JP2024508602A - 多層経口薄膜 - Google Patents

多層経口薄膜 Download PDF

Info

Publication number
JP2024508602A
JP2024508602A JP2023542877A JP2023542877A JP2024508602A JP 2024508602 A JP2024508602 A JP 2024508602A JP 2023542877 A JP2023542877 A JP 2023542877A JP 2023542877 A JP2023542877 A JP 2023542877A JP 2024508602 A JP2024508602 A JP 2024508602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
matrix layer
layer
thin film
multilayer oral
multilayer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023542877A
Other languages
English (en)
Inventor
ミヒャエル・リン
クリストフ・シュミッツ
クラウディア・ノレッリ
マーリオ・フィッカー
Original Assignee
エルテーエス ローマン テラピー-ジステーメ アーゲー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エルテーエス ローマン テラピー-ジステーメ アーゲー filed Critical エルテーエス ローマン テラピー-ジステーメ アーゲー
Publication of JP2024508602A publication Critical patent/JP2024508602A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0053Mouth and digestive tract, i.e. intraoral and peroral administration
    • A61K9/006Oral mucosa, e.g. mucoadhesive forms, sublingual droplets; Buccal patches or films; Buccal sprays
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/13Amines
    • A61K31/135Amines having aromatic rings, e.g. ketamine, nortriptyline
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/06Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
    • A61K47/08Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite containing oxygen, e.g. ethers, acetals, ketones, quinones, aldehydes, peroxides
    • A61K47/10Alcohols; Phenols; Salts thereof, e.g. glycerol; Polyethylene glycols [PEG]; Poloxamers; PEG/POE alkyl ethers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/06Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
    • A61K47/16Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite containing nitrogen, e.g. nitro-, nitroso-, azo-compounds, nitriles, cyanates
    • A61K47/18Amines; Amides; Ureas; Quaternary ammonium compounds; Amino acids; Oligopeptides having up to five amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/30Macromolecular organic or inorganic compounds, e.g. inorganic polyphosphates
    • A61K47/32Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. carbomers, poly(meth)acrylates, or polyvinyl pyrrolidone
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/70Web, sheet or filament bases ; Films; Fibres of the matrix type containing drug
    • A61K9/7007Drug-containing films, membranes or sheets

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)
  • Vending Machines For Individual Products (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

本発明は、それぞれが少なくとも1種のポリマーを含有する第1および第2のマトリックス層と、第1のマトリックス層と第2のマトリックス層との間に位置している分離層とを含む多層経口薄膜であって、分離層は少なくとも1種のポリエチレングリコールを含む、多層経口薄膜に関する。本発明は、該薄膜を製造する方法、および薬剤としてのその使用にも関する。

