JP2024078401A - スピンチャック及び塗布処理装置 - Google Patents

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浩平 川上
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Abstract

【課題】複数の基板に対して回転塗布処理を連続して行う際に、塗布膜の厚さが基板間で変動するのを抑制し、すなわち、膜厚ドリフトを抑制する。【解決手段】基板を保持して回転させるスピンチャックであって、前記基板に塗布液を供給すると共に前記基板を回転させ当該基板上に塗布膜を形成する回転塗布処理用のものであり、回転可能に構成され、前記基板を上面で吸着保持する本体部を有し、前記本体部は、当該本体部に前記基板を吸着保持するための複数の吸着溝を前記上面に有し、前記複数の前記吸着溝の少なくとも一部の内部に、前記本体部と熱伝導率が異なる充填材が配置され、前記充填材は、前記吸着溝内の下部に配置され、前記吸着溝内における当該充填材の上方に空間が形成されている。【選択図】図3

Description

本開示は、スピンチャック及び塗布処理装置に関する。
特許文献1には、基板を保持するスピンチャックが開示されている。このスピンチャックは、基板を略水平に保持する保持プレートと、保持プレートに基板を吸着保持させる減圧吸引装置と、保持プレートを回転させる回転装置と、を具備する。上記保持プレートは、基板保持面にその中央部から周縁部に向かって非放射状に延びるように設けられた複数の吸着溝と、減圧吸引装置と連通し、かつ、複数の吸着溝と個々に連通する複数の吸引孔と、を有する。
特開2003-1182号公報
本開示にかかる技術は、複数の基板に対して回転塗布処理を連続して行う際に、塗布膜の厚さが基板間で変動するのを抑制し、すなわち、膜厚ドリフトを抑制する。
本開示の一態様は、基板を保持して回転させるスピンチャックであって、前記基板に塗布液を供給すると共に前記基板を回転させ当該基板上に塗布膜を形成する回転塗布処理用のものであり、回転可能に構成され、前記基板を上面で吸着保持する本体部を有し、前記本体部は、当該本体部に前記基板を吸着保持するための複数の吸着溝を前記上面に有し、前記複数の前記吸着溝の少なくとも一部の内部に、前記本体部と熱伝導率が異なる充填材が配置され、前記充填材は、前記吸着溝内の下部に配置され、前記吸着溝内における当該充填材の上方に空間が形成されている。
本開示によれば、複数の基板に対して回転塗布処理を連続して行う際に、塗布膜の厚さが基板間で変動するのを抑制することができ、すなわち、膜厚ドリフトを抑制することができる。
本実施形態にかかる塗布処理装置としてのレジスト塗布装置の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。 本実施形態にかかる塗布処理装置としてのレジスト塗布装置の構成の概略を模式的に示す平面図である。 スピンチャックの断面図である。 スピンチャックの本体部の一例を示す上面図である。 スピンチャックの部分拡大断面図である。 スピンチャックの断熱材の一例を示す平面図である。 断熱材の他の例を示す平面図である。 スピンチャックの変形例を説明するための図である。 スピンチャックの変形例を説明するための図である。 スピンチャックの変形例を説明するための図である。 スピンチャックの変形例を説明するための図である。 カップの変形例を説明するための図である。
半導体デバイス等の製造プロセスには、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)等の基板上に塗布液を供給しレジスト膜等の所望の膜を形成する塗布処理がある。この塗布処理には、塗布液を基板に供給すると共に基板を回転させ、遠心力により基板全体に塗布液を拡げ塗布膜を形成する回転塗布処理(いわゆるスピンコーティング)が広く用いられている。
回転塗布処理に用いられる塗布処理装置は、基板を保持して回転させるスピンチャックを備える。スピンチャックは、回転可能に構成されており、その上面で基板を吸着保持する。また、スピンチャックは、当該スピンチャックに基板を吸着保持するための複数の吸着溝を、上面に有する。
ところで、複数枚の基板に対し回転塗布処理を順に連続して行うと、塗布膜の厚さが、基板間で変動が生じること、すなわち、膜厚ドリフトが生じることがある。例えば、連続処理開始後から処理枚数の増加に伴い膜厚が薄くなっていく膜厚ドリフトが生じることがある。この膜厚ドリフトの要因としては、以下が考えられる。
回転塗布処理では、塗布膜が乾燥し、その乾燥時の気化熱により、基板の温度が低くなることがあり、その結果、低温の基板によりスピンチャックが冷却されることがある。そのため、連続処理開始後からスピンチャックの温度が安定するまで、処理枚数の増加に伴い、スピンチャックの温度が低下していくことがある。また、基板は、スピンチャックの温度に影響を与えるだけでなく、スピンチャックの温度の影響を受ける。したがって、連続処理後からスピンチャックの温度が安定するまで、処理枚数の増加に伴い、処理時の基板の温度が低下していき、その結果、膜厚が薄くなっていく、と考えられる。
そこで、本開示にかかる技術は、膜厚ドリフトを抑制する。
以下、本実施形態にかかるスピンチャック及び塗布処理装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<レジスト塗布装置>
図1及び図2はそれぞれ、本実施形態にかかる塗布処理装置としてのレジスト塗布装置1の構成の概略を模式的に示す縦断面図及び平面図である。
レジスト塗布装置1は、回転塗布処理用のものであり、図1に示すように、スピンチャック11を備える。スピンチャック11は、基板としてのウェハWを保持して回転させるものであり、具体的には、その上面に円形のウェハWを水平に吸着保持して回転させるものである。スピンチャック11の詳細な構成については後述する。
