JP2024509200A - アクティブに整流されたロータ巻線を使用した電気機械内の電力のワイヤレス伝送 - Google Patents

アクティブに整流されたロータ巻線を使用した電気機械内の電力のワイヤレス伝送 Download PDF

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Abstract

ステータは、関連するステータ巻線を備えた複数のステータ極を定義する。ロータは、ステータによって実質的に通電されるように構成された関連するロータ巻線を備えた複数のロータ極を画定する。ロータは、ステータ巻線によって生成される磁場によって励磁可能なロータ磁場を画定し、ロータとステータとの間に相対力を生成する。アクティブ整流器は、1つ又は複数の第1のロータ巻線に導電的に結合される。アクティブ整流器は、1つ又は複数の第2ロータ巻線によってステータから無線で受信された信号に応答して、1つ以上の第1ロータ巻線を流れる電流の方向を制御するように構成される。【選択図】図1

Description

<関連出願の相互参照>
本出願は、2021年3月5日に出願された、「アクティブに整流されたロータ巻線を使用した電気機械内の電力のワイヤレス伝送」というタイトルの米国仮特許出願第63/157,560号を参照し、その全文を本明細書に組み込む。
<連邦政府の支援による研究に関する言明>
該当なし。
本発明は、電気モータ及び発電機に関する。
電気モータは、一般に、ステータと呼ばれることが多い固定コンポーネントと、ロータと呼ばれることが多い回転コンポーネントを備える。電流は電磁場に変換され、ステータとロータの間に機械的な力又はトルクを及ぼし、仕事を行うために使用される。発電機も同様の原理で動作し、機械的な力が電流に変換される。主に回転力又はトルクの観点から説明するが、ここで説明する原理はリニアモータにも適用できる。リニアモータの場合、幾つか実装では、ロータが固定コンポーネントとして機能し、ステータが平行移動コンポーネントとして機能する。
本開示の様々な態様は、アクティブに整流されるロータ巻線を備えたモータを特徴とする。ロータ電流のアクティブ整流により、トルク生成効率の向上、モータ状態の制御の向上、その他の利点が得られる。
本開示で説明される主題の実装は、以下の特徴を備えた電気機械である。通電されてステータ極を画定するように構成されたステータ巻線を含むステータ。通電されて前記ステータ極と相互作用して前記ステータとの間に相対力を生成するロータ極を画定するように構成されたロータ巻線を含むロータ。前記ロータは前記ステータに磁気結合され、前記ステータから無線で電力伝送信号を受信するように構成されている。前記電気機械は、前記ロータに回転的に固定され、前記ロータ巻線の1つ又は複数の第1のロータ巻線に導電的に結合されたアクティブ整流器を更に含む。前記アクティブ整流器は、前記電力伝送信号から電気エネルギーを取得し、前記電力伝送信号から捕捉された前記電気エネルギーを前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に導くことによって、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線を流れる電流を制御する。
本開示で説明される主題の実装は、以下の特徴を含むモータ制御方法である。ロータによってステータから無線で電力伝送信号を受信し、前記ステータは、通電されてステータ極を画定するように構成されたステータ巻線を含み、前記ロータは、通電されて前記ステータ極と相互作用して前記ロータと前記ステータとの間に相対力を生成するロータ極を画定するように構成されたロータ巻線を含むように構成されており、前記ロータに回転的に固定されたアクティブ整流器によって、前記電力伝送信号から電気エネルギーを捕捉し、前記アクティブ整流器は、前記ロータ巻線の1つ又は複数の第1のロータ巻線に導電的に結合され、前記アクティブ整流器によって、前記電力伝送信号から捕捉された前記電気エネルギーを前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に導くことによって、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線を流れる電流を制御する。
本開示による電気機械の別の例は、以下の特徴を含む。関連するステータ巻線を持つ複数のステータ極を画定するステータ。実質的にステータによって通電されるように構成された関連するロータ巻線を備えた複数の固定ロータ極を画定するロータ。ロータは、ステータ巻線によって生成される磁場によって励磁可能なロータ磁場を画定し、ロータとステータとの間に相対力を生成する。アクティブ整流器は、1つ又は複数の第1のロータ巻線に導電的に結合される。前記アクティブ整流器は、ロータ巻線のうちの1つ又は複数の第2ロータ巻線によってステータから無線又は誘導的に受信される信号に応じて、1つ又は複数の第1のロータ巻線を流れる電流の方向を制御するように構成されている。
本開示で説明される主題の実装は、以下の特徴を備えたモータ制御方法である。ステータ電流は、モータのステータのステータ巻線を通じて送られ、ステータ電流は、モータのロータ内の1つ又は複数の第1のロータ巻線に直接結合する磁場を生成し、ステータに対するロータの移動を引き起こす。1つ又は複数のデータ信号がステータ電流に埋め込まれている。1つ又は複数のデータ信号は、ステータ電流によって生成される磁場の変調を生成するように構成される。変調は、変調が1つ又は複数の第2のロータ巻線によって受信されると、受信された変調に応答してアクティブ整流器が制御されるようになっている。
本開示で説明される主題の実装は、以下の特徴を備えたモータ制御方法である。ステータのステータ巻線は通電されて、ステータ内にステータ磁場を生成する。対応するロータ磁場は、磁束を確立することによって、ロータ磁場によってロータ極内の強磁性材料内で変更される。ロータの接線方向の力は、ステータの磁場の変化によって生成される。発生した接線方向の力によりロータが移動する。データ信号は、通電されたステータ巻線によって生成される。データ信号は次のようなものである:データ信号が1つ又は複数の第2ロータ巻線によって受信されると、アクティブ整流器は、受信したデータ信号に応じて制御され、エアギャップにおける磁束の通電遅れを制御し、エアギャップは、ステータの内面とロータの外面との間に画定される。受信されたデータ信号に応答して、ロータ内の磁束の減衰が、ステータ磁場の変化に応答して、1つ又は複数の第1のロータ巻線内の電流によって制御される。
前述の実装には、次の機能のいずれかを含むことができ、次の機能の全てを含むことができ、次の機能を全く含まなくてもよい。
幾つかの実装では、電気機械はコントローラを含む。
幾つかの実装では、コントローラは、複数の固定ロータ極のうち最も近いものに対して測定された電流角度でステータ巻線に電流を流すことによってトルク制御信号をステータ巻線に送信することによって、ステータ巻線に通電し、ステータ内にステータ磁場を生成するように構成されている。コントローラは、ロータ内の磁束の変化を制御するためにステータ巻線を介してデータ信号を送信するように構成することもできる。データ信号はトルク制御信号と異なっていてもよい。
幾つかの実装では、コントローラは、動作条件に応じて電流角度を調整し、動作条件に応じて送られる電流の大きさを調整するように構成される。ロータは、動作中にステータ巻線によって生成される磁場との同期を維持することができる。
幾つかの実装では、ロータには永久磁石が埋め込まれている。
幾つかの実装では、複数の固定ロータ極の1つに関連付けられた各ロータ巻線は、単一の対応するアクティブ整流器に導電的に結合される。
幾つかの実装では、信号を受信する1つ又は複数の第2のロータ巻線には、電流の方向が制御される1つ又は複数の第1のロータ巻線が含まれる。
幾つかの実装では、アクティブ整流器は、Hブリッジ構成で配置された複数のゲートを含む。アクティブ整流器は、Hブリッジ構成で配置された2つのダイオードと2つのゲートを含んでもよい。2つのダイオードは、少なくとも1つのロータ巻線と直列に配置されてもよい。2つのゲートは、1つ又は複数の第1巻線と直列に配置されてもよい。
幾つかの実装では、ゲートは、1つ又は複数の第2のロータ巻線によってステータから誘導的に受け取られた信号に応答して作動する。
幾つかの実装では、ゲートにはトランジスタが含まれる。
幾つかの実装では、電気機械は、1つ又は複数の第2のロータ巻線において、ステータ巻線によって生成された磁場によって誘導された電気信号を検出するように構成されたロータ制御部を含む。ロータ制御部は、ロータの動作設定値を示すデータ信号を電気信号から抽出するように構成されてもよい。ロータ制御部は、動作設定値に応答してアクティブ整流器のスイッチング動作を制御するように構成されてもよい。
幾つかの実装では、データ信号は振幅変調又は周波数変調によって電気信号に埋め込まれる。
幾つかの実装では、動作設定値には、ロータ巻線電圧設定値、ロータ巻線電流設定値、又はロータ電圧周波数設定値が含まれる。
幾つかの実装では、スイッチング動作の制御には、ロータ巻線電圧を対応するステータ巻線電圧よりも先行させ、ロータ巻線電流を積極的に弱めることを含む。
幾つかの実装では、電気機械は、1つ又は複数の第2のロータ巻線において、ステータ巻線によって生成された磁場によって誘導された電気信号を検出するように構成されたロータ制御ユニットを含む。ロータ制御部は、検出された電気信号に基づいてステータの動作状態を推定するように構成されてもよい。ロータ制御部は、推定された動作状態に応じてアクティブ整流器のスイッチング動作を制御するように構成されてもよい。
幾つかの実装では、ステータの動作状態には、ステータ巻線電圧が含まれる。
幾つかの実装では、ロータ巻線のうちのn個のロータ巻線が互いに導電的に結合される。電気機械は、更に、n個の電圧成分を含む電圧を前記ステータ巻線に印加するように構成されたコントローラを備え、各電圧成分は、電圧成分に対応する電流によって生成される磁場によってn個のロータ巻線のそれぞれに結合する。n個の電圧成分はそれぞれ別個の位相によって特徴付けられ、前記別個の位相は約360/n度ずつ分離される。
幾つかの実装では、n個のロータ巻線は、ロータの異なるそれぞれの極対に含まれている。
幾つかの実装では、アクティブ整流器は、n個のロータ巻線のそれぞれに導電的に結合された共有キャパシタを備え、アクティブ整流器はn個のロータ巻線のそれぞれに流れる電流の方向を制御する間、共有キャパシタはエネルギーを蓄積する。
幾つかの実装では、ロータはn個の追加のロータ巻線を備える。
幾つかの実装では、n個の追加のロータ巻線のそれぞれは、n個のロータ巻線のうちの対応する1つとの極対に含まれる。
幾つかの実装では、n個のロータ巻線は、アクティブ整流器によってn個の追加のロータ巻線に導電的に結合される。
幾つかの実装では、n個の追加のロータ巻線は、アクティブ整流器に対してデルタ構成で導電的に結合される。
幾つかの実装では、n個のロータ巻線は、直列に導電的に結合される。n個のロータ巻線は、n個の電圧成分に関して交互の極性で直列に導電的に結合されてもよい。
幾つかの実装では、電気機械は、アクティブ整流器及び1つ又は複数の第1のロータ巻線に導電的に結合されたローパスフィルタを含む。ローパスフィルタのDC出力は、前記アクティブ整流器のDC出力に導電的に結合されてもよい。
幾つかの実装では、アクティブ整流器は、ステータ巻線によって1つ又は複数の第1のロータ巻線に誘導される周期電圧にゼロシーケンスを導入するように構成されている。
幾つかの実装では、アクティブ整流器は、1つ又は複数の第1のロータ巻線に、前記ステータ巻線の対応する周期電圧と比較して約90度シフトした周期電圧を生じさせるように構成される。
幾つかの実装では、アクティブ整流器は、1つ又は複数の第1のロータ巻線を介して、非ゼロのDC電流を生成するように構成されている。
幾つかの実装では、ステータ極に関連し前記ステータ巻線によって生成される磁場は、対応するロータ極と実質的に沿っているD成分と、電気座標系内の対応するロータ極に90度先行するQ成分と、を含む。
幾つかの実装では、信号は、D成分の変調に含まれる。
幾つかの実装では、信号は、Q成分の変調に含まれる。
幾つかの実装では、信号は、D成分とD成分の両方の変調に含まれる。
幾つかの実装では、1つ又は複数の第1のロータ巻線は、ステータとロータが誘導結合される第1の制御可能な軸に沿ってステータによって実質的に通電されるように構成され、信号は、ステータとロータが結合されている第2の異なる制御可能な軸に沿って誘導的に受信される。
幾つかの実装では、1つ又は複数の第1のロータ巻線は、ステータとロータが誘導結合される第1の制御可能な軸に沿ってステータによって実質的に通電されるように構成され、信号は、第1の制御可能な軸に沿って誘導的に受信される。
幾つかの実装では、磁場は、制御可能な軸に沿って1つ又は複数の第2のロータ巻線に結合し、信号は、変調された磁場の振幅、変調された磁場の周波数、又はその両方に基づく制御可能な軸上の電力伝送によって1つ又は複数の第2ロータ巻線によって誘導的に受信される。
幾つかの実装では、ステータ巻線によって生成される磁場は、対応するロータ極と実質的に沿っているD成分と、電気座標系内の対応するロータ極に90度先行するQ成分と、D成分及びQ成分に直交するz成分と、を含み、信号は、z成分の変調に含まれる。
幾つかの実装では、磁場は、1つ又は複数の制御可能な軸上で1つ又は複数の第1のロータ巻線及び1つ又は複数の第2のロータ巻線に結合される。
幾つかの実装では、相対力は、1つ又は複数の制御可能な軸のうちの第1の制御可能な軸に沿ったカップリングによって生成され、信号は、第1の制御可能な軸に沿って誘導的に受信される。
幾つかの実装では、アクティブ整流器によって、ロータ巻線の第1のセットにおける実質的なDC電流、及びロータ巻線の第2の異なるサブセットにおける実質的な振動電流を生成するように構成される。
幾つかの実装では、アクティブ整流器は、ロータに取り付けられた1つ又は複数の回路基板に含まれる。
幾つかの実装では、1つ又は複数の第2のロータ巻線は、1つ又は複数の第1のロータ巻線を含む。
幾つかの実装では、信号の周波数は、ステータからロータに送信される、信号とは異なる、トルク制御信号の周波数とは独立である。
幾つかの実装では、ロータは複数のロータ極を画定する。ステータ巻線に通電されてもよい。複数の固定ロータ極のうち最も近いものに対して測定された電流角度でステータ巻線に電流を流すことによってトルク制御信号をステータ巻線に送信することによって、ステータ巻線に通電し、ステータ内にステータ磁場を生成されてもよい。データ信号は、ステータ巻線を介して送信され、ロータ内の磁束の変化を制御することができ、データ信号はトルク制御信号とは異なる。
幾つかの実装では、動作条件に応答して電流角度が調整されてもよい。
幾つかの実装では、動作条件に応答しステータ電流の大きさが調整されてもよい。
幾つかの実装では、ロータは、動作中にステータ電流によって生成される磁場との同期が維持される。
幾つかの実装では、1つ又は複数のゲートがアクティブ整流器内で作動する。
幾つかの実装では、ステータ電流によって生成される磁場によって誘導される電気信号が、1つ又は複数の第2のロータ巻線で検出される。ロータの動作設定値を示すデータ信号は、検出された電気信号から抽出されてもよい。1つ又は複数のゲートは、動作設定値に応じて制御されてもよい。
幾つかの実装では、データ信号は振幅変調又は周波数変調によって電気信号に埋め込まれる。
幾つかの実装では、動作設定値には、ロータ巻線電圧設定値、ロータ巻線電流設定値、又はロータ電圧周波数設定値が含まれる。
幾つかの実装では、ステータ電流によって生成される磁場によって誘導される電気信号が、1つ又は複数の第2のロータ巻線で検出される。検出された電気信号に基づいてステータの動作状態が推定されてもよい。1つ又は複数のゲートは、推定された動作状態に応じて作動してもよい。ステータの動作状態には、ステータ巻線電圧を含んでもよい。
幾つかの実装では、ステータ電流によって生成される磁場はロータ電流を誘導する。
幾つかの実装では、アクティブ整流器は、ロータ電流のDCコンポーネントがロータ電流のリップルの大きさの少なくとも約2倍になるように制御される。
幾つかの実装では、ゼロシーケンスは、磁場によって1つ又は複数の第1のロータ巻線に誘起される周期電圧に導入される。
幾つかの実装では、ステータ巻線の対応する周期電圧と比較して実質的に90度シフトされた周期電圧が、1つ又は複数の第1のロータ巻線に生じる。
幾つかの実装では、n個の周期的な電圧がステータ巻線に印加される。n個の周期電圧はそれぞれn個のロータ巻線に、n個の周期電圧に関連するステータ電流によって、結合するようにタイミングが調整され、n個のロータ巻線は互いに導電的に結合されている。n個の周期電圧はそれぞれ別個の位相によって特徴付けられ、別個の位相は約360/n度ずつ分離される。
幾つかの実装では、1つ又は複数の第1のロータ巻線の電圧にローパスフィルタリングが適用される。
幾つかの実装では、エネルギーは、1つ又は複数の第1のロータ巻線のうちの少なくとも2つに共通の共有キャパシタに蓄積される。
幾つかの実装では、ステータ電流によって生成される磁場は、対応するロータ極と実質的に沿っているD成分と、電気座標系内の対応するロータ極に90度先行するQ成分と、を含む。
幾つかの実装では、1つ又は複数のデータ信号は、D成分の変調に含まれる。
幾つかの実装では、1つ又は複数のデータ信号は、Q成分の変調に含まれる。
幾つかの実装では、1つ又は複数のデータ信号は、D成分とD成分の両方の変調に含まれる。
幾つかの実装では、磁場は、1つ又は複数の第1のロータ巻線に、ステータとロータが誘導結合される第1の制御可能な軸に沿って結合し、変調は、ステータとロータが結合されている第2の異なる制御可能な軸に沿って誘導的に受信される。
幾つかの実装では、磁場は、1つ又は複数の第1のロータ巻線に、ステータとロータが誘導結合される第1の制御可能な軸に沿って結合し、信号は、第1の制御可能な軸に沿って誘導的に受信される。
幾つかの実装では、磁場は、制御可能な軸に沿って1つ又は複数の第1のロータ巻線に結合し、変調は、変調された磁場の振幅、変調された磁場の周波数、又はその両方に基づく制御可能な軸に沿って誘導的に受信される。
幾つかの実装では、ステータ電流によって生成される磁場は、対応するロータ極と実質的に沿っているD成分と、電気座標系内の対応するロータ極に90度先行するQ成分と、D成分及びQ成分に直交するz成分と、を含む。1つ又は複数のデータ信号は、z成分の変調に含まれる。
幾つかの実装では、磁場は、1つ又は複数の制御可能な軸上で1つ又は複数の第1のロータ巻線及び1つ又は複数の第2のロータ巻線に結合される。
幾つかの実装では、動きは、1つ又は複数の制御可能な軸のうちの第1の制御可能な軸に沿ったカップリングによって生成され、1つ又は複数のデータ信号は、第1の制御可能な軸に沿って誘導的に受信される。
幾つかの実装では、実質的なDC電流がロータ巻線の第1のセットに印加され、実質的に振動する電流がロータ巻線の第2のセットに印加される。
幾つかの実装では、1つ又は複数のデータ信号の周波数は、モータのロータ内の1つ又は複数の第1のロータ巻線に直接結合してロータの移動を引き起こす磁場を生成するステータ電流の周波数とは独立している。
アクティブな整流が行われない場合、モータのロータ側電流には、結合されるステータ側電流とロータ巻線に結合されたパッシブ部品に(例えば、LC時定数を定義するパッシブ部品)に依存する、タイミングと生成/減衰特性を持つ。アクティブ整流は、ロータ巻線電流の正確な選択、調整、及び随時(on-the-fly)変更を可能にし、効率(例えば、動力伝送効率、トルク効率)を最大化し、モータの動作モードを定義する。
この開示の多くは、効率を高め、及び/又は回路設計の制約を回避するアクティブ整流の実装に関する。例えば、異なる極対の巻線がアクティブ整流器回路の全部又は一部を共有してもよく、必要な回路部品の総量を減らすだけでなく、回路動作を改善する(例えば、ピーク電圧を下げる)こともできる。一部の実装は、結合されたロータ巻線のセット内のAC電流とDC電流の分離に関し、これにより、考えられる利点の中でも特に、アクティブ整流器回路の最大電力を削減できる。幾つかの実装は、極対内の異なる巻線でAC電流とDC電流を分離することを含む。
本開示の一部はアクティブ整流器回路の制御に関する。自己同期制御設計により、必要な回路の複雑さを軽減できる。一部の設計は信号ベースであり、ステータ巻線からのデータ信号がロータ巻線に送信される。(例えば、個別のブラシ、センサ、又は無線コンポーネントとは対照的に)この方法でのデータ信号の送信は、回路の複雑さとコストを削減することもできる。異なる励磁軸間でトルク制御、電力伝送、及びデータ信号機能を分離することにより、高度な設計の柔軟性が可能になる。
本開示で説明される主題の1つ又は複数の実装の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載される。以下の説明では、図を通して、同じ部分を指すために同じ参照番号が使用される。主題の他の特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
図1は、例示的な電気駆動システムの概略図である。 図2は、電気巻線用の例示的な電源スイッチの概略図である。 図3A及び3Bは、アクティブに整流されたロータ巻線を備えた例示的な電気機械の側面図及び斜視図である。 図4A-4Cは、例示的なアクティブに整流されたロータ巻線についての、それぞれ、正面図、斜視図、及び側面図である。 図5A及び5Bは、本開示の態様とともに使用することができる例示的なアクティブ整流器の回路図である。 図6A及び6Bは、本開示の態様とともに使用することができる例示的なロータ制御回路トポロジの概略図である。 図7Aは、例示的な電気機械のコンポーネントの電圧の経時的なプロットである。 図7Bは、本開示の態様とともに使用することができる例示的なロータ制御回路トポロジの概略図である。 図8は、例示的な電気機械のコンポーネントの電流及び電圧の経時的なプロットである。 図9は、本開示の態様とともに使用することができる例示的な回路トポロジのブロック図である。 図10は、本開示の態様とともに使用することができる、例示的なアクティブ整流器を含む例示的な回路トポロジの概略図である。 図11は、例示的な電気機械のコンポーネントの電流及び電圧の経時的なプロットである。 図12は、n個の巻線コイル及びn個の整流器を備えた例示的なロータ回路トポロジの概略図である。 図13は、本開示の態様とともに使用することができる、回路トポロジの概略図である。 図14は、本開示の態様とともに使用することができる、回路トポロジの概略図である。 図15は、本開示の態様とともに使用することができる、回路トポロジの概略図である。 図16は、本開示の態様とともに使用することができる、回路トポロジの概略図である。 図17A-17Cは、AC電圧とDC電圧の経時的なプロットである。 図18は、本開示の態様とともに使用することができる、回路トポロジの概略図である。 図19は、本開示の態様とともに使用することができる、回路トポロジの概略図である。 図20Aは、本開示の態様とともに使用することができる、回路トポロジの概略図である。 図20Bは、経時的な電圧のプロットである。 図21A-21Bは、それぞれ、アクティブ整流ロータを含むモータの側面図及び斜視図である。 図21C-21Fは、アクティブ整流器を含むロータの図である。 図21G-21Jは、アクティブ整流器を含む別のロータの図である。 図22は、本開示の態様とともに使用することができる、例示的なコントローラのブロック図である。 図23は、本開示の態様とともに使用することができる、方法のフローチャートである。 図24は、本開示の態様とともに使用することができる、方法のフローチャートである。 図25は、本開示の態様とともに使用することができる、インバータ回路トポロジの概略図である。 図26は、本開示の態様とともに使用することができる、インバータ回路トポロジの概略図である。 図27は、本開示の態様とともに使用することができる、方法のフローチャートである。
様々な図面における同様の参照番号及び指定は、同様の要素を示す。
本開示による実装では、モータのロータ巻線は、ステータ巻線の振動電流によって充電される。充電されると、ロータ巻線にはロータ電流が流れ、この電流がステータ巻線の電流によって生成される磁場と結合し、ロータに起電力を生成する。
