JP2024076176A - 医療トレーサビリティシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 医薬品又は医療器具の製造から使用までのトレーサビリティを効率的に実現可能な医療トレーサビリティシステムを提供する。【解決手段】 個別識別情報取得部9が、医薬品又は医療器具の包装材6の個別識別情報7が撮像されて生成された個別識別情報画像8を取得し、取得した個別識別情報画像8から特徴点情報を抽出する構成とした。また、トレーサビリティ情報取得部12が、個別識別情報取得部9が取得した個別識別情報画像8の生成元の包装材6に収容されている医薬品又は医療器具のトレーサビリティ情報を取得する構成とした。そして、医薬品情報等更新部13が、取得したトレーサビリティ情報を、医薬品情報等記憶部10が記憶している複数の特徴点情報のうちの、個別識別情報取得部9が抽出した特徴点情報に一致する特徴点情報に対応付けて、医薬品情報等記憶部10に記憶させる構成とした。【選択図】図1

Description

本開示は、医療トレーサビリティシステムに関する。
現在、医薬品の分野では、偽薬の流通、リコール時の回収、処方ミス、廃棄ロス(残薬)等の問題を解決するために、製造から医療現場までの流通領域、院内トレース領域、患者への治療・処方領域のそれぞれで運用管理の最適化が進められている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、院内トレース領域、つまり、病院内における医薬品の運用管理を最適化するための、薬剤のトレーサビリティシステムが開示されている。
特開2019―121059号公報
しかし、このようなトレーサビリティシステムでは、領域を越えて用いることができないため、医薬品の製造から使用(服用)までのトレーサビリティを実現できなかった。また医療器具においても、製造から使用までのトレーサビリティの実現が求められている。
本開示は、医薬品又は医療器具の製造から使用までのトレーサビリティを効率的に実現可能な医療トレーサビリティシステムを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本開示の一態様に係る医療トレーサビリティシステムは、(a)医薬品又は医療器具を収容した包装材に付与された個別識別情報の画像である個別識別情報画像から抽出された特徴点情報と、前記医薬品又は前記医療器具の製品情報とを予め対応付けて複数記憶している医薬品情報等記憶部と、(b)包装材の個別識別情報が撮像されて生成された個別識別情報画像を取得し、取得した個別識別情報画像から特徴点情報を抽出する個別識別情報取得部と、(c)個別識別情報取得部が取得した個別識別情報画像の生成元の包装材に収容されている医薬品又は医療器具のトレーサビリティ情報を取得するトレーサビリティ情報取得部と、(d)トレーサビリティ情報取得部が取得した医薬品又は医療器具のトレーサビリティ情報を、医薬品情報等記憶部が記憶している複数の特徴点情報のうちの、個別識別情報取得部が抽出した特徴点情報に一致する特徴点情報に対応付けて、医薬品情報等記憶部に記憶させる医薬品情報等更新部と、を備えることを要旨とする。
本開示によれば、医薬品又は医療器具の製造から使用までのトレーサビリティを効率的に実現可能な医療トレーサビリティシステムを提供することができる。
本開示の第1の実施形態に係る医療トレーサビリティシステムの一構成例を示す図である。 医療トレーサビリティシステムの一動作例を示す図である。 個別識別情報の一部を拡大して示す図である。 医薬品情報等記憶部において特徴点情報とトレーサビリティ情報とが対応付けて記載されている様子を示す図である。 医薬品情報等記憶部に対して特徴点情報とトレーサビリティ情報とが各段階を経て記憶されていく様子を示す図である。
以下、図面を参照して本開示の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本開示は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(例えば、各実施形態を組み合わせる等)して実施することができる。
本開示の実施形態は、以下の順序で説明する。
1.第1の実施形態
1.1 医療トレーサビリティシステムの構成
