~約24時間である。一実施形態では、負荷時間は約12時間~約24時間である。一実施形態では、負荷時間は約8時間~約12時間である。一実施形態では、負荷時間は約5時間~約8時間である。一実施形態では、負荷時間は約1時間~約5時間である。一実施形態では、負荷時間は約2時間~約5時間である。一実施形態では、負荷時間は約3時間~約5時間である。一実施形態では、負荷時間は約4時間~約5時間である。一実施形態では、負荷時間は約1時間~約4時間である。一実施形態では、負荷時間は約2時間~約4時間である。一実施形態では、負荷時間は約3時間~約4時間である。一実施形態では、負荷時間は約1時間~約3時間である。一実施形態では、負荷時間は約2時間~約3時間である。一実施形態では、負荷時間は約1時間~約2時間である。一実施形態では、負荷時間は約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約16時間、約18時間、又は約24時間である。負荷に続いて、アフィニティーカラム120は、第2ポンプ124を使用して実行される、洗浄、溶出、再生、フラッシュ、及び平衡化ステップで処理される。ポンプ122、124を制御するバルブシステムは、図11及び図12を参照して後述するように、ポンプ122、124を別々に作動させることができるように構成されている。
目標処理時間を達成するため、流量は50~1000cm/時、負荷時間は1~24時間以内とすることができる。
フルパラレルサイクルは、24時間又は1シフトであってもよい。一実施形態では、フルパラレルサイクルは約5時間~約24時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは12時間~24時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは8時間~12時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは5時間~8時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは5時間~7時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは5時間~6時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは6時間~8時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは6時間~7時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは5時間以下である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは1時間~5時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは1時間~5時間である。一実施形態では、フルサイクルは2時間~5時間である。一実施形態では、フルサイクルは3時間~5時間である。一実施形態では、フルサイクルは4時間~5時間である。一実施形態では、フルサイクルは2時間~5時間である。一実施形態では、フルサイクルは3時間~5時間である。一実施形態では、フルサイクルは4時間~5時間である。一実施形態では、フルサイクルは3時間~5時間である。典型的には、1日のパラレルサイクルの回数は1~5回である。
組換えタンパク質を精製する場合、補足クロマトグラフィーは典型的には細胞培養物の採取後に行われ、採取された細胞培養液等のソース培地から目的のタンパク質を単離・濃縮するために行われる。この捕捉段階で使用されるクロマトグラフィー法は、クロマトグラフィー媒体(樹脂又は膜)が、クロマトグラフィー媒体に結合する目的のタンパク質に対して親和性又は選択性を有し、親和性が低い成分及び/又は不純物が通過するか、それほど強く結合せず、溶出前にクロマトグラフィー材料を洗浄することによって除去されるか、少なくとも減少させることができる条件下で、結合及び溶出モードで実行される。
捕捉クロマトグラフィー材料の例としては、アフィニティークロマトグラフィー(AC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー(IEX)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、マルチモーダルクロマトグラフィー(MMC)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このような材料は、当技術分野で知られており、商業的に入手可能である。
アフィニティークロマトグラフィーは、Fc成分を有する目的の組換えタンパク質を単離し濃縮する最初の捕捉ステップとして、バイオ製造プロセスで一般的に使用されている。このようなアフィニティークロマトグラフィー材料の例としては、プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、プロテインL等のブドウ球菌タンパク質、基質結合捕捉機構、抗体又は抗体フラグメント結合捕捉機構、アプタマー結合捕捉機構、及び補因子結合捕捉機構等を利用したものが挙げられる。固定化金属アフィニティークロマトグラフィーは、金属イオンに親和性を持つ、又は持つように操作されたタンパク質を捕捉するために用いることができる。
一実施形態では、2つ以上のクロマトグラフィーカラムスキッド104、106はそれぞれ単一の捕捉クロマトグラフィーカラム120を含む。一実施形態では、捕捉クロマトグラフィーカラム120はアフィニティークロマトグラフィーカラムである。一実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーカラム120は、プロテインA、プロテインG、又はプロテインLクロマトグラフィーカラムである。一実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーカラム120はプロテインAクロマトグラフィーカラムである。
アフィニティークロマトグラフィー材料は多くの業者から市販されている。例えば、MABSELECT(商標)SURE Protein A、Protein A Sepharose FAST FLOW(商標)(Cytiva社製、Marborough、MA)、PROSEP-A(商標)(Merck Millipore社製、U.K)、TOYOPEARL(商標)650M Protein A(TosoHass Co.社製、Philadelphia、PA)がある。
捕捉クロマトグラフィー操作は、好ましくは、本明細書に記載の連続処理クロマトグラフィー法を用いて行われる。この方法では、2本以上のクロマトグラフィーカラムを並行して循環させ、連続処理(負荷から溶出、及び関連するカラム処理と調製ステップ)を可能にする自動並列処理システムを利用する。このサイクリング戦略により、供給原料(典型的には採取した宿主細胞培養液(HCCP))の連続処理と、より小さなクロマトグラフィーカラムの使用とが可能になる。このプロセスにより、少なくとも2つ、好ましくは複数のシングルカラムスキッド104、106で構成されるモジュラーシステムが可能になり、製造目的に応じてスキッド104、106の数を迅速且つ効率的に増減できる柔軟性を提供する中央自動化システム108によって、すべてが制御される。カラムの切り替えは捕捉サイクル中の時間を節約し、プロセスは比較的単純で堅牢であり、カラムの過負荷に依存しない。
クロマトグラフィーカラム120は、精製すべき組換えタンパク質を含む供給原料と接触させる前に、好適な緩衝液で平衡化することができる。例示的な平衡化緩衝液としては、精製される物質に対して適切な濃度、導電率、及び/又はpHのHEPES、トリス、リン酸塩、クエン酸塩、MES、BES、PIPES、トリシン、ビシン、TES、TAPSO、MOPS等が挙げられる。
原料がカラム120に負荷されると、溶出ステップの前に、カラムは1つ以上の洗浄液で任意に洗浄される。洗浄ステップは、カラム上に残っているがクロマトグラフィー材料にまだ結合していない目的のタンパク質を結合させ、隙間の空間から負荷物質を洗い流し、クロマトグラフィー媒体に結合した及び/又はその中にある不純物を除去し、及び/又は溶出のためにカラム120を準備するために行うことができる。複数の洗浄液を、洗浄の目的や工程数に応じて使用することができる。洗浄緩衝剤には、平衡化緩衝液や負荷緩衝液の使用が含まれ得る。緩衝剤処方には、とりわけトリス緩衝液又はリン酸塩、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又は塩化ナトリウム等の塩、カルシウム、マグネシウム、又はニッケル等の二価陽イオン、洗剤ポリマー、アミノ酸、糖アルコール、及び/又はカオトロピック剤が含まれる。複数の洗浄緩衝液が使用される場合、洗浄緩衝剤の組成及び/又は濃度は、必要に応じて同じであってもよいし、異なっていてもよい。洗浄は適切なpH、典型的には中性pHで行われるが、必要に応じてより高いpH又はより低いpHで行うこともできる。
結合した組換えタンパク質は、緩衝条件を変えることによりカラム120から溶出される。溶出は、アイソクラティック法、グラジエント法、若しくはその他の適切な方法、又はそれらの方法の組み合わせで行うことができる。溶出は通常、低pH条件下で行われ、溶出緩衝液には、酸性、クエン酸、ギ酸、リン酸等の酸単独、又は上記酸と緩衝液、アミノ酸、及び塩等との組み合わせが含まれる。
捕捉クロマトグラフィー媒体の洗浄と再生としては、適切な方法と緩衝液が知られている。
捕捉クロマトグラフィーは、細胞培養が定常状態にある間、連続的に行うことができる。小さなサージ容器(サージバッグ)は、流量の小さな変動を緩衝し、バイオリアクターと採取単位操作との間に空気遮断を提供するために使用することができる。捕捉クロマトグラフィーは、採取単位の運転中に連続的に実行してもよいし、ハーベストホールド容器から実行してもよい。
アフィニティー精製の後、組換えタンパク質は、典型的には残りの汚染物質や不純物から目的のタンパク質を更に分離するために、1つ以上の追加の精製工程に供される。本明細書では、DNA、宿主細胞タンパク質、生成物に関連する不純物、凝集体、ウイルス等の残存する汚染物質や不純物を除去するとともに、pH、濃度、及び緩衝液の配合の変化を促進し、目的の組換えタンパク質を最終的な所望の純度に近づけるために行われる1つ以上のクロマトグラフィー工程を指すために、「ポリッシュ」又は「ポリッシング」という用語が使用される。
ポリッシュクロマトグラフィー単位の操作では、樹脂及び/又は膜等のクロマトグラフィー媒体を使用する。この媒体には、結合及び溶出モード(目的のタンパク質がクロマトグラフィー媒体に結合し、汚染物質や不純物がクロマトグラフィー媒体を通過又は洗い流された後に溶出される)、フロンタルモード又は過負荷モード(目的のタンパク質を含む溶液が、カラム上の吸着部位が占有され、固定相に対する親和性が最も低い種(目的のタンパク質)が溶出し始めるまでカラムに負荷される)、フロースルーモード(目的のタンパク質は結合せずにクロマトグラフィー材料中を流れ、汚染物質や不純物はクロマトグラフィー媒体に結合する)、又はその他のモードやモードの組み合わせによって使用される薬剤が含まれる。ポリッシュ工程に使用されるクロマトグラフィー手法の例としては、アニオン交換クロマトグラフィー(AEX)及びカチオン交換クロマトグラフィー(CEX)等のイオン交換クロマトグラフィー(IEX)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、混合様式又は多様式クロマトグラフィー(MMC)、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー(HA)、逆相クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー(AC)、及びゲルろ過が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
各ポリッシュクロマトグラフィー単位の操作は、同じ構成又は異なる構成及び/又は異なるモードで実行することができる。各クロマトグラフィー単位は、単一の非連結単位、複数の連結単位、及び/又は複合単位として稼働させることができる。シングルクロマトグラフィーカラムは、例えば、スタッガードサイクリングシステム、向流負荷(周期的向流クロマトグラフィー)、又はマルチカラム向流溶媒グラジエント精製プロセス(MCSGP)として稼働させることができる。
複数のクロマトグラフィー単位操作(典型的には1つ、2つ、又は3つで、それぞれが同じ又は異なる機能を実行する)は製造プロセスの要件に応じて組み合わされる。イオン交換クロマトグラフィーは、帯電した表面間の静電相互作用に基づき、差分吸着と脱着に基づいて、目的のタンパク質と不純物を分離する。「カチオン交換クロマトグラフィー」は、負に荷電し、且つ固相の上又は中を通過した水溶液中でのカチオンとの交換のための遊離カチオンを有する固相媒体上で実施されるクロマトグラフィーをいう。電荷は、1つ以上の荷電リガンドを固相に付着させることによって、例えば共有結合によって提供され得る。或いは、又は加えて、電荷は、(例えば、全陰電荷を有するシリカについての場合と同様に)固相の固有の特性であり得る。カチオン交換クロマトグラフィーは典型的には、結合・溶出モードで実行され、対象となる多くのタンパク質の等電点(pI)が高いため、クロマトグラフィー材料への結合が可能となる。カチオン交換クロマトグラフィーはフロースルーモードで行うこともできる。CEXクロマトグラフィーは典型的には、高分子量(HMW)コンタミの除去、プロセス関連の不純物の除去、及び/又はウイルスクリアランスに使用される。市販のカチオン交換媒体が利用可能であり、例としては、アガロースに固定化されたスルホプロピル(SP)(例えばSP-SEPHAROSE FAST FLOW(商標)、SP-SEPHAROSE FAST FLOW XL(商標)又はSP-SEPHAROSE HIGH PERFORMANCE(商標)、CAPTO S(商標)、CAPTO SP ImpRes(商標)、CAPTO S ImpAct(商標)(Cytiva社製)、FRACTOGEL-SO3(商標)、FRACTOGEL-SE HICAP(商標)、及びFRACTOPREP(商標)(EMD Merck社製、Darmstadt、Germany)、TOYOPEARL(登録商標)XS、TOYOPEARL(登録商標)HS(Tosh Bioscience社製、King of Prussia、PA)、UNOsphere(商標)(BioRad社製、Hercules、CA)、S Ceramic Hyper D(商標)F(Pall社製、Port Washington、NY)、POROS(商標)(ThermoFisher社製、Waltham、MA)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アニオン交換クロマトグラフィーは、正に荷電しており、固相の上又は中を通過した水溶液中でのアニオンとの交換のための遊離カチオンを有する固相媒体上で実施されるクロマトグラフィーをいう。アニオン交換クロマトグラフィーは、典型的にはフロースルーモードで行われる。多くのタンパク質はpIが高いため、AEXクロマトグラフィー材料に結合しない。AEXクロマトグラフィーは、例えばウイルスクリアランスや不純物の除去に使用される。市販のアニオン交換培地が利用可能であり、例としては、アガロースに固定化されたスルホプロピル(SP)(例えばSource 15 Q、Capto(商標)Q、Q-SEPHAROSE FAST FLOW(商標)(Cytiva社製)、FRACTOGEL EDM TMAE(商標)、FRACTOGEL EDM DEAE(商標)(EMD Merck社製)、TOYOPEARL Super Q(登録商標)(Tosh Bioscience社製)、POROS HQ(商標)、POROS XQ(商標)、(ThermoFisher社製)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ミックスモード又はマルチモードクロマトグラフィー(MMC)とは、イオン交換(CEX又はAEX)や疎水性相互作用等の相互作用メカニズムを組み合わせて利用する、固相媒体上で実行されるクロマトグラフィーをいう。市販のマルチモーダルクロマトグラフィー媒体が利用可能であり、例としてはCapto(商標)Adhere Anion Exchange Multi Modeがある。
疎水性相互作用クロマトグラフィーとは、疎水性リガンドと目的のタンパク質表面の疎水性残基との間の相互作用を利用した固相媒体上でのクロマトグラフィーをいう。市販の疎水性相互作用クロマトグラフィー媒体としては、Phenyl Sepharose(商標)、Tosoh hexyl、及びCapto(商標)phenyl等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーとは、正電荷を帯びたカルシウムと負電荷を帯びたリン酸塩を利用し、タンパク質のpIと緩衝液のpHに応じて陽イオン又は陰イオンとして作用する固相媒体上で行うクロマトグラフィーを指す。
目的の組換えタンパク質を含む溶出液の流れ又はプールは、特に目的のタンパク質がクロマトグラフィー媒体に結合するような方法で、ポリッシュクロマトグラフィーカラムに負荷され得る。溶出液の流れは、目的のタンパク質がクロマトグラフィー媒体に結合されないような方法で、ポリッシュクロマトグラフィーカラムに負荷され得る。溶出液の流れ又はプールは、細胞培養採取液、アフィニティークロマトグラフィー、ウイルス不活化、ウイルスろ過、深層ろ過、及び/又は別のポリッシュクロマトグラフィー操作等、過去の単位操作に由来する場合がある。最終的な負荷量が所望の濃度及び/又は配合になるように、溶出液又はプールに追加の緩衝液を加えることができる。
ポリッシュ単位操作のための負荷物質は、ウイルス不活化単位操作、特に低pHウイルス不活化単位操作からのプール又は溶出液、例えば中和されたウイルス不活化プール又は溶出液であってもよい。
一態様では、2本以上のポリッシュクロマトグラフィーカラムを直列に接続し、1つのポリッシュクロマトグラフィー単位としてフロースルーモードで運転することができる。組み合わせたカラムは、完全なポリッシュクロマトグラフィー単位操作として、又は結合・溶出モード、フロンタルモード、及び/又はフロースルーモードで運転される1つ以上の追加のポリッシュクロマトグラフィー単位と組み合わせて操作することができる。
本明細書で説明するように、1つ以上のポリッシュクロマトグラフィー単位操作は、並列処理システム100を利用する本明細書で説明する連続プロセスクロマトグラフィー方法を使用して実行することができる。
本明細書で説明するように、2つ以上の同様のクロマトグラフィーカラムスキッド104、106を並行して運転し、連続パラレルクロマトグラフィーシステム100によって制御することができる。一実施形態では、2つ以上の同様のクロマトグラフィーカラムスキッド104、106がそれぞれ同じ種類のポリッシュクロマトグラフィーカラム120を含む。図4は、カチオン交換クロマトグラフィーカラムをそれぞれ備えた2つ以上のスキッド104、106を用いて結合・溶出モードで運転する例示的なシステムのサイクルプロセスを示しており、クロマトグラフィーカラムの溶出時間は単位運転サイクルのロングステップである。
パラレルクロマトグラフィーシステム100の操作プロセス300の例を図4に示すが、ポリッシュクロマトグラフィーのように、最も長いステップはカラムの溶出である。このプロセスは、2つのスキッド104、106を参照して説明されているが、プロセスは所望に応じて拡張できることが容易に理解されよう。
第1のステップ302において、制御回路102は、所定量の精製タンパク質がカラムから溶出されるまで、第1スキッド104の負荷されたカラムの溶出を指示する。例えば、以下に述べるように、フローセンサー、スケール、タイマー、又は他のセンサーが溶出液をモニターして、目的のタンパク質の所望量が溶出された時を決定することができる。所定のタンパク質力価が第1スキッド104から溶出されたと制御回路102が判断すると、第2のステップ304において、制御回路102は、第2スキッド106のカラムからタンパク質の溶出を開始するための同期信号を生成/送受信する。例えば、第1スキッド104の制御部110は、同期信号を生成し、中央制御部108に送信することができる。或いは、第1スキッド104の制御部110が同期信号を生成し、第2スキッド106に直接その同期信号を送信することもできる。その後、第3のステップ306において、第1スキッド104は、所定量タンパク質力価が第2スキッド106のカラムから溶出される間、製造プロセスサイクル(例えば、ストリップ、再生、フラッシュ、平衡化、負荷、及び線上ステップのうちの1つ以上)を実行し、第4のステップ308において、第1スキッド104は、負荷が完了し、第1スキッド104のカラム上で溶出を開始することができるという同期信号が第2スキッド106から生成されるのを待つ。第5のステップ310では、第2スキッド106は、第1スキッド104が溶出されている間、第2のステップ304に従って同期信号が生成されるのを待つ。第1スキッド104の同期信号が生成されると、第6のステップ312において、制御回路102は、第3のステップ306における第1スキッド104が製造プロセスサイクルを実行している間、第2スキッド106のカラムからのタンパク質の溶出を指示する。その後、制御回路102が、所定のタンパク質力価が第2スキッド106のカラムから溶出されたと判断すると、第7のステップ314において、制御回路102は、第2の同期信号を生成/送受信し、第8のステップ316において、第2スキッド106は、第1スキッド104が溶出されている間、製造プロセスサイクルを実行する。この構成により、タンパク質の溶出と製造プロセスサイクルの実行は、2つ以上のスキッド104、106間で連続的に切り替えられ、連続的な並列処理方法を提供することができる。
