JP2024081275A - 蒸着マスクおよび有機発光素子の製造方法 - Google Patents

蒸着マスクおよび有機発光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸着時における蒸着マスクの蒸着ケラレや蒸着ボケを低減する技術を提供する。【解決手段】本開示に係る蒸着マスクは、非磁性体により形成される蒸着マスクであって、前記蒸着マスクの基板に対向する面内に、前記基板に蒸着される蒸着パターンに対応する開口部が形成され、前記蒸着マスクの前記基板に対向する面の前記開口部間に、磁性体からなる構造物が形成されている。【選択図】図3

Description

本開示は、所望のパターンを基板に真空蒸着するための蒸着マスクおよび蒸着マスクを用いた有機発光素子の製造方法に関する。
有機発光素子は、低電圧駆動による高輝度発光が可能な発光素子として注目されている。有機発光素子は、一般的に基板上に陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極といった複数の積層構造で形成されている。この積層構造を形成する方法として、蒸発や昇華を用いた基板への真空蒸着方法、溶媒に有機材料を溶解させインクジェットやスピンコート等を用いた成膜方法が挙げられる。中でも低分子材料を用いた積層構造の形成においては、パターンを配したマスクを用いた真空蒸着法を用いるのが一般的である。真空蒸着法では、基板上に所望のパターンを成膜するために、所望の画素開口部のパターンを有する蒸着マスクを、基板と蒸着材料の加熱部との間に設置し成膜する。
近年、有機発光素子の高精細化が求められている。有機発光素子の高精細化を実現するには、基板と蒸着マスクとを非常に近接させ、蒸着時の蒸着ボケや蒸着ケラレの低減が求められる。蒸着ボケとは、所望の蒸着範囲を越えた広範囲に蒸着材料が成膜されることである。これには、基板と蒸着マスクとの距離が重要である。蒸着時に基板と蒸着マスクを想定の位置関係に設置できたとしても、蒸着マスクの中央部分等は、画素開口を区画する桟部が、マスクの自重によって撓むことにより、蒸着ボケが引き起こされる。また、蒸着ケラレとは、蒸着マスクの桟部や枠部の厚みの影響で蒸着範囲が削られてしまうことで発生する。蒸着ボケや蒸着ケラレの影響を小さくするには、桟部や枠部を薄くすることが必要となる。
有機EL等で求められる画素単位での高精細化を実現するためには、蒸着マスクの薄膜化および蒸着マスクと基板との距離を数μm以下に密着させることが必要である。そのために、磁性体のマスクを用いた場合において、基板の裏面にマグネットを設置し、磁力により磁性体のマスクを基板に引き付ける方法が提案されている。また、Si製、樹脂製等、非磁性体のマスクを用いた場合は、特許文献1に記載されているように、非磁性体のマスクの基板側と反対側に磁性部材を設置することで、非磁性体のマスクを基板に引き付ける方法がある。また、特許文献2に記載されているように、基板と密着させる側の非磁性体のマスクの表面に磁性体膜を形成し、非磁性体のマスクを基板に引き付ける方法も提案されている。
特開2006-199998号公報 特開2006-233286号公報
しかしながら、非磁性の蒸着マスクを用いて画素単位での高精細化を実現するには、蒸着マスク全体の強度を保つことを目的として、チップの開口部周りにマスク厚の厚い部分を設けたり、画素単位の開口をチップ内に設けたりする必要がある。また、蒸着時の蒸着ケラレを防ぐため、画素単位の開口が設けられているマスク部分の厚さを薄くする必要がある。
このような構成の非磁性の蒸着マスクにおいて、特許文献1では、開口部に対応する形状を有する磁性部材を磁石で基板側に引きつけて、非磁性のマスクを基板に押し付ける構成が採用されている。しかしながら、開口部のマスク厚の厚い部分は、磁石によって基板側に引けつけることはできるが、薄膜のマスク部分は自重で撓んでしまい蒸着ボケが発生する。
また、特許文献2では、非磁性体の開口部の周りのマスク表面に磁性体膜を設け、磁石によって磁性体膜を引き付ける構成が採用されている。しかしながら、特許文献1と同様に、開口部のマスク厚の厚い部分を磁石によって基板側に引けつけることはできるが、薄膜のマスク部分は自重で撓んでしまい蒸着ボケが発生する。
本開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであり、蒸着時における蒸着マスクの蒸着ケラレや蒸着ボケを低減する技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示に係る蒸着マスクは、非磁性体により形成される蒸着マスクであって、前記蒸着マスクの基板に対向する面内に、前記基板に蒸着される蒸着パターンに対応する開口部が形成され、前記蒸着マスクの前記基板に対向する面の前記開口部間に、磁性体からなる構造物が形成されていることを特徴とする蒸着マスクを含む。
また、上記目的を達成するために、本開示に係る有機発光素子の製造方法は、上記の蒸着マスクを用いて、有機発光素子を構成する有機化合物層を形成することを特徴とする有機発光素子の製造方法を含む。
また、上記目的を達成するために、本開示に係る表示装置は、上記の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える表示装置を含む。
また、上記目的を達成するために、本開示に係る撮像装置は、上記の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える撮像装置を含む。
また、上記目的を達成するために、本開示に係る電子機器は、上記の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える電子機器を含む。
また、上記目的を達成するために、本開示に係る照明装置は、上記の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える照明装置を含む。
また、上記目的を達成するために、本開示に係る移動体は、上記の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える移動体を含む。
本発明によれば、蒸着マスクのマスク圧の薄い部分に形成された磁性体の構造物が、磁石に引き寄せられることで、マスクが撓まずに基板に密着できることで、蒸着ケラレや蒸着ボケが低減され、歩留まり低下の改善が期待できる。
蒸着マスクの蒸着ケラレおよび蒸着ボケを例示する断面図 一実施形態に係る蒸着マスクの製造方法を示す図 一実施形態に係る蒸着マスクの断面図 一実施形態に係る蒸着マスクの平面図 一実施形態に係る蒸着マスクの蒸着ボケの評価についての説明図 一実施形態に係る有機発光素子を有する表示装置の一例を示す図 一実施形態に係る有機発光素子を有する表示装置の一例を示す図 一実施形態に係る有機発光素子を有する表示装置と電子機器の一例を示す図 一実施形態に係る有機発光素子を有する表示装置の一例を示す模式図 一実施形態に係る有機発光素子を有する照明装置と移動体の一例を示す図 一実施形態に係る有機発光素子を有する眼鏡の一例を示す模式図
