JP2024502208A - メタン排出を低減するための組成物、反芻動物の代謝効率を改善する方法、及びメタン生成阻害剤の投与 - Google Patents

メタン排出を低減するための組成物、反芻動物の代謝効率を改善する方法、及びメタン生成阻害剤の投与 Download PDF

Info

Publication number
JP2024502208A
JP2024502208A JP2023561929A JP2023561929A JP2024502208A JP 2024502208 A JP2024502208 A JP 2024502208A JP 2023561929 A JP2023561929 A JP 2023561929A JP 2023561929 A JP2023561929 A JP 2023561929A JP 2024502208 A JP2024502208 A JP 2024502208A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compounds
compound
animal
methane
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023561929A
Other languages
English (en)
Inventor
フランシス フェネシー ピーター
ビルヘルム ネーフ ダニエル
Original Assignee
ムートラル イノベーションズ リミティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ムートラル イノベーションズ リミティド filed Critical ムートラル イノベーションズ リミティド
Publication of JP2024502208A publication Critical patent/JP2024502208A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23KFODDER
    • A23K50/00Feeding-stuffs specially adapted for particular animals
    • A23K50/10Feeding-stuffs specially adapted for particular animals for ruminants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23KFODDER
    • A23K10/00Animal feeding-stuffs
    • A23K10/30Animal feeding-stuffs from material of plant origin, e.g. roots, seeds or hay; from material of fungal origin, e.g. mushrooms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23KFODDER
    • A23K20/00Accessory food factors for animal feeding-stuffs
    • A23K20/10Organic substances
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23KFODDER
    • A23K20/00Accessory food factors for animal feeding-stuffs
    • A23K20/10Organic substances
    • A23K20/105Aliphatic or alicyclic compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23KFODDER
    • A23K20/00Accessory food factors for animal feeding-stuffs
    • A23K20/10Organic substances
    • A23K20/111Aromatic compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23KFODDER
    • A23K20/00Accessory food factors for animal feeding-stuffs
    • A23K20/10Organic substances
    • A23K20/116Heterocyclic compounds
    • A23K20/121Heterocyclic compounds containing oxygen or sulfur as hetero atom
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/20Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions in agriculture, e.g. CO2
    • Y02P60/22Methane [CH4], e.g. from rice paddies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/50Livestock or poultry management
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S426/00Food or edible material: processes, compositions, and products
    • Y10S426/807Poultry or ruminant feed

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Animal Husbandry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Birds (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Fodder In General (AREA)
  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】反芻動物の代謝効率を改善する餌サプリメントを提供する。【解決手段】メタン排出を低減するための組成物であって、有機ハロゲン化合物及び有機硫黄化合物を含む、組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、メタン排出を低減する組成物、及び/又は、1若しくは複数のメタン生成生物(すなわちメタン源)を阻害する組成物に関する。本発明は、また、反芻動物の代謝効率を改善する方法、及び、反芻動物、特に農業用反芻動物にメタン源阻害剤を投与する方法に関する。
本発明の背景
反芻動物は、炭素及び窒素を含有する餌を消費し、これらは、種々の物質へと変換され、例えば、炭素に富む脂質、脂肪、脂肪酸、及び炭水化物、並びに窒素に富むタンパク質、核酸、アミノ酸、及びヌクレオチドへと変換される。
これらの材料へと変換された餌は、動物の成長に寄与し、種々の有価動物生産物の主要な構成要素である。
しかしながら、反芻動物、例えば牛、羊、及びヤギ、は、炭素及び窒素の非効率的な使用者である。炭素からの反芻メタン生成は、エネルギーの損失であり、餌からの全エネルギー摂取の2~12%を占める。
さらに、反芻動物は、餌からのそれらの窒素の50%超を排泄することがあり、これは、主に、尿窒素及び糞窒素の形態である。
反芻動物からの炭素及び窒素の損失は、有価動物成長の損失であり、かつ大きな環境への影響を有し、例えば、強い温室効果ガスであるメタン及び亜酸化窒素を大気中に出すこと、及び土壌における窒素の浸出への寄与である。動物の成長を改善するために、かつ環境への炭素及び窒素の排出を低減するために、反芻動物に投与される餌サプリメントは、費用がかかり、最適かつ経済的な様式で投与することは困難である。
反芻動物におけるメタン生成を低減する既知の方法のうちの1つは、海藻を用いることによって行われる。しかしながら、動物に大量の海藻を与えることは、潜在的なリスク要因を有しうる。リスク要因の1つは、餌摂取及び性能における減少である。食物中に比較的高いレベルで提供される海藻は、牛肉(Roqueら、2021)及び乳牛(Roqueら2019、Stefenoniら2021、Muizelaarら2021)における低減された乾燥分摂取につながる。通常、乳牛は、それらの新鮮な餌に海藻が混ぜられたときに、海藻を拒否し、又はそれを選択しないことが観察されており、これは、海藻の乏しいおいしさを示す(Muizelaarら2021)。比較的低い餌摂取は、比較的低い性能にもつながることがあり、このことは、乳牛が高い投与レベルの海藻を与えられたときの低減された牛乳収率などによって示される(Roqueら2019、Stefenoniら2021、Muizelaarら2021)。海藻は、また、高いヨウ素レベルを含有することでも知られており(Makkarら2016)、家畜生成物へのその移転が研究されている。0.25%及び0.5%の含有レベルでの肉牛への食物における海藻(Asparagopsis Taxiformis)の提供は、106~225mg/日のヨウ素の1日摂取につながる(Roqueら、2021)。これは、0.5mg/kg DMI(NRC、2006)及びこの研究における10kg DM摂取に基づく約5mg/日の1日当たりの推奨ヨウ素摂取レベルを超過する。牛乳へのヨウ素の移転は、より大きな懸念である。Leanら(2021)によれば、食物中における0.5%でのAsparagopsis Taxiformisの提供は、ヨウ素レベルを5倍にし3mg/Lへと増加させる。
メタン排出を低減するための改善された組成物を開発することの必要性が明らかに存在し、特に、上述したリスク要因が低減され、かつ/又はその組成物が海藻と比較して改善された食べやすさを有することの必要性が明らかに存在する。
また、反芻動物の代謝効率を改善し、それによって環境へのメタン排出及び窒素浸出を低減することの必要性も明らかに存在し、動物の成長レベルを改善しかつ有価動物生産物の量を増加させることの必要性も明らかに存在する。
本発明は、反芻動物の代謝効率を改善する餌サプリメントを提供することによってこの必要性に対応する。この餌サプリメントは、環境へのメタンの排出及び窒素の浸出を低減し、そうでなければ排出されたメタン及び浸出した窒素に代わっていたであろうエネルギーを、有価動物生産物に変換し、そのようにして、反芻動物の代謝効率を改善する。
反芻動物への餌サプリメントの投与を改善し、それによって動物成長を改善し、かつ環境への炭素及び窒素の損失を低減することの必要性が明らかに存在する。
本発明は、組成物、及び、メタン生成阻害剤餌サプリメント投与を提供することによってこれに対応し、これは、メタンの排出及び窒素の浸出を最適かつ経済的に低減し、そうでなければ排出されたメタン及び浸出した窒素に代わっていたであろうエネルギーを、有価動物産物に変換する。
本発明によれば、第1の態様において、メタン排出を低減するための組成物が提供され、これは、有機ハロゲン化合物及び有機硫黄化合物を含有する。
図1は、Methanococcus maripaludis培養体とともにインキュベートされた後の本発明に係る種々の組成物の%メタン阻害を示す。 図2は、Methanococcus maripaludis培養体とともにインキュベートされた後の本発明に係る種々の組成物の%メタン阻害を示す。
いくつかの態様では、有機ハロゲン化合物が、有機臭素化合物である。好ましい態様では、有機ハロゲン化合物が、ブロモホルム(CHBr3)である。
いくつかの態様では、有機硫黄化合物が、植物のネギ属の種(Allium species)由来である。いくつかの態様では、有機硫黄化合物が、アリシン(C6H10S2O)、ジアリルスルフィド(C6H10S)、ジアリルジスルフィド(C6H10S2)、及びアリルメルカプタン(C3H6S)である。好ましい態様では、有機硫黄化合物が、アリシンである。
いくつかの態様では、有機ハロゲン化合物の、有機硫黄化合物に対する比が、1:10~1:3500であり、より好ましくは1:1000~1:2500である。
いくつかの態様では、組成物が、ポリフェノール化合物をさらに含む。いくつかの態様では、ポリフェノール化合物が、バイオフラボノイドを含有し、又はバイオフラボノイドである。いくつかの態様では、ポリフェノール化合物が、ナリンギン、ネオヘスペリジン、又はこれらの組み合わせを含む。
いくつかの態様では、組成物を、1又は複数のメタン源を阻害するために用いる。いくつかの態様では、組成物を、動物の代謝効率を改善するために用い、より特には、反芻動物、例えば牛、ヤギ又は羊の代謝効率を改善するために用いる。
本件発明者らは、有機ハロゲン化合物(例えばブロモホルム)が有機硫黄化合物(例えばアリシン)と組み合わされたときに、本発明の組成物が、メタン源の高い%阻害を示すことを見出した。
特に、有機ハロゲン化合物及び有機硫黄化合物は、相乗的に働いて、メタン生成を低減することが示された。この相乗的な組み合わせは、個々の要素の合計よりも大きい効果をもたらす。本件発明者らは、さらに、有機ハロゲン化合物(例えばブロモホルム)と、有機硫黄及びポリフェノール化合物を含有する粉混合物(例えばNXRH214粉体)とを含む組成物も、効果的なメタン源阻害(メタン生成阻害)をもたらすことを見出した。
また、本発明によれば、第2の態様において、本発明の組成物を含有する動物餌であり、その他については本記載で別途記載される。
また、本発明によれば、第3の態様において、本発明の組成物又は本発明の動物餌の、メタン排出を低減するための、かつ/又はメタン源を阻害するための、かつ/又は動物の代謝効率を改善するための、使用である。
また、本発明によれば、第4の態様において、メタン排出を低減する方法であり、この方法は、本発明の組成物又は動物餌を動物に投与すること含み、より特には、反芻動物に投与することを含む。いくつかの例では、反芻動物は、牛、ヤギ又は羊である。
また、本発明によれば、第5の態様において、1又は複数のメタン源を阻害する方法であり、この方法は、本発明の組成物又は動物餌を動物に投与すること含み、より特には、反芻動物に投与することを含む。いくつかの例では、反芻動物は、牛、ヤギ又は羊である。
また、本発明によれば、第6の態様において、動物の代謝効率を向上する方法であり、この方法は、本発明の組成物又は動物餌を動物に投与すること含み、より特には、反芻動物に投与することを含む。いくつかの例では、この反芻動物は、牛、ヤギ又は羊である。
また、本開示で開示されるのは、1又は複数のメタン源を阻害するための組成物であり、この組成物は、有機ハロゲン化合物及び有機硫黄化合物を含む。有機ハロゲン化合物及び有機硫黄化合物のその他については、本開示で記載される。
また、本開示で開示されるのは、動物の代謝効率を向上するための組成物であり、この組成物は、有機ハロゲン化合物及び有機硫黄化合物を含む。有機ハロゲン化合物及び有機硫黄化合物のその他については、本開示で記載される。
また、本開示で開示されるのは、反芻動物において、排泄される窒素を低減し、かつ/又は排出されるメタンを低減し、かつ/又は窒素に富んでおりかつ炭素に富んでいる物質を増加させる方法であり、これは、上記反芻動物に、有効量の、少なくとも1種のメタン源阻害剤を投与する工程(ステップ)を含む。1つの実施態様では、この方法が、上記反芻動物に、本開示の任意の組成物を投与することを含む。
1つの実施態様では、メタン源阻害剤が、有機ハロゲン化合物、有機ハロゲン化合物に富む海洋大型海藻、有機硫黄化合物、有機硫黄に富む植物、ポリフェノール化合物、及びポリフェノールに富む植物を含む群から選択される。
1つの実施態様では、有機ハロゲン化合物が、CH3Cl、CH3Br、CH3I、CH2Cl2、CH2Br2、CH2I2、CHCl3、CHBr3、CHI3、CCl4、CBr4、CH2ClBr、CH2ClI、CH2BrI、CHBr2Cl、CHBrI2、CHBrClI、CHBr2I、CHBrCl2、CH3CH2Br、CH3CH2I、CH3CH2CH2I、CH3(CH2)3I、CH3(CH2)4Br、CH3(CH2)4I、(CH3)2CHI、CH3CH2CH(CH3)I、(CH3)2CHCH2I、BrCH2CH2Br、ClCH=CCl2、及びCH3CH2CH2CH2Iから選択される。
1つの実施態様では、有機ハロゲンに富む海洋大型海藻が、Asparagopsis armata、Asparagopsis taxiformis、アミジグサ属の種(Dictyota)、サヤミドロ属の種(Oedogonium)、アオサ属の種(Ulva)、及びCladophora patentirameaから選択される。
