JP2024507698A - マルチリンクアドレス解決のための通信装置および通信方法 - Google Patents
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Abstract
本開示の通信装置は、第1のマルチリンクデバイス(MLD)と連携している複数の通信装置のうちのある1つの通信装置であり、動作中に、要求側通信装置から、アドレス解決要求を含む第1のデータフレームを受信する受信機であって、アドレス解決要求は、第1のMLDのインターネットプロトコルアドレスを含む、受信機と、動作中に、要求側通信装置が第2のMLDと連携しているか否かを判定して、アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させる回路であって、アドレス解決応答は、要求側通信装置が第2のMLDと連携していないという判定に応答して、通信装置の媒体アクセス制御(MAC)アドレス、または、要求側通信装置が前記第2のMLDと連携しているという判定に応答して、第1のMLDのMLD MACアドレスを含む、回路と、を備える。
Description
本実施形態は、一般に、通信装置に関し、より具体的には、マルチリンクアドレス解決のための方法および装置に関する。
今日の世界では、通信デバイスが有線のコンピューティングデバイスと同じ性能でワイヤレスに動作することが期待される。例えば、ユーザは、ユーザのワイヤレス通信デバイスへストリームされた高解像度ムービーをシームレスに観ることができることを期待する。これは、通信デバイスならびに通信デバイスがワイヤレスに接続するアクセスポイントに対する課題を提示する。
米国電気電子学会(IEEE:The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11グループは、最近、これらの課題に対処するために802.11タスクグループ(TG:Task Group)を形成した。2.4GHz、5GHzおよび6GHz周波数帯域におけるマルチリンク動作が、かかる通信のためのキーとなる候補技術として特定された。マルチリンクにわたるマルチチャネルアグリゲーションは、通信データのスループットを何倍も向上させるための自然な方法である。
アクセスポイント(AP:access point)マルチリンクデバイス(MLD:multi-link device)と非AP MLDとの間のかかるマルチリンク動作を可能にするために、1つ以上のリンクにおける連携ステーション(STA:affiliated station)に対してアソシエーションを確立するために、サポートされたリンクのうちの1つを通じてマルチリンクセットアップが行われてよい。
しかしながら、MLDの文脈において、ピアデバイスのリンクレイヤアドレス(例えば、MACアドレス)を、与えられたインターネットレイヤアドレス(例えば、IPアドレス)から解決するためにレガシSTAをサポートするマルチリンクアドレス解決に関しては、これまで議論がなかった。
従って、上述の問題を解決しうる通信装置および通信方法に対するニーズがある。さらに、他の望ましい特徴および特性は、添付図面および本開示のこの背景技術を併せて考えたときに、次の詳細な記載および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
非限定かつ例示的な実施形態は、マルチリンクアドレス解決のための通信装置および通信方法の提供を容易にする。
第1の態様において、本開示は、第1のマルチリンクデバイス(MLD)と連携している複数の通信装置のうちのある1つの通信装置を提供し、その通信装置は、動作中に、要求側通信装置から、アドレス解決要求を含む第1のデータフレームを受信する受信機であって、アドレス解決要求は、第1のMLDのインターネットプロトコル(IP:internet protocol)アドレスを含む、受信機と、動作中に、要求側通信装置が第2のMLDと連携しているか否かを判定して、アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させる回路であって、アドレス解決応答は、要求側通信装置が第2のMLDと連携していないという判定に応答して、通信装置の媒体アクセス制御(MAC:media access control)アドレス、または要求側通信装置が第2のMLDと連携しているという判定に応答して、第1のMLDのMLD MACアドレスを含む、回路とを備える。
第2の態様において、本開示は、AP MLDと連携している複数のアクセスポイント(AP:Access Point)のうちのある1つのAPを提供し、そのAPは、動作中に、要求側通信装置から、アドレス解決要求を含む第1のデータフレームを受信する受信機であって、アドレス解決要求は、AP MLDと関連付けられた第1のMLDのIPアドレスを含み、第1のMLDは、複数の通信装置を備える、受信機と、動作中に、要求側通信装置がAP MLDと関連付けられた第2のMLDと連携しているか否かを判定して、アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させる回路であって、アドレス解決応答は、要求側通信装置が第2のMLDと連携していないという判定に応答して、第1のMLDと連携している複数の通信装置のうちのある1つの通信装置のMACアドレス、または要求側通信装置が第2のMLDと連携しているという判定に応答して、第1のMLDのMLD MACアドレスを含む、回路とを備える。
第3の態様において、本開示は、通信方法を提供し、その方法は、要求側通信装置から、アドレス解決要求を含む第1のデータフレームを受信するステップであって、アドレス解決要求は、第1のMLDのIPアドレスを含む、受信するステップと、要求側通信装置が第2のMLDと連携しているか否かを判定するステップと、アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させるステップであって、アドレス解決応答は、要求側通信装置が第2のMLDと連携していないという判定に応答して、第1のMLDに連携している複数の通信装置のうちのある1つの通信装置のMACアドレス、または要求側通信装置が第2のMLDと連携しているという判定に応答して、第1のMLDのMLD MACアドレスを含む、発生させるステップとを含む。
開示される実施形態の追加的な利益および利点は、明細書および図面から明らかになるであろう。それらの利益および/または利点は、明細書および図面の様々な実施形態ならびに特徴によって個別に得られてよく、かかる利益および/または利点の1つ以上を得るためにすべてが提供される必要はない。
添付図は、同様の参照数字が別々のビューにわたって同一のまたは機能的に類似した要素を参照し、以下の詳細な記載とともに本明細書に組み込まれて、その一部を形成し、様々な実施形態を示して、様々な原理および利点を本実施形態に従って説明するために役立つ。
図中の要素は、簡潔かつ明確にするために示され、必ずしも縮尺通りに描かれなかったことが当業者にわかるであろう。例えば、説明図、ブロックダイアグラムまたはフローチャートにおけるいくつかの要素の寸法は、本実施形態の正確な理解を助けるために他の要素に対して誇張されていることがある。
以下の詳細な記載は、本質的に単に例示的であり、実施形態もしくは実施形態の用途および使用を限定することは意図されない。さらに、先の背景技術もしくはこの詳細な記載に提示されるいずれの理論によっても束縛されるものではない。さらに、他の望ましい特徴および特性は、添付図面および本開示のこの背景技術を併せて考えたときに、次の詳細な記載および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
IEEE802.11(Wi-Fi)技術の文脈において、同義でSTAと言及される、ステーションは、802.11プロトコルを用いるケイパビリティを有する通信装置である。IEEE802.11-2016の定義に基づいて、STAは、IEEE802.11準拠の媒体アクセス制御(MAC)、およびワイヤレス媒体(WM:wireless medium)への物理レイヤ(PHY:physical layer)インタフェースを含む任意のデバイスとすることができる。
例えば、STAは、ラップトップ、デスクトップ・パーソナルコンピュータ(PC:personal computer)、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN:wireless local area network)環境におけるアクセスポイントまたはWi-Fiフォンであってよい。STAは、固定式またはモバイルであってよい。WLAN環境において、用語「STA」、「ワイヤレスクライアント」、「ユーザ」、「ユーザデバイス」、および「ノード」は、しばしば同義で用いられる。
同様に、EEE802.11(Wi-Fi)技術の文脈においてワイヤレスアクセスポイント(WAP:wireless access point)と同義で言及されてよい、APは、WLANにおいてSTAがワイヤードネットワークへ接続することを許容する通信装置である。APは、通常、スタンドアローンデバイスとして(ワイヤードネットワークを介して)ルータへ接続するが、ルータと統合し、またはルータ中に採用することもできる。
前述のように、WLAN内のSTAは、異なる機会にAPとして機能してよく、逆もまたしかりである。これは、IEEE802.11(Wi-Fi)技術の文脈における通信装置がSTAハードウェアコンポーネントおよびAPハードウェアコンポーネントの両方を含みうるためである。このようにして、通信装置は、実際のWLAN条件および/または要件に基づいて、STAモードとAPモードとの間で切り替わってよい。
アドレス解決プロトコル(ARP:Address resolution protocol)は、ピアデバイスのインターネットレイヤ(例えば、IPアドレス)が知られているときに、そのデバイスのリンクレイヤアドレス(例えば、MACアドレス)を発見するために用いられる。各デバイスは、かかる発見されたIPv4アドレスとMACアドレスとの間のマッピングの一時的「ARPキャッシュ」を保持する。以下のステップがARPでは実行される、すなわち、
1.ソースデバイスがキャッシュをチェックする:ソースデバイスは、それが宛先デバイスの解決をすでに有するかどうかを判定するためにそのキャッシュを最初にチェックするであろう。すでに有すれば、それは、このプロセスの最終ステップ、ステップ♯9へスキップできる。
2.ソースデバイスがARP要求メッセージを発生させる:ソースデバイスは、ARP要求メッセージを発生させる。それは、それ自体のデータリンクレイヤアドレスを送信元ハードウェアアドレス(SHA:Sender Hardware Address)として、およびそれ自体のIPアドレスを送信元プロトコルアドレス(SPA:Sender Protocol Address)として置く。ソースデバイスは、宛先のIPアドレスをターゲットプロトコルアドレスとして埋める。(それは、ターゲットハードウェアアドレスをブランクのままにしなければならない、なぜなら、それが判定しようとしているものだからである!)
3.ソースデバイスがARP要求メッセージをブロードキャストする:ソースは、ARP要求メッセージをローカルネットワーク上でブロードキャストする。
4.ローカルデバイスがARP要求メッセージを処理する。メッセージは、ローカルネットワーク上の各デバイスによって受信される。それが処理されて、各デバイスは、ターゲットプロトコルアドレス上の一致を探す。一致しないものは、メッセージをドロップして、さらなる行動をとらないであろう。
5.宛先デバイスがARP応答メッセージ(ユニキャスト)を発生させる:そのIPアドレスがメッセージのターゲットプロトコルアドレスのコンテンツと一致する1つのデバイスが、ARP応答メッセージを発生させるであろう。それは、ARP要求メッセージから送信元ハードウェアアドレスおよび送信元プロトコルアドレスフィールドをとり、これらを応答のターゲットハードウェアアドレスおよびターゲットプロトコルアドレスの値として用いる。そのデバイスは、次に、それ自体のレイヤ2アドレスを送信元ハードウェアアドレスとして、およびそのIPアドレスを送信元プロトコルアドレスとして埋める。
6.宛先デバイスがARPキャッシュをアップデートする:ソースがIPデータグラムを今宛先へ送る必要があるならば、当然ながら、宛先は、応答をおそらく近いうちにソースへ送ることが必要であろう(結局、ネットワーク上のほとんどの通信が双方向性である。)最適化として、次に、宛先デバイスは、ARP要求を送ったソースのハードウェアおよびIPアドレスを含むエントリをそれ自体のARPキャッシュへ追加するであろう。これによって、宛先は、不必要な解決サイクルを後ほど行うことを必要としないで済む。これは、オポチュニスティックARPキャッシュ(Opportunistic ARP Cache)アップデートと呼ばれることがある。
7.宛先デバイスがARP応答メッセージを送る:宛先デバイスは、ARP応答メッセージを送る。この応答は、しかしながら、ブロードキャストする必要はないので、ユニキャストでソースデバイスへ送られる。
8.ソースデバイスがARP応答メッセージを処理する:ソースデバイスは、宛先からの応答を処理する。それは、そのIPデータグラムを送信するのに用いるために、送信元ハードウェアアドレスを宛先のレイヤ2アドレスとして記憶する。
9.ソースデバイスがARPキャッシュをアップデートする:ソースデバイスは、このデバイスへ送信するときに将来用いるためにそのARPキャッシュをアップデートすべく、送信元プロトコルアドレスおよび送信元ハードウェアアドレスを用いる。
1.ソースデバイスがキャッシュをチェックする:ソースデバイスは、それが宛先デバイスの解決をすでに有するかどうかを判定するためにそのキャッシュを最初にチェックするであろう。すでに有すれば、それは、このプロセスの最終ステップ、ステップ♯9へスキップできる。
2.ソースデバイスがARP要求メッセージを発生させる:ソースデバイスは、ARP要求メッセージを発生させる。それは、それ自体のデータリンクレイヤアドレスを送信元ハードウェアアドレス(SHA:Sender Hardware Address)として、およびそれ自体のIPアドレスを送信元プロトコルアドレス(SPA:Sender Protocol Address)として置く。ソースデバイスは、宛先のIPアドレスをターゲットプロトコルアドレスとして埋める。(それは、ターゲットハードウェアアドレスをブランクのままにしなければならない、なぜなら、それが判定しようとしているものだからである!)
3.ソースデバイスがARP要求メッセージをブロードキャストする:ソースは、ARP要求メッセージをローカルネットワーク上でブロードキャストする。
4.ローカルデバイスがARP要求メッセージを処理する。メッセージは、ローカルネットワーク上の各デバイスによって受信される。それが処理されて、各デバイスは、ターゲットプロトコルアドレス上の一致を探す。一致しないものは、メッセージをドロップして、さらなる行動をとらないであろう。
5.宛先デバイスがARP応答メッセージ(ユニキャスト)を発生させる:そのIPアドレスがメッセージのターゲットプロトコルアドレスのコンテンツと一致する1つのデバイスが、ARP応答メッセージを発生させるであろう。それは、ARP要求メッセージから送信元ハードウェアアドレスおよび送信元プロトコルアドレスフィールドをとり、これらを応答のターゲットハードウェアアドレスおよびターゲットプロトコルアドレスの値として用いる。そのデバイスは、次に、それ自体のレイヤ2アドレスを送信元ハードウェアアドレスとして、およびそのIPアドレスを送信元プロトコルアドレスとして埋める。
6.宛先デバイスがARPキャッシュをアップデートする:ソースがIPデータグラムを今宛先へ送る必要があるならば、当然ながら、宛先は、応答をおそらく近いうちにソースへ送ることが必要であろう(結局、ネットワーク上のほとんどの通信が双方向性である。)最適化として、次に、宛先デバイスは、ARP要求を送ったソースのハードウェアおよびIPアドレスを含むエントリをそれ自体のARPキャッシュへ追加するであろう。これによって、宛先は、不必要な解決サイクルを後ほど行うことを必要としないで済む。これは、オポチュニスティックARPキャッシュ(Opportunistic ARP Cache)アップデートと呼ばれることがある。
7.宛先デバイスがARP応答メッセージを送る:宛先デバイスは、ARP応答メッセージを送る。この応答は、しかしながら、ブロードキャストする必要はないので、ユニキャストでソースデバイスへ送られる。
8.ソースデバイスがARP応答メッセージを処理する:ソースデバイスは、宛先からの応答を処理する。それは、そのIPデータグラムを送信するのに用いるために、送信元ハードウェアアドレスを宛先のレイヤ2アドレスとして記憶する。
9.ソースデバイスがARPキャッシュをアップデートする:ソースデバイスは、このデバイスへ送信するときに将来用いるためにそのARPキャッシュをアップデートすべく、送信元プロトコルアドレスおよび送信元ハードウェアアドレスを用いる。
ARPプローブは、すべてゼロのSPAを用いて構築されるARP要求である。(マニュアル構成、DHCP、または何か他の手段から受信されるか、いずれにしても)IPv4アドレスを用い始める前に、この明細書を実装するホストは、そのアドレスがすでに使用中であるかどうかを確かめるために、ARPプローブパケットをブロードキャストすることによってテストしなければならない。ターゲットIPアドレスは、プローブされているIPアドレスにセットされる。ARP応答が受信された場合、そのIPアドレスは、別のデバイスによってすでに使用中である。
近隣発見(ND:Neighbor Discovery)は、IPv6アドレスおよびMACアドレスマッピングを除いてARPと同様の結果を達成するために用いられてよい。NDメッセージは、ICMPパケット内で含まれる。
IPv6におけるアドレス解決は、やはりダイナミックであり、IPv6アドレスとハードウェアアドレスとのペアリングを保持するキャッシュテーブルの使用に基づく。物理ネットワーク上の各デバイスは、その近隣についてこの情報を追跡する。ソースデバイスが、IPv6データグラムをローカルネットワークの近隣へ送る必要があるがそのハードウェアアドレス(例えば、MACアドレス)を有さないときに、ソースデバイスは、アドレス解決プロセスを始動する。
例えば、デバイスAは、デバイスBへ送ろうとしている要請デバイスである。ARP要求メッセージ(インターネット制御メッセージプロトコル(ICMP:Internet Control Message Protocolタイプ=135)を送る代わりに、デバイスAは、ND近隣要請メッセージを発生させる。基礎をなすデータリンクプロトコルが、イーサネットが行うように、マルチキャスティングをサポートするならば、近隣要請メッセージは、ブロードキャストされない。代わりに、それは、我々がそのIPv6アドレスを解決しようとしているデバイスの要請ノードアドレスへ送られる。デバイスAは、そのメッセージをブロードキャストしないが、代わりに、それをデバイスBの要請ノードマルチキャストアドレスへマルチキャストするであろう。ND近隣要請メッセージは、135のICMPタイプ、ターゲットアドレスフィールド内にデバイスB(解決されるべきデバイス)のIPアドレス、および送信元、すなわち、デバイスAのL2アドレス(例えば、MACアドレス)を示してよい。
デバイスBは、ND近隣要請メッセージを受信して、デバイスAへ近隣広告メッセージ(ICMPタイプ=136)(ユニキャスト)で応答を返すであろう。これは、ARP応答/応答フレームに類似しており、Bの物理アドレスをデバイスAに告げる。デバイスAは、次に、デバイスBの情報をその近隣キャッシュに追加する。効率を上げるために、IPv4アドレス解決におけるように、相互解決がサポートされる。これは、デバイスAがそれ自体のレイヤ2(L2)アドレスを知っていると仮定して、デバイスAにそれを近隣要請メッセージ内に含ませることによって行われる。デバイスBは、これをAのIPアドレスと一緒にBの近隣キャッシュ内に記録するであろう。
要請ノードマルチキャストアドレスは、マルチキャスト対応ネットワーク上の各デバイスがそのユニキャストアドレスから作り出す特殊なマッピングである。要請ノードアドレスは、IPv6アドレスごとにユニークではないが、与えられたネットワーク上のいずれか2つの近隣が同じものを有する確率は小さい。マルチキャストされた近隣要請メッセージを受信する各デバイスは、それが、そのアドレスをソースが解決しようとしているデバイスであることをやはりチェックして確かめなければならない。(これは、ある1つのマルチキャストMACアドレスを32個の異なるIPアドレスが潜在的に共有する、IPv4においてマルチキャストが取り扱われる方法と同様である。)
加えて、プロキシARP機能は、APが、関連STAに代わって、ARP要求(IPv4)または近隣要請メッセージ(IPv6)へ応答することを許容する随意的なワイヤレスネットワーク管理(WNM:wireless network management)機能であり、APは、関連ステーションごとにインターネットアドレス(例えば、インターネットプロトコル(IP)アドレス)に対してハードウェアアドレス(例えば、MACアドレス)を保持する。
加えて、プロキシARP機能は、APが、関連STAに代わって、ARP要求(IPv4)または近隣要請メッセージ(IPv6)へ応答することを許容する随意的なワイヤレスネットワーク管理(WNM:wireless network management)機能であり、APは、関連ステーションごとにインターネットアドレス(例えば、インターネットプロトコル(IP)アドレス)に対してハードウェアアドレス(例えば、MACアドレス)を保持する。
図1は、アクセスポイント(AP)102のプロキシARP機能を示す概略図100を示す。AP102は、ARP要求を、1つの関連STA(例えば、STA1 104)からまたはディストリビューションシステム(DS:distribution system)106から、別の関連STA(例えば、STA2 108)に対応するターゲットIPアドレスを伴って受信する。解決されるべきターゲットIPアドレスが他の関連STA(例えば、STA2 108)のIPv4アドレスであれば、ARP要求パケットを受信すると、AP102は、ARP応答パケットを発生させて、他の関連STA(例えば、STA2 108)のMACアドレスを、送信元のMACアドレスとしてARP応答パケット内に挿入するものとする。同様に、解決されるべきターゲットIPアドレスが別の関連STA(例えば、STA2 108)のIPv6アドレスであるときには、近隣要請メッセージを受信すると、AP102は、別の関連STA(例えば、STA2 108)に代わって、別の関連STA(例えば、STA2 108)のMACアドレスを、送信元のMACアドレスとして含む近隣広告メッセージ(IETF RFC(Internet Engineering Task Force Request for Comments)4861のセクション4.4)で応答するものとする。
ARP要求パケットおよび近隣要請メッセージは、典型的に、レイヤ2(L2)ドメイン全体にわたってブロードキャストされる。プロキシARP機能を用いると、有利には、基本サービスセット(BSS:basic service set)におけるブロードキャストフレームの数が減少する。
とりわけ、MLD上のARP/NDの動作方法についての仮定に起因して、トンネル直接リンクセットアップ(TDLS:tunneled direct link setup)およびTDLS直接リンク通信中のアドレス不一致問題がある。IEEE802.11サブミッション(IEEE 802.11-2/1692r2)サブミッションによれば、TDLSセットアップおよびTDLS直接パス通信中のアドレス不一致問題に対処するために、以下のソリューションが提案されている、すなわち、
・TDLSピアSTAへ直接に送られるフレームについて送信機アドレス(TA:transmitter address)フィールドを非AP MLDのMACアドレスにセットする、
・MLD MACアドレスをリンク識別子エレメント内に用いる、および
・TDLS PeerKey(TPK)ハンドシェイク中にMLD MACアドレスを用いる。
・TDLSピアSTAへ直接に送られるフレームについて送信機アドレス(TA:transmitter address)フィールドを非AP MLDのMACアドレスにセットする、
・MLD MACアドレスをリンク識別子エレメント内に用いる、および
・TDLS PeerKey(TPK)ハンドシェイク中にMLD MACアドレスを用いる。
図2は、MLD200のある構成を示す。802.11be文書0.3(D0.3)の仕様によれば、マルチリンクデバイス(MLD)(例えばAP MLD200)は、1つ以上の連携AP(またはSTA)(例えば、AP1 202およびAP2 204)を有し、かつ1つのMACデータサービスを含む、論理リンク制御(LLC:logical link control)への単一のMAC SAP206を有するデバイスであることが明記されている。APによって無線経由で送られるフレームのMACヘッダ内のアドレス2(送信アドレス(TA:transmitted address)フィールドの値は、個別/グループビットを除いて、そのリンク(例えば、リンク1 208、リンク2 210)に対応するMLD200と連携している送信AP(例えば、AP1 202およびAP2 204)のMACアドレスであるものとし、個別/グループビットは、TAフィールド値が帯域幅シグナリングTAであるときに1にセットされて、そうでない場合に0にセットされる。同様に、APへ無線経由で送られる個別にアドレスされたフレームのMACヘッダ内のアドレス1(受信側アドレス(RA:recipient address))フィールドの値は、そのリンク(例えば、リンク1 208、リンク2 210)に対応するMLDと連携している受信AP(例えば、AP1 202およびAP2 204)のMACアドレスであるものとする。
しかしながら、上記の定義/アドレッシング規則は、EHT MLD用である。しかしながら、EHT APは、高効率(HE:high efficiency)/非常に高スループット(VHT:very high throughput)/高スループット(HT:high throughput)APでもあり、レガシSTA(HE/VHT/HT STA)をサポートする必要がある。レガシSTAは、MLD MACアドレスのコンセプトを理解しない。代わりに、それらは、それらが関連付けられたAPのBSSID(すなわち、L2 MACアドレス)のみを認識するであろう。これは、MLDと連携していないEHT STAである非MLD EHT STAについても真実でありうる。
図3は、AP-MLD302と連携しているAP304、306と、非MLD STA342、および非AP MLD322と連携しているSTA324、326との間の通信を示す概略図300を示す。各MLD、すなわち、AP MLD302または非AP MLD322は、単一のMAC SAP308、328を有し、MAC SAP308、328が、それらそれぞれのMLD MACアドレス310、330に結びつけられた場合、それらのIPアドレスが相応にMLD MACアドレスへマッピングされるであろう。ここでは、非AP MLD322がAP MLD302と関連付けられて、非MLD STA342がAP306と関連付けられると仮定される。
言い換えれば、AP MLD302のAP304、306は、それぞれ、リンク1 350およびリンク2 352を介して直接に非AP MLD322のSTA324、326と通信してよく、一方で、AP2 306は、リンク2 352を介して直接にレガシSTA342とも通信してよい。ARP/NDは、直接リンク通信の前に、またはAPを介した通信のために、ARP/NDクエリおよびメッセージ交換を通じて宛先デバイスのMACアドレスを発見すべくソースデバイスによって始動されてよい。しかしながら、ARP/NDクエリに含まれるIPアドレスアドレスは、MLD MACアドレスへマッピングされることになるので、MLD MACアドレスのみがすべてのARP/NDクエリに対してデフォルトで返されることになり、APまたはSTA MACアドレスは、返されない。そのようにして、直接リンク上でSTA326および342間で送信されたフレームのRAフィールド内にMLD MACアドレスが示されることになるが、STAは、(RAフィールド内にそれらのSTA MACアドレスが示されることを期待するので)それらがそのフレームの意図された受信側ではないことを確認し、結果として、直接リンク上で送信されたフレームをドロップさせることがある。
それゆえに、上記の課題の1つ以上に対処するためのマルチリンクアドレス解決のために実現可能な技術的ソリューションを提供する通信装置および通信方法に対するニーズがある。以下の様々な実施形態において、通信装置および方法は、MLDがレガシSTAからどのようにARPを行い、アドレス解決を処理すべきかに取り組むことを目指す。