図4のプロセス300によるスキッド104、106のそれぞれの処理ステップを示すフローチャートを図5に示す。各スキッド104、106は、関連する第1及び第2ポンプ122、124を備えたクロマトグラフィーカラム120を含み、一方のポンプ124は溶出専用で、一方のポンプ122は他のすべての処理ステップに使用される。しかしながら、第1及び第2ポンプ122、124は、単一のポンプであってもよく、又は必要に応じて、各ポンプ122、124に対して1つ又は複数のポンプを含み得ることが理解されよう。或いは、ポンプ122、124は、必要に応じて、スキッド104、106のそれぞれに選択的に結合され得る1つ以上のポンプを指すこともできる。
この形態では、システム100は、グラジエント溶出を伴う結合・溶出モードで作動する。プロセスは、第1スキッド104の第1ポンプ122が、平衡化ステップ320、負荷ステップ322、及び1つ以上の任意の洗浄ステップ324、326、328を実行することから始まる。第1スキッド104のカラム120の洗浄ステップ328が完了した後、第1スキッド104の第2ポンプ124は、カラム120の溶出ステップ330を開始する。第1スキッド104のカラム120が溶出している間、第2スキッド106の第1ポンプ122は、平衡化ステップ332、負荷ステップ334、及び第1、第2、及び第3の任意の洗浄ステップ336、338、340を順次実行する。その後、プロセス300におけるより長い溶出時間を考慮するために必要であれば、第2スキッド106の第1ポンプ122は、所定のタイムギャップ342の間、停止することができる。第1スキッド104の溶出ステップ330が完了した後、第2スキッド106の第2ポンプ124は、カラム120の溶出ステップ344を開始する。これは、上述の同期信号によって実現される。第2スキッド106のカラム120が溶出している間、第1スキッド104の第1ポンプ122は再生ステップ346とフラッシングステップ348を行い、カラム120の全サイクルを完了する。次いで、第1ポンプ122は、第1スキッド104の第1ポンプ122が平衡化ステップ350、負荷ステップ352、及び第1、第2、及び第3の任意の洗浄ステップ354、356、358を実行し、次いで、第2スキッド106のカラム120のより長い溶出時間を考慮するために、必要であれば、第1ポンプ122が所定のタイムギャップの間停止360することにより、新しいサイクルを開始する。第2スキッド106の溶出ステップ344が完了した後、第1スキッド104の第2ポンプ124は、カラム120の別の溶出ステップ362を開始する。これは、上述の同期信号によって実現される。第1スキッド104のカラム120が溶出している間、第2スキッド106の第1ポンプ122は再生ステップ364とフラッシングステップ366を行い、カラム120の全サイクルを完了する。
処理サイクルでは、再生ステップから洗浄ステップまでが、溶出サイクルの時間内、或いはそれより短い時間で行われる。このように、処理サイクルのタイミングを溶出サイクルに同期させるために、処理サイクルにタイムギャップを加えることができる。サイクルは、例えば、カラム120のサイズ、結合タンパク質の濃度、使用されるクロマトグラフィー媒体の結合能力、及び/又は溶出プールにおける所望の力価等、プロセス基盤における任意のパラメータに最も適合するように定義することができる。
溶出時間は、クロマトグラフィーモード、結合タンパク質の濃度、グラジエントの勾配又は変化率、及び/又は使用するクロマトグラフィー媒体の結合容量に依存する。溶出時間は、目標処理時間等、プロセス全体の要件を満たす必要がある。例えば、目標処理時間は24時間以内、又は1シフト以内とすることができる。通常、このような溶出時間は、クロマトグラフィー媒体に結合したタンパク質の量にもよるが、約2時間以下である。一実施形態では、各フルパラレルサイクルは典型的には5~8時間で完了する。
一実施形態では、溶離時間は約1時間~約24時間である。一実施形態では、溶離時間は約12時間~約24時間である。一実施形態では、溶離時間は約8時間~約12時間である。一実施形態では、負荷時間は約5時間~約8時間である。一実施形態では、溶離時間は約1時間~約5時間である。一実施形態では、溶離時間は約2時間~約5時間である。一実施形態では、溶離時間は約3時間~約5時間である。一実施形態では、溶離時間は約4時間~約5時間である。一実施形態では、溶離時間は約1時間~約4時間である。一実施形態では、溶離時間は約2時間~約4時間である。一実施形態では、溶離時間は約3時間~約4時間である。一実施形態では、溶離時間は約1時間~約3時間である。一実施形態では、溶離時間は約2時間~約3時間である。一実施形態では、溶離時間は約1時間~約2時間である。一実施形態では、溶離時間は約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約16時間、約18時間、又は約24時間である。溶出後、ポリッシュクロマトグラフィーカラム120は、再生、フラッシュ、平衡化、負荷、及び洗浄の各ステップが第1ポンプ122を使用して実行される。
流量は、例えば目標処理時間等のプロセス要件を満たす必要がある。例えば、そのような目標流量は、50~1000cm/時の範囲内とすることができる。一実施形態では、流量は50cm/時以上である。一実施形態では、流量は少なくとも1000cm/時である。一実施形態では、流量は100~1000cm/時である。一実施形態では、流量は200~1000cm/時である。一実施形態では、流量は300~1000cm/時である。一実施形態では、流量は400~1000cm/時である。一実施形態では、流量は500~1000cm/時である。一実施形態では、流量は600~1000cm/時である。一実施形態では、流量は700~1000cm/時である。一実施形態では、流量は800~1000cm/時である。一実施形態では、流量は900~1000cm/時である。一実施形態では、流量は100~900cm/時である。一実施形態では、流量は200~900cm/時である。一実施形態では、流量は300~900cm/時である。一実施形態では、流量は400~900cm/時である。一実施形態では、流量は500~900cm/時である。一実施形態では、流量は600~900cm/時である。一実施形態では、流量は700~900cm/時である。一実施形態では、流量は800~900cm/時である。一実施形態では、流量は100~800cm/時である。一実施形態では、流量は200~800cm/時である。一実施形態では、流量は300~800cm/時である。一実施形態では、流量は400~800cm/時である。一実施形態では、流量は500~800cm/時である。一実施形態では、流量は600~800cm/時である。一実施形態では、流量は700~800cm/時である。一実施形態では、流量は100~700cm/時である。一実施形態では、流量は200~700cm/時である。一実施形態では、流量は300~700cm/時である。一実施形態では、流量は400~700cm/時である。一実施形態では、流量は500~700cm/時である。一実施形態では、流量は600~700cm/時である。一実施形態では、流量は100~600cm/時である。一実施形態では、流量は200~600cm/時である。一実施形態では、流量は300~600cm/時である。一実施形態では、流量は400~600cm/時である。一実施形態では、流量は500~600cm/時である。一実施形態では、流量は100~500cm/時である。一実施形態では、流量は200~500cm/時である。一実施形態では、流量は300~500cm/時である。一実施形態では、流量は400~500cm/時である。一実施形態では、流量は100~400cm/時である。一実施形態では、流量は200~400cm/時である。一実施形態では、流量は300~400cm/時である。一実施形態では、流量は100~300cm/時である。一実施形態では、流量は200~300cm/時である。一実施形態では、流量は100~100cm/時である。一実施形態では、流量は50~100cm/時である。一実施形態では、流量は50~200cm/時である。一実施形態では、流量は50~300cm/時である。一実施形態では、流量は50~400cm/時である。一実施形態では、流量は50~500cm/時である。一実施形態では、流量は50~600cm/時である。一実施形態では、流量は50~700cm/時である。一実施形態では、流量は50~800cm/時である。一実施形態では、流量は50~900cm/時である。一実施形態では、流量は50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、又は1000cm/時である。
目標処理時間を達成するため、流量は50~1000cm/時、溶出時間は1~24時間以内とすることができる。
フルパラレルサイクルは、24時間又は1シフトであってもよい。一実施形態では、フルパラレルサイクルは約5時間~約24時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは12時間~24時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは8時間~12時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは5時間~8時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは5時間~7時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは5時間~6時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは6時間~8時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは6時間~7時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは5時間以下である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは1時間~5時間である。一実施形態では、フルパラレルサイクルは1時間~5時間である。一実施形態では、フルサイクルは2時間~5時間である。一実施形態では、フルサイクルは3時間~5時間である。一実施形態では、フルサイクルは4時間~5時間である。一実施形態では、フルサイクルは2時間~5時間である。一実施形態では、フルサイクルは3時間~5時間である。一実施形態では、フルサイクルは4時間~5時間である。一実施形態では、フルサイクルは3時間~5時間である。典型的には、1日のパラレルサイクルの回数は1~5回である。
結合した組換えタンパク質は、緩衝液条件を変更することにより、カラム120から溶出することができる。溶出は、アイソクラティック法、グラジエント法、その他の適切な方法、又は方法の組み合わせで行うことができる。
グラジエントの速度又は勾配は、mMの塩/溶出緩衝液のカラム容量(CV)として測定することができる。例えば、0mM~1000mMまでの塩化ナトリウム勾配の場合、溶出に使用される典型的な勾配の範囲は5mM塩/CV~50mM/CVである。一実施形態では、勾配は5mM/CV~20mM/CVである。溶出時間は通常0CV超~100CVである。一実施形態では、溶出時間は0CV超~20CVである。
クロマトグラフィーカラム120は、精製すべき組換えタンパク質を含む供給原料と接触させる前に、適切な緩衝液で平衡化することができる。平衡化緩衝液としては、精製される物質に対して適切な濃度、導電率及び/又はpHのHEPES、トリス、リン酸塩、クエン酸塩、MES、BES、PIPES、トリシン、ビシン、TES、TAPSO、MOPS等が挙げられる。
原料がカラム120に負荷されると、溶出ステップの前に、カラムは1つ以上の洗浄液で任意に洗浄される。洗浄ステップは、カラム上に残っているがクロマトグラフィー材料にまだ結合していない目的の任意のタンパク質を結合させ、隙間の空間から負荷物質を洗い流し、クロマトグラフィー媒体に結合した及び/又はクロマトグラフィー媒体中にある不純物を除去し、及び/又は溶出のためにカラム120を準備するために行うことができる。複数の洗浄液を、洗浄の目的や工程数に応じて使用することができる。洗浄緩衝液には、平衡化緩衝液や負荷緩衝液の使用が含まれ得る。典型的な緩衝液処方には、とりわけ、トリス緩衝液又はリン酸塩、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又は塩化ナトリウム等の塩、カルシウム、マグネシウム、又はニッケル等の二価陽イオン、洗剤ポリマー、アミノ酸、糖アルコール、及び/又はカオトロピック剤が含まれる。複数の洗浄緩衝液が使用される場合、洗浄緩衝液配合物の組成及び/又は濃度は、必要に応じて異なっていてもよい。洗浄は適切なpH、典型的には中性pHで行われるが、必要に応じてより高いpH又はより低いpHで行うこともできる。
結合した組換えタンパク質は、緩衝液条件を変えることによりカラム120から溶出される。溶出は、アイソクラティック法、グラジエント法、若しくはその他の適切な方法、又はそれらの方法の組み合わせで行うことができる。溶出は、溶出されるタンパク質に適したpH、塩及び/又は緩衝液条件下で行われる。典型的な緩衝液処方には、とりわけ、トリス緩衝液又はリン酸塩、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又は塩化ナトリウム等の塩、カルシウム、マグネシウム、又はニッケル等の二価陽イオン、洗剤ポリマー、アミノ酸、糖アルコール、及び/又はカオトロピック剤が含まれる。
ポリッシュクロマトグラフィー媒体の洗浄と再生としては、好適な方法と緩衝液が知られている。
複数のクロマトグラフィー単位操作(典型的には1つ、2つ、又は3つで、それぞれが異なる機能を実行する)が、製造プロセスの要件に応じて組み合わされる。イオン交換クロマトグラフィーは、帯電した表面間の静電相互作用に基づき、差分吸着と脱着に基づいて、目的のタンパク質を不純物から分離する。「カチオン交換クロマトグラフィー」は、負に荷電しており、固相の上又は中を通過した水溶液中でのカチオンとの交換のための遊離カチオンを有する固相媒体上で実施されるクロマトグラフィーをいう。電荷は、1つ以上の荷電リガンドを固相に付着させることによって、例えば共有結合によって提供され得る。或いは、又は加えて、電荷は、(例えば、全陰電荷を有するシリカについての場合と同様に)固相の固有の特性であり得る。カチオン交換クロマトグラフィーは通常、結合・溶出モードで実行され、対象となる多くのタンパク質のpIが高いことによりクロマトグラフィー材料への結合が可能となる。カチオン交換クロマトグラフィーはフロースルーモードで行うこともできる。CEXクロマトグラフィーは典型的には、高分子量(HMW)汚染物の除去、プロセス関連の不純物の除去、及び/又はウイルスクリアランスに使用される。市販のカチオン交換媒体が利用可能であり、例としては、アガロースに固定化されたスルホプロピル(SP)(例えばSP-SEPHAROSE FAST FLOW(商標)、SP-SEPHAROSE FAST FLOW XL(商標)又はSP-SEPHAROSE HIGH PERFORMANCE(商標)、CAPTO S(商標)、CAPTO SP ImpRes(商標)、CAPTO S ImpAct(商標)(Cytiva)、FRACTOGEL-SO3(商標)、FRACTOGEL-SE HICAP(商標)、及びFRACTOPREP(商標)(EMD Merck、Darmstadt、Germany)、TOYOPEARL(登録商標)XS、TOYOPEARL(登録商標)HS(Tosh Bioscience社製、King of Prussia、PA)、UNOsphere(商標)(BioRad社製、Hercules、CA)、S Ceramic Hyper D(商標)F(Pall社製、Port Washington、NY)、POROS(商標)(ThermoFisher社製、Waltham、MA)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アニオン交換クロマトグラフィーは、正に荷電しており、固相の上又は中を通過した水溶液中でのアニオンとの交換のための遊離カチオンを有する固相媒体上で実施されるクロマトグラフィーをいう。アニオン交換クロマトグラフィーは、典型的にはフロースルーモードで行われる。多くのタンパク質はpIが高いため、AEXクロマトグラフィー材料に結合しない。AEXクロマトグラフィーは、例えばウイルスクリアランスや不純物の除去に使用される。市販のアニオン交換培地が利用可能であり、例としては、アガロースに固定化されたスルホプロピル(SP)(例えばSource 15 Q、Capto(商標)Q、Q-SEPHAROSE FAST FLOW(商標)(Cytiva社製)、FRACTOGEL EDM TMAE(商標)、FRACTOGEL EDM DEAE(商標)(EMD Merck社製)、TOYOPEARL Super Q(登録商標)(Tosh Bioscience社製)、POROS HQ(商標)、POROS XQ(商標)、(ThermoFisher社製)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ミックスモード又はマルチモードクロマトグラフィー(MMC)とは、イオン交換(CEX又はAEX)や疎水性相互作用等の相互作用メカニズムを組み合わせて利用する、固相媒体上で実行されるクロマトグラフィーをいう。市販のマルチモーダルクロマトグラフィー媒体が利用可能であり、例としては、Capto(商標)Adhere Anion Exchange Multi Mode、PPA Hypercel、及びHEA Hypercelが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
疎水性相互作用クロマトグラフィーとは、疎水性リガンドと目的のタンパク質表面の疎水性残基との間の相互作用を利用した固相媒体上でのクロマトグラフィーをいう。市販の疎水性相互作用クロマトグラフィー媒体としては、Phenyl Sepharose(商標)、Tosoh hexyl、及びCapto(商標)phenyl等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーとは、正電荷を帯びたカルシウムと負電荷を帯びたリン酸塩を利用し、タンパク質のpIと緩衝液のpHに応じて陽イオン又は陰イオンとして作用する固相媒体上で行うクロマトグラフィーを指す。
一実施形態においては、2本以上のポリッシュクロマトグラフィーカラムを直列に接続し、1つのポリッシュクロマトグラフィー単位としてフロースルーモードで運転することができる。組み合わせたカラムは、完全なポリッシュクロマトグラフィー単位操作として、又は結合・溶出モード、及び/又はフロースルーモードで運転される1つ以上の追加のポリッシュクロマトグラフィー単位と組み合わせて操作することができる。
目的のタンパク質を含む溶出液の流れ又はプールは、特に目的のタンパク質がクロマトグラフィー媒体に結合するような方法で、ポリッシュクロマトグラフィーカラムに負荷され得る。溶出液の流れは、目的のタンパク質がクロマトグラフィー媒体に結合されないような方法で、ポリッシュクロマトグラフィーカラムに負荷され得る。溶出液の流れ又はプールは、細胞培養採取液、アフィニティークロマトグラフィー、ウイルス不活化、ウイルスろ過、深層ろ過、及び/又は別のポリッシュクロマトグラフィー操作等、過去の単位操作に由来する場合がある。最終的な負荷量が所望の濃度及び/又は配合になるように、溶出液又はプールに追加の緩衝液を加えることができる。
ポリッシュ単位操作のための負荷物質は、ウイルス不活化単位操作、特に低pHウイルス不活化単位操作からのプール又は溶出液、例えば中和されたウイルス不活化プール又は溶出液であってもよい。
