JP2024106854A - サーバ装置、情報処理方法、およびプログラム - Google Patents

サーバ装置、情報処理方法、およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2024106854A
JP2024106854A JP2023011322A JP2023011322A JP2024106854A JP 2024106854 A JP2024106854 A JP 2024106854A JP 2023011322 A JP2023011322 A JP 2023011322A JP 2023011322 A JP2023011322 A JP 2023011322A JP 2024106854 A JP2024106854 A JP 2024106854A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
product
information
company
tree
request
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023011322A
Other languages
English (en)
Inventor
巖 新田
輝嘉 藤原
竜太 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2023011322A priority Critical patent/JP2024106854A/ja
Priority to PCT/IB2023/062396 priority patent/WO2024157072A1/en
Publication of JP2024106854A publication Critical patent/JP2024106854A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06QINFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES; SYSTEMS OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G06Q10/00Administration; Management
    • G06Q10/06Resources, workflows, human or project management; Enterprise or organisation planning; Enterprise or organisation modelling
    • G06Q10/063Operations research, analysis or management

Landscapes

  • Business, Economics & Management (AREA)
  • Human Resources & Organizations (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Strategic Management (AREA)
  • Entrepreneurship & Innovation (AREA)
  • Economics (AREA)
  • Operations Research (AREA)
  • Game Theory and Decision Science (AREA)
  • Development Economics (AREA)
  • Marketing (AREA)
  • Educational Administration (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Tourism & Hospitality (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Business, Economics & Management (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

【課題】サプライチェーンに関する情報を生成する。【解決手段】サプライチェーンに含まれる各企業の製品に関する製品情報を企業毎に記憶する記憶装置と、制御部と、を有するサーバ装置。前記制御部は、前記サプライチェーンの各企業を対象企業として、対象企業の対象製品に関する第一製品情報に対して、(1)前記サプライチェーンにおいて対象企業よりも上流企業の上流製品に関する第二製品情報を紐付けする第一の要求、及び(2)終端を示す終端情報を付与する第二の要求のいずれか一方を、対象企業のアカウントから受け付け、前記受け付けた各要求を反映することで、各企業の製品間の関係を示す製品ツリーを形成し、形成された前記製品ツリーに関連する情報処理を実行し、かつ前記情報処理を実行した結果を出力するように構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、サプライチェーンに関する。
サプライチェーンを構成する複数の企業において情報共有を行うシステムが知られている。これに関して、例えば、特許文献1には、サプライチェーンを可視化するシステムが開示されている。
特開2017-500663号公報
本開示は、サプライチェーンに関する情報を収集することを目的とする。
本開示の実施形態の一態様は、
サプライチェーンに含まれる各企業の製品に関する製品情報を企業毎に記憶する記憶装置と、制御部と、を有するサーバ装置であって、前記制御部は、前記サプライチェーンの各企業を対象企業として、対象企業の対象製品に関する第一製品情報に対して、(1)前記サプライチェーンにおいて対象企業よりも上流企業の上流製品に関する第二製品情報を紐付けする第一の要求、及び(2)終端を示す終端情報を付与する第二の要求のいずれか一方を、対象企業のアカウントから受け付け、前記受け付けた各要求を反映することで、各企業の製品間の関係を示す製品ツリーを形成し、形成された前記製品ツリーに関連する情報処理を実行し、かつ前記情報処理を実行した結果を出力するように構成されるサーバ装置である。
本開示の実施形態の一態様は、
サプライチェーンに含まれる各企業の製品に関する製品情報を企業毎に記憶する記憶装置を備えるサーバ装置が実行する情報処理方法であって、前記サプライチェーンの各企業を対象企業として、対象企業の対象製品に関する第一製品情報に対して、(1)前記サプライチェーンにおいて対象企業よりも上流企業の上流製品に関する第二製品情報を紐付けする第一の要求、及び(2)終端を示す終端情報を付与する第二の要求のいずれか一方を、対象企業のアカウントから受け付けるステップと、前記受け付けた各要求を反映することで、各企業の製品間の関係を示す製品ツリーを形成するステップと、形成された前記製品ツリーに関連する情報処理を実行するステップと、前記情報処理を実行した結果を出力するステップと、を含む、情報処理方法である。
本開示の実施形態の一態様は、
サプライチェーンに含まれる各企業の製品に関する製品情報を企業毎に記憶するサーバ装置と通信可能な情報処理装置に情報処理方法を実行させるためのプログラムであって、前記情報処理方法は、対象企業として前記サーバ装置にアクセスした後に、前記対象企業の対象製品に関する第一製品情報に対して、(1)前記サプライチェーンにおいて対象企業よりも上流企業の上流製品に関する第二製品情報を紐付けする第一の要求、及び(2)終端を示す終端情報を付与する第二の要求のいずれか一方を、前記サーバ装置に送信することを含む、プログラムである。
本開示の実施形態の一態様は、
サプライチェーンに含まれる各企業の製品に関する製品情報を企業毎に記憶する記憶装置と、制御部と、を有するサーバ装置であって、前記制御部は、前記サプライチェーンの各企業を対象企業として、対象企業の対象製品に関する第一製品情報に対して、(1)前記サプライチェーンにおいて対象企業よりも上流企業の上流製品に関する第二製品情報を紐付けする第一の要求、及び(2)終端を示す終端情報を付与する第二の要求のいずれか一方を、対象企業のアカウントから受け付け、かつ前記各企業から受け付けた各要求に応じて、紐付け情報及び終端情報を前記記憶装置に保存するように構成される、サーバ装置である。
また、他の態様として、上記の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、または、該プログラムを非一時的に記憶したコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。
本開示によれば、サプライチェーンに関する情報を収集することができる。
第一の実施形態に係るサプライチェーンを説明する図。 サプライチェーンによって供給される製品同士の関係を説明する図。 企業端末とサーバ装置との間で行われる処理の概要を示した図。 第一の実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成図。 第一の実施形態に係る企業端末のハードウェア構成図。 第一の実施形態に係るサーバ装置のソフトウェア構成図。 第一の実施形態に係る企業端末のソフトウェア構成図。 製品情報生成部によって生成される製品情報の一例。 権限設定部が出力する画面の一例。 入力された情報に基づいて権限設定部が生成した許可情報の一例。 紐付け先の候補となる製品のリストを含むユーザインターフェースの一例。 サーバ装置が実行する処理の流れを示した図。 紐付けられた複数の製品情報を説明する図。 製品ツリーと各工程で排出される二酸化炭素の量を説明する図。 製品ツリーを画像によって出力した画面の一例。 アクセス権限が無い製品を非開示とした場合の製品ツリーの一例。 第一ないし第三のフェーズにおいて、サーバ装置及び企業端末が行う処理を説明するシーケンス図。 第四のフェーズにおいて、サーバ装置及び企業端末が行う処理を説明するシーケンス図。 第二の実施形態に係るサーバ装置のソフトウェア構成図。 第二の実施形態に係る企業端末のソフトウェア構成図。 第二の実施形態において、サーバ装置及び企業端末が行う処理を説明するシーケンス図。 第三の実施形態において、サーバ装置及び企業端末が行う処理を説明するシーケンス図。
近年、自動車、電池等の製品を製造する際に排出される温室効果ガスの量を追跡したい、すなわち、カーボンフットプリントを追跡したいという要望がある。
ここで、製品が、複数の企業を含むサプライチェーンによって供給される場合を考える。一例では、サプライチェーンに含まれる少なくとも一部の企業(中間サプライヤー)は、1以上の上流企業から部品を受け取り、受け取った部品を使用して自社製品を生産し、生産された自社製品を次の工程における企業(下流企業)に納入し得る。最上流企業は、直接的に自社製品を生産し、生産された自社製品を次の工程における企業に納入し得る。サプライチェーンの一部の企業は、他の企業から受け取った製品をそのまま別の企業に納入(すなわち、流通に関与)し得る。複数の企業がこれを繰り返し、最終工程において、最終的な製品が得られる。
自動車に関する製品を得る場面では、サプライチェーンは、OEMメーカー及び複数のサプライヤーから構成されてよい。OEMメーカーは、最終的な製品を組み立てる企業(最下流企業)であってよく、サプライヤーは、当該製品を生産するための部品、素材、アッセンブリ等を供給する企業であってよい。サプライチェーンに含まれる企業は、製品に応じて決定され得る。
なお、以降の説明において、複数のサプライヤーのそれぞれが生産する部品等を「製品」と称し、最終的な製品を「最終製品」と称する。一例では、最終製品は消費者に供給され得る。また、サプライチェーンに含まれるサプライヤー及びOEMメーカーのことを単に「企業」と称する。また、サプライチェーンが有する複数の階層のそれぞれを「Tier」と称する。
斯様なシステムにおいて、例えば、最終製品の製造にともなって排出される温室効果ガスの総量を算出するためには、複数の企業間における製品の供給関係を明確にすることが求められる。最終製品を構成する複数の製品同士の関係が明確でなければ、複数の工程において排出される温室効果ガスの総量を正しく算出することが困難であるからである。この問題を解決するためには、例えば、最終製品を構成する複数の製品同士の供給関係を示したツリー(以下、製品ツリー)を生成するといった処理が求められる。
最下流企業以外の各企業には、複数の企業間における製品の供給関係を示す情報を提供させることができる。しかしながら、基本的には、直接的な取引関係がない限り、サプライチェーンにどのような企業が属しているか知ることは困難である。そのため、サプライチェーンの階層数が多くなると、最下流企業は、サプライチェーンにおいて、どのような企業がどの段階に何社存在しているか把握することは極めて困難になる。このような場合、サプライチェーンに属する各企業から収集した情報が全て揃っているか(すなわち、製品ツリーが完成したか)否かを正しく判定することは難しい。本開示のサーバ装置は、かかる問題を解決する。
本開示の一態様に係るサーバ装置は、サプライチェーンに含まれる各企業の製品に関する製品情報を企業毎に記憶する記憶装置と、制御部と、を有する。また、前記制御部は、前記サプライチェーンの各企業を対象企業として、対象企業の対象製品に関する第一製品情報に対して、(1)前記サプライチェーンにおいて対象企業よりも上流企業の上流製品に関する第二製品情報を紐付けする第一の要求、及び(2)終端を示す終端情報を付与する第二の要求のいずれか一方を、対象企業のアカウントから受け付け、前記受け付けた各要求を反映することで、各企業の製品間の関係を示す製品ツリーを形成し、形成された前記製品ツリーに関連する情報処理を実行し、かつ前記情報処理を実行した結果を出力するように構成される。
サプライチェーンにおいては、上流側に位置する企業が、下流側に位置する企業へ製品を納入する。一例では、最下流企業は、最終製品を組み立てる企業(OEMメーカー)である。ここでは、サプライチェーン中のある階層に着目した場合において、上流側に位置