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下で説明する図面において、同じ機能を有するものは同一の符号を付し、その説明を省略または簡潔にすることもある。
<第1実施形態>
まず、第1実施形態で用いられる蒸着マスクについて説明する。本実施形態で用いる蒸着マスクは、真空蒸着法によって、基板上に所望のパターンを形成する目的で用いられるものである。従来技術の蒸着マスクでは磁性を有する金属を用いたマスクを使用するが、ウェットエッチング加工や電鋳加工等の加工方法の加工精度の限界により、薄く高精度な加工は困難である。そのため、樹脂やシリコンといった非磁性の材料を使用したマスクが開発されているが、本開示の実施形態に係る蒸着マスクに用いられる部材は、特に限定されるものではない。さらに当該部材は、単独で蒸着マスクを形成していてもよいし、複数が組み合わさっていてもよい。
次に、図1Aを参照しながら、蒸着マスクにおいて発生する蒸着ケラレについて説明する。図1Aは、蒸着時の蒸着マスクの断面図を示す。基板101上には、蒸発源105から蒸発した蒸着材料が蒸着マスク102の開口部104を通り抜けた蒸着膜103が成膜される。その際、蒸発源105から蒸発した蒸着材料が蒸着マスク102の蒸発源105側の端部の陰になり、蒸着膜103の端部の膜厚が薄くなり膜厚ムラが生じることを蒸着ケラレという。蒸着マスク102の厚さが厚くなると蒸着ケラレは大きくなる。
また、図1Bを参照しながら、蒸着マスクにおいて発生する蒸着ボケについて説明する。図1Bは、蒸着時の蒸着マスクの断面図を示す。基板101上には、蒸発源105から蒸発した蒸着物が蒸着マスク102の開口部104を通り抜けた蒸着膜が成膜される。その際、蒸発源105から蒸発した蒸着材料が蒸着マスク102の基板101側との間隔106が大きいと、蒸着物が基板101上に回り込む。蒸着膜107のように、開口部104よりも広範囲に蒸着材料が成膜される。このように所望の蒸着範囲を越える範囲に蒸着材料が成膜されること蒸着ボケという。
以下に説明するように、本実施形態に係る蒸着マスクによれば、蒸着時における蒸着ケラレや蒸着ボケを低減することが期待できる。
本実施形態における非磁性のシリコン製の蒸着マスクの製造方法は、一例として、SOI(Silicon on Insulator)ウエハを加工する方法が挙げられる。なお、本開示の実施形態に係る蒸着マスクの製造方法は、これらの製造方法に限定されるわけではない。図2Aに、本実施形態に係るシリコン製の蒸着マスクの一例を模式的に示す。図2Aに示すように、ここではSOIウエハにおける2つのSi層のうち、厚い層をSi支持層200、薄い層をSi機能層201と呼び、SOIウエハの表面側がSi機能層201である。また、酸化シリコン層202は2つのSi層200、201に挟まれている。
図2B~図2Iを参照しながら、より具体的に蒸着マスクの製造方法について説明する。
(1)図2Bに示すように、SOIウエハ表面のSi機能層201上に、蒸着材料を通過させ、所望サイズの蒸着層を形成するための孔を有する第1のレジストパターン203をフォトリソグラフィ技術で形成する。
(2)次に、図2Cに示すように、SOIウエハ表面のSi機能層201をドライエッチングすることにより、第1のレジストパターン203を転写した第1のSi孔204を形成する。このとき、Si機能層201の下に形成されている酸化シリコン層202はエッチングストップ層として機能する。
(3)次に、図2Dに示すように、第1のレジストパターン203を酸素プラズマアッシングで除去する。
(4)次に、図2Eに示すように、SOIウエハ表面に形成した第1のSi孔204を保護するために、SOIウエハ表面にレジストを塗布し保護層205を形成する。
(5)次に、図2Fに示すように、SOIウエハ裏面のSi支持層200に、第1のSi孔204の集合体サイズの第2のレジストパターン206をフォトリソグラフィ技術で形成する。ここで、第1のSi孔の集合体サイズとは、例えば1つの表示デバイスチップサイズに対応した大きさである。
(6)次に、図2Gに示すように、SOIウエハ裏面のSi支持層200をドライエッチングすることにより、第2のレジストパターンを転写した第2のSi孔207を形成する。このときも酸化シリコン層202はエッチングストップ層として機能する。
(7)次に、図2Hに示すように、バッファードフッ酸によるウェットエッチングを行い、酸化シリコン層202をエッチングする。このとき、エッチングされる酸化シリコン層202のサイズは、SOIウエハ裏面に形成した第2のSi孔のサイズとなる。
(8)次に、図2Iに示すように、第2のレジストパターン208を有機系ウエット処理により除去することで蒸着マスク210が完成する。
次に、本開示の実施形態で用いる磁性体からなる構造物について説明する。図3に示すように、磁性体からなる構造物305は、蒸着マスク210の基板211に対向する側の凹部303内のマスク表面に形成する。
磁性体からなる構造物305の素材は、磁性体であれば、特に限定されるものではない。好ましくはコバルトCo、鉄Fe、若しくはニッケルNiおよびそれらの含有物質から選ばれる。具体的には、Ni-Fe-PやCo―Ni―P等を、無電解メッキ法や真空スパッタ法等を用いて、構造物305を形成することができる。
ここで、構造物305の形状と大きさについて説明する。図3に示すように、蒸着マスク210は、基板211に対向する面に構造物305を有する。構造物305は、上記素材による磁性体によって形成される。また、図3に示すように、蒸着マスク210は、基板211に対向する面が底面となる凹部303を有する。また、図3に示すように、凹部303の底面には、複数の開口部304が形成され、凹部303のマスク厚は、凹部303の周辺部分のマスク厚よりも薄くなるように形成されている。
また、図4Aに、本実施形態に係る蒸着マスク210の一例を、図3の基板211がある側とは反対側から見たときの平面視を示す。図4Aに示すように、蒸着マスク210には複数の凹部303が形成されている。蒸着マスク210の上面視において、それぞれの凹部303の間隔および形状は、蒸着パターンに応じて適宜決定されてよい。
図4Bは、図4Aに示す蒸着マスク210の一部を図3の基板211がある側から見たときの平面視を示す。図4Bに示すように、それぞれの凹部303において、凹部内には複数の開口部304および構造物305が形成されている。それぞれの構造物305は、対応する開口部304を囲むように、開口部間に形成される。
図4Bの例では、構造物305は開口部304の形状に応じて円筒型の構造物として形成されているが構造物305の形状はこれに限られない。構造物305の形状としては、蒸着マスク210の上面視において円形、半円形、楕円形、多角形等が挙げられる。また
