JP2024506285A - 高感度化学ルミネセンス検出システムおよび方法 - Google Patents

高感度化学ルミネセンス検出システムおよび方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2024506285000001
免疫検定試験に使用するためのルミネセンス検出システム。ルミネセンス検出システムは、標識成分を含む試験試料を保持するように構成されており、試験試料中の標識成分は、化学ルミネセンス反応を受け、第1の波長範囲のルミネセンス放射を放出する、試料ホルダと、発光を受けるように構成された光入射窓を有し、最大検出効率波長範囲を有する光検出器と、光入射窓に隣接して設けられ、第1の波長範囲のルミネセンス放射を、第2の波長範囲の入放射に変換させるように動作し、入放射の入射ピークは、光検出器の量子効率が10%以上の最大検出効率波長範囲内に収まる、変換部材を含む。他の態様のようにルミネセンス検出方法が提供される。
【選択図】図1A

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月3日に出願された「HIGH-SENSITIVITY CHEMILUMINESCENCE DETECTION SYSTEMS AND METHODS」と題する米国特許仮出願第63/145,396号の利益を主張し、この開示はすべての目的のために参照によってその全文が組み入れられる。
本開示は、免疫検定における光検出に関し、より詳細には、反応ベッセルから発せられるルミネセンス発光の測定を実行するように構成された化学ルミネセンス検出システムおよび方法に関する。
化学ルミネセンス(CL)とは、光を発するように化学反応によって生じる電磁放射の放出と定義される。化学ルミネセンス免疫検定(CLIA)は、化学ルミネセンス技術と免疫化学反応を組み合わせた検定である。例えば、本譲受人から入手できるATELLICA(登録商標)IM1300、IMMULITE(登録商標)1000、およびADVIA(登録商標)Centaurは、化学ルミネセンス免疫検定に基づく器具である。
他の標識免疫検定(例えば、RIA、FIA、ELISA)と同様に、CLIAシステムは、分析物(対象成分)を定量化するために、化学反応によりルミネセンス発光を生成することができる化学プローブを利用する。いくつかの自動化免疫検定システムでは、標識成分を形成するように標識された検体(例えば、血清または血漿または尿などの生体検体)から抽出された抽出成分(例えば、DNAプローブ)を含む試料容器(例えば、キュベット)は、システムで所望の位置に配置できる。その後、反応を起こすことによって、標識成分から発せられるルミネセンス発光のルミネセンス強度の数値を得ることができる。
例えば、いくつかの実施形態では、アクリジニウムエステル標識を使用して、例えば抗体、タンパク質、およびいくつかのペプチドなどの成分を標識する。アクリジニウムエステル標識をアルカリ溶液に曝すことによって、エステル結合が切断されて不安定な化合物が放出され、この化合物が分解し、明確な波長ピーク(以下、発光ピーク)で放射されるルミネセンス光の閃光が誘発される。本明細書で定義するルミネセンスとは、物質が励起状態からその基底状態に戻るときの物質からの発光である。
しかしながら、既存のルミネセンス検出システムは、生成するルミネセンス強度が不十分になる可能性がある限り、いくつかの点で不十分であり得る。それゆえ、免疫検定システムなどにおけるルミネセンス検出のための改良されたシステムおよび方法が望まれている。
いくつかの実施形態では、ルミネセンス検出システムが提供される。ルミネセンス検出システムは、標識成分を含む試験試料を溶液中で保持するように構成されており、試験試料中の標識成分は、化学ルミネセンス反応を受け、第1の波長範囲のルミネセンス放射を放出する、試料ホルダと;発光を受けるように構成された光入射窓を有し、最大検出効率波長範囲を有する光検出器と;光検出器の光入射窓に隣接して設けられ、第1の波長範囲のルミネセンス放射を、入放射の入射ピークが最大検出効率波長範囲内に収まる第2の波長範囲の入放射に変換させるように動作し、最大検出効率波長範囲は、光検出器の量子効率が10%以上の波長範囲である、変換部材とを含む。
