JP2023552804A - マルチリンクピアツーピア通信のための通信装置および通信方法 - Google Patents

マルチリンクピアツーピア通信のための通信装置および通信方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、マルチリンクピアツーピア通信のための通信装置および方法を提供し、通信装置は、第1マルチリンクデバイス(MLD)に付属する複数の通信装置うちの通信装置であって、複数の通信装置はそれぞれ、第1MLDの対応するリンクにおいて動作し、通信装置は、動作時に要求フレームを生成する回路であって、要求フレームは、別の通信装置のピアツーピア通信能力を発見するための発見要求フレーム、または1つ以上の直接リンクのセットアップを要求するためのセットアップ要求フレームのうちの1つであり、要求フレームは、通信装置が第1MLDに付属することを識別するマルチリンク(ML)指示を含む、回路と、動作時に要求フレームを一つのリンクにおいて送信する送信器とを含む通信装置である。

Description

本発明の実施形態は、一般に通信装置に関し、特にマルチリンクピアツーピア通信のための方法および装置に関する。
今日の世界では、通信デバイスはワイヤードコンピューティングデバイスと同じ能力でワイヤレスで動作することが期待される。例えば、ユーザは、ユーザのワイヤレス通信デバイスにストリーミングされる高解像度の映画をシームレスに視聴できることを期待する。これは通信デバイスだけでなく、通信デバイスがワイヤレスで接続するアクセスポイントにも課題をもたらす。
米国電気電子学会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11グループは最近、これらの課題に対処するために802.11タスクグループ(TG:Task Group)を結成している。2.4GHz、5GHzおよび6GHz周波数帯におけるマルチリンク動作は、そのような通信のための有力な候補技術として特定されている。複数のリンクにわたるマルチチャネルアグリゲーションは、通信データスループットの数倍の増加を生み出すための自然なやり方である。
アクセスポイント(AP:access point)マルチリンクデバイス(MLD:multi‐link device)と非AP MLDとの間でのこのようなマルチリンク動作を可能にするために、1つ以上のリンクにおける付属(affiliated)ステーション(STA:station)の関連付けを確立するために、サポートされるリンクのうちの1つでマルチリンクセットアップが行われうる。
しかし、非AP MLD STAの間、または非AP MLDとレガシーSTAとの間のマルチリンクピアツーピア通信に関する議論はこれまで行われていない。
したがって、上述の問題を解決できる通信装置および通信方法が必要である。さらに、他の望ましい特徴および特性が、添付の図面および本開示のこの発明の背景と併せて理解される後続の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
非限定的かつ例示的な実施形態は、マルチリンクピアツーピア通信のための通信装置および通信方法を提供することを容易にする。
第1態様では、本開示は、第1マルチリンクデバイス(MLD)に付属する複数の通信装置のうちの通信装置であって、複数の通信装置はそれぞれ第1MLDの対応するリンクにおいて動作し、通信装置は、動作時に要求フレームを生成する回路であって、要求フレームは、別の通信装置のピアツーピア通信能力を発見するための発見要求フレーム、または1つ以上の直接リンクのセットアップを要求するためのセットアップ要求フレームのうちの1つであり、要求フレームは、通信装置が第1MLDに付属することを識別するマルチリンク(ML:multi‐link)指示を含む、回路と、動作時に要求フレームを一つのリンクにおいて送信する送信器とを含む、通信装置を提供する。
第2態様では、本開示は、AP MLDに付属する複数のAPのうちのアクセスポイント(AP)であって、複数のAPはそれぞれAP MLDの対応するリンクにおいて動作し、APは、動作時にMLDに付属する関連する通信装置から宛先アドレス(DA:Destination Address)フィールドがMLDに付属しない別の関連する通信装置に設定されたデータフレームを一つのリンクにおいて受信する受信器と、動作時にデータフレームの送信元アドレス(SA:source address)フィールドを関連する通信装置のMACアドレスとして設定する回路と、動作時にデータフレームを他の関連する通信装置に送信する送信器と、を含む、アクセスポイント(AP)を提供する。
第3態様では、本開示は、要求フレームを生成するステップであって、要求フレームは、通信装置のピアツーピア通信能力を発見するための発見要求フレーム、または1つ以上の直接リンクのセットアップを要求するためのセットアップ要求フレームのうちの1つであり、要求フレームは、要求フレームを送信する別の通信装置がMLDに付属することを識別するML指示を含む、ステップと、要求フレームを一つのリンクにおいて送信するステップとを含む通信方法を提供する。
開示される実施形態のさらなる恩恵および利点は、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざまな実施形態および特徴によって個別に得ることができ、ただしこのような恩恵および/または利点の1つまたは複数を得るために、これらの特徴すべてを設ける必要はない。
同様の参照番号が別々の図全体にわたって同一または機能的に類似の要素を指し、以下の詳細な説明とともに本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、様々な実施形態を図解し、本発明の実施形態にしたがった様々な原理および利点を説明するのに役立つ。
基本サービスセット(BSS:basic service set)内のAPに関連する2つの非AP(アクセスポイント)ステーション(STA)の間のトンネル直接リンクセットアップを描く。 トンネル直接リンクセットアップ(TDLS:Tunneled Direct Link Setup)発見フレームを使用して行われるTDLS発見の方法を描く。 2つのSTAの間の直接パスでアクセスネットワーククエリプロトコル(ANQP:Access Network Query Protocol)要求/応答フレームを交換することによって行われるTDLS発見のための別の方法を描く。 6GHz帯のオフチャネルでのTDLSセットアップを図解するフローダイヤグラムを描く。 アクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス(MLD)の構成を示す。 AP‐MLDに付属するAPと、非MLD STAと、非AP‐MLDに付属するSTAとの間の通信を図解する概略ダイヤグラムを示す。 非MLD APに関連する2つの非AP MLDの間の通信を図解する概略ダイヤグラムを描く。 AP MLDに関連する2つの非AP MLDの間の通信を図解する概略ダイヤグラムを描く。 非MLD APに関連する非AP MLDと非MLD STAとの間の通信を図解する概略ダイヤグラムを描く。 AP MLDに関連する非AP MLDと非MLD STAとの間の通信を図解する概略ダイヤグラムを描く。 本開示の一実施形態による、関連するAPまたはAP MLDを介した単一のリンクを使用することによる2つの非AP MLDの間の直接リンクのセットアップを図解するフローダイヤグラムを描く。 携帯電話およびTVを使用したホームビデオ会議のための別のリンクを使用することによる1つのリンクにおける直接リンクのセットアップの使用例を描く。 本開示による通信装置の構成例を示す。 本開示による通信方法を図解するフローチャートを示す。 本開示の一実施形態によるTDLSマルチリンク(ML)エレメントの例を描く。 TDLS発見要求フレームを収容するために使用されるEthertype89‐0dデータフレームおよびTDLS発見要求フレームのリンク識別子エレメントのフォーマット例を示す。 本開示の一実施形態によるTDLS発見応答フレームのフォーマット例を示す。 本開示の一実施形態によるTDLSセットアップフレームを収容するために使用されるEthertype89‐0dデータフレームのフォーマット例を示す。 本開示の一実施形態によるマルチリンクピアツーピア通信のための非MLD APを介した2つの非AP MLDの間の通信を図解するフローチャートを描く。 本開示の一実施形態によるマルチリンクピアツーピア通信のための非MLD APを介した2つの非AP MLDの間の通信を図解するフローチャートを描く。 本開示の一実施形態によるマルチリンクピアツーピア通信のための非MLD APを介した非AP MLDと非MLD STA(STA3)との間の通信を図解するフローチャートを描く。 本開示の別の実施形態によるマルチリンクピアツーピア通信のための非MLD APを介した非AP MLDと非MLD STA(STA3)との間の通信を図解するフローチャートを描く。 本開示のさらに別の実施形態によるマルチリンクピアツーピア通信のための非MLD APを介した非AP MLDと非MLD STA(STA3)との間の通信を図解するフローチャートを描く。 本開示の一実施形態によるMLDのアドレス設定プロセスを図解するフローチャートを描く。 本開示の一実施形態によるマルチリンクピアツーピア通信のための非MLD APを介した2つの非AP MLDの間の通信を図解するフローチャートを描く。 高速BSS移行(FTE:Fast BSS Transition)エレメントのフォーマット例を描く。 リンク識別子エレメントのフォーマット例を描く。 2つの非AP MLDの間の直接リンクで送信されるデータフレームのフォーマット例を描く。 暗号ブロック連鎖メッセージ認証コードプロトコルによるカウンタモード(CCMP:counter mode with Cipher Block Chaining Message Authentication Code Protocol)またはガロア/カウンタモードプロトコル(GCMP:Galois/Counter Mode Protocol)下でのフレームのカプセル化またはカプセル解除のために使用されるMLD MACアドレスベースのAADの構成の例を描く。 CCMPによるカウンタモードまたはGCMP下でのフレームのカプセル化またはカプセル解除のために使用されるMLD MACアドレスベースのNonceの構成2340の例を描く。 本開示の一実施形態によるAP MLDに関連する2つの非AP MLDの間のマルチリンクピアツーピア通信を図解するフローチャートを描く。 本開示の一実施形態によるTDLSチャネルスイッチ要求フレームを収容するために使用されるEthertype89‐0dデータフレームのフォーマット例を示す。 本開示の一実施形態によるAP/AP MLDに関連する2つの非AP MLDの間のマルチリンクピアツーピア通信のためのクワイエット期間のセットアップを図解するフローチャートを描く。 クワイエット期間(QTP:Quiet Time Period)要求/応答フレームのフォーマット例を示す。 本開示の一実施形態によるAP/AP MLDに関連する2つの非AP MLDの間のマルチリンクピアツーピア通信のためのターゲットウェイクタイムの期間のセットアップを図解するフローチャートを描く。 ターゲットウェイクタイム(TWT:Target Wake Time)セットアップフレームおよびTWTセットアップフレームのTWTエレメントのフォーマット例を示す。 ANQP要求フレームのフォーマット例を示す。 ANQP応答フレームのフォーマット例を示す。 マルチリンクTDLS能力を収容するために使用されるTDLS能力ANQPエレメントのフォーマット例を示す。 ML指示としてTDLS発見要求フレームに含まれるリンク識別子エレメントのフォーマット例を示す。 通信デバイスならびに通信デバイスに付属する2つの通信装置の構成例を示す。通信デバイスは、非AP MLDとして実施され、付属する通信装置はそれぞれ、本開示によるマルチリンクピアツーピア通信のために構成されたSTAとして実施されうる。 通信デバイスならびに通信デバイスに付属する2つの通信装置の構成例を示す。通信デバイスは、AP MLDとして実施され、付属する通信装置はそれぞれ、本開示によるマルチリンクピアツーピア通信のために構成されたAPとして実施されうる。
図面の要素が簡潔さおよび明確さのために示されたものであり、必ずしも縮尺どおりに描かれていないことを当業者は認識するであろう。例えば、図解、ブロックダイヤグラムまたはフローチャート中のいくつかの要素の寸法は、本発明の実施形態の正確な理解を助けるために他の要素に対して誇張されうる。
以下の詳細な説明は、本質的に例示に過ぎず、実施形態または実施形態の応用および使用を限定することを意図しない。さらに、前述の背景またはこの詳細な説明に提示されたいかなる理論にも拘束される意図はない。さらに、他の望ましい特徴および特性が、添付の図面および本開示のこの発明の背景と併せて理解される後続の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
IEEE802.11(Wi‐Fi)技術の文脈では、ステーションは、STAと互換可能に呼称され、802.11プロトコルを使用する能力をもつ通信デバイスである。IEEE802.11‐2016の定義に基づき、STAは、ワイヤレス媒体(WM:wireless medium)に対するIEEE802.11準拠の媒体アクセス制御(MAC:media access control)および物理レイヤ(PHY:physical layer)インタフェースを含む任意のデバイスである。
例えば、STAは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)環境のラップトップ、デスクトップパーソナルコンピュータ(PC:personal computer)、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、アクセスポイントまたはWi‐Fi電話でありうる。STAは固定でもモバイルでもよい。WLAN環境では、「STA」、「ワイヤレスクライアント」、「ユーザ」、「ユーザデバイス」、および「ノード」という用語は、互換可能に使用されることが多い。
同様に、APは、IEEE 802.11(Wi‐Fi)テクノロジーの状況においては互換可能にワイヤレスアクセスポイント(WAP:wireless access point)と呼称され得、WLAN内のSTAがワイヤードネットワークに接続することを可能にする通信装置である。APは通常、スタンドアロンデバイスとして(ワイヤードネットワークを介して)ルータに接続するが、ルータと統合されるかまたはルータ内に使用されることもできる。
上述のように、WLAN内のSTAは異なる機会にAPとして働くことができ、その逆も同様である。これは、IEEE802.11(Wi‐Fi)技術の状況においては通信装置がSTAハードウェアコンポーネントおよびAPハードウェアコンポーネントの両方を含みうるためである。このようにして、通信装置は、実際のWLANの条件および/または要件に基づいてSTAモードとAPモードとの間で切り替えうる。
本開示の様々な実施形態において、マルチリンクデバイス(MLD)は、2つ以上の周波数帯またはリンク(2.4GHz、5GHzまたは6GHz)において動作するデバイスを指しうる。MLDは、特定の周波数帯またはリンクにおいてそれぞれ動作する、2つ以上のリンクに対応する2つ以上の通信装置を含みうる。簡単のために、本開示において示されるMLDの各リンクは、特定の周波数帯(2.4GHz、5GHzまたは6GHz)において動作して、同様にその特定の周波数帯において動作するそのMLDに付属しない別の通信装置との間で信号を送信/受信するように主に構成される、そのMLDに付属する多数の通信装置のうちの1つに関係する。
本開示の様々な実施形態において、非MLD STAは、非AP MLDに付属しないレガシー(HE/VHT/HT)STAまたはEHT STAを指しうる。同様に、非MLD APは、AP MLDに付属しないEHT APを指しうる。
本開示の様々な実施形態において、「L2 MACアドレス」という用語は、送信/受信STAまたはAPのMACアドレスを指すのに対し、「MLD MACアドレス」という用語は、MLDを表すMACアドレスを指す。簡単のために、デバイスのMACアドレスとして表すためにデバイス名(例えばSTA、APまたはMLD)に「M」の文字が付加されうる。例えば、AP MLDおよび非AP MLDのMLD MACアドレスはそれぞれ「AP‐MLD‐M」および「STA‐MLD‐M」と表される。「非AP MLD1」および「非AP MLD2」と名付けられた2つの非AP MLDがあるときには、これらのMLD MACアドレスはそれぞれ「STA‐MLD1‐M」および「STA‐MLD2‐M」と表される。同様に、APおよびSTAのMACアドレスはそれぞれ「AP‐M」および「STA‐M」と表される。「AP1」、「AP2」、「STA1」および「STA2」と名付けられた2つのAPおよび2つのSTAがあるときには、これらのMACアドレスはそれぞれ「AP1‐M」、「AP2‐M」、「STA1‐M」および「STA2‐M」と表される。
本開示におけるIPアドレスにも同様の表記が適用される。特に、デバイスのIPアドレスとして表すためにデバイス名(例えばSTA、APまたはMLD)に「IP」の文字が付加される。例えば、AP MLDおよび非AP MLDのIPアドレスはそれぞれ「AP‐MLD‐IP」および「STA‐MLD‐IP」と表される。「非AP MLD1」および「非AP MLD2」と名付けられた2つの非AP MLDがあるときには、これらのIPアドレスはそれぞれ「STA‐MLD1‐IP」および「STA‐MLD2‐IP」と表される。同様に、APおよびSTA(MLDに付属するか否かにかかわらない)のIPアドレスはそれぞれ「AP‐IP」および「STA‐IP」として表される。「AP1」、「AP2」、「STA1」および「STA2」と名付けられた2つのAPおよび2つのSTAがあるときには、これらのIPアドレスはそれぞれ「AP1‐IP」、「AP2‐IP」、「STA1‐IP」および「STA2‐IP」と表される。
本開示の様々な実施形態において、ARP/NDクエリを解決するためにSTAおよびAPの間でデータフレームが使用および交換されうる。データフレームは、レシピエントアドレス(RA:Recipient Address)フィールド、送信器アドレス(TA:Transmitter Address)フィールド、宛先アドレス(DA)フィールドおよび/または送信元アドレス(SA)フィールドを含みうる。RAフィールドは、データフレームが送られる直後のレシピエントのMACアドレスを示す。TAフィールドは、データフレームを送信する現在のセンダーのMACアドレスを示す。DAフィールドは、データフレームの宛先のMACアドレスを示す。SAフィールドは、データフレームの元のセンダーのMACアドレスを示す。
ARPクエリを解決するために、データフレームは、送信元ハードウェア(Src.Hw.)フィールド、送信元IP(Src.IP)フィールド、ターゲットハードウェア(Hw)フィールドおよびターゲットIPフィールドを含むARPメッセージ(ARP要求またはARPリプライ)をさらに含みうる。送信元ハードウェアフィールドは、メッセージを送信するセンダーのMACアドレスを示す。送信元IPフィールドは、メッセージを送信するセンダーのIPアドレスを示す。ターゲットハードウェアフィールドは、メッセージが送信されるレシピエントのMACアドレスを示す。ターゲットIPフィールドは、メッセージが送信されるレシピエントのIPアドレスを示す。
トンネル直接リンクセットアップ(TDLS)は、802.11基本サービスセット(BSS)内の2つの非AP STAの間の直接ピアツーピア通信を可能にする。図1は、BSS100内のAP102に関連する2つの非AP STA、すなわちSTA‐1 104とSTA‐2 106との間のトンネル直接リンクセットアップを描く。矢印1aおよび1bは、APパスを介したSTA‐1 104からSTA‐2 106へのTDLSセットアップ要求フレームなどの第1管理フレームの送信を描き、矢印2aおよび2bは、それに続くAPパスを介した第1管理フレームに応答したSTA‐2 106からSTA‐1 104へのTDLSセットアップ応答フレームなどの管理フレームの送信を描く。TDLSのセットアップに関わる全ての管理フレーム(TDLS発見応答を除く)はデータフレーム内にカプセル化され、したがってAP102がTDLS対応であるか否かに関わらずTDLSのセットアップはAP102に完全にトランスペアレントである。TDLSがセットアップされると、2つのTDLSピアSTA、すなわちSTA‐1 104とSTA‐2 106とは、二方向矢印108によって示されるように直接パスを介して互いに直接通信できる。直接パスは、BSSの動作チャネル(ベースチャネル)とは異なるチャネルに切り替えられることもでき、異なる帯域上にあってもよい。そのような直接パスチャネルは「オフチャネル」と呼ばれる。
