JP2024503677A - 強化テンサイパルプの製造 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物又はその一部を含む作物から動物飼料組成物を製造する方法、及び前記方法により製造された動物飼料組成物に関する。さらに、本発明は、好ましくはより高い栄養素含有量を含む強化乳を製造するためのプロセス、及び糖含有作物材料を処理するための生産施設における処理量を管理するためのシステムを包む。

Description

テンサイの品種/植物を含むベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)は、その有利な飼料特性により、長期間酪農における飼料作物として使用されてきた。主な利点は、トウモロコシをサイロに貯蔵するための技術が知られていなかったため、歴史的に冬に利用できる唯一の飼草であり、したがって、いわゆる飼料ビートは、新しい草が再び利用できる次の春まで秋から冬にかけて家畜に餌を与える方法であるという事実であった。
農家が現在利用できる選択肢は、(自家栽培の)新鮮な/サイロに貯蔵したベータ・ブルガリス、又は製糖工場からの既製の乾燥及び/又は圧搾されたテンサイのパルプのいずれかである。
背景技術
ベータ・ブルガリスは、典型的に所望の糖含有量を有するエネルギー豊富な作物であるが、畜産農家に作物管理及び収穫後の作業の負担を課している。ベータ・ブルガリスの作物管理は、代わりの飼料作物、例えばトウモロコシと比較してより困難である。主な負担は、作物の定着及び雑草の防除である。収穫は、特定の機械も必要であり、常に利用できるわけではない。収穫条件に応じて、根は、多かれ少なかれ土壌(汚れた風袋)が付着しており、したがって、乾式又は湿式の洗浄のいずれかが必要となり、その後刻んで別のサイレージ作物と混合してサイロに貯蔵する。ベータ・ブルガリスの根は、18%~30%の乾物(DM)を有し、水分含有量が非常に高いためそれ自体サイロに貯蔵できない場合があり、したがって他のサイレージ穀物は、通常平均DM含有量を30%超のDMにする必要があり、そうでなければ高品質のサイレージが得られない。さらに、切り刻んだ後(24~48時間後)、ビートの根は、大量の流出液を放出する(その質量の35~40%まで)。この流出液を捕捉又は吸収する必要があり、これがビートをサイロに貯蔵するために他のサイレージ作物も必要となるもう1つの理由である。代わりに、新鮮なビートを使用するために週に一度収穫することもできるが、これは手間がかかりかつあまり効率的なプロセスではない。実際の場合に、生産者が週に1回収穫するために所有する小型の収穫機(畑でビートを適切に保存するため)を使用するか、又は生産者がすべてのビートを収穫してクランプに貯蔵する(好気的条件)。しかしながら、これは全ての気候条件及び地方で可能ではない。したがって、新鮮なビートの使用は、特定の限られた地理的地域及び年間の特定の期間に常に制限される。したがって、本発明によって可能になる利点の1つは、畜産農家(通常、作物よりも動物に重点を置く)のための作物の栽培の負担を軽減する新たな概念を提供することである。詳細を次の段落において提供する。
製糖工場からのテンサイの副生成物、すなわち圧搾ビートパルプ及びドライパルプは、動物の飼料として使用しやすいが、糖含有量は低い(典型的に糖1~5質量%)。新鮮なテンサイの典型的な糖含有量は、約10~20質量%であるが、しかしながら全てを抽出できない。テンサイから製造されるウェットパルプは、約1質量%の糖を有し、ウェットパルプを機械的に圧搾して水分を除去することによって得られる圧搾パルプは、約1~2質量%の糖を含む。圧搾パルプの熱乾燥によって得られるドライパルプは、4~5質量%の糖を含む。圧搾パルプだけを製造する工場もあれば、ドライパルプだけを製造する工場もあり、多くは双方を製造する。これは製糖工場と畜産農家との距離による。
テンサイの副生成物は、容易に消化され、ペクチンが豊富であるため、酪農家の間で高い需要がある。消化性の高い繊維は、より高いエネルギーを動物に与え、かつより良い発酵をもたらし、その結果より良好な第一胃の健康ももたらす。これら全ては、より高くより一定した乳生産をもたす。これらのビート副生成物の非常に低い糖レベルにより、場合により糖蜜及び/又は他の外部源の成分が、糖をパルプから抽出した後に加工パルプに添加される。
テンサイの副生成物から得られ、かつ乳業及び他の畜産産業のために商業規模で生産される飼料の品質を改善する必要が継続してある。したがって、本発明の目的は、これに限定されないが高レベルの天然の糖の含有量を含む、最適化された栄養素含有量を含む動物飼料組成物の製造方法、及び高レベルの天然の糖の含有量を有する動物飼料を提供することである。
ウェットパルプ
テンサイからのウェットパルプは、糖製造プロセスの副生成物として製造される。工場においてビートを受け取って洗浄した後に、テンサイは、ビートスライサー又はチョッパーで細かいスライス(コセット)に切断される。これらのコセットは、浸出機(diffuser)に供給され、浸出段階中に温水の逆流中を循環する。浸出段階はロージュースの製造をもたらし、下流でさらにこれを処理して砂糖及び排出されたコセットが製造される。浸出の出口で、排出されたコセットは、非常に少量の糖、典型的に約1質量%の糖を含む。
浸出後、排出されたコセットは、約5%~10%のDMを含むウェットパルプといわれる。パルプの乾燥物質の含有量のおおよその組成は、糖(スクロース)1%~10%、粗繊維10%~20%、ペクチン10%~25%、セルロース40%、粗タンパク質8%、及び灰分6%を含む。
