JP2024079121A - 付加製造装置および付加製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】造形物の表面に縞模様が形成されることを抑制可能な付加製造装置および付加製造方法を提供する。【解決手段】超硬粉末PHを含む粉末材料Pを供給する粉末供給装置10A,10Bと、ビームBMの照射により溶融池71,72を形成し溶融池71,72に粉末材料Pを供給することによりビームBMの走査方向に延在するビード60を形成し、既に形成された第一ビード61と第一ビード61に隣接して形成される第二ビード62とを結合することにより基材Bの表面に造形物Wを形成するビーム照射装置20と、基材BにビームBMを照射することにより形成された基材側溶融池72が固化した第一部分81における超硬粉末PHの粒径と、ビード60の一部にビームBMを照射することにより形成されたビード側溶融池71が固化した第二部分82における超硬粉末PHの粒径と、の粒径差を減少させる、粒成長差抑制手段PI,Eと、を備える、付加製造装置1。【選択図】図1

Description

本発明は、付加製造装置および付加製造方法に関する。
付加製造には、例えば、指向性エネルギー堆積(Directed Energy Deposition)方式、粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion)方式等があることが知られている。
指向性エネルギー堆積方式は、ビーム(レーザビーム及び電子ビーム等)の照射と材料の供給を行う加工ヘッドの位置を制御することで付加製造を行う。指向性エネルギー堆積方式には、LMD(Laser Metal Deposition)等が含まれる。
粉末床溶融結合方式は、平らに敷き詰められた粉末材料に対して、ビームを照射することで付加製造を行う。粉末床溶融結合方式には、SLM(Selective Laser Melting)、EBM(Electron Beam
Melting)等が含まれる。
指向性エネルギー堆積方式のLMDは、例えば超硬粉末を含む粉末材料等を噴射しながらビームを照射することにより、粉末材料等を溶融させた後に凝固させることができる。これにより、LMDは、例えば、部分的に耐摩耗性や強度を向上させるため、基材に対して硬質の付加製造物を付加する肉盛技術として利用されている。特許文献1には、基材に粉末材料からなる付加製造物を造形する技術が記載されている。
特開2021-109204号公報
図10に示すように、複数のビード101を形成して基材102に肉盛加工を行う場合、先に形成されたビード101の一部に新たに形成されるビード101を重ねて形成し、これにより基材102の表面に造形物103を形成する場合がある。詳細に説明すると、先に形成されたビード101の一部を溶融してビード側溶融池を形成するとともに、基材102の表面を溶融して基材側溶融池を形成し、ビード側溶融池および基材側溶融池に粉末材料を供給し、溶融池を固化することで新しいビード101が形成される。
先に形成されたビード101の一部を溶融させてビード側溶融池を形成した場合、ビード側溶融池に供給された粉末材料は、先にビードを形成する時に1回目の加熱が実施され、さらに、ビード側溶融池が形成されるときに2回目の加熱が実施される。このため、ビード側溶融池に供給された粉末材料に含まれる超硬粉末は、2回目の加熱により、粒子径が成長してしまう。
図11を参照して、超硬粉末104の粒子径が成長する過程を説明する。ただし、超硬粉末104の粒子径、および超硬粉末104の含有量については、説明の便宜のため、強調して記載してある。
図11の左端の図は、1回目の加熱が実施された後に粉末材料が固化した状態を示す。そもそも超硬粉末104が粒径分布を有することと、1回目の溶融過程において超硬粉末104の粒径に分布が形成されることから、1回目の加熱が実施された後の状態において、超硬粉末104の粒径に大小の分布が生じる。
図11の中央の図は、2回目の加熱により粉末材料が溶融した状態を示す。この状態において、いわゆるオストワルド成長により、超硬粉末104の粒子径が成長する。オストワルド成長とは、粒径が種々異なる粒子が媒質中に分散している系において、小さな粒子が収縮、消滅し、大きな粒子が成長する現象をいう。この現象は,粒子を構成する物質が媒質中へ溶解して入り,その内部を拡散で移動し,さらに別の粒子の表面上へ析出することにより生じる。図11の中央の図において、比較的に小さな粒径の超硬粒子104は、超硬粒子104の径方向の外方を向く矢線で示すように、超硬粒子104を包囲する媒質105(バインダ等)に溶解する。一方、比較的に大きな粒径の超硬粒子104には、超硬粒子104の径方向の内方を向く矢線で示すように、媒質105中に溶解した超硬粒子104が析出する。これにより、比較的に大きな超硬粒子104の粒子径がさらに成長する。
図11の右端の図は、2回目の加熱、溶融の後、粉末材料が固化した状態を示す。図11の左端の図と比較して、超硬粒子104の粒子径が成長していることが分かる。
一方、基材側溶融池に供給された粉末材料については、1回しか加熱されていない。このため、基材側溶融池に供給された粉末材料に含まれる超硬粉末の粒子径は、図11の左端の図に示した状態になっている。
このように、先に形成されたビード101の一部に新たに形成されるビード101を重ねて形成することにより基材102の表面に造形物103を形成する場合、造形物103に、超硬粉末の粒子径が比較的に大きい部分106(2回目加熱後の状態)と、超硬粉末の粒子径が比較的に小さい部分107(1回目加熱後の状態)とが形成されるおそれがある。図10に示すように、このような粒子径の差は、造形物の表面に、超硬粉末の粒子径が比較的に大きい部分106と、超硬粉末の粒子径が比較的に小さい部分107と、が縞模様となって現れ、外観品質の悪化要因となるおそれがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、造形物の表面に縞模様が形成されることを抑制可能な付加製造装置および付加製造方法を提供しようとするものである。
