JP2024507511A - ネスト化された静電線形イオントラップおよびそれを動作させる方法 - Google Patents

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Abstract

ELITを動作させる方法およびシステムが本明細書中に援用される。本教示の様々な局面にしたがうと、各グループがELIT内の異なる経路長に沿って振動する場合、イオンの2つの異なるグループの同時捕捉を可能にし得るELITが提供される。本教示の様々な局面にしたがうと、中心において穴を有し、中心軸に沿って整列させられた電極プレートの第1の組および第2の組を備えているELITが提供される。いくつかの局面において、検出器は、電極プレートの第1の組と電極プレートの第2の組との間に配置され得る。ELITはまた、1つ以上の電圧源と、該1つ以上の電圧源に動作可能に結合されたコントローラとを備えている。

Description

(関連出願)
本願は、2021年2月26日に出願され、“Nested Electrostatic Linear Ion Traps and Methods of Operating the Same”と題された米国仮出願第63/154,445号に対する優先権を主張するものであり、該米国仮出願の内容は、全体が参照により本明細書中に援用される。
(分野)
本教示は、概して、静電線形イオントラップ(ELIT)を使用してイオンを分析する方法およびシステムに関する。
静電線形イオントラップ(ELIT)は、典型的に、中心ピックアップ電極の両側の電極イオンミラー(リフレクトロン)間に、軸に沿ってイオンが閉じ込められる質量分析器である。ELITにおけるイオンの平均運動エネルギー(平均速度)は、注入方法、電極の幾何学的形状、および捕捉電位によって固定される。結果として、ELIT内のイオンは、質量対電荷比(m/z)固有の平均速度で端部から端部まで軸に沿って前後に振動する。リフレクトロン間のイオン振動は、電流を生成し、以下のように、イオン振動の周波数は、捕捉されたイオンのm/zを計算するために使用され得る:
ここで、kおよびbは、実験的に決定された定数である。このようにして、ピックアップ電極上に誘導された電荷は、質量スペクトルを計算するために、デジタル化され、Fourier変換(FT)を受け得る。公知のELITの実施例は、例えば、Dziekonskiらによって、International Journal of Mass Spectrometry 410:12-21 (2016)において掲載された“Voltage-induced frequency drift correction in Fourier transform electrostatic linear ion trap mass spectrometry using mirror-switching”(非特許文献1)と題された論文において記載されており、該論文の教示は、全体が参照により本明細書中に援用されている。
PCT公開第WO2020/121166号(特許文献1)(これも、全体が参照により本明細書中に援用される)は、別の例示的ELITを記載しており、それは、低分解能で幅広いm/z範囲を分析するか、またはより高い分解能でより狭いm/z範囲を分析するかのいずれかを行うように代替的に動作させられ得る。ELITの軸方向長は、固定された獲得時間およびイオン運動エネルギーに対して、FT分解能に反比例し(例えば、より長い振動経路長は、より低い振動周波数をもたらす)、PCT公開第WO2020/121166号は、ELITの様々な電極に対する電圧の選択的印加を通して振動経路長を調節し、それによって、イオン注入の各イオンELIT分析に対するm/z範囲および/または分解能の選択を可能にし得るシステムを提供している。そのようなシステムは、例えば、並行して稼働する異なる分析パラメータを有する2つ以上のELITを必要とすること(例えば、部品の複製を必要とする)なしに、または、ELITをリフレクトロンの異なる構成を有する異なるELITと物理的に交換するために真空を破壊すること(例えば、ダウンタイムおよび熟練労働を必要とする)なしに、トラップの中に注入された全てのイオンに対するELIT分析のパラメータをユーザが選択することを可能にする。
しかしながら、静電線形イオントラップ(ELIT)を使用してイオンを分析する改良された方法およびシステムに対する必要性が残っている。
国際公開第2020/121166号
電圧が高い質量分解能/精度を達成するためにELIT分析窓の全体にわたって安定していなければならないので、従来のELITにおける電力供給部は、多くの場合、非常に長い時間定数(数ミリ秒から数秒、そして数分)を示すフィルタリングネットワークを有する。したがって、従来のシステムにおいて、リフレクトロンに印加される電位を調節する前にELIT分析が完了させられるのを待たなければならないだけではなく、これらの電位がそれらの最終的な調節された値まで傾斜させられ、ELITが必要な安定化基準を達成するまで、トラップが使用不可能なままでもあり、イオン振動経路長に対する変更が必要とされる場合、ELITのデューティサイクルを減少させる可能性がある。本教示の特定の局面にしたがうと、ELIT内で各グループが異なる経路長に沿って振動する場合、イオンの異なる2つの異なるグループの同時捕捉を可能にし、それによってデューティサイクルを改良し得るシステムおよび方法が提供される。
本教示の様々な局面にしたがうと、中心において穴を有し、中心軸に沿って整列させられた電極プレートの第1の組および第2の組を備えているELITが提供される。いくつかの局面において、検出器は、電極プレートの第1の組と電極プレートの第2の組との間に配置され得る。ELITはまた、1つ以上の電圧源と、該1つ以上の電圧源に動作可能に結合されたコントローラとを備えており、該コントローラは、電圧を電極の第1の組および第2の組のプレートの第1のグループに印加し、プレートの第1のグループに、中心軸に沿った第1の経路長内にイオンの第1のグループを捕捉させることと、それと同時に、電圧を第1の組および第2の組のプレートの第2のグループに印加し、プレートの第2のグループに、中心軸に沿った第2の経路長内にイオンの第2のグループを捕捉させることであって、第2の経路長は、第1の経路長よりも長い、こととを行うように構成されている。
様々な局面において、コントローラは、プレートの第2のグループに、イオンの第1のグループが第1の経路長内に捕捉されている間に、イオンの第2のグループを第2の経路長内に捕捉させるようにさらに構成され得る。いくつかの関連する局面において、コントローラは、電極プレートの第1の組および第2の組の中へのイオンの第1のグループおよび第2のグループの注入を制御するように構成され得る。実施例として、コントローラは、イオンの第1のグループおよび第2のグループが電極プレートの第1の組および第2の組の中に注入される上流のイオントラップに動作可能に結合され得る。
特定の局面において、システムは、イオンの振動を検出する少なくとも1つの検出器を備え得る。例えば、いくつかの局面おいて、少なくとも1つの検出器は、電極プレートの第1の組と電極プレートの第2の組との間に配置され得る。いくつかの関連する局面において、少なくとも1つの検出器は、第1の経路長に沿って振動しているイオンの第1のグループによって誘導された電流と、第2の経路長に沿って振動しているイオンの第2のグループによって誘導された電流とを測定するように構成され得る。いくつかの局面において、システムは、第1の経路長に沿って振動しているイオンの第1のグループによって誘導された電流を測定するように構成された第1の検出器と、第2の経路長に沿って振動しているイオンの第2のグループによって誘導された電流を測定するように構成された第2の検出器とを備え得る。
本教示の様々な局面にしたがうと、イオンの第1のグループおよび第2のグループは、極性および注入エネルギーのうちの少なくとも1つが異なり得る。
