JP2024502720A - 糖尿病を治療する方法 - Google Patents

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Abstract

毎週の基礎インスリン-Fc(BIF)などの週1回の投薬に好適な長時間作用型インスリン受容体アゴニストの用量を決定し、投与することを含む、用量及び投薬レジメンが本明細書に記載される。【選択図】なし

Description

本発明は、糖尿病を治療する方法に関する。より具体的には、本発明は、長時間作用型インスリン受容体アゴニストを用いて糖尿病を治療する方法に関する。本明細書に記載の方法は、毎週の基礎インスリン-Fc(BIF)などの週1回の投薬に好適な長時間作用型インスリン受容体アゴニストの用量を決定し、投与することを含む、投薬レジメンを含む。
糖尿病は、インスリン分泌、インスリン作用、又は両方の欠陥に起因する高血糖症を特徴とする慢性疾患である。1型(T1D)は、インスリン分泌能がほとんど又は全くないことを特徴とし、T1D患者は、生存のためにインスリンを必要とする。2型糖尿病(T2D)は、インスリン分泌不全、インスリン抵抗性、過剰な肝臓でのグルコース生産、及び/又は上記のうちの全ての寄与に起因する血糖値の上昇を特徴とする。T2D患者の多くは、疾患が進行してインスリン療法が必要になる。
T1D患者はインスリンをほとんど又は全く産生しないため、有効なインスリン療法は、一般に、ボーラス注射によって提供される速効型の食事時又は食前インスリン、並びに食間及び夜通し血糖値を制御するために1日1回又は2回投与される長時間作用型の基礎インスリンという、2種類の体外投与インスリンの使用を伴う。T2D患者の治療は典型的に、処方された減量、運動、及び糖尿病食から始まるが、これらの手段で血糖値の上昇を制御できない場合は、経口薬及びインクレチンベースの治療法が必要になることがある。これらの薬剤が依然として不十分である場合、インスリンによる治療が検討される。疾患がインスリン療法を必要とするところまで進行しているT2D患者は、一般に、長時間作用型の基礎インスリンの1日1回の注射を始める。
現在入手可能な基礎インスリン類似体には、商品名LANTUS(登録商標)、TOUJEO(登録商標)、BASALGLAR(登録商標)及びSEMGLEE(登録商標)で販売されているインスリングラルギン、商品名LEVEMIR(登録商標)で販売されているインスリンデテミル、並びに商品名TRESIBA(登録商標)で販売されているインスリンデグルデクが含まれる。これらのインスリンは、各々1日1回の投与に適応される。
既存のインスリン療法の毎日の注射を伴う治療レジメンは、複雑かつ投与に痛みを伴い得、低血糖及び体重増加などの望ましくない副作用をもたらし得る。したがって、インスリン療法の開始後であっても、多くの糖尿病患者は、血糖値の厳密な制御を維持するために必要なインスリン療法に従うことを望まないか若しくは従うことができない、又は従う能力がない。作用期間がより長く、故に必要な注射頻度が現在利用可能なインスリン製品よりも少ない(週1回程度の頻度を含む)インスリン製品を特定するための研究が行われている。そのような製品は、受け入れ及びコンプライアンスを改善する可能性がある。
しかしながら、インスリン活性が持続する製品の投与に関連する潜在的な問題がある。例えば、インスリン活性が持続すると、理論的には、低血糖事象のリスクが高くなるか、又はそのような事象及び/若しくは体重増加の期間が長くなる可能性がある。加えて、インスリン活性が持続する製品の週1回投与は、インスリン活性が定常状態に到達するまでに数週間を必要とする場合があり、その結果、その間に高血糖が最適に制御されなくなる。低血糖、体重増加、及び/又は最適以下の高血糖制御のリスクの増加は、既存のインスリンよりもインスリン作用の持続時間が長い製品の潜在的なマイナス面になる可能性があるが、そのようなリスクは、最適化された用量及び投薬レジメンの使用によって管理又は排除することができる。
WO2014/009316は、糖尿病患者がインスリンの十分な基礎投与を得るために、週に約1回の頻度でそれらを投与するのに十分な、十分に長い作用時間を有すると述べられているインスリン誘導体を記載している。これらの誘導体の治療レジメンは、WO2016/001185で提案されている。
US2016/0324932は、BIFを含め、週1回程度の頻度で投薬するのに十分なインスリン受容体での作用持続時間を延長した融合タンパク質を記載している。具体的な投薬レジメンは記載されていない。
現在利用可能なインスリン製品よりも注射回数が少ないインスリン療法が依然として必要とされている。現在利用可能なインスリン製品と比較して、低血糖のリスクを増加させずに、又は低減して、そのようなインスリン療法を使用する治療方法の必要性も残っている。現在利用可能なインスリン製品よりも注射回数が少ないインスリン療法が依然として必要とされている。現在利用可能なインスリン製品と比較して、強化された血糖制御を提供するインスリン療法が依然として必要とされている。現在利用可能なインスリン製品と比較して、体重増加のリスクを増加させずに、又は低減して、そのようなインスリン療法を使用する治療方法の必要性も残っている。また、患者が定常状態の血清レベルに迅速に到達できるような方法で投与されるインスリン療法の必要性も残っている。
したがって、本発明は、血糖制御を必要とする糖尿病を有する対象においてそれを提供する方法であって、
a)当該対象に、
i)対象が、
a.インスリン未経験であるか、
b.T2D及び空腹時グルコース(FG)>120mg/dLを有するか、又は
c.T1D型を有する場合、初期用量が負荷用量である、
ii)対象がT2Dを有するが、a.又はb.における上記の基準を満たさない場合、初期用量が毎週の維持用量である、という基準に従ってBIFの初期用量を投与することと、
b)当該対象に、初期用量の投与の1週間後に開始して週1回、1回以上の毎週の維持用量を投与することと、を含む、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、糖尿病の治療における使用のためのBIFを提供し、治療は、
a)当該対象に、
i)対象が、
a.インスリン未経験であるか、
b.T2D及びFG>120mg/dLを有するか、又は
c.T1Dを有する場合、初期用量が負荷用量であり、
ii)対象がT2Dを有するが、a.又はb.における上記の基準を満たさない場合、初期用量が毎週の維持用量である、という基準に従ってBIFの初期用量を投与することと、
b)当該対象に、初期用量の投与の1週間後に開始して週1回、1回以上の毎週の維持用量を投与することと、によって血糖制御を提供することを含む。
本発明はまた、糖尿病の治療に使用するためのBIFの負荷用量及び維持用量を選択するための基準を提供する。
別の態様では、本発明は、糖尿病を有する対象において血糖制御を提供する方法であって、
a)対象に投与される週1回の投薬に好適な長時間作用型インスリン受容体アゴニストの第1の用量を決定することと、
b)週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストの第1の用量を対象に投与することと、
c)対象の空腹時グルコース(FG)を測定することと、
d)対象の低血糖の頻度及び重症度を集計することと、
e)ステップc)で決定された対象のFG、及びステップd)で決定された低血糖の頻度及び重症度に基づいて、対象に投与される週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストの第2の用量を決定することと、
f)週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストの第2の用量を投与することと、を含む方法を提供する。
本発明はまた、対象に投与される週1回の投薬に好適な長時間作用型インスリン受容体アゴニストの負荷用量を投与することを含む、糖尿病を有する対象において血糖制御を提供する方法を提供する。
ある特定の実施形態では、負荷用量は、最初に、対象の予想される毎週の維持用量を決定すること、次いで、対象の予想される毎週の維持用量に、週1回の投薬に好適な長時間作用型インスリン受容体アゴニストの定常状態濃度:単回用量ピーク濃度の比を掛けることによって決定される。
本出願は、週1回の投薬に好適な長時間作用型インスリン受容体アゴニストの投薬レジメン、使用及び治療方法を提供する。
本明細書で使用する場合、「インスリン受容体アゴニスト」という用語は、インスリン受容体に結合し、それを活性化することで、下記の研究で示されるものなどの既知の技法を使用して試験及び測定することができる特徴である血糖値の低下及び/又は肝臓でのグルコース生産の抑制をもたらすタンパク質を指す。「長時間作用型インスリン受容体アゴニスト」という用語は、1日1回又は2回以下の頻度で投与された場合に、食事間の血糖値を制御するための持続的な薬物動態学的及び薬力学的プロファイルを有するインスリン受容体アゴニストを指す。インスリン受容体アゴニストに関連して本明細書で使用される場合、「週1回の投薬に好適な」という用語は、薬物動態学的及び薬力学的プロファイルを有する長時間作用型インスリン受容体アゴニストを指し、これは、週1回以下の頻度で投与された場合に食事間の血糖値を制御するのに十分に持続する。そのような分子の例には、BIFを含む、US2016/0324932に記載の融合タンパク質が含まれる。
インスリンエフシトラアルファとしても知られるBIFは、ヒトIgG Fc領域に融合したインスリン受容体アゴニストの二量体を含み、インスリン受容体アゴニストは、第1のペプチドリンカーの使用によってインスリンA鎖類似体に融合したインスリンB鎖類似体を含み、インスリンA鎖類似体のC末端残基は、第2のペプチドリンカーのN末端残基に直接融合され、第2のペプチドリンカーのC末端残基は、ヒトIgG Fc領域のN末端残基に直接融合される。BIFは、CAS登録番号2131038-11-2によって識別され、次の化学名が付けられている:(1)免疫グロブリンG2(ヒトFc断片)、二量体を有するペプチド(合成20-アミノ酸リンカー)融合タンパク質を有するインスリン[47-トレオニン、51-アスパラギン酸、58-グリシン](ヒトA鎖)融合タンパク質を有するペプチド(合成7-アミノ酸リンカー)融合タンパク質を有するインスリン[16-グルタミン酸、25-ヒスチジン、27-グリシン、28-グリシン、29-グリシン、30-グリシン](ヒトB鎖)融合タンパク質;及び(2)アルファグリコシル化されたCHO細胞中で発現されたトリス(テトラグリシルグルタミニル)ペンタグリシル(59-78)ホモサピエンス免疫グロブリン重鎖定常γ2{del-CH1、ヒンジ-(7-12)、CH2、CH3[K107>del(300)]}(79-299)、二量体(80-80’:83-83’)-ビスジスルフィドを有するジグリシルセリルテトラグリシル(31-37)インスリンA鎖[I10>T(47)、Y14>D(51)、N21>G(58)](38-58)融合タンパク質を有するホモサピエンスインスリンB鎖[Y16>Y(16)、F25>H(25)、TPKT27-30>GGGG(27-30)](1-30)融合タンパク質。
BIFの各単量体は、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する。
Figure 2024502720000001
(配列番号1)。各単量体は、7位と44位、19位と57位、43位と48位、114位と174位、及び220位と278位のシステイン残基間に鎖内ジスルフィド結合を含む。2つの単量体は、80位と83位のシステイン残基間のジスルフィド結合によって結合して二量体を形成する。BIFの構造、機能及び産生については、米国特許出願公開第2016/0324932号でより詳細に記載されている。
本明細書で使用される場合、「BIF」という用語は、配列番号1のアミノ酸配列を有する2つの単量体で構成された任意のインスリン受容体アゴニストを指し、インスリン受容体アゴニスト製品の承認を求める当事者が、実際にそのインスリン受容体アゴニストをBIFとして同定しているか、又はいくつかの他の用語を使用しているかにかかわらず、BIFに関してEli Lilly and Companyによって規制当局に提出された全体的又は部分的なデータに依存する、当該製品の承認を求める規制提出書類の対象である任意のタンパク質を含む。
週1回の投薬に好適な長時間作用型インスリン受容体アゴニストの投薬レジメン及び使用方法の複数の態様が、本明細書に記載されている。ある特定の態様では、本明細書に記載のレジメン、使用及び方法は、そのようなインスリン受容体アゴニストの初期又は負荷用量の決定及び投与を含む。他の態様では、本明細書に記載のレジメン、使用及び方法は、毎週の維持用量をいつ、どのように調整するかを含む、毎週の維持用量の決定及び投与を含む。
負荷用量及び毎週の維持用量を決定するための基準及びガイドラインの実施形態は、以下でより詳細に記載される。
負荷用量の決定及び投与。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法、使用及び投薬レジメンは、負荷用量の決定及び投与を含む。排出半減期が長いため、毎週の投薬レジメンに従って、週1回の投薬に好適な週1回のインスリン受容体アゴニストを投与すると、薬物動態学的定常状態に数週間到達しない可能性がある。加えて、そのような製品の長い排出半減期は、週1回、数週間投与された場合、単回用量の投与後に観察されるピーク血清濃度レベルよりも著しく高いピーク濃度レベルをもたらす可能性がある。本明細書に記載のレジメン、使用及び方法のある特定の実施形態は、薬物動態学的定常状態に到達するまでの時間を短縮するように設計された単一の初期1回のみの負荷用量の投与を通じて、これらの問題に対処する。したがって、本明細書で使用される場合、「負荷用量」という用語は、所与の対象に投与される週1回の投薬に好適な長時間作用型インスリン受容体アゴニストの第1の用量を指し、長期の維持治療に使用されると予想される用量よりも多い。
本明細書に記載の負荷用量は、一般に、単回用量を投与した後、最初の1週間以内にほぼ定常状態の濃度に到達することを可能にする係数だけ、以下でより詳細に記載される予想される毎週の維持用量より多い単回用量を含む。そのような効果を提供する負荷用量をもたらすために予想される毎週の維持用量を増加させる係数は、(a)定常状態に到達するために十分な数の毎週の維持用量の投与後のインスリン受容体アゴニストの血清濃度と、(b)予想される毎週の維持用量の単回用量の投与後に到達したインスリン受容体アゴニストのピーク血清濃度との比に基づいて決定される。この比は、「定常状態濃度:単回用量ピーク濃度」と呼ばれることがある。したがって、例えば、定常状態に到達するのに十分な数の予想される毎週の維持用量が投与された後に到達したインスリン受容体アゴニストの血清濃度が、単回用量の投与後に到達したピーク血清濃度よりも3倍高い場合、定常状態:単回用量ピーク濃度比は3であり、負荷用量は、予想される毎週の維持用量よりも3倍多い単回用量となる。
本明細書で使用される場合、「予想される毎週の維持用量」という用語は、所与の対象において血糖制御を提供するために必要であると予想される、週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストの用量を指す。予想される毎週の維持用量は、週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストによる治療の開始前に決定されるが、治療の過程で投与される毎週の維持用量は、以下でより詳細に記載される様々な基準に基づいて決定される。インスリン未経験である患者のある特定の実施形態では、予想される毎週の維持用量は、100インスリン単位(本明細書ではU又はIUとも呼ばれる)などの固定レベルに設定され得る。基礎インスリンで既に治療されている患者などの他の実施形態では、初期の毎週の維持用量又は「予想される毎週の維持用量」は、対象の現在の毎日の基礎インスリン用量及び/又は対象の空腹時グルコース(FG)、並びに任意選択で低血糖の頻度及び重症度、体重(BW)などの他の要因に基づくことができる。
ある特定の実施形態では、負荷用量は、予想される毎週の維持用量よりも約1.5~約5倍多い範囲である。ある特定の実施形態では、負荷用量は、予想される毎週の維持用量よりも約1.5~約3倍多い範囲である。ある特定の実施形態では、負荷用量は、予想される毎週の維持用量よりも約1.5、1.6、1.8、2又は3倍多い。
BIFの場合、週1回投薬の開始後の定常状態の血清濃度レベルは、負荷用量なしの週1回投与のおよそ8~10又は12週間後に到達すると予測される。初期の毎週の維持用量又は予想される毎週の維持用量よりもおよそ3倍高い負荷用量を使用すると、投薬の最初の1週間以内にほぼ定常状態の濃度に到達することができる。ある特定の好ましい実施形態では、週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストはBIFであり、負荷用量は、初期の毎週の維持用量又は予想される毎週の維持用量よりも約3倍多い。
対象がインスリンデグルデク又はインスリングラルギンなどの既存の基礎インスリンで既に治療されており、週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストに切り替えられている場合、週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストの予想される毎週の維持用量は、典型的には、対象の現在の基礎インスリン用量に少なくとも部分的に基づく。
そのような対象の毎日の基礎インスリン用量は、毎週単回用量に置き換えられているため、単位での1日用量は、本明細書では「毎日の基礎用量の週等量」と呼ばれる毎週の用量に変換されなければならず、これは週1回の投薬で定常状態に達すると、毎日同じレベルのインスリン活性を提供することが予想される。毎日の基礎用量の週等量は、インスリン単位又はmgで表すことができる。インスリン単位で表す場合、週1回インスリン受容体アゴニストと同等の毎日の基礎用量を取得するために、週1回インスリン受容体アゴニストによる治療を開始する前の1日1回基礎インスリン単位の1日用量に7を掛ける。例えば、週1回のインスリン受容体アゴニストによる治療の開始前に42単位/日のインスリンデグルデクを受けていた患者の毎日の基礎用量の週等量は、294単位になる。
ある特定の実施形態では、週1回のインスリン受容体アゴニストは、5単位又は10単位の増分での調整を可能にするデバイスで提供されるため、投与される週1回のインスリンの用量を決定する場合、上記のように計算された毎日の基礎用量の週等量は、最も近い5又は10単位に四捨五入される。したがって、ある特定の実施形態では、週1回のインスリンが5単位の増分で用量調整を可能にするデバイスで提供される場合、上記のように計算された294単位の毎日の基礎用量の週等量は、295単位又は290単位に四捨五入され得る。
mgで表す場合、単位での用量は、本明細書で「毎週の基礎換算係数」又は「毎日の基礎換算係数」と呼ばれるものを使用して、週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストの効力に基づいてmg等量に換算しなければならない。例えば、1mgのBIFは1週間で約35単位を提供すると決定されているため、BIFの毎週の基礎換算係数は、約35U/週/mgであり、BIFの毎日の基礎換算係数は、約5U/日/mgであると決定されている。したがって、1日当たり42単位のインスリンデグルデクを受けていた患者のBIFのmg用量は、約8.4mg(42単位/日×7日=294単位/週/35U/週/mg)になる。
ある特定の実施形態では、毎日の基礎用量の週等量の決定は、ある特定の基礎インスリンで治療されている患者に対して追加の調整を必要とし得る。例えば、1日2回の中性プロタミンHagedorn(NPH)インスリンで治療されている患者の場合、ある特定の実施形態では、毎日の基礎インスリン用量は、上記のように毎日の基礎用量の週等量を決定する前に20%低減されるべきである。同様に、U300インスリングラルギンで治療されている患者の場合、ある特定の実施形態では、毎日の基礎インスリン用量は、上記のように毎日の基礎用量の週等量を決定する前に20%低減されるべきである。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の投薬レジメン、使用及び方法は、負荷用量を提供することによって、対象が許容可能な血糖制御に到達するまでの時間を最小限に抑えるように設計されている。T2DM患者が現在、複数の1日用量のインスリン(MDI)を伴うか又は伴わずに1日1回の基礎インスリンで治療されており、既存の基礎インスリンを週1回のインスリン受容体アゴニストに置き換えているある特定の実施形態では、負荷用量の必要性は、週1回のインスリン受容体アゴニストによる治療を開始する前の患者のFGに依存する。例えば、ある特定の実施形態では、そのような患者がベースラインFG>120mg/dLを有する場合、負荷用量が提供されるが、そのような患者がベースラインFG≦120mg/dLを有する場合、負荷用量が必要でない場合がある。
ある特定の実施形態では、BIFの負荷用量が、ベースラインFG>120mg/dLを有するそのようなT2DM患者に示される場合、負荷用量は、上記のように決定された、毎日の基礎用量の週等量よりも3倍多い。したがって、例えば、1日当たり42単位のインスリンデグルデクで治療されている患者のBIFの負荷用量は、885単位[3×(42単位/日×7日=294単位、最も近い5に四捨五入=295単位)]になる。ある特定の実施形態では、負荷用量の決定は、最大制限を受ける。例えば、ある特定の実施形態では、最大負荷用量は、1600単位である。したがって、例えばそのような実施形態では、計算された負荷用量が>1600単位である場合、負荷用量は、1600単位となる。ある特定の実施形態では、ベースラインFG≦120mg/dLを有するそのような患者に対して負荷用量が示されない場合、投与されるBIFの第1の用量は、例えば以下でより詳細に記載されるように決定される、毎週の維持用量である。
T1D患者のためのある特定の実施形態では、負荷用量が示されるが、負荷用量の量は、患者のFGなどの要因に依存する。例えば、ある特定の実施形態では、FG≦140mg/dLを有するT1D患者の負荷用量は、T2DM患者について上記のように、毎日の基礎用量の週等量よりも3倍多くなる。FGが>140mg/dLである患者の場合、ある特定の実施形態では、負荷用量は上方調整される。例えば、ある特定の実施形態では、141~160mg/dLのベースラインFGを有する患者の場合、負荷用量は、最初に以前の1日用量を10~20%増加させ、次いでその増加した用量に7を掛けて毎週の用量に換算することによって計算される。ベースラインFG>160mg/dLを有する患者の場合、上方調整は、20~30%増加される。そのような実施形態は、以下の表1に示される。
Figure 2024502720000002
他の実施形態では、予想される毎週の維持用量の決定は、毎日の基礎用量の週等量を計算することを超えて、更なる調整を必要とし得る。例えば、治療開始時の対象のFGが目標レベルを上回っている場合、予想される毎週の維持用量を決定するために、ある特定の実施形態における毎日の基礎用量の週等量を増加させるべきである。調整の正確な量は、特定のインスリン受容体アゴニストによって異なり得るが、ある特定の実施形態における調整は、典型的には目標レベルに近いFGレベルを有する対象と比較して、その範囲の上限での調整を必要とする目標レベルから比較的離れたFGレベルを有する対象では、約10~70%の増加を含む。同様に、ある特定の実施形態では、治療開始時の対象のFGが目標レベルを下回る場合、予想される毎週の維持用量を決定するために、毎日の基礎用量の週等量を低減すべきである。調整の正確な量は、特定のインスリン受容体アゴニストによって異なり得るが、ある特定の実施形態における調整は、典型的に、約10~50%の低減を含む。
例えば、毎日の基礎インスリンからBIFに切り替える対象のある特定の実施形態では、対象が100mg/dLの目標FGに留まるか、又は迅速に到達することを可能にするように設計された、予想される毎週の維持のための用量調整は、表2において以下に示される。
Figure 2024502720000003
表2に示されるガイドラインに従う実施形態では、既存の基礎インスリンからBIFに切り替える対象の基礎インスリン等価用量に対する任意の調整の必要性及びその規模は、対象のFG及び以前の基礎インスリン用量に基づく。例えば、25U/日のインスリンデグルデクを服用している対象の基礎インスリン等価用量は5mgであり、その対象のFGが150mg/dLである場合、推奨される用量調整は、1.5mgを追加することになるため、予想される毎週の維持用量は、6.5mgになる。上記のように、ある特定の好ましい実施形態では、負荷用量を3倍に増加させるべきであるため、推奨される負荷用量は、19.5mgとなる。
上記の既存の基礎インスリンからBIFに切り替える対象の負荷用量を決定するためのガイドラインはまた、次の式の形態で表すことができ、
負荷用量=3*(基礎インスリン等価用量-(0.25*X)+(0.25*Y))
式中、
対象のFG中央値が≧80である場合、X=0であるか、
対象のFG中央値が<80であり、以前の毎日の基礎インスリン用量が≦15Uであった場合、X=1であるか、
対象のFG中央値が<80であり、以前の毎日の基礎インスリン用量が16~30Uであった場合、X=4であるか、又は
対象のFG中央値が<80であり、以前の毎日の基礎インスリン用量が>30Uであった場合、X=6であり、
式中、
対象のFG中央値が≦100である場合、Y=0であるか、
対象のFG中央値が101~140であり、以前の基礎インスリン用量が≦15Uであった場合、Y=1であるか、
対象のFG中央値が141~180であり、以前の基礎インスリン用量が16~30であったか、若しくは対象のFG中央値が101~140であり、以前の基礎インスリン用量が16~30Uであった場合、Y=2であるか、