本開示の様々な実施形態において、マルチリンクデバイス(MLD)は、2つ以上の周波数帯域またはリンク(2.4GHz、5GHzまたは6GHz)で動作するデバイスを指してよい。MLDは、各々が特定の周波数帯域またはリンクで動作する、2つ以上のリンクに対応する2つ以上の通信装置を備えてよい。簡潔にするために、本開示に示されるMLDの各リンクは、特定の周波数帯域(2.4GHz、5GHzまたは6GHz)で同じく動作している、そのMLDとは連携していない、別の通信装置へ/から信号を送受信するために、その特定の周波数帯域で動作するように主として構成された、そのMLDと連携している多くの通信装置のうちの1つに関係する。
本開示の様々な実施形態において、非MLD STAは、MLDと連携していないレガシ(HE/VHT/HT)STAまたはEHT STAを指してよい。同様に、非MLD APは、MLDと連携していないEHT APを指してよい。
本開示の様々な実施形態において、用語「L2 MACアドレス」は、送受信STAまたはAPのMACアドレスを指し、それに対して、用語「MLD MACアドレス」は、MLDを表すMACアドレスを指す。簡潔にするために、デバイスのMACアドレスを表すのにデバイス名(例えば、STA、APまたはMLD)に文字「M」が添えられてよい。例えば、AP MLDおよび非AP MLDのMLD MACアドレスは、それぞれ、「AP MLD-M」および「STA-MLD-M」と表される。「非AP MLD1」および「非AP MLD2」と名付けられた2つの非AP MLDがあるときには、それらのMLD MACアドレスが、それぞれ、「STA-MLD1-M」および「STA-MLD2-M」と表されるであろう。同様に、APおよびSTAのMACアドレスは、それぞれ、「AP-M」および「STA-M」と表される。「AP1」、「AP2」、「STA1」および「STA2」と名付けられた2つのAPおよび2つのSTAがあるときには、それらのMACアドレスが、それぞれ、「AP1-M」、「AP2-M」、「STA1-M」および「STA2-M」と表されるであろう。
本開示では、同様の表記がIPアドレスに適用される。特に、デバイスのIPアドレスを表すために、デバイス名(例えば、STA、APまたはMLD)に文字「IP」が添えられる。例えば、AP MLDおよび非AP MLDのIPアドレスは、それぞれ、「AP-MLD-IP」および「STA-MLD-IP」と表される。「非AP MLD1」および「非AP MLD2」と名付けられた2つの非AP MLDがあるときに、それらのIPアドレスは、それぞれ、「STA-MLD1-IP」および「STA-MLD2-IP」と表されるであろう。同様に、APおよびSTAのIPアドレスは(MLDと連携しているか否かにかかわらず)、それぞれ、「AP-IP」および「STA-IP」と表される。「AP1」、「AP2、「STA1」および「STA2」と名付けられた2つのAPおよび2つのSTAがあるときには、それらのIPアドレスが、それぞれ、「AP1-IP」、「AP2-IP」、「STA1-IP」および「STA2-IP」と表されるであろう。
本開示の様々な実施形態において、ARP/NDクエリを解決するために、データフレームが用いられて、STAおよびAP間で交換されてよい。データフレームは、受信側アドレス(RA)フィールド、送信機アドレス(TA)フィールド、宛先アドレス(DA)フィールドおよび/またはソースアドレス(SA)フィールドを備えてよい。RAフィールドは、データフレームが送られている次の即受信側(immediate recipient)のMACアドレスを明記する。TAフィールドは、データフレームを送信する即送信元(immediate sender)のMACアドレスを明記する。DAフィールドは、データフレームの宛先のMACアドレスを明記する。SAフィールドは、データフレームの元の送信元のMACアドレスを明記する。
ARPクエリを解決するために、データフレームは、ソースハードウェア(Src.Hw)フィールド、ソースIP(Src.IP)フィールド、ターゲットハードウェア(Hw)フィールドおよびターゲットIPフィールドを備えるARPメッセージ(ARP要求またはARP応答)をさらに含んでよい。ソースハードウェアフィールドは、メッセージを送信する送信元のMACアドレスを明記する。ソースIPフィールドは、メッセージを送信する送信元のIPアドレスを明記する。ターゲットハードウェアフィールドは、メッセージが送信されている受信側のMACアドレスを明記する。ターゲットIPフィールドは、メッセージが送信されている受信側のIPアドレスを明記する。
NDクエリを解決するためには、データフレームは、NDメッセージ(近隣要請メッセージまたは近隣広告メッセージ)をさらに含んでよい。近隣要請メッセージは、値が135のタイプフィールド、ターゲットアドレスフィールド、およびメッセージを送信する送信元のL2 MACアドレスを示すソースL2アドレスフィールドを備える。近隣広告メッセージは、値が136のタイプフィールド、ターゲットアドレスフィールド、およびメッセージが送信されている受信側のL2 MACアドレスを示すターゲットL2アドレスフィールドを備える。
以下の項では、APマルチリンクデバイス(MLD)、非AP MLDおよび/または非MLD STAにおけるマルチリンクアドレス解決に関して、一定の例示的な実施形態がレガシ(HE/VHT/HT)STAの文脈において説明される。
図4は、本開示による通信装置のある構成例を示す。通信装置は、APおよびSTAとして実装されて、本開示によるマルチリンクアドレス解決のために構成されてよい。図4に示されるように、通信装置400は、回路414、少なくとも1つの無線送信機402、少なくとも1つの無線受信機404、および少なくとも1つのアンテナ412(簡潔にするために、例示を目的として1つのアンテナのみが図4に描かれる)を含んでよい。回路414は、多入力および多出力(MIMO:multiple input and multiple output)ワイヤレスネットワークにおける1つ以上の他の通信装置との通信の制御を含めて、少なくとも1つのコントローラ406が行うように設計されたタスクを、ソフトウェアおよびハードウェアの支援により実行する際に用いるための少なくとも1つのコントローラ406を含んでよい。回路414は、さらにまた、少なくとも1つの送信信号発生器408および少なくとも1つの受信信号プロセッサ410を含んでよい。少なくとも1つのコントローラ406は、少なくとも1つの無線送信機402を通じて送られるべきMACフレーム(例えば、データフレーム、管理フレームおよびアクションフレーム)を発生させるための少なくとも1つの送信信号発生器408、および1つ以上の他の通信装置から少なくとも1つの無線受信機404を通じて受信されたMACフレーム(例えば、データフレーム、管理フレームおよびアクションフレーム)を処理するための少なくとも1つの受信信号プロセッサ410を制御してよい。少なくとも1つの送信信号発生器408および少なくとも1つの受信信号プロセッサ410は、図4に示されるように、上述の機能のために少なくとも1つのコントローラ406と通信する通信装置400のスタンドアロンモジュールであってよい。代わりに、少なくとも1つの送信信号発生器408および1つの受信信号プロセッサ410が少なくとも1つのコントローラに含まれてもよい。これらの機能モジュールの配置は、フレキシブルであり、実際のニーズおよび/または要件によって変化しうることが当業者にわかる。データ処理、記憶および他の関連する制御装置を適切な回路基板上および/またはチップセット内に設けることができる。様々な実施形態において、動作中に、少なくとも1つの無線送信機402、少なくとも1つの無線受信機404、および少なくとも1つのアンテナ412が少なくとも1つのコントローラ406によって制御されてよい。
通信装置400は、動作中に、マルチリンクアドレス解決に必要とされる機能を提供する。例えば、通信装置400は、第1のMLDと連携しているSTAであってよく、通信装置400の少なくとも1つの無線受信機404は、動作中に、要求側通信装置(例えば、非MLD STAまたは非AP MLDのSTA)から、第1のMLDのインターネットプロトコル(IP)アドレスを含む、アドレス解決要求を受信してよい。回路414(例えば、回路414の少なくとも1つの受信信号プロセッサ410)は、動作中に、第1のデータフレームを処理して、要求側通信が第2のMLDと連携しているか否かを判定してよい。回路(例えば、回路414の少なくとも1つの送信信号発生器408)は、動作中に、アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させてよく、アドレス解決応答は(i)要求通信装置が第2のMLDと連携していないという判定に応答して、通信装置400の媒体アクセス制御(MAC)アドレス、または(ii)要求通信装置が第2のMLDと連携しているという判定に応答して、第1のMLDのMACアドレスのいずれかを含む。無線送信機402は、動作中に、第2のデータフレームを、例えば、要求側通信装置へ送信してよい。
例えば、通信装置400は、関連STA(例えば、非MLD STA、またはAP MLDと関連付けられた第1の非AP MLDのSTA)に代わって、ARP要求に応答するためにプロキシARP機能が装備されたAP MLDと連携しているAPであってよい。通信装置400の少なくとも1つの無線受信機404は、動作中に、要求側通信装置(例えば、非MLD STAまたは第2の非AP MLDのSTA)からアドレス解決要求を含む第1のデータフレームを受信してよく、アドレス解決要求は、AP MLDと関連付けられた第1のMLDのIPアドレスを含む。回路414(例えば、回路414の少なくとも1つの受信信号プロセッサ410)は、動作中に、第1のデータフレームを処理して、要求側通信装置が第2のMLDと連携しているか否かを判定してよい。回路(例えば、回路414の少なくとも1つの送信信号発生器408)は、動作中に、アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させてよく、アドレス解決応答は、(i)要求通信装置が第2のMLDと連携していないという判定に応答して、関連STAのMACアドレス、または(ii)要求通信装置が第2のMLDと連携しているという判定に応答して、関連STAが連携している第1のMLDのMACアドレスのいずれかを含む。無線送信機402は、動作中に、第2のデータフレームを、例えば、要求側通信装置へ送信してよい。
図5は、本開示による通信方法を示すフローチャート500を示す。ステップ502において、要求側通信装置から、アドレス解決要求を含む第1のデータフレームを受信するステップが実行されて、アドレス解決要求は、第1のMLDのIPアドレスを含む。ステップ504において、要求側通信装置が第2のMLDと連携しているか否かを判定するステップが実行される。ステップ506において、アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させるステップが実行される。アドレス解決応答は、(i)要求側通信装置が第2のMLDと連携していないという判定に応答して、第1のMLDと連携している複数の通信装置のうちのある1つの通信装置のMACアドレス、または(ii)要求通信装置が第2のMLDと連携しているという判定に応答して、第1のMLDのMACアドレスのいずれかを含んでよい。
以下の項では、AP MLDおよび非AP MLDがMLDおよび非MLD接続の両方に同じMAC SAPを用いる、AP MLD、非AP MLDおよび/または非MLD STAにおけるマルチリンクアドレス解決に関して、本開示の第1の実施形態が説明される。
本開示の第1の実施形態において、MLDは、MLDおよび非MLD接続の両方に同じMAC SAPを用いる。図6Aおよび6Bは、本開示の第1の実施形態による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD602および非AP MLD622、ならびにそれぞれのネットワークインタフェースレイヤのそれらそれぞれのインターネットレイヤ604、624との通信の構成例を示す概略図600、620を示す。AP MLD602および非AP MLD622は、MLD MACアドレス608、628へマッピングされる単一のIPアドレス606、626を各々が保持する。例えば、AP MLD602および非AP MLD622によって、レガシARPメッセージパスまたはMLD ARPメッセージパスのいずれかを通じて、リンク610、630から受信された、すべてのARPおよびNDメッセージが、それぞれ、MLD602、622のMAC SAP612、632を通じてルーティングされる。結果として、MLD602、622は、常に、それらそれぞれのMLD MACアドレス608、628をそれらのハードウェア/L2 MACアドレスとして返す。
図7は、本開示の第1の実施形態による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD702と非AP MLD712との間の通信を示すフローチャート700を示す。AP MLD702は、それぞれ、5GHzおよび6GHz周波数帯域上で動作している2つのAP(AP1、AP2 704)と連携している。AP MLD702は、それぞれ、5GHzおよび6GHz周波数帯域上で動作している2つのSTA(STA1、STA2 714)と連携している非AP MLD1 712と関連付けられる。
この例では、関連AP MLD(例えば、AP MLD702)のIPアドレスを解決する非AP MLD(例えば、非AP MLD1 712)が示される。非AP MLD1 712のSTA2 714は、そのDAフィールド726内でブロードキャストアドレス、およびアドレス解決要求(ARP要求)724を含む第1のデータフレーム722を発生させて、6GHzリンク(周波数帯域)上でAP MLD702へ送信することによってARPクエリを始動してよい。DAフィールド726内のブロードキャストアドレスは、第1のデータフレーム722がAP MLD702と関連付けられたすべてのSTAおよび非AP MLDへブロードキャストされることを意味する。ARP要求724は、AP MLD702のIPアドレスをターゲットIPフィールド728内で含み、非AP MLD1 712がAP MLD702の対応するMACアドレスを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
次に、DAフィールドがブロードキャストアドレスにセットされた第1のデータフレーム722を6GHzリンク上で受信する、AP MLD702のAP2 704は、ARP要求724’を含む第1のデータフレーム722’を、非AP MLD1 712を含む基本サービスセット(BSS)中のすべての関連STAおよび/または非AP MLDへ転送する。AP2 704は、SAフィールド727’を非AP MLD1 712のMACアドレスにセットして、第1のデータフレーム722’の元の送信元が非AP MLD1 712であることを示す。STA2 714によって受信されたARP要求724’のターゲットIPフィールド728’内で含まれるターゲットIPアドレスは、そのMLDのIPアドレスと一致しないので、STA2 714は、ARP要求724’を無視するか、またはループバックフレームとしてARP要求724’を拒否する。
他方では、AP2 704によって受信されたARP要求724のターゲットIPフィールド728内で含まれるターゲットIPアドレスは、そのMLDのIPアドレスと一致するので、AP2 704は、アドレス解決応答(ARP応答)734を含む第2のデータフレーム732を発生させて、6GHzリンクを介して非AP MLD1 712へ送信してよい。AP MLD 702は、そのAP MLDのMACアドレスをARP応答734のソースハードウェアフィールド736内に提供する。ARP応答734は、非AP MLD1のMACアドレスおよびIPアドレスも、それぞれ、ターゲットハードウェアフィールド738およびターゲットIPフィールド739内で含み、非AP MLD1 712をARP応答734のターゲット受信側として示す。
STA2 714によって受信されたARP応答734のターゲットIPフィールド739内で含まれるターゲットIPアドレスは、そのMLDのIPアドレスと一致するので、STA2 714は、第2のデータフレーム732を処理して、ARP応答734のソースIPフィールド737内のAP MLDのIPアドレス(AP-MLD-IP)を、ソースハードウェアフィールド736内のAP MLDのMACアドレス(AP-MLD-M)へマッピングするために、そのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、ARPクエリが解決される。
続いて、非AP MLD712は、後続データフレーム(IPパケット)742をAP MLD702へ送信してよい。AP-MLD-IP宛のIPパケットは、IPレイヤにおいてAP-MLD-Mへアドレスされることになるが、非AP MLD712は、AP-MLDと関連付けられているので、AP MLDのすべてのAP MACアドレスを知っており、それゆえに、IPパケット742を含むデータフレームのRAフィールド744を、AP MLD702のAPのうちの1つ(この場合、AP2 704)のMACアドレスにセットするであろう。これからわかるように、アドレス解決は、この場合によく機能する。
図8は、本開示の第1の実施形態による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD802を介した2つの非AP MLD812、822間の通信800を示すフローチャートを示す。AP MLD802は、それぞれ、5GHzおよび6GHz周波数帯域上で動作している2つのAP(AP1、AP2 804)と連携している。AP MLD802は、非AP MLD1 812および非AP MLD2 822と関連付けられる。非AP MLD1 812は、それぞれ、5GHzおよび6GHz周波数帯域上で動作している2つのSTA(STA1、STA2 814)と連携しており、非AP MLD2 822は、それぞれ、5GHzおよび6GHz周波数帯域上で動作している2つのSTA(STA3、STA4 824)と連携している。
この例では、別の非AP MLD(例えば、非AP MLD2 822)のIPアドレスを解決する非AP MLD(例えば、非AP MLD1 812)が示される。非AP MLD1 812のSTA2 814は、そのDAフィールド835内でブロードキャストアドレス、およびアドレス解決要求(ARP要求)834を含む第1のデータフレーム832を発生させて、6GHzリンク(周波数帯域)でAP MLD802へ送信することによって、ARPクエリを始動してよい。DAフィールド835内のブロードキャストアドレスは、第1のデータフレーム832がすべての関連STAおよび非AP MLDにブロードキャストされていることを示す。ARP要求834は、非AP MLD2 822のIPアドレスをターゲットIPフィールド839内で含み、非AP MLD1 812が非AP MLD2 822の対応するMACアドレスを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
次に、第1のデータフレーム832を6GHzリンク上で受信する、AP MLD802のAP2 804は、ARP要求834’を含む第1のデータフレーム832’を、非AP MLD1 812および非AP MLD2 822を含む基本サービスセット(BSS)中のすべての関連STAおよび/または非AP MLDへ転送する。SAフィールド835’は、非AP MLD1 812のMACアドレスを含み、第1のデータフレーム832’の元の送信元が非AP MLD1 812であることを示す。STA2 814およびAP2 804によって受信されたARP要求834’のターゲットIPフィールド839’内で含まれるターゲットIPアドレスは、それらそれぞれのMLDのIPアドレスと一致しないので、STA2 814およびAP2 804は、ARP要求834’を無視するか、またはループバックフレームとしてARP要求834’を拒否する。
他方では、STA4 824によって受信されたARP要求834’のターゲットIPフィールド839’内で含まれるターゲットIPアドレスは、その非AP MLD2のIPアドレス(STA-MLD2-IP)と一致するので、STA4 824は、アドレス解決応答(ARP応答)844を含む第2のデータフレーム842を発生させて、6GHzリンクを介してAP MLD802へ送信してよい。非AP MLD2 822は、その非AP MLD2のMACアドレス(STA-MLD2-M)を、ARP応答844のソースハードウェアフィールド846内で提供する。ARP応答844は、非AP MLD1 812のMACアドレスおよびIPアドレス(STA-MLD1-MおよびSTA-MLD1-IP)も、それぞれ、ターゲットハードウェアフィールド848およびターゲットIPフィールド849内で含み、非AP MLD1 812をARP応答844のターゲット受信側として示す。
第2のデータフレーム842を受信する、AP MLD802は、第2のデータフレーム842内で含まれるARP応答844が、関連非AP MLD(この場合、DAフィールド内のMACアドレス(STA-MLD1-M)に基づいて非AP MLD1)へ向けられていることを確認して、ARP応答844’を含む第2のデータフレーム842’を、連携APのいずれか1つを通じて、非AP MLD1 812へ(この場合、6GHzリンクを介してAP2 804からSTA2 814へ)転送する。
STA2 814によって受信されたARP応答844’のターゲットIPフィールド849’内で含まれるターゲットIPアドレスがそのMLDのIPアドレス(STA-MLD1-IP)と一致するので、非AP MLD1 812は、次に、第2のデータフレーム842’を処理して、ARP応答844’のソースIPフィールド847’内の非AP MLD2のIPアドレス(STA-MLD2-IP)をソースハードウェアフィールド846’内の非AP MLD2のMACアドレス(STA-MLD2-M)へマッピングするために、そのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、ARPクエリが解決される。
続いて、非AP MLD1 812は、後続データフレーム(IPパケット)852をAP MLD802を通じて非AP MLD2 822へ送信してよい。STA-MLD2-IP宛のIPパケットは、後続データフレーム852のDAフィールド855が、そのARPキャッシュ内の記録に基づいて、MLDレベルで非AP-MLD2 822のMLD MACアドレス(STAーMLD2-M)にセットされて、IPレイヤにおいてSTA-MLD2-Mへアドレスされるであろう。
IPパケット852を受信する、AP MLD802は、IPパケット852が関連非AP MLD(この場合、DAフィールド855に基づいて非AP MLD2(STA-MLD2-M))へ向けられていることを確認して、IPパケット852’を、連携APのうちのいずれか1つを通じて非AP MLD2 822へ(この場合、6GHzリンクを介してAP2 804からSTA4 824へ)転送する。非AP MLD2 822がAP MLD802と関連付けられているので、従って、STA4 824のL2 MACアドレスがAP MLD802に知られていることに注目して、AP MLD802は、IP パケット852’をSTA4 824へ転送するときに、RAフィールド853’内で非AP MLDのMLDアドレス(STA-MLD2-M)をSTA4のMACアドレス(STA4-M)に翻訳することが可能である。そのようにして、IPパケット852’は、STA4 824によって正確に受信されて、AP-MLD802を介して送信されたフレームでは問題がないであろう。
しかしながら、本開示のこの第1の実施形態のもとで実行されるARPについては、非AP MLD(例えば、非AP MLD1)によって直接リンク上で(AP MLD802を介さないで)別の非AP MLD(例えば、非AP MLD2)へ送信されるフレームは、RAフィールドがSTAのL2 MACアドレスではなく、MLD MACアドレスにセットされるので、失敗するであろう。図8に示される例に戻ると、ARPクエリが解決された後に、非AP MLD1 812は、パブリックアクションフレーム(アクセスネットワーククエリプロトコル(ANQP:Access Network Query Protocol)要求フレーム)862を直接リンク上で非AP ML2 822へ送信することを望むことがある。非AP MLD1 812が非AP MLD2 822と関連付けられておらず、従って、STA4 824のL2 MACアドレスが非AP MLD1 812には知られていないかもしれないことに注目して、ANQP要求フレーム862のRAフィールド863は、STA4のL2 MACアドレスではなく、非AP MLD2のMLD MACアドレスにセットされる。これは、直接リンク上で送信されたANQP要求862がSTA4 824によってドロップされるか、または無視される原因となるであろう。
図9は、本開示の第1の実施形態による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD902を介した非AP MLD 922とレガシSTA912との間の通信を示すフローチャート900を示す。AP MLD902は、それぞれ、5GHzおよび6GHz周波数帯域上で動作している2つのAP(AP1、AP2 904)と連携している。AP MLD902は、STA5 912および非AP MLD2 922と関連付けられる。非AP MLD2 922は、それぞれ、5GHzおよび6GHz周波数帯域上で動作している2つのSTA(STA3、STA4 924)と連携している。STA5 912は、6GHz周波数帯域上で動作している。
この例では、非AP MLD(例えば、非AP MLD2 922)のIPアドレスを解決するレガシSTA(例えば、STA5 912)が示される。STA5 912は、そのDAフィールド935内でブロードキャストアドレス、およびアドレス解決要求(ARP要求)934を含む第1のデータフレーム932を発生させて、6GHzリンク(周波数帯域)上でAP MLD902へ送信することによって、ARPクエリを始動してよい。DAフィールド935内のブロードキャストアドレスは、第1のデータフレーム932がすべての関連STAおよび非AP MLDへブロードキャストされていることを示す。ARP要求934は、非AP MLD2 924のIPアドレスをターゲットIPフィールド939で含み、STA5 912が非AP MLD2 924の対応するMACアドレスを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
次に、第1のデータフレーム932を6GHzリンク上で受信する、AP MLD902のAP2 904は、ARP要求934’を含む第1のデータフレーム932’を、STA5 912および非AP MLD2 924を含む基本サービスセット(BSS)中のすべての関連STAおよび/または非AP MLDへ転送する。SAフィールド935’は、STA5 912のMACアドレスを含み、第1のデータフレーム932’の元の送信元がSTA5 912であることを示す。STA5 912およびAP2 904によって受信されたARP要求934’のターゲットIPフィールド939’内で含まれるターゲットIPアドレスは、それらそれぞれのL2およびMLD MAC IPアドレスと一致しないので、STA5 912およびAP2 904は、ARP要求934’を無視するか、またはループバックフレームとしてARP要求934’を拒否する。
他方では、STA4 924によって受信されたARP要求934’のターゲットIPフィールド939’で含まれるターゲットIPアドレスは、その非AP MLDのIPアドレス(STA-MLD2-IP)と一致するので、STA4 924は、アドレス解決応答(ARP応答)944を含む第2のデータフレーム942を発生させて、6GHzリンクを介してAP MLD902へ送信してよい。非AP MLD2 924は、その非AP MLD2のMACアドレス(STA-MLD2-M)をARP応答944のソースハードウェアフィールド946内に提供する。ARP応答944は、STA5 912のMACアドレスおよびIPアドレス(STA5-MおよびSTA5-IP)も、それぞれ、ターゲットハードウェアフィールド948およびターゲットIPフィールド949で含み、STA5 912をARP応答944のターゲット受信側として示す。
第2のデータフレーム942を受信する、AP MLD902は、第2のデータフレーム942内で含まれるARP応答944が関連STA(この場合、DAフィールド945内のMACアドレス(STA5-M)に基づいてSTA5 912)へ向けられていることを確認して、ARP応答944’を含む第2のデータフレーム942’を、6GHz帯域において連携AP(この場合、6GHzリンクを介してAP2 904)を通じてSTA5 912へ転送する。
