JP2024076720A - 組電池 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024076720000001
【課題】金属析出の発生が抑制された組電池を提供する。
【解決手段】ここで開示される組電池は、扁平形状の捲回電極体20と、電池ケースと、上記電池ケースを押圧する押圧部材200と、を備える。上記電池ケースは、一対の第1側壁12bを含む。捲回電極体20は、平坦領域20fと一対の湾曲領域20rとを含み、平坦領域20fが第1側壁12bに対向する向きで上記電池ケースの内部に配置されている。ここで、一対の第1側壁12bのうちの少なくとも一方は、一対の湾曲領域20rと対向する部分全体のうち、平坦領域20fとの境界部を含む80%以上が押圧部材200で帯状に押圧されており、平坦領域20fと対向する部分全体のうち、20%以上50%以下が押圧部材200で押圧されており、平坦領域20fに対向する部分と押圧部材200との間には、捲回軸方向の中央部から端部に延びる隙間Sが形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、組電池に関する。
従来、車両駆動用電源等では、所定の方向に配列された複数の電池(単電池)と、配列方向において隣り合う電池の間に配置されたスペーサと、上記複数の電池およびスペーサに対して配列方向から拘束荷重を印加する拘束機構と、を備えた組電池が用いられている(例えば特許文献1~4参照)。
例えば特許文献1には、扁平形状の捲回電極体を捲回軸が底壁に沿う向きで電池ケースの内部に配置した角形二次電池と、電池ケースの幅広面のうち、捲回電極体の平坦領域に対向する中央部と湾曲領域に対向する上端部および下端部とを押圧する押圧部を有するスペーサと、を備えた組電池が開示されている。特許文献1には、中央部を押圧する押圧部の弾性係数を相対的に低くすることで、中央部にかかる面圧を低減し、電池ケースの幅広面に作用する面圧を均一化することが記載されている。
特開2015-138753号公報 特開2017-107648号公報 特許第6198844号公報 特開2022-013634号公報
本発明者の鋭意検討によれば、上記技術には依然として改善の余地があった。すなわち、電池の充放電時には、電極体内(詳しくは電極の表面)でCOやCO等のガスが発生し得る。しかし、捲回電極体の場合、電極体内で発生したガスが、開口部である捲回軸方向の両端からしか排出されない。そのため、湾曲領域への押圧が不足したり、逆に平坦領域を押圧しすぎたりすると、電極体内で発生したガスが排出されず電極体内に滞留することが判明した。また一方で、平坦領域の押圧が不足すると、充放電反応が不均一になることが判明した。これらのことにより、特に扁平形状の捲回電極体を捲回軸が底壁に沿う向きで電池ケースの内部に配置した捲回電極体を備える電池では、例えばハイレート充放電を繰り返すと、金属析出(例えばLi析出)が多発する課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、捲回電極体の内部にガスが滞留しにくく、金属析出の発生が抑制された組電池を提供することにある。
本発明により、正極および負極を含む扁平形状の捲回電極体と、上記捲回電極体を収容する電池ケースと、上記電池ケースを押圧する押圧部材と、を備える組電池が提供される。上記電池ケースは、底壁と、上壁と、相互に対向する向きに配置され、上記底壁と上記上壁とを接続する一対の第1側壁と、相互に対向する向きに配置され、上記底壁と上記上壁とを接続する一対の第2側壁と、を含む。上記捲回電極体は、一対の平坦な外面を有する平坦領域と、上記平坦領域の両端に設けられ、湾曲外面を有する一対の湾曲領域と、を含み、捲回軸が上記底壁に沿って配置され、一対の上記平坦な外面がそれぞれ上記第1側壁に対向する向きで、上記電池ケースの内部に配置されている。ここで、上記電池ケースの一対の上記第1側壁のうちの少なくとも一方は、一対の上記湾曲領域と対向する部分の面積全体を100%としたときに、上記平坦領域との境界部を含み、かつ80%以上の面積が、上記押圧部材によって上記捲回軸に沿った帯状に押圧されており、上記平坦領域と対向する部分の面積全体を100%としたときに、20%以上50%以下の面積が、上記押圧部材によって押圧されており、上記平坦領域に対向する部分と上記押圧部材との間に、上記捲回電極体の捲回軸方向の中央部から端部に延びる隙間が形成されている。
本発明では、捲回電極体の湾曲領域と対向する部分のうち、平坦領域との境界部を含む80%以上の面積が捲回軸に沿った帯状に押圧されている。これにより、平坦領域で発生したガスが湾曲領域に移動しにくくなると共に、帯状の押圧部分に沿ってガスが捲回軸方向に移動して電極体外に排出されやすくなる。したがって、湾曲領域にガスが滞留することを抑制できる。また、平坦領域と対向する部分のうち、押圧する面積を50%以下とし、さらに平坦領域に対向する部分と押圧部材との間に捲回軸方向の中央部から端部に延びる隙間(未押圧部分)を確保することで、平坦領域で捲回軸方向へのガス移動が容易になり、捲回電極体の開口端までガスが誘導されやすくなる。したがって、平坦領域で発生したガスを捲回電極体の端部からスムーズに電極体外へと排出することができ、平坦領域にガスが滞留することを抑制できる。また、平坦領域と対向する部分のうち、押圧する面積を20%以上とすることで、押圧不足による充放電反応の不均一化を抑えられる。その結果、上記構成によれば、捲回電極体の全体(湾曲領域および平坦領域)で金属析出(例えばLi析出)の発生を効果的に抑制できる。
図1は、一実施形態に係る組電池を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1の二次電池を模式的に示す斜視図である。 図3は、図2のIII-III線に沿う模式的な縦断面図である。 図4は、捲回電極体を模式的に示す斜視図である。 図5は、捲回電極体の構成を示す模式図である。 図6は、角形二次電池とスペーサの位置関係を模式的に示す縦断面図である。 図7は、角形二次電池とスペーサの位置関係を模式的に示す正面図である。 図8(A)は、実施例1~3のスペーサを模式的に示す平面図であり、図8(B)は、実施例4,5、比較例5のスペーサを模式的に示す平面図であり、図8(C)は、実施例6のスペーサを模式的に示す平面図である。 図9(A)は、比較例1、2のスペーサを模式的に示す平面図であり、図9(B)は、比較例3のスペーサを模式的に示す平面図であり、図9(C)は、比較例4のスペーサを模式的に示す平面図である。 図10は、試験例に係る捲回電極体とスペーサの位置関係を説明する模式図である。 図11(A)は、Ay=0%のときの境界部の面圧測定結果であり、図11(B)は、Ay=50%のときの境界部の面圧測定結果であり、図11(C)は、Ay=100%のときの境界部の面圧測定結果であり、図11(D)は、Ay=150%のときの境界部の面圧測定結果である。
以下、適宜図面を参照しながら、ここに開示される組電池の好適な実施形態を説明する。本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここに開示される組電池は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、本明細書において範囲を示す「A~B」の表記は、A以上B以下の意と共に、「Aより大きい」、「Bより小さい」の意を包含するものとする。