本発明の第一の態様は、
超硬粉末を含む粉末材料を供給する粉末供給装置と、
ビームの照射により溶融池を形成し前記溶融池に前記粉末材料を供給することにより前記ビームの走査方向に延在するビードを形成し、既に形成された第一ビードと前記第一ビードに隣接して形成される第二ビードとを結合することにより基材の表面に造形物を形成するビーム照射装置と、
前記基材に前記ビームを照射することにより形成された基材側溶融池が固化した第一部分における前記超硬粉末の粒径と、前記ビードの一部に前記ビームを照射することにより形成されたビード側溶融池が固化した第二部分における前記超硬粉末の粒径と、の粒径差を減少させる、粒成長差抑制手段と、を備える、付加製造装置にある。
本発明の第二の態様は、
超硬粉末を含む粉末材料を供給する粉末供給装置と、
ビームの照射により溶融池を形成し前記溶融池に前記粉末材料を供給することにより前記ビームの走査方向に延在するビードを形成し、既に形成された第一ビードと前記第一ビードに隣接して形成される第二ビードとを結合することにより基材の表面に造形物を形成するビーム照射装置と、
溶融した前記超硬粉末の粒径が増大することを抑制する粒成長抑制剤と、を備える、付加製造装置にある。
本発明の第三の態様は、
超硬粉末を含む粉末材料を供給する粉末供給装置と、
ビームの照射により溶融池を形成し前記溶融池に前記粉末材料を供給することにより前記ビームの走査方向に延在するビードを形成し、既に形成された第一ビードと前記第一ビードに隣接して形成される第二ビードとを結合することにより基材の表面に造形物を形成するビーム照射装置と、を備え、
前記粉末材料は、
前記第一ビードの一部に前記ビームを照射することにより形成されたビード側溶融池に供給されるビード側粉末材料と、
前記基材に前記ビームを照射することにより形成された基材側溶融池に供給される基材側粉末材料と、を備え、
前記ビード側粉末材料と前記基材側粉末材料とが異なっている、付加製造装置にある。
本発明の第四の態様は、
基材の表面に造形物を形成する付加製造方法であって、
ビームの照射により溶融池を形成し前記溶融池に超硬粉末を含む粉末材料を供給することにより前記ビームの走査方向に延在する第一ビードを形成する工程と、
前記第一ビードに隣接して第二ビードを形成するとともに、前記第一ビードと前記第二ビードとを結合する工程と、を備え、
粒成長差抑制手段により、前記基材に前記ビームを照射することにより形成された基材側溶融池が固化した第一部分の粒径と、前記第一ビードの一部に前記ビームを照射することにより形成されたビード側溶融池が固化した第二部分の粒径と、の粒径差を減少させる工程と、を備える、付加製造方法にある。
本発明の第五の態様は、
基材の表面に造形物を形成する付加製造方法であって、
ビームの照射により溶融池を形成し前記溶融池に超硬粉末を含む粉末材料を供給することにより前記ビームの走査方向に延在する第一ビードを形成する工程と、
前記第一ビードに隣接して第二ビードを形成するとともに、前記第一ビードと前記第二ビードとを結合する工程と、を備え、
前記粉末材料に、溶融した前記超硬粉末の粒径が増大することを抑制する粒成長抑制剤が含まれている、付加製造方法にある。
本発明の第六の態様は、
基材の表面に造形物を形成する付加製造方法であって、
ビームの照射により溶融池を形成し前記溶融池に超硬粉末を含む粉末材料を供給することにより前記ビームの走査方向に延在する第一ビードを形成する工程と、
前記第一ビードに隣接して第二ビードを形成するとともに、前記第一ビードと前記第二ビードとを結合する工程と、を備え、
前記粉末材料は、
前記第一ビードの一部に前記ビームを照射することにより形成されたビード側溶融池に供給されるビード側粉末材料と、
前記基材に前記ビームを照射することにより形成された基材側溶融池に供給される基材側粉末材料と、を備え、
前記ビード側粉末材料と前記基材側粉末材料とが異なっている、付加製造方法にある。
本発明の第一および第四の態様によれば、粒成長差抑制手段により、基材側溶融池が固化した第一部分における超硬粉末の粒径と、ビード側溶融池が固化した第二部分における超硬粉末の粒径と、の粒径差を減少させることができる。これにより、造形物の表面に縞模様が形成されることを抑制できる。
本発明の第二および第五の態様によれば、粒成長抑制剤により、溶融した前記超硬粉末の粒径が増大することを抑制することができる。これにより、超硬粉末が溶融した後に粒径が成長することを抑制できるので、造形物に粒径差が生じることを抑制できる。この結果、造形物の表面に縞模様が形成されることを抑制できる。
本発明の第三および第六の態様によれば、ビードに形成されるビード側溶融池に供給されるビード側粉末材料と、基材に形成される基材側溶融池に供給される基材側粉末材料と、が異なっている。これにより、ビード側粉末材料および基材側粉末材料が溶融したときに、ビード側粉末材料と基材側粉末材料の粒径の成長を異ならせることができる。これにより、超硬粉末が溶融した後に粒径が成長することを抑制できるので、造形物に粒径差が生じることを抑制できる。この結果、造形物の表面に縞模様が形成されることを抑制できる。
実施形態1の付加製造装置の概要図。 実施形態1の付加製造装置によって第一ビードおよび第二ビードが付加製造される状態を説明するための図。 実施形態1の粉末材料を示す模式的断面図。 図2におけるIV-IV線断面図 図2におけるV-V線断面図 図2におけるVI-VI線断面図 実施形態1において、超硬粒子の粒径の成長が抑制される機構を説明するための模式図。 実施形態2の粉末材料を示す模式的断面図。 実施形態3の粉末材料を示す模式的断面図。 従来技術において、造形物に縞模様が発生する状態を示す断面図。 従来技術において、超硬粒子の粒径が成長する機構を説明するための模式図。