ただし、ロータ電流の一部の特性はモータの機能に悪影響を与える可能性がある。例えば、起電力の大きさはロータ電流の強さに関係するため、ロータ電流のリップルによってロータの起電力トルクにリップルが生じ、モータの動作が不均一になる可能性がある。別の例として、ロータ電流のリップルは、直接的(ロータ巻線を「再充電」する必要があるため)又は間接的に(リップルにより、例えばロータの積層などで渦電流損失が増加するため)、電力損失を表す可能性がある。従って、ロータ巻線に導電的に結合された制御要素、例えばロータ電流リップルを低減するように構成された制御要素を導入することが有益である可能性がある。
第1のステップとして、ロータ巻線は、例えば、ロータ巻線に短絡されたパッシブ整流器(例えば、ダイオード)によってパッシブ的に整流されてもよい。このようなパッシブ整流器は、ロータ巻線内の電流を一方向にし、ステータ巻線の振動駆動電流に対して非対称の誘導応答を生成し、モータ動作中のロータ電流リップルを低減する。
ただし、パッシブ整流には欠点がある場合がある。第1に、ダイオードを使用して実装されたパッシブ整流器は、各ダイオードが対応する電圧降下(例えば、数十分の1ボルト)をダイオードに導入するため、ロータコイルに損失をもたらす。この電圧降下は、ロータ巻線に伝送される無駄な電力を表すだけでなく、放熱を生成し、放熱は、冷却などによって考慮する必要があるか、整流器の動作を損なう可能性がある。
第2に、場合によっては、パッシブ整流の実装は、ロータの電流サイクルにロック状態を導入することを意味する。ロック状態では、ロータ巻線を流れるロータ電流はゼロに減少し、その結果、ロータ巻線上の反発トルクもゼロに減少する。
従って、本開示に記載されているように、ロータ巻線はアクティブに整流され、(パッシブ整流システムと比較して)電流リップルが低減され、モータ効率が向上する。言い換えれば、ステータ巻線はロータ巻線に無線で電力を伝送することができ(ステータからロータへの正味電力伝送)、また、アクティブ整流器は、無線で伝送された電力から電気エネルギーを取得し、この電気エネルギーのロータ巻線への印加を制御して、ロータ磁場を生成することができる。ロータ磁場は、ステータ巻線によって生成されるステータ磁場と相互作用してトルクを生成し、ロータを回転させる。幾つかの実装では、アクティブ整流器は、ステータ巻線自体から送信される信号によって制御されるため、ブラシやセンサを組み込んだシステムと比較してモータの複雑さが軽減される。
このような無線電力伝送及び制御信号伝送のためのステータとロータの直接結合には、幾つかの利点がある。第1に、動的条件下で2つのシステム(ステータとロータなど)を適切な位置に維持するための複雑さと累積誤差を軽減できる。第2に、ロータのスタック高さを低くすることができ、ロータの軸方向の長さを増大させるスリップリングやその他の二次カップリングアセンブリがロータに含まれていないため、よりコンパクトなパッケージングが可能になる。第3に、液冷が二次カップリングに干渉することなく液冷が可能になる。第4に、一次多相ステータインバータを信号と電力の両方に利用できるようにすることで、二次電力インバータの必要性をなくすか減らすことができる。更に、無線電力伝送用のステータとロータの直接結合にアクティブ整流を採用すると、パッシブ整流に比べて幾つかの利点が得られる。得られる利点は、トルク出力の増加、トルクリップルの低減、ロータ電流を比較的一定に保つことができること、消費電力の低減、過渡性能の向上、ステータインバータへのストレスの低減、充電のための整流に「デッドゾーン」がないこと、ヒステリシス(例えば、鎖交磁束のリップルが最小限に抑えられる)及び渦電流(例えば、リップルの振幅が小さいと渦電流損失が減少する)の観点からコア損失が低下すること、ロータ界磁巻線の極性を制御する能力、ロータ磁場の極性又はロータ極を再構成する能力、及び/又は磁束が弱まる追加の機会(例えば、磁束を弱めるためのL/R時定数の代わりに磁束を弱めるアクティブ制御)、のうち1つ又は複数を含む。
図1は、電気モータ102と、電気モータ102に結合されたモータコントローラ104とを含む電気駆動システム100を示す。モータコントローラ104は、電気モータ102を動作させて負荷110を駆動するように構成されている。負荷110は、ギアセット、車輪、ポンプ、コンプレッサ、又は複数のモータをリンクして並列運転できる別のモータなどの、追加の歯車列であってもよい。
電気モータ102は、モータハウジング105に対して回転可能な出力シャフト107を有し、出力シャフト107は、モータコンポーネントの回転及び他の運動に関する基準であると考えられる。使用時、出力シャフト107は、適切な電力及びモータコントローラ104からの信号によって電気的に作動されると、電気モータ102が回転動力を与えることができる負荷110に結合することができる。出力シャフト107は、モータを通って延びることができ、モータの両端が露出しているため、モータの両端で回転力を伝送できる。モータハウジング105は、出力シャフト107の回転軸に関して回転対称であることができるが、任意の外形であってもよく、一般に、モータ動作中のハウジングの回転を防止するためにモータハウジング105を他の構造に固定するための手段を含むことができる。
電気モータ102は、ステータなどのアクティブ(active)磁気コンポーネント106と、ロータなどのパッシブ(passive)磁気コンポーネント108とを含む。説明のため、以下では、アクティブ磁気コンポーネントの代表例として「ステータ」を使用し、パッシブ磁気コンポーネントの代表例として「ロータ」を使用する。
ロータ108はステータ106に関連付けられており、ロータ108は、例えば、インターナルロータラジアルギャップモータ(internal rotor radial-gap motor)では、ステータ106内に配置されることができ、例えば、アキシャルギャップモータ(axial-gap motor)やリニアモータ(linear motor)では、ステータに平行に配置されることができ、例えば、アウタロータラジアルギャップモータ(outer rotor radial-gap motor)では、ステータの周囲に配置されることができる。以下により詳細に説明するように、適切に制御されたステータ106内の電気的活動は、ロータ108の運動を駆動する。ロータ108は、出力シャフト107に回転的に結合されており、結果として生じるロータ運動の回転コンポーネントが出力シャフト107に伝送され、これにより、出力シャフト107が回転する。ステータ106はハウジング105に固定されており、これにより、動作中に、ロータ108は、ステータ106の周りを移動する、又はステータ106と平行に移動する。
電線のループを通って流れる電流により、実質的に均一な起磁力(magnetomotive force (MMF))が生じ、その結果、巻かれた領域又は囲まれた領域内にモータ極が生じる。一般的なモータでは、このようなループは、必要な電流負荷を運ぶのに十分な直径を持っているが、駆動周波数の表皮深さがループを完全に貫通するのに十分なほど薄い。極の磁場の強度を高めるために、多数のターン、又はグループとして巻かれたワイヤの共延ループが使用されてもよい。このトポロジは、通常、巻線界極と呼ばれる。このようなグループとして巻かれたワイヤの共延ループのセットはコイルと呼ばれる。この開示の目的上、ステータ又はロータ内で一緒に動作する1つ又は複数のコイルを巻線と呼ぶ。
場合によっては、コイルは、ロータ又はステータの複数の歯に重なって取り囲むことができる。このように重なったコイルは、アーマチュア又は分布巻線と呼ばれる。極はこの分布巻線の磁気中心であり、そのため、極は、巻線を流れる駆動電流に応じて、このような分布巻線内の個々のコイルに対して移動することができる。
ステータ106は、関連する電気巻線を有する複数のステータ極を画定し、ロータ108は、本開示を通じてさらに詳細に示される例のように、複数のロータ極を含む。ロータ108は、ステータ106とともに、この開示を通じてさらに詳細に説明される例などのように、ステータ極とロータ極との間に公称エアギャップを画定する。ロータ108は、運動方向に沿ってステータ106に対して移動可能である。
図2は、個々の電気巻線132に対する別の例示的な電源スイッチ200を示す。電源スイッチ200は、H形のような構成において、電気巻線132を中心として、4つのスイッチング素子202a、202b、202c、及び202dを含むHブリッジ回路を有することができる。スイッチング素子202a、202b、202c、及び202dは、バイポーラ又はFETトランジスタとすることができる。各スイッチング素子202a、202b、202c、及び202dは、それぞれのダイオードD1、D2、D3、及びD4と結合することができる。ダイオードはキャッチダイオードと呼ばれ、ショットキータイプであってよい。ブリッジの上端は電源、例えばバッテリVbatに接続され、下端は接地される。スイッチング素子202a、202b、202c、及び202dのゲートは、それぞれの制御電圧信号を各スイッチング素子202a、202b、202c、及び202dに送信するように動作可能なモータコントローラ104(図1)に結合することができる。制御電圧信号は、直流(DC)電圧信号又は交流(AC)電圧信号とすることができる。
スイッチング素子202a、202b、202c、及び202dは、モータコントローラ104(図1)によって個別に制御することができ、独立してオン及びオフにすることができる。場合によっては、スイッチング素子202a及び202dがオンになると、ステータの左側のリードが電源に接続され、右側のリードがグランドに接続される。電流がステータを通って流れ始め、電気巻線132を順方向に通電する。場合によっては、スイッチング素子202b、202cがオンになると、ステータの右側のリードが電源に接続され、左側のリードがグランドに接続される。電流がステータを通って流れ始め、電気巻線132を逆方向、逆方向に通電する。すなわち、スイッチング素子を制御することによって、電気巻線132は2つの方向のいずれかに通電/作動することができる。主に単相Hブリッジ構成を使用するものとして図示及び説明されているが、本開示から逸脱することなく、典型的な6スイッチインバータシステムを多相機械に使用することもできる。
モータコントローラ104は、本開示を通じて更に詳細に説明されるように、それぞれの極通電デューティサイクルでスイッチ200を連続的に動作させて、ステータ極とロータ極との間のエアギャップを横切る磁束を生成するように構成することができる。スイッチを制御してステータ極に順次通電し、ロータを引っ張る局所的な引力を生成できる。このような連続的な通電(又は作動)により、ロータ108、出力シャフト107、及び負荷110の回転を引き起こすことができる。
モータのコンポーネント及び制御は、モータロータ及び/又はステータのD軸312(図3Aに示される例)及びQ軸を参照して議論されることがある。モータの直軸又はD軸312は、エアギャップ314に垂直な極308の中心線として定義されてよく、ステータ極又はロータ極308のいずれかに適用されてよい。ロータは、同期座標系で見られるように、各極のD軸312によって特徴付けられてもよい。巻線ロータでは、界磁巻線が単一の大きなスロットに集中しているか、複数の小さなスロットに広がっているかに関係なく、D軸312は、コイル又は界磁巻線の合成磁気中心の中心点である。ステータ極も同様に特徴付けることができる。
Q軸は、磁気座標系内でD軸(例えば、D軸が0°において)に垂直である(つまり、ロータ極が4つある機械では電気的に90°、又は、幾つかの実装では、n個の極を備えた機械の場合360°/n)。幾つかの実装では、Q軸は電気的にD軸に対して垂直であり、両方ともロータが回転する平面内にある。一般に、Q軸に沿った力はトルクなどの起電力を生成する。トポロジ的には、ロータ又はステータのQ軸は通常、2つの極の間に直接配置される。
軸は、ロータ極との関係に関して「長」(major)又は「短」(minor)と表現されることもある。本明細書に記載される例示的な実施形態は、D軸及びQ軸に言及する場合、特に指示がない限り、長D軸及び長Q軸を指す。しかしながら、本開示による幾つかの実施形態では、ステータ-ロータ結合(例えば、電力伝送及び/又はデータ信号伝送)は、短軸上で行われてもよい。例えば、ロータ極のD軸からずれたD軸を持つロータコイルは、独自の短D軸を持っていると言える。
制御信号をD-Q軸コンポーネントに変換できるこのようなシステムでは、3番目のz軸コンポーネントも存在し、D軸又はQ軸に直接マッピングされない信号量として記述することができる(例えば、幾つかの実施形態では、Q成分及びD成分が見られる平面に直交するコンポーネントとして記述することができる)。
電流フェーザ角度318は、ステータの磁気中心に対するロータのD軸312の相対角度である(図3Aに示される例)。正の電流フェーザ角度は、ステータの磁気中心がロータの極よりも運動方向の前方にあることを示す。このような状況により、ステータの磁気中心がロータ極をステータの磁気中心に向かって「引っ張る」ことになる。同様に、負の電流角度は、ステータの磁気中心がロータ極の後ろにあることを示す。このような状況では、ロータ極が反対方向に「引っ張られる」。このような負の電流フェーザ角度318は、制動状況で使用することができる。幾つかの実装では、90°を超える電流フェーザ角度318を使用することができる。このような大きなフェーザ電流角318は、隣接する極を運動方向に「押す」ことができる。同様に、90°未満の電流フェーザ角度318を使用して、ブレーキ動作中などに隣接する極を反対方向に「押す」ことができる。静止座標系と同期座標系の間の電流フェーザ角度318の変換は、次の方程式を使用して行うことができる。
θ=(P/2)θ, (1)
但し、θは、同期座標系内の電流フェーザ角度であり、Pは、ステータ極の数であり、θは、静止座標系における電流フェーザ角度である。電流フェーザ角度に関係なく、D軸コンポーネントとQ軸コンポーネントに分解できる。一般に、本明細書に記載のモータ及び発電機では、D軸コンポーネントはロータ極内の磁場を「充電」又は変調するように作用し、一方、Q軸コンポーネントはロータ極に力又はトルクを与えるように作用する。この実施形態及び本明細書に記載の他の実施形態では、変調磁場が一次トルク生成チャネルに直交しているため、電力伝送は電気機械のトルク性能に干渉しない。D軸はまた、本開示を通じて詳細に説明されるように、ステータ巻線からロータ巻線へのデータ信号の直接的な並列伝送、又は制御信号のコンポーネントとして、又はその両方に使用することもできる。
図3A及び3Bは、例示的な電気機械300の側面図及び斜視図である。電気機械300は、関連するステータ巻線304を有する複数のステータ極を画定するステータ302を含む。「モータ極」は、特定の時点でエアギャップ全体に単一極性の磁束を放出するステータ又はロータのトポロジカルセクションとして説明できる。電気モータの極番号や位置を決定する際には、ステータ又はロータのバックアイアンに流れる磁束が考慮される。極は通常、5,000ガウスを超える可能性のある高磁場領域によって特徴付けられる。極は永久磁石又は電磁場から生じうる。ステータ又はロータの極の数は製造中に固定されることが多いが、本明細書で説明する幾つかの実装では、ロータ、ステータ、又は両方の極の数は動作中に変更することができる。
ここに図示されているステータ302は突型(salient)集中ステータ巻線304を有するものとして図示されているが、本開示から逸脱することなく分散及び/又は非重なりステータ巻線も同様に使用することができる。ロータ306は、関連するロータコイル310を有する複数のロータ極308を画定する。
様々なステータ及びロータのトポロジ及び駆動機構に関する更なる詳細は、米国仮特許出願第17/151,978号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図示されているように、ロータコイル310のそれぞれはアクティブ整流器311に短絡されている。各コイル310に対してアクティブ整流器を有するように図示されているが、本開示から逸脱することなく他の構成を使用することもできる。例えば、複数のロータコイルを単一のアクティブ整流器に直列又は並列に導電結合することができる。アクティブ整流器トポロジの例は、本開示全体にわたって提供される。アクティブ整流器のコンポーネントの選択は、電圧降下、逆電圧降伏、回復時間などの様々な要因に応じて決まる。所望の動作条件に応じて、異なるコンポーネントを使用できる。アクティブ整流器により、パッシブ整流方式と比較してリップルが低減され、電流がロータコイル310のそれぞれを通って所望の方向に所望の大きさで選択的に流れることが可能になる。
アクティブ整流器311はそれぞれのコイル310上に配置されるように示されているが、幾つかの実装形態では、アクティブ整流器はロータ内又はロータ上の別の場所に配置される。例えば、幾つかの実施形態では、アクティブ整流器311はロータコア内又はロータコア上に配置される。
アクティブ整流器311は、回路結合器422によってロータコイル310に導電的に結合される(図4A及び図4Bを参照)。幾つかの実装では、回路結合器422は、ロータコイル310自体の延長部、例えば、ロータコイル310を形成する銅配線の絶縁された長さである。幾つかの実装では、回路結合器422は、別個の構成要素、例えばアクティブ整流器311に差し込まれ、ロータコイル310にも(例えば、クランプ又はクリップによって)取り付けられるケーブルである。
アクティブ整流器311自体は、幾つかの実装形態では、筐体内部に回路コンポーネントを封入する筐体を含む。エンクロージャは、例えば、プラスチック又は他の絶縁材料で作ることができる。
この開示を通じてより詳細に説明されるように、エンクロージャ内では、回路構成要素(例えば、トランジスタ、キャパシタ、ダイオード、インダクタ、及び/又は抵抗、幾つか実装では、集積回路及び/又は回路基板上に統合される)の組み合わせが、ロータコイル310内の電流のアクティブ整流を実現する。幾つかの実装では、ポッティング材は、回路コンポーネントが占有していないエンクロージャ内のスペースの一部又は全てを埋める。
幾つかの実装では、アクティブ整流器311は、1つ又は複数のコイルインターコネクト(interconnects)322を含む。コイルインターコネクト322は、1つ又は複数のコイル又は巻かれた界磁極を相互に又は別個の電気回路に接続することができるワイヤの領域である。インターコネクトは動作中に小さなローカルMMFのみを生成する。これは、インターコネクトが通常、ステータ及びロータのスロットに対して実質的に垂直であるため、モータのエアギャップ全体にわたる均一な磁場生成に大きく寄与しないという事実と結びついている。図示の実装にはアクティブ制御回路(例えば、アクティブ整流器311)が含まれているが、コイルインターコネクト322内に他の個別コンポーネントを含めることもできる。例えば、ダイオードなどのパッシブ整流コンポーネントを含めることができる。或いは、又は、これに加えて、トランジスタや四極管などのアクティブ回路を含めることもできる。
ロータ極308は、ロータ表面上にトポロジ的に且つ電気的に固定される。ステータロータは、極がモータの同期座標系に対してトポロジ的且つ電磁的に固定又は静的に保持されるロータであり、例えば、ロータ306は固定極ロータである。すなわち、(固有のレベルのトルクリップルを考慮して)ロータ306は常に、ステータによって提供される駆動周波数と実質的に同じ速度で、又は同期して回転する。従って、同期座標系は磁気座標系と同じである。このため、固定極モータは「同期」モータと呼ばれることがよくある。界磁巻線ロータ、表面PMロータ、リラクタンスモータ、内部PMロータは全て固定極ロータの例である。固定極ロータの設計は、ロータのD軸312領域(ロータ極の中心)における強磁性材料の利用を最大化し、巻線界磁ロータの場合には、有効な磁気中心がD軸312に沿うことを保証する。その結果、特定のサイズと出力定格では、固定ポールロータの方がシフトポールロータよりも効率的であると考えられる。ただし、固定極ロータは、動的負荷条件及び動的運転速度下で固定極ロータを一定の電流フェーザ角度に維持することが困難であるため、制御が困難である。例えば、負荷の変化中にモータを加速したり速度を維持したりするには、位置センサ316からの入力に基づいて電流フェーザ角度318、電流の大きさ、及び/又は駆動周波数をアクティブに調整することが必要となる。本明細書で説明される概念は、ステータ磁場とロータ、例えばロータ306が動作中に相互の同期性を維持するため、主に同期機械に適用できる。
対照的に、シフトポールロータのポールは、地形的又は電磁的に固定されておらず、動作中に静止した座標系に対して移動する。つまり、ロータは常に「スリップ」し、ステータによって提供される駆動周波数に遅れるか、同期が取れなくなる。そのため、これらのモータは「非同期」モータと呼ばれることがよくある。シフトポールロータの例には、巻線及びかご形誘導ロータ、電機子巻線ロータ、ブラシモータ、及び他の同様のモータが含まれる。シフト極ロータは動作中に電流フェーザ角度318を自己調整できるが、極がロータ表面全体で均一に移動できるようにするために、D軸強磁性材料とQ軸界磁巻線の間で設計上の譲歩を行う必要がある。その結果、このようなモータの電気抵抗は高くなり、より多くの始動電流が必要となり、所定のサイズと出力定格のシフトポールロータでは磁場強度が低くなる。
ロータ306の磁場は、磁場がロータ磁場に誘導的に電力を伝送し、その電力が捕捉されて付勢源として使用されて、ステータ巻線304によって生成される磁場によって、最終的に、付勢されるように構成されている。ロータ306及びステータ302は、励起されたロータ磁場に応じて相互に移動するように構成されている。ロータ306は、ステータ巻線304を除くステータ302のコンポーネントから実質的にエネルギー的に絶縁されている。
電気機械内では、ステータとロータを結合して、動作中の電力伝送、データ信号伝送、及び/又は界磁変調を可能にすることができる。結合は、直接結合又は間接結合として分類できる。直接結合は、エアギャップ314などの主動作エアギャップに沿ってステータとロータとの間で発生する。間接結合は、主動作エアギャップから離れた二次界面に沿って発生する。
直接結合は通常、誘導結合として特徴付けられる。例えば、かご形誘導ロータはステータに直接結合されていると見なされる。直接結合は一般的であり、非同期マシンでは容易に制御されるが、同期マシンとの直接結合は、本開示全体にわたって説明される理由により、制御が困難である。例えば、電流の大きさ及び/又は周波数が適切に維持されていることを確認するために、ロータの位置を知る必要があることがよくある。
間接結合は二次結合に沿って動作し、半径方向又は軸方向に配置でき、電気接点、別個のエアギャップに沿った誘導結合、容量結合、又は光学結合を介して通信してもよい。二次カップリングは電気機械の効率や全体的な制御性を向上させるために様々な機能に使用できるが、多くの場合、追加のコンポーネントが必要になるため、そのようなシステムを利用する機械の重量、複雑さ、故障頻度、コスト(運用コストと資本コストの両方)が増加する可能性がある。
本開示を通じて説明されるような、エネルギー的に絶縁されたモータ及び発電機は、主に(標準的な電磁シールド許容範囲内で)直接結合を使用して、間接結合又は二次結合を使用せずに、ステータとロータとの間で電力及び信号を伝送する。本明細書で説明される電気機械は、電力結合と信号結合の両方のために、ロータ306とステータ302との間の直接結合を含む。直接信号結合は、例えばアクティブ整流器311の状態を制御するために使用できる。直接電力結合は、例えば、ロータ界磁巻線を介してアクティブ整流器311に通電し、最終的には、(例えば、直接信号結合によって制御されうる)ロータ界磁巻線に戻すのに使用できる。
ロータ306は、ロータ306内に埋め込まれた永久磁性材料320を含む。図示のように、ロータ306は、各ロータ極間に実質的にスポーク状に配置された永久磁性材料320のチャネルを含む。しかしながら、本開示から逸脱することなく、永久磁性材料320の他の配置を使用することもできる。永久磁性材料320は、フェライト、AlNiCo、SmFeN、NdFeB、又はSmCoを含む様々な材料を含むことができる。通常、より低出力の永久磁性材料が使用されるが、本開示から逸脱することなく、より少量のより高出力の磁性材料を使用することもできる。永久磁性材料320は、各ロータ極308の長手方向の全長にわたって、又は各ロータ極308の一部にわたって延在することができる。幾つかの実装では、永久磁性材料320は、複数の層又は積層体で構成することができる。
