JP2024502024A - ウシ乳汁由来エクソソームを投与することによって関節の健康状態を向上させる方法 - Google Patents

ウシ乳汁由来エクソソームを投与することによって関節の健康状態を向上させる方法 Download PDF

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Abstract

必要とする対象において関節の健康状態を向上させる方法は、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物を、それを必要とする対象に投与することによって、必要とする対象において関節の健康状態を向上させる方法に関する。
軟骨は、主に水(総重量の65~85%)、及び複合の細胞外基質に取り囲まれた軟骨細胞で構成される多孔性組織である。軟骨組織は身体全体に存在し、化学的組成に基づいて、弾性軟骨、線維軟骨及び硝子軟骨に分類される。これらの中で、硝子軟骨は最も豊富に存在する軟骨の種類であり、骨格系と関連している。例えば、硝子軟骨は成長板を形成するが、さらに膝及び臀部などの滑膜関節の、骨端部の摺動面を覆っている。硝子軟骨が骨の関節面にある場合、関節軟骨と呼ばれる。関節軟骨は、関節液とともに関節の潤滑という役割を担い、圧縮荷重に抵抗するために必要となる特性を提供し、滑らかな関節接合を可能にしている。
関節軟骨は、軟骨細胞で構成される結合組織である。軟骨細胞は、細胞外基質の発生、修復及び維持を助ける極めて特殊な細胞であり、この細胞外基質にはコラーゲンII型及びプロテオグリカンが含まれる。コラーゲンII型は基質の主要な構造的主鎖であり、高分子量プロテオグリカンアグリカンの多くの分子が、リンクプロテインとして知られるタンパク質を介して、コラーゲン繊維網及びヒアルロン酸と相互作用している。
軟骨は無神経性(aneural)及び無血管性であるが、同化作用プロセス(軟骨形成)及び異化作用プロセス(軟骨再吸収)が行われる動的組織である。健康な個体では、軟骨細胞は、生合成プロセスと異化作用プロセスとの間の動的均衡を維持している。加齢、外傷及び、変形性関節症などの関節疾患によって、この均衡の乱れが引き起こされ、同化作用プロセスよりも異化作用プロセスが優位になることが示されている。この不均衡が、細胞外基質の正味の減少をもたらし、腫脹、炎症、疼痛、硬直、関節の変性及び可動性低下という結果になる。
関節軟骨が冒される最も一般的な疾患の1つは、変形性関節症、すなわち疼痛を誘発し、生活の質を損なう変性状態である。残念なことに、変形性関節症は、重症度は異なるものの、20~30歳の若い成人が患い、60歳以上のほとんどの成人は変形性関節症を有する。米国では、Osteoarthritis Action Alliance(OAAA)、Arthritis Foundation(AF)、及びCenters for Disease Control and Prevention(CDC)が、変形性関節症の高い有病率、その高まる健康への影響及び拡大する経済上の影響に対処するために、A National Public Health Agenda for Osteoarthritis:2020 Updateを発展させてきた。関節炎をもつ成人の数は、2040年までに7,840万人に増加すると予測されており、この大部分の人が変形性関節症を有することになるとされている。
変形性関節症などの変性関節疾患では、関節軟骨成分が進行的に失われる。この現象は、最終的には関節機能を阻害することとなり、同時に疼痛を引き起こし、生活の質を損なう、結合組織の破壊につながる。変形性関節症は、プロテオグリカン及びコラーゲンの合成を阻害し、それらの分解を増強することで、軟骨の正常なホメオスタシスを乱す、持続性の炎症性変化によって特徴づけられることが示されている。軟骨からのプロテオグリカンの損失は、関節機能不全の重大な要因である。プロテオグリカンは軟骨基質中の水分を保持し、圧縮荷重に抵抗するために必要となる浸透圧特性を提供し、軟骨を損傷から構造的に保護するのを助けるためである。
変形性関節症が進行するにつれて、軟骨細胞の同化作用反応が損なわれた結果として、より多くのプロテオグリカンが失われる。ただし、軟骨細胞の同化作用機能がこのように低下することは、病態に限定されるわけではない。実際に、軟骨基質に取り囲まれた軟骨細胞は増殖能が最小限であり、軟骨細胞のプロテオグリカンを合成する能力は年齢とともに衰えるため、高齢者の関節組織の完全性低下に寄与しているとの報告がある。
もう1つの状態は、運動をする人に特に一般的で、運動の頻度が高くなると観察される、膝の関節軟骨病変である。上述のように、関節軟骨は、関節の潤滑という役割を担い、圧縮荷重に抵抗するために必要となる特性を提供して、滑らかな関節接合を可能にしている。膝の関節軟骨の病変は、結果として関節の摩擦をもたらし、この摩擦が結果として疼痛をもたらす。したがって、関節軟骨病変は、進行性の疼痛及び時間の経過とともに機能的限界につながり得る。未処置のままにした場合、孤立した軟骨病変は、進行性の軟骨減少(chondropenia)、または時間の経過とともに広域での軟骨損失につながり得る。軟骨減少の進行を遅らせるためのツールとして、現在、機能性食品及び軟骨保護剤が調査されている。
現在、理学療法、薬理学的治療及び外科的介入をはじめとする、損傷した関節軟骨の回復のためのいくつかの手法がある。あらゆる再建または再生処置の目標は、軟骨欠損の症状を軽減し、関節機能を回復させることである。しかし、現在、同化作用プロセスの刺激を介して、軟骨修復及び回復を促進する戦略へのニーズが存在する。
プロテオグリカン合成を高めることは、変形性関節症、外傷後の軟骨損傷、関節軟骨病変、及び通常の老化によって引き起こされる軟骨完全性の低下が挙げられるが、これらに限定されない、軟骨細胞外基質の異常なホメオスタシスに連結される状態の関節軟骨を回復させる/修復する効率的な方法を示し得る。したがって、特に1種以上の上記の状態を患う対象において、プロテオグリカン合成を刺激する助けとなり、それによって関節の健康状態を向上させ得る、新しい治療を見いだすことが望ましい。
したがって、本発明の目的は、必要とする対象において関節の健康状態を向上させる方法を提供することである。
本発明は、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、必要とする対象における関節の健康状態を向上させる方法を対象とする。
本発明の方法は、軟骨細胞の同化作用活性を刺激する簡便な方法を提供する点が有益である。本発明の方法は、軟骨細胞のプロテオグリカン合成を高めることによって、変形性関節症、外傷後の軟骨損傷、または通常の老化によって引き起こされる軟骨完全性の低下などの状態にある軟骨の修復及び回復を強化する新規の方法を示す。本方法はまた、このような状態の治療においても有用である。本発明の方法の、これらの及びさらなる利点は、詳細な説明を考慮するとより完全に明らかになるであろう。
図面は、本発明の特定の実施形態を例示するものであり、本質的に例示的なものであり、特許請求の範囲によって定義される本発明を限定することを意図するものではない。
実施例2に記載されるように、無処置ウシ乳汁由来エクソソーム含有エクソソーム濃縮生成物とともにインキュベートしたヒト軟骨細胞におけるプロテオグリカン形成への、ウシ乳汁由来エクソソームの作用を示す。 実施例1に記載されるように、チーズホエーからラクトースフリーエクソソーム濃縮生成物を生成するための、噴霧乾燥または凍結乾燥と連結した膜ろ過工程のフローチャートを示す。
本発明の特定の実施形態が本明細書に記載される。しかし、本発明は異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本発明の特定の実施形態のより具体的な特徴を当業者に説明するために提供される。
