JP2024079484A - 環境制御方法、プログラム及び環境制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】本開示は、ユーザの負担を軽減することを目的とする。【解決手段】環境制御システム1は、第1取得部21と、第2取得部22と、導出部23と、制御部24と、問い合わせ部25と、を備える。導出部23は、第1取得部21で取得されたユーザ情報、及び、第2取得部22で取得された1以上の環境値の既定値に基づいて、少なくとも1つの制御値を求める。問い合わせ部25は、初期値変更条件を満たすか否かを判断し、初期値変更条件を満たす場合にユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる。【選択図】図1
Description
本開示は一般に環境制御方法、プログラム及び環境制御システムに関する。本開示は、より詳細には、環境機器を制御するための環境制御方法、プログラム及び環境制御システムに関する。
特許文献1に記載の全館空調制御システム(環境制御システム)は、室内水蒸気圧検知手段と、室外水蒸気圧検知手段と、温度検知手段とを備える。全館空調制御システムは、室内水蒸気圧検知手段が検知した室内の水蒸気圧と、室外水蒸気圧検知手段が検知した室外の水蒸気圧と、既知の外壁材料の特性値に基づき算出した外壁内部の水蒸気圧と、温度検知手段が検知した外壁内の空気層両側の材料の温度に基づき算出した飽和水蒸気圧とを比較する。そして、全館空調制御システムは、外壁内部の水蒸気圧が飽和水蒸気圧に略等しい場合に、外壁内空気層に空気を流す。
環境制御システムにおいて、各種設定をユーザが頻繁に入力する必要があると、ユーザにとって負担となる可能性がある。
本開示は、ユーザの負担を軽減することができる環境制御方法、プログラム及び環境制御システムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る環境制御方法は、少なくとも1つの制御対象パラメータを制御する。前記少なくとも1つの制御対象パラメータは、空間の環境に関する複数の環境値のうちの一部である。前記少なくとも1つの制御対象パラメータは、前記空間の温度を含む。前記環境制御方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、導出ステップと、制御ステップと、問い合わせステップと、を有する。前記第1取得ステップでは、ユーザ情報を取得する。前記ユーザ情報は、ユーザの代謝量に関する情報及び前記ユーザの熱抵抗に関する情報を含む。前記第2取得ステップでは、前記複数の環境値のうち、前記少なくとも1つの制御対象パラメータを除いた1以上の環境値の既定値を取得する。前記導出ステップでは、前記第1取得ステップで取得された前記ユーザ情報、及び、前記第2取得ステップで取得された前記1以上の環境値の前記既定値に基づいて、少なくとも1つの制御値を求める。前記少なくとも1つの制御値は、前記ユーザ情報と前記1以上の環境値の前記既定値と前記少なくとも1つの制御対象パラメータとが所定の関係性を有するときの前記少なくとも1つの制御対象パラメータの値である。前記制御ステップでは、前記導出ステップで求められた前記少なくとも1つの制御値に基づいて、環境機器を制御する。前記環境機器は、前記空間の前記少なくとも1つの制御対象パラメータを調整する。前記問い合わせステップでは、初期値変更条件を満たすか否かを判断し、前記初期値変更条件を満たす場合に前記ユーザ情報の変更要否を前記ユーザに問い合わせる。
本開示の一態様に係るプログラムは、前記環境制御方法を、コンピュータシステムの1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
本開示の一態様に係る環境制御システムは、少なくとも1つの制御対象パラメータを制御する。前記少なくとも1つの制御対象パラメータは、空間の環境に関する複数の環境値のうちの一部である。前記少なくとも1つの制御対象パラメータは、前記空間の温度を含む。前記環境制御システムは、第1取得部と、第2取得部と、導出部と、制御部と、問い合わせ部と、を備える。前記第1取得部は、ユーザ情報を取得する。前記ユーザ情報は、ユーザの代謝量に関する情報及び前記ユーザの熱抵抗に関する情報を含む。前記第2取得部は、前記複数の環境値のうち、前記少なくとも1つの制御対象パラメータを除いた1以上の環境値の既定値を取得する。前記導出部は、前記第1取得部で取得された前記ユーザ情報、及び、前記第2取得部で取得された前記1以上の環境値の前記既定値に基づいて、少なくとも1つの制御値を求める。前記少なくとも1つの制御値は、前記ユーザ情報と前記1以上の環境値の前記既定値と前記少なくとも1つの制御対象パラメータとが所定の関係性を有するときの前記少なくとも1つの制御対象パラメータの値である。前記制御部は、前記導出部で求められた前記少なくとも1つの制御値に基づいて、環境機器を制御する。前記環境機器は、前記空間の前記少なくとも1つの制御対象パラメータを調整する。前記問い合わせ部は、初期値変更条件を満たすか否かを判断し、前記初期値変更条件を満たす場合に前記ユーザ情報の変更要否を前記ユーザに問い合わせる。
本開示は、ユーザの負担を軽減することができるという利点がある。
(実施形態)
以下、実施形態に係る環境制御方法、プログラム及び環境制御システム1について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
以下、実施形態に係る環境制御方法、プログラム及び環境制御システム1について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(概要)
図1に示す、本実施形態の環境制御システム1は、空間の温度等の制御対象パラメータを制御するために用いられる。空間は、例えば、施設の室内の空間である。施設は、例えば、建物又は移動体である。施設としての建物の一例は、住宅、オフィスビル、工場、複合商業施設、図書館、美術館、博物館、遊戯施設、空港、鉄道駅、ホテル、介護施設及び病院等である。施設としての移動体の一例は、船舶、鉄道車両及び航空機等である。
図1に示す、本実施形態の環境制御システム1は、空間の温度等の制御対象パラメータを制御するために用いられる。空間は、例えば、施設の室内の空間である。施設は、例えば、建物又は移動体である。施設としての建物の一例は、住宅、オフィスビル、工場、複合商業施設、図書館、美術館、博物館、遊戯施設、空港、鉄道駅、ホテル、介護施設及び病院等である。施設としての移動体の一例は、船舶、鉄道車両及び航空機等である。
環境制御システム1は、少なくとも1つの制御対象パラメータを制御する。少なくとも1つの制御対象パラメータは、空間の環境に関する複数の環境値のうちの一部である。少なくとも1つの制御対象パラメータは、空間の温度を含む。図1に示すように、環境制御システム1は、第1取得部21と、第2取得部22と、導出部23と、制御部24と、問い合わせ部25と、を備える。第1取得部21は、ユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、ユーザの代謝量に関する情報及びユーザの熱抵抗に関する情報を含む。第2取得部22は、複数の環境値のうち、少なくとも1つの制御対象パラメータを除いた1以上の環境値の既定値を取得する。導出部23は、第1取得部21で取得されたユーザ情報、及び、第2取得部22で取得された1以上の環境値の既定値に基づいて、少なくとも1つの制御値を求める。少なくとも1つの制御値は、ユーザ情報と1以上の環境値の既定値と少なくとも1つの制御対象パラメータとが所定の関係性を有するときの少なくとも1つの制御対象パラメータの値である。制御部24は、導出部23で求められた少なくとも1つの制御値に基づいて、環境機器6を制御する。環境機器6は、空間の少なくとも1つの制御対象パラメータを調整する。問い合わせ部25は、初期値変更条件を満たすか否かを判断し、初期値変更条件を満たす場合にユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる。
本実施形態によれば、初期値変更条件を満たさない場合には、ユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる処理が実行されない。つまり、ユーザ情報の変更が必要であると環境制御システム1が判断した場合にのみ、ユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる処理が実行される。そのため、ユーザ情報の変更の要否及び新規のユーザ情報を入力することによるユーザの負担を軽減することができる。
また、本実施形態によれば、環境制御システム1は、上記所定の関係性が満たされるように、空間の環境を制御することができる。これにより、空間の快適性を維持することができる。所定の関係性は、ユーザ情報に関連するので、一定の環境に対するユーザごとの感じ方の違いに対応して、個々のユーザが快適と感じる環境を提供できる可能性が高まる。
環境制御システム1と同様の機能は、環境制御方法にて具現化可能である。本実施形態の環境制御方法は、少なくとも1つの制御対象パラメータを制御する。少なくとも1つの制御対象パラメータは、空間の環境に関する複数の環境値のうちの一部である。少なくとも1つの制御対象パラメータは、空間の温度を含む。環境制御方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、導出ステップと、制御ステップと、問い合わせステップと、を有する。第1取得ステップでは、ユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、ユーザの代謝量に関する情報及びユーザの熱抵抗に関する情報を含む。第2取得ステップでは、複数の環境値のうち、少なくとも1つの制御対象パラメータを除いた1以上の環境値の既定値を取得する。導出ステップでは、第1取得ステップで取得されたユーザ情報、及び、第2取得ステップで取得された1以上の環境値の既定値に基づいて、少なくとも1つの制御値を求める。少なくとも1つの制御値は、ユーザ情報と1以上の環境値の既定値と少なくとも1つの制御対象パラメータとが所定の関係性を有するときの少なくとも1つの制御対象パラメータの値である。制御ステップでは、導出ステップで求められた少なくとも1つの制御値に基づいて、環境機器6を制御する。環境機器6は、空間の少なくとも1つの制御対象パラメータを調整する。問い合わせステップでは、初期値変更条件を満たすか否かを判断し、初期値変更条件を満たす場合にユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる。
また、環境制御方法は、プログラムにて具現化可能である。本実施形態のプログラムは、環境制御方法を、コンピュータシステムの1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。プログラムは、コンピュータシステムで読み取り可能な非一時的記録媒体に記録されていてもよい。
(詳細)
(1)全体構成
本実施形態では、一例として、環境制御システム1が空間におけるユーザの就寝時の環境を制御するために用いられる場合を例に説明する。環境制御システム1を使用することにより、ユーザが快眠を得られやすい環境を提供できる。
(1)全体構成
本実施形態では、一例として、環境制御システム1が空間におけるユーザの就寝時の環境を制御するために用いられる場合を例に説明する。環境制御システム1を使用することにより、ユーザが快眠を得られやすい環境を提供できる。
図1に示すように、環境制御システム1は、一例として、情報端末3、ゲートウェイ4、コントロールユニット5、複数(図1では3つ)の環境機器6、及び、複数(図1では2つ)のセンサ7と共に用いられる。
(2)環境制御システム
環境制御システム1は、処理部2と、通信部12と、記憶部13と、を備える。
環境制御システム1は、処理部2と、通信部12と、記憶部13と、を備える。
通信部12は、通信インタフェース装置を含んでいる。通信部12は、通信インタフェース装置を介して、情報端末3及びゲートウェイ4と通信可能である。本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、信号を授受できることを意味する。
記憶部13は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を含む。記憶部13は、環境制御システム1で用いられる情報を記憶する。
環境制御システム1は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、環境制御システム1の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
処理部2は、上述の1以上のプロセッサを有する。処理部2は、第1取得部21と、第2取得部22と、導出部23と、制御部24と、問い合わせ部25と、変更部26と、代謝量導出部27と、熱抵抗導出部28と、補正部29と、を有する。なお、これらは、処理部2によって実現される機能を示しているに過ぎず、必ずしも実体のある構成を示しているわけではない。
第1取得部21は、ユーザ情報を取得する。より詳細には、第1取得部21は、ユーザ情報を、通信部12を介して取得する。更に詳細には、ユーザ情報は、ユーザが情報端末3を操作することで情報端末3に入力され、情報端末3から第1取得部21へ提供される。