、蒸着マスク210の側面視における構造物305の形状としては、円筒型、釣り鐘型等が挙げられるが、構造物305の形状は、これらの形状に限定されるものではない。
また、図3に示すように、基板211と蒸着マスク210を密着させる際に、マグネット301によって凹部303に形成された磁性体からなる構造物305が引き寄せられることで、凹部303と基板211との密着が確保される。
[有機発光素子の構成]
次に、本実施形態において蒸着マスク210を用いて製造される有機発光素子について説明する。本実施形態において、有機発光素子は、基板の上に、絶縁層、第1電極、有機化合物層、第2電極を形成して設けられる。陰極の上には、保護層、カラーフィルタ、マイクロレンズ等を設けてよい。カラーフィルタを設ける場合は、保護層との間に平坦化層を設けてよい。平坦化層はアクリル樹脂等で構成することができる。カラーフィルタとマイクロレンズとの間において、平坦化層を設ける場合も同様である。
[基板]
有機発光素子を構成する基板の材料としては、石英、ガラス、シリコン、樹脂、金属の少なくとも1つの材料が挙げられる。また、基板上には、トランジスタ等のスイッチング素子や配線を備え、その上に絶縁層を備えてもよい。絶縁層としては、第1電極との間に配線が形成可能なように、コンタクトホールを形成可能で、かつ接続しない配線との絶縁を確保できれば、材料は問わない。例えば、ポリイミド等の樹脂、酸化シリコン、窒化シリコン等を用いることができる。
[電極]
有機発光素子の電極は、一対の電極を用いることができる。一対の電極は、陽極と陰極であってよい。有機発光素子が発光する方向に電界を印加する場合に、電位が高い電極が陽極であり、他方が陰極である。また、発光層にホールを供給する電極が陽極であり、電子を供給する電極が陰極であるということもできる。
陽極の構成材料としては仕事関数がなるべく大きいものがよい。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体やこれらを含む混合物が陽極に使用できる。あるいは、これらの金属単体を組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が陽極に使用されてもよい。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも陽極に使用できる。
これらの電極材料はいずれかを単独で使用してもよいし、2種類以上の材料を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
有機発光素子の電極を、反射電極として構成する場合には、電極材料には、例えばクロム、アルミニウム、銀、チタン、タングステン、モリブデン、またはこれらの合金、積層したもの等を用いることができる。上記の材料にて、電極としての役割を有さない、反射膜として機能することも可能である。また、透明電極として用いる場合には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛等の酸化物透明導電層を用いることができるが、これらに限定されるものではない。電極の形成には、フォトリソグラフィ技術を用いることができる。
一方、陰極の構成材料としては仕事関数の小さなものがよい。例えばリチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀
、鉛、クロム等の金属単体またはこれらを含む混合物が挙げられる。あるいはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えばマグネシウム-銀、アルミニウム-リチウム、アルミニウム-マグネシウム、銀-銅、亜鉛-銀等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。中でも銀を用いることが好ましく、銀の凝集を低減するため、銀合金とすることがさらに好ましい。銀の凝集が低減できれば、合金の比率は問わない。例えば、銀:他の金属が、1:1、3:1等であってよい。
陰極は、ITO等の酸化物導電層を使用してトップエミッション素子としてもよいし、アルミニウム(Al)等の反射電極を使用してボトムエミッション素子としてもよいし、特に限定されない。陰極の形成方法としては、特に限定されないが、直流および交流スパッタリング法等を用いると、膜のカバレッジがよく、抵抗を下げやすいためより好ましい。
[画素分離層]
画素分離層は、化学気相堆積法(CVD法)を用いて形成されたシリコン窒化物(SiN)膜やシリコン酸窒化物(SiON)膜やシリコン酸化物(SiO)膜で形成される。有機化合物層の面内方向の抵抗を上げるために、有機化合物層、特に正孔輸送層は、画素分離層の側壁において薄く成膜されることが好ましい。具体的には、画素分離層の側壁のテーパー角や画素分離層の膜厚を厚くし、蒸着時のケラレを増加させることにより、側壁の膜厚を薄く成膜することができる。
一方で、画素分離層は、その上に形成される保護層に空隙が形成されない程度に、画素分離層の側壁テーパー角や画素分離層の膜厚を調整することが好ましい。保護層に空隙が形成されないため、保護層に欠陥が発生することを低減できる。保護層に欠陥の発生を低減するので、ダークスポットの発生や、第2電極の導通不良の発生等の信頼性低下を低減することができる。
本実施形態によれば、画素分離層の側壁のテーパー角が急峻でなくとも、隣接画素への電荷漏れを効果的に抑制することが可能になる。本願発明者による検討の結果、テーパー角が60度以上90度以下の範囲であれば十分低減できることが分かった。画素分離層の膜厚は10nm以上から150nm以下であることが望ましい。また、画素分離層を有さない画素電極のみで構成されていても同様の効果が得られる。ただし、この場合画素電極の膜厚は有機層の半分以下するか、画素電極端部を60度未満の順テーパーにすることで、有機発光素子の短絡が低減できるので好ましい。
[有機化合物層]
有機発光素子の有機化合物層は、単層で形成されても、複数層で形成されてもよい。複数層を有する場合には、その機能によって、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、発光層、ホールブロッキング層、電子輸送層、電子注入層と呼ばれてよい。有機化合物層は、主に有機化合物で構成されるが、無機原子、無機化合物を含んでいてもよい。例えば、銅、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、イリジウム、白金、モリブデン、亜鉛等を有してよい。有機化合物層は、第1電極と第2電極との間に配置されてよく、第1電極および第2電極に接して配されてよい。
[保護層]