STA5 912によって受信されたARP応答944’のターゲットIPフィールド949’内で含まれるターゲットIPアドレスは、そのIPアドレス(STA5ーIP)と一致するので、STA5 912は、次に、第2のデータフレーム942’を処理して、ARP応答944’のソースIPフィールド947’内の非AP MLDのIPアドレス(STA-MLD2-IP)をソースハードウェアフィールド946’内の非AP MLDのMACアドレス(STA-MLD2-M)へマッピングするために、そのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、ARPクエリが解決される。
続いて、STA5 912は、後続データフレーム(IPパケット)952を、AP MLD 902を通じて非AP MLD2 922へ送信してよい。STA-MLD2-IP宛のIPパケットは、DAフィールド955が非AP MLD2 922のMLD MACアドレス(STA-MLD2-M)にセットされて、IPレイヤにおいてSTA-MLD2-Mへアドレスされるであろう。
IPパケット952を受信する、AP MLD902は、IPパケット952が関連非AP MLD(この場合、ターゲットIPフィールド957内のIPアドレス(STA-MLD2 IP)に基づいて非AP MLD2 922)へ向けられていることを確認して、IPパケット952’を、連携APのいずれか1つを通じてターゲットハードウェア、すなわち、非AP MLD2 922へ(この場合、6GHzリンクを介してAP2 904からSTA4 924へ)転送する。非AP MLD2 922がAP MLD902と関連付けられるので、従って、STA4 924のL2 MACアドレスがAP MLD902に知られていることに注目して、AP MLD902は、IP パケット952’をSTA4 924へ転送するときに、RAフィールド953’内で非AP MLD2のMLDアドレス(STA-MLD2-M)をSTA4のMACアドレス(STA4-M)に翻訳することが可能である。そのようにして、IPパケット952’がSTA4 924によって正確に受信されて、AP-MLD902を介して送信されたフレームに問題はないであろう。
しかしながら、本開示のこの第1の実施形態のもとで実行されるARPについて、レガシSTA(例えば、STA5 912)によって直接リンク上で(例えば、AP MLD 902を介さずに)非AP MLD(例えば、非AP MLD2 922)へ送信されるフレームは、RAフィールドがSTAのL2 MACアドレスではなく、MLD MACアドレスにセットされるので、失敗するであろう。図9に示される例に戻ると、ARPクエリが解決された後に、STA5 912は、パブリックアクションフレーム(ANQP要求フレーム)962を、直接リンク上で非AP ML2 922へ送信することを望むことがある。STA5 912が非AP MLD2 922と関連付けられておらず、従って、STA4 924のL2 MACアドレスがSTA5 912に知られていないかもしれないことに注目して、ANQP要求フレーム962のRAフィールド963は、STA4のL2 MACアドレスではなく、非AP MLD2のMLD MACアドレス(STA-MLD2-M)にセットされる。これは、直接リンク上で送信されたANQP要求フレーム962がSTA4 924によってドロップされるか、または無視される原因となるであろう。
図10は、本開示の第1の実施形態による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD 1002、1つの非AP MLD2 1012およびレガシSTA5 1022間の通信を示すフローチャート1000を示す。AP MLD1002は、それぞれ、5GHzおよび6GHz周波数帯域上で動作している2つのAP(AP1、AP2 1004)と連携している。AP MLD1002は、非AP MLD2 1012およびSTA5 1022と関連付けられる。非AP MLD2 1012は、それぞれ、5GHzおよび6GHz周波数帯域上で動作している2つのSTA(STA3、STA4 1014)と連携している。STA5 1022は、6GHz周波数帯域上で動作している。
この例では、レガシSTA(例えば、STA5 1022)のIPアドレスを解決する非AP MLD(例えば、非AP MLD2 1012)が示される。非AP MLD2 1012のSTA4は、そのDAフィールド1035内でブロードキャストアドレス、およびアドレス解決要求(ARP要求)1034を含む第1のデータフレーム1032を発生させて、6GHzリンク(周波数帯域)上でAP MLD1002へ送信することによって、ARPクエリを始動してよい。DAフィールド1035内のブロードキャストアドレスは、第1のデータフレーム1032がすべての関連STAおよび非AP MLDへブロードキャストされていることを示す。ARP要求1034は、STA5 1022のIPアドレスをターゲットIPフィールド1039内で含み、非AP MLD2 1012がSTA5 1022の対応するMACアドレスを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
次に、第1のデータフレーム1032を6GHzリンク上で受信する、AP MLD1002のAP2 1004は、ARP要求1034’を含む第1のデータフレーム1032’を、非AP MLD2 1012およびSTA5 1022を含む基本サービスセット(BSS)中のすべての関連STAおよび/または非AP MLDへ転送する。SAフィールド1035’は、非AP MLD2 1012のMACアドレスを含み、第1のデータフレーム1032’の元の送信元が非AP MLD2 1012であることを示す。STA4 1014およびAP2 1004によって受信されたARP要求1034’のターゲットIPフィールド1039’内で含まれるターゲットIPアドレスは、それらそれぞれのL2およびMLD MAC IPアドレスと一致しないので、STA4 1014およびAP2 1004は、ARP要求1034’を無視するか、またはループバックフレームとしてARP要求1034’を拒否する。
他方では、STA5 1022によって受信されたARP要求1034’のターゲットIPフィールド1039’内で含まれるターゲットIPアドレスは、そのIPアドレス(STA5-IP)と一致するので、STA5 1022は、アドレス解決応答(ARP応答)1044を含む第2のデータフレーム1042を発生させて、6GHzリンクを介してAP MLD1002へ送信してよい。STA5 1022は、そのL2 MACアドレス(STA5-M)をARP応答1044のソースハードウェアフィールド1046内に提供する。ARP応答1044は、非AP MLD2 1012のMACアドレスおよびIPアドレス(STA-MLD2-MおよびSTA-MLD2-IP)も、それぞれ、ターゲットハードウェアフィールド1048およびターゲットIPフィールド1049で含み、非AP MLD2 1012をARP応答1044のターゲット受信側として示す。
第2のデータフレーム1042を受信する、AP MLD1002は、第2のデータフレーム1042内で含まれるARP応答1044が関連STA(この場合、DAフィールド内のMACアドレス(STA-MLD2-M)に基づいて非AP MLD2 1012)へ向けられていることを確認して、ARP応答1044’を含む第2のデータフレーム1042’を、連携APのいずれか1つを通じて、非AP MLD2 1012へ(この場合、6GHzリンクを介してAP2 1004からSTA4 1014へ)転送する。
STA4 1014によって受信されたARP応答1044’のターゲットIPフィールド1049’内で含まれるターゲットIPアドレスは、そのIPアドレス(STAーMLD2-IP)と一致するので、STA4 1014は、次に、ARP応答1044’のソースIPフィールド1047’内のSTA5のIPアドレス(STA5-IP)をARP応答1044’のソースハードウェアフィールド1046’内のSTA5のMACアドレス(STA5-M)へマッピングするために、第2のデータフレーム1042’を処理して、そのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、ARPクエリが解決される。STA4 1014は、次に、第2のデータフレーム1042’を処理して、ARP応答1044’のソースIPフィールド1047’内のSTA5のIPアドレス(STA5-IP)をソースハードウェアフィールド1046’内のSTA5のMACアドレス(STA5-M)へマッピングするために、そのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、ARPクエリが解決される。
続いて、非AP MLD2 1012は、TDLS発見要求1054を含む後続データフレーム1052を、6GHzリンク上で動作しているAP MLD1002を通じてSTA5 1022へ送信することによって、トンネル直接リンクセットアップ(TDLS)発見を始動してよい。TDLS発見要求は、非AP MLD2 1012のMACアドレスにセットされたTDLSイニシエータフィールド、STA5 1022のMACアドレスにセットされたTDLSレスポンダフィールド 1059を備え、非AP MLD2 1012(イニシエータ)がSTA5 1022(レスポンダ)と直接リンクをセットアップしようとしていることを示す。
後続データフレーム1052を受信する、AP MLD1022は、データフレーム1052内で含まれるTDLS発見要求1054が関連STA(この場合、DAフィールド内のMACアドレス(STA5-M)に基づいてSTA5 1022)へ向けられていることを確認して、データフレーム1052’をSTA5 1022へ転送する。STA5 1022がAP MLD1022と関連付けられているので、従って、STA5 1022のL2 MACアドレスがAP MLD1002に知られていることに注目して、AP MLD1002は、データフレーム1052をSTA5 1022へ転送するときに、STA5のMACアドレス(STA5-M)をRAフィールド1053’内にセットする。そのようにして、データフレームは、STA5 1022によって正確に受信されるであろう。
TDLS発見要求1054’を受信する、STA5 1022は、TDLS発見応答アクションフレーム1062を直接リンク、すなわち、STAの動作リンク(リンク2または6GHz周波数帯域)上でSTA4 1014へ送信し返すことがある。しかしながら、図9に示される例と同様に、STA5 1022が非AP MLD2 1012と関連付けられていないので、従って、STA4 1014のL2 MACアドレスは、STA5 1022に知れていないことがあり、TDLS発見応答アクションフレーム1062のRAフィールド1063は、STA4のL2 MACアドレスではなく、TDLS発見要求1054’内のTDLSイニシエータフィールドに基づいて非AP MLD2のMLD MACアドレス(STA-MLD2-M)にセットされる。これは、直接リンク上で送信されたTDLS発見応答アクション1062がSTA4 1014によってドロップされるか、または無視される原因となるであろう。
それゆえに、本開示によれば、別の非AP MLDまたはレガシSTAによって直接リンク上で送信されたフレームを正確に受信することが可能であるために、通常のフレームフィルタリング基準の他に、非AP MLDは、RAフィールドがそのMLD MACアドレスにセットされた特定のフレームも受け入れるように構成されるべきである。特に、不必要なチェッキングを回避するために、(i)フレームコントロールフィールド「To DS」および「From DS」が0の値にセットされたデータフレーム(セッティングは、ピアツーピア送信に用いられる)、および(ii)TLDS発見応答フレームおよびグループアドレス要求/応答フレーム(ANQP要求/応答に用いられる)のようなピアツーピア発見のために用いられるパブリックアクションフレームなど、ある一定のフレームのRAフィールドのみがMLD MACアドレスについてチャックされる。
しかしながら、これは、無線経由で送られる個別にアドレスされるフレームのMACヘッダ内のアドレス1(RA)フィールドの値は、そのリンクに対応するMLDと連携している受信STAのMACアドレスとする(MLDのMLD MACアドレスではない)という802.11beにおける合意に違反する。
それゆえに、マルチリンクアドレス解決が、RA/TAフィールドのセッティングに関する802.11be合意に従って、直接リンク上で送信されたフレームが別の非AP MLDまたはレガシSTAによって正確に受信される結果をもたらすことができる、上記の課題の1つ以上に対処するための実現可能な技術的ソリューションを提供する通信装置および方法に対するニーズがある。
本開示の第2の実施形態によれば、MLDのIPアドレスが、MLD MACアドレス、またはMLDのL2 MACアドレスのうちの1つのいずれかへダイナミックにマッピングされる。アドレス解決要求(ARP要求または近隣要請メッセージ)に応答して、どのMACアドレスをMLDのハードウェアMACアドレスとして返すべきかを判定するために、判定が実行されてよい。これは、別のMLDまたはSTAのIPアドレスを解決するためにアドレス解決要求を送信する要求側STAが、MLDまたは非MLDであるかどうかに依存する。
要求側STAがMLDであると判定されれば、MLD MACアドレスがMLDのハードウェアMACアドレスとして返され、それに対して、要求側STAが非MLD(EHTもしくはレガシSTAのいずれか)であると判定されれば、アドレス解決要求が受信されたリンク上で動作している連携AP/STAのMACアドレスがMLDのハードウェアMACアドレスとして返される。そのように、非MLDの観点から、MLDは、非MLDが動作する同じリンク上で動作している連携AP/STAのMACアドレスによって識別される。しかしながら、非MLDが図らずもMLDのいずれのセットアップリンクの中にもないリンク上で動作していれば、MLDは、そのMLD MACアドレスによって識別されてよい。
上記のことを達成するための1つの可能なソリューションは、MLDおよび非MLD/レガシ接続のために異なるSAPを用いたMLDによる。以下の項では、MLDおよび非AP MLD/レガシ接続のために、AP MLD、非AP MLDが、異なるMAC SAPを用いるAP MLD、非AP MLDおよび/または非MLD STAにおけるマルチリンクアドレス解決に関して本開示の第2の実施形態が説明される。
MLDによって送信されるフレームは、それがMLDによって送信される(またはそれから発する)ことを示すために「MLインディケーション」を含んでよい。「MLインディケーション」は、MLDによって送信されるすべてのフレーム内で含まれてもよく、またはAP MLDによって送信/リレーされるフレーム内で含まれてもよい。
本開示の第2の実施形態によれば、MLD MACアドレスからL2 MACアドレスへの解決を行うためにMLDアドレスクエリ・メカニズムが提案され、このメカニズムが図18に関して以下の項に示される。
さらに、AP MLDは、プロキシARP機能を提供してよく、この機能は、関連非AP MLDのIPアドレスを、非AP MLDのMLD MACアドレス、または非AP MLDのL2 MACアドレスのうちの1つのいずれかへダイナミックにマッピングする。アドレス解決要求(ARP要求または近隣要請メッセージ)に応答してどのMACアドレスを非MLDのハードウェアMACアドレスとして返すべきかを判定するために、判定が、非AP MLDに代わって、AP MLDによって実行されてよい。これは、非AP MLDまたはSTAのIPアドレス解決するためにアドレス解決要求を送信する要求側STAが、MLDまたは非MLDであるかどうかに依存する。
要求側STAがMLDであると判定されれば、非AP MLDのMLD MACアドレスがMLDのハードウェアMACアドレスとして返され、それに対して、要求側STAが非MLD(EHTもしくはレガシSTAのいずれか)であると判定されれば、アドレス解決要求が受信されたリンク上で動作しているMLDの連携STAのMACアドレスがMLDのハードウェアMACアドレスとして返される。しかしながら、非MLDが図らずも関連非AP MLDのいずれのセットアップリンクの中にもないリンク上で動作していれば、AP MLDは、非AP MLDのMLD MACアドレスをそのハードウェアMACアドレスとして返してよい。
第2の実施形態によれば、関連非AP MLDによって送信されたユニキャストデータフレームを関連非MLD STA(例えば、レガシSTA)へ転送するときに、AP MLDは、転送されるデータフレームのSAフィールドを、フレームがAP MLDによって受信されたリンクに対応する非AP MLDのSTAのMACアドレスとしてセットする。同様に、関連非MLD STA(例えば、レガシSTA)によって送信されたユニキャストデータフレームを関連非AP MLDへ転送するときに、AP MLDは、非AP MLDがそのリンク上で動作している連携APを有する限り、フレームを、フレームが受信された同じリンク上で転送するものとする(すなわち、リンククロスオーバーは許容されない)。
非AP MLDによって非MLD STA(例えば、レガシSTA)へ送信されるTDLSフレーム内では、TDLSイニシエータSTA、TDLSレスポンダSTAのような関連するアドレスフィールドが(MLD MACアドレスではなく)送信リンクに対応する非AP MLDのSTA MACアドレスとしてセットされる。
図11Aおよび図11Bは、本開示の第2の実施による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD1102および非AP MLD1152、ならびにそれぞれのネットワークインタフェースレイヤのそれらそれぞれのインターネットレイヤ1104、1154との通信の構成例を示す概略図1100、1150を示す。AP MLD1102および非AP MLD1152は、各々が、MLD MACアドレス1108、1158へマッピングされた単一のIPアドレス1106、1156、ならびにMLDのためのMAC SAP(例えば、MAC-SAP1 1112,1162)およびMLD内の各々の連携AP/STAのためのAP/STA MAC SAP(例えば、AP1/STA1のMAC-SAP2 1114,1154およびAP2/STA2のMAC-SAP3 1116,1156)を保持する。
AP MLD1102および非AP MLD1152は、MLDおよび非MLD(レガシSTAを含む)接続のために異なるMAC SAPを用いる。MLDのIPアドレスは、MLD MACアドレス1108、1158またはSTA MACアドレス1118、1120、1168、1170のいずれかへダイナミックにマッピングされる。MLDから/へDSへ/からのトラフィック(ARPおよびNDメッセージを含む)は、ライン1122、1172によって示されるように、MLD MAC SAP1112、1162を通じてルーティングされ、一方で、非MLDから/へDSへ/からのトラフィック(ARPおよびNDメッセージを含む)は、ライン1124、1174によって示されるように、STA MAC SAPを通じてルーティングされる。ARP/ND1105、1155は、ARP/ND要求がそれを通じて受信された、対応するMAC SAPのMACアドレスを返す。言い換えれば、ARP/ND要求が非MLDから受信されれば、トラフィックは、STA MAC SAPを通じてルーティングされて、STA MACアドレスが返され、それに対して、ARP/ND要求がMLDから受信されれば、トラフィックは、MLD MAC SAP1114、1116、1154、1156を通じてルーティングされて、従って、MLD MACアドレスが返される。
さらに、やはり可能なのは、複数のIPアドレスがデバイスに割り当てられて、IPアドレスと、各MAC SAPに対応するMACアドレスとの間に1対1のマッピングがあり、例えば、MLD MACアドレスに対応する1つのIPアドレス、およびAP/STA MACアドレスの各々に対応する1つのIPアドレスがあることである。
図12は、本開示の第2の実施形態による、データフレーム1200のフォーマット例を示す。データフレーム1200は、フレームコントロールフィールド、デュレーションフィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンスコントロールフィールド、クオリティ・オブ・サービス(QoS:Quality of Service)コントロールフィールド、HTフィールド、ペイロードフィールドおよびフレームチェックシーケンス(FCS:Frame Check Sequence)を備えてよい。フレームコントロールフィールド1202、デュレーションフィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンスコントロール、QoSコントロールフィールド、HTコントロールフィールドは、MACヘッダとしてグルーピングされてよい。フレームコントロールフィールド1202は、プロトコルバージョンサブフィールド1204、タイプサブフィールド、サブタイプサブフィールド、To DSサブフィールド、From DSサブフィールド、モアフラグメントサブフィールド、リトライサブフィールド、パワーマネジメントサブフィールド、モアデータサブフィールド、保護されたフレームサブフィールド、および+HTサブフィールドを備える。
データフレーム1200のフレームコントロールフィールド1202内のプロトコルバージョンサブフィールド1204が「b00」以外の値にセットされたときに、それは、送信/発信デバイスがMLDであることを識別する「MLインディケーション」としての役割を果たす。受信側STA/AP、または受信側MLDのSTA/APは、送信/発信デバイスがMLDであるか否か、従って、受信されたデータフレームが転送されるMAC SAPを判定するために「MLインディケーション」の存在を用いる。特に、かかる「MLインディケーション」を含む受信側MLDによって受信されたデータフレームは、MLD MAC SAPへ転送されて、一方で、すべての他のデータフレームは、STA/AP MAC SAPへ転送される。受信側MLDのARP/NDは、それを通じてARP/ND要求が受信されたMAC SAPに対応するMACアドレスを、受信側MLDのハードウェアアドレスとして返す。有利には、要求側STA(MLDまたは非MLD)のタイプを識別するMLインディケーションに基づいて、MLDのハードウェアMACアドレスが正確にマッピングされるであろう。
APは、例えば、アソシエーション手順中のケイパビリティ交換に基づいて、すべての関連デバイスのデバイスタイプを知っている。「MLインディケーション」がなくても、APは、TAフィールドに基づいてMAC SAPを決定できる。レガシSTAからのデータフレームは、AP MAC SAPへ進み、一方で、非AP MLDからのデータフレームは、MLD MAC SAPへ進む。
図13は、本開示の第2の実施形態による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD1302と非MLD STA1312との間の通信を示すフローチャートを示す。AP MLD1302は、それぞれ、5GHzおよび6GHz周波数帯域上で動作している2つのAP(AP1、AP2 1304)と連携している。AP MLD1302は、6GHz周波数帯域上でSTA5 1312と関連付けられる。
この例では、関連AP MLD(例えば、AP MLD1302)のIPv4アドレスを解決するレガシSTA(例えば、STA5 1312)が示される。STA5 1312は、そのDAフィールド1325内でブロードキャストアドレス、およびアドレス解決要求(ARP要求)1324を含む第1のデータフレーム1322を発生させて、6GHzリンク(周波数帯域)上でAP MLD1302へ送信することによってARPクエリを始動してよい。DAフィールド1325内のブロードキャストアドレスは、第1のデータフレーム1322がすべての関連STAおよび非AP MLDへブロードキャストされていることを示す。ARP要求1324は、AP MLD1302のIPアドレス(AP-MLD-IP)をターゲットIPフィールド1329内で含み、STA5 1312がAP-MLD1302の対応するMACアドレスを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
次に、第1のデータフレーム1322を6GHzリンク上で受信する、AP MLD1302のAP2 1304は、ARP要求1324’を含む第1のデータフレーム1322’を、STA5 1312を含む基本サービスセット(BSS)中のすべての関連STAおよび/または非AP MLDへ転送してよい。SAフィールド1325’は、STA5のMACアドレスを含み、第1のデータフレーム1322’の元の送信元がSTA5であることを示す。STA5 1312によって受信されたARP要求1324’のターゲットIPフィールド1329’内で含まれるターゲットIPアドレスは、そのIPアドレスと一致しないので、STA5 1312は、ARP要求1324’を無視するか、またはループバックフレームとしてARP要求1324’を拒否する。
他方では、AP2 1304によって受信されたARP要求1324のターゲットIPフィールド1329内で含まれるターゲットIPアドレスは、そのMLDのIPアドレスと一致するので、AP2 1304は、SAフィールド1325’に基づいて、発信デバイスがSTA5 1312であることを確認して、要求側デバイス5 1312のデバイスタイプを判定してよい。この場合、AP2 1304は、STA5が非MLDであると判定してよく、これを根拠に、ARP要求1324は、(MLD MAC SAPではなく)AP2 MAC SAPへ転送される。
アドレス解決応答(ARP応答)1334を含む第2のデータフレーム1332は、AP MLD1302によって発生されて、6GHzリンクを介してAP2 1304からSTA5 1312へ送信するために、AP2のMAC SAPを介して伝えられる。ARP応答1334は、AP2のMACアドレス(AP2-M)をソースハードウェアフィールド1336内で、AP MLDのIPアドレスをソースIPフィールド1337内で、STA5のMACアドレスをターゲットハードウェアフィールド1338内で、かつSTA5のIPアドレスをターゲットIPフィールド1339内で含み、STA5 1312がARP応答1334のターゲット受信側であることを示す。
STA5 1312によって受信されたARP応答1334のターゲットIPフィールド1339内で含まれるターゲットIPアドレスは、そのIPアドレスと一致するので、STA5 1312は、第2のデータフレーム1332を処理して、ARP応答1334のソースIPフィールド1337内のAP MLDのIPアドレス(AP-MLD-IP)をソースハードウェアフィールド1336内のAP2のMACアドレス(AP2-M)へマッピングするためにそのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、ARPクエリが解決される。
続いて、STA5 1312は、後続データフレーム1342をAP2 MAC-SAPを通じてAP2 1304へ送信してよい。AP MLD宛のデータフレーム1342は、データフレーム1342のRAフィールド1353がAP2のMACアドレス(AP2-M)にセットされて、IPレイヤにおいてAP2へアドレスされるであろう。
図14は、本開示の第2の実施形態の第1の例による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD1402を介した非AP MLD1422と非MLD STA1412との間の通信を示すフローチャート1400を示す。
この例では、非AP MLD(例えば、非AP MLD2 1422)のIPv4アドレスを共通リンク(例えば、リンク2または6GHz周波数帯域)を用いて解決するレガシSTA(例えば、STA5 1412)が示される。STA5 1412は、そのDAフィールド1435内でブロードキャストアドレス、およびアドレス解決要求(ARP要求)1434を含む第1のデータフレーム1432を発生させて、6GHzリンク(周波数帯域)上でAP MLD1402へ送信することによって、ARPクエリを始動してよい。DAフィールド1435内のブロードキャストアドレスは、第1のデータフレーム1432がすべての関連APおよびAP MLDへブロードキャストされていることを示す。ARP要求1434は、非AP MLD2 1422のIPアドレスをターゲットIPフィールド1439内で含み、STA5 1412が非AP MLD2 1422の対応するMACアドレスを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