現在、APはTDLSのセットアップ/利用を一切制御しない。しかし、6GHz帯では、クライアントデバイスはAPの制御下にある間のみ6GHz帯で動作することを許可される。5GHz動的周波数選択(DFS:dynamic frequency selection)帯域での動作時にはTDLSイニシエータSTAがDFS owner(DO)として働くが、6GHz帯ではTDLS STAはそのような能力を有し得ない。
特定の帯域/チャネルにおける直接リンク通信に対するAPのより大きな制御を可能にするエンハンスド直接リンク通信手順が提案されている。このようなエンハンスメントなしでは、TDLSなどの直接リンクは6GHz帯では禁じられうる。
6GHz帯のいくつかのサブバンド(例えばU‐NII‐5およびU‐NII‐7)での動作時には、APは、AFCデータベース(Automatic Frequency Control Database、自動周波数制御データベース)を参照して許容動作周波数および送信パラメータを判断することを要しうる。このようなAPはAFCデータベース依存(ADD:AFC Database Dependent)イネーブリングSTAとして知られうる一方で、このようなAPに関連する非AP STAはADD依存STAとして知られうる。非AP STAは、イネーブリングSTAによって「イネーブル」されたときだけこれらのサブバンド上のチャネルで通信でき、そのような非AP STAはAPの「制御下」にあると言うことができる。APは、イネーブルメントを要するチャネル上で、イネーブリング信号を例えばビーコンフレームにそのようなイネーブリング信号を含めることによってそのチャネル上で定期的に送信することによって、その存在を指示しうる。
2つのADD依存STAがベースチャネル上でTDLS直接リンクを交渉する際には、APリンクに使用されるのと同じ送信パラメータをTDLS直接リンク上の送信に使用しうる。
図2Aおよび2Bは、TDLS発見のために行われる方法を図解する2つの概略ダイヤグラム200、210を描く。図2Aは、TDLS発見フレームを使用して行われるTDLS発見のための方法を描く。特に、TDLSイニシエータSTA、この場合にはSTA1 202が、TDLS発見要求フレームをAPパスを介して別のSTA204に送信する。他方のSTA204がTDLSをサポートする場合には、他方のSTA204はTDLS発見応答フレームを直接パスを介して送信する。図2Bは、STA1 212とSTA2 214との間の直接パスでアクセスネットワーククエリプロトコル(ANQP)要求/応答フレーム(グループアドレスジェネリックアドバタイズメントサービス(GAS:Generic Advertisement Service)要求/応答フレームのタイプ)を交換することによって行われるTDLS発見のための別の方法を描く。特に、TDLSイニシエータSTA、この場合にはSTA1 212が、ANQP要求フレームを別のSTA214に直接パスを介して送信する。他方のSTA214がTDLSをサポートする場合には、他のSTA214はANQP応答フレームを直接パスを介して送信する。
6GHz帯においてTDLSリンクをセットアップする問題は、シンガポール特許出願第1020196255Q号に開示される解決策または方法によって対処される。特に、図3は、6GHz帯のオフチャネルでのTDLSセットアップを図解するフローダイヤグラム300を描く。AP302はADDイネーブリングSTAでありうる。非AP STA304および非AP STA306が、6GHz帯のチャネルにおいてAP302と関連する。様々な理由で、非AP STA304および非AP STA306は、BSSの動作チャネルとは異なるチャネルの直接リンクで通信することを選びうる。6GHz帯の規制要件により、チャネル上での送信の前にAFCシステムからチャネルの利用可能性を確保することが義務付けられうる。非AP STA304は、TDLSイニシエータSTAとして、TDLSチャネル使用許可要求フレーム308をAP302に送信することによって、非AP STA306との直接リンク通信のために6GHz帯の異なるチャネルを使用する許可をAP302に求めうる。このチャネルは例えば、AP302ならびにSTA304および306の間の通信に使用される6GHz帯のベースチャネルとは異なる6GHz帯のU‐NII‐5またはU‐NII‐7サブバンドのチャネルでありうる。
STA304からTDLSチャネル使用許可要求フレーム308を受信した後、AP302は、要求されたチャネルの利用可能性に関してAFCデータベースを(例えばAFCシステムを介して)チェックする。成功の場合には、AP302は、要求されたチャネルが直接リンク通信に利用可能であることを指示するために、成功のステータスのTDLSチャネル使用許可応答フレーム310をSTA304に送信しうる。次いで、STA304は、AP302を介してTDLSセットアップ要求フレーム312をSTA306に送信することによって、STA304との要求されたチャネル上での直接リンクのセットアップを開始しうる。次いで、STA306は、AP302を介してTDLSセットアップ応答フレーム314をSTA304に送信することによって応答しうる。その後、STA304は、AP302を介してTDLSセットアップ確認フレーム316をSTA306に送信し、6GHz帯の要求されたチャネル上にTDLS直接リンクがセットアップされる。要求されたチャネルがAFCデータベースチェックに基づいて利用できない不成功の場合には、AP302は、要求されたチャネルを直接リンク通信に使用する許可が与えられないことを指示するために、失敗ステータスのTDLSチャネル使用許可応答フレーム310(例えばTDLS_CHANNEL_USE_DENIED)をSTA304に送信しうる。
しかし、MLDの状況において6GHz帯でマルチリンクTDLSおよび直接リンク通信をいかに発見およびセットアップするかは不明である。
さらに、MLDでのアドレス解決プロトコル(ARP:address resolution protocol)および近隣発見(ND:neighbor discovery)動作についての想定に起因して、TDLSおよびTDLS直接リンク通信の間のアドレス不一致の問題がある。IEEE802.11提案書(IEEE802.11‐2/1692r2)によれば、TDLSセットアップおよびTDLS直接パス通信の間のアドレス不一致の問題に対処するために、以下の解決策が提案される:
・TDLSピアSTAに直接送られるフレームの送信器アドレス(TA)フィールドを非AP MLDのMACアドレスに設定する、
・リンク識別子エレメントにおいてMLD MACアドレスを使用する、および
・TDLSピアキー(TPK:TDLS PeerKey)ハンドシェイクの間にMLD MACアドレスを使用する。
図4はMLD400の構成を示す。802.11beドキュメント0.3(D0.3)仕様によれば、マルチリンクデバイス(MLD)(例えばAP MLD400)は、複数の付属AP(またはSTA)を有し、1つのMACデータサービスを含む論理リンク制御(LLC:logical link control)への単一のMAC SAP406を有するデバイスであると記載される。APによってover‐the‐airで送られるフレームのMACヘッダのアドレス2(被送信アドレス(TA:transmitted address))フィールドの値は、TAフィールド値が帯域幅シグナリングTAであるときに1に設定され、それ以外の場合には0に設定される個別/グループビットを除き、そのリンク(例えばリンク1 408、リンク2 410)に対応するMLD400に付属する送信APのMACアドレスとなる。同様に、APにover‐the‐airで送られる個別にアドレスされたフレームのMACヘッダのアドレス1(レシピエントアドレス(RA))フィールドの値は、そのリンク(例えばリンク1 408、リンク2 410)に対応するMLDに付属する受信APのMACアドレスとなる。
しかし、上記の定義/アドレシング規則はEHT MLDのためのものである。しかし、EHT APは高効率(HE:high efficiency)/超高スループット(VHT:very high throughput)/高スループット(HT:high throughput)APでもあり、レガシーSTA(HE/VHT/HT STA)をサポートする必要がある。レガシーSTAは、MLD MACアドレスの概念を理解しない。代わりに、レガシーSTAは関連するAPのBSSID(すなわちL2 MACアドレス)しか認識しない。これは、MLDに付属しないEHT STAである非MLD EHT STAにも当てはまりうる。
図5は、AP‐MLD502に付属するAP504、506と、非MLD STA542と、非AP MLD522に付属するSTA524、526との間の通信を図解する概略ダイヤグラム500を示す。各MLD、すなわちAP MLD502または非AP MLD522は、単一のMAC SAP508、528をそれぞれ有する。MAC SAP508、528がそれぞれのMLD MACアドレス510、530に紐付けられる場合には、対応してそれらのIPアドレスがMLD MACアドレスにマッピングされる。ここでは、非AP MLD522はAP MLD502に関連し、非MLD STA542はAP506に関連すると想定される。
換言すれば、AP MLD502のAP504、506は、非AP MLD522のSTA524、526とリンク1 550およびリンク2 552を介してそれぞれ直接通信しうる一方で、AP2 506は、レガシーSTA542ともリンク2 552を介して直接通信しうる。
非AP MLD(単数または複数)およびレガシーSTAがレガシー(EHT以前の)APまたはAP MLDに関連するときに、2つの非AP MLDの間、または非AP MLDとレガシーSTAとの間でマルチリンクTDLSをいかに発見およびセットアップするかは不明である。
したがって、このように上記の課題の1つ以上に対処するマルチリンクピアツーピア通信のための実行可能な技術的解決策を提供する通信装置および方法が必要である。
以下の様々な実施形態では、通信装置および方法は、図6A~6Dにそれぞれ描かれるように、(a)関連する非MLD APを介した2つの非AP MLD、(b)関連するMLD APを介した2つの非AP MLD、(c)関連する非MLD APを介した非AP MLDと非MLD STA、および(d)関連するAP‐MLDを介した非AP MLDと非MLD STAの状況におけるマルチリンクピアツーピア通信の発見およびセットアップを示す。
以下の様々な実施形態によれば、MLDが、単一のリンクで発見およびセットアップフレーム(例えばTDLS発見要求/応答フレームまたはANQP要求/応答フレーム)を交換することによって、別のMLDまたは非MLD STAとの1つ以上の直接リンクを発見およびセットアップする。一実施形態では、送信STAがMLDに付属することを識別するために、要求フレーム(例えばTDLS発見要求フレームまたはANQP要求フレーム)にマルチリンク(ML)指示が含まれる。別の実施形態では、MLDのSTAから受信される要求フレームに応答して送信される応答フレーム(例えばTDLS発見応答フレームまたはANQP応答フレーム)にMLエレメント/フィールドが含まれ、MLエレメント/フィールドは、MLDについての情報およびMLDによってサポートされる少なくとも1つの他のリンクの情報を含む。さらに別の実施形態では、2つのMLDの間にセットアップされる1つ以上の直接リンクの情報を含むMLエレメントがTDLSセットアップ要求/応答/確認フレームに含まれる。
また、一実施形態では、セットアップリンクで行われる3ウェイTPKハンドシェイクプロトコルを使用して、全ての直接リンクで交換されるフレームの機密性および認証を提供するために使用されるセキュリティキー(TPK)が導出される。
様々な実施形態によれば、非AP MLDとAP MLDとの間で有効化される全てのマルチリンク機能(例えばML BlockAck、ML再送、MLカプセル化/カプセル解除など、およびMLパワーセーブ)は、直接リンクにおいても利用可能である。TDLSチャネルスイッチプロトコルが、ML‐TDLSリンクスイッチングの目的で利用される。クワイエット時間プロトコル(QTP:Quiet time protocol)機構がエンハンスされて、複数の直接リンクのためのQTPが提供される。ターゲットウェイクタイム(TWT)機構がエンハンスされて、1つ以上の直接リンクのためのTWTサービスピリオド(SP:service period)が提供される。基本的に、1つの効果は、1つ以上の直接リンクでの通信を可能にすることにより、EHTマルチリンク機能の利点がピアツーピア通信に拡張されることである。
図7は、本開示の一実施形態による、関連するAP/AP MLD702を介した単一のリンク1を使用することによる2つの非AP MLD(非AP MLD‐1 704および非AP MLD‐2 706)の間のリンク1およびリンク2における直接リンクのセットアップを図解するフローダイヤグラム700を描く。この実施形態では、非AP MLD‐1 704が、非AP MLD‐2 706との直接リンクをセットアップすることを意図する。非AP MLD‐1 704のSTAが、TDLS発見要求を含むデータフレームを非AP MLD‐2 706にリンク1においてAP/AP‐MLD702を介して送信することによってTDLS発見を開始し得、TDLS発見要求は送信STAが非AP MLD‐1 704に付属することを識別するML指示を含む。
データフレームを受信するAP MLD702は、データフレームのDAフィールドに含まれるMACアドレスに基づいて、データフレームに含まれるTDLS発見要求が非AP MLD‐2 706に宛てられていることを識別し、データフレームを非AP MLD‐1 704から非AP MLD‐2 706に中継する。
TDLS発見要求を受信するリンク1において動作する非AP MLD‐2 706のSTAは、TDLS発見応答アクションフレームを非AP MLD‐1 704に直接リンク(リンク1)上で返送し、TDLS発見応答アクションフレームはリンク1の情報を含み、リンク2の情報を含むMLエレメントも含む。
非AP MLD‐2 706の動作リンクの情報により、非AP MLD‐1 704は、TDLSセットアップ要求を含むデータフレームを非AP MLD‐2 706にリンク1においてAP/AP MLD702を介して送信することにより、リンク1およびリンク2におけるTDLSのセットアップを要求し得、TDLSセットアップ要求は、非AP MLD2 706とセットアップされるリンク1およびリンク2の情報を含むMLエレメントを含む。データフレームを受信するAP MLD702は、データフレームのDAフィールドに含まれるMACアドレスに基づいて、データフレームに含まれるTDLSセットアップ要求が非AP MLD‐2 706に宛てられていることを識別し、データフレームを非AP MLD‐1 704から非AP MLD‐2 706に中継する。
TDLSセットアップ要求を受信するリンク1において動作する非AP MLD‐2 706のSTAは、リンク1およびリンク2において非AP MLD‐1 704との直接リンクをセットアップすることに合意し、TDLSセットアップ応答アクションフレームを非AP MLD‐1 704にリンク1においてAP/AP MLD702を介して返送しうる。データフレームを受信するAP MLD702は、データフレームのDAフィールドに含まれるMACアドレスに基づいて、データフレームに含まれるTDLSセットアップ応答が非AP MLD‐1 704に宛てられていることを識別し、データフレームを非AP MLD‐2 706から非AP MLD‐1 704に中継する。
TDLSセットアップ応答を受信するリンク1において動作する非AP MLD‐1 704のSTAは、TDLSセットアップ確認を含むデータフレームを非AP MLD‐2 706にリンク1においてAP/AP MLD702を介して送信することにより、リンク1およびリンク2におけるTDLSのセットアップを確認し、TDLSセットアップ確認は、非AP MLD‐2 706とのセットアップに成功している動作リンク(リンク1およびリンク2)の情報を含むMLエレメントを含む。データフレームを受信するAP MLD702は、データフレームのDAフィールドに含まれるMACアドレスに基づいて、データフレームに含まれるTDLSセットアップ確認が非AP MLD‐2 706に宛てられていることを識別し、データフレームを非AP MLD‐1 704から非AP MLD‐2 706に中継する。リンク1において動作する非AP MLD‐2 706のSTAは、TDLSセットアップ確認を受信する。これで、2つの非AP MLD704、706の間のマルチリンクTDLSセットアップが完了し、2つの非AP MLD704、706は、リンク1およびリンク2上の両方でTDLS直接リンク通信を行うことができる。
一実施形態では、2つの非AP MLD704、706間の全ての直接リンクは、任意の1つのリンク上での、この場合には非AP MLD‐1 704による非AP MLD‐2 706へのリンク1上での単一のTDL切断フレームの送信を通じて切断されうる。
図8は、携帯電話およびTVを使用したホームビデオ会議のためのリンク1(例えば5GHzリンク)を使用することによるリンク2(例えば6GHzリンク)における直接リンクのセットアップの使用例を描く。携帯電話804およびスマートTV806はいずれもMLDであり、5GHzおよび6GHzリンク上でAP MLD802に接続される。ユーザが、携帯電話804上でビデオ通話を開始し、電話のマイクロフォンおよびフロントカメラを入力として使用しながらより大きなディスプレイ/より大きな音声のためにTV806を使用したい。5GHzリンク上でAP MLD802のAP1 808を介してML‐TDLSセットアップが開始され、6GHzリンク上で携帯電話804とTV806との間に直接リンクがセットアップされ、ビデオ/音声出力をTV806に中継するために使用される一方で、実際のビデオ通話には5GHzリンクが使用される。直接リンクは6GHzリンクにおいてアクティブである一方で、携帯電話804およびTV806の両方のSTAは6GHzにおいてAP MLD802とパワーセーブモードで動作するか、または(例えばTIDからリンクへのマッピングを使用して)無効化されることもできる。あるいは、6GHzリンク上自体でTDLSセットアップフレームを交換することによってML‐TDLSセットアップがセットアップされてもよい。
リンク1を使用することによるリンク2における直接リンクのセットアップの別の使用例は、スマートフォン804から接続されたTV806へのビデオキャスティングである。スマートフォンユーザは、ビデオおよび/または音声を、同じネットワーク内の接続されたTV806(すなわちスマートフォン804およびTV806の両方が同じAP/AP‐MLD802に関連する)にキャストしたい。ここでは、TV806は、上位レイヤの発見プロトコルにおいて、または例えばNFC/Bluetoothなどの帯域外方法を用いて既に発見されていることが想定される。ユーザは、ビデオキャスティングアプリを操作して、ビデオをTV806にキャストする。スマートフォン804のユーザがアプリケーションユーザインタフェース(UI:user interface)でキャスト先にTV806を選択する動作に応答して、WLANミドルウェア(wpa_supplicantなど)がAPIを通じてTDLS発見を開始するように命令される。スマートフォン804のSTAは、TV806のTDLS能力を発見するためにTDLS発見要求をリンク1において(共通の関連するAPを介して)送信する。TV806は、そのML‐TDLS能力を指示するTDLS発見応答を、直接パス(例えばリンク2)を介して返送する。スマートフォン804のSTAは続けて、リンク1におけるML‐TDLSセットアップ手順を用いてTV806との1つ以上の直接リンク接続(リンク1および2)をセットアップする。セットアップが完了すると、ビデオキャスティングアプリは、1つ以上の直接リンクでスマートフォン804からTV806にビデオをキャストし始める。