Description

本発明は、多層経口薄膜、その製造方法、および薬剤としての該経口薄膜の使用に関する。
経口薄膜は、少なくとも1種の薬学的活性剤を含有する薄膜であって、口腔中に直接または口腔粘膜に対して配置しその場で溶解または吸湿軟化(macerate)させ、それによって該活性剤を送達する、薄膜である。経口薄膜は、特に、粘膜、特に口腔粘膜に適用されると活性剤を粘膜中に直接送達することができる、活性剤含有ポリマーベースの単層または多層薄膜である。口腔粘膜への非常に豊富な血液供給が、血流中への活性剤の迅速な移送を確実にする。この投薬系は、活性剤の大部分が粘膜によって吸収される、したがって、活性剤の従来剤形の場合、すなわち錠剤形態の場合に生じる初回通過効果を回避する、という利点を有する。活性剤は、膜中で溶解、乳化または分散された状態でありうる。
多層経口薄膜は、「一般的な」単層経口薄膜と比較して、さまざまな利点をもたらすことができる。例えば、いくつかの層の組合せによって高い単位面積当たり密度を獲得でき、また、活性剤層とpH調整層、または活性剤層と保護支持層というように、さまざまな層を組み合わせることができる。
多層経口薄膜は、多重コーティングによるか、または、予め作製された層を接着により一体化させるもしくはラミネーションにより一体化させることによるなど、原則的にさまざまな方法で製造することが可能である。
ここで、多重コーティングにはさまざまな欠点がある。例えば、活性剤は、多重コーティング作業によって熱的なストレスをより強く受ける。さらに、層間のそのような接合は強度に欠けることが多く、積層剥離して元の状態に戻るおそれがある。加えて、コーティング(単位面積当たり密度)における誤差は、後続の層でも再現される。
接着剤を用いて複数の層を一体化させることにも欠点がある。公知の接着性層は-OH基などの高密度の官能基を有することが多く、このような官能基は、接着性層経由での活性剤および/または補助物質、例えば緩衝塩などの移行を促進する。加えて、公知の接着性層は難水溶性であることが多く、そのため、患者の口中における溶出挙動の悪さ(口当たりの悪さ)を示す。加えて、公知の接着性層には多量の可塑剤の使用(例えばグリセリンを20%)が必要とされる場合が多いが、これらの可塑剤は、経口薄膜の接着性層以外の層中に移行し、その場における物性を変化させる(例えば、ガラス転移温度を低下させる)おそれがある。
本発明の目的は、先行技術から公知の欠点を克服することであった。特に、個々の層が強固に一体化しており、公知の接着性層および/またはコーティングが互いに節約可能な、多層経口薄膜が提供されるべきである。さらに、個々の層間での物質の移行は、大半が防止されるべきである。加えて、多層経口薄膜は、可能な限り容易かつ費用効率的に製造可能であるべきである。
今回これらの目的には、請求項1に記載の経口薄膜によって、すなわち、それぞれが少なくとも1種のポリマーを含有する第1および第2のマトリックス層と、第1のマトリックス層と第2のマトリックス層との間に位置している分離層とを含む多層経口薄膜であって、分離層は少なくとも1種のポリエチレングリコールを含む、多層経口薄膜によって対処した。
このような多層経口薄膜を使用する利点の1つは、ポリエチレングリコール膜が、その滑らかな表面、その低い融点またはガラス転移温度、その無害な毒性プロファイルおよびその水溶性ゆえに、多層経口薄膜における分離層/連結層/接着性層として好適である、ということである。加熱および/または高圧処理によって、ポリエチレングリコール接着性層は、2つの別の層を互いに連結させるのに特に適したものとなる。例えば、活性剤含有層とpH調整緩衝層とを互いに連結させることができる。
原則的には、複数の積層物を異なる活性剤/補助物質と組み合わせて「サンドイッチOTF」を形成することも可能である。
さらに、ポリエチレングリコール層は、個々の層間での活性剤または補助物質(例えば緩衝塩)の移行を防止または最小化するバリア層として適している。
また、ポリエチレングリコール接着性層は可塑剤などの補助物質をまったくまたは小量しか必要とせず(例えばグリセリンを2~3%)、したがって、接着性層の成分が経口薄膜の他の層中に移行するリスクが低減される。
本文書において、「~を含む」という文言は、「~からなる」を意味することも可能である。
これ以降、用語「分離層」、「連結層」および「接着性層」は、同意語として理解されたい。
ポリエチレングリコール(PEG)は、一般式:
Figure 2024508602000001
の化合物である。
高分子量の固体であるポリエチレングリコール(融解温度約65℃)は、ポリエチレンオキシドまたはポリオキシエチレン(PEO、もしくはこれより頻度は低いがPEOXと略される)またはポリワックスと呼ばれることも多い。本文書において、用語「ポリエチレングリコール」、「ポリエチレンオキシド」および「polyox」は、同等の意味で用いる。
第1および第2のマトリックス層に関する以下の定義は常に、第1および第2のマトリックス層の双方に同じように適用される。
原則的には、第1および第2のマトリックス層は、同一の組成または異なる組成を有することができる。
本発明による多層経口薄膜は、好ましくは、第1および/または第2のマトリックス層が少なくとも1種の水溶性ポリマーを含むことを特徴とする。
水溶性ポリマーは、化学的に大きく異なる天然または合成ポリマーを含むが、これらのポリマーに共通した特色は、水または水性媒体への可溶性を有することである。必須条件は、これらのポリマーが、水溶性であるだけ十分な数の親水性基を有するとともに架橋していないことである。親水性基は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性および/または双性イオン性でありうる。
水溶性ポリマーは、好ましくは、水への溶解度が25℃で100g/Lを超える。
