JP2024503316A - 金属含有酸化還元メディエーターを含む分析物センサ及びその使用方法 - Google Patents

金属含有酸化還元メディエーターを含む分析物センサ及びその使用方法 Download PDF

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    • C07F15/00Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic System
    • C07F15/0006Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic System compounds of the platinum group
    • C07F15/002Osmium compounds
    • C07F15/0026Osmium compounds without a metal-carbon linkage

Abstract

本開示は、2つの三座配位子を有する酸化還元メディエーター、及びそのような酸化還元メディエーターを含む分析物センサを提供する。本開示は、対象の生体試料中に存在する1種又は複数種の分析物を検出するためにそのような分析物センサを使用する方法をさらに提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月31日出願の米国仮出願第63/132,901号及び2021年5月14日出願の米国仮出願第63/188,765号に対する優先権を主張し、それらそれぞれの内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれ、それらそれぞれに対して優先権が主張される。
本明細書に記載された主題は、1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む分析物センサ及びその使用方法に関する。
正常な分析物レベルからの逸脱は生理学的状態を示す可能性があるため、個体内の種々の分析物の検出は、その健康状態を監視するために重要な場合がある。例えば、グルコースレベルを監視することで、糖尿病に罹患した人々は、重大な生理学的害を避けるために、薬の投与又は特定の食品若しくは飲料製品の消費などの適切な是正措置を講じることができる。他の生理学的状態を監視するには、他の分析物が望ましい場合がある。ある特定の場合には、特に、人が互いに組み合わさった2種以上の分析物の同時の調節不全を引き起こす併存状態に罹患している場合、複数の生理学的状態を監視するために2種以上の分析物を監視することが望ましい場合がある。
好適な検出化学を同定することができれば、多くの分析物は生理学的分析の興味深い標的となる。この目的を達成するために、インビボでグルコースを継続的に分析するように構成された酵素ベースの電流測定センサが、糖尿病の個体の健康状態の監視を支援するために近年開発され、改良されてきた。糖尿病の個体において一般にグルコースと同時に調節不全を受ける他の分析物としては、例えば、ラクテート、酸素、A1c、ケトンなどが挙げられる。また、グルコース調節不全とは独立して、これら及び他の分析物を監視することも望ましい場合がある。インビボでグルコース以外の分析物を検出するように構成された分析物センサは知られているが、現在、あまり改良されていない。例えば、低濃度分析物の感度が低いことが特に問題となる可能性がある。
個体における分析物モニタリングは、定期的に、又は一定期間にわたって継続的に行うことができる。周期的な分析物モニタリングは、設定された時間間隔で血液又は尿などの体液試料を採取し、エクスビボで分析することによって行うことができる。周期的なエクスビボ分析物モニタリングは、多くの個体の生理学的状態を判断するのに十分である可能性がある。しかし、エクスビボ分析物モニタリングは、場合によっては不便又は苦痛を伴う可能性がある。さらに、分析物の測定値が適切なタイミングで取得されない場合、失われたデータを回復する方法はない。連続分析物モニタリングは、インビボで分析を行ってもいいように、皮膚、皮下、又は静脈内などの個体の組織内に少なくとも部分的に埋め込まれたままである1つ又は複数のセンサを使用して行うことができる。埋め込みセンサは、個体の特定の健康上のニーズ及び/又は以前に測定された分析物のレベルに応じて、オンデマンドで、設定されたスケジュールで、又は継続的に分析物データを収集することができる。インビボ埋め込みセンサによる分析物モニタリングは、重度の分析物調節不全及び/又は分析物レベルの急速な変動を有する個体にとってより望ましいアプローチとなり得るが、他の個体にとっても同様に有益であり得る。埋め込み分析物センサは、個体の組織内に長期間留まることが多いため、そのような分析物センサは高度な生体適合性を示す安定な材料で作製されることが非常に望ましい可能性がある。
流体中の種々の分析物を測定するために使用される電気化学センサなどの分析物センサは、例えば、少なくとも1つの作用(又は測定)電極及び1つの参照電極を含む、2つ以上の電極を含むことができる。電極は、ポテンショスタットなどの回路を介して接続される。作用電極に電流が流れると、酸化還元酵素が電気酸化又は電気還元される。酸化還元酵素は、検出される分析物、又は分析物の生成物に特異的である。酵素の代謝回転速度は、通常、流体中の分析物自体の濃度、又はその生成物に関連している。酵素の電気酸化又は電気還元は、酸化還元メディエーターの存在によって促進させることができる。酸化還元メディエーターは、作用電極と酵素間の電気通信に役立つ。分析物センサは、例えば、酸化還元メディエーター、及び酵素であって所望の分析物又はその生成物に対して触媒的に特異的な酵素を含むフィルムで電極をコーティングすることによって作製することができる。酵素の基質が電気酸化される場合、酸化還元メディエーターは基質還元酵素から電極に電子を輸送し;基質が電気還元される場合、酸化還元メディエーターは電極から基質酸化酵素に電子を輸送する。
種々の酸化還元メディエーター、例えば、モノマーフェロセン、キニン(quinines)(例えば、ベンゾキノン)を含むキノイド化合物、サイクラミン酸ニッケル、及びルテニウムアミンなどが研究されている。しかし、これらの化合物は安定性が不十分であることが多く、そのためセンサの寿命を制限する原因となる。したがって、当分野では、所望の電気化学的特性(例えば、迅速な電子交換を可能にする)を有するだけでなく、化学的、光的、熱的、及び/又はpH安定性を示す分析物センサを開発する必要がある。
開示される主題の目的及び利点は、以下の説明に記載され、以下の説明から明らかになるとともに、開示される主題を実践することによって知られるであろう。開示された主題の追加の利点は、本明細書の書面による説明及び特許請求の範囲において、並びに添付の図面から特に指摘されたデバイスによって実現及び達成されるであろう。
これら及び他の利点を達成するために、開示される主題の目的に従って、具体化され広範に説明されるように、開示される主題は、分析物センサを含み、分析物センサは、少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部と、第1の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物に応答する第1の活性領域を含み、第1の活性領域は、第1のポリマー、第1のポリマーに共有結合した第1の酸化還元メディエーター、及び第1のポリマーに共有結合した、第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素とを含む。ある特定の実施形態では、第1の酸化還元メディエーターは、以下の構造:
Figure 2024503316000002

(式中、Mは鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、又はバナジウムであり、nは、I、II、III、IV又はVであり、R1、R3、R’1、及びR’3は、H、アルキルアミド基、アルキルアミノ基、アルコキシ又はアルキル基から独立して選択され、R2及びR’2は、H、電子供与基、又は連結基から独立して選択される)
を有する。ある特定の実施形態では、連結基は、第1の酸化還元メディエーターを第1のポリマーに共有結合している。ある特定の実施形態では、分析物センサは、少なくとも第1の活性領域をオーバーコートする、第1の分析物に対して透過性の物質輸送制限膜も含む。
本開示のある特定の実施形態では、少なくとも1種の酵素は、第1の分析物に集合的に応答する複数の酵素を含む酵素系を含む。
ある特定の実施形態では、第1の分析物はグルコースを含む。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される分析物センサの物質輸送制限膜は、2つ以上又は3つ以上の架橋性基を含む分岐鎖架橋剤で架橋された膜ポリマーを含む。ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜は、ポリビニルピリジンベースのポリマー、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、シリコーン、又はそれらの組み合わせを含む。ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜は、ポリビニルピリジン又はポリビニルイミダゾールを含む。ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜は、ビニルピリジンとスチレンのコポリマーを含む。ある特定の実施形態では、分岐鎖架橋剤には、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル又はポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルが含まれる。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される分析物センサの酸化還元メディエーターのMは、オスミウム(Os)である。
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターが連結基を含む場合、連結基はアミド結合を含む。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される分析物センサは、第2の作用電極、及び第2の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物とは異なる第2の分析物に応答する第2の活性領域をさらに含み、第2の活性領域は、第2のポリマー、第2のポリマーに共有結合した、第1の酸化還元メディエーターとは異なる第2の酸化還元メディエーター、及び第2のポリマーに共有結合した、第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含み、物質輸送制限膜の第2の部分は、第2の活性領域をオーバーコートする。
ある特定の実施形態では、第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素は、第2の分析物に集合的に応答する複数種の酵素を含む酵素系を含む。
ある特定の実施形態では、第2の分析物はケトンを含む。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される分析物センサの第1の活性領域は、第1の酸化還元メディエーターの酸化還元電位より高く、Ag/AgCl参照に対して約-80mV未満である電位で第1の分析物に応答する。
本開示のある特定の他の態様には、(a)少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部、(b)第1の分析物に応答する少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部であって、第1の活性領域は、第1のポリマー、第1のポリマーに共有結合した第1の酸化還元メディエーター、及び第1のポリマーに共有結合した、第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含み、第1の酸化還元メディエーターは、以下の構造:
Figure 2024503316000003

(式中、Mは鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、又はバナジウムであり、nは、I、II、III、IV又はVであり、R1、R3、R’1、及びR’3は、H、アルキルアミド基、アルキルアミノ基、アルコキシ又はアルキル基から独立して選択され、R2及びR’2は、H、電子供与基、又は連結基から独立して選択され、連結基は、第1の酸化還元メディエーターを第1のポリマーに共有結合している)
を有する、センサ尾部;並びに(c)少なくとも第1の活性領域をオーバーコートする、第1の分析物に対して透過性の物質輸送制限膜を含む分析物センサを提供するステップを含む方法が含まれ、この方法は、第1の作用電極に電位を印加するステップ、第1の活性領域の酸化還元電位以上の第1の信号を取得するステップであって、第1の信号は、第1の活性領域に接触する流体中の第1の分析物の濃度に比例している、ステップ、及び第1の信号を流体中の第1の分析物の濃度と相関させるステップ、をさらに含む。
ある特定の実施形態では、少なくとも1種の酵素は、第1の分析物に集合的に応答する複数種の酵素を含む酵素系を含む。
ある特定の実施形態では、第1の分析物はグルコースを含む。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される方法で使用される分析物センサの輸送制限膜は、2つ以上又は3つ以上の架橋性基を含む分岐鎖架橋剤で架橋された膜ポリマーを含む。ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜は、ポリビニルピリジンベースのポリマー、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、シリコーン、又はそれらの組み合わせを含む。ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜は、ポリビニルピリジン又はポリビニルイミダゾールを含む。ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜は、ビニルピリジンとスチレンのコポリマーを含む。ある特定の実施形態では、分岐鎖架橋剤には、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル又はポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルが含まれる。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される方法で使用される分析物センサの第1の活性領域の電位は、第1の酸化還元メディエーターの酸化還元電位より高く、Ag/AgCl参照に対して約-80mV未満である。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される方法で使用される分析物センサは、(d)第2の作用電極、及び第2の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物とは異なる第2の分析物に応答する第2の活性領域を含み、第2の活性領域は、第2のポリマー、第2のポリマーに共有結合した、第1の酸化還元メディエーターとは異なる第2の酸化還元メディエーター、及び第2のポリマーに共有結合した、第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含み、物質輸送制限膜の第2の部分は、第2の活性領域をオーバーコートする。
ある特定の実施形態では、第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素は、第2の分析物に集合的に応答する複数種の酵素を含む酵素系を含む。
ある特定の実施形態では、第2の分析物はケトンを含む。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される分析物センサの第1の酸化還元メディエーターは、以下の構造:
Figure 2024503316000004
を有する。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される分析物センサの第1の酸化還元メディエーターは、以下の構造:
Figure 2024503316000005
(式中、nはII又はIIIである)
を有する。
以下の図は、本開示のある特定の態様を説明するために含まれており、排他的な実施形態としてみなされるべきではない。開示される主題は、本開示の範囲から逸脱することなく、形態及び機能においてかなりの改変、変更、組み合わせ、及び均等物が可能である。
センサアプリケータ、リーダーデバイス、モニタリングシステム、ネットワーク、及び遠隔システムのシステム概要である。 本明細書に記載の技術を用いて使用するための例示的な分析物モニタリングシステムの動作環境を示すダイアグラムである。 リーダーデバイスの例示的な実施形態を示すブロック図である。 開示された主題の例示的な実施形態による、センサと通信するための例示的なデータ受信デバイスを示すブロック図である。 センサ制御デバイスの例示的な実施形態を示すブロック図である。 開示された主題の例示的な実施形態による例示的な分析物センサを示すブロック図である。 ユーザーが組立用のトレイを準備する例示的な実施形態を示す近位斜視図である。 ユーザーが組立用のアプリケータデバイスを準備する例示的な実施形態を示す側面図である。 組立中にユーザーがアプリケータデバイスをトレイに挿入する例示的な実施形態を示す近位斜視図である。 組立中にユーザーがアプリケータデバイスをトレイから取り外す例示的な実施形態を示す近位斜視図である。 アプリケータデバイスを使用してセンサを適用する患者の例示的な実施形態を示す近位斜視図である。 適用されたセンサ及び使用されたアプリケータデバイスを伴う患者の例示的な実施形態を示す近位斜視図である。 キャップと連結させたアプリケータデバイスの例示的な実施形態を示す側面図である。 連結解除されたアプリケータデバイス及びキャップの例示的な実施形態を示す側面斜視図である。 アプリケータデバイスの遠位端及び電子機器ハウジングの例示的な実施形態を示す斜視図である。 開示された主題による例示的なアプリケータデバイスの上面斜視図である。 図4Dのアプリケータデバイスの底面斜視図である。 図4Dのアプリケータデバイスの分解図である。 図4Dのアプリケータデバイスの側断面図である。 滅菌蓋が連結したトレイの例示的な実施形態を示す近位斜視図である センサ送達構成要素を備えたトレイの例示的な実施形態を示す近位斜視断面図である。 センサ送達構成要素を示す近位斜視図である。 それぞれ、例示的なセンサ制御デバイスの等角分解上面図及び底面図である。 センサ組立用の一体型コネクタを含む身体装着デバイスの組立図及び断面図である。 それぞれ、図2Cのキャップが連結された図1Aのセンサアプリケータの例示的な実施形態の側面図及び側断面図である。 それぞれ、別の例示的なセンサ制御デバイスの等角図及び側面図である。 図10A-10Bのセンサ制御デバイスを備えたセンサアプリケータの組立を示す段階的断面側面図である。 図10A-10Bのセンサ制御デバイスを備えたセンサアプリケータの例示的な実施形態の組立及び分解を示す段階的断面側面図である。 展開段階中のアプリケータの例示的な実施形態を示す断面図を示す。 分析物センサのインビトロ感度の例を示すグラフである。 開示された主題の例示的な実施形態によるセンサの例示的な動作状態の例を示す図である。 開示された主題によるセンサの無線プログラミングのための例示的な動作及びデータフローを示す図である。 開示された主題による2つのデバイス間でセキュアにデータを交換するためのデータフローの例を示す図である。 単一の活性領域を含む分析物センサの断面図を示す。 2つの活性領域を含む分析物センサの断面図を示す。 2つの活性領域を含む分析物センサの断面図を示す。 別個の作用電極上の2つの活性領域を含む分析物センサの斜視図を示す。 分析物センサ内のケトンを検出するために使用することができる酵素系のダイアグラムを示す。 本開示の例示的な酸化還元メディエーターの遊離形態の化学構造を提供する。 図23Aの例示的な酸化還元メディエーターのサイクリックボルタモグラムを示す。 本開示の例示的な酸化還元メディエーターの遊離形態の化学構造を提供する。 図24Aの例示的な酸化還元メディエーターのサイクリックボルタモグラムを示す。 本開示の例示的な酸化還元メディエーターの遊離形態の化学構造を提供する。 図25Aの例示的な酸化還元メディエーターのサイクリックボルタモグラムを示す。 本開示の例示的な酸化還元メディエーターの遊離形態の化学構造を提供する。 図26Aの例示的な酸化還元メディエーターのサイクリックボルタモグラムを示す。 本開示の例示的な酸化還元メディエーターの遊離形態の化学構造を提供する。 図27Aの例示的な酸化還元メディエーターのサイクリックボルタモグラムを示す。 本開示の例示的な酸化還元メディエーターの遊離形態の化学構造を提供する。 図28Aの例示的な酸化還元メディエーターのサイクリックボルタモグラムを示す。 本開示の例示的な酸化還元メディエーターの遊離形態の化学構造を提供する。 図29Aの例示的な酸化還元メディエーターのサイクリックボルタモグラムを示す。 本開示の例示的な酸化還元メディエーターの遊離形態の化学構造を提供する。 ポリマーに共有結合した本開示の例示的な酸化還元メディエーターの化学構造を提供する。 図31Aの例示的な酸化還元メディエーターのサイクリックボルタモグラムを示す。 図25Aの例示的な酸化還元メディエーターを組み込んだグルコースセンサの種々の作用電極電位における電流対時間のプロットを示す。 図25Aの例示的な酸化還元メディエーターを組み込んだグルコースセンサの種々の作用電極電位における電流対グルコースのプロットを示す。 図31Aの例示的な酸化還元メディエーターを組み込んだグルコースセンサの種々の作用電極電位における電流対時間のプロットを示す。 図31Aの例示的な酸化還元メディエーターを組み込んだグルコースセンサの種々の作用電極電位における電流対グルコースのプロットを示す。
本開示は、遷移金属錯体、及び分析物センサにおける酸化還元メディエーターとしてのそのような錯体の使用を提供する。本開示は、概して、インビボでの使用に好適な分析物センサ、より具体的には、本明細書に開示される酸化還元メディエーターを含む分析物センサについて説明する。センサ構成に応じて、本開示の分析物センサは、1種の分析物又は複数種の分析物を同時に又はほぼ同時に検出するように構成することができる。
種々の分析物センサ構成要素は、一部の分析物又は分析物の組み合わせを監視する際に、ある特定の困難を引き起こす場合がある。作用電極への電子移動を促進するために使用される酸化還元メディエーターは、比較的高電位での分析物センサの動作を必要とする場合があり、これにより電気化学的副反応が引き起こされ、一部の低濃度分析物の検出が複雑になる場合がある。加えて、長期間の使用など、ある特定の条件下で分析物センサを動作させると、酸化還元メディエーターが分解され、分析物センサの感度に影響を与える可能性がある。
前述のニーズに対処するために、本開示は、一般に使用されるものよりも低い作用電極電位で電子移動を促進するための酸化還元メディエーターを提供する。一般に使用される作用電極の電位は、通常、Ag/AgCl参照に対して0~300mVの範囲である。このような「低電位」酸化還元メディエーターを使用すると、電気化学的副反応の発生を低減することができ、別様により高い作用電極電位で可能である場合よりも容易に、ケトンなどの低濃度分析物の検出が可能になる。このような低電位酸化還元メディエーターは、以下でさらに考察するように、複数の分析物の検出と併せて使用する場合にも有利となり得る。加えて、本明細書に開示される酸化還元メディエーターは、酸化還元メディエーターの構造安定性の向上をもたらす、2つの三座配位子によって囲まれた遷移金属を含む。安定性の向上により、本開示の酸化還元メディエーターを含む分析物センサの装着時間が延長される可能性がある。
ある特定の実施形態では、本開示の1種又は複数種の分析物メディエーターを組み込んだ分析物センサは、Ag/AgCl参照に対して測定した場合、約-300mV~約+200mVの範囲の広範囲の電位、例えば約-270mV~約+130mVで動作することができる。ある特定の実施形態では、本開示の1種又は複数種の分析物メディエーターを組み込んだ分析物センサは、低電位での動作が可能である。本明細書で使用される場合、「低電位」という用語は、第1の酸化還元メディエーターの酸化還元電位より高く、Ag/AgCl参照に対して測定した場合、約+200mV未満、例えば約+100mV未満、約-50mV未満、約-80mV未満、又は約-100mV未満の電位を指す。ある特定の実施形態では、そのような作用電極電位での動作を容易にすることができる第1の酸化還元メディエーターの酸化還元電位は、Ag/AgCl参照に対して測定した場合、約-200mV未満、例えば、約-400mV~約-200mV、又は約-350mV~約-250mV、又は約-300mV~約-250mVであり得る。
明確にするために、限定するものではないが、本明細書にて開示される主題の詳細な説明は、以下の下位セクションに分割される:
I.定義;
II.分析物センサ;
1.分析物センサシステムの一般的構造;
2.酸化還元メディエーター;
3.ポリマー主鎖;
4.酵素;
5.物質輸送制限膜;
6.干渉ドメイン;
III.使用方法;及び
IV.例示的な実施形態。
I.定義
本明細書で使用される用語は、一般に、本開示との関係内において、及び各用語が使用される特定の関係において、当技術分野における通常の意味を有する。ある特定の用語は、本開示の組成物及び方法、並びにそれらの作製法及び使用方法を説明する際に、実践者に追加のガイダンスを提供するために、以下又は明細書の他の場所で考察される。
本明細書で使用される場合、「a」又は「an」という単語の使用は、特許請求の範囲及び/又は明細書において「含む」という用語と組み合わせて使用される場合、「1つ」を意味する場合があるが、「1又は複数」「少なくとも1つ」、及び「1又は1を超える(one or more than one)」という意味とも一致する。
本明細書で使用される「含む(comprise)」、「含む(include)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「できる(can)」、「含有する(contain)」という用語、及びそれらの変形は、追加の行為若しくは構造を妨げない非限定的移行句、用語、又は単語であることを意図している。本開示は、明示的に記載されているかどうかにかかわらず、本明細書に提示される実施形態又は要素「を含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」、及び「から本質的になる(consisting essentially of)」、他の実施形態も企図している。
「約」又は「およそ」という用語は、当業者によって決定される特定の値の許容誤差範囲内を意味し、これは値がどのように測定又は決定されるか、すなわち測定システムの制限に部分的に依存する。例えば、「約」は、当技術分野の慣例に従って、3標準偏差以内又は3を超える標準偏差を意味し得る。或いは、「約」は、所定の値の最大20%、好ましくは最大10%、より好ましくは最大5%、さらにより好ましくは最大1%の範囲を意味し得る。或いは、特に生物学的システム又はプロセスに関して、この用語は、値の桁内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素を指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。別途注記のない限り、「アルキル」という用語には、アルキル基とシクロアルキル基の両方が含まれる。
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子によって構造の残りの部分に結合したアルキル基を指す。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、別途注記のない限り、「アルコキシ」という用語には、アルコキシ基とシクロアルコキシ基の両方が含まれる。
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する、不飽和の直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素を指す。アルケニル基の非限定的な例としては、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-メチル-1-プロペニルなどが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「分析物センサ」又は「センサ」は、ユーザーからセンサ情報を受信できるあらゆるデバイスを指すことができ、説明を目的としたものであって、限定されないが、体温センサ、血圧センサ、脈拍センサ若しくは心拍数センサ、グルコースレベルセンサ、分析物センサ、身体活動センサ、体動センサ、又は物理的若しくは生物学的情報を収集するためのあらゆるその他のセンサ、が挙げられる。分析物センサによって測定される分析物としては、限定ではなく例として、グルタメート、グルコース、ケトン、ラクテート、酸素、ヘモグロビンA1C、アルブミン、アルコール、アルカリホスファターゼ、アラニントランスアミナーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ビリルビン、血中尿素窒素、カルシウム、二酸化炭素、塩化物、クレアチニン、ヘマトクリット、アスパルテート、アスパラギン、マグネシウム、酸素、pH、リン、カリウム、ナトリウム、総タンパク質、尿酸など、を挙げることができる。
本明細書で使用される「反応性基」という用語は、別の化合物と反応して、その他の化合物の少なくとも一部を分子に連結させることができる分子の官能基を指す。反応性基の非限定的な例としては、カルボキシ基、活性エステル基、ハロゲン化スルホニル基、スルホン酸エステル基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、エポキシド基、アジリジン基、ハロゲン化物基、アルデヒド基、ケトン基、アミン基、アクリルアミド基、チオール基、アシルアジド基、ハロゲン化アシル基、ヒドラジン基、ヒドロキシルアミン基、ハロゲン化アルキル基、イミダゾール基、ピリジン基、フェノール基、アルキルスルホネート基、ハロトリアジン基、イミドエステル基、マレイミド基、ヒドラジド基、ヒドロキシ基、光反応性アジドアリール基、が挙げられる。本明細書で使用され、当技術分野で理解されている活性化エステルには、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、又はハロ基などの電子吸引基で置換されたスクシンイミジル、ベンゾトリアゾリル、又はアリールのエステル;又はカルボジイミドによって活性化されたカルボン酸が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「置換官能基」(例えば、置換アルキル、アルケニル、又はアルコキシ基)には、限定されないが、以下:ハロゲン、アルコキシ、メルカプト、アリール、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、-OH、-NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、アルカノイルアミノ、アリールカルボキサミド、ヒドラジノ、アルキルチオ、アルケニル、及び反応性基、から選択される少なくとも1つの置換基が含まれる。
本明細書で使用される「生体液」という用語は、分析物を測定できるあらゆる体液又は体液誘導体を指す。生体液の非限定的な例としては、真皮液、間質液、血漿、血液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄液、羊水、汗、涙などが挙げられる。ある特定の実施形態では、生体液は、真皮液又は間質液である。
本明細書で使用される場合、「ポリビニルピリジンベースのポリマー」という用語は、ポリビニルピリジン(例えば、ポリ(2-ビニルピリジン)若しくはポリ(4-ビニルピリジン))又はその誘導体を含むポリマー又はコポリマーを指す。
本明細書で使用される場合、用語「酸化還元メディエーター」は、分析物又は分析物還元酵素又は分析物酸化酵素と電極との間で、直接又は1つ若しくは複数の追加の電子移動剤を介してのいずれかで電子を運ぶための電子移動剤を指す。ある特定の実施形態では、ポリマー主鎖を含む酸化還元メディエーターは、「酸化還元ポリマー」と呼ばれることもある。
本明細書で使用される「電気分解」という用語は、電極で直接、又は1種若しくは複数種の電子移動剤(例えば、酸化還元メディエーター若しくは酵素)を介してのいずれかによる、化合物の電気酸化又は電気還元を指す。
本明細書で使用される「参照電極」という用語は、参照電極、又は参照電極と対電極の両方として機能する電極のいずれかを指すことができる。同様に、本明細書で使用される「対電極」という用語は、対電極と、参照電極としても機能する対電極との両方を指す場合がある。
本明細書で使用される「三座配位子」という用語は、中心の金属原子又はイオンに対して配位結合を形成することができる3つのドナー原子を有する配位子を指す。
本明細書で使用される場合、「多成分膜」という用語は、2種類以上の膜ポリマーを含む膜を指す。
本明細書で使用される場合、「単一成分膜」という用語は、1種類の膜ポリマーを含む膜を指す。
II.分析物センサ
1.分析物センサシステムの一般的構造
本発明の主題を詳細に説明する前に、本開示は、説明される特定の実施形態に限定されず、当然、変更される場合があることを理解されたい。また、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される専門用語は特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
本明細書で考察される刊行物は、単に、本出願の出願日に先行するそれらの開示のために提供されている。本明細書のいかなる内容も、本開示が、先行開示であるがゆえにそのような刊行物に対して先行する権利が与えられないことを認めるものとして解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、独立して確認する必要がある場合がある実際の発行日とは異なっている場合がある。
一般に、本開示の実施形態は、インビボ分析物モニタリングシステムとともに使用するための分析物センサ挿入アプリケータを使用するためのシステム、デバイス、及び方法を含む。アプリケータは、センサ制御デバイスの電子部品ハウジングが内包される滅菌パッケージでユーザーに提供することができる。いくつかの実施形態によれば、アプリケータとは別個の構造、例えばコンテナもまた、センサモジュール及び鋭利部モジュールが内包される滅菌パッケージとしてユーザーに提供することができる。ユーザーは、指定された様式でのコンテナ内へのアプリケータの挿入を伴う組立プロセスによって、センサモジュールを電子部品ハウジングに連結することができ、また鋭利部をアプリケータに連結することができる。他の実施形態では、アプリケータ、センサ制御デバイス、センサモジュール、及び鋭利部モジュールを、単一のパッケージで提供することができる。アプリケータは、センサが装着者の体液に接触するように、センサ制御デバイスを人体上に位置決めするために使用することができる。本明細書で提供される実施形態は、センサが、不適切に挿入される、若しくは損傷する、又は有害な生理学的応答を誘発する可能性を低減するための、改良である。他の改良及び利点も同様に提供される。これらのデバイスの種々の構成を、単なる例である実施形態によって詳細に説明する。
さらに、多くの実施形態は、身体の少なくとも1つの分析物に関する情報を取得するために、センサの少なくとも一部をユーザーの体内に配置する、又は配置することができるように構造的に構成されたインビボ分析物センサを含む。しかし、本明細書に開示される実施形態は、インビトロ能力を組み込んだインビボ分析物モニタリングシステム、並びに純粋にインビトロ又はエクスビボの分析物モニタリングシステム、例として、完全に非侵襲性であるシステムとともに使用することができることに留意されたい。
さらに、本明細書に開示される方法のあらゆる実施形態について、それらの実施形態のそれぞれを実行できるシステム及びデバイスは、本開示の範囲内に含まれる。例えば、センサ制御デバイスの実施形態が開示され、これらのデバイスは、1つ若しくは複数のセンサ、分析物モニタリング回路(例えばアナログ回路)、メモリ(例えば、命令を保存するための)、電源、通信回路、送信機、受信機、あらゆる方法ステップを実行することができる、若しくはあらゆる方法ステップの実行を促進することができる、(例えば命令を実行するための)プロセッサ及び/又はコントローラを有することができる。これらのセンサ制御デバイスの実施形態は、本明細書に記載のあらゆる方法からの、センサ制御デバイスによって実行されるステップを実装するために、使用する場合があり、使用できる場合がある。
さらに、本明細書に提示されるシステム及び方法は、限定されないが、健康、フィットネス、食事、研究、情報、又は経時的な分析物の感知を伴うあらゆる目的など、分析物モニタリングシステムで使用されるセンサの動作に使用することができる。本明細書で使用される場合、「分析物センサ」又は「センサ」は、ユーザーからセンサ情報を受信できるあらゆるデバイスを指すことができ、説明を目的としたものであって、限定されないが、体温センサ、血圧センサ、脈拍センサ若しくは心拍数センサ、グルコースレベルセンサ、分析物センサ、身体活動センサ、体動センサ、又は物理的若しくは生物学的情報を収集するためのあらゆるその他のセンサ、が挙げられる。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、グルタメート、グルコース、ケトン、ラクテート、酸素、ヘモグロビンA1C、アルブミン、アルコール、アルカリホスファターゼ、アラニントランスアミナーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ビリルビン、血中尿素窒素、カルシウム、二酸化炭素、塩化物、クレアチニン、ヘマトクリット、マグネシウム、酸素、pH、リン、カリウム、ナトリウム、総タンパク質、尿酸など、を含むがこれらに限定されない分析物をさらに測定することができる。
言及したように、インビボ分析物モニタリングシステムで使用するための皮膚センサ挿入デバイスの改良された組立及び使用を提供するシステム、デバイス、及び方法の複数の実施形態が本明細書に記載される。特に、本開示のいくつかの実施形態は、インビボ分析物モニタリングシステムに関してセンサ挿入方法を改良するように、特にセンサ挿入プロセス中に挿入鋭利部が時期尚早に引き抜かれるのを防ぐように設計されている。例えば、いくつかの実施形態は、発射速度を高め、鋭利部が引き抜かれるのを遅らせる皮膚センサ挿入機構を含む。他の実施形態では、鋭利部引き抜き機構は、ユーザーがアプリケータを皮膚から引き離すまで鋭利部が引き抜かれないように、動作感知によって作動させることができる。したがって、いくつかの利点を挙げると、これらの実施形態によって、センサ挿入プロセス中に挿入鋭利部が時期尚早に引き抜かれる可能性を低減することができ;センサが不適切に挿入される可能性を低減することができ;センサ挿入プロセス中にセンサが損傷する可能性を低減することができる。本開示のいくつかの実施形態はまた、小規模な皮膚センサ及び対象の真皮層に存在する比較的浅い挿入経路を考慮して、改良された挿入鋭利部モジュールを提供する。加えて、本開示のいくつかの実施形態は、センサ挿入中のアプリケータ構成要素の望ましくない軸運動及び/又は回転運動を防止するように設計されている。したがって、いくつかの利点を挙げると、これらの実施形態によって、配置された皮膚センサの不安定性、挿入部位での炎症、周囲組織の損傷、及び血液による皮膚液の汚れを引き起こす毛細血管の破損の可能性を低減することができる。加えて、挿入部位の外傷によって引き起こされる可能性のある不正確なセンサ読み取りを軽減するために、本開示のいくつかの実施形態によって、挿入中のセンサ先端に対する針の端部深さの侵入を低減することができる。
しかし、実施形態のこれらの態様を詳細に説明する前に、例えばインビボ分析物モニタリングシステム内に存在することができるデバイスの例、及びそれらの動作の例を最初に説明することが望ましく、これらの例はすべて、本明細書に記載の実施形態とともに使用することができる。
種々のタイプのインビボ分析物モニタリングシステムが存在する。例えば、「連続分析物モニタリング」システム(又は「連続グルコースモニタリング」システム)は、プロンプトを用いずに、例えばスケジュールに従って自動的に、センサ制御デバイスから読み取りデバイスにデータを連続的に送信することができる。別の例として、「フラッシュ分析物モニタリング」システム(又は「フラッシュグルコースモニタリング」システム、又は単に「フラッシュ」システム)は、例えば、近距離無線通信(NFC)又は無線周波数識別(RFID)プロトコルを用いて、読み取りデバイスによるデータに対するスキャン又は要求に応じて、センサ制御デバイスからデータを転送することができる。インビボ分析物モニタリングシステムは、フィンガースティック較正を必要とせずに動作することもできる。
インビボ分析物モニタリングシステムは、体外(又は「エクスビボ」)の生体試料と接触し、ユーザーの血中分析物レベルを決定するために分析することができる、通常、ユーザーの体液を担持する分析物試験ストリップを受けるためのポートを有する測定デバイスを含む「インビトロ」システムとは区別することができる。
インビボモニタリングシステムは、インビボに配置されている間、ユーザーの体液と接触し、そこに含まれる分析物レベルを感知するセンサを含むことができる。センサは、ユーザーの身体に常在し、分析物の感知を可能にして制御する電子部品及び電源を包含するセンサ制御デバイスの一部とすることができる。センサ制御デバイス及びその変形形態は、いくつか例を挙げると、「センサ制御ユニット」、「身体装着電子部品」デバイス若しくはユニット、「身体装着」デバイス若しくはユニット、又は「センサデータ通信」デバイス若しくはユニットと呼ばれることもある。
インビボモニタリングシステムはまた、センサ制御デバイスから感知された分析物データを受信し、その感知された分析物データを処理及び/又はあらゆる数の形式でユーザーに表示するデバイスを含むこともできる。このデバイス及びその変形形態は、いくつか例を挙げると、「ハンドヘルド読み取りデバイス」、「読み取りデバイス」(又は単に「リーダー」)、「ハンドヘルド電子部品」(又は単に「ハンドヘルド」)、「携帯型データ処理」デバイス若しくはユニット、「データ受信機」、「受信機」デバイス若しくはユニット(又は単に「受信機」)、又は「リモート」デバイス若しくはユニット、と呼ぶことができる。パーソナルコンピュータなどの他のデバイスも、インビボ及びインビトロモニタリングシステムとともに利用されるか、又はそれらに組み込まれている。
A.例示的なインビボ分析物モニタリングシステム
図1は、センサアプリケータ150、センサ制御デバイス102、及びリーダーデバイス120を含む分析物モニタリングシステム100のある例示的な実施形態を示す概念図である。ここでは、センサアプリケータ150は、センサ制御デバイス102をユーザーの皮膚上のモニタリング位置に送達するために使用することができ、この皮膚において、センサ104は接着パッチ105によって所定の位置に一定期間維持される。センサ制御デバイス102は、図2B及び2Cでさらに説明され、これは、有線又は無線、一方向又は双方向、及び暗号化又は非暗号化技術を使用して、通信経路又はリンク140を介してリーダーデバイス120と通信することができる。無線プロトコルの例には、Bluetooth、Bluetooth Low Energy (BLE、BTLE、Bluetooth SMART など)、近距離無線通信(NFC)などが含まれる。ユーザーは、ディスプレイ122及び入力121を使用してリーダーデバイス120のメモリにインストールされているアプリケーションを監視することができ、デバイスバッテリは電源ポート123を使用して充電することができる。リーダーデバイス120に関するさらなる詳細は、図2Aに関連して以下に記載される。ある特定の実施形態によれば、リーダーデバイス120は、センサ104又はそれに関連するプロセッサによって決定される分析物濃度及び警報又は通知を閲覧するための出力媒体を構成することができ、また、1つ若しくは複数のユーザー入力を可能にすることができる。リーダーデバイス120は、多目的スマートフォン又は専用の電子リーダー機器であり得る。1つのリーダーデバイス120のみが示されているが、ある特定の例では、複数のリーダーデバイス120が存在する可能性がある。
リーダーデバイス120は、通信経路141を介してローカルコンピュータシステム170と通信することができ、通信経路141は、有線又は無線、一方向又は双方向、及び暗号化又は非暗号化であってもよい。ローカルコンピュータシステム170としては、ラップトップ、デスクトップ、タブレット、ファブレット、スマートフォン、セットトップボックス、ビデオゲームコンソール、遠隔端末、又は他のコンピューティングデバイスのうちの1つ若しくは複数を挙げることができ、無線通信としては、Bluetooth、Bluetooth Low Energy (BTLE)、Wi-Fiなどを含む多数の適用可能な無線ネットワーキングプロトコルのいずれかを挙げることができる。ローカルコンピュータシステム170は、リーダーデバイス120が通信経路142を介して前述した有線又は無線技術によってネットワーク190と通信することができる方法と同様に、通信経路143を介してネットワーク190と通信することができる。ネットワーク190は、プライベートネットワーク及びパブリックネットワーク、ローカルエリアネットワーク又はワイドエリアネットワークなどの多数のネットワークのいずれであってもよい。高信頼コンピュータシステム180は、サーバを含むことができ、認証サービス及びセキュアデータストレージを提供することができ、通信経路144を介して有線又は無線技術によってネットワーク190と通信することができる。ローカルコンピュータシステム170及び/又は高信頼コンピュータシステム180は、ある特定の実施形態によれば、ユーザーの分析物レベルに関心を有する主要ユーザー以外の個人によってアクセス可能である場合がある。リーダーデバイス120は、ディスプレイ122及び任意の入力構成部品121を含むことができる。ある特定の実施形態によれば、ディスプレイ122はタッチスクリーンインタフェースを含むことができる。
センサ制御デバイス102は、センサ104を動作させるための回路構成及び電源を収容することができるセンサハウジングを含む。任意に、電源及び/又は能動回路構成を省略することができる。プロセッサ(図示せず)は、センサ104に通信可能に連結することができ、プロセッサは、センサハウジング又はリーダーデバイス120内に物理的に位置する。センサ104は、特定の実施形態によれば、センサハウジングの下面から突出し、接着層105を通って延在し、センサハウジングを皮膚などの組織表面に接着するように適合されている。
図1Bは、本明細書に記載の技術を具体化できる分析物モニタリングシステム100aの動作環境を示す。分析物モニタリングシステム100aは、人体又は動物の体の分析物レベルなどのパラメータのモニタリングを提供するように設計された構成部品のシステムを含むことができ、又は種々の構成部品の構成に基づいて他の動作を提供することができる。本明細書で具体化されるように、システムには、低電力分析物センサ110、又はユーザーが着用するか、情報が収集される身体に取り付けられる単なる「センサ」を含めることができる。本明細書で具体化されるように、分析物センサ110は、所定の有効使用寿命(例えば、1日、14日、30日など)を有する密封された使い捨てデバイスであり得る。センサ110は、ユーザーの身体の皮膚に適用して、センサ寿命の持続期間にわたって接着させたままにすることも、選択的に取り外して再適用しても機能を維持するように設計することもできる。低電力分析物モニタリングシステム100aは、分析物センサ110からの分析物データを含むデータの取得及び配信を容易にするために、本明細書に記載されるように構成されたデータリーディングデバイス120又は多目的データ受信デバイス130をさらに含むことができる。
本明細書で具体化されるように、分析物モニタリングシステム100aは、例えば遠隔アプリケーションサーバ150又はアプリケーションストアフロントサーバ160を介してサードパーティに提供され、多目的ハードウェアデバイス130に、例として、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピューティングデバイス、又は通信リンクを介して分析物センサ110と通信できる他の同様のコンピューティングデバイスなどに組み込まれるソフトウェア又はファームウェアライブラリ又はアプリケーションを含むことができる。多目的ハードウェアは、分析物センサ110と通信するように構成された埋め込みライブラリを有する、インスリンポンプ又はインスリンペンを含むがこれらに限定されない埋め込みデバイスをさらに含むことができる。分析物モニタリングシステム100aの図示された実施形態は、図示された各デバイスのうちの1つだけ含むが、本開示は、分析物モニタリングシステム100aがシステム全体で相互作用する複数の各構成要素のうちの複数を組み込むことを企図している。例えば、限定されるものではないが、本明細書で具体化されるように、データリーディングデバイス120及び/又は多目的データ受信デバイス130は、それぞれのうちの複数を含むことができる。本明細書で具体化されるように、複数のデータ受信デバイス130は、本明細書で説明されるようにセンサ110と直接通信することができる。追加的に又は代替的に、データ受信デバイス130は、二次データ受信デバイス130と通信して、分析物データ、又はデータの視覚化若しくは分析を、ユーザー又は他の許可された関係者に二次表示するために提供することができる。