本実施形態の有機発光素子では、第2電極の上に保護層を設けてもよい。例えば、第2電極上に吸湿剤を設けたガラスを接着することで、有機化合物層に対する水等の浸入を低減し、表示不良の発生を低減することができる。また、別の実施形態としては、陰極上に
窒化ケイ素等のパッシベーション膜を設け、有機化合物層に対する水等の浸入を低減してもよい。例えば、陰極を形成後に真空を破らずに別のチャンバーに搬送し、CVD法で厚さ2μmの窒化ケイ素膜を形成することで、保護層としてもよい。CVD法の成膜の後で原子堆積法(ALD法)を用いた保護層を設けてもよい。ALD法による膜の材料は限定されないが、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等であってよい。ALD法で形成した膜の上に、さらにCVD法で窒化ケイ素を形成してよい。ALD法による膜は、CVD法で形成した膜よりも小さい膜厚であってよい。具体的には、50%以下、さらには、10%以下であってよい。
[カラーフィルタ]
本実施形態の有機発光素子では、保護層の上にカラーフィルタを設けてもよい。例えば、有機発光素子のサイズを考慮したカラーフィルタを別の基板上に設け、それと有機発光素子を設けた基板と貼り合わせてもよいし、上記で示した保護層上にフォトリソグラフィ技術を用いて、カラーフィルタをパターニングしてもよい。カラーフィルタは、高分子で構成されてよい。
[平坦化層]
本実施形態の有機発光素子では、カラーフィルタと保護層との間に平坦化層を有してもよい。平坦化層は、下の層の凹凸を低減する目的で設けられる。なお、目的を制限しない場合、平坦化層は樹脂層と呼ばれる場合もある。平坦化層は有機化合物で構成されてよく、低分子であっても、高分子であってもよいが、高分子であることが好ましい。
平坦化層は、カラーフィルタの上下に設けられてもよく、その構成材料は同じであっても異なってもよい。具体的には、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
[マイクロレンズ]
有機発光素子は、その光出射側にマイクロレンズ等の光学部材を有してよい。マイクロレンズは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等で構成されうる。マイクロレンズは、有機発光素子から取り出す光量の増加、取り出す光の方向の制御を目的としてよい。マイクロレンズは、半球の形状を有してよい。半球の形状を有する場合、当該半球に接する接線のうち、絶縁層と平行になる接線があり、その接線と半球との接点がマイクロレンズの頂点である。マイクロレンズの頂点は、任意の断面図においても同様に決定することができる。つまり、断面図におけるマイクロレンズの半円に接する接線のうち、絶縁層と平行になる接線があり、その接線と半円との接点がマイクロレンズの頂点である。
また、マイクロレンズの中点を定義することもできる。マイクロレンズの断面において、円弧の形状が終了する点から別の円弧の形状が終了する点までの線分を仮想し、当該線分の中点がマイクロレンズの中点と呼ぶことができる。頂点、中点を判別する断面は、絶縁層に垂直な断面であってよい。
マイクロレンズは凸部を有する第1面と、第1面と反対の第2面を有する。第2面が第1面よりも機能層側に配されていることが好ましい。このような構成を取るためには、発光素子上にマイクロレンズを形成する必要がある。機能層が有機層の場合には、製造工程において高温になるプロセスは避ける方が好ましい。また、第2面が第1面よりも機能層側に配されている構成を取る場合には、有機層を構成する有機化合物のガラス転移温度がすべて100℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましい。
[対向基板]
本実施形態の有機発光素子では、平坦化層の上に対向基板を有してよい。対向基板は、前述の基板と対応する位置に設けられるため、対向基板と呼ばれる。対向基板の構成材料は、上記の基板と同じであってよい。対向基板は、上記の基板を第1基板とした場合、第2基板とすることができる。
[有機層]
本実施形態の有機発光素子を構成する有機化合物層(正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)は、以下に示す方法により形成される。
本実施形態の有機発光素子を構成する有機化合物層は、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスを用いて形成することができる。またドライプロセスに代えて、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により層を形成するウェットプロセスを用いることもできる。
ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマーまたは共重合体として1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
[画素回路]
本実施形態の有機発光素子を有する発光装置は、有機発光素子に接続されている画素回路を有してよい。画素回路は、第1の有機発光素子、第2の有機発光素子をそれぞれ独立に発光制御するアクティブマトリックス型であってよい。アクティブマトリックス型の回路は電圧プログラミングであっても、電流プログラミングであってもよい。駆動回路は、画素毎に画素回路を有する。画素回路は、有機発光素子、有機発光素子の発光輝度を制御するトランジスタ、発光タイミングを制御するトランジスタ、発光輝度を制御するトランジスタのゲート電圧を保持する容量、発光素子を介さずにGNDに接続するためのトランジスタを有してよい。
発光装置は、表示領域と、表示領域の周囲に配されている周辺領域とを有する。表示領域には画素回路を有し、周辺領域には表示制御回路を有する。画素回路を構成するトランジスタの移動度は、表示制御回路を構成するトランジスタの移動度よりも小さくてよい。画素回路を構成するトランジスタの電流電圧特性の傾きは、表示制御回路を構成するトランジスタの電流電圧特性の傾きよりも小さくてよい。電流電圧特性の傾きは、いわゆるVg-Ig特性により測定できる。画素回路を構成するトランジスタは、第1の有機発光素子等の発光素子に接続されているトランジスタである。
[画素]
本実施形態の有機発光素子は、複数の画素を有する。画素は互いに他と異なる色を発光する副画素を有する。副画素は、例えば、それぞれRGBの発光色を有してよい。画素は、画素開口とも呼ばれる領域において発光する。この領域は第1領域と同じである。画素開口は15μm以下であってよく、5μm以上であってよい。より具体的には、11μm
、9.5μm、7.4μm、6.4μm等であってよい。副画素間は、10μm以下であってよく、具体的には、8μm、7.4μm、6.4μmであってよい。