(実施形態1)
1.付加製造装置の構成
実施形態1の付加製造装置1について図1を参照して説明する。本形態の付加製造装置1は、例えば、指向性エネルギー堆積方式であってLMD方式により、粉末材料Pを用いて基材Bに造形物Wを付加製造する。粉末材料Pは、後述するビード側溶融池71に供給されるビード側粉末材料PAと、後述する基材側溶融池72に供給される基材側粉末材料PBと、を備える。
図1に示すように、付加製造装置1は、第一粉末供給装置10A、第二粉末供給装置10B、およびビーム照射装置20を主に備える。本形態の付加製造装置1は、指向性エネルギー堆積方式であってLMD型の付加製造装置1が用いられる。このため、付加製造装置1についての詳細な構成及び動作等については省略する。
第一粉末供給装置10Aは、第一貯留部11A、第一フィーダ13A、容器16内に収容される第一流路15A、第一噴射ノズル14A、並びに、第一貯留部11A、第一フィーダ13Aおよび第一流路15Aを接続する第一配管17Aを備える。第一貯留部11Aは、ビード側粉末材料PAを貯留する。第一貯留部11Aは、第一配管17Aを介して第一フィーダ13Aにビード側粉末材料PAを供給する。第一フィーダ13Aは、第一配管17Aを介してビード側粉末材料PAを第一流路15Aに供給する。
第一フィーダ13Aは、制御装置30からの指令に基づき、第一貯留部11Aから供給されるビード側粉末材料PAを、アルゴン等のキャリアガスと共に筒状の容器16の内部に配置される第一流路15Aに、指示された供給量だけ供給する。ただし、キャリアガスは、アルゴンに限定されるものではなく、例えば窒素であっても良い。
図1に示すように、第一流路15Aは、容器16の軸線方向に延在し、且つ容器16の内周面に沿って、容器16内に収容される。第一流路15Aは、基材B側の端部に、第一噴射ノズル14Aを備える。第一流路15Aの第一噴射ノズル14Aから噴射されるビード側粉末材料PAは、ビームBMが照射される照射領域のうち、ビード60に形成されたビード側溶融池71に噴射される。
第二粉末供給装置10Bは、第二貯留部11B、第二フィーダ13B、容器16内に収容される第二流路15B、第二噴射ノズル14B、並びに、第二貯留部11B、第二フィーダ13Bおよび第二流路15Bを接続する第二配管17Bを備える。第二貯留部11Bは、基材側粉末材料PBを貯留する。第二貯留部11Bは、第二配管17Bを介して第二フィーダ13Bに基材側粉末材料PBを供給する。第二フィーダ13Bは、第二配管17Bを介して基材側粉末材料PBを第二流路15Bに供給する。
第二フィーダ13Bは、制御装置30からの指令に基づき、第二貯留部11Bから供給される基材側粉末材料PBを、アルゴン等のキャリアガスと共に筒状の容器16の内部に配置される第二流路15Bに、指示された供給量だけ供給する。ただし、キャリアガスは、アルゴンに限定されるものではなく、例えば窒素であっても良い。
図1に示すように、第二流路15Bは、容器16の軸線方向に延在し、且つ容器16の内周面に沿って、容器16内に収容される。第二流路15Bは、基材B側の端部に、第二噴射ノズル14Bを備える。第二流路15Bの第二噴射ノズル14Bから噴射される基材側粉末材料PBは、ビームBMが照射される照射領域のうち、基材Bに形成された基材側溶融池72に噴射される。
ビーム照射装置20は、ビーム源21により生成され供給されるビームBMを基材Bの所望の位置に照射する照射部22を備える。ビーム源21は、制御装置30によって制御されて、ビームBMを生成する。
照射部22は、容器16の内部に配置される。照射部22は、容器16の内部に配置されたビーム供給路23を通してビームBMを照射する。
そして、ビード60に形成されたビード側溶融池71において、第一粉末供給装置10Aから供給されたビード側粉末材料PAが溶融し、基材Bに形成された基材側溶融池72において、第二粉末供給装置10Bから供給された基材側粉末材料PBが溶融する。溶融したビード側粉末材料PA、および基材側粉末材料PBが固化することにより、基材Bの表面には、複数の筋状のビード60が形成され、肉盛加工(付加製造)が行われる。
ここで、本形態においては、ビームBMとしてレーザ光を用いる。但し、ビームBMはレーザ光に限られず、例えば、電子ビームを用いることも可能である。又、本形態においては、ビーム照射装置20の照射部22は、四角形状の照射形状となるビームBMを照射する。しかし、ビームBMの照射形状は四角形状に限られず、例えば、円形状、長円形状、または三角形状や五角形状等の多角形状とすることも可能である。
図2に示すように、照射領域Sは、後述する第一ビード61のうち交差方向D2の一部の領域である第一照射領域S1と、基材Bの表面のうち交差方向D2について第一照射領域S1に隣接する領域である第二照射領域S2と、を備える。
交差方向D2について第一照射領域S1の範囲は特に限定されないが、第一ビード61のうち、交差方向D2の全幅について、第二ビード62が形成される側縁から四分の一から三分の二の領域が好ましい。第一照射領域S1の範囲が、交差方向D2について第二ビード62が形成される側縁から四分の一よりも大きいことにより、造形物Wの表面の平面度が向上するので好ましい。また、第一照射領域S1の範囲が、交差方向D2について第二ビード62が形成される側縁から三分の二よりも小さいことにより、第一ビード61と第二ビード62との重なり代が過度に大きくなることが抑制されるため、造形物Wの製造効率が向上するので好ましい。本形態では、第一照射領域S1は、第一ビード61のうち、交差方向D2について第二ビード62が形成される側縁から略二分の一の領域とされている。