次に、第1のデータフレーム1432を6GHzリンク上で受信する、AP MLD1402のAP2 1404は、ARP要求1434’を含む第1のデータフレーム1432’を、STA5 1412および非AP MLD2 1422を含む基本サービスセット(BSS)中のすべての関連STAおよび/または非AP MLDへ転送してよい。SAフィールド1435’は、STA5 1412のMACアドレスを含み、第1のデータフレーム1434’の元の送信元がSTA5 1412であることを示す。STA5 1412およびAP2 1404によって受信されたARP要求1434’のターゲットIPフィールド1439’内で含まれるターゲットIPアドレスは、それらそれぞれのL2およびMLD MAC IPアドレスと一致しないので、STA5 1412およびAP2 1404は、ARP要求1434’を無視するか、またはループバックフレームとしてARP要求1434’を拒否する。
STA4 1424は、SAフィールド1435’に基づいて、ARP要求1434’がSTA5 1412から発することを確認して、第1のデータフレーム1432’内の「MLインディケーション」の欠落ゆえに、要求側デバイスSTA5 1412は、非MLDであると判定してよい。これを根拠に、ARP要求1434’は、STA4 MAC SAPを介してARP/IPレイヤへ転送される。非AP MLD2 1422は、リンク2(6GHz周波数帯域)をSTA5の動作リンクとしても記録してよい。
ARP要求1434’のターゲットIPフィールド1439’内で含まれるターゲットIPアドレスは、非AP MLD2のIPアドレス(STA-MLD2-IP)と一致するので、非AP MLD2は、そのSTA MAC SAPを用いてアドレス解決応答(ARP応答)1444を含む第2のデータフレーム1442を発生させて、データフレーム1442を、STA4を介してAP2 1404へ送信してよい。データフレーム1442内で含まれるARP応答1444は、STA4のMACアドレス(STA4-M)をソースハードウェアフィールド1446内で、STA5のMACアドレスをターゲットハードウェアフィールド1448内で、かつSTA5のIPアドレスをターゲットIPフィールド1449内で含み、STA5 1412がARP応答1444のターゲット受信側であることを示す。
第2のデータフレーム1442を受信する、AP MLD1402は、ターゲットハードウェアフィールド1448内のMACアドレス(STA5-M)に基づいて、第2のデータフレーム1442内で含まれるARP応答1444がSTA5へ向けられていることを確認して、ARP応答1444’を含む第2のデータフレーム1442’を、STA5の動作リンク(リンク2)上で動作しているAP2 1404を通じてSTA5 1412へ転送する。第2のデータフレーム1442’のSAフィールドは、第2のデータフレーム1442の元の送信STAがSTA4 1424であることを確認するために、(非AP MLDのMLD MACアドレスではなく)STA4のMACアドレスにセットされることが注目される。
第2のデータフレーム1442を受信する、STA5 1412は、それを処理して、ARP応答1444’のソースIPフィールド1447’内の非AP MLDのIPアドレス(STA-MLD2-IP)をソースIPフィールド1446’内のSTA4のMACアドレス(STA4-M)へマッピングするためにそのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、ARPクエリが解決される。
続いて、非AP MLD2 1422のSTA4 1424は、TDLS発見要求1454を含む後続データフレーム1452をSTA5 1412へ送信することによってTDLS発見を始動してよい。ピアデバイスが非MLD STA、すなわち、STA5 1412であり、リンク2上で動作していることが今や知られているので、STA4 1424がTDLSイニシエータとして用いられる。TDLS発見要求1454は、STA4のMACアドレスにセットされたTDLSイニシエータフィールド、およびSTA5 1412のMACアドレスにセットされたTDLSレスポンダフィールド1459を備える。
後続データフレーム1452を受信する、AP MLD1402は、TDLSレスポンダフィールド1459内のSTA5のMACアドレス(STA5-M)に基づいて、データフレーム1452内で含まれるTDLS発見要求1454がSTA5 1412へ向けられていること確認をして、SAフィールド1455’内でSTA4のMACアドレス(STA4-M)、およびTDLS発見要求1454’を含む非AP MLD2 1422から受信されたデータフレーム1452’をSTA5 1412へ転送する。AP MLD1402は、データフレーム1452’をSTA5 1412へ転送するときに、STA5のMACアドレス(STA5-M)をRAフィールド1453’内にセットする。そのようにして、データフレームは、STA5 1412によって正確に受信されるであろう。
TDLS発見要求1454’を受信する、STA5 1412は、TDLS発見応答アクションフレーム1462を、直接リンク、すなわち、STA5の動作リンク(リンク2)上でSTA4 1424へ送信し返してよい。STA5 1412は、そのARPキャッシュ内に記憶されたマッピングに基づいて、TDLS発見応答アクションフレーム1462のRAフィールド1463をSTA4のMACアドレスにセットすることが可能である。そのようにして、これは、STA5 1412によって直接リンク上で非AP MLD1422へ送られたTDLS発見応答アクションフレーム1462のようなフレームが、STA4 1424を介して正確に受信されることにつながる。
これは、本開示の第1の実施形態に示されるような、直接リンク上においてレガシSTAと非AP MLDとの間で送信されたフレームが正確に受信されることに失敗する問題を解決する。APによってリレーされた、TDLS発見要求フレームのリンク識別子エレメント内のTDLSイニシエータフィールドのみならずSAフィールドも、いずれもSTA MACアドレスとしてセットされるので、受信ピアSTAにおける混乱はないであろう。
関連非MLD(例えば、1432)から受信されたグループアドレス・データフレームを転送するときに、AP MLDは、フレームが受信された同じリンク(例えば、6GHzリンク)上で動作している関連非AP MLDがある限り、フレームをそのリンク上で転送するものとする。そのリンク上でパワーセーブモードで動作している、および別のリンク(例えば、5GHzリンク)上でアクティブに動作している関連非AP MLDがあれば、APは、かかる非AP MLDのために6GHzリンク上でデータフレームをバッファして、バッファされたフレームについて5GHz上で、例えば、DTIMビーコンフレーム内のTIMエレメントを用いて非AP MLDに通知するものとする。これは、データフレームが非AP MLDの正確なSTA MAC SAPを介して転送されて、非AP MLDのハードウェアMACアドレスとして(非MLDと同じリンク上で動作するSTAの)正確なSTA MACアドレスが返されることを確実にする。
図15は、本開示の第2の実施形態の第2の例による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD1502を介した非AP MLD1522と非MLD STA1512との通信を示すフローチャート1500を示す。
この第2の例では、共通リンクなしに非AP MLD(例えば、非AP MLD2 1522)のIPv4アドレスを解決するレガシSTA(例えば、STA5 1512)が示される。非MLDが図らずも関連非AP MLDのいくつかのセットアップリンクの中にはないリンク上で動作していれば、AP MLDは、すべての関連非AP MLDへ到達すべ関連非MLDから受信されたいずれのグループアドレス・データフレームも他におけるすべてのセットアップリンク上で転送する以外に選択肢がない。これは、複数のARP要求およびARP応答が発生する原因となり、結果として、レガシSTAのARPは、非AP MLDの複数のSTA MACアドレスのうちのいずれか1つをキャッシュすることができる。いずれにしても、レガシSTAと非AP MLDとの間の通信が、図らずも関連AP MLDを介して発生するならば成功するであろう、しかしながら、この場合、レガシSTAと非AP MLDとの間には直接リンクがないので、直接リンク通信は、ARPキャッシュにかかわらず可能でない。
例に戻ると、STA5は、リンク3上で動作しており、一方で、非AP MLD2は、リンク1および2上で動作している。STA5 1512は、そのDAフィールド1535内でブロードキャストアドレス、およびアドレス解決要求(ARP要求)1534を含む第1のデータフレーム1532を発生させて、2.4GHz周波数帯域(リンク3)でAP MLD1502へ送信することによってARPクエリを始動してよい。DAフィールド1535内のブロードキャストアドレスは、第1のデータフレーム1532がすべての関連STおよび非AP MLDへブロードキャストされていることを示す。ARP要求1534は、非AP MLD2 1522のIPアドレスをターゲットIPフィールド1539内で含み、STA5 1512が、非AP MLD2 1522の対応するMACアドレスを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
次に、第1のデータフレーム1532を2.4GHzリンクで受信する、AP MLD1502のAP3 1508は、ARP要求1534’を含む第1のデータフレーム1532’を、STA3 1524、STA4 1526およびSTA5 1512を含む基本サービスセット(BSS)中のすべての関連STAおよび/または非AP MLDへすべての3つのリンク(2.4、5および6GHzリンク)で転送してよい。SAフィールド1535’は、STA5 1512のMACアドレスを含み、第1のデータフレーム1532’の元の送信元がSTA5 1512であることを示す。
ARP要求1534’のターゲットIPフィールド1539’内で含まれるターゲットIPアドレスは、非AP MLD2 1522のIPアドレス(STA-MLD2-IP)と一致するので、非AP MLD2 1522は、STA3 1524およびSTA4 1526の両方を介して2つのARP要求1534’を受信してよい。STA3 1524およびSTA4 1526の両方は、SAフィールド1535’に基づいて、ARP要求1534’がSTA5 1512から発することを確認して、第1のデータフレーム1532’内の「MLインディケーション」の欠落ゆえに、要求側デバイスSTA5 1512は、非MLDであると判定してよい。これを根拠に、ARP要求1534’は、STA3およびSTA4 MAC SAPへ転送される。
非AP MLD2 1522は、アドレス解決応答(ARP応答)1544を含む第2のデータフレーム1542を、それらぞれぞれのSTA MAC SAPを介して発生させて、データフレーム1542を、それぞれ、5GHz周波数帯域(リンク1)および6GHz周波数帯域(リンク2)を介してAP1 1504およびAP2 1506へ送信してよい。STA3 1524およびSTA4 1526によって発生されたデータフレーム1542内で含まれる2つのARP応答1544は、それぞれのMACアドレス(STA3-M/STA4-M)をソースハードウェアフィールド1546内で、およびSTA5のMACアドレスをターゲットハードウェアフィールド1548内で、ならびにSTA5のIPアドレスをターゲットIPフィールド1549内で含み、STA5 1512がARP応答1544のターゲット受信側であることを示す。
第2のデータフレーム1542の両方を受信する、AP MLD1502は、ターゲットハードウェアフィールド1548内のMACアドレス(STA5-M)に基づいて、第2のデータフレーム1542内で含まれるARP応答1544がSTA5 1512へ向けられていることを確認して、ARP応答1544’を含む第2のデータフレーム1552’を、STA5の動作リンク(リンク3)上で動作しているAP3 1508を通じてSTA5 1512へ転送する。第2のデータフレーム1542’のSAフィールド1545’は、第2のデータフレーム1542の元の送信STAが、それぞれ、STA3 1524およびSTA4 1524であることを識別するために、STA3およびSTA4のMACアドレスにセットされることが注目される。
2つの第2のデータフレーム1542内で含まれるARP応答1544’を受信する、STA5 1512は、それらを処理して、ARP応答1544’のソースIPフィールド1547’内の非AP MLDのIPアドレス(STA-MLD2-IP)をソースハードウェアフィールド1546’内の両方のMACアドレス(STA3-M/STA4-M)へマッピングするために、そのARPキャッシュを2回アップデートしてよい。しかしながら、後の方でアップデートされるMACアドレス(例えば、STA4-M)が非AP MLD2のMACアドレスとしてARPキャッシュ内に残るであろう。
続いて、非AP MLD2 1522のSTA4 1526は、TDLS発見要求1554を含む後続データフレーム1552をSTA5 1512へ送信することによってTDLS発見を始動してよい。STA4 1526は、TDLSイニシエータとして用いられる。TDLS発見要求1554は、STA4のMACアドレスにセットされたTDLSイニシエータフィールド、およびSTA5 1512のMACアドレスにセットされたTDLSレスポンダフィールド1559を備える。
後続データフレーム1522を受信する、AP MLD1502は、TDLSレスポンダフィールド1559内のSTA5のMACアドレス(STA5-M)に基づいて、データフレーム1552内で含まれるTDLS発見要求1554がSTA5 1512へ向けられていることを確認して、SAフィールド1555’内でSTA4のMACアドレス(STA4-M)、およびTDLS発見要求1554’を含む非AP MLD2 1522から受信されたデータフレーム1552’を、STA5の動作リンクを介してSTA5 1512へ転送する。AP MLD1502は、データフレーム1552’をSTA5 1512へ転送するときに、RAフィールド1553’内のSTA5のMACアドレス(STA5-M)を翻訳することが可能である。そのようにして、データフレームは、STA5 1512によって正確に受信されるであろう。
TDLS発見要求1554’を受信する、STA5 1512は、TDLS発見応答アクションフレーム1562をリンク3上で送信してよい。STA5 1512は、そのARPキャッシュ内に記憶されたマッピングに基づいて、TDLS発見応答アクションフレーム1562のRAフィールド1563をSTA4のMACアドレス(STA4-M)にセットする。しかしながら、非AP MLD2は、リンク3上で動作する連携STAを有さないので、STA5 1512から非AP MLD2 1522へ送信されたフレームは、RAが正確にセットされていても失敗するであろう。
図16は、本開示の第2の実施形態の第3の例による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD1602、非AP MLD1622および非MLD STA1612間の通信を示すフローチャート1600を示す。
この第3の例は、図14に示される第1の例と同じであるが、AP MLD1402がブロードキャストデータをすべてのリンク(リンク1およびリンク2)上で複製するシナリオを考慮している。
非MLDが、たとえ関連非AP MLDのいくつかのセットアップリンクの中にある1つのリンク上で動作するとしても、他のリンク上の他のレガシSTAまたは非AP MLDの存在ゆえに、AP MLDは、関連非MLDから受信されたいずれかのグループアドレス・データフレームをすべてのセットアップリンク上で転送する以外に選択肢がないことがある。これは、複数のARP要求およびARP応答が発生される原因となる。しかしながら、AP MLDは、(DAフィールド内でアドレスされた)レガシSTAが動作しているリンク上で受信されたARP応答のみを転送することによって、そのレガシSTAが正確なARPキャッシュを保持するのを支援することができる。非AP MLDが、どのリンクが動作するかを知らずに、レガシSTAと誤ったリンク上でTDLS発見/セットアップ要求フレームを始動することも起こりうる。かかる場合、AP MLDは、TDLS発見/セットアップ要求フレームを正確なリンク上で転送することによってレガシSTAを支援してもよく、イニシエータ、非AP MLDの正確なSTA(レガシSTAと同じリンク上で動作しているもの、この例では、STA4)を反映するために、SAおよびTDLSイニシエータフィールドを修正さえしてもよい。これは、しかしながら、AP MLDがトンネルデータフレームを検査して、データフレームペイロードを修正することを必要とする。
この第3の例では、共通リンク(例えば、リンク2または6GHz周波数帯域)を用いて非AP MLD(例えば、非AP MLD2 1622)のIPv4アドレスを解決するレガシSTA(例えば、STA5 1612)が示される。STA5 1612は、そのDAフィールド1635内でブロードキャストアドレス、およびアドレス解決要求(ARP要求)1634を含む第1のデータフレーム1632を発生させて、6GHzリンク(周波数帯域)上でAP MLD1602へ送信することによって、ARPクエリを始動してよい。DAフィールド1635内のブロードキャストアドレスは、第1のデータフレーム1632がすべての関連STAおよび非AP MLDへブロードキャストされていることを示す。ARP要求1634は、非AP MLD2 1622のIPアドレスをターゲットIPフィールド1639内で含み、STA5 1612が非AP MLD2 1622の対応するMACアドレスを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
次に、第1のデータフレーム1632を6GHzリンクで受信する、APMLD1602のAP2 1606は、ARP要求1634’を含む第1のデータフレーム1632’を、すべてのリンク(5および6GHzリンク)でSTA3 1624、STA4 1626およびSTA5 1612を含む基本サービスセット(BSS)中のすべての関連STAおよび/または非AP MLDへ転送してよい。SAフィールド1635’は、STA5 1612のMACアドレスを含み、第1のデータフレーム1634’の元の送信元がSTA5 1612であることを示す。
ARP要求1634’のターゲットIPフィールド1639’内で含まれるターゲットIPアドレスは、STA3 1624およびSTA4 1626のIPアドレス(STA-MLD2-IP)と一致するので、非AP MLD2は、2つのARP要求1634’をSTA3 1624およびSTA4 1626の両方を介して受信してよい。STA3 1624およびSTA4 1626の両方は、SAフィールド1635’に基づいて、ARP要求1634’がSTA5 1612から発することを確認して、第1のデータフレーム1632’内の「MLインディケーション」の欠落ゆえに、要求側デバイスSTA5 1612は、非MLDであると判定してよい。これを根拠に、ARP要求1634’は、STA3およびSTA4 MAC SAPへ転送される。
STA3 1624およびSTA4 1626は、それらそれぞれのSTA MAC SAPを用いて、アドレス解決応答(ARP応答)1644を含む第2のデータフレーム1642を発生させて、データフレーム1642を、それぞれ、5GHz周波数帯域(リンク1)および6GHz周波数帯域(リンク2)を介してAP1 1604およびAP2 1606へ送信してよい。STA3 1624およびSTA4 1626によって発生されたデータフレーム1642内で含まれる2つのARP応答1644は、それぞれのMACアドレス(STA3-M/STA4-M)をソースハードウェアフィールド1646内で、STA5のMACアドレスをターゲットハードウェアフィールド1648内で、かつSTA5のIPアドレスをターゲットIPフィールド1649内で含み、STA5 1612がARP応答1644のターゲット受信側であることを示す。
第2のデータフレーム1642の両方を受信する、AP MLD1602は、DAフィールド内のMACアドレス(STA5-M)に基づいて、第2のデータフレーム1642内で含まれるARP応答1644がSTA5 1612へ向けられていることを確認する。STA5 1612がリンク2(6GHz周波数帯域)上で動作することに注目して、AP MLD1602は、STA5の動作リンク上で受信されたARP応答1644’を含む第2のデータフレーム1642’のみを、そのリンク上で動作しているAP2 1606を通じてSTA5 1612へ転送し、他のリンク(リンク1)上で受信されたARP応答1644’を含む第2のデータフレーム1642’は転送しない。第2のデータフレーム1642’のSAフィールド1645’は、第2のデータフレーム1642の元の送信STAがSTA4 1624であることを識別するために、STA4のMACアドレスにセットされることが注目される。
第2のデータフレーム1642’内で含まれるARP応答1644’を受信する、STA5 1612は、ARP応答を処理して、ARP応答1644’のソースIPフィールド1647’内の非AP MLDのIPアドレス(STA-MLD2-IP)をソースハードウェアフィールド1646’内のSTA4-Mへマッピングするために、そのARPキャッシュをアップデートしてよい。
続いて、非AP MLD2 1622は、TDLS発見要求1654を含む後続データフレーム1652を、その連携STAのうちの1つ(この場合、リンク1を通るSTA3 1624)を通じてSTA5 1612へ送信することによってTDLS発見を始動してよい。TDLS発見要求1654は、STA3のMACアドレスにセットされたTDLSイニシエータフィールド、およびSTA5 1612のMACアドレスにセットされたTDLSレスポンダフィールド1659を備える。
後続データフレーム1652をリンク1を介して受信する、AP MLD1602のAP1 1604は、TDLSレスポンダフィールド1659内のSTA5のMACアドレス(STA5-M)に基づいて、データフレーム1652内で含まれるTDLS発見要求1654がSTA5 1612へ向けられていること確認をする。STA5 1612がリンク2上で動作することに注目して、AP1 1604は、SAフィールド1655’およびTDLSイニシエータフィールド1658’内のMACアドレスを、STA5 1612と同じリンクで動作するSTA4 1626(STA4-M)と関係するように訂正して、訂正されたSAフィールド1655’およびTDLSイニシエータフィールド1658’を含む非AP MLD2 1622から受信されたデータフレーム1652’を、STA5の動作リンク上で動作しているAP2 1606を通じてSTA5 1612へ転送することが可能である。そのようにして、非AP MLD2 1622がデータフレーム1642を誤ったリンクで送信したにもかかわらず、データフレーム1642は、STA5 1612によって正確に受信される。
TDLS発見要求1654’を受信する、STA5 1612は、TDLS発見応答アクション1662を直接リンク上でソースへ送信し返してよい。STA5 1612は、TDLSイニシエータフィールド1658’に基づいて、TDLS発見応答アクションフレーム1662のRAフィールド1663をSTA4のMACアドレスにセットすることが可能である。結果として、直接リンク上で非AP MLD1622へ送信されたTDLS発見応答アクションフレーム1662は、STA4 1626によって正確に受信される。そのようにして、直接リンク上の通信が成功する。STA5によって直接リンクを介して非AP MLD2へ送信されるすべての後続データフレームも、STA5のARPキャッシュのSTA-MLD2-IPからSTA4-Mへのマッピングに基づいてRAをSTA4に正確にセットできるのでやはり成功するであろう。
図17は、本開示の第2の実施形態の第4の例による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD1702を介して非AP MLD1722と非MLD STA1712との間の通信を示すフローチャート1700を示す。
この第4の例では、共通リンク(例えば、リンク2または6GHz周波数帯域)を用いて非AP MLD(例えば、非AP MLD2 1722)のIPv6アドレスを解決するレガシSTA(例えば、STA5 1712)が示される。この第4の例は、STA5 1712がIPv4アドレスではなくIPv6アドレスを解決することを除いて、第1の例と同様である。STA5 1712は、そのDAフィールド1735内でブロードキャストアドレス、および近隣要請メッセージ1734を含む第1のデータフレーム1732を発生させて、6GHzリンク(周波数帯域)上でAP MLD1702へ送信することによって、NDクエリを始動してよい。DAフィールド1735内のブロードキャストアドレスは、第1のデータフレーム1732がすべての関連APおよびAP MLDへブロードキャストされていることを示す。近隣要請メッセージは、非AP MLD2 1722のIPアドレスをターゲットIPフィールド1738内で含み、STA5 1712が非AP MLD2 1722の対応するMACアドレスを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
次に、第1のデータフレーム1732を6GHzリンク上で受信する、AP MLD1702のAP2 1704は、近隣要請メッセージ1734’を含む第1のデータフレーム1732’を、STA5 1712および非AP MLD2 1722を含む基本サービスセット(BSS)中のすべての関連STAおよび/または非AP MLDへ転送してよい。SAフィールド1735’は、STA5 1712のMACアドレスを含み、第1のデータフレーム1732’の元の送信元がSTA5 1712であることを示す。近隣要請メッセージ1734’のターゲットアドレスフィールド内で含まれるターゲットIPアドレスは、それらそれぞれのL2およびMLD MAC IPアドレスと一致しないで、STA5 1712およびAP2 1704は、近隣要請メッセージ1734’を無視するか、またはループバックフレームとして近隣要請メッセージ1734’を拒否する。
他方では、STA4 1724によって受信された近隣要請メッセージ1734’のターゲットIPフィールド1738’内で含まれるターゲットIPアドレスは、その非AP MLD2のIPアドレス(STA-MLD2-IP)と一致するので、STA4 1724は、SAフィールド1735’に基づいて、近隣要請メッセージ1734’がSTA5 1712から発することを確認して、第1のデータフレーム1732’内の「MLインディケーション」の欠落ゆえに、要求側デバイスSTA5 1712は、非MLDであると判定してよい。これを根拠に、近隣要請メッセージ1734’は、STA4 MAC SAPへ転送される。非AP MLD2 1722は、リンク2(6GHz周波数帯域)をSTA5の動作リンクとしても記録してもよい。
STA4 1724は、そのSTA MAC SAPを用いて近隣広告メッセージ1734を含む第2のデータフレーム1742を発生させて、第2のデータフレーム1742を、動作リンクを介してAP2 1704へ送信してよい。第2のデータフレーム1742内で含まれる近隣広告メッセージ1744は、そのSTA4のMACアドレス(STA4-M)をターゲットL2アドレスフィールド1749内で含む。
第2のデータフレーム1742を受信する、AP MLD1702は、DAフィールド1745内のMACアドレス(STA5-M)に基づいて、第2のデータフレーム1742内で含まれる近隣広告メッセージ1744がSTA5へ向けられていることを確認して、近隣広告メッセージ1744’を含む第2のデータフレーム1742’を、STA5の動作リンク(リンク2)上で動作しているAP2 1704を通じてSTA5 1712へ転送する。第2のデータフレーム1742’のSAフィールド1745’は、第2のデータフレーム1742の元の送信STAがSTA4 1724であることを識別するために、STA4のMACアドレスにセットされることが注目される。
第2のデータフレーム1742を受信する、STA5 1712は、それを処理して、近隣広告メッセージ1744’のターゲットIPフィールド1748’内の非AP MLDのIPアドレス(STA-MLD2-IP)をターゲットL2アドレスフィールド1749’内のSTA4のMACアドレス(STA4-M)へマッピングするために、そのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、NDクエリが解決される。
続いて、STA5 1712は、後続データフレーム(IPパケット)1752をAP MLD1702を通じて非AP-MLD2 1722へ送信してよい。STA-MLD2-IP宛のIPパケットは、IPパケット1752のDAフィールド1755がMLDレベルでSTA4 1724のMACアドレスにセットされて、IPレイヤにおいてSTA-4へアドレスされるであろう。