画素は、平面図において、公知の配置形態をとりうる。例えば、ストライプ配置、デルタ配置、ペンタイル配置、ベイヤー配置であってよい。副画素の平面図における形状は、公知のいずれの形状をとってもよい。例えば、長方形、ひし形等の四角形、六角形等である。なお、副画素の形状は、例えば長方形に近い形をしていれば、長方形に含まれるものとする。したがって、副画素の形状は、上記の公知のいずれの形状に近似される形状であればよい。画素は、副画素の形状と画素配列とを組み合わせて構成することができる。
[有機発光素子の用途]
本実施形態に係る有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも、有機発光素子の用途としては、電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルタを有する発光装置等の用途が挙げられる。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する画像入力部を有し、入力された情報を処理する情報処理部を有し、入力された画像を表示部に表示する画像情報処理装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は、赤外線方式でも、静電容量方式でも、抵抗膜方式であっても、電磁誘導方式であってもよく、特に限定されない。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
次に、図面を参照しながら本実施形態に係る有機発光素子を備える表示装置について説明する。図6Aおよび図6Bは、有機発光素子とこの有機発光素子に接続されるトランジスタとを有する表示装置の例を示す断面模式図である。トランジスタは、能動素子の一例である。トランジスタは薄膜トランジスタ(TFT)であってもよい。
図6Aは、本実施形態に係る有機発光素子を有する表示装置の構成要素である画素の一例である。画素は、副画素30を有している。副画素はその発光により、30R、30G、30Bに分けられている。発光色は、発光層から発光される波長で区別されても、副画素から出社する光がカラーフィルタ等により、選択的透過または色変換が行われてもよい。それぞれの副画素は、層間絶縁層31の上に第1電極である反射電極32、反射電極32の端を覆う絶縁層33を有する。さらに、副画素は、反射電極32と絶縁層33とを覆う有機化合物層34、第2電極である透明電極35、保護層36、カラーフィルタ37R、37G、37Bを有する。
層間絶縁層31は、その下層または内部にトランジスタ、容量素子を配されていてよい。また、トランジスタと第1電極は不図示のコンタクトホール等を介して電気的に接続されていてよい。
絶縁層33は、バンク、画素分離膜とも呼ばれる。第1電極の端を覆っており、第1電極を囲って配されている。絶縁層の配されていない部分が、有機化合物層34と接し、発光領域となる。有機化合物層34は、正孔注入層341、正孔輸送層342、第1発光層343、第2発光層344、電子輸送層345を有する。
透明電極35は、第2電極として透明電極であっても、反射電極であっても、半透過電極であってもよい。保護層36は、有機化合物層に水分が浸透することを低減する。保護
層36は、1層のように図示されているが、複数層であってよい。層ごとに無機化合物層、有機化合物層があってよい。カラーフィルタは、その色によりカラーフィルタ37R、カラーフィルタ37G、カラーフィルタ37Bに分けられる。カラーフィルタは、不図示の平坦化膜上に形成されてよい。また、カラーフィルタ上に不図示の樹脂保護層を有してよい。また、カラーフィルタは、保護層36上に形成されてよい。あるいは、カラーフィルタは、ガラス基板等の対向基板上に設けられた後に、貼り合わせられよい。
図6Bに、本実施形態の有機発光素子を有する表示装置100を示す。表示装置100は、有機発光素子26とトランジスタの一例としてTFT18とを有する。ガラス、シリコン等の基板11とその上部に絶縁層12が設けられている。絶縁層の上には、TFT等の能動素子18が配されており、能動素子のゲート電極13、ゲート絶縁膜14、半導体層15が配置されている。TFT18は、他にも半導体層15とドレイン電極16とソース電極17とで構成されている。TFT18の上部には絶縁膜19が設けられている。絶縁膜に設けられたコンタクトホール20を介して有機発光素子26を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
なお、有機発光素子26に含まれる電極(陽極、陰極)とTFTに含まれる電極(ソース電極、ドレイン電極)との電気接続の方式は、図6Bに示される態様に限られるものではない。つまり陽極または陰極のうちいずれか一方とTFTソース電極またはドレイン電極のいずれか一方とが電気接続されていればよい。TFTは、薄膜トランジスタを指す。
図6Bの表示装置100では有機化合物層を1つの層として図示をしているが、有機化合物層22は、複数層であってもよい。陰極23の上には有機発光素子の劣化を低減するための第1の保護層24や第2の保護層25が設けられている。
図6Bの表示装置100ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えて他のスイッチング素子として用いてもよい。また、図6Bの表示装置100に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコンなどの非単結晶シリコン、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体が挙げられる。なお、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
図6Bの表示装置100に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていることを意味してもよい。
本実施形態に係る有機発光素子はスイッチング素子の一例であるTFTにより発光輝度が制御され、有機発光素子を複数面内に設けることでそれぞれの発光輝度により画像を表示することができる。なお、本実施形態に係るスイッチング素子は、TFTに限られず、低温ポリシリコンで形成されているトランジスタ、Si基板等の基板上に形成されたアクティブマトリクスドライバーであってもよい。基板上とは、その基板内ということもできる。基板内にトランジスタを設けるか、TFTを用いるかは、表示部の大きさによって選択され、例えば0.5インチ程度の大きさであれば、Si基板上に有機発光素子を設けることが好ましい。
次に、図7に、本実施形態に係る有機発光素子を有する表示装置の一例を表す模式図を示す。表示装置1000は、上部カバー1001と、下部カバー1009と、の間に、タッチパネル1003、表示パネル1005、フレーム1006、回路基板1007、バッ
