JP2024503241A - 超伝導回路におけるデバイスを制御するためのシステム及び方法 - Google Patents

超伝導回路におけるデバイスを制御するためのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

超伝導集積回路及び制御器を含むシステムは、複数の電力線のそれぞれの1つの上の離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、超伝導集積回路の複数の磁束貯蔵デバイスの各々のそれぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線のそれぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、複数の磁束貯蔵デバイスの各々をリセットさせるように動作され得る。電力レベルは、複合ジョセフソン接合部のうちのジョセフソン接合部間の推定される最悪の非対称性に少なくとも部分的に基づき得る。システムは、複数のアドレス指定線をグループに分割し、及びグループの各対結合の各アドレス指定線にパルスのそれぞれのシーケンスを印加して、複数の磁束貯蔵デバイスの1つ又は複数をリセットさせるように動作され得る。

Description

技術分野
本開示は、概して、超伝導回路におけるデバイスをアドレス指定するためのシステム及び方法に関し、より詳細には、超伝導集積回路における超伝導磁束貯蔵デバイス及びデジタル/アナログ変換器(DAC)をリセットするためのシステム及び方法に関する。
背景
超伝導集積回路
超伝導性は、材料の電気抵抗が消え、磁束場を材料から追い出す、材料で観測される物理的性質のセットである。これらの性質を示す材料は、本出願で超伝導体と呼ばれる。これらの性質を示す材料は、本出願で超伝導材料とも呼ばれる。超伝導体は、典型的には、超伝導体の電気抵抗がゼロに降下する特性臨界温度を有する。超伝導材料のループの電流は、電源なしで無限に持続することができる。
超伝導集積回路は、超伝導材料を含む集積回路である。超伝導材料は、臨界温度未満で超伝導状態になる材料である。例えば、ニオブは、9.2K未満で超伝導状態になる超伝導材料である。
概要
態様によれば、システムの動作の方法であって、システムは、超伝導集積回路及び制御器を含み、超伝導集積回路は、複数の磁束貯蔵デバイスを含み、複数の磁束貯蔵デバイスの各々は、それぞれの複合ジョセフソン接合部によって遮断される超伝導ループを含み、それぞれの複合ジョセフソン接合部は、ジョセフソン接合部のそれぞれの対を含み、複数の磁束貯蔵デバイスの各々は、複数のアドレス指定線のそれぞれの1つ及び複数の電力線のそれぞれの1つに通信可能に結合され、方法は、制御器によって実行され、方法は、複数の磁束貯蔵デバイスについて、ジョセフソン接合部のそれぞれの対のジョセフソン接合部間の最悪の非対称性を推定することと、複数の磁束貯蔵デバイスについて、平均臨界電流を推定することと、複数の磁束貯蔵デバイスの各々の複数の電力線のそれぞれの1つの上の電流について開始レベルを判定することであって、開始レベルは、最悪の非対称性及び平均臨界電流に少なくとも部分的に基づく、判定することと、電力レベル増加分を判定することと、離散的電力レベルのシーケンスを生成することであって、シーケンスは、開始レベルとゼロとの間の正の電力レベルであって、電力レベル増加分だけ減少する正の電力レベルと、開始レベルの加法逆元とゼロとの間の負の電力レベルであって、電力レベル増加分だけ増加し、正の電力レベル及び負の電力レベルは、離散的電力レベルの前記生成されたシーケンスで交互になっている、負の電力レベルとを含む、生成することと、離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、複数の磁束貯蔵デバイスの各々のそれぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線のそれぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、複数の磁束貯蔵デバイスの各々をリセットさせることとを含む、方法が提供される。
他の態様によれば、方法は、超伝導集積回路をリセットエラーについて検査することと、リセットエラーが検出される場合、開始レベルを更新することとを更に含み得、複数の磁束貯蔵デバイスについて、ジョセフソン接合部のそれぞれの対のジョセフソン接合部間の最悪の非対称性を推定することは、超伝導集積回路における又はそれに隣接する1つ又は複数のジョセフソン接合部の各々のそれぞれの臨界電流の変動を判定することを含み得、超伝導集積回路における又はそれに隣接する1つ又は複数のジョセフソン接合部の各々のそれぞれの臨界電流の変動を判定することは、室温で超伝導集積回路における又はそれに隣接する1つ又は複数のジョセフソン接合部の各々のそれぞれの臨界電流の変動を判定することを含み得、離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、複数の磁束貯蔵デバイスの各々のそれぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線のそれぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加することは、同時に複数の磁束貯蔵デバイスの各々のそれぞれの複合ジョセフソン接合部にアドレス指定線の対を介して1つ又は複数のパルスを印加することを含み得、離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、複数の磁束貯蔵デバイスの各々のそれぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線のそれぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、複数の磁束貯蔵デバイスの各々をリセットさせることは、離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、複数の磁束貯蔵デバイスの各々のそれぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線のそれぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、超伝導デジタル/アナログ変換器(DAC)をリセットさせることを含み得、離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、複数の磁束貯蔵デバイスの各々のそれぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線のそれぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、超伝導DACをリセットさせることは、離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、複数の磁束貯蔵デバイスの各々のそれぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線のそれぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、インダクタンスによって遮断される超伝導材料のループを含むことができる超伝導DACをリセットさせることを含み得、インダクタンスは、超伝導材料のループの集中素子インダクタンス、分布インダクタンス、運動インダクタンス及び固有インダクタンスの少なくとも1つであり、離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、複数の磁束貯蔵デバイスの各々のそれぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線のそれぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、インダクタンスによって遮断される超伝導材料のループを含む超伝導DACをリセットさせることは、離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、複数の磁束貯蔵デバイスの各々のそれぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線のそれぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、超伝導DACをリセットさせることを含み得、超伝導DACは、インダクタンスの少なくとも一部を介してプログラマブルデバイスに誘導通信可能に結合され得、離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、複数の磁束貯蔵デバイスの各々のそれぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線のそれぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、超伝導DACをリセットさせることは、離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、複数の磁束貯蔵デバイスの各々のそれぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線のそれぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、超伝導DACをリセットさせることを含み得、超伝導DACは、複数の超伝導DACの1つであり、複数の超伝導DACのそれぞれの1つは、複数のアドレス指定線のうちのアドレス指定線の対に通信可能に結合され、動作中の超伝導DACは、アドレス指定線の対によってアドレス可能であり、アドレス指定線の対における各アドレス指定線は、少なくとも1つの他の超伝導DACと共有され得、複数の磁束貯蔵デバイスの各々の複数の電力線のそれぞれの1つの上の電流について開始レベルを判定することは、複数の電力線のそれぞれの1つの上の電流について開始レベルを判定することを含み得、複数の電力線のうちの各電力線は、少なくとも1つの他の超伝導DACと共有され得、離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、複数の磁束貯蔵デバイスの各々のそれぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線のそれぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、複数の磁束貯蔵デバイスの各々をリセットさせることは、離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、複数の磁束貯蔵デバイスの各々のそれぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線のそれぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、複数の磁束貯蔵デバイスの各々を基底状態にリセットさせることを含み得る。