スピンチャック11は、回転機構12に接続されている。回転機構12は、スピンチャック11を回転させる駆動力を発生させるモータ等の駆動源(図示せず)を含む回転駆動部12aと、回転駆動部12aとスピンチャック11とを接続する軸部材12bと、を有する。回転機構12によりスピンチャック11が鉛直軸回りに回転することにより、スピンチャック11に保持されたウェハWも同様に回転する。スピンチャック11には、当該スピンチャック11にウェハWを吸着保持するための排気機構200(図3参照)が接続されている。
また、スピンチャック11に保持されたウェハWを囲むように、液受部としてのカップ14が設けられている。カップ14は、スピンチャック11に保持されたウェハWからの処理液を受け回収する。例えば、カップ14は、スピンチャック11による回転によってウェハWから振り切られた処理液を受け回収する。
このカップ14の底部には排液口15が設けられている。また、カップ14の底部には排気管16が設けられており、排気管16には、排気ポンプ等を有する排気機構30が接続されている。カップ14の内部は、ウェハWの処理中において、排気管16を介して排気機構30によって排気される。このカップ14内の排気によって、ウェハWの周囲から当該ウェハWの表面上の排気が行われる。
さらに、カップ14は、スピンチャック11と同心の、平面視円形状の孔17を上部に有する。この孔17は、カップ14における、上方の空間に対する開口となる。ウェハWは、この開口となる孔17を通過して、スピンチャック11に載置され保持される。
また、カップ14は、スピンチャック11による回転によってウェハWから側方に振り切られた処理液が衝突する側方壁18を有する。側方壁18は、下部周壁18aと、上部周壁18bとを含む。下部周壁18aは、鉛直方向に延びる円筒状に形成されている。上部周壁18bは、その内周面18cが、下部周壁18aの内周面の上端から内側上方に向けて全周に亘って延びる傾斜面となっている。傾斜面である上部周壁18bの内周面18cが、スピンチャック11に保持されたウェハWの側方に位置しており、当該ウェハWの周縁と対向する。ウェハWから側方に振り切られた処理液は、内周面18cに衝突する。
さらに、カップ14は、側方壁18から内側に向けて全周に亘って水平に延び孔17を形成する、平面視円環状の天壁19を有する。図の例では、天壁19は、上部周壁18bの上端に接続されている。
カップ14の内部における、スピンチャック11の周囲には、内外に斜面部20a、20bを有する環状のガイド部材20が配置されている。
また、スピンチャック11の周囲には、昇降ピン31が配置されている。この昇降ピン31は、当該昇降ピン31を昇降させる駆動力を発生させるシリンダ等の駆動源(図示せず)を有する昇降機構32に接続されている。昇降機構32により、昇降ピン31は、ウェハWを支持した状態で昇降することができる。これによって、スピンチャック11とウェハ搬送機構(図示せず)との間でウェハWを受け渡すことができる。
カップ14の孔17の上方には、気流形成部としてのファンフィルタユニット(FFU)41が設けられており、清浄気体としての清浄な空気の下降気流を形成し、当該空気を孔17を介してカップ14内に供給する。カップ14内にウェハWに供給された清浄な空気は、排気機構30によりカップ14外へ排気される。
さらに、レジスト塗布装置1は、吐出ノズル51を備える。吐出ノズル51は、スピンチャック11に保持されたウェハWに対して塗布液としてのレジスト液を吐出する。この吐出ノズル51は、レジスト供給機構52に接続されている。レジスト供給機構52は、ポンプやバルブ等を備え、吐出ノズル51へレジスト液を供給する。
吐出ノズル51は、図2に示すように、アーム53の先端部に支持されており、アーム53の基端側は移動機構54に接続されている。移動機構54はモータ等の駆動源によって、ガイドレール55に沿って図中の往復矢印の方向に移動自在である。また、アーム53に支持された吐出ノズル51は、鉛直方向に移動自在である。さらに、吐出ノズル51は、カップ14の外側に配置された待機部56において待機可能である。
また、レジスト塗布装置1は、吐出ノズル61を備えていてもよい。吐出ノズル61は、スピンチャック11に保持されたウェハWに対して塗布液としてのレジスト液に対する溶剤を吐出する。この吐出ノズル61は、溶剤供給機構62に接続されている。溶剤供給機構62は、ポンプやバルブ等を備え、吐出ノズル61へ溶剤を供給する。
吐出ノズル61は、アーム63の先端部に支持されており、アーム63の基端側は移動機構64に接続されている。移動機構64はモータ等の駆動源によって、ガイドレール65に沿って図中の往復矢印の方向に移動自在である。また、アーム63に支持された吐出ノズル61は、鉛直方向に移動自在である。さらに、吐出ノズル61は、カップ14の外側に配置された待機部66において待機可能である。
さらに、レジスト塗布装置1には、制御部Uが設けられている。制御部Uは、例えばCPU等のプロセッサやメモリ等を備えたコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、レジスト塗布装置1におけるウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。格納されたプログラムは、レジスト塗布装置1の各部に制御信号を送信してその動作を制御するように命令(各ステップ)が組み込まれている。例えば、制御部Uは、回転機構12によるスピンチャック11の回転数すなわちウェハWの回転数(回転速度)の変更、吐出ノズル51の移動を制御する。また、制御部Uは、レジスト供給機構52から吐出ノズル51へのレジスト液の供給、停止、スピンチャック11へのウェハWの吸着保持も制御する。レジスト塗布装置1に溶剤用の吐出ノズル61が設けられる場合、制御部Uは、吐出ノズル61の移動、溶剤供給機構62から吐出ノズル61への溶剤の供給、停止も制御する。なお、上述のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な非一時的な記憶媒体に記録されていたものであって、当該記憶媒体から制御部Uにインストールされたものであってもよい。
