JP2024120034A - セル再選択方法及びユーザ装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024120034000001
【課題】移動通信システムのユーザ装置において、スライス周波数情報が示す前記周波数優先度に基づいて、対応する周波数の優先順位を決定し、優先順位に応じて選択された選択周波数内で所定品質基準を満たす候補セルを再選択する方法を提供する。
【解決手段】ユーザ装置(UE100)は、ネットワーク50からネットワークスライスグループと周波数と周波数優先度との対応関係を示すスライス周波数情報を受信し、スライスグループ優先度に応じてUE100により選択された選択ネットワークスライスグループについて、前記スライス周波数情報が示す前記周波数優先度に基づいて、対応する周波数の優先順位を決定し、前記ユーザ装置により選択された選択周波数内で所定品質基準を満たす候補セルを再選択する。
【選択図】図9

Description

本開示は、移動通信システムで用いるセル再選択方法及びユーザ装置に関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(Third Generation Partnership Project)(登録商標。以下同じ)の仕様において、ネットワークスライシング(Network Slicing)が規定されている(例えば、非特許文献1参照)。ネットワークスライシングは、通信事業者が構築した物理的ネットワークを論理的に分割することにより仮想的なネットワークであるネットワークスライスを構成する技術である。
3GPP TS 38.300 V16.6.0 (2021-06)
第1の態様に係るセル再選択方法は、移動通信システムにおいてユーザ装置が実行する方法である。前記セル再選択方法は、ネットワークスライスグループと周波数と周波数優先度との対応関係を示すスライス周波数情報をネットワークから受信することと、スライスグループ優先度に応じて前記ユーザ装置により選択された選択ネットワークスライスグループについて、前記スライス周波数情報が示す前記周波数優先度に基づいて、対応する周波数の優先順位を決定することと、前記決定した優先順位に応じて前記ユーザ装置により選択された選択周波数内で所定品質基準を満たす候補セルを再選択することと、を有する。前記優先順位を決定することは、複数のネットワークスライスグループが同一のスライスグループ優先度を有する場合、前記周波数ごとに、前記複数のネットワークスライスグループのそれぞれの前記周波数優先度の最大値に基づいて、対応する周波数の優先順位を決定することを含む。
第2の態様に係るユーザ装置は、プロセッサを備える。前記プロセッサは、ネットワークスライスグループと周波数と周波数優先度との対応関係を示すスライス周波数情報をネットワークから受信する処理と、スライスグループ優先度に応じて前記ユーザ装置により選択された選択ネットワークスライスグループについて、前記スライス周波数情報が示す前記周波数優先度に基づいて、対応する周波数の優先順位を決定する処理と、前記決定した優先順位に応じて前記ユーザ装置により選択された選択周波数内で所定品質基準を満たす候補セルを再選択する処理と、を実行する。前記優先順位を決定する処理は、複数のネットワークスライスグループが同一のスライスグループ優先度を有する場合、前記周波数ごとに、前記複数のネットワークスライスグループのそれぞれの前記周波数優先度の最大値に基づいて、対応する周波数の優先順位を決定する処理を含む。
第3の態様に係るセル再選択方法は、移動通信システムにおいてユーザ装置が実行する方法である。前記セル再選択方法は、非アクセス層(NAS)において、1つ又は複数のネットワークスライスのそれぞれにスライス優先度を割り当てるステップと、前記割り当てたスライス優先度を含むスライス情報を前記NASからアクセス層(AS)に通知するステップと、を有する。前記割り当てるステップは、2以上のネットワークスライスに同一のスライス優先度が割り当てられないように、前記2以上のネットワークスライスに対して互いに異なるスライス優先度を割り当てるステップを含む。
第4の態様に係るセル再選択方法は、移動通信システムにおいてユーザ装置が実行する方法である。前記セル再選択方法は、非アクセス層(NAS)において、1つ又は複数のネットワークスライスのそれぞれにスライス優先度を割り当てるステップと、前記割り当てたスライス優先度を含むスライス情報を前記NASからアクセス層(AS)に通知するステップと、を有する。前記割り当てるステップは、保留中のプロトコルデータユニット(PDU)セッションを有するネットワークスライスを特定するステップを含む。前記通知するステップは、前記特定されたネットワークスライスに基づく情報を前記ASに通知するステップを含む。
実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。 実施形態に係るUE(ユーザ装置)の構成を示す図である。 実施形態に係るgNB(基地局)の構成を示す図である。 データを取り扱うユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。 シグナリング(制御信号)を取り扱う制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。 セル再選択プロシージャの概要について説明するための図である。 一般的なセル再選択プロシージャの概略フローを示す図である。 ネットワークスライシングの一例を示す図である。 スライス固有セル再選択プロシージャの概要を示す図である。 スライス周波数情報の一例を示す図である。 スライス固有セル再選択プロシージャの基本フローを示す図である。 スライス固有セル再選択プロシージャの第1変更例を説明するための図である。 スライス固有セル再選択プロシージャの第1変更例のフローを示す図である。 スライス固有セル再選択プロシージャの第2変更例のフローを示す図である。 スライス固有セル再選択プロシージャの第3変更例のフローを示す図である。 スライス固有セル再選択プロシージャの第4変更例を説明するための図である。 スライス固有セル再選択プロシージャの第4変更例のフローを示す図である。
無線リソース制御(RRC)アイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあるユーザ装置は、セル再選択プロシージャを実行する。3GPPでは、ネットワークスライス依存のセル再選択プロシージャであるスライス固有セル再選択(Slice-specific cell reselection)が検討されている。
