JP2024098391A - ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分からなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】撥水性に優れ、また耐衝撃性にも優れるポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分からなる成形品を提供する。【解決手段】ポリカーボネートブロックと、下式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックを含むポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分からなる成形品であって、前記樹脂成分中のポリジオルガノシロキサンブロックの含有量が3.0~19.0重量%であり、成形品の表面に凹凸構造を有する領域を備え、該領域の表面積係数が1.10~3.50であることを特徴とする成形品。JPEG2024098391000019.jpg2697【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分からなる成形品に関するものである。
ポリカーボネートは、耐衝撃性に優れ、高い耐熱性を有するので、光学部品、電気・電子機器分野、自動車分野において幅広く使用されている。更に、昨今の用途分野拡大に対応するため、ビスフェノールA(以下BPAと略称)などの一般的なモノマー原料に各種の共重合モノマー単位を導入した共重合ポリカーボネートの開発が進められている。中でも、BPAとポリジオルガノシロキサンコモノマーからなるポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体は難燃性や耐衝撃性に優れることが知られており、多くの文献が開示されている(特許文献1~3)。
ポリジオルガノシロキサンをベースとした材料を総称してシリコーンと呼ぶ。シリコーンポリマーは、耐熱性や耐候性、化学的安定性などに優れ、さらにメチル基などの有機基を持つことから撥水性や離型性といった独特の界面特性をも備えている。ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体も撥水性を有しており、特許文献4では、水との接触角が99.0°のポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体が報告されている。
また、撥水材料としての撥水性は、接触角以外にも直接的な指標として滑落角が用いられる事が多い。滑落角とは液滴を水平な状態から徐々に傾斜させるとき、液滴が滑落し始める時の傾斜角を差し、同じ液量では滑落角の小さな表面ほど液体との付着性が弱い(液除去性=滑落性が良い)と言えるものである。特許文献5では特定の構造を持つポリカーボネートを用いた電子写真感光体の感光層が低い滑落角を有する事が報告されているが、成形品として撥水性を有するかどうかの記載はなく、また滑落角も充分ではない。
特開平5-186675号公報 特開平5-247195号公報 特許第2662310号公報 特開2012-153824号公報 特開2008-146089号公報
本発明の目的は、撥水性に優れ、また耐衝撃性にも優れるポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分からなる成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、成形品表面の表面積係数を特定の範囲とし、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を成形することにより耐衝撃性を維持しつつ、撥水性に優れる成形品が得られることを見出し、かかる知見に基づき更に検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。本発明によれば、上記課題は下記構成により解決される。
(構成1)
一般式[1]で表わされるポリカーボネートブロックと、一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックを含むポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分からなる成形品であって、前記樹脂成分中のポリジオルガノシロキサンブロックの含有量が3.0~19.0重量%であり、成形品の表面に凹凸構造を有する領域を備え、該領域の表面積係数が1.10~3.50であることを特徴とする成形品。
[(上記一般式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数1~18のアルコキシ基、炭素原子数6~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2~10のアルケニル基、炭素原子数3~14のアリール基、炭素原子数3~14のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアラルキル基、炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、a及びbは夫々1~4の整数であり、Wは単結合もしくは下記一般式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。)
(上記一般式[2]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数3~14のアリール基及び炭素原子数7~20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2~10のアルケニル基、炭素原子数3~14のアリール基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアラルキル基、炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、cは1~10の整数、dは4~7の整数である。)]
(上記一般式[3]において、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数6~12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基であり、e及びfは夫々1~4の整数であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、p+qは10~300の自然数であり、Xは炭素原子数2~8の二価脂肪族基である。)
(構成2)
一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックが(2-アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサン、もしくは(2-メトキシ-4-アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサンより誘導された、構成1に記載の成形品。
(構成3)
一般式[3]において、R、R、R、R、R及びRがメチル基である、構成1または2に記載の成形品。
(構成4)
一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックが2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導された、構成1~3のいずれか一項に記載の成形品。
(構成5)
前記樹脂成分中のポリジオルガノシロキサンブロックの含有量が10.0~16.0重量%である、構成1~4のいずれか一項に記載の成形品。
(構成6)
前記成形品における凹凸構造を有する領域の表面積係数が1.20~3.50である、構成1~5に記載の成形品。
(構成7)
前記成形品表面のオレイン酸接触角が40°~80°である、構成1~6のいずれか一項に記載の成形品。
(構成8)
前記成形品が、アンテナカバー用である、構成1~7のいずれか一項に記載の成形品。
本発明は、撥水性に優れ、耐衝撃性に優れた成形品を提供することが可能である。
上から見た成形品表面のイメージおよび、上から見た凸部表面のイメージ図 図1の矢印方向から見た、凸部断面イメージ図
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の成形品は、ポリカーボネートブロックと、ポリジオルガノシロキサンブロックを含むポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分からなる成形品であって、前記樹脂成分中のポリジオルガノシロキサンブロックの含有量が3.0~19.0重量%であり、成形品の表面に凹凸構造を有する領域を備え、該領域の表面積係数が1.10~3.50である。
(I)ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体
本発明において、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体は、ポリカーボネートブロックと、ポリジオルガノシロキサンブロックを含む。
(1)ポリカーボネートブロック
本発明において、ポリカーボネートブロックは、以下一般式[1]で表される。
上記一般式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数1~18のアルコキシ基、炭素原子数6~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2~10のアルケニル基、炭素原子数3~14のアリール基、炭素原子数3~14のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアラルキル基、炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表す。RおよびRがそれぞれ複数ある場合は、それらは同一でも異なっていても良い。
ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
炭素原子数1~18のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1~6のアルキル基である。
炭素原子数1~18のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキトキシ基、オクトキシ基、等が挙げられる。炭素原子数1~6のアルコキシ基が好ましい。
炭素原子数6~20のシクロアルキル基として、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。炭素原子数6~12のシクロアルキル基が好ましい。
炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基として、好ましくはシクロヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基等が挙げられる。炭素原子数6~12のシクロアルキル基が好ましい。
炭素原子数2~10のアルケニル基として、メテニル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる。炭素原子数1~6のアルキル基が好ましい。