図1Aのセンサ104は、皮膚の真皮層又は皮下層内などの目的の組織に少なくとも部分的に挿入されるように適合されている。センサ104は、所与の組織内の所望の深さに挿入するのに十分な長さのセンサ尾部を含むことができる。センサ尾部は、少なくとも1つの作用電極を含むことができる。ある特定の構成では、センサ尾部は、分析物を検出するための活性領域を含むことができ、本明細書でさらに考察するように、ある特定の例では、低電位酸化還元メディエーターを含むことができる。対電極は、少なくとも1つの作用電極と組み合わせて存在することができる。センサ尾部上の特定の電極構成については、以下でさらに詳細に説明する。また以下でさらに詳細に説明するように、1つ又は複数の物質輸送制限膜が、活性領域をオーバーコートすることができる。
活性領域は、本明細書に記載の特定の分析物を検出するように構成することができる。例えば、限定するものではないが、分析物として、グルタメート、グルコース、ケトン、ラクテート、酸素、ヘモグロビンA1C、アルブミン、アルコール、アルカリホスファターゼ、アラニントランスアミナーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ビリルビン、血中尿素窒素、カルシウム、二酸化炭素、塩化物、クレアチニン、ヘマトクリット、ラクテート、マグネシウム、酸素、pH、アスパラギン、アスパルテート、リン、カリウム、ナトリウム、総タンパク質、尿酸など、を挙げることができる。ある特定の実施形態では、本開示のセンサの活性領域は、グルコースを検出するように構成されている。ある特定の実施形態では、本開示のセンサの活性領域は、ラクテートを検出するように構成されている。ある特定の実施形態では、本開示のセンサの活性領域は、アルコールを検出するように構成されている。ある特定の実施形態では、本開示のセンサの活性領域は、ケトンを検出するように構成されている。例えば、限定するものではないが、グルコース応答活性領域はグルコース応答性酵素を含むことができ、ラクテート応答活性領域はラクテート応答性酵素を含むことができ、ケトン応答活性領域は、ケトンの検出を容易にするために協調して作用することができる少なくとも2種の酵素を含む酵素系を含むことができる。ケトンを検出するための好適な酵素系については、図22A~22Cを参照して以下でさらに説明する。ある特定の実施形態では、本開示のセンサの活性領域は、クレアチニンを検出するように構成されている。ある特定の実施形態では、本開示のセンサの活性領域は、例えばアルコール応答性酵素を含むことによって、アルコール、例えばエタノールを検出するように構成されている。ある特定の実施形態では、本開示のセンサの活性領域は、例えばグルタメート応答性酵素を含むことによって、グルタメートを検出するように構成されている。ある特定の実施形態では、本開示のセンサの活性領域は、例えばアスパルテート応答性酵素を含むことによって、アスパルテートを検出するように構成されている。ある特定の実施形態では、本開示のセンサの活性領域は、例えばアスパラギン応答性酵素を含むことによって、アスパラギンを検出するように構成されている。種々の実施形態によれば、各活性領域は、酵素の少なくとも一部が共有結合しているポリマーを含むことができる。
本開示のある特定の実施形態では、目的のあらゆる生体液中の、例として真皮液、間質液、血漿、血液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄液、羊水などの中の1種又は複数種の分析物を監視することができる。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、インビボで1種又は複数種の分析物の濃度を決定するために真皮液又は間質液をアッセイするように適合させることができる。ある特定の実施形態では、生体液は、間質液である。
導入器は、組織へのセンサ104の導入を促進するために一時的に存在することができる。ある特定の例示的な実施形態では、導入器は針又は類似の鋭利部を含むことができる。当業者には容易に理解されるように、代替実施形態では、シース又はブレードなどの他のタイプの導入器が存在し得る。より具体的には、針又は他の導入器は、組織への挿入前に一時的にセンサ104に接近して存在し、その後引き抜くことができる。針又は他の導入器が存在している間、センサ104がたどるアクセス経路を開くことによって、センサ104の組織への挿入を容易にすることができる。例えば、これに限定されないが、1若しくは複数の実施形態によれば、針は、真皮へのアクセス経路として表皮への侵入を促進することができ、これによりセンサ104の埋め込みが可能になる。アクセス経路を開いた後、針又は他の導入器を引き抜くことができるため、鋭利部の危険性は生じない。ある特定の実施形態では、好適な針は、中実又は中空、面取り又は非面取り、及び/又は断面が円形又は非円形であり得る。より特定の実施形態では、好適な針は、断面直径及び/又は先端設計において、約250ミクロンの断面直径を有し得る鍼治療針に匹敵し得る。しかし、ある種の特定の用途に必要な場合には、好適な針は、断面直径をより大きくしたりより小さくしたりすることができる。
ある特定の実施形態では、針が最初に組織を貫通し、センサ104のためのアクセス経路を開くように、針の先端(存在している間)をセンサ104の終端上で角度を付けることができる。ある特定の実施形態では、センサ104は針の内腔又は溝内に存在することができ、針は同様にセンサ104のためのアクセス経路を開く。いずれの場合も、センサの挿入を容易にした後、針を引き抜く。
B.例示的なリーダーデバイス
図2Aは、スマートフォンとして構成されたリーダーデバイスの例示的な実施形態を示すブロック図である。ここで、リーダーデバイス120は、ディスプレイ122、入力構成要素121、及びメモリ223に連結された通信プロセッサ222及びメモリ225に連結されたアプリケーションプロセッサ224を含む処理コア206を含むことができる。また、別個のメモリ230、アンテナ229を備えたRF送受信機228、及び電力管理モジュール238を備えた電源226も含めることができる。さらに、アンテナ234を用いてWi-Fi、NFC、Bluetooth、BTLE、及びGPSを介して通信することができる多機能送受信機232を含めることができる。当業者には理解されるように、これらの構成要素は、機能デバイスを作成する方法で電気的かつ通信可能に連結される。
C.例示的なデータ受信デバイスアーキテクチャ
限定ではなく例示の目的で、図2Bに示す、開示された主題で使用するデータ受信デバイス120の例示的な実施形態を参照する。データ受信デバイス120及び関連する多目的データ受信デバイス130は、分析物センサ110及びその動作の考察に関係している構成要素を含み、追加の構成要素を含めることができる。特定の実施形態では、データ受信デバイス120及び多目的データ受信デバイス130は、サードパーティによって提供される構成要素であり得るか、又はそれを含むことができ、必ずしもセンサ110と同じ製造業者によって製造されたデバイスを含むように限定されない。
図2Bに示すように、データ受信デバイス120は、マイクロコントローラ4010、メモリ4020、及びストレージ4030を含み、通信モジュール4040と通信可能に連結されたASIC4000を含む。データ受信デバイス120の構成要素のための電力は、本明細書で具体化されるように、充電式バッテリを含むことができる電源モジュール4050によって供給することができる。データ受信デバイス120は、分析物センサ110又は他のデバイス(例えば、ユーザーデバイス140又は遠隔アプリケーションサーバ150)から受信した分析物データの検討を容易にするためのディスプレイ4070をさらに含むことができる。データ受信デバイス120は、別個のユーザーインタフェース構成要素(例えば、物理キー、光センサ、マイクなど)を含むことができる。
通信モジュール4040は、BLEモジュール4041及びNFCモジュール4042を含むことができる。データ受信デバイス120は、分析物センサ110と無線で連結し、分析物センサ110にコマンドを送信し、分析物センサ110からデータを受信するように構成することができる。本明細書で具体化されるように、データ受信デバイス120は、本明細書に記載される分析物センサ110に関して、通信モジュール4040の特定のモジュール(例えば、BLEモジュール4042又はNFCモジュール4043)を介してNFCスキャナ及びBLEエンドポイントとして動作するように構成することができる。例えば、データ受信デバイス120は、通信モジュール4040の第1のモジュールを使用して分析物センサ110にコマンド(例えば、センサのデータブロードキャストモードの起動コマンド;データ受信デバイス120を識別するためのペアリングコマンド)を発行することができ、通信モジュール4040の第2のモジュールを使用して、分析物センサ110からデータを受信し、分析物センサ110にデータを送信する。データ受信デバイス120は、通信モジュール4040のユニバーサルシリアルバス(USB)モジュール4045を介してユーザーデバイス140と通信するように構成することができる。
別の例として、通信モジュール4040は、例えば、セルラー無線モジュール4044を含むことができる。セルラー無線モジュール4044は、限定されないが、第3世代(3G)、第4世代(4G)、及び第5世代(5G)ネットワークを含む広帯域セルラーネットワークを使用して通信するための1つ又は複数の無線送受信機を含むことができる。さらに、データ受信デバイス120の通信モジュール4040は、IEEE802.11規格(例えば、802.11a、802.11b、802.11g、802.11n(別名Wi-Fi4)、802.11ac(別名Wi-Fi5)、802.11ax(別名Wi-Fi6))のうちの1つ若しくはそれ以上による無線ローカルエリアネットワークを使用して通信するためのWi-Fi無線モジュール4043を含むことができる。セルラー無線モジュール4044又はWi-Fi無線モジュール4043を使用して、データ受信デバイス120は、遠隔アプリケーションサーバ150と通信して、分析物データを受信するか、又は(例えば、1つ若しくは複数のユーザーインタフェースを介して)ユーザーから受信した更新若しくは入力を提供することができる。図示されていないが、分析物センサ120の通信モジュール5040は、同様にセルラー無線モジュール又はWi-Fi無線モジュールを含むことができる。
本明細書で具体化されるように、データ受信デバイス120のオンボードストレージ4030は、分析物センサ110から受信した分析物データを保存することができる。さらに、データ受信デバイス120、多目的データ受信デバイス130、又はユーザーデバイス140は、ワイドエリアネットワークを介して遠隔アプリケーションサーバ150と通信するように構成することができる。本明細書で具体化されるように、分析物センサ110は、データ受信デバイス120又は多目的データ受信デバイス130にデータを提供することができる。データ受信デバイス120は、データをユーザーコンピューティングデバイス140に送信することができる。次いで、ユーザーコンピューティングデバイス140(又は多目的データ受信デバイス130)は、処理及び分析のためにそのデータを遠隔アプリケーションサーバ150に送信することができる。
本明細書で具体化されるように、データ受信デバイス120は、分析物センサ110のセンシングハードウェア5060と同様の、又はそれから拡張されたセンシングハードウェア4060をさらに含むことができる。特定の実施形態では、データ受信デバイス120は、分析物センサ110と連携して、分析物センサ110から受信した分析物データに基づいて動作するように構成することができる。一例として、分析物センサ110がグルコースセンサである場合、データ受信デバイス120は、インスリンポンプ又はインスリン注射ペンであってもよく、又はそれらを含んでもよい。連携して、互換性のあるデバイス130は、分析物センサから受信したグルコース値に基づいて、ユーザーのインスリン投与量を調整することができる。
D.センサ制御デバイスの例
図2C及び2Dは、センサ制御デバイス102の例示的な実施形態を示すブロック図であり、センサ制御デバイス102は、分析物センサ104、及びセンサ電子部品160(分析物モニタリング回路構成を含む)を有し、これらは、ユーザーへの表示に好適な最終結果データをレンダリングするための処理能力の大部分を有することができる。図2Cでは、単一の半導体チップ161が図示されており、これは特注の特定用途向け集積回路(ASIC)とすることができる。ASIC161内に示されているのは、アナログフロントエンド(AFE)162、電力管理(又は制御)回路構成164、プロセッサ166、及び(通信プロトコルに応じて、送信機、受信機、送受信機、パッシブ回路、又は別様に実装することができる)通信回路構成168を含む、ある特定の高次機能ユニットである。本実施形態では、AFE162及びプロセッサ166の両方を、分析物モニタリング回路構成として使用するが、他の実施形態では、いずれかの回路によって分析物モニタリング機能を実施することができる。プロセッサ166には、1つ若しくは複数のプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、及び/又はマイクロコントローラを含めることができ、これらはそれぞれ、ディスクリートチップとすることができ、又は多数の異なるチップにわたって分散させる(及びそれらの一部とする)ことができる。
メモリ163もまた、ASIC161に含まれており、これはASIC161内に存在する種々の機能ユニットによって共有することができ、又はこれらのうちの2種以上にわたって分散させることができる。メモリ163は別個のチップであってもよい。メモリ163は、揮発性及び/又は不揮発性メモリとすることができる。本実施形態では、ASIC161は、コイン型電池などであり得る電源170に連結される。AFE162は、インビボ分析物センサ104とインタフェースをとり、これから測定データを受信し、データをデジタル形式でプロセッサ166に出力し、次いで、このプロセッサ166はこのデータを処理して、最終結果としてのグルコースの離散値及び傾向値等に到達する。次にこのデータを、アンテナ171によって例えばリーダーデバイス120(図示せず)に送るために、通信回路構成168に供給することができ、ここでは、データを表示するために、常駐ソフトウェアアプリケーションによる最小限のさらなる処理が必要になる。
図2Dは図2Cと同様であるが、2種のディスクリート半導体チップ162及び174を含み、これらは一体にパッケージ化されていても、別個にパッケージ化されていてもよい。ここでは、AFE162はASIC161上に常駐する。プロセッサ166は、チップ174上に、電力管理回路構成164及び通信回路構成168とともに集積されている。AFE162はメモリ163を含み、チップ174はメモリ165を含み、これらは内部で隔離しても分散させてもよい。1つの例示的な実施形態では、AFE162を1つのチップ上で電力管理回路構成164及びプロセッサ166と組み合わせ、一方、通信回路構成168は別個のチップ上にある。別の例示的な実施形態では、AFE162及び通信回路構成168の両方が1つのチップ上にあり、プロセッサ166及び電力管理回路構成164が別のチップ上にある。3個以上のチップを含み、それぞれが上述の別個の機能を担っているか、又はフェイルセーフ冗長性のために1つ若しくは複数の機能を共有している、他のチップの組み合わせも可能であるという点に留意すべきである。
限定ではなく例示の目的で、図2Eに示す、開示された主題で使用する分析物センサ110の例示的な実施形態を参照する。図2Eは、本明細書に記載されるセキュリティアーキテクチャ及び通信スキームと互換性のある例示的な実施形態による例示的な分析物センサ110のブロック図を示す。
本明細書で具体化されるように、分析物センサ110には、通信モジュール5040と通信可能に連結された特定用途向け集積回路(「ASIC」)5000を含めることができる。ASIC5000には、マイクロコントローラコア5010、オンボードメモリ5020、及びストレージメモリ5030を含めることができる。ストレージメモリ5030は、認証及び暗号化セキュリティアーキテクチャで使用されるデータを格納することができる。ストレージメモリ5030は、センサ110のプログラミング命令を格納することができる。本明細書で具体化されるように、ある特定の通信チップセットをASIC5000(例えば、NFC送受信機5025)内に埋め込むことができる。ASIC5000は、オンボードバッテリなどの電源モジュール5050から、又はNFCパルスから電力を受けることができる。ASIC5000のストレージメモリ5030は、識別及び追跡の目的でセンサ110の識別子などの情報を含むようにプログラム化することができる。ストレージメモリ5030は、センサ110及びその種々の構成要素によって使用される構成パラメータ又は較正パラメータを用いてプログラム化することもできる。ストレージメモリ5030には、書き換え可能なメモリ又はワンタイムプログラミング(OTP)メモリを含めることができる。ストレージメモリ5030は、センサ110の有用性を拡張するために、本明細書に記載される技術を使用して更新することができる。
本明細書で具体化されるように、センサ100の通信モジュール5040は、分析物モニタリングシステム100の他のデバイスと通信する分析物センサ110を支持する1つ若しくは複数のモジュールであるか、又はそれを含むことができる。限定するものではなく単なる例として、例示的な通信モジュール5040には、Bluetooth Low-Energy(「BLE」)モジュール5041を含めることができる。本開示を通して使用される場合、Bluetooth Low Energy(「BLE」)は、エンドユーザーにとってBluetoothデバイスのペアリングを簡単にするために最適化された短距離通信プロトコルを指す。通信モジュール5040は、データ受信デバイス120又はユーザーデバイス140の同様に機能する通信モジュールとの相互作用を介して、データ及びコマンドを送受信することができる。通信モジュール5040は、IEEE802.15プロトコルによるパーソナルエリアネットワーク、IEEE802.11プロトコル、赤外線データ協会規格(Infrared Data Association standards)(IrDA)による赤外線通信などの同様の短距離通信スキームを用いて使用するための追加又は代替のチップセットを含むことができる。
その機能を実行するために、センサ100は、その機能に適した適切なセンシングハードウェア5060をさらに含むことができる。本明細書で具体化されるように、センシングハードウェア5060は、対象の体液と接触して経皮又は皮下に配置された分析物センサを含むことができる。分析物センサは、体液内の1種又は複数種の分析物のレベルに対応する値を含有するセンサデータを生成することができる。
E.センサ制御デバイスの例示的組立プロセス
センサ制御デバイス102の構成要素は、ユーザーが、適切なユーザー部位への送達前に、ユーザーによる最終的な組立が必要となる複数のパッケージで入手することができる。図3A~3Dは、ユーザーによるセンサ制御デバイス102の組立プロセスの例示的な実施形態を示し、これは、センサの送達の準備のために構成要素を連結する前に、別個の構成要素を準備することを含む。図3E~3Fは、適切な送達部位を選択し、デバイス102をその部位に適用することによる、適切なユーザー部位へのセンサ制御デバイス102の送達の例示的な実施形態を示す。
図3Aは、組立プロセスのために、ここではトレイとして構成される容器810(ただし、他のパッケージを使用することもできる)を準備するユーザーの例示的な実施形態を示す近位斜視図である。ユーザーは、トレイ810から蓋812を取り外してプラットフォーム808を露出させることによって、例えば、蓋812の非接着部分をトレイ810から剥がして、蓋812の接着部分が除去することによって、この準備を達成することができる。蓋812の取り外しは、プラットフォーム808がトレイ810内で適切に露出している限り、種々の実施形態において適切であり得る。その後、蓋812を脇に置くことができる。
図3Bは、ユーザーが組立用のアプリケータデバイス150を準備する例示的な実施形態を示す側面図である。アプリケータデバイス150は、キャップ708によって密封された滅菌パッケージで提供することができる。アプリケータデバイス150の準備には、ハウジング702をキャップ708から取り外してシース704を露出させることを含めることができる(図3C)。これは、キャップ708をハウジング702からねじを緩めて外す(又は別の方法で連結解除する)ことによって達成することができる。その後、キャップ708を脇に置くことができる。
図3Cは、組立中にユーザーがアプリケータデバイス150をトレイ810に挿入する例示的な実施形態を示す近位斜視図である。最初に、ユーザーは、ハウジング配向用特徴部分1302(又はスロット若しくは凹部)及びトレイ配向用特徴部分924(当接部又はデテント)を位置合わせした後、トレイ810内のプラットフォーム808にシース704を挿入することができる。シース704をプラットフォーム808に挿入して、ハウジング702に対してシース704を一時的にロック解除し、また、トレイ810に対してプラットフォーム808を一時的にロック解除する。この段階で、トレイ810からアプリケータデバイス150を取り外すと、アプリケータデバイス150をトレイ810に最初に挿入する前と同じ状態になる(すなわち、プロセスをこの時点で逆にするか中止し、その後結果を生じることなく繰り返す)。
シース704は、ハウジング702が遠位方向に前進し、プラットフォーム808と連結してトレイ810に対してプラットフォーム808を遠位方向に前進させる間、ハウジング702に対してプラットフォーム808内の位置を維持することができる。このステップにより、プラットフォーム808がロック解除され、トレイ810内でプラットフォーム808が折り畳まれる。シース704は、トレイ810内のロック特徴部分(図示せず)に接触して係合を解除することができ、ロック特徴部分は、ハウジング702に対してシース704のロックを解除し、ハウジング702によりプラットフォーム808が遠位方向に前進し続ける間、シース704が(相対的に)移動することを防止する。ハウジング702及びプラットフォーム808の前進の終了時に、シース704はハウジング702に対して恒久的にロック解除される。トレイ810内の鋭利部及びセンサ(図示せず)は、ハウジング702の遠位方向への前進の終了時に、ハウジング702内の電子部品ハウジング(図示せず)と連結することができる。アプリケータデバイス150及びトレイ810の動作及び相互作用については、以下でさらに説明する。
図3Dは、組立中にユーザーがアプリケータデバイス150をトレイ810から取り外す例示的な実施形態を示す近位斜視図である。ユーザーは、トレイ810に対してハウジング702を近位方向に前進させることによって、又はアプリケータ150とトレイ810を連結解除させるという同じ最終効果を有する他の動作によって、トレイ810からアプリケータ150を取り外すことができる。アプリケータデバイス150は、その中に完全に組み立てられ(鋭利部、センサ、電子部品)、送達のために位置決めされたセンサ制御デバイス102(図示せず)とともに取り出される。
図3Eは、患者がアプリケータデバイス150を使用して、センサ制御デバイス102を、皮膚の標的領域、例えば腹部又は他の適切な部位に適用する例示的な実施形態を示す近位斜視図である。ハウジング702を前進させると、ハウジング702内のシース704が遠位方向に折り畳まれ、センサ制御デバイス102の底面の接着剤層が皮膚に接着するようにセンサを標的部位に適用する。ハウジング702が完全に前進すると、鋭利部は自動的に引き抜かれるが、センサ(図示せず)は分析物レベルを測定するための部位に残る。
図3Fは、センサ制御デバイス102が適用位置にある患者の例示的な実施形態を示す近位斜視図である。次いで、ユーザーは、適用部位からアプリケータ150を取り外すことができる。
図3A~3F及び本明細書の他の箇所に関して記載されたシステム100は、従来技術のシステムと比較して、アプリケータ構成要素の偶発的な破損、恒久的変形、又は不正確な組立の機会を低減又は排除することができる。アプリケータハウジング702は、シース704がロック解除されている間は、プラットフォーム808と、シース704を介して間接的に係合するのではなく直接係合し、シース704とハウジング702との間の相対角度は、アーム又は他の構成要素の破壊又は恒久的変形をもたらさない。組立中に(従来のデバイスのように)比較的大きな力が発生する可能性が低減し、これにより、したがってユーザーによる組み立ての不成功の機会が低減する。
F.例示的なセンサアプリケータデバイス
図4Aは、スクリューキャップ708と連結させたアプリケータデバイス150の例示的な実施形態を示す側面図である。これは、ユーザーによってセンサと組み立てられる前に、どのようにアプリケータ150をユーザーへと出荷し、またこれをユーザーが入手するかの一例である。図4Bは、連結解除後のアプリケータ150及びキャップ708を示す側面斜視図である。図4Cは、アプリケータデバイス150の遠位端の例示的な実施形態の斜視図であり、ここでは電子部品ハウジング706及び接着パッチ105は、キャップ708が所定の位置にあるときにこれらがシース704のセンサキャリア710内で保持されるはずの位置から取り外されている。
限定ではなく説明の目的で4D~Gを参照すると、アプリケータデバイス20150は、単一の一体型組立体としてユーザーに提供することができる。図4D及び4Eは、それぞれ、アプリケータデバイス20150の上面斜視図及び底面斜視図を提供し、図4Fは、アプリケータデバイス20150の分解図を提供し、図4Gは、側面の切欠図を提供する。斜視図は、アプリケータ20150がどのように出荷されてユーザーが入手するかを示している。分解図及び切欠図は、アプリケータデバイス20150の構成要素を示している。アプリケータデバイス20150は、ハウジング20702、ガスケット20701、シース20704、鋭利部キャリア201102、ばね205612、センサキャリア20710(「パックキャリア」とも呼ばれる)、鋭利部ハブ205014、センサ制御デバイス(「パック」とも呼ばれる)20102、粘着パッチ20105、乾燥剤20502、キャップ20708、シリアルラベル20709、及び不正開封防止特徴部分20712を含むことができる。ユーザーが入手すると、ハウジング20702、キャップ20708、不正開封防止特徴部分20712、及びラベル20709のみが見える。不正開封防止特徴部分20712は、例えば、ハウジング20702及びキャップ20708のそれぞれに連結されたステッカーであり得、不正開封防止特徴部分20712は、例えば、ハウジング20702とキャップ20708を連結解除することによって修復不能な程度に損傷する可能性があり、これにより、ハウジング20702とキャップ20708は以前に連結解除されたことがないことがユーザーに示される。これらの特徴部分については、以下でより詳細に説明する。
G.例示的なトレイ及びセンサモジュールアセンブリ
図5は、滅菌蓋812が取り外し可能に連結されたトレイ810の例示的な実施形態を示す近位斜視図であり、組立前にパッケージがどのように出荷され、これをユーザーが入手するかを表すことができる。
図6Aは、トレイ810内のセンサ送達構成要素を示す近位切欠斜視図である。プラットフォーム808は、トレイ810内でスライド可能に連結されている。乾燥剤502はトレイ810に対して静止している。センサモジュール504は、トレイ810内に取り付けられている。
図6Bは、センサモジュール504をより詳細に示す近位斜視図である。ここで、プラットフォーム808の保持アーム延長部1834は、センサモジュール504を所定の位置に解放可能に固定する。モジュール2200は、コネクタ2300、鋭利部モジュール2500及びセンサ(図示せず)と連結されており、組立中にこれらをセンサモジュール504として一緒に取り外すことができる。
H.単一部品アーキテクチャのための例示的なアプリケータ及びセンサ制御デバイス
再び図1A及び3A~3Gを簡単に参照すると、2部品アーキテクチャシステムの場合、センサトレイ202及びセンサアプリケータ102は別個のパッケージとしてユーザーに提供されるため、ユーザーは各パッケージを開け、最終的にシステムを組み立てる必要がある。いくつかの用途では、個別の密封パッケージにより、センサトレイ202及びセンサアプリケータ102を、各パッケージの内容物に固有の、又は他の内容物には適合しない別個の滅菌プロセスで滅菌することができる。より具体的には、センサ110及び鋭利部220を含むプラグアセンブリ207を含むセンサトレイ202を、電子ビーム(又は「e-ビーム」)照射等の放射線滅菌を用いて滅菌することができる。好適な放射線滅菌プロセスとしては、電子ビーム(e-ビーム)照射、ガンマ線照射、X線照射、又はそれらのあらゆる組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。しかし、放射線滅菌は、センサ制御デバイス102の電子部品ハウジング内に配置された電気構成要素を損傷する可能性がある。したがって、センサ制御デバイス102の電子部品ハウジングを収容するセンサアプリケータ102を滅菌する必要がある場合、例えばエチレンオキシドを使用するガス化学滅菌などの別の方法によって滅菌することができる。しかし、ガスによる化学滅菌は、センサ110に含まれる酵素又は他の化学薬品及び生物製剤に損傷を与える可能性がある。この滅菌非適合性のため、センサトレイ202及びセンサアプリケータ102は通常、別個の滅菌プロセスで滅菌され、その後別々に包装され、これにより、最終的にユーザーが構成要素を組み立てて使用する必要がある。
図7A及び7Bは、それぞれ、1つ又は複数の実施形態による、センサ制御デバイス3702の分解上面図及び分解底面図である。シェル3706及びマウント3708は、センサ制御デバイス3702の種々の電子部品を格納するか、そうでなければ実質的に封入する、対向するクラムシェルの半分として動作する。図示されているように、センサ制御デバイス3702は、複数の電子モジュール3806が連結されたプリント回路基板(PCB)3804を含むプリント回路基板アセンブリ(PCBA)3802を含んでもよい。電子モジュール3806の例には、抵抗器、トランジスタ、コンデンサ、インダクタ、ダイオード、及びスイッチが含まれるが、これらに限定されない。従来のセンサ制御デバイスは通常、PCB構成要素をPCBの片面のみに積み重ねます。対照的に、センサ制御デバイス3702内のPCB構成要素3806は、PCB3804の両面(すなわち、上面及び底面)の表面領域の周囲に分散させることができる。
電子モジュール3806の他に、PCBA3802は、PCB3804に取り付けられたデータ処理ユニット3808も含んでもよい。データ処理ユニット3808は、例えば、センサ制御デバイス3702の動作に関連する1つ又は複数の機能又はルーチンを実装するように構成された特定用途向け集積回路(ASIC)を備えてもよい。より具体的には、データ処理ユニット3808は、データ処理機能を実行するように構成することができ、そのような機能には、限定されないが、データ信号のフィルタリング及びコード化が含まれ、これらのそれぞれは、ユーザーのサンプリングされた分析物レベルに対応する。データ処理ユニット3808はまた、リーダーデバイス106(図1A)と通信するためのアンテナを含むか、又はアンテナと通信することができる。
バッテリ開口部3810は、PCB3804内に画定され、センサ制御デバイス3702に電力を供給するように構成されたバッテリ3812を受け入れて装着するようなサイズであってもよい。軸方向バッテリ接点3814a及び半径方向バッテリ接点3814bは、PCB3804に連結され、バッテリ3812からPCB3804への電力の伝送を容易にするためにバッテリ開口部3810内に延在してもよい。それらの名前が示唆するように、軸方向バッテリ接点3814aは、バッテリ3812に軸方向接点を提供するように構成され得、一方、半径方向バッテリ接点3814bは、バッテリ3812に半径方向接点を提供し得る。バッテリ接点3814a、bを備えたバッテリ開口部3810内にバッテリ3812を配置することは、センサ制御デバイス3702の高さHを低減するのに役立ち、これにより、PCB3804を中央に配置し、その構成要素を両側(すなわち、上面及び底面)に分散させることができる。これはまた、電子部品ハウジング3704上に設けられる面取り3718を容易にするのに役立つ。
センサ3716は、PCB3804に対して中央に配置され、尾部3816、フラグ3818、及び尾部3816とフラグ3818を相互接続する首部3820を含むことができる。尾部3816は、マウント3708の中央開口部3720を通って延在し、ユーザーの皮下に経皮的に受け入れられるように構成することができる。さらに、尾部3816は、分析物の監視を容易にするのに役立てるために含まれる、酵素又は他の化学物質が有していてもよい。
フラグ3818は、その上に配置された1つ又は複数のセンサ接点3822(図7Bには3つ示されている)を有するほぼ平坦な表面を含んでもよい。センサ接点3822は、PCB3804上に設けられた対応する1つ又は複数の回路接点3824(図7Aには3つ示されている)と位置合わせして係合するように構成してもよい。いくつかの実施形態では、センサ接点3822は、フラグ3818に印刷又は別様にデジタル的に適用されたカーボン含浸ポリマーを含んでもよい。従来のセンサ制御デバイスは通常、センサとPCBの間の導電接点として機能する1つ又は複数の適合性のあるカーボン含浸ポリマーモジュールを封入するシリコーンゴム製のコネクタを含む。対照的に、本明細書に開示されるセンサ接点3822は、センサ3716とPCB3804接続との間の直接接続を提供し、これにより、従来技術のコネクタの必要性がなくなり、高さHが有利に低減される。さらに、適合性のあるカーボン含浸ポリマーモジュールを排除することで、大幅に回路抵抗が排除され、その結果、回路の導電性が向上する。
センサ制御デバイス3702は、フラグ3818とシェル3706の内表面との間に挟まれるように配置することができる適合性のある部材3826をさらに含んでもよい。より具体的には、シェル3706及びマウント3708が互いに対し組み立てられる場合、適合性のある部材3826は、センサ接点3822を対応する回路構成接点3824と連続的に係合させるフラグ3818に対して受動的付勢荷重を提供するように構成してもよい。図示の実施形態では、適合性のある部材3826はエラストマーOリングであるが、本開示の範囲から逸脱することなく、圧縮ばねなどのあらゆる他のタイプの付勢デバイス又は機構を、代わりに備えることもできる。
センサ制御デバイス3702は、第1のシールド3828a及び第2のシールドとして示される1つ又は複数の電磁シールドをさらに含むことができる。シェル3706は、第1のクロックレセプタクル3830a(図7B)及び第2のクロックレセプタクル3830b(図7B)を提供又は別様に画定することができ、マウント3708は、第1のクロックポスト3832a(図7A)及び第2のクロックポスト3832b(図7A)を提供又は別様に画定することができる。第1及び第2のクロックレセプタクル3830a、bをそれぞれ第1及び第2のクロックポスト3832a、bと嵌合させると、シェル3706がマウント3708に対して適切に位置合わせされる。
特に図7Aを参照すると、マウント3708の内表面は、シェル3706がマウント3708に嵌合される場合、センサ制御デバイス3702の種々の構成部品を収容するように構成された複数のポケット又は窪みを、提供又は別様に画定することができる。例えば、マウント3708の内表面は、センサ制御デバイス3702が組み立てられたときにバッテリ3812の一部を収容するように構成されたバッテリロケータ3834を画定することができる。隣接する接点ポケット3836は、軸方向接点3814aの一部を収容するように構成することができる。
さらに、PCB3804の底部に配置された種々の電子モジュール3806を収容するために、複数のモジュールポケット3838を、マウント3708の内表面に画定することができる。さらに、シールドロケータ3840は、センサ制御デバイス3702が組み立てられたときに、第2のシールド3828bの少なくとも一部を収容するために、マウント3708の内表面に画定することができる。バッテリロケータ3834、接点ポケット3836、モジュールポケット3838、及びシールドロケータ3840はすべて、マウント3708の内表面内に短い距離だけ延びており、結果として、センサ制御デバイス3702の全高さHを、従来のセンサ制御デバイスと比較して低減することができる。モジュールポケット3838はまた、PCB構成要素を両面(すなわち、上面及び底面)に配置できるようにすることによって、PCB3804の直径を最小化するのに役立つ場合がある。
さらに図7Aを参照すると、マウント3708は、マウント3708の外周部の周囲に画定された複数のキャリアグリップ特徴部分3842(2つが示されている)をさらに含むことができる。キャリアグリップ特徴部分3842は、マウント3708の底部3844から軸方向にオフセットされており、組立中に転写接着剤(図示せず)を塗布することができる。一般にマウントの底部と交差する円錐形のキャリアグリップ特徴部分を含む従来のセンサ制御デバイスとは対照的に、本明細書で開示されるキャリアグリップ特徴部分3842は、転写接着剤が塗布される平面(すなわち、底部3844)からオフセットされている。これにより、組立中に送達システムが誤って転写接着剤にくっつかないことを保証するのを助けるという点で有利であることが判明する場合がある。さらに、本明細書で開示されるキャリアグリップ特徴部分3842によって、波形の転写接着剤の必要性がなくなり、これにより、転写接着剤の製造が簡素化され、マウント3708に対して転写接着剤を正確に位置合わせする(clock)必要がなくなる。これにより、結合面積も増加し、したがって結合強度も増加する。
図7Bを参照すると、マウント3708の底部3844は、複数の溝3846を提供又は画定することができ、これらの溝3846は、マウント3708の外周に又はその近くに画定され、互いに等距離に配置され得る。転写接着剤(図示せず)を底部3844に連結することができ、溝3846は、使用中に湿気をセンサ制御デバイス3702からマウント3708の周縁に向かって運ぶ(移送する)のを助けるように構成することができる。いくつかの実施形態では、溝3846の間隔は、マウント3708の反対側(内表面)上に画定されたモジュールポケット3838(図7A)を間に挟むことができる。理解されるように、溝3846とモジュールポケット3838の位置を交互にすることにより、マウント3708のいずれかの側の対向する特徴部分が互いに進入しないことが保証される。これは、マウント3708の材料の利用を最大化するのに役立ち、それによって、センサ制御デバイス3702の最小高さHを維持するのに役立つ場合がある。モジュールポケット3838はまた、型の沈み込みを大幅に低減し、転写接着剤が接着する底部3844の平坦度を改善することができる。
さらに図7Bを参照すると、シェル3706の内表面はまた、シェル3706がマウント3708に嵌合される場合、センサ制御デバイス3702の種々の構成要素を収容するように構成された複数のポケット又は窪みを、提供又は別様に画定することができる。例えば、シェル3706の内表面は、マウント3708のバッテリロケータ3834(図7A)の反対側に配置可能であり、センサ制御デバイス3702が組み立てられたときにバッテリ3812の一部を収容するように構成された対向バッテリロケータ3848を画定することができる。対向バッテリロケータ3848は、シェル3706の内表面内に短い距離だけ延びており、これは、センサ制御デバイス3702の全高さHを低減するのに役立つ。
鋭利部及びセンサロケータ3852もまた、シェル3706の内表面によって提供することができるか、又は別様にシェル3706の内表面上に画定することができる。鋭利部及びセンサロケータ3852は、鋭利部(図示せず)及びセンサ3716の一部の両方を受け入れるように構成することができる。さらに、鋭利部及びセンサロケータ3852は、マウント3708の内表面に設けられた対応する鋭利部及びセンサロケータ2054(図7A)と位置合わせ及び/又は嵌合するように構成することができる。
本開示の実施形態によれば、代替のセンサアセンブリ/電子部品アセンブリ接続アプローチが図8A~図8Cに示されている。図示のように、センサアセンブリ14702は、センサ14704、コネクタサポート14706、及び鋭利部14708を含む。特に、凹部又はレセプタクル14710は、電子部品アセンブリ14712のマウントの底部に画定することができ、センサアセンブリ14702が受け入れられて電子アセンブリ14712に連結され、それによってセンサ制御デバイスを完全に組み立てることができる場所を提供することができる。センサアセンブリ14702のプロファイルは、エラストマーシール部材14714(回路基板に連結され、センサ14704の電気接点と位置合わせされた導電性材料を含む)を含むレセプタクル14710と一致するか、又はそれと相補的な形で形成することができる。したがって、電子アセンブリ14712に一体的に形成された凹部14710内にセンサアセンブリ14702を押し込むことによって、センサアセンブリ14702が電子アセンブリ14712にスナップ嵌め又は接着されると、図8Cに示される身体装着デバイス14714が形成される。本実施形態は、電子部品アセンブリ14712内のセンサアセンブリ14702用の一体型コネクタを提供する。
センサアセンブリに関する追加情報は、米国公開第2013/0150691号及び米国公開第2021/0204841号に提供されており、それらのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の実施形態によれば、センサ制御デバイス102は、単一部品アーキテクチャのセンサ制御デバイス用に特に設計された滅菌技術を適用できる単一部品アーキテクチャを提供するように改変することができる。単一部品アーキテクチャにより、センサアプリケータ150及びセンサ制御デバイス102を、単一の密封パッケージでユーザーに出荷することができ、最終的なユーザーによる組立ステップを必要としない。むしろ、ユーザーは、1つのパッケージを開け、その後、センサ制御デバイス102を標的モニタリング部位に送達するだけでよい。本明細書に記載の単一部品システムアーキテクチャは、構成部品、種々の製造プロセスステップ、及びユーザーによる組立ステップを排除する点で有利であることが判明する場合がある。その結果、パッケージング及び廃棄物が削減され、システムに対するユーザーエラー又は汚染の可能性が軽減される。
図9A及び9Bは、それぞれ、アプリケータキャップ210が連結されたセンサアプリケータ102の例示的な実施形態の側面図及び側断面図である。より具体的には、図9Aは、センサアプリケータ102がどのようにユーザーに出荷され、ユーザーが入手するかを示し、図9Bは、センサアプリケータ102内に配置されたセンサ制御デバイス4402を示す。したがって、完全に組み立てられたセンサ制御デバイス4402を、ユーザーに配送される前にすでに組み立てて、センサアプリケータ102内に設置することができ、したがって、そうでなければユーザーが実行しなければならない追加の組立ステップが不要になる。
完全に組み立てられたセンサ制御デバイス4402は、センサアプリケータ102内に装填されてもよく、その後、アプリケータキャップ210がセンサアプリケータ102に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、アプリケータキャップ210はハウジング208にねじ込まれてもよく、タンパリング4702を含んでもよい。ハウジング208に対してアプリケータキャップ210を回転させる(例えば、ねじを緩める)と、タンパリング4702が切断され、それによってアプリケータキャップ210をセンサアプリケータ102から解放することができる。
本開示によれば、センサアプリケータ102に装填されている間、センサ制御デバイス4402は、電子部品ハウジング4404及びセンサ制御デバイス4402のあらゆる他の露出部分を滅菌するように構成されたガス状化学滅菌4704を受けることができる。これを達成するために、センサアプリケータ102及び相互接続されたキャップ210によって協働して画定される滅菌チャンバ4706に、化学物質を注入してもよい。いくつかの用途では、化学物質を、アプリケータキャップ210の近位端610に画定された1つ又は複数の通気口4708を介して滅菌チャンバ4706に注入してもよい。ガス状化学滅菌4704に使用してもよい化学物質の例としては、エチレンオキシド、蒸気化過酸化水素、窒素酸化物(例えば、亜酸化窒素、二酸化窒素など)、及び蒸気が挙げられるが、これらに限定されない。
センサ4410及び鋭利部4412の遠位部分はセンサキャップ4416内に密封されているため、ガス状化学滅菌プロセス中に使用される化学物質は、尾部4524及び他のセンサ構成要素、例として分析物の流入を調節する膜コーティングなど、に提供される酵素、化学物質、及び生物製剤と相互作用しない。
滅菌チャンバ4706内で所望の滅菌保証レベルが達成されると、ガス状溶液が除去され、滅菌チャンバ4706が通気される。通気は、一連の真空及びその後のガス(例えば、窒素)又は濾過空気を滅菌チャンバ4706に通して循環させることによって達成することができる。滅菌チャンバ4706を適切に通気すると、通気孔4708をシール4712(破線で示す)で塞ぐことができる。
いくつかの実施形態では、シール4712は、異なる材料の2つ以上の層を含んでもよい。第1の層は、DuPont(登録商標)から入手可能なTyvek(登録商標)などの合成材料(例えば、フラッシュ紡糸された高密度ポリエチレン繊維)から作製することができる。Tyvek(登録商標)は耐久性と耐穿孔性に優れ、蒸気を透過させる。Tyvek(登録商標)層は、ガス状化学滅菌プロセスの前に適用することができ、ガス状化学滅菌プロセスの後、ホイル又は他の耐蒸気性及び耐湿性材料層をTyvek(登録商標)層の上にシール(例えば、ヒートシール)して、滅菌チャンバ4706への汚染物質及び湿気の侵入を防ぐことができる。他の実施形態では、シール4712は、アプリケータキャップ210に適用される単一の保護層のみを含んでもよい。このような実施形態では、単一層は、滅菌プロセスに対してガス透過性であってもよいが、滅菌プロセスが完了すると湿気及び他の有害な要素から保護することもできる。
シール4712が所定の位置にあると、アプリケータキャップ210は、外部汚染に対するバリアを提供し、それにより、ユーザーがアプリケータキャップ210を取り外す(ねじを緩める)まで、組み立てられたセンサ制御デバイス4402の滅菌環境を維持する。アプリケータキャップ210はまた、出荷中及び保管中に、接着パッチ4714が汚れるのを防ぐ、無塵環境を作出することができる。
図10A及び10Bは、それぞれ、本開示の1つ又は複数の実施形態による、別の例示的なセンサ制御デバイス5002の等角図及び側面図である。センサ制御デバイス5002は、いくつかの点で図1Aのセンサ制御デバイス102と類似している可能性があり、したがって、それを参照すると最もよく理解できるであろう。さらに、センサ制御デバイス5002は、図1Aのセンサ制御デバイス102を置き換えることができ、したがって、図1Aのセンサアプリケータ102と組み合わせて使用することができ、これにより、センサ制御デバイス5002をユーザーの皮膚上の標的モニタリング部位に送達することができる。
しかし、図1Aのセンサ制御デバイス102とは異なり、センサ制御デバイス5002は、ユーザーが複数のパッケージを開け、適用前にセンサ制御デバイス5002を最終的に組み立てる必要のない単一部品システムアーキテクチャを備えることができる。むしろ、ユーザーが入手した時点で、センサ制御デバイス5002はすでに完全に組み立てられており、センサアプリケータ150内に適切に配置されている(図1A)。センサ制御デバイス5002を使用するには、ユーザーは、使用のためにセンサ制御デバイス5002を標的モニタリング部位に速やかに送達する前に、1つのバリア(例えば、図3Bのアプリケータキャップ708)を開けるだけでよい。
図示されているように、センサ制御デバイス5002は、ほぼ円盤形状であり、円形の断面を有し得る電子部品ハウジング5004を含む。しかしながら、他の実施形態では、電子部品ハウジング5004は、本開示の範囲から逸脱することなく、卵形又は多角形などの他の断面形状を呈していてもよい。電子部品ハウジング5004は、センサ制御デバイス5002を動作させるために使用される種々の電気部品を収容するか、又は別様に含むように構成することができる。少なくとも1つの実施形態では、電子部品ハウジング5004の底部に接着パッチ(図示せず)を配置してもよい。接着パッチは、図1Aの接着パッチ105と同様のものでよく、したがって、センサ制御デバイス5002をユーザーの皮膚に接着して使用するのに役立つ可能性がある。
図示されているように、センサ制御デバイス5002は、シェル5006と、シェル5006と嵌合可能なマウント5008とを含む電子部品ハウジング5004を含む。シェル5006は、スナップ嵌め係合、締り嵌め、音波溶接、1つ又は複数の機械的締結具(例えば、ねじ)、ガスケット、接着剤、又はそれらのあらゆる組み合わせなどのさまざまな方法を介してマウント5008に固定することができる。場合によっては、シェル5006は、それらの間に封止された境界面が生成されるようにマウント5008に固定されてもよい。