このようなスライス固有セル再選択において、ユーザ装置は、例えば、自身が利用を望むネットワークスライス(Intended slice)と対応付けられた周波数優先度が高い周波数に属するセルを優先して再選択(すなわち、キャンプオン)することが想定される。しかしながら、スライス固有セル再選択の具体的な方法については未確定である。
本開示は、スライス固有セル再選択を円滑化するセル再選択方法に関する。
図面を参照しながら、実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
(移動通信システムの構成)
図1は、実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。移動通信システム1は、3GPP規格の第5世代システム(5GS:5th Generation System)に準拠する。以下において、5GSを例に挙げて説明するが、移動通信システムにはLTE(Long Term Evolution)システムが少なくとも部分的に適用されてもよいし、第6世代(6G)システムが少なくとも部分的に適用されてもよい。
移動通信システム1は、ユーザ装置(UE:User Equipment)100と、5Gの無線アクセスネットワーク(NG-RAN:Next Generation Radio Access Network)10と、5Gのコアネットワーク(5GC:5G Core Network)20とを有する。以下において、NG-RAN10を単にRAN10と呼ぶことがある。また、5GC20を単にコアネットワーク(CN)20と呼ぶことがある。
UE100は、移動可能な無線通信装置である。UE100は、ユーザにより利用される装置であればどのような装置であっても構わないが、例えば、UE100は、携帯電話端末(スマートフォンを含む)やタブレット端末、ノートPC、通信モジュール(通信カード又はチップセットを含む)、センサ若しくはセンサに設けられる装置、車両若しくは車両に設けられる装置(Vehicle UE)、飛行体若しくは飛行体に設けられる装置(Aerial UE)である。
NG-RAN10は、基地局(5Gシステムにおいて「gNB」と呼ばれる)200を含む。gNB200は、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して相互に接続される。gNB200は、1又は複数のセルを管理する。gNB200は、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。gNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語としても用いられる。1つのセルは1つのキャリア周波数(以下、単に「周波数」と呼ぶ)に属する。
なお、gNBがLTEのコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)に接続することもできる。LTEの基地局が5GCに接続することもできる。LTEの基地局とgNBとが基地局間インターフェイスを介して接続されることもできる。
5GC20は、AMF(Access and Mobility Management Function)及びUPF(User Plane Function)300を含む。AMFは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。AMFは、NAS(Non-Access Stratum)シグナリングを用いてUE100と通信することにより、UE100のモビリティを管理する。UPFは、データの転送制御を行う。AMF及びUPFは、基地局-コアネットワーク間インターフェイスであるNGインターフェイスを介してgNB200と接続される。
図2は、実施形態に係るUE100(ユーザ装置)の構成を示す図である。UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を備える。受信部110及び送信部120は、gNB200との無線通信を行う無線通信部を構成する。
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。
送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
制御部130は、UE100における各種の制御及び処理を行う。このような処理は、後述の各レイヤの処理を含む。制御部130は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPU(Central Processing Unit)とを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
図3は、実施形態に係るgNB200(基地局)の構成を示す図である。gNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。送信部210及び受信部220は、UE100との無線通信を行う無線通信部を構成する。バックホール通信部240は、CN20との通信を行うネットワーク通信部を構成する。
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
制御部230は、gNB200における各種の制御及び処理を行う。このような処理は、後述の各レイヤの処理を含む。制御部230は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPUとを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
バックホール通信部240は、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して隣接基地局と接続される。バックホール通信部240は、基地局-コアネットワーク間インターフェイスであるNGインターフェイスを介してAMF/UPF300と接続される。なお、gNB200は、CU(Central Unit)とDU(Distributed Unit)とで構成され(すなわち、機能分割され)、両ユニット間がフロントホールインターフェイスであるF1インターフェイスで接続されてもよい。
図4は、データを取り扱うユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
ユーザプレーンの無線インターフェイスプロトコルは、物理(PHY)レイヤと、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤとを有する。
PHYレイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100のPHYレイヤとgNB200のPHYレイヤとの間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。なお、UE100のPHYレイヤは、gNB200から物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)上で送信される下りリンク制御情報(DCI)を受信する。具体的には、UE100は、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を用いてPDCCHのブラインド復号を行い、復号に成功したDCIを自UE宛てのDCIとして取得する。gNB200から送信されるDCIには、RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されている。
MACレイヤは、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセスプロシージャ等を行う。UE100のMACレイヤとgNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。gNB200のMACレイヤはスケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定する。
RLCレイヤは、MACレイヤ及びPHYレイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとgNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化等を行う。
SDAPレイヤは、コアネットワークがQoS制御を行う単位であるIPフローとAS(Access Stratum)がQoS制御を行う単位である無線ベアラとのマッピングを行う。なお、RANがEPCに接続される場合は、SDAPが無くてもよい。
図5は、シグナリング(制御信号)を取り扱う制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックは、図4に示したSDAPレイヤに代えて、RRC(Radio Resource Control)レイヤ及びNAS(Non-Access Stratum)を有する。
UE100のRRCレイヤとgNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のためのRRCシグナリングが伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間にコネクション(RRCコネクション)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態にある。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間にコネクション(RRCコネクション)がない場合、UE100はRRCアイドル状態にある。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間のコネクションがサスペンドされている場合、UE100はRRCインアクティブ状態にある。
RRCレイヤよりも上位に位置するNASは、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。UE100のNASとAMF300AのNASとの間では、NASシグナリングが伝送される。なお、UE100は、無線インターフェイスのプロトコル以外にアプリケーションレイヤ等を有する。また、NASよりも下位のレイヤをAS(Access Stratum)と呼ぶ。
(セル再選択プロシージャの概要)
図6は、セル再選択プロシージャの概要について説明するための図である。
RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあるUE100は、移動に伴って、現在のサービングセル(セル#1)から隣接セル(セル#2乃至セル#4のいずれか)に移行するためにセル再選択プロシージャを行う。具体的には、UE100は、自身がキャンプオンすべき隣接セルをセル再選択プロシージャにより特定し、特定した隣接セルを再選択する。現在のサービングセルと隣接セルとで周波数(キャリア周波数)が同じである場合をイントラ周波数と呼び、現在のサービングセルと隣接セルとで周波数(キャリア周波数)が異なる場合をインター周波数と呼ぶ。現在のサービングセル及び隣接セルは、同じgNB200により管理されていてもよいし、互いに異なるgNB200により管理されていてもよい。
図7は、一般的なセル再選択プロシージャの概略フローを示す図である。
ステップS10において、UE100は、例えばシステム情報ブロック又はRRC解放メッセージによりgNB200から指定される周波数ごとの優先度(「絶対優先度」とも呼ばれる)に基づいて周波数優先度付け処理を行う。具体的には、UE100は、gNB200から指定された周波数優先度を周波数ごとに管理する。
ステップS20において、UE100は、サービングセル及び隣接セルのそれぞれについて無線品質を測定する測定処理を行う。UE100は、サービングセル及び隣接セルのそれぞれが送信する参照信号、具体的には、CD-SSB(Cell Defining-Synchronization Signal and PBCH block)の受信電力及び受信品質を測定する。例えば、UE100は、現在のサービングセルの周波数の優先度よりも高い優先度を有する周波数については常に無線品質を測定し、現在のサービングセルの周波数の優先度と等しい優先度又は低い優先度を有する周波数については、現在のサービングセルの無線品質が所定品質を下回った場合に、等しい優先度又は低い優先度を有する周波数の無線品質を測定する。
ステップS30において、UE100は、ステップS20での測定結果に基づいて、自身がキャンプオンするセルを再選択するセル再選択処理を行う。例えば、UE100は、隣接セルの周波数の優先度が現在のサービングセルの優先度よりも高い場合であって、当該隣接セルが所定期間に亘って所定品質基準(すなわち、必要最低限の品質基準)を満たす場合、当該隣接セルへのセル再選択を行ってもよい。UE100は、隣接セルの周波数の優先度が現在のサービングセルの優先度と同じである場合、隣接セルの無線品質のランク付けを行い、所定期間に亘って現在のサービングセルのランクよりも高いランクを有する隣接セルへのセル再選択を行ってもよい。UE100は、隣接セルの周波数の優先度が現在のサービングセルの優先度よりも低い場合であって、現在のサービングセルの無線品質がある閾値よりも低く、且つ、隣接セルの無線品質が別の閾値よりも高い状態を所定期間にわたって継続した場合、当該隣接セルへのセル再選択を行ってもよい。
(ネットワークスライシングの概要)
