JP2024078133A - 電波反射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電波を反射可能な範囲に自由度を持たせた電波反射装置を提供すること。【解決手段】一実施形態の電波反射装置は、複数のパッチ電極と、前記複数のパッチ電極に対向するコモン電極と、前記複数のパッチ電極と前記コモン電極との間の液晶層と、を含み、前記複数のパッチ電極は、第1パッチ電極、前記第1パッチ電極に隣接する第2パッチ電極、及び前記第2パッチ電極に隣接する第3パッチ電極を含み、前記第1パッチ電極の面積は、前記第2パッチ電極の面積よりも大きく、前記第2パッチ電極の面積は、前記第3パッチ電極の面積よりも大きい。【選択図】図1

Description

本発明の一実施形態は、電波反射装置に関する。
従来、液晶の配向状態による誘電率の変化を利用した電波反射装置が知られている(例えば、特許文献1)。従来の電波反射装置は、平面上に配列された複数の反射セルを含み、各反射セルは、一対の電極間に液晶を配置した液晶セルを含む。従来の電波反射装置は、各反射セルに印加する電圧を制御して液晶の配向状態を制御することにより、各反射セルによって反射した電波の進行方向を調整することができる。
特表2019-530387号公報
上述の電波反射装置は、液晶の配向状態を最大限に変化させたとしても制御可能な範囲(電波の進行方向を調整可能な範囲)には限界があり、全方位に対応できるものではない。したがって、電波反射装置の制御可能な範囲から外れたエリアに電波を供給したい場合には、電波反射装置の反射面(作用面)の向きをあらかじめ調整し、該当エリアが電波反射装置の制御可能な範囲内に収まるように設定する必要があった。しかしながら、電波反射装置を設置する環境によっては、電波反射装置の反射面を所望の方向に向けることが困難な場合もあった。
本発明の実施形態の一つは、初期状態において指向性を有する電波反射装置を提供することを課題の一つとする。
本発明の一実施形態における電波反射装置は、複数のパッチ電極と、前記複数のパッチ電極に対向するコモン電極と、前記複数のパッチ電極と前記コモン電極との間の液晶層と、を含み、前記複数のパッチ電極は、第1パッチ電極、前記第1パッチ電極に隣接する第2パッチ電極、及び前記第2パッチ電極に隣接する第3パッチ電極を含み、前記第1パッチ電極の面積は、前記第2パッチ電極の面積よりも大きく、前記第2パッチ電極の面積は、前記第3パッチ電極の面積よりも大きい。
本発明の一実施形態における電波反射装置は、複数のパッチ電極と、前記複数のパッチ電極に対向するコモン電極と、前記複数のパッチ電極と前記コモン電極との間の液晶層と、を含み、前記複数のパッチ電極は、第1パッチ電極、前記第1パッチ電極に隣接する第2パッチ電極、及び前記第2パッチ電極に隣接する第3パッチ電極を含み、前記第1パッチ電極を含む第1反射板ユニットセルによる反射波と前記第2パッチ電極を含む第2反射板ユニットセルによる反射波との間の位相差は、前記第2反射板ユニットセルによる反射波と前記第3パッチ電極を含む第3反射板ユニットセルによる反射波との間の位相差と同一である。
本発明の一実施形態の電波反射装置の構成を示す平面図である。 本発明の一実施形態の電波反射装置における反射板ユニットセルの構成を示す平面図である。 本発明の一実施形態の電波反射装置における反射板ユニットセルの構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態の電波反射装置における反射板ユニットセルの動作状態を示す図である。 本発明の一実施形態の電波反射装置における反射板ユニットセルの動作状態を示す図である。 本発明の一実施形態の電波反射装置における制御状態の反射波の進行方向を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態の電波反射装置における無電界状態の反射波の進行方向を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態の変形例における電波反射装置の構成を示す平面図である。 本発明の他の実施形態の電波反射装置の構成を示す平面図である。 本発明の他の実施形態の電波反射装置における反射板ユニットセルの構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態の変形例における電波反射装置の構成を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面などを参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状などについて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、共通の機能を有する要素について、説明の便宜上、同じ符号の後に「a」、「b」などの文字を付して区別する場合がある。ただし、特に区別して説明する必要がない場合には、同じ符号を付して説明する場合がある。さらに各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有しない。
本明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限りこれは他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合のみでなく他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の部材又は領域の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