図1は、一実施形態に係る組電池500を模式的に示す斜視図である。組電池500は、ここでは、複数の角形二次電池100と、複数のスペーサ200と、拘束機構300と、を備えている。なお、以下の説明において、図面中の符号L、R、F、Rr、U、Dは、左、右、前、後、上、下を表し、図面中の符号X、Y、Zは、角形二次電池100の短辺方向(厚み方向)、短辺方向と直交する長辺方向、上下方向を、それぞれ表すものとする。短辺方向Xは、角形二次電池100の配列方向でもある。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、組電池500の設置形態を何ら限定するものではない。
拘束機構300は、複数の角形二次電池100と複数のスペーサ200とに対して、配列方向Xから規定の拘束荷重を印加するように構成されている。拘束機構300は、ここでは、相互に対向する一対のエンドプレート310と、相互に対向する一対のサイドプレート320と、複数のビス330とで、構成されている。エンドプレート310およびサイドプレート320は、それぞれ金属製であることが好ましい。ただし、一部樹脂で構成された部分を有してもよい。
一対のエンドプレート310は、配列方向Xに並んでいる。一対のエンドプレート310は、配列方向Xにおいて組電池500の両端に配置されている。複数の角形二次電池100は、一対のエンドプレート310の間に配列方向Xに沿って配置されている。複数のスペーサ200は、配列方向Xにおいて隣り合う角形二次電池100の間にそれぞれ配置されている。一対のエンドプレート310は、複数の角形二次電池100と複数のスペーサ200とを配列方向Xに挟み込んでいる。
一対のサイドプレート320は、一対のエンドプレート310を架橋している。一対のサイドプレート320は、複数のビス330によって、拘束荷重が例えば3~15kN、好ましくは5~10kN程度となるように、エンドプレート310に固定されている。これにより、複数の角形二次電池100と複数のスペーサ200とに対して、配列方向Xから拘束荷重が印加され、組電池500が一体的に保持されている。ここでは、サイドプレート320と複数のビス330とによって、角形二次電池100の拘束機構が構成されている。ただし、拘束機構はこれに限定されるものではない。拘束機構300は、例えばサイドプレート320と複数のビス330にかえて、複数の拘束バンドやバインドバー等を備えていてもよい。
角形二次電池100は、ここでは繰り返し充放電が可能な二次電池である。なお、本明細書において「電池」とは、電気エネルギーを取り出し可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、一次電池と二次電池とを包含する概念である。また、本明細書において「二次電池」とは、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等のいわゆる蓄電池(化学電池)と、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)とを包含する概念である。
図1に示すように、複数の角形二次電池100は、後述する電池ケース10の長側壁12b同士がスペーサ200を介して相互に対向するように、配列方向Xに並んでいる。ただし、組電池500を構成する角形二次電池100の形状、サイズ、個数、配置、接続方法等は、ここに開示される態様に限定されることなく、適宜変更することができる。角形二次電池100の一対の長側壁12bは、ここでは、それぞれスペーサ200と当接している。ただし、角形二次電池100は、一対の長側壁12bのうちの少なくとも一方がスペーサ200と当接していればよく、必ずしも両方の長側壁12bがスペーサ200と当接している必要はない。
図2は、角形二次電池100の斜視図である。図3は、図2のIII-III線に沿う模式的な縦断面図である。図3に示すように、角形二次電池100は、電池ケース10と、捲回電極体20と、正極端子30と、負極端子40と、正極集電部50と、負極集電部60と、非水電解液(図示せず)と、を備えている。角形二次電池100は、ここではリチウムイオン二次電池である。角形二次電池100は、ここでは非水電解液二次電池である。
電池ケース10は、捲回電極体20および非水電解液を収容する筐体である。図2に示すように、電池ケース10は、扁平かつ有底の直方体形状(角形)の外形を有する。電池ケース10の材質は、従来から使用されているものと同じでよく、特に制限はない。電池ケース10は、金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等からなることがより好ましい。電池ケース10の厚み(板厚)は、概ね0.1~2mmであり、典型的には0.2~1mmであり、例えば0.4~0.8mmであるとよい。
図3に示すように、電池ケース10は、ここでは、開口12hを有する外装体12と、開口12hを封口する封口板(蓋体)14と、を備えている。電池ケース10は、本実施形態のように、開口12hを有する外装体12と、開口12hを封口する封口板14とを備えることが好ましい。封口板14は、上壁の一例である。
外装体12は、図2に示すように、底壁12aと、一対の長側壁12bと、一対の短側壁12cと、を備えている。底壁12aは、略矩形状である。底壁12aは、封口板(蓋体)14と対向している。一対の長側壁12bは、相互に対向する向きに配置され、底壁12aと封口板14とを接続している(繋いでいる)。長側壁12bは平坦である。図1からわかるように、長側壁12bは、スペーサ200と対向する面である(図6も参照)。長側壁12bは、スペーサ200の一部分と接触する。一対の短側壁12cは、相互に対向する向きに配置され、底壁12aと封口板14とを接続している(繋いでいる)。長側壁12bは、第1側壁の一例であり、短側壁12cは、第2側壁の一例である。
長側壁12bは、横長であることが好ましい。すなわち、長辺方向Yの長さが上下方向Zの長さよりも長いことが好ましい。長側壁12bの長辺方向Yの長さは200mm以上が好ましく、上下方向Zの長さは100mm以上が好ましい。長辺方向Yの中央部から端部までの距離(言い換えれば、捲回電極体20の捲回軸方向の長さ)が長いほど、捲回電極体20の内部、特には長辺方向Yの中央部で、とりわけガスが滞留しやすい。したがって、ここに開示される技術を適用することが殊に効果的である。長側壁12bは、長辺方向Yの長さに対する上下方向Zの長さの比(縦/横の比)が、1/3~1/1であることが好ましく、1/3~1/2であることがより好ましい。
平面視において、長側壁12bの面積は、短側壁12cの面積よりも大きい。特に限定されるものではないが、車載用等として用いられるような高容量タイプの角形二次電池100の場合、長側壁12bの面積は、概ね10000mm以上であるとよく、15000mm以上が好ましく、20000mm以上がより好ましく、25000mm以上が更に好ましく、30000mm以上が特に好ましい。このように長側壁12bの面積が大きい場合、捲回電極体20の内部、特には長辺方向Yの中央部で、とりわけガスが滞留しやすい。したがって、ここに開示される技術を適用することが殊に効果的である。また、長側壁12bの面積は、ここに開示される技術の効果を高いレベルで発揮する観点から、概ね150000mm以下、100000mm以下が好ましい。
封口板14は、外装体12の開口12hを塞ぐように外装体12に取り付けられている。封口板14は、外装体12の底壁12aと対向している。封口板14は、平面視において略矩形状である。電池ケース10は、外装体12の開口12hの周縁に封口板14が接合(好ましくは溶接接合)されることによって、一体化されている。電池ケース10は、気密に封止(密閉)されている。