本明細書に記載される用語は、実施形態の説明のみを目的としており、開示全体を限定するものと解釈されるべきではない。本開示の単数形の特徴または限定に関する全ての言及は、別段の指定がない限り、または言及される文脈によって反対のことが明確に示されない限り、対応する複数の特徴または限定を含むものとし、その逆もまた同様である。別段の指定がない限り、「a」、「an」、「the」、及び「少なくとも1つ」は、交換可能に使用される。加えて、明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、文脈に明確な別段の記載がない限り、複数形も含む。
明細書または特許請求の範囲において、用語「含む(includes)」または「含む(including)」が用いられる限りにおいて、これらの用語は、用語「含む(comprising)」と同様に、この用語が請求項で移行句として用いられるときに解釈されるように、追加の要素またはステップを含むことを意図する。さらに、用語「または」が用いられる限り(例えば、AまたはB)、「AまたはBまたは両方」を意味することを意図する。「両方ではなくAのみまたはBのみ」が意図される場合、用語「両方でなくAのみまたはBのみ」が用いられる。したがって、本明細書での用語「または」の使用は包括的であり、排他的使用ではない。「A及び/またはB」のように、用語「及び」と「または」がともに使用される場合、AまたはBと、A及びBとを示す。
本明細書にて開示される百分率、部及び比率が挙げられるが、これらに限定されない全ての範囲及びパラメータは、その中に組み込まれるあらゆるサブ範囲、及び端点の間の全ての数値を包含するものと理解されたい。例えば、「1~10」と記載された範囲は、1以上の最小値で始まり、10以下の最大値で終わるあらゆるサブ範囲(例えば、1~6.1または2.3~9.4)、ならびにその範囲内に含まれる各整数(1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10)を含むと見なされるべきである。
本明細書で使用される方法または工程段階の任意の組み合わせは、別段の指定がない限り、または言及される文脈によって反対のことが明確に示されない限り、任意の順序で実施可能である。
別段の指定がない限り、全てのパーセンテージは、重量によるパーセンテージである。
本明細書で使用される場合、用語「ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物」は、別段の指定がない限り、エクソソームがその他のウシ乳汁成分、例えば脂質、細胞及び細片などから実質的に分離されており、ウシ乳汁中に見られるよりも高い量に濃縮されている生成物を示す。エクソソームは、小さな細胞外小胞であり、乳汁の総固形分の微量な割合を占める。特定の実施形態では、エクソソーム濃縮生成物は、液体または粉末の形態で提供され、さらに共単離した乳汁固形物を含有する。
本明細書で使用される用語「関節の健康状態を向上させる」は、関節の炎症を低減させること、軟骨組織を再生すること、軟骨組織を強化すること、及び/または関節の潤滑を向上させることを指す。
本明細書で使用される用語「無処置エクソソーム」は、小胞の細胞膜が破裂していないエクソソーム、及び/またはそれ以外の場合は、小胞の細胞膜が分解されており、内因性成分、すなわちウシ乳汁由来エクソソームに生来存在する生理活性剤、治療物質(例えばmiRNA)及び/またはその他の生体分子が、そこに活性状態で保持されるエクソソームを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「粉末状エクソソーム」は、別段の指定がない限り、ウシ乳汁から単離されたエクソソームを含有する乾燥粉末を示す。単離したエクソソームを乾燥させ、乾燥粉末を形成する。単離したエクソソーム含有流体が、上述のように共単離した乳汁固形物も含有する場合、粉末状エクソソームは、得られる粉末中に、このようなその他の乳汁固形物も含有する。
上記のように、本発明は、必要とする対象において、関節の健康状態を向上させる方法を対象とする。本方法は、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。いかなる特定の理論にも束縛されることは望まないが、本発明の方法は、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを、それを必要とする対象に投与することを介して、軟骨細胞プロテオグリカン合成を高め、それによって軟骨の修復及び回復を強化する。上記のように、本発明の方法は、したがって軟骨細胞外基質の異常なホメオスタシスに連結される状態の治療において有用である。
無処置ウシ乳汁由来エクソソーム濃縮生成物は、ウシ乳汁のホエー画分から通常得られる。一例として、ホエー含有ウシ乳汁画分は、チーズホエーを含んでよい。一般的に、エクソソームは、エクソソーム小胞細胞膜を破壊しない穏やかな手順を用いて、ホエー含有ウシ乳汁画分から得られ、それによってエクソソームを無処置のままとし、エクソソーム構造内に活性生理活性剤を含有したままとする。
脂質の細胞膜の破壊を回避するように配慮しながら、様々な方法を用いてエクソソームを単離してよい。新鮮なウシ乳汁、冷蔵したウシ乳汁、解凍した冷凍ウシ乳汁、またはそれ以外の場合は保存したウシ乳汁、またはエクソソームを含有する任意のウシ乳汁画分、例えばチーズホエーを、エクソソームの供給源として用いてよい。エクソソームの単離は、ウシから乳汁を得てすぐに単離を行うことを含んでよい。一例として、エクソソームの単離は、ウシから乳汁を得た時間から約1日、または約2日、または約3日、または約4日、または約5日、または約6日、または約7日以内に単離を行うことを含んでよい。エクソソームは、ウシから乳汁を得た時間から約10日以内に、または約14日以内に単離してよい。さらに、ウシ乳汁は、エクソソームを単離する工程のために冷凍し、その後解凍してもよく、ウシ乳汁は、ウシから乳汁を得た時間から約1日、または約2日、または約3日、または約4日、または約5日、または約6日、または約7日以内に冷凍するのが好ましい。解凍した乳汁は、解凍に際し直ちに処理することが好ましい。新鮮なウシ乳汁は、ウシから乳汁を得て約5日以内に処理を実施してよく、あるいは処理を実施する解凍したウシ乳汁は、ウシから乳汁を得て約5日以内に冷凍したウシ乳汁から解凍される。
上述のように、ホエー含有ウシ乳汁画分、または具体的にはチーズホエーは、エクソソーム供給源の役割を担ってよい。チーズホエーは、チーズ製造またはカゼイン製造工程中の、カード形成後の乳汁の液体副生成物である。チーズホエーは、チーズ製造工程中にカゼイン画分からすでに分離されているため、極めて低いカゼイン含有量を有する。さらに、チーズホエーは、ラクトース、脂肪、タンパク質、無機塩を含む、乳汁栄養素の50%超を有利に保持し、また驚くべきことに、乳汁中に無処置の形態で本来存在した、多数のエクソソームを保持する。これらの利点に加えて、チーズホエーは生乳よりも安価であり、したがってチーズホエーを出発原料として利用すると、エクソソーム濃縮生成物の製造のための費用が著しく低下する。このように、チーズホエーは、乳汁エクソソームの単離及びエクソソーム濃縮生成物生成のために、新規かつ有望な供給源である。
特定の実施形態では、酵素または酵素混合物、より具体的にはプロテアーゼ酵素、例えばキモシンを乳汁に適用してカゼインペプチド結合を加水分解し、それによって乳汁中で酵素によるカゼインの凝固を可能にすることによって、チーズホエーが得られる。このように、プロテアーゼ酵素がタンパク質を切断すると、乳汁中のカゼインが凝固し、ゲル構造を形成する。カゼインタンパク質のゲルネットワークと乳脂は、続いてともに収縮し、カードを形成する。カードから分離して得られた液体は、多くの場合、スイートホエーまたはチーズホエーと呼ばれ、通常約6.0~約6.5のpHを有し、ホエータンパク質、ラクトース、ミネラル、水、脂肪及びその他の低濃度成分を含む。