本明細書において「αはA、B又はCを含む」、「αはA,B及びCのいずれかを含む」、「αはA,B及びCからなる群から選択される一つを含む」、といった表現は、特に明示が無い限り、αがA~Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
<第1実施形態>
(電波反射装置の構成)
図1は、本発明の一実施形態の電波反射装置100の構成を示す平面図である。本実施形態の電波反射装置100は、第1方向(D1方向)に直列に接続された複数のパッチ電極108で構成される電極群が、第1方向と交差する第2方向(D2方向)に複数並んで配列された構成を有する。図1において、第1方向(図面に向かって上下方向)は、列方向に相当し、第2方向(図面に向かって左右方向)は、行方向に相当する。本実施形態では、第1方向に接続された複数のパッチ電極108を用いて、反射軸VRを回転軸として第2方向に反射波の進行方向を変化させる一次元制御を行う例について説明する。
図1に示すように、電波反射装置100は、反射板120を有する。反射板120は、複数の反射板ユニットセル102により構成される。本実施形態の複数の反射板ユニットセル102は、前述の第1方向(列方向)及び第2方向(行方向)にマトリクス状に配列される。反射板ユニットセル102の具体的な構造については、後述する。反射板ユニットセル102は、複数のパッチ電極108が電波の入射面に向くように配置される。反射板120は、複数の反射板ユニットセル102によって構成された平板状の構造体である、反射板120で反射される電波(反射波)の進行方向は、各パッチ電極108のサイズ(面積)及び各パッチ電極108に印加される電圧によって制御される。
図1に示すように、本実施形態の電波反射装置100において、複数のパッチ電極108は、パッチ電極108a、パッチ電極108aに隣接するパッチ電極108b、及びパッチ電極108bに隣接するパッチ電極108cを含む。また、パッチ電極108aの面積は、パッチ電極108bの面積よりも大きく、かつ、パッチ電極108bの面積は、パッチ電極108cの面積よりも大きい。ただし、この例に限られるものではなく、面積の大きさの関係は逆であってもよい。すなわち、パッチ電極108a~108cは、パッチ電極108cの面積が最も大きく、パッチ電極108cの面積が最も小さくてもよい。
このように、本実施形態では、互いに面積の異なる複数のパッチ電極108a~108cが、第1方向に周期的に並んで配置されている。このような構成とする理由については、後述する。複数のパッチ電極108a~108cは、第1配線118によって互いに接続されている。図1に示すように、第1配線118は、第1方向に延在し、第2方向に並んで複数配置される。そのため、本実施形態では、第2方向には同じ面積のパッチ電極108が並ぶ。例えば、パッチ電極108aは、第1方向において面積の異なるパッチ電極108bと隣接し、第2方向において他のパッチ電極108a(他の第1配線118に接続されたパッチ電極108a)と隣接する。
電波反射装置100は、1つの誘電体基板(誘電体層)104に複数の反射板ユニットセル102が集積化された構造を有する。図1に示すように、電波反射装置100は、複数のパッチ電極108が配列された誘電体基板104と、複数のパッチ電極108に対向するコモン電極110が設けられた対向基板106とが重ねて配置され、2つの基板間に液晶層(図示されず)が設けられた構造を有する。
反射板120は、複数のパッチ電極108とコモン電極110とが重畳する領域に形成される。誘電体基板104と対向基板106とは、例えば光硬化性の樹脂材料で構成されるシール材128を用いて貼り合わされている。図示は省略するが、液晶層は、シール材128の内側の領域に設けられる。
誘電体基板104は、対向基板106と対向する領域に加え、対向基板106より外側に広がる周辺領域122を有する。周辺領域122には、第1駆動回路124及び端子部126が設けられる。第1駆動回路124は、各パッチ電極108に制御信号を出力する。端子部126は、外部回路(図示せず)との接続部として機能する領域であり、図示は省略するが、例えばフレキシブルプリント回路基板と接続される。端子部126には、第1駆動回路124を制御するための信号が入力される。
反射板120において、複数のパッチ電極108は、第1方向に延在する第1配線118に接続される。すなわち、各パッチ電極108は、第1配線118を介して相互に連結されている。反射板120は、第1配線118によって第1方向(列方向)に連結された複数のパッチ電極108で構成される電極群が、第2方向(行方向)に複数配列された構成を有する。
複数の第1配線118は、周辺領域122に至るまで延びて第1駆動回路124と接続される。第1駆動回路124は、各パッチ電極108に供給する制御信号を出力する。具体的には、第1駆動回路124は、複数の第1配線118のそれぞれに、互いに異なる電圧の制御信号を出力することが可能である。第1配線118ごとに供給する制御信号を異ならせる(つまり、第1配線118ごとに印加する電圧を異ならせる)により、反射板120では、第1方向及び第2方向に配列された複数のパッチ電極108に対し、列ごと(すなわち、第1方向に配列された複数のパッチ電極108で構成される電極群ごと)に異なる制御信号が供給される。
電波反射装置100は、第1方向に配列された複数のパッチ電極108で構成される電極群ごとに異なる制御信号が供給されることにより、反射板120に入射した電波の反射波の進行方向を制御することができる。すなわち、電波反射装置100は、反射板120に照射された電波の反射方向を、第1方向に平行な反射軸VRを中心として図面の左右方向(行方向)に変化させることができる。
