JP2024502357A - オントロジー構築のための談話ツリーへの依拠 - Google Patents

オントロジー構築のための談話ツリーへの依拠 Download PDF

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Abstract

本発明のシステム、装置、および方法は、談話ツリーを含む。一例では、方法は談話ツリーを生成することを含む。方法は、談話ツリーから、詳述タイプの修辞関係に関連付けられ、かつテキストの中心エンティティを識別するトピックノードに対応する中心エンティティを識別することを含む。方法は、中心エンティティに関連付けられた談話ツリーの基本談話ユニットのサブセットを決定することを含む。方法は、基本談話ユニットのサブセットから一般句を形成することを含む。方法は、一般句からタプルを形成することを含み、タプルは正規形の単語の順序付けられたセットである。方法は、識別されたタプルに関連付けられた基本談話単位を論理表現に正常に変換することに応答して、識別されたタプルからのエンティティでオントロジーを更新することを含む。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2021年1月7日に出願された米国仮出願番号第63/134,757号に対する優先権を主張する、2021年9月3日に出願された米国特許出願第17/466,409号の優先権を主張するものであり、これらは全ての目的で引用によって全文が本明細書に援用される。
技術分野
本開示は、一般に言語学に関する。より具体的には、本開示は、オントロジーを形成するための談話技術の使用に関する。
背景
言語学は、言語の科学的な研究である。言語学の一態様は、英語などの人間の自然言語へのコンピュータ科学の応用である。プロセッサの速度とメモリの容量とが大幅に向上したため、言語学のコンピュータ応用は増加傾向にある。たとえば、言語談話をコンピュータで分析することで、ユーザからの質問に回答することができる自動エージェント等の、数多くの応用が容易になる。しかしながら、このような応用は、オントロジーを形成するために豊富な談話関連情報を活用することができず、その結果、質問への回答、対話管理の実行、またはレコメンデーションシステムの提供などで劣ることになる。
簡潔な概要
一般に、本発明のシステム、装置、および方法は、談話技術を使用してオントロジーを生成または拡張することに関する。一例として、コンピュータによって実現される方法は、中心エンティティに関連付けられた談話ツリー内のテキストを決定する。方法は、テキストを一般化する。
一態様では、オントロジーを拡張する方法は、フラグメントを含むテキストから、フラグメント間の修辞関係を表す談話ツリーを生成することを含む。談話ツリーはノードを含み、各非終端ノードは、フラグメントのうちの2つのフラグメント間の修辞関係を表し、談話ツリーのノードの各終端ノードは、フラグメントのうちの1つに関連付けられる。方法はさらに、談話ツリーから、詳述タイプでもジョイントタイプでもない修辞関係に関連付けられ、かつテキストの中心エンティティを識別するトピックノードに対応する中心エンティティを識別することを含む。方法はさらに、談話ツリーから、中心エンティティに関連付けられた基本談話ユニットのサブセットを決定することを含む。基本談話単位のサブセットを決定することは、詳述タイプの関係に関連付けられた、核である基本談話単位を識別することを含む。方法はさらに、基本談話単位のサブセットに関連付けられたテキストにおいて、基本談話単位のサブセット内の基本談話単位のうちの2つ以上の基本談話単位に共通する1つ以上の要素を識別することによって、一般句を形成することを含む。方法はさらに、1つ以上の構文テンプレートまたは意味テンプレートを1つ以上の共通要素に適用することによって、一般句からタプルを形成することを含む。各タプルは、正規形の単語の順序付けられたセットである。方法はさらに、複数のタプルの各タプルを、名詞句、動詞句、形容詞句、または前置詞句を含むタイプを有するものとして識別することを含む。方法はさらに、識別されたタプルに関連付けられた基本談話単位を、述語と引数とを含む論理表現に正常に変換することに応答して、識別されたタプルからのエンティティでオントロジーを更新することを含む。変換は、識別されたタプルのタイプに基づく。
一態様において、方法はさらに、ユーザデバイスからのクエリの受信に応答して、オントロジーにおいてエンティティの位置を特定することと、エンティティをユーザデバイスに提供することとを含む。
一態様において、方法はさらに、エンティティクラスを識別することを含む。エンティティクラスを識別することは、タプルをベクトル表現として符号化することと、ベクトル表現を機械学習モデルに提供することと、機械学習モデルからエンティティクラスを受信することとを含む。
一態様では、エンティティをユーザデバイスに提供することは、エンティティクラスをユーザデバイスに提供することを含む。
一態様では、中心エンティティを識別することは、談話ツリーにおいてルートノードの位置を特定することを含む。中心エンティティを識別することは、談話ツリーから、詳述タイプの修辞関係を表す非終端ノードに関連付けられ、かつ核である基本談話単位を表す終端ノードのサブセットを決定することを含む。中心エンティティを識別することは、終端ノードのサブセットのノードごとに、ルートノードからのそれぞれのパス長を計算することを含む。中心エンティティを識別することは、終端ノードのサブセットから、パス長のうちパスの最小長であるパス長を有するトピックノードを識別することを含む。
一態様では、タプルのうちの1つ以上のタプルに関連付けられた各基本談話単位をそれぞれの論理表現に変換することは、タプルのタイプが名詞句または前置詞句であることを識別することと、論理述語として先頭名詞または末尾名詞の1つ以上を抽出することと、論理述語の引数として1つ以上の他の単語を抽出することとを含む。
一態様では、タプルのうちの1つ以上のタプルに関連付けられた各基本談話単位をそれぞれの論理表現に変換することは、タプルのタイプが動詞句であることを識別することと、タプルの動詞を述語として抽出し、1つ以上の他の単語を引数として抽出することとを含む。
一態様では、各タプルは、述語、主語、および目的語を含む。
一態様では、方法はさらに、一般句に対応するタプルのうちの1つ以上のタプルのエンティティクラスを識別することを含む。エンティティクラスは、エンティティのカテゴリを表す。更新することはさらに、エンティティクラスでオントロジーを更新することを含む。
一態様において、システムは、コンピュータ実行可能プログラム命令を格納した非一時的なコンピュータ読取可能媒体と、コンピュータ実行可能プログラム命令を実行するために非一時的なコンピュータ読取可能媒体に通信可能に結合された処理デバイスとを備える。処理デバイスは、コンピュータ実行可能プログラム命令を実行することによって動作を実行するように構成される。動作は、フラグメントを含むテキストから、フラグメント間の修辞関係を表す談話ツリーを生成することを含む。談話ツリーはノードを含み、各非終端ノードは、フラグメントのうちの2つのフラグメント間の修辞関係を表し、談話ツリーのノードの各終端ノードは、フラグメントのうちの1つに関連付けられる。動作は、談話ツリーから、(i)詳述タイプまたはジョイントタイプの修辞関係に関連付けられ、かつ(ii)テキストの中心エンティティを識別するトピックノードに対応する中心エンティティを識別することを含む。動作は、談話ツリー内の動詞を有する各フラグメントを所定の動詞シグネチャとマッチングさせることによって、談話ツリーからコミュニケーション用談話ツリーを構築することを含む。動作は、コミュニケーション用談話ツリーから、詳述タイプの修辞関係に関連付けられ、かつテキストの中心エンティティを識別するトピックノードに対応する中心エンティティを識別することを含む。動作はさらに、コミュニケーション用談話ツリーから、中心エンティティに関連付けられた基本談話ユニットのサブセットを決定することを含む。基本談話ユニットのサブセットを決定することは、詳述タイプの関係に関連付けられた、核である基本談話ユニットを識別することを含む。動作はさらに、基本談話単位のサブセットに関連付けられたテキストにおいて、基本談話単位のサブセット内の基本談話単位のうちの2つ以上の基本談話単位に共通する1つ以上の要素を識別することによって、一般句を形成することを含む。動作はさらに、1つ以上の構文テンプレートまたは意味テンプレートをそれぞれのフレーズに適用することによって、1つ以上の共通要素からタプルを形成することを含む。各タプルは、正規形の単語の順序付きセットである。動作はさらに、複数のタプルの各タプルを、名詞句、動詞句、形容詞句、または前置詞句を含むタイプを有するものとして識別することを含む。動作はさらに、識別されたタプルに関連付けられた基本談話単位を、述語と引数とを含む論理表現に正常に変換することに応答して、識別されたタプルからのエンティティでオントロジーを更新することを含む。変換は、識別されたタプルのタイプに基づく。
上記の方法は、有形のコンピュータ読取可能媒体として、ならびに/またはコンピュータプロセッサおよび付属メモリ内で動作するように、実施することができる。
一態様に係る例示的なオントロジー環境を示す図である。 一態様に係る談話ツリーの一例を示す図である。 一態様に係る談話ツリーのさらに別の例を示す図である。 一態様に係る例示的なスキーマを示す図である。 一態様に係る階層バイナリツリーのノードリンク表現を示す図である。 一態様に係る、図5の表現の例示的な字下げテキスト符号化を示す図である。 一態様に係る、固定資産税に関する要求の例の例示的な談話ツリーを示す図である。 図7に示す質問に対する例示的な応答を示す図である。 一態様に係る、公式回答の談話ツリーを示す図である。 一態様に係る、生の回答の談話ツリーを示す図である。 一態様に係る、第1のエージェントの主張についてのコミュニケーション用談話ツリーを示す図である。 一態様に係る、第2のエージェントの主張についてのコミュニケーション用談話ツリーを示す図である。 一態様に係る、第3のエージェントの主張についてのコミュニケーション用談話ツリーを示す図である。 一態様に係るパース交錯を示す図である。 一態様に係る、コミュニケーション用談話ツリーを構築するための例示的なプロセスを示す図である。 本開示の一態様に係る、テキストから論理節を抽出する例を示す図である。 本開示の一態様に係る、エンティティ関係図の例を示す図である。 本開示の一態様に係る、エンティティグラフと談話ツリーとを示す図である。 本開示の一態様に係る、イベント注釈の例を示す図である。 本開示の一態様に係る、注釈の視覚化の例を示す図である。 本開示の一態様に係る、抽象的意味表現グラフとイベント分類法とを示す図である。 本開示の一態様に係る、階層を得るためのフレーズの集約を示す図である。 本開示の一態様に係る、エンティティグリッド行列を示す図である。 本開示の一態様に係る構文木を示す図24Aと図24Bとを含む図である。 本開示の一態様に係るエンティティ関係グラフである。 本開示の一態様に係る追加のエンティティ関係グラフである。 本開示の一態様に係る談話ツリーを示す図である。 本開示の一態様に係る、オントロジーを強化するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。 態様のうちの1つを実現するための分散システムを示す簡略図である。 一態様に係る、一態様のシステムのコンポーネントによって提供されるサービスがクラウドサービスとして提供され得るシステム環境のコンポーネントを示す、簡略化されたブロック図である。 本発明のさまざまな態様が実現され得る例示的なコンピュータシステムを示す図である。
詳細な説明
本明細書に開示される態様は、コンピュータによって実現される言語学の分野に技術的な改善をもたらす。より具体的には、特定の態様は、談話および他の技術を使用して、改良されたオントロジーを生成する。オントロジーは、エンティティおよび関連するエンティティまたは属性のペア間の関係を含む。オントロジーは、法律、技術、医学など、あらゆる知識領域について構築することができる。さらに、オントロジーは、意思決定支援システム(Decision Support System:DSS)または検索ツールなどの電子システムにも使用できる。
一例として、医学領域では、オントロジーは、疾患を薬剤名と治療法と対応付けることができる。医学におけるオントロジーの使用は、主に医学用語の表現に焦点を当てている。たとえば、医療専門家は、病気の症状および治療に関する知識を表現するためにオントロジーを使用する。製薬企業は、薬、用量およびアレルギーに関する情報を表現するためにオントロジーを使用する。
オントロジーは、医療活動をサポートするために使用される多くのDSSの基礎であり、それゆえ、基礎となるオントロジーの品質は、これらのオントロジーに依存するDSSの使用結果に影響を与える。その結果、自動的に構築された医療オントロジー(スキーマ知識および個体記述を含む)は、領域の専門家によって検証される。そのため、従来、医療オントロジーの構築および適応は、領域専門家(医療専門家など)と知識エンジニアとの間の緊密な協力に依存してきた。既存の自動オントロジー構築技術は存在するが、部分的なソリューションの作成に限られている。
したがって、いくつかの態様の技術的利点には、ソーステキストをより正確に表現する談話技術の使用によって可能になる、改良されたオントロジーが含まれる。談話技術を使用することによって、以前の技術と比較して、ソーステキストからより関連性の高いオントロジーエントリを選択することが容易になる。改良されたオントロジーの恩恵を受ける用途の例としては、検索システム、レコメンデーションシステム、DSS、自律エージェント、および診断システムが挙げられる。
さらに、いくつかの態様では、コミュニケーション用談話ツリー(Communicative Discourse Tree:CDT)を使用する。CDTは、コミュニケーション行為を含む談話ツリーである。コミュニケーション行為を識別するラベルを組み込むことで、コミュニケーション用談話ツリーの学習は、単に修辞関係および基本談話単位(elementary discourse unit:EDU)の構文よりも豊富な特徴セットで行われる。このような特徴セットを用いることで、オントロジーの開発および/または強化に追加的な技術を用いることができ、自動化エージェントの改善が可能になる。そうすることで、コンピューティングシステムは、質問に知的に回答可能な自律的なエージェントを実現する。
特定の定義
本明細書で用いられる場合、「修辞構造理論(rhetorical structure theory)」は、談話の整合性の分析を可能にし得る論理基礎を提供した調査および研究の分野である。
本明細書で用いられる場合、「談話ツリー」または「DT(discourse tree)」は、センテンスの一部をなすセンテンスについての修辞関係を表現する構造を指している。
本明細書で用いられる場合、「修辞関係」、「修辞関係性」、「整合性関係」または「談話関係」は、談話のうち2つのセグメントが互いに如何に論理的に接続されているかを述べている。修辞関係の例は詳述、対比および属性を含む。
本明細書で用いられる場合、「センテンスフラグメント」または「フラグメント」は、センテンスの残りから分割することができるセンテンスの一部である。フラグメントは基本談話単位である。たとえば、「Dutch accident investigators say that evidence points to pro-Russian rebels as being responsible for shooting down the plane(オランダの事故調査員は、証拠が、飛行機の撃墜をロシア支持派の反乱分子によるものであると示唆していると述べている)」というセンテンスの場合、2つのフラグメントは、「Dutch accident investigators say that evidence points to pro-Russian rebels」および「as being responsible for shooting down the plane」である。フラグメントは動詞を含み得るが、必ずしも動詞を含んでいる必要はない。
本明細書で用いられる場合、「シグネチャ」または「フレーム」は、フラグメントにおける動詞の特性を指している。各々のシグネチャは1つ以上の主題役割を含み得る。たとえば、「Dutch accident investigators say that evidence points to pro-Russian rebels」というフラグメントの場合、動詞は「say」であり、動詞「say」をこのように特別に使用している場合のシグネチャは「エージェント動詞トピック」であり得る。この場合、「investigators」はエージェントであり、「evidence」はトピックである。
本明細書で用いられる場合、「主題役割」は、1つ以上の単語の役割を記述するのに用いられるシグネチャの構成要素を指している。上述の例に続いて、「エージェント」および「トピック」は主題役割である。
本明細書で用いられる場合、「核性(nuclearity)」は、どのテキストセグメント、フラグメントまたはスパンが書き手の目的の中心により近いかを指している。核はより中心的なスパンであり、衛星はそれほど中心的ではない。
本明細書で用いられる場合、「整合性(coherency)」は、2つの修辞関係をともにリンクするものを指している。
本明細書で用いられる場合、「コミュニケーション動詞(communicative verb)」は、コミュニケーションを示す動詞である。たとえば、「否定する(deny)」という動詞はコミュニケーション動詞である。
本明細書で用いられる場合、「コミュニケーション行動」は、1以上のエージェントによって実行される行動、およびエージェントの主題を記述するものである。
本明細書で用いられる場合、「主張」は、何かの真実の表明である。たとえば、主張は、「今月に賃借料を支払う責任を負わない」または「賃借料が遅れている」とすることができる。
本明細書で用いられる場合、「論証」は、主張をサポートするために述べられる理由または理由のセットである。上記主張の論証の例は、「必要な修復が完了しなかった」である。
本明細書で用いられる場合、「論証有効性」または「有効性」は、主張をサポートする論証が内部的かつ整合性があるかどうかを指す。内部整合性は、論証がそれ自体と整合性があるかどうか、たとえば、2つの矛盾する記述を含まないかどうかを指す。外部整合性は、論証が既知の事実およびルールと整合するかどうかを指す。
本明細書で用いられる場合、「論理システム」または「論理プログラム」は、特定の主張の議論を表すことができる命令、ルール、事実、および他の情報のセットである。論理システムを解くことは、議論が有効であるかどうかの判定をもたらす。
図1は、一態様に係る例示的なオントロジー環境を示す。図1は、コンピューティングデバイス101、入力テキスト120、およびオントロジー140を示す。コンピューティングデバイスの例は、クライアントコンピューティングデバイス2902,2904,2906,2908ならびに図29および図30にそれぞれ示すクライアントコンピューティングデバイス3004,3006,3008を含む。図示された例では、コンピューティングデバイス101は、入力テキスト120にアクセスし、談話および他の技術を使用して、オントロジー140を形成および/または更新する。オントロジーエントリを作成するプロセスの一例は、図28に関して説明するプロセス2800である。オントロジーは、法律、工学、医学などの特定の主題領域に関するデータまたは情報を含む。オントロジーは通常、複数のエントリを含み、各エントリは、論理的ステートメントおよび他のエントリまたは外部ソースへの相互参照を含み得る。
コンピューティングデバイス101は、アプリケーション122、談話パーサ104、機械学習モデル124、およびトレーニングデータ125のうちの1つ以上を含む。アプリケーション122は、テキストの構文解析、意味テンプレートまたは構文テンプレートのテキストへの適用といった、本明細書で説明する動作を実行するように構成することができる。談話パーサ104は、談話ツリーおよび/またはコミュニケーション用談話ツリーを作成することができる。談話ツリーを作成するプロセスの一例は、図16に関して説明するプロセス1600である。機械学習モデル124は、分類器、予測モデル、または他のタイプのモデルとすることができる。適切なモデルの例としては、ツリーカーネルモデルおよび最近傍モデルが挙げられる。機械学習モデル124は、教師あり技術または教師なし技術を用いて訓練することができる。機械学習モデル124を訓練するために、トレーニングデータ125を使用することができる。トレーニングデータは、関連するトレーニングラベルを有する正および負のデータセットを含み得る。
修辞学構造理論および談話ツリー
言語学は言語についての科学的研究である。たとえば、言語学は、センテンス(構文)の構造、たとえば、主語-動詞-目的語、センテンス(セマンティックス)の意味、たとえば、「dog bites man(犬が人を噛む)」に対して「man bites dog(人が犬を噛む)」、さらに、話し手が会話中に行うこと、すなわち、談話分析またはセンテンスの範囲を超えた言語の分析、を含み得る。
談話の理論上の基礎(修辞構造理論(Rhetoric Structure Theory:RST))は、Mann、WilliamおよびThompson、Sandraによる「Rhetorical structure theory: A Theory ofText organization」(Text-Interdisciplinary Journal for the Study of Discourse)8(3):243-281: 1988)によるものであり得る。プログラミング言語理論の構文およびセマンティックスが現代のソフトウェアコンパイラの可能化に如何に役立ったのかと同様に、RSTは談話の分析の可能化に役立った。より具体的には、RSTは、構造ブロックを少なくとも2つのレベルで想定している。2つのレベルは、核性および修辞関係などの第1のレベルと、構造またはスキーマの第2のレベルとを含む。談話パーサーまたは他のコンピュータソフトウェアは、テキストを談話ツリーにパース(構文解析)することができる。
修辞構造理論は、テキストの部分間の関係に依存して、テキストの論理的構成(書き手によって用いられる構造)をモデル化する。RSTは、談話ツリーを介してテキストの階層型の接続された構造を形成することによって、テキスト整合性をシミュレートする。修辞関係は、同等のクラスおよび下位のクラスに分割される。これらの関係は、2つ以上のテキストスパンにわたって維持されるので、整合性を実現する。これらのテキストスパンを基本談話単位(EDU)と称する。センテンス中の節およびテキスト中のセンテンスは、著者によって論理的に接続される。所与のセンテンスの意味は前のセンテンスおよび次のセンテンスの意味と関係がある。節同士の間のこの論理関係はテキストの整合性構造と称される。RSTは、ツリー状の談話構造、談話ツリー(discourse tree:DT)に基づいた、談話について最も普及している理論のうちの1つである。DTの葉部は、EDU(連続する原子的なテキストスパン)に対応する。隣接するEDUは、より高いレベルの談話単位を形成する整合性関係(たとえば、属性、シーケンス)によって接続されている。これらの単位は、さらに、この関係リンクにも従属する。関係によってリンクされたEDUは、さらに、それぞれの相対的重要性に基づいて区別される。核は関係の核心部分であり、衛星は周辺部分である。上述したように、正確な要求・応答ペアを判断するために、トピックおよび修辞学的合致がともに分析される。話し手がフレーズまたはセンテンスなどの質問に回答するとき、話し手の回答はこの質問のトピックに対処していなければならない。質問が暗示的に形成されている場合、メッセージのシードテキストを介することで、トピックを維持するだけでなくこのシードについての一般化された認識状態とも一致するような適切な回答が期待される。
修辞関係
上述したように、本明細書中に記載されるいくつかの態様はコミュニケーション用談話ツリーを用いている。修辞関係はさまざまな方法で説明することができる。たとえば、MannおよびThompsonは23の実現可能な関係について記載している。C. Mann, William & Thompson, Sandra(1987)(「Mann and Thompson」)による「Rhetorical Structure Theory: A Theory of Text Organization)がある。他のいくつかの関係も実現可能である。
Figure 2024502357000002
いくつかの経験的研究は、大多数のテキストが核-衛星関係を用いて構築されていることを前提としている。MannおよびThompsonを参照されたい。しかしながら、他の関係は、核の有限選択を伴わない。このような関係の例を以下に示す。
Figure 2024502357000003
図2は、一態様に係る談話ツリーの例を示す。図2は談話ツリー200を含む。談話ツリーは、テキストスパン201、テキストスパン202、テキストスパン203、関係210、および関係228を含む。図2における数は3つのテキストスパンに対応する。図3は、1,2,3と番号付けられた3つのテキストスパン付きの以下のテキスト例に相当する。
1.ホノルル(ハワイ)はハワイの歴史に関する2017年の会議の開催地になるだろう(Honolulu, Hawaii will be site of the 2017 Conference on Hawaiian History)。
2.米国およびアジアから200人の歴史家が参加することが期待される(It is expected that 200 historians from the U.S. and Asia will attend)。
3.会議はポリネシア人がハワイまでどのように航海したかに関する(The conference will be concerned with how the Polynesians sailed to Hawaii)。
たとえば、関係210または詳述は、テキストスパン201とテキストスパン202との間の関係を記載する。関係228は、テキストスパン203とテキストスパン204との間の関係(詳述)を示す。示されるように、テキストスパン202および203はテキストスパン201をさらに詳述している。上述の例においては、読み手に会議を通知することが目的であると想定すると、テキストスパン1が核である。テキストスパン2および3は、会議に関するより多くの詳細を提供する。図2において、水平方向に並んだ数(たとえば1-3,1,2,3)は、(場合によってはさらに別のスパンで構成された)テキストのスパンをカバーしており、垂直な線は核または複数の核を示している。曲線は修辞関係(詳述)を表わしており、矢印の方向は衛星から核を指している。テキストスパンのみが、核としてではなく衛星として機能する場合、衛星を削除しても依然としてテキストには整合性が残るだろう。図2から核を削除する場合、テキストスパン2および3を理解することが困難になる。
図3は、一態様に係る談話ツリーのさらなる例を示す。図3は、構成要素301および302、テキストスパン305~307、関係310、および関係328を含む。関係310は、構成要素306と構成要素305との間、および構成要素307と構成要素305との間の関係(可能化)を示す。図3は以下のテキストスパンを指している:
1.新しい技術報告の要約は、現在、簡略版辞典付近の蔵書の雑誌領域にあります(The new Tech Report abstracts are now in the journal area of the library near the abridged dictionary)。
2.閲覧に興味のある方はご署名ださい(Please sign your name by any means that you would be interested in seeing)。
3.登録の最終日は5月31日です(Last day for sign-ups is 31 May)。
図から分かるように、関係328は、エンティティ307とエンティティ306との関係、すなわち可能化、を示している。図3は、複数の核を入れ子状にすることができるが、最も核性のある1つのテキストスパンだけが存在することを例示している。
談話ツリーの構築
談話ツリーはさまざまな方法を用いて生成することができる。DTボトムアップ(DT bottom up)を構築するための方法の単純な例は以下のとおりである:
(1)以下の(a)および(b)によって談話テキストを複数単位に分割する。
(a)単位サイズが分析の目的に応じて変わる可能性がある。
(b)典型的には単位は節である。
(2)各々の単位およびそれぞれの隣接単位を検査する。それらの間に関係が保たれているか?