ウェットパルプは、高いセルロース含有量、及び他の消化可能な炭水化物(例えばヘミセルロース及びペクチン)を有する。リグニンの含有量は非常に少なく、その結果有機物の良好な消化性及び良好なエネルギー値を付与し、それはトウモロコシサイレージよりも優れている。
圧搾パルプ
ウェットパルプを機械的に圧搾して得られる圧搾パルプは、バルク又はベールのいずれかで提供される。圧搾パルプは、典型的に、水を除去した後に約20%~30%のDMを含む。
ドライパルプ
圧搾パルプをさらに処理して、典型的に85%~95%のDMを有するドライパルプを生成できる。回転乾燥機、トレイ乾燥機、又はベルト乾燥機、例えば化石燃料を使用する直接高温乾燥、化石燃料又は廃熱を使用する低温乾燥、蒸気乾燥、及び天日乾燥を使用して水を熱的に除去するために、種々の乾燥方法を使用できる。圧搾パルプだけを製造する工場もあれば、乾燥パルプだけを製造する工場もあり、多くは双方を製造する。これは、多くの場合に、畜産農家への供給物流に依存する。
ドライパルプは、通常、保管が容易なペレットで販売され、長距離輸送、及び海上貨物でさえも可能である。
ペクチン
テンサイは、他の作物と比較して独自の繊維組成、特にペクチン含有量(典型的に乾燥物質10~25%)を有する。ペクチンは、消化性が高くかつ第一胃内でゆっくりと継続的に分解され、エネルギーが長期間供給される。
発酵が遅いと、動物の第一胃のpHは著しく変化せず、約pH6に留まり、それによりアシドーシスのリスクが軽減される。
ペクチンは、繊維分解微生物(酸耐性があまりない)に好ましい条件を提供する。さらに、ペクチンは、微生物のタンパク質合成を刺激し、乳中尿素レベルを低下させる。したがって、ペクチンは、発酵パターン及び結果として生じる第一胃の同調化により、デンプン又は糖分が豊富な飼料の理想的な成分となる。ペクチンを含む飼料は、第一胃の機能を最適化することによるより良好な第一胃の発酵に基づいて、乳タンパク質にプラスの効果をもたらす。
発明の要約
本出願を以下のように要約する。
本発明の一態様は、動物飼料組成物を製造するための方法を提供することであって、
i. 約18質量%超の乾燥物質含有量を有するベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)の植物又はその一部を含む作物を準備するステップ、
ii. 穀物を細切れにするステップ、
iii. その破片を浸出装置に運搬して流体及びパルプを生成するステップであって、前記パルプがパルプの乾燥物質の約15質量%~約60質量%の天然糖含有量を含み、
iv. パルプを浸出装置から取り出すステップ、及び
v. パルプを加工して飼料組成物を形成するステップ
を含み、
任意に、作物を分析して作物の糖濃度を測定するステップをさらに含み、好ましくは作物の糖濃度は作物を細切れにした後に測定し、
任意に、パルプを浸出装置から取り出した後に、パルプを圧搾して圧搾パルプを形成し、好ましくは、圧搾パルプを乾燥させてドライパルプを形成し、より好ましくはドライパルプをペレット化し、及び/又はドライパルプを破片の形にし、
任意に、さらに、パルプを分析して、パルプの糖濃度を測定するステップを含む。
本発明は、約18質量%超の乾燥物質含有量を有するベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物又はベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)種を含む作物を準備するステップ、穀物を細切れにするステップ、その破片を浸出装置に運搬して流体及びパルプを生成するステップであって、パルプがパルプの乾燥物質の約15質量%~約60質量%の天然糖含有量を含むステップ、パルプを浸出装置から取り出すステップ、及びパルプを加工して飼料組成物を形成するステップを含む、動物飼料組成物を製造する方法に関する。パルプを浸出装置から取り出した後に、パルプを圧搾して圧搾パルプを形成してよい。圧搾パルプを乾燥させてドライパルプを形成し、かつドライパルプを直接破片の形で使用してよく、又はドライパルプをさらにペレットに加工してよい。
前記方法は、作物の糖濃度を決定するために作物を分析するステップを含んでよい。作物の糖濃度を分光分析によって測定してよい。分光測定は、赤外分光法、中赤外分光法、近赤外分光法、ラマン分光法、ハイパースペクトルイメージング、屈折率測定、偏光測定、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される分光法によって実施されてよい。作物の糖濃度を、作物を細かく切断した後に測定してよい。
前記分析は、パルプの糖濃度を決定するためにパルプを分析するために使用されてよく、又はその代わりに使用されてもよい。
本発明の他の態様は、前述した方法によって製造された動物飼料組成物を提供することである。
本発明は、さらに、前記した方法によって製造された動物飼料組成物に関する。飼料組成物の乾燥物質含有量は、約5~95質量%、又は約30~85質量%であってよい。飼料組成物の乾燥物質の糖含有量は、約0~60質量%、又は約0~30質量%であってよい。飼料組成物は、さらに、ペクチンを含む消化可能な繊維である栄養成分を含んでよい。飼料組成物中のペクチンに対する糖の比率は、約1~約100質量%の範囲であってよい。