対象のFG中央値が181~220であり、以前の基礎インスリン用量が≦15Uであったか、若しくは対象のFG中央値が101~140であり、以前の基礎インスリン用量が>30Uであった場合、Y=3であるか、
対象のFG中央値が>220であり、以前の基礎インスリン用量が≦15Uであった場合、Y=4であるか、
対象のFG中央値が181~220であり、以前の基礎インスリン用量が16~30Uであったか、若しくは対象のFG中央値が141~180であり、以前の基礎インスリン用量が>30Uであった場合、Y=6であるか、又は
対象のFG中央値が>220であり、以前の基礎インスリン用量が16~30Uであったか、若しくは対象のFG中央値が181~220であり、以前の基礎インスリン用量が>30Uであった場合、Y=8であり、
対象のFG中央値が>220であり、以前の基礎インスリン用量が>30Uであった場合、Y=12である。
毎日の基礎インスリンからBIFに切り替える対象の他の実施形態では、予想される毎週の維持用量及び負荷用量は、以下の表3に示されるように、BIFによる治療の開始前の対象の毎日の基礎インスリン用量及びベースラインHbA1cレベルに基づいて決定され得る。
Figure 2024502720000004
現在基礎インスリンで治療されておらず、週1回のインスリン受容体アゴニストを開始している患者(本明細書では「インスリン未経験」患者と呼ばれる)は、既存の毎日の基礎インスリン用量を有していないため、基礎インスリン等価用量は、予想される毎週の維持用量及び/又は負荷用量を決定するための基礎を形成することはできない。したがって、そのような患者の場合、ある特定の実施形態では、患者の他の特徴に関係なく、初期の毎週の維持用量が、例えば100Uなどの必要量に近似するように選択された固定レベルに設定されるため、BIFの負荷用量は、300Uとなる。
そのような患者のための他の実施形態では、予想される毎週の維持用量及び/又は負荷用量は、例えば患者のFG及びBWを含む患者の他の特徴に従って決定される。ある特定の実施形態では、そのような患者の負荷用量は、患者が目標FGレベルに比較的迅速に到達できるように設計される。ある特定の実施形態では、負荷用量を選択するためのガイドラインは、インスリン受容体アゴニストの効力に基づく「ベースライン負荷用量」を組み込み、各々がある特定の閾値を下回るFG及びBWを有する対象の場合、FG及び/又はBWの増加に対応する用量の漸進的な上方調整を組み込む。
ある特定の実施形態では、所与のインスリン受容体アゴニストのベースライン負荷用量は、本明細書では「ベースライン負荷用量」と呼ばれ、FG及び/又はBWの増加に基づく任意の必要な調整の量は、追加すべき追加のベースライン負荷用量のある特定の数又はパーセントの追加として表される。ある特定のインスリン受容体アゴニストは、インスリン単位の数として表されるベースライン負荷用量を有し得、他のものは、mgとして表されるベースライン負荷用量を有し得る。ある特定の実施形態では、任意の必要な上方調整の量は、追加すべき追加のベースライン負荷用量の割合又は数に基づく。例えば、30IUのベースライン負荷用量を有するインスリンと、FG及び/又はBWがベースライン負荷用量の50%の増加を推奨する対象の負荷用量を決定する場合、負荷用量は、45IUとなる。
ある特定の実施形態では、負荷用量の任意の推奨調整量は、患者のFGがFGレベルの少なくとも3つの範囲:低範囲、中範囲及び高範囲内に位置する場所に部分的に基づく。ある特定の実施形態では、低範囲はFG≦140であり、中範囲は141~220のFGであり、高範囲はFG>220であり、低範囲のFGは、ベースライン負荷用量のいかなる推奨増加にもつながらず、中範囲のFGは、ベースライン負荷用量の100~200%の推奨増加につながり、高範囲のFGは、ベースライン負荷用量の300%の推奨増加につながる。ある特定の実施形態では、中範囲は、141~180のFGの第1の中範囲と、181~220のFGの第2の中範囲の2つの範囲を含み、第1の中範囲は、ベースライン負荷用量の100%の推奨増加につながり、第2の中範囲は、ベースライン負荷用量の200%の推奨増加につながる。
同様に、ある特定の実施形態では、負荷用量に対する任意の推奨用量調整の量は、患者のBWがBWの少なくとも3つの範囲:低範囲、中範囲及び高範囲内に位置する場所に部分的に基づく。ある特定の実施形態では、低範囲はBW≦80kgであり、中範囲は80.1~120kgのBWであり、高範囲はBW>120.1kgであり、低範囲のBWは、ベースライン負荷用量のいかなる推奨増加にもつながらず、中範囲のBWは、ベースライン負荷用量の50~100%の推奨増加につながり、高範囲のFGは、ベースライン負荷用量の150%の推奨増加につながる。ある特定の実施形態では、中範囲は、80.1~100kgのBWの第1の中範囲と、100.1~120kgのBWの第2の中範囲の2つの範囲を含み、第1の中範囲は、ベースライン負荷用量の50%の推奨増加につながり、第2の中範囲は、ベースライン負荷用量の100%の推奨増加につながる。
例えば、ある特定の実施形態では、BIFで開始するインスリン未経験患者が定常状態の血清濃度に迅速に到達し、100mg/dLの目標FGに留まるか、又は迅速に到達することを可能にするように設計された推奨負荷用量は、表4において以下に示される。
Figure 2024502720000005
表4に示されるレジメンによれば、現在毎日の基礎インスリンで治療されておらず、BIFで開始する患者の負荷用量は、対象のFG及びBWに基づく。例えば、150mg/dLのFG及び110kgのBWを有する対象の負荷用量は、15mgとなる。
他の実施形態では、インスリン未経験の対象の負荷用量は、表5において以下に示されるガイドラインに従って決定される。
Figure 2024502720000006
毎週の維持用量の決定及び投与。
ある特定の実施形態では、本明細書は、週1回の投薬に好適な週1回のインスリン受容体アゴニストの毎週の維持用量を決定し、投与する方法を記載する。本明細書で使用される場合、「毎週の維持用量」という用語は、上記で定義されるように、負荷用量以外の週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストの任意の週1回の用量を指す。
ある特定の実施形態では、毎週の維持用量は、投与されたインスリン受容体アゴニストの以前の用量の数に従って、本明細書において具体的に特定され得る。例えば、本明細書における「第1の毎週の維持用量」という用語の使用は、負荷用量が投与されてから1週間後に投与される毎週の維持用量、又は負荷用量が投与されなかった場合の初期用量のいずれかを指す。本明細書における「第2の毎週の維持用量」という用語の使用は、「第1の毎週の維持用量」後の週に投与される毎週の維持用量を指す。本明細書における「第3の毎週の維持用量」という用語の使用は、「第2の毎週の維持用量」後の週に投与される毎週の維持用量を指す。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のレジメン、使用及び方法は、1回以上の毎週の維持用量の決定及び投与を提供し、低血糖のリスクを最小限に抑えながら、可能な限り少ない用量の投与後に患者が目標FGレベルに到達できるように設計されている。
本明細書の用量レジメンは、複雑さが異なり、複雑でないレジメンは、解釈及び実施の容易さの利点を提供し、より複雑な調整及びレジメンは、グルコース制御に関して潜在的な利点を提供する。しかしながら、一般に、本明細書に記載のレジメンは、ある特定の共通の特徴を共有し、FGが低い場合、用量は減少し、FGが目標値又は目標値付近にある場合、用量調整はなく、FGが高い場合、用量は増加する。加えて、ある特定の実施形態では、用量調整の規模は、一般に、患者のFGが目標からどれだけ離れているかに依存し、例えば、FGが目標よりかなり上又は下であると、FGが目標よりわずかに上又は下である場合よりも大きな調整となる。
患者がT2Dを有し、MDI治療の必要性まで進行していないある特定の実施形態では、初期の毎週の維持用量は、インスリン未経験患者の場合は100Uであるか、又は現在1日1回の基礎インスリンで治療されている患者の場合は上記の毎日の基礎用量の週等量に等しい(すなわち、患者の現在の基礎インスリンの1日用量の7倍)。その後の毎週の維持用量については、用量調整が必要であるかどうかの決定は、患者のFGレベルに基づいて決定される。
ある特定の実施形態では、毎週の維持用量の調整は、表6において以下に示されるガイドラインに従って決定することができる。
Figure 2024502720000007
他の実施形態では、特に、1日1回の基礎インスリンから切り替えているが、MDI治療に進行しておらず、週1回のインスリンによる治療の開始前にFG中央値≦120mg/dLを有する、及び/又は1日1回の基礎インスリン用量が<20単位/日であるT2DM患者の場合、毎週の維持用量の調整は、表7において以下に示されるガイドラインに従って決定することができる。
Figure 2024502720000008
他の実施形態では、特に、1日1回の基礎インスリンから切り替えており、1日1回の基礎インスリン用量が<10単位/日である患者の場合、毎週の維持用量の調整は、表8において以下に示されるガイドラインに従って決定することができる。
Figure 2024502720000009
加えて、上記の毎週の維持用量の調整は、典型的に、低血糖のいかなる発生も考慮に入れる。例えば、患者が前週に<70mg/dLの血糖によって示されるような低血糖のエピソードを経験した場合、FG中央値が、用量調整が推奨される範囲のうちの1つに入っていても、その患者の用量を増加させるべきではない。更に、ある特定の基準により、推奨される用量の減少につながる場合がある。例えば、ある特定の実施形態では、以下の表9に示される基準のうちのいずれかを満たす患者には、40単位の用量低減が推奨される。
Figure 2024502720000010
MDIで治療されており、1日1回の基礎インスリンから週1回のインスリンに切り替えているT2D患者のある特定の実施形態では、毎週の維持用量の調整は、表10において以下に示されるガイドラインに従って決定することができる。
Figure 2024502720000011
T1D患者の場合、表10において上記の負荷用量の計算と同様に、ある特定の実施形態では、患者の第1の毎週の維持用量の決定は、週1回のインスリンによる治療を開始する前の患者のベースラインFGに依存する。
例えば、ある特定の実施形態では、FG≦140mg/dLを有するT1D患者に対する第1の毎週の維持用量、負荷用量は、それらの毎日の基礎用量よりも7倍多くなるが、141~160又は>160のベースラインFGを有する患者については、以下の表11に示されるように、毎週の用量に変換する前に、毎日の基礎用量が、それぞれ約10~20%又は約20~30%増加される。
Figure 2024502720000012
ある特定の実施形態におけるT1D患者のその後の毎週の維持用量の調整は、患者のFG及び週1回のインスリンの現在の用量に従って決定される。例えば、目標グルコース範囲を超えるFGを有する患者の用量の上方調整は、ある特定の閾値を超える用量を受けた患者に対してより積極的であり、ある特定の閾値未満の用量を受けた患者に対してより積極的でない可能性がある。ある特定の実施形態では、T1D患者の毎週の維持用量の調整は、表12において以下に示されるガイドラインに従って決定することができる。
Figure 2024502720000013
表11及び12において上記の用量調整は、低血糖事象を経験した患者に対する注意事項の対象となる場合もある。MDIで治療されていないT2D患者に対する上記の用量調整に関する低血糖に基づく制限は、場合によってはMDIで治療されているT1D及びT2D患者にも適切である可能性があるが、これらの制限により、場合によっては毎週の基礎インスリンの過少用量投与をもたらすことがあり、これはそのような患者が、MDI治療及び/又は疾患の特徴に関連する低血糖を経験する可能性があり、基礎インスリンの用量低減又は用量増加の制限を不必要に引き起こす可能性があるためである。したがって、ある特定の実施形態では、MDIで治療されている患者の場合、患者が、患者の食前インスリンではなく、週1回の基礎インスリンに起因すると考えられる低血糖を経験した場合、患者の週1回の基礎用量は、以前の低用量に低減されるべきである。例えば、いくつかの実施形態では、患者が夜間低血糖を起こした場合、以前の低用量への低減が示され得る。例えば、そのような実施形態では、前週からの患者のFBGが120を超えていたとしても、患者が基礎インスリンの用量の低減を正当化する低血糖症を有していた場合、表11又は12において上記で示されたガイドラインに従う用量増加が示され、患者の週1回のインスリンの用量は、前週に投与された用量の前に受けていた以前の低用量に減少される。ある特定の実施形態では、これが最初に割り当てられた用量であったために患者が以前の用量を有していなかった場合、毎日の基礎用量の週等量は、例えば約10~20%減少され得る。同様に、患者が治療開始以来、同じ毎週の維持用量を受けていた場合、前週の用量は、約10~20%減少され得る。
広範囲の患者に適用可能であり得るある特定の実施形態では、毎週の維持用量の調整は、表13において以下に示されるガイドラインに従って決定することができる。
Figure 2024502720000014
加えて、表5において上記のガイドラインに示されるものなどのある特定の実施形態では、SMBG<70mg/dLの低血糖が記録された複数のエピソード、重度の低血糖(介助を必要とする)、又は前週に≦54mg/dLの記録された低血糖のうちのいずれかが発生した場合に用量減少が実施される。ある特定の実施形態では、前週のいずれかの時点で個々の血糖測定値が<70mg/dLで記録された場合、用量は増加されなくてもよい。
上記のガイドラインは、次の式の形態で表すこともできる。
毎週の維持用量=以前の用量-14*X+14*Y
式中、
FGが>71である場合、X=0であるか、
FGが55~70である場合、X=1であるか、又は
FGが<54である場合、X=2であり、
式中、
FG≦100である場合、Y=0であるか、
FGが101~125である場合、Y=1であるか、又は
FGが>125である場合、Y=2であるが、
ただし、前週のいずれかの時点で対象のSMBG測定値が<70mg/dLであった場合、Yが>0でなくてもよい。
他の実施形態では、FG目標は120mg/dLであり、用量調整の基準は、以下の表14に示されている。
Figure 2024502720000015
他の実施形態では、FG目標は140mg/dLであり、用量調整の基準は、以下の表15に示されている。
Figure 2024502720000016
ある特定の実施形態では、毎週の維持用量の決定はまた、患者が投与されたインスリン受容体アゴニストの以前の用量の数を考慮に入れてもよい。そのようなレジメンの複雑さは異なり得るが、一般に、推奨される用量調整の大きさは、ある特定の特徴を有する患者に投与される第1の毎週の維持用量が、第2の又はそれ以降の毎週の維持用量よりも比較的大きい。
ある特定の実施形態では、毎週の維持用量の調整は、表16において以下に示されるガイドラインに従って決定することができる。
Figure 2024502720000017
表16のガイドラインに加えて、SMBG<70mg/dLの低血糖が記録された複数のエピソード、重度の低血糖(介助を必要とする)、及び/又は前週に≦54mg/dLの記録された低血糖の低血糖例のうちのいずれかの発生に基づいて、用量減少が実施される。加えて、前週のいずれかの時点で任意のSMBG測定値が<70mg/dLで記録された場合、用量は増加されなくてもよい。
ある特定の実施形態では、上記の表16に示される毎週の維持用量の調整のためのガイドラインは、次の式の形態で実施され、
毎週の維持用量=以前の用量-14*X+14*Y
式中、
対象のFGが≧101であるか、若しくは対象が少なくとも3回の以前の用量を投与されており、FG81~100を有する場合、X=0であるか、
対象のFGが≦80であり、対象が少なくとも3回の以前の用量を投与されている場合、X=1であるか、
対象のFGが81~100であり、対象が2回の以前の用量を投与されている場合、X=2であるか、
対象のBWが81~100であり、対象が1回の以前の用量を投与されている場合、X=3であるか、又は
対象のFG中央値が≦80であり、対象が1回の以前の用量を投与されている場合、X=5であり、
式中、
対象のFGが≦100であるか、若しくは対象のFGが81~100であり、対象が少なくとも3回の以前の用量を投与されている場合、Y=0であるか、
対象のFGが101~140であり、対象が少なくとも3回の以前の用量を投与されている場合、Y=1であるか、
対象のFGが141~180であり、対象が少なくとも3回の以前の用量を投与されている場合、Y=2であるか、
対象のFGが>180mg/dLであり、対象が少なくとも3回の以前の用量を投与されている場合、Y=3であるか、
対象のFGが141~180であり、対象が2回の以前の用量を投与されている場合、Y=5であるか、
対象のFGが141~180であり、対象が1回の以前の用量を投与されているか、若しくは対象のFGが>180であり、対象が2回の以前の用量を投与されている場合、Y=8.57であるか、又は
対象のFGが>180であり、対象が1回の以前の用量を投与されている場合、Y=15であるが、
ただし、前週のいずれかの時点で対象の任意のSMBG測定値が<70mg/dLであった場合、Yが>0でなくてもよい。
ある特定の実施形態では、毎週投与される毎週の維持用量に対して推奨される調整は、その特定のインスリンに対して推奨される最小の用量調整を表す「用量調整単位」の所与の割合又は量の加算又は減算を参照することによって説明することができる。例えば、所与のインスリン受容体アゴニストで治療されている任意の患者に推奨される最小の用量調整が2IUである場合、4用量調整単位の増加は、8IUの増加を指す。ある特定の実施形態では、用量調整単位は、約0.5~5IUである。他の実施形態では、用量調整単位は、約0.75~4IUである。他の実施形態では、用量調整単位は、約1~3IUである。好ましい実施形態では、用量調整単位は、1.75IUである。用量調整単位は、mgなどの他の測定単位で表すこともできる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のレジメン、使用及び方法は、100mg/dLのFGを達成するように設計され、これらの患者の特徴に基づいて5つの範囲を含む:(1)<約80mg/dL、(2)約80~約100mg/dL、(3)約101~約140mg/dL、(4)約141~約180mg/Dl、及び(5)>約180mg/dL。毎日の基礎インスリンから切り替えた第1の範囲の患者の場合、推奨される用量調整は、第1、第2及び第3(又はそれ以降)の毎週の維持用量の各々の減少であるが、用量を減少させる量は、第2及び第3(又はそれ以降)の毎週の維持用量の場合、第1の毎週の維持用量について用量を減少させる量と比較して、それぞれ30%及び50%低減される。毎日の基礎インスリンから切り替えた第2の範囲の患者の場合、推奨される用量調整は、第1及び第2の毎週の維持用量の減少であり、用量が減少される量は、第1の毎週の維持用量について用量が減少される量と比較して、第2の毎週の維持用量について50%減少され、第3(又はその後の毎週の維持用量)には用量調整は推奨されない。毎日の基礎インスリンから切り替えた第3の範囲の患者の場合、第1及び第2の毎週の維持用量には調整が推奨されず、第3(又はそれ以降)の毎週の維持用量には上方調整が推奨される。毎日の基礎インスリンから切り替えた第4の範囲の患者の場合、推奨される用量調整は、第1、第2及び第3(又はそれ以降)の毎週の維持用量の増加であるが、第2及び第3(又はそれ以降)の増加量は、第1の毎週の維持用量についての増加量と比較して、50%減少する。最後に、第5の範囲の患者の場合、推奨される用量調整は、第1、第2及び第3(又はそれ以降)の毎週の維持用量の増加であるが、第2及び第3(又はそれ以降)の毎週の維持用量の増加量は、第1の毎週の維持用量の増加量と比較して、それぞれ50%及び75%減少する。
例えば、毎日の基礎インスリンからBIFに切り替えた患者の場合、ある特定の実施形態における推奨用量調整を以下の表17に示す。
Figure 2024502720000018
ある特定の実施形態では、100mg/dLのFGを目標とするインスリン未経験患者の毎週の維持用量の用量調整は、上記と同じ一般原則に従うが、調整の規模が異なるなど、それらの原則の特定の適用においていくつかの違いがあり、場合によっては、以前の用量のサイズに応じて、推奨される調整が異なる。ある特定の実施形態では、BIFで基礎インスリン治療を開始するインスリン未経験の患者に対する推奨される用量調整は、以下の表18に示される。
Figure 2024502720000019
ある特定の実施形態では、上記の基準に従って決定された用量調整がある特定の週数にわたって投与された後、患者は、用量調整の必要性が週1回よりも少ない頻度で決定され得る、血清グルコース制御のレベルに到達する。例えば、ある特定の実施形態では、患者は、治療の最初の8、9、10、11又は12週間にわたって週1回、用量調整を決定するために上記の基準を使用するが、その後は2、3又は4週間ごとに調整が必要であるかどうかを決定するだけである。ある特定の好ましい実施形態では、患者は、治療の最初の12週間にわたって週1回、用量調整を決定するために上記の基準を使用するが、その後は4週間ごとに調整が必要であるかどうかを決定するだけである。しかしながら、これらの実施形態においてさえ、低血糖の発生は、上記の基準に従って用量の増加を妨げるか、又は用量の減少につながる可能性がある。
上記の実施形態のうちのいくつかは、患者がT1D又はT2Dを有するかどうか、患者のベースラインFG、患者が毎日の基礎インスリンで治療されているかどうか、患者の現在の基礎インスリン用量、及び患者がMDIで治療されているかどうかなど、ある特定の基準によって定義される特定の患者母集団での使用について説明されているが、そのような実施形態の使用は、その母集団に対して相互に排他的である必要はない。したがって、場合によっては、ある母集団に対する上記のガイドラインの態様を、他の母集団に対する用量の決定及び用量調整にも同様に適切に使用することができる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の用量は、再利用可能なペン型注射器又は使い捨てペン型デバイスから投与される。
他の定義。
本明細書で使用される場合、「およそ」及び「約」という用語は、測定の性質又は精度を考慮して、示された量(amount)又は量(quantity)の許容誤差の程度を指すことを意図している。例えば、誤差の程度は、当技術分野で理解されているように、測定のために提供された有効数字の数によって示すことができ、量(amount)又は量(quantity)について報告された最も正確な有効数字の±1の変動を含むが、これに限定されない。典型的には、例示的な誤差の程度は、所与の値又は値の範囲の20パーセント(%)以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内である。本明細書に示される数値は、別段の記載がない限り近似値であり、「約」という用語は、明示的に記載されていない場合に推測できることを意味する。
本明細書で使用される場合、「用量」又は「用量(複数)」という用語は、特定の時点で個別の量で個体に投与される週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストの量を指す。用量、投薬、用量(複数)などの用語に関連して使用される場合、「調整」という用語は、前週に投与された用量に対する任意の減少又は増加の量を指す。用量、投薬、用量(複数)などの用語に関連して使用される場合、「レジメン」という用語は、1つ以上の用量及び/又はそれに対する調整を決定及び投与するための一連のガイドラインを指す。
本明細書で使用される場合、「ベースライン」という用語は、週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストによる治療を開始する前の患者の特徴を指す。例えば、患者のベースラインFGは、週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストの初期用量が投与される前の患者のFGである。
本明細書で使用される場合、「空腹時グルコース」、「FG」、「空腹時血糖」、「FBG」、「空腹時血漿グルコース」又は「FPG」という用語は、患者が一晩絶食した後の持続グルコースモニタリング(CGM)によって採取又は取得された血液試料からの血漿グルコースレベルを指す。患者に投与される週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストの用量を決定する文脈で使用される場合、本明細書で別段の指定がない限り、患者のFGは、複数日、典型的には少なくとも3日~7日以内のFG中央値として決定される。
本明細書で使用される場合、「治療」、「治療する」、「治療すること」などの用語は、疾患又は障害の進行を遅延又は減衰させることを含むことを意味する。また、これらの用語は、障害又は状態が実際に排除されていない場合でも、かつ障害又は状態の進行自体が遅延又は反転されない場合でも、障害又は状態の1つ以上の症状を緩和、寛解、減衰、排除、又は軽減することも含む。
「MDI」による治療は、ボーラス又は食前インスリンと組み合わせた基礎インスリンの注射による治療を指す。ボーラス又は食前インスリンは、作用時間が短く、典型的に食事時に投与される。そのようなレジメンで使用されるボーラス又は食前インスリンの例には、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングルリシン、及びレギュラーインスリンが含まれる。
「対象」は、哺乳動物、好ましくは、週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストによる治療から恩恵を受ける疾患、障害又は状態を有するヒトを指す。