特定の例示的局面において、プレートの第1のグループおよびプレートの第2のグループは、いかなるプレートも共有していない。
様々な局面において、プレートの第1のグループおよびプレートの第2のグループの各々は、少なくとも1つの捕捉プレート、ターニングポイントの近くの電場の曲率を変化させる少なくとも1つのプレート、およびイオンを半径方向に閉じ込める少なくとも1つのプレートを含み得る。追加的にまたは代替的に、いくつかの局面において、プレートの第1のグループは、第1の組からの少なくとも4つのプレートと、第2の組からの少なくとも4つのプレートとを含み、プレートの第2のグループは、第1の組からの少なくとも4つのプレートと、第2の組からの少なくとも4つのプレートとを含む。
いくつかの例示的局面において、システムはまた、1つ以上のスイッチを備え得、コントローラは、1つ以上の電圧源からの電圧を第1の組および第2の組に印加することにより、第1の経路長を選択することであって、第1の経路長を選択することが、プレートの第1のグループに、第1の経路長内のイオンの第3のグループを捕捉させることと、1つ以上の電圧源からの電圧を第1の組および第2の組に印加することにより、第2の経路長を選択することであって、第2の経路長を選択することが、プレートの第2のグループに、第2の経路長内のイオンの第3のグループを捕捉させることと、を行うように、1つ以上のスイッチにさらに動作可能に接続されている。
本教示にしたがうと、ネスト化された電極の様々なグループが提供され得る。例えば、いくつかの局面において、システムは、第2の経路長よりも長い中心軸の第3の経路長内にイオンを捕捉するように中心軸に沿って位置する第1の組および第2の組のプレートの第3のグループを備え得る。
本教示の様々な局面にしたがうと、静電イオントラップ(ELIT)を動作させる方法が提供され、該方法は、1つ以上の電圧源からの電圧を電極プレートの第1の組および電極プレートの第2の組のプレートの第1のグループに印加することであって、電極プレートの第1の組および第2の組の各電極プレートは、中心において穴を有し、中心軸に沿って整列させられており、電圧の印加は、イオンの第1のグループが、プレートの第1のグループによって画定された中心軸に沿った第1の経路長内に捕捉されるようにすることと、それと同時に、1つ以上の電圧源からの電圧を電極プレートの第1の組および第2の組の第2のグループに印加し、プレートの第2のグループが、中心軸に沿った第2の経路長内にイオンの第2のグループを捕捉するように構成されるようにすることであって、第2の経路長は、第1の経路長よりも長い、こととを含む。
いくつかの例示的局面において、少なくとも1つの検出器は、電極プレートの第1の組と電極プレートの第2の組との間に配置され得、方法は、第1の経路長に沿って振動しているイオンの第1のグループによって誘導された電流と、第2の経路長に沿って振動しているイオンの第2のグループによって誘導された電流とを少なくとも1つの検出器を用いて測定することをさらに含む。いくつかの代替的な局面において、第1の検出器は、第1の経路長に沿って振動しているイオンの第1のグループによって誘導された電流を測定し得、第2の検出器は、第2の経路長に沿って振動しているイオンの第2のグループによって誘導された電流を測定し得る。関連する局面において、第1の検出器は、例えばイオンの振動グループのオーバーラップに起因して第2の経路長に沿って振動しているイオンの第1のグループによって誘導された電流を同時に測定し得る。
様々な局面において、本教示にしたがう方法は、イオンの第1のグループが第1の経路長内に捕捉されている間に、第2の経路長内にイオンの第2のグループを捕捉することをさらに含み得る。関連する局面において、イオンの第1のグループの振動の周波数は、第2の経路長内でイオンの第2のグループを捕捉した後に、検出され得る。いくつかのそのような局面において、イオンの第1のグループおよび第2のグループの振動は、同時に実施され得る。代替的に、イオンの第1のグループの振動の周波数は、イオンの第2のグループを第2の経路長内に捕捉する前に検出され得る。
本教示の様々な局面にしたがうと、コンピュータプログラム製品が提供され、該コンピュータプログラム製品は、非一過性かつ有形のコンピュータ読み取り可能な格納媒体を備えており、該非一過性かつ有形のコンピュータ読み取り可能な格納媒体の内容物は、本明細書中に記載の方法を実施するようにプロセッサ上で実行される命令を有するプログラムを含む。
本教示のこれらの特徴およびその他の特徴は、本明細書中に記載されている。
当業者は、以下に記載される図面が例示目的のものにすぎないことを理解し得る。図面は、本教示の範囲をいかようにも限定することを意図されていない。
図1は、本教示の様々な実施形態の局面にしたがう例示的ELITの概略図である。
図2は、本教示の様々な実施形態の局面にしたがう、イオンを捕捉するために電極の内側グループがアクティべートされる図1のELITの概略図である。
図3は、本教示の様々な実施形態の局面にしたがう、イオンを捕捉するために電極の外側グループがアクティベートされる図1のELITの概略図である。
図4は、本教示の様々な実施形態の局面にしたがう、イオンの2つのグループを捕捉するために内側電極および外側電極がアクティベートされる図1のELITの概略図である。
図5は、本教示の様々な実施形態の局面にしたがう、図1のELITを動作させる例示的方法を示すフローチャートである。
図6は、本教示の様々な実施形態の局面にしたがう、図1のELITを動作させる別の例示的方法を示すフローチャートである。
図7は、本教示の実施形態が本教示の様々な局面にしたがって実装され得るコンピュータシステムを図示するブロック図である。
明確化のために、以下の議論は、本出願人の教示の実施形態の様々な局面を詳述しているが、そうすることが好都合または適切である場合にはいつも、特定の具体的な詳細を省略することが理解され得る。例えば、代替的な実施形態における議論等または類似の特徴は、いくらか省略され得る。周知のアイディアまたは概念も、簡略化のためにあまり詳細に議論されない。当業者は、本出願人の教示のいくつかの実施形態が、全ての実装において具体的に記載された詳細のうちの特定のものを必要としないことがあり得、それらは実施形態の徹底的な理解を提供するために本明細書中に記載されているに過ぎないということを認識し得る。同様に、記載された実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなしに、通常の一般的な知識にしたがう改変またはバリエーションを受け得るということは明白であり得る。以下の実施形態の詳細な説明は、本出願人の教示の範囲を何らかの方法で限定するものとしてみなされるべきではない。
本明細書中で使用される場合、用語「約」および「実質的に等しい」は、例えば実世界における測定または取り扱い手順を通して、これらの手順における不意の誤差を通して、組成物または試薬の製造、供給源、または純度の差異を通して、およびその他のものを通して生じ得る数量のバリエーションを参照する。通常、本明細書中で使用されるときの用語「約」および「実質的に」は、言及された値または値の範囲または完全な条件または状態よりも10%大きいまたは小さいことを意味する。例えば、約30%の濃度値または30%に実質的に等しい濃度値は、27%~33%の濃度を意味し得る。本用語はまた、当業者によって同等であると認識され得るバリエーションをそのようなバリエーションが従来技術によって実施される既知の値を包含しない限りにおいて参照する。