ネットワークスライシングは、事業者が構築した物理的なネットワーク(例えば、NG-RAN10及び5GC20で構成されるネットワーク)を仮想的に分割することにより複数の仮想ネットワークを作成する技術である。各仮想ネットワークは、ネットワークスライスと呼ばれる。以下において、ネットワークスライスを単に「スライス」と呼ぶことがある。
ネットワークスライシングにより、通信事業者は、例えば、eMBB(Enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)、mMTC(massive Machine Type Communications)等の異なるサービス種別のサービス要件に応じたスライスを作成することができ、ネットワークリソースの最適化を図ることができる。
図8は、ネットワークスライシングの一例を示す図である。
NG-RAN10及び5GC20で構成するネットワーク50上に、3つのスライス(スライス#1乃至スライス#3)が構成されている。スライス#1は、eMBBというサービス種別に対応付けられ、スライス#2は、URLLCというサービス種別に対応付けられ、スライス#3は、mMTCというサービス種別と対応付けられた。なお、ネットワーク50上に、3つ以上のスライスが構成されてもよい。1つのサービス種別は、複数のスライスと対応付けられてもよい。
各スライスには、当該スライスを識別するスライス識別子が設けられる。スライス識別子の一例として、S-NSSAI(Single Network Slicing Selection Assistance Information)が挙げられる。S-NSSAIは、8ビットのSST(slice/service type)を含む。S-NSSAIは、24ビットのSD(slice differentiator)をさらに含んでもよい。SSTは、スライスが対応付けられるサービス種別を示す情報である。SDは、同一のサービス種別と対応付けられた複数のスライスを差別化するための情報である。複数のS-NSSAIを含む情報はNSSAI(Network Slice Selection Assistance Information)と呼ばれる。
また、1つ以上のスライスをグルーピングしてスライスグループを構成してもよい。また、スライスグループは、1つ以上のスライスを含むグループであり、当該スライスグループにスライスグループ識別子が割り当てられる。スライスグループは、コアネットワーク(例えば、AMF300)によって構成されてもよく、無線アクセスネットワーク(例えば、gNB200)によって構成されてもよい。構成されたスライスグループは、UE100に通知されてもよい。
以下において、用語「ネットワークスライス(スライス)」とは、単一のスライスの識別子であるS-NSSAI又はS-NSSAIの集まりであるNSSAを意味してもよいし、一つ以上のS-NSSAI又はNSSAIのグループであるスライスグループを意味してもよい。
また、UE100は、自身が利用を望む所望ネットワークスライスを決定する。このような所望スライスはIntended sliceと呼ばれることがある。実施形態において、UE100は、ネットワークスライス(所望ネットワークスライス)ごとにスライス優先度を決定する。例えば、UE100のNASは、UE100内のアプリケーションの動作状況及び/又はユーザ操作・設定等によってスライス優先度を決定し、決定したスライス優先度をASに通知する。
(スライス固有セル再選択プロシージャの概要)
図9は、スライス固有セル再選択プロシージャの概要を示す図である。
スライス固有セル再選択プロシージャにおいて、UE100は、ネットワーク50から提供されるスライス周波数情報に基づいてセル再選択処理を行う。スライス周波数情報は、gNB200からブロードキャストシグナリング(例えば、システム情報ブロック)又は専用シグナリング(例えば、RRC解放メッセージ)でUE100に提供されてもよい。
スライス周波数情報は、ネットワークスライスと周波数と周波数優先度との対応関係を示す情報である。例えば、スライス周波数情報は、各スライス(又はスライスグループ)について、当該スライスをサポートする周波数(1つ又は複数の周波数)と、各周波数に付与される周波数優先度とを示す。スライス周波数情報の一例を図10に示す。
図10に示す例において、スライス#1に対して、スライス#1をサポートする周波数として周波数F1、F2、及びF4という3つの周波数が対応付けられる。これらの3つの周波数のうち、F1の周波数優先度が「6」であり、F2の周波数優先度が「4」であり、F4の周波数優先度が「2」である。図10の例では、周波数優先度の数字が大きいほど優先度が高いものとするが、数字が小さいほど優先度が高いとしてもよい。
また、スライス#2に対して、スライス#2をサポートする周波数として周波数F1、F2、及びF3という3つの周波数が対応付けられる。これらの3つの周波数のうち、F1の周波数優先度が「0」であり、F2の周波数優先度が「5」であり、F3の周波数優先度が「7」である。
また、スライス#3に対して、スライス#3をサポートする周波数として周波数F1、F3、及びF4という3つの周波数が対応付けられる。これらの3つの周波数のうち、F1の周波数優先度が「3」であり、F3の周波数優先度が「7」であり、F4の周波数優先度が「2」である。
以下において、従来のセル再選択プロシージャにおける絶対優先度と区別するために、スライス周波数情報において示される周波数優先度を「スライス固有周波数優先度」と呼ぶ場合がある。
UE100は、ネットワーク50から提供されるセル情報にさらに基づいてセル再選択処理を行ってもよい。セル情報は、セル(例えば、サービングセル及び各隣接セル)と、当該セルが提供していない又は提供しているネットワークスライスとの対応関係を示す情報であってもよい。例えば、あるセルが混雑等の理由で一部又は全部のネットワークスライスを一時的に提供しないような場合があり得る。すなわち、あるネットワークスライスを提供する能力を有するスライスサポート周波数であっても、当該周波数内の一部のセルが当該ネットワークスライスを提供しない場合があり得る。UE100は、セル情報に基づいて、各セルが提供しないネットワークスライスを把握できる。このようなセル情報は、gNB200からブロードキャストシグナリング(例えば、システム情報ブロック)又は専用シグナリング(例えば、RRC解放メッセージ)でUE100に提供されてもよい。
図11は、スライス固有セル再選択プロシージャの基本フローを示す図である。スライス固有セル再選択の手順を開始する前に、UE100は、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあり、かつ、上述のスライス周波数情報を受信及び保持しているものとする。