図9は、本開示による通信装置の構成例を示す。通信装置は、APおよびSTAとして実施され、本開示によるマルチリンクピアツーピア通信のために構成されうる。図9に示されるように、通信装置900は、回路914と、少なくとも1つの無線送信器902と、少なくとも1つの無線受信器904と、少なくとも1つのアンテナ912とを含みうる(簡単のために図9には1つのアンテナのみが図解の目的で描かれる)。回路914は、多重入力多重出力(MIMO:multiple input and multiple output)ワイヤレスネットワークにおける1つ以上の他の通信装置との通信の制御を含む、少なくとも1つのコントローラ906が行うように設計されたタスクのソフトウェアおよびハードウェア支援実行において使用するための少なくとも1つのコントローラ906を含みうる。回路914は、少なくとも1つの送信信号生成器908と少なくとも1つの受信信号プロセッサ910とをさらに含みうる。少なくとも1つのコントローラ906は、少なくとも1つの無線送信器902を通じて送られるMACフレーム(例えばデータフレーム、管理フレームおよびアクションフレーム)を生成するために少なくとも1つの送信信号生成器908を、そして1つ以上の他の通信装置から少なくとも1つの無線受信器904を通じて受信されるMACフレーム(例えばデータフレーム、管理フレームおよびアクションフレーム)を処理するために少なくとも1つの受信信号プロセッサ910を制御しうる。少なくとも1つの送信信号生成器908および少なくとも1つの受信信号プロセッサ910は、図9に示すように、上述の機能のために少なくとも1つのコントローラ906と通信する通信装置900のスタンドアロンモジュールでありうる。あるいは、少なくとも1つの送信信号生成器908および少なくとも1つの受信信号プロセッサ910は、少なくとも1つのコントローラ906に含まれてもよい。これらの機能モジュールの準備は柔軟であり、実際的な必要性および/または要件に応じて変動しうることは当業者に認識可能である。データ処理、記憶および他の関連する制御装置は、適切な回路基板上および/またはチップセットにおいて提供されうる。様々な実施形態では、動作時には、少なくとも1つの無線送信器902、少なくとも1つの無線受信器904、および少なくとも1つのアンテナ912は、少なくとも1つのコントローラ906によって制御されうる。
通信装置900は、動作時にマルチリンクピアツーピア通信に必要な機能を提供する。例えば、通信装置900は、第1MLDの対応するリンクにおいて動作する第1MLDに付属する複数のSTAのうちのSTAであり得、回路(例えば回路914の少なくとも1つの送信信号生成器908)は、動作時に要求フレームを生成し得、要求フレームは、別の通信装置(非MLD STAまたは非AP MLDのSTA)のピアツーピア通信能力を発見するための発見要求フレーム、または1つ以上の直接リンクのセットアップを要求するためのセットアップ要求フレームのうちの1つであり、要求フレームは、通信装置が第1MLDに付属することを識別するマルチリンク(ML)指示を含む。無線送信器902は、動作時に要求フレームを一つのリンクにおいて送信しうる。
通信装置900の無線受信器904は、動作時に別の通信装置から、当該他の通信装置が付属する第2MLDについての情報および第2MLDによってサポートされる少なくとも1つのリンクの情報を含むMLエレメントまたはMLフィールドを含む応答フレームをさらに受信しうる。
あるいはまたは加えて、無線受信器904は、動作時に別の通信装置から要求フレームを受信し得、要求フレームは、通信装置900のピアツーピア通信能力を発見するための発見要求フレーム、または1つ以上の直接リンクのセットアップを要求するためのセットアップ要求フレームのうちの1つである。回路914(例えば回路914の受信信号プロセッサ910)は、動作時に、受信された要求フレームが他の通信装置が第2MLDに付属することを識別するML指示を含むか否かを判断し、受信された要求フレームが他の通信装置が第2MLDに付属することを識別するML指示を含むと判断したことに応答して、1つ以上の直接リンクのうちの1つで送信されるフレームの送信器アドレス(TA)フィールドを受信された要求フレームのリンク識別子エレメントのTDLSレスポンダステーション(STA)アドレスフィールドに含まれるアドレスに設定し、受信された要求フレームが他の通信装置が第2MLDに付属することを識別するML指示を含まないと判断したことに応答して、1つ以上の直接リンクのうちの1つで送信されるフレームのTAフィールドを1つ以上の直接リンクのうちの1つでフレームを送信する第2MLDの付属する通信装置の媒体アクセス制御(MAC)アドレスに設定する。
回路914(例えば回路914の送信信号生成器908)は、動作時に、他の通信装置が付属する第1MLDについての情報および第1MLDによってサポートされる少なくとも1つのリンクの情報を含むMLエレメントまたはMLフィールドを含む応答フレームをさらに生成しうる。無線送信器902は、動作時に応答フレームを一つのリンクにおいて送信しうる。
例えば、通信装置900は、AP MLDの対応するリンクにおいて動作するAP MLDに付属する複数のAPうちのAPであり得、無線受信器904は、動作時に、MLDに付属する関連する通信装置から、宛先アドレスフィールドがMLDに付属しない別の関連する通信装置に設定されたデータフレームをリンク上で受信する。回路914は、動作時にデータフレームの送信元アドレスフィールドを関連する通信装置のMACアドレスとして設定しうる。無線送信器902は、動作時に、設定された送信元アドレスフィールドのデータフレームを他の関連する通信装置に送信しうる。
図10は、本開示による通信方法を図解するフローチャート1000を示す。ステップ1002で、要求フレームを生成するステップが実施される。要求フレームは、通信装置のピアツーピア通信能力を発見するための発見要求フレーム、または1つ以上の直接リンクのセットアップを要求するためのセットアップ要求フレームのうちの1つであり、要求フレームは、要求フレームを送信する別の通信装置がMLDに付属することを識別するマルチリンク指示を含む。ステップ1004で、要求フレームを送信するステップが一つのリンクにおいて実施される。
一実施形態では、TDLS MLエレメントと呼ばれるMLエレメントの新たな別形が、送信STAがMLDに付属することを指示するほかMLDおよびMLDのリンクに関係する関連情報を含むためのML指示として使用される。図11は、本開示の一実施形態によるTDLS MLエレメント1100の一例を描く。TDLS MLエレメント1100は、エレメントIDフィールド、長さフィールド、エレメントID拡張フィールド、TDLSに対応するように設定されたタイプサブフィールド1102と存在ビットマップサブフィールドとを含むマルチリンク制御フィールド、共通情報フィールド1104、および1つ以上のリンク情報フィールド1106を含む。
共通情報フィールド1104は、MLDについての情報および全てのリンクに共通する他の情報を含む。1つ以上のリンク情報フィールド1106は、ML‐TDLSに関わる他のリンクについての情報を含む。マルチリンク動作シグナリングがピアツーピアシグナリングのために再利用されうるのが有利である。
カプセル化されたデータフレーム(例えばTDLSペイロードを収容するEthertype89‐0dデータフレーム)が、TDLS発見要求フレームとして使用されうる。図12は、Ethertype89‐0dデータフレーム1200およびデータフレーム1200のリンク識別子エレメント1212のフォーマット例を示す。
Ethertype89‐0dデータフレームは、フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御フィールド、サービス品質(QoS:Quality of Service)制御フィールド、HT制御フィールド、論理リンク制御(LLC:Logical Link Control)フィールド、サブネットワークアクセスプロトコル(SNAP:Subnetwork Access Protocol)フィールド1202、ペイロードタイプフィールド1204、ペイロードフィールド1206およびフレームチェックシーケンス(FCS:frame check sequence)を含む。フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御、QOS制御フィールドおよびHT制御フィールドはMACヘッダとしてグループ化されることができ、LLCフィールド、SNAPフィールド1202、ペイロードタイプフィールド1204およびペイロードフィールド1206はフレームボディとしてグループ化されることができる。SNAPフィールド1202は89‐0dのEthertypeに設定され、ペイロードタイプフィールド1204はTDLSに対応するように設定される。ペイロードフィールド1206は、カテゴリフィールド1208、TDLSアクションフィールド1210、ダイアログトークンフィールド、リンク識別子エレメント1212およびMLエレメント1214を含む。カテゴリフィールド1208は、TDLSに対応するように設定される。TDLSアクションフィールド1210は、TLDS発見要求に対応するように設定される。リンク識別子エレメント1212は、エレメントIDサブフィールド、長さサブフィールド、BSSIDサブフィールド、TDLS発見要求を開始するSTAのMACアドレスに対応するように設定されたTDLSイニシエータSTAアドレスサブフィールド、TDLS発見要求に応答するSTAのMACアドレスに対応するように設定されたTDLSレスポンダSTAアドレスサブフィールドを含む。MLエレメント1214は、エレメントIDサブフィールド、長さサブフィールド、エレメントID拡張サブフィールド、タイプフィールド1216と存在ビットマップフィールドとを含むマルチリンク制御サブフィールドを含む。
この実施形態では、TDLS発見要求フレーム1200に含まれるMLエレメントは、TDLS MLエレメントであり得、送信STAが非AP MLDに付属することを識別するML指示(APパスで送信される)として働く。図11に描かれるTDLS MLエレメント1100とは異なり、TDLS発見要求フレーム1200に含まれるTDLS MLエレメント1214は、図11に描かれるような共通情報フィールドおよび1つ以上のリンク情報フィールドを含まなくてもよい。あるいは、TDLS発見要求フレーム1200では、プローブ要求MLエレメントがML指示子として使用されうる。
ML指示を含むTDLS発見要求フレームを受信すると、受信STAもMLDに付属する場合には、MLDおよびSTAの能力、MACアドレスなどの情報を含むTDLS MLエレメントを含むTDLS応答フレームをMLDの他のリンク上(リンク識別子エレメントにおいて指示されたリンクを除く)で直接パスを介して送信する。
図13は、本開示の一実施形態によるTDLS発見応答フレーム1300のフォーマット例を示す。TDLS発見応答フレーム1300は、フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御フィールド、HT制御フィールド、カテゴリフィールド、パブリックアクションフィールド、ダイアログトークンフィールド、能力フィールド、リンク識別子エレメント、MLエレメントおよびFCSを含む。フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御、およびHT制御フィールドはMACヘッダとしてグループ化されることができ、カテゴリフィールド、パブリックアクションフィールド、ダイアログトークンフィールド、能力フィールド、リンク識別子エレメント、MLエレメントはフレームボディとしてグループ化されることができる。パブリックアクションフィールド1302は、TDLS発見応答に対応するように設定される。リンク識別子エレメント1304は、図12に描かれたTDLS発見要求フレームのものと同じである。
TDLS発見応答フレーム1300に含まれるMLエレメント1306は、TDLS MLエレメントであり得、送信STAが非AP MLDに付属することを識別するML指示(APパスを介して送信される)として働く。図11に描かれるTDLS MLエレメントと同様に、MLエレメント1306は、エレメントIDフィールド、長さフィールド、エレメントID拡張フィールド、タイプフィールド1308と存在ビットマップフィールドとを含むマルチリンク制御フィールド、共通情報フィールド1310および1つ以上のリンク情報フィールド1312を含み、共通情報フィールド1310は、MLDについての情報および全てのリンクに共通する他の情報を含む。1つ以上のリンク情報フィールド1312は、ML‐TDLSに関わる他のリンク(リンク識別子エレメントにおいて指示されたリンクを除く)についての情報を含む。
特に、共通情報フィールド1310は、送信非AP MLDのMLD MACアドレスに対応するように設定されたMLD MACアドレスサブフィールド1314、送信STAのMACアドレスに対応するように設定されたSTA MACアドレスサブフィールド1316、TDLS応答フレームが送信されるリンクに割り当てられたリンクIDに対応するように設定された送信リンクIDサブフィールド1318、MLDによってサポートされる直接リンクの数を指示するように設定されたサポート直接リンク数サブフィールド1320、MLDがTDLSリンクのスイッチングをサポートするか否かを指示するように設定されたTDLSリンクスイッチングサポートサブフィールド1322を含む。リンク情報フィールド1312はそれぞれ、MLDの1つの他のリンクに割り当てられたリンクIDに対応するように設定されたリンクIDサブフィールド1324、能力サブフィールド、およびその1つの他のリンクの対応するMACアドレスに設定されたMACアドレスサブフィールド1326を含む。
より容易な識別のために、TDLS応答MLDは、関連するAP MLDによってリンクに割り当てられたリンクIDと同じでありうるリンクIDをそのリンクに割り当てることもできる。TDLS発見要求を受信するSTAがMLDに付属しない場合には、STAはMLエレメント1306を含まない通常のTLD発見応答フレームを送り返す。
従来の規則によると、発見応答フレームを含むデータフレームのTAフィールドとTDLSレスポンダフィールドとは同じアドレスを含まなければならないが、TDLSレスポンダがMLDであるときには、TDLSレスポンダフィールドはTDLSレスポンダのMLD MACアドレスとして設定されうる。そのような場合には、TDLSイニシエータSTAによってTDLS発見応答フレーム1300のMLエレメント1306の共通情報フィールド1310に含まれるSTA MACアドレスを使用して発見応答フレームのTAフィールドが検証されうる。MLエレメントのリンク情報フィールドのMACアドレス(単数または複数)は、他のリンク上でピアMLDに付属するSTA(単数または複数)のMACアドレス(単数または複数)を指示し、他の直接リンクでのSTAとの通信のために使用されうる。
2つのMLDの間に複数の直接リンクをセットアップするために、2つのMLDは、TDLS MLエレメントを含むTDLSセットアップ(要求/応答/確認)フレームを、APパスを介して交換しうる。カプセル化されたデータフレーム(例えばTDLSペイロードを収容するEthertype89‐0dデータフレーム)が、TDLSセットアップフレームとして使用されうる。図14は、本開示の一実施形態によるTDLSセットアップフレームとして使用されるEthertype89‐0dデータフレーム1400のフォーマット例を示す。
Ethertype89‐0dデータフレームは、フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御フィールド、QoS制御フィールド、HT制御フィールド、LLCフィールド、SNAPフィールド1402、ペイロードタイプフィールド1404、ペイロードフィールド1406およびFCSを含む。フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御、QOS制御フィールドおよびHT制御フィールドはMACヘッダとしてグループ化されることができ、LLCフィールド、SNAPフィールド1402、ペイロードタイプフィールド1404およびペイロードフィールド1406はフレームボディとしてグループ化されることができる。SNAPフィールド1402は89‐0dのEthertypeに設定され、ペイロードタイプフィールド1404はTDLSに対応するように設定される。ペイロードフィールド1406は、カテゴリフィールド1408、TDLSアクションフィールド1410、ダイアログトークンフィールド、リンク識別子エレメント1412およびMLエレメント1414を含む。カテゴリフィールド1408は、TDLSに対応するように設定される。TDLSアクションフィールド1410は、TLDSセットアップ要求/応答/確認に対応するように設定される。
リンク識別子エレメント1412は、TPK生成のために使用される。TDLSセットアップフレーム1400に含まれるMLエレメント1414は、TDLS MLエレメントであり得、送信STAが非AP MLDに付属することを識別するML指示(APパスを介して送信される)として働く。図11に描かれるTDLS MLエレメントと同様に、MLエレメント1414は、エレメントIDフィールド、長さフィールド、エレメントID拡張フィールド、タイプフィールド1416と存在ビットマップフィールドとを含むマルチリンク制御フィールド、共通情報フィールド1418および1つ以上のリンク情報フィールド1420を含む。共通情報フィールド1418は、送信非AP MLDのMLD MACアドレスに対応するように設定されたMLD MACアドレスサブフィールドを含む。リンク情報フィールド1420はそれぞれ、リンクIDサブフィールド、リンク識別子エレメント1422および能力/動作サブフィールド1424を含む。リンク識別子エレメント1422は、1つ以上の他のリンク上で動作する送信MLDのSTA(単数または複数)のMACアドレス(単数または複数)を含む1つの他のリンクのリンクIDに対応する。あるいは、リンク識別子エレメントの代わりに送信STAのMACアドレスが含まれる。能力/動作サブフィールド1424は、1つ以上の他のリンク(単数または複数)のパラメータを含む。
能力/動作フィールド1424においてTDLSセットアップ要求/応答はHT/VHT/HE/EHT能力エレメントを含みうる一方で、TDLSセットアップ確認フレームはHT/VHT/HE/EHT動作エレメントなどを含む。送信リンク上自体に単一の直接リンクだけがセットアップされる場合には、MLエレメント1414は、送信MLDのMLD MACアドレスを含む共通情報フィールド1418だけを含む。送信STAのSTA MACアドレス、送信リンクに割り当てられたリンクID、ML‐TDLS能力などの他のフィールドも、共通情報フィールド1418に含まれうる。MLD MACアドレスは、直接リンクで交換されるフレームを保護するために使用されるAADおよびNonceフィールドを生成するために使用されうる。
以下の段落では、マルチリンクピアツーピア通信のための非MLD(レガシー)APを介した2つの非AP MLDの間のML‐TDLSセットアップを参照して実施形態が説明される。
図15は、本開示の一実施形態によるマルチリンクピアツーピア通信のための非MLD AP1504を介した2つの非AP MLD1512、1522の間の通信を図解するフローチャート1500を描く。通信は、発見段階1501、セットアップ段階1502および直接リンク通信1503に分けられる。ここでは、非AP MLD1512、1522は、リンク2(5GHz帯)上でAP1504に関連する。
発見段階1501では、非AP MLD1 1512のSTA2 1514が、TDLS発見要求1534を含むデータフレーム1532を、AP1504を介して非AP MLD2 1522のSTA4 1524に送信することによって、TDLS発見を開始しうる。TDLS発見要求1534は、STA2のMACアドレス(STA2‐M)に設定されたTDLSイニシエータフィールド、およびSTA4のMACアドレス(STA4‐M)に設定されたTDLSレスポンダフィールド、ならびにSTA2 1514が非AP MLD1 1512に付属することを指示するMLエレメントを含む。
データフレーム1532を受信するAP1504は、DAフィールドのSTA4のMACアドレスに基づいて、データフレーム1532に含まれるTDLS発見要求1534がその関連する非AP MLD2 1522のSTA4 1524に宛てられていることを識別し、SAフィールドのSTA2のMACアドレス(STA2‐M)とTDLS発見要求1534’とを含む非AP MLD1 1512から受信されたデータフレーム1532’をSTA4 1524に転送する。AP1504はまた、データフレーム1532’をSTA4 1524に転送する際に、RAフィールドにSTA4のMACアドレス(STA4‐M)を設定する。そのため、データフレームはSTA4 1524によって正しく受信される。