1.2 医療トレーサビリティシステムの動作
1.3 変形例
[1.第1の実施形態]
[1.1 医療トレーサビリティシステムの構成]
以下、第1の実施形態に係る医療トレーサビリティシステムの構成を、図面を参照して説明する。図1は、医療トレーサビリティシステム1の一構成例を示す図である。また、図2は、医療トレーサビリティシステム1の一動作例を示す図である。
図1及び図2に示した医療トレーサビリティシステム1は、医薬品の流通情報・使用状況を、製造から医療現場、患者の服薬(広義には「使用」)までトータルで管理し、医療の効率化や、患者の安心・安全の確保を図るためのシステムである。図2では、医薬品の製造から服薬までを「製造から医療現場までの流通領域」「院内トレース領域」「患者への治療・処方領域」に区分した場合を例示している。「製造から医療現場までの流通領域」は、製造工場の段階(図2のS11)、メーカ倉庫の段階(図2のS12)、物流の段階(図2のS13)及び卸・SPDの段階(図2のS14)で構成される。また「院内トレース領域」は、医療現場・薬局の段階(図2のS15)で構成される。また、「患者への治療・処方領域」は、患者の段階(図2のS16)で構成される。
(端末)
図1に示すように、医療トレーサビリティシステム1には、ネットワーク等を介して、端末2が接続されている。端末2としては、例えば、専用の端末装置、スマートフォン等が挙げられる。端末2は、撮像部3と、情報入力部4と、送信部5とを備えている。
撮像部3は、例えば、イメージセンサであり、ユーザによる撮像操作に応じて、医薬品の包装材6に付与された個別識別情報7を撮像し、個別識別情報7の画像(以下、「個別識別情報画像8」とも呼ぶ)を生成する。個別識別情報7の撮像は、製造から服薬までの各領域の各段階で行われる。撮像部3の撮像波長域は、撮像環境に応じて選択されればよい。撮像部3の撮像波長域は、可視光の波長帯域であってもよく、赤外線、紫外線等の不可視光の波長帯域であってもよい。また、撮像部3で生成される個別識別情報画像8の解像度は、個別識別情報7の特徴点の情報(以下、「特徴点情報」とも呼ぶ)を正確に抽出可能な程度に高く設定されていればよい。例えば、300dpi以上に設定される。
ここで、「包装材6」は、錠剤、カプゼル剤、散剤、シロップ剤、軟膏、貼り薬、点眼剤等の様々な形状の医薬品を収容する収容体である。例えば、PTP(press through pack) 包装、ユニットドーズ包装、SP(strip package)包装等が挙げられる。図1では、包装材6として、錠剤を収容するPTP包装を用いた場合を例示している。PTP包装は、複数の凹部を有する透明樹脂シートと、透明樹脂シートの凹部の開口部側の面を被覆するアルミニウム箔とを有し、凹部それぞれに錠剤を1錠ずつ収容するシート状の包装である。また、図1では、PTP包装のアルミニウム箔に個別識別情報7が印刷されている。
また、「個別識別情報7」は、例えば、医薬品を収容する包装材6に付与され、包装材6ごとに異なる特徴点を有する情報である。個別識別情報7としては、例えば、JANコードやGS1データバーのようなバーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元コード、これらのコード以外の絵柄や特殊コードを採用できる。また、個別識別情報7は、例えば、包装材6表面の凹凸パターンやランダムパターン等の三次元パターンであってもよい。即ち、個別識別情報7は、個別識別情報画像8上から包装材6ごとに固有の特徴点情報が識別可能な情報であればよい。個別識別情報7の付与は、例えば、個別識別情報7が一次元コード又は二次元コード等である場合には、包装材6への印刷で行われ、また、個別識別情報7が三次元パターン等である場合には包装材6への凹凸形状の形成で行われる。
このように、個別識別情報7は、それぞれ異なる固有の特徴を有しており、個々の包装材6ごとに異なる特徴点情報を有するように形成される。そのため、医薬品の包装材6に付与された個別識別情報7を解析することで、医薬品の一つ一つを区別することができ、個別識別情報7が付与された包装材6が収容する医薬品の個体識別を行うことができる。