1つの実施態様では、有機硫黄化合物が、アリシン(C6H10S2O)、ジアリルスルフィド(C6H10S)、ジアリルジスルフィド(C6H10S2)、及びアリルメルカプタン(C3H6S)を含む群から選択される。
1つの実施態様では、有機硫黄に富む植物が、ネギ属の種(Allium)であり、これは、Allium sativum、Allium ampelopraum、及びAllium cepaを含む群から選択される。
1つの実施態様では、ポリフェノール化合物が、フラボノイド、バイオフラボノイド、非ババイオフラボノイドを含む群から選択される。少なくとも1つのポリフェノール化合物が、例えば、バイオフラボノイド、アントキサンチン、フラボン、フラボノール、フラバノン、フラバノノール、フラバン、アントシアニジン、イソフラバン、ネオフラバン、アントキサンチン、イソフラボン、プロアントシアニジン、フェノール酸、ヒドロキシケイ皮酸、クマリン、スチルベノイド、アンスラキノン、リグナン、リグニン、タンニン、ポリフェノールタンパク、カテキン、ルチン、アカセチン、ゲニスタイン、ケンペロール、ガロカテキン、没食子酸カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、クェルセチン、アロカテキン、没食子酸ガロカテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸エピガロカテキン、ケンペロール、クェルセチン、ナリンギン、ネオヘスペリジン、エリオシトリン、イソナリンギン、ナリンゲニン、ヘスペリジン、ロイフォリン、ジオスミン、ジジミン(Didymin)、ヘスペレチン、ポンシリン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、クマル酸、ケイ皮酸、没食子酸、エラグ酸、プロトカテク酸、クロロゲン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、プニカラギン、プニカリンのうちの少なくとも1つを含んでよい。
1つの実施態様において、ポリフェノールに富む植物は、ネギ属の種(Allium)、アブラナ属の種(Brassica)、ツバキ属の種(Camelia)、トウガラシ属の種(Capsicum)、ミカン属の種(Citrus)、Citrus aurantium、キュウリ属の種(Cucumis)、リンゴ属の種(Malus)、バショウ属の種(Musa)、インゲンマメ属の種(Phaseolus)、スモモ属の種(Prunus)、ザクロ属の種(Punica)、ナシ属の種(Pyrus種)、ナス属の種(Solanum)、及びスノキ属の種(Vaccinium)を含む群から選択される。
本発明の別の態様では、反芻動物において、排泄される窒素及び排出される炭素を低減し、かつ有価物である窒素に富みかつ炭素に富む物質を増加するための方法が提供され、この方法は、上記動物に、本開示で記載される餌サプリメント又は本開示で記載される餌を投与する工程を含む。
本開示でさらに開示されるのは、反芻動物において、排泄される窒素を低減し、かつ/又は排出されるメタンを低減し、かつ/又は窒素に富みかつ炭素に富む物質を増加させる方法であり、これは、有効量の少なくとも1種のメタン生成阻害剤を、上記反芻動物に、段階的に投与することを含む。1つの実施態様では、この方法が、上記反芻動物に、本開示に記載される組成物を投与することを含む。
1つの実施態様では、段階的な投与が、少なくとも1つの投与分(1ドーズ)のメタン生成阻害剤を有し、これは、上記反芻動物の重量のパーセンテージで、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、及び10%を含む群から選択される。
1つの実施態様では、段階的な投与が、少なくとも1つの投与分(1ドーズ)のメタン生成阻害剤を有し、これは、上記反芻動物の餌の重量のパーセンテージで、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、及び10%を含む群から選択される。
1つの実施態様では、段階的な投与が、逐次的な投与分の間の少なくとも1つのインターバル(間隔)を有し、これは、1分、1時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、2週間、3週間、4週間、6週間、2ヶ月、3か月、4か月、6か月、9か月、及び12か月を含む群から選択される。
発明の詳細な説明
本発明によれば、有機ハロゲン化合物及び有機硫黄化合物を含む、メタン排出を低減するための組成物が提供される。この組成物は、1又は複数のメタン源を阻害するためにも使用できる。本開示で言及される任意の「組成物」は、「動物餌サプリメント」としても言及されうる。
いくつかの態様では、1又は複数のメタン源が、属:Methanobacterium、Methanosarcina、Methanobrevibacter、Methanosarcina、Methanoculleus、Methanosphaera、Methanocorpusculum、Methanofollis、Methanogenium、Methanomicrobium、Methanopyrus、Methanoregula、Methanasaeta、Methanthermobacter、又はMethanococcusを有する。いくつかの態様では、1又は複数のメタン源が、Methanobacterium formicicum、Methanobacterium bryantii、Methanobrevibacter ruminantium、Methanobrevibacter millerae、Methanobrevibacter olleyae、Methanomicrobium mobile、Methanoculleus olentangyi、Methanosarcina barkeri、Methanobrevibacter boviskoreani、Methanobacterium beijingense、Methanoculleus marisnigri、Methanoculleus bourgensis、Methanosarcina mazei、Methanobrevibacter gottschalkii、Methanobrevibacter thaueri、Methanobrevibacter smithii、Methanosphaera stadtmanae、Methanobrevibacter woesei、Methanobrevibacter woliniiから選択される。いくつかの例では、1又は複数のメタン源が、Methanococcus maripaudisである。
以下で、本発明を、本発明の好ましい実施態様に従って、かつ添付の記載に言及して、説明する。しかしながら、本発明の好ましい実施態様への記載の限定は、単に、本発明の議論を促進させるためであることが理解されるべきであり、当業者であれば、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく種々の修正を考えつくであろうと想定される。
- 有機ハロゲン化合物
本発明の組成物は、有機ハロゲン化合物(すなわち少なくとも1つの有機ハロゲン化合物)を含む。
有機ハロゲン化合物は、ハロゲンを含有する有機化合物である。いくつかの実施態様では、有機ハロゲン化合物が、C1~C6のアルキルハロゲン化合物である。いくつかの実施態様では、有機ハロゲン化合物が、塩素、臭素、ヨウ素、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施態様では、有機ハロゲン化合物として、CH3Cl、CH3Br、CH3I、CH2Cl2、CH2Br2、CH2I2、CHCl3、CHBr3、CHI3、CCl4、CBr4、CH2ClBr、CH2ClI、CH2BrI、CHBr2Cl、CHBrI2、CHBrClI、CHBr2I、CHBrCl2、CH3CH2Br、CH3CH2I、CH3CH2CH2I、CH3(CH2)3I、CH3(CH2)4Br、CH3(CH2)4I、(CH3)2CHI、CH3CH2CH(CH3)I、(CH3)2CHCH2I、BrCH2CH2Br、ClCH=CCl2、及びCH3CH2CH2CH2Iが挙げられる。いくつかの実施態様では、有機ハロゲン化合物が、トリハロメタンである。いくつかの実施態様では、有機ハロゲン化合物が、有機臭素化合物であり、より好ましくは、有機ハロゲン化合物が、ブロモホルム(CHBr3)である。
有機ハロゲン化合物の生物源は、有機ハロゲンに富む海洋大型海藻(macroalgae)である。例えば、有機ハロゲンに富む海洋大型海藻は、Asparagopsis armata、Asparagopsis taxiformis、アミジグサ属の種(Dictyota)、サヤミドロ属の種(Oedogonium)、アオサ属の種(Ulva)、及びCladophora patentirameaからなる群から選択される少なくとも1種の海洋大型海藻を含む。したがって、いくつかの実施態様では、有機ハロゲン化合物が、有機ハロゲンに富む海洋大型海藻に由来し、例えば、Asparagopsis armata、Asparagopsis taxiformis、アミジグサ属の種(Dictyota)、サヤミドロ属の種(Oedogonium)、アオサ属の種(Ulva)、及びCladophora patentirameaからなる群から選択される。
他の実施態様では、有機ハロゲン化合物が、バクテリア、菌類、及びシアノバクテリアによって産生される。例えば、バクテリアとしては、Streptomyces種及びZobellia galactanivoransからなる群から選択されるバクテリアの1つの種が挙げられる。例えば、菌類としては、Pyricularia oryzae、Curvularia inaequalis、Pyrenophora tritici-repentis、及びEmbellisia didymosporaからなる群から選択される菌類の1つの種が挙げられる。例えば、シアノバクテリアとしては、Trichodesmium erythraeum、Synechococcus種、及びAcaryochloris marinaからなる群から選択されるシアノバクテリアの1つの種が挙げられる。
他の実施態様では、有機ハロゲンが、合成物であり、すなわち、有機ハロゲンが、化学的に合成されたものである。他の実施態様では、有機ハロゲンが、組み換え酵母によって産生されたものである。
いくつかの実施態様では、組成物中の有機ハロゲン化合物の濃度が、100nM超、110nM超、120nM超、又は130nM超、又は140nM超、又は150nM超である。いくつかの実施態様では、組成物中での有機ハロゲン化合物の濃度が、10000nM未満、又は1000nM未満、又は500nM未満、又は200nM未満、又は175nM未満、又は160nM未満、又は150nM未満、又は140nM未満、又は130nM未満である。いくつかの実施態様では、組成物中における有機ハロゲン化合物の濃度が、100nM~10000nM、100nM~1000nM、100nM~500nM、100nM~300nM、100nM~200nM、又は110nM~175nMである。いくつかの実施態様では、有機ハロゲン化合物が、有機臭素化合物であり、好ましくはブロモホルムである。
- 有機硫黄化合物
本発明の組成物は、有機硫黄化合物(すなわち、少なくとも1つの有機硫黄化合物)を含む。
有機硫黄化合物は、硫黄を含有する有機化合物である。特定の実施態様では、それぞれの有機硫黄化合物が、独立に、チオエーテル、チオエステル、チオアセタール、チオール、ジスルフィド、ポリスルフィド、スルホキシド、スルホン、チオスルフィネート、スルフィミド、スルホキシミド、スルホンジイミン、チオケトン、チオアルデヒド、スルフィン、スルフェン、チオカルボキシル酸(ジチオカルボキシル酸を含む)、スルホン酸、スルフィン酸、スルフェン酸、スルホン酸エステル、スルフィン酸エステル、スルフェン酸エステル、スルホン酸アミド、スルフィン酸アミド、スルフェン酸アミド、スルホニウム化合物、オキソスルホニウム化合物、スルホニウムイリド、オキソスルホニウムイリド、チオカルボニルイリド、スルフラン、及びぺルスルフランから選択されてよい。特定の実施態様では、それぞれの有機硫黄化合物が、独立に、チオエステル、スルホキシド、チオエーテル、ジスルフィド、ポリスルフィド(トリスルフィドを含む)、及びチオールから選択される。特定の実施態様では、それぞれの有機硫黄化合物が、独立に、チオエステル、スルホキシド、チオエーテル、ジスルフィド、及びポリスルフィド(トリスルフィドを含む)から選択される。特定の実施態様では、それぞれの有機硫黄化合物が、独立に、ジスルフィド、及びポリスルフィド(トリスルフィドを含む)から選択される。特定の実施態様では、それぞれの有機硫黄化合物が、ジスルフィドである。
いくつかの実施態様では、有機硫黄化合物が、植物のネギ種(Allium種)由来である。いくつかの実施態様では、有機硫黄化合物が、ジスルフィド化合物であり、より特には、ジアリルジスルフィド化合物である。
特定の実施態様では、それぞれの有機硫黄化合物が、独立に、アリシン、アリシン、アリルプロピルジスルフィド、ジアリルトリスルフィド、s-アリルシステイン、ビニルジチイン(3-ビニル-4H-1,2-ジチイン及び2-ビニル-4H-1,3-ジチイン)、並びにジアリルジスルフィドから選択される。
いくつかの実施態様では、有機硫黄化合物が、アリシン(C6H10S2O)、ジアリルスルフィド(C6H10S)、ジアリルジスルフィド(C6H10OS2)、及びアリルメルカプタン(C3H6S)から選択される。特定の態様では、有機硫黄化合物が、アリシンであり、又はアリシンを含む。
アリシンは、C6H10S2の化学式を有する有機硫黄化合物であり、下記に構造を示す。
Figure 2024502208000001
アリシンなどの有機硫黄化合物は、例えば、ニンニク(ガーリック)又は他のネギ属の種から得ることができる。例えば、有機硫黄化合物(例えばアリシン)は、ニンニク(Allium sativum)等のネギ属の種の抽出物から得ることができる。用語「抽出」は、水性抽出物、非水性抽出物、アルコール性抽出物、濃縮物、オイル、マセラシオン、粉体、粒体、及びこれらの2以上の組み合わせを包含する。例えば、有機硫黄化合物(例えばアリシン)は、生のニンニク、乾燥ニンニク、又はこれらの組み合わせから得ることができる。有機硫黄化合物(例えばアリシン)は、例えば、現在知られており又は後に発見されるネギの任意の亜種及び品種から由来してよく、例えば、ニンニク(Allium sativum)、Allium ursinum、Allium fistulosum、Allium cepa、及びAllim tricoccumから由来してよい。例えば、有機硫黄化合物(例えばアリシン)は、独立に、亜種のニンニクophioscorodon(ハードネックガーリック)及びsativum(ソフトネックガーリック)から由来してよい。例えば、有機硫黄化合物(例えばアリシン)は、独立に、ポーセリンガーリック(porcelain garlics)、ヒメニンニク(Rocambole Garlics)、パープルストライプガーリック(purple stripe garlics)、マーブルパープルストライプ(marbled purple stripe garlics)、グレーズパープルストライプガーリック(glazed purple stripe garlics)、アーティチョークガーリック(artichoke garlics)、シルバースキンガーリック(silverskin garlics)、アジアガーリック(asiatic garlics)、ターバンガーリック(turban garlics)、及びクレオールガーリック(Creole garlics)に由来してよい。特に、有機硫黄化合物(例えばアリシン)は、Allium sativumから得てよい。
有機硫黄化合物(例えばアリシン)の元となりうるネギ属の種(Allium、アリウム)は、例えば、処理又は加工されていてもよい。例えば、ネギ種は、「熟成」又は「黒」であってよく(例えば、熟成ニンニク又は黒ニンニクであってよく)、制御された条件下でネギ種を保存し、特定の温度、湿度、及び溶媒の下で、例えば数日又は数週間にわたって、加熱して、メイラード反応又は褐変反応を経たのちに球根を黒色化させることによって、得られる。例えば、アリウムは、「乾燥され」又は「脱水」されてよく、新鮮な又は熟成されていないニンニクを30℃から120℃の温度にまで加熱し、その構成成分を異なる化合物へと転換又は変換させ又はさせることなく、約3~10%の湿分含有量を達成することによって、得られる。例えば、アリウムは、「新鮮」又は「非熟成」であってよく(例えば新鮮なニンニク又は熟成されていないニンニク)、であってよく、その構成成分を異なる化合物へと意図的に転換又は変換するための特定の処理又は加工を経ることなく得られる。新鮮なアリウム又は非熟成アリウムは、例えば、においを除去するために処理又は加工されてよい(脱臭化)(例えば、脱臭化ニンニク抽出物)。一般に、封入プロセス又は被覆プロセスを適用して、においをマスキング又は低減してよい。代替的に又は追加的に、味マスキング材、例えば緑茶、パセリ、バジル、ホウレンソウ等を、組成物中においてにおいをマスキング又は低減するために添加してよい。