<スピンチャック11>
続いて、図3~図6を用いて、スピンチャック11の構成例を説明する。図3は、スピンチャック11の断面図である。図4は、スピンチャック11の後述の本体部の一例を示す上面図である。図中、灰色部分は後述の吸着溝を示す。図5は、スピンチャック11の部分拡大断面図である。図6は、スピンチャック11の後述の断熱材の一例を示す平面図である。図7は、上記断熱材の他の例を示す平面図である。
スピンチャック11は、回転塗布処理用のものであり、図3に示すように、ウェハWを上面で吸着保持する本体部100を有する。本体部100は、回転可能に構成されており、具体的には、回転機構12(図1参照)に接続されている。本体部100は、回転機構12により鉛直軸周りに回転する。これにより本体部100に保持されたウェハWも同様に回転する。
また、本体部100は、ウェハWより小さく形成され、ウェハWの裏面中央部を真空吸着することにより、ウェハWを水平に保持する。そのため、ウェハWが、本体部100に吸着保持された状態において、その外周部が本体部100から張り出している。本体部100の平面視形状は、例えば、ウェハWより小径(例えば直径がウェハWの30%~60%、ウェハWの直径が300mmの場合、120mmm~180mm)の円形状である。
本体部100は例えばポリエーテルエーテルケトンにより形成されている。
また、本体部100は、当該本体部100にウェハWを吸着保持するための複数の吸着溝111をその上面に有する。
複数の吸着溝111は、例えば、本体部100の上面に沿って、当該上面の径方向に沿って並ぶように形成されている。
複数の吸着溝111は、中心溝112と複数の環状溝113とを含む。中心溝112と複数の環状溝113のそれぞれは、平面視において、本体部100に吸着保持されたウェハWと同心に形成され、すなわち、図4に示すように、本体部100の上面と同心に形成されている。また、中心溝112と複数の環状溝113それぞれは、平面視において、本体部100に吸着保持されたウェハWに対応する形状にされている。なお、ウェハWに対応する形状とは、円形のウェハWの場合、円形または円環状である。
中心溝112は、スピンチャック11の上面の中心に設けられ、平面視円形状に形成されている。一実施形態において、中心溝112は、図3に示すように、排気ポンプ等を有する排気機構200に接続されている。具体的には、中心溝112は、例えば、中心溝112の底面に開口する排気孔114等を介して、排気機構200に接続されている。中心溝112の内部は、ウェハWの吸着保持時に、排気機構200によって排気される。
環状溝113それぞれは、図4に示すように、中心溝112の外側に設けられ、平面視円環状に形成されている。
また、複数の環状溝113は、平面視において幅が狭い第1吸着溝としての第1環状溝113aと、平面視において幅が広い第2吸着溝としての第2環状溝113bと、を含む。第2環状溝113bは、平面視における幅が第1環状溝113aの2~4倍である。なお、第1環状溝113aは、平面視における幅が例えば2~10mmである。
また、第1環状溝113aと第2環状溝113bは、例えば、本体部100の上面の径方向に沿って交互に形成されている。
これらの吸着溝111それぞれの深さは、低温のウェハWの影響を受けて本体部100の温度が低くならないように、比較的大きく設定されている。具体的には、吸着溝111それぞれの深さは、スピンチャック11に吸着保持されたウェハWに対する回転塗布処理が連続して行われたときにウェハWの中央部の温度が変動しないように設定されている。すなわち、上述のように連続処理時にウェハWの中央部の温度が変動しないように、吸着溝111それぞれの深さdは、所定値D1以下とされている。なお、吸着溝111それぞれの深さdは、本体部100の強度の観点等から、例えば所定値D2(<D1)以上であることが好ましい。
さらに、スピンチャック11は、図3に示すように、複数の吸着溝111の少なくとも一部の内部に、本体部100と熱伝導率が異なる充填材としての断熱材120が配置されている。断熱材120は、本体部100より熱伝導率が低い。具体的には、断熱材120は、本体部100の材料より熱伝導率が低い材料で形成され、より具体的には、ポリテトラフルオロエチレンにより形成されている。
スピンチャック11において、断熱材120は、吸着溝111内の下部に配置されている。具体的には、断熱材120は、吸着溝111内の下部を充填するように配置されている。そして、スピンチャック11では、吸着溝111内における断熱材120の上方に空間Kが形成されている。これにより、断熱材120が配置されているが空間Kが形成されていない場合に比べて、本体部100及び断熱材120を含むスピンチャック11の温度が低温のウェハWの影響を受けて低くなるのを抑制することができる。また、このように抑制するために、空間Kの高さhは例えば0.2mm以上とされている。
また、空間Kの高さhは、本体部100及び断熱材120を含むスピンチャック11によってウェハWが適切に冷却されるように設定されている。すなわち、空間Kの高さhは、スピンチャック11に吸着保持されたウェハWに対する回転塗布処理時のウェハWの温度がウェハ面内で均一となるように設定されている。具体的には、空間Kの高さhは、0.4mm以下とされている。
吸着溝111を上述のような深さdとしつつ空間Kを上述のような高さhとするため、断熱材120の厚さtは空間Kの高さhの2~4倍とされている。
断熱材120は例えば接着テープ(図示せず)を介して吸着溝111の底面に接着される。この場合、「断熱材120の厚さ」とは、具体的には断熱材120の厚さと接着テープの厚さとの和である。