第2取得部22は、1以上の環境値の既定値を取得する。より詳細には、第2取得部22は、1以上の環境値の既定値を、通信部12を介して取得する。
環境値の一例は、空間の温度、空間の湿度、空間における風速、及び、空間を構成する壁の放射温度である。環境値は、空間のうち、ユーザの付近における環境値であることが好ましい。例えば、環境値としての空間の温度は、具体的には、ユーザの付近における温度であることが好ましい。また、環境値としての空間における風速は、具体的には、ユーザの付近における風速であることが好ましい。
既定値は、導出部23が少なくとも1つの制御値を求める処理を行うときよりも以前に決定される値である。既定値は、例えば、デフォルト値、設定値又は測定値である。デフォルト値は、複数の環境機器6における動作状態に依らずに決定され得る。デフォルト値は、例えば、ユーザが情報端末3を操作することで情報端末3に入力され、情報端末3から第2取得部22へ提供される。設定値は、複数の環境機器6における動作状態(出力の大きさ等)を決める値である。設定値は、例えば、ユーザが環境機器6を操作することで環境機器6に入力及び記憶され、環境機器6から第2取得部22へ提供される。測定値は、例えば、複数のセンサ7から出力される。
導出部23は、少なくとも1つの制御値を求める。制御部24は、導出部23で求められた少なくとも1つの制御値に基づいて、複数の環境機器6のうち制御対象の環境機器6を制御する。これにより、制御部24は、空間の少なくとも1つの制御対象パラメータを調整する。制御値は、例えば、制御対象パラメータ(温度等)の設定値(設定温度等)を指定する値である。この場合、各環境機器6では、その設定値が、制御値に基づいて制御部24から出力される指令信号に基づいて設定される。
問い合わせ部25は、初期値変更条件を満たすか否かを判断し、初期値変更条件を満たす場合にユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる。より詳細には、問い合わせ部25は、例えば、ユーザ情報の変更要否を問うメッセージを、通信部12を介して情報端末3に送信する。ユーザは、情報端末3を操作することで、ユーザ情報の変更要否を回答する。初期値変更条件は、例えば、所定の日にちを過ぎることを含む。つまり、問い合わせ部25は、例えば、所定の日にちに、ユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる。
変更部26は、ユーザ情報の入力を受け付け、ユーザ情報の入力に応じて、ユーザ情報を変更する。例えば、ユーザは、情報端末3を操作することでユーザ情報を入力する。すると、情報端末3から通信部12を介して、変更部26にユーザ情報が入力される。記憶部13には、現在のユーザ情報が記憶されている。変更部26は、記憶部13に記憶された現在のユーザ情報を、変更部26に入力されたユーザ情報へと書き換える。
代謝量導出部27は、ユーザの身体情報に基づきユーザの代謝量を求める。ユーザの身体情報は、ユーザの代謝量に関する情報の一例である。ユーザの身体情報は、例えば、ユーザが情報端末3を操作することで情報端末3に入力され、情報端末3から第1取得部21へ提供される。
また、一例として、ユーザの身体情報は、ユーザの年齢、性別、身長、及び体重のうち少なくとも1つについての情報である。一例として、代謝量導出部27は、ユーザの身体情報とユーザの代謝量との関係性を示す対応表又は計算式を参照することにより、ユーザの代謝量を求める。
熱抵抗導出部28は、ユーザの衣服に関する着衣情報、及び、ユーザの使用する寝具に関する寝具情報に基づいて、ユーザの熱抵抗を求める。着衣情報及び寝具情報はそれぞれ、ユーザの熱抵抗に関する情報の一例である。着衣情報及び寝具情報は、ユーザが情報端末3を操作することで情報端末3に入力され、情報端末3から第1取得部21へ提供される。
ユーザの衣服は、具体的には、ユーザが就寝時に着る衣服(寝巻)である。ユーザの使用する寝具は、例えば、掛け布団、敷き布団、毛布、及び、すのこ等である。一例として、熱抵抗導出部28は、着衣情報及び寝具情報とユーザの熱抵抗との関係性を示す対応表又は計算式を参照することにより、ユーザの熱抵抗を求める。
補正部29は、導出部23で求められた空間の温度の制御値を、アンケートの結果に基づいて補正する。補正部29が制御値を補正した場合は、制御部24は、補正部29で補正された後の制御値に基づいて、環境機器6を制御する。補正部29が制御値を補正していない場合は、制御部24は、未補正の制御値に基づいて、環境機器6を制御する。
環境制御システム1は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現される。なお、環境制御システム1は、例えば、施設に設置されるサーバコンピュータ又はパーソナルコンピュータ等によって実現されてもよい。あるいは、環境制御システム1は、携帯電話(スマートフォン等)又はタブレット端末等の携帯端末により実現されてもよい。また、ユーザ情報の入力を受け付ける機能を備える情報端末3が、環境制御システム1としての機能をも備えていてもよい。あるいは、ユーザが環境機器6を操作するために使用する操作端末(リモートコントローラ等)が、環境制御システム1としての機能をも備えていてもよい。
(3)情報端末
情報端末3の一例は、携帯電話又はタブレット端末等の携帯端末、専用の入力端末、及び、パーソナルコンピュータである。本実施形態では、情報端末3が携帯電話(スマートフォン)である場合を例に説明する。
情報端末3の一例は、携帯電話又はタブレット端末等の携帯端末、専用の入力端末、及び、パーソナルコンピュータである。本実施形態では、情報端末3が携帯電話(スマートフォン)である場合を例に説明する。
図1に示すように、情報端末3は、処理部31と、通信部32と、記憶部33と、表示部34と、操作部35と、を備える。
情報端末3は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、情報端末3の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
処理部31は、上述の1以上のプロセッサを有する。処理部31は、情報端末3の全体的な制御を行う。
通信部32は、通信インタフェース装置を含んでいる。通信部32は、通信インタフェース装置を介して、環境制御システム1と通信可能である。
記憶部33は、例えば、ROM、RAM又はEEPROM等を含む。記憶部33は、情報端末3で用いられる情報を記憶する。
表示部34は、各種の情報を表示するディスプレイである。表示部34は、例えば、ユーザ情報を入力するための設定画面を表示する。
操作部35は、ユーザの操作を受け付ける。操作部35への操作により、ユーザ情報等が入力される。操作部35は、例えば、複数の釦、タッチパネル若しくはタッチパネルディスプレイ、音声入力インタフェース、又は、これらの組み合わせからなる。なお、操作部35のタッチパネルディスプレイが、表示部34を兼ねていてもよい。
(4)ゲートウェイ
ゲートウェイ4は、複数の環境機器6が設置された施設に設置される。ゲートウェイ4は、環境制御システム1とコントロールユニット5との間の通信を中継する。
ゲートウェイ4は、複数の環境機器6が設置された施設に設置される。ゲートウェイ4は、環境制御システム1とコントロールユニット5との間の通信を中継する。
(5)コントロールユニット
コントロールユニット5は、複数の環境機器6が設置された施設に設置される。コントロールユニット5は、環境制御システム1と通信可能である。本実施形態では、コントロールユニット5は、ゲートウェイ4を介して、環境制御システム1と通信する。また、コントロールユニット5は、複数の環境機器6及び複数のセンサ7と通信可能である。コントロールユニット5と環境制御システム1との間の通信方式は、例えば、イーサネット(登録商標)の規格に準拠した通信方式、又はWiFi(登録商標)等である。コントロールユニット5と複数の環境機器6及び複数のセンサ7との間の通信方式は、例えば、WiFi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標) Low Energy等である。
コントロールユニット5は、複数の環境機器6が設置された施設に設置される。コントロールユニット5は、環境制御システム1と通信可能である。本実施形態では、コントロールユニット5は、ゲートウェイ4を介して、環境制御システム1と通信する。また、コントロールユニット5は、複数の環境機器6及び複数のセンサ7と通信可能である。コントロールユニット5と環境制御システム1との間の通信方式は、例えば、イーサネット(登録商標)の規格に準拠した通信方式、又はWiFi(登録商標)等である。コントロールユニット5と複数の環境機器6及び複数のセンサ7との間の通信方式は、例えば、WiFi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標) Low Energy等である。
コントロールユニット5は、環境制御システム1の制御部24から出力される指令信号に基づいて、複数の環境機器6の各々の設定値を設定する。また、コントロールユニット5は、複数のセンサ7の各々から出力される測定値を収集し、ゲートウェイ4を介して環境制御システム1へ送信する。
(6)環境機器
複数の環境機器6は、施設に設置され、施設の空間の少なくとも1つの環境値を調整する。複数の環境機器6は、空間の温度を調整するエアーコンディショナー等を含んでいてもよい。複数の環境機器6は、空間の湿度を調整する加湿器及び除湿器のうち少なくとも一方を含んでいてもよい。複数の環境機器6は、空間を換気する換気装置を含んでいてもよい。複数の環境機器6は、空間の温度及び空間を構成する壁の温度を調整する床暖房装置及び壁暖房パネル等を含んでいてもよい。ただし、環境機器6の種類はこれらに限定されない。また、本開示で言う“壁”とは、空間を構成する部材のうち、地面に垂直な面を有する部材のみを指すのではなく、地面に垂直ではない床及び天井等の部材をも含む概念である。
複数の環境機器6は、施設に設置され、施設の空間の少なくとも1つの環境値を調整する。複数の環境機器6は、空間の温度を調整するエアーコンディショナー等を含んでいてもよい。複数の環境機器6は、空間の湿度を調整する加湿器及び除湿器のうち少なくとも一方を含んでいてもよい。複数の環境機器6は、空間を換気する換気装置を含んでいてもよい。複数の環境機器6は、空間の温度及び空間を構成する壁の温度を調整する床暖房装置及び壁暖房パネル等を含んでいてもよい。ただし、環境機器6の種類はこれらに限定されない。また、本開示で言う“壁”とは、空間を構成する部材のうち、地面に垂直な面を有する部材のみを指すのではなく、地面に垂直ではない床及び天井等の部材をも含む概念である。
複数の環境機器6の各々の設定値(設定温度又は設定湿度等)は、環境制御システム1の制御部24により決定され得る。また、ユーザの操作によっても、設定値が決定され得る。
また、複数の環境機器6の各々は、自機の設定値に関する情報を、環境制御システム1の第2取得部22へ提供してもよい。例えば、環境機器6がエアーコンディショナーである場合、設定値は、設定温度及び設定風速等である。環境機器6が加湿器又は除湿器である場合、設定値は、設定湿度等である。環境機器6が換気装置である場合、設定値は、設定風速等である。環境機器6が床暖房装置及び/又は壁暖房パネルである場合、設定値は、設定温度等である。
(7)センサ
複数のセンサ7は、複数の環境機器6が設置された施設に設置される。複数のセンサ7の各々は、環境値を測定し、環境値の測定値を出力する。測定値は、コントロールユニット5及びゲートウェイ4を介して、環境制御システム1の第1取得部21へ提供される。
複数のセンサ7は、複数の環境機器6が設置された施設に設置される。複数のセンサ7の各々は、環境値を測定し、環境値の測定値を出力する。測定値は、コントロールユニット5及びゲートウェイ4を介して、環境制御システム1の第1取得部21へ提供される。
複数のセンサ7は、空間の温度を検出する温度センサを含んでいてもよい。複数のセンサ7は、空間の湿度を検出する湿度センサを含んでいてもよい。複数のセンサ7は、空間における風速を検出する風速センサを含んでいてもよい。複数のセンサ7は、空間を構成する壁の放射温度を検出する放射温度センサを含んでいてもよい。
複数のセンサ7のうち少なくとも1つは、いずれかの環境機器6に組み込まれていてもよい。
(8)複数の環境値及び制御対象パラメータ
本実施形態では、一例として、環境制御システム1で使用される複数の環境値は、空間の温度及び空間の湿度(すなわち、相対湿度)であるとする。相対湿度は、水蒸気圧に変換可能な値である。また、複数の環境値のうち、制御対象パラメータは、空間の温度であるとする。以下の説明では、単に「温度」と言う場合は、空間の温度を指し、単に「水蒸気圧」と言う場合は、空間の水蒸気圧を指し、単に「湿度」と言う場合は、空間の湿度を指す。
本実施形態では、一例として、環境制御システム1で使用される複数の環境値は、空間の温度及び空間の湿度(すなわち、相対湿度)であるとする。相対湿度は、水蒸気圧に変換可能な値である。また、複数の環境値のうち、制御対象パラメータは、空間の温度であるとする。以下の説明では、単に「温度」と言う場合は、空間の温度を指し、単に「水蒸気圧」と言う場合は、空間の水蒸気圧を指し、単に「湿度」と言う場合は、空間の湿度を指す。