本教示の様々な局面にしたがうシステムおよび方法は、ELIT内の電極の異なるグループに対する捕捉電位の同時印加を提供する。特定の局面において、システムおよび方法は、ELIT内の2つの異なる経路長に沿って、イオンの2つの異なるグループ(例えば、それらのm/z範囲、注入エネルギー、および/または極性が異なるイオングループ)を捕捉し得る。このようにして、低分解能を伴うより幅広いm/z範囲の分析とより高い分解能を伴うより狭いm/z範囲の分析との間で様々なELIT電極を切り替えた後にELITを安定化させることに関連付けられたダウンタイムが低減され得、それによって、ELITのデューティサイクルを改良し得る。例えば、特定の局面において、イオンの第1のグループは、ELITの中に注入され得、第1の経路長を画定している内側リフレクトロン間で捕捉され得る。このイオンの第1のグループは、第1の経路長に沿って振動するが、外側リフレクトロンに印加される電位は、第1のグループの分析に影響することなしに、調節され得る。そのようにして、外側リフレクトロンに印加される電位は、例えばイオンの第1のグループの注入後および/またはそれらの分析中に安定化され得る。いくつかの局面において、本教示は、イオンの第1のグループに対して異なる特性を示すイオンの第2のグループの注入をさらに提供し、それによって、第2のグループは、イオンの第1のグループが捕捉され、および/または分析されている間、第2のより長い経路長を画定している外側リフレクトロン間に捕捉され得る。様々な局面において、内側リフレクトロンは、イオンの第1のグループの振動の周波数の検出に続いて接地され得、その後、イオンの第2のグループの振動周波数によって生成された電荷が検出され得る。このようにして、ユーザは、従来のシステムにおけるようにイオンの第1のグループの分析後までELITの中にイオンの第2のグループを注入するのを待つ必要がなく、さらには、内側リフレクトロンがほぼ瞬間的に接地電位を達成し得るので、イオンの第1のグループの分析後に、ELITが安定するのをさらに待つ必要がない。
図1は、本教示の様々な局面にしたがう、イオンを質量分析するための複数の整列された電極プレートと検出器102(例えば、ピックアップ電極)とを備えている例示的ELIT 100の実施形態を概略的に描写している。例示的ELIT 100は、コントローラ120をさらに備えており、該コントローラ120は、本明細書中で別途議論されるように、ELITの動作中に複数の電極プレートに印加される電位を制御するために、1つ以上の電圧源140および1つ以上のスイッチ160に動作可能に結合されている。
図1に示されているように、例示的電極プレートの各々は、中心開口部(それを通して、中心軸(A)が、延びている)を備えている。図1の電極プレートは、略平面状として示されており、一緒に円筒形構造を表しているが、当業者は、個々の電極の形状、サイズ、および個数(およびトラップの全体的形状)が、本教示にしたがってELITを実施するときのイオンの移動を制御するための様々な構成を有し得ることを理解し得る。例えば、Hoganらの“Optimized Electrostatic Linear Ion Trap for Charge Detection Mass Spectrometry,” J. Am. Soc. Mass Spectrom.,29:2086-2095 (2018)を参照されたい(該論文の教示は、全体的に参照により本明細書中に援用される)。
概して、複数の電極プレートは、イオンが各組からの電極間で中心軸に沿って振動し得るように、2つの組に分離される。例えば、図1に示されているように、電極プレートの第1の組104は、検出器102の1つの側(例えば、左側)に配置されており、電極プレートの第2の組106は、検出器102の反対側(例えば、右側)に配置されている。検出器102は、様々な構成を有し得るが、概して、本明細書中で別途議論されるように、振動イオンによって作られた誘導された画像電流または画像電荷を測定するために使用される。図1に示されている検出器102は、概して、本明細書中では中心ピックアップ電極として記載されているが、検出器102は、第1の組104と第2の組106との間に配置される必要はないことが理解され得る。実際、当業者は、イオン振動の検出は、電極プレート自体によって、複数の電極またはその他の形状の電極を使用して実施され得ることを理解し得る。特定の例示的局面において、少なくとも2つの電極が提供され得、少なくとも2つの電極は、描写された中心ピックアップ電極102、第1の組の1つ以上のプレート、第2の組の1つ以上のプレート、およびそれらの組み合わせによって表されている。振動周波数または複数の振動周波数を取得するために、検出器102によって測定されたデジタル化された信号に対してFourier変換(FT)が実施され得、上で述べたように、振動周波数または複数の振動周波数は、1つ以上の振動イオンのm/zに依存し、それによって、振動イオンのm/zが、計算されることができる。
本教示の様々な局面にしたがうと、第1の組104および第2の組106の電極プレートは、概してネスト化された静電イオントラップとして動作するように、様々な電位の印加を通して構成され得る。すなわち、第1の組および第2の組の電極の第1のグループは、イオン振動のための第1の経路長を画定している第1の内側トラップとして動作し得、内側トラップの電極を包囲している電極の第2のグループは、同軸イオン振動のための第2のより長い経路長を画定している第2の外側トラップとして動作し得る。図1に示されるように、例えば、電極プレートの第1の組104は、概して、第1のグループ104a/106aのうちのプレート104aと、第2のグループ104b/106bのうちのプレート104bとを備えている。同様に、電極プレートの第2の組106は、概して、第1のグループ104a/106aのプレート106aと、第2のグループ104b/106bのプレート106bとを備えている。第1のグループ104a/106aは、一緒に、それらが第2のグループ104b/106bに対してトラップの中心に向かって(すなわち、検出器102に向かって)配置されるという点において、内側電極を表している。示されているように、各セット104、106の端部電極104c、106cは、中心軸(A)に沿ったELIT 100からのイオンの導入および/または除去を可能にする。追加的に、内側電極104d、106dのうちの1つ以上(例えば、検出器102に隣接する)は、アインツェルレンズとしての機能を果たすようにバイアスされ、それによって、例えば検出器チューブ102を通して振動イオンビームを半径方向に集束させ得る。
ここで、図2を参照すると、図1のELIT 100は、本教示の様々な局面にしたがう第1の構成において描写されており、該第1の構成において、コントローラ120は、注入されたイオン15が内側の第1のグループ104a/106aの電極104aおよび電極106aによって捕捉されるように、第1の組104および第2の組106の電極に電位を印加するように1つ以上の電圧源140および/または1つ以上のスイッチ160を制御する(コントローラ120、電圧源140、およびスイッチ160は、明確化のために図2においては示されていない)。当業者には理解され得るように、第1のグループ104a/106aの各電極プレートに印加される静電電位は、その内部でのイオン15の捕捉を提供するように制御され得る。図2において概略的に示されているように、イオン15は、端部電極104c(本明細書中ではイオン入口として参照される)を通して軸方向に注入され、例えば経路長Lを有する経路115に沿って電極の第1の組104と電極の第2の組106との間で軸方向に振動する。検出器102は、経路115に沿って振動しているイオン15によって作られた誘導された画像電荷または画像電流を測定するために使用され得る。様々な局面において、第1のグループ104a/106aが、経路長L内にイオンを捕捉するために利用されているとき、コントローラ102は、第2のグループ104b/106bがイオンの分析に関与しないように、第2のグループ104b/106bに電圧が印加されるようにし得る。様々な実施形態において、第2のグループ104b/106bの1つ以上のプレートは、例えばELIT 100の中へのイオン15の注入またはELIT 100からのイオン15の排出中、イオン15を集束させるために使用され得る。
