JP2024088579A - 光電変換素子及びガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体基板の変形による特性変動を抑制可能な光電変換素子及びガスセンサが提供される。【解決手段】光電変換素子は、光を出射又は入射する光出入射面(10a)、半導体基板(111)、半導体層(112)及び電極(113)を有する半導体素子部(10)と、半導体素子部の側面を覆う封止部(20)と、を備える半導体モジュール(21)と、半導体モジュールの一方の面に設けられ、電極と外部接続端子との再配線を覆う絶縁層(31)と、を備え、絶縁層は、再配線が間に設けられるように第1絶縁層(311)と第2絶縁層(312)とを含んで構成され、半導体層の少なくとも一部を覆わないように、又は、再配線を覆う絶縁層の厚さに比べて薄く覆うように形成されている。【選択図】図5

Description

本開示は光電変換素子及びガスセンサに関する。
半導体素子として、受光した赤外線に応じた信号を出力する赤外線受光素子(赤外線センサ)及び入力した電力に応じて赤外線を発光する赤外線発光素子(赤外線LED:light emitting diode)が知られている。量子型の赤外線受光素子は、pn接合又はpin接合を有する半導体が赤外線を吸収することで発生した光電流により赤外線を検知する。赤外線発光素子は順方向に印加した電圧により赤外線を発光する。赤外線受光素子及び赤外線発光素子は、例えばNDIR(non dispersive infrared)方式ガスセンサに利用されることがある。NDIR方式ガスセンサは、検出対象ガスに応じた吸収波長帯の赤外線を受光する赤外線受光素子及びその吸収波長帯の赤外線を発光する赤外線発光素子を用いて、ガス濃度を計測することができる。例えば特許文献1は、赤外線を放射する光源と、特定波長の赤外線を検出する検出器とを楕円体の内面(楕円体ミラー)を有するケース内に備え、当該ケース内に被検出ガスが導入されるように構成された装置を開示する。
米国特許出願公開第2018/0348121号明細書
ここで、半導体素子を基板上に配置して構成されるデバイスでは、半導体基板に対しても応力がかかる場合がある。例えば、デバイスの実装時の熱膨張などの影響によって半導体基板が反ることがあり得る。デバイスがガスセンサである場合に、反りによってガスセンサの特性変動が生じることがある。特に小型のガスセンサにおいて、半導体基板の変形は特性に大きく影響するため、半導体素子への影響を抑制可能な技術が求められていた。
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、半導体基板の変形による特性変動を抑制可能な光電変換素子及びガスセンサを提供することにある。
(1)本開示の一実施形態に係る光電変換素子は、
光を出射又は入射する光出入射面、半導体基板、半導体層及び電極を有する半導体素子部と、前記半導体素子部の側面を覆う封止部と、を備える半導体モジュールと、
前記半導体モジュールの一方の面に設けられ、前記電極と外部接続端子との再配線を覆う絶縁層と、を備え、
前記絶縁層は、前記再配線が間に設けられるように第1絶縁層と第2絶縁層とを含んで構成され、前記半導体層の少なくとも一部を覆わないように、又は、前記再配線を覆う前記絶縁層の厚さに比べて薄く覆うように形成されている。
(2)本開示の一実施形態として、(1)において、
前記半導体層の少なくとも一部を前記絶縁層が薄く覆うように形成される場合に、前記絶縁層の薄く覆う部分では、前記第2絶縁層が設けられていない。
(3)本開示の一実施形態として、(1)又は(2)において、
前記光電変換素子はFOWLPのパッケージ構造を有する。
(4)本開示の一実施形態として、(1)から(3)のいずれかにおいて、
前記半導体層を、前記電極が配置され得る接続領域と、前記接続領域を除く中央領域とに区分した場合に、前記絶縁層が前記接続領域の一部を覆わないように、又は、前記再配線を覆う前記絶縁層の厚さに比べて薄く覆うように形成されている。
(5)本開示の一実施形態として、(1)から(3)のいずれかにおいて、
前記半導体層を、前記電極が配置され得る接続領域と、前記接続領域を除く中央領域とに区分した場合に、前記絶縁層が前記中央領域を覆わないように、又は、前記再配線を覆う前記絶縁層の厚さに比べて薄く覆うように形成されている。
(6)本開示の一実施形態として、(1)から(3)のいずれかにおいて、
前記半導体層を、前記電極が配置され得る接続領域と、前記接続領域を除く中央領域とに区分した場合に、前記絶縁層が前記接続領域の一部及び前記中央領域を覆わないように、又は、前記再配線を覆う前記絶縁層の厚さに比べて薄く覆うように形成されている。