交差方向D2について、第二照射領域S2の幅寸法は、照射領域Sの幅寸法から第一照射領域S1の幅寸法を引いたものとなっている。
詳細には図示しないが、制御装置30は、CPU、ROM、RAM、インターフェース等を主要構成部品とするコンピュータ装置である。制御装置30は、第一粉末供給装置10Aおよび第二粉末供給装置10Bの粉末供給を制御する。具体的に、制御装置30は、第一フィーダ13Aを制御することにより、第一噴射ノズル14Aから基材Bに向けたビード側粉末材料PAの噴射供給を制御するとともに、第二フィーダ13Bを制御することにより、第二噴射ノズル14Bから基材Bに向けた基材側粉末材料PBの噴射供給を制御する。
また、制御装置30は、ビーム照射装置20のビーム照射を制御する。具体的に、制御装置30は、ビーム源21および照射部22の作動を制御して、照射部22から基材Bに向けて照射されるビームBMの出力、供給されたビード側粉末材料PA、基材側粉末材料PBを溶融するビームスポット径等を制御する。
制御装置30は、基材Bに対するビームBMの相対的な走査を制御する。具体的に、制御装置30は、図1に示すように、モータM1の回転を制御して基材Bを中心軸線Cの回りに回転させると共に、モータM2の回転を制御して基材Bを中心軸線Cの方向に移動させる。これにより、制御装置30は、基材Bに対するビームBMの相対的な走査を制御する。本形態において、制御装置30は、図1にて矢線Aで示すように、基材Bをビーム照射装置20に対して相対的に図1の左方向(ビーム照射装置20を基材Bに対して相対的に図1の右方向)に移動させる場合を例示する。ただし、制御装置30は、ビーム照射装置20を基材Bに対して相対的に図1の右方向に移動させる構成としてもよい。
尚、本形態においては、制御装置30が基材Bをビーム照射装置20に対して回転および移動させるようにする。しかしながら、ビーム照射装置20を含む加工ヘッドを基材Bに対して相対的に移動させるように構成することも可能である。この場合、図示しない駆動装置、例えば、XYZステージや多関節を有するロボットアーム等により、加工ヘッドは三次元空間にて自在に移動可能とされる。これにより、制御装置30が駆動装置(XYZステージやロボットアーム等)の作動を制御することにより、第一噴射ノズル14Aおよび第二噴射ノズル14Bの供給位置、並びに照射部22の照射位置は基材Bに対して相対的に移動することができる。
2.粉末材料Pの構成
図3を参照して、粉末材料Pについて説明する。以下の記載において、ビード側粉末材料PAと基材側粉末材料PBとに共通の事項については、粉末材料Pとして、まとめて記載する。粉末材料Pは、超硬粉末PHと、バインダBDと、を含む。粉末材料Pは、一次粒子である複数の超硬粉末PHが、バインダBDによって結合された二次粒子である。一次粒子である超硬粉末PHの粒径は、1μm~9μmが好ましい。二次粒子である粉末材料Pの粒径は、50μm~150μmが好ましい。粉末材料Pに対するバインダBDの割合は、5質量%~25質量%が好ましい。ただし、粉末材料Pは、一次粒子である超硬粉末PHとバインダBDとを含む二次粒子に限定されず、超硬粉末PHのみによって形成される構成としてもよい。
超硬粉末PHは、金属炭化物を含む。金属炭化物としては特に限定されず、炭化タングステン(WC)、炭化チタン(TiC)、炭化タンタル(TaC)等から一つまたは複数の金属炭化物が任意に選択される。本形態では、超硬粉末PHとして炭化タングステン(WC)が用いられる。
バインダBDとしては、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)等から一つまたは複数の金属が選択される。本形態ではコバルトが用いられる。
本形態においては、基材Bは鉄(Fe)、炭素鋼(S45C)等、任意に選択された金属種により構成される。
粉末材料Pは、超硬粉末PHおよびバインダBDと異なる物質を含んでも良い。例えば、粉末材料Pに、溶融した超硬粉末PHの粒径が増大することを抑制する粒成長抑制剤PI(粒成長差抑制手段の一例)を含んでも良い。すなわち、粉末材料Pは、一次粒子である超硬粉末PHと、一次粒子である粒成長抑制剤PIと、バインダBDと、を含む二次粒子とすることができる。粒成長抑制剤PIは、超硬粉末PHよりも融点が低く、且つ、超硬粉末PHと親和性が高い材料から、適宜に選択される。粒成長抑制剤PIとしては、炭化バナジウム(VC)、炭化チタン(TiC)、炭化タンタル(TaC)、炭化クロム(CrC)等の、炭化タングステンよりも融点の低い金属炭化物から一つまたは複数の化合物が選択される。本形態では、炭化バナジウムが用いられる。ただし、粉末材料Pに含まれる物質は粒成長抑制剤PIに限定されず、任意の物質を適宜に選択することができる。本形態では、粒成長抑制剤PIとして炭化バナジウムが含まれる。
本形態においては、ビード側粉末材料PAに含まれる粒成長抑制剤PIの割合と、基材側粉末材料PBに含まれる粒成長抑制剤PIの割合は同一である。従って、本形態において、ビード側粉末材料PAと、基材側粉末材料PBは同一である。ただし、同一とは、同一である場合を含むとともに、同一でない場合であっても実質的に同一と認定しうる場合も含む。
3.付加製造方法
次に、付加製造装置1による付加製造方法、具体的に、基材Bの表面に複数のビード60を形成する工程について、図2、および図4~図6を参照して説明する。
図2に示すように、モータM1が回転することにより、ビーム照射装置20と基材Bとが相対的に走査方向D1に移動する。ビーム照射装置20からビームBMが基材Bの表面に照射される。これにより、基材Bの表面のうちビームBMが照射された照射領域Sにおいて、基材Bの表面が溶融する。これにより基材Bの表面に、基材Bの一部が溶融した溶融池(図示せず)が形成される。