センサ制御デバイス5002は、センサ制御デバイス5002の適用中にユーザーの皮下にセンサ5010を経皮的に送達するのを助けるために使用されるセンサ5010(部分的に見える)及び鋭利部5012(部分的に見える)をさらに含むことができる。図示されているように、センサ5010及び鋭利部5012の対応する部分は、電子部品ハウジング5004(例えば、マウント5008)の底部から遠位方向に延びる。鋭利部5012は、鋭利部5012を固定して担持するように構成された鋭利部ハブ5014を含んでもよい。図10Bに最もよく示されるように、鋭利部ハブ5014は、嵌合部材5016を含むか、又は別様に嵌合部材5016を画定することができる。鋭利部5012をセンサ制御デバイス5002に連結するために、鋭利部5012は、鋭利部ハブ5014がシェル5006の上面に係合し、嵌合部材5016がマウント5008の底部から遠位方向に延びるまで、電子部品ハウジング5004を通って軸方向に前進することができる。鋭利部5012が電子部品ハウジング5004を貫通すると、センサ5010の露出部分を、鋭利部5012の中空又は凹んだ(弓形)部分内に受け入れることができる。センサ5010の残りの部分は、電子部品ハウジング5004の内部に配置される。
センサ制御デバイス5002は、図10A~10Bでは電子部品ハウジング5004から分解された状態、又は電子機器ハウジング5004から取り外された状態で示されるセンサキャップ5018を、さらに含んでもよい。センサキャップ5016は、マウント5008の底部又はその近くでセンサ制御デバイス5002(例えば、電子部品ハウジング5004)に取り外し可能に連結することができる。センサキャップ5018は、センサ5010及び鋭利部5012の露出部分を取り囲み、ガス状化学滅菌から保護する密閉バリアを提供するのを助けることができる。図示されているように、センサキャップ5018は、第1の端部5020aと、第1の端部5020aの反対側の第2の端部5020bとを有するほぼ円筒形の本体を備えることができる。第1の端部5020aは、本体内に画定された内部チャンバ5022へのアクセスを提供するために開いていてもよい。対照的に、第2の端部5020bは閉じていてもよく、係合特徴部分5024を提供するか、又は別様に画定してもよい。本明細書に記載されるように、係合特徴部分5024は、センサキャップ5018を、センサアプリケータ(例えば、図1A及び3A~3Gのセンサアプリケータ150)のキャップ(例えば、図3Bのアプリケータキャップ708)に嵌合させるのを助けることができ、かつこれは、センサアプリケータからキャップを取り外す際に、センサ制御デバイス5002からセンサキャップ5018を取り外すのを助けることができる。
センサキャップ5018は、マウント5008の底部又はその近くで電子部品ハウジング5004に取り外し可能に連結することができる。より具体的には、センサキャップ5018は、マウント5008の底部から遠位方向に延びる嵌合部材5016に取り外し可能に連結することができる。少なくとも1つの実施形態では、例えば、嵌合部材5016は、センサキャップ5018によって画定される一組の雌ねじ5026b(図10A)と嵌合可能な一組の雄ねじ5026a(図10B)を画定することができる。いくつかの実施形態では、雄ねじ5026a及び雌ねじ5026bは、部品を成形する際に有利であることが判明し得る平坦なねじ設計(例えば、螺旋曲率の欠如)を備えることができる。或いは、雄ねじ5026a及び雌ねじ5026bは、螺旋状の螺合を含んでもよい。したがって、センサキャップ5018は、鋭利部ハブ5014の嵌合部材5016においてセンサ制御デバイス5002にねじ止めすることができる。他の実施形態では、センサキャップ5018は、締り嵌め若しくは摩擦嵌めを含むがこれらに限定されない他の種類の係合を介して嵌合部材5016に、又は最小限の分離力(例えば、軸力又は回転力)で壊れる可能性がある壊れやすい部材若しくは物質に取り外し可能に連結することができる。
いくつかの実施形態では、センサキャップ5018は、第1の端部5020aと第2の端部5020bとの間に延在するモノリシック(単一)構造を備えてもよい。しかし、他の実施形態では、センサキャップ5018は、2つ以上の構成部品を含んでもよい。図示の実施形態では、例えば、センサキャップ5018は、第1の端部5020aに配置されたシールリング5028と、第2の端部5020bに配置された乾燥剤キャップ5030とを含んでもよい。シールリング5028は、以下でより詳細に説明するように、内側チャンバ5022のシールを助けるように構成してもよい。少なくとも1つの実施形態では、シールリング5028はエラストマーOリングを含んでもよい。乾燥剤キャップ5030は、内側チャンバ5022内の好ましい湿度レベルを維持するのに役立つ乾燥剤を収容するか、又は乾燥剤を含んでもよい。乾燥剤キャップ5030は、センサキャップ5018の係合特徴部分5024を画定するか、又は別様に提供することもできる。
図11A~11Cは、1つ又は複数の実施形態による、センサ制御デバイス5002を備えたセンサアプリケータ102の組立を示す段階的断面側面図である。センサ制御デバイス5002が完全に組み立てられると、それはセンサアプリケータ102に装填することができる。図11Aを参照すると、鋭利部ハブ5014は、センサ制御デバイス5002をセンサアプリケータ102に連結するのを助けるように構成されたハブスナップ嵌合爪5302を含むか、又は別様に画定することができる。より具体的には、センサ制御デバイス5002は、センサアプリケータ102の内部に前進することができ、ハブスナップ嵌合爪5302を、センサアプリケータ102内に配置された鋭利部キャリア5306の対応するアーム5304によって受け入れることができる。
図11Bでは、センサ制御デバイス5002が鋭利部キャリア5306によって受け入れられ、したがってセンサアプリケータ102内に固定されているのが示されている。センサ制御デバイス5002は、センサアプリケータ102内に装填されると、アプリケータキャップ210がセンサアプリケータ102に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、アプリケータキャップ210及びハウジング208は、アプリケータキャップ210を時計回り(又は反時計回り)方向にハウジング208にねじ込むことが可能になり、それによってアプリケータキャップ210をセンサアプリケータ102に固定することが可能になる、対向する嵌合可能なねじ山セット5308を有してもよい。
図示されているように、シース212もセンサアプリケータ102内に配置され、センサアプリケータ102は、シース212が衝撃イベント中に時期尚早に潰れないことを保証するように構成されたシースロック機構5310を含んでもよい。図示の実施形態では、シースロック機構5310は、アプリケータキャップ210とシース212との間のねじ係合を含んでもよい。より具体的には、1つ又は複数の雌ねじ5312aが、アプリケータキャップ210の内表面に画定されるか、又は別様に設けられてもよく、1つ又は複数の雄ねじ5312bが、シース212に画定されるか、又は別様に設けられてもよい。雌ねじ5312a及び雄ねじ5312bは、アプリケータキャップ210がねじ5308でセンサアプリケータ102にねじ込まれるときに螺合するように構成することができる。雌ねじ5312a及び雄ねじ5312bは、アプリケータキャップ210をハウジング208にねじ込むことが可能になるねじ5308と同じねじピッチを有してもよい。
図11Cでは、ハウジング208に完全にねじ込まれた(連結された)アプリケータキャップ210が示されている。図示のように、アプリケータキャップ210はさらに、アプリケータキャップ210の内部の中央に位置し、その底部から近位方向に延びるキャップポスト5314を設けるか、又は別様に画定することができる。キャップポスト5314は、アプリケータキャップ210がハウジング208にねじ込まれるときに、センサキャップ5018の少なくとも一部を受けるように構成され得る。
センサ制御デバイス5002がセンサアプリケータ102内に装填され、アプリケータキャップ210が適切に固定されて、センサ制御デバイス5002は、電子部品ハウジング5004及びセンサ制御デバイス5002のあらゆる他の露出部分を滅菌するように構成されたガス状化学滅菌を受けることができる。センサ5010及び鋭利部5012の遠位部分はセンサキャップ5018内に密封されているため、ガス状化学滅菌プロセス中に使用される化学物質は、尾部5104及び他のセンサ構成要素、例として分析物の流入を調節する膜コーティングなど、に提供される酵素、化学物質、及び生物製剤と相互作用することができない。
図12A~12Cは、1つ又は複数の追加の実施形態による、センサ制御デバイス5002を備えたセンサアプリケータ102の代替実施形態の組立及び分解を示す段階的断面側面図である。完全に組み立てられたセンサ制御デバイス5002は、概して上述したように、ハブスナップ嵌合爪5302をセンサアプリケータ102内に配置された鋭利部キャリア5306のアーム5304に連結させることによって、センサアプリケータ102内に装填することができる。
図示の実施形態では、シース212のシースアーム5604は、ハウジング208の内部に画定された第1のデテント5702a及び第2のデテント5702bと相互作用するように構成することができる。第1のデテント5702aは「ロック」デテントと呼ばれることもあり、第2のデテント5702bは「発射(firing)」デテントと呼ばれることもある。センサ制御デバイス5002が最初にセンサアプリケータ102内に設置されるとき、シースアーム5604を、第1のデテント5702a内に受け入れることができる。以下で考察するように、シース212は、シースアーム5604を第2のデテント5702bに移動させるように作動することができ、これにより、センサアプリケータ102が発射位置に配置される。
図12Bでは、アプリケータキャップ210はハウジング208と位置合わせされ、シース212がアプリケータキャップ210内に受け入れられるようにハウジング208に向かって前進する。アプリケータキャップ210をハウジング208に対して回転させる代わりに、アプリケータキャップ210のねじ山をハウジング208の対応するねじ山にはめ込んで、アプリケータキャップ210をハウジング208に連結してもよい。アプリケータキャップ210内に画定された軸方向の切り込み又はスロット5703(1つが示されている)により、そのねじ山付近のアプリケータキャップ210の部分が外側に屈曲して、ハウジング208のねじ山とスナップ式に係合することが可能になる場合がある。アプリケータキャップ210をハウジング208にスナップ嵌めさせると、それに対応して、センサキャップ5018をキャップポスト5314内にスナップ嵌めさせることができる。
図11A~11Cの実施形態と同様に、センサアプリケータ102は、シース212が衝撃イベント中に時期尚早に潰れないことを保証するように構成されたシースロック機構を含んでもよい。図示の実施形態では、シースロック機構は、シース212の基部近くに画定され、アプリケータキャップ210の基部近くに画定された1つ又は複数のリブ5706(2つが示されている)及び肩部5708と相互作用するように構成されている1つ又は複数のリブ5704(1つが示されている)を含む。リブ5704は、アプリケータキャップ210をハウジング208に取り付ける際に、リブ5706と肩部5708との間でインターロックするように構成することができる。より具体的には、アプリケータキャップ210がハウジング208にスナップ嵌めされると、アプリケータキャップ210を回転させることができ(例えば、時計回りに)、これにより、シース212のリブ5704がアプリケータキャップ210のリブ5706と肩部5708との間に配置され、これにより、ユーザーがアプリケータキャップ210を逆回転させて使用のためにアプリケータキャップ210を取り外すまで、アプリケータキャップ210を所定の位置に「ロック」する。アプリケータキャップ210のリブ5706と肩部5708との間のリブ5704の係合によっても、シース212が時期尚早に潰れるのを防止することができる。
図12Cでは、アプリケータキャップ210がハウジング208から取り外される。図12A~12Cの実施形態と同様に、アプリケータキャップ210は、概して上記で説明したように、アプリケータキャップ210を逆回転させ、これに対応してキャップポスト5314が同じ方向に回転し、これによりセンサキャップ5018が、嵌合部材5016からねじが緩んで外れることによって取り外すことができる。さらに、センサキャップ5018をセンサ制御デバイス5002から取り外すと、センサ5010及び鋭利部5012の遠位部分が露出する。
アプリケータキャップ210が、ハウジング208からねじが緩められると、シース212上に画定されたリブ5704は、アプリケータキャップ210上に画定されたリブ5706の上部と摺動係合することができる。リブ5706の上部は、アプリケータキャップ210が回転するにつれてシース212が上方に変位する、対応する傾斜面を提供してもよく、シース212を上方に移動させると、シースアーム5604が屈曲して第1のデテント5702aとの係合が解除され、第2のデテント5702b内に受け入れられる。シース212が第2のデテント5702bに移動すると、半径方向肩部5614はキャリアアーム5608との半径方向の係合から外れ、これにより、ばね5612の受動的ばね力が鋭利部キャリア5306を上方に押し、キャリアアーム5608を溝5610との係合から外すことができる。鋭利部キャリア5306がハウジング208内で上方に移動すると、嵌合部材5016は、センサ制御デバイス5002の底部と同一面、実質的に同一面、又は準同一面になるまで、対応して引き抜かれる場合がある。この時点で、センサアプリケータ102は発射位置にある。したがって、本実施形態では、アプリケータキャップ210を取り外すと、それに応じて嵌合部材5016が引き抜かれる。
I.単一部品及び2部品アプリケータの例示的な発射機構
図13A~13Fは、センサ制御デバイス222を使用者に適用するためにアプリケータ216を「発射」し、鋭利部1030を使用済みのアプリケータ216内に安全に引き戻す、内部デバイス機構の実施形態の詳細例を示す。まとめると、これらの図面は、鋭利部1030(センサ制御デバイス222に連結されたセンサを支持する)を使用者の皮膚に打ち込み、センサを使用者の間質液と作動的に接触させたままにして鋭利部を引き抜き、センサ制御デバイスを接着剤でユーザーの皮膚に接着する一連の例を表す。代替のアプリケータアセンブリの実施形態及び構成要素とともに使用するためのそのような動作の改変は、当業者であれば同様のものを参照して理解できるであろう。さらに、アプリケータ216は、本明細書に開示されるように、単一部品アーキテクチャまた2部品アーキテクチャを有するセンサアプリケータであってもよい。
ここで図13Aを参照すると、センサ1102は、ユーザーの皮膚1104のすぐ上の鋭利部1030内に支持されている。上部ガイドセクション1108のレール1106(任意にそれらのうちの3つ)は、シース318に対するアプリケータ216の動きを制御するために提供することができる。シース318は、アプリケータ216内のデテント特徴部分1110によって保持され、そうしてアプリケータ216の長手方向軸に沿った適切な下向きの力によってデテント特徴部分1110によって与えられる抵抗が克服され、その結果、鋭利部1030及びセンサ制御デバイス222が、長手方向軸に沿ってユーザーの皮膚1104内(及び皮膚1104上)に並進することができる。加えて、センサキャリア1022のキャッチアーム1112は、鋭利部引き抜きアセンブリ1024と係合して、鋭利部1030をセンサ制御デバイス222に対するある位置に維持する。
図13Bでは、デテント特徴部分1110を克服又は無効にするためにユーザーの力が加えられ、シース318がハウジング314内に折り畳まれ、センサ制御デバイス222(関連部品を伴う)を駆動させて、長手方向軸に沿って矢印Lで示すように下方に並進させる。シース318の上部ガイドセクション1108の内径は、センサ/鋭利挿入プロセスの全ストロークを通じてキャリアアーム1112の位置を拘束する。キャリアアーム1112の停止面1114を、鋭利部引き抜きアセンブリ1024の相補面1116に対して保持することにより、戻りばね1118が完全に付勢された状態で部材の位置が維持される。実施形態によれば、ユーザーの力を利用してセンサ制御デバイス222を駆動して長手軸に沿って矢印Lで示すように下方に並進させるのではなく、ハウジング314は、駆動ばね(例えば、限定するものではないが、コイルばね)を作動させて、センサ制御デバイス222を駆動するボタン(例えば、限定するものではないが、押しボタン)を含むことができる。
図13Cでは、センサ1102及び鋭利部1030が完全な挿入深さに達している。そうすることで、キャリアアーム1112は上部ガイドセクション1108の内径を越える。次に、コイル戻りばね1118の圧縮力によって角度付き停止面1114を半径方向外側に駆動され、鋭利部引き抜きアセンブリ1024の鋭利部キャリア1102を駆動する力を解放して、図13Dの矢印Rで示すように、(スロット付き又は別様にその他の構成の)鋭利部1030を、使用者から引き抜き、センサ1102から引き離す。
図13Eに示されるように鋭利部1030が完全に引き抜かれると、シース318の上部ガイドセクション1108は最終ロック特徴部分1120によって固定される。図13Fに示すように、使用済みのアプリケータアセンブリ216は、挿入部位から取り除かれ、センサ制御デバイス222が残され、鋭利部1030はアプリケータアセンブリ216の内部に安全に固定される。この時点で、使用済みのアプリケータアセンブリ216を廃棄する準備ができている。
センサ制御デバイス222を適用するときのアプリケータ216の動作は、鋭利部1030の挿入と引き抜きの両方がアプリケータ216の内部機構によって自動的に実行されるという感覚をユーザーに提供するように設計されている。換言すれば、本発明は、ユーザーが自分の皮膚に鋭利部1030を手動で打ち込んでいるという感覚を経験することを回避する。したがって、ユーザーがアプリケータ216のデテント特徴部分からの抵抗を克服するのに十分な力を加えると、結果として生じるアプリケータ216の動作は、アプリケータが「トリガされた」ことに対する自動応答であると認識される。すべての駆動力がユーザーによって提供され、鋭利部1030を挿入するためにいかなる追加の付勢/駆動手段も使用されないにもかかわらず、ユーザーは、皮膚を突き刺すために鋭利部1030を駆動するために追加の力を提供していると知覚しない。図13Cにおいて上で詳細に説明したように、鋭利部1030の引き抜きは、アプリケータ216のコイル戻りばね1118によって自動化される。
本明細書に記載されるアプリケータの実施形態のいずれか、並びにその構成要素のいずれか、例えば、限定されないが、鋭利部、鋭利部モジュール及びセンサモジュールの実施形態、に関して、当業者であれば、前記実施形態は、対象の表皮、真皮、又は皮下組織の体液中の分析物レベルを感知するように構成されたセンサとともに使用するために寸法設定及び構成することができることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に開示される分析物センサの鋭利部及び遠位部分は、両方とも、特定の端部深さ(すなわち、表皮、真皮、皮下組織など、対象の身体の組織又は層の最も遠い貫通点)に位置決めされるように寸法設定及び構成することができる。いくつかのアプリケータの実施形態に関して、当業者であれば、鋭利部のある特定の実施形態が、分析物センサの最終的な端部深さに対して対象の体内の異なる端部深さに位置決めされるように寸法設定及び構成することができることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、例えば、引き抜き前に鋭利部を対象の表皮の第1の端部深さに位置決めすることができ、一方、分析物センサの遠位部分を対象の真皮の第2の端部深さに位置決めすることができる。他の実施形態では、引き抜き前に鋭利部を対象の真皮の第1の端部深さに位置決めすることができ、一方、分析物センサの遠位部分を対象の皮下組織の第2の端部深さに位置決めすることができる。さらに他の実施形態では、引き抜き前に鋭利部を第1の端部深さに位置決めすることができ、分析物センサを第2の端部深さに位置決めすることができ、第1の端部深さ及び第2の端部深さは両方とも、対象の身体の同じ層又は組織内にある。
さらに、本明細書に記載されるアプリケータの実施形態のいずれに関しても、当業者であれば、分析物センサ、及び分析物センサに結合される1つ又は複数のばね機構を含むがこれに限定されない1種又は複数種の構造構成要素を、アプリケータの1つ又は複数の軸に対して中心から外れた位置でアプリケータ内に配置することができることを理解するであろう。いくつかのアプリケータの実施形態では、例えば、分析物センサ及びばね機構を、アプリケータの第1の側部上の、アプリケータの軸に対して第1の中心から外れた位置に配置することができ、センサ電子部品を、アプリケータの第2の側部上の、アプリケータの軸に対して第2の中心から外れた位置に配置することができる。他のアプリケータの実施形態では、分析物センサ、ばね機構、及びセンサ電子部品を、同一の側部において、アプリケータの軸に対して中心から外れた位置に配置することができる。当業者であれば、アプリケータの分析物センサ、ばね機構、センサ電子部品、及び他の構成要素のうちのいずれか又はすべてを、アプリケータの1つ又は複数の軸に対して中心位置又は中心から外れた位置に配置する、他の順列及び構成が可能であり、完全に本開示の範囲内であることを理解するだろう。
適切なデバイス、システム、方法、構成要素及びそれらの動作のさらなる詳細は、関連する特徴部分とともに、Raoらの国際公開第WO2018/136898号、Thomasらの国際公開番号WO2019/236850、Thomasらの国際公開第WO2019/236859号、Thomasらの国際公開第WO2019/236876号、及び2019年6月6日出願の米国特許公開第2020/0196919号に記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。アプリケータの実施形態、それらの構成要素、及びそれらの変形形態に関するさらなる詳細は、米国特許出願公開第2013/0150691号、同第2016/0331283号、及び同第2018/0235520号に記載されており、これらのすべては、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。鋭利部モジュール、鋭利部、それらの構成要素、及びそれらの変形形態の実施形態に関するさらなる詳細は、米国特許出願公開第2014/0171771号に記載されており、これは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
J.分析物センサを較正する例示的な方法
生化学センサは、1種又は複数種のセンシング特性によって説明することができる。一般的なセンシング特性は、生化学センサの感度と呼ばれ、検出するように設計された化学物質又は組成物の濃度に対するセンサの応答性の尺度である。電気化学センサの場合、この応答は電流(電流測定)又は電荷(電量測定)の形態であり得る。他のタイプのセンサの場合、応答はフォトニック強度(例えば、光学的光)など、異なる形態であり得る。生化学分析物センサの感度は、センサがインビトロ状態にあるかインビボ状態にあるかを含む、複数の要因に応じて変化する可能性がある。
図14は、電流測定分析物センサのインビトロ感度を示すグラフである。インビトロ感度は、種々の分析物濃度でセンサをインビトロ試験し、結果として得られたデータに対して回帰(例えば、線形又は非線形)又はその他の曲線フィッティングを実行することによって取得することができる。この例では、分析物センサの感度は線形又は実質的に線形であり、等式y=mx+bに従ってモデル化することができ、式中、yはセンサの電気出力電流であり、xは分析物レベル(又は濃度)であり、mは感度の傾きであり、bは感度の切片であり、ここで、切片は通常、バックグラウンド信号(例えば、ノイズ)に対応する。線形又は実質的に線形の応答を有するセンサの場合、所定の電流に対応する分析物レベルは、感度の傾き及び切片から決定することができる。非線形感度を有するセンサは、センサの出力電流から生じる分析物レベルを決定するための追加情報を必要とし、当業者は非線形感度をモデル化する方法に精通している。インビボセンサの特定の実施形態では、インビトロ感度はインビボ感度と同じであり得るが、他の実施形態では、伝達(又は変換)関数を使用して、インビトロ感度を、センサの意図されたインビボ使用に適用可能なインビボ感度に変換する。
較正は、センサの測定出力を調整してセンサの予想出力との差を減らすことにより、精度を向上又は維持するための技術である。感度などのセンサのセンシング特性を記述する1つ又は複数のパラメータを、較正調整で使用するために確立する。
ある特定のインビボ分析物モニタリングシステムでは、ユーザー又は患者へのセンサの埋め込み後に、ユーザーとの対話又はシステム自体による自動化された方法のいずれかで較正を行う必要がある。例えば、ユーザーとの対話が必要な場合、ユーザーは分析物センサが埋め込まれている間に、インビトロ測定(例えば、フィンガースティック及びインビトロ試験ストリップを使用した血糖(BG)測定)を実行し、これをシステムに入力する。次に、システムによってインビトロ測定値とインビボ信号を比較し、その差分を使用してセンサのインビボ感度の推定値を決定する。次に、インビボ感度をアルゴリズムプロセスで使用して、センサにより収集されたデータを、ユーザーの分析物レベルを示す値に変換することができる。較正を実行するためにユーザーの行為が必要なこのプロセス及びその他のプロセスは、「ユーザーによる較正」と呼ばれる。時間の経過とともに感度がドリフトするか又は変化するなど、センサの感度が不安定なため、システムではユーザーによる較正が必要になる場合がある。したがって、精度を維持するために、(例えば、定期的(例えば、毎日)スケジュール、変動スケジュールに従って、又は必要に応じて)複数のユーザーによる較正が必要になる場合がある。本明細書に記載の実施形態は、特定の実装に対してある程度のユーザーによる較正を組み込むことができるが、一般に、これは、ユーザーに痛みを伴うか、又は別様に面倒なBG測定を実行する必要があり、ユーザーエラーを引き起こす可能性があるため、好ましくない。
一部のインビボ分析物モニタリングシステムは、システム自体(例えば、ソフトウェアを実行する処理回路)によって行われるセンサの特性の自動測定を使用して、定期的に較正パラメータを調整することができる。システム(ユーザーではなく)によって測定された変数に基づいてセンサの感度を繰り返し調整することは、一般に「システム」(又は自動)による較正と呼ばれ、初期のBG測定などのユーザーによる較正を使用して実行することも、ユーザーによる較正なしで実行することもできる。ユーザーによる較正を繰り返す場合と同様に、時間の経過とともにセンサの感度がドリフトするため、通常、システムによる較正を繰り返すことが必要になる。したがって、本明細書に記載の実施形態は、ある程度の自動システム較正とともに使用することができるが、埋め込み後の較正が必要ないように、好ましくは、センサの感度が時間の経過とともに比較的安定である。
一部のインビボ分析物モニタリングシステムは、工場出荷時に較正されたセンサによって動作する。工場出荷時の較正とは、ユーザー又は医療専門家(HCP)に配布する前に、1つ又は複数の較正パラメータを決定又は推定することを指す。較正パラメータは、センサの製造業者(又は、2つの実体が異なる場合はセンサ制御デバイスの他の構成要素の製造業者)によって決定することができる。多くのインビボセンサ製造プロセスでは、生産ロット、製造段階ロット、又は単にロットと呼ばれる群又はバッチでセンサを製造する。単一のロットには数千個のセンサが含まれる場合がある。
センサには、1種若しくは複数種のセンサの製造プロセス中に導出又は決定することができ、製造プロセスの一部として分析物モニタリングシステムのデータ処理デバイス内でコード化又はプログラムすることができる、又はセンサ自体に提供できる、較正コード又はパラメータを、例えば、バーコード、レーザータグ、RFIDタグ、又はセンサ上に提供されるその他の機械読み取り可能な情報として含めることができる。コードが受信機(又は他のデータ処理デバイス)に提供されている場合、センサのインビボ使用中のユーザーによる較正を省略することができ、又はセンサ装着中のインビボ較正の頻度を削減することができる。較正コード又はパラメータがセンサ自体に提供される実施形態では、センサの使用前又は使用開始時に、較正コード又はパラメータは、分析物モニタリングシステム内のデータ処理デバイスに自動的に送信又は提供することができる。
一部のインビボ分析物モニタリングシステムは、工場出荷時の較正、システムによる較正、及び/又はユーザーによる較正のうちの1つ又は複数であり得るセンサを使用して動作する。例えば、工場出荷時の較正が可能になる較正コード又はパラメータをセンサに提供することができる。情報が受信機に提供される(例えば、ユーザーが入力する)場合、センサは工場出荷時に較正されたセンサとして動作することができる。情報が受信機に提供されない場合、センサはユーザーによる較正センサ及び/又はシステムによる較正センサとして動作することができる。
さらなる態様では、使用中にインビボセンサに時間変化する調整アルゴリズムを提供するために、分析物モニタリングシステムのデータ処理デバイス及び/又は受信機/コントローラユニットに、プログラミング又は実行可能命令を提供又は格納することができる。例えば、インビボで使用される分析物センサの遡及的統計分析及び対応するグルコースレベルフィードバックに基づいて、時間ベースの所定の曲線又は分析曲線又はデータベースを生成することができ、これらは、安定性プロファイル又は他の要因における潜在的なセンサドリフトを補償するために、1つ又は複数のインビボセンサパラメータに追加の調整を提供するように構成されている。
開示された主題によれば、分析物モニタリングシステムは、センサドリフトプロファイルに基づいてセンサ感度を補償又は調整するように構成することができる。時間変化するパラメータβ(t)は、インビボでの使用中のセンサ挙動の分析に基づいて定義又は決定することができ、時間変化するドリフトプロファイルを決定することができる。ある特定の態様では、センサ感度の補償又は調整は、分析物モニタリングシステムの受信機ユニット、コントローラ又はデータプロセッサ内でプログラム化することができ、それにより、センサデータを分析物センサから受信すると、補償又は調整又はその両方を自動的に及び/又は反復的に実行することができる。開示された主題によれば、調整又は補償アルゴリズムは、(自己開始又は実行ではなく)ユーザーが開始又は実行することができ、これにより、分析物センサ感度プロファイルの調整又は補償が、対応する機能又はルーチンのユーザーの開始若しくは起動時、又はユーザーによるセンサ較正コードの入力時に実行(performed)又は実行(executed)されるようにする。
開示された主題によれば、センサロット内の各センサ(場合によっては、インビトロ試験に使用される試料センサを含まない)を非破壊的に検査して、センサの1つ若しくは複数の点における膜厚などの特性を決定又は測定することができ、活性領域の表面積/体積などの物理的特性を含む他の特性を測定又は決定することができる。このような測定若しくは決定は、例えば、光学スキャナ又は他の好適な測定デバイス又はシステムを使用して自動化された方法で実行することができ、センサロット内の各センサについて決定されたセンサ特性を、各センサに割り当てられた較正パラメータ又はコードの補正の可能性について、試料センサに基づいて対応する平均値と比較する。例えば、センサの感度として定義される較正パラメータの場合、感度は膜厚にほぼ反比例し、したがって、例えば、センサの測定膜厚が、そのセンサと同じセンサロットからのサンプリングセンサの平均膜厚よりもおよそ4%厚い場合、一実施形態において、そのセンサに割り当てられる感度は、サンプリングセンサから決定された平均感度を1.04で割ったものである。同様に、感度はセンサの活性領域にほぼ比例するため、あるセンサの測定活性領域が、同じセンサロットからのサンプリングセンサの平均活性領域よりもおよそ3%小さい場合、そのセンサに割り当てられる感度は、平均感度に0.97を乗算したものである。割り当てられる感度は、センサの検査又は測定ごとに複数回連続して調整することにより、サンプリングセンサからの平均感度から決定することができる。ある特定の実施形態では、各センサの検査又は測定は、膜厚及び/又は表面積若しくは活性センシング領域の体積に加えて、膜の粘稠度又は質感の測定をさらに含むことができる。
センサの較正に関する追加情報は、米国特許出願公開第2010/00230285号及び米国特許出願公開第2019/0274598号に提供されており、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
K.例示的なBluetooth通信プロトコル
センサ110のストレージメモリ5030は、通信モジュールの通信プロトコルに関連するソフトウェアブロックを含むことができる。例えば、ストレージメモリ5030は、BLEモジュール5041がセンサ110のコンピューティングハードウェアに利用可能となるインタフェースを提供する機能を備えたBLEサービスソフトウェアブロックを含むことができる。これらのソフトウェア機能には、BLE論理インタフェース及びインタフェースパーサーを含めることができる。通信モジュール5040によって提供されるBLEサービスとしては、汎用アクセスプロファイルサービス、汎用属性サービス、汎用アクセスサービス、デバイス情報サービス、データ送信サービス、及びセキュリティサービスを挙げることができる。データ送信サービスは、センサ制御データ、センサステータスデータ、分析物測定データ(履歴及び現在の)、及びイベントログデータなどのデータを送信するために使用される主要なサービスであり得る。センサステータスデータには、エラーデータ、アクティブな現在時刻、及びソフトウェアステータスを含めることができる。分析物測定データとしては、現在及び過去の未処理の測定値、適切なアルゴリズム又はモデルを使用して処理した後の現在及び過去の値、測定レベルの予測及び傾向、他の値と患者固有の平均値との比較、アルゴリズム又はモデル、及びその他の同様の種類のデータによって決定されるコールトゥアクション(calls to action)などの情報を挙げることができる。
開示された主題の態様によれば、本明細書で具体化されるように、センサ110は、センサ110のハードウェア及び無線によって支持される通信プロトコル又は媒体の特徴部分を適応させることによって、複数のデバイスと同時に通信するように構成することができる。一例として、通信モジュール5040のBLEモジュール5041には、中央装置としてのセンサ110と、周辺装置としての、又は別の装置が中央装置に接続されている周辺装置としての他のデバイスとの間の複数の同時接続を可能にするソフトウェア又はファームウェアを提供することができる。
BLEなどの通信プロトコルを使用する2つのデバイス間の接続、及びその後の通信セッションは、2つのデバイス(例えば、センサ110及びデータ受信デバイス120)間で動作する同様の物理チャネルによって特徴付けることができる。物理チャネルは、単一のチャネル又は一連のチャネルを含むことができ、例えば、限定されないが、共通のクロック及びチャネルホッピングシーケンス又は周波数ホッピングシーケンスによって決定される合意された一連のチャネルの使用を含む。通信セッションは、同様の量の利用可能な通信スペクトルを使用することができ、複数のそのような通信セッションは、近接して存在することができる。ある特定の実施形態では、通信セッション内のデバイスの各集合体は、異なる物理チャネル又は一連のチャネルを使用して、同じ近接範囲にあるデバイスの干渉を管理する。
限定ではなく例示の目的で、開示された主題で使用するためのセンサと受信機の接続のためのプロシージャの例示的な実施形態を参照する。まず、センサ110は、データ受信デバイス120の検索において、それ自身の接続情報をそれ自身の環境に繰り返しアドバタイズする。センサ110は、接続が確立されるまで定期的にアドバタイズを繰り返すことができる。データ受信デバイス120は、アドバタイズパケットを検出し、アドバタイズパケット内で提供されるデータを介して接続するセンサ120をスキャン及びフィルタリングする。次に、データ受信デバイス120はスキャン要求コマンドを送信し、センサ110は追加の詳細を提供するスキャン応答パケットで応答する。次に、データ受信デバイス120は、データ受信デバイス120に関連付けられたBluetoothデバイスアドレスを使用して接続要求を送信する。データ受信デバイス120は、特定のBluetoothデバイスアドレスを有するセンサ110への接続を確立することを継続的に要求することもできる。次に、デバイスは初期接続を確立し、これによりデータ交換を開始できるようになる。デバイスは、データ交換サービスを初期化するプロセスを開始し、相互認証プロシージャを実行する。
センサ110とデータ受信デバイス120との間の最初の接続中に、データ受信デバイス120は、サービス、特性、及び属性の発見プロシージャを初期化することができる。データ受信デバイス120は、センサ110のこれらの特徴部分を評価し、その後の接続中に使用するためにそれらを保存することができる。次に、デバイスは、センサ110とデータ受信デバイス120の相互認証に使用されるカスタマイズされたセキュリティサービスの通知を可能にする。相互認証プロシージャは自動化することができ、ユーザーの介入は必要ではない。相互認証プロシージャが正常に完了した後、センサ110は、接続パラメータ更新を送信して、センサ110が優先し、寿命が最大になるように構成された接続パラメータ設定を使用するようにデータ受信デバイス120に要求する。
次に、データ受信デバイス120は、センサ制御プロシージャを実行して、履歴データ、現在のデータ、イベントログ、及び工場出荷時データをバックフィルする。一例として、データのタイプごとに、データ受信デバイス120はバックフィルプロセスを開始する要求を送信する。要求では、適宜、例えば測定値、タイムスタンプ、又は同様のものに基づいて定義されたレコードの範囲を指定することができる。センサ110は、センサ110のメモリ内の以前の未送信データがすべてデータ受信デバイス120に配信されるまで、要求データで応答する。センサ110は、すべてのデータがすでに送信されたというデータ受信デバイス120からのバックフィル要求に応答することができる。バックフィルが完了すると、データ受信デバイス120は、定期的な測定値を受信する準備ができていることをセンサ110に通知することができる。センサ110は、複数の通知結果にわたって測定値を繰り返し送信することができる。本明細書で具体化されるように、複数の通知は、データが正しく送信されることを保証するために冗長通知とすることができる。或いは、複数の通知が単一のペイロードを構成することもできる。
限定ではなく例示の目的で、シャットダウンコマンドをセンサ110に送信するプロシージャの例示的な実施形態を参照する。シャットダウン動作は、例えば、センサ110がエラー状態、挿入失敗状態、又はセンサ時間切れ状態の場合に実行される。センサ110がそれらの状態にない場合、センサ110はコマンドをログに記録し、センサ110がエラー状態又はセンサ時間切れ状態に遷移したときにシャットダウンを実行することができる。データ受信デバイス120は、適切にフォーマットされたシャットダウンコマンドをセンサ110に送信する。センサ110が別のコマンドをアクティブに処理している場合、センサ110は、センサ110がビジーであることを示す標準エラー応答で応答することになる。そうでない場合、センサ110は、コマンドが受信されると応答を送信する。さらに、センサ110は、センサ制御特性を通じて成功通知を送信し、センサ110がコマンドを受信したことを確認する。センサ110はシャットダウンコマンドを登録する。次の適切な機会(例えば、本明細書で説明するように、現在のセンサ状態に応じて)に、センサ110はシャットダウンする。
L.例示的なセンサの状態及び起動
限定ではなく説明の目的で、図15に示すように、センサ110によって実行され得るアクションの高レベル描写の状態機械表現6000の例示的な実施形態を参照する。初期化後、センサはセンサ110の製造に関連する状態6005に入る。製造状態6005では、センサ110は動作するように構成することができ、例えばストレージメモリ5030に書き込むことができる。状態6005にある間の種々の時点で、センサ110は、ストレージ状態6015に移行するために受信コマンドをチェックする。ストレージ状態6015に入ると、センサはソフトウェア完全性チェックを実行する。保存状態6015にある間、センサは挿入検出状態6025に進む前に起動要求コマンドを受信することもできる。
状態6025に入ると、センサ110は、起動中に設定されたようにセンサと通信するために認証されたデバイスに関する情報を保存するか、又はセンシングハードウェア5060からの測定の実行及び解釈に関連するアルゴリズムを初期化することができる。センサ110はまた、センサ110の動作時間のアクティブカウントを維持する役割を担うライフサイクルタイマーを初期化し、記録されたデータを送信するために認証されたデバイスとの通信を開始することもできる。挿入検出状態6025にある間、センサは状態6030に入ることができ、そこでセンサ110は動作時間が所定の閾値に等しいかどうかをチェックする。この動作時間閾値は、挿入が成功したかどうかを判断するためのタイムアウト機能に対応することができる。動作時間が閾値に達した場合、センサ110は状態6035に進み、そこでセンサ110は、平均データ読み取り値が、挿入成功の検出をトリガするための予想されるデータ読み取り量に対応する閾値量より大きいかどうかをチェックする。状態6035にある間にデータ読み取り量が閾値よりも低い場合、センサは挿入失敗に対応する状態6040に進む。データ読み取り量が閾値を満たしている場合、センサはアクティブペア状態6055に進む。
センサ110のアクティブペア状態6055は、センサ110が測定値を記録し、測定値を処理し、適宜報告することによって正常に動作している間の状態を反映する。アクティブペア状態6055にある間、センサ110は、測定結果を送信するか、又は受信デバイス120との接続を確立しようと試みる。センサ110はまた、動作時間を増分する。センサ110が所定の動作閾値時間に達すると(例えば、動作時間が所定の閾値に達すると)、センサ110はアクティブ時間切れ状態6065に遷移する。センサ110のアクティブ時間切れ状態6065は、センサ110が所定の最大時間動作している間の状態を反映する。
アクティブ時間切れ状態6065にある間、センサ110は一般に、動作の終了及び収集測定値が必要に応じて受信デバイスにセキュアに送信されたことを保証することに関する動作を実行することができる。例えば、アクティブ時間切れ状態6065にある間、センサ110は収集データを送信することができ、利用可能な接続がない場合には、近くの認証されたデバイスを発見し、それとの接続を確立するための試みを強化することができる。アクティブ時間切れ状態6065にある間、センサ110は状態6070でシャットダウンコマンドを受信することができる。シャットダウンコマンドが受信されない場合、センサ110は、状態6075で、動作時間が最終動作閾値を超えたかどうかをチェックすることもできる。最終動作閾値は、センサ110のバッテリ寿命に基づくことができる。正常終了状態6080は、センサ110の最終動作、及び最終的にセンサ110をシャットダウンすることに対応する。
センサがアクティブになる前、ASIC5000は低出力ストレージモード状態にある。起動プロセスは、例えば、入力RF電磁場(例えば、NFC電磁場)によってASIC5000への電源の電圧が、リセット閾値を超えて駆動し、これによりセンサ110がウェイクアップ状態に入ると開始することができる。ウェイクアップ状態の間、ASIC5000は起動シーケンス状態に入る。次に、ASIC5000は、通信モジュール5040を起動させる。通信モジュール5040が初期化され、パワーオンセルフテストがトリガされる。パワーオンセルフテストは、メモリ及びワンタイムプログラマブルメモリが破損していないことを確認するために、データの読み書きの所定のシーケンスを使用して通信モジュール5040と通信するASIC5000を含むことができる。
ASIC5000が初めて測定モードに入るとき、適切な測定を行う前に、センサ110が患者の身体に適切に取り付けられたことを確認するための挿入検出シーケンスを実行する。まず、センサ110は、測定設定プロセスを起動するコマンドを解釈し、ASIC5000を測定コマンドモードに移行させる。次に、センサ110は、一時的に測定ライフサイクル状態に入り、多数の連続測定を実行して、挿入が成功したかどうかを試験する。通信モジュール5040又はASIC5000は、測定結果を評価して、挿入の成功を判定する。挿入が成功したとみなされると、センサ110は測定状態に入り、この状態でセンサ110はセンシングハードウェア5060を使用して定期的な測定を開始する。挿入が成功しなかったとセンサ110が判断した場合、センサ110は挿入失敗モードにトリガされ、ASIC5000はストレージモードに戻るように命令され、一方、通信モジュール5040はそれ自体を無効にする。
M.例示的な無線更新
図1Bは、本明細書に記載の技術とともに使用するための無線(「OTA」)更新を提供するための例示的な動作環境をさらに示す。分析物監視システム100の操作者は、データ受信デバイス120又はセンサ110の更新を、多目的データ受信デバイス130上で実行されるアプリケーションの更新とひとまとめにして一緒に提供することができる。データ受信デバイス120、多目的データ受信デバイス130、及びセンサ110の間の利用可能な通信チャネルを使用して、多目的データ受信デバイス130は、データ受信デバイス120又はセンサ110の定期的な更新を受信し、データ受信デバイス120又はセンサ110への更新のインストールを開始することができる。多目的データ受信デバイス130が分析物センサ110、データ受信デバイス120、及び/又は遠隔アプリケーションサーバ150と通信できるようになるアプリケーションは、ワイドエリアネットワーク機能を使用することなく、データ受信デバイス120又はセンサ110上のソフトウェア又はファームウェアを更新できるので、多目的データ受信デバイス130は、データ受信デバイス120又はセンサ110のインストール又は更新プラットフォームとして機能する。
本明細書で具体化されるように、分析物センサ110の製造業者及び/又は分析物モニタリングシステム100の操作者によって操作される遠隔アプリケーションサーバ150は、分析物モニタリングシステム100のデバイスにソフトウェア及びファームウェアの更新を提供することができる。特定の実施形態では、遠隔アプリケーションサーバ150は、更新ソフトウェア及びファームウェアをユーザーデバイス140に、又は多目的データ受信デバイスに直接、提供することができる。本明細書で具体化されるように、リモートアプリケーションサーバ150はまた、アプリケーションストアフロント(storefront)によって提供されるインタフェースを使用して、アプリケーションソフトウェア更新をアプリケーションストアフロントサーバ160に提供することもできる。多目的データ受信デバイス130は、アプリケーションストアフロントサーバ160に定期的に連絡して、更新をダウンロードし、インストールすることができる。
多目的データ受信デバイス130が、データ受信デバイス120又はセンサ110用のファームウェア又はソフトウェア更新を含むアプリケーション更新をダウンロードした後、データ受信デバイス120又はセンサ110と多目的データ受信デバイス130は、接続を確立する。多目的データ受信デバイス130は、ファームウェア又はソフトウェア更新がデータ受信デバイス120又はセンサ110に利用可能であると判断する。多目的データ受信デバイス130は、データ受信デバイス120又はセンサ110に配信するためのソフトウェア又はファームウェア更新を準備することができる。一例として、多目的データ受信デバイス130は、ソフトウェア若しくはファームウェア更新に関連するデータを圧縮若しくはセグメント化することができ、ファームウェア若しくはソフトウェア更新を暗号化若しくは復号化することができ、又はファームウェア若しくはソフトウェアの更新の完全性チェックを実行することができる。多目的データ受信デバイス130は、ファームウェア又はソフトウェア更新用のデータをデータ受信デバイス120又はセンサ110に送信する。多目的データ受信デバイス130は、更新を開始するためにデータ受信デバイス120又はセンサ110にコマンドを送信することもできる。追加的又は代替的に、多目的データ受信デバイス130は、多目的データ受信デバイス130のユーザーに通知を提供し、通知には更新を容易にするための使用説明書、例えば、更新が完了するまで、データ受信デバイス120と多目的データ受信デバイス130を電源に接続したままにして、極めて近接したままにするという使用説明書を含めることができる。
データ受信デバイス120又はセンサ110は、多目的データ受信デバイス130から更新用データ及び更新を開始するコマンドを受信する。次に、データ受信デバイス120は、ファームウェア又はソフトウェア更新をインストールすることができる。更新をインストールするために、データ受信デバイス120又はセンサ110は、動作機能が制限されたいわゆる「セーフ」モードにそれ自身を置くか、又は再起動することができる。更新が完了すると、データ受信デバイス120又はセンサ110は、標準動作モードに再び入るか、又は標準動作モードにリセットされる。データ受信デバイス120又はセンサ110は、ファームウェア又はソフトウェア更新が正常にインストールされたことを判定するために、1種又は複数種の自己テストを実行することができる。多目的データ受信デバイス130は、更新成功の通知を受信することができる。次いで、多目的データ受信デバイス130は、成功した更新の確認を、遠隔アプリケーションサーバ150に報告することができる。
