JP2024080719A - フィルムが剥離可能に被着された紙製収容体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙製の基材からフィルムを容易に剥離することができる紙製収容体の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の紙製収容体の製造方法は、基材及びフィルムの少なくとも一方に、フィルムの基材に対する溶着強度を調整する調整剤を所定のパターンで印刷する工程と、基材に対してフィルムを重合し、収容物を収容できる収容空間を形成するように重合した部分を熱溶着する熱溶着工程と、を有する。【選択図】 図3

Description

本発明は、紙製の基材に対してフィルムが剥離可能に被着された紙製収容体及びその製造方法に関する。ここで、前記フィルムは、シート状に形成されて、前記紙製の基材に対して熱溶着されて積層されるものであり、紙製収容体は、例えば、食品や日用品などを収容する袋状のもの、或いは、箱型のように保形性を保つために使用されるもの(使い捨てされる各種の日用品等)が該当する。
従来、プラスチック性の基材にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂材によるヒートシール層を押出成形等によって積層したシート材を用い、これを部分的に重ね合わせて熱溶着した収容袋や収容容器等(以下、収容体という)が知られている。このような収容体は、食品、日用品など、様々な収容物を収容するのに用いられるが、近年、環境上の問題から、プラスチック製の基材から紙製の基材にすることが行なわれている。
このような紙製の基材で形成される収容体は、例えば、トレイとして食品、食材を収容したり、テイクアウトの食品を収容する等、食品分野等で用いられているが、基材を紙製にすると、収容物が液体(液体を含んだものを含む)の場合、その液体が紙製の基材に浸透して裏抜けするような事態が生じ得る。そのため、紙製の基材の表面にフィルムを被着して、そのような浸透を防止することが行われている。前記フィルムとしては、紙製の基材への液体の浸透防止のみならず、防臭作用、調湿作用も有し、また、ガスバリアとして機能し得るものが用いられている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
特開2021-155044号公報 特開2018-176441号公報 特開2004-051099号公報
ところで、最近では、廃棄する際の分別等の観点から、フィルムを紙製の基材から剥がし取れるようにすることが求められている。しかしながら、フィルムは紙製の基材に熱溶着されて強い密着力で被着されている場合が多く、フィルムを紙製の基材から剥離し難い(分離し難い)という問題がある。そのため、当該技術分野においては、紙製の基材に被着されているフィルムを容易に剥離できるようにすることが課題となっている。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、紙製の基材からフィルムを容易に剥離することができる紙製収容体及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明は、紙製の基材の表面に対してフィルムが熱溶着されると共に、前記フィルムが剥離可能に熱溶着された紙製収容体の製造方法であって、前記基材及びフィルムの少なくとも一方に、前記フィルムの基材に対する溶着強度を調整する調整剤を所定のパターンで印刷する工程と、前記基材に対してフィルムを重合し、収容物を収容できる収容空間を形成するように前記重合した部分を熱溶着する熱溶着工程と、を有することを特徴とする。
上記した構成では、フィルムが紙製の基材に対して熱溶着されると共に、フィルムを剥がし取ることができるように、紙製の基材及び/又はフィルム上に、溶着強度を調整する調整剤が所定のパターンで印刷される。この場合、調整剤が印刷されていない状態では、紙製の基材とフィルムは、全面で熱溶着された状態となるため、溶着強度が高く、剥離し難くなるが、前記調整剤は、熱溶着を調整する(阻止する)材料で構成されており、この調整剤を所定のパターンで印刷することで、両者の熱溶着強度を、収容体の用途等に応じて最適な状態に設定することができる。例えば、調整剤の印刷領域を大きくすることで、熱溶着される範囲を減らすことができ、溶着強度を弱くして剥離し易い構成にすることが可能となる。