IPパケット1752を受信する、AP MLD1702は、IPパケット1752が、関連非AP MLDと連携しているSTA(この場合、DAフィールド1755に基づいて非AP MLD2 1722のSTA4)へ向けられていることを確認して、STA5 1712から受信されたIPパケット1752’を、連携APのいずれか1つ(この場合、6GHzリンクを介してAP2 1704)を通じて非AP MLD2 1722転送する。非AP MLD2 1722がAP MLD1702と関連付けられているので、従って、STA4 1724のL2 MACアドレスがAP MLD1702に知られていることに注目して、AP MLD1702は、IPパケット1752’をSTA4 1724へ転送するときに、STA4のMACアドレス(STA4-M)をRAフィールド1753’内にセットする。そのようにして、IPパケット1752’は、STA4 1724によって正確に受信されるであろう。
STA4 1724は、SAフィールド1755’に基づいて、データフレーム1752’がSTA5 1712から発することを確認して、データフレーム1752’内の「MLインディケーション」の欠落ゆえに、要求側デバイスSTA5 1712は、非MLDであると判定してよい。これを根拠に、データフレーム1752’は、STA4 MAC SAPへ転送される。
その後、STA5 1712は、ANQP要求フレーム1762を直接リンク、すなわち、STA5の動作リンク(リンク2)上でSTA4 1724へ送信してよい。STA5 1712は、そのARPキャッシュ内に記憶されたマッピングに基づいて、ANQP要求フレーム1762のRAフィールド1763をSTA4のMACアドレス(STA4-M)にセットすることが可能である。そのようにして、STA5 1712によって直接リンク上でSTA4 1724へ送られたANQP要求フレーム1762は、正確に受信される。これは、第1の実施形態において図9に示されたような、直接リンク上でレガシSTAと非AP MLDとの間で送信されたフレームが正確に受信されることに失敗する問題を解決する。
以下の項では、MLDアドレスクエリ・メカニズムを用いたAP MLD、非AP MLDおよび/または非MLD STAにおけるマルチリンクアドレス解決に関して本開示の第3の実施形態が説明される。
第1の実施形態において述べられたように、非AP MLDが別の非AP MLDのIPアドレスを解決するときに、非AP MLDによって直接リンク上で他の非AP MLDへ引き続き送られるANQP要求フレームは、RAがSTAのMACアドレスではなく、MLD MACアドレスにセットされるので失敗するであろう。
本開示の第3の実施形態によれば、上記の問題を解決すべくMLD MACアドレスからL2 MACアドレスへの解決を行うためにMLDアドレスクエリ・メカニズムが提案される。
非AP MLDまたはEHT STAは、ピア非AP MLDのMLD MACアドレスを(例えば、図8に示されるようなARP/ND手順を通じて)取得した際に、かつピア非AP MLDと直接リンク上でフレーム交換を始動する前に、そのL2 MACアドレス(STA MACアドレス)を提供するようにピア非AP MLDに要求するために、MLD MACアドレスクエリを始動してよい。非AP MLDは、MLインディケーションの存在ゆえにピアデバイスがMLDであることを認識できる。非AP MLDは、MLDアドレスクエリ要求フレームを、AP MLD(トランスペアレントまたはノントランスペアレント)を介して関係する他の非AP MLDへ送信することによって、MLD MACアドレスクエリを始動してよい。特に、MLDアドレスクエリ要求フレームは、データフレームがMLDアドレスクエリを含むために用いられて、すなわち、AP MLDがフレーム交換の内容を認識していないかもしれず、単にDAフィールドに基づいてデータフレームを転送するだけならば、AP MLDに対してトランスペアレントであろう。マネージメントフレームを代わりに用いるならば、MLDアドレスクエリ要求/応答は、ノントランスペアレントである。
図18は、本開示の第3の実施形態による、マネージメントフレームを用いたマルチリンクアドレス解決のためのAP MLD1802および2つの非AP MLD1812、1822間の通信を示すフローチャート1800を示す。この例では、STA2 1814が非AP MLD2 1822と直接リンク送信を始動することを望むであろうが、ARP/NDクエリにおけるMLインディケーションの存在ゆえに、ピア(非AP MLD)がMLDであることおよび非AP MLD2のMACアドレスを認識している、しかし、STA2 1814は、非AP MLD2 1822と連携しているSTAおよびそれらのSTA MACアドレスを認識していない。STA2は、MLDアドレスクエリ要求フレーム1832を、リンク2上で動作しているAP MLD1802のAP2 1804を介して非AP MLD2へ送ってよい。MLDアドレスクエリ要求フレーム1832は、非AP MLD2 1822のMACアドレスを含むターゲットMLD MACアドレスフィールド1838を含み、非AP MLD2 1822をMLDアドレスクエリ要求フレーム1832のターゲット受信側として示す。
MLDアドレスクエリ要求フレーム1832を受信するAP MLD1802のAP2 1804は、MLDアドレスクエリ要求フレーム1832が、関連非AP MLD(この場合、ターゲットMLD MACアドレスフィールド1838内のMACアドレス(STA-MLD2-M)に基づいて非AP MLD2)へ向けられていることを確認して、MLDアドレスクエリ要求フレーム1832’を、AP2 1804を用いて非AP MLD2 1822へ転送する。
STA4 1824によって受信されたMLDアドレスクエリ要求フレーム1832’のターゲットMACアドレスフィールド1838’内で含まれるMACアドレスは、その非AP MLD2のMACアドレス(STA-MLD2-M)と一致するので、非AP MLD2 1822は、非AP MLD2 1822と連携しているすべてのSTAのL2 MACアドレスおよび動作リンクの識別子を備えるMLエレメント1849を含むMLDアドレスクエリ応答フレーム1842を発生させて、AP2 1804を通じて、ソースMACアドレスフィールド1839’に基づいて識別されたソース、非AP MLD1 1812へ送信し返してよい。
MLDアドレスクエリ応答1842を受信するAP MLD1802のAP2 1804は、MLDアドレスクエリ応答フレーム1842が関連非AP MLD(この場合、ターゲットMLD MACアドレスフィールド1848内のMACアドレス(STA-MLD1-M)に基づいて非AP MLD2)へ向けられていることを確認して、AP2 1804を用いてMLDアドレスクエリ応答フレーム1842’を非AP MLD1 1812へ転送する。
非AP MLD1 1812のSTA2 1814は、MLDアドレスクエリ応答フレーム1842’を受信し、処理して、非AP MLD2 1822と連携しているすべてのSTAのL2 MACアドレスおよび動作リンクを、例えば、MLDアドレスキャッシュ内に記録してよい。続いて、STA2 1814は、ANQP要求フレーム1852を直接リンク(リンク2)上でSTA4 1824へ送信してよい。STA2 1814は、MLDアドレスクエリ応答フレーム1842内で受信された、記録されたL2 MACアドレスに基づいて、ANQP要求フレーム1852のRAフィールド1853をSTA4のL2 MACアドレス(STA4-M)にセットすることが可能である。そのようにして、STA2 1814によって直接リンク上でSTA4 1824へ送られたANQP要求フレーム1852は、正確に受信される。
図19は、本開示の第3の実施形態による、MLDアドレスクエリ要求フレーム1900およびMLDアドレスクエリ応答フレーム1920のフォーマット例を示す。MLDアドレスクエリ要求フレーム1900は、フレームコントロールフィールド、デュレーションフィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンスコントロールフィールド、HTフィールド、カテゴリフィールド1902およびアクションフィールド1904、ダイアログトークンフィールド、ターゲットMLD MACアドレスフィールド1906およびソースMACアドレスフィールド1908ならびにFCSを備える。フレームコントロールフィールド、デュレーションフィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンスコントロール、およびHTコントロールフィールドは、MACヘッダとしてグルーピングされてよく、カテゴリフィールド1902およびアクションフィールド1904、ダイアログトークンフィールド、ターゲットMLD MACアドレスフィールド1906およびソースMACアドレスフィールド1908は、フレームボディとしてグルーピングされてよい。カテゴリフィールド1902は、EHTアクションに対応するようにセットされて、アクションフィールド1904は、MLDアドレスクエリ要求に対応するようにセットされる。ターゲットMLD MACアドレスフィールド1906は、解決されるべきMLD MACアドレスにセットされて、ソースMACアドレスフィールド1908は、送信STAのMACアドレスまたは送信MLDのMLD MACアドレスにセットされる。
MLDアドレスクエリ応答フレーム1920は、フレームコントロールフィールド、デュレーションフィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンスコントロールフィールド、HTフィールド、カテゴリフィールド1922およびアクションフィールド1924、ダイアログトークンフィールド、ターゲットMACアドレスフィールド1926およびMLエレメントならびにFCSを備える。フレームコントロールフィールド、デュレーションフィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンスコントロール、およびHTコントロールフィールドは、MACヘッダとしてグルーピングされてよく、カテゴリフィールド1922およびアクションフィールド1924、ダイアログトークンフィールド、ターゲットMACアドレスフィールド1926およびMLエレメント1928は、フレームボディとしてグルーピングされてよい。カテゴリフィールド1922は、EHTアクションに対応するようにセットされて、アクションフィールド1904は、MLDアドレスクエリ応答に対応するようにセットされる。ターゲットMACアドレスフィールド1926は、MLDアドレスクエリ要求1900におけるソースMACアドレス1908のMACアドレスにセットされる。
MLエレメント1928は、エレメントIDフィールド、レングスフィールド、エレメントID拡張フィールド、タイプサブフィールド1930およびプレゼンスビットマップサブフィールドを備えるマルチリンク制御フィールド、1つ以上のMLD MACアドレスサブフィールドを備える共通情報フィールド、ならびに各々がリンクIDサブフィールドおよび1つ以上のSTA MACアドレスサブフィールドを備える1つ以上のリンク情報フィールドをさらに備える。マルチリンクコントロールフィールドのタイプサブフィールド1930は、MLDアドレスクエリタイプに対応するようにセットされ、各リンク情報フィールド内で含まれる1つ以上のSTA MACアドレスサブフィールド(例えば、STA MACアドレスフィールド1932)は、ターゲットMLDのSTA MACアドレスにセットされて、一方で、リンクIDフィールドは、STAが動作するリンクの識別子を含む。
代わりに、カプセル化されたデータフレーム(例えば、TDLSペイロードを含むEthertype89-0dデータフレーム)がMLDアドレスクエリ要求および応答フレームとして用いられてもよい。図20は、本開示の第3の実施形態による、Ethertype89-0dデータフレーム2000、2020のフォーマット例を示す。
Ethertype89-0dデータフレームは、フレームコントロールフィールド、デュレーションフィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンスコントロールフィールド、HTフィールド、論理リンクコントロール(LLC:Logical Link Control)フィールド、サブネットワークアクセスプロトコル(SNAP:Subnetwork Access Protocol)フィールド2002、ペイロードタイプフィールド2004、ペイロードフィールド2006およびFCSを備える。フレームコントロールフィールド、デュレーションフィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンスコントロールフィールド、およびHTフィールドは、MACヘッダとしてグルーピングされてよく、LLCフィールド、SNAフィールド、ペイロードタイプフィールドおよびペイロードフィールドは、フレームボディとしてグルーピングされてよい。SNAフィールド2002は、89-0dのEthertypeにセットされて、ペイロードタイプフィールド2004は、TDLSに対応するようにセットされる。ペイロードフィールド2006は、カテゴリフィールド2008、TDLSアクションフィールド2010、ダイアログトークンフィールド、ターゲットMLD MACアドレスフィールド2012およびソースMACアドレスフィールド2014を備える。カテゴリフィールド2008は、TDLSに対応するようにセットされる。TDLSアクションフィールド2010は、MLDアドレスクエリ要求に対応するようにセットされる。ターゲットMLD MACアドレスフィールド2012は、解決されるべきMLD MACアドレスにセットされて、ソースMACアドレスフィールド2014は、送信STAのMLD MACアドレスまたは送信MLDのMLD MACアドレスにセットされる。
MLDアドレスクエリ要求フレーム1900の代替として、Ethertype89-0dデータフレーム2000は、フレームコントロールフィールド、デュレーションフィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンスコントロールフィールド、HTフィールド、論理リンクコントロール(LLC)フィールド、サブネットワークアクセスプロトコル(SNAP)フィールド2002、ペイロードタイプフィールド2004、ペイロードフィールド2006およびFCSを備える。フレームコントロールフィールド、デュレーションフィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンスコントロール、およびHTコントロールフィールドは、MACヘッダとしてグルーピングされてよく、LLCフィールド、SNAPフィールド、ペイロードタイプフィールドならびにペイロードフィールドは、フレームボディとしてグルーピングされてよい。SNAPフィールド2002は、89-0dのEthertypeにセットされて、ペイロードタイプフィール2004は、TDLSに対応するようにセットされる。ペイロードフィールド2006は、カテゴリフィールド2008、TDLSアクションフィールド2010、ダイアログトークンフィールド、ターゲットMLD MACアドレスフィールド2012およびソースMACアドレスフィールド2014を備える。カテゴリフィールド2008は、TDLSに対応するようにセットされる。TDLSアクションフィールド2010は、MLDアドレスクエリ要求に対応するようにセットされる。ターゲットMLD MACアドレスフィールド2012は、解決されるべきMLD MACアドレスにセットされて、ソースMACアドレスフィールド2014は、送信STAのMACアドレスまたは送信MLDのMLD MACアドレスにセットされる。
MLDアドレスクエリ応答フレーム1920の代替として、Ethertype89-0dデータフレーム2020は、ペイロードフィールド2022がカテゴリフィールド2024、TDLSアクションフィールド2026、ダイアログトークンフィールド、ターゲットMACアドレスフィールド2028およびMLエレメント2030を備えることを除いて、MLDアドレスクエリ要求フレームとして用いられるEthertype89-0dデータフレームにおけるものと同じフレームを含んでよい。カテゴリフィールド2024は、TDLSに対応するようにセットされる。TDLSアクションフィールド2026は、MLDアドレスクエリ応答に対応するようにセットされる。ターゲットMACアドレスフィールド2028は、Ethertype89-0dデータフレーム2000内で含まれるMLDアドレスクエリ要求のソースMACアドレス2014のMACアドレスにセットされる。MLエレメント2030は、先に記載されて、図19に示されるMLDアドレスクエリ応答フレーム1920内のMLエレメント1928のものと同じセッティングを有してよい。
以下の項では、AP MLD、非AP MLDおよび/または非MLD STAにおけるマルチリンクアドレス解決に関して、マルチリンクアドレス解決のための「MLインディケーション」としてアドレスフィールド内にそれらのMACアドレスの個別/グループビットを用いた本開示の第4の実施形態が説明される。
送信/発信STAのMACアドレスをデータおよび管理フレーム内で含むアドレスフィールドにおいては、送信/発信STAのL2 MACアドレスと連携MLDのMLD MACアドレスとを区別するために、「MLインディケーション」としてMACアドレスの個別/グループビット(b0)が用いられる。図21は、本開示の第4の実施形態による、MACアドレスのアーキテクチャ例2100を示す。MACアドレスは、6つのオクテットを含む。最初の3つのオクテット2102は、組織固有識別子(OUI:Organizationally Unique Identifier)であり、最後の3つのオクテット2104は、Network Interface Controller(NIC)特有として知られるデバイスに特有の数である。3つのOUIオクテット2102のうちの第1のオクテット2106は、8ビットb0~b7を含み、b0ビット2108、すなわち、最下位ビットが個別/グループビットである。個別/グループ(b0)ビット2108を「MLインディケーション」としてセットして用いることができる。特に、b0ビットは、L2 MACアドレスを示すために0、およびMLD MACアドレスを示すために1にセットされる。b0ビット(個別/グループビット)は、ある一定の制御フレーム内では「帯域幅シグナリングTA」を示すためにも用いられるが、データおよび管理フレーム内ではそれは用いられず、それゆえに、「MLインディケーション」として利用できることが注目される。
非AP MLDは、フレームをピアデバイスへ送信するときに、別の非AP MLDへ直接リンクで送信されたそのフレームのTAフィールド内でb0ビットを1としてセットするものとし、それに対して、AP MLDは、非AP MLDによって別のAP MLDへ送信されたデータフレームをリレーするときには、そのデータフレームのSAフィールド内でb0ビットを1としてセットするものとする。b0ビットがpre-EHT STAによってデータ/管理フレーム内で常に0としてセットされることに注目すると、b0は、(pre-EHT)レガシSTAもしくは非MLD EHT STAへアドレスされるフレーム内では1としてセットされてはならない。
ピアデバイスから受信されたフレームのb0ビットが1にセットされていれば、受信MLDは、送信/発信デバイスがMLDであり、そうでなければレガシSTAまたは非MLD EHT STAであることを通知される。MLDは、b0ビットを0にセットすることによって、MLD MACアドレスを復元する必要があり、次に、正確なMAC SAPへ転送するなどさらなる処置を行うか、またはピアMLDのL2 MACアドレスの解決を試みるなどしてよい。
同じMACアドレスがMLD MACアドレスおよびL2 MACアドレスの両方に用いられるならば、いずれの場合も同じMACアドレスがIPアドレスへマッピングされるので、b0ビットがどのようにセットされるかは問題でない。
加えて、非AP MLDは、フレームをピアデバイスへ送信するときに、そのMLD MACアドレスを含む任意のアドレスフィールド(データフレームのペイロード内で含まれるアドレスフィールドを含む)内で、例えば、TDLS発見/セットアップフレーム中のTDLSイニシエータ/TDLSレスポンダフィールド内でb0ビットを1としてセットしてよい。b0ビットが送信非AP MLDによってセットされなかった場合には、送信非AP MLDと関連付けられたAP MLDが、APによって別の非AP MLDへリレーされるフレーム中で送信MLDのMLD MACアドレスを含むアドレスフィールド(データフレームのペイロード内で含まれるアドレスフィールドを含む)内で、例えば、TDLS発見/セットアップフレームにおけるTDLSイニシエータ/TDLSレスポンダフィールド内でb0ビットを1としてセットするのを助けてよい。
加えて、ピアデバイスから受信されたフレームのb0ビットが1にセットされていれば、受信MLDのターゲットアプリケーション(TDLS)は、送信/発信デバイスがMLDであり、そうでなければ、レガシSTAであることを通知される。受信MLDは、b0ビットを0に戻すことによって、元のMLD MACアドレスを復元する必要がある。発信デバイスがMLDであれば、アプリケーションは、さらなる処置を行う、例えば、ピアMLDのSTA MACアドレスを要請するためにMLDアドレスクエリを行ってよい。
本開示によれば、MLDのARP/NDプロトコルは、MLDアウェアであるように「エンハンス」される。有利には、MLDアウェアなARP/NDプロトコルは、たとえレガシSTAのために単一のMLD MAC SAPが用いられたとしても、適応ハードウェアによる解決が正確に機能することを許容する。特に、ARP/NDプロトコルが、送信されるARP/NDメッセージのソースハードウェアアドレスフィールド内でb0を1としてセットする。ARP/NDプロトコルによって返されるハードウェアMACアドレスは、要求側デバイスに依存する。要求側デバイスがMLDであれば(要求フレームにおけるソースハードウェアアドレス内のb0ビットが1にセットされていることを通じて知られる)、ARP/NDは、MLDのMLD MACアドレスをそのハードウェアMACアドレスとして返す。要求側デバイスがMLDでなければ(例えば、要求フレームにおけるソースハードウェアアドレス内のb0ビットが0にセットされていることを通じて知られる)、ARP/NDは、要求フレームが受信されたリンク上で動作しているMLDの連携STAのMACアドレスをそのハードウェアMACアドレスとして返し、MLDの連携STAのMACアドレスは、MLDによってARP/NDメッセージを伴ってARP/NDプロトコルに提供されてよい。
加えて、b0ビットが、解決されたハードウェアアドレスにおいて1にセットされていれば、ARP/NDは、ピアデバイスがMLDであり、そうでなければ、レガシSTAであることを通知される。MLDは、b0ビットを0に戻すことによって元のMLD MACアドレスを復元する必要がある。しかしながら、レガシARP/NDは、b0がMLインディケーションとして用いられることを理解せず、誤ったMLD MACアドレスを記録するかもしれないので、すべてのシステムが修正ARP/NDプロトコルを用いるときにのみ、ARP/NDプロトコルの「エンハンス」バージョンが用いられてよい。
図22は、本開示の第4の実施形態による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD2202および2つの非AP MLD2212、2222間の通信を示すフローチャート2200を示す。
この例では、別の非AP MLD(例えば、非AP MLD2 2222)のIPv4アドレスを解決する非AP MLD(例えば、非AP MLD1 2212)が示される。非AP MLD1 2212のSTA2 2214は、ARP要求2234を含む第1のデータフレーム2232を発生させて、リンク2(6GHz周波数帯域)上でAP MLD2202のAP2 2204を通じて非AP MLD2 2222へ送信することによってARPクエリを始動してよい。ARP要求2234は、「MLインディケーション」としてb0ビットを1にセットした非AP MLD1のMACアドレス(STA-MLD1-M)を含むソースハードウェアフィールド2236を備える。データフレーム2232を転送するときに、AP MLDは、発信デバイスがMLDであることを示すために、SAフィールドのb0ビットも1にセットしてよい。非AP MLD2 2222のSTA4 2224は、第1のデータフレーム2232をリンク2上で受信する。第1のデータフレーム2232のターゲットIPフィールド2239は、非AP MLD2 2222のIPアドレスと一致するので、STA4 2224は、ARP要求2244を含む第2のデータフレーム2242を発生させて、データフレーム2242を、AP2 2204を通じて非AP MLD1 2212へ送信し返す。「MLインディケーション」の存在ゆえに、要求側デバイスがMLDであることが知られているので、発生されたARP応答2242は、非AP MLD2のMLD MACアドレス(STA-MLD2-M)を含むソースハードウェアフィールド2246を備える。加えて、MLD MACアドレスのb0ビットは、非AP MLD2 2222がMLDであることを示す「MLインディケーション」として1にセットされる。
第2のデータフレーム2242を受信する、STA2 2214は、ARP応答2242のソースハードウェアフィールド2246内の非AP MLD2のMLD MACアドレスを処理してよく、例えば、b0のセッティングを0に戻すことによって元のMLD MACアドレスを復元し、ソースIPフィールド2247内の非AP MLD2のIPアドレス(STA-MLD2-IP)を非AP MLD2のMACアドレス(STA-MLD2-M)へマッピングする。結果として、ARPクエリが解決される。
続いて、非AP MLD1 2212は、TDLS発見要求2254を含む後続データフレーム2252を、その連携STAのうちの1つを通じて非AP MLD2 2222へ(この場合、リンク2上でAP2 2204を通じてSTA2 2214からSTA4 2224へ)送信することによって、TDLS発見を始動してよい。TDLS発見要求2254は、「MLインディケーション」としてb0ビットを1にセットした非AP MLD1のMACアドレス(STA-MLD1-M)にセットされたTDLSイニシエータフィールド2258、および非AP MLD2 2222のMACアドレスにセットされたTDLSレスポンダフィールド2259を備える。データフレーム2252を転送するときに、AP MLDは、発信デバイスがMLDであることを示すために、SAフィールドのb0ビットも1にセットしてよい。AP MLDを介して送信されたフレーム2252は、非AP MLD2 2222によって正確に受信される。
とりわけ、非AP MLD2 2222は、TDLS発見要求2254を含むデータフレーム内の「MLインディケーション」の存在ゆえにピアデバイスがMLDであることを認識しているが、それは、非AP MLD1 2212のSTA MACアドレスを知らず、それゆえに、TDLS発見要求2254に応答してTDLS発見応答アクションフレームを直接リンク上で送る前に、非AP MLD2 2222は、MLDアドレスクエリ要求フレーム2262をAP2 2204を介して非AP MLD1 2212へ送信する。
STA2 2214によって受信されたMLDアドレスクエリ要求フレーム2262のターゲットMACアドレスフィールド2268内で含まれるターゲットIPアドレスは、その非AP MLD1のMACアドレス(STA-MLD1-M)と一致するので、STA2 2214は、非AP MLD1 2212と連携しているすべてのSTAのL2 MACアドレス(STA1-MおよびSTA2-M)を備えるMLエレメント2279を含むMLDアドレスクエリ応答フレーム2272を発生させて、非AP MLD2 2222へ送信し返してよい。
非AP MLD2 2222のSTA4 2224は、MLDアドレスクエリ応答フレーム2272を受信し、処理して、非AP MLD1 2212のL2 MACアドレスおよび動作リンクを、例えば、そのMLDアドレスキャッシュ内に記録する。続いて、STA4 2224は、次に、TDLS発見応答アクションフレーム2282を直接リンク(リンク2)上でSTA2 2214へ送信してよい。STA4 2224は、MLDアドレスクエリ応答フレーム2272内で受信された、記録されたL2 MACアドレスに基づいて、TDLS発見応答アクションフレーム2282のRAフィールド2283をSTA2のL2 MACアドレス(STA2-M)に正確にセットすることが可能である。そのようにして、これは、直接リンク上でSTA4 2224からSTA2 2214へ送られたTDLS発見応答アクションフレーム2282が正確に受信されることにつながる。
図23は、本開示の第4の実施形態による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD2302、STA6 2312および非AP MLD 2322間の通信を示すフローチャートを示す。