特定の実施形態では、センサ110のストレージメモリ5030は、ワンタイムプログラマブル(OTP)メモリを含む。OTPメモリという用語は、メモリ内の特定のアドレス又はセグメントへの所定の回数の書き込みを容易にするアクセス制限及びセキュリティを含むメモリを指すことができる。メモリ5030は、複数の事前に割り当てられたメモリブロック又はコンテナに事前に配置することができる。コンテナは、固定サイズに事前に割り当てられる。ストレージメモリ5030がワンタイムプログラミングメモリである場合、コンテナはプログラム不可能な状態にあると考えることができる。まだ書き込まれていない追加のコンテナは、プログラム可能な状態又は書き込み可能な状態にすることができる。この方法でストレージメモリ5030をコンテナ化することにより、ストレージメモリ5030に書き込まれるコード及びデータの可搬性を向上させることができる。OTPメモリに格納されたデバイス(例えば、本明細書に記載のセンサデバイス)のソフトウェアの更新は、メモリ内のコード全体を置き換えるのではなく、以前に書き込まれた特定の1つ又は複数のコンテナ内のコードのみを、新しい1つ又は複数のコンテナに書き込まれた更新されたコードで置き換えることによって実行することができる。第2の実施形態では、メモリは事前に配置されていない。代わりに、データに割り当てられるスペースは、必要に応じて動的に割り当てられるか、決定される。更新が予想される場所にさまざまなサイズのコンテナを定義できるため、増分更新を提供することができる。
図16は、開示された主題によれば、センサデバイス100におけるストレージメモリ5030の無線(OTA)プログラミング、並びにセンサデバイス110によるプロセスの実行におけるOTAプログラミング後のメモリの使用のための例示的な動作及びデータフローを示す図である。図5に示されるOTAプログラミング500の例では、OTAプログラミング(又は再プログラミング)を開始するために、外部デバイス(例えば、データ受信デバイス130)から要求が送信される。511で、センサデバイス110の通信モジュール5040がOTAプログラミングコマンドを受信する。通信モジュール5040は、OTAプログラミングコマンドをセンサデバイス110のマイクロコントローラ5010に送信する。
531で、OTAプログラミングコマンドを受信した後、マイクロコントローラ5010は、OTAプログラミングコマンドを検証する。マイクロコントローラ5010は、例えば、OTAプログラミングコマンドが適切なデジタル署名トークンで署名されているかどうかを判定することができる。OTAプログラミングコマンドが有効であると判断されると、マイクロコントローラ5010は、センサデバイスをOTAプログラミングモードに設定することができる。532で、マイクロコントローラ5010は、OTAプログラミングデータを検証することができる。533で、マイクロコントローラ5010は、センサデバイス110をリセットして、センサデバイス110をプログラミング状態に再初期化することができる。センサデバイス110がOTAプログラミング状態に遷移すると、マイクロコントローラ5010は、534で、センサデバイスの書き換え可能メモリ540(例えば、メモリ5020)へのデータの書き込みを開始し、535で、センサデバイスのOTPメモリ550(例えば、ストレージメモリ5030)へのデータの書き込みを開始することができる。マイクロコントローラ5010によって書き込まれるデータは、検証されたOTAプログラミングデータに基づくことができる。マイクロコントローラ5010は、OTPメモリ550の1つ又は複数のプログラミングブロック又は領域を無効又はアクセス不能としてマークするデータを書き込むことができる。OTPメモリの空き部分又は未使用部分に書き込まれたデータを使用して、OTPメモリ550の無効化された又はアクセス不能なプログラミングブロックを置き換えることができる。マイクロコントローラ5010が534及び535でそれぞれのメモリにデータを書き込んだ後、マイクロコントローラ5010は1つ又は複数のソフトウェア完全性チェックを実行して、書き込みプロセス中にプログラミングブロックにエラーが導入されなかったことを確認することができる。データがエラーなく書き込まれたことをマイクロコントローラ5010が判定できると、マイクロコントローラ5010はセンサデバイスの標準動作を再開することができる。
実行モードでは、536で、マイクロコントローラ5010は、書き換え可能メモリ540からプログラミングマニフェスト又はプロファイルを取り出すことができる。プログラミングマニフェスト又はプロファイルは、有効なソフトウェアプログラミングブロックのリストを含むことができ、センサ110のプログラム実行へのガイドを含むことができる。プログラミングマニフェスト又はプロファイルに従うことによって、マイクロコントローラ5010は、OTPメモリ550のどのメモリブロックが実行に適切であるかを判断して、期限切れ又は無効になったプログラミングブロックの実行又は期限切れデータへの参照を回避することができる。537で、マイクロコントローラ5010は、OTPメモリ550からメモリブロックを選択的に取り出すことができる。538で、マイクロコントローラ5010は、格納されたプログラミングコードを実行することによって、又はメモリに格納された変数を使用することによって、取り出されたメモリブロックを使用することができる。
N.例示的なセキュリティ及びその他のアーキテクチャ特徴部分
本明細書で具体化されるように、分析物センサ110と他のデバイスとの間の通信のためのセキュリティの第1層は、通信に使用される通信プロトコルによって指定され、通信プロトコルに統合されたセキュリティプロトコルに基づいて確立することができる。セキュリティの別の層は、通信デバイスが極めて近接していることを必要とする通信プロトコルに基づくことができる。さらに、ある特定のパケット及び/又はパケット内に含まれるある特定のデータは、暗号化することができるが、他のパケット及び/又はパケット内のデータは、別様に暗号化されるか又は暗号化されない。追加的又は代替的に、アプリケーション層暗号化を1つ又は複数のブロック暗号又はストリーム暗号とともに使用して、分析物モニタリングシステム100内の他のデバイスとの相互認証及び通信暗号化を確立することができる。
分析物センサ110のASIC5000は、ストレージメモリ5030内に保持されたデータを使用して認証鍵及び暗号化鍵を動的に生成するように構成することができる。ストレージメモリ5030は、特定のクラスのデバイスで使用するために、有効な認証鍵及び暗号化鍵のセットを、事前にプログラム化することもできる。ASIC5000はさらに、受信データを使用して他のデバイスとの認証プロシージャを実行し、機密データを送信する前に、生成された鍵を機密データに適用するように構成することができる。生成された鍵は、分析物センサ110に固有、一対のデバイスに固有、分析物センサ110と他のデバイスとの間の通信セッションに固有、通信セッション中に送信されるメッセージに固有、又はメッセージの中に含まれているデータのブロックに固有であり得る。
センサ110とデータ受信デバイス120は両方とも、通信セッションにおける相手方の認証を保証して、例えばコマンドを発行するか又はデータを受信することができる。特定の実施形態では、アイデンティティ認証は2つの特徴部分を通じて実行することができる。まず、そのアイデンティティを主張する当事者は、デバイスの製造業者又は分析物モニタリングシステム100の操作者によって署名された検証済みの証明書を提供する。第2に、認証は、分析物モニタリングシステム100のデバイスによって確立される、又は分析物モニタリングシステム100の操作者によって確立される、公開鍵及び秘密鍵、及びそれらから導出される共有秘密の使用を通じて実施することができる。相手方のアイデンティティを確認するには、相手方は、秘密鍵を管理しているという証拠を提供することができる。
分析物センサ110、データ受信デバイス120の製造業者、又は多目的データ受信デバイス130用のアプリケーションのプロバイダーは、セキュアなプログラミング及び更新を通じてデバイスがセキュアに通信するために必要な情報及びプログラミングを提供することができる。例えば、製造業者は、分析物センサ110用、並びに、任意にデバイス固有の情報及び必要に応じて、デバイス、セッション、又はデータ送信に固有の暗号化値を生成するための操作データ(例えば、エントロピーベースのランダム値)と組み合わせて使用することができるデータ受信デバイス120用のセキュアなルート鍵を含む、各デバイスの暗号化鍵を生成するために使用することができる情報を提供することができる。
ユーザーに関連付けられた分析物データは、健康状態のモニタリング及び投薬の決定など、さまざまな目的に使用される可能性があるため、少なくとも部分的には機密データである。ユーザーデータに加えて、分析物モニタリングシステム100は、外部関係者によるリバースエンジニアリングに対する試みに対し、セキュリティ強化を実施することができる。通信接続は、デバイス固有又はセッション固有の暗号化鍵を使用して暗号化することができる。あらゆる2つのデバイス間の暗号化された通信又は暗号化されていない通信は、通信に組み込まれた送信完全性チェックを使用して検証することができる。分析物センサ110の動作は、通信インタフェースを介してメモリ5020への読み取り及び書き込み機能へのアクセスを制限することによって、改ざんから保護することができる。センサは、既知のデバイス若しくは「ホワイトリスト」で提供される「高信頼性」デバイスのみにアクセスを許可するか、又は製造業者又はその他の方法で認証されたユーザーに関連付けられた所定のコードを提供できるデバイスのみにアクセスを許可するように構成することができる。ホワイトリストは、ホワイトリストに含まれる接続識別子以外の接続識別子が使用されないことを意味する排他的範囲、又はホワイトリストが最初に検索されるが他のデバイスは引き続き使用することができる優先範囲を表すことができる。センサ110はさらに、要求者が所定の時間内(例えば、4秒以内)に通信インタフェースを介してログインプロシージャを完了できない場合、接続要求を拒否しシャットダウンすることができる。これらの特性により、特定のサービス拒否攻撃、特にBLEインタフェースに対するサービス拒否攻撃から保護される。
本明細書で具体化されるように、分析物モニタリングシステム100は、鍵のセキュリティ侵害及びエクスプロイトの可能性をさらに低減するために、定期的な鍵のローテーションを採用することができる。分析物モニタリングシステム100によって採用される鍵ローテーション戦略は、現場配備デバイス又は分散デバイスの下位互換性を支持するように設計することができる。一例として、分析物モニタリングシステム100は、上流デバイスによって使用される複数世代の鍵と互換性があるように設計された下流デバイス(例えば、現場にあるデバイス、又は更新を実行可能に提供できないデバイス)用の鍵を採用することができる。
限定ではなく説明の目的で、図17に示すように、開示された主題で使用するためのメッセージシーケンス図600の例示的な実施形態を参照し、一対のデバイス、特にセンサ110とデータ受信デバイス120の間のデータ交換の例を示す。データ受信デバイス120は、本明細書で具体化されるように、データ受信デバイス120又は多目的データ受信デバイス130であり得る。ステップ605で、データ受信デバイス120は、例えば短距離通信プロトコルを介して、センサ起動コマンド605をセンサ110に送信することができる。センサ110は、ステップ605の前に主に休止状態にあり、完全な起動が必要になるまでバッテリを保存することができる。ステップ610中の起動後、センサ110は、データを収集するか、センサ110のセンシングハードウェア5060に適切な他の動作を実行することができる。ステップ615で、データ受信デバイス120は、認証要求コマンド615を開始することができる。認証要求コマンド615に応答して、センサ110とデータ受信デバイス120の両方は、相互認証プロセス620に関与することができる。相互認証プロセス620は、センサ110及びデータ受信デバイス120が、他のデバイスが本明細書に記載の合意されたセキュリティフレームワークに十分に準拠できることを保証できるようにするチャレンジパラメータを含む、データの転送を伴うことができる。相互認証は、オンラインの高信頼サードパーティを伴うか又は伴わない場合に、2種以上のエンティティを相互に認証する機構に基づいて、チャレンジ/応答を介して秘密鍵の確立を検証することができる。相互認証は、2回、3回、4回、若しくは5回認証、又はその類似バージョンを使用して実行することができる。
相互認証プロセス620が成功した後、ステップ625で、センサ110は、データ受信デバイス120にセンサ秘密625を提供することができる。センサ秘密には、センサ固有の値を含めることができ、製造中に生成されたランダムな値から導出することができる。センサ秘密は、送信前又は送信中に暗号化して、第三者が秘密にアクセスするのを防止することができる。センサ秘密625は、相互認証プロセス620によって生成された、又は相互認証プロセス620に応答して生成された1つ又は複数の鍵を介して暗号化することができる。ステップ630で、データ受信デバイス120は、センサ秘密からセンサ固有の暗号化鍵を導出することができる。センサ固有の暗号化鍵はさらにセッション固有にすることもできる。したがって、センサ固有の暗号化キーは、センサ110又はデータ受信デバイス120の間で送信されることなく、各デバイスによって決定することができる。ステップ635で、センサ110は、ペイロードに含まれるデータを暗号化することができる。ステップ640で、センサ110は、センサ110とデータ受信デバイス120の適切な通信モデルとの間に確立された通信リンクを使用して、暗号化されたペイロード640をデータ受信デバイス120に送信することができる。ステップ645で、データ受信デバイス120は、ステップ630中に導出されたセンサ固有の暗号化キーを使用してペイロードを復号化することができる。ステップ645に続いて、センサ110は追加の(新たに収集されたデータを含む)データを配信することができ、データ受信デバイス120は受信したデータを適切に処理することができる。
本明細書で考察するように、センサ110は、制限された処理能力、バッテリ供給、及びストレージを備えたデバイスであり得る。センサ110によって使用される暗号化技術(例えば、暗号アルゴリズム又はアルゴリズムの実装の選択)は、これらの制限に少なくとも部分的に基づいて選択することができる。データ受信デバイス120は、この種の制約が少ない、より強力なデバイスであり得る。したがって、データ受信デバイス120は、暗号アルゴリズム及び実装など、より洗練された、計算量の多い暗号化技術を採用することができる。
O.例示的なペイロード/通信周波数
分析物センサ110は、受信デバイスが適切なデータパケットを受信する確率を高め、及び/又は肯定応答信号を提供するか、又は別様に肯定応答信号を受信できない原因となり得る制限を軽減しようとして、その発見可能性の挙動を変更するように構成することができる。分析物センサ110の発見可能性の挙動を変更することとしては、例えば、限定されないが、データパケットに接続データが含まれる頻度を変更すること、一般にデータパケットが送信される頻度を変更し、データパケットのブロードキャストウィンドウを延長又は短縮すること、分析物センサ110がブロードキャストの後に肯定応答又はスキャン信号、例として以前に分析物センサ110と通信したことのある1つ若しくは複数のデバイス及び/又はホワイトリスト上の1つ若しくは複数のデバイスへの(例えば、1つ若しくは複数の送信試行による)指向性送信などをリッスンする時間を変更すること、データパケットをブロードキャストするときに、通信モジュールに関連する送信電力を変更すること(例えば、ブロードキャストの範囲を拡大するため、又は消費エネルギーを削減して分析物センサのバッテリの寿命を延ばすため)、データパケットの準備及びブロードキャストのレートを変更する、又は1つ若しくは複数の他の変更の組み合わせ、を挙げることができる。追加的又は代替的に、受信デバイスは、デバイスのリスニング挙動に関するパラメータを同様に調整して、接続データを含むデータパケットを受信する可能性を高めることができる。
本明細書で具体化されるように、分析物センサ110は、2種類のウィンドウを使用してデータパケットをブロードキャストするように構成することができる。第1のウィンドウは、分析物センサ110が通信ハードウェアを動作させるように構成される速度を指す。第2のウィンドウは、分析物センサ110がデータパケットをアクティブに送信(例えば、ブロードキャスト)するように構成されるレートを指す。一例として、第1のウィンドウは、分析物センサ110が各60秒期間の最初の2秒間にデータパケット(接続データを含む)を送信及び/又は受信するように通信ハードウェアを動作させることを示すことができる。第2のウィンドウは、各2秒のウィンドウ中に、分析物センサ110が60ミリ秒ごとにデータパケットを送信することを示すことができる。2秒間の残りの時間は、分析物センサ110が走査している。分析物センサ110は、いずれかのウィンドウを延長又は短縮して、分析物センサ110の発見可能性の挙動を改変することができる。
特定の実施形態では、分析物センサの発見可能性の挙動を発見可能性プロファイルに保存することができ、分析物センサ110のステータスなどの1種又は複数種の要因に基づいて、及び/又は分析物センサ110のステータスに基づいてルールを適用することによって、変更を行うことができる。例えば、分析物センサ110のバッテリレベルが一定量を下回る場合、ルールにより、分析物センサ110はブロードキャストプロセスによって消費される電力を削減させることができる。別の例として、パケットのブロードキャスト又は別様に送信に関連する構成設定は、周囲温度、分析物センサ110の温度、又は分析物センサ110の通信ハードウェアのある特定の構成要素の温度に基づいて調整することができる。送信電力の改変に加えて、分析物センサ110の通信ハードウェアの送信能力又はプロセスに関連する他のパラメータ、例として、限定されないが、送信速度、周波数、及びタイミングを改変することができる。別の例として、分析物データが、対象が否定的な健康イベントを経験しているか、又は経験しつつあることを示す場合、ルールにより、分析物センサ110の発見可能性を高めて、受信デバイスに否定的な健康イベントを警告することができる。
P.例示的なセンサ感度の初期化/調整特徴部分
本明細書で具体化されるように、分析物センサ110のセンシングハードウェア5060のある特定の較正特徴部分は、外部環境特徴部分又は間隔環境特徴部分に基づいて、かつ不使用期間(例えば、使用前の「保管期間」)の間のセンシングハードウェア5060の劣化を補償するために、調整することができる。センシングハードウェア5060の較正特徴部分は、センサ110によって(例えば、メモリ5020又はストレージ5030内の特徴部分を改変するためのASIC5000の動作によって)自律的に調整することができ、又は分析物モニタリングシステム100の他のデバイスによって調整することができる。
一例として、センシングハードウェア5060のセンサ感度は、外部温度データ又は製造後の時間に基づいて調整することができる。センサの保管中に外部温度が監視される場合、開示の主題は、デバイスが保管条件の変化に遭遇したときに、経時的にセンサ感度に対する補償を適応的に変更することができる。限定ではなく説明の目的で、適応感度調整は、分析物センサ110が温度を測定するために定期的にウェイクアップする「アクティブ」保存モードで実行することができる。これらの特徴部分により、分析物デバイスのバッテリを節約し、分析物センサの寿命を延ばすことができる。各温度測定において、分析物センサ110は、測定された温度に基づいて、その期間の感度調整を計算することができる。次に、温度加重調整をアクティブストレージモード期間にわたって累積して、アクティブストレージモードの終了時(例えば、挿入時)の合計センサ感度調整値を計算することができる。同様に、挿入時に、センサ110は、センサ110(ASIC5000のストレージ5030に書き込むことができる)又はセンシングハードウェア5060の製造間の時間差を決定し、センサ感度又は他の較正特徴部分を1種又は複数種の既知の減衰率又は式に従って改変することができる。
さらに、限定ではなく説明の目的で、本明細書で具体化されるように、センサ感度調整は、センサドリフトなどの他のセンサ状態を考慮することができる。センサ感度調整は、例えばセンサドリフトの場合、平均的センサがどれだけドリフトするかの推定に基づいて、製造中にセンサ110にハードコードすることができる。センサ110は、センサの装着期間にわたるドリフトを考慮できる、センサのオフセット及びゲインの時変関数を有する較正関数を使用することができる。したがって、センサ110は、経時的なセンサ110のドリフトを記述するデバイス依存関数を利用して、間質電流を間質グルコースに変換するために使用される関数を利用することができ、この関数は、センサ感度を表すことができ、グルコースプロファイルのベースラインと組み合わせて、デバイス固有のものとすることができる。センサの感度及びドリフトを考慮するこのような関数は、ユーザーの較正を必要とせずに、装着期間にわたってセンサ110の精度を向上させることができる。
Q.例示的なモデルベースの分析物測定
センサ110は、センシングハードウェア5060から未処理測定値を検出する。センサ上での処理は、未処理測定値を解釈するように訓練された1種又は複数種のモデルなどによって実行することができる。モデルは、未処理測定値を検出、予測、又は解釈して、1種又は複数種の分析物のレベルを検出、予測、又は解釈するためにオフデバイスで訓練された機械学習モデルであってもよい。追加の訓練済みモデルは、未処理測定値と対話するように訓練された機械学習モデルの出力に対して動作することができる。一例として、モデルを使用して、センシングハードウェア5060によって検出された未処理測定値及び分析物のタイプに基づいて、イベントを検出、予測、又は推奨することができる。イベントには、身体活動の開始又は終了、食事、医学的処置又は医薬の適用、緊急の健康上のイベント、及び同様の性質の他のイベントが含まれる。
モデルは、製造中、又はファームウェア又はソフトウェア更新中に、センサ110、データ受信デバイス120、又は多目的データ受信デバイス130に設けることができる。モデルは、センサ110及び一括して、個々のユーザー又は複数のユーザーのデータ受信デバイスから受信したデータに基づいて、センサ110の製造業者又は分析物モニタリングシステム100の操作者などによって、定期的に改良することができる。ある特定の実施形態では、センサ110は、センサ110が取り付けられるユーザーの固有の特徴部分に基づくなど、機械学習モデルのさらなる訓練又は改良を支援するのに十分な計算構成要素を含む。機械学習モデルとして、限定ではなく例として、決定木分析、勾配ブースティング、ADAブースティング、人工ニューラルネットワーク又はその変形形態、線形判別分析、最近傍分析、サポートベクターマシン、教師あり又は教師なし分類などを使用して訓練されたモデル、又はこれらを含むモデルを挙げることができる。モデルには、機械学習モデルに加えて、アルゴリズムモデル又はルールベースのモデルも含めることができる。モデルベースの処理は、センサ110(又は他の下流デバイス)からデータを受信すると、データ受信デバイス120又は多目的データ受信デバイス130を含む他のデバイスによって実行することができる。
R.例示的なアラーム特徴部分
センサ110とデータ受信デバイス120との間で送信されるデータには、未処理測定値又は処理済み測定値を含めることができる。センサ110とデータ受信デバイス120との間で送信されるデータには、ユーザーに表示するためのアラーム又は通知をさらに含めることができる。データ受信デバイス120は、未処理測定値又は処理済み測定値に基づいて、ユーザーに通知を表示するか又は別様に伝達することができ、又はセンサ110から受信したときにアラームを表示することができる。ユーザーに表示するためにトリガされるアラームとしては、直接分析物の値に基づくアラーム(例えば、1回の読み取り値が閾値値を超える、又は閾値値を満たさない場合)、分析物値の傾向(例えば、一定期間にわたる平均読み取り値が閾値を超えているか、閾値を満たしていない;傾き)、分析物値の予測(例えば、分析物値に基づくアルゴリズム計算が閾値を超える、又は閾値を満たさない)、センサ警告(例えば、誤動作の疑いが検出された)、通信警告(例えば、センサ110とデータ受信デバイス120との間の通信が閾値期間無い;センサ110との通信セッションを開始しようとしている、又は開始に失敗している未知のデバイス)、リマインダー(例えば、データ受信デバイス120を充電するリマインダー;薬を服用するか他の活動を行うリマインダー)、及び同様の性質の他のアラート、が挙げられる。限定ではなく例示の目的で、本明細書で具体化されるように、本明細書に記載のアラームパラメータは、ユーザーによって構成可能であっても、製造中に固定されてもよく、或いはユーザー設定可能なパラメータとユーザー設定不可能なパラメータの組み合わせであってもよい。
S.例示的な電極構成
対応する単一分析物の検出用に構成された単一活性領域を特徴とするセンサ構成は、図18A~18Cを参照して本明細書でさらに説明されるように、2電極又は3電極検出モチーフを採用することができる。別個の作用電極上又は同じ作用電極上のいずれかで、同じ又は別個の分析物を検出するための2つの異なる活性領域を特徴とするセンサ構成については、その後、図19A~21Cを参照して別個に説明する。複数の作用電極を有するセンサ構成は、各活性領域からの信号寄与をより容易に決定することができるため、同じセンサ尾部内に2つの異なる活性領域を組み込む場合に特に有利である。
分析物センサ内に単一の作用電極が存在する場合、3電極センサ構成には作用電極、対電極、及び参照電極が含まれる。関連する2電極センサ構成は、作用電極及び第2の電極を含むことができ、第2の電極は、対電極及び参照電極の両方(すなわち、対/参照電極)として機能することができる。種々の電極は、少なくとも部分的に互いに積み重なり(層状になり)、かつ/又はセンサ尾部上で互いに横方向に間置することができる。好適なセンサ構成は、実質的に平坦な形状、実質的に円筒状の形状、又はあらゆる好適な形状とすることができる。本明細書に開示されるセンサ構成のいずれにおいても、種々の電極は、誘電体材料又は同様の絶縁体によって互いに電気的に絶縁することができる。
複数の作用電極を特徴とする分析物センサも同様に、少なくとも1つの追加の電極を含むことができる。追加の電極が1つ存在する場合、追加の1つの電極は、複数の作用電極のそれぞれに対する対電極/参照電極として機能することができる。2つの追加電極が存在する場合、追加電極の一方は複数の作用電極のそれぞれに対する対電極として機能することができ、追加電極の他方は複数の作用電極のそれぞれに対する参照電極として機能することができる。
図18Aは、本明細書の開示での使用に適合する、例示的な2電極分析物センサ構成の図を示す。図示のように、分析物センサ200は、作用電極214と対電極/参照電極30216との間に配置された基板30212を含む。或いは、作用電極214及び対電極/参照電極30216は、間に誘電体材料を挟んで基板30212の同じ側に配置することができる(構成は図示せず)。活性領域218は、作用電極214の少なくとも一部の上に少なくとも1つの層として配置される。活性領域218は、本明細書でさらに考察するように、低い作用電極電位での分析物の検出用に構成された複数のスポット又は単一のスポットを含むことができる。ある特定の実施形態では、活性領域218は、本明細書に記載の電子移動剤を含むことができる。
さらに図18Aを参照すると、膜220は少なくとも活性領域218をオーバーコートする。特定の実施形態では、膜220は、作用電極214及び/又は対電極/参照電極30216の一部若しくは全部、又は分析物センサ200の全体をオーバーコートすることもできる。分析物センサ200の片面又は両面を膜220でオーバーコートすることができる。膜220は、活性領域218への分析物の流束を制限する能力を有する1種又は複数種のポリマー膜材料を含むことができる(すなわち、膜220は、目的の分析物に対してある程度の透過性を有する物質輸送制限膜である)。本明細書の開示によれば、膜220は、ある特定のセンサ構成において分岐鎖架橋剤を用いて架橋することができる。例えば、限定するものではないが、膜220は、架橋剤、例えば、ポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルなどの分岐鎖グリシジルエーテルで架橋される。膜220の組成及び厚さは、活性領域218への所望の分析物の流束を促進するために変えることができ、それによって所望の信号強度及び安定性が提供される。分析物センサ200は、電量分析、電流分析、ボルタンメトリー、又は電位差分析の電気化学的検出技術のいずれかによって分析物をアッセイするように動作可能であり得る。
図18B及び18Cは、例示的な3電極分析物センサ構成のダイアグラムを示しており、これらも本明細書の開示での使用に適合する。3電極分析物センサ構成は、分析物センサ201及び202に追加の電極217が含まれていることを除いて、図18Aの分析物センサ200について示されたものと同様であり得る(図18B及び18C)。追加の電極217を使用すると、対電極/参照電極30216は対電極又は参照電極のいずれかとして機能することができ、追加の電極217は、別様には考慮されない他の電極機能を果たす。作用電極214は、その本来の機能を果たし続ける。追加の電極217は、作用電極214又は電極30216のいずれかの上に、間に誘電材料の分離層を用いて配置することができる。例えば、限定するものではないが、図18Bに示すように、誘電体層219a、219b、及び219cは、電極214、30216、217を互いに分離し、電気的絶縁を提供する。或いは、図18Cに示すように、電極214、30216、及び217のうちの少なくとも1つを基板30212の対向面上に配置することができる。したがって、ある特定の実施形態では、電極214(作用電極)及び電極30216(対電極)は、基板30212の対向面上に配置することができ、電極217(参照電極)は、電極214又は30216の一方の上に配置され、誘電体材料によりそれらから隔置される。参照材料層230(例えば、Ag/AgCl)は、電極217上に存在することができるが、参照材料層230の位置は、図18B及び18Cに示される位置に限定されない。図18Aに示すセンサ200と同様に、分析物センサ201及び202の活性領域218は、複数のスポット又は単一のスポットを含むことができる。ある特定の実施形態では、活性領域218は、本明細書に開示される酸化還元メディエーターを含むことができる。さらに、分析物センサ201及び202は、電量分析、電流分析、ボルタンメトリー、又は電位差分析の電気化学的検出技術のいずれかによって分析物をアッセイするように動作可能であり得る。
分析物センサ200と同様に、膜220も、活性領域218並びに分析物センサ201及び202の他のセンサ構成要素をオーバーコートすることができ、それによって物質輸送制限膜として機能する。ある特定の実施形態では、追加の電極217を膜220でオーバーコートすることができる。図18B及び18Cでは、電極214、30216、及び217が膜220でオーバーコートされているように示されているが、ある特定の実施形態では、作用電極214のみがオーバーコートされることを認識されたい。さらに、電極214、30216、及び217のそれぞれにおける膜220の厚さは、同じであっても異なっていてもよい。2電極分析物センサ構成(図18A)と同様に、図18B及び18Cのセンサ構成では、分析物センサ201及び202の片面又は両面を膜220でオーバーコートすることができ、又は分析物センサ201及び202の全体をオーバーコートすることができる。したがって、図18B及び18Cに示される3電極センサ構成は、本明細書に開示される実施形態を限定するものではなく、代替の電極及び/又は層構成も本開示の範囲内にあるものとして理解されるべきである。
図19Aは、2つの異なる活性領域がその上に配置された単一の作用電極を有するセンサ203の例示的な構成を示す。図19Aは、作用電極214上の2つの活性領域:第1の活性領域218a及び第2の活性領域218bの存在を除いて、図18と同様であり、第1の活性領域218a及び第2の活性領域218bは、同じ又は異なる分析物に応答し、作用電極214の表面上で互いに横方向に隔置されている。活性領域218a及び218bは、各分析物の検出用に構成された複数のスポット又は単一のスポットを含むことができる。膜220の組成は、活性領域218a及び218bで変えることも、組成的に同じであることもできる。第1の活性領域218a及び第2の活性領域218bは、以下でさらに考察するように、互いに異なる作用電極電位で対応する分析物を検出するように構成することができる。
図19B及び19Cは、それぞれ、第1の活性領域218a及び第2の活性領域218bが配置された単一の作用電極を特徴とする、センサ204及び205の例示的な3電極センサ構成の断面図を示す。図19B及び19Cは、その他の点では図18B及び18Cと同様であり、それを参照することによって、よりよく理解することができる。図19Aと同様に、膜220の組成は、活性領域218a及び218bで変えることも、組成的に同じであることもできる。ある特定の実施形態では、活性領域218a及び218bのいずれか1つは、本明細書に記載の酸化還元メディエーターを含むことができる。ある特定の実施形態では、活性領域218a及び218bのうちの1つのみが、本明細書に記載の酸化還元メディエーターを含むことができる。例えば、限定するものではないが、活性領域218aのみが本明細書に記載の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、活性領域218bのみが本明細書に記載の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、活性領域218a及び218bの両方が、本明細書に記載の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、活性領域218aに存在する電子移動剤は、218bに存在する酸化還元メディエーターとは異なる。或いは、活性領域218aに存在する電子移動剤は、218bに存在するのと同じ酸化還元メディエーターである。
複数の作用電極、具体的には2つの作用電極を有する例示的なセンサ構成について、図20~図21Cを参照してさらに詳細に説明する。以下の説明は主に2つの作用電極を有するセンサ構成に向けられているが、本明細書の開示の拡張により3つ以上の作用電極を組み込むことができることを理解されたい。追加の作用電極を使用して、第1の分析物及び第2の分析物以上の追加の検出能力を分析物センサに与えることができる。
図20は、本明細書の開示での使用に適合する、2つの作用電極、参照電極及び対電極を有する例示的な分析物センサ構成の断面図を示す。図示のように、分析物センサ300は、基板302の対向面上に配置された作用電極304及び306を含む。第1の活性領域310aは作用電極304の表面上に配置され、第2の活性領域310bは作用電極306の表面上に配置される。対電極320は、誘電体層322によって作用電極304から電気的に絶縁されており、参照電極321は、誘電体層323によって作用電極306から電気的に絶縁されている。外側誘電体層30230及び332は、それぞれ参照電極321及び対電極320上に配置される。膜340は、種々の実施形態に従って、少なくとも活性領域310a及び310bをオーバーコートすることができ、分析物センサ300の他の構成要素又は分析物センサ300の全体もオーバーコートすることができる。
ある特定の実施形態では、膜340は連続的であってもよいが、各部位で分析物流束を差動的に制御するための異なる透過性値を与えるために、活性領域310a及び/又は活性領域310b上で組成が異なっていてもよい。例えば、限定するものではないが、1つ又は複数の電極は、第1の膜部分340a及び/又は第2の膜部分340bでオーバーコートすることができる。ある特定の実施形態では、異なる膜配合物を、分析物センサ300の対向面に噴霧及び/又は印刷することができる。ディップコーティング技術もまた、特に活性領域310a及び310bの一方の上に二分子膜の少なくとも一部を堆積させるのに適している可能性がある。ある特定の実施形態では、膜340は、活性領域310a及び310bで同じであっても、又は組成が異なっていてもよい。例えば、限定するものではないが、膜340は、二重層オーバーコート活性領域310aを含み、均質な膜オーバーコート活性領域310bとすることができ、又は膜340は、二重層オーバーコート活性領域310bを含み、均質な膜オーバーコート活性領域310aとすることができる。ある特定の実施形態では、本開示の特定の実施形態によれば、第1の膜部分340a及び第2の膜部分340bのうちの一方は二層膜を含むことができ、第1の膜部分340a及び第2の膜部分340bの他方は単一の膜ポリマーを含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物センサは、2つ以上の膜340、例えば、2つ以上の膜を含むことができる。例えば、限定するものではないが、分析物センサは、図20に示すように、1つ又は複数の活性領域、例えば310a及び310bをオーバーコートする膜と、センサ全体をオーバーコートする追加の膜とを含むことができる。このような構成では、二分子膜は、1つ又は複数の活性領域、例えば310a及び310b上に形成することができる。ある特定の実施形態では、活性領域310a及び310bのいずれか1つは、本明細書に記載の電子移動剤を含むことができる。ある特定の実施形態では、活性領域310a及び310bのうちの1つのみが、本明細書に記載の酸化還元メディエーターを含むことができる。例えば、限定するものではないが、活性領域310aのみが本明細書に記載の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、活性領域310bのみが本明細書に記載の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、活性領域310a及び310bの両方が、本明細書に記載の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、活性領域310aに存在する酸化還元メディエーターは、310bに存在する電子移動剤とは異なる。或いは、活性領域310aに存在する酸化還元メディエーターは、310bに存在するのと同じ電子移動剤である。
分析物センサ200、201、及び202と同様に、分析物センサ300は、電量分析、電流分析、ボルタンメトリー、又は電位差分析の電気化学的検出技術のいずれかによってケトン(及び/又は第2の分析物)をアッセイするように動作可能であり得る。ある特定の実施形態では、分析物センサは、2つ以上の膜340、例えば、2つ以上の膜を含むことができる。
複数の作用電極を有し、図20に示される構成とは異なる代替のセンサ構成は、別個の対電極及び参照電極320、321の代わりに対電極/参照電極を特徴とすることができ、及び/又は明示的に示されたものとは異なる特徴層及び/又は膜構成を特徴とすることができる。例えば、限定するものではないが、対電極320及び参照電極321の位置決めは、図20に示したものとは逆であってもよい。さらに、作用電極304及び306は、必ずしも、図20に示す方法で基板302の対向面上に存在する必要はない。
好適なセンサ構成は実質的に平面の特性を有する電極を特徴とすることができるが、非平面電極を特徴とするセンサ構成は有利であり得、本明細書の開示での使用に特に好適であることが理解されるべきである。特に、互いに対し同心円状に配置された実質的に円筒形の電極によって、以下に説明するように、物質輸送制限膜の堆積を容易にすることができる。例えば、限定するものではないが、センサ尾部の長さに沿って隔置された同心円型作用電極によって、実質的に平面状のセンサ構成について上述したのと同様の方法で、連続的ディップコーティング操作を通じて膜の堆積を促進することができる。図21A~21Cは、互いに同心円状に配置された2つの作用電極を特徴とする分析物センサの斜視図を示す。同心円状の電極配置を有するが第2の作用電極を欠くセンサ構成も本開示において可能であることを理解されたい。
図21Aは、複数の電極が実質的に円筒形であり、中央基板の周りに互いに同心円状に配置された例示的なセンサ構成の斜視図を示す。図示のように、分析物センサ400は中央基板402を含み、その周りにすべての電極及び誘電体層が互いに同心円状に配置されている。特に、作用電極410は中央基板402の表面上に配置され、誘電体層412はセンサチップ404の遠位側の作用電極410の部分上に配置される。作用電極420は誘電体層412上に配置され、誘電体層422はセンサチップ404の遠位側の作用電極420の部分上に配置される。対電極430は誘電体層422上に配置され、誘電体層432はセンサチップ404の遠位側の対電極430の部分上に配置される。参照電極440は誘電体層432上に配置され、誘電体層442はセンサチップ404の遠位側の参照電極440の部分上に配置される。したがって、作用電極410、作用電極420、対電極430、及び参照電極440の露出表面は、分析物センサ400の長手方向軸Bに沿って互いに離間している。
さらに図21Aを参照すると、異なる分析物に応答する第1の活性領域414a及び第2の活性領域414bが、それぞれ作用電極410及び420の露出表面上に配置されており、これにより、感知のために流体との接触が可能になる。活性領域414a及び414bは、図21Aでは3つの別個のスポットとして示されているが、代替のセンサ構成では、活性領域の連続層を含めて、3つより少ない又は多いスポットが存在し得ることを理解されたい。ある特定の実施形態では、活性領域414a及び414bのいずれか1つは、本明細書に記載の電子移動剤を含むことができる。ある特定の実施形態では、活性領域414a及び414bのうちの1つのみが、本明細書に記載の酸化還元メディエーターを含むことができる。例えば、限定するものではないが、活性領域414aのみが本明細書に記載の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、活性領域414bのみが本明細書に記載の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、活性領域414a及び414bの両方が、本明細書に記載の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、活性領域414aに存在する酸化還元メディエーターは、414bに存在する電子移動剤とは異なる。或いは、活性領域414aに存在する酸化還元メディエーターは、414bに存在するのと同じ電子移動剤である。
図21Aに示すように、センサ400は、作用電極410及び420とその上に配置された活性領域414a及び414b上を膜450で部分的にコーティングされている。図21Bは、センサ401の実質的な全体が膜450でオーバーコートされている代替のセンサ構成を示す。膜450は、活性領域414a及び414bで同じであっても、又は組成が異なっていてもよい。例えば、膜450は、活性領域414aをオーバーコートする二重層を含むことができ、活性領域414bをオーバーコートする均質な膜とすることができる。
さらに、図21A及び21Bにおける種々の電極の位置決めは、明示的に示されたものと異なる可能性があることを理解されたい。例えば、対電極430及び参照電極440の位置決めは、図21A及び図21Bに示された構成とは逆であってもよい。同様に、作用電極410及び420の位置決めは、図21A及び図21Bに明示的に示された位置に限定されない。図21Cは、図21Bに示されるセンサ構成の代替センサ構成を示し、センサ405は、センサチップ404のより近位に配置される対電極430及び参照電極440と、センサチップ404のより遠位に配置される作用電極410及び420を含む。作用電極410及び420がセンサチップ404のより遠位に位置するセンサ構成は、活性領域414a及び414b(図21Cに例示的に示される5つの別個の感知スポット)の堆積のためのより大きな表面積を提供することによって有利であり、それによって、場合によっては信号強度が増加を促進する。同様に、本明細書に開示する任意の同心円型センサ構成では中央基板402を省略することができ、代わりに最も内側の電極がその後に堆積される層を支持することができる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の分析物センサの1つ又は複数の電極は、ワイヤ電極、例えば透過性ワイヤ電極である。ある特定の実施形態では、センサ尾部は、作用電極と、作用電極の周りに螺旋状に巻かれた参照電極とを備える。ある特定の実施形態では、絶縁体が作用電極と参照電極との間に配置される。ある特定の実施形態では、電極上の分析物と1種又は複数種の酵素の反応を可能にするために、電極の一部を露出させる。ある特定の実施形態では、各電極は、約0.001インチ以下~約0.010インチ以上の直径を有する細線から形成される。ある特定の実施形態では、作用電極は、約0.001インチ以下~約0.010インチ以上、例えば、約0.002インチ~約0.008インチ、又は約0.004インチ~約0.005インチの直径を有する。ある特定の実施形態では、電極は、めっき絶縁体、めっき線、又はバルクの導電性材料から形成される。ある特定の実施形態では、作用電極は、白金、白金イリジウム、パラジウム、グラファイト、金、炭素、導電性ポリマー、合金などの導電性材料から形成されたワイヤを含む。ある特定の実施形態では、導電性材料は透過性導電性材料である。ある特定の実施形態では、電極は、さまざまな製造技術(例えば、バルク金属処理、基板上への金属の堆積など)によって形成することができ、電極は、めっき線(例えば、鋼線上の白金)又はバルク金属(例えば、白金線)から形成することができる。ある特定の実施形態では、電極は、例えば白金で覆われたタンタル線から形成される。
ある特定の実施形態では、参照電極は、単独で参照電極として、又は二重参照電極及び対電極として機能することができ、銀、銀/塩化銀などから形成される。ある特定の実施形態では、参照電極は、作用電極と並置され、及び/又は作用電極とともに又は作用電極の周囲に撚る。ある特定の実施形態では、参照電極は、作用電極の周りに螺旋状に巻き付けられている。ある特定の実施形態では、ワイヤのアセンブリは、絶縁取り付けを提供するために、絶縁材料でコーティング又は接着することができる。
ある特定の実施形態では、追加の電極をセンサ尾部に含めることができる。例えば、限定するものではないが、3電極システム(作用電極、参照電極、及び対電極)及び/又は追加の作用電極(例えば、第2の分析物を検出するための電極)である。センサが2つの作用電極を備えるある特定の実施形態では、2つの作用電極は、参照電極が配置される(例えば、2つ以上の作用電極の周りに螺旋状に巻かれる)その周囲に、並置することができる。ある特定の実施形態では、2つ以上の作用電極は互いに平行に延びることができる。ある特定の実施形態では、参照電極は、作用電極の周りにコイル状に巻き付けられ、センサ尾部の遠位端(すなわち、インビボ端)に向かって延びる。ある特定の実施形態では、参照電極は、作用電極の露出領域まで(例えば、螺旋状に)延びる。
ある特定の実施形態では、1つ又は複数の作用電極は、参照電極の周りに螺旋状に巻き付けられている。2つ以上の作用電極が設けられているある特定の実施形態では、作用電極は、センサ尾部の長さに沿って、(例えば、参照電極、絶縁ロッド、又はその他の支持構造を取り囲む)二重、三重、四重、又はそれ以上の螺旋構造で形成することができる。ある特定の実施形態では、電極、例えば2つ以上の作用電極が同軸上に形成される。例えば、これに限定されないが、電極はすべて同じ中心軸を共有する。
ある特定の実施形態では、作用電極は、間に絶縁体を含む内部に配置された又はコイル状に巻き付けられた参照電極を備えた管を含む。或いは、参照電極は、間に絶縁体を含む内部に配置された又はコイル状に巻き付けられた作用電極を備えた管を含む。ある特定の実施形態では、ポリマー(例えば、絶縁)ロッドが提供され、その上に1つ又は複数の電極(例えば、1つ又は複数の電極層)が(例えば、電気めっきによって)配置される。ある特定の実施形態では、その上に1つ又は複数の作用電極及び参照電極が配置されている、絶縁材料(本明細書に記載の)でコーティングされた金属(例えば、鋼又はタンタル)ロッド又はワイヤが提供される。例えば、限定するものではないが、本開示は、1つ又は複数のタンタルワイヤを備えるセンサ、例えばセンサ尾部を提供し、ここで、導電性材料が、1つ又は複数のタンタルワイヤの一部の上に配置され、作用電極として機能する。ある特定の実施形態では、白金クラッドタンタルワイヤは絶縁材料で覆われ、絶縁材料は銀/塩化銀組成物で部分的に覆われ、参照電極及び/又は対電極として機能する。
絶縁体が作用電極上(例えば、電極の白金表面上)に配置されるある特定の実施形態では、絶縁体の一部を剥離させるか、又は別様に除去して、作用電極の電気活性表面を露出させることができる。例えば、限定するものではないが、絶縁体の一部は、手作業、エキシマレーザー照射、化学エッチング、レーザーアブレーション、グリットブラストなどによって除去することができる。或いは、絶縁体を堆積させる前に電極の一部をマスクして、露出した電気活性表面積を維持することもできる。ある特定の実施形態では、剥離及び/又は除去される絶縁体の部分は、長さが約0.1mm以下~約2mm以上、例えば長さが約0.5mm~約0.75mmであり得る。ある特定の実施形態では、絶縁体は非導電性ポリマーである。ある特定の実施形態では、絶縁体は、パリレン、フッ素化ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリイミド、及び他の非導電性ポリマーを含む。ある特定の実施形態では、ガラス又はセラミック材料も絶縁体層に使用することができる。ある特定の実施形態では、絶縁体はパリレンを含む。ある特定の実施形態では、絶縁体はポリウレタンを含む。ある特定の実施形態では、絶縁体はポリウレタン及びポリビニルピロリドンを含む。