本実施形態では、複数の環境機器6は、エアーコンディショナーを含み、エアーコンディショナーは、環境制御システム1の制御部24から出力される指令信号に基づいて、空間の温度を調整する。環境制御システム1の導出部23は、ユーザ情報と、空間の湿度のデフォルト値と、に基づいて、空間の温度の制御値を求める。
(9)制御値の導出の第1例
次に、導出部23が制御対象パラメータとしての温度の制御値、すなわち、エアーコンディショナー(環境機器6)における温度の設定値を求める処理の第1例について、説明する。
次に、導出部23が制御対象パラメータとしての温度の制御値、すなわち、エアーコンディショナー(環境機器6)における温度の設定値を求める処理の第1例について、説明する。
上述の通り、導出部23は、第1取得部21で取得されたユーザ情報、及び、第2取得部22で取得された1以上の環境値の既定値に基づいて、ユーザ情報と1以上の環境値の既定値と少なくとも1つの制御対象パラメータとが所定の関係性を有するときの少なくとも1つの制御対象パラメータの値である少なくとも1つの制御値を求める。本実施形態では、導出部23は、ユーザ情報、及び、湿度の既定値(デフォルト値)に基づいて、温度の設定値を求める。
所定の関係性は、ユーザが快眠を得られやすい環境を実現するような関係性である。具体的には、所定の関係性は、ユーザの代謝量がユーザの熱損失と平衡するときの関係性である。この場合の関係性は、[数1]により表されることが、文献“A study on the thermal comfort in sleeping environments inthesubtropics-Developing a thermal comfort model for sleeping environments”(Zhongping Lin, Shiming Deng)に示されている。ただし、ユーザの代謝量を40[W/m2]と仮定する。
Rt[m2・℃/W]は、ユーザの熱抵抗であって、空気の熱抵抗及び寝具の熱抵抗等を含む。tr[℃]は、空間を構成する壁の放射温度である。hc[W/(m2・K)]は、体表面における熱伝達係数である。hcは、風速によって変化する。ta[℃]は、空間の温度(室温)である。Pa[kPa]は、空間の水蒸気圧である。
[数1]は、次の関係を表す式である。(代謝量)=(皮膚からの顕熱損失)+(皮膚からの潜熱損失)+(呼吸による顕熱損失)+(呼吸による潜熱損失)
代謝量をM[W/m2]と置くと、[数1]は[数2]に変形される。
代謝量をM[W/m2]と置くと、[数1]は[数2]に変形される。
本実施形態では、tr=taと仮定する。すると、[数1]、[数2]はhcを含まない式となる。[数2]を満たすときのtaの値が、導出部23により制御値として求められる。
代謝量Mは、ユーザの身体情報に基づいて、代謝量導出部27により求められる。代謝量Mを求めるための式としては、Ganpuleの式、Harris-Benedictの式、Schofieldの式、FAO/WHO/UNU、及び、DuBoisの式等が知られている。特定の状況(時間帯)における代謝量は、例えば、これらの式から求められる基礎代謝量に所定の係数を乗じた値として求められればよい。ユーザの就寝時の設定温度を求める際には、所定の係数を例えば1とし、ユーザの起床時の設定温度を求める際には、所定の係数を例えば1.4とする。
Ganpuleの式では、男性の基礎代謝量BMR_Mは[数3]で表され、女性の基礎代謝量BMR_Fは[数4]で表される。
W[kg]はユーザの体重、H[cm]はユーザの身長、A[歳]はユーザの年齢である。
熱抵抗Rtは、ユーザの着衣情報及び寝具情報に基づいて、熱抵抗導出部28により求められる。熱抵抗導出部28は、ユーザの寝姿勢に関する情報に更に基づいて熱抵抗Rtを求めてもよい。熱抵抗Rtの求め方の一例については、次節で改めて説明する。
水蒸気圧Paは、湿度の既定値から算出される。湿度の既定値は、例えば、55[%RH]である。
以上の情報から、導出部23は、[数2]により温度taを、制御値(設定値)として求める。その後、制御部24は、導出部23で求められた温度taの情報を含む指令信号を、コントロールユニット5へ出力する。コントロールユニット5は、指令信号に基づいてエアーコンディショナー(環境機器6)を制御する。例えば、コントロールユニット5は、エアーコンディショナー(環境機器6)の設定温度を、taにする。
(10)熱抵抗の導出
ユーザは、例えば、情報端末3の表示部34に表示される選択肢の中から、就寝時に使用する衣服及び寝具の種類を選択する。環境制御システム1の記憶部13には、各衣服及び各寝具に対応する変数の値が予め記憶されている。これらの変数を用いて、熱抵抗導出部28は、所定の関係式により熱抵抗Rtを求める。
ユーザは、例えば、情報端末3の表示部34に表示される選択肢の中から、就寝時に使用する衣服及び寝具の種類を選択する。環境制御システム1の記憶部13には、各衣服及び各寝具に対応する変数の値が予め記憶されている。これらの変数を用いて、熱抵抗導出部28は、所定の関係式により熱抵抗Rtを求める。
熱抵抗の導出に係る選択肢の例を以下に列挙する。上半身を覆う衣服の選択肢として、長袖の服、半袖の服、タンクトップ、及び、衣服無し、の選択肢が提示される。下半身を覆う衣服の選択肢として、長ズボン、半ズボン、及び、衣服無し、の選択肢が提示される。体を上から覆う寝具(掛け布団)の選択肢として、タオルケット、薄手の布団、羽毛布団、毛布、その他の寝具、及び、寝具無し、の選択肢が提示される。また、当該寝具が覆う体の部位の選択肢として、顔より下、胸部より下、及び、腹部のみ、の選択肢が提示される。体の下に敷かれる寝具の選択肢として、敷き布団、マットレス、及び、その他の寝具、の選択肢が提示される。寝姿勢の選択肢として、仰向け、横向き、及び、うつ伏せ、の選択肢が提示される。
衣服又は寝具についての選択肢に対する各回答に対応して、その衣服又は寝具のclо値(着衣量)が記憶部13に記憶されている。衣服及び寝具のclо値は、例えば、サーマルマネキンを用いた発熱量測定により予め求められている。
体を上から覆う寝具(掛け布団)が覆う体の部位の選択肢に関しては、当該寝具のclо値に乗じられる第1係数が記憶部13に記憶されている。当該寝具が体の広い範囲を覆うほど、第1係数が大きい。寝姿勢の選択肢に関しては、体の下に敷かれる寝具のclо値に乗じられる第2係数が記憶部13に記憶されている。当該寝具とユーザとの接触面積が大きくなるような寝姿勢ほど、第2係数が大きい。
熱抵抗導出部28は、例えば、各回答によるclо値の総和を、ユーザのclо値として求める。具体例として、熱抵抗導出部28は、[数5]により、ユーザの就寝時のclо値(CLO_TTL1)を求める。
ここで、CLO_TOPは上半身を覆う衣服のclо値、CLO_DWNは下半身を覆う衣服のclо値、CLO_UNDは下着のclо値で、例えば、ユーザの入力に関わらず一定値である。BED_TOPは体を上から覆う寝具のclо値、BED_HTWは上述の第1係数、BED_DWNは体の下に敷かれる寝具のclо値、BED_POSは上述の第2係数である。
また、具体例として、熱抵抗導出部28は、[数6]により、ユーザの起床時(布団から離れた直後)のclо値(CLO_TTL2)を求める。
ここで、CLO_AIRは皮膚と空気との間の熱抵抗値である。CLO_AIRは、例えば、ユーザの入力に関わらず一定値である。
熱抵抗導出部28は、このようにして求められたユーザのclо値に、所定の係数を乗じた値を、ユーザの熱抵抗として求める。本実施形態では、所定の係数は、0.155である。
なお、体を上から覆う寝具については、複数個の寝具を回答とすることが可能である。複数個の寝具が回答とされた場合、熱抵抗導出部28は、それぞれの寝具のclо値に基づいてユーザのclо値を求める。例えば、[数5]、[数6]において、BED_TOP(体を上から覆う寝具のclо値)を、各寝具のclо値の和とすればよい。
(11)制御値の導出の第2例
上述の第1例では、tr=taと仮定して制御値(温度の設定値)が求められる。これに対して、以下では、tr=taが必ずしも成り立たないとして制御値(温度の設定値)が求められる第2例について説明する。tr=taが必ずしも成り立たない場合、[数2]は空間を構成する壁の放射温度trと、体表面における熱伝達係数hcと、を含む式となる。そのため、放射温度trと、熱伝達係数hcと、を特定する処理が更に必要である。
上述の第1例では、tr=taと仮定して制御値(温度の設定値)が求められる。これに対して、以下では、tr=taが必ずしも成り立たないとして制御値(温度の設定値)が求められる第2例について説明する。tr=taが必ずしも成り立たない場合、[数2]は空間を構成する壁の放射温度trと、体表面における熱伝達係数hcと、を含む式となる。そのため、放射温度trと、熱伝達係数hcと、を特定する処理が更に必要である。
放射温度trは、例えば、放射温度計(センサ7)による測定により求められてもよい。あるいは、放射温度trは、例えば、空間の温度(室温)ta、壁の材質及び壁の構造等に基づいて所定の計算式により求められてもよい。
熱伝達係数hcは、空間における風速Va[m/s]に基づいて求められる。例えば、熱伝達係数hcは、Va>0.15の場合は[数7]により求められ、Va≦0.15の場合は[数8]により求められる。
(12)就寝時制御
就寝時制御は、ユーザの就寝時に実施される、空間の温度制御である。例えば、予め設定された時間帯に、就寝時制御が実施される。なお、ユーザの就寝時以外の時間に就寝時制御が実施されても構わない。
就寝時制御は、ユーザの就寝時に実施される、空間の温度制御である。例えば、予め設定された時間帯に、就寝時制御が実施される。なお、ユーザの就寝時以外の時間に就寝時制御が実施されても構わない。
導出部23は、環境機器6に対して就寝時制御を行うように空間の温度の制御値を求める。図2A、図2Bはそれぞれ、就寝時制御時のエアーコンディショナー(環境機器6)の設定温度、及び、空間の温度の測定値(測定温度)の一例を表している。測定温度は、温度センサ(センサ7)により測定される。エアーコンディショナーの設定温度(制御値)を調整することで、空間の温度の変化を伴う就寝時制御が実施される。
より詳細には、制御部24は、環境機器6としてのエアーコンディショナーの設定温度を指定する指令信号を、コントロールユニット5に送信する。これに応じて、コントロールユニット5がエアーコンディショナーの設定温度を、導出部23で求められた温度にする。これにより、ユーザの就寝時に、個々のユーザが快適と感じる環境を提供でき、ユーザの快眠を促すことができる。
就寝時制御では、第1時刻t11から温度低下制御を行った後、第2時刻t12から温度上昇制御を行う。温度低下制御では、空間の温度の制御値を第1温度Ta1まで低下させる。温度上昇制御では、空間の温度の制御値を第2温度Ta2まで上昇させる。
図2A、図2Bに示すように、第1時刻t11に就寝時制御が開始する。第1時刻t11は、ユーザの就寝時刻である。温度低下制御は、第1時刻t11から時刻t110までの制御である。一例として、時刻t110は、第1時刻t11から所定時間(例えば、60分)後の時刻である。温度上昇制御は、第2時刻t12から時刻t140までの制御である。一例として、第2時刻t12は、予め設定されたユーザの起床予定時刻t15より所定時間(例えば、120分)前の時刻である。
第1時刻t11より前の期間には、エアーコンディショナーの設定温度は、ユーザの操作により設定された温度Ta0である。また、第1時刻t11より前の期間には、空間の温度(測定温度)は温度Ta0である。
導出部23は、温度の制御値(設定温度)を求める。より詳細には、導出部23は、ユーザの代謝量、ユーザの熱抵抗、及び、湿度(水蒸気圧)の既定値に基づいて、[数2]により、設定温度を求める。図2Aの第1時刻t11では、設定温度は、第1温度Ta1に設定される。第1温度Ta1は、温度Ta0より小さい。
設定温度が第1温度Ta1に設定されることで、空間の温度(測定温度)が時間の経過と共に第1温度Ta1まで低下する。図2Bでは、時刻t110に空間の温度(測定温度)が第1温度Ta1となる。
設定温度は、第1時刻t11から第2時刻t12まで、第1温度Ta1に保たれる。第2時刻t12に、制御部24は、設定温度を増加させる。より詳細には、制御部24は、設定温度が時刻t140に第2温度Ta2に到達するように、設定温度を徐々に増加させる。本実施形態では制御部24は、設定温度を時間の経過と共に不連続に(階段状に)増加させる。時刻t140は、ユーザの起床予定時刻t15よりも前の時刻である。起床予定時刻t15は、予め設定された時刻である。第2温度Ta2は、温度Ta0よりも高い。
第2時刻t12から時刻t14までの間、制御部24は、複数段階にわたって設定温度を増加させる。具体的には、制御部24は、第2時刻t12に設定温度をTa_aにし、その後、時刻t13に設定温度をTa_bにし、その後、時刻t14に設定温度を第2温度Ta2にする。
その後、起床予定時刻t15に、制御部24は、設定温度を温度Ta0にする。つまり、起床予定時刻t15に制御部24は、設定温度を就寝時刻t1までの設定温度と等しい温度にする。起床予定時刻t15の直前の設定温度である第2温度Ta2は温度Ta0より高いため、ユーザが起床時に肌寒く感じる可能性を低減させることができる。
(13)就寝時制御の開始までの動作フロー
図2A、図3、図4を参照して、環境制御システム1の動作フローの一例について説明する。
図2A、図3、図4を参照して、環境制御システム1の動作フローの一例について説明する。