また、このような個別識別情報7を用いることは、安価かつ容易で個体識別のためのチップ等のキャリアが不要である点で好ましい。例えば、医薬品を個体識別する方法として、ID-NEX(登録商標)のように個別のシリアル番号を発番し、対応する二次元コード等を包装材6に印字することや、シールに印字して包装材6に貼り付けること、個別のシリアル番号等が読み出し可能なICチップを包装材6に貼り付けることが行われている。しかし、シール等は、包装材6から剥がれるおそれがある。また、廃棄される包装材6に高コストの個体識別チップ等を貼り付けることはコストの観点から現実的ではない。
これに対し、包装材6へ印刷された個別識別情報7や、包装材6表面の凹凸パターンを利用した個別識別情報7を用いることは、コストをかけることなく包装材6に個別識別情報7を付与することができるため好ましい。また、個別識別情報7の撮像前に包装材6から個別識別情報7が除去されて医薬品が特定不能になることを抑制することができる。
さらに、個別識別情報7として、従来から包装材6に印字されているJANコード、DataMatrixコード、QRコード(登録商標)等のコードを活用することもでき、医薬品特定のための専用の個別識別情報7を新たに付与しなくても医療トレーサビリティシステム1を実現することが可能となるため好ましい。
また、「特徴点」は、人間の目やスキャナ等のコード読取部では区別できない個々の個別識別情報7に固有の特徴をいい、個別識別情報7自身を特定する特徴点である。例えば、個別識別情報7の端部におけるエッジ線形性、明色領域と暗色領域とのコントラスト、パターンの相違(余分な暗色領域)、部分的な印刷のかすれ(図3(A)図3(B)参照)、外形のアスペクト比、配置位置とパターンのサイズ等の微細な特徴点が挙げられる。図3(A)及び図3(B)は、オフセット印刷によって印刷した個別識別情報7の一部を示す図である。また、図3(C)は、図3(A)の個別識別情報7をレーザコピー機によりコピーした個別識別情報7の一部を示す図である。図3(A)及び図3(B)のオフセット印刷によって印刷した個別識別情報7は、暗色領域内に形状の異なる印刷のかすれがあるものの、個別識別情報7の端部におけるエッジ線形性がいずれも高くなっている。そして、図3(A)及び図3(B)は、いずれもオフセット印刷によって印刷した個別識別情報7の例であるが、個々の個別識別情報7に微細な個体差が生じている。これは、同じ印刷方法であっても印刷時の環境や条件の相違により、個別識別情報7が全く同一の印刷とはならないためであり、この個体差により、同一の医薬品の包装材6(つまり、同じ原図を基に印刷された包装材6)であっても別の個体と判別することが可能となる。一方、図3(A)の個別識別情報7をレーザコピー機でコピーした図3(C)の個別識別情報7は、個別識別情報7の端部におけるエッジ線形性が低く、暗色領域内のかすれもオフセット印刷とは異なるかすれ方となっていることから、印刷方法自体が異なると判別できる。
情報入力部4は、例えば、タッチキーボードであり、ユーザによる入力操作に応じて、医薬品のトレーサビリティに関する情報(以下「トレーサビリティ情報」とも呼ぶ)が入力される。トレーサビリティ情報の入力は、製造から服薬までの各領域の各段階で行われる。例えば、製造工場の段階(図2のS11)では、医薬品の製造の際(図2の「製造」の部分)の各行程のうちの、包装材6に個別識別情報7を付与した後の少なくとも一つの行程における、医薬品の商品製造に関する情報(以下「工場情報」とも呼ぶ)が入力される。工場情報としては、例えば、製造会社名、製造工場名、製造日時、製造装置名、医薬品名、配合成分等が挙げられる。また、例えば、メーカ倉庫の段階(図2のS12)では、倉庫名、在庫数、受発注数、入出荷数、保管日時等を特定する倉庫情報が入力される。
また、例えば、物流の段階(図2のS13)及び卸・SPD(Supply Processing and Distribution) の段階(図2のS14)では、医薬品の流通の際(図2の「流通」の部分)の各取引段階のうちの、少なくとも1つの取引段階における、医薬品の商品流通に関する情報が入力される。物流の段階で入力される情報としては、例えば、配送業者名、配送日時、配送出発点、配送到着点等の物流情報が挙げられる。また、卸・SPDの段階で入力される情報としては、例えば、卸・SPD名、在庫数、受発注数、入出荷数等の卸・SPD情報が挙げられる。また、例えば、医療現場・薬局の段階(図2のS15)では、医療現場及び薬局における、医薬品の製品処方に関する情報(以下「医療現場・薬局情報」とも呼ぶ)が入力される。医療現場・薬局情報としては、例えば、医療現場・薬局の名称在庫数、受発注数、使用情報、処方情報等が挙げられる。また、例えば、患者の段階(図2のS16)では、患者による医薬品の服用に関する情報(以下「患者情報」とも呼ぶ)が入力される。患者情報としては、例えば、患者名、服薬日時、服薬量等が挙げられる。
