JP2024075812A - アクセスポイント装置、ステーション装置および通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無線LAN通信システムにおいて、低遅延通信に使用する無線チャネルの利用を平均化し、低遅延通信の効率を向上させる。
【解決手段】無線通信システム3-1において、アクセスポイント装置1-1は、第1のステーション装置2-1との間でマルチリンク通信の設定と低遅延通信の設定を行う。低遅延通信の設定は、第1のステーション装置からアクセスポイント方向の通信の設定が含まれ、更に第1の無線リンクと第2の無線リンクの使用順を示す情報が含まれる。アクセスポイント装置は、第1の無線リンクでキャリアセンスを行った後に、第1のステーション装置に対して第1のトリガーフレームを送信し、第1のトリガーフレームを送信した後、第1の無線リンクと第2の無線リンクの使用順を示す情報に基づいた第2の無線リンクでキャリアセンスを行った後に、第1のステーション装置に対して第2のトリガーフレームを送信する。
【選択図】図5
【解決手段】無線通信システム3-1において、アクセスポイント装置1-1は、第1のステーション装置2-1との間でマルチリンク通信の設定と低遅延通信の設定を行う。低遅延通信の設定は、第1のステーション装置からアクセスポイント方向の通信の設定が含まれ、更に第1の無線リンクと第2の無線リンクの使用順を示す情報が含まれる。アクセスポイント装置は、第1の無線リンクでキャリアセンスを行った後に、第1のステーション装置に対して第1のトリガーフレームを送信し、第1のトリガーフレームを送信した後、第1の無線リンクと第2の無線リンクの使用順を示す情報に基づいた第2の無線リンクでキャリアセンスを行った後に、第1のステーション装置に対して第2のトリガーフレームを送信する。
【選択図】図5
Description
本発明は、アクセスポイント装置、ステーション装置および通信方法に関する。
IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers Inc.)は、無線LAN(Local Area Network)通信の速度高速化、周波数利用効率化を実現するために無線LAN標準規格であるIEEE802.11の仕様更新に継続して取り組んでいる。無線LANでは、国・地域からの許可(免許)を必要とせずに使用することが可能なアンライセンスバンドを用いて、無線通信を行うことができる。家庭などの個人向け用途では、インターネットなどへのWAN(Wide Area Network)回線に接続するための回線終端装置に無線LANアクセスポイント機能を含める、もしくは無線LANアクセスポイント装置を回線終端装置に接続するなどして、住居内からのインターネットアクセスが無線化されてきた。つまり、スマートフォンやPCなどの無線LANステーション装置は無線LANアクセスポイント装置に接続して、インターネットにアクセスできる。
2020年にはIEEE802.11axの仕様策定が見込まれており、既に仕様ドラフトに準拠した無線LANデバイスや、前記無線LANデバイスを搭載したスマートフォンやPC(Personal Computer)がWi-Fi6(登録商標、Wi-Fi Allianceの認証を受けたIEEE802.11ax準拠品に対する呼称)対応製品として市場に登場している。そして、現在、IEEE802.11axの後継規格として、IEEE802.11beの標準化活動が開始されている。無線LANデバイスの急速な普及に伴い、IEEE802.11be標準化においては、無線LANデバイスの過密配置環境においてユーザあたりの更なるスループット向上の検討が行われている。
一方、欧州においてはETSI(European Telecommunications Standards Institute)が、米国においてはFCC(Federal Communications Commission)が6GHz帯(5.935~7.125GHz)をアンライセンスバンドとして使用できるように検討しており、その他の世界各国においても同様の検討が進んでいる。このことは、無線LANが2.4GHz帯、5GHzに追加して6GHz帯も使用可能となる見込みがでてきたということである。対象周波数拡大に対応するために、Wi-Fi AllianceはWi-Fi6の拡張版であるWi-Fi6E(登録商標)を策定し、6GHz帯使用するとしている。
6GHz帯とは正確には5.935~7.125GHzの周波数であり、帯域幅としては合計で約1.2GHzを新たに使用可能になり、つまりは、80MHz幅チャネル換算で14個のチャネル分が、160MHz幅チャネル換算で7個のチャネル分が増加することとなる。潤沢な周波数リソースを使用できることとなるため、一つの無線LAN通信システム(後述するBSSと同等)が使用可能である最大のチャネル帯域幅は、IEEE802.11axの160MHzから、IEEE802.11beでは2倍の320MHzに広げることが検討されている(非特許文献1参照)。
また、IEEE802.11beではレイテンシの低減が検討されている(非特許文献2参照)。この中で、1ミリ秒以下の低レイテンシが検討されている。
IEEE 802.11-20/0693-01-00be、May.2020
IEEE 802.11-20/0418-00-00be
従来の無線LANはCSMA/CAベースのアクセス制御が行われており、レイテンシはチャネルの混雑状況に大きく影響されていた。具体的にはキャリアセンスに成功して送信機会を得られなかった場合、送信するためには更に所定のランダム時間待つ(ランダムバックオフを実施する)必要がある。チャネルが混んでいると送信機会の取得が行えない状況が続き、結果通信の遅延が大きくなる問題がある。また、低レイテンシを要求するアプリケーションはデータのデータの送信頻度が高く、無線チャネルの占有時間が長くなり、結果更に無線チャネルの混雑を助長する事で送信機会の取得が困難となる問題が発生する。
上述した課題を解決するための本発明に係るアクセスポイント装置、ステーション装置および通信方法は、次の通りである。
(1)すなわち、本発明の一態様に係るアクセスポイント装置は、複数の無線リンクを使用し、前記複数の無線リンクのそれぞれで通信を行う無線通信部と、前記複数の無線リンクのそれぞれに対しデータの送受信を制御する無線制御部を備え、前記無線制御部は、前記アクセスポイント装置と通信する第1のステーション装置の間でマルチリンク通信の設定を行い、前記無線制御部は、前記第1のステーション装置と低遅延通信の設定を行い、前記低遅延通信の設定に、前記第1のステーション装置から前記アクセスポイント方向の通信の設定が含まれ、更に第1の無線リンクと第2の無線リンクの使用順を示す情報が含まれている場合、前記第1の無線リンクでキャリアセンスを行った後に前記第1のステーション装置に対して第1のトリガーフレームを送信し、前記第1のトリガーフレームを送信した後、前記第1の無線リンクと第2の無線リンクの使用順を示す情報に基づいた第2の無線リンクでキャリアセンスを行った後に前記第1のステーション装置に対して第2のトリガーフレームを送信する。
(2)また、本発明の一態様に係るアクセスポイント装置は、上記(1)に記載され、前記無線制御部は、前記ステーション装置以外の第2のステーション装置とマルチリンク通信の設定を行い、前記無線制御部は、前記第2のステーション装置と第2の低遅延通信の設定を行い、前記第2の低遅延通信の設定に前記第2のステーション装置から前記アクセスポイント装置方向の通信の設定が含まれている場合、前記第1の無線リンクでキャリアセンスを行った後に前記第1のステーション装置と第2のステーション装置に対して第1のトリガーフレームを送信し、前記第1のトリガーフレームを送信した後、前記第1の無線リンクでキャリアセンスを行った後に前記第1のステーション装置と第2のステーション装置に対して第2のトリガーフレームを送信する。
(3)また、本発明の一態様に係るアクセスポイント装置は、上記(2)に記載され、前記第1の低遅延通信の設定に第1の送信周期に関する情報が含まれ、第2の低遅延通信の設定に第2の送信周期に関する情報が含まれ、前記第1の送信周期に関する情報が示す第1の送信周期が前記第2の送信周期に関する情報が示す第2の送信周期より短い場合、前記第1の無線リンクで前記第1のステーション装置と前記第2のステーション装置に対して前記第1のトリガーフレームを送信しあと、前記第2の無線リンクでキャリアセンスを行った後に第1のステーション装置に対して第2のトリガーフレームを送信する。
(4)また、本発明の一態様に係るアクセスポイント装置は、上記(1)に記載され、前記第1の低遅延通信の設定に、低遅延通信に使用する複数の無線リンクの情報を含む。
(5)また、本発明の一態様に係る通信装置は、前記低遅延通信の設定に送信頻度の情報を含み、前記第1の無線リンクでキャリアセンスを行った際に、前記第1の無線リンクがビジーと判断される期間が前記送信頻度の情報に基づいた所定期間より長かった場合、前記第1の無線リンクでトリガーフレームを送信せず、前記第2の無線リンクでキャリアセンスを行った後に前記第1のステーション装置と第2のステーション装置に対して第2のトリガーフレームを送信する。
(6)また、本発明の一態様に係るステーション装置は、複数の無線リンクを使用し、前記複数の無線リンクのそれぞれで通信を行う無線通信部と、前記複数の無線リンクのそれぞれに対しデータの送受信を制御する無線制御部を備え、前記無線制御部は、アクセスポイント装置との間でマルチリンク通信の設定を行い、前記無線制御部は、前記アクセスポイント装置との間で低遅延通信の設定を行い、前記低遅延通信の設定に第1の無線リンクと第2の無線リンクを示す情報と、前記第1の無線リンクと前記第2の無線リンクの順を示す情報が含まれた場合、前記第1の無線リンクでトリガーフレームを受信した後に前記第1の無線リンクを使用して低遅延通信データを送信し、前記第1の低遅延通信データを送信後に前記第2の無線リンクでトリガーフレームを受信した後に前記第2の無線リンクを使用して低遅延通信データを送信する。
(7)また、本発明の一態様に係るステーション装置は、上記(6)に記載され、前記低遅延通信の設定は低遅延通信の頻度の情報を含み、
前記第1の無線リンクで前記低遅延通信の頻度に基づく所定の期間トリガーフレームを受信しなかった場合に前記第2の無線リンクでトリガーフレームを受信し、その後前記第2の無線リンクを使用して低遅延通信データを送信する。
前記第1の無線リンクで前記低遅延通信の頻度に基づく所定の期間トリガーフレームを受信しなかった場合に前記第2の無線リンクでトリガーフレームを受信し、その後前記第2の無線リンクを使用して低遅延通信データを送信する。
(8)また、本発明の一態様に係る通信方法は、複数の無線リンクを使用し、前記アクセスポイント装置と通信する第1のステーション装置の間でマルチリンク通信の設定を行い、前記第1のステーション装置と低遅延通信の設定を行い、前記低遅延通信の設定に、前記第1のステーション装置から前記アクセスポイント方向の通信の設定が含まれ、更に第1の無線リンクと第2の無線リンクの使用順を示す情報が含まれ、前記第1の無線リンクでキャリアセンスを行った後に前記第1のステーション装置に対して第1のトリガーフレームを送信し、前記第1のトリガーフレームを送信した後、前記第1の無線リンクと第2の無線リンクの使用順を示す情報に基づいた第2の無線リンクでキャリアセンスを行った後に前記第1のステーション装置に対して第2のトリガーフレームを送信する。
(9)また、本発明の一態様に係る通信方法は、複数の無線リンクを使用し、アクセスポイント装置との間でマルチリンク通信の設定を行い、前記アクセスポイント装置との間で低遅延通信の設定を行い、前記低遅延通信の設定に第1の無線リンクと第2の無線リンクを示す情報と、前記第1の無線リンクと前記第2の無線リンクの順を示す情報が含まれた場合、前記第1の無線リンクでトリガーフレームを受信した後に前記第1の無線リンクを使用して低遅延通信データを送信し、前記第1の低遅延通信データを送信後に前記第2の無線リンクでトリガーフレームを受信した後に前記第2の無線リンクを使用して低遅延通信データを送信する。
本発明によれば、無線LAN通信システムにおいて、低遅延通信に使用する無線チャネルのチャネル占有時間を平均化する事で低遅延通信の効率を向上させることができる。
本実施形態における通信システムは、無線送信装置(アクセスポイント装置、基地局装置: Access point、基地局装置)、および複数の無線端末装置(ステーション装置、端末装置: station、端末装置)を備える。また、基地局装置と端末装置とで構成されるネットワークを基本サービスセット(BSS: Basic service set、管理範囲)と呼ぶ。また、本実施形態に係るステーション装置は、アクセスポイント装置の機能を備えることができる。同様に、本実施形態に係るアクセスポイント装置は、ステーション装置の機能を備えることができる。そのため、以下では、単に通信装置と述べた場合、該通信装置は、ステーション装置とアクセスポイント装置の両方を示すことができる。
BSS内の基地局装置および端末装置は、それぞれCSMA/CA(Carrier sense multiple access with collision avoidance)に基づいて、通信を行なうものとする。本実施形態においては、基地局装置が複数の端末装置と通信を行なうインフラストラクチャモードを対象とするが、本実施形態の方法は、端末装置同士が通信を直接行なうアドホックモードでも実施可能である。アドホックモードでは、端末装置が、基地局装置の代わりとなりBSSを形成する。アドホックモードにおけるBSSを、IBSS(Independent Basic Service Set)とも呼称する。以下では、アドホックモードにおいてIBSSを形成する端末装置を、基地局装置とみなすこともできる。本実施形態の方法は、端末装置同士が通信を直接行なうWiFi Direct(登録商標)でも実施可能である。WiFi Directでは、端末装置が、基地局装置の代わりとなりGroupを形成する。以下では、WiFi DirectにおいてGroupを形成するGroup ownerの端末装置を、基地局装置とみなすこともできる。
