JP2024089966A - 睫毛用油性化粧料 - Google Patents

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翼 永井
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Abstract

【課題】耐水性および耐油性といった化粧もち効果に優れ、睫毛をボリュームアップさせる効果を有する睫毛用油性化粧料を提供する。
【解決手段】本発明の睫毛用油性化粧料は、(A)固形脂肪酸、(B)液状極性油および(C)被膜形成剤を含むことを特徴とする。本発明によれば、水や汗等の水分との接触により化粧もち効果が強化される睫毛用化粧料を得ることができる。また、塗布膜厚が増大するので、睫毛にボリューム感を付与することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、化粧もち効果に優れ、睫毛をボリュームアップさせる効果を有する睫毛用油性化粧料に関する。
マスカラ等の睫毛用化粧料は、汗や皮脂等との接触や湿度や雨等の外部環境水による塗布膜の流れ落ち抑制、塗布後ににじまない等の耐水性・耐油性といった化粧もち効果、睫毛を太く長くしたりするボリューム感の付与等、様々な機能が求められる。
従来、睫毛用化粧料は、ワックス等の固形油、樹脂や合成高分子等の被膜形成剤、色材等の粉体を中心として構成されており、使用者の要求に合わせた機能を持たせるために、種々検討が行われてきた。
例えば、特許文献1では、油ゲル化剤であるデキストリン脂肪酸エステルとシリコーン化多糖化合物と、多めの水を配合して粘度と硬度のバランスをとることによって塗布部への密着性を向上し、タルクおよびカオリンから選択される粉末を配合することによりボリューム感を付与することができる睫毛用化粧料が提案されている。
しかし、耐水性および耐油性といった化粧もちにおいてさらなる向上が求められていた。
特開2013-079211号公報
本発明は、化粧もち効果に優れ、睫毛をボリュームアップさせる効果を有する睫毛用油性化粧料を提供することを目的とする。
発明者等は、前記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、被膜形成剤を含む睫毛用油性化粧料に固形脂肪酸と液状極性油を配合することによって、水や汗等の水分と接触した後に塗布膜厚が増大することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(A)固形脂肪酸、
(B)液状極性油、および
(C)被膜形成剤
を含むことを特徴とする、睫毛用油性化粧料を提供する。
本発明は、上記構成とすることにより、化粧料を睫毛に塗布した直後よりも、水や汗等の水分と接触した後に塗布膜の膜厚が顕著に増大する。本発明によれば、水や汗等の水分との接触により化粧もち効果が強化される睫毛用化粧料を得ることができる。また、塗布膜厚が増大するので、睫毛にボリューム感を付与することができる。さらに驚くべきことには、本発明においては、化粧塗布膜が水分との接触のみならず、一定の湿度条件下に晒されることによっても、膜厚を増大させる効果が発揮される。
走査型白色干渉顕微鏡による塗布膜の解析画像を示す。水浴前(左図)の塗布膜と比較して、水浴後(右図)の塗布膜では白色部分の割合が多くなっており、水浴後に膜厚が増大したことが示されている。
本発明に係る睫毛用油性化粧料は、(A)固形脂肪酸、(B)液状極性油、および(C)被膜形成剤を含むことを特徴とする。以下、本発明の睫毛用油性化粧料を構成する各成分について詳述する。
<(A)固形脂肪酸>
本発明の(A)固形脂肪酸(以下、単に「(A)成分」と称する場合がある)とは、常温(25℃)で固形の脂肪酸をいい、化粧料に一般的に配合可能なものであれば特に限定されない。
固形脂肪酸の例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸等を挙げることができる。なかでも、パルミチン酸、ステアリン酸およびミリスチン酸から選択される一種以上であることが好ましい。
本発明の(A)成分として前記脂肪酸の一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分の配合量の下限値は、化粧料全量に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。上限値は、化粧料全量に対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。よって、配合量範囲は、例えば0.01~10質量%、0.05~8質量%、0.1~5質量%等が挙げられる。(A)成分の配合量が0.01質量%未満の場合には塗布膜厚増大の効果が十分得られない場合があり、10質量%を超えると基剤の硬度上昇により使用性が悪くなる傾向がある。
<(B)液状極性油>
ウォータープルーフマスカラのような耐水性を高めた睫毛用化粧料では、塗布膜中に不揮発性油分が残存すると、塗膜が脆くなり、にじみが生じ、化粧もちが悪くなる。よって、化粧もち効果を求める睫毛用化粧料には不揮発性油分は配合されないのが一般的である。しかしながら、本発明においては、(A)固形脂肪酸と(B)液状極性油と(C)被膜形成剤とを配合することにより、水分との接触や外部環境水によって塗布膜厚が増大し、耐水性および耐油性が強化され、化粧もち効果が向上する。
本発明の(B)液状極性油(以下、単に「(B)成分」と称する場合がある)とは、常温(25℃)・常圧(1気圧(9.8×104Pa))で揮発性を示さず(例えば、常圧での沸点が約200℃以上の油分が含まれる)、常温・常圧で流動性を有する油分をいう。本発明の(B)成分としては、IOB値が0.05~0.80であるエステル油が好ましい。