送信部5は、撮像部3で生成された個別識別情報画像8と情報入力部4で入力されたトレーサビリティ情報(工場情報等)とを医療トレーサビリティシステム1に送信する。
(医療トレーサビリティシステム)
医療トレーサビリティシステム1は、個別識別情報取得部9と、医薬品情報等記憶部10と、医薬品情報等判別部11と、トレーサビリティ情報取得部12と、医薬品情報等更新部13とを備えている。
個別識別情報取得部9は、画像取得部14と、画像解析部15とを有している。
画像取得部14は、包装材6に付与された個別識別情報7が撮像されて生成された個別識別情報画像8を取得する。例えば、撮像部3から送信された個別識別情報画像8を取得する。画像取得部14は、取得した個別識別情報画像8を画像解析部15に出力する。また、画像取得部14は、画像解析の前処理として、出力する個別識別情報画像8に対して、サイズの変更(拡大)、ノイズ除去、二値化等の処理を行うようにしてもよい。
なお、画像取得部14は、個別識別情報7を撮像して生成された個別識別情報画像8を取得できる構成であればよい。それゆえ、撮像部3で撮像された個別識別情報画像8を取得する構成のみならず、例えば、USBメモリ等の記憶媒体に記憶された個別識別情報画像8、一旦サーバ上に保存された個別識別情報画像8を取得する構成としてもよい。
画像解析部15は、画像取得部14から出力された個別識別情報画像8から特徴点情報を抽出する。例えば、画像認識技術を用いて個別識別情報画像8を解析し、個別識別情報画像8中に表示される個別識別情報7の特徴点情報を抽出する。また、画像解析部15は、画像解析の前処理として、画像を回転させて上下左右方向を所定の方向に一致させる処理、ノイズの除去や画像の歪みの補正、彩度や明度の調整等の処理を行うようにしてもよい。特徴点情報の抽出では、各特徴を数値化して特徴点情報に変換する。ここで、個別識別情報7の形成時には、形成時に自然発生する形成装置の振動、形成スピード、塗布スピード、インク等の医薬品、形成公差、室温、湿度、形成時の包装材6の振動等の様々な環境要因により、微細な差異が生じる。このような差異は人の目には視認しにくいものの、画像認識技術を用いて特徴点を解析することにより認識することが可能となる。それゆえ、特徴点情報は、個体に特有の情報となり、その個体を一意に識別する情報となる。
医薬品情報等記憶部10は、図4に示すように、包装材6に付与された個別識別情報7の画像である個別識別情報画像8から抽出された特徴点情報と、その包装材6が収容している医薬品の製品情報を予め複数記憶している。製品情報としては、例えば、製品名、主成分、含量、剤形が挙げられる。特徴点情報及び製品情報の記憶は、例えば、医薬品の製造工場で行われる。また、医薬品情報等記憶部10は、特徴点情報に対応付けて、医薬品のトレーサビリティ情報を順次記憶する。トレーサビリティ情報の記憶は、例えば、特徴点情報の記憶が行われた後に、医薬品の製造から服薬までの各領域の各段階で行われる。
このように、医薬品情報等記憶部10は、医薬品の製造から服薬までの各領域の各段階のトレーサビリティ情報を記憶する。そのため、医薬品情報等記憶部10を参照することで、医薬品の流通状況、使用状況を製造から服薬までトータルで管理することができる。
医薬品情報等判別部11は、医薬品情報等記憶部10が記憶している複数の特徴点情報のうちから、個別識別情報取得部9が抽出した特徴点情報に一致する特徴点情報を判別する。医薬品情報等判別部11は、判別結果を医薬品情報等更新部13に出力する。判別結果としては、例えば、医薬品情報等記憶部10が記憶している特徴点情報のうちから、1つの特徴点情報を特定する情報(以下、「特定情報」とも呼ぶ)を用いることができる。