(7)本開示の一実施形態として、(1)から(6)のいずれかにおいて、
前記外部接続端子は複数であって、LGA又はBGAを構成する。
(8)本開示の一実施形態に係るガスセンサは、
(1)から(7)のいずれかの光電変換素子であって、前記光出入射面が光を出射する発光素子と、
(1)から(7)のいずれかの光電変換素子であって、前記光出入射面が光を入射する受光素子と、を備え、
前記発光素子から出射されて気体を通って前記受光素子で検出された前記光の受光量に基づいて、前記気体に含まれる被検出ガスを検出する。
(9)本開示の一実施形態として、(1)から(7)のいずれかにおいて、
前記半導体層の少なくとも一部を前記絶縁層が薄く覆うように形成される場合に、前記絶縁層の薄く覆う部分の厚さは、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層とを合わせた厚さの1/2以下である。
本開示によれば、半導体基板の変形による特性変動を抑制可能な光電変換素子及びガスセンサを提供することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係るガスセンサの構成例を示す概略図である。 図2は、図1のガスセンサの断面を示す断面図である。 図3は、図1のガスセンサの導光部材を除いた上面を示す平面図である。 図4は、図1のガスセンサの上面を示す平面図である。 図5は、図1のガスセンサの光電変換素子を含む一部の拡大断面を示す断面図である。 図6は、光電変換素子にかかる応力を説明する図である。 図7は、光電変換素子が発光素子である場合の平面図である。 図8は、光電変換素子が受光素子である場合の平面図である。 図9Aは、光電変換素子の絶縁層の構成の一例を示す断面図である。 図9Bは、光電変換素子の絶縁層の構成の一例を示す断面図である。 図9Cは、光電変換素子の絶縁層の構成の一例を示す断面図である。 図9Dは、光電変換素子の絶縁層の構成の一例を示す断面図である。 図9Eは、光電変換素子の絶縁層の構成の一例を示す断面図である。 図9Fは、光電変換素子の絶縁層の構成の一例を示す断面図である。
以下、図面を参照して本開示の一実施形態に係る光電変換素子及びガスセンサが説明される。各図中、同一又は相当する部分には、同一符号が付されている。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
図1は、本実施形態に係るガスセンサ1の構成例を示す概略図である。図1では、発光素子11及び受光素子12などの位置を示すために、基板を透過させて示している。図2は、図1の中央の仮想線bにおけるガスセンサ1の断面を示す断面図である。図3及び図4は、ガスセンサ1の上面を示す平面図である。図3では、ガスセンサ1の導光部材15を除いて(透過させて)示している。
図1~図4において、ガスセンサ1の向きに対応する直交座標が設定される。この直交座標は、後に参照する図5、図7~図9Fでも用いられる。z軸方向は、ガスセンサ1の高さ方向である。y軸方向は、ガスセンサ1の縦方向に対応し、本実施形態において長方形状の基板の長手方向に対応する。また、x軸方向は、ガスセンサ1の横方向(幅方向)に対応し、本実施形態において長方形状の基板の短手方向に対応する。ここで、基板は正方形状であってよく、このときx軸方向及びy軸方向が1つの辺の方向及びそれに直交する方向に対応してよい。以下において、この直交座標の軸を用いて、位置関係を説明することがある。
図1~図4に示すように、ガスセンサ1は、基板と、発光素子11と、受光素子12と、複数の外部接続端子40と、を備える。本実施形態において、ガスセンサ1は、発光素子11から出射された光を受光素子12に導く導光部材15と、発光素子11の出射面に設けられた光学フィルタ16が樹脂成形されたフィルタブロック16aと、をさらに備える。また、本実施形態において、ガスセンサ1は、発光素子11及び受光素子12の動作を制御し、被検出ガスの濃度を演算するIC13(Integrated Circuit)と、IC13で使用されるデータ及びプログラムなどを記憶するメモリ14と、をさらに備える。複数の外部接続端子40は、少なくとも一部が発光素子11及び受光素子12と電気的に接続される。また、複数の外部接続端子40の一部は、IC13又はメモリ14と電気的に接続されてよい。また、発光素子11及び受光素子12の一方又は両方は、直接にIC13と電気的に接続されてよい。また、メモリ14は、ICに設けることが可能なら備えなくてよい。IC13を外部に設ける場合に、ガスセンサ1は、IC13を備えていなくてよい。また、メモリ14を外部に設ける場合に、ガスセンサ1は、メモリ14を備えていなくてよい。