有機硫黄化合(例えばアリシン)は、本開示に記載される組成物中に加えられる前に、単離かつ/又は精製されてよく、又はされなくてよい。したがって、特定の実施態様では、本開示で記載される組成物が、生ニンニク、乾燥ニンニク、及び/又はニンニク抽出物を含有しうる。他の実施態様では、有機硫黄化合物(例えばアリシン)が、化学的に合成される。特定の実施態様では、アリナーゼの天然源を処理してアリナーゼを放出させ、アリナーゼのこの処理された天然源をアリインに接触させ、それによりアリインを酵素的にアリシンへと変換させ随意にアリシンを抽出することによって、アリシンを得てよい。適切な方法が、例えば、WO03/004668にさらに記載されており、その内容を、参照によって本開示に取り込む。
他の実施態様では、有機硫黄化合物、例えばアリシンが、合成物であってよく、すなわち、化学的に合成されたものであってよい。
いくつかの実施態様では、組成物中の有機硫黄化合物の濃度が、10μM超、又は100μM超、又は150μM超、又は175μM超、又は200μM超、又は225μM超、又は250μM超、又は275μM超である。いくつかの実施態様では、組成物中の有機硫黄化合物の濃度が、350μM未満、又は325μM未満、又は300μM未満、又は275μM未満、又は250μM未満、又は225μM未満である。いくつかの実施態様では、組成物中の有機硫黄化合物の濃度が、10μM~350μM、100μM~350μM、150μM~350μMであり、いくつかの実施態様では、200μM~300μMである。
- 有機ハロゲン化合物の、有機硫黄化合物に対する比
いくつかの実施態様では、組成物中における、有機ハロゲン化合物の、有機硫黄化合物に対する比が、好ましくは、1:10~1:3500である。いくつかの実施態様では、組成物中における、有機ハロゲン化合物の、有機硫黄化合物に対する比が、1:50~1:3500、又は1:100~1:3500、又は1:500~1:3500、又は1:750~1:3500、又は1:1000~1:3500、又は1:1500~1:3500、又は1:2000~1:3500である。いくつかの実施態様では、組成物中における、有機ハロゲン化合物の、有機硫黄化合物に対する比が、1:500~1:3000、又は1:500~1:2750、又は1:500~1:2500、又は1:500~1:2000、又は1:500~1:1500である。好ましい実施態様では、組成物中における、有機ハロゲンの、有機硫黄化合物に対する比が、1:750~1:3000、又は1:1000~1:2500である。
いくつかの例では、有機ハロゲンが、有機臭素化合物であり、例えば、ブロモホルムであり、有機硫黄化合物が、ジスルフィド、例えばアリシン、である。
- ポリフェノール化合物
本発明の組成物は、ポリフェノール化合物(すなわち1又は複数のポリフェノール化合物)をさらに含有してよい。
用語「ポリフェノール」は、芳香族炭化水素基に直接結合したヒドロキシル基(-OH)を有する化学化合物である。用語「ポリフェノール化合物」は、1超のフェノール基を含有する化合物に言及している。本開示で記載されるポリフェノール化合物は、バイオフラボノイド、非バイオフラボノイドポリフェノール化合物、又はこれらの組み合わせを含んでよい。この少なくとも1つのポリフェノール化合物は、例えば、少なくとも1つのバイオフラボノイドを含有してよい。
用語「バイオフラボノイド」は、植物及び菌類の二次代謝物のクラスであって2つのフェニル環(A及びB)並びに複素環(C)(C6-C3-C6と略されうる)からなる15炭素骨格の一般構造を有するものに言及している。したがって、バイオフラボノイドは、ポリフェノールである。用語「バイオフラボノイド」は、アントキサンチン(フラボン及びフラボノールを含む)、フラバノン、フラバノノール、フラバン、及びアントシアニジンを含む。用語「バイオフラボノイド」は、フラボン骨格(2-フェニル-1,4-ベンゾピロン)、イソフラバン骨格(3-フェニルクロメン-4-オン)、又はネオフラバン骨格(4-フェニルクマリン)を有する化合物も含む。用語「非バイオフラボノイドポリフェノール化合物」は、当分野で知られている他のクラスのポリフェノール化合物であって本開示に記載される用語バイオフラボノイドの定義に当てはまらないものに言及する。用語「非バイオフラボノイドポリフェノール化合物」は、6以上の炭素、7以上の炭素、8以上の炭素、9以上の炭素、10以上の炭素、13以上の炭素、14以上の炭素、16以上の炭素、18以上の炭素、又は30以上の炭素を有するポリフェノール化合物を含む。用語「非バイオフラボノイドポリフェノール化合物」は、ポリフェノール酸(C6-C1構造)、スチルベノイド(C6-C2-C6構造)、アントラキノン(C6-C2-C6構造)及びリグナン(C6-C3構造)2を含むが、これに限定されない。いくつかの実施態様では、非バイオフラボノイドポリフェノール化合物が、植物ポリマーであり、リグニン、カテコールメラニン、フラボラン、ポリフェノールタンパク、及びポリフェノールが挙げられるがこれらに限定されない。特定の実施態様では、1又は複数のバイオフラボノイドが、それぞれ独立に、アントラキサンチン(フラボン及びフラボノールを含む)、フラバノン(フラバノングリコシドを含む)、フラバノノール、フラバン、イソフラボン、アントシアニジン、及びプロアントシアニジンから選択される。いくつかの実施態様では、バイオフラボノイドの1又は複数が、独立に、アントキサンチン及びフラバノン(フラバノングリコシドを含む)から選択される。特定の実施態様では、すべてのバイオフラボノイドが、アントキサンチン及び/又はフラバノンである。特定の実施態様では、1又は複数のバイオフラボノイドが、独立に、フラボン又はフラバノンである。特定の実施態様では、すべてのバイオフラボノイドが、フラボン及び/又はフラバノンである。フラボン及びフラバノンは、例えば、独立に、それぞれ、フラボングリコシド及びフラバノングリコシドである。特定の実施態様では、1又は複数のバイオフラボノイドが、フラバノンである。特定の実施態様では、1又は複数のバイオフラボノイドのすべてが、フラバノンである。特定の実施態様では、1又は複数のバイオフラボノイドが、フラバノングリコシドである。特定の実施態様では、すべてのバイオフラボノイドが、フラバノングリコシドである。1又は複数のバイオフラボノイドが、例えば、ナリンギン、ネオヘスペリジン、エリオシトリン、イソナリンギン、ナリンゲニン、ヘスペリジン、ロイフォリン、ジオスミン、ジジミン、ヘスペレチン、ポンシリン、カテキン、ルチン、アカセチン、ゲニスタイン、ケンペロール、クェルセチン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸カテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸エピガロカテキン、及び没食子酸ガロカテキンからなる群から選択されてよい。特定の実施態様では、1又は複数のバイオフラボノイドが、ナリンギン及びネオヘスペリジンを含む。特定の実施態様では、1又は複数のバイオフラボノイドが、ナリンギン及びネオヘスペリジンの組み合わせである。特定の実施態様では、1又は複数のバイオフラボノイドが、1又は複数の、カテキン、ルチン、アカセチン、ゲニステイン、ケンペロール、ガロカテキン、没食子酸カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、及びクェルセチンを含む。特定の実施態様では、1又は複数のバイオフラボノイドが、カテキン、ルチン、アカセチン、ゲニステイン、及びケンペロールのうちの1又は複数を含む。特定の実施態様では、1又は複数のバイオフラボノイドが、カテキン、ルチン、アカセチン、ゲニステイン、及びケンペロールの組み合わせである。特定の実施態様では、1又は複数のバイオフラボノイドが、ガロカテキン、没食子酸カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸ガロカテキン、没食子酸エピガロカテキン、ケンペロール、及びクェルセチンのうちの1又は複数を含む。特定の実施態様では、1又は複数のバイオフラボノイドが、ガロカテキン、没食子酸カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、ケンペロール、及びクェルセチンを含む。特定の実施態様では、1又は複数のバイオフラボノイドが、ガロカテキン、没食子酸カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸ガロカテキン、没食子酸エピガロカテキン、ケンペロール、及びクェルセチンの組み合わせである。特定の実施態様では、1又は複数のバイオフラボノイドが、ガロカテキン、没食子酸カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、ケンペロール、及びクェルセチンの組み合わせである。
いくつかの実施態様では、ポリフェノールが、1又は複数の非バイオフラボノイドポリフェノール化合物を含む。いくつかの実施態様では、1又は複数の非バイオフラボノイドポリフェノール化合物が、それぞれ独立に、フェノール酸、スチルベノイド、アンスラキノン、リグナン、リグニン、タンニン、ポリフェノールタンパク、及びポリフェノールから選択される。特定の実施態様では、非バイオフラボノイドポリフェノール化合物の1又は複数のそれぞれが、独立に、タンニン及びポリフェノールから選択される。特定の実施態様では、すべての非バイオフラボノイドポリフェノール化合物が、タンニン及び/又はポリフェノールである。
本開示に記載される組成物は、1又は複数のポリフェノール化合物を含む。例えば、組成物が、2以上のポリフェノール化合物、又は3以上のポリフェノール化合物、又は4以上のポリフェノール化合物、又は、5以上、若しくは6以上、若しくは7以上、若しくは8以上、若しくは9以上、若しくは10以上の、ポリフェノール化合物を含んでよい。例えば、組成物は、1、2、3、4、又は5のポリフェノール化合物を含んでよい。本開示に記載される組成物は、1又は複数のバイオフラボノイドを含有する。例えば、組成物は、2以上のバイオフラボノイド、又は3以上のバイオフラボノイド、又は4以上のバイオフラボノイド、又は、5以上、若しくは6以上、若しくは7以上、若しくは8以上、若しくは9以上、若しくは10以上の、バイオフラボノイドを含有してよい。例えば、組成物は、1、2、3、4、又は5のバイオフラボノイドを含有してよい。例えば、組成物は、ナリンギン及びネオヘスペリジンであってよい2つのバイオフラボノイドを含有してよい。別の例では、組成物が、5つのバイオフラボノイドを含有してよく、これらは、カテキン、ルチン、アカセチン、ゲニステイン、及びケンペロールであってよい。代替的な実施態様では、組成物が、7つのバイオフラボノイドを含有してよく、これらは、ガロカテキン、没食子酸カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、ケンペロール、及びクェルセチンであってよい。代替的な実施態様では、組成物が、9のバイオフラボノイドを含有してよく、これらが、ガロカテキン、没食子酸カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸ガロカテキン、没食子酸エピガロカテキン、ケンペロール、及びクェルセチンであってよい。
1又は複数のポリフェノール化合物、例えば1又は複数のバイオフラボノイドは、例えば、植物(例えばくだもの又は野菜)の一部から得ることができる。例えば、フラボノールは、トマト、マメ、アーモンド、及び/又はカブから得ることができる。例えば、フラバン-3-オールは、桃、プラム、イチゴ、及び/又は緑茶から得ることができる。例えば、フラボンは、スイカ及び/又はコショウから得ることができる。例えば、フラボノンは、柑橘種の果物から得ることができる。例えば、アントシアニジンは、ブルーベリー、バナナ、イチゴ、クランベリー、及び/又はプラムから得ることができる。1又は複数のポリフェノール化合物、例えば1又は複数のバイオフラボノイドは、例えば、柑橘種果物、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツ、ポメロ、又はライムから得ることができる。特に、1又は複数のポリフェノール化合物、例えば1又は複数のバイオフラボノイドは、オレンジから得ることができる。1又は複数のポリフェノール化合物、例えば1又は複数のバイオフラボノイドは、例えば、ザクロ種の果実、例えばザクロ(Punica granatum)又はソコトラザクロ(Punica protopunica)から得ることができる。特に、1又は複数のポリフェノール化合物、例えば1又は複数のバイオフラボノイドは、ザクロ(Punica granatum)から得ることができる。
1又は複数のポリフェノール化合物、例えば1又は複数のバイオフラボノイドは、例えば、ツバキ属の種の植物(例えば葉)から得てよく、ツバキ属の種の植物は、例えばCamellia sinensis、Camellia taliensis、Camellia oleifera、Camellia assimilis、Camellia azalea、Camellia brevistyla、Camellia caudata、Camellia chekiangoleosa、Camellia chrysantha、Camellia chrysanthoides、Camellia connata、Camellia crapnelliana、Camellia cuspidata、Camellia euphlebia、Camellia euryoides、Camellia flava、Camellia fleuryi、Camellia forrestii、Camellia fraterna、Camellia furfuracea、Camellia gilbertii、Camellia granthamiana、Camellia grijsii、Camellia hengchunensis、Camellia hiemalis、Camellia hongkongensis、Camellia irrawadiensis、Camellia japonica、Camellia kissii、Camellia lutchuensis、Camellia miyagii、Camellia nitidissima、Camellia nokoensis、Camellia parviflora、Camellia pitardii、Camellia pleurocarpa、Camellia polyodonta、Camellia pubupetala、Camellia reticulata、Camellia rosiflora、Camellia rusticana、Camellia salicifolia、Camellia saluenesis、Camellia sasanqua、Camellia semiserrata、Camellia trasnokoensis、Camellia tsaii、Camellia tunghinensis、Camellia vietnamensis、Camellia xwilliasii、及びCamellia yunnanensisである。特に、1又は複数のバイオフラボノイドは、Camellia sinensis(茶植物)から得ることができる。Camellia sinensisの任意の亜種及び品種を用いることができる。Camellia sinensisの一部(例えば葉)を、処理しないで良く、又は処理してよく、例えば、蒸すことによって、しおれさせることによって、ローラ処理することによって、酸化によって、発酵によって、かつ/又は乾燥によって、処理してよい。1又は複数のポリフェノール化合物、例えば1又は複数のバイオフラボノイドは、例えば、緑茶(Camellia sinensis)の葉から得ることができる。