態様によれば、システムの動作の方法であって、システムは、超伝導集積回路及び制御器を含み、超伝導集積回路は、複数の磁束貯蔵デバイスを含み、複数の磁束貯蔵デバイスの各々は、複数のアドレス指定線のそれぞれの対及び複数の電力線のそれぞれの1つに通信可能に結合され、方法は、制御器によって実行され、方法は、複数のアドレス指定線を1つ又は複数のアドレス指定線グループに分割することと、アドレス指定線グループの各対結合について、アドレス指定線グループの各対結合の各アドレス指定線にパルスのそれぞれのシーケンスを印加して、複数の磁束貯蔵デバイスの1つ又は複数をリセットさせることとを含む、方法が提供される。
他の態様によれば、複数の磁束貯蔵デバイスのうちの磁束貯蔵デバイスをリセットさせることは、超伝導デジタル/アナログ変換器(DAC)をリセットさせることを含み得、超伝導DACをリセットさせることは、インダクタンスによって遮断される超伝導材料のループを含む超伝導DACをリセットさせることを含み得、インダクタンスは、超伝導材料のループの集中素子インダクタンス、分布インダクタンス、運動インダクタンス及び固有インダクタンスの少なくとも1つであり得、インダクタンスによって遮断される超伝導材料のループを含む超伝導DACをリセットさせることは、超伝導DACをリセットさせることを含み得、超伝導DACは、インダクタンスの少なくとも一部を介してプログラマブルデバイスに誘導通信可能に結合され、超伝導DACをリセットさせることは、超伝導DACを基底状態にリセットさせることを含み得、複数のアドレス指定線を1つ又は複数のアドレス指定線グループに分割することは、同時に作動される複数のアドレス指定線の数mを判定することと、複数のアドレス指定線をサイズm/2のグループに分割することとを含み得、同時に作動される複数のアドレス指定線の数mを判定することは、超伝導集積回路の温度を所定の温度閾値未満に維持しながら、複数の磁束貯蔵デバイスの1つ又は複数をリセットさせるために作動され得る複数のアドレス指定線の数mを判定することを含み得、同時に作動される複数のアドレス指定線の数mを判定することは、所定の持続期間閾値未満の時間の持続期間内に複数の磁束貯蔵デバイスをリセットさせるために作動され得る複数のアドレス指定線の数mを判定することを含み得、アドレス指定線グループの各対結合の各アドレス指定線にパルスのそれぞれのシーケンスを印加して、複数の磁束貯蔵デバイスの1つ又は複数をリセットさせることは、連続的にアドレス指定線グループの各対結合の各アドレス指定線にパルスのそれぞれのシーケンスを印加することを含み得る。
態様によれば、システムの動作の方法であって、システムは、超伝導集積回路及び制御器を含み、超伝導集積回路は、複数の磁束貯蔵デバイスを含み、複数の磁束貯蔵デバイスの各々は、複数のアドレス指定線の少なくとも1つ及び複数の電力線のそれぞれの1つに通信可能に結合され、方法は、制御器によって実行され、方法は、制御器により、複数のアドレス指定線の第1のサブセット及び複数の電力線の第2のサブセットを判定することと、制御器により、同時に複数のアドレス指定線の第1のサブセット及び複数の電力線の第2のサブセットを作動させることにより、複数の磁束貯蔵デバイスのうちの磁束貯蔵デバイスをリセットさせることとを含む、方法が提供される。
他の態様によれば、複数の磁束貯蔵デバイスのうちの磁束貯蔵デバイスをリセットさせることは、超伝導デジタル/アナログ変換器(DAC)をリセットさせることを含み得、超伝導DACをリセットさせることは、インダクタンスによって遮断される超伝導材料のループを含むことができる超伝導DACをリセットさせることを含み得、インダクタンスは、超伝導材料のループの集中素子インダクタンス、分布インダクタンス、運動インダクタンス及び固有インダクタンスの少なくとも1つであり得、インダクタンスによって遮断される超伝導材料のループを含む超伝導DACをリセットさせることは、超伝導DACをリセットさせることを含み得、超伝導DACは、インダクタンスの少なくとも一部を介してプログラマブルデバイスに誘導通信可能に結合され得、超伝導DACをリセットさせることは、超伝導DACを基底状態にリセットさせることを含み得る。
他の態様において、当業者が分かるように、上述の特徴を任意の合理的な組み合わせで結合し得る。
図面において、同じ参照符号は、同様の要素又は動作を識別する。図面における要素のサイズ及び相対位置は、必ずしも原寸に比例しているとは限らない。例えば、様々な要素の形状及び角度は、必ずしも原寸に比例しているとは限らず、これらの要素の一部を、任意に拡大及び位置決めして、図面視認性を向上させ得る。更に、図示のような要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関する任意の情報を伝えるように必ずしも意図されているとは限らず、図面における認識を簡単にするために選択されているのみである。
図面の幾つかの図の簡単な説明
本開示による超伝導DACの実装形態の例の概略図である。 本開示によるDACの電力線に印加される時間依存信号の例のプロットである。 本開示によるDACの複合ジョセフソン接合部(CJJ)ループに印加される時間依存信号の例のプロットである。 本開示によるDACのリセット中の電流及び磁束変化のシーケンスの例のプロットである。 本開示によるDACのリセット中の電流及び磁束変化のシーケンスの別の例のプロットである。 本開示による超伝導集積回路におけるDACのセットをリセットする方法の実装形態の例のフローチャートである。 本開示によるDACアレイの実装形態の例の概略図である。 本開示による1対のDACの各DACの各電力線に印加される時間依存信号の例のプロットである。 本開示による図5Bに参照される同じ対のDACの各DACの各CJJループに印加される時間依存信号の例のプロットである。 本開示による1対のDAC(DAC1及びDAC2)の各DACの各電力線に印加される時間依存信号の例のプロットである。 本開示による図6Aに参照される同じ対のDACの第1のDAC(DAC1)のCJJループに印加される時間依存信号の例のプロットである。 本開示による図6A及び図6Bに参照される同じ対のDACの第2のDAC(DAC2)のCJJループに印加される時間依存信号の例のプロットである。 本開示によるDACの電力線に印加される時間依存信号の例のプロットである。 本開示による図7Aに参照される同じDACのCJJループに印加される時間依存信号の例のプロットである。 本開示による1対のDACの各DAC(DAC1及びDAC2)の各電力線に印加される時間依存信号の例のプロットである。 本開示による図6Aに参照されるDAC1のアドレス指定線(ADDR及びTRIG)に印加される時間依存信号の例のプロットである。 本開示による図6A及び図6Bに参照されるDAC2のアドレス指定線(ADDR及びTRIG)に印加される時間依存信号の例のプロットである。 本開示による超伝導集積回路におけるDACのセットをリセットする方法の例のフローチャートである。 本開示による図9Aの分布アニーリングリセット手続きに対するパルスシーケンスの例の表である。 本開示による超伝導集積回路におけるDACのセットをリセットする方法の別の例のフローチャートである。 本開示による図10Aの分布アニーリングリセット手続きに対するパルスシーケンスの例の表である。 本開示によるデジタルコンピュータ及びアナログコンピュータを含む例示的な計算システムの概略図である。
詳細な説明
前文
下記の説明において、様々な開示の実装形態及び実施形態を完全な理解を与えるために、幾つかの特定の詳細を含む。しかし、当業者は、これらの特定の詳細の1つ又は複数の詳細なしで又は他の方法、構成要素、材料などを用いて、実施形態を実施することができることが分かる。他の場合、本方法の実装形態又は実施形態の不必要に曖昧な説明を避けるために、超伝導デバイス及び集積超伝導回路に関連する周知の構造は、詳細に図示又は説明されていない。本明細書及び添付の特許請求の範囲全体にわたって、用語1つ又は複数の「要素」は、超伝導回路及び集積超伝導回路に関連する全てのこのような構造、システム及びデバイス(但し、これらに限定されない)を含むために使用される。
文脈上他の意味に解すべき場合を除き、下記の明細書及び特許請求の範囲全体にわたって、用語「含む」は、「包含する」と同義であり、包含的である又は限定されない(即ち追加の非列挙要素又は動作を排除しない)。
本明細書の全体にわたり、「1つの実施形態」、「ある実施形態」、「別の実施形態」、「1つの例」、「ある例」、「別の例」、「1つの実装形態」、「別の実装形態」などの参照は、実施形態、例又は実装形態に関連して説明される特定の指示対象特徴、構造又は特性を、少なくとも1つの実施形態、例又は実装形態に含むことを意味する。従って、本明細書全体にわたる様々な箇所における用語「1つの実施形態では」、「ある実施形態では」、「別の実施形態」などの出現は全て、必ずしも同じ実施形態、例又は実装形態を参照するとは限らない。更に、特定の特徴、構造又は特性を1つ又は複数の実施形態、例又は実装形態に任意の適切な方法で組み合わせ得る。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、他に明示的に指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意すべきである。従って、例えば、「超伝導共振器」を含む読み出しシステムの参照は、単一の超伝導共振器又は2つ以上の超伝導共振器を含む。用語「又は」を、他に明示的に指示がない限り、「及び/又は」を含む意味で一般的に使用することにも留意すべきである。
ここで与えられる見出しは、単に便宜のためであり、実施形態の範囲又は意味を解釈しない。
超伝導磁束貯蔵デバイス
超伝導集積回路(本出願で超伝導チップとも呼ばれる)は、例えば、量子プロセッサを含むことができる。量子プロセッサは、複数の量子ビット及び複数の量子ビットのうちの少なくとも1対の量子ビットを通信可能に結合する少なくとも1つの結合デバイスを含むことができる。複数の制御パラメータを調整することにより、量子ビット及び結合デバイスを制御することができる。幾つかの実装形態において、量子ビットは、6つの制御パラメータを有することができ、結合デバイスは、単一の制御パラメータを有することができる。
超伝導集積回路上のデバイスの数が十分に少ない場合、室温にあるエレクトロニクスによって駆動される専用アナログ線により、デバイスを制御することができる。数十、数百又は数千のデバイスを有する量子プロセッサの場合、アナログ線を使用することが実用的でなくなることがあり、超伝導チップの上に制御回路を実装することが望ましい。
例えば、超伝導量子プロセッサは、超伝導量子プロセッサの量子ビット及び結合デバイスにおける超伝導ループに印加される静磁束バイアスによってプログラム可能である。室温で生成されるデジタル信号を伝える比較的少数の制御線を用いて、静磁束バイアスの所望の値を、オンチップ制御デバイスにプログラムすることができる。