第1のグループ104aおよび/または106aの電極プレートは、本教示の様々な局面にしたがうと、ELIT 100においてイオンを捕捉するための様々な構成を有し得る。第1のグループ104a/106aは、10個の電極プレートを備えているものとして図2において描写されているが(例えば、グループ104a/106aは、プレート104a1-5および106a1-5を備えている)、グループ104a/106aは、本教示にしたがってイオンを捕捉するために有効な任意の個数のプレートを備え得ることが理解され得る。特定の局面において、少なくとも1つの捕捉プレートおよび最少で3つのプレートが、各ターニングポイント(例えば、イオン振動の方向が逆転される場所)の近くの電場の曲率を変化させ、イオンをトラップのそれらの行程全体にわたって半径方向に閉じ込めるために使用される。結果として、第1のグループ104a/106aは、第1の組104からの少なくとも4つのプレートと、第2の組106からの少なくとも4つのプレートとを含み得る。様々な局面において、例えば、電極が成形されている場合(すなわち、電極がHoganらに関して上述されたような円筒形構造によって表されていない場合)、より少ない電極が各グループにおいて使用され得る。しかしながら、非限定的実施例として図2において描写されているように、第1のグループ104a/106aの電極104aは、1つ以上の捕捉プレート104a(例えば、左側端点または振動のターニングポイントを実質的に画定している)と、ターニングポイントの近くの電場の曲率を変更させる1つ以上のプレート104a2-4と、イオン15を半径方向に閉じ込める1つ以上のプレート104aとを備える。同様に、第1のグループ104a/106aの対向電極106aは、1つ以上の捕捉プレート106a(例えば、右側ターニングポイントを実質的に画定している)と、ターニングポイントの近くの電場の曲率を変化させる1つ以上のプレート106a2-4と、イオン15を半径方向に閉じ込める1つ以上のプレート106aとを備え得る。当業者は、本教示に照らして、グループ104a/106aの電極104aおよび各対応する電極106aに印加される電位は、例えば、イオン15がターニングポイント間で振動する場合、捕捉、電場の曲率の変更、およびイオン15の半径方向の閉じ込めのうちの1つ以上を提供するように制御され得ることを理解し得る。第1のグループ104a/106aにおける対応するプレート(例えば、104aおよび106a)に印加される電位、および/またはこのグループの中心に対する第1のグループ104a/106aにおける対応するプレートの位置は、同じであることも、異なることもある。いくつかの実施形態において、第1のグループ104a/106aの対応するプレート(例えば、104aおよび106a)は、図2において示されているように、検出器102から同一距離に位置し得、かつ/またはイオン15を捕捉するとき、それらに対して印加される同一電位を有するように制御され得る。
ここで図3を参照すると、図1のELIT 100は、本教示の様々な局面にしたがう第2の構成において描写されており、該第2の構成において、コントローラ120は、注入されたイオン15が代わりに外側グループ104b/106bの電極104b、106bによって捕捉されるように、第1の組104および第2の組106の電極に電位を印加するように1つ以上の電圧源140および/または1つ以上のスイッチ160を制御する。上述のように、第2のグループ104b/106bの各電極プレート104b、106bに印加された静電電位は、例えば経路長Lを有する経路125に沿ってイオン15の捕捉を提供するように制御され得ることが理解され得る。ここでも、検出器102は、経路125に沿って振動しているイオン15によって作られた誘導された画像電荷または画像電流を測定するために使用され得る。様々な局面において、第2のグループ104b/106bが経路長L内にイオンを捕捉するために利用されているとき、コントローラ102は、例えば、イオン15を半径方向に集束させることにより、電圧がイオンの分析に干渉しないように第1の内側グループ104a/106aに印加されるようにし得る。
グループ104b/106bの電極プレートも、本教示の様々な局面にしたがうと、ELIT 100内にイオンを捕捉するための様々な構成を有し得、他方のグループ104a/106aと同じ個数または異なる個数のプレートを備え得る。しかしながら、示されているように、グループ104b/106bのプレート104bは、1つ以上の捕捉プレート104b(例えば、左側ターニングポイントを実質的に画定している)と、ターニングポイントの近くの電場の曲率を変化させるための1つ以上のプレート104b2-4と、イオン15を半径方向に閉じ込める1つ以上のプレート104bとを備え得る。同様に、グループ104b/106bのプレート106bは、1つ以上の捕捉プレート106b(例えば、右側ターニングポイントを画定している)と、ターニングポイントの近くの電場の曲率を変化させるための1つ以上のプレート106b2-4と、イオン15を半径方向に閉じ込める1つ以上のプレート106bとを備え得る。さらに、グループ104b/106bの各プレート104bおよび対応するプレート106b(例えば、104bおよび106b)に印加される電位は、イオン15がグループ104b/106bのターニングポイント間で振動する場合、捕捉、電場の曲率の変更、およびイオン15の半径方向の閉じ込めのうちの1つ以上を提供するように制御され得ることが理解され得る。グループ104b/106bにおける対応するプレート(例えば、104bおよび106b)に印加される電位、および/またはこの外側グループの中心に対するグループ104b/106bにおける対応するプレートの位置は、同じであることも、異なることもある。いくつかの例示的実施形態において、グループ104b/106bの対応するプレート(例えば、104bおよび106b)は、図3において示されているように、検出器102から同一距離に位置し得、かつ/またはイオン15を捕捉するとき、それらに対して印加される同一電位を有するように制御され得る。
ここで図2および図3を比較すると、図3におけるELIT 100の構成は、図2の経路長Lよりもはるかに長い経路長Lを提供している。様々な局面において、コントローラ120は、イオン15の分析のために適用されるべき経路長LまたはLを(例えば、自動的にまたはユーザの指図のもとで)選択し得る。実施例として、コントローラ120は、(図2におけるように)イオン15が経路長Lを有する第1の経路115に沿って振動するように、第1の内側グループ104a/106aのプレートによってイオン15を捕捉するようにELIT 100を動作させるように1つ以上の電圧源120および/またはスイッチ140を制御し得る。代替的に、コントローラ120は、イオン15が第2の外側グループ104b/106bによって捕捉され、より長い経路長Lを有する第2の経路125に沿って振動するようにELIT 100に動作させ得る。図2と図3との間の経路長の相対的な差異に起因して、いくつかの局面において、ELIT 100は、相対的に高い分解能、狭いm/z範囲の構成(図2)または相対的に低い分解能、広範なm/z範囲の構成(図3)のいずれかを使用して、全ての注入されたイオン25が分析されるように動作させられ得ることが理解され得る。様々な実施形態において、これらのモード間の切り替えは、サンプル分析間で実施され得る。例えば、コントローラ120は、第1の組104および第2の組106に印加される電位を1つ以上のスイッチ160(例えば、電気的スイッチまたは電気化学的スイッチ)に調節させ、ELIT 100に図2の第1の経路長Lと図3の第2の経路長Lとの間で変化させ得る。