少なくとも1種の水溶性ポリマーは、好ましくは、デンプンおよびデンプン誘導体、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルもしくはプロピルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドポリマー、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ゼラチン、コラーゲン、アルギネート、ペクチン、プルラン、トラガント、キトサン、アルギン酸、アラビノガラクタン、ガラクトマンナン、寒天、アガロース、カラギーナンおよび天然ゴムからなる群から選択され、ポリビニルアルコールが特に好ましい。
本発明による多層経口薄膜は、好ましくは、少なくとも1種のポリマー、好ましくは水溶性ポリマーが、第1および/または第2のマトリックス層の総重量に対して10から90重量%まで、好ましくは20から60重量%まで、特に好ましくは30から50重量%までの量で特定のマトリックス層に備わっていることを特徴とする。
第1および/または第2のマトリックス層は、好ましくは、少なくとも1種の薬学的活性剤を含有する。
第1および第2のマトリックス層は、同一のまたは異なる薬学的活性剤を含有することができる。
少なくとも1種の薬学的活性剤は、原則的には何ら制限されないが、好ましくは、経口および/または経粘膜適用に適したすべての薬学的活性剤から選択される。
本発明によれば、特定の薬学的活性剤の薬学的に許容される塩および溶媒和物もすべて、薬学的活性剤に包含される。
好ましい活性剤は、鎮痛薬、ホルモン、催眠薬、鎮静薬、抗てんかん薬、蘇生薬、向精神神経薬、神経筋肉遮断薬、抗けいれん薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、強心薬、抗不整脈薬、利尿薬、降圧薬、昇圧薬、抗うつ薬、鎮咳薬、去痰薬、甲状腺ホルモン、性ホルモン、抗糖尿病薬、抗腫瘍活性剤、抗生物質、化学療法薬および麻薬に分類される活性剤を含む群から選択されるが、この群は網羅的なものではない。
少なくとも1種の薬学的活性剤は、特に好ましくはケタミンおよび/またはその薬学的に活性な塩もしくは溶媒和物、好ましくはケタミンHClである。
ケタミンは、(S)-(±)-2-(2-クロロフェニル)-2-(メチルアミノ)シクロヘキサン-1-オン、(R)-(±)-2-(2-クロロフェニル)-2-(メチルアミノ)シクロヘキサン-1-オンおよびラセミ化合物(RS)-(±)-2-(2-クロロフェニル)-2-(メチルアミノ)シクロヘキサン-1-オンを意味すると理解されたい。
(S)-ケタミンまたはその薬学的に許容される塩、特に(S)-ケタミンHClは、特に好ましくはケタミンの単一立体異性体として存在するが、その理由は、(S)-ケタミンの鎮痛および麻酔効力は、(R)型の当該効力よりおよそ3倍高いからである。
第1および/または第2のマトリックス層における活性剤含有量は、比較的広い限度範囲内で変動させることが可能である。特定のマトリックス層の乾燥重量に対して10から60重量%までの範囲は適当であるといえる。一実施形態において、例えば、活性剤が強い不快な味を有し、これをより量の多い矯味剤で補正する必要がある場合には、特定のマトリックス層における活性剤の割合は、どちらかといえば下方の範囲内にある。この場合は、10から40重量%までの範囲が、活性剤の占める適当な比率であるといえる。別の実施形態において、本発明による剤形における活性剤の割合はどちらかといえば上方の範囲内にあり、40から60重量%までの含有量、特に45から55重量%までの含有量が特に好ましいといえる。
(S)-ケタミンまたはその薬学的に許容される塩は、特に好ましくは、第1および/または第2のマトリックス層の乾燥重量に対して45から55重量%までの量で特定のマトリックス層に存在する。
本発明による多層経口薄膜は、さらに好ましくは、第1および/または第2のマトリックス層が、着色剤、香味料、甘味料、可塑剤、矯味剤、乳化剤、エンハンサー(enhancer)、pH調整剤、湿潤剤、保存剤および/または酸化防止剤を含む群から選択される少なくとも1種の補助物質を含むことを特徴とする。
これらの補助物質のそれぞれは、好ましくは、第1および/または第2のマトリックス層の総重量に対して0.1から40重量%まで、好ましくは0.1から30重量%まで、特に好ましくは0.1から15重量%まで、中でも特に好ましくは0.1から10重量%まで、または0.1から5重量%までの量で、特定のマトリックス層に含有される。
少なくとも1種のポリエチレングリコールは、好ましくは、平均分子量が少なくとも2,000g/molから7,000,000g/molまで、または8,000g/molから7,000,000g/molまで、好ましくは8,000g/molから300,000g/molまで、特に好ましくは95,000g/molから105,000g/molまで、特に約100,000g/mol、または195,000g/molから205,000g/molまで、特に約200,000g/molである。
分子量は、以下に記載されているレオロジー測定から導かれる。
本発明による多層経口薄膜は、さらに好ましくは、少なくとも1種のポリエチレングリコールは、25℃で測定されると30mPasから50mPasまで、または65mPasから115mPasまでの粘度を有することを特徴とする。
ここで述べる粘度は、いずれの場合もポリエチレングリコールの5重量%水溶液について言及するものであり、Brookfield粘度計、モデルRVFでスピンドル番号1を用い、50rpmおよび温度25℃の条件で測定した数値である。
例えばPOLYOX WSR N-10またはPOLYOX WSR N-80(Dow Chemical)の商品名で公知のポリエチレングリコールは、特に好ましい。
さらに、ポリエチレングリコールPEG2000、PEG4000、PEG6000、PEG8000、PEG10000またはPEG20000を使用することもできる。
本発明による多層経口薄膜は、さらに好ましくは、少なくとも1種のポリエチレングリコールが、少なくとも1つの分離層の総重量に対して60から100重量%までの量で、好ましくは80から100重量%までの量で、少なくとも1つの分離層に含有されることを特徴とする。