オンチップ制御デバイスは、超伝導デジタル/アナログ変換器(DAC)(本出願で磁束DACとも呼ばれる)などの超伝導磁束貯蔵デバイスを含むことができる。磁束DACは、持続性メモリ及びデジタル/アナログ変換の機能を組み合わせることができる。幾つかの実装形態において、磁束DACは、10μmのオーダーの寸法を有する。量子プロセッサにおける単一量子ビットに取り付けられた幾つかの磁束DACを有すると、量子ビットサイズに対してより低い限界を設定することがあり、可能な量子ビット形状、ハードウェアグラフトポロジー及びプロセッサアーキテクチャに影響を与えることがある。
磁束DACのXYZアドレス指定
量子プロセッサの実装形態の例において、512個の量子ビット及び関連結合デバイスを、4608個の磁束DACによって制御することができる。XYZアドレス指定手法は、56本の線のみを用いて量子プロセッサを制御することができる。プロセッサを、8×8個の配列のタイルとして配置することができ、各タイルは、72個の磁束DACを有する。各タイルの磁束DACを、各3-DACプラケットで配置することができる。3-DACプラケットにおける3つのDACの各セットの1つを、3本の線(本出願でアドレス(ADDR)線と呼ばれる)のうちの1本を用いて選択することができ、15本のADDR線及び5本のTRIG線を使用してDACをタイルにアドレス指定する配置で、全ての3本の線は、別の線(本出願でトリガ(TRIG)線と呼ばれる)を共有する。8×8個の配列のタイルを、16個の領域(本出願で電力(PWR)領域と呼ばれる)に分割することができ、合計で30本のADDR線、10本のTRIG線及び16本のPWR線を用いて、4608個の磁束DACをアドレス指定することができるように、配置することができる。例えば、Bunyk P. et al.,“ARCHITECTURAL CONSIDERATIONS IN THE DESIGN OF A SUPERCONDUCTING QUANTUM ANNEALING PROCESSOR”, arXiv:1401.5504v1, 21 January 2014を参照されたい。
DACのためのアドレス指定手法の1つの例は、米国特許第10,528,886号及び米国特許出願公開第2021/0190885号に見られる。
DACのジョセフソン接合部非対称性
本技術は、超伝導集積回路における1つ又は複数の磁束貯蔵デバイス(例えば、磁束DAC)をリセットするシステム及び方法を含む。磁束貯蔵デバイスをリセットすることは、デバイスを基底状態に戻すことを含むことができる。
幾つかの実装形態において、磁束貯蔵デバイスは、1つ又は複数のジョセフソン接合部を含む。ジョセフソン接合部は、複合ジョセフソン接合部又は複合-複合ジョセフソン接合部であり得る。複合ジョセフソン接合部(CJJ)は、少なくとも1つのジョセフソン接合部によって各々遮断される2つの電気平行電流経路を含む。複合-複合ジョセフソン接合部(CCJJ)は、2つの電気平行電流経路を含み、少なくとも1つの複合ジョセフソン接合部によって2つの電気平行電流経路の少なくとも1つが遮断される複合ジョセフソン接合部である。
1対の構成ジョセフソン接合部(例えば、磁束貯蔵デバイスの複合ジョセフソン接合部の各電気平行電流経路を各々遮断する1対のジョセフソン接合部)の非対称性は、貯蔵デバイスを基底状態以外の状態にリセットすることがある。貯蔵デバイスを基底状態以外の状態にリセットすることは、貯蔵デバイスに貯蔵可能なパルスの数の減少を引き起こすことがある。少なくともこの理由のため、磁束貯蔵デバイスを基底状態にリセットすることは、有利である。
磁束貯蔵デバイスをリセットすることは、一連の電流及び磁束パルスを磁束貯蔵デバイスに伝送することを含むことができる。磁束貯蔵デバイスをリセットすることは、複数の電力レベルのうちの各電力レベルについて一連の電流及び磁束パルスの伝送を繰り返すことを含むことができる。磁束貯蔵デバイスの循環電流に少なくとも部分的に基づいて、電力レベルを判定することができる。各繰り返しは、各接合部非対称性を特徴とする磁束貯蔵デバイスの各集団をリセットすることができる。
超伝導量子プロセッサは、1つ又は複数の磁束貯蔵デバイスを含み得る。幾つかの実装形態において、磁束貯蔵デバイスは、DACである。幾つかの実装形態において、超伝導量子プロセッサは、超伝導集積回路を含み、超伝導集積回路は、複数のオンチップDACを含む。
オンチップDACは、少なくとも1つのDAC段を含む。幾つかの実装形態において、オンチップDACへの入力信号を、2進形(即ち、2進数「0」及び「1」のみを用いて)で表すことができる。オンチップDACの各DAC段が2つの状態(例えば、「0」及び「1」)のみを有する場合、オンチップDACの解像度を、複数の段に関して表すことができる。例えば、8段DACは、2=256個の離散値を記憶することができる。下記の説明は、1段DACを意味するが、本技術を、多段DACの各段に適用することができる。特に、下記の説明は、DACをリセットすること又はDACの間の線を共有することを意味するが、この用語は、同じ多段DACの異なる段を同様に含むものとする。
オンチップDACを、例えば、超伝導量子プロセッサの動作に使用することができる。超伝導量子プロセッサの動作における典型的なシナリオは、a)超伝導量子プロセッサの初期化、及びb)超伝導量子プロセッサの進化を含むことができる。超伝導量子プロセッサの初期化は、複数のDACの初期化を含むことができる。DACの初期化は、DACを初期状態(例えば、基底状態)に初期化することを含むことができる。DACの初期化は、本出願でDACのリセットとも呼ばれる。超伝導量子プロセッサの進化は、初期状態と異なる状態に複数のDACをプログラムすることを含むことができる。超伝導量子プロセッサの進化は、本出願でアニーリングとも呼ばれる。しかし、他のタイプの進化(例えば、ゲートモデルプロセッサにおける1つ又は複数の量子ビット上の一連のゲートの進化)を、量子プロセッサで実行することができるものとする。
アニーリングリセット
図1は、本開示による超伝導DAC100の実装形態の例の概略図である。超伝導DAC100は、入出力システムの要素であり得る。入出力システムは、量子コンピュータ又はハイブリッドデジタル/量子コンピュータシステムの要素であり得る。入出力システムは、量子プロセッサにデータを書き込み、量子プロセッサからデータを読み取り得る。
DAC100は、超伝導ループ102を含む。超伝導ループ102は、超伝導材料を含むか又は超伝導材料からなり得る。超伝導材料は、超伝導金属(例えば、ニオブ、アルミニウムなど)であり得る。超伝導ループ102を使用して、磁束を貯蔵することができる。磁束を、複数の磁束量子でDAC100の超伝導ループ102に押し込むことができる。
DAC100の超伝導ループ102を、インダクタンス104によって遮断する。インダクタンス104は、ループ102の集中素子インダクタンス、分布インダクタンス、運動インダクタンス、固有インダクタンス又はこれらの組み合わせであり得る。DAC100を、インダクタンス104及び相互インダクタンスMにより、デバイス(図1に図示せず)に誘導通信可能に結合することができる。デバイスは、プログラマブルデバイスであり得る。デバイスは、同調可能デバイスであり得る。デバイスは、例えば、量子ビット又は結合デバイスであり得る。
更に、DAC100の超伝導ループ102を、複合ジョセフソン接合部(CJJ)106によって遮断する。CJJ106は、2つの電気平行超伝導経路を含み、2つの平行超伝導経路の各々は、各ジョセフソン接合部108及び110によって遮断される。
電力線(本出願でPWR線又は単にPWRとも呼ばれる)を、ノード112及び114でDAC100の超伝導ループ102に超伝導的に電気通信可能に結合する。電流は、ノード112でPWR線から入り、ノード114で超伝導ループ102を出る。
CJJ106は、ノード116とノード118との間で超伝導ループ102を遮断する。ノード116とジョセフソン接合部108との間のインダクタンス120を、ADDR線122に誘導通信可能に結合する。ノード116とジョセフソン接合部110との間のインダクタンス124を、TRIG線126に誘導通信可能に結合する。ADDR線及びTRIG線122及び126は、アドレス指定線である。例えば、本出願で前の磁束DACのXYZアドレス指定の説明を参照されたい。ADDR線及びTRIG線及びPWR線を総称して制御線と呼び得る。矢印の端部128及び130は、図1の平面への超伝導ループ102及びCJJ106における磁束の方向をそれぞれ示す。
DAC100の幾つかの実装形態において、ジョセフソン接合部108及び110は、非対称である。接合部非対称性は、臨界電流における1対のジョセフソン接合部間の差を意味する。接合部非対称性は、複合ジョセフソン接合部(例えば、ジョセフソン接合部108及び110)における1対のジョセフソン接合部間の臨界電流の差を意味し得る。
臨界電流における1対のジョセフソン接合部間の差は、サイズにおけるジョセフソン接合部間の差に少なくとも部分的に左右されることがある。他の実装形態において、ジョセフソン接合部は、少なくとも略同じサイズでありながら、異なる臨界電流を有することがある。非対称性を、例えば、製造中に引き起こすことがある。幾つかの実装形態において、接合部非対称性を意図的に導入することがあるが、他の実装形態において、接合部非対称性は、意図的でないことがあり、例えば製造技法の精度の限界に起因することがあるか、又は材料の自然変動又は製造機器の汚染によって導入することがある。
本出願において、CJJのジョセフソン接合部の非対称性を有するCJJは、2つの電気平行電流経路を含むCJJを意味し、各平行電流経路は、各ジョセフソン接合部によって遮断され、CJJの2つの平行電流経路の一方の平行電流経路を遮断するジョセフソン接合部の臨界電流は、CJJの2つの平行電流経路のうちの他方の平行電流経路を遮断するジョセフソン接合部の臨界電流と同じでない。
臨界電流は、当業者に知られているジョセフソン接合部に対して特定の意味を有する。ジョセフソン接合部の動力学及びジョセフソン効果を制御する式は、下記を含む。
上述の式は、超伝導位相発展方程式と呼ばれることがあり、ジョセフソン接合部の両端の電圧U(t)をジョセフソン接合部の両端の位相差φ(t)の変化に関連付ける。
I(t)=Isinφ(t)
上述の式は、ジョセフソン又は弱連結電流位相関係と呼ばれることがあり、ジョセフソン接合部を流れる電流I(t)を記述する。
電流Iは、ジョセフソン接合部の臨界電流と呼ばれる定数である。これらの式は、例えば、Barone, A., and Paterno, G., Physics and Applications of the Josephson Effect, (1982), John Wiley & Sons, ISBN 978-0-471-01469-0で見つかる。臨界電流は、材料が通常であり(即ち、超伝導でない)、材料が、指定の温度で外部磁場がない場合、超伝導である超伝導材料の電流である。例えば、Critical Current. (n.d.) McGraw-Hill Dictionary of Scientific & Technical Terms, 6E. (2003)(2018年10月23日にhttps://encyclopedia2.thefreedictionary.com/Critical+Currentから取得)を参照されたい。