ユーザの就寝時刻t1より前の期間には、エアーコンディショナー(環境機器6)の設定温度は、ユーザの操作により設定された温度Ta0である。就寝時刻t1よりも前に、ユーザは、情報端末3の操作部35を操作して、ユーザ情報を入力する。ユーザ情報は、ユーザの代謝量に関する情報(年齢及び性別等)及びユーザの熱抵抗に関する情報(着衣情報及び寝具情報等)を含む。なお、次回以降に環境制御システム1が使用される際には、それよりも前の回に入力されたユーザ情報が適用されてもよく、この場合は、ユーザ情報の入力を省略できる。
ユーザ情報は、環境制御システム1の第1取得部21に取得される(ステップST1:Yes)。また、環境値としての湿度について、その既定値(ここでは、デフォルト値)が第2取得部22に取得される(ステップST2:Yes)。既定値は、例えば、環境制御システム1の記憶部13に予め記憶されており、記憶部13から読み出される。
導出部23は、第1取得部21で取得されたユーザ情報、及び、第2取得部22で取得された既定値に基づいて、温度の制御値(設定温度)を求める。具体的には、まず、代謝量導出部27は、ユーザ情報に含まれる身体情報に基づいてユーザの代謝量を求める(ステップST3)。さらに、熱抵抗導出部28は、ユーザ情報に含まれる着衣情報及び寝具情報等に基づいてユーザの熱抵抗を求める(ステップST4)。導出部23が図2Aの第1温度Ta1を求めるためには、熱抵抗導出部28は、[数5]と[数6]とのうち[数5]を用いて熱抵抗を求める。また、導出部23が図2Aの第2温度Ta2を求めるためには、熱抵抗導出部28は、[数5]と[数6]とのうち[数6]を用いて熱抵抗を求める。
その後、導出部23は、ユーザの代謝量、ユーザの熱抵抗、及び、湿度(水蒸気圧)の既定値に基づいて、[数2]により、温度の制御値を求める(ステップST5)。すなわち、導出部23は、温度の制御値としての、第1温度Ta1と第2温度Ta2とを求める。
次に、補正部29は、後述するステップST17で補正量を決定済みであるか否かを判定する(ステップST6)。補正量を決定済みの場合は、補正量に基づいて、導出部23は、制御値を再計算する(ステップST7)。補正量を決定済みではない場合は、ステップST5で求められた制御値を維持する。ステップST7についての詳細は、後述する。
就寝時刻t1になると、制御部24は、就寝時制御を開始し(ステップST8、ST9)、導出部23で求められた制御値に基づいて、環境機器6(エアーコンディショナー)を制御する。就寝時制御の詳細は、“(12)就寝時制御”で述べた通りである。
(14)ユーザ情報の変更の提案
上述した通り、問い合わせ部25は、初期値変更条件を満たす場合にユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる。問い合わせ部25は、例えば、就寝時制御が終了したときに、問い合わせステップを実行する。すなわち、問い合わせ部25は、例えば、就寝時制御を終了したときに、初期値変更条件を満たすか否かを判断し、初期値変更条件を満たす場合にユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる(ステップST10、ST11、ST12)。
上述した通り、問い合わせ部25は、初期値変更条件を満たす場合にユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる。問い合わせ部25は、例えば、就寝時制御が終了したときに、問い合わせステップを実行する。すなわち、問い合わせ部25は、例えば、就寝時制御を終了したときに、初期値変更条件を満たすか否かを判断し、初期値変更条件を満たす場合にユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる(ステップST10、ST11、ST12)。
そして、変更部26は、次の入力ステップと、変更ステップと、を実行する。入力ステップは、問い合わせステップの後に実行される。入力ステップは、ユーザ情報の変更要否に関する情報の入力を、ユーザから受け付けるステップである。変更ステップは、入力ステップにおけるユーザの入力が「変更要」であった場合に、ユーザ情報の入力をユーザから受け付けてユーザ情報を変更するステップである。
例えば、問い合わせ部25は、初期値変更条件を満たす場合に、ユーザ情報の変更要否を問うメッセージを、通信部12を介して情報端末3に送信する。ユーザは、情報端末3を操作することで、ユーザ情報の変更要否を回答する。情報端末3は、「変更要」又は「変更拒否」の回答を、変更部26へ送信する(ステップST13)。
回答が「変更要」であった場合、情報端末3は、さらに、新たなユーザ情報の入力を促す画面を表示部34に表示する。ユーザは、情報端末3を操作することで、新たなユーザ情報を入力する(ステップST14)。情報端末3に入力された新たなユーザ情報は、変更部26へ送信される。変更部26は、新たなユーザ情報を、記憶部13に記憶させる。また、記憶部13に既存のユーザ情報が記憶されている場合は、変更部26は、既存のユーザ情報を消去する。これにより、ユーザ情報の変更(更新)が完了する(ステップST15)。以降は、環境制御システム1は、新たなユーザ情報に基づいて、制御値(例えば、エアーコンディショナーにおける温度の設定値)を求める。
なお、初期値変更条件を満たさない場合であっても(ステップST11:No)、ユーザが任意で、新たなユーザ情報を入力可能であってもよい。つまり、ユーザは、ユーザ情報の変更要否についての問い合わせを受けていないときであっても、ユーザの判断で、新たなユーザ情報を入力してもよい。
本実施形態の環境制御方法は、保存ステップを更に有する。保存ステップは、入力ステップにおけるユーザの入力が「変更拒否」であった場合に、変更拒否日付け、変更拒否回数、及び、移動平均外気温のうち少なくとも1つを保存するステップである。以下では、保存ステップで変更拒否日付け、変更拒否回数、及び、移動平均外気温が保存されるとして説明する。つまり、問い合わせ部25は、「変更拒否」の入力がされた日付け、「変更拒否」の入力がされた回数、及び、「変更拒否」の入力がされた日の気温を含む移動平均外気温を、記憶部13に記憶させる。上記移動平均外気温は、例えば、「変更拒否」の入力がされた日と、この日までの過去数日間との、日平均気温を平均した値である。各日の日平均気温は、温度センサにより計測されてもよいし、環境制御システム1が外部から各日の日平均気温の情報を取得してもよい。
移動平均を取ることで、一時的な外気温の上昇又は減少の影響を抑えられる。
上述の通り、本実施形態の環境制御方法では、問い合わせステップが実行される。問い合わせステップは、初期値変更条件を満たすか否かを判断し、初期値変更条件を満たす場合にユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせるステップである。初期値変更条件を満たさない場合には、ユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる処理が実行されないため、ユーザ情報の変更の要否を入力することによるユーザの負担を軽減することができる。
一例として、初期値変更条件は、所定の日にちを過ぎることを含む。所定の日にちは、例えば、衣替えの時期と重なるように設定される。また、所定の日にちは、地域ごとに異なる日にちであってもよい。つまり、環境制御システム1の初回起動時にユーザが、環境制御システム1を使用する地域を入力し、環境制御システム1は、記憶部13に記憶されたデータテーブルを参照して、所定の日にちを特定する。データテーブルは、地域と所定の日にちとの対応を表すデータを含む。
また、一例として、初期値変更条件は、最後にユーザ情報が変更されてから一定日数以上が経過していることを含む。さらに、一例として、初期値変更条件は、上述の就寝時制御の終了時であることを含む、若しくは、所定の時刻になることを含む。
上述の通り、ユーザ情報は、ユーザの代謝量に関する情報及びユーザの熱抵抗に関する情報を含む。このように、ユーザ情報は、複数の項目を含む。初期値変更条件が満たされた場合に変更要否が問われる対象は、複数の項目のうち、一部の項目のみであってもよい。以下では、初期値変更条件が満たされた場合に変更要否が問われる対象は、ユーザの熱抵抗に関する情報としての、着衣情報及び寝具情報であるとして説明する。この場合は、問い合わせ部25は、初期値変更条件が満たされた場合に、ユーザが着衣(衣服)又は寝具を変えたか否かを問い合わせることになる。着衣情報又は寝具情報が変更されると、熱抵抗(ステップST4参照)が異なる値となり、熱抵抗に基づいた制御値も異なる値となる。
次に、初期値変更条件がそれぞれ異なる複数の事例を挙げて、初期値変更条件が満たされるか否かの判断がどのようになされるかを説明する。なお、以下の複数の事例のうち、2つ以上の事例の各々の初期値変更条件の組み合わせを、別の事例の初期値変更条件としてもよい。
(14.1)第1の事例
以下では、初期値変更条件が、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」及び、「就寝時制御の終了時であること」を含むとして説明する。毎日1回、就寝時制御の終了時が訪れる。そして、例えば、5月1日と10月1日とが所定の日にちとして設定されており、5月10日にユーザ情報が変更されたとする。この場合、5月11日には、5月1日を過ぎているものの、初期値変更条件は満たされない。つまり、10月1日まで、初期値変更条件は満たされない。
以下では、初期値変更条件が、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」及び、「就寝時制御の終了時であること」を含むとして説明する。毎日1回、就寝時制御の終了時が訪れる。そして、例えば、5月1日と10月1日とが所定の日にちとして設定されており、5月10日にユーザ情報が変更されたとする。この場合、5月11日には、5月1日を過ぎているものの、初期値変更条件は満たされない。つまり、10月1日まで、初期値変更条件は満たされない。
10月1日に就寝時制御が終了すると、初期値変更条件は満たされ、問い合わせ部25は、ユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる。ユーザの回答が「変更要」であると、ユーザが新たなユーザ情報を入力し、ユーザ情報が変更される。ユーザの回答が「変更拒否」であると、次は、10月2日に就寝時制御が終了したときに、初期値変更条件が満たされ、問い合わせ部25は、ユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる。
このように、10月1日以降には、ユーザ情報が変更されるまで毎日、問い合わせ部25は、ユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる。一方で、最後にユーザ情報が変更された日にち(5月10日)から所定の日にち(10月1日)までは、問い合わせ部25は、ユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる処理を行わないので、問い合わせに応答することによるユーザの負担を軽減することができる。
(14.2)第2の事例
次に、以下では、初期値変更条件が、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」及び、「就寝時制御の終了時であること」に加えて、「前回の変更拒否日付けから現在の日付けまでの経過日数が所定日数以上であること」を含むとして説明する。例えば、所定日数が2日である場合を考える。
次に、以下では、初期値変更条件が、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」及び、「就寝時制御の終了時であること」に加えて、「前回の変更拒否日付けから現在の日付けまでの経過日数が所定日数以上であること」を含むとして説明する。例えば、所定日数が2日である場合を考える。
10月1日に問い合わせ部25がユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせ、これに対して「変更拒否」の回答がされたとする。10月2日には、経過日数は1日なので、初期値変更条件が満たされない。次に、10月3日には、経過日数は2日なので、初期値変更条件が満たされる。
ユーザが「変更拒否」の回答を繰り返したとしても、問い合わせ部25は、毎日ではなく、所定日数(2日)が経過するごとにユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせるので、ユーザの負担を軽減することができる。
所定日数は2日以上が好ましい。上では所定日数を2日(一定日数)としたが、所定日数は、ユーザの回答が「変更拒否」であった日数(以下、「拒否日数」と呼ぶ)に応じて変化する変数であってもよい。また、拒否日数が増加するにつれて所定日数が減少してもよい。例えば、拒否日数が0、1、2、と変化するに応じて、所定日数が5、3、2、と変化し、拒否日数が3回以上の場合は、所定日数が2回であってもよい。
(14.3)第3の事例
次に、以下では、初期値変更条件が、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」及び、「就寝時制御の終了時であること」に加えて、「初期値変更条件を満たすか否かの判断の回数(以下、「判断回数」と呼ぶ)が所定回数以上であること」を含むとして説明する。また、判断回数は、条件に応じて初期化されて0回になる。具体的には、ユーザ情報の変更要否についての問い合わせに対して、ユーザが回答した場合、判断回数が0回になる。