図示されるように、永久磁性材料320は、実質的に各ロータ極308の間に正味の磁力を生じさせる。幾つかの実装では、永久磁性材料は、永久磁性材料320からの正味の磁力がロータ極308と整列するように配置することができる。一般に、永久磁性材料320の配置は、ロータ内の磁性材料の所望の断面磁束密度に依存する。永久磁性材料320がロータコイル310内に配置される実装では、周囲のロータコイル310の電荷を調整することによって、永久磁性材料320の各セットの磁束を個別に調整及び/又は変調することができる。このような実装は、強力なステータ磁場によって引き起こされる可能性のある減磁からも磁石を保護する。永久磁性材料320がロータコイルによって囲まれていない実装では、ステータ磁場によって引き起こされる磁束の調整が、ロータ306内の複数のセットの永久磁性材料320に影響を与える可能性がある。本開示の主題は、永久磁性材料320を含むものとして時々説明されるが、永久磁性材料を含まないロータにも依然として適用可能である。
図4A~4Cは、例示的なロータコイル310の正面図、側面図、及び斜視図である。図3A及び3Bに示されるように、各ロータコイル310は、ロータ極308などの各極の周囲に単一のコイルを有する独自の巻線として機能する。従って、ロータは、集中巻線、突型(salient)巻線、及び/又は非重なり(non-overlapping)巻線を含むものとして説明することができる。幾つかの実装では、各コイルの巻線方向は、隣接する各ロータ極308と交互になることができる。例えば、突型巻線、集中巻線、及び/又は非重なり巻線を有するステータを使用する実装形態では、そのような配置を使用することができる。或いは、アクティブ整流器311の整流方向は、隣接する各極と交互になるように制御することができ、同様の結果が得られる。幾つかの実装では、隣接するロータ極間で巻き方向を交互にする必要はない。例えば、分布巻を備えたステータを使用する実装では、そのような配置を使用できる。ロータコイル310は、(例えば、アクティブ整流器311を介して)それ自体で短絡された単一のワイヤコイルとして示されているが、各コイルがそれ自体で短絡し、隣接するコイルと重ならない限り、他の幾何学的形状を使用することができる。幾つかの実装では、例えば、アクティブな整流器を共有するために、同じ極性の極を互いに短絡することができる。このような構成は、本開示全体にわたって説明される。同様に、各極の巻き方向に応じて、反対の極性の極が互いに短絡してもよい。一般に、ロータコイルは、電力伝送周波数の電流表皮深さがコイルの導体を完全に貫通するように構成されることが多い。本開示の文脈における「電流表皮深さ(Electrical current skin depth)」とは、電流、特に所定の周波数で変化する磁場から誘導される渦電流が主に流れる導体の表面からの深さを指す。特定の材料について、表皮深さは次のように計算できる。
ここで、「f」は、磁気スイッチング周波数であり、μは、材料の透磁率(H/mm)であり、σは、材料の導電率である。ロータコイル310内で完全な表皮深さの貫通を達成することにより、ロータコイル310内で均一なインダクタンスが可能になる。幾つかの実装では、駆動周波数は、0ヘルツから20ヘルツまで拡張できる。幾つかの実装では、駆動周波数の範囲は、100ヘルツから3000ヘルツである。一般に、ロータコイルは、ロータからの磁場の変化に応じてロータ内の磁束の減衰がロータコイル内の電流によって抵抗されるように配置されている。
従来、同期モータには材料を磁化するための磁化電流がないため、工場又は設置前に磁石を磁化する必要があった。そのため、使用中に磁性体が減磁した場合、(例えば、ステータに過大な負荷がかかるため)磁石が破損する可能性があり、又は、モータが完全に動作不能になる可能性がある。ロータコイル310は、ステータの潜在的な減磁効果から永久磁石を保護するのに役立つ。
ロータコイル310のそれぞれに結合されたアクティブ整流器311は、動作中のモータ内のトルクリップルを低減するのに役立つ。アクティブ整流器311は、部分的には、エアギャップ314における磁束の通電の遅延を低減することによってこれを行う。ロータコイル310は、磁場の変化に応じたロータ巻線内の電流によるロータ内の磁束の減衰に抵抗するが、ロータコイル310は、ロータコイル310がさらされる駆動サイクルの部分に関係なく、整流なしでこの機能を実行する。すなわち、整流されていないロータコイルは、駆動周波数の正の部分と負の部分の両方に対して対称である。このような構成では、測定可能な量のトルクリップルが発生する可能性がある。
パッシブ的に整流されるロータコイルの場合、ロータコイルは、第1の電流がゼロに減少するまで、ロータ巻線内に第1の方向に第1の電圧を誘導することによって、磁束の第1の変化を可能にし、磁束の2回目の変化により、ロータ巻線内に2番目の方向の電流が誘導される。アクティブに制御されるロータ回路では、ロータ極電流をゼロにすることなく、ボルト秒のエネルギーをロータに加えることができる。例えば、ロータ巻線内の電流を選択的に一方向にすることができ、動作中のトルクリップルを大幅に低減できる。
例えば、様々な実装において、ロータ電流のDCコンポーネントは、ロータ電流のリップルの大きさの少なくとも2倍、ロータ電流のリップルの大きさの少なくとも5倍、ロータ電流のリップルの大きさの少なくとも10倍、ロータ電流のリップルの大きさの少なくとも20倍、ロータ電流のリップルの大きさの少なくとも50倍、又は、ロータ電流のリップルの大きさの少なくとも100倍である。
動作中、コイル310及びアクティブ整流器311を流れる電流は、ゼロ又は非ゼロなどの所望の量まで減少することが可能であり、又はアクティブ整流器311によってアクティブにゼロ又は非ゼロにすることができる。電流が所望の量まで減少することが許容される場合、この演算は、電流フェーザ角度318を90°未満に減少させることによって実行できる(つまり、隣り合う極を「押す」のではなく、極を「引く」)。コイル310及び整流器311内の電流は、電流フェーザ角度が90°未満である持続時間内に減衰することが許容される。このような継続時間は、ロータの速度と飽和度に応じて、数ミリ秒から2秒の範囲になる。結果として生じる磁場は、D軸変調によって行われるロータ磁場コイルのD軸との相互作用を通じてエネルギーを与えることができ、又は、幾つかの実施形態では、機械の電流フェーザ角度又は大きさ(通常は0°~90°の間)の変調である。
幾つかの実装では、アクティブ整流器311は、アクティブに減衰時間を大幅に短縮することができる。例えば、パッシブ整流システムと比較して、減衰時間は10分の1、100分の1、1000分の1、又はそれ以上短縮されうる。減衰後、コイル310内の電流が増加するにつれて、電流フェーザ角度(又はフェーザの大きさ)が増加する。このプロセス全体を通じて、電流フェーザ角度318を調整する際にリップル電流を打ち消すために、電流の大きさは、電流フェーザ角度318及び整流の方向と併せて変調することができる。
特定のモータ動作中、例えば、ロータがロックされた状態(例えば、始動時など)において、Q軸(90°)と負のD軸(180°)の間で動作する場合、実質的な誘導減衰を伴って(例えば場の維持)高レベルの電荷が使用さる。このような制御スキーム(コイル310と組み合わせた)の下では、ロータ磁場は、電流フェーザ角度318又は電流の大きさに基づいて変調することができる。これにより、動作中の動作範囲が広くなる可能性がある。負のD軸からQ軸への動作は、永久磁性材料320を(少なくとも部分的に)保護するシールド効果を提供し、これにより、永久磁石同期モータと比較して、より少ない磁性材料、より低い保磁力材料、又はその両方を使用することが可能になる。もう1つの利点は、永久磁石モータと比較して、D軸インジェクションによる磁場の弱めが一定ではないことである。同様に、ロータの磁場は、ステータを通過する電流の大きさによって調整できる。多くの場合、電流の大きさと電流フェーザ角度の両方を同時に調整して、必要なロータ磁場を変調することができる。
図5Aは、前述したアクティブ整流器311に使用できるアクティブ整流器の少なくとも一部の例示的なトポロジである。アクティブ整流器は、2つのダイオード502a、502bと2つのスイッチ504a、504bを含む非対称ブリッジ回路500を含む。ダイオード502a及びスイッチ504aはそれぞれロータ巻線の第1のノード506aに結合され、ダイオード502b及びスイッチ504bはそれぞれロータ巻線の第2のノード506bに結合される。それぞれのダイオード/スイッチ対間のノード506は、ロータ巻線の両端に対応する。キャパシタ508は、ダイオード/スイッチ/ロータ巻線アセンブリと並列に配線される。スイッチ504a、504bを制御する回路コンポーネントの例は、図5Aには示されておらず、図6A~図7Bを参照して説明する。
例えば、p-n接合ダイオード、ガスダイオード、ツェナーダイオード、又はショットキーダイオードなどの、幾つかのタイプのダイオードを使用することができる。幾つかの実装では、ショットキーダイオードが使用される場合、ショットキーダイオードは炭化ケイ素ダイオードであってもよい。ダイオードの選択は、電圧降下、逆電圧降伏、回復時間などの様々な要因に応じて決まる。所望の動作条件に応じて、異なるダイオードを使用できる。幾つかのタイプのダイオードを列挙したが、本開示から逸脱することなく他のダイオードを使用することもできる。
幾つかの実装では、各スイッチ504a、504bは、1つ又は複数のトランジスタを含む。例えば、バイポーラ接合トランジスタ、FET(例えば、MOSFET)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ、及び絶縁ゲートバイポーラ接合トランジスタなど、幾つかのタイプのトランジスタを使用することができる。幾つかの実装では、スイッチ504a、504bはリレーを含むことができる。ロータ巻線電流がスイッチ504a、504bを通過するため、スイッチ504a、504bに含まれるトランジスタは、例えば、数アンペア(multiple amps)など、大電流用の定格であってよい。
図5Bは、例示的なフルブリッジ整流器回路510を示す。フルブリッジ整流器回路510は、ダイオード502a、502bがスイッチ504c、504dに置き換えられることを除いて、非対称ブリッジ回路500と同様に動作する。幾つかの実装では、この置換により、少なくとも各スイッチが対応するダイオードよりも低い実効オン抵抗を有することができるため、非対称ブリッジ回路500に比べてフルブリッジ整流器回路510における導通損失を低減することができる。スイッチ504c、504dに加えて、フルブリッジ回路は、図5Aを参照して説明したように、スイッチ504a、504b及びキャパシタ508も含む。スイッチ504a、504bを制御する回路コンポーネントの例は、図5Bには示されておらず、図6A~7Bを参照して説明する。
一般に、ステータ巻線は、トルク制御信号、電力伝送信号、データ信号の3種類の信号で駆動される。トルク制御信号は、トルク制御信号を受信するステータ巻線に磁場を生成し、この磁場がロータ巻線の磁場と相互作用して、ステータに対するロータの動きを駆動する。電力伝送信号は、ステータからロータに電力を無線で(又は誘導的に)伝送する変調又は変調信号(例えば、振幅又は周波数が変調された信号)であり、例えば、ロータ巻線に通電して起磁結合用の磁場を生成したり、ロータ上の回路に電力を供給したりすることに最終的には使えるかもしれない。データ信号は、データ(エンコードされた制御情報など)をステータからロータに無線で(又は誘導的に)伝送する変調である。幾つかの例では、ステータ巻線は、複数のタイプのステータ信号として分類され得る信号(例えば、多目的信号)で駆動される。例えば、ステータ巻線は、トルク制御信号と電力伝送信号の両方として分類される信号で駆動されてもよく、この場合、信号はステータ巻線に磁場を生成し、ステータに対するロータの動きを駆動し、また電力はステータからロータに誘導的に伝送される。幾つかの例では、ステータ巻線は、ステータ巻線を通る信号がこれらのステータ信号の1つ又は複数の重畳となるように、これらのステータ信号の1つ又は複数によって同時に駆動されてもよい。例によっては、ロータ巻線もトルク制御信号で駆動されてよく(例えば、それぞれのロータ巻線に磁場を生成し、ステータ巻線の磁場と相互作用してロータを回転させる)、電力伝送信号で駆動されてもよく(例えば、余剰電力を誘導的にステータ巻線に戻すため)、及び/又は、データ信号で駆動されてもよい(例えば、データをロータ巻線からステータ巻線に誘導的に伝送するため)。
D/Q結合アプローチは、本開示に含まれるマシンを制御するために採用されてもよく、これによって、磁場D/Q成分(制御可能なチャネル/軸)を使用して機械内でトルクを生成及び制御し、ステータとロータの間で電力を伝送し、ロータ回路に指令を与えるために、D/Qシステムが確立され利用されてもよい。
同期D/Q座標系のロータ巻線の観点から見ると、幾つかの実装では、トルク制御信号は公称DC信号として現れる場合があり、ステータからの電力伝送信号は、これらの公称DC信号から変調されたAC又はDC信号成分として現れることがあり、データ信号は、これらの公称DC信号から変調されたAC又はDC信号成分として現れることがある。
数学的には、D/Q表現では、ステータ巻線のトルク制御電流は次のように表すことができる。
=Imag*sin(θ
=Imag*cos(θ
=0
ここで、θは、同期座標系内の電流フェーザ角度であり、Imagは、パーク変換を介してI及びIに変換された、特定の励起の電流の大きさである。z軸は、D軸、Q軸に直交する軸である。幾つかの実装では、Iはゼロ、又は実質的にゼロ(例えば、無視できる強度の場)であり、無視することができるが、他の実装では、適切なマシントポロジが与えられた場合、電力伝送及び/又はデータ信号伝送はZ軸上で実行できる。
電力伝送及び/又はデータ信号変調は、以下のようにこれらのコンポーネントの1つ以上に重畳できる。
D,total=I+ID,mod
Q,total=I+IQ,mod
z,total=I+Iz_mod
各Imodには、電力伝送信号、データ信号、又はその両方を含めることができる。
4極ロータの実施形態で純粋な直角位相で動作(θ=90°)すると、
=Imag
=0
=0
であり、ID,mod及び/又はIZ,modは、0信号に対して適用される変調である。しかし、ID,mod及び/又はIZ,modは、0信号に対する変調である必要はない。例えば、θ≠90°の場合、ID,modは、同期座標系内のゼロではないDC値に対する変調である。尚、D/Q座標系内の「DC」信号は、例えば、特定の動作点の同期座標系への三相交流信号の変換を表す公称DC信号であり、DC信号はモータの状態に応じて変化する可能性がある。
幾つかの実装では、ID,mod、IQ,mod、及び/又はIz_modに含まれるデータ信号は、独立したデータを搬送する別個のデータ信号励振であり、本質的に個別に処理できる。しかし、幾つかの実装では、データ信号は、例えば、電流角度及び/又は総電流の大きさの変調において、ID,mod、IQ,mod、及びIz_modの2つ以上の組み合わせに埋め込まれる。幾つかの実装では、ロータ回路構成は、データ信号励起によるステータとの相互作用に使用できる制御可能な軸を定義するのに役立つ。
「電力伝送」及び関連用語は、無視できない起磁力を生成するのに十分な量のロータ巻線に通電するステータとロータの結合を指す。「データ信号伝送」及び関連用語(データ信号など)は、主にデータ伝送を表すステータとロータの結合を指し、例えば、無視できない起電力を発生させるほどロータ巻線に十分な電力を供給しない。
ある場合には、電力伝送は、伝送される電力の大きさによってデータ信号伝送と区別されてもよい。例えば、電力伝送は、データ信号伝送の少なくとも10倍、少なくとも100倍、又は少なくとも1000倍の、ステータ巻線からロータ巻線へ伝送される電力に関連してもよい。ある場合には、電力伝送は、関連するステータ電圧の大きさによってデータ信号伝送と区別されてもよい。例えば、電力伝送に関連するステータ電圧は、データ信号に関連するステータ電圧の少なくとも10倍、少なくとも100倍、又は少なくとも1000倍であってもよい。ある場合には、電力伝送は、伝送が行われる周波数によってデータ信号伝送と区別されてもよい。例えば、データ信号伝送を表す電流や磁場は、電力伝送を表す電流及び/又は磁場の周波数の少なくとも10倍、少なくとも100倍、又は少なくとも1000倍である周波数で振動するかもしれない。ある場合には、電力伝送は、それぞれのステータ電流の形式によってデータ信号伝送と区別されてもよい。
ステータD軸とロータ巻線の間の関係は、エアギャップのあるステータD軸巻線とロータ巻線を含む等価回路を使用してモデル化できる。例えば、三相巻線界磁同期モータにこの手法を使用すると、電力伝送のためのD軸電流(I)は次のように表すことができる。
は、D軸電流であり、Lは、励磁インダクタンスであり、Lは、ステータD軸インダクタンスであり、Lは、ロータ巻線インダクタンスであり、ωは、周波数であり、Vは、ロータ巻線電圧であり、Vは、ステータD軸電圧であり、
は、フェーザ角度である。φが90°付近にあり、漏れインダクタンスが励磁インダクタンスに比べて小さいと仮定すると、Iの振幅は次のように近似できる。
更に、ステータ巻線とロータ巻線の間の電力伝送は、巻線の巻数比(つまり、各コイルセットの巻数)に基づいて増減させることができる。
実装は、本開示で明示的に説明されるD軸結合及びQ軸結合の例に限定されない。一般に、ステータからロータへの界磁結合(トルク制御、電力伝送、及び/又はデータ信号)は、モータ内の様々な制御可能なチャネル(軸)にわたって実装できる。トルク制御、動力伝送、及び/又はデータ信号伝送は、適切なステータトポロジ、ロータトポロジ、及び/又は励磁パターンに基づいて、これらの軸の1つ、2つ、又はそれ以上において、トルクを制御し、電力を結合又は伝送し、データ信号を伝送するステータ側の発振電流を使用して実行されてよい。ある場合には、軸は機能間で共有されるが、場合によっては1つの軸が単一の機能専用になることもある。例えば、適切なロータ回路トポロジがあれば、電力伝送を第1軸で実行し、データ信号を第2の異なる軸で送信したり、1つの軸を両方に使用したりできる。
ある例では、ステータとロータは、他の制御可能なチャネル(軸)を介して制御される。例えば、電気機械は、MK座標系と呼ばれる別の同期座標系に関して説明することができる。MK座標系には、相互インダクタンス軸(M軸)、漏れインダクタンス軸(K軸)、直角位相軸(Q軸)、ヌル軸(N軸)が含まれおり、それぞれは、(例えば、D軸、Q軸、N軸に関して)、上述したように、電気機械におけるトルクの制御、電力の伝送、及び/又はデータ信号の伝送に使用できる制御可能な軸であってもよい。例えば、M軸、D軸、Q軸、及び/又はN軸に変調を導入することにより、ロータはステータ巻線から誘導的に電力変換信号及び/又はデータ信号を受信できる。
ここで説明するD軸とQ軸を有する直接直交ヌルロータ(direct-quadrature-null-rotor (DQNR))座標系と同様に、コントローラは、適切な変換を使用して、静止座標系(例えば、制御可能な軸としてステータとロータの位相を含む)とMK座標系の間で変換し、又は、DQNR座標系とMK座標系の間で変換してもよい。例えば、A、B、C、R(静止)座標系から(回転)MK座標系への変換に適用されるMK変換は次のようになる。
例えば、I、I、I、及びINullを決定するために、モータコントローラ135は、MK変換にI、I、I、及びIの一次元電流行列を乗算して、I、I、I、及びINullのMK座標系内の1次元の電流行列を取得してもよい。
直接軸(D軸)、直角位相軸(Q軸)、ヌル軸(N軸)、ロータ界磁軸(R軸)(DQNR)座標系を使用した巻線界磁同期モータの制御方式と比較して、MK座標系を使用する制御スキームは、D軸とR軸の間のクロスカップリングを排除又はほぼ排除することで、制御の複雑さを軽減できる。MK基準系及び電気機械におけるその使用の更なる詳細及び説明は、2021年7月7日に出願された同時係属中の米国仮出願第63/219,096号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
更に、本開示による幾つかの実施形態は、巻線以外にステータ-ロータ結合要素を含まないが、幾つかの実施形態は、追加の結合要素、例えば、ブラシ、スリップリング、光送信機/センサなどを含む。これらの追加の結合要素は、幾つかの実施形態では、データ信号送信及び/又は電力伝送に使用され、界磁結合軸と並んで代替の制御可能な軸を表すことができる。
機能をさまざまな制御可能な軸に分散できるさまざまな方法に加えて、機能をさまざまなロータ巻線に分散することもできる。最初のロータ巻線はデータ信号伝送に使用され、2番目の異なるロータ巻線は電力伝送に使用され、トルク制御は、第1及び第2のロータ巻線の一方又は両方への結合によって、又は第3の巻線への結合によって行われてもよい。更に、異なる機能を行う巻線は、ステータからの同じ磁束にさらされる(たとえば、極対を形成する)場合もあれば、異なる磁束にさらされる場合もある。幾つかの実装では、1つのロータ巻線がデータ信号伝送と電力伝送の両方に使用される。
例えば、(以下でより詳細に説明する)図16では、巻線1602a及び1604aは、第1の磁束にさらされる第1の極対を形成し、巻線1602b及び1604bは、第2の磁束にさらされる第2の極対を形成する。幾つかの実装では、例えば、巻線1602a、1602bを介したAC電力伝送によって巻線1604a、1604bに通電するために、電力伝送は両方の磁束を通じて行われる。しかしながら、データ信号は、電力伝送信号とは異なり、第1の磁束、第2の磁束、又は両方の磁束を介して伝送されてもよい。例えば、第1の磁束内のデータ信号が、(例えば、ロータ巻線1602a及び/又は1604aの電流/電圧から)抽出されてもよく、巻線1602a、1604aだけでなく巻線1602b、1604b、及びロータ内の他の巻線についてアクティブ整流器のスイッチングを決定するために使用されてもよく、データ信号は必ずしも第2の磁束にも含まれることがない。
図16の文脈における自己同期ロータ制御スキームにおける機能巻線リンケージの例では、ステータの状態(例えば、ステータ巻線の電圧及び/又は電流)は、ロータ巻線1602aの電圧及び/又は電流と、ロータ巻線1602aだけでなく、幾つかの実装では、他のロータ巻線、例えば、ロータ巻線1604a、1602b、1604b、及び/又は他のロータ巻線についてのアクティブ整流の制御に使用される推定の結果とに基づいて、推定されてもよい。
アクティブ整流器回路の制御には、様々な制御方式を使用できる。一部の制御方式は、ステータからロータへの特別なデータ信号の送信を必要としない「自己同期型」であり、むしろ、ロータ側の回路は、(例えば、動力伝送信号及び/又はトルク制御信号に基づいて)ロータ巻線に通電してロータの動きを駆動する同じD軸及び/又はQ軸電流によってロータ巻線に誘導される電流に基づいてアクティブ整流器回路を制御する。他の制御方式は、例えば、ステータ巻線からロータ巻線へのD軸電流及び/又はQ軸電流に埋め込まれた(例えば、動力伝送信号又はトルク制御信号に組み込まれた)データ信号などの、エンコードされたデータ信号を含むという点で「信号駆動型」であり、モーターステータスデータをステータからロータに渡す。信号駆動制御方式は、代替的又は追加的に、動力伝送及び/又はトルク制御に使用される軸とは別の軸にデータ信号を含むことができる。一部の制御方式には、自己同期機能と信号駆動機能の両方が含まれている。
ステータ側の電流はステータ側の電圧に対応する可能性があるため、電流に埋め込まれた信号を含むスキームは、電圧に埋め込まれた信号を含む等価なスキームに対応する可能性がある。ステータ側電圧の信号に関して本開示で説明される実施形態は、ステータ側電流の信号と等価であり、また、ステータ側電流の信号を説明することもでき、またその逆も同様である。