第二噴射ノズル14から基材側粉末材料PBが照射領域Sに噴射される。照射領域Sにおいて基材側粉末材料PBは溶融池に落下し、溶融する。
モータM1が回転することにより、ビーム照射装置20と基材Bとが相対的に走査方向D1について移動する。すると、基材Bの表面のうちビームBMが照射された照射領域Sが、走査方向D1についてずれる。これにより、照射領域Sから外れることになった溶融池の温度が低下し固化する。この結果、走査方向D1に沿って延在する第一ビード61が形成される。第一ビード61は、基材Bの表面から突出して形成されている。第一ビード61の、走査方向D1と直交する平面における断面形状は略半円形状をなしている(図4参照)。
また、ビーム照射装置20と基材Bとが相対的に走査方向D1について移動することにより基材Bの表面に新たに形成された照射領域Sにおいては、上記と同様に、基材Bの表面が溶融し、新たに溶融池が形成され、溶融池内に噴射された基材側粉末材料PBが溶融する。これにより、超硬粉末PH、バインダBD、および粒成長抑制剤PIが溶融する。
上記のように、モータM1が所定量回転することにより、基材Bの表面に、走査方向D1について所定長さの第一ビード61が形成される。第一ビード61は、基材Bに形成された溶融池が固化して形成されたものなので、第一ビード61の下端部は、基材Bの内部に入り込んだ形状になっている(図4参照)。
モータM2が回転されることにより、交差方向D2について基材Bが軸送りされる。これにより、照射領域Sが、交差方向D2について所定量ずれる。本形態では、照射領域Sは第一ビード61の幅寸法の略二分の一だけずれる(図2参照)。
その後、モータM1が回転することにより、ビーム照射装置20と基材Bとが走査方向D1について相対的に移動する。
この状態においては、図4に示すように、ビームBMの照射領域Sは、交差方向D2について第一ビード61の幅寸法の略二分の一の領域である第一照射領域S1と、基材Bの表面のうち交差方向D2について第一照射領域S1と隣接する第二照射領域S2と、を備える。
図4に示すように、第一照射領域S1においては第一ビード61が再溶融してビード側溶融池71が形成され、第二照射領域S2においては基材Bの表面が適切に溶融して基材側溶融池72が形成される。
図5に示すように、第一噴射ノズル14Aからビード側粉末材料PAがビード側溶融池71に供給される。また、第二噴射ノズル14Bから基材側粉末材料PBが基材側溶融池72に供給される。本形態では、ビード側粉末材料PAのビード側溶融池71への供給量は、基材側粉末材料PBの基材側溶融池72への供給量より、体積割合で少ない。
ビード側溶融池71に供給されたビード側粉末材料PAは、ビード側溶融池71内で溶融する。また、基材側溶融池72に供給された基材側粉末材料PBは、基材側溶融池72内で溶融する。これにより、超硬粉末PH、バインダBD、および粒成長抑制剤PIが溶融する。
モータM1が回転することにより、ビーム照射装置20と基材Bとが相対的に走査方向D1について移動する。すると、基材Bの表面のうちビームBMが照射された照射領域Sが、走査方向D1にずれる。これにより、照射領域Sから外れることになったビード側溶融池71および基材側溶融池72の温度が低下し固化する。この結果、走査方向D1に沿っての延在する第二ビード62が形成される(図6参照)。
第二ビード62は、交差方向D2について第一ビード61に隣接しているとともに、第一ビード61と接合している。
上記のようにモータM1が所定量回転することにより、基材Bの表面に、走査方向D1について所定長さの第二ビード62が形成される。
モータM2が回転されることにより、交差方向D2について基材Bが軸送りされる。これにより、照射領域Sが、交差方向D2について所定量ずれる。以後、上記の工程が繰り返されることにより、走査方向D1に延びるとともに交差方向D2に隣接する複数のビード60が形成される。この結果、複数のビード60により基材Bの表面に、走査方向D1および交差方向D2に広がる造形物Wが形成される。ただし、モータM1の回転と、モータM2の回転による軸送りが同期制御される構成としてもよい。
図6に示すように、第二ビード62のうち基材側溶融池72が固化した部分は第一部分81とされる。第一部分81は、基材Bが溶融した後に固化した部分なので、加熱、溶融および固化の工程が1回実施された状態になっている。
一方、第二ビード62のうちビード側溶融池71が固化した部分は第二部分82とされる。第二部分82は、第一ビード61が形成されたときに、加熱、溶融および固化の工程が1回実施され、さらに、ビード側溶融池71が形成後に固化するときに、2回目の加熱、溶融および固化の工程が実施された状態になっている。
図6においては、便宜上、第一部分81と第二部分82の境界を曲線で示したが、実際には、ビード側粉末材料PAと基材側粉末材料PBとが溶融後に混ざり合っているため、第二ビード62において、ビード側粉末材料PAに由来する領域と、基材側粉末材料PBに由来する領域と、を明確に区別することはできない。図5および図6に示すように、第二ビード62のうち、第一部分81側に位置する領域は、概ねビード側粉末材料PAにより形成され、第二部分82側に位置する領域は、概ね基材側粉末材料PBにより形成される。
4.本形態の作用効果の説明
続いて、図6および図7を参照して、本形態の作用効果について説明する。ただし、超硬粉末PHの粒子径、および超硬粉末PHの含有量については、説明の便宜のため、強調して記載してある。