例えば、1又は複数のポリフェノール化合物、例えば1又は複数のバイオフラボノイドは、ミカン属の種の果物、ザクロ属の種の果物、又はツバキ属の種の植物の一部の抽出物から得てよい。用語「抽出物」は水性抽出物、非水性抽出物、アルコール性抽出物、濃縮物、オイル、マセラシオン、粉体、粒体、及びこれらの2以上の組み合わせを包含する。例えば、1又は複数のポリフェノール化合物、例えば1又は複数のバイオフラボノイドは、乾燥柑橘果物、乾燥ザクロ果物、又は乾燥ツバキ植物の部分(例えば葉)から得てよい。例えば、1又は複数のポリフェノール化合物、例えば1又は複数のバイオフラボノイドは、生の柑橘果物、生のザクロ果物、又は生のツバキ植物の部分(例えば葉)から得てよい。
1又は複数のポリフェノール化合物、例えば1又は複数のバイオフラボノイドは、本開示に記載される組成物中に取り込まれる前に、単離かつ/又は精製されていてよく又はされていなくてよい。したがって、特定の実施態様では、本開示に記載される組成物は、生の柑橘果物、乾燥柑橘果物、及び/若しくは柑橘果物の抽出物、又は生のザクロ果物、乾燥ザクロ果物、及び/若しくはザクロ果物の抽出物、又は生のツバキ植物、乾燥ツバキ植物、及び/若しくはツバキ植物の抽出物を含んでよい。
他の実施態様では、1又は複数のポリフェノール化合物、例えば1又は複数のバイオフラボノイドは、それぞれ独立に、化学的に合成されたものであってよい。
特定の実施態様では、本開示に記載される組成物が、2つのポリフェノール化合物を含み、例えば2つのバイオフラボノイドを含む。第1のポリフェノール化合物の、第2のポリフェノール化合物に対する比、例えば第1のバイオフラボノイドの、第2のバイオフラボノイドに対する比は、例えば、約0.5:5~約3:1の範囲であってよい。例えば、第1のポリフェノール化合物の、第2のポリフェノール化合物に対する比、例えば第1のバイオフラボノイドの、第2のバイオフラボノイドに対する比は、約0.5:5~約2.5:1、又は約0.5:5~約2:1、又は約0.5:5~約1.5:1、又は0.5:5~約1:1の範囲であってよい。例えば、第1のポリフェノール化合物の、第2のポリフェノール化合物に対する比、例えば第1のバイオフラボノイドの、第2のバイオフラボノイドに対する比は、約1:5~約3:1、又は約1.5:5~約3:1、又は2:5~約3:1、又は約2.5:5~約3:1、又は3:5~約3:1、又は約3.5:5~約3:1、又は約4:5~約3:1、又は約4.5:5~約3:1、又は約5:5~約3:1の範囲であってよい。この比は、好ましくは2:1である。
特定の実施態様では、本開示で記載される組成物が、ナリンギン及びネオヘスペリジンを含有する。特定の実施態様では、少なくとも1つのポリフェノールが、大部分の成分としてナリンギン、ネオヘスペリジン又はそれらの組み合わせを含有し、大部分とは、ポリフェノール化合物の合計重量の少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%に言及している。ナリンギンの、ネオヘスペリジンに対する比は、例えば、約0.5:5~約3:1の範囲であってよい。例えば、ナリンギンの、ネオヘスペリジンに対する比は、約0.5:5~約2.5:1、又は約0.5:5~約2:1、又は約0.5:5~約1.5:1、又は約0.5:5~約1:1の範囲であってよい。例えば、ナリンギンの、ネオヘスペリジンに対する比は、約1:5~約3:1、又は約1.5:5~約3:1、又は約2:5~約3:1、又は約2.5:5~約3:1、又は約3:5~約3:1、又は約3.5:5~約3:1、又は約4:5~約3:1、又は約4.5:5~約3:1、又は約5:5~約3:1の範囲であってよい。この比は、好ましくは2:1である。
特定の実施態様では、合計の有機硫黄化合物の、合計のポリフェノール化合物に対する比(例えば、合計の有機硫黄化合物の、合計のバイオフラボノイドに対する比)が、約16:1~約1:30の範囲である。例えば、合計の有機硫黄化合物の、合計のポリフェノール化合物に対する比(例えば、合計の有機硫黄化合物の、合計のバイオフラボノイドに対する比)は、約15:1~約1:30、又は約14:1~約1:30、又は約13:1~約1:30、又は約12:1~約1:30、又は約10:1~約1:30、又は約16:1~約1:16の範囲であってよい。例えば、合計の有機硫黄化合物の、合計のポリフェノール化合物に対する比(例えば、合計の有機硫黄化合物の、合計のバイオフラボノイドに対する比)は、約9:1~約1:25、又は約8:1~約1:20、又は約7:1~約1:15、又は約6:1~約1:10、又は約5:1~約1:8、又は約4:1~約1:7、又は約3:1~約1:6、又は約2:1~約1:5、又は約1:1~約1:4の範囲であってよい。例えば、合計の有機硫黄化合物の、合計のポリフェノール化合物に対する比(例えば、合計の有機硫黄化合物の、合計のバイオフラボノイドに対する比)は、約1:1~約1:3、又は約2:1~約1:4の範囲であってよい。例えば、合計の有機硫黄化合物の、合計のポリフェノール化合物に対する比(例えば、合計の有機硫黄化合物の、合計のバイオフラボノイドに対する比)は、約1:3であってよい。
特定の実施態様では、有機硫黄化合物の、合計のポリフェノール化合物に対する比(例えば、合計の有機硫黄化合物の、合計のバイオフラボノイドに対する比)が、約16:1~約1:30の範囲である。例えば、有機硫黄化合物の、合計のポリフェノール化合物に対する比(例えば、合計の有機硫黄化合物の、合計のバイオフラボノイドに対する比)は、約15:1~約1:30、又は約14:1~約1:30、又は約13:1~約1:30、又は約12:1~約1:30、又は約10:1~約1:30、又は約16:1~約1:16の範囲であってよい。有機硫黄化合物の、合計のポリフェノール化合物に対する比(例えば、合計の有機硫黄化合物の、合計のバイオフラボノイドに対する比)は、約9:1~約1:25、又は約8:1~約1:20、又は約7:1~約1:15、又は約6:1~約1:10、又は約5:1~約1:8、又は約4:1~約1:7、又は約3:1~約1:6、又は約2:1~約1:5、又は約1:1~約1:4の範囲であってよい。例えば、有機硫黄化合物の、合計のポリフェノール化合物に対する比(例えば、合計の有機硫黄化合物の、合計のバイオフラボノイドに対する比)は、約1:4~約1:8、又は約1:1~約1:3、又は約2:1~約1:4の範囲であってよい。例えば、有機硫黄化合物の、合計のポリフェノール化合物に対する比(例えば、合計の有機硫黄化合物の、合計のバイオフラボノイドに対する比)は、約1:6であってよく、又は約1:3であってよい。好ましい実施態様では、有機硫黄化合物が、ジスルフィド化合物である。好ましい実施態様では、有機硫黄化合物が、アリシンであり、かつ/又は、ポリフェノール化合物が、ナリンギン及びネオヘスペリジンを含有するバイオフラボノイドである。
いくつかの実施態様では、有機硫黄化合物及び少なくとも1つのポリフェノール化合物が、混合物として提供されてよい。混合物は、WO2018/220340A1に記載されているようなものであってよく、この文献は参照によって本開示に取り込まれる。ここで記載される例では、混合物中における、有機硫黄化合物の、合計のポリフェノール化合物に対する比が、1:3であり、ニンニク粉末の、柑橘抽出物に対する比が、93:7であり、これは、本開示で記載される例において「NXRH214」として言及される。ここで記載されるいくつかの例では、有機ハロゲン化合物(例えばブロモホルム)の、有機硫黄及びポリフェノール化合物を含む粉状混合物(例えばNXRH214粉体)に対する比が、1:100~1:100000、より好ましくは1:30000~1:100000、又は1:35000~1:83000である。
- 他の添加物
組成物は、例えば、他の動物餌サプリメントをさらに含んでよく、他の動物餌サプリメントとしては、例えば、ビタミン、ミネラル、抗生物質、成長促進剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。例えば、組成物は、他の生物学的に活性な動物餌サプリメントを含有してよく、これは、例えば、メタン生成・排出を低減しかつ/又は動物への栄養の利用可能性を向上するために適している。ビタミンは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、シアノコバラミン、カロテノイド(ベータカロテン、ゼアキサンチン、ルテイン、及びリコペンを含む)、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC、コリン、イノシトール、並びにこれらの塩及び誘導体のうちの1以上であってよい。ミネラルは、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、コバルト、ホウ素、ヨウ素、ナトリウム、カリウム、モリブデン、セレニウム、クロミウム、フッ素、及び塩素のうちの1又は複数であってよい。動物餌サプリメントは、例えば、約0.001重量%~約5重量%のそれぞれの追加的な動物餌サプリメントを含有してよく、又は約0.01重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約5重量%のそれぞれの追加的な動物餌サプリメントを含有してよい。
組成物は、例えば、有機硫黄化合物、有機ハロゲン化合物、及び随意の少なくとも1つのポリフェノール化合物に加えて、他の成分を含有してよく、例えば、香料、色素、安定化剤、酸化防止剤、緩衝剤、乳化剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤、微量栄養素(例えばセレニウム)、ビタミン、他の餌材(例えば炭化水素、例えば糖及びスターチ)、可溶及び不溶の繊維、セルロース、リグノセルロース、穀物粒、穀物ぬか、穀物粒中間体、穀物殻、果物及び野菜のたね、動物の皮、植物の皮、などが挙げられる。
- 動物餌
本開示でさらに開示されるのは、本開示で記載される組成物を含む動物餌である。動物餌は、固体(例えば、粉末、粒状体、ペレット)であってよく、半固体(例えば、ゲル、軟膏、クリーム、ペースト)であってよく、又は液体(例えば、溶液、懸濁液、エマルジョン)であってよい。動物餌は、独立に、固体、半固体(例えば、ゲル、軟膏、クリーム、ペースト)、又は液体(例えば、溶液、懸濁液、エマルジョン)であってよい。例えば、動物餌は、同時に、液体、又は半固体、又は固体のいずれでもあってよい。代替的には、動物餌及び組成物は、それぞれ、異なる物理状態であってよい。例えば、動物餌が、固体又は半固体であってよく、かつ組成物が液体であってよい。組成物は、例えば、反芻動物肥育場配給物に「かける」(上に追加される)ために用いてよく、又は、合計の混合された配給物中にブレンドするために用いてもよい。組成物は、例えば、動物の飲料水に添加してよい。特定の実施態様では、組成物を、摂取の直前に、動物の飲料水に添加してよく、例えば、摂取の1時間前までに添加してよく、又は、摂取の30分前までに添加してよく、又は摂取の15分前までに添加してよく、又は摂取の5分前までに添加してよい。動物餌の3つの主要なタイプは、粗飼料、濃縮物、及び混合餌を含む。一般に、粗飼料は、濃縮物と比較して、高い割合の粗繊維及び比較的低い割合の可消化栄養素を含む。例えば、粗飼料は、20重量%以上の粗繊維及び60重量%以下の合計の可消化栄養素を含有するとして定義できる。粗飼料としては、例えば、乾燥粗飼料(例えば、干し草、わら、少なくとも90重量%の乾燥物を含む人工的に脱水されたまぐさ)、サイレージ(生のまぐさ、例えば、草、アルファルファ、モロコシ属、及びコーン、から形成され、乾燥物含有量20~50%でサイロで保存されたもの)、及び牧草(例えば、高い水含有を有しかつ一般に30%未満の乾燥物を含む、まぐさ(秣)を提供する生の生えた牧草)が挙げられる。粗飼料の2つの基本的なタイプとしては、草及びマメ科植物が挙げられる。草は、一般に、マメ科植物よりも、繊維及び乾燥物に富む。マメ科植物は、一般に、タンパク質、代謝可能エネルギー、ビタミン、及びミネラルが比較的高い。濃縮物は、粗飼料よりも、比較的低い粗繊維及び比較的高い割合の可消化栄養素を含有する。例えば、濃縮物は、20重量%未満の粗繊維及び60重量%超の合計可消化栄養素を含むとして定義できる。濃縮物は、例えば、エネルギーに富む穀物及び糖蜜を含んでよい。コーン、小麦、オーツ麦、オオムギ、及びミロ(モロコシ属の穀物)は、エネルギーに富む穀物であり、約70~80重量%の合計の可消化栄養素を含有する。
混合餌は、一般に、粗飼料と濃縮物の混合体であり、「完全な」バランスのとれた配給物を提供するためのものであり、エネルギー、タンパク質及び繊維が高くてよく又は低くてよい。少なくとも1つの有機硫黄化合物及び少なくとも1つのポリフェノール化合物(例えば少なくとも1つのバイオフラボノイド)は、例えば、動物に投与されることが意図される1又は複数の有機ハロゲン化合物、1又は複数の有機硫黄化合物、及び随意の1又は複数のポリフェノール化合物(例えば1又は複数のバイオフラボノイド)の合計の量に応じて、種々の量で動物餌と組み合わされてよい。
動物餌は、例えば、動物餌の合計乾燥重量に基づいて、約0.0001重量%~約10重量%の有機硫黄化合物(例えばアリシン)を含有してよい。動物餌は、例えば、動物餌の合計乾燥重量に基づいて、約0.3重量%~約10重量%の有機硫黄化合物(例えばアリシン)を含有してよい。例えば、動物餌は、動物餌の合計乾燥重量に基づいて、約0.001重量%~約9.5重量%、又は約0.005重量%~約9重量%、又は約0.01重量%~約8.5重量%、又は約0.05重量%~約8重量%、又は約0.1重量%~約7.5重量%、又は約0.9重量%~約7重量%、又は約1重量%~約6重量%、又は約1.5重量%~約5.5重量%、又は約2重量%~約5重量%、又は約2.5重量%~約4.5重量%、又は約3重量%~約4重量%の、有機硫黄化合物(例えばアリシン)を含有してよい。例えば、動物餌は、動物餌の合計乾燥重量に基づいて、約0.4重量%~約9.5重量%、又は約0.5重量%~約9重量%、又は約0.6重量%~約8.5重量%、又は約0.7重量%~約8重量%、又は約0.8重量%~約7.5重量%、又は約0.9重量%~約7重量%、又は約1重量%~約6重量%、又は約1.5重量%~約5.5重量%、又は約2重量%~約5重量%、又は約2.5重量%~約4.5重量%、又は約3重量%~約4重量%の、有機硫黄化合物(例えばアリシン)を含有してよい。本開示で記載される動物餌サプリメント又は動物餌組成物中に存在する合計の有機硫黄化合物(例えばアリシン)の濃度は、典型的には、それぞれの有機ハロゲン化合物の濃度を超過する。上記のように、動物餌における、有機ハロゲン化合物の、有機硫黄化合物に対する比は、約1:10~1:3500、又は1:100~1:3500、又はより好ましくは1:1000~1:2500であってよい。したがって、いくつかの実施態様では、動物餌が、動物餌の合計乾燥重量に基づいて、約0.00015重量%~約0.01重量%の有機硫黄化合物(例えばアリシン)を含有してよい。
存在する場合、動物餌は、例えば、動物餌の合計乾燥重量に基づいて、約0.0001重量%~約10重量%の合計のポリフェノール化合物(例えば合計のバイオフラボノイド)を含有してよい。動物餌は、例えば、動物餌の合計乾燥重量に基づいて、約0.1重量%~約10重量%の合計のポリフェノール化合物(例えば合計のバイオフラボノイド)を含有してよい。例えば、動物餌は、動物餌の合計乾燥重量に基づいて、約0.001重量%~約10重量%、又は約0.005重量%~約10重量%、又は約0.01重量%~約9.5重量%、又は約0.05重量%~約9重量%、又は約0.1重量%~約8.5重量%、又は約0.7重量%~約8重量%、又は約0.8重量%~約7.5重量%、又は約0.9重量%~約7重量%、又は約1重量%~約6重量%、又は約1.5重量%~約5.5重量%、又は約2重量%~約5重量%、又は約2.5重量%~約4.5重量%、又は約3重量%~約4重量%の、合計のポリフェノール化合物(例えば合計のバイオフラボノイド)を含有してよい。例えば、動物餌は、動物餌の合計乾燥重量に基づいて、約0.2重量%~約10重量%、又は約0.3重量%~約10重量%、又は約0.4重量%~約9.5重量%、又は約0.5重量%~約9重量%、又は約0.6重量%~約8.5重量%、又は約0.7重量%~約8重量%、又は約0.8重量%~約7.5重量%、又は約約0.9重量%~約7重量%、又は約1重量%~約6重量%、又は約1.5重量%~約5.5重量%、又は約2重量%~約5重量%、又は約2.5重量%~約4.5重量%、又は約3重量%~約4重量%の、合計のポリフェノール化合物(例えば合計のバイオフラボノイド)を含有してよい。本開示で記載される動物餌サプリメント又は動物餌組成物中に存在する合計の有機硫黄化合物(例えばアリシン)の濃度は、合計の1又は複数のポリフェノール化合物の濃度を超過してよい。
- 本開示の方法
本開示では、メタンを低減する方法、例えば、動物によるメタン生成を低減する方法が開示され、この方法は、本開示で記載される組成物又は動物餌を、動物に、より特には反芻動物に、投与することを含む。