いくつかの実施形態では、ルミネセンス検出システムが提供される。ルミネセンス検出システムは、標識成分を溶液中で保持するように構成されており、標識成分は、化学ルミネセンス反応を受け、ルミネセンス放射は、550nm~800nmの第1の波長範囲内の放射ピークを有して生じる、試料ホルダと;ルミネセンス放射を受けるように構成された受光領域を有し、最大検出効率波長範囲を有し、最大検出効率波長範囲内の全波長が10%以上の量子効率を有する光検出器と;受光領域に適用され、発光を、最大検出効率波長範囲内に収まる入射ピークを有する入放射に変換するように動作する、変換コーティングとを含む。
いくつかの実施形態では、ルミネセンス検出方法が提供される。本方法は、溶液中に標識成分を保持する試料ホルダと、受光領域および最大検出効率波長範囲を有する光検出器とを含み、変換コーティングは受光領域に隣接して設けられ、標識成分との化学ルミネセンス反応を引き起こして第1の波長範囲のルミネセンス放射を生じさせ、変換コーティングによって、ルミネセンス放射を受け、量子効率が少なくとも10%である最大検出効率波長範囲内にある入射ピークを有する第2の波長範囲に変換するルミネセンス検出システムを提供することを含む。
多数の他の態様が、本開示のこれらおよび他の態様に従って提供される。本開示の他の特徴および態様は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、および添付の図面からより完全に明らかになるであろう。
本開示の実施形態による化学ルミネセンス検出システムの概略図である。 本開示の実施形態による、図1Aの化学ルミネセンス検出システムの一部の拡大断面概略図である。 本開示の実施形態による、上に変換コーティングを含むスライドイン基板を含む代替的な化学ルミネセンス検出システムの一部の拡大断面概略図である。 ホルダに収納され、本開示の実施形態に従って成分にタグ付けされた赤色色素標識を含む処理済み検体からのルミネセンス放射(例えば、赤色発光)のスペクトルプロットの図である。 本開示の実施形態によるルミネセンス検出システムにおける光電子増倍管(PMT)の量子効率(%)対波長(nm)のスペクトルプロットの図である。 本開示の実施形態による、光入射窓に隣接する変換コーティングの動作によって第2の波長範囲にダウンコンバートされたルミネセンス放射のスペクトルプロットの図である。 本開示の実施形態による最大検出効率波長範囲内に収まる変換されたルミネセンスの入射ピークを示す、量子効率(%)およびダウンコンバートされたルミネセンス放射の両方対波長(nm)のスペクトルプロットの図である。 本開示の実施形態による例示的ルミネセンス検出方法を示すフローチャートの図である。
上記の問題および懸念に鑑み、比較的感度が改善されたシステムおよび方法が提供される。免疫検定における化学ルミネセンス技術は、タグおよびコンジュゲートに特異的な放射波長において高い量子収率を有する化学ルミネセンス標識での化学ルミネセンスタグに依存している。化学ルミネセンス放射を読み取るために使用される現在の光電子増倍管(PMT)検出器は、特定の波長において最大感度(最大量子効率%)を有する。あいにく、本発明者らが認識しているように、この最大量子効率は、化学ルミネセンス放射の最高量子収率と同じ波長ではないことがある。したがって、既存の化学ルミネセンス検出システムの検出感度は不足していることがある。
特に、これまでのシステムは例えば、青色色素標識(例えば、約398nm~420nmの公称放射波長を有する)は、約375nmの波長である検出器の最大量子効率(%)の波長と最も良く一致するため、青色色素標識を使用してきた。しかしながら、本発明者らは、光強度またはエネルギー束は、光子束、すなわち、単位表面当たりの単位時間当たりの光子の数に比例し、個々の光子エネルギーには比例しないことをさらに認識している。したがって、低周波数(高波長)での光子の数は、高周波数(低波長)での光子の数よりも多くなる。したがって、青色色素標識の使用による光子束は、例えば赤色色素標識のような、より高いルミネセンス放射波長範囲を有する色素標識を使用することによって改善することができる。しかし、赤色色素標識を用いると、ルミネセンス放射波長が最大量子効率から離れるため、従来のセンサの量子効率は低下する。実際、赤色色素標識に切り替えると、量子感度は100分の1未満に低下し得る。