「血糖制御」とは、例えば血糖及び/又はHbA1cレベルによって測定される、対象の血糖値を指し、血糖制御を「提供する」とは、血糖制御を維持又は改善することを指し、血糖制御を「維持する」とは、血糖値が目標範囲内にある時間を維持すること、及び/又はHbA1cを維持若しくは低減することを指し、血糖制御を「改善する」とは、血糖値が目標範囲内にある時間を延長すること、及び/又はHbA1cを低減することを指し、「更なる血糖制御を必要とする」とは、血糖値が目標範囲内にある時間の延長及び/又はHbA1cの低減の必要性を指す。
「HbA1c」は、ヘモグロビンが血中のグルコースと接合するときに発生する糖化ヘモグロビンレベルを指す。HbA1cレベルは、糖尿病を有する患者における血糖制御の一般的に使用される尺度である。
「低血糖」は、低い血糖を指し、低血糖の「エピソード」は、例えば、血漿グルコース試験又は個人用血糖測定器(BGM)若しくはCGMデバイスからの値で観察される低血糖の事例を指し、多くの場合、約70mg/dL未満である。
「重度の」低血糖のエピソードは、低血糖の治療に介助を必要とする精神状態及び/又は身体状態の変化を特徴とする重度の事象である。例えば、精神状態が変化し、自身の世話を手伝うことができなかった、又は半意識若しくは無意識であった、又は発作を伴う若しくは伴わない昏睡状態を経験し、炭水化物、グルカゴン、若しくは他の組成措置を積極的に投与するために別のヒトの介助が必要であった対象。そのような事象中はグルコース測定値が得られない場合があるが、グルコース濃度が正常に戻ることに起因する神経学的回復は、事象が低グルコース濃度によって誘導されたという十分な証拠と考えられる。
本明細書に記載の治療及び使用の方法は、メトホルミンなどの経口T2D薬、及び/又は速効型若しくは基礎インスリン又はGLP-1受容体アゴニストを含む他の注射可能な薬を含む、他のT2D治療と同時又は順次に組み合わせて提供され得る。
本明細書に記載の主題のある特定の非限定的な実施形態は、以下のとおりである。
実施形態1.糖尿病を有する対象における血糖制御を改善する方法であって、
a)対象に投与される週1回の投薬に好適な長時間作用型インスリン受容体アゴニストの第1の用量を決定することと、
b)週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストの第1の用量を対象に投与することと、
c)対象の空腹時グルコース(FG)を測定することと、
d)対象の低血糖の頻度及び重症度を集計することと、
e)ステップc)で決定された対象のFG、及びステップd)で決定された低血糖の頻度及び重症度に基づいて、対象に投与される週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストの第2の用量を決定することと、
f)週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストの第2の用量を投与することと、を含む方法を提供する。
実施形態2.第1の用量が、負荷用量である、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.糖尿病を有する対象における血糖制御を改善する方法であって、対象への週1回の投薬に好適な長時間作用型インスリン受容体アゴニストの単回負荷用量を投与することと、対象への週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストの毎週の維持用量を投与することと、を含む、方法。
実施形態4.負荷用量が、対象の予想される毎週の維持用量を決定することと、対象の予想される毎週の維持用量に3を掛けることと、によって決定される、実施形態2又は3に記載の方法。
長時間作用型インスリン受容体アゴニストが、BIFである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5.対象が、毎日の基礎インスリンから週1回の投薬に好適な長時間作用型インスリン受容体アゴニストに治療を切り替えており、予想される毎週の維持用量が、対象の現在の毎日の基礎インスリンの1日用量を取得することと、対象の現在の毎日の基礎インスリンの1日用量に7を掛けることと、によって決定される、実施形態2又は3に記載の方法。
実施形態6.対象が、毎日の基礎インスリンから週1回の投薬に好適なインスリン受容体アゴニストに切り替えており、第1の用量が、対象の以前の毎日のインスリン用量の週等量に3を掛けることによって決定される、実施形態1に記載の方法。
実施形態7.対象が、インスリン未経験であり、負荷用量が、約3mg~約16.5mgである、実施形態3に記載の方法。
実施形態8.負荷用量が、3mg、4.5mg、6mg、7.5mg、9mg、10.5mg、12mg、13.5mg、15mg及び16.5mgからなる群から選択される、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9.負荷が、
a)対象のFG及び体重(BW)を取得することと、
b)次の式に従って負荷用量を計算することと、を含むプロセスによって決定され、
負荷用量=3+(3*X)+(1.5*Y)
式中、
対象のFGが≦140である場合、Xが0であるか、
対象のFGが141~180である場合、Xが1であるか、
対象のFGが181~200である場合、Xが2であるか、又は
対象のFGが>200である場合、Xが3であり、
式中、
対象のBWが≦80kgである場合、Yが0であるか、
対象のBWが80.1~100kgである場合、Yが1であるか、
対象のBWが100.1~120kgである場合、Yが2であるか、又は
実施形態10.対象のBWが≧120.1である場合、Yが3である、実施形態4又は5に記載の方法。
実施形態11.週1回の投薬に好適な長時間作用型インスリン受容体アゴニストが、BIFであり、予想される毎週の維持用量が、
a)対象のFG及び以前の毎日の基礎インスリン用量を単位で取得することと、
b)BIFの基礎インスリン等価用量を取得するために、対象の以前の毎日の基礎インスリン用量を5U/mgで割って特定することと、
c)次の式に従って予想される毎週の維持用量を計算することと、によって決定され、
予想される毎週の維持用量=BIFの基礎インスリン等価用量-(0.25*X)+(0.25*Y)
式中、
対象のFG中央値が≧80である場合、X=0であるか、
対象のFG中央値が<80であり、以前の毎日の基礎インスリン用量が≦15Uであった場合、X=1であるか、
対象のFG中央値が<80であり、以前の毎日の基礎インスリン用量が16~30Uであった場合、X=4であるか、又は
対象のFG中央値が<80であり、以前の毎日の基礎インスリン用量が>30Uであった場合、X=6であり、
式中、
対象のFG中央値が≦100である場合、Y=0であるか、
対象のFG中央値が101~140であり、以前の基礎インスリン用量が≦15Uであった場合、Y=1であるか、
対象のFG中央値が141~180であり、以前の基礎インスリン用量が16~30であったか、若しくは対象のFG中央値が101~14であり、以前の基礎インスリン用量が16~30Uであった場合、Y=2であるか、
対象のFG中央値が181~220であり、以前の基礎インスリン用量が≦15Uであったか、若しくは対象のFG中央値が101~140であり、以前の基礎インスリン用量が>30Uであった場合、Y=3であるか、
対象のFG中央値が>220であり、以前の基礎インスリン用量が≦15Uであった場合、Y=4であるか、
対象のFG中央値が181~220であり、以前の基礎インスリン用量が16~30Uであったか、若しくは対象のFG中央値が141~180であり、以前の基礎インスリン用量が>30Uであった場合、Y=6であるか、
対象のFG中央値が>220であり、以前の基礎インスリン用量が16~30Uであったか、若しくは対象のFG中央値が181~220であり、以前の基礎インスリン用量が>30Uであった場合、Y=8であるか、又は
対象のFG中央値が>220であり、以前の基礎インスリン用量が>30Uであった場合、Y=12である、実施形態2に記載の方法。
実施形態12.予想される毎週の維持用量が、
a)対象のFG及び以前の毎日の基礎インスリン用量を単位で取得することと、
b)BIFの等価用量を取得するために、対象の以前の毎日の基礎インスリン用量を7U/mgで割って特定することと、
c)BIFの用量を調整すべきかどうかを決定することであって、対象のBIFの用量が、
i)対象のFGが<80である場合、0.25mg~1.5mgの量だけ減少されるべきであるか、又は
ii)対象のFGが>101である場合、0.25mg~3mgの量だけ増加されるべきかである、決定することと、によって決定される、実施形態3に記載の方法。
実施形態13.対象のFGが<80mg/dLであり、BIFの予想される毎週の維持用量の減少量が、
a)対象の以前の基礎インスリン用量が≦15Uである場合、用量を0.25mg減少させるか、
b)対象の以前の基礎インスリン用量が16~30Uである場合、用量を1mg減少させるか、又は
c)対象の以前の基礎インスリン用量が>30Uである場合、用量を1.5mg減少させる、という基準に従って決定される、実施形態10に記載の方法。
実施形態14.対象のFGが>101であり、BIFの予想される毎週の維持用量の増加量が、
a)対象の以前の基礎インスリン用量が≦15Uである場合、用量を0.25mg~1mgの量だけ増加させるか、
b)対象の以前の基礎インスリン用量が16~30Uである場合、用量を0.5mg~2mgの量だけ増加させるか、又は
c)対象の以前の基礎インスリン用量が>30Uである場合、用量を0.75mg~3mgの量だけ増加させる、という基準に従って決定される、実施形態10に記載の方法。
実施形態15.対象の以前の基礎インスリン用量が≦15Uであり、BIFの毎週の維持用量の増加量が、
a)対象のFGが101~140である場合、用量を0.25mg増加させるか、
b)対象のFGが141~180である場合、用量を0.5mg増加させるか、
c)対象のFGが181~220である場合、用量を0.75mg増加させるか、又は
d)対象のFGが>220である場合、用量を1mg増加させるという基準に従って決定される、実施形態10に記載の方法。
実施形態16.対象の以前の基礎インスリン用量が16~30Uであり、BIFの毎週の維持用量の増加量が、
a)対象のFGが101~140である場合、用量を0.5mg増加させるか、
b)対象のFGが141~180である場合、用量を1mg増加させるか、
c)対象のFGが181~220である場合、用量を1.5mg増加させるか、又は
d)対象のFGが>220である場合、用量を2mg増加させるという基準に従って決定される、実施形態10に記載の方法。
実施形態17.対象の以前の基礎インスリン用量が>30Uであり、BIFの毎週の維持用量の増加量が、
a)対象のFGが101~140である場合、用量を0.75mg増加させる、
b)対象のFGが141~180である場合、用量を1.5mg増加させる、
c)対象のFGが181~220である場合、用量を2mg増加させる、及び
d)対象のFGが>220である場合、用量を3mg増加させるという基準に従って決定される、実施形態10に記載の方法。
実施形態18.対象がT2Dを有し、毎週の維持用量が、
a)以前の用量の投与後1週間の低血糖の発生率及びタイミングを集計することと、
b)以前の用量の投与後1週間の対象のFGを決定することと、
c)次の式に従って毎週の維持用量を計算することと、を含むプロセスによって決定され、
毎週の維持用量=以前の用量/X-0.5Y+0.25Z、
式中、
以前の用量が負荷用量であった場合、Xが3であるか、又は
以前の用量が毎週の維持用量であった場合、Xが1であり、
式中、
対象がFG中央値>100を有し、以前の毎週の維持用量を1回しか投与されていない場合、又は対象がFG中央値≧80を有し、以前の毎週の維持用量が1回より多く投与されている場合、Yが0であるか、
対象が80~100のFG中央値を有し、以前の毎週の維持用量が1回投与されている場合、Yが1であるか、
対象が80~100のFG中央値を有し、以前の毎週の維持用量が投与されていない場合、Yが2であるか、
前週に対象がFG中央値<80、夜間低血糖の任意のエピソード、若しくは低血糖の複数のエピソードのうちのいずれかを有し、以前の毎週の維持用量が1回より多く投与されていないか、又は以前の毎週の維持用量が1回より多く投与されており、以前の毎週の維持用量が≦5mgである場合、Yが3であるか、あるいは
前週に対象がFG中央値<80、夜間低血糖の任意のエピソード、若しくは低血糖の複数のエピソードのうちのいずれかを有し、以前の毎週の維持用量が1回より多く投与されており、以前の毎週の維持用量が>5mgである場合、Yが4であり、
式中、
対象がFG中央値<100mg/dLを有するか、若しくは101~140mg/dLのFG中央値を有し、以前の毎週の維持用量を1回しか受けていない場合、Zが0であるか、
対象が101~140のFG中央値を有し、以前の毎週の維持用量を1回より多く投与されており、以前の毎週の維持用量が≦5mgであった場合、Zが1であるか、
対象が以前の毎週の維持用量を1回より多く投与されており、101~140のFG中央値を有し、以前の毎週の維持用量が>5mgであったか、若しくは141~180のFG中央値を有し、以前の毎週の維持用量が≦5mgであった場合、Zが2であるか、
対象がFG中央値>180を有し、以前の毎週の維持用量を1回より多く投与されており、以前の毎週の維持用量が≦5mgであった場合、Zが3であるか、
対象が141~180のFG中央値を有し、以前の毎週の維持用量を1回より多く投与されており、以前の毎週の維持用量が≧5mgであった場合、Zが4であるか、
対象が以前の毎週の維持用量を1回投与されており、141~180のFGを有するか、若しくは以前の毎週の維持用量を1回より多く投与されており、FG>180を有し、以前の毎週の維持用量が>5mgであった場合、Zが6であるか、
対象が以前の毎週の維持用量を投与されておらず、141~180のFGを有するか、若しくは以前の毎週の維持用量が1回投与されており、FG>180を有する場合、Zが12であるか、又は
対象が以前の毎週の維持用量を投与されておらず、FG>180を有する場合、Zが20である、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19.対象の第1の毎週の維持用量が、
a)負荷用量の投与後1週間の低血糖の発生率及びタイミングを集計することと、
b)負荷用量の投与後1週間の対象のFGを決定することと、
c)負荷用量を3で割ることと、
d)毎週の維持用量を取得するために、ステップc)から得られた用量を、
i)前週に、対象がFG中央値<80mg/dL、夜間低血糖のエピソード又は低血糖の複数のエピソードのうちの1つ以上を有していた場合、用量を1.5mg低減する、
ii)前週に、対象が80~100mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を1mg低減する、
iii)前週に、対象が101~140mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を変更しない、
iv)前週に、対象が141~180mg/dLのFG、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を3mg増加させる、
v)前週に、対象がFG>180mg/dL、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を5mg増加させる、という条件に従って調整する必要があるかどうかを決定することと、を含むプロセスによって決定される、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態20.
a)対象に投与されるインスリン受容体アゴニストの第2の毎週の維持用量を決定することと、
b)第1の毎週の維持用量が対象に投与された1週間後に、インスリン受容体アゴニストの第2の毎週の維持用量を対象に投与することと、を更に含む、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21.対象がT2Dを有し、第2の毎週の維持用量が、
a)第1の毎週の維持用量の投与後1週間の低血糖の発生率及びタイミングを集計することと、
b)第1の毎週の維持用量の投与後1週間の対象のFGを決定することと、
c)第2の毎週の維持用量を取得するために、第1の毎週の維持用量を、
i)前週に、対象がFG中央値<80mg/dL、夜間低血糖のエピソード又は低血糖の複数のエピソードのうちの1つ以上を有していた場合、用量を1.5mg低減する、
ii)前週に、対象が80~100mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を0.5mg低減する、
iii)前週に、対象が101~140mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を変更しない、
iv)前週に、対象が141~180mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を1.5mg増加させる、
v)前週に、対象がFG>180mg/dL、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を3mg増加させる、という条件に従って調整する必要があるかどうかを決定することと、を含むプロセスによって決定される、実施形態19に記載の方法。
実施形態22.
a)対象に投与されるインスリン受容体アゴニストの第3の毎週の維持用量を決定することと、
b)第2の毎週の維持用量が対象に投与された1週間後に、インスリン受容体アゴニストの第3の毎週の維持用量を対象に投与することと、を更に含む、実施形態19又は20に記載の方法。
実施形態23.第3の毎週の維持用量が、
a)第2の毎週の維持用量の投与後1週間の低血糖の発生率及びタイミングを集計することと、
b)第2の毎週の維持用量の投与後1週間の対象のFGを決定することと、
c)第3の毎週の維持用量を取得するために、第2の毎週の維持用量を、
i)以前の毎週の維持用量が≦5mgであった場合、
a.前週に、対象がFG中央値<80mg/dL、夜間低血糖のエピソード又は低血糖の複数のエピソードのうちの1つ以上を有していた場合、用量を1.5mg低減する、
b.前週に、対象が80~100mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を変更しない、
c.前週に、対象が101~140mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を0.25mg増加させる、
d.前週に、対象が141~180mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を0.5mg増加させる、
e.前週に、対象がFG>180mg/dL、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を0.75mg増加させる、
ii)以前の毎週の維持用量が>5mgであった場合、
a.前週に、対象がFG中央値<80mg/dL、夜間低血糖のエピソード又は低血糖の複数のエピソードのうちの1つ以上を有していた場合、用量を2mg低減する、
b.前週に、対象が80~100mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を変更しない、
c.前週に、対象が101~140mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を0.5mg増加させる、
d.前週に、対象が141~180mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を1mg増加させる、
e.前週に、対象がFG>180mg/dL、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を1.5mg増加させる、という条件に従って調整する必要があるかどうかを決定することと、を更に含む、実施形態21に記載の方法。
実施形態24.1回以上のその後の毎週の維持用量を投与することを更に含み、その後の毎週の維持用量が、実施形態22の項目i)及びii)に記載の基準に従って決定される、実施形態21又は22に記載の方法。
実施形態25.毎週の維持用量が、
a)以前の用量の投与後1週間の低血糖の発生率及びタイミングを集計することと、
b)以前の用量の投与後1週間の対象のFGを決定することと、
c)次の式に従って毎週の維持用量を計算することと、を含むプロセスによって決定され、
毎週の維持用量=以前の用量/X-0.5*Y+0.25*Z
式中、
以前の用量が負荷用量であった場合、Xが3であるか、又は
以前の用量が毎週の維持用量であった場合、Xが1であり、
式中、
対象がFG中央値≧80を有する場合、Yが0であるか、
対象が80~100mg/dLのFG中央値を有し、以前の毎週の維持用量を1回投与されているか、若しくは少なくとも2回の以前の毎週の維持用量を受けており、以前の毎週の維持用量以降、FG中央値<80、夜間低血糖の任意のエピソード、若しくは低血糖の複数のエピソードのうちのいずれか1つをする場合、Yが1であるか、
対象が80~100mg/dLのFG中央値を有し、以前の毎週の維持用量を受けていないか、若しくは以前の毎週の維持用量を1回受けており、以前の毎週の維持用量以降、FG中央値<80、夜間低血糖の任意のエピソード、若しくは低血糖の複数のエピソードのうちのいずれか1つを有する場合、Yが2であるか、又は
対象が以前の毎週の維持用量を受けておらず、以前の毎週の維持用量以降、FG中央値<80、夜間低血糖の任意のエピソード、又は低血糖の複数のエピソードのうちのいずれか1つを有する場合、Yが3であり、
式中、
対象がFG中央値≦100mg/dLを有するか、若しくは101~140のFG中央値を有し、以前の毎週の維持用量を1回しか受けていない場合、Zが0であるか、
対象が101~180mg/dLのFG中央値を有し、少なくとも2回の以前の毎週の維持用量を受けていた場合、Zが1であるか、
対象が141~180mg/dLのFG中央値を有し、以前の毎週の維持用量を1回受けているか、若しくはFG中央値>180mg/dLを有し、少なくとも2回の以前の毎週の維持用量を受けていた場合、Zが2であるか、
対象が141~180mg/dLのFG中央値を有し、以前の毎週の維持用量を受けていないか、若しくはFG中央値>180を有し、以前の毎週の維持用量を1回受けていた場合、Zが4であるか、又は
対象がFG中央値>180を有し、以前の毎週の維持用量を受けていない場合、Zが8である、実施形態3又は6~8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態26.対象がT1Dを有し、第1の毎週の維持用量が、
a)負荷用量の投与後1週間の低血糖の発生率及びタイミングを集計することと、
b)負荷用量の投与後1週間の対象のFGを決定することと、
c)第1の毎週の維持用量を取得するために、ステップc)から得られた用量を、
i)前週に、対象がFG中央値<80mg/dL、夜間低血糖のエピソード又は低血糖の複数のエピソードのうちの1つ以上を有していた場合、用量を1.5mg低減する、
ii)前週に、対象が80~100mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を1mg低減する、
iii)前週に、対象が101~140mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を変更しない、
iv)前週に、対象が141~180mg/dLのFG、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を3mg増加させる、又は
v)前週に、対象がFG>180mg/dL、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を5mg増加させる、という条件に従って調整する必要があるかどうかを決定することと、を含むプロセスによって決定される、実施形態3又は6~8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態27.
a)対象に投与されるインスリン受容体アゴニストの第2の毎週の維持用量を決定することと、
b)第1の毎週の維持用量が対象に投与された1週間後に、インスリン受容体アゴニストの第2の毎週の維持用量を対象に投与することと、を更に含む、実施形態3、6~8又は25のいずれか1つに記載の方法。
実施形態28.第2の毎週の維持用量が、
a)第1の毎週の維持用量の投与後1週間の低血糖の発生率及びタイミングを集計することと、
b)第1の毎週の維持用量の投与後1週間の対象のFGを決定することと、
c)第2の毎週の維持用量を取得するために、第1の毎週の維持用量を、
i)前週に、対象がFG中央値<80mg/dL、夜間低血糖のエピソード又は低血糖の複数のエピソードのうちの1つ以上を有していた場合、用量を1.5mg低減する、
ii)前週に、対象が80~100mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を0.5mg低減する、
iii)前週に、対象が101~140mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を変更しない、
iv)前週に、対象が141~180mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を1.5mg増加させる、又は
v)前週に、対象がFG>180mg/dL、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を3mg増加させる、という条件に従って調整する必要があるかどうかを決定することと、を含むプロセスによって決定される、実施形態26に記載の方法。
実施形態29.