ELIT 100の特定の電極プレートに対する電位の印加が、セット104、106の中から電極の様々なグループが選択され、様々な長さの追加的なイオン経路を生成することをさらに可能にし、その結果、単一のELITが異なる分析の必要性に適合することを可能にすることが、本教示に照らして理解され得る。非限定的実施例として、図3のプレート104bおよび106bに印加される電位は、これらのプレートがイオン振動のエンドポイントとしての役割を果たす捕捉プレートを表すように調節され得、その一方で、プレート104aおよび106aに印加される電位は、ターニングポイントの近くの電場の曲率を変更させるように設定され得る。さらに、本教示はまた、電極の1つ以上の追加的なネスト化されたグループが提供され得(例えば、別の内側グループまたは外側グループを追加する)、それによって、Lおよび/またはLよりも長いまたは短い経路長を有する1つ以上の追加的な経路に沿ったイオンの捕捉を可能にし得ることも提供するということが理解され得る。
上述のように、コントローラ120は、例えば、イオン注入の前に所望の経路長を選択することにより、(図2におけるように)経路長Lを有する第1の経路115に沿って、または(図3におけるように)より長い経路長Lを有する第2の経路125に沿ってのうちのいずれかで、ELIT 100に、注入されたイオン15の全てを代替的に捕捉させ得る。しかしながら、本教示の様々な局面はまた、第1のグループ104a/106aおよび第2のグループ104b/106bの両方に対する捕捉電位の同時印加を提供する。例えば、ELIT 100は、まず、図2において示されているように、ELIT 100の内側グループ104a/106a内のイオンの第1のグループ15の捕捉を可能にし得る。上述のように、イオン15は、端部電極104cを通して軸方向に注入され、経路長Lを有する経路115に沿って軸方向に振動し得、その最中、イオン15は、検出器102によって分析され得る。この注入中、例えば、コントローラ102は、イオンの半径方向集束を補助するように、第2のグループ104b/106bに、電圧が印加されるようにし得る。しかしながら、後続の分析のために経路長を調節するために第1の組104および第2の組106に印加される電位を調節する前にイオン15の分析が完了するのを待つのではなく、経路115に沿ったイオンの第1のグループの捕捉後、電極の第2の外側グループ104b/106bに印加される電位は、調節され、安定化させられ得る。ここで、図4を参照すると、該図4は、イオンの第1のグループが既に捕捉され、図2におけるように経路長Lに沿って振動している様子を描写しており、コントローラ102は、経路長Lを有する第2の経路125に沿ってイオンの第2のグループ25を捕捉するために、第2の外側グループ104b/106bに印加される電位が調節されるようにする。上述のように、例えば、第2のグループ104b/106bのプレートに印加される電位は、プレート104b、106bに捕捉プレート(例えば、経路125のターニングポイントを実質的に画定する)としての機能を果たさせ、プレート104b2-4、106b2-4がターニングポイントの近くの電場の曲率を変更させるように構成されるようにし、プレート104b、106bに半径方向閉じ込めを提供させるように構成され得る。
イオンの第1のグループ15は、第1のグループ104a/106aの捕捉プレート104aと捕捉プレート106aとの間の経路115に沿って捕捉されるので、第2のグループ104b/106bの電極に印加される電位は、いくつかの局面において、第1の経路長Lに沿って生成された電場に実質的に影響することなしに、かつ/または第1の経路115に沿ったイオンの第1のグループ15の振動に実質的に影響することなしに、調節され得る。すなわち、外側の第2のグループ104b/106bの電極に印加される電位は、まず、イオンの第1のグループ15の分析が完了されるのを待つことなしに、提供され得る。さらに、これらの電位は、それらの最終値まで傾斜させられ得、外側グループ104b/106bは、内側グループ104a/106a内のイオンの第1のグループ15の振動中、十分な安定化基準を達成し得、それによって、ELIT分析窓の全体にわたって電圧安定性を確保するために使用される電力供給フィルタによって引き起こされる遅延を低減させ得るか、または排除し得る。
上述のように、外側グループ104b/106bが、内側グループ104a/106a内のイオンの第1のグループ15の振動の最中、第2の経路125に沿ってイオンを捕捉するように構成され得るだけではなく、本教示の特定の局面は、イオンの第1のグループ15が内側グループ104a/106a内に捕捉されている間、イオンの第2のグループ25の注入および捕捉をさらに提供する。すなわち、特定の局面において、イオンの第2のグループ25は、(例えば、図2に示されているような)ELIT 100内のイオンの第1のグループ15の振動中に注入され得る。図4に示されているように、例えばコントローラ120は、第2のグループ104b/106bのプレートに、捕捉電場を生成させ、経路長Lを有する経路125に沿って外側グループ104b/106bの電極によって捕捉され得るイオンの第2のグループ25の軸方向注入をさらに可能にする。したがって、イオンの2つの異なるグループ15、25は、2つの異なる経路長L、Lに沿ってELIT 100内に同時に捕捉され得る。例えば、コントローラ102は、イオン入口(104c)の中にイオンを伝送するための当該技術分野において公知のまたは今後開発されるイオントラップ(示されていない)またはその他のイオン制御要素に動作可能に結合され得、コントローラは、例えばイオン注入のタイミングを制御するように構成されていることが理解され得る。この第2のグループ25の注入に続いて、2つの異なるグループ15、25は、例えばイオンおよび/またはイオンビームの特性の差異に起因して、それらのそれぞれの経路115、125に沿って振動し得る。実施例として、第1のグループ15および第2のグループ25のイオンは、極性が異なり得、その結果、内側捕捉プレート104a,104bに印加される電位は、第1のグループ15のターニングポイントにおいて他方のグループ25のイオンを跳ね返し、それらの向きを逆転させるのに有効ではない。追加的にまたは代替的に、イオンの第2のグループ25は、例えば内側捕捉プレート104a,104bによって設けられたバリアを克服するために十分なエネルギーを用いて注入され、維持され得る。
第1のグループ15および第2のグループ25のイオンは、本教示にしたがう様々な方法で分析され得る。実施例として、いくつかの局面において、ELIT 100は、それらのそれぞれの経路長L、Lに沿って振動している第1のグループ15および第2のグループ25のイオンの同時分析を提供し得る。そのような場合、中心検出器102上で誘導された電荷は、イオンの両方のグループの振動を反映し得、それは、その後、第1のグループ15および第2のグループ25の両方におけるイオンの様々なm/z比を決定するために使用され得る。さらに、上述のように、別の検出器(例えば、第2のグループ104b/106bの電極のうちの1つ以上)が、第2のイオングループ25の分析を分離するために、第2の経路125に沿った第2のグループ25の振動によって誘導された電荷を特に測定するために利用され得る(例えば、第1のグループ15は、その経路115の外側に配置されたそのような検出器上に電荷を誘導しないであろう)。