したがって、検出感度を向上させるために、本開示の第一の態様に従って、化学ルミネセンス放射は検出器の最大感度波長に一致させなければならない。しかしながら、上述したように青色標識検出器は比較的低光子束であるため、これは既存のシステムにおける課題である。したがって、既存のルミネセンス検出システムでは、入射ルミネセンススペクトルと検出器のスペクトル吸収特性との不一致により感度が低下する。様々な検定の強度は、最大量子収率に関係なく、単一の検出器を用いて読み出されるため、少なくとも一部の波長では強度が低下し、感度に影響を与える。結果として、感度の低下は既存のシステムでは単に許容されている。
したがって、一態様によれば、ルミネセンス放射を高感度で測定できるルミネセンス検出システムが提供される。いくつかの実施形態では、ルミネセンス検出システムは、ハードウェアの後付けアップグレードとして既存の分析器に実装することができる。例えば、ルミネセンス検出システムは、分析器に利用される既存のルミネセンス検出システムに取って代わることができる。本開示の1つまたはそれ以上の特徴に従って、改良されたルミネセンス検出システムは、既に最大検出効率波長範囲(最大検出ウィンドウ)にある光子を通過させる。しかしながら、最大検出効率波長範囲(最大検出ウィンドウ)外の光子は、最大検出効率波長範囲(最大検出ウィンドウ)に収まるように変換(例えば、ダウンコンバート)される。したがって、変換(例えば、ダウンコンバート)を使用すると、強度低下は最小限にすることができる。
したがって、本開示の態様に従って、光ルミネセンス免疫検定のより高い合計値が達成でき、より高い感度をもたらす。さらに、本開示の態様は、現在、従来の器具では範囲外のより高い量子収率の標識(例えば、赤色色素標識)を使用する選択肢を可能にする。加えて、本開示の態様は、光検出器に追加されるか、または光検出器とともに使用される光変換層(変換層)を使用することにより、「廃棄光子」を検出光子に変換することを可能にする。したがって、本開示のルミネセンス検出システムを用いて、より高い感度を有する可能性のある、より広範な免疫検定を使用することができる。
したがって、本開示の実施形態によれば、ルミネセンス放射の改善された強度ならびに改善されたルミネセンス放射検出感度を提供するために、免疫検定器具内に実装され得るルミネセンス検出システムが提供される。さらに、化学ルミネセンス反応から発せされるルミネセンスの改善された検出を提供するように適用されたルミネセンス検出方法が提供される。
したがって、本明細書に記載の方法およびシステムは、ルミネセンス発光の強度を向上させるだけでなく、同時に全体的な検出感度を向上させることができることを認識すべきである。したがって、ルミネセンス検出システムの全体的な信号強度を劇的に改善することができる。
本開示の装置、システムおよび方法のさらなる詳細および実施例は、図1A~図4を参照して提供される。
図1A~図1Bは、ルミネセンス検出システム100内の試料位置111に配置された試料ホルダ110に含まれる試験試料の溶液112中に提供された標識成分114の化学ルミネセンス反応から発せられるルミネセンス光(例えば、ルミネセンス発光)の強度を測定する方法を実施するように構成され、動作可能であるルミネセンス検出システム100の例示的実施形態を示す。試験試料の溶液112は、標識成分114を含む溶液に、標識成分との化学ルミネセンス反応を起こさせるために添加された溶液を加えたものを含む。このように、試料ホルダ110は、標識成分114を含む試験試料を溶液112中に保持するように構成されており、この成分は、処理された生体検体から得られたものである。生体検体は、血清、血漿、尿、脳脊髄液など、任意の生体流体であり得る。試料ホルダ110は、プラスチックまたはガラスなどの光学的に透明または半透明のキュベットまたは他のベッセルであり得る。試料ホルダ110の壁は平坦であっても、または曲げられていても、またはそれらの組み合わせであってもよい。試料ホルダ110は、ドアもしくは蓋113または他の適切な導入方法を通して入れることによって、試料位置111に設けられる。