(3)関係が保たれている場合、その関係に印を付ける。
(4)関係が保たれていない場合、その単位はより高いレベルの関係の境界にある可能性がある。より大きな単位(スパン)同士の間に保たれている関係に注目する。
(5)テキスト中のすべての単位が把握されるまで続ける。
MannおよびThompsonはまた、スキーマ・アプリケーションと呼ばれるブロック構造の構築の第2のレベルを記載している。RSTにおいては、修辞関係が、テキスト上に直接マッピングされず、それらはスキーマ・アプリケーションと呼ばれる構造上に適合され、これらはさらにテキストに適合される。スキーマ・アプリケーションは、(図4によって示されるような)スキーマと呼ばれる、より単純な構造に由来している。各々のスキーマは、テキストの特定の単位が如何にしてより小さなテキスト単位に分解されるかを示している。修辞構造ツリーまたはDTは、スキーマ・アプリケーションの階層システムである。スキーマ・アプリケーションは、いくつかの連続するテキストスパンをリンクさせ、複雑なテキストスパンを作成する。複雑なテキストスパンはさらに、より高レベルのスキーマ・アプリケーションによってリンクされ得る。RSTの主張によれば、すべての一貫した談話の構造を単一の修辞構造ツリーによって記述することができ、その最上位のスキーマによって談話全体を包含するスパンが作成される。
図4は、一態様に係る例示的なスキーマを示す。図4は、ジョイントスキーマが、核からなるが衛星を含まないアイテムのリストであることを示す。図4はスキーマ401~406を示す。スキーマ401は、テキストスパン410とテキストスパン428との状況関係を示す。スキーム402は、テキストスパン420とテキストスパン421とのシーケンス関係、およびテキストスパン421とテキストスパン422とのシーケンス関係を示す。スキーマ403は、テキストスパン430とテキストスパン431との対比関係を示す。スキーマ404は、テキストスパン440とテキストスパン441とのジョイント関係を示す。スキーマ405は、450と451との動機づけ関係、および452と451との可能化関係を示す。スキーマ406は、テキストスパン460とテキストスパン462とのジョイント関係を示す。ジョイント方式の一例が、以下の3つのテキストスパンに関して図4に示される:
1.本日、ニューヨーク首都圏における天候は部分的に晴天となるでしょう(Skies will be partly sunny in the New York metropolitan area today)。
2.温度は華氏80度半ばで湿度はより高くなるでしょう(It will be more humid, with temperatures in the middle 80’s)。
3.今晩、おおむね曇りとなり、華氏65度から70度と低温になるでしょう(Tonight will be mostly cloudy, with the low temperature between 65 and 70)。
図2~図4は、談話ツリーをいくつかのグラフで表示しているが、他の表現も可能である。
図5は、一態様に係る階層型バイナリツリーのノードリンク表現を示す。図5から分かるように、DTの葉部は基本談話単位(EDU)と呼ばれる、連続するが重複しないテキストスパンに相当する。隣接するEDU同士は、関係(たとえば詳述、属性…)によって接続されており、関係によって接続されるより大きな談話単位を形成している。「RSTにおける談話分析は2つのサブタスクを含む。談話セグメンテーションはEDUを識別するタスクであり、談話構文解析は、談話単位をラベル付けされたツリーにリンクするタスクである。」Joty, Shafiq RおよびGiuseppe Carenini, Raymond T Ng,およびYashar Mehdad(2013)による、「Combining intra-and multi-sentential rhetorical parsing for document-level discourse analysis」(ACL (1), pages 486-496)を参照されたい。
図5は、ツリー上の葉部または終端ノードであるテキストスパンを示しており、図6に示されるテキスト全体に現われる順序で番号付けされている。図5はツリー500を含む。ツリー500は、たとえばノード501~507を含む。ノードは関係性を示す。ノードは、ノード501などの非終端ノードまたはノード502~507などの終端ノードである。図から分かるように、ノード503および504はジョイントの関係性によって関連づけられている。ノード502、505、506および508は核である。点線は、ブランチまたはテキストスパンが衛星であることを示している。これらの関係は灰色のボックスにおけるノードである。
図6は、一態様に係る、図5における表現についての例示的なインデントされたテキストエンコーディングを示す。図6はテキスト600をおよびテキストシーケンス602~604を含む。テキスト600は、コンピュータプログラミングにより適用し易い態様で表わされている。テキストシーケンス602はノード502に対応する。シーケンス603はノード503に対応する。シーケンス604はノード504に対応する。図6においては、「N」は核を示し、「S」は衛星を示す。
談話パーサの例
自動的な談話セグメンテーションはさまざまな方法で実行することができる。たとえば、或るセンテンスを想定すると、セグメンテーションモデルは、センテンスにおける各々の特定のトークンの前に境界が挿入されるべきであるかどうかを予測することによって、複合的な基本談話単位の境界を識別する。たとえば、1つのフレームワークは、センテンス内の各トークンを連続的に独立して考慮に入れる。このフレームワークにおいては、セグメンテーションモデルは、トークンによってセンテンストークンをスキャンし、サポートベクトルマシンまたはロジスティック回帰などの二進法分類を用いて、検査されているトークンの前に境界を挿入することが適切であるかどうかを予測する。別の例においては、タスクは連続的にラベル付けする際の問題である。テキストが基本談話単位にセグメント化されると、センテンスレベルの談話構文解析を実行して談話ツリーを構築することができる。機械学習技術を用いることができる。
本発明の一態様においては、構成要素の構文に依拠するCoreNLPProcessorおよび依存性構文を用いるFastNLPProcessorという2つの修辞構造理論(RST)談話パーサが用いられる。Surdeanu, Mihai & Hicks, Thomas & Antonio Valenzuela-Escarcega, Marcoによる「Two Practical Rhetorical Structure Theory Parsers」(2015)を参照されたい。
くわえて、上述の2つの談話パーサ、すなわち、CoreNLPProcessorおよびFastNLPProcessorは、自然言語処理(Natural Language Processing:NLP)を構文解析に用いる。たとえば、Stanford CoreNLPは、会社、人々などの名前であろうとなかろうとスピーチの部分である複数単語の基本形状を提示し、日付、時間および数値量を標準化し、フレーズおよび構文依存の点からセンテンスの構造に印を付け、どの名詞句が同じエンティティを指しているかを示す。実際には、RSTは依然として、談話の多くの場合に機能し得る理論であるが、場合によっては機能しない可能性もある。どんなEDUが一貫したテキスト中にあるか、すなわち、どんな談話セグメンタが用いられているか、どんな関係のインベントリが用いられているか、EDUのためにどんな関係が選択されているか、トレーニングおよびテストのために用いられるドキュメントのコーパス、さらには、どんなパーサが用いられているか、を含むがこれらに限定されない多くの変数が存在している。このため、たとえば、Surdeanu他による上述の論文「Two Practical Rhetorical Structure Theory Parsers」においては、どのパーサがよりよい性能を与えるかを判断するために、特化されたメトリクスを用いて特定のコーパス上でテストを実行しなければならない。このため、予測可能な結果をもたらすコンピュータ言語パーサとは異なり、談話パーサ(およびセグメンタ)は、トレーニングおよび/またはテストのテキストコーパスに応じて、予測不可能な結果をもたらす可能性がある。したがって、談話ツリーは、予測可能な技術(たとえば、コンパイラ)と(たとえば、どの組合わせが所望の結果をもたらし得るかを判断するのに実験が必要となる化学のような)予測不可能な技術とを混合したものとなる。
談話分析が如何に優れているかを客観的に判断するために、たとえば、Daniel Marcuの「The Theory and Practice of Discourse Parsing and Summarization」(MIT Press)(2000)によるPrecision/Recall/F1(精度/再現度/F1)測定基準などの一連のメトリクスが用いられている。精度または肯定的な予測値は検索されたインスタンス中の関連するインスタンスのごく一部であるとともに、(感度としても公知である)再現度は、関連するインスタンスの総量にわたって検索された関連するインスタンスのごく一部である。したがって、精度および再現度はともに、関連性についての理解および基準に基づいている。写真中の犬を認識するためのコンピュータプログラムが12匹の犬および何匹かの猫を含む写真中に8匹の犬を識別すると想定する。識別された8匹の犬のうち、5匹は実際に犬(真陽性)であるが残りは猫(擬陽性)である。プログラムの精度は5/8であり、その再現度は5/12である。検索エンジンが30ページを戻すがそのうち20ページしか関連しておらず、追加の関連する40ページを戻してこなかった場合、その精度は20/30=2/3であり、その再現度は20/60=1/3である。したがって、この場合、精度は「検索結果がどれくらい有用であるか」であり、再現度は、「結果はどれくらい完全であるか」である。F1スコア(F-スコアまたはF-基準)はテストの精度の基準である。それは、スコアを計算するためにテストの精度および再現度の両方を考慮に入れる。F1=2x(精度x再現度)/(精度+再現度))であり、精度と再現度との調和平均である。F1スコアは、1(完全な精度および再現度)でその最適値に達し、0で最悪値に達する。
自律型エージェントまたはチャットボット
人Aと人Bとの間の会話は談話の一形式である。たとえば、FaceBook(登録商標)メッセンジャ、WhatsApp(登録商標)、Slack(登録商標)、SMSなどのアプリケーションが存在し、AとBとの間の会話は、典型的には、より従来型の電子メールおよび音声会話に加えて、メッセージを介するものであってもよい。(知的なボットまたは仮想アシスタントなどと称されることもある)チャットボットは、「知的な」マシンであって、たとえば、人Bと置き換わって、2人の人同士の間の会話をさまざまな程度に模倣する。究極の目的の一例としては、人Aは、Bが人であるかまたはマシンであるかどうか区別できないようにすることである(1950年にAlan Turingによって開発されたチューリング(Turning)テスト)。談話分析、機械学習を含む人工知能および自然言語処理は、チューリングテストに合格するという長期目標に向かって大きく発展してきた。当然ながら、コンピュータにより、莫大なデータのリポジトリを検索および処理して、予測的分析を含めるようにデータに対して複雑な分析を行うことも次第に可能になってきており、長期目標は、人のようなチャットボットとコンピュータとを組合わせることである。
たとえば、ユーザは、会話のやり取りによってインテリジェント・ボット・プラットホームと対話することができる。会話型ユーザインターフェイス(user interface:UI)と呼ばれるこの対話は、ちょうど2人の人の間で交わされるようなエンドユーザとチャットボットとの間のダイアログである。これは、エンドユーザがチャットボットに「Hello(こんにちは)」と発言し、チャットボットが「Hi(やあ)」と返答し、さらにチャットボットが用件が何かをユーザに尋ねる、という程度に単純であり得るか、または、1つの口座から別の口座に送金するなどの銀行業務チャットボットによる業務処理上の対話であり得るか、または、休暇バランスをチェックするなどのHRチャットボットでの情報のやり取り、もしくは、返品を如何に処理するかなどの小売りチャットボットでのFAQへの質問であり得る。他のアプローチと組み合わされた自然言語処理(NLP)および機械学習(machine learning:ML)アルゴリズムを用いて、エンドユーザの意図を分類することができる。高レベルの意図はエンドユーザが達成したいこと(たとえば、勘定残高を得て購入する)である。意図は、本質的には、バックエンドが実行すべき作業の単位に入力された顧客のマッピングである。したがって、チャットボットでユーザによって発せられたフレーズに基づいて、これらは、たとえば、残高照会、送金および支出の追跡のための特定の別個の使用事例または作業単位に対してマッピングされるものであり、エンドユーザが自然言語で入力する自由なテキストエントリからどの作業単位がトリガされなければならないかをチャットボットがサポートして解決することができるはずであるすべての「使用事例」である。
AIチャットボットに人のように応答させるための根本的な原理は、人の脳が要求を策定して理解することができるとともに、さらに、マシンよりもはるかに優れた人の要求に対して優れた応答を返すことができる点にある。したがって、人Bが模倣される場合、チャットボットの要求/応答は著しく改善されていなければならない。そうすると、この問題の最初の部分は、人の脳が要求を如何に策定して理解するかである。模倣のためにモデルが用いられる。RSTおよびDTは、これを実行する形式的かつ反復可能な方法を可能にする。
高レベルでは、典型的には、2つのタイプの要求がある。具体的には、(1)何らかの行動を実行するようにとの要求、および(2)情報についての要求(たとえば質問)である。第1のタイプは、作業単位が作成される応答を有する。第2のタイプは、質問に対する応答(すなわち、たとえば、優れた回答)を有する。回答は、たとえばいくつかの態様において、広範囲な知識ベースから、または、インターネットもしくはイントラネットまたは他の公的または私的に利用可能なデータソースを探索することによって最適な既存の回答に一致させることから、回答を構築するAIの形を取り得る。
コミュニケーション用談話ツリーおよび修辞学的分類器
本開示の態様はコミュニケーション用談話ツリーを構築するとともに、コミュニケーション用談話ツリーを用いて、要求または質問の修辞構造が回答に合致しているかどうかを分析する。より具体的には、本明細書中に記載される態様は、要求・応答ペアの表現を作成し、これらの表現を学習し、ペアを有効なペアまたは無効なペアのクラスに関連づける。このような態様で、自律型エージェントはユーザから質問を受取り、たとえば複数の回答を検索することによって質問を処理し、複数の回答の中から最適な回答を判断して、ユーザに対して回答を提供することができる。
より具体的には、テキストの言語特徴を表現するために、本明細書中に記載される態様は、修辞関係および発話動作(またはコミュニケーション行動)を用いる。修辞関係は、典型的には談話ツリーから得られるセンテンスの部分同士の関係性である。発話動作は、VerbNetなどの動詞リソースからの動詞として得られる。修辞関係およびコミュニケーション行動の両方を用いることによって、本明細書中に記載される複数の態様は、有効な要求・応答ペアを正確に認識することができる。そうするために、複数の態様は、質問の構文構造を回答の構文構造と相互に関連付ける。当該構造を用いることによって、より優れた回答を決定することができる。
たとえば、ある人が特定の特徴を備えたアイテムを販売したいと希望していることを示す表示を自律型エージェントがこの人から受け取った場合、この自律型エージェントは、当該特徴を含んでいるだけではなく購入する意図も示している検索結果を提供するはずである。このような態様で、自律型エージェントはユーザの意図を判断した。同様に、自律型エージェントが特定のアイテムについての情報を共有するようにとの要求を或る人から受取った場合、検索結果は、推薦を受け取る意図を含んでいるはずである。或る人がトピックに関する意見について自律型エージェントに質問する場合、自律型エージェントは、別の意見を求めるのではなく、主題に関する意見を共有する。
要求および応答のペアの分析
図7は、一態様に係る、財産税に関する要求例についての例示的な談話ツリーを示す。ノードラベルは関係であり、矢印付きの線は衛星を指している。核は実線である。図7は以下のテキストを示す。
要求:「My husbands’ grandmother gave him his grandfather’s truck. She signed the title over but due to my husband having unpaid fines on his license, he was not able to get the truck put in his name. I wanted to put in my name and paid the property tax and got insurance for the truck. By the time it came to sending off the title and getting the tag, I didn't have the money to do so. Now, due to circumstances, I am not going to be able to afford the truck. I went to the insurance place and was refused a refund. I am just wondering that since I am not going to have a tag on this truck, is it possible to get the property tax refunded?(私の夫の祖母が彼に彼の祖父のトラックを与えました。彼女は所有権を譲渡しましたが、私の夫には自身の免許に対する未払いの罰金があったため、彼はトラックを自身の名義に入れることができませんでした。私は自分の名義に入れたかったので、財産税を納付し、トラック用の保険に入りました。所有権を取り寄せて識別票を得るときには、私はそうするだけのお金を持っていませんでした。現在、状況によっては、私はトラックを所有するだけの余裕がなくなるでしょう。私は保険代理店を訪れましたが、払い戻しは拒否されました。私は、このトラックに識別票を付けることができないのであれば、財産税を払い戻してもらうことができるのではないかと考えています)」。
応答:「The property tax is assessed on property that you own. Just because you chose to not register it does not mean that you don't own it, so the tax is not refundable. Even if you have not titled the vehicle yet, you still own it within the boundaries of the tax district, so the tax is payable. Note that all states give you a limited amount of time to transfer title and pay the use tax. If you apply late, there will be penalties on top of the normal taxes and fees. You don't need to register it at the same time, but you absolutely need to title it within the period of time stipulated in state law(財産税は、あなたが所有する財産に課されるものです。あなたがそれを登録しないことを選択しただけですので、これは、あなたがそれを所有していないことを意味するものではありません。したがいまして、税を払い戻すことはできません。あなたがまだ乗物の権利を得ていないとしても、あなたは依然として課税区画の境界内に当該乗物を所有していますので、税金を払わなくてはなりません。なお、いずれの州においても、所有権の譲渡および利用税の納付のためにあなたに与えられている時間には制限があることに留意してください。あなたの申請が遅れた場合には、普通税および通常料金に加えて罰金が課されることになるでしょう。あなたは、乗物を同時に登録する必要はありませんが、州の法律で規定された期間内に確実にその権利を得る必要があります)」。
図7から分かるように、上述のテキストを分析することによって、以下の結果が得られる。「My husbands’ grandmother gave him his grandfather’s truck」は、「I wanted to put in my name」、「and paid the property tax」、および「and got insurance for the truck」という表現によって詳述される「having unpaid fines on his license, he was not able to get the truck put in his name」によって詳述される「She signed the title over but due to my husband」という表現によって詳述される。
「My husbands’ grandmother gave him his grandfather’s truck. She signed the title over but due to my husband having unpaid fines on his license, he was not able to get the truck put in his name. I wanted to put in my name and paid the property tax and got insurance for the truck. By the time it came to sending off the title and getting the tag, I didn't have the money to do so」は、「I went to the insurance place」および「and was refused a refund」によって詳述される「I am not going to be able to afford the truck」によって詳述される「Now, due to circumstances,」と対比される。
「My husbands’ grandmother gave him his grandfather’s truck. She signed the title over but due to my husband having unpaid fines on his license, he was not able to get the truck put in his name. I wanted to put in my name and paid the property tax and got insurance for the truck. By the time it came to sending off the title and getting the tag, I didn't have the money to do so. Now, due to circumstances, I am not going to be able to afford the truck. I went to the insurance place and was refused a refund.」は、「I am just wondering that since I am not going to have a tag on this truck, is it possible to get the property tax refunded?」で詳述されている。
「My husbands’ grandmother gave him his grandfather’s truck. She signed the title over but due to my husband having unpaid fines on his license, he was not able to get the truck put in his name. I wanted to put in my name and paid the property tax and got insurance for the truck. By the time it came to sending off the title and getting the tag, I didn't have the money to do so. Now, due to circumstances, I am not going to be able to afford the truck. I went to the insurance place and was refused a refund.」は、「I am just wondering that since I am not going to have a tag on this truck, is it possible to get the property tax refunded?」で詳述されている。
「I am just wondering」は、「since I am not going to have a tag on this truck 」という条件を有する「is it possible to get the property tax refunded?」と同じ単位である「that」に属している。
以上のように、トピックの主な主題は「自動車に対する財産税」である。質問は、一方では、すべての所有物は課税可能であるというのに対して、他方では、所有権がいくらか不完全であるという矛盾を含んでいる。好適な応答により、質問のトピックに対処するとともに矛盾を明確にしなければならない。このために、応答者は、登録状態に関係なく所有されるものすべてに関して税金を納付する必要性についてさらに強い主張を行なっている。この例は、Yahoo(登録商標)!Answersの評価ドメインから得られる肯定的なトレーニングセットの一要素である。トピックの主な主題は「自動車に対する財産税」である。質問は、一方では、所有物はすべて課税可能であるのに対して、他方では、所有権はいくらか不完全であるという矛盾を含んでいる。好適な回答/応答により、質問のトピックに対処するとともに矛盾を明確にしなければならない。読み手は、質問が対比の修辞関係を含んでいるので、納得させるために同様の関係で回答をこの質問と一致させなければならないことに気付き得る。他の場合には、この回答はその分野のエキスパートでない人々にとっても不完全に見えるだろう。
図8は、本発明の特定の態様に係る、図7に表わされた質問についての例示的な応答を示す。中心核は、「that you own」によって詳述される「The property tax is assessed on property」である。「The property tax is assessed on property that you own 」はまた、「Just because you chose to not register it does not mean that you don't own it, so the tax is not refundable. Even if you have not titled the vehicle yet, you still own it within the boundaries of the tax district, so the tax is payable. Note that all states give you a limited amount of time to transfer title and pay the use tax」によって詳述される核である。
核である「The property tax is assessed on property that you own. Just because you chose to not register it does not mean that you don't own it, so the tax is not refundable. Even if you have not titled the vehicle yet, you still own it within the boundaries of the tax district, so the tax is payable. Note that all states give you a limited amount of time to transfer title and pay the use tax.」は、「If you apply late,」という条件付きの「there will be penalties on top of the normal taxes and fees」によって詳述される。これは、さらに、「but you absolutely need to title it within the period of time stipulated in state law」および「You don't need to register it at the same time」という対比によって詳述される。
図7のDTと図8のDTとを比較することで、応答(図8)を要求(図7)と如何に適切に一致させるかを判断することが可能となる。本発明のいくつかの態様においては、上述のフレームワークは、DT間の要求/応答および修辞学的合致についてDTを判断するために、少なくとも部分的に用いられる。
別の例において、「What does The Investigative Committee of the Russian Federation do(ロシア連邦の調査委員会が何を行なったのか」という質問は、たとえば、公式の回答または実際の回答という少なくとも2つの回答を有する。
図9は、一態様に係る、公式の回答についての談話ツリーを示す。図9に示されるように、公式回答または声明は、「The Investigative Committee of the Russian Federation is the main federal investigating authority which operates as Russia's Anti-corruption agency and has statutory responsibility for inspecting the police forces, combating police corruption and police misconduct, is responsible for conducting investigations into local authorities and federal governmental bodies.(ロシア連邦の調査委員会は主たる連邦捜査機関であって、ロシアの汚職防止機関として機能するとともに、警察を監査して警察の汚職および警察の違法行動を根絶するための法定上の責任を有しており、地方自治体および連邦行政体の調査を行なう責任を負っている)」と述べている。
図10は、一態様に係る、未処理の回答についての談話ツリーを示す。図10に示されるように、別の、場合によってはより正直な回答は以下のとおりである。「Investigative Committee of the Russian Federation is supposed to fight corruption. However, top-rank officers of the Investigative Committee of the Russian Federation are charged with creation of a criminal community. Not only that, but their involvement in large bribes, money laundering, obstruction of justice, abuse of power, extortion, and racketeering has been reported. Due to the activities of these officers, dozens of high-profile cases including the ones against criminal lords had been ultimately ruined.(ロシア連邦の調査委員会は汚職と戦うよう想定されている。しかしながら、ロシア連邦の調査委員会のトップランクの高官は、犯罪集団の設立の役割を担っている。それだけでなく、これらの高官らが大規模な賄賂、マネーロンダリング、司法妨害、職権乱用、恐喝およびゆすりに関与していることが報告されてきた。これらの職員の活動により、犯罪の大物に関する事例を含むとともに注目を集めた数十の事例は最終的に台無しにされた。」