活性領域を含む、センサのいくつかの部分については、以下でさらに説明する。
2.酸化還元メディエーター
本開示は、酸化還元メディエーターとしての使用に好適な遷移金属錯体を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の遷移金属錯体は、1つ又は複数の三座配位子、例えば2つの三座配位子によって囲まれた金属中心を含む。
ある特定の実施形態では、本開示の三座配位子は、少なくとも1つのピリジン、イミダゾール、又はそれらの組み合わせを含む。例えば、限定するものではないが、本開示の三座配位子は、イミダゾール-ピリジン-イミダゾール構造を有する。ある特定の実施形態では、三座配位子は、ピリジン-ピリジン-ピリジン構造を有する。ある特定の実施形態では、三座配位子は、ピリジン-ピリジン-イミダゾール構造を有する。ある特定の実施形態では、三座配位子は、ピリジン-イミダゾール-イミダゾール構造を有する。ある特定の実施形態では、三座配位子は、イミダゾール-イミダゾール-イミダゾール構造を有する。ある特定の実施形態では、三座配位子は、ピリジン-イミダゾール-ピリジン構造を有する。
ある特定の実施形態では、イミダゾール-ピリジン-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式I:
Figure 2024503316000006
式I
で表される。
ある特定の実施形態では、イミダゾール-ピリジン-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式II:
Figure 2024503316000007
式II
で表される。
ある特定の実施形態では、イミダゾール-ピリジン-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式III:
Figure 2024503316000008
式III
で表される。
ある特定の実施形態では、イミダゾール-ピリジン-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式IV:
Figure 2024503316000009
式IV
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-ピリジン-ピリジン構造を有する三座配位子は、式V:
Figure 2024503316000010
式V
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-ピリジン-ピリジン構造を有する三座配位子は、式VI:
Figure 2024503316000011
式VI
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-ピリジン-ピリジン構造を有する三座配位子は、式VII:
Figure 2024503316000012
式VII
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-ピリジン-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式VIII:
Figure 2024503316000013
式VIII
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-ピリジン-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式IX:
Figure 2024503316000014
式IX
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-イミダゾール-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式X-A:
Figure 2024503316000015
式X-A
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-イミダゾール-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式X-B:
Figure 2024503316000016
式X-B
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-イミダゾール-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式XI-A:
Figure 2024503316000017
式XI-A
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-イミダゾール-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式XI-B:
Figure 2024503316000018
式XI-B
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-イミダゾール-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式XII-A:
Figure 2024503316000019
式XII-A
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-イミダゾール-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式XII-B:
Figure 2024503316000020
式XII-B
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-イミダゾール-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式XIII-A:
Figure 2024503316000021
式XIII-A
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-イミダゾール-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式XIII-B:
Figure 2024503316000022
式XIII-B
で表される。
ある特定の実施形態では、イミダゾール-イミダゾール-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式XIV:
Figure 2024503316000023
式XIV
で表される。
ある特定の実施形態では、イミダゾール-イミダゾール-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式XV:
Figure 2024503316000024
式XV
で表される。
ある特定の実施形態では、イミダゾール-イミダゾール-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式XVI:
Figure 2024503316000025
式XVI
で表される。
ある特定の実施形態では、イミダゾール-イミダゾール-イミダゾール構造を有する三座配位子は、式XVII:
Figure 2024503316000026
式XVII
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-イミダゾール-ピリジン構造を有する三座配位子は、式XVIII:
Figure 2024503316000027
式XVIII
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-イミダゾール-ピリジン構造を有する三座配位子は、式XIX:
Figure 2024503316000028
式XIX
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-イミダゾール-ピリジン構造を有する三座配位子は、式XX:
Figure 2024503316000029
式XX
で表される。
ある特定の実施形態では、ピリジン-イミダゾール-ピリジン構造を有する三座配位子は、式XXI:
Figure 2024503316000030
式XXI
で表される。
ある特定の実施形態では、式I~XXIのR1及びR3は、H、アルコキシ基、アルキル基、アルキルアミド基、アルキルアミノ又は連結基から独立して選択される。ある特定の実施形態では、連結基は、酸化還元メディエーターをポリマーに結合することができる。ある特定の実施形態では、連結基は、2つの配位子、例えば、式Iの2つの配位子を一緒に連結することができる。ある特定の実施形態では、R1及び/又はR3はアルキル基であり得る。アルキル基の非限定的な例としては、メチル基又はエチル基が挙げられる。ある特定の実施形態では、アルキル基は、C1-C12直鎖又は分岐鎖アルキル基である。ある特定の実施形態では、R1及び/又はR3はポリエーテル基、例えば、ポリエチレンオキシド基であり得る。ある特定の実施形態では、R1及び/又はR3はアルコキシ基であり得る。アルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ基及びエトキシ基が挙げられる。
ある特定の実施形態では、式I~XXIのR2は、H、電子供与基、又は酸化還元メディエーターをポリマーに結合することができる連結基から選択される。
ある特定の実施形態では、式I~XXIのR2は、電子供与基である。電子供与基は、共鳴又は誘導効果によってそれ自体から隣接する原子に電子密度を放出する原子又は基である。ある特定の実施形態では、電子供与基は、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキル、アセトアミド、アルキルアミド、アルキルアミノ、又はポリエーテル基である。アルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ基及びエトキシ基が挙げられ、アルキルアミノ基の非限定的な例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基及びジアルキルアミノ基、例えば、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基が挙げられる。ある特定の実施形態では、電子供与基はNR78であり、R7及びR8は、H又はアルキル基から独立して選択される。ある特定の実施形態では、アルキル基は、C1-C6アルキル基である。ある特定の実施形態では、アルキル基は、メチル基である。ある特定の実施形態では、R2は、ジメチルアミノ基である。
ある特定の実施形態では、式I~XXIのR2は、酸化還元メディエーターをポリマーに結合することができる連結基である。ある特定の実施形態では、連結基は、ポリマー上又はポリマーの前駆体内のいずれかに配置された官能基との反応によってポリマーへの共有結合を促進できる官能基を含有することができる。ある特定の実施形態では、連結基は、アミド基、置換アミン基、又は尿素基を含むことができる。ある特定の実施形態では、連結基は、アルキン基又はアジド基などのクリックケミストリー反応に適合する連結基である。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXII:
Figure 2024503316000031
式XXII
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXIII:
Figure 2024503316000032
式XXIII
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXIV:
Figure 2024503316000033
式XXIV
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXV:
Figure 2024503316000034
式XXV
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXVI:
Figure 2024503316000035
式XXVI
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXVII:
Figure 2024503316000036
式XXVII
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXVIII:
Figure 2024503316000037
式XXVIII
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXIX:
Figure 2024503316000038
式XXIX
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXX:
Figure 2024503316000039
式XXX
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXXI:
Figure 2024503316000040
式XXXI
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXXII:
Figure 2024503316000041
式XXXII
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXXIII:
Figure 2024503316000042
式XXXIII
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXXIV:
Figure 2024503316000043
式XXXIV
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXXV:
Figure 2024503316000044
式XXXV
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXXVI:
Figure 2024503316000045
式XXXVI
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXXVII:
Figure 2024503316000046
式XXXVII
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXXVIII:
Figure 2024503316000047
式XXXVIII
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XXXIX:
Figure 2024503316000048
式XXXIX
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、三座配位子は、式XL:
Figure 2024503316000049
式XL
で表される構造を有する。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式I~XXIの1つ又は複数の三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式I~XXIの2つの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式IIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式IIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式IVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式Vの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式VIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式VIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式VIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式IXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式Xの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式XIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式XIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式XIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式XIVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式XVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式IIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式IVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式Vの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式VIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式VIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式VIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式IXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式Xの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式XIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式XIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式XIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式XIVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式XVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式IVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式Vの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式VIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式VIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式VIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式IXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式Xの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式XIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式XIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式XIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式XIVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式XVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式Vの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式VIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式VIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式VIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式IXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式Xの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式XIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式XIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式XIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式XIVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式XVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式VIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式VIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式VIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式IXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式Xの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式XIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式XIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式XIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式XIVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式XVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式VIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式VIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式IXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式Xの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式XIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式XIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式XIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式XIVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式XVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの三座配位子及び式VIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの三座配位子及び式IXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの三座配位子及び式Xの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの三座配位子及び式XIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの三座配位子及び式XIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの三座配位子及び式XIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの三座配位子及び式XIVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの三座配位子及び式XVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの三座配位子及び式IXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの三座配位子及び式Xの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの三座配位子及び式XIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの三座配位子及び式XIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの三座配位子及び式XIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの三座配位子及び式XIVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの三座配位子及び式XVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IXの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IXの三座配位子及び式Xの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IXの三座配位子及び式XIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IXの三座配位子及び式XIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IXの三座配位子及び式XIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IXの三座配位子及び式XIVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IXの三座配位子及び式XVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IXの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IXの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IXの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IXの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IXの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IXの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Xの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Xの三座配位子及び式XIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Xの三座配位子及び式XIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Xの三座配位子及び式XIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Xの三座配位子及び式XIVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Xの三座配位子及び式XVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Xの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Xの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Xの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Xの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Xの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Xの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIの三座配位子及び式XIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIの三座配位子及び式XIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIの三座配位子及び式XIVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIの三座配位子及び式XVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIの三座配位子及び式XIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIの三座配位子及び式XIVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIの三座配位子及び式XVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIIの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIIの三座配位子及び式XIVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIIの三座配位子及び式XVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIIの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIIの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIIの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIIの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIIの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIIの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIVの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIVの三座配位子及び式XVの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIVの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIVの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIVの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIVの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIVの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIVの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVの三座配位子及び式XVIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIの三座配位子及び式XVIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIIの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIIの三座配位子及び式XVIIIの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIIの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIIの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIIの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIIIの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIIIの三座配位子及び式XIXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIIIの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIIIの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIXの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIXの三座配位子及び式XXの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIXの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXの三座配位子及び式XXIの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXIの2つの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式I~XLの1つ又は複数の三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式I~XLの2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXII~XLの1つ又は複数の三座配位子を含むことができる。例えば、限定するものではないが、本開示の酸化還元メディエーターは、式Iの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IVの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Vの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式VIIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式IXの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式Xの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIVの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XVIIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XIXの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXIIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXIVの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXVの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXVIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXVIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXVIIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXIXの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXXの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXXIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXXIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXXIIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXXIVの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXXVの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXXVIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXXVIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXXVIIIの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XXXIXの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、式XLの構造を有する少なくとも1つの三座配位子、例えば2つの三座配位子を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される酸化還元メディエーターは、式XLI:
Figure 2024503316000050
式XLI
で表される構造を有することができる。
ある特定の実施形態では、式XLIのR1、R3、R’1、及びR’3は、H、アルコキシ基、アルキル基、アルキルアミド基、アルキルアミノ又は連結基から独立して選択される。ある特定の実施形態では、アルキル基は、C1-C12直鎖又は分岐鎖アルキル基である。ある特定の実施形態では、R1、R3、R’1、及びR’3は、メチル基である。ある特定の実施形態では、R1、R3、R’1、及び/又はR’3は、アルキル基であり得る。アルキル基の非限定的な例としては、メチル基又はエチル基が挙げられる。ある特定の実施形態では、アルキル基は、C1-C12直鎖又は分岐鎖アルキル基である。ある特定の実施形態では、R1、R3、R’1、及び/又はR’3は、アルコキシ基であり得る。アルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ基及びエトキシ基が挙げられる。ある特定の実施形態では、R1、R3、R’1、及び/又はR’3は、ポリエーテル基、例えば、ポリエチレンオキシド基であり得る。
ある特定の実施形態では、式XLIのR2及びR’2は、H、電子供与基、又は酸化還元メディエーターをポリマーに結合することができる連結基から独立して選択される。
ある特定の実施形態では、式XLIのR2及び/又はR’2は、電子供与基である。ある特定の実施形態では、電子供与基は、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキル、アセトアミド、アルキルアミド、アルキルアミノ、又はポリエーテル基である。アルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ基及びエトキシ基が挙げられ、アルキルアミノ基の非限定的な例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基及びジアルキルアミノ基、例えば、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基が挙げられる。ある特定の実施形態では、電子供与基はNR78であり、R7及びR8は、H又はアルキル基から独立して選択される。ある特定の実施形態では、アルキル基は、C1-C6アルキル基である。ある特定の実施形態では、アルキル基は、メチル基である。ある特定の実施形態では、式XLIのR2及び/又はR’2は、ジメチルアミノ基である。
ある特定の実施形態では、式XLIのR2及び/又はR’2は、酸化還元メディエーターをポリマーに結合することができる連結基である。ある特定の実施形態では、連結基は、ポリマー上又はポリマーの前駆体内に配置された官能基との反応によってポリマーへの共有結合を促進できる官能基を含有することができる。ある特定の実施形態では、連結基は、アミド基、置換アミン基、又は尿素基を含むことができる。ある特定の実施形態では、連結基は、アルキン基又はアジド基などのクリックケミストリー反応に適合する連結基である。
ある特定の実施形態では、R2は、電子供与基、例えばジメチルアミノ基であり、R’2は、連結基である。
式XLI中の「M」は、遷移金属を表す。遷移金属は、少なくとも2つの安定かつ(電気)化学的に可逆的な酸化還元状態を特徴とする限り、特に限定されない。ある特定の実施形態では、遷移金属は、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、又はバナジウムである。ある種の特定の実施形態では、遷移金属は、オスミウムである。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターの遷移金属は、式XLIの「n」によって示されるように、正に帯電することができる。ある特定の実施形態では、nは、I、II、III、IV又はVである。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される酸化還元メディエーターは、式XLII:
Figure 2024503316000051
式XLII
で表される構造を有することができ、
1、R’1、R2、R’2、R3、R’3、M及びnは、式XLIについて説明したように定義することができる。
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、式XLIIIで表される構造を有することができる。
Figure 2024503316000052
式XLIII
2、R’2、及びnは、式XLIについて説明したように定義することができる。例えば、限定するものではないが、R2及びR’2は、H、電子供与基、又は酸化還元メディエーターをポリマーに結合することができる連結基から独立して選択される。ある特定の実施形態では、R2は、電子供与基、例えば、ジメチルアミノ基であり、R’2は、連結基である。
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、式XLIVで表される構造を有することができる。
Figure 2024503316000053
式XLIV
R’2は、式XLIについて説明したように定義することができる。ある特定の実施形態では、R’2は、H、電子供与基、又は酸化還元メディエーターをポリマーに結合することができる連結基から選択される。ある特定の実施形態では、R’2は、酸化還元メディエーターをポリマー、例えばセンサの活性領域のポリマーに結合できる連結基である。例えば、限定するものではないが、R’2は、アミド基を含有することができる。酸化還元メディエーターに共有結合されるポリマーの非限定的な例を以下に開示する(本明細書では「ポリマー主鎖」とも呼ぶ)。
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、式XLVで表される構造を有することができる。
Figure 2024503316000054
式XLV
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、式XLVIで表される構造を有することができる。
Figure 2024503316000055
式XLVI
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、式XLVIIで表される構造を有することができる。
Figure 2024503316000056
式XLVII
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、式XLVIIIで表される構造を有することができる。
Figure 2024503316000057
式XLVIII
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、式XLIXで表される構造を有することができる。
Figure 2024503316000058
式XLIX
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、式Lで表される構造を有することができる。
Figure 2024503316000059
式L
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、式LIで表される構造を有することができる。
Figure 2024503316000060
式LI
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、式LIIで表される構造を有することができる。
Figure 2024503316000061
式LII
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、式LIIIで表される構造を有することができる。
Figure 2024503316000062
式LIII
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、式LIVで表される構造を有することができる。
Figure 2024503316000063
式LIV
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、式LVで表される構造を有することができる。
Figure 2024503316000064
式LV
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、全体的に正電荷を有することができる。ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、全体的に+1~+5の電荷を有する。ある特定の他の実施形態では、配位子又は主鎖が十分な数の負に帯電した官能基、例えば、これらに限定されないが、カルボン酸基、リン酸基、又はスルホン酸基で誘導体化されている場合、酸化還元メディエーターは全体的に負電荷を有する。ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、全体的に-1~-5の負電荷を有する。
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターが全体的に正電荷を有する場合、電荷のバランスをとるために対アニオンが存在し得る。電荷のバランスをとるために、多種多様なアニオンを組み込むことができる。ある種の特定の実施形態では、アニオンは、ハライド(フルオライド、クロライド、ブロマイド、又はヨージド)、サルフェート、ホスフェート、ヘキサフルオロホスフェート、アセテート、トリフルオロアセテート、又はテトラフルオロボレートである。
ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターが全体的に負電荷を有する場合、電荷のバランスをとるために対カチオンが存在し得る。電荷のバランスをとるために、多種多様なカチオンを組み込むことができる。ある種の特定の実施形態では、カチオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、テトラアルキルアンモニウム又はアンモニウムである。