色素標識は、化学ルミネセンス反応を経て、したがって、第1の波長範囲でルミネセンス放射116を放出する任意の適切な色素標識であり得る。例えば、色素標識は、例えば図2Aに示すように、550nm~800nmの波長範囲222のルミネセンス放射116を放出することができる。さらに、ルミネセンス放射116は、示されているように、ルミネセンスピーク236を有するスペクトル応答およびルミネセンスピーク236を中心とするルミネセンス強度237のスペクトル分布を有し得る。この特定の色素標識は、約605nm~約650nmにルミネセンスピーク236を有する。ルミネセンス強度237のスペクトル分布は、正規化された強度の50%超がルミネセンスピーク236よりも上に位置する、示されているような非正規分布であり得る。
したがって、標識成分114は、適切な薬剤の添加により化学ルミネセンス反応を経て、第1の波長範囲222のルミネセンス放射116を放射する。標識成分は、標識抗体、標識自己抗体、標識抗原、標識タンパク質、標識DNAプローブ、標識マーカなど、任意の対象標識分析物であり得る。核酸プローブおよびハプテンも標識することができる。標識付けは、コンジュゲートを結合させることによって間接的に、または直接の酵素コンジュゲーションによって直接的に達成することができる。例えば、アクリジニウムエステルは抗体およびDNAプローブに対する直接的な化学ルミネセンス標識である。直接の標識として使用されるアクリジニウムエステルは、ハイブリダイゼーション反応によってプローブに結合する。アクリジニウムエステルは、塩基性条件下でアルカリ性過酸化物(例えば、過酸化水素)と反応させて励起状態を得ることができ、この励起状態は規定された波長で発光する。アクリジニウムスルホンアミドエステル標識などの誘導体も使用できる。他の種類の発光団および酵素標識を用いてもよい。本方法は、免疫学で用いられる生化学的技法として、種々の成分(例えば、抗体、自己免疫疾患の診断のための自己抗体、ホルモン、ポリペプチド、薬物、ビタミン、腫瘍マーカ、感染症マーカ、炎症マーカ、心筋障害マーカなどの血清濃度)の濃度の同定および検出に用いることができる。
図1Aおよび図1Bを再び参照すると、ルミネセンス検出システム100は、化学ルミネセンス反応から放射されるルミネセンス放射116(光子)の少なくとも一部を受けるように構成された光入射窓120を有する光電子増倍管(PMT)などの光検出器118をさらに備える。光入射窓120は、例えば、平面視で円形の形状を有し、十分な大きさの受光面積を有することができる。他の形状も可能である。図2Bに示すように、光検出器118は最大検出効率波長範囲224を有する。最大検出効率波長範囲224は、例えば示されているように、量子効率が10%以上の範囲である。しかしながら、最大検出効率波長範囲224のいくつかの部分において、量子効率は、15%以上、20%以上、または22%以上であり得る。
図2Bから見てとれるように、光検出器118の最大検出効率波長範囲224は、約398nm~420nmの波長範囲を有する青色ルミネセンス発光を受光するのにかなり効率的である。しかしながら、青色色素標識は比較的低い光子放出強度を放つため、高い検出レベルを提供することができない。しかしながら、赤色色素標識は、はるかに高い光子放出強度を有するが、図2Aから見てとれるように、約550nm~800nmで放射する赤色光は、量子効率が低すぎ、例えば、約1%未満となる。したがって、青色優位の検出器で赤色色素標識を使用すると、検出感度は非常に低くなる。
しかしながら、本明細書の様々な実施形態によれば、図1Aおよび拡大された図1Bに示すように、光入射窓120に隣接する位置に変換コーティング122が設けられる。例えば、第1の実施形態では、変換コーティング122は、光検出器118の光入射窓120内の光電陰極118Cを含む基板に直接適用することができる。