する企業を上流企業、下流側に位置する企業を下流企業と定義する。また、上流企業の製品を上流製品、下流企業の製品を下流製品と称する。上流製品は、下流製品を構成する(下流製品に包含される)製品であるとみなすことができる。
本開示のサーバ装置は、製品情報同士(すなわち、上流側の製品情報と下流側の製品情報)を紐付けるための要求(第一の要求)を対象企業のアカウントから受け付け、当該第一の要求に応じて紐付け情報を生成し、生成された紐付け情報を記憶することができる。紐付け情報は、下流製品の情報と上流製品の情報との紐付け関係を示す情報である。この処理を繰り返すことで、サーバ装置は、最終製品に対応する製品ツリーを構築することができる。しかし、サプライチェーンに含まれる企業が増えると、製品ツリーを構築するために必要な全ての製品情報が揃っているかを判定することが困難になる。
そこで、本開示に係るサーバ装置は、対象企業のアカウントから、上記第一の要求及び製品ツリーにおける終端を示す情報を付与する要求(第二の要求)のいずれか一方を受け付け、受け付けた要求を製品ツリーに反映する。これにより、製品ツリーが確定したか(全ての製品情報について、互いの関係を示す情報が揃ったか)否かを判定できるようになる。なお、第二の要求は、対象製品に対応するノードが葉ノードである場合に限って受け付けるようにしてもよい。
製品ツリーに関連する情報処理は、葉ノードに対応する全ての製品の製品情報に終端情報が付与されているか否かを判定する処理を含んでよい。また、情報処理を実行した結果を出力する処理は、当該判定の結果を出力する処理を含んでよい。
また、第一の要求には、対象製品に対する紐付けが完了しているか否かを表す情報が含まれていてもよい。製品ツリーに関連する情報処理は、葉ノード以外のノードに対応する全ての製品の製品情報について、紐付けが完了しているか否かを判定する処理を含んでよい。これに応じて、情報処理を実行した結果を出力する処理は、当該判定の結果を出力する処理を含んでよい。
また、製品ツリーに関連する情報処理は、製品ツリーの葉ノードに対応する製品について、第一の要求及び第二の要求のいずれも受け付けていないことで暫定的に終端となっている製品である暫定終端製品であるか否かを判定する処理を含んでもよい。この場合、情報処理を実行した結果を出力する処理は、暫定終端製品に対応する企業のアカウントに対してアラートを出力する処理を含んでよい。また、情報処理を実行した結果を出力する処理は、暫定終端製品の製品情報に対して各要求を行う権限を有する企業である暫定終端企業のアカウントに対して督促を通知する処理を含んでよい。また、情報処理を実行した結果を出力する処理は、最下流企業が暫定最終製品の製品情報の閲覧を許可されていない場合に、最下流企業に対して閲覧を許可された製品情報を特定し、当該製品情報を所有する企業のアカウントに対して督促の依頼を通知する処理を含んでもよい。
また、製品ツリーに関連する情報処理は、製品ツリーを示す樹形図を生成する処理を含んでもよい。この場合、情報処理を実行した結果を出力する処理は、生成された前記樹形図を出力する処理を含んでもよい。
また、製品ツリーに関連する情報処理は、葉ノードとして属する最上流製品から製品ツリーに根ノードとして属する注目製品まで、製品情報に含まれるトレーサビリティ関連情報の引継ぎ及び統合を繰り返す処理を実行する処理を含んでよい。この場合、情報処理を実行した結果を出力する処理は、トレーサビリティ関連情報を統合した結果を出力する処理を含んでよい。
また、製品ツリーに関連する情報処理は、製品情報に含まれる所在情報を収集する処理を含んでよい。この場合、情報処理を実行した結果を出力する処理は、収集された前記所在情報を出力する処理を含んでよい。
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。各実施形態に記載されているハードウェア構成、モジュール構成、機能構成等は、特に記載がない限りは開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(第一の実施形態)
本実施形態に係る情報処理システムは、複数の企業を含むサプライチェーンによって供給される製品に関する情報を提供するシステムである。製品に関する情報とは、典型的には、トレーサビリティに関する情報である。サプライチェーンに属する企業は、製品等の属性に応じて適宜決定されてよい。
まず、サプライチェーンの構造について説明する。図1は、本実施形態に係るサプライチェーンの一例を説明する図である。図1に示されるサプライチェーンは、OEM企業、及びサプライヤーである複数の企業により構成される。図1の例では、例えば、自動車そのもの、電池等の自動車に関連する製品を製造するサプライチェーンを想定している。OEM企業は、最終製品を組み立てる。サプライヤーである複数の企業(企業A~C)は、最終製品を製造するための部品、素材、アッセンブリ等を供給する。サプライヤーである複数の企業はそれぞれ、1つ以上の製品を生産し、一段下の階層に位置する企業に当該製品を納入する。複数の企業がこれを繰り返し、最終工程(すなわち、OEM企業)において、最終的な製品が得られる。
本実施形態では、サプライチェーンの各階層において、製品を納入する側を上流側、当該製品を仕入れて新たな製品を生産する側を下流側と称する。本明細書では、上流側に位置する企業を上流企業、下流側に位置する企業を下流企業と称する。また、上流企業が生産する製品を上流製品、下流企業が生産する製品を下流製品と称する。下流製品には、上流製品が包含される。また、本実施形態では、サプライチェーンに含まれる階層のことをTier(ティア)と称する。Tier0は、最終的な製品を組み立てる(OEM企業に対応する
)最下層の階層であり、Tier1,2,3と進むにつれて上流側へ遷移する。注目する階層によ
っては、下流企業が上流企業に変わることもある。例えば、Tier2に位置する企業Bは、Tier3との関係では下流企業であるが、Tier1との関係では上流企業となる。このように、
上流企業と下流企業の定義は、階層ごとに変わりうる。
図2は、サプライチェーンによって供給される製品同士の関係を説明する図である。ここでは、最終製品Xを構成する複数の製品の供給関係を樹形図によって表している。本例では、最終製品Xは、製品A1,B1,C1,D1…を組み立てることによって生産される。製品A1は、製品A11,A12,A13…を組み立てることによって生産される。このように、最終製品を構成する複数の製品同士の関係は、個々の製品がノードとなる樹形図によって表すことができる。
以下、特定の最終製品に関する樹形図を、製品ツリーと称する。
本実施形態に係るサーバ装置1は、各企業に対応する端末(企業端末2)から、各企業が生産する製品に関する情報(以下、製品情報)と、製品情報同士を紐付けるための情報を収集し、これらに基づいて斯様な製品ツリーを生成する。また、製品情報には、トレーサビリティに関する情報(例えば、温室効果ガスの排出量に関する情報。以下、トレーサビリティ関連情報)が含まれており、製品ツリーを辿ることで、カーボンフットプリント等の追跡を行うことができる。
図1に示されるとおり、本実施形態に係る情報処理システムは、サーバ装置1及び複数の企業端末2を含んでいる。
企業端末2は、サプライチェーンを構成する複数の企業のそれぞれに対応する端末である。各企業に対応する端末の数は任意であってよい。また、対象の企業に対応する端末には、当該対象の企業に関する操作を行う企業(例えば、代行企業)の端末が含まれてもよい。
サーバ装置1は、複数の企業端末2それぞれから、製品ツリーを生成するための情報を収集し、収集された情報に基づいて製品ツリーを生成する。更に、サーバ装置1は、生成された製品ツリーに基づいて、トレーサビリティに関する処理(典型的には、二酸化炭素の排出量を算出する処理等)を実行することができる。また、処理の実行結果を、企業端末2に送信することができる。
次に、図3を用いて、サーバ装置1が製品ツリーを生成する処理の概要について説明する。図3は、企業端末2とサーバ装置1との間で行われる処理の概要を示した図である。図3の例では、任意の階層において、下流企業である企業A及び上流企業である企業Bが存在すると仮定している。企業Bは、製品Bを生産して企業Aに納入し、企業Aは、製品Bを用いて製品Aを生産すると想定する。すなわち、図3の例では、製品ツリー上、製品Bは、製品Aの子ノードとなる。
製品ツリーを生成するため、各企業に対応する企業端末2は、自社が生産する製品に関する情報をサーバ装置1に送信する。本例では、企業Aに対応する企業端末2は、製品Aに関する製品情報(製品情報Aとする)を、サーバ装置1に送信する。同様に、企業Bに対応する企業端末2は、製品Bに関する製品情報(製品情報Bとする)を、サーバ装置1に送信する。各企業の製品情報は、サーバ装置1において記憶される。
サーバ装置1に記憶された製品情報同士を紐付けるための操作は、企業端末2によって行われる。一例では、下流企業の担当者が、当該下流企業のアカウントを使用して企業端末2からサーバ装置1にログインし、自社製品である下流製品の紐付け先となる上流製品を選択する。このように、製品情報同士の紐付けは、下流製品から上流製品に対して行われる。サーバ装置1は、選択に基づいて製品情報同士を紐付ける。
しかし、紐付け先である製品を選択させる際に、選択肢として、サプライチェーンに含まれる製品及びその製品に関する情報を全て提示してしまうと、サプライチェーンを構成する企業の情報、及び当該企業が生産している製品に関する情報の秘匿性が損なわれてしまう。さらに、一サプライヤーに製品ツリー全体を公開することも妥当ではない場合がある。
そこで、本実施形態に係るサーバ装置1は、上流企業の要求に応じて、上流製品の製品情報に対するアクセス権限を下流企業に対して事前に付与させる。そして、サーバ装置1は、付与された権限の範囲内において、下流企業からの参照を許可する。
図3の例では、上流企業である企業Bに対応する企業端末2が、「製品情報Bへのアクセス権限を企業Aに付与する」ことを指示する要求(情報)をサーバ装置1に送信する。サーバ装置1は、企業Aに対応する企業端末2から、紐付けに係るリクエストを受信した場合に、企業Aにアクセス権限が付与されている製品情報のリストのみを提供し、紐付け先として選択させる。また、企業Aに対応する企業端末2から製品ツリーの参照要求があった場合に、サーバ装置1は、企業Aにアクセス権限が付与されている情報以外が秘匿された製品ツリーを企業端末2に対して提供する。これにより、無関係の企業及び製品に関
する情報を秘匿することができる。
[ハードウェア構成]
次に、システムを構成する各装置のハードウェア構成について説明する。図4は、本実施形態に係るサーバ装置1のハードウェア構成の一例を模式的に示した図である。サーバ装置1は、制御部11、記憶部12、通信モジュール13、及び入出力装置14を有するコンピュータとして構成される。
サーバ装置1は、プロセッサ(CPU、GPU等)、主記憶装置(RAM、ROM等)、補助記憶装置(EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等)を有するコンピュータとして構成することができる。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを実行することによって、後述するような、所定の目的に合致した各機能(ソフトウェアモジュール)を実現することができる。ただし、一部または全部の機能は、例えば、ASIC、FPGA等のハードウェア回路によってハードウェアモジュールとして実現されてもよい。
制御部11は、所定のプログラムを実行することで、サーバ装置1の各種機能を実現する演算ユニットである。制御部11は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサによって実現することができる。また、制御部11は、RAM、ROM(Read Only Memory)、キャッシュメモリ等を含んで構成されてもよい。
記憶部12は、情報を記憶する手段であり、RAM、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体により構成される。記憶部12には、制御部11にて実行されるプログラム、当該プログラムが利用するデータ等が記憶される。
また、記憶部12には、データベースが構築されており、当該データベースに、複数の企業端末2から収集した製品情報、及び企業に関するアカウント情報が記憶される。詳細については後述する。
通信モジュール13は、サーバ装置1をネットワークに接続するための通信インタフェースである。通信モジュール13は、例えば、ネットワークインタフェースボード、無線通信のための無線通信インタフェース等を含むように構成されてよい。サーバ装置1は、通信モジュール13を介して、他のコンピュータ(例えば、各企業端末2)との間でデータ通信を行うことができる。
入出力装置14は、オペレータが行った入力操作を受け付け、オペレータに対して情報を提示する手段である。具体的には、入出力装置14は、マウス、キーボード等の入力を行うための装置、及びディスプレイ、スピーカ等の出力を行うための装置を含む。入出力装置は、例えば、タッチパネルディスプレイ等により一体的に構成されてもよい。
なお、サーバ装置1の具体的なハードウェア構成は、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部11は、複数のハードウェアプロセッサを含んでもよい。ハードウェアプロセッサは、マイクロプロセッサ、FPGA、GPU等で構成されてよい。入出力装置14は省略されてもよいし、例示したもの以外の入出力装置(例えば、光学ドライブ等)が付加されてもよい。また、サーバ装置1は、複数台のコンピュータにより構成されてよい。この場合、各コンピュータのハードウェア構成は、一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
図5は、本実施形態に係る企業端末2のハードウェア構成の一例を模式的に示した図である。企業端末2は、制御部21、記憶部22、通信モジュール23、及び入出力装置2