図3に示すように、封口板14には、注液孔15と、排出弁17と、2つの端子引出孔18、19と、が設けられている。注液孔15は、外装体12に封口板14を組み付けた後、非水電解液を注液するためのものである。注液孔15は、封止部材16により封止されている。排出弁17は、電池ケース10内の圧力が所定値以上になったときに破断して、電池ケース10内のガスを外部に排出するように構成されている。封口板14には、注液孔15および/または排出弁17を設けることが好ましい。端子引出孔18、19は、封口板14を上下方向Zに貫通している。端子引出孔18、19は、それぞれ、封口板14に取り付けられる前の(かしめ加工前の)正極端子30および負極端子40を挿通可能な大きさの内径を有する。
非水電解液は従来と同様でよく、特に制限はない。非水電解液は、非水溶媒と支持塩(電解質塩)とを含有する。非水電解液は、必要に応じてさらに添加剤を含んでもよい。非水溶媒は、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等のカーボネート類を含む。非水溶媒は、カーボネート類を含むことが好ましい。特に、環状カーボネートおよび鎖状カーボネートを含むことが好ましい。支持塩は、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)等のフッ素含有リチウム塩である。
正極端子30は、封口板14の長辺方向Yの一方側の端部(図2、図3の左端部)に配置されている。負極端子40は、封口板14の長辺方向Yの他方側の端部(図2、図3の右端部)に配置されている。図3に示すように、正極端子30および負極端子40は、端子引出孔18、19を挿通して封口板14の内部から外部へと延びている。正極端子30および負極端子40は、封口板14に固定されていることが好ましい。正極端子30および負極端子40は、ここでは、かしめ加工により、封口板14の端子引出孔18、19を囲む周縁部分に、かしめられている。正極端子30および負極端子40の外装体12の側の端部(図3の下端部)には、かしめ部30c、40cが形成されている。
図3に示すように、正極端子30は、電池ケース10の内部で、正極集電部50を介して捲回電極体20の正極22(図5参照)と電気的に接続されている。負極端子40は、電池ケース10の内部で、負極集電部60を介して捲回電極体20の負極24(図5参照)と電気的に接続されている。正極端子30は、内部絶縁部材80およびガスケット90によって封口板14と絶縁され、負極端子40は、内部絶縁部材80およびガスケット90によって封口板14と絶縁されている。
封口板14の外側の面には、板状の正極外部導電部材32および負極外部導電部材42が取り付けられている。図3に示すように、正極外部導電部材32は、正極端子30と電気的に接続されている。負極外部導電部材42は、負極端子40と電気的に接続されている。正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、複数の角形二次電池100を相互に電気的に接続するバスバー等が付設される部材である。正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、外部絶縁部材92によって封口板14と絶縁されている。なお、図1では図示が省略されているが、組電池500の使用時には、隣り合う角形二次電池100同士が電気的に接続される。例えば、隣り合う角形二次電池100のうち、一方の角形二次電池100の正極外部導電部材32と、他方の角形二次電池100の負極外部導電部材42とが、バスバー等で電気的に接続される。これにより、組電池500は直列に電気接続される。
図4は、捲回電極体20を模式的に示す斜視図である。1つの電池ケース10の内部に配置される電極体の数は、1つであってもよく、2つ以上(複数)であってもよい。図4に示すように、捲回電極体20は、外形が扁平形状である。捲回電極体20は、一対の平坦な外面を有する平坦領域20fと、平坦領域20fの両端に設けられ、湾曲外面を有する一対の湾曲領域20rと、を有している。なお、本明細書において「平坦な外面」とは、完全な平坦に限られず、例えば微視的にみると、僅かな段差、湾曲、凹部、凸部等がある場合を包含する用語である。また、「平坦領域20fの両端」とは、図4における上下方向Zの端部、すなわち、捲回軸WL(図5参照)に対して垂直、かつ扁平形状の捲回電極体20の厚み方向(図4の短辺方向X)に対しても垂直な方向の端部をいう。
一対の湾曲領域20rは、それぞれ、平坦領域20fとの境界となる境界部20b(図6参照)を有している。なお、本明細書において、「境界部」とは、湾曲領域20rの一部であって、平坦領域20fと境界線を基準として、湾曲領域20rの側に概ね5mm以内、例えば3mm以内の領域をいう。
捲回電極体20は、捲回軸WL(図5参照)が長辺方向Yと略平行になる向きで(言い換えれば、捲回軸WLが底壁12aに沿う向きで)、電池ケース10の内部に配置されている。捲回電極体20の平坦領域20f、詳しくは一対の平坦な外面は、それぞれ電池ケース10の長側壁12bと対向している。また、捲回電極体20の一方(図4の上側)の湾曲領域20rは、封口板14と対向し、他方(図4の下側)の湾曲領域20rは、底壁12aと対向している。なお、捲回電極体20は、樹脂製の絶縁シート(電極体ホルダ)に覆われた状態で電池ケース10の内部に収容されていてもよい。
図5は、捲回電極体20の構成を示す模式図である。捲回電極体20は、帯状の正極22と、帯状の負極24とが、帯状のセパレータ26を介して積層され、捲回軸WLを中心として捲回されて構成されている。捲回電極体20の構成は従来と同様でよく、特に制限はない。
正極22は従来と同様でよく、特に制限はない。正極22は、図5に示すように、正極芯体22cと、正極芯体22cの少なくとも一方の表面上に固着された正極活物質層22aおよび正極保護層22pと、を有する。ただし、正極保護層22pは必須ではなく、他の実施形態において省略することもできる。正極芯体22cは、帯状である。正極芯体22cは、金属製であることが好ましく、金属箔からなることがより好ましい。正極芯体22cは、ここではアルミニウム箔である。
正極芯体22cの長辺方向Yの一方の端部(図5の左端部)には、複数の正極タブ22tが設けられている。複数の正極タブ22tは、長辺方向Yの一方側(図5の左側)に向かって突出している。複数の正極タブ22tは、セパレータ26よりも長辺方向Yに突出している。正極タブ22tは、ここでは正極芯体22cの一部であり、金属箔(アルミニウム箔)からなっている。図3、図4に示すように、複数の正極タブ22tは長辺方向Yの一方の端部(図3、図4の左端部)で積層され、正極タブ群23を構成している。正極タブ群23は、正極集電部50を介して正極端子30と電気的に接続されている。
正極活物質層22aは、図5に示すように、正極芯体22cの長手方向に沿って帯状に設けられている。正極活物質層22aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な正極活物質を含んでいる。正極活物質としては、例えばリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。正極活物質層22aは、正極活物質以外の任意成分、例えば、バインダ、導電材、等の各種添加成分を含んでいてもよい。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等が挙げられる。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等の炭素材料が挙げられる。
正極保護層22pは、図5に示すように、長辺方向Yにおいて正極芯体22cと正極活物質層22aとの間に設けられている。正極保護層22pは、正極活物質層22aに沿って帯状に設けられている。正極保護層22pは、無機フィラー(例えば、アルミナ)を含んでいる。正極保護層22pは、無機フィラー以外の任意成分、例えば、導電材、バインダ、各種添加成分等を含んでいてもよい。