本形態のビード側粉末材料PAおよび基材側粉末材料PBの双方は、粒成長抑制剤PIを含む。これにより、ビード側粉末材料PA、および基材側粉末材料PBが、それぞれ、ビード側溶融池71、および基材側溶融池72に供給されると、バインダBDと、粒成長抑制剤PIが溶融する。すると、溶融する前の超硬粉末PHの周囲は、溶融した粒成長抑制剤PIによって包囲される。この結果、粒成長抑制剤PIに包囲されることにより、超硬粉末がバインダBD内に溶解することが抑制される。これにより、超硬粉末PHの粒子径が成長することが抑制される。
図7の左端の図は、1回目の加熱後に固化した状態の粉末材料Pを示す。超硬粉末PHは粒度分布を有するので、超硬粉末PHの粒子径は、やや不揃いである。しかし、1回目の加熱時に粉末材料Pが溶融した場合であっても、粒成長抑制剤PIによって超硬粉末PHが包囲されることにより、超硬粉末PHの粒子径が成長することが抑制される。
さらに、図7の中央の図に示すように、2回目の加熱時に溶融した場合あっても、超硬粉末PHの周囲を包囲する粒成長抑制剤PIによって超硬粉末PHの粒子径が成長することが抑制される。この結果、図7の右端の図に示すように、2回目の加熱後、固化した状態であっても、超硬粉末PHの粒子径が成長することが抑制される。つまり、図7の左端に示す1回目の加熱後の超硬粉末PHの粒子径と、図7の右端に示す2回目の加熱後の超硬粉末PHの粒子径との間に差異が生じることが抑制される。
以上により、図6において、1回目の加熱後の構造を有する第一ビード61および第一部分81における超硬粉末PHの粒子径と、2回目の加熱後の構造を有する第二部分82における超硬粉末PHの粒子径と、の間に差異が生じることが抑制されるので、造形物Wに縞模様が生じることを抑制できる。
(実施形態1の変形例1)
次に、図6を参照して、実施形態1の変形例1について説明する。本変形例1においては、ビード側粉末材料PAは粒成長抑制剤PIを含んでいない。一方、基材側粉末材料PBは粒成長抑制剤PIを含む。本変形例1では、ビード側粉末材料PAの造形条件と、基材側粉末材料PBの造形条件と、が異なっている。
上記したように、第一ビード61は基材側粉末材料PBによって形成されている。従って、第一ビード61にビームが照射されて溶融することにより形成されたビード側溶融池71が固化した第二部分82においては(図6参照)、実施形態1と同様に、粒成長抑制剤PIによって超硬粉末PHの粒径の成長が抑制されている。
一方、基材Bにビームが照射された溶融することにより形成された基材側溶融池72が固化した第一部分81においては、1回目の加熱、溶融および固化の工程が実行されているだけである。しかも、基材側溶融池72に供給される基材側粉末材料PBには粒成長抑制剤PIが含まれているので、1回目の加熱後における超硬粉末PHの粒子径の成長が抑制される。従って、第一ビード61の第二部分82における超硬粉末PHの粒子径の成長と、基材Bの第一部分81における超硬粉末PHの粒子径の成長と、の間に差が生じることが抑制される。これにより縞模様が形成されることを抑制できる。
第二ビード62にビームが照射されてビード側溶融池71が形成される場合も、上記と同様である。実施形態1において記載したように、第二ビード62のうち第一部分81側の領域は、概ね基材側粉末材料PBで形成されており、この基材側粉末材料PBには粒成長抑制剤PIが含まれているからである。
(実施形態1の変形例2)
次に、実施形態1の変形例2について説明する。本変形例2においては、基材側粉末材料PBに含まれる粒成長抑制剤PIの割合は、ビード側粉末材料PAに含まれる粒成長抑制剤PIの割合よりも大きい。本変形例2では、ビード側粉末材料PAの造形条件と、基材側粉末材料PBの造形条件と、が異なっている。
本変形例2においても、基材側粉末材料PBに粒成長抑制剤PIが含まれているので、上記した変形例1と同様に、第一ビード61の第二部分82における超硬粉末PHの粒子径の成長と、基材Bの第一部分81における超硬粉末PHの粒子径の成長と、の間に差が生じることが抑制される。これにより縞模様が形成されることを抑制できる。
(実施形態2)
次に、図8を参照して、実施形態2について説明する。本実施形態においては、ビード側粉末材料PA、および基材側粉末材料PBは、超硬粉末PHよりも融点の低い吸熱材料E(粒成長差抑制手段の一例)を含む。換言すると、二次粒子であるビード側粉末材料PA、および基材側粉末材料PBは、一次粒子である超硬粉末PHと、吸熱材料Eと、を含む。
図8(a)には、ビード側粉末材料PAを示し、図8(b)には、基材側粉末材料PBを示す。本形態においては、ビード側粉末材料PAに含まれる吸熱材料Eの割合は、基材側粉末材料PBに含まれる吸熱材料Eの割合よりも大きい。本形態では、ビード側粉末材料PAの造形条件と、基材側粉末材料PBの造形条件と、が異なっている。
また、本形態は、ビード側粉末材料PA、および基材側粉末材料PBに、粒成長抑制剤が含まれていない点で、実施形態1と異なる。
ビード側粉末材料PAに含まれる吸熱材料Eと、基材側粉末材料PBに含まれる吸熱材料Eとは、同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
本形態の吸熱材料Eは、ビード側粉末材料PA、および基材側粉末材料PBに含まれるバインダBDである。バインダBDとしては実施形態1と同様の物質を用いることができる。本形態では、バインダBDとしてコバルトが用いられている。ただし、吸熱材料Eは、バインダBDと異なる物質であってもよい。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本形態によれば、ビード側粉末材料PAがビード側溶融池71に供給されると、超硬粉末PHよりも融点の低い吸熱材料E(コバルト)が溶融する。吸熱材料Eが溶融することによりビード側溶融池71の熱が、吸熱材料Eにより吸収される。すると、ビード側溶融池71において2回目の加熱、溶融が実行された場合であっても、ビード側溶融池71に含まれる超硬粉末PHは溶融しにくくなる。すると、溶融したバインダBD(コバルト)内に超硬粉末PHが溶融して拡散することが抑制される。これにより、ビード側溶融池71において2回目の加熱、溶融が実行された場合であっても、超硬粉末PHが、オストワルド成長によって収縮または消滅することが抑制される。