吸着溝111に対する断熱材120の固定手法は、上述の接着テープで接着する方法に限られない。例えば、吸着溝111に断熱材120を圧入し吸着溝111と断熱材120との嵌め合わせにより固定してもよいし、ネジ(図示せず)を用いて吸着溝111に対し断熱材120を固定してもよい。
複数の吸着溝111のうち、断熱材120が配置されるのは、平面視において幅が広い第2環状溝113bのみであってもよい。
さらに、スピンチャック11では、図5に示すように、隣り合う吸着溝111の間に設けられた隔壁115に、当該隣り合う吸着溝111を連通させる、下方に凹む凹所116が形成されている。吸着溝111のうち、環状溝113は、この凹所116を介して、ウェハWの吸着保持時に、その内部が排気される。具体的には、環状溝113は、中心溝112及び凹所116を介して、排気機構200によって排気される。
また、断熱材120の上面は、凹所116の下端より下方に位置する。具体的には、断熱材120の上面は、凹所116の当該断熱材120側端の下端より下方に位置する。
さらに、一の吸着溝111に対する断熱材120は、平面視において、図6に示すように、複数に分割されていてもよい。具体的には、一の吸着溝111に対する断熱材120は、平面視において、対応する吸着溝111の周方向に沿って複数に分割されていてもよい。
また、一の吸着溝111に対する断熱材120は、平面視において、図7に示すように、切れ込み121を有していてもよい。具体的には、一の吸着溝111に対する断熱材120は、平面視において、対応する吸着溝111の周方向に沿って、複数の切れ込み121を有していてもよい。
<回転塗布処理>
次に、レジスト塗布装置1を用いた回転塗布処理の一例について説明する。
例えば、まず、スピンチャック11にウェハWが載置され、吸着保持される。
具体的には、レジスト塗布装置1の内部に、ウェハWを保持したウェハ搬送装置(図示せず)が挿入され、このウェハ搬送装置とスピンチャック11との間で、昇降ピン31を介してウェハWが受け渡され、これにより、スピンチャック11に載置される。その後、ウェハWが、排気機構200によりスピンチャック11の吸着溝111内(具体的には中心溝112内及び環状溝113内)が排気され、スピンチャック11に吸着保持される。
次いで、ウェハW上にレジスト液の液膜が形成される。
具体的には、スピンチャック11に吸着保持されたウェハWの中心部上方に吐出ノズル51が移動され、当該吐出ノズル51からウェハW上にレジスト液が吐出される。それと共に、ウェハWが回転される。これにより、ウェハWの上面全体を覆うレジスト液の液膜が形成される。
なお、溶剤用の吐出ノズル61が設けられる場合、レジスト液の液膜の形成の前に、ウェハW上に溶剤が供給されてもよい。
具体的には、スピンチャック11に吸着保持されたウェハWの中心部上方に吐出ノズル61が移動され、当該吐出ノズル61からウェハW上にレジスト液が吐出されると共に、ウェハWが回転されてもよい。これにより、レジスト液の液膜の形成前に、ウェハWの上面全体のレジスト液による被覆性を向上させることができる。
レジスト液の液膜の形成に続いて、ウェハW上のレジスト液の液膜が乾燥され、レジスト膜が形成される。
具体的には、吐出ノズル51が退避されると共に、ウェハWの回転が継続される。これにより、ウェハW上のレジスト液の液膜から余分なレジスト液が振り切られ、また、当該液膜が乾燥し、レジスト膜が形成される。
そして、ウェハWの載置及び吸着保持時と逆の手順で、ウェハWがレジスト塗布装置1から搬出される。
その後、次のウェハWに対し、上述の各工程が行われる。
<本実施形態の主な作用効果>
以上のように本実施形態では、回転塗布処理用のスピンチャック11が、回転可能に構成され、ウェハWを上面で吸着保持する本体部100を有し、本体部100が、当該本体部100の上面にウェハWを吸着保持するための複数の吸着溝111を上記上面に有する。また、スピンチャック11では、複数の吸着溝111の少なくとも一部の内部に充填材としての断熱材120が配置されている。そして、断熱材120が、吸着溝111内の下部に配置され、吸着溝111内における当該断熱材120の上方に空間Kが形成されている。
スピンチャック11と異なり充填材としての断熱材120が配置されていないスピンチャック(以下、充填材無しチャック)を用いて回転塗布処理を連続して行った場合、前述のように、連続処理開始後からレジスト膜の厚さが薄くなっていく膜厚ドリフトが生じることがある。この連続処理前期の薄膜化の膜厚ドリフトを抑制するための対策として充填材無しチャックの吸着溝を深くすることが考えられている。しかし、吸着溝を深くすると、ウェハWの中央部において塗布膜が厚くなり、レジスト膜の厚さがウェハ面内で不均一となってしまうことがある。この原因としては、以下が考えられる。すなわち、ウェハWの温度が高い部分ではレジスト膜が厚くなり温度が低い部分ではレジスト膜が薄くなる傾向にあるところ、吸着溝を深くした結果、充填材無しチャックによるウェハWの冷却が弱まり、ウェハWの中央部の温度が高くなっていることが考えられる。
それに対し、スピンチャック11は、吸着溝111内に断熱材120が配置され、断熱材120の温度がウェハWの温度の影響を受けにくい。そのため、スピンチャック11は、充填材無しチャックと同様、吸着溝111を深くすることで、連続処理前期の薄膜化の膜厚ドリフトを抑制することができる。また、スピンチャック11では、吸着溝111を深くしても当該吸着溝111内に断熱材120が配置されており断熱材120がウェハWの近くに存在するので、断熱材120を含むスピンチャック11でウェハWの中央部を冷却することができる。そのため、ウェハWの中央部においてレジスト膜が厚くなるのを抑制し、レジスト膜の厚さがウェハ面内で不均一となるのを抑制することができる。