負極24は従来と同様でよく、特に制限はない。負極24は、図5に示すように、負極芯体24cと、負極芯体24cの少なくとも一方の表面上に固着された負極活物質層24aと、を有する。負極芯体24cは、帯状である。負極芯体24cは、金属製であることが好ましく、金属箔からなることがより好ましい。負極芯体24cは、ここでは銅箔である。
負極芯体24cの長辺方向Yの一方の端部(図5の右端部)には、複数の負極タブ24tが設けられている。複数の負極タブ24tは、長辺方向Yの一方側(図5の右側)に向かって突出している。複数の負極タブ24tは、セパレータ26よりも長辺方向Yに突出している。負極タブ24tは、ここでは負極芯体24cの一部であり、金属箔(銅箔)からなっている。図3、図4に示すように、複数の負極タブ24tは長辺方向Yの一方の端部(図3、図4の右端部)で積層され、負極タブ群25を構成している。負極タブ群25は、長辺方向Yにおいて正極タブ群23と対称的な位置に設けられている。負極タブ群25は、負極集電部60を介して負極端子40と電気的に接続されている。
負極活物質層24aは、図5に示すように、負極芯体24cの長手方向に沿って帯状に設けられている。負極活物質層24aの長辺方向Yの長さLnは、正極活物質層22aの長辺方向Yの長さLaと同じかそれよりも長い。長さLnは、高容量化の観点等から、200mm以上が好ましく、250mm以上がより好ましい。長さLnが長いほど、捲回電極体20の内部、特には長辺方向Yの中央部で、とりわけガスが滞留しやすい。したがって、ここに開示される技術を適用することが殊に効果的である。
負極活物質層24aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な負極活物質を含んでいる。負極活物質としては、例えば黒鉛等の炭素材料が挙げられる。負極活物質層24aは、負極活物質以外の任意成分、例えば、バインダ、増粘剤、分散剤、等の各種添加成分を含んでいてもよい。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類が挙げられる。分散剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロール類が挙げられる。
セパレータ26は、図5に示すように、正極22と負極24との間に配置され、正極22と負極24とを絶縁する部材である。セパレータ26の長辺方向Yの長さLsは、負極活物質層24aの長辺方向Yの長さLnと同じかそれよりも長い。セパレータ26としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂からなる樹脂製の多孔性シートが好適である。セパレータ26は、樹脂製の多孔性シートからなる基材部と、基材部の少なくとも一方の表面上に形成され、無機フィラーを含む耐熱層と、を有していてもよい。
正極集電部50は、図3に示すように、複数の正極タブ22tからなる正極タブ群23と正極端子30とを電気的に接続する導通経路を構成している。正極集電部50は、正極第1集電部51と正極第2集電部52とを備えている。正極第1集電部51は、封口板14の内側の面に取り付けられている。正極第2集電部52は、外装体12の短側壁12cに沿って延びている。図3、図4に示すように、正極第2集電部52は、捲回電極体20の正極タブ群23に付設されている。
負極集電部60は、図3に示すように、複数の負極タブ24tからなる負極タブ群25と負極端子40とを電気的に接続する導通経路を構成している。負極集電部60は、負極第1集電部61と負極第2集電部62とを備えている。負極第1集電部61および負極第2集電部62の構成は、正極集電部50の正極第1集電部51および正極第2集電部52と同等であってよい。図3、図4に示すように、負極第2集電部62は、捲回電極体20の負極タブ群25に付設されている。
スペーサ200は、板状部材である。スペーサ200は、上述の通り、ここでは配列方向Xにおいて複数の角形二次電池100の間にそれぞれ配置されている。すなわち、配列方向Xでは、角形二次電池100とスペーサ200とが交互に並んでいる。スペーサ200は、押圧部材の一例である。押圧部材は、複数の角形二次電池100の間に配置されるスペーサであることが好ましい。
図6は、角形二次電池100とスペーサ200の位置関係を模式的に示す縦断面図である。図7は、角形二次電池100とスペーサ200の位置関係を模式的に示す正面図である。なお、ここでは、角形二次電池100の一対の長側壁14bがそれぞれスペーサ200と対向しているが、一対の長側壁14bの一方のみがスペーサ200と対向していてもよい。すなわち、一対の長側壁14bのうちの少なくとも一方が、スペーサ200と対向していればよい。スペーサ200は、樹脂部材、もしくは、熱硬化性エラストマー部材や、熱可塑性エラストマー部材であることが好ましい。スペーサ200は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂材料、もしくは、天然ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の熱硬化性エラストマーや、ポリスチレン、オレフィン、ポリアミド等の熱可塑性エラストマーで構成されていることが好ましい。なお、これらの材料は発泡されたものであってもよい。また、シリカエアロゲル等の多孔質材が担持された断熱材等が積層されたものであってもよい。
スペーサ200のサイズは、例えば角形二次電池100ないし捲回電極体20のサイズ、電池容量(膨張・収縮の度合い)等に応じて適宜決定するとよい。図7に示すように、スペーサ200の長辺方向Yの全体長さは、捲回電極体20の負極活物質層24aの長辺方向Yの長さLn(図5も参照)と同じかそれよりも長いとよい。スペーサ200の長辺方向Yの長さは、ここでは角形二次電池100の長辺方向Yの長さと略同じである。スペーサ200の上下方向Zの長さは、捲回電極体20の高さH(図4も参照)と同じかそれよりも長いとよい。スペーサ200の上下方向Zの長さは、ここでは角形二次電池100の上下方向Zの長さよりも短い。
図6に示すように、スペーサ200は、長側壁12bと対向する面に凹凸形状を有する。スペーサ200は、ここでは上下方向Zの中央線(図示せず)を基準とする線対称性を有している。図7に示すように、スペーサ200は、ここでは長辺方向Yの中央線Mを基準とする線対称性を有している。図6に示すように、スペーサ200は、プレート状のベース部208と、ベース部208の表面に形成された第1部分210、第2部分220、および第3部分230と、を有している。
第1部分210は、図6に示すように、上下方向Zの上端側に位置している。第1部分210は、電池ケース10の長側壁12bのうち、捲回電極体20の上側の湾曲領域20rと対向する部位である。第1部分210は、ここではベース部208から一体的に形成されている。第1部分210は、凸部である。第1部分210は、ここでは、その全体がベース部208から捲回電極体20の側に(配列方向Xに)突出している。つまり、第1部分210は、ここでは、組電池500に組付けられた際、全体が電池ケース10の長側壁12bに当接し、当接した部分を押圧するように構成されている。
第2部分220は、図6に示すように、上下方向Zの下端側に位置している。第2部分220は、電池ケース10の長側壁12bのうち、捲回電極体20の下側の湾曲領域20rと対向する部位である。第2部分220は、ここではベース部208から一体的に形成されている。第2部分220は、第3部分230を介して第1部分210と対称に設けられている。第2部分220は、凸部である。第2部分220は、ここでは、その全体がベース部208から捲回電極体20の側に(配列方向Xに)突出している。つまり、第2部分220は、ここでは、組電池500に組付けられた際、全体が電池ケース10の長側壁12bに当接し、当接した部分を押圧するように構成されている。