場合により、接合部非対称性は、望ましくないことがある。接合部非対称性は、例えば、非対称構成ジョセフソン接合部を有するCJJを有するDACの初期化の不確実性を引き起こすことがある。DACの初期化の不確実性は、DACを、所望の状態以外の状態(例えば、基底状態以外の状態)に初期化することになることがある。DACの初期化の不確実性は、(進化が初期状態と異なる状態へのDACのプログラミングを含むか否かを問わず)超伝導量子プロセッサの進化のエラーを引き起こすことがある。
リセットエラー(例えば、接合部非対称性に起因するリセットエラー)を除去又は少なくとも減少する1つの手法は、各DACのビットにリセットエラーがないかどうかを検査することである。この手法の欠点は、多大な時間を必要とすることがあることである。各検査を行うのに時間がかかり、検査すべき複数のDACがあることがある。
本技術は、リセットエラーを除去又は少なくとも減少するのにかかる時間を短縮することができる。本技術は、接合部非対称性の存在下でも、DACを初期状態(例えば、基底状態)に確実にリセットするオンチップDACに所定のパルスシーケンスを伝送することを含む。実際に、ある程度の接合部非対称性は、殆どのDACに存在する可能性がある。
本出願に記載の技術は、a)制御線(例えば、PWR線)の電流を設定可能な精度が、DACの本体の循環電流の変化を超える大きさの少なくとも1つのオーダーであり、循環電流の変化が、DACに貯蔵される磁束における1つの磁束量子の変化に起因する場合、及びb)循環電流の変化が、i)DACの本体の雑音、及びii)DAC臨界電流を超えながら放出される熱エネルギーのためにDACによって到達される有効温度を超える大きさの少なくとも1つのオーダーである場合、DACを確実にリセットするために使用可能である。
下記のシステム及び方法の幾つかの実装形態において、10%もの高い非対称性を有するオンチップDACをリセットすることができる。更に、例えば、非常に高い非対称性を有するデバイスの場合、本技術を特定のデバイスの検査及び回復と組み合わせて使用し得る。DACのリセットは、同じ初期状態又は所定の必要な精度に対して同じ値を有する初期状態に全DACを初期化することを意味する。幾つかの実装形態において、これは、他の初期状態を使用することができるものとするが、基底状態であり得る。
図2Aは、本開示によるDACの電力線に印加される時間依存信号202の例のプロット200aである。信号202は、DACの本体に印加される電流であり得る。
図2Bは、本開示によるDAC(例えば、図1の超伝導DAC100)のCJJループに印加される時間依存信号214の例のプロット200bである。信号214を、アドレス指定線(例えば、図1のADDR線及びTRIG線122及び126)の片方又は両方によってCJJループに印加し得る。通常動作では、信号214を典型的に両方のアドレス指定線によってCJJループに印加する。信号214は、CJJループに印加される全磁束に比例することができる。幾つかの実装形態において、ADDR線及びTRIG線に印加される信号は、互いに同じであり得る。他の実装形態において、ADDR線及びTRIG線に印加される信号は、符号のみが互いに異なる。
図2A及び図2Bのプロット200a及び200bは、7つの時間間隔204a、204b、204c、204d、204e、204f及び204g(総称して時間間隔204と呼ばれる)をそれぞれ含む。時間間隔204の隣接時間間隔を、垂直破線によって互いに線引きする。信号202の極性は、時間間隔毎に逆になる。例えば、時間間隔204aのピーク電流206は、正であり、時間間隔204bのピーク電流208は、負である。
ピーク電流は、時間間隔毎に変化することができる。例えば、時間間隔204bから時間間隔204cへのピーク電流の変化210aがあり、時間間隔204dから時間間隔204eへのピーク電流の変化210bがあり、時間間隔204fから時間間隔204gへのピーク電流の変化210cがある。幾つかの実装形態において、変化の少なくとも2つ(例えば、変化210a、210b及び210cの2つ)は、同じであり得る。幾つかの実装形態において、変化210a、210b及び210cは、互いに同じである。
図2Aのプロット200aは、ピーク電流206における最大値IMAXから点212におけるゼロへの電力電流のシーケンスの例である。幾つかの実装形態において、変化210a、210b及び210cは、同じであり、ΔPWRで示すことができる。各時間間隔でパルスの各セットをDACのCJJループに印加することができる。幾つかの実装形態において、パルスの各セットは、単一パルスからなる。図2A及び図2Bのパルスのセットにおけるパルスの形状は、形状の例である。他の実装形態において、様々な他の形状を使用する。パルスの各セットのピーク振幅は、セット毎に異なることがある。幾つかの実装形態において、各電力電流に対して、パルスの各セットは、大きさが各正ピークに少なくとも略等しい各負ピークを含む。
図2Aのプロット200aは、変動振幅の7つのパルス212a、212b、212c、212d、212e、212f及び212gのセットを含む。実装形態(例えば、図2Aに示す実装形態)の例において、7つのパルスのセットの振幅(即ち、時間間隔204におけるIPWRのピーク値)は、値の次の列(+0.45、-0.45、+0.3、-0.3、+0.15、-0.15、0.0)を有する。
列における第1の値は、本出願で開始レベルとも呼ばれる。
図2Bのプロット200bは、少なくとも略等しい振幅の7つのパルス216a、216b、216c、216d、216e、216f及び216gのセットを含む。プロット200bは、時間間隔204gの終了後、より低い振幅の追加パルス218を含む。追加パルス218は、DACの最終状態が安定するようにすることができる。例えば、追加パルスは、DACの最終状態が、超伝導ループ102で全磁束量子(Φ)状態であるようにすることができる。超伝導ループ102における半磁束量子(Φ/2)状態は、DACのリセット及びプログラミングのために使用される中間状態であり得る。半磁束量子状態は、DACにおけるパルスの数が少ない場合、安定していることができ、パルスの数が増加するにつれて、徐々に一層不安定になることがある。
図3Aは、本開示による正電力線電流に対する定常レベルのプロット300aである。プロット300aの上の位置は、座標と呼ばれる。座標は、磁束DAC(例えば、図1の超伝導DAC100)の動作点であり得る。所与の電力レベルに対して、電力電流及び磁束の両方を、座標302(0、0)でゼロに初期化する。電力電流を、座標306(0、+IMAX)への軌道304(0、IPWR)に沿って+IMAXに増加する。磁束を、座標310(+ΦMAX、+IMAX)への軌道308(Φ、+IMAX)に沿って+ΦMAXに増加する。電力電流を、座標314(+ΦMAX、-IMAX)への軌道312(+ΦMAX、IPWR)に沿って-IMAXに減少する。磁束を、座標318(-ΦMAX、-IMAX)への軌道316(Φ、IMAX)に沿って-ΦMAXに減少する。電力電流を、座標322(-ΦMAX、+IMAX)への軌道320(-ΦMAX、IPWR)に沿って+IMAXに増加する。磁束を、座標306(0、+IMAX)への軌道324(Φ、+IMAX)に沿ってゼロに増加する。最後に、電力電流を、座標302(0、0)への軌道326(0、IPWR)に沿ってゼロに戻す。
図3Bは、本開示による負電力線電流に対する定常レベルのプロット300bである。プロット300bの上の位置は、座標と呼ばれる。座標は、磁束DAC(例えば、図1の超伝導DAC100)の動作点であり得る。所与の電力レベルに対して、電力電流及び磁束の両方を、座標328(0、0)でゼロに初期化する。電力電流を、座標332(0、-IMAX)への軌道330(0、IPWR)に沿って-IMAXに減少する。磁束を、座標336(+ΦMAX、-IMAX)への軌道334(Φ、-IMAX)に沿って+ΦMAXに増加する。電力電流を、座標340(+ΦMAX、+IMAX)への軌道338(+ΦMAX、IPWR)に沿って+IMAXに増加する。磁束を、座標344(-ΦMAX、+IMAX)への軌道342(Φ、+IMAX)に沿って-ΦMAXに減少する。電力電流を、座標348(-ΦMAX、-IMAX)への軌道346(-ΦMAX、IPWR)に沿って-IMAXに減少する。磁束を、座標332(0、-IMAX)への軌道350(Φ、-IMAX)に沿ってゼロに増加する。最後に、電力電流を、座標328(0、0)への軌道352(0、IPWR)に沿ってゼロに戻す。
超伝導DACの循環電流は、DACの磁束状態に左右されることがあり、磁束状態は、主ループに貯蔵される磁束量子の数である。単一パルスによるDACの磁束状態の変化を、下記によって与えられる循環電流の変化と同等であるとして表すことができる。
CIRC=Φ/LBODY
ここで、Φは、磁束量子であり、LBODYは、下記のように表すことができるDACのインダクタンスである。
BODY=L+Lcjj1cjj2/(Lcjj1+Lcjj2
ここで、Lは、図1のインダクタンス104であり、Lcjj1は、図1のインダクタンス120であり、Lcjj2は、図1のインダクタンス124である。
DACのCJJは、1対のジョセフソン接合部のそれぞれの1つによって各々遮断される2つの平行電流経路を含む。1対のジョセフソン接合部のうちのジョセフソン接合部間の非対称性を下記のように電流IASYMに関して表すことができる。
ASYM=γ(IC1+IC2
ここで、γは、非対称性の程度であり、IC1及びIC2は、ジョセフソン接合部の各々の臨界電流である。
各時間間隔204の間、電力線に印加される電流を、プログラムされた後のDAC状態を表す下記の電流と比較することができる。
一般的に、DACの状態は、知られていないことがあるため、電力線に印加されるピーク電流が正である場合、n>0(ここで、nは、DACの状態を表す)の場合を、リセット信号で処理することができる。同様に、ピーク電流が負である場合、n<0の場合を処理することができる。下記では、n>0の場合のみを説明する。
例は、第1のピークが正であり、ピーク電流Ipeakがピーク電流206である図2Aの時間間隔204aである。超伝導集積回路の挙動は、下記の通りであり得る。
1.
の場合、DACは、状態を変えない。
2.
の場合、DACは、基底状態の方に移動する。最終状態は、非対称性に左右され、DACは、複数の磁束量子
を特徴とする最終状態にある。更に、IASYM~mIcircの場合、DACの最終状態は、確率的であり、確定的でない。例えば、DACは、m又は(m-1)個の磁束量子を特徴とする最終状態にあることができる。超伝導集積回路の動作中に、より一貫した結果を得るために、DACを、基底状態又は少なくとも同じ状態にリセットすることが望ましい。
3.
の場合、DACは、単一パルスによって基底状態の方に移動する。
4.