テリー1008、を有してよい。タッチパネル1003および表示パネル1005は、フレキシブルプリント回路FPC1002、1004が接続されている。回路基板1007には、トランジスタがプリントされている。バッテリー1008は、表示装置が携帯機器でなければ、設けなくてもよいし、携帯機器であっても、別の位置に設けてもよい。
表示装置1000は、赤色、緑色、青色を有するカラーフィルタを有してよい。カラーフィルタは、当該赤色、緑色、青色がデルタ配列で配置されてよい。また、表示装置1000は、携帯端末の表示部に用いられてもよい。その際には、表示機能と操作機能との双方を有してもよい。携帯端末としては、スマートフォン等の携帯電話、タブレット、ヘッドマウントディスプレイ等が挙げられる。
また、表示装置1000は、複数のレンズを有する光学部と、当該光学部を通過した光を受光する撮像素子とを有する撮像装置の表示部に用いられてよい。撮像装置は、撮像素子が取得した情報を表示する表示部を有してよい。また、表示部は、撮像装置の外部に露出した表示部であっても、ファインダ内に配置された表示部であってもよい。撮像装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラであってよい。
次に、図8Aに、本実施形態に係る有機発光素子を有する撮像装置の一例を表す模式図を示す。撮像装置1100は、ビューファインダ1101、背面ディスプレイ1102、操作部1103、筐体1104を有してよい。ビューファインダ1101は、本実施形態に係る表示装置を有してよい。その場合、表示装置は、撮像する画像のみならず、環境情報、撮像指示等を表示してよい。環境情報には、外光の強度、外光の向き、被写体の動く速度、被写体が遮蔽物に遮蔽される可能性等であってよい。
撮像に好適なタイミングはわずかな時間なので、少しでも早く情報を表示した方がよい。したがって、本実施形態の有機発光素子を用いて応答速度が速い表示装置を構成すると好適である。有機発光素子を用いた表示装置は、表示速度が求められる、これらの装置、液晶表示装置よりも好適に用いることができる。
撮像装置1100は、不図示の光学部を有する。光学部は複数のレンズを有し、筐体1104内に収容されている撮像素子に結像する。複数のレンズは、その相対位置を調整することで、焦点を調整することができる。この操作を自動で行うこともできる。撮像装置は光電変換装置と呼ばれてもよい。光電変換装置は逐次撮像するのではなく、前画像からの差分を検出する方法、常に記録されている画像から切り出す方法等を撮像の方法として含むことができる。
図8Bは、本実施形態に係る有機発光素子を有する電子機器の一例を表す模式図である。電子機器1200は、表示部1201と、操作部1202と、筐体1203を有する。筐体1203には、回路、当該回路を有するプリント基板、バッテリー、通信部、を有してよい。操作部1202は、ボタンであってもよいし、タッチパネル方式の反応部であってもよい。操作部は、指紋を認識してロックの解除等を行う、生体認識部であってもよい。通信部を有する電子機器は通信機器ということもできる。電子機器1200は、レンズと、撮像素子とを備えることでカメラ機能をさらに有してよい。カメラ機能により撮像された画像が表示部に映される。電子機器としては、スマートフォン、ノートパソコン等があげられる。
次に、図9Aに、本実施形態に係る有機発光素子を有する表示装置の一例を表す模式図を示す。図9Aは、テレビモニタやPCモニタ等の表示装置1300を示す。表示装置1300は、額縁1301を有し表示部1302を有する。表示部1302には、本実施形態に係る有機発光素子が用いられてよい。また、表示装置1300は、額縁1301と、
表示部1302を支える土台1303を有している。土台1303は、図9Aの形態に限られない。額縁1301の下辺が土台を兼ねてもよい。また、額縁1301および表示部1302は、曲がっていてもよい。その曲率半径は、5000mm以上6000mm以下であってよい。
また、図9Bは、本実施形態に係る有機発光素子を有する表示装置の別の例を表す模式図である。図9Bの表示装置1310は、折り曲げ可能に構成されており、いわゆるフォルダブルな表示装置である。表示装置1310は、第1表示部1311、第2表示部1312、筐体1313、屈曲点1314を有する。第1表示部1311と第2表示部1312とは、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。第1表示部1311と第2表示部1312とは、つなぎ目のない1枚の表示装置であってよい。第1表示部1311と第2表示部1312とは、屈曲点で分けることができる。第1表示部1311、第2表示部1312は、それぞれ異なる画像を表示してもよいし、第1表示部と第2表示部とで1つの画像を表示してもよい。
次に、図10Aに、本実施形態に係る有機発光素子を有する照明装置の一例を表す模式図を示す。照明装置1400は、筐体1401と、光源1402と、回路基板1403と、光学フィルム1404と、光拡散部1405と、を有してよい。光源は、本実施形態に係る有機発光素子を有する。光学フィルタは光源の演色性を向上させるフィルタであってよい。光拡散部は、ライトアップ等、光源の光を効果的に拡散し、広い範囲に光を届けることができる。光学フィルタ、光拡散部は、照明の光出射側に設けられてよい。必要に応じて、最外部にカバーを設けてもよい。
照明装置1400は、例えば室内を照明する装置である。照明装置は白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。それらを調光する調光回路を有してよい。照明装置1400は、本実施形態に係る有機発光素子とそれに接続される電源回路を有してよい。電源回路は、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。また、白とは色温度が4200Kで昼白色とは色温度が5000Kである。また、照明装置1400は、カラーフィルタを有してもよい。また、照明装置1400は、放熱部を有していてもよい。放熱部は装置内の熱を装置外へ放出するものであり、比熱の高い金属、液体シリコン等が挙げられる。
図10Bは、本実施形態に係る有機発光素子を有する移動体の一例である自動車の模式図である。当該自動車は灯具の一例であるテールランプを有する。自動車1500は、テールランプ1501を有し、ブレーキ操作等を行った際に、テールランプを点灯する形態であってよい。
テールランプ1501は、本実施形態に係る有機発光素子を有する。テールランプは、有機EL素子を保護する保護部材を有してよい。保護部材はある程度高い強度を有し、透明であれば材料は問わないが、ポリカーボネート等で構成されることが好ましい。ポリカーボネートにフランジカルボン酸誘導体、アクリロニトリル誘導体等を混ぜてよい。
自動車1500は、車体1503、それに取り付けられている窓1502を有してよい。窓は、自動車の前後を確認するための窓でなければ、透明なディスプレイであってもよい。当該透明なディスプレイは、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。この場合、有機発光素子が有する電極等の構成材料は透明な部材で構成される。