本開示で記載される組成物及び方法は、例えば、メタンの生成及び/又は排出を、(本件動物餌サプリメントが消費されなかった場合のメタン生成及び/又は排出と比較して)少なくとも約10%低減する。例えば、動物餌サプリメントは、メタンの生成及び/又は排出を、少なくとも約10%、又は少なくとも約15%、又は少なくとも約25%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約35%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約45%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%、低減する。本開示に記載される動物餌サプリメントは、例えば、メタン生成及び/又は排出を、100%以下で、低減する。例えば、動物餌サプリメントは、メタンの生成及び/又は排出を、約99%以下で、約98%以下で、又は約97%以下で、又は約96%以下で、又は約95%以下で、又は約90%以下で、又は約85%以下で、又は約80%以下で、又は約75%以下で、又は約70%以下で、低減してよい。これは、例えば、ホーエンハイムガス試験(Hohenheim gas test)によって、又は圧力計によって計測してよい。
本開示にさらに記載されるのは、本開示に記載される組成物又は動物餌を、動物に、より特には反芻動物に投与することを含む、1又は複数のメタン源を阻害する方法である。いくつかの実施態様では、本開示に記載される組成物及び組み合わせを用いて、下記から選択される1又は複数のメタン源を低減できる:Methanobacterium formicicum、Methanobacterium bryantii、Methanobrevibacter ruminantium、Methanobrevibacter millerae、Methanobrevibacter olleyae、Methanomicrobium mobile、Methanoculleus olentangyi、Methanosarcina barkeri、Methanobrevibacter boviskoreani、Methanobacterium beijingense、Methanoculleus marisnigri、Methanoculleus bourgensis、Methanosarcina mazei、Methanobrevibacter gottschalkii、Methanobrevibacter thaueri、Methanobrevibacter smithii、Methanosphaera stadtmanae、Methanobrevibacter woesei、Methanobrevibacter wolinii。
本開示でさらに記載されるのは、動物の代謝効率を向上させる方法であり、この方法は、動物に、本発明の組成物又は動物餌を投与することを含む。代謝効率における向上は、動物産物、例えば、1又は複数の肉、脂肪、ウール(すなわち繊維)、及び牛乳、の増加した収率をもたらすことができる。したがって、本発明の組成物又は方法は、動物の肉及び/又は脂肪及び/又はウール及び/又は牛乳の生産を改善できる。
本発明に記載の組成物、動物餌、及び方法は、例えば、牛乳及び/又は肉及び/又はウールの生産を、(組成物又は動物餌が消費されなかった場合の牛乳及び/又は肉及び/又は脂肪及び/又はウールの生産と比較して)少なくとも約20%増加しうる。例えば、本組成物又は本動物餌は、牛乳及び/又は肉及び/又は脂肪及び/又はウールの生産を、少なくとも約25%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約35%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約45%、又は少なくとも約50%、増加しうる。本開示に記載される組成物又は動物餌は、例えば、牛乳及び/又は肉及び/又は脂肪及び/又はウールの生産を、100%以下増加させうる。例えば、本組成物又は本動物餌は、牛乳及び/又は肉及び/又は脂肪及び/又はウールの生産を、約95%以下、又は約90%以下、又は約85%以下、又は約80%以下、又は約75%以下、又は約70%以下、増加させうる。これは、例えば、日当たりに生産される牛乳の体積、又は、生産される、動物の重量、若しくはウールの重量、及び/若しくは肉の重量によって、計測できる。
本開示に記載される組成物及び動物餌は、例えば、牛乳及び/又は肉及び/又はウールの生産の効率を、(組成物又は動物餌が消費されなかった場合の牛乳及び/又は肉及び/又は脂肪及び/又はウールの生産の効率と比較して)少なくとも約20%増加しうる。例えば、本組成物又は本動物餌は、牛乳及び/又は肉及び/又は脂肪及び/又はウールの生産の効率を、少なくとも約25%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約35%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約45%、又は少なくとも約50%、増加しうる。本開示に記載される組成物又は動物餌は、例えば、牛乳及び/又は肉及び/又は脂肪及び/又はウールの生産の効率を、100%以下増加させうる。例えば、本組成物又は本動物餌は、牛乳及び/又は肉及び/又は脂肪及び/又はウールの生産の効率を、約95%以下、又は約90%以下、又は約85%以下、又は約80%以下、又は約75%以下、又は約70%以下、増加させうる。効率は、消費された栄養素の単位当たりの、特定の生物プロセス(例えば、牛乳、肉、脂肪、ウールの生産)の程度に関係する。これは、例えば、日当たりに生産される牛乳の体積又は動物の重量若しくはウールの重量若しくは脂肪の重量における変化を動物によって消費された合計の栄養素で割ったものによって計測できる。本開示に記載される組成物又は動物餌は、例えば、栄養素の利用可能性を、(組成物又は動物餌が消費されなかった場合の牛乳及び/又は肉及び/又は脂肪及び/又はウールの生産と比較して)少なくとも約20%増加しうる。例えば、本開示に記載される組成物又は動物餌は、栄養素の利用可能性を、少なくとも約25%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約35%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約45%、又は少なくとも約50%、増加しうる。本開示に記載される組成物又は動物餌は、例えば、栄養素の利用可能性を、100%以下増加させうる。例えば、本組成物又は本動物餌は、栄養素の利用可能性を、約95%以下、又は約90%以下、又は約85%以下、又は約80%以下、又は約75%以下、又は約70%以下、増加させうる。栄養素の利用可能性は、動物に利用可能な栄養素の量であって生物学的機能/代謝機能のために用いられるものに言及している。
いくつかの実施態様では、反芻動物が、牛、ヤギ、ヒツジ、ヤク、鹿、又はレイヨウである。いくつかの実施態様では、反芻動物が、牛、ヤギ、又は羊である。
本組成物又は動物餌は、動物に、経口的に投与されてよい。いくつかの実施態様では、本組成物又は動物餌は、動物に、日常的に投与されてよい。
反芻動物の代謝効率を向上すること
本開示は、餌サプリメントの調製を提供し、これらは、生物学的に又は合成して得られる有機ハロゲン化合物、有機硫黄化合物、及びポリフェノール化合物を取り込んでおり、これらは、反芻動物への経口投与に適していて、それらの代謝効率を向上させ、そのようにして、排出メタンの減少及び排泄窒素の減少、並びに、有価動物産物例えば肉、脂肪、繊維、及び牛乳の増加をもたらす。
本発明は、特定の有機ハロゲン化合物、有機硫黄化合物及びポリフェノール化合物が、反芻動物におけるメタンの排出を低減するために反芻動物に投与されたときに、その反芻動物の代謝効率も向上させ、かつ尿中窒素の排泄も減少させ、かつ有価動物産物の生産も増加させるという予想外の知見に基づいている。さらに、上記有機ハロゲン化合物、有機硫黄化合物、及びポリフェノール化合物が特定の組み合わせで投与されたときに、排出メタン及び排泄窒素の両方の低減における驚くべき促進があり、かつ有価動物産物の生産の増加における驚くべき促進がある。
本件発明者らは、有機ハロゲンに富む海洋大型海藻及び有機硫黄に富む植物及びポリフェノールに富む植物の特定の組み合わせを含む餌サプリメントからの代謝効率の予想外かつ驚くべき向上を見出した。
本発明の有機ハロゲンに富む海洋大型海藻及び有機硫黄に富む植物及びポリフェノールに富む植物の組み合わせは、反芻動物に投与されたときに、メタン生成を低減し、かつ反芻メタン生成を低減する。メタン生成の低減は、下記を含む異なる様式で起こる:メタン生成生物の成長を制限することによって又は殺すことによってメタン生成生物を減少させること、メタン生成に関与する酵素を制限することによって又は停止させることによって、メタン生成プロセスを低減すること。
牛、羊、及びヤギで確認されているメタン源は、Methanobacterium formicicum、Methanobacterium bryantii、Methanobrevibacter ruminantium、Methanobrevibacter millerae、Methanobrevibacter olleyae、Methanomicrobium mobile、Methanoculleus olentangyi、Methanosarcina barkeri、Methanobrevibacter boviskoreani、Methanobacterium beijingense、Methanoculleus marisnigri、Methanoculleus bourgensis、Methanosarcina mazei、Methanobrevibacter gottschalkii、Methanobrevibacter thaueri、Methanobrevibacter smithii、Methahospheaera stadtmanae、Methanobrevibacter woesei、及びMethanobrevibacter woliniiが挙げられる。したがって、いくつかの実施態様では、本開示に記載される組成物及び組み合わせを用いて、Methanobacterium formicicum、Methanobacterium bryantii、Methanobrevibacter ruminantium、Methanobrevibacter millerae、Methanobrevibacter olleyae、Methanomicrobium mobile、Methanoculleus olentangyi、Methanosarcina barkeri、Methanobrevibacter boviskoreani、Methanobacterium beijingense、Methanoculleus marisnigri、Methanoculleus bourgensis、Methanosarcina mazei、Methanobrevibacter gottschalkii、Methanobrevibacter thaueri、Methanobrevibacter smithii、Methahospheaera stadtmanae、Methanobrevibacter woesei、及びMethanobrevibacter woliniiから選択される1又は複数のメタン源を低減できる。
本発明の有機ハロゲンに富む海洋大型海藻及び有機硫黄に富む植物及びポリフェノールに富む植物の組み合わせは、メタン排出及び尿窒素排泄の低減における驚くべき促進を有し、かつ有価動物産物の増加における驚くべき促進を有し、これは、メタン生成の阻害の異なる様式の間の相乗効果に起因すると考えられ、その例としては下記が挙げられる:
海洋大型海藻のカギケノリ属の種(Asparagopsis species)からの有機ハロゲン化合物としては、有機臭素化合物、特には、ブロモホルム(CHBr3、トリブロモメタン)が挙げられ、これは、メタン生成の第2から最後の工程で必要とされる低減されたビタミンB12コファクターと反応することによってメチルトランスフェラーゼ酵素の効率を阻害し、また最終電子受容体として働くことによってメタン生成を競合的に阻害する。
植物のネギ属の種(Allium)からの有機硫黄化合物は、アリシン及びジアリルジスルフィドが挙げられ、これらは、重要なチオ含有酵素との酸化的な相互作用に起因して、かつ酵素HMG-CoAリダクターゼを阻害することによって、抗メタン生成活性を有する。
植物のミカン属の種からのポリフェノール化合物としては、フラボノイド ネオヘスペリジン、及びナリンギンが挙げられ、これらは、抗メタン生成活性を有する。
本件発明者は、本発明のサプリメントに起因する代謝効率における予期せずかつ驚くべき改善が、胃腸寄生虫の減少をもたらす駆虫効果、乳腺炎を含む細菌感染の減少をもたらす抗細菌効果、に例示される追加的な健康上の利益、及び、反芻動物に投与されたときの、本発明の有機ハロゲンに富む海洋大型海藻及び有機硫黄に富む植物及びポリフェノールに富む植物の組み合わせに存在する補助的な微量のミネラル及びビタミンの提供、にも起因しうることを見出した。
本発明の有機ハロゲンに富む海洋大型海藻及び有機硫黄に富む植物及びポリフェノールに富む植物の組み合わせは、特定の組み合わせ及び特定の比率で、餌サプリメントとして投与できる。
本発明の有機ハロゲンに富む海洋大型海藻及び有機硫黄に富む植物及びポリフェノールに富む植物の組み合わせは、別個の餌サプリメントとして投与してよく、又は、混合された組成物餌サプリメントとして投与されてよい。
使用
本開示に記載される組成物又は動物餌(すべての実施態様及び実施態様の組み合わせを含む)は、動物によるメタン生成及び/又は排出を低減するために、動物による窒素排泄を低減するために、動物への栄養素の利用可能性を増加するために、かつ/又は、動物によって産生される有価の窒素に富みかつ炭素に富む動物産物を増加させるために、用いられてよい。
特定の実施態様では、動物が、反芻動物である。反芻動物は、反芻亜目及び核脚亜目に属するものから選択される動物が挙げられ、かつ、家畜化された反芻動物、例えば、牛(例えば乳牛)、ヤギ、ヒツジ、バッファロー、ヤク、鹿、又はアンテロープが挙げられる。
特に、本発明の組成物又は餌サプリメントは、有効量で反芻動物に投与されたときに、低減された反芻動物メタン生成をもたらし、これは、そうでなければ、主に口及び鼻腔を介したガスの吐き出しによって大気中に排出され、これは、餌から摂取した全エネルギーの2~12%の、エネルギー損失となる。
メタンは、二酸化炭素の地球温暖化効果の28倍の地球温暖化効果を有する温暖化ガスである。腸溶性メタンは、反芻消化の副産物であり、繊毛虫、細菌、古細菌(アーキア)、及び嫌気性菌類を含む微生物の複雑なコミュニティによってメタン生成経路と呼ばれるプロセスを介して、生成される。牛は、羊及びヤギそれぞれよりも約7倍及び約9倍多いメタンを生成する。腸溶性メタンは、ルーメンで主に(87~90%)産生され、比較的少ない程度(13%~10%)で大腸において生成される。
本発明の組成物及び餌サプリメントは、代謝エネルギーをメタン生成からそらし、それを同化成長プロセスに向ける。したがって、餌サプリメントは、反芻動物における生体重量の増加をもたらし、これは、下記によって決定される:動物質量の直接の計量、空身体質量(腸内物を除く合計質量)を測定するためのコンピュータ断層撮影(CT)スキャン、死骸質量、及び組成分析(除脂肪筋肉、脂肪、及び主脂肪の分布、及び、肝臓を含む臓器における変化)。
有価の窒素に富みかつ炭素に富む動物製品の例は、組織に基づく商品であり、これは例えば、肉、臓物、及び革が挙げられる。
有価の窒素に富みかつ炭素に富む動物製品の他の例は、分泌に基づく商品及びこれらの商品の製品であり、例えば、牛乳、ホールミルク、ミルクパウダー、クリーム、アイスクリーム、チーズ、及びヨーグルトが挙げられる。
有価の窒素に富みかつ炭素に富む動物製品の他の例は、繊維に基づく商品であり、例えば、ウール、角、及び鹿ツノが挙げられる。
本発明の組成物及び餌サプリメントは、代謝効率における予想外かつ驚くべき向上をもたらし、これは、排泄される尿窒素の低減をもたらす可能性が高く、これは、排尿後に、草原上の尿区画に溜まる。尿区画における過剰の排泄窒素が、最適な草原植物効率に必要とされるよりも多い場合には、過剰な窒素が、硝酸塩(NO3-)浸出、及び、アンモニア(NH3)、亜酸化窒素(N2O)、及び窒素(N2)揮発を介して失われる。亜酸化窒素は、温室効果ガスとして大気にとって特にダメージが大きく、二酸化炭素の298倍の地球温暖化能力を有する。地下水への窒素の損失は、水中生物相の制御されない成長をもたらすことがあり、そのようにして、生態系を損傷し、有害な藻の大量発生、及び水系の富栄養化を引き起こす。