ステップS0において、UE100のNASは、UE100の所望スライスのスライス識別子と、各所望スライスのスライス優先度を決定し、決定したスライス優先度を含むスライス情報をUE100のASに通知する。「所望スライス」は、使用見込みのあるスライス、候補スライス、希望スライス、通信したいスライス、要求されたスライス、許容されたスライス、又は意図したスライスを含む。例えば、スライス#1のスライス優先度が「3」に決定され、スライス#2のスライス優先度が「2」に決定され、スライス#3のスライス優先度が「1」に決定される。スライス優先度の数字が大きいほど優先度が高いものとするが、数字が小さいほど優先度が高いとしてもよい。
ステップS1において、UE100のASは、ステップS0においてNASから通知されたスライス(スライス識別子)をスライス優先度の高い順に並べ替える。このようにして並べられたスライスのリストを「スライスリスト」と呼ぶ。
ステップS2において、UE100のASは、スライス優先度が高い順に1つのネットワークスライスを選択する。このようにして選択されたネットワークスライスを「選択ネットワークスライス」と呼ぶ。
ステップS3において、UE100のASは、選択ネットワークスライスについて、当該ネットワークスライスと対応付けられた各周波数に周波数優先度を割り当てる。具体的には、UE100のASは、スライス周波数情報に基づいて、当該スライスと対応付けられた周波数を特定し、特定した周波数に周波数優先度を割り当てる。例えば、ステップS2で選択された選択ネットワークスライスがスライス#1である場合、UE100のASは、スライス周波数情報(例えば、図10の情報)に基づいて、周波数F1に周波数優先度「6」を割り当て、周波数F2に周波数優先度「4」を割り当て、周波数F4に周波数優先度「2」を割り当てる。UE100のASは、周波数優先度が高い順に並べられた周波数のリストを「周波数リスト」と呼ぶ。
ステップS4において、UE100のASは、ステップS2で選択された選択ネットワークスライスについて、周波数優先度が高い順に1つの周波数を選択し、選択した周波数に対する測定処理を行う。このようにして選択された周波数を「選択周波数」と呼ぶ。UE100のASは、当該選択周波数内で測定した各セルを無線品質が高い順にランク付けを行ってもよい。選択周波数内で測定した各セルのうち所定品質基準(すなわち、必要最低限の品質基準)を満たすセルを「候補セル」と呼ぶ。
ステップS5において、UE100のASは、ステップS4での測定処理の結果に基づいて、最高ランクのセルを特定し、当該セルが選択ネットワークスライスを提供するか否かをセル情報に基づいて判定する。最高ランクのセルが選択ネットワークスライスを提供すると判定した場合(ステップS5:YES)、ステップS5aにおいて、UE100のASは、最高ランクのセルを再選択し、当該セルにキャンプオンする。
一方、最高ランクのセルが選択ネットワークスライスを提供しないと判定した場合(ステップS5:NO)、ステップS6において、UE100のASは、ステップS3で作成した周波数リストにおいて未測定の周波数が存在するか否かを判定する。未測定の周波数が存在すると判定した場合(ステップS6:YES)、UE100のASは、次に周波数優先度の高い周波数を対象として処理を再開し、当該周波数を選択周波数として測定処理を行う(ステップS4に処理を戻す)。
ステップS3で作成した周波数リストにおいて未測定の周波数が存在しないと判定した場合(ステップS6:NO)、ステップS7において、UE100のASは、ステップS1で作成したスライスリストにおいて、未選択のスライスが存在するか否かを判定してもよい。未選択のスライスが存在すると判定した場合(ステップS7:YES)、UE100のASは、次にスライス優先度の高いネットワークスライスを対象として処理を再開し、当該ネットワークスライスを選択ネットワークスライスとして選択する(ステップS2に処理を戻す)。なお、図11に示す基本フローにおいて、ステップS7の処理が省略されてもよい。
未選択のスライスが存在しないと判定した場合(ステップS7:NO)、ステップS8において、UE100のASは、従来のセル再選択処理を行う。従来のセル再選択処理とは、図7に示す一般的なセル再選択プロシージャの全体を意味してもよいし、図7に示すセル再選択処理(ステップS30)のみを意味してもよい。後者の場合、UE100は、セルの無線品質を再度測定せずに、ステップS4での測定結果を流用してもよい。
(スライス固有セル再選択プロシージャの第1変更例)
スライス固有セル再選択プロシージャの第1変更例について説明する。
上述のように、ステップS0において、NASからASに対して、スライス優先度を含むスライス情報が提供される。ここで、各スライスに対して異なるスライス優先度が割り当てられる場合、特に問題なく、以降のステップ(例えば、ステップS1乃至ステップS7)の処理を行うことができる。
一方で、複数のスライスが同一スライス優先度である場合、問題が生じ得る。特に、これらスライスについて互いに異なる周波数優先度が割り当てられていた場合、どの周波数の優先度が高いのか分からなくなる虞がある。例えば、図12に示すような設定において、スライス#1及びスライス#2が同一のスライス優先度「6」を有する。このような場合、最高スライス優先度のスライス#1及びスライス#2のどちらに、対応する周波数優先度を適用すべきかが不定となる。
本変更例において、ネットワークスライスと周波数と周波数優先度との対応関係を示すスライス周波数情報をネットワーク50(例えば、gNB200)から受信するUE100は、スライス優先度に応じて選択した選択ネットワークスライスについて、スライス周波数情報が示す周波数優先度を対応する周波数に割り当てる(ステップS3)。UE100は、割り当てられた周波数優先度に応じて選択した選択周波数内で所定品質基準を満たす候補セルを再選択する(ステップS4、S5、S5a)。
ここで、ステップS3において、UE100は、複数のネットワークスライス(具体的には、複数の所望ネットワークスライス)が同一のスライス優先度を有する場合、周波数ごとに、当該複数のネットワークスライスのそれぞれの周波数優先度に基づく代表値を導出する。そして、UE100は、導出された代表値を周波数優先度として、対応する周波数に割り当てる。これにより、同一のスライス優先度を有する各ネットワークスライスの周波数優先度を考慮して、各周波数の周波数優先度を適切に割り当てることが可能になる。
UE100は、代表値を導出する際に、周波数ごとに、同一のスライス優先度を有する各ネットワークスライスの周波数優先度の和、平均値、積、又は最大値を代表値として導出してもよい。
図12に示す例において、同一のスライス優先度を有するネットワークスライス#1及び#2の周波数優先度の「和」を代表値として導出する場合、UE100は、
周波数F1: 6
周波数F2: 9
周波数F3: 7