ここで、半導体素子が樹脂により封止されたデバイスにおいて、デバイスの小型化のために、FOWLP(Fan Out Wafer Level Package)又はWLCSP(Wafer level Chip Size Package)のようなパッケージ構造が用いられることがある。本実施形態において、発光素子11、受光素子12、IC13及びメモリ14が半導体素子であって、ガスセンサ1はFOWLPのパッケージ構造を有する小型の検出装置を実現する。例えば発光素子11及び受光素子12はそれぞれFOWLPのパッケージ構造を有してよい。再構成基板は、これらの半導体素子を実装して電気的な接続を行うが、本実施形態において発光素子11及び受光素子12の電極形成面側に形成される再配線層30を含む。再配線層30の詳細については後述する。また、以下の説明において、基板の一方の面であって、半導体素子が設けられ光を出射又は入射する光出入射する方の面が表面30aと称される。基板の表面30aと反対の面であって、複数の外部接続端子40がある方の面が裏面30bと称される。また、発光素子11及び受光素子12なども単体で素子を構成する基板を有するが、素子の基板は半導体基板111(図5参照)と称される。また、ガスセンサ1を部品として用いる製品も基板を有するが、製品の基板は製品基板と称される。ここで、「裏面30bにある」とは、直接に裏面30bに設けられて存在している状態だけでなく、間接的に設けられて存在している状態を含む。例えば複数の外部接続端子40は別の層などを介して裏面30bに設けられてよいが、このような間接的な設置による場合も「裏面30bにある」と記載される。
発光素子11の光出入射面10a(すなわち光出射面)は、基板の表面30aに設けられ、被検出ガスの検出に用いられる光を出射する。発光素子11は、被検出ガスによって吸収される波長を含む光を出力するものであれば特に制限されない。本実施形態において、発光素子11が発する光は赤外線であるが、これに限定されない。本実施形態において、発光素子11はLEDであるが、別の例として半導体レーザ又はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ヒータ等であり得る。ここで、「表面30aに設けられる」とは、直接に表面30aに設けられることだけでなく、間接的に設けられることを含む。例えばフィルタブロック16aは、基板の表面30aに接着材などを介して設けられてよいが、このような間接的な設置も「表面30aに設けられる」と記載される。
ここで、赤外線の波長は2μm~12μmであってよい。2μm~12μmの領域は、各種ガスに固有の吸収帯が数多く存在し、ガスセンサ1で用いるのに特に適した波長帯である。例えば3.3μmの波長にメタン、4.3μmの波長に二酸化炭素、9.5μmの波長にアルコール(エタノール)の吸収帯が存在する。
受光素子12の光出入射面10a(すなわち光入射面)は、基板の表面30aに設けられ、発光素子11から出射された光を受光する。受光素子12は、被検出ガスによって吸収される波長を含む光の帯域に感度を有するものであれば特に制限されない。本実施形態において、受光素子12が受け取る光は赤外線であるが、これに限定されない。受光素子12は、受け取った光を電気信号に変換して、変換した電気信号を出力する。電気信号は、例えばIC13に出力される。電気信号を受け取ったIC13は、光の透過率等に基づいて被検出ガスの濃度を演算する。
導光部材15は、発光素子11の光出射面から出射された光を、光入射面を有する受光素子12に導く部材である。導光部材15は、ガスセンサ1の光学系である。導光部材15は光学部材を備え、発光素子11から受光素子12への光路を構成する。ここで、光学部材は例えばミラー、レンズ等である。本実施形態において、導光部材15は、基板の表面30aの接着面17で基板に接着され、内部に気体が導入される空間を形成する。発光素子11から出射された光は、導光部材15によって空間内の気体を通って受光素子12で受光される。空間内の気体に被検出ガスが含まれれば、特定の波長の光が濃度に応じて吸収されるため、吸収量を検出することにより被検出ガスの濃度を測定することができる。
光学フィルタ16は、波長選択機能を有する部材である。光学フィルタ16は、被検出ガスの吸収波長帯の光を透過させるバンドパスフィルタであってよい。本実施形態において、光学フィルタ16は発光素子11の出射面に設けられているが、これに限定されない。光学フィルタ16は、例えば受光素子12の受光面(入射面)に設けられてよい。