本開示は、式I~LVのいずれか1つの構造を含む1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む分析物センサを提供する。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式XLI~LVの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式XLIの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式XLIIの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式XLIIIの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式XLIVの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式XLVの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式XLVIの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式XLVIIの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式XLVIIIの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式XLIXの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式Lの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式LIの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式LIIの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式LIIIの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式LIVの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式LVの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含む。
ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式I~LVのいずれか1つの構造を含む1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含み、この酸化還元メディエーターは、ポリマーに結合している。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、式XLI~LVの1種又は複数種の酸化還元メディエーターを含み、この酸化還元メディエーターは、ポリマーに結合している。例えば、限定するものではないが、酸化還元メディエーターは、ポリマーに共有結合することができる。
ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーター、例えば、式I~LVのいずれか1つの構造を含む酸化還元メディエーターは、作用電極上又は作用電極に近接して(例えば、周囲の溶液中)に配置される。酸化還元メディエーターは、作用電極と分析物との間で電子を移動させ、ある特定の実施形態では、移動を促進するために酵素も含まれる。例えば、限定されるものではないが、酸化還元メディエーターは、グルコースの酵素触媒反応において、作用電極とグルコースとの間で(典型的には酵素を介して)電子を移動させる。ある特定の実施形態では、本開示の酸化還元メディエーターは、分析物に応答する酵素を含む組成物内の作用電極上に配置する。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される遷移金属錯体によって、正確で、再現性があり、迅速な又は連続的なアッセイが可能になる場合がある。遷移金属錯体酸化還元メディエーターは、酵素又は分析物から電子を高速で受け取るか、又は酵素又は分析物に電子を移動させ、また電極と電子を迅速に交換する。典型的には、自己交換の速度、すなわち還元された酸化還元メディエーターが酸化された酸化還元メディエーターに電子を移動させるプロセスは迅速である。規定の酸化還元メディエーター濃度では、これにより酵素(又は分析物)と電極間の電子の輸送がより迅速になり、したがってセンサの応答時間が短縮される。さらに、本開示の新規な遷移金属錯体酸化還元メディエーターは、使用、保管及び輸送時に遭遇する周囲光下、及び温度において安定である。ある特定の実施形態では、遷移金属錯体酸化還元メディエーターは、使用期間中又は保管条件下で酸化と還元以外の化学変化を受けないが、酸化還元メディエーターは、例えば、水又は分析物と反応することによって活性化されるように設計することができる。開示された酸化還元メディエーターの特性により、これらの酸化還元メディエーターを組み込んだ分析物センサの長期間の装着、及びそのような分析物センサの保管/貯蔵寿命の延長が可能になる場合がある。例えば、限定するものではないが、本開示の分析物センサは、約5日超、約6日超、約7日超、約8日超、約9日超、約10日超、約11日超、約12日超、約13日超、約14日超、約15日超、約16日超、約17日超、約18日超、約19日超、約20日超、約21日超、約22日超、約23日超、約24日超、約25日超、約26日超、約27日超、約28日超、約29日超、又は約30日超の装着期間使用することができる。
他の酸化還元メディエーターも、本明細書に開示される分析物センサシステムで使用することができる。例えば、限定するものではないが、1種又は複数種の追加の酸化還元メディエーターを、例えば2種以上の分析物を検出するように構成されたセンサなどの第2の活性部位に含めることができる。ある特定の実施形態では、第2の活性部位に含めるための酸化還元メディエーターには、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,134,461号及び第6,605,200号に記載されているものなどのオスミウム錯体及び他の遷移金属錯体を含めることができる。好適な酸化還元メディエーターの追加の例としては、米国特許第6,736,957号、第7,501,053号、及び第7,754,093号に記載されているものが挙げられ、これらのそれぞれの開示内容全体も参照により本明細書に組み込まれる。好適な酸化還元メディエーターの他の例としては、例えば、そのメタロセン化合物を含む、ルテニウム、オスミウム、鉄(例えば、ポリビニルフェロセン又はヘキサシアノフェレート)又はコバルトの金属化合物又は錯体が挙げられる。金属錯体に好適な配位子には、例えば、ビピリジン、ビイミダゾール、フェナントロリン、又はピリジル(イミダゾール)などの二座又はより高い座数の配位子も含めることができる。他の好適な二座配位子としては、例えば、アミノ酸、シュウ酸、アセチルアセトン、ジアミノアルカン又はo-ジアミノアレーンを挙げることができる。単座、二座、三座、四座、又はより高い座数の配位子のあらゆる組み合わせが、金属錯体、例えばオスミウム錯体中に存在して、完全な配位圏を達成することができる。ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターはオスミウム錯体である。ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、二座配位子と錯体を形成したオスミウムである。ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、三座配位子と錯体を形成したオスミウムである。ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、本明細書に記載のポリマー、例えば、本明細書に記載のポリマー主鎖に結合した二座オスミウム錯体である。ポリマー結合酸化還元メディエーターの好適な非限定的な例としては、米国特許第8,444,834号、第8,268,143号及び第6,605,201号に記載されているものが挙げられ、これらの開示はそれらの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、米国特許第8,444,834号の図3に示されるポリマー結合酸化還元メディエーターを、本開示のセンサ、例えば第2の活性部位に使用することができる。
ある特定の実施形態では、センサが2つ以上の活性領域を含む場合、活性部位の少なくとも1つは、式I~LVのいずれか1つの構造を含む酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、センサが2つ以上の活性領域を含む場合、活性部位の少なくとも1つは、式XLI~LVのいずれか1つの酸化還元メディエーターを含む。例えば、限定されるものではないが、センサが2つ以上の活性領域を含む場合、活性部位の少なくとも1つは、式XLI、XLII、XLIII、XLIV、XLV、XLVI、XLVII、XLVIII、XLIX、L、LI、LII、LIII、LIV、LV又はそれらの組み合わせの酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、両方の活性部位は、式XLI、XLII、XLIII、XLIV、XLV、XLVI、XLVII、XLVIII、XLIX、L、LI、LII、LIII、LIV、LV又はそれらの組み合わせの酸化還元メディエーターを含む。
ある特定の実施形態では、本開示の分析物は、(i)少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部;(ii)第1の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物に、例えば低電位で応答する第1の活性領域;及び(iii)少なくとも第1の活性領域をオーバーコートする、第1の分析物に対して透過性の物質輸送制限膜を含むことができる。ある特定の実施形態では、第1の活性領域は、第1の酸化還元メディエーター、及び第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含む。ある特定の実施形態では、第1の活性領域は、第1のポリマー、第1のポリマーに共有結合した第1の酸化還元メディエーター、及び第1のポリマーに共有結合した、第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含む。ある特定の実施形態では、第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素は、第1の分析物に集合的に応答する複数種の酵素を含む酵素系を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサは、例えば低電位で、第1の活性領域で検出可能な分析物に加えて、第2の又はその後の分析物を分析するようにさらに構成することができる。第2の分析物の検出を容易にするために、本開示の分析物センサは、(iv)第2の作用電極、及び(v)第2の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物とは異なる第2の分析物に応答する第2の活性領域をさらに含むことができる。ある特定の実施形態では、第2の活性領域は、第1の酸化還元メディエーターとは異なる第2の酸化還元メディエーターと、第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素とを含む。或いは、第2の活性領域は、第1の酸化還元メディエーターと同じである第2の酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、第2の活性領域は、第2のポリマー、第2のポリマーに共有結合した、第1の酸化還元メディエーターとは異なる第2の酸化還元メディエーター、及び第2のポリマーに共有結合した第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含む。ある特定の実施形態では、第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素には、第2の分析物に集合的に応答する複数種の酵素を含む酵素系を含めることができる。第2の活性領域の第2の酸化還元メディエーターは、必ずしも低電位での電子移動を促進できる必要はないが、促進できる可能性がある。ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜の第2の部分は、第2の活性領域をオーバーコートすることができる。代替的に又は追加的に、第2の物質輸送制限膜は、第2の活性領域をオーバーコートすることができ、又は第2の物質輸送制限膜は、第2の活性領域及び第1の活性領域をオーバーコートすることができる。ある特定の実施形態では、第2の物質輸送制限膜は、第1の物質輸送制限膜とは異なるポリマーを含む。ある特定の実施形態では、第2の物質輸送制限膜は、第1の物質輸送制限膜と同じポリマーを含むが、異なる架橋剤を含む。
ある特定の実施形態では、本開示の分析物応答活性領域は、約100:1~約1:100、例えば、約95:1~約1:95、約90:1~約1:90、約85:1~約1:85、約80:1~約1:80、約75:1~約1:75、約60:1~約1:60、約55:1~約1:55、約50:1~約1:50、約45:1~約1:45、約40:1~約1:40、約35:1~約1:35、約30:1~約1:30、約25:1~約1:25、約20:1~約1:20、約15:1~約1:15、約10:1~約1:10、約9:1~約1:9、約8:1~約1:8、約7:1~約1:7、約6:1~約1:6、約5:1~約1:5、約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、又は約2:1~約1:2である、酵素と酸化還元メディエーターの比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約10:1~約1:10である、酵素と酸化還元メディエーターの比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約9:1~約1:9である、酵素と酸化還元メディエーターの比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約8:1~約1:8である、酵素と酸化還元メディエーターの比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約7:1~約1:7である、酵素と酸化還元メディエーターの比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約6:1~約1:6である、酵素と酸化還元メディエーターの比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約5:1~約1:5である、酵素と酸化還元メディエーターの比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約4:1~約1:4である、酵素と酸化還元メディエーターの比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約3:1~約1:3である、酵素と酸化還元メディエーターの比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約2:1~約1:2である酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約1:1である、酵素と酸化還元メディエーターの比を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の分析物応答活性領域は、約10質量%~約50質量%の酸化還元メディエーター、例えば、約15質量%~約45質量%、約20質量%~約40質量%、約20質量%~約35質量%、又は約20質量%~約30質量%の酸化還元メディエーターを含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約5質量%~約35質量%の酸化還元メディエーターを含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約10質量%~約35質量%の酸化還元メディエーターを含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約10質量%~約30質量%の酸化還元メディエーターを含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約15質量%~約35質量%の酸化還元メディエーターを含むことができる。
3.ポリマー主鎖
ある特定の実施形態では、分析物の検出を促進するための1つ又は複数の活性部位は、本開示の酸化還元メディエーターが共有結合しているポリマーを含むことができる。酸化還元メディエーター及び酵素の共有結合を介して分析物の検出を容易にするために、あらゆる好適なポリマー主鎖が活性領域に存在することができる。活性領域内の好適なポリマーの非限定的な例としては、ポリビニルピリジン、例えばポリ(4-ビニルピリジン)及び/若しくはポリ(2-ビニルピリジン)、並びにポリビニルイミダゾール、例えばポリ(N-ビニルイミダゾール)及びポリ(1-ビニルイミダゾール)、又はそれらのコポリマーが挙げられ、例えば、四級化ピリジン基は、酸化還元メディエーター又は酵素の結合点として機能する。活性領域に含めるのに好適なコポリマーの例としては、例えば、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、又はアクリロニトリルなどのモノマー単位を含有するものが挙げられる。ある特定の実施形態では、ポリマーはビニルピリジンとスチレンのコポリマーである。ある特定の実施形態では、活性領域に存在することができるポリマーには、ポリウレタン若しくはそのコポリマー、及び/又はポリビニルピロリドンが含まれる。活性領域に存在することができるポリマーの追加の非限定的な例としては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,605,200号に記載されているもの、例として、ポリ(アクリル酸)、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー(GANTREZポリマー)、ポリ(ビニルベンジルクロリド)、ポリ(アリルアミン)、ポリリジン、カルボキシペンチル基で四級化されたポリ(4-ビニルピリジン)、及びポリ(4-スチレンスルホン酸ナトリウム)、が挙げられる。ある特定の実施形態では、活性領域に存在することができるポリマーとしては、米国特許第8,444,834号、第8,268,143号及び第6,605,201号に記載されているものが挙げられ、これらの開示はそれらの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、各活性領域内のポリマーは同じであっても異なっていてもよい。
ある特定の実施形態では、ポリマーはポリビニルピリジンベースのポリマーである。ある特定の実施形態では、ポリマーはポリビニルピリジン又はポリビニルイミダゾールである。ある特定の実施形態では、ポリマーは、ビニルピリジンとスチレンのコポリマー、又はポリビニルピリジンとポリスチレンスルホネートのコポリマーである。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示されるポリマーは、例えば、本開示の酸化還元メディエーターの連結基(R2及び/又はR’2)によって、酸化還元メディエーターに共有結合している。
4.酵素
本開示のセンサは、1種又は複数種の分析物を検出するために、例えばポリマーに共有結合した1種又は複数種の酵素を含む。本開示のセンサでの使用に適した酵素には、限定されるものではないが、グルタメート、グルコース、ケトン、ラクテート、酸素、ヘモグロビンA1C、アルブミン、アルコール、アルカリホスファターゼ、アラニントランスアミナーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ビリルビン、血中尿素窒素、カルシウム、二酸化炭素、塩化物、クレアチニン、ヘマトクリット、アスパラギン酸、アスパラギン、マグネシウム、酸素、pH、リン、カリウム、ナトリウム、総タンパク質、及び尿酸の検出に使用するための酵素が含まれる。ある特定の実施形態では、グルコース、ラクテート、ケトン、クレアチニン、アルコール、例えばエタノールなどの検出に使用するための酵素を、本明細書に開示する分析物センサの活性領域に含めることができる。ある特定の実施形態では、ポリマーに共有結合した1種又は複数種の酵素は、例えば低電位で分析物に集合的に応答する複数の酵素、例えば酵素系を含むことができる。
ある特定の実施形態では、活性領域は、本開示の酸化還元メディエーターをさらに含むことができる。例えば、限定するものではないが、分析物、例えば、グルタメート、グルコース、ケトン、ラクテート、酸素、ヘモグロビンA1C、アルブミン、アルコール、アルカリホスファターゼ、アラニントランスアミナーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ビリルビン、血中尿素窒素、カルシウム、二酸化炭素、塩化物、クレアチニン、ヘマトクリット、アスパルテート、アスパラギン、マグネシウム、酸素、pH、リン、カリウム、ナトリウム、総タンパク質、又は尿酸、を検出するための活性領域は、式I~LVのいずれか1つの構造を含む酸化還元メディエーターを含む。ある特定の実施形態では、分析物、例えば、グルタメート、グルコース、ケトン、ラクテート、酸素、ヘモグロビンA1C、アルブミン、アルコール、アルカリホスファターゼ、アラニントランスアミナーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ビリルビン、血中尿素窒素、カルシウム、二酸化炭素、塩化物、クレアチニン、ヘマトクリット、アスパルテート、アスパラギン、マグネシウム、酸素、pH、リン、カリウム、ナトリウム、総タンパク質、又は尿酸、を検出するための活性領域は、式XLI~LVのいずれか1つの構造を含む酸化還元メディエーターを含む。
ある特定の実施形態では、本開示のセンサは、例えば第1の活性領域においてグルコースを検出するために使用できる1種又は複数種の酵素を含むことができる。例えば、限定するものではないが、センサは、グルコースオキシダーゼ又はグルコースデヒドロゲナーゼなどのグルコース応答性酵素を含むことができる。ある特定の実施形態では、グルコース応答性領域は、グルコースオキシダーゼを含むことができる。ある特定の実施形態では、グルコース応答性領域は、グルコースデヒドロゲナーゼを含むことができる。ある特定の実施形態では、グルコース応答性領域は、本開示の酸化還元メディエーターをさらに含むことができる。
ある種の特定の実施形態では、本開示のセンサは、クレアチニンを検出するために使用できる1種又は複数種の酵素を含むことができる。例えば、限定するものではないが、センサは、アミドヒドロラーゼ、クレアチンアミジノヒドロラーゼ、及び/又はサルコシンオキシダーゼを含むことができる。ある特定の実施形態では、クレアチニン応答性領域は、本開示の酸化還元メディエーターをさらに含むことができる。
ある種の特定の実施形態では、本開示のセンサは、ラクテートを検出するために使用できる1種又は複数種の酵素を含むことができる。例えば、限定するものではないが、センサは、乳酸オキシダーゼ及び/又は乳酸デヒドロゲナーゼを含むことができる。ある特定の実施形態では、ラクテート応答性領域は、本開示の酸化還元メディエーターをさらに含むことができる。
ある種の特定の実施形態では、本開示のセンサは、例えば第1の活性領域又は第2の活性領域においてケトンを検出するために使用できる1種又は複数種の酵素を含むことができる。前に参照したように、ケトンは通常、生物学的存在量が低く、本明細書の開示に従って低電位での検出から利益を得ることができる。ここで、図24A~24Cを参照して、ケトンを検出するために使用することができる特定の酵素系をさらに詳細に説明する。描かれた酵素反応では、β-ヒドロキシブチレートが、インビボで形成されるケトンのサロゲートとして機能する。図22Aに示すように、本明細書の開示に従うケトンを検出するために使用することができる1対の協同酵素(concerted enzymes)は、β-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ(HBDH)及びジアホラーゼであり、これらは、本明細書でさらに説明するように、少なくとも1つの作用電極の表面上のケトン応答活性領域内に堆積させることができる。ケトン反応性活性領域にこの協同酵素対が含まれる場合、β-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼは、β-ヒドロキシブチレート及び酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)を、それぞれアセトアセテート及び還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)に変換することができる。酵素補助因子NAD+及びNADHは、本明細書に開示される協同酵素反応の促進に役立つ。その後、NADHはジアホラーゼ媒介の下で還元を受けることができ、このプロセス中に移動した電子により作用電極でのケトン検出の基礎が提供される。したがって、作用電極に移動した電子の数と変換されたβ-ヒドロキシブチレートの間には1:1のモル対応があり、それにより作用電極で測定された電流量に基づくケトンの検出及び定量の基礎が提供される。NADHの還元によって生じる電子の作用電極への移動は、低電位での動作を促進することができる酸化還元メディエーターを介して行うことができる。ある特定の実施形態では、酸化還元メディエーターは、式I~LVのいずれか1つの構造を含む。ある特定の実施形態では、アルブミンは、この協同酵素の対とともに安定剤として存在することができる。
ある種の特定の実施形態では、β-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ及びジアホラーゼは、分析物センサのケトン応答活性領域内のポリマーに共有結合することができる。NAD+はポリマーに共有結合することができる。ある特定の実施形態では、NAD+が共有結合していない場合、NAD+を、ケトン応答活性領域内に物理的に保持することができる。ケトン応答活性領域をオーバーコートする膜は、ケトン応答活性領域内にNAD+を保持するのに役立つ場合があり、一方これにより、ケトンの十分な内部拡散がなお可能になり、そうしてその検出が可能になる。
ケトンを酵素的に検出するための他の好適な化学を図24B及び24Cに示す。どちらの場合も、作用電極に移動した電子の数と変換されたβ-ヒドロキシブチレートの量の間には1:1のモル対応があり、それによってケトン検出の基礎が提供される。
図22Bに示すように、β-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ(HBDH)は、β-ヒドロキシブチレート及びNAD+をそれぞれアセトアセテート及びNADHに変換することができる。作用電極への電子移動がジアホラーゼ(図22A参照)及び好適な酸化還元メディエーターによって完了する代わりに、NADHオキシダーゼの還元型(NADHOx(Red))が反応して、対応する酸化型(NADHOx(Ox))が形成される。その後、NADHOx(Red)は分子状酸素との反応を通じて再形成されてスーパーオキシドが生成され、その後スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の媒介下で過酸化水素に変換される。その後、過酸化水素は作用電極で還元を受け、最初に存在していたケトンの量と相関し得る信号を生成する。種々の実施形態によれば、SODは、ケトン応答活性領域内のポリマーに共有結合することができる。図22Aに示される酵素系と同様に、β-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼは、ケトン応答活性領域内のポリマーに共有結合することができる。ある特定の実施形態では、NADは、ケトン応答活性領域内のポリマーに共有結合することができる。ある特定の他の実施形態では、NADは、ケトン応答活性領域内のポリマーに共有結合せずに存在することができる。NAD+が共有結合していない場合、膜ポリマーがケトン応答活性領域内でのNAD+の保持を促進し、NAD+を、ケトン応答活性領域内に物理的に保持することができる。ある特定の実施形態では、SODはケトンを検出するための酵素系に含まれない。例えば、限定するものではないが、本開示の分析物センサで使用するための酵素系は、国際特許出願番号PCT/US21/62968に提供されており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図22Cに示すように、ケトンの別の酵素検出化学は、β-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ(HBDH)を利用して、β-ヒドロキシブチレート及びNAD+をそれぞれアセトアセテート及びNADHに変換することができる。この場合の電子移動サイクルは、作用電極でポリ-1,10-フェナントロリン-5,6-ジオンを酸化してNADを形成することによって完了する。ポリ-1,10-フェナントロリン-5,6-ジオンは、ケトン応答活性領域内のポリマーに共有結合することができ、又は別様に活性領域内若しくはその近くに保持することができる。図22Aに示される酵素系と同様に、β-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼは、ケトン応答活性領域内のポリマーに共有結合することができ、NADは、ケトン応答活性領域内のポリマーに共有結合することができ、又は別様にケトン応答領域内若しくはその近くに保持することができる。活性領域にアルブミンを含めると、応答の安定性が驚くほど向上する。好適な膜ポリマーは、ケトン応答活性領域内でのNAD+の保持を促進することができる。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される分析物センサは、分析物を検出するための1種又は複数種の酵素、例えば、グルコースの検出に使用するための1種又は複数種の酵素を含む1つの活性部位を含むことができる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される分析物センサは、分析物を検出するための1種又は複数種の酵素、例えば、ケトンの検出に使用するための1種又は複数種の酵素を含む1つの活性部位を含むことができる。或いは、本明細書に開示される分析物センサは、2つ以上の活性部位を含むことができ、各活性部位は、1種又は複数種の酵素を含有する。例えば、限定するものではないが、本開示の分析物センサは、第1の分析物、例えばグルコースの検出に使用するための第1の酵素(又は酵素系)を含む第1の活性領域、及び第2の分析物、例えばケトンを検出するための第2の酵素(又は第2の酵素系)を含む第2の活性部位を含むことができる。
ある特定の実施形態では、センサ内に2つ以上の活性領域が存在する場合、酵素は同じであっても異なっていてもよい。例えば、限定するものではないが、センサが第1及び第2の活性領域を含む場合、第1の活性領域の酵素と第2の活性領域の酵素は同じであり得る。ある特定の他の実施形態では、センサが第1の活性領域及び第2の活性領域を含む場合、第1の活性領域の1種又は複数種の酵素と第2の活性領域の1種又は複数種の酵素は異なっていてもよい。例えば、限定するものではないが、第2の活性領域は、例えば低電位で、第1の活性領域で検出可能な異なる分析物と組み合わせてグルコースを検出するように構成することができる。したがって、ある特定の実施形態では、第2の酵素はグルコースオキシダーゼであり得る。
ある特定の実施形態では、第1の分析物は、グルコースオキシダーゼ(例えば、グルコースオキシダーゼ又はグルコースオキシダーゼ及びジアホラーゼ)を含む酵素系によって検出可能なグルコースであり、第2の分析物は、本明細書に記載の酵素系(例えば、β-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ及びジアホラーゼ)によって検出可能なケトンである。或いは、第1の分析物は、本明細書に記載の酵素系(例えば、β-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ及びジアホラーゼ)によって検出可能なケトンであり、第2の分析物は、グルコース応答性酵素、例えば、グルコースオキシダーゼ(例えば、グルコースオキシダーゼ又はグルコースオキシダーゼ及びジアホラーゼ)によって検出可能なグルコースである。
ある特定の実施形態では、本開示の分析物応答活性領域は、約10質量%~約80質量%、例えば、約15質量%~約75質量%、約20質量%~約70質量%、約25質量%~約65質量%、約30質量%~約60質量%、又は約20質量%~約50%の本明細書に開示の1種又は複数種の酵素を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約20質量%~約70質量%の本明細書に開示の1種又は複数種の酵素を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約30質量%~約60質量%の本明細書に開示の1種又は複数種の酵素を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約30質量%~約50質量%の本明細書に開示の1種又は複数種の酵素を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約20質量%~約50質量%の本明細書に開示の1種又は複数種の酵素を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約20質量%~約40質量%の本明細書に開示の1種又は複数種の酵素を含むことができる。
ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、例えば、1種又は複数種の酵素を安定化するための安定化剤をさらに含むことができる。例えば、限定するものではないが、安定化剤はアルブミン、例えば血清アルブミンであり得る。血清アルブミンの非限定的な例としては、ウシ血清アルブミン及びヒト血清アルブミンが挙げられる。ある特定の実施形態では、安定化剤はヒト血清アルブミンである。ある特定の実施形態では、安定化剤はウシ血清アルブミンである。ある特定の実施形態では、本開示の分析物応答活性領域は、約100:1~約1:100、例えば、約95:1~約1:95、約90:1~約1:90、約85:1~約1:85、約80:1~約1:80、約75:1~約1:75、約60:1~約1:60、約55:1~約1:55、約50:1~約1:50、約45:1~約1:45、約40:1~約1:40、約35:1~約1:35、約30:1~約1:30、約25:1~約1:25、約20:1~約1:20、約15:1~約1:15、約10:1~約1:10、約9:1~約1:9、約8:1~約1:8、約7:1~約1:7、約6:1~約1:6、約5:1~約1:5、約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、又は約2:1~約1:2である、安定化剤、例えば血清アルブミンと、活性領域に存在する1種又は複数種の酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約50:1~約1:50である、安定化剤と、活性領域に存在する1種又は複数種の酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約10:1~約1:10である、安定化剤と、活性領域に存在する1種又は複数種の酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約7:1~約1:7である、安定化剤と、活性領域に存在する1種又は複数種の酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約6:1~約1:6である、安定化剤と、活性領域に存在する1種又は複数種の酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約5:1~約1:5である、安定化剤と、活性領域に存在する1種又は複数種の酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約4:1~約1:4である、安定化剤と、活性領域に存在する1種又は複数種の酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約3:1~約1:3である、安定化剤と、活性領域に存在する1種又は複数種の酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約2:1~約1:2である、安定化剤と、活性領域に存在する1種又は複数種の酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約1:1である、安定化剤と、活性領域に存在する1種又は複数種の酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約5質量%~約50質量%、例えば、約10質量%~約50質量%、約15質量%~約45質量%、約20質量%~約40質量%、約20質量%~約35質量%、又は約20質量%~約30質量%の安定化剤を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約5質量%~約40質量%の安定化剤を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約5質量%~約35質量%の安定化剤を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約5質量%~約30質量%の安定化剤を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約10質量%~約30質量%の安定化剤を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約15質量%~約35質量%の安定化剤を含むことができる。
ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域、例えば分析物応答活性領域は、分析物応答活性領域に存在する1種又は複数種の酵素の補因子又は補酵素をさらに含むことができる。ある特定の実施形態では、補因子はニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)又はニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)(本明細書では一括して「NAD(P)」と呼ぶ)である。ある特定の実施形態では、補酵素はFADである。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約40:1~約1:40、例えば約35:1~約1:35、約30:1~約1:30、約25:1~約1:25、約20:1~約1:20、約15:1~約1:15、約10:1~約1:10、約9:1~約1:9、約8:1~約1:8、約7:1~約1:7、約6:1~約1:6、約5:1~約1:5、約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2、又は約1:1である、補因子と酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約5:1~約1:5である、補因子と酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約4:1~約1:4である、補因子と酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約3:1~約1:3である、補因子と酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約2:1~約1:2である、補因子と酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約1:1である、補因子と酵素の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約10質量%~約50質量%、例えば、約15質量%~約45質量%、約20質量%~約40質量%、約20質量%~約35質量%、又は約20質量%~約30質量%の補因子を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約20質量%~約40質量%の補因子を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約20質量%~約30質量%の補因子を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約15質量%~約35質量%の補因子を含むことができる。ある特定の実施形態では、補因子、例えばNAD(P)は、分析物応答活性領域内に物理的に保持することができる。例えば、限定するものではないが、分析物応答活性領域をオーバーコートする膜は、分析物応答活性領域内に補因子を保持するのに役立つ場合があり、一方これにより、分析物の十分な内部拡散がなお可能になり、そうしてその検出が可能になる。
ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域の1種又は複数種の酵素は、活性領域に存在するポリマー、例えばセクション3に記載のポリマー主鎖に共有結合することができる。ある特定の実施形態では、複数の酵素を含む酵素系が所与の活性領域に存在する場合、複数の酵素のすべてがポリマーに共有結合することができる。ある特定の他の実施形態では、複数の酵素の一部のみがポリマーに共有結合している。例えば、限定するものではないが、酵素系内の1種又は複数種の酵素は、ポリマーに共有結合することができ、少なくとも1種の酵素はポリマーに非共有結合することができ、したがって、非共有結合酵素は、ポリマー内に物理的に保持される。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域をオーバーコートする膜は、分析物応答活性領域内に1種又は複数種の酵素を保持するのに役立つ場合があり、一方これにより、分析物の十分な内部拡散がなお可能になり、そうしてその検出が可能になる。分析物応答活性領域をオーバーコートするのに好適な膜ポリマーについては、本明細書でさらに説明する。
ある特定の実施形態では、安定剤が活性領域に存在する場合、その領域内の1種又は複数種の酵素は、安定剤に共有結合することができる。例えば、限定するものではないが、1種又は複数種の酵素は、活性領域に存在する安定剤、例えばアルブミンに共有結合することができる。
ある特定の実施形態では、所与の活性領域におけるポリマー及び/又は安定剤への1種若しくは複数種の酵素及び/又は酸化還元メディエーターの共有結合は、好適な架橋剤によって導入される架橋を介して起こり得る。ある特定の実施形態では、ポリマー及び/又は安定剤と1種若しくは複数種の酵素及び/又は酸化還元メディエーターとの架橋により、電極からの酵素組成物の層間剥離の発生を低減することができる。好適な架橋剤としては、限定されないが、ビニル、アルコキシ、アセトキシ、エノキシ、オキシム、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ハロ、アクリレート、エポキシド及びイソシアナト基などの1種又は複数種の架橋性官能基を挙げることができる。ある特定の実施形態では、架橋剤は、1つ以上、2つ以上、3つ以上、又は4つ以上のエポキシド基を含む。例えば、限定するものではないが、本開示で使用するための架橋剤としては、モノ-、ジ-、トリ-、及びテトラ-エチレンオキシドを挙げることができる。ある特定の実施形態では、酵素中の遊離アミノ基との反応(例えば、リシン中の遊離側鎖アミンとの反応)のための架橋剤としては、例えば、ポリエチレングリコールジブチルエーテル、ポリプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリアルキレングリコールアリルメチルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)若しくは他のポリエポキシド、塩化シアヌル、N-ヒドロキシスクシンイミド、イミドエステル、エピクロロヒドリン、又はそれらの誘導体化された変種などの架橋剤を挙げることができる。ある特定の実施形態では、架橋剤は、例えば約200~1,000、例えば約400の平均分子量(Mn)を有するPEGDGEである。ある特定の実施形態では、架橋剤はPEGDGE400である。ある特定の実施形態では、架橋剤はグルタルアルデヒドであり得る。ある特定の実施形態では、酵素のポリマーへの架橋は、一般に分子間である。ある特定の実施形態では、酵素のポリマーへの架橋は、一般に分子内である。
ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約100:1~約1:100である活性領域の1種又は複数種の酵素に対する架橋剤の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約40:1~約1:40、例えば、約35:1~約1:35、約30:1~約1:30、約25:1~約1:25、約20:1~約1:20、約15:1~約1:15、約10:1~約1:10、約9:1~約1:9、約8:1~約1:8、約7:1~約1:7、約6:1~約1:6、約5:1~約1:5、約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2又は約1:1である活性領域の1種又は複数種の酵素に対する架橋剤の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約5:1~約1:5である活性領域の1種又は複数種の酵素に対する架橋剤の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約4:1~約1:4である活性領域の1種又は複数種の酵素に対する架橋剤の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約3:1~約1:3である活性領域の1種又は複数種の酵素に対する架橋剤の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約2:1~約1:2である活性領域の1種又は複数種の酵素に対する架橋剤の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約1:1である活性領域の1種又は複数種の酵素に対する架橋剤の比を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約5質量%~約50質量%、例えば、約5質量%~約45質量%、約5質量%~約40質量%、約5質量%~約35質量%、約10質量%~約30質量%、又は約10質量%~約25質量%の架橋剤を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約5質量%~約35質量%の架橋剤を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約10質量%~約30質量%の架橋剤を含むことができる。ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域は、約10質量%~約25質量%の架橋剤を含むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の活性領域は、約0.1μm~約100μm、例えば、約1μm~約90μm、約1μm~約80μm、約1μm~約70μm、約1μm~約60μm、約1μm~約50μm、約1μm~約40μm、約1μm~約30μm、約1μm~約20μm、約0.5μm~約10μm、約1μm~約10μm、約1μm~約5μm、又は約0.1μm~約5μmの厚さを有することができる。ある特定の実施形態では、塗布される液滴の直径を実質的に増加させることなく(すなわち、その所望の直径又は範囲を維持しながら)、一連の液滴を互いの上に塗布して、活性領域の所望の厚さを達成することができる。
5.物質輸送制限膜
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される分析物センサは、少なくとも1つの活性領域、例えば第1の活性領域をオーバーコートする、分析物に対して透過性の物質輸送制限膜をさらに含む。ある特定の実施形態では、複数の活性領域が存在する場合、物質輸送制限膜は各活性領域をオーバーコートすることができる。或いは、第1の膜が活性領域のうちの1つをオーバーコートし、第2の膜が第2の活性領域をオーバーコートする。ある特定の実施形態では、第1の膜が活性領域の一方をオーバーコートし、第2の膜が第1及び第2の活性領域の両方をオーバーコートする。
ある特定の実施形態では、分析物応答活性領域をオーバーコーティングする膜は、物質輸送制限膜として機能することができ、及び/又は生体適合性を改善するように機能することができる。物質輸送制限膜は、分析物の物質輸送速度を低下させる拡散制限バリアとして作用することができる。例えば、これに限定されるものではないが、物質輸送制限膜を用いて、分析物、例えばグルコース又はケトンの、分析物応答活性領域へのアクセスを制限すると、センサの過負荷(飽和)を回避するのに役立ち、それによって検出性能及び精度が向上する。
ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜は均質であってもよく、単一成分(単一の膜ポリマーを含む)であってもよい。或いは、物質輸送制限膜は多成分(2種以上の異なる膜ポリマーを含む)であってもよい。ある特定の実施形態では、多成分膜は、二層膜として、又は2種以上の膜ポリマーの均質混合物として存在することができる。均質な混合物は、溶液中で2種以上の膜ポリマーを組み合わせ、次いで、例えばディップコーティングなどのその溶液を作用電極上に堆積させることによって堆積させることができる。
ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜は、2つ以上の層、例えば、二層膜又は三層膜を含むことができる。特定の実施形態では、各層は、異なるポリマー又は濃度若しくは厚さの異なる同じポリマーを含むことができる。ある特定の実施形態では、第1の分析物応答活性領域は多層膜、例えば二層膜で覆うことができ、第2の分析物応答活性領域は単一の膜で覆うことができる。ある特定の実施形態では、第1の分析物応答活性領域は多層膜、例えば二層膜で覆うことができ、第2の分析物応答活性領域は多層膜、例えば二層膜によって覆うことができる。ある特定の実施形態では、第1の分析物応答活性領域は単一の膜で覆うことができ、第2の分析物応答活性領域は多層膜、例えば二層膜で覆うことができる。ある特定の実施形態では、第1の分析物応答活性領域は単一の膜で覆うことができ、第2の分析物応答活性領域は単一の膜で覆うことができる。
ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜は、複素環式窒素基を含有するポリマーを含むことができる。ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜は、ポリビニルピリジンベースのポリマーを含むことができる。ポリビニルピリジン系ポリマーの非限定的な例は、米国特許出願公開第2003/0042137号(例えば、式2b)に開示されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、ポリビニルピリジン系ポリマーは、約50Da~約500kDaの分子量を有する。
特定の実施形態では、物質輸送制限膜としては、ポリビニルピリジン(例えば、ポリ(4-ビニルピリジン)又はポリ(4-ビニルピリジン))、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピリジンコポリマー(例えば、ビニルピリジンとスチレンとのコポリマー)、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン-コ-テトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、生体安定性ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタンのホモポリマー、コポリマー又はターポリマー、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルエーテルケトン、セルロース系ポリマー、ポリスルホン及びそれらのブロックコポリマー、例として、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、交互コポリマー、ランダムコポリマー及びグラフトコポリマー、又は化学的に関連した材料など、を挙げることができる。
ある特定の実施形態では、本開示で使用するための膜、例えば単一成分膜としては、ポリビニルピリジン(例えば、ポリ(4-ビニルピリジン)及び/又はポリ(2-ビニルピリジン))を挙げることができる。ある特定の実施形態では、本開示で使用するための膜、例えば単一成分膜としては、ポリ(4-ビニルピリジン)を挙げることができる。ある特定の実施形態では、本開示で使用するための膜、例えば単一成分膜としては、ビニルピリジンとスチレンのコポリマーを挙げることができる。ある特定の実施形態では、膜としては、ポリビニルピリジン-co-スチレンコポリマーを挙げることができる。例えば、限定するものではないが、本開示で使用するための、ポリビニルピリジン-co-スチレンコポリマーとしては、ピリジン窒素原子の一部が非架橋ポリエチレングリコールテールで官能化され、ピリジン窒素原子の一部がアルキルスルホン酸、例えばプロピルスルホン酸基で官能化されたポリビニルピリジン-co-スチレンコポリマーを挙げることができる。ある特定の実施形態では、膜ポリマーとして使用するための誘導体化ポリビニルピリジン-co-スチレンコポリマーは、米国特許第8,761,857号に記載されている10Q5ポリマーであり得、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ビニルピリジンとスチレンの好適なコポリマーは、約0.01%~約50%モルパーセント、又は約0.05%~約45%モルパーセント、又は約0.1%~約40%モルパーセント、又は約0.5%~約35%モルパーセント、又は約1%~約30%モルパーセント、又は約2%~約25%モルパーセント、又は約5%~約20%モルパーセントの範囲のスチレン含有量を有し得る。置換スチレンも同様に同様の量で使用することができる。ビニルピリジンとスチレンの好適なコポリマーは、5kDa以上、又は約10kDa以上、又は約15kDa以上、又は約20kDa以上、又は約25kDa以上、又は約30kDa以上、又は約40kDa以上、又は約50kDa以上、又は約75kDa以上、又は約90kDa以上、又は約100kDa以上の分子量を有し得る。非限定的な例では、ビニルピリジンとスチレンの好適なコポリマーは、約5kDa~約150kDa、又は約10kDa~約125kDa、又は約15kDa~約100kDa、又は約20kDa~約80kDa、又は約25kDa~約75kDa、又は約30kDa~約60kDaの範囲の分子量を有し得る。
ある特定の実施形態では、膜は、親水性領域と疎水性領域の両方を含むポリウレタン膜を含む。ある特定の実施形態では、疎水性ポリマー成分は、ポリウレタン、ポリウレタン尿素、又はポリ(エーテル-ウレタン-尿素)である。ある特定の実施形態では、ポリウレタンは、ジイソシアネートと二官能性ヒドロキシル含有材料との縮合反応によって生成されるポリマーである。ある特定の実施形態では、ポリウレタン尿素は、ジイソシアネートと二官能性アミン含有材料との縮合反応によって生成されるポリマーである。ある特定の実施形態では、本明細書で使用するためのジイソシアネートには、例えば約4~約8個のメチレン単位を含有する脂肪族ジイソシアネート、又は脂環式部分を含有するジイソシアネートが含まれる。本開示のセンサの膜の生成に使用できるポリマーの追加の非限定的な例としては、ビニルポリマー、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、無機ポリマー(例えば、ポリシロキサン及びポリカルボシロキサン)、天然ポリマー(例えば、セルロース及びタンパク質ベースの材料)及び混合物(例えば、混合物(admixtures)若しくは層状構造)、又はそれらの組み合わせが挙げられる。ある特定の実施形態では、親水性ポリマー成分は、ポリエチレンオキシド及び/又はポリエチレングリコールである。ある特定の実施形態では、親水性ポリマー成分は、ポリウレタンコポリマーである。例えば、限定するものではないが、本開示で使用するための疎水性-親水性コポリマー成分は、約10%~約50%、例えば約20%の親水性ポリエチレンオキシドを含むポリウレタンポリマーである。
ある特定の実施形態では、膜は、シリコーンポリマー/疎水性-親水性ポリマーのブレンドを含む。ある特定の実施形態では、ブレンドに使用するための疎水性-親水性ポリマーは、限定されるものではないが、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエーテル、例えばポリエチレングリコール又はポリプロピレンオキシド、及びこれらのコポリマーであって、例えば、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、交互コポリマー、ランダムコポリマー、櫛型コポリマー、星型コポリマー、樹枝状コポリマー、及びグラフトコポリマーを含むコポリマーなどのあらゆる好適な疎水性-親水性ポリマーであり得る。ある特定の実施形態では、疎水性-親水性ポリマーは、ポリエチレンオキシド(PEO)とポリプロピレンオキシド(PPO)のコポリマーである。PEO及びPPOコポリマーの非限定的な例としては、PEO-PPOジブロックコポリマー、PPO-PEO-PPOトリブロックコポリマー、PEO-PPO-PEOトリブロックコポリマー、PEO-PPOの交互ブロックコポリマー、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダムコポリマー及びそれらのブレンドが挙げられる。
ある特定の実施形態では、親水性又は疎水性変性剤を使用して、得られる膜の対象分析物に対する透過性を「微調整」することができる。ある特定の実施形態では、ポリ(エチレン)グリコール、ヒドロキシル又はポリヒドロキシル変性剤などの親水性変性剤、及びそれらのあらゆる組み合わせを使用して、ポリマー又は得られる膜の生体適合性を高めることができる。
ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜は、ポリビニルピリジン若しくはポリビニルイミダゾールのホモポリマー又はコポリマーなどの膜ポリマーを含むことができ、この膜ポリマーは、好適な架橋剤でさらに架橋することができる。ある種の特定の実施形態では、膜ポリマーは、例えば、好適な架橋剤でさらに架橋された、ビニルピリジンとスチレンのコポリマーを含むことができる。
ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜は、本明細書及び上記セクション4で開示される架橋剤で架橋された膜ポリマーを含むことができる。2つの物質輸送制限膜、例えば第1の物質輸送制限膜と第2の物質輸送制限膜が存在するある特定の実施形態では、各膜を異なる架橋剤で架橋することができる。例えば、限定するものではないが、架橋剤は、例えば膜内の細孔サイズに影響を与えることにより、ある特定の化合物、例えば膜内の分析物の拡散をより制限する膜、又はある特定の化合物の拡散の制限がより小さくなる膜をもたらすことができる。
ある特定の実施形態では、本開示で使用するための架橋剤としては、ポリエポキシド、カルボジイミド、塩化シアヌル、トリグリシジルグリセロール(Gly3)、N-ヒドロキシスクシンイミド、イミドエステル、エピクロロヒドリン、又はそれらの誘導体化された変種を挙げることができる。ある特定の実施形態では、1つ又は複数の活性領域をオーバーコートする膜ポリマーは、例えば物質輸送制限膜から得られる抽出物の量を減少させることができる分岐鎖架橋剤で架橋することができる。分岐鎖架橋剤の非限定的な例としては、分岐鎖グリシジルエーテル架橋剤、例えば、2つ又は3つ以上の架橋性基を含む分岐鎖グリシジルエーテル架橋剤が挙げられる。ある特定の実施形態では、分岐鎖架橋剤は、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどの2種以上の架橋性基を含むことができる。ある特定の実施形態では、分岐鎖架橋剤は、ポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルなどの3種以上の架橋性基を含むことができる。ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜は、ポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテル又はポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどの、2種又は3種の架橋性基を含む分岐鎖グリシジルエーテル架橋剤で架橋されたポリビニルピリジン、又はビニルピリジンとスチレンとのコポリマーを含むことができる。ある特定の実施形態では、ポリエポキシド、例えばポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテル又はポリエチレングリコールジグリシジルエーテルのエポキシド基は、エポキシド開環を介してピリジン又はイミダゾールと共有結合を形成することができ、その結果、ヒドロキシアルキル基が架橋剤の本体と膜ポリマーの複素環とを架橋することになる。
ある特定の実施形態では、架橋剤はポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)である。ある特定の実施形態では、2つ以上の膜ポリマー主鎖間の架橋(例えば、分子間架橋)を促進するために使用されるPEGDGEは、広範囲の好適な分子量を示すことができる。ある特定の実施形態では、PEGDGEの分子量は、約100g/mol~約5,000g/molの範囲であり得る。PEGDGEの各アームのエチレングリコール繰り返し単位の数は同じでも異なっていてもよく、通常は平均分子量を得るために所定の試料内で一定の範囲にわたってばらつきがあってもよい。ある特定の実施形態では、本開示で使用するためのPEGDGEは、約200~1,000、例えば約400の平均分子量(Mn)を有する。ある特定の実施形態では、架橋剤はPEGDGE400である。
ある特定の実施形態では、架橋は分子間であり得る。2つ以上の膜ポリマー主鎖間の架橋(例えば、分子間架橋)を促進するために使用されるポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルは、広範囲の好適な分子量を示すことができる。最大4つのポリマー主鎖を、ポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテル架橋剤の単一分子で架橋することができる。ある種の特定の実施形態では、ポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルの分子量は、約1,000g/mol~約5,000g/molの範囲であり得る。ポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルの各アームのエチレングリコール繰り返し単位の数は同じでも異なっていてもよく、通常は平均分子量を得るために所定の試料内で一定の範囲にわたってばらつきがあってもよい。架橋前のポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルの構造は、以下の式LVI:
Figure 2024503316000065
式LVI
(式中、n1、n2、n3、及びn4はそれぞれ0以上の整数である)
で表すことができる。ある特定の実施形態では、n1、n2、n3、及びn4のそれぞれは1又はそれ以上であり、n1、n2、n3、及びn4は同じであっても異なっていてもよい。n1、n2、n3及びn4の合計は、ポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルの分子量が上記範囲内となるように選択することができる。換言すれば、上記の範囲内の分子量を有するポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルを生成するには、n1、n2、n3及びn4の合計は、約14~約110、又は約15~約104の範囲であり得、あらゆるこれらの値の間の部分範囲を含み、n1、n2、n3、及びn4は、独立して0以上、又は1以上のあらゆる整数であり得る。
本明細書で使用される架橋密度は、架橋剤が結合している膜ポリマー側鎖の数を指す。ポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテル又は3つ以上の架橋性基を有する類似のポリエチレンオキシド架橋剤などの分岐鎖グリシジルエーテルで架橋された膜ポリマーは、広範囲にわたって異なる架橋密度を有することができる。特定の例では、架橋剤が付加され得る側鎖の割合は、膜ポリマー中の利用可能な複素環の約0.1%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約0.2%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約0.3%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約0.4%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約0.5%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約0.6%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約0.7%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約0.8%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約0.9%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約1.0%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約1.2%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約1.4%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約1.6%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約1.8%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約2.0%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約2.2%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約2.4%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約2.6%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約2.8%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約3.0%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約3.5%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約4.0%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約4.5%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約5.0%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約5.5%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約6.0%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約6.5%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約7.0%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約7.5%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約8.0%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約8.5%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約9.0%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約9.5%以上、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約10%以上、であり得る。ある特定の実施形態では、架橋剤は、膜ポリマー中の利用可能な複素環の約1%~約20%の間、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約2%~約10%の間、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約3%~約8%の間、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約4%~約9%の間、又は膜ポリマー中の利用可能な複素環の約5%~約12%の間、に付加することができる。
好適な膜ポリマーは、ピリジン又はイミダゾールモノマー単位の窒素原子に結合した1種又は複数種のポリエーテルアーム(側鎖)をさらに含むことができる。本明細書に開示される膜ポリマーのいずれも、1種又は複数種のポリエーテルアームをさらに含むことができる。ポリエーテルアームは、別個のポリマー鎖間に延びることも、単一ポリマー鎖内で分子内で終結することもないという点で、ポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテル又は同様の架橋剤から形成される架橋基とは区別される。したがって、ポリエーテルアームは、架橋剤から形成される架橋基とは別個であり、区別できる。ポリエーテルアームは、ポリエチレンオキシド(PEO)ブロック及びポリプロピレンオキシド(PPO)ブロック、特に2つのポリエチレンオキシドブロックの間に挿入されたポリプロピレンオキシドブロックを有するポリエーテルアームを含み得る。複素環式窒素原子へのポリエーテルアームの結合は、膜ポリマー中の複素環の窒素原子への結合を形成できるあらゆる反応性官能基を介して起こり得る。ポリエーテルアームの複素環式窒素原子への結合は、アルキル基、ヒドロキシル官能化アルキル基、又はカルボニルを介して行うことができる。ポリエーテルアームはまた、複素環式窒素原子から離れたアミン基を含有してもよく、又は他の特定の場合にはアミンを含まなくてもよい。
膜ポリマーのポリエーテルアームは、少なくとも1つのポリエチレンオキシドブロック及び少なくとも1つのポリプロピレンオキシドブロックを含むことができ、それにより、スペーサーを介して複素環式窒素原子に結合したポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドモノマー単位の少なくともジブロック配置が得られる。ポリエチレンオキシドブロック又はポリプロピレンオキシドブロックのいずれかをスペーサーに結合させることができる。他のある特定の実施形態では、ポリエーテルアームは、スペーサー、第1のポリエチレンオキシドブロック、ポリプロピレンオキシドブロック、及び第2のポリエチレンオキシドブロックを、順に(すなわち、A-B-A繰り返しパターン)、又はスペーサー、第1のポリプロピレンオキシドブロック、ポリエチレンオキシドブロック、及び第2のポリプロピレンオキシドブロックを、順に(すなわち、B-A-B繰り返しパターン)を含むことができる。アミン基は、アミン含有ポリエーテルアーム内のポリエチレンオキシドブロックとポリプロピレンオキシドブロックの間に介在することができる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の膜ポリマー中のポリエーテルアームは、以下の式LVII~LX:
Figure 2024503316000066

(式中、PEはポリエチレンオキシドブロックを表し、PPはポリプロピレンオキシドブロックを表し、Aはアミン基であり、Jはスペーサー基である)
によって一般的に定義される構造を有することができる。スペーサー基Jは、膜ポリマーの複素環に結合するようになることができる。好適なスペーサー基Jとしては、アルキル、ヒドロキシ官能化アルキル、カルボニル、カルボン酸エステル、カルボキサミドなどが挙げられるが、これらに限定されない。変数q、r、s、及びtは、各ブロック内のモノマー単位の数とブロックが繰り返される回数を定義する正の整数であり、ただし、ジブロック配置では、変数tは0にすることができ、変数sは1にすることができるという条件である。ある特定の実施形態では、変数qは、約2~約50の間、又は約6~約20の間の範囲の整数であり、変数rは、約2~約60の間、又は約10~約40の間の範囲の整数であり、変数tは、約2~約50の間、又は約10~約30の間の範囲の整数である。ある特定の他の実施形態では、変数sは、1~約20の間、又は1~約10の間の範囲の整数である。ある種の特定の実施形態では、変数sは1に等しい。
本開示のある種の特定の実施形態では、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びポリエチレンオキシド(式LVIIに対応)アームのトリブロック配置を有するアミン非含有ポリエーテルアームは、式LXIで定義される構造:
Figure 2024503316000067
式LXI
(式中、Rはアルキル基(例えば、これに限定されないがメチル基)であり、変数wは0又は1であり、変数xは、約4~約24の間又は約6~約20の間の範囲の整数であり、変数yは、約8~約60の間、又は約10~約40の間の範囲の整数であり、変数zは、約6~約36の間、又は約10~約30の間の範囲の整数である)
を有することができる。より具体的な実施形態では、変数xは、約8~約16の間、又は約9~約12の間の範囲であり得、変数yは、約10~約32の間、又は約16~約30の間、又は約12~約20の間の範囲であり得、変数zは、約10~約20の間、又は約14~約18の間の範囲であり得る。ある特定の実施形態では、第2のポリエチレンオキシドブロックが第1のポリエチレンオキシドブロックよりも長く(大きく)なるように、変数xは変数zより小さくてもよい。変数wが0の場合、アミン非含有ポリエーテルアームは、炭素数2のアルキル基によって膜ポリマーに直接結合されるが、より長いアルキル基も本開示によって企図される。
本開示のある種の特定の実施形態では、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びポリエチレンオキシドのトリブロック配置を有し、ポリエチレンオキシドブロックとポリプロピレンオキシドブロックとの間に介在するアミン基を有するポリエーテルアーム(式LIXに相当)は、式LXIII:
Figure 2024503316000068
式LXII
(式中、w、x、y、z及びRは、式LXIについての上記のように定義される)
で定義される構造を有することができる。変数wが0の場合、ポリエーテルアームは、炭素数2のアルキル基によって膜ポリマーに直接結合されるが、より長いアルキル基も本開示によって企図される。
本明細書に記載のポリエーテルアームは、ポリエーテルアーム前駆体中の反応性官能基により複素環式窒素原子に結合することができる。好適な反応性官能基としては、例えば、ハロゲン又はエポキシドを挙げることができる。例えば、エポキシドは、上記の式LXI及びLXIIに例示されるように、ポリエーテルアームを膜ポリマーの複素環式窒素原子に接続するヒドロキシアルキルスペーサー基の形成をもたらす(式LXI及びLXIIではn=1)。対照的に、ハロゲン官能化ポリエーテルアーム前駆体は、アルキルスペーサー(式LXI及びLXIIにおいてn=0)をもたらすことができ、ここで、好適なアルキル基は、直鎖又は分岐鎖C2-C20アルキル基であり得る。
ある特定の実施形態では、スルホネート含有アームは、本明細書に開示される膜ポリマーの少なくとも一部に側鎖として付加することができる。スルホネート含有アームは、ポリエーテルアーム及び/又は架橋剤とあらゆる好適な比で組み合わせて存在することができる。本明細書に開示される膜ポリマーのいずれも、スルホネート含有アームよりも多量のポリエーテルアーム又は架橋基を含むことができる。スルホネート含有アームは、アルキル基を介して膜ポリマーに付加することができる。種々の実施形態によれば、アルキル基は、1~約6個の間の炭素原子、又は2~約4個の間の炭素原子を含有することができる。本明細書に開示される膜ポリマーにスルホネート含有アームを導入するための好適な試薬としては、クロロメタンスルホン酸、ブロモエタンスルホン酸などのハロスルホン酸化合物、又は環状スルホネート(スルトン)を挙げることができる。
ある特定の実施形態では、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を、本明細書に開示される物質輸送制限膜のいずれかに組み込むことができる。
したがって、本明細書に記載の分析物センサの少なくとも一部は、少なくとも第1の作用電極、第1の作用電極の表面上に配置された第1の活性領域、及び少なくとも第1の活性領域をオーバーコートする、第1の分析物に対して透過性の物質輸送制限膜を含むセンサ尾部を含むことができる。第1の活性領域は、第1のポリマーと、第1のポリマーに共有結合し第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素とを含む。ある特定の実施形態では、物質輸送制限膜は、2つ以上又は3つ以上の架橋性基を含む分岐鎖グリシジルエーテル架橋剤、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル又はポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルで架橋された膜ポリマーを含む。
ある特定の実施形態では、異なる分析物をアッセイするように構成された第1の活性領域及び第2の活性領域が別個の作用電極上に配置される場合、物質輸送制限膜は、第1の分析物と第2の分析物に対して異なる透過率値を有することができる。各作用電極の膜の厚さ及び/又は活性領域のサイズを変えて各分析物の感度を平準化することができるが、このアプローチは分析物センサの製造を大幅に複雑にする可能性がある。解決策として、活性領域の少なくとも1つをオーバーコートする物質輸送制限膜は、第1の膜ポリマーと第2の膜ポリマーの混合物、又は第1の膜ポリマーと第2の膜ポリマーの二重層を含むことができる。均質な膜は、混合物又は二重層でオーバーコートされていない活性領域をオーバーコートすることができ、均質な膜は第1の膜ポリマー又は第2の膜ポリマーの一方のみを含む。有利には、本明細書に開示される分析物センサのアーキテクチャによって、分析物センサの第1の活性領域上に配置される均質な膜部分と、第2の活性領域上に配置される多成分膜部分とを有する連続膜が容易に可能になり、これにより、各分析物の透過性値が同時に平準化され、感度及び検出精度が向上する。連続的な膜堆積は、特定の実施形態では、連続的なディップコーティング操作によって行うことができる。
一般に、膜の厚さは、膜溶液の濃度によって、適用される膜溶液の滴数によって、センサを膜溶液に浸漬又はそれで噴霧する回数によって、センサに噴霧される膜溶液の量によってなど、及びこれらの要因のあらゆる組み合わせによって制御される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の膜は、約0.1マイクロメートル(μm)~約1,000μm、例えば、約1μm~約500μm、約10μm~約100μm、又は約10μm~約100μmの範囲の厚さを有し得る。ある特定の実施形態では、センサを膜溶液に複数回浸漬することができる。例えば、限定するものではないが、本開示のセンサ(又は作用電極)は、所望の膜厚さを得るために、膜溶液に少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、又は少なくとも5回浸漬することができる。
6.干渉ドメイン
ある特定の実施形態では、本開示のセンサ、例えばセンサ尾部は、干渉ドメインをさらに含むことができる。ある特定の実施形態では、干渉ドメインは、例えば作用電極の表面への1種若しくは複数種の干渉物質の流れを制限するポリマードメインを含むことができる。ある特定の実施形態では、干渉ドメインは、作用電極によって測定される分析物及び他の物質を通過させる一方、干渉物質などの他の物質の通過を妨げるモレキュラーシーブとして機能することができる。ある特定の実施形態では、干渉物質は、作用電極で得られる信号に影響を与える可能性がある。干渉物質の非限定的な例としては、アセトアミノフェン、アスコルベート、アスコルビン酸、ビリルビン、コレステロール、クレアチニン、ドーパミン、エフェドリン、イブプロフェン、L-ドーパ、メチルドーパ、サリチレート、テトラサイクリン、トラザミド、トルブタミド、トリグリセリド、尿素及び尿酸が挙げられる。
ある特定の実施形態では、干渉ドメインは、作用電極と1つ又は複数の活性領域との間に配置される。ある特定の実施形態では、干渉ドメインで使用することができるポリマーの非限定的な例としては、ポリウレタン、ペンダントイオン基を有するポリマー、及び制御された細孔径を有するポリマーが挙げられる。ある特定の実施形態では、干渉ドメインは、1種又は複数種のセルロース誘導体から形成される。セルロース誘導体の非限定的な例としては、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、2-ヒドロキシエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロースなどのポリマーが挙げられる。
ある特定の実施形態では、干渉ドメインは物質輸送制限膜の一部であり、別個の膜ではない。ある特定の実施形態では、干渉ドメインは、1つ又は複数の活性領域と物質輸送制限膜との間に位置する。
ある特定の実施形態では、干渉ドメインは、非膨潤性でありかつ高分子量種の拡散を制限する薄い疎水性膜を含む。例えば、限定するものではないが、干渉ドメインは、ケトン、グルコース、アセトアミノフェン及び/又はアスコルビン酸などの高分子量物質の通過を制限しながら、過酸化水素などの比較的低分子量の物質に対して透過性を有することができる。
ある特定の実施形態では、干渉ドメインは、作用電極上、例えば透過性作用電極の表面上に直接堆積させることができる。ある特定の実施形態では、干渉ドメインは、約0.1μm~約1,000μm、例えば、約1μm~約500μm、約10μm~約100μm、又は約10μm~約100μmの範囲の厚さ、例えば乾燥厚さを有する。ある特定の実施形態では、干渉ドメインは、約0.1μm~約10μm、例えば、約0.5μm~約10μm、約1μm~約10μm、約1μm~約5μm、又は約0.1μm~約5μmの厚さを有することができる。ある特定の実施形態では、センサを干渉ドメイン溶液に複数回浸漬することができる。例えば、限定するものではないが、本開示のセンサ(又は作用電極)は、所望の干渉ドメイン厚さを得るために、干渉ドメイン溶液に少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、又は少なくとも5回浸漬することができる。
III.使用方法
本開示は、本明細書に開示される分析物センサ及び酸化還元メディエーターを使用する方法をさらに提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、分析物を検出するための方法を提供する。例えば、限定するものではないが、本開示は、1種又は複数種の分析物、例えば、グルタメート、グルコース、ケトン、ラクテート、酸素、ヘモグロビンA1C、アルブミン、アルコール、アルカリホスファターゼ、アラニントランスアミナーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ビリルビン、血中尿素窒素、カルシウム、二酸化炭素、塩化物、クレアチニン、ヘマトクリット、アスパルテート、アスパラギン、マグネシウム、酸素、pH、リン、カリウム、ナトリウム、総タンパク質、又は尿酸、を検出するための方法を提供する。
ある特定の実施形態では、分析物は、グルコース、ケトン、ラクテート、アルコール及び/又はクレアチニンである。ある特定の実施形態では、本開示は、例えば第1の分析物としてグルコースを検出するための方法を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、1種又は複数種のケトンを検出するための方法を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、グルコース及びケトンを検出するための方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象において分析物を検出するための方法を提供する。ある特定の実施形態では、対象は、分析物の調節不全に関連する疾患又は障害を有する。
ある特定の実施形態では、対象はグルコースレベルを監視する必要がある。例えば、限定されるものではないが、それを必要とする対象は、糖尿病を有するリスクがある、又は糖尿病を有する対象である。或いは、対象のグルコースレベルを、健康について監視することもできる。健康データとしては、例として、体重、心拍数、血圧、血糖値など、人の健康に関連するあらゆるタイプのデータを一般に挙げることができる。ある特定の実施形態では、体重管理のため、より良好な睡眠を得るため、及び/又は対象の具合をより良好にし、より明晰な思考を助けるために、対象のグルコースレベルを監視することができる。
ある特定の実施形態では、ケトンレベルを監視する必要がある対象は、ケトジェニックダイエット中の対象である。ある特定の実施形態では、本開示は、ケトーシス状態にある対象におけるケトンレベルを検出するための方法、又はケトーシスの状態を維持するために対象におけるケトンレベルを検出するための方法を提供する。ある特定の実施形態では、本開示の分析物センサを使用して、対象がケトジェニックダイエットを確実に遵守するようにすることができる。例えば、限定するものではないが、本開示の分析物センサを使用して試料中のケトンのレベルを測定し、ケトーシスを維持するために食事を調整又は改変するように対象に知らせることができる。ある特定の実施形態では、本開示は、ケトアシドーシスを発症するリスクがある対象におけるケトンレベルを検出するための方法を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、糖尿病性ケトアシドーシスを発症するリスクがある対象におけるケトンレベルを検出するための方法を提供する。ある特定の実施形態では、本開示のセンサは、糖尿病性ケトアシドーシスを監視及び/又は予防するために使用することができる。例えば、限定するものではないが、本開示のセンサは、対象、例えば、糖尿病を有する対象における糖尿病性ケトアシドーシスを監視及び/又は予防するために、ケトン及びグルコースを検出するためのセンシング化学を含む。代替的に又は追加的に、本開示のセンサは、糖尿病性ケトアシドーシスを監視及び/又は予防するために、グルコースセンサ(又はグルコース応答活性領域)と組み合わせて使用することができる。ある特定の実施形態では、本開示のセンサは、対象におけるケトンレベルを監視するため、例えば、ケトジェニックダイエットの遵守を監視するため、ケトーシスの状態を維持するため、並びに/又は糖尿病性ケトアシドーシスを監視及び/若しくは予防するための用途で使用することができる。ある特定の実施形態では、ケトジェニックダイエットは、減量を促進するため、並びにてんかん患者の状態の管理を助けるために有益であり得る。
ある特定の実施形態では、対象はラクテートレベルを監視する必要がある。ある特定の実施形態では、ラクテートレベルを監視する必要がある対象は、運動選手、例えば、プロの運動選手である。ある特定の実施形態では、運動レジメン中のラクテートレベルの監視を、パフォーマンスの指標として使用することができる。ある特定の実施形態では、ラクテートレベルの監視は、種々の形態の敗血症及び/又は関連する感染を診断、監視、及び/又は評価するのに有用であり得る。例えば、限定するものではないが、本開示に従ってラクテートの濃度を決定することにより、敗血症及び/又は感染をより効果的に監視、評価、及び/又は管理することが可能になる。或いは、本開示の分析物センサは、敗血症及び/又は感染のリスクがあるが、現在どちらの状態の兆候も示していない対象(例えば、入院中の患者)を監視するために利用することができる。
ある特定の実施形態では、本開示の方法は、(i)少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部;第1の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物に、例えば低電位で応答する第1の活性領域であって、第1のポリマー、第1のポリマーに共有結合した第1の酸化還元メディエーター、及び第1のポリマーに共有結合した、第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含み、酸化還元メディエーターは、式I~LVのいずれか1つの構造を含み、例えば、式XLI~LVによって表される構造を有する、第1の活性領域;並びに少なくとも第1の活性領域をオーバーコートする、第1の分析物に対して透過性の物質輸送制限膜を含む、分析物センサを提供するステップ;(ii)第1の作用電極に電位、例えば低電位を印加するステップ;(iii)第1の活性領域の酸化還元電位以上の第1の信号を取得するステップであって、第1の信号は、第1の活性領域に接触する流体中の第1の分析物の濃度に比例している、ステップ;並びに(iv)第1の信号を流体中の第1の分析物の濃度と相関させるステップを含む。
ある特定の実施形態では、本開示の方法は、(i)第1の分析物を含む分析物センサを流体に曝露するステップであって、分析物センサは、少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部;第1の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物に、例えば低電位で応答する第1の活性領域であって、第1の活性領域は、第1のポリマー、第1のポリマーに共有結合した第1の酸化還元メディエーター、及び第1のポリマーに共有結合した、第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含み、酸化還元メディエーターは、式I~LVのいずれか1つの構造を含み、例えば、式XLI~LVによって表される構造を有する、第1の活性領域;並びに少なくとも第1の活性領域をオーバーコートする、第1の分析物に対して透過性の物質輸送制限膜;を含む、ステップ;(ii)第1の作用電極に電位、例えば低電位を印加するステップ;(iii)第1の活性領域の酸化還元電位以上の第1の信号を取得するステップであって、第1の信号は流体中の第1の分析物の濃度に比例している、ステップ;及び(iv)第1の信号を流体中の第1の分析物の濃度と相関させるステップを含むことができる。
ある特定の実施形態では、第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素は、第1の分析物に集合的に応答する複数種の酵素を含む酵素系を含む。ある特定の実施形態では、第1の分析物は、1種又は複数種のケトンを含む。ある特定の実施形態では、第1の分析物はグルコースである。
ある特定の実施形態では、開示された方法で使用するための分析物センサは、第2の作用電極;並びに第2の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物とは異なる第2の分析物に応答する第2の活性領域であって、第2のポリマー、第2のポリマーに共有結合した、第1の酸化還元メディエーターとは異なる第2の酸化還元メディエーター、及び第2のポリマーに共有結合した、第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含む、第2の活性領域をさらに含むことができ、物質輸送制限膜の第2の部分は、第2の活性領域をオーバーコートする。ある特定の実施形態では、第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素は、第2の分析物に集合的に応答する複数種の酵素を含む酵素系を含む。ある特定の実施形態では、第2の分析物はグルコースを含む。
ある特定の実施形態では、分析物センサの物質輸送制限膜は、3つ以上の架橋性基を含む分岐鎖架橋剤で架橋された膜ポリマーを含む。ある特定の実施形態では、膜ポリマーはポリビニルピリジン又はポリビニルイミダゾールを含む。ある特定の実施形態では、膜ポリマーは、ビニルピリジンとスチレンのコポリマーを含む。ある特定の実施形態では、分岐鎖架橋剤には、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル又はポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルが含まれる。
IV.例示的な実施形態
A.ある特定の非限定的な実施形態では、本明細書で開示される主題は、
(i)少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部;
(ii)第1の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物に応答する第1の活性領域であって、酸化還元メディエーター、及び第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含み;
第1の酸化還元メディエーターは、式I~XXIからなる群から選択される少なくとも1つの三座配位子を含み、
式中、R1及びR3は、H、アルコキシ基、アルキル基、アルキルアミド基、アルキルアミノ又は連結基から独立して選択されており、
2は、H、電子供与基、又は酸化還元メディエーターを第1のポリマーに結合することができる連結基から選択される、第1の活性領域;並びに
(iii)少なくとも第1の活性領域をオーバーコートする、第1の分析物に対して透過性の物質輸送制限膜
を含む分析物センサを提供する。
A1.第1の活性領域が、第1のポリマーをさらに含む、Aに記載の分析物センサ。
A2.酸化還元メディエーターが、例えばR2の連結基を介して、第1のポリマーに共有結合している、A1に記載の分析物センサ。
A3.第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素が第1のポリマーに共有結合している、A1又はA2に記載の分析物センサ。
A4.連結基が、酸化還元メディエーターを第1のポリマーに結合することができる、A1~A3のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A5.R1及び/又はR3がアルキル基である、A~A4のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A6.アルキル基が、メチル基、エチル基、C1-C12直鎖アルキル基、及び分岐鎖アルキル基からなる群から選択される、A5に記載の分析物センサ。
A7.R1及び/又はR3がポリエーテル基である、A~A4のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A8.R1及び/又はR3が、アルコキシ基、例えばメトキシ基又はエトキシ基である、A~A4のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A9.第1の酸化還元メディエーターが、式I~XXIからなる群から選択される2つの三座配位子を含む、A~A8のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A10.第1の酸化還元メディエーターが、金属との錯体(例えば、配位錯体)中に式I~XXIからなる群から選択される2つの三座配位子を含む、A~A9のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A11.金属がオスミウムである、A10に記載の分析物センサ。
A12.三座配位子が式XXII~XLからなる群から選択される、A~A11のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A13.第1の活性領域は、約10質量%~約80質量%の第1の酸化還元メディエーターを含む、A~A12のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A14.第1の活性領域が、第1の分析物に集合的に応答する複数の酵素、例えばグルコースオキシダーゼを含む酵素系を含む、A~A13のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A15.第1の分析物がグルコースを含む、A~A14のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A16.第1の活性領域が、安定化剤をさらに含む、A~A15のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A17.第1の活性領域が、架橋剤をさらに含む、A~A16のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A18.第1の活性領域が、補因子をさらに含む、A~A17のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A19.物質輸送制限膜が、ポリビニルピリジンベースのポリマー、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、シリコーン、又はそれらの組み合わせを含む、A~A18のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A20.物質輸送制限膜が、ポリビニルピリジン又はポリビニルイミダゾールを含む、A19に記載の分析物センサ。
A21.物質輸送制限膜が、ポリビニルピリジンベースのポリマーを含む、A19に記載の分析物センサ。
A22.膜ポリマーが、ビニルピリジンとスチレンのコポリマーを含む、A19に記載の分析物センサ。
A23.