(反射板ユニットセルの構成)
図2Aは、本発明の一実施形態の電波反射装置100における反射板ユニットセル102の構成を示す平面図である。図2Bは、本発明の一実施形態の電波反射装置100における反射板ユニットセル102の構成を示す断面図である。具体的には、図2Bは、図2Aに示す反射板ユニットセル102をA1-A2で切断した断面図に対応する。
図2A及び図2Bに示すように、反射板ユニットセル102は、誘電体基板104、対向基板106、パッチ電極108、コモン電極110、液晶層114、第1配向膜112a、及び第2配向膜112bを含む。なお、図2A及び図2Bでは、パッチ電極108と表記して説明するが、特に断りのない限り、パッチ電極108に関する説明は、パッチ電極108a、パッチ電極108b、及びパッチ電極108cに共通である。
パッチ電極108は、誘電体基板104の上に設けられる。反射板ユニットセル102において、誘電体基板104は、所定の誘電率を有する誘電体層とみなすことができる。コモン電極110は、対向基板106の上に設けられる。第1配向膜112aは、パッチ電極108を覆うように設けられる。第2配向膜112bは、コモン電極110を覆うように設けられる。パッチ電極108とコモン電極110とは、液晶層114を介して互いに対向するように配置される。パッチ電極108と液晶層114との間には、第1配向膜112aが介在し、コモン電極110と液晶層114との間には、第2配向膜112bが介在する。
パッチ電極108は、対称となる形状を有していることが好ましい。ただし、パッチ電極の相互接続等の構造によっては、この限りでない場合もある。図2Aは、パッチ電極108が平面視で正方形である例を示すしている。コモン電極110の形状には特段の制限はない。本実施形態のコモン電極110は、複数のパッチ電極108と対向するように、対向基板106の略全面にわたって設けられている。各パッチ電極108及びコモン電極110を構成する材料に制限はなく、導電性を有する金属材料又は金属酸化物材料などにより構成される。
図1に示したように、誘電体基板104には、パッチ電極108に接続される第1配線118が設けられている。本実施形態では、第1配線118は、パッチ電極108と一体形成されているが、この例に限られるものではない。すなわち、第1配線118とパッチ電極108とは別の要素として形成されていてもよい。第1配線118は、パッチ電極108に制御信号を供給する際に用いる。図2Aでは、1つのパッチ電極108のみが図示されているが、図1に示したように、パッチ電極108は、第1配線118を介して隣接する他のパッチ電極108に接続される。
図2A及び図2Bには図示されないが、図1に示したように、誘電体基板104と対向基板106とは、シール材128により貼り合わされている。誘電体基板104と対向基板106とは間隙を有するように対向して配置され、液晶層114は、シール材128で囲まれた領域内に設けられる。つまり、液晶層114は、誘電体基板104と対向基板106との間隙を充填するように設けられる。
誘電体基板104と対向基板106との間には、パッチ電極108、コモン電極110、第1配向膜112a、及び第2配向膜112bが設けられるため、正確には、誘電体基板104と対向基板106の各々に設けられた第1配向膜112aと第2配向膜112bとの間隔が液晶層114の厚さとなる。なお、図2Bには図示されないが、誘電体基板104と対向基板106との間には、間隔を一定に保つためのスペーサが設けられていてもよい。
上述のとおり、パッチ電極108には、液晶層114の液晶分子の配向を制御するための制御信号が供給される。制御信号は、直流電圧の信号、又は、正の直流電圧と負の直流電圧とが交互に反転する極性反転信号である。コモン電極110は、接地電圧、又は、極性反転信号の中間レベルの電圧が印加される。
パッチ電極108に制御信号が供給されることにより、液晶層114に含まれる液晶分子の配向状態が変化する。液晶層114としては、誘電率異方性を有する液晶材料が用いられる。例えば、液晶層114として、ネマティック液晶、スメクティック液晶、コレステリック液晶、又はディスコティック液晶を用いることができる。誘電率異方性を有する液晶層114は、液晶分子の配向状態の変化により誘電率が変化する。反射板ユニットセル102は、パッチ電極108に供給する制御信号(すなわち、パッチ電極108に印加される電圧)によって液晶層114の誘電率を変化させることにより、電波を反射するときに反射波の位相を遅延させることができる。
反射板ユニットセル102が反射する電波の周波数帯は、超短波(VHF:Very High Frequency)帯、極超短波(UHF:Ultra-High Frequency)帯、マイクロ波(SHF:Super High Frequency)帯、サブミリ波(THF:Tremendously high frequency)、ミリ波(EHF:Extra High Frequency)帯である。液晶層114の液晶分子の配向は、パッチ電極108に供給される制御信号に応答して変化するが、パッチ電極108に照射される電波の周波数にはほとんど追従しない。したがって、反射板ユニットセル102は、電波の影響を受けずに、反射する電波の位相を制御することが可能である。