IEEE802.11システムでは、各装置は、共通のフレームフォーマットを持った複数のフレームタイプの送信フレームを送信することが可能である。送信フレームは、物理(Physical:PHY)層、媒体アクセス制御(Medium access control:MAC)層、論理リンク制御(LLC: Logical Link Control)層、でそれぞれ定義されている。
PHY層の送信フレームは、物理プロトコルデータユニット(PPDU: PHY protocol data unit、物理層フレーム)と呼ばれる。PPDUは、物理層での信号処理を行なうためのヘッダ情報等が含まれる物理層ヘッダ(PHYヘッダ)と、物理層で処理されるデータユニットである物理サービスデータユニット(PSDU: PHY service data unit、MAC層フレーム)等から構成される。PSDUは無線区間における再送単位となるMACプロトコルデータユニット(MPDU: MAC protocol data unit)が複数集約された集約MPDU(A-MPDU: Aggregated MPDU)で構成されることが可能である。
PHYヘッダには、信号の検出・同期等に用いられるショートトレーニングフィールド(STF: Short training field)、データ復調のためのチャネル情報を取得するために用いられるロングトレーニングフィールド(LTF: Long training field)などの参照信号と、データ復調のための制御情報が含まれているシグナル(Signal:SIG)などの制御信号が含まれる。また、STFは、対応する規格に応じて、レガシーSTF(L-STF: Legacy-STF)や、高スループットSTF(HT-STF: High throughput-STF)や、超高スループットSTF(VHT-STF: Very high throughput-STF)や、高効率STF(HE-STF: High efficiency-STF)や、超高スループットSTF(EHT-STF:Extremely High Throughput-STF)等に分類され、LTFやSIGも同様にL-LTF、HT-LTF、VHT-LTF、HE-LTF、L-SIG、HT-SIG、VHT-SIG、HE-SIG、EHT-SIGに分類される。VHT-SIGは更にVHT-SIG-A1とVHT-SIG-A2とVHT-SIG-Bに分類される。同様に、HE-SIGは、HE-SIG-A1~4と、HE-SIG-Bに分類される。また、同一規格における技術更新を想定し、追加の制御情報が含まれているUniversal SIGNAL(U-SIG)フィールドが含まれることができる。
さらに、PHYヘッダは当該送信フレームの送信元のBSSを識別する情報(以下、BSS識別情報とも呼称する)を含むことができる。BSSを識別する情報は、例えば、当該BSSのSSID(Service Set Identifier)や当該BSSの基地局装置のMACアドレスであることができる。また、BSSを識別する情報は、SSIDやMACアドレス以外の、BSSに固有な値(例えばBSS Color等)であることができる。
PPDUは対応する規格に応じて変調される。例えば、IEEE802.11n規格であれば、直交周波数分割多重(OFDM: Orthogonal frequency division multiplexing)信号に変調される。
MPDUはMAC層での信号処理を行なうためのヘッダ情報等が含まれるMAC層ヘッダ(MAC header)と、MAC層で処理されるデータユニットであるMACサービスデータユニット(MSDU: MAC service data unit)もしくはフレームボディ、ならびにフレームに誤りがないかをどうかをチェックするフレーム検査部(Frame check sequence:FCS)で構成されている。また、複数のMSDUは集約MSDU(A-MSDU: Aggregated MSDU)として集約されることも可能である。
MAC層の送信フレームのフレームタイプは、装置間の接続状態などを管理するマネジメントフレーム、装置間の通信状態を管理するコントロールフレーム、および実際の送信データを含むデータフレームの3つに大きく分類され、それぞれは更に複数種類のサブフレームタイプに分類される。コントロールフレームには、受信完了通知(Ack: Acknowledge)フレーム、送信要求(RTS: Request to send)フレーム、受信準備完了(CTS: Clear to send)フレーム等が含まれる。マネジメントフレームには、ビーコン(Beacon)フレーム、プローブ要求(Probe request)フレーム、プローブ応答(Probe response)フレーム、認証(Authentication)フレーム、接続要求(Association request)フレーム、接続応答(Association response)フレーム等が含まれる。データフレームには、データ(Data)フレーム、ポーリング(CF-poll)フレーム等が含まれる。各装置は、MACヘッダに含まれるフレームコントロールフィールドの内容を読み取ることで、受信したフレームのフレームタイプおよびサブフレームタイプを把握することができる。
なお、Ackには、Block Ackが含まれてもよい。Block Ackは、複数のMPDUに対する受信完了通知を実施可能である。
ビーコンフレームには、ビーコンが送信される周期(Beacon interval)やSSIDを記載するフィールド(Field)が含まれる。基地局装置は、ビーコンフレームを周期的にBSS内に報知することが可能であり、端末装置はビーコンフレームを受信することで、端末装置周辺の基地局装置を把握することが可能である。端末装置が基地局装置より報知されるビーコンフレームに基づいて基地局装置を把握することを受動的スキャニング(Passive scanning)と呼ぶ。一方、端末装置がプローブ要求フレームをBSS内に報知することで、基地局装置を探査することを能動的スキャニング(Active scanning)と呼ぶ。基地局装置は該プローブ要求フレームへの応答としてプローブ応答フレームを送信することが可能であり、該プローブ応答フレームの記載内容は、ビーコンフレームと同等である。
端末装置は基地局装置を認識したあとに、該基地局装置に対して接続処理を行なう。接続処理は認証(Authentication)手続きと接続(Association)手続きに分類される。端末装置は接続を希望する基地局装置に対して、認証フレーム(認証要求)を送信する。基地局装置は、認証フレームを受信すると、該端末装置に対する認証の可否などを示すステータスコードを含んだ認証フレーム(認証応答)を該端末装置に送信する。端末装置は、該認証フレームに記載されたステータスコードを読み取ることで、自装置が該基地局装置に認証を許可されたか否かを判断することができる。なお、基地局装置と端末装置は認証フレームを複数回やり取りすることが可能である。
端末装置は認証手続きに続いて、基地局装置に対して接続手続きを行なうために、接続要求フレームを送信する。基地局装置は接続要求フレームを受信すると、該端末装置の接続を許可するか否かを判断し、その旨を通知するために、接続応答フレームを送信する。接続応答フレームには、接続処理の可否を示すステータスコードに加えて、端末装置を識別するためのアソシエーション識別番号(AID: Association identifier)が記載されている。基地局装置は接続許可を出した端末装置にそれぞれ異なるAIDを設定することで、複数の端末装置を管理することが可能となる。
接続処理が行われたのち、基地局装置と端末装置は実際のデータ伝送を行なう。IEEE802.11システムでは、分散制御機構(DCF: Distributed Coordination Function)と集中制御機構(PCF: Point Coordination Function)、およびこれらが拡張された機構(拡張分散チャネルアクセス(EDCA: Enhanced distributed channel access)や、ハイブリッド制御機構(HCF: Hybrid coordination function)等)が定義されている。以下では、基地局装置が端末装置にDCFで信号を送信する場合を例にとって説明する。
DCFでは、基地局装置および端末装置は、通信に先立ち、自装置周辺の無線チャネルの使用状況を確認するキャリアセンス(CS: Carrier sense)を行なう。例えば、送信局である基地局装置は予め定められたクリアチャネル評価レベル(CCAレベル: Clear channel assessment level)よりも高い信号を該無線チャネルで受信した場合、該無線チャネルでの送信フレームの送信を延期する。以下では、該無線チャネルにおいて、CCAレベル以上の信号が検出される状態をビジー(Busy)状態、CCAレベル以上の信号が検出されない状態をアイドル(Idle)状態と呼ぶ。このように、各装置が実際に受信した信号の電力(受信電力レベル)に基づいて行なうCSを物理キャリアセンス(物理CS)と呼ぶ。なおCCAレベルをキャリアセンスレベル(CS level)、もしくはCCA閾値(CCA threshold:CCAT)とも呼ぶ。なお、基地局装置および端末装置は、CCAレベル以上の信号を検出した場合は、少なくともPHY層の信号を復調する動作に入る。
基地局装置は送信する送信フレームに種類に応じたフレーム間隔(IFS: Inter frame space)だけキャリアセンスを行ない、無線チャネルがビジー状態かアイドル状態かを判断する。基地局装置がキャリアセンスする期間は、これから基地局装置が送信する送信フレームのフレームタイプおよびサブフレームタイプによって異なる。IEEE802.11システムでは、期間の異なる複数のIFSが定義されており、最も高い優先度が与えられた送信フレームに用いられる短フレーム間隔(SIFS: Short IFS)、優先度が比較的高い送信フレームに用いられるポーリング用フレーム間隔(PCF IFS: PIFS)、最も優先度の低い送信フレームに用いられる分散制御用フレーム間隔(DCF IFS: DIFS)などがある。基地局装置がDCFでデータフレームを送信する場合、基地局装置はDIFSを用いる。
基地局装置はDIFSだけ待機したあとで、フレームの衝突を防ぐためのランダムバックオフ時間だけ更に待機する。IEEE802.11システムにおいては、コンテンションウィンドウ(CW: Contention window)と呼ばれるランダムバックオフ時間が用いられる。CSMA/CAでは、ある送信局が送信した送信フレームは、他送信局からの干渉が無い状態で受信局に受信されることを前提としている。そのため、送信局同士が同じタイミングで送信フレームを送信してしまうと、フレーム同士が衝突してしまい、受信局は正しく受信することができない。そこで、各送信局が送信開始前に、ランダムに設定される時間だけ待機することで、フレームの衝突が回避される。基地局装置はキャリアセンスによって無線チャネルがアイドル状態であると判断すると、CWのカウントダウンを開始し、CWが0となって初めて送信権を獲得し、端末装置に送信フレームを送信できる。なお、CWのカウントダウン中に基地局装置がキャリアセンスによって無線チャネルをビジー状態と判断した場合は、CWのカウントダウンを停止する。そして、無線チャネルがアイドル状態となった場合、先のIFSに続いて、基地局装置は残留するCWのカウントダウンを再開する。
次に、フレーム受信の詳細について説明する。受信局である端末装置は、送信フレームを受信し、該送信フレームのPHYヘッダを読み取り、受信した送信フレームを復調する。そして、端末装置は復調した信号のMACヘッダを読み取ることで、該送信フレームが自装置宛てのものか否かを認識することができる。なお、端末装置は、PHYヘッダに記載の情報(例えばVHT-SIG-Aの記載されるグループ識別番号(GID: Group identifier, Group ID))に基づいて、該送信フレームの宛先を判断することも可能である。
端末装置は、受信した送信フレームが自装置宛てのものと判断し、そして誤りなく送信フレームを復調できた場合、フレームを正しく受信できたことを示すACKフレームを送信局である基地局装置に送信しなければならない。ACKフレームは、SIFS期間の待機だけ(ランダムバックオフ時間は取られない)で送信される最も優先度の高い送信フレームの一つである。基地局装置は端末装置から送信されるACKフレームの受信をもって、一連の通信を終了する。なお、端末装置がフレームを正しく受信できなかった場合、端末装置はACKを送信しない。よって基地局装置は、フレーム送信後、一定期間(SIFS+ACKフレーム長)の間、受信局からのACKフレームを受信しなかった場合、通信は失敗したものとして、通信を終了する。このように、IEEE802.11システムの1回の通信(バーストとも呼ぶ)の終了は、ビーコンフレームなどの報知信号の送信の場合や、送信データを分割するフラグメンテーションが用いられる場合などの特別な場合を除き、必ずACKフレームの受信の有無で判断されることになる。
端末装置は、受信した送信フレームが自装置宛てのものではないと判断した場合、PHYヘッダ等に記載されている該送信フレームの長さ(Length)に基づいて、ネットワークアロケーションベクタ(NAV: Network allocation vector)を設定する。端末装置は、NAVに設定された期間は通信を試行しない。つまり、端末装置は物理CSによって無線チャネルがビジー状態と判断した場合と同じ動作をNAVに設定された期間行なうことになるから、NAVによる通信制御は仮想キャリアセンス(仮想CS)とも呼ばれる。NAVは、PHYヘッダに記載の情報に基づいて設定される場合に加えて、隠れ端末問題を解消するために導入される送信要求(RTS: Request to send)フレームや、受信準備完了(CTS: Clear to send)フレームによっても設定される。
各装置がキャリアセンスを行ない、自律的に送信権を獲得するDCFに対して、PCFは、ポイントコーディネータ(PC: Point coordinator)と呼ばれる制御局が、BSS内の各装置の送信権を制御する。一般に基地局装置がPCとなり、BSS内の端末装置の送信権を獲得することになる。