回答の選択は文脈に依存する。修辞構造は、「公式の(official)」、「政治的に正しい(politically correct)」テンプレートベースの回答と、「実際の(actual)」、「未処理の(raw)」、「現場からの報告(reports from the field)」または「論争の的となる(controversial)」回答とを区別することを可能にする。図9および図10を参照されたい。時として、質問自体は、どのカテゴリの回答が期待されているかについてのヒントを与えることができる。質問が、第2の意味を持たない類事実または定義的性質をもつ質問として策定されている場合、第1のカテゴリの回答が適している。他の場合には、質問が、「それが実際に何であるかを私に伝える」という意味を有する場合、第2のカテゴリが適している。一般に、質問から修辞構造を抽出した後、同様の修辞構造、一致した修辞構造、または補足的な修辞構造を有するであろう適切な回答を選択することはより容易である。
公式の回答は、テキストが含む可能性のある論争の点から見て中立的である詳述およびジョイントに基づいている(図を参照)。同時に、未処理の回答は対比関係を含んでいる。エージェントが行うと予想されるものについてのフレーズと、このエージェントが行ったと判明したことについてのフレーズとのこの関係が抽出される。
要求-応答ペアの分類
アプリケーション122は、回答データベース105または公共のデータベースから得られる回答などの所与の回答または応答が、所与の質問または要求に応答したものであるかどうかを判断することができる。より特定的には、アプリケーション122は、要求と応答との間で、(i)関連性または(ii)修辞学的合致のうち一方または両方を判断することによって、要求と応答とのペアが正確であるかまたは不正確であるかを分析する。修辞学的合致は、直交的に処理することができる関連性を考慮に入れることなく、分析することができる。
アプリケーション122は、さまざまな方法を用いて、質問・回答ペア間の類似性を判断することができる。たとえば、アプリケーション122は、個々の質問と個々の回答との間の類似性のレベルを判断することができる。代替的には、アプリケーション122は、質問および回答を含む第1のペアと質問および回答を含む第2のペアとの間の類似性の度合いを判断することができる。
たとえば、アプリケーション122は、一致する回答または一致しない回答を予測するようにトレーニングされた機械学習モデル124を用いる。アプリケーション122は一度に2つのペア、たとえば<q1,a1>および<q2,a2>、を処理することができる。アプリケーション122は、q1をq2と比較し、a1をa1と比較して、組合わされた類似性スコアを生成する。このような比較は、既知のラベルが付いた別の質問/回答ペアからの距離を評価することによって、未知の質問/回答ペアが正しい回答を含んでいるか否かを判断することを可能にする。特に、ラベル無しのペア<q2,a2>は、q2およびa2によって共有される単語または構造に基づいて正確さを「推測する」のではなく、q2とa2がともに、このような単語または構造を根拠として、ラベル付きのペア<q2,a2>のそれらの対応する構成要素q1およびa2と比較することができるように、処理することができる。この手法は、ドメインに依存することなく回答を分類することを目標としているので、質問と回答と間の構造上の一貫性しか活用することができず、回答の「意味」を活用することができない。
一態様においては、アプリケーション122は、トレーニングデータ125を用いて、機械学習モデル124をトレーニングする。このような態様で、機械学習モデル124は、質問および回答のペア同士の類似性を判断するようにトレーニングされる。これは分類の問題である。トレーニングデータ125は、肯定的なトレーニングセットおよび否定的なトレーニングセットを含み得る。トレーニングデータ125は、肯定的なデータセットにおける一致する要求・応答ペアと、否定的なデータセットにおける任意であるかまたは関連性もしくは適切さがより低い要求・応答ペアとを含む。肯定的なデータセットに関して、回答または応答が質問について好適であるかどうかを示す別個の許容基準を備えたさまざまなドメインが選択される。
各々のトレーニングデータセットは、トレーニングペアのセットを含む。各々のトレーニングセットは、質問を表現する質問コミュニケーション用談話ツリーと、回答を表現するとともに質問と回答との間の予想される相補性のレベルを表現する回答コミュニケーション用談話ツリーとを含む。反復プロセスを用いることによって、アプリケーション122は、トレーニングペアを機械学習モデル124に提供し、モデルから相補性のレベルを受取る。アプリケーション122は、特定のトレーニングペアについて、判断された相補性のレベルと予想される相補性のレベルとの間の差を判断することによって、損失関数を計算する。アプリケーション122は、損失関数に基づいて、損失関数を最小限にするように分類モデルの内部パラメータを調整する。
受諾基準はアプリケーションに応じて異なり得る。たとえば、受諾基準は、コミュニティ質問回答、自動化された質問回答、自動化された顧客サポートシステム、手動による顧客サポートシステム、ソーシャルネットワークコミュニケーション、ならびに、調査および苦情などの製品についての経験に関する消費者などの個々人による書込みに関しては、低い可能性がある。RR受諾基準は、科学技術文書、専門の新聞雑誌、FAQ形式の健康および法律に関する文書、「stackoverflow」などの専門のソーシャルネットワークにおいては、高い可能性がある。
コミュニケーション用談話ツリー(CDT)
アプリケーション122は、コミュニケーション用談話ツリーを作成し、分析し、比較することができる。コミュニケーション用談話ツリーは、修辞情報を発話動作構造と組合わせるように設計されている。CDTは、コミュニケーション行動についての表現でラベル付けされた円弧を含む。コミュニケーション行動を組合わせることによって、CDTは、RST関係およびコミュニケーション行動のモデリングを可能にする。CDTは、パース交錯の縮図である。パース交錯は、センテンスについてのパースツリーを、1つのグラフにおけるセンテンスの単語と部分との談話レベル関係と組合わせたものである。発話動作を識別するラベルを組込むことによって、コミュニケーション用談話ツリーの学習が、基本談話単位(EDU)の構文および修辞関係だけでなく、豊富な特徴セットにわたって実行可能となる。
一例においては、民間航空機であるマレーシア航空会社17便の撃墜の原因に関して3つの当事者間でなされた論争が分析される。やり取りされている論証のRST表現が構築される。この例においては、3つの相争っているエージェントであるオランダの調査員、ロシア連邦の調査委員会および自称ドニエツク人民共和国が問題に関する彼らの意見を交換している。この例が示している論争の的になっている対立においては、各々の当事者が皆それぞれの相手方を非難する恐れがある。より説得力があるように思わせるために、各々の当事者は自身の主張を行うだけではなく、相手方の主張を拒絶するように応答を策定している。この目的を達成するために、各々の当事者は、相手方の主張のスタイルおよび談話と一致させるよう試みる。
図11は、一態様に係る、第1のエージェントの主張についてのコミュニケーション用談話ツリーを示す。図11は、以下のテキストを表わすコミュニケーション用談話ツリー100を示す。「Dutch accident investigators say that evidence points to pro-Russian rebels as being responsible for shooting down plane. The report indicates where the missile was fired from and identifies who was in control of the territory and pins the downing of MH17 on the pro-Russian rebels.(オランダの事故調査員は、証拠が、飛行機の撃墜をロシア支持派の反乱分子によるものであると示唆していると述べている。この報告書は、ミサイルが発射された場所を示しており、誰が領域を制圧していたかを識別し、MH17の撃墜の責任をロシア支持派の反乱分子に負わせている。)」
図11から分かるように、CDTの非終端ノードは修辞関係であり、終端ノードは、これらの関係の主題である基本談話単位(フレーズ、センテンスフラグメント)である。CDTのいくつかの円弧は、行動者であるエージェント、およびこれらの行動の主題(やり取りされていること)を含むコミュニケーション行動についての表現でラベル付けされている。たとえば、(左側の)詳細関係についての核ノードは、say(Dutch, evidence)でラベル付けされており、衛星は、responsible(rebels, shooting down)でラベル付けされている。これらのラベルは、EDUの主題がevidence(証拠)およびshooting down(撃墜)であることを表すように意図されたものではなく、このCDTと他のものとの間の類似性を見出す目的でこのCDTを他のものと一致させるように意図されている。この場合、コミュニケーション用談話の情報を提供するのではなく修辞関係によってこれらのコミュニケーション行動を単にリンクさせることは、あまりに制限され過ぎていて、やり取りされている物およびその方法についての構造を表わすことができない。同じ修辞関係または調整された修辞関係を有するべきというRRペアについての要件は弱すぎるため、ノード同士を一致させることに加えて円弧に関するCDTラベル同士を合致させることが必要となる。
このグラフの真っ直ぐなエッジは構文関係であり、湾曲した円弧は、前方照応、同じエンティティ、サブエンティティ、修辞関係およびコミュニケーション行動などの談話関係である。このグラフは、単なる個々のセンテンスについてのパースツリーの組合わせよりもはるかに豊富な情報を含んでいる。CDTに加えて、パース交錯は、単語、関係、フレーズおよびセンテンスのレベルで一般化することができる。発話行動は、それぞれの発話動作およびそれらの主題に関与するエージェントを表わす論理述語である。論理述語の論証は、VerbNetなどのフレームワークによって提案されるように、それぞれの意味役割に従って形成される。Karin Kipper,Anna Korhonen,Neville Ryant、Martha Palmerによる「A Large-scale Classification of English Verbs」(Language Resources and Evaluation Journal, 42(1), 21-40,Springer Netherland, 2008)を参照されたい。および/または、Karin Kipper Schuler、Anna Korhonen、Susan W. Brownによる「VerbNet overview, extensions, mappings and apps」(Tutorial, NAACL-HLT: 2009, Boulder, Colorado)を参照されたい。
図12は、一態様に係る、第2のエージェントの主張についてのコミュニケーション用談話ツリーを示す。図12は、以下のテキストを表わすコミュニケーション用談話ツリー1200を示す。「The Investigative Committee of the Russian Federation believes that the plane was hit by a missile, which was not produced in Russia. The committee cites an investigation that established the type of the missile.(ロシア連邦の調査委員会は、飛行機がロシアで生産されたものではないミサイルによって攻撃されたと信じている。委員会は、ミサイルの種類を立証した調査を引用している。)」
図13は、一態様に係る、第3のエージェントの主張についてのコミュニケーション用談話ツリーを示す。図13は、以下のテキストを表わすコミュニケーション用談話ツリー1300を示す。「Rebels, the self-proclaimed Donetsk People's Republic, deny that they controlled the territory from which the missile was allegedly fired. It became possible only after three months after the tragedy to say if rebels controlled one or another town.(反乱分子である自称ドニエツク人民共和国は、彼らが、ミサイルが発射されたと主張されている領域を制圧していたことを否定している。反乱分子が或る町または別の町を制圧していたかどうかは、悲劇の後に3か月経った後にしか発表することができなかった。)」
コミュニケーション用談話ツリー1100~1300から分かるように、応答は任意ではない。応答は、元のテキストと同じエンティティについて述べている。たとえば、コミュニケーション用談話ツリー1200および1300はコミュニケーション用談話ツリー1100に関係している。応答は、これらのエンティティについての、かつこれらのエンティティの行動についての、推定および感情との不合致を裏づけしている。
より具体的には、関与するエージェントの返答は、第1のシードメッセージのコミュニケーション用談話を反映させる必要がある。単純な観察結果として、第1のエージェントが自身の主張を伝えるための属性を用いるので、他のエージェントは、その一式に従って、彼ら自身の属性を提供するかもしくは支持者の属性の有効性を攻撃するかまたはこれらの両方を行う。シードメッセージのコミュニケーション構造を如何にして連続メッセージに保持する必要があるかについて、広くさまざまな特徴を捕らえるために、それぞれのCDTのペアを学習することができる。
要求・応答の合致を検証するためには、談話関係または発話動作(コミュニケーション行動)だけではしばしば不十分である。図11~図13に示される例からから分かるように、エージェント間の対話の談話構造および対話の種類は有用である。しかしながら、対話のドメイン(たとえば、軍事衝突もしくは政治)またはこれらの対話の主題(つまりエンティティ)を分析する必要はない。
修辞関係およびコミュニケーション行動の表現
抽象的な構造同士の間の類似性を演算するために、2つのアプローチがしばしば用いられる。(1)これらの構造を数値空間で表わすとともに類似性を数として表す(統計学習アプローチ);または、(2)数値空間ではなくツリーおよびグラフなどの構造表現を用いて、最大の共通サブ構造として類似性を表現する。最大の共通サブ構造として類似性を表わすことは一般化と称される。
コミュニケーション行動を学習することは、論証の表現および理解を助ける。計算用動詞レキシコンは、行動についてのエンティティの取得をサポートするとともに、それらの意味を示すためにルールベースの形式を提供するのを助ける。動詞は、記載されているイベントのセマンティックスとともに、そのイベントにおける関与者間の関係情報を表わして、その情報を符号化する構文構造を投影している。動詞、特にコミュニケーション行動動詞は極めて変動し易く、豊富な範囲の意味論的挙動を表示することができる。これに応じて、動詞分類は、学習システムが、コアの意味論的特性を共有している動詞をグループごとに組織化することによって、この複雑さに対処することを助ける。
VerbNetはこのような1レキシコンであって、各々のクラス内における動詞の意味論的役割および構文的パターン特徴を識別するとともに、構文的パターンとクラスのうちすべてのメンバについて推論することができる基礎をなす意味論的関係との間のつながりを明確にする。Karin Kipper,Anna Korhonen,Neville RyantおよびMartha Palmerによる「Language Resources and Evaluation」(Vol.42, No. 1 (March 2008) 21)を参照されたい。クラスについての各々の構文フレームまたは動詞シグネチャは、イベントのコースにわたるイベント関与者間の意味論的関係を詳しく述べる、対応する意味論的表現を有する。
たとえば、「楽しませる(amuse)」という動詞は、驚かせる(amaze)、怒らせる(anger)、何らかの感情を喚起する(arouse)、邪魔する(disturb)、いらいらさせる(irritate)などの論証(意味論的役割)の同様の構造を有する同様の動詞のクラスタの一部である。これらのコミュニケーション行動の論証の役割は、Experiencer(経験者)(通常、生きているエンティティ)、Stimulus(刺激)およびResult(結果)である。各々の動詞は、この動詞が如何にセンテンスまたはフレーム内に現れているかについての構文特徴によって区別される意味のクラスを有し得る。たとえば、「amuse」のためのフレームは、以下のとおり、以下の主要な名詞句(NP)、名詞(N)、コミュニケーション行動(V)、動詞句(VP)、副詞(ADV)を用いている。
NP V NP。例:「教師は子供たちを楽しませた(The teacher amused the children)」。構文:Stimulus V Experiencer。節:amuse(Stimulus, E, Emotion, Experiencer), cause(Stimulus, E), emotional_state(Result(E), Emotion, Experiencer)。
NP V ADV-Middle:例:「Small children amuse quickly(小さな子供たちは直ちに楽しむ)」。構文:Experiencer V ADV。節:amuse(Experiencer, Prop):-,property(Experiencer, Prop), adv(Prop)。
NP V NP-PRO-ARB。例「The teacher amused(教師は楽しんだ)」。構文:Stimulus V. amuse(Stimulus, E, Emotion, Experiencer): cause(Stimulus, E), emotional_state(Result(E), Emotion, Experiencer)。
NPcause V NP。例「The teacher's dolls amused the children(教師の人形は子供を楽しませた)」。構文:Stimulus <+genitive>('s) V Experiencer。 amuse(Stimulus, E, Emotion, Experiencer): cause(Stimulus, E), emotional_state(during(E), Emotion, Experiencer)。
NP V NP ADJ。例「This performance bored me totally(この性能は私を完全にうんざりさせた)」。構文:Stimulus V Experiencer Result。amuse(Stimulus, E, Emotion, Experiencer)。cause(Stimulus,E), emotional_state(result(E), Emotion, Experiencer), Pred(result(E), Experiencer)。
コミュニケーション行動は複数のクラスタに特徴付けることができる。たとえば、述語的な補足語を備えた動詞(appoint(指定する)、characterize(特徴付ける)、dub(名称を付ける)、declare(宣言する)、conjecture(推測する)、masquerade(変装する)、orphan(孤児にする)、captain(キャプテンを務める)、consider(考慮する)、classify(分類する));知覚動詞(see(見る)、sight(観測する)、peer(凝視する));精神状態の動詞(amuse(楽しませる)、admire(賞賛する)、marvel(驚嘆する)、appeal(アピールする));要望の動詞(want(欲する)、long(切望する));判断動詞(judgment(判断));評価の動詞(assess(評価する)、estimate(推定する));探索の動詞(hunt(狩る)、search(探索する)、stalk(忍び寄る)、investigate(調査する)、rummage(くまなく探す)、ferret(狩り出す));社会的対話の動詞(correspond(応答する)、marry(結婚する)、meet(会う)、battle(戦う));コミュニケーションの動詞(transfer(message)((メッセージを)伝達する)、inquire(照会する)、interrogate(尋問する)、tell(伝える)、態様(speaking:発話)、talk(話す)、chat(閑談する)、say(言う)、complain(苦情を訴える)、advise(助言する)、confess(告白する)、lecture(講義する)、overstate(誇張する)、promise(約束する));回避動詞(avoid(回避する));測定動詞(register(記録する)、cost(費用がかかる)、fit(適合させる)、price(値をつける)、bill(請求する));相動詞(begin(開始する)、complete(完成する)、continue(継続する)、stop(止まる)、establish(確立する)、sustain(維持する))がある。
本明細書中に記載される態様は、統計学習モデルに勝る利点を備えている。統計的な解決策とは対照的に、分類システムを用いる態様は、(修辞学的合致などの)目的の特徴をもたらすと判断される動詞または動詞状構造を提供することができる。たとえば、統計機械学習モデルは、解釈を困難にする可能性のある類似性を数として表わす。
要求・応答ペアの表現
要求・応答ペアを表現することは、或るペアに基づいた分類ベースの動作を促進する。一例においては、要求・応答ペアはパース交錯として表わすことができる。パース交錯は、1つのグラフにおけるセンテンスの単語と部分との間の談話・レベル関係を用いて、2つ以上のセンテンスについてのパースツリーを表わしたものである。Galitsky(2015)を参照されたい。質問と回答との間の話題の類似性は、パース交錯の共通のサブグラフとして表わすことができる。共通のグラフノードの数が多ければ多いほど、類似性は高くなる。
図14は、一態様に係るパース交錯を示す。図14は、(要求についての)パースツリー1401と(対応する応答についての)パースツリー1402とを含むパース交錯1400を示す。
パースツリー1401が表している質問は以下のとおりである。「I just had a baby and it looks more like the husband I had my baby with. However it does not look like me at all and I am scared that he was cheating on me with another lady and I had her kid. This child is the best thing that has ever happened to me and I cannot imagine giving my baby to the real mom.(私は赤ん坊を出産したところで、夫との間にできたこの赤ん坊が夫により似ているように思えます。でも、赤ん坊は私に全く似ておらず、彼が私を裏切って別の女性と浮気してできた彼女の子供を世話しているのではないかと脅えています。この子供はこれまでに私の身に起こったことのうち最良のことなので、私は本当の母親に赤ん坊を譲り渡すことは想像できません。)」
応答1402が表わす応答は以下のとおりである。「Marital therapists advise on dealing with a child being born from an affair as follows. One option is for the husband to avoid contact but just have the basic legal and financial commitments. Another option is to have the wife fully involved and have the baby fully integrated into the family just like a child from a previous marriage.(結婚に関するセラピストは、ある情事から生まれてきた子供への対処について以下のように助言しています。1つのオプションは、夫との接触を避けて、基本的な法的および財政的義務だけを果たさせることです。別のオプションは、妻に十分に関与させて、赤ん坊を前の結婚からできた子供のように家族に完全に溶け込ませることです)」。
図14は、テキストのパラグラフについての言語情報を表わすための貪欲なアプローチを表わす。このグラフの真っ直ぐなエッジは構文関係であり、湾曲した円弧は、前方照応、同じエンティティ、サブエンティティ、修辞関係およびコミュニケーション行動などの談話関係である。実線の円弧は、同じエンティティ/サブエンティティ/前方照応関係についてのものであり、点線の円弧は修辞関係およびコミュニケーション行動についてのものである。真っ直ぐなエッジにある楕円形のラベルは構文関係を示している。レンマはノードのための箱内に書かれており、レンマ形式はノードの右側に書かれている。
パース交錯1400は単なる個々のセンテンスについてのパースツリーの組合わせよりはるかに豊富な情報を含んでいる。構文関係についてのエッジおよび談話関係についての円弧に沿ったこのグラフによるナビゲーションは、他のパース交錯と一致させてテキスト類似性評価タスクを実行するために所与のパース交錯を意味論的に等価な形式に変換することを可能にする。パラグラフの完全な形式上の表現を形成するために、可能な限り多くのリンクが表わされる。談話円弧の各々は、潜在的な一致になり得るパースフレーズのペアを生成する。
シード(要求)と応答との間のトピックの類似性はパース交錯の共通のサブグラフとして表わされる。これらは接続されたクラウドとして視覚化される。共通のグラフノードの数が多ければ多いほど、類似性は高くなる。修辞学的合致については、共通のサブグラフは、所与のテキストにある場合には、大きくする必要がない。しかしながら、シードおよび応答の修辞関係およびコミュニケーション行動が相互に関連付けられて、対応関係が必要となる。
コミュニケーション行動についての一般化
2つのコミュニケーション行動A1とA2との間の類似性は、A1とA2との間で共通である特徴を所有する抽象動詞として規定される。2つの動詞の類似性を抽象動詞のような構造として定義することによって、修辞学的合致の評価などの帰納的学習タスクがサポートされる。一例においては、agree(合致する)およびdisagree(合致しない)という共通の2つの動詞間の類似性を以下のように一般化することができる。agree ^ disagree =verb(Interlocutor, Proposed_action, Speaker)。この場合、Interlocutor(対話)は、Proposed_actionをSpeaker(話し手)に提案した人であって、この人に対してSpeakerが自身の応答を伝えている。さらに、proposed_actionは、要求または提案を受諾するかまたは拒絶する場合にSpeakerが実行するであろう行動であり、Speakerは、特定の行動が提案された対象の人であって、なされた要求または提案に応える人である。
さらに別の例においては、agree(合致する)とexplain(説明する)という動詞間の類似性は以下のとおりとなる:agree ^ explain = verb(Interlocutor, *, Speaker)。コミュニケーション行動の主題はコミュニケーション行動の文脈において一般化されているが、他の「物理的な」行動では一般化されない。したがって、態様は、対応する主題とともにコミュニケーション行動の個々の発生を一般化する。
くわえて、ダイアログを表わすコミュニケーション行動のシーケンスは、同様のダイアログの他のこのようなシーケンスと比較することができる。このような態様で、ダイアログの動的な談話構造と同様に個々のコミュニケーション行動の意味も(修辞関係によって反映されるその静的構造とは対照的に)表現される。一般化は各レベルで起こる複合的な構造的表現である。コミュニケーション行動のレンマは、レンマで一般化されており、その意味的役割はそれぞれの意味的役割で一般化されている。
コミュニケーション行動は、ダイアログまたは対立の構造を示すために、テキストの著者によって用いられる。Searle, J. R.(1969)による「Speech acts: an essay in the philosophy of language」(Cambridge University Press)を参照されたい。主題は、これらの行動の文脈において一般化されており、他の「物理的な」行動では一般化されない。したがって、コミュニケーション行動の個々の出現は、それらの主題およびそれらのペアでも談話「ステップ」として一般化される。
VerbNetなどの動詞フレームと一致させる観点からも、コミュニケーション行動の一般化について考察することができる。コミュニケーション用リンクは、テキストにおける単一のエージェントよりも、参加(または言及)により関連付けられた談話構造を反映している。リンクは、コミュニケーション行動についての単語(人の伝達意図を暗示的に示す動詞または多数の単語)を接続するシーケンスを形成する。
コミュニケーション行動は、行動者と、それら行動者に対して働きかける1つ以上のエージェントと、この行動の特徴を記述するフレーズとを含む。コミュニケーション行動は、形式の機能として記載することができる:動詞(エージェント、主題、原因)。この場合、動詞は、関与するエージェント同士の間における何らかのタイプの対話(たとえば、explain(説明する)、confirm(確認する)、remind(思い出させる)、disagree(合致しない)、deny(否定する)など)を特徴付ける。主題は、伝えられた情報または記載された目的語を指す。原因は、主題についての動機づけまたは説明を指す。
シナリオ(ラベル付きの有向グラフ)は、パース交錯G=(V,A)のサブグラフである。この場合、V={action1、action2、…actionn}は、コミュニケーション行動に対応する頂点の有限集合であり、Aは、以下のように分類されるラベル付きの円弧(順序付けされた頂点のペア)の有限集合である。
各々の円弧actioni、actionj∈Asequenceは、同じ主題(たとえばsj=siまたはさまざまな主題)を参照する2つの行動vi、agi、si、ciおよびvj、agj、sj、cjに対応している。各々の円弧actioni、actionj∈Acauseは、actioniの原因がactionjの主題または原因と対立していることを示すactioniとactionjとの攻撃関係に対応している。
エージェント同士の間の対話のシナリオに関連付けられたパース交錯のサブグラフはいくつかの顕著な特徴を有する。たとえば、(1)すべての頂点は時間で順序づけられており、このため、(最初の頂点および終端の頂点を除いた)すべての頂点には1つの入来する円弧および1つの外向き円弧が存在する。(2)Asequenceの円弧の場合、最大でも1つの入来する円弧および1つの外向き円弧だけが許容される。(3)Acause円弧の場合、入来する多くの円弧だけでなく、所与の頂点からの多くの外向き円弧も存在し得る。関与する頂点は、異なるエージェントまたは同じエージェント(つまりこのエージェントが自分自身と矛盾している場合)に関連付けられてもよい。パース交錯とそれらのコミュニケーション行動との間の類似性を演算するために、誘導されたサブグラフ、円弧の同様のラベルと同じ構成を有するサブグラフおよび頂点の厳密な対応関係が分析される。
以下の類似性は、パース交錯のコミュニケーション行動の円弧を分析することによって存在する。(1)T2からの主題付き別のコミュニケーション行動に対する、T1からの主題付き1つのコミュニケーション行動(コミュニケーション行動の円弧は用いられない)、および、(2)T2からの別のペアのコミュニケーション行動と比較される、T1からの主題付きの1ペアのコミュニケーション行動(コミュニケーション行動の円弧が用いられる)。
2つの異なるコミュニケーション行動の一般化はそれらの属性に基づいている。Galitsky他(2013)を参照されたい。図14に関連付けて説明した例から分かるように、T1からの1つのコミュニケーション行動、すなわちcheating(husband, wife, another lady)は、T2からの第2のコミュニケーション行動、すなわちavoid(husband,contact(husband, another lady)と比較することができる。一般化の結果、communicative_action(husband,*)となり、これにより、所与のエージェント(= husband)がQにおいてCAの主題として言及される場合に、彼(彼女)がAにおける(場合によっては別の)CAの主題でもあるべきという形式の制約がAに対して導入される。2つのコミュニケーション行動は常に一般化することができるが、これはそれらの主題の場合には該当しない。それらの一般化の結果が空である場合、これらの主題を備えたコミュニケーション行動の一般化の結果も空となる。
RST関係の一般化
談話ツリー同士の間のいくつかの関係は一般化することができ、同じタイプの関係(対照などの表示関係、条件などの主題関係、およびリストなどの多核の関係)を表わす円弧などは一般化することができる。核または核によって示される状況は、「N」によって示される。衛星または衛星によって示される状況は、「S」によって示される。「W」は書き手を示す。「R」は読み手(聞き手)を示す。状況は、提案、完了した行動または進行中の行動、ならびにコミュニケーション行動および状態(beliefs(信念)、desires(要望)、approve(承認する)、explain(説明する)、reconcile(和解させる)などを含む)である。上述のパラメータによる2つのRST関係の一般化は以下のように表わされる:
rst1(N1,S1,W1,R1) ^ rst2(N2,S2,W2,R2)=(rst1 ^ rst2)(N1 ^ N2,S1 ^ S2,W1 ^ W2,R1 ^ R2).