すなわち、スピンチャック11によれば、連続処理前期の薄膜化の膜厚ドリフトの抑制と、レジスト膜の厚さのウェハ面内均一性と、を両立することができる。
本発明者らは、本開示にかかる技術を適用したスピンチャックすなわちスピンチャック11と充填材無しチャックとを用いて、レジスト膜の回転塗布処理を5枚のウェハWに対し連続的に行い、膜厚ドリフトと膜厚の面内均一性を比較した。充填材無しチャックとしては、吸着溝の深さが0.3mmのもの(以下、浅溝チャックという。)と1mmのもの(以下、深溝チャックという。)との2種類を用いた。また、膜厚の面内均一性とは、ここでは、ウェハ中央部とウェハ周縁部におけるレジスト膜の厚さの差である。
この試験では、深溝チャックを用いた場合、浅溝チャックを用いた場合に比べて、膜厚ドリフトが約36%改善していたが、ウェハ中央部とウェハ周縁部におけるレジスト膜の厚さの差が比較的大きかった。それに対し、スピンチャック11を用いた場合、浅溝チャックを用いた場合に比べて、膜厚ドリフトが約11%改善していたのに加えて、ウェハ中央部とウェハ周縁部におけるレジスト膜の厚さの差が比較的小さく、深溝チャックを用いた場合に比べて約1/5になっていた。この試験結果からも明らかなように、スピンチャック11によれば、連続開始処理直後からの膜厚ドリフトの抑制と、レジスト膜の厚さのウェハ面内均一性と、を両立することができる
さらに、本実施形態では、吸着溝111内における断熱材120の上方に空間Kが形成されているため、ウェハWの裏面に断熱材120が接触しない。したがって、本実施形態によれば、上記接触によるウェハWの裏面への異物の付着等を抑制することができる。
また、前述のように、一の吸着溝111に対する断熱材120は、平面視において、複数に分割されていても、切れ込み121を有していてもよい。このように断熱材120が分割されたり、切れ込み121を有していたりする場合、断熱材120が、塗布液等を吸収して膨張したときに破損するのを抑制することができる。
さらに、スピンチャック11では、断熱材120の上面が、凹所116の下端より下方に位置する。すなわち、凹所116の吸着溝111側端が断熱材120によって塞がれていない。そのため、断熱材120によりスピンチャック11の吸着力が低下するのを抑制することができる。
<変形例>
図8~図11はそれぞれ、スピンチャックの変形例を説明するための図である。
図8のスピンチャック11Aは、図3等に示したスピンチャック11と、同様膜厚ドリフトを抑制するためのものである。ただし、図3等に示したスピンチャック11は、連続処理開始後から処理枚数の増加に伴い膜厚が薄くなる膜厚ドリフトを抑制するものであるのに対し、図8のスピンチャック11Aは、連続処理後期において処理枚数の増加に伴い膜厚が厚くなる膜厚ドリフトすなわち厚膜化の膜厚ドリフトを抑制するものである。
そのため、スピンチャック11Aは、図3等のスピンチャック11の断熱材120に代えて、充填材としての伝熱材130が、複数の吸着溝111の少なくとも一部の内部に配置されている。伝熱材130は、本体部100より熱伝導率が高い。具体的には、伝熱材130は、本体部100の材料より熱伝導率が高い材料で形成され、より具体的には、例えば、アルミ、ステンレス鋼、銅またはこれらの2以上の組み合わせにより形成されている。
スピンチャック11Aにおいて、伝熱材130は、吸着溝111内の下部に配置されている。具体的には、伝熱材130は、吸着溝111内の下部を充填するように配置されている。そして、スピンチャック11Aでは、吸着溝111内における伝熱材130の上方に空間Kが形成されている。
伝熱材130は例えば接着テープ(図示せず)を介して吸着溝111の底面に接着される。
吸着溝111に対する伝熱材130の固定手法は、上述の接着テープで接着する方法に限られない。例えば、吸着溝111に伝熱材130を圧入し吸着溝111と伝熱材130との嵌め合わせにより固定してもよいし、ネジ(図示せず)を用いて吸着溝111に対し伝熱材130を固定してもよい。
複数の吸着溝111のうち、伝熱材130が配置されるのは、平面視において幅が広い第2環状溝113bのみであってもよい。
また、伝熱材130の上面は、凹所116の下端より下方に位置する。具体的には、伝熱材130の上面は、凹所116の当該伝熱材130側端の下端より下方に位置する。
さらに、一の吸着溝111に対する伝熱材130は、断熱材120と同様、平面視において、複数に分割されていてもよい。
また、一の吸着溝111に対する伝熱材130は、断熱材120と同様、平面視において、切れ込み(図7の符号121参照)を有していてもよい。
このようなスピンチャック11Aが抑制する厚膜化の膜厚ドリフトの要因としては以下が考えられる。充填材無しチャックを用いて回転塗布処理を連続して行った場合、充填材無しチャックを回転させる駆動力を発生させる回転駆動部12aのモータ等が発熱し、回転機構12に蓄熱される。そうすると、回転機構12の熱が充填材無しチャックに伝わり、充填材無しチャックにも蓄熱される。また、充填材無しチャックは、熱伝導率が比較的低いため、蓄熱量の増加率は小さいので、当該蓄熱量が飽和するまで時間を要する。したがって、充填材無しチャックを用いた場合、連続処理後期において処理枚数の増加に伴い、ウェハWの温度が上昇していき、その結果、膜厚が厚くなっていくと考えられる。
それに対し、スピンチャック11Aでは、吸着溝111内に伝熱材130が配置されている。そのため、回転機構12からの伝熱によるスピンチャック11Aの蓄熱量の増加率が大きいので、当該蓄熱量が早く飽和する。したがって、スピンチャック11Aによれば、連続処理後期において処理枚数の増加に伴い、ウェハWの温度が上昇するのを抑制することができる。よって、スピンチャック11Aによれば、連続処理後期の厚膜化の膜厚ドリフトを抑制することができる。