次に、以下では、初期値変更条件が、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」及び、「就寝時制御の終了時であること」に加えて、「初期値変更条件を満たすか否かの判断の回数(以下、「判断回数」と呼ぶ)が所定回数以上であること」を含むとして説明する。また、判断回数は、条件に応じて初期化されて0回になる。具体的には、ユーザ情報の変更要否についての問い合わせに対して、ユーザが回答した場合、判断回数が0回になる。
例えば、所定回数が1回であって、毎日、就寝時制御の終了時に、初期値変更条件を満たすか否かを問い合わせ部25が判断する場合を考える。10月1日に問い合わせ部25がユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせ、これに対して「変更拒否」の回答がされたとする。ユーザが回答したため、判断回数は初期化されて0回になる。
10月2日には、問い合わせ部25は、初期値変更条件を満たすか否かを判断する。判断の直前の時点では、判断回数は0回なので、初期値変更条件が満たされない。その後、判断回数は、1回に更新される。
次に、10月3日には、問い合わせ部25は、初期値変更条件を満たすか否かを判断する。判断の直前の時点では、判断回数は1回なので、初期値変更条件が満たされる。
このように、問い合わせ部25は、毎日ではなく、初期値変更条件を満たすか否かの判断の機会が数回(2回)訪れるごとにユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせるので、ユーザの負担を軽減することができる。
所定回数は1回以上が好ましい。上では所定回数を1回(一定回数)としたが、所定回数は、ユーザの回答が「変更拒否」であった回数(以下、「拒否回数」と呼ぶ)に応じて変化する変数であってもよい。また、拒否回数が増加するにつれて所定回数が減少してもよい。例えば、拒否回数が0、1、2、3、と変化するに応じて、所定回数が5、3、2、1、と変化し、拒否回数が4回以上の場合は、所定回数が1回であってもよい。
(14.4)第4の事例
次に、以下では、初期値変更条件が、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」及び、「就寝時制御の終了時であること」に加えて、「現時点の移動平均外気温と、前回に入力ステップにおけるユーザの入力(回答)が「変更拒否」であったときの移動平均外気温と、の差分が所定の温度範囲外であること」を含むとして説明する。
次に、以下では、初期値変更条件が、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」及び、「就寝時制御の終了時であること」に加えて、「現時点の移動平均外気温と、前回に入力ステップにおけるユーザの入力(回答)が「変更拒否」であったときの移動平均外気温と、の差分が所定の温度範囲外であること」を含むとして説明する。
移動平均外気温は、幾日かの日平均気温を平均した値である。就寝時制御が終了すると、問い合わせ部25は、当日と当日までの過去数日間との、日平均気温を平均した値を、当日の移動平均外気温として記憶部13に記憶させる。例えば、問い合わせ部25は、10月6日から10月20日までの各日の日平均気温の平均値を、10月20日の移動平均外気温とする。10月20日にユーザの回答が「変更拒否」であったとする。
次に、10月21日には、問い合わせ部25は、10月21日の移動平均外気温(10月7日から10月21日までの各日の日平均気温の平均値)を求め、記憶部13に記憶させる。その後、問い合わせ部25は、初期値変更条件を満たすか否かを判断する。つまり、問い合わせ部25は、10月21日の移動平均外気温と10月20日の移動平均外気温との差分が所定の温度範囲外であるか否かを判断する。差分が所定の温度範囲外である場合は、初期値変更条件が満たされる。
10月21日に初期値変更条件が満たされなかった場合は、10月22日以降も10月21日と同様に、問い合わせ部25は、当日の移動平均外気温を求めて記憶部13に記憶させ、問い合わせ部25は、初期値変更条件を満たすか否かを判断する。
10月21日に初期値変更条件が満たされて、ユーザの回答が「変更拒否」であった場合は、10月22日以降は、初期値変更条件は、「当日の移動平均外気温と10月21日の移動平均外気温との差分が所定の温度範囲外であること」を含むことになる。
前回にユーザの回答が「変更拒否」であったときから現在までに十分な温度変化があった場合に、現時点の移動平均外気温と、前回に入力ステップにおけるユーザの入力(回答)が「変更拒否」であったときの移動平均外気温と、の差分が所定の温度範囲外となる。
逆に、温度変化が小さい場合は、着衣や寝具を変更する必要性が小さく、よってユーザ情報が変更される可能性も低い。本事例では、こうした場合に初期値変更条件が満たされないように初期値変更条件が設定されているので、ユーザに対する無駄な問い合わせを減らせる。
なお、日にちに応じて、所定の温度範囲が変化してもよい。例えば、夏季から冬季にかけて(例えば10月に)ユーザ情報の変更要否を問い合わせる処理は、外気温の低下に伴いユーザが着衣又は寝具をより暖かいものへ変えたか否かを問い合わせるための処理である。そこで、このような場合は、現時点の移動平均外気温が、前回に入力ステップにおけるユーザの入力(回答)が「変更拒否」であったときの移動平均外気温よりも所定温度以上低いときに、初期値変更条件が満たされるように、所定の温度範囲が設定されているとよい。また、例えば、冬季から夏季にかけて(例えば5月に)ユーザ情報の変更要否を問い合わせる処理は、外気温の上昇に伴いユーザが着衣又は寝具をより涼しいものへ変えたか否かを問い合わせるための処理である。そこで、このような場合は、現時点の移動平均外気温が、前回に入力ステップにおけるユーザの入力(回答)が「変更拒否」であったときの移動平均外気温よりも所定温度以上高いときに、初期値変更条件が満たされるように、所定の温度範囲が設定されているとよい。所定温度は、例えば、0.5℃又は1.0℃である。
若しくは、夏季から冬季にかけて(例えば10月に)一時的に気温が上昇した場合や、冬季から夏季にかけて(例えば5月に)一時的に気温が低下した場合に対応するために、次のように所定の温度範囲が設定されていてもよい。すなわち、現時点の移動平均外気温と前回に入力ステップにおけるユーザの入力(回答)が「変更拒否」であったときの移動平均外気温との差分の絶対値が所定値以上のときに、初期値変更条件が満たされるように、所定の温度範囲が設定されていてもよい。
(14.5)第5の事例
次に、以下では、初期値変更条件が、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」及び、「就寝時制御の終了時であること」に加えて、「少なくとも1つの制御対象パラメータ(温度)が制御される対象の空間を含む地域における過去所定日数の移動平均不快指数が第1所定範囲外となること」を含むとして説明する。
次に、以下では、初期値変更条件が、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」及び、「就寝時制御の終了時であること」に加えて、「少なくとも1つの制御対象パラメータ(温度)が制御される対象の空間を含む地域における過去所定日数の移動平均不快指数が第1所定範囲外となること」を含むとして説明する。
上記移動平均不快指数は、例えば、現在の日にちと、現在の日にちまでの過去数日と、を含む所定日数の、日平均不快指数を平均した値である。
例えば、環境制御システム1が外部から不快指数の情報を取得してもよい。あるいは、不快指数は、湿度センサの計測値に基づいて求められてもよい。不快指数は、例えば、次式で求められる。
不快指数=(乾球温度+湿球温度)×0.72+40.6
乾球温度、湿球温度はそれぞれ、セ氏温度である。
第1所定範囲は、例えば、50~60の範囲と、70~80の範囲と、の組み合わせである。移動平均不快指数が第1所定範囲外となるタイミングは、季節の変化時点であると推定される。そのため、初期値変更条件が満たされるタイミングは、季節の変化時点に近くなる。
(14.6)第6の事例
次に、以下では、初期値変更条件が、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」及び、「就寝時制御の終了時であること」に加えて、「ユーザの体動指数の過去所定日数の移動平均値が第2所定範囲外となること」を含むとして説明する。
次に、以下では、初期値変更条件が、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」及び、「就寝時制御の終了時であること」に加えて、「ユーザの体動指数の過去所定日数の移動平均値が第2所定範囲外となること」を含むとして説明する。
環境制御システム1は、体動指数を毎日求める。上記移動平均値は、例えば、現在の日にちと、現在の日にちまでの過去数日と、を含む所定日数の体動指数を平均した値である。
体動指数は、ユーザの身体の動きに関する指標である。特に、体動指数は、就寝時のユーザの身体の動きに関する指標である。体動指数は、例えば、バイタルセンサにより検出されたユーザの身体の動きに基づいて求められる。ユーザが大きく動くほど、また、頻繁に動くほど、体動指数が大きい。
一般に、気温が高いと、体動が大きくなり、体動指数が大きくなる。また、一般に、気温が低いと、体動が小さくなり、体動指数が小さくなる。第2所定範囲を適切に設定すると、体動指数の移動平均値が第2所定範囲外となるタイミングは、季節の変化時点に近くなる。そのため、初期値変更条件が満たされるタイミングは、季節の変化時点に近くなる。
(14.7)第7の事例
第7の事例では、環境制御方法は参照値保存ステップを更に有する。参照値保存ステップは、入力ステップにおけるユーザの入力(回答)が「変更要」であった場合に、ユーザ情報を変更する直前の所定日数の移動平均気温及び移動平均不快指数の少なくとも一方を、参照値として保存するステップである。また、第7の事例では、初期値変更条件は、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」及び、「就寝時制御の終了時であること」に加えて、「今回の参照値と前年度の参照値との差分が所定範囲内であること」を含む。
第7の事例では、環境制御方法は参照値保存ステップを更に有する。参照値保存ステップは、入力ステップにおけるユーザの入力(回答)が「変更要」であった場合に、ユーザ情報を変更する直前の所定日数の移動平均気温及び移動平均不快指数の少なくとも一方を、参照値として保存するステップである。また、第7の事例では、初期値変更条件は、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」及び、「就寝時制御の終了時であること」に加えて、「今回の参照値と前年度の参照値との差分が所定範囲内であること」を含む。
例えば、施設において環境制御システム1を初めて使用する年度(当該年度を、2022年度とする)には、前年度の参照値が記憶部13に保存されていない。そのため、代替手段として、問い合わせ部25は、例えば、第1~第6のいずれかの事例で述べた初期値変更条件に基づいて、ユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる。そして、問い合わせ部25は、ユーザの回答が「変更要」であった場合に、当日の移動平均気温及び移動平均不快指数の少なくとも一方を、参照値として記憶部13に保存する(記憶させる)。2022年10月20日にユーザの回答が「変更要」であった場合は、問い合わせ部25は、例えば、2022年10月6日から2022年10月20日までの移動平均気温及び移動平均不快指数の少なくとも一方を、参照値として記憶部13に保存する。
翌年度(2023年度)には、所定の日にち以降、問い合わせ部25は、当日の移動平均気温及び移動平均不快指数の少なくとも一方を、今回(当日)の参照値として保存する。そして、今回の参照値と前年度(2022年度)の参照値との差分が所定範囲内であれば、初期値変更条件が満たされる。なお、(2023年度の)現在の日にちにかかわらず、前年度の参照値は一定値である。
第7の事例によれば、ユーザが前年度に「変更要」と回答したときの環境(気温及び/又は不快指数)と現在の環境とが近い場合に、初期値変更条件が満たされ、ユーザ情報の変更要否を問い合わせる処理がなされる。そのため、ユーザ情報の変更要否を問い合わせる処理がなされるタイミングを、ユーザにとって適切なタイミングにすることができる。
(14.8)第8の事例
上述した通り、上に挙げた複数の事例のうち、2つ以上の事例の各々の初期値変更条件の組み合わせを、別の事例の初期値変更条件としてもよい。第8の事例の初期値変更条件は、第7の事例と第2の事例との各々の初期値変更条件の組み合わせである。
上述した通り、上に挙げた複数の事例のうち、2つ以上の事例の各々の初期値変更条件の組み合わせを、別の事例の初期値変更条件としてもよい。第8の事例の初期値変更条件は、第7の事例と第2の事例との各々の初期値変更条件の組み合わせである。