本発明は、さらに、動物飼料組成物を乳生産動物に給餌し、その後動物から乳を得ることを含む、強化乳の製造方法に関する。動物からの乳は、飼料を与えられていない動物からの乳と比較して、より高い栄養素含有量を含んでよく、より高い栄養素含有量は、より高い脂肪含有量、より高いタンパク質含有量、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明は、約5%~約95%の加工したベータ・ブルガリス乾燥物質を含む動物飼料組成物にも関し、その際、乾燥物質は約0%~約60%の糖を含む。本明細書において使用される場合、「加工したベータ・ブルガリス乾燥物質」は、新鮮な又は生の未加工のベータ・ブルガリス作物を動物に直接与えることとは対照的に、装置を介して作物を加工することによって生成される乾燥物質を意味する。飼料組成物の乾燥物質は、約0質量%~約100質量%の消化可能な繊維を含んでよい。消化可能な繊維は、約0質量%~約100質量%のペクチンを含んでよい。飼料組成物中のペクチンに対する糖の比率は、約1~約100質量%の範囲であってよい。飼料は、乳生産動物に飼料を与え、そして動物から乳を得ることによって強化乳を製造するために使用されてよい。動物からの乳は、飼料を与えられていない動物からの乳と比較して、より高い栄養素含有量を含んでよく、高い栄養素含有量は、より高い脂肪含有量、より高いタンパク質含有量、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明は、さらに、糖含有作物材料を加工するための生産施設における処理量を管理するためのシステムであって、作物材料の乾燥物質含有量及び糖含有量を検出する第1の検出装置、流体ベースの浸出装置と通信して、作物材料が浸出装置中にある場合に浸出装置内の流体の処理された糖含有量を検出する第2の検出装置であって、浸出装置が少なくとも複数の動作モードを有する第2の検出装置、それぞれの動作モードにおいて浸出装置の動作を制御する制御装置、並びにメモリとプロセッサであって、(i)第1及び第2の検出器から乾燥物質含有量及び加工した糖含有量を受信し、(ii)乾燥物質含有量と加工した糖含有量とを比較し、(iii)比較値を生成し、(iv)比較値が閾値処理した糖収量の目標を満たすかどうかを決定し、かつ(v)決定ステップ(iv)に基づいて、浸出装置の動作モードを維持又は変更するための信号をコントローラに送信するように配置されたメモリ及びプロセッサを含む、前記システムに関する。
本発明のさらなる態様は、糖含有作物材料を加工するための生産施設における処理量を管理するためのシステムであって、作物材料の乾燥物質含有量及び糖含有量を検出する第1の検出装置、流体ベースの浸出装置と通信して、作物材料が浸出装置中にある場合に浸出装置内の流体の処理された糖含有量を検出する第2の検出装置であって、浸出装置が少なくとも複数の動作モードを有する第2の検出装置、それぞれの動作モードにおいて浸出装置の動作を制御する制御装置、並びにメモリとプロセッサであって、
i. 第1及び第2の検出器から乾燥物質含有量及び加工した糖含有量を受信する、
ii. 乾燥物質含有量と加工した糖含有量とを比較する、
iii. 比較値を生成する、
iv. 比較値が閾値処理した糖収量の目標を満たすかどうかを決定する、かつ
v. 決定ステップ(iv)に基づいて、浸出装置の動作モードを維持又は変更するための信号をコントローラに送信する
ように配置されたメモリ及びプロセッサを含む、糖含有作物材料を加工するための生産施設における処理量を管理するためのシステムである。
前記システムにおいて、閾値処理した糖収量の目標は、第2のプロセッサによって生じてよく、第2のプロセッサは、
a. 作物材料の量を示す質量投入量を受信する、
b. 第1の検出装置から乾燥物質含有量及び糖含有量を受信する、及び
c. 投入量質量及び乾燥物質含有量に基づいて、閾値処理した糖収量の目標を決定する
ように配置されてよい。
前記システムにおける第1の検出装置は、作物材料の糖含有量を測定するための測定装置を含んでよい。測定装置は、分光法を使用して糖含有量を測定してよい。分光測定は、赤外分光法、中赤外分光法、近赤外分光法、ラマン分光法、ハイパースペクトルイメージング、屈折率測定、偏光測定、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される分光法によって実施されてよい。
前記システムは、浸出装置において生成したパルプのタンパク質、繊維又は他の非糖成分を検出するように構成された第3の検出装置を含んでよい。
前記システムは、閾値処理した糖収量の目標を生じるための第2のプロセッサを含んでよい。第2のプロセッサは、作物材料の量を示す質量投入量を受信する、第1の検出装置から乾燥物質含有量及び糖含有量を受信する、及び投入量質量及び乾燥物質含有量に基づいて、閾値処理した糖収量の目標を決定するように配置されてよい。
ここで添付の図面を参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺どおりに描かれておらず、これらは、本開示に組み込まれ、その一部を構成し、開示された技術の種々の実装及び態様を示し、説明とともに、開示された技術の原理を説明する。
図1は、プロセス要素を定義するためのキーを示す図である。 図2は、製糖工場のプロセスモデルの一実施形態の概略図である。 図3は、改良した製糖工場のプロセスモデルの一実施形態の概略図であり、どのステップで改良を行ったかを示す(番号付きの丸で示す)。
詳細な説明
本発明の一態様において、強化したビートパルプが提供される。
本発明の他の態様において、本発明による強化したビートパルプは、飼料材料、飼料、原材料、成分、副生成物及び補助生成物としても公知であってよい動物飼料として使用される。
本発明のさらなる態様においては、部分的に抽出され、枯渇していないテンサイのコセット又は他の微細片に基づいた、糖分が豊富な動物、特に乳製品の代替飼料を作成及び確立することである。