変換コーティング122は、ルミネセンス放射116の少なくとも一部を、図2Cに示すように第2の波長範囲228内に収まる波長にシフトされた入放射126に変換するように機能する。第2の波長範囲228は、300nm~550nm、またはいくつかの実施形態では325nm~525nmでさえあり得る。図示されているように、光検出器118の光電陰極118Cに接触する入放射126(光子)は、入射ピーク230(図2C)を有し得る。光電陰極118Cは、入射光子を電子に変換する。
変換コーティング122は、図3に最も良く示されているように、入射ピーク230が光検出器118の最大検出効率波長範囲224内に収まるように設計されている。したがって、この実施形態では、事実上、赤色優位の光が青色優位の光に変換またはシフトされている。したがって、入射ピーク230が最大検出効率波長範囲224内に収まるようにダウンシフトすることによる感度の向上とともに、赤色優位の光の使用によって生じる光子放出がより多くなるという二重の利点が達成される。最大検出効率波長範囲224は、例えば、300nm~530nmであり得る。いくつかの実施形態では、入射ピーク230が、最大検出効率波長範囲224内の量子効率ピーク232の位置と実質的に一致することが望まれる。「実質的に一致する」とは、2つのピーク230、232の位置が50nm以上異ならないことを意味し、これにより最大または最大に近い検出感度が達成される。光検出器118を用いた検出は、化学ルミネセンス反応を引き起こす薬剤の導入後、1つまたはそれ以上の適切な時間増分で行うことができる。
再び図1Aを参照すると、ルミネセンス検出システム100は、適切なコントローラ134をさらに備え、それによって制御される。コントローラ134は、適切なプロセッサと、出力検出回路136から得られた信号を記憶するメモリとを備えることができる。出力検出回路136の出力は、一連のダイノード段140の端部にあるアノード138から提供される。光電効果の結果として、電子が光電陰極118Cの表面から放出される。吸収されたエネルギーは電子放出を引き起こす。これらの電子は集束電極118Fによってダイノード段140を含む電子増倍管に導かれ、二次放出のプロセスによって電子は倍増する。ダイノード段140のこのような配置は、光電陰極118Cによって放出される小さな電流を、典型的には100万倍以上増幅することができる。次に、出力検出回路136は、アノード138において結果として生じる電流を測定することができ、これにより、スペクトルルミネセンス放射量を推定する。任意の適切な従来の出力検出回路および高圧電源139を使用することができる。
光電子増倍管(PMT)を含む光検出器118は、一連のダイノード段140を取り囲む真空ガラスハウジングにより構成される。変換コーティング122は、ルミネセンスピーク236が、変換コーティング122を通過するルミネセンス放射116を介してシフトされ、光電陰極118Cに衝突する入放射126となるように設計される。特に、波長シフトは、シフトされた入射ピーク230を最大検出効率波長範囲224内にするのに十分であり得る。いくつかの実施形態では、シフトは、例えば、100nm以上、120nm以上、またはさらには150nm以上であってもよい。
変換コーティング122は、例えば、懸濁した色素分子または量子ドットを有する透明な担持マトリックスの形態で提供される。変換コーティング122のコーティングは、変換コーティング122で光入射窓120を直接コーティングすることによって達成される。場合により、代替的実施形態では、透明な基板123(例えば、窓ガラス状素子)は、上に適用された変換コーティング122を含むことができ、例えば、透明な基板123をスロット127に受けることによって、光電陰極118Cの前に設置される。これらの実施形態の各々は、既存のPMT検出器に後付け可能であり得る。
