JP2024502393A - 衣料品等の生産のための装置および方法 - Google Patents

Abstract

衣料品等の生産のための装置（１）であって、少なくとも１つの砕断機（２）と、少なくとも１つの粉砕機（３）と、少なくとも１つの粉砕機（３）から発した粉末を、溶剤（Ａ）、ポリエチレングリコール（Ｂ）、ポリエーテルおよび有機結合剤（Ｃ）から好ましく選ばれた少なくとも１つの他の物質と混合して、結果として混合物を得るための少なくとも１つの混合機（４）と、その混合物の少なくとも１つの押出機（５）とを備える。この押出機は、予め定められた表面（７）上にその混合物の層を堆積させるために、少なくとも２つの軸を有する移動ユニット（６）上に配置され、その結果、付加製造のタイプの方法に従って、衣料品等の少なくとも１つの部分を提供する。【選択図】図１

Description

本発明は、衣料品等の生産のための装置および方法に関する。

特に、本発明は、廃棄物から出発して、衣類、靴、衣類付属品（例えば、バッグ、財布、スカーフ、帽子など）などを生産することを可能にする装置およびプロセスに関するものである。

廃棄物を利用して或るタイプの衣料品を生産することはよく知られている。特に、ポリエステルやポリエチレンの廃棄物をリサイクルすることによって、衣料品に使用できる新しい布を生産するために繊維産業に供給され得る糸を得ることが可能である。

これらの廃棄物をリサイクルするための全ての既知の方法は、一部の操作のみが行われる別個の産業施設の関与を必要とする（特に上述したことに関連して、上記廃棄物を標準サイズの顆粒に変換する第１の施設、上記顆粒から出発して糸と紡織繊維を提供する第２の施設、上記糸と紡織繊維を織るための第３の施設、および衣料品を生産するための第４の施設がある。）。

上記リサイクルの操作に関連する費用に加えて、中間生産物を施設から施設へ輸送するための費用も発生し、このような輸送は、さらに環境に大きな影響を与える、ということが注記される。

さらに、既知の方法は、衣料品とそれに付随する付属品の分野で使用される材料の大部分を除外して、一部の特定の材料のみを繊維生産サイクルに再導入するためのリサイクルを提供している、ということも特記されるべきである。

本発明の狙いは、上述した問題を解決することであり、一つの生産設備から別の生産設備への材料の輸送コストを必要としない、衣料品等の生産のための装置およびプロセスを提案することにある。

この狙いの下、本発明の目的は、最小限のエネルギ消費と最小限の環境影響を保証する衣料品等の生産のための装置およびプロセスを提案することにある。

本発明の別の目的は、これまで廃棄物とされていた任意の衣料品および／または衣類付属品を原料として使用することができる、衣料品等の生産のための装置およびプロセスを提案することにある。

本発明の別の目的は、衣料産業、および／または皮革産業、および／またはなめし革産業、および／または繊維産業の任意の不合格品を原料として使用して動作することができる、衣料品等の生産のための装置およびプロセスを提案することにある。

本発明の別の目的は、さらに順次リサイクルされ得る生産物の生産に適した、衣料品等の生産のための装置およびプロセスを提案することにある。

本発明の別の目的は、低コストで、実際に提供するのが比較的簡単であり、適用上安全である、衣料品等の生産のための装置およびプロセスを提案することにある。

以下により明らかになる、この狙い及びこれら及び他の目的は、
衣料品等の生産のための装置であって、
ブレードクラッシャ、インパクトミル、ボールミル等から好ましく選択されるタイプの、少なくとも１つの砕断機と、
上記少なくとも１つの砕断機から発した破砕物の微粉砕のために、ボールミル、流動層式ミル、リングローラミル等から好ましく選択されるタイプの、少なくとも１つの粉砕機と、
上記少なくとも１つの粉砕機から発した粉末を、溶剤、ポリエチレングリコール、ポリエーテルおよび有機結合剤から好ましく選ばれた少なくとも１つの他の物質と混合して、結果として混合物を得るための少なくとも１つの混合機と、
上記混合物の少なくとも１つの押出機とを備え、この押出機は、予め定められた表面上に上記混合物の層を堆積させるために、少なくとも２つの軸を有する移動ユニット上に配置され、その結果、付加製造の方法に従って、衣料品等の少なくとも１つの部分を提供する
ことを特徴とする装置によって達成される。