本発明による製品は、肉牛及び乳牛、バッファロー、羊、ヤギ及び豚等の他の家畜、並びに家禽の飼料に適している。
切断したビートのコセット型は、工業的な糖抽出プロセスで使用される。コセットは、一般的に、スライスしたビートの長くて薄いストリップとして定義される。コセットの品質は、100gの新鮮なコセットの長さをメートルで表したシリン数(Silin Number)によって測定できるか、測定してよい。コセットは、糖抽出プロセスを強化し、かつ容易にするための特別な形である。多少の変動があってよいが、加工したテンサイの自然な変動の範囲内で、コセットは、異なる工場間でもサイズ及び品質がかなり一貫している。サイズがわずかに異なってよいが、異なる工場間でもほぼ同様である。製糖業界では、コセットをスライスすることが一般的である。これらは、圧搾して水を除去するための機械的強度と組み合わせて、浸出のために大きな表面積を提供するように最適化される。商業生産システムにおけるシリン数の一般的な値は、約7~約20の範囲であってよい。
しかしながら、本発明による飼料の製造に使用されるテンサイの形は、コセットに限定されない。切断したテンサイの他の形は、スライス、みじん切り、細切り等である。本発明の一態様は、使いやすく、栄養価が高く、嗜好性が高く、乳品質の向上をもたらし、商業規模で生産できる、糖が豊富な動物飼料代替品を提供することである。
乳の品質は、乳固形分、例えば脂肪及びタンパク質の改善/強化した含有量をいう。天然の糖が豊富である飼料製品、例えば本明細書に記載した強化テンサイ飼料は、より高品質の乳を生産するために必要な栄養及び食事サポートを動物に提供する。飼料の栄養プロフィールは、主に糖に基づき、デンプンの代替としてエネルギー含有量を提供する。双方共に炭水化物であり、乳を生産する又は体重を増加させるためのエネルギー源として動物により使用されてよいが、それらは異なり、補完的である。動物は双方のエネルギー源を必要とする。また、繊維は、腸又は第一胃の健康を確実に安定させるための飼料の重要な要素である。テンサイのペクチンは非常に消化性がよく、動物の全体的な健康をサポートする。本発明の飼料は使いやすさを提供する。一例として、酪農家は、すぐに使用できる新鮮な製品を直接TMRミキサー(TMR:total mixed ration(混合飼料))に入れて、牛に給餌するか又はサイロ貯蔵するための1日の比率を調整する。「TMR」は、よく混合された完全な乳製品の食事を意味する。TMRは、ミキサーワゴンを使用して適切に調製される。多くの場合、農家は混合機械の名前として「Unifeed」という名前のみを使用する。したがって、農家は、細部まで注意する必要があり、かつトウモロコシ又は他の代替作物よりも栽培が難しい高度に技術的な作物であるベータ・ブルガリスの栽培の負担から解放される。ベータ・ブルガリスの作物管理がトウモロコシのような代替作物よりも複雑である場合に、収穫及び収穫後の作業もはるかに複雑になる。最終的に、農家は、本発明の強化したビート飼料を使用することによって、糖が豊富な飼料製品を入手することが容易になる。
本発明の一態様において、ペクチンの量は、強化パルプの0~100質量%の範囲内である。
本発明の他の態様において、糖(スクロース及び異なる糖類)の量は、圧搾パルプ中の強化したビート飼料の4~18質量%、及びドライパルプの約4~50質量%の範囲である。
本発明は、さらに、付加価値のある動物飼料製品のための新たな市場セグメントを提供し、これは、資源利用を最適化し、処理量を改善し、変化する市場需要、収穫品質又は保管条件に対応するためにテンサイを異なる製品に加工する柔軟性を提供する。本発明の一態様は、テンサイから典型的なレベルで糖を抽出する代わりに、新たなタイプのテンサイ飼料製品を導入することであり、該テンサイ飼料製品は、4~18質量%の範囲で圧搾パルプ中に保持される天然糖含有量の増加を有する。この強化パルプは、既存のフォーマット及び流通チャネルを介して顧客に流通される。
典型的なテンサイの抽出プロセスを図1及び2に示す。図1はプロセスにおける種々の操作のキーを提供し、図2は従来のプロセスにおける種々の操作の関係を示す。図2を参照すると、以下の定義が適用される:
生産段階の定義:
ビートの取り込み - スライスする前に、フィールド外のビートを洗浄し、製糖工場に移動する
スライサー - 洗浄したビートを浸出のためにコセットにスライスする
浸出 - コセットから糖(及び非糖)を取り出す
パルプの圧搾 - 浸出後にコセットを圧搾することにより水を機械的に除去する
精製 - 蒸発前にジュースから糖以外の不純物を除去する
蒸発 - 結晶化前にジュースから水を除去する
結晶化及び遠心分離 - ジュースから糖を取り出す
製品産出量の定義:
1. 土及び石
2. 圧搾パルプ
・ ビートからの繊維
・ スライスしたビートに対して生産量約5%(すなわち、1トンのビートから50kgの圧搾パルプが得られる)
・ 乾燥物質約25質量%
・ 糖約2質量%
・ それらを乾燥させて、>85質量%のはるかに高い乾燥物質含有量を有する乾燥させたビートパルプを製造できる
3. 工場用石灰
・ 果汁から除いた不純物を含む炭酸カルシウム
4. 結晶糖
・ 純粋なスクロース
・ 生産量約15%のスライスしたビート(すなわち、1トンのビートから150kgの糖が得られる)
5. 糖蜜
・ 砂糖を抽出することがもはや経済的ではない糖シロップ
・ ビート中の糖の約10%は糖蜜で終わる
中間製品の定義:
1. クリーンなビート - 土、石及び雑草のゴミを取り除いたビート