の場合、DACは、基底状態の方に移動するか又は同じ状態のままでいる。
別の例は、第1のピークが負であり、ピーク電流Ipeakがピーク電流208である図2Aの時間間隔204bである。この例における超伝導集積回路の挙動は、上述の例に記載の挙動に類似していることができる。
MAXで開始し、ΔPWR<ICIRC/2だけ減少する各電力レベルを各々有する時間間隔の繰り返しは、異なる非対称性でDACの集団をリセットすることができる。
実際に、IMAXは、一般的に、チップ上の最大非対称電流よりも大きいか、又はリセットされるべきDACのセットにおけるチップ上のDACの非対称電流よりも少なくとも大きい。
DACをリセットするために、DACのCJJループに印加される電流IPWRの各値の直後に-|IPWR|の電流が続く。
増加分ΔPWRを下記のように表すことができる。
ΔPWR=α×Φ/LBODY
幾つかの実装形態において、α<0.5の制約を満たすことが望ましい。
ΔPWR及びIMAXが判定されると、手法は、下記のように、IMAXからゼロまでのN+1個の電力レベルのリストを生成する。
{+IPWR(0),-IPWR(0),+IPWR(1),-IPWR(1),...+IPWR(N-1),-IPWR(N-1),+IPWR(N),-IPWR(N),0.0}
ここで、IPWR(0)=IMAX、IPWR(N)=IPWR(N-1)-ΔPWR及びIPWR(N)=ΔPWRである。
リストの長さは、IMAX及びΔPWRの値に左右されることがあり、チップ上のDACをリセットするのに要する時間は、リストの長さに左右されることがある。より長いリストは、一般的に、DACをリセットするのに要するより長い時間になる。最大数のDACを回復するのに必要な最短リストを生成することは有益である。
幾つかの実装形態において、全DACをリセットするのに必要な合計時間を短縮するために、電力レベルのリストの長さとリセット可能なDACの数との間でトレードオフを実行することができる。この場合、パルスの適切なシーケンスを形成することにより、IMAXよりも大きい非対称性を有するDACを、個別にリセット(回復)することができる。
1つの手法は、室温測定に基づいて電力電流のリストを生成し、低温測定を用いてリストを改善することである。
図3Cは、本開示による超伝導集積回路におけるDACのセットをリセットする方法300cの実装形態の例のフローチャートである。当業者は、代替の実装形態において、特定の動作を省略し、及び/又は追加動作を追加することができることが分かるが、方法300cは、動作354~372を含む。当業者は、動作の図示の順序が、単に例示的な目的で示され、代替の実装形態において、変わることができることが分かる。
354では、方法300cを呼び出す。幾つかの実装形態において、超伝導集積回路の要素が超伝導である温度に超伝導集積回路が冷却されており、読み出し回路が動作可能であり、超伝導集積回路は較正の準備ができていると、方法300cを呼び出す。
356では、システムは、DACのセットのCJJにおけるジョセフソン接合部の対のジョセフソン接合部の臨界電流の間の非対称性の推定値に基づいて、接合部非対称性γのレベルを判定する。幾つかの実装形態において、推定値は、最悪(即ち、最大又は上限)の非対称性の推定値である。室温測定値を使用して、接合部非対称性γのレベルを判定することができる。a)超伝導集積回路における又はそれに近いジョセフソン接合部(又はジョセフソン接合部検査構造体)の室温における臨界電流の変動(例えば、標準偏差)を測定し、次に、b)最悪の接合部非対称性を推定することにより、チップに関する最悪の接合部非対称性γを推定することができる。幾つかの実装形態において、最悪の接合部非対称性を推定することは、標準偏差に6を掛けることを含む。幾つかの実装形態において、オンチップの変動のために、接合部非対称性の値は、-0.15<γ<0.15の範囲にあることができる。
358では、システムは、CJJ106における2つの接合部の臨界電流の合計に対応するDACのセットの平均臨界電流
を推定する。室温測定値を使用して、平均臨界電流を推定することができる。DACのセットをリセットするのに必要な電力線上の最小電流を、
と表すことができる。
360では、システムは、DACのサブセットを特徴付けるパラメータを測定する。幾つかの実装形態において、DACのサブセットは、少なくともより大きい本体インダクタンスを有するDACを含む。DACの本体インダクタンスは、一般的に、意図的に知られている。パラメータは、循環ビット重みI、DAC臨界電流、要素アナログ線(即ち、ADDR線及び/又はTRIG線)とCJJ106との間の相互インダクタンスを含むことができる。DAC臨界電流を使用して、358で得られる平均臨界電流の推定値を改善することができる。
362では、システムは、電力レベルIPWRのリストを生成する。正の電力レベルは、IMAXで開始し、徐々にゼロまで減少する。負の電力レベルは、-IPWRで開始し、徐々にゼロまで増加する。電力レベルのリストの例は、下記の通りである。
{+0.45、-0.45、+0.3、-0.3、+0.15、-0.15、0.0}
364では、システムは、CJJリセットパルスを第1の電力レベルに印加し、チップ上のDACのセットの1つ又は複数のDACをリセットする。366では、システムは、別の電力レベルがあるかどうかを判定する。別の電力レベルがある場合(「イエス」)、方法は、制御を364に戻し、システムは、別のCJJリセットパルスを次の電力レベルに印加する。
リセットパルスが全電力レベルに印加されており、次の電力レベルがない場合(「ノー」)、方法は、368に進み、システムは、リセットエラーを検査する。370では、システムは、リセットエラーがあるかどうかを判定する。リセットエラーを検出した場合、手続きを、IMAXのより高い値に対して繰り返すことができる。リセットエラーを検出しなくなるまで、1つ又は複数の繰り返しを行うことができる。リセットエラーを検出した場合(「イエス」)、制御を362に戻し、システムは、電力レベルの別のリストを生成する。リセットエラーを検出しない場合(「ノー」)、方法は、372に進み、方法は、終了する。
本出願に記載の技術の利益は、下記を含むことができる。リセットされるDACのセットにおけるDACに属する段を、同じ状態に初期化し、これにより、DACの初期化のエラーを除去又は少なくとも減少することができる。リセットされるDACのセットにおける各DACを、DACの各々の正確な基底状態(即ち、DACのポテンシャルエネルギーの大域的最小値に対応する状態)に初期化することができる。
分布アニーリングリセット
超伝導回路は、1つ又は複数の多段DACを含み得る。1つの実装形態において、多段DACは、4段DACである。多段DACの各段を、各電力線(PWR)及びアドレス指定線(ADDR及びTRIG)の各対の結合によって制御することができる。4段DACの4つの段を、同じPWR線によって制御することができる。幾つかの実装形態において、アドレス指定線(ADDR及びTRIG)の一方の対は、4段DACのより高い2つの段を制御することができ、アドレス指定線(ADDR及びTRIG)の別の対は、より低い2つの段を制御することができる。他の実装形態において、4段DACのより高い2つの段を制御するアドレス指定線(ADDR又はTRIG)の1つを使用して、より低い2つの段を制御することもできる。
超伝導回路は、例えば、量子プロセッサ又は量子プロセッサの一部であり得る。
図4は、本開示によるDACアレイ400(ここでDACプラケットとも呼ばれる)の実装形態の例の概略図である。DACアレイ400は、N個のDAC400-1、400-2、...400-N(ここで、N≧2である)を含む。図4の実装形態の例のDACアレイ400は、少なくとも3つのDACを含む。N=3の場合、DACアレイ400は、3つのDACを含む。
DACアレイ400の各DACは、超伝導DAC(例えば、図1の超伝導DAC100)であり得る。例えば、DAC400-1は、超伝導ループ402、インダクタンス404及びCJJ406を含む。
DACアレイ400の各DACを、各電力線及びアドレス指定線の各対の結合によって制御することができる。例えば、DAC400-1を、電力線408(PWR1)及びアドレス指定線410(ADDR1)及び412(TRIG1)によって制御することができる。他の実装形態において、各DACを、電力線及び単一アドレス指定線又は電力線及び複数のアドレス指定線によって制御することができるものとする。幾つかの実装形態において、電力線を複数のDACの間で共有し得、単一アドレス指定線又は複数のアドレス指定線を複数のDACの間で共有し得る。
DACアレイ400の各DACは、準安定状態がRF-SQUIDの本体(例えば、図1の超伝導DAC100のループ102)に貯蔵される整数の磁束量子に対応することができる多安定無線周波数超伝導量子干渉デバイス(RF-SQUID)であり得る。超伝導DACは、本出願で磁束貯蔵デバイス及びプログラマブル磁気メモリとも呼ばれる。プログラミング中に、DACの状態を、所定の最大単一磁束量子(SFQ)まで、極性が正又は負の整数の磁束量子によって調整することができる。
RF-SQUIDを、ゼロ状態にリセットすることもできる。ゼロ状態は、基底状態であり得る。DACを所望の状態にプログラムすることは、通常、ゼロ状態から開始する。ゼロ状態を、リセット手続きによって達成することができる。DACを、既知又は未知の状態からリセットすることができる。
DACをリセットする1つの手法は、電力線(PWR)をゼロに設定すること及び循環電流がゼロである最低エネルギーゼロSFQ状態にDACが達するまで同時にDACを「プログラム解除する」遷移状態に1つのSFQを確実にするのに十分大きい振幅でアドレス指定線(ADDR及びTRIG)にパルスを印加することを含む。手続き中に、同じアドレス指定線に通信可能に結合されるDACは、同じ信号を受信することができ、同時にリセット可能である。
幾つかの実装形態において、DACに通信可能に結合される電力線及びアドレス指定線を作動させ、パルスのシーケンスをDACに同時に印加するようにすることにより、複数のDACをリセットする。幾つかの実装形態において、DACをリセットすることは、パルスのシーケンスを異なる電力レベルで印加することを含むことができる。パルスのシーケンスを異なる電力レベルで印加することは、DACのリセット中に印加されるパルスの数を増加することができる。
DACをリセットすることは、DACが超伝導状態から通常(非超伝導)状態に遷移するようにすることができるDACの臨界電流を超えるパルスのシーケンスを印加することを含むことができる。超伝導状態と通常状態との間の繰り返し遷移は、超伝導集積回路の温度の上昇を引き起こすことがある。超伝導集積回路の温度の上昇は、例えば、較正及び/又は動作中に、超伝導集積回路の性能に影響を与えることがある。
温度の上昇の影響を緩和する1つの手法は、超伝導集積回路が超伝導状態と通常状態との間の繰り返し遷移に起因する熱を放散し、及び超伝導集積回路が基準温度に戻るのに少なくとも十分な時間を待つことである。基準温度は、DACをリセットする前の超伝導集積回路の動作温度である。実際に、待ち時間は、数秒のオーダーであり得る。
待ち時間を除去又は少なくとも減少することは有益である。数秒の遅延は、較正及び/又は問題解決に悪影響を与えることがある。例えば、量子プロセッサの場合、DACのリセットに起因する遅延は、量子プロセッサが結果を返すのに要する時間を増大することがある。
本開示は、アドレス指定線を2つ以上のグループに分割し、同時に各グループに属するアドレス指定線に通信可能に結合されるDACをリセットするシステム及び方法を説明する。これらのシステム及び方法は、本出願で分布アニーリングリセットとも呼ばれる。
グループを連続的及び/又は同時にリセットし得る。a)リセット手続きに対する所望の持続期間、及びb)リセット手続き中に超伝導集積回路が達するピーク温度に対する許容値に少なくとも部分的に基づいてグループの数を選択し得る。