a)対象に投与されるインスリン受容体アゴニストの第3の毎週の維持用量を決定することと、
b)第2の毎週の維持用量が対象に投与された1週間後に、インスリン受容体アゴニストの第3の毎週の維持用量を対象に投与することと、を更に含む、実施形態26又は27に記載の方法。
実施形態30.第3の毎週の維持用量が、
a)第2の毎週の維持用量の投与後1週間の低血糖の発生率及びタイミングを集計することと、
b)第2の毎週の維持用量の投与後1週間の対象のFGを決定することと、
c)第3の毎週の維持用量を取得するために、第2の毎週の維持用量を、
i)以前の毎週の維持用量が≦5mgであった場合、
a.前週に、対象がFG中央値<80mg/dL、夜間低血糖のエピソード又は低血糖の複数のエピソードのうちの1つ以上を有していた場合、用量を1.5mg低減する、
b.前週に、対象が80~100mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を変更しない、
c.前週に、対象が101~140mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を0.25mg増加させる、
d.前週に、対象が141~180mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を0.5mg増加させる、
e.前週に、対象がFG>180mg/dL、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を0.75mg増加させる、
ii)以前の毎週の維持用量が>5mgであった場合、
a.前週に、対象がFG中央値<80mg/dL、夜間低血糖のエピソード又は低血糖の複数のエピソードのうちの1つ以上を有していた場合、用量を2mg低減する、
b.前週に、対象が80~100mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を変更しない、
c.前週に、対象が101~140mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を0.5mg増加させる、
d.前週に、対象が141~180mg/dLのFG中央値、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を1mg増加させる、
e.前週に、対象がFG>180mg/dL、1回以下の低血糖のエピソードを有し、夜間低血糖のエピソードがなかった場合、用量を1.5mg増加させる、という条件に従って調整する必要があるかどうかを決定することと、を含むプロセスによって決定される、実施形態18に記載の方法。
実施形態31.1回以上のその後の毎週の維持用量を投与することを更に含み、その後の毎週の維持用量が、実施形態29の項目i)及びii)に記載の基準に従って決定される、実施形態28又は29に記載の方法。
実施形態32.負荷用量が、
a)対象のFG及びBWを取得することと、
b)対象のFG及びBWを使用して、
i)対象のBWが≦80kgであり、FG中央値が100~140mg/dLである場合、負荷用量=120I.U.である、
i)対象のBWが81~100kgであり、FGが100~140mg/dLである場合、負荷用量=200I.U.である、
iii)対象のBWが101~120kgであり、FGが100~140mg/dLである場合、負荷用量=240I.U.である、
iv)対象のBWが≦80kgであり、FG中央値が141~180mg/dLである場合、負荷用量=250I.U.である、
v)
a.対象のBWが>120kgであり、FG中央値が100~140mg/dLである場合、若しくは
b.対象のBWが81~100kgであり、FG中央値が141~180mg/dLである場合、負荷用量=280I.U.である、
vi)対象のBWが≦80kgであり、FG中央値が181~220mg/dLである場合、負荷用量=370I.U.である、
vii)
a.対象のBWが81~100kgであり、FG中央値が181~220mg/dLである場合、若しくは
b.対象のBWが101~120kgであり、FG中央値が141~180mg/dLである場合、負荷用量=420I.U.である、
viii)
a.対象のBWが>120kgであり、FG中央値が141~180mg/dLである場合、若しくは
b.BWが≦80kgであり、FG中央値が>200mg/dLである場合、負荷用量=490I.U.である、
ix)
a.対象のBWが≧101kgであり、FGが181~220mg/dLである場合、若しくは
b.対象のBWが181~100kgであり、FGが>200mg/dLである場合、負荷用量=560I.U.である、
x)対象のBWが101~120kgであり、FGが181~220mg/dLである場合、負荷用量=630I.U.である、
xi)対象のBWが>120kgであり、FGが>220mg/dLである場合、負荷用量=700I.U.である、という基準に従って負荷用量を特定することと、を含むプロセスによって決定される、実施形態2又は3に記載の方法。
実施形態33.毎週の維持用量が、
a)以前の用量の投与後1週間の低血糖の頻度及び重症度を集計することと、
b)以前の用量の投与後1週間の対象のFGを決定することと、
c)次の式に従って毎週の維持用量を計算することと、を含むプロセスによって決定され、
毎週の維持用量=以前の用量-14*X+14*Y
式中、
i)対象のFGが≧101であるか、若しくは対象が少なくとも3回の以前の用量を投与されており、FG81~100を有する場合、X=0であるか、
ii)対象のFGが≦80であり、対象が少なくとも3回の以前の用量を投与されている場合、X=1であるか、
iii)対象のFGが81~100であり、対象が2回の以前の用量を投与されている場合、X=2であるか、
iv)対象のBWが81~100であり、対象が1回の以前の用量を投与されている場合、X=3であるか、又は
v)対象のFG中央値が≦80であり、対象が1回の以前の用量を投与されている場合、X=5であり、
式中、
vi)対象のFGが≦100であり、対象のFGが81~100であり、対象が少なくとも3回の以前の用量を投与されている場合、Y=0であるか、
vii)対象のFGが101~140であり、対象が少なくとも3回の以前の用量を投与されている場合、Y=1であるか、
viii)対象のFGが141~180であり、対象が少なくとも3回の以前の用量を投与されている場合、Y=2であるか、
ix)対象のFGが>180mg/dLであり、対象が少なくとも3回の以前の用量を投与されている場合、Y=3であるか、
x)対象のFGが141~180であり、対象が2回の以前の用量を投与されている場合、Y=5であるか、
xi)対象のFGが141~180であり、対象が1回の以前の用量を投与されているか、若しくは対象のFGが>180であり、対象が2回の以前の用量を投与されている場合、Y=8.57であるか、又は
xii)対象のFGが>180であり、対象が1回の以前の用量を投与されている場合、Y=15であるが、
ただし、前週のいずれかの時点で対象のSMBG測定値が<70mg/dLであった場合、Yが>0でなくてもよく、対象がFG<70mg/dLの記録された低血糖の複数のエピソード、介助を必要とする重度の低血糖を経験し、及び/又は前週に≦54mg/dLの低血糖が記録された場合、用量を減少させなければならない、実施形態1~3又は31のいずれか1つに記載の方法。
実施形態34.対象がインスリン未経験であり、第1の用量が約70I.U.である、実施形態1に記載の方法。
実施形態35.第2の用量が、
a)以前の用量の投与後1週間の低血糖の発生率及びタイミングを集計することと、
b)以前の用量の投与後1週間の対象のFGを決定することと、
c)次の式に従って毎週の維持用量を計算することと、を含むプロセスによって決定され、
毎週の維持用量=以前の用量-14*X+14*Y
式中、
i)FGが>71である場合、X=0であるか、
ii)FGが55~70である場合、X=1であるか、又は
iii)FGが<54である場合、X=2であり、
式中、
i)FG≦100である場合、Y=0であるか、
ii)FGが101~125である場合、Y=1であるか、又は
iii)FGが>125である場合、Y=2であるが、
ただし、前週のいずれかの時点で対象の任意のSMBG値が<70mg/dLであった場合、Yが>0でなくてもよい、実施形態1又は33~34のいずれか1つに記載の方法。
実施形態36.1つ以上の追加の毎週の維持用量を投与することを更に含み、1つ以上の追加の毎週の維持用量の各々が、実施形態35のステップ(a)~(c)に記載の同じプロセスによって決定される、実施形態1又は33~35のいずれか1つに記載の方法。
実施形態37.血糖制御を必要とする糖尿病を有する対象においてそれを提供する方法であって、
a)当該対象に、
i)対象が、
a.インスリン未経験であるか、
b.2型糖尿病(T2D)及び空腹時グルコース(FG)>120mg/dLを有するか、又は
c.1型糖尿病(T1D)を有する場合、初期用量が負荷用量である、
ii)対象がT2Dを有するが、a.又はb.における上記の基準を満たさない場合、初期用量が毎週の維持用量である、という基準に従って毎週の基礎インスリンFc(BIF)の初期用量を投与することと、
b)当該対象に、初期用量の投与の1週間後に開始して週1回、1回以上の毎週の維持用量を投与することと、を含む、方法。
実施形態38.初期用量が、予想される毎週の維持用量よりも3倍大きい負荷用量である、実施形態37に記載の方法。
実施形態39.対象が、インスリン未経験であり、負荷用量が、300Uである、実施形態37又は38に記載の方法。
実施形態40.対象が、T2D及びFG>120mg/dLを有し、予想される毎週の維持用量が、BIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量よりもおよそ7倍大きい、実施形態38に記載の方法。
実施形態41.各毎週の維持用量が、
a)以前の用量が負荷用量であった場合、毎週の維持用量が、必要に応じて、以下の項目(i)~(iv)に従って調整された予想される毎週の維持用量に等しい、
i)前週の対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、20単位減少される、
ii)前週の対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、以前の用量に等しい、
iii)前週の対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、20単位増加される、又は
iv)対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、40単位増加される、
b)以前の用量が負荷用量でなかった場合、毎週の維持用量が、維持用量がBIFの初期用量である場合は予想される毎週の維持用量、又は必要に応じて、上記の項目(i)~(iv)に従って調整された以前の維持用量のいずれかに等しい、という基準に従って選択される、実施形態37~40のいずれか1つに記載の方法。
実施形態42.BIFによる治療の開始前に、対象が、>10単位/日の基礎インスリンで治療されている、実施形態37~41のいずれか1つに記載の方法。
実施形態43.BIFによる治療の開始前に、対象が、>20単位/日の基礎インスリンで治療されている、実施形態37~42のいずれか1つに記載の方法。
実施形態44.対象が、T2Dを有し、BIFによる治療の開始前に、ベースラインFG≦120mg/dLを有する、及び/又は<20単位/日の基礎インスリンで治療されているかのいずれかであり、各毎週の維持用量が、
a)以前の用量が負荷用量であった場合、毎週の維持用量が、必要に応じて、以下の項目(i)~(iv)に従って調整された予想される毎週の維持用量に等しい、
i)前週の対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、20単位減少される、
ii)前週の対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、以前の用量に等しい、
iii)前週の対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、10単位増加される、又は
iv)前週の対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、20単位増加される、
b)以前の用量が負荷用量でなかった場合、毎週の維持用量が、必要に応じて、上記の項目(i)~(iv)に従って調整された以前の維持用量に等しい、という基準に従って選択される、実施形態37~40のいずれか1つに記載の方法。
実施形態45.対象が、T2Dを有し、BIFによる治療の開始前に、<10単位/日の基礎インスリンで治療されており、各毎週の維持用量が、
a)以前の用量が負荷用量であった場合、毎週の維持用量が、必要に応じて、以下の項目(i)~(iv)に従って調整された予想される毎週の維持用量に等しい、
i)前週の対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、20単位減少される、
ii)前週の対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、以前の用量に等しい、
iii)前週の対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、5単位増加される、又は
iv)前週の対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、10単位増加される、
b)以前の用量が負荷用量でなかった場合、毎週の維持用量が、必要に応じて、上記の項目(i)~(iv)に従って調整された以前の用量に等しい、という基準に従って選択される、実施形態37~40のいずれか1つに記載の方法。
実施形態46.対象が前週に<70mg/dLの血糖エピソードを有していた場合、毎週の維持用量が増加されない、実施形態41~45のいずれか1つに記載の方法。
実施形態47.前週に、対象が、
a)3回以上の血糖エピソード≦70mg/dL、
b)1回以上の夜間血糖エピソード≦70mg/dL、
c)1回以上の血糖エピソード≦54mg/dL、又は
d)重度低血糖の任意のエピソードのうちのいずれかを有していた場合、毎週の維持用量が40単位減少される、実施形態37~46のいずれか1つに記載の方法。
実施形態48.対象が、MDIで治療されていない、実施形態41~47のいずれか1つに記載の方法。
実施形態49.対象が、T2Dを有し、MDIで治療されており、各毎週の維持用量が、
a)毎週の維持用量が、BIFの初期用量である場合、毎週の維持用量が、BIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量のおよそ7倍である、
b)毎週の維持用量が、BIFの初期用量ではなく、対象が、ベースラインFG≦120mg/dL又はBIF<20単位での治療開始前の毎日の基礎用量のいずれかを有する場合、毎週の維持用量が、必要に応じて、
i)前週の対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、毎週の維持用量が10~20単位減少される、
ii)前週の対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、毎週の維持用量が変更されない、
iii)前週の対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、毎週の維持用量が10単位増加される、
iv)前週の対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、毎週の維持用量が20単位増加される、という基準に従って調整された以前の維持用量に等しい、
c)毎週の維持用量がBIFの初期用量ではなく、対象がベースラインFG>120mg/dLを有し、BIFによる治療の開始前に基礎用量≧20単位/日を有する場合、毎週の維持用量が、必要に応じて、
i)前週の対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、毎週の維持用量が20単位減少される、
ii)前週の対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、毎週の維持用量が変更されない、
iii)前週の対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、毎週の維持用量が20単位増加される、
iv)前週の対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、毎週の維持用量が40単位増加される、という基準に従って調整された以前の維持用量に等しい、という基準に従って選択される、実施形態37~40のいずれか1つに記載の方法。
実施形態50.対象が、T1Dを有し、負荷用量が、
a)対象のベースラインFGが≦140mg/dLである場合、負荷用量=(BIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量)×7×3、
b)対象のベースラインFGが140~160mg/dLである場合、負荷用量=(約10~20%増加したBIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量)×7×3、
c)対象のベースラインFGが>160mg/dLである場合、負荷用量=(約20~30%増加したBIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量)×7×3、という基準に従って決定される、実施形態37又は38に記載の方法。
実施形態51.対象が、T1Dを有し、対象の第1の毎週の維持用量が、
a)対象のベースラインFGが≦140mg/dLである場合、第1の毎週の維持用量=(BIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量)×7、
b)対象のベースラインFGが140~160mg/dLである場合、第1の毎週の維持用量=(約10~20%増加したBIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量)×7、
c)対象のベースラインFGが>160mg/dLである場合、第1の毎週の維持用量=(約20~30%増加したBIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量)×7、という基準に従って選択される、実施形態37~38又は50のいずれか1つに記載の方法。
実施形態52.対象が、T1Dを有し、対象の第2及びその後の毎週の維持用量が、
a)前週の対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、毎週の維持用量が以前の低用量に減少される、
b)前週の対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、毎週の維持用量が変更されない、
c)前週の対象のFG中央値が121~150mg/dLであった場合、毎週の維持用量が、以前の毎週の維持用量が<100Uであった場合は5単位、又は以前の毎週の維持用量が≧100Uであった場合は10単位のいずれかだけ増加される、
d)前週の対象のFG中央値が151~180mg/dLであった場合、毎週の維持用量が、以前の毎週の維持用量が<100Uであった場合は10単位、又は以前の毎週の維持用量が≧100Uであった場合は20単位のいずれかだけ増加される、
e)前週の対象のFG中央値が>180mg/dLであった場合、毎週の維持用量が、以前の毎週の維持用量が<100Uであった場合は20単位、又は以前の毎週の維持用量が≧100Uであった場合は30単位のいずれかだけ増加される、という基準に従って決定される、実施形態37~38又は50~51のいずれか1つに記載の方法。
実施形態53.対象が、対象の食前インスリンではなく、BIFに起因すると考えられる低血糖を1回以上発症した場合、毎週の維持用量が増加されない、実施形態49~52のいずれか1つに記載の方法。
実施形態54.対象が夜間低血糖を1回以上発症した場合、毎週の維持用量が増加されない、実施形態49~53のいずれか1つに記載の方法。
実施形態55.対象が重度低血糖を1回以上発症した場合、毎週の維持用量が増加されない、実施形態49~54のいずれか1つに記載の方法。
実施形態56.任意の毎週の維持用量を調整する必要性が、BIFによる治療の開始後最初の12週間は毎週、及びその後は4週間ごとに決定される、実施形態37~55のいずれか1つに記載の方法。
実施形態57.方法が、患者の血糖制御を改善することを含む、実施形態37~56のいずれか1つに記載の方法。
実施形態58.糖尿病の治療における使用のためのBIFであって、治療が、
a)当該対象に、
iii)対象が、
a.インスリン未経験であるか、
b.T2D及びFG>120mg/dLを有するか、又は
c.T1Dを有する場合、初期用量が負荷用量であり、
iv)対象がT2Dを有するが、a.又はb.における上記の基準を満たさない場合、初期用量が毎週の維持用量である、という基準に従ってBIFの初期用量を投与することと、
b)当該対象に、初期用量の投与の1週間後に開始して週1回、1回以上の毎週の維持用量を投与することと、を含む、使用のためのBIF。
実施形態59.初期用量が、予想される毎週の維持用量よりも3倍大きい負荷用量である、実施形態58に記載の使用のためのBIF。
実施形態60.対象が、インスリン未経験であり、負荷用量が、300Uである、実施形態58又は59に記載の使用のためのBIF。
実施形態61.対象が、T2D及びFG>120mg/dLを有し、予想される毎週の維持用量が、BIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量よりもおよそ7倍大きい、実施形態59に記載の使用のためのBIF。
実施形態62.各毎週の維持用量が、
a)以前の用量が負荷用量であった場合、毎週の維持用量が、必要に応じて、以下の項目(i)~(iv)に従って調整された予想される毎週の維持用量に等しい、
i)前週の対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、20単位減少される、
ii)前週の対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、以前の用量に等しい、
iii)前週の対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、20単位増加される、又は
iv)対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、40単位増加される、
b)以前の用量が負荷用量でなかった場合、毎週の維持用量が、維持用量がBIFの初期用量である場合は予想される毎週の維持用量、又は必要に応じて、上記の項目(i)~(iv)に従って調整された以前の維持用量のいずれかに等しい、という基準に従って選択される、実施形態58~61のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態63.BIFによる治療の開始前に、対象が、>10単位/日の基礎インスリンで治療されている、実施形態58~62のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態64.BIFによる治療の開始前に、対象が、>20単位/日の基礎インスリンで治療されている、実施形態58~63のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態65.対象が、T2Dを有し、BIFによる治療の開始前に、ベースラインFG≦120mg/dLを有する、及び/又は<20単位/日の基礎インスリンで治療されているかのいずれかであり、各毎週の維持用量が、
a)以前の用量が負荷用量であった場合、毎週の維持用量が、必要に応じて、以下の項目(i)~(iv)に従って調整された予想される毎週の維持用量に等しい、
i)前週の対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、20単位減少される、
ii)前週の対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、以前の用量に等しい、
iii)前週の対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、10単位増加される、又は
iv)前週の対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、20単位増加される、
b)以前の用量が負荷用量でなかった場合、毎週の維持用量が、必要に応じて、上記の項目(i)~(iv)に従って調整された以前の維持用量に等しい、という基準に従って選択される、実施形態58~62のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態66.対象が、T2Dを有し、BIFによる治療の開始前に、<10単位/日の基礎インスリンで治療されており、各毎週の維持用量が、
a)以前の用量が負荷用量であった場合、毎週の維持用量が、必要に応じて、以下の項目(i)~(iv)に従って調整された予想される毎週の維持用量に等しい、
i)前週の対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、20単位減少される、
ii)前週の対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、以前の用量に等しい、
iii)前週の対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、5単位増加される、又は
iv)前週の対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、10単位増加される、
b)以前の用量が負荷用量でなかった場合、毎週の維持用量が、必要に応じて、上記の項目(i)~(iv)に従って調整された以前の用量に等しい、という基準に従って選択される、実施形態58~62のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態67.対象が前週に<70mg/dLの血糖エピソードを有していた場合、毎週の維持用量が増加されない、実施形態63~66のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態68.前週に、対象が、
a)3回以上の血糖エピソード≦70mg/dL、
b)1回以上の夜間血糖エピソード≦70mg/dL、
c)1回以上の血糖エピソード≦54mg/dL、又は
d)重度低血糖の任意のエピソードのうちのいずれかを有していた場合、毎週の維持用量が40単位減少される、実施形態58~67のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態69.対象が、MDIで治療されていない、実施形態62~68のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態70.対象が、T2Dを有し、MDIで治療されており、各毎週の維持用量が、
a)毎週の維持用量が、BIFの初期用量である場合、毎週の維持用量が、BIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量のおよそ7倍である、
b)毎週の維持用量が、BIFの初期用量ではなく、対象が、ベースラインFG≦120mg/dL又はBIF<20単位での治療開始前の毎日の基礎用量のいずれかを有する場合、毎週の維持用量が、必要に応じて、
i)前週の対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、毎週の維持用量が10~20単位減少される、
ii)前週の対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、毎週の維持用量が変更されない、
iii)前週の対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、毎週の維持用量が10単位増加される、
iv)前週の対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、毎週の維持用量が20単位増加される、という基準に従って調整された以前の維持用量に等しい、