すなわち、第8の事例の初期値変更条件は、「最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎること」、「就寝時制御の終了時であること」、「前回の変更拒否日付けから現在の日付けまでの経過日数が所定日数以上であること」、を含む。更に、初期値変更条件は、最後にユーザ情報が変更された日にちよりも後の所定の日にちを過ぎてから1回以上、「今回の参照値と前年度の参照値との差分が所定範囲内となったこと」を含む。
例えば、所定の日にちが10月1日であって、所定の日にち以降では2023年10月25日に初めて、「今回の参照値と前年度の参照値との差分が所定範囲内」となり、初期値変更条件が満たされたとする。そして、ユーザの回答が「変更拒否」であったとする。ユーザが「変更拒否」の回答を繰り返した場合、2023年10月26日以降は、所定日数が経過するごとに、初期値変更条件が満たされる。
(15)制御値の第1補正
補正部29は、空間の温度の制御値について、第1補正及び第2補正の少なくとも一方を行う。まずは、第1補正について説明する。
補正部29は、空間の温度の制御値について、第1補正及び第2補正の少なくとも一方を行う。まずは、第1補正について説明する。
第1補正は、温冷感覚入力ステップと、補正ステップと、により実現される。温冷感覚入力ステップは、ユーザの睡眠中の温冷感覚及びユーザの起床時の温冷感覚のうち少なくとも一方に関する温冷感覚情報の入力をユーザから受け付けるステップである。補正ステップは、温冷感覚入力ステップで入力された温冷感覚情報に基づいて、導出ステップで求められた空間の温度の制御値を補正するステップである。補正ステップが実行された後には、制御ステップでは、補正ステップで補正された後の空間の温度の制御値に基づいて、環境機器6を制御する。
以下、第1補正についてより詳細に説明する。環境制御システム1は、ユーザの起床時に、ユーザに対してアンケートを実施する(図4のステップST16)。アンケートは、ユーザの温冷感覚に関するアンケートである。環境制御システム1は、アンケートの結果に基づいて、補正量を決定し(図4のステップST17)、ユーザの就寝時における空間の温度の制御値を補正する(図3のステップST7)。これにより、ユーザの快眠を促すことができる。
導出部23は、空間の温度の制御値を求める際には、ユーザの代謝量及び熱抵抗を参照する。しかしながら、代謝量及び熱抵抗の誤差に起因して、空間の温度の制御値が、ユーザが快適と感じる温度から乖離する可能性がある。また、環境機器6(エアーコンディショナー等)とユーザとの位置関係等に起因して、ユーザの周囲の温度が局所的に低温又は高温となり、ユーザが快適と感じる温度から乖離する可能性もある。そこで、環境制御システム1は、空間の温度の制御値を補正することで、ユーザがより快適と感じる空間を提供できる。
補正部29は、ユーザに対するアンケートの実施の要否、及び、アンケートの内容を、就寝時制御の実施状況に基づいて決定する。
補正部29がアンケートを実施することを決定すると、環境制御システム1の通信部12は、補正部29の決定内容を情報端末3へ通知する。すると、情報端末3は、ユーザにアンケートを提示する。より詳細には、情報端末3の表示部34は、アンケートの内容を表示する。ユーザは、情報端末3の操作部35を操作することで、アンケートに回答することができる。情報端末3の通信部32は、アンケートの結果を環境制御システム1へ通知する。
補正部29は、導出部23で求められた空間の温度の制御値を、アンケートの結果に基づいて補正する。制御部24は、補正部29で補正された後の制御値に基づいて、環境機器6を制御する。
以下、第1補正について、更に詳細に説明する。
一例として、図2A、図2Bの各設定温度は、[数9]~[数12]により求められる(図3のステップST7)。なお、エアーコンディショナー等の環境機器6の設定温度が一定値(例えば1℃)刻みで設定可能な場合、実際には設定温度は、[数9]~[数12]により求められる値に最も近い設定温度に設定される。
Ta1_initは、導出部23で求められた、補正前の第1温度(制御値)である。補正前の第1温度は、例えば、[数2]により求められる温度taである。[数2]によれば、補正前の第1温度は、ユーザの熱抵抗に基づいて求められる。補正前の第1温度を求める際には、[数5]と[数6]とのうち[数5]を用いて熱抵抗を求める。[数5]は、ユーザが寝具を身に着けているときのユーザの熱抵抗を求める式である。
Ta1_adjustは、アンケート(後述の睡眠中アンケート)の結果から求められる補正量である。
Ta2_initは、導出部23で求められた、補正前の第2温度(制御値)である。補正前の第2温度は、例えば、[数2]により求められる温度taである。補正前の第2温度を求める際には、[数5]と[数6]とのうち[数6]を用いて熱抵抗を求める。[数6]は、ユーザが寝具を身に着けていないときのユーザの熱抵抗を求める式である。
Ta2_adjustは、アンケート(後述の起床時アンケート)の結果から求められる補正量である。
次に、アンケートについて説明する。上述の通り、情報端末3の表示部34は、アンケートの内容を表示する。ユーザは、情報端末3の操作部35を操作することで、アンケートに回答することができる。
アンケートは、睡眠時アンケートと、起床時アンケートと、を含み得る。睡眠時アンケートでは、ユーザは、ユーザの睡眠中の温冷感覚を回答する。起床時アンケートでは、ユーザは、ユーザの起床時の温冷感覚を回答する。
ユーザは、起床時に情報端末3に所定の操作をする。これに応じて、情報端末3は、ユーザが起床したことを環境制御システム1に通知する。
補正部29は、ユーザの起床時に、アンケートの要否を判断し、アンケートを要すると補正部29が判断した場合には、情報端末3によりアンケートが実施される。
また、環境制御システム1の制御部24は、起床予定時刻t15に就寝時制御を終了する。制御部24が就寝時制御をしているときに、例えば、情報端末3に上記所定の操作がされると、制御部24は、就寝時制御を中断する。また、例えば、ユーザの操作により環境制御システム1の動作モードが、自動モードから手動モードに切り替えられた場合に、制御部24は、就寝時制御を中断する。自動モードでは、エアーコンディショナー等の環境機器6の制御値を導出部23が求める。手動モードでは、ユーザは、情報端末3の操作部35を操作することで、エアーコンディショナー等の環境機器6の制御値を入力する。
補正部29は、就寝時制御の中断状況に基づいて、アンケートの要否を判断する。より詳細には、ユーザが起床して就寝時制御を終了させると、補正部29は、就寝時制御が中断された時刻に基づいて、アンケートの要否を判断する。つまり、補正部29は、ユーザの起床時刻に基づいて、アンケートの要否を判断する。
例えば、予め設定された起床予定時刻t15に上記所定の操作がされた場合は、就寝時制御が中断されることなく終了し、補正部29は、睡眠時アンケートと起床時アンケートとの両方を実施することを決定する。また、例えば、起床予定時刻t15から所定時間以内に上記所定の操作がされた場合は、補正部29は、睡眠時アンケートと起床時アンケートとの両方を実施することを決定する。
また、第2時刻t12よりも前に就寝時制御が中断された場合には、補正部29は、睡眠中アンケートのみを実施する。ただし、後述するように、時刻t110よりも前に就寝時制御が中断された場合には、補正部29は、睡眠中アンケートと起床時アンケートとのいずれも行わない。
つまり、第2時刻t12よりも前に就寝時制御が中断された場合は、温冷感覚入力ステップでは、温冷感覚情報として、ユーザの起床時の温冷感覚に関する情報の入力を省略する。そして、温冷感覚入力ステップでは、ユーザの睡眠中の温冷感覚に関する情報の入力をユーザから受け付ける。ユーザの起床時の温冷感覚は、第2時刻t12以降の温度上昇制御のもとでの温冷感覚に相当する。第2時刻t12よりも前に就寝時制御が中断された場合にユーザの起床時の温冷感覚の入力を省略することで、温度上昇制御と関係しない回答がされることを抑制できる。
ユーザは、起床時に睡眠中アンケートに回答する。睡眠中アンケートでは、ユーザは、睡眠中の温冷感覚を回答する。すなわち、ユーザは、睡眠中に暑かったか、寒かったか、ちょうどよい温度だったか、を回答する。
[表1]に、睡眠中アンケートの回答と補正量Ta1_adjustの変化量との関係の一例を示す。
環境制御システム1の記憶部13は、例えば、[表1]に相当するデータテーブルを記憶している。補正部29は、データテーブルを参照して、睡眠中アンケートの回答から新たな補正量Ta1_adjustを求める。新たな補正量Ta1_adjustは、直前の補正量Ta1_adjustと、[表1]から求められる変化量との和である。また、補正量Ta1_adjustの初期値は、0である。
よって、睡眠中アンケートが複数回行われた場合、補正量Ta1_adjustは、複数回の睡眠中アンケートの回答に応じた複数の変化量の総和となる。例えば、補正量Ta1_adjustが0の状態から、ユーザが2回続けて睡眠中アンケートに「暑い」と回答すると、補正量Ta1_adjustは-2℃となる。
補正量Ta1_adjustが求められると、以後、補正部29は、導出部23で求められた第1温度Ta1_init(設定温度)を、[数9]により補正する。
また、測定温度が第1温度Ta1まで低下する時刻t110よりも前に就寝時制御が中断された場合には、補正部29は、睡眠中アンケートと起床時アンケートとのいずれも行わない。すなわち、(第1時刻t11から時刻t110までの)温度低下制御において空間の温度が第1温度Ta1まで低下するよりも前に就寝時制御が中断された場合は、温冷感覚入力ステップを省略する。これにより、就寝時制御が殆ど行われていないにもかかわらず回答がされることを抑制できる。空間の温度が第1温度Ta1まで低下したか否かが、空間の温度の測定値を監視することで判断されてもよいし、就寝時制御が中断された時刻が時刻t110より前であれば空間の温度が第1温度Ta1まで低下していないと判断されてもよい。
また、第2時刻t12より後まで就寝時制御が継続された場合は、補正部29は、睡眠中アンケートと起床時アンケートとの両方を実施する。すなわち、この場合、温冷感覚入力ステップでは、温冷感覚情報として、ユーザの睡眠中の温冷感覚及びユーザの起床時の温冷感覚に関する情報の入力をユーザから受け付ける。
[表2]に、起床時アンケートの回答と補正量Ta2_adjustの変化量との関係の一例を示す。
環境制御システム1の記憶部13は、例えば、[表2]に相当するデータテーブルを記憶している。補正部29は、データテーブルを参照して、起床時アンケートの回答から新たな補正量Ta2_adjustを求める。新たな補正量Ta2_adjustは、直前の補正量Ta2_adjustと、[表2]から求められる変化量との和である。また、補正量Ta2_adjustの初期値は、0である。
よって、起床時アンケートが複数回行われた場合、補正量Ta2_adjustは、複数回の起床時アンケートの回答に応じた複数の変化量の総和となる。例えば、補正量Ta2_adjustが0の状態から、ユーザが2回続けて起床時アンケートに「暑い」と回答すると、補正量Ta2_adjustは-2℃となる。
補正量Ta2_adjustが求められると、以後、補正部29は、導出部23で求められた第2温度Ta2_init(設定温度)を、[数10]により補正する。
また、環境制御システム1は、ユーザの入力に応じて、補正量Ta1_adjust、Ta2_adjustの振れ幅を変更してもよい。振れ幅は、補正量Ta1_adjust、Ta2_adjustの大きさを指す。例えば、[表1]、[表2]では、補正量Ta1_adjust、Ta2_adjustは-1.0℃~+1.0℃の範囲である。ユーザが情報端末3の操作部35を操作することで、補正量Ta1_adjust、Ta2_adjustが例えば-5.0℃~+5.0℃の範囲に変更されてもよい。
問い合わせ部25は、通知ステップを更に実行してもよい。通知ステップでは、問い合わせ部25は、着衣及び寝具のうち少なくとも一方の変更を促す通知を行う。
問い合わせ部25は、所定の条件が満たされているか否かを判定する。所定の条件が満たされた場合に、問い合わせ部25は、通信部12に上記通知に関する情報を情報端末3へ送信させ、これに応じて、情報端末3がユーザに通知を行う。
所定の条件は、第1条件と第2条件とのうち少なくとも一方が満たされることである。第1条件は、補正ステップにおける空間の温度の制御値(設定温度)の補正量の絶対値が閾値よりも大きいことである。閾値は、予め設定された値である。閾値は、例えば、4℃である。第2条件は、現在の日付が所定の日付であることである。
第1条件が満たされた場合、つまり、導出部23で求められた設定温度([数9]、[数10]のTa1_init及びTa2_init)がユーザにとって快適な温度と大きく乖離している場合に、情報端末3は、上記通知を行う。これにより、ユーザに着衣及び寝具の変更による温度調整を促すことができる。
また、第2条件に関して、所定の日付は、例えば、衣替えの時期に該当する日付である。例えば、4~5月及び9~10月のうち所定の期間に含まれる日々がそれぞれ、所定の日付に該当する。第2条件が満たされた場合、つまり、衣替えの時期になると、情報端末3は、上記通知を行う。これにより、ユーザに衣服及び寝具の少なくとも一方の変更による温度調整を促すことができる。
なお、ユーザは、衣服を変更した場合、情報端末3を操作して、着衣情報を変更する。また、ユーザは、寝具を変更した場合、情報端末3を操作して、寝具情報を変更する。