図6、図7に示すように、第1部分210および第2部分220は、ここでは同形状である。第1部分210および第2部分220は、長辺方向Yの長さと、高さ方向Zの長さ(幅)と、配列方向Xの突出長さとが、それぞれ等しい。詳しくは、図7に示すように、第1部分210および第2部分220は、平面視で略矩形状である。第1部分210および第2部分220は、それぞれ長辺方向Y(捲回電極体20の捲回軸方向)に沿って帯状に延びている。長辺方向Yにおいて、第1部分210および第2部分220は、負極活物質層24aの長さLn以上であって、かつ省スペース化の観点から、電池ケース10の長側壁12bの長さ以下であるとよい。
また、図6に示すように、高さ方向Zにおいて、第1部分210および第2部分220は、ここでは一対の湾曲領域20rとそれぞれ同じ幅である。ただし、第1部分210および/または第2部分220は、湾曲領域20rの幅より短くてもよいし、湾曲領域20rの幅を超えていてもよい。好適な一態様において、スペーサ200の第1部分210および/または第2部分220は、湾曲領域20rの幅よりも長い。この場合、第1部分210および/または第2部分220の幅は、省スペース化の観点等から、1つの湾曲領域20rの幅の2倍(200%)以下が好ましく、1.5倍(150%)以下がより好ましい。
第3部分230は、図6に示すように、上下方向Zの中央部、すなわち、第1部分210と第2部分220の間に位置している。第3部分230は、電池ケース10の長側壁12bのうち、捲回電極体20の平坦領域20fと対向する部位である。第3部分230は、凹凸形状を有する。つまり、第3部分230は、組電池500に組付けられた際、長側壁12bを押圧する部分と、長側壁12bを押圧しない部分と、を有している。
第3部分230は、ここではベース部208から一体的に形成されベース部208から捲回電極体20の側に(配列方向Xに)突出した第1凸部231、第2凸部232、および第3凸部233、を有している。第1凸部231、第2凸部232、および第3凸部233は、上下方向Zに離間した位置に配置されている。第1凸部231、第2凸部232、および第3凸部233は、組電池500に組付けられた際、電池ケース10の長側壁12bに当接し、当接した部分を押圧するように構成されている。
上下方向Zにおいて、第1部分210と第1凸部231との間、第1凸部231と第2凸部232との間、第2凸部232と第3凸部233との間、第3凸部233と第2部分220との間には、それぞれ隙間Sが確保されている。隙間Sは、組電池500に組付けられた際、電池ケース10の長側壁12bに当接せず、長側壁12bを押圧しないように構成されている。
図7に示すように、隙間Sは、長辺方向Y(捲回電極体20の捲回軸方向)に沿って線状(例えば直線状)に延びている。隙間Sは、捲回電極体20の長辺方向Yの中央部から端部に延びている。隙間Sは、捲回電極体20の長辺方向Yの左端から右端まで貫通する貫通口である。言い換えれば、隙間Sは長辺方向Yの両端が開放されている。なお、本明細書において、長辺方向Yの「中央部」とは、捲回電極体20の中央線Mから所定の割合(例えば、負極活物質層24aの長さLnの10%以内)の部分をいい、「端部」とは、中央部よりも長辺方向Yの端側に位置し、捲回電極体20の端から所定の割合(例えば、負極活物質層24aの長さLnの10%以内)の部分をいう。
図6、図7に示すように、第1凸部231、第2凸部232、および第3凸部233は、ここでは同形状である。第1凸部231、第2凸部232、および第3凸部233は、長辺方向Yの長さと、高さ方向Zの長さ(幅)と、配列方向Xの突出長さとが、それぞれ等しい。図7に示すように、第1凸部231、第2凸部232、および第3凸部233は、平面視で略矩形状である。すなわち、第3部分230は、ストライプ状(スジ状)の突出部を有する。第1凸部231、第2凸部232、および第3凸部233は、それぞれ長辺方向Y(捲回電極体20の捲回軸方向)に沿って帯状に延びている。ただし、第3部分230の突出部は、他の形状、例えば後述する実施例に示すようなドット状や、波状、破線状、又はこれらを組み合わせた形状等であってもよい。第3部分230は、ドット状またはストライプ状の突出部を有することが好ましく、ドット状の突出部を有することがより好ましい。特には、ガス抜け性の観点から、第1凸部231および第2凸部232が帯状で、かつ第3凸部233がドット状の突出部を有することが好ましい。また、突出部がストライプ状の場合は、本実施形態のように長辺方向Y(捲回電極体20の捲回軸方向)に延びるストライプが好ましい。
組電池500において、電池ケース10の長側壁12bは、一対の湾曲領域20r(上側の湾曲領域20rおよび下側の湾曲領域20r)と対向する部分の面積全体を100%としたときに、境界部20bと対向する部分を含む80%以上の面積が、スペーサ200によって捲回軸WLに沿った帯状に押圧されている。ここでは、上側の境界部20bを含む湾曲領域20rと対向する部分が第1部分210で押圧され、下側の境界部20bを含む湾曲領域20rと対向する部分が第2部分220で押圧されている。これにより、平坦領域20fで発生したガスが湾曲領域20rに移動しにくくなると共に、帯状の押圧部分に沿ってガスが捲回軸方向に移動して電極体外に排出されやすくなる。したがって、湾曲領域20rにガスが滞留することを抑制できる。その結果、湾曲領域20rで金属析出(例えばLi析出)の発生を効果的に抑制できる。
なお、本明細書において「一対の湾曲領域20rと対向する部分の面積」とは、図6に示すように、長側壁12bに対して垂直な方向から見たときに、一対の湾曲領域20r(より詳しくは、湾曲領域20rのうちで負極活物質層24aが存在する部分)と対向する部分の面積をいう。
一対の湾曲領域20rと対向する部分のうち、スペーサ200で押圧されている面積(すなわち、押圧されている面積/一対の湾曲領域20rと対向する部分の面積。以下、「面積比率Ay」ともいう。)は、80%以上であれば特に限定されないが、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、100%以上が特に好ましい。本実施形態では、一対の湾曲領域20rと対向する部分の全体が、スペーサ200の第1部分210と第2部分220とでそれぞれ押圧されている。また、一対の湾曲領域20rの頂点部、すなわち、捲回電極体20の上端(封口板14側の端)20uおよび下端(底壁12a側の端)20dと対向する位置が、それぞれスペーサ200で押圧されている。これにより、後述する面圧測定結果からもわかるように、特に境界部20bに対して効果的に面圧を付与することができ、ここに開示される技術の効果を高いレベルで発揮できる。面積比率Ayは、例えば200%以下、150%以下であってもよい。
好適な一態様では、面積比率Ayが100%を超えており、湾曲領域20rと対向する部分から湾曲領域20rおよび平坦領域20fと対向しない部分(高さ方向Zの平坦領域20fとは反対側の部分)にわたって、スペーサ200の第1部分210および/または第2部分220で捲回軸WLに沿った帯状に押圧されている。これにより、後述する面圧測定結果からもわかるように、特に境界部20bに対して効果的に面圧を付与することができ、ここに開示される技術の効果を高いレベルで発揮できる。