この例では、非AP MLD(例えば、非AP MLD2 2322)のIPv4アドレスを解決するEHT非MLD STA(例えば、STA6 2312)が示される。この例でも、非AP MLD2 2322がMLDおよび非MLD接続の両方に単一のMLD MAC SAPを用いること、すなわち、それが、常に、MLD MACアドレスをそのハードウェアアドレスとして返すことが仮定される。
STA6 2312は、ARP要求2334を含む第1のデータフレーム2332を発生させて、リンク2(6GHz周波数帯域)上でAP MLD2302のAP2 2304を通じて非AP MLD2 2332へ送信することによって、ARPクエリを始動してよい。ARP要求2334は、STA6のMACアドレスを(b0ビットは0のままで)含むソースハードウェアフィールド2336を備える。非AP MLD2 2322のSTA4 2324は、第1のデータフレーム2332をリンク2上で受信する。第1のデータフレーム2332のターゲットIPフィールド2339は、非AP MLD2 2322のIPアドレスと一致するので、STA4 2324は、ARP応答2344を含む第2のデータフレーム2342を発生させて、データフレーム2342をAP2 2304を通じて非AP MLD1 2312へ送信し返す。同様に、ARP応答2344は、非AP MLD2のMACアドレス(STA-MLD2-M)を含むソースハードウェアフィールド2346を備える。
第2のデータフレーム2342を受信する、STA6 2314は、ARP応答2344のソースハードウェアフィールド2346内の非AP MLD2のMLD MACアドレスを処理して、ソースIPフィールド2347内の非AP MLD2のIPアドレス(STA-MLD2-IP)を非AP MLD2のMACアドレス(STA-MLD2-M)へマッピングするために、そのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、ARPクエリが解決される。
続いて、非AP MLD2 2322は、TDLS発見要求2354を含む後続データフレーム2352を、その連携STAのうちの1つを通じてSTA6 2312へ(この場合、リンク2上でAP2 2304を通じてSTA4 2324からSTA6 2312へ)送信することによってTDLS発見を始動してよい。TDLS発見要求2354は、非AP MLD2 2222がMLDであることを示す「MLインディケーション」としてb0ビットを1にセットした非AP MLD2のMACアドレス(STA-MLD2-M)にセットされたTDLSイニシエータフィールド2358、およびSTA6 2312のMACアドレスにセットされたTDLSレスポンダフィールド2359を備える。AP MLDを介して送信されたフレーム2352は、STA6 2312によって正確に受信される。
とりわけ、STA6 2312は、TDLS発見要求を含むデータフレーム内の「MLインディケーション」の存在ゆえにピアデバイスがMLDであることを認識しているが、非AP MLD2 2322の正確なSTA MACアドレスを知らず、それゆえに、TDLS発見要求2354に応答してTDLS発見応答アクションフレームを送る前に、STA6 2312は、MLDアドレスクエリ要求フレーム2362をAP2 2304を介して非AP MLD2 2322へ送信する。
STA4 2324によって受信されたMLDアドレスクエリ要求フレーム2362のターゲットMACアドレスフィールド2368内で含まれるターゲットIPアドレスは、非AP MLD1のMLD MACアドレス(STA-MLD2-M)と一致するので、STA4 2324は、非AP MLD2 2322と連携しているすべてのSTAのL2 MACアドレス(STA3-MおよびSTA4-M)ならびに動作リンクの識別子を備えるMLエレメント2379を含むMLDアドレスクエリ応答フレーム2372を発生させて、STA6 2312へ送信し返してよい。
STA6 2312は、MLDアドレスクエリ応答フレーム2372を受信し、処理して、非AP MLD2 2322のL2 MACアドレスおよび動作リンクを、例えば、そのMLDアドレスキャッシュ内に記録してよい。続いて、STA6 2312は、次に、TDLS発見応答アクションフレーム2382を直接リンク(リンク2)上でSTA4 2324へ送信してよい。STA5 2312は、MLDアドレスクエリ応答フレーム2372内で受信された、記録されたL2 MACアドレスに基づいて、TDLS発見応答アクションフレーム2382のRAフィールド2383を、STA4のL2 MACアドレス(STA4-M)にセットすることが可能である。そのようにして、これは、STA6 2312によって直接リンク上でSTA4 2324へ送られたTDLS発見応答アクションフレーム2382が正確に受信されることにつながる。同様に、かかるTDLSセットアップは、直接リンク上における非AP MLD2 2322のSTA4 2324からSTA6 2312へのさらなるデータフレーム2392を許容してよい。
この例は、EHT STA(非MLD)がたとえ単一リンク上で動作するとしても、それが、単一リンクデバイスについて特別に配慮を行わない(例えば、単一リンクデバイスからのARP要求に応答して、L2 MACアドレスの代わりにそのMLD MACアドレスを返す)非AP-MLDとともに直接リンク上で正確に動作しうることを強調するための例である。EHT STAは、MLインディケーションおよびMLDアドレスクエリなどのEHT機能を利用し、かつ(例えば、MLインディケーションを転送されるフレームのSAフィールド内にセットすることによって)AP MLDからはほとんど支援を受けないその能力のおかげで、そのように振舞う。本明細書では、以下のことも示される、すなわち、たとえMLDアドレスクエリ要求フレームがAP MLDによって誤ったリンク上で転送されて、その後、MLDアドレス応答が非AP MLDによって誤ったリンク上で送られるとしても、応答フレームは、EHT STAによって正確に受信されて、EHT STAは、AP MLDのビーコンフレームなどをデコードすることが可能であり、異なるリンクに割り当てられたリンクIdを見つけ出すことが可能であるので、リンクIDに基づいて、非AP MLDの正しいL2(STA)MACアドレスを抽出することができる。
以下の項では、プロキシARP機能をもつAP MLD、非AP MLDおよび/または非MLD STAにおけるマルチリンクアドレス解決に関して本開示の第5の実施形態が説明される。
AP MLDがプロキシARPサービスをイネーブルするときに、AP MLDは、関連ステーション(非AP MLDおよび非MLD STA)ごとにハードウェアからインターネットへのアドレスマッピングを保持するものとし、関連ステーションのインターネットアドレスが変化するときにはマッピングをアップロードするものとする。ARP要求もしくはARPプローブで解決されているIPv4アドレス、または近隣要請メッセージで解決されているIPv6アドレスが、BSSと現在関連付けられている非AP STAによって用いられるときに、プロキシARPサービスは、そのSTAに代わって、ARP要求もしくはARPプローブまたは近隣要請メッセージに応答するものとする。
AP MLDが、ARP要求を要求側関連ステーションからまたはDSから、関連非AP MLDに対応するターゲットIPアドレスを伴って、受信するときに、AP MLDは、要求側ステーションが非AP MLDであるか否かを判定して、(i)要求側ステーションが非AP MLDであるか、または要求がDSからであれば、非AP MLDのMLD MACアドレスを送信元のMACアドレスとしてARP応答パケット内に挿入し、あるいは(ii)要求側ステーションが非MLD STAであるか、またはMLDでなければ、要求が受信されたリンク上で動作する非AP MLDのSTAのMACアドレスを送信元のMACアドレスとしてARP応答パケット内に挿入するものとする。
同様に、AP MLDが、近隣要請メッセージを要求側関連ステーションからまたはDSから、関連非AP MLDに対応するターゲットIPアドレスを伴って、受信するときに、AP MLDは、要求側ステーションが非AP MLDであるか否かを判定して、(i)要求側ステーションが非AP MLDであるか、または要求がDSからであれば、非AP MLDのMLD MACアドレスを送信元のMACアドレスとして近隣広告メッセージ内に挿入し、あるいは(ii)要求側ステーションが非MLD STAであるか、またはMLDでなければ、要求が受信されたリンク上で動作する非AP MLDのSTAのMACアドレスを送信元のMACアドレスとして近隣広告メッセージ内で挿入するものとする。
さらに、AP MLDは、関連MLDに代わって送られたARP応答パケットまたは近隣広告メッセージ内にMLD MACアドレスを示すために、送信元MACアドレスの最下位ビットb0(個別/グループビット)も1にセットする。
第5の実施形態によれば、AP MLDがプロキシARP機能をイネーブルされたときに、AP MLDは、関連非AP MLDまたは非MLD STAに代わって、MLDアドレスクエリ要求にも応答してよい。MLDアドレスクエリ要求で解決されているMLD MACアドレスが、AP MLDと現在関連付けられている非AP MLDまたは非MLD STAによって用いられるときには、プロキシARPサービスが、非AP MLDまたは非MLD STAに代わって、MLDアドレスクエリ要求に応答してよい。
特に、AP MLDが、MLDアドレスクエリ要求フレームを、要求側関連ステーションから、関連非AP MLDまたは非MLD STAに対応するターゲットMLD MACアドレスを伴って受信するときに、AP MLDは、関連非AP MLDのすべての連携STAのSTA MACアドレスおよび動作リンクの識別子ならびに対応するリンクIDを含むMLエレメントを構築して、要求側関連ステーションへ、MLエレメントを含むMLDアドレスクエリ応答フレームで応答するものとする。
MLDアドレスクエリ機能がプロキシARPサービス内にパッケージされるのは自然であるが、MLDアドレスクエリは、EHTでは新しい機能なので、たとえプロキシARPサービスがAP MLDによってサポートされず、すなわち、プロキシARPサービスからこの機能がデカップルされるかもしれなくても、AP MLDは、MLDアドレスクエリ機能をイネーブルしてよい。加えて、プロキシARPサービスを実装するAP MLDは、グラチューイタスARP/非要請近隣広告の送信も実装してよい。グラチューイタスARP要求は、ソースおよび宛先IPがいずれも、パケットを発行するマシンのIPにセットされて、宛先マックがブロードキャストアドレスff:ff:ff:ff:ff:ffであるARP要求パケットである。通常、ARP応答パケットは、発生しないであろう。グラチューイタスARP応答は、それに対して要求が行われなかった応答である。同様に、非要請近隣広告は、誰もそれを依頼することなく、すなわち、対応する近隣要請メッセージを受信することなく送られるメッセージである。イネーブルされたときに、AP MLDは、関連非MLDのIPアドレスまたはMLD MACアドレスが変化する際に関連非AP MLDのMLD MACアドレスをハードウェアアドレスとして含む、グラチューイタスARPパケットまたは非要請近隣広告も送り出してよい。典型的に、これらは、ブロードキャストアドレスまたはオールホストマルチキャストアドレス(ff02::1)へ送られる。これらは、関連レガシSTAが、それらのARPキャッシュを(STA MACアドレスの代わりに)MLD MACアドレスで誤ってアップロードする原因となることがある。これを防ぐために、AP MLDは、ブロードキャストされたグラチューイタスARPまたはマルチキャストされた非要請近隣広告の後に、正確なSTA MACアドレスを送信元ハードウェアアドレスとして各関連レガシSTAへ含む、ユニキャストグラチューイタスARPまたはユニキャスト非要請近隣広告メッセージを用いるものとする。代わりに、グラチューイタスARP/非要請近隣広告のブロードキャスト送信は、EHT AP/AP MLDでは実装されない。
図24Aは、本開示の第5の実施形態による、マルチリンクアドレス解決のためのディストリビューションシステム2402、AP MLD2412および非AP MLD2422間の通信を示すフローチャートを示す。
この例では、DS(例えば、PC2402)からのARP要求を、関連非AP MLD(例えば、非AP MLD1 2422)に代わって、解決するAP MLD2412が示される。PC2402は、ARP要求2434を含むイーサネットフレーム2432を発生させて、イーサネットインタフェース(I/F)2404を介してPC2402へ接続されたAP MLD2412へ送信することによって、AP MLD2412と関連付けられた非AP MLD1 2422のIPアドレスを解決するためにARPクエリを始動してよい。ARP要求2434は、PCのMACアドレス(PC-M)を含むソースハードウェアフィールド2436、非AP MLD1 2422のIPアドレス(STA-MLD1-IP)を含むターゲットIPフィールド2439を備え、PC2402が非AP MLD1 2422のIPアドレスIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
第1のデータフレーム2432のターゲットIPフィールド2439は、その関連非MLD2 2422のIPアドレスと一致するので、AP MLD2412は、ARP応答2444を含む第2のデータフレーム2442を発生させて、非AP MLD1 2422のMLD MACアドレス(STA-MLD1-M)を、そのハードウェアアドレスとしてARP応答2444のソースハードウェアフィールド2446内に提供して、第2のデータフレーム2442を、AP2 2414を通じてイーサネットI/F2404を介してPC2402へ送信し返してよい。
第2のデータフレーム2442を受信する、PC2402は、ARP応答2442のソースハードウェアフィールド2446内で含まれる非AP MLD1のMLD MACアドレスを処理して、ソースIPフィールド2447内の非AP MLD1のIPアドレスを非AP MLD1のMLD MACアドレス(STA-MLD1-M)へマッピングするために、そのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、ARPクエリは、非AP MLD1 2422とデータフレームを交換することなく解決される。
続いて、PC2402は、後続イーサネットフレーム2452をAP MLD2412へ送信することによって、データをAP MLD2412を介して非AP MLD1 2422へ送信することを望んでよい。PC2402は、そのARPキャッシュ内に記憶されたマッピングに基づいて、イーサネットフレーム2452のDest.(宛先)フィールドを非AP MLD1のMLD MACアドレスにセットすることが可能である。後続イーサネットフレーム2452を受信する、AP MLD2412は、対応するデータフレーム2456を発生させて、非AP MLD1のMLD MACアドレスを変換し、非AP MLD1 2422の連携STAのうちの1つのSTA MACアドレス(この場合、STA2 2424のMACアドレス(STA2-M))をデータフレーム2456のRAフィールド2457内にセットして、データフレーム2456を非AP MLD1 2422へ転送する。データフレーム2456のRAフィールド2457は、STA2 2424のものと一致するので、データフレーム2456は、STA2 2424によって正確に受信される。
図24Bは、本開示の第5の実施形態による、マルチリンクアドレス解決のためのディストリビューションシステム2402、AP MLD2404および非MLD STA2426間の通信を示すフローチャートを示す。
この例では、DS(例えば、PC2402)からのARP要求を、関連非MLD STA(例えば、STA5 2426)に代わって、解決するAP MLD2412が示される。PC2402は、ARP要求2464を含むイーサネットフレーム2462を発生させて、イーサネットインタフェース(I/F)2404を介してPC2402へ接続されたAP MLD2412へ送信することによって、AP MLD2412と関連付けられた非AP MLD1 2422のIPアドレスを解決するためにARPクエリを始動してよい。ARP要求2464は、PCのMACアドレス(PC-M)を含むソースハードウェアフィールド2466、STA5 2426のIPアドレス(STA5-IP)を含むターゲットIPフィールド2439を備え、PC2402がSTA5 2426のIPアドレスIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
第1のデータフレーム2462のターゲットIPアドレス2469は、その関連STA5 2426のIPアドレスと一致するので、AP MLD2412は、ARP応答2474を含む第2のデータフレーム2472を発生させて、STA5 2426のMLD MACアドレス(STA5ーM)をそのハードウェアアドレスとしてARP応答2474のソースハードウェアフィールド2476内に提供し、第2のデータフレーム2472をAP2 2414を通じてイーサネットI/F2404を介してPC2402へ送信し返してよい。
第2のフレーム2472を受信する、PC2402は、ARP応答2444のソースハードウェアフィールド2476内で含まれたSTA5のMACアドレスを処理して、ソースIPフィールド2477内のSTA5のIPアドレス(STA5-IP)をSTA5のMACアドレス(STA5-M)へマッピングするために、そのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、ARPクエリは、STA5 2426とデータフレームを交換することなく解決される。
続いて、PC2402は、後続イーサネットフレーム2482をAP MLD2412へ送信することによって、データをAP MLD2412を介してSTA5 2426へ送信することを望んでよい。PC2402は、そのARPキャッシュ内に記憶されたマッピングに基づいて、イーサネットフレーム2482のDest.フィールドをSTA5のMACアドレスにセットすることが可能である。後続イーサネットフレーム2482を受信する、AP MLD2412は、対応するデータフレーム2486を発生させて、STA5のMACアドレスをデータフレーム2486のRAフィールド2487内にセットし、それをSTA5へ転送してよい。データフレーム2486のRAフィールドは、STA5 2426のものと一致するので、データフレーム2486は、STA5 2426によって正確に受信される。
図25は、本開示の第5の実施形態の第1の例による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD2502、非AP MLD2 2522および非MLD STA2512間の通信を示すフローチャート2500を示す。
この第1の例では、非MLD STA(例えば、STA5 2512)からの近隣要請メッセージを、非AP MLD(例えば、非AP MLD2 2522)に代わって、解決するAP MLDが示される。
STA5 2512は、近隣要請メッセージ2534を含む第1のデータフレーム2532を発生させて、リンク2(6GHz周波数帯域)上でAP MLD2502へ送信することによって、NDクエリを始動してよい。近隣要請メッセージ2534は、非AP MLD2 2522のIPアドレスをターゲットアドレスフィールド2568内で含み、STA5 2512が非AP MLD2 2522の対応するMACアドレスを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
次に、第1のデータフレーム2532を6GHzリンク上で受信する、AP MLD2502のAP2 2504は、近隣要請メッセージ2534のソースL2アドレスフィールドに基づいて、要求側STA(すなわち、STA5 2512)は、レガシSTAであり、近隣要請メッセージ2534のターゲットアドレスフィールド2538内で含まれるターゲットIPアドレスがその関連非AP MLD2 2522 IPのアドレスと一致することを確認してよい。それゆえに、AP2 2504は、近隣広告メッセージ2544を含む第2のデータフレーム2542を発生させて、MLD MACアドレスの代わりにSTA5のリンク(すなわち、リンク2)に対応する非AP MLD2 2522のSTA MACアドレス(STA4-M)を、近隣広告メッセージ2544のターゲットL2アドレス2549内にそのハードウェアアドレスとして提供し、第2のデータフレーム2542をAP2 2504を通じてSTA5の動作リンクを介してSTA5 2512へ送信し返してよい。
非AP MLD(例えば、非AP MLD2 2522)は、複数のSTA MACアドレスを含むので、アドレス解決を要求しているレガシSTA(例えば、STA5 2512)とターゲット非AP MLDとの間に共通リンクがある限り、AP MLDは、共通リンク上で動作する非AP MLDの連携STAのSTA MACアドレスを、非AP MLDのハードウェアアドレス(ターゲットL2アドレス)として返すものとすることが注目される。これは、レガシSTAおよび非AP MLDが直接リンク上(共通リンク上)で通信することを確実に可能にするであろう。しかしながら、レガシSTAと非AP MLDとの間に共通リンクがなければ、AP MLDは、非AP MLDのMLD MACアドレスまたは連携STAのいずれかのMACアドレスを非AP MLDのハードウェアアドレス(ターゲットL2アドレス)として返してよい。
AP MLD2502によって送られた第2のデータフレーム2542を、非AP MLD2 2522に代わって、受信するSTA5 2512は、近隣広告メッセージ2544のターゲットL2アドレス2549内で含まれるSTA MACアドレスを処理して、ターゲットアドレスフィールド2548内の非AP MLD2のIPアドレス(STA-MLD2-IP)をターゲットL2アドレスフィールド2549内のL2 MACアドレス(STA4-M)へマッピングするために、その近隣キャッシュをアップデートしてよい。結果として、NDクエリは、データフレームを非AP MLD2 2522と交換することなく解決される。
続いて、STA5 2512は、TDLS発見要求2554を含む後続データフレーム2552をAP MLD2502を介して非AP MLD2 2522へ送信することによって、TDLS発見を始動してよい。近隣キャッシュ内に記憶された非AP MLD2 2522のSTA MACアドレス(STA4-M)は、データフレーム2552のDA/SAフィールド2555、ならびにTDLS発見要求2554のTDLSレスポンダフィールド2559内に用いられる(DAフィールド=TDLSレスポンダフィールド)。
AP MLD2502のAP2 2504は、STA MACアドレスに基づいて、後続データフレーム2552がその関連非AP MLD2 2522のSTA4 2524へ向けられていることを確認して、データフレーム2552をSTA4 2524へ転送してよい。AP MLD2502は、データフレーム2552をSTA4 2524へ転送する前に、そのRAフィールド2553をセットしてよい。そのようにして、データフレーム2552は、AP MLD2502を介して非AP MLD2 2522によって正確に受信される。
非AP MLD2522は、応答して、TDLS発見応答アクションフレーム2562を直接リンク(リンク2)上で送ってよく、ここでTAフィールド2563およびTDLSレスポンダフィールド2569は、TDLS発見応答アクションフレーム2562を送信する連携STA(この場合、STA4 2524)のそのSTA MACアドレスにセットされる。
さらに、直接リンク上でリレーされ、送られるTDLS発見応答アクションフレーム2562のリンク識別子エレメント内のTDLSレスポンダフィールド2569のみならずTAフィールド2563も、いずれも同じSTA MACアドレス(STA4-M)としてセットされるので、受信レガシSTA(STA5 2512)における混乱はない。これは、レガシSTAが非AP MLDとTDLSセットアップを始動するときに、RA/TAのセッティングルールを変更する必要なく、またはMLD MACアドレスをTDLSイニシエータもしくはTDLSレスポンダフィールド内で用いることなく第2のアドレス不一致問題を有効に解決する。
加えて、ここではTDLSレスポンダフィールドのみならずDAもすべてがピアデバイスのSTA MACアドレス(STA4-M)にセットされるので、AP MLD2502は、TDLS発見/セットアップ要求フレームを非AP MLD2 2522へ転送するために用いるべきリンク(リンク2)を正確に識別することができて、それゆえに、リンククロスオーバー問題は発生しない。
続いて、STA5 2512は、TDLSセットアップ要求2574を含むさらなるデータフレーム2572をAP MLD2502へ送信することによって、AP MLD2502を介してSTA4 2524とTDLSセットアップを始動してよい。近隣キャッシュ内に記憶された非AP MLD2 2522のSTA MACアドレス(STA4-M)は、TDLSセットアップ要求2574のTDLSレスポンダフィールド2579のみならず、データフレーム2572のDAフィールド2576をセットするためにも用いられる(DA=TDLSレスポンダ)。
AP MLD2502のAP2 2504は、STA MACアドレスに基づいて、さらなるデータフレーム2572が、その関連非AP MLD2 2522のSTA4 2524へ向けられていることを確認して、さらなるデータフレーム2572をSTA4 2524へ転送してよい。AP MLD2502は、データフレーム2572をSTA4 2524へ転送する前に、そのRAフィールド2553を、STA5のリンク(すなわち、リンク2)に対応する非AP MLD2 2522のSTA MACアドレス(STA4-M)にセットしてよい。そのようとして、データフレーム2572は、非AP MLD2 2522によってAP MLD2502を介して正確に受信される。
非AP MLD2522は、応答して、TDLSセットアップ応答2584を含む別のデータフレーム2582を直接リンク(リンク2)上で送ってよく、ここでDAフィールド2586およびTDLSイニシエータフィールド2588は、TDLSセットアップ要求2574のTDLSイニシエータフィールド2578内のMACアドレスにセットされる。そのようにして、STA4 2524とSTA5 2512との間のTDLSが首尾よくセットアップされて、非MLD STA(STA5 2512)および非AP MLDのSTA(非AP MLD2 2522のSTA4 2524)は、データフレーム2592のRAフィールド2593を適宜にSTA MACアドレス(STA4-MおよびSTA5-M)として正確にセットできるので、データフレーム2592を直接リンク上で互いに送受信することができる。
図26は、本開示の第5の実施形態の第2の例による、マルチリンクアドレス解決のためのAP MLD2602および2つの非AP MLD2612、2622間の通信を示すフローチャート2600を示す。
この第2の例では、非AP MLD(例えば、非AP MLD1 2612)からのARP要求およびMLDアドレスクエリ要求を、別の非AP MLD(例えば、非AP MLD2 2622)に代わって、解決するAP MLD2602が示される。
非AP MLD1 2612のSTA2 2614は、ARP要求2634を含む第1のデータフレーム2632を発生させて、リンク2(6GHz周波数帯域)上でAP MLD2602を介して非AP MLD2 2622へ送信することによって、ARPクエリを始動してよい。ARP要求2634は、非AP MLD1のMACアドレス(STA-MLD1-M)を含むソースハードウェアフィールド2636、および非AP MLD2のIPアドレス(STA-MLD2-IP)を含むターゲットIPフィールド2639を備え、非AP MLD1 2612が非AP MLD2 2622の対応するMACアドレスを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
次に、第1のデータフレーム2632を6GHzリンク上で受信する、AP MLD2602のAP2 2604は、ARP要求2634のソースハードウェアフィールド2636に基づいて、リクエスタ(すなわち、非AP MLD1 2612)がMLDであり、ARP要求2634のターゲットIPフィールド2639内で含まれるターゲットIPアドレスがその関連非AP MLD2のIPアドレスと一致することを確認してよい。それゆえに、AP MLD2602は、ARP応答2644を含む第2のデータフレーム2642を発生させて、非AP MLD2 2622のMLD MACアドレス(STA-MLD2-M)を、そのハードウェアアドレスとして、ARP応答2644のソースハードウェアフィールド2646内に提供してよく、第2のデータフレーム2642を非AP MLD1 2612へ送信し返す前に、さらにMLインディケーションのためにMLD MACアドレスのb0ビットを1にセットする。