TDLS発見要求1534’を受信するSTA4 1524は、非AP MLD2 1522の情報に加えて非AP MLD2 1522に付属する他のSTA(STA3 1523)の情報を含むMLエレメントを含むTDLS発見応答アクションフレーム1542をSTA2 1514に直接リンクすなわちSTA2の動作リンク(リンク2)上で返送しうる。STA4 1524は、TDLSイニシエータフィールドに基づいて、TDLS発見応答アクションフレーム1542のRAフィールドをSTA2のMACアドレス(STA2‐M)に設定することができる。そのため、これによりSTA4 1524によって非AP MLD1512に直接リンク上で送られるTDLS発見応答アクションフレーム1542などのフレームが、STA2 1514を介して正しく受信されることになる。
後続のセットアップ段階1502では、非AP MLD1 1512が、TDLSセットアップ要求1554を含むさらなるデータフレーム1552をSTA2 1514からAP1504を介してSTA4 1524に送信することによって、AP1504を介して非AP MLD2 1522とのTDLSセットアップを開始しうる。データフレーム1552は、STA4のMACアドレス(STA4‐M)に設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ要求1554は、STA4のMACアドレス(STA4‐M)に設定されたTDLSレスポンダフィールド、およびSTA2のMACアドレス(STA2‐M)に設定されたTDLSイニシエータフィールド、ならびにSTA2が非AP MLD1 1512に付属することを指示するMLエレメントを含む。MLエレメントは、非AP MLD1 1512の情報に加えて非AP MLD1 1512に付属する他のSTA(すなわちSTA1 1513)の情報を含む。
AP1504は、DAフィールドのSTA MACアドレスに基づいて、さらなるデータフレーム1552がその関連する非AP MLD2 1522のSTA4 1524に宛てられていることを識別し、さらなるデータフレーム1552をSTA4 1524に転送する。AP1504はまた、データフレーム1552をSTA4 1524に転送する際に、RAフィールドをSTA4のMACアドレス(STA4‐M)に設定する。そのため、データフレーム1552は、STA4 1524によって正しく受信される。
TDLSセットアップ要求1554を受信するSTA4 1524は、応答して、TDLSセットアップ応答1564を含む別のデータフレーム1562を、AP1504を介してリンク2でSTA2 1514に返送しうる。TDLSセットアップ応答1562は、STA2のMACアドレス(STA2‐M)に設定されたDAフィールド、ならびにいずれもTDLSセットアップ要求1554のものと同じMACアドレスにそれぞれ設定されたTDLSイニシエータフィールドおよびTDLSレスポンダフィールド、ならびに非AP MLD2 1522の情報に加えて非AP MLD2 1522に付属する他のSTA(すなわちSTA3 1523)の情報を含むMLエレメントを含む。
データフレーム1562を受信するAP1504は、DAフィールドのSTA2のMACアドレスに基づいて、データフレーム1562がその関連する非AP MLD1 1512のSTA2 1514に宛てられていることを識別し、データフレーム1562をSTA2 1514に転送する。AP1504はまた、データフレーム1562をSTA2 1514に転送する際に、RAフィールドにSTA2のMACアドレス(STA2‐M)を設定する。そのため、データフレームはSTA2 1514によって正しく受信される。
続いて、STA2 1514は、TDLSセットアップ確認1574を含むデータフレーム1572をAP1504を介してSTA4 1524に送信する。TDLSセットアップ確認1574は、STA4のMACアドレス(STA4‐M)に設定されたDAフィールド、ならびにいずれもTDLSセットアップ要求1554のものと同じMACアドレスにそれぞれ設定されたTDLSイニシエータフィールドおよびTDLSレスポンダフィールド、ならびに非AP MLD1 1512の情報に加えて非AP MLD1 1512に付属する他のSTA(すなわちSTA1 1513)の情報を含むMLエレメントを含む。
AP1504は、DAフィールドのSTA MACアドレスに基づいて、データフレーム1572がその関連する非AP MLD2 1522のSTA4 1524に宛てられていることを識別し、データフレーム1572をSTA4 1524に転送する。AP1504はまた、データフレーム1572をSTA4 1524に転送する際に、RAフィールドをSTA4のMACアドレス(STA4‐M)に設定する。そのため、データフレーム1572はSTA4 1524によって正しく受信され、マルチリンクTDLSセットアップ段階は完了する。
非AP MLD1 1512と非AP MLD2 1522との間のTDLSセットアップが完了すると、非AP MLD1 1512および非AP MLD2 1522からの任意の2つのSTAがそれぞれ互いに直接マルチリンクピアツーピア通信を行い、リンク1およびリンク2において直接パスを介してデータフレームを送信することができる。例えば、STA2とSTA4とは、リンク1およびリンク2上の両方でそれぞれ直接パスを介してデータフレーム1582、1592を交換しうる。
非AP MLD1512、1522がレガシーAP1504と関連するときには、それぞれのMLD MACアドレスがSTA1 1513およびSTA3 1523によってリンクMACアドレスとして使用されうる。この場合には、全ての場合にSTA MACアドレスが使用されるため、(APパスおよび直接パス上の両方の)フレームならびにリンクIDエレメントにおけるアドレシングは簡単である。他のリンクがDFSチャネル上または6GHz帯のチャネルにおいてセットアップされるときには、STAは他のリンク上でどのAPにも関連しないことから、STAは少なくとも1つのAPが聞こえるチャネル上でしか動作できず、APのBSSのそのBSSIDが使用されうる。受信器は、セットアップ段階でMLエレメントに含まれるMACアドレスに基づいてTAフィールドを検証しうる。他のリンクが普通のチャネル上(すなわちDFSチャネルではない、または6GHz帯のではない)にセットアップされるときには、そのチャネルにおいて少なくとも1つのAPを聞く要件が免除され、BSSIDフィールドはピアSTAのうちの1つのMACアドレスに、またはSTAが関連するBSSのBSSIDにも設定されうる。
以下の段落では、マルチリンクピアツーピア通信のためのAP MLDを介した2つの非AP MLDの間のML‐TDLSセットアップを参照して実施形態が説明される。
図16は、本開示の一実施形態によるマルチリンクピアツーピア通信のための非MLD AP1604を介した2つの非AP MLD1612、1622の間の通信を図解するフローチャート1600を描く。通信は、発見段階1601、セットアップ段階1602および直接リンク通信1603に分けられる。
発見段階1601では、非AP MLD1 1612のSTA2 1614が、TDLS発見要求1634を含むデータフレーム1632をAP MLD1604を介して非AP MLD2 1622に送信することによってTDLS発見を開始しうる。データフレーム1632は、非AP MLD2のMACアドレス(STA‐ML2‐M)に設定されたDAフィールドを含む。TDLS発見要求1634は、STA2のMACアドレス(STA2‐M)に設定されたTDLSイニシエータフィールド、および非AP MLD2のMLD MACアドレス(STA‐ML2‐M)に設定されたTDLSレスポンダフィールド、ならびにSTA2 1614が非AP MLD1 1612に付属することを指示するMLエレメントを含む。
データフレーム1632を受信するAP MLD1604は、DAフィールドの非AP MLD2のMLD MACアドレスに基づいて、データフレーム1632に含まれるTDLS発見要求1634が非AP MLD2 1622に宛てられていることを識別し、非AP MLD1 1612から受信されたデータフレーム1632’を非AP MLD2 1622の付属STAの1つ、例えば本実施形態ではSTA4 1624に転送する。AP MLD1604はまた、データフレーム1632’をSTA4 1624に転送する際に、RAフィールドにSTA4のMACアドレス(STA4‐M)を設定する。そのため、データフレームはSTA4 1624によって正しく受信される。
TDLS発見要求1634’を受信するSTA4 1624は、非AP MLD2 1622の情報に加えて非AP MLD2 1622に付属する他のSTA(STA3 1623)の情報を含むMLエレメントを含むTDLS発見応答アクションフレーム1642をSTA2 1614に直接リンクすなわちSTA2の動作リンク(リンク2)上で返送しうる。STA4 1624は、TDLS発見要求1634’のTDLSイニシエータフィールドに基づいて、TDLS発見応答アクションフレーム1642のRAフィールドをSTA2のMACアドレス(STA2‐M)に設定することができる。そのため、これによりSTA4 1624によって非AP MLD1612に直接リンク上で送られるTDLS発見応答アクションフレーム1642などのフレームが、STA2 1614を介して正しく受信されることになる。
後続のセットアップ段階1602では、非AP MLD1 1612が、TDLSセットアップ要求1654を含むさらなるデータフレーム1652をSTA2 1614からAP MLD1604を介して非AP MLD2 1622に送信することによって、AP MLD1604を介して非AP MLD2 1622とのTDLSセットアップを開始しうる。データフレーム1652は、非AP MLD2のMACアドレス(STA‐ML2‐M)に設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ要求1654は、非AP MLD2のMLD MACアドレスに設定されたTDLSレスポンダフィールド、およびSTA2のMACアドレス(STA2‐M)に設定されたTDLSイニシエータフィールド、ならびにSTA2が非AP MLD1 1612に付属することを指示するMLエレメントを含む。MLエレメントは、非AP MLD1 1612の情報に加えて非AP MLD1 1612に付属する他のSTA(すなわちSTA1 1613)の情報を含む。
AP MLD1604は、DAフィールドの非AP MLD2のMLD MACアドレスに基づいて、さらなるデータフレーム1652がその関連する非AP MLD2 1622に宛てられていることを識別し、さらなるデータフレーム1652を非AP MLD2 1622の付属STAの1つ、例えば本実施形態ではSTA3 1623に転送する。AP MLD1604はまた、データフレーム1652をSTA3 1623に転送する際に、RAフィールドをSTA3のMACアドレス(STA3‐M)に設定する。そのため、データフレーム1652は、STA3 1623によって正しく受信される。
TDLSフレームはDAをMLD MACアドレスとして指示するため、AP MLDがTDLSフレームを中継する際にクロスオーバーが生じる(すなわちフレーム、例えば上記のTDLSセットアップ要求フレーム1652が異なるリンク上で中継される)可能性がある。しかし、受信非AP MLDは、(MLエレメントではなく)TDLSフレームに含まれるリンク識別子エレメントのTDLSイニシエータアドレスおよびBSSIDフィールドを参照することによって送信STAおよびそのリンクを正しく識別し、それに応じて応答しうる。
これに関して、リンク2からリンク1へのクロスオーバーが生じていても、TDLSセットアップ要求1654を受信する非AP MLD2 1622は、応答して、TDLSセットアップ応答1664を含む別のデータフレーム1662をSTA2 1614すなわちTDLSイニシエータに、STA4 1624からAP MLD1604を介して返送しうる。データフレーム1662は、非AP MLD1のMLD MACアドレス(STA‐ML1‐M)に設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ応答1664は、いずれもTDLSセットアップ要求1654のものと同じMACアドレスにそれぞれ設定されたTDLSイニシエータフィールドおよびTDLSレスポンダフィールド、ならびに非AP MLD2 1622の情報に加えて非AP MLD2 1622に付属する他のSTA(すなわちSTA3 1623)の情報を含むMLエレメントを含む。
データフレーム1662を受信するAP MLD1604は、DAフィールドのMACアドレスに基づいて、データフレーム1662が非AP MLD1 1612に宛てられていることを識別し、データフレーム1662を非AP MLD1 1612の付属STAの1つ(例えばSTA2 1614)に転送する。AP MLD1604はまた、データフレーム1662をSTA2 1614に転送する際に、RAフィールドにSTA2のMACアドレス(STA2‐M)を設定する。そのため、データフレームはSTA2 1614によって正しく受信される。
続いて、STA2 1614は、TDLSセットアップ確認1674を含むデータフレーム1672をAP MLD1604を介してSTA4 1624に送信する。TDLSセットアップ確認1674は、非AP MLD2のMLD MACアドレス(STA‐ML2‐M)に設定されたDAフィールド、ならびにいずれもTDLSセットアップ要求1654のものと同じMACアドレスにそれぞれ設定されたTDLSレスポンダフィールドおよびTDLSイニシエータフィールド、ならびに非AP MLD1 1612の情報に加えて非AP MLD1 1612に付属する他のSTA(すなわちSTA1 1613)の情報を含むMLエレメントを含む。
AP MLD1604は、DAフィールドのMACアドレスに基づいて、データフレーム1672が非AP MLD2 1622に宛てられていることを識別し、データフレーム1672を非AP MLD2 1622の付属STAの1つ、例えば本実施形態ではSTA4 1624に転送する。AP MLD1604はまた、データフレーム1672をSTA4 1624に転送する際に、RAフィールドをSTA4のMACアドレス(STA4‐M)に設定する。そのため、データフレーム1672はSTA4 1624によって正しく受信され、セットアップ段階は完了する。
非AP MLD1 1612と非AP MLD2 1622との間のTDLSセットアップが完了すると、非AP MLD1 1612および非AP MLD2 1622からの任意の2つのSTAがそれぞれ互いに直接マルチリンクピアツーピア通信を行い、リンク1およびリンク2において直接パスを介してデータフレームを送信することができる。例えば、STA2とSTA4とは、リンク1およびリンク2の両方でそれぞれ直接パスを介してデータフレーム1682、1692を交換しうる。この場合、直接リンク上で送信されるデータフレームのBSSIDフィールドは、それぞれの関連するBSSIDに設定される。以下は、フロー1600に関するいくつかの細かなポイントである。
IPアドレスがMLD MACアドレスに紐付けられる(ARPによる返信)ことから、最初はSTA1 1613は非AP MLD2のMLD MACアドレスを知っているだけである。リンク識別子エレメントのTDLSイニシエータSTAアドレスおよびBSSIDフィールドが、イニシエータSTAおよびTDLS発見応答フレーム1642が送信されるべきリンクを識別する。
TDLS発見要求フレーム1632の内容は、レシピエントが非MLDであっても(送信器はレシピエントがMLDであるか否かを知らないことから)、この場合にはTDLSレスポンダSTAアドレスがSTA2のMACアドレスになることを除き同じである。
ここで、TDLS発見応答フレーム1642では、TAフィールドが送信STAのMACアドレス(STA4‐M)として設定され、リンク識別子エレメントのTDLSレスポンダSTAアドレスフィールドと異なることに留意しなければならない。この挙動はベースラインのTDLS挙動と異なるが、レシピエントもMLDであり、MLエレメントを通じて(MLエレメントの共通情報フィールドに含まれる)STA MACアドレスを既に認識していることから、TDLSレスポンダSTAアドレスフィールドがMLD MACアドレスとして設定されているとしても発見応答フレームのTAフィールドを検証しうる。
以下の段落では、非AP MLDによってセットアップが開始される、マルチリンクピアツーピア通信のためのAP MLDを介した非AP MLDと非MLD STAとの間のML‐TDLSセットアップを参照して実施形態が説明される。
図17は、本開示の一実施形態によるマルチリンクピアツーピア通信のための非MLD AP1704を介した非AP MLD1712と非MLD STA(STA3)1722との間の通信を図解するフローチャート1700を描く。通信は、発見段階1701、セットアップ段階1702および直接リンク通信1703に分けられる。
発見段階1701では、非AP MLD1 1712のSTA2 1714が、TDLS発見要求1734を含むデータフレーム1732をAP MLD1704を介してSTA3 1722に送信することによって、TDLS発見を開始しうる。データフレームは、STA3のMACアドレスに設定されたDAフィールドを含む。TDLS発見要求1734は、STA2のMACアドレス(STA2‐M)に設定されたTDLSイニシエータフィールド、およびSTA3のMACアドレスに設定されたTDLSレスポンダフィールド、ならびにSTA2 1714が非AP MLD1 1712に付属することを指示するMLエレメントを含む。
データフレーム1732を受信するAP MLD1704は、DAフィールドのSTA3のMACアドレスに基づいて、データフレーム1732に含まれるTDLS発見要求1734がSTA3 1722に宛てられていることを識別し、非AP MLD1 1712から受信されたTDLS発見要求1734’を含むデータフレーム1732’をSTA3 1722に転送する。
AP MLD1704は通常、転送されるデータフレームのSAフィールドを非AP MLDのMLD MACアドレスとして設定しうるが、非MLD STA(例えばレガシーSTA STA3 1722)に転送するときには、SAフィールドは非AP MLD1 1712の送信STAのMACアドレス、この場合にはSTA2のMACアドレス(STA2‐M)として設定される。TDLSレスポンダ(STA3 1722)は、発見要求フレームを含む受信したデータフレームのSAおよび/またはTDLSイニシエータMACアドレスに基づいて、直接パスで送られる後続の発見応答アクションフレームのRAを正しく設定しうる。これにより、非AP MLDのSTAがMLD MACアドレスに基づいて受信フレームをフィルタリングする必要が回避される。
データフレーム1732’を転送するときには、AP MLD1704はまた、データフレーム1732’をSTA3 1722に転送する際に、RAフィールドにSTA3のMACアドレス(STA3‐M)を設定する。そのため、データフレームはSTA3 1722によって正しく受信される。
TDLS発見要求1734’を受信するSTA3 1722は、TDLS発見応答アクションフレーム1742をSTA2 1714に直接リンク(リンク2)上で返送しうる。STA3 1722は、TDLS発見応答アクションフレーム1742のRAフィールドをSTA2のMACアドレス(STA2‐M)に設定することができる。そのため、これによりSTA3 1722によって非AP MLD1612に直接リンク上で送られるTDLS発見応答アクションフレーム1742などのフレームが、STA2 1714を介して正しく受信されることになる。STA3 1722はMLDではないことから、TDLS発見応答フレーム1742はMLエレメントを含まないことに留意しなければならない。
後続のセットアップ段階1702では、非AP MLD1 1712が、TDLSセットアップ要求1754を含むさらなるデータフレーム1752をSTA2 1714からAP MLD1704を介してSTA3 1722に送信することによって、AP MLD1704を介してSTA3 1722とのTDLSセットアップを開始しうる。データフレームは、STA3のMACアドレスに設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ要求1754は、STA3のMACアドレスに設定されたTDLSレスポンダフィールド、およびSTA2のMACアドレス(STA2‐M)に設定されたTDLSイニシエータフィールドを含む。非AP MLD1 1712は今では(TDLS発見応答フレームにMLエレメントがないため)STA3 1722がMLDではないことを知っていることから、TDLSセットアップ要求1752はMLエレメントを含まないことに留意しなければならない。