上記のように、酵素または酵素混合物が、乳汁中のカゼインタンパク質を安定させるペプチドを切断することによって、乳汁画分中のカゼインタンパク質を不安定化できることが重要である。したがって、この目的に好適な任意のタンパク質分解酵素を、チーズホエーを得るために利用してよい。ただし、好ましい実施形態では、ウシ乳汁にレンネット酵素を添加し、酵素によるカゼインの凝固が得られることによって、チーズホエーが提供される。レンネット酵素は、チーズ製造工程において一般的に使用され、反芻類の哺乳動物の胃で産生される酵素セットを含む。これらの酵素としては通常、キモシン、ペプシン及びリパーゼが挙げられる。レンネット酵素混合物は、乳汁中のタンパク質を安定させるペプチドを、タンパク質分解で切断することによって、ウシ乳汁画分中のカゼインタンパク質を不安定化する。上記のように、乳汁中のカゼインは凝固し、乳脂とともに収縮して、チーズカードを形成する。残っている液体、すなわちスイートチーズホエー(sweet cheese whey)は、ホエータンパク質、ラクトース、ミネラル、水、脂肪及びその他の低濃度成分を含む。
一例として、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含有するエクソソーム濃縮生成物を得る穏やかな手順は、物理的方法及び/または化学的方法を含んでよい。一実施形態では、エクソソーム濃縮生成物は、カスケード型の膜ろ過によって得られる。特定の実施形態では、エクソソーム濃縮生成物はラクトースフリーである。特定の実施形態では、スイートチーズホエーは前段落で記載したように得られてよく、直列型多重セラミックろ過ステップを用いて処理される。特定の実施形態では、多重ろ過工程は、大きさが漸減するカットオフを有する膜を連続的に用いる。特定の実施形態では、スイートチーズホエーを処理する方法は、精密ろ過(MF)、限外ろ過(UF)及びダイアフィルトレーション(DF)を実施する。より具体的な一実施形態では、図2に示すように、この工程は、約1.4μm、0.14μm及び10kDaのカットオフを有するMF、UF及びDF膜を連続的に用いて、エクソソーム濃縮生成物を提供する。
特定の実施形態では、連続的ろ過ステップから生じるエクソソーム濃縮生成物は、保存安定性を付与するために低温殺菌してよい。例えば、エクソソーム濃縮生成物は、殺菌画分を得るために、例えば約70℃で約15秒間加熱して、微生物学的安定性を確保してよい。その他の低温殺菌条件は当業者には明らかであり、用いてよい。
低温殺菌の有無にかかわらず、エクソソーム濃縮生成物はそのまま使用しても、追加の処理ステップを実施して所望の物理的形態を提供してもよい。一実施形態において、エクソソーム濃縮生成物は、所望により低温殺菌し、粉末の形態に変換してよい。より具体的な実施形態では、エクソソーム濃縮生成物は、噴霧乾燥、凍結乾燥、またはその他の方法で粉末の形態に変換できる。特定の一実施形態では、エクソソーム濃縮生成物を、例えば185℃/85℃で噴霧乾燥させて、噴霧乾燥粉末(SP)の形態でエクソソーム濃縮生成物を得てよい。噴霧乾燥の前に、エクソソーム濃縮生成物に所望による蒸発ステップを実施して、生成物の固形物含有量を増加させてよく、これによって噴霧乾燥工程の時間及び/またはエネルギー需要を低下させる。その他の噴霧乾燥条件は当業者には明らかであり、用いてよい。あるいは、エクソソーム濃縮生成物を、例えば-50℃及び0.5mbarの真空で凍結乾燥させて、エクソソーム濃縮凍結乾燥粉末(FP)を得てもよい。その他の凍結乾燥条件は当業者には明らかであり、用いてよい。
別の特定の実施形態では、エクソソーム濃縮生成物は、少なくとも0.001重量%のエクソソームを含む。別の特定の実施形態では、エクソソーム濃縮生成物は、少なくとも約0.001重量%、0.01重量%、1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%または50重量%のエクソソームを含む。さらなる実施形態では、エクソソーム濃縮生成物は、ナノ粒子トラッキング手順によって測定するとき、エクソソーム濃縮生成物のグラム当たり少なくとも約10個のエクソソームを含む。簡単に言うと、ナノ粒子トラッキング解析(NTA)を用いて、エクソソームの直径及び濃度を決定することができる。NTAの原理は、ブラウン運動による、溶液中でのナノサイズ粒子の特徴的運動に基づく。レーザーで粒子を照射して、拡散光を捕捉するために用いるカメラで、定められた体積における粒子の軌道を記録する。ストークス-アインシュタイン式を用いて、追跡した各粒子の寸法を決定する。この技法では、粒子寸法に加えて、粒子濃度も測定できる。
さらに具体的な実施形態では、エクソソーム濃縮生成物は、エクソソーム濃縮生成物のグラム当たり約10~約1014個のエクソソームを含む。またさらに具体的な実施形態では、エクソソーム濃縮生成物は、エクソソーム濃縮生成物のグラム当たり約10~約1013個のエクソソームを含む。別の特定の実施形態では、エクソソーム濃縮生成物は、未加工のホエー含有ウシ乳汁画分と比較して、少なくとも約3倍多い個数のエクソソームを含有する。さらに具体的な実施形態では、エクソソーム濃縮生成物は、未加工のホエー含有ウシ乳汁画分、例えばチーズホエーと比較して、3倍~50倍多い個数のエクソソームを含有する。
別の実施形態では、エクソソーム濃縮生成物中のエクソソームの少なくとも約50重量%は、無処置である。特定の実施形態では、エクソソーム濃縮生成物中のエクソソームの少なくとも約55、60、65、70、75、80、85、90または95重量%は、無処置である。
一実施形態では、エクソソーム濃縮生成物は、エクソソーム濃縮粉末の形態で投与される。別の実施形態では、エクソソーム濃縮生成物は、エクソソーム濃縮液の形態で投与される。エクソソーム濃縮生成物は、いずれの形態でも対象に投与できる。
特定の実施形態では、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物を、約0.01~約30gの投与量で、対象に投与する。より具体的には、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物の投与量は、約0.1~約30g、約0.1~約15g、または約1~約15gであってよい。無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物は、上記の投与量のいずれかで、日当たりもしくは週当たり約1~約6回、または日当たりもしくは週当たり約1~約5回、または日当たりもしくは週当たり約1~約4回、または日当たりもしくは週当たり約1~約3回、対象に投与できる。一例として、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物の投与量は、約0.01~約30g/日、約0.1~約30g/日、約0.1~約15g/日、または約1~約15g/日であってよい。
特定の実施形態では、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物は、対象に経口投与される。
別の特定の実施形態では、対象はヒトである。その他の実施形態では、対象は20歳以上のヒトの成人である。例として、対象は高齢化しつつあるヒト成人、例えば25歳超、30歳超、35歳超、40歳超、45歳超、50歳超、55歳超、60歳超またはそれ以上であってよい。別の実施形態では、対象は65歳以上のヒトの成人である。例として、対象は高齢化しつつあるヒト成人、例えば70歳超、75歳超、80歳超、85歳超またはそれ以上であってよい。上記のように、高齢化しつつある成人、特に高齢者は、関節組織完全性の低下を示す。このように、本発明の方法は、65歳を超える年齢の成人に特に好適である。