(iv)第2の作用電極;及び
(v)第2の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物とは異なる第2の分析物に応答する第2の活性領域であって、第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含む、第2の活性領域
をさらに含む、A~A22のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A24.物質輸送制限膜の第2の部分が第2の活性領域をオーバーコートする、A23に記載の分析物センサ。
A25.第2の活性領域をオーバーコートする第2の物質輸送制限膜をさらに含む、又は第2の活性領域及び第1の活性領域をオーバーコートする第2の物質輸送制限膜をさらに含む、A23に記載の分析物センサ。
A26.第2の活性領域が、第2の酸化還元メディエーターをさらに含む、A23~A25のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A27.第2の分析物がケトンである、A23~A26のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A28.対象からの間質液中の第1の分析物及び/又は第2の分析物を検出するように構成されている、A~A27のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A29.糖尿病を有する対象に埋め込まれる、A~A28のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A30.ケトアシドーシスを起こしている、又はケトアシドーシスを起こすリスクがある対象に埋め込まれる、A~A29のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A31.ケトジェニックダイエット中の対象に埋め込まれる、A~A28のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A32.ケトーシス状態にある対象、又はケトーシス状態を維持する必要がある対象に埋め込まれる、A~A31のいずれか1つに記載の分析物センサ。
A33.ラクテートモニタリングが必要な対象に埋め込まれる、A~A28のいずれか1つに記載の分析物センサ。
B.ある特定の非限定的な実施形態では、本明細書で開示される主題は、
(i)少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部;
(ii)第1の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物に応答する第1の活性領域であって、第1の酸化還元メディエーター、及び第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含む、第1の活性領域;並びに
(iii)少なくとも第1の活性領域をオーバーコートする、第1の分析物に対して透過性の物質輸送制限膜
を含む分析物センサであって、
第1の酸化還元メディエーターは、式I~XXIからなる群から選択される構造を有する、分析物センサを提供する。
C.ある特定の非限定的な実施形態では、本明細書で開示される主題は、
(i)少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部;
(ii)第1の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物に応答する第1の活性領域であって、第1の酸化還元メディエーター、及び第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含み;
第1の酸化還元メディエーターは、以下の構造:
Figure 2024503316000069

(式中、Mは鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、又はバナジウムであり;
nは、I、II、III、IV又はVであり;
1、R3、R’1、及びR’3は、H、アルキルアミド基、アルキルアミノ基、アルコキシ又はアルキル基から独立して選択され;
2及びR’2は、H、電子供与基、又は連結基から独立して選択される)
を有する、第1の活性領域;並びに
(iii)少なくとも第1の活性領域をオーバーコートする、第1の分析物に対して透過性の物質輸送制限膜
を含む分析物センサを提供する。
C1.第1の活性領域が、第1のポリマーをさらに含む、B及びCに記載の分析物センサ。
C2.第1の酸化還元メディエーターが第1のポリマーに共有結合している、C1に記載の分析物センサ。
C3.第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素が第1のポリマーに共有結合している、C1又はC2に記載の分析物センサ。
C4.連結基が、第1の酸化還元メディエーターを第1のポリマーに結合することができる、C1~C3のいずれか1つに記載の分析物センサ。
C5.第1の分析物がグルコースである、C~C4のいずれか1つに記載の分析物センサ。
C6.第1の分析物がケトンである、C~C4のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D.ある特定の非限定的な実施形態では、本明細書で開示される主題は、
(i)少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部;
(ii)第1の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物に応答する第1の活性領域であって、第1の活性領域は、第1のポリマー、第1のポリマーに共有結合した第1の酸化還元メディエーター、及び第1のポリマーに共有結合した、第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含み、
第1の酸化還元メディエーターは、以下の構造:
Figure 2024503316000070

(式中、Mは鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、又はバナジウムであり;
nは、I、II、III、IV又はVであり;
1、R3、R’1、及びR’3は、H、アルキルアミド基、アルキルアミノ基、アルコキシ又はアルキル基から独立して選択され;
2及びR’2は、H、電子供与基、又は連結基から独立して選択され;
連結基は、第1の酸化還元メディエーターを第1のポリマーに共有結合している)
を有する、第1の活性領域;並びに
(iii)少なくとも第1の活性領域をオーバーコートする、第1の分析物に対して透過性の物質輸送制限膜
を含む分析物センサを提供する。
D1.第1の活性領域が、約10質量%~約80質量%の第1の酸化還元メディエーターを含む、B~Dのいずれか1つに記載の分析物センサ。
D2.少なくとも1種の酵素が、第1の分析物に集合的に応答する複数の酵素を含む酵素系を含む、B~D1のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D3.第1の分析物がグルコースである、B~D2のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D4.第1の活性領域が、安定化剤をさらに含む、B~D3のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D5.第1の活性領域が、架橋剤をさらに含む、B~D4のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D6.第1の活性領域が、補因子をさらに含む、B~D5のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D7.物質輸送制限膜が、ポリビニルピリジンベースのポリマー、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、シリコーン、又はそれらの組み合わせを含む、B~D6のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D8.物質輸送制限膜が、ポリビニルピリジン又はポリビニルイミダゾールを含む、D7に記載の分析物センサ。
D9.物質輸送制限膜が、ポリビニルピリジンベースのポリマーを含む、D7に記載の分析物センサ。
D10.膜ポリマーが、ビニルピリジンとスチレンのコポリマーを含む、D7に記載の分析物センサ。
D11.
(iv)第2の作用電極;及び
(v)第2の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物とは異なる第2の分析物に応答する第2の活性領域であって、第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含む、第2の活性領域
をさらに含む、B~D10のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D12.物質輸送制限膜の第2の部分が第2の活性領域をオーバーコートする、D11に記載の分析物センサ。
D13.第2の活性領域をオーバーコートする第2の物質輸送制限膜をさらに含む、又は第2の活性領域及び第1の活性領域をオーバーコートする第2の物質輸送制限膜をさらに含む、D11に記載の分析物センサ。
D14.第2の活性領域が、第2の酸化還元メディエーターをさらに含む、D11~D13のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D15.第2の分析物がケトンである、D11~D14のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D16.MがOsである、C~D15のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D17.第1の酸化還元メディエーターが、以下の構造:
Figure 2024503316000071
を有する、C~D16のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D18.第1の酸化還元メディエーターが、以下の構造:
Figure 2024503316000072
(式中、nはII又はIIIである)
を有する、C~D17のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D19.連結基がアミド結合を含む、C~D18のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D20.
(iv)第2の作用電極;並びに
(v)第2の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物とは異なる第2の分析物に応答する第2の活性領域であって、第2のポリマー、第2のポリマーに共有結合した、第1の酸化還元メディエーターとは異なる第2の酸化還元メディエーター、及び第2のポリマーに共有結合した、第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含む、第2の活性領域
をさらに含み、物質輸送制限膜の第2の部分が、第2の活性領域をオーバーコートする、D~D19のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D21.第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素が、第2の分析物に集合的に応答する複数種の酵素を含む酵素系を含む、D20に記載の分析物センサ。
D22.第2の分析物が、1種又は複数種のケトンを含む、D20又はD21に記載の分析物センサ。
D23.第1の活性領域が、第1の酸化還元メディエーターの酸化還元電位より高く、Ag/AgCl参照に対して約-80mV未満である電位で第1の分析物に応答する、D~D22のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D24.対象からの間質液中の第1の分析物及び/又は第2の分析物を検出するように構成されている、D~D23のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D25.糖尿病を有する対象に埋め込まれる、D~D24のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D26.ケトアシドーシスを起こしている、又はケトアシドーシスを起こすリスクがある対象に埋め込まれる、D~D25のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D27.ケトジェニックダイエット中の対象に埋め込まれる、D~D24のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D28.ケトーシス状態にある対象、又はケトーシス状態を維持する必要がある対象に埋め込まれる、D~D27のいずれか1つに記載の分析物センサ。
D29.ラクテートモニタリングが必要な対象に埋め込まれる、D~D24のいずれか1つに記載の分析物センサ。
E.ある特定の非限定的な実施形態では、本明細書で開示される主題は、第1の分析物を検出するためにA~D23のいずれか1つの分析物センサを使用する方法を提供する。
E1.第1の分析物がグルコースである、Eに記載の方法。
E2.第1の分析物がケトンである、Eに記載の方法。
E3.第1の分析物がラクテートである、Eに記載の方法。
E4.第1の分析物がアルコールである、Eに記載の方法。
F.ある特定の非限定的な実施形態では、本明細書で開示される主題は、第1の分析物を検出するための方法であって、
(i)
(a)少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部;
(b)第1の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物に応答する第1の活性領域であって、第1の活性領域は、第1のポリマー、第1のポリマーに共有結合した第1の酸化還元メディエーター、及び第1のポリマーに共有結合した、第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含み、
第1の酸化還元メディエーターは、以下の構造:
Figure 2024503316000073

(式中、Mは鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、又はバナジウムであり;
nは、I、II、III、IV又はVであり;
1、R3、R’1、及びR’3は、H、アルキルアミド基、アルキルアミノ基、アルコキシ又はアルキル基から独立して選択され;
2及びR’2は、H、電子供与基、又は連結基から独立して選択され;
連結基は、第1の酸化還元メディエーターを第1のポリマーに共有結合している)
を有する、第1の活性領域;並びに
(c)少なくとも第1の活性領域をオーバーコートする、第1の分析物に対して透過性の物質輸送制限膜
を含む分析物センサを提供するステップ;
(ii)第1の作用電極に電位を印加するステップ;
(iii)第1の活性領域の酸化還元電位以上の第1の信号を取得するステップであって、第1の信号は、第1の活性領域に接触する流体中の第1の分析物の濃度に比例している、ステップ;及び
(iv)第1の信号を流体中の第1の分析物の濃度と相関させるステップ
を含む方法を提供する。
F1.第1の活性領域が、約10質量%~約80質量%の第1の酸化還元メディエーターを含む、Fに記載の方法。
F2.少なくとも1種の酵素が、第1の分析物に集合的に応答する複数の酵素を含む酵素系を含む、F又はF1に記載の方法。
F3.第1の分析物がグルコースを含む、F~F2のいずれか1つに記載の方法。
F4.第1の活性領域が、安定化剤をさらに含む、F~F3のいずれか1つに記載の方法。
F5.第1の活性領域が、架橋剤をさらに含む、F~F4のいずれか1つに記載の方法。
F6.第1の活性領域が、補因子をさらに含む、F~F5のいずれか1つに記載の方法。
F7.物質輸送制限膜が、ポリビニルピリジンベースのポリマー、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、シリコーン、又はそれらの組み合わせを含む、F~F6のいずれか1つに記載の方法。
F8.物質輸送制限膜が、ポリビニルピリジン又はポリビニルイミダゾールを含む、F7に記載の方法。
F9.物質輸送制限膜が、ポリビニルピリジンベースのポリマーを含む、F7に記載の方法。
F10.膜ポリマーが、ビニルピリジンとスチレンのコポリマーを含む、F7に記載の方法。
F11.
(iv)第2の作用電極;及び
(v)第2の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物とは異なる第2の分析物に応答する第2の活性領域であって、第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含む、第2の活性領域
をさらに含む、F~F10のいずれか1つに記載の方法。
F12.物質輸送制限膜の第2の部分が第2の活性領域をオーバーコートする、F11に記載の方法。
F13.第2の活性領域をオーバーコートする第2の物質輸送制限膜をさらに含む、又は第2の活性領域及び第1の活性領域をオーバーコートする第2の物質輸送制限膜をさらに含む、F11に記載の方法。
F14.第2の活性領域が、第2の酸化還元メディエーターをさらに含む、F11~F13のいずれか1つに記載の方法。
F15.第2の分析物がケトンである、F11~F14のいずれか1つに記載の方法。
F16.電位が、第1の酸化還元メディエーターの酸化還元電位より高く、Ag/AgCl参照に対して約-80mV未満である、F~F15のいずれか1つに記載の方法。
F17.第2の活性領域が、第2のポリマー、第2のポリマーに共有結合した、第1の酸化還元メディエーターとは異なる第2の酸化還元メディエーター、及び第2のポリマーに共有結合した、第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含む、F11~F16のいずれか1つに記載の方法。
F18.第1の酸化還元メディエーターが、以下の構造:
Figure 2024503316000074
を有する、F~F17のいずれか1つに記載の方法。
F19.第1の酸化還元メディエーターが、以下の構造:
Figure 2024503316000075
(式中、nはII又はIIIである)
を有する、F~F19のいずれか1つに記載の方法。
本明細書で開示される主題は、本明細書で開示される主題の例示として提供されるものであり、限定するものではない以下の実施例を参照することによってよりよく理解されるであろう。
(実施例1)
三座配位子の合成。2,6-ビス(N-メチルイミダゾール-2-イル)-ピリジン及び2,6-ビス(N-メチルイミダゾール-2-イル)-4-(ジメチルアミノ)-ピリジン
本実施例は、式XXIIIの三座配位子(化合物(3a))を調製するための例示的な方法を提供する。配位子は、以下の3つのステップで調製することができる。
Figure 2024503316000076
スキームIa
MeOH中の2,6-ピリジンジカルボニトリル(1a)の溶液に、窒素雰囲気下でNaOMe/MeOHを加え、混合物を室温で4時間撹拌した。続いて、2,2-ジメトキシエタンアミン及びHOAcを反応混合物に加えた。次いで、反応混合物を油浴中で55℃まで1時間加熱し、室温まで冷却した。次いで、MeOH及び6N HCl(水溶液)を反応混合物に順次加えた。反応フラスコに還流凝縮器を取り付け、反応混合物を80℃で一晩還流させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却させ、溶媒を回転蒸発により除去した。中間生成物(2a)をEtOAc/H2O後処理により単離した。
単離した中間生成物(2a)をアルゴン雰囲気下でDMFに溶解した。次いで、反応混合物を氷浴中で冷却し、NaHを反応混合物に3回に分けてゆっくりと加えた。NaHの添加後、反応混合物を氷浴中で約1時間撹拌した。メチルp-トルエンスルホネート(MPTS)をDMF中に溶解し、反応混合物滴加した。反応混合物を15分間撹拌した後、NaHをクエンチした。生成物(3a)を有機CH3Cl/H2O後処理により単離した。
本実施例は、式XXVの三座配位子(化合物(4b))を調製するための例示的な方法も提供する。配位子は、4-クロロピリジン-2,6-ジカルボニトリル(化合物(1))から出発して、スキームIbに示されるように4つのステップで合成される。
Figure 2024503316000077
スキームIb
MeOH中の4-クロロピリジン-2,6-ジカルボニトリルの溶液に、窒素雰囲気下でNaOMe/MeOHを加え、混合物を室温で4時間撹拌した。続いて、2,2-ジメトキシエタンアミン及びHOAcを反応混合物に加えた。次いで、反応混合物を油浴中で55℃まで1時間加熱し、室温まで冷却した。次いで、MeOH及び6N HCl(水溶液)を反応混合物に順次加えた。反応フラスコに還流凝縮器を取り付け、反応混合物を80℃で一晩還流させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却させ、溶媒を回転蒸発により除去した。中間生成物(2b)をEtOAc/H2O後処理により単離した。
次いで、中間生成物(2b)をDMF中に溶解し、ジメチルアミン塩酸塩及びDMF/K2CO3を反応混合物に加えた。反応混合物を110~120℃で5日間加圧反応させた。この時間経過及び後処理の後、中間生成物(3b)を単離した。
中間生成物(3b)のメチル化を、上記と同様に実行した。具体的には、鉱油中のNaH(2.2当量)をアルゴン下でDMF中の化合物(3b)の溶液にゆっくりと加え、続いてメチルp-トルエンスルホネート(MPTS、2.2当量)を加えた。反応混合物を氷浴中で3日間撹拌した。次いで、反応混合物を後処理して、配位子(4b)を生成した。
(実施例2)
エチレンジアミン連結基を有する三座2,6-ビス(N-メチルイミダゾール-2-イル)-ピリジン配位子の合成
本実施例は、スキームIIに示すように、化合物(5)から出発して式XXIVの三座配位子(化合物(7))を調製するための例示的な方法を提供する。
Figure 2024503316000078
スキームII
本実施例は、スキームIIIに示すように、化合物(8)から出発して式XXVIIIの三座配位子(化合物(11))を調製するための例示的な方法をさらに提供する。
Figure 2024503316000079
スキームIII
4-クロロ-2,6-ビス(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン(8)に、2-(メチルアミノ)エタン-1-オールのニート溶液を加え、反応混合物を圧力フラスコ内で125℃にて48~72時間加熱した。得られた生成物(9)を、塩化メシル及びトリエチルアミンを使用してメシル化した。次いで、メシル化中間体(10)を圧力フラスコ内で65~70℃の温度でメタノール性アンモニアで処理して、配位子(11)(2-((2,6-ビス(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)(メチル)アミノ)エチルメタンスルホネート)を得て、これをカラムクロマトグラフィーで精製した。
(実施例3)
ポリマー三座酸化還元メディエーターの合成
本実施例は、式XXV及びXXIVの三座配位子から式XLVの例示的な酸化還元メディエーター(化合物(7))を生成する例示的な方法を提供する。この化合物は、アンモニウムヘキサクロロオスメート((NH42OsCl6)、並びに化合物(4)及び(6)(上記でそれぞれ化合物(4a)及び(7)と示される)を使用して、スキームIVに示されているように合成する。
Figure 2024503316000080
スキームIV
化合物(4)及び(6)を(NH42OsCl6に連続的に加えて、式XLVの酸化還元メディエーターに対する選択性を達成した。分取HPLCを実行して、2つの同じ配位子を含む複合体から式XLVの酸化還元メディエーターを単離した。
酸化還元メディエーター(化合物(7))はさらに、連結基のNH2基を介してポリマーに共有結合させた。特に、スキームVに示すように、酸化還元メディエーター(7)は、連結基のNH2基とブロモヘキサン酸で誘導体化されたポリ(4-ビニル)ピリジン(PVP-COOH)のCOOH基との反応によって、ポリビニルピリジン(PVP)に結合し、アミド結合を形成する。
Figure 2024503316000081
スキームV
(実施例4)
酸化還元メディエーターの分析
本実施例は、例示的な酸化還元メディエーターのサイクリックボルタンメトリーを提供する。図23A、24A、25A、26A、27A、28A、29A、及び31Aは、分析された例示的な酸化還元メディエーターの化学構造を提供する。図23B、24B、25B、26B、27B、28B、29B、及び31Bは、分析された酸化還元メディエーターのサイクリックボルタモグラムを提供する。全般的に、サイクリックボルタンメトリー法は以下のように実行した。ユニット:CH Instruments;作用電極:ガラス状炭素;対電極:グラファイト;参照電極:Ag/AgCl;スキャン速度:0.1V/秒;PBS緩衝液に溶解した試料。図25Bは、0.2V/秒のスキャン速度で実行した。図26B及び29Bは、いずれの場合も記載の化合物(ヘテロ錯体)を含有するが、両方のホモ錯体も含有する粗混合物である。図31Bは、図31Aの錯体を用いて作製された完全なセンサのサイクリックボルタモグラムを示す。
(実施例5)
低O2条件下でのグルコースの検出
本実施例は、グルコースを検出するように構成され、本開示の酸化還元メディエーターを含むセンサの分析を提供する。
図32Aは、低酸素条件下で図25Aに示される酸化還元メディエーターを組み込んだグルコースセンサの電流対時間のプロットを示す。図32Bは、低酸素条件下で図25Aに示される酸化還元メディエーターを組み込んだグルコースセンサの電流対グルコースのプロットを示す。図25Aの酸化還元メディエーターは遊離形態であり、ポリマーに共有結合していない。
図33Aは、低酸素条件下で図31Aに示される酸化還元メディエーターを組み込んだグルコースセンサの電流対時間のプロットを示す。図33Bは、低酸素条件下で図31Aに示される酸化還元メディエーターを組み込んだグルコースセンサの電流対グルコースのプロットを示す。図31Aに示すように、酸化還元メディエーターはポリマーPVPに共有結合している。
図32A~B及び33A~Bでは、センサは、酸化還元媒介成分としてそれぞれ25A又は31Aの酸化還元メディエーターを含有するセンシング層を用いて構築され、膜層でコーティングされ、温度制御されたビーカー内のPBS溶液中で低酸素状態にて試験した。図32A及び33Aにおける電流の段階的増加は、制御された注入量でのグルコースの添加に対応する。グルコース応答の線形性は、図32B及び33Bにおいて評価することができる。図32Bで観察される非線形性は、おそらく非結合メディエーターによるものであり、図33Bでメディエーターがポリマーに結合している場合には観察されない。
本明細書にて開示される主題及びその利点が詳細に説明されているが、開示される主題の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書において種々の変更、置換及び改変を行うことができることを理解されたい。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載されるプロセス、機械、製造、及び組成物、方法及びプロセスの特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。
当業者であれば、本明細書にて開示される主題の開示される主題から、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか、又は実質的に同じ結果を達成する、現在存在するか、又は今後開発されるプロセス、機械、製造、組成物、方法、又はステップを、本明細書にて開示される主題に従って利用することができることを、容易に理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機械、製造、組成物、方法、又はステップをその範囲内に含むことが意図されている。
種々の特許、特許出願、刊行物、製品説明、及びプロトコルが本出願全体にわたって引用されており、それらの発明は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (28)

  1. (i)少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部;
    (ii)前記第1の作用電極の表面上に配置され、第1の分析物に応答する第1の活性領域であって、第1の活性領域は、第1のポリマー、前記第1のポリマーに共有結合した第1の酸化還元メディエーター、及び前記第1のポリマーに共有結合した、前記第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含み、
    前記第1の酸化還元メディエーターは、以下の構造:
    Figure 2024503316000082

    (式中、Mは鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、又はバナジウムであり;
    nは、I、II、III、IV又はVであり;
    1、R3、R’1、及びR’3は、H、アルキルアミド基、アルキルアミノ基、アルコキシ又はアルキル基から独立して選択され;
    2及びR’2は、H、電子供与基、又は連結基から独立して選択され;
    前記連結基は、前記第1の酸化還元メディエーターを前記第1のポリマーに共有結合している)
    を有する、前記第1の活性領域;並びに
    (iii)少なくとも前記第1の活性領域をオーバーコートする、前記第1の分析物に対して透過性の物質輸送制限膜
    を含む分析物センサ。
  2. 前記少なくとも1種の酵素が、前記第1の分析物に集合的に応答する複数の酵素を含む酵素系を含む、請求項1に記載の分析物センサ。
  3. 前記第1の分析物がグルコースを含む、請求項2に記載の分析物センサ。
  4. 前記物質輸送制限膜が、3つ以上の架橋性基を含む分岐鎖架橋剤で架橋された膜ポリマーを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の分析物センサ。
  5. 前記物質輸送制限膜が、ポリビニルピリジンベースのポリマー、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、シリコーン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項4に記載の分析物センサ。
  6. 前記第1の活性領域が、(i)補因子、(ii)安定化剤、又は(iii)補因子及び安定化剤をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の分析物センサ。
  7. 前記分岐鎖架橋剤が、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル又はポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルを含む、請求項4に記載の分析物センサ。
  8. Mがオスミウムである、請求項1~7のいずれか1項に記載の分析物センサ。
  9. 前記第1の酸化還元メディエーターが、以下の構造を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の分析物センサ。
    Figure 2024503316000083
  10. 前記第1の酸化還元メディエーターが、以下の構造を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の分析物センサ。
    Figure 2024503316000084
    (式中、nはII又はIIIである)
  11. 前記連結基がアミド結合を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の分析物センサ。
  12. (iv)第2の作用電極;並びに
    (v)前記第2の作用電極の表面上に配置され、前記第1の分析物とは異なる第2の分析物に応答する第2の活性領域であって、第2のポリマー、前記第2のポリマーに共有結合した、前記第1の酸化還元メディエーターとは異なる第2の酸化還元メディエーター、及び前記第2のポリマーに共有結合した、前記第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含む、第2の活性領域
    をさらに含み、前記物質輸送制限膜の第2の部分は、前記第2の活性領域をオーバーコートする、請求項1~11のいずれか1項に記載の分析物センサ。
  13. 前記第2の分析物に応答する前記少なくとも1種の酵素が、前記第2の分析物に集合的に応答する複数種の酵素を含む酵素系を含む、請求項12に記載の分析物センサ。
  14. 前記第2の分析物が、1種又は複数種のケトンを含む、請求項12又は13に記載の分析物センサ。
  15. 前記第1の活性領域が、前記第1の酸化還元メディエーターの酸化還元電位より高く、Ag/AgCl参照に対して約-80mV未満である電位で前記第1の分析物に応答する、請求項1~14のいずれか1項に記載の分析物センサ。
  16. (i)
    (a)少なくとも第1の作用電極を含むセンサ尾部;
    (b)前記第1の作用電極の表面上に配置され、前記第1の分析物に応答する第1の活性領域であって、第1の活性領域は、第1のポリマー、前記第1のポリマーに共有結合した第1の酸化還元メディエーター、及び前記第1のポリマーに共有結合した、前記第1の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含み、
    前記第1の酸化還元メディエーターは、以下の構造:
    Figure 2024503316000085

    (式中、Mは鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、又はバナジウムであり;
    nは、I、II、III、IV又はVであり;
    1、R3、R’1、及びR’3は、H、アルキルアミド基、アルキルアミノ基、アルコキシ又はアルキル基から独立して選択され;
    2及びR’2は、H、電子供与基、又は連結基から独立して選択され;
    連結基は、第1の酸化還元メディエーターを第1のポリマーに共有結合している)
    を有する、前記第1の活性領域;並びに
    (c)前記少なくとも第1の活性領域をオーバーコートする、前記第1の分析物に対して透過性の物質輸送制限膜
    を含む分析物センサを提供するステップ;
    (ii)前記第1の作用電極に電位を印加するステップ;
    (iii)前記第1の活性領域の酸化還元電位以上の第1の信号を取得するステップであって、前記第1の信号が、前記第1の活性領域に接触する流体中の第1の分析物の濃度に比例している、ステップ;及び
    (iv)前記第1の信号を前記流体中の前記第1の分析物の濃度と相関させるステップ
    を含む方法。
  17. 前記少なくとも1種の酵素が、前記第1の分析物に集合的に応答する複数の酵素を含む酵素系を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第1の分析物がグルコースを含む、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 前記物質輸送制限膜が、3つ以上の架橋性基を含む分岐鎖架橋剤で架橋された膜ポリマーを含む、請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記物質輸送制限膜が、ポリビニルピリジンベースのポリマー、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、シリコーン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記第1の活性領域が、(i)補因子、(ii)安定化剤、又は(iii)補因子及び安定化剤をさらに含む、請求項16~20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記分岐鎖架橋剤には、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル又はポリエチレングリコールテトラグリシジルエーテルが含まれる、請求項19に記載の方法。
  23. 前記電位が、前記第1の酸化還元メディエーターの前記酸化還元電位より高く、Ag/AgCl参照に対して約-80mV未満である、請求項16~22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記分析物センサが、
    (d)第2の作用電極;並びに
    (e)前記第2の作用電極の表面上に配置され、前記第1の分析物とは異なる第2の分析物に応答する第2の活性領域であって、第2のポリマー、前記第2のポリマーに共有結合した、前記第1の酸化還元メディエーターとは異なる第2の酸化還元メディエーター、及び前記第2のポリマーに共有結合した、前記第2の分析物に応答する少なくとも1種の酵素を含む、第2の活性領域
    をさらに含み、前記物質輸送制限膜の第2の部分は、前記第2の活性領域をオーバーコートする、請求項16~23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記第2の分析物に応答する前記少なくとも1種の酵素が、前記第2の分析物に集合的に応答する複数種の酵素を含む酵素系を含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記第2の分析物が、1種又は複数種のケトンを含む、請求項24又は25に記載の方法。
  27. 前記第1の酸化還元メディエーターが、以下の構造を有する、請求項16~26のいずれか1項に記載の方法。
    Figure 2024503316000086
  28. 前記第1の酸化還元メディエーターが、以下の構造を有する、請求項16~27のいずれか1項に記載の方法。
    Figure 2024503316000087
    (式中、nはII又はIIIである)
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