AP MLD1704は、DAフィールドのSTA3のMACアドレスに基づいて、さらなるデータフレーム1752がSTA3 1722に宛てられていることを識別し、さらなるデータフレーム1752をSTA3 1722に転送する。AP MLD1704はまた、データフレーム1752をSTA3 1723に転送する際に、RAフィールドをSTA3のMACアドレス(STA3‐M)に設定する。そのため、データフレーム1752は、STA3 1722によって正しく受信される。
TDLSセットアップ要求1754を受信するSTA3 1722は、応答して、TDLSセットアップ応答1764を含む別のデータフレーム1762をAP MLD1704を介してSTA2 1714すなわちTDLSイニシエータに返送しうる。データフレームは、非AP MLD1のMLD MACアドレスに設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ応答1764は、いずれもTDLSセットアップ要求1754のものと同じMACアドレスにそれぞれ設定されたTDLSイニシエータフィールドおよびTDLSレスポンダフィールドを含む。
データフレーム1762を受信するAP MLD1704は、DAフィールドの非AP MLD1のMLD MACアドレスに基づいて、データフレーム1762に含まれるTDLSセットアップ応答1764が非AP MLD1 1712に宛てられていることを識別し、データフレーム1762を非AP MLD1712の付属STAの1つ、例えば本実施形態のSTA2 1714に転送する。AP MLD1704はまた、データフレーム1762をSTA2 1714に転送する際に、RAフィールドにSTA2のMACアドレス(STA2‐M)を設定する。そのため、データフレームはSTA2 1714によって正しく受信される。
続いて、STA2 1714は、TDLSセットアップ確認1774を含むデータフレーム1772をAP MLD1704を介してSTA3 1722に送信する。データフレーム1772は、STA3のMACアドレス(STA3‐M)に設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ確認1774は、いずれもTDLSセットアップ要求1754のものと同じMACアドレスにそれぞれ設定されたTDLSイニシエータフィールドおよびTDLSレスポンダフィールドを含む。TDLSセットアップ確認1772はMLエレメントを含まないことに留意しなければならない。
AP MLD1704は、DAフィールドのMACアドレスに基づいて、データフレーム1772がSTA3 1772に宛てられていることを識別し、データフレーム1772をSTA3 1722に転送する。AP MLD1704はまた、データフレーム1772をSTA3 1722に転送する際に、RAフィールドをSTA3のMACアドレス(STA3‐M)に設定する。そのため、データフレーム1772はSTA3 1722によって正しく受信され、セットアップ段階は完了する。
非AP MLD1 1712とSTA3 1722との間のTDLSセットアップが完了すると、非AP MLD1 1712のSTA2 1714とSTA3とが互いに直接マルチリンクピアツーピア通信を行い、共通の動作リンク(リンク2)において直接パスを介してデータフレームを送信することができる。
以下の段落では、非MLD STAによってセットアップが開始される、マルチリンクピアツーピア通信のためのAP MLDを介した非AP MLDと非MLD STAとの間のML‐TDLSセットアップを参照して実施形態が説明される。
非MLD STAによって開始されるAP MLDを介した非AP MLDとのTDLSセットアップを行うには、2つの可能なオプションがある。オプション1では、リンク識別子エレメントのTDLSレスポンダSTAアドレスフィールドに関わらず、非AP MLDはTDLS発見応答フレームのTAを送信STAのMACアドレス(STA2‐M)として設定する。これに基づいて直接リンク通信の間に、同じ(STAの)MACアドレスがRAフィールドにおいて使用される。しかし、このオプションでは、TAフィールドとリンク識別子エレメントのTDLSレスポンダSTAアドレスフィールドとの不一致によりレガシーSTA(STA3)がTDLS発見応答フレームを拒否しうるリスクがある。
オプション2では、レガシーフォーマット(ML指示がないことにより識別)のTDLS発見要求フレームを受信すると、TDLSレスポンダは、単純にTDLS発見要求フレームのリンク識別子エレメントのTDLSレスポンダSTAアドレスフィールドで使用されているアドレス(MLD MACアドレスまたはSTA MACアドレス)をTDLS発見応答フレームのTAフィールドとして使用する。TDLSフレームのリンク識別子エレメントのTDLSレスポンダフィールドならびにレガシーデバイスによって直接リンクにおいて送信されるフレームのRAフィールドに設定されるアドレスの選択は、TDLS応答STAのMACアドレスについてのその知識に依存し、これは例えばARPプロトコルによるMLDのMACアドレスの返し方によって影響されうる。または、レガシーSTAは、STAとのその過去の通信を介して、またはワイヤレス媒体をリッスンすることなどによってSTA MACアドレスを学習しうる。TDLS発見応答フレーム(または直接パスで送信されるデータフレーム)のTAフィールドを適応させることにより、TAフィールドとTDLSレスポンダSTAアドレスフィールドとの間の不一致によりレガシーSTAがTDLS発見応答フレームを拒否しないことが保証される。直接リンク上で送信される全てのフレームのTAとしても同じアドレスが使用される。
図18は、上述のオプション1にしたがった本開示の別の実施形態によるマルチリンクピアツーピア通信のための非MLD AP1804を介した非AP MLD1812と非MLD STA(STA3)1822との間の通信を図解するフローチャート1800を描く。通信は、発見段階1801、セットアップ段階1802および直接リンク通信1803に分けられる。
発見段階1801では、STA3 1822が、TDLS発見要求1834を含むデータフレーム1832をAP MLD1804を介して非AP MLD1 1812に送信することによって、TDLS発見を開始しうる。データフレーム1832は、非AP MLD1のMACアドレス(STA‐ML1‐M)に設定されたDAフィールドを含む。IPアドレスがMLD MACアドレスに紐付けられる(ARPによる返信)ことから、最初はSTA3 1822は非AP MLD1のMLD MACアドレスを知りうるだけである。TDLS発見要求1834は、STA3のMACアドレス(STA3‐M)に設定されたTDLSイニシエータフィールド、および非AP MLD1のMLD MACアドレス(STA‐ML1‐M)に設定されたTDLSレスポンダフィールドを含む。リンク識別子エレメントのTDLSイニシエータSTAアドレスおよびBSSIDフィールドが、イニシエータSTA1822およびTDLS発見応答フレーム1832が送信されるべきリンクを識別する。TDLS発見要求フレームの内容は、レシピエントが非MLDであっても、(STA3 1822はレシピエントがMLDであるか否かを知らないことから)同じである。
データフレーム1832を受信するAP MLD1804は、DAフィールドのMLD MACアドレスに基づいて、データフレーム1832に含まれるTDLS発見要求1834が非AP MLDに宛てられていることを識別し、STA3 1822から受信されたTDLS発見要求1834’を含むデータフレーム1832’を非AP MLD1 1812の付属STAの1つ、例えばこの場合にはSTA1 1813に転送し、このようにしてリンク1へのクロスオーバーが生じている。AP MLD1804は、データフレーム1832’をSTA1 1813に転送する際に、RAフィールドにSTA1のMACアドレス(STA1‐M)を設定する。そのため、データフレームはSTA1 1813によって正しく受信される。
TDLS発見要求1834’を受信する非AP MLD1812は、TDLS発見応答アクションフレーム1842を、付属STAの1つ、例えば本実施形態では非MLD STA3 1822と同じリンクにおいて動作するSTA2 1814からSTA3 1822に直接リンク上で返送しうる。非AP MLD1812は、TDLS発見応答アクションフレーム1842のTAフィールドを送信STA(STA2 1814)のMACアドレスとして設定し、またTDLS発見応答アクションフレーム1842のRAフィールドをSTA3のMACアドレス(STA3‐M)に設定する。そのため、これによりSTA2 1814によってSTA3 1822に直接リンク上で送られるTDLS発見応答アクションフレーム1842などのフレームが、STA3 1822を介して正しく受信されることになる。重要なのは、オプション1の下では、TDLS発見応答アクションフレーム1842のTAフィールドの送信STAのMACアドレスが、直接リンク通信1803においてSTA3 1822によって送信されるデータフレームのRAフィールドを設定するために使用されうることである。
後続のセットアップ段階1802では、STA3 1822が、TDLSセットアップ要求1854を含むさらなるデータフレーム1852をSTA3 1822からAP MLD1804を介して非AP MLD1812に送信することによって、AP MLD1804を介して非AP MLD1812とのTDLSセットアップを開始しうる。データフレーム1852は、非AP MLDのMLD MACアドレス(STA‐ML1‐M)に設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ要求1854は、非AP MLDのMLD MACアドレスに設定されたTDLSレスポンダフィールド、およびSTA3のMACアドレス(STA3‐M)に設定されたTDLSイニシエータフィールドを含む。
AP MLD1804は、DAフィールドのMLD MACアドレスに基づいてさらなるデータフレーム1852が非AP MLD1 1812に宛てられていることを識別し、さらなるデータフレーム1852を非AP MLD1 1812の付属STAの1つ、例えば本実施形態ではSTA2 1814に転送する。AP MLD1804はまた、データフレーム1852をSTA2 1814に転送する際に、RAフィールドをSTA2のMACアドレス(STA2‐M)に設定する。そのため、データフレーム1852は、STA2 1814によって正しく受信される。
TDLSセットアップ要求1854を受信する非AP MLD1812は、応答して、TDLSセットアップ応答1864を含む別のデータフレーム1862をAP MLD1804を介してSTA3 1822すなわちTDLSイニシエータに送信しうる。データフレーム1862は、STA3のMACアドレスに設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ応答1864は、いずれもTDLSセットアップ要求1854のものと同じMACアドレスにそれぞれ設定されたTDLSイニシエータフィールドおよびTDLSレスポンダフィールドを含む。
データフレーム1862を受信するAP MLD1804は、DAフィールドのSTA3のMACアドレスに基づいて、データフレーム1862に含まれるTDLSセットアップ応答1864がSTA3 1822に宛てられていることを識別し、データフレーム1862をSTA3 1822に転送する。AP MLD1804はまた、データフレーム1862をSTA3 1822に転送する際に、RAフィールドにSTA3のMACアドレス(STA3‐M)を設定する。そのため、データフレームはSTA3 1822によって正しく受信される。
続いて、STA3 1822は、TDLSセットアップ確認1874を含むデータフレーム1872をAP MLD1804を介して非AP MLD1 1812に送信する。データフレームは、非AP MLD1のMACアドレス(STA‐ML1‐M)に設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ確認1874は、いずれもTDLSセットアップ要求1854のものと同じMACアドレスにそれぞれ設定されたTDLSレスポンダフィールドおよびTDLSイニシエータフィールドを含む。
AP MLD1804は、DAフィールドのMLD MACアドレスに基づいて、データフレーム1872が非AP MLD1 1812に宛てられていることを識別し、データフレーム1872を非AP MLD1 1812の付属STAの1つ、例えば本実施形態ではSTA2 1814に転送する。AP MLD1804はまた、データフレーム1872をSTA2 1814に転送する際に、RAフィールドをSTA2のMACアドレス(STA2‐M)に設定する。そのため、データフレーム1872はSTA2 1814によって正しく受信され、セットアップ段階は完了する。
非AP MLD1 1812とSTA3との間のTDLSセットアップが完了すると、非AP MLD1 1812のSTA2 1814とSTA3 1822とが互いに直接マルチリンクピアツーピア通信を行い、共通の動作リンク(リンク2)において直接パスを介してデータフレーム1882を送信することができる。このようなデータフレーム1882のRAは、発見応答アクションフレーム1842のTAに基づいて受信STAのMACアドレスとして設定される。しかし、先に説明したように、このオプションでは、TAフィールドとリンク識別子エレメントのTDLSレスポンダSTAアドレスフィールドとの不一致によりレガシーSTA(STA3)がTDLS発見応答フレームを拒否しうるリスクがあり、レガシーSTAがTDLSセットアップ段階に進まないこともありうる。
図19は、上述のオプション2にしたがった本開示のさらに別の実施形態によるマルチリンクピアツーピア通信のための非MLD AP1904を介した非AP MLD1912と非MLD STA(STA3)1922との間の通信を図解するフローチャート1900を描く。通信は、発見段階1901、セットアップ段階1902および直接リンク通信1903に分けられる。本開示に示される全ての実施形態と異なり、全てのアドレスフィールド、特に図19においてダッシュで隔てられた2つのアドレス(例えばA/B)を用いて表されるTDLSレスポンダフィールドは、非AP MLDのMACアドレスについてのレガシーSTAの知識に基づいて2つのアドレスのいずれか1つ(AまたはB)がアドレスフィールドに使用されることを意味することに留意されたい。レガシーSTAが非AP MLDをそのMLD MACアドレスによって識別する場合には非AP MLDのMLD MACアドレスが使用され、それ以外の場合にはレガシーSTAと同じリンクにおいて動作する非AP MLDに付属するSTAのMACアドレスが使用される。
発見段階1901では、STA3 1922が、TDLS発見要求1934を含むデータフレーム1932をAP MLD1904を介して非AP MLD1 1912に送信することによって、TDLS発見を開始しうる。データフレーム1932は、非AP MLD1のMLD MACアドレス(STA‐ML1‐M)またはSTA2のMACアドレス(STA2‐M)のいずれかに設定されたDAフィールドを含む。TDLS発見要求1934は、STA3のMACアドレス(STA3‐M)に設定されたTDLSイニシエータフィールド、および非AP MLD1のMLD MACアドレスまたはSTA2のMACアドレスのいずれかに設定されたTDLSレスポンダフィールドを含む。
データフレーム1932を受信するAP MLD1904は、DAフィールドのMACアドレスに基づいて、データフレーム1932に含まれるTDLS発見要求1934が非AP MLDまたはSTA2のいずれかに宛てられていることを識別し、STA3 1922から受信されたTDLS発見要求1934’を含むデータフレーム1932’を、STA2のMACアドレスが使用される場合にはSTA1914に、または非AP MLDのMACアドレスが含まれる場合には非AP MLD1 1912の付属STAの1つ、例えば本実施形態ではSTA1 1913に転送し、このようにしてリンク1へのクロスオーバーが生じている。AP MLD1904は、データフレーム1932’をSTA1 1913に転送する際に、RAフィールドにSTA1のMACアドレス(STA1‐M)を設定する。そのため、データフレームはSTA1 1913によって正しく受信される。
TDLS発見要求1934’を受信する非AP MLD1912は、TDLS発見応答アクションフレーム1942をSTA3 1922に直接リンク上で返送しうる。この場合には、クロスオーバーが生じていても、非AP MLD1は、STA2 1914を使用してTDLS発見応答1942をBSSIDフィールドによって識別される正しいリンク(リンク2)上で直接パスを介してTDLSイニシエータSTA3 1922に送る。
重要なのは、非AP MLD1912が、TDLS発見応答アクションフレーム1942のTAフィールドをTDLSレスポンダフィールドに含まれるものと同じに設定することである。
非AP MLD1912はまた、TDLS発見応答アクションフレーム1942のRAフィールドをSTA3のMACアドレス(STA3‐M)に設定する。そのため、これによりSTA2 1914によってSTA3 1922に直接リンク上で送られるTDLS発見応答アクションフレーム1942などのフレームが、STA3 1922を介して正しく受信されることになる。TDLS発見応答アクションフレーム1942のTAフィールドのSTAまたはMLD MACアドレス(TDLSレスポンダフィールドに含まれるものとも同様)は、直接リンク通信1903において送信されるデータフレームのRAフィールドを設定するためにも使用される。TAフィールドとTDLSレスポンダフィールドとが同じアドレス(STA MACアドレスあるいはMLD MACアドレスのいずれか)を含むことから、TDLSレスポンダフレームはSTA3 1922によって拒否されない。
後続のセットアップ段階1902では、STA3 1922が、TDLSセットアップ要求1954を含むさらなるデータフレーム1952をSTA3 1922からAP MLD1904を介して非AP MLD1912に送信することによって、AP MLD1904を介して非AP MLD1912とのTDLSセットアップを開始しうる。データフレーム1932は、非AP MLD1のMLD MACアドレス(STA‐ML1‐M)に設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ要求1954は、STA3のMACアドレス(STA3‐M)に設定されたTDLSイニシエータフィールド、および非AP MLD1のMLD MACアドレスまたはSTA2のMACアドレスのいずれかに設定されたTDLSレスポンダフィールドを含む。
AP MLD1904は、DAフィールドのMLD MACアドレスに基づいてさらなるデータフレーム1952が非AP MLD1 1912に宛てられていることを識別し、さらなるデータフレーム1952を非AP MLD1 1912の付属STAの1つ、例えば本実施形態ではSTA2 1914に転送する。AP MLD1904はまた、データフレーム1952をSTA2 1914に転送する際に、RAフィールドをSTA2のMACアドレス(STA2‐M)に設定する。そのため、データフレーム1952は、STA2 1914によって正しく受信される。
TDLSセットアップ要求1954を受信する非AP MLD1912は、応答して、TDLSセットアップ応答1964を含む別のデータフレーム1962をAP MLD1904を介してSTA3 1922すなわちTDLSイニシエータに返送しうる。データフレームは、STA3のMACアドレス(STA3‐M)に設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ応答1964は、いずれもTDLSセットアップ要求1954のものと同じMACアドレスにそれぞれ設定されたTDLSイニシエータフィールドおよびTDLSレスポンダフィールドを含む。
データフレーム1962を受信するAP MLD1904は、DAフィールドのSTA3のMACアドレスに基づいて、データフレーム1962に含まれるTDLSセットアップ応答1964がSTA3 1922に宛てられていることを識別し、データフレーム1962をSTA3 1922に転送する。AP MLD1904はまた、データフレーム1962をSTA3 1922に転送する際に、RAフィールドにSTA3のMACアドレス(STA3‐M)を設定する。そのため、データフレームはSTA3 1922によって正しく受信される。