トレーサビリティ情報取得部12は、個別識別情報取得部9が取得した個別識別情報画像8の生成元の包装材6(以下「対象包装材6a」とも呼ぶ)に収容されている医薬品のトレーサビリティ情報(例えば、工場情報「商品製造に関する情報」、倉庫情報、物流情報「商品流通に関する情報」、卸・SPD情報「商品流通に関する情報」、医療現場・薬局情報「製品処方に関する情報」、患者情報「服用に関する情報」)を取得する。即ち、画像取得部14が、対象包装材6aに付与された個別識別情報7の個別識別情報画像8を取得し、トレーサビリティ情報取得部12が、同じ対象包装材6aが収容している医薬品のトレーサビリティ情報を取得する。トレーサビリティ情報取得部12は、例えば情報入力部4から送信されたトレーサビリティ情報を取得する。また例えば、記憶媒体に記憶されたトレーサビリティ情報、一旦サーバ上に保存されたトレーサビリティ情報を取得する構成としてもよい。トレーサビリティ情報取得部12は取得したトレーサビリティ情報を医薬品情報等更新部13に出力する。
医薬品情報等更新部13は、トレーサビリティ情報取得部12から出力されたトレーサビリティ情報(例えば、工場情報「商品製造に関する情報」、倉庫情報、物流情報「商品流通に関する情報」、卸・SPD情報「商品流通に関する情報」、医療現場・薬局情報「製品処方に関する情報」、患者情報「服用に関する情報」)を、医薬品情報等記憶部10が記憶している複数の特徴点情報(図4参照)のうちの、医薬品情報等判別部11から出力された判別結果(特定情報)が特定する特徴点情報に対応付けて、医薬品情報等記憶部10に記憶させる。ここで判別結果(特定情報)が特定する特徴点情報とは、医薬品情報等記憶部10が記憶している複数の特徴点情報のうちの個別識別情報取得部9が抽出した特徴点情報に一致する特徴点情報である。
このように、トレーサビリティ情報取得部12は、医薬品のトレーサビリティ情報を順次取得して医薬品情報等記憶部10に順次記憶させる。そのため製造から服薬までの各領域の各段階のトレーサビリティ情報が医薬品情報等記憶部10に記憶されることになる。
[1.2 医療トレーサビリティシステムの動作]
次に、第1の実施形態に係る医療トレーサビリティシステム1の動作を説明する。
まず、図5(A)に示すように、医療トレーサビリティシステム1の医薬品情報等記憶部10には、製造工場で医薬品が製造されるたびに、医薬品を収容している包装材6の個別識別情報7の特徴点情報と、医薬品の製品情報とが対応付けて予め記憶される。特徴点情報等が記憶された後、製造から服薬までの各段階のうちの、製造工場の段階(図2のS11)では、医薬品の製造の際の各行程のうちの、包装材6に個別識別情報7を付与した後の少なくとも一つの行程において、製造工場の作業員が端末2を操作して、医薬品の包装材6の個別識別情報7の個別識別情報画像8及び医薬品のトレーサビリティ情報(工場情報)を医療トレーサビリティシステム1に送信する。すると、医療トレーサビリティシステム1が、個別識別情報画像8から特徴点情報を抽出し、図5(B)に示すように、医薬品情報等記憶部10が記憶している複数の特徴点情報のうちの、抽出した特徴点情報と一致する特徴点情報(例えば、図5(B)では「24879356」)に対応付けて工場情報(例えば、図5(B)では「aaaa」)を医薬品情報等記憶部10に記憶させる。
続いて、メーカ倉庫の段階(図2のS12)では、作業員が端末2を操作して、医薬品の包装材6の個別識別情報7の個別識別情報画像8及び医薬品のトレーサビリティ情報(倉庫情報)を医療トレーサビリティシステム1に送信する。すると、医療トレーサビリティシステム1が、個別識別情報画像8から特徴点情報を抽出し、図5(C)に示すように、医薬品情報等記憶部10が記憶している複数の特徴点情報のうちの、抽出した特徴点情報と一致する特徴点情報(例えば図5(C)では「24879356」)に対応付けて倉庫情報(例えば図5(C)では「bbbb」)を医薬品情報等記憶部10に記憶させる。