上記した構成では、紙製の基材やフィルム上に調整剤を印刷するパターンとして様々な形態が考えられるが、紙製の基材からフィルムを容易に取り外すことができるパターンであれば、どのようなパターンであっても良い。具体的には、紙製の基材上、及び/又は、フィルム上に対する調整剤の印刷は様々な分散態様、例えば、点状、線状、格子状等のパターンのいずれか、或いは、これらを組み合わせて行っても良く、特にフィルムが伸縮性を有する場合には、その伸縮に追従できるようなパターンで塗布されることが好ましい。或いは、紙製の基材やフィルムに印刷される調整剤は、紙製の基材からフィルムを剥離することができるような濃度で印刷されても良い。いずれにしても、調整剤の分散態様又は濃度を調整する(調整剤のドット又は線の間隔を変える、調整剤の盛量(高さ)を変える、或いは、濃度を薄くしたり濃くする等)ことにより、紙製の基材からフィルムの容易な引き剥がしを可能にしつつ、紙製収容体の用途及び形状に応じて、紙製の基材に対するフィルムの密着強度を自在に設定することが可能となる。
なお、上記した調整剤は、紙製の基材に対してフィルムを溶着する熱溶着工程において、フィルムの溶融を妨げる(溶着状態を制御する)ように機能する物質であれば限定されることはなく、例えば、印刷インキの添加剤として用いられるメジューム、或いは、接着剤、増粘剤、希釈剤などで構成することが可能である。
また、上記したように、フィルムが熱溶着された紙製の基材は、各種の加工処理、例えば、深絞り加工、パルプモールド加工、製函加工等が施されて、様々な形態の収容体にされる。このような収容体は、箱型のように保形性を保つために使用され(例えば、食料、使い捨てされる各種の日用品等を収容する際に使用される)、例えば、モールド紙製品、大型紙カップ、深絞り紙容器、板紙成形品などが該当し、それ以外にも、食品や日用品などを収容する袋状のものであっても良い。また、そのような収容体は、インク等によって文字や模様等の印刷層が形成されていても良い。
さらに、上記した構成において、フィルム(或いは、紙製の基材であってもよい)に対して調整剤を印刷する方法(装置)としては、例えば、グラビア印刷塗工法、水性フレキソ塗工法、オフセット印刷、ロールコーター、チャンバーコーター、その他のコーター等(例えば、エアーコーター、エアーナイフ、シェルクなど)を挙げることができる。
そして、本発明は、上記したような紙製の基材にフィルムを被着した紙製収容体も提供する。
本発明の紙製収容体の製造方法、及び、収容体によれば、フィルムを紙製の基材に対して容易に剥離することが可能となる。
紙製の基材に調整剤を介在してフィルムを被着した概略的な側断面図。 フィルムに対してヒートシール剤を塗布するコーターの一例を示した概略構成図。 フィルム上に印刷される調整剤のパターンを示し、(a)はランダム又は規則的なドットパターン、(b)は横方向に延びる直線状パターン(横ストライプ)、(c)は縦方向に延びる直線状パターン(縦ストライプ)の一例をそれぞれ示す図。 フィルム上に塗布される調整剤のパターンを示し、(a)は周囲領域に高密度で調整剤を印刷したパターンの一例を示し、(b)は角部領域に高密度で調整剤を印刷したパターンの一例を示す図。 フィルムが着脱自在に被着された紙製収容体の例を示し、(a)は矩形のトレイ、(b)は収容空間が浅い皿状の収容体、(c)は収容空間が深いカップ状の収容体をそれぞれ示す図。 本発明に係る紙製収容体の製造方法を実施するための製造装置の工程例を示すブロック図。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、紙製の板材1の概略的な側断面図を示している。図示のように、この板材1は、紙製の基材(紙製の基材とも称する)2上にフィルム3を重合し、これを熱溶着によって被着する(貼り付ける)ことで構成される。本実施形態では、基材2にフィルム3を重合するに際し、フィルム3に所定のパターンで調整剤4を印刷し、両者の熱溶着強度を調整している。
図1では、調整剤4が印刷されない領域を符号4A(非印刷領域と称する)で示しており、この部分では、フィルム3を熱溶着するとシール成分が溶融して基材2に溶着する部分となる。そして、フィルム3と基材2が重合された板材1を、各種の成形機を用いた成形加工によって成形しつつ熱溶着することによって、後述するように収容空間を有する収容体が形成される。
基材2は、厚い紙、具体的には、収容体に加工した際の保形性を考慮して、例えば180g/m2以上のものが用いられる。また、紙を構成する具体的な素材については、特に限定されることはなく、例えば、植物性天然繊維、動物性天然繊維、化学繊維等が用いられ得る。すなわち、厚さや材質は、用いられる収容体に応じて適宜、変形することが可能である。このため、用途によっては、180g/m2よりも小さい薄い紙を用いてもよい。