上述のようにイオンのグループ15、25の両方を同時に分析するのではなく、本教示はまた、イオンの第2のグループ25が、イオンの第1のグループ15の後に分析され得ることを提供する。例えば、第1のグループ15のイオンの振動が分析された後(例えば、検出器102が、経路115に沿って振動しているイオン15によって作られた誘導された画像電荷または画像電流を測定した後)、第2のグループ25のイオンが、注入され得る。注目すべきことに、上述のように、外側グループ104b/106bに印加される電位は、内側グループ104a/106a内のイオンの第1のグループ15の注入および捕捉に続いて、それらの最終値まで傾斜させられ得、十分な安定化基準を達成し得るが、イオンの第1のグループ15の分析が完了されるのを待つ必要はない。いくつかの局面において、イオンの第1のグループ15の分析に続いて、内側グループ104a/106aに印加される電位は、イオンの第2のグループ25の分析の前にELIT 100からイオンの第1のグループ15を除去するように、イオンの第2のグループ25の注入前、注入中、注入後、調節され得る。実施例として、コントローラ102は、内側グループ104a/106aの電極に印加される電位が、イオンの第1のグループ15がトラップから排出させられるように調節されるようにし得る。イオンの第2のグループの注入前、注入中、注入後のイオンの第1のグループ15の排出は、様々な方法で達成され得る。いくつかの例示的局面において、内側グループの捕捉プレート104a,104bに印加される捕捉電位は、イオンの第1のグループ15が内側トラップから離れ、不安定になり、排出されるように、下げられ得る。代替的に、内側グループ104a/106bの1つ以上の電極の電位は、イオンの第1のグループ15が不安定になり、排出されるように、不安定性を引き起こすようにわずかに(例えば、約100Vまたはそれ未満)調節され得る。この変更は、静的であり得るか、または、排出を引き起こすためにパルス列として印加され得ることが理解され得る。代替的に、いくつかの例示的局面において、内側グループ104a/106aの電極は、例えば、第2のグループ25の注入の直前に接地され得、それによって、イオンの第1のグループ15の排出を引き起こし得る。電力供給フィルタが概して長い時間定数を示し、それによって、様々な非ゼロ電圧間の電位を調節することが傾斜および安定化のために相当な時間を必要とし得るが、イオンの第1のグループ15の不安定性および排出(例えば、内側グループ104a/106aの電極の接地)を引き起こすための上述の電位に対する小さな変更は、ほぼ瞬時に起こり得ることが理解され得る。このようにして、本教示の特定の局面は、有益にも、第1のグループ15のイオンの分析後、ほぼ瞬時(例えば、約100マイクロ秒未満)に第2のグループ25のイオンの分析を提供し、それによって、従来の捕捉に対してELIT 100のデューティサイクルを低減させる。
ここで図5を参照すると、本教示の様々な局面にしたがってELITを動作させる例示的方法500を示すフローチャートが描写されている。方法500のステップ510において、ネスト化されたELITは、第1の経路長を示す第1の経路に沿ってネスト化された電極の内側グループ内にイオンの第1のグループを捕捉するように構成され得る。例えば、コントローラは、1つ以上の電力供給部にネスト化された電極の内側グループに捕捉電位を印加させ得る。その後、ステップ520において、イオンの第1のグループは、イオンの第1のグループが第1の経路長に沿って振動するように、ELITの中に注入され、ネスト化された電極の内側グループ内に捕捉され得る。例えば、コントローラは、上流のイオン処理要素に、ELITの中への注入のためにイオンの第1のグループを放出または伝送させ得る。代替的に、ELITのイオン入口上の電位は、イオンの第1のグループの進入を可能にするように調節され得る。
イオンの第1のグループの注入および捕捉に続いて、ステップ530において、ネスト化された電極の外側グループに印加される電位は、イオンの第2のグループを内部に捕捉するようにELITを構成するように調節され得る。例えば、コントローラは、1つ以上の電力供給部に、ネスト化された電極の外側グループに捕捉電位を印加させ得る。その後、ステップ540において、イオンの第2のグループは、イオンの第2のグループが第2の経路長を示す第2の経路に沿って振動するように、ELITの中に注入され、ネスト化された電極の外側グループ内に捕捉され得る。例えば、コントローラは、ELITの中への注入のために、上流のイオン処理要素に、イオンの第2のグループを放出または伝送させ得る。代替的に、ELITのイオン入口上の電位は、イオンの第2のグループの進入を可能にするように、調節され得る。
本明細書中で別途議論されるように、それぞれの経路長に沿ったイオンのグループの各々の振動の周波数は、各グループの質量スペクトルを決定するために、検出され、分析され得る。いくつかの例示的局面において、ステップ550aにおけるイオンの第1のグループの検出および分析は、ステップ530においてネスト化された電極の外側グループに電位が印加された後、かつステップ540においてイオンの第2のグループがその内部に捕捉された後、起こり得る。イオンの第2のグループの検出および分析が、その後、ステップ560aにおいて起こり得る。いくつかの代替的局面において、イオンの第1のグループの検出および分析は、ステップ530においてネスト化された電極の外側グループに電位が印加された後、しかしステップ540においてイオンの第2のグループが注入されてしまう前、ステップ550bにおいて、起こり得る。イオンの第2のグループの検出および分析が、その後、ステップ560bにおいて起こり得る。
ここで図6を参照すると、本教示の様々な局面にしたがってELITを動作させるための例示的方法600を示すフローチャートが描写されている。ステップ610において、コントローラは、最初に第1の経路長(例えば、図2のLまたは図3のL)を選択し、イオンの次のグループを分析し、それに応じて、ステップ620において、ELITを構成し得る。例えば、コントローラは、1つ以上の電力供給部に、ネスト化された電極の内側グループまたは外側グループのいずれかに捕捉電位を印加させ得る。ステップ630において、分析されるべきイオンが注入され、捕捉され得、検出された振動の周波数が、注入されたイオンの質量スペクトルを決定するために使用される。ステップ630における分析に続いて、コントローラは、後続の分析が同じ経路長を利用するかまたは異なる経路長を利用するかを決定し得る。経路長に対する変更が必要とされない場合、第1の経路長を画定しているネスト化された電極に印加される電位を調節することなしに、分析される第1のグループの分析の直後、イオンの次のグループが注入され得る。しかしながら、コントローラが、第2の異なる経路長が次のサンプルを分析するために使用されるべきであると決定した場合、コントローラは、ステップ640におけるように、1つ以上の電力供給部に、ネスト化された電極の異なるグループに捕捉電位を印加させ得る。その後、ステップ650におけるように、イオンが注入され、第2の経路長内に捕捉され得、振動の検出された周波数が、このイオンのグループの質量スペクトルを決定するために使用される。
図7は、本教示の実施形態が実装され得るコンピュータシステム700を図示しているグロック図である。コンピュータシステム700は、情報を通信するためのバス722またはその他の通信機構と、情報を処理するためにバス722に結合されたプロセッサ720とを含む。コンピュータシステム700はまた、メモリ724を含み、該メモリ724は、プロセッサ720によって実行されるべき命令を格納するためにバス722に結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)またはその他のダイナミック格納デバイスであり得る。メモリ724はまた、プロセッサ720によって実行されるべき命令の実行中に一時的変数またはその他の中間情報を格納するためにも使用され得る。コンピュータシステム700は、プロセッサ720に対する静的情報または命令を格納するために、バス722に結合された読み出し専用メモリ(ROM)726またはその他の静的格納デバイスをさらに含む。例えば磁気ディスクまたは光学ディスク等の格納デバイス728が提供され、格納デバイス728は、情報および命令を格納するために、バス722に結合される。