これらの方式では、ステータとロータの追加の結合要素が必ずしも必要ではなく、むしろ、幾つかの実装では、信号は、ロータ巻線の通電と動作にすでに使用されているステータ巻線とロータ巻線を使用して送信される。これにより、ステータからロータに信号を送信するための特別な検出器、センサ、有線若しくは無線接続、又はブラシを組み込む方式と比較して、コストが削減され、パフォーマンスと柔軟性が向上する。
図6Aは、ロータ制御のための例示的な回路図を示す。この例では、ロータ巻線600は、ロータ巻線600内の電流を整流するアクティブ整流器回路602に結合される。推定部604は、ロータ電流I及びロータ電圧Vを測定又は推定し、これらの値に基づいて推定ステータAC電圧Vを決定するように構成されている。Vに基づいて、推定部604は、アクティブ整流器回路602の切り替え可能な要素を制御して、ロータ電流に所望のタイミング及びレベルを与える。
例えば、ステータと電圧巻線の一部の構成では、ステータ電圧Vは、方程式V=L・dI/dt+Vによって、I及びVに関係付けられる。ここで、Lはステータとロータの間の実効漏れインダクタンスであり、Iはロータ漏れ電流(ロータ電流のインジェクションコンポーネント(injection component))である。従って、ロータ側の測定又はI及びVの推定により、Vの推定が可能になる。これは自己同期計算である。なぜならば、Vは、別個のデータ信号に基づくのではなく、電力伝送信号及び/又はトルク制御信号によって誘導されるロータ電流/電圧に基づいて推定されるためである。
この式はステータ-ロータシステムの1つの考えられるモデルを表しているが、他のモデルを代わりに使用して、ロータ巻線の電圧及び/又は電流に基づいてステータ側の値を推定することもできる。例えば、推定部604内のデジタルメモリは、ステータ-ロータシステムの1つ以上の数学的モデルを記憶し、これらのモデルをデジタルロジックと組み合わせて使用して、推定ステータ信号パラメータを決定してもよい。
に基づいて実行できる制御機能の例には、次の1つ又は複数が含まれる。ステータAC電圧の位相が推定され、ロータ電流/電圧波形が直角位相で制御されて電力伝送を制御する(例えば、電力伝送を最大化するため)。ステータAC電圧の周波数を推定し、ロータ電流/電圧波形を制御して、ステータのAC電圧の周波数と一致する周波数を持つようにする、又は、ステータAC電圧と異なる事前定義された関係を持つようにする。ステータAC電圧の振幅を推定し、及び、ロータ電圧波形を制御して、ステータAC電圧の振幅と一致するか、ステータAC電圧の振幅の2倍の振幅を持つようにする、又は、ステータAC電圧と異なる事前定義された関係を持つようにする。
及びIの両方を測定又は推定する必要はない場合があり、むしろ、幾つか実装では、これらの値のうちの1つだけが測定又は推定され、制御機能はその測定又は推定に基づいて実行される。
図6Bは、自己同期制御方式の詳細な例を示す。ロータ巻線600は、ロータ巻線600内の電流を整流するアクティブ整流器回路602に結合される。推定部606は、これらの値に基づいて、ロータ電流I及びロータ電圧Vを測定又は推定し、推定ステータAC電圧Vを決定し、推定ステータACインジェクション周波数f、及び推定ステータACインジェクション位相φを決定するように構成されている。
インジェクション周波数fに基づいて、コンバータ部608は、対応するロータ電流設定値IR,Spを決定する。この決定は、f及びIR,Spとの間の所定の関係に基づいて行われる。例えば、幾つかの実施形態では、より低いステータACインジェクション周波数でより多くの電力が伝送され、所定の関係によって、逆にfからIR,Spが決定される。
ロータ電流設定値IR,Sp及び測定又は推定されたロータ電流Iは、ゲート駆動ユニット612に入力を提供する比較器610に供給され、入力は、ロータ電流をロータ電流設定値に一致させるためにゲート駆動ユニット612によって使用される。例えば、幾つかの実装では、ロータ位相φは、推定されたステータACインジェクション位相φに基づいて、ステータAC電圧とロータ電圧/電流との間の相対位相を増減させるように調整される。相対位相は伝送される電力量を調整し、従ってロータ電流を調整する。
ゲート駆動ユニット612は、例えば、トランジスタのゲート電圧又はトランジスタのベース電圧を変調することによって、アクティブ整流器回路602内のスイッチング素子(例えば、トランジスタ)を制御する。
この例では、推定ステータAC電圧Vは、ゲート駆動ユニット612、比較器610、又は別のロータ論理ユニットに直接供給されないが、幾つか実装では、Vは、アクティブ整流器回路602の要素を制御するために使用される論理演算でも使用される、又は、代わりに使用される。
様々な実装において、この例の論理演算以外の他の論理演算を使用して、ロータ電流/電圧が、ステータ電圧によって誘導された、測定又は推定されたロータ電流及び/又は電圧に基づく、特定の振幅、周波数、位相、又はその他のパラメータを持つようにしてもよい。推定部は、測定又は推定されたV及びI以外のデータを入力として受け取ってもよく、例えば、これらの値の測定又は推定の代わりに、又はそれらに加えて、ロータ回路は、V及び/又はIの極性切り替えイベントを検出し、それらのイベントに基づいて推定を行うことができる。
また、推定されたステータ側パラメータの例V、f、及びφの他に、例えば、ステータ電流I又はステータ電流/電圧極性切り替えイベントなどの、他のステータ側パラメータを推定することもできる。フェーズロックループ法は、ロータ周波数をステータ周波数に同期させたり、ロータ周波数の特定の相対位相を設定したり、その他のロータ側制御を実行したりするために使用できる。
図7Aは、信号駆動型ロータ制御方式で使用されるステータ側電圧の例を示す。本開示を通じて説明されるように、ステータ側電力伝送電圧700は、ロータ巻線への電力伝送を実行するために使用される。ただし、(様々な実装において、例えばトルク制御電圧でありうる)電力伝送電圧700に加えて、追加のデータ信号702は、ステータ巻線電圧に埋め込まれており、(普遍的ではない)この例では、電力伝送電圧700と同じ制御可能な軸に沿っている。データ信号は、結果として生じるロータ電圧設定値704を制御するために、ロータ内の検出器部によって使用される。この例では、電力伝送とデータ信号伝送の両方が同期座標系のD軸上で実行され、両方の結合は同じロータ巻線712に接続される。しかしながら、上で述べたように、これは一般に当てはまる必要はない。
データ信号702は、同じくデータ信号702と同じ制御可能な軸に沿って結合される電力伝送電圧700よりも著しく高い周波数を有するように構成される。例えば、幾つかの実装では、電力伝送電圧又はトルク制御電圧の周波数は、100Hz~500Hzであり、データ信号の周波数は1kHz~10kHzである。更に、データ信号の周波数は、ステータインバータのスイッチング周波数の2倍未満、例えば、ステータインバータのスイッチング周波数の1/10未満であってもよい。
データ信号及び電力伝送信号は、トルク制御信号及びロータの基本的な動き(回転周波数など)に対して特定の周波数関係を持つ必要はない。例えば、データ信号と電力伝送信号は、トルク制御信号の高次高調波である必要はない。むしろ、駆動周波数(トルク制御信号の周波数)は、他の信号(例えば、電力伝送信号やデータ信号)の周波数から独立していてもよく、モータ動作状態の変化は、例えばデータ信号の対応する変化に反映される必要はない。例えば、ロータ速度の変更はトルク制御速度の変更に同期して対応でき、データ信号周波数及び/又は電力信号周波数は一定に維持したり、FMデータ送信用に変調したりできる。
例えば、第1の動作モード中、トルク制御信号は周波数f1を有してよく、第2の動作モード中、トルク制御信号は、f1とは異なる周波数f2を有してよく、両方の動作モード中のデータ信号及び/又は電力伝送信号は、一定の周波数、又はFMデータ伝送を実行するために一定の周波数から変調された周波数を有してよい。
この様々なステータとロータの相互作用の切り離しにより、ロータ側の回路設計の柔軟性が向上し、ロータの動作条件に基づく信号伝送に制限される必要がなくなる。
図7Aの例では、データ信号702は、バイナリのオン/オフデータをロータ巻線に送信する。データ信号702がオン/アクティブであるとき(例えば、タイムスパン706の間)、ロータ電圧設定値704は正になるように制御される。データ信号702がオフ/非アクティブであるとき(例えば、タイムスパン707の間)、ロータ電圧設定値704は負になるように制御される。従って、データ信号702は、ロータ電圧設定値704(従って、非理想性及びスイッチング遅延を無視したロータ電圧)を引き起こして、90°の位相遅れで電力伝送電圧700と一致する周波数を有する。
動作上、図7Aの例示的な制御スキームは、ロータ内の検出部にハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタを含めることによって実装されうる。これにより、検出部はデータ信号702を電力伝送電圧700から分離し、それに応じてロータ電圧設定値704を調整することができる。
図7Aの例は、ロータ電圧の極性を制御するための単純なバイナリデータ送信を含む。ただし、ここで説明する方法を使用して、他の多くの種類のデータを送信することもできる。例えば、単なる極性情報に加えて、ロータ電流、ロータ電圧、ロータ周波数、及び/又はロータ位相の実際の設定値は、ステータ側データ信号の適切な構成とロータ側検出部と他のスイッチング及びロジック要素の相補的な構成とによって、送信されることができる。データ信号は、様々なフォーマットのうちの1つ又は複数の形式であってよい。例えば、振幅変調(AM)及び/又は周波数変調(FM)を使用して、データ信号内のデータをステータからロータに送信することができる。
図7Bは、図7Aの例示的な信号駆動ロータ制御方式を実装する例示的なトポロジの概略図を示す。他の情報の中でも特に制御情報を符号化することができるデータ信号は、ステータ巻線710の電圧に埋め込まれ、対応する電圧をロータ巻線712に誘導する。検出部714は、全体のロータ電流Iを測定し(他の実装では、代わりに又は追加で、他のロータパラメータが測定されてもよい)、全体のロータ電流から、符号化された情報を含むデータ信号を示す又は表す信号電流を抽出する。検出部714は、所定の論理を使用して、信号電流に基づいてロータ電圧設定値VR,spを生成する。ロータ電圧設定値VR,spは、ゲート駆動ユニット716によって使用され、アクティブ整流器718内のスイッチング素子を制御し、特に、スイッチング素子にロータ電圧をロータ電圧設定値VR,spと等しくさせる。
検出部714は、検出されたデータ信号を正しく抽出して解釈するように(つまり、エンコードされた情報をデコードするように)構成されており、ゲート駆動ユニット716に出力を提供し、この出力はゲート駆動ユニット716によって理解され、アクティブ整流器718を制御する。この検出部714は、アナログ回路を介した「ハードコーディング」を含むことができ、「ハードコーディング」は、検出されたロータ電流及び/又は電圧から特定の種類の信号を抽出するように構成され、対応する出力、抽出と出力を実行するようにプログラムされた構成可能なデジタルロジック、又はこれらの要素の組み合わせ、を提供するように構成される。例えば、検出部714のフィルタリング回路は、まずデータ信号を分離してもよく、検出部714のアナログ/デジタル変換器は、データ信号をデジタルデータストリームに変換してもよく、検出部714のマイクロプロセッサ(例えばコントローラ)は、デジタルデータストリームを分析して出力(例えばロータ電圧周波数設定値)を取得し、出力をゲート駆動ユニット716に渡してもよく、ゲート駆動ユニット716は、ロータ動作を出力に一致させるために必要なスイッチング動作を実装する。
ロータ上のマイクロプロセッサは、例えば、ロータ上の1つ以上のキャパシタ、例えば、ロータのアクティブ整流器に含まれる1つ又は複数のキャパシタ、によって電力を供給されてもよい。これらのキャパシタはステータによって間接的に充電されるため、モータがオフのときは非充電状態になり、従ってマイクロプロセッサもオフになる。しかし、幾つかの実装では、アクティブ整流器は、キャパシタが充電され、マイクロプロセッサに電力が供給されてスイッチング動作を制御できるようになるまで、パッシブ的に動作する。この機能に関連する特徴は、図20を参照してより詳細に説明される。
マイクロプロセッサは、例えば、ロータに取り付けられ、電力伝送にも使用される制御可能な軸に結合するように配置された追加のコイルなどの、ロータ内又はロータ上に含まれる専用の低電圧変圧器によって代替又は追加で電力を供給されてもよい。追加のコイルの巻数は、マイクロプロセッサが動作するために必要な電圧を提供するように構成されてもよい。従って、電力伝送信号は、アクティブ整流を可能にするために、マイクロプロセッサに個別の専用電力も供給する。
幾つかの実装では、マイクロプロセッサは、代替又は追加で、例えばロータに含まれるバッテリなどのロータ電源によって電力を供給される。
この開示ではデータ信号を他の信号に「埋め込まれている」と表現することがあるが、幾つかの実装では、データ信号(D/Q定式化における)は非ゼロ信号に「埋め込まれ」ていないが、特定の制御可能な軸に沿った唯一の信号である。
幾つかの実装では、自己同期型及び信号駆動型の制御方式は、同時に、又は相互に組み合わせて使用される。例えば、自己同期を使用してロータ電圧周波数を制御したり、データ信号を抽出して解釈してロータ電流設定値を制御したりすることができる。
集合的に、検出部714、ゲート駆動ユニット716、及びアクティブ整流の制御に関与する他のユニット及び/又は回路(例えば、図6Bに示される比較器610及びコンバータ部608)は、制御に基づいているか自己同期方式であるかにかかわらず、ロータ制御ユニットと呼ばれることがある。
図8は、図5Bのアクティブ整流器に導電的に結合されたロータ巻線のステータ側及びロータ側の電流及び電圧の例を示す。具体的には、曲線800は、生成された磁場に基づいてロータ巻線によって感知される、ステータからのD軸電圧の例(例えば、D軸インジェクション電圧とも呼ばれる電力伝送信号)を示し、曲線802は、アクティブ整流器によって制御される、ロータ巻線にかかる電圧を示し、曲線804は、アクティブ整流器によって制御される、ロータ巻線を流れる電流を示し、曲線806は、キャパシタ508の両端の電圧を示す。
図8に示すように、D軸電圧800は、50%のデューティサイクルの方形波である。幾つかの実装では、D軸電圧800は0Vを中心とする。しかし、幾つかの実装では、D軸電圧800は、トルク生成に寄与し、ステータ上にD軸電流を生成するDCオフセット電圧を含む。
この例のロータ電圧802は、一般にD軸電圧800を反映するが、アクティブ整流器の動作により90°遅れる。更に、(アクティブ整流器の設定されたスイッチングパターンのため)ロータ電圧802は、ロータ電圧802の各周期にわたって負のシーケンス812と比較してロータ電圧802の正のシーケンス810を短縮するゼロシーケンス808を含む。
一般に、ロータ電圧802とD軸電圧800との間の位相は、アクティブ整流器の特定の構成に依存し、アクティブ整流器が引き起こすように構成されている任意の値を取ってもよい。幾つかの実装では、インジェクション電圧による電力伝送は位相の正弦に応じて変化するため、約90°の位相ではロータ巻線への電力伝送が向上する。このインジェクション電圧角度を明示的に制御できることは、パッシブ整流に対するアクティブ整流のもう1つの利点であり、これは、電力伝送を最大化するだけでなく、ステータとロータ間の動力伝送の大きさと方向を変調するために使用できるからである。幾つかの実装では、このインジェクション角度を制御することで、ステータとロータ上の特定の半導体デバイスを優先的に選択することができる(例えば、ボルトアンペア定格を最小限に抑え、コストを大幅に削減できる)。
ゼロシーケンスのため、ロータ電圧802の平均値はゼロ未満となり、ロータ巻線にDC電圧成分とDC電流成分が生成される。幾つかの実装では、DC電圧及びDC電流は、必ずしもゼロシーケンスを含まず、正相810及び負相812の不等な持続時間を設定するアクティブ整流器から生じる。DC電気コンポーネントは、ロータ巻線の磁場生成機能、例えば、ステータ磁場と結合してトルクを生成する磁場の生成に対応する。
ロータ電流804は実質的にDCであり、キャパシタがロータ巻線とエネルギーを交換するときのキャパシタ電圧806のリップルに対応するリップルを伴う。実質的にDCのロータ電流804は、Q軸ステータ電圧によって結合され、ステータに対してロータを移動させることができる。幾つかの実装では、アクティブ整流によるトルクと電流リップルはパッシブ整流によるものよりも小さくなる。
本開示の他の箇所で説明するように、ロータのパッシブ整流では、場合によっては、ロータ電流をインジェクションサイクルごとに一度ゼロに駆動し、その後再充電することが必要となるかもしれない。このプロセスには、例えば、数十ミリ秒かかる場合がある。この時間は、主に反発力によるトルクが、より小さな主にリラクタンス駆動のトルクに置き換えられるため、伝送される合計トルクの損失を表す。本開示で説明するように、アクティブに整流されたロータ電流は(モータの定常状態動作の場合)実質的に一定であるため、時間の経過とともに伝送される総トルクが増加する。
幾つかの実装では、リップル電流により発生する渦電流を低減することができる。ロータ電流がより一定に保たれるため、他のモータ部品をより単純に、又はより大きな許容差で(例えば、可変磁気抵抗を考慮せずに)設計することができる。ロータ電流に対するアクティブ制御を実装して、ロータフィールドに蓄積されたエネルギーを積極的に削減することができ、ロータ磁場の強度を意図的かつ積極的に低下させ、モータを低出力モードにしてもよい。対照的に、パッシブシステムにおける場のエネルギー減衰は、純粋にシステムのL/R時定数に基づいている可能性があり、動作中に容易に変更することはできない。
幾つかの実装では、アクティブ磁場が弱まっている間、ロータの電圧がステータの電圧よりも進むように、ステータとロータの間のインジェクション信号(電圧など)の角度を調整することによって、電力をロータからステータに向けることができる。これにより、ロータからの電力を迅速に放散できるだけでなく、回生やステータ側でのより効果的な熱放散などの生産的な目的のためにこの電力を捕捉することができる。アクティブな磁場の弱めは、アクティブな整流器がそれに応じてインジェクション角度をシフトさせる適切なデータ信号によって引き起こされる可能性がある。更に、場合によっては、ロータがステータから過剰な電力(例えば、ロータ巻線を駆動しロータ回路に電力を供給するために必要以上の過剰な電力)を受け取ることもある。これに応じて、ロータはロータ巻線を介してステータ巻線に電力を送り返すことができる(例えば、ロータの電圧がステータの電圧よりも進むように、ステータとロータの間のインジェクション信号(例えば、電圧)の角度を調整することによって)。
パッシブ整流とは対照的に、アクティブ整流の別の利点は、特定の動作モード下で、ロータ巻線の極性を切り替えるようにアクティブ整流器回路を構成できることである。例えば、第一の方向に電流を流すアクティブ整流器は、第二の反対方向に電流を流すように切り替わることがあるが、これはパッシブ整流では不可能なこともある。その結果、コントローラ(例えば、コントローラ104)は、ロータを再構成して、例えば、ロータの極数を変更することができる。このような再構成可能なロータに関するさらなる詳細は、2021年5月13日に出願された米国仮特許出願第63/188,374号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に開示される様々な実施形態では、アクティブ整流器を備えたロータは、1つ以上の整流器、1つ以上のコントローラ、及び1つ以上の巻線の構成を記述する様々なトポロジを有してもよい。例えば、ここで説明する各ロータには、次のトポロジの1つが含んでもよい。
(1)ロータは、ロータ巻線ごとに1つのアクティブ整流器と1つのコントローラ(関連する整流器を制御するため)を含む。
(2)ロータは、巻線ごとに1つのアクティブ整流器と、(各アクティブ整流器を制御するための)中央ロータコントローラが含む。
(3)ロータは、ロータ巻線によって共有される中央アクティブ整流器と、(中央アクティブ整流器を制御するための)中央ロータコントローラとを含む。
(4)巻線のグループがアクティブな整流器及び/又はコントローラ(関連する巻線のグループの整流器を制御するため)を共有する、第2又は第3のトポロジのハイブリッドであって、巻線のグループは、同様の極性の巻線がグループ化されてアクティブ整流器及び/又はコントローラを共有するように定義されてもよい。
多軸電圧インジェクションによるアクティブ整流
図9は、アクティブ整流器900のトポロジの別の例の概略図を示す。以下に詳述するように、アクティブ整流器900は、2軸電圧インジェクションとも呼ばれる2軸電圧インジェクション用に構成されてもよい。この実装形態では、第1のロータ巻線902aは第1のアクティブ整流器サブ回路904aによって整流され、第2のロータ巻線902bは第2のアクティブ整流器サブ回路904bによって整流される。第1のロータ巻線902a及び第1のアクティブ整流器サブ回路904aは、第2のロータ巻線902b及び第2のアクティブ整流器サブ回路904bに並列に配線される。キャパシタネットワーク906は、両方の巻線902a、902b及び両方のアクティブ整流器サブ回路904a、904bに並列に配線される。
第1のロータ巻線902a及び第2のロータ巻線902bは、それぞれ、大きさがほぼ等しく、位相が逆である(例えば、180°の位相差を持つ2つの電圧波形)D軸電圧インジェクション(例えば、電力伝送電圧)を受け取る。これらのD軸電圧インジェクションは、例えばモータコントローラ104によって、又はステータ巻線の電圧及び電流を制御する別の制御ユニットによって設定される。この開示全体を通して説明したように、図9の説明は、D軸以外の別の制御可能な軸上で電圧インジェクションを受けるロータ巻線を同様に説明してもよい。
幾つかの実装では、ロータ巻線902a、902bが受けるD軸電圧インジェクションは実質的に等しく、逆であるため、第1のアクティブ整流器サブ回路904aがエネルギーをキャパシタネットワーク906に伝送しているとき、第2のアクティブ整流器サブ回路904bは、キャパシタネットワーク906からエネルギーを受け取っている。逆に、第1のアクティブ整流器サブ回路904aがキャパシタネットワーク906からエネルギーを受け取っているとき、第2のアクティブ整流器サブ回路904bはエネルギーをキャパシタネットワーク906に伝送している。従って、キャパシタネットワーク906に伝送される最大合計瞬間電力は、1つのロータ巻線及び1つのアクティブ整流器サブ回路のみが(同じD軸電圧インジェクションパターンで)キャパシタネットワーク906に結合された場合と比較して、減少する。従って、このようなトポロジでは、単一の整流器とロータ巻線が単一のキャパシタに結合されているトポロジよりも小さなキャパシタを使用できる。
図10は、アクティブ整流器900の一般的な設計に従ったアクティブ整流器1000の実際の実装を示す。アクティブ整流器1000は、2つのアクティブ整流器サブ回路1002a、1002bを含み、そのそれぞれは、図5Bを参照して説明したフルブリッジ整流器である。アクティブ整流器サブ回路1002a、1002bは、共通のキャパシタ1004を共有し、それぞれのロータ巻線1006a、1006bに結合される。各アクティブ整流器サブ回路1002a、1002bは、複数のスイッチ、例えばスイッチ1008を含む。
定常状態のモータ動作では、アクティブ整流器サブ回路1002a、1002b内のスイッチ1008は以下のように動作する。a)実質的なDC電流は、アクティブ整流器サブ回路1002a、1002b、及び1002bに結合されたそれぞれのロータ巻線に維持される。b)アクティブ整流器サブ回路1002a、1002bによってキャパシタ1004に伝送されるそれぞれの電力は、180°位相がずれている。
図9~図10の回路例は、モータの極対設計の観点から解釈できる。極対は、ステータからの特定の磁束への曝露に対応する。ロータ巻線1006aは第1の極対に含まれ、ロータ巻線1006bは第2の極対に含まれる。ステータ電圧位相は、2つの極対からの巻線が、180度位相が異なるD軸電圧インジェクションを受けるように構成されている。