4を有するコンピュータとして構成される。
企業端末2は、サーバ装置1と同様、プロセッサ(CPU、GPU等)、主記憶装置(RAM、ROM等)、補助記憶装置(EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等)を有するコンピュータとして構成することができる。ただし、一部または全部の機能(ソフトウェアモジュール)は、例えば、ASIC、FPGA等のハードウェア回路によってハードウェアモジュールとして実現されてもよい。
制御部21は、所定のプログラムを実行することで、企業端末2の各種機能(ソフトウェアモジュール)を実現する演算ユニットである。制御部11は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサによって実現することができる。また、制御部21は、RAM、ROM(Read Only Memory)、キャッシュメモリ等を含んで構成されてもよい。
記憶部22は、情報を記憶する手段であり、RAM、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体により構成される。記憶部22には、制御部21にて実行されるプログラム、当該プログラムが利用するデータ等が記憶される。
通信モジュール23は、企業端末2をネットワークに接続するための通信インタフェースである。通信モジュール23は、例えば、ネットワークインタフェースボード、無線通信のための無線通信インタフェース等を含むように構成されてよい。企業端末2は、通信モジュール23を介して、他のコンピュータ(例えば、サーバ装置1)との間でデータ通信を行うことができる。
入出力装置24は、オペレータが行った入力操作を受け付け、オペレータに対して情報を提示する手段である。具体的には、入出力装置24は、マウス、キーボード等の入力を行うための装置、及びディスプレイ、スピーカ等の出力を行うための装置を含む。入出力装置は、例えば、タッチパネルディスプレイ等により一体的に構成されてもよい。
なお、企業端末2の具体的なハードウェア構成は、サーバ装置1と同様に、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。
[ソフトウェア構成]
次に、システムを構成する各装置のソフトウェア構成について説明する。図6は、本実施形態に係るサーバ装置1のソフトウェア構成を模式的に示した図である。本実施形態では、制御部11は、情報収集部111、権限設定部112、紐付部113及び情報提供部114の4つのソフトウェアモジュールを有して構成される。各ソフトウェアモジュールは、記憶部12に記憶されたプログラムを制御部11(CPU)によって実行することで実現されてもよい。なお、以下の情報収集部111、権限設定部112、紐付部113及び情報提供部114により実行される情報処理は、制御部11により実行される情報処理と同義である。
情報収集部111は、企業端末2から送信された製品情報を受信し、当該製品情報を記憶部12に格納する処理を実行するように構成される。権限設定部112は、企業端末2から、製品情報に対するアクセス権限を設定するための情報(以下、許可情報)を受信するように構成される。更に、権限設定部112は、受信した情報に基づいて、記憶部12に記憶されている製品情報のアクセス権限を設定する処理を実行するように構成される。
紐付部113は、企業端末2とインタラクションを行うことで、企業端末2から、製品情報同士を紐付けるための情報を取得するように構成される。更に、紐付部113は、取得された情報に基づいて、記憶部12に記憶されている製品情報について、紐付け関係を
表す情報を書き込む処理を実行するように構成される。また、紐付部113は、終端情報を付与する要求を受け取り、これに応じて、記憶部12に記憶されている製品情報に対して終端情報を付与する処理を実行するように構成される。紐付け及び終端付与を反映することで、製品ツリーが形成される。すなわち、製品ツリーを形成することは、紐付け情報及び終端情報を記憶部12に保存することにより構成される。紐付部113は、紐付け及び終端付与の結果に応じて製品ツリーを生成するように構成される。
情報提供部114は、製品ツリーに関連する情報処理を実行し、情報処理を実行した結果を出力するように構成される。製品ツリーに関連する情報処理は、製品ツリーについてトレーサビリティに関する演算を行う処理を含んでよい。情報処理を実行した結果を出力することは、生成された製品ツリーに関する情報を当該企業端末2に提供する処理を含んでよい。一例では、情報提供部114は、製品ツリーに関する情報を生成し、生成された当該製品ツリーに関する情報を出力するように構成される。
本実施形態では、記憶部12は、複数の論理的な記憶領域を含んで構成される。複数の記憶領域それぞれには、例えば、企業Aに対してアクセス権限が付与された領域、企業Bに対してアクセス権限が付与された領域、企業AとBの双方に対してアクセス権限が付与された領域等のように、異なるアクセス権限を設定することができる。権限設定部112は、企業端末2から受信した製品情報を、適切な記憶領域に格納することで、アクセス権限の設定を行う。具体的な処理方法については後述する。
また、記憶部12には、アカウント情報が記憶される。本実施形態では、各企業のオペレータが、企業端末2を介して、対応する企業のアカウントを用いてサーバ装置1にログインすることで、サーバ装置1と企業端末2のインタラクションが行われる。アカウント情報は、サプライチェーンを構成する各企業に対応するアカウントに関する情報である。なお、アカウントを用いてログインすることは、対応する企業としてサーバ装置1にアクセスすることの一例である。ただし、サーバ装置1へのアクセス方法は、このような例に限定されなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
図7は、本実施形態に係る企業端末2のソフトウェア構成を模式的に示した図である。本実施形態では、制御部21は、製品情報生成部211、権限設定部212、紐付リクエスト部213、及び情報取得部214の4つのソフトウェアモジュールを有して構成される。各ソフトウェアモジュールは、記憶部22に記憶されたプログラムを制御部21(CPU)によって実行することで実現されてもよい。なお、以下の製品情報生成部211、権限設定部212、紐付リクエスト部213、及び情報取得部214により実行される情報処理は、制御部21により実行される情報処理と同義である。
製品情報生成部211は、企業端末2に対応する企業の製品に関する情報(製品情報)を生成するように構成される。図8は、製品情報生成部211によって生成される製品情報の一例である。製品情報は、装置のオペレータを介して入力させてもよい。本実施形態では、製品情報は、企業ID、企業名、製品ID、及び製品名の各フィールドを有して構成される。企業ID及び企業名は、対象製品を生産する企業(すなわち、企業端末2を使用する企業)の識別子及び名称である。製品ID及び製品名は、対象製品の識別子及び名称である。
さらに、製品情報は、紐付け関連情報を含むように構成される。紐付け関連情報は、対象製品と紐付く上流製品を識別するための情報である。本実施形態では、紐付け関連情報は、「上流製品情報」、「終端フラグ」及び「紐付け完了フラグ」の各フィールドを含む。
上流製品情報フィールドは、対象製品と紐付く上流製品(すなわち、対象製品を生産するために必要な製品であって、対象製品に包含される製品)に対応する製品情報を識別するための情報を格納するように構成される。上流製品情報フィールドは、サーバ装置1が製品同士の紐付けを行う際に使用される。基本的には、製品情報が生成された段階では、対象製品は上流製品と紐付いていないため、上流製品情報フィールドには、上流製品を示す値は格納されていなくてよい。
終端フラグフィールドは、対象の製品が、製品ツリー内において葉ノード、すなわち、最上流(末端)に位置するノードであるか否かを示すフラグを格納するように構成される。本実施形態では、複数の企業端末2が製品情報を送信するため、製品ツリー内にある製品について、上流側にさらなる製品が紐付くか、これ以上の紐付けが発生しないか(対象製品が最上流に位置するか)を判別するために本フラグが使用される。すなわち、終端フラグフィールドは、サーバ装置1が製品同士の紐付けを確定させる際に使用される。基本的には、製品情報が生成された段階では、対象製品の紐付け関係は未確定であるため、終端フラグフィールドには「0(現状では終端ではない)」が格納されていてよい。最終的に、製品ツリーを生成するためには、サーバ装置1に記憶された各企業の製品情報は、「上流製品との紐付けが行われている」及び「終端フラグに“1”が設定されている」のいずれかの状態に設定される。
紐付け完了フラグフィールドは、対象製品について、上流製品との紐付けが完了したか否かを示すフラグを格納するように構成される。本実施形態は、製品ツリー内にある製品は、上流側の複数の製品に紐付く可能性がある。例えば、製品Aと製品Bを部品として使用して、製品Cを生産するような場合である。対象製品が葉ノードではなく中間ノードに位置する場合、紐付け先となる製品の有無だけでは、紐付けが完了したか又は別の製品が更に紐付くかを判定することは困難である。これが判定できないと、製品ツリーを確定することができない。紐付け完了フラグは、これを識別するために使用される。つまり、紐付け完了フラグは、紐付けが全て完了しているか否かを示すステータス情報である。紐付け完了フラグフィールドは、サーバ装置1が製品同士の紐付けを確定させる際に使用される。基本的には、製品情報が生成された段階では、対象製品の紐付け関係は未確定であるため、紐付け完了フィールドには「0(さらなる紐付けが発生する可能性あり)」が格納されていてよい。
葉ノードに位置する製品情報については終端フラグ、中間ノードに位置する製品情報については紐付け完了フラグを参照することで、製品情報が確定しているか否かを判定することができる。終端フラグフィールドに格納されるフラグ(終端フラグ)は、「終端情報」の一例である。
さらに、製品情報は、トレーサビリティ関連情報を含むように構成される。一例では、トレーサビリティ関連情報は、製品の生産量あたりにおける材料(例えば、上流製品)の使用量、所定の原料のリサイクル率に関する情報、製品を生産する際に排出される温室効果ガスの排出量、デューデリジェンス関連情報又はこれらの組み合わせを含んでよい。所定の原料は、例えば、リチウム、ニッケル、コバルト、鉛、黒鉛等であってよい。リサイクル率は、直接的に表現されてもよいし、或いは合計利用量及びリサイクル材の利用量の組み合わせ等のように間接的に表現されてもよい。これらの値は、対象製品を生産する工程に対応する値である。例えば、図3の例の場合、製品情報Aに含まれるトレーサビリティ関連情報には、製品Aの生産活動において排出される温室効果ガスの量等が格納される。製品情報Aに含まれるトレーサビリティ関連情報には、上流製品が生産されるまでの工程についての情報(例えば、上流製品Bが生産されるまでに排出される温室効果ガスの量等)は含まれない。
なお、トレーサビリティ関連情報は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。一例では、温室効果ガスの排出量(カーボンフットプリント)は、スコープ1、スコープ2及びスコープ3の排出量を含んでよい。スコープ1は、自らによる温室効果ガスの直接的な排出量であってよい。スコープ2は、他社から供給された電気、熱及び蒸気の使用に伴う間接的な排出量であってよい。スコープ3は、スコープ1及びスコープ3以外の間接的な排出量であってよい。また、一例では、デューデリジェンス関連情報は、対象原料(例えば、コバルト、天然黒鉛、リチウム、ニッケル等)が含まれる製品に関して、製品内に含有する原料の量、製錬所等の責任ある鉱物調達の義務を果たしていることを示す技術文書であってよい。他の一例では、デューデリジェンス関連情報は、上記義務を果たしている度合いを示すスコアを含んでよい。
製品情報生成部211は、企業端末2のオペレータを介して斯様な情報を取得し、任意のタイミングでサーバ装置1に送信するように構成される。
権限設定部212は、企業端末2からサーバ装置1に送信された製品情報について、アクセスを許可する下流企業を指定するように構成される。図9Aは、権限設定部212が出力する画面の一例である。図示したように、権限設定部212は、任意の自社製品について、アクセスを許可する下流企業の指定を受け付けるように構成される。図9Bは、入力された情報に基づいて権限設定部212が生成した許可情報の一例である。権限設定部212は、許可情報を任意のタイミングでサーバ装置1へ送信するように構成される。なお、許可情報は、「許可指令」の一例である。なお、アクセス権限は、製品情報単位で設定されてもよいし、製品情報に含まれる項目単位(図中の「許可項目」)で設定されてもよい。これにより、例えば、製品の存在は公開するが、使用材料、使用量等に関する具体的な情報は公開しない等のような部分的な公開の対応も可能となる。
なお、図9Aの画面で提示される企業のリストは、過去において自社と取引実績があった企業のリストとすることができる。このため、サーバ装置1は、企業ごとに、過去の取引に関するデータ(取引データ)を記憶し、当該取引データに基づいて、企業のリストを生成するようにしてもよい。取引データは、例えば、対象製品の識別子、当該製品を生産した企業の識別子、取引日等を含んでよい。
紐付リクエスト部213は、サーバ装置1に送信した自社の製品情報について、上流製品との紐付けをサーバ装置1にリクエストするように構成される。一例では、まず、紐付リクエスト部213は、サーバ装置1に対して、自社の企業IDと製品IDを送信し、当該製品IDに対応する製品情報の紐付けをリクエストする。これに対し、サーバ装置1は、対象企業からのアクセスが許可されている製品情報のリスト(すなわち、紐付け先の候補)を含むユーザインターフェースを生成し、生成されたユーザインターフェースを企業端末2へ提供する。図10は、対象企業からのアクセスが許可されている製品のリストを含むユーザインターフェースの一例である。