また、組電池500において、電池ケース10の長側壁12bは、平坦領域20fと対向する部分の面積全体を100%としたときに、20~50%の面積が、スペーサ200によって押圧されている。さらに、平坦領域20fに対向する部分とスペーサ200との間には、捲回電極体20の捲回軸方向の中央部から端部に延びる隙間Sが形成されている。押圧する面積を50%以下とし、かつ平坦領域20fに対向する部分とスペーサ200との間に隙間S(未押圧部分)を確保することで、平坦領域20fで捲回軸方向へのガス移動が容易になり、捲回電極体20の開口端(図4の左右の端部)までガスが誘導されやすくなる。したがって、ガスを捲回電極体20の開口端からスムーズに電極体外へと排出することができ、平坦領域20fにガスが滞留することを抑制できる。また、押圧する面積を20%以上とすることで、押圧不足による充放電反応の不均一化を抑えられる。その結果、平坦領域20fで金属析出(例えばLi析出)の発生を効果的に抑制できる。
加えて、押圧する面積を50%以下とすることで、充放電時に捲回電極体20の膨張収縮の自由度を確保できる。これにより、捲回電極体20の膨張時に塩濃度のムラが発生することを抑えて、ハイレート耐久試験後の抵抗増加を抑制できる。したがって、優れたハイレート特性を長期に亘って実現できる。
なお、本明細書において「平坦領域20fと対向する部分の面積」とは、図7に示すように、長側壁12bを正面から見たときに、平坦領域20fと対向する部分の面積をいう。より詳しくは、平坦領域20fのうちで負極活物質層24aが存在する部分(図4における、平坦領域20fの高さHf×負極活物質層24aの長辺方向Yの長さLn)と対向する部分の面積をいう。
平坦領域20fと対向する部分のうち、スペーサ200で押圧されている面積(すなわち、押圧されている面積/平坦領域20fと対向する部分の面積。以下、「面積比率Ax」ともいう。)は、20~50%の範囲内であれば特に限定されないが、金属析出を高いレベルで抑制する観点から、例えば30%以上であってもよい。平坦領域20fと対向する部分のうち、残りはスペーサ200で押圧されず、スペーサ200との間に隙間Sがあいている。
面積比率Ax(すなわち、平坦領域20fと対向する部分のうちスペーサ200で押圧されている領域)と、面積比率Ay(すなわち、一対の湾曲領域20rと対向する部分のうちスペーサ200で押圧されている領域)との差(Ay-Ax)は、30%以上であり、50%以上が好ましく、例えば60%以上、70%以上、さらには80%以上であってもよい。これにより、電極体内で発生したガスが捲回軸方向に優先的に移動しやすくなり、湾曲領域20rでのガスの滞留を高度に抑制できる。差(Ay-Ax)は、例えば170%以下、150%以下、100%以下であってもよい。
組電池500は各種用途に利用可能であるが、例えば、乗用車、トラック等の車両に搭載されるモータ用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、例えば、プラグインハイブリッド自動車(PHEV;Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV;Hybrid Electric Vehicle)、電気自動車(BEV;Battery Electric Vehicle)等が挙げられる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に限定することを意図したものではない。
まず、正極活物質としてのリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(NCM)と、導電材としてのABと、バインダとしてのPVdFとを、NCM:AB:PVdF=97.5:1.5:1.0の質量割合で含む正極活物質層を備えた帯状の正極シートを複数作製した。また、負極活物質としての黒鉛(C)と、分散剤としてのCMCと、バインダとしてのSBRとを、C:CMC:SBR=98.3:0.7:1.0の質量割合で含む負極活物質層を備えた帯状の負極シートを複数作製した。
次に、上記作製した正極シートと負極シートとを、セパレータシートを介して対向させて、扁平形状に捲回することにより、3つの捲回電極体を作製した。なお、セパレータシートとしては、PE製の基材部の表面に、アルミナとPVdFとを含む耐熱層を備えたものを使用した。また、3つの捲回電極体の高さH(図4参照)は、93.6±0.25mmとし、平坦領域の高さHf(図4参照)は、81.40±0.25mmとし、負極活物質層の長辺方向Yの長さLn(図4参照)は、287.80±1.50mmとした。
次に、非水電解液として、ECとEMCとDMCとを、1:1:1の体積比で混合した混合溶媒に、LiPFを1.0モル/Lの濃度で溶解させたものを用意した。そして、上記作製した3つの捲回電極体と非水電解液とを電池ケースに収容して、直方体形状の二次電池を複数構築した。なお、電池ケースの外形は、長辺方向の長さが308.00±0.10mm、高さが103.00±0.08mmである。長辺方向において、捲回電極体の左右は、それぞれ短辺壁から7.0mm離れ、捲回電極体の上端は、封口板(上壁)から11.0mm離れ、捲回電極体の下端は、底壁から7.0mm離れている。
そして、図8(A)~(C)および図9(A)~(C)に示す形状の凸状部を有するスペーサを用意し、上記構築した二次電池をスペーサと対向させた状態で拘束し、7kNの拘束荷重で拘束することにより、組電池(実施例1~6、比較例1~6)を作製した。なお、用意したスペーサの外形は、特に以下で言及している場合を除き、図7のスペーサと略同じである。また、作製した組電池では、二次電池の一対の側面がそれぞれスペーサで押圧されている。図10は、試験例(実施例1~6、比較例1~6)に係る捲回電極体とスペーサの位置関係を説明する模式図である。なお、図10には、捲回電極体とスペーサの位置関係のみを示し、スペーサの凹凸形状の図示は省略している。
図8(A)は、実施例1~3のスペーサを模式的に示す平面図である。実施例1~3では、スペーサが、捲回電極体の平坦領域に対向するドット状の凸部を複数有している。これにより、平坦領域と対向する部分の面積全体の30%の面積が、凸部で押圧されている。また、ドット状の凸部の間隙が、捲回電極体の捲回軸方向の中央部から端部に延びる隙間(未押圧部分)を形成している。
実施例1~3ではまた、スペーサが、捲回電極体の一対の湾曲領域に対向する一対の凸部を有している。凸部は、幅αで捲回軸に沿って延びる帯状である。幅αの長さは、実施例1~3で相互に異なっている。実施例1では、幅αの長さが、捲回電極体の1つの湾曲領域の幅と同じ(100%)であり、実施例2では、幅αの長さが、捲回電極体の1つの湾曲領域の幅の1.5倍(150%)であり、実施例3では、幅αの長さが、捲回電極体の1つの湾曲領域の幅の0.8倍(80%)である。これにより、実施例1では、平坦領域との境界部を含む、一対の湾曲領域の全体(100%)がスペーサで押圧されている。実施例2では、湾曲領域と対向する部分から捲回電極体(湾曲領域および平坦領域)と対向しない部分にわたって、スペーサで押圧されている。実施例3では、平坦領域との境界部を含み、かつ一対の湾曲領域の80%がスペーサで押圧されている。
図8(B)は、実施例4,5等のスペーサを模式的に示す平面図である。実施例4,5では、捲回電極体の平坦領域に対向するドット状の凸部の数を、実施例1から変化させている。具体的には、実施例4では、凸部の数を減らし、平坦領域と対向する部分の面積全体の20%の面積が、凸部で押圧されている。実施例5では、凸部の数を増やし、平坦領域と対向する部分の面積全体の50%の面積が、凸部で押圧されている。このこと以外は、実施例1と同様である。