続いて、STA3 1922は、TDLSセットアップ確認1974を含むデータフレーム1972をAP MLD1904を介して非AP MLD1 1912に送信する。データフレーム1972は、非AP MLD1のMACアドレス(STA‐ML1‐M)に設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ確認1974は、いずれもTDLSセットアップ要求1954のものと同じMACアドレスにそれぞれ設定されたTDLSイニシエータフィールドおよびTDLSレスポンダフィールドを含む。
AP MLD1904は、DAフィールドのMLD MACアドレスに基づいて、データフレーム1972が非AP MLD1 1912に宛てられていることを識別し、データフレーム1972を非AP MLD1 1912の付属STAの1つ、例えば本実施形態ではSTA2 1914に転送する。AP MLD1904はまた、データフレーム1972をSTA2 1914に転送する際に、RAフィールドをSTA2のMACアドレス(STA2‐M)に設定する。そのため、データフレーム1972はSTA2 1914によって正しく受信され、セットアップ段階は完了する。
非AP MLD1 1912とSTA3との間のTDLSセットアップが完了すると、非AP MLD1 1912のSTA2 1914とSTA3 1922とが互いに直接ピアツーピア通信を行い、共通の動作リンク(リンク2)において直接パスを介してデータフレーム1982を送信することができる。このようなデータフレーム1982のRAは、TDLS発見応答アクションフレーム1942のTAフィールドのもの(これはTDLSレスポンダフィールドに含まれるものと同じである)と同じMLDまたはSTA MACアドレスとして設定される。
図20は、本開示の一実施形態によるTDLS応答STAであるMLDのアドレス設定プロセスを図解するフローチャート2000を描く。ステップ2002で、TDLSフレームが受信される。ステップ2004で、受信されたTDLSフレームがTDLS発見要求フレームであるかまたはTDLSセットアップフレームであるか、およびTDLS発見要求フレームまたはTDLSセットアップフレームがML指示を含むか否かが判断される。Yesの場合には、ステップ2006が実施され、それ以外の場合にはステップ2008が実施される。ステップ2006では、TDLS応答STAによって直接パスで送信されるフレーム、例えばTDLS発見応答フレーム、データフレームのTAを送信STAのMACアドレスとして設定するステップが行われる。ステップ2008では、TDLS応答STAによって直接パスで送信されるフレームのTAを、TDLSフレームに含まれるリンク識別子エレメントのTDLSレスポンダSTAアドレスフィールドに含まれるアドレスと同じに設定するステップが実施される。アドレス設定プロセスはそれから、ステップ2006または2008を実施した後に終了しうる。あるいは、TDLS応答STAは、TDLS応答STAによって直接パスで送信されるフレームのTAを、TDLSフレームに含まれるリンク識別子エレメントのTDLSレスポンダSTAアドレスフィールドに含まれるアドレスと常に同じに設定することも可能である。
本開示の一実施形態によれば、TLDSセットアップ段階にわたって行われる3ウェイTDLS ピアキー(TPK)ハンドシェイクプロトコルを使用して、全ての直接リンクで交換されるフレームの機密性および認証を提供するために使用されるセキュリティキー(TPK)が導出される。図21は、本開示の一実施形態によるマルチリンクピアツーピア通信のための非MLD AP2104を介した2つの非AP MLD2112、2122の間の通信を図解するフローチャート2100を描く。本実施形態は、TPKセットアップ段階2102および直接リンク通信2103を図解する。
TPKセットアップ段階2102では、非AP MLD1 2112が、TDLSセットアップ要求(TDLSペアワイズマスターキー(PMK:pairwise master key)ハンドシェイクメッセージ1をさらに含む)2134を含むデータフレーム2132をSTA2 2114からAP MLD2104を介して非AP MLD2 2122に送信することによって、AP MLD2104を介して非AP MLD2 2122とのTPKセットアップを開始しうる。データフレーム2132は、非AP MLD2のMLD MACアドレス(STA‐ML2‐M)に設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ要求2134は、リンク識別子エレメントおよび高速BSS移行エレメント(FTE:Fast BSS Transition Element)、ならびに非AP MLD1とML‐TDLSのために要求された1つ以上のリンク上で動作するその付属STAとの情報を含むMLエレメントを含む。
AP MLD2104は、DAフィールドの非AP MLD2のMACアドレスに基づいて、データフレーム2132がその関連する非AP MLD2 2122に宛てられていることを識別し、データフレーム2132を非AP MLD2 2122の付属STAの1つ、例えば本実施形態ではSTA3 2123に転送する。AP MLD2104はまた、データフレーム2132をSTA3 2123に転送する際に、RAフィールドをSTA3のMACアドレス(STA3‐M)に設定する。そのため、データフレーム2132は、STA3 2123によって正しく受信される。
リンク2からリンク1へのクロスオーバーが生じていても、TDLSセットアップ要求2134を受信する非AP MLD2 2122は、応答して、TDLSセットアップ応答(TDLS PMKハンドシェイクメッセージ2をさらに含む)2144を含む別のデータフレーム2142をAP MLD2104を介して非AP MLD1 2112に返送しうる。TDLSセットアップ応答2144は、非AP MLD1のMACアドレス(STA‐ML1‐M)に設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ応答2144は、リンク識別子エレメントおよび高速BSS移行エレメント(FTE)、ならびに非AP MLD2とML‐TDLSのために合意された1つ以上のリンク上で動作するその付属STAとの情報を含むMLエレメントを含む。
データフレーム2142を受信するAP MLD2104は、データフレーム2142に含まれるTDLSセットアップ応答2144が非AP MLD1 2112に宛てられていることを識別し、データフレーム2142を非AP MLD1 2112の付属STAの1つ、例えば本実施形態ではSTA2 2114に転送する。AP MLD2104はまた、データフレーム2142をSTA2 2114に転送する際に、RAフィールドにSTA2のMACアドレス(STA2‐M)を設定する。そのため、データフレームはSTA2 2114によって正しく受信される。
続いて、STA2 2114が、TDLSセットアップ確認(TDLS PMKハンドシェイクメッセージ3をさらに含む)2154を含むデータフレーム2152をAP MLD2104を介して非AP MLD2 2122に送信する。データフレーム2152は、非AP MLD2のMACアドレス(STA‐ML2‐M)に設定されたDAフィールドを含む。TDLSセットアップ確認2154は、リンク識別子エレメントおよび高速BSS移行エレメント(FTE)、ならびに非AP MLD1とML‐TDLSのために確認された1つ以上のリンク上で動作するその付属STAとの情報を含むMLエレメントを含む。
AP MLD2104は、DAフィールドのMACアドレスに基づいて、データフレーム2152が非AP MLD2 2122に宛てられていることを識別し、データフレーム2152を非AP MLD2 2122の付属STAの1つ、例えば本実施形態ではSTA4 2124に転送する。AP MLD2104はまた、データフレーム2152をSTA4 2124に転送する際に、RAフィールドをSTA4のMACアドレス(STA4‐M)に設定する。そのため、データフレーム2152はSTA4 2124によって正しく受信され、セットアップ段階は完了する。
非AP MLD1 2112と非AP MLD2 2122との間のTDLSセットアップが完了すると、非AP MLD1 2112および非AP MLD2 2122からの任意の2つのSTAがそれぞれ互いに直接マルチリンクピアツーピア通信を行い、リンク1およびリンク2において直接パスを介してデータフレームを送信することができる。例えば、STA2とSTA4とが、ならびに、STA1とSTA3とが、リンク2およびリンク1の両方でそれぞれ直接パスを介してデータフレーム2162および2172を交換しうる。
図22Aは、FTE2202のフォーマット例を描く。FTE2202は、エレメントIDフィールド、長さフィールド、メッセージ完全性コード(MIC:Message Integrity Code)制御フィールド、MICフィールド、ANonceフィールド、およびSNonceフィールドを含む。以下の式においてTPK導出が示される。
TPK‐Key‐Input=Hash(min(SNonce,ANonce)||max(SNonce,ANonce)) (式1)
TPK=KDF‐Hash‐Length(TPK‐Key‐Input,“TDLS PMK”,min(MAC_I,MAC_R)||max(MAC_I,MAC_R)||BSSID) (式2)
TPK‐KCK=L(TPK,0,128) (式3)
TPK‐TK=L(TPK,128,長さ‐128) (式4)
式中BSSID、MAC_I、およびMAC_Rはそれぞれ、TDLSセットアップフレームに含まれるリンク識別子エレメントのBSSID、TDLSイニシエータSTAアドレスフィールド、およびTDLSレスポンダSTAアドレスフィールドの値である。これは、リンク識別子エレメントがMLD MACアドレスを含むかまたは付属STAのMACアドレスを含むかに関わらない。
一実施形態では、TDLSセットアップ応答およびTDLSセットアップ確認フレームにおいてデータ発信元認証を提供するためにキー確認キー(KCK:key confirmation key)が使用される一方で、全ての直接リンクで送信される全ての保護されたフレームに機密性を提供するために同じTPK‐TKが使用される。
図22Bは、リンク識別子エレメント2222のフォーマット例を描く。リンク識別子エレメント2222は、エレメントIDフィールド、長さフィールド、BSSIDフィールド、TDLSイニシエータSTAアドレスフィールドおよびTDLSレスポンダSTAアドレスフィールドを含む。
TPKハンドシェイクメッセージ2および3すなわちセットアップ応答およびセットアップ確認のためのメッセージ完全性コード(MIC)の計算の間には、リンク識別子エレメントがMLD MACアドレスを含むかまたは付属STAのMACアドレスを含むかに関わらず、TDLSセットアップフレームに含まれるリンク識別子エレメントのTDLSイニシエータSTAアドレスフィールドおよびTDLSレスポンダSTAアドレスフィールドの値がそれぞれTDLSイニシエータSTA MACアドレスおよびTDLSレスポンダSTA MACアドレスとして使用される。MICは、次の順序で連結したものについて計算されねばならない。
・TDLSイニシエータSTA MACアドレス(6オクテット)
・TDLSレスポンダSTA MACアドレス(6オクテット)
・値2または3に設定されるトランザクションシーケンス番号(1オクテット)
・リンク識別子エレメント
・RSNE
・タイムアウト間隔エレメント
・FTE、FTEのMICフィールドは0に設定される
・MLエレメント(TDLSセットアップフレームにMLエレメントが含まれる場合)
重要なのは、MIC計算にMLエレメントが含まれることである。一実施形態では、上記のMIC計算は、TPK‐KCKおよびAES‐128‐CMACアルゴリズムを用いて行われる。
本開示によれば、ML‐TDLS直接リンク通信では、いずれか1つの直接リンクで2つの非AP MLDの間でトラフィック識別子(TID:traffic identifier)につき交渉されるBlockAck合意は、2つの非AP MLDの間の全ての直接リンクに適用される。換言すれば、両方の非AP MLDによってサポートされる一般的なマルチリンク機能は、全ての直接リンクで利用可能であり、そのような一般的なのマルチリンク機能には、マルチリンクBlockAck、フレームのクロスリンク再送、暗号ブロック連鎖メッセージ認証コードプロトコルによるカウンタモード(CCMP)またはガロア/カウンタモードプロトコル(GCMP)下でのフレームのカプセル化またはカプセル解除の間のMLD MACアドレスベースの追加認証データ(AAD:Additional Authentication Data)およびNonceの構成が含まれる。
任意の直接リンクで交換されるTIDのフレームに同じシーケンス番号スペースおよびパケット番号(PN:Packet Number)スペースが使用される。失敗したフレームの再送も任意の直接リンクで生じうる。保護されたフレームが別の直接リンク上で再送されるときにも同じPNが使用される。
図23は、2つの非AP MLDの間の直接リンクで送信されるデータフレーム2300のフォーマット例を描く。データフレーム2300は、フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御フィールド、QoS制御フィールド、HT制御フィールド、ペイロードフィールドおよびFCSを含む。フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御、QoS制御フィールドおよびHT制御フィールドはMACヘッダとしてグループ化されることができ、ペイロードフィールドはフレームボディである。フレーム制御フィールドは、いずれも0に設定されるTo DSフィールドおよびFrom DSフィールドを含む。
図23Bは、CCMPによるカウンタモードまたはGCMP下でのフレームのカプセル化またはカプセル解除のために使用されるMLD MACアドレスベースのAADの構成2320の例を描く。AADは合計30オクテットを含む。AADは、フレーム制御(FC:Frame Control)フィールド(2オクテット)、MLD‐RAフィールド(6オクテット)、MLD‐TAフィールド(6オクテット)、アドレス3(A3:Address 3)フィールド(6オクテット)、シーケンス制御(SC:Sequence Control)フィールド(2オクテット)、アドレス4(A4)フィールド(6オクテット)およびQOS制御(QC:QOS Control)フィールド(2オクテット)を含む。重要なのは、フレームのA1、A2フィールドではなくAADのA1、A2フィールドにおいてそれぞれ受信MLDおよび送信MLDのMLD MACアドレスが使用されることである。
図23Cは、CCMPによるカウンタモードまたはGCMP下でのフレームのカプセル化またはカプセル解除のために使用されるMLD MACアドレスベースのNonceの構成2340の例を描く。Nonceは合計13オクテットを含む。Nonceは、Nonceフラグ(1オクテット)、MLD‐TAフィールド(6オクテット)およびPNフィールド(6オクテット)を含む。重要なのは、フレームのA2フィールドではなくNonceのA2フィールドにおいて送信MLDのMLD MACアドレスが使用されることである。
2つの非AP MLDの間で直接リンクで交換されるデータフレーム2300のCCMP/GCMPカプセル化/カプセル解除の間のADDおよびNonce計算の規則は以下のとおりである。
a)AADの構成のためのA1フィールドとしてレシピエントMLDのMLD MACアドレスが使用される。
b)AADおよびNonceの構成のためのA2フィールドとして送信MLDのMLD MACアドレスが使用される。
c)非AP MLDがAP MLDに関連する場合には、AADの構成のためのA3フィールドとしてAP MLDのMLD MACアドレスが使用される。それ以外の場合には、保護されたフレームのアドレス3フィールドがA3に使用される。
あるいは、TDLSセットアップフレームに含まれるリンク識別子エレメントのTDLSイニシエータSTAアドレスフィールド、TDLSレスポンダアドレスフィールドおよびBSSIDフィールドに含まれるアドレスが代わりにAADおよびNonceの構成において使用されうる。
一実施形態では、ML‐TDLSリンクスイッチングなどのマルチリンク機能が利用可能である。非AP MLDがそのピア非AP MLDに対し、そのピアMLDが例えば「1」または「True」に設定されたTDLSリンクスイッチングサポートフィールドによりTDLSリンクスイッチングをサポートすることを指示している場合には、既存の直接リンクを別のリンクに切り替えることを要求しうる。TDLSチャネルスイッチ要求/応答フレームが、TDLSリンクスイッチングの目的で利用されうる。フレームはデータフレームにカプセル化され、現在の直接リンク上で送信される。あるいは、新たなフレーム、例えばTDLSリンクスイッチング要求/応答フレームがこの目的のために定義されうる。
図24は、本開示の一実施形態によるAP MLD2402に関連する2つの非AP MLD2412、2422の間のマルチリンクピアツーピア通信を図解するフローチャート2400を描く。非AP MLD1 2412はリンク1上に非AP MLD2 2422とのTDLS直接リンクをセットアップしており、データフレーム2432が2つの非AP MLD2412、2422の間でリンク1上で送信されることが想定される。非AP MLD1 2412は、現在の直接リンク(リンク1)上で非AP MLD2 2422にTDLSチャネルスイッチ要求2442を送信することにより、非AP MLD2 2422との(リンク1上の)その直接リンクを切り替えることを意図しうる。一実施形態では、非AP MLD1 2412は、非AP MLD2 2422によって送信されたTDLS発見応答のTDLSリンクスイッチングサポートフィールドの指示に基づいて、非AP MLD2 2422がTDLSリンクスイッチングをサポートすると判断している。そのような要求2442を受信する非AP MLD2 2422は、応答して、TDLSチャネルスイッチ応答2452を非AP MLD1 2412に現在の直接リンク上で返送しうる。
1つの場合には、リンクスイッチングが成功した場合には、切り替え時間の後に、TDLS直接リンクがリンク1からリンク2に切り替えられ、リンク1上の直接リンクが無効化される。その一方で、リンクスイッチングが失敗した場合には、2つの非AP MLD2412、2422の間のTDLS直接リンクはリンク1上にとどまる。
カプセル化されたデータフレーム(例えばTDLSペイロードを収容するEthertype89‐0dデータフレーム)が、TDLSチャネルスイッチ要求フレームとして使用されうる。図25は、本開示の一実施形態によるTDLSチャネルスイッチ要求フレームを収容するために使用されるEthertype89‐0dデータフレーム2500のフォーマット例を示す。
Ethertype89‐0dデータフレーム2500は、フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御フィールド、QoS制御フィールド、HT制御フィールド、LLCフィールド、SNAPフィールド2502、ペイロードタイプフィールド2504、ペイロードフィールド2506およびFCSを含む。フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御、QOS制御フィールドおよびHT制御フィールドはMACヘッダとしてグループ化されることができ、LLCフィールド、SNAPフィールド2502、ペイロードタイプフィールド2504およびペイロードフィールド2506はフレームボディとしてグループ化されることができる。SNAPフィールド2502は89‐0dのEthertypeに設定され、ペイロードタイプフィールド2504はTDLSに対応するように設定される。ペイロードフィールド2506は、カテゴリフィールド2508、TDLSアクションフィールド2510、ターゲットチャネルフィールド、リンク識別子エレメント2512およびMLエレメント2514を含む。カテゴリフィールド2508は、TDLSに対応するように設定される。TDLSアクションフィールド2510は、TLDSチャネルスイッチ要求に対応するように設定される。リンク識別子エレメント2512は、現在のリンクを指示する。MLエレメント2514は、エレメントIDサブフィールド、長さサブフィールド、エレメントID拡張サブフィールド、タイプフィールド2516と存在ビットマップフィールドとを含むマルチリンク制御サブフィールド、共通情報フィールド2518およびリンク情報フィールド2520を含む。