なお、図10で提示される製品のリストは、過去において自社と取引実績があった製品のリストとすることができる。サーバ装置1は、記憶された取引データにさらに基づいて、当該リストを生成するようにしてもよい。
続いて、紐付リクエスト部213は、リストの中から、紐付けを行う上流製品をオペレータに選択させるように構成される。更に、紐付リクエスト部213は、紐付け元である製品(下流製品)の識別子及び紐付け先である上流製品の識別子をペアでサーバ装置1に送信するように構成される。サーバ装置1は、これに応じて、製品情報同士の紐付けを行うことができる。
なお、対象製品に紐付く上流製品が存在しない場合、例えば、図10中の符号1001で示したチェックボックスをチェックすることで、その旨を明示することができる。この場合、製品情報同士の紐付けは行われず、サーバ装置1によって、対応する製品情報の終端フラグに“1”が設定されることとなる。対象製品に紐付く上流製品が既に存在している場合、すなわち、対象製品に対応するノードが葉ノードではない場合、当該チェック操作は禁止される。
また、対象製品について、これ以上の紐付けが行われない場合、図10中の符号1002で示したチェックボックスをチェックすることで、その旨を明示することができる。この場合、サーバ装置1によって、対応する製品情報の紐付け完了フラグに“1”が設定されることとなる。なお、終端フラグに“1”が設定された場合、対応する製品情報は終端であるため、紐付けの対象からは除外される。この場合に、紐付け完了フラグの取り扱いは任意であってよい。一例では、終端フラグに“1”が設定されたことに応じて、紐付け完了フラグにも“1”が設定されてもよい。他の一例では、終端フラグに“1”が設定されると、紐付け完了フラグは“0”のまま無視されてもよい。
このように、紐付リクエスト部213は、(1)対象製品と上流製品とを紐付けるためのリクエスト、及び(2)対象製品がサプライチェーンにおける終端であることを示す終端フラグを付与するリクエスト、のうちのいずれかを発行するように構成される。紐付けの完了を宣言する場合、紐付けのリクエストは、対象製品についてこれ以上の紐付けが発生しないことを示す紐付け完了フラグを付与するリクエストを含んでよい。上記(1)が、「第一の要求」の一例であり、上記(2)が、「第二の要求」の一例である。これにより、サーバ装置1は、製品ツリーの状態を確定させることができる。
情報取得部214は、サーバ装置1に対して製品ツリーの提供を要求し、サーバ装置1から送信された情報を出力するように構成される。
[処理の詳細]
次に、サーバ装置1と企業端末2が行う処理の具体的な内容について説明する。図11は、企業端末2からのリクエストに基づいてサーバ装置1が実行する処理の流れの一例を示した図である。
サーバ装置1が行う処理は、以下の4つのフェーズに大別できる。
(1)企業端末2から送信された製品情報を受信し、受信した製品情報を記憶する第一のフェーズ
(2)企業端末2から送信された許可情報を受信し、受信した許可情報に応じて、製品情報に対するアクセス権限を設定する第二のフェーズ
(3)企業端末2とインタラクションを行うことで、製品情報同士の紐付けを行う第三のフェーズ
(4)紐付けの結果に基づいて、製品ツリーに関する情報を提供する第四のフェーズ
図11の例では、企業Aを下流企業、企業Bを上流企業とする。また、企業Aが生産する製品を製品A、企業Bが生産する製品を製品Bとする。また、製品Aに対応する製品情報を製品情報A、製品Bに対応する製品情報を製品情報Bとする。
第一のフェーズでは、サーバ装置1の情報収集部111が、企業端末2の製品情報生成部211から、製品情報を取得する。図11の例では、サーバ装置1は、企業Aに対応する企業端末2から製品情報Aを取得し、企業Bに対応する企業端末2から製品情報Bを取得している。情報収集部111は、製品情報Aを、企業Aに対してのみアクセス権限が付与された記憶領域(以下、記憶領域A)に保存する。また、情報収集部111は、製品情報Bを、企業Bに対してのみアクセス権限が付与された記憶領域(以下、記憶領域B)に
保存する。このように、情報収集部111は、任意の企業から送信された製品情報を、当該企業に対してのみアクセス権限が付与された専用の記憶領域に保存する。
第二のフェーズでは、サーバ装置1の権限設定部112が、企業端末2の権限設定部212から許可情報を受信し、受信した当該許可情報に応じて、製品情報に対するアクセス権限を設定する。許可情報は、図9Bに示した通り、製品と、当該製品の製品情報に対してアクセスを許可する企業とを関連付けたものである。
図11の例では、権限設定部112が、上流企業の製品情報Bに対して、下流企業である企業Aからのアクセスを許可する旨の許可情報を受信したと仮定している。この場合、権限設定部112は、記憶領域Bに記憶された製品情報Bを、企業A及びBの双方にアクセス権限が付与された記憶領域(以下、記憶領域AB)にコピーする。これにより、製品情報Bは、企業Aと企業Bの双方からアクセス可能な状態となる。なお、製品情報に含まれる特定の項目についてアクセス権限が設定されていない場合、当該項目については、記憶領域ABへのコピーの対象から外される。
以降の説明において、特定の企業のみにアクセス権限が付与された記憶領域を「専用記憶領域」と称し、複数の企業にアクセス権限が付与された記憶領域を「共有記憶領域」と称する。
このように、製品情報のコピーは、企業端末2から許可情報を受信したことに応答してサーバ装置1によって実行される。すなわち、企業端末2は、サーバ装置1に対して許可情報を送信することで、当該許可情報によって識別される製品情報を、対象企業の専用記憶領域から、下流企業からアクセスが可能な共有記憶領域にコピーさせる動作を行っていると言うことができる。
第三のフェーズでは、サーバ装置1の紐付部113が、企業端末2の紐付リクエスト部213から紐付けリクエストを受信し、受信した当該紐付けリクエストに基づいて、製品情報同士の紐付けを行う。
まず、紐付部113は、企業端末2から紐付けリクエストを受信する。紐付けリクエストは、下流企業の企業端末2から送信される。図11の例では、企業Aの企業端末2が紐付けリクエストを送信したと仮定している。当該紐付けリクエストには、企業ID及び対象製品の製品IDが含まれている。紐付部113は、当該企業からのアクセスが可能な記憶領域に記憶されている製品情報を取得し、取得した製品情報のリストを生成する。図11の例では、企業Aからは、記憶領域ABに記憶された製品情報Bにアクセスが可能である。そのため、企業Aの企業端末2では、製品情報Bが紐付け先として選択可能になる。
企業端末2の紐付リクエスト部213は、リストをオペレータに提示し、紐付けを行う製品をオペレータに選択させる。本例の場合、製品Aと製品Bが互いに紐付けの対象となる。オペレータは、例えば、製品Aについて、上流製品が製品Bであることを示す情報を、入出力装置24を介して入力する。紐付リクエスト部213は、上流製品(製品B)と下流製品(製品A)とを互いに関連付けるためのデータ(紐付けデータ)を、紐付部113に送信する。
図8を示して説明したように、製品情報には、紐付け先となる製品に関するフィールド(紐付け関連情報)が設けられている。紐付部113は、前述した紐付けデータに基づいて、製品情報Aが有する紐付け関連情報に、製品情報B(すなわち、上流製品)に対応する情報を格納する。例えば、紐付け関連情報には、上流製品の識別子、当該上流製品を生産する企業の識別子などが格納される。
なお、紐付け関連情報には、紐付け先となる製品情報へのポインタ等が格納されてもよい。図12は、複数の製品情報同士をポインタによって紐付けた場合の例を説明する図である。図中の矢印がポインタを表す。ポインタは、上流製品に対応する製品情報のアドレス等を指し示すものである。以上に説明した処理によって、下流製品の製品情報を親ノード、上流製品の製品情報を子ノードとする、ツリー構造の一部が形成される。
なお、製品ツリーの末端においては、これ以上の紐付けは行われない。この場合、紐付リクエスト部213は、紐付けデータを送信する代わりに、当該製品がツリーの末端であることを示すデータを送信する。図10の例の場合、符号1001で示したチェックボックスをチェックすると、当該製品がツリーの末端であることを示すデータが送信される。紐付部113は、当該データを受信すると、対応する製品情報の終端フラグフィールドに「1」を設定する。
さらに、対象製品について、さらなる紐付けが発生しないことが明らかである場合、紐付リクエスト部213は、紐付けデータに含ませて、その旨を明示するデータを送信する。図10の例の場合、符号1002で示したチェックボックスをチェックすると、当該製品について、これ以上の紐付けが発生しない旨を示すデータが送信される。紐付部113は、当該データを受信すると、対応する製品情報の紐付け完了フラグフィールドに「1」を設定する。なお、終端フラグが設定された場合、双方のフラグに「1」が設定されてよい。
すなわち、第三のフェーズにおいては、紐付リクエスト部213は、
(A)「紐付け先である上流製品を指定するリクエスト(紐付け完了フラグを設定するリクエストを含む)」(第一の要求)
(B)「終端フラグを設定するリクエスト」(第二の要求)
のうちのいずれかをサーバ装置1に対して発行する。サプライチェーンに属する全ての企業について紐付け又は終端フラグの付与が完了することで、最終製品の製品ツリーが完成する。この製品ツリーを形成する過程は、任意であってよい。一例では、各社は、無秩序に上記第三のフェーズを実行してよい(ショットガン方式と称する)。この方法によれば、第三のフェーズ実行の管理が不要であるため、サーバ装置1の処理負荷を低減することができる。他の一例では、最上流企業から順次、上記第三のフェーズが実行されてよい(バケツリレー方式と称する)。この場合、サーバ装置は、TierN-1での紐付けが完了し
た後に、TierNでの紐付け又は終端フラグの設定を許可してよい。この方法によれば、製
品ツリーの完成を容易に管理することができる。
第四のフェーズでは、サーバ装置1の情報提供部114が、記憶された製品情報に基づいて、製品ツリーに関する情報を生成し、当該製品ツリーに関する情報を出力する。製品ツリーに関する情報を生成するとは、製品情報同士の紐付けによってノード同士のリンクが形成された後で、製品に関する各種の情報(例えば、トレーサビリティに関する情報、製品同士のリンク関係を樹形図によって表した画像等)を生成する処理を指す。この製品ツリーに関する情報を生成する処理は、製品ツリーに関する情報処理の一例である。製品ツリーに関する情報を生成するためには、製品情報同士の紐付けが全て完了しており、かつ、全ての葉ノードの終端フラグに“1”が設定されている必要がある。情報提供部114は、斯様な条件を満たした場合に、当該情報を適切に生成することができる。
本実施形態における製品ツリーは、図2を参照して説明したように、サプライチェーンにおける製品情報同士の供給関係を樹形図によって表したものである。情報提供部114は、製品情報に基づいて、樹形図を表した画像を生成することができる。
さらに、情報提供部114は、製品ツリーに関する情報を生成する際に、各製品情報に定義されているトレーサビリティ関連情報を統合し、その結果を出力する。
ここで、図13を用いて、トレーサビリティ関連情報の統合について説明する。図13は、最終製品Xを構成する複数の製品と、これらの複数の製品を生産する各工程で排出される二酸化炭素(CO)の量を説明する図である。例えば、図中の製品A12を生産する工程で、EA12[g]の二酸化炭素が排出されるものとする。また、当該製品は、3つ
の上流製品A121~A123によって構成されているものとする。このように、ある製品に含まれる上流製品を、「包含製品」とも称する。ここで、ある対象製品が生産されるまでに排出される二酸化炭素の総量は、葉ノードである最上流製品から、対象製品まで、各隣接する2つの階層の企業間で、製品情報を参照しながら、上流製品に関連付いたCO排出量を下流製品に引き継ぐ処理を繰り返すことで得ることができる。
図13の例において、対象製品がA12であった場合、包含製品(上流製品A121~A123)に対応するCO排出量を、製品A12に対応するCO排出量と合計することで、製品A12が生産されるまでに排出される二酸化炭素の総量を算出することができる。すなわち、製品A11について統合されたCO排出量は、以下のようになる。
A12=EA12+EA121×UA121+EA122×UA122+EA123×UA123[g]
ここで、EA121,EA122,EA123は、それぞれ、製品A121,A122,A123を生産する際における、単位量あたりのCO排出量であるものとする。また、UA121,UA122,UA123は、それぞれ、製品A12の生産に用いられる、製品A121,A122,A123の使用量とする。この使用量は、上記トレーサビリティ関連情報に含まれる、製品の生産量あたりにおける材料の使用量の一例である。最終製品(最下流企業の製品)のCO排出量は、最上流企業の製品から最終製品まで上記演算を順次実行することにより得ることができる。
対象製品が製品A1であった場合も同様である。対象製品がA1であった場合、製品A1に対応するCO排出量と、包含製品である、製品A11,A12,A13,A14に対応するCO排出量を統合することで、製品A1が生産されるまでの製造活動において排出される二酸化炭素の総量を算出することができる。
統合された値は、製品情報とは別個に記憶部12に記憶されてもよいし、製品情報の一部に含ませてもよい。すなわち、製品A12に対応する製品情報は、工程単独における排出量であるEA12と、統合後の排出量であるIA12の双方を保持するようにしてもよい。
統合後のトレーサビリティ関連情報は、下流製品について統合を実施する際に再び利用される。この処理を、最上流を起点として、各階層において実行することで、トレーサビリティ関連情報(例えば、CO排出量の累計値)が下流方向に順次引き継がれる。最終的に、トレーサビリティ関連情報が最終製品まで引き継がれることで、最終製品が生産されるまでの全期間に対応するトレーサビリティ関連情報(例えば、COの総排出量)を得ることができる。