周波数F4: 2というように周波数優先度(代表値)を割り当てる。そのため、スライス#1及び#2で平均的な周波数優先度の高い周波数F2に最高の周波数優先度「9」が割り当てられる。その結果、UE100は、周波数F2に属する候補セルを最優先で再選択するため、キャンプオンした周波数F2においてスライス#1及び#2の両方を利用することが容易になる。
ここで、周波数F3は、スライス#1について周波数優先度が設定されておらず、スライス#1をサポートしていない可能性がある。また、周波数F4は、スライス#2について周波数優先度が設定されておらず、スライス#2をサポートしていない可能性がある。このような周波数F3、F4をUE100が再選択すると、スライス#1、#2の両方をUE100が利用することが難しい。そのため、UE100は、同一のスライス優先度を有する複数のネットワークスライスのいずれかで周波数優先度が割り当てられていない周波数(周波数F3、F4)が存在する場合、当該周波数(周波数F3、F4)をセル再選択候補から除外してもよい。例えば、図12に示す例において、同一のスライス優先度を有するネットワークスライス#1及び#2の周波数優先度の和を代表値として導出する場合において、UE100は、
周波数F1: 6
周波数F2: 9
周波数F3: -(N/A)
周波数F4: -(N/A)というように周波数優先度(代表値)を割り当ててもよい。
一方、図12に示す例において、同一のスライス優先度を有するネットワークスライス#1及び#2の周波数優先度の「平均値」を代表値として導出する場合、UE100は、
周波数F1: 3
周波数F2: 4.5
周波数F3: 3.5
周波数F4: 1というように周波数優先度(代表値)を割り当てる。そのため、スライス#1及び#2で平均的な周波数優先度の高い周波数F2に最高の周波数優先度「4.5」が割り当てられる。UE100は、同一のスライス優先度を有する複数のネットワークスライスのいずれかで周波数優先度が割り当てられていない周波数(周波数F3、F4)が存在する場合、当該周波数(周波数F3、F4)をセル再選択候補から除外してもよい。例えば、UE100は、
周波数F1: 3
周波数F2: 4.5
周波数F3:-(N/A)
周波数F4:-(N/A)というように周波数優先度(代表値)を割り当ててもよい。
なお、ここでは代表値が「和」、「平均値」である一例について説明したが、代表値が「積」、「最大値」であってもよいし、他の統計値であってもよい。
図13は、本変更例に係るスライス固有セル再選択プロシージャのフローを示す図である。ここでは、上述のスライス固有セル再選択プロシージャの基本フロー(図11)との相違点を説明する。
ステップS2Aにおいて、UE100のASは、複数のスライスが同一スライス優先度を有しているか否かを確認してもよい。すなわち、UE100のASは、NASによって複数のスライスに同一スライス優先度が割り当てられているか否かを確認してもよい。
ステップS3Aにおいて、UE100のASは、同一スライス優先度の複数スライスに割り当てられた各周波数優先度に対して、各値の代表値(例えば、和、平均値、積、最高値)を周波数優先度として割り当てる。ここで、UE100は、いずれかのスライスで周波数優先度が割り当てられていない場合、当該周波数に優先度を適用しないと判断してもよい。例えば、UE100は、同一スライス優先度の複数スライスが存在する場合、これらすべてのスライスに周波数優先度がある場合にのみ、周波数優先度を割り当てる。すなわち、UE100は、同一スライス優先度の複数スライスが存在する場合、1つ又は複数のスライスについて周波数優先度がない周波数に周波数優先度を割り当てない。
(スライス固有セル再選択プロシージャの第2変更例)
スライス固有セル再選択プロシージャの第2変更例について説明する。
NASによって同一スライス優先度が割り当てられた複数スライスについては、どちらのスライスを優先するかの意思表示が無く、どちらのスライスでもよいと考えることができる。そのため、本変更例では、同一スライス優先度が割り当てられた複数スライスについて、最高周波数優先度の周波数を測定対象とし、ランキングにより最良のセルを再選択する。
本変更例において、ネットワークスライスと周波数と周波数優先度との対応関係を示すスライス周波数情報をネットワークから受信するUE100は、スライス優先度に応じて選択した選択ネットワークスライスについて、スライス周波数情報が示す周波数優先度を対応する周波数に割り当てる。UE100は、複数のネットワークスライスが同一のスライス優先度を有する場合、当該複数のネットワークスライスのそれぞれについて、最高の周波数優先度を有する最高優先度周波数を特定し、当該複数のネットワークスライスのそれぞれの最高優先度周波数内で所定品質基準を満たす候補セルを再選択する。
図12を例に挙げて説明すると、UE100は、同一のスライス優先度「6」を有するネットワークスライス#1及び#2のそれぞれについて、最高の周波数優先度を有する最高優先度周波数を特定する。ネットワークスライス#1の最高優先度周波数は、周波数F1乃至F4のうち、最も高い周波数優先度「6」が割り当てられた周波数F1である。ネットワークスライス#2の最高優先度周波数は、周波数F1乃至F4のうち、最も高い周波数優先度「7」が割り当てられた周波数F3である。よって、UE100は、周波数F1及びF3を特定し、周波数F1に属するセル及び周波数F3に属するセルの中から、最もランクの高いセル(最高ランクのセル)を再選択するように制御する。ここで、UE100は、周波数F1及びF3を別々のタイミングで測定してもよい。UE100が複数のRF回路(複数受信機)を有する場合、UE100は、周波数F1及びF3を同時に測定してもよい。
図14は、本変更例に係るスライス固有セル再選択プロシージャのフローを示す図である。ここでは、上述のスライス固有セル再選択プロシージャの基本フロー(図11)との相違点を説明する。
ステップS2Bにおいて、UE100のASは、複数のスライスが同一スライス優先度を有しているか否かを確認してもよい。すなわち、UE100のASは、NASによって複数のスライスに同一スライス優先度が割り当てられているか否かを確認してもよい。
ステップS3Bにおいて、UE100のASは、同一スライス優先度を有する複数スライスのそれぞれの最高優先度周波数を特定する。
ステップS4Bにおいて、UE100のASは、ステップS3Bで特定した各最高優先度周波数上の各セルの測定を行う。UE100のASは、測定したセル(複数の周波数のセル)を対象としてランキングを行い、最高ランクの候補セルを特定する。
(スライス固有セル再選択プロシージャの第3変更例)
スライス固有セル再選択プロシージャの第3変更例について説明する。
NASがスライス毎に必ず別のスライス優先度を割り当てると規定することで、上述の第1及び第2変更例の課題を解決し得る。本変更例では、NASの技術仕様においてこのような制限が設けられることを想定する。