第2のデータフレーム2642を受信する、非AP MLD1 2612は、ARP応答を処理して、b0ビットにおけるMLインディケーションの存在ゆえに、ソースハードウェアフィールド2646内で含まれるMACアドレスがMLD MACアドレスであることを認識する。非AP MLD1 2612は、次に、b0ビットを0に戻すことによって元のMLD MACアドレスを復元して、ソースIPフィールド2647内の非AP MLD2のIP(STA-MLD2-IP)をソースハードウェアフィールド2646内の非AP MLD2のMLD MACアドレス(STA-MLD2-M)へマッピングするために、そのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、ARPクエリが解決されて、STA2 2614は、MLインディケーションの存在ゆえに、非AP MLD2 2622とデータフレームを交換することなく、STA-MLD2-MがMLD MACアドレスであることを今や認識している。
非AP MLD1 2612は、そのMLD MACアドレスのb0ビットにおけるMLインディケーションに基づいて、非AP MLD2 2622がMLDであることを認識するので、非AP MLD1 2612は、MLDアドレスクエリ要求フレーム2652を、AP MLD2602のAP2 2604を介して非AP MLD2 2622へ送信することによって、非AP MLD2 2622のSTA MACアドレスを得るために、MLDアドレスクエリを始動する。
AP MLD2602は、関連非AP MLD(この場合、非AP MLD2 2622)に対応するターゲットMLD MACアドレスから確認して、非AP MLD2 2622と連携しているすべてのSTA(STA3-MおよびSTA4-M)のL2 MACアドレスならびに動作リンクの識別子を備えるMLエレメント2669を含む、非AP MLD1 2612へ戻る、MLDアドレスクエリ応答を発生させることによって、非AP MLD2 2622に代わって、MLD MACアドレスを解決してよい。
非AP MLD1 2612のSTA2 2614は、MLDアドレスクエリ応答フレーム2662を受信し、処理して、非AP MLD2 2622と連携しているすべてのSTAのL2 MACアドレスを、例えば、そのMLDアドレスキャッシュ内に記録してよい。続いて、STA2 2614は、ANQP要求フレーム2672を直接リンク(リンク2)上でSTA4 2624へ送信してよい。STA2 2614は、MLDアドレスクエリ応答フレーム2662内で受信された、記録されたL2 MACアドレスに基づいて、ANQP要求フレーム2672のRAフィールド2673をSTA4のL2 MACアドレス(STA4-M)にセットすることが可能である。そのようにして、STA2 2614によって直接リンク上でSTA4 2624へ送られたANQP要求フレーム2672は、正確に受信される。
図27は、本開示の第5の実施形態の第3の例による、マルチリンク解決のためのAP MLD2702、非AP MLD2712および非MLD STA2722間の通信を示すフローチャート2700を示す。
この第3の例では、非AP MLD(例えば、非AP MLD2 2712)からのARP要求を、レガシSTA(例えば、STA5 2722)に代わって、解決するAP MLD2702が示される。
非AP MLD2 2712のSTA4 2714は、ARP要求2734を含む第1のデータフレーム2732を発生させて、リンク2(6GHz周波数帯域)上でAP MLD2702を介してSTA5 2722へ送信することによって、ARPクエリを始動してよい。ARP要求2734は、非AP MLD2のMACアドレス(STA-MLD2-M)を含むソースハードウェアフィールド2736、およびSTA5のIPアドレス(STA5-IP)を含むターゲットIPフィールド2739を備え、非AP MLD2 2712がSTA5 2722の対応するMACアドレスを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
次に、第1のデータフレーム2732を6GHzリンク上で受信する、AP MLD2702のAP2 2704は、ARP要求2734のソースハードウェアフィールド2736に基づいて、リクエスタ(すなわち、非AP MLD2 2712)がMLDであり、ARP要求2734のターゲットIPフィールド2739内で含まれるターゲットIPアドレスがその関連STA5のIPアドレスと一致することを確認してよい。それゆえに、AP MLD2702は、ARP応答2744を含む第2のデータフレーム2742を発生させて、STA5のL2 MACアドレス(STA5-M)を、そのハードウェアアドレスとして、ARP応答2744のソースハードウェアフィールド2746内に提供し(MACアドレスのb0ビットは0のままであった)、第2のデータフレーム2742を非AP MLD2 2712へ送信し返してよい。
第2のデータフレーム2742を受信する、非AP MLD2 2712は、ARP応答2744を処理して、b0ビットにおけるMLインディケーションの欠落ゆえに、ソースハードウェアフィールド2746内で含まれるMACアドレスがSTA MACアドレスであり、MLD MACアドレスではないことを認識する。非AP MLD1 2712は、ソースIPフィールド2747内のSTA5のIPアドレス(STA5-IP)をソースハードウェアフィールド2746内のSTA5のL2 MACアドレス(STA5-M)へマッピングするために、そのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、ARPクエリが解決されて、STA4 2714は、データフレームをSTA5 2722と交換することなく、STA5が非MLDまたはレガシSTAであることを今や認識している。
有利には、STA5 2722は、ARP要求2732を決して受信しないので、非AP MLD2 2712のためのオポチュニスティックなARPキャッシュアップデートを行わず、それゆえに、アドレス不一致問題は発生しない。
続いて、非AP MLD2 2712は、AP MLD2702を介してSTA5 2722へTDLS発見要求2754を含む後続データフレーム2752を発生させることによって、TDLS発見を始動してよい。それは、STA5が非MLDまたはレガシSTAであることを認識しているので、その連携STAのうちの1つのSTA MACアドレス(STA4-M)がTDLSイニシエータフィールド2758内に用いられる。
AP MLD2702のAP2 2704は、STA MACアドレスに基づいて、後続データフレーム2752がその関連非AP MLD2 2712のSTA4 2714へ向けられていることを確認して、データフレーム2752’をSTA5 2722へ転送してよい。AP MLD2502は、データフレーム2752’をSTA5 2722へ転送する前に、そのSAフィールド2755’をSTA4のMACアドレス(STA4-M)へ訂正することが可能である。データフレーム2752をSTA5 2722によって依然として正確に受信することができる。
APによってリレーされたTDLS発見要求フレーム2752’のリンク識別子エレメント内のTDLSイニシエータフィールド2758’のみならずSAフィールド2755’も、いずれもSTA MACアドレスとしてセットされるので、受信ピアSTAにおける混乱はないであろう。これは、非AP MLDがレガシSTAとTDLSセットアップを始動するときに、RA/TAのセッティングルールを変更する必要なく、またはMLD MACアドレスをTDLSイニシエータもしくはTDLSレスポンダフィールド内で用いることなく、IEEEサブミッション(IEEE 802.11-2/1692r2)おいて提起された第1のアドレス不一致問題を有効に解決する。
STA5 2722は、応答して、TDLS発見応答アクションフレーム2762を直接リンク(リンク2)上で送ってよく、ここでTAフィールド2765およびTDLSレスポンダフィールド2769は、それ自体のSTA MACアドレスにセットされる。STA5 2722は、受信されたデータフレーム2752’のTDLSイニシエータフィールド2758’に基づいて、RAフィールドをSTA4のL2 MACアドレスにセットすることが可能である。
続いて、STA5およびSTA4は、図26に記載されたものと同様の方法で、TDLSセットアップ要求/応答フレーム交換によってTDLSセットアップ(図示されない)を行ってよい。TDLSセットアップが一旦行われると、STA5 2722、非AP MLD2 2712のSTA4 2714は、データフレーム2772、2782のRAフィールド2773、2783を適宜にSTA MACアドレス(STA4-MおよびSTA5-M)として正確にセットできるので、データフレーム2772、2782を直接リンク上で首尾よく互いに送受信することができる。
本開示によれば、非AP MLDがレガシSTAのIPアドレスを解決するときに、たとえアドレスが正確に解決されて、(例えば、ARP応答におけるMLインディケーションの欠落ゆえに)ターゲットSTAがレガシSTAであることを通知されても、非AP MLDは、レガシSTAがどのリンク上で動作するかを確実に知ることはできない。非AP MLDが、TDLS発見をレガシSTAと始動するときに、誤ったリンクを選び、それによって、TDLS発見フレームのTDLSイニシエータフィールド内で誤ったSTA MACアドレス(例えば、STA3-M)が用いられうる可能性がある。結果として、レガシSTAが、直接リンク上で送られるTDLS発見応答アクションフレームのRAフィールドをセットするためにTDLSイニシエータフィールドを用いるならば、非AP MLD2は、フレームの受信に失敗するであろう。
図28は、本開示の第5の実施形態の第4の例による、マルチリンク解決のためのAP MLD2802、非AP MLD2812および非MLD STA2822間の通信を示すフローチャート2800を示す。
この第4の例では、非AP MLD(例えば、非AP MLD2 2812)からのARP要求を、レガシSTA(例えば、STA5 2822)に代わって、解決するAP MLD2802が示される。
非AP MLD2 2812のSTA3 2814は、ARP要求2834を含む第1のデータフレーム2832を発生させて、STA5の動作リンクとは異なるリンク(この場合、リンク1または5GHz周波数帯域)上でAP MLD2802を介してSTA5 2822へ送信することによってARPクエリを始動してよい。ARP要求2834は、非AP MLD2のMACアドレス(STA-MLD2-M)を含むソースハードウェアフィールド2836、およびSTA5のIPアドレス(STA5-IP)を含むターゲットIPフィールド2839を備え、非AP MLD2 2812がSTA5 2822の対応するMACアドレスを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
次に、第1のデータフレーム2832を5GHzリンク上で受信する、AP MLD2802のAP1 2804は、ARP要求2834のソースハードウェアフィールド2836に基づいて、リクエスタ(すなわち、非AP MLD2 2812)がMLDであり、ARP要求2834のターゲットIPフィールド2839内で含まれるターゲットIPアドレスがその関連STA5のIPアドレスと一致することを確認してよい。それゆえに、AP MLD2802は、ARP応答2844を含む第2のデータフレーム2842を発生させて、STA5のL2 MACアドレス(STA5-M)を、そのハードウェアアドレスとして、ARP応答2844のソースハードウェアフィールド2846内に提供し(MACアドレスのb0ビットは0のままである)、第2のデータフレーム2842を非AP MLD2 2812へ送信し返してよい。
第2のデータフレーム2842をリンク1上でSTA3 2814を介して受信する、非AP MLD2 2812は、ARP応答2844を処理して、b0ビットにおけるMLインディケーションの欠落ゆえに、ソースハードウェアフィールド2846内で含まれるMACアドレスがSTA MACアドレスであり、MLD MACアドレスではないことを認識する。非AP MLD2 2812は、ソースIPフィールド2847内のSTA5のIPアドレス(STA5-IP)をソースハードウェアフィールド2846内のSTA5のL2 MAC(STA5-M)アドレスへマッピングするために、そのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、ARPクエリが解決される。
続いて、非AP MLD2 2812は、誤ったリンク、すなわち、STA5 2822がその上で動作しないリンクを用いて、AP MLD2802を介してSTA5 2822へTDLS発見要求2854を含む後続データフレーム2852を発生させることによって、TDLS発見を始動してよい。それは、STA5が非MLDまたはレガシSTAであることを認識しているので、5GHz上で動作しているSTA3 2814のSTA MACアドレスがTDLSイニシエータフィールド2858内では用いられるが、そのSTA MACアドレスは、図らずも誤ったアドレス(STA3-M)である。
AP MLD2802は、STA MACアドレスに基づいて、後続データフレーム2852がSTA5 2822へ向けられていることを確認し、TDLSイニシエータへのデータフレーム2852’のSAフィールド2855’を、STA5の動作リンク上で動作しているSTA4 2816の正確なSTA MACアドレス(STA4-M)にセットして、データフレーム2852’を、正確なリンク(6GHz周波数帯域)上でAP2 2802を通じてSTA5 2822へ転送してよい。そのようにして、データフレーム2852は、STA5 2822によって正確に受信される。
STA5 2822は、応答して、TDLS発見応答アクションフレーム2862を直接リンク(リンク2)上で送ってよく、ここでTAフィールド2865およびTDLSレスポンダフィールド2869は、それ自体のMACアドレスにセットされるが、RAフィールド2863は、受信されたデータフレーム2852’のTDLSイニシエータフィールド2858’に基づいて、誤ったリンクのMACアドレス(STA3-M)としてセットされる。そのようにして、STA5 2822とSTA4 2816との間の直接リンク上のデータフレーム2862は、誤ったRAゆえに失敗する。
クロスオーバー問題に起因する潜在的な不一致を回避するために、AP MLDは、非AP MLDが、レガシ/非MLD STAが動作するリンク上でも動作する限り、レガシ/非MLD STAに代わって送られるARP応答が、常に、そのリンク上で確実に送られるようにすることによって、非AP MLDを支援することができる。非AP MLDは、ARP応答を含むデータフレーム内の「MLインディケーション」の欠落ゆえに、ピアSTAがレガシ/非MLD STAであることを通知される。非AP MLDは、ARP応答が受信されたリンクに基づいて、レガシ/非MLD STAの動作リンクを暗黙的に通知され、それによって、誤ったTDLSイニシエータアドレスゆえに引き起こされるクロスオーバー問題を回避する。
図29は、本開示の第5の実施形態の第5の例による、マルチリンク解決のためのAP MLD2902、非AP MLD2912および非MLD STA2922間の通信を示すフローチャート2900を示す。
この第5の例では、非AP MLD(例えば、非AP MLD2 2912)からのARP要求を、レガシSTA(例えば、STA5 2922)に代わって、解決するAP MLD2902が示される。
非AP MLD2 2912のSTA3 2914は、ARP要求2934を含む第1のデータフレーム2932を発生させて、STA5の動作リンクとは異なるリンク(この場合、リンク1または5GHz周波数帯域)上でAP MLD2902を介してSTA5 2922へ送信することによって、ARPクエリを始動してよい。ARP要求2934は、非AP MLD2のMACアドレス(STA-MLD2-M)を含むソースハードウェアフィールド2936、およびSTA5のIPアドレス(STA5-IP)を含むターゲットIPフィールド2939を備え、非AP MLD2 2912がSTA5 2922の対応するMACアドレスを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを示す。
たとえARP要求2934がレガシSTAの動作リンク(リンク2)とは異なるリンク上で受信されても、第1のデータフレーム2932を受信する、AP MLD2902は、ARP要求2934のソースハードウェアフィールド2936に基づいて、リクエスタ(すなわち、非AP MLD2 2912)がMLDであり、ARP要求2934のターゲットIPフィールド2939内で含まれるターゲットIPアドレスがその関連STA5のIPアドレスと一致することを確認してよい。それゆえに、AP MLD2902は、第2のデータフレーム2942を発生させて、意図的に、ARP応答2944を、ターゲットSTA(STA5 2922)が動作するリンク(すなわち、リンク2)上でAP2 2906を介して非AP MLD2 2912へ送信し返して、STA5のL2 MACアドレス(STA5-M)を、そのハードウェアアドレスとして、ARP応答2944のソースハードウェアフィールド2946内に提供してよい。
第2のデータフレーム2942をリンク2上でSTA4 2916を介して受信する、非AP MLD2 2912は、ARP応答2944を処理して、b0ビットにおけるMLインディケーションの欠落ゆえに、ソースハードウェアフィールド2946内で含まれるMACアドレスがSTA MACアドレスであり、MLD MACアドレスではないことを認識してよい。非AP MLD2 2912は、ソースIPフィールド2947内のSTA5のIPアドレス(STA5-IP)をソースハードウェアフィールド2946内のSTA5のL2 MACアドレス(STA5-M)へマッピングするために、そのARPキャッシュをアップデートしてよい。結果として、ARPクエリが解決される。さらに、非AP MLD2 2912は、ARP応答2944が受信されるリンクに基づいて、リンク2をSTA5の動作リンクとして記録する。
続いて、非AP MLD2 2912は、正しいリンク(リンク2)、すなわち、STA5の動作リンク上でAP MLD2902を介してSTA5 2922へTDLS発見要求2954を含む後続データフレーム2952を発生させることによって、TDLS発見を始動してよい。それは、STA5が非MLDまたはレガシSTAであることを認識しているので、非AP MLD2912の正確なSTA MACアドレス(STA4-M)が後続データフレーム2952のTDLS発見要求2954のTDLSイニシエータフィールド2958として用いられる。
AP MLD2902は、STA MACアドレスに基づいて、後続データフレーム2952がSTA5 2922へ向けられていることを確認して、データフレーム2952をSTA5 2922へ転送してよい。AP MLD2902は、データフレーム2952’のSAフィールド2955’をSTA4のMACアドレス(STA4-M)にセットして、データフレーム2952’を正確なリンク上でSTA5 2922へ転送するであろう。そのようにして、データフレーム2952をSTA5 2922によってやはり正確に受信することができる。
STA5 2922は、応答して、TDLS発見応答アクションフレーム2962を直接リンク(リンク2)上で送ってよく、TAフィールド2965およびTDLSレスポンダフィールド2969は、それ自体のSTA MACアドレスにセットされる。STA5 2922は、受信されたデータフレーム2952’のTDLSイニシエータフィールド2958’に基づいて、RAフィールド2963を正確なリンクのMACアドレス(STA4-M)にセットすることが可能であり、TDLS発見応答アクションフレーム2962は、STA4 2916によって正確に受信される。
結果として、STA5 2922および非AP MLD2 2912のSTA4 2916は、データフレーム2972、2982のRAフィールド2973、2983を適宜にSTA MACアドレス(STA5-MおよびSTA4-M)として正確にセットできるので、それぞれのデータフレーム2972、2982を直接リンク上で互いに送受信することができる。
図30は、本開示の第5の実施形態の第6の例による、マルチリンク解決のためのAP MLD3002、非AP MLD3012および非MLD STA3022間の通信を示すフローチャート3000を示す。第6の例は、元のTDLS発見要求フレームが誤ったTDLSイニシエータアドレスを用いて誤ったリンク上で送られる図28に示される第4の例の継続である。この第6の例では、AP MLD3002、非AP MLD(例えば、非AP MLD2 3012)およびレガシSTA(例えば、STA5 3022)に関して、非MLD STAの動作リンクを発見するために、本開示の第5の実施形態の第5の例において発行されたクロスオーバーへの明確なソリューションが、MLDアドレスクエリ・メカニズムの使用を通じて示される。この第6の例では、MLDアドレスクエリ・メカニズムが、MLDのSTA MACアドレスを解決するためでなく、むしろ非MLD STAの動作リンクを発見するために用いられる。代わりに、非AP MLDは、TDLS発見応答アクションフレームの受信に失敗した際に、TDLS発見要求を、手探りに他のリンク上で再試行することもできるであろう。
APRクエリおよびTDLS発見要求を含む後続データフレームの送信後に、STA5 3022は、TDLS発見要求(図30に示されない)内のTDLSイニシエータフィールドに基づいて(例えば、STA3 3014のSTA MACアドレス(STA3-M)にセットされた)誤ったRAフィールド3033を含むTDLS発見応答アクションフレームを直接リンク上でSTA4 3016へ送ることがある。結果として、直接リンク上のすべてのフレームが誤ったRAゆえに失敗するであろう。
TDLS発見応答アクションフレーム3032を直接リンク上でSTA5 3022から受信することの失敗に起因して、非AP MLD2 3012は、TDLS発見要求フレームが誤ったリンク上で送られたかもしれないと推測することができる。非AP MLD2 3012は、MLDアドレスクエリ要求フレーム3042を、AP MLD3002のAP2 3004を介してSTA5 3022へ送ってよい。MLDアドレスクエリ要求フレーム3042を受信する、AP MLD3002は、MLDアドレスクエリ要求フレーム3042のターゲットMLD MACアドレスフィールド3048内で含まれるMACアドレスがその関連STA5のMACアドレスと一致して、非AP MLD2がSTA5 3022の対応するMACアドレスおよび動作リンクを得るためにIPアドレスを解決しようとしていることを確認してよい。それゆえに、AP MLD3002は、かかる情報を、STA5 3022に代わって、非AP MLD2 3012へ提供するためにMLDアドレスクエリ応答フレーム3052を発生させてよい。特に、MLDアドレスクエリ応答フレーム3052は、ターゲットSTAの動作リンクがリンク2であることを示す、値が2のリンクIDサブフィールド3059aをもつ単一のリンク情報フィールドと、ターゲットSTA、すなわち、STA5 3022のMACアドレスを示すアドレスフィールド3059bとを含むMLエレメントを備える。
データフレームを送信するための正確なリンクに関する情報を受信した後に、非AP MLD2は、MLDアドレスクエリ応答フレーム3052内で受信された正しい(与えられた)リンク上でAP MLD3002を介してSTA5 3022へTDLS発見要求3064を含むデータフレーム3062を送信することによって、TDLS発見を再始動してよい。正確なリンク(STA MACアドレス)、すなわち、STA4-MがTDLS発見要求3064のTDLSイニシエータフィールド3068内に用いられる。
AP MLD3002は、TDLSレスポンダフィールド3069内のSTA MACアドレスに基づいて、データフフレーム3062がSTA5 3022へ向けられることを確認して、それをSTA5 3022へ転送してよい。AP MLD3002は、データフレーム3062’のソースを示すために、データフレーム3062’のSAフィールド3065’をSTA4のMACアドレス(STA4-M)にセットするであろう。そのようにして、データフレーム3062は、STA5 2922によってAP MLD3002を介して正確に受信される。
次に、STA5 3022は、応答して、TDLS発見応答アクションフレーム3072を、直接リンク(リンク2)を介して非AP MLD3012のSTA4 3016へ送ってよい。STA5 3022は、STA4のMACアドレスをRAフィールド3073内に正確にセットすることが可能である。そのようにして、RAフィールド3073、3083がSTAのMACアドレスとして正確にセットされるので、直接リンク上でSTA5 3022からSTA4 3016へのTDLS発見応答アクションフレーム3072およびいずれの後続データフレーム3072もSTA4によって正確に受信される。
本開示は、以下のことを示す、すなわち、(i)MLDのIPアドレスは、MLD MACアドレスまたはMLDのL2 MACアドレスのうちの1つのいずれかへダイナミックにマッピングされる。要求側ステーションがMLDであれば、MLD MACアドレスがMLDのハードウェアMACアドレスとして返され、そうではなく要求側ステーションが非MLD(EHTまたはレガシSTAのいずれか)であれば、ARP要求または近隣要請が受信されたリンク上で動作している連携AP/STAのMACアドレスがMLDのハードウェアMACアドレスとして返される、(ii)MLDによって送信されるフレームは、それがMLDによって送信される(またはそれから発する)ことを示すために、「MLインディケーション」を含む、(iii)MLDアドレスクエリ・メカニズムが、MLD MACアドレスからL2 MACアドレスへの解決を行うために提案される、(iv)プロキシARPは、要求側ステーションがMLDかまたは非MLDかによって、関連ステーションのMACアドレスを、MLD MACアドレスまたはMLDのL2 MACアドレスのうちの1つのいずれかへダイナミックにマッピングし、プロキシARPは、関連非AP MLDに代わって、MLDアドレスクエリ要求にも応答して、「MLインディケーション」もARP/ND応答内にセットする、および(v)AP MLDは、関連MLDから受信されたARP/ND応答を、DA内でアドレスされた非MLD STAが動作している同じBSS内で単に転送するに過ぎない。
図31は、通信デバイス3100および通信デバイス3100と連携している2つの通信装置3102、3104の構成例を示す。通信デバイス3100は、AP MLDとして実装されて、連携通信装置3102、3104の各々は、本開示によるマルチリンクアドレス解決のために構成されたAPとして実装されてよい。通信デバイス3100は、そのMLD MACアドレスを記憶する記憶モジュール3101、MLDアドレスクエリ関連サービスを発生させて処理するための第1の機能モジュール3106、およびプロキシARP関連サービス用のフレームを発生させて処理するための第2の機能モジュール3108をさらに備える。通信デバイス3100は、それぞれ、ARPおよびNDクエリ用のフレームを発生させて処理するためのARPモジュール3114およびICMPモジュール3116を備えるインターネットレイヤと通信するために用いられるMLD MAC SAP3110をさらに備える。通信デバイスと連携している通信装置3102、3104の各々は、他の外部通信装置/デバイスおよび/またはディストリビューションシステム(DS)へリンクを提供し、それらと関連付けられて、それらへ/から信号を送受信することが可能である。各連携通信装置3102、3104は、MACレイヤおよびPHY(物理)レイヤを備え、MACレイヤは、そのAP MACアドレスを記憶する記憶モジュール3121、およびレガシSTAへ/からのトラフィックのためにインターネットレイヤと直接通信するための随意的なAP MAC SAP3124を備え、PHYレイヤは、対応するリンク3118を通じて他の通信装置/デバイスへ/から信号を送受信するために用いられる無線送信機、無線受信機、およびアンテナと接続する。
本開示によれば、MLDから/へのDSへ/からのトラフィック(ARPおよびNDメッセージを含む)は、ライン3126によって示されるようにMLD MAC SAP3110を通じてルーティングされ、一方で、非MLDから/へのDSへ/からのトラフィック(ARPおよびNDメッセージを含む)は、ライン3128によって示されるように、AP MAC SAP3124を通じてルーティングされる。ARP/NDは、ARP/NDがそれを通じて受信された対応するMAC SAPのMACアドレスを返す。