有利なことに、プロセス200、300に関して上述したスキッド104、106に配置されたクロマトグラフィーカラムは、互いに物理的に分離されていてもよい、即ち、直列又は他の方法で接続されていなくてもよい。クロマトグラフィーカラム120は並列に循環され、負荷中にカラムが接続されることはなく(カラムの過負荷はない)、あるカラム120からのオーバーフローが別のスキッドの別のクロマトグラフィーカラムに直接負荷されることはない。上記の方法を利用することにより、スキッド104、106のカラム120は、周期的向流クロマトグラフィー等のシステムにおいて物理的に接続された直列カラム間のフロースループロセスの結果として生じるような過負荷を受けない。このように、本明細書に記載の方法は、カラム上での凝集や高濃度での凝集等、安定性に問題のある組換えタンパク質に特に有利である。スキッド104、106は、以下の態様の1つ以上を含むことができる。
スキッド104、106内の上記クロマトグラフィーカラム120は、キャプチャークロマトグラフィーに適した単一のクロマトグラフィーカラムとすることができる。このようなクロマトグラフィーカラムは、樹脂、膜、ゲル等の媒体を使用し、好適な条件下で、目的の組換えタンパク質がクロマトグラフィー媒体に結合する。タンパク質をクロマトグラフィー媒体に「結合」させるとは、適切な条件(pH、導電率)又は親和性のもとで、目的のタンパク質をクロマトグラフィー媒体に曝露し、目的のタンパク質と、イオン交換媒体等のクロマトグラフィー媒体の荷電基、又はプロテインA媒体等の目的のタンパク質に親和性のあるリガンド又は他の剤との間の相互作用によって、目的のタンパク質がクロマトグラフィー媒体中又はクロマトグラフィー媒体上に可逆的に固定化されることを意味する。
プロテインA、プロテインG、又はプロテインLクロマトグラフィー等のアフィニティークロマトグラフィー、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、カチオン交換クロマトグラフィー(CEX)及びアニオン交換クロマトグラフィー(AEX)等のイオン交換クロマトグラフィー(IEX)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、マルチモードクロマトグラフィー又は混合モードクロマトグラフィー(MM)、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー(HA)等が、本明細書に記載のパラレルクロマトグラフィーシステムでの使用に適している。このようなクロマトグラフィー材料は、当技術分野で知られており、商業的に入手可能である。
本明細書で説明するように、2つ以上の同様のクロマトグラフィーカラムスキッド104、106を並行して運転し、連続パラレルクロマトグラフィーシステム100によって制御することができる。少なくとも1つのクロマトグラフィースキッドが、最も長いサイクル時間を有する操作、例えば、ロングステップ(負荷又は溶出等)を実行している間、少なくとも1つのクロマトグラフィースキッドは、より短いサイクル時間を有する少なくとも1つ以上のプロセスステップを含む製造プロセスサイクルを実行しており、これには、平衡化、負荷、洗浄、溶出、及びカラム洗浄及び再生ステップのうちの1つ以上を含むことができ、これらのステップにはカラムのストリッピング及びフラッシングが含まれてもよい。ステップとその順序、数、及び期間は、精製されるタンパク質と製造キャンペーンの目的に影響される。
クロマトグラフィーカラムスキッド104、106は、少なくとも1つのポンプ122、124も含むことができる。一実施形態では、スキッドは2つ以上のポンプを含む。ポンプは、特に一定の流量でクロマトグラフィーカラムに供給負荷を押し込むために使用される。このようなポンプには、例えば、蠕動ポンプ、ダイヤフラムポンプ、遠心ポンプ等がある。単一のポンプを装備したスキッドの場合、時限バルブ切り替えを使用して、2つ又は3つの注入口チャネルからの計量された液体溶液を管理することができる。2台以上のポンプを備えたスキッドの場合、独立したポンプを注入口に接続することができる。
各クロマトグラフィーカラムスキッド104、106には、カラムへの供給とカラムからの溶離液の流れを導く少なくとも1つの注入口と1つの排出口がある。注入口は、上流側の供給源に選択的に結合することができる。上流側供給源には、クロマトグラフィースキッドに供給されるあらゆる流体、即ち供給原料を含めることができる。上流側供給源は、サージタンク、ホールディングタンク、バッグ、又は少なくとも1つのクロマトグラフィーカラムスキッドに供給するように適合された他の適切な容器に収容することができる。
供給原料は、クロマトグラフィーカラムに供給されるあらゆる流体からなる。供給原料は、少なくとも1つの目的のタンパク質を含むことができる。供給原料は、サージタンク、ホールディングタンク、バッグ、又はそのような収集と貯蔵に適合した他の好適な容器に収集されたプール材料に由来し得る。このような容器は、供給原料をクロマトグラフィーカラムスキッドに供給するように適合させることができる。供給原料は、上流の供給源から直接供給される溶出液の形態でもよい。
ある実施態様では、供給原料は、プール又は溶出液のストリームの中に回収された、目的のタンパク質を含む採取された細胞培養液を含むことができる。採取された細胞培養液は、どのようなタイプの採取単位の操作から採取されてもよい。供給原料は、目的のタンパク質を含むクロマトグラフィーカラムから回収された溶出液プール又はストリームから構成される。クロマトグラフィーカラムの溶出液プール又はストリームは、あらゆるタイプの捕捉クロマトグラフィー単位の操作から収集することができる。クロマトグラフィーカラムプール又はストリームの例には、プロテインA、プロテインG又はプロテインLから等のアフィニティークロマトグラフィーカラム溶出液プールが含まれる。クロマトグラフィープール又はストリームは、固定化金属アフィニティークロマトグラフィーの溶離液プール又はストリームであってもよい。クロマトグラフィーカラムプールは、例えば、アニオン交換クロマトグラフィーカラム溶出液プール又はストリーム若しくはカチオン交換クロマトグラフィーカラム溶出液プール若しくはストリーム、等のイオン交換クロマトグラフィーカラム溶出液プール若しくはストリーム、マルチモーダル若しくはミックスモーダルクロマトグラフィーカラム溶出液プール若しくはストリーム、疎水性相互作用クロマトグラフィーカラム溶出液プール若しくはストリーム、ヒドロキシアパタイトカラム溶出液プール若しくはストリーム、又はタンパク質成分を含むサイズ排除クロマトグラフィーカラム溶出液プール若しくはストリームであってもよい。
供給原料は、上記のいずれかからのウイルス不活化溶出液プール又はストリームを含むことができる。供給原料はまた、上記のいずれかからのウイルス不活化溶離液プール又はストリームを含むことができる。供給原料はまた、上記のいずれかからの中和された溶出液プール又はストリームを含むことができる。供給原料は、上記のいずれかからのウイルスろ過された溶出液プール又はストリームを含むことができる。
供給原料はまた、スキッド上のクロマトグラフィーカラムの平衡化、洗浄、溶出、再構成、ストリッピング、及び/又はフラッシングに使用するのに適したストック溶液、塩溶液、酸溶液、緩衝溶液、及びそれらの組み合わせ等の1つ又は複数の「処理供給原料」を含むことができる。
1つ以上のセンサーを注入口及び/又は排出口に配置することにより、スキッドに出入りする供給原料の流量、圧力、及び/又は体積等の物理的パラメータを測定及び/又は監視することができる。センサーはまた、溶出液中の目的のタンパク質、汚染物質、及び/又は不純物の品質/量を監視/測定するために使用することもできる。センサーはまた、平衡化、洗浄、再構成、ストリップ、及び/又は洗浄ステップの有効性を監視/測定するために使用することもできる。センサーにはUVセンサーやpHセンサー等が含まれ得る。
各クロマトグラフィーカラムスキッド104、106は複数のバルブを含むことができる。
各クロマトグラフィーカラムスキッド104、106には、クロマトグラフィーカラム、ポンプ、注入口及び排出口、センサー、バルブ、フィルター等の、スキッド104、106を構成するコンポーネントを収容及び操作するための構造及びサポートが含まれる。スキッド構造は、目的や用途、特に制御された環境での使用に適した、ステンレス鋼、アルミニウム、及び/又はプラスチック等の任意の適切な材料から作られてもよい。スキッドは、車輪やローラー等、移動のための何らかの機構を備えていてもよい。
例示的なクロマトグラフィースキッド104、106を図6に示す。クロマトグラフィースキッド104、106は、a)少なくとも2つのインレットバルブマニホールド140上に配置された任意の数の注入口バルブ136、b)少なくとも1つのポンプ122、124、c)流路に対してバイパスされるか又は選択される適切なバルブ136を有する単一のクロマトグラフィーカラム120、d)目的の組換えタンパク質がカラムに負荷され、及び/又はカラムから溶出される際に、それを感知することができる少なくとも1つの機器130、及びe)原料及び廃棄物の流れを適切な保持容器、廃棄物容器に導くため、及び/又は溶出物のストリームを他の下流処理単位に導くための任意の数の出口バルブ138を備えていてもよい。スキッド104、106はまた、圧力、流量、pH、導電率、温度等を測定するための追加のバルブ、フィルター、及び計器類を含むことができる。更に、スキッド104、106は、供給原料ロードストリーム又は緩衝液注入口に空気を封じ込めるためのバブルトラップを有することができる。別個のサンプリング機構又は圧力除去のための安全機構をスキッド104、106に追加することができるが、それによってパラレルクロマトグラフィーシステム100に参加する能力に影響を与えない。
図示された形態では、各スキッド104、106は、独立したバッチ処理に適した構成要素を含む。このように、各スキッド104、106は、クロマトグラフィーカラム120、ポンプ122、任意選択的な第2ポンプ124、注入口126、排出口127、少なくとも1つのフィルター128、及び排出口センサー130を含む。更に、すべての構成要素は、スキッド104、106を施設内で所望の場所まで容易に操縦できるようにする車輪/ローラー134を有するベース132上に設置することができる。これにより、ユーザーは、製造キャンペーンに必要な任意の数のスキッド104、106を容易にセットアップすることができる。スキッド104、106の各々の注入口126への流体の流れは、それぞれのスキッド104、106によって運ばれ得るか、又はスキッド104、106の上流に所望に応じて配置され得る、1つ以上のバルブ136の操作によって制御することができ、スキッド104、106の各々の排出口127への流体の流れは、それぞれのスキッド104、106によって運ばれ得るか、又はスキッド104、106の下流に配置され得る、1つ以上のバルブ138の操作によって制御することができる。このように構成されることで、スキッド104、106の一方のバルブ136が開かれると、目的のタンパク質を含む所定量の供給原料が、結合及び溶出モードでカラム120に負荷される。カラムからの出力は、バルブ138によって制御され、排出口センサー130によって測定されることができ、特に、測定値は、溶出が所望の品質を有する時を決定するために使用することができる。例えば、排出口センサー130は、タンパク質濃度を測定するための紫外線(UV)センサーとすることができる。有利なことに、システム100は単回使用カラムを利用することができ、これによりカラム120を使用の間に交換することができる。システム内のスキッド104、106のカラム120は、互いに異なるサイズ/容積を持つこともできる。
負荷及び処理工程は、単一のポンプ122と、2つ又は3つの注入口チャネルからの計量された液体溶液を管理するためのバルブ136の時限切り替えを用いて実行され得る。
負荷及び処理ステップは、各ポンプ122、124を別々に操作できるように構成された2つ以上のポンプ122、124を使用して実行することができる。中央プロセッサ108、又はこれに代えて個々のプロセッサ110の1つが、各ポンプ122、124の動作を指示する。図2~5を参照して上述したように、1つ又は複数のポンプ122、124を使用して、プロセス200、300の一次サイクル、即ちシステム100のタイミングを設定する最長サイクル(例えば、アフィニティークロマトグラフィーの負荷、ポリッシュクロマトグラフィーの溶出)を操作することができ、1つ又は複数のポンプ122、124を使用して、二次サイクル、すなわち平衡化、負荷、洗浄、溶出、及びカラムの洗浄及び再生の少なくとも1つ又は複数のステップを含む製造プロセスサイクルを操作することができ、これらのステップはカラムのストリッピング及びフラッシングが含まれ得る。
制御回路102は、2つ以上のクロマトグラフィースキッド104、106の動作を同期させる。制御回路102は、どのサイクルを実行するかをスキッド104、106に指示し、サイクルが完了すると、次のサイクルを実行するようにスイッチを同期させる。
連続プロセスクロマトグラフィーシステム400の構成例を図7に示す。このシステムには、クロマトグラフィーカラムスキッド104、106に負荷される原料を供給する原料供給源402が含まれる。スキッド104、106からの溶出液は、1つ以上の回収タンク404に供給される。例えば、回収タンク404は、各スキッドに対して共有の共通タンクとすることもできるし、各スキッドが個別の回収タンクを持つこともできるし、スキッド群が個別のタンクを共有することもできる。共有回収タンク404を利用する構成の場合、タンク404は、どのスキッド104、106がどの時点で供給原料を処理しているかに関係なく、システム全体の連続処理を維持するためのサージタンクとして動作することができる。その後、回収タンク404は、下流処理ユニット406、最終的には最終製品回収タンク408に流体的に接続する。
図8~10は、本明細書に記載の連続処理クロマトグラフィープロセスを組換えタンパク質製造プロセス500に組み込むいくつかの例示的な構成を示す。プロセス500は、細胞培養操作502から始まり、採取操作504、アフィニティークロマトグラフィー操作506、ウイルスの不活化及び中和操作508、及び第1及び第2のポリッシュクロマトグラフィー操作510、512が続く。最後に、プロセス500は、追加の処理単位操作514に進むことができる。
図8の下流工程500では、少なくとも2つのアフィニティークロマトグラフィースキッド(AC)104、106が、採取操作504に続くアフィニティークロマトグラフィー操作506において、図2及び図3に関して上述したプロセス200に従って、並列処理システム100で動作するために利用される。この形態では、ポリッシュクロマトグラフィー操作510、512は、例えば、任意の数の単一カラム独立単位操作又は2つのカラムを直列に結合して単一ポリッシュクロマトグラフィー単位操作とすることができる。
図9の下流工程500では、少なくとも2つのポリッシュクロマトグラフィースキッド(PC1)104、106が、アフィニティークロマトグラフィー操作506及びアフィニティークロマトグラフィー溶出液のウイルス不活化及び中和操作508に続く第1のポリッシュクロマトグラフィー操作510において、図4及び図5に関して上述した工程300に従って並列処理システム100内で動作するために利用される。この形態では、アフィニティークロマトグラフィー操作506及び第2のポリッシュクロマトグラフィー操作512は、任意の数の単一の独立したクロマトグラフィー単位操作によって実行することができる。一態様では、ポリッシュクロマトグラフィーステップ510及び512の順序を逆にすることができ、並列処理システム100を使用して実行されるポリッシュクロマトグラフィー操作は、第2のポリッシュクロマトグラフィー操作として行われる。一態様では、ポリッシュクロマトグラフィー操作510もまた、唯一のポリッシュ操作であってもよい。一態様では、2つ以上のポリッシュクロマトグラフィー操作510及び/又は512が存在し得る。
図10の下流工程500では、少なくとも2つのアフィニティークロマトグラフィースキッド(AC)104、106が、採取操作504に続くアフィニティークロマトグラフィー操作506において、図2及び図3に関して上述したプロセス200に従って、並列処理システム100で動作するために利用される。更に、少なくとも2つのポリッシュクロマトグラフィースキッド(PC1)104、106が、アフィニティークロマトグラフィー操作506及びアフィニティークロマトグラフィー溶出液のウイルス不活化及び中和操作508に続く第1のポリッシュクロマトグラフィー操作510において、図4及び図5に関して上述した工程300に従って並列処理システム100内で動作するために利用される。この形態では、第2のポリッシュクロマトグラフィー操作512は、任意の数の単一の独立したクロマトグラフィー単位操作によって実行することができる。一態様では、ポリッシュクロマトグラフィーステップ510及び512の順序を逆にすることができ、並列処理システム100を使用して実行されるポリッシュクロマトグラフィー操作は、第2のポリッシュクロマトグラフィー操作として行われる。一態様では、ポリッシュクロマトグラフィー操作510は、唯一のポリッシュ操作であってもよい。一態様では、2つ以上のポリッシュクロマトグラフィー操作510及び/又は512が存在し得る。
負荷と溶出ステップのタイミングは変えることができる。例えば、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーカラムを用いてアフィニティークロマトグラフィーを行う場合、負荷段階が最も長いサイクルとなることが好ましい(図3参照)。例えばカチオン交換クロマトグラフィーカラムを用いてポリッシュクロマトグラフィーを行う場合、溶出段階は好ましくは最も長いサイクルである(図5参照)。しかしながら、本明細書に記載のパラレルクロマトグラフィーシステム100を使用して実行される任意の単位操作の最長サイクルの決定は、精製されるタンパク質、製造キャンペーンの目的、及び/又はプロセスの任意の他の所望のパラメータ又は目標に基づいて行うことができる。
中和ウイルス不活化プール(NVIP)702を処理するための下流工程700を図11に示す。NVIP702は、例えば、以下の少なくとも1つの下流処理操作により適合するpHまで中和されることがある。NVIP702の下流にはデプスフィルタートレイン704が接続され、デプスフィルタートレイン704からの透過液はサージ容器706に回収することができる。
その後、サージ容器706は、フロースルーポリッシング及びウイルスろ過(VF)処理操作に供給するために使用することができる。示されるように、例示的なポリッシング及びウイルスろ過処理操作は、フロースルー構成でカチオン交換クロマトグラフィーカラム(CEX)710に直接接続されたアニオン交換クロマトグラフィーカラム(AEX)708、及びウイルスフィルター712を含む。一実施形態では、ウイルスフィルター712はプレフィルターとウイルスフィルターとを含み得る。
カラムバルブ714と共通バルブ716は、プロセス700の様々な構成要素への流体の流れを制御する。これに従って、カラムバルブ714は、供給入口ポート718、カラム入口ポート720、カラム出口ポート722、及び供給出口ポート724を含む複数のポートを含むことができる。同様に、共通バルブ716は、供給入口ポート726、VF入口ポート728、VF出口ポート730、及び供給出口ポート732を含む複数のポートを含むことができる。
この構成では、サージ容器706は、カラムバルブ714の供給入口ポート718及びカラム入口ポート720を介してAEXカラム708に流体的に連通することができる。更に、CEXカラム710は、カラムバルブ714のカラム出口ポート722及び供給出口ポート732、並びに共通バルブ716の供給入口ポート726及びVF入口ポート728を介して、ウイルスフィルター712に流体的に連通することができる。最後に、ウイルスフィルター712からの供給は、共通バルブ716のVF出口ポート730及び供給出口ポート732を介してUVモニター734に供給することができる。その後、UVモニター734からの供給は、出口バルブ736及び最終的に1つ以上の収集容器に供給することができる。
細胞培養処理を用いる組換えタンパク質の製造には、ウイルス汚染物質が混入する固有のリスクがある。このような汚染物質は、出発原料、試薬(特に動物由来の試薬)、及びGMPプロセスの失敗による製造システムの汚染を含む、多くの原因から発生する可能性がある。そのようなものであるから、規制当局は、バイオマニュファクチャリングプロセスに専用のウイルス不活化及びウイルス除去工程を設けることを推奨し、製造業者にすべての生物学的製品からのウイルスの除去及び不活化を検証するよう要求している。