製造方法
本開示に記載される組成物及び動物餌サプリメントは、1以上の有機ハロゲン組成物、及び1以上の有機硫黄化合物、及び1以上のポリフェノール化合物を組み合わせることによって得てよい。
有機ハロゲン組成物は、適切な生物源から合成又は抽出してよく、生で又は処理された態様で用いてよい。例えば、有機ハロゲン組成物は、CH3Cl、CH3Br、CH3I、CH2Cl2、CH2Br2、CH2I2、CHCl3、CHBr3、CHI3、CCl4、CBr4、CH2ClBr、CH2ClI、CH2BrI、CHBr2Cl、CHBrI2、CHBrClI、CHBr2I、CHBrCl2、CH3CH2Br、CH3CH2I、CH3CH2CH2I、CH3(CH2)3I、CH3(CH2)4Br、CH3(CH2)4I、(CH3)2CHI、CH3CH2CH(CH3)I、(CH3)2CHCH2I、BrCH2CH2Br、ClCH=CCl2、及びCH3CH2CH2CH2I。
有機ハロゲン組成物の生物源は、有機ハロゲンに富む海洋大型海藻である。例えば、有機ハロゲンに富む海洋大型海藻は、Asparagopsis armata、Asparagopsis taxiformis、Dictyota(アミジグサ属の種)、Oedogonium(サヤミドロ属の種)、Ulva(アオサ属の種)、及びCladophora patentirameaからなる群から選択される海洋大型海藻のうちの少なくとも1つの種が挙げられる。
有機硫黄化合物は、適切な生物源から合成又は抽出でき、かつ生で又は処理された態様で用いることができる。有機硫黄化合物は、有機硫黄二次代謝物、アリシン(C6H10S2O)、ジアリルスルフィド(C6H10S)、ジアリルジスルフィド(C6H10S2)、及びアリルメルカプタン(C3H6S)が挙げられる。
有機硫黄化合物の生物源は、有機硫黄に富む植物である。例えば、有機硫黄に富む植物は、ネギ属の種(Allium)、A.sativum(ニンニク)、A.ampeloprasum(ニラ)、A.cepa(玉ねぎ及びエシャロット)が挙げられる。1又は複数の有機硫黄化合物は、葉、茎(幹)、樹皮、根、球根、花、果実、及び種子を含む、1又は複数の植物の部分から得ることができる。
ポリフェノール化合物は、適切な生物源から合成又は抽出でき、かつ生で又は処理された態様で用いることができる。例えば、ポリフェノール化合物は、バイオフラボノイド及びフェノール化合物を含む。フェノール化合物という用語は、芳香族炭化水素基に直接結合したヒドロキシル基(-OH)を含む化合物のクラスに言及している。本開示に記載されるフェノール化合物は、バイオフラボノイド、非バイオフラボノイドフェノール化合物、又はこれらの組み合わせを含みうる。少なくとも1つのポリフェノール化合物は、例えば、少なくとも1つのバイオフラボノイドを含有しうる。用語バイオフラボノイドは、植物及び菌類の二次代謝物のクラスに言及しており、2つのフェニル環(A及びB)並びに複素環(C)からなる15炭素骨格の、C6-C3-C6として略されることもある一般構造を有する。用語バイオフラボノイドは、アントキサンチン(フラボン及びフラボノールを含む)、フラバノン、フラバノノール、フラバン、及びアントシアニジンが挙げられる。用語バイオフラボノイドは、また、フラボン骨格(2-フェニル-1,4-ベンゾピロン)、イソフラバン骨格(3-フェニルクロメン-4-オン)、又はネオフラバン骨格4-フェニルクマリン)を有する化合物が挙げられる。したがって、用語ポリフェノール化合物は、下記を含むが、これらに限定されない:アントキサンチン、フラバノン(フラバノングリコシドを含む)、フラボノール、フラバノノール、フラバン、イソフラボン、アントシアニジン、プロアントシアニジン、フェノール酸、ヒドロキシケイ皮酸、クマリン、スチルベノイド、アントラキノン、リグナン、リグニン、タンニン、ポリフェニルタンパク、カテキン、ルチン、アカセチン、ゲニステイン、ケンペロール、ガロカテキン、カテキン没食子酸、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン没食子酸、ケルセチン、アロカテキン、ガロカテキン没食子酸、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン没食子酸、エピガロカテキン没食子酸、ケンペロール、ケルセチン、ナリンギン、ネオヘスペリジン、エリオシトリン、イソナリンギン、ナリンゲニン、ヘスペリジン、ロイフォリン、ジオスミン、ジジミン、ヘスペレチン、ポンシリン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、クマリン酸、けい皮酸、没食子酸、エラグ酸、プロトカテク酸、クロロゲン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、プニカラギン、プニカリン。
ポリフェニル化合物の生物源は、ポリフェニルに富む植物である。例えば、ポリフェニルに富む植物は、下記が挙げられる:Allium(ネギ属の種)、Brassica(アブラナ属の種)Camelia(ツバキ属の種)、Capsicum(トウガラシ属の種)、Citrus(ミカン属の種)、Cucumis(キュウリ属の種)、Malus(リンゴ属の種)、Musa(バナナ属の種)、Phaseolus(インゲンマメ属の種)、Prunus(サクラ属の種)、Punica(ザクロ属の種)、Pyrus(ナシ属の種)、Solanum(ナス属の種)、Vaccinium(スノキ属の種)。1又は複数のポリフェノール化合物は、例えば、葉、茎(幹)、樹皮、根、球根、花、果実、及び種子を含む1又は複数の植物部位から得ることができる。
本開示に記載される組成物又は動物餌サプリメントは、1又は複数の有機ハロゲンに富む海洋大型海藻、及び1又は複数の有機硫黄に富む植物化合物、及び1又は複数のポリフェノール植物の組み合わせによって製造してよい。
組成物は、適切な量で組み合わされて、それぞれの成分の所望の量を有する組成物が得られる。それぞれの成分は、所望の製品を得るために適している任意の順番及び組み合わせで1又は複数の他の成分と組み合わされてよい。例えば、それぞれの成分を、混合又はブレンドによって組み合わせてよい。例えば、1又は複数の有機ハロゲン化合物及び1又は複数の有機硫黄化合物及び1又は複数のフェノール化合物を、動物餌のうえに配置すること(追肥)によって、1又は複数の有機ハロゲン化合物及び1又は複数の有機硫黄化合物及び1又は複数のフェノール化合物を動物餌と組み合わせてよい。
組成物は、乾燥固体の形態で調製されてよく、例えば、粉体の形態で調製されてよく、意図される最終製品のための配合のタイプに応じて、さらなる処理工程に供してよい。本方法は、さらに、形成工程を有してよく、ここでは、混合物を、好ましくは、本開示に記載されるタイプの動物によって消費されるために適している寸法及び/又はテクスチャを伴って、型成形し、押圧し、噴霧乾燥し、又はそうでなければ形状(例えば、棒、玉、ペレット、クラスター、タブレット)へと成形する。本方法は、シリンジなどの特別な提供装置中に、動物餌又は動物餌サプリメントを収容することを含んでよい。本方法は、動物餌サプリメント又は動物餌をボーラスタブレットへと成形することを含んでよく、ボーラスタブレットは、動物の胃(例えば、反芻動物のルーメン)の中に留まることが意図されてよい。
メタン生成阻害剤投与
本開示でさらに記載されるのは、メタン生成阻害剤餌サプリメントの段階的な投与の方法であり、生物由来の有機ハロゲン、及び/又は有機硫黄化合物及び/又はポリフェノール化合物を取り込み、これらは、反芻動物の代謝効率を向上させるために反芻動物に経口投与するために適しており、排出されるメタンの低減及び排泄される窒素の低減に適しており、かつ肉、脂肪、繊維、及び牛乳(ミルク)などの有価動物製品の増加に適している。
本開示で用いられるように、用語「段階的」は、少なくとも1つのメタン生成阻害剤の有効量の少なくとも1投与分を投与すること、及び随意に、いくらかの有効な時間間隔のあとで、少なくとも1つのメタン生成阻害剤の有効量の少なくとも1回の逐次的な投与分を投与することを意味する。
本開示は、上記餌サプリメントが、上記動物に、一定の有効投与分の量でかつ一定の有効間隔で段階的に投与されたときに、向上した代謝効率、排出メタンの低減及び排泄窒素の低減並びに肉、脂肪、繊維及び牛乳などの有価動物産物の増加を通じて驚くべき経済的利益を提供するという予想外の知見に基づいている。
メタン生成の阻害は、例えば下記を含む、異なる作用モードによって起こる:メタン生成プロセスを低減すること、メタン生成に関与する酵素を制限又は停止すること、又は、メタン生成生物の成長を制限することによって又はそれらを殺すことによってメタン生成生物を低減すること。
メタン生成阻害剤は、例えば、下記を含む:有機ハロゲン化合物、CH3Cl、CH3Br、CH3I、CH2Cl2、CH2Br2、CH2I2、CHCl3、CHBr3、CHI3、CCl4、CBr4、CH2ClBr、CH2ClI、CH2BrI、CHBr2Cl、CHBrI2、CHBrClI、CHBr2I、CHBrCl2、CH3CH2Br、CH3CH2I、CH3CH2CH2I、CH3(CH2)3I、CH3(CH2)4Br、CH3(CH2)4I、(CH3)2CHI、CH3CH2CH(CH3)I、(CH3)2CHCH2I、BrCH2CH2Br、ClCH=CCl2、及びCH3CH2CH2CH2I、有機硫黄化合物、有機硫黄二次代謝物:アリシン(C6H10S2O)、ジアリルスルフィド(C6H10S)、ジアリルジスルフィド(C6H10S2)、アリルメルカプタン(C3H6S)、ポリフェノール化合物:フラボノイド、バイオフラボノイド、非バイオフラボアントキサンチン、フラボン、フラボノール、フラボノン、フラバノノール、フラバン、アントシアニジン、イソフラバン、ネオフラバン アントキサンチン、イソフラボン、プロアントシアニジン、フェノール酸、ヒドロキシケイ皮酸、クマリン、スチルベノイド、アンスラキノン、リグナン、リグニン、タンニン、ポリフェノールタンパク、カテキン、ルチン、アカセチン、ゲニスタイン、ケンペロール、ガロカテキン、没食子酸カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、クェルセチン、アロカテキン、没食子酸ガロカテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸エピガロカテキン、ケンペロール、クェルセチン、ナリンギン、ネオヘスペリジン、エリオシトリン、イソナリンギン、ナリンゲニン、ヘスペリジン、ロイフォリン、ジオスミン、ジジミン(Didymin)、ヘスペレチン、ポンシリン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、クマル酸、ケイ皮酸、没食子酸、エラグ酸、プロトカテク酸、クロロゲン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、プニカラギン、プニカリン。
有機ハロゲン化合物の生物源は、有機ハロゲンに富む海洋大型海藻である。例えば、有機ハロゲンに富む海洋大型海藻は、Asparagopsis armata、Asparagopsis taxiformis、Dictyota(アミジグサ属の種)、Oedogonium(サヤミドロ属の種)、Ulva(アオサ属の種)、及びCladophora patentirameaからなる群から選択される少なくとも1種の海洋大型海藻を含む。本開示に記載の有機ハロゲン化合物、有機臭素化合物、及びブロモホルムは、合成されたものであってもよい。
有機硫黄化合物の生物源は、有機硫黄に富む植物である。例えば、有機硫黄に富む植物は、ネギ属の種(Allium)、A.sativum(ニンニク)、A.ampeloprasum(ニラ)、A.cepa(玉ねぎ及びエシャロット)が挙げられる。1又は複数の有機硫黄化合物は、例えば、葉、茎(幹)、樹皮、根、球根、花、果実、及び種子を含む、1又は複数の植物の部分から得ることができる。本開示に記載の有機硫黄化合物は、合成されたものであってもよい。
ポリフェノール化合物の生物源は、ポリフェノールに富む植物である。例えば、ポリフェノールに富む植物は、ネギ属の種(Allium)、アブラナ属の種(Brassica)、ツバキ属の種(Camelia)、トウガラシ属の種(Capsicum)、ミカン属の種(Citrus)、キュウリ属の種(Cucumis)、リンゴ属の種(Malus)、バショウ属の種(Musa)、インゲンマメ属の種(Phaseolus)、スモモ属の種(Prunus)、ザクロ属の種(Punica)、ナシ属の種(Pyrus)、ナス属の種(Solanum)、及びスノキ属の種(Vaccinium)が挙げられる。1又は複数のポリフェノール化合物は、例えば、葉、茎(幹)、樹皮、根、球根、花、果実、及び種子を含む、1又は複数の植物の部分から得ることができる。本開示に記載のポリフェノール化合物は、合成されたものであってもよい。
本件発明者は、有効投与分量及び逐次的な投与の間の有効時間間隔の両方を最適化することを通じた段階的な投与の最適化による、下記のことを認識した:
1.上記反芻動物において有価動物産物の増加が最大化され、経済的な利益に寄与し、かつ
2.過剰な餌又はそうでなければ過剰な投与が防止され、これは、餌サプリメントのコストを低減し、経済的利益に寄与し、かつ
3.過剰な餌又はそうでなければ過剰な投与が防止され、これは、上記餌サプリメントが上記反芻動物において逆効果を引き起こすことを防止し、かつ経済的利益に寄与する。
本件発明者は、特定の組み合わせの有機ハロゲンに富む海洋大型海藻及び/又は有機硫黄に富む植物及び/又はポリフェニルに富む植物を含有するメタン生成阻害剤餌サプリメントの段階的な投与を注意深く制御することによる予想外かつ驚くべき経済的利益を認識した。
反芻動物に投与されるときの、有機ハロゲンに富む海洋大型海藻及び/又は有機硫黄に富む植物及び/又はポリフェニルに富む植物の組み合わせは、メタン生成を低減し、反芻動物メタン生成を低減する。メタン生成の低減は、異なる様式で起こり、これは下記を含む:メタン生成生物の成長を制限すること又はそれらを殺すことによってメタン生成生物を低減すること、メタン生成プロセスを低減すること、メタン生成に関与する酵素を制限又は停止すること。
本発明の有機ハロゲンに富む海洋大型海藻及び有機硫黄に富む植物及びポリフェニルに富む植物の特定の組み合わせの、反芻動物への段階的な投与は、メタン排出及び排泄尿窒素の低減、並びに、有価動物産物の増加における、予想外かつ驚くべき促進を有し、これは、例えば下記を含むメタン生成の阻害の種々の様式の間の相乗効果に起因すると考えられる:
1.海洋大型海藻のAsparagopsis種に由来する有機ハロゲン化合物は、有機臭素、特にはブロモホルム(ChBr3、トリブロモメタン)を有し、これは、メタン生成の第二段階から最終段階に必要な低減されたビタミンB12コファクターと反応することによってメチルトランスフェラーゼ酵素の効率を阻害し、かつまた、最終電子供与体として作用することによってメタン生成を競合的に阻害する。
2.ネギ属の種の植物由来の有機硫黄化合物は、アリシン及びジアリルジスルフィドを含み、これらは、重要なチオール含有酵素との酸化的な相互作用に起因して、かつ酵素HMG-CoAレダクターゼを阻害することによって、抗メタン源活性を有する。
2.植物の柑橘種に由来するポリフェノール化合物は、フラボノイド ネオヘスペリジン及びナリンギンを含み、これらは、抗メタン源活性を有する。
本件発明者は、本発明のメタン生成阻害剤餌サプリメント又は組成物の段階的な投与に起因する代謝効率における予想外かつ驚くべき改善は、例えば下記を含む追加的な健康利益にも起因しうることを認識した:胃腸寄生体の減少をもたらす駆虫効果、例えば乳腺炎を含む細菌感染の低減をもたらす抗細菌効果、並びに、反芻動物への投与の際の、本発明の有機ハロゲンに富む海洋大型海藻及び有機硫黄に富む植物及びポリフェノールに富む植物と組み合わせに存在する補助的な微量のミネラル及びビタミンの提供。
本発明の有機ハロゲンに富む海洋大型海藻及び/又は有機硫黄に富む植物及び/又はポリフェノールに富む植物の段階的な投与は、特定の組み合わせ及び特定の比率で餌サプリメントとして投与してよい。
本発明の有機ハロゲンに富む海洋大型海藻及び/又は有機硫黄に富む植物及び/又はポリフェノールに富む植物の組み合わせの段階的な投与は、別個の餌サプリメントとして投与してよく、又は、混合組成物餌サプリメントへと(例えば本開示に記載の組成物として)混ぜ合わせてよい。
使用