図3A及び図3Bは、本発明の一実施形態の電波反射装置100における反射板ユニットセル102の動作状態を示す図である。具体的には、図3Aは、パッチ電極108に制御信号が供給されていない状態、すなわち、パッチ電極108とコモン電極110とが等電位である状態(以下、「無電界状態」と呼ぶ)を示している。図3Bは、パッチ電極108に制御信号が供給された状態、すなわち、パッチ電極108とコモン電極110との間に電位差が生じている状態(以下、「電界形成状態」呼ぶ)を示している。ただし、図3Aにおいて、第1配向膜112a及び第2配向膜112bは、いずれも水平配向膜である場合を示している。
図3Aに示すように、無電界状態における液晶分子116の長軸は、第1配向膜112a及び第2配向膜112bによりパッチ電極108及びコモン電極110の表面に対して略水平に配向している。これに対し、電界形成状態において、液晶分子116の長軸は、形成された電界の作用を受けてパッチ電極108及びコモン電極110の表面に対し、略垂直に配向する。液晶分子116の長軸が配向する角度は、パッチ電極108とコモン電極110との間の電位差(電圧)の大きさによって変化する。したがって、パッチ電極108とコモン電極110との間の電位差を制御することにより、水平方向と垂直方向の中間の方向に配向させることも可能である。
反射板ユニットセル102は、液晶層114の誘電率異方性を利用して、反射波の位相を遅らせる(又は遅らせない)ように制御することが可能である。誘電率異方性を有する液晶層114は、可変誘電体層とみなすこともできる。液晶分子116は、材料によって誘電率異方性の正負が異なる。そのため、位相変化の制御を行う際には、誘電率異方性の正負に応じて、初期配向状態や液晶層114に与える電界の大小及び正負を適宜選択すればよい。
(電波反射装置の基本動作)
次に、電波反射装置100の基本動作について説明する。上述のように、反射板ユニットセル102は、パッチ電極108に印加する電圧に応じて反射波(反射する電波)の位相を進めたり遅らせたりすることが可能である。この原理を利用して、電波反射装置100は、反射波の進行方向を制御することが可能である。
図4は、本発明の一実施形態の電波反射装置100における制御状態の反射波の進行方向を説明するための模式図である。具体的には、図4は、2つの反射板ユニットセル102-1及び102-2によって反射波の進行方向が変化する様子を模式的に示している。図4に示すように、反射板ユニットセル102-1及び102-2の各々に対し、同じ位相の電波(入射波)が入射する。なお、図4において、第3方向(D3方向)は、第1方向(D1方向)及び第2方向(D2方向)と直交する方向(反射板120の反射面の法線方向)である。
図4において、反射板ユニットセル102-1及び102-2のパッチ電極108の面積は、等しいものとする。例えば、反射板ユニットセル102-1及び102-2の各々のパッチ電極108は、図1に示したパッチ電極108aであってもよい。この場合、液晶層114に電圧を印加しない無電界状態では、反射板ユニットセル102-1及び102-2の各々から、同じ位相の電波(反射波)が出射される。すなわち、反射板ユニットセル102-1及び102-2からの反射波は、入射波の入射方向と平行な方向に向かって進行する。
他方、反射板ユニットセル102-1と反射板ユニットセル102-2とにそれぞれ異なる電圧を印加した場合(V1≠V2)、反射板ユニットセル102-1における液晶層114の誘電率と反射板ユニットセル102-2における液晶層114の誘電率とは互いに異なる値となる。その結果、図4に示すように、反射板ユニットセル102-1で反射した反射波R1の位相と、反射板ユニットセル102-2で反射した反射波R2の位相が異なり、見かけ上、反射波の進行方向が斜め方向に変化する。具体的には、図4では、反射波R2の位相が反射波R1の位相に比べて進んでいるため、反射波は、左方向(第2方向)に向かって斜めに進行する。
このように、本実施形態の電波反射装置100は、隣接するパッチ電極108に異なる電圧を印加することにより、それぞれのパッチ電極108を含む反射板ユニットセルにおける反射波の位相を異ならせることができる。本実施形態では、図1に示したように、第1方向(列方向)に並ぶ複数のパッチ電極108は、第1配線118によって互いに接続されているため、等電位である。つまり、本実施形態では、第1方向に並ぶ複数のパッチ電極108で構成される電極群ごとに、パッチ電極108に印加する電圧を異ならせることができる。換言すれば、ある第1配線118に印加される電圧と、当該第1配線118に隣接する他の第1配線118に印加される電圧とを互いに異ならせることができる。
以上説明したように、本実施形態の電波反射装置100は、図1において、複数の第1配線118ごとに異なる制御信号を供給することにより、各第1配線118に接続された複数のパッチ電極108で構成される電極群ごとに異なる電圧を印加することができる。その結果、反射板120によって反射された電波は、各第1配線118に印加された電圧に応じて、入射波の入射方向に対して所定の角度を有する方向に向かって進行する。具体的には、電波反射装置100は、反射軸VRを回転軸として第2方向(行方向)に反射波の進行方向を変化させることができる。
(電波反射装置の初期位相制御)
上述のとおり、本実施形態の電波反射装置100は、各反射板ユニットセル102において液晶層114に印加される電圧を制御することにより、反射波の進行方向を制御することができる。このような電圧による制御に加えて、本実施形態の電波反射装置100は、初期状態(例えば、液晶層114に電圧を印加しない無電界状態)においても、反射波の進行方向を所定の方向に設定することが可能である。具体的には、本実施形態では、図1に示したように、第1方向(列方向)に並ぶ複数のパッチ電極108が、それぞれ互いに面積の異なるパッチ電極108a~108cを含む。このような構成を有することにより、電波反射装置100は、入射波に対する反射波の進行方向を第1方向(列方向)に向かって変化させることができる。