エネルギーの授受とエネルギーの取り出しを同時に行うアクティブ整流器は、共通のキャパシタネットワークを形成し(例えば、アクティブ整流器900、1000)、幾つかの実装では、共通キャパシタに伝送される最大合計瞬間電力が減少する。従って、別々の巻線に別々の静電容量が使用された場合又は異なる電力プロファイルがキャパシタに伝送された若しくはキャパシタから伝送された場合と比べて、アクティブ整流器に必要な総静電容量は減少する。幾つかの実装では、合計の共通静電容量は、10分の1、20分の1、又はそれ以上に減少する可能性がある。幾つかの実装では、キャパシタの電圧リップルは、単一のコイルと単一のキャパシタに接続された整流器を備えたシステムと比較して低減され、アクティブ整流器のストレスと損失が軽減される。
加えて、幾つかの実装では、トルクリップル(例えば、図8に示すロータ電流リップルによって表される)は、ロータ電流リップルが2つのアクティブ整流器サブ回路間でかなりの程度相殺される可能性があるため、減少する可能性がある。トルクリップルの減少は、損失の低減、動作ノイズの低減、及び/又は必要な制御方法の簡素化につながる可能性がある。
この効果は、例えば、図12、図16、及び図19に示されるような実装形態のように、異なる界磁束にさらされた複数の巻線が導電的に結合される本開示の実装においても同様に見られ得る。インジェクションのたびにトルクリップルが発生するが、等しく位相分離された軸(360°/n位相又はインターリーブなど)により、トルクリップルの合計が相殺される。
図11は、例示的なアクティブ整流器1000の定常状態動作に対応する例示的な回路波形を示す。曲線1100は、ステータからロータ巻線1006aを介して第1のアクティブ整流器サブ回路1002aに伝送されるD軸電力を示し、曲線1102は、ロータからロータ巻線1006bを介して第2のアクティブ整流器サブ回路1002bに伝送されるD軸電力を示し、曲線1104は、曲線1100と曲線1102の和(換言すれば、共通キャパシタ1004に伝送される総電力)を示し、曲線1106は、キャパシタ1006の電圧を示す。図9~図10を参照して説明したように、曲線1100及び1102は180°位相がずれており、図8を参照して説明したように、曲線1100及び1102はそれぞれゼロシーケンスも含む。
アクティブ整流器1000の構成、並びに、アクティブ整流器1000に伝送される及びアクティブ整流器1000内で伝送される電気信号により、図8~図9を参照して説明したように、キャパシタ電力1104の最大瞬時値は減少する。更に、幾つかの実装では、キャパシタ電圧1106のリップルが減少する、及び/又は、キャパシタ1006の総静電容量が減少する。
図9~10の例示的なアクティブ整流器回路トポロジ及び対応するステータ側の電圧パターンは、共通のキャパシタを共有し、n個のそれぞれのD軸電圧によって励起されるn個の結合されたロータ巻線の場合に一般化できる。n個のD軸電圧は360°/nずつ位相が離れるように調整されており、各ロータ巻線に結合されたアクティブ整流器(又はアクティブ整流器サブ回路)は、同じく360°/nずつ位相がずれた信号によって電力を共通のキャパシタに伝送する。従って、キャパシタに伝送されるピーク総電力は減少し、図10及び図11を参照して説明したようにモータの動作及び設計に利点がもたらされる。幾つかの実装では、n個のD軸電圧は互いにインターリーブされる。
図9~11は、n=2の場合の回路と対応する信号の例を示す(つまり、2軸又は2軸電圧インジェクションを使用)。
n=3の場合の一部の実装では、3つのロータ巻線は、それぞれのアクティブ整流器サブ回路を介して、共通のキャパシタによって互いに導電的に結合されている。対応するステータは3つのロータ巻線を励磁するために3軸インジェクションを実行する。3つのインジェクション軸は120°位相が離れている。なお、「3軸インジェクション」とはステータとロータの全体構成を指しており、Q軸、D軸、Z軸などの「制御可能な軸」の説明とは区別される。
図12は、n個の結合されたロータ巻線1202に対する例示的なアクティブ整流器回路1200の概略図を示す。各ロータ巻線1202は、対応するアクティブ整流器サブ回路1204によってアクティブに整流される。アクティブ整流器サブ回路1204は、互いに並列に配線され、1つ以上のキャパシタを含む共通のキャパシタネットワーク1206を共有する。各アクティブ整流器サブ回路1204は、それぞれの結合されたロータ巻線1202内の電流のアクティブ整流を実行する。アクティブ整流は、n個のアクティブ整流器サブ回路1204によってキャパシタネットワーク1206に伝送される電力が360°/n度ずつ位相がずれるものである。幾つかの実装では、図12に示される各ロータ巻線は、ロータの異なる極対からのものであり、ロータには少なくともn個の極対がある。幾つかの実装では、伝送された電力は互いにインターリーブされる。
多軸スプリットコイルインジェクションによるアクティブ整流
この開示を通じて説明されるように、アクティブ整流は、スイッチとして機能する半導体デバイスによって実装されてもよい。しかしながら、場合によっては、半導体デバイス(例えば、図5Cのスイッチ504a~504d)は、比較的高い瞬間電力レベルにさらされるかもしれない。
具体的には、場合によっては、アクティブに整流されたロータ巻線電流(例えば、図8の曲線804)は、比較的大きなDC成分と比較的小さなAC(リップル)成分を含む。一方、場合によっては、アクティブに整流されたロータ巻線電圧(例えば、図8の曲線802)には、比較的大きなAC成分と比較的小さなDC成分が含まれる。ロータ巻線電圧の比較的大きいAC成分は、ステータ巻線からロータ巻線への効率的な電力伝送が可能にし、一方、ロータ巻線電圧の比較的小さなDC成分は、例えばロータ巻線電圧信号に導入されたゼロシーケンスによって生成されうる。
電力は電圧×電流(V×A)なので、電流と電圧のAC成分とDC成分がそれぞれ分離されていないと、大きなDC電流成分と大きなAC電圧成分により、アクティブ整流器で処理される平均電力と比較して、アクティブ整流器回路のピーク電力が高くなる。平均電力は、ロータ巻線のDC電圧とロータ巻線のDC電流の積に等しい。例えば、幾つかの実装では、ピーク電力は平均電力の10倍を超える。これは、アクティブ整流器回路のコンポーネント(半導体デバイスなど)がそれに応じて高い電力定格を持たなければならず、コンポーネントのサイズが増大することを意味する。更に、幾つかの実装では、高いピーク電力は、それに対応して伝導損失などの高い損失が起こる。
しかしながら、幾つかの実装では、アクティブ整流器(及び、幾つかの実装では、ステータ側電圧)は、ロータの電流と電圧のAC成分とDC成分が分離されるように構成されている。従って、アクティブ整流器回路コンポーネントは、次のいずれかを伝送する。a)比較的大きなDC電流と比較的小さなDC電圧、又は、b)比較的小さなAC電流と比較的大きなAC電圧。これにより、アクティブ整流器回路コンポーネントが比較的大きなDC電流と比較的大きなAC電圧の両方を流すような設計となっている場合と比較して、各コンポーネントのピークV×Aが減少する。以下でさらに詳細に説明するように、図13~図16は、AC及びDCの電流及び電圧成分を分離できるそれぞれのアクティブ整流器回路を示す。
以下でさらに詳細に説明するように、図13は、AC及びDCの電流及び電圧成分を分離できるそれぞれのアクティブ整流器回路を示す。ステータからのD軸電力伝送信号に結合するロータ巻線1302は、2つの並列入力、すなわちアクティブ整流器サブ回路1304及びローパスフィルタ1306で終端される。同時に、アクティブ整流器サブ回路1304は、回路1300の「AC側」(ロータ巻線1302を含むAC側)を回路1300の「DC側」から分離し、「DC側」には、ローパスフィルタ1306が含まれる。キャパシタ1310は、アクティブ整流プロセス中にエネルギーを蓄積し、ロータ巻線電流のリップルを平滑化する。
アクティブ整流器サブ回路1304は、本開示を通じて説明されるように実装されてもよく、例えば、ステータ巻線からロータ巻線で受信されたデータ信号に基づいて切り替わる1つ以上のアクティブスイッチを含む非対称ブリッジ又はフルブリッジによって実装される。
幾つかの実装では、回路1300のDC側のドライバ回路1308により、DC電気部品をキャパシタ1310とは別に制御できるようになり、例えば、キャパシタ1310に第1の電圧を維持し、回路1300のDC側に第2の異なるDC電圧を維持する。
動作中、アクティブ整流器サブ回路1304は、ロータ巻線1302に実質的にAC電流1312を印加し、アクティブ整流器サブ回路1304内の半導体デバイスがより低い電流ストレスにさらされるようにする。DC電流1314は、アクティブ整流器サブ回路1304からローパスフィルタ1306を介してロータ巻線1302に伝送され、このDC電流1314はQ軸磁場と結合してロータ上に起電力を生成する。
幾つかの実装では、ローパスフィルタ1306の入力ポート1316における入力インピーダンスは、D軸インジェクション周波数において高く(例えば、ステータからのD軸電力伝送電圧インジェクション信号の周波数において)、そうでなければ、例えば、入力ポート1316全体で事実上短絡されるなど、ステータとロータ間の動力伝送が悪影響を受ける可能性がある。例えば、幾つかの実装では、入力ポート1316における入力インピーダンスは、ステータD軸漏れインダクタンスとロータ漏れインダクタンスを含む、システム内の総漏れインダクタンスのインピーダンスよりも高く、これにより、電力伝送が増加しうる。このシステムは、総漏れインダクタンスと入力インピーダンスの間の分圧器として理解できる。
ステータD軸漏れインダクタンスは、ステータ巻線と直列の漏れインダクタンスとステータ巻線と並列の漏れインダクタンスの組み合わせとして表すことができ、ロータ漏れインダクタンスは、ロータ巻線と直列の漏れインダクタンスを少なくとも含む。
この開示全体を通して説明したように、図13の説明は、D軸以外の別の制御可能な軸上で電圧インジェクションを受けるロータ巻線を同様に説明してもよい。
アクティブ整流器回路1300の一具体例を図14に示す。この例のアクティブ整流器回路1400では、インダクタ1402がローパスフィルタリングを実装する。図13及び図14の実装は、本明細書で説明する相違点を除いて、その他の点では実質的に同様である。
インダクタ1400は、効率的なローパスフィルタリングを実装するためのエネルギーの主な貯蔵庫として機能するため、システム内の総漏れインダクタンスのインピーダンスよりも大幅に大きい(例えば、少なくとも約10倍大きい)インダクタンスを有する。
図15は、漏れインダクタンスの適切な選択によって回路設計にローパスフィルタリング機構が組み込まれているアクティブ整流器回路1500の実装を示す。具体的には、第1のロータ巻線1502はアクティブ整流器サブ回路1504によって終端され、第2のロータ巻線1506はアクティブ整流器サブ回路1504のDC出力によって終端される(幾つかの実装では、ドライバ回路1505が介在する)。この開示を通じて説明されるように、キャパシタネットワーク1508は、アクティブ整流プロセス中にエネルギーを蓄積及び放出する。
幾つかの実装では、2つのロータ巻線1502、1506は互いに並んで巻かれており、例えば、同じロータポールの周りに巻かれ、その結果、2つのロータ巻線1502、1506はステータからの同じD軸電圧にさらされる(極対に含まれる)。
第1のロータ巻線1502及び第2のロータ巻線1506はそれぞれ、それぞれの漏れインダクタンス1510、1512によって特徴付けられ、漏れインダクタンス1510、1512は、図15では個別のコンポーネントとして示されているが、幾つかの実装では、それぞれのロータ巻線1502、1506の設計に埋め込まれている。例えば、ステータとロータの間のエアギャップの長さと幅によって、ロータ及び/又はステータのポールの形状によって、ポールスロットの構成によって、又はこれらの要素の組み合わせによって、漏れインダクタンスを決定してもよい。第2のロータ巻線1506の漏れインダクタンス1512は、第1のロータ巻線1502の漏れインダクタンス1510よりも著しく大きい(例えば、少なくとも約10倍大きい)。第2のロータ巻線1406の漏れインダクタンス1512も、ステータ側のD軸全体の漏れインダクタンスよりも大幅に大きい(例えば、少なくとも約10倍大きい)。
この開示全体を通して説明したように、図15の説明は、D軸以外の別の制御可能な軸上で電圧インジェクションを受けるロータ巻線を同様に説明してもよい。
図16は、AC及びDCの電流及び電圧成分を分離するアクティブ整流器回路1600の実装を示す。この実装形態では、第1のロータ極は、第1のACロータ巻線1602a及び第1のDCロータ巻線1604aによって通電される。第2のロータ極は、第2のACロータ巻線1602b及び第2のDCロータ巻線1604bによって通電される。ロータ巻線1602a、1604a及び1602b、1604bの対は、それぞれ異なるロータ極の周りに巻かれる。例えば、磁性材料のそれぞれの部分の周りに円周方向に巻き付けられる。同じ界磁束にさらされるため、巻線1602a、1604aは第1の極対に含まれ、巻線1602b、1604bは第2の極対に含まれる。
ロータ巻線の第1の対1602a、1604aは、第1のステータ側D軸電圧1605aによって励起され、ロータ巻線の第2の対1602b、1604bは、第2のステータ側D軸電圧1605bによって励起される。幾つかの実装では、図9~図11を参照して説明したとおり、2つのD軸電圧1605a、1605bは、逆極性を持ち、例えば、互いに位相が180度ずれている。
ACロータ巻線1602a、1602bは、それぞれのD軸に関して逆の極性で直列に導電的に結合される(例えば、巻線の巻き方向が互いに反対である、又は、巻き方向は同じ方向であるが、巻き線間の電気的結合により、極性が逆になるように巻き線の端が接続される)。
ACロータ巻線1602a、1602bの残りのノードは、アクティブ整流器サブ回路1606の入力1612(例えば、ACロータ巻線1602a、1602bを互いに直列に結合しないノード)で終端される。アクティブ整流器サブ回路1606は、キャパシタネットワーク1608及びドライバサブ回路1610に導電的に結合される。
DCロータ巻線1604a、1604bは、それぞれのD軸に対して一致する極性で直列に導電的に結合される。この直列結合に加えて、DCロータ巻線1604a、1604bは、ドライバサブ回路1610の出力1614にも結合される。
この例示的な回路1600は、逆極性のD軸電圧と組み合わせて、ロータ巻線の電圧と電流のAC成分とDC成分を効果的に分離する。まず、アクティブ整流器サブ回路1606は、ACロータ巻線1602a、1602bにAC電圧及び電流を印加し、これらのAC信号成分は、ステータからロータへの電力伝送を行う。更に、ACロータ巻線1602a、1602bは逆極性で直列に配線されるが、印加されるD軸電圧も逆極性を有するため、ACロータ巻線1602a、1602bのそれぞれの電圧が増加する。従って、アクティブ整流器サブ回路1606の入力1612における総AC電圧は、ACロータ巻線1602a、1602bのそれぞれにおけるAC電圧のピーク振幅の2倍を有する。
第2に、DCロータ巻線1604a、1604bは極性を合わせて直列に配線されているため、これらの巻線1604a、1604bのAC成分は互いに打ち消し合う。(アクティブ整流器サブ回路1606及びキャパシタネットワーク1608に導電結合され、そこからエネルギーを引き出す)ドライバサブ回路1610から出力されるDC電圧は、DCロータ巻線1604a、1604bにDC電流を供給し、この電流はステータからのQ軸電圧に結合してロータを動かす。この実装では、個別のインダクタは必要ない。従って、回路コスト及び/又はサイズは、図13の実装と比較して削減されてもよい。
幾つかの実装では、DCロータ巻線1604a、1604bは、ACロータ巻線1602a、1602bよりも高い巻数を有する。これにより、(V/turnを維持しながら)巻線端子電圧の増加と(A×turnを維持しながら)巻線端子電流の減少が促進される可能性がある。従って、ドライバサブ回路1610に対する電流及び電圧ストレスが軽減されうる。幾つかの実装では、ドライバサブ回路は含まれておらず、DCロータ巻線1604a、1604bはキャパシタネットワーク1508に直接導電的に結合されている。
巻数比は、回路1600のAC側と回路1600のDC側のピーク電圧が等しいか、又はほぼ等しい(例えば、互いに50%以内、互いに25%以内、又は互いに10%以内)。これにより、アクティブ整流器サブ回路1606及びドライバサブ回路1610において大幅な電圧降下(又は昇圧)を実行する必要性を回避することができる。幾つかの実装では、巻数比は、これらのピーク電圧を提供する巻数比とは異なる。
更に、AC電気部品とDC電気部品が分離されているため、本開示全体で説明されているように、ピークキャパシタ電力が低減され、それに応じて、必要なキャパシタのサイズ、コスト、及び/又は定格電力が低減される。
回路1600は、AC電気部品とDC電気部品の効果的な分離を実現するだけでなく、それに対応して、電力伝送及び磁場発生機能の効果的な分離も実現する。ステータからロータへの電力伝送は、ACロータ巻線を介して行われ、一方、ステータで生成された磁場と結合してトルクを生成する磁場の生成は、DCロータ巻線を介して行われる。
幾つかの実装では、多軸インジェクションは、ステータ巻線の別々のセットでコモンモード(CM)と差動モード(DM)のステータ励磁を分離することによって実装される。CMステータ励磁場は、DCなどの低周波であり、ステータCMコイルは、CM電流を強制するために直列に接続されてもよい。DM場は、正弦波、台形、又は鋸歯状などの中周波又は高周波の場(例えば、CM場よりも高い周波数)である。ステータDMコイルは、スター型やデルタ型などの様々な配置で接続であってよい。CM及びDM磁場の生成は、他の方法、例えばステータコイルの幾何学的形状の変更によって実装されてもよい。
幾つかの実装では、CM及びDMステータ励磁は、三相ステータインジェクション及び2軸インジェクションと組み合わせて使用される。
この開示全体を通して説明したように、図16の説明は、D軸以外の別の制御可能な軸上で電圧インジェクションを受けるロータ巻線を同様に説明してもよい。
図17A~17Cは、アクティブ整流器1600の時間依存の電圧値及び電流値の例を示す。
図17Aに示すように、第1のD軸電圧1700a(図16のD軸インジェクション1605aに相当)及び第2のD軸電圧1700b(図16のD軸インジェクション1605bに相当)は、360°/2=180°位相がずれている。
図17Bに示されるように、ACロータ巻線1602a、1602bは逆の極性で直列に配線されているため、位相の異なるD軸電圧1700a、1700bは相殺されず、むしろ、アクティブ整流器サブ回路1606は、ACロータ巻線1602a、1602bからの正味電圧1702(アクティブ整流器サブ回路1606の入力1612の電圧に対応)を、D軸電圧1700a、1700bのピーク振幅の2倍を有する50%デューティサイクル方形波にする。
台形AC電流1704は、巻線1602a、1602bを含む誘導システムにおける2つの入力方形波電圧の組み合わせから生じる。
図17Cに示すように、ACロータ巻線1602a、1602bからの信号がアクティブ整流器サブ回路1606によって整流されるため、また、DCロータ巻線1604a、1604bの極性が一致する直列配線により、DCロータ巻線1604a、1604bからの反射AC電圧が打ち消されるため、DCロータ巻線1604a、1604bを流れる電流1706は実質的にDCである。同様に、ドライバサブ回路1610の出力1614における電圧に対応する、DCロータ巻線1604a、1604bからの正味電圧1708も実質的にDCである。
電流と電圧のAC成分とDC成分が分離されているため、半導体コンポーネントのピーク電力が低減され、幾つかの実装では、コンポーネントのサイズとコストが削減され、損失が削減される。
更に、図16の実装では(及び、図19を参照して説明したように、3つ以上のインジェクション軸を備えた実装の場合)、複数のインジェクション軸に対応する巻線がアクティブ整流器サブ回路1606を共有するため、総半導体部品数を減らすことができ、幾つかの実装では、それに応じて寄生損失も減少する。
また、幾つかの実装では、アクティブ整流器サブ回路1606の入力1612におけるDC電流はゼロ又はほぼゼロであるため、また、図17Bに示すようにこの入力1612では電流が電圧よりも進んでいるため、アクティブ整流器サブ回路1606におけるソフトスイッチングに必要な回路を削減することができる。電圧が高から低へ、又は低から高に切り替わるにつれて、進み電流(例えば、電流1704)がアクティブ整流器サブ回路1606内の静電容量を充電し、アクティブ整流器サブ回路1606のスイッチにおける電流スパイクを低減する。
図18は、アクティブ整流器サブ回路1606、キャパシタネットワーク1608、及びドライバサブ回路1610を実装する例示的な回路1800を示す。直列配線されたACロータ巻線1602a、1602bは、AC入力1802で終端される。2つのダイオード1804及び2つのスイッチ1806(スイッチ1806は、例えば、D軸電圧に埋め込まれたデータ信号に基づいて制御される)は、キャパシタネットワーク1808を使った、AC信号のアクティブ整流を実装し、この実装では2つのキャパシタ1810を含む。
ドライバサブ回路である別のダイオード1812及び別のスイッチ1814は、例えば、キャパシタネットワーク1608の電圧などのキャパシタネットワークの電圧とは無関係に、結合されたDC巻線(例えば、DC巻線1604a、1604b)を、DC巻線をキャパシタから結合/切り離すことによって制御できるようにする。ドライバサブ回路がない場合、DC巻線電圧はキャパシタ電圧と等しくなる。ドライバサブ回路を使用すると、キャパシタネットワーク上で大きな電圧を維持できるため、電力伝送に有利になる。
図16~図18を参照して説明される実装例は、3つ以上のD軸インジェクション軸に拡張できる。幾つかの実装では、n個のD軸インジェクション軸は、対応するn対のACロータ巻線とDCロータ巻線に通電する。ACロータ巻線は、極性が交互になるように直列に配線されており、DCロータ巻線は、極性が一致するように直列に配線される。ACロータ巻線は、(例えば、図19に示すように)デルタ構成で共通のアクティブ整流器サブ回路と共通のキャパシタネットワークに導電結合されており、DC電流がDCロータ巻線に出力されるようにする。
幾つかの実装では、n個のD軸電圧の合計はゼロ又はほぼゼロになる。例えば、幾つかの実装では、n個のD軸電圧は、360°/nずつ位相がずれた信号に一致する。更に、幾つかの実装では、アクティブ整流器サブ回路によってACロータ巻線に印加される電圧の合計は、ゼロ又はほぼゼロである。幾つかの実装では、ACロータ巻線に印加される電圧はインターリーブされる。
図19は、3対のロータ巻線に通電するために3軸インジェクションを使用するアクティブ整流器1900の例を示す。特に、3つのACロータ巻線1902a、1902b、及び1902cは、それぞれのD軸に関して反対の極性で直列に一緒に配線され、3つのDCロータ巻線1904a、1904b、及び1904cは、それぞれのD軸に関して極性が一致するように直列に配線される。3軸ステータ側D軸電圧インジェクション1905a、1905b、1905cは、360°/3=120°ずつ位相がずれている。
幾つかの実装では、巻線1902a及び1904aは、第1の極対に含まれており、巻線1902b及び1904bは、第2の極対に含まれており、巻線1902c及び1904cは、第3の極対に含まれる。
この実装では、及び本開示で説明する他のAC/DC分離回路では、極対の数は、ステータの相及び/又は軸の数と同じである必要はない。例えば、幾つかの実装では、ロータには、存在するステータの相及び/又は軸よりも多くの極対が含まれている。幾つかの実装では、ロータには、存在するステータの相及び/又は軸よりも多くの極対が含まれており、少なくとも幾つかのロータ極対は平行に巻かれている。
6つのスイッチ(例えば、スイッチ1906)は、ACロータ巻線1902a、1902b、及び1902cを通る電流のアクティブ整流を実施し、アクティブ整流中にキャパシタ1908がエネルギーを蓄積する。
この開示全体を通して説明したように、図19の説明は、D軸以外の別の制御可能な軸上で電圧インジェクションを受けるロータ巻線を同様に説明してもよい.