さらに、この狙い及びこれら及び他の目的は、
衣料品等の生産のためのプロセスであって、
粒度分布が３ｍｍ～１０ｍｍの間に含まれた破砕物、すなわち各顆粒の優勢な寸法が３ｍｍ～１０ｍｍの間に含まれた破砕物を得るために、廃棄繊維、過剰生産物及び／又は在庫残り物、不合格の衣類、不合格の皮革、不合格の衣類付属品などから選ばれた、少なくとも１つの材料で構成される原料を砕断するステップと、
１μｍ～２０μｍの間に含まれた粒度分布を有する粉末、すなわち、各粉末の優勢な寸法が１μｍ～２０μｍの間に含まれた粉末を得るために、上記砕断するステップから発した破砕物を粉砕するステップと、
上記粉砕するステップから発した粉末を、溶剤、ポリエチレングリコール、ポリエーテルおよび有機結合剤から好ましく選ばれた少なくとも１つの他の物質と混合して、結果として混合物を得るステップと、
付加製造のタイプの方法に従って、予め定められた表面上に上記混合物の層を堆積させ、その結果、衣料品等の少なくとも１つの部分を提供するステップと
からなることを特徴とするプロセスによって達成される。

本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面に非限定的な例として例示された、衣料品等の生産のための装置およびプロセスの好ましいが排他的ではない実施形態の説明からより明らかになるであろう。図面において、
本発明による装置の可能な構造を示す概略図である。

特に図を参照すると、数字１は全体として衣料品等の生産のための装置を示している。

「衣料品」という表現は、衣服および／またはその一部（袖、ヨーク、襟、ボディス等の衣服の一部から始まり、ボタン、装飾品等も含む）を指すと理解される。

本発明による装置１は、ブレードクラッシャ、インパクトミル、ボールミル等から好ましく選択されるタイプの、少なくとも１つの砕断機（shredder）２を備えている。

ブレードクラッシャまたはブレードミルは、導入された材料を、複数のブレード（一般に、少なくとも１つの回転シャフトに関連する）の作用のおかげで細かく砕く装置であり、予め定められた程度の粒度分布に達するまで材料の個々の部分を切断（cut）する。

インパクトミルまたはハンマミルは、実際には採石クラッシャと同等であるが、使用されるものが小規模であるという違いがある。ハンマミルは、ロータに固定され、一定の角度間隔で配置された予め定められた数のハンマで構成されている。投入は上方から行われ、押しつぶされた材料は下方の部分から出る。投入口から下降した材料は、ハンマによる衝撃を受け、回転するハンマから正確な距離で固定され調整されたプレート（複数）に押しつけられる。プレートとの衝突は、材料のさらなる押しつぶし（crushing）を引き起こす。ハンマと２枚のプレートの間を通過する際に発生する圧縮／摩擦により、材料はさらに２回連続して押しつぶしを受ける。材料はその後、一連の連続した押しつぶしプロセスを受け、最終生成物のサイズは、最後の衝撃が発生するハンマとプレートとの間の距離によって限定される。最後に、押しつぶされた材料は、下にある出口から出る。

ボールミルは、材料を非常に細かく粉砕するために使用される粉砕機の一種である。これは、様々な種類の材料を粉砕するために使用される軸対称の装置である。重力式のボールミルは、水平軸を中心に回転し、一部は砕断されるべき材料とボールで満たされている。ボールは、セラミック製の大理石、火打ち石の小石、鋼球など多様であり得る。内部でカスケード現象が起こって、材料を非常に細かい粉末にする。工業用ボールミルは、一方の側から供給し、他方の側から取り出す連続運転が可能である。

通常のボールミルに加えて、遊星型ボールミルと呼ばれる第２のタイプがあり、主に研究所で材料のサンプルを非常に小さなサイズに粉砕するために使用されている。遊星型ボールミルは、太陽歯車に偏心して配置された少なくとも１つの粉砕用容器によって構成され、太陽歯車の運動方向は上記１つの粉砕用容器と反対になっている。これらの粉砕用容器内のボールには、コリオリ力と呼ばれる回転運動が重畳的に作用する。ボールと容器の速度差は、摩擦力と衝撃力との間の相互作用を生み、高い原動力でエネルギを放出し、遊星型ボールミルのサイズを、高度で非常に効果的な程度に縮小させる。