関節損傷及び使い過ぎからの反復性関節ストレスが、早期発症型の変形性関節症に寄与すると示されていることを考慮すると、本発明の方法はまた、身体的に活動的な個体、特に高衝撃性の運動に参加する人への投与にも好適である。したがって、特定の実施形態では、エクソソーム濃縮生成物は、運動後の対象に投与される。別の特定の実施形態では、エクソソーム濃縮生成物は、運動前の対象に投与される。
別の実施形態では、対象は、関節疾患、外傷後の関節損傷、通常の老化の結果としての関節の健康状態の悪化、またはこれらの組み合わせを患っている。特定の実施形態では、関節疾患は、滑膜炎、脊椎関節炎、滑液包炎、感染性関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、膝蓋軟骨軟化、狼瘡、痛風、若年性特発性関節炎、及びこれらの2種以上の組み合わせからなる群から選択される。別の特定の実施形態では、対象は、関節の腫脹、関節の炎症、関節痛、関節硬直、関節の変性、可動性の低下、及びこれらの2種以上の組み合わせからなる群から選択される1種以上の症状を患っている。
一実施形態では、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物は、タンパク質、炭水化物及び/または脂肪を含む栄養組成物中で対象に投与される。別の実施形態では、栄養組成物は、タンパク質、炭水化物、脂肪、ならびにビタミン、ミネラル及び微量ミネラルからなる群から選択される1種以上の栄養素を含む。
ビタミンの非限定例としては、ビタミンA、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、コリン、イノシトール、及び/またはこれらの塩及び誘導体、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。ミネラル及び微量ミネラルの非限定例としては、カルシウム、リン、マグネシウム、亜鉛、マンガン、ナトリウム、カリウム、モリブデン、クロム、鉄、銅、及び/または塩化物、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
別の特定の実施形態では、栄養組成物は、栄養組成物の重量を基準として、約0.001~約30重量%、約0.001~約10重量%、約0.001~約5重量%、約0.001~約1重量%、約0.01~約30重量%、約0.01~約10重量%、約0.01~約5重量%、約0.01~約1重量%、約0.1~約30重量%、約0.1~約10重量%、約0.1~約5重量%、約0.1~約1重量%、約1~約30重量%、約1~約10重量%、または約1~約5重量%の無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物を含む。特定の実施形態では、栄養組成物は、栄養組成物の重量を基準として、約0.001~約10重量%の無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含む。
エクソソーム濃縮生成物がホエータンパク質も含有することを考慮して、エクソソーム濃縮生成物は、栄養組成物中で唯一のタンパク質供給源であってよい。それにもかかわらず、追加のタンパク質供給源を栄養組成物に含むこともできる。一実施形態では、タンパク質は、全卵粉末、卵黄粉末、卵白粉末、ホエータンパク質、ホエータンパク質濃縮物、ホエータンパク質単離物、ホエータンパク質加水分解物、酸カゼイン、カゼインタンパク質単離物、カゼインナトリウム、カゼインカルシウム、カゼインカリウム、カゼイン加水分解物、乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質単離物、乳タンパク質加水分解物、脱脂粉乳、脱脂練乳、全乳、部分的または完全な脱脂乳、ココナッツミルク、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質加水分解物、エンドウ濃縮タンパク質、エンドウタンパク質単離物、エンドウタンパク質加水分解物、米タンパク質濃縮物、米タンパク質単離物、米タンパク質加水分解物、ソラマメタンパク質濃縮物、ソラマメタンパク質単離物、ソラマメタンパク質加水分解物、コラーゲンタンパク質、コラーゲンタンパク質単離物、食肉タンパク質、ジャガイモタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、キャノーラタンパク質、ヤエナリタンパク質、キノアタンパク質、アマランスタンパク質、チーアタンパク質、麻タンパク質、アマ種子タンパク質、ミミズタンパク質、昆虫タンパク質、1種以上のアミノ酸及び/またはそれら代謝物、またはこれらの2種以上の組み合わせを含む。
1種のアミノ酸またはアミノ酸混合物は、遊離アミノ酸として記載されてよく、栄養製剤で使用するために知られる任意のアミノ酸であることができる。アミノ酸は、天然に生じるアミノ酸、または合成アミノ酸であってよい。特定の実施形態では、1種以上のアミノ酸及び/またはそれらの代謝物は、1種以上の分岐鎖アミノ酸またはそれらの代謝物を含む。分岐鎖アミノ酸の例としては、アルギニン、グルタミンロイシン、イソロイシン及びバリンが挙げられる。
別の特定の実施形態では、1種以上の分岐鎖アミノ酸またはそれらの代謝物は、アルファ-ヒドロキシ-イソカプロン酸(HICA、ロイシン酸としても知られる)、ケトイソカプロエート(KIC)、β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)、及びこれらの2種以上の組み合わせを含む。
栄養組成物は、栄養組成物の約1重量%~約30重量%の量のタンパク質を含んでよい。より具体的には、タンパク質は、栄養組成物の約1重量%~約25重量%の量で、例えば栄養組成物の約1重量%~約20重量%、約2重量%~約20重量%、約1重量%~約15重量%、約1重量%~約10重量%、約5重量%~約10重量%、約10重量%~約25重量%、または約10重量%~約20重量%などで存在してよい。さらに具体的には、タンパク質は、栄養組成物の約1重量%~約5重量%、または栄養組成物の約20重量%~約30重量%を占める。
別の実施形態では、炭水化物は、マルトデキストリン、加水分解デンプン、変性デンプン、加水分解コーンスターチ、変性コーンスターチ、ポリデキストロース、デキストリン、コーンシロップ、コーンシロップ固形物、米マルトデキストリン、玄米マイルド(mild)粉末、玄米シロップ、スクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、高フルクトースコーンシロップ、蜂蜜、マルチトール、エリトリトール、ソルビトール、イソマルツロース、スクロモルト、プルラン、ジャガイモデンプン、コーンスターチ、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、オート麦繊維、大豆繊維、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、グアーガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、コンニャク粉、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トラガカントゴム、カラヤゴム、アラビアゴム、キトサン、アラビノガラクタン、グルコマンナン、キサンタンゴム、アルギナート、ペクチン、低メトキシペクチン、高メトキシルペクチン、穀物ベータグルカン、カラギーナン、オオバコ、繊維、果物ピューレ、野菜ピューレ、イソマルトオリゴ糖、単糖、二糖、タピオカ由来炭水化物、イヌリン、及び人工甘味剤、またはこれらの2種以上の組み合わせを含む。