炭素原子数6~14のアリール基として、フェニル基、ナフチル基等挙げられる。炭素原子数6~14のアリールオキシ基として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
炭素原子数7~20のアラルキル基として、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基として、ベンジルオキシ基、フェニルエチルオキシ基等が挙げられる。
aおよびbは夫々独立に1~4の整数である。
Wは、単結合もしくは下記式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。
上記式[2]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数3~14のアリール基及び炭素原子数7~20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表わす。
炭素原子数1~18のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1~6のアルキル基である。
炭素原子数6~14のアリール基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。これらは置換されていてもよい。置換基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素原子数1~6のアルキル基が挙げられる。
炭素原子数7~20のアラルキル基として、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2~10のアルケニル基、炭素原子数3~14のアリール基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアラルキル基、炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表和す。複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良い。
ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
炭素原子数1~18のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1~6のアルキル基である。
炭素原子数1~10のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等が挙げられる。炭素原子数1~6のアルキル基が好ましい。
炭素原子数6~20のシクロアルキル基として、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。炭素原子数6~12のシクロアルキル基が好ましい。
炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基として、シクロヘキシルオキシ基、シクロオクチル基等が挙げられる。炭素原子数6~12のシクロアルキル基が好ましい。
炭素原子数2~10のアルケニル基として、メテニル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる。炭素原子数1~6のアルキル基が好ましい。
炭素原子数6~14のアリール基として、フェニル基、ナフチル基等挙げられる。
炭素原子数6~14のアリールオキシ基として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
炭素原子数7~20のアラルキル基として、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基として、ベンジルオキシ基、フェニルエチルオキシ基等が挙げられる。
cは1~10の整数であり、好ましくは1~6の整数である。dは4~7の整数であり、好ましくは4~5の整数である。
上記式[1]で表されるポリカーボネートブロックとしては、例えば、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン(BPC)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(BPTMC)、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,3’-ビフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-イソプロピルフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2-ビス(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエ-テル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエ-テル、4,4’-スルホニルジフェノール、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2’-ジメチル-4,4’-スルホニルジフェノール、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィド、2,2’-ジフェニル-4,4’-スルホニルジフェノール、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジフェニルジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジフェニルジフェニルスルフィド、1,3-ビス{2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4-ビス{2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,8-ビス(4-ヒドロキシフェニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4,4’-(1,3-アダマンタンジイル)ジフェノール、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-5,7-ジメチルアダマンタン等より誘導されたブロックが挙げられる。なかでも、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、4,4’-スルホニルジフェノール、2,2’-ジメチル-4,4’-スルホニルジフェノール、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、1,3-ビス{2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4-ビス{2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼンより誘導されたブロックが好ましく、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、4,4’-スルホニルジフェノール、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレンより誘導されたブロックがより好ましい。強度、耐久性の観点から2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導されたブロックが特に好ましい。また、これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体中の式[1]で表されるポリカーボネートブロックの含有量は、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の全重量を基準にして、好ましくは57.0~97.0重量%であり、より好ましくは58.0~93.0重量%、さらに好ましくは58.0~89.0重量%である。
(2)ポリジオルガノシロキサンブロック
本発明において、ポリカーボネートブロックは、以下一般式[3]で表される。
上記一般式[3]において、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数6~12の置換若しくは無置換のアリール基である。
炭素数1~12のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1~6のアルキル基である。
炭素数6~12の置換若しくは無置換のアリール基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。置換基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの炭素数1~12のアルキル基が挙げられる。
、R、R、R、R、Rはフェニル基、プロピル基、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基である。
ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
炭素原子数1~10のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1~6のアルキル基である。
炭素原子数1~10のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1~6のアルコキシ基である。
およびR10は水素原子、メトキシ基、エトキシ基が好ましく、水素原子、メトキシ基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
e及びfは夫々1~4の整数である。
pは自然数であり、好ましくは20~100、より好ましくは30~90であり、さらに好ましくは35~70である。
qは0または自然数であり、好ましくは0~80、より好ましくは0~50である。
ジオルガノシロキサン重合度であるp+qは10~300の自然数であり、好ましくは30~100、より好ましくは30~90であり、さらに好ましくは30~70である。p+qが上記範囲内であると、有効な耐衝撃性が発現し、外観不良の抑制、および生産安定性が向上する。
ジオルガノシロキサン重合度は、H-NMR測定により算出することが可能である。
Xは炭素原子数2~8の二価脂肪族基である。二価脂肪族基として、炭素数2~8のアルキレン基が挙げられる。アルキレン基としてエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられ、トリメチレン基が好ましい。
上記式[3]としては、下記一般式[4]で表されるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)が用いられる。
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R10、p、qおよびXは上記一般式[3]と同じである。)
上記式[4]としては、例えば、以下で表される化合物より誘導されたブロックが挙げられる。
ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)は、オレフィン性の不飽和炭素-炭素結合を有するフェノール類であり、好適にはビニルフェノール、2-アリルフェノール、イソプロペニルフェノール、2-メトキシ-4-アリルフェノールを所定の重合度を有するポリシロキサン鎖の末端に、ハイドロシリレーション反応させることにより容易に製造される。なかでも、(2-アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサン、(2-メトキシ-4-アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサンが好ましく、殊に(2-アリルフェノール)末端ポリジメチルシロキサン、(2-メトキシ-4-アリルフェノール)末端ポリジメチルシロキサンが好ましい。
ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)は、その分子量分布(Mw/Mn)が3以下であることを要する。さらに優れた高温成形時の低アウトガス性と低温衝撃性を発現させるために、かかる分子量分布(Mw/Mn)は好ましくは2.5以下であり、更に好ましくは2以下である。かかる好適な範囲の上限を超えると高温成形時のアウトガス発生量が多く、また、低温衝撃性に劣る。
また、高度な耐衝撃性を実現するためにヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)のジオルガノシロキサン重合度(p+q)は10~300が適切である。かかるジオルガノシロキサン重合度(p+q)は好ましくは30~100、より好ましくは30~90、更に好ましくは30~70である。かかる好適な範囲の下限未満では、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の特徴である耐衝撃性が有効に発現せず、かかる好適な範囲の上限を超えると外観不良が現れる上、生産安定性も劣る。
本発明において使用するポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体中の式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックの含有量は、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の全重量を基準にして、3~43重量%が好ましく、7~42重量%がより好ましく、11~42重量%がさらに好ましい。上記範囲内であると、十分な撥水性と撥油性が発揮でき、さらに成形時の金型転写性が向上する。
ポリジオルガノシロキサン含有量は、H-NMR測定により算出することが可能である。
(3)ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体
ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は10,000~50,000が好ましく、12,000~40,000がより好ましく、15,000~35,000がさらに好ましい。ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量が上記範囲内であると、多くの分野において実用上の機械的強度が得られ易く、アウトガス発生量を抑えることができる。
(II)ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分
本発明において、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分は、樹脂成形品を作るための成分であり、共重合体のみから構成される場合もあり、ブレンド物から構成される場合もあり、樹脂組成物から構成される場合もある。
本発明における樹脂成分中のポリジオルガノシロキサンブロックの含有量は、樹脂成分の全重量を基準にして、3.0~19.0重量%であり、好ましくは6.0~18.0重量%、より好ましくは8.0~18.0重量%、さらに好ましくは10.0~18.0重量%、特に好ましくは12.0~17.0重量%、最も好ましくは13.0~16.0重量%である。上記範囲内であれば、成形時の金型転写性が悪化せずに、撥水性と撥油性が十分に発揮される。
本発明における樹脂成分の粘度平均分子量は、好ましくは10,000~50,000であり、より好ましくは12,000~40,000、さらに好ましくは15,000~30,000である。上記範囲内であれば、多くの分野において実用上の機械的強度が得られ易く、アウトガス発生量を抑えることができる。
(III)ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造
(1)ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の原料
(1-1)ポリカーボネートブロックのジヒドロキシ化合物成分
ポリカーボネートブロックの原料となるジヒドロキシ化合物は、主として下記一般式[5]で表される二価フェノール(I)から誘導されてもよい。
(式中、R、R、a、bおよびWは上記式[1]と同じである。)
該二価フェノールとして、例えば、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,3’-ビフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-イソプロピルフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2-ビス(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエ-テル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエ-テル、4,4’-スルホニルジフェノール、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2’-ジメチル-4,4’-スルホニルジフェノール、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィド、2,2’-ジフェニル-4,4’-スルホニルジフェノール、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジフェニルジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジフェニルジフェニルスルフィド、1,3-ビス{2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4-ビス{2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,8-ビス(4-ヒドロキシフェニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4,4’-(1,3-アダマンタンジイル)ジフェノール、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-5,7-ジメチルアダマンタン等が挙げられる。
なかでも、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、4,4’-スルホニルジフェノール、2,2’-ジメチル-4,4’-スルホニルジフェノール、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、1,3-ビス{2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4-ビス{2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼンが好ましく、殊に2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)、4,4’-スルホニルジフェノール、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレンが好ましい。中でも強度に優れ、良好な耐久性を有する2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンが最も好適である。また、これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
(1-2)ポリジオルガノシロキサンブロックのジヒドロキシ化合物成分
ポリジオルガノシロキサンブロックの原料となるジヒドロキシ化合物は、特定の平均鎖長のポリジオルガノシロキサンを原料として用いる。具体的には、下記一般式[6]で表されるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)で表される原料を用いる。
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R10、p、qおよびXは上記一般式[3]と同じである。)
上記一般式[6]において、平均鎖長p+qは、10~300が好ましく、30~100が好ましく、30~90がより好ましい。p+qが上記範囲内であると、有効な耐衝撃性が発現し、外観不良の抑制、および生産安定性が向上する。また、かかる特定の鎖長範囲を満足するために異なる2種類またはそれ以上の、平均鎖長p+qを有するヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)原料を混合して調製しても良い。その場合、平均鎖長p+qが1以上60未満のポリジオルガノシロキサン(A-1)かつ、平均鎖長p+qが60以上200以下のポリジオルガノシロキサン(A-2)とを原料として用いる。ポリジオルガノシロキサン原料の混合調製の方法としては、末端をヒドロキシアリール変性させた適当なポリジオルガノシロキサン原料同士を混合する方法でも、末端をヒドロキシアリール変性させる前の適当な平均鎖長を有するポリジオルガノシロキサン前駆体同士を予め混合した後に、末端をヒドロキシアリール変性させる方法のどちらでも良い。該ポリジオルガノシロキサン原料と、二価フェノール及びポリカーボネート前駆体とを反応させて得られるPC-POS共重合体におけるポリジオルガノシロキサンブロックの平均鎖長p+qは、上記した通り好ましくは30~100、より好ましくは30~90、さらに好ましくは30~70となる。該平均鎖長p+qは核磁気共鳴(NMR)測定により算出される。
上記ポリジオルガノシロキサン(A-1)とポリジオルガノシロキサン(A-2)と混合する場合は、(A-1):(A-2)重量比=1:99~99:1の割合で用いることが好ましく、より好ましくは10:90~90:10の割合で用いる。
ポリジオルガノシロキサン原料として、上記ポリジオルガノシロキサン(A-1)と(A-2)とを予め配合して得られるポリジオルガノシロキサン(B)を用いることがより好ましく、この配合比は、上述した(A-1):(A-2)重量比と同様に、好ましくは重量比1:99~99:1であり、より好ましくは10:90~90:10である。
予め配合する場合は、上記ポリジオルガノシロキサン(A-1)の平均鎖長p+qの下限は、好ましくは1以上であり、より好ましくは20以上であり、さらに好ましくは30以上であり、上限は、好ましくは60未満であり、より好ましくは50未満であり、さらに好ましくは45未満である。上記ポリジオルガノシロキサン(A-2)の平均鎖長p+qの下限は、好ましくは60以上であり、より好ましくは70以上であり、さらに好ましくは90以上であり、上限は、好ましくは200以下であり、より好ましくは100以下である。一般式[5]で表されるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)としては、例えば次に示すような化合物が好適に用いられる。
ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)は、オレフィン性の不飽和炭素-炭素結合を有するフェノール類であり、好適にはビニルフェノール、2-アリルフェノール、イソプロペニルフェノール、2-メトキシ-4-アリルフェノールを所定の重合度を有するポリジオルガノシロキサン鎖の末端に、ハイドロシリレーション反応させることにより容易に製造される。なかでも、(2-アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサン、(2-メトキシ-4-アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサンが好ましく、殊に(2-アリルフェノール)末端ポリジメチルシロキサン、(2-メトキシ-4-アリルフェノール)末端ポリジメチルシロキサンが好ましい。
ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)は、その分子量分布(Mw/Mn)が3以下であることを要する。さらに優れた高温成形時の低アウトガス性と低温衝撃性を発現させるために、かかる分子量分布(Mw/Mn)は好ましくは2.5以下であり、更に好ましくは2以下である。かかる好適な範囲の上限を超えると高温成形時のアウトガス発生量が多く、また、低温衝撃性に劣る。
また、高度な耐衝撃性を実現するためにヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)のジオルガノシロキサン重合度(p+q)は10~300が適切である。かかるジオルガノシロキサン重合度(p+q)は好ましくは30~100、より好ましくは30~90、更に好ましくは30~70である。かかる好適な範囲の下限未満では、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の特徴である耐衝撃性が有効に発現せず、かかる好適な範囲の上限を超えると外観不良が現れる上、生産安定性も劣る。
(2)ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造
本発明の方法において、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)は1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。また、本発明の方法の妨げにならない範囲で、上記二価フェノール(I)、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)以外の他のコモノマーを共重合体の全重量に対して10重量%以下の範囲で併用することもできる。
本発明の方法においては、あらかじめ水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中における二価フェノール(I)と炭酸エステル形成性化合物の反応により末端クロロホルメート基を有するオリゴマーを含む混合溶液を調製する。二価フェノール(I)のオリゴマーを生成するにあたり、本発明の方法に用いられる二価フェノール(I)の全量を一度にオリゴマーにしてもよく、又は、その一部を後添加モノマーとして後段の界面重縮合反応に反応原料として添加してもよい。後添加モノマーとは、後段の重縮合反応を速やかに進行させるために加えるものであり、必要のない場合には敢えて加える必要はない。
このオリゴマー生成反応の方式は特に限定はされないが、通常、酸結合剤の存在下、溶媒中で行う方式が好適である。炭酸エステル形成性化合物の使用割合は、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよい。また、ホスゲン等のガス状の炭酸エステル形成性化合物を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好適に採用できる。
前記酸結合剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ピリジン等の有機塩基あるいはこれらの混合物などが用いられる。 酸結合剤の使用割合も、上記同様に、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、オリゴマーの形成に使用する二価フェノール(I)のモル数(通常1モルは2当量に相当)に対して2当量若しくはこれより若干過剰量の酸結合剤を用いることが好ましい。
前記溶媒としては、公知のポリカーボネートの製造に使用されるものなど各種の反応に不活性な溶媒を1種単独であるいは混合溶媒として使用すればよい。代表的な例としては、例えば、キシレン等の炭化水素溶媒、塩化メチレン、クロロベンゼンをはじめとするハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられる。特に塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒が好適に用いられる。
オリゴマー生成の反応圧力は特に制限はなく、常圧、加圧、減圧のいずれでもよいが、通常常圧下で反応を行うことが有利である。反応温度は-20~50℃の範囲から選ばれ、多くの場合、重合に伴い発熱するので、水冷又は氷冷することが望ましい。反応時間は他の条件に左右され一概に規定できないが、通常、0.2~10時間で行われる。
オリゴマー生成反応のpH範囲は、公知の界面反応条件と同様であり、pHは常に10以上に調製される。
本発明はこのようにして、末端クロロホルメート基を有する二価フェノール(I)のオリゴマーを含む混合溶液を得た後、該混合溶液を攪拌しながら分子量分布(Mw/Mn)が3以下まで高度に精製された一般式[6]で表わされるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を二価フェノール(I)に加え、該ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)と該オリゴマーを界面重縮合させることによりポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を得る。
界面重縮合反応を行うにあたり、酸結合剤を反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜追加してもよい。酸結合剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ピリジン等の有機塩基あるいはこれらの混合物などが用いられる。具体的には、使用するヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)、又は上記の如く二価フェノール(I)の一部を後添加モノマーとしてこの反応段階に添加する場合には、後添加分の二価フェノール(I)とヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)との合計モル数(通常1モルは2当量に相当)に対して2当量若しくはこれより過剰量のアルカリを用いることが好ましい。
二価フェノール(I)のオリゴマーとヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)との界面重縮合反応による重縮合は、上記混合液を激しく攪拌することにより行われる。かかる重合反応においては、末端停止剤或いは分子量調節剤が通常使用される。末端停止剤としては一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノール、p-tert-ブチルフェノール、p-クミルフェノール、トリブロモフェノールなどの他に、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、ヒドロキシフェニルアルキル酸エステル、アルキルエーテルフェノールなどが例示される。その使用量は用いる全ての二価フェノール系化合物100モルに対して、100~0.5モル、好ましくは50~2モルの範囲であり、二種以上の化合物を併用することも当然に可能である。
重縮合反応を促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミン又は第四級アンモニウム塩などの触媒を添加してもよい。 かかる重合反応の反応時間は、透明性を向上させるためには比較的長くする必要がある。好ましくは30分以上、更に好ましくは50分以上である。所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイドなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。
分岐化剤を上記の二価フェノール系化合物と併用して分岐化ポリカーボネートとすることができる。かかる分岐ポリカーボネート樹脂に使用される三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、フロログルシド、または4,6-ジメチル-2,4,6-トリス(4-ヒドロキジフェニル)ヘプテン-2、2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1-トリス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,6-ビス(2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェノール、4-{4-[1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}-α,α-ジメチルベンジルフェノール等のトリスフェノール、テトラ(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4-ビス(4,4-ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライド等が挙げられ、中でも1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1-トリス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも可能であるが、通常は、常圧若しくは反応系の自圧程度で好適に行い得る。反応温度は-20~50℃の範囲から選ばれ、多くの場合、重合に伴い発熱するので、水冷又は氷冷することが望ましい。反応時間は反応温度等の他の条件によって異なるので一概に規定はできないが、通常、0.5~10時間で行われる。 場合により、得られたポリカーボネート共重合体に適宜物理的処理(混合、分画など)及び/又は化学的処理(ポリマー反応、架橋処理、部分分解処理など)を施して所望の還元粘度[ηSP/c]のポリカーボネート共重合体として取得することもできる。
得られた反応生成物(粗生成物)は公知の分離精製法等の各種の後処理を施して、所望の純度(精製度)のポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体として回収することができる。
(IV)ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分の製造