なお、トレーサビリティ関連情報を統合する際に参照される製品情報が、専用記憶領域と共有記憶領域の双方に記憶されている場合がある。この場合、専用記憶領域に記憶されている製品情報を参照することが好ましい。共有記憶領域に記憶されている製品情報は、下流企業からの参照を許可しない項目が省略されている可能性があるためである。
また、対象の製品情報が、専用記憶領域と共有記憶領域の双方に記憶されている場合、統合の結果は、共有記憶領域に書き込むことが好ましい。専用記憶領域に書き込むと、統合の結果を下流企業から参照できなくなるためである。統合の結果を、共有記憶領域に書
き込むことで、統合の結果を、アクセス権限が付与された下流企業から参照できるようになる。なお、参照が可能なのは、統合の結果であって、上流製品に固有なトレーサビリティ関連情報(例えば、上流製品の生産工程におけるCO排出量など)は、(例えば、図9Aの画面において)上流企業によって許可されない限り共有記憶領域に書き込まれないため、下流企業からは参照できない。
このように、情報提供部114は、製品ツリーに関する情報を生成する際に、各製品情報に定義されているトレーサビリティ関連情報を、最上流から最下流に向けて順次統合する処理を繰り返し実行する。なお、上記の例では、統合の対象として二酸化炭素の排出量を例示したが、統合の対象であるトレーサビリティ関連情報は、所定の原料に関するリサイクル率、デューデリジェンスに関するスコア等であってもよい。なお、トレーサビリティ関連情報が数値である場合、統合は数値演算によって行われてもよいし、トレーサビリティ関連情報が数値以外の情報(例えば、デューデリジェンス関連情報など)である場合、統合は単なる情報収集であってもよい。
さらに、トレーサビリティ関連情報は、製品情報に含まれていなくてもよい。例えば、製品情報は、対応する製品のトレーサビリティ関連情報の所在を示す情報(以下、「所在情報」。典型的には、アドレス、ポインタ等)を含んでいてもよい。この場合、統合は、製品情報に含まれる所在情報を収集することであってもよい。
情報提供部114は、生成された製品ツリーを画像形式で出力してもよい。また、同時に、任意の製品に対応するトレーサビリティ関連情報を出力してもよい。図14は、製品ツリーを画像によって出力した画面の一例である。図示した画面には、最終製品を構成する複数の製品の供給関係を樹形図によって示した画像が含まれる。また、任意の製品を選択することで、当該製品に対応するトレーサビリティ関連情報、または、当該製品が生産されるまでの全期間に対応するトレーサビリティ関連情報の統合結果(例えば、最上流からの二酸化炭素の排出量の合計値)を閲覧することができる。斯様な情報は、サーバ装置1のオペレータの操作に基づいて、サーバ装置1が有する入出力装置14を介して出力することができる。
さらに、情報提供部114は、生成された製品ツリーを、企業端末2(情報取得部214)からの求めに応じて、当該企業端末2に提供してもよい。なお、製品ツリーの全体を特定の企業に開示することは適当ではない場合がある。そこで、情報提供部114は、ある企業に対応する企業端末2に対して製品ツリーを提供する場合に、当該企業からのアクセス権限が無い範囲を非開示にする処理を行うようにしてもよい。
例えば、図13の例において、情報提供部114が、製品A12を生産する企業に対応する企業端末2から製品ツリーの開示要求を受けたものとする。ここで、当該企業に対しては、A121,A122,A123の各製品についてのみアクセス権限が付与されていたものとする。すなわち、当該企業からは、当該3製品と、下流製品であるA1以外の製品情報にアクセスすることができない。この場合、情報提供部114は、アクセス権限が無い製品についての情報を非開示とした製品ツリーを、企業端末2に対して提供する。
図15は、アクセス権限が無い製品を非開示とした場合の製品ツリーの一例である。本例では、非開示である製品については、詳細な情報(または、存在そのもの)が秘匿された状態で製品ツリーが表示される。
なお、製品の存在は公開されているが、対応する製品情報中の特定の項目についてのみアクセス権限が付与されていないといったケースでは、図中の点線で示したように、当該特定の項目についてのみ秘匿処理が行われる。図示した例では、製品A121を生産する
際の二酸化炭素の排出量が非公開である旨が示されている。
一方で、アクセス権限が無い製品(または項目)がツリー中に存在する場合であっても、前述した、トレーサビリティ関連情報の統合は、これに影響されずに実行される。例えば、図示した例では、製品A121についての二酸化炭素の排出量は非公開であるが、製品A12についての、二酸化炭素の総排出量を算出する処理には影響しない。
[処理フロー]
次に、サーバ装置1及び企業端末2が実行する処理のフローについて、図16及び図17を参照しながら説明する。図16は、前述した第一ないし第三のフェーズに対応するシーケンス図である。
一例では、サーバ装置1と企業端末2のインタラクションは、各企業のオペレータが、企業端末2を介して、対応する企業のアカウントを用いてサーバ装置1にログインすることで開始される。本例では、各企業のオペレータが、自社のアカウントを用いてサーバ装置1にログインしているものとする。
まず、ステップS11において、企業端末2の製品情報生成部211が、オペレータを介して自社の製品情報を取得し、取得した製品情報をサーバ装置1へ送信する。送信された製品情報は、サーバ装置1(情報収集部111)によって受信され、記憶部12に記憶される(ステップS12)。この際、情報収集部111は、対応する製品を生産する企業のみにアクセス権限が付与された記憶領域に当該製品情報を保存する。
次に、ステップS13において、企業端末2の権限設定部212が、ステップS11で送信した製品情報について、アクセスを許可する下流企業を指定する情報(許可情報)の入力を、オペレータを介して受け付ける。本ステップでは、図9を参照して説明したようなユーザインターフェース画面を提供し、任意の製品と、製品情報へのアクセスを許可する下流企業との組み合わせを指定させてもよい。入力された許可情報は、サーバ装置1へ送信される。
ステップS14では、サーバ装置1の権限設定部112が、受信した許可情報に基づいて、対象の製品情報についてアクセス権限を付与する。本ステップでは、図11を参照して説明したように、権限設定部112が、対象の製品情報を、複数の企業に対してアクセス権限が付与された記憶領域にコピーすることで、任意の企業に対して、任意の製品情報に対するアクセス権限の付与を行う。適切なアクセス権限が付与された記憶領域が無い場合、新規に記憶領域を生成し、適切な企業に対してアクセス権限を付与する処理を行ってもよい。
なお、本ステップにおいて製品情報をコピーする際に、付加的な情報を付与してもよい。例えば、上流企業において生成された製品情報には品番等が含まれる場合があるが、当該品番等は、上流企業において利用されるものであるため、そのままでは下流企業が利用できない場合がある。そのため、例えば、下流企業において利用される品番等を、付加的な情報として、コピー対象の製品情報に加えてもよい。
次に、ステップS15で、企業端末2の紐付リクエスト部213が、サーバ装置1に送信した製品情報について、上流製品との紐付けをサーバ装置1にリクエストするデータ(紐付けリクエスト)を送信する。当該紐付けリクエストには、自社の企業ID及び対象製品の製品IDが含まれる。
ステップS16では、サーバ装置1(紐付部113)が、対象企業からのアクセスが許
可されている製品のリストを生成し、当該リストを含むユーザインターフェース画面を企業端末2に提供する。対象企業からのアクセスが許可されている製品のリストは、当該企業に対してアクセス権限が付与されている記憶領域に記憶された製品情報から抽出することができる。本ステップでは、サーバ装置1は、企業端末2に対して、図10を参照して説明したようなユーザインターフェース画面を提供し、任意の製品と、当該製品に紐付く上流製品との組み合わせを指定させてもよい。
ステップS17では、企業端末2の紐付リクエスト部213が、対象製品と、当該製品に紐付く上流製品との組み合わせの指定をオペレータから受け付ける。紐付リクエスト部213は、上流製品と下流製品との関連付けを示すデータ(紐付けデータ)を生成し、生成された紐付けデータをサーバ装置1へ送信する。
ステップS18では、サーバ装置1の紐付部113が、紐付けデータに基づいて、記憶された製品情報を更新し、製品情報同士の紐付け内容を反映する。製品情報同士の紐付けは、下流製品の製品情報が有する紐付け関連情報に、上流製品に関する情報(識別子、ポインタ等)を格納することで行ってもよい。
なお、下流企業が存在しない場合、ステップS13~S14の処理は省略されてもよい。同様に、上流企業が存在しない場合(対象製品について紐付け先が存在しない場合)、製品情報同士の紐付けをリクエストする代わりに、前述した終端フラグを設定する処理を実行してもよい。この場合、前述したステップS15~S18の処理は省略される。
図17は、前述した第四のフェーズに対応するシーケンス図である。まず、ステップS21で、企業端末2(情報取得部214)が、サーバ装置1に対して製品ツリーに関する情報の提供を要求する。当該要求には、例えば、対象製品の識別子が含まれる。対象製品は、最終製品であってもよいし、それ以外の製品(中間製品)であってもよい。
要求を受信したサーバ装置1(情報提供部114)は、製品ツリーが確定しているか否かを判定する(ステップS22)。本ステップでは、以下の条件が満たされている場合に、製品ツリーが確定していると判定される。
(条件1)全ての葉ノードにある製品情報について、終端フラグに“1”が設定されている
葉ノードの全てに終端フラグが設定されている場合、製品ツリーが確定していると言える。
製品ツリーに含まれる葉ノードのうち1つでも上記の条件に該当しない場合、対象製品について、さらなる紐付けが発生する可能性がある。この場合、サーバ装置1(情報提供部114)は、判定結果を企業端末2に返信したうえで処理を終了してもよい。
次に、サーバ装置1(情報提供部114)は、前述した処理によって、製品ツリーに関する情報を生成する(ステップS23)。この際、情報提供部114は、各製品情報に定義されているトレーサビリティ関連情報を、最上流から最下流に向けて統合する処理を実行する。統合の結果は、各製品情報に反映される。
次に、ステップS24で、対象の企業が有しているアクセス権限に基づいて、アクセス権限が付与されていない情報を秘匿する処理を実行する。例えば、ある企業について、他社の製品情報の存在そのものが公開されていない場合、当該製品情報の存在を秘匿する処理を実行する。また、製品情報に含まれる特定の項目のみが公開されていない場合、当該項目の内容を秘匿する処理を実行する。
秘匿処理が施された製品ツリーに関する情報は、企業端末2(情報取得部214)へ提
供され、出力される。
以上説明したように、本実施形態では、企業端末2から製品情報を収集して製品ツリーを生成するシステムにおいて、各企業端末2から、自社製品に関する情報へのアクセスを許可する下流企業の指定を受け付け、これに基づいて、製品情報同士の紐付けを行う。また、企業ごとにアクセス権限が付与された複数の記憶領域に製品情報を格納することで、当該製品情報へのアクセス制御を実現する。また、各企業端末2に製品ツリーを提供する際は、各企業が有するアクセス権限の範囲内において、情報の秘匿処理を実行する。係る構成によると、機密を保持したままで、サプライチェーン全体にわたる情報を収集することが可能になる。
さらに、本実施形態に係るサーバ装置1は、複数の製品情報のそれぞれについて、製品ツリー内において終端であるか否かを表す情報を保持する。これにより、製品ツリーが完成しているか否かをサーバ装置1が判定できるようになる。
(第一の実施形態の変形例)
なお、第一の実施形態では、全ての葉ノードにある製品情報について、終端フラグに“1”が設定されている場合に、製品ツリーが確定していると判定した。しかし、中間ノードにおいて紐付けが行われている製品について、さらなる紐付けが発生する場合もある。例えば、ある下流製品が1つの上流製品と紐付けられている場合に、2つ目以降の上流製品に更に紐付けられる可能性がある。
このようなケースを考慮し、ステップS22において、上述した条件1に加え、以下の条件を併用して判定を行ってもよい。
(条件2)葉ノード以外の全てのノードにある製品情報について、紐付け完了フラグに“1”が設定されている
上述した条件1と条件2を併用することで、製品ツリーが確定していることを保証することができる。
(第二の実施形態)
第一の実施形態では、サーバ装置1が、サプライチェーンに含まれる各企業のアカウント情報を記憶し、複数の企業端末2が、当該アカウント情報を用いてサーバ装置1にログインした。
一方、サプライチェーンに対する加入や離脱が多く発生する場合、適切なタイミングでサーバ装置1にアカウント情報を登録できない場合がある。例えば、下流企業が、自社製品を上流製品と紐付けたい場合であっても、上流企業のアカウント情報がシステムに登録されていない場合、これを行うことができない。上流製品に対応する製品情報や、当該上流製品に対するアクセス許可が存在しないためである。第二の実施形態は、これに対応するため、サプライチェーンに既に参加している企業からのリクエストに基づいて、当該サプライチェーンに新規に参加した企業のアカウント情報を登録する実施形態である。
図18は、第二の実施形態に係るサーバ装置1(制御部11)のソフトウェア構成を示した図である。また、図19は、第二の実施形態に係る企業端末2(制御部21)のソフトウェア構成を示した図である。第二の実施形態では、サーバ装置1(制御部11)は、管理部115のソフトウェアモジュールをさらに有して構成される。当該機能モジュールは、記憶部12に記憶されたプログラムを制御部11(CPU)によって実行することで実現されてもよい。また、第二の実施形態では、企業端末2(制御部21)は、管理部215のソフトウェアモジュールをさらに有して構成される。当該機能モジュールは、記憶部22に記憶されたプログラムを制御部21(CPU)によって実行することで実現され