また、本実施形態に係る有機発光素子を有する移動体は、船舶、航空機、ドローン等であってよい。移動体は、機体と当該機体に設けられた灯具を有してよい。灯具は、機体の位置を知らせるための発光をしてよい。灯具は本実施形態に係る有機発光素子を有する。
また、本実施形態の有機発光素子を有する表示装置は、例えばスマートグラス、HMD、スマートコンタクトのようなウェアラブルデバイスとして装着可能なシステムに適用できる。このような適用例に使用される撮像表示装置は、可視光を光電変換可能な撮像装置と、可視光を発光可能な表示装置とを有する。
次に、図11Aに、本実施形態の有機発光素子を有する表示装置の適用例に係る眼鏡1600(スマートグラス)を示す。眼鏡1600のレンズ1601の表面側に、CMOSセンサやSPADのような撮像装置1602が設けられている。また、レンズ1601の裏面側には、上述した各実施形態の表示装置が設けられている。
眼鏡1600は、制御装置1603をさらに備える。制御装置1603は、撮像装置1602と各実施形態に係る表示装置に電力を供給する電源として機能する。また、制御装置1603は、撮像装置1602と表示装置の動作を制御する。レンズ1601には、撮像装置1602に光を集光するための光学系が形成されている。
また、図11Bに、本実施形態の有機発光素子を有する表示装置の別の適用例に係る眼鏡1610(スマートグラス)を示す。眼鏡1610は、制御装置1612を有している。当該制御装置1612に、撮像装置1602に相当する撮像装置と、表示装置が搭載される。レンズ1611には、制御装置1612内の表示装置が発する発光を投影するための光学系が形成されており、レンズ1611には画像が投影される。制御装置1612は、撮像装置および表示装置に電力を供給する電源として機能するとともに、撮像装置および表示装置の動作を制御する。制御装置は、装着者の視線を検知する視線検知部を有してもよい。視線の検知は赤外線を用いてよい。赤外発光部は、表示画像を注視しているユーザーの眼球に対して、赤外光を発する。発せられた赤外光の眼球からの反射光を、受光素子を有する撮像部が検出することで眼球の撮像画像が得られる。平面視における赤外発光部から表示部への光を低減する低減手段を有することで、画像品位の低下を低減する。
赤外光の撮像により得られた眼球の撮像画像から表示画像に対するユーザーの視線を検出する。眼球の撮像画像を用いた視線検出には任意の公知の手法が適用できる。一例として、角膜での照射光の反射によるプルキニエ像に基づく視線検出方法を用いることができる。
より具体的には、瞳孔角膜反射法に基づく視線検出処理が行われる。瞳孔角膜反射法を用いて、眼球の撮像画像に含まれる瞳孔の像とプルキニエ像とに基づいて、眼球の向き(回転角度)を表す視線ベクトルが算出されることにより、ユーザーの視線が検出される。
本実施形態に係る有機発光素子を有する表示装置は、受光素子を有する撮像装置を有し、撮像装置からのユーザーの視線情報に基づいて表示装置の表示画像を制御してよい。
具体的には、表示装置は、視線情報に基づいて、ユーザーが注視する第1の視界領域と、第1の視界領域以外の第2の視界領域とを決定する。第1の視界領域、第2の視界領域は、表示装置の制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定したものを表示装置が受信してもよい。表示装置の表示領域において、第1の視界領域の表示解像度を第2の視界領域の表示解像度よりも高く制御してもよい。つまり、第2の視界領域の解像度を第1の視界領域よりも低くしてもよい。
また、表示領域は、第1の表示領域、第1の表示領域とは異なる第2の表示領域とを有し、表示装置は、視線情報に基づいて、第1の表示領域および第2の表示領域から優先度が高い領域を選択してもよい。第1の視界領域、第2の視界領域は、表示装置の制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定したものを表示装置が受信してもよい。また
、表示装置は、優先度の高い領域の解像度を、優先度が高い領域以外の領域の解像度よりも高く制御してよい。つまり、表示装置は、優先度が相対的に低い領域の解像度を低くしてよい。
なお、表示装置は、第1の視界領域や優先度が高い領域の決定にAI(Artificial Intelligence)を用いてもよい。AIは、眼球の画像と当該画像の眼球が実際に視ていた方向とを教師データとして、眼球の画像から視線の角度、視線の先の目的物までの距離を推定するよう構成されたモデルであってよい。また、AIプログラムは、表示装置が有しても、撮像装置が有しても、外部装置が有してもよい。外部装置がAIプログラムを有する場合は、外部装置から通信を介して表示装置にAIプログラムが送信される。
表示装置が視認検知に基づいて表示制御する場合、表示装置は、外部を撮像する撮像装置をさらに有するスマートグラスに好ましく適用できる。スマートグラスは、撮像した外部情報をリアルタイムで表示することができる。
次に、本実施形態の蒸着マスク210の実施例について説明する。なお、本実施形態に係る蒸着マスク1は以下の実施例に示す蒸着マスクに限定されるものではない。
表1は、以下に説明する実施例による蒸着マスク210と、比較例としての従来技術による蒸着マスクの蒸着ボケに関する判定結果を示す。
Figure 2024081275000002
なお、実施例と比較例に係る蒸着マスクの蒸着ボケの判定にあたって、蒸着ボケ量(μm)が隣の副画素に蒸着しないボケ量の範囲内であれば、良好(図中「○」)であるとする。また、蒸着ボケ量(μm)が隣の副画素に蒸着するボケ量となれば、不良(図中「×」)であるとする。ここで、一例として、隣の副画素に蒸着するボケ量は、「(隣接する副画素間の距離)-(画素開口の半径)」で決まるものとする。
図5Aに、本開示の実施例1に係る蒸着マスク210を用いた場合の蒸着の例を示す。ここで例示する実施例1では、図4Bに示すようにSOIウエハを加工して作成した蒸着マスク210を用いる。一例として、蒸着マスク210を、マスクΦ200mm、厚さ500μmのSiマスクとする。また、蒸着マスク210の平面視において、凹部303の大きさを8×10mmの矩形とし、蒸着マスク210内に凹部303を100個配置した。
また、実施例1では、図4Bに示すように、1つの凹部303において、凹部303の底面のマスク厚を6μmとする。また、それぞれの開口部304の大きさは開口Φ2μmとし、1つの凹部303内に開口部304を300万個配置する。さらに、構造物305は、スパッタで成膜した厚さ500nmのCo膜とし、図4Bに示すように開口部304を囲むように、開口部間に配置する。