図5は、本発明の一実施形態の電波反射装置100における無電界状態の反射波の進行方向を説明するための模式図である。具体的には、図5は、2つの反射板ユニットセル102a及び102bによって反射波の進行方向が変化する様子を模式的に示している。ここで、反射板ユニットセル102a及び102bは、それぞれ図1に示したパッチ電極108a及び108bを含む。反射板ユニットセル102a及び102bの各々に対しては、同じ位相の電波(入射波)が入射する。
図5に示すように、反射板ユニットセル102aのパッチ電極108aと反射板ユニットセル102bのパッチ電極108bとは、互いに面積が異なる。本実施形態では、パッチ電極108aの面積は、パッチ電極108bの面積よりも大きい。ここで、パッチ電極108の面積は、パッチ電極108、液晶層114、及びコモン電極110とで構成される容量(液晶層114を誘電体とする容量)の値に影響する。つまり、パッチ電極108aの面積とパッチ電極108bの面積とが互いに異なることにより、反射板ユニットセル102aにおける容量の値と反射板ユニットセル102bにおける容量の値とが異なる。反射板ユニットセル102の容量の値は、反射板ユニットセル102によって反射される電波の位相に影響する。
その結果、図5に示すように、反射板ユニットセル102aで反射した反射波R3の位相と、反射板ユニットセル102bで反射した反射波R4の位相との間に差異が生じ、見かけ上、反射波の進行方向が斜め方向に変化する。具体的には、図5では、反射波R4の位相が反射波R3の位相に比べて遅れているため、反射波は、右方向(第1方向)に向かって斜めに傾いて進行する。図示は省略するが、このような関係は、パッチ電極108bとパッチ電極108cとの間でも同様である。
本実施形態では、反射板ユニットセル102bで反射した反射波R4の位相に比べて、パッチ電極108cを含む反射板ユニットセル(図示せず。以下、「反射板ユニットセル102c」と呼ぶ。)で反射した反射波の位相が遅れる。このとき、図5に示す反射板ユニットセル102aによる反射波と反射板ユニットセル102bによる反射波との間の位相差は、反射板ユニットセル102bによる反射波と反射板ユニットセル102cによる反射波との間の位相差と同一である。このような関係とすることにより、各反射板ユニットセル102a~102cを含む反射板ユニットセル群10における反射波は、入射波に対して所定の角度を有する方向に向かって進行する。なお、上記説明において、位相差が同一であるとは、位相差が完全に一致する場合だけでなく、±5%以内の範囲内で位相差が一致しない場合をも含む。
このように、本実施形態の電波反射装置100は、互いに隣接するパッチ電極108の面積を異ならせることにより、液晶層114に電界を印加しない状態(無電界状態)においても、それぞれのパッチ電極108a~108cを含む反射板ユニットセル102a~102cにおける反射波の位相を異ならせることができる。そのため、各反射板ユニットセル102a~102cで構成される反射板ユニットセル群10で反射される電波は、各反射板ユニットセル102a~102cが並ぶ方向に沿って斜めに進行する。このような反射板ユニットセル群10が第1方向に直列に複数配置され、第2方向に並んで複数配置されることにより反射板120が構成される。その結果、電波反射装置100は、入射波に対する反射波の進行方向を第1方向(列方向)に向かって変化させることができる。
以上説明したとおり、本実施形態の電波反射装置100は、初期状態(例えば、液晶層114に電圧が印加されない無電界状態)において、入射波に対する反射波の進行方向があらかじめ第1方向(列方向)に傾くように設定されている。すなわち、電波反射装置100に対して電圧制御を行う前の状態において、あらかじめ所定の方向(本実施形態では、第1方向に沿う方向)に向かって反射波を反射させることが可能である。さらに、電波反射装置100は、電圧制御により、反射波の進行方向を反射軸VRを回転軸として第2方向に変化させることができる。
本実施形態では、初期状態の一例として、液晶層114に電圧が印加されない無電界状態を挙げたが、これに限られるものではない。例えば、すべてのパッチ電極108に同一の電圧を印加した状態(等電位状態)であっても、各反射板ユニットセルからの反射波に位相差が生じないため、無電界状態と同じ反射態様を示す。したがって、本明細書における初期状態には、無電界状態に加えて、上述の等電位状態も含むものとする。
(第1実施形態の変形例1)
図1では、3つのパッチ電極108a~108cを含む反射板ユニットセル群10が第1方向に直列に複数配置される例を示したが、この例に限られるものではない。例えば、反射板ユニットセル群10に含まれるパッチ電極108の数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
反射板ユニットセル群10に4つ以上のパッチ電極108を含む場合においても、各パッチ電極108の面積の関係は、図1と同様である。すなわち、反射板ユニットセル群10に含まれる各パッチ電極108は、一端に位置するパッチ電極の面積が最も大きく、他端に位置するパッチ電極の面積が最も小さいという関係を有する。ただし、この場合においても、上述のように、隣接する2つの反射板ユニットセルの間の位相差は、各反射板ユニット間で同一である。
(第1実施形態の変形例2)