N1、S1、W1、R1におけるテキストはフレーズとして一般化される。たとえば、rst1 ^ rst2は以下のように一般化することができる。(1)relation_type(rst1)!= relation_type(rst2)である場合、一般化は空である。(2)その他の場合には、修辞関係のシグネチャがセンテンスとして一般化される。
sentence(N1,S1,W1,R1) ^ sentence(N2,S2,W2,R2)
Iruskieta、Mikel、Iria da CunhaおよびMaite Taboadaによる「A qualitative comparison method for rhetorical structures: identifying different discourse structures in multilingual corpora」(Lang Resources & Evaluation. June 2015, Volume 49, Issue 2)を参照されたい。
たとえば、the meaning of rst-background ^ rst-enablement= (S increases the ability of R to comprehend an element in N) ^ (R comprehending S increases the ability of R to perform the action in N) = increase-VB the-DT ability-NN of-IN R-NN to-IN。
また、rst-background ^ rst-enablementの関係はさまざまであるので、RST関係部分は空である。次いで、それぞれのRST関係の動詞的定義である表現が一般化される。たとえば、各々の単語ごとに、またはエージェントなどの単語についてのプレースホルダに関して、この単語(そのPOSを備える)は、その単語が各々の入力されたフレーズにおいて同じであれば保持され、その単語がこれらのフレーズ間で異なっていればその単語を除外する。結果として生ずる表現は、形式的に取得される2つの異なるRST関係の定義間で共通の意味として解釈することができる。
図14に示される質問と回答との間の2つの円弧が、RST関係「RST-対比」に基づいた一般化インスタンスを示す。たとえば、「I just had a baby」は、「it does not look like me」とのRST-対比であり、さらには、「have the basic legal and financial commitments」とのRST-対比である「husband to avoid contact」に関連している。上記から分かるように、回答は、質問の動詞句に類似している必要はないが、質問および回答の修辞構造は類似している。回答内のすべてのフレーズが必ずしも質問におけるフレーズと一致するとは限らない。たとえば、一致しないフレーズは、質問におけるフレーズに関連する回答内のフレーズとの特定の修辞関係を有している。
コミュニケーション用談話ツリーの構築
図15は、一態様に係る、コミュニケーション用談話ツリーを構築するための例示的なプロセスを示す。アプリケーション122は、プロセス1500を実現することができる。上述のように、コミュニケーション用談話ツリーは、改善された検索エンジン結果を可能にする。
ブロック1501において、プロセス1500は、フラグメントを含むセンテンスにアクセスするステップを含む。少なくとも1つのフラグメントは動詞および複数の単語を含む。各々の単語は、フラグメント内における複数の単語の役割を含む。各々のフラグメントは、基本談話単位である。たとえば、アプリケーション122は、図13に関連付けて記載されるように、「Rebels, the self-proclaimed Donetsk People's Republic, deny that they controlled the territory from which the missile was allegedly fired(反体制派(自称ドネツク人民共和国)は、ミサイルが発射されたとされる地域を支配していることを否定している。)」などのセンテンスにアクセスする。
上述の例を続けると、アプリケーション122は、センテンスがいくつかのフラグメントを含んでいると判断する。たとえば、第1のフラグメントは、「Rebels, …, deny」である。第2のフラグメントは、「that they controlled the territory」である。第3のフラグメントは、「from which the missile was allegedly fired」である。各々のフラグメントは、動詞(たとえば、第1のフラグメントの場合「deny」、および第2のフラグメントの場合「controlled」)を含んでいる。ただし、フラグメントは動詞を含んでいる必要はない。
ブロック1502において、プロセス1500は、センテンスフラグメント間の修辞関係を表わす談話ツリーを生成するステップを含む。談話ツリーは複数ノードを含む。各々の非終端ノードは、センテンスフラグメントのうちの2つのセンテンスフラグメント間の修辞関係を表わし、談話ツリーの複数ノードのうちの各終端ノードはセンテンスフラグメントのうちの1つに関連付けられている。
上述の例を続けると、アプリケーション122は図13に示されるような談話ツリーを生成する。たとえば、第3のフラグメントである「from which the missile was allegedly fired」は、「that they controlled the territory」を詳述している。第2のフラグメントおよび第3のフラグメントはともに、起こった(すなわち、反乱分子が領域を制圧していないのでその攻撃は反乱分子ではあり得なかった)ことの属性に関係している。
ブロック1503において、プロセス1500は、多数の動詞シグネチャにアクセスするステップを含む。たとえば、アプリケーション122は、たとえばVerbNetから動詞のリストにアクセスする。各々の動詞は、フラグメントの動詞と一致するかまたはフラグメントの動詞と関係がある。たとえば、第1のフラグメントの場合、動詞は「deny」である。したがって、アプリケーション122は、動詞「deny」に関係のある動詞シグネチャのリストにアクセスする。
上述のとおり、各々の動詞シグネチャは、フラグメントの動詞および主題役割の1つ以上を含んでいる。たとえば、シグネチャは、名詞句(NP)、名詞(N)、コミュニケーション行動(V)、動詞句(VP)または副詞(ADV)のうちの1つ以上を含む。主題役割は、動詞と関連する単語との関係を記述している。たとえば、「The teacher amused the children」は、「small children amuse quickly」とは異なるシグネチャを有する。第1のフラグメントである動詞「deny」の場合、アプリケーション122は、フレームのリスト、または、「deny」に一致する動詞についての動詞シグネチャにアクセスする。リストは「NP V NP to be NP」、「NP V that S」、および「NP V NP」である。
各々の動詞シグネチャは主題役割を含む。主題役割は、センテンスフラグメントにおける動詞の役割を指している。アプリケーション122は、各々の動詞シグネチャにおける主題役割を判断する。例示的な主題役割は、「actor」(行動者)、「agent」(エージェント)、「asset」(アセット)、「attribute」(属性)、「beneficiary」(受益者)、「cause」(原因)、「location destination source」(位置宛先送信元)、「destination」(宛先)、「source」(源)、「location」(位置)、「experiencer」(経験者)、「extent」(程度)、「instrument」(器具)、「material and product」(材料および製品)、「material」(材料)、「product」(製品)、「patient」(患者)、「predicate」(述語)、「recipient」(受取側)、「stimulus」(刺激)、「theme」(主題)、「time」(時間)または「topic」(トピック)を含む。
プロセス1500は、ブロック1504において、動詞シグネチャのうちの動詞シグネチャごとに、フラグメントにおける単語の役割と一致するそれぞれのシグネチャの主題役割の数を判断するステップを含む。第1のフラグメントの場合、アプリケーション122は、動詞「deny」が「agent」、「verb」および「theme」という3つの役割しか持たないと判断する。
プロセス1500は、ブロック1505において、最多数の一致を有する特定の動詞シグネチャに基づいて動詞シグネチャから特定の動詞シグネチャを選択するステップを含む。たとえば、図13を再び参照すると、第1のフラグメントである「the rebels deny that they controlled the territory」における「deny」は、動詞シグネチャdeny「NP V NP」に一致しており、「control」はcontrol(rebels, territory)に一致している。動詞シグネチャは入れ子状にされており、結果として、「deny(rebel, control(rebel, territory))」という入れ子状にされたシグネチャが得られる。
要求・応答の表現
要求・応答ペアは、単独でまたはペアとして分析することができる。一例において、要求・応答ペアをつなぎ合わせることができる。つなぎ合わせの際に、修辞学的合致は、連続するメンバー間だけでなく、3つのメンバー間および4タプルのメンバー間でも保持されると予想される。談話ツリーは要求・応答ペアのシーケンスを表すテキストのために構築することができる。たとえば、顧客苦情のドメインにおいては、要求および応答は、苦情を申し立てた顧客の観点から見て同じテキスト内にある。顧客苦情テキストは、要求および応答テキスト部分に分割することができ、次いで、肯定的なデータセットおよび否定的なデータセットのペアを形成することができる。一例においては、支持者についてのすべてのテキストおよび相手方についてのすべてのテキストが組合わされる。以下の各パラグラフのうちの第1のセンテンスは(3つのセンテンスを含むであろう)要求部分を形成することとなり、各パラグラフの第2のセンテンスは、(この例においては3つのセンテンスを含むであろう)応答部分を形成することとなる。
テキストからのオントロジーの構築
特定の態様は、談話ツリーおよび/またはコミュニケーション用談話ツリー(CDT)を使用したオントロジー構築に関する。さらに、このような技術は、オントロジーエントリのための関連テキストおよび/またはテキスト内のエンティティの抽出を改善することができる。オントロジーが改善されると、検索システムなどのダウンストリームアプリケーションのダウンストリーム性能が向上する。
医療記録は、患者の治療に関する情報およびデータの最も貴重な情報源の1つである可能性がある。このような記録には、適格基準、診断結果の要約、処方された薬剤などの重要な項目が含まれており、これらは通常、構造化されていないフリーテキストで記録されている。医療記録から医療情報または臨床情報を抽出することは、特に電子カルテの導入に伴い、重要な課題となっている。これらの記録は通常、テキスト文書として格納され、患者の治療に関するより良い意思決定に不可欠な貴重な非構造化情報を含む。これらの臨床記録から抽出できる3つの主な要素は、エンティティ、属性、および関連関係である。
非構造化テキスト中の医療エンティティの自動認識は、生物医学情報検索システムの重要な構成要素である。応用例として、電子カルテの非構造化テキストの分析、および生物医学文献からの知識発見がある。多くの医療用語はオントロジーとして構造化され、エンティティ間の関係が追加され、用語ごとに複数の同義語が含まれることが多い。
テキストから自動的に抽出されるオントロジーの品質および整合性は、意思決定支援システム(Decision Support System:DSS)の精度を決定する。簡潔でロバストかつ完全なオントロジーを構築するボトルネックは、文書の信頼性があり、かつ権威ある部分からオントロジーエントリを抽出するメカニズムがないことが原因である。オントロジーを構築するには、テキストの中心点を表現する信頼性の高いテキストフラグメントを使用する。さらに、付加的なコメント、説明、例、インスタンス、およびその他のテキストの重要でない部分からエントリを構築することは避けられる。開示された技術では、談話分析(要約のようなタスクに有用であることが証明されている)を使用して、オントロジーエントリを生成する談話ユニットが選択される。
通常、検索される情報は、関係によって結合されたエンティティのセットである。この形式で提示される情報は、多くの用途(生物医学テキストのマイニング、オントロジー学習、および質問応答)に有用である。オントロジーは、意味のある情報を呼び出すために、関係情報としてラベル付けされた用語間のエッジを有する用語のセットとして、知識を構造化する。オントロジーは、ウェブ上で意味のある情報を提供することを目的とするセマンティックウェブの概念のバックボーンとして機能する。オントロジーは、オントロジーの開発またはポピュレーション(オントロジーの学習およびポピュレーションとも呼ばれる)という点で、情報抽出の恩恵を受けることができる。
談話技術は、オントロジーの開発または既存のオントロジーの改善に使用できる。談話は一般に文のシーケンスを含むが、談話は単一の文の中にも見出すことができ、たとえば、行動、結果状態およびイベントなどの偶発性の接続されたシーケンスである。談話の文によって形成されるパターンは、談話の別々の部分の合計よりも付加的な情報を提供する。たとえば、「Don’t worry about the water source exhausting today. It is already tomorrow in some parts of the Earth.(今日、水源が枯渇する心配はない。地球の一部ではすでに明日になっている。)」という例の各文は、単純な表明である。第2の文は、Reason for not worrying(心配しない理由)という修辞関係で、第1の文と接続されている。
談話分析では、言語特徴を活用することで、話し手が自分が行っていることを指定することができる:
1)以前にも同じ談話で話したことについて話している;
2)談話で提示された状態、イベント、信念などの間に成り立つ関係を示している;または、
3)新しいトピックに変更している、または談話の前のトピックを再開している。
談話で提示された状態、イベント、信念などの間に成り立つ関係を話し手が指定できる言語機能には、「Birds have wings. As a result, they can fly unless they are too heavy and wings cannot support their weight.(鳥には翼がある。その結果、重すぎて翼が体重を支えられない限り、鳥は飛ぶことができる。)」におけるように、「until(~まで)」または「unless(~しない限り)」などの従属接続詞および「as a result(その結果)」などの談話副詞がある。談話における言語特徴もまた、話し手に、新しいトピックへの変更または以前のトピックの再開を指定する機会(手がかり句または境界素性と呼ばれるものを含む)を与える。
談話は、
1)個々の文章が、相互の関係を通じて、その文章以上のものを伝えている;
または、
2)談話をより理解しやすくする言語の特別な機能を活用する、
文のシーケンスと関連付けることができる。
談話はトピックによって構造化することができ、各トピックは、エンティティのセットと、それらについて語られる限定された範囲のものとから構成される。トピック構造は、学校の教科書、百科事典、および参考書などに見られる説明的なテキストにおいて一般的である。トピックは、そのトピックが扱う問題によって特徴付けられる。各トピックは、トピックごとに変わる可能性がある(変わる必要はない)エンティティのセットを含む。ここでは、エンティティは、グライダー;次にグライダー、そのパイロット、および乗客;次にグライダーおよびその推進手段;次にグライダーおよびその発射機構、で構成される。この構造の態様は、エンティティチェーンとしてモデル化されている。
エンティティチェーンには、同じエンティティを参照する表現のシーケンスが含まれる。たとえば、インフルエンザに関するテキストには、インフルエンザ→ウイルス→ビタミン→その人たち→より多くの水分を摂る→高熱、という複数のエンティティチェーンがある。エンティティチェーンのシーケンスが終了して別のセットが開始する場所は、談話が1つのトピック指向のセグメントから別のセグメントに移動したことを示す指標として使用できる。これは、テキストからオントロジーを形成するプロセスにおけるタプル抽出ロジックに有用である。
談話ユニットの中には、オントロジーエントリの価値が他の談話ユニットよりも高いものがある。たとえば、「I went to see a pulmonologist, because I suspected tuberculosis, as my mom asked me to do.(母に頼まれたので、結核の疑いがあるため、肺の専門医に診てもらいに行った」)という文について考える。
図16は、本開示の一態様に係る、テキストから論理節を抽出する例を示す。図16は、関係1630および1640によってリンクされる談話ツリー1610および抽象的意味表現(Abstract Meaning Representation:AMR)ツリー1620を示す。
談話ツリー1610は、「I went to see a pulmonologist because I suspected tuberculosis as my mom asked me to do.」というテキストを表している。談話ツリー1620は、基本談話単位1612(「I went to see a pulmonologist」)、基本談話単位1614(「because I suspected tuberculosis」)、および基本談話単位1616(「as my mom asked me to do」)を含む。
文の最初の部分「I went to see a pulmonologist because I suspected tuberculosis」は有用であるが、文の2番目の部分「as my mom asked me to do」は有用ではない。したがって、オントロジーを形成する際には、文の最初の部分が使われることになる。核である基本談話単位は、文のうちより有用な部分を示すことができる。
AMRツリー1620は、部分1620と部分1622との2つの部分を含む。部分1620は基本談話単位1612および1614に対応し、部分1622は基本談話単位1616に対応する。部分1624は、基本談話単位1616に対応する。
論理節は、テキストから表明を抽出して形式化するための信頼できるヒントになり得る。部分1620は、オントロジーエントリの候補として抽出される。フレーズ間に明示的な論理的接続がある限り、これらの接続はオントロジーに取り込むべきである。逆に、部分1622のような無関係な状況または事実は含めるべきでない。以下のような論理節が抽出される:
Figure 2024502357000004
図17は、本開示の一態様に係る、エンティティ関係図の例を示す。エンティティ関係図は、テキスト内の、オントロジー内の、またはデータベースに格納されたエンティティ間の関係を示す。ここでいうエンティティとは、オブジェクトであり、データの構成要素である。図17は、エンティティ関係図1710,1720,1730および1740を示す。図17は、「Oxygen saturation refers to the amount of oxygen that’s in your bloodstream. The body requires a specific amount of oxygen in your blood to function properly. The normal range of oxygen saturation for adults is 94 to 99 percent. However, if your oxygen saturation level is below 90 percent, you will likely require supplemental oxygen, which is prescribed by your primary care doctor or pulmonologist.(酸素飽和度とは、血流に含まれる酸素の量のことである。身体が適切に機能するためには、血液中に特定の量の酸素が必要である。成人の酸素飽和度の正常範囲は94~99%である。しかしながら、酸素飽和度が90パーセントを下回る場合は、主治医または肺専門医が処方する補助酸素が必要になる可能性が高い。)」というテキストに対応する。
ここから分かるように、エンティティ関係図1710は、「Oxygen saturation refers to the amount of oxygen that’s in your bloodstream.」というテキストに対応する。エンティティ関係図1720は、「The body requires a specific amount of oxygen in your blood to function properly.」というテキストに対応する。エンティティ関係図1730は、「The normal range of oxygen saturation for adults is 94 to 99 percent.」というテキストに対応する。エンティティ関係図1740は、「However, if your oxygen saturation level is below 90 percent, you will likely require supplemental oxygen, which is prescribed by your primary care doctor or pulmonologist.」というテキストに対応する。
エンティティ関係図は、テキストから抽出される候補タプルのセットを提供することができる。タプルとは、正規形(フレーズから言語情報を除いたもの)の単語の順序付き集合である。したがって、タプルは、それが形成された文よりも長さが短くなる。たとえば、エンティティ関係図1710を再び参照すると、エンティティ「oxygen saturation」とエンティティ「amount of oxygen」とは、主語の関係で関連している。
談話ツリーの例を以下に示す。談話ツリーとは、どのテキストフラグメントが、オントロジーに記録されるべき、権威があり信頼性の高い関係のソース(下線で示す)であり、どのフラグメントがそうでないか(括弧[]で示す)の論理的ビューを提供することができる。
Figure 2024502357000005
詳述の下の談話ツリーに存在する定義句は、重要性が低く、情報量も少ない。たとえば、「Oxygen saturation refers to the amount of oxygen」および「that is in your bloodstream」という基本談話単位から、以下を得ることができる。
Figure 2024502357000006
しかしながら、これでは、飽和度と量との間に信頼性のない同義性を与えてしまう。用語「amount」は中心エンティティではない。この特定のケースでは、「saturation」は特定の用語であり、非常に広範な用語「amount」に関連付けられている。したがって、「amount」はあまりに一般的で、どのような値とも関連づけられるため、この用語はオントロジーエントリを形成すべきではない。談話分析によると、このリンクはオントロジーエントリにすべきではない。たとえば、テキストの外側で仮定もしくは説明されているエンティティまたは属性の定義は、所与のテキストから抽出すべきではない。あるテキストが確定申告の期間延長(extention of a tax return filing)に関するものである場合、オントロジーは「tax」と「extension of time」との間の関連は取得すべきであるが、想定可能であり、かつ場合によっては会計の入門書から抽出されたであろう「tax」と「return」との間の関連は取得すべきではない。
対照的に、オントロジーエントリを形成するためのより重要なフレーズは、詳述およびジョイント以外の非自明な関係のEDUで発生する:
Figure 2024502357000007
図18は、本開示の一態様に係る、エンティティグラフと談話ツリーとを示す。図18は、エンティティ関係グラフ1810と談話ツリー1820とを示す。
エンティティ関係グラフ1810は、「... about how you are taking the medication(...服薬方法について)」および「The application must be downloaded onto your smartphone before you start the medication(あなたは、服薬を開始する前に、スマートフォンにアプリケーションをダウンロードする必要があります。)」というフレーズのエンティティ内の関係を示す。より具体的には、「you」は、関係主語によって「are taking」に関連しており、この関係主語は、関係目的語によって「medication」に関連している。
談話ツリー1820は、「The tablets that contain a small sensor come with a patch that detects a signal from the tablet and a smartphone application to display information about how you are taking the medication. The application must be downloaded onto your smartphone before you start the medication. Apply your patch to the left side of the body above the lower edge of the rib cage only when prompted by the smartphone app instructions.(小型センサを搭載したタブレットには、タブレットからの信号を検出するパッチと、服薬状況に関する情報を表示するスマートフォンのアプリケーションとが付属しています。このアプリケーションは、服薬を開始する前にスマートフォンにダウンロードしておく必要があります。スマートフォンアプリの指示がある場合のみ、胸郭の下端上の左側にパッチを貼ってください。)」というテキストを表している。