2. コセット - 表面積(浸出のため)及び機械的強度(パルプ圧搾のため)を最適化したスライスしたビート
3. 使い果たされたコセット - 糖及び一部の非糖を取り出したコセット
4. 浸出させたコセット - 糖及び一部の非糖を部分的に取り出したコセット
5. 生ジュース - 糖(約14%w/w)及び糖でない不純物(2%w/w)を含む薄い酒
6. 薄いジュース - 不純物を取り除いた薄い糖
7. 濃いジュース - 不純物及び水分を取り除いた濃い糖シロップ(約23%の水)。
本発明は、図3に示すように、コセットからの糖の部分抽出を介して強化したビートパルプを製造するための方法又はその工業プロセスを提供する。図3は、本発明のプロセスから生じる従来のプロセスへの変更を示す。図3の数字は、従来のプロセスからの次の変更を示す:
1. 浸出中の抽出の減少は以下を導く:
・ パルプ圧搾に対する浸出したコセットの総トンの増加
・ 浸出コセット中の糖及び糖以外の総トンの増加
2. 浸出したコセット及び糖含有量の増加:
・ 生ジュースから水分を除去する
・ 圧搾パルプの糖含有量及び生産量を増加する(強化パルプ)
3. 浸出中の抽出の減少は以下を導く:
・ 生ジュースの流量の低下
・ 少ない生ジュースの非糖類
4. 低下した生ジュースの量及び非糖類は以下を導く:
・ 精製のための石灰投入量及び工場石灰製品の生産量の削減
・ 薄いジュースの流量の減少
5. 低下した薄いジュースの量及び非糖類は以下を導く:
・ 水の蒸発の減少
・ より低いエネルギー投入量
6. 浸出中の抽出の減少は以下を導く:
・ 精製、蒸発及び結晶化に送られる糖が減る=糖の生産が減る
・ 精製、蒸発及び結晶化に送られる非糖分が減る=糖蜜の生産が減る。
前記仮定は、工場に入る同一の固定量のビートに対するものであることに注意すべきである。本発明の範囲内で、工場に入るビートの量を増加させて同一の糖生産量を供給するが、圧搾パルプの生産量を増加させることが可能である。この増加は、浸出、精製、又は蒸発の能力における追加の投資は必要ない。最終的に、工場に入るビートの量が増加すると、非糖類及び水の削減により精製及び蒸発の操作が恩恵を受けることが予期される。
前記したように、このプロセスは従来の製糖浸出装置での抽出又は浸出を含み、リーチング及び細胞膜透析又は破壊の組み合わせによってコセットから糖含有ジュースが得られる。このプロセスは当業者に周知であり、Beet-Sugar Technology(第2版、1971年1月1日、R.A.McGinnis著)に記載されている。コセットを装置内に搬送して、コセットからの糖の浸出を促進するために水を添加する。装置の作動により、コセットは、糖を含む成分を水中に放出し、これは「浸出ジュース」、「生ジュース」、又は単に「ジュース」と言われる。浸出装置から引き出される糖含有ジュースの質量と装置に導入されるコセットの質量との割合は、「浸出ドラフト(diffuser draft)」又は単に「ドラフト」と言われる。ドラフトが増加すると、プロセスに追加の水を導入する必要がある。典型的な製糖プロセスにおいて、ドラフトは、100%~150%の範囲であってよく、言い換えれば、糖含有ジュースの質量は、典型的に、浸出装置中に搬送されるコセットの質量と少なくとも同一か、又はそれを超える。
浸出装置は、高温で操作して、抽出/浸出プロセスを促進する。糖の抽出を、50℃以上の温度で実施して細胞構造の変性を達成し、それにより抽出/浸出プロセス中にジュース中に糖を放出させる。従来のプロセスにおいて、細胞の変性を促進するために好ましい操作温度は70℃を超える。
本発明の動物飼料組成物を製造するために、保持された天然糖含有量のレベルが増加した飼料を商業規模で製造できることが発見された。本明細書で使用されるように、「天然糖含有量」は、抽出されなかった及び/又は後に糖蜜の形で又は他の外部源からパルプに戻されなかった、浸出後のビートパルプ内の糖含有量をいう。テンサイからの糖の部分抽出によって得られる天然糖含有量の増加は、補充を必要とせずに飼料中で高レベルの栄養素を提供するため飼料として有益であり、それによりコストが削減され、家畜生産者の業務効率が向上する。理論に束縛される意図はないが、「使い果たしたコセット」(ほぼ全ての糖が抽出されている)と比較して「浸出したコセット」をもたらす糖の部分抽出は、プロセスにいくつかの重要な利点を有すると考えられる:
・ 浸出機中のコセットの滞留時間が短縮されてよく、これは、処理量における潜在的な増加及び/又は浸出機に供給される淡水(いわゆるドラフト)の減少を意味し、プロセスの後半で蒸発する必要がある水の量の減を意味する;
・ 浸出中の抽出量の減少は、パルプ圧搾(ウェットパルプ)への浸出コセットの総トンの増加及び浸出コセット(ウェットパルプ)中の糖及び非糖類の総トンの増加を導く;
・ 浸出コセット及び糖含有量の増加は、生ジュースの流量を減少させ、生ジュース中の水分及び非糖類を減少させ、圧搾パルプの糖含有量及び生産量が増加させることを意味する(強化圧搾パルプ製品);
・ 生ジュースの流量及び非糖類の減少は、除去すべき不純物の現象をもたらし、精製のための石灰の投入量が減り、蒸発プロセスへの薄いジュースの流量も減少することを意味する;
・ 薄いジュースの流量及び非糖類の減少は、蒸発する水が少なくなることを意味する(これは、エネルギー投入量、排出量及び費用の削減に直接的な結果をもたらす)。
一実施形態において、本発明による強化圧搾パルプ製品は、従来のテンサイ加工における生産物と比較して、表1に列挙される特性を有する。
Figure 2024503677000001