PCFによる通信期間には、非期間(CFP: Contention free period)と競合期間(CP:
Contention period)が含まれる。CPの間は、前述してきたDCFに基づいて通信が行われ、PCが送信権を制御するのはCFPの間となる。PCである基地局装置は、CFPの期間(CFP Max duration)などが記載されたビーコンフレームをPCFの通信に先立ちBSS内に報知する。なお、PCFの送信開始時に報知されるビーコンフレームの送信にはPIFSが用いられ、CWを待たずに送信される。該ビーコンフレームを受信した端末装置は、該ビーコンフレームに記載されたCFPの期間をNAVに設定する。以降、NAVが経過する、もしくはCFPの終了をBSS内に報知する信号(例えばCF-endを含んだデータフレーム)が受信されるまでは、端末装置はPCより送信される送信権獲得をシグナリングする信号(例えばCF-pollを含んだデータフレーム)を受信した場合のみ、送信権を獲得可能である。なお、CFPの期間内では、同一BSS内でのパケットの衝突は発生しないから、各端末装置はDCFで用いられるランダムバックオフ時間を取らない。
Contention period)が含まれる。CPの間は、前述してきたDCFに基づいて通信が行われ、PCが送信権を制御するのはCFPの間となる。PCである基地局装置は、CFPの期間(CFP Max duration)などが記載されたビーコンフレームをPCFの通信に先立ちBSS内に報知する。なお、PCFの送信開始時に報知されるビーコンフレームの送信にはPIFSが用いられ、CWを待たずに送信される。該ビーコンフレームを受信した端末装置は、該ビーコンフレームに記載されたCFPの期間をNAVに設定する。以降、NAVが経過する、もしくはCFPの終了をBSS内に報知する信号(例えばCF-endを含んだデータフレーム)が受信されるまでは、端末装置はPCより送信される送信権獲得をシグナリングする信号(例えばCF-pollを含んだデータフレーム)を受信した場合のみ、送信権を獲得可能である。なお、CFPの期間内では、同一BSS内でのパケットの衝突は発生しないから、各端末装置はDCFで用いられるランダムバックオフ時間を取らない。
無線媒体は複数のリソースユニット(Resource unit:RU)に分割されることができる。図4は無線媒体の分割状態の1例を示す概要図である。例えば、リソース分割例1では、無線通信装置は無線媒体である周波数リソース(サブキャリア)を9個のRUに分割することができる。同様に、リソース分割例2では、無線通信装置は無線媒体であるサブキャリアを5個のRUに分割することができる。当然ながら、図4に示すリソース分割例はあくまで1例であり、例えば、複数のRUはそれぞれ異なるサブキャリア数によって構成されることも可能である。また、RUとして分割される無線媒体には周波数リソースだけではなく空間リソースも含まれることができる。無線通信装置(例えばAP)は、各RUに異なる端末装置宛てのフレームを配置することで、複数の端末装置(例えば複数のSTA)に同時にフレームを送信することができる。APは、無線媒体の分割の状態を示す情報(Resource allocation information)を、共通制御情報として、自装置が送信するフレームのPHYヘッダに記載することができる。更に、APは、各STA宛てのフレームが配置されたRUを示す情報(resource unit assignment information)を、固有制御情報として、自装置が送信するフレームのPHYヘッダに記載することができる。
また、複数の端末装置(例えば複数のSTA)は、それぞれ割り当てられたRUにフレームを配置して送信することで、同時にフレームを送信することができる。複数のSTAは、APから送信されるトリガ情報を含んだフレーム(Trigger frame:TF)を受信した後、所定の期間待機したのち、フレーム送信を行なうことができる。各STAは、該TFに記載の情報に基づいて自装置に割り当てられたRUを把握することができる。また、各STAは、該TFを基準としたランダムアクセスによりRUを獲得することができる。
APは、1つのSTAに複数のRUを同時に割り当てることができる。該複数のRUは、連続するサブキャリアで構成されることも出来るし、不連続のサブキャリアで構成されることも出来る。APは、1つのSTAに割り当てた複数のRUを用いて、1つのフレームを送信することが出来るし、複数のフレームをそれぞれ異なるRUに割り当てて送信することができる。該複数のフレームの少なくとも1つは、Resource allocation informationを送信する複数の端末装置に対する共通の制御情報を含むフレームであることができる。
1つのSTAは、APより複数のRUを割り当てられることができる。STAは、割り当てられた複数のRUを用いて、1つのフレームを送信することができる。また、STAは割り当てられた複数のRUを用いて、複数のフレームをそれぞれ異なるRUに割り当てて送信することができる。該複数のフレームは、それぞれ異なるフレームタイプのフレームであることができる。
APは、1つのSTAに複数のAIDを割り当てることができる。APは、1つのSTAに割り当てた複数のAIDに対して、それぞれRUを割り当てることができる。APは、1つのSTAに割り当てた複数のAIDに対して、それぞれ割り当てたRUを用いて、それぞれ異なるフレームを送信することができる。該異なるフレームは、それぞれ異なるフレームタイプのフレームであることができる。
1つのSTAは、APより複数のAIDを割り当てられることができる。1つのSTAは割り当てられた複数のAIDに対して、それぞれRUを割り当てられることができる。1つのSTAは、自装置に割り当てられた複数のAIDにそれぞれ割り当てられたRUは、全て自装置に割り当てられたRUと認識し、該割り当てられた複数のRUを用いて、1つのフレームを送信することができる。また、1つのSTAは、該割り当てられた複数のRUを用いて、複数のフレームを送信することができる。このとき、該複数のフレームには、それぞれ割り当てられたRUに関連付けられたAIDを示す情報を記載して送信することができる。APは、1つのSTAに割り当てた複数のAIDに対して、それぞれ割り当てたRUを用いて、それぞれ異なるフレームを送信することができる。該異なるフレームは、異なるフレームタイプのフレームであることができる。
以下では、基地局装置、端末装置を総称して、無線通信装置もしくは通信装置とも呼称する。また、ある無線通信装置が別の無線通信装置と通信を行う際にやりとりされる情報をデータ(data)とも呼称する。つまり、無線通信装置は、基地局装置及び端末装置を含む。
無線通信装置は、PPDUを送信する機能と受信する機能のいずれか、または両方を備える。図1は、無線通信装置が送信するPPDU構成の一例を示した図である。IEEE802.11a/b/g規格に対応するPPDUはL-STF、L-LTF、L-SIG及びDataフレーム(MAC Frame、MACフレーム、ペイロード、データ部、データ、情報ビット等)を含んだ構成である。IEEE802.11n規格に対応するPPDUはL-STF、L-LTF、L-SIG、HT-SIG、HT-STF、HT-LTF及びDataフレームを含んだ構成である。IEEE802.11ac規格に対応するPPDUはL-STF、L-LTF、L-SIG、VHT-SIG-A、VHT-STF、VHT-LTF、VHT-SIG-B及びMACフレームの一部あるいは全てを含んだ構成である。IEEE802.11ax標準で検討されているPPDUは、L-STF、L-LTF、L-SIG、L-SIGが時間的に繰り返されたRL-SIG、HE-SIG-A、HE-STF、HE-LTF、HE-SIG-B及びDataフレームの一部あるいは全てを含んだ構成である。IEEE802.11be標準で検討されているPPDUは、L-STF、L-LTF、L-SIG、RL-SIG、U-SIG、EHT-SIG、EHT-STF、HET-LTF及びDataフレームの一部あるいは全てを含んだ構成である。
図1中の点線で囲まれているL-STF、L-LTF及びL-SIGはIEEE802.11規格において共通に用いられる構成である(以下では、L-STF、L-LTF及びL-SIGをまとめてL-ヘッダとも呼称する)。例えばIEEE 802.11a/b/g規格に対応する無線通信装置は、IEEE802.11n/ac規格に対応するPPDU内のL-ヘッダを適切に受信することが可能である。IEEE 802.11a/b/g規格に対応する無線通信装置は、IEEE802.11n/ac規格に対応するPPDUを、IEEE 802.11a/b/g規格に対応するPPDUとみなして受信することができる。
ただし、IEEE 802.11a/b/g規格に対応する無線通信装置はL-ヘッダの後に続く、IEEE802.11n/ac規格に対応するPPDUを復調することができないため、送信アドレス(TA:Transmitter Address)や受信アドレス(RA:Receiver Address)やNAVの設定に用いられるDuration/IDフィールドに関する情報を復調することができない。
IEEE 802.11a/b/g規格に対応する無線通信装置が適切にNAVを設定する(あるいは所定の期間受信動作を行う)ための方法として、IEEE802.11は、L-SIGにDuration情報を挿入する方法を規定している。L-SIG内の伝送速度に関する情報(RATE field、L-RATE field、L-RATE、L_DATARATE、L_DATARATE field)、伝送期間に関する情報(LENGTH field、L-LENGTH field、L-LENGTH)は、IEEE 802.11a/b/g規格に対応する無線通信装置が適切にNAVを設定するために使用される。
図2は、L-SIGに挿入されるDuration情報の方法の一例を示す図である。図2においては、一例としてIEEE802.11ac規格に対応するPPDU構成を示しているが、PPDU構成はこれに限定されない。IEEE802.11n規格に対応のPPDU構成及びIEEE802.11ax規格に対応するPPDU構成でもよい。TXTIMEは、PPDUの長さに関する情報を備え、aPreambleLengthは、プリアンブル(L-STF+L-LTF)の長さに関する情報を備え、aPLCPHeaderLengthは、PLCPヘッダ(L-SIG)の長さに関する情報を備える。L_LENGTHは、IEEE802.11規格の互換性をとるために設定される仮想的な期間であるSignal Extension、L_RATEに関連するNops、1シンボル(symbol,OFDM symbol等)の期間に関する情報であるaSymbolLength、PLCP Service fieldが含むビット数を示すaPLCPServiceLength、畳みこみ符号のテールビット数を示すaPLCPConvolutionalTailLengthに基づいて算出される。無線通信装置は、L_LENGTHを算出し、L-SIGに挿入することができる。また、無線通信装置は、L-SIG Durationを算出することができる。L-SIG Durationは、L_LENGTHを含むPPDUと、その応答として宛先の無線通信装置より送信されることが期待されるAckとSIFSの期間を合計した期間に関する情報を示す。
図3は、L-SIG TXOP Protectionにおける、L-SIG Durationの一例を示した図である。DATA(フレーム、ペイロード、データ等)は、MACフレームとPLCPヘッダの一部または両方から構成される。また、BAはBlock Ack、またはAckである。PPDUは、L-STF,L-LTF,L-SIGを含み、さらにDATA,BA、RTSあるいはCTSのいずれかまたはいずれか複数を含んで構成されることができる。図3に示す一例では、RTS/CTSを用いたL-SIG TXOP Protectionを示しているが、CTS-to-Selfを用いてもよい。ここで、MAC Durationは、Duration/ID fieldの値によって示される期間である。また、InitiatorはL-SIG TXOP Protection期間の終了を通知するためにCF_Endフレームを送信することができる。
続いて、無線通信装置が受信するフレームからBSSを識別する方法について説明する。無線通信装置が、受信するフレームからBSSを識別するためには、PPDUを送信する無線通信装置が当該PPDUにBSSを識別するための情報(BSS color,BSS識別情報、BSSに固有な値)を挿入することが好適である。BSS colorを示す情報は、HE-SIG-Aに記載されることが可能である。
無線通信装置は、L-SIGを複数回送信する(L-SIG Repetition)ことができる。例えば、受信側の無線通信装置は、複数回送信されるL-SIGをMRC(Maximum Ratio Combining)を用いて受信することで、L-SIGの復調精度が向上する。さらに無線通信装置は、MRCによりL-SIGを正しく受信完了した場合に、当該L-SIGを含むPPDUがIEEE802.11ax規格に対応するPPDUであると解釈することができる。
無線通信装置は、PPDUの受信動作中も、当該PPDU以外のPPDUの一部(例えば、IEEE802.11により規定されるプリアンブル、L-STF、L-LTF、PLCPヘッダ等)の受信動作を行うことができる(二重受信動作とも呼称する)。無線通信装置は、PPDUの受信動作中に、当該PPDU以外のPPDUの一部を検出した場合に、宛先アドレスや、送信元アドレスや、PPDUあるいはDATA期間に関する情報の一部または全部を更新することができる。
Ack及びBAは、応答(応答フレーム)とも呼称されることができる。また、プローブ応答や、認証応答、接続応答を応答と呼称することができる。
[1.第1の実施形態]
[1.第1の実施形態]