図19の例示的なアクティブ整流器は、n>2を有するアクティブ整流器の他の例とともに、図16~図18のn=2の場合を参照して説明した利点の一部又は全てを有してもよい。例えば、ACコンポーネントとDCコンポーネントが効果的に分離されているため、ピーク電力要件が軽減される。コンポーネントの重量、サイズ、コストを削減する。アクティブ整流器回路における損失を低減することができる。総部品数を減らすことができる。キャパシタの総コスト及び/又はサイズが削減される可能性がある。
更に、図5A~5B、9~10、12~16、及び19の例示的なアクティブ整流器を含め、この開示で説明されている様々なアクティブ整流器は、本開示を通じて説明されるアクティブ整流の利点の一部又は全てを提供することができる。例えば、アクティブ整流により、トルクリップルが減少し、電力効率が向上する。
電圧ガバナ付きアクティブ整流器回路
上で述べたように、幾つかの実装形態によるアクティブ整流器は最終的にステータから電力を取得するため、電力が供給されていない状態でモータ動作を開始する。例えば、アクティブ整流器内のキャパシタが充電されていない、又は変圧器として機能する専用のロータ巻線によって電力がまだ伝送されていないなど、スイッチング動作の制御に必要なエネルギーが存在しないため、モータの動作開始時にアクティブなスイッチング動作を実行できない可能性がある。アクティブ制御がないため、過電圧により回路コンポーネントが損傷したり、ロータの機能が妨げられたりする可能性がある。
そのような過電圧及び他の電圧スパイク(例えば、スイッチング周波数での過渡電圧)を防止又は軽減するには、幾つかの実装では、アクティブ整流器は電圧ガバナを含む。図20Aは、非対称ブリッジアクティブ整流器回路2000の一例の回路図を示す。ノード2002のロータ巻線は、回路2000のパッシブ部品とともにアクティブ整流を実現するダイオード2004及び2つのアクティブ制御スイッチ2006に結合される。パッシブ部品の異なる配置及び組み合わせを含む、電圧ガバナを含む回路の他の構成も実装することができる。
回路2000のスイッチによって見られる最大電圧は、キャパシタ2008にかかる電圧である。アクティブゲート制御がない場合、アクティブ的に制御されるスイッチ2006は、実装によっては、開、閉、及び/又はフローティング構成では制御されず、いずれにしても、電流をアクティブに整流するために同期してスイッチングすることはない。図20Aの例に示すように、アクティブ制御スイッチ2006は開いたままである。
キャパシタ電圧2008を制御し、アクティブなゲート制御がない場合に電圧が所定の最大値を超えないようにするには、回路2000は、ガバナスイッチ2010にかかる電圧が最大値を超えた場合にロータ巻線を短絡させるガバナスイッチ2010を含む。ガバナスイッチ2010は、外部コントローラ又はゲートドライバに依存しないトランジスタ及び/又はパッシブ部品の組み合わせを含んでもよい。
幾つかのアクティブ整流実装では、アクティブ整流器内のスイッチは、電力が供給されていない状態にあるときにスイッチがパッシブ的に動作するように実装されてもよい。例えば、幾つかの実装では、バイポーラ接合トランジスタは、アクティブ制御がない場合に2つの端子間の電流を整流する。従って、モータの起動時、「アクティブ整流器」はアクティブ制御が使用可能になるまでパッシブ整流器として機能する。
図20Bは、例示的なアクティブ整流器2000及び電圧調整のない別のアクティブ整流器回路(図示せず)の過渡動作に対応する例示的な回路波形を示す。曲線2020は、回路2000に含まれるガバナスイッチ2010によるキャパシタ2008にかかる電圧を示す。曲線2022は、回路2000内のガバナスイッチ2010のオン/オフ状態を示す。曲線2024は、ガバナスイッチがない場合のキャパシタ2008にかかる電圧を示す。ガバナスイッチ2010がない場合、キャパシタ2008の電圧は継続的に上昇し、過電圧の可能性を引き起こすことが見られる(キャパシタ2008の電圧は最終的に反射バス電圧に達する)。対照的に、曲線2020は最大値に制限されている。
アクティブスイッチングがない場合にアクティブ整流器の過電圧を防止するための電圧ガバナ及びアクティブ整流器回路トポロジの他の実装も本開示の範囲内である。
ここで説明したコンポーネントとサブ回路に加えて、ロータ巻線に結合されたアクティブ整流器には他のコンポーネントが含まれる場合がある。例えば、幾つかの実装では、アクティブ整流器は、回路パラメータ、例えばキャパシタ電圧及び/又はロータ電流を測定し、幾つかの実装では、本開示で明示的に説明されるもの以外の制御機能を実行するためのアナログ及び/又はデジタル構成要素を含む。幾つかの実装では、アクティブ整流器は、例えば、ロータ内で、ロータとステータの間で、又はロータと別のコントローラーコンポーネントの間で、アナログ及び/又はデジタル信号を交換するため、1つ以上の通信デバイスが含む。
本開示の様々な実装は、D軸カップリング(例えば、図6~19を参照して説明した実装)を参照して説明された。しかしながら、例えば、Q軸に沿った、又は確立され得る別の軸に沿った、モータ内に存在する可能性のある任意の1つ以上の制御可能な軸に沿ったカップリングについては、同等の実装が本開示の範囲内に含まれる。
アクティブ整流器回路のモータ構造
図21A~21Bは、アクティブ整流ロータ2101を含むモータ2100の機械的実装例を示す。プリント回路基板(PCB)2102は、例えば、アナログ回路要素、デジタル回路要素、パッシブ回路要素、アクティブ回路要素、及び/又は、アクティブ整流器及びロータ制御ユニットの集積回路などの、回路要素2104を含む。PCB2102は、ロータ2101のコア2106上に軸方向に配置され、例えば、ワイヤやケーブルなどのインターコネクト(interconnects)2110によってロータ巻線2108に導電接続される。PCB2102は、モータ軸が通過できる穴2112を画定する。
幾つかの実装では、図21Bに示されるように、PCB2102は、PCB2102を所定の位置に固定する筐体2114内に配置される。
アクティブ整流器回路の他の構成及び配置も可能である。例えば、幾つかの実装では、アクティブ整流器回路は、ロータの軸方向ではなく半径方向に配置されたPCBに含まれている。幾つかの実装では、アクティブ整流器の部分は、ロータの複数の領域全体、例えば、ロータコアの2つの対向する軸方向表面上に分散される。
図21C~Fは、図3の電気機械300などのモータに使用されるアクティブ整流ロータ2120の別の例示的な機械的実装を示す。より具体的には、ロータ2120は、ロータ2120のロータシャフト2124に一体化されたアクティブ整流器アセンブリ2122を含む。図21Cは、ロータ2120の軸方向の図であり、図21Dは、図21Cの軸方向図の線A-Aに沿った断面図であり、図21Eは、アクティブ整流器アセンブリ2122の斜視図であり、図21Fは、ロータ2120の分解図である。図21Cを参照すると、ロータ2120は6つのロータ巻線2126を含む。図21Dを参照すると、ロータシャフト2124は、ロータ2120とともに回転するように、ロータ2120に固定的に結合される。ロータシャフト2124及びロータ2120は、ロータ2120を組み込んだ電気機械のステータに対して回転的に固定された静止部分を有するベアリング2128の周りを回転する。ロータシャフト2124は、シャフトハウジングにおけるキャップ又はリテーナ2132の取り外し及び取り付けを介して選択的にアクセス可能なキャビティ2130を更に含む。キャビティ2130は、アクティブ整流器アセンブリ2122を受け入れて保持し、アクティブ整流器アセンブリ2122もロータ2120に(例えば、接着剤、摩擦、キャップ2132、キー、シート、リテーナ、又は物理的取り付けのための他の機構などを介して)固定的に結合されるようにする。従って、アクティブ整流器アセンブリ2122は、ロータ2120及びロータシャフト2124に対して回転的に固定され、アクティブ整流器アセンブリ2122がロータ2120及びロータシャフト2124とともに回転する。
図21Eに戻り、アクティブ整流器アセンブリ2122は、本体2134、キャパシタ、及びキャップ又はハウジング2136を含むカートリッジを形成する。図21Fの分解図では、アクティブ整流器及びロータ制御ユニットの回路要素(例えば、アナログ回路要素、デジタル回路要素、パッシブ回路要素、アクティブ回路要素、及び/又は集積回路)を含むプリント回路基板(PCB)2138のスタックが示されている。換言すれば、PCBスタック2138は、ロータ2120のアクティブ整流器アセンブリ2122のアクティブ整流器及びロータ制御ユニットを含む。アクティブ整流器及びロータ制御ユニットは、(例えば、図6A~B、7B、9、10、12~16、18~19、又は20Aに関して)本明細書で説明されるアクティブ整流器及びロータ制御ユニットのいずれであってもよい。例えば、アクティブ整流器には、スイッチ(例えば、MOSFET、IGBT、GaNトランジスタなど)及び/又はダイオードを備えたHブリッジ(フル又は非対称)が含まれてもよく、ロータ制御ユニットには、低電圧電源を備えたローカルマイクロコントローラー(MCU)が含まれてもよい。アクティブ整流器及び/又はロータ制御ユニット、従ってPCBスタック2138は、PCBスタック2138の相互接続2139(例えば、シャフト内の通路を通ってロータ巻線にアクセスする導体など)によってロータ巻線2126に導電接続される。幾つかの実施形態では、ロータ巻線は、シャフト2124の外側に位置するPCB又は相互接続2141で接続することができ、これは、次に、2139の相互接続を介してPCBスタック2138(及びその上のコンポーネント)に接続される。PCBスタック2138内には、高電圧バスバー相互接続2140と並んで、低電圧コネクタが存在する。バスバー2140は、それぞれの絶縁板2142によって覆われ、保持されてもよく、これは、接着剤、超音波溶接、又はカートリッジコンポーネントハウジング2136による機械的保持によって所定の位置に保持されてもよい。或いは、特定の実施形態では、バスバー相互接続は、PCBスタック2138とともに2136の内部に配置されてもよい。アクティブ整流器アセンブリ2122は、例えば、キャパシタ2144及び/又はPCBスタック2138の1つ以上のPCB上のキャパシタ(例えば、図示の例では、PCBスタック2138の右端の3つのPCBがフィルムキャパシタを含む)などの、エネルギー蓄積素子をさらに含んでもよい。他の例では、アクティブ整流器アセンブリ2122は、キャパシタ2144に加えて、又はキャパシタ2144の代わりに、インダクタ、スーパーキャパシタ、又は二次(充電可能)バッテリを含む。更に、特定の実施形態では、これらのエネルギー貯蔵装置を組み合わせて使用されてもよい。エネルギー蓄積素子は、本明細書に記載されるように、ステータによって無線で伝送され、アクティブ整流器によって捕捉された電気エネルギーを蓄積するために、PCBスタック2138のアクティブ整流器に結合される。PCBスタック2138の様々な回路基板は、コネクタ、接点、ハーネス、はんだ付けなどを介して互いに接続されてもよい。
少なくとも幾つかの実施形態では、アクティブ整流器アセンブリ2122のカートリッジフォームファクタにより、ドロップインアセンブリ及び交換が可能になるだけでなく、コンポーネントとボードとの間の効果的な電圧絶縁が可能になる。カートリッジはまた、アクティブ整流器アセンブリ2122への流体の進入を防止するために、密封され、又はキャビティ2130内に密封されてもよく、それによって、アクティブ整流器アセンブリ2122全体にわたって、及び、アクティブ整流器アセンブリ2122を横切る、直接冷却流の使用が可能になる。従って、図21C~Fの実施形態及びそれに続く図21G~Jの実施形態は、以下の1つ又は複数を可能にする。(1)冷却の改善-直接液体冷却(浸漬又は噴霧)、(2)機械キャビティからの隔離、(3)アクティブ整流器回路にかかる力の減少、(4)電力密度の増加、又は(5)サブアセンブリカートリッジに基づくメンテナンスと組み立ての容易性の向上。
図21G~Jは、図3の電気機械300などのモータに使用されるアクティブ整流ロータ2150の別の例示的な機械的実装を示す。より具体的には、ロータ2150はアクティブ整流器アセンブリ2152を含む。図21Gは、ロータ2150の軸方向の図である。図21Hは、図21Gの軸方向図の線A-Aに沿った断面図である。図21Iは、アクティブ整流器アセンブリ2152の斜視図である。図21Jは、ロータ2150の分解図である。
図21G~Jの実施形態は、図21D及び図21Fに示すキャパシタ2144の代わりに、より大きなキャパシタ2154(図21H及び図21Jを参照)を含めて収容することを除いて、図21C~Fの実施形態と同様である。従って、ロータ2120の構成要素の参照符号に使用されたのと同様の番号がロータ2150の構成要素の参照符号に使用され、上記と同様の説明がロータ2150について同様の番号が付された構成要素に適用される。
モータ制御
図22は、本開示の態様とともに使用することができる、例示的なコントローラ2200のブロック図である。コントローラ2200は、前述したモータコントローラ104に加えて、又はその代わりに使用することができる。前者の例では、コントローラ2200及びモータコントローラ104を単一の統合コントローラに組み合わせることができ、又はコントローラ2200及びモータコントローラ104を別個の個別のコントローラとすることができる。コントローラ2200は、とりわけ、電気機械300のパラメータを監視し、電気機械300の様々な動作パラメータを作動及び/又は調整するための信号を送信することができる。(例えば、図3A及び3Bの)アクティブ整流器311は、本開示内で説明されるアクティブ回路のいずれかを含むことができ、例えば、電気機械300の動作パラメータを作動及び/又は調整するために、コントローラ2200によって制御されてもよい。更に、主に電気機械300に関して説明されるが、コントローラ2200は、電気機械300の場合と同様の方法で、本明細書に記載される電気機械(例えば、電気モータ102を含む)のいずれかと併用することができる。換言すれば、コントローラ2200は、とりわけ、電気機械のパラメータを監視し、電気機械の様々な動作パラメータを作動及び/又は調整することができる(例えば、とりわけ、これらの電気機械のアクティブ整流器を制御することによって)。これらの機械のアクティブ整流器は、本明細書で説明するアクティブ整流器のいずれかの形態をとることができる。
図20に示すように、コントローラ2200は、特定の例では、(例えば、1つのプロセッサ又は複数のプロセッサとして実装される)プロセッサ2250と、プロセッサ2250に本明細書に記載の動作を実行させる命令を含む(例えば、1つのメモリ又は複数のメモリとして実装される)メモリ2252と、を含む。プロセッサ2250は、例えば、ロータ位置センサ又は電流センサを含む、電気機械300内の構成要素と通信を送受信するための入出力(I/O)インターフェース2254に結合される。特定の例では、コントローラ2200は更に、電気機械300の様々な電気機械コンポーネントのうちの1つ又は複数と、また、電気機械300に設けられる他のセンサ(例えば、温度センサ、振動センサ、及び他の種類のセンサ)と、状態を通信することができ、更に、(ステータへの電力信号又は駆動信号を含む)作動信号及び/又は命令信号を送信することができる。通信は、有線、無線、又は有線と無線の組み合わせで行うことができる。幾つかの実装では、コントローラ2200は、(例えば、車両の様々な部分など)異なる部分が異なる場所に配置された分散型コントローラであってもよい。本開示から逸脱することなく、追加のコントローラを、スタンドアロンコントローラ又はネットワーク化されたコントローラとしてコントローラ2200と組み合わせて使用することができる。
コントローラ2200は、電気機械300を制御するためにさまざまなレベルの自律性を有することができる。例えば、コントローラ2200は負荷及び/又は速度の変化の感知を開始することができ、オペレータは電力周波数、電流の大きさ、及び/又は電流角度を調整する。或いは、コントローラ2200は、負荷及び/又は速度の変化の感知を開始し、オペレータからの追加入力を受信し、オペレータからの他の入力なしで周波数、電流の大きさ、及び/又は電流角度を調整することができる。或いは、コントローラ2200は、オペレータからの入力なしに、負荷及び/又は速度の変化の感知を開始し、周波数、電流の大きさ、及び/又は電流角度を調整することができる。
例えば、動作中、コントローラ2200は、命令信号をステータ巻線304に送信することによって、ステータ巻線に通電し、ステータ内にステータ磁場を生成するように構成されたコントローラでありうる。例えば、コントローラ2200は、電源からステータ巻線への電流の印加を制御するスイッチング素子用の制御信号(例えば、それぞれのパルス幅変調(PWM)制御信号)を生成することができる(例えば、図25~26のスイッチコントローラ及びスイッチング素子に関して以下でさらに説明するように)。コントローラは、現在の角度と大きさでステータに電流を流し、電気機械300の動作条件に応じて電流の角度と大きさを積極的に調整することによってステータ磁場を生成するように構成できる。或いは、又は、これに加えて、コントローラ2200は、位置センサ316から位置ストリームを受信することができる。位置ストリームはロータの位置を表す。位置ストリームは、アナログ又はデジタルの電気信号又は電磁信号とすることができる。位置ストリームの受信に応答して、コントローラ2200は、存在するトルクリップルの有無、又は重大度を決定することができる。次いで、コントローラ2200は、トルクリップルが存在するという決定に応答して電流角度及び/又は電流の大きさを調整することができる。
幾つかの実装では、電流フェーザ角度318は、高トルク状態の間、移動方向においてロータ極308より先に増加する。すなわち、トルク単位当たりのより大きな電流が必要とされる場合には、電流フェーザ角度318の増加につながる可能性がある。一般に、電流フェーザ角度318が増加すると、D軸成分が減少するため、ロータコイル310はより活性になる(コイルを流れる電流が増加する)。換言すれば、各ロータ巻線の磁場は、電流フェーザ角度318が増加するにつれてより速く減衰する。コイル内の活動が大きくなると、軽減することなくトルクリップルが増加する可能性があるが、しかしながら、電流振幅は、各極が受けるD軸成分の増加中に増加することができ、増加した電流フェーザ角度318によって生成される潜在的な負のトルクに対抗することができる。或いは、又は、これに加えて、現在のフェーザ角度318は、高速、低トルク動作中に減少する。或いは、又は、これに加えて、ブレーキ操作中に現在の角度が負になる可能性がある。使用される動作モードに関係なく、コントローラ2200は、所与の状況における電気機械300の現在の需要を満たすように電流角度及び/又は電流振幅を調整することができる。コントローラ2200は、例えば、50~1000ヘルツ(Hz)などの、幅広い周波数でステータを介してロータと通信することができる。幾つかの実装では、通信は、100~1000Hzで行われる。いずれにせよ、このシステムは従来のシステムよりも速く変更を伝送できる。例えば、従来のかご型誘導機は、実質的に7Hzで通信する。高周波伝送の機能により、コントローラ2200は、動作条件に関係なく、トルクリップルを積極的に低減し、動作条件の変化に迅速に適応することができる。
或いは、又は、これに加えて、コントローラ2200は、ロータ上のアクティブ整流器311と通信し、これを制御することができる。従って、ロータ巻線を流れる電流は、フェーザ電流の角度及び/又は大きさに代えて、又はそれに加えてアクティブに調整することができる。
図23は、本開示の態様とともに使用することができる、方法2300のフローチャートである。方法2300の全て又は一部は、本開示に従って、コントローラ2200、モータコントローラ104、アクティブ整流器、及び/又はロータ制御ユニットによって実行されてもよい。ステータ電流は、モータのステータのステータ巻線を通じて送られ、ステータ電流は、モータのロータ内のロータ巻線に直接結合する磁場を生成し、ステータに対するロータの移動を引き起こす(2302)。1つ又は複数のデータ信号がステータ電流に埋め込まれている。データ信号は、ステータ電流によって生成される磁場の変調を生成するように構成される(2304)。変調は、変調がロータ巻線のうち1つ又は複数のロータ巻線によって受信されると、受信された変調に応答してアクティブ整流器が制御されるようになっている。
図24は、本開示の態様とともに使用することができる、方法2400のフローチャートである。方法2400の全て又は一部は、本開示に従って、コントローラ2200、モータコントローラ104、アクティブ整流器、及び/又はロータ制御ユニットによって実行されてもよい。ステータのステータ巻線は通電されて、ステータ内にステータ磁場を生成する(2402)。ロータ極内の強磁性材料内の対応するロータ磁場は、磁束を確立することによって、ロータ磁場によって変更される(2404)。ロータの接線方向の力は、ステータの磁場の変化によって生成される(2406)。発生した接線方向の力によりロータが移動する(2408)。データ信号は、通電されたステータ巻線によって生成される(2410)。データ信号は次のようなものである:データ信号が少なくとも1つのロータ巻線によって受信されると、アクティブ整流器は、受信したデータ信号に応じて制御され、エアギャップにおける磁束の通電遅れを制御し、エアギャップは、ステータの内面とロータの外面との間に画定され、受信されたデータ信号に応答して、ロータ内の磁束の減衰が、ステータ磁場の変化に応答して、少なくとも1つのロータ巻線内の電流によって制御される。
図25~26は、電力スイッチングを実施するように構成された例示的なインバータ2500、2600を示す。インバータ2500、2600は、本開示を通して説明されるように、例えば、モータコントローラ104、コントローラ2200として、及び/又はステータ又はロータの一部として実装されてもよい。
図25の例では、インバータ2500は三相2レベルインバータである。図示しないステータ巻線A、B、及びC(ノード2502a、2502b、2502cで導電的に結合される)は、スイッチ2504によって、正の電圧レール2506に切り替え可能に導電的に結合され、また、スイッチ2508によって、負の電圧レール2510に切り替え可能に導電結合される。ステータ巻線自体は、例えば、Y字構成又はデルタ構成で構成されうる。レール2506、2510は、キャパシタ2512によって導電的に結合される。幾つか実装では、レール2506、2510は、電圧源ではなく電流源に対応する。
スイッチコントローラ2514は、スイッチ2504、2508をアクティブに(アクティブ的に)制御して、ステータ巻線に三相電力を導入し(例えば、ロータを移動させる)、及び/又は、ステータ巻線に適切な電圧/電流を使用して信号をロータに伝える。幾つかの実施形態では、スイッチコントローラ2514は、コントローラ104又はコントローラ2200に組み込まれてもよい。
図26は、3レベル中性点クランプ(neutral point clamp (NPC))インバータ2600の一例を示し、これは、別段の指示がない限り、インバータ2500について説明したように動作する。図示しないステータ巻線A、B、及びC(ノード2602a、2602b、2602cで導電的に結合される)は、一対のスイッチ2604によって、正の電圧レール2606に切り替え可能に導電的に結合され、また、一対のスイッチ2608によって、負の電圧レール2610に切り替え可能に導電結合される。一対のダイオード2616は、一対のスイッチ2604、2608のそれぞれのセットの間に導電的に結合される。スイッチ2604、2608は、スイッチコントローラ2614によって制御される。幾つかの実施形態では、スイッチコントローラ2614は、コントローラ104又はコントローラ2200に組み込まれてもよい。
例示的なインバータ2600では、ステータ巻線A、B、及びCは、(例えば、星型構成で)中性点Nに導電的に結合され、中性点Nへの導電結合は、直接であってもよいし、1つ又は複数の電気素子を介在させてもよい。中性点Nもまた、ダイオード2616の各一対内で導電的に結合される。2つのキャパシタ2612は、中性点Nを正及び負の電圧レール2606、2610に導電的に結合する。インバータ2500で述べたように、幾つか実装では、レール2606、2610は、電圧源ではなく電流源を表す。
ある例では、コントローラ104、2200、2514、又は2614のうちの1つ又は複数は、多入力多出力(MIMO)コントローラを含むか、又は多入力多出力(MIMO)コントローラとして実装され、多入力多出力(MIMO)コントローラは、例えば、R軸とD軸の電流誤差を受信する2つの入力(例えば、IR_Error=IR_Desired-IR_Measured;ID_Error=ID_Desired-ID_Measured)と、R軸とD軸の電圧を制御する2つの出力を含む。ここで、IR_Desired及びID_Desiredは、事前に設定された値、及び/又は、(例えば、ユーザー入力デバイスから受信したもの、又はメモリから取得した)モーターシステムに入力された入力トルク又は速度動作点の値から変換された値であってもよい。速度又はトルクから所望の電流(又は電圧)への変換は、ルックアップテーブル、動的フィードバックコントローラー、又はモデルベースのコントローラによって実行できる。IR_Desired及びID_Desiredは、本明細書に説明されるように、ステータからロータに、又は、ロータからステータに、送信される任意の所望のデータ信号又は電力伝送信号(一般に、I_excitation及びI_excitation信号と呼ばれる場合がある)を組み込んでもよく、又は、信号が埋め込まれてもよい。IR_Measuredは、本明細書で説明されるように、ロータ上の電流センサ又は推定器から取得され、ロータ巻線からステータ巻線に通信されるデータ信号を介して(例えば、制御チャネル又は軸に沿ってアクティブ整流器によって適用される変調を介して)無線でコントローラに通信されてもよい。或いは、これは、センサ、推定器、又はオブザーバーを介してロータ上で直接測定できる。ID_Measuredは、ステータの位相の電流測定値又は推定値をRDQN基準フレームに変換することによって(例えば、クラーク変換及びパーク変換を使用して)取得してもよい。MIMOコントローラのR軸電圧出力は、本明細書で説明する技術を使用して、データ信号としてロータに無線で通信してもよく、(例えば、図7Bに関して上述したように)ロータ巻線上で所望の電圧レベルを達成するためにアクティブ整流器を制御するために使用されてもよい。或いは、特定の実施形態では、I_excitationは、ステータによってロータに課せられ、ロータ信号はステータ信号に埋め込まれたパターンを通過する(I_excitation)。I_excitationにより、ロータ回路(アクティブ整流器など)がロータ巻線を制御して、ロータがその信号に対して直角位相(つまり、90°位相が異なる)になるようにする。ロータがI_excitationと直角位相にあることに応答して、I_excitationがロータ巻線に効果的に発生する。この信号送信は二次的な目的として説明され、ステータによって配信される望ましいロータ信号(I_excitation)の大きさと周波数によって示されてもよく、これにより、ロータコントローラは、主なI動作と並行して、ステータ信号に対する動作の位相を選択できる。主な動作は、トルクを発生させる可能性のある磁場を確立することとして説明できる。逆に、第2の目的は、ステータからロータへのエネルギーの伝送を引き起こすステータ及び/又はロータの信号、又はその2つの間における信号であるが、トルクや磁場エネルギーに大きな変化はない。D軸電圧出力は、ステータの各相(例えば、三相システムのV、V、V)に望ましい電圧レベルを提供するために、RDQN座標系からステータの固定座標系に変換できる。これらの所望の電圧レベルは、各相のステータコイルを駆動するスイッチング素子のPWMデューティサイクルに所望の電圧レベルをマッピングするルックアップテーブル、関数、モデル、又はアルゴリズムへの入力として提供される(例えば、図25及び26のスイッチング素子2504及び2604を参照)。次いで、コントローラは、決定されたデューティサイクルに従ってこれらのスイッチング素子を駆動することができる。動作中、MIMOコントローラは入力電流誤差を継続的に受信してサンプリングし、ロータとステータを駆動するための出力制御電圧を生成する(主な目的と副次的な目的に従って)。