点線で識別されるテキスト、たとえばテキスト1822,1824,1826および1828は、抽出された関係が有益であり、このテキストの中心トピックを表現する中心フレーズを示す。これとは対照的に、談話ツリー120の他のテキストは中心的なフレーズに付属しているときのみ有益であるため、この他のテキストは、エンティティ・タプルを生成すべきではないフレーズを含む。
談話ツリーでは、中心的なフレーズtablet-contain-sensorは、詳述の最上位修辞関係の核EDUに対応する。このフレーズは、このテキストの中心的なトピックであるtabletと、その述語および目的語/属性「contain a small sensor」とについて述べている。主エンティティノード「The tablets」に関連付けられた他の重要なフレーズは、「to display information about how you are taking the medication」である。
衛星EDUは、スタンドアロン・モードでは適切に解釈できないフレーズを含む。「Come with a patch that detects a signal」は、タブレットの文脈で解釈されなければならない。そうでなければ、仮想的なオントロジーエントリであるdetect(patch, signal)はあまりにも一般的であり、必ずしもそれだけでは成立しない。整合性のあるオントロジーは、この表現から一般化すべきではない。核EDUはそれ自体で解釈可能であり、オントロジーエントリを形成することができるが、衛星EDUはオントロジーエントリを形成すべきではない。
最後に、以下のオントロジーエントリを抽出することができる:
Figure 2024502357000008
イベントに注釈を付けることができる。たとえば、物理的エンティティの状態または特性の変化として定義される生物医学的イベントを示す表現に注釈を付けることができる。
図19は、本開示の一態様に係る、イベント注釈の例を示す。図19は、「原因」または「主題」などのイベントで注釈付けされたエンティティグラフ1900を示す。イベントは、エンティティ間の相互作用である。一般的な領域では、イベントは、事前条件と結果条件とを有する状態のシーケンスとして、イベント微積分によって形式化される。イベントの例として、化学反応、タンパク質間の相互作用、タンパク質とDNAとの間の相互作用、またはエンティティ間のその他のあらゆる種類の相互作用が挙げられる。
イベント注釈は、特定の役割(主題、原因など)にある任意の数のエンティティのテキスト結合関連である。注釈タグは、修辞関係と重複することがある。
エンティティグラフ1900は、「The binding of I kappa B/MAD-3 to NF-kappa B p65 is sufficient to retarget NF-kappa B p65 from the nucleus to the cytoplasm(NF-kappa B p65へのI kappa B/MAD-3の結合は、NF-kappa B p65を核から細胞質へリターゲットするのに十分である)」という文の注釈バージョンである。
図20は、本開示の一態様に係る、注釈の視覚化の例を示す。図20は、視覚化2010,2020,2030および2040を含み、これらは一緒に、図19にも示されている「The binding of I kappa B/MAD-3 to NF-kappa B p65 is sufficient to retarget NF-kappa B p65 from the nucleus to the cytoplasm」という文の注釈を示す。
視覚化2020,2030および2040は、文に追加されたイベント注釈を表示する。元の文は、対応する注釈に属するテキストスパンを示すために、それらの各ボックスの内側に表示されている。生物学的エンティティは、用語注釈の際に以前に注釈されたものが表示される。たとえば、「I kappa B/MAD-3」および「NF-kappa B p65」は、タンパク質分子である。「Nucleus」および「cytoplasm」は、細胞の構成要素である。用語は、以下のように、属性と値とのペアのn個のタプルとして表現される:
・(Id: T36, Class: Protein_molecule, Name: I kappa B/ MAD-3)
・(Id: T37, Class: Protein_molecule, Name: NF-kappa B p65)
・(Id: T38, Class: Protein_molecule, Name: NF-kappa B p65)
・(Id: T39, Class: Cell_component, Name: nucleus)
・(Id: T40, Class: Cell_component, Name: cytoplasm)
最初のイベントE5は、T36(I kappa B/ MAD-3)とT37(NF-kappa B p65)との2つのエンティティの結合を表す。これは、結合イベントへの指示を示す。イベントの主題は、そのイベントによって特性が影響を受ける単数もしくは複数のエンティティによって埋められる属性またはスロットである。2番目のイベントE6は、タンパク質T38の局所化を表す。retargetおよび「to the cytoplasm」というテキスト表示はそれぞれ、イベントタイプとイベントに関連する場所に及ぶ主要な表現としてマークアップされる。最後のイベントE7は、E5とE6との間の因果関係である。すなわち、2つのタンパク質の結合イベント(E5)は、2つのタンパク質のうちの1つの局所化イベント(E6)の「原因となる(causes)」。この因果関係は、Positive_regulationタイプのイベントとして表現される。
調節は、厳密な生物学的意味での調節イベントよりも広い定義、たとえば、触媒作用、阻害、アップ/ダウン調節などを有している。イベント間の一般的な因果関係をコード化することができる。「is sufficient to(~に十分である)」という表現は、因果関係を表す構文的な手がかりとなる。
図21は、本開示の一態様に係る、抽象的意味表現グラフとイベント分類法とを示す。図21は、視覚化2000のための抽象的意味表現グラフ2110とイベント分類法2120とを示す。
イベント分類法2120は、オントロジーのエンティティを長方形のボックスで示し、イベントのエンティティを円で示す。矢印は、イベントと主題との間のリンクを示す。イベントと原因との間のリンクは、「Regulation(調節)」と「Binding(結合)」との間に存在する。イベントと場所との間のリンクは、「localization(局所化)」と「cytoplasm(細胞質)」との間に存在する。
フレーズ集約は、フレーズのリストを取り込み、同義フレーズと関連フレーズとをマージして、意味のあるオントロジーエントリを形成する。アグリゲータは、フレーズインスタンスの一般化によって得られるフレーズエンティティの階層構造を出力する。フレーズ集約は、フレーズフィルタおよびフレーズグルーパといった、複数の機能を含み得る。フレーズフィルタは、感情フィルタ、フレーズフィルタのタイプ(NP、VP)、フレーズ長さフィルタ(2~6語)、名詞エンティティフィルタ(固有名詞なし)、出現POSフィルタ(CDなし、PRPなしなど)、頻度分析フィルタ、禁止フレーズ(手動設定)フィルタ、フレーズ正規化フィルタなどを含み得る。フレーズグルーパには、先頭名詞句抽出器、フレーズ一般化器、フレーズ結合器、フレーズ集約器および分類器が含まれる。フレーズ集約では、一般句が得られる。
以下のフレーズフィルタリングルールを使用することができる:
1)名詞句、動詞句および前置詞句のみを抽出する;
2)感情を表すフレーズは、意見的な文脈で使われることがあるため、除外する;
3)名前エンティティは、プロパティ間で一般化できないため、除外される。ただし、affect/cure/drug-for/followed-byなどの健康領域特有の関係に関連する特定のタイプの固有名詞は含まれる;
4)数字および前置詞は除外する;
5)フレーズの長さには制限がある;
6)頻度が高すぎるフレーズおよび低すぎるフレーズは削除される;
7)冠詞で始まるフレーズは、短い場合は避ける;または
8)単語でないストリングはクリーニング/正規化される。
フレーズは、抽出されると、信頼できる反復インスタンスを得るためにクラスタ化され、集約される。一度しか出現しないフレーズは信頼性が低く、「ノイズ」とみなされる。たとえば、フレーズのリストから階層が形成される。
・インスリン依存性糖尿病
・成人発症依存性糖尿病
・インスリンがほぼ完全に欠乏した糖尿病
・インスリンがほぼ完全に欠乏し、遺伝性の要素が強い糖尿病
先頭名詞の抽出は、以下のように起こり得る。すなわち、2つのフレーズに同じ先頭名詞がある場合、それらのフレーズを1つのカテゴリに結合できる。カテゴリ内の2つのフレーズに、先頭名詞以外に共通する他の名詞または形容詞がある場合、これらの共通名詞からサブカテゴリが形成される。この点で、帰納法の認知的手順が採用されて、データサンプル間の共通性が見いだされ、糖尿病などの先頭名詞が保持される。
図22は、本開示の一態様に係る、階層を得るためのフレーズの集約を示す。フレーズの集約2200は、以下のクラス、サブクラス、およびサブサブクラスを示す:
糖尿病
メリタス(mellitus)
インスリン依存性
関係を抽出するのを助けるために、エンティティグリッドを使用する。首尾一貫性のあるテキストは、文を結合して全体として意味を表現する。すなわち、文の解釈は通常、隣接する文の意味に依存する。首尾一貫性のあるテキストを首尾一貫性のないテキストと区別できる首尾一貫性のあるモデルは、この性能を、テキスト生成、要約、首尾一貫性のあるスコアリングといった、幅広い用途に使用できる。首尾一貫性のあるモデルは、どのフレーズおよび文がオントロジーエントリの良いソースで、どのフレーズがそうでないかを見分けることができる。首尾一貫性は、修辞構造理論(RST)などのさまざまな談話モデルで測定される。RSTでは、首尾一貫性は、認識された修辞関係の平均信頼スコアとして測定することができる。他の談話理論では、首尾一貫性はエンティティの伝播として測定できる。エンティティがテキスト中に突然現れては消える場合、整合性のスコアは低い。
エンティティグリッドは、異なるエンティティの文法的役割が文ごとにどのように変化するかを捉えるグリッドによって、テキストを表現する。その後、グリッドは、局所的なエンティティの遷移の確率を含む特徴ベクトルに変換され、機械学習モデルが各エンティティの出現の重要度を学習することを可能にする。
図23は、本開示の一態様に係るエンティティグリッド行列を示す。図23は、エンティティグリッド行列2310と、その結果得られる文の注釈2320とを示す。図から分かるように、エンティティグリッド行列は、文s0~s3ごとに、エンティティを列に含む。関係によって接続されたオブジェクトの最も完全なタプルを抽出することが望ましい。行列は、以下のように、s0,s1,s2およびs3の4つの文を参照する:
s0:Eaton Corp. said it sold its Pacific Sierra Research unit to a company formed by employees of that unit.(イートン社は、パシフィック・シエラ研究部門を同部門の従業員によって設立された会社に売却したと発表した。)
s1:Terms were not disclosed.(条件は非公開である。)
s2:Pacific Sierra, based in Los Angeles, has 200 employees and supplies professional services and advanced products to industry.(ロサンゼルスを拠点とするパシフィック・シエラは、200人の従業員を擁し、専門的なサービスおよび先進的な製品を産業界に供給している。)
s3:Eaton is an automotive parts, controls and aerospace electronics concern.(イートンは、自動車部品、制御機器、および航空宇宙エレクトロニクスの会社である。)
文ごとに、エンティティが主語の場合は「S」、目的語の場合は「O」、他の種類のエンティティの場合は「X」、何もない場合は「-」で、所与のエンティティが選択される。したがって、文s0の場合、文中に「company(会社)」が存在するので、「company」がマークされる。
文の注釈2320には、「Eaton(イートン)」および「Pacific Sierra Research(パシフィック・シエラ研究)」へのさまざまな言及を、エンティティの一種である組織としてマークすることが含まれている。
以下のタプルが抽出される:
Figure 2024502357000009
図24Aおよび図24Bを含む図24は、本開示の一態様に係る構文木を示す。図24は、構文木2410,2420,2430および2440を含む。構文木は、図23で参照された文s0,s1,s2およびs3に対応する。
構文木2410は、「Eaton Corp. said it sold its Pacific Sierra Research unit to a company formed by employees of that unit.」というテキストを表す。構文木2420は、「Terms were not disclosed.」というテキストを表す。構文木2430は、「Pacific Sierra, based in Los Angeles, has 200 employees and supplies professional services and advanced products to industry.」というテキストを表す。構文木2440は、「Eaton is an automotive parts, controls and aerospace electronics concern.」というテキストを表す。
図25は、本開示の一態様に係るエンティティ関係グラフを示す。図25は、図23および図24で参照された文s0,s1,s2およびs3のエンティティ関係グラフ2500を示す。
図26は、本開示の一態様に係る、追加のエンティティ関係グラフを示す。図26は、文s3内のエンティティを示すエンティティ関係グラフ2600を示す。エンティティ関係グラフ2500と比較して、エンティティ関係グラフ2600はさらに、組織タイプなどの詳細で注釈が付けられる。
図27は、本発明の一態様に係る談話ツリーを示す。談話ツリー2700は、前述の図23~図25に関して説明したテキストに対応する。
図28は、本開示の一態様に係る、オントロジーを強化するための例示的なプロセス2800を示すフローチャートである。プロセス2800は、アプリケーション122によって実現され得る。
プロセス2800は、ブロック2801において、フラグメントを含むテキストから、フラグメント間の修辞関係を表す談話ツリーを生成することを含む。談話ツリーはノードを含み、各非終端ノードは、フラグメントの2つのフラグメント間の修辞関係を表し、談話ツリーのノードの各終端ノードは、フラグメントのうちの1つに関連付けられる。プロセス2800は、ブロック2801において、プロセス1500のブロック1501および1502と実質的に同様の動作を含む。
場合によっては、ブロック2801において、コミュニケーション用談話ツリー(CDT)が生成される。その場合、プロセス2800は、プロセス1500のブロック1501~1505と実質的に同様の動作を含む。場合によっては、CDTは、談話ツリーだけの能力を超えて、プロセス2800で実行される動作を通知することができる。たとえば、ブロック2801で生成されたCDTのコミュニケーション動作は、対応する基本談話ユニットの主語を形成することができる。たとえば、「she told me the sky is blue(彼女は、空が青いと言った)」という文の主語「she(彼女)」は、対応するコミュニケーション行動によって重要であることを識別することができる。そこから、伝統的に情報量が少ないと見なされてきた衛星基本談話単位の主語であっても、実際には有益であることを示すことができる。この点で、コミュニケーション動作は、核EDUのみからテキストを抽出するという従来の見方に優先し得る。
プロセス2800に戻り、プロセス2800は、ブロック2802において、談話ツリーから、(i)詳述タイプの修辞関係に関連付けられ、かつ(ii)テキストの中心エンティティを識別するトピックノードに対応する中心エンティティを識別することを含む。トピックノードは、談話ツリー(またはコミュニケーション用談話ツリー)から識別される。トピックを識別するために、アプリケーション122は、ツリーの終端ノードのノードごとに、ルートノードからのそれぞれのパス長を計算する。図27に示されているように、ルートノードは最初の「詳述」ノードである。
例を続けると、アプリケーション122は、パス長のうちパスの最小長であるパス長を有するノードを識別することによって、終端ノードからトピックノードを識別する。次に、アプリケーション122は、トピックノードに関連付けられた、核である基本談話単位から名詞句を抽出することによって、トピックノードから談話ツリーのトピックを決定する。名詞句は中心エンティティである。
図27を再び参照して、中心エンティティの一例は「Eaton Corp.」である。この中心エンティティは、基本談話単位「Eaton Corp. said」に見出すことができる。別の例では、「sky is blue(空は青い)」というテキストの場合、中心エンティティは「sky(空)」として識別される。
プロセス2800は、ブロック2803において、談話ツリーから、中心エンティティに関連付けられた基本談話ユニットのサブセットを決定することを含む。談話ツリーは、中心エンティティに関連付けられた1つ以上の基本談話ユニットを有し得る。
基本談話単位と中心エンティティとの関連を決定することは、核タイプに関連付けられ、非自明な修辞関係に関連付けられた基本談話単位のテキスト分析を含み得る。非自明な関係の例とは、詳述タイプでもジョイントタイプでもない関係である。たとえば、アプリケーション122は、談話ツリーから、(i)核タイプであり、かつ(ii)既定の関係ではない、たとえば、「詳述」もしくは「ジョイント」タイプではない修辞関係に関連付けられた、またはそれに結合された基本談話単位を識別する。
図27を再び参照して、核タイプの基本談話単位には、「It sold its Pacific Sierra...」、「Pacific Sierra...」および「Eaton is an automotive parts ... 」が含まれる。
プロセス2800は、ブロック2804において、基本談話単位のサブセットに関連付けられたテキストにおいて、基本談話単位のサブセット内の基本談話単位のうちの2つ以上の基本談話単位に共通する1つ以上の要素を特定することを含む。共通要素を特定することは、一般化を含み得る。
同じ品詞(part of speech:POS)の2つの単語の場合、それらの一般化は、POSを有する同じ単語である。2つの単語のレンマ(lemmas)について品詞が異なる場合、POSは同じだが、POSは結果に残る。レンマが同じだがPOSが異なる場合、レンマは結果に残る。レンマは、関連する品詞情報を含まない単語を表す。
この概念を説明するために、2つの自然言語表現の例を考える。各表現の意味は論理式で表される。これらの式の統合および反統合が構築される。いくつかの単語(エンティティ)は述語にマッピングされ、いくつかの単語はそれらの論証にマッピングされ、他のいくつかの単語は論理形式表現において明示的には生じないが、論証をともなう述語の上記のインスタンス化を示す。
以下の2つのセンテンス「camera with digital zoom(デジタルズーム付きカメラ)」および「camera with zoom for beginners(初心者用ズーム付きカメラ)」について考える。意味を表現するために、以下の論理述語が用いられる:
camera(name_of_feature, type_of_users) および
zoom(type_of_zoom)。
これは、単純化された例であり、したがって、より典型的な例と比較して、低減された数の論証を有し得ることに留意されたい。例を続けると、上記の表現は、以下のように表すことができる:
camera(zoom(digital), AnyUser),
camera(zoom(AnyZoom), beginner)
表記法によれば、変数(NL表現に指定されていない非エンティティ化値)が大文字で始められている。上記の式の対を仮定すると、統合は、それらの最も一般的な特殊化camera(zoom(digital), beginner)を計算し、反統合は、それらの最も具体的な一般化camera(zoom(AnyZoom), AnyUser)を計算する。
構文レベルでは、これらの表現は、{NN-camera, PRP-with, [digital], NN-zoom [for beginners]}として2つの名詞句の一般化(‘^’) を受ける。角括弧内の表現は、一方の表現には生ずるが、他方には生じないため、除去される。結果として、意味的一般化の構文的アナログである、obtain{NN-camera, PRP-with, NN-zoom]}が得られる。
抽象的一般化の目的は、テキストの部分間の共通性を様々な意味的レベルで見つけることである。一般化操作は、1つ以上のレベルで行われる。レベルの例は、パラグラフレベル、センテンスレベル、フレーズレベル、および単語レベルである。
各レベル(単語レベルを除く)、個々の単語において、2つの表現の一般化の結果は、表現のセットである。そのようなセットでは、一方が他方よりも一般的でないような表現の各ペアについて、後者は排除される。2セットの表現の一般化は、これらの表現のペア的一般化の結果であるセットのうちのあるセットである。
1対の単語に対して、1つの一般化のみが存在する:単語が同じ形式で同じである場合、結果は、この単語をこの形式で有するノードである。word2vecモデル(Mikolov et al.,2015)を伴うために、2つの異なる単語の一般化を計算するために、以下のルールが用いられる。subject1=subject2である場合、subject1^subject2 = <subject1, POS(subject1), 1>。そうではなく、それらが同じ品詞を有する場合、subject1^subject2 =<*,POS(subject1), word2vecDistance(subject1^subject2)>。品詞が異なる場合、一般化は空のタプルである。それをさらに一般化することはできない。
フレーズのペアについて、一般化は、単語の順序が保持されるように、フレーズ内の単語について、一般化ノードのすべての最大の順序付けられたセットを含む。以下の例では、
「To buy digital camera today, on Monday.(今日、月曜日にデジタルカメラを購
入するために。」
「Digital camera was a good buy today, first Monday of the month.(「デジタル
カメラは、今日、月の最初の月曜日のお買い得品であった。」)
一般化は、{<JJ-digital, NN-camera> ,<NN- today, ADV,Monday>} であり、名詞句の一般化の後に副詞句の一般化が続く。動詞 buy は、上記の句では異なる順序で出現するため、両方の一般化から除外される。Buy - digital - camera は、buy が他の汎化ノードと異なる順序で出現するため、汎化句ではない。
「movie from spain(スペインの映画)」
および「movie from italy(イタリアの映画)」
という別の例では、一般化は「movie from [COUNTRY]([国]の映画)」となり、
共通するものはすべて残り、異なるものはすべて削除される。
共通要素を削除する根拠は、信頼性を高めるために、複数のソースにおいて要素の位置を特定することが有用であるためである。したがって、共通要素のみが維持される。
プロセス2800は、ブロック2805において、1つ以上の構文テンプレートまたは意味テンプレートをそれぞれのフレーズに適用することによって、一般句からタプルを形成することを含む。テンプレートの例には以下が含まれる:
<drug_entity1> is a generic substitute for <drug entity2>(<drug_entity1>は<drug entity2>のジェネリック代替品である。)
<entity1> concentration is affected by dissolution of <entity 2>(<entity1>の濃度は<entity 2>の溶解の影響を受ける。)
<entity1> is a <class_of_entity>(<entity1>は<class_of_entity>である。)
上述したように、タプルは、言語情報を削除した正規形のフレーズである。正規形には、動詞が不定詞であり、名詞が主格単数形であることが含まれる。たとえば、「all skies are blue(空はすべて青い)」、「sky is blue(空は青い)」、および「sky has a blue color(空は青色である)」というテキストについて考える。これらのフレーズは、名詞-形容詞形のタプル「sky blue」で表現される。なお、各タプルは、フレーズと1対1で対応している。
プロセス2800は、ブロック2806において、複数のタプルのうちのタプルを、名詞句、動詞句、形容詞句、または前置詞句を含むタイプを有するものとして識別することを含む。
名詞句(NP)は、名詞の機能(動詞の主語、動詞または前置詞の目的語など)を有する構文要素(節など)である。文中の名詞句の例は「I found the owner of the dog(私は犬の飼い主を見付けた)」であり、「the owner of the dog(犬の飼い主)」は名詞句である。動詞句は、動詞と直接目的語または間接目的語(動詞の従属語)との両方を含む文「He appears on screen as an actor.(彼は俳優としてスクリーンに登場する。)」の一部である。形容詞句は、名詞または代名詞を説明する形容詞を先頭とする単語のグループである。形容詞句の例は「She is rather fond of skiing.(彼女はどちらかというとスキーが好きである。)」である。前置詞句は、前置詞とその目的語を含む修飾句「Before going home, go to the store.(帰宅する前に店に行って下さい)」である。
アプリケーション122は、テキストが名詞句、動詞句、形容詞句、または前置詞句を含むかどうかを識別できる。たとえば、テキストから構文木を形成することができる。品詞を識別する構文ツリーから、アプリケーション122はフレーズのタイプを決定できる。ツリーに動詞が含まれる場合、そのフレーズは動詞句である。フレーズが形容詞で始まる場合、そのフレーズは形容詞句である。フレーズが前置詞で始まる場合、そのフレーズは前置詞句である。それ以外の場合、フレーズは名詞句である。