てもよい。
図20は、第二の実施形態において、サーバ装置1及び企業端末2が行う処理を説明するシーケンス図である。なお、ここでは、下流企業に対応する企業端末を企業端末2A、上流企業に対応する企業端末を企業端末2Bと称する。また、上流企業は、サプライチェーンに参加しているものの、サーバ装置1にアカウント情報が登録されていない状態であるものとする。
ここで、下流企業が、自社製品を上流製品と紐付けたい場合、まず、上流企業のアカウント情報をサーバ装置1に登録し、その後、上流製品の製品情報と許可情報を、上流企業のオペレータに登録してもらう必要がある。
まず、ステップS31で、企業端末2A(管理部215)が、参加依頼をサーバ装置1に送信する。参加依頼には、上流企業を識別する情報と、当該上流企業の連絡先(メールアドレス等)が含まれる。参加依頼を受信したサーバ装置1(管理部115)は、指定されたアドレスに対して参加要求を送信する(ステップS32)。参加要求には、アカウント情報の登録に関する案内が含まれる。
参加要求は、企業端末2B(管理部215)によって受信される。企業端末2Bの管理部215は、受信した参加要求に基づいて、オペレータに対して案内を出力し、オペレータから、システムへの参加可否を含む回答を受け付ける。回答は、サーバ装置1(管理部115)へ送信される。
回答内容が「参加可」であった場合、サーバ装置1(管理部115)は、上流企業に対応するアカウント情報を生成し、当該アカウント情報を企業端末2Bへ通知するとともに、結果を企業端末2Aに通知する(ステップS34)。回答内容が「参加不可」であった場合、サーバ装置1(管理部115)は、結果を企業端末2Aに通知する。
企業端末2Aは、サーバ装置1から受信した結果を出力する(ステップS35)。これにより、下流企業のオペレータは、上流企業がシステムに参加したこと(または、参加できなかったこと)を知ることができる。上流企業は、登録されたアカウント情報を用いて、前述した、製品情報の登録、許可情報の登録、または製品情報の紐付け等を行うことが可能になる。
(第三の実施形態)
第一の実施形態では、サーバ装置1が、ステップS22において、製品ツリーの状態が確定しているか否かを判定した。これに対し、第三の実施形態は、製品ツリーの状態が確定していない場合において、サーバ装置1から、原因である製品に対応する企業端末2に対してアラートを送信する実施形態である。
第三の実施形態では、ステップS22において、サーバ装置1が、製品ツリーの状態が確定していないと判定した場合に、処理を終了させるのではなく、図21に示した処理を実行する。図21は、ステップS22において、サーバ装置1が、製品ツリーの状態が確定していないと判定された場合に実行される処理のシーケンス図である。
まず、ステップS41で、サーバ装置1が、暫定終端製品を特定する。暫定終端製品とは、製品ツリーの葉ノードに位置する製品であって、将来的に葉ノードでなくなる可能性がある製品である。具体的には、暫定終端製品は、葉ノードに位置し、かつ「終端フラグが“1”ではない」製品である。
次に、ステップS42で、サーバ装置1が、アラートの送信先である企業端末2を特定する。アラートの送信先である企業は、暫定終端製品の製品情報について、前述した第一の要求および第二の要求を行う権限を有する企業であって、典型的には、暫定終端製品を生産する企業である。
次に、ステップS43で、サーバ装置1がアラートを生成し、ステップS42で特定した企業端末2に対してこれを送信する。当該アラートには、対象製品について、状態が未確定である旨の案内が含まれる。当該アラートは、「終端フラグを設定する」、「上流製品の紐付けを完了させる」のいずれかの処理を依頼(督促)するものである。なお、上流製品の紐付けを完了させることは、(例えば、図10の画面を用いて)上流製品に対して紐付けを行うことのほか、(例えば、チェックボックス1002をチェックすることによって)これ以上の紐付けが行われない旨を宣言することを含む。
アラートを受信した企業端末2は、ステップS44において、その内容を出力する。当該アラートの内容を確認した企業端末2のオペレータは、サーバ装置1にアクセスし、対象製品について、製品の状態を確定させるための操作を実行する。なお、紐付け先となる製品を生産する上流企業がシステムに参加していない場合、第二の実施形態で述べたように、当該上流企業に対して参加依頼を送信してもよい。
以上説明したように、第三の実施形態によると、サーバ装置1が、製品ツリーの状態確定を促進させることができる。
なお、本実施形態では、アラートの送信先である企業として、暫定終端製品を生産する企業を例示したが、暫定終端製品の製品情報について、第一の要求および第二の要求を行う権限を有する企業であれば、アラートの送信先はこれ以外の企業であってもよい。例えば、製品ツリーを構成する製品情報に対応する企業が、仮想的な企業や、名称や存在が秘匿された企業である場合がある。この場合、これらの企業を管轄する実在する企業に対してアラートを送信するようにしてもよい。
さらに、アラートの送信先である企業は、暫定終端製品の製品情報について、第一の要求および第二の要求を行う権限を有する企業でなくてもよい。例えば、暫定終端製品の製品情報について権限を有する第一の企業と、当該企業を管理する第二の企業があった場合、当該第二の企業に対してアラートを送信してもよい。この場合、アラートを受信した企業は、自己の管理下にある第一の企業に対して、製品の状態を確定させるための督促を発行してもよい。このような企業同士の関係を表すデータは、サーバ装置1に保持するようにしてもよい。
また、本実施形態では、製品ツリーが確定しているか否かの判定(ステップS22)を、企業端末2からの要求に基づいて実行したが、当該判定は、サーバ装置1が能動的に実行してもよい。例えば、当該判定を周期的に実行し、製品ツリーが確定したと判定された場合に、その旨を任意の企業端末2(例えば、製品を最終的に組み立てるOEM企業に対応する企業端末2)に通知してもよい。
また、最下流企業(OEM製品企業)に対応する企業端末2からの要求に応じて、製品ツリーが確定しているか否かの判定を行ってもよい。この場合、最下流企業に対応する企業端末2が、対象の企業に対して、上述したアラートを送信してもよい。しかし、このケースにおいては、特定された暫定終端製品に対して、最下流企業からのアクセス権限が付与されていない場合がある。この場合、最下流企業は、どの企業に対してアラートを送信すべきかを知ることができない。
これを解決する方法の一つとして、暫定終端製品と最下流企業とを結ぶ経路上にある他の企業を介して、アラートを中継する方法がある。具体的には、暫定最終製品に対応する葉ノードから根ノードの方向に製品ツリーを辿ることで、最下流企業からアクセスが許可された、最も上流側に位置する製品情報を特定する。また、最下流企業からのアクセスが許可された製品情報が特定できた場合に、当該製品情報を所有する企業(閲覧許可企業)のアカウントに対してアラートを送信する。アラートを受信した企業は、上流側に位置する企業にアラートをリレーする。これにより、暫定終端製品に対して権限を有する企業に、アラートを届けることができる。この方法によると、最下流企業からの指示に基づいて、製品ツリーを確定させるための措置を各企業に取らせることができる。
また、本実施形態では、サーバ装置1が、暫定終端製品(すなわち、葉ノードに位置するのに終端フラグが設定されていない製品)が存在することに応答してアラートを生成したが、紐付けが完了していない製品が存在することに応答してアラートを生成してもよい。例えば、葉ノード以外に位置する製品であって、紐付け完了フラグが設定されていない製品があった場合、前述した暫定終端製品と同様の取り扱いを行ってもよい。
(変形例)
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
また、実施形態の説明では、サーバ装置1が製品情報をデータベースに記憶したが、製品情報は、データベース以外の手段によって記憶されてもよい。
また、実施形態の説明では、サーバ装置1が第一ないし第四のフェーズを実行することで製品ツリーを完成させる形態を例示したが、サーバ装置1が持つ役割を、複数の企業端末2に分散して配置してもよい。例えば、製品情報は、ブロックチェーン基盤を利用した分散データベースによって記憶させてもよい。この場合、複数の企業端末2によって、製品情報データベースが構成されてもよい。この場合、スマートコントラクトを利用して、前述した各フェーズの処理を実行してもよい。例えば、ある企業のアカウントが、許可情報をデータベースに書き込んだことをトリガとして、第二のフェーズにおける処理が実行されるようにしてもよい。また、ある企業のアカウントが、紐付けリクエストをデータベースに書き込んだことをトリガとして、第三のフェーズにおける処理が実行されるようにしてもよい。
各製品情報が記憶される記憶領域も、複数の企業端末2に分散して配置されてもよい。この場合、専用記憶領域は、対応する企業の企業端末2内にのみ配置されてもよい。また、共有記憶領域は、共有に係る複数の企業端末2内に分散して配置されてもよい。
さらに、実施形態の説明では、任意の製品情報へのアクセスを、サプライチェーンにおいて隣接する企業に対して許可する例を挙げたが、サプライチェーンにおいて隣接しない企業同士が製品情報を共有するようにしてもよい。例えば、法令遵守等の目的のために企業間で情報共有が必要な場合、直接的な取引関係のない企業同士が、特定の製品情報を共有してもよい。この場合であっても、第一の実施形態と同様に、各企業に対してアクセス権限が付与された共有記憶領域が設けられ、必要なデータがコピーされる。当該共有記憶領域は、製品情報が参照される側の企業の許諾に基づいて生成することができる。なお、専用記憶領域及び共有記憶領域のアクセスコントロールには秘密鍵が用いられてよい。この場合、公開鍵認証基盤により、アクセスコントロールの電子認証が行われてよい。各記憶領域にブロックチェーン基盤が用いられる場合、このアクセスコントロールは、スマートコントラクトにより実行されてよい。
また、実施形態の説明では、上流企業の企業端末2からサーバ装置1に許可情報を送信することで第二のフェーズを開始したが、下流企業の企業端末2から第二のフェーズを開始してもよい。この場合、上流製品に対するアクセス権限の付与を要求する情報(許諾要請)を、下流企業の企業端末2からサーバ装置1に送信し、上流企業の企業端末2が、これに応じて許可情報の生成を行うようにしてもよい。さらに、下流企業の企業端末2から、許諾要請と、紐付けデータを同時にサーバ装置1に送信してもよい。紐付け先となる製品が下流企業側において(品番などによって)特定可能な場合、アクセス権限の付与に先立って、下流企業側から紐付けデータを送信することもできる。
また、記憶領域に対するアクセス権限の設定は、サーバ装置1のオペレーティングシステムによって実現されてもよいし、その他の認証方式によって実現されてもよい。例えば、公開鍵暗号方式などを利用することもできる。また、ブロックチェーン基盤を利用してシステムを実現する場合、電子鍵によってアクセス権限の付与を行うようにしてもよい。
また、実施形態の説明では、上流製品に関する製品情報をサーバ装置1が受信するフェーズと、当該製品情報に対応する許可情報をサーバ装置1が受信するフェーズを分けて記載したが、両者は同時に受信されてもよい。同様に、実施形態の説明では、下流製品に関する製品情報をサーバ装置1が受信するフェーズと、当該製品情報に対応する紐付けリクエストをサーバ装置1が受信するフェーズを分けて記載したが、両者は同時に受信されてもよい。
また、上記実施形態では、サプライチェーンに含まれる複数の企業を、製品を生産する企業として説明した。しかしながら、サプライチェーンに含まれる企業は、必ずしも製品を生産する企業である必要はない。例えば、製品の輸送、輸入、保管、卸売り等を行う企業も、サプライチェーンを構成する企業に含まれてよい。一例では、複数の企業のうちの一部の企業は、例えば、商社、販売代理店、輸入代理店等の製造工程を実行しない企業であってよく、一段上の階層に位置する企業(上流企業)から製品を受け取り、一段下の階層に位置する企業(下流企業)に製品を納入してもよい。
また、上記実施形態では、自動車に関連する製品のサプライチェーンを想定し、OEMメーカーを最下流企業として説明し、部品、素材、アッセンブリ等を供給する企業をサプライヤーとして説明した。しかしながら、サプライチェーンに属する企業は、必ずしもこの限りではない。各段階の企業は、製品等に応じて適宜決定されてよい。また、最終製品を得られるまでに各企業で実施される製造活動は、実施の形態に応じて適宜決定されてよく、例えば、発掘、加工、組み立て、運搬、保管等の最終製品が得られるまでに行われ得るあらゆる活動を含んでよい。
また、上記実施形態では、専用記憶領域及び共有記憶領域を設けることで、各企業のアクセスコントロールを実現している。しかしながら、アクセスコントロールを実現する方法は、このような例に限られなくてよい。アクセスコントロールには任意の方法が用いられてよい。
また、実施形態の説明では、上流企業が、下流企業に対して製品情報へのアクセス権限を付与し(第二のフェーズ)、これに続いて、下流企業が、製品情報同士の紐付けをサーバ装置1にリクエストする(第三のフェーズ)形態を例示した。しかしながら、これらの処理は、下流企業からのリクエストに基づいて連続して実行されてもよい。
例えば、下流企業の企業端末2が、サーバ装置1に対して、紐付け対象である下流製品と上流製品の組み合わせを指定する情報を含む要求(以下、公開要求)を、サーバ装置1
に送信する。当該要求は、上流企業に対して、上流製品へのアクセス権限の付与を依頼するとともに、サーバ装置1に対して、これらの製品情報同士の紐付けを依頼するものである。