栄養組成物は、栄養組成物の約5重量%~約75重量%の量の炭水化物を含んでよい。より具体的には、炭水化物は、栄養組成物の約5重量%~約70重量%の量で、例えば栄養組成物の約5重量%~約65重量%、約5重量%~約50重量%、約5重量%~約40重量%、約5重量%~約30重量%、約5重量%~約25重量%、約10重量%~約65重量%、約20重量%~約65重量%、約30重量%~約65重量%、約40重量%~約65重量%、約40重量%~約70重量%、または約15重量%~約25重量%などで存在してよい。
別の実施形態では、脂肪は、藻類油、キャノーラ油、アマニ油、ルリヂサ油、ベニバナ油、高オレイン酸ベニバナ油、高ガンマリノレン酸(GLA)ベニバナ油、コーン油、大豆油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、綿実油、ココナッツ油、椰子油、中鎖トリグリセリド(MCT)油、パーム油、パーム核油、パームオレイン、長鎖多価不飽和脂肪酸、またはこれらの2種以上の組み合わせを含む。
栄養組成物は、栄養組成物の約0.5重量%~約30重量%の量の脂肪を含んでよい。より具体的には、脂肪は、栄養組成物の約0.5重量%~約10重量%、約1重量%~約30重量%の量で、栄養組成物の約1重量%~約20重量%、約1重量%~約15重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約5重量%、約3重量%~約30重量%、約5重量%~約30重量%、約5重量%~約25重量%、約5重量%~約20重量%、約5重量%~約10重量%、または約10重量%~約20重量%などで存在してよい。
例示的な栄養組成物中のタンパク質、炭水化物及び脂肪の供給源の濃度及び相対量は、例えば、対象とする使用者の具体的な食事ニーズに応じて大きく変動し得る。特定の実施形態では、栄養組成物は、栄養組成物の重量を基準として、約2重量%~20重量%の量のタンパク質供給源、約5重量%~30重量%の量の炭水化物供給源、及び約0.5重量%~10重量%の量の脂肪供給源を含み、より具体的にはこのような組成物は液体の形態である。別の特定の実施形態では、栄養組成物は、栄養組成物の重量を基準として、約10重量%~25重量%の量のタンパク質供給源、約40重量%~70重量%の量の炭水化物供給源、及び約5重量%~20重量%の量の脂肪供給源を含み、より具体的にはこのような組成物は粉末の形態である。
一実施形態では、栄養組成物は液体栄養組成物であり、栄養組成物の重量を基準として、約1~約15重量%のタンパク質、約0.5~約10重量%の脂肪、及び約5~約30重量%の炭水化物を含む。
別の実施形態では、栄養組成物は粉末栄養組成物であり、栄養組成物の重量を基準として、約10~約30重量%のタンパク質、約5~約15重量%の脂肪、及び約30~約65重量%の炭水化物を含む。
特定の実施形態では、栄養組成物は、乳タンパク質濃縮物及び/または大豆タンパク質単離物を含む少なくとも1種のタンパク質と、キャノーラ油、コーン油、ココナッツ油及び/または魚油を含む少なくとも1種の脂肪と、マルトデキストリン、スクロース及び/または短鎖フラクトオリゴ糖を含む少なくとも1種の炭水化物とを含む。
栄養組成物は、栄養組成物の物理的特性、化学的特性、審美的特性または加工特性を変える、または追加の栄養成分として作用する1種以上の成分も含んでよい。追加の成分の非限定例としては、防腐剤、乳化剤(例えば、レシチン)、緩衝剤、人工甘味剤(例えば、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース)を含む甘味料、着色剤、風味剤、増粘剤、安定剤などが挙げられる。
特定の実施形態では、栄養組成物は、中性のpH、すなわち約6~8のpH、またはさらに具体的には約6~7.5のpHを有する。より具体的な実施形態では、栄養組成物のpHは、約6.5~7.2、より具体的には約6.8~7.1である。
栄養組成物は、当該技術分野において既知の、任意の技術を用いて形成されてよい。一実施形態では、栄養組成物は、(a)タンパク質及び炭水化物を含む水溶液を調製すること、(b)脂肪及び油溶性成分を含むオイルブレンドを調製すること、ならびに(c)水溶液とオイルブレンドとを合わせて混合して、乳化液栄養組成物を形成すること、により形成されてよい。無処置エクソソームは、所望により工程中いつでも、例えば水溶液に、または乳化されたブレンドに追加してよい。無処置エクソソームは、例えば液体組成物に組み合わせて添加するために、または粉末状栄養製剤が望ましい場合、粉末形態で1種以上の乾燥成分とドライブレンドしてよい。
特定の実施形態では、栄養組成物は粉末の形態で投与される。別の特定の実施形態では、栄養組成物は液体の形態で投与される。栄養組成物は、いずれの形態でも対象に投与できる。
栄養組成物が粉末である場合、例えばサービングサイズは約40g~約60g、例えば45g、または48.6gまたは50gであり、粉末として投与される、または約1ml~約500mlの液体中で再調製される。
栄養組成物が液体の形態である場合、例えば粉末から再調製する、またはレディトゥドリンク製品として製造される場合、1人分は約1ml~約500mlの範囲、例えば約110ml~約500ml、約110ml~約417ml、約120ml~約500ml、約120ml~約417ml、約177ml~約417ml、約207ml~約296ml、約230ml~約245ml、約110ml~約237ml、約120ml~約245ml、約110ml~約150ml、及び約120ml~約150mlなどである。特定の実施形態では、1人分は、約1ml、または約100ml、または約225ml、または約237ml、または約500mlである。
特定の実施形態では、ウシ乳汁から単離したエクソソームを含む栄養組成物は、毎日または毎週、1回または複数回、対象に投与される。特定の実施形態では、栄養組成物は、日当たりもしくは週当たり約1~約6回、または日当たりもしくは週当たり約1~約5回、または日当たりもしくは週当たり約1~約4回、または日当たりもしくは週当たり約1~約3回対象に投与される。特定の実施形態では、栄養組成物は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間または少なくとも4週間の期間、1日1~2回投与される。
以下の実施例は、本発明の方法の態様を実証するものであり、例示のみを目的として提供されるものである。実施例は、一般的な発明の概念の精神及び範囲から逸脱することなく、その多くの変形が可能であるため、一般的な発明の概念を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1:エクソソーム濃縮生成物の調製と特性評価
この実施例では、チーズホエーからエクソソーム濃縮生成物を調製する方法について記載する。上述のように、ウシ乳汁にレンネット酵素を添加することで、酵素によるカゼインの凝固及びスイートチーズホエーの生成がもたらされることで、チーズホエーを提供した。
エクソソーム濃縮生成物のグラム当たり、約10~1014個の無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含有するエクソソーム濃縮生成物を、カスケード型の膜ろ過によって調製した。まず、1,000Lのスイートチーズホエーを、直列型多重セラミックろ過ステップを使用して処理した。図2を参照し、第1の精密ろ過MFステップでは、1.4μmの分子量カットオフを有する膜を用いて、第1の保持液R1及び第1のろ液P1を得た。続いて、第1のろ液P1に、0.14μmの分子量カットオフを有する限外ろ過ステップUFを実施し、第2の保持液R2及び第2のろ液P2を得た。約5倍の体積の水を第2の保持液R2に添加し、続いて希釈した保持液を0.14μmのUF膜に再び通し、ラクトース及びミネラルの少なくとも一部を除去した。続いて、得られた保持液R3を同体積の水と合わせ、10kDaの膜を用いてダイアフィルトレーションし、第4の保持液R4を生成した。保持液R4を、第4の保持液R4の5倍の体積の水で希釈し、10kDaの膜を用いて2回ダイアフィルトレーションして、濃縮した保持液R5を得た。低温殺菌エクソソーム濃縮生成物R6を得るために、ラクトースフリーのエクソソーム濃縮生成物R5を70℃で15秒間低温殺菌し、微生物学的安定性を確保した。低温殺菌エクソソーム濃縮生成物R6の一部に、約65℃で蒸発を実施して、固形物含有量を最大17~18%に高め、続いて185℃/85℃で噴霧乾燥して、エクソソーム濃縮噴霧乾燥生成物SPを得た。低温殺菌エクソソーム濃縮生成物R6の別の一部を、-50℃及び0.5mbarで凍結乾燥し、エクソソーム濃縮凍結乾燥生成物FPを得た。