本開示に記載のメタン生成阻害剤動物餌サプリメントの段階的な投与(すべての実施態様及び実施態様の組み合わせを含む)は、餌サプリメント投与を最適化するために用いることができ、それによって、動物によるメタン生成及び/又はメタン排出が低減され、動物による窒素排泄が低減され、動物への栄養素の利用可能性が増加し、かつ/又は、有価の窒素に富みかつ炭素に富む動物による動物産物が、増加する。
特定の実施態様では、動物が反芻動物である。反芻動物は、反芻類及びTylopoda亜目に属するものから選択される動物が挙げられ、家畜化された反芻動物、例えば、牛(例えば乳牛)、ヤギ、ヒツジ、バッファロー、ヤク、鹿、及びアンテロープが挙げられる。
特に、本発明に係る、メタン生成阻害剤餌サプリメント又は組成物の段階的な投与は、反芻動物に投与されたときに、反芻動物の低減されたメタン生成をもたらし、これは、さもなければ、主に口及び鼻腔を介したガスの排出によって大気中に排出され、餌からの全エネルギー摂取の2~12%のエネルギー損失になる。
メタンは、二酸化炭素の28倍の地球温暖化能を有する温室効果ガスである。腸溶性メタンは、反芻消化の副産物であり、メタン生成と呼ばれるプロセスによって、繊毛虫、細菌、古細菌、及び嫌気菌類を含む微生物の複雑なコミュニティによって生成される。牛は、羊及びヤギそれぞれに対して約7倍及び約9倍のメタンを生成する。腸溶性メタンは、ルーメン(第一胃)で主に生成され(87%~90%)、かつ大腸において比較的低い程度(13%~10%)で生成される。
本発明のメタン生成阻害剤餌サプリメントの段階的な投与は、メタン生成から代謝エネルギーを逸らし、それを、同化成長プロセスに向ける。したがって、本組成物又は本餌サプリメントは、反芻動物の生体重量における増加をもたらし、これは、下記によって決定される:動物質量の直接の計量、空身体質量(腸内物を除く合計質量)を測定するためのコンピュータ断層撮影(CT)スキャン、死骸質量、及び組成分析(除脂肪筋肉、脂肪、及び主脂肪の分布、及び、乾燥を含む臓器における変化)。
有価の窒素に富みかつ炭素に富む動物産物の例は、組織に基づく商品であり、例えば、肉、臓物、及び革が挙げられる。
有価の窒素に富みかつ炭素に富む動物製品の他の例は、分泌に基づく商品及びこれらの商品の製品であり、例えば、牛乳、ホールミルク、ミルクパウダー、クリーム、アイスクリーム、チーズ、及びヨーグルトが挙げられる。
有価の窒素に富みかつ炭素に富む動物製品の他の例は、繊維に基づく商品であり、例えば、ウール、角、及び鹿ツノが挙げられる。
本発明のメタン生成阻害餌サプリメントの段階的な投与は、代謝効率における予想外かつ驚くべき向上をもたらし、これは、排泄される尿窒素の低減をもたらす可能性が高く、排泄される尿窒素は、排尿後に、草原上の尿区画に溜まる。尿区画における過剰の排泄窒素が、最適な草原植物効率に必要とされるよりも多い場合には、過剰な窒素が、硝酸塩(NO3-)浸出、及び、アンモニア(NH3)、亜酸化窒素(N2O)、及び窒素(N2)揮発を介して失われる。亜酸化窒素は、温室効果ガスとして大気にとって特にダメージが大きく、二酸化炭素の298倍の地球温暖化能力を有する。地下水への窒素の損失は、水中生物相の制御されない成長をもたらすことがあり、そのようにして、生態系を損傷し、有害な藻の大量発生、及び水系の富栄養化を引き起こす。
段階的投与の方法
本開示に記載の組成物又はメタン生成阻害剤餌サプリメントの段階的投与は、少なくとも1つのメタン生成阻害剤の有効量の少なくとも1投与分(1ドーズ)を投与すること、及び随意に、いくらかの有効な時間間隔のあとで、少なくとも1つのメタン生成阻害剤の有効量の少なくとも1回の逐次的な投与分を投与することによって実行してよい。
メタン生成阻害剤餌サプリメントの、時間間隔をおいた逐次的な投与は、段階的な投与を構成することが理解される。さらに、逐次的な投与分の量、及び投与の間の時間間隔、及びメタン生成阻害剤は、投与と投与で同じであってよく、時間間隔と時間間隔で同じであってよく、かつメタン生成阻害剤とメタン生成阻害剤とで同じであってよく、又は、それらは、異なる投与分の量、及び/又は異なる時間間隔、及び/又は異なるメタン生成阻害剤であってよい。
本開示に記載の動物餌サプリメント又は組成物は、1又は複数の有機ハロゲンに富む海洋大型海藻、及び1又は複数の有機硫黄に富む植物化合物、及び1又は複数のポリフェニルに富む植物を組み合わせることによって製造してよい。
組成物は、各成分の所望の量を有する組成物を得るために適切な量で混ぜ合わされる。各成分は、1又は他の成分と、所望の物を得るための任意の順番及び組み合わせで、混ぜ合わせてよい。例えば、各成分を、混合又はブレンドによって組み合わせてよい。例えば、1又は複数の有機ハロゲン化合物及び1又は複数の有機硫黄化合物及び1又は複数のポリフェノール化合物を、動物餌の上に配置することによって(トップドレッシング)、1又は複数の有機ハロゲン化合物及び1又は複数の有機硫黄化合物及び1又は複数のポリフェノール化合物を、動物餌と組み合わせてよい。
メタン生成阻害剤餌サプリメントは、乾燥固体形態、例えば粉体形態、を含む形態での段階的な投与を補助するために調製されてよく、意図される最終製品のための配合のタイプに応じてさらなる処理工程に供してよい。本方法は、さらに、形成工程を有してよく、混合物を、好ましくは、本開示に記載のタイプの動物によって消費されるために適している寸法及び/又はテクスチャで、型成形し、押圧し、噴霧乾燥し、又はさもなくば形状(例えば、棒、球体、ペレット、クラスター、タブレット)へと成形する。本方法は、動物餌又は動物メタン生成阻害餌サプリメントを、シリンジなどの特別な供給装置に収容することを含んでよい。本方法は、組成物又は動物餌をボーラスタブレットへと成形することを含んでよく、ボーラスタブレットは、動物の胃の中(例えば反芻動物の第一胃)に留まることが意図されてよい。
メタン生成阻害剤餌サプリメントは、例えば、反芻動物の重量の割合に基づいて、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%4.5%、5.0%、及び10%からなる群から選択される1投与分の量で、段階的に投与してよい。
メタン生成阻害剤餌サプリメントは、例えば、反芻動物によって消費される餌の重量の割合に基づいて、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%4.5%、5.0%、及び10%からなる群から選択される1投与分の量で、段階的に投与してよい。
メタン生成阻害剤餌サプリメントの段階的な投与は、例えば、1分、1時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、2週間、3週間、4週間、6週間、2ヶ月、3か月、4か月、6か月、9か月、及び12か月を含む群から選択される、逐次的な投与分の間の少なくとも1つの時間間隔(時間インターバル)を有してよい。
本開示に記載の使用及び方法のすべては、純粋に、非治療的なものとみなされる。
本発明を、下記の非制限的な例示のみを参照して説明する。
例1 - メタン生成古細菌Methanococcus Maripaludisによるメタン生成の阻害
(i)ブロモホルム及びアリシン
本実験の目的は、ブロモホルム及びアリシンが、メタン生成古細菌Methanococcus Maripaludisによるメタン生成を阻害するそれらの能力に関して相乗的に作用するかどうかを決定するためのものであった。
この実験のために、8.75μlブロモホルムを991μlのDMSOに添加することによって、100mMでブロモホルムを調製した。これを、10倍に希釈して、10mM溶液を作製し、さらに希釈して、0.12mM及び0.156mMの保存用溶液を作製した。アリシンの保存用溶液は、48.6μlのアリシンを951.4μlのDMSOに添加して300mM保存用溶液を調製し、かつ32.5μlのアリシンを967.5μlのDMSOに添加することによって200mMの保存用溶液作製することによって、調製した。この実験は、5mlのM141培地(https://www.dsmz.de/microorganisms/medium/pdf/DSMZ_Medium141.pdf)をスクリューキャップ ハンゲートチューブに加え、そして、5μlのアリシン及び/又は5μlのブロモホルム又は10μlのDMSOを下記のように加えることによって、準備した:
チューブ1:DMSO(10μl)
チューブ2:ブロモホルム(5μl 0.120mM)(120nM最終)+5μlDMSO
チューブ3:ブロモホルム(5μl 0.156mM)(156nM最終)+5μlDMSO
チューブ4:アリシン(5μl 200mM)(200μM最終)+5μlDMSO
チューブ5:アリシン(5μl 300mM)(300μM最終)+5μlDMSO
チューブ6:ブロモホルム(5μl 0.120mM)(120nM最終)+アリシン(5μl 200mM)(200μM最終)
チューブ7:ブロモホルム(5μl 0.120mM)(120nM最終)+アリシン(5μl 300mM)(300μM最終)
チューブ8:ブロモホルム(5μl 0.156mM)(156nM最終)+アリシン(5μl 200mM)(200μM最終)
チューブ9:ブロモホルム(5μl 0.156mM)(156nM最終)+アリシン(5μl 300mM)(300μM最終)
試験物質の添加の後で、500μlのM.maripaludisのオーバーナイト培養液を、各反応チューブに添加した。それぞれのチューブは、80%H2/20%COで、240kPaにまでガス注入され、37℃で24hにわたって培養した。
24h培養の後で、チューブ内の圧力を、マノメーターを用いて計測した。5モルのH/COが消費されて1モルのCHを生ずるとして、観察された圧力における低下を用いて、コントロール及び実験反応によるメタンの量を計算し、そこから、阻害割合を計算した。
(ii)ブロモホルム並びに有機硫黄及びポリフェノールを含有する粉体(NXRH214粉体)
この実験の目的は、ブロモホルムと、有機硫黄及びポリフェノールを含有する粉体とが、メタン生成古細菌Methanococcus Maripaludisによるメタン生成を阻害するそれらの能力に関して相乗的に作用するかどうかを決定することであった。
この実験のために、8.75μlブロモホルムを991μlのDMSOに添加することによって、100mMでブロモホルムを調製した。これを、10倍に希釈して、10mM溶液を作製し、さらに希釈して、0.10mM及び0.156mMの保存用溶液を作製した。サンプルは、245mgのNXRH214粉体を、35mlのM141培地(https://www.dsmz.de/microorganisms/medium/pdf/DSMZ_Medium141.pdf)に添加して7mg/mlの保存用溶液を作製することによって調製した。NXRH214粉体は、93:7の比のニンニクパウダー(アリシン)及び柑橘抽出体(ポリフェノール フラボノイド混合物)であり、このフラボノイド混合体は、主に、ナリンギン及びネオヘスペリジンを含有する。
反応チューブを、下記のとおり準備した:
チューブ1: 0mlのNXRH214(NXRH214なし)+5mlのM141+5μlのDMSO
チューブ2: 1mlのNXRH214(1.4μg/mlのNXRH214)+5mlのM141+5μlのDMSO
チューブ3: 1.5mlのNXRH214(2.8μg/mlのNXRH214)+3.5mlのM141+5μlのDMSO
チューブ4: 0mlのNXRH214(NXRH214なし)+5mlのM141+5μlの0.1mMブロモホルム(100nMブロモホルム)
チューブ5: 1mlのNXRH214(1.4μg/mlのNXRH214)+5mlのM141+5μlの0.1mMブロモホルム(100nMブロモホルム)
チューブ6: 1.5mlのNXRH214(2.8μg/mlのNXRH214)+3.5mlのM141+5μlの0.1mMブロモホルム(100nMブロモホルム)
チューブ7: 0mlのNXRH214(NXRH214なし)+5mlのM141+5μlの0.156mMブロモホルム(156nMブロモホルム)
チューブ8: 1mlのNXRH214(1.4μg/mlのNXRH214)+5mlのM141+5μlの0.156mMブロモホルム(156nMブロモホルム)
チューブ9: 1.5mlのNXRH214(2.8μg/mlのNXRH214)+3.5mlのM141+5μlの0.156mMブロモホルム(156nMブロモホルム)
試験物質の添加の後で、500μlのM.maripaludisのオーバーナイト培養液を、各反応チューブに添加した。それぞれのチューブは、80%H/20%COで、240kPaにまでガス注入され、37℃で24hにわたって培養した。
24h培養の後で、チューブ内の圧力を、マノメーターを用いて計測した。5モルのH/COが消費されて1モルのCHを生ずるとして、観察された圧力における低下を用いて、コントロール及び実験反応によるメタンの量を計算し、そこから、阻害割合を計算した。
実験結果
(i)ブロモホルム及びアリシンと、(ii)ブロモホルム並びに有機硫黄及びポリフェノールを含有する粉体(すなわちNXRH214粉体)とに関する実験結果を、それぞれ、図1及び2に示し、かつ下記の表1及び表2に示す。
Figure 2024502208000002
この結果は、ブロモホルム及びアリシンを含有する組成物の明確な相乗的効果を示し、これは、各成分単独によって示されるガス阻害%を明らかに超える。
Figure 2024502208000003
この結果は、また、ブロモホルム並びに有機硫黄及びポリフェノールを含有する粉体(すなわちNXRH214粉体)を含有する組成物の明らかな相乗的作用を示しており、これは、DMSO存在下における各成分によって示されるガス阻害%を明らかに超える。NXRH214粉体は、アリシン及びポリフェノール化合物を含有し、より特には、バイオフラボノイド化合物ナリンギン及びネオヘスペリジンを含有する。したがって、ブロモホルム、有機硫黄化合物、及びポリフェノールを含有する組成物を用いて、メタン生成を効果的に阻害できる。
結論
上記のデータは、有機ハロゲン(すなわちブロモホルム)が有機硫黄(すなわちアリシン)単独と組み合わされたときの、又は、有機ハロゲン(すなわちブロモホルム)が有機硫黄(すなわちアリシン)とポリフェノール(すなわち柑橘抽出耐に由来するバイオフラボノイド)と組み合わされたときの、メタン生成の高い阻害%を明らかに示す。
例2
Mootral(商標)SA(スイス)によって開発され市販されている餌サプリメントMoortral(商標)、及び、海洋大型海藻Asparagopsis armataの調製物を、種々の割合で組み合わせ、羊に対して、全牧草食物に、種々の投与分の量及び種々の時間間隔で段階的に投与した。計測を、排出されたメタン、血、身体、及び排泄物に対して行い、サプリメントを受容しなかったコントロール動物と比較した。
本開示は下記段落によっても記述されうる。
A.反芻動物において、排泄窒素を低減し、かつ/又は排出メタンを低減し、かつ/又は窒素に富みかつ炭素に富む物質を増加する方法であって、上記反芻動物に、有効量の少なくとも1つのタイプのメタン生成阻害剤を投与する工程を含む、方法。
B.段落Aに記載の方法であって、前記メタン生成阻害剤が、有機ハロゲン化合物、有機ハロゲンに富む海洋大型海藻、有機硫黄化合物、有機硫黄に富む植物、フェノール化合物、及びフェノールに富む植物から成る群から選択される、方法。
C.段落Bに記載の方法であって、前記有機ハロゲン化合物が:
CHCl、CHBr、CHI、CHCl、CHBr、CH、CHCl、CHBr、CHI、CCl、CBr、CHClBr、CHClI、CHBrI、CHBrCl、CHBrI、CHBrClI、CHBrI、CHBrCl、CHCHBr、CHCHI、CHCHCHI、CH(CHI、CH(CHBr、CH(CHI、(CHCHI、CHCHCH(CH)I、(CHCHCHI、BrCHCHBr、ClCH=CCl、及びCHCHCHCHI、を含む群から選択される、方法。
D.段落Bに記載の方法であって、前記有機ハロゲンに富む大型海藻が、
Asparagopsis armata、Asparagopsis taxiformis、アミジグサ属の種(Dictyota)、サヤミドロ属の種(Oedogonium)、アオサ属の種(Ulva)、及びCladophora patentiramea、を含む群から選択される、方法。
E.前記有機硫黄化合物が、有機硫黄二次代謝物、アリシン(C10O)、ジアリルスルフィド(C10S)、ジアリルジスルフィド(C10)、及びアリルメルカプタン(CS)を含む群から選択される、段落Bに記載の方法。
F.段落Bに記載の方法であって、前記有機硫黄に富む植物が、Allium sativum、Allium ampeloprasum、及びAllium cepaを含む群から選択されるネギ属の種である、方法。
G.段落Bに記載の方法であって、前記ポリフェノール化合物が、