図27は、本開示の態様とともに使用することができる、方法2700のフローチャートである。方法2700の全て又は一部は、本開示に従って、コントローラ2200、モータコントローラ104、アクティブ整流器、及び/又はロータ制御ユニットによって実行されてもよい。方法2700は、他のコントローラ及びシステムによって実装することもできる。
ブロック2705では、ロータによってステータから無線で電力伝送信号を受信する。ここで、ステータは、通電されてステータ極を画定するように構成されたステータ巻線を含み、ロータは、通電されてロータ極を画定するように構成されたロータ巻線を含む。ロータ極は、ステータ極と相互作用して(例えば、磁気的に相互作用又は磁気結合して)、ロータとステータとの間に相対力を生成してもよい。ステータは、例えば、ステータ108、ステータ302、又は本明細書に記載の別のステータであってもよい。同様に、ロータは、ロータ106、ロータ304、ロータ2101、ロータ2120、ロータ2150、又は本明細書に記載の別のロータであってもよい。ステータ巻線は、本明細書に記載されるように、コントローラ(例えば、コントローラ104又は2200)によって生成されるトルク制御信号を介して通電されて、ステータ極を画定してもよい。例えば、コントローラは、インバータブリッジのスイッチング素子を駆動してトルク制御信号をステータ巻線に印加するスイッチコントローラ(例えば、スイッチコントローラ2514又は2614)を組み込んでもよい(例えば、図25及び26を参照)。トルク制御信号は、モータの1つ以上の制御チャネル又は軸(例えば、D軸、Q軸、N軸、M軸、K軸など)に沿って生成されてもよい。ステータ極とロータ極は、相互作用するそれぞれの磁場に関連付けられており、その結果、ロータにトルクが発生する(例えば、ロータを回転させる)。
更に、ステータ極とロータ極は相互作用して、ロータ上の電流だけでなく、エアギャップ内に磁場を確立してもよい。このロータへの電流の確立は、ステータとロータ間の信号の送信を通じて行われてもよく、ステータからロータに電力伝送信号を送信するには、コントローラは、本開示を通じて説明される技術のうちの1つ以上を使用してステータ巻線を駆動してもよい。例えば、電力伝送信号は、制御チャネル又は軸(例えば、D軸、Q軸、N軸、M軸、K軸など)に沿ってインジェクションされ、その結果、制御チャネル又は軸に沿ってステータ巻線を介して変調信号(振幅又は周波数が変調)が生成され、これにより、ロータの1つ又は複数のロータ巻線に電力伝送信号が誘導される。これらの電力信号及び/又はデータ信号は、個別に、またはトルク制御信号と併せて通過させてもよい。
ブロック2710において、アクティブ整流器は、電力伝送信号から電気エネルギーを取得する。ここで、アクティブ整流器はロータに回転的に固定され、ロータ巻線のうちの1つ又は複数の第1のロータ巻線に導電的に結合される。アクティブ整流器は、アクティブ整流器311、500、510、602、718、900、1000、1200、1300、1400、1500、1600、1900、2000、又は別のアクティブ整流器であってもよい。電気エネルギーを捕捉するために、アクティブ整流器は対応する制御回路によって制御される(例えば、ロータ上のマイクロプロセッサ又はゲート駆動ユニットを参照)。例えば、制御回路は、アクティブ整流器のスイッチング素子を(例えば、それぞれのPWM信号を使用して)駆動し、変調電力伝送信号からの電気エネルギーを、1つ以上の個別で別々の(discrete, separate)エネルギー貯蔵要素(例えば、本明細書に記載され、様々な回路図及び図面に示されているキャパシタ、インダクタ、バッテリ、スーパーキャパシタなど)に蓄積させ、それは、ロータ巻線自体を含んでもよい(ロータ巻線はインダクタとして機能する)。エネルギー貯蔵要素は、例えば、無線電力の受信又はステータからのデータ伝送と同時にトルクを生成するためにロータ巻線に電力を供給するなど、ロータバス電圧を維持するのに役立ちうる。代替的又は追加的に、電気エネルギーを捕捉するために、制御回路は、アクティブ整流器のスイッチング素子を(例えば、それぞれのPWM信号で)駆動して、変調電力伝送信号からの電気エネルギーがアクティブ整流器とロータ巻線に流れ続けるようにしてもよく、これにより、アクティブ整流器とロータ巻線が共振回路又はフォワードコンバータとして機能するようにし、ここでは、電気エネルギーが出力されるのとほぼ同じ速度で電気エネルギーが捕捉される。
ブロック2715において、アクティブ整流器は、電力伝送信号から捕捉された電気エネルギーを1つ又は複数の第1のロータ巻線に導くことによって、1つ又は複数の第1のロータ巻線を流れる電流を制御する。電流の流れを制御するために、アクティブ整流器は対応する制御回路によって制御される(例えば、ロータ上のマイクロプロセッサ又はゲート駆動ユニットを参照)。例えば、制御回路はアクティブ整流器のスイッチング素子を(例えば、それぞれのPWM信号を使用して)駆動し、捕捉された電気エネルギーが、エネルギー貯蔵素子、ロータ巻線、又は共振回路からロータ巻線を通って、所望の大きさ及び方向で流れるようにする。ある例では、アクティブ整流器は、ステータD軸電圧よりも遅れる、(例えば、一般に方形波形状を有する)周期的な電圧信号をロータ巻線上に生成するように駆動される(例えば、図8を参照)。図8に示すように、このアプローチでは一般に、(キャパシタ電圧806の上昇によって示されるように)ロータ電圧が方形波サイクルの低い部分にある間に電力が捕捉され、そして、(キャパシタ電圧806の低下によって示されるように)方形波サイクルの高い部分にあるときに、捕捉された電力でロータ巻線を駆動する。追加的又は代替的に、本出願全体を通じて(例えば、他のアクティブ整流器トポロジに関して)説明された他のアクティブ整流器制御スキームのうちの1つ又は複数も、ブロック2715で使用されてよい。
上で述べたように、方法2700は、本明細書に開示するアクティブ整流器の実施形態のそれぞれとともに使用されてもよい。幾つかの実施形態では、方法2700は、複数のアクティブ整流器及び共有キャパシタの使用(例えば、図9~12を参照)、ローパスフィルタの適用(図13~15を参照)、AC成分とDC成分の分離(例えば、図13~19を参照)、及びガバナスイッチの適用(例えば、図20Aを参照)など、特定のアクティブ整流器トポロジの特定の機能に対応するための追加のステップを含む。
更に、上で説明したように、幾つかの例では、捕捉された電気エネルギーは、ロータ上の他の回路要素(例えば、アクティブ整流器を制御するために使用されるロータ上の(on-rotor)マイクロプロセッサ)に電力を供給するために適用されてもよい。更に、上で説明したように、幾つかの例では、アクティブ整流器は、ロータによって捕捉された余剰電力をステータに送り返す、及び/又は、データ(例えば、ロータ位置、ロータ温度、ロータ電流、又はその他の状態)をステータに送信するように制御される。
局所的な磁束変動は、スロット効果によりロータが回転すると自然に発生し、鎖交磁束の変化によりAC応答を生成することで電力を伝送するために使用することもできる。つまり、AC応答は、ステータの歯を通過するロータ極の歯通過周波数によって生成される(ステータ巻線が突極性及び/又は集中していると仮定する)。このような固有の変動に依存する実装では、磁場全体の高周波変動/摂動が低減されるか、不必要になる可能性がある。有利なことに、このアプローチでは、発生する損失(スイッチング損失やコア損失など)が少なくなる。ただし、歯の通過周波数はロータの回転速度の関数であるため、これらの変動は完全に制御可能ではない。回転速度が高くなると、局所的なスロット効果と磁束変動の関数として、より効果的なAC応答が得られる傾向がある。
ここに記載される電動機械と方法の幾つか実装では、ハイブリッド方式は、制御方式が局所磁束変動に加えてACインポーズ又はインジェクション(例えば、ステータからロータへのワイヤレス電力伝送用)を利用するように適合させることができる。これにより、AC信号を介した明示的な制御方法と、(例えば、スロッティング効果によって引き起こされる)局所的な磁束変動の効率の利点が提供される。例えば、低速、高トルク条件、又は大きなトルクステップが必要な場合に、AC信号を利用できる。回転速度が高く、トルク要件が低い場合は、磁束要求がそれほど高くないため、局所的な磁束変動が使用される。このようなハイブリッド制御方式の更なる詳細は、「AC及びDCロータコイルを備えた電気機械内での無線電力伝送」というタイトルを有し、弁護士整理番号175073.00032を有し、米国仮出願第63/157,563号に対する優先権を主張する、同時提出されたPCT出願の図20において及び図20に関して提供され、その全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
特許請求の範囲における、異なる名称で示される巻線のグループへの言及は、特許請求の範囲に示されていない限り、それらのグループが異なること又は別個の別個のセットを形成することを意味するものではない。
以上、主題の特定の実装について説明した。他の実装及び変形例は、以下の特許請求の範囲内にあり、本開示の利益を享受する。そのような全ての実装及び変化例を包含することが意図されており、従って、上記の説明は、限定的な意味ではなく例示としてみなされるべきである。場合によっては、特許請求の範囲に記載されているアクションを異なる順序で実行しても、望ましい結果を達成することができる。更に、添付の図に示されるプロセスは、望ましい結果を達成するために、必ずしも示される特定の順序又は一連の順序を必要とするわけではなく、さまざまな要素が追加、並べ替え、結合、省略、又は変更されてもよい。更に、幾つかの非限定的な例では、専用の並列処理デバイス、又は大規模システムの一部として相互運用するように構成された別個のコンピューティングデバイスによって、特定の操作を並列に実行することができる。
1つ又は複数の実施形態が、以下の説明及び添付の図面において説明及び図示される。これらの実施形態は、本明細書で提供される特定の詳細に限定されず、様々な方法で修正することができる。更に、本明細書に記載されていない他の実施形態が存在する可能性がある。また、複数のコンポーネントによって実行される機能を統合して、単一のコンポーネントによって実行することもできる。同様に、1つのコンポーネントによって実行されるものとして本明細書で説明される機能は、複数のコンポーネントによって分散方式で実行されてもよい。更に、特定の機能を実行すると説明されているコンポーネントは、ここで説明されていない追加の機能も実行する場合がある。例えば、特定の方法で「構成」されているデバイス又は構造は、少なくともその方法で構成されているが、記載されていない方法で構成されていることもある。
幾つかの非限定的な例では、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせを使用して方法のコンピュータ化された実装を含む本開示の態様は、標準的なプログラミング又はエンジニアリング技術を使用するシステム、方法、装置、又は製品として実装されることができ、プロセッサ装置、コンピュータ(例えば、メモリに動作可能に結合されたプロセッサ装置)、又は、本明細書で詳述する態様を実装するための別の電子的に動作するコントローラを制御する。従って、例えば、本発明の非限定的な例は、非一時的なコンピュータ可読媒体上に具体的に具体化された一連の命令として実装することができ、これにより、プロセッサ装置は、コンピュータ可読媒体からの命令の読み取りに基づいて命令を実装できるようになる。本発明の幾つかの非限定的な例は、以下の説明と一致する様々なコンピュータハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアなどが含め、自動化装置、専用コンピュータ、又は(特別にプログラム及び構成された)汎用コンピュータなどの装置が含む(又は利用する)ことができる。
本明細書で使用される「製品」(article of manufacture)という用語は、任意のコンピュータ読み取り可能なデバイス、キャリア(例えば、非一時的信号)、又は媒体(例えば、非一時的媒体)からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含することを意図している。例えば、コンピュータ可読媒体には、磁気記憶装置(ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップなど)、光ディスク(コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)など)、スマートカード及びフラッシュメモリデバイス(カード、スティックなど)が含まれるが、これらに限定されない。更に、搬送波は、電子メールの送受信や、インターネットやローカルエリアネットワーク(LAN)などのネットワークへのアクセスに使用されるような、コンピュータ読み取り可能な電子データを搬送するために使用できることを理解されたい。当業者であれば、特許請求される主題の範囲又は精神から逸脱することなく、これらの構成に対して多くの修正を加えることができることを認識するであろう。
本発明による方法、又はそれらの方法を実行するシステムの特定の動作は、図に概略的に表されるか又は本明細書で説明される場合がある。別段の指定又は制限がない限り、特定の空間的順序での特定の操作の図での表現は、それらの操作が特定の空間的順序に対応する特定の順序で実行されることを必ずしも必要としない場合がある。同様に、図に表される、又は本明細書に開示される特定の動作は、本発明の特定の非限定的な例に応じて、明示的に図示又は説明されるのとは異なる順序で実行することができる。更に、幾つかの非限定的な例では、専用の並列処理デバイス、又は大規模システムの一部として相互運用するように構成された別個のコンピューティングデバイスによって、特定の操作を並列に実行することができる。
本明細書でコンピュータ実装の文脈で使用される場合、別段の指定又は制限がない限り、「コンポーネント」、「システム」、「モジュール」などの用語は、ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、又は実行中のソフトウェアが含む、コンピュータ関連システムの一部又は全てを包含することを意図している。例えば、コンポーネントは、プロセッサデバイス、プロセッサデバイスによって実行される(又は実行可能な)プロセス、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、コンピュータプログラム、又はコンピュータであってもよいが、これらに限定されない。例として、コンピュータ上で実行されるアプリケーションとコンピュータの両方をコンポーネントにすることができる。1つ以上のコンポーネント(又はシステム、モジュールなど)が実行のプロセス又はスレッド内に存在してもよく、1台のコンピュータ上にローカライズされてもよく、2つ以上のコンピュータ又は他のプロセッサデバイス間で分散されてもよく、又は、別のコンポーネント(又はシステム、モジュールなど)内に含まれてもよい。
本明細書で使用される「コントローラ」、「プロセッサ」、及び「コンピュータ」という用語には、コンピュータプログラムを実行できる任意のデバイス、又は記載された機能を実行するように構成された論理ゲートを含む任意のデバイスが含まれる。例えば、これにはプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルロジックコントローラなどが含まれる場合がある。別の例として、これらの用語には、1つ又は複数のプロセッサ及びメモリ、及び/又は任意の種類のプロセッサ、CPU、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、又はソフトウェア命令を実行できる他のデバイスなどの1つ又は複数のプログラム可能なハードウェア要素が含まれてもよい。
更に、本明細書で使用される表現及び用語は説明を目的としたものであり、限定するものとしてみなされるべきではない。例えば、本明細書における「備える」(comprising)、「含む」(including)、「包含する」(containing)、「有する」(having)、及びそれらの変形の使用は、その後に列挙されるアイテム及びその等価物、並びに追加の項目を包含することを意味する。更に、「接続された」及び「結合された」という用語は広範に使用され、直接的及び間接的な接続及び結合の両方を包含し、物理的又は電気的な接続又は結合を指してもよい。「実質的に」(substantially)という修飾語は、特定の動作、状態、又は他の用語(例えば、実質的に閉じた)を修飾するために使用される場合、当業者にとってその使用の文脈内で明らかな量を指しうるものであり、そして、少なくとも幾つかの実施形態では、これは、修飾された用語の90%、95%、99%、又は99.5%を指す。更に、2つ以上の項目で使用される「及び/又は」という表現は、項目を個別にカバーすることと、両方の項目を一緒にカバーすることを意図する。例えば、「a及び/又はb」は、a、b、及びaとbをカバーすることを意図する。別段の指定又は制限がない限り、「A、B、及びCの少なくとも1つ」、「A、B、及びCの1つ以上」などに類似した語句は、「A又はB又はC」、又は、A、B、及び/又はCのうち複数又は1つの組み合わせも含めて、「A、B、及び/又はCの任意の組み合わせ」を意味することが意図される。

Claims (97)

  1. 通電されてステータ極を画定するように構成されたステータ巻線を含むステータと、
    通電されて前記ステータ極と相互作用して前記ステータとの間に相対力を生成するロータ極を画定するように構成されたロータ巻線を含むロータであって、前記ロータは前記ステータに磁気結合され、前記ステータから無線で電力伝送信号を受信するように構成されている前記ロータと、
    前記ロータに回転的に固定され、前記ロータ巻線の1つ又は複数の第1のロータ巻線に導電的に結合されたアクティブ整流器と、
    を備え、
    前記アクティブ整流器は、
    前記電力伝送信号から電気エネルギーを取得し、
    前記電力伝送信号から捕捉された前記電気エネルギーを前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に導くことによって、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線を流れる電流を制御する
    ように構成されていることを特徴とする電気機械。
  2. 前記アクティブ整流器に結合されたエネルギー蓄積素子を更に備え、
    前記アクティブ整流器は、更に、前記電力伝送信号から捕捉された前記電気エネルギーを前記エネルギー蓄積素子に蓄積するように構成され、
    前記電気エネルギーを前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に導くことは、前記エネルギー蓄積素子に蓄積された電気エネルギーを引き出すことと、前記引き出した電気エネルギーを前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に導くこととを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気機械。
  3. 前記ロータは、更に、前記ステータから、前記アクティブ整流器の制御情報がエンコードされているデータ信号を無線で受信し、
    前記アクティブ整流器は、更に、前記制御情報に応答して前記1つ又は複数の第1のロータ巻線を流れる電流を制御するように構成される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気機械。
  4. 前記ロータは、前記電力伝送信号に基づいて前記ステータの動作状態を推定して制御情報を決定するように構成されたロータ制御部を更に含み、
    前記アクティブ整流器は、更に、前記制御情報に応答して前記1つ又は複数の第1のロータ巻線を流れる電流を制御するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  5. 前記アクティブ整流器は、前記電力伝送信号から前記電気エネルギーを捕捉し、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線を通る電流の流れを制御するように選択的に制御されるように構成された制御可能なスイッチを含む
    ことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  6. 前記ロータによって無線で受信される前記電力伝送信号は、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線によって受信されるか、又は前記ロータ巻線の1つ又は複数の第2のロータ巻線によって受信される
    ことを特徴とする請求項1~5のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  7. 前記ステータ巻線を流れる電流を制御して前記ステータ巻線に通電して前記ステータ極を画定し、前記電力伝送信号を前記ロータに無線で送信するコントローラ
    を備えることを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  8. 前記コントローラは、前記ステータ巻線を流れる前記電流を制御して前記ステータ巻線に通電して前記ステータ極を画定するために、前記ロータ極のうち最も近いロータ極に対して測定された電流角度で前記ステータ巻線にトルク制御信号を送るように構成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の電気機械。
  9. 前記コントローラは、前記ステータ巻線を流れる前記電流を制御して前記電力伝送信号を前記ロータに無線で送信するために、前記ステータ巻線を介して前記電力伝送信号を送るように構成されており、
    前記電力伝送信号はトルク制御信号とは異なる
    ことを特徴とする請求項7~8のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  10. 前記コントローラは、更に、前記ステータ巻線を流れる前記電流を制御して前記ステータ巻線を介してデータ信号を送り、前記データ信号を前記ロータに無線で送信するように構成されており、
    前記データ信号はトルク制御信号とは異なり、制御情報を含む
    ことを特徴とする請求項7~9のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  11. 前記コントローラは、更に、
    動作条件に応答して電流角度を調整し、
    前記動作条件に応答して前記トルク制御信号の電流の大きさを調整し、
    前記ロータの回転は、動作中に前記ステータ巻線によって生成される前記ステータ極の磁場と同期して維持される
    ことを構成されることを特徴とする請求項8~10のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  12. 前記ロータは、前記ロータ内に埋め込まれた永久磁石を含む
    ことを特徴とする請求項1~11のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  13. 前記ロータ極の1つに関連付けられた各ロータ巻線は、単一の対応するアクティブ整流器に導電的に結合される
    ことを特徴とする請求項1~12のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  14. 前記アクティブ整流器は、Hブリッジ構成で配置された複数のゲートを備える
    ことを特徴とする請求項1~13のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  15. 前記アクティブ整流器は、Hブリッジ構成で配置された2つのダイオードと2つのゲートを備え、
    前記2つのダイオードは、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線と直列に配置され、
    前記2つのゲートは、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線と直列に配置される
    ことを特徴とする請求項1~14のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  16. 前記ロータは、更に、前記ステータからデータ信号を無線で受信し、
    前記ゲートは、前記ロータによって前記ステータから無線で受信された前記データ信号に応答して作動する
    ことを特徴とする請求項14~15のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  17. 前記ゲートはトランジスタを含む
    ことを特徴とする請求項14~15のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  18. ロータ制御部を備え、
    前記ロータ制御部は、
    前記ステータから無線で受信した前記電力伝送信号から、前記ロータの動作設定値を示すデータ信号を抽出し、
    前記動作設定値に応答して前記アクティブ整流器のスイッチング動作を制御する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1~17のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  19. 前記データ信号は、振幅変調又は周波数変調によって前記電力伝送信号に埋め込まれる
    ことを特徴とする請求項18に記載の電気機械。
  20. 前記動作設定値は、ロータ巻線電圧設定値、ロータ巻線電流設定値、又はロータ電圧周波数設定値を含む
    ことを特徴とする請求項18~19のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  21. 前記スイッチング動作の制御は、ロータ巻線電圧を対応するステータ巻線電圧よりも先行させ、ロータ巻線電流をアクティブに弱めることを含む
    ことを特徴とする請求項18~20のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  22. ロータ制御部を備え、
    前記ロータ制御部は、
    前記ステータから無線で受信した前記電力伝送信号に基づいて、前記ステータの動作状態を推定し、
    前記推定された動作状態に応答して、前記アクティブ整流器のスイッチング動作を制御する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1~17のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  23. 前記ステータの前記動作状態は、ステータ巻線電圧を含む