幾つかの実装形態において、所望の持続期間は、所定の持続期間閾値未満である。幾つかの実装形態において、ピーク温度に対する許容値は、所定の温度閾値未満の温度である。
DACのグループに属するアドレス指定線を作動させることにより、複数のDACを同時にリセットすることができる。作動されるグループ以外のグループにおけるアドレス指定線に通信可能に結合されるDACは、DACの現在の状態のままであり得、即ち、それらのDACの本体に貯蔵される磁束量子の数は、変わらないままであり得る。
分布アニーリングリセットを実行する1つの手法は、a)アドレス指定線のサブセットを選択し、アニーリング電力シーケンス(例えば、上述のアニーリング電力シーケンス)を使用し、アドレス指定線のサブセットに通信可能に結合されるDACのグループをDACのゼロ状態にリセットし、次に、b)アドレス指定線の他のサブセットに対して繰り返し、DACの他のグループをリセットすることである。
別の手法は、a)アニーリング電力レベルのシーケンスを定義し、b)第1の電力レベルに対して、次々にパルスのシーケンスをDACの各グループに印加し、c)各電力レベルについて繰り返すことである。
多くの基準を満たすために、DACのグループを選択することができる。例えば、同時にアドレス指定されるDACの平均数が少なくとも略同じである(即ち、同時にアドレス指定されるDACの平均数が所定の許容範囲内で変わる)ように、グループを選択することができる。1つの実装形態において、同時にアドレス指定されるDACの平均数は、10%の許容範囲内で変わる。別の実装形態において、同時にアドレス指定されるDACの平均数は、同時にアドレス指定されるDACの数の標準偏差が同時にアドレス指定されるDACの平均数の25%であるような許容範囲内で変わる。
別の例において、各グループの構成DACを同様に、超伝導集積回路にわたって少なくとも略均一に分布させるように、DACのグループを選択する。
図5Aは、本開示による1対のDACの各DACの各電力線に印加される時間依存信号502及び504の例のプロット500aである。1対のDACの各DACは、超伝導DAC(例えば、図1の超伝導DAC)であり得る。
図5Bは、本開示による図5Bに参照される同じ対のDACの各DACの各CJJループに印加される時間依存信号506及び508の例のプロット500bである。
超伝導量子プロセッサ(P16プロセッサと呼ばれる)を含む超伝導集積回路の実装形態の例において、本出願に記載のシステム及び方法は、128個の電力チャネル及び57個のアドレス指定チャネルを有する86,736個の4段DACを制御することができる。超伝導量子プロセッサ(P6プロセッサと呼ばれる)を含む超伝導集積回路の実装形態の別の例において、本出願に記載のシステム及び方法は、29個の電力チャネル及び61個のアドレス指定チャネルを有する10,296個の4段DACを制御することができる。
図5A及び図5Bにおいて、2つのDACが共通アドレス指定線を有する場合でも、信号は、DAC1及びDAC2を異なる時刻にリセットさせる。処理は、DAC1に対して図2A、図2B、図3A、図3B及び図3Cを参照して上述のプロトコルを用いてDAC1をリセットし、次に、DAC2をリセットすることと基本的に同等である。
図6Aは、本開示による1対のDAC(DAC1及びDAC2)の各DACの各電力線に印加される時間依存信号602及び604の例のプロット600aである。信号602及び604を、多くの電力レベルの各々でDAC1及びDAC2の電力線に印加することができる。信号602及び604を連続的に印加し得る。信号602及び604は、互いに同じであり得る。信号602及び604は、重複し得る。
図6Bは、本開示による図6Aに参照される同じ対のDACの第1のDAC(DAC1)のCJJループに印加される時間依存信号606の例のプロット600bである。
図6Cは、本開示による図6A及び図6Bに参照される同じ対のDACの第2のDAC(DAC2)のCJJループに印加される時間依存信号608の例のプロット600cである。
図7Aは、本開示によるDACの電力線に印加される時間依存信号702の例のプロット700aである。信号702は、DACの本体に印加される電流である。
図7Bは、本開示による図7Aに参照される同じDACのCJJループに印加される時間依存信号704の例のプロット700bである。信号704は、CJJループに印加される磁束である。
図8Aは、本開示による1対のDACの各DAC(DAC1及びDAC2)の各電力線に印加される時間依存信号802及び804の例のプロット800aである。
図8Bは、本開示による図8AのDAC1のアドレス指定線(ADDR及びTRIG)に印加される時間依存信号806の例のプロット800bである。
図8Cは、本開示による図8AのDAC2のアドレス指定線(ADDR及びTRIG)に印加される時間依存信号808の例のプロット800cである。
アドレス指定線の対における信号の加法結合によってのみDACを作動させることができると仮定して、l本のアドレス指定線から選択されるアドレス指定線の対を作動させることによってアドレス可能なDACの数NDACを、下記のように表すことができる。
DAC=l!/[2×(l-2)!]
例えば、6本のアドレス指定線から選択されるアドレス指定線の対を作動させることにより、15個のDACをアドレス指定することができる。
実際に、2つのDACの一方を、線上の信号の加法結合によって作動させ、他方のDACを、線上の信号の減法結合によって作動させる場合(例えば、加法結合(+1、+1)及び減法結合(+1、-1))、2つのDACは、同じ対のアドレス指定線を共有することができる。
図9Aは、本開示による超伝導集積回路におけるDACのセットをリセットする方法の例のフローチャート900aである。図9Aに例示の分布アニーリングリセットを実行する方法は、下記を含む。
・アドレス指定線をN個のグループG1、G2、...GNに分割し、各グループのサイズは、m/2であり、

に対して、

に対して、
・グループGi及びGjを結合し、
・パルスのシーケンスを印加して、グループGi及びGjにおけるアドレス指定線に通信可能に結合されるアドレス可能DACをリセットさせる。
1つの実装形態において、アドレス指定線をグループに分割することは、a)チップ温度が所定の閾値を超えて増加することなく、同時に作動可能な偶数mのアドレス指定線を判定することと、b)アドレス指定線をサイズm/2のグループに分割することとを含むことができる。
有利には、図9Aに記載の方法を含む本出願に記載の技術は、リセット手続き中にチップの加熱を減少することができる。例えば、有利には、本出願に記載の技術は、リセット手続き中に超伝導量子プロセッサにおける量子ビット及び他の超伝導デバイスの加熱を減少することができる。幾つかの実装形態において、リセット後のチップの温度は、グループの数に関して非線形である。例えば、グループの数を2倍にすると、温度の上昇が半分を超えることがある。
当業者は、代替の実装形態において、特定の動作を省略し、及び/又は追加動作を追加することができることが分かるが、方法900aは、動作902~914を含む。当業者は、動作の図示の順序が、単に例示的な目的で示され、代替の実装形態において、変わることができることが分かる。
902では、方法900aを呼び出す。幾つかの実装形態において、超伝導集積回路の要素が超伝導である温度に超伝導集積回路が冷却されており、読み出し回路が動作可能であり、超伝導集積回路は較正の準備ができていると、方法900aを呼び出す。
904では、システムは、アドレス指定線をグループに分割する。システムは、上述のように、アドレス指定線をグループに分割することができる。例えば、a)リセット手続きに対する所望の持続期間、及び/又はb)リセット手続き中に超伝導集積回路が達するピーク温度に対する許容値に少なくとも部分的に基づいてグループを選択し得る。別の例において、各グループの線を作動させることによってリセットされるDACを、超伝導集積回路にわたって少なくとも略均一に分布させるように、グループを選択することができる。
906では、システムは、ループ変数を初期化する。ループ変数を初期化することは、上述の説明でi=1及びj=i+1を初期化することを含むことができる。908では、システムは、パルスのシーケンスを印加して、DACのサブセットをリセットする。DACのサブセットは、アドレス指定線の1つ又は複数のグループに属するアドレス指定線によって作動されるDACであり得る。パルスのシーケンスを選択し、グループGi及びGjにおけるアドレス指定線に通信可能に結合されるアドレス可能DACをリセットさせることができる。図900b(下記)は、パルスシーケンスの例を示す。
910では、システムは、結合されるべきより多くのグループがあるかどうかを判定する。より多くのグループがある場合、方法900aは、908に戻り、パルスの別のシーケンスを印加して、DACの別のサブセットをリセットする。結合されるべきより多くのグループがない場合、方法900aは、912に進み、システムは、別のグループがあるかどうかを判定する。別のグループがある場合、方法900aは、908に戻る。より多くのグループがないとシステムが判定した場合、方法は、914に進み、方法は、終了する。
図9Bは、本開示による図9Aの分布アニーリングリセット手続きに対するパルスシーケンスの例の表900bである。
表900bは、3つのグループG1、G2及びG3に配置された6つのアドレス指定線a1、a2、a3、a4、a5及びa6を含む。グループG1は、アドレス指定線a1及びa2からなる。グループG2は、アドレス指定線a3及びa4からなる。グループG3は、アドレス指定線a5及びa6からなる。アドレス指定線a1、a2、a3、a4、a5及びa6の2つのアドレス指定線を作動させて、各DACをリセットすることができる。
表900bにおける各行は、2つの作動アドレス指定線の結合に対応する。例えば、行1は、作動アドレス指定線a1及びa2の結合に対応する。各アドレス指定線の作動を、各列における「1」によって表900に示す。作動されていない各アドレス指定線を、各列における「0」によって表900に示す。
空白は、アドレス指定線が作動されていない(事実上「0」)ことを示し、グループの識別に役立つために使用される。
表900bは、グループの対結合を示す。例えば、表900bの行1~6において、グループG1及びG2を同時にリセットする。各行に対して(即ち、作動アドレス指定線の各結合について)、分布アニーリングリセット手続きは、パルスのシーケンスをアドレス可能DACに印加するようにする。アドレス可能DACは、作動アドレス指定線に通信可能に結合されたDACである。アドレス可能DACに印加されたパルスのシーケンスは、アドレス可能DACをリセットさせる。
表900bの行7~12において、グループG2及びG3を同時にリセットし、表900bの行13~18において、グループG1及びG3を同時にリセットする。
図10Aは、本開示による超伝導集積回路におけるDACのセットをリセットする方法1000aの別の例のフローチャートである。図10Aに例示の分布アニーリングリセットを実行する方法1000aは、下記を含む。
・チップ温度が所定の温度閾値を超えて増加することなく、同時に作動可能な偶数mのアドレス指定線を判定する。
・アドレス指定線をN個のグループに分割し、サイズm/2のアドレス指定線の各グループである。
・各グループでアドレス可能な各DACのアドレス指定を可能にする列を計算する(又は線を結合することができる場合、線の結合によってアドレス可能な全DACをアドレス指定する)。
・各アドレス指定線に対して、ADDR線及びTRIG線への信号の加法結合のために下記のように表すことができる、アドレス可能DACの総数に等しいサイズの配列を生成する。
DAC=l!/[2×(l-2)!](ここで、lは、アドレス指定線の数である)

に対して、

に対して、
・グループN及びNにおける全線に列Sを印加して、アドレス指定線A及びAに通信可能に結合されるアドレス可能DACをリセットさせる。