本発明において、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分は、樹脂成形品を作るための成分であり、共重合体のみから構成される場合もあり、ブレンド物から構成される場合もあり、樹脂組成物から構成される場合もある。本発明に用いる樹脂成分は、上記ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有し、単軸押出機、二軸押出機の如き押出機を用いて、溶融混練することによりペレット化することができる。かかるペレットを作製するにあたり、下記その他の成分、を配合することもできる。
(1)その他の成分
本発明に用いる樹脂成分には、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体以外のポリカーボネート樹脂を始め、他の樹脂や充填剤は配合しても差し支えないが、充填剤の多くは成形品の表面性に支障を来すので、その種類や量の選択は、その点を考慮すべきである。
本発明に用いる樹脂成分には、成形品の表面性を損なうことがない限り、成形品の機械的物性、化学的性質または電気的性質の改良のために、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体以外の他の樹脂を配合することができる。この他の樹脂の配合量は、その種類および目的によって変わるが、通常、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体100重量部当たり、0.1~50重量部が好ましく、より好ましくは1~50重量部、更により好ましくは10~50重量部が適当である。他の樹脂としては、例えば、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体以外のポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂などに代表される汎用プラスチックス、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂等に代表されるエンジニアリングプラスチックス、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイドなどのいわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックスを挙げることができる。さらにポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーも使用することができる。
本発明に用いる樹脂成分には、成形品に種々の機能の付与や特性改善のために、それ自体知られた添加物を少量の割合配合することができる。これら添加物は本発明の目的を損なわない限り、通常の配合量である。
かかる添加剤としては、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、滑剤、摺動剤(PTFE粒子など)、着色剤(カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、染料)、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、帯電防止剤、流動改質剤、難燃剤、ドリップ防止剤(フィブリル形成能を有する含フッ素ポリマーなど)、結晶核剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤(微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛など)、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、赤外線吸収剤またはフォトクロミック剤が挙げられる。
本発明に用いる樹脂成分の酸化防止性、光安定性(紫外線安定性)、離型性、金型腐食および難燃性の改良のために、これらの改良に使用されている添加剤が有利に使用される。以下これら添加剤について具体的に説明する。
(1-1)リン系安定剤
本発明に用いる樹脂成分は、加水分解性を促進させない程度において、リン系安定剤が配合されることが好ましい。かかるリン系安定剤は製造時または成形加工時の熱安定性を向上させ、機械的特性、色相、および成形安定性を向上させる。リン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル、並びに第3級ホスフィンなどが例示される。具体的にはホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ-iso-プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ-n-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。更に他のホスファイト化合物としては二価フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用できる。例えば、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)(2-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ホスファイト、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェニル)(2-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ホスファイト、2,2’-エチリデンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェニル)(2-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ホスファイトなどを挙げることができる。ホスフェート化合物としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどを挙げることができ、好ましくはトリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートである。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,3’-ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-3,3’-ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,3’-ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-3,3’-ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-フェニルホスホナイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-3-フェニル-フェニルホスホナイト、ビス(2,6-ジ-n-ブチルフェニル)-3-フェニル-フェニルホスホナイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-フェニルホスホナイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-3-フェニル-フェニルホスホナイト等が挙げられ、テトラキス(ジ-tert-ブチルフェニル)-ビフェニレンジホスホナイト、ビス(ジ-tert-ブチルフェニル)-フェニル-フェニルホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-フェニル-フェニルホスホナイトがより好ましい。かかるホスホナイト化合物は上記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト化合物との併用可能であり好ましい。ホスホネイト化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、およびベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。第3級ホスフィンとしては、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリアミルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジフェニルオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、トリナフチルホスフィン、およびジフェニルベンジルホスフィンなどが例示される。特に好ましい第3級ホスフィンは、トリフェニルホスフィンである。上記リン系安定剤は、1種のみならず2種以上を混合して用いることができる。上記リン系安定剤の中でもトリメチルホスフェートに代表されるアルキルホスフェート化合物が配合されることが好ましい。またかかるアルキルホスフェート化合物と、ホスファイト化合物および/またはホスホナイト化合物との併用も好ましい態様である。
(1-2)ヒンダードフェノール系安定剤
本発明に用いる樹脂成分には、更にヒンダードフェノール系安定剤を配合することができる。かかる配合は例えば成形加工時の色相悪化や長期間の使用における色相の悪化などを抑制する効果が発揮される。ヒンダードフェノール系安定剤としては、例えば、α-トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、シナピルアルコール、ビタミンE、n-オクタデシル-β-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェル)プロピオネート、2-tert-ブチル-6-(3’-tert-ブチル-5’-メチル-2’-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2,6-ジ-tert-ブチル-4-(N,N-ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-ジメチレン-ビス(6-α-メチル-ベンジル-p-クレゾール)2,2’-エチリデン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-ブチリデン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、トリエチレングリコール-N-ビス-3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート、1,6-へキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2-tert-ブチル-4-メチル6-(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9-ビス{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1,-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-チオビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’-ジ-チオビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-トリ-チオビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2-チオジエチレンビス-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4-ビス(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、N,N’-ヘキサメチレンビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス2[3(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、およびテトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが例示される。これらはいずれも入手容易である。上記ヒンダードフェノール系安定剤は、単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。リン系安定剤およびヒンダードフェノール系安定剤の配合量は、樹脂組成物100重量部に対し、好ましくは0.0001~1重量部、より好ましくは0.001~0.5重量部、さらに好ましくは0.005~0.3重量部である。