公開要求を受信したサーバ装置1は、当該公開要求を上流企業の企業端末2に転送し、これに応答して、上流企業の企業端末2が、図16に示したステップS13の処理を実行する。一例では、許可情報を受信したサーバ装置1は、ステップS14の処理を実行するとともに、紐付けリクエストを待たずにステップS18の処理を実行する。つまり、上記公開要求が、紐付けリクエストを含んでいてもよい。ステップS18では、サーバ装置1は、公開要求によって識別された製品情報同士を紐付けるための処理を実行する。このように、図16に示した処理のうちの一部を省略することも可能である。
なお、他の一例では、サーバ装置1は、自動的に処理したステップS18の結果を下流企業の企業端末2に通知してもよい。或いは、サーバ装置1は、自動的にステップS18を実行する前に、ステップS18を実行する許可を求める通知を下流企業の企業端末2に送信してもよい。サーバ装置1は、下流企業の企業端末2からの許可の応答に応じて、ステップS18を実行してよい。更に他の一例では、公開要求を実行した場合でも、サーバ装置1は、下流企業の企業端末2からの紐付けリクエストに応じて、ステップS18の処理を実行してもよい。つまり、上記公開要求は、紐付けリクエストを含んでいなくてもよい。
また、実施形態の説明では、上流企業と下流企業を異なる企業である、すなわち、上流製品と下流製品が異なる企業によって生産されるものと仮定した。しかしながら、上記実施形態において、最上流企業は上流企業の立場になり得、最下流企業は下流企業の立場になり得る。最上流企業及び最下流企業以外の企業は、上流企業及び下流企業の両方の立場になり得る。そのため、上記第二のフェーズでは、各企業の企業端末2は、自己(対象企業)を上流企業として、自己の製品に関する製品情報に対するアクセスを許可する自己の下流企業の指定を含む許可指令をサーバ装置1に送信してよい。自己の製品は、対象企業の第一対象製品の一例であり、自己の製品に関する製品情報は、第一対象製品に関する第一製品情報の一例である。これに応じて、サーバ装置1は、上記アクセス権限の設定を実行してよい。また、上記第三のフェーズでは、各企業の企業端末2は、自己を下流企業として、自己の上流企業から自己にアクセスが許可された製品情報のうち、自己の製品に関する製品情報に対して紐付けを行う製品情報の選択を含む紐付け要求又は終端フラグの設定リクエストをサーバ装置1に送信してよい。この場面での自己の製品は、対象企業の第二対象製品の一例であり、自己の製品に関する製品情報は、第二対象製品に関する第二製品情報の一例である。これに応じて、サーバ装置1は、紐付け又は終端フラグの処理を実行してよい。なお、第一対象製品(アクセス許可の対象)及び第二対象製品(紐付け又は終端フラグ付与の対象)は同一又は相違してよい。第一対象製品及び第二対象製品が同一である場合、第一製品情報及び第二製品情報は同一であってよく、第一対象製品及び第二対象製品が相違する場合、第一製品情報及び第二製品情報は相違してよい。
また、上記実施形態では、CO排出量(CFP値)の計算の一例を示した。CFP値は、以下の計算式により算出されてよい。
TierN-1のCFP値=TierN-1の自社計測CFP値+Σ(k社(TierN)のCFP値×TierN-1での使用量uk
ここで、「TierN-1のCFP値」は、上流企業(k社(TierN))のCFP値と自社のCFP値とを統合した結果を示す。自社計測CFP値は、各企業の製品情報に含まれるCFP値を示す。TierNが最上流企業である場合、「TierNのCFP値」は、当該企業の製品情報に含まれるCFP値であり、それ以外の場合、「TierNのCFP値」は、更に上流企業
(TierN+1)のCFP値と当該企業の製品情報に含まれるCFP値とを統合した結果であ
る。TierNを最上流企業(終端企業)に設定して、N=1まで計算を繰り返すことで、Tier0製品(=最終製品)のCFP値を得ることができる。
また、上記実施形態では、サーバ装置1は、CO排出量(CFP値)の計算と共に又は代えて、リサイクル率及びデューデリジェンス(スコア)の演算を実行してよい。リサイクル率は、以下の計算式により算出されてよい。
「(対象物質についてのTierN-1製品におけるリサイクル率)={(TierN-1での合計利用量)×(TierN-1でのリサイクル率)+Σ(k社(TierN)での合計利用量×k社(TierN)でのリサイクル率×TierN-1での使用量uk)}÷{TierN-1での合計利用量+Σ
k社(TierN)での合計利用量×TierN-1での使用量uk)}={TierN-1での再生材利用量
+Σ(k社(TierN)での再生材利用量×TierN-1での使用量uk)}÷{TierN-1での合
計利用量+Σ(k社(TierN)での合計利用量×TierN-1での使用量uk)}」
再生材利用量は、対象物質のリサイクル材の利用量を示す。CFP値と同様に、最上流企業(終端企業)から順次計算することで、対象物質についての最終製品におけるリサイクル率を計算することができる。また、デューデリジェンスのスコア(DDスコア)に関しても、上記CFP値及びリサイクル率と同様の演算で統合することができる。一例では、上記CFP値をDDスコアに置き換え、最上流企業(終端企業)から順次計算することで、最終製品におけるDDスコア(統合結果)を得ることができる。
なお、上記実施形態では、最上流企業を除く各企業(TierN-1)自身のトレーサビリテ
ィ関連情報を自身の下流企業との間の共有記憶領域に格納せず、各企業の統合結果(TierN-1のCFP値、対象物質についてのTierN-1製品におけるリサイクル率)が、各企業と各企業の下流企業(TierN-2)との間の共有記憶領域に格納されてよい。これにより、各企
業自身のトレーサビリティ関連情報を開示させずに、最終製品におけるトレーサビリティ関連情報(統合結果)を得ることができる。
また、上記実施形態では、各企業は、ある材料に関して一社に発注していると仮定した。しかしながら、上記実施形態において、各企業の発注形式は、このような例に限定されなくてよい。サプライチェーンに属する企業のうちの少なくとも一部は、同一の製品に関して複数の上流企業に発注し、得られた上流製品を選択に自社製品に使用してもよい。例えば、上記図13の例において、Tier1の製品A1には、Tier2の製品A11_1、製品A11_2、又は製品A11_3が選択的に使用されてよい。この場合、サーバ装置1は、使用されるパター
ン毎に紐付け関係を保持してよい。上記の例では、サーバ装置1は、Tier1の製品A1につ
いて、パターン1「Tier2の製品A11_1、・・・」、パターン2「製品A11_2、・・・」及
びパターン3「製品A11_3、・・・」とのように紐付け情報を保持してよい。これに応じ
て、サーバ装置1は、パターン毎に、上記トレーサビリティ関連情報の演算(統合)を実行してよい。この場合、一例では、サーバ装置1は、パターン毎に演算結果を出力してもよい。他の一例では、サーバ装置1は、演算結果の最大値、最小値、平均値、分散、標準偏差、中央値等の統計量を演算結果から算出し、算出された統計量を出力してもよい。
また、上記実施形態において、トレーサビリティ関連情報(特に、CFP値)は、一次データで構成されてもよいし、又は二次データ(インベントリデータ)で構成されてもよい。一次データは、実測値であり、二次データは、実測値を得ていない場合に使用される参照値である。この場合、上記トレーサビリティ関連情報の演算(統合)は、最終製品について得られるトレーサビリティ関連情報の一次データ比率を算出することを含んでよい。一次データ比率の算出は、単純な比率計算で算出されてもよいし、或いは上記CFP値の演算式においてCFP値を各社の一次データ比率に置き換え、最上流企業から順次計算することによる重み計算で算出されてもよい。
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行
されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
1・・・サーバ装置
2・・・企業端末
11,21・・・制御部
12,22・・・記憶部
13,23・・・通信モジュール
14,24・・・入出力装置

Claims (20)

  1. サプライチェーンに含まれる各企業の製品に関する製品情報を企業毎に記憶する記憶装置と、制御部と、を有するサーバ装置であって、
    前記制御部は、
    前記サプライチェーンの各企業を対象企業として、対象企業の対象製品に関する第一製品情報に対して、(1)前記サプライチェーンにおいて対象企業よりも上流企業の上流製品に関する第二製品情報を紐付けする第一の要求、及び(2)終端を示す終端情報を付与する第二の要求のいずれか一方を、対象企業のアカウントから受け付け、
    前記受け付けた各要求を反映することで、各企業の製品間の関係を示す製品ツリーを形成し、
    形成された前記製品ツリーに関連する情報処理を実行し、かつ
    前記情報処理を実行した結果を出力する
    ように構成される、サーバ装置。
  2. 前記紐付けすることは、前記製品ツリー上で、前記対象製品が親ノード及び前記上流製品が子ノードになるように関連付けることを含み、
    前記製品ツリーに関連する情報処理は、前記製品ツリーの葉ノードに対応する全ての製品の製品情報に前記終端情報が付与されているか否かを判定することを含み、並びに
    前記情報処理を実行した結果を出力することは、前記終端情報が付与されているか否かを判定した結果を出力することを含む、
    請求項1に記載のサーバ装置。
  3. 前記第一の要求は、前記第一製品情報に対する紐付けが完了しているか否かの指定を含み、
    前記制御部は、前記第一の要求に含まれる前記指定に応じて、紐付けが完了しているか否かを示すステータス情報を前記第一製品情報に付与するように更に構成され、
    前記製品ツリーに関連する情報処理は、前記製品ツリーの葉ノード以外のノードに対応する全ての製品の製品情報に付与されているステータス情報を参照して、全ての製品の製品情報に対する紐付けが完了しているか否かを判定することを更に含み、及び
    前記情報処理を実行した結果を出力することは、紐付けが完了しているか否かを判定した結果を出力することを含む、
    請求項2に記載のサーバ装置。
  4. 前記紐付けすることは、前記製品ツリー上で、前記対象製品が親ノード及び前記上流製品が子ノードになるように関連付けることを含み、
    前記製品ツリーに関連する情報処理は、
    前記製品ツリーの葉ノードに対応する製品を特定すること、及び
    特定された前記製品の製品情報に対して、前記第一の要求及び前記第二の要求のいずれかを受け付けたか否かを判定することにより、前記第一の要求及び前記第二の要求のいずれも受け付けていないことで暫定的に終端となっている製品である暫定終端製品が存在するか否かを検証すること、
    を含み、並びに
    前記情報処理を実行した結果を出力することは、検証の結果、前記暫定終端製品が存在する場合に、前記暫定終端製品の製品情報に対して前記各要求を行う権限を有する暫定終端企業のアカウントに対してアラートを出力することを含む、
    請求項1に記載のサーバ装置。
  5. 前記紐付けすることは、前記製品ツリー上で、前記対象製品が親ノード及び前記上流製品が子ノードになるように関連付けることを含み、
    前記製品情報は、前記製品情報の閲覧を許可する企業を示す設定情報を含み、
    前記製品ツリーに関連する情報処理は、
    最下流企業のアカウントからの要求に応じて、対象の最終製品が根ノードとして属する対象の製品ツリーの葉ノードに対応する製品を特定すること、及び
    特定された全ての前記製品の製品情報に対して、前記第一の要求及び前記第二の要求のいずれかを受け付けたか否かを判定することにより、前記第一の要求及び前記第二の要求のいずれも受け付けていないことで暫定的に終端となっている製品である暫定終端製品が存在するか否かを検証すること、
    を含み、並びに
    前記情報処理を実行した結果を出力することは、検証の結果、前記暫定終端製品が存在する場合に、(A)前記暫定終端製品の製品情報に対して前記各要求を行う権限を有する暫定終端企業のアカウントに対して督促を通知すること、及び(B)前記最下流企業が前記暫定終端製品の製品情報の閲覧を許可されていない場合、許可されていない前記暫定終端製品に対応する葉ノードから前記根ノードの方に前記対象の製品ツリーを辿り、前記最下流企業に対して閲覧を許可された製品情報を特定し、特定された製品情報を所有する閲覧許可企業のアカウントに対して前記督促の依頼を通知することの少なくともいずれかを実行することを含む、
    請求項1に記載のサーバ装置。
  6. 前記紐付けすることは、前記製品ツリー上で、前記対象製品が親ノード及び前記上流製品が子ノードになるように関連付けることを含み、
    前記各要求を受け付けることは、前記対象製品の属する製品ツリー上で、前記対象製品に対応するノードが葉ノードではない場合、前記第二の要求の受け付けを禁止することを含む、
    請求項1に記載のサーバ装置。
  7. 前記製品ツリーに関連する情報処理は、前記製品ツリーを示す樹形図を生成することを含み、
    前記情報処理を実行した結果を出力することは、生成された前記樹形図を出力することを含む、
    請求項1に記載のサーバ装置。
  8. 前記製品情報は、トレーサビリティ関連情報を含み、
    前記紐付けすることは、前記製品ツリー上で、前記対象製品が親ノード及び前記上流製品が子ノードになるように関連付けることにより構成され、
    前記製品ツリーに関連する情報処理は、前記終端情報が付与されていることで前記製品ツリーに葉ノードとして属する最上流製品から前記製品ツリーに根ノードとして属する注目製品まで、前記製品ツリーに属する製品の製品情報に含まれるトレーサビリティ関連情報の引継ぎ及び統合を繰り返すことを含み、並びに
    前記情報処理を実行した結果を出力することは、前記トレーサビリティ関連情報を統合した結果を出力することを含む、
    請求項1に記載のサーバ装置。
  9. 前記製品情報は、トレーサビリティ関連情報の所在情報を含み、
    前記製品ツリーに関連する情報処理は、前記製品ツリーに属する関連製品の製品情報に含まれる所在情報を収集することを含み、