フラボノイド、バイオフラボノイド、非バイオフラボノイドを含む群からから選択され、少なくとも1つの前記ポリフェノール化合物が、例えば、バイオフラボノイド、アントラキサンチン、フラボン、フラボノール、フラボノン、フラバノノール、フラバン、アントシアニジン、イソフラバン、ネオフラバン、アントキサンチン、イソフラボン、プロアントシアニジン、フェノール酸、ヒドロキシケイ皮酸、クマリン、スチルベノイド、アンスラキノン、リグナン、リグニン、タンニン、ポリフェノールタンパク、カテキン、ルチン、アカセチン、ゲニスタイン、ケンペロール、ガロカテキン、没食子酸カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、クェルセチン、アロカテキン、没食子酸ガロカテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸エピガロカテキン、ケンペロール、クェルセチン、ナリンギン、ネオヘスペリジン、エリオシトリン、イソナリンギン、ナリンゲニン、ヘスペリジン、ロイフォリン、ジオスミン、ジジミン、ヘスペレチン、ポンシリン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、クマル酸、ケイ皮酸、没食子酸、エラグ酸、プロトカテク酸、クロロゲン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、プニカラギン、プニカリン、
のうちの少なくとも1つを含む、
方法。
H.段落Bに記載の方法であって、前記ポリフェノールに富む植物が、ネギ属の種、アブラナ属の種、ツバキ属の種、トウガラシ属の種、ミカン属の種、Citrus aurantium、キュウリ属の種、リンゴ属の種、バショウ属の種、インゲンマメ属の種、スモモ属の種、ザクロ属の種、ナシ属の種、ナス属の種、及びスノキ属種を含む群から選択される、方法。
I.反芻動物において、排泄窒素を低減し、かつ/又は排出メタンを低減し、かつ/又は窒素に富みかつ炭素に富む物質を増加する方法であって、上記反芻動物に、有効量の、少なくとも1つのタイプのメタン生成阻害剤を段階的に投与することを含む、方法。
J.段落Iに記載の方法であって、前記段階的な投与が、上記反芻動物の重量割合で、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0・9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%4.5%、5.0%、及び10%を含む群から選択される、メタン生成阻害剤の少なくとも1つの投与分を含む、方法。
K.段落Iに記載の方法であって、前記段階的な投与が、上記反芻動物の餌の重量の割合で、0.01%、0.03%、00.5%、0.075%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0・9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%4.5%、5.0%、及び10%を含む群から選択される、メタン生成阻害剤の少なくとも1つの投与量分を含む、方法。
L.段落I~Kのうちの1つに記載の方法であって、前記段階的な投与が、1分、1時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、2週間、3週間、4週間、6週間、2ヶ月、3か月、4か月、6か月、9か月、及び12か月を含む群から選択される、少なくとも1つの、逐次的な投与分の間の時間間隔を有する、方法。

Claims (19)

  1. メタン排出を低減するための組成物であって、有機ハロゲン化合物及び有機硫黄化合物を含む、組成物。
  2. 前記有機ハロゲン化合物が、有機臭素化合物である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記有機ハロゲンが、ブロモホルムである、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記有機硫黄化合物が、植物のネギ属の種に由来する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記有機硫黄化合物が、アリシン(C10O)、ジアリルスルフィド(C10S)、ジアリルジスルフィド(C10)、及びアリルメルカプタン(CS)である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記有機硫黄化合物が、アリシン(C10O)である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 有機ハロゲンの、有機硫黄に対する比が、1:10~1:3500である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 有機ハロゲンの、有機硫黄に対する比が、1:1000~1:2500である、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 少なくとも1つのポリフェノール化合物をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記少なくとも1つのポリフェノール化合物が、少なくとも1つのバイオフラボノイドを含む、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記少なくとも1つのポリフェノール化合物が、ナリンギン、ネオヘスペリジン、又はこれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の組成物。
  12. 1又は複数のメタン源を阻害するための、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 動物の代謝効率を向上させるための、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物を含む、動物餌。
  15. メタン排出を低減し、かつ/又は1若しくは複数のメタン源を阻害し、かつ/又は動物の代謝効率を向上させるための、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物又は請求項14に記載の動物餌の、使用。
  16. メタン排出を低減する方法であって、動物に、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物又は請求項14に記載の動物餌を投与することを含む、方法。
  17. 1又は複数のメタン源を阻害する方法であって、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物又は請求項14に記載の動物餌を、動物に投与することを含む、方法。
  18. 動物の代謝効率を向上させる方法であって、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物又は請求項14に記載の動物餌を、動物に投与することを含む、方法。
  19. 前記動物が、反芻動物であり、好ましくは、前記反芻動物が、牛、ヤギ、又は羊である、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
JP2023561929A 2020-12-21 2021-12-21 メタン排出を低減するための組成物、反芻動物の代謝効率を改善する方法、及びメタン生成阻害剤の投与 Pending JP2024502208A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
NZ77141920 2020-12-21
NZ77142020 2020-12-21
NZ771419 2020-12-21
NZ771420 2020-12-21
PCT/GB2021/053388 WO2022136857A1 (en) 2020-12-21 2021-12-21 Compositions for reducing methane emission, methods for improving the metabolic efficiency of ruminant animals and methanogenesis inhibitor administration

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024502208A true JP2024502208A (ja) 2024-01-17

Family

ID=79259375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023561929A Pending JP2024502208A (ja) 2020-12-21 2021-12-21 メタン排出を低減するための組成物、反芻動物の代謝効率を改善する方法、及びメタン生成阻害剤の投与

Country Status (11)

Country Link
US (1) US20240057638A1 (ja)
EP (1) EP4262426A1 (ja)
JP (1) JP2024502208A (ja)
KR (1) KR20230134486A (ja)
AR (1) AR125845A1 (ja)
AU (1) AU2021406040A1 (ja)
CA (1) CA3205620A1 (ja)
CL (1) CL2023001838A1 (ja)
IL (1) IL303824A (ja)
MX (1) MX2023007443A (ja)
WO (1) WO2022136857A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2022322635A1 (en) * 2021-08-03 2024-02-15 Rumin8 Pty Ltd Stabilised compositions

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2377219A (en) 2001-07-04 2003-01-08 Neem Biotech Ltd Preparation of allicin
EP2653039A1 (en) * 2012-04-19 2013-10-23 Interquim, S.A. Feed composition for reducing ruminant methanogenesis
MX369067B (es) * 2014-01-21 2019-10-28 Commw Scient Ind Res Org Método para reducir la producción de gas total y/o la producción de metano en un animal rumiante.
US20200170281A1 (en) * 2017-06-01 2020-06-04 Mootral Sa Animal feed supplement

Also Published As

Publication number Publication date
AR125845A1 (es) 2023-08-16
MX2023007443A (es) 2023-07-03
US20240057638A1 (en) 2024-02-22
WO2022136857A1 (en) 2022-06-30
KR20230134486A (ko) 2023-09-21
EP4262426A1 (en) 2023-10-25
CA3205620A1 (en) 2022-06-30
CL2023001838A1 (es) 2024-02-09
AU2021406040A1 (en) 2023-07-06
IL303824A (en) 2023-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2023012475A (ja) 動物飼料サプリメント
US20100035984A1 (en) Use of an antibacterial compound which is derived from alliaceae, as a natural additive in animal feed
JP2024502208A (ja) メタン排出を低減するための組成物、反芻動物の代謝効率を改善する方法、及びメタン生成阻害剤の投与
Mirzaei-Aghsaghali et al. Garlic in ruminant feeding
Alba et al. Effects of Withania coagulans fruit powder and vitamin C on growth performance and some blood components in heat stressed broiler chickens
US7674826B2 (en) Use of a nutraceutical compositions in animal feed
Erinle et al. Red osier dogwood and its use in animal nutrition: A review
Idowu et al. Modulation of Cholesterol and Copper Residue Levels in Muscles and Blood Serum of Finishing Broiler Chickens Fed Copper and
CN116669564A (zh) 用于减少甲烷排放的组合物、用于改善反刍动物的代谢效率的方法和用于产甲烷抑制剂给予的方法
El-Gindy et al. The protective effect of aqueous orange peel extract against severe heat stress on reproductive efficiency, milk yield, and antioxidant status of female rabbits
Nathaniel Efficacy of Moringa oleifera and Moringa stenopetala leaves on growth performance, haemato-biochemical profiles and gut microbiota in Broiler chicken
US20220256890A1 (en) Animal feed supplement and animal feed composition
Demirtaş et al. Effects of Urtica dioica, Matricaria chamomilla, and Vitex agnus-castus extracts on in vitro rumen fermentation under normal and acidosis conditions.
CN116898038A (zh) 一种抗羔羊早期断奶应激的组合物、用途和饲料
Sahu et al. Moringa (Moringa oleifera) as an alternative feed supplement for dairy animals
Abdulzahrah et al. Effects of pomegranate peel and laurel bay leaves on growth performance and blood parameters in growing lambs
Bao et al. BROILER CHICKENS COULD BENEFIT FROM ORGANICALLY-COMPLEXED COPPER. IRON" MANGENESE AND ZINC
Untea et al. Effects of Dietary Botanical Mix on Excretion and Tissue Levels of Some Trace Minerals (Cu, Fe, Mn, Zn) in Weaned Piglets
Hassan et al. EFFECT OF DIETARY HUMATE SUPPLEMENTATION ON GROWTH PERFORMANCE, CARCASS TRAITS AND INTESTINAL MICROFLORA IN LOCAL CHICKS
Thanapal et al. Effects of Salicylic acid on growth performance, fecal score, blood profile and nutrient digestibility in weaned pigs