当業者は、代替の実装形態において、特定の動作を省略し、及び/又は追加動作を追加することができることが分かるが、方法1000aは、動作1002~1018を含む。当業者は、動作の図示の順序が、単に例示的な目的で示され、代替の実装形態において、変わることができることが分かる。
1002では、方法1000aを呼び出す。幾つかの実装形態において、超伝導集積回路の要素が超伝導である温度に超伝導集積回路が冷却されており、読み出し回路が動作可能であり、超伝導集積回路は較正の準備ができていると、方法1000aを呼び出す。
1004では、システムは、同時に作動される線の数mを判定する。1006では、システムは、線をサイズm/2のグループに分割する。他の実装形態において、システムは、線を他のサイズ(例えば、m/3又はm/4)のグループに分割する。1008では、システムは、パルスのシーケンスを計算し、DACのサブセットをリセットする。線をグループに分割し、パルスのシーケンスを計算することは、図900aを参照して上述される。図1000bは、パルスシーケンスの例を示す。
1010では、システムは、アドレス可能DACのための配列を生成する。1012では、システムは、グループの結合(例えば、2つのグループの結合(本出願で対結合とも呼ばれる))における線に列を印加する。1014では、システムは、結合すべき別のグループがあるかどうかを判定する。別のグループがある場合、方法1000aは、1012に戻り、パルスの別のシーケンスを印加して、DACの別のサブセットをリセットする。結合されるべきより多くのグループがない場合、方法1000aは、1016に進み、システムは、別のグループがあるかどうかを判定する。別のグループがある場合、方法1000aは、1012に戻る。より多くのグループがないとシステムが判定した場合、方法は、1018に進み、方法は、終了する。
図10Bは、本開示による図10Aの分布アニーリングリセット手続きに対するパルスシーケンスの例の表1000bである。
表1000bは、4つのグループG1、G2、G3及びG4に配置された8つのアドレス指定線a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7及びa8を含む。グループG1は、アドレス指定線a1及びa2からなる。グループG2は、アドレス指定線a3及びa4からなる。グループG3は、アドレス指定線a5及びa6からなる。グループG4は、アドレス指定線a7及びa8からなる。アドレス指定線a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7及びa8の2つのアドレス指定線を作動させて、各DACをリセットすることができる。
表1000bを、下記のように投入する。表1000bに示す例の各グループにおいて、唯一の利用できる列は、(+1、+1)である。第1に、線a1~a4が+1であり、残りが0である第1の列を与えるために、グループ1をグループ2に結合する。第2に、線a1、a2、a5及びa6が+1であり、残りが0である第2の列を与えるために、グループ1をグループ3に結合する。第3に、線a1、a2、a7及びa8が+1であり、残りが0である第3の列を与えるために、グループ1をグループ4に結合する。
第4に、線a3~a6が+1であり、残りが0である第4の列を与えるために、グループ2をグループ3に結合する。第5に、線a3、a4、a7及びa8が+1であり、残りが0である第5の列を与えるために、グループ2をグループ4に結合する。第6に、線a5~a8が+1であり、残りが0である第6の列を与えるために、グループ3をグループ4に結合する。
一般的に、図10Aの方法1000aは、図9Aの方法900aよりも効率的であり得、方法1000aで使用されるリセットパルスの総数は、方法900aで使用されるリセットパルスの総数以下であり得る。
少なくとも上述の理由のため、20本の線のみを同時に作動させるのが望ましい、60本のアドレス指定線を有する回路のシナリオの例において、線を、10本の線のグループに分割する。6つのグループがあり、各グループを、合計15個の列で互いに作動させることができる。
線に、(特定の順序でなく)ラベルL1~L60を付け、線を番号によってグループ化する場合、6つのグループは、L1~L10、L11~L20、L21~L30、L31~L40、L41~L50及びL51~L60である。DACをリセットすることができる列を、下記のように、グループの各対における線に対して作動させることができる。
L1~L10 L11~L20、L1~L10 L21~L30、L1~L10 L31~L40、L1~L10 L41~L50、L1~L10 L51~L60、
L11~L20 L21~L30、L11~L20 L31~L40、L11~L20 L41~L50、L11~L20 L51~L60、
L21~L30 L31~L40、L21~L30 L41~L50、L21~L30 L51~L60、
L31~L40 L41~L50、L31~L40 L51~L60、
L41~L50 L51~L60。
15本の線のみを同時に作動させることができる60本のアドレス指定線を更に有する別のシナリオにおいて、5本の線の12個のグループを各々形成することができる。DACをリセットすることができる列を、3つのグループの様々な結合について生成することができる。
図11は、磁束貯蔵デバイス(例えば、DAC)を含む、本出願に記載のシステム及び方法を組み込むことができるデジタルコンピュータ1102及び量子コンピュータ1104を含む、少なくとも1つの例示的な実装形態によるハイブリッド計算システム1100を示す。
デジタルコンピュータ1102は、CPU1106、ユーザインターフェース要素1108、1110、1112及び1114、ディスク1116、制御器1118、バス1120及びメモリ1122を含む。メモリ1122は、モジュール1124、1126、1128、1130、1132及び1134を含む。モジュール1134は、例えば、本出願に記載の方法により、1つ又は複数のDACをリセットするために使用可能なDACリセット命令を含む。
量子コンピュータ1104は、1つ又は複数の磁束貯蔵デバイス(例えば、図1のDAC100及び/又は図4のDACアレイ400)を組み込むことができる。量子コンピュータ1104は、量子プロセッサ1136、読み出し制御システム1138、量子ビット制御システム1140及び結合器制御システム1142を含む。
上述の様々な実施形態を組み合わせて、更なる実施形態を与えることができる。ここに記載の特定の教示及び定義と矛盾しない範囲で、2019年5月16日に出願の「SYSTEMS AND METHODS FOR ADDRESSING DEVICES IN A SUPERCONDUCTING CIRCUIT」の国際公開第2019222514A1号、米国特許第10,528,886号、米国特許出願公開第2021/0190885号、2019年8月19日に出願の「SYSTEMS AND METHODS FOR ADDRESSING DEVICES IN A SUPERCONDUCTING CIRCUIT」の米国特許出願第16/996,595号及び2021年12月21日に出願の「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING DEVICES IN A SUPERCONDUCTING CIRCUIT」の米国特許出願第63/128,416号(但し、これらに限定されない)を含む、本明細書で参照され、及び/又はこの特許出願の譲受人に譲渡される出願データシートに列挙される米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許及び外国特許出願の全部が全体として参照により本明細書に援用される。実施形態の態様を必要に応じて修正し、様々な特許、出願及び公開のシステム、回路及び概念を使用して更なる実施形態を与えることができる。
上述の詳細な説明を踏まえて、実施形態に対するこれら及び他の変更形態がなされ得る。一般的に、下記の特許請求の範囲において、使用される用語は、本明細書及び特許請求の範囲に開示の特定の実施形態に特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではなく、このような特許請求の範囲に与えられる均等物の全範囲と一緒に全ての可能な実施形態を含むように解釈されるべきである。従って、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。

Claims (25)

  1. システムの動作の方法であって、前記システムは、超伝導集積回路及び制御器を含み、前記超伝導集積回路は、複数の磁束貯蔵デバイスを含み、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々は、それぞれの複合ジョセフソン接合部によって遮断される超伝導ループを含み、前記それぞれの複合ジョセフソン接合部は、ジョセフソン接合部のそれぞれの対を含み、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々は、複数のアドレス指定線のそれぞれの1つ及び複数の電力線のそれぞれの1つに通信可能に結合され、前記方法は、前記制御器によって実行され、前記方法は、
    前記複数の磁束貯蔵デバイスについて、前記ジョセフソン接合部のそれぞれの対のジョセフソン接合部間の最悪の非対称性を推定することと、
    前記複数の磁束貯蔵デバイスについて、平均臨界電流を推定することと、
    前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の複数の電力線の前記それぞれの1つの上の電流について開始レベルを判定することであって、前記開始レベルは、前記最悪の非対称性及び前記平均臨界電流に少なくとも部分的に基づく、判定することと、
    電力レベル増加分を判定することと、
    離散的電力レベルのシーケンスを生成することであって、前記シーケンスは、
    前記開始レベルとゼロとの間の正の電力レベルであって、前記電力レベル増加分だけ減少する正の電力レベルと、
    前記開始レベルの加法逆元とゼロとの間の負の電力レベルであって、前記電力レベル増加分だけ増加し、前記正の電力レベル及び前記負の電力レベルは、前記離散的電力レベルの生成されたシーケンスで交互になっている、負の電力レベルと
    を含む、生成することと、
    前記離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の前記それぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線の前記それぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々をリセットさせることと
    を含む、方法。
  2. 前記超伝導集積回路をリセットエラーについて検査することと、
    リセットエラーが検出される場合、前記開始レベルを更新することと