図32は、通信デバイス3200および通信デバイス3200と連携している2つの通信装置3202、3204の構成例を示す。通信デバイス3200は、非AP MLDとして実装されて、連携通信装置3202、3204の各々は、本開示によるマルチリンクアドレス解決のために構成されたSTAとして実装されてよい。通信デバイス3200は、そのMLD MACアドレスを記憶する記憶モジュール3201、MLDアドレスクエリ関連サービスを発生させて処理するための機能モジュール3206をさらに備える。通信デバイス3200は、それぞれ、ARPおよびNDクエリ用のフレームを発生させて処理するためのARPモジュール3214およびICMPモジュール3216を備えるインターネットレイヤと通信するために用いられるMLD MAC SAP3210をさらに備える。通信デバイスと連携している通信装置3202、3204の各々は、他の外部通信装置/デバイスへリンクを提供し、それらと関連付けられて、それらへ/から信号を送受信することが可能である。各連携通信装置3202、3204は、MACレイヤおよびPHY(物理)レイヤを備え、MACレイヤは、そのSTA MACアドレスを記憶する記憶モジュール3221、およびレガシSTAへ/からのトラフィックのためにインターネットレイヤと直接通信するための随意的なSTA MAC SAP3210を備え、PHYレイヤは、対応するリンク3218を通じて他の通信装置/デバイスへ/から信号を送受信するために用いられる無線送信機、無線受信機およびアンテナと接続する。
本開示によれば、MLDから/へのDSへ/からのトラフィック(ARPおよびNDメッセージを含む)は、ライン3226によって示されるようにMLD MAC SAP3210を通じてルーティングされ、一方で、非MLDから/へのDSへ/からのトラフィック(ARPおよびNDメッセージを含む)は、ライン3228によって示されるように、STA MAC SAP3210を通じてルーティングされる。ARP/NDは、ARP/NDがそれを通じて受信された対応するMAC SAPのMACアドレスを返す。
本開示は、ソフトウェア、またはハードウェアと協調したソフトウェアによって実現できる。上記の各実施形態の記載に用いられる各機能ブロックは、LSI、例えば、集積回路によって部分的または全体的に実現できて、各実施形態に記載される各プロセスは、同じLSIまたは複数のLSIの組み合わせによって部分的または全体的に制御されてよい。LSIは、複数のチップとして個別に形成されてもよく、または1つのチップが機能ブロックの一部またはすべてを含むように形成されてもよい。LSIは、それに結合されたデータ入力および出力を含んでよい。LSIは、本明細書では、集積の度合いの違いによって、IC、システムLSI、スーパLSI、またはウルトラLSIと呼ばれることがある。しかしながら、集積回路を実装する技術は、LSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ、または専用プロセッサを用いることによって実現されてもよい。加えて、LSIの製造後にプログラムできるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、あるいはLSIの内部に配置された回路セルの接続およびセッティングを再構成できるリコンフィギャラブルプロセッサが用いられてもよい。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実現されうる。将来の集積回路技術が半導体技術または他の派生技術の進歩の結果としてLSIを置き換えるならば、将来の集積回路技術を用いて機能ブロックを集積化できるであろう。バイオテクノロジーも適用されうる。
本開示は、通信デバイスと呼ばれる、通信の機能を有する任意の種類の装置、デバイスまたはシステムによって実現できる。
かかる通信デバイスのいくつかの非限定の例は、電話(例えば、セルラー(セル)フォン、スマートフォン)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(例えば、ラップトップ、デスクトップ、ネットブック)、カメラ(例えば、デジタルスチル/ビデオカメラ)、デジタルプレーヤ(デジタルオーディオ/ビデオプレーヤ)、ウェアラブルデバイス(例えば、ウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、トラッキングデバイス)、ゲームコンソール、デジタルブックリーダ、テレヘルス/テレメディスン(リモートヘルスおよびメディスン)デバイス、ならびに通信機能性を提供する車両(例えば、自動車、航空機、船)およびそれらの様々な組み合わせを含む。
通信デバイスは、ポータブルまたはモバイルには限定されず、ノンポータブルまたは固定式の任意の種類の装置、デバイスまたはシステム、例えば、スマートホームデバイス(例えば、器具、照明、スマートメータ、制御パネル)、自動販売機、および「インターネットオブシングズ(IoT:Internet of Things)のネットワークにおけるいずれか他の「もの」も含んでよい。
通信は、例えば、セルラーシステム、ワイヤレスLANシステム、衛星システムなど、およびそれらの様々な組み合わせを通じたデータの交換を含んでよい。
通信デバイスは、本開示に記載される通信の機能を行う通信装置に結合されたコントローラまたはセンサのような装置を備えてよい。例えば、通信デバイスは、通信デバイスの通信機能を行う通信装置によって用いられる制御信号またはデータ信号を発生させるコントローラまたはセンサを備えてよい。
通信デバイスは、基地局、アクセスポイントのような、インフラストラクチャ施設、および上記の非限定の例などにおける装置と通信し、またはそれらを制御するその他の装置、デバイスまたはシステムも含んでよい。
ステーションの非限定の例は、マルチリンクステーション論理エンティティ(すなわち、例えばMLD)と連携している第1の複数のステーションに含まれる1つであってよく、マルチリンクステーション論理エンティティと連携している第1の複数のステーションの一部として、第1の複数のステーションのうちの複数のステーションは、上位レイヤへの共通媒体アクセス制御(MAC)データサービスインタフェースを共有し、共通MACデータサービスインタフェースが共通MACアドレスまたはトラフィック識別子(TID:Traffic Identifier)と関連付けられる。
従って、本実施形態は、マルチリンク通信のスループット利得を十分に実現するために、特に、マルチリンクによるセキュアな再送信のために、マルチリンクにわたる動作のための通信デバイスおよび方法を提供することがわかる。
本実施形態の先の詳細な記載には例示的な実施形態が提示されたが、当然のことながら、膨大な数のバリエーションが存在する。さらに、当然のことながら、例示的な実施形態は、例であり、本開示の範囲、適用性、動作、または構成を限定することは決して意図されない。むしろ、先の詳細な記載は、例示的な実施形態を実装するための便利なロードマップを当業者に提供するであろう、なお、例示的な実施形態に記載されるステップの機能および配置ならびに動作の方法、および例示的な実施形態に記載されるデバイスのモジュールならびに構造に対して、添付の特許請求の範囲に提示されるような対象の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われてよい。
本開示によれば、以下の例が示された、すなわち、
1.第1のマルチリンクデバイス(MLD)と連携している複数の通信装置のうちのある1つの通信装置であって、通信装置は、
動作中に、要求側通信装置から、アドレス解決要求を含む第1のデータフレームを受信する、受信機であって、アドレス解決要求は、第1のMLDのインターネットプロトコル(IP)アドレスを含む、受信機と、
動作中に、要求側通信装置が第2のMLDと連携しているか否かを判定して、アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させる、回路であって、アドレス解決応答は、要求側通信装置が第2のMLDと連携していないという判定に応答して、通信装置の媒体アクセス制御(MAC)アドレス、または要求側通信装置が第2のMLDと連携しているという判定に応答して、第1のMLDのMLD MACアドレスを含む、回路と
を備える、通信装置。
1.第1のマルチリンクデバイス(MLD)と連携している複数の通信装置のうちのある1つの通信装置であって、通信装置は、
動作中に、要求側通信装置から、アドレス解決要求を含む第1のデータフレームを受信する、受信機であって、アドレス解決要求は、第1のMLDのインターネットプロトコル(IP)アドレスを含む、受信機と、
動作中に、要求側通信装置が第2のMLDと連携しているか否かを判定して、アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させる、回路であって、アドレス解決応答は、要求側通信装置が第2のMLDと連携していないという判定に応答して、通信装置の媒体アクセス制御(MAC)アドレス、または要求側通信装置が第2のMLDと連携しているという判定に応答して、第1のMLDのMLD MACアドレスを含む、回路と
を備える、通信装置。
2.アドレス解決要求は、アドレス解決プロトコル(ARP)要求パケットおよび近隣要請メッセージのうちの1つであり、アドレス解決応答は、ARP応答パケットおよび近隣広告メッセージのうちの1つである、例1による通信装置。
3.第1のデータフレームは、要求側通信装置が第2のMLDと連携しているか否かを示すインディケーションを含み、判定は、インディケーションに基づき、判定に応答して、第2のデータフレームは、通信装置が第1のMLDと連携しているか否かを示すインディケーションを含む、例1による通信装置。
4.インディケーションは、それぞれ、第1のデータフレームおよび第2のデータフレームのフレームコントロールフィールドのプロトコルバージョンサブフィールド内で含まれる、例3による通信装置。
5.インディケーションは、第1のデータフレームおよび第2のデータフレーム内で含まれる要求側通信装置に関係するMACアドレスの最下位ビットで含まれる、例3による通信装置。
6.受信機は、第1のMLDのMLD MACアドレスを含むMLDアドレスクエリ要求フレームをさらに受信して、回路は、
複数の通信装置の各々のMACアドレスおよび動作リンクの識別子を含むMLDアドレスクエリ応答フレームを発生させる
ようにさらに構成された、例1による通信装置。
複数の通信装置の各々のMACアドレスおよび動作リンクの識別子を含むMLDアドレスクエリ応答フレームを発生させる
ようにさらに構成された、例1による通信装置。
7.MLDアドレスクエリ要求フレームおよびMLDアドレスクエリ応答フレームは、予め構成されたアクションフレームであるか、または予め構成されたデータフレーム内にカプセル化された、例6による通信装置。
8.MLDアドレスクエリ要求フレームは、MLDと連携しているか、あるいはいない別の通信装置から受信される、例7による通信装置。
9.回路は、(i)インディケーションを含むための要求側通信装置に関係するMACアドレスを備えるアドレス解決要求内の送信元アドレスフィールド、および(ii)インディケーションを含むための第1のMLDのMLD MACアドレスを備えるアドレス解決応答内の送信元アドレスフィールドのうちの少なくとも1つの最下位ビットをセットするようにさらに構成された、例3による通信装置。
10.要求側通信装置が第2のMLDと連携しているという判定に応答して、回路は、
トンネル直接リンクセットアップ(TDLS)イニシエータ通信装置のMACアドレスの最下位ビットを、TDLSレスポンダ通信装置へ送信されるTDLS要求フレーム内にセットする
ようにさらに構成されて、
TDLSイニシエータ通信装置は、通信装置および要求側通信装置のうちの1つであり、TDLSレスポンダ通信装置は、通信装置および要求側通信装置のうちの残りの1つであり、最下位ビットは、TDLSイニシエータ通信のMLDとのアソシエーションを示す、例1による通信装置。
トンネル直接リンクセットアップ(TDLS)イニシエータ通信装置のMACアドレスの最下位ビットを、TDLSレスポンダ通信装置へ送信されるTDLS要求フレーム内にセットする
ようにさらに構成されて、
TDLSイニシエータ通信装置は、通信装置および要求側通信装置のうちの1つであり、TDLSレスポンダ通信装置は、通信装置および要求側通信装置のうちの残りの1つであり、最下位ビットは、TDLSイニシエータ通信のMLDとのアソシエーションを示す、例1による通信装置。
11.通信装置は、アクセスポイント(AP)であり、第1のMLDは、AP MLDである、例1の通信装置。
12.要求側通信装置が第2のMLDと連携しておらず、第1のデータフレームの宛先ドレスフィールドが、ブロードキャストアドレスまたはAP MLDと関連付けられたMLDのMLD MACアドレスのうちの1つを含むという判定に応答して、回路は、
第1のデータフレームを、要求側通信装置が関連付けられた基本サービスセットの1つ以上の通信装置へのみ転送する
ようにさらに構成された、例11の通信装置。
第1のデータフレームを、要求側通信装置が関連付けられた基本サービスセットの1つ以上の通信装置へのみ転送する
ようにさらに構成された、例11の通信装置。
13.要求側通信装置が第2のMLDと関連付けられて、第1のデータフレームの宛先フィールドが、MLDと連携していないが、AP MLDと連携している複数の通信装置のうちの1つと関連付けられた別の通信装置のMACアドレスを含むという判定に応答して、回路は、
第1のデータフレームを、要求側通信装置が関連付けられた基本サービスセットの1つ以上の通信装置へのみ転送する
ようにさらに構成された、例11の通信装置。
第1のデータフレームを、要求側通信装置が関連付けられた基本サービスセットの1つ以上の通信装置へのみ転送する
ようにさらに構成された、例11の通信装置。
14.通信装置は、ステーションであり、第1のMLDは、非AP-MLDである、例1の通信装置。
15.AP MLDと連携している複数のアクセスポイント(AP)のうちのある1つのAPであって、APは、
動作中に、要求側通信装置から、アドレス解決要求を含む第1のデータフレームを受信する受信機であって、アドレス解決要求は、AP MLDと関連付けられた第1のMLDのIPアドレスを含み、第1のMLDは、複数の通信装置を備える、受信機と、
動作中に、要求側通信装置がAP MLDと関連付けられた第2のMLDと連携しているか否かを判定して、アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させる回路であって、アドレス解決応答は、要求側通信装置が第2のMLDと連携していないという判定に応答して、第1のMLDと連携している複数の通信装置のうちのある1つの通信装置のMACアドレス、または要求側通信装置が第2のMLDと連携しているという判定に応答して、第1のMLDのMLD MACアドレスを含む、回路と
を備える、アクセスポイント(AP)。
動作中に、要求側通信装置から、アドレス解決要求を含む第1のデータフレームを受信する受信機であって、アドレス解決要求は、AP MLDと関連付けられた第1のMLDのIPアドレスを含み、第1のMLDは、複数の通信装置を備える、受信機と、
動作中に、要求側通信装置がAP MLDと関連付けられた第2のMLDと連携しているか否かを判定して、アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させる回路であって、アドレス解決応答は、要求側通信装置が第2のMLDと連携していないという判定に応答して、第1のMLDと連携している複数の通信装置のうちのある1つの通信装置のMACアドレス、または要求側通信装置が第2のMLDと連携しているという判定に応答して、第1のMLDのMLD MACアドレスを含む、回路と
を備える、アクセスポイント(AP)。
16.アドレス解決要求は、ARP要求パケットおよび近隣要請メッセージのうちの1つであり、アドレス解決応答は、ARP応答パケットおよび近隣広告メッセージのうちの1つである、例15によるAP。
17.受信機は、第1のMLDのMLD MACアドレスを含むMLDアドレスクエリ要求フレームをさらに受信して、回路は、
第1のMLDと連携している複数の通信装置の各々のMACアドレスおよび動作リンクの識別子を含むMLDアドレスクエリ応答フレームを発生させる
ように構成された、例15によるAP。
第1のMLDと連携している複数の通信装置の各々のMACアドレスおよび動作リンクの識別子を含むMLDアドレスクエリ応答フレームを発生させる
ように構成された、例15によるAP。
18.受信機は、関連通信装置のMACアドレスを含むMLDアドレスクエリ要求フレームをさらに受信して、回路は、
関連通信装置のMACアドレスおよび動作リンクの識別子を含むMLDアドレスクエリ応答フレームを発生させる
ようにさらに構成された、例15によるAP。
関連通信装置のMACアドレスおよび動作リンクの識別子を含むMLDアドレスクエリ応答フレームを発生させる
ようにさらに構成された、例15によるAP。
19.要求側通信が第2のMLDと連携しておらず、第1のデータフレームの宛先アドレスフィールドが、ブロードキャストアドレス、または第1のMLDを含めてAP MLDと関連付けられたMLDのMLD MACアドレスのうちの1つを含むという判定に応答して、回路は、
第1のデータフレームを要求側通信装置が関連付けられた基本サービスセットの1つ以上の通信装置へのみ転送する
ようにさらに構成された、例15によるAP。
第1のデータフレームを要求側通信装置が関連付けられた基本サービスセットの1つ以上の通信装置へのみ転送する
ようにさらに構成された、例15によるAP。
20.要求側通信装置が第2のMLDと関連付けられて、第1のデータフレームの宛先フィールドが、MLDと連携していないが、AP MLDと連携しているAPのうちの1つと関連付けられた別の通信装置のMACアドレスを含むという判定に応答して、回路は、
第1のデータフレームを要求側通信装置が関連付けられた基本サービスセットの1つ以上の通信装置へのみ転送する
ようにさらに構成された、例15によるAP。
第1のデータフレームを要求側通信装置が関連付けられた基本サービスセットの1つ以上の通信装置へのみ転送する
ようにさらに構成された、例15によるAP。
21.回路は、
通信装置が第1のMLDと関連付けられていることを示すために、第1のMLDのMLD MACアドレスを備えるアドレス解決応答内の送信元アドレスフィールドの最下位ビットをセットする
ようにさらに構成された、例15によるAP。
通信装置が第1のMLDと関連付けられていることを示すために、第1のMLDのMLD MACアドレスを備えるアドレス解決応答内の送信元アドレスフィールドの最下位ビットをセットする
ようにさらに構成された、例15によるAP。
22.第1のデータフレームを転送する前に、回路は、第1のデータフレーム内で含まれたアドレス解決要求内で含まれる要求側通信装置に関係するMACアドレスを備える送信元アドレスフィールドの最下位ビットをセットする
ようにさらに構成されて、
最下位ビットは、要求側通信装置が第2のMLDと関連付けられているか否かを示す、
例19または30によるAP。
ようにさらに構成されて、
最下位ビットは、要求側通信装置が第2のMLDと関連付けられているか否かを示す、
例19または30によるAP。
23.要求側通信装置から、アドレス解決要求を含む第1のデータフレームを受信するステップであって、アドレス解決要求は、第1のMLDのIPアドレスを含む、受信するステップと、
要求側通信装置が第2のMLDと連携しているか否かを判定するステップと、
アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させるステップであって、アドレス解決応答は、要求側通信装置が第2のMLDと連携していないという判定に応答して、第1のMLDと連携している複数の通信装置のうちのある1つの通信装置のMACアドレス、または要求側通信装置が第2のMLDと連携しているという判定に応答して、第1のMLDのMLD MACアドレスを含む、発生させるステップと
を備える通信方法。
要求側通信装置が第2のMLDと連携しているか否かを判定するステップと、
アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させるステップであって、アドレス解決応答は、要求側通信装置が第2のMLDと連携していないという判定に応答して、第1のMLDと連携している複数の通信装置のうちのある1つの通信装置のMACアドレス、または要求側通信装置が第2のMLDと連携しているという判定に応答して、第1のMLDのMLD MACアドレスを含む、発生させるステップと
を備える通信方法。
Claims (20)
- 第1のマルチリンクデバイス(MLD)と連携している複数の通信装置のうちのある1つの通信装置であって、前記通信装置は、
動作中に、要求側通信装置から、アドレス解決要求を含む第1のデータフレームを受信する受信機であって、前記アドレス解決要求は、前記第1のMLDのインターネットプロトコル(IP)アドレスを含む、前記受信機と、
動作中に、前記要求側通信装置が第2のMLDと連携しているか否かを判定して、アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させる回路であって、前記アドレス解決応答は、前記要求側通信装置が前記第2のMLDと連携していないという判定に応答して、前記通信装置の媒体アクセス制御(MAC)アドレス、または前記要求側通信装置が前記第2のMLDと連携しているという判定に応答して、前記第1のMLDのMLD MACアドレスを含む、前記回路と、
を備える、通信装置。 - 前記アドレス解決要求は、アドレス解決プロトコル(ARP)要求パケットおよび近隣要請メッセージのうちの1つであり、前記アドレス解決応答は、ARP応答パケットおよび近隣広告メッセージのうちの1つである、
請求項1に記載の通信装置。 - 前記第1のデータフレームは、前記要求側通信装置が前記第2のMLDと連携しているか否かを示すインディケーションを含み、前記判定は、前記インディケーションに基づき、前記判定に応答して、前記第2のデータフレームは、前記通信装置が前記第1のMLDと連携しているか否かを示す前記インディケーションを含む、
請求項1に記載の通信装置。 - 前記インディケーションは、それぞれ、前記第1のデータフレームおよび前記第2のデータフレームのフレームコントロールフィールドのプロトコルバージョンサブフィールド内で含まれる、
請求項3に記載の通信装置。 - 前記インディケーションは、前記第1のデータフレームおよび前記第2のデータフレーム内で含まれる前記要求側通信装置に関係するMACアドレスの最下位ビットで含まれる、
請求項3に記載の通信装置。 - 前記受信機は、前記第1のMLDの前記MLD MACアドレスを含むMLDアドレスクエリ要求フレームをさらに受信して、前記回路は、
前記複数の通信装置の各々のMACアドレスおよび動作リンクの識別子を含むMLDアドレスクエリ応答フレームを発生させる、
ようにさらに構成された、請求項1に記載の通信装置。 - 前記MLDアドレスクエリ要求フレームおよび前記MLDアドレスクエリ応答フレームは、予め構成されたアクションフレームであるか、または予め構成されたデータフレーム内にカプセル化されている、
請求項6に記載の通信装置。 - 前記MLDアドレスクエリ要求フレームは、MLDと連携している、あるいはいない別の通信装置から受信される、
請求項7に記載の通信装置。 - 前記回路は、
(i)前記インディケーションを含むための前記要求側通信装置に関係するMACアドレスを備える前記アドレス解決要求内の送信元アドレスフィールド、および(ii)前記インディケーションを含むための前記第1のMLDの前記MLD MACアドレスを備える前記アドレス解決応答内の送信元アドレスフィールドのうちの少なくとも1つの最下位ビットをセットする、
ようにさらに構成された、請求項3に記載の通信装置。 - 前記要求側装置が前記第2のMLDと連携しているという判定に応答して、前記回路は、
トンネル直接リンクセットアップ(TDLS)イニシエータ通信装置のMACアドレスの最下位ビットをTDLSレスポンダ通信装置へ送信されるTDLS要求フレーム内にセットするように構成されて、
前記TDLSイニシエータ通信装置は、前記通信装置および前記要求側通信装置のうちの1つであり、前記TDLSレスポンダ通信装置は、前記通信装置および前記要求側通信装置のうちの残りの1つであり、前記最下位ビットは、前記TDLSイニシエータ通信のMLDとのアソシエーションを示す、
請求項1に記載の通信装置。 - 前記通信装置は、アクセスポイント(AP)であり、前記第1のMLDは、AP MLDである、
請求項1に記載の通信装置。 - 前記通信装置は、ステーションであり、前記第1のMLDは、非AP MLDである、
請求項1に記載の通信装置。 - AP MLDと連携している複数のアクセスポイント(AP)のうちのある1つのAPであって、前記APは、
動作中に、要求側通信装置から、アドレス解決要求を含む第1のデータフレームを受信する受信機であって、前記アドレス解決要求は、前記AP MLDと関連付けられた第1のMLDのIPアドレスを含み、前記第1のMLDは、複数の通信装置を備える、前記受信機と、
動作中に、前記要求側通信装置が前記AP MLDと関連付けられた第2のMLDと連携しているか否かを判定して、アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させる、回路であって、前記アドレス解決応答は、前記要求側通信装置が前記第2のMLDと連携していないという判定に応答して、前記第1のMLDと連携している前記複数の通信装置のうちのある1つの通信装置のMACアドレス、または前記要求側通信装置が前記第2のMLDと連携しているという判定に応答して、前記第1のMLDのMLD MACアドレスを含む、前記回路と
を備える、AP。 - 前記アドレス解決要求は、アドレス解決プロトコル(ARP)要求パケットおよび近隣要請メッセージのうちの1つであり、前記アドレス解決応答は、ARP応答パケットおよび近隣広告メッセージのうちの1つである、
請求項13に記載のAP。 - 前記受信機は、前記第1のMLDの前記MLD MACアドレスを含むMLDアドレスクエリ要求フレームをさらに受信して、前記回路は、
前記第1のMLDと連携している前記複数の通信装置の各々のMACアドレスおよび動作リンクの識別子を含むMLDアドレスクエリ応答フレームを発生させる、
ようにさらに構成された、請求項13に記載のAP。 - 前記受信機は、関連通信装置のMACアドレスを含むMLDアドレスクエリ要求フレームをさらに受信して、前記回路は、
前記関連通信装置の前記MACアドレスおよび動作リンクの識別子を含むMLDアドレスクエリ応答フレームを発生させる、
ようにさらに構成された、請求項13に記載のAP。 - 前記要求側通信が前記第2のMLDと連携しておらず、前記第1のデータフレームの宛先アドレスフィールドが、ブロードキャストアドレス、または前記第1のMLDを含めて前記AP MLDと関連付けられたMLDのMLD MACアドレスのうちの1つを含むという判定に応答して、前記回路は、
前記第1のデータフレームを前記要求側通信装置が関連付けられた基本サービスセットの1つ以上の通信装置へのみ転送する、
ようにさらに構成された、請求項13に記載のAP。 - 前記要求側通信装置が前記第2のMLDと関連付けられて、前記第1のデータフレームの宛先フィールドが、MLDと連携していないが前記AP MLDと連携している前記APのうちの1つと関連付けられた別の通信装置のMACアドレスを含むという判定に応答して、前記回路は、
前記第1のデータフレームを前記要求側通信装置が関連付けられた基本サービスセットの1つ以上の通信装置へのみ転送する、
ようにさらに構成された、請求項13に記載のAP。 - 前記回路は、
前記通信装置が前記第1のMLDと関連付けられていることを示すために、前記第1のMLDの前記MLD MACアドレスを備える前記アドレス解決応答内の送信元アドレスフィールドの最下位ビットをセットする、
ようにさらに構成された、請求項13に記載のAP。 - 要求側通信装置から、アドレス解決要求を含む第1のデータフレームを受信するステップであって、前記アドレス解決要求は、第1のMLDのIPアドレスを含む、前記受信するステップと、
前記要求側通信装置が第2のMLDと連携しているか否かを判定するステップと、
アドレス解決応答を含む第2のデータフレームを発生させるステップであって、前記アドレス解決応答は、前記要求側通信装置が前記第2のMLDと連携していないという判定に応答して、前記第1のMLDと連携している複数の通信装置のうちのある1つの通信装置のMACアドレス、または前記要求側通信装置が前記第2のMLDと連携しているという判定に応答して、前記第1のMLDのMLD MACアドレスを含む、前記発生させるステップと
を含む、通信方法。
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