本発明による多層経口薄膜は、さらに好ましくは、少なくとも1種のポリエチレングリコールが、少なくとも1つの分離層の総重量に対して65から100重量%まで、または70から100重量%、または85から100重量%、または90から100重量%、または95から100重量%の量で、少なくとも1つの分離層に含有されることを特徴とする。
本発明による多層経口薄膜は、さらに好ましくは、少なくとも1種のポリエチレングリコールが、少なくとも1つの分離層の総重量に対して60から97.5重量%まで、または65から97.5重量%、または70から97.5重量%、または80から97.5重量%、または85から97.5重量%、または90から97.5重量%、または95から97.5重量%の量で、少なくとも1つの分離層に含有されることを特徴とする。
本発明による多層経口薄膜は、さらに好ましくは、少なくとも1種のポリエチレングリコールが、少なくとも1つの分離層の総重量に対して60から97.5重量%まで、または65から97.5重量%、または70から97.5重量%、または80から97.5重量%、または85から97.5重量%、または90から97.5重量%、または95から97.5重量%の量で、追加的に2から2.5重量%の少なくとも1種の可塑剤、好ましくはグリセリンとともに、少なくとも1つの分離層に含有されることを特徴とする。
本発明による多層経口薄膜は、好ましくは、少なくとも1つの分離層が、着色剤、香味料、甘味料、矯味剤、乳化剤、エンハンサー、pH調整剤、湿潤剤、保存剤および/または酸化防止剤を含む群から選択される少なくとも1種の補助物質を含むことを特徴とする。
これらの補助物質のそれぞれは、好ましくは、分離層の総重量に対して0.1から10重量%まで、好ましくは0.1から5重量%まで、特に好ましくは0.1から2.5重量%までの量で、分離層に含有される。
本発明による多層経口薄膜は、好ましくは、少なくとも1つの分離層が、少なくとも1つの可塑剤、好ましくはグリセリンを、少なくとも1つの分離層の総重量に対して好ましくは0.5から5重量%までの量で、特に好ましくは2から2.5重量%までの量で含有することを特徴とする。
本発明による多層経口薄膜は、さらに好ましくは、第1および/または第2のマトリックス層が、少なくとも1種の水溶性ポリマー、好ましくはポリビニルアルコールおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)を含有することを特徴とする。
TRISはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(THAM)の略称であり、トロメタミン、トロメタモル(INN)ともTRIS緩衝剤とも呼ばれる。化学的には、TRISは、3個のアルコールヒドロキシ基を有する第一級アミンである。
TRISは、生化学的、分子生物学的、微生物学的および薬学的な目的での緩衝物質として使用される。pK値が8.2(20℃で)であるTRISは、pH7.2から9.0の間で良好な緩衝能力を発揮する。
少なくとも1種の水溶性ポリマー、好ましくはポリビニルアルコールおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)を含有するマトリックス層は、これ以降、TRIS緩衝層とも、または、ポリビニルアルコールが使用される場合はTRIS-PVA層とも称することとする。
特に、このようなTRIS緩衝層に用いられる水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコールを含む。
この種の層は、パーセンテージおよびモル換算した場合の最も高い緩衝剤/PVA比でTRISを組み入れることができるという利点を有する。これに対し、他の塩/緩衝剤(リン酸塩、炭酸塩、クエン酸など)を用いた場合には、PVAは凝集または沈殿する。
TRIS-PVA組成物は、よく発泡し、光学的均質性の高い膜を形成することができる。
ポリビニルアルコール(PVAまたはPVAL、ときにはPVOHとも略される)は、一般構造
Figure 2024508602000002
のポリマーであり、少ない割合(約2%)で、
Figure 2024508602000003
のタイプの構造単位を含有することもできる。
これらは、ビニルポリマーの群に属する。
市販のポリビニルアルコールは、重合度が約500から2,500まで(モル質量は約20,000から100,000g/mol)の範囲である白色~黄色がかった粉末状または粒状の材料として供給されており、多くの場合、加水分解度は98から99mol%まで、または87から89mol%である。すなわち、このような市販のポリビニルアルコールは、残留含有物であるアセチル基を含有したままである。ポリビニルアルコールは、メーカーにより、出発ポリマーの重合度、加水分解度、鹸化数および/または溶液粘度の仕様によって特徴付けられている。
本発明によれば、平均分子量が約31,000g/mol(PVA4-88)から約205,000g/mol(PVA40-88)のポリビニルアルコールは、TRIS緩衝層に用いるのに特に適している。
さらに、本発明によれば、落球法(Ph.Eur.2.2.49)により決定される40g/l水溶液での粘度が3.4~4.6mPas(PVA4-88)から34~46mPas(PVA40-88)までのポリビニルアルコールは、TRIS緩衝層、または2つ以上の異なるPVAタイプの混合物に用いるのに特に適している。
本発明による経口薄膜は、好ましくは、ポリビニルアルコールが、TRIS緩衝層の総重量に対して20から90重量%まで、好ましくは40から80重量%まで、中でも特に好ましくは50から75重量%までの量で、TRIS緩衝層に含有されることを特徴とする。
本発明による経口薄膜は、さらに好ましくは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが、TRIS緩衝層の総重量に対して3から70重量%まで、好ましくは10から55重量%まで、中でも特に好ましくは15から50重量%までの量で、TRIS緩衝層に含有されることを特徴とする。
好ましくは、本発明による多層経口薄膜は、特にTRIS緩衝層において、TRIS以外の他の緩衝物質を含有せず、特にリン酸塩、炭酸塩および/またはクエン酸をまったく含有しない。