また、溶融したバインダBD内に超硬粉末PHが溶融することが抑制されるので、超硬粉末PHが、オストワルド成長によって粒子径が成長することも抑制される。
この結果、ビード側溶融池71において2回目の加熱、溶融が実行された場合であっても、第二部分82における超硬粉末PHの粒子径が成長することを抑制できる。この結果、第二部分82の粒子径と、第一部分81の粒子径との粒径差を減少させることができる。これにより縞模様が形成されることを抑制できる。
(実施形態3)
次に、図9を参照して実施形態3について説明する。図9(a)はビード側粉末材料PAを示し、図9(b)は基材側粉末材料PBを示す。本形態では、基材側粉末材料PBに含まれる超硬粉末PHBの粒径が、ビード側粉末材料PAに含まれる超硬粉末PHAの粒径よりも小さい。ビード側粉末材料PAに含まれる超硬粉末PHAの粒径は、1μm~9μmが好ましく、基材側粉末材料PBに含まれる超硬粉末PHBの粒径は、1μm未満が好ましい。
また、本形態は、ビード側粉末材料PA、および基材側粉末材料PBに、粒成長抑制剤が含まれていない点で、実施形態1と異なる。
本形態によれば、基材側溶融池72に基材側粉末材料PBが供給されることにより、第一ビード61が形成される。次に、第一ビード61の一部にビームが照射されたビード側溶融池71が形成される。このとき、ビード側溶融池71において、オストワルド成長により超硬粉末PHが成長する。しかし、第一ビード61を構成する基材側粉末材料PBに含まれる超硬粉末PHBの粒径は比較的に小さいので、ビード側溶融池71が固化するまでの時間内に、超硬粉末PHBが大きくなることを抑制することができる。これにより、ビード側溶融池71が固化してなる第二部分82における超硬粉末PHBの粒径が大きくなることを抑制できる。この結果、第二部分82における超硬粉末PHBの粒径と、第一部分81における超硬粉末PHAの粒径との粒径差を減少させることができる。これにより縞模様が形成されることを抑制できる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
実施形態1および実施形態2においては、ビード側粉末材料PAに含まれる超硬粉末PHの粒径と、基材側粉末材料PBに含まれる超硬粉末PHの粒径とは同一としたが、これに限られず、異なる粒径としてもよい。
実施形態2および実施形態3においては、粉末材料Pに、粒成長抑制剤PIが含まれない構成としたが、これに限られず、粒成長抑制剤PIが含まれる構成としてもよい。
1:付加製造装置、10A:第一粉末供給装置、10B:第二粉末供給装置、20:ビーム照射装置、60:ビード、61:第一ビード、62:第二ビード、71:ビード側溶融池、72:基材側溶融池、81:第一部分、82:第二部分、B:基材、BD:バインダ、BM:ビーム、E:吸熱材料(粒成長差抑制手段)、P:粉末材料、PA:ビード側粉末材料、PB:基材側粉末材料、PH,PHA,PHB:超硬粉末、PI:粒成長抑制剤(粒成長差抑制手段)、W:造形物

Claims (20)

  1. 超硬粉末を含む粉末材料を供給する粉末供給装置と、
    ビームの照射により溶融池を形成し前記溶融池に前記粉末材料を供給することにより前記ビームの走査方向に延在するビードを形成し、既に形成された第一ビードと前記第一ビードに隣接して形成される第二ビードとを結合することにより基材の表面に造形物を形成するビーム照射装置と、
    前記基材に前記ビームを照射することにより形成された基材側溶融池が固化した第一部分における前記超硬粉末の粒径と、前記ビードの一部に前記ビームを照射することにより形成されたビード側溶融池が固化した第二部分における前記超硬粉末の粒径と、の粒径差を減少させる、粒成長差抑制手段と、を備える、付加製造装置。
  2. 前記粒成長差抑制手段は前記粉末材料に含まれる粒成長抑制剤であって、前記粒成長抑制剤は溶融した前記超硬粉末の粒径が増大することを抑制する、請求項1に記載の付加製造装置。
  3. 前記粒成長抑制剤は、VC,TiC,TaC,およびCrCのうちから選択される少なくとも一種である、請求項2に記載の付加製造装置。
  4. 前記粉末材料は、
    前記ビード側溶融池に供給されるビード側粉末材料と、
    前記基材側溶融池に供給される基材側粉末材料と、を備え、
    前記ビード側粉末材料に適用される前記粒成長差抑制手段と、前記基材側粉末材料に適用される前記粒成長差抑制手段と、が異なっている、請求項1に記載の付加製造装置。
  5. 前記粒成長差抑制手段は、溶融した前記超硬粉末の粒径が増大することを抑制する粒成長抑制剤であり、
    前記ビード側粉末材料に、前記粒成長抑制剤が含まれておらず、
    前記基材側粉末材料に、前記粒成長抑制剤が含まれている、請求項4に記載の付加製造装置。
  6. 前記粒成長差抑制手段は、前記ビード側粉末材料および前記基材側粉末材料の双方に含まれる粒成長抑制剤であって、前記粒成長抑制剤は溶融した前記超硬粉末の粒径が増大することを抑制するものであり、
    前記基材側粉末材料に含まれる前記粒成長抑制剤の割合は、前記ビード側粉末材料に含まれる前記粒成長抑制剤の割合よりも大きい、請求項4に記載の付加製造装置。
  7. 前記粒成長差抑制手段は、前記ビード側粉末材料および前記基材側粉末材料の双方に含まれる、前記超硬粉末よりも融点の低い吸熱材料であり、