図5は、図1のガスセンサ1の光電変換素子を含む一部の拡大断面を示す断面図である。光電変換素子は、発光素子11又は受光素子12である。発光素子11及び受光素子12に共通の構造を説明する場合に、光電変換素子の言葉で説明することがある。図5における拡大した断面は、図7又は図8に示すように、発光素子11又は受光素子12における外部接続端子40を横切る仮想線での断面である。
図5に示すように、光電変換素子が備える半導体素子部10の光出入射面10aと反対側の面には、電極113が設けられている。半導体素子部10の電極113が形成された面である電極形成面10bは、再配線層30と接している。半導体素子部10は、電極113を介して再配線層30と電気的に接続される。
半導体基板111は、PN接合又はPIN接合のフォトダイオード構造の半導体層112を成膜することが可能な素子の基板である。半導体基板111は、赤外線等の光透過性を有するものであれば特に制限されない。半導体基板111は、半導体を含む材料を含んでよいし、絶縁性であってよい。半導体基板111は、一例として、シリコン(Si)、ガリウムヒ素(GaAs)、サファイヤ、リン化インジウム(InP)等で形成される。半導体層112がIn、Sb、As、Al等を含むナローギャップ半導体材料(例えばInSb)を含む材料で形成される場合、格子欠陥の少ない半導体層112を形成する観点から、半導体基板111としてGaAs基板を用いることが好ましい。この場合、半導体基板111は光に対して高い透過率を有し、半導体基板111上に高品質の結晶性成長が可能となる。さらに、半導体基板111の光出入射面10a側の面は、凹凸を形成したり、Ti0等の反射防止膜を形成したりしてよい。光取り出しを向上することが可能となる。
半導体層112は、例えば第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層で構成されたPIN接合のフォトダイオード構造を有している。半導体層112としては、PIN接合又はPN接合のフォトダイオード構造又はLED構造を有するものであれば、特定の構造に限定されない。半導体層112は、赤外線等の特定波長の光に対して感度を有する公知の物質を適用することが可能であり、例えばInSbを適用することができる。半導体層112上に電極113が形成される。
封止部20は、樹脂材料で構成されており、半導体素子部10の光出入射面10aを露出させるように、半導体素子部10の側面を覆う。また、半導体素子部10の電極形成面10bが再配線層30に対して露出する。すなわち、本実施形態に係るガスセンサ1において、半導体素子部10の光出入射面10a及び電極形成面10b以外が封止部20によって封止されている。ここで、半導体素子部10と封止部20を含む部分を半導体モジュール21と称することがある。また、封止部20は、半導体基板111を介して半導体層112に赤外線等の光が出入射できるように形成されていればよく、覆う面について特に限定されない。例えば、封止部20は、半導体素子部10の電極形成面10bの一部を覆っていてよいし、半導体素子部10の側面の一部を覆っていなくてよい。封止部20のうち半導体素子部10の側面を覆う部分の上面は光出入射面10aより薄くてよいし、光出入射面10aと面一になっていてよい。
封止部20としては、量産性、機械強度及び半導体素子部10への応力の観点から、再配線層30と近い線膨張係数を有する樹脂材料を用いることが好ましい。封止部20は、例えばエポキシ樹脂等の樹脂材料で形成されてよい。
また、封止部20を構成する材料は、エポキシ樹脂等の樹脂材料の他にフィラー、不可避的に混在する不純物などを含んでいてよい。フィラーとしては、例えばシリカ、アルミナ等が好適に用いられる。
再配線層30は、半導体素子部10及び封止部20の電極形成面10b側に形成される。再配線層30は、再配線32が間に設けられるように第1絶縁層311と第2絶縁層312とを含んで構成される絶縁層31と、半導体素子部10の電極113と電気的に接続される再配線32と、外部接続端子40を接続するためのパッド33と、を備えている。本実施形態において、電極113に対して再配線32が接続されて、再配線32は外部接続端子40に接続されている。絶縁層31は、半導体モジュール21の一方の面に設けられ、少なくとも電極113と外部接続端子40との再配線32を覆っている。
第1絶縁層311は、半導体素子部10及び封止部20の電極形成面10b側に形成されている。第1絶縁層311は、反りが小さく、再配線32との接合性に優れ、耐熱性の高い材料により形成され、具体的にはポリイミド等の樹脂材料により形成される。第1絶縁層311は、半導体素子部10の電極113の位置に第1絶縁層311を貫通する開口を有している。開口を介して、再配線32が電極113と電気的に接続可能となる。