エンベロープウイルスは典型的には不活化されている。無エンベロープウイルスは、製造されているタンパク質治療薬にリスク伴わずに不活化することがより困難であるが、そのようなウイルスは、小さい孔径を有するフィルターを使用してウイルス粒子を除去するような、サイズに基づくろ過方法によって除去され得る。ウイルスろ過は、旭化成株式会社(Plavona(登録商標))及びEDMミリポア(VPro(登録商標))から入手可能なもの等のマイクロろ過膜又はナノろ過膜を使用して実施することができる。
ウイルスの不活化とは、エンベロープウイルスがもはや細胞に感染、複製、及び/又は増殖できないように改変されるプロセスをいう。ウイルスの不活化には様々な方法を採用することができ、熱不活化/低温殺菌、UV及びガンマ線照射、高強度の広域スペクトル白色光の使用、化学不活化剤、界面活性剤の添加、溶媒/界面活性剤処理等が挙げられる。一実施形態では、ウイルスの不活化は低pHでのインキュベーションによって達成され、これはエンベロープウイルスを特異的に不活化するのに非常に効果的である。
低pHウイルス不活化は、定義された期間及び温度での低pHホールドを含むバッチモードで行うことができる。ウイルスの不活化は、結合した捕捉クロマトグラフィーカラムを低pH/高塩条件下で洗浄することにより、捕捉クロマトグラフィーと組み合わせることができる。捕捉クロマトグラフィーカラムをウイルス不活化に適した条件下で溶出させるには、緩衝液の容量を増やしたり(コストがかかり、精製時間が長くなり、タンパク質が失われたりする場合がある)、pHがかなり低い溶出緩衝液(特に多成分の人工タンパク質の場合、タンパク質の完全性に影響を与える可能性がある)、及び/又は緩衝液濃度が高い溶出緩衝液が使用されてきた。
インラインでの連続的な低pH不活化法の開発では、コイルドフローインバーター、又は目標とする低pH条件下で最小滞留時間流体の流れを維持する他の機構等、このタスクを実行するための装置や方法の使用に焦点が当てられてきた。しかしながら、pHの変化や中和に影響を与えるために使用される緩衝液や滴定剤の性質は、ほとんど無視されてきた。通常、低pHのウイルス不活化は、酢酸緩衝液(pKa4.8)とトリス塩基(pKa8.1)を用いて、望ましいpH変化に影響を与えるように行われてきた。
トリス塩基の高濃度溶液(>1M)を使用することで、中和中の希釈を減らすことができるが、自動化及び/又はインラインのコンディショニング戦略で制御するのは難しい。更に、緩衝液の濃度が高いため、過剰滴定の可能性が高くなる。滴定剤の濃度、pKa、及び組成は、高度に自動化された及び/又はインラインの滴定プロセス、特に本明細書に記載の並列処理システムを含む、半連続及び連続の単位操作及び/又は製造プロセスで使用されるものにとって重要な、容量変化(過添加/過少添加)に対する感度を決定する。過剰な滴定は、脱アミド化、酸化、又は他の分解メカニズムによって目的の生成物を損傷する可能性があり、その結果、精製タンパク質の品質及び/又は処理されるバッチ/ロット全体がリスクにさらされる。
中和目標pHよりもpKaが1pH単位以上低い(すなわち、溶出緩衝液が中和目標pHで緩衝しない)、プロテインA等の捕捉クロマトグラフィー単位操作中の溶出緩衝液を利用することが、インラインで連続的に低pHのウイルス不活化を制御するのに適していることがわかった。本明細書、特に以下の実施例に記載されているように、ギ酸、リン酸、又はpKaが4以下の他の酸等の低pKa酸を用いて捕捉クロマトグラフィーカラムを溶出すると、pHが3.6±0.1以下のウイルス不活化溶出プールが得られた。これは、効果的なpHで緩衝液量を最小にする効果的な溶出/ウイルス不活化戦略であった。また、溶出緩衝液pH、溶出緩衝液濃度、及びプール回収量の間にも相互依存関係があった。目標溶出緩衝液濃度100mM、緩衝液pH範囲pH3.3~pH3.5、プール回収量2.75CV~4.25CVの場合、望ましい目標pH範囲は3.6±0.1となった。溶出緩衝液のpH及び濃度を変化させることにより、プールの回収量、中和緩衝液の種類と量、プールのタンパク質濃度を最適化することができ、最大7.7CV、最小2.1CVのプール量を得ることができる。
一実施形態において、本発明は、pKaが中和目標pHより1pH単位以上低い溶出緩衝液を使用してアフィニティークロマトグラフィーカラムを溶出することによって得られるウイルス不活化プールを提供する。一実施形態では、ウイルス不活化プールは、pKaが4未満の酸を含む緩衝液を使用してアフィニティークロマトグラフィーカラムを溶出し、pHが3.6±0.1以下のウイルス不活化溶出プールを得る。一実施形態では、緩衝液のpHは、3.3~3.6である。一実施形態では、緩衝液のpHは、3.3~3.5である。一実施形態では、緩衝液のpHは、3.3~3.4である。一実施形態では、緩衝液のpHは、3.3~3.6である。一実施形態では、緩衝液のpHは、3.4~3.5である。一実施形態では、緩衝液のpHは、3.5~3.6である。一実施形態では、緩衝液のpHは、3.3±0.1、3.4±0.1、3.5±0.1、又は3.6±0.1である。一実施形態では、緩衝液のpHは、3.4±0.1である。一実施形態では、pKaが4以下の酸にはギ酸及びリン酸が含まれる。一実施形態では、酸はpH3.4での100mMギ酸であり、最終的なウイルス不活化プールのpHは3.6±0.1である。本発明の一実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、又はプロテインL親和性クロマトグラフィーである。一実施形態では、溶出回収量は2.1CV~7.7CVである。一実施形態では、溶出回収量は2.1CV~4.25CVである。一実施形態では、溶出回収量は2.1CV~2.75CVである。一実施形態では、溶出回収量は2.75CV~4.25CVである。一実施形態では、溶出回収量は2.75CV~7.7CVである。一実施形態では、溶出回収量は4.25CV~7.7CVである。一実施形態では、溶出回収量は2.1CV、2.75CV、3.5CV、又は4.25CV以上である。一実施形態では、溶出回収量は3.5CVである。
ウイルス不活化溶出プールは、プール全体が望ましいpHになるように混合してもよい溶出プールは、使い捨てバッグ、サージタンク、貯蔵タンク、その他の適切な容器に収容することができる。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より10倍~4倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より10倍~5倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より10倍~6倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より10倍~7倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より10倍~8倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より10倍~9倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より9倍~4倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より9倍~5倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より9倍~6倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より9倍~7倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より9倍~8倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より8倍~4倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より8倍~5倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より8倍~6倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より8倍~7倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より7倍~4倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より7倍~5倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より7倍~6倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より6倍~4倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より6倍~5倍小さい容積を有する。一実施形態では、溶出プール容器は採取物貯蔵容器より5倍~4倍小さい容積を有する。
ウイルスの不活化は、所定の時間をかけて行われる。本発明の一態様では、中和の前に、溶出プールを少なくとも30分間又はそれ以上、低pH条件に曝す。一実施形態では、溶出プールは低pH条件に24時間以上曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも30分~約24時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも1時間~約24時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも2時間~約24時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも3時間~約24時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも4時間~約24時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも5時間~約24時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも6時間~約24時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも10時間~約24時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも12時間~約24時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも15時間~約24時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも18時間~約24時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも30分~少なくとも6時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも30分~少なくとも5.5時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも30分~少なくとも5時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも30分~少なくとも4.5時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも30分~少なくとも4時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも30分~少なくとも3.5時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも30分~少なくとも3時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも30分~少なくとも2.5時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも30分~少なくとも2時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも30分~少なくとも1.5時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも30分~少なくとも1時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも1時間~約2時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも1時間~少なくとも1.5時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも1.5時間~約2時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも30分間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも1時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも約1.5時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは少なくとも約2時間、低pH条件に曝される。一実施形態では、溶出プールは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間、低pH条件に曝される。
ある形態では、ウイルス不活化プロセスは自動化されていてもよい。
ウイルス不活化プールは、中和して(中和ウイルス不活化プール(nVIP))、次の少なくとも1つの下流の処理操作により適合するpHにすることができる。典型的な中和プロセスでは、1Mトリス等の高濃度緩衝液を用いて、プールを目標のpHまで滴定する。例えば、1Mトリスを使用した場合、pHは急速に上昇するが、これはタンク容量が固定されたバッチモードでは望ましい。より細かくコントロールするために、トリス濃度を0.5Mに下げるとpHの変化が遅くなるが、その代償として、同じ目標pHを達成するためには、より多くの緩衝液量が必要となる。タンク容量に制限のない連続プロセスでは、過剰な緩衝液が許容される場合がある。しかし、コスト削減と製造工程の簡略化への要望が、設備の小型化とそれに対応する最小限の設備と材料の使用への動きを後押ししており、一部の製造工程では中和緩衝液の量が制限要因となっている。高いスループットと生産性を維持しながら、緩衝液の交換とコンディショニングを最小限にするための製造工程の圧縮は、特に本明細書で説明する並列プロセスシステムとの組み合わせにおいて有益であろう。
中和プールの導電率を10mS/cm超に上昇させることなく、小規模プロセスに典型的な緩衝液量を合理的にコントロールできる効果的な中和戦略が開発された。この中和緩衝液系は、酢酸ナトリウム等の目標pHの±1pH単位以内のpKaを有するものとして定義される、目標pH範囲において緩衝能を有しない滴定剤と、トリス塩基等の所望のpHで緩衝するバックグラウンド緩衝種との組み合わせを含む。このバックグラウンド緩衝液は、滴定剤の過剰添加による過滴定を防ぐのに役立つ。
本明細書において提供されるのは、導電率を10mS/cm以下に維持しながら、ウイルス不活化溶出液プールの体積膨張を最小限に抑えることができる中和緩衝液系である。中和緩衝系は、目標pH範囲では緩衝能を持たない滴定剤と、所望のpHで緩衝する緩衝剤とを含むことができる。更に、この中和緩衝系をpKaが4未満の酸からプールpHが3.7未満の捕捉溶出条件と組み合わせて使用すると、下流での緩衝液交換を最小限に抑え、精製性能を維持しながらスループットの向上に貢献する。このVI/中和戦略を小容量システムに用いることで、最小限の装置と設備サイズで製造工程におけるタンパク質の精製が可能になる。
中和緩衝液は、混合容器内のウイルス不活化溶出プールに添加するか、スタティックミキサーを使用してインラインで混合するか、又は他の任意の好適な方法により添加することができる。得られた中和ウイルス不活化プールは、プールとして保存することができ、他のプールと組み合わせることができ、及び/又は半連続的、連続的若しくは連続的な方法で実行することができる。ウイルス不活化及び中和単位の操作は自動化することができ、これには時限ウイルス不活化、次いでスタティックミキサーを通したウイルス不活化プールと中和緩衝液の流れの比率を用いた中和が含まれる。
中和緩衝液系は、pKaが標的pHより大きい滴定剤を含み得る。一実施形態では、滴定剤のpKaは7より大きい。一実施形態において、滴定剤は塩基である。本発明の一実施形態では、滴定剤はクエン酸、グルタミン酸、及び酢酸ナトリウムから選択される。本発明の一実施形態では、滴定剤は、酢酸ナトリウムである。本発明の一実施形態では、滴定剤は0.3M未満の濃度の酢酸ナトリウムである。一実施形態では、滴定剤は0.1M超0.3M未満の濃度の酢酸ナトリウムである。一実施形態では、滴定剤は0.17M~0.3M未満の濃度の酢酸ナトリウムである。一実施形態では、滴定剤は0.238M~0.3M未満の濃度の酢酸ナトリウムである。一実施形態では、滴定剤は0.1M超~0.238Mの濃度の酢酸ナトリウムである。一実施形態では、滴定剤は0.17M~0.238Mの濃度の酢酸ナトリウムである。一実施形態では、滴定剤は0.1M超、0.17M超、0.238M超、又は0.3M未満の濃度の酢酸ナトリウムである。
中和緩衝系は、pKaが4.5~6.0の緩衝剤を含むことができる。一実施形態では、緩衝剤のpKaは4.5~5.5である。一実施形態では、緩衝剤のpKaは4.5~5.0である。一実施形態では、緩衝剤のpKaは5.0~5.5である。一実施形態では、緩衝剤のpKaは5.0~6.0である。実施形態では、緩衝剤のpKaは5.5~6.0である。一実施形態では、緩衝剤のpKaは4.5、5.0、5.5、又は6.0である。
中和緩衝系は、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)(MOPS)、(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)(HEPES)、及びトリス塩基から選択される緩衝剤を含み得る。中和緩衝系は、トリス塩基である緩衝剤を含むことができる。一実施形態では、中和緩衝系は、0.2M未満の濃度のトリス塩基を有する緩衝剤を含み得る。一実施形態において、緩衝剤は、0.00005M未満~0.2M未満のトリス塩基濃度を有する。一実施形態において、緩衝剤は、0.1075M~0.2M未満のトリス塩基濃度を有する。一実施形態において、緩衝剤は、0.11M~0.2M未満のトリス塩基濃度を有する。一実施形態では、緩衝剤は0.115M~0.2M未満のトリス塩基濃度を有する。一実施形態では、緩衝剤は0.185M~0.2M未満のトリス塩基濃度を有する。一実施形態では、緩衝剤は0.1075M~0.185Mのトリス塩基濃度を有する。一実施形態では、緩衝剤は0.11M~0.185Mのトリス塩基濃度を有する。一実施形態では、緩衝剤は0.115M~0.185Mのトリス塩基濃度を有する。一実施形態では、緩衝剤は0.1075M~0.115Mのトリス塩基濃度を有する。一実施形態では、緩衝剤は0.11M~0.115Mのトリス塩基濃度を有する。一実施形態では、緩衝剤は0.00005M、0.1075M、0.11M、0.115M、0.185M、又は0.2M未満のトリス塩基濃度を有する。
中和緩衝系は、pKaが7を超える滴定剤と、pKaが4.5~6.0の緩衝剤とを含み得る。一実施形態では、中和緩衝系は、pKaが7を超える滴定剤と、pKaが4.5~5.0の緩衝剤とを含み得る。一実施形態では、中和緩衝系は、pKaが7を超える滴定剤と、pKaが4.5~5.5の緩衝剤とを含み得る。一実施形態では、中和緩衝系は、pKaが7を超える滴定剤と、pKaが5.0~6.0の緩衝剤とを含み得る。一実施形態では、中和緩衝系は、pKaが7を超える滴定剤と、pKaが5.0~5.5の緩衝剤とを含み得る。一実施形態では、中和緩衝系は、pKaが7を超える滴定剤と、pKaが5.5~6.0の緩衝剤とを含み得る。一実施形態では、中和緩衝系は、pKaが7を超える滴定剤と、pKaが4.5、5.0、5.5、又は6.0の緩衝剤を含み得る。
中和緩衝系は、酢酸ナトリウムである滴定剤と、トリス塩基である緩衝剤とを含むことができる。本発明の一態様において、中和緩衝系は、0.1M超~0.3M未満の濃度の酢酸ナトリウムと、0.00005M超~0.2M未満の濃度のトリス塩基とを含み得る。一実施形態では、中和緩衝系は、0.17M~0.238Mの濃度の酢酸ナトリウムと、0.1075M~0.185Mの濃度のトリス塩基とを含み得る。一実施形態では、中和緩衝液系は、0.17Mの酢酸ナトリウムと、0.1075Mのトリス塩基とを含み得る。一実施形態では、中和緩衝系は、0.17Mの酢酸ナトリウムと、0.11M~0.115Mのトリス塩基濃度とを含み得る。一実施形態では、中和緩衝液系は、0.17Mの酢酸ナトリウムと、0.1075Mのトリス塩基とを含み得る。一実施形態では、中和緩衝液は、0.238M酢酸ナトリウム及び0.185Mトリス塩基を含み得る。一実施形態では、中和緩衝系は、0.17M酢酸ナトリウム及び0.11Mトリス塩基を含み得る。一実施形態では、中和緩衝系は、0.17M酢酸ナトリウム及び0.115Mトリス塩基を含み得る。