好ましくは、PVA以外のポリマーは、TRIS緩衝層にまったく含有されない。
本発明による多層経口薄膜は、好ましくは、第1および/または第2のマトリックス層が、空隙を有する固体化発泡体(solidified foam)の形態で存在することを特徴とする。
空隙およびそれに関連して増大した膜表面積は、特に、水または唾液または他の体液が剤形の内部に到達することを容易にし、ひいては剤形の溶解および活性剤の放出を加速させる。
急速吸収性の活性剤の場合は、マトリックス層の急速な溶解によって経粘膜吸収を向上させることも可能である。
一方で、先述の空隙の壁厚は小さいことが好ましい。その理由は、空隙は、例えるなら固体化した泡の姿をしており、そのため、壁厚の小さい空隙であれば、急速な溶解または破壊が生じることになるからである。
この実施形態のさらなる利点は、同等の非発泡性組成物と比較して単位面積当たり密度が高いにもかかわらず、発泡剤として製剤化することで、非発泡性組成物より急速な乾燥が達成できることである。
本発明による多層経口薄膜は、好ましくは、空隙が、互いから隔絶されており、かつ、好ましくは泡の形態で存在しており、この空隙は、空気またはガスで、好ましくは不活性ガスで、特に好ましくは窒素、二酸化炭素、ヘリウムまたはこれらのガスのうちの少なくとも2つの混合物で満たされていることを特徴とする。
別の実施形態によれば、空隙が、好ましくは、マトリックスを貫通する連続的なチャネル系を形成することによって互いに連結している、多層経口薄膜が提供される。
先述の空隙は、好ましくは、マトリックス層の総体積に対して5から98%まで、好ましくは50から80%までの体積分率を有する。このような形で、マトリックス層の溶解を加速させる有利な効果に好ましい影響が及ぶ。
さらに、発泡体形成のためのマトリックスポリマーもしくはポリマーマトリックスに、または得られた発泡体に、乾燥させる前または後の段階で表面活性剤または界面活性剤を添加することによって、乾燥させる前または後の発泡体の安定性を向上させることができる。
本発明による剤形の特性に影響する別のパラメーターは、空隙または泡の径である。泡または空隙は、好ましくは、泡の径を広い範囲でほぼ任意に調節できる泡立機を用いて創出される。したがって、泡または空隙の径は、0.01から350μmの範囲とすることができる。特に好ましくは、径は10から200μmの範囲である。
本発明による多層経口薄膜は、原則的には、含有される層の数に制限はない。
したがって、多層経口薄膜が第1および第2のマトリックス層に加えさらなるマトリックス層を有する実施形態は想定される。先の定義は、そのようなさらなるマトリックス層にも同様に適用される。第1および第2のマトリックス層と同様、こうしたさらなるマトリックス層は、先に定義のとおり、中間の分離層によって互いに連結されている。
一実施形態において、多層経口薄膜は、薬学的活性剤としてケタミン、好ましくは(S)-ケタミンを含有する第1のマトリックス層と、分離層と連結されている第2のマトリックス層としてのTRIS緩衝層とを含み、ここで、第1および第2のマトリックス層ならびに分離層は、先に定義のとおりのものと理解されたい。
一実施形態において、多層経口薄膜は、薬学的活性剤としてケタミン、好ましくは(S)-ケタミンを含有する第1のマトリックス層と、分離層と連結されている第2のマトリックス層としてのTRIS緩衝層とからなり、ここで、第1および第2のマトリックス層ならびに分離層は、先に定義のとおりのものと理解されたい。
本発明による経口薄膜は、好ましくは、面積が0.5cmから10cmまで、特に好ましくは2cmから8cmまでのものである。
本発明による経口薄膜は、好ましくは、多層経口薄膜の単位面積当たり密度が10から500g/m、好ましくは70から400g/mであることを特徴とする。
第1のマトリックス層、第2のマトリックス層または存在する可能性のあるTRIS緩衝層および存在する可能性のある他の層の単位面積当たり密度は、いずれの場合も、好ましくは少なくとも10g/m、より好ましくは少なくとも20g/mもしくは少なくとも30g/m、または最も好ましくは少なくとも50g/mもしくは400g/m以下、より好ましくは350g/m以下もしくは300g/m以下、または最も好ましくは250g/m未満である。好ましくは、単位面積当たり密度は10から400g/m、より好ましくは20から350g/m、または30から300g/m、最も好ましくは50から250g/mである。
好ましくは、用意される層のそれぞれの層厚さは、好ましくは10μmから500μmまで、特に好ましくは20μmから300μmまでである。
したがって、さまざまな層が固体化発泡体の形態で存在する場合は、発泡体として存在する層のそれぞれは、層厚さが好ましくは10μmから3,000μm、特に90μmから2,000μmまでであることが好ましい。
本発明による経口薄膜は、当業者に公知の方法に従って製造することができる。
しかし、本発明による経口薄膜は、好ましくは、
a)少なくとも1種のポリエチレングリコールを含む溶液または懸濁液を作製および展延し、次いで、展延した溶液または懸濁液を乾燥させることによって、少なくとも1種のポリエチレングリコールを含む膜を得る工程と、
b)それぞれが少なくとも1種のポリマーを含む第1および第2のマトリックス層を用意する工程と、
c)工程a)で得た膜を第1のマトリックス層に載せ、かつ、工程a)で得た膜に第2のマトリックス層を載せ、それにより、工程a)で得た膜が第1のマトリックス層と第2のマトリックス層との間に置かれることで未結合の組み品(loose grouping)が形成されるようにする工程と、
d)工程c)由来の未結合の組み品に対して加熱および/または加圧を施すことにより強固な接合を形成する工程と
を含む方法によって製造される。
工程d)では、加熱は30から200度まで、好ましくは50から90度までの温度で好ましくは実行される。
工程d)では、0.001barから20barまで、好ましくは0.01barから8barまでの圧力が好ましくはかけられる。
第1および/または第2のマトリックス層は、好ましくは、