図5は、本実施形態に係る無線通信システムの一例を示した図である。無線通信システム3-1は、無線通信装置1-1及び無線通信装置2-1~2-3を備えている。なお、無線通信装置1-1を基地局装置1-1とも呼称し、無線通信装置2-1~2-3を端末装置2-1~端末装置2-3とも呼称する。また、無線通信装置2-1~2-3および端末装置2-1~2-3を、無線通信装置1-1に接続されている装置として、無線通信装置2Aおよび端末装置2Aとも呼称する。無線通信装置1-1及び無線通信装置2Aは、無線接続されており、お互いにPPDUの送受信を行うことができる状態にある。また、本実施形態に係る無線通信システムは、無線通信システム3-1の他に無線通信システム3-2を備えてもよい。無線通信システム3-2は、無線通信装置1-2及び無線通信装置2-4~無線通信装置2-6を備えている。なお、無線通信装置1-2を基地局装置1-2とも呼称し、無線通信装置2-4~無線通信装置2-6を端末装置2-4~端末装置2-6とも呼称する。また、また、無線通信装置2-4~無線通信装置2-6および端末装置2-4~端末装置2-6を、無線通信装置1-2に接続されている装置として、無線通信装置2Bおよび端末装置2Bとも呼称する。無線通信システム3-1、無線通信システム3-2は異なるBSSを形成するが、これはESS(Extended Service Set)が異なることを必ずしも意味していない。ESSは、LAN(Local Area Network)を形成するサービスセットを示している。つまり、同じESSに属する無線通信装置は、上位層から同一のネットワークに属しているとみなされることができる。また、BSSはDS(Distribution System)を介して結合されてESSを形成する。なお、無線通信システム3-1、3-2のそれぞれは、さらに複数の無線通信装置を備えることも可能である。
図5において、以下の説明においては、無線通信装置2Aが送信する信号は、無線送信装置1-1および無線通信装置2Bには到達する一方で、無線通信装置1-2には到達しないものとする。つまり、無線通信装置2Aがあるチャネルを使って信号を送信すると、無線通信装置1-1と、無線通信装置2Bは、当該チャネルをビジー状態と判断する一方で、無線通信装置1-2は、当該チャネルをアイドル状態と判断する。また、無線通信装
置2Bが送信する信号は、無線送信装置1-2および無線通信装置2Aには到達する一方で、無線通信装置1-1には到達しないものとする。つまり、無線通信装置2Bがあるチャネルを使って信号を送信すると、無線通信装置1-2と、無線通信装置2Aは、当該チャネルをビジー状態と判断する一方で、無線通信装置1-1は、当該チャネルをアイドル状態と判断する。
置2Bが送信する信号は、無線送信装置1-2および無線通信装置2Aには到達する一方で、無線通信装置1-1には到達しないものとする。つまり、無線通信装置2Bがあるチャネルを使って信号を送信すると、無線通信装置1-2と、無線通信装置2Aは、当該チャネルをビジー状態と判断する一方で、無線通信装置1-1は、当該チャネルをアイドル状態と判断する。
IEEE802.11システムにおいては、前記送信権の獲得は20MHz帯域幅毎に実施されることを、図11を用いて更に説明する。例えば、IEEE802.11axのアクセスポイント装置により、各々20MHz帯域幅のCH1~CH4から、合計80MHz帯域幅を使用する無線通信システムが構築されているとする。CH1~CH4の何れかがプライマリチャネル(Primary channel)として設定され、このプライマリチャネルでのバックオフ時間のカウントとキャリアセンスとに基づいた送信権の獲得が、他のチャネルにおける送信権の獲得にも影響する。例えば、CH1がプライマリチャネルに設定される場合、CH1と隣接するCH2をセカンダリチャネル(Secondary channel)、CH1とCH2の組み合わせを40MHzプライマリチャネル(40MHz Primary channel)、40MHzプライマリチャネルに隣接するCH3とCH4の組み合わせを40MHzセカンダリチャネル(40MHz Secondary channel)のように呼称する。
プライマリチャネルがCH1に設定されているとして、ステーション装置2-1がアクセスポイント装置1-1にフレーム送信する場合のフレーム送信手順の例について説明する。ステーション装置2-1はCH1でランダムバックオフ時間をおいてキャリアセンス実行して無線チャネルがアイドル状態であると判断すると、CH1上にRTSフレーム11-11を送信し、同じタイミングで同等のフレームをCH2~CH4にRTSフレーム11-12~14として送信する。RTSフレームを受信したアクセスポイント装置1-1は、CH1~CH4の無線チャネル状況を確認してアイドル状態であると判断すると、そのことを示すCTSフレーム11-21~11-24をCH1~CH4のそれぞれに送信し、ステーション装置2-1が受信する。ステーション装置は、CH1~CH4の無線チャネルを使用可能と判断して、データフレーム11-31~11-34を送信する。つまり、チャネル帯域幅80MHz全体を使用してデータフレーム送信できる。
一方、ステーション装置2-1がRTSフレームを送信しても、CH1~CH4の全てでCTSフレームを受信できない場合がある。例えば、CH1~CH4のそれぞれでRTSフレーム11-41~11-44を受信したアクセスポイント装置1-1が、無線チャネル状況を確認してCH3とCH4のみがアイドル状態であると判断し、CH3とCH4のみにCTSフレーム(11-53、11-54)を送信する場合である。ステーション装置2-1は、プライマリチャネルであるCH1でCTSフレームを受信できない場合には、CH1~CH4の全てでデータフレーム送信をすることができない。つまり、データフレーム送信可否の判断は、プライマリチャネルの状況に依存する。
その他の例として、プライマリチャネルであるCH1ではCTSフレームを受信するが、CH1~CH4の全てではCTSフレームを受信できない場合もある。例えば、CH1~CH4のそれぞれでRTSフレーム11-61~11-64を受信したアクセスポイント装置が、無線チャネル状況を確認してCH1とCH2のみがアイドル状態であると判断し、CH1とCH2のみにCTSフレーム(11-71、11-72)を送信する場合である。ステーション装置2-1は、プライマリチャネルであるCH1でCTSフレームを受信したためデータフレーム送信可能ではあるものの、CH1とCH2のみがアイドル状態であることを理解し、データフレーム11-81と11-82を送信する。つまり、80MHz帯域幅のうち、40MHz帯域幅しか使用できない。
図9にMAC Frameのフォーマットの例を示す。ここでのMAC Frameとは、図1にお
けるDataフレーム(MAC Frame、MACフレーム、ペイロード、データ部、データ、情報ビット等)、図2におけるMAC Frameのことを指す。MAC Frameは、Frame Control、Duration/ID、Address1、Address2、Address3、Sequence Control、Address4、QoS Control、HT Control、Frame Body、FCSを含んでいる。
けるDataフレーム(MAC Frame、MACフレーム、ペイロード、データ部、データ、情報ビット等)、図2におけるMAC Frameのことを指す。MAC Frameは、Frame Control、Duration/ID、Address1、Address2、Address3、Sequence Control、Address4、QoS Control、HT Control、Frame Body、FCSを含んでいる。
図10は、図9に含まれるAddress1、Address2、Address3、Address4のフィールドに書き込まれるアドレスを、FromDSとToDSの値に応じた場合分けをして表にまとめている。FromDS、ToDSの情報は、図9におけるFrameControlフィールドに含まれる。FromDSの値は、フレームがDSから送信される場合に1、DS以外から送信される場合に0となる。ToDSの値は、フレームがDSに受信される場合に1、DS以外に受信される場合に0となる。なお、SAはSource Address(送信元アドレス、参照元アドレス)を、DAはDestination Address(宛先アドレス、転送先アドレス)のことを指す。図10の表はFromDSとToDSの値に応じて、Address1~Address4の意味が変わることを示している。なお、ToDSが0かつFromDSが0の場合にAddress1は「RA」と「DA」を「=」で結んで「RA=DA」と表示しているが、これはRAとDAが同じアドレスであることを示している。その他の組み合わせにおいても、「=」で結ばれるアドレスは同じであることを示している。
図6は、無線通信装置1-1、1-2、2A、2B(以下では、まとめて無線通信装置10000-1とも呼称)の装置構成の一例を示した図である。無線通信装置10000-1は、上位層部(上位層処理ステップ)10001-1と、自律分散制御部(自律分散制御ステップ)10002-1と、送信部(送信ステップ)10003-1と、受信部(受信ステップ)10004-1と、アンテナ部10005-1と、を含んだ構成である。上位層部10001-1と自律分散制御部10002-1を合わせて無線制御部と称する。また、送信部10003-1と受信部10004-1、アンテナ部10005-1を合わせて無線通信部と称する。
上位層部10001-1は、他のネットワークと接続され、自律分散制御部10002-1にトラフィックに関する情報を通知することができる。トラフィックに関する情報とは、例えば、他の無線通信装置宛ての情報であってもよいし、マネジメントフレームやコントロールフレームに含まれる制御情報でもよい。
図7は、自律分散制御部10002-1の装置構成の一例を示した図である。自律分散制御部10002-1は、CCA部(CCAステップ)10002a-1と、バックオフ部(バックオフステップ)10002b-1と、送信判断部(送信判断ステップ)10002c-1とを含んだ構成である。
CCA部10002a-1は、受信部から通知される、無線リソースを介して受信する受信信号電力に関する情報と、受信信号に関する情報(復号後の情報を含む)のいずれか一方、または両方を用いて、当該無線リソースの状態判断(busyまたはidleの判断を含む)を行うことができる。CCA部10002a-1は、当該無線リソースの状態判断情報を、バックオフ部10002b-1及び送信判断部10002c-1に通知することができる。
バックオフ部10002b-1は、無線リソースの状態判断情報を用いて、バックオフを行うことができる。バックオフ部10002b-1は、CWを生成し、カウントダウン機能を有する。例えば、無線リソースの状態判断情報がidleを示す場合に、CWのカウントダウンを実行し、無線リソースの状態判断情報がbusyを示す場合に、CWのカウントダウンを停止することができる。バックオフ部10002b-1は、CWの値を送信判断部10002c-1に通知することができる。
送信判断部10002c-1は、無線リソースの状態判断情報、またはCWの値のいずれか一方、あるいは両方を用いて送信判断を行う。例えば、無線リソースの状態判断情報がidleを示し、CWの値が0の時に送信判断情報を送信部10003-1に通知することができる。また、無線リソースの状態判断情報がidleを示す場合に送信判断情報を送信部10003-1に通知することができる。
送信部10003-1は、物理層フレーム生成部(物理層フレーム生成ステップ)10003a-1と、無線送信部(無線送信ステップ)10003b-1とを含んだ構成である。物理層フレーム生成部10003a-1は、送信判断部10002c-1から通知される送信判断情報に基づき、物理層フレーム(PPDU)を生成する機能を有する。物理層フレーム生成部10003a-1は、上位層から送られる送信フレームに対して誤り訂正符号化、変調、プレコーディングフィルタ乗算等を施す。物理層フレーム生成部10003a-1は、生成した物理層フレームを無線送信部10003b-1に通知する。
図8は本実施形態に係る物理フレーム生成部の誤り訂正符号化の一例を示す図である。図8に示すように、斜線の領域には、情報ビット(システマティックビット)系列、白抜きの領域には冗長(パリティ)ビット系列が配置される。情報ビットおよび冗長ビットはそれぞれ適切にビットインターリーバが適用されている。物理フレーム生成部は配置されたビット系列に対し、リダンダンシーバージョン(RV)の値に応じて決定される開始位置として、必要なビット数を読み出すことができる。ビット数を調整することで符号化率の柔軟な変更、すなわちパンクチャリングが可能となる。なお、図8においては、RVは全部で4通りが示されているが、本実施形態に係る誤り訂正符号化において、RVの選択肢は、特定の値に限定されるものではない。RVの位置については、ステーション装置間で共有されている必要がある。
物理層フレーム生成部は、MACレイヤから転送されてきた情報ビットに対して、誤り訂正符号化を施すが、誤り訂正符号化を施す単位(符号化ブロック長)は何かに限定されるものではない。例えば、物理層フレーム生成部は、MACレイヤから転送されてきた情報ビット系列を所定の長さの情報ビット系列に分割し、それぞれに誤り訂正符号化を施し、複数の符号化ブロックとすることができる。なお、符号化ブロックを構成する際に、MACレイヤから転送されてきた情報ビット系列にダミービットを挿入することもできる。
物理層フレーム生成部10003a-1が生成するフレームには、制御情報が含まれる。該制御情報には、各無線通信装置宛てのデータが、どのRU(ここでRUには周波数リソースと空間リソースの両方を含む)に配置されているかを示す情報が含まれる。また、物理層フレーム生成部10003a-1が生成するフレームには、宛先端末である無線通信装置にフレーム送信を指示するトリガーフレームが含まれる。該トリガーフレームには、フレーム送信を指示された無線通信装置がフレームを送信する際に用いるRUを示す情報が含まれている。
無線送信部10003b-1は、物理層フレーム生成部10003a-1が生成する物理層フレームを、無線周波数(RF: Radio Frequency)帯の信号に変換し、無線周波数信号を生成する。無線送信部10003b-1が行う処理には、デジタル・アナログ変換、フィルタリング、ベースバンド帯からRF帯への周波数変換等が含まれる。