砕断機２として、先に引用された「ミル」と同等の特性及び性能を有する限り、追加的かつ別個の装置の採用も排除されない。

本発明による装置１は、少なくとも１つの砕断機２から到着する破砕物の微粉砕（fine pulverization）のために、ボールミル、流動層式ミル（fluid bed mill）、リングローラミル（ring and roller mill）等から好ましく選択されるタイプの、少なくとも１つの粉砕機３をさらに備えている。

ボールミルは既に説明されており、上で提供された定義を参照されたい（本明細書では、「ボールミル」の定義は、従来型のボールミルと遊星型ボールミルとの両方を含むと考えられていることを明記する）。

流動層式ミルでは、高圧の空気／窒素の同心円状の噴流を材料に当てることによって粉砕が行われる。この方式では、生産物の摩擦が利用され、粒子同士が擦れ合い、微粉砕された材料が生産される。この粉砕機は、可変回転機能を有する一体型セパレータを提供し、それは、アウトプットされる材料を選別し、目的の粒度分布が得られるまで生産物を自動的にリサイクルするために使用される。

リングローラミルは、溶接された鋼鉄製フレームによって基本的に構成され、その上でローラ（複数）が鋳鉄製の巨大なサポートに取り付けられている。各ローラ対は、より硬い異物を損傷なく通過させるために、固定シリンダと、ばねで保持された可動シリンダとで構成されており、最終的な粉砕サイズを変えるために距離を調整することも可能である。制御は減速ギアモータによって行われ、この減速ギアモータはチェーンによって固定ローラに運動を伝達する。さらに、上記固定ローラは、細長い歯を持つ切削された鋼鉄製の歯車によって、可動ローラに動きを伝達する。上記ローラ（複数）は、櫛またはスクレーパブレードによって清潔に保たれ、金属板ハウジングによって保護されている。

粉砕機３として、先に引用された「ミル」と同等の特性及び性能を有する限り、追加的かつ別個の装置の採用も排除されない。

本発明による装置１は、少なくとも１つの粉砕機３の下流に、少なくとも１つの粉砕機３から到着する粉末を、好ましくは溶剤Ａ、ポリエチレングリコールＢ、ポリエーテルおよび有機結合剤Ｃから選ばれた少なくとも１つの他の物質と混合して、結果として混合物を得るための、少なくとも１つの混合機４を備えている。

多数の用途に適した溶剤Ａが水であることが特定されている。

特に、溶剤Ａとして使用される水の特定のレベルの純度は要求されず、したがって、以前の処理サイクルに既に使用された水を、適切な濾過操作を施すだけで、再利用することが可能である（精製および／または蒸留は必要ではない）。したがって、本発明による装置１は、水の消費量が限られている観点から、環境に影響を与えないことが論証される。

ポリエチレングリコールＢは、好ましくは、ＰＥＧ４００として知られるタイプのものであり、潤滑機能を有する。幾つかの可能な実施形態に関連して、ポリエチレングリコールＢは、最終生産物（混合機４によって調製された混合物が提供される）に大きな柔軟性、さらには一定の弾性を与えることができることが注記される。

一般に、ポリエチレングリコールＢは、３００ｇ／ｍｏｌ～１０，０００，０００ｇ／ｍｏｌの間で組成される平均分子量値を有する。

ポリエチレングリコールＢの物理的性質（例えば粘度など）は、高分子の平均長さに応じて、すなわち繰り返し単位の平均数ｎに応じて変化するが、化学的性質は実質的に変化せず維持される。

低いｎの値では、ポリエチレングリコールＢは液体であるが、ｎが増加すると、その代わりに、比較的低い融点を有するワックス状の固体の外観を得る。

ポリエチレングリコールＢは、水、メタノール、ベンゼン、ジクロロメタンに可溶である。ポリエチレングリコールＢは、非イオン性界面活性剤を生産するために、疎水性分子と結合される。

固体ＰＥＧの融点は、約６８℃である。

有機結合剤Ｃは、農業食料分野の廃棄物に由来する澱粉またはセルロース系結合剤で構成され得る。

澱粉は、炭水化物の一種である有機化合物であり、パン、パスタ、米、ジャガイモなどの食品に共通して含まれ、グルコースがα－グリコシド結合で相互に結合した多数の重合単位からなり、アミロペクチンが４／５、アミロースが１／５であることに特徴づけられる。