また、スピンチャック11Aでは、吸着溝111内における伝熱材130の上方に空間Kが形成されているため、ウェハWの裏面に断熱材120が接触しない。したがって、スピンチャック11Aによれば、上記接触によるウェハWの裏面への異物の付着等を抑制することができる。
上述のスピンチャック11及びスピンチャック11Aでは、吸着溝111に対する充填材として、断熱材120または伝熱材130のいずれか一方のみが配置されていた。これに代えて、図9のスピンチャック11Bのように、上記充填材140は、断熱材120Aと伝熱材130Aの両方を含んでもよい。
図9の充填材140は、具体的には、断熱材120Aと伝熱材130Aをそれぞれ1つずつ含み、伝熱材130Aの上に断熱材120Aが重ねられている。
また、充填材140は、断熱材120等と同様、吸着溝111内の下部に配置されている。また、吸着溝111内における充填材140の上方に空間Kが形成されている。
図9の例では、充填材140において、上述のように、伝熱材130Aの上に断熱材120Aが重ねられていたが、断熱材120Aの上に伝熱材130Aが重ねられていてもよい。断熱材120Aと伝熱材130Aとのうちいずれを上に配置するかは、例えば、レジスト膜等の塗布膜の厚さや種類に基づいて決定される。
また、充填材140は、断熱材120Aと伝熱材130Aをそれぞれ複数含み、これらが吸着溝111の深さ方向に沿って交互に配置されていてもよい。
さらに、充填材140は、断熱材120Aと伝熱材130Aの一方を2つ含み且つ他方を1つ含み、吸着溝111の深さ方向に並ぶ上記一方の間に上記他方が挟まれていてもよい。
図3等に示した例では、断熱材120の厚さは、吸着溝111間で同じであった。ただし、図10のスピンチャック11Cのように、断熱材120の厚さは、吸着溝111間で異なってもよい。この場合、断熱材120の厚さが、本体部100の上面の径方向外側に向かうにつれ薄くなるようにしてもよいし、厚くなるようにしてもよい。各吸着溝111における断熱材120の厚さは例えばレジスト膜等の塗布膜の厚さや種類に基づいて決定される。
吸着溝111に対する充填材として、図8に示すように伝熱材130を用いる場合も、伝熱材130の厚さが、吸着溝111間で異なってもよい。各吸着溝111における伝熱材130の厚さは例えばレジスト膜等の塗布膜の厚さや種類に基づいて決定される。
さらに、図9に示すように断熱材120Aと伝熱材130Aの両方を含む充填材140を用いる場合、断熱材120Aと伝熱材130Aとの割合が吸着溝111間で同じで、且つ、充填材140の厚さが、吸着溝111間で異なってもよい。吸着溝111における充填材140の厚さは例えばレジスト膜等の塗布膜の厚さや種類に基づいて決定される。
また、充填材140を用いる場合、断熱材120Aと伝熱材130Aとの割合が吸着溝111間で異なり、且つ、充填材140の厚さが、吸着溝111間で同じであってもよい。上記割合は例えばレジスト膜等の塗布膜の厚さや種類に基づいて決定される。
図11のスピンチャック11Dは、図3のスピンチャック11と同様、吸着溝111内に断熱材120が配置されている。したがって、スピンチャック11Dによれば、スピンチャック11と同様、連続処理前期の薄膜化の膜厚ドリフトの抑制と、レジスト膜の厚さのウェハ面内均一性と、を両立することができる
それに加えて、スピンチャック11Dは、本体部100Cにおける回転機構12との接続部分117が伝熱材である。すなわち、上記接続部分117が、本体部100Cにおける他の部分より熱伝導率が高い。具体的には、接続部分117が、本体部100Cにおける他の部分の材料より熱伝導率が高い材料で形成されている。そのため、スピンチャック11Dでは、回転機構12からの伝熱による蓄熱量の増加率が大きいので、当該蓄熱量が早く飽和する。したがって、スピンチャック11Dによれば、スピンチャック11Aと同様、連続処理後期の厚膜化の膜厚ドリフトを抑制することができる。
すなわち、スピンチャック11Dによれば、連続処理前期の薄膜化の膜厚ドリフトの抑制、レジスト膜の厚さのウェハ面内均一性、及び、連続処理後期の厚膜化の膜厚ドリフトの抑制を達成することができる。
なお、スピンチャックは、吸着溝111内に伝熱材130が配置され、接続部分117が断熱材であってもよい。
また、スピンチャックは、吸着溝111内に伝熱材130が配置され、接続部分117が伝熱材であってもよい。
さらに、スピンチャックは、吸着溝111内に断熱材120が配置され、接続部分117が断熱材であってもよい。
図12は、カップの変形例を説明するための図である。
図12のカップ14Aは、図1等に示したカップ14と同様、側方壁18Aの上部周壁18Abの内周面18Acが、スピンチャック11に保持されたウェハWの周縁と対向する対向面である。ただし、カップ14Aは、カップ14と異なり、内周面18Acに供給孔18Adが形成されている。供給孔18Adは内周面18Acに溶剤を供給する。例えば、供給孔18Adは、スピンチャック11に保持されたウェハWより上側に形成されている。
また、供給孔18Adは、スピンチャック11の本体部100の上面の周方向に沿って複数形成されている。
複数の供給孔18Adは、溶剤供給機構150に接続され、具体的には、供給路18Aeを介して溶剤供給機構150に接続されている。例えば、供給路18Aeは平面視円環状に形成されている。溶剤供給機構150は、ポンプやバルブ等を備え、供給孔18Adに溶剤を供給し、具体的には、供給路18Aeに供給する。供給路18Aeに供給された溶剤は、各供給孔18Adから、内周面18Acに沿って流れるように送出される。なお、溶剤供給機構150は制御部Uに制御される。
このカップ14Aを用いる場合、回転塗布処理時に、レジスト液の液膜の形成の前に、吐出ノズル61からのウェハW上に溶剤が供給され、すなわち、プリウェットが行われる。プリウェットを含む回転処理では、ウェハWから振り切られた溶剤が、カップ14Aの内周面18Acに付着し、その後気化し、気化熱により、カップ14Aの温度が低くなることがある。その結果、低温のカップ14Aの温度の影響を受けてウェハWも低温となることがある。そのため、連続処理開始後からカップ14Aの温度が安定するまで、処理枚数の増加に伴い、処理時のウェハWの温度が低下していき、レジスト膜の厚さが薄くなることがある。