a1)少なくとも1種のポリマーを含む溶液、分散液または融液を作製する工程と、
aa1)化学的ガス生成によりまたは溶解ガス膨張によりガスまたは混合ガスを誘導することによって、工程a1)由来の溶液、分散液または融液を場合により発泡させる工程と、
b)工程a)由来の溶液、分散液もしくは融液、または、工程aa1)由来の場合により発泡させた溶液、分散液もしくは融液を展延することによって、第1および/または第2のマトリックス層を得る工程と
を含む方法によって用意される。
工程aa1)は、空隙を有する固体化発泡体の形態で第1および/または第2のマトリックス層を存在させる予定である場合にのみ必要になる、ということは当業者には明らかである。
本発明は、さらに、先に記載の方法により入手可能な多層経口薄膜に関する。
本発明は、加えて、薬剤としての、先に記載のとおりの、または先に記載の方法により入手可能な多層経口薄膜にも関する。
本発明は、加えて、先に記載のとおりの、または先に記載の方法により入手可能な多層経口薄膜であって、第1および/または第2のマトリックス層における薬学的活性剤としてケタミン、好ましくはS-ケタミンまたはその薬学的に許容される塩が使用されており、疼痛および/もしくは抑うつの、特に自殺リスクを低減する治療における使用のための、ならびに/または、一般的な麻酔薬としての、好ましくは、一般的な麻酔の導入および実施時に、もしくは局所麻酔の場合に用いるサプリメントとしての、および/もしくは鎮痛薬としての使用のための、多層経口薄膜にも関する。
本発明による多層経口薄膜について先に記載した好ましい実施形態は、本発明による方法、この方法により得られる多層経口薄膜、および薬剤としてのその使用にも適用可能である。
以下、非限定的な例に基づいて本発明をより詳細に説明することとなる。
polyoxトップ層を用いた第1のマトリックス層の作製:
試作製剤は、polyox層(発泡させていないもの)と、S-ケタミンを含有する第1のマトリックス層(発泡体の形態である)とから多重コーティングによって形成した。
Figure 2024508602000004
作製:
製剤1は2層製剤であり、ここでは、最初に作製される活性剤非含有分離層を第1のpolyox層が形成した。次いでこの層を、50%(S)-ケタミンHClがポリビニルアルコール(PVA)4-88発泡体マトリックスに含有されている活性剤含有マトリックス層でコーティングした。polyox分離層の乾燥時の単位面積当たり密度は100.0g/mと規定し、これにより、コーティング重量は、残留水1.5%を含む101.5g/mとなった。活性剤含有マトリックス層の乾燥時の単位面積当たり密度は118.7g/mと規定し、これにより、コーティング重量は、残留水4%を含む123.6g/m(期待値)となった。
試作製剤は、polyox分離層(発泡させていないもの)と、S-ケタミンを含有する第1のマトリックス層(発泡させたもの)と、第2のマトリックス層としてのTRIS緩衝層とから形成し、ラミネーションにより連結させた:
Figure 2024508602000005
3つの層を別々に作製し、得られた積層物を70℃に加熱し、ラミネーションにより連結させた。冷却を経て、積層物は強固に連結された。
pH測定
表2に示した個々の層のpH値とともに、これらの層から形成した複合材のpH値も測定した。
Figure 2024508602000006
さまざまな方法によって個々の層を互いに連結させた多層経口薄膜について、個々の層間での物質の移行を調べた。
1. 2層経口薄膜(OTF1) - シームによる層の連結。
OTF1の2つの層は、それぞれ、以下の表4および表5に記載の組成を有した。
Figure 2024508602000007
Figure 2024508602000008
それぞれ表4および表5に記載の組成を有し面積が2.72cmである2つの個々の層を作製し、太さ0.2mmのPVA糸(Vis Extrusion GmbH、Hohberg、ドイツ)を用いて手作業で縫合した。
2. 2層経口薄膜(OTF2) - シーリングによる層の連結。
OTF2の2つの層は、それぞれ、前掲の表4および表5に記載の組成を有した。
それぞれ表4および表5に記載の組成を有し面積が2.72cmである2つの個々の層を作製し、シーリングにより連結させた。この目的のために、携帯用のシーリング装置(Polystar100 GEWをレベル9、および隙間ゲージ間隔850μmで用いた)を使用した。
3. 3層経口薄膜(OTF3) - polyox中間層による層の連結。
OTF3の3つの層は、前掲の表5ならびに以下の表6および表7に記載の組成を有した。
Figure 2024508602000009
Figure 2024508602000010
3つの層が前掲の表5および表6および表7に記載の組成を有する3層経口薄膜を作製した。
この目的のために、polyox層(表7)が中間になるように個々の層を未結合の組み品の形に整えた。未結合の組み品をおよそ70℃に加熱することによって、polyoxが融解し始め、未結合の組み品を構成している層は互いに接合した。
全3通りの処方のOTFを60×60mmのCOC袋に密封し、40℃の実験室キャビネットで保存した。移行テストは、n=3で3週間および6週間の保存後に実施する計画であった。解釈違いにより、3通りの処方のOTFを全部で6つ、3週間後に保管庫から取り出してしまったが、3つのOTFだけを分析した。したがって、残りの3つのOTFを室温で3週間保存した後に40℃のキャビネットに戻すことは可能であった。40℃でさらに3週間を経てから、6週間テスト時点(40℃で3週間+室温で3週間+40℃で3週間)の分析を実施した。
個々の層間での物質の移行を調べた。
Figure 2024508602000011
Figure 2024508602000012
Figure 2024508602000013
Figure 2024508602000014
最も低いpH値および活性剤含有量は、polyox製剤において見出された。したがって、製剤OTF3は、活性剤の移行速度が低めの2つの層を組み合わせる場合には最良の選択肢であると思われた。