ここでIOBとは、Inorganic/Organic Balance(無機性/有機性比)の略であって、無機性値の有機性値に対する比率を表す値であり、有機化合物の極性の度合いを示す指標となるものである。IOB値は、具体的には、IOB値=無機性値/有機性値として表される。「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子または官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中のすべての原子および官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値を算出することができる(例えば、甲田善生著、「有機概念図-基礎と応用-」p11~17、三共出版、1984年発行参照)。
(B)成分の例としては、ホホバ種子油(IOB=0.068)、マカデミア種子油(IOB=0.17)、ミリスチン酸ミリスチル(IOB=0.11)、オレイン酸デシル(IOB=0.11)、エチルヘキサン酸セチル(IOB=0.13)、ステアリン酸ブチル(IOB=0.14)、パルミチン酸イソプロピル(IOB=0.16)、オリーブ油(IOB=0.16)、ラウリン酸ヘキシル(IOB=0.17)、ミリスチン酸イソプロピル(IOB=0.18)、イソノナン酸イソノニル(IOB=0.20)、ジカプリル酸プロピレングリコール(IOB=0.32)、コハク酸ジエチルヘキシル(IOB=0.2)、リンゴ酸ジイソステアリル(IOB=0.28)、トリエチルヘキサノイン(IOB=0.35)、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(IOB=0.35)、セバシン酸ジイソプロピル(IOB=0.40)、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール(IOB=0.52)、ジピバリン酸PPG-3(IOB=0.52)等が挙げられる。なかでも、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチルおよびエチルヘキサン酸セチルから選択される一種以上が好ましい。
本発明の(B)成分としては、前記極性油の一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の配合量の下限は、化粧料全量に対して、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、上限は、化粧料全量に対して、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.8質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1.2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。よって、配合量範囲は、例えば0.05~2質量%、0.08~1.8質量%等が挙げられる。配合量が0.05%質量未満であると、塗布膜厚増大の効果が十分得られない場合があり、2質量%を超えると、にじみが生じ、化粧もちが悪くなる傾向がある。
本発明の(C)被膜形成剤(以下、単に「(C)成分」と称する場合がある)は、通常睫毛用化粧料に被膜形成剤として用いられるものであれば特に限定されない。
本発明の(C)被膜形成剤としては、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーン化プルランおよびシリコーンレジンガム等のシリコーン系被膜形成剤等が挙げられる。
本発明に係る化粧料に配合されうるトリメチルシロキシケイ酸としては、重量平均分子量が10,000以上のものが挙げられる。なお、重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値である。
シリコーン化プルランはプルランの反応性官能基に対するシリコーン化合物の結合割合がその種類によって異なるが、本発明に係る化粧料に配合されるシリコーン化プルランとしては、多糖化合物の構成糖1単位当たりのシリコーン化合物の平均結合数(置換度)が0.5~3.0であるものが挙げられる。なお、本発明において置換度は化合物中のSi含有量(質量%)から換算したものである。
本発明に係る化粧料に配合されうるシリコーン化プルランの具体例として、トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルランが挙げられる。
被膜形成剤として用いられるシリコーンレジンガムは、SiO4/2で表される単位またはRSiO3/2(RはC1-6アルキル基またはC1-6アルコキシ基である)で表される単位を含むレジン構造と、RSiO2/2(RはC1-6アルキル基またはC1-6アルコキシ基である)で表される単位を含むリニア構造とがSi-O-Si結合によって連結されているポリマーであって、質量平均分子量が5,000~100,000であり、好ましくは10,000~50,000のものをいう。ここで、質量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算の値である。
本発明に係る化粧料に配合されうるシリコーンレジンガムとしては、(トリメチルシロキシケイ酸/ジメチコノール)クロスポリマーが挙げられる。