場合によっては、機械学習技術を使用して、所与のフレーズが名詞句、動詞句、形容詞句、または前置詞句であるかを判定することができる。たとえば、フレーズは、フレーズタイプ分類を出力する訓練済み機械学習モデル124に提供される。
プロセス2800は、ブロック2807において、識別されたタプルのタイプに基づいて、識別されたタプルに関連付けられた基本談話単位を、述語と引数とを含む論理表現に正常に変換することに応答して、識別されたタプルからのエンティティでオントロジーを更新することを含む。
本明細書で使用する場合、論理述語は特性または関係を表す。たとえば、「sky blue」というフレーズを考えると、「sky」は先頭名詞であるため、「sky」という語は述語である。述語は次のように表すことができる:
Figure 2024502357000010
変換は、識別されたタプルのタイプに基づく。たとえば、タプルが名詞句または前置詞句である場合、アプリケーション122は、先頭名詞または末尾名詞のうちの1つ以上を論理述語として抽出し、1つ以上の他の単語を引数として抽出する。タプルが動詞句である場合、アプリケーション122は、タプルの動詞を述語として抽出し、1つ以上の他の単語を引数として抽出する。
形容詞句または前置詞句は、オントロジーエントリとしてより単純な事実を与える:
Figure 2024502357000011
タプルが形容詞句または前置詞句を示す場合、形容詞句または前置詞句内の内部動詞句の検索が実行される。前置詞句または形容詞句に埋め込まれた動詞句がある場合、タプルは内部動詞句から形成される。内部動詞句がない場合、オントロジーエントリは実行されない。
フレーズを論理表現に変換できない場合、そのフレーズは使用できない。その場合、プロセス2800を繰り返して、オントロジーエントリの他の候補を見つけることができる。
ダウンストリームアプリケーションには、検索システム、レコメンデーションシステム、意思決定支援システム(DSS)、および診断システムが含まれる。たとえば、アプリケーション122は、ユーザデバイスからクエリを受信することができる。クエリの例には、治療に関する質問が含まれる。クエリの受信に応答して、アプリケーション122は、オントロジーにおいてエンティティの位置を特定し、そのエンティティをユーザデバイスに提供することができる。
一態様では、エンティティはクラスを有し得る。クラスの例としては、「lab test(臨床試験)」、「medicine(薬)」および「protein(タンパク質)」などのエンティティクラスが挙げられる。クラスの識別は、「word2vec」アプローチの使用を含み得る。たとえば、機械学習モデル124である。機械学習モデル124は、エンティティクラスを識別するように訓練することができる。たとえば、アプリケーション122は、タプルをベクトル表現として符号化し、そのベクトル表現を機械学習モデル124に提供する。次に、機械学習モデルは、決定されたエンティティクラスをアプリケーション122に提供する。オントロジーは、エンティティクラスで更新でき、および/またはエンティティクラスをユーザデバイスに提供することができる。
一態様では、追加のグループ化を実行することができる。たとえば、同じ種類のタプルは、信頼性が高く有益なオントロジーエントリを生成し、矛盾を最小限に抑えるためにグループ化される。名詞句は名詞句で、動詞は動詞で、命題は命題でグループ化される。続く集約コンポーネントはタプルの一般化を行って、十分な信頼性をもって確実に適用できないような、特殊過ぎてノイズの多いエントリを避ける。
同義語の識別を含む辞書マネージャは、同じ意味を有するがそれを表現する単語が異なるタプルを一般化するのに役立つ。推論は、同義語ではないが、他の単語の文脈で互いを意味する単語およびマルチワードをカバーするために使用される。
評価
MCTest、生物学的プロセスモデリング、BioASQ、およびInsuranceQAデータセットなどの複雑なドメイン固有の医療Q/Aデータセットを利用可能であるが、タスクが複雑であるため、またはクラウドソースできないもしくはウェブから収集することができない専門家の注釈が必要であるため、それらの規模は限られている(500-10K)。各オントロジー構築ステップの貢献を追跡するために、質問、テキスト、およびそれらの関連付けの異なる複雑さを有する7つのデータセットが組み合わされている。Q/Aデータセットの特徴を表3に示す。
Figure 2024502357000012
Figure 2024502357000013
ノイズの多いデータからオントロジーエントリを任意に抽出すると、いくつかのエントリが互いに矛盾する。矛盾の頻度は、間接的にタプル抽出および全体的なオントロジー形成のエラー率を示す。矛盾するエントリの例として、以下が挙げられる(第3引数は区別されるべきである)。
Figure 2024502357000014
オントロジーエントリは回答から抽出される。次に、結果として生じる、各エントリが与えられたオントロジーにおいて、与えられたエントリと矛盾する他のエントリを見つけようと試みる。そのようなエントリが少なくとも1つ見つかった場合、そのエントリを矛盾しているとみなす。オントロジー全体の矛盾するエントリの割合がカウントされ、すべてのオントロジーエントリに占める割合として示される。ベースラインとして、すべてのテキスト部分からエントリが抽出され、何の改良も加えずにそのままにされたオントロジーを評価する。次に、さまざまな改良ステープスを適用し、それらがオントロジーの整合性に影響を与えるかどうかを追跡する。
Figure 2024502357000015
各オントロジーの改善がどのように評価されるかは、結果のオントロジー整合性に影響を与える(表4)。各改良ステップでは、信頼できないと判断されたエントリを取り除いてエントリの数を減らすため、矛盾値はオントロジーエントリの総数について正規化される。各ステップは、ノイズが多く、信頼性のない、誤解を招くと予想されるエントリを削減する独自の仕組みを有している。
オントロジーエントリを抽出するためのルールを追加することで、結果として得られるオントロジーはよりクリーンで、よりロバストで、整合性のあるものになることが分かる。矛盾を減らすためのあらゆる手段を採用することで、ほとんどのドメインにおいて、矛盾したオントロジーエントリの矛盾率は1%未満になる。最も矛盾が生じにくいドメインは、MedQuADおよびemrQAである。最もパフォーマンスが悪いのは電子カルテである(最下行)。
検索がオントロジーによってサポートされている場合の多くの健康関連データセットにおいて、検索精度を評価する。オントロジーサポートの複雑さは多様である(表4)。評価データセットごとの単一のベストアンサーが得られるので、検索の関連性がF1として測定される。
Figure 2024502357000016
オントロジー構築を強化するたびに、検索関連性(F1)にわずかな改善が見られることが分かる。このような2%の範囲の改善は、ランダムな偏差と区別するのは難しい可能性がある。しかしながら、オントロジーによる全体的な改善は、10%以上と大きい。我々のアブレーション実験は、談話処理、集約、マッチングおよび検証の各ステップが重要であり、省略すべきではないことを示している。
オントロジー支援検索は機械学習タスクとして表現することはできないが、我々はこれまでの研究で、学習転移フレームワークの産業評価から重要な教訓を学んだ(Galitsky 2019)。ウェブマイニングによってオントロジーを構築し、それらを特定の垂直ドメインに適用することは、特徴表現と関係知識移転アプローチとによる帰納的移転/マルチタスク学習とみなすことができる。我々は、ブログ(GalitskyおよびKovalerchuk 2006)、フォーラム、チャット、オピニオンデータ(GalitskyおよびMcKenna 2017)、カスタマーサポートデータなどの多様なソースから構築されたオントロジーが、eBay.comにおけるショッピングおよびエンターテイメント、ならびに金融などの垂直ドメインにおける商品検索およびレコメンデーションにおいてユーザクエリを処理するのに適切であるとを評価した。本研究におけるオントロジー学習は、用語の曖昧さが制限されている垂直ドメインで実行されるため、完全に自動化された設定で十分な検索精度が得られる。
臨床判断を支援する高度なシステムは、救急診療部では特に魅力的である。それはおそらく、状況が極めて重要であるため、できるだけ早く最も正確な解決策が求められるからである。TMの使用は、救急医療における意思決定を支援するインテリジェントシステムの開発において重要な役割を担っており、その応用はすでに現実のものとなりつつある。(Portela他 2014)は、臨床的優先順位を確立するための正しい意思決定プロセスにおいて医療従事者を誘導する、救急サービス向けの特別なシステムを提示している。この複雑なプロセスは、電子カルテ、臨床検査または治療計画から関連データを抽出するTM技術のおかげで実行された(GuptaおよびLehal 2009)。
我々の評価では、談話分析に頼ることで、オントロジーの品質が以下に関して確かに向上することが示された:
1)矛盾の数が少ない;
2)検索結果の関連性が高い。
オントロジーエントリが、すべてのテキストから抽出されるのではなく、テキストの重要で有益な部分から抽出されるようになると、検索および意思決定のためのオントロジー結果の信頼性が高まる。
例示的なコンピューティングシステムの例
図29は、上記態様のうちの1つを実現するための分散型システム2900を示す簡略図である。例示された態様においては、分散型システム2900は、1つ以上のネットワーク2910を介して、ウェブブラウザ、プロプライエタリクライアント(たとえばオラクルフォーム)などのクライアントアプリケーションを実行して動作させるように構成される1つ以上のクライアントコンピューティングデバイス2902,2904,2906および2908を含む。サーバ2912は、ネットワーク2910を介してリモートクライアントコンピューティングデバイス2902,2904,2906および2908と通信可能に結合されてもよい。
さまざまな態様においては、サーバ2912は、システムの構成要素のうち1つ以上によって提供される1つ以上のサービスまたはソフトウェアアプリケーションを実行するように適合されてもよい。サービスまたはソフトウェアアプリケーションは非仮想環境および仮想環境を含み得る。仮想環境は、2次元または3次元(three-dimensional:3D)表現、ページベースの論理的環境などであろうとなかろうと、仮想イベント、トレードショー、シミュレータ、クラスルーム、購買商品取引および企業活動のために用いられるものを含み得る。いくつかの態様においては、これらのサービスは、ウェブベースのサービスもしくはクラウドサービスとして、またはソフトウェア・アズ・ア・サービス(Software as a Service:SaaS)モデルのもとで、クライアントコンピューティングデバイス2902,2904,2906および/または2908のユーザに供給されてもよい。そして、クライアントコンピューティングデバイス2902,2904,2906および/または2908を動作させるユーザは、1つ以上のクライアントアプリケーションを利用して、サーバ2912と相互作用して、これらの構成要素によって提供されるサービスを利用し得る。
図に示されている構成では、システム2900のソフトウェアコンポーネント2918,2920および2922は、サーバ2912上に実装されるように示されている。また、他の態様においては、分散型システム2900の構成要素のうちの1つ以上および/またはこれらの構成要素によって提供されるサービスは、クライアントコンピューティングデバイス2902,2904,2906および/または2908のうちの1つ以上によって実現されてもよい。その場合、クライアントコンピューティングデバイスを動作させるユーザは、1つ以上のクライアントアプリケーションを利用して、これらの構成要素によって提供されるサービスを使用し得る。これらの構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せで実現されてもよい。分散型システム2900とは異なり得るさまざまな異なるシステム構成が可能であることが理解されるべきである。したがって、図に示されている態様は、一態様のシステムを実現するための分散型システムの一例であり、限定的であるよう意図されたものではない。
クライアントコンピューティングデバイス2902,2904,2906および/または2908は、手持ち式携帯機器(たとえばiPhone(登録商標)、携帯電話、iPad(登録商標)、計算タブレット、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant:PDA))またはウェアラブル装置(たとえばグーグルグラス(登録商標)ヘッドマウントディスプレイ)であってもよく、当該装置は、マイクロソフト・ウィンドウズ(登録商標)・モバイル(登録商標)などのソフトウェアを実行し、および/または、iOS、ウィンドウズ・フォン、アンドロイド(登録商標)、ブラックベリー10、パームOSなどのさまざまなモバイルオペレーティングシステムを実行し、インターネット、eメール、ショート・メッセージ・サービス(short message service:SMS)、ブラックベリー(登録商標)、または使用可能な他の通信プロトコルである。クライアントコンピューティングデバイスは、汎用パーソナルコンピュータであってもよく、当該汎用パーソナルコンピュータは、一例として、マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)、アップルマッキントッシュ(登録商標)および/またはリナックス(登録商標)オペレーティングシステムのさまざまなバージョンを実行するパーソナルコンピュータおよび/またはラップトップコンピュータを含む。クライアントコンピューティングデバイスは、ワークステーションコンピュータであってもよく、当該ワークステーションコンピュータは、たとえばGoogle Chrome OSなどのさまざまなGNU/リナックスオペレーティングシステムを含むがこれらに限定されるものではないさまざまな市販のUNIX(登録商標)またはUNIXライクオペレーティングシステムのうちのいずれかを実行する。代替的には、または付加的には、クライアントコンピューティングデバイス2902,2904,2906および2908は、シン・クライアントコンピュータ、インターネットにより可能なゲーミングシステム(たとえばキネクト(登録商標)ジェスチャ入力装置を備えるかまたは備えないマイクロソフトXボックスゲーム機)、および/または、ネットワーク2910を介して通信が可能なパーソナルメッセージング装置などのその他の電子装置であってもよい。
例示的な分散型システム2900は、4個のクライアントコンピューティングデバイスを有するように示されているが、任意の数のクライアントコンピューティングデバイスがサポートされてもよい。センサを有する装置などの他の装置が、サーバ2912と相互作用してもよい。
分散型システム2900におけるネットワーク2910は、さまざまな市販のプロトコルのうちのいずれかを用いてデータ通信をサポートすることができる、当業者になじみのある任意のタイプのネットワークであってもよく、当該プロトコルは、TCP/IP(伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル)、SNA(システムネットワークアーキテクチャ)、IPX(インターネットパケット交換)、アップルトークなどを含むが、これらに限定されるものではない。単に一例として、ネットワーク2910は、イーサネット(登録商標)、トークンリングなどに基づくものなどのローカルエリアネットワーク(LAN)であってもよい。ネットワーク2910は、広域ネットワークおよびインターネットであってもよい。ネットワーク2910は、仮想ネットワークを含んでいてもよく、当該仮想ネットワークは、仮想プライベートネットワーク(virtual private network:VPN)、イントラネット、エクストラネット、公衆交換電話網(public switched telephone network:PSTN)、赤外線ネットワーク、無線ネットワーク(たとえば米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics:IEEE)802.29の一連のプロトコル、ブルートゥース(登録商標)および/またはその他の無線プロトコルのうちのいずれかのもとで動作するネットワーク)、および/またはこれらの任意の組合せ、および/または他のネットワークを含むが、これらに限定されるものではない。
サーバ2912は、1つ以上の汎用コンピュータ、専用サーバコンピュータ(一例として、PC(パーソナルコンピュータ)サーバ、UNIX(登録商標)サーバ、ミッドレンジサーバ、メインフレームコンピュータ、ラックマウント式サーバなどを含む)、サーバファーム、サーバクラスタ、またはその他の適切な構成および/または組合せで構成され得る。サーバ2912は、仮想オペレーティングシステムを実行する1つ以上の仮想マシン、または仮想化を含む他のコンピューティングアーキテクチャを含み得る。論理記憶装置の1つ以上のフレキシブルプールは、サーバのための仮想記憶デバイスを維持するように仮想化することができる。仮想ネットワークは、ソフトウェア定義型ネットワーキングを用いて、サーバ2912によって制御することができる。さまざまな態様においては、サーバ2912は、上記の開示に記載されている1つ以上のサービスまたはソフトウェアアプリケーションを実行するように適合され得る。たとえば、サーバ2912は、本開示の一態様に係る上記の処理を実行するためのサーバに対応してもよい。
サーバ2912は、上記のもののうちのいずれか、および、任意の市販のサーバオペレーティングシステムを含むオペレーティングシステムを実行し得る。また、サーバ2912は、ハイパーテキスト転送プロトコル(hypertext transport protocol:HTTP)サーバ、ファイル転送プロトコル(file transfer protocol:FTP)サーバ、共通ゲートウェイインターフェース(common gateway interface:CGI)サーバ、JAVA(登録商標)サーバ、データベースサーバなどを含むさまざまな付加的サーバアプリケーションおよび/または中間層アプリケーションのうちのいずれかを実行し得る。例示的なデータベースサーバは、オラクル社(Oracle)、マイクロソフト社(Microsoft)、サイベース社(Sybase)、IBM社(International Business Machines)などから市販されているものを含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実現例では、サーバ2912は、クライアントコンピューティングデバイス2902,2904,2906および2908のユーザから受取ったデータフィードおよび/またはイベント更新を分析および統合するための1つ以上のアプリケーションを含み得る。一例として、データフィードおよび/またはイベント更新は、1つ以上の第三者情報源および連続的なデータストリームから受信されるTwitter(登録商標)フィード、Facebook(登録商標)更新またはリアルタイム更新を含み得るが、これらに限定されるものではなく、センサデータアプリケーション、金融ティッカ、ネットワーク性能測定ツール(たとえばネットワークモニタリングおよびトラフィック管理アプリケーション)、クリックストリーム分析ツール、自動車交通モニタリングなどに関連するリアルタイムイベントを含み得る。また、サーバ2912は、クライアントコンピューティングデバイス2902,2904,2906および2908の1つ以上の表示装置を介してデータフィードおよび/またはリアルタイムイベントを表示するための1つ以上のアプリケーションを含み得る。
また、分散型システム2900は、1つ以上のデータベース2914および2916を含み得る。データベース2914および2916は、さまざまな場所に存在し得る。一例として、データベース2914および2916の1つ以上は、サーバ2912にローカルな(および/または存在する)非一時的な記憶媒体に存在していてもよい。代替的に、データベース2914および2916は、サーバ2912から遠く離れていて、ネットワークベースまたは専用の接続を介してサーバ2912と通信してもよい。一組の態様においては、データベース2914および2916は、記憶領域ネットワーク(storage-area network:SAN)に存在していてもよい。同様に、サーバ2912に起因する機能を実行するための任意の必要なファイルが、サーバ2912上にローカルに、および/または、リモートで適宜格納されていてもよい。一組の態様においては、データベース2914および2916は、SQLフォーマットコマンドに応答してデータを格納、更新および検索するように適合された、オラクル社によって提供されるデータベースなどのリレーショナルデータベースを含み得る。
図30は、本開示の一態様に係る、一態様のシステムの1つ以上の構成要素によって提供されるサービスをクラウドサービスとして供給することができるシステム環境3000の1つ以上の構成要素の簡略化されたブロック図である。示されている態様においては、システム環境3000は、クラウドサービスを提供するクラウドインフラストラクチャシステム3002と相互作用するようにユーザによって使用され得る1つ以上のクライアントコンピューティングデバイス3004,3006および3008を含む。クライアントコンピューティングデバイスは、クラウドインフラストラクチャシステム3002によって提供されるサービスを使用するためにクラウドインフラストラクチャシステム3002と相互作用するようにクライアントコンピューティングデバイスのユーザによって使用され得る、ウェブブラウザ、専有のクライアントアプリケーション(たとえばオラクルフォームズ)または他のアプリケーションなどのクライアントアプリケーションを動作させるように構成され得る。
図に示されているクラウドインフラストラクチャシステム3002が図示されている構成要素とは他の構成要素を有し得ることが理解されるべきである。さらに、図に示されている態様は、本発明の態様を組込むことができるクラウドインフラストラクチャシステムの一例に過ぎない。いくつかの他の態様においては、クラウドインフラストラクチャシステム3002は、図に示されているものよりも多いまたは少ない数の構成要素を有していてもよく、2つ以上の構成要素を組合せてもよく、または構成要素の異なる構成または配置を有していてもよい。
クライアントコンピューティングデバイス3004,3006および3008は、2902,2904,2906および2908について上記したものと類似のデバイスであってもよい。
例示的なシステム環境3000は3個のクライアントコンピューティングデバイスを有するように示されているが、任意の数のクライアントコンピューティングデバイスがサポートされてもよい。センサなどを有する装置などの他の装置が、クラウドインフラストラクチャシステム3002と相互作用してもよい。
ネットワーク3010は、クライアント3004,3006および3008とクラウドインフラストラクチャシステム3002との間のデータの通信およびやりとりを容易にし得る。各々のネットワークは、ネットワーク2910について上記したものを含むさまざまな市販のプロトコルのうちのいずれかを用いてデータ通信をサポートすることができる、当業者になじみのある任意のタイプのネットワークであってもよい。
クラウドインフラストラクチャシステム3002は、サーバ2912について上記したものを含み得る1つ以上のコンピュータおよび/またはサーバを備え得る。
特定の態様において、クラウドインフラストラクチャシステムによって提供されるサービスは、オンラインデータ記憶およびバックアップソリューション、ウェブベースのeメールサービス、ホスト型オフィススイートおよびドキュメントコラボレーションサービス、データベース処理、管理技術サポートサービスなどの、クラウドインフラストラクチャシステムのユーザがオンデマンドで利用可能な多数のサービスを含み得る。クラウドインフラストラクチャシステムによって提供されるサービスは、そのユーザのニーズを満たすように動的にスケーリング可能である。クラウドインフラストラクチャシステムによって提供されるサービスの具体的なインスタンス化は、本明細書では「サービスインスタンス」と称される。一般に、インターネットなどの通信ネットワークを介してクラウドサービスプロバイダのシステムからユーザが利用可能な任意のサービスは、「クラウドサービス」と称される。通常、パブリッククラウド環境では、クラウドサービスプロバイダのシステムを構成するサーバおよびシステムは、顧客自身のオンプレミスサーバおよびシステムとは異なっている。たとえば、クラウドサービスプロバイダのシステムがアプリケーションをホストしてもよく、ユーザは、インターネットなどの通信ネットワークを介してオンデマンドで当該アプリケーションを注文および使用してもよい。
いくつかの例では、コンピュータネットワーククラウドインフラストラクチャにおけるサービスは、ストレージ、ホスト型データベース、ホスト型ウェブサーバ、ソフトウェアアプリケーションへの保護されたコンピュータネットワークアクセス、またはクラウドベンダによってユーザに提供されるかもしくはそうでなければ当該技術分野において公知の他のサービスを含み得る。たとえば、サービスは、インターネットを介したクラウド上のリモートストレージへのパスワードによって保護されたアクセスを含み得る。別の例として、サービスは、ネットワーク化された開発者による私的使用のためのウェブサービスベースのホスト型リレーショナルデータベースおよびスクリプト言語ミドルウェアエンジンを含み得る。別の例として、サービスは、クラウドベンダのウェブサイト上でホストされるeメールソフトウェアアプリケーションへのアクセスを含み得る。
特定の態様において、クラウドインフラストラクチャシステム3002は、セルフサービスの、サブスクリプションベースの、弾性的にスケーラブルな、信頼性のある、高可用性の、安全な態様で顧客に配信される一連のアプリケーション、ミドルウェアおよびデータベースサービス提供品を含み得る。このようなクラウドインフラストラクチャシステムの一例は、本譲受人によって提供されるオラクルパブリッククラウドである。