再配線32は、第1絶縁層311と第2絶縁層312との間に設けられている。再配線32は、第1絶縁層311の開口から露出する電極113の表面を覆い、開口の側壁からパッド33まで第1絶縁層311の表面上で延在する。
再配線32は、例えば無電解めっき又はスパッタリングにより形成される下地層の上に導体層が形成された構成であってよい。下地層は、第1絶縁層311と導体層との接着性を向上させる役割も果たす。下地層は、例えば銅(Cu)により形成される。導体層は、例えば電解めっきにより形成される。導体層は、例えば銅(Cu)により形成される。
第2絶縁層312は、第1絶縁層311の表面に形成される。第2絶縁層312は、第1絶縁層311と同様に、例えばポリイミド等の樹脂材料により形成される。第2絶縁層312は、平面視で第1絶縁層311の開口と重ならない領域に、第2絶縁層312を貫通する開口を有する。開口を介して、パッド33が再配線32と電気的に接続可能となる。第1絶縁層311と、第2絶縁層312とは、同じ材料で形成されてよい。この場合、半導体モジュール21から再配線32の半導体モジュール21側の面までの高さの絶縁層31が第1絶縁層311となり、再配線32の半導体モジュール21側の面から半導体モジュール21と反対側の部分の絶縁層31が第2絶縁層312となる。
パッド33は、外部接続端子40を再配線32と接続するために設けられる。パッド33は、例えばNi層とAu層との積層膜により形成される。パッド33は、第2絶縁層312の開口から露出する再配線32の表面を覆う。
外部接続端子40は、パッド33と接しており、第2絶縁層312の開口から露出する再配線32と電気的に接続されている。本実施形態において、外部接続端子40は複数であって、LGA(Land Grid Array)を構成する。ただし、外部接続端子40の形状などは限定されない。外部接続端子40は例えばはんだボールであってよい。例えば複数の外部接続端子40がBGA(Ball Grid Array)を構成してよい。
ガスセンサ1は、発光素子11と、受光素子12と、を備え、発光素子11から出射されて、気体を通って受光素子12で検出された光の受光量に基づいて、気体に含まれる被検出ガスを検出する。発光素子11及び受光素子12は、それぞれ上記の半導体素子部10の構成を有する。発光素子11では半導体素子部10の光出入射面10aが光を出射する。受光素子12では半導体素子部10の光出入射面10aが光を入射する。ガスセンサ1は、例えば測定機器などの製品の部品として用いられ、製品基板に実装される際に、複数の外部接続端子40が製品基板の所定位置でリフローによってはんだ付けされる。
従来、光学デバイスの実装時のリフローで生じる熱膨張及びその後の冷却による収縮などの影響によって、光学デバイスの基板に力が加わり、結果として光学素子が変形して、光学デバイスの特性変動が生じることがあった。例えば図6の上図のように、外部接続端子1040がLGAである従来構造の小型のガスセンサ1001は、リフロー後に温度が下がったときに、製品基板よりもLGAパッケージの線膨張係数の方が大きいために収縮する。その結果、製品基板に接続された外部接続端子1040の方に引っ張る応力が生じる。両方の外部接続端子1040までつながっている絶縁層1031が光電変換素子の半導体素子部1010を覆っているため、応力は絶縁層1031を介して半導体素子部1010にかかる。すると、半導体素子部1010の受発光に関する領域が、複数の外部接続端子1040の方に引っ張られて変形し、ガスセンサ1の特性変動が生じることがある。
本実施形態に係るガスセンサ1は、光電変換素子の半導体素子部10に対して、絶縁層31が、半導体層112の少なくとも一部を覆わないように、又は、再配線32を覆う絶縁層31の厚さに比べて薄く覆うように形成されている。例えば図6のように、絶縁層31は、半導体層112の受発光に関する領域を覆わないように分離されている。そのため、半導体素子部10を外部接続端子40の方に引っ張る応力が低減されて、半導体基板111の変形が抑制され、ガスセンサ1の特性変動の発生を抑制することができる。