タイプフィールド2516は、TDLSに対応するように設定される。共通情報フィールド2518は、送信非AP MLDのMLD MACアドレスに対応するように設定されたMLD MACアドレスサブフィールドを含む。リンク情報フィールド2520は、リンクIDサブフィールド、リンク識別子エレメントサブフィールド2522および能力/動作サブフィールドを含む。リンク識別子エレメントサブフィールド2522は、MLDが切り替えようとするターゲットリンクを指示する。あるいは、リンク識別子エレメントサブフィールド2522は存在しなくてもよく、リンクIDフィールドがターゲットリンクを指示する。
本開示によれば、非AP MLDが、APまたはAP MLDに対し、1つのリンク上の単一の要求を介して複数のリンク上でクワイエット期間(QTP)をセットアップすることを要求しうる。図26は、本開示の一実施形態によるAP/AP MLD2602に関連する2つの非AP MLD2612、2622の間のマルチリンクピアツーピア通信を図解するフローチャート2600を描く。非AP MLD1 2612はリンク1およびリンク2上に非AP MLD2 2622とのTDLS直接リンクをセットアップしていることが想定される。非AP MLD1 2612は、AP/AP MLD2602に対し、リンク1上でQTP要求2632を送信することによって、リンク1およびリンク2上でクワイエット期間(QTP)を設定することを要求することができ、QTP要求2632はMLエレメントを含む。MLエレメントは、MLDによってサポートされるさらなるリンク(例えばリンク2)を指示する。
QTP要求2632を受信するAP/AP MLD2602は、応答して、QTP要求が成功したことを指示するQTP応答2642を送信しうる。そのため、リンク1およびリンク2においてQTP機能がセットアップされる。QTPの開始時には、AP/AP MLD2602が、リンクを直接通信のために保護するために複数のリンク上でQTPセットアップフレーム2662、2664を送信しうる。その後、非AP MLD1 2612は、QTP2652内にデータフレーム2672、2674、2682、2684を非AP MLD2 2622に両方の直接リンク、リンク1およびリンク2上で送信することができるようになる。
図27は、クワイエット期間(QTP)要求/応答フレーム2700のフォーマット例を示す。QTP要求/応答フレーム2700は、フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御フィールド、HT制御フィールド、カテゴリフィールド2702、HEアクションフィールド2704、QTPエレメント、MLエレメント2706およびFCSを含む。フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御およびHT制御フィールドはMACヘッダとしてグループ化されることができ、カテゴリフィールド2702、HEアクションフィールド2704、QTPエレメント、MLエレメント2706はフレームボディとしてグループ化されることができる。カテゴリフィールド2702は、HEアクションに対応するように設定される。HEアクションフィールド2704は、QTPに対応するように設定される。MLエレメント2706は、エレメントIDサブフィールド、長さサブフィールド、エレメントID拡張サブフィールド、タイプフィールド2708と存在ビットマップフィールドとを含むマルチリンク制御サブフィールド、共通情報フィールド2710および1つ以上のリンク情報フィールド2712を含む。
タイプフィールド2708は、QTPに対応するように設定される。共通情報フィールド2710は、送信非AP MLDのMLD MACアドレスに対応するように設定されたMLD MACアドレスサブフィールドを含む。1つ以上のリンク情報フィールド2712はそれぞれ、リンクIDサブフィールドと、リンクIDサブフィールドのリンクIDによって識別される他のリンクのQTPパラメータを含むQTPエレメント2714とを含む。
本開示によれば、非AP MLDが、AP MLDに対し、1つ以上のリンク上でリンク上の直接リンク通信のためにTDLS‐ターゲットウェイクタイム(TWT)サービスピリオド(SP)をセットアップすることを要求しうる。図28は、本開示の一実施形態によるAP/AP MLD2602に関連する2つの非AP MLD2612、2622の間のマルチリンクピアツーピア通信を図解するフローチャート2800を描く。非AP MLD1 2612はリンク1およびリンク2上に非AP MLD2 2622との直接リンクをセットアップしていることが想定される。非AP MLD1 2612は、AP/AP MLD2602に対し、リンク1上でTWTセットアップ要求2832を送信することによって、リンク1およびリンク2上でTDLS‐TWT SPをセットアップすることを要求することができ、TWTセットアップ要求2832はMLエレメントを含む。MLエレメントは、MLDによってサポートされるさらなるリンク(例えばリンク2)を指示する。
TWTセットアップ要求2832を受信するAP/AP MLD2602は、応答して、TWTセットアップ要求が成功したことを指示するTWTセットアップ応答2842を非AP MLD1 2612に返送しうる。ML‐TDLSのためのリンク1およびリンク2上のTWT SPに参加することを要求するために、別のSTAまたはMLD、例えば非AP MLD2 2622にアンソリシテッドTWTセットアップ応答2844も送信される。TWT SPは、同じパラメータ(例えば開始時間、期間など)を有するリンク1およびリンク2上の2つの別々のTWT SPでありうる。
任意に、ML‐TDLSのためのTWT SPを保護するために制限付きブロードキャストTWT SPが使用され、TDLS‐TWT SPの間にサードパーティSTAが送信するのを防ぐために(AP/AP MLDによって)各個別TWT SPの上にオーバーレイされる。制限付きブロードキャストTWT SPとは、そのTWT SPのメンバーであるSTAだけがTWT SPの間にチャネルにアクセスすることを許される一方で、他の全てのSTAはこの時間にチャネルにアクセスすることを許されないブロードキャストTWT SPを指す。これは、制限付きブロードキャストTWT SPをアドバタイズするビーコンフレーム2852、2854を各リンク上で送信することによって達成される。TDLS STAペア以外のSTAは、制限付きブロードキャストTWT SPの間にチャネルにアクセスすることを避ける。
このようなTWT SPが非AP MLD、この場合には非AP MLD1 2612によって要求された場合には、ブロードキャスト制限付きTWT SP2862内のML‐TDLS2864のためのTWT SPの開始時に、AP/AP MLD2702が、ピアツーピア(P2P:peer‐to‐peer)送信のためのトリガフレーム2872を直接リンクのそれぞれ、すなわちリンク1およびリンク2に送信しうる。P2P送信のためのトリガフレームは、11axにおいて定義されるMU‐RTSトリガフレームに基づくことができ、または11beによって定義されるMU‐RTSトリガフレームの新たな別形であってもよい。その後、非AP MLD1 2612は、TWT SP2874内にデータフレーム2882、2884、2892、2894を非AP MLD2 2622に両方の直接リンクすなわちリンク1およびリンク2上で送信することができるようになる。
図29は、ターゲットウェイクタイム(TWT)セットアップフレーム2900およびTWTセットアップフレーム2900のTWTエレメント2906のフォーマット例を示す。TWTセットアップフレーム2900は、TWT要求またはTWT応答で使用されることができ、フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御フィールド、HT制御フィールド、カテゴリフィールド2902、アクションフィールド2904、ダイアログトークンフィールド、TWTエレメント2906、MLエレメント2908およびFCSを含む。フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御およびHT制御フィールドはMACヘッダとしてグループ化されることができ、カテゴリフィールド2902、アクションフィールド2904、ダイアログトークンフィールド、TWTエレメント2906、MLエレメントはフレームボディとしてグループ化されることができる。カテゴリフィールド2902は、非保護S1Gアクションに対応するように設定される。アクションフィールド2904は、TWTセットアップに対応するように設定される。MLエレメント2908は、他のリンク上のTWT SPのためのTWTエレメントを含みうる。
TWTエレメント2906は、エレメントIDフィールド、長さフィールド、制御フィールド2910およびTWTパラメータ情報フィールド2912を含む。制御フィールド2910は、ネゴシエーションタイプサブフィールド、TWT情報フレーム無効サブフィールド、ウェイク期間ユニットサブフィールド、マルチAP協調TWTサブフィールドおよびTDLS TWT2914サブフィールドを含む。TDLS TWTサブフィールド2914は、TDLSのためのTWT SPを指示するために使用される。
TWTパラメータ情報フィールド2912は、トリガフィールド2916を含む要求タイプサブフィールド、ターゲットウェイクタイムサブフィールド、名目最小TWTウェイク期間サブフィールド、TWTウェイク間隔仮数サブフィールド、TWTチャネルサブフィールドおよびピアSTA MACアドレスサブフィールド2918を含む。要求タイプサブフィールドのトリガフィールド2916は、非AP MLDからAPまたはAP MLDに対する、直接リンク通信のための送信機会を提供するためにTWT SPの開始時に直接リンク上でトリガフレームを送信する要求を含む。ピアSTA MACアドレスフィールド2918は、TDLSピアSTAのMACアドレスを含む。
本開示は、TWTプロトコルの利点が直接リンク通信に拡張されることを示すのが有利である。TWTセットアップ要求フレームのピアSTA MACアドレスフィールドに含まれるTDLSピアSTAのMACアドレスは、APによってアンソリシテッドTWTセットアップ応答フレームをピアSTAに送信して、ピアSTAも同じTWT SPに参加するように招待するために使用されうる。あるいは、ピアSTAがAPにTWT SPを要求することもできる。
様々な実施形態において、図2Aおよび2Bで前述したように、ML‐TDLS発見は、直接パスでアクセスネットワーククエリプロトコル(ANQP)要求/応答フレーム(グループアドレスジェネリックアドバタイズメントサービス(GAS)要求/応答フレームのタイプ)を交換することによっても行われうる。図30Aは、ANQP要求フレーム3000のフォーマット例を示す。ANQP要求フレーム3000は、フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御フィールド、HT制御フィールド、カテゴリフィールド、パブリックアクションフィールド3002、ダイアログトークンフィールド、アドバタイズメントプロトコルエレメント3004、クエリ要求フィールド3006、およびFCSを含む。フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御およびHT制御フィールドはMACヘッダとしてグループ化されることができ、カテゴリフィールド、パブリックアクションフィールド3002、ダイアログトークンフィールド、アドバタイズメントプロトコルエレメント3004およびクエリ要求フィールド3006はフレームボディとしてグループ化されることができる。パブリックアクションフィールド3002はGAS要求に対応するように設定され、アドバタイズメントプロトコルエレメント3004はANQPに対応するように設定される。クエリ要求フィールド3006は、図30Cで詳述されるTDLS能力ANQPエレメントを含む。
図30Bは、ANQP応答フレーム3020のフォーマット例を示す。ANQP応答フレーム3020は、フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御フィールド、HT制御フィールド、カテゴリフィールド、パブリックアクションフィールド3022、ダイアログトークンフィールド、ステータスコードフィールド、アドバタイズメントプロトコルエレメント3024、クエリ応答フィールド3026、およびFCSを含む。フレーム制御フィールド、期間フィールド、アドレス1フィールド、アドレス2フィールド、アドレス3フィールド、シーケンス制御およびHT制御フィールドはMACヘッダとしてグループ化されることができ、カテゴリフィールド、パブリックアクションフィールド3022、ダイアログトークンフィールド、ステータスコードフィールド、アドバタイズメントプロトコルエレメント3024およびクエリ応答フィールド3026はフレームボディとしてグループ化されることができる。同様に、パブリックアクションフィールド3022はGAS要求に対応するように設定され、アドバタイズメントプロトコルエレメント3024はANQPに対応するように設定される。クエリ応答フィールド3026は、図30Cで詳述されるTDLS能力ANQPエレメントを含む。
図30Cは、TDLS能力ANQPエレメント3040のフォーマット例を示す。TDLS能力ANQPエレメント3040は、クエリ要求フィールド3006およびクエリ応答フィールド3026に含まれ、MLDならびにサポートされる直接リンクの情報を含む。TDLS能力ANQPエレメント3040は、情報IDフィールド3042、長さフィールド、ピア情報フィールド3044を含む。情報IDフィールド3042は、TDLS能力に対応するように設定される。ピア情報フィールド3044は、モードフィールド、ANQPフレームが送信されるリンク上で動作するMLDのBSSIDおよびMACアドレスを表すBSSIDフィールドおよびMACフィールド、ネットワーク情報フィールド3046、MLDについての情報を含むMLD情報フィールド3048、ならびに、リンク上で動作するSTAのBSSIDおよびMACアドレスなどMLDの他のリンクの情報を含む他リンク情報フィールド3050を含む。
ネットワーク情報フィールド3046は、ネットワークがDHCP、IPまたはネットマスクであるかを指示する。MLD情報フィールド3048は、サポートリンク数フィールドおよび送信MLDのMLD MACアドレスを含む。TDLS能力ANQPエレメント3040は、ANQP応答フレームが送信されるリンク以外のリンクについての情報を含む1つ以上の他リンク情報フィールド3050を含みうる。一実施形態では、TDLS能力ANQPエレメント3040は、ANQP要求フレームに他リンク情報フィールド3050を1つも含まない。本開示は、ANQPを使用したML‐TDLS発見も可能にし、ANQP応答フレームの他リンク情報フィールドが他のリンクについての情報を含みうるのが有利である。
本開示によれば、非AP MLD(TDLSイニシエータ)によってTDLS発見要求フレームを送信することによってML‐TDLS発見が開始されるときには、TDLS MLエレメントを含む代わりに、TDLS発見要求フレームは、送信STAが非AP MLDに付属することを識別するための指示、例えばリンク識別子エレメントを含みうる。リンク識別子エレメントを含むTDLS発見要求フレームを受信する非AP MLDは、TDLSイニシエータがMLDであることを認識でき、それに応じて応答する。
図31は、ML指示としてTDLS発見要求フレームに含まれるリンク識別子エレメント3100のフォーマット例を示す。リンク識別子エレメント3100は、エレメントIDフィールド、長さフィールド、BSSIDフィールド、TDLSイニシエータSTAアドレスフィールド、TDLSレスポンダSTAアドレスフィールド、サポートリンク数フィールドとMLD MACフィールドとを含むMLD情報フィールドを含む。これにより、TDLS発見要求フレームを使用したML‐TDLS発見のためのシグナリングオーバーヘッドが低減されるのが有利である。
図32は、通信デバイス3200ならびに通信デバイス3200に付属する2つの通信装置3202、3204の構成例を示す。通信デバイス3200は、非AP MLDとして実施され、付属する通信装置3202、3204のそれぞれは、本開示における様々な実施形態によるマルチリンクピアツーピア通信およびマルチリンクTDLS発見/セットアップのために構成されたSTAとして実施されうる。通信デバイス3200は、上述した実施形態によるマルチリンクTDLS発見/セットアップを行うために構成されたマルチリンクTDLSモジュール3212をさらに含む。通信デバイス3200は、インターネットレイヤおよび/または分散サービス(DS:Distribution Service)と通信するために使用されるMAC SAP3210をさらに含む。通信デバイスに付属する通信装置3202、3204はそれぞれ、関連のためのリンク3226、3236を提供し、他の外部通信装置/デバイスおよび/またはDSとの間で信号を送信/受信することができる。各付属通信装置3202、3204は、MACレイヤ3222、3232およびPHY(物理)レイヤ3224、3234を含み、PHYレイヤは、他の通信装置/デバイスとの間で対応するリンク3226、3236を通じて信号を送信/受信するために使用される無線送信器、無線受信器およびアンテナと接続する。一実施形態では、MACレイヤ3222、3232は、そのSTA MACアドレスを記憶するストレージモジュールと、レガシーSTAとの間のトラフィックのためにインターネットレイヤおよび/またはDSと直接通信するための任意のSTA MAC SAPとを含む。
図33は、通信デバイス3300ならびに通信デバイス3300に付属する2つの通信装置3302、3304の構成例を示す。通信デバイス3300は、AP MLDとして実施され、付属する通信装置3302、3304のそれぞれは、本開示における様々な実施形態によるマルチリンクピアツーピア通信およびマルチリンクTDLS発見/セットアップのために構成されたAPとして実施されうる。通信デバイス3300は、各関連する非AP MLDのMLD MACアドレスおよび各関連するMLDに付属するSTAのMACアドレス、非AP MLDに割り当てられた関連付けID(AID:Association ID)などを記憶する関連付けレコードモジュール3316を含む。通信デバイス3300は、関連するSTAからデータフレームを受信し、データフレームの宛先アドレスが別の関連するSTAまたはMLDに関係することを判断し、それに応じてデータフレームを別の関連するSTAまたはMLDに転送し、受信デバイスがMLDであるかまたは非MLD STAであるかに基づいて転送されるフレームのSAフィールドを設定するための、データフレーム転送モジュール3312をさらに含む。通信デバイス3300は、関連するSTAおよび/またはMLDの間の直接リンク(単数または複数)上でQTP機能(例えば関連するSTAからQTP要求を受信し、QTP応答およびQTPセットアップフレームを関連するSTAに送信する)およびTWT機能(例えば関連するSTAからTWTセットアップ要求を受信し、TWTセットアップ応答、ビーコンフレームおよびトリガフレームを関連するSTAに送信する)をセットアップするための、ML‐QTP/ML‐TWT処理モジュール3314も含む。
通信デバイス3300は、インターネットレイヤおよび/またはDSと通信するために使用されるMAC SAP3310をさらに含む。通信デバイスに付属する通信装置3302、3304はそれぞれ、関連のためのリンク3326、3336を提供し、他の外部通信装置/デバイスおよび/またはDSとの間で信号を送信/受信することができる。各付属通信装置3302、3304は、MACレイヤ3322、3332およびPHY(物理)レイヤ3324、3334を含み、PHYレイヤは、他の通信装置/デバイスとの間で対応するリンク3326、3336を通じて信号を送信/受信するために使用される無線送信器、無線受信器およびアンテナと接続する。一実施形態では、MACレイヤは、そのAP MACアドレスを記憶するストレージモジュールと、レガシーSTAとの間のトラフィックのためにインターネットレイヤと直接通信するための任意のAP MAC SAPとを含む。