c)毎週の維持用量がBIFの初期用量ではなく、対象がベースラインFG>120mg/dLを有し、BIFによる治療の開始前に基礎用量≧20単位/日を有する場合、毎週の維持用量が、必要に応じて、
i)前週の対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、毎週の維持用量が20単位減少される、
ii)前週の対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、毎週の維持用量が変更されない、
iii)前週の対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、毎週の維持用量が20単位増加される、
iv)前週の対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、毎週の維持用量が40単位増加される、という基準に従って調整された以前の維持用量に等しい、という基準に従って選択される、実施形態58~61のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態71.対象が、T1Dを有し、負荷用量が、
a)対象のベースラインFGが≦140mg/dLである場合、負荷用量=(BIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量)×7×3、
b)対象のベースラインFGが140~160mg/dLである場合、負荷用量=(約10~20%増加したBIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量)×7×3、
c)対象のベースラインFGが>160mg/dLである場合、負荷用量=(約20~30%増加したBIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量)×7×3、という基準に従って決定される、実施形態58又は59に記載の使用のためのBIF。
実施形態72.対象が、T1Dを有し、対象の第1の毎週の維持用量が、
a)対象のベースラインFGが≦140mg/dLである場合、第1の毎週の維持用量=(BIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量)×7、
b)対象のベースラインFGが140~160mg/dLである場合、第1の毎週の維持用量=(約10~20%増加したBIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量)×7、
c)対象のベースラインFGが>160mg/dLである場合、第1の毎週の維持用量=(約20~30%増加したBIFによる治療の開始前の対象の基礎インスリンの1日用量)×7、という基準に従って選択される、実施形態37~38又は50のいずれか1つに記載の方法。
実施形態73.対象が、T1Dを有し、対象の第2及びその後の毎週の維持用量が、
a)前週の対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、毎週の維持用量が以前の低用量に減少される、
b)前週の対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、毎週の維持用量が変更されない、
c)前週の対象のFG中央値が121~150mg/dLであった場合、毎週の維持用量が、以前の毎週の維持用量が<100Uであった場合は5単位、又は以前の毎週の維持用量が≧100Uであった場合は10単位のいずれかだけ増加される、
d)前週の対象のFG中央値が151~180mg/dLであった場合、毎週の維持用量が、以前の毎週の維持用量が<100Uであった場合は10単位、又は以前の毎週の維持用量が≧100Uであった場合は20単位のいずれかだけ増加される、
e)前週の対象のFG中央値が>180mg/dLであった場合、毎週の維持用量が、以前の毎週の維持用量が<100Uであった場合は20単位、又は以前の毎週の維持用量が≧100Uであった場合は30単位のいずれかだけ増加される、という基準に従って選択される、実施形態58~59又は61~62のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態74.対象が、対象の食前インスリンではなく、BIFに起因すると考えられる低血糖を1回以上発症した場合、毎週の維持用量が増加されない、実施形態70~73のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態75.対象が夜間低血糖を1回以上発症した場合、毎週の維持用量が増加されない、実施形態70~74のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態76.対象が重度低血糖を1回以上発症した場合、毎週の維持用量が増加されない、実施形態70~75のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態77.任意の毎週の維持用量を調整する必要性が、BIFによる治療の開始後最初の12週間は毎週、及びその後は4週間ごとに決定される、実施形態58~76のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態78.治療が、患者の血糖制御を改善することを含む、実施形態58~77のいずれか1つに記載の使用のためのBIF。
実施形態79.実施形態58~78のいずれか1つに記載の糖尿病の治療に使用するための薬剤の製造におけるBIFの使用。
本発明を以下の実施例によって更に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
SAD及びMAD研究。
研究は、健康なボランティア及びT2DM患者におけるBIFの薬物動態学的(PK)及び薬力学的(PD)効果を評価するように設計されている。単回漸増用量(SAD)研究は、健康な対象及びT2D患者において行われる無作為化、治験責任医師及び対象盲検、プラセボ対照、単回用量、単一施設、用量漸増研究である。この研究では、BIFの6つの用量レベル(2、10、12、17、20、及び35mg)が調査される。BIFの用量漸増は、8人の健康な対象又は8人のT2D患者のコホートにおいて評価される(コホート当たり6人患者がBIFであり、2人の患者がプラセボ)。各コホートに時差投薬を実施し、新しい高用量のBIFを投与した。基礎インスリンの1単位に相当する血糖制御を達成するために必要なBIFの単位用量は知られていないため、BIFの用量はミリグラムで表される。血液試料は、投与前、及び1日目に投与後8時間、並びに2~7日目、14日目及びフォローアップ訪問時(29日目)に1日1回収集される。
この研究中に取得された血漿試料は、検証済みの酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)法を使用してBIFについて分析される。定量下限(LLOQ)は、300.00pMであり、定量上限は、10000.00pMである。検証中のアッセイ間精度(パーセント[%]相対誤差)は、-1.0%~5.4%の範囲であった。検証中のアッセイ間の精度(%変動係数[CV])は、4.8%~9.6%の範囲である。
血漿試料は、検証済みの高速液体クロマトグラフィー法及びタンデム質量分析(MS/MS)検出を使用して、インスリングラルギンについて分析される。インスリングラルギンのLLOQは、8.25pMである。インスリングラルギンの定量上限は、1649.4pMである。それぞれ、インスリングラルギンの検証中のアッセイ間精度。インスリングラルギンの検証中のアッセイ間の精度(%相対標準偏差)は、3.8%~9.0%の範囲である。
PK及びPK/PD分析に使用される完全な分析セットは、患者/対象が受けた治療に応じて、少なくとも1用量の治験薬を受けている全ての登録患者/対象からなる。BIF及びインスリングラルギン及び代謝産物のPKパラメータ推定値は、Phoenix WinNonlinバージョン6.4(Pharsight Corporation,USA)を使用した標準的な非コンパートメント分析法によって計算される。Windowsバージョン8.2用のS-Plusを使用したPDデータの分析。
分析の主要パラメータは、BIF濃度が最大になるまでの時間(tmax)、BIF半減期、及びBIFのピーク対トラフ比である。T2D患者のPD分析は、FG(8ポイントグルコースプロファイルからの朝食前空腹時血糖を使用)バージョン7.3に基づいて実施される。
57人のT2D患者及び16人の健康な対象が、この研究に参加する。16人の健康な対象全員が、研究を完了した。研究を完了した56人のT2D患者のうち、36人がBIFを受け(6人が各々2、10、12、17、20、及び35mgを受けた)、12人がプラセボを受け、8人がインスリングラルギンを受ける。16人の健康な対象のうち、12人がBIFを受け(6人が各々5及び10mgを受けた)、4人がプラセボを受ける。
SAD研究のPK結果には、T2D患者36人全員及びBIFを受けた健康な対象10人が含まれる。用量反応は、健康な対象及び患者では線形であり、T2D患者では日ごと及び対象間の変動性が低い。平均して、単回用量の投与後、BIFは、4日目にCmaxに到達する。2mg、10mg、12mg、17mg、20mg、及び35mgを受けている患者のtmax中央値(範囲)は、それぞれ4.5(3.0~6.0)、4.5(3.0~5.0)、4.0(3.0~5.0)、4.5(2.0~14.0)、4.0(4.0~5.0)、及び4.5(3.0~6.0)である。5mg又は10mgを受けている健康な対象のtmax中央値(範囲)は、それぞれ3.0(3.0~4.0)及び3.0(1.0~6.0)である。最大濃度は、健康な対象及びT2D患者の用量に比例して増加すると思われる。BIF血漿濃度は、T2D患者においておよそ17日の平均半減期で減少する。計算された半減期は、T2D患者における異なるBIF用量で14.8~18.5日の範囲であり、健康な対象における2つのBIF用量で11.8~15.5日である。
SAD研究のPD結果は、T2D患者にBIFの単回用量を投与すると空腹時グルコースが減少し、投与後少なくとも5日間持続したことを示している。BIF投与は、投与の初日以内にグルコース低下をもたらした。BIF濃度の増加に伴い、FGが大幅に低減する。
SAD研究のデータは、2~35mgの範囲のBIFの単回用量に続いて、T2DMを有する研究参加者でグルコースが低下するという明確な証拠を示している。単回用量に続くBIFのPKは、週1回の投与を支持する持続性作用プロファイルを示した。BIFは投薬後およそ4日で最大濃度に到達し、続いてT2DMを有する研究参加者ではおよそ17日(11~22日の範囲)の平均排出半減期に到達した。
長い排出半減期を有し、毎週の固定用量レジメンに従うと、およそ8~10週間でPK定常状態に到達すると予測され、単回用量後よりも蓄積によりおよそ3倍高い濃度になる。したがって、PKモデリングに基づいて、毎週の用量の3倍の負荷用量戦略で、1用量後に定常状態の曝露が達成される。
3倍負荷用量戦略は、複数漸増用量(MAD)研究で用いられた。MAD研究は、BIFの安全性及び耐容性を評価するために行われた、T2D患者における3施設、無作為化、非盲検、実薬対照、複数用量、2部構成、用量漸増及び並行設計研究である。BIFの用量漸増は、最大8人のT2D患者のコホートにおいて評価される(6人のBIF及び2人のインスリングラルギン[Sanofi;Paris,France])。インスリングラルギン(U100)を服用している患者は、1日目の用量前まで通常の投薬レジメンを継続し、以前にインスリングラルギンで治療されていない患者は、治験責任医師の判断で適切なインスリングラルギン用量に変換される。BIF群に割り当てられた患者は、1日目の第1週の投与中に毎週の維持用量の3倍の負荷用量を受け、次の5週間は週1回の毎週の維持用量(1、2、5、及び10mg)を受けて、定常状態の濃度を迅速に達成する。患者は、8日目にCRUから退院する。インスリングラルギン対照群に割り当てられた患者には、通常の基礎インスリンと同じ用量及びタイミングで毎日のインスリングラルギン注射を投与する。
研究中に取得された血漿試料は、BIF及びインスリングラルギンについて分析され、PK及びPK/PD分析は、SAD研究について上記のように行われた。
33人のT2D患者が研究に参加し、28人が研究を完了した。患者は、40~69歳であり、18人が男性であった(表1)。25人の患者が、1日目にBIFを受け(7人が1mgを受け、6人が2mgを受け、6人が5mgを受け、6人が10mgを受けた)、22人が6週目にBIFを受ける(6人が1mgを受け、5人が2mgを受け、5人が5mgを受け、6人が10mgを受けた)。
データは、1週目の負荷用量後、研究した全ての用量にわたって全体の平均BIF tmaxが4.3日であったことを示す。単回負荷用量後のPKは、6週目の濃度プロファイルに匹敵し(1/3用量で週1回送達される)、定常状態と同様のPKプロファイルへの患者の移行の成功を示し、負荷線量戦略をサポートする。T2D患者では、1週間にわたる用量正規化BIF濃度のピーク対トラフ比は、定常状態で約1.14である。
-1、4、及び40日目に平均7ポイントのグルコースプロファイルが測定される。グルコースプロファイルは、4つのBIF治療群にわたって経時的に一定のままである。具体的には、BIFを毎週受けている患者のグルコースプロファイルは、6週間の研究にわたって一貫している。更に、BIFの7ポイントグルコースプロファイルは、インスリングラルギンプロファイルと同様である。より高い用量レベルは、より大きなグルコース反応を誘発する。BIF及びインスリングラルギンを受けている対象間に有意差はない。
低血糖は、最も頻繁な治療に関連した有害反応である。インスリングラルギンと比較して、BIF投与に続いて報告されたエピソードは少なかった(44.0%対62.5%)。事象のほとんどは、食べ物又は飲み物で治療された。
第2相研究。
経口抗糖尿病薬及び基礎インスリンで以前に治療されたT2DM患者
研究は、経口抗糖尿病薬及び基礎インスリンで以前に治療されたT2DM患者において、32週間にわたってインスリンデグルデクと比較して、BIFの安全性及び有効性を評価するように設計されている。研究設計には、負荷用量、及びBIFの毎週の維持用量を決定するための2つの異なるアルゴリズムが含まれている。
負荷用量及び予想される毎週の維持用量は、以下の表19に従って決定される。
Figure 2024502720000020
研究のBIF群の患者に使用される2つのアルゴリズムは、異なる空腹時グルコース(FG)目標及び調整間隔:アルゴリズム1ではFG≦140mg/dLを目標とする2週間ごとの調整、及びアルゴリズム2ではFG≦120mgを目標とする4週間ごとの調整を利用する。用量の調整は、以下の表20に示される。
Figure 2024502720000021
インスリンデグルデクは、修正されたRiddleの目標達成に向けた治療アルゴリズムを使用して、≦100mg/dLのFG目標に滴定される。研究参加者(N=399)は、1:1:1の比で3つの並行治療群のうちの1つに無作為化される。参加者の平均年齢は60.2歳であり、ベースラインHbA1cは8.1%であり、糖尿病の期間は14.7年であった。3つの治療群にわたって人口統計又はベースライン特徴に統計的に有意な差はない。
両方のBIF群は、ベースラインから32週までのHbA1c変化の主要評価項目について非劣性(非劣性マージン=0.4%)を達成し、BIFアルゴリズム1、BIFアルゴリズム2及びインスリンデグルデクの平均±SE低減は、それぞれ0.6±0.1%、0.6±0.1%及び0.7±0.1%であった。異なる血漿グルコース目標に沿って、インスリンデグルデクは、BIF群と比較してベースラインからのより大きなグルコース低下を達成した。同様に、<70mg/dL(3.9mmol/L)の事象を評価した場合、両方のBIF投薬群は、インスリンデグルデクと比較して低血糖事象が有意に少ないことを示す(全ての記録された事象及び夜間事象)。低血糖事象<54mg/dL(3.0mmol/L-全ての記録された事象及び夜間事象)は、3つの投薬群間で有意差はなかった。両方のBIF群は、ベースラインから32週目まで、インスリンデグルデクと比較して統計的に有意に小さい体重の増加を有していた。
要約すると、BIFは、いずれかの投薬アルゴリズムに従って毎週投与された場合、32週間後のHbA1cの変化によって測定される血糖制御に関して、インスリンデグルデクよりも非劣勢であり、記録された低血糖及び夜間低血糖<70mg/dLの発生率がより低く、体重増加が少なかった。追加として、安全性シグナルは検出されなかった。
結果は、PK/PD-IGIモデルの予測力を確認するものであり、モデルの更新に使用される。更新されたモデルを使用して、以下でより詳細に記載される臨床試験で研究された追加の用量滴定スキームを開発する。
複数の毎日の注射療法で以前に治療された患者。
3つの研究期間での多施設、無作為化、非盲検、並行、コンパレータ対照研究は、少なくとも3ヶ月間中断することなくMDIで治療されたT1DM患者を対象に、インスリンデグルデクと比較してBIFの投薬アルゴリズムの有効性及び安全性を評価するように設計されている。この研究は、インスリンエフシトラアルファの有効性及び安全性を評価するために必要な適切な曝露期間を確保するために26週間続く。インスリンデグルデクは、この研究における非盲検のアクティブコンパレータであり、血糖制御、低血糖、及び体重増加に対するBIFの効果を毎日の基礎インスリンと比較するために使用される。
この研究に含まれる有効性及び安全性の評価は、一般に、T1DMを有する固体及び母集団における有効性及び安全性の評価に関して、信頼性が高く正確であるとみなされている。主要有効性尺度は、ベースラインから26週目までのHbA1cの変化である。この研究の副次的な有効性評価は、ベースラインから12週目までのHbA1cの変化、ベースラインから12週目及び26週目までのFGの変化、ベースラインから12週目及び26週目までのボーラスインスリン用量の変化である。
次の安全性評価:低血糖の発生数及び発生率、治療下で出現するSAEの発生率、肝アミノトランスフェラーゼの変化に特に焦点を当てた臨床検査評価は、副次的な目的として評価される。
参加者は、1:1の比で無作為化されて、BIFを毎週皮下投与され、本明細書に記載の方法及びレジメンに従って投与されるか、又は修正されたRiddleアルゴリズムに従って、インスリンデグルデクを毎日皮下投与される。
治療を完了した参加者は、以下の仮定に基づいて、BIF対インスリンデグルデクについて、ベースラインから26週間までのHbA1cの変化の非劣性を実証するために、少なくとも80%の検出力を提供する。
●真の平均差=0%
●SD 1.1%
●NIM 0.4%
●両側アルファレベル0.1を使用
治療効果の全ての試験は、特に明記しない限り、0.1の両側アルファレベルで行われ、全ての信頼区間(CI)は、両側90%レベルで与えられる。各参加者の研究参加の最大合計期間は、以下の研究期間にわたって最大33週間である。
●研究期間1:スクリーニング及び導入期間、およそ2週間
●研究期間2:治療期間、26週間
●研究期間3:安全性フォローアップ期間、5週間
手順は、研究に含めるための適格性を確立するためのスクリーニングで実施される。包含基準は、以下の表21に示される。
Figure 2024502720000022
除外基準は、以下の表22に示される。
Figure 2024502720000023
Figure 2024502720000024
インフォームドコンセントフォーム(ICF)に署名すると、訪問1において、研究参加者は、疾患の監視及び疾患管理手順、研究日誌、及び研究手順について訓練を受ける。参加者の電子日誌及び参加者の紙のノートシートは、訪問2で配布され、今後の訪問のための活動スケジュールに指定されるとおりである。持続グルコースモニタリング(CGM)によるベースライン自己測定血糖(SMBG)プロファイルの収集は、訪問2で開始される。参加者は、無作為化までの導入期間中、基礎及び短時間作用型インスリンの同じレジメンを継続する。研究参加基準を満たす全ての研究参加者に対して、Dexcom G6(登録商標)CGMデバイスが挿入され、(訪問2)でアクティブ化される。参加者は、訪問2と訪問3との間の非連続日に2つの6ポイントグルコースプロファイル(CGMデバイスを使用)を記録する。プロファイルには、1日の主な食事(朝食、昼食、及び夕食)の各々の前及び2時間後の測定値を含める必要がある。標準システム、Dexcom G6は、非盲検モードでのCGMについての製造元の指示に従って使用される。研究参加者は、訪問2からこのデバイスを装着する。加えて、全ての研究参加者は、外来期間中に追加のBG試験、又はSMBG測定を行うために個人の血糖(BG)測定器を使用することが許可される。治療上の決定は、CGMの測定値に基づいて行われる。CGMデバイスの較正に血糖測定器を使用してはならない。CGM較正は、各センサに提供されるコードを使用して行われなければならない。参加者は、研究固有のCGM受信機を使用しなければならず、CGMシステムの送信機を個人のスマートフォンに接続して、それぞれの訪問時に受信機からダウンロードできるデータを確保することは許可されていない。
訪問2で、適格基準を満たす研究参加者は、CGMデバイスの使用、CGMセンサの交換、CGMベースのBG値とアラームの解釈、及びCGMの要件について訓練を受ける。最初のCGMセッションでは、全ての研究参加基準を満たす研究参加者は、訪問2活動の一部としてCGMセンサが挿入される。
引き続き研究に適格となる参加者は、2つの治療群のうちの1つに無作為化される。訪問3での無作為化に続いて、参加者は、26週間の治療期間に参加する。BIF群に無作為化された患者には、IP投与に関する次のガイダンスが適用される。
●0~8週目の間、施設担当者が施設でIPを投与する。参加者は、IPを自己投与する方法についての教育及び訓練を受ける。
●9~12週目の間、IPは、参加者が自己投与可能であることを保証するために、訓練を受けた施設担当者の監督の下で参加者によって施設で再構成され、投与される。
●13~25週目の間、滴定訪問以外で、IPは、現地の規制により施設での投与が必要とされない限り、参加者が自宅で自己投与することができるか、又は任意選択で、施設担当者によって週1回投与され得る。
●自己注射に関する情報は、研究を通して必要に応じて確認することができる。治験責任医師が必要と判断した場合は、研究中いつでも、正しい投薬、滴定、及び治験薬投与を確実にするための追加の訪問を行うことができる。
週1回のBIFの皮下(SC)投与に続いて、定常状態のグルコースレベルに到達するまでの時間は、BIFの長い半減期に基づいて4~16週間と推定される。高血糖のリスクが低く、12週間未満でBIFの治療目標を達成することが望ましい場合があるため、効果的な曝露を達成するのに十分な第1の用量を初期に投与し、続いて個別に最適化された毎週の用量調整を行って目標の反応を達成する、負荷用量戦略が適切である可能性がある。したがって、血糖目標を迅速に達成するために、BIFに特異的な投薬アルゴリズムが開発された。以下に記載される投薬アルゴリズムは、目標FG≦100mg/dL(<5.6mmol/L)を達成するためにBIFを開始し、調整するために治験責任医師によって使用される。
したがって、単回の負荷用量とそれに続く毎週の用量調整が推奨される。負荷用量は、患者が以前に使用した基礎インスリン量、ベースラインの空腹時グルコース、及び利用可能なBIFデータに基づいて決定され、3倍負荷用量戦略を通知する。用量調整は、以前の空腹時グルコース及び低血糖事象に基づいている。これらの用量調整アルゴリズムによって推奨される用量の変更もまた、治験責任医師の裁量の下にあり、低血糖症及び他の研究参加者の安全上の懸念が考慮される。アルゴリズムが推奨する用量から逸脱した場合、この逸脱の医学的根拠を主任治験責任医師が文書化しなければならない。
開始BIF用量は、以前の基礎インスリン用量及びベースライン空腹時グルコースの両方に基づいて決定される。参加者は、インスリングラルギン、デテミル、又はデグルデクを使用して研究に参加することができる。製品の表示と一致して、これらのインスリンは、単位ごとに移行される可能性があり、このプロトコルの目的では同等とみなされる。BIFの半減期が長いため、空腹時グルコース反応の変化が定常状態の応答に到達するまでに数週間かかる場合があり、したがって、望ましい目標血糖応答を達成するために必要な時間を最小限に抑えるために、第1の用量のみに負荷投与戦略が使用される。
開始用量、すなわち負荷用量の決定は、現在の基礎インスリン用量(単位、U)をBIFの用量(mg)に変換するための以下の指示に従って行われる。
1.導入期間中に評価されたインスリングラルギン、デテミル、又はデグルデクの以前の毎日の基礎インスリン用量を取得する。基礎インスリンの合計1日用量(U)を7U/mgの換算係数で割ることによって、BIFの「基礎インスリン等価用量」(mg)を計算する。
2.以下の表23に示されるように、ベースライン空腹時グルコースの中央値及び参加者の以前の基礎インスリン用量(U)カテゴリーに従って、上記のステップ1で計算されたBIFの用量を調整する。これは、予想される開始週用量である。
Figure 2024502720000025
3.上記のステップ2で取得された予想開始週用量に3を掛けて、負荷用量を取得する。
例えば、参加者が毎日35Uのデグルデクを使用する場合、その用量は、ステップ1に従って5mgのBIFに変換される。その参加者が155mg/dLのFG値を有する場合、ステップ2及び表15によるこの参加者の用量調整は、+1.5mgになる。したがって、参加者の予想されるBIFの開始週用量は6.5mgであり、ステップ3によると、参加者の負荷用量は、19.5mgになる。その後の各施設訪問時に、治験責任医師は、研究参加者の前週の血糖制御を評価し、必要に応じて研究参加者に必要な用量調整について通知する。用量調整は、訪問に至る前の週に取得された少なくとも3日間(最大7日間)のFGの中央値(CGMシステムから取得されたSMBGから決定され、以下SMBGと呼ばれる)に基づいて決定される。
高血糖のリスクを最小限に抑えながら目標FG≦100mg/dL(<5.6mmol/L)を迅速に達成できるようにするために、負荷用量に続く第2の毎週の用量(すなわち、本研究では訪問5)よりも負荷用量に続く第1の毎週の用量(すなわち、本研究では訪問4)を比較的大きく調整し、かつ全てのその後の毎週の用量よりも負荷用量に続く第2の毎週の用量(すなわち、本研究では訪問5)を比較的大きく調整する、用量調整戦略が設計されている。この用量調整戦略は、以下の指示に従って実行される。
1.上記のように開始合計週用量を取得する。(これは、投与された負荷用量の1/3である)。
2.以下の表24を使用して、参加者の空腹時グルコース(訪問の3~7日前)及び最後のBIF用量以降に記録された低血糖を注意深く確認した後、必要な用量調整を決定する。
Figure 2024502720000026
例えば、上記の負荷用量が19.5mgの参加者の場合、開始週用量は、6.5mgであった。19.5mgの負荷用量が投与されてからその参加者が低血糖を報告せず、150mg/dLのFG中央値を有していた場合、1週目(訪問4)カラムを使用して、毎週の用量を1mg増加させる必要がある。したがって、負荷用量に続く患者の第1の毎週の用量(すなわち、訪問4)は、7.5mgとなる。次の毎週の用量(すなわち、訪問5)の場合、7.5mgの用量以降その参加者が低血糖を報告せず、153mg/dLのFG中央値を有していた場合、2週目(訪問5)カラムを使用して、毎週の用量を0.5mg増加させる必要がある。したがって、次の毎週の用量は、8mgとなる。次の毎週の用量の場合、「3週目(訪問6)及び全てのその後の週」カラムを使用して、参加者が133mg/dLのFG中央値を有していたが、最後の用量以降1回の夜間低血糖のエピソードを報告した場合、用量を0.5mg低減する必要がある。したがって、次の毎週の用量は、7.5mgとなる。その後の訪問は、訪問6(3週目)と同じアプローチを使用して管理され、以前の訪問時に投与されたBIF用量、訪問前の週の空腹時グルコース中央値、及び治験薬の最後の用量以降の低血糖状態を常に確認する。
投薬アルゴリズムの順守は、訪問3(無作為化)から25週目まで必要であり、研究チームによって定期的に監視される。研究参加者の安全性は、用量滴定の初期段階で綿密に監視され、変換及び用量調整アルゴリズムの調整が必要かどうかを判断する。研究参加者の安全性が懸念される状況では、治験責任医師は、表8の用量調整アルゴリズムによって推奨される用量を調整することができる。