時としてビッグデータとも称される大量のデータは、インフラストラクチャシステムによって、多数のレベルにおいて、および異なるスケールでホストおよび/または操作され得る。このようなデータが含み得るデータセットは、非常に大型で複雑であるので、典型的なデータベース管理ツールまたは従来のデータ処理アプリケーションを用いて処理するのが困難になる可能性がある。たとえば、テラバイトのデータはパーソナルコンピュータまたはそれらのラックベースの対応物を用いて格納、検索取得および処理することが難しいかもしれない。このようなサイズのデータは、最新のリレーショナルデータベース管理システムおよびデスクトップ統計ならびに視覚化パッケージを用いて機能させるのが困難である可能性がある。それらは、データを許容可能な経過時間内に捕捉しキュレーションし管理し処理するよう、一般的に用いられるソフトウェアツールの構造を超えて、何千ものサーバコンピュータを動作させる大規模並列処理ソフトウェアを必要とし得る。
大量のデータを視覚化し、トレンドを検出し、および/または、データと相互作用させるために、分析者および研究者は極めて大きいデータセットを格納し処理することができる。平行にリンクされた何十、何百または何千ものプロセッサがこのようなデータに対して作用可能であり、これにより、このようなデータを表示し得るか、または、データに対する外力をシミュレートし得るかもしくはそれが表しているものをシミュレートし得る。これらのデータセットは、データベースにおいて編制されたデータ、もしくは構造化モデルに従ったデータ、および/または、非体系的なデータ(たとえば電子メール、画像、データブロブ(バイナリ大型オブジェクト)、ウェブページ、複雑なイベント処理)などの構造化されたデータを必要とする可能性がある。目標物に対してより多くの(またはより少数の)コンピューティングリソースを比較的迅速に集中させるために態様の能力を強化することによって、ビジネス、政府関係機関、研究組織、私人、同じ目的をもった個々人もしくは組織のグループ、または他のエンティティからの要求に基づいて大量のデータセット上でタスクを実行するために、クラウドインフラストラクチャシステムがより良好に利用可能となる。
さまざまな態様において、クラウドインフラストラクチャシステム3002は、クラウドインフラストラクチャシステム3002によって供給されるサービスへの顧客のサブスクリプションを自動的にプロビジョニング、管理および追跡するように適合され得る。クラウドインフラストラクチャシステム3002は、さまざまなデプロイメントモデルを介してクラウドサービスを提供し得る。たとえば、クラウドインフラストラクチャシステム3002が、(たとえばオラクル社によって所有される)クラウドサービスを販売する組織によって所有され、一般大衆またはさまざまな産業企業がサービスを利用できるパブリッククラウドモデルのもとでサービスが提供されてもよい。別の例として、クラウドインフラストラクチャシステム3002が単一の組織のためだけに運営され、当該組織内の1つ以上のエンティティにサービスを提供し得るプライベートクラウドモデルのもとでサービスが提供されてもよい。また、クラウドインフラストラクチャシステム3002およびクラウドインフラストラクチャシステム3002によって提供されるサービスが、関連のコミュニティ内のいくつかの組織によって共有されるコミュニティクラウドモデルのもとでクラウドサービスが提供されてもよい。また、2つ以上の異なるモデルの組合せであるハイブリッドクラウドモデルのもとでクラウドサービスが提供されてもよい。
いくつかの態様において、クラウドインフラストラクチャシステム3002によって提供されるサービスは、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(Software as a Service:SaaS)カテゴリ、プラットフォーム・アズ・ア・サービス(Platform as a Service:PaaS)カテゴリ、インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス(Infrastructure as a Service:IaaS)カテゴリ、またはハイブリッドサービスを含むサービスの他のカテゴリのもとで提供される1つ以上のサービスを含み得る。顧客は、サブスクリプションオーダーによって、クラウドインフラストラクチャシステム3002によって提供される1つ以上のサービスをオーダーし得る。次いで、クラウドインフラストラクチャシステム3002は、顧客のサブスクリプションオーダーでサービスを提供するために処理を実行する。
いくつかの態様において、クラウドインフラストラクチャシステム3002によって提供されるサービスは、アプリケーションサービス、プラットフォームサービスおよびインフラストラクチャサービスを含み得るが、これらに限定されるものではない。いくつかの例では、アプリケーションサービスは、SaaSプラットフォームを介してクラウドインフラストラクチャシステムによって提供されてもよい。SaaSプラットフォームは、SaaSカテゴリに分類されるクラウドサービスを提供するように構成され得る。たとえば、SaaSプラットフォームは、一体化された開発およびデプロイメントプラットフォーム上で一連のオンデマンドアプリケーションを構築および配信するための機能を提供し得る。SaaSプラットフォームは、SaaSサービスを提供するための基本的なソフトウェアおよびインフラストラクチャを管理および制御し得る。SaaSプラットフォームによって提供されるサービスを利用することによって、顧客は、クラウドインフラストラクチャシステムで実行されるアプリケーションを利用することができる。顧客は、顧客が別々のライセンスおよびサポートを購入する必要なく、アプリケーションサービスを取得することができる。さまざまな異なるSaaSサービスが提供されてもよい。例としては、大規模組織のための販売実績管理、企業統合およびビジネスの柔軟性のためのソリューションを提供するサービスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
いくつかの態様においては、プラットフォームサービスは、PaaSプラットフォームを介してクラウドインフラストラクチャシステムによって提供されてもよい。PaaSプラットフォームは、PaaSカテゴリに分類されるクラウドサービスを提供するように構成され得る。プラットフォームサービスの例としては、組織(オラクル社など)が既存のアプリケーションを共有の共通アーキテクチャ上で統合することを可能にするサービス、および、プラットフォームによって提供される共有のサービスを活用する新たなアプリケーションを構築する機能を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。PaaSプラットフォームは、PaaSサービスを提供するための基本的なソフトウェアおよびインフラストラクチャを管理および制御し得る。顧客は、顧客が別々のライセンスおよびサポートを購入する必要なく、クラウドインフラストラクチャシステムによって提供されるPaaSサービスを取得することができる。プラットフォームサービスの例としては、オラクルJavaクラウドサービス(Java Cloud Service:JCS)、オラクルデータベースクラウドサービス(Database Cloud Service:DBCS)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
PaaSプラットフォームによって提供されるサービスを利用することによって、顧客は、クラウドインフラストラクチャシステムによってサポートされるプログラミング言語およびツールを利用することができ、デプロイされたサービスを制御することもできる。いくつかの態様においては、クラウドインフラストラクチャシステムによって提供されるプラットフォームサービスは、データベースクラウドサービス、ミドルウェアクラウドサービル(たとえばオラクルフージョンミドルウェアサービス)およびJavaクラウドサービスを含み得る。一態様においては、データベースクラウドサービスは、組織がデータベースリソースをプールしてデータベースクラウドの形態でデータベース・アズ・ア・サービスを顧客に供給することを可能にする共有のサービスデプロイメントモデルをサポートし得る。ミドルウェアクラウドサービスは、クラウドインフラストラクチャシステムにおいてさまざまなビジネスアプリケーションを開発およびデプロイするために顧客にプラットフォームを提供し得るともに、Javaクラウドサービスは、クラウドインフラストラクチャシステムにおいてJavaアプリケーションをデプロイするために顧客にプラットフォームを提供し得る。
さまざまな異なるインフラストラクチャサービスは、クラウドインフラストラクチャシステムにおけるIaaSプラットフォームによって提供されてもよい。インフラストラクチャサービスは、ストレージ、ネットワークなどの基本的な計算リソース、ならびに、SaaSプラットフォームおよびPaaSプラットフォームによって提供されるサービスを利用する顧客のための他の基礎的な計算リソースの管理および制御を容易にする。
また、特定の態様において、クラウドインフラストラクチャシステム3002は、クラウドインフラストラクチャシステムの顧客にさまざまなサービスを提供するために使用されるリソースを提供するためのインフラストラクチャリソース3030を含み得る。一態様においては、インフラストラクチャリソース3030は、PaaSプラットフォームおよびSaaSプラットフォームによって提供されるサービスを実行するための、サーバ、ストレージおよびネットワーキングリソースなどのハードウェアの予め一体化された最適な組合せを含み得る。
いくつかの態様において、クラウドインフラストラクチャシステム3002におけるリソースは、複数のユーザによって共有され、デマンドごとに動的に再割り振りされてもよい。また、リソースは、異なる時間帯にユーザに割り振られてもよい。たとえば、クラウドインフラストラクチャシステム3002は、第1の時間帯におけるユーザの第1の組が規定の時間にわたってクラウドインフラストラクチャシステムのリソースを利用することを可能にし得るとともに、異なる時間帯に位置するユーザの別の組への同一のリソースの再割り振りを可能にし得ることによって、リソースの利用を最大化することができる。
特定の態様において、クラウドインフラストラクチャシステム3002のさまざまな構成要素またはモジュール、および、クラウドインフラストラクチャシステム3002によって提供されるサービス、によって共有されるいくつかの内部共有サービス3032が提供され得る。これらの内部共有サービスは、セキュリティおよびアイデンティティサービス、インテグレーションサービス、企業リポジトリサービス、企業マネージャサービス、ウイルススキャンおよびホワイトリストサービス、高可用性・バックアップおよび回復サービス、クラウドサポートを可能にするためのサービス、eメールサービス、通知サービス、ファイル転送サービスなどを含み得るが、これらに限定されるものではない。
特定の態様において、クラウドインフラストラクチャシステム3002は、クラウドインフラストラクチャシステムにおけるクラウドサービス(たとえばSaaSサービス、PaaSサービスおよびIaaSサービス)の包括的管理を提供し得る。一態様においては、クラウド管理機能は、クラウドインフラストラクチャシステム3002によって受信された顧客のサブスクリプションをプロビジョニング、管理および追跡などするための機能を含み得る。
一態様において、図に示されるように、クラウド管理機能は、オーダー管理モジュール3020、オーダーオーケストレーションモジュール3022、オーダープロビジョニングモジュール3024、オーダー管理および監視モジュール3026、ならびにアイデンティティ管理モジュール3028などの1つ以上のモジュールによって提供され得る。これらのモジュールは、汎用コンピュータ、専用サーバコンピュータ、サーバファーム、サーバクラスタ、またはその他の適切な構成および/もしくは組み合わせであり得る1つ以上のコンピュータおよび/またはサーバを含み得るか、またはそれらを用いて提供され得る。
例示的な動作3034において、クライアントデバイス3004,3006または3008などのクライアントデバイスを用いる顧客は、クラウドインフラストラクチャシステム3002によって提供される1つ以上のサービスを要求し、クラウドインフラストラクチャシステム3002によって供給される1つ以上のサービスのサブスクリプションについてオーダーを行うことによって、クラウドインフラストラクチャシステム3002と対話し得る。特定の態様においては、顧客は、クラウドユーザインターフェース(User Interface:UI)、すなわちクラウドUI3012、クラウドUI3014および/またはクラウドUI3016にアクセスして、これらのUIを介してサブスクリプションオーダーを行い得る。顧客がオーダーを行ったことに応答してクラウドインフラストラクチャシステム3002によって受信されたオーダー情報は、顧客と、顧客がサブスクライブする予定のクラウドインフラストラクチャシステム3002によって提供される1つ以上のサービスとを特定する情報を含み得る。
オーダーが顧客によって行われた後、オーダー情報は、クラウドUI3030,3014および/または3016を介して受信される。
動作3036において、オーダーは、オーダーデータベース3018に格納される。オーダーデータベース3018は、クラウドインフラストラクチャシステム3002によって動作させられるとともに他のシステム要素と連携して動作させられるいくつかのデータベースのうちの1つであってもよい。
動作3038において、オーダー情報は、オーダー管理モジュール3020に転送される。いくつかの例では、オーダー管理モジュール3020は、オーダーの確認および確認時のオーダーの予約などのオーダーに関連する請求書発行機能および会計経理機能を実行するように構成され得る。
動作3040において、オーダーに関する情報は、オーダーオーケストレーションモジュール3022に通信される。オーダーオーケストレーションモジュール3022は、顧客によって行われたオーダーについてのサービスおよびリソースのプロビジョニングをオーケストレートするためにオーダー情報を利用し得る。いくつかの例では、オーダーオーケストレーションモジュール3022は、オーダープロビジョニングモジュール3024のサービスを用いてサブスクライブされたサービスをサポートするためにリソースのプロビジョニングをオーケストレートし得る。
特定の態様において、オーダーオーケストレーションモジュール3022は、各々のオーダーに関連付けられるビジネスプロセスの管理を可能にし、ビジネス論理を適用してオーダーがプロビジョニングに進むべきか否かを判断する。動作3042において、新たなサブスクリプションについてのオーダーを受信すると、オーダーオーケストレーションモジュール3022は、リソースを割り振って当該サブスクリプションオーダーを満たすのに必要とされるそれらのリソースを構成するための要求をオーダープロビジョニングモジュール3024に送る。オーダープロビジョニングモジュール3024は、顧客によってオーダーされたサービスについてのリソースの割り振りを可能にする。オーダープロビジョニングモジュール3024は、クラウドインフラストラクチャシステム3002によって提供されるクラウドサービスと、要求されたサービスを提供するためのリソースをプロビジョニングするために使用される物理的実装層との間にあるレベルの抽象化を提供する。したがって、オーダーオーケストレーションモジュール3022は、サービスおよびリソースが実際に実行中にプロビジョニングされるか、事前にプロビジョニングされて要求があったときに割振られる/割当てられるのみであるかなどの実装の詳細から切り離すことができる。
動作3042において、サービスおよびリソースがプロビジョニングされると、提供されたサービス3044の通知が、クラウドインフラストラクチャシステム3002のオーダープロビジョニングモジュール3024によってクライアントコンピューティングデバイス3004,3006および/または3008上の顧客に送られ得る。
動作3046において、顧客のサブスクリプションオーダーが、オーダー管理および監視モジュール3026によって管理および追跡され得る。いくつかの例では、オーダー管理および監視モジュール3026は、使用される記憶量、転送されるデータ量、ユーザの数、ならびにシステムアップ時間およびシステムダウン時間の量などのサブスクリプションオーダーにおけるサービスについての使用統計を収集するように構成され得る。
特定の態様において、クラウドインフラストラクチャシステム3002は、アイデンティティ管理モジュール3028を含み得る。アイデンティティ管理モジュール3028は、クラウドインフラストラクチャシステム3002におけるアクセス管理および認可サービスなどのアイデンティティサービスを提供するように構成され得る。いくつかの態様においては、アイデンティティ管理モジュール3028は、クラウドインフラストラクチャシステム3002によって提供されるサービスを利用したい顧客についての情報を制御し得る。このような情報は、このような顧客のアイデンティティを認証する情報と、それらの顧客がさまざまなシステムリソース(たとえばファイル、ディレクトリ、アプリケーション、通信ポート、メモリセグメントなど)に対してどのアクションを実行することを認可されるかを記載する情報とを含み得る。また、アイデンティティ管理モジュール3028は、各々の顧客についての説明的情報、ならびに、どのようにしておよび誰によってこの説明的情報がアクセスおよび変更され得るかについての説明的情報の管理を含み得る。
図31は、本発明のさまざまな態様を実現することができる例示的なコンピュータシステム3100を示す。コンピュータシステム3100は、上記のコンピュータシステムのうちのいずれかを実現するために使用され得る。図に示されているように、コンピュータシステム3100は、バスサブシステム3102を介していくつかの周辺サブシステムと通信する処理ユニット3104を含む。これらの周辺サブシステムは、処理加速ユニット3106と、I/Oサブシステム3108と、記憶サブシステム3118と、通信サブシステム3124とを含み得る。記憶サブシステム3118は、有形のコンピュータ読取可能な記憶媒体3122と、システムメモリ3110とを含む。
バスサブシステム3102は、コンピュータシステム3100のさまざまな構成要素およびサブシステムに、意図されたように互いに通信させるための機構を提供する。バスサブシステム3102は、単一のバスとして概略的に示されているが、バスサブシステムの代替的な態様は、複数のバスを利用してもよい。バスサブシステム3102は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、およびさまざまなバスアーキテクチャのうちのいずれかを使用するローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造のうちのいずれかであってもよい。たとえば、このようなアーキテクチャは、IEEE P3186.1標準に合わせて製造されたメザニンバスとして実現可能な、業界標準アーキテクチャ(Industry Standard Architecture:ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro Channel Architecture:MCA)バス、拡張ISA(Enhanced ISA:EISA)バス、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダーズ・アソシエーション(Video Electronics Standards Association:VESA)ローカルバスおよび周辺機器相互接続(Peripheral Component Interconnect:PCI)バスを含み得る。
1つ以上の集積回路(たとえば従来のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ)として実現可能な処理ユニット3104は、コンピュータシステム3100の動作を制御する。処理ユニット3104には、1つ以上のプロセッサが含まれ得る。これらのプロセッサは、単一コアまたはマルチコアのプロセッサを含み得る。特定の態様においては、処理ユニット3104は、各々の処理ユニットに含まれる単一コアまたはマルチコアのプロセッサを有する1つ以上の独立した処理ユニット3132および/または3134として実現されてもよい。また、他の態様においては、処理ユニット3104は、2つのデュアルコアプロセッサを単一のチップに組み入れることによって形成されるクアッドコア処理ユニットとして実現されてもよい。
さまざまな態様において、処理ユニット3104は、プログラムコードに応答してさまざまなプログラムを実行し得るとともに、同時に実行される複数のプログラムまたはプロセスを維持し得る。任意の所与の時点において、実行されるべきプログラムコードのうちのいくつかまたは全ては、処理ユニット3104および/または記憶サブシステム3118に存在し得る。好適なプログラミングを通じて、処理ユニット3104は、上記のさまざまな機能を提供し得る。また、コンピュータシステム3100は、加えて、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor:DSP)、特殊用途プロセッサなどを含み得る処理加速ユニット3106を含み得る。
I/Oサブシステム3108は、ユーザインターフェイス入力装置と、ユーザインターフェイス出力装置とを含み得る。ユーザインターフェイス入力装置は、キーボード、マウスまたはトラックボールなどのポインティング装置、タッチパッドまたはタッチスクリーンを含んでいてもよく、これらは、音声コマンド認識システム、マイクロホンおよび他のタイプの入力装置とともに、ディスプレイ、スクロールホイール、クリックホイール、ダイアル、ボタン、スイッチ、キーパッド、オーディオ入力装置に組込まれている。ユーザインターフェイス入力装置は、たとえば、ジェスチャおよび話されたコマンドを用いてナチュラルユーザインターフェースを介してユーザがマイクロソフトXbox(登録商標)360ゲームコントローラなどの入力装置を制御して入力装置と対話することを可能にするマイクロソフトキネクト(登録商標)モーションセンサなどのモーション検知および/またはジェスチャ認識装置を含み得る。また、ユーザインターフェイス入力装置は、ユーザから眼球運動(たとえば撮影および/またはメニュー選択を行っている間の「まばたき」)を検出して、当該眼球ジェスチャを入力装置への入力として変換するグーグルグラス(登録商標)まばたき検出器などの眼球ジェスチャ認識装置を含み得る。また、ユーザインターフェイス入力装置は、ユーザが音声コマンドを介して音声認識システム(たとえばSiri(登録商標)ナビゲータ)と対話することを可能にする音声認識検知装置を含み得る。
また、ユーザインターフェイス入力装置は、三次元(3D)マウス、ジョイスティックまたはポインティングスティック、ゲームパッドおよびグラフィックタブレット、およびスピーカなどのオーディオ/ビジュアル装置、デジタルカメラ、デジタルカムコーダ、携帯型メディアプレーヤ、ウェブカム、画像スキャナ、指紋スキャナ、バーコードリーダ3Dスキャナ、3Dプリンタ、レーザレンジファインダ、および視線検出装置を含み得るが、これらに限定されるものではない。また、ユーザインターフェイス入力装置は、たとえば、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴画像化、位置発光断層撮影、医療用超音波検査装置などの医療用画像化入力装置を含み得る。また、ユーザインターフェイス入力装置は、たとえばMIDIキーボード、デジタル楽器などのオーディオ入力装置を含み得る。
ユーザインターフェイス出力装置は、ディスプレイサブシステム、表示灯、またはオーディオ出力装置などの非視覚的ディスプレイなどを含み得る。ディスプレイサブシステムは、陰極線管(cathode ray tube:CRT)、液晶ディスプレイ(liquid crystal display:LCD)またはプラズマディスプレイを使用するものなどのフラットパネルディスプレイ、投影装置、タッチスクリーンなどであってもよい。一般に、「出力装置」という用語の使用は、コンピュータシステム3100からの情報をユーザまたは他のコンピュータに出力するための全ての実現可能なタイプの装置および機構を含むよう意図されている。たとえば、ユーザインターフェイス出力装置は、モニタ、プリンタ、スピーカ、ヘッドホン、自動車のナビゲーションシステム、プロッタ、音声出力装置およびモデムなどの、テキスト、グラフィックスおよびオーディオ/ビデオ情報を視覚的に伝えるさまざまな表示装置を含み得るが、これらに限定されるものではない。
コンピュータシステム3100は、現在のところシステムメモリ3110内に位置しているように示されているソフトウェア要素を備える記憶サブシステム3118を備え得る。システムメモリ3110は、処理ユニット3104上でロード可能および実行可能なプログラム命令と、これらのプログラムの実行中に生成されるデータとを格納し得る
コンピュータシステム3100の構成およびタイプに応じて、システムメモリ3110は、揮発性(ランダムアクセスメモリ(random access memory:RAM)など)であってもよく、および/または、不揮発性(リードオンリメモリ(read-only memory:ROM)、フラッシュメモリなど)であってもよい。RAMは、典型的には、処理ユニット3104が直ちにアクセス可能なデータおよび/またはプログラムモジュール、および/または、処理ユニット3104によって現在動作および実行されているデータおよび/またはプログラムモジュールを収容する。いくつかの実現例では、システムメモリ3110は、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory:SRAM)またはダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory:DRAM)などの複数の異なるタイプのメモリを含み得る。いくつかの実現例では、始動中などにコンピュータシステム3100内の要素間で情報を転送することを助ける基本ルーチンを含む基本入力/出力システム(basic input/output system:BIOS)が、典型的にはROMに格納され得る。一例としておよび非限定的に、システムメモリ3110は、クライアントアプリケーション、ウェブブラウザ、中間層アプリケーション、リレーショナルデータベース管理システム(relational database management system:RDBMS)などを含み得るアプリケーションプログラム3112、プログラムデータ3114およびオペレーティングシステム3116も示す。一例として、オペレーティングシステム3116は、マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)、アップルマッキントッシュ(登録商標)および/もしくはリナックスオペレーティングシステムのさまざまなバージョン、さまざまな市販のUNIX(登録商標)もしくはUNIXライクオペレーティングシステム(さまざまなGNU/リナックスオペレーティングシステム、Google Chrome(登録商標)OSなどを含むが、これらに限定されるものではない)、ならびに/または、iOS、ウィンドウズ(登録商標)フォン、アンドロイド(登録商標)OS、ブラックベリー(登録商標)10OSおよびパーム(登録商標)OSオペレーティングシステムなどのモバイルオペレーティングシステムを含み得る。