前記フィルム3に用いられる素材は、紙製の基材2に対して熱溶着することが可能な樹脂素材、例えば、二軸延伸ポリプロピレン(ОPP)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、OPPとCPPを貼り合わせたOPCP、低密度ポリエチレン(LDPE,LLDPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等で構成することが可能である。このようなフィルム3は、基材2に対し、各種公知の手法、例えば、押出機などを用いて、溶融した樹脂を製膜して積層体状に層形成したり、或いは、予めフィルム状に形成したものを基材2に対して各種のラミネート法を用いて積層することが可能である。
また、フィルム3の表面には、構成される収容体に応じて、表面を保護する保護層、例えば、耐熱性、ガスバリア性(防臭性、調湿性)、印刷性、破袋防止性、密封性、液体の浸透防止(耐水性、耐油性)等を考慮して保護層が被着されていても良い。また、このような保護層は、複数層、積層されたものであっても良い。
前記フィルム3を基材2に重合して熱溶着するに際しては、上記したように、フィルム3の溶融を妨げて、その部分でフィルム3と基材2を溶着させないように機能する調整剤4が所定のパターンで印刷される。調整剤4については、印刷インクの添加剤として用いられるメジューム等、溶着阻害溶剤(インキ、ニス等も含む)を用いることができ、このような調整剤4は、フィルム3の基材2に対する重合領域に、印刷によって所定のパターンで塗布される。すなわち、図1において、調整剤4が存在している領域(印刷領域)では、フィルム3を熱圧着してもシール成分が基材2に溶融することが阻止される。
図2には、フィルム3に対して調整剤4を印刷する手法の一例が示されており、コーター60を用いて、調整剤4を印刷する方法が概略的に示されている。このコーター60は、上記した調整剤4の塗布パターンである模様等をゴムローラ(版胴)64上に写し取り、ゴムローラ64を回転させて、搬送されるフィルム3をゴムローラ64と圧胴65との間のニップ部に送り込んで、所定のパターンの調整剤4を塗布するようになっている。
コーター60には、ロールコーター式とチャンバーコーター式とが存在しており、どちらの方式を用いてもよいが、本実施形態では、塗布量の調整が容易なチャンバーコーター式を採用しており、コーター60は、図示しないチャンバー内に設置されている。
搬送されるフィルム3に対して調整剤4を送り込むコーター60は、調整剤4を供給する供給部61と、供給された調整剤4を貯留する貯留部62と、貯留部62に貯留された調整剤4を回転しながら付着させるアニロックスロール63と、アニロックスロール63に当接して回転するゴムローラ64と、ゴムローラ64に圧接する圧胴65とを備えている。そして、フィルム3は、図示しないフィルム供給ブラケットからゴムローラ64とこれに圧接する圧胴65との間のニップ部を通過させながら搬送される。
アニロックスロール63の表面には、多数の微細なセル63aが形成されており、アニロックスロール63が回転することで貯留部62に貯留された調整剤4は、セル63aに保持され、そのまま、調整剤4の塗布パターンが写し取られたゴムローラ64の表面に転移される。また、ゴムローラ64の表面に転移された調整剤4は、圧胴65によってフィルム3の表面に押し付けられ、これによりフィルム3の表面には、所定のパターンで調整剤が印刷される。
貯留部62には、アニロックスロール63の回転時にセル63aに保持される調整剤4を掻き落として、保持量を均一化させるブレード66a,66bが配設されている。このようなブレード66a,66bによって、前述したチャンバーから調整剤4が漏れることを防止し、調整剤の厚さを均一にすることが可能となる。なお、ブレード66a,66bによって掻き落とされた調整剤4は、受け皿67で受けられるようになっている。
上記した構成では、セル63aの深さ、密度等によって調整剤の厚さを適宜、調整することが可能である。また、各ロールの回転量、調整剤の粘度等を調整することでもその厚さを調整することが可能である。この場合、調整剤を塗布し過ぎると、剥がれ易くなってしまうので、ある程度の密着性が確保されるように、少なくともフィルム3の表面には、1~5g/m2 の範囲で非印刷領域4Aを形成することが好ましい。
また、上記したコーター60の下流側には、乾燥機(ドライヤー)70を設置しておき、調整剤4が塗布されたフィルム3を乾燥させることが好ましい。フィルム3の表面に印刷される調整剤4は、水系であれば、印刷した後、直ちに乾燥させることができ、密着領域の密着強度を正確に制御することが可能である。
上記したように、調整剤4は、フィルム3を基材2から容易に剥がし取ることができるように、フィルム3上に所定のパターンで印刷される。フィルム3上に調整剤4を塗布するパターンとしては様々な形態が考えられるが、基材2からフィルム3を容易に剥がすことができるパターンであれば、どのようなパターンであっても良い。この場合、調整剤4の印刷量が多くなる程、フィルム3の基材2に対する密着強度が弱くなるため、その印刷量(単位面積当たりの印刷量)を変更することで、剥離の度合いを調整することができる。