Claims (18)

  1. それぞれが少なくとも1種のポリマーを含有する第1および第2のマトリックス層と、第1のマトリックス層と第2のマトリックス層との間に位置している分離層とを含む多層経口薄膜であって、分離層は少なくとも1種のポリエチレングリコールを含む、多層経口薄膜。
  2. 第1および/または第2のマトリックス層は少なくとも1種の水溶性ポリマーを含む、請求項1に記載の多層経口薄膜。
  3. 少なくとも1種の水溶性ポリマーは、デンプンおよびデンプン誘導体、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルもしくはプロピルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドポリマー、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ゼラチン、コラーゲン、アルギネート、ペクチン、プルラン、トラガント、キトサン、アルギン酸、アラビノガラクタン、ガラクトマンナン、寒天、アガロース、カラギーナンおよび天然ゴムを含む群から選択される、請求項2に記載の多層経口薄膜。
  4. 第1および/または第2のマトリックス層は少なくとも1種の薬学的活性剤を含み、少なくとも1種の薬学的活性剤は、好ましくは、鎮痛薬、ホルモン、催眠薬、鎮静薬、抗てんかん薬、蘇生薬、向精神神経薬、神経筋肉遮断薬、抗けいれん薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、強心薬、抗不整脈薬、利尿薬、降圧薬、昇圧薬、抗うつ薬、鎮咳薬、去痰薬、甲状腺ホルモン、性ホルモン、抗糖尿病薬、抗腫瘍活性剤、抗生物質、化学療法薬および麻薬に分類される活性剤を含む群から選択され、少なくとも1種の薬学的活性剤は、好ましくは、ケタミン、特に好ましくは(S)-ケタミンを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の多層経口薄膜。
  5. 第1および/または第2のマトリックス層は、着色剤、香味料、甘味料、可塑剤、矯味剤、乳化剤、エンハンサー、pH調整剤、湿潤剤、保存剤および/または酸化防止剤を含む群から選択される少なくとも1種の補助物質をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の多層経口薄膜。
  6. 少なくとも1種のポリエチレングリコールは、平均分子量が2,000g/molから7,000,000g/molまで、好ましくは8,000g/molから300,000g/molまで、特に好ましくは95,000g/molから105,000g/molまで、特に約100,000g/mol、または195,000g/molから205,000g/molまで、特に200,000g/molである、請求項1~5のいずれか1項に記載の多層経口薄膜。
  7. 少なくとも1種のポリエチレングリコールは、5重量%水溶液を用いて25℃で測定されると30mPa sから50mPa sまでの粘度を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の多層経口薄膜。
  8. 少なくとも1種のポリエチレングリコールは、好ましくは、少なくとも1つの分離層の総重量に対して60から100重量%までの量で、好ましくは80から100重量%までの量で、少なくとも1つの分離層に含有される、請求項1~7のいずれか1項に記載の多層経口薄膜。
  9. 第1および/または第2のマトリックス層は、少なくとも1種の水溶性ポリマー、好ましくはポリビニルアルコールおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の多層経口薄膜。
  10. 水溶性ポリマー、好ましくはポリビニルアルコールは、第1および/または第2のマトリックス層の総重量に対して20から90重量%までの量で第1および/または第2のマトリックス層に含有される、請求項9に記載の多層経口薄膜。
  11. トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンは、第1および/または第2のマトリックス層の総重量に対して3から70重量%までの量で第1および/または第2のマトリックス層に含有される、請求項9または10に記載の多層経口薄膜。
  12. 第1および/または第2のマトリックス層は、空隙を有する固体化発泡体の形態で存在する、請求項1~11のいずれか1項に記載の多層経口薄膜。
  13. 空隙は、互いから隔絶されており、かつ、好ましくは泡の形態で存在しており、ここで空隙は、空気またはガスで、好ましくは不活性ガスで、特に好ましくは窒素、二酸化炭素、ヘリウムまたはこれらのガスのうちの少なくとも2つの混合物で満たされている、請求項12に記載の多層経口薄膜。
  14. 空隙は、互いに連結しており、好ましくは、特定のマトリックス層を貫通するチャネル系を形成している、請求項12または13に記載の多層経口薄膜。
  15. 特定のマトリックス層における空隙は、特定のマトリックス層の総体積に対して5から98%まで、好ましくは50から80%までの体積分率を有する、請求項12~14のいずれか1項に記載の多層経口薄膜。
  16. 請求項1~15のいずれか1項に記載の多層経口薄膜を製造する方法であって、
    a)少なくとも1種のポリエチレングリコールを含む溶液または懸濁液を作製および展延し、次いで、展延した溶液または懸濁液を乾燥させることによって、少なくとも1種のポリエチレングリコールを含む膜を得る工程と、
    b)それぞれが少なくとも1種のポリマーを含む第1および第2のマトリックス層を用意する工程と、
    c)工程a)で得た膜を第1のマトリックス層に載せ、かつ、工程a)で得た膜に第2のマトリックス層を載せ、それにより、工程a)で得た膜が第1のマトリックス層と第2のマトリックス層との間に置かれることで未結合の組み品が形成されるようにする工程と、
    d)工程c)由来の未結合の組み品に対して加熱および/または加圧を施すことにより強固な接合を形成する工程と
    を含む、方法。
  17. 第1および/または第2のマトリックス層は、
    a1)少なくとも1種のポリマーを含む溶液、分散液または融液を作製する工程と、
    aa1)化学的ガス生成によりまたは溶解ガス膨張によりガスまたは混合ガスを誘導することによって、工程a1)由来の溶液、分散液または融液を場合により発泡させる工程と、
    b)工程a)由来の溶液、分散液もしくは融液、または、工程aa1)由来の場合により発泡させた溶液、分散液もしくは融液を展延することによって、第1および/または第2のマトリックス層を得る工程と
    を含む方法によって用意される、請求項16に記載の方法。
  18. 薬剤としての、請求項1~15のいずれか1項に記載の多層経口薄膜の、または請求項16もしくは17に記載の方法によって得られた多層経口薄膜の、使用。
JP2023542877A 2021-01-15 2022-01-14 多層経口薄膜 Pending JP2024508602A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102021100783.6A DE102021100783A1 (de) 2021-01-15 2021-01-15 Mehrschichtiger oraler dünnfilm
DE102021100783.6 2021-01-15
PCT/EP2022/050800 WO2022152883A1 (de) 2021-01-15 2022-01-14 Mehrschichtiger oraler dünnfilm