本明細書において示される全てのパーセンテージは質量ベースであり、特に指示がない限り、%又は%(w/w)として識別される。作物の乾燥物質含有量は特に「DM」と言われ、作物の非水分含有量を含む。「糖」という用語は、作物に含まれるスクロース、サッカロース、及び他の栄養糖類をいう。「非糖類成分」は、作物に存在する繊維及びタンパク質を含む。
本発明は、以下の発明の動機及び結果として得られる利点を有する。農家は、高エネルギーの天然糖ベースの原料製品の新たな供給源を利用できる。乳用家畜のための糖を多く含む飼料は、乳固形分が高くなることが証明されており、乳製品製造業者は乳固形分に基づいて農家に割増金を支払っている。製糖工場は、新たな「プレミアムな」原料市場区分を開拓しうる。
新たなタイプの原料は、畜産農家にとって使用しやすく、さらにテンサイ飼料の利点を最大限に提供する。科学的実験は、サイロ貯蔵したビート又は新鮮なビートの給餌が特に脂肪含有量の点で牛乳の品質における著しい改善をもたらすことを示す。本発明は、従来のベータ・ブルガリスベースの原料製品と比較して、改善された栄養含有量を有し、さらに使用しやすい強化テンサイ原料を畜産農家に提供する。
同時に、本発明は、製糖工場又は他の加工施設に、変動性を緩和し、かつ市場のニーズの変化に迅速に対応するためのスイング能力の選択肢を提供する。スイング能力は、同一の資産がそのプロセスを異なる製品に「スイング」して(すなわち、浸出条件を調整して糖及び/又は強化ビートパルプを多かれ少なかれ生産する)、高価値市場を開拓できることを意味する。地域が異なれば、スイング能力の選択肢も異なる。スイング能力の例は、ブラジルの製糖産業、並びにエタノール及び/又は糖の生産についての賞賛されるそれらのスイング能力である。
本発明に従って、工場に入るテンサイの量を増加させて同一の糖生産量を供給することが可能であるが、強化した圧搾パルプの生産量が増加する。この増加は、浸出、精製又は蒸発の能力における投資は必要ありません。一方で、工場に入るビートの量が増えても、非糖類及び水の減少による精製及び蒸発の利点は依然として得られる。増加したテンサイの投入量は、工場が、糖生産量を維持し、かつ動物性原料の生産量を増加できるため、常に効率的に稼働できることを意味する。
本発明の他の態様は、製糖工場又は他の加工施設が、種々の糖含有量及び不純物含有量のレベルを有するベータ・ブルガリス植物もしくはその一部、又はベータ・ブルガリス品種もしくはその一部を使用できるようにすることである。本明細書において使用されるように、「不純物」及び「複数の不純物」は、作物中に存在する非糖類の栄養素をいう。例えば、いくつかの品種は、所望のDM含有量又は糖含有量を有する一方で、不純物のレベルが低い品種と比較して、不純物、例えば非糖類の栄養素、粗タンパク質又は他の成分をより高レベルで含みうる。かかる品種を本発明に従って加工して高タンパク質飼料を生産することができ、これは飼料を消費する動物によって生産される乳の栄養含有量を高めるのに役立ちうる。本発明のこの態様は、酪農産業及び他の産業において使用するための強化原料において、非GMOタンパク質であってよいタンパク質の栄養源を生産できる、より広範囲のベータ・ブルガリス品種の使用が可能にする。
実施例
実施例1
実施例1において、同量のテンサイを従来の生産システム(「現行の浸出モデル」)及び本発明によるシステム(「強化パルプ浸出モデル」)を介して処理した。データを表2a及び表2bにまとめる。それぞれのモデルの投入量、産出量、及び生成物を挙げる。
Figure 2024503677000002
Figure 2024503677000003
実施例2
実施例2において、従来の生産システムと比較して、本発明による強化パルプ浸出モデルシステムにおいてテンサイ投入量を増加させた。データを表3a及び表3bに示す。
Figure 2024503677000004
Figure 2024503677000005
実施例3
実施例1及び実施例2に基づいて、商業規模のプロセスモデルを開発し、該モデルから予想される結果を以下の表にまとめる。
Figure 2024503677000006
Figure 2024503677000007
Figure 2024503677000008
これらのモデルから、本発明の方法を使用してビートパルプ中に保持できる天然の糖含有量の量は、従来の製糖作業と比較して、乾燥物質に対して4倍以上増加しうることが予測された。一例として、対照モデルにおいて、天然糖は圧搾パルプ中の乾燥物質の約4.5%を占め、一方で同量のビート原料を使用した強化パルプモデルにおいて、天然糖が圧搾パルプ中の乾燥物質のほぼ20%を占めた。出発ビート材料の量を増やすと、同様に乾燥物質中の天然糖の量が25%以上のレベルで増加した。したがって、これらのデータは、ビート源からの高栄養レベルの天然糖を含む強化パルプ飼料は、従来の砂糖生産ラインを使用して商業規模で生産できるという結論を裏付ける。
実施例4
商業規模で動物飼料のための強化パルプを製造ために有用な操作パラメータをさらに調査するために、商業生産ラインで特定の変数を試験して結果を得て、その結果を表IVにまとめた。
それぞれの試験において、一定量のスライスしたビートのコセットを、従来の商業規模の糖生産浸出装置、例えば従来の連続向流抽出装置に供給した。かかる抽出装置の例は、DDS浸出機又は塔浸出機を含むが、これらに制限されない。水を、装置が適切に機能するために十分な量で供給し、それぞれの特定の場合において、以下の表に記載したドラフトパーセント目標を達成する量で供給する。
Figure 2024503677000009
Figure 2024503677000010