コンピュータシステム700は、コンピュータユーザに情報を表示するために、バス722を介して、例えばブラウン管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイ730に結合され得る。英数字キーまたはその他のキーを含む入力デバイス732が、プロセッサ720に情報およびコマンド選択を通信するために、バス722に結合される。ユーザ入力デバイスの別のタイプは、プロセッサ720に方向情報およびコマンド選択を通信し、ディスプレイ730上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボール、またはカーソル方向キー等のカーソル制御部734である。この入力デバイスは、通常は、第1の軸(すなわち、x)および第2の軸(すなわち、y)の2つの軸における2自由度を有しており、それは、デバイスが平面内の位置を特定することを可能にする。
コンピュータシステム700は、本教示を実施し得る。本教示の特定の実装と整合して、結果は、プロセッサ720がメモリ724内に含まれた1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行することに応答して、コンピュータシステム700によって提供される。そのような命令は、例えば格納デバイス728等の別のコンピュータ読み取り可能な媒体からメモリ724の中に読み取られ得る。メモリ724におけるこれらの命令のシーケンスの実行は、プロセッサ720に、本明細書中に記載されているプロセスを実施させる。代替的に、有線接続された回路網が、本教示を実装するために、ソフトウェア命令の代わりにまたはソフトウェア命令との組み合わせで使用され得る。したがって、本教示の実装は、ハードウェア回路網およびソフトウェアの何らかの固有の組み合わせに限定されるものではない。例えば、本教示は、様々な実施形態にしたがってELITを動作させる方法を実施するための1つ以上の別個のソフトウェアモジュール(例えば、制御モジュール、注入モジュール、FTモジュール)を含むシステムによって実施され得る。
様々な実施形態において、コンピュータシステム700は、ネットワークを横断して、コンピュータシステム700等の1つ以上のその他のコンピュータシステムに接続され、ネットワーク化されたシステムを形成し得る。ネットワークは、プライベートネットワークまたは例えばインターネット等のパブリックネットワークを含み得る。ネットワーク化されたシステムにおいて、1つ以上のコンピュータシステムは、データを格納し、その他のコンピュータシステムにデータをサーブし得る。データを格納およびサーブする1つ以上のコンピュータシステムは、クラウドコンピューティングのシナリオにおいて、サーバまたはクラウドとして参照され得る。1つ以上のコンピュータシステムは、例えば1つ以上のウェブサーバを含み得る。サーバまたはクラウドにデータを送信し、サーバまたはクラウドからデータを受信するその他のコンピュータシステムは、例えばクライアントデバイスまたはクラウドデバイスとして参照され得る。
本明細書中で使用されるときの用語「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、実行のためにプロセッサ720に命令を提供することに関与する任意の媒体を参照している。そのような媒体は、限定されるものではないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含む多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、格納デバイス728等の光学ディスクまたは磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、例えばメモリ724等のダイナミックメモリを含む。伝送媒体は、バス722を構成するワイヤを含む同軸ケーブル、銅線、光ファイバを含む。
コンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品の一般的な形態は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意のその他の磁気媒体、CD-ROM、デジタルビデオディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク、任意のその他の光学媒体、サムドライブ、メモリカード、RAM、PROM、およびEPROM、FLASH-EPROM、任意のその他のメモリチップまたはカートリッジ、または任意のその他の有形媒体(コンピュータは、そこから読み取ることができる)を含む。
コンピュータ読み取り可能な媒体の様々な形態は、実行のために、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサ720に搬送することに関与し得る。例えば、命令は、最初に、リモートコンピュータの磁気ディスク上で搬送され得る。リモートコンピュータは、そのダイナミックメモリの中に命令をロードし、モデムを使用して命令を電話回線を介して命令を送信し得る。コンピュータシステム700に対してローカルなモデムは、電話回線上でデータを受け取り、赤外線トランスミッタを使用して、データを赤外線信号に変換し得る。バス722に結合された赤外線検出器は、赤外線信号において搬送されたデータを受け取り、バス722上にデータを配置し得る。バス722は、データをメモリ724に搬送し、プロセッサ720は、該メモリ724から命令を取り出し、実行する。メモリ724によって受け取られた命令は、随意に、プロセッサ720による実行の前または後のいずれかにおいて、格納デバイス728上に格納され得る。
本教示の様々な実装に関する本明細書中の記載は、図示および記載の目的のために提示されている。それは網羅的なものではなく、本教示を開示されたままの形態に限定しない。修正およびバリエーションは、上記教示に照らして可能である、または、本教示の実践から獲得され得る。追加的に、記載された実装は、ソフトウェアを含むが、本教示は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせまたはハードウェア単独で実装され得る。本教示は、オブジェクト指向のプログラミングシステムおよび非オブジェクト指向のプログラミングシステムの両方を用いて実装され得る。
本明細書中で使用されているセクション見出しは、編成を目的としたものに過ぎず、限定として解釈されるべきではない。本出願人の教示は、様々な実施形態と関連して記載されているが、本出願人の教示がそのような実施形態に限定されることは意図されていない。対照的に、本出願人の教示は、当業者によって理解され得るように、様々な代替物、修正、および均等物を包含する。

Claims (21)

  1. 静電線形イオントラップ(ELIT)であって、前記ELITは、
    中心において穴を有し、中心軸に沿って整列させられた電極プレートの第1の組と、
    中心において穴を有し、前記中心軸に沿って整列させられた電極プレートの第2の組と、
    1つ以上の電圧源と、
    前記1つ以上の電圧源に動作可能に結合されたコントローラと
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記1つ以上の電圧源からの電圧を前記電極の第1の組および第2の組のプレートの第1のグループに印加し、前記プレートの第1のグループに、前記中心軸に沿った第1の経路長内にイオンの第1のグループを捕捉させることと、それと同時に、
    前記1つ以上の電圧源からの電圧を前記第1の組および前記第2の組のプレートの第2のグループに印加し、前記プレートの第2のグループが前記中心軸に沿った第2の経路長内にイオンの第2のグループを捕捉するように構成されるようにすることと
    を行うように構成され、
    前記第2の経路長は、前記第1の経路長よりも長い、静電線形イオントラップ(ELIT)。