また、記憶サブシステム3118は、いくつかの態様の機能を提供する基本的なプログラミングおよびデータ構造を格納するための有形のコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供し得る。プロセッサによって実行されたときに上記の機能を提供するソフトウェア(プログラム、コードモジュール、命令)が記憶サブシステム3118に格納され得る。これらのソフトウェアモジュールまたは命令は、処理ユニット3104によって実行され得る。また、記憶サブシステム3118は、本発明に従って使用されるデータを格納するためのリポジトリを提供し得る。
また、記憶サブシステム3118は、コンピュータ読取可能な記憶媒体3122にさらに接続可能なコンピュータ読取可能な記憶媒体リーダ3120を含み得る。ともにおよび任意には、システムメモリ3110と組合せて、コンピュータ読取可能な記憶媒体3122は、コンピュータ読取可能な情報を一時的および/または永久に収容、格納、送信および検索するための記憶媒体に加えて、リモートの、ローカルの、固定されたおよび/または取外し可能な記憶装置を包括的に表わし得る。
コードまたはコードの一部を含むコンピュータ読取可能な記憶媒体3122は、当該技術分野において公知のまたは使用される任意の適切な媒体を含み得る。当該媒体は、情報の格納および/または送信のための任意の方法または技術において実現される揮発性および不揮発性の、取外し可能および取外し不可能な媒体などであるが、これらに限定されるものではない記憶媒体および通信媒体を含む。これは、RAM、ROM、電子的消去・プログラム可能ROM(electronically erasable programmable ROM:EEPROM)、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk:DVD)、または他の光学式記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、または他の有形のコンピュータ読取可能な媒体などの有形の一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体を含み得る。また、これは、データ信号、データ送信などの無形の一時的なコンピュータ読取可能な媒体、または、所望の情報を送信するために使用可能であるとともにコンピュータシステム3100によってアクセス可能である他の任意の媒体を含み得る。
一例として、コンピュータ読取可能な記憶媒体3122は、取外し不可能な不揮発性磁気媒体から読取るまたは当該媒体に書込むハードディスクドライブ、取外し可能な不揮発性磁気ディスクから読取るまたは当該ディスクに書込む磁気ディスクドライブ、ならびに、CD ROM、DVDおよびブルーレイ(登録商標)ディスクまたは他の光学式媒体などの取外し可能な不揮発性光学ディスクから読取るまたは当該ディスクに書込む光学式ディスクドライブを含み得る。コンピュータ読取可能な記憶媒体3122は、ジップ(登録商標)ドライブ、フラッシュメモリカード、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus:USB)フラッシュドライブ、セキュアデジタル(secure digital:SD)カード、DVDディスク、デジタルビデオテープなどを含み得るが、これらに限定されるものではない。また、コンピュータ読取可能な記憶媒体3122は、フラッシュメモリベースのSSD、企業向けフラッシュドライブ、ソリッドステートROMなどの不揮発性メモリに基づくソリッドステートドライブ(solid-state drive:SSD)、ソリッドステートRAM、ダイナミックRAM、スタティックRAMなどの揮発性メモリに基づくSSD、DRAMベースのSSD、磁気抵抗RAM(magnetoresistive RAM:MRAM)SSD、およびDRAMとフラッシュメモリベースのSSDとの組合せを使用するハイブリッドSSDを含み得る。ディスクドライブおよびそれらの関連のコンピュータ読取可能媒体は、コンピュータ読取可能命令、データ構造、プログラムモジュールおよび他のデータをコンピュータシステム3100に提供し得る。
通信サブシステム3124は、他のコンピュータシステムおよびネットワークとのインターフェイスを提供する。通信サブシステム3124は、他のシステムからデータを受信したり、コンピュータシステム3100から他のシステムにデータを送信するためのインターフェイスの役割を果たす。たとえば、通信サブシステム3124は、コンピュータシステム3100がインターネットを介して1つ以上の装置に接続することを可能にし得る。いくつかの態様においては、通信サブシステム3124は、(たとえば3G、4GまたはEDGE(enhanced data rates for global evolution)などの携帯電話技術、高度データネットワーク技術を用いて)無線音声および/またはデータネットワークにアクセスするための無線周波数(radio frequency:RF)トランシーバコンポーネント、WiFi(登録商標)(IEEE802.30ファミリ標準または他のモバイル通信技術またはそれらの任意の組合せ)、全地球測位システム(global positioning system:GPS)レシーバコンポーネント、および/または、他のコンポーネントを含み得る。いくつかの態様においては、通信サブシステム3124は、無線インターフェイスに加えて、または無線インターフェイスの代わりに、有線ネットワーク接続(たとえばイーサネット)を提供し得る。
また、いくつかの態様において、通信サブシステム3124は、コンピュータシステム3100を使用し得る1人以上のユーザを代表して、構造化されたおよび/または構造化されていないデータフィード3126、イベントストリーム3128、イベント更新3130」などの形態で入力通信を受信し得る。
一例として、通信サブシステム3124は、ツイッター(登録商標)フィード、フェースブック(登録商標)更新、リッチ・サイト・サマリ(Rich Site Summary:RSS)フィードなどのウェブフィードなどのデータフィード3126をリアルタイムでソーシャルメディアネットワークおよび/または他の通信サービスのユーザから受信し、および/または、1つ以上の第三者情報源からリアルタイム更新を受信するように構成され得る。
くわえて、通信サブシステム3124は、連続的なデータストリームの形態でデータを受信するように構成され得る。当該データは、連続的である場合もあれば本質的に明確な端部をもたない状態で境界がない場合もあるリアルタイムイベントのイベントストリーム3128および/またはイベント更新3130を含み得る。連続的なデータを生成するアプリケーションの例としては、たとえばセンサデータアプリケーション、金融ティッカ、ネットワーク性能測定ツール(たとえばネットワークモニタリングおよびトラフィック管理アプリケーション)、クリックストリーム分析ツール、自動車交通モニタリングなどを含み得る。
また、通信サブシステム3124は、構造化されたおよび/または構造化されていないデータフィード3126、イベントストリーム3128、イベント更新3130などを、コンピュータシステム3100に結合された1つ以上のストリーミングデータソースコンピュータと通信し得る1つ以上のデータベースに出力するように構成され得る。
コンピュータシステム3100は、手持ち式携帯機器(たとえばiPhone(登録商標)携帯電話、iPad(登録商標)計算タブレット、PDA)、ウェアラブル装置(たとえばグーグルグラス(登録商標)ヘッドマウントディスプレイ)、PC、ワークステーション、メインフレーム、キオスク、サーバラックまたはその他のデータ処理システムを含むさまざまなタイプのうちの1つであってもよい。
コンピュータおよびネットワークの絶え間なく変化し続ける性質のために、図に示されているコンピュータシステム3100の説明は、特定の例として意図されているに過ぎない。図に示されているシステムよりも多くのまたは少ない数の構成要素を有する多くの他の構成が可能である。たとえば、ハードウェア、ファームウェア、(アプレットを含む)ソフトウェア、または組合せにおいて、カスタマイズされたハードウェアが使用されてもよく、および/または、特定の要素が実装されてもよい。さらに、ネットワーク入力/出力装置などの他のコンピューティングデバイスへの接続が利用されてもよい。本明細書中に提供される開示および教示に基づいて、当業者は、さまざまな態様を実現するための他の手段および/または方法を理解するであろう。
上述の明細書では、本発明の態様は、その具体的な態様を参照して記載されているが、本発明はこれに限定されるものではないことを当業者は認識するであろう。上述の発明のさまざまな特徴および態様は、個々にまたは一緒に使用されてもよい。さらに、態様は、明細書のより広い精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されているものを越えたいくつもの環境およびアプリケーションでも利用可能である。したがって、明細書および図面は、限定的ではなく例示的なものとみなされるべきである。

Claims (20)

  1. オントロジーを使用してユーザデバイスからのクエリに応答する、コンピュータによって実現される方法であって、
    複数のテキストコーパスのテキストコーパスごとに、前記オントロジーのオントロジーエントリを生成することを含み、前記生成することは、
    基本談話単位を含むテキストコーパスについて、基本談話単位間の修辞関係を表す談話ツリーを形成することを含み、前記談話ツリーは複数のノードを含み、各非終端ノードは、前記基本談話単位のうちの2つの基本談話単位間の修辞関係を表し、前記談話ツリーの前記ノードの各終端ノードは、前記基本談話単位のうちの1つに関連付けられ、前記方法はさらに、
    前記談話ツリーから、(i)詳述タイプの修辞関係に関連付けられ、かつ(ii)前記テキストコーパスの中心エンティティを識別するトピックノードに対応する中心エンティティを識別することと、
    前記談話ツリーから、詳述タイプでもジョイントタイプでもない修辞関係に関連付けられた、核である基本談話単位を識別することによって、前記中心エンティティに関連付けられた基本談話単位のサブセットを決定することと、
    前記基本談話単位のサブセットに関連付けられたテキストにおいて、前記基本談話単位のサブセット内の前記基本談話単位のうちの2つ以上の基本談話単位に共通する1つ以上の要素を識別することによって、一般句を形成することと、
    それぞれのフレーズに1つ以上の構文テンプレートまたは意味テンプレートを適用することによって、前記一般句からタプルを形成することとを含み、各タプルは正規形の単語の順序付けられたセットであり、前記方法はさらに、
    形成された前記タプルに関連付けられた基本談話単位を、述語と引数とを含む論理表現に変換することに応答して、識別された前記タプルからのエンティティを前記オントロジーに追加することと、
    ユーザデバイスからのクエリの受信に応答して、
    前記オントロジーから、前記クエリに基づいて、前記複数のエントリから第1のエンティティと第2のエンティティとを取得することと、
    前記第1のエンティティを含む第1の応答と、前記第2のエンティティを含む第2の応答とを形成することと、
    前記第1の応答について、機械学習モデルを前記クエリと前記第1の応答とに適用することによって、前記クエリと前記第1の応答との間の(i)関連性または(ii)修辞の一致の一方または両方を表す第1のスコアを決定することと、
    前記第2の応答について、前記機械学習モデルを前記クエリと前記第2の応答とに適用することによって、前記クエリと前記第2の応答との間の(i)関連性または(ii)修辞の一致の一方または両方を表す第2のスコアを決定することと、
    前記第1のスコアが前記第2のスコアより大きいことを識別することに応答して、前記ユーザデバイスに前記第1の応答を提供することとを含む、方法。
  2. 複数のタプルの各タプルを、(i)名詞句、(ii)動詞句、(iii)形容詞句、または(iv)前置詞句を含むタイプを有するものとして識別することをさらに含み、前記変換することは、形成された前記タプルのタイプに基づく、請求項1に記載の方法。
  3. エンティティクラスを、
    タプルをベクトル表現として符号化することと、
    前記ベクトル表現を機械学習モデルに提供することと、
    前記機械学習モデルから、前記エンティティクラスを受信することとによって識別することをさらに含み、前記エンティティを前記ユーザデバイスに提供することは、前記エンティティクラスを前記ユーザデバイスに提供することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記中心エンティティを識別することは、
    前記談話ツリーにおいて、ルートノードの位置を特定することと、
    前記談話ツリーから、(i)詳述タイプの修辞関係を表す非終端ノードに関連付けられ、かつ(ii)核である基本談話単位を表す終端ノードのサブセットを決定することと、
    前記終端ノードのサブセットのノードごとに、前記ルートノードからのそれぞれのパス長を計算することと、
    前記終端ノードのサブセットから、前記パス長のうちパスの最小長であるパス長を有するトピックノードを識別することとを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記タプルのうちの1つ以上のタプルに関連付けられた各基本談話単位をそれぞれの論理表現に変換することは、
    タプルのタイプが名詞句または前置詞句であることを識別することと、
    論理述語として、先頭名詞または末尾名詞の1つ以上を抽出することと、
    前記論理述語の引数として、1つ以上の他の単語を抽出することとを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記タプルのうちの1つ以上のタプルに関連付けられた各基本談話単位をそれぞれの論理表現に変換することは、
    タプルのタイプが動詞句であることを識別することと、
    論理述語として前記タプルの動詞を抽出し、前記論理述語の引数として、1つ以上の他の単語を抽出することとを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 各タプルは、述語、主語、および目的語のうちの1つまたは複数を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記一般句に対応する前記タプルのうちの1つ以上のタプルのエンティティクラスを識別することをさらに含み、エンティティクラスは前記エンティティのカテゴリを表し、前記追加することは、前記エンティティクラスで前記オントロジーを更新することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. システムであって、
    コンピュータ実行可能プログラム命令を格納した非一時的なコンピュータ読取可能媒体と、
    前記コンピュータ実行可能プログラム命令を実行するために、前記非一時的なコンピュータ読取可能媒体に通信可能に結合された処理デバイスとを備え、前記コンピュータ実行可能プログラム命令を実行することは、動作を実行するように前記処理デバイスを構成し、前記動作は、
    複数のテキストコーパスのテキストコーパスごとに、前記オントロジーのオントロジーエントリを生成することを含み、前記生成することは、
    基本談話単位を含むテキストコーパスについて、基本談話単位間の修辞関係を表す談話ツリーを形成することを含み、前記談話ツリーは複数のノードを含み、各非終端ノードは、前記基本談話単位のうちの2つの基本談話単位間の修辞関係を表し、前記談話ツリーの前記ノードの各終端ノードは、前記基本談話単位のうちの1つに関連付けられ、前記動作はさらに、
    前記談話ツリーから、(i)詳述タイプの修辞関係に関連付けられ、かつ(ii)前記テキストコーパスの中心エンティティを識別するトピックノードに対応する中心エンティティを識別することと、
    前記談話ツリーから、詳述タイプでもジョイントタイプでもない修辞関係に関連付けられた、核である基本談話単位を識別することによって、前記中心エンティティに関連付けられた基本談話単位のサブセットを決定することと、
    前記基本談話単位のサブセットに関連付けられたテキストにおいて、前記基本談話単位のサブセット内の前記基本談話単位のうちの2つ以上の基本談話単位に共通する1つ以上の要素を識別することによって、一般句を形成することと、
    それぞれのフレーズに1つ以上の構文テンプレートまたは意味テンプレートを適用することによって、前記一般句からタプルを形成することとを含み、各タプルは正規形の単語の順序付けられたセットであり、前記動作はさらに、
    形成された前記タプルに関連付けられた基本談話単位を、述語と引数とを含む論理表現に変換することに応答して、識別された前記タプルからのエンティティを前記オントロジーに追加することと、
    ユーザデバイスからのクエリの受信に応答して、
    前記オントロジーから、前記クエリに基づいて、前記複数のエントリから第1のエンティティと第2のエンティティとを取得することと、
    前記第1のエンティティを含む第1の応答と、前記第2のエンティティを含む第2の応答とを形成することと、
    前記第1の応答について、機械学習モデルを前記クエリと前記第1の応答とに適用することによって、前記クエリと前記第1の応答との間の(i)関連性または(ii)修辞の一致の一方または両方を表す第1のスコアを決定することと、
    前記第2の応答について、前記機械学習モデルを前記クエリと前記第2の応答とに適用することによって、前記クエリと前記第2の応答との間の(i)関連性または(ii)修辞の一致の一方または両方を表す第2のスコアを決定することと、
    前記第1のスコアが前記第2のスコアより大きいことを識別することに応答して、前記ユーザデバイスに前記第1の応答を提供することとを含む、システム。
  10. 前記処理デバイスによって実行されると、前記命令はさらに、前記処理デバイスに、複数のタプルの各タプルを、(i)名詞句、(ii)動詞句、(iii)形容詞句、または(iv)前置詞句を含むタイプを有するものとして識別することを含む動作を実行させ、前記変換することは、形成された前記タプルのタイプに基づく、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記処理デバイスによって実行されると、前記命令はさらに、前記処理デバイスに、エンティティクラスを、
    タプルをベクトル表現として符号化することと、
    前記ベクトル表現を機械学習モデルに提供することと、
    前記機械学習モデルから、前記エンティティクラスを受信することとによって識別することを含む動作を実行させ、前記エンティティを前記ユーザデバイスに提供することは、前記エンティティクラスを前記ユーザデバイスに提供することを含む、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記中心エンティティを識別することは、
    前記談話ツリーにおいて、ルートノードの位置を特定することと、
    前記談話ツリーから、(i)詳述タイプの修辞関係を表す非終端ノードに関連付けられ、かつ(ii)核である基本談話単位を表す終端ノードのサブセットを決定することと、
    前記終端ノードのサブセットのノードごとに、前記ルートノードからのそれぞれのパス長を計算することと、
    前記終端ノードのサブセットから、前記パス長のうちパスの最小長であるパス長を有するトピックノードを識別することとを含む、請求項9、10、または11に記載のシステム。
  13. 前記タプルの1つまたは複数に関連付けられた各基本談話単位をそれぞれの論理表現に変換することは、
    タプルのタイプが名詞句または前置詞句であることを識別することと、
    論理述語として、先頭名詞または末尾名詞の1つ以上を抽出することと、
    前記論理述語の引数として、1つ以上の他の単語を抽出することとを含む、請求項9~12のいずれか1項に記載のシステム。
  14. 前記タプルのうちの1つ以上のタプルに関連付けられた各基本談話単位をそれぞれの論理表現に変換することは、
    タプルのタイプが動詞句であることを識別することと、
    論理述語として前記タプルの動詞を抽出し、前記論理述語の引数として、1つ以上の他の単語を抽出することとを含む、請求項9~13のいずれか1項に記載のシステム。
  15. 処理デバイスによって実行されると、前記処理デバイスに動作を実行させるコンピュータ実現可能命令を格納した非一時的なコンピュータ読取可能媒体であって、前記動作は、
    複数のテキストコーパスのテキストコーパスごとに、前記オントロジーのオントロジーエントリを生成することを含み、前記生成することは、
    基本談話単位を含むテキストコーパスについて、基本談話単位間の修辞関係を表す談話ツリーを形成することを含み、前記談話ツリーは複数のノードを含み、各非終端ノードは、前記基本談話単位のうちの2つの基本談話単位間の修辞関係を表し、前記談話ツリーの前記ノードの各終端ノードは、前記基本談話単位のうちの1つに関連付けられ、前記動作はさらに、
    前記談話ツリーから、(i)詳述タイプの修辞関係に関連付けられ、かつ(ii)前記テキストコーパスの中心エンティティを識別するトピックノードに対応する中心エンティティを識別することと、
    前記談話ツリーから、詳述タイプでもジョイントタイプでもない修辞関係に関連付けられた、核である基本談話単位を識別することによって、前記中心エンティティに関連付けられた基本談話単位のサブセットを決定することと、
    前記基本談話単位のサブセットに関連付けられたテキストにおいて、前記基本談話単位のサブセット内の前記基本談話単位のうちの2つ以上の基本談話単位に共通する1つ以上の要素を識別することによって、一般句を形成することと、
    それぞれのフレーズに1つ以上の構文テンプレートまたは意味テンプレートを適用することによって、前記一般句からタプルを形成することとを含み、各タプルは正規形の単語の順序付けられたセットであり、前記動作はさらに、
    形成された前記タプルに関連付けられた基本談話単位を、述語と引数とを含む論理表現に変換することに応答して、識別された前記タプルからのエンティティを前記オントロジーに追加することと、
    ユーザデバイスからのクエリの受信に応答して、
    前記オントロジーから、前記クエリに基づいて、前記複数のエントリから第1のエンティティと第2のエンティティとを取得することと、
    前記第1のエンティティを含む第1の応答と、前記第2のエンティティを含む第2の応答とを形成することと、
    前記第1の応答について、機械学習モデルを前記クエリと前記第1の応答とに適用することによって、前記クエリと前記第1の応答との間の(i)関連性または(ii)修辞の一致の一方または両方を表す第1のスコアを決定することと、
    前記第2の応答について、前記機械学習モデルを前記クエリと前記第2の応答とに適用することによって、前記クエリと前記第2の応答との間の(i)関連性または(ii)修辞の一致の一方または両方を表す第2のスコアを決定することと、
    前記第1のスコアが前記第2のスコアより大きいことを識別することに応答して、前記ユーザデバイスに前記第1の応答を提供することとを含む、非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
  16. 前記処理デバイスによって実行されると、前記コンピュータによって実現される命令はさらに、前記処理デバイスに、複数のタプルの各タプルを、(i)名詞句、(ii)動詞句、(iii)形容詞句、または(iv)前置詞句を含むタイプを有するものとして識別することを含む動作を実行させ、前記変換することは、形成された前記タプルのタイプに基づく、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
  17. エンティティクラスを、
    タプルをベクトル表現として符号化することと、
    前記ベクトル表現を機械学習モデルに提供することと、
    前記機械学習モデルから、前記エンティティクラスを受信することとによって識別することをさらに含み、前記エンティティを前記ユーザデバイスに提供することは、前記エンティティクラスを前記ユーザデバイスに提供することを含む、請求項16に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
  18. 前記中心エンティティを識別することは、
    前記談話ツリーにおいて、ルートノードの位置を特定することと、
    前記談話ツリーから、(i)詳述タイプの修辞関係を表す非終端ノードに関連付けられ、かつ(ii)核である基本談話単位を表す終端ノードのサブセットを決定することと、
    前記終端ノードのサブセットのノードごとに、前記ルートノードからのそれぞれのパス長を計算することと、
    前記終端ノードのサブセットから、パス長のうちパスの最小長であるパス長を有するトピックノードを識別することとを含む、請求項15、16または17に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
  19. 前記タプルのうちの1つ以上のタプルに関連付けられた各基本談話単位をそれぞれの論理表現に変換することは、
    タプルのタイプが名詞句または前置詞句であることを識別することと、
    論理述語として、先頭名詞または末尾名詞の1つ以上を抽出することと、
    引数として、1つ以上の他の単語を抽出することとを含む、請求項15~18のいずれか1項に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
  20. 前記処理デバイスによって実行されると、前記コンピュータ実現可能命令はさらに、前記処理デバイスに、
    前記一般句に対応する前記タプルのうちの1つ以上のタプルのエンティティクラスを識別することを含む動作を実行させ、エンティティクラスは前記エンティティのカテゴリを表し、前記追加することは、前記エンティティクラスで前記オントロジーを更新することを含む、請求項15~19のいずれか1項に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
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