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024508602A true JP2024508602A (ja) 2024-02-28

Family

ID=79927423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023542877A Pending JP2024508602A (ja) 2021-01-15 2022-01-14 多層経口薄膜

Country Status (10)

Country Link
US (1) US20240091144A1 (ja)
EP (1) EP4277596A1 (ja)
JP (1) JP2024508602A (ja)
KR (1) KR20230131298A (ja)
CN (1) CN116847828A (ja)
AU (1) AU2022208208A1 (ja)
CA (1) CA3208349A1 (ja)
DE (1) DE102021100783A1 (ja)
MX (1) MX2023008400A (ja)
WO (1) WO2022152883A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19954245A1 (de) 1999-11-11 2001-07-19 Lohmann Therapie Syst Lts Mehrschichtige filmförmige Zubereitung aus hydrophilen Polymeren zur schnellen Freisetzung von Wirkstoffen
KR101771629B1 (ko) * 2008-03-31 2017-08-25 닛토덴코 가부시키가이샤 침투제 전달 시스템 및 그의 사용방법
DE102017127434A1 (de) 2017-11-21 2019-05-23 Lts Lohmann Therapie-Systeme Ag Taschenförmige oral auflösende Filme mit hoher Wirkstoffbeladung
DE102017127452A1 (de) 2017-11-21 2019-05-23 Lts Lohmann Therapie-Systeme Ag Wasserlösliche Polymerklebschichten

Also Published As

Publication number Publication date
MX2023008400A (es) 2023-08-03
DE102021100783A1 (de) 2022-07-21
EP4277596A1 (de) 2023-11-22
CN116847828A (zh) 2023-10-03
WO2022152883A1 (de) 2022-07-21
KR20230131298A (ko) 2023-09-12
AU2022208208A1 (en) 2023-07-20
CA3208349A1 (en) 2022-07-21
US20240091144A1 (en) 2024-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2013501718A5 (ja)
JP2005263704A (ja) 口腔内粘膜フィルム剤
JP2024508602A (ja) 多層経口薄膜
US20230136398A1 (en) Oral thin film with smooth fused film
US20240165052A1 (en) Oral thin film comprising a pva-tris buffer layer
US20240156726A1 (en) Multi-layer oral thin film
KR20230131290A (ko) 구강용 박막
CA3240159A1 (en) Oral microneedle patch
CA3239684A1 (en) Application aid
CN117120031A (zh) 具有高活性成分负载水平的卷起的口腔薄膜
US20240074969A1 (en) Oral thin films
JP2024513303A (ja) 経口薄フィルム
JP2014058470A (ja) 可食性積層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A529 Written submission of copy of amendment under article 34 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A529

Effective date: 20230908

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231120