(1-3)前記以外の熱安定剤
本発明に用いる樹脂成分には、前記リン系安定剤およびヒンダードフェノール系安定剤以外の他の熱安定剤を配合することもできる。かかる他の熱安定剤としては、例えば3-ヒドロキシ-5,7-ジ-tert-ブチル-フラン-2-オンとo-キシレンとの反応生成物に代表されるラクトン系安定剤が好適に例示される。かかる安定剤の詳細は特開平7-233160号公報に記載されている。かかる化合物はIrganox HP-136(商標、CIBA SPECIALTY CHEMICALS社製)として市販され、該化合物を利用できる。更に該化合物と各種のホスファイト化合物およびヒンダードフェノール化合物を混合した安定剤が市販されている。例えば前記社製のIrganoxHP-2921が好適に例示される。ラクトン系安定剤の配合量は、樹脂組成物100重量部に対して好ましくは0.0005~0.05重量部、より好ましくは0.001~0.03重量部である。またその他の安定剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)、およびグリセロール-3-ステアリルチオプロピオネートなどのイオウ含有安定剤が例示される。かかるイオウ含有安定剤の配合量は、樹脂組成物100重量部に対して好ましくは0.001~0.1重量部、より好ましくは0.01~0.08重量部である。本発明の樹脂組成物には、必要に応じてエポキシ化合物を配合することができる。かかるエポキシ化合物は、金型腐食を抑制するという目的で配合されるものであり、基本的にエポキシ官能基を有するもの全てが適用できる。好ましいエポキシ化合物の具体例としては、3,4ーエポキシシクロヘキシルメチルー3’,4’ーエポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロセキサン付加物、メチルメタクリレートとグリシジルメタクリレートの共重合体、スチレンとグリシジルメタクリレートの共重合体等が挙げられる。かかるエポキシ化合物の添加量としては、樹脂組成物100重量部に対して0.003~0.2重量部が好ましく、より好ましくは0.004~0.15重量部であり、さらに好ましくは0.005~0.1重量部である。
(1-4)紫外線吸収剤
本発明に用いる樹脂成分においては、耐光性を付与することを目的として紫外線吸収剤の配合も可能である。紫外線吸収剤としては、具体的にはベンゾフェノン系では、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5-ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシルオキシベンソフェノン、および2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノンなどが例示される。紫外線吸収剤としては、具体的に、ベンゾトリアゾール系では、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2,2’-メチレンビス(4-クミル-6-ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’-p-フェニレンビス(1,3-ベンゾオキサジン-4-オン)、および2-[2-ヒドロキシ-3-(3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5-メチルフェニル]ベンゾトリアゾ-ル、並びに2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリロキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾールと該モノマーと共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体や2-(2’―ヒドロキシ-5-アクリロキシエチルフェニル)―2H―ベンゾトリアゾールと該モノマーと共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体などの2-ヒドロキシフェニル-2H-ベンゾトリアゾール骨格を有する重合体などが例示される。紫外線吸収剤は、具体的に、ヒドロキシフェニルトリアジン系では、例えば、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシルオキシフェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-メチルオキシフェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-エチルオキシフェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-プロピルオキシフェノール、および2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ブチルオキシフェノールなどが例示される。さらに2-(4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシルオキシフェノールなど、上記例示化合物のフェニル基が2,4-ジメチルフェニル基となった化合物が例示される。紫外線吸収剤は、具体的に環状イミノエステル系では、例えば2,2’-p-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-m-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、および2,2’-p,p’-ジフェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)などが例示される。また紫外線吸収剤としては、具体的にシアノアクリレート系では、例えば1,3-ビス-[(2’-シアノ-3’,3’-ジフェニルアクリロイル)オキシ]-2,2-ビス[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル)プロパン、および1,3-ビス-[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]ベンゼンなどが例示される。さらに上記紫外線吸収剤は、ラジカル重合が可能な単量体化合物の構造をとることにより、かかる紫外線吸収性単量体および/または光安定性単量体と、アルキル(メタ)アクリレートなどの単量体とを共重合したポリマー型の紫外線吸収剤であってもよい。前記紫外線吸収性単量体としては、(メタ)アクリル酸エステルのエステル置換基中にベンゾトリアゾール骨格、ベンゾフェノン骨格、トリアジン骨格、環状イミノエステル骨格、およびシアノアクリレート骨格を含有する化合物が好適に例示される。前記の中でも紫外線吸収能の点においてはベンゾトリアゾール系およびヒドロキシフェニルトリアジン系が好ましく、耐熱性や色相の点では、環状イミノエステル系およびシアノアクリレート系が好ましい。前記紫外線吸収剤は単独であるいは2種以上の混合物で用いてもよい。紫外線吸収剤の配合量は、樹脂組成物100重量部に対して好ましくは0.01~2重量部、より好ましくは0.02~2重量部、さらに好ましくは0.03~1重量部、特に好ましくは0.05~0.5重量部である。
(1-5)離型剤
本発明に用いる樹脂成分には、必要に応じて離型剤を配合することができる。かかる離型剤としてはそれ自体公知のものが使用できる。例えば、飽和脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸エステル、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレンワックスまたは1-アルケン重合体が挙げられる。これらは酸変性などの官能基含有化合物で変性されているものも使用できる)、シリコーン化合物、フッ素化合物(ポリフルオロアルキルエーテルに代表されるフッ素オイルなど)、パラフィンワックス、蜜蝋などを挙げることができる。これらの中でも飽和脂肪酸エステル類、直鎖状または環状のポリジメチルシロキサンオイルやポリメチルフェニルシリコーンオイルなど、およびフッ素オイルを挙げることができる。好ましい離型剤としては飽和脂肪酸エステルが挙げられ、例えばステアリン酸モノグリセライドなどのモノグリセライド類、デカグリセリンデカステアレートおよびデカグリセリンテトラステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、ステアリン酸ステアレートなどの低級脂肪酸エステル類、セバシン酸ベヘネートなどの高級脂肪酸エステル類、ペンタエリスリトールテトラステアレートなどのエリスリトールエステル類が使用される。かかる離型剤の含有量は樹脂組成物100重量部に対して0.01~0.3重量部が好ましい。
(1-6)難燃剤
本発明に用いる樹脂成分には、難燃性ポリカーボネート樹脂の難燃剤として知られる各種の化合物が配合されてよい。かかる化合物の配合は難燃性の向上をもたらすが、それ以外にも各化合物の性質に基づき、例えば帯電防止性、流動性、剛性、および熱安定性の向上などがもたらされる。かかる難燃剤としては、(i)有機金属塩系難燃剤(例えば有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩、有機ホウ酸金属塩系難燃剤、および有機錫酸金属塩系難燃剤など)、(ii)有機リン系難燃剤(例えば、有機基含有のモノホスフェート化合物、ホスフェートオリゴマー化合物、ホスホネートオリゴマー化合物、ホスホニトリルオリゴマー化合物、およびホスホン酸アミド化合物など)、(iii)シリコーン化合物からなるシリコーン系難燃剤、(iv)フィブリル化PTFEが挙げられ、その中でも有機金属塩系難燃剤、有機リン系難燃剤が好ましい。
(1-7)その他