受信部10004-1は、無線受信部(無線受信ステップ)10004a-1と、信号復調部(信号復調ステップ)10004b-1を含んだ構成である。受信部10004-1は、アンテナ部10005-1が受信するRF帯の信号から受信信号電力に関する情報を生成する。受信部10004-1は、受信信号電力に関する情報と、受信信号に関する
情報をCCA部10002a-1に通知することができる。
情報をCCA部10002a-1に通知することができる。
無線受信部10004a-1は、アンテナ部10005-1が受信するRF帯の信号をベースバンド信号に変換し、物理層信号(例えば、物理層フレーム)を生成する機能を有する。無線受信部10004a-1が行う処理には、RF帯からベースバンド帯への周波数変換処理、フィルタリング、アナログ・デジタル変換が含まれる。
信号復調部10004b-1は、無線受信部10004a-1が生成する物理層信号を復調する機能を有する。信号復調部10004b-1が行う処理には、チャネル等化、デマッピング、誤り訂正復号化等が含まれる。信号復調部10004b-1は、物理層信号から、例えば、物理層ヘッダが含む情報と、MACヘッダが含む情報と、送信フレームが含む情報とを取り出すことができる。信号復調部10004b-1は、取り出した情報を上位層部10001-1に通知することができる。なお、信号復調部10004b-1は、物理層ヘッダが含む情報と、MACヘッダが含む情報と、送信フレームが含む情報のいずれか、あるいは全てを取り出すことができる。
アンテナ部10005-1は、無線送信部10003b-1が生成する無線周波数信号を、他の無線装置に向けて無線空間に送信する機能を有する。また、アンテナ部10005-1は、無線装置0-1から送信される無線周波数信号を受信する機能を有する。
無線通信装置10000-1は、送信するフレームのPHYヘッダやMACヘッダに、自装置が無線媒体を利用する期間を示す情報を記載することにより、自装置周辺の無線通信装置に当該期間だけNAVを設定させることができる。例えば、無線通信装置10000-1は送信するフレームのDuration/IDフィールドまたはLengthフィールドに当該期間を示す情報を記載することができる。自装置周辺の無線通信装置に設定されたNAV期間を、無線通信装置10000-1が獲得したTXOP期間(もしくは単にTXOP)と呼ぶこととする。そして、該TXOPを獲得した無線通信装置10000-1を、TXOP獲得者(TXOP holder、TXOPホルダー)と呼ぶ。無線通信装置10000-1がTXOPを獲得するために送信するフレームのフレームタイプは何かに限定されるものではなく、コントロールフレーム(例えばRTSフレームやCTS-to-selfフレーム)でもよいし、データフレームでもよい。
TXOPホルダーである無線通信装置10000-1は、該TXOPの間で、自装置以外の無線通信装置に対して、フレームを送信することができる。無線通信装置1-1がTXOPホルダーであった場合、該TXOPの期間内で、無線通信装置1-1は無線通信装置2Aに対してフレームを送信することができる。また、無線通信装置1-1は、該TXOP期間内で、無線通信装置2Aに対して、無線通信装置1-1宛てのフレーム送信を指示することができる。無線通信装置1-1は、該TXOP期間内で、無線通信装置2Aに対して、無線通信装置1-1宛てのフレーム送信を指示する情報を含むトリガーフレームを送信することができる。
無線通信装置1-1は、フレーム送信を行なう可能性のある全通信帯域(例えばOperation bandwidth)に対してTXOPを確保してもよいし、実際にフレームを送信する通信帯域(例えばTransmission bandwidth)等の特定の通信帯域(Band)に対して確保してもよい。
無線通信装置1-1が獲得したTXOPの期間内でフレーム送信の指示を行なう無線通信装置は、必ずしも自装置に接続されている無線通信装置には限定されない。例えば、無線通信装置は、自装置の周辺にいる無線通信装置にReassociationフレームなどのマネジメントフレームや、RTS/CTSフレーム等のコントロールフレームを送
信させるために、自装置に接続されていない無線通信装置に、フレームの送信を指示することができる。
信させるために、自装置に接続されていない無線通信装置に、フレームの送信を指示することができる。
さらに、DCFとは異なるデータ伝送方法であるEDCAにおけるTXOPについても説明する。IEEE802.11e規格はEDCAに関わるもので、映像伝送やVoIPなどの各種サービスのためのQoS(Quality of Service)保証の観点からTXOPについて規定されている。サービスは大きくは、VO(VOice)、VI(VIdeo)、BE(Best
Effort)、BK(BacK ground)の4つのアクセスカテゴリに分類されている。一般的には、優先度の高い方からVO、VI、BE、BKの順番である。それぞれのアクセスカテゴリでは、CWの最小値CWmin、最大値CWmax、IFSの一種であるAIFS(Arbitration IFS)、送信機会の上限値であるTXOP limitのパラメータがあり、優先度の高低差をつけるように値が設定される。例えば、音声伝送を目的とした優先度の一番高いVOのCWmin,CWmax、AIFSは、他のアクセスカテゴリに比較して相対的に小さい値を設定することで、他のアクセスカテゴリに優先したデータ伝送が可能となる。例えば、映像伝送のため送信データ量が比較的大きくなるVIでは、TXOP limitを大きく設定することで、他のアクセスカテゴリよりも送信機会を長くとることが可能となる。このように、各種サービスに応じたQoS保証を目的として、各アクセスカテゴリの4つのパラメータの値が調整される。これら4つのアクセスカテゴリ以外のアクセスカテゴリを設けてもよい。一例として低遅延用のアクセスカテゴリLL(Low Latency)のようなアクセスカテゴリを設けてもよい。
Effort)、BK(BacK ground)の4つのアクセスカテゴリに分類されている。一般的には、優先度の高い方からVO、VI、BE、BKの順番である。それぞれのアクセスカテゴリでは、CWの最小値CWmin、最大値CWmax、IFSの一種であるAIFS(Arbitration IFS)、送信機会の上限値であるTXOP limitのパラメータがあり、優先度の高低差をつけるように値が設定される。例えば、音声伝送を目的とした優先度の一番高いVOのCWmin,CWmax、AIFSは、他のアクセスカテゴリに比較して相対的に小さい値を設定することで、他のアクセスカテゴリに優先したデータ伝送が可能となる。例えば、映像伝送のため送信データ量が比較的大きくなるVIでは、TXOP limitを大きく設定することで、他のアクセスカテゴリよりも送信機会を長くとることが可能となる。このように、各種サービスに応じたQoS保証を目的として、各アクセスカテゴリの4つのパラメータの値が調整される。これら4つのアクセスカテゴリ以外のアクセスカテゴリを設けてもよい。一例として低遅延用のアクセスカテゴリLL(Low Latency)のようなアクセスカテゴリを設けてもよい。
本実施形態において、ステーション装置の信号復調部は、受信した信号に対して、物理レイヤにおいて、復号処理を行い、誤り検出を行うことができる。ここで復号処理は、受信した信号に適用されている誤り訂正符号に対する復号処理を含む。ここで、誤り検出は、受信した信号に予め付与されている誤り検出符号(例えば巡回冗長検査(CRC)符号)を用いた誤り検出や、もともと誤り検出機能を備える誤り訂正符号(例えば低密度パリティ検査符号(LDPC))による誤り検出を含む。物理レイヤにおける復号処理は、符号化ブロック毎に適用されることが可能である。
上位層部は、信号復調部における物理レイヤの復号の結果をMACレイヤに転送する。MACレイヤでは、転送されてきた物理レイヤの復号結果から、MACレイヤの信号を復元する。そして、MACレイヤにおいて、誤り検出を行い、受信フレームの送信元のステーション装置が送信したMACレイヤの信号が正しく復元できたか否かを判断する。
以下、図5に示した無線ネットワークにおける実施形態の一例を示す。本実施形態において、基地局装置1-1は複数の無線チャネルを使用する。使用する無線チャネルの帯域は限定されず、例えば20MHz帯域の無線チャネルを8つ使用しても良く、また80MHz帯域の無線チャネルを4つ使用してもよい。また、使用する無線チャネルは1つのシステム帯域に限定されず、複数のシステム帯域を使用してもよい。例えば5.15GHz帯のシステム帯域で20MHz帯域の無線チャネルを4つ使用し、5.25GHz帯のシステム帯域で20MHz帯域の4つ使用しても良く、また、5.15~5.25GHz帯のシステム帯域で80MHz帯域の無線チャネルを2つ使用し、6GHz帯のシステム帯域で80MHz帯域の無線チャネルを2つ使用してもよい。また、使用する無線チャネルの帯域は均一である必要はなく、6つの無線チャネルの帯域を40,40,20,20,20,20MHz帯域のようにしてもよい。基地局装置1-1は、使用するシステム帯域の中の1つ以上の無線チャネルをプライマリチャネルとして設定する。一例として、使用するシステム帯域の下位20MHz帯域をプライマリチャネルとして設定してもよい。また、使用するシステム帯域が複数の場合、それぞれのシステム帯域にプライマリチャネルを設定してもよい。プライマリチャネルを20MHzとして設定した場合、データ通信を行うための無線チャネルを隣接する20MHz帯域の無線チャネルと連結して40MHz
帯域、あるいはそれ以上の帯域としてもよい。以下、本実施の形態では20MHzの無線チャネル1から無線チャネル4の4つの無線チャネルを使用するものとして説明する。
帯域、あるいはそれ以上の帯域としてもよい。以下、本実施の形態では20MHzの無線チャネル1から無線チャネル4の4つの無線チャネルを使用するものとして説明する。
基地局装置1-1は使用する複数の無線チャネルの中の2以上の無線チャネルを低遅延通信用に設定する。一例として、本実施の形態では無線チャネル1から無線チャネル4の4つのチャネルを低遅延通信用として設定する。基地局装置1-1は低遅延通信用として使用する無線チャネル、本実施の形態では無線チャネル1、2、3、4を低遅延通信用であることを示す情報エレメントを含むビーコンを、使用する複数の無線チャネルで送信する。この時、プライマリチャネルで送信するビーコンと同じものを、プライマリチャネル以外の1または複数の無線チャネルで送信してもよい。本実施の形態では無線チャネル1から無線チャネル4に対して、無線チャネル1、2、3、4を低遅延通信用であることを示す情報エレメントを含むビーコンを送信する。基地局装置1-1は何らかの理由、例えば低遅延通信用に設定した無線チャネルの使用率がある閾値を超えた場合や、低遅延通信用に設定した無線チャネルの隣接チャネルから妨害をうけるレベルの信号を隣接チャネルで検知した場合などで低遅延通信ができないと判断できた場合は、使用できなくなった無線チャネルについて低遅延通信に対応できない事を示す情報エレメント、または一時的に低遅延通信に対応できない事を示す情報エレメントを含むビーコンを送信してもよい。
なお、本実施の形態では低遅延通信用として記載するが、低遅延通信以外の用途に使用する事を限定しない。例えば本実施例で低遅延通信用と記載する通信を高頻度通信のために使用しても良く、また、多数端末接続用の通信などの用途に使用してもよい。また、低遅延通信はDCFによる通信方法と区別し、低遅延通信方法、遅延を低減するするための方法(通信方法)と称してもよい。
本実施の形態では端末装置2-1が低遅延通信を行うものとする。端末装置2-1は低遅延通信用として使用する無線チャネルを示す情報エレメントを含むビーコンを受信したのち、基地局装置1-1に対して低遅延通信を開始する要求を送信する。また、この低遅延通信は、端末装置2-1から基地局装置1-1方向への通信(アップリンク通信)とする。端末装置2-1は初期接続時(アソシエーション時)に基地局装置1-1から受信する能力情報(Capability情報)に基地局装置1-1が低遅延情報に対応する事を示す情報エレメントが含まれている場合、この情報エレメントに基づいて基地局装置1-1に低遅延通信を開始する要求を送信してもよい。この時は使用する無線チャネルを指定せずに低遅延通信を開始する要求を送信しても良く、また、端末装置2-1が任意の無線チャネル、例えば端末装置2-1が使用できる2以上の無線チャネルを指定して低遅延通信を開始する要求を送信してもよい。端末装置2-1は、基地局装置1-1に送信する低遅延通信を開始する要求の中に、要求するレイテンシを示す情報を含めもよい。このレイテンシを示す情報の様式は限定されるものではなく、例えばミリ秒単位の数値でもよく、また、要求するレイテンシをクラス分けし、クラスに対応する数値情報としてもよい。また、端末装置2-1は、基地局装置1-1に送信する低遅延通信を開始する要求の中に、低遅延通信を行う頻度を示す情報を含めてもよい。この低遅延通信を行う頻度を示す情報の様式は限定されるものではなく、例えばミリ秒単位の数値でもよく、また、頻度をクラス分けし、クラスに対応する数値情報としてもよい。
基地局装置1-1は、端末装置2-1から低遅延通信を開始する要求を受信した後、端末装置2-1に対して低遅延通信を開始する応答を送信する。この時、低遅延通信を行う無線チャネル、本実施の形態では無線チャネル1、2、3、4を低遅延通信に使用する事を示す情報エレメントと、基地局装置1-1において、無線チャネル1、2、3、4のそれぞれが物理的な周波数チャネルを示す情報エレメントを含めて送信してよい。この時、この物理的な周波数チャネルとして、各無線チャネルで使用するプライマリチャネルの周波数を示すインデックスを使用してもよい。この低遅延通信に使用する無線チャネルはテ