図8(C)は、実施例6のスペーサを模式的に示す平面図である。実施例6では、スペーサが、捲回電極体の平坦領域に対向する横スジ状(捲回軸方向に延びるストライプ状)の凸部を複数有している。これにより、平坦領域と対向する部分の面積全体の50%の面積が、凸部で押圧されている。このこと以外は、実施例1と同様である。
図9(A)は、比較例1,2のスペーサを模式的に示す平面図である。比較例1,2では、一対の湾曲領域に対向する一対の凸部の幅αの長さが実施例1~3よりも短くなっている。具体的には、比較例1では、幅αの長さが、捲回電極体の1つの湾曲領域の幅の半分(50%)であり、比較例2では、幅αの部分を切除している(幅αの長さが、捲回電極体の1つの湾曲領域の幅の0%である)。これにより、比較例1では、一対の湾曲領域と対向する部分の面積全体の50%の面積が、凸部で押圧されている。比較例2では、一対の湾曲領域と対向する部分の面積全体がスペーサで押圧されていない。このこと以外は、実施例1と同様である。
図9(B)は、比較例3のスペーサを模式的に示す平面図である。比較例3では、スペーサが、捲回電極体の平坦領域から一対の湾曲領域にわたって対向するドット状の凸部を複数有している。これにより、平坦領域と対向する部分の面積全体の30%の面積が、凸部で押圧され、一対の湾曲領域と対向する部分の面積全体の17%の面積が、凸部で押圧されている。
図9(C)は、比較例4のスペーサを模式的に示す平面図である。比較例4では、スペーサが、捲回電極体の平坦領域から一対の湾曲領域にわたって対向する縦スジ状(捲回軸と直交する方向に延びるストライプ状)の凸部を複数有している。これにより、平坦領域と対向する部分の面積全体の50%の面積が、凸部で押圧され、一対の湾曲領域と対向する部分の面積全体の50%の面積が、凸部で押圧されている。
比較例5では、図8(B)に示すように、捲回電極体の平坦領域に対向するドット状の凸部の数を、実施例4よりも減少させている。これにより、比較例5では、平坦領域と対向する部分の面積全体の5%の面積が、凸部で押圧されている。このこと以外は、実施例4と同様である。
比較例6では、図示を省略するが、スペーサが、捲回電極体の平坦領域から一対の湾曲領域にわたって対向する平板状である。これにより、比較例6では、平坦領域と対向する部分および一対の湾曲領域と対向する部分の面積全体が押圧されている。
下表1に、各例のスペーサについて纏める。なお、表1において、「平坦領域対向部分Ax(%)」は、長側壁を正面から見たときに、平坦領域(図4のHf×Lnの面積)と対向する部分の面積全体を100%としたときの割合を表している。また、「湾曲領域対向部分Ay(%)」は、長側壁に対して垂直な方向から見たときに、一対の湾曲領域と対向する部分の面積全体を100%としたときの割合を表している。ただし、比較例4については、一対の湾曲領域を押圧する凸部が規則的な縦筋状であるために、50%としている。Ayが100%を超える場合は、図10に示すように、湾曲領域の上端部および下端部に、均等にはみ出している。
Figure 2024076720000002
<ハイレート耐久試験> 25℃の温度環境下で、二次電池のSOC(State of Charge)を20%に調整し、2Cの充電レートで10分間、定電流充電をした後、10分間休止し、次いで1/3Cの放電レートで60分間、定電流放電をした後、10分間休止する充放電を1サイクルとして、これを50サイクル繰り返した。
<Li析出の発生有無の判定> ハイレート耐久試験後の二次電池を解体して、捲回電極体の平坦領域と湾曲領域のそれぞれについて、目視でLi析出の発生有無を判定した。結果を表1に示す。
表1に示すように、比較例1~4では、捲回電極体の湾曲領域でLi析出が認められた。この理由としては、湾曲領域と対向する部分の押圧が不足していたために、平坦領域で生じたガスが湾曲領域に移動しやすくなり、移動したガスが電極体外に排出されずに湾曲領域に滞留したことが考えられる。また、比較例4では、捲回電極体の平坦領域でもLi析出が認められた。この理由としては、スペーサの凸部が縦スジ状だったために、捲回軸方向への(捲回電極体の中央部から端部への)ガスの移動が阻害され、平坦領域にガスが滞留したことが考えられる。また、比較例5、6では、捲回電極体の平坦領域でLi析出が認められた。この理由として、比較例5では、平坦領域と対向する部分の押圧が不足し電極間距離が増加したために、平坦領域で充放電反応が不均一化したことが考えられる。比較例6では、スペーサが平板状だったために、平坦領域で捲回軸方向へのガスの移動が阻害され、平坦領域にガスが滞留したことが考えられる。
一方、実施例1~6では、捲回電極体の湾曲領域および平坦領域のいずれにもLi析出は認められなかった。この理由としては、まず第1に、平坦領域で発生したガスが一対の湾曲領域の側(上端側および/または下端側)に移動しようとしたとき、湾曲領域と対向する部分のうち、平坦領域との境界部を含む80%以上が帯状に押圧されていたことで、ガスが湾曲領域に移動できなくなり、帯状の押圧部分に沿って捲回軸方向に移動して電極体外に排出されたことが考えられる。また、第2に、平坦領域と対向する部分のうち、押圧する面積を50%以下とし、さらに平坦領域と対向する部分とスペーサとの間に捲回電極体の捲回軸方向の中央部から端部に延びる隙間(未押圧部分)が存在していたことで、平坦領域で捲回軸方向へのガス移動が容易になったことが考えられる。また、第3に、平坦領域と対向する部分のうち20%以上を押圧することで、平坦領域で充放電反応が均一化したことが考えられる。これらの結果は、ここに開示される技術の意義を示すものである。
<抵抗増加率の測定> ハイレート耐久試験前後の二次電池を、SOC50%に調整した後、300Aで10秒間の定電流放電を行い、放電抵抗を測定した。次に、10秒間で降下した電池電圧ΔVを読み取り、その電池電圧ΔVと放電電流値とに基づき、IV抵抗(10秒抵抗)を算出した。そして、耐久試験前後のIV抵抗の比較から、抵抗増加率を算出した。結果を表1に示す。
表1に示すように、比較例6では、ハイレート耐久試験後の劣化による抵抗増加が相対的に大きかった。この理由としては、平坦領域と対向する部分の面積全体が押圧されているために、充放電時に電極体の膨張収縮に対して自由度がなく、電極体の膨張時に塩濃度のムラが発生したことが考えられる。これに対して、実施例1~6等では、平坦領域と対向する部分のうち押圧する面積を50%以下とすることで、電極体の膨張収縮の自由度を確保でき、ハイレート耐久試験後の抵抗増加が抑制されていた。
<面圧分布の測定> ここでは、面圧センサを用いて、スペーサのサイズを変化させたときの境界部の面圧を確認した。具体的には、(A)比較例2の如く、一対の湾曲領域と対向する部分を一切スペーサで押圧しなかった場合(Ay=0%のとき)と、(B)比較例1の如く、一対の湾曲領域と対向する部分の半分をスペーサで押圧した場合(Ay=50%のとき)と、(C)実施例1の如く、一対の湾曲領域と対向する部分の全体をスペーサで押圧した場合(Ay=100%のとき)と、(D)実施例2の如く、湾曲領域と対向する部分から湾曲領域および平坦領域と対向しない部分にわたってスペーサで帯状に押圧した場合(Ay=150%のとき)と、について、ニッタ株式会社製の面圧分布測定システムを用いて、拘束荷重7kNの条件で面圧を測定した。結果を、図11(A)~(D)に示す。なお、図11(A)~(D)は、色が薄い程、圧力の負荷が大きいことを示している。