以下に、絶縁層31のいくつかの形成例が説明される。図7は、光電変換素子が発光素子11である場合の平面図である。図7に示すように、発光素子11の半導体層112は、電極113が配置され得る接続領域102と、接続領域102を除く中央領域101とに区分することができる。中央領域101は、半導体層112の受発光に関する領域である。特に中央領域101が異なる方向に引っ張られて変形すると、ガスセンサ1の特性変動が生じる。したがって、中央領域101にかかる応力を弱めたり、中央領域101に応力がかからないようにしたり、中央領域101にかかる応力が主に一方向であるようにしたりすることで、ガスセンサ1の特性変動を抑制することが可能である。図8は、光電変換素子が受光素子12である場合の平面図である。図8に示すように、受光素子12でも、半導体層112は、接続領域102と、中央領域101とに区分することができる。
図9A~図9Fは、光電変換素子(すなわち発光素子11又は受光素子12)の絶縁層31の構成の一例を示す断面図である。図9A~図9Fの光電変換素子の断面は、図7又は図8に示すように外部接続端子40を横切る仮想線での断面である。
図9Aに示すように、絶縁層31が接続領域102の一部を覆わないように形成されてよい。絶縁層31が分離されていることによって、中央領域101にかかる応力が主に一方向であるようにできる。図9Aの例では、x軸正方向の応力が中央領域101にかかるが、絶縁層31が分離されていることによってx軸負方向の応力があまりかからない。そのため、半導体基板111の変形が抑制され、ガスセンサ1の特性変動の発生を抑制することができる。また、光電変換素子の半導体素子部10において、絶縁層31によって覆われない部分は気体(空気)と接することになり、絶縁層31と接している場合に比べて反射率が大きくなる。そのため、z軸負方向へ向かう光が、気体と接する部分において反射して光出入射面10a又は半導体層112に戻るため、発光素子11の発光効率又は受光素子12の受光感度を向上させることができる。
図9Bに示すように、絶縁層31が接続領域102の一部を、再配線32を覆う絶縁層31の厚さに比べて薄く覆うように形成されてよい。絶縁層31が完全に分離されていなくても、一部が薄くなっていることによって、中央領域101にかかる応力を小さくすることができる。ここで、再配線32を覆う絶縁層31の厚さは、図5の「T」で示され、第1絶縁層311と第2絶縁層312とを合わせた厚さである。半導体層112の少なくとも一部を絶縁層31が薄く覆うように形成される場合に、絶縁層31の薄く覆う部分の厚さは、第1絶縁層311と第2絶縁層312とを合わせた厚さの1/2以下(T/2以下)であることが好ましい。図9Bの例において、第1絶縁層311の厚さは、第2絶縁層312の厚さ以下である。そして、絶縁層31が接続領域102の一部を薄く覆う部分では、第1絶縁層311だけで覆っており、T/2以下となっている。
図9Cに示すように、絶縁層31が中央領域101を覆わないように形成されてよい。このように絶縁層31が分離されていることによって、中央領域101に応力がかからないようにできる。そのため、半導体基板111の変形が抑制され、ガスセンサ1の特性変動の発生を抑制することができる。また、図9Aの場合と同様に、発光素子11の発光効率又は受光素子12の受光感度を向上させることができる。
図9Dに示すように、絶縁層31が中央領域101を、再配線32を覆う絶縁層31の厚さに比べて薄く覆うように形成されてよい。絶縁層31が完全に分離されていなくても、一部が薄くなっていることによって、中央領域101にかかる応力を小さくすることができる。ここで、図9Bと同様に、絶縁層31の薄く覆う部分の厚さは、第1絶縁層311と第2絶縁層312とを合わせた厚さの1/2以下(T/2以下)であることが好ましい。図9Dの例において、絶縁層31が中央領域101を薄く覆う部分では、第2絶縁層312が設けられておらず、第1絶縁層311だけで覆っている。そのため、絶縁層31が中央領域101を薄く覆う部分の厚さはT/2以下となっている。
図9Eに示すように、絶縁層31が接続領域102の一部及び中央領域101を覆わないように形成されてよい。このように絶縁層31が分離されていることによって、中央領域101に応力がかからないようにできる。そのため、半導体基板111の変形が抑制され、ガスセンサ1の特性変動の発生を抑制することができる。また、図9Aの場合と同様に、発光素子11の発光効率又は受光素子12の受光感度を向上させることができる。
図9Fに示すように、絶縁層31が接続領域102の一部及び中央領域101を、再配線32を覆う絶縁層31の厚さに比べて薄く覆うように形成されてよい。絶縁層31が完全に分離されていなくても、一部が薄くなっていることによって、中央領域101にかかる応力を小さくすることができる。ここで、図9Bと同様に、絶縁層31の薄く覆う部分の厚さは、第1絶縁層311と第2絶縁層312とを合わせた厚さの1/2以下(T/2以下)であることが好ましい。図9Fの例において、絶縁層31が接続領域102の一部及び中央領域101を薄く覆う部分では、第1絶縁層311だけで覆っており、T/2以下となっている。