ーブル形式で通知してもよい。このテーブルの一例を図15(b)から図15(f)に示す。通知する情報にはテーブルの要素数とテーブルの下段に示した周波数の情報が含まれる。図15(b)は低遅延通信に使用する無線チャネルの数が8の場合の一例で、8個の周波数チャネルのそれぞれのプライマリチャネルを示す周波数情報が含まれる。1番目の要素が1番目の無線チャネルを示し、以降8番目の要素が8番目の無線チャネルを示す。以下同様に、図15(c)が低遅延通信に使用する無線チャネルの数が6の場合の一例、図15(d)が低遅延通信に使用する無線チャネルの数が4の時の一例、図15(e)が低遅延通信に使用する無線チャネルの数が3の場合の一例、図15(f)が低遅延通信に使用する無線チャネルの数が2の場合の一例である。それぞれのテーブルで示される無線チャネルの周波数は連続である必要はない。また、無線チャネルの周波数は昇順/降順のいずれかでソートされていても良く、また、順不同でもよい。この低遅延通信を開始する応答に、低遅延通信で使用する無線チャネルの使用順を示す情報を含む情報エレメントを含めてもよい。この無線チャネルの使用順を示す情報の形式は様々なものが利用可能である。一例として無線チャネルの使用順を示すテーブルを使用する事ができる。このテーブルの例を図15(a)に示す。このテーブルは低遅延通信に使用する無線チャネル数が2、3、4、6、8の場合に対応する例で、テーブルのインデックスが0と1が低遅延通信に使用する無線チャネル数が8の場合、テーブルのインデックスが2と3が低遅延通信に使用する無線チャネル数が6の場合、テーブルのインデックスが4と5が低遅延通信に使用する無線チャネル数が4の場合、テーブルのインデックスが6と7が低遅延通信に使用する無線チャネル数が3の場合、テーブルのインデックス8が低遅延通信に使用する無線チャネルの数が2の場合に相当する。これらのテーブルは低遅延通信に使用する無線チャネルを一度ずつ使用するよう順番が構成されてよい。この順番は昇順/降順である必要はない。一例として、図15(a)では、インデックス0、2、4、6、8が低遅延通信に使用する無線チャネルを昇順(ラウンドロビン)で使用する場合、インデックス1、3、5、7が低遅延通信に使用する無線チャネルをスタガー状(staggered)の順番で使用する場合を示している。本実施の形態ではテーブルにより低遅延通信に使用する無線チャネルの順番を示すが、低遅延通信に使用する無線チャネルを示す方法はこれに限らない。例えば、数式を利用し、一例としてM系列のような疑似乱数列を使用して無線チャネルの使用順を示すようにしてもよい。この時、疑似乱数列の周期、初期値を示す情報により、疑似乱数列を示すようにしてもよい。図14を用いて説明される本実施の形態では、低遅延通信に使用する無線チャネル数が本実施の形態では低遅延通信に使用する無線チャネルの数が4であるので、図15(a)に示すテーブルのインデックスとして5を使用する例を示す。低遅延通信に使用する無線チャネル数が1の場合、基地局装置1-1は、低遅延通信に使用する無線チャネルを示す情報エレメントを、低遅延通信を開始する応答に含み、低遅延通信に使用する無線チャネルの使用順を示す情報エレメントを含めなくともよい。この低遅延通信開始のための通信に先立ち、例えば初期接続時に端末装置2-1が送信する能力情報等に端末装置2-1が低遅延通信に対応していることを示す情報エレメントを含めてもよい。基地局装置1-1は先立って受信している端末装置2-1から送信された能力情報に含まれる低遅延通信に対応している事を示す情報に基づいて、低遅延通信を開始する応答を送信してもよい。基地局装置1-1は低遅延通信用の無線チャネルの設定を変更した場合、端末装置2-1に対して低遅延通信を開始する応答に変更した低遅延通信用の無線チャネルを示す情報エレメントを含めてよい。
ーブル形式で通知してもよい。このテーブルの一例を図15(b)から図15(f)に示す。通知する情報にはテーブルの要素数とテーブルの下段に示した周波数の情報が含まれる。図15(b)は低遅延通信に使用する無線チャネルの数が8の場合の一例で、8個の周波数チャネルのそれぞれのプライマリチャネルを示す周波数情報が含まれる。1番目の要素が1番目の無線チャネルを示し、以降8番目の要素が8番目の無線チャネルを示す。以下同様に、図15(c)が低遅延通信に使用する無線チャネルの数が6の場合の一例、図15(d)が低遅延通信に使用する無線チャネルの数が4の時の一例、図15(e)が低遅延通信に使用する無線チャネルの数が3の場合の一例、図15(f)が低遅延通信に使用する無線チャネルの数が2の場合の一例である。それぞれのテーブルで示される無線チャネルの周波数は連続である必要はない。また、無線チャネルの周波数は昇順/降順のいずれかでソートされていても良く、また、順不同でもよい。この低遅延通信を開始する応答に、低遅延通信で使用する無線チャネルの使用順を示す情報を含む情報エレメントを含めてもよい。この無線チャネルの使用順を示す情報の形式は様々なものが利用可能である。一例として無線チャネルの使用順を示すテーブルを使用する事ができる。このテーブルの例を図15(a)に示す。このテーブルは低遅延通信に使用する無線チャネル数が2、3、4、6、8の場合に対応する例で、テーブルのインデックスが0と1が低遅延通信に使用する無線チャネル数が8の場合、テーブルのインデックスが2と3が低遅延通信に使用する無線チャネル数が6の場合、テーブルのインデックスが4と5が低遅延通信に使用する無線チャネル数が4の場合、テーブルのインデックスが6と7が低遅延通信に使用する無線チャネル数が3の場合、テーブルのインデックス8が低遅延通信に使用する無線チャネルの数が2の場合に相当する。これらのテーブルは低遅延通信に使用する無線チャネルを一度ずつ使用するよう順番が構成されてよい。この順番は昇順/降順である必要はない。一例として、図15(a)では、インデックス0、2、4、6、8が低遅延通信に使用する無線チャネルを昇順(ラウンドロビン)で使用する場合、インデックス1、3、5、7が低遅延通信に使用する無線チャネルをスタガー状(staggered)の順番で使用する場合を示している。本実施の形態ではテーブルにより低遅延通信に使用する無線チャネルの順番を示すが、低遅延通信に使用する無線チャネルを示す方法はこれに限らない。例えば、数式を利用し、一例としてM系列のような疑似乱数列を使用して無線チャネルの使用順を示すようにしてもよい。この時、疑似乱数列の周期、初期値を示す情報により、疑似乱数列を示すようにしてもよい。図14を用いて説明される本実施の形態では、低遅延通信に使用する無線チャネル数が本実施の形態では低遅延通信に使用する無線チャネルの数が4であるので、図15(a)に示すテーブルのインデックスとして5を使用する例を示す。低遅延通信に使用する無線チャネル数が1の場合、基地局装置1-1は、低遅延通信に使用する無線チャネルを示す情報エレメントを、低遅延通信を開始する応答に含み、低遅延通信に使用する無線チャネルの使用順を示す情報エレメントを含めなくともよい。この低遅延通信開始のための通信に先立ち、例えば初期接続時に端末装置2-1が送信する能力情報等に端末装置2-1が低遅延通信に対応していることを示す情報エレメントを含めてもよい。基地局装置1-1は先立って受信している端末装置2-1から送信された能力情報に含まれる低遅延通信に対応している事を示す情報に基づいて、低遅延通信を開始する応答を送信してもよい。基地局装置1-1は低遅延通信用の無線チャネルの設定を変更した場合、端末装置2-1に対して低遅延通信を開始する応答に変更した低遅延通信用の無線チャネルを示す情報エレメントを含めてよい。
基地局装置1-1は、低遅延通信用の無線チャネルを変更する場合、かつすでに低遅延通信を行っている端末装置がある場合、低遅延通信用の無線チャネルを変更することをすでに低遅延通信を行っている端末に通知したのちに低遅延通信用の無線チャネルを変更してよい。基地局装置1-1は、低遅延通信用の無線チャネルを変更する場合、変更に先立ってビーコンのようなブロードキャスト通信を用いて、または個別に端末装置に対するユニキャスト通信を用いて低遅延通信用の無線チャネルを変更することを示す情報エレメントを含んだ情報を送信してもよい。また、基地局装置1-1は、低遅延通信用の無線チャネルを変更した後、ビーコンのようなブロードキャスト通信を用いて、または個別に端末装置に対するユニキャスト通信を用いて変更後の低遅延通信用の無線チャネルを示す情報エレメントを含んだ情報を送信してもよい。また、基地局装置1-1は、低遅延通信用に割り当てる無線チャネルを変更する最低期間を設定し、この最低期間を示す情報を含めてビーコンを送信してもよい。
基地局装置1-1は、端末装置2-1に低遅延通信を開始する応答を送信した後、低遅延通信を行う1番目の無線チャネルを使用して端末装置2-1に低遅延通信の送信を行わせるための送信を行う。端末装置に低遅延を行わせるための送信は様々な方法が使用できる。例として、トリガーフレームの送信、CTSフレームの送信、CF-POLLの送信などが使用できるが、本実施の形態ではトリガーフレームを使用する例を主に記載する。基地局装置1-1は、端末装置2-1に対してトリガーフレームを周期的に送信する。このトリガーフレームの送信に先立ち、基地局装置1-1は、低遅延通信を行う無線チャネルでキャリアセンスを実施してよい。このキャリアセンスの結果、低遅延通信を行う無線チャネルがビジーと判断されたときは、基地局装置1-1はトリガーフレームの送信をやめる、もしくは延期してもよい。このキャリアセンスのために使用する閾値は、低遅延通信を行わない無線チャネルでキャリアセンスを行うときに使用する閾値と同じでもよく、また変えてもよい。キャリアセンスの閾値を小さくするとよりクリーンな状態の無線チャネルで端末装置が低遅延通信を行うことになり、またキャリアセンスの閾値を大きくすると、隣接BSSなどから弱い干渉信号が届いているようなある程度の雑音環境においても低遅延通信を開始することができる。トリガーフレームの送信周期は端末装置2-1から送信されたレイテンシの情報や、周期の情報に基づいて設定してよい。例えば、レイテンシが指定されたときは指定されたレイテンシの所定倍の周期、例えばレイテンシとして1ミリ秒を指定されたときは2倍の2ミリ秒ごとにトリガーフレームの送信を行うようにしてもよい。また、この倍数は固定である必要はなく、他の要素、例えば同時に低遅延通信を行う端末装置の数や、端末装置から指示された低遅延通信の頻度などの別の情報に基づいて変えてよい。また、端末装置2-1から低遅延通信の周期の情報を示されたときは、この周期の情報に基づいてトリガーフレームの送信頻度を設定してよい。一例として、低遅延通信の頻度の所定倍、10ミリ秒が設定されたときは1/2倍の5ミリ秒毎に設定してもよい。また、トリガーフレームの送信頻度は1つの間隔でなくてもよい。たとえば端末装置2-1からレイテンシ1ミリ秒、周期10ミリ秒を指定された場合、トリガーフレームの送信間隔を1ミリ秒、9ミリ秒、1ミリ秒、9ミリ秒・・・(以下繰り返し)のように設定し、周期内に複数の送信機会を設けられるように設定してもよい。
基地局装置1-1は、送信するトリガーフレームに低遅延通信のためのトリガーフレームであることを示す情報を含めてよい。また、基地局装置1-1は、送信するトリガーフレームに端末装置2-1あてのトリガーフレームであることを示す情報を含めよい。また、基地局装置1-1は、端末装置2-1が低遅延通信で使用する無線リソースを指定する情報をトリガーフレームに含めてもよい。この時、使用するリソースとして無線チャネル全体を使用する、または無線チャネルの一部のリソースユニットを指定する情報を含めてよい。また、基地局装置1-1は、送信するトリガーフレームに低遅延通信のために使用する時間を示す情報を含めてもよい。
基地局装置1-1は、低遅延通信に使用する1番目の無線チャネルでトリガーフレームを送信後、次にトリガーフレームを送信するタイミングで、低遅延通信に使用する2番目の無線チャネルでキャリアセンス実施し、無線チャネルがビジーでなければ2番目の無線チャネルで端末装置2-1に対してトリガーフレームを送信する。このキャリアセンスの結果、低遅延通信を行う無線チャネルがビジーと判断されたときは、基地局装置1-1はトリガーフレームの送信をやめる、もしくは延期してもよい。以降、基地局装置1-1は、低遅延通信に使用する無線チャネルと、使用する無線チャネルの順番に従ってトリガーフレームを送信し、端末装置2-1に対して低遅延通信の送信を行わせる。
端末装置2-1は、基地局装置1-1から低遅延通信を開始する応答を受信した後、基地局装置1-1から低遅延通信で使用する無線チャネルでトリガーフレームが送信されるのを待つ。端末装置2-1はトリガーフレームを受信したのち、そのトリガーフレームが端末装置2-1あての情報を含むかどうか調べ、端末装置2-1あての情報を含んでいた場合に低遅延通信用のデータを送信する。また、端末装置2-1は受信したトリガーフレームが端末装置2-1宛ての情報を含み、更に受信したトリガーフレームに低遅延通信のためのトリガーフレームであることを示す情報が含まれている場合に低遅延通信用のデータを送信してもよい。端末装置2-1は、受信したトリガーフレームに低遅延通信で使用する無線リソースを指定する情報が含まれていた場合、指定された無線リソース、たとえば指定されたリソースユニットを使用して低遅延通信用のデータを送信してよい。端末装置2-1は、低遅延通信用データとして特定のアクセスカテゴリのデータ、一例としてVOやLLのアクセスカテゴリのデータを送信してよい。
端末装置2-1は、基地局装置1-1から端末装置2-1宛ての低遅延通信用のトリガーフレームを受信した後、所定の時間経過した後低遅延通信用のデータを送信する。本実施の形態では低遅延通信以外の通信で使用するSIFS(Short InterFrame Space)後に送信するものとするが、これに限定されない。一例として低遅延通信時には、端末装置2-1はトリガーフレーム受信後に遅延を減らすためにSIFSより短い時間で送信するよう設定されてもよい。