    前記情報処理を実行した結果を出力することは、収集された前記所在情報を出力することを含む、
    請求項1に記載のサーバ装置。
  10. サプライチェーンに含まれる各企業の製品に関する製品情報を企業毎に記憶する記憶装置を備えるサーバ装置が実行する情報処理方法であって、
    前記サプライチェーンの各企業を対象企業として、対象企業の対象製品に関する第一製品情報に対して、(1)前記サプライチェーンにおいて対象企業よりも上流企業の上流製品に関する第二製品情報を紐付けする第一の要求、及び(2)終端を示す終端情報を付与する第二の要求のいずれか一方を、対象企業のアカウントから受け付けるステップと、
    前記受け付けた各要求を反映することで、各企業の製品間の関係を示す製品ツリーを形成するステップと、
    形成された前記製品ツリーに関連する情報処理を実行するステップと、
    前記情報処理を実行した結果を出力するステップと、
    を含む、情報処理方法。
  11. 前記紐付けすることは、前記製品ツリー上で、前記対象製品が親ノード及び前記上流製品が子ノードになるように関連付けることを含み、
    前記製品ツリーに関連する情報処理は、前記製品ツリーの葉ノードに対応する全ての製品の製品情報に前記終端情報が付与されているか否かを判定することを含み、並びに
    前記情報処理を実行した結果を出力することは、前記終端情報が付与されているか否かを判定した結果を出力することを含む、
    請求項10に記載の情報処理方法。
  12. 前記第一の要求は、前記第一製品情報に対する紐付けが完了しているか否かの指定を含み、
    前記第一の要求に含まれる前記指定に応じて、紐付けが完了しているか否かを示すステータス情報を前記第一製品情報に付与するステップをさらに含み、
    前記製品ツリーに関連する情報処理は、前記製品ツリーの葉ノード以外のノードに対応する全ての製品の製品情報に付与されているステータス情報を参照して、全ての製品の製品情報に対する紐付けが完了しているか否かを判定することを更に含み、及び
    前記情報処理を実行した結果を出力することは、紐付けが完了しているか否かを判定した結果を出力することを含む、
    請求項11に記載の情報処理方法。
  13. 前記紐付けすることは、前記製品ツリー上で、前記対象製品が親ノード及び前記上流製品が子ノードになるように関連付けることを含み、
    前記製品ツリーに関連する情報処理は、
    前記製品ツリーの葉ノードに対応する製品を特定すること、及び
    特定された前記製品の製品情報に対して、前記第一の要求及び前記第二の要求のいずれかを受け付けたか否かを判定することにより、前記第一の要求及び前記第二の要求のいずれも受け付けていないことで暫定的に終端となっている製品である暫定終端製品が存在するか否かを検証すること、
    を含み、並びに
    前記情報処理を実行した結果を出力することは、検証の結果、前記暫定終端製品が存在する場合に、前記暫定終端製品の製品情報に対して前記各要求を行う権限を有する暫定終端企業のアカウントに対してアラートを出力することを含む、
    請求項10に記載の情報処理方法。
  14. 前記紐付けすることは、前記製品ツリー上で、前記対象製品が親ノード及び前記上流製品が子ノードになるように関連付けることを含み、
    前記製品情報は、前記製品情報の閲覧を許可する企業を示す設定情報を含み、
    前記製品ツリーに関連する情報処理は、
    最下流企業のアカウントからの要求に応じて、対象の最終製品が根ノードとして属す
    る対象の製品ツリーの葉ノードに対応する製品を特定すること、及び
    特定された全ての前記製品の製品情報に対して、前記第一の要求及び前記第二の要求のいずれかを受け付けたか否かを判定することにより、前記第一の要求及び前記第二の要求のいずれも受け付けていないことで暫定的に終端となっている製品である暫定終端製品が存在するか否かを検証すること、
    を含み、並びに
    前記情報処理を実行した結果を出力することは、検証の結果、前記暫定終端製品が存在する場合に、(A)前記暫定終端製品の製品情報に対して前記各要求を行う権限を有する暫定終端企業のアカウントに対して督促を通知すること、及び(B)前記最下流企業が前記暫定終端製品の製品情報の閲覧を許可されていない場合、許可されていない前記暫定終端製品に対応する葉ノードから前記根ノードの方に前記対象の製品ツリーを辿り、前記最下流企業に対して閲覧を許可された製品情報を特定し、特定された製品情報を所有する閲覧許可企業のアカウントに対して前記督促の依頼を通知することの少なくともいずれかを実行することを含む、
    請求項10に記載の情報処理方法。
  15. 前記紐付けすることは、前記製品ツリー上で、前記対象製品が親ノード及び前記上流製品が子ノードになるように関連付けることを含み、
    前記各要求を受け付けることは、前記対象製品の属する製品ツリー上で、前記対象製品に対応するノードが葉ノードではない場合、前記第二の要求の受け付けを禁止することを含む、
    請求項10に記載の情報処理方法。
  16. 前記製品ツリーに関連する情報処理は、前記製品ツリーを示す樹形図を生成することを含み、
    前記情報処理を実行した結果を出力することは、生成された前記樹形図を出力することを含む、
    請求項10に記載の情報処理方法。
  17. 前記製品情報は、トレーサビリティ関連情報を含み、
    前記紐付けすることは、前記製品ツリー上で、前記対象製品が親ノード及び前記上流製品が子ノードになるように関連付けることにより構成され、
    前記製品ツリーに関連する情報処理は、前記終端情報が付与されていることで前記製品ツリーに葉ノードとして属する最上流製品から前記製品ツリーに根ノードとして属する注目製品まで、前記製品ツリーに属する製品の製品情報に含まれるトレーサビリティ関連情報の引継ぎ及び統合を繰り返すことを含み、並びに
    前記情報処理を実行した結果を出力することは、前記トレーサビリティ関連情報を統合した結果を出力することを含む、
    請求項10に記載の情報処理方法。
  18. 前記製品情報は、トレーサビリティ関連情報の所在情報を含み、
    前記製品ツリーに関連する情報処理は、前記製品ツリーに属する関連製品の製品情報に含まれる所在情報を収集することを含み、
    前記情報処理を実行した結果を出力することは、収集された前記所在情報を出力することを含む、
    請求項10に記載の情報処理方法。
  19. サプライチェーンに含まれる各企業の製品に関する製品情報を企業毎に記憶するサーバ装置と通信可能な情報処理装置に情報処理方法を実行させるためのプログラムであって、
    前記情報処理方法は、対象企業として前記サーバ装置にアクセスした後に、前記対象企
    業の対象製品に関する第一製品情報に対して、(1)前記サプライチェーンにおいて対象企業よりも上流企業の上流製品に関する第二製品情報を紐付けする第一の要求、及び(2)終端を示す終端情報を付与する第二の要求のいずれか一方を、前記サーバ装置に送信することを含む、
    プログラム。
  20. サプライチェーンに含まれる各企業の製品に関する製品情報を企業毎に記憶する記憶装置と、制御部と、を有するサーバ装置であって、
    前記制御部は、
    前記サプライチェーンの各企業を対象企業として、対象企業の対象製品に関する第一製品情報に対して、(1)前記サプライチェーンにおいて対象企業よりも上流企業の上流製品に関する第二製品情報を紐付けする第一の要求、及び(2)終端を示す終端情報を付与する第二の要求のいずれか一方を、対象企業のアカウントから受け付け、かつ
    前記各企業から受け付けた各要求に応じて、紐付け情報及び終端情報を前記記憶装置に保存する、
    ように構成される、
    サーバ装置。
JP2023011322A 2023-01-27 2023-01-27 サーバ装置、情報処理方法、およびプログラム Pending JP2024106854A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023011322A JP2024106854A (ja) 2023-01-27 2023-01-27 サーバ装置、情報処理方法、およびプログラム
PCT/IB2023/062396 WO2024157072A1 (en) 2023-01-27 2023-12-08 Server device, information processing method, and storage medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023011322A JP2024106854A (ja) 2023-01-27 2023-01-27 サーバ装置、情報処理方法、およびプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024106854A true JP2024106854A (ja) 2024-08-08

Family

ID=89321880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023011322A Pending JP2024106854A (ja) 2023-01-27 2023-01-27 サーバ装置、情報処理方法、およびプログラム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2024106854A (ja)
WO (1) WO2024157072A1 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150178645A1 (en) 2013-12-20 2015-06-25 The Dun & Bradstreet Corporation Discovering a business relationship network, and assessing a relevance of a relationship
US10532268B2 (en) * 2016-05-02 2020-01-14 Bao Tran Smart device
CN113870024A (zh) * 2021-09-27 2021-12-31 南京纳斯合一科技有限公司 一种基于区块链技术的交易方法和系统

Also Published As

Publication number Publication date
WO2024157072A1 (en) 2024-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110620810B (zh) 在区块链上的连续资产转移的非链接所有权
Angrish et al. A case study for Blockchain in manufacturing:“FabRec”: A prototype for peer-to-peer network of manufacturing nodes
Gietzmann et al. Blockchain and other distributed ledger technologies: where is the accounting?
Vatankhah Barenji A blockchain technology based trust system for cloud manufacturing
TW201816694A (zh) 用於在區塊鏈上引導與匿名保存的符記相關聯的交換之方法及系統
Rouibah et al. Dynamic data sharing and security in a collaborative product definition management system
CN110998631A (zh) 分布式账本技术
US9608987B2 (en) Systems and methods for the secure sharing of data
CN113361937B (zh) 电子政务系统一体化质量测评方法
Zeng et al. Top-down process mining from multi-source running logs based on refinement of Petri nets
Yilmaz et al. Applying blockchain to improve the integrity of the software development process
JP2020064460A (ja) クラウドデザイン管理方法、クラウドデザインデータベース及びクラウドデザイン管理プログラム
Trovò et al. Ants-review: A privacy-oriented protocol for incentivized open peer reviews on Ethereum
WO2023095415A1 (ja) 温室効果ガス排出量の情報を扱う情報連携システム、情報処理装置及びプログラム
JP2024106854A (ja) サーバ装置、情報処理方法、およびプログラム
JP2024106790A (ja) サーバ装置、情報処理方法、およびプログラム
JP2024106890A (ja) サーバ装置、情報処理方法、およびプログラム
WO2024176482A1 (ja) サーバ装置、情報処理方法、およびプログラム
WO2024166418A1 (ja) 情報処理装置、及び情報処理方法
JP7439972B1 (ja) サーバ装置および情報処理方法
JP2024113817A (ja) 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
JP2024113686A (ja) 情報処理装置、及び情報処理方法
JP2024113637A (ja) 情報処理装置、及び情報処理方法
JP2024108725A (ja) 情報処理装置、及び情報処理方法
JP7351432B1 (ja) サーバ装置、情報処理方法、およびプログラム