また、本明細書では、導電率を10ms/cm以下に維持しながら、ウイルス不活化溶出液プールの体積膨張を最小限に抑えることができる中和緩衝系であって、pKaが7を超える滴定剤と、pKaが4.5~6.0の範囲の緩衝剤とを含む中和緩衝系も提供される。
また、本明細書では、導電率を10ms/cm以下に維持しながら、ウイルス不活化溶出液プールの体積膨張を最小限に抑えることができる中和緩衝系であって、0.1M超~0.3M未満の範囲内の濃度の、滴定剤としての酢酸ナトリウムと、0.00005M超~0.2M未満の範囲内の濃度の、緩衝剤としてのトリス塩基とを含む、中和緩衝系も提供される。
また、本明細書では、導電率を10ms/cm以下に維持しながら、ウイルス不活化溶出液プールの体積膨張を最小限に抑えることができる中和緩衝系であって、0.17M~0.238Mの範囲の濃度の酢酸ナトリウムと、0.1075M~0.0.185Mの範囲のトリス塩基とを含む、中和緩衝系も提供される。
目的のタンパク質を精製するための連続フロープロセスで使用するこの中和緩衝系は、単一の緩衝液を生成することにより、緩衝液交換や緩衝液コンディショニング等の緩衝液に対する要求を減らすという付加的な利点を提供する。
本発明の一態様では、中和は、混合容器内でウイルス不活化プールと中和緩衝系を組み合わせることによって達成される。本発明の一態様では、中和緩衝液系とウイルス不活化溶出プールは、スタティックミキサーを用いてインラインで混合することができる。
中和されたウイルス不活化プールは、単一プールとして保存することができ、他の和プールと組み合わせることができ、又は連続的若しくは切れ目のない方法で実行することができる。
中和されたウイルス不活化プールは、更に、深層ろ過、及び/又は無菌ろ過等のろ過に供され、生じる濁り又は沈殿を除去することができる。
用語「ポリヌクレオチド」又は「核酸分子」は、全体にわたって互換的に使用され、一本鎖及び二本鎖核酸の両方、ゲノムDNA、RNA、mRNA、cDNA、又は自然界に通常見出される配列と関連しない合成起源若しくはそのいくつかの組合せを含む。「単離されたポリヌクレオチド」又は「単離された核酸分子」という用語は、特に、合成起源又は天然で通常見出されないものの配列を指す。指定された配列を含む単離された核酸分子は、目的のタンパク質を発現する配列に加えて、最大で10若しくは更に最大で20に及ぶ数の他のタンパク質若しくはその一部に関するコード配列を含んでもよいし、列挙された核酸配列のコード領域の発現を制御する作動可能に連結された調節配列を含んでもよいし、且つ/又はベクター配列を含んでもよい。核酸分子を含むヌクレオチドは、リボヌクレオチド若しくはデオキシリボヌクレオチド又はいずれかの型のヌクレオチドの修飾形態であり得る。修飾には、ブロモウリジン及びイノシン誘導体等の塩基修飾、2’,3’-ジデオキシリボース等のリボース修飾、並びにホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホロセレノアート、ホスホロジセレノアート、ホスホロアニロチオアート、ホスホロアニラダート及びホスホロアミダート等のヌクレオチド間結合の修飾が含まれる。
「ポリペプチド」又は「タンパク質」という用語は、全体を通して互換的に使用され、ペプチド結合によって互いに連結された2つ以上のアミノ酸残基を含む分子を指す。ポリペプチド及びタンパク質には、天然配列のアミノ酸残基から1つ以上の欠失、挿入、及び/又は置換を有する高分子、すなわち、天然に存在する非組換え細胞によって産生されるポリペプチド若しくはタンパク質、又は遺伝子操作細胞又は組換え細胞によって産生されるポリペプチド又はタンパク質も含まれる。タンパク質は、ネイティブタンパク質のアミノ酸配列のアミノ酸残基から1つ以上の欠失、挿入、及び/又は置換を有する分子からなる。タンパク質には、融合タンパク質等の人工タンパク質も含まれる。ポリペプチド及びタンパク質は、1つ以上のアミノ酸が、対応する自然界に存在するアミノ酸及びポリマーの化学的アナログである、アミノ酸ポリマーを含む。ポリペプチド及びタンパク質はまた、グリコシル化、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ-カルボキシル化、ヒドロキシル化、及びADP-リボシル化等の修飾を含むがこれらに限定されるものではない。タンパク質は、分泌タンパク質、非分泌タンパク質、細胞内タンパク質、又は膜結合型タンパク質であり得る。目的のポリペプチド及びタンパク質は、組換え動物細胞株等の原核細胞株と真核細胞株によって産生することができ、「組換えタンパク質」と称され得る。発現タンパク質は、細胞内で産生されもよいか、又は培養培地中に分泌されてもよく、そこから回収及び/又は収集することができる。
本明細書で使用する場合、用語「単離された」は、(i)通常、それと共に見出される少なくともいくつかの他のタンパク質又はポリヌクレオチドを含まないか、(ii)例えば同一種等の同一源に由来する他のタンパク質又はポリヌクレオチドを実質的に含まないか、(iii)天然ではそれに結合しているポリペプチド、ポリヌクレオチド、脂質、炭水化物又は他の物質の少なくとも約50パーセントから分離されているか、(iv)天然ではそれに結合していないポリペプチド又はポリヌクレオチドと(共有結合的又は非共有結合的な相互作用によって)作動可能に結合しているか、又は(v)天然には生じないことを意味する。「単離されたタンパク質」又は「単離された組換えタンパク質」という用語は、その治療的、診断的、予防的、研究又は他の使用を妨げるタンパク質若しくはポリペプチド又は他の汚染物質から精製される、目的のポリペプチド又はタンパク質を指す。
ポリペプチド及びタンパク質は、科学的及び/又は商業的に興味深いものであることができ、標的、特に以下に列挙される標的のうちの1つと結合、刺激、中和、又は何らかの方法で相互作用することによって治療効果を発揮するタンパク質を含み、それらから誘導される標的、それに関連する標的、及びそれらの改変体を含む。
結合する別の分子(抗原)に親和性を有する抗原結合領域又は抗原結合部分を含む抗原結合タンパク質が含まれる。抗原結合タンパク質には、抗体、抗体フラグメント、抗体誘導体、抗体アナログのほか、1つ以上の抗原結合領域又は部分を含む融合タンパク質、人工タンパク質等が含まれる。
「抗体」という用語は、任意のアイソタイプ若しくはサブクラスのグリコシル化及び非グリコシル化免疫グロブリンの両方、又は特異的結合についてインタクト抗体と競合するこれらの抗原結合領域への言及を含む。特に断りのない限り、抗体にはヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、多重特異性抗体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体が含まれる。抗体は、lgG1型、lgG2型、lgG3型、又はlgG4型を含む。
また、多特異性タンパク質等の、天然に存在しない人工タンパク質も含まれる。
「多重特異性」、「多重特異性タンパク質」、及び「多重特異性抗体」は、同じ抗原上の少なくとも2つの異なる抗原又は少なくとも2つの異なるエピトープに同時に結合し、中和し、及び/又は相互作用するように組換え操作されているタンパク質をいうために本明細書で使用される。
最も一般的且つ最も多様な多重特異性タンパク質は、2つの抗原に結合するものであり、本明細書では「二重特異性」、「二重特異性タンパク質」及び「二重特異性抗体」と呼ばれる。二重特異性タンパク質は、2つの広範なカテゴリー:免疫グロブリンG(IgG)様分子及び非IgG様分子に分類され得る。IgG様分子は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、補体依存性細胞傷害(CDC)及び抗体依存性細胞貪食(ADCP)等のFc媒介性エフェクター機能を保持し、Fc領域は、可溶性及び安定性を向上させ、一部の精製操作を促進する助けとなる。非IgG様分子は、より小さいので、組織透過性を増強する。二重特異性タンパク質は、異なる抗原又は幾つかのエピトープへの結合特異性を有し、分子の結合特異性を増大させる追加の成分のためのフレームワークとして使用される場合がある。
二重特異性抗体を含む二重特異性タンパク質のフォーマットは常に進化しており、特に限定されないが、クアドローマ、ノブ・イン・ホール、クロスMab、デュアルバリアブルドメインIgG(DVD-IgG)、IgG-単鎖Fv(scFv)、scFv-CH3 KIH、二重作用Fab(DAF)、半分子交換、κλ体、タンデムscFv、scFv-Fc、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、複数のターゲットに結合可能な単鎖タンパク質、一本鎖ダイアボディ(scダイアボディ)、scダイアボディ-CH3、トリプルボディ、ミニアンティボディ、ミニボディ、TriBiミニボディ、タンデムダイアボディ、scダイアボディ-HAS、タンデムscFv-トキシン、デュアルアフィニティーリターゲッティング分子(DARTs)、ナノボディ、ナノボディ-HSA、ドックアンドロック(DNL)、鎖交換型ドメインSEEDbody、トリオマブ、ロイシンジッパー(LUZ-Y)、XmAb(登録商標)プラットフォームで作られた分子、Fab-アーム交換、デュタマブ、DT-IgG、荷電ペア、Fcab、直交Fab、IgG(H)-scFv、scFV-(H)IgG、IgG(L)-scFV、IgG(L1H1)-Fv、IgG(H)-V、V(H)-IgG、IgG(L)-V V(L)-IgG、KIH IgG-scFab、2scFV-IgG、IgG-2scFv、scFv4-Ig、Zybody、DVI-Ig4(フォー・イン・ワン)、Fab-scFv、scFv-CH-CL-scFv、F(ab’)2-scFv2、scFv-KIH、Fab-scFv-Fc、4価HCAb、scDiabody-Fc、ダイアボディ-Fc、イントラボディ、ImmTAC、HSAボディ、IgG-IgG、Cov-X-ボディ、scFv1-PEG-scFv2、三特異性抗体、4価二特異性抗体が挙げられる。
また、抗体薬物複合体、グリコール改変抗体、標的ポリペプチドに特異的な抗原結合を与えるのに十分な免疫グロブリンの少なくとも一部を含むポリペプチド等、再設計又は操作された抗体も含まれる。
これには、キメラ抗原受容体(CAR又はCAR-T)、TRUCKS(普遍的なサイトカイン媒介殺傷のためにT細胞を方向転換させるキメラ抗原受容体)、アーマードCAR(免疫抑制環境を調節するように設計されたもの)、T細胞受容体(TCR)等の遺伝子操作された受容体が含まれる。
また、一本鎖二特異性抗体構築物、二特異性T細胞エンゲージャー、一本鎖二特異性T細胞エンゲージャー(BITE(登録商標))、及び半減期延長二特異性T細胞エンゲージャー(HLE BiTE(登録商標))も含まれる(特に、国際公開第99/54440号パンフレット、国際公開第2005/040220号パンフレット、国際公開第2008/119567号パンフレット、米国特許出願公開第2014/0302037号明細書、米国特許出願公開第2014/0308285号明細書、国際公開第2014/151910号パンフレット、国際公開第2015/048272号パンフレット、国際公開第2013/128027号パンフレット、国際公開第2014/140358号パンフレット、及び国際公開第2017/134140号パンフレットを参照されたい)。
また、非共有結合、共有結合、又は共有結合と非共有結合の両方によって化学的に修飾されるタンパク質等の修飾タンパク質も含まれる。また、細胞改変システムによって生成され得る1つ以上の翻訳後修飾、又は酵素及び/若しくは化学的方法によってエクスビボで導入されるか若しくは他の方法で導入される修飾を更に含むタンパク質も含まれる。
タンパク質はまた、例えばロイシンジッパーやコイルドコイル等の多量体化ドメインを含むことができる組換え融合タンパク質を含むことができる。c-Myc、Hisタグ、‘Flag’エピトープ、ペグ化等の末端ポリペプチドは、発現を改善し精製を助ける。また、分化抗原(CDタンパク質と呼ばれる)のアミノ酸配列の全て若しくは一部を含むタンパク質又はそれらのリガンド或いはこれらのいずれかと実質的に同様なタンパク質も含まれる。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)等のコロニー刺激因子を含む。このようなG-CSF剤には、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム)及びNeulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム)が含まれるが、これらに限定されない。また、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、組織プラスミノーゲン活性化因子、GLP-1受容体アゴニスト、並びにそれらの分子又は変異体又は類似体及び上述のいずれかのバイオシミラーなどの赤血球生成促進剤(ESA)も含まれる。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、1つ以上のCDタンパク質、HER受容体ファミリータンパク質、細胞接着分子、増殖因子、神経成長因子、線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、インスリン様増殖因子、骨誘導性因子、インスリン及びインスリン関連タンパク質、凝固及び凝固関連タンパク質、コロニー刺激因子(CSF)、他の血液及び血清タンパク質、血液型抗原;受容体、受容体関連タンパク質、成長ホルモン、成長ホルモン受容体、T細胞受容体;神経栄養因子、ニューロトロフィン、リラキシン、インターフェロン、インターロイキン、ウイルス抗原、リポタンパク質、インテグリン、リウマチ因子、免疫毒素、表面膜タンパク質、輸送タンパク質、ホーミング受容体、アドレシン、調節タンパク質、並びにイムノアドヘシンに特異的に結合するタンパク質を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、タンパク質は、単独で又は任意の組合せで、以下のうちの1つ以上に結合するタンパク質を含む。5T4、17-A、ADAM17、AFP、α葉酸受容体、ART-4、BAGE、Brc-abl、B7-H3、B7-H6、CAIX、CAMEL、CAP-1、炭酸脱水酵素IX、CASP-8、CDD27m、CD3、CD4、CD5、CD7、CD8、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD34、CD38、CD40、CD44、CD44v7/8、CD70、CD79a、CD79b、CD123、CD133、CD138、CD171、及びCD174を含むがこれらに限定されないCDタンパク質、CDK4/m、カドヘリン19、胎盤カドヘリン(CDH3)、Pカドヘリン、gpA33、B7H3、CEA、CLL-1、CSPG4、CT、Cyp-B、Dp-0、DDL3、EBV、例えばHER2、HER3、HER4を含むHER受容体ファミリータンパク質、EGF受容体であるEGFRvIII、EGP2、EGP40、ELF40、ErbB2、EpCAM、EphA2、ETV6-AML1、FPA、胎児AchR、細胞接着分子、例えばLFA-1、Mol、p150、95、VLA-4、ICAM-1、VCAM、及びアルファv/ベータ3インテグリン、例えば、血管内皮増殖因子(「VEGF」)を含むがこれらに限定されない増殖因子、VEGFR2、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、成長ホルモン放出因子、副甲状腺ホルモン、ミュラー抑制物質、ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP-1-アルファ)、エリスロポエチン(EPO)、NGF-ベータなどの神経成長因子、血小板由来増殖因子(PDGF)、例えばaFGF及びbFGFを含む線維芽細胞増殖因子、上皮増殖因子(EGF)、Cripto、とりわけ、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TGF-β4、又はTGF-β5を含むTGF-α及びTGF-βを含むトランスフォーミング増殖因子(TGF)、インスリン様増殖因子-I及び-II(IGF-I及びIGF-II)、des(1-3)-IGF-I(脳内IGF-I)、及び骨形成促進因子、インスリン、インスリンA鎖、インスリンB鎖、プロインスリン、及びインスリン様増殖因子結合タンパク質を含むがこれらに限定されないインスリン及びインスリン関連タンパク質、とりわけ、第VIII因子、組織因子、フォンウィルブランド因子などの凝固及び凝固関連タンパク質、プロテインC、アルファ-1-アンチトリプシン、ウロキナーゼ及び組織プラスミノーゲン活性化因子(「t-PA」)などのプラスミノーゲン活性化因子、ボンバジン、トロンビン、トロンボポエチン、及びトロンボポエチン受容体、とりわけ、M-CSF、GM-CSF、及びG-CSFを含むコロニー刺激因子(CSF)、アルブミン、IgE、及び血液型抗原を含むがこれらに限定されない他の血液及び血清タンパク質、例えば、flk2/flt3受容体、肥満(OB)受容体、成長ホルモン受容体、及びT細胞受容体を含む受容体及び受容体関連タンパク質、(x)骨由来神経栄養因子(BDNF)及びニューロトロフィン-3、-4、-5、又は-6(NT-3、NT-4、NT-5、又はNT-6)を含むがこれらに限定されない神経栄養因子;(xi)リラキシンA鎖、リラキシンB鎖、及びプロレラキシン、例えば、インターフェロン-アルファ、-ベータ、及び-ガンマを含むインターフェロン、インターロイキン(IL)、例えば、IL-1~IL-10、IL-1Α、IL-1Β、IL-11RΑ、IL-13RΑ2、IL-12、IL-15、IL-17、IL-23、IL-12/IL-23、IL-2Ra、IL1-R1、IL-6受容体、IL-4受容体及び/又はIL-13から受容体であるIL-13RA2、又はIL-17受容体であるIL-1RAP、HER2/neu、HLA-A、HPV、HSP70、HST-2、hTERT、iCD、IgE、Kappa、KIAA0205、LAGE、Lambda、LDLR/FUT、Lewis-Y、(xiv)エイズエンベロープウイルス抗原、リポタンパク質、カルシトニン、グルカゴン、心房性ナトリウム利尿因子、肺サーファクタント、腫瘍壊死因子-アルファ及び-ベータを含むがこれらに限定されないウイルス抗原、エンケファリナーゼ、FLT3、FRα、G250、GAGE、GC2、GD3、Glypican-3(GPC3)、GNT-V、GP-100、HAGE、HBV、HCV、BCMA、IgKappa、ROR-1、ERBB2、メソセリン、RANTES(Regulated on activation normally T-cell expressed and secreted)、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、Dnase、FR-アルファ、インヒビン、及びアクチビン、インテグリン、プロテインA又はD、リウマチ因子、免疫毒素、骨形成タンパク質(BMP)、スーパーオキシドディスムターゼ、表面膜タンパク質、崩壊促進因子(DAF)、エイズエンベロープ、輸送タンパク質、ホーミング受容体、MIC(MIC-a、MIC-B)、ULBP1-6、EPCAM、アドレシン、制御タンパク質、イムノアドヘシン、抗原結合タンパク質、ソマトロピン、CTGF、CTLA4、エオタキシン-1、MAGE、MAGE1、MAGE2B、MART-1、Melan-A、MC1R、MCSP、MUM-1、MUM-2、MUM-3、メソテリン、MUC1、MUC16、ミオシン/m、NA88-A、NCAM、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、P15、p150 minor bcr-abl、PML/RARa、PRAME、PSA、PSCA、PAMA、RAGE、ROR1、RU1、RU2、SAGE、CEA、c-MET、クローディン-18、GPC-3、EPHA2、FPA、LMP1、MG7、NY-ESO-1、PSCA、ガングリオシドGD2、グラングリオシドGM2、BAFF、OPGL(RANKL)、ミオスタチン、Dickkopf-1(DKK-1)、Ang2、NGF、IGF-1受容体、肝細胞増殖因子(HGF)、TRAIL-R2、c-Kit、B7RP-1、PSMA、NKG2D-1、プログラムされた細胞死タンパク質1及びリガンド、PD1及びPDL1、マンノース受容体/hCGβ、C型肝炎ウイルス、メソセリンdsFv[PE38コンジュゲート、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)(lly)、IFNガンマ、インターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP10)、IFNAR、TALL-1、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)、プロプロテイン変換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)、幹細胞因子、Flt-3、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、OX40L、α4β7、血小板特異的(血小板糖タンパクIib/IIIb(PAC-1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ(TFGβ)、透明帯精子結合タンパク質3(ZP-3)、TWEAK、TSLP、血小板由来増殖因子受容体アルファ(PDGFRα)、SART、SSX-1、SSX-2、SSX-3、サバイビン、TAA、TAG72、TEL/AML1、TEMs、TPI、TRP-1、TRP-2、TRP-2/INT2、VEGFR2、WT1、スクレロスチン、及び前述のいずれかの生物活性フラグメント又は変異体。