セルロース系結合剤の中で、非限定的な例として、４％水性溶液中のヒドロキシエチルセルロースの使用について言及する。ヒドロキシエチルセルロースは、ポリマの水酸基がヒドロキシエチル基で置換されている点でセルロースと異なるセルロース誘導体であり、そのことが結晶化を防止している。ヒドロキシエチルセルロースは、親水性が高く、増粘特性およびゲル形成特性を有する。

ヒドロキシエチルセルロースを構成するポリマの鎖の長さによって、水溶性が高くなったり、低くなったりすることがある。

最後に、本発明による装置１は、予め定められた表面７への混合物の層を堆積するために、少なくとも２つの軸を有する移動ユニット６上に配置された、混合物（これは上流に配置された少なくとも１つの混合機４から発する）の少なくとも１つの押出機５を備え、その結果、付加製造のタイプの方法に従って、衣料品等の少なくとも一部分を提供する。

押出機５は、予め定められた堆積基準（特定の計算アルゴリズムによって決定される）に従って混合物を押出すことにより、様々なタイプの生産物を提供することを可能にする。特に、ファッション分野では、次の２つの異なるタイプの生産物を提供するのが簡単である。
－ 小さな部品（衣類及び革製品のボタン、バックル、その他の付属品）
－ より大きな繊維部品（輪郭のある生地、ファスナなど）

現在、ステッチされた縫い目または他の材料で作られた部品を含まない、完成した衣料品を提供することが可能である実施が提供されている。

少なくとも２つの軸を有する移動ユニット６は、産業界で使用されている伝統的な移動アセンブリ（この場合、移動軸の数は非常に広い範囲内で選択され得る。）または擬人化ロボット（anthropomorphic robot）であり得る。

擬人化ロボットの採用は、テンプレート（顧客の体を模した形状やマネキンであり得る）の周りを回転させることによって、押出機を予め定められた表面７（任意の三次元形状を有することができる）の任意の部分と整列させることを可能にする。

人が移動ユニット６として擬人化ロボットを採用することを決定した場合、様々な分野の用途のために付加製造によって剛性および柔軟性の両方の生産物を提供することが可能な専用の押出ヘッド（押出機５）が設計される。装置１の目的は、実際には、形状、寸法、特性および機能が異なる多種多様な生産物の生産である。

本発明による装置１は、付加製造の分野で動作する。革新的な円形材料を用いるによって様々な分野の生産物を提供できるようにするために、付加製造の分野で専門的なサービスを獲得することが意図されている。この革新的な材料は、有利には、リサイクルされた紡織繊維と有機結合剤Ｃによって提供される化合物とすることができる。この材料のおかげで、ファッション産業の廃棄物、ひいてはＣＯ_２排出量を大幅に削減することに貢献できる。

付加製造によって、様々な用途のための柔軟な生産物を提供することが可能である。

イタリア国内および海外で競争優位を獲得するために、持続可能性（sustainability）はますます際立った要素となっている。

ファッション分野の紡織繊維（本発明による装置１によって取り扱われ、製造される）をリサイクルすることによって得られる革新的な複合材料は、世界で最も汚染されている分野（ファッション分野）において、環境保護基準に従って介入することを可能にする。これらの材料は、リサイクルされなければ、埋立地に廃棄される運命にある。

循環型経済の原則に従えば、廃棄物はもはやコストではなく、生産連鎖の生産サイクルに再導入されるべき新たな資源となる。さらに、紡織繊維と皮革繊維をリサイクルすることは、原料の生産のための水とエネルギの消費を大幅に削減し、大気中へのＣＯ_２排出を抑制する。

本発明による装置１は、専門的なサービスの獲得によって、擬人化ロボット（または他の多軸移動ユニット６）を使用して、上述の材料を処理することができるカスタマイズされた押出機５を提供することを目指す。

実用上および応用上疑いなく興味深い建設的な解決策に特に言及すると、少なくとも１つの粉砕機３は、少なくとも１つの粉砕機３およびその内容物を－５０℃よりも低い温度に保つための冷凍ユニット８と有利に関連付けられ得る。

温度が低下するにつれて、少なくとも１つの砕断機２から発した破砕物の脆弱性が増加し、したがって、非常に低い粒度分布値を得るために、上記材料をより容易に粉砕することができることが特定される。

特に、冷凍ユニット８は、上記少なくとも１つの粉砕機とその内容物を－１５０℃よりも低い温度に保つために、少なくとも１つの粉砕機３に沿って液体窒素を再循環させるための回路を都合良く備えることができる。