図1では、第1方向に隣接するパッチ電極108の面積を異ならせる例について説明したが、この例に限られるものではなく、第2方向に隣接するパッチ電極108の面積を異ならせることも可能である。
図6は、本発明の一実施形態の変形例における電波反射装置100aの構成を示す平面図である。本実施形態の電波反射装置100aは、第2方向(D2方向)に並ぶ複数のパッチ電極108で構成される電極群20が、第1方向(D1方向)に複数並んで配列された構成を有する。本実施形態の電波反射装置100aは、初期状態において、入射波に対する反射波の進行方向があらかじめ第2方向(行方向)に傾くように設定されている。すなわち、電波反射装置100aに対して電圧制御を行う前の状態において、あらかじめ所定の方向(図6では、第2方向に沿う方向)に向かって反射波を反射させることが可能である。
さらに、電波反射装置100aは、電圧制御により、反射波の進行方向を反射軸VRを回転軸として第2方向に変化させることができる。初期状態において、反射波が予め第2方向に向かうように設定されているため、電圧制御を行う場合、予め設定された方向を基準として、当該基準となる方向から、さらに第2方向に反射波の進行方向を変化させることができる。このような制御を行うことにより、電波反射装置100aは、電圧制御だけでは電波を送ることが出来ないエリアに対しても電波を送ることが可能となる。具体的には、初期状態において、電波反射装置100aによる反射波の進行方向を当該エリアの位置する方に傾けておき、当該方向を基準としてさらに電圧制御により反射波の進行方向を変化させることにより、所望のエリアに電波を到達させることが可能となる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、反射軸VRを回転軸として第2方向に反射波の進行方向を変化させる一次元制御を行う例について説明した。本実施形態では、さらに反射軸HRを回転軸とした第1方向へ反射波の進行方向も変化させる二次元制御を行う例について説明する。第1実施形態と同じ機能を有する要素については、同一の符号を付して表し、重複する説明を省略する。
図7は、本発明の一実施形態の電波反射装置200の構成を示す平面図である。本実施形態の電波反射装置200は、第1方向(列方向)に延在すると共に第2方向に並ぶ複数の第1配線118に加え、第2方向(行方向)に延在すると共に第1方向に並ぶ複数の第2配線132を有する。複数の第1配線118と複数の第2配線132は、図示されない絶縁層を挟んで交差する。複数の第1配線118は、制御信号を出力する第1駆動回路124に接続される。複数の第2配線132は、走査信号を出力する第2駆動回路130に接続される。
図7の拡大図に示すように、各反射板ユニットセル202は、スイッチング素子134を含む。本実施形態において、スイッチング素子134は、トランジスタである。ただし、この例に限らず、スイッチング素子134は、スイッチとしての機能を有している素子であれば、如何なる素子であってもよい。なお、拡大図では、パッチ電極108aを含む反射板ユニットセル202を例示しているが、パッチ電極108b又はパッチ電極108cを含む反射板ユニットセル202も同様の構成を有している。
スイッチング素子134は、第1配線118及び第2配線132に接続される。具体的には、スイッチング素子134であるトランジスタのソースに第1配線118が接続され、ゲートに第2配線132が接続される。スイッチング素子134のスイッチング機能は、第2配線132に供給される走査信号により制御される。スイッチング素子134がオン状態になると、パッチ電極108と第1配線118とが電気的に接続され、パッチ電極108に制御信号が供給される。このような構成によれば、第2方向に配列する複数のパッチ電極108を行ごとに選択し、各行に異なる電圧の制御信号を供給することができる。
図8は、本発明の他の実施形態の電波反射装置200における反射板ユニットセル202の構成を示す断面図である。スイッチング素子134は、第1ゲート電極138、第1ゲート絶縁層140、半導体層142、第2ゲート絶縁層146、及び第2ゲート電極148を含む。第1ゲート電極138と誘電体基板104との間には、アンダーコート層136が設けられている。
第1ゲート絶縁層140と第2ゲート絶縁層146との間には、第1配線118及び第1接続配線144が設けられる。第1配線118及び第1接続配線は、半導体層142と接するように設けられる。具体的には、第1配線118は、半導体層142のソース側と接続され、第1接続配線144は、半導体層142のドレイン側と接続される。ただし、ソース及びドレインの位置関係は、トランジスタのソースとドレインとの間に印加される電圧に応じて逆になる場合がある。
スイッチング素子134は、第1層間絶縁層150に覆われている。第1層間絶縁層150の上には、第2配線132が設けられる。第2配線132は、第1層間絶縁層150に形成されたコンタクトホールを介して第2ゲート電極148と接続される。なお、図示されないが、第1ゲート電極138と第2ゲート電極148とは半導体層142と重ならない領域で相互に電気的に接続されている。第1層間絶縁層150の上には、第2配線132と同じ導電層で第2接続配線152が設けられる。第2接続配線152は、第1層間絶縁層150に形成されたコンタクトホールを介して第1接続配線144と接続される。