上記以外にも本発明に用いる樹脂成分には、成形品に種々の機能の付与や特性改善のために、それ自体知られた添加物を少割合配合することができる。これら添加物は本発明の目的を損なわない限り、通常の配合量である。かかる添加剤としては、摺動剤(例えばPTFE粒子)、着色剤(例えばカーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、染料)、光拡散剤(例えばアクリル架橋粒子、シリコーン架橋粒子、炭酸カルシウム粒子)、蛍光染料、蛍光増白剤、光安定剤(ヒンダードアミン化合物に代表される)、無機系蛍光体(例えばアルミン酸塩を母結晶とする蛍光体)、帯電防止剤、結晶核剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤(例えば微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛)、流動改質剤、ラジカル発生剤、赤外線吸収剤(熱線吸収剤)、フォトクロミック剤並びに強化充填材(ガラス繊維、ケイ酸塩鉱物、炭素繊維など)などが挙げられる。
(V)ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分からなる成形品の製造
本発明の樹脂成分は、通常前記の如く製造されたペレットを射出成形して各種製品を製造することができる。更にペレットを経由することなく、押出機で溶融混練された樹脂を直接シート、フィルム、異型押出成形品、ダイレクトブロー成形品、および射出成形品にすることも可能である。かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などの射出成形法を用いて成形品を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。また本発明に用いる樹脂組成物は、押出成形により各種異形押出成形品、シート、およびフィルムなどの形で利用することもできる。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の樹脂組成物を回転成形やブロー成形などにより成形品とすることも可能である。
(VI)ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分からなる成形品
本発明において、成形品は、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分からなる。
本発明の成形品は、表面に凹凸構造を有する領域を備えており、該領域の表面積係数が1.10~3.50であることが必要である。該領域の表面積係数は1.20~3.50であることがより好ましく、1.40~3.50であることがさらに好ましく、1.80~3.50がよりさらに好ましく、2.00~3.50が特に好ましく、2.20~3.20が最も好ましい。上記範囲内であると、充分な水接触角、オレイン酸接触角及び水滑落角を得る事ができ、さらに金型加工を容易に実施することができる。
表面積係数は金型の表面形状によって制御することができる。
なお本発明で定義する表面積係数は次の方法で算出される。成形品の凹凸構造を有する領域をレーザー顕微鏡(キーエンス(株)製、VK-9710)により倍率400倍でランダムに成形品一枚について30個所の凸部を観察し、図1,図2に示すA(上から見た凸部の断面半径1:最も長い径の半径)、B(上から見た凸部の断面半径2:最も短い径の半径)、C(凸部の高さ)、およびD(凸部間距離)を計測し、その平均値を求めた。また、上から見た凸部の面積と、凸部の表面積は、それぞれ下記式(i)と(ii)で算出した。さらに、計測した数値を用いて下記式(iii)で定義する表面積係数を算出した。
なお、図1、図2では凸部を楕円として表しているが、楕円以外のあらゆる形状においても、同様の測定方法によって、表面積係数を算出することができる。
本発明の成形品は、高い撥水性を備えた成形品であり、凹凸構造領域の水との接触角は100°以上が好ましく、110°以上がより好ましく、120°以上がさらに好ましく、130°以上がよりさらに好ましく、140°以上が特に好ましく、150°以上が最も好ましい。また50μLの水滴の滑落角は70°以下が好ましく、60°以下がより好ましく、40°以下がさらに好ましく、30°以下がよりさらに好ましく、20°以下が特に好ましく、10°以下が最も好ましい。滑落角とは液滴を水平な状態から徐々に傾斜させるとき、液滴が滑落し始める時の傾斜角のことであり小さければ小さいほど好ましい。
本発明の成形品は、高い撥油性を備えた成形品であり、凹凸構造領域のオレイン酸との接触角は40°以上が好ましく50°以上が更により好ましく、60°以上が更により好ましい。
本発明の成形品の-30℃におけるノッチ付シャルピー衝撃強度は、20kJ/m以上が好ましく、24kJ/m以上がより好ましく、28kJ/m以上がさらに好ましい。
本発明の成形品に備える凹凸構造領域は、その成形品の目的に応じて範囲を決める事ができるが、少なくとも成形品の一面に凹凸構造領域を設けることができる。該一面に設ける凹凸構造領域はその面全てでも良く一部分であっても良い。また凹凸構造領域を有する面は平面であっても曲面であっても良い。
本発明の成形品は、船舶のマスト上や電柱等、屋外に設置されている通信機器のアンテナカバーとして使用することができる。
以下に本発明を実施例を挙げてさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。特記しない限り、実施例中の部は重量部であり、%は重量%である。なお、評価は下記の方法に従った。
(1)粘度平均分子量(Mv)
次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t-t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mvを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η] c (但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-4 Mv0.83
c=0.7
(2)ポリジオルガノシロキサン成分含有量
日本電子株式会社製 JNM-AL400を用い、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体のH-NMRスペクトルを測定し、二価フェノール(I)由来のピークの積分比とヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)由来のピークの積分比を比較することにより算出した。
(3)表面積係数
片面に幅30mm、長さ70mm、厚み2.0mmの数種類の金型を用い、射出成形機(日本製鋼所(株)製,JSW J-75EIII)を用いて、シリンダー温度300℃、金型温度80℃にて成形した成形品の凹凸構造を有する領域をレーザー顕微鏡(キーエンス(株)製、VK-9710)により倍率400倍でランダムに成形品一枚について30個所の凸部を観察し、図1,図2に示すA(上から見た凸部の断面半径1:最も長い径の半径)、B(上から見た凸部の断面半径2:最も短い径の半径)、C(凸部の高さ)、およびD(凸部間距離)を計測し、その平均値を求めた。また、上から見た凸部の面積と、凸部の表面積は、それぞれ下記式(i)と(ii)で算出した。さらに、計測した数値を用いて下記式(iii)で定義する表面積係数を算出した。
(4)低温衝撃性評価(ノッチ付シャルピー衝撃強度)
得られたペレットを120℃で5時間熱風乾燥した後、射出成形後(日本製鋼所(株)製、 JSW J-75EIII)を用いて、成形温度300℃、金型温度80℃、成形サイクル40秒にて幅10mm、長さ80mm、厚みが4.0mmの成形片を作成した。ISO179に準拠して試験片厚み4mmで-30℃に冷却した試験片のノッチ付シャルピー衝撃強度を測定した。また、かかる試験片をノッチ付けした後、85℃/85%RHに保持した恒温恒湿槽で500時間処理し、取出した試験片を同様に-30℃に冷却したノッチ付シャルピー衝撃強度を測定した。
(5)接触角・滑落角
成形品を協和界面科学製DM-501Hiを用いて測定した。また前記接触角計にて純水の体積を50μlにして、滑落角を測定した。
[ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の合成]
合成例1
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水17890部、25.0%水酸化ナトリウム水溶液7003部を入れ、一般式[1]で表される二価フェノール(I)として2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3786部(16.58モル)、およびハイドロサルファイト7.6部を溶解した後、塩化メチレン14310部(二価フェノール(I)に対して10モル当量)を加え、撹拌下22~30℃でホスゲン1900部を70分要して吹き込んだ。塩化メチレン7150部(二価フェノール(I)に対して5モル当量)を加え25.0%水酸化ナトリウム水溶液1347部、p-tert-ブチルフェノール157部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら一般式[2]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS-2]781部(0.252モル)を塩化メチレン800部に溶解した溶液を二価フェノール(II)が二価フェノール(I)に対して0.0004モル当量/minとなる速度で加えて乳化状態とした後、再度激しく撹拌した。かかる攪拌下、反応液が26℃の状態でトリエチルアミン4.3部を加えて温度26~31℃において1時間撹拌を続けて反応を終了した。反応終了後有機相を分離し、塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発し、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダーを得た。得られたポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は、15500、ポリジオルガノシロキサン成分含有量は、14.5重量%であった。
合成例2
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンを3775部用い、一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS-2]929部を塩化メチレン1600部に溶解した溶液を加え、p-tert-ブチルフェノール108部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加えた以外は、合成例1と同様にした。得られたポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は、20000、ポリジオルガノシロキサン成分含有量は、17.0重量%であった。
合成例3
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンを3761部用い、一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS-2]1106部を塩化メチレン1600部に溶解した溶液を加えた以外は、合成例2と同様にした。得られたポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は、20000、ポリジオルガノシロキサン成分含有量は、20.0重量%であった。