別の実施形態では、関心対象のタンパク質はアブシキシマブ、アダリムマブ、アデカツムマブ、アフリベルセプト、アレムツズマブ、アリロクマブ、アナキン、アタシセプト、アクシクタゲンシロリューセル、バシリキシマブ、ベリムマブ、ベバシズマブ、バイオソズマブ、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブロダルマブ、カンタズマブメルタンシン、カナクマブ、セツキシマブ、セルトリズマブペゴル、コナツマブ、ダクリズマブ、デノズマブ、エクリズマブ、エトレコロマブ、エファリズマブ、エプラツズマブ、エルツマキソマブ、エタネルセプト、エボロクマブ、フローテズマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ゲムツズマブ、ゴリムマブ、イブリツモマブ チユキセタン、インフリキシマブ、イピリムマブ、レルドリムマブ、ルミリキシマブ、ルキシドキツマブ(lxdkizumab)、リンフォムン(lymphomun)、マパツムマブ、モテサニブ二リン酸塩、ムロモナブCD3、ナタリズマブ、ネシリチド、ニモツズマブ、ニボルマブ、オクレリズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、オプレルベキン、パリビズマブ、パニツムマブ、パソツキシズマブ、ペムブロリズマブ、ペルツズマブ、ペクセリズマブ、ラニビズマブ、リロツマブ、リツキシマブ、ロミプロスチム、ロモソズマブ、サルガモスティム、ソリトマブ、ターゴミRs、チサゲンレクルユーセル、トリシズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ウステキヌマブ、ベドリズマブ、ビシリズマブ、ボロシキシマブ、ザノリムマブ、ザルツムマブ、AMG211(MT111、Medi1565)、AMG330、AMG420、AMG-110、MDX-447、TF2、rM28、HER2Bi-aATC、GD2Bi-aATC、MGD006、MGD007、MGD009、MGD010、MGD011(JNJ64052781)、IMCgp100、インジウム標識IMP-205、xm734、LY3164530、OMP-305BB3、REGN1979、COV322、ABT112、ABT165、RG-6013(ACE910)、RG7597(MEDH7945A)、RG7802、RG7813(RO6895882)、RG7386、BITS7201A(RG7990)、RG7716、BFKF8488A(RG7992)、MCLA-128、MM-111、MM141、MOR209/ES414、MSB0010841、ALX-0061、ALX0761、ALX0141.BII034020、AFM13、AFM11、SAR156597、FBTA05、PF06671008、GSK2434735、MEDI3902、MEDI0700、MEDI7352、又はその変異体又はアナログ、並びに上述のいずれかのバイオシミラーを含む。
上記タンパク質は、構成要素として、タンパク質CD28、CD28T、OX40、4-1BB/CD137、CD2、CD3(α、β、δ、ε、γ、ζ)、CD4、CD5、CD7、CD8、CD9、CD16、CD22、CD27、CD30、CD33、CD37、CD40、CD45、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1(CD11a/CD18))、CD247、CD276(B7-H3)、LIGHT(腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー14;TNFSF14)、NKG2C、Igα(CD79a)、DAP-10、Fcγ受容体、MHCクラスI分子、TNF、TNFr、インテグリン、シグナル伝達リンパ球活性化分子、BTLA、Tollリガンド受容体、ICAM-1、B7-H3、CDS、ICAM-1、GITR、BAFFR、LIGHT、HVEM(LIGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD19、CD4、CD8アルファ、CD8ベータ、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CDl-ld、ITGAE、CD103、ITGAL、CDl-la、LFA-1、ITGAM、CDl-lb、ITGAX、CDl-lc、ITGBl、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、NKG2D、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRT AM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Lyl08)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、41-BB、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、CD19a、CD83リガンド、又はこれらのフラグメント若しくは組み合わせのうち1つ以上を含み得る。
タンパク質は、上記の全てを包含し、更に、上述の抗体、又は抗体結合タンパク質のいずれかの相補性決定領域(CDR)の1、2、3、4、5、又は6を含む抗体を含む。また、目的のタンパク質の参照アミノ酸配列に対して70%以上、具体的には80%以上、より具体的には90%以上、更により具体的には95%以上、詳細には97%以上、より詳細には98%以上、更により詳細には99%以上のアミノ酸配列が同一である領域を含む変異体も含まれる。この点に関する同一性は、様々なよく知られ且つ容易に利用可能なアミノ酸配列分析ソフトウェアを使用して特定することができる。好ましいソフトウェアには、配列の検索及び整列に関する問題に対する満足な解決策と考えられている、スミス-ウォーターマンアルゴリズムを実装するものが含まれる。特に速度が重要な考慮事項である場合は、他のアルゴリズムを用いてもよい。この点に関して用いることができる、DNA、RNA及びポリペプチドのアライメント及び相同性マッチングに一般に用いられるプログラムには、FASTA、TFASTA、BLASTN、BLASTP、BLASTX、TBLASTN、PROSRCH、BLAZE及びMPSRCHが含まれ、後者は、MasParによって製造された超並列プロセッサ上で実行するためにスミス-ウォーターマンアルゴリズムが実装されている。
本明細書で述べるポリペプチド及びタンパク質は、細胞培養法を用いる組換え動物細胞株によって産生することができ、組換えタンパク質又は目的の組換えタンパク質と称され得る。発現タンパク質は、細胞内で産生されもよいし、又は培養培地中に分泌されてもよく、そこから回収及び/又は収集することができる。
上記の少なくとも1つの核酸分子を含むプラスミド、発現ベクター、転写カセット又は発現カセットの形態の発現系及びコンストラクト、並びにそのような発現系又はコンストラクトを含む宿主細胞もまた、本明細書で提供される。本明細書で使用する場合、「ベクター」は、情報をコードするタンパク質を宿主細胞及び/又は特定の位置及び/又は宿主細胞内の区画に移行させ且つ/又は輸送する使用に好適な任意の分子又は実体(例えば、核酸、プラスミド、バクテリオファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、ウイルス、ウイルスカプシド、ビリオン、裸DNA、複合体を形成したDNA等)を意味する。ベクターは、ウイルス及び非ウイルスベクター、非エピソーム哺乳類ベクターを含み得るがこれらに限定されない。ベクターは、発現ベクター、例えば、組換え発現ベクター又はクローニングベクターと呼ばれることが多い。ベクターを宿主細胞に導入してベクター自体の複製を可能にし、それによってその中に含有されるポリヌクレオチドのコピーを増幅させることができる。クローニングベクターは、複製起点、プロモーター配列、転写開始配列、エンハンサー配列及び選択マーカーが一般的に挙げられるが、これらに限定されない配列成分を含有し得る。これらのエレメントは、当業者により必要に応じて選択され得る。
「細胞(Cell)」又は「細胞(Cells)」としては、任意の原核細胞又は真核細胞が挙げられる。細胞は、エクスビボで、インビトロで若しくはインビボのいずれかで、別々に又は組織若しくは器官等のより高次の構造の一部として存在し得る。細胞は、商業的又は化学的関心のあるポリペプチドを発現するように遺伝子操作されている「細胞株」とも称される「宿主細胞」を含む。宿主細胞は通常、時間が制限されずに培養で維持され得る初代培養から生じる系統に由来する。宿主細胞の遺伝子操作は、宿主細胞に所望の組換えタンパク質を発現させるように、細胞を組換えポリヌクレオチド分子でトランスフェクト、形質転換若しくは形質導入すること、及び/又は別の方法で改変すること(例えば、相同組換え及び遺伝子活性化、又は組換え細胞と非組換え細胞との融合によって)を含む。目的のタンパク質を発現するように細胞及び/又は細胞株を遺伝子操作するための方法及びベクターは、当技術分野の当業者には周知である。
宿主細胞は、任意の原核細胞(例えば、E.コリ(E.coli))又は真核細胞(例えば、酵母細胞、昆虫細胞、若しくは動物細胞(例えば、CHO細胞))であり得る。ベクターDNAは、従来の形質転換技術又は遺伝子移入技術を介して原核細胞又は真核細胞に導入し得る。
一実施形態では、細胞は、宿主細胞である。宿主細胞は、適切な条件下で培養されるとき、目的のタンパク質を発現し、これはその後、培養培地(宿主細胞がそれを培地中に分泌する場合)から、又はそれを産生する宿主細胞(それが分泌されない場合)から直接的に回収され得る。
細胞培養は、バッチ、フェッドバッチ、連続、半連続及び/又は灌流モードで動作させることができる。CHO細胞等の哺乳動物細胞は、100ml未満~1000ml未満の小規模にてバイオリアクター中で培養されてもよい。或いは、1000ml~20,000リットル超の大規模なバイオリアクターを用いることもできる。一実施形態では、1リットル~2000リットルが使用される。一実施形態では、バイオリアクターは10リットル~2000リットルである。一実施形態では、バイオリアクターは10リットル~100リットルである。一実施形態では、バイオリアクターは30リットル~50リットルである。一実施形態では、バイオリアクターは30リットル~2000リットルである。一実施形態では、バイオリアクターは100リットル~2000リットルである。一実施形態では、バイオリアクターは500リットル~2000リットルである。一実施形態では、バイオリアクターは1000リットル~2000リットルである。タンパク質治療薬の臨床及び/又は商業規模のバイオ製造等のより大規模な細胞培養は、細胞が所望のタンパク質を製造する間、数週間、更には数ヶ月にわたり維持され得る。バイオリアクターは単回使用部品で構成されてもよい。
バイオリアクターでの培養後、目的の発現組換えタンパク質を細胞培養液から採取することができる。懸濁細胞から組換えタンパク質を採取するための方法は当該技術分野で知られており、酸沈殿、凝集等の加速沈殿、重力を用いた分離、遠心分離、音響波分離、膜ろ過、ウルトラフィルター、マイクロフィルター、タンジェンシャルフローフィルター、代替タンジェンシャルフロー、デプスフィルター、沖積ろ過フィルターを含むろ過が挙げられるが、これらに限定されるものではない。原核生物によって発現される組換えタンパク質は、当該技術分野で知られる酸化還元フォールディングプロセスによって細胞質において封入体に回収される。
採取した目的の組換えタンパク質は、サージタンク、ホールディングタンク、バッグ、又はクロマトグラフィーカラムスキッドに供給するように適合した他の容器に貯蔵することができる。採取した目的の組換えタンパク質は、溶出液のストリームとしてクロマトグラフィーカラムスキッドに直接供給することもできる。
次いで、採取された目的のタンパク質は、1つ以上の単位操作を用いて、残存する細胞培養培地、細胞抽出物、細胞残渣、宿主細胞タンパク質、細菌、酵母、マイコバクテリア、ウイルス、エンドトキシン、DNA、RNA、ホモ二量体、半抗体、凝集体、抗体断片、及び抗体断片の様々な組み合わせ等の生成物関連不純物、並びに2XLC、3XLC、又は4XLC等の軽鎖ミスアセンブリー、高分子量(HMW)種、低分子量(LMW)種、脱アミノ化種等の不純物及び/又は汚染物質から分離して精製されるか、又は部分的に精製される。
目的の組換えタンパク質を精製するためのプロセスには、一般に、捕捉、バルク及び精製、ウイルスの減少/不活化、濃縮、及び/又は配合に関与する1つ以上のプロセスを包含する単位操作が含まれる。
本明細書で使用される単位操作又は操作という用語は、液体培養培地から目的の組換えタンパク質を精製するためのプロセスの一部又は構成要素として実行され得る機能的ステップをいう。単位操作はまた、処理工程間の保持又は保管工程を含み得る。単一の単位操作は、捕捉及びウイルス不活化等の同じ操作における複数の目的を達成するように設計され得る。
精製されたタンパク質の濃度及び原薬のバルク貯蔵のための所望の処方緩衝液への緩衝液交換は、限外ろ過及びダイアフィルトレーション単位操作によって達成することができる。製剤化された医薬品は、更に無菌ろ過に供され、医薬品に生存微生物が存在しないことが確認された後、充填/仕上げ工程に供される。この工程では、医薬品が無菌処理施設に導入され、一次医薬品容器又はデバイスに充填され、その後、出荷及び流通のために密封され、ラベルが貼付され、包装される。
本明細書に記載される特定の実施形態は、論理又は多数の構成要素、モジュール、又は機構を利用することができる。これらは、ソフトウェアモジュール(例えば、機械可読媒体上又は伝送信号上で具現化されたコード)又はハードウェアモジュールのいずれかを構成し得る。ハードウェアモジュールは、特定の操作を実行できる有形の単位であり、特定の方法で構成又は配置されてもよい。例示的な実施形態では、1つ以上のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロン、クライアント又はサーバコンピュータシステム)又はコンピュータシステムの1つ以上のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサ又はプロセッサのグループ)が、ソフトウェア(例えば、アプリケーション又はアプリケーション部分)により、本明細書に記述するような特定の動作を実行するように動作するハードウェアモジュールとして構成され得る。
別途明記しない限り、本明細書において「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「判定」、「提示」、「表示」等の用語を用いる議論は、情報を受信、保存、送信、又は表示する1つ以上のメモリ(例:揮発メモリ、不揮発メモリ、又はこれらの組み合わせ)、レジスタ、又は他の機械要素内の物理的(電子的、磁気的又は光学的)な量として表されるデータを操作又は変換する機械(例:コンピュータ)の動作又は処理を指し得る。
以下の追加の考察は、上述の説明にも当てはまる。本明細書全体を通じて、複数の事例が、1つの事例として説明された構成要素、動作、又は構造を実装することもできる。1つ以上の方法の個々の動作は、別々の動作として図示及び説明されているが、個々の動作の1つ以上を同時に実行してもよく、これらの動作を図示する順序で実行する必要は全く無い。構成例で別々の要素として示す構造及び機能は組み合わされた構造又は要素として実装され得る。同様に、単一の要素として示す構造及び機能は別々の要素として実装され得る。これら及び他の変形、変更、追加、及び改良は本明細書の主題の範囲に含まれる。
当業者であれば、図中の要素は簡略化及び明確化のために描かれているものであり、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解するであろう。例えば、図中の要素のうちいくつかの寸法及び/又は相対位置は、本発明の様々な実施形態の理解を向上させるために他の要素に対して誇張される場合がある。また、商業的に実現可能な実施形態において有用又は必要な、一般的ではあるが十分に理解されている要素は、これら様々な実施形態の図をあまり妨げないようにするために示されないことが多い。同様の又は類似の部品を記述するために同じ参照符号が使用される場合がある。更に、本明細書でいくつかの例を開示してきたが、任意の例の任意の特徴を他の例の他の特徴と組み合わせてもよい又は置換してもよい。更に、本明細書でいくつかの例を開示してきたが、特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、開示された例に対して変更を施してもよい。
システム、方法、及びそれらの構成要素を例示的な実施形態の観点から説明してきたが、それらは、これらの例示的な実施形態に限定されない。詳細な説明は、例としてのみ解釈されるものとし、可能な実施形態の全てを説明することは、不可能ではないにしても非現実的であることから、本発明の全ての可能な実施形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の出願日以降に開発された技術のいずれかを用いて、多くの代替的な実施形態を実施することができ、それは、本発明を定義する特許請求の範囲内に依然として含まれる。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対する多様な修正形態、変形形態及び組み合わせをなすことができ、そうした修正形態、変形形態及び組み合わせが本発明の概念の範囲内であると解釈されるべきであることを理解するであろう。
実施例1.捕捉のための2カラム循環、自動化されたボーラスウイルス不活化、及び接続されたフロースルー研磨とウイルスろ過を備えた半連続プロセス
この実験では、捕捉クロマトグラフィーに2カラムサイクリングプロセス(図3を参照)を使用し、その後ボーラスウイルス不活化を行い、更に接続されたフロースルーのポリッシュクロマトグラフィーとウイルスろ過プロセスを行う半連続的な下流精製プロセスを説明する。
組換えモノクローナル抗体(mAb A)を発現する灌流細胞培養を、所望の生存細胞密度まで定常状態にし、アフィニティークロマトグラフィー単位の操作に供する前に、採取した細胞培養液(HCCF)をサージ容器(使い捨ての滅菌済みバッグ)内に回収した。
アフィニティークロマトグラフィー単位の操作は、2つの独立したプロテインAクロマトグラフィースキッド、「カラム1」と「カラム2」で構成される。各スキッドは、MABSELECT SURE(商標)Protein A樹脂(Cytiva社製、Marlborough,MA)を含む500mL、8×10cmのカラムを備え、AEKTA(商標)Pure Protein Purification System(Cytiva社製)に接続された。AEKTA(商標)インジェクションバルブとカラムバルブの流路は、パラレルカラムサイクリングを可能にするために変更された。プロテインAアフィニティークロマトグラフィーカラムは、負荷中にカラムが接続されることなく(カラムの過負荷がない)、交互にサイクルを繰り返して処理を重ねることにより、並行して循環させた。このキャプチャーカラムサイクリング戦略では、サイクリングの最も長いフェーズである負荷ステップでは、専用のポンプ(ポンプ1)を使用した。残りのステップ(洗浄-平衡化)は、別の第2ポンプ(ポンプ2)を使用して実行され、その結果、異なるスキッド上のカラム間で、カラムの接続を生じることなく、カラムのサイクル操作を重畳させることが可能となった。
ラン#1では、カラム1は最後のラン終了時にトリス緩衝液(pH7.4)で平衡化された。中央処理装置は、ポンプ1を用いて、35g/Lの負荷濃度まで5~7.5分の滞留時間で、カラム1への採取細胞培養液(HCCF)の負荷を指示した。各カラムの独立性を維持するため、HCCFフィードは共通のHCCFフィードポートからAEKTA(商標)システムの注入バルブに入り、カラム1に直接接続されたポートから排出された。負荷が完了すると、フィードの残りはカラム1から排出され、カラム1のみに直接接続されたポートからAEKTAシステムのカラムバルブに入り、共通の廃棄ポートから排出される。図11参照のこと。