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア、またはハードウェアと協働するソフトウェアによって実現されうる。上述した各実施形態の説明において使用される各機能ブロックは、その一部または全体が集積回路等のLSIによって実施されることができ、各実施形態において説明される各プロセスは、その一部または全体が同じLSIまたはLSIの組み合わせによって制御されることができる。LSIは、チップとして個別に形成されることができ、または、機能ブロックの一部または全てを含むように1つのチップが形成されることができる。LSIは、自身に結合されたデータ入出力部を含みうる。ここでLSIは、集積度の違いに応じて、IC、システムLSI、スーパーLSI、またはウルトラLSIと呼称されうる。しかし、集積回路を実装する技術はLSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ、または専用プロセッサを使用することによって実現されうる。加えて、LSIの製造後にプログラムされうるFPGA(Field Programmable Gate Array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)、またはLSI内部に配置される回路セルの接続および設定が再構成されうるリコンフィギャラブルプロセッサが使用されうる。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実現されうる。将来の集積回路技術が、半導体技術または別の派生技術の進歩の結果としてLSIに置き換わる場合には、将来の集積回路技術を使用して機能ブロックが集積化されうる。バイオテクノロジも応用されうる。
本開示は、通信デバイスと呼称される通信の機能を有する任意の種類の装置、デバイスまたはシステムによって実現されうる。
そのような通信デバイスのいくつかの非限定的な例には、電話(例えばセルラ(携帯)電話、スマートフォン)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(例えばラップトップ、デスクトップ、ネットブック)、カメラ(例えばデジタルスチル/ビデオカメラ)、デジタルプレーヤ(デジタルオーディオ/ビデオプレーヤ)、ウェアラブルデバイス(例えばウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、追跡デバイス)、ゲームコンソール、デジタルブックリーダ、テレヘルス/テレ医療(遠隔ヘルスおよび医療)デバイス、および通信機能を提供する車両(例えば自動車、飛行機、船)、ならびにこれらの様々な組み合わせが含まれる。
通信デバイスは、携帯型または移動式に限定されず、スマートホームデバイス(例えば電化製品、照明、スマートメータ、制御パネル)、自動販売機および「モノのインターネット(IoT:Internet of Things)」のネットワーク内の任意の他の「モノ」等、非携帯型または固定式の任意の種類の装置、デバイスまたはシステムも含みうる。
通信は、例えばセルラシステム、ワイヤレスLANシステム、衛星システムなど、およびそれらの様々な組み合わせを通じたデータ交換を含みうる。
通信デバイスは、本開示に記載の通信の機能を行う通信装置に連結されたコントローラまたはセンサ等の装置を含みうる。例えば、通信デバイスは、通信デバイスの通信機能を行う通信装置によって使用される制御信号またはデータ信号を生成するコントローラまたはセンサを含みうる。
通信デバイスは、基地局、アクセスポイント等のインフラストラクチャ設備、および上記の非限定的な例の中のもの等の装置と通信するかまたはそれらを制御する任意の他の装置、デバイスまたはシステムも含みうる。
ステーションの非限定的な例は、マルチリンクステーション論理エンティティ(すなわちMLDなど)に付属する第1の複数のステーションに含まれるものとすることができ、マルチリンクステーション論理エンティティに付属する第1の複数のステーションの一部として、第1の複数のステーションうちのステーションは、上位レイヤへの共通の媒体アクセス制御(MAC)データサービスインタフェースを共有し、共通のMACデータサービスインタフェースは、共通のMACアドレスまたはトラフィック識別子(TID)に関連する。
したがって、本発明の実施形態は、マルチリンク通信の、特にマルチリンク保証再送でのスループット向上を完全に実現するために、複数のリンクでの動作のための通信デバイスおよび方法を提供することが分かる。
以下の実施例が本開示に記載される。
1.第1マルチリンクデバイス(MLD)に付属する複数の通信装置うちの通信装置であって、複数の通信装置はそれぞれ、第1MLDの対応するリンクにおいて動作し、通信装置は、
動作時に要求フレームを生成する回路であって、要求フレームは、別の通信装置のピアツーピア通信能力を発見するための発見要求フレーム、または1つ以上の直接リンクのセットアップを要求するためのセットアップ要求フレームのうちの1つであり、要求フレームは、通信装置が第1MLDに付属することを識別するマルチリンク(ML)指示を含む、回路と、
動作時に要求フレームを一つのリンクにおいて送信する送信器と、
を含む通信装置。
2.要求フレームは、トンネル直接リンクセットアップ(TDLS)発見要求フレーム、TDLSセットアップ要求フレームおよびアクセスネットワーククエリプロトコル(ANQP)要求フレームのうちの1つである、
実施例1に記載の通信装置。
3.ML指示はMLエレメントであり、MLエレメントは、第1MLDについての情報および第1MLDによってサポートされる少なくとも1つの他のリンクの情報を含む、実施例1に記載の通信装置。
4.ML指示は、TDLS発見要求フレームのリンク識別子エレメントおよびANQP要求フレームのTDLS能力ANQPエレメントのうちの1つに対応して含まれる、
実施例2に記載の通信装置。
5.動作時に他の通信装置からMLエレメントを含むTDLS発見応答フレームを受信する受信器であって、MLエレメントは、他の通信装置が付属する第2MLDについての情報および第2MLDによってサポートされる少なくとも1つの他のリンクの情報を含む、受信器、
をさらに含む、実施例1に記載の通信装置。
6.動作時に他の通信装置からMLフィールドを含むANQP応答フレームを受信する受信器であって、MLフィールドは、他の通信装置が付属する第2MLDについての情報および第2MLDによってサポートされる少なくとも1つの他のリンクの情報を含む、受信器、
をさらに含む、実施例1に記載の通信装置。
7.回路は、TDLSセットアップ要求フレームおよびTDLSセットアップ確認フレームのうちの少なくとも1つを生成するようにさらに構成され、TDLSセットアップ要求フレームおよびTDLSセットアップ確認フレームのうちの少なくとも1つはMLエレメントを含み、MLエレメントは、第1MLDについての情報および第1MLDによってサポートされる少なくとも1つの他のリンクの情報を含み、送信器は、TDLSセットアップ要求フレームおよびTDLSセットアップ確認フレームのうちの少なくとも1つを、他の通信装置が付属する第2MLDにさらに送信する、
実施例1に記載の通信装置。
8.動作時に他の通信装置からMLエレメントを含むTDLSセットアップ応答フレームを受信する受信器であって、MLエレメントは、他の通信装置が付属する第2MLDについての情報および第2MLDによってサポートされる少なくとも1つの他のリンクの情報を含む、受信器、
をさらに含む、実施例1に記載の通信装置。
9.TDLSセットアップ要求フレーム、TDLSセットアップ応答フレームおよびTDLSセットアップ確認フレームの交換に応答して、回路は、
第1MLDと第2MLDとの間に1つ以上の直接リンクをセットアップする、
ようにさらに構成される、実施例7または8に記載の通信装置。
10.TDLSセットアップ要求フレーム、TDLSセットアップ応答フレームおよびTDLSセットアップ確認フレームのうちの少なくとも1つは、TDLSピアキー(TPK)ハンドシェイクメッセージを含み、回路は、
1つ以上の直接リンク上で送信される1つ以上のフレームを暗号化するためおよび/または1つ以上の直接リンク上で受信される1つ以上のフレームを復号するためのTPKを生成する、
ようにさらに構成される、実施例9に記載の通信装置。
11.TDLSセットアップ要求フレーム、TDLSセットアップ応答フレームおよびTDLSセットアップ確認フレームのうちの少なくとも1つはそれぞれ対応するMLエレメントを含み、回路は、
対応するMLエレメントに基づいてTDLSセットアップ応答フレームおよびTDLSセットアップ確認フレームのそれぞれのメッセージ完全性コードを計算する、
ようにさらに構成される、実施例10に記載の通信装置。
12.第1MLDおよび第2MLDによってサポートされる一般的なマルチリンク機能は、1つ以上の直接リンクにおいて利用可能であり、一般的なマルチリンク機能は、マルチリンクblock ack、フレームのクロスリンク再送、暗号ブロック連鎖メッセージ認証コードプロトコルによるカウンタモード(CCMP)またはガロア/カウンタモードプロトコル(GCMP)下でのフレームのカプセル化またはカプセル解除の間のMLD MACアドレスベースの追加認証データおよびNonceの構成を含む、
実施例9に記載の通信装置。
13.回路は、1つ以上の直接リンクのうちの1つから別の1つに切り替えるためのTDLSチャネルスイッチ要求フレームを生成するようにさらに構成され、TDLSチャネルスイッチ要求フレームはMLエレメントを含み、MLエレメントは、1つ以上の直接リンクのうちの他の1つのリンクの情報を含み、送信器は、TDLSチャネルスイッチ要求フレームを第2MLDにさらに送信する、
実施例9に記載の通信装置。
14.回路は、1つ以上の直接リンクのうちの少なくとも1つのリンク上でクワイエット期間をセットアップするためのクワイエット期間(QTP)要求フレームを生成するようにさらに構成され、QTP要求フレームはMLエレメントを含み、MLエレメントは、1つ以上の直接リンクのうちの少なくとも1つのリンクの情報を含み、送信器は、QTP要求フレームを第1MLDに関連するアクセスポイントマルチリンクデバイス(AP MLD)にさらに送信する、
実施例9に記載の通信装置。
15.動作時に他の通信装置から要求フレームを受信する受信器であって、要求フレームは、通信装置のピアツーピア通信能力を発見するための発見要求フレーム、または1つ以上の直接リンクのセットアップを要求するためのセットアップ要求フレームのうちの1つであり、回路は、
受信された要求フレームが他の通信装置が第2MLDに付属することを識別するML指示を含むか否かを判断し、
受信された要求フレームが他の通信装置が第2MLDに付属することを識別するML指示を含むと判断したことに応答して、1つ以上の直接リンクのうちの1つで送信されるフレームの送信器アドレス(TA)フィールドを受信された要求フレームのリンク識別子エレメントのTDLSレスポンダステーション(STA)アドレスフィールドに含まれるアドレスに設定し、
受信された要求フレームが他の通信装置が第2MLDに付属することを識別するML指示を含まないと判断したことに応答して、1つ以上の直接リンクのうちの1つで送信されるフレームのTAフィールドを1つ以上の直接リンクのうちの1つでフレームを送信する第2MLDの付属する通信装置の媒体アクセス制御(MAC)アドレスに設定する
ようにさらに構成される、受信器、
をさらに含む、実施例1に記載の通信装置。
16.回路は、1つ以上の直接リンクのうちの少なくとも1つのリンク上でTWTサービスピリオド(SP)をセットアップするためのターゲットウェイクタイム(TWT)セットアップ要求フレームを生成するようにさらに構成され、TWTセットアップ要求フレームは、1つ以上の直接リンクのうちの少なくとも1つのリンクのためのTWT SPの情報を含むTWTエレメントを含み、送信器は、TWTセットアップ要求フレームを第1MLDに関連するAP MLDにさらに送信する、
実施例9に記載の通信装置。
17.TWTセットアップ要求フレームはMLエレメントを含み、MLエレメントは、1つ以上のリンクのうちの少なくとも1つのリンクの情報を含む、
実施例16に記載の通信装置。
18.回路は、
他の通信装置が第2MLDに付属しないときには、TDLS発見要求フレームの送信器アドレスフィールドを通信装置のMACアドレスに設定する
ようにさらに構成される、
実施例2に記載の通信装置。
19.AP MLDに付属する複数のAPのうちのアクセスポイント(AP)であって、複数のAPはそれぞれAP MLDの対応するリンクにおいて動作し、APは、
動作時に、MLDに付属する関連する通信装置から宛先アドレス(DA)フィールドがMLDに付属しない別の関連する通信装置に設定されたデータフレームを一つのリンクにおいて受信する受信器と、
動作時にデータフレームの送信元アドレス(SA)フィールドを関連する通信装置のMACアドレスとして設定する回路と、
動作時にデータフレームを他の関連する通信装置に送信する送信器と、
を含む、アクセスポイント(AP)。
20.要求フレームを生成するステップであって、要求フレームは、通信装置のピアツーピア通信能力を発見するための発見要求フレーム、または1つ以上の直接リンクのセットアップを要求するためのセットアップ要求フレームのうちの1つであり、要求フレームは、要求フレームを送信する別の通信装置がMLDに付属することを識別するML指示を含む、ステップと、
要求フレームを一つのリンクにおいて送信するステップと、
を含む通信方法。
本発明の実施形態の以上の詳細な説明には例示的な実施形態が提示されているが、膨大な数の変形例が存在することが認識されねばならない。例示的な実施形態は例であり、本開示の範囲、適用可能性、動作、または構成をいかなる点でも限定することを意図していないことがさらに認識されねばならない。むしろ、以上の詳細な説明は、例示的な実施形態を実施するための便利なロードマップを当業者に提供するであろうが、添付の特許請求の範囲に記載される主題の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に記載されるステップの機能および配置ならびに動作方法ならびに例示的な実施形態に記載されたデバイスのモジュールおよび構造に様々な変更が加えられうるものと理解される。

Claims (15)

  1. 第1マルチリンクデバイス(MLD)に付属する複数の通信装置のうちの通信装置であって、前記複数の通信装置はそれぞれ、前記第1MLDの対応するリンクにおいて動作し、
    前記通信装置は、
    動作時に要求フレームを生成する回路であって、前記要求フレームは、別の通信装置のピアツーピア通信能力を発見するための発見要求フレーム、または1つ以上の直接リンクのセットアップを要求するためのセットアップ要求フレームのうちの1つであり、前記要求フレームは、前記通信装置が前記第1MLDに付属することを識別するマルチリンク(ML)指示を含む、回路と、
    動作時に前記要求フレームを一つのリンクにおいて送信する送信器と、
    を含む通信装置。
  2. 前記要求フレームは、トンネル直接リンクセットアップ(TDLS)発見要求フレーム、TDLSセットアップ要求フレームおよびアクセスネットワーククエリプロトコル(ANQP)要求フレームのうちの1つである、
    請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記ML指示はMLエレメントであり、前記MLエレメントは、前記第1MLDについての情報および前記第1MLDによってサポートされる少なくとも1つの他のリンクの情報を含む、
    請求項1に記載の通信装置。
  4. 前記ML指示は、前記TDLS発見要求フレームのリンク識別子エレメントおよび前記ANQP要求フレームのTDLS能力ANQPエレメントのうちの1つに対応して含まれる、
    請求項2に記載の通信装置。
  5. 動作時に他の通信装置からMLエレメントを含むTDLS発見応答フレームを受信する受信器であって、前記MLエレメントは、他の通信装置が付属する第2MLDについての情報および前記第2MLDによってサポートされる少なくとも1つの他のリンクの情報を含む、受信器、
    をさらに含む、請求項1に記載の通信装置。
  6. 動作時に他の通信装置からMLフィールドを含むANQP応答フレームを受信する受信器であって、前記MLフィールドは、他の通信装置が付属する第2MLDについての情報および前記第2MLDによってサポートされる少なくとも1つの他のリンクの情報を含む、受信器、
    をさらに含む、請求項1に記載の通信装置。
  7. 前記回路は、TDLSセットアップ要求フレームおよびTDLSセットアップ確認フレームのうちの少なくとも1つを生成するようにさらに構成され、前記TDLSセットアップ要求フレームおよび前記TDLSセットアップ確認フレームのうちの前記少なくとも1つはMLエレメントを含み、前記MLエレメントは、前記第1MLDについての情報および前記第1MLDによってサポートされる少なくとも1つの他のリンクの情報を含み、
    前記送信器は、前記TDLSセットアップ要求フレームおよび前記TDLSセットアップ確認フレームのうちの前記少なくとも1つを、他の通信装置が付属する第2MLDにさらに送信する、
    請求項1に記載の通信装置。
  8. 動作時に他の通信装置からMLエレメントを含むTDLSセットアップ応答フレームを受信する受信器であって、前記MLエレメントは、他の通信装置が付属する第2MLDについての情報および前記第2MLDによってサポートされる少なくとも1つの他のリンクの情報を含む、受信器、
    をさらに含む、請求項1に記載の通信装置。
  9. 前記TDLSセットアップ要求フレーム、前記TDLSセットアップ応答フレームおよび前記TDLSセットアップ確認フレームの交換に応答して、前記回路は、
    前記第1MLDと前記第2MLDとの間に1つ以上の直接リンクをセットアップする、
    ようにさらに構成される、請求項7または8に記載の通信装置。
  10. 前記TDLSセットアップ要求フレーム、前記TDLSセットアップ応答フレームおよび前記TDLSセットアップ確認フレームのうちの前記少なくとも1つは、TDLSピアキー(TPK)ハンドシェイクメッセージを含み、前記回路は、
    前記1つ以上の直接リンク上で送信される1つ以上のフレームを暗号化するためおよび/または前記1つ以上の直接リンク上で受信される1つ以上のフレームを復号するためのTPKを生成する、
    ようにさらに構成される、請求項9に記載の通信装置。
  11. 前記TDLSセットアップ要求フレーム、前記TDLSセットアップ応答フレームおよび前記TDLSセットアップ確認フレームのうちの前記少なくとも1つはそれぞれ対応するMLエレメントを含み、前記回路は、
    前記対応するMLエレメントに基づいて前記TDLSセットアップ応答フレームおよび前記TDLSセットアップ確認フレームの前記それぞれのメッセージ完全性コードを計算する、
    ようにさらに構成される、請求項10に記載の通信装置。
  12. 前記第1MLDおよび前記第2MLDによってサポートされる一般的なマルチリンク機能は、前記1つ以上の直接リンクにおいて利用可能であり、前記一般的なマルチリンク機能は、マルチリンクblock ack、フレームのクロスリンク再送、暗号ブロック連鎖メッセージ認証コードプロトコルによるカウンタモード(CCMP)またはガロア/カウンタモードプロトコル(GCMP)下でのフレームのカプセル化またはカプセル解除の間のMLD MACアドレスベースの追加認証データおよびNonceの構成を含む、
    請求項9に記載の通信装置。
  13. 前記回路は、前記1つ以上の直接リンクのうちの1つから別の1つに切り替えるためのTDLSチャネルスイッチ要求フレームを生成するようにさらに構成され、前記TDLSチャネルスイッチ要求フレームはMLエレメントを含み、前記MLエレメントは、前記1つ以上の直接リンクのうちの他の1つのリンクの情報を含み、
    前記送信器は、前記TDLSチャネルスイッチ要求フレームを前記第2MLDにさらに送信する、
    請求項9に記載の通信装置。
  14. AP MLDに付属する複数のAPのうちのアクセスポイント(AP)であって、前記複数のAPはそれぞれ前記AP MLDの対応するリンクにおいて動作し、
    前記APは、
    動作時に、MLDに付属する関連する通信装置から宛先アドレス(DA)フィールドがMLDに付属しない別の関連する通信装置に設定されたデータフレームを一つのリンクにおいて受信する受信器と、
    動作時に前記データフレームの送信元アドレス(SA)フィールドを前記関連する通信装置のMACアドレスとして設定する回路と、
    動作時に前記データフレームを他の関連する通信装置に送信する送信器と、
    を含む、アクセスポイント(AP)。
  15. 要求フレームを生成するステップであって、前記要求フレームは、通信装置のピアツーピア通信能力を発見するための発見要求フレーム、または1つ以上の直接リンクのセットアップを要求するためのセットアップ要求フレームのうちの1つであり、前記要求フレームは、前記要求フレームを送信する別の通信装置がMLDに付属することを識別するML指示を含む、ステップと、
    前記要求フレームを一つのリンクにおいて送信するステップと、
    を含む通信方法。
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