粉砕機３がボールミルである場合、冷凍ユニット８が粉砕機３およびその内容物を－２００℃以下の温度に保てば、粉砕機３によって得られる粉末の粒度分布の点で最適な結果が得られた、ということが特定される。

いずれにせよ、サイズ、形状（例えば遊星型ボールミル）または種類（例えば、導入された流体ジェット自体が特定の低温であってもよい流動層式ミル、若しくはリングローラミルの使用による）の点で異なる粉砕機３を採用する場合に、追加的かつ別個の理想の運転温度が特定されることは、排除されない。

少なくとも１つの砕断機２は、布地、皮革などから選ばれた材料を押しつぶして、粒度分布が３ｍｍ～１０ｍｍの間に含まれた破砕物、すなわち各顆粒の優勢な寸法が３ｍｍ～１０ｍｍの間に含まれた破砕物を得るのに適していることが特定される。

疑う余地のない実用的な関心のある可能な建設的なバージョンに特に言及すると、砕断機２からのアウトプットで得られる破砕物は、有利には、５ｍｍ～８ｍｍの間に含まれた粒度分布、すなわち各顆粒の優勢な寸法が５ｍｍ～８ｍｍの間に含まれた粒度分布を有することが特定される。

布地、皮革などから選ばれる材料は、使用済みおよび／または不具合のある衣類および付属品のリサイクルから、衣類および付属品製造産業の加工廃棄物から、皮革製造産業など（靴メーカを含む）の加工廃棄物から、繊維産業の廃棄物から、なめし産業の廃棄物から、そして一般的に、布地および紡織繊維（天然および合成）から、全ての皮革の廃棄物から、主に発する。

異なる分野から発したポリマ廃棄物を使用できる可能性は、これらのポリマが衣料品および関連する付属品（または人が本発明による装置１を用いて製造しようとする他のタイプの生産品）の提供に適した化学物理的特性を有する限り、排除されない。

さらに、少なくとも１つの粉砕機３は、１μｍ～２０μｍの間に含まれた粒度分布を有する粉末、すなわち、各粉末の優勢な寸法が１μｍ～２０μｍの間に含まれた粉末を得るために、少なくとも１つの砕断機２から発した破砕物の粉砕に適していることが特定される。

疑う余地のない実用的な関心のある可能な建設的なバージョンに特に言及すると、粉砕機３からのアウトプットで得られる粉末は、有利には、４μｍ～１２μｍの間に含まれた粒子サイズ、すなわち各顆粒の優勢な寸法が４μｍ～１２μｍの間に含まれた粒子サイズを有することが特定される。

少なくとも１つの混合機４は、混合ブレード（複数）を支持するシャフトの回転のための適切な運動規則を定めるように構成されたそれぞれの制御ユニットによって有用に制御され得ることが、さらに特定される。

上記運動規則は、少なくとも１つの第１速度で混合回転する少なくとも１つの第１の時間区間と、いかなる泡の除去をも、および上記混合物内の乳化された空気の削減を行うための、少なくとも１つの第２速度で混合回転する少なくとも１つの第２の時間区間とを含む。

より具体的には、混合機４は、特定の回転モード（混合モードおよび脱泡モードと呼ばれる）のおかげで、最初にそこに組み込まれた領域と形成される可能性のある泡との両方を排除して混合物を作成することを可能にし、したがって、後続の成形するステップ（押出機５を介して）を損なう繊維の凝集がない、均一な混合物を得ることを可能にする。

例えば、混合機４の容器に、最初に製剤の液体部分（例えばポリエチレングリコールＢと有機結合剤Ｃ）を導入し、その後、粉末の形態にある繊維を所望の割合に達するまで徐々に添加することが可能である。溶剤Ａ（例えば水）は、粉末の形態にある繊維を構成する材料の特定の要求条件に応じて、予めおよび／または後に、添加され得る。

幾つかの試験により、混合回転は９００ｒｐｍの速度で効果的に起こり、一方、消泡回転は１２００ｒｐｍの速度で効果的に起こる可能性があることが示された（混合機４の容器に導入される特定の原料、それぞれの量、上記容器の全体寸法、および使用される混合ブレードの特性に応じて、異なる速度値を採用することは、いかなる場合にも排除されない。）。２つのステップは、目安として、各々３０秒間続いても良い（ただし、特定の用途の場合に、より長い混合時間を設けることは、排除されない）。