出発物質であるチーズホエー、第2の保持液R2、及び上述のように調製した無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物を分析して、下表1に記載するように、ラクトース及びタンパク質含有量を決定した。
異なる画分及びエクソソーム濃縮粉末の組成分析:
W=チーズホエー。R2=最終的なエクソソーム濃縮液体画分。R6=最終的なエクソソーム濃縮液体画分。SP=噴霧乾燥粉末。FP=凍結乾燥粉末。
表1に示した、それぞれの画分から収集した試料の脂肪、タンパク質、ラクトース及び総固形分の量は、Bentley Instruments Dairy Spec FT(Bentley Instruments,Inc.,Chaska,MN,USA)を使用したフーリエ変換赤外線(FTIR)分光法によって決定した。Bentley Instruments Dairy Spec FTは、成分分析のために、乳汁試料の完全な赤外吸収スペクトルを捕捉する。この特定の技術は、乳汁成分測定のためのIDF 141C:2000規格及びICAR要件を超えるものであり、AOAC承認済みの方法を用いることで、非破壊で信頼性が高く、精密な測定を提供する。
表1に示した結果は、驚くべきことに、低温殺菌エクソソーム濃縮生成物R6、噴霧乾燥エクソソーム濃縮生成物SP及び凍結乾燥エクソソーム濃縮生成物FPが全てラクトースフリーであったことを示している。さらに、低温殺菌エクソソーム濃縮生成物R6中のタンパク質含有量は、チーズホエー出発物質に対してほぼ7倍、エクソソーム濃縮の第2の保持液R2に対して約6倍増加した。加えて、粉末の乾燥物質の約80%はタンパク質であり、乾燥物質の約15%は脂肪であり、これはエクソソームの脂質-タンパク質の性質と一致している。
低温殺菌エクソソーム濃縮生成物R6及びエクソソーム濃縮SP及びFP粉末のエクソソーム含有量についてのさらなる洞察を得るために、ウエスタンブロット分析を実施して、エクソソームに特異的なマーカー、TSG101の存在を検出した。エクソソーム濃縮生成物R6及びエクソソーム濃縮SP及びFP粉末は、50kDa当たりで、関心対象であるTSG101バンドを示した。とりわけ、レーン当たり同量のタンパク質をロードしたにもかかわらず、TSG101バイオマーカーはチーズホエーでは検出可能ではなかった。これは、上記の工程によって生成した低温殺菌エクソソーム濃縮生成物R6及びエクソソーム濃縮SP及びFP粉末には、乳汁エクソソームが大幅に濃縮されていることを示している。
低温殺菌エクソソーム濃縮生成物R6中の、及びエクソソーム濃縮SP及びFP粉末中のエクソソームの存在を評価する目的で、透過電子顕微鏡(TEM)もまた使用した。TEMは、エクソソームなど、ナノサイズ構造を直接見えるようにするために使用可能な技法である。ネガティブ染色として酢酸ウラニルを適用して、低温殺菌ラクトースフリーエクソソーム濃縮生成物R6中の、及び最終的なラクトースフリーエクソソーム濃縮SP及びFP生成物中のエクソソームの、エクソソーム構造への、低温殺菌、蒸発、噴霧乾燥及び凍結乾燥などの熱処理の影響を試験した。簡単に言うと、酢酸ウラニルはネガティブ染色として作用する。ネガティブ染色はバックグラウンドを染色し、無処置小胞構造、例えば無処置エクソソームを、無染色でよく見える状態にする。
上述のように調製したラクトースフリーエクソソーム濃縮SP及びFP粉末を水中で再懸濁させ、各試料3マイクロリットルをFormvar(登録商標)コーティンググリッド上に置き、2%の酢酸ウラニルで5分間染色した。上述のように調製したエクソソーム濃縮R5及びR6生成物を、Formvar(登録商標)コーティンググリッド上に希釈せずに置き、2%の酢酸ウラニルで5分間染色した。試料を、25,000倍の倍率で視覚化した。R5及びR6エクソソーム濃縮生成物、ならびにエクソソーム濃縮SP及びFP粉末のTEM画像により、無処置エクソソームが高濃度で存在したことが示された。注目すべきことに、適用した熱処理はいずれも、重大なエクソソーム損傷を引き起こさなかった。これらの結果は、上記の工程により、チーズホエーから有意な量の無処置乳汁エクソソームを単離及び安定化できることを示している。
上述のように調製した無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物をさらに分析して、核酸含有量を決定した。より具体的には、エクソソーム濃縮SP及びFP粉末、ならびに低温殺菌エクソソーム濃縮生成物R6を、下表2に記載するように、総RNA含有量(μg)、総miRNA含有量(μg)及び総RNAのパーセンテージとしてのmiRNAを決定するために分析した。各試料10mgを抽出して、Bioanalyzer 2100/Eukaryote Total RNA Nano Chipを用いて分析した。エクソソーム濃縮SP及びFP粉末、ならびに低温殺菌エクソソーム濃縮生成物R6は、多量のRNA及びmiRNAを示したが、エクソソーム濃縮SP粉末は、エクソソーム濃縮FP粉末よりも、より高いmiRNA含有量を示した。これは、エクソソーム濃縮生成物を粉末形態で提供するために、噴霧乾燥がより良い安定化戦略であり得ることを示している。
無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物をさらに分析して、脂質組成を決定した。飛行時間型質量分析と接続した超高速液体クロマトグラフィ(UPLC-TOF-MS)を実施して、上記のラクトースフリーエクソソーム濃縮生成物の脂質含有量を分析した。結果を下表3に記載し、脂質全体のパーセンテージとして表している。
エクソソーム濃縮生成物のタンパク質の組成も決定した。具体的には、タンパク質組成をLC-MS/MSによって決定し、Proteome Discoverer v1.4(データベース Bos Taurus、Uniprot 06/19+プロテオミクスコンタミナントデータベース)で質量スペクトルを検索した。関心対象である数種のタンパク質の結果を表4に記載する。驚くべきことに、カゼインが著しい低濃度で存在したことが示されている(例えば、0.04%のα-S2-カゼインのみを検出した)。さらに、有意な量の生理活性タンパク質(すなわち、ラクトフェリン及び免疫グロブリン)が検出されたことを結果は示している。同定したタンパク質全体のうちの%として結果を表す。
実施例2:無処置ウシ乳汁由来エクソソームとともにインキュベートしたC28/I2ヒト軟骨細胞における、プロテオグリカン合成の増強
本実施例は、無処置ウシ乳汁由来エクソソーム含有エクソソーム濃縮生成物が、ヒト軟骨細胞におけるプロテオグリカン合成を増強することを実証する。プロテオグリカン産生を、アルシアンブルー染色法によって分析した。アッセイの原理は、四価のカチオン性色素アルシアンブルーと、プロテオグリカンコアタンパク質を修飾している、負電荷を帯びたグリコサミノグリカンとの間の強い相互作用に基づく。