本発明の(C)被膜形成剤として、前記化合物の一種または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分の配合量は、通常睫毛用化粧料に配合される量であれば特に限定されない。化粧料全量に対する配合量の下限値の例としては、好ましくは1質量%、より好ましくは1.5質量%が挙げられ、上限値の例としては、好ましくは20質量%であり、より好ましくは15質量%である。よって、配合量範囲としては、1~20質量%、1.5~15質量%等が挙げられる。配合量が1質量%未満であると化粧もち効果が十分得られない場合があったり、カール力やロング感といった睫毛用化粧料としての機能を損なう場合があり、20質量%を超えると塗布中に引っ掛かりを感じる場合があったり、仕上がりにダマ(化粧塗膜が荒く、凹凸が見える状態)が生じる場合がある。
本発明の化粧料においては、化粧料に通常用いられる各種成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合してもよい。例えば、前記(B)成分以外の油分、粉末成分(色材含む)、油相増粘剤、界面活性剤、保湿剤、その他の樹脂、繊維、粉体の疎水化表面処理剤、水溶性高分子、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、高級アルコール、多価アルコール、分散剤、薬剤、消泡剤、pH調製剤、防腐剤、水等が挙げられる。
前記(B)成分以外の油分としては、通常睫毛用化粧料において用いられる油分でよく、特に限定されるものではない。具体例として、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固体油脂;パラフィン、セレシン、ワセリン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリラロウ、カルナウバロウ等の半固形油分および固形油分;水添ポリイソブテン、イソデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン、水添ポリデセン等の揮発性炭化水素油;デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン等の環状シリコーン油、低分子量直鎖ジメチコン(0.65cs、1cs、1.5cs、2cs)、メチルトリメチコン、低分子量アルキル変性シリコーン(メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等)等の揮発性シリコーン油が挙げられ、これらから選択される一種または二種以上を用いることができる。
本発明の油性化粧料は、無水の油性化粧料として調製されてもよいし、水を少量含む油性化粧料として調製されてもよい。
本発明の化粧料に配合されうる水は、イオン交換水、精製水、水道水、天然水等、必要に応じて選択される。本発明における水の配合量は、増粘剤等の他の配合成分を溶解するために必要とされる量であれば特に限定されないが、化粧料全量に対して1.5質量%以下であることが好適である。
配合可能な粉末成分は、化粧料等に汎用されている粉末成分である。具体例には、タルク、カオリン、セリサイト、合成金雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪藻土、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、硫酸バリウム、シリカ、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、窒化ホウ素等の無機粉末;二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料;酸化鉄(ベンガラ)等の無機赤色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック等の黒色系顔料;酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料;群青、紺青等の無機青色系顔料;酸化チタンコーテッドマイカ、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料;赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、青色404号等の有機顔料;ジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキ等のレーキ顔料;ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリウレタン粉末、ポリスチレン粉末、ポリアクリル酸アルキル粉末、セルロース粉末、シリコーン粉末等の有機粉末;スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、架橋型シリコーン粉末等の樹脂粉末等が含まれる。
配合可能な油相増粘剤としては、アルキル(C30-C45)メチコン等のシリコーンワックス;ジステアルジモニウムヘクトライト等の有機変性粘土鉱物;パルミチン酸デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステル;(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル等のグリセリル脂肪酸エステル;N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド(ジブチルラウロイルグルタミド)およびポリアミド-8等のアミノ酸ゲル化剤;トリ酢酸テトラステアリン酸スクロースおよびテトライソステアリン酸スクロース等のショ糖脂肪酸エステル;12-ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸もしくはその塩等が挙げられ、これらから選択される一種または二種以上を用いることができる。