この剥離の度合いについては、紙製容器の用途、収容される収容物の種類等に応じて、最適な印刷状態にすれば良い。
例えば、調整剤4は、紙製の基材2からフィルム3を容易に剥離可能な分散態様でフィルム3上に塗布されても良い。そのような分散態様としては、例えば、図3に示されるような態様が考えられる。すなわち、図3(a)は、ランダム又は規則的なドットパターンでフィルム3上に調整剤4が塗布されている。図3(a)は、上側から下側へ向かって調整剤4のドットの間隔が狭くなっているが、ドットの間隔が狭ければ狭いほど紙製の基材2に対するフィルム3の密着強度は低くなる。この場合、各ドットの大きさによっても密着強度を調整することが可能である。
また、図3(b)は、横方向に延びる直線状パターン(横ストライプ)でフィルム3上に調整剤4が塗布されている。図3(b)は、上側から下側へ向かって調整剤4の線の間隔が狭くなっているが、線の間隔が狭ければ狭いほど基材2に対するフィルム3の密着強度は低くなる。
また、図3(c)は、縦方向に延びる直線状パターン(縦ストライプ)でフィルム3上に調整剤4が塗布されている。図3の(c)は、上側から下側へ向かって調整剤4の線の間隔が狭くなっているが、線の間隔が狭ければ狭いほど紙製の基材2に対するフィルム3の密着強度は低くなる。
図3に示す調整剤4の塗布パターンは、フィルム3の全面の密着強度を調整するようにしたが、調整剤は、収容体の形状に応じて、収容体を形成している範囲で、フィルム3が剥離し易い領域と、剥離し難い領域が含まれるように、各領域での調整剤4の印刷密度が異なるように印刷するようにしても良い。
例えば、図4(a)は、矩形のフィルム3に剥離し難い領域3Aと、剥離し易い領域3Bを形成した例を示している。剥離し難い領域3Aは、フィルム3の中央領域に矩形状に形成されており、剥離し易い領域3Bは、剥離し難い領域3Aの周囲に形成されている。剥離し難い領域3Aは、調整剤4の印刷密度が粗状態となっており、密着強度が高くなっている。また、剥離し易い領域3Bは、調整剤4の印刷密度が密状態となっており、密着強度が弱くなっている。
このような構成は、例えば、矩形のトレイ(図5(a)参照)の開口領域に形成されるフランジ部を形成する際、そのフランジ部の密着強度を弱く設定することができ、これにより、収容物を取り出した後に廃棄する際、フランジ部における密着強度が低いため、剥離作業がし易くなる。
或いは、図4(b)に示すように、フランジ部の一部で密着強度が弱くなるように矩形のシートの角部に調整剤4の印刷密度を密状態にした剥離し易い領域3Bを形成しても良く、フランジ部の一部で密着強度が弱くなっている。そして、このような構成では、剥離し易い領域3Bに、別途、カラーインクを付す等、マーキングを施しても良く、これにより、収容体を廃棄する際の剥離作業が容易に行えるようになる。
なお、調整剤4の印刷パターンは、フィルム3が伸縮性を有する素材で形成される場合、その伸縮に追従できるようなパターンでフィルム3上に塗布されることが好ましい。また、密着強度を変える印刷としては、上記した調整剤4の印刷密度を変える以外にも、調整剤4の濃度を変える(濃淡を有するように印刷する)ように印刷しても良い。すなわち、印刷の濃度が濃ければ濃いほど基材2に対するフィルム3の密着強度を低くすることができる。
以上のような調整剤4の塗布形態は、単なる一例であるが、このように、調整剤4の分散態様又は濃度を調整する(調整剤4のドット又は線の間隔を変える、調整剤4の盛量(高さ)を変える、或いは、調整剤4の濃度を薄くする又は濃くする等)ことにより、基材2からのフィルム3の容易な引き剥がしが可能になる。すなわち、紙製の収容体の用途及び形状に応じて、基材2に対するフィルム3の密着強度を、調整剤の印刷パターンを変えることで自在に設定することが可能となる。
図5(a)~(c)は、収容体の一例を示す図である。いずれの収容体100も、上記した紙製の基材2にフィルム3を被着して形成されたものであり、収容空間Sを備えている。図5(a)は、矩形のトレイであり、図5(b)は、収容空間Sが浅い皿状の収容体、図5(c)は、収容空間Sが深いカップ状の収容体を示している。各収容体は、いずれも上記のように紙製の基材2とフィルム3が熱溶着されて重合した構成となっている。いずれの構成においても、開口を規定するフランジ部やエッジ部に、上記したようなフィルムが剥離し易い領域(位置)Pを形成しておくことで、廃棄処理する際に樹脂製のフィルム3を容易に剥離することができる。
図6は、調整剤4を介して基材2にフィルム3が被着された上記の板材1を用いて上記した収容体100を製造するための製造装置80の概略的構成を示す図である。
このような製造装置80を用いた製造では、最初に、給紙部50から板状の基材2が供給される。