HCCFフィードのカラム1への負荷が完了すると、ポンプ1が停止するよう合図され、ポンプ2が作動するよう合図された。その後、カラム1を洗浄、溶出、再生、洗浄、及び再平衡化した。
緩衝液は、AEKTA(商標)システムの注入バルブにある共通の緩衝液供給ポートから入り、カラム1のみに直接接続されたポートから排出された。カラム1から排出された流体は、カラム1のみに直接接続されたポートからカラムバルブに入り、UV検出器と出口バルブに接続された共通の出口ポートから排出された。図12を参照のこと。フラッシュ緩衝液と平衡化緩衝液が同じであったため、次の負荷サイクルに備えてカラムの再平衡化が可能であった。
負荷サイクルに必要な時間の長さは、洗浄から平衡化ステップを循環させる時間の長さを決定した。カラム1とカラム2の並列処理を可能にするため、必要に応じてタイムギャップを設け、処理ステップの流量を決定した。
並行して、カラム1がHCCF負荷を完了すると、ポンプ1に信号が送られ、カラム2のHCCF負荷が開始された。HCCF原料は、AEKTA(商標)システムの共通HCCF供給ポートから注入バルブに入ったが、カラム2に直接接続されたポートからのみ排出された。カラム2の負荷が完了すると、溶出液はカラム2に直接接続されたポートのみでカラム2からカラムバルブに排出され、共通の廃液ポートから排出された。
カラム2がHCCFの負荷を完了すると、ポンプ1はカラム2の負荷を中止し、再びカラム1の負荷を開始するよう合図された。ポンプ2が作動するよう信号が送られ、カラム2が洗浄、溶出、再生、洗浄、及び平衡化された。緩衝液はAEKTA(商標)システムの共通バッファ供給ポートから注入バルブに入り、カラム2のみに直接接続されたポートから排出された。各ステップが完了すると、カラム2からの溶出液は、カラム2のみに直接接続されたポートからカラムバルブに入り、UV検出器と出口バルブに接続された共通の出口ポートにあるカラムバルブから排出された。
カラム1と2の両方で、プロテインA樹脂からのmAb Aの溶出は、pH3.4で低pH緩衝液、100mMギ酸塩を用いて、共通のサージ容器で行った。溶出量は3.1CVで、プロテインA溶出プールのpHは3.58であった。pHと溶出量は、捕捉プールのpHが3.6±0.1になるように選択した。これにより、捕捉プールは溶出直後から望ましいウイルス不活化条件となった。
プロテインA捕捉プールを目標pH(3.6±0.1)で少なくとも15分間、最長でも2時間保持した後、プールを使い捨てバッグに移し、スタティックミキサーを用いてインラインで中和し、中和緩衝液を目標pH5.0までボーラス添加した。中和緩衝液(170mM酢酸塩、115mMトリス塩基pH8.5)を、ウイルス不活化プール1部に対して中和緩衝液0.42部の割合で添加した。中和緩衝液は、インライン添加時に容易に制御できる添加量を使用するように設計され、目標pHで緩衝するバックグラウンド緩衝剤(酢酸塩)を含んでいた。得られた中和ウイルス不活化プール(NVIP)のpHは5.1であった。
mAb Aを含むHCCFのプロテインA捕捉/ウイルス不活化/中和のサイクルを5日間続け、単一のNVIPプールに統合した。このプロセスを20日間にわたり合計4回繰り返し、4つのNVIPプールができた。
その後、プールをデプスフィルターMILLISTACK(商標)A1HC(MilliporeSigma社製、Burlington,MA)でろ過した。フィルターは使用前に業者の推奨に従って洗浄した。デプスフィルターは111LMHで負荷され、透過液はサージ容器に回収された。5リットルのろ過ウイルス不活化プール(FVIP)が回収されると、フロースルーポリッシングとウイルスろ過のステップが開始された。
FVIPを入れたサージ容器は、アニオン交換クロマトグラフィーカラム(AEX)8×10cm、CAPTO(商標)Q(Cytiva社製)をカチオン交換クロマトグラフィーカラム(CEX)8×10cm、ESHMUNO(登録商標)CPX(MilliporeSigma社製)に直接接続した2本のカラムを含む別のAEKTA(商標)Pure Protein Purification System(Cytiva社製)に接続し、続いてウイルスフィルターを接続した(図13)。AEX-CEX接続カラムに8.3分の滞留時間で樹脂の負荷密度が290g/Lになるまで負荷した。二重カラムの出力は、プレフィルター(MILLISTACK(商標)A1HC、MilliporeSigma社製)に続いてVIRESOLVE Proウイルスフィルター(VPro、MilliporeSigma社製)のウイルスフィルター操作に直接流用された。ウイルスフィルター(VF)は16LMHのフラックスで負荷され、プレフィルターとウイルスフィルターの面積比は1:4であった。その後、VFプールを回収し、製品の品質を評価した。4つのNVIPプールはそれぞれ同様に処理された。
VFプールのさらなる処理及び製剤化は、限外ろ過及び透析ろ過(UF/DF)に続いてポリソルベート添加及び原薬充填(DS Fill)を行う既知の方法、又はUF/DF及びDS Fillを連結して行う方法を用いて行うことができ、完全に連続的な原薬プロセスを可能にする。
2回目のラン(ラン#2)は、上記のようにmAb Aを用いて行った。両実験とも、NVIPプールは5日ごとに収集され、その後、デプスフィルター/ポリッシング/ウイルスろ過の各操作を経て処理された。このプロセスを20日間繰り返し、ラン#1と同様に4つの個別のNVIPプールとVFプールを形成した。ラン#2では、接続したAEX/CEXカラムに600g/リットルの樹脂を滞留時間8.3分、90LMHで負荷した。
ラン#1とラン#2の中和ウイルス不活化プールとウイルスろ過プールの製品品質を表1に示す。製品の品質は、堅牢なシングルアフィニティーカラムのmAbプロセスと一貫しており、パラレル処理システムを用いた重要な不純物のクリアランスと制御が実証された。
Figure 2024509878000002
臨界不純物に加えて、NVIPプールはチャージバリアントについて特徴づけられた。結果を以下の表2に示す。チャージバリアントは、それぞれのランの4つのプールで一貫しており、期待される製品品質を満たしていた。
Figure 2024509878000003
実施例2.プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、自動化ボーラスウイルス不活化/中和、2カラムサイクルCEXポリッシングクロマトグラフィー及びフロースルー混合モードクロマトグラフィーのための2カラムサイクルによる半連続プロセス
実施例1に記載したプロセスを、ポリッシュクロマトグラフィーの1操作に並列処理を用いるように変更した。このプロセスは、結合・溶出モードでの2カラムのサイクリングカチオン交換クロマトグラフィー(CEX)単位操作と、フロースルーモードでの1カラムのミックスドモードクロマトグラフィー(MM)単位操作の組み合わせを含む。このプロセスは、二重特異性抗体Bispecific Aを用いてテストされた。
Bispecific Aはまず、実施例1に記載したように、2本の並列したプロテインAクロマトグラフィーカラム(MABSELECT(商標)SURE、Cytiva社製)からなるアフィニティークロマトグラフィーの単位操作を使って処理した。プロテインAカラムはpH3.4の100mMギ酸緩衝液で溶出した。これを繰り返すと、pH3.65とpH3.60の2つのプロテインA溶出プールとなった。両プロテインA溶出プールは目標pHであったため、溶出プールをウイルス不活化のために30分以上保持した。その後、ウイルス不活化プールは、中和緩衝液をボーラス添加し、インラインスタティックミキサーを用いて中和した。中和緩衝液(170mM酢酸塩、115mMトリス塩基pH8.5)を、ウイルス不活化プール1部に対して中和緩衝液0.23部の割合で添加した。得られた中和ウイルス不活化プール(NVIP)のpHは4.5であった。NVIPプールを更にデプスフィルター(MILLISTACK A1HC、MilliporeSigma社製)で処理し、フィルター中和ウイルス不活化プール(FVIP)を生成した。
上記FVIPは、図5に例示されているように、2カラムカチオン交換単位操作を使用して処理された。CEXクロマトグラフィーオペレーションは、2つのCEXクロマトグラフィースキッド「カラム1」と「カラム2」で構成される。各スキッドには500mL、8×10cm、ESHMUNO(登録商標)CPX CEXクロマトグラフィーカラム(MilliporeSigma社製)がAEKTA(商標)Pure Protein Purification System(Cytiva社製)に接続されていた。CEXクロマトグラフィーカラムは、負荷中にカラムが接続されることなく(カラムの過負荷がない)、交互にサイクルを繰り返して処理を重ねることにより、並行して循環させた。最も長いフェーズが負荷ステップであった実施例1に記載のプロテインAパラレルサイクリング戦略とは異なり、このCEXクロマトグラフィーパラレルサイクリング戦略では、サイクルの最も長いフェーズは溶出ステップであり、溶出グラジエントを制御するために2つの専用ポンプ(ポンプ2A及び2B)を使用した。製造プロセスステップ(再生-平衡化)は、別のポンプ(ポンプ1)を使用して実行され、これにより、カラムの接続を作ることなく、異なるスキッド上の2つの並列カラム間でカラムサイクル操作を重畳させることができた。AEKTAインジェクションバルブとカラムバルブの流路は、パラレルカラムサイクリングを可能にするために変更された。
CEXカラム1を平衡化した後、ポンプ1を用いてフィルター付きウイルス不活化プール(FVIP)を150cm/hの線速度で5~20g/Lの負荷密度まで負荷した。流量は、カラム間のパラレルサイクルのタイミングを維持するために選択され、パラレルカラムのプロセスを同期させるためのタイムギャップを提供する。各カラムの独立性を維持するため、FVIPフィードは共通のFVIPフィードポートからAEKTA(商標)システムの注入バルブに入り、カラム1に直接接続されたポートから排出された。負荷が完了すると、廃棄物の残りはカラム1から排出され、カラム1のみに直接接続されたポートからAEKTA(商標)システムのカラムバルブに入り、共通のポートから排出される。
FVIPフィードのカラム1への負荷が完了した後、カラムを洗浄した。洗浄緩衝液は、AEKTA(商標)システムの注入バルブにある共通の緩衝液供給ポートから入り、カラム1のみに直接接続されたポートから排出された。カラム1から排出されるとき、流体はカラム1のみに直接接続されたポートからカラムバルブに入り、共通の廃棄ポートに接続された共通の出口ポートから排出される。
洗浄工程が終了すると、ポンプ1が停止するよう信号が送られ、ポンプ2Aと2Bがグラジエント溶出を開始するよう信号が送られた。二重特異性Aは塩化ナトリウム勾配によりCEXカラムから溶出された。
並行して、カラム1が溶出ステップを開始すると、ポンプ1に信号が送られ、カラム2の製造処理ステップが開始された。カラム1が溶出されている間に、カラム2が負荷され洗浄された。単一バルブを使用する各カラムの独立性を維持するため、どちらのカラムも同じ共通ポートを同時に使用せず、カラム1又はカラム2から出入りするポートは、そのカラムに直接接続された。
溶出液フラクションがカラム1から回収されると、ポンプ2Aと2Bに信号が送られ、ポンプは停止した。ポンプ1に信号が送られ、再びカラム1の生産処理工程が開始された。
ポンプ2Aと2Bに信号を送り、カラム2の溶出を開始した。カラム2の溶出終了後、ポンプ2A及び2Bは停止するように信号が送られ、ポンプ1に信号が送られて再びカラム2の製造処理ステップ(再生~洗浄)が開始され、ポンプ2A及び2Bはカラム1を溶出するよう作動した。
次に、カラム1と2からのCEX溶出プールを、フロースルーモードで平衡化混合モードクロマトグラフィーカラム(MMC)(Capto(商標)Adhere、Cytiva社製)に負荷した。
MMCフロースループールは回収され、ウイルス除去フィルターに通された後、限外ろ過及び透析ろ過(UF/DF)を用いて濃縮・製剤化され、最終的な原薬製剤となった。
製品の品質とプロセス性能は期待通りだった。主な結果を下記の表3に示す。
Figure 2024509878000004
実施例3.プロテインAプールでの低pHウイルス不活化
この実験では、溶出後にコンディショニングステップを追加することなく、低pHのウイルス不活化を達成するための適切なプロテインA溶出条件の開発について述べる。pH3.6±0.1のプロテインA溶出プールを得る目的で、様々な溶出緩衝液処方を試験した。溶出プール量と溶出緩衝液強度(緩衝液濃度)は、典型的には最終的に回収されるプロテインA溶出プールのpHを決定する。
最終プールpHを3.6±0.1とするために必要な溶出緩衝液濃度とpHは、濃度50、75、100、125、150mM、pH3.2、3.4、3.6のギ酸溶出緩衝液を用いたスクリーニング実験により決定した。AEKTA(商標)Avant 150(Cytiva社製)システムを用いて、Mab Aを36g/LでプロテインA樹脂(MABSELECT SURE、Cytiva社製)に負荷し、表4の緩衝条件に従って溶出し、完全な溶出全体にわたって画分を収集した。画分を混合し、様々な溶出プールの収集量を表す擬似プールを形成した。次に擬似プールのpHを測定し、目標プールpH3.6±0.1を達成するための溶出緩衝液pH、濃度、及び回収量の影響を調べ、表4に示した。
Figure 2024509878000005
実験を繰り返し、プロテインAカラムに36g/LのMabAを負荷し、pH3.4の100mMギ酸溶出緩衝液で溶出し、合計で3.2カラム容量(CV)を集めた(図12)。これは、目的の組換えタンパク質を溶出するために最低限必要な溶出緩衝液(約1CV)よりも、約2.5CV多いことを表している。プールの最終pHは3.6±0.1であった。
溶出緩衝液pH、溶出緩衝液濃度、及びプール回収量の間にも相互依存関係があることが分かった。目標溶出緩衝液濃度100mM、緩衝液pH範囲pH3.3~pH3.5、プロテインAプール回収量範囲2.75~4.25CVの場合、目標pH範囲は3.6±0.1となる。表4は、プロテインA溶出緩衝液のpHと濃度を変化させることにより、プロテインAプール回収量、必要な中和緩衝液、プールタンパク質濃度等のパラメータを最適化できることを示しており、最大7.7CV、最小2.1CVのプール容積を可能にする。
実施例4.mAbウイルス不活化ボーラス中和法の開発
アフィニティークロマトグラフィー溶出プールの低pHインキュベーションの後、プールのpHは典型的には、下流のポリッシュクロマトグラフィーステップに適合するように調整される。典型的な中和プロセスでは、1Mトリス等の高濃度緩衝液を用いて、プールを目標pHまで滴定する。高濃度緩衝液によりプールの体積膨張を最小限に抑え(滴定剤の添加を最小限に抑え)、大量生産に適した設備を可能にする。しかし、より少量で、より強化された製造プロセスでは、高濃度緩衝液(>0.5M)を使用すると、必要な滴定剤の量が少なくなるため、滴定剤のボーラス添加の制御が難しくなる。この実験は、ウイルス不活化プロテインA溶出プールへの中間濃度中和緩衝液のボーラス添加の開発について述べたものである。
2つの成分を含む中和緩衝製剤:適切なpHで緩衝する緩衝成分と、pHを目標値に調整する滴定剤成分を試験した。様々な濃度の緩衝液及び滴定成分を試験し、プールの導電率が10mS/cm以下、プールの体積増加が50%以下となるものを特定した。これは、より小規模な製造プロセスに有用であった(データは示していない)。酢酸ナトリウム(NaOAc)とトリス塩基の組み合わせはこれらの要求を満たしており、更に試験が行われた。
酢酸ナトリウムとトリス塩基をボーラス量で含む中和緩衝液製剤を、2つの異なるmAb A濃度(35g/Lr及び17.5g/Lr)に添加し、得られたプールのpHを測定した。この実験は、プールと滴定剤の流量の比率によって滴定剤の比率を制御するインラインスタティックミキサーを模倣したものである。ボーラス中和実験の試験条件と結果を表5に示す。
Figure 2024509878000006
Figure 2024509878000007
好ましい滴定剤の処方では、17g/Lr及び35g/LrのプロテインAを負荷したプールの両方で、プールpHが5.0±0.1、導電率≦10mS/cmとなり、プール体積が≦50%増加した。
実施例5.小規模の連結二重カラムポリッシュ及びウイルスろ過操作
この実験では、スケールダウンした二重カラム、連結ポリッシング及びウイルスろ過操作をラボスケールでテストした。表6に、単位操作、スケーリング、プロセスパラメータを示す。このプロセスは、代表的なフィルター付きウイルス不活化プール(FVIP)のmAb Aを用いて試験された。100mM酢酸ナトリウム、pH5.0、約5mS/cmasの平衡化・洗浄緩衝液を用いてプロセスを実行した。ウイルスプレフィルター(VIRESOLVE(登録商標)(VPF)、MilliporeSigma)とウイルスフィルター(VIRESOLVE(登録商標)Pro (VPro)、MilliporeSigma)は、接続されたCAPTO Qアニオン交換(AEX)カラムとEshmuno CPXカチオン交換(CEX)カラム(いずれもCytiva社製)とインライン接続する前に水でフラッシュした。
AEKTA(商標)AVANT150周期的向流クロマトグラフィー(PCC)システム(Cytiva社製)を用いて、接続されたクロマトグラフィーカラムとウイルスプレフィルター/ウイルスフィルターをインラインで平衡化した。ウイルスフィルターの圧力は、ユニットの運転中ずっと10psi以下に保たれていた。二重カラム、連結ポリッシング、ウイルスろ過の2回の試験運転(ラン#1とラン#2)の結果を表7に示す。両試験運転とも、高分子量種(HMW)と宿主細胞タンパク質(CHOP)が良好に除去されていることを、許容可能な全ステップ収率(約80%)で示した。
Figure 2024509878000008
Figure 2024509878000009
mAb A中和ウイルス不活化プール(NVIP)を用いて、上記と同じ条件で、さらなる不純物除去の特徴を明らかにするため、ラボスケールの3回目の試験運転(ラン#3)をmAb Aを用いて実施した。ラン#3の結果を表7に示す。このプロセスでは、HMW、CHOP、DNA、溶出したプロテインAが予想通りクリアランスされた。プロセス収率も予想の範囲内であった。
Figure 2024509878000010
更に、AEXステップ及びCEXステップのウイルス除去能力の特徴を調べるため、上記の条件でAEXカラムとCEXカラムをそれぞれ独立に運転し、ウイルス除去試験を実施した。カラムには異種指向性マウス白血病ウイルス(XMuLV)をスパイクし、800g/Lrまで負荷した。AEXカラムでは、生成物収率は98%、XMuLVクリアランスは3.4Logであった。CEXカラムでは、生成物収率は84%、XMuLVクリアランスは4.0Logであった。
実施例6.Bispecific Bを用いた連結型二重カラム・フロースルーポリッシング
二重特異性抗体Bispecific Bを用いて、溶出をpH3.9で行った以外は実施例2に記載された手順に従ってプロテインA捕捉プールを作製した。酢酸でpH3.6まで滴定した後、トリス塩基でpH5.0まで滴定し、1時間以内の時間保持することでウイルスを不活化した。中和ウイルス不活化プールをデプスフィルター(Millistak A1HC、MilliporeSigma社製)を用いてろ過し、FVIPを単一プールとして回収し、5mM NaClに調整した。
調製されたFVIPプールは、カチオン交換(CEX)クロマトグラフィーカラムを最初のカラム(SP-ImpRes HiScreen4.7mL、Cytiva社製)とし、その後に混合モード(MMC)クロマトグラフィーカラム(Capto Adhere HiScreen4.7mL、GE Healthcare社製)を含む2つのカラムが接続された、フロースルーポリッシングステップの最適条件のスクリーニングに使用されたどちらのカラムも100mM酢酸を用いて、pH5.0で、150mMと175mMのNaClで平衡化した。すべての工程は150cm/時間で行われた。サンプリングを容易にするため、カラムは独立して操作され、CEX溶出液プールはMMCカラムに負荷する前に特性評価された。Bispecific Bを75g/LのCEXとMMCに負荷し、平衡化緩衝液で洗浄した。
プロセス条件と製品品質の結果を表8に示す。この2つのポリッシング工程は、一貫した仕上がりを実現するために連動するように設計されている。150mMのNaClでは、CEXカラムはより多くの高分子量種(HMW)を除去したが、予想通り収率は低く、MMCカラムは更にHMWを除去し収率は高かった。逆に、175mM NaClでは、CEXカラムは高い収率でHMWをより少なく除去し、MMCカラムは低い収率でHMWをより多く除去した。組み合わされ、連結されたポリッシングの全体的な収率は約55%であり、プール純度が同等の約1.6%HMWとなった。