ここで、構造物305の厚さ(蒸着マスク210の表面の法線方向の高さ)について説明する。基板211の裏面に配されるマグネット301の磁力により、基板211越しに蒸着マスク210表面に形成された磁性体の構造物305を引きつける。このため、蒸着マスク210のマスク厚が厚くなると、マスク重量が大きくなり、マグネット301の磁力で構造物305が引きつけられない可能性がある。したがって、構造物305の厚さは、「凹部303におけるマグネット301の磁力と構造物305の間に働く力(吸着力)>凹部303における蒸着マスク210の自重(マスク厚に依存)」が満たされるように設定される。
蒸着ボケの評価について図5Aおよび図5Bを用いて説明する。図5Aおよび図5Bは蒸着マスクを用いて蒸着を行った後の基板501に蒸着膜507、508が成膜された様子を模式的に示している。図5Aに示すように、基板501上の画素領域502に所望の発光材料を蒸着した際に、隣の画素領域503上に蒸着膜507が蒸着されていない。このような場合は、蒸着ボケの判定結果を「○」(良好)と評価する。一方、図5Bに示すように、基板501上の画素領域502に所望の発光材料を蒸着した際に、隣の画素領域503上まで、蒸着膜508が蒸着している。このような場合は、蒸着ボケの判定結果を「×」(不良)と評価する。
実施例1に係る蒸着マスク210を使用して有機材料を基板に蒸着した結果、マスクΦ200mmのマスク内のすべての凹部303の開口部304について、蒸着ボケ量は1.0μm以下となり、蒸着マスク210内のすべてのチップが良品と判定された。
次に、本開示の実施例2について説明する。実施例2に係る蒸着マスク210は、磁性体の構造物305が無電解メッキ法によってNi-Fe-Pで形成される点以外は、実施例1に係る蒸着マスク210と同じである。実施例2に係る蒸着マスクを用いて有機材料を基板に蒸着した結果、マスクΦ200mmのマスク内のすべての凹部303の開口部304について、蒸着ボケ量は1.0μm以下となり、蒸着マスク210内のすべてのチップが良品と判定された。したがって、実施例2に係る蒸着マスク210でも、実施例1と同様の蒸着ボケの低減効果が得られる。
次に、本開示の実施例3について説明する。実施例3に係る蒸着マスク210は、磁性体の構造物405の配置が異なる点以外は、実施例1に係る蒸着マスク210と同じである。図4Cに示すように、構造物405は、スパッタで成膜したΦ1.8μm、厚さ500nmのCo膜とし、開口部404と別の開口部(例えば開口部406)との間に配置する。実施例3に係る蒸着マスクを用いて有機材料を基板に蒸着した結果、マスクΦ200mmのマスク内のすべての凹部403の開口部404について、蒸着ボケ量は1.0μm以下となり、蒸着マスク210内のすべてのチップが良品と判定された。したがって、実施例3に係る蒸着マスク210でも、実施例1と同様の蒸着ボケの低減効果が得られる。
次に、本開示の蒸着マスク210の比較例1について説明する。比較例1に係る蒸着マスクは、上記の蒸着マスク210において磁性体の構造物305を形成しない点以外は、実施例1の蒸着マスク210と同じである。比較例1に係る蒸着マスクを用いて有機材料を基板に蒸着した結果、マスクΦ200mm内の100チップで蒸着ボケ量が10μm以上となり、不良品となるチップが発生した。
表中の本実施形態に係る蒸着マスクの実施例1、2の結果からわかるように、本実施形態によれば、蒸着マスクの材料の種類を問わず、構造物によって、比較例に示す従来の蒸着マスクに比べて蒸着ボケの発生を好適に抑えられる。
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
非磁性体により形成される蒸着マスクであって、
前記蒸着マスクの基板に対向する面内に、前記基板に蒸着される蒸着パターンに対応する開口部が形成され、
前記蒸着マスクの前記基板に対向する面の前記開口部間に、磁性体からなる構造物が形成されている
ことを特徴とする蒸着マスク。
(構成2)
前記開口部は、前記蒸着マスクの蒸発源に対向する面内に設けられた凹部内に形成され、
前記凹部のマスク厚は、前記凹部の周辺部分のマスク厚よりも薄い
ことを特徴とする構成1に記載の蒸着マスク。
(方法1)
構成1または2に記載の蒸着マスクを用いて、有機発光素子を構成する有機化合物層を形成することを特徴とする有機発光素子の製造方法。
(構成4)
構成1または2に記載の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える表示装置。
(構成5)
構成1または2に記載の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える撮像装置。
(構成6)
構成1または2に記載の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える電子機器。
(構成7)
構成1または2に記載の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える照明装置。
(構成8)
構成1または2に記載の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える移動体。
210 蒸着マスク、303 凹部、304 開口部、305 構造物

Claims (8)

  1. 非磁性体により形成される蒸着マスクであって、
    前記蒸着マスクの基板に対向する面内に、前記基板に蒸着される蒸着パターンに対応する開口部が形成され、
    前記蒸着マスクの前記基板に対向する面の前記開口部間に、磁性体からなる構造物が形成されている
    ことを特徴とする蒸着マスク。
  2. 前記開口部は、前記蒸着マスクの蒸発源に対向する面内に設けられた凹部内に形成され、
    前記凹部のマスク厚は、前記凹部の周辺部分のマスク厚よりも薄い
    ことを特徴とする請求項1に記載の蒸着マスク。
  3. 請求項1または2に記載の蒸着マスクを用いて、有機発光素子を構成する有機化合物層を形成することを特徴とする有機発光素子の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える表示装置。
  5. 請求項1または2に記載の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える撮像装置。
  6. 請求項1または2に記載の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える電子機器。
  7. 請求項1または2に記載の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える照明装置。
  8. 請求項1または2に記載の蒸着マスクを用いて形成される有機化合物層を有する有機発光素子を備える移動体。
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