    ことを特徴とする請求項22に記載の電気機械。
  24. 前記ロータ巻線のうちのn個のロータ巻線が互いに導電的に結合され、
    前記電気機械は、更に、コントローラを備え、前記コントローラは、
    n個の電圧成分を含む電圧を前記ステータ巻線に印加し、各電圧成分は、前記電圧成分に対応する電流によって生成される磁場によって前記n個のロータ巻線のそれぞれに結合し、
    前記n個の電圧成分はそれぞれ別個の位相によって特徴付けられ、前記別個の位相は約360/n度ずつ分離される
    ように構成されることを特徴とする請求項1~23のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  25. 前記n個のロータ巻線は、前記ロータの異なるそれぞれの極対に含まれている
    ことを特徴とする請求項24に記載の電気機械。
  26. 前記アクティブ整流器は、前記n個のロータ巻線のそれぞれに導電的に結合された共有キャパシタを備え、
    前記アクティブ整流器は前記n個のロータ巻線のそれぞれに流れる電流の方向を制御する間、前記共有キャパシタはエネルギーを蓄積し、
    ことを特徴とする請求項24~25のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  27. 前記ロータはn個の追加のロータ巻線を備え、
    前記n個の追加のロータ巻線のそれぞれは、前記n個のロータ巻線のうちの対応する1つとの極対に含まれ、
    前記n個のロータ巻線は、前記アクティブ整流器によって前記n個の追加のロータ巻線に導電的に結合される
    ことを特徴とする請求項24~26のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  28. 前記n個の追加のロータ巻線は、前記アクティブ整流器に対してデルタ構成で導電的に結合される
    ことを特徴とする請求項27に記載の電気機械。
  29. 前記n個のロータ巻線は、直列に導電的に結合される
    ことを特徴とする請求項24~28のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  30. 前記n個のロータ巻線は、前記n個の電圧成分に関して交互の極性で直列に導電的に結合される
    ことを特徴とする請求項29に記載の電気機械。
  31. 前記アクティブ整流器及び前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に導電的に結合されたローパスフィルタ
    を備えることを特徴とする請求項1~30のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  32. 前記ローパスフィルタのDC出力は、前記アクティブ整流器のDC出力に導電的に結合される
    ことを特徴とする請求項31に記載の電気機械。
  33. 前記アクティブ整流器は、前記ステータ巻線によって前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に誘導される周期電圧にゼロシーケンスを導入するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1~32のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  34. 前記アクティブ整流器は、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に、前記ステータ巻線の対応する周期電圧と比較して約90度シフトした周期電圧を生じさせるように構成される
    ことを特徴とする請求項1~33のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  35. 前記アクティブ整流器は、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線を介して、非ゼロのDC電流を生成するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1~34のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  36. 前記ステータ極に関連し前記ステータ巻線によって生成される磁場は、対応するロータ極と実質的に沿っているD成分と、電気座標系内の前記対応するロータ極に90度先行するQ成分と、を含み、
    前記電力伝送信号は、前記D成分の変調、前記Q成分の変調、又は、前記D成分と前記Q成分の両方の変調に含まれる
    ことを特徴とする請求項1~35のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  37. 前記ステータ極に関連し前記ステータ巻線によって生成される磁場は、対応するロータ極と実質的に沿っているD成分、電気座標系内の前記対応するロータ極に90度先行するQ成分、並びに前記D成分及び前記Q成分に直交するz成分を含み、
    前記電力伝送信号は、前記z成分の変調に含まれる
    ことを特徴とする請求項1~35のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  38. 前記電力伝送信号は、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に通電するための無線電力伝送を提供し、
    前記ロータは、更に、前記ステータ巻線から、前記アクティブ整流器の制御情報がエンコードされているデータ信号を無線で受信し、
    前記電力伝送信号は、前記ステータと前記ロータが誘導結合される第1の制御可能な軸に沿って無線で受信され、
    前記データ信号は、前記ステータと前記ロータが結合されている第2の異なる制御可能な軸に沿って無線で受信される
    ことを特徴とする請求項1~35のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  39. 前記電力伝送信号は、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に通電するための電力の無線伝送を提供し、
    前記ロータは、更に、前記ステータ巻線から、前記アクティブ整流器の制御情報がエンコードされているデータ信号を無線で受信し、
    前記電力伝送信号と前記データ信号は、前記ステータと前記ロータが無線で磁気結合されている第1の制御可能な軸に沿って無線で受信され、
    前記第1の制御可能な軸は、回転座標系の軸である
    ことを特徴とする請求項1~35のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  40. 前記電力伝送信号は、制御可能な軸に沿って前記ロータによって無線で受信され、
    前記ステータと前記ロータは、前記ステータの磁場の変調された振幅、ステータの磁場の変調された周波数、又はその両方に基づいて、前記制御可能な軸に磁気結合されている
    ことを特徴とする請求項1~35のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  41. 前記ステータは、1つ又は複数の制御可能な軸上の前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に結合される
    ことを特徴とする請求項1~35のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  42. 前記相対力は、前記1つ又は複数の制御可能な軸のうちの第1の制御可能な軸に沿ったカップリングによって生成され、
    前記電力伝送信号は、前記第1の制御可能な軸に沿って無線で受信される
    ことを特徴とする請求項41に記載の電気機械。
  43. 前記アクティブ整流器は、前記ロータ巻線の第1のサブセットにおける実質的なDC電流、及び前記ロータ巻線の第2の異なるサブセットにおける実質的な振動電流を生成するように構成される
    ことを特徴とする請求項1~42のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  44. 前記アクティブ整流器は、前記ロータに取り付けられた1つ又は複数の回路基板に含まれる
    ことを特徴とする請求項1~43のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  45. 前記1つ又は複数の回路基板は、前記ロータのロータシャフトに組み込まれる
    ことを特徴とする請求項44に記載の電気機械。
  46. 前記電力伝送信号の周波数は、前記相対力を生成するために前記ステータ巻線に送られるトルク制御信号の周波数とは独立である
    ことを特徴とする請求項1~45のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  47. 前記ロータは、更に、前記ステータ巻線から、前記アクティブ整流器の制御情報がエンコードされているデータ信号を無線で受信し、
    前記データ信号の周波数は、前記相対力を生成するために前記ステータ巻線に送信されるトルク制御信号の周波数とは独立している
    ことを特徴とする請求項1~46のうちいずれか1項に記載の電気機械。
  48. モータを制御する方法であって、
    ロータによってステータから無線で電力伝送信号を受信し、前記ステータは、通電されてステータ極を画定するように構成されたステータ巻線を含み、前記ロータは、通電されて前記ステータ極と相互作用して前記ロータと前記ステータとの間に相対力を生成するロータ極を画定するように構成されたロータ巻線を含むように構成されており、
    前記ロータに回転的に固定されたアクティブ整流器によって、前記電力伝送信号から電気エネルギーを捕捉し、前記アクティブ整流器は、前記ロータ巻線の1つ又は複数の第1のロータ巻線に導電的に結合され、
    前記アクティブ整流器によって、前記電力伝送信号から捕捉された前記電気エネルギーを前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に導くことによって、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線を流れる電流を制御する
    ことを含むことを特徴とする方法。
  49. 前記アクティブ整流器によって、前記電力伝送信号から捕捉された前記電気エネルギーを前記アクティブ整流器に結合されたエネルギー蓄積素子に蓄積する
    ことを更に含み、
    前記電気エネルギーを前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に導くことは、前記エネルギー蓄積素子に蓄積された電気エネルギーを引き出すことと、前記引き出した電気エネルギーを前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に導くこととを含む
    ことを特徴とする請求項48に記載の方法。
  50. 前記ロータによって、前記ステータから、前記アクティブ整流器の制御情報がエンコードされているデータ信号を無線で受信する
    ことを更に含み、
    前記アクティブ整流器によって、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線を流れる電流を制御することは、前記制御情報に応じて行われる
    ことを特徴とする請求項48~49のうちいずれか1項に記載の方法。
  51. 前記ロータのロータ制御部によって、前記電力伝送信号に基づいて前記ステータの動作状態を推定して制御情報を決定する
    ことを更に含み、
    前記アクティブ整流器によって、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線を流れる電流を制御することは、前記制御情報に応じて行われる
    ことを特徴とする請求項48~50のうちいずれか1項に記載の方法。
  52. 前記アクティブ整流器の制御可能なスイッチを選択的に制御して、前記電力伝送信号から前記電気エネルギーを捕捉し、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線を通る電流の流れを制御する
    ことを更に含むことを特徴とする請求項48~51のうちいずれか1項に記載の方法。
  53. 前記ロータによって無線で受信される前記電力伝送信号は、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線によって受信されるか、又は前記ロータ巻線の1つ又は複数の第2のロータ巻線によって受信される
    ことを特徴とする請求項48~52のうちいずれか1項に記載の方法。
  54. コントローラによって、前記ステータ巻線を流れる電流を制御して前記ステータ巻線に通電して前記ステータ極を画定し、前記電力伝送信号を前記ロータに無線で送信する
    ことを更に含むことを特徴とする請求項48~53のうちいずれか1項に記載の方法。
  55. 前記コントローラは、前記ステータ巻線を流れる前記電流を制御して前記ステータ巻線に通電して前記ステータ極を画定するために、前記ロータ極のうち最も近いロータ極に対して測定された電流角度で前記ステータ巻線にトルク制御信号を送る
    ことを特徴とする請求項54に記載の方法。
  56. 前記コントローラは、前記ステータ巻線を流れる前記電流を制御して前記電力伝送信号を前記ロータに無線で送信するために、前記ステータ巻線を介して前記電力伝送信号を送り、
    前記電力伝送信号はトルク制御信号とは異なる
    を特徴とする請求項54~55のうちいずれか1項に記載の方法。
  57. 前記コントローラによって、前記ステータ巻線を流れる前記電流を制御して前記ステータ巻線を介してデータ信号を送り、前記データ信号を前記ロータに無線で送信する
    ことを更に含み、
    前記データ信号は前記トルク制御信号とは異なり、制御情報を含む
    ことを特徴とする請求項54~56のうちいずれか1項に記載の方法。
  58. 前記コントローラによって、動作条件に応答して電流角度を調整し、
    前記コントローラによって、前記動作条件に応答して前記トルク制御信号の電流の大きさを調整する
    ことを更に含み、
    前記ロータの回転は、動作中に前記ステータ巻線によって生成される前記ステータ極の磁場と同期して維持される
    ことを特徴とする請求項54~57のうちいずれか1項に記載の方法。
  59. 前記ロータは、前記ロータ内に埋め込まれた永久磁石を含む
    ことを特徴とする請求項48~58のうちいずれか1項に記載の方法。
  60. 前記ロータ極の1つに関連付けられた各ロータ巻線は、単一の対応するアクティブ整流器に導電的に結合される
    ことを特徴とする請求項48~59のうちいずれか1項に記載の方法。
  61. 前記アクティブ整流器は、Hブリッジ構成で配置された複数のゲートを備える
    ことを特徴とする請求項48~60のうちいずれか1項に記載の方法。
  62. 前記アクティブ整流器は、Hブリッジ構成で配置された2つのダイオードと2つのゲートを備え、
    前記2つのダイオードは、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線と直列に配置され、
    前記2つのゲートは、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線と直列に配置される
    ことを特徴とする請求項48~61のうちいずれか1項に記載の方法。
  63. 前記ロータによって、前記ステータからデータ信号を無線で受信し、
    前記ロータによって前記ステータから無線で受信された前記データ信号に応答して、前記ゲートを作動させる
    ことを更に含むこと特徴とする請求項61~62のうちいずれか1項に記載の方法。
  64. 前記ゲートはトランジスタを含む
    ことを特徴とする請求項61~63のうちいずれか1項に記載の方法。
  65. 前記ロータのロータ制御部によって、前記ステータから無線で受信した前記電力伝送信号から、前記ロータの動作設定値を示すデータ信号を抽出し、
    前記ロータ制御部によって、前記動作設定値に応答して前記アクティブ整流器のスイッチング動作を制御する
    ことを更に含むこと特徴とする請求項48~64のうちいずれか1項に記載の方法。
  66. 前記データ信号は、振幅変調又は周波数変調によって前記電力伝送信号に埋め込まれる
    ことを特徴とする請求項65に記載の方法。
  67. 前記動作設定値は、ロータ巻線電圧設定値、ロータ巻線電流設定値、又はロータ電圧周波数設定値を含む
    ことを特徴とする請求項65~66のうちいずれか1項に記載の方法。
  68. 前記スイッチング動作の制御は、ロータ巻線電圧を対応するステータ巻線電圧よりも先行させ、ロータ巻線電流をアクティブに弱めることを含む
    を特徴とする請求項65~67のうちいずれか1項に記載の方法。
  69. 前記ロータのロータ制御部によって、前記ステータから無線で受信した前記電力伝送信号に基づいて、前記ステータの動作状態を推定し、
    前記ロータのロータ制御部によって、前記推定された動作状態に応答して、前記アクティブ整流器のスイッチング動作を制御する
    ことを更に含むこと特徴とする請求項48~64のうちいずれか1項に記載の方法。
  70. 前記ステータの前記動作状態は、ステータ巻線電圧を含むこと
    を特徴とする請求項69に記載の方法。
  71. 前記ロータ巻線のうちのn個のロータ巻線が互いに導電的に結合され、
    前記方法は、
    n個の電圧成分を含む電圧を前記ステータ巻線に印加し、各電圧成分は、前記電圧成分に対応する電流によって生成される磁場によって前記n個のロータ巻線のそれぞれに結合する
    ことを更に含み、
    前記n個の電圧成分はそれぞれ別個の位相によって特徴付けられ、前記別個の位相は約360/n度ずつ分離されている
    ことを特徴とする請求項48~70のうちいずれか1項に記載の方法。
  72. 前記n個のロータ巻線は、前記ロータの異なるそれぞれの極対に含まれている
    ことを特徴とする請求項71に記載の電気機械。
  73. 前記アクティブ整流器は前記n個のロータ巻線のそれぞれに流れる電流の方向を制御する間、前記アクティブ整流器の共有キャパシタによって、エネルギーを蓄積し、
    ことを更に含み、
    前記共有キャパシタは、前記n個のロータ巻線のそれぞれに導電的に結合されている
    こと特徴とする請求項71~72のうちいずれか1項に記載の方法。
  74. 前記ロータはn個の追加のロータ巻線を備え、
    前記n個の追加のロータ巻線のそれぞれは、前記n個のロータ巻線のうちの対応する1つとの極対に含まれ、
    前記n個のロータ巻線は、前記アクティブ整流器によって前記n個の追加のロータ巻線に導電的に結合される
    ことを特徴とする請求項71~73のうちいずれか1項に記載の方法。
  75. 前記n個の追加のロータ巻線は、前記アクティブ整流器に対してデルタ構成で導電的に結合される
    ことを特徴とする請求項74に記載の方法。
  76. 前記n個のロータ巻線は、直列に導電的に結合される
    を特徴とする請求項71~75のうちいずれか1項に記載の方法。
  77. 前記n個のロータ巻線は、前記n個の電圧成分に関して交互の極性で直列に導電的に結合される
    ことを特徴とする請求項76に記載の方法。
  78. ローパスフィルタによって、前記アクティブ整流器と前記1つ又は複数の第1のロータ巻線との間で信号をフィルタリングする
    ことを含み、
    前記ローパスフィルタは、前記アクティブ整流器及び前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に導電的に結合されている
    ことを特徴とする請求項48~77のうちいずれか1項に記載の方法。
  79. 前記ローパスフィルタのDC出力は、前記アクティブ整流器のDC出力に導電的に結合される
    ことを特徴とする請求項78に記載の方法。
  80. 前記アクティブ整流器によって、前記ステータ巻線によって前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に誘導される周期電圧にゼロシーケンスを導入する
    ことを更に含むことを特徴とする請求項48~77のうちいずれか1項に記載の方法。
  81. 前記アクティブ整流器によって、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に、前記ステータ巻線の対応する周期電圧と比較して約90度シフトした周期電圧を生じさせる
    ことを更に含むことを特徴とする請求項48~80のうちいずれか1項に記載の方法。
  82. 前記アクティブ整流器によって、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線を介して、非ゼロのDC電流を生成する
    ことを更に含むことを特徴とする請求項48~81のうちいずれか1項に記載の方法。
  83. 前記ステータ極に関連し前記ステータ巻線によって生成される磁場は、対応するロータ極と実質的に沿っているD成分と、電気座標系内の前記対応するロータ極に90度先行するQ成分と、を含み、
    前記電力伝送信号は、前記D成分の変調、前記Q成分の変調、又は、前記D成分と前記Q成分の両方の変調に含まれる
    ことを特徴とする請求項48~82のうちいずれか1項に記載の方法。
  84. 前記ステータ極に関連し前記ステータ巻線によって生成される磁場は、対応するロータ極と実質的に並ぶD成分、電気座標系内の前記対応するロータ極に90度先行するQ成分、並びに前記D成分及び前記Q成分に直交するz成分を含み、
    前記電力伝送信号は、前記z成分の変調に含まれる
    ことを特徴とする請求項48~82のうちいずれか1項に記載の方法。
  85. 前記電力伝送信号は、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に通電するための無線電力伝送を提供し、
    前記ロータは、更に、前記ステータ巻線から、前記アクティブ整流器の制御情報がエンコードされているデータ信号を無線で受信し、
    前記電力伝送信号は、前記ステータと前記ロータが誘導結合される第1の制御可能な軸に沿って無線で受信され、
    前記データ信号は、前記ステータと前記ロータが結合されている第2の異なる制御可能な軸に沿って無線で受信される
    ことを特徴とする請求項48~82のうちいずれか1項に記載の方法。
  86. 前記電力伝送信号は、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に通電するための電力の無線伝送を提供し、
    前記ロータは、更に、前記ステータ巻線から、前記アクティブ整流器の制御情報がエンコードされているデータ信号を無線で受信し、
    前記電力伝送信号と前記データ信号は、前記ステータと前記ロータが無線で磁気結合されている第1の制御可能な軸に沿って無線で受信され、
    前記第1の制御可能な軸は、回転座標系の軸である
    ことを特徴とする請求項48~82のうちいずれか1項に記載の方法。
  87. 前記電力伝送信号は、制御可能な軸に沿って前記ロータによって無線で受信され、
    前記ステータと前記ロータは、前記ステータの磁場の変調された振幅、ステータの磁場の変調された周波数、又はその両方に基づいて、前記制御可能な軸に磁気結合されている
    を特徴とする請求項48~82のうちいずれか1項に記載の方法。
  88. 前記ステータは、1つ又は複数の制御可能な軸上で前記1つ又は複数の第1のロータ巻線に結合される
    を特徴とする請求項48~82に記載の方法。
  89. 前記相対力は、前記1つ又は複数の制御可能な軸のうちの第1の制御可能な軸に沿ったカップリングによって生成され、
    前記電力伝送信号は、前記第1の制御可能な軸に沿って無線で受信される
    を特徴とする請求項88に記載の方法。
  90. 前記アクティブ整流器によって、前記ロータ巻線の第1のサブセットにおける実質的なDC電流、及び前記ロータ巻線の第2の異なるサブセットにおける実質的な振動電流を生成する
    ことを更に含むことを特徴とする請求項48~89のうちいずれか1項に記載の方法。
  91. 前記アクティブ整流器は、前記ロータに取り付けられた1つ又は複数の回路基板に含まれる
    を特徴とする請求項48~90のうちいずれか1項に記載の方法。
  92. 前記1つ又は複数の回路基板は、前記ロータのロータシャフトに組み込まれる
    ことを特徴とする請求項90に記載の方法。
  93. 前記電力伝送信号の周波数は、前記相対力を生成するために前記ステータ巻線に送られるトルク制御信号の周波数とは独立であること
    を特徴とする請求項48~92のうちいずれか1項に記載の方法。
  94. 前記ロータによって、前記ステータ巻線から、前記アクティブ整流器の制御情報がエンコードされているデータ信号を無線で受信する
    ことを更に含み、
    前記データ信号の周波数は、前記相対力を生成するために前記ステータ巻線に送信されるトルク制御信号の周波数とは独立している
    ことを特徴とする請求項48~93のうちいずれか1項に記載の方法。
  95. n個の周期電圧を前記ステータ巻線に印加する
    ことを更に含み、
    前記n個の周期電圧はそれぞれn個のロータ巻線に、n個の周期電圧に関連するステータ電流によって、結合するようにタイミングが調整され、前記n個のロータ巻線は互いに導電的に結合されており、
    前記n個の周期電圧はそれぞれ別個の位相によって特徴付けられ、前記別個の位相は約360/n度ずつ分離される
    ことを特徴とする請求項48~94のうちいずれか1項に記載の方法。
  96. 前記アクティブ整流器は、前記1つ又は複数の第1のロータ巻線の電圧にローパスフィルタリングを適用するように制御される
    ことを特徴とする請求項48~95のうちいずれか1項に記載の方法。
  97. 電気機械を制御する方法であって、
    ステータのステータ巻線に通電して前記ステータ内にステータ磁場を生成し、
    磁束を確立することによってステータ磁場によって、ロータ極内の強磁性材料内の対応するロータ磁場を変更し、
    前記ステータ磁場の変化によって前記ロータの接線方向の力を生成し、
    前記生成した接線方向の力によって、前記ロータを移動させ、
    前記通電されたステータ巻線によって、データ信号を生成する
    ことを含み、
    前記データ信号は、前記データ信号が1つ又は複数の第2ロータ巻線によって受信されると、アクティブ整流器は、前記受信したデータ信号に応答して制御され、エアギャップにおける磁束の通電遅れを制御するように構成され、前記エアギャップは前記ステータの内面と前記ロータの外面との間に画定され、
    前記受信されたデータ信号に応答して、前記ロータ内の磁束の減衰が、前記ステータ磁場の変化に応答して、1つ又は複数の第1のロータ巻線内の電流によって制御される
    ことを特徴とする方法。
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