配合可能な界面活性剤としては、HLB8以下の、ポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらから選択される一種または二種以上を用いることができる。
本発明の化粧料は、通常油性化粧料を製造するための常法により製造することができる。本発明の化粧料は、マスカラ等の睫毛用の油性化粧料として適する。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。各実施例について具体的に説明する前に、採用した評価方法について説明する。
1.走査型白色干渉顕微鏡による膜厚変化率の測定
調製した化粧料を試料として、2mg/cmの量をSプレート(5×5cmのV溝PMMA板、SPFMASTER-PA01)に60秒間指で塗布し、15分間乾燥した後、走査型白色干渉法を用いた三次元表面構造解析顕微鏡(走査型白色干渉顕微鏡、zygo社製)にて、得られた全体像の垂直方向の測定値から平均値を求め、この平均値を「水浴前の膜厚測定値」とした。
また、上記プレートを硬度50~500の水に浸し、15分間そのまま水中に静置した(水浴)。その後、表面の水滴がなくなるまで30分程度乾燥させ、再び前記と同様に平均値を求め、この平均値を「水浴後の膜厚測定値」とした。
上記の手順により測定した水浴前後の膜厚測定値を用いて、以下の式に従って膜厚変化率を算出した。
膜厚変化率(%)=(水浴後の膜厚測定値)/(水浴前の膜厚測定値)×100
算出した結果は表中に示す。膜厚変化率が100(%)を超える試料は、水との接触により塗布膜厚が増大したことが示される。
2.走査型白色干渉顕微鏡による膜厚観察
表1に掲げる組成を有する実施例1のマスカラを試料として、2mg/cmの量をSプレート(5×5cmのV溝PMMA板、SPFMASTER-PA01)に60秒間指で塗布し、15分間乾燥した後、前記三次元表面構造解析顕微鏡にて、塗布膜の解析画像を得た。
また、上記プレートを水浴させた後、再び前記三次元表面構造解析顕微鏡にて塗布膜の解析画像を得た。解析画像を図1に示す。
図1では、水浴前(左図)の塗布膜と比較して、水浴後(右図)の塗布膜では白色部分の割合が多くなっており、水浴後に膜厚が増大したことが示されている。
3.タッピング試験(にじみ確認試験)
調製した各試料をタッピング試験機の塗布面に均一に塗布し、乾燥させて被膜を形成させた。ろ紙(10cm)に水または人工皮脂を滴下し、タッピング試験機により塗布領域を前記ろ紙に30回のタッピングを行った(N=3)。タッピング後のろ紙への転写度合から、以下の基準に従ってにじみの有無を評価した。評価結果は表中に示す。
<評価基準>
A:ろ紙への転写がわずかであり、にじみは認められない。
B:ろ紙への転写があり、わずかににじみが認められる。
C:ろ紙への転写が多く、にじみが認められる。
(実施例1~8および比較例1~5)
下記の表1に掲げた組成を有するマスカラ(以下、化粧料ともいう)を、各例の組成に含まれる油性成分を加熱しながら混合し、均一に分散することによって調製した。調製した化粧料について前述した方法に従って膜厚変化率とにじみの有無を評価した。
表1に示されるように、本発明の(A)固形脂肪酸および(B)液状極性油をいずれも配合していない比較例1、(B)液状極性油を配合していない比較例2、(A)固形脂肪酸を配合していない比較例3の化粧料はいずれも、水浴後の膜厚増大が確認できなかった。また、本発明の(B)液状極性油を液状の非極性油(水添ポリデセン)に置き換えた比較例4の化粧料においても水浴後の膜厚増大は確認できなかった。さらに、本発明の(B)液状極性油と(C)被膜形成剤のいずれも配合していない比較例5の化粧料は、水浴後の膜厚増大が確認できないことに加え、にじみも生じ、化粧もち効果が劣っていることが示された。
一方、本発明の(A)固形脂肪酸、(B)液状極性油および(C)被膜形成剤を含む実施例1~8の化粧料では、水浴後の膜厚増大が確認できた。また、にじみ評価の結果からわかるように、十分な化粧もち効果があることが示された。
(実施例9および比較例6)
下記の表2に掲げた組成を有するマスカラ(以下、化粧料ともいう)を、各例の組成に含まれる油性成分を加熱しながら混合し、均一に分散することによって調製した。調製した化粧料について前述した方法に従って膜厚変化率とにじみの有無を評価した。
表2に示されるように、本発明の(A)固形脂肪酸を液状脂肪酸に置き換えた比較例6の化粧料では、水浴後の膜厚増大は確認できず、にじみも生じた。この比較例6の化粧料では、塗布膜中に残存する液状脂肪酸の影響により、塗膜が脆くなり、にじみが生じたものと考えられる。
一方、本発明の(A)~(C)成分を含む実施例9の化粧料では、水浴後の膜厚増大が確認でき、にじみ評価においても十分な化粧もち効果があることが示された。

Claims (5)

  1. (A)固形脂肪酸、
    (B)液状極性油、および
    (C)被膜形成剤
    を含む、睫毛用油性化粧料。
  2. 前記(A)成分が、パルミチン酸、ステアリン酸およびミリスチン酸から選択される一種以上である、請求項1に記載の睫毛用油性化粧料。
  3. 前記(B)成分が、IOB値が0.05~0.80のエステル油である、請求項1に記載の睫毛用油性化粧料。
  4. 前記(B)成分の配合量が、化粧料全量に対して0.05~2質量%である、請求項1に記載の睫毛用油性化粧料。
  5. 前記睫毛用油性化粧料がマスカラである、請求項1に記載の睫毛用油性化粧料。
JP2022205546A 2022-12-22 睫毛用油性化粧料 Pending JP2024089966A (ja)

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