図11(A)に矢印で示すように、Ayが0%のときは、境界部に殆ど圧力が加わっていなかった。これに対して、図11(B)~(D)に矢印で示すように、Ayが50%、100%、さらには150%と、押圧面積が大きくなるほど、境界部を強く押圧できることが確認された。したがって、実施例2の如く、一対の湾曲領域と対向する部分のみならず、捲回電極体(湾曲領域および平坦領域)と対向しない部分までも押圧することで、ここに開示される技術の効果を高いレベルで発揮できることがわかった。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。本発明は、他にも種々の形態にて実施することができる。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記した実施形態の一部を他の変形例に置き換えることも可能であり、上記した実施形態に他の変形例を追加することも可能である。また、その技術的特徴が必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することも可能である。
例えば、上記した実施形態では、スペーサ200の第1部分210および第2部分220が略矩形状であり、一様の幅で長辺方向Y(捲回電極体20の捲回軸方向)に沿って帯状に延びていた。しかしこれには限定されない。例えば、長側壁12bの周縁部(特には、コーナー部)は、中心部に比べて電池ケース10の剛性が高く、拘束荷重がかかりにくい個所である。そのため、押圧効果が小さいと考えられる。したがって、スペーサ200の第1部分210および第2部分220は、例えば外縁と対向する部分に切り欠きを有していてもよい。一例では、第1部分210および/または第2部分220が、平坦領域との境界部に沿って負極活物質層24aの長さLn以上に延びる部分を有し、長側壁12bの外縁(特には、コーナー部)と対向する部分が切り欠かれた形状であってもよい。これにより、湾曲領域20rのガス抜け性を向上できる。
以上の通り、ここで開示される技術の具体的な態様として、以下の各項に記載のものが挙げられる。
項1:正極および負極を含む扁平形状の捲回電極体と、上記捲回電極体を収容する電池ケースと、上記電池ケースを押圧する押圧部材と、を備え、上記電池ケースは、底壁と、上壁と、相互に対向する向きに配置され、上記底壁と上記上壁とを接続する一対の第1側壁と、相互に対向する向きに配置され、上記底壁と上記上壁とを接続する一対の第2側壁と、を含み、上記捲回電極体は、一対の平坦な外面を有する平坦領域と、上記平坦領域の両端に設けられ、湾曲外面を有する一対の湾曲領域と、を含み、捲回軸が上記底壁に沿って配置され、一対の上記平坦な外面がそれぞれ上記第1側壁に対向する向きで、上記電池ケースの内部に配置されており、ここで、上記電池ケースの一対の上記第1側壁のうちの少なくとも一方は、一対の上記湾曲領域と対向する部分の面積全体を100%としたときに、上記平坦領域との境界部を含み、かつ80%以上の面積が、上記押圧部材によって上記捲回軸に沿った帯状に押圧されており、上記平坦領域と対向する部分の面積全体を100%としたときに、20%以上50%以下の面積が、上記押圧部材によって押圧されており、上記平坦領域に対向する部分と上記押圧部材との間に、上記捲回電極体の捲回軸方向の中央部から端部に延びる隙間が形成されている、組電池。
項2:上記電池ケースの一対の上記第1側壁のうちの少なくとも一方は、一対の上記湾曲領域の頂点部と対向する位置が、それぞれ上記押圧部材で押圧されている、項1に記載の組電池。
項3:上記押圧部材は、上記平坦領域と対向する部分にドット状またはストライプ状の突出部を有し、上記電池ケースの一対の上記第1側壁のうちの少なくとも一方は、上記突出部によって上記平坦領域と対向する部分が押圧されている、項1または項2に記載の組電池。
項4:上記電池ケースの一対の上記第1側壁のうちの少なくとも一方は、一対の上記湾曲領域と対向する部分全体が、それぞれ上記押圧部材で押圧されている、項1~項3のいずれか一つに記載の組電池。
項5:上記電池ケースの一対の上記第1側壁のうちの少なくとも一方は、上記平坦領域と対向する部分のうち上記押圧部材で押圧される領域の面積比率をAx%とし、一対の上記湾曲領域と対向する部分のうち上記押圧部材で押圧される領域の面積比率をAy%としたときに、上記Axと上記Ayとの差(Ay-Ax)が、50%以上である、項1~項4のいずれか一つに記載の組電池。
項6:上記電池ケースの一対の上記第1側壁のうちの少なくとも一方は、上記湾曲領域と対向する部分から上記湾曲領域および上記平坦領域と対向しない部分にわたって、上記押圧部材によって上記捲回軸に沿った帯状に押圧されている、項1~項5のいずれか一つに記載の組電池。
10 電池ケース
12 外装体
12b 長側壁(第1側壁)
14 封口板(上壁)
20 捲回電極体
20b 境界部
20f 平坦領域
20r 湾曲領域
100 角形二次電池
200 スペーサ(押圧部材)
210 第1部分
220 第2部分
230 第3部分
300 拘束機構
500 組電池

Claims (6)

  1. 正極および負極を含む扁平形状の捲回電極体と、
    前記捲回電極体を収容する電池ケースと、
    前記電池ケースを押圧する押圧部材と、
    を備え、
    前記電池ケースは、底壁と、上壁と、相互に対向する向きに配置され、前記底壁と前記上壁とを接続する一対の第1側壁と、相互に対向する向きに配置され、前記底壁と前記上壁とを接続する一対の第2側壁と、を含み、
    前記捲回電極体は、
    一対の平坦な外面を有する平坦領域と、
    前記平坦領域の両端に設けられ、湾曲外面を有する一対の湾曲領域と、を含み、
    捲回軸が前記底壁に沿って配置され、一対の前記平坦な外面がそれぞれ前記第1側壁に対向する向きで、前記電池ケースの内部に配置されており、
    ここで、前記電池ケースの一対の前記第1側壁のうちの少なくとも一方は、
    一対の前記湾曲領域と対向する部分の面積全体を100%としたときに、前記平坦領域との境界部を含み、かつ80%以上の面積が、前記押圧部材によって前記捲回軸に沿った帯状に押圧されており、
    前記平坦領域と対向する部分の面積全体を100%としたときに、20%以上50%以下の面積が、前記押圧部材によって押圧されており、
    前記平坦領域に対向する部分と前記押圧部材との間に、前記捲回電極体の捲回軸方向の中央部から端部に延びる隙間が形成されている、
    組電池。
  2. 前記電池ケースの一対の前記第1側壁のうちの少なくとも一方は、一対の前記湾曲領域の頂点部と対向する位置が、それぞれ前記押圧部材で押圧されている、
    請求項1に記載の組電池。
  3. 前記押圧部材は、前記平坦領域と対向する部分にドット状またはストライプ状の突出部を有し、
    前記電池ケースの一対の前記第1側壁のうちの少なくとも一方は、前記突出部によって前記平坦領域と対向する部分が押圧されている、
    請求項1または2に記載の組電池。
  4. 前記電池ケースの一対の前記第1側壁のうちの少なくとも一方は、一対の前記湾曲領域と対向する部分全体が、それぞれ前記押圧部材で押圧されている、
    請求項1または2に記載の組電池。
  5. 前記電池ケースの一対の前記第1側壁のうちの少なくとも一方は、前記平坦領域と対向する部分のうち前記押圧部材で押圧されている領域の面積比率をAx%とし、一対の前記湾曲領域と対向する部分のうち前記押圧部材で押圧されている領域の面積比率をAy%としたときに、前記Axと前記Ayとの差(Ay-Ax)が、50%以上である、
    請求項1または2に記載の組電池。
  6. 前記電池ケースの一対の前記第1側壁のうちの少なくとも一方は、前記湾曲領域と対向する部分から前記湾曲領域および前記平坦領域と対向しない部分にわたって、前記押圧部材によって前記捲回軸に沿った帯状に押圧されている、
    請求項1または2に記載の組電池。
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