そこで、カップ14Aを用いる場合、制御部Uの制御の下、連続処理の開始前に、溶剤が供給孔18Adから内周面18Acに所定時間に亘って供給される。これにより、連続処理の開始前に、内周面18Acに供給された溶剤を気化させ気化熱により内周面18Acを冷却することができる。その結果、連続処理の開始後からのカップ14Aの温度変化を抑えることができるため、吐出ノズル61から吐出された溶剤に起因した連続処理前期の薄膜化の膜厚ドリフトを抑えることができる。
なお、カップ14Aを用いる場合、連続処理における最初の数枚のウェハWについては、回転塗布処理中に、供給孔18Adから内周面18Acに溶剤が供給されてもよい。これにより、連続処理開始時にカップ14Aの温度が安定するまで下がり切っていなくても、連続処理開始から早い段階でカップ14Aの温度を安定させることができる。よって、吐出ノズル61から吐出された溶剤に起因した連続処理前期の薄膜化の膜厚ドリフトを抑えることができる。
供給孔18Adに代えて、または、供給孔18Adに加えて、供給孔18Adと同様の供給孔を、ウェハWからの溶剤が付着するカップ14の内部の斜面部20bに設け、当該供給孔から斜面部20bに溶剤を供給してもよい。斜面部20bへの溶剤の供給のタイミングは、供給孔18Adから内周面18Acへの溶剤の供給のタイミングと同様である。
なお、カップに当該カップを加熱するヒータを設け、ウェハWからの溶剤の気化熱によりカップが冷却されるのを抑制してもよい。
この場合、ヒータによるカップの加熱は、制御部Uの制御の下、連続処理の開始前に行われてもよいし、連続処理中に行われてもよい。
以上の例では、基板として円形のウェハWが用いられていたが、基板として平長方形のものが用いられる場合にも、本開示にかかる技術を適用することができる。この場合も、中心溝112と複数の環状溝113それぞれは、平面視において、本体部100に吸着保持された基板に対応する形状にされていてもよい。なお、ここでのウェハWに対応する形状とは、長方形または角環状である。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。例えば、上記実施形態の構成要件は任意に組み合わせることができる。当該任意の組み合せからは、組み合わせにかかるそれぞれの構成要件についての作用及び効果が当然に得られるとともに、本明細書の記載から当業者には明らかな他の作用及び他の効果が得られる。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は、上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成例も本開示の技術的範囲に属する。
(1)基板を保持して回転させるスピンチャックであって、
前記基板に塗布液を供給すると共に前記基板を回転させ当該基板上に塗布膜を形成する回転塗布処理用のものであり、
回転可能に構成され、前記基板を上面で吸着保持する本体部を有し、
前記本体部は、当該本体部に前記基板を吸着保持するための複数の吸着溝を前記上面に有し、
前記複数の前記吸着溝の少なくとも一部の内部に、前記本体部と熱伝導率が異なる充填材が配置され、
前記充填材は、前記吸着溝内の下部に配置され、前記吸着溝内における当該充填材の上方に空間が形成されている、スピンチャック。
(2)前記充填材は、断熱材であり、
前記断熱材の上方の前記空間の高さは、当該スピンチャックに吸着保持された前記基板に対する前記回転塗布処理時の前記基板の温度が基板面内で均一となるように設定されている、前記(1)に記載のスピンチャック。
(3)前記断熱材の上方の前記空間の高さは、0.2mm~0.4mmである、前記(2)に記載のスピンチャック。
(4)前記充填材は、断熱材であり、
前記吸着溝の深さは、当該スピンチャックに吸着保持された前記基板に対する前記回転塗布処理を連続して行ったときに前記基板の中央部の温度が前記基板間で変動しないように設定されている、前記(1)~(3)のいずれか1に記載のスピンチャック。
(5)前記充填材は、断熱材であり、
前記断熱材の厚さは、前記断熱材の上方の前記空間の高さの2~4倍である、前記(1)~(4)のいずれか1項に記載のスピンチャック。
(6)前記複数の前記吸着溝は、前記本体部の前記上面の径方向に沿って並ぶように形成されている、前記(1)~(5)のいずれか1に記載のスピンチャック。
(7)前記吸着溝は、平面視において、前記本体部に吸着保持された前記基板と同心且つ当該基板に対応する形状に形成されている、前記(6)に記載のスピンチャック。
(8)前記複数の前記吸着溝は、平面視において幅が狭い第1吸着溝と、平面視において幅が広い第2吸着溝と、を含む、前記(1)~(7)のいずれか1に記載のスピンチャック。
(9)前記第1吸着溝と前記第2吸着溝とは、前記本体部の前記上面の径方向に沿って交互に形成されている、前記(8)に記載のスピンチャック。
(10)前記第1吸着溝及び前記第2吸着溝のうち、平面視において幅が広い前記第2吸着溝のみ内部に前記充填材が配置されている、前記(8)または(9)に記載のスピンチャック。
(11)前記第2吸着溝は、平面視における幅が、前記第1吸着溝の2~4倍である、前記(8)~(10)のいずれか1に記載のスピンチャック。
(12)前記断熱材は、前記本体部より熱伝導率が低い、前記(2)~(5)のいずれか1に記載のスピンチャック。
(13)前記本体部は、ポリエーテルエーテルケトンにより形成され、
前記断熱材は、ポリテトラフルオロエチレンにより形成されている、前記(12)に記載のスピンチャック。