Figure 2024509878000011

Claims (30)

  1. 連続パラレルクロマトグラフィーシステムであって、
    複数のクロマトグラフィーカラムスキッドであって、各クロマトグラフィーカラムスキッドは、独立したバッチ処理に適応しており、
    クロマトグラフィーカラムと、
    上流ソースに選択的に結合された注入口と、
    少なくとも1台のポンプと、
    少なくとも1つのフィルターと、
    排出口センサーと、
    を備える、複数のクロマトグラフィーカラムスキッドと、
    前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドの動作を、クロマトグラフィープロセスの1つ以上のフルサイクルを通して制御するように構成された制御回路であって、各フルサイクルは、ロングステップと複数のショートステップとを含み、前記複数のショートステップの各々の処理時間は、前記ロングステップの処理時間以下である、制御回路であって、前記制御回路は、
    前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第1のカラムスキッドに関連付けられた、前記ロングステップが完了したという同期信号を受信し、
    前記同期信号の受信に応答して、前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第2のカラムスキッドの操作を指示して、前記ロングステップの操作を開始させるように構成されている、制御回路と、
    を備える連続パラレルクロマトグラフィーシステム。
  2. 前記制御回路が、前記同期信号の受信後に、前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第1のカラムスキッド上の前記複数のショートステップの動作を指示して、そのための前記クロマトグラフィープロセスの前記フルサイクルを完了させるように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
  3. 請求項2記載のシステムであって、前記制御回路は、更に
    前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第2のカラムスキッドに関連づけられた前記ロングステップが完了したことを示す第2の同期信号を受信し、
    前記第2の同期信号の受信に応答して、前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第1のカラムスキッドの操作を指示して、前記ロングステップの第2の操作を開始させるように構成されている、システム。
  4. 前記制御回路が、前記第2の同期信号の受信後に、前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第2のカラムスキッド上の前記複数のショートステップの動作を指示して、そのための前記クロマトグラフィープロセスの全サイクルを完了させるように更に構成されている、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記ロングステップが、前記クロマトグラフィーカラムの溶出ステップを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 請求項5記載のシステムであって、前記複数のショートステップは、平衡化ステップ、負荷ステップ、1つ以上の洗浄ステップ、再生ステップ、又は洗浄ステップのうち2つ以上を含む、システム。
  7. 前記ロングステップが、前記クロマトグラフィーカラムの負荷ステップを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
  8. 請求項7記載のシステムであって、前記複数のショートステップは、平衡化ステップ、1つ以上の洗浄ステップ、溶出ステップ、再生ステップ、又は洗浄ステップのうち2つ以上を含む、システム。
  9. 請求項7又は8に記載のシステムであって、
    前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第1のカラムスキッドが、前記上流供給源から供給原料の供給を受け取り、前記複数のクロマトグラフィーカラムのうちの第1のクロマトグラフィーカラムの前記クロマトグラフィーカラムにおける前記供給原料の負荷が完了したことを示す同期信号を前記制御回路に送出するように構成され、
    前記同期信号の受信に応答して、前記制御回路は、前記供給原料の供給を、前記上流供給源から前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第2のカラムスキッドに切り替えて、そのクロマトグラフィーカラムのための負荷ステップを実行するように構成されている、システム。
  10. 前記制御回路が、前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第1のカラムスキッドに1つ又は複数の供給原料の供給を指示して、その前記負荷されたクロマトグラフィーカラム上でショートステップの処理を実行するように更に構成されている、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記負荷されたクロマトグラフィーカラム上のショートステップの処理の完了後、前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドのうちの第1のカラムスキッドは、その前記クロマトグラフィーカラムに対する負荷ステップが完了したことを示す、前記第2のクロマトグラフィーカラムスキッドに関連づけられた第2の同期信号の発生を待つように構成される、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記供給原料が、タンパク質、抗体、多重特異的タンパク質、二重特異的タンパク質、又は二重特異的T細胞エンゲージャーを含む、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム。
  13. 前記供給原料の前記上流供給源が、採取した細胞培養液のストリーム又はプール、捕捉クロマトグラフィーカラムからの溶出ストリーム又はプール、捕捉クロマトグラフィーカラムからのウイルス不活化プール、又は捕捉クロマトグラフィーカラムからの中和ウイルス不活化プールのうち1つを含む、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム。
  14. 前記複数のクロマトグラフィースキッドの前記クロマトグラフィーカラムが、捕捉クロマトグラフィーカラムを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
  15. 前記捕捉クロマトグラフィーカラムが、アフィニティークロマトグラフィーカラム、サイズ排除クロマトグラフィーカラム、イオン交換クロマトグラフィーカラム、疎水性相互作用クロマトグラフィーカラム、マルチモーダルクロマトグラフィーカラム、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーカラム、又は固定化金属アフィニティークロマトグラフィーカラムのうちの1つ以上を含む、請求項14に記載のシステム。
  16. 前記捕捉クロマトグラフィーカラムが、プロテインAクロマトグラフィーカラム、プロテインGクロマトグラフィーカラム、又はプロテインLクロマトグラフィーカラムからなるアフィニティークロマトグラフィーカラムを含む、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記捕捉クロマトグラフィーカラムが、カチオン交換クロマトグラフィーカラム又はアニオン交換クロマトグラフィーカラムからなるイオン交換クロマトグラフィーカラムを備える、請求項15に記載のシステム。
  18. 前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドの下流に流体的に接続されたウイルスろ過装置及び/又は限外ろ過装置の少なくとも1つを更に含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のシステム。
  19. 前記制御回路が、互いに通信する複数のクロマトグラフィーカラムスキッドの各々の複数の制御部を備える、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
  20. 前記制御回路が、前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドの各々と通信する中央制御部を備える、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
  21. 前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドの前記クロマトグラフィーカラムが、互いに異なる複数のサイズを有する、請求項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
  22. 前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドの1つ以上の前記クロマトグラフィーカラムがシングルユースクロマトグラフィーカラムを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載のシステム。
  23. 前記複数のクロマトグラフィーカラムスキッドの下流に流体的に連結された1つ以上の回収タンクを更に含む、請求項1~22のいずれか一項に記載のシステム。
  24. 下流捕捉クロマトグラフィーカラムを更に含む、請求項23に記載のシステム。
  25. 前記下流クロマトグラフィーカラムが、イオン交換クロマトグラフィーカラム、疎水性相互作用クロマトグラフィーカラム、マルチモーダルクロマトグラフィーカラム、又はヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーカラムを含む、請求項24に記載のシステム。
  26. 前記下流クロマトグラフィーカラムがカチオン交換又はアニオン交換カラムを含む、請求項25に記載のシステム。
  27. 前記下流クロマトグラフィーカラムが第1の下流クロマトグラフィーカラムを含み、前記第1の下流クロマトグラフィーカラムと直接直列に接続された第2の下流クロマトグラフィーカラムを更に含む、請求項24~26のいずれか一項に記載のシステム。
  28. 前記第1及び第2の下流クロマトグラフィーカラムが、陽イオン及び/又はアニオン交換カラムを含む、請求項27に記載のシステム。
  29. 前記下流クロマトグラフィーカラムが、第1の下流クロマトグラフィーカラムを含み、第2の下流クロマトグラフィーカラムを更に含み、前記第1及び第2の下流クロマトグラフィーカラムが、それぞれ、第1及び第2の下流クロマトグラフィーカラムスキッド上に配置され、前記第1及び第2の下流クロマトグラフィーカラムスキッドが、それぞれ、独立したバッチ処理に適しており、且つ
    注入口と、
    少なくとも1台のポンプと、
    少なくとも1つのフィルターと、
    排出口センサーと、
    を備える、請求項24~26のいずれか一項に記載のシステム。
  30. 請求項29に記載のシステムであって、
    前記制御回路は、下流クロマトグラフィープロセスの1つ以上のフルサイクルを通して、前記第1及び第2の下流クロマトグラフィーカラムスキッドの動作を制御するように構成され、各フルサイクルは、ロングステップである溶出ステップ及び複数のショートステップを含み、前記複数のショートステップの各々の処理時間は、ロングステップである前記溶出ステップの処理時間以下であり、前記制御回路は、
    ロングステップである前記溶出ステップが完了したことを示す、前記第1の下流クロマトグラフィーカラムスキッドに関連づけられた同期信号を受信し、
    前記同期信号の受信に応答して、前記第2のクロマトグラフィーカラムスキッドの動作を指示して、ロングステップである前記溶出ステップの動作を開始させる
    ように構成される、システム。
JP2023554344A 2021-03-10 2022-02-17 パラレルクロマトグラフィーシステム及び方法 Pending JP2024509878A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202163159176P 2021-03-10 2021-03-10
US63/159,176 2021-03-10
PCT/US2022/016685 WO2022191971A1 (en) 2021-03-10 2022-02-17 Parallel chromatography systems and methods

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024509878A true JP2024509878A (ja) 2024-03-05

Family

ID=80625465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023554344A Pending JP2024509878A (ja) 2021-03-10 2022-02-17 パラレルクロマトグラフィーシステム及び方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US20240075406A1 (ja)
EP (1) EP4304755A1 (ja)
JP (1) JP2024509878A (ja)
KR (1) KR20230155490A (ja)
CN (1) CN116963813A (ja)
AU (1) AU2022233131A1 (ja)
CA (1) CA3208770A1 (ja)
IL (1) IL304572A (ja)
WO (1) WO2022191971A1 (ja)

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TR200003087T2 (tr) 1998-04-21 2001-02-21 Micromet Ag Yeni CD19 X CD3 Spesifik polipeptidler ve kullanımları
AU2001245279A1 (en) * 2000-03-13 2001-09-24 Eli Lilly And Company Parallel preparative automated isolation system
BRPI0415457A (pt) 2003-10-16 2006-12-05 Micromet Ag constructo de ligação especìfico de cd3 citotoxicamente ativo, seu processo de produção, composição compreendendo o mesmo, seqüência de ácido nucléico, vetor, hospedeiro, seus usos na preparação de uma composição farmacêutica e kit compreendendo os mesmo
PL2520590T3 (pl) 2007-04-03 2019-02-28 Amgen Research (Munich) Gmbh Domena wiążąca wykazująca krzyżową swoistość gatunkową
JP6407726B2 (ja) 2012-03-01 2018-10-24 アムゲン リサーチ (ミュンヘン) ゲーエムベーハーAMGEN Research(Munich)GmbH 長寿命ポリペプチド結合分子
CA2903258C (en) 2013-03-15 2019-11-26 Amgen Inc. Heterodimeric bispecific antibodies
US20140308285A1 (en) 2013-03-15 2014-10-16 Amgen Inc. Heterodimeric bispecific antibodies
US20140302037A1 (en) 2013-03-15 2014-10-09 Amgen Inc. BISPECIFIC-Fc MOLECULES
EP2970449B1 (en) 2013-03-15 2019-09-25 Amgen Research (Munich) GmbH Single chain binding molecules comprising n-terminal abp
US20160257748A1 (en) 2013-09-25 2016-09-08 Amgen Inc. V-c-fc-v-c antibody
EA039859B1 (ru) 2016-02-03 2022-03-21 Эмджен Рисерч (Мюник) Гмбх Биспецифические конструкты антител, связывающие egfrviii и cd3
GB201710130D0 (en) * 2017-06-26 2017-08-09 Ge Healthcare Bioprocess R & D Ab A Method of seperation
WO2019138725A1 (ja) * 2018-01-11 2019-07-18 株式会社日立ハイテクノロジーズ 複数のクロマトグラフを有する分析装置
EP3683231A1 (en) * 2019-01-15 2020-07-22 Bayer Aktiengesellschaft Method for transferring a batch production process to a continuous production process

Also Published As

Publication number Publication date
AU2022233131A1 (en) 2023-08-17
US20240075406A1 (en) 2024-03-07
EP4304755A1 (en) 2024-01-17
CN116963813A8 (zh) 2023-12-01
WO2022191971A1 (en) 2022-09-15
CN116963813A (zh) 2023-10-27
IL304572A (en) 2023-09-01
KR20230155490A (ko) 2023-11-10
CA3208770A1 (en) 2022-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220119526A1 (en) A continuous manufacturing process for biologics manufacturing by integration of drug substance and drug product processes
US20170058308A1 (en) Integrated continuous biomanufacturing process
CA3072129A1 (en) Method for purifying proteins
US20230058276A1 (en) Methods for harvesting biomolecules
US20240075406A1 (en) Parallel chromatography systems and methods
US20240051990A1 (en) Methods for purification of recombinant proteins
US20230416667A1 (en) In-process verification of calibration status of ph probes
US20220372070A1 (en) High salt load conditioning during cation exchange chromatography to remove product-related impurities
US20220372071A1 (en) High salt washes during cation exchange chromatography to remove product-related impurities
TWI828671B (zh) 用於純化重組蛋白質的全流通式方法
WO2024059235A2 (en) A method for harvesting products from perfusion cultures