インスリンデグルデク群に無作為化された患者の場合、インスリンデグルデクは、1日目の施設担当者の監督下での訓練及び最初の投与後に、参加者によって毎日自己投与される。インスリンデグルデクの開始用量は、研究参加者が研究に参加する前に使用した基礎インスリンと同じ用量である。その後の用量調整では、治験責任医師が投薬アルゴリズム(Riddle et al.2003から適応)を使用して、患者が血糖目標を達成するために、FG≦100mg/dL(<5.6mmol/L)を目標とするインスリンデグルデクを開始し、調整する。
患者の安全性が懸念される場合、又は用量調整で望ましい治療効果が得られなかった場合、治験責任医師は、用量調整アルゴリズムによって推奨されるインスリンデグルデクの用量を増減して調整し、逸脱の臨床的根拠を文書化するとともに、電子メールでLilly Medicalに通知する必要がある。
施設訪問又は電話訪問の際に、治験責任医師は、前週の患者の血糖制御を評価し、必要に応じて、任意の必要な用量調整について患者に通知する。用量は、患者の血糖値に基づいている。この研究のために提供された投薬アルゴリズムへの順守は、訪問3(無作為化)から訪問20(26週目)(両端を含む)まで必須である。用量増加は週間隔で、最後の用量増加後5日以降に行うことができる。場合によっては、患者の訪問は、許容される訪問許容期間に起因して5日以降に行うことができるが、以前の用量増加から少なくとも5日が経過していない場合は用量を増加させるべきではない。対照的に、インスリンデグルデクの用量は、治験責任医師の判断でいつでも低減することができる。このガイダンスからのいかなる逸脱も、臨床的証拠によって裏付けられ、Lilly Medicalの情報が添付されていなければならない。インスリン用量アルゴリズムは、Strange(2007)によってレビューされている。インスリンデグルデクの用量増加アルゴリズムは、Riddle et al.2003から採用され、「アルゴリズムFG」と呼ばれるものの定義に基づいて決定される。アルゴリズムFGは、最後のインスリン用量増分から5、6、及び7日目のFG(SMBGから決定)中央値である。最後の用量調整以降の間隔が7日より長い場合、用量増加は、最後の3日間のFG中央値によって決定される。患者が過去3日間のうち2日間だけFGを測定した場合、それら2つのFG値の小さい方をアルゴリズムFGとして使用する必要がある。過去3日間のFG測定値が1つしかない場合、治験責任医師は、その単一のFG値に基づいて用量調整を行うべきかどうかを判断する際に、自身の裁量を使用する必要がある。
できるだけ多くの患者で血糖目標を達成することが望まれるため、事前に指定されたプロトコル訪問に対応し、適時にインスリンデグルデクの用量を増やすために、偶発事象が提供される。したがって、最後の用量増分が5日前であった場合、用量増分は、アルゴリズムFGによって決定され、これは4日目及び5日目の2つのFG値のうち小さい方である。用量増加が6日前であった場合、アルゴリズムFGは、5日目及び6日目の2つのFG値のうち小さい方である。いずれの場合も、2つのFG値のうち1つしか利用できない場合、治験責任医師は、その単一のFG値に基づいて用量調整を行うべきかどうかを決定する際に、自身の裁量を使用する必要がある。
用量増加アルゴリズムは、次のように定義される。
●アルゴリズムFGが101~120mg/dL(5.6~6.7mmol/L)である場合、用量を2U増加させる。
●アルゴリズムFGが121~140mg/dL(6.8~7.8mmol/L)である場合、用量を4U増加させる。
●アルゴリズムFGが141~180mg/dL(7.9~10.0mmol/L)である場合、用量を6U増加させる。
●アルゴリズムFGが>180mg/dL(10.0mmol/L)である場合、用量を8U増加させる。
目標達成に向けた治療FGは、≦100mg/dL(<5.6mmol/L)である。前週のいずれかの時点で任意のSMBGが<70mg/dL(<3.9mmol/L)で記録された場合、インスリンデグルデクの用量は増加されない。SMBG<70mg/dL(<3.9mmol/L)の低血糖エピソードが複数回記録された場合、重度の低血糖(介助を必要とする)が発生した場合、又は前週に任意のSMBGが≦54mg/dL(≦3.0mmol/L)で記録された場合、調整当たり2~4Uの用量減少が許容され得る。
全ての群の参加者は、治療期間を通じて併用の短時間作用型インスリンを使用し続ける。医学的理由で用量調整が必要な場合、又は研究プロトコルで許可されている場合を除き、レジメンの中止又は変更は許可されていない。
研究参加者は、起床後にCGMデバイスに表示される値を使用することによって、電子日誌(eDiary)に毎日空腹時グルコース(FG)を記録するように指示される。加えて、2つの6ポイントSMBGプロファイル(朝食、昼食、及び夕食の前及び2時間後)は、必要な訪問前の週の不連続日に行う必要がある。
重度の持続性高血糖を発症した参加者は、治験責任医師の臨床的判断に基づいて、予定外のインスリン治療の強化を受ける。予定外のインスリン治療の強化を必要とする参加者は、全ての研究訪問が完了するまで、治験でIPを継続する。
無作為化された全ての参加者は、BIFの最後の用量からおよそ1週間後、及びインスリンデグルデクの最終用量から1日後に包括的な有効性及び安全性の評価を受け、BIFの最終用量からおよそ6週間後及びインスリンデグルデクの最終用量から5週間後に安全性のフォローアップ訪問を行う必要がある。安全性フォローアップ研究期間中、参加者はCGMを継続し、必要に応じて以前に使用した基礎インスリン療法に戻される。
治療期間が完了する前にIPを中止した参加者は、研究に留まり、訪問20までに予定されているいかなる研究手順も完了することが奨励される。研究に留まっている参加者は、適切なグルコース低下レジメンを受ける。
何らかの理由でIPを中止し、安全性フォローアップ訪問に戻ることを望まない参加者は、最終研究訪問として早期終了(ET)訪問を行うよう求められる。
試験された滴定スキームのモデリングシミュレーションの結果は、BIF対インスリンデグルデクのベースラインからのHbA1cの変化における非劣性を裏付けている。
インスリン未経験の患者。
3つの研究期間での多施設、無作為化、非盲検、並行、コンパレータ対照研究は、スクリーニング前の少なくとも3ヶ月間、安定用量のメトホルミンで(単独で又は安定用量のDPPIV阻害剤及び/若しくはSGLT2阻害剤と組み合わせて)治療されたT2DM患者において、インスリンデグルデクと比較してBIFの有効性及び安全性を評価するように設計されている。研究設計は、上記のT1D患者を対象とした第2相研究とほぼ同じであるが、対象患者母集団が異なり、いくつかの他の対応する違いがある。
この研究の母集団には、次のような患者が含まれる:スクリーニング前の少なくとも3ヶ月間、安定用量のメトホルミンで(単独で又は安定用量のDPPIV阻害剤及び/若しくはSGLT2阻害剤と組み合わせて)治療されたT2DMの診断を受けている;18歳~75歳である;スクリーニング時のベースラインHbA1c値が7.0%~9.5%(両端値を含む)である;スクリーニング前の3ヶ月間、安定した用量のメトホルミンで(単独で又は安定した用量のDPPIV阻害剤及び/若しくはSGLT2阻害剤と組み合わせて)で治療されており、研究を通じて安定した投薬を継続する意思がある;体格指数(BMI)が20~45kg/m(両端値を含む)であり、過去3ヶ月間に大幅な体重の増加又は減少がない(≧5%)。
母集団は、次のような参加者を除外する:スクリーニング前の6ヶ月間に入院を必要とするケトアシドーシス又は高浸透圧状態/昏睡のエピソードが1回を超える病歴を有する;スクリーニング前の6ヶ月以内に重度の低血糖の任意のエピソード及び/又は無自覚性低血糖があった;次のCV状態のうちのいずれかがあった:急性心筋梗塞、ニューヨーク心臓協会クラスIII若しくはIVの心不全、又は脳血管障害(脳卒中);スクリーニング前に胃バイパス(肥満)手術又は制限肥満手術(例えば、Lap-Band(登録商標))を受けている;急性若しくは慢性肝炎、又は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を除く任意の他の肝疾患の明らかな臨床徴候又は症状がある(すなわち、NAFLD患者は参加資格がある)、及び/又はギルバート症候群、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)>2.0×ULN、又はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)>2.0×ULNの非存在下での総ビリルビン>1.5x正常上限(ULN)によって決定された肝酵素測定値が上昇している;推定糸球体濾過率(eGFR)が<30mL/分/1.73mである;空腹時トリグリセリドが>400mg/dLであるか、又は非空腹時トリグリセリドが>600mg/dLである;スクリーニング前の3ヶ月間に体重の大幅な減少又は増加(>5%)を経験している(訪問1);活発な若しくは未治療の悪性腫瘍を有するか、又は臨床的に重要な悪性腫瘍(基底細胞若しくは扁平上皮細胞皮膚がんを除く)から5年未満寛解している、又は治験責任医師の意見でがんを発症するリスク若しくはがんの再発のリスクが高い;治験薬又はそれらの賦形剤のうちのいずれかに対する過敏症又はアレルギーがあることがわかっている;他の重篤な疾患又は状態(例えば、既知の薬物若しくはアルコール乱用/定期的な消費又は精神障害)がある場合、治験責任医師の意見では、患者に重大なリスクをもたらし、患者がプロトコルに従い、完了することを妨げるか、又は安全性、有効性、若しくはPDデータの解釈を妨害する;スクリーニング前の3ヶ月以内に輸血若しくは重度の失血があったか、又はHbA1c測定を妨げる可能性のある任意の血液学的状態(例えば、異常ヘモグロビン症、溶血性貧血、鎌状赤血球症)を有する;血糖制御に重大な影響を与える可能性のある薬を服用している(例えば、ナイアシン[1.0g/日未満の場合は許可]、胆汁酸封鎖剤又はペントキシフィリン);慢性(>14日)の全身グルココルチコイド療法(局所、眼内、鼻腔内、若しくは吸入製剤を除く)を受けているか、又はスクリーニングの前の月に14日を超えてそのような治療法を受けている;減量を促進するために、スクリーニング、処方薬、若しくは市販の(OTC)薬を現在服用しているか、又は3ヶ月以内に服用していた。参加する患者は、糖尿病治療のためのライフスタイル及び食事療法以外の体重低減を目的として、研究中に食事及び/又は運動プログラムを開始しないことに同意しなければならず、急性状態に対するインスリンの短期間使用を除いて、スクリーニング前3ヶ月以内にスルホニル尿素(SU)、グリタゾン、アルファ-グルコシダーゼ阻害剤、GLP-1受容体アゴニスト、又はインスリンで治療されている(スクリーニング前の6ヶ月以内に≦14日);スクリーニング前の1ヶ月間安定していない用量で血圧降下薬を使用しているか、又は使用していた;妊娠している、又は妊娠する予定がある、泌乳/授乳中(搾乳器の使用を含む)、又は禁欲を維持したくない、若しくは避妊を使用したくない、出産の可能性のある女性である。
メトホルミンを(単独で又は安定用量のDPPIV阻害剤及び/若しくはSGLT2阻害剤と組み合わせて)服用している参加者は、無作為化でHbA1cの信頼できる評価を可能にするために、同じ用量を継続する。参加者がメトホルミン、DPPIV阻害剤及び/又はSGLT2阻害剤(スクリーニングで使用する場合)の使用が禁忌である状態を発症した場合、又はスクリーニングと無作為化との間に禁止されている他の薬剤を開始した場合、参加者は不適格とみなされ、無作為化の前に治験を中止される。
臨床検査室評価のスクリーニングの報告を除いて、研究参加基準を満たす全ての参加者に対して、フラッシュグルコースモニタリング(FGM)用のLibreProセンサが挿入され、ベースラインFGM評価のために訪問1でアクティブ化される。患者が最終的にスクリーニング失敗であると判断された場合、センサを取り外して廃棄することができるか、又は患者は最大14日間装着を続け、測定値及び診断のために施設に戻ることができる。確認された全ての適格な参加者は、最大14日間センサを装着し続けるか、訪問3で取り外すまでセンサを装着し続けるか、又はこの訪問が挿入後14日を超える場合はセンサを訪問3に持参する必要がある。
参加者は、LibrePro System(Abbott)を使用して、無作為化前の14日間、訪問15、及び訪問20で3回のFGMセッションを受ける。研究が完了するまで、患者はこれらの評価を知らされないままである。
(0週目、訪問3)BIF負荷用量は、訪問3におけるベースラインの空腹時グルコース中央値及び体重に基づいている。上記のT1D患者での研究と同様に、負荷用量戦略を用いて、所望の目標の血糖応答を達成するため、及び第1週以内に定常状態の濃度を達成するために必要とされる時間を最小限に抑える。負荷用量は、研究開始時の患者の空腹時グルコース中央値及び体重に基づいて、予想される開始週維持用量からおよそ3倍増加した単回用量を含み、以下の表25を使用して決定される。
Figure 2024502720000027
例えば、参加者の体重が83kgであり、FG中央値が185mg/dlである場合、BIFの初回用量は10.5mgである。この10.5mgの用量は、研究開始時の患者の空腹時グルコース中央値及び体重に基づいて、すなわち参加者の体重及びFGに基づいて、必要であると予想される毎週の維持用量の3倍増加を表し、毎週の維持用量は3.5mgであると予想される。しかしながら、目標FG値に迅速に到達するために、負荷用量に続く週に投与される実際の毎週の維持用量は、以下でより詳細に記載されるように、参加者のFG値、及びその後の週の低血糖の任意の発生に基づいて調整される。
目標達成に向けた治療FGは、≦100mg/dL(<5.6mmol/L)である。BIFのその後の毎週の維持用量の用量調整は、以下の表26に従って、訪問に至る前の週に取得された少なくとも3日(最大7日)のFG中央値に基づいて決定される。全ての用量は、最も近い0.25mgに四捨五入する必要がある。
Figure 2024502720000028
例えば、10.5mgの負荷用量を受けた上記の参加者の場合、予想される開始週用量は、3.5mgである。その後の週に、参加者は低血糖を報告せず、FG中央値は175mg/dLであった。表18の1週目(訪問4)カラムを使用すると、負荷用量に続く参加者の第1の毎週の維持用量は、6.5mgになる。第1の毎週の維持用量の投与に続く週に、参加者は低血糖を報告せず、FG中央値は163であった。2週目(訪問5)カラムを使用すると、毎週の用量を1.5mg増やす必要があるため、第2の毎週の維持用量は、8.0mgになる。第2の毎週の維持用量の投与に続く週に、参加者のFG中央値は133mg/dLであった。「その後の週」カラムを使用すると、毎週の維持用量を0.5mg増加させる必要があるため、第3の毎週の維持用量は、8.5mgになる。その後の全ての週の用量調整は、第3の毎週の維持用量について上記のように、「その後の週」カラムを使用して決定される。
以下の基準に基づいて無作為化した後、重度の持続性高血糖を発症した患者では、追加の治療的介入を考慮する必要がある(FDA 2008)。
a)無作為化後の最初の6週間の任意の2週間以上にわたって平均FG>270mg/dL(>15.0mmol/L)、又は
b)無作為化後6週目~12週目までの任意の2週間以上にわたって平均FG>240mg/dL(>13.3mmol/L)、又は
c)12週目後任意の2週間以上にわたって平均FG>200mg/dL(>11.1mmol/L)。
治験責任医師はまず、患者が重度の高血糖を引き起こす急性疾患を患っていないことを確認し、研究の最初の12週間後に、患者が割り当てられた治療レジメンを完全に順守していることを確認する必要がある。治験責任医師は、関連する臨床基準を考慮した後、患者と相談して、適切なグルコース低下介入(レスキュー介入)を決定する。許可されている医薬品については、セクション6.5の表を参照されたい。高血糖管理のための新しい介入を受ける患者は、治験の残りの期間もIPの投与を継続する必要がある。
承認された製品ラベルに記載されているように、インスリンデグルデクは、10IU/日の開始用量で投与される。その後の用量調整は、T1D患者における第2相研究について上記のように決定され、投与される。
試験された滴定スキームのモデリングシミュレーションの結果は、BIF対インスリンデグルデクのベースラインからのHbA1cの変化における非劣性を裏付けている。
第3相研究。
スクリーニング/導入、治療、及び安全性フォローアップ期間を含む3つの研究期間での多施設、無作為化、並行、コンパレータ対照、目標達成に向けた治療が設計される。予定治療期間は、26週間、52週間、及び78週間である。患者母集団には、毎日の基礎インスリン(MDIではない)で以前に治療されたT2DM患者、インスリン未経験のT2DM患者、MDIで治療されているT2DM患者及びT1DM患者が含まれる。
毎日の基礎インスリン(MDIではない)で治療されているT2DM患者
基礎インスリンで治療されているT2Dを有する参加者を対象において、インスリンデグルデクと比較してBIFの有効性及び安全性を評価するための第3相、多施設、無作為化、非盲検、コンパレータ対照研究。この研究は、3週間のスクリーニング/導入期間、78週間の治療期間、及び5週間の安全性フォローアップ期間からなる。主要転帰は、26週目のHbA1cのベースラインからの変化である。
参加者は、以下を含む事前に確立された選択基準を満たす場合にのみ、研究に含まれる資格がある。1.スクリーニング時に少なくとも18歳(又は現地の規制によりそれ以上)である。2.WHO基準に従ってT2Dの診断を有し、基礎インスリンで現在治療されている。4.スクリーニング時に、6.5%~10%(両端値を含む)のHbA1c値を有する。5.スクリーニング前の少なくとも90日間、非インスリン糖尿病療法の有無にかかわらず、ローカル製品ラベルに従って使用される次のインスリンレジメンのうちのいずれかの、治験責任医師の意見で安定したレジメンで治療されている(次のうち最大3つ:ジペプチジルペプチダーゼ(DPP-4)IV阻害剤;SGLT2阻害剤;メトホルミン;アルファ-グルコシダーゼ阻害剤、GLP-1受容体アゴニスト):1日1回のU100若しくはU200インスリンデグルデク、1日1回のU100若しくはU300インスリングラルギン、1日1回若しくは2回のU100インスリンデテミル、又は1日1回若しくは2回のヒトインスリンNPH。6.スクリーニング時に、45kg/m2以下の体格指数を有する。
以下の基準のうちのいずれかに該当する場合、参加者を研究から除外する。1.治験責任医師の意見では、過去3ヶ月に著しい体重増加又は減少があった(例えば、≧5%)。2.T1D、潜在性自己免疫性糖尿病、又はT2D以外の特定のタイプの糖尿病(例えば、単一遺伝子性糖尿病、外分泌膵臓の疾患、薬物誘発性若しくは化学物質誘発性糖尿病)の診断を有する。3.急性状態の短期治療を除いて、最大4週間連続して、スクリーニング前に次のインスリン療法(妊娠以外):食前インスリン、インスリン混合物、吸入インスリン、U-500インスリン、又は連続皮下インスリン注入療法のうちのいずれかを現在受けているか、又は過去6ヶ月の任意の時点で受けた。4.スクリーニング前の90日以内に次の許可されていない糖尿病薬:グリニド、スルホニル尿素、プラムリンチド、又はチアゾリジンジオンのうちのいずれかを受けた。5.スクリーニング前の6ヶ月間に入院を必要とするケトアシドーシス又は高浸透圧状態/昏睡の1回超のエピソードの履歴を有する。5.慢性(>14日)の全身グルココルチコイド療法(副腎機能不全の補充療法を除く;局所、眼内、鼻腔内、又は吸入製剤若しくは関節内注射)を受けているか、又はスクリーニング前の月に14日を超えてそのような治療を受けた。6.心臓血管:スクリーニング前の過去3ヶ月間にニューヨーク心臓協会のクラスIVの心不全又は次のCV状態:急性心筋梗塞、脳血管障害(脳卒中)、又は冠状動脈バイパス手術のうちのいずれかを有した。7.胃腸:胃バイパス(肥満)手術、制限肥満手術(例えば、Lap-Band(登録商標))、又はスクリーニング前の1年以内にスリーブ胃切除術を受けた。8.肝臓:急性若しくは慢性肝炎、肝硬変、又はNAFLDを除く(すなわち、NAFLDを有する研究参加者は、参加資格がある)任意の他の肝疾患の明らかな臨床徴候若しくは症状を有する、及び/又はスクリーニング時に中央検査室によって決定され、また以下に示されるように、肝酵素測定値が上昇している:ULNの2倍超の総ビリルビン、ULNの2.5倍超のALT/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ、ULNの2.5倍超のAST/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ、又はULNの2.5倍超のALP。9.腎臓:腎移植の履歴がある、現在腎透析を受けている、又はスクリーニング時に中央検査室によって決定されるように、CKD-EPI式によって計算されたeGFR<20mL/分/1.73m2を有する。10.活発な若しくは未治療の悪性腫瘍がある、臨床的に重要な悪性腫瘍(基底細胞又は扁平上皮細胞皮膚がん以外)から5年未満寛解している、又はがんを発症するリスクが高い若しくは治験責任医師の意見でがんが再発している。10.治験薬又はそれらの賦形剤のうちのいずれかに対する既知の過敏症又はアレルギーを有する。11.治験責任医師の意見で、研究参加者に重大なリスクをもたらし、研究参加者がプロトコルに従い、完了することを妨げる、任意の他の重篤な疾患又は状態(例えば、既知の薬物若しくはアルコール乱用又は精神障害)を有する。11.現在又は最近6ヶ月の期間内に、ニコチン又はカフェイン使用による障害を除いて、治験責任医師の意見で精神障害の診断及び統計マニュアル-5(DSM-5)によって定義されている、任意の重症度の任意の物質使用障害の履歴の証拠を有する。12.血液学:訪問1前の90日以内(-3週目)に輸血若しくは重度の失血があったか、又は治験責任医師の意見で、異常ヘモグロビン症、溶血性貧血若しくは鎌状赤血球貧血、又はHbA1cの測定を妨げることが知られている任意の他のヘモグロビン異常の特徴が分かっている。
参加基準を満たす参加者は、2:1(BIF:インスリンデグルデク)の比で次の治療群に無作為に割り当てられる:BIF:週1回の投与、及びインスリンデグルデク:1日1回の投与。スクリーニング及び治療後のフォローアップ期間を含む各参加者の研究参加の合計期間は、次の研究期間にわたっておよそ86週間である:研究期間I:スクリーニング及び導入期間、3週間;研究期間II:治療期間、78週間;及び研究期間III:安全性フォローアップ期間、5週間。
BIFは、インスリン・プレフィルドペン(5単位の増分)を使用して、毎週ほぼ同じ時間及び曜日に週1回投与される。投与を忘れた場合、次の予定された投与まで少なくとも3日(72時間)残っていれば、できるだけ早く投与する必要がある。次の予定された投与までに3日未満の間隔が残っている場合は、逃した用量をスキップし、次の用量を定期的に予定された日に投与する必要がある。いずれの場合も、参加者は、定期的な週1回の投薬スケジュールを再開することができる。最後の用量が少なくとも3日前に投与されている限り、必要に応じて毎週の投与日を変更することができる。
インスリンデグルデク(U100)は、市販のインスリン・プレフィルドペン(1単位の増分)を使用して、毎日ほぼ同じ時間に毎日投与される。
BIFの場合、BIFプレフィルドペンでの注射当たりの最大単位数は、400単位である。1週間に400単位を超える用量(基礎インスリンの1日当たりおよそ57単位[57×7日=399])では、1回より多くの注射を必要とする。この研究の最大1回負荷用量は、1600単位であり、最大の週用量は、1400単位である。
インスリンデグルデクの場合、インスリンデグルデク(U100)の注射当たりの最大単位数は、80単位である。1日当たり80単位量を必要とする参加者の場合、インスリンデグルデクの完全1日用量を投与するには、1回より多くの注射が必要になる。
両方の治療について、参加者は、同じ領域内で注射する場合でも、注射部位を1回の注射から次の注射にローテーションするように指示される。
参加者のBIFの初期用量及び毎週の用量、又はインスリンデグルデクの1日用量は、無作為化前の参加者の通常の毎日の基礎インスリン用量に基づいて決定される。開始用量は、インスリンのタイプ/レジメン全体で単位間の変換を行う能力に関して、研究前の基礎インスリンのラベルを考慮に入れる。研究前の基礎インスリンレジメンが典型的に、より従来型の1日1回(U-100)基礎インスリンレジメン(例えば、1日2回のNPH又は1日1回のU-300グラルギン)に調整されている参加者の場合、合計1日用量を20%低減した後に7を掛けて、毎週の用量等量を取得する。
使用される投薬及び滴定アルゴリズムは、以下でより詳細に記載されるように、BIF又はインスリンデグルデクのいずれかへの参加者の治療割り当てに基づく。参加者は、割り当てられた研究インスリンを施設で投与されるため、無作為化の日に研究前の基礎インスリンを服用しないように指示される。
両方の治療群において、研究全体を通して80~120mg/dLのFBG目標を達成して維持するために、インスリン調整が行われる。アクティブな滴定は、訪問3~15(0~12週目)の両方の治療群で行われ、これは、訪問15(12週目)までにインスリン用量の安定化を達成することを目標として滴定期間として指定され、訪問15~38(12~78週目)の維持期間に毎月の調整を伴う。
両方の治療群の参加者は、自己監視FBGを毎日行う。治験責任医師がデータを確認して、週1回又は1日1回のインスリンの滴定アルゴリズムを使用して用量を調整することができるように、毎週別々の日に最低3つのFBG測定値を取得しなければならない。訪問6(3週目)から始まる用量調整の決定に使用するFBG中央値は、前週の最新の3つのFBGから取得される。中央値は、3つの値を昇順又は降順に並べたときの中間の値である。例えば、過去3日間連続して参加者のFBGが180、202、及び190であった場合、中央値は190である。参加者が1週間に2つしかFBG測定値を有していない場合は、測定値の小さい方を使用して、用量調整を決定する必要がある。FBG測定値が1つしか利用可能でない場合、単一のFBG値のみを使用して用量を変更するかどうかの決定は、治験責任医師の裁量に委ねられる。
任意の用量調整を検討する場合(いずれかの治療群で)、治験責任医師は、参加者が任意の記録された低血糖のエピソードを経験したかどうかを確認する。参加者が前週に記録されたBG≦70mg/dL(≦3.9mmol/L)を経験した場合、用量を増加させるべきではない。追加として、低血糖用量低減基準が満たされている場合、前の週の基礎用量は、以下でより詳細に記載されるように減少される。
このセクションでは、訪問3(0週目)での用量開始、及び訪問4(1週目)での1日用量の投与、及び治療期間中のその後の投薬/用量調整について、BIFの投薬指示が提供される。
無作為化訪問時(0週目)に、無作為化前の週からのFBGに基づいて開始用量を決定する。FBG>120mg/dLの参加者の場合は表27の指示に従い、FBG≦120mg/dLの参加者の場合は表20の指示に従う必要がある。注記:参加者が1日2回のNPH又はU300グラルギンを服用している場合、開始週用量を計算する前に、研究前基礎インスリンの通常の1日用量を決定する際に、研究前基礎インスリン用量を20%低減する必要がある。
Figure 2024502720000029
負荷用量は、1600単位の用量を超えてはならない。計算された負荷用量が>1600単位である場合、最大負荷用量1600単位は、訪問3(0週目)の1回用量として与えられる。
Figure 2024502720000030
訪問4(1週目):開始週用量。参加者が前週に低血糖を経験し、表29に列挙されている用量低減の基準のうちのいずれかを満たした場合、開始週用量から40単位を差し引いて、訪問4(1週目)での投与のための用量を取得する。
Figure 2024502720000031
低血糖用量低減基準が満たされない場合は、開始週用量を投与する。
次のステップは、開始週用量の訪問4(1週目)の計算例を示す。
Figure 2024502720000032
訪問5(2週目):77週目までの滴定。参加者が前週に記録された低血糖(BG≦70mg/dL)を経験した場合、用量を増加させるべきではない。参加者が前週に低血糖を経験し、表29に記載されている用量低減の基準を満たした場合、以前の毎週の用量から40単位を引く。