    前記ビード側粉末材料に含まれる前記吸熱材料の割合は、前記基材側粉末材料に含まれる前記吸熱材料の割合よりも大きい、請求項4に記載の付加製造装置。
  8. 前記吸熱材料がバインダである、請求項7に記載の付加製造装置。
  9. 前記粉末材料は、前記超硬粉末とバインダとを含む二次粒子であって、
    前記基材側粉末材料に含まれる前記超硬粉末の粒径が、前記ビード側粉末材料に含まれる前記超硬粉末の粒径よりも小さい、請求項4に記載の付加製造装置。
  10. 前記バインダはCo,Ni,Cr,Fe,およびCuのうちから選択される少なくとも一種である、請求項9に記載の付加製造装置。
  11. 前記ビード側粉末材料の造形条件と、前記基材側粉末材料の造形条件と、が異なっている、請求項4に記載の付加製造装置。
  12. 前記ビード側粉末材料の前記ビード側溶融池への供給量が、前記基材側粉末材料の前記基材側溶融池への供給量より、体積割合で少ない、請求項5,6,7,9のいずれか一項に記載の付加製造装置。
  13. 超硬粉末を含む粉末材料を供給する粉末供給装置と、
    ビームの照射により溶融池を形成し前記溶融池に前記粉末材料を供給することにより前記ビームの走査方向に延在するビードを形成し、既に形成された第一ビードと前記第一ビードに隣接して形成される第二ビードとを結合することにより基材の表面に造形物を形成するビーム照射装置と、
    溶融した前記超硬粉末の粒径が増大することを抑制する粒成長抑制剤と、を備える、付加製造装置。
  14. 前記粉末材料は、
    前記第一ビードの一部に前記ビームを照射することにより形成されたビード側溶融池に供給されるビード側粉末材料と、
    前記基材に前記ビームを照射することにより形成された基材側溶融池に供給される基材側粉末材料と、を備え、
    前記ビード側粉末材料に含まれる前記粒成長抑制剤の割合は、前記基材側粉末材料に含まれる前記粒成長抑制剤の割合と同じである、請求項13に記載の付加製造装置。
  15. 前記粉末材料は、
    前記第一ビードの一部に前記ビームを照射することにより形成されたビード側溶融池に供給されるビード側粉末材料と、
    前記基材に前記ビームを照射することにより形成された基材側溶融池に供給される基材側粉末材料と、を備え、
    前記ビード側粉末材料に、前記粒成長抑制剤が含まれておらず、前記基材側粉末材料に前記粒成長抑制剤が含まれている、請求項13に記載の付加製造装置。
  16. 前記粉末材料は、
    前記第一ビードの一部に前記ビームを照射することにより形成されたビード側溶融池に供給されるビード側粉末材料と、
    前記基材に前記ビームを照射することにより形成された基材側溶融池に供給される基材側粉末材料と、を備え、
    前記基材側粉末材料に含まれる前記粒成長抑制剤の割合は、前記ビード側粉末材料に含まれる前記粒成長抑制剤の割合よりも大きい、請求項13に記載の付加製造装置。
  17. 超硬粉末を含む粉末材料を供給する粉末供給装置と、
    ビームの照射により溶融池を形成し前記溶融池に前記粉末材料を供給することにより前記ビームの走査方向に延在するビードを形成し、既に形成された第一ビードと前記第一ビードに隣接して形成される第二ビードとを結合することにより基材の表面に造形物を形成するビーム照射装置と、を備え、
    前記粉末材料は、
    前記第一ビードの一部に前記ビームを照射することにより形成されたビード側溶融池に供給されるビード側粉末材料と、
    前記基材に前記ビームを照射することにより形成された基材側溶融池に供給される基材側粉末材料と、を備え、
    前記ビード側粉末材料と前記基材側粉末材料とが異なっている、付加製造装置。
  18. 基材の表面に造形物を形成する付加製造方法であって、
    ビームの照射により溶融池を形成し前記溶融池に超硬粉末を含む粉末材料を供給することにより前記ビームの走査方向に延在する第一ビードを形成する工程と、
    前記第一ビードに隣接して第二ビードを形成するとともに、前記第一ビードと前記第二ビードとを結合する工程と、を備え、
    粒成長差抑制手段により、前記基材に前記ビームを照射することにより形成された基材側溶融池が固化した第一部分の粒径と、前記第一ビードの一部に前記ビームを照射することにより形成されたビード側溶融池が固化した第二部分の粒径と、の粒径差を減少させる工程と、を備える、付加製造方法。
  19. 基材の表面に造形物を形成する付加製造方法であって、
    ビームの照射により溶融池を形成し前記溶融池に超硬粉末を含む粉末材料を供給することにより前記ビームの走査方向に延在する第一ビードを形成する工程と、
    前記第一ビードに隣接して第二ビードを形成するとともに、前記第一ビードと前記第二ビードとを結合する工程と、を備え、
    前記粉末材料に、溶融した前記超硬粉末の粒径が増大することを抑制する粒成長抑制剤が含まれている、付加製造方法。
  20. 基材の表面に造形物を形成する付加製造方法であって、
    ビームの照射により溶融池を形成し前記溶融池に超硬粉末を含む粉末材料を供給することにより前記ビームの走査方向に延在する第一ビードを形成する工程と、
    前記第一ビードに隣接して第二ビードを形成するとともに、前記第一ビードと前記第二ビードとを結合する工程と、を備え、
    前記粉末材料は、
    前記第一ビードの一部に前記ビームを照射することにより形成されたビード側溶融池に供給されるビード側粉末材料と、
    前記基材に前記ビームを照射することにより形成された基材側溶融池に供給される基材側粉末材料と、を備え、
    前記ビード側粉末材料と前記基材側粉末材料とが異なっている、付加製造方法。
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