以下同様に、物流の段階(図2のS13)、卸・SPDの段階(図2のS14)、医療現場・薬局の段階(図2のS15)及び患者の段階(図2のS16)の各段階において、ユーザ(作業員、患者等)が端末2を操作して、医薬品の包装材6の個別識別情報7の個別識別情報画像8及び医薬品のトレーサビリティ情報(物流情報、卸・SPD情報、医療現場・薬局情報、患者情報)を医療トレーサビリティシステム1に順次送信する。すると医療トレーサビリティシステム1が、個別識別情報画像8から特徴点情報を抽出し、医薬品情報等記憶部10が記憶している複数の特徴点情報のうちの、抽出した特徴点情報と一致する特徴点情報(例えば、図5(D)では「24879356」)に対応付けてトレーサビリティ情報(例えば図5(D)では「cccc」「dddd」「eeee」「ffff」)を医薬品情報等記憶部10に順次記憶させる。このような手順により、医薬品の製造から服用までの各段階のトレーサビリティ情報を医薬品情報等記憶部10に記憶させる。
以上説明したように、第1の実施形態に係る医療トレーサビリティシステム1では、個別識別情報取得部9が、包装材6の個別識別情報7が撮像されて生成された個別識別情報画像8を取得し、取得した個別識別情報画像8から特徴点情報を抽出する構成とした。また、トレーサビリティ情報取得部12が、個別識別情報取得部9が取得した個別識別情報画像8の生成元の包装材6に収容されている医薬品のトレーサビリティ情報を取得する構成とした。そして、医薬品情報等更新部13が、取得したトレーサビリティ情報を、医薬品情報等記憶部10が記憶している複数の特徴点情報(図4参照)のうちの、個別識別情報取得部9が抽出した特徴点情報に一致する特徴点情報に対応付けて、医薬品情報等記憶部10に記憶させる構成とした。それゆえ、医薬品の製造から服用(使用)までの各段階で個別識別情報画像8とトレーサビリティ情報とを取得することで、医薬品情報等記憶部10の特徴点情報に各段階のトレーサビリティ情報を順次対応付けることができる。これにより、製造から服薬までのトレーサビリティ情報を医薬品情報等記憶部10に記憶させることができる。そのため、医薬品情報等記憶部10を参照することで、医薬品の流通状況、使用状況を製造から服薬までトータルで管理することができ、医薬品の製造から服用までのトレーサビリティを効率的に実現することができる。また、このようなトレーサビリティを実現することで、医療の効率化、患者の安心・安全を確保することができる。
例えば、偽造が疑われる医薬品の真贋判定において、疑わしい医薬品が見つかったときには、その医薬品の包装材6の個別識別情報7から特徴点情報を取得し、取得した特徴点情報と同一の特徴点情報が医薬品情報等記憶部10に記憶されているかを判定することで、記憶されている場合には本物、記憶されていない場合には偽物であると判定できる。
また、例えば、横流しが疑われる医薬品の追跡トレースにおいて、疑わしい医薬品が見つかったときには、その医薬品の包装材6の個別識別情報7から特徴点情報を取得し、取得した特徴点情報と同一の特徴点情報に対応付けられている卸・SPD情報(商品流通に関する情報)を調べることで、医薬品がどの出荷先から横流しされたかを判定できる。
また、例えば、病院内での医薬品の払い出しや返却等の見える化において、個品単位で払い出しや返却される医薬品の包装材6の個別識別情報7から特徴点情報を取得し、医薬品情報等記憶部10に記憶されている特徴点情報のうちの、取得した特徴点情報と同一の特徴点情報に、その医薬品の払い出しや返却の情報(トレース情報)を対応付けて医薬品情報等記憶部10に記憶させることで、個品単位での払い出し/返却管理に活用できる。
また、例えば、服薬管理において、薬を飲んだら医薬品の包装材6の個別識別情報7から特徴点情報を取得し、医薬品情報等記憶部10に記憶されている特徴点情報のうちの、取得した特徴点情報と同一の特徴点情報に、その医薬品の服薬の情報(トレース情報)を対応付けて医薬品情報等記憶部10に記憶させることで、服薬の記録に活用できる。
また、第1の実施形態に係る医療トレーサビリティシステム1では、画像認識技術を用いて個別識別情報画像8の特徴点を解析する構成としたため、レギュレーションが厳しい医薬品において、製品仕様を変更することなく個体識別を実現することができる。
[1.3 変形例]
なお、第1の実施形態では、医療トレーサビリティシステム1を、医薬品の管理に用いる例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、注射器、カテーテル、メス、ピンセット等の医療器具の管理に用いる構成としてもよい。この場合、個別識別情報画像として、医療器具を収容した包装材6に付与された画像を用い、また、トレーサビリティ情報として、医療器具のトレーサビリティ情報を取得・記憶させるようにする。