10%のウシ胎児血清及び抗生物質(50U/mLのペニシリン及び50μg/mLのストレプトマイシン)を含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)において、5%のCO中、37℃で、C28/I2ヒト軟骨細胞を成長させた。70~90%のコンフルエンスに到達した後に、細胞を二次培養した。前段落に記載される手順によって得たものである、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含む噴霧乾燥(SP)エクソソーム濃縮生成物を、PBS中に再懸濁させた。細胞を、図1に記載されるように、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むSPエクソソーム濃縮生成物の量を増加させて、48時間処置した。
上述のように、プロテオグリカン産生をアルシアンブルー染色によって分析した。細胞を、増殖培地において、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物とともに、またはそれ無しで、48時間インキュベートした。続いて細胞をPBSで洗浄し、2%のパラホルムアルデヒドで固定し、その後3%酢酸中の1%アルシアンブルー溶液で30分間染色した。続いて細胞を水で洗浄し、空気乾燥させた。10%酢酸溶液を添加することによって、着色剤を細胞から除いた。着色した溶液の吸光度を、640nmで測定した。
図1に示されるように、ウシ乳汁由来エクソソーム中でインキュベートしたC28/I2ヒト軟骨細胞は、未処置のC28/I2ヒト軟骨細胞と比較して、細胞を、5、7.5、10及び12.5μg/mLの無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物とともにインキュベートしたときに観察された、プロテオグリカン合成の統計的に有意な上昇とともに、48時間でのプロテオグリカン合成の上昇を示した。対照と比較して、プロテオグリカン合成の最も高い上昇を、10及び12.5μg/mLの無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物で観察した。無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物は、軟骨細胞プロテオグリカン合成を上昇させる新規ツールであり、軟骨の修復及び回復を高めるのに有用であることを、観察されたプロテオグリカン合成の上昇は示している。
したがって、これらの結果は、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物が、軟骨の修復及び回復を高めることができることを示している。軟骨の修復及び回復は、例えば関節疾患、外傷後の関節損傷、通常の老化の結果としての関節の健康状態の悪化、またはこれらの組み合わせなどの状態を治療するために特に重要である。
本発明をその実施形態の記載によって例示し、実施形態をかなり詳細に記載したが、そのような記載は、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に、いかなる方法でも制限または限定することを意図するものではない。さらなる利点及び変更は、当業者には容易に明らかであろう。したがって、本発明は、そのより広範な側面において、特定の詳細、代表的な組成物及び方法、または図示及び記載される例示的な実施例に限定されない。したがって、一般的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細から逸脱することができる。

Claims (34)

  1. 必要とする対象において関節の健康状態を向上させる方法であって、無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含むエクソソーム濃縮生成物を、それを必要とする前記対象に投与することを含む、前記方法。
  2. 前記無処置ウシ乳汁由来エクソソームが、ホエー含有ウシ乳汁画分から供給される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記エクソソーム濃縮生成物が、少なくとも0.001重量%のエクソソームを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記ウシ乳汁由来エクソソームの90%超が、直径約10ナノメートル~約250ナノメートルである、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記エクソソーム濃縮生成物中の前記エクソソームの少なくとも約50重量%が無処置である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記エクソソーム濃縮生成物中の前記エクソソームの少なくとも約55、60、65、70、75、80、85、90または95重量%が無処置である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記エクソソーム濃縮生成物が少なくとも0.001重量%のエクソソームを含み、前記エクソソーム濃縮生成物中のエクソソームの少なくとも約50重量%が無処置である、及び/または前記エクソソーム濃縮生成物がラクトースフリーである、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記エクソソーム濃縮生成物をエクソソーム濃縮粉末の形態で投与する、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記エクソソーム濃縮生成物をエクソソーム濃縮液の形態で投与する、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含む前記エクソソーム濃縮生成物を、約0.01~約30gの投与量で前記対象に投与する、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記エクソソーム濃縮生成物を前記対象に経口投与する、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記対象が20歳以上のヒトの成人である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記対象が65歳以上である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記エクソソーム濃縮生成物を、運動後の前記対象に投与する、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記エクソソーム濃縮生成物を、運動前の前記対象に投与する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記対象が、関節疾患、外傷後の関節損傷、通常の老化の結果としての関節の健康状態の悪化、関節軟骨病変、またはこれらの組み合わせを患っている、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記関節疾患が、滑膜炎、脊椎関節炎、滑液包炎、感染性関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、膝蓋軟骨軟化、狼瘡、痛風、若年性特発性関節炎、及びこれらの2種以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記対象が、関節の腫脹、関節の炎症、関節痛、関節硬直、関節の変性、可動性の低下、及びこれらの2種以上の組み合わせからなる群から選択される1種以上の症状を患っている、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含む前記エクソソーム濃縮生成物を、タンパク質、炭水化物及び/または脂肪を含む栄養組成物中で前記対象に投与する、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記栄養組成物が、タンパク質、炭水化物、脂肪、ならびにビタミン及びミネラルからなる群から選択される1種以上の栄養素を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記栄養組成物が、前記栄養組成物の重量を基準として、約0.001~約30重量%の前記無処置ウシ乳汁由来エクソソームを含む前記エクソソーム濃縮生成物を含む、請求項19または請求項20に記載の方法。