BG≦70mg/dLが報告されなかった場合、無作為化前の週からの参加者のFBG中央値及び/又は研究前の基礎インスリン用量を考慮して、表31、32又は33の滴定アルゴリズムから適切に用量調整を取得するために、前週からのFBG中央値を使用する。表31~33に示されるように、FBG中央値が80~120mg/dL(両端値を含む)の目標範囲内にある場合、前週からの用量は変更されない。
Figure 2024502720000033
FBG中央値≦120mg/dL、又は研究前の基礎インスリン用量≧10単位/日及び<20単位/日の研究に参加する研究参加者の場合、治験責任医師は、表32に従ってBIF用量を調整することができる。
Figure 2024502720000034
研究前の基礎インスリン用量<10単位/日の研究に参加する研究参加者の場合、治験責任医師は、表33に従ってBIF用量を調整することができる。
Figure 2024502720000035
このセクションでは、訪問3(0週目)での用量開始、及び訪問4(1週目)での1日用量の投与、及び治療期間中のその後の投薬/用量調整について、インスリンデグルデクの投薬指示が提供される。
訪問3(0週目):研究前インスリン用量の等量からの無作為化訪問インスリンデグルデクの用量決定。表34の指示に従って、参加者によって1日1回投与されるインスリンデグルデクの等価用量を計算する。注記:参加者が1日2回のNPH又はU300グラルギンを服用している場合、研究で開始するインスリンデグルデクの1日1回用量を決定する際に、研究前の基礎インスリン用量を20%低減する必要がある。
Figure 2024502720000036
訪問4(1週目)~訪問38(78週目)。参加者が前週に任意の記録された低血糖(BG≦70mg/dL)を経験した場合、用量を増加させるべきではない。参加者が前週に低血糖を経験して用量低減基準を満たした場合、表235に記載されているように1日用量を減少させる。
Figure 2024502720000037
低血糖用量低減基準が満たされない場合、前週のFBG中央値を使用して、表36又は37の滴定アルゴリズムから用量調整を取得する。研究前の基礎インスリン用量が≧10単位/日である研究に参加する参加者の場合、治験責任医師は、以下の表36に従ってデグルデク用量を調整することができる。
Figure 2024502720000038
研究前の基礎インスリン用量が<10単位/日である研究に参加する参加者の場合、治験責任医師は、以下の表37に従ってデグルデク用量を調整することができる。
Figure 2024502720000039
研究の目的及び評価項目を以下の表38に示す。
Figure 2024502720000040
Figure 2024502720000041
インスリン未経験のT2DM患者
第3相、並行設計、非盲検、無作為化対照治験は、GLP-1RAの有無にかかわらず、経口抗高血糖薬(OAM)で十分に制御されていないT2Dを有するインスリン未経験の成人において、デグルデクと比較した毎週の基礎インスリンとしてのBIFの有効性及び安全性を評価するように設計されている。参加者は、研究中に0~最大3つの許可された非インスリン糖尿病薬による以前の安定した治療法を継続する。参加者の無作為に割り当てられた治療に基づいて、合計週単位でインスリン用量を表示及び送達するプレフィルドインスリンペンが、週1回のBIFの皮下投与のため、又は1日1回のインスリンデグルデクの投与のための1日単位で提供される。両方の治療群において、参加者には血糖の自己測定のための血糖測定器が提供され、低血糖の認識及び治療について指導され、プロトコル関連のタスクについて訓練される。治験責任医師は、プロトコルに従って参加者のインスリン用量を決定し、低血糖を回避しながら血糖目標を達成するための用量調整を監督する。研究の主要評価項目は、52週におけるものである。治療期間は、52週間であり、レスキュー療法の開始は、16週間後に開始される。
盲検化安全性データの規則的な定期レビューは、研究チームによって(研究の治験レベルの安全性レビュー計画に従って)行われ、外部のデータ監視委員会は、全てのBIF第3相研究にわたって安全性を評価する際に、非盲検化安全性データをレビューする。
主な設計上の特徴には、以下の表39に示すものが含まれる。
Figure 2024502720000042
Figure 2024502720000043
研究における包含基準は次を含む。1.スクリーニング時に少なくとも18歳(又は現地の規制によりそれ以上)である。2.WHO基準に従って2型真性糖尿病(T2D)の診断を有する。3.スクリーニング時に7.0%~10.5%(両端値を含む)のベースライン糖化ヘモグロビンA1c(HbA1c)値を有する、4.許容される非インスリン糖尿病治療には、スルホニル尿素、チアゾリジンジオン(TZD)、ジペプチジルペプチダーゼ(DPP-4)IV阻害剤、ナトリウム-グルコース共輸送体(SGLT)-2阻害剤、ビグアニド(例えば、メトホルミン)、アルファ-グルコシダーゼ阻害剤、又はグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体アゴニストのうちの0~最大3つが含まれる場合がある。5.インスリン未経験。しかしながら、妊娠糖尿病の以前のインスリン治療と同様に、スクリーニング日の前に最大14日間、短期インスリン治療が許可されている。6.スクリーニング時に≦45kg/m2のBMIを有し、過去3ヶ月に著しい体重増加又は減少がない(≧5%)。7.治験責任医師の意見では、このプロトコルに必要であるように、自己注射治療の方法を学ぶ十分な動機があり、能力があり、意欲がある。
以下の基準のうちのいずれかに該当する場合、参加者を研究から除外する。1.1型真性糖尿病、潜在性自己免疫性糖尿病、又はT2D以外の特定のタイプの糖尿病(例えば、単一遺伝子性糖尿病、外分泌膵臓の疾患、薬物誘発性若しくは化学物質誘発性糖尿病)の診断を有する。2.過去30日以内に、グリニド、プラムリンチド、基礎インスリン、食前インスリン、インスリン混合物、吸入インスリン、持続皮下インスリン注入療法を含む、許可されていない糖尿病薬のうちのいずれかを受けた。3.スクリーニング前の6ヶ月間に入院を必要とするケトアシドーシス又は高浸透圧状態/昏睡の1回超のエピソードの履歴を有する。4.スクリーニング前の6ヶ月間に重度の低血糖の任意のエピソードがあった。5.治験責任医師の意見では、無自覚性低血糖を有する。6.心臓血管(CV):スクリーニング前の過去3ヶ月間にニューヨーク心臓協会のクラスIVの心不全又は次のCV状態:急性心筋梗塞、脳血管障害(脳卒中)、又は冠状動脈バイパス手術のうちのいずれかを有した。7.胃腸:胃バイパス(肥満)手術、制限肥満手術(例えば、Lap-Band(登録商標))、若しくはスクリーニング前の1年以内にスリーブ胃切除術を受けたか、又は治験責任医師の意見では、臨床的に重大な胃不全麻痺が存在する。8.肝臓:急性若しくは慢性肝炎、肝硬変、又は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を除く他の肝疾患の明らかな臨床徴候若しくは症状がある(すなわち、NAFLDを有する研究参加者は、参加資格がある)、及び/又はスクリーニング時に中央検査室によって決定されるように、肝酵素測定値が上昇している:正常上限(ULN)の2倍超の総ビリルビン、ULNの2.5倍超のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)、又はULNの2.5倍超のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)、ULNの2.5倍超のアルカリホスファターゼ(ALP)。9.腎臓:腎移植の履歴がある、現在腎透析を受けている、又はスクリーニング時に中央検査室によって決定されるように、慢性腎疾患-疫学方程式によって計算された推定糸球体濾過量(eGFR)<20mL/分/1.73m2を有する。10.活発な若しくは未治療の悪性腫瘍がある、臨床的に重要な悪性腫瘍(基底細胞又は扁平上皮細胞皮膚がん以外)から5年未満寛解している、又はがんを発症するリスクが高い若しくは治験責任医師の意見でがんが再発している。11.治験薬又はそれらの賦形剤のうちのいずれかに対する既知の過敏症又はアレルギーを有する。12.治験責任医師の意見で、研究参加者に重大なリスクをもたらし、研究参加者がプロトコルに従い、完了することを妨げる、任意の他の重篤な疾患又は状態(例えば、既知の薬物若しくはアルコール乱用又は精神障害)を有する、13.現在又は最近6ヶ月の期間内に、ニコチン又はカフェイン使用による障害を除いて、治験責任医師の意見においてDSM-5によって定義されている、任意の重症度の任意の物質使用障害の履歴の証拠を有する。14.血液学:訪問1前の90日以内に輸血若しくは重度の失血があったか、又は治験責任医師の意見で、異常ヘモグロビン症、溶血性貧血、鎌状赤血球貧血、又はHbA1cの測定を妨げることが知られている任意の他のヘモグロビン異常の特徴が分かっている、15.慢性(>14日)の全身グルココルチコイド療法(局所、眼内、鼻腔内、若しくは吸入製剤を除く)を受けているか、又はスクリーニングの前の月に14日を超えてそのような治療を受けた。
BIF及びインスリンデグルデクの投与のタイミング及び指示は、本研究の参加者が研究前の基礎インスリン用量を受けていないことを除いて、毎日の基礎インスリンで治療されているT2DM患者を対象とした第3相研究について上に記載されたものと同様であるため、この患者母集団に適切で耐容性があると予想される、標準化された予想される毎週の維持用量を使用しなければならない。
BIFに無作為化された参加者の場合、予想される毎週の維持用量は、100Uとなり、3倍の負荷用量が使用されるため、訪問4(1週目)の初期用量は、300Uとなる。その後の毎週の維持用量の調整の必要性は、上記の低血糖基準に従って、毎日の基礎インスリンで治療されているT2DM患者に関する第3相研究についての上記の基準に従って決定される。
インスリンデグルデクに無作為化された参加者の場合、1日目に投与される初期用量は10Uとなり、その後、毎日の基礎インスリンで治療されているT2DM患者に関する第3相研究についての上記の基準に従って、週単位で調整が行われる。
有効性及び安全性の目的、評価及び評価項目を以下の表40に示す。
Figure 2024502720000044
MDIで治療されているT2DM患者
第3相、並行設計、非盲検、無作為化対照治験は、1日1回又は2回の基礎インスリン、及び研究に参加する前の少なくとも1日2回の食前インスリンを受けているT2D患者における、グラルギンと比較したBIFの有効性及び安全性を評価するように設計されている。参加者は、研究中に0~3つの許可された非インスリン糖尿病薬による以前の安定した治療法を継続する。
参加者の無作為に割り当てられた治療に基づいて、合計週単位でインスリン用量を表示及び送達するプレフィルドインスリンペンが、週1回のBIFの皮下投与のため、又は1日1回のインスリングラルギンの投与のための1日単位で提供される。両方の治療群において、参加者には血糖の自己測定のための血糖測定器が提供され、低血糖の認識及び治療について指導され、プロトコル関連のタスクについて訓練される。治験責任医師は、下記のように参加者のインスリン用量を決定し、低血糖を回避しながら血糖目標を達成するための用量調整を監督する。
主な設計上の特徴には、以下の表41に示すものが含まれる。
Figure 2024502720000045
Figure 2024502720000046
包含基準には以下が含まれる。1.スクリーニング時に少なくとも18歳(又は現地の規制によりそれ以上)である。2.WHOの基準に従って2型真性糖尿病(T2D)と診断され、現在基礎インスリンで治療されており、1日当たり少なくとも2回の食前インスリン注射を受けている。4.スクリーニング時の1日の総インスリンが2単位/kg/日以下。5.スクリーニング時に7.0%~10%(両端値を含む)のベースライン糖化ヘモグロビンA1c(HbA1c)値を有する。6.スクリーニング前の少なくとも90日間、非インスリン糖尿病療法の有無にかかわらず、ローカル製品ラベルに従って使用される次の基礎インスリンのうちのいずれかの安定したレジメンで治療されている:1日1回のU100又はU200インスリンデグルデク、1日1回のU100又はU300インスリングラルギン、1日1回又は2回のU100のインスリンデテミル、1日1回又は2回のヒトインスリン中性プロタミンハーゲドルン。7.スクリーニング前の少なくとも90日間、ローカル製品ラベルに従って使用される次のインスリンのうちの1つを少なくとも1日2回投薬する安定したレジメンで治療されている(夕食前に食前インスリンを1回投与しなければならない):インスリンリスプロ(U100及びU200)、インスリンリスプロ-aabc(U100又はU200)、インスリンアスパルト(U100、Fiasp及びNovologを含む)、インスリングルリシン(U100)、通常のインスリン(U100)、許容される非インスリン糖尿病治療には、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、ナトリウム-グルコース共輸送体-2阻害剤、ビグアニド(例えば、メトホルミン)、又はグルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニストのうちの0~最大3つが含まれ得る。注記:全ての非インスリン糖尿病療法は、スクリーニング時に対応するローカル製品ラベルに従って使用しなければならず、参加者は、プロトコルに従って研究全体を通して安定した投薬を継続することをいとわない必要がある。8.≦45kg/m2のBMIを有し、過去3ヶ月に著しい体重増加又は減少がない(≧5%)。
除外基準には以下が含まれる。1.治験責任医師の意見では、過去3ヶ月に著しい体重増加又は減少があった(例えば、≧5%)。2.1型真性糖尿病若しくは潜在性自己免疫性糖尿病、又はT2D以外の特定のタイプの糖尿病(例えば、単一遺伝子性糖尿病、外分泌膵臓の疾患、薬物誘発性若しくは化学物質誘発性糖尿病)の診断を有する。3.現在、急性状態の短期治療を除き、最大4週間連続して、インスリン混合物、Affreza(吸入レギュラーヒトインスリン)、連続的皮下インスリン注入療法、レギュラーインスリンU500のうちのいずれかのインスリン療法(妊娠以外)を過去90日間の任意の時点で受けている。4.グリニド、スルホニル尿素、プラムリンチド、アルファ-グルコシダーゼ阻害剤又はチアゾリジンジオンを含む、過去90日以内に次の許可されていない糖尿病薬のうちのいずれかを受けた。5.スクリーニング前の6ヶ月間に入院を必要とするケトアシドーシス又は高浸透圧状態/昏睡の1回超のエピソードの履歴を有する。6.スクリーニング前の6ヶ月以内に重度の低血糖のエピソードがあった。7.治験責任医師の意見では、無自覚性低血糖を有する。8.研究中にcgmの使用を変更する意図がない(例えば、開始、停止、デバイスの変更)。9.心臓血管(CV):スクリーニング前の過去3ヶ月間にニューヨーク心臓協会のクラスIVの心不全又は次のCV状態:急性心筋梗塞、脳血管障害(脳卒中)、又は冠状動脈バイパス手術のうちのいずれかを有した。10.胃腸:胃バイパス(肥満)手術、制限肥満手術(例えば、Lap-Band(登録商標))、若しくはスクリーニング前の1年以内にスリーブ胃切除術を受けたか、又は治験責任医師の意見では、臨床的に重大な胃不全麻痺が存在する。11.肝臓:急性若しくは慢性肝炎、又は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を除く他の肝疾患の明らかな臨床徴候若しくは症状がある(すなわち、NAFLDを有する研究参加者は、参加資格がある)、及び/又はスクリーニング時に中央検査室によって決定されるように、また次のように肝酵素測定値が上昇している:正常上限(ULN)の2倍超の総ビリルビン(ギルバート病の以前の診断を除く)、ULNの2.5倍超のアラニンアミノトランスフェラーゼ/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ、又はULNの2.5倍超のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ。12.腎臓:腎移植の履歴がある、現在腎透析を受けている、又はスクリーニング時に中央検査室によって決定されるように、慢性腎疾患-疫学方程式によって計算された推定糸球体濾過量<30mL/分/1.73m2を有する。13.活発な若しくは未治療の悪性腫瘍がある、臨床的に重要な悪性腫瘍(基底細胞又は扁平上皮細胞皮膚がん以外)から5年未満寛解している、又はがんを発症するリスクが高い若しくは治験責任医師の意見でがんが再発している。13.血液学:訪問1前の90日以内に輸血若しくは重度の失血があったか、又は治験責任医師の意見で、異常ヘモグロビン症、溶血性貧血若しくは鎌状赤血球貧血、又はHbA1cの測定を妨げることが知られている任意の他のヘモグロビン異常の特徴が分かっている。14.慢性(>14日)の全身グルココルチコイド療法(局所、眼内、鼻腔内、若しくは吸入製剤を除く)を受けているか、又はスクリーニングの前の月に14日を超えてそのような治療を受けた。
以下の表42及び43に記載されているように、BIFによる治療の開始及び滴定の指示が提供される。
Figure 2024502720000047
Figure 2024502720000048
有効性及び安全性の目的、評価及び評価項目を以下の表44に示す。
Figure 2024502720000049
T1D患者
第3相、並行設計、非盲検、無作為化対照治験が設計されており、研究に参加する前に基礎ボーラスMDI療法で治療されているT1Dを有する参加者において、デグルデクと比較したBIFの有効性及び安全性を評価する。より詳細な研究の説明を以下の表45に示す。研究母集団及びインスリンコンパレータの選択は、BIFとデグルデクを比較した同様の母集団における上記の第2相研究から得られた利用可能な有効性及び安全性のデータによって裏付けられている。参加者の無作為に割り当てられた治療に基づいて、合計週単位でインスリン用量を表示及び送達するプレフィルドインスリンペンが、週1回のBIFの皮下投与のため、又は1日1回のインスリンデグルデクの投与のための1日単位で提供される。両方の治療群において、参加者には糖尿病管理のための非盲検CGM及び血糖測定器が提供され、低血糖の認識及び治療について指導され、プロトコル関連のタスクについて訓練される。治験責任医師は、プロトコルに従って参加者のインスリン用量を決定し、低血糖を回避しながらグルコース目標を達成するための用量調整を監督する。
主な設計上の特徴には、以下の表45に示すものが含まれる。
Figure 2024502720000050
Figure 2024502720000051
包含基準には以下が含まれる。1.スクリーニング時に少なくとも18歳(又は現地の規制によりそれ以上)である。2.スクリーニング前の少なくとも1年間、WHO基準に従って1型真性糖尿病(T1D)の診断を有する。3.スクリーニング時に7.0%~10%(両端値を含む)のヘモグロビンA1c(HbA1c)値を有する。4.スクリーニング前の少なくとも90日間、ローカル製品ラベルに従って、ボーラスインスリン類似体(インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングルリシン、Fiasp、Lyumjev)及び食事と組み合わせた基礎インスリン類似体(グラルギンU-100、グラルギンU-300、デグルデク、デテミル)を含む、基礎ボーラスインスリンアナログMDI療法で治療されている。5.BMI≦35.0kg/m2を有する。
除外基準には以下が含まれる。1.2型真性糖尿病又は潜在性自己免疫性糖尿病の診断を有する。2.スクリーニング前の6ヶ月以内に入院を必要とするケトアシドーシス又は高浸透圧状態/昏睡の1回超のエピソードの履歴を有する。3.スクリーニング前の6ヶ月以内に重度の低血糖(神経学的に無効な低血糖のために介助を必要とすると定義された)の1回超のエピソードを有する。4.治験責任医師の意見では、無自覚性低血糖を有する。5.スクリーニング時にインスリンの合計1日用量>1.5単位/kgを受けた定義された過度のインスリン抵抗性を有する。6.心臓血管(CV):スクリーニング前の過去3ヶ月間にニューヨーク心臓協会のクラスIVの心不全又は次のCV状態:急性心筋梗塞、脳血管障害(脳卒中)、又は冠状動脈バイパス手術のうちのいずれかを有した。7.胃腸:胃バイパス(肥満)手術、制限肥満手術(例えば、Lap-Band(登録商標))、又はスクリーニング前の1年以内にスリーブ胃切除術を受けた、又は治験責任医師の意見では、臨床的に重大な胃不全麻痺が存在する。8.肝臓:急性若しくは慢性肝炎、肝硬変、又は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を除く他の肝疾患の明らかな臨床徴候若しくは症状がある(すなわち、NAFLDを有する研究参加者は、参加資格がある)、及び/又はスクリーニング時に中央検査室によって決定されるように、また以下のように肝酵素測定値が上昇している:正常上限(ULN)の2倍超の総ビリルビン、ULNの2.5倍超のアラニンアミノトランスフェラーゼ/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ、又はULNの2.5倍超のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ、ULNの2.5倍超のアルカリホスファターゼ(ALP)。9.腎臓:腎移植の履歴がある、現在腎透析を受けている、又はスクリーニング時に中央検査室によって決定されるように、慢性腎疾患-疫学方程式によって計算された推定糸球体濾過量<30mL/分/1.73m2を有する。10.活発な若しくは未治療の悪性腫瘍がある、臨床的に重要な悪性腫瘍(基底細胞又は扁平上皮細胞皮膚がん以外)から5年未満寛解している、又はがんを発症するリスクが高い若しくは治験責任医師の意見でがんが再発している。11.血液学:訪問1前の3ヶ月以内に輸血若しくは重度の失血があったか、又は治験責任医師の意見で、異常ヘモグロビン症、溶血性貧血若しくは鎌状赤血球貧血、又はHbA1cの測定を妨げることが知られている任意の他のヘモグロビン異常の特徴が分かっている。12.スクリーニング前の90日以内に、NPHインスリン、U-500インスリン、通常のヒトインスリン、又は任意の予混合インスリンを含むインスリン治療レジメンを受けている(訪問1)。13.スクリーニング前の90日以内にインスリンヒト吸入粉末(Afrezza)を使用した(訪問1)。14.スクリーニング前の90日以内に持続皮下インスリン注入(CSII)療法を使用した(訪問1)。15.スクリーニング前の90日間に、インスリン以外の真性糖尿病の治療を目的とした任意の経口又は注射可能な薬を受けている(訪問1)。16.慢性(>14日)の全身グルココルチコイド療法(副腎機能不全の補充療法を除く;局所、眼内、鼻腔内、又は吸入製剤)を受けているか、又はスクリーニング前の月に14日を超えてそのような治療を受けた。
BIFの開始及び滴定の指示(目標達成に向けた治療の投薬アルゴリズムを含む)は、表46及び47において以下に記載されている。
Figure 2024502720000052
Figure 2024502720000053
加えて、ある特定の低血糖事象に対して以前の低用量に用量を低減するためのガイドラインが提供される。
インスリンデグルデクは、修正されたRiddleの目標達成に向けた治療アルゴリズムを使用して、80~120mg/dLのFG目標に滴定される。
有効性及び安全性の目的、評価及び評価項目を以下の表48に示す。
Figure 2024502720000054
T2DM患者を対象とした他の研究
他の研究では、主な包含基準には、安定したバックグラウンド療法を受けている糖尿病の以前の診断、少なくとも18歳、およそ7~10%のベースラインHbA1c値、及び20~45kg/m2の体格指数(BMI)。包含基準及びバックグラウンド療法は、研究母集団によって異なる。
これらの研究の主な目的は、インスリングラルギン又はインスリンデグルデクのような市販の基礎インスリンと比較して、血糖制御に対するBIFの効果を調査することである。関連する主要評価項目は、ベースラインからのHbA1cの変化について、これらの基礎インスリンのうちの1つと比較して、BIFの非劣性を実証することである。二次的な有効性及び安全性の目的には、HbA1c目標を達成した患者の割合(低血糖の有無にかかわらず)、空腹時グルコースの変化、治療期間中の低血糖事象の発生率、体重の変化、抗薬物抗体の発達、及び目標内時間、目標範囲の上又は下などのCGM派生評価項目が含まれ得る。
研究参加者及び介護者は、該当する場合、高血糖及び低血糖の徴候及び症状、並びにプロトコルの指示に従ってグルコースモニタリングを実施する方法について訓練を受ける。彼らはまた、必要に応じて頻繁にグルコースレベルをチェックすることができ、研究訪問の間の重度の持続的な高血糖又は重度の低血糖の事象において、調査施設に連絡するように指示される。低血糖の各エピソードの適切な情報は、研究日誌に収集される。
血糖の自己測定又は持続グルコースモニタリングを(この目的のために承認されたデバイスを使用して)利用して、用量調整を通知し、高血糖及び低血糖を監視する。特定の事前定義された閾値に基づいて重度の持続的な高血糖を発症した参加者は、追加のグルコース低下介入(又はレスキュー療法)を受ける。追加として、患者が低血糖のリスク増加の定義を満たす場合、最初にそれぞれの投薬アルゴリズムに従ってBIFの用量を減少させ、次いで、必要に応じて治験薬を中止するように指示される。高血糖及び低血糖を管理する方法に関する詳細な指示は、調査施設及び研究参加者に提供される。研究参加者の安全性は、安全性のフォローアップを含め、研究期間全体を通して綿密に監視される。
ある第3相研究では、インスリン未経験の参加者の開始用量は、インスリン未経験の第2相試験における上記のアプローチと同様に、FG及びBWから導き出される。そのようなアプローチの例を以下の表49に記載する。
Figure 2024502720000055
以前に基礎インスリンで治療されていた参加者の場合、開始用量は、以前の基礎インスリン用量及びFGデータに基づいて決定される。
用量調整は、前週のFGに基づいて決定される。用量調整の一連のガイドラインの例を以下の表50に示す。
Figure 2024502720000056
上記の用量調整のためのFGベースのガイドラインに加えて、SMBG<70mg/dLの低血糖が記録された複数のエピソード、重度の低血糖(介助を必要とする)、及び/又は前週に≦54mg/dLの記録された低血糖の低血糖例のうちのいずれかの発生に基づいて、用量減少が実施される。加えて、前週のいずれかの時点で任意のSMBG測定値が<70mg/dLで記録された場合、用量は増加されなくてもよい。
追加の研究は、より単純な投薬ガイドラインを提供するように設計された投薬レジメンを試験するために設計されているが、低血糖のリスクを増加させることなく、潜在的により緩やかではあるが、望ましい血糖目標を達成する。
これらの研究で投与される第1の用量は、毎日の基礎インスリンで以前に治療された参加者と比較して、インスリン未経験の参加者では異なる。インスリン未経験の参加者の開始用量は、約70I.U.である。以前に基礎インスリンで治療された参加者は、以前の毎日のインスリン用量から毎週の用量に係数3を掛けたものへの1対1単位の変換に基づいて、負荷用量を受ける。例えば、30I.U.のグラルギンを毎日服用している参加者は、630I.U.のBIF負荷用量から開始する。(30I.U.×7日×3)。この負荷用量戦略は、この移行期間中に一過性高血糖を低減する効果的な曝露を達成するように設計されている。
全ての参加者に対するその後の毎週の用量調整は、以下の表51に示されるFG値に基づいて行われる。
Figure 2024502720000057
加えて、SMBG<70mg/dLの低血糖が記録された複数のエピソード、重度の低血糖(介助を必要とする)、及び/又は前週に≦54mg/dLの記録された低血糖の低血糖例のうちのいずれかの発生に基づいて、用量減少が実施される。加えて、前週のいずれかの時点で任意のSMBG測定値が<70mg/dLで記録された場合、用量は増加されなくてもよい。
配列
配列番号1
Figure 2024502720000058

Claims (43)

  1. 血糖制御を必要とする糖尿病を有する対象においてそれを提供する方法であって、
    a)前記対象に、
    i)前記対象が、
    a.インスリン未経験であるか、