以上のように、本実施形態に係る光電変換素子及びガスセンサ1は、上記の構成によって、従来構造と比べて、半導体基板111の変形による特性変動を抑制することができる。
本開示の実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部などに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部などを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
1 ガスセンサ
10 半導体素子部
10a 光出入射面
10b 電極形成面
11 発光素子
12 受光素子
13 IC
14 メモリ
15 導光部材
16 光学フィルタ
16a フィルタブロック
17 接着面
20 封止部
21 半導体モジュール
30 再配線層
30a 表面
30b 裏面
31 絶縁層
32 再配線
33 パッド
40 外部接続端子
101 中央領域
102 接続領域
111 半導体基板
112 半導体層
113 電極
311 第1絶縁層
312 第2絶縁層
1001 ガスセンサ
1010 半導体素子部
1031 絶縁層
1040 外部接続端子

Claims (9)

  1. 光を出射又は入射する光出入射面、半導体基板、半導体層及び電極を有する半導体素子部と、前記半導体素子部の側面を覆う封止部と、を備える半導体モジュールと、
    前記半導体モジュールの一方の面に設けられ、前記電極と外部接続端子との再配線を覆う絶縁層と、を備え、
    前記絶縁層は、前記再配線が間に設けられるように第1絶縁層と第2絶縁層とを含んで構成され、前記半導体層の少なくとも一部を覆わないように、又は、前記再配線を覆う前記絶縁層の厚さに比べて薄く覆うように形成されている、光電変換素子。
  2. 前記半導体層の少なくとも一部を前記絶縁層が薄く覆うように形成される場合に、前記絶縁層の薄く覆う部分では、前記第2絶縁層が設けられていない、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記光電変換素子はFOWLPのパッケージ構造を有する、請求項1に記載の光電変換素子。
  4. 前記半導体層を、前記電極が配置され得る接続領域と、前記接続領域を除く中央領域とに区分した場合に、前記絶縁層が前記接続領域の一部を覆わないように、又は、前記再配線を覆う前記絶縁層の厚さに比べて薄く覆うように形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  5. 前記半導体層を、前記電極が配置され得る接続領域と、前記接続領域を除く中央領域とに区分した場合に、前記絶縁層が前記中央領域を覆わないように、又は、前記再配線を覆う前記絶縁層の厚さに比べて薄く覆うように形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  6. 前記半導体層を、前記電極が配置され得る接続領域と、前記接続領域を除く中央領域とに区分した場合に、前記絶縁層が前記接続領域の一部及び前記中央領域を覆わないように、又は、前記再配線を覆う前記絶縁層の厚さに比べて薄く覆うように形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  7. 前記外部接続端子は複数であって、LGA又はBGAを構成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  8. 請求項1から3のいずれか一項に記載の光電変換素子であって、前記光出入射面が光を出射する発光素子と、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の光電変換素子であって、前記光出入射面が光を入射する受光素子と、を備え、
    前記発光素子から出射されて気体を通って前記受光素子で検出された前記光の受光量に基づいて、前記気体に含まれる被検出ガスを検出する、ガスセンサ。
  9. 前記半導体層の少なくとも一部を前記絶縁層が薄く覆うように形成される場合に、前記絶縁層の薄く覆う部分の厚さは、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層とを合わせた厚さの1/2以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の光電変換素子。
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