変換コーティング122は、含まれている変換素子(懸濁した色素分子または量子ドット)を備えた10nm~100nmの薄い透明層であってもよい。反射コーティング(例えば、狭帯域反射コーティング)のような反射部材124は、変換コーティング122の上に適用される。反射部材124は、光電陰極118Cの量子効率ピーク232(図2B)を中心としてこれを取り囲む狭帯域を有することができる。いくつかの実施形態では、反射部材124は、第1の波長範囲222のルミネセンス放射116は通過させ、第1の波長範囲222外の少なくとも一部の光は拒絶するロングパスダイクロイックミラーを含み得る。これにより、スペクトルの他の部分における吸収を回避するのに役立ち得る。さらなる実施形態では、反射部材124は、すべての発光を通過させるが、第2の波長範囲228の入放射126は光検出器118の方へ反射および背面反射させる汎用検出器を含む。
理解されるように、ダウンコンバージョンの例を説明する。しかし、本開示はアップコンバージョンにも同様に適用可能である。したがって、どのような色素が選択され、どのような光検出器がルミネセンス検出システムに選択されたとしても、ルミネセンス放射は、光検出器118の最大量子効率範囲224と実質的に一致するように波長がシフトされる。任意の適切なアップコンバージョンコーティングが使用される。
図4は、例えば免疫検定試験で使用するためのルミネセンス検出方法400を示すフローチャートを示す。方法400は、ブロック402において、溶液(例えば、溶液112)中で、生体試料からの標識成分(例えば、標識成分114)を保持する試料ホルダ(例えば、試料ホルダ110)と、受光領域(例えば、光入射窓120)および最大検出効率波長範囲(例えば、最大検出効率波長範囲224)を有する光検出器(例えば、光検出器118)とを含み、変換コーティング(例えば、変換コーティング122)は、受光領域(例えば、光入射窓120)に隣接して適用される、ルミネセンス検出システム(例えば、ルミネセンス検出システム100)を提供することを含む。変換コーティング122は、カソード118Cの面に直接適用される。場合により、変換コーティング122は、図1Cに示す変換コーティング122でコーティングされたスライド式透明ガラスパネルなど、カソード118Cの前方に設けられた透明基板123のコーティングとして適用することができる。
方法400は、ブロック404において、標識成分との化学ルミネセンス反応を引き起こして、第1の波長範囲のルミネセンス放射(例えば、ルミネセンス放射116)を生じることをさらに含み、第1の波長範囲は、例えば、550nm~800nmであり得る。色素標識がその範囲でルミネセンス放射されるのであれば、他の適切な範囲も実施可能である。
方法400はさらに、ブロック406において、変換コーティング(例えば、変換コーティング122)を用いて、ルミネセンス放射(例えば、ルミネセンス放射116)を受け、量子効率(%)が最大検出効率波長範囲の少なくとも10%である最大検出効率波長範囲(例えば、最大検出効率波長範囲224)内にある入射ピーク(例えば、入射ピーク230)を有する第2の波長範囲(第2の波長範囲228)に変換することを含む。いくつかの実施形態では、最大検出効率波長範囲は300nm~530nmである。
本明細書では、具体的実施例を参照して実施形態を説明しているが、本開示の範囲は、本明細書に記載の詳細および具体的実施例に限定されることを意図するものではない。むしろ、特許請求の範囲および均等物の範囲内で、実施形態および詳細に様々な変更を行うことができる。

Claims (24)

  1. ルミネセンス検出システムであって:
    標識成分を含む試験試料を溶液中で保持するように構成されており、試験試料中の標識成分は、化学ルミネセンス反応を受け、第1の波長範囲のルミネセンス放射を放射する、試料ホルダと;
    発光を受けるように構成された光入射窓を有し、最大検出効率波長範囲を有する光検出器と;
    該光検出器の光入射窓に隣接して設けられ、第1の波長範囲のルミネセンス放射を、入放射の入射ピークが最大検出効率波長範囲内に収まる第2の波長範囲の入放射に変換させるように動作し、最大検出効率波長範囲は、光検出器の量子効率が10%以上の波長範囲である、変換部材と