ここで、環境制御システム1は、着衣情報及び寝具情報のうち少なくとも一方が変更された場合に、補正量をX倍した値を、新たな補正量としてもよい。Xは、0以上1以下の値である。つまり、この場合に次の[数13]、[数14]によって補正量が変更されてもよい。[数13]において、Ta1_adjustは新たな補正量、Ta1_adjust_befоreは直前の補正量である。[数14]において、Ta2_adjustは新たな補正量、Ta2_adjust_befоreは直前の補正量である。
X1、X2はそれぞれ、0以上1以下の値である。X1、X2は、既定の値であってもよいし、ユーザに設定される値であってもよい。
ユーザが衣服及び寝具のうち少なくとも一方を変更した場合、ユーザは補正量を設定し直す必要がある。そこで、補正量をX倍した値を新たな補正量として、設定温度に対する補正量の影響を緩和することで、補正前の設定温度の高低をユーザが判断しやすくすることができる。
(16)制御値の第2補正
次に、空間の温度の制御値を補正する第2補正について説明する。第2補正は、例えば、第1補正の前又は後に行われる。
次に、空間の温度の制御値を補正する第2補正について説明する。第2補正は、例えば、第1補正の前又は後に行われる。
ユーザ情報は、ユーザが暑がりであるか否かに関する情報、及び、ユーザが寒がりであるか否かに関する情報のうち少なくとも一方を更に含む。補正部29は、ユーザが暑がりであるか否か、又は寒がりであるか否かに基づいて、空間の温度の制御値を補正する(第2補正)。すなわち、補正部29は、ユーザが暑がりである場合は、空間の温度の制御値を低下させるように補正を行う。一方で、補正部29は、ユーザが寒がりである場合は、空間の温度の制御値を上昇させるように補正を行う。
ユーザが暑がりであるか否か、及び、ユーザが寒がりであるか否かに関する情報は、例えば、任意のタイミングで、情報端末3の操作部35へのユーザの操作により入力され、第1取得部21へ提供される。
例えば、[数2]により求められた温度の制御値(設定温度)をTa1(図2A参照)とする。ユーザが暑がりであるという情報が第1取得部21で取得された場合は、導出部23は、設定温度をTa1から、Ta1よりも所定値だけ小さい温度へと変更する。一方で、ユーザが寒がりであるという情報が第1取得部21で取得された場合は、導出部23は、設定温度をTa1から、Ta1よりも所定値だけ大きい温度へと変更する。
ユーザが暑がり又は寒がりであるか否かに応じて設定温度を補正できるので、ユーザにとって空間が更に快適なものとなる。
なお、ユーザの暑がり又は寒がりの度合いが大きいほど、空間の温度の制御値の補正量を大きくしてもよい。
(変形例)
以下、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
以下、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
(変形例1)
少なくとも1つの制御対象パラメータは、空間の温度taのみに限定されない。複数の環境値は、空間の温度ta、水蒸気圧Pa、風速Va、及び、放射温度trを含むので、複数の環境値のうち2つ又は3つを、制御対象パラメータとしてもよい。つまり、環境値の個数をMとすると、2個以上M個未満の環境値を、制御対象パラメータとしてもよい。例えば、2つの制御パラメータを第1の制御パラメータ及び第2の制御パラメータとすると、第1の制御パラメータの変化が所定の範囲内に収まるように第1の制御パラメータを制御しつつ、所定の関係性を満たすように第2の制御パラメータが制御されてもよい。具体的な例を挙げると、風速Vaの変化が所定の範囲内に収まるように風速Vaを制御しつつ、[数2]を満たすように空間の温度taが制御されてもよい。
少なくとも1つの制御対象パラメータは、空間の温度taのみに限定されない。複数の環境値は、空間の温度ta、水蒸気圧Pa、風速Va、及び、放射温度trを含むので、複数の環境値のうち2つ又は3つを、制御対象パラメータとしてもよい。つまり、環境値の個数をMとすると、2個以上M個未満の環境値を、制御対象パラメータとしてもよい。例えば、2つの制御パラメータを第1の制御パラメータ及び第2の制御パラメータとすると、第1の制御パラメータの変化が所定の範囲内に収まるように第1の制御パラメータを制御しつつ、所定の関係性を満たすように第2の制御パラメータが制御されてもよい。具体的な例を挙げると、風速Vaの変化が所定の範囲内に収まるように風速Vaを制御しつつ、[数2]を満たすように空間の温度taが制御されてもよい。
制御部24は、導出部23で求められた制御値に基づいて、環境機器6を制御する。例えば、制御部24は、環境機器6としての加湿器又は除湿器を制御することで、制御対象パラメータとしての湿度の設定値を変更する。また、例えば、制御部24は、環境機器6としての換気装置又はエアーコンディショナーを制御することで、制御対象パラメータとしての風速の設定値を変更する。また、例えば、制御部24は、環境機器6としての床暖房装置及び壁暖房パネルを制御することで、制御対象パラメータとしての放射温度の設定値を変更する。
(変形例2)
制御値を求めるために用いられるユーザの代謝量は、例えば、体組成計により求められた値であってもよい。ユーザが体組成計により代謝量を測定すると、体組成計は測定結果としての代謝量を環境制御システム1へ出力し、導出部23は、体組成計から取得した代謝量を用いて制御値を求めればよい。あるいは、ユーザは、体組成計により測定した代謝量を情報端末3に入力し、導出部23は、情報端末3に入力された代謝量を用いて制御値を求めてもよい。
制御値を求めるために用いられるユーザの代謝量は、例えば、体組成計により求められた値であってもよい。ユーザが体組成計により代謝量を測定すると、体組成計は測定結果としての代謝量を環境制御システム1へ出力し、導出部23は、体組成計から取得した代謝量を用いて制御値を求めればよい。あるいは、ユーザは、体組成計により測定した代謝量を情報端末3に入力し、導出部23は、情報端末3に入力された代謝量を用いて制御値を求めてもよい。
(第1補正に関する変形例)
以下、第1補正に関する変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
以下、第1補正に関する変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
上述した実施形態では、環境制御システム1は、着衣情報及び寝具情報のうち少なくとも一方が変更された場合に、補正量をX倍した値を、新たな補正量とし、Xは、0以上1以下の値である。ここで、Xは、0以上1未満の値であってもよい。あるいは、Xの値が、0以上1以下の範囲で設定可能であってもよい。例えば、Xの値が、0以上1以下の範囲で、情報端末3の操作部35へのユーザの操作等に応じて設定可能であってもよい。
補正量Ta1_adjust、Ta2_adjustは、互いに共通の値であってもよい。
アンケートは、ユーザの起床時に限らず、適宜のタイミングで実施されてもよい。
アンケートは、毎日実施されなくてもよく、ユーザが希望した場合にのみ実施されてもよいし、1週間等の所定の日数ごとに実施されてもよい。
上述した実施形態では、第2時刻t12よりも前に就寝時制御が中断された場合には、起床時アンケートを実施しない。ただし、起床時アンケートを実施しない条件は、これに限定されない。例えば、所定の第1中間時刻よりも前に就寝時制御が中断された場合に、起床時アンケートを実施しないこととしてもよい。第1中間時刻は、第2時刻t12と起床予定時刻t15との間の時刻である。
上述した実施形態では、時刻t110よりも前に就寝時制御が中断された場合には、睡眠中アンケートと起床時アンケートとを実施しない。ただし、睡眠中アンケートと起床時アンケートとを実施しない条件は、これに限定されない。例えば、所定の第2中間時刻よりも前に就寝時制御が中断された場合に、睡眠中アンケートと起床時アンケートとを実施しないこととしてもよい。第2中間時刻は、第1時刻t11と第2時刻t12との間の時刻である。
(その他の変形例)
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、上述の各変形例と適宜組み合わせて実現されてもよい。
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、上述の各変形例と適宜組み合わせて実現されてもよい。
問い合わせステップの実行タイミングは、就寝時制御が終了したときに限定されない。問い合わせステップの実行タイミングは、例えば、就寝時制御の直前であってもよい。
上述した実施形態では、環境制御方法において目標とする所定の関係性は、ユーザの代謝量がユーザの熱損失と平衡するときの関係性であり、具体的には、[数2]で表される。ただし、所定の関係性は、これに限定されない。所定の関係性は、例えば、PMV(Predicted Mean Vote:予測平均温冷感申告)が所定範囲内の値となるときの関係性であってもよい。例えば、所定の関係性は、PMVの絶対値が閾値以下となるときの関係性であってもよい。
環境制御システム1が補正部29を備えることは、必須ではない。すなわち、環境制御システム1が、補正部29により第1補正及び第2補正の少なくとも一方を行うことは、必須ではない。
上述した実施形態では、制御部24は、現在時刻がユーザにより設定された所定の就寝時刻t1になることをトリガとして、少なくとも1つの環境機器6の制御を開始する。これに対して、制御部24は、ユーザにより情報端末3に所定の操作がされることをトリガとして、少なくとも1つの環境機器6の制御を開始してもよい。
上述した実施形態では、制御部24は、設定温度を徐々に増加させる際に、階段状に変化させる。これに対して、制御部24は、設定温度を連続的に変化させてもよい。
就寝時制御の内容は、実施形態で示した内容に限定されず、適宜変更が可能である。
環境制御システム1は、コントロールユニット5及びゲートウェイ4を介さずに複数の環境機器6及び複数のセンサ7と通信してもよい。また、コントロールユニット5の少なくとも一部の機能が、環境制御システム1に備えられていてもよい。
ユーザ情報の少なくとも一部は、環境制御システム1の記憶部13、又はデータサーバ等に予め記憶されていてもよい。この場合、第1取得部21は、記憶部13、又はデータサーバ等からユーザ情報を取得すればよい。
導出部23は、ユーザと複数の環境機器6との位置関係に応じて、制御値を補正してもよい。上記位置関係に関する情報は、例えば、ユーザが情報端末3の操作部35を操作することで入力され、第1取得部21で取得される。導出部23は、例えば、ユーザとエアーコンディショナー等の環境機器6とが離れているほど、環境機器6の設定温度(制御値)を高く又は低くしてもよい。
代謝量導出部27は、ユーザの起床時の代謝量を求める際には、ユーザの活動内容に応じて、代謝量を補正してもよい。ユーザの活動内容に関する情報は、例えば、ユーザが情報端末3の操作部35を操作することで入力され、第1取得部21で取得される。ユーザの活動内容の一例は、安静状態、事務作業、歩行、物の運搬、調理、掃除、及び、スポーツ等である。
本開示における環境制御システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における環境制御システム1としての機能の少なくとも一部が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、環境制御システム1における複数の機能が、1つの装置に集約されていることは環境制御システム1に必須の構成ではなく、環境制御システム1の構成要素は、複数の装置に分散して設けられていてもよい。さらに、環境制御システム1の少なくとも一部の機能、例えば、導出部23の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
反対に、実施形態において、複数の装置に分散されている機能が、1つの装置に集約されていてもよい。例えば、環境制御システム1と情報端末3とに分散されている機能が、1つの装置に集約されていてもよい。
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る環境制御方法は、少なくとも1つの制御対象パラメータを制御する。少なくとも1つの制御対象パラメータは、空間の環境に関する複数の環境値のうちの一部である。少なくとも1つの制御対象パラメータは、空間の温度を含む。環境制御方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、導出ステップと、制御ステップと、問い合わせステップと、を有する。第1取得ステップでは、ユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、ユーザの代謝量に関する情報及びユーザの熱抵抗に関する情報を含む。第2取得ステップでは、複数の環境値のうち、少なくとも1つの制御対象パラメータを除いた1以上の環境値の既定値を取得する。導出ステップでは、第1取得ステップで取得されたユーザ情報、及び、第2取得ステップで取得された1以上の環境値の既定値に基づいて、少なくとも1つの制御値を求める。少なくとも1つの制御値は、ユーザ情報と1以上の環境値の既定値と少なくとも1つの制御対象パラメータとが所定の関係性を有するときの少なくとも1つの制御対象パラメータの値である。制御ステップでは、導出ステップで求められた少なくとも1つの制御値に基づいて、環境機器(6)を制御する。環境機器(6)は、空間の少なくとも1つの制御対象パラメータを調整する。問い合わせステップでは、初期値変更条件を満たすか否かを判断し、初期値変更条件を満たす場合にユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる。