第2配線132及び第2接続配線152は、第2層間絶縁層154に覆われている。第2層間絶縁層154の上には、スイッチング素子134によって形成された段差を埋めるように平坦化層156が設けられる。平坦化層156を設けることにより、スイッチング素子134の配置に影響を受けずにパッチ電極108を形成することができる。平坦化層156の上には、パッシベーション層158が設けられる。パッチ電極108は、パッシベーション層158の上に設けられる。パッチ電極108は、パッシベーション層158、平坦化層156、及び第2層間絶縁層154を貫通するコンタクトホールを介して第2接続配線152と接続される。パッチ電極108の上に第1配向膜112aが設けられる。
対向基板106の上には、第1実施形態の図2Bと同様に、コモン電極110、第2配向膜112bが設けられる。対向基板106におけるコモン電極110が設けられた面は、誘電体基板104におけるパッチ電極108が設けられた面と対向するように配置される。第1配向膜112aと第2配向膜112bとの間には、液晶層114が設けられる。
図8に示す構造において、アンダーコート層136は、例えば、シリコン酸化膜で形成される。第1ゲート絶縁層140及び第2ゲート絶縁層146は、例えば、酸化シリコン膜、又は酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層構造で形成される。半導体層は、例えば、アモルファスシリコン、多結晶シリコンのようなシリコン半導体、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムなどの金属酸化物を含む酸化物半導体で形成される。第1ゲート電極138及び第2ゲート電極148は、例えば、モリブデン(Mo)、タングステン(W)又はこれらの合金で形成される。第1配線118、第2配線132、第1接続配線144、及び第2接続配線152は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)などの金属材料を用いて形成される。例えば、各配線は、チタン(Ti)/アルミニウム(Al)/チタン(Ti)の積層構造、又はモリブデン(Mo)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)の積層構造で構成されてもよい。平坦化層156は、アクリル、ポリイミドなどの樹脂材料を用いて形成される。パッシベーション層158は、例えば、シリコン窒化膜などを用いて形成される。パッチ電極108及びコモン電極110は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)などの金属膜、又は、酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電膜を用いて形成される。
図8に示すように、第2配線132をスイッチング素子134として用いるトランジスタのゲートに接続し、第1配線118を当該トランジスタのソース及びドレインの一方に接続し、パッチ電極108をソース及びドレインの他方に接続する。これにより、マトリクス状に配列された複数のパッチ電極108の中から所定のパッチ電極を選択して制御信号を供給することができる。
このように、本実施形態の電波反射装置200は、反射板ユニットセル202ごとに、パッチ電極108に印加する電圧を制御することが可能である。そのため、第2方向に隣接するパッチ電極108間で印加電圧を異ならせることができるだけでなく、第1方向に隣接するパッチ電極108間で印加電圧を異ならせることができる。つまり、本実施形態の電波反射装置200は、反射軸VRを中心として第2方向に反射波の進行方向を制御する機能に加え、反射軸HRを中心として第1方向に反射波の進行方向を制御する機能を有する。
また、本実施形態の電波反射装置200は、第1方向において互いに隣接するパッチ電極108の面積を異ならせることにより、初期状態においても、それぞれのパッチ電極108a~108cを含む各反射板ユニットセル202における反射波の位相を異ならせることができる。すなわち、本実施形態の電波反射装置200は、第1実施形態の電波反射装置100と同様に、初期状態において、入射波に対する反射波の進行方向があらかじめ第1方向(列方向)に傾くように設定されている。そのため、本実施形態では、初期状態において第1方向に傾けられた反射波の進行方向を、さらに電圧制御により第1方向又は第2方向に変化させることができる。
例えば、図7に示す例では、初期状態において、反射波が予め第1方向に向かうように設定されているため、電圧制御を行うことにより、予め設定された方向から、さらに第1方向に反射波の進行方向を変化させることができる。このような制御を行うことにより、電波反射装置200は、電圧制御だけでは電波を送ることが出来ないエリアに対しても電波を送ることが可能となる。
(第2実施形態の変形例1)
図7では、第1方向に隣接するパッチ電極108の面積を異ならせる例について説明したが、この例に限られるものではなく、第2方向に隣接するパッチ電極108の面積を異ならせることも可能である。
図9は、本発明の一実施形態の変形例における電波反射装置200aの構成を示す平面図である。本実施形態の電波反射装置200aは、第2方向(D2方向)に並ぶ複数のパッチ電極108で構成される電極群20が、第1方向(D1方向)に複数並んで配列された構成を有する。本実施形態の電波反射装置200aは、初期状態において、入射波に対する反射波の進行方向があらかじめ第2方向(行方向)に傾くように設定されている。すなわち、電波反射装置200aに対して電圧制御を行う前の状態において、あらかじめ所定の方向(図9では、第2方向に沿う方向)に向かって反射波を反射させることが可能である。