さらに、移動ユニット６は、有利には、押出機５によって混合物の層が堆積されるべき予め定められた表面７に対向し、かつ近接するように配置された擬人化ロボットによって構成され得る、ということが特定される。擬人化ロボットの自由度は、押出機５を上記表面７（マネキンによって、または、衣料品および／若しくはその付属品が製造される顧客の寸法を正確に有する型によって構成され得る。）の個々の部分と効果的に整列させることを可能にする。

本発明は、一連の連続したステップ（複数）の実行を提供する、衣料品等の生産のためのプロセスにもその保護を拡大する。

最初のステップで、廃棄繊維、過剰生産物及び／又は在庫残り物、不合格の衣類、不合格の皮革、不合格の衣類付属品などから選ばれた、少なくとも１つの材料で構成される原料を砕断（shredding）して、粒度分布が３ｍｍ～１０ｍｍの間に含まれた破砕物、すなわち各顆粒の優勢な寸法が３ｍｍ～１０ｍｍの間に含まれた破砕物を得ることが必要である。

疑う余地のない実用的な関心のある可能な実施形態に特に言及すると、得られる破砕物は、有利には、５ｍｍ～８ｍｍの間に含まれた粒度分布、すなわち各顆粒の優勢な寸法が５ｍｍ～８ｍｍの間に含まれた粒度分布を有することが特定される。

後続のステップでは、１μｍ～２０μｍの間に含まれた粒度分布を有する粉末、すなわち、各粉末の優勢な寸法が１μｍ～２０μｍの間に含まれた粉末を得るために、先の砕断するステップから発した破砕物を粉砕することが必要だろう。

疑う余地のない実用的な関心のある可能な建設的なバージョンに特に言及すると、得られる粉末は、有利には、４μｍ～１２μｍの間に含まれた粒子サイズ、すなわち各顆粒の優勢な寸法が４μｍ～１２μｍの間に含まれた粒子サイズを有することが特定される。

次に、人は、上記粉砕するステップから発した粉末を、溶剤Ａ、ポリエチレングリコールＢ、ポリエーテルおよび有機結合剤Ｃから好ましく選ばれた少なくとも１つの他の物質と混合して、混合物を得ることを進めなければならない。

それから最後に、人は、付加製造のタイプの方法に従って、上記混合物の層を予め定められた表面７上に堆積させ、その結果、衣料品等の少なくとも１つの部分を提供する。

上記破砕物を粉砕するステップは、有利には－５０℃より低い温度で、好ましくはさらに低い温度で、例えば－２００℃のオーダで、起こり得ることが特定される。

予め定められた表面７は、その上に混合物の層を堆積させるための、人間の形状の少なくとも一部分を再現したマネキンであることが好都合であり、その結果、衣料品の少なくとも一部分の形成が提供されることが特定される。

上記プロセスは、予め定められた表面７上の層を乾燥させる終端ステップも含むことが特定される。

上記乾燥させるステップの前に、上記混合物は、
－ 上記粉砕するステップから発した、２０％と６０％との間に含まれた重量パーセントを有する粉末、
－ ３０％と７０％との間に含まれた重量パーセントを有する溶剤Ａ、
－ １％と１０％との間に含まれた重量パーセントを有する有機結合剤Ｃ、
－ ポリエチレングリコールＢおよびポリエーテルから選ばれた、１％から１５％の間に含まれた重量パーセントを有する少なくとも１つの物質
を、例示として含む初期組成からの組成を有する。

上記乾燥するステップの終わりに、表面７上に積層された上記混合物は、代わりに、
－ ７５％と９８％との間に含まれた重量パーセントを有する、上記粉砕するステップから発した粉末、
－ ２％未満の重量パーセントを有する溶剤Ａ、
－ ２％と２０％との間に含まれた重量パーセントを有する有機結合剤Ｃ、
－ ポリエチレングリコールＢとポリエーテルから選ばれた、２％未満の重量パーセントを有する少なくとも１つの物質
を含むだろう。

付加製造は、廃棄物を出さず、エネルギ消費も少なく、さらに室温で押し出すことができることから、付加製造のおかげで、革新的で持続可能な生産プロセスを特定することが可能になった。さらに、単品だけでなく、少量から大量生産まで、高度にカスタマイズされた生産物を提供することが可能である。

このプロセスおよび装置１によって開発された技術は、順次リサイクルされ、かつリサイクルされ得ることから、持続可能である生産物を提供することを可能にする。

有利なことに、本発明は、上述した問題を解決し、一つの生産設備から別の生産設備への材料の輸送コストを必要としない、衣料品等の生産のための装置１およびプロセスを提案する。