合成例4
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンを3814部用い、一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS-2]396部を塩化メチレン1600部に溶解した溶液を加えた以外は、合成例2と同様にした。得られたポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は、20000、ポリジオルガノシロキサン成分含有量は、8.0重量%であった。
合成例5
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンを3841部用い、一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS-2]41部を塩化メチレン1600部に溶解した溶液を加えた以外は、合成例2と同様にした。得られたポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は、20000、ポリジオルガノシロキサン成分含有量は、2.0重量%であった。
合成例6
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水13698部、25.0%水酸化ナトリウム水溶液5362部を入れ、一般式[1]で表される二価フェノール(I)として1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン771部、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン2243部およびハイドロサルファイト5.48部を溶解した後、塩化メチレン10954部を加え、撹拌下22~30℃でホスゲン1480部を70分要して吹き込んだ。25.0%水酸化ナトリウム水溶液1031部、p-tert-ブチルフェノール43.2部を塩化メチレン5477部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら一般式[2]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS-2]784部を塩化メチレン5514部に溶解した溶液を二価フェノール(II)が二価フェノール(I)に対して0.0004モル当量/minとなる速度で加えて乳化状態とした後、再度激しく撹拌した。かかる攪拌下、反応液が26℃の状態でトリエチルアミン3.3部を加えて温度26~31℃において1時間撹拌を続けて反応を終了した。反応終了後有機相を分離し、塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発し、ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダーを得た。得られたポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は、22900、ポリジオルガノシロキサン成分含有量は、19.7重量%であった。
合成例7
二価フェノール(I)として1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン3456部、p-tert-ブチルフェノール57.5部、(II)として上記[PDMS-2]2558部に変更した以外は、合成例6と同様の方法で製造した。得られた樹脂の粘度平均分子量は20100、ポリジオルガノシロキサン成分含有量はは、40.8重量%であった。
[樹脂成分の製造]
表1に示す成分、含有量に基づき、タンブラーを用いて各種配合成分を混合し二軸押出機((株)日本製鋼所TEX30α-38.5BW-3V)を用いて溶融混練し、各種ペレットを得た。なお、使用した成分は、それぞれ次のとおりである。
(ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体)
PDMS-1:合成例1に記載のポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダー
PDMS-2:合成例2に記載のポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダー
PDMS-3:合成例3に記載のポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダー
PDMS-4:合成例4に記載のポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダー
PDMS-5:合成例5に記載のポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダー
PDMS-6:合成例6に記載のポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダー
PDMS-7:合成例7に記載のポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダー
(ポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体以外のポリカーボネート成分)
PC-1:帝人(株)製パンライトL-1225WX(粘度平均分子量:19,700)
PC-2:帝人(株)製パンライトL-1225WP(粘度平均分子量:22,400)
(その他成分)
FR:パーフルオロブタンスルホン酸カリウム(大日本インキ化学工業(株)製メガファックF-114P)
SL:ステアリン酸トリグリセリド(理研ビタミン(株)製リケマールSL-900)
UV-1:クラリアントジャパン(株)製Hostavin B-CAP
UV-2:ケミプロ化成(株)製ケミソーブ79
安定剤:BASF(株)製イルガノックス1076
実施例1~13、比較例1~5
[成形品の製造]
得られたペレットを120℃で5時間熱風乾燥した後、片面に幅30mm、長さ70mm、厚み4.0mmの種々の表面形状を有する金型を用い、射出成形機(日本製鋼所(株)製,JSW J-75EIII)にて、シリンダー温度300℃、金型温度80℃にて成形することで、各種評価用成形品を得た。該成形品の粘度平均分子量、ポリジオルガノシロキサンブロックの含有量、表面積係数、シャルピー衝撃強度、水接触角、水滑落角、オレイン酸接触角を評価した。評価結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例と比較して、比較例1は表面積係数が小さく、比較例2はポリジオルガノシロキサンブロックの含有量が多く、比較例3,4はポリジオルガノシロキサンブロックの含有量が少なく、比較例5は表面積係数が大きいため、実施例より撥水性、撥油性が劣る。
本発明の樹脂成分を用いた成形品は、優れた撥水性、撥油性を示していることが認められる。
本発明の成形品は、船舶のマスト上や電柱等、屋外に設置されている通信機器のアンテナカバーとしての実用性が高い。
A 成形品を上から見た凸部の断面半径1(最も長い径の半径)、B 成形品を上から見た凸部の断面半径2(最も短い径の半径)、C 凸部の高さ、D 凸部間距離

Claims (8)

  1. 一般式[1]で表わされるポリカーボネートブロックと、一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックを含むポリカーボネート-ポリジオルガノシロキサン共重合体を含有する樹脂成分からなる成形品であって、前記樹脂成分中のポリジオルガノシロキサンブロックの含有量が3.0~19.0重量%であり、成形品の表面に凹凸構造を有する領域を備え、該領域の表面積係数が1.10~3.50であることを特徴とする成形品。
    [(上記一般式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数1~18のアルコキシ基、炭素原子数6~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2~10のアルケニル基、炭素原子数3~14のアリール基、炭素原子数3~14のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアラルキル基、炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、a及びbは夫々1~4の整数であり、Wは単結合もしくは下記一般式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。)
    (上記一般式[2]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数3~14のアリール基及び炭素原子数7~20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2~10のアルケニル基、炭素原子数3~14のアリール基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアラルキル基、炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、cは1~10の整数、dは4~7の整数である。)]
    (上記一般式[3]において、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数6~12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基であり、e及びfは夫々1~4の整数であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、p+qは10~300の自然数であり、Xは炭素原子数2~8の二価脂肪族基である。)
  2. 一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックが(2-アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサン、もしくは(2-メトキシ-4-アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサンより誘導された、請求項1に記載の成形品。
  3. 一般式[3]において、R、R、R、R、R及びRがメチル基である、請求項1または2に記載の成形品。
  4. 一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックが2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導された、請求項1または2に記載の成形品。
  5. 前記樹脂成分中のポリジオルガノシロキサンブロックの含有量が10.0~16.0重量%である、請求項1または2に記載の成形品。
  6. 前記成形品における凹凸構造を有する領域の表面積係数が1.20~3.50である、請求項1または2に記載の成形品。
  7. 前記成形品表面のオレイン酸接触角が40°~80°である、請求項1または2に記載の成形品。
  8. 前記成形品が、アンテナカバー用である、請求項1または2に記載の成形品。
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