(14)隣り合う前記吸着溝の間に設けられた隔壁に、当該隣り合う前記吸着溝を連通させる凹所が形成されている、前記(1)~(13)のいずれか1に記載のスピンチャック。
(15)前記充填材の上面は、前記凹所の下端より、下方に位置する、前記(14)に記載のスピンチャック。
(16)前記本体部は、平面視において前記基板より小さく形成されている、前記(1)~(15)のいずれか1に記載のスピンチャック。
(17)前記充填材は、断熱材と伝熱材の両方を含む、前記(1)に記載のスピンチャック。
(18)前記充填材は、断熱材であり、
前記本体部は、当該本体部を回転させる回転機構との接続部分が、伝熱材である、前記(1)~(5)、(12)、(13)のいずれか1に記載の記載のスピンチャック。
(19)前記(1)~(18)のいずれか1に記載のスピンチャックと、
前記スピンチャックに保持された前記基板に塗布液を吐出する吐出ノズルと、を備える、塗布処理装置。
(20)前記スピンチャックに保持された前記基板からの塗布液を受けるカップと、
制御部と、をさらに備え、
前記カップは、
前記スピンチャックに保持された前記基板の周縁と対向する対向面と、
前記対向面に形成され当該対向面に溶剤を供給する供給孔と、を有し、
前記制御部は、複数の前記基板に対して前記回転塗布処理が連続して行われる前に、前記供給孔から前記カップの前記対向面に前記溶剤が供給されるよう、制御を行う、前記(19)に記載の塗布処理装置。
11、11A、11B、11C スピンチャック
100、100C 本体部
111 吸着溝
120 断熱材
130 伝熱材
140 充填材
K 空間
W ウェハ

Claims (19)

  1. 基板を保持して回転させるスピンチャックであって、
    前記基板に塗布液を供給すると共に前記基板を回転させ当該基板上に塗布膜を形成する回転塗布処理用のものであり、
    回転可能に構成され、前記基板を上面で吸着保持する本体部を有し、
    前記本体部は、当該本体部に前記基板を吸着保持するための複数の吸着溝を前記上面に有し、
    前記複数の前記吸着溝の少なくとも一部の内部に、前記本体部と熱伝導率が異なる充填材が配置され、
    前記充填材は、前記吸着溝内の下部に配置され、前記吸着溝内における当該充填材の上方に空間が形成されている、スピンチャック。
  2. 前記充填材は、断熱材であり、
    前記断熱材の上方の前記空間の高さは、当該スピンチャックに吸着保持された前記基板に対する前記回転塗布処理時の前記基板の温度が基板面内で均一となるように設定されている、請求項1に記載のスピンチャック。
  3. 前記断熱材の上方の前記空間の高さは、0.2mm~0.4mmである、請求項2に記載のスピンチャック。
  4. 前記充填材は、断熱材であり、
    前記吸着溝の深さは、当該スピンチャックに吸着保持された前記基板に対する前記回転塗布処理を連続して行ったときに前記基板の中央部の温度が前記基板間で変動しないように設定されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のスピンチャック。
  5. 前記充填材は、断熱材であり、
    前記断熱材の厚さは、前記断熱材の上方の前記空間の高さの2~4倍である、請求項1に記載のスピンチャック。
  6. 前記複数の前記吸着溝は、前記本体部の前記上面の径方向に沿って並ぶように形成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のスピンチャック。
  7. 前記吸着溝は、平面視において、前記本体部に吸着保持された前記基板と同心且つ当該基板に対応する形状に形成されている、請求項6に記載のスピンチャック。
  8. 前記複数の前記吸着溝は、平面視において幅が狭い第1吸着溝と、平面視において幅が広い第2吸着溝と、を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のスピンチャック。
  9. 前記第1吸着溝と前記第2吸着溝とは、前記本体部の前記上面の径方向に沿って交互に形成されている、請求項8に記載のスピンチャック。
  10. 前記第1吸着溝及び前記第2吸着溝のうち、平面視において幅が広い前記第2吸着溝のみ内部に前記充填材が配置されている、請求項8に記載のスピンチャック。
  11. 前記第2吸着溝は、平面視における幅が、前記第1吸着溝の2~4倍である、請求項8に記載のスピンチャック。
  12. 前記断熱材は、前記本体部より熱伝導率が低い、請求項2、3、5のいずれか1項に記載のスピンチャック。
  13. 前記本体部は、ポリエーテルエーテルケトンにより形成され、
    前記断熱材は、ポリテトラフルオロエチレンにより形成されている、請求項12に記載のスピンチャック。
  14. 隣り合う前記吸着溝の間に設けられた隔壁に、当該隣り合う前記吸着溝を連通させる凹所が形成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のスピンチャック。
  15. 前記充填材の上面は、前記凹所の下端より、下方に位置する、請求項14に記載のスピンチャック。
  16. 前記本体部は、平面視において前記基板より小さく形成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のスピンチャック。
  17. 前記充填材は、断熱材と伝熱材の両方を含む、請求項1に記載のスピンチャック。
  18. 前記充填材は、断熱材であり、
    前記本体部は、当該本体部を回転させる回転機構との接続部分が、伝熱材である、請求項1~3のいずれか1項に記載のスピンチャック。
  19. 請求項1~3のいずれか1項に記載のスピンチャックと、
    前記スピンチャックに保持された前記基板に塗布液を吐出する吐出ノズルと、を備える、塗布処理装置。
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