さらに、電波反射装置200aは、電圧制御により、反射波の進行方向を反射軸VRを回転軸として第2方向に変化させたり、反射軸HRを回転軸として第1方向に変化させたりすることができる。初期状態において、反射波が予め第2方向に向かうように設定されているため、電圧制御を行う場合、予め設定された方向を基準として、当該基準となる方向から、さらに第1方向又は第2方向に反射波の進行方向を変化させることができる。このような制御を行うことにより、電波反射装置200aは、電圧制御だけでは電波を送ることが出来ないエリアに対しても電波を送ることが可能となる。具体的には、初期状態において、電波反射装置200aによる反射波の進行方向を当該エリアの位置する方に傾けておき、当該方向を基準としてさらに電圧制御により反射波の進行方向を変化させることにより、所望のエリアに電波を到達させることが可能となる。
本発明の一実施形態として例示した上述の各実施形態(変形例も含む)の構成は相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。また、本明細書及び図面に開示された各実施形態の構成を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
本明細書に開示された実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
10、20:反射板ユニットセル群、100、100a:電波反射装置、102、102-1、102-2、102a~102c:反射板ユニットセル、104:誘電体基板、106:対向基板、108、108a~108c:パッチ電極、110:コモン電極、112a:第1配向膜、112b:第2配向膜、114:液晶層、116:液晶分子、118:第1配線、120:反射板、122:周辺領域、124:第1駆動回路、126:端子部、128:シール材、130:第2駆動回路、132:第2配線、134:スイッチング素子、136:アンダーコート層、138:第1ゲート電極、140:第1ゲート絶縁層、142:半導体層、144:第1接続配線、146:第2ゲート絶縁層、148:第2ゲート電極、150:第1層間絶縁層、152:第2接続配線、154:第2層間絶縁層、156:平坦化層、158:パッシベーション層、200、200a:電波反射装置、202:反射板ユニットセル

Claims (12)

  1. 複数のパッチ電極と、
    前記複数のパッチ電極に対向するコモン電極と、
    前記複数のパッチ電極と前記コモン電極との間の液晶層と、
    を含み、
    前記複数のパッチ電極は、第1パッチ電極、前記第1パッチ電極に隣接する第2パッチ電極、及び前記第2パッチ電極に隣接する第3パッチ電極を含み、
    前記第1パッチ電極の面積は、前記第2パッチ電極の面積よりも大きく、
    前記第2パッチ電極の面積は、前記第3パッチ電極の面積よりも大きい、電波反射装置。
  2. 複数のパッチ電極と、
    前記複数のパッチ電極に対向するコモン電極と、
    前記複数のパッチ電極と前記コモン電極との間の液晶層と、
    を含み、
    前記複数のパッチ電極は、第1パッチ電極、前記第1パッチ電極に隣接する第2パッチ電極、及び前記第2パッチ電極に隣接する第3パッチ電極を含み、
    前記第1パッチ電極を含む第1反射板ユニットセルによる反射波と前記第2パッチ電極を含む第2反射板ユニットセルによる反射波との間の位相差は、前記第2反射板ユニットセルによる反射波と前記第3パッチ電極を含む第3反射板ユニットセルによる反射波との間の位相差と同一である、電波反射装置。
  3. 前記第1パッチ電極は、第1方向において前記第2パッチ電極と隣接し、前記第1方向と交差する第2方向において、他の第1パッチ電極と隣接する、請求項1又は2に記載の電波反射装置。
  4. 前記第1方向に延在する第1配線をさらに含み、
    前記第1パッチ電極、前記第2パッチ電極、及び前記第3パッチ電極は、各々前記第1配線に接続される、請求項3に記載の電波反射装置。
  5. 前記第1配線は、前記第2方向に並んで複数配置される、請求項4に記載の電波反射装置。
  6. 前記第1配線に印加される電圧と前記第1配線に隣接する他の第1配線に印加される電圧とが互いに異なる、請求項5に記載の電波反射装置。
  7. 前記第1方向に延在する第1配線、前記第2方向に延在する第2配線、及び前記第1配線及び前記第2配線に接続されるスイッチング素子をさらに含み、
    前記第1パッチ電極、前記第2パッチ電極、及び前記第3パッチ電極は、各々前記スイッチング素子を介して前記第1配線に電気的に接続される、請求項3に記載の電波反射装置。
  8. 前記スイッチング素子は、トランジスタであり、
    前記第1配線は、前記トランジスタのソースに接続され、
    前記第2配線は、前記トランジスタのゲートに接続される、請求項7に記載の電波反射装置。
  9. 前記第1パッチ電極、前記第2パッチ電極、及び前記第3パッチ電極に印加される電圧が互いに異なる、請求項7に記載の電波反射装置。
  10. 前記第1配線は、前記第2方向に並んで複数配置される、請求項7に記載の電波反射装置。
  11. 前記第1配線に印加される電圧と前記第1配線に隣接する他の第1配線に印加される電圧とが互いに異なる、請求項10に記載の電波反射装置。
  12. 前記第1パッチ電極を含む第1反射板ユニットセル、前記第2パッチ電極を含む第2反射板ユニットセル、及び前記第3パッチ電極を含む第3反射板ユニットセルを含む反射板ユニットセル群が、直列に複数配置される、請求項1又は2に記載の電波反射装置。
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