本変更例において、UE100のNASは、1つ又は複数のネットワークスライス(具体的には、1つ又は複数の所望ネットワークスライス)のそれぞれにスライス優先度を割り当て、割り当てたスライス優先度を含むスライス情報をASに通知する。ここで、NASは、2以上のネットワークスライスに同一のスライス優先度が割り当てられないように、当該2以上のネットワークスライスに対して互いに異なるスライス優先度を割り当てる。
図15は、本変更例に係るスライス固有セル再選択プロシージャのフローを示す図である。ここでは、上述のスライス固有セル再選択プロシージャの基本フロー(図11)との相違点を説明する。
ステップS0Cにおいて、UE100のNASは、ASへスライス情報を提供することを決定し、各所望ネットワークスライスに対するスライス優先度を決定する。例えば、NASは、スライス優先度をアプリケーションレイヤの要求によって決定してもよいし、AMFから設定されてもよい。
ここで、NASは、スライス毎に異なるスライス優先度を割り当てる。例えば、アプリケーションレイヤの要求又はAMFからの設定において、スライス間でスライス優先度が同じであった場合、NASは、例えばアプリケーションの使用頻度・使用時間などに応じて、各スライスに対して互いに異なるスライス優先度を割り当てる。そして、NASは、割り当てたスライス優先度を含むスライス情報をASに提供する。
(スライス固有セル再選択プロシージャの第4変更例)
スライス固有セル再選択プロシージャの第4変更例について説明する。
セル再選択プロシージャはUE100のRRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態で実施される。ここで、UE100がRRCインアクティブ状態にある場合、UE100は、保留中のプロトコルデータユニット(PDU)セッションを有する。このような保留中のPDUセッションは、RRC接続のレジュームによって再開されることが期待されるため、保留中のPDUセッションを有するスライスのスライス優先度を高くすることが好ましいと考えられる。
例えば、図16に示す状態において、保留中のPDUセッションで使用しているスライス#3のスライス優先度よりも、保留中のPDUセッションで使用していないスライス#1、#2のスライス優先度が高い場合、PDUセッション保留中のスライス#3が後回しになることは好ましくない。そのため、本変更例では、UE100のNASは、PDUセッション保留中のスライスは、所望ネットワークスライスの各スライスにおける最高スライス優先度と同一又はそれよりも高いスライス優先度を有しているものとして扱う。
本変更例において、UE100のNASは、1つ又は複数のネットワークスライス(1つ又は複数の所望ネットワークスライス)のそれぞれにスライス優先度を割り当て、割り当てたスライス優先度を含むスライス情報をASに通知する。NASは、保留中のPDUセッションを有するネットワークスライス(図16の例では、スライス#3)を特定し、特定したネットワークスライスに基づく情報をASに通知する。
NASは、保留中のPDUセッションを有するネットワークスライスに対して最高スライス優先度を割り当ててもよい。
ここで、最高スライス優先度とは、保留中のPDUセッションを有するネットワークスライス以外のネットワークスライスの最高スライス優先度と同じスライス優先度であってもよい。図16の例では、UE100のNASは、保留中のPDUセッションを有するスライス#3以外のスライス(#1及び#2)の最高スライス優先度「6」を、スライス#3に割り当てててもよい。この例では、スライス#3のスライス優先度がスライス#1のスライス優先度と同じになるため、上述の第1及び第2変更例の動作を適用できる。
或いは、最高スライス優先度とは、保留中のPDUセッションを有するネットワークスライス以外のネットワークスライスで最高のスライス優先度よりも高いスライス優先度であってもよい。図16の例では、UE100のNASは、保留中のPDUセッションを有するスライス#3以外のスライス(#1及び#2)の最高スライス優先度「6」よりも高いスライス優先度「7」を、スライス#3に割り当てててもよい。
なお、UE100のNASは、次のような方法で、保留中のPDUセッションを有するネットワークスライスを特定してもよい。具体的には、UE100のNASは、UE100がRRCインアクティブ状態に遷移したことをASから通知されたことに応じて、保留中のPDUセッションを有するネットワークスライスを特定してもよい。例えば、UE100のASは、gNB200からSuspend config.を含むRRC Releaseメッセージを受信すると、RRCインアクティブ状態に遷移する処理を行うとともに、RRCインアクティブ状態に遷移した旨をNASに通知する。UE100のNASは、現在確立済みの(保留となる)PDUセッションと、当該PDUセッションに紐づいているスライスとを特定する。UE100のNASは、1つ以上のスライス(Intended Slice)を特定した場合、当該スライス(識別子)を所望ネットワークスライスとしてASへ通知してもよい。当該所望ネットワークスライスは、Intended Sliceの一部としてASへ通知されてもよい。すなわち、ASは、RRCインアクティブ状態に遷移した後、NASからIntended Sliceの通知を(更新されたIntended Sliceとして)受信する。
図17は、本変更例に係るスライス固有セル再選択プロシージャのフローを示す図である。ここでは、上述のスライス固有セル再選択プロシージャの基本フロー(図11)との相違点を説明する。
ステップS0Dにおいて、UE100のNASは、PDUセッション保留中の場合、該当するスライス(識別子)を、Intended Sliceの最高スライス優先度と同じにして扱う。図16の例では、UE100のNASは、スライス#3のスライス優先度を「6」とみなしてもよいし、「6」よりも大きいスライス優先度とみなしてもよい。もしくは、ASは、前記(更新された)Intended Sliceに従い、スライス固有セル再選択プロシージャ(ステップS1以降)の処理を実施してもよい。
(その他の実施形態)
上述の各動作フローは、別個独立に実施する場合に限らず、2以上の動作フローを組み合わせて実施可能である。例えば、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローに追加してもよいし、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローの一部のステップと置換してもよい。