端末装置2-1は、基地局装置1-1から端末装置2-1宛ての低遅延通信用トリガーフレームを受信した場合で、送信すべき低遅延通信用データが無かった場合、データを送信しなくてもよい。もしくは端末装置2-1は、基地局装置1-1から端末装置2-1宛ての低遅延通信用トリガーフレームを受信した場合で、送信すべき低遅延通信用データが無かった場合、確認パケット(ACKパケット)のみ送信しても良く、またはダミーデータを含むパケットを送信してもよい。端末装置2-1は、受信した基地局装置1-1から端末装置2-1宛ての低遅延通信用トリガーフレームに低地運通信のために使用する時間を示す情報が含まれていた場合、送信時間が示された時間と同等の時間とするためのダミーデータを含めて基地局装置1-1に対してデータを送信してもよい。端末装置2-1は、基地局装置1-1から端末装置2-1宛ての低遅延通信用トリガーフレームを受信したあと、低遅延通信に使用する無線チャネルと、使用する無線チャネルの順番に従って次に低遅延通信用トリガーフレームを受信する無線チャネルを設定する。
基地局装置1-1は、ある無線チャネルで低地運通信用トリガーフレームを送信するに先立って行うキャリアセンス時に、ビジー期間がある期間より長いと判断した場合に、現在の無線チャネルで低遅延通信用トリガーフレームを送信する事をスキップし、次の無線チャネルで低遅延通信用トリガーフレームを送信してよい。この時、低遅延通信用トリガーフレームをスキップするために使用する期間を、低遅延通信を行う頻度に基づいて決めてよい。この低遅延送信の頻度に基づいて、低遅延通信用トリガーフレームの送信をスキップする際の動作の一例を、図14を使用して説明する。図14(a)にスキップしない場合の一例を示す。低遅延通信の頻度により低遅延通信用のトリガーフレームを送信する時刻の基準t0、t1、t2、t3、t4、t5、・・が決まる。この基準となる時刻は様々なものが利用できる。一例として、基地局装置1-1が管理する時刻を基準とすることが出来る。基地局装置1-1は1マイクロ秒毎に増加するカウンタを備え、低遅延通信用トリガーフレームの送信頻度が1ミリ秒であった場合、カウンタの1ミリ秒未満の桁の値が全て0である時刻を、トリガーフレームを送信する時刻の基準t0、t1、t2、t3、t4、t5、・・としてよい。また、低遅延通信用トリガーフレームの送信頻度が5ミリ秒であった場合、カウンタの1ミリ秒未満の桁の値が全て0であり、カウンタのミリ秒以上の桁の5の剰余が0である時刻を、トリガーフレームを送信する時刻の基準t0、t1、t2、t3、t4、t5、・・としてよい。また、カウンタの増加タイミングは1マイクロ秒毎に限らず、1マイクロ秒より大きい値、または小さい値としてもよい。また、カウンタのミリ秒の4桁、1000ミリ秒を1単位とし、カウンタの値が0000ミリ秒のときをt0として以降のt1、t2・・の時刻を定めてよい。この時に使用する桁数は4桁(1000ミリ秒)に限定されず、1時間分(3600000ミリ秒)を1単位としてもよく、また1日分(86400000ミリ秒)を1単位としてもよい。基地局装置1-1のカウンタの内容はビーコンにより周知されてよく、ビーコンを受信した端末装置2-1はビーコンを受信した時間と、ビーコンに含まれる基地局装置1-1のカウンタの値により端末装置2-1か備えるカウンタを基地局装置1-1に同期させることが出来る。これにより、端末装置2-1はカウンタを利用して基地局装置1-1がトリガーフレームを送信する基準t0、t1、t2、t3、t4、t5、・・を知ることが可能となる。
図14(a)では、低遅延通信に使用する無線チャネルが無線チャネル1、無線チャネル3、無線チャネル2、無線チャネル4、以下繰り返しの順で低遅延通信用トリガーフレームを送信する場合の一例を示す。基地局装置1-1は、時刻t0で無線チャネル1のキャリアセンスを実行する。この時、基地局装置1-1は無線媒体がビジー(1401)であるためすぐにはトリガーフレームを送信せず、無線媒体がビジーでなくなった後に無線チャネル1で低遅延通信用トリガーフレーム1402を端末装置2-1に対して送信する。低遅延通信用トリガーフレーム1402を受信した端末装置2-1は、基地局装置1-1に対して無線チャネル1で低遅延通信データ1403を送信する。低遅延通信データ1403を受信した基地局装置1-1は、端末装置2-1に対して確認パケット(ACKパケット)1404を送信する。基地局装置1-1は、時刻t1で無線チャネル3のキャリアセンスを実行する。この時基地局装置1-1は無線媒体がビジー(1405)であるためすぐにはトリガーフレームを送信せず、無線媒体がビジーでなくなった後に低遅延通信用トリガーフレーム1406を端末装置2-1に対して無線チャネル3で送信する。低遅延用トリガーフレーム1406を受信した端末装置2-1は、無線チャネル3で低遅延通信用データ1407を基地局装置1-1に対して送信する。低遅延通信用データ1407を受信した基地局装置1-1は、端末装置2-2に対して確認パケット1408を送信する。以下、基地局装置1-1はt2において無線チャネル2、t3において無線チャネル4、t4において無線チャネル1(以下繰り返し)でキャリアセンスを実行し、無線媒体のビジー(1409、1413、1417)の後低遅延通信用トリガーフレーム(1410、1414、1418)を端末装置2-1に送信する。低遅延通信用トリガーフレーム(1410、1414、1418)を受信した端末装置2-1は、低遅延通信用データ(1411、1415、1419)を基地局装置1-1に対して送信する。低遅延通信用データ(1411、1415、1419)を受信した基地局装置1-1は、確認パケット(1412、1416、1420)を端末装置2-1に対して送信する。以上のように動作する事で、低遅延通信の頻度に基づいた低遅延通信用トリガーフレームと低遅延通信用データの送信が可能となる。
次にキャリアセンス時に無線チャネルのビジー期間が長かったときの動作の一例を、図14(b)を使用して説明する。ここでは時刻t2から時刻t3の間で無線チャネル2のビジー期間1421が長かったときの動作を説明する。時刻t2から時刻t3の間以外は図14(a)と同様である。基地局装置1-1は時刻t2で無線チャネル2のキャリアセンスを行う。この時、時刻t2からビジー期間1421が終了するまでの期間が長い場合、後続の低遅延通信用トリガーフレーム1422、低遅延通信データ1423、確認パケット1424の一連の送信に要する期間1425を加えると時刻t3を超過する、もしくは時刻t3に近づき、端末装置2-1が低遅延通信用トリガーフレーム1414を受信するために無線チャネルを切り替える時間が足りなくなる可能性が生じる。そのため、時刻t2から一定期間無線チャネル2がビジーであった場合、後続の低遅延通信用トリガーフレーム1422の送信を取りやめ、以降の低遅延通信データ1423、確認パケット1424が発生しないようにしてもよい。この低遅延通信用トリガーフレームの送信を取りやめるための時刻t2からのビジー期間は様々な基準が使用でき、一例として低遅延通信の頻度から求められる期間(t2からt3までの1/2の時間、または2/3の時間など)や、低遅延通信の頻度から一定の期間を引いた値(t2からt3までの時間から、低遅延通信用トリガーフレーム1422、低遅延通信データ1423、確認パケット1424の一連の送信に要する期間1425を引いた値、または更に端末装置2-1が無線チャネルの切り替えに要する時間などの他の処理に要する時間を引いた値)を使用する事ができる。基地局装置1-1は、無線チャネル2の低遅延通信用トリガーフレーム1422の送信を取りやめた後、無線チャネルの使用順のテーブルに従って、t3以降は無線チャネル4でキャリアセンスを行い、以降の低遅延通信用トリガーフレーム1414の送信を行う。端末装置2-1は、無線チャネル2においてt2からt3、もしくはt3の所定時間(一連の通信に要する時間1425、または更に端末装置2-1が無線チャネルの切り替えに要する時間などの他の処理に要する時間に相当する時間)の前まで低遅延通信用トリガーフレーム1422の受信を待ち、低遅延通信用トリガーフレーム1422が受信できなかった場合は時刻t3に間に合うタイミングで低遅延通信用トリガーフレーム1414を待ち受けるために、無線チャネルの使用順テーブルに従って無線チャネル2の次のチャネルである無線チャネル4に切り替える。端末装置2-1は、低遅延通信用トリガーフレーム1422の受信ができなかった場合、次の低遅延通信用データ1415に1423で送信する予定だった低遅延通信用データを含めて送信してもよい。以上のように動作する事で、基地局装置1-1が低遅延通信用トリガーフレームの送信をスキップしても、基地局装置1-1、端末装置2-1共に低遅延通信を続けることが可能となる。
基地局装置1-1は、端末装置に対して低遅延通信を開始する応答を送信した後、ビーコンで送信する情報の中に、低遅延送信用の無線チャネルにおいて、端末装置が低遅延通信を開始している事を示す情報を含めて送信してもよい。この情報に低遅延通信を行っている端末の数、低遅延通信の頻度、低遅延通信のレイテンシなどの情報を含めてもよい。
端末装置2-1は、低遅延通信を停止する場合に基地局装置1-1に対して低遅延通信を停止する要求を送信する。この要求は低遅延通信を行う無線チャネル、またはプライマリチャネルを使用して送信してよい。基地局装置1-1は、端末装置2-1から低遅延通信を停止する要求を受信した場合、端末装置2-1に対して低遅延通信を停止する応答を送信する。その後、基地局装置1-1は低遅延通信用のトリガーフレームの送信を停止してよい。基地局装置1-1は、端末装置2-1以外に低遅延通信を行っている端末装置がある場合、低遅延通信用のトリガーフレームの送信を停止しなくてもよい。
以上、ビーコンを利用して基地局装置1-1、端末装置2-1のカウンタを同期させ、カウンタに基づいた時刻を利用して低遅延通信を行う例を説明したが、基地局装置1-1、端末装置2-1の実装によってはビーコンとして送信するデータを生成時のカウンタの値と、ビーコンが実際に送信される時刻の誤差が大きく、基地局装置1-1、端末装置2-1のカウンタの同期精度が十分でない場合がある。このような場合を防ぐために、基地局装置1-1、端末装置2-1の間でカウンタの管理精度に関する情報を予め交換し、十分なカウンタの同期精度が見込める場合に低遅延通信を行うものとしてもよい。一例として、TSN(Time Sensitive Network)対応の基地局装置1-1、端末装置2-1の時に低遅延通信を行うようにしてもよい。
以上説明した内容の一例を、図12を利用して説明する。最初に基地局装置1-1は低遅延通信用の無線チャネルの情報を含んだビーコン1201を通信に使用する複数の無線チャネル、無線チャネル1から無線チャネル4に送信する。このビーコンを受信した端末装置2-1は、基地局装置1-1に対してプライマリチャネルである無線チャネル1を使
用して低遅延通信を開始する要求1202を送信する。低遅延通信を開始する要求1202を受信した基地局装置1-1は、低遅延通信を開始する応答1203を端末装置2-1に対してプライマリチャネルを利用して送信する。その後、基地局装置1-1は低遅延通信を開始する情報を含んだビーコン1204を使用する通信に使用する複数の無線チャネル、無線チャネル1から無線チャネル4に送信する。基地局装置1-1は、端末装置2-1に低遅延送信用のトリガーフレーム1205、1207、1209を、端末装置2-1に対して周期的に送信する。端末装置2-1は、トリガーフレーム1205、1207の受信後、低遅延通信用のデータ1206、1208を送信する。トリガーフレーム1209を受信した後、送信すべき低遅延通信用のデータが無かったときはダミーデータを含む送信1210を行ってもよい。端末装置2-1が低遅延送信を停止するために、基地局装置1-1に対して低遅延通信を停止する要求1211を送信する。低遅延通信を停止する要求1211を受信した基地局装置1-1は、端末装置2-1に対して低遅延通信を停止する応答1212を送信し、その後低遅延通信を開始するためのトリガーフレームの送信を停止する。図中の実線の矢印はDCF方式による通信フロー、点線の矢印は低遅延通信用のトリガーフレームと低遅延通信用の送信データのフローを示す。
用して低遅延通信を開始する要求1202を送信する。低遅延通信を開始する要求1202を受信した基地局装置1-1は、低遅延通信を開始する応答1203を端末装置2-1に対してプライマリチャネルを利用して送信する。その後、基地局装置1-1は低遅延通信を開始する情報を含んだビーコン1204を使用する通信に使用する複数の無線チャネル、無線チャネル1から無線チャネル4に送信する。基地局装置1-1は、端末装置2-1に低遅延送信用のトリガーフレーム1205、1207、1209を、端末装置2-1に対して周期的に送信する。端末装置2-1は、トリガーフレーム1205、1207の受信後、低遅延通信用のデータ1206、1208を送信する。トリガーフレーム1209を受信した後、送信すべき低遅延通信用のデータが無かったときはダミーデータを含む送信1210を行ってもよい。端末装置2-1が低遅延送信を停止するために、基地局装置1-1に対して低遅延通信を停止する要求1211を送信する。低遅延通信を停止する要求1211を受信した基地局装置1-1は、端末装置2-1に対して低遅延通信を停止する応答1212を送信し、その後低遅延通信を開始するためのトリガーフレームの送信を停止する。図中の実線の矢印はDCF方式による通信フロー、点線の矢印は低遅延通信用のトリガーフレームと低遅延通信用の送信データのフローを示す。
以上のように動作する事で、低遅延通信に使用する無線チャネルを順次変更し、低遅延通信に使用する無線チャネルの利用率を平均化する事が可能となる。これにより、特定の無線チャネルが低遅延通信のために占有されることを防ぎ、各無線チャネルにおけるレイテンシの低下を緩和する事が可能となる。