上記装置1は、実際上、原材料をリサイクルするために必要な機械と、完成した生産物を提供するために必要な機械とを一つの場所に配置し、それらを縦続接続（cascade）にする。

好都合なことに、本発明による装置１およびプロセスは、先に説明したように、最小限のエネルギ消費および最小限の環境への影響を保証する。

有用なことに、本発明による装置１およびプロセスは、これまで廃棄物とされていた任意の衣料品および／または衣類付属品を原料として使用することによって動作することができる。

有利には、本発明による装置１およびプロセスは、衣料産業および／または皮革産業および／またはなめし皮分野および／または繊維産業の任意の廃棄物を原料として使用することによって動作することができる。

有利なことに、本発明による装置１及びプロセスは、順次リサイクル可能な生産物を提供するのに適している。

有効なことに、本発明による装置１およびプロセスは、実際に提供するのが比較的簡単であり、低コストである。これらの特徴は、本発明による装置１およびプロセスを、確実な応用の革新とする。

このように考案された本発明は、多くの修正および変形が可能であり、それらの全ては添付の特許請求の範囲の範囲に含まれる。さらに、全ての細部は、他の技術的に同等な要素に置き換えられ得る。

例えば、本発明による装置１は、同じ生産ロジックを維持しながら、衣料品分野以外の分野も対象とした生産物を提供するために、他の分野（例えば、解体された自動車の内張り、家具部品、家庭用布地、カーテン、フィットカーペットおよびカバーリング、産業廃棄物、包装からのポリマ廃棄物など）から発した同様の廃棄物原料を処理するためにも使用できることが特定される。

例示した実施形態において、特定の例に関連して与えられた個々の特性は、他の例示した実施形態に存在する他の異なる特性と実際に交換され得る。

実際には、使用される材料は、寸法と同様に、要求と技術的な状態に応じて任意であってよい。

本出願が優先権を主張するイタリア国特許出願第102020000025666号の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。

請求項に記載された技術的特徴の後に参照符号が付されている場合、それらの参照符号は、請求項の理解度を高めることのみを目的として含まれており、したがって、その参照符号は、その参照符号によって例示的に特定される各要素の解釈に対して何ら制限的な効果を有しない。

Claims (11)