以上、本開示の実施形態を説明したが、上記実施形態は、本開示の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本開示の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本開示の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
1…医療トレーサビリティシステム、2…端末、3…撮像部、4…情報入力部、5…送信部、6…包装材、6a…対象包装材、7…個別識別情報、8…個別識別情報画像、9…個別識別情報取得部、10…医薬品情報等記憶部、11…医薬品情報等判別部、12…トレーサビリティ情報取得部、13…医薬品情報等更新部、14…画像取得部、15…画像解析部

Claims (5)

  1. 医薬品又は医療器具を収容した包装材に付与された個別識別情報の画像である個別識別情報画像から抽出された特徴点情報と、前記医薬品又は前記医療器具の製品情報とを予め対応付けて複数記憶している医薬品情報等記憶部と、
    前記包装材の前記個別識別情報が撮像されて生成された前記個別識別情報画像を取得し、取得した前記個別識別情報画像から特徴点情報を抽出する個別識別情報取得部と、
    前記個別識別情報取得部が取得した前記個別識別情報画像の生成元の前記包装材に収容されている前記医薬品又は前記医療器具のトレーサビリティ情報を取得するトレーサビリティ情報取得部と、
    前記トレーサビリティ情報取得部が取得した前記医薬品又は前記医療器具のトレーサビリティ情報を、前記医薬品情報等記憶部が記憶している複数の前記特徴点情報のうちの、前記個別識別情報取得部が抽出した前記特徴点情報に一致する前記特徴点情報に対応付けて、前記医薬品情報等記憶部に記憶させる医薬品情報等更新部と、を備える
    医療トレーサビリティシステム。
  2. 前記トレーサビリティ情報取得部は、前記トレーサビリティ情報として、前記医薬品及び前記医療器具の製造の際の各行程のうちの、前記包装材に前記個別識別情報を付与した後の少なくとも一つの行程における、前記医薬品及び前記医療器具の商品製造に関する情報を取得し、
    前記医薬品情報等更新部は、前記商品製造に関する情報を、前記医薬品情報等記憶部が記憶している複数の前記特徴点情報のうちの、前記個別識別情報取得部が抽出した前記特徴点情報に一致する前記特徴点情報に対応付けて、前記医薬品情報等記憶部に記憶させる
    請求項1に記載の医療トレーサビリティシステム。
  3. 前記トレーサビリティ情報取得部は、前記トレーサビリティ情報として、前記医薬品及び前記医療器具の流通の際の各取引段階のうちの、少なくとも1つの取引段階における、前記医薬品及び前記医療器具の商品流通に関する情報を取得し、
    前記医薬品情報等更新部は、前記商品流通に関する情報を、前記医薬品情報等記憶部が記憶している複数の前記特徴点情報のうちの、前記個別識別情報取得部が抽出した前記特徴点情報に一致する前記特徴点情報に対応付けて、前記医薬品情報等記憶部に記憶させる
    請求項1に記載の医療トレーサビリティシステム。
  4. 前記トレーサビリティ情報取得部は、前記トレーサビリティ情報として、医療現場及び薬局における、前記医薬品及び前記医療器具の製品処方に関する情報を取得し、
    前記医薬品情報等更新部は、前記製品処方に関する情報を、前記医薬品情報等記憶部が記憶している複数の前記特徴点情報のうちの、前記個別識別情報取得部が抽出した前記特徴点情報に一致する前記特徴点情報に対応付けて、前記医薬品情報等記憶部に記憶させる
    請求項1に記載の医療トレーサビリティシステム。
  5. 前記トレーサビリティ情報取得部は、前記トレーサビリティ情報として、患者による前記医薬品の服用に関する情報を取得し、
    前記医薬品情報等更新部は、前記服用に関する情報を、前記医薬品情報等記憶部が記憶している複数の前記特徴点情報のうちの、前記個別識別情報取得部が抽出した前記特徴点情報に一致する前記特徴点情報に対応付けて、前記医薬品情報等記憶部に記憶させる
    請求項1に記載の医療トレーサビリティシステム。
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