次に1つの低遅延通信用トリガーフレームで複数の端末装置がマルチユーザ送信する低遅延通信の変形例を、図13を使用して説明する。この例では、図15(a)のインデックス4に該当する無線チャネルの使用順を使用する。最初に基地局装置1-1は低遅延通信用の無線チャネルの情報を含んだビーコン1301を通信に使用する複数の無線チャネル、無線チャネル1から無線チャネル4に送信する。このビーコンを受信した端末装置2-1は、基地局装置1-1に対してプライマリチャネルである無線チャネル1を使用して端末装置2-1から基地局装置1-1方向への低遅延通信を開始する要求1302を送信する。低遅延通信を開始する要求1302を受信した基地局装置1-1は、低遅延通信を開始する応答1303を端末装置2-1に対してプライマリチャネルを利用して送信する。続いて端末装置2-2は、基地局装置1-1に対して端末装置2-2から基地局装置1-1方向への低遅延通信を開始する要求1304を送信する。低遅延通信を開始する要求1304を受信した基地局装置1-1は、低遅延通信を開始する応答1305を端末装置2-1に対してプライマリチャネルを利用して送信する。その後、基地局装置1-1は低遅延通信を開始する情報を含んだビーコン1306を使用する通信に使用する複数の無線チャネル、無線チャネル1から無線チャネル4に送信する。ぞの後、基地局装置1-1は端末装置2-1と端末装置2-2に対し、低遅延通信用トリガーフレーム1307を無線チャネル1で送信する。低遅延通信用トリガーフレーム1307を受信した端末装置2-1は低遅延通信データ1308-1を送信し、低遅延通信用トリガーフレーム1307を受信した端末装置2-2は低遅延通信データ1308-2を送信する。この時、低遅延通信用データ1308-1と1308-2をマルチユーザ多重して送信する。多重方法は空間多重でも周波数多重でもよい。以降、端末装置2-1と端末装置2-2は、低遅延通信用トリガーフレームによりマルチユーザ多重送信をしてよい。低遅延通信データ1308-1,2を受信した基地局装置1-1は、端末装置2-1と端末装置2-2に対し確認パケット1309を送信する。この確認パケット1309は1つのブロックACKとして低遅延通信用データ1308-1と1308-2に対する確認パケットの形で送信してもよい。次に基地局装置1-1は、無線チャネルの使用順のテーブルに従い、無線チャネル2で低遅延通信用トリガーフレーム1310を送信する。低遅延通信用トリガーフレーム1310を受信した端末装置2-1、2-2は、低遅延通信用データ1311-1、1311-2を送信する。低遅延通信用データ1311-1、1311-2を受信した基地局装置1-1は、端末装置2-1、2-2に対して確認パケット1312を送信する。続いて、基地局装置1-1は無線チャネルの使用順のテーブルに従い、無線チャネル3で低遅延通信用トリガーフレーム1313を送信する。低遅延通信用トリガーフレーム1313を受信した端末装置2-1は、低遅延通信用のデータが用意されておらず、ダミーパケット1314-1を送信する。低遅延通信用トリガーフレーム1313を受信した端末装置2-2は低遅延通信用データ1314-2を送信する。ダミーパケット1314-1、低遅延通信用データ1314-2を受信した基地局装置1-1は、端末装置2-1,2-2に対して確認パケット1315を送信する。続いて、端末装置2-1は、基地局装置1-1に対して低遅延通信の停止要求1316を送信する。低遅延通信の停止要求1316を受信した基地局装置1-1は、端末装置2-1に対して低遅延通信の停止確認1317を送信し、以降は端末装置2-1に対する低遅延通信用トリガーフレームの送信を停止する。続いて、基地局装置1-1は、無線チャネルの使用順を示すテーブルに従い、無線チャネル4で端末装置2-2にのみ低遅延通信用トリガーフレーム1318を送信する。低遅延通信用トリガーフレーム1318を受信した端末装置2-2は、基地局装置1-1に対して低遅延通信用データ1319を送信する。低遅延通信用データ1319を受信した基地局装置1-1は、端末装置2-2に対し確認パケット1320を送信する。ここに示したフロー以外は、先述の端末装置が1つの場合と同様の仕組みを用いて良く、例えばビーコンにカウンタの同期を行い、トリガーフレームの送信時刻を管理してもよい。図中の実線の矢印はDCF方式による通信フロー、点線の矢印は低遅延通信用のトリガーフレームと低遅延通信用の送信データのフローを示す。
図14は端末装置2-1の低遅延通信の頻度と、端末装置2-2の低遅延通信の頻度が同じときの一例を示したが、端末装置2-1の低遅延通信の頻度と、端末装置2-2の低遅延通信の頻度を変えてもよい。一例として、端末装置2-1の低遅延通信の頻度が端末装置2-2の低遅延通信の頻度の半分である場合、言い換えると、端末装置2-1の低遅延通信の送信周期が端末装置2-2の低遅延通信の送信周期の倍である場合、基地局装置1-1は、端末装置2-1と端末装置2-2に対して低遅延通信用トリガーフレームを送信したあと、基地局装置1-1は端末装置2-1宛てには低遅延通信用トリガーフレームを送信せず、端末装置2-2宛てに低遅延通信用トリガーフレームを送信してよい。また、端末装置2-1の低遅延通信の送信周期が端末装置2-2の低遅延通信の送信周期の3倍であった場合は、基地局装置1-1は低遅延通信用トリガーフレームを3回送信する中の1回について端末装置2-1と端末装置2-2宛てに低遅延通信用トリガーフレームを送信し、残り2回について端末装置2-2宛てに低遅延通信用トリガーフレームを送信してよい。
以上のように動作する事で、複数の端末装置で低遅延通信を行う場合においても低遅延通信に使用する無線チャネルを順次変更し、低遅延通信に使用する無線チャネルの利用率を平均化する事が可能となる。これにより、特定の無線チャネルが低遅延通信のために占有されることを防ぎ、各無線チャネルにおけるレイテンシの低下を緩和する事が可能となる。
[2.全実施形態共通]
[2.全実施形態共通]
本発明に係る通信装置は、国や地域からの使用許可を必要としない、いわゆるアンライセンスバンド(unlicensed band)と呼ばれる周波数バンド(周波数スペクトラム)において通信を行うことができるが、使用可能な周波数バンドはこれに限定されない。本発明に係る通信装置は、例えば、国や地域から特定サービスへの使用許可が与えられているにも関わらず、周波数間の混信を防ぐ等の目的により、実際には使われていないホワイトバンドと呼ばれる周波数バンド(例えば、テレビ放送用として割り当てられたものの、地域によっては使われていない周波数バンド)や、複数の事業者で共用することが見込まれる
共用スペクトラム(共用周波数バンド)においても、その効果を発揮することが可能である。
共用スペクトラム(共用周波数バンド)においても、その効果を発揮することが可能である。
本発明に係る無線通信装置で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における通信装置の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。通信装置の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。各機能ブロックを集積回路化した場合に、それらを制御する集積回路制御部が付加される。
また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本願発明の無線通信装置は、移動局装置への適用に限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などに適用出来ることは言うまでもない。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
本発明は、通信装置、および通信方法に用いて好適である。
1-1、1-2アクセスポイント装置
2-1~2-6 ステーション装置
3-1、3-2 無線通信システム
10001-1 上位層部
10002-1 自律分散制御部
10002a-1 CCA部
10002b-1 バックオフ部
10002c-1 送信判断部
10003-1 送信部
10003a-1 物理層フレーム生成部
10003b-1 無線送信部
10004-1 受信部
10004a-1 無線受信部
10004b-1 信号復調部
10005-1 アンテナ部
2-1~2-6 ステーション装置
3-1、3-2 無線通信システム
10001-1 上位層部
10002-1 自律分散制御部
10002a-1 CCA部
10002b-1 バックオフ部
10002c-1 送信判断部
10003-1 送信部
10003a-1 物理層フレーム生成部
10003b-1 無線送信部
10004-1 受信部
10004a-1 無線受信部
10004b-1 信号復調部
10005-1 アンテナ部
Claims (9)
- 複数の無線リンクを使用するアクセスポイント装置であって、
前記複数の無線リンクのそれぞれで通信を行う無線通信部と、
前記複数の無線リンクのそれぞれに対しデータの送受信を制御する無線制御部を備え、
前記無線制御部は、前記アクセスポイント装置と通信する第1のステーション装置の間でマルチリンク通信の設定を行い、
前記無線制御部は、前記第1のステーション装置と第1の低遅延通信の設定を行い、
前記第1の低遅延通信の設定に、前記第1のステーション装置から前記アクセスポイント方向の通信の設定が含まれ、更に第1の無線リンクと第2の無線リンクの使用順を示す情報が含まれ、
前記第1の無線リンクでキャリアセンスを行った後に前記第1のステーション装置に対して第1のトリガーフレームを送信し、
前記第1のトリガーフレームを送信した後、前記第1の無線リンクと第2の無線リンクの使用順を示す情報に基づいた第2の無線リンクでキャリアセンスを行った後に前記第1のステーション装置に対して第2のトリガーフレームを送信する
事を特徴とするアクセスポイント装置。 - 請求項1に記載のアクセスポイント装置であって、
前記無線制御部は、前記ステーション装置以外の第2のステーション装置とマルチリンク通信の設定を行い、
前記無線制御部は、前記第2のステーション装置と第2の低遅延通信の設定を行い、
前記第2の低遅延通信の設定に前記第2のステーション装置から前記アクセスポイント装置方向の通信の設定が含まれている場合、
前記第1の無線リンクでキャリアセンスを行った後に前記第1のステーション装置と第2のステーション装置に対して第1のトリガーフレームを送信し、
前記第1のトリガーフレームを送信した後、前記第1の無線リンクでキャリアセンスを行った後に前記第1のステーション装置と第2のステーション装置に対して第2のトリガーフレームを送信する
事を特徴とする請求項1に記載のアクセスポイント装置。 - 請求項2に記載のアクセスポイント装置であって、
前記第1の低遅延通信の設定に第1の送信周期に関する情報が含まれ、第2の低遅延通信の設定に第2の送信周期に関する情報が含まれ、
前記第1の送信周期に関する情報が示す第1の送信周期が前記第2の送信周期に関する情報が示す第2の送信周期より短い場合、
前記第1の無線リンクで前記第1のステーション装置と前記第2のステーション装置に対して前記第1のトリガーフレームを送信しあと、前記第2の無線リンクでキャリアセンスを行った後に第1のステーション装置に対して第2のトリガーフレームを送信する事を特徴とするアクセスポイント装置。 - 前記第1の低遅延通信の設定に、低遅延通信に使用する複数の無線リンクの情報を含む事を特徴とする請求項1に記載のアクセスポイント装置。
- 請求項1に記載のアクセスポイントであって、
前記低遅延通信の設定に送信頻度の情報を含み、
前記第1の無線リンクでキャリアセンスを行った際に、前記第1の無線リンクがビジーと判断される期間が前記送信頻度の情報に基づいた所定期間より長かった場合、
前記第1の無線リンクでトリガーフレームを送信せず、前記第2の無線リンクでキャリアセンスを行った後に前記第1のステーション装置と第2のステーション装置に対して第
2のトリガーフレームを送信する
事を特徴とするアクセスポイント装置。 - 複数の無線リンクを使用するステーション装置装置であって、
前記複数の無線リンクのそれぞれで通信を行う無線通信部と、
前記複数の無線リンクのそれぞれに対しデータの送受信を制御する無線制御部を備え、
前記無線制御部は、アクセスポイント装置との間でマルチリンク通信の設定を行い、
前記無線制御部は、前記アクセスポイント装置との間で低遅延通信の設定を行い、
前記低遅延通信の設定に第1の無線リンクと第2の無線リンクを示す情報と、前記第1の無線リンクと前記第2の無線リンクの順を示す情報が含まれた場合、
前記第1の無線リンクでトリガーフレームを受信した後に前記第1の無線リンクを使用して低遅延通信データを送信し、
前記低遅延通信データを送信後に前記第2の無線リンクでトリガーフレームを受信した後に前記第2の無線リンクを使用して低遅延通信データを送信する
ことを特徴とするステーション装置。 - 請求項6に記載のステーション装置であって、
前記低遅延通信の設定は低遅延通信の頻度の情報を含み、
前記第1の無線リンクで前記低遅延通信の頻度に基づく所定の期間トリガーフレームを受信しなかった場合に前記第2の無線リンクでトリガーフレームを受信し、その後前記第2の無線リンクを使用して低遅延通信データを送信する
事を特徴とするステーション装置。 - 複数の無線リンクを使用するアクセスポイント装置で使用する通信方法であって、
前記アクセスポイント装置と通信する第1のステーション装置の間でマルチリンク通信の設定を行い、
前記第1のステーション装置と低遅延通信の設定を行い、
前記低遅延通信の設定に、前記第1のステーション装置から前記アクセスポイント方向の通信の設定が含まれ、更に第1の無線リンクと第2の無線リンクの使用順を示す情報が含まれ、
前記第1の無線リンクでキャリアセンスを行った後に前記第1のステーション装置に対して第1のトリガーフレームを送信し、
前記第1のトリガーフレームを送信した後、前記第1の無線リンクと第2の無線リンクの使用順を示す情報に基づいた第2の無線リンクでキャリアセンスを行った後に前記第1のステーション装置に対して第2のトリガーフレームを送信する
事を特徴とする通信方法。 - 複数の無線リンクを使用するステーション装置で使用する通信方法であって、
アクセスポイント装置との間でマルチリンク通信の設定を行い、
前記アクセスポイント装置との間で低遅延通信の設定を行い、
前記低遅延通信の設定に第1の無線リンクと第2の無線リンクを示す情報と、前記第1の無線リンクと前記第2の無線リンクの順を示す情報が含まれた場合、
前記第1の無線リンクでトリガーフレームを受信した後に前記第1の無線リンクを使用して低遅延通信データを送信し、
前記低遅延通信データを送信後に前記第2の無線リンクでトリガーフレームを受信した後に前記第2の無線リンクを使用して低遅延通信データを送信する
ことを特徴とする通信方法。
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