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複数の磁束貯蔵デバイスについて、前記ジョセフソン接合部のそれぞれの対のジョセフソン接合部間の最悪の非対称性を前記推定することは、前記超伝導集積回路における又はそれに隣接する1つ又は複数のジョセフソン接合部の各々のそれぞれの臨界電流の変動を判定することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記超伝導集積回路における又はそれに隣接する1つ又は複数のジョセフソン接合部の各々の前記それぞれの臨界電流の変動を前記判定することは、室温で前記超伝導集積回路における又はそれに隣接する1つ又は複数のジョセフソン接合部の各々の前記それぞれの臨界電流の前記変動を判定することを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の前記それぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線の前記それぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを前記印加することは、同時に前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の前記それぞれの複合ジョセフソン接合部にアドレス指定線の対を介して1つ又は複数のパルスを印加することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の前記それぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線の前記それぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを前記印加して、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々をリセットさせることは、前記離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の前記それぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線の前記それぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、超伝導デジタル/アナログ変換器(DAC)をリセットさせることを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の前記それぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線の前記それぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを前記印加して、超伝導DACをリセットさせることは、前記離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の前記それぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線の前記それぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、インダクタンスによって遮断される超伝導材料のループを含む前記超伝導DACをリセットさせることを含み、前記インダクタンスは、前記超伝導材料のループの集中素子インダクタンス、分布インダクタンス、運動インダクタンス及び固有インダクタンスの少なくとも1つである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の前記それぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線の前記それぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを前記印加して、インダクタンスによって遮断される超伝導材料のループを含む超伝導DACをリセットさせることは、前記離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の前記それぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線の前記それぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、前記超伝導DACをリセットさせることを含み、前記超伝導DACは、前記インダクタンスの少なくとも一部を介してプログラマブルデバイスに誘導通信可能に結合される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の前記それぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線の前記それぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを前記印加して、超伝導DACをリセットさせることは、前記離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の前記それぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線の前記それぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、超伝導DACをリセットさせることを含み、前記超伝導DACは、複数の超伝導DACの1つであり、前記複数の超伝導DACのそれぞれの1つは、前記複数のアドレス指定線のうちのアドレス指定線の対に通信可能に結合され、動作中の前記超伝導DACは、アドレス指定線の対によってアドレス可能であり、前記アドレス指定線の対における各アドレス指定線は、少なくとも1つの他の超伝導DACと共有される、請求項6に記載の方法。
  10. 前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の複数の電力線の前記それぞれの1つの上の電流について開始レベルを判定することは、複数の電力線の前記それぞれの1つの上の電流について開始レベルを判定することを含み、前記複数の電力線のうちの各電力線は、少なくとも1つの他の超伝導DACと共有される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の前記それぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線の前記それぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを前記印加して、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々をリセットさせることは、前記離散的電力レベルのシーケンスの各電力レベルについて、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々の前記それぞれの複合ジョセフソン接合部に複数のアドレス指定線の前記それぞれの1つを介して1つ又は複数のパルスを印加して、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々を基底状態にリセットさせることを含む、請求項1に記載の方法。
  12. システムの動作の方法であって、前記システムは、超伝導集積回路及び制御器を含み、前記超伝導集積回路は、複数の磁束貯蔵デバイスを含み、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々は、複数のアドレス指定線のそれぞれの対及び複数の電力線のそれぞれの1つに通信可能に結合され、前記方法は、前記制御器によって実行され、前記方法は、
    前記複数のアドレス指定線を1つ又は複数のアドレス指定線グループに分割することと、
    アドレス指定線グループの各対結合について、アドレス指定線グループの各対結合の各アドレス指定線にパルスのそれぞれのシーケンスを印加して、前記複数の磁束貯蔵デバイスの1つ又は複数をリセットさせることと
    を含む、方法。
  13. 前記複数の磁束貯蔵デバイスのうちの磁束貯蔵デバイスを前記リセットさせることは、超伝導デジタル/アナログ変換器(DAC)をリセットさせることを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 超伝導DACを前記リセットさせることは、インダクタンスによって遮断される超伝導材料のループを含む超伝導DACをリセットさせることを含み、前記インダクタンスは、前記超伝導材料のループの集中素子インダクタンス、分布インダクタンス、運動インダクタンス及び固有インダクタンスの少なくとも1つである、請求項13に記載の方法。
  15. インダクタンスによって遮断される超伝導材料のループを含む超伝導DACを前記リセットさせることは、超伝導DACをリセットさせることを含み、前記超伝導DACは、前記インダクタンスの少なくとも一部を介してプログラマブルデバイスに誘導通信可能に結合される、請求項14に記載の方法。
  16. 超伝導DACを前記リセットさせることは、超伝導DACを基底状態にリセットさせることを含む、請求項12に記載の方法。
  17. 前記複数のアドレス指定線を1つ又は複数のアドレス指定線グループに前記分割することは、同時に作動される前記複数のアドレス指定線の数mを判定することと、前記複数のアドレス指定線をサイズm/2のグループに分割することとを含む、請求項12に記載の方法。
  18. 同時に作動される前記複数のアドレス指定線の数mを前記判定することは、前記超伝導集積回路の温度を所定の温度閾値未満に維持しながら、前記複数の磁束貯蔵デバイスの1つ又は複数をリセットさせるために作動され得る前記複数のアドレス指定線の数mを判定することを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 同時に作動される前記複数のアドレス指定線の数mを前記判定することは、所定の持続期間閾値未満の時間の持続期間内に前記複数の磁束貯蔵デバイスをリセットさせるために作動され得る前記複数のアドレス指定線の数mを判定することを含む、請求項17に記載の方法。
  20. アドレス指定線グループの各対結合の各アドレス指定線にパルスのそれぞれのシーケンスを前記印加して、前記複数の磁束貯蔵デバイスの1つ又は複数をリセットさせることは、連続的にアドレス指定線グループの各対結合の各アドレス指定線に前記パルスのそれぞれのシーケンスを印加することを含む、請求項12に記載の方法。
  21. システムの動作の方法であって、前記システムは、超伝導集積回路及び制御器を含み、前記超伝導集積回路は、複数の磁束貯蔵デバイスを含み、前記複数の磁束貯蔵デバイスの各々は、複数のアドレス指定線の少なくとも1つ及び複数の電力線のそれぞれの1つに通信可能に結合され、前記方法は、前記制御器によって実行され、前記方法は、
    前記制御器により、前記複数のアドレス指定線の第1のサブセット及び前記複数の電力線の第2のサブセットを判定することと、
    前記制御器により、同時に前記複数のアドレス指定線の前記第1のサブセット及び前記複数の電力線の前記第2のサブセットを作動させることにより、前記複数の磁束貯蔵デバイスのうちの磁束貯蔵デバイスをリセットさせることと
    を含む、方法。
  22. 前記複数の磁束貯蔵デバイスのうちの磁束貯蔵デバイスを前記リセットさせることは、超伝導デジタル/アナログ変換器(DAC)をリセットさせることを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 超伝導DACを前記リセットさせることは、インダクタンスによって遮断される超伝導材料のループを含む超伝導DACをリセットさせることを含み、前記インダクタンスは、前記超伝導材料のループの集中素子インダクタンス、分布インダクタンス、運動インダクタンス及び固有インダクタンスの少なくとも1つである、請求項22に記載の方法。
  24. インダクタンスによって遮断される超伝導材料のループを含む超伝導DACを前記リセットさせることは、超伝導DACをリセットさせることを含み、前記超伝導DACは、前記インダクタンスの少なくとも一部を介してプログラマブルデバイスに誘導通信可能に結合される、請求項23に記載の方法。
  25. 超伝導DACを前記リセットさせることは、超伝導DACを基底状態にリセットさせることを含む、請求項23に記載の方法。
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