Figure 2024503677000011
Figure 2024503677000012
Figure 2024503677000013
Figure 2024503677000014
Figure 2024503677000015
それぞれの試験で生じたデータを次の表にまとめる。
Figure 2024503677000016
これらのデータから、本発明のプロセスに関する多くの観察に注目することができる。
前述したように、従来のプロセスにおいて、ドラフトは浸出装置に提供されるコセットの質量の100%超であることが好ましい。しかし、予期せぬことに、100%以下の浸出機ドラフトでの操作は、圧搾パルプ中の天然の糖含有量が高く、動物飼料としての使用に適したパルプを商業規模で製造することが可能であったことが判明した。減少したドラフトの範囲は、約75%~約100%であってよく、約75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、及び100%を含む。
一態様において、約104%から約96%への浸出機ドラフトの減少は、抽出後の圧搾パルプ中の天然の糖含有量が68%高いビートパルプをもたらした。
他の態様において、従来は、糖の放出を導く細胞構造の変性を促進するために浸出装置ではより高い温度が好ましいが、予想外にも、より低い温度で操作すると、浸出装置内でビート源からパルプを製造するために十分なエネルギーが供給され、同時にビートパルプ中のより高い天然の糖含有量が維持されることを見出した。例えば、約55℃~約75℃(約55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、61℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、及び75℃を含む)の範囲の浸出機温度での操作は、ビートパルプ中の所望の天然糖含有量の達成をもたらす。
他の態様において、72℃から64℃への浸出機温度の低下は、抽出後の圧搾パルプ中の天然の糖含有量が72%高いビートパルプをもたらした。
浸出機温度の低下及び浸出機ドラフトの減少の組み合わせは、相乗効果をもたらし、圧搾パルプ中の天然の糖含有量の予想外な増加を提供した。例えば、浸出機温度を約72℃から約69℃に、ドラフトを約104%から約80%に下げると、抽出後の圧搾パルプの天然糖含有量が138%増加した。
ビートパルプ中のより高い天然の糖含有量を達成するために制御されうる他の操作パラメータは、ビートコセットの厚さを示すシリン数である。従来のコセットよりも低いシリン価を有する(すなわちより厚い)コセットが、製造した飼料中に所望の天然の糖含有量を提供するために本発明の方法において使用するために適している又は好ましいことが予想外に発見された。従来のプロセスにおける典型的なシリン数は約7~約20の範囲である。約1~約6の範囲で(1、2、3、4、5、及び6を含む)より低いシリン価が、従来のプロセスと比較して、パルプ中により多くの天然の糖含有量を保持するという所望の結果を達成するために適していることが見出された。
他の態様において、シリン価を6.6から3.3に下げると、抽出後のビートパルプ中の天然の糖含有量が75%増加した。
前述したように、保持時間又はシステム処理量は、上記の少なくとも3つのパラメータの影響を受ける他の動作パラメータである。従来のプロセスにおいて、浸出装置内の滞留時間は、水平浸出機において約60分、又は垂直浸出機において約120分である。本発明による保持時間は、上述の要因に応じて、水平浸出機において約20分~約55分の範囲、又は垂直浸出機において60分~110分の範囲であってよいことが予想外に発見された。
前述のことから、ドラフト及び浸出機の動作温度は、浸出装置における処理後にビートパルプ中で保持できる天然の糖含有量に影響を与えることが分かる。いくつかの実施形態において、糖含有量は、乾燥物質の約5質量%~乾燥物質の約45重量%の範囲、好ましくは乾燥物質の約10質量%~約45質量%、より好ましくは乾燥物質の約20質量%~約45質量%であってよい。これらの天然の糖含有量レベルを達成するプロセスは、当業者にはよく理解されるように、シリン価及び保持時間をさらに調整することによって相乗的にさらに最適化することができる。
いくつかの可能な態様を前記したが、本発明の実施形態はそれに制限されない。これらの例示的な態様は、網羅的であること、又は本発明の範囲を不必要に制限することを意図したものではなく、他の当業者が本発明を実施できるように、本発明の原理を説明するために選択及び説明されたものである。実際に、本明細書に記載されたものに加えて本発明の種々の変更が、上記の説明から当業者には明らかとなるであろう。かかる修正は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。本発明は、特に、前記態様のいずれか1つ、又は1つ以上と他の記述及び/又は実施形態との任意の組み合わせによって捕捉される。

Claims (15)

  1. 動物飼料組成物を製造するための方法であって、
    a. 約18質量%超の乾燥物質含有量を有するベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)の植物又はその一部を含む作物を準備するステップ、
    b. 穀物を細切れにするステップ、
    c. その破片を浸出装置に運搬して流体及びパルプを生成するステップであって、前記パルプがパルプの乾燥物質の約15質量%~約60質量%の天然糖含有量を含むステップ、
    d. パルプを浸出装置から取り出すステップ、及び