1. 衣料品等の生産のための装置であって、
   ブレードクラッシャ、インパクトミル、ボールミル等から好ましく選択されるタイプの、少なくとも１つの砕断機（２）と、
   上記少なくとも１つの砕断機（２）から発した破砕物の微粉砕のために、ボールミル、流動層式ミル、リングローラミル等から好ましく選択されるタイプの、少なくとも１つの粉砕機（３）と、
   上記少なくとも１つの粉砕機（３）から発した粉末を、溶剤（Ａ）、ポリエチレングリコール（Ｂ）、ポリエーテルおよび有機結合剤（Ｃ）から好ましく選ばれた少なくとも１つの他の物質と混合して、結果として混合物を得るための少なくとも１つの混合機（４）と、
   上記混合物の少なくとも１つの押出機（５）とを備え、この押出機は、予め定められた表面（７）上に上記混合物の層を堆積させるために、少なくとも２つの軸を有する移動ユニット（６）上に配置され、その結果、付加製造のタイプの方法に従って、衣料品等の少なくとも１つの部分を提供する
   ことを特徴とする装置。
2. 請求項１に記載の装置において、
   上記少なくとも１つの粉砕機（３）およびその内容物を－５０℃よりも低い温度に保つために、上記少なくとも１つの粉砕機（３）が冷凍ユニット（８）と関連付けられている
   ことを特徴とする装置。
3. 請求項２に記載の装置において、
   上記冷凍ユニット（８）は、上記少なくとも１つの粉砕機（３）およびその内容物を－１５０℃よりも低い温度に保つために、上記少なくとも１つの粉砕機（３）に沿って液体窒素を再循環させるための回路を備えている
   ことを特徴とする装置。
4. 請求項１に記載の装置において、
   上記少なくとも１つの砕断機（２）は、粒度分布が３ｍｍ～１０ｍｍの間に含まれた破砕物、すなわち各顆粒の優勢な寸法が３ｍｍ～１０ｍｍの間に含まれた破砕物を得るために、布地、皮革などから選ばれた材料を押しつぶすようになっている
   ことを特徴とする装置。
5. 請求項１に記載の装置において、
   上記少なくとも１つの粉砕機（３）は、１μｍ～２０μｍの間に含まれた粒度分布を有する粉末、すなわち、各粉末の優勢な寸法が１μｍ～２０μｍの間に含まれた粉末を得るために、上記少なくとも１つの砕断機（２）から発した破砕物の粉砕に適している
   ことを特徴とする装置。
6. 請求項１に記載の装置において、
   少なくとも１つの混合機（４）は、混合ブレードを支持するシャフトの回転のための適切な運動規則を定めるように構成されたそれぞれの制御ユニットによって制御され、
   上記運動規則は、少なくとも１つの第１速度で混合回転する少なくとも１つの第１の時間区間と、いかなる泡の除去をも、および上記混合物内の乳化された空気の削減を行うための、少なくとも１つの第２速度で混合回転する少なくとも１つの第２の時間区間とを含む
   ことを特徴とする装置。
7. 請求項１に記載の装置において、
   上記移動ユニット（６）は、上記押出機（５）によって上記混合物の層が堆積されるべき上記予め定められた表面（７）に対向し、かつ近接するように配置された擬人化ロボットであり、
   上記擬人化ロボットの自由度は、上記押出機（５）を上記表面７の個々の部分と整列させることを可能にする
   ことを特徴とする装置。
8. 衣料品等の生産のためのプロセスであって、
   粒度分布が３ｍｍ～１０ｍｍの間に含まれた破砕物、すなわち各顆粒の優勢な寸法が３ｍｍ～１０ｍｍの間に含まれた破砕物を得るために、廃棄繊維、過剰生産物及び／又は在庫残り物、不合格の衣類、不合格の皮革、不合格の衣類付属品などから選ばれた、少なくとも１つの材料で構成される原料を砕断するステップと、
   １μｍ～２０μｍの間に含まれた粒度分布を有する粉末、すなわち、各粉末の優勢な寸法が１μｍ～２０μｍの間に含まれた粉末を得るために、上記砕断するステップから発した破砕物を粉砕するステップと、
   上記粉砕するステップから発した粉末を、溶剤（Ａ）、ポリエチレングリコール（Ｂ）、ポリエーテルおよび有機結合剤（Ｃ）から好ましく選ばれた少なくとも１つの他の物質と混合して、結果として混合物を得るステップと、
   付加製造のタイプの方法に従って、予め定められた表面（７）上に上記混合物の層を堆積させ、その結果、衣料品等の少なくとも１つの部分を提供するステップと
   からなることを特徴とするプロセス。
9. 請求項８に記載のプロセスにおいて、
   上記破砕物を粉砕するステップは、－５０℃よりも低い温度で行われる
   ことを特徴とするプロセス。
10. 請求項８に記載のプロセスにおいて、
    上記予め定められた表面（７）は、その表面上に上記混合物の層を堆積させるための、人間の形状の少なくとも一部分を再現したマネキンであり、その結果、提供される衣料品の少なくとも一部分が形成される
    ことを特徴とするプロセス。
11. 請求項８に記載のプロセスにおいて、
    上記予め定められた表面（７）上で上記層を乾燥させる終端ステップを、上記混合物の初期組成から上記表面（７）上で層状にされ且つ乾燥された上記混合物の組成へ移行させるために含み、
    上記混合物の初期組成は、
    － 上記粉砕するステップから発した、２０％と６０％との間に含まれた重量パーセントを有する粉末、
    － ３０％と７０％との間に含まれた重量パーセントを有する溶剤（Ａ）、
    － １％と１０％との間に含まれた重量パーセントを有する有機結合剤（Ｃ）、
    － ポリエチレングリコールＢおよびポリエーテルから選ばれた、１％から１５％の間に含まれた重量パーセントを有する少なくとも１つの物質
    を含み、
    上記表面（７）上で層状にされ且つ乾燥された上記混合物の組成は、
    － ７５％と９８％との間に含まれた重量パーセントを有する、上記粉砕するステップから発した粉末、
    － ２％未満の重量パーセントを有する溶剤（Ａ）、
    － ２％と２０％との間に含まれた重量パーセントを有する有機結合剤（Ｃ）、
    － ポリエチレングリコールＢとポリエーテルから選ばれた、２％未満の重量パーセントを有する少なくとも１つの物質
    を含む
    ことを特徴とするプロセス。

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