前記基材2は、本実施形態では、例えば、最終的に使用される製品(収容体)に応じた大きさに予め裁断されており、給紙部50は、この裁断された基材2を所定の枚数積層した積層体から1枚ずつ繰り出すようになっている。なお、一般的な塗工機のようにロール状の原反から基材2が繰り出される構成であっても良い。
次に、給紙部50から繰り出される基材2は、印刷部(例えばグラビア印刷機)52において、所定の印刷が施された後、フィルム重合部54において、その上にフィルム3が重ね合わられる。このフィルム重合部54では、上述したように、コーター60等を用いて、既に所定のパターンで調整剤4が印刷されたフィルム3が用意されており、例えば負圧によりフィルム3を基材2上へ引き寄せるようにして重ね合わせる。その後、このようにしてフィルム3が重合(積層)された基材2は、熱溶着部56に送り込まれて加熱されることによって、フィルム3が溶かされ、フィルム3と基材2が、調整剤4の印刷密度が高い領域で容易に剥離できるように熱溶着される。
そして、このようにしてフィルム3と基材2とが熱溶着された板材1は、成形部58へと送り込まれ、この成形部58において、押圧成形機等、公知の成形加工機を用いて所定の形状の収容体に形成される。なお、図6に示す工程図において、熱溶着部56と成形部58は、重合された基材2とフィルム3の熱溶着工程と、収容体100の成形工程を同時に行なう構成も含まれる。
以上、本実施形態によれば、収容体100は、基材2が紙製であり、そこに樹脂製のフィルム3を熱溶着して被着した構成となっているので、フィルム3を剥離することで、燃えるゴミとして廃棄することが可能となる。また、廃棄する際には、フィルム3を基材2に対して容易に剥離することができるので、廃棄に伴う取り扱い性の向上が図れるようになる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
例えば、調整剤4の印刷パターンは、上記したパターンに限定されることはなく、直線と曲線を含ませたり、ドット模様を含ませる等、様々な印刷パターンにすることが可能である。また、フィルム、紙製の基材、ヒートシール剤の素材も任意に設定することが可能である。さらに、調整剤4については、基材2に印刷しておいても良いし、両方に印刷しておいても良い。
1 板材
2 紙製の基材
3 フィルム
4 調整剤
100 収容体
S 収容空間

Claims (6)

  1. 紙製の基材の表面に対してフィルムが熱溶着されると共に、前記フィルムが剥離可能に熱溶着された紙製収容体の製造方法であって、
    前記基材及びフィルムの少なくとも一方に、前記フィルムの基材に対する溶着強度を調整する調整剤を所定のパターンで印刷する工程と、
    前記基材に対してフィルムを重合し、収容物を収容できる収容空間を形成するように前記重合した部分を熱溶着する熱溶着工程と、
    を有することを特徴とする紙製収容体の製造方法。
  2. 前記紙製の基材及びフィルムの少なくとも一方に印刷される前記調整剤は、前記紙製の基材から前記フィルムを剥離することが可能な分散態様で、点状、線状、格子状の内、少なくとも1以上のパターンで印刷されることを特徴とする請求項1に記載の紙製収容体の製造方法。
  3. 前記紙製の基材及びフィルムの少なくとも一方に印刷される前記調整剤は、前記収容体を形成している範囲で、前記フィルムが剥離し易い領域と、剥離し難い領域が含まれるように、各領域での調整剤の印刷密度が異なるように印刷されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙製収容体の製造方法。
  4. 紙製の基材の表面に対してフィルムが熱溶着され、前記フィルムが剥離可能に被着された紙製収容体であって、
    前記紙製収容体は、収容物を収容可能な収容空間を有し、前記基材及びフィルムの少なくとも一方には、前記フィルムが基材に対して全面溶着しないように溶着範囲を調整する調整剤が所定のパターンで印刷されていることを特徴とする紙製収容体。
  5. 前記紙製の基材及びフィルムの少なくとも一方に塗布される前記調整剤は、前記紙製の基材から前記フィルムを剥離することができる分散態様で、点状、線状、格子状の内、少なくとも1以上のパターンで塗布されていることを特徴とする請求項4に記載の紙製収容体。
  6. 前記紙製の基材及びフィルムの少なくとも一方に印刷される前記調整剤は、前記収容体を形成している範囲で、前記フィルムが剥離し易い領域と、剥離し難い領域が含まれるように、各領域での調整剤の印刷密度が異なるように印刷されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の紙製収容体。
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