    e. パルプを加工して飼料組成物を形成するステップ
    を含み、
    任意に、さらに、作物を分析して作物の糖濃度を測定するステップを含み、好ましくは作物の糖濃度は作物を細切れにした後に測定し、
    任意に、さらに、パルプを浸出装置から取り出した後に、パルプを圧搾して圧搾パルプを形成し、好ましくは、圧搾パルプを乾燥させてドライパルプを形成し、より好ましくはドライパルプをペレット化し、及び/又はドライパルプを破片の形にし、
    任意に、さらに、パルプを分析して、パルプの糖濃度を測定するステップを含む、動物飼料組成物を製造するための方法。
  2. 作物及び/又はパルプの糖濃度を、分光測定によって決定し、好ましくは分光測定が、赤外分光法、中赤外分光法、近赤外分光法、ラマン分光法、ハイパースペクトルイメージング、屈折率測定、偏光測定、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される分光法によって実施される、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法によって製造した動物飼料組成物。
  4. 飼料組成物の乾燥物質含有量が約5~95質量%であるか、又は飼料組成物の乾燥物質含有量が約30~85質量%である、請求項3に記載の飼料組成物。
  5. 飼料組成物の糖含有量が約0~60質量%であるか、又は飼料組成物の糖含有量が約0~30質量%である、請求項3に記載の飼料組成物。
  6. 栄養成分をさらに含み、好ましくは栄養成分が消化可能な繊維を含み、より好ましくは消化可能な繊維がペクチンを含む、請求項3に記載の飼料組成物。
  7. 請求項3に記載の飼料を乳生産動物に給餌し、その後動物から乳を得ることを含む、強化乳の製造方法であって、好ましくは動物からの乳が、飼料を与えられていない動物からの乳と比較して、より高い栄養素含有量を含み、より高い栄養素含有量が、より高い脂肪含有量、より高いタンパク質含有量、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、強化乳の製造方法。
  8. 加工したベータ・ブルガリス乾燥物質約5%~約95%を含む動物飼料組成物であって、乾燥物質が、糖約0%~約60%を含み、好ましくは、乾燥物質が消化可能な繊維約0%~約100質量%をさらに含む、動物飼料組成物。
  9. 消化可能な繊維が、ペクチン約0質量%~約100質量%を含み、好ましくは、飼料組成物中の糖に対するペクチンの割合が、約1~約100質量%の範囲である、請求項8に記載の飼料組成物。
  10. 請求項8に記載の飼料を乳生産動物に給餌し、そして動物から乳を得ることを含む、強化乳の製造方法であって、好ましくは動物からの乳が、飼料を与えられていない動物からの乳と比較して、より高い栄養素含有量を含み、より高い栄養素含有量が、より高い脂肪含有量、より高いタンパク質含有量、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、強化乳の製造方法。
  11. 糖含有作物材料を加工するための生産施設における処理量を管理するためのシステムであって、
    a. 作物材料の乾燥物質含有量及び糖含有量を検出する第1の検出装置、
    b. 流体ベースの浸出装置と通信して、作物材料が浸出装置中にある場合に浸出装置内の流体の処理された糖含有量を検出する第2の検出装置であって、浸出装置が少なくとも複数の動作モードを有する第2の検出装置、
    c. それぞれの動作モードにおいて浸出装置の動作を制御する制御装置、並びに
    d. メモリとプロセッサであって、
    i. 第1及び第2の検出器から乾燥物質含有量及び加工した糖含有量を受信し、
    ii. 乾燥物質含有量と加工した糖含有量とを比較し、
    iii. 比較値を生成し、
    iv. 比較値が閾値処理した糖収量の目標を満たすかどうかを決定し、かつ
    v. 決定ステップ(iv)に基づいて、浸出装置の動作モードを維持又は変更するための信号をコントローラに送信するように配置されたメモリ及びプロセッサ
    を含む、糖含有作物材料を加工するための生産施設における処理量を管理するためのシステム。
  12. 閾値処理した糖収量の目標が、第2のプロセッサによって生じ、好ましくは、第2のプロセッサが、
    a. 作物材料の量を示す質量投入量を受信する、
    b. 第1の検出装置から乾燥物質含有量及び糖含有量を受信する、及び
    c. 投入量質量及び乾燥物質含有量に基づいて、閾値処理した糖収量の目標を決定する
    ように配置される、請求項11に記載のシステム。
  13. 第1の検出装置が、作物材料の粗糖含有量を測定するための測定装置を含み、好ましくは、測定装置が、分光法を使用して粗糖含有量を測定する、請求項11又は12に記載のシステム。
  14. 分光測定を、赤外分光法、中赤外分光法、近赤外分光法、ラマン分光法、ハイパースペクトルイメージング、屈折率測定、偏光測定、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される分光法によって行う、請求項13に記載のシステム。
  15. 浸出装置内で作物材料から形成したパルプの粗タンパク質含有量を検出するために、浸出装置と通信する第3の検出装置をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
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