上記の構成によれば、ユーザ情報の変更の要否を入力することによるユーザの負担を軽減することができる。
また、第2の態様に係る環境制御方法は、第1の態様において、入力ステップと、変更ステップと、を更に有する。入力ステップは、問い合わせステップの後、ユーザ情報の変更要否に関する情報の入力を、ユーザから受け付けるステップである。変更ステップは、入力ステップにおけるユーザの入力が変更要であった場合に、ユーザ情報の入力をユーザから受け付けてユーザ情報を変更するステップである。
上記の構成によれば、ユーザの操作によってユーザ情報を変更することができる。
また、第3の態様に係る環境制御方法は、第2の態様において、保存ステップを更に有する。保存ステップは、入力ステップにおけるユーザの入力が変更拒否であった場合に、変更拒否日付け、変更拒否回数、及び、移動平均外気温のうち少なくとも1つを保存するステップである。
上記の構成によれば、変更拒否に係る情報を保存して、後から参照することができる。
また、第4の態様に係る環境制御方法では、第3の態様において、初期値変更条件は、前回の変更拒否日付けから現在の日付けまでの経過日数が所定日数以上であることを含む。
上記の構成によれば、所定日数が経過するまでユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる処理が省略されるので、ユーザの負担を軽減することができる。
また、第5の態様に係る環境制御方法では、第3又は4の態様において、初期値変更条件は、初期値変更条件を満たすか否かの判断の回数が所定回数以上であることを含む。
上記の構成によれば、判断の回数が所定回数以上となるまでユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる処理が省略されるので、ユーザの負担を軽減することができる。
また、第6の態様に係る環境制御方法では、第3~5の態様のいずれか1つにおいて、初期値変更条件は、現時点の移動平均外気温と、前回に入力ステップにおけるユーザの入力が変更拒否であったときの移動平均外気温と、の差分が所定の温度範囲外であることを含む。
上記の構成によれば、外気温の変化が小さいときは、ユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる処理が省略されるので、ユーザの負担を軽減することができる。
また、第7の態様に係る環境制御方法は、第2~6の態様のいずれか1つにおいて、入力ステップにおけるユーザの入力が変更要であった場合に、ユーザ情報を変更する直前の所定日数の移動平均気温及び移動平均不快指数の少なくとも一方を、参照値として保存するステップを更に有する。初期値変更条件は、今回の参照値と前年度の参照値との差分が所定範囲内であることを含む。
上記の構成によれば、前年度にユーザ情報が変更されたときの環境と現在の環境とが近くなるまで、ユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる処理が省略されるので、ユーザの負担を軽減することができる。
また、第8の態様に係る環境制御方法では、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、初期値変更条件は、所定の日にちを過ぎること、空間を含む地域における過去所定日数の移動平均不快指数が第1所定範囲外となること、及び、ユーザの体動指数の過去所定日数の移動平均値が第2所定範囲外となること、のうち少なくとも1つを含む。
上記の構成によれば、ユーザの負担を軽減することができる。
また、第9の態様に係る環境制御方法では、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、導出ステップでは、環境機器(6)に対して所定の就寝時制御を行うように空間の温度の制御値を求める。就寝時制御では、第1時刻から空間の温度の制御値を第1温度まで低下させる温度低下制御を行った後、第2時刻から空間の温度の制御値を第2温度まで上昇させる温度上昇制御を行う。就寝時制御が終了したときに、問い合わせステップを実行する。
上記の構成によれば、ユーザの快眠を促すことができる。
また、第10の態様に係る環境制御方法は、第1~9の態様のいずれか1つにおいて、温冷感覚入力ステップと、補正ステップと、を更に有する。温冷感覚入力ステップは、ユーザの睡眠中の温冷感覚及びユーザの起床時の温冷感覚のうち少なくとも一方に関する温冷感覚情報の入力をユーザから受け付けるステップである。補正ステップは、温冷感覚入力ステップで入力された温冷感覚情報に基づいて、導出ステップで求められた空間の温度の制御値を補正するステップである。補正ステップが実行された後には、制御ステップでは、補正ステップで補正された後の空間の温度の制御値に基づいて、環境機器(6)を制御する。
上記の構成によれば、ユーザがより快適と感じる空間を提供できる。
第1の態様以外の構成については、環境制御方法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
また、第11の態様に係るプログラムは、第1~10の態様のいずれか1つに係る環境制御方法を、コンピュータシステムの1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
上記の構成によれば、ユーザ情報の変更の要否を入力することによるユーザの負担を軽減することができる。
また、第12の態様に係る環境制御システム(1)は、少なくとも1つの制御対象パラメータを制御する。少なくとも1つの制御対象パラメータは、空間の環境に関する複数の環境値のうちの一部である。少なくとも1つの制御対象パラメータは、空間の温度を含む。環境制御システム(1)は、第1取得部(21)と、第2取得部(22)と、導出部(23)と、制御部(24)と、問い合わせ部(25)と、を備える。第1取得部(21)は、ユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、ユーザの代謝量に関する情報及びユーザの熱抵抗に関する情報を含む。第2取得部(22)は、複数の環境値のうち、少なくとも1つの制御対象パラメータを除いた1以上の環境値の既定値を取得する。導出部(23)は、第1取得部(21)で取得されたユーザ情報、及び、第2取得部(22)で取得された1以上の環境値の既定値に基づいて、少なくとも1つの制御値を求める。少なくとも1つの制御値は、ユーザ情報と1以上の環境値の既定値と少なくとも1つの制御対象パラメータとが所定の関係性を有するときの少なくとも1つの制御対象パラメータの値である。制御部(24)は、導出部(23)で求められた少なくとも1つの制御値に基づいて、環境機器(6)を制御する。環境機器(6)は、空間の少なくとも1つの制御対象パラメータを調整する。問い合わせ部(25)は、初期値変更条件を満たすか否かを判断し、初期値変更条件を満たす場合にユーザ情報の変更要否をユーザに問い合わせる。
上記の構成によれば、ユーザ情報の変更の要否を入力することによるユーザの負担を軽減することができる。
上記態様に限らず、実施形態に係る環境制御システム(1)の種々の構成(変形例を含む)は、環境制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体にて具現化可能である。
1 環境制御システム
6 環境機器
21 第1取得部
22 第2取得部
23 導出部
24 制御部
25 問い合わせ部
6 環境機器
21 第1取得部
22 第2取得部
23 導出部
24 制御部
25 問い合わせ部
Claims (12)
- 空間の環境に関する複数の環境値のうちの一部である少なくとも1つの制御対象パラメータを制御する環境制御方法であって、
前記少なくとも1つの制御対象パラメータは、前記空間の温度を含み、
ユーザの代謝量に関する情報及び前記ユーザの熱抵抗に関する情報を含むユーザ情報を取得する第1取得ステップと、
前記複数の環境値のうち、前記少なくとも1つの制御対象パラメータを除いた1以上の環境値の既定値を取得する第2取得ステップと、
前記第1取得ステップで取得された前記ユーザ情報、及び、前記第2取得ステップで取得された前記1以上の環境値の前記既定値に基づいて、前記ユーザ情報と前記1以上の環境値の前記既定値と前記少なくとも1つの制御対象パラメータとが所定の関係性を有するときの前記少なくとも1つの制御対象パラメータの値である少なくとも1つの制御値を求める導出ステップと、
前記導出ステップで求められた前記少なくとも1つの制御値に基づいて、前記空間の前記少なくとも1つの制御対象パラメータを調整する環境機器を制御する制御ステップと、
初期値変更条件を満たすか否かを判断し、前記初期値変更条件を満たす場合に前記ユーザ情報の変更要否を前記ユーザに問い合わせる問い合わせステップと、を有する、
環境制御方法。 - 前記問い合わせステップの後、前記ユーザ情報の変更要否に関する情報の入力を、前記ユーザから受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップにおける前記ユーザの入力が変更要であった場合に、前記ユーザ情報の入力を前記ユーザから受け付けて前記ユーザ情報を変更する変更ステップと、を更に有する、
請求項1に記載の環境制御方法。 - 前記入力ステップにおける前記ユーザの入力が変更拒否であった場合に、変更拒否日付け、変更拒否回数、及び、移動平均外気温のうち少なくとも1つを保存する保存ステップを更に有する、
請求項2に記載の環境制御方法。 - 前記初期値変更条件は、前回の前記変更拒否日付けから現在の日付けまでの経過日数が所定日数以上であることを含む、
請求項3に記載の環境制御方法。 - 前記初期値変更条件は、前記初期値変更条件を満たすか否かの判断の回数が所定回数以上であることを含む、
請求項3に記載の環境制御方法。 - 前記初期値変更条件は、現時点の前記移動平均外気温と、前回に前記入力ステップにおける前記ユーザの入力が変更拒否であったときの前記移動平均外気温と、の差分が所定の温度範囲外であることを含む、
請求項3に記載の環境制御方法。 - 前記入力ステップにおける前記ユーザの入力が変更要であった場合に、前記ユーザ情報を変更する直前の所定日数の移動平均気温及び移動平均不快指数の少なくとも一方を、参照値として保存するステップを更に有し、
前記初期値変更条件は、今回の前記参照値と前年度の前記参照値との差分が所定範囲内であることを含む、
請求項2に記載の環境制御方法。 - 前記初期値変更条件は、
所定の日にちを過ぎること、
前記空間を含む地域における過去所定日数の移動平均不快指数が第1所定範囲外となること、及び、
前記ユーザの体動指数の過去所定日数の移動平均値が第2所定範囲外となること、のうち少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の環境制御方法。 - 前記導出ステップでは、前記環境機器に対して所定の就寝時制御を行うように前記空間の温度の前記制御値を求め、
前記就寝時制御では、第1時刻から前記空間の温度の前記制御値を第1温度まで低下させる温度低下制御を行った後、第2時刻から前記空間の温度の前記制御値を第2温度まで上昇させる温度上昇制御を行い、
前記就寝時制御が終了したときに、前記問い合わせステップを実行する、
請求項1に記載の環境制御方法。 - 前記ユーザの睡眠中の温冷感覚及び前記ユーザの起床時の温冷感覚のうち少なくとも一方に関する温冷感覚情報の入力を前記ユーザから受け付ける温冷感覚入力ステップと、
前記温冷感覚入力ステップで入力された前記温冷感覚情報に基づいて、前記導出ステップで求められた前記空間の温度の前記制御値を補正する補正ステップと、を更に有し、
前記補正ステップが実行された後には、前記制御ステップでは、前記補正ステップで補正された後の前記空間の温度の前記制御値に基づいて、前記環境機器を制御する、
請求項1に記載の環境制御方法。 - 請求項1に記載の環境制御方法を、コンピュータシステムの1以上のプロセッサに実行させるための、
プログラム。 - 空間の環境に関する複数の環境値のうちの一部である少なくとも1つの制御対象パラメータを制御する環境制御システムであって、
前記少なくとも1つの制御対象パラメータは、前記空間の温度を含み、
ユーザの代謝量に関する情報及び前記ユーザの熱抵抗に関する情報を含むユーザ情報を取得する第1取得部と、
前記複数の環境値のうち、前記少なくとも1つの制御対象パラメータを除いた1以上の環境値の既定値を取得する第2取得部と、
前記第1取得部で取得された前記ユーザ情報、及び、前記第2取得部で取得された前記1以上の環境値の前記既定値に基づいて、前記ユーザ情報と前記1以上の環境値の前記既定値と前記少なくとも1つの制御対象パラメータとが所定の関係性を有するときの前記少なくとも1つの制御対象パラメータの値である少なくとも1つの制御値を求める導出部と、
前記導出部で求められた前記少なくとも1つの制御値に基づいて、前記空間の前記少なくとも1つの制御対象パラメータを調整する環境機器を制御する制御部と、
初期値変更条件を満たすか否かを判断し、前記初期値変更条件を満たす場合に前記ユーザ情報の変更要否を前記ユーザに問い合わせる問い合わせ部と、を備える、
環境制御システム。
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