  22. 前記タンパク質が、全卵粉末、卵黄粉末、卵白粉末、ホエータンパク質、ホエータンパク質濃縮物、ホエータンパク質単離物、ホエータンパク質加水分解物、酸カゼイン、カゼインタンパク質単離物、カゼインナトリウム、カゼインカルシウム、カゼインカリウム、カゼイン加水分解物、乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質単離物、乳タンパク質加水分解物、脱脂粉乳、脱脂練乳、全乳、部分的または完全な脱脂乳、ココナッツミルク、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質加水分解物、エンドウ濃縮タンパク質、エンドウタンパク質単離物、エンドウタンパク質加水分解物、米タンパク質濃縮物、米タンパク質単離物、米タンパク質加水分解物、ソラマメタンパク質濃縮物、ソラマメタンパク質単離物、ソラマメタンパク質加水分解物、コラーゲンタンパク質、コラーゲンタンパク質単離物、食肉タンパク質、ジャガイモタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、キャノーラタンパク質、ヤエナリタンパク質、キノアタンパク質、アマランスタンパク質、チーアタンパク質、麻タンパク質、アマ種子タンパク質、ミミズタンパク質、昆虫タンパク質、1種以上のアミノ酸及び/またはそれらの代謝物、またはこれらの2種以上の組み合わせを含む、請求項19~21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記1種以上のアミノ酸及び/またはそれらの代謝物が、1種以上の分岐鎖アミノ酸またはそれらの代謝物を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記1種以上の分岐鎖アミノ酸またはそれらの代謝物が、アルファ-ヒドロキシ-イソカプロン酸(HICA)、ケトイソカプロエート(KIC)、β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)、及びこれらの2種以上の組み合わせを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記栄養組成物が、前記栄養組成物の重量を基準として、約1重量%~約30重量%、約1重量%~約25重量%、約1~約20重量%、約1~約15重量%、約1~約10重量%、または約10重量%~約30重量%のタンパク質を含む、請求項19~24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記炭水化物が、マルトデキストリン、加水分解デンプン、変性デンプン、加水分解コーンスターチ、変性コーンスターチ、ポリデキストロース、デキストリン、コーンシロップ、コーンシロップ固形物、米マルトデキストリン、玄米マイルド(mild)粉末、玄米シロップ、スクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、高フルクトースコーンシロップ、蜂蜜、マルチトール、エリトリトール、ソルビトール、イソマルツロース、スクロモルト、プルラン、ジャガイモデンプン、コーンスターチ、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、オート麦繊維、大豆繊維、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、グアーガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、コンニャク粉、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トラガカントゴム、カラヤゴム、アラビアゴム、キトサン、アラビノガラクタン、グルコマンナン、キサンタンゴム、アルギナート、ペクチン、低メトキシペクチン、高メトキシルペクチン、穀物ベータグルカン、カラギーナン、オオバコ、繊維、果物ピューレ、野菜ピューレ、イソマルトオリゴ糖、単糖、二糖、タピオカ由来炭水化物、イヌリン、及び人工甘味剤、またはこれらの2種以上の組み合わせを含む、請求項19~25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記栄養組成物が、前記栄養組成物の重量を基準として、約5重量%~約75重量%、約5重量%~約70重量%、約5重量%~約65重量%、約5重量%~約50重量%、約5重量%~約40重量%、約5重量%~約30重量%、約5重量%~約25重量%、約10重量%~約65重量%、約20重量%~約65重量%、約30重量%~約65重量%、約40重量%~約65重量%、または約15重量%~約25重量%の炭水化物を含む、請求項19~26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記脂肪が、藻類油、キャノーラ油、アマニ油、ルリヂサ油、ベニバナ油、高オレイン酸ベニバナ油、高ガンマリノレン酸(GLA)ベニバナ油、コーン油、大豆油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、綿実油、ココナッツ油、椰子油、中鎖トリグリセリド(MCT)油、パーム油、パーム核油、パームオレイン、長鎖多価不飽和脂肪酸、またはこれらの2種以上の組み合わせを含む、請求項19~27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記栄養組成物が、前記栄養組成物の重量を基準として、0.5重量%~20重量%、約0.5~約15重量%、約0.5~約10重量%、約0.5~約5重量%、または約5~約15重量%の脂肪を含む、請求項19~28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記栄養組成物を粉末の形態で投与する、請求項19~29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記栄養組成物を液体の形態で投与する、請求項19~29のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記栄養組成物が、前記栄養組成物の重量を基準として、約1~約15重量%のタンパク質、約0.5~約10重量%の脂肪、及び約5~約30重量%の炭水化物を含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記栄養組成物が、前記栄養組成物の重量を基準として、約10~約30重量%のタンパク質、約5~約15重量%の脂肪、及び約30~約65重量%の炭水化物を含む、請求項30に記載の方法。
  34. 前記栄養組成物が、乳タンパク質濃縮物及び/または大豆タンパク質単離物を含む少なくとも1種のタンパク質と、キャノーラ油、コーン油、ココナッツ油及び/または魚油を含む少なくとも1種の脂肪と、マルトデキストリン、スクロース及び/または短鎖フラクトオリゴ糖を含む少なくとも1種の炭水化物とを含む、請求項19~33のいずれか1項に記載の方法。

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