  2. 前記コントローラは、前記イオンの第1のグループが前記第1の経路長内に捕捉されている間に、前記プレートの第2のグループに前記イオンの第2のグループを第2の経路長内に捕捉させるようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記コントローラは、前記電極プレートの第1の組および第2の組の中への前記イオンの第1のグループおよび第2のグループの注入を制御するように構成されている、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  4. 前記コントローラは、上流のイオントラップに動作可能に結合され、前記イオンの第1のグループおよび第2のグループは、前記上流のイオントラップから、前記電極プレートの第1の組および第2の組の中に注入される、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記電極プレートの第1の組と前記電極プレートの第2の組との間に配置された少なくとも1つの検出器をさらに備えている、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  6. 前記少なくとも1つの検出器は、前記第1の経路長に沿って振動している前記イオンの第1のグループによって誘導された電流と、前記第2の経路長に沿って振動している前記イオンの第2のグループによって誘導された電流とを測定するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記少なくとも1つの検出器は、前記第1の経路長に沿って振動している前記イオンの第1のグループによって誘導された前記電流を測定するように構成された第1の検出器と、前記第2の経路長に沿って振動している前記イオンの第2のグループによって誘導された前記電流を測定するように構成された第2の検出器とを備えている、請求項5~6のいずれか1項に記載のシステム。
  8. 前記イオンの第1のグループと前記イオンの第2のグループとは、極性および注入エネルギーのうちの少なくとも1つにおいて異なる、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  9. 前記プレートの第1のグループおよび前記プレートの第2のグループは、いかなるプレートも共有していない、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  10. 前記プレートの第1のグループおよび前記プレートの第2のグループの各々は、少なくとも1つの捕捉プレート、ターニングポイントの近くの電場の曲率を変化させるための少なくとも1つのプレート、およびイオンを半径方向に閉じ込めるための少なくとも1つのプレートを含む、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  11. 前記プレートの第1のグループは、前記第1の組からの少なくとも4つのプレートと、第2の組からの少なくとも4つのプレートとを含み、前記プレートの第2のグループは、前記第1の組からの少なくとも4つのプレートと、第2の組からの少なくとも4つのプレートとを含む、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  12. 1つ以上のスイッチをさらに備えており、
    前記コントローラは、
    前記1つ以上の電圧源からの電圧を前記第1の組および前記第2の組に印加することによって前記第1の経路長を選択し、前記第1の経路長を選択することは、前記プレートの第1のグループにイオンの第3のグループを前記第1の経路長内に捕捉させることと、
    前記1つ以上の電圧源からの電圧を前記第1の組および前記第2の組に印加することによって前記第2の経路長を選択し、前記第2の経路長を選択することは、前記プレートの第2のグループに前記イオンの第3のグループを前記第2の経路長内に捕捉させることと
    を行うように、前記1つ以上のスイッチにさらに動作可能に接続されている、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  13. 前記第1の組および前記第2の組のプレートの第3のグループは、前記第2の経路長よりもより長い前記中心軸の第3の経路長内にイオンを捕捉するために、前記中心軸に沿って位置している、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
  14. 静電イオントラップ(ELIT)を動作させる方法であって、前記方法は、
    1つ以上の電圧源からの電圧を電極プレートの第1の組および電極プレートの第2の組のプレートの第1のグループに印加することであって、前記電極プレートの第1の組および第2の組の各電極プレートは、中心において穴を有し、中心軸に沿って整列させられており、前記電圧の印加は、イオンの第1のグループが前記プレートの第1のグループによって画定された前記中心軸に沿った第1の経路長内に捕捉されるようにする、ことと、それと同時に、
    前記1つ以上の電圧源からの電圧を前記電極プレートの第1の組および第2の組のプレートの第2のグループに印加し、前記プレートの第2のグループが前記中心軸に沿った第2の経路長内にイオンの第2のグループを捕捉するように構成されるようにすることと
    を含み、
    前記第2の経路長は、前記第1の経路長よりもより長い、方法。
  15. 少なくとも1つの検出器が、前記電極プレートの第1の組と前記電極プレートの第2の組との間に配置されており、前記方法は、前記第1の経路長に沿って振動している前記イオンの第1のグループによって誘導された電流と、前記第2の経路長に沿って振動している前記イオンの第2のグループによって誘導された電流とを少なくとも1つの検出器を用いて測定することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第1の経路長に沿って振動している前記イオンの第1のグループによって誘導された前記電流を第1の検出器を用いて測定することと、
    前記第2の経路長に沿って振動している前記イオンの第2のグループによって誘導された前記電流を第2の検出器を用いて測定することと
    をさらに含む、請求項14~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記イオンの第1のグループが前記第1の経路長内に捕捉されている間に、前記第2の経路長内に前記イオンの第2のグループを捕捉することをさらに含む、請求項14~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記イオンの第2のグループを前記第2の経路内に捕捉した後、前記イオンの第1のグループの振動の周波数を検出することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記イオンの第2のグループを前記第2の経路長内に捕捉する前、前記イオンの第1のグループの振動の周波数を検出することをさらに含む、請求項14~16のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記イオンの第1のグループおよび前記イオンの第2のグループは、極性および注入エネルギーのうちの少なくとも1つにおいて異なる、請求項14~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、非一過性かつ有形のコンピュータ読み取り可能な格納媒体を備えており、前記非一過性かつ有形のコンピュータ読み取り可能な格納媒体の内容物は、請求項14~20のいずれか1項に記載の方法を実施するようにプロセッサ上で実行される命令を有するプログラムを含む、コンピュータプログラム製品。
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