    を含む、前記ルミネセンス検出システム。
  2. 変換部材は、光入射窓に直接適用された変換コーティングを含む、請求項1に記載のルミネセンス検出システム。
  3. 変換部材は、光入射窓の前方に配置された透明基板に適用された変換コーティングを含む、請求項1に記載のルミネセンス検出システム。
  4. 変換はアップコンバージョンである、請求項1に記載のルミネセンス検出システム。
  5. 変換はダウンコンバージョンである、請求項1に記載のルミネセンス検出システム。
  6. 量子効率は15%以上である、請求項1に記載のルミネセンス検出システム。
  7. 量子効率は20%以上である、請求項6に記載のルミネセンス検出システム。
  8. 量子効率は22%以上である、請求項6に記載のルミネセンス検出システム。
  9. 第1の波長範囲は550nm~800nmである、請求項1に記載のルミネセンス検出システム。
  10. 第1の波長範囲は605nm~650nmにルミネセンスピークを有する、請求項9に記載のルミネセンス検出システム。
  11. 第2の波長範囲は300nm~550nmである、請求項1に記載のルミネセンス検出システム。
  12. 第2の波長範囲は325nm~525nmである、請求項11に記載のルミネセンス検出システム。
  13. 最大検出効率波長範囲は300nm~530nmである、請求項1に記載のルミネセンス検出システム。
  14. 光検出器は光電子増倍管を含む、請求項1に記載のルミネセンス検出システム。
  15. 変換部材の前方に設けられた反射部材を含む、請求項1に記載のルミネセンス検出システム。
  16. 反射部材は、第1の波長範囲のルミネセンス放射は通過させ、第1の波長範囲外の少なくとも一部の光は拒絶するロングパスダイクロイックミラーを含む、請求項15に記載のルミネセンス検出システム。
  17. 反射部材は、ルミネセンス放射をすべて通過させるが、第2の波長範囲の入放射は光検出器の方へ背面反射させる汎用検出器を含む、請求項15に記載のルミネセンス検出システム。
  18. ルミネセンス検出システムであって:
    標識成分を溶液中で保持するように構成されており、標識成分は、化学ルミネセンス反応を受け、ルミネセンス放射は、第1の波長範囲内の放射ピークを有して生じる、試料ホルダと;
    ルミネセンス放射を受けるように構成された受光領域を有し、最大検出効率波長範囲を有し、最大検出効率波長範囲内の全波長が10%以上の量子効率を有する光検出器と;
    受光領域に適用され、ルミネセンス放射を、最大検出効率波長範囲内に収まる入射ピークを有する入放射に変換するように動作する、変換コーティングと
    を含む、前記ルミネセンス検出システム。
  19. 第1の波長範囲は550nm~800nmである、請求項18に記載のルミネセンス検出システム。
  20. 最大検出効率波長範囲は300nm~530nmである、請求項18に記載のルミネセンス検出システム。
  21. ルミネセンス検出方法であって:
    溶液中に標識成分を保持する試料ホルダと、受光領域および最大検出効率波長範囲を有する光検出器とを含み、変換コーティングは受光領域に隣接して適用される、ルミネセンス検出システムを提供することと;
    標識成分との化学ルミネセンス反応を引き起こして、第1の波長範囲のルミネセンス放射を生じることと;
    変換コーティングによって、ルミネセンス放射を受け、量子効率が最大検出効率波長範囲の少なくとも10%である最大検出効率波長範囲内にある入射ピークを有する第2の波長範囲に変換することと
    を含む、前記ルミネセンス検出方法。
  22. 第1の波長範囲は550nm~800nmである、請求項21に記載のルミネセンス検出方法。
  23. 第2の波長範囲は300nm~550nmである、請求項21に記載のルミネセンス検出方法。
  24. 最大検出効率波長範囲は300nm~530nmである、請求項21に記載のルミネセンス検出方法。
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