上述の実施形態及び実施例において、基地局がNR基地局(gNB)である一例について説明したが基地局がLTE基地局(eNB)又は6G基地局であってもよい。また、基地局は、IAB(Integrated Access and Backhaul)ノード等の中継ノードであってもよい。基地局は、IABノードのDUであってもよい。また、ユーザ装置は、IABノードのMT(Mobile Termination)であってもよい。
UE100又はgNB200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。また、UE100又はgNB200が行う各処理を実行する回路を集積化し、UE100又はgNB200の少なくとも一部を半導体集積回路(チップセット、SoC)として構成してもよい。
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
本開示で使用されている「に基づいて(based on)」、「に応じて(depending on)」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」、「のみに応じて」を意味しない。「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」及び「に少なくとも部分的に基づいて」の両方を意味する。同様に、「に応じて」という記載は、「のみに応じて」及び「に少なくとも部分的に応じて」の両方を意味する。また、「取得する(obtain/acquire)」は、記憶されている情報の中から情報を取得することを意味してもよく、他のノードから受信した情報の中から情報を取得することを意味してもよく、又は、情報を生成することにより当該情報を取得することを意味してもよい。「含む(include)」、「備える(comprise)」、及びそれらの変形の用語は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。また、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。さらに、本開示で使用されている「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。本開示において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
本願は、日本国特許出願第2021-171987号(2021年10月20日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。

Claims (8)

  1. 移動通信システムにおいてユーザ装置が実行するセル再選択方法であって、
    ネットワークスライスグループと周波数と周波数優先度との対応関係に基づいて、少なくとも1つのネットワークスライスについて、対応する周波数の優先順位を決定することと、
    前記決定した優先順位に基づいて、セル再選択を実行することと、を有し、
    前記優先順位を決定することは、複数のネットワークスライスグループが同一のスライスグループ優先度を有する場合、前記周波数ごとにおける、前記複数のネットワークスライスグループのそれぞれの前記周波数優先度の最大値に基づいて、対応する周波数の優先順位を決定することを含む
    セル再選択方法。
  2. 前記複数のネットワークスライスグループのいずれかで前記周波数優先度が割り当てられていない周波数が存在する場合、当該周波数を前記選択周波数として選択しにくい制御を行うことをさらに有する
    請求項1に記載のセル再選択方法。
  3. 前記ネットワークスライスグループと前記周波数と前記周波数優先度との対応関係を示すスライス周波数情報をネットワークから受信することをさらに有する
    請求項1に記載のセル再選択方法。
  4. 前記優先順位を決定することは、前記スライスグループ優先度に基づいて、前記少なくとも1つのネットワークスライスグループを選択することを含む
    請求項1に記載のセル再選択方法。
  5. ユーザ装置であって、
    ネットワークスライスグループと周波数と周波数優先度との対応関係に基づいて、少なくとも1つのネットワークスライスについて、対応する周波数の優先順位を決定する処理と、
    前記決定した優先順位に基づいて、セル再選択を実行する処理と、を実行するプロセッサを備え、
    前記優先順位を決定する処理は、複数のネットワークスライスグループが同一のスライスグループ優先度を有する場合、前記周波数ごとにおける、前記複数のネットワークスライスグループのそれぞれの前記周波数優先度の最大値に基づいて、対応する周波数の優先順位を決定する処理を含む
    ユーザ装置。
  6. ユーザ装置のためのチップセットであって、
    ネットワークスライスグループと周波数と周波数優先度との対応関係に基づいて、少なくとも1つのネットワークスライスについて、対応する周波数の優先順位を決定する処理と、
    前記決定した優先順位に基づいて、セル再選択を実行する処理と、を実行し、
    前記優先順位を決定する処理は、複数のネットワークスライスグループが同一のスライスグループ優先度を有する場合、前記周波数ごとにおける、前記複数のネットワークスライスグループのそれぞれの前記周波数優先度の最大値に基づいて、対応する周波数の優先順位を決定する処理を含む
    チップセット。
  7. ユーザ装置に、
    ネットワークスライスグループと周波数と周波数優先度との対応関係に基づいて、少なくとも1つのネットワークスライスについて、対応する周波数の優先順位を決定する処理と、
    前記決定した優先順位に基づいて、セル再選択を実行する処理と、を実行させ、
    前記優先順位を決定する処理は、複数のネットワークスライスグループが同一のスライスグループ優先度を有する場合、前記周波数ごとにおける、前記複数のネットワークスライスグループのそれぞれの前記周波数優先度の最大値に基づいて、対応する周波数の優先順位を決定する処理を含む
    プログラム。
  8. ユーザ装置を備える移動通信システムであって、
    前記ユーザ装置は、
    ネットワークスライスグループと周波数と周波数優先度との対応関係に基づいて、少なくとも1つのネットワークスライスについて、対応する周波数の優先順位を決定する処理と、
    前記決定した優先順位に基づいて、セル再選択を実行する処理と、を実行し、
    前記優先順位を決定する処理は、複数のネットワークスライスグループが同一のスライスグループ優先度を有する場合、前記周波数ごとにおける、前記複数のネットワークスライスグループのそれぞれの前記周波数優先度の最大値に基づいて、対応する周波数の優先順位を決定する処理を含む
    移動通信システム。
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