    b.2型糖尿病(T2D)及び空腹時グルコース(FG)>120mg/dLを有するか、又は
    c.1型糖尿病(T1D)を有する場合、前記初期用量が負荷用量である、
    ii)前記対象がT2Dを有するが、a.又はb.における上記の基準を満たさない場合、前記初期用量が毎週の維持用量である、という基準に従って毎週の基礎インスリン-Fc(BIF)の初期用量を投与することと、
    b)前記対象に、前記初期用量の投与の1週間後に開始して週1回、1回以上の毎週の維持用量を投与することと、を含む、方法。
  2. 前記初期用量が、予想される毎週の維持用量よりも3倍大きい負荷用量である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対象が、インスリン未経験であり、前記負荷用量が、300Uである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記対象が、T2D及びFG>120mg/dLを有し、前記予想される毎週の維持用量が、BIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量よりもおよそ7倍大きい、請求項2に記載の方法。
  5. 各毎週の維持用量が、
    a)以前の用量が負荷用量であった場合、前記毎週の維持用量が、必要に応じて、以下の項目(i)~(iv)に従って調整された前記予想される毎週の維持用量に等しい、
    i)前週の前記対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、20単位減少される、
    ii)前週の前記対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、以前の用量に等しい、
    iii)前週の前記対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、20単位増加される、又は
    iv)前記対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、40単位増加される、
    b)前記以前の用量が負荷用量でなかった場合、前記毎週の維持用量が、前記維持用量がBIFの前記初期用量である場合は予想される毎週の維持用量、又は必要に応じて、上記の項目(i)~(iv)に従って調整された前記以前の維持用量のいずれかに等しい、という基準に従って選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. BIFによる治療の開始前に、前記対象が、>10単位/日の基礎インスリンで治療されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. BIFによる治療の開始前に、前記対象が、>20単位/日の基礎インスリンで治療されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記対象が、T2Dを有し、BIFによる治療の開始前に、ベースラインFG≦120mg/dLを有する、及び/又は<20単位/日の基礎インスリンで治療されているかのいずれかであり、各毎週の維持用量が、
    a)以前の用量が負荷用量であった場合、前記毎週の維持用量が、必要に応じて、以下の項目(i)~(iv)に従って調整された前記予想される毎週の維持用量に等しい、
    i)前週の前記対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、20単位減少される、
    ii)前週の前記対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、以前の用量に等しい、
    iii)前週の前記対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、10単位増加される、又は
    iv)前週の前記対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、20単位増加される、
    b)前記以前の用量が負荷用量でなかった場合、前記毎週の維持用量が、必要に応じて、上記の項目(i)~(iv)に従って調整された前記以前の維持用量に等しい、という基準に従って選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記対象が、T2Dを有し、BIFによる治療の開始前に、<10単位/日の基礎インスリンで治療されており、各毎週の維持用量が、
    a)以前の用量が負荷用量であった場合、前記毎週の維持用量が、必要に応じて、以下の項目(i)~(iv)に従って調整された前記予想される毎週の維持用量に等しい、
    i)前週の前記対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、20単位減少される、
    ii)前週の前記対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、以前の用量に等しい、
    iii)前週の前記対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、5単位増加される、又は
    iv)前週の前記対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、10単位増加される、
    b)前記以前の用量が負荷用量でなかった場合、前記毎週の維持用量が、必要に応じて、上記の項目(i)~(iv)に従って調整された前記以前の用量に等しい、という基準に従って選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記対象が前週に<70mg/dLの血糖エピソードを有していた場合、前記毎週の維持用量が増加されない、請求項5~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前週に、前記対象が、
    a)3回以上の血糖エピソード≦70mg/dL、
    b)1回以上の夜間血糖エピソード≦70mg/dL、
    c)1回以上の血糖エピソード≦54mg/dL、又は
    d)重度低血糖の任意のエピソードのうちのいずれかを有していた場合、前記毎週の維持用量が40単位減少される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記対象が、MDIで治療されていない、請求項5~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記対象が、T2Dを有し、MDIで治療されており、各毎週の維持用量が、
    a)前記毎週の維持用量が、BIFの初期用量である場合、前記毎週の維持用量が、BIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量のおよそ7倍である、
    b)前記毎週の維持用量が、前記BIFの前記初期用量ではなく、前記対象が、ベースラインFG≦120mg/dL又はBIF<20単位での治療開始前の毎日の基礎用量のいずれかを有する場合、前記毎週の維持用量が、必要に応じて、
    i)前週の前記対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が10~20単位減少される、
    ii)前週の前記対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が変更されない、
    iii)前週の前記対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が10単位増加される、
    iv)前週の前記対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が20単位増加される、という基準に従って調整された前記以前の維持用量に等しい、
    c)前記毎週の維持用量が前記BIFの前記初期用量ではなく、前記対象がベースラインFG>120mg/dLを有し、BIFによる治療の開始前に基礎用量≧20単位/日を有する場合、前記毎週の維持用量が、必要に応じて、
    i)前週の前記対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が20単位減少される、
    ii)前週の前記対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が変更されない、
    iii)前週の前記対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が20単位増加される、
    iv)前週の前記対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が40単位増加される、という基準に従って調整された前記以前の維持用量に等しい、という基準に従って選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記対象が、T1Dを有し、前記負荷用量が、
    a)前記対象のベースラインFGが≦140mg/dLである場合、前記負荷用量=(BIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量)×7×3、
    b)前記対象のベースラインFGが140~160mg/dLである場合、前記負荷用量=(約10~20%増加したBIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量)×7×3、
    c)前記対象のベースラインFGが>160mg/dLである場合、前記負荷用量=(約20~30%増加したBIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量)×7×3、という基準に従って決定される、請求項1又は2に記載の方法。
  15. 前記対象が、T1Dを有し、前記対象の第1の毎週の維持用量が、
    a)前記対象のベースラインFGが≦140mg/dLである場合、前記第1の毎週の維持用量=(BIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量)×7、
    b)前記対象のベースラインFGが140~160mg/dLである場合、前記第1の毎週の維持用量=(約10~20%増加したBIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量)×7、
    c)前記対象のベースラインFGが>160mg/dLである場合、前記第1の毎週の維持用量=(約20~30%増加したBIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量)×7、という基準に従って選択される、請求項1~2又は14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記対象が、T1Dを有し、前記対象の第2及びその後の毎週の維持用量が、
    a)前週の前記対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が以前の低用量に減少される、
    b)前週の前記対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が変更されない、
    c)前週の前記対象のFG中央値が121~150mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が、前記以前の毎週の維持用量が<100Uであった場合は5単位、又は前記以前の毎週の維持用量が≧100Uであった場合は10単位のいずれかだけ増加される、
    d)前週の前記対象のFG中央値が151~180mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が、前記以前の毎週の維持用量が<100Uであった場合は10単位、又は前記以前の毎週の維持用量が≧100Uであった場合は20単位のいずれかだけ増加される、
    e)前週の前記対象のFG中央値が>180mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が、前記以前の毎週の維持用量が<100Uであった場合は20単位、又は前記以前の毎週の維持用量が≧100Uであった場合は30単位のいずれかだけ増加される、という基準に従って選択される、請求項1~2又は14~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記対象が、前記対象の食前インスリンではなく、BIFに起因すると考えられる低血糖を1回以上発症した場合、前記毎週の維持用量が増加されない、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記対象が夜間低血糖を1回以上発症した場合、前記毎週の維持用量が増加されない、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記対象が重度低血糖を1回以上発症した場合、前記毎週の維持用量が増加されない、請求項13~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 任意の毎週の維持用量を調整する必要性が、BIFによる治療の開始後最初の12週間は毎週、及びその後は4週間ごとに決定される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記方法が、前記患者の血糖制御を改善することを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 糖尿病の治療における使用のためのBIFであって、前記治療が、
    a)前記対象に、
    i)前記対象が、
    a.インスリン未経験であるか、
    b.T2D及びFG>120mg/dLを有するか、又は
    c.T1Dを有する場合、初期用量が負荷用量であり、
    ii)前記対象がT2Dを有するが、a.又はb.における上記の基準を満たさない場合、前記初期用量が毎週の維持用量である、という基準に従ってBIFの前記初期用量を投与することと、
    b)前記対象に、前記初期用量の投与の1週間後に開始して週1回、1回以上の毎週の維持用量を投与することと、によって血糖制御を提供することを含む、使用のためのBIF。
  23. 前記初期用量が、予想される毎週の維持用量よりも3倍大きい負荷用量である、請求項22に記載の使用のためのBIF。
  24. 前記対象が、インスリン未経験であり、前記負荷用量が、300Uである、請求項22又は23に記載の使用のためのBIF。
  25. 前記対象が、T2D及びFG>120mg/dLを有し、前記予想される毎週の維持用量が、BIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量よりもおよそ7倍大きい、請求項23に記載の使用のためのBIF。
  26. 各毎週の維持用量が、
    a)以前の用量が負荷用量であった場合、前記毎週の維持用量が、必要に応じて、以下の項目(i)~(iv)に従って調整された前記予想される毎週の維持用量に等しい、
    i)前週の前記対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、20単位減少される、
    ii)前週の前記対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、以前の用量に等しい、
    iii)前週の前記対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、20単位増加される、又は
    iv)前記対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、40単位増加される、
    b)前記以前の用量が負荷用量でなかった場合、前記毎週の維持用量が、前記維持用量がBIFの前記初期用量である場合は予想される毎週の維持用量、又は必要に応じて、上記の項目(i)~(iv)に従って調整された前記以前の維持用量のいずれかに等しい、という基準に従って選択される、請求項22~25のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  27. BIFによる治療の開始前に、前記対象が、>10単位/日の基礎インスリンで治療されている、請求項22~26のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  28. BIFによる治療の開始前に、前記対象が、>20単位/日の基礎インスリンで治療されている、請求項22~27のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  29. 前記対象が、T2Dを有し、BIFによる治療の開始前に、ベースラインFG≦120mg/dLを有する、及び/又は<20単位/日の基礎インスリンで治療されているかのいずれかであり、各毎週の維持用量が、
    a)前記以前の用量が負荷用量であった場合、前記毎週の維持用量が、必要に応じて、以下の項目(i)~(iv)に従って調整された前記予想される毎週の維持用量に等しい、
    i)前週の前記対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、20単位減少される、
    ii)前週の前記対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、前記以前の用量に等しい、
    iii)前週の前記対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、10単位増加される、又は
    iv)前週の前記対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、20単位増加される、
    b)前記以前の用量が負荷用量でなかった場合、前記毎週の維持用量が、必要に応じて、上記の項目(i)~(iv)に従って調整された前記以前の維持用量に等しい、という基準に従って選択される、請求項22~26のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  30. 前記対象が、T2Dを有し、BIFによる治療の開始前に、<10単位/日の基礎インスリンで治療されており、各毎週の維持用量が、
    a)前記以前の用量が負荷用量であった場合、前記毎週の維持用量が、必要に応じて、以下の項目(i)~(iv)に従って調整された前記予想される毎週の維持用量に等しい、
    i)前週の前記対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、20単位減少される、
    ii)前週の前記対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、以前の用量に等しい、
    iii)前週の前記対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、5単位増加される、又は
    iv)前週の対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、10単位増加される、
    b)以前の用量が負荷用量でなかった場合、前記毎週の維持用量が、必要に応じて、上記の項目(i)~(iv)に従って調整された前記以前の用量に等しい、という基準に従って選択される、請求項22~26のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  31. 前記対象が前週に<70mg/dLの血糖エピソードを有していた場合、前記毎週の維持用量が増加されない、請求項27~30のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  32. 前週に、前記対象が、
    a)3回以上の血糖エピソード≦70mg/dL、
    b)1回以上の夜間血糖エピソード≦70mg/dL、
    c)1回以上の血糖エピソード≦54mg/dL、又は
    d)重度低血糖の任意のエピソードのうちのいずれかを有していた場合、前記毎週の維持用量が40単位減少される、請求項22~31のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  33. 前記対象が、MDIで治療されていない、請求項26~32のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  34. 前記対象が、T2Dを有し、MDIで治療されており、各毎週の維持用量が、
    a)前記毎週の維持用量が、BIFの初期用量である場合、前記毎週の維持用量が、BIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量のおよそ7倍である、
    b)前記毎週の維持用量が、前記BIFの前記初期用量ではなく、前記対象が、ベースラインFG≦120mg/dL又はBIF<20単位での治療開始前の毎日の基礎用量のいずれかを有する場合、前記毎週の維持用量が、必要に応じて、
    i)前週の前記対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が10~20単位減少される、
    ii)前週の前記対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が変更されない、
    iii)前週の前記対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が10単位増加される、
    iv)前週の対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が20単位増加される、という基準に従って調整された前記以前の維持用量に等しい、
    c)前記毎週の維持用量が前記BIFの前記初期用量ではなく、前記対象がベースラインFG>120mg/dLを有し、BIFによる治療の開始前に基礎用量≧20単位/日を有する場合、前記毎週の維持用量が、必要に応じて、
    i)前週の前記対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が20単位減少される、
    ii)前週の前記対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が変更されない、
    iii)前週の前記対象のFG中央値が121~140mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が20単位増加される、
    iv)前週の前記対象のFG中央値が>140mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が40単位増加される、という基準に従って調整された前記以前の維持用量に等しい、という基準に従って選択される、請求項22~25のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  35. 前記対象が、T1Dを有し、前記負荷用量が、
    a)前記対象のベースラインFGが≦140mg/dLである場合、前記負荷用量=(BIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量)×7×3、
    b)前記対象のベースラインFGが140~160mg/dLである場合、前記負荷用量=(約10~20%増加したBIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量)×7×3、
    c)前記対象のベースラインFGが>160mg/dLである場合、前記負荷用量=(約20~30%増加したBIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量)×7×3、という基準に従って決定される、請求項22又は23に記載の使用のためのBIF。
  36. 前記対象が、T1Dを有し、前記対象の第1の毎週の維持用量が、
    a)前記対象のベースラインFGが≦140mg/dLである場合、前記第1の毎週の維持用量=(BIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量)×7、
    b)前記対象のベースラインFGが140~160mg/dLである場合、前記第1の毎週の維持用量=(約10~20%増加したBIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量)×7、
    c)前記対象のベースラインFGが>160mg/dLである場合、前記第1の毎週の維持用量=(約20~30%増加したBIFによる治療の開始前の前記対象の基礎インスリンの1日用量)×7、という基準に従って選択される、請求項22~23又は35のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  37. 前記対象が、T1Dを有し、前記対象の第2及びその後の毎週の維持用量が、
    a)前週の前記対象のFG中央値が<80mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が以前の低用量に減少される、
    b)前週の前記対象のFG中央値が80~120mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が変更されない、
    c)前週の前記対象のFG中央値が121~150mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が、前記以前の毎週の維持用量が<100Uであった場合は5単位、又は前記以前の毎週の維持用量が≧100Uであった場合は10単位のいずれかだけ増加される、
    d)前週の前記対象のFG中央値が151~180mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が、前記以前の毎週の維持用量が<100Uであった場合は10単位、又は前記以前の毎週の維持用量が≧100Uであった場合は20単位のいずれかだけ増加される、
    e)前週の前記対象のFG中央値が>180mg/dLであった場合、前記毎週の維持用量が、前記以前の毎週の維持用量が<100Uであった場合は20単位、又は前記以前の毎週の維持用量が≧100Uであった場合は30単位のいずれかだけ増加される、という基準に従って選択される、請求項22~23又は25~26のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  38. 前記対象が、前記対象の食前インスリンではなく、BIFに起因すると考えられる低血糖を1回以上発症した場合、前記毎週の維持用量が増加されない、請求項34~37のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  39. 前記対象が夜間低血糖を1回以上発症した場合、前記毎週の維持用量が増加されない、請求項34~38のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  40. 前記対象が重度低血糖を1回以上発症した場合、前記毎週の維持用量が増加されない、請求項34~38のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  41. 任意の毎週の維持用量を調整する必要性が、BIFによる治療の開始後最初の12週間は毎週、及びその後は4週間ごとに決定される、請求項22~40のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  42. 前記治療が、前記患者の血糖制御を改善することを含む、請求項22~41のいずれか一項に記載の使用のためのBIF。
  43. 請求項1~21のいずれか一項に記載の方法における使用又は請求項22~42のいずれか一項に記載の糖尿